>>393 哲学がカバーしようとしている知の領域は人間にとって不可欠なものだ。
人間が行動するための中核的な働きをする。
哲学的な人生に対する問いに、どう答えるかによって生活の体系たる文明と文化が形成されてきた。
哲学は学としての手続きがそれに加わっただけだ。
従来、人々が社会生活を営むに当たっては、宗教とか社会慣習とか家族のしきたりとかがそれを補完してきた。
素朴な原始宗教が世界宗教へと洗練されて、数十世紀を越える年月の間を人々を導いてきた。
それらの力が弱まってきた現代社会にあっては、素朴な処世術も問題解決学・論理学・哲学・倫理学というものに止揚・洗練されなければ人間は錯誤に満ちた蒙昧な地平をさまよわなければならない。
自己の行動を決めるためには感情と哲理と実践のスキルが必要になる。
一般教養を含めてそれは人生の早期から身につけ鍛え上げる必要がある。