ニートは選んだのじゃなく、選べなくて腰砕けになった状態だ。
派遣もいわば成り行きでそうなったのだろう。 正社員も怒りだ。
人は自分に降りかかってくる状況を生きるべき環境を自分で選ぶことはできない。
やむなく引き受けざるえない状態に置かれているだけだ。
まして、自分の資質・潜在能力・性格などは自分ではどうしようにも決定できない状況で世界に降り立つ。
そして、その自己こそが朦朧とした状況にあり、曇り日の朝のように定かではなく晴れ上がることはない。
自己指導もままならない状況であるのに、定かに把握できない環境で生きざるを得ないのが人間である。
ニートが増加した状況には社会・生活圏の病理現象が進行している背景があるのであろう。
なぜなら、環世界と自己の未分化な状態にあるのが人間の生の実態であるからだ。
自己責任?
大悟した人間さえもその状況を感知して納得するだけだろ。
どうして、膨大な要素をシェミレーション可能だろう。
計算の論理的不可能な問題もあるし、事実上計算不可能な問題は無限にある。
論理の決定不完全性もある。
その上ことを知って上で合理的問題解決とはいかなるもだろうか。
人間に感情が発達したのは、その負荷に対応するためであるとも言われる。
そして、その感情の発生のありように多様なぶれが存在するのが生の実態なのである。
命は未来に向けた生き残りの戦略のために、多様性ということを取り込んだ。
だから、個々の人間は多様な存在で己の生き方を引き受けざるを得ないのだ。
長き将来にわたって人類が生き残るためにはこの多様性を担保しなくてはならない。
狭量な選抜システムで人の行き先を決めるというのは命の原理に反することである。
早い話、現在の日本企業の正社員の働きがぶりのできの悪さがこの頽落を招いたのだろう。 中心的な産業界の担い手なのだから。
十分に反省してしかるべきことである。