社会のいろんな構成要員の絡み合いが織りなすダイナミズムは、個々の成員がどのように考え、どのように在ろうとしたのか、どのように行動したのか、をはるかに越えた次元の存在だ。
たとえ、悪意がないと仮定しても不都合が起こることは十分に考えられる。
まして、公序良俗に反し、約束事を蔑ろにする動きがあったとしたら・・・。
それが社会政策が必要な根拠の一つでもある。
だから、派遣という制度を世に加えたゆえに生じた見過ごせない負の遺産をなんとか消滅させるには、当事者がどのように振る舞ったかを越えて、元から改革しなくてはならない問題だ。
結果として不具合が生じないような枠組みと、成員が多様に行動を起こせるような豊かな機会と高度な付加価値を創り出すに足りるように、選択肢の幅を広げる必要がある。
不都合が行われたらそれが実効的に抑制されるような仕組みも取り入れなくてはならない。