c:餌縷々『アクア=エリアス』† 63Ria

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322ゲーム内テキストより
 「やぁん、離して!!」
 顔が水面の上に出ているので、息はできるし、声は出せる。しかし、それ以上のことが一切できなかった。力を出せない。集中力を乱すように、その生き物は動いたからだ。
 「あん、なんてとこ、さわってんの!?」
 突然、絵縷々は真っ赤になって叫んだ。ローブの隙間から、触手たちが入り込んできたのだ。そのぬめりを持った軟体の触手は、絵縷々の身体を這いずり回った。気持ち悪い感覚が広がる。
 冷たい水が触手の気持ち悪さを増していた。
 「やめて! 離れて!!」
 力を入れようとするが、ぬめりが肌を滑っていく悪寒に集中が乱される。絵縷々の怪力は、ある程度集中できる状況でしか発揮できない。触手の悪寒は、絵縷々の集中を乱すのに十分な威力を持っていた。
 悪寒に震える身体に異変が起きていた。絵縷々がその異変に気づいたのは、自分の身体が芯から熱を発したのを感じてからだった。
 苦しいはずなのに、気持ち悪いはずなのに、嫌なはずなのに。身体は簡単に別の反応を示し始めている。絵縷々は、自分の体がとけ、そのとけた身体が流れ出ていくのを感じていた。
 「そこ! さわっちゃだめ!」
 思わず叫んだ。敏感な身体の底を触手に撫でられたのだ。こちらの世界に来てからというもの、絵縷々の感覚は非常に鋭くなっていた。そのおかげもあって、今では一流の冒険者の仲間入りをはたしている。しかし、絵縷々の身体は痛みや快感に関しても敏感に反応するからだになっていた。訓練のおかげで、今では痛みをある程度耐えることができる。しかし、快感は違った。慣れるどころか、身体が開発され、より感じるようになったぐらいだ。絵縷々の最大の弱点といっても良いだろう。
 それでも絵縷々は、身体をこわばらせてなんとか感じないように努力する。そして、触手をその怪力でひきちぎろうとした。
 しかし、一度快感と認識してしまった感覚を、そうそう変えられるものではない。力を出そうとするよりも、快楽に流されないようにするのが精一杯だった。
 そして、触手の行動は素早かった。絵縷々の両の下着を簡単にずらしてしまう。敏感な突起や穴が水の冷たい感触に触れる。そんなことを思うまもなく、無数の触手が敏感な部分を刺激する。
 触手には、タコの足のように突起した吸盤が無数に付いていた。その無数の吸盤は絵縷々の身体を這うだけで、十二分な刺激を与えていた。
 また、触手は生ぬるく、冷たい水がその温かさを心地よいと錯覚させるにいたっていた。毛布にくるまっているような心地よさだ。
 そう思ったのもつかの間。
 「あああん、だめだって」
 声に余裕がなくなっていた。触手は明らかに絵縷々に官能を与えようとしていた。そのための連携もたいしたもので、絵縷々が我慢したり抵抗したりできないように巧みな責めをしていた。
 胸をもてあそぶ大きな触手。内腿をくすぐる吸盤。脇腹、背中、首筋、乳房を責める。焦らすように、胸の頂きや足の付け根などに触れようとはしない。
 「くう」
 絵縷々はうめいた。 感じているのは間違いない。焦らされているのも。そして、その策略にまんまとのっている自分の身体を絵縷々は感じていた。思わず切なげな声がもれる。絵縷々の秘裂から染み出た汁が、冷たい水と混ざる。
 と、突然、触手たちの動きが活発になった。先程まで見向きもしなかった胸の頂きや足の付け根の突起やを、弾き、締め上げ、こすり付ける。激しく絵縷々を弄くる細い触手たち。絵縷々は待ち望んでいた以上の感覚に、身が焼け付くような思いだった。
 熱い。とにかく熱い。
 水の冷たさなど全く感じなかった。全身を一度に愛撫される感覚は、すぐに一つにかたまり、絵縷々にはどこをどうされているのかわからなくなっていた。ただ与えられた快楽に喘ぐだけ。
 そして、いつしか、数本の触手が、絵縷々を貫いた。絵縷々は絶叫をあげた。
 内側から身体をひきさかんとするもの。しかし、痛みはない。快楽の塊が身体の中で大きくなっていく。絵縷々は快楽をむさぼるだけの存在に成り下がっていた。
 太い何本かの触手が、絵縷々の中にかわるがわる入っては出、出ては入っていった。身体の中をかき混ぜられた絵縷々は、息をすることも忘れて喘いだ。
 絵縷々の中で大きくなっていった快楽の塊は、簡単にその大きさの限界を迎えた。絵縷々の中ではじける。
 「い、いくぅぅぅぅ」
 全身が砕けそうな刺激をともなった絶頂で、絵縷々は簡単に気を失ってしまった。