アデコ パート32

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東電福島第一原発事故「賠償金算定」驚愕の実態  

週刊朝日2013年5月3日ー10日合併号

東京都江東区、りんかい線の国際展示場駅で降りると正面に、コミケ(コミックマーケット)などの会場として
有名な東京ビッグサイトがある。そのすぐ手前の20階建てオフィスビル「有明セントラルタワー」が、“仕事”
の現場だった。
私が派遣会社の派遣社員として、この現場に勤め始めたのは、昨年の初夏のことだった。午前9時から午後6時まで、
実働8時間で週5日、時給1100円。
仕事内容は、福島第一原発事故をめぐる東京電力の補償業務のデータ入力である。具体的には、原発事故による
避難慰謝料と休業補償について、住民の家庭ごとにまとまった請求書などの書類ファイルを東電の社内ネットワーク
から検索し、それをもとにエクセルにデータを記入する──という仕事だ。

ところが、出勤初日の研修の時点から浮かんだ「疑問」は、1カ月もしないうちに「疑惑」へと変わっていくことに
なった。派遣会社による研修は、まず「守秘義務」を延々と説くことから始まる。個人情報を扱う仕事であるから、
確かに重要なことだ。オフィスへの携帯電話の持ち込みはもちろん、ペンや紙類も規制された。
ところが、彼らが要求する「守秘義務」はそれにとどまらなかった。仕事内容をオフィス以外で話すことは厳禁、
その上、相手が肉親であろうが誰であろうが、オフィスの所在地でさえ明かしてはならない──というのだ。
文字どおり「秘密の業務」、まるでCIAやMI6のスパイ並みの厳重さである。
ならば、さぞかし高度な業務かと思いきや、実務研修は「マウスの操作」から始まった。

派遣社員は、20人前後を1班として1フロアに12班、総勢二百数十人が縦約20メートル、横約50メートルの
だだっ広い部屋に配置され、それが数フロアにわかれているという大所帯だった。とにかく手当たり次第に雇ったのか、
「フォルダ」の意味すらわからない、というおばちゃんも大勢いた。パソコンを操作してファイルを開く、という
作業を全員がのみ込むのに30分はかかっただろうか。