何事にも「自分中心主義」でいこう!
世の中には色々な主義・主張があります。社会体制を例に取れば自由主義と社会主義、個人の価値観を例に取れば個人主義と全体主義、生き方を例に取れば自己主義と利他主義など、たくさんの主義・主張が歴史と共に生まれ、歴史と共に消えていきました。
これからもいろいろな主義・主張があらわれるでしょう。
私はここで、「自己中心主義」をあえて提案したいと思います。ある本を読んでいたら人間の行動のすべては、「なにが自分にとって利益になるか」ということで説明できると書いてありました。
「私と同じように考える人もいるのだなぁ」と思いました。極端な例を引きますが、自殺する人にとって自殺することがなぜ自分の利益になるのでしょうか。
普通に考えれば、自殺することが自分の利益になることはないはずです。でもいまの苦しさ・つらさから抜け出すためには、最後の手段としてその人にとっては自殺しかなかったのです。
自殺が苦しさ・つらさから抜け出すために必要だった、すなわち自殺が自分の短期的な利益なのです。
言われるまでもなく、人間は自己の利益(広い意味での利益であって、経済的なことばかりでなく精神的なことも含みます)を追求することが喜びなのです。ただその利益が何であるかが違うだけなのです。
自己の利益とは、
●経済的な利益だけを追求すること
●精神的な利益(知恵や知識)を追求すること
●自分だけの利益を追求すること
●会社の利益を追求すること
●家族の利益を追求すること
●健康を追求すること
このように各人の利益はさまざまであり、そのバランスもさまざまです。分かりやすく言えば、価値観が違うのです。ここまではだれに言われなくても、自明のことなはずです。
しかし現実は、お互いに自分の利益ばかり主張しあって、「自分の利益のためには他人のことなど眼中にない」のです。これを利己主義といって、個人主義とは縁もゆかりもないことなのですが、日本人の多くは利己主義と個人主義を混同しているようです。
このことだけは頭に入れておいて欲しいのです。
●人間関係をスムーズにするには相手に合わすことだと思った
●人間関係をスムーズにするには自己主張しないことだと思った
この二つのことについては、私は口が裂けるほど言ってきました。「絶対にやってはいけない」と。このふたつをやることが他人中心主義で生きることなのです。
自己中心に生きるとは、
●自分のしたいことはなにをしてもいいことではない
●自分の言いたいことはなにを言ってもいいことではない
●相手の立場を無視して、自分のやりたい放題をしてもいいことではない
●相手を理由もなく傷つてもいいことではない
●自分は納得できないからと言って、組織の決定を無視してもいいと言うことではない
●約束を破っていいということではない
ということなのです。「自己中心に生きる」というとどうしても上記のようにとられがちですが、本当に自己中心に生きるためには相手のことをよく考えなければ、それは単なる気まま・わがまま・勝手な生き方にしかならないのです。
自己中心に生きなければ、言葉を変えれば自分の生き方をもって生きなければ、絶えず他人の動向に気を遣わなければならなくなり、その結果自分を失ってしまうことは前に書いたとおりなのです。
お互いが自己中心に生きることができれば、社会はまだまだ住みやすくなるのです。
逆説的のように聞こえるでしょうが、これは真実だと確信しています。