そこでブラックな雇用が成立するのですな。
派遣先・派遣元が安きに流れると労働者の質が落ちるのを黙認し、労働者の資質・性格・熟練・仕事に対するモチベーションが最低水準であってもかまわず就労させることになる。
そうしていいように低賃金で使い回まわす訳だ。
人間という存在がそれで何事もなく終わると考えるのは甘すぎるわけで、様々な不適合・トラブル・不満・要求・怠業・不正・問題行動の発生、更には暴発の危険性すらあるわけだ。
人間と言うものを知らないはずはないのだから、選考水準を落とせばそういうリスクは予め予想される訳で、そのようなことは織り込ん済みの冷徹な判断をしていると見なされても仕方がない。
派遣会社・派遣先は、労働者個人の意志・意向を越えて、例えば、派遣要員自らが労働契約を受け入れたとしても、個々の労働者を第三者的観点から評価して、採用を見合わせなどの責任ある妥当な行動をとる必要がある。
企業には雇用責任・使用者責任がある。 企業には社会的存在としての責務がある。 利益の追求などの諸権利の実施は公共の福祉に反しない範囲で許される。
仮に、明確に表面は浮上しなくても従業員に数々の人間としてあるまじき行動が生じるのは当人に責に帰することであっても、正しく耐える力のない者を劣悪な条件の中に押し込めたものの責任でもある。
人間に相応しくない行動が発生するような状況を作った側に大きな責任がある。 それは予想されてもよい事だからだ。
第三者に危害が及ぶようなことが起きたら当人の責任は勿論だが、そのような状況に人を押し込めた側の責任が第三者にとっては大きいと捉えられても仕方がない。
大きな責任能力のあるのは雇用者側だからだ。
人間の悪しき性質が顕在化するような劣悪な場を作ったものの罪業の深さにおののく。