今日も
奴隷が
鎖自慢
■評■
最近は、格差社会とよく言われますが、ワープア(ワーキングプア:働けば働くほど貧しくなる現象)を
甘んじて享受している人達もいます。彼、彼女らは、いかに自分達が長時間労働しているのか、
苦しい生活をしているのか、自虐的に語ります。その語る相手は主に、奴隷仲間、ニートや無職といった
自分と同等もしくは唯一優越感をもって接することのできる立場の人達であるという
救いようのない現実がそこにはあるのです。
「俺の足かせの鎖めちゃくちゃ重いんだぜ!」
「いや、俺の鎖の方がよっぽど重い!」
そんな奴隷達の会話がリアルに聞こえてきそうな、そんな一句です。
■賞■
全日本俳句・短歌選手権 優勝
現代の五七五百選 入選作品