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>>612続き)
アスペルガーの人は感覚的に多くの負荷がかかっている事があり、音や匂いに敏感だったりあるいは接触されることを嫌ったりする。
音に神経質過ぎて不眠を訴える人も多くこれが子供の場合、教室の騒音が彼らに耐えられないものである場合等、学校での問題をさらに複雑にする事もある。
彼らは、健常者と同等、またそれ以上に強く感情の反応をするが、何に対して反応するかは常に違う。
彼らが苦手なものは「他人の情緒を理解する事」で、自分の感情をボディランゲージ、身ぶり手振りや、表情のニュアンス等で他人に伝える事は可能である。
要は言われた事を額面どおり真に受けることが多い。
アスペルガー症候群は、あくまでも少数派な思考を持っているだけであり、決して精神障害ではない。
障害でない故に、定型発達者と同様、知性・理性共に有しており、反社会的な事を的確に認識する能力もしっかり持っている。
しかし、現実にはアスペルガー症候群である人が起こした事件は多数存在する。
このような事実に一部の医師やマスコミは、アスペルガー症候群と犯罪との関連性を主張することも少なくないが
決して犯罪を犯す事はアスペルガー症候群に起因するものではない。
アスペルガー症候群の人は、現代社会に対し、非常に適応しにくい困難さをかかえている。
あちこちで衝突が起こり、引きこもりになっている事も少なくない。
また自分自身に強いコンプレックスを抱え、うつ病を発病したり、自殺志願を考える人もいる。
発達障害者支援センターなどをはじめ、少しでもアスペルガー症候群の人が社会で暮らしやすいよう、
地域活動支援センターやデイケアなどの設備を整える必要が早急に問われている。
最も必要な事がこの障害を理解し、受け入れる環境的素地を作り上げる事である。