c:餌縷々『アクア=エリアス』† 63Ria

このエントリーをはてなブックマークに追加
546派留化様素人童貞物語
派留蚊が六歳の頃、その幼馴染みの女の子と別れる時、また会おうね、と二人で約束し
たことがあった。彼はそれをまだ忘れていなかった。
だから、彼女以外との女と寝ることに、派留蚊は後ろめたさを感じていた。そんな親友
を見て、きるひー将軍は言ったものだった。
「……おまえは純情だな」
「…………」
「女は知らないより、知っておいた方がいいと思うぞ。えるるって娘、探してるんだっけ?」
「そうだけど」
「結婚したいんだろ?」
「うん……」
「だったら、女の扱いぐらい覚えておいた方がいい。もしその娘と結婚したらどうするん
だ。無様なことにならないためにも……な」
きるひー将軍の最後の言葉は今でも焼きついていて、派留蚊はそれを思い出したのだ。そし
て、派留蚊は童貞を捨てることを決意したのだ。
派留蚊は胸の鼓動を早めながら、夜のカナイの町を歩いた。しかし、どの宿に
入ればいいのが、まったく分からなかった。