【大曽根】三菱電機名古屋製作所

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1月5日午前8時。三菱電機名古屋製作所(名古屋市東区)前で出勤してくる
従業員にビラを配る人の中に、佐藤剛さん(仮名)がいた。
キャバクラ嬢のスカウトや客引きの経験があるというだけあって、声がよく通る。
両手をポケットに突っ込んだまま完全無視を決め込む人には少しカチンとくるが、
よく考えたら自分も1カ月前まではああだったな、と思う。
昨年12月5日夕。仕事を終え家路を急いでいると、「ハケンギリ」という言葉が
耳をかすめた。出所を探し、辺りを見回す。ビラを配っている人たちがいることに
気づき、引き返して、もらった。
その3日前、まさに切られた。5月から三菱で派遣社員として働き、2月末までの
雇用契約を更新したわずか3日後、1月9日付での解雇と寮からの退去を通告された。

北海道出身の33歳。地元の高校を卒業後、職を転々とし、3年半前に愛知県へ。
三菱では1日約8時間、製品検査などの流れ作業をこなした。手取りは月約10万円。
寮の自室でビラを開いた。「派遣・期間工・契約社員でも期間途中の一方的解雇は
違法」に衝撃を受けた。
正社員でないから「雇用の調整弁」扱いされることは覚悟していた。解雇を通告された時、
真っ先に去来したのは「予想より早かったな」というあきらめだった。何の補償もなく
職も家も奪われて放り出されても、派遣だから仕方ないかと思っていたが、そうか。だまされてたんだ――。

「やり方が汚い」。このまま泣き寝入りしたくない。携帯電話を取り出し、ビラに
載っている番号を押した。そこには「相談はどんなことでも日本共産党へ(無料)」とあった。
(後略)
*+*+ asahi.com 2009/01/11[08:38] +*+*
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213.html