「派遣」か「下請け」か、過労自殺訴訟で争点に 2

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235元栗グループ社員
>>229
図書館で見つけた。

***23歳派遣社員 過労自殺***
 母訴え「人として扱って」

11月22日。生きていれば26回目の誕生日を」迎えたばかりのはずだった。岩手県
一関市の上段のり子さん(52)は厚生労働省前でビラを配り、訴えた。「企業が人を
人として扱わなければ、若い人の夢や希望は育たない」
 2年前の春、二男勇士さんは自ら命を絶った。23歳。埼玉県のアパートに駆けつけ
ると、壁のホワイトボードに見慣れた文字があった。「ムダな時間を過ごした」
 勇士さんは、電子工学を米国で学ぶため、97年秋に都内の大学を中退した。3年間
で留学費用をためる目標をたて、人材派遣会社に就職した。光学機器メーカーの工場で
、昼夜2交代制の製品検査を担当した。
 のり子さんによると、1日の拘束時間は11時間で、残業や出張もあった。電話で
「お母さん、つらい」と漏らすようになった。自殺直前には、ひと月の時間外労働が7
7時間に達した。65`の体重は52キロまで落ちた。
 他の派遣会社から来た社員と効率を競わされ、それが派遣会社への評価にはね返る。
「使い捨てにされないためにも、仕事をきちんとやらないと」。勇士さんは自分を奮い
立たせていたという。
 私(記者)はためらいながら「仕事を辞める道はなかったのでしょうか」と尋ねた。
のり子さんは首を振った。「勇士は、死ぬ直前に何度も退職を申し入れたけど、派遣会
社が辞めさせてくれなかったようです」
 のり子さんは昨年7月、自殺は過労が原因として、派遣元と派遣先の2社に計1億45
00万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。2社は「係争中でコメントは差し控え
たい」という。
 9月の失業率が5.3%に達した一方で、99年度の派遣労働者は前年度より2割増
えて107万人に上った。正社員を減らし、賃金が安い派遣社員やパートを使う動きが
企業に広がる。
 のり子さんは、勇士さんの腕時計を身に着けている。同年代の若者の仕草に今も息子
を重ねる。28歳の私の顔を見つめてこう言った。「あなたも話する時、勇士みたいに
目を大きくしますね」