東海地区は、有効求人倍率の水準は高い。しかし、派遣労働者らが参加する
「名古屋ふれあいユニオン」の委員長、、酒井徹さん(24)は、不安定な雇用状況を
蟹工船に重ねる。
「同じ工場で正社員、派遣社員、日系ブラジル人、研修生が働き、しかも待遇が異なる。
今や誰でも格差は身近な関心事で、幅広い層がブームを支えているのでは」という。
蟹工船では労働者が団結し、経営者側に立ち向かう。しかし、自身も派遣やホームレスの
経験がある酒井さんはこうも指摘する。
「現代はむしろ団結が難しく、希望を見いだしにくい。だからこそ、蟹工船が
あこがれの対象になっているのではないか」
【蟹工船】 荒れるオホーツク海で長期間、カニ漁をし船内で缶詰をつくる「蟹工船」。
各地から集められた貧しい労働者たちが、不衛生な船内に住み込み、低賃金で死と
隣り合わせの過酷な仕事に従事する。経営者側の意向をくむ現場の「監督」は、
悪天候での危険な漁や無理な労働を強制。従うだけだった労働者らは、やがて力を合わせ
ストライキを起こす。しかし、国民の味方と思っていた駆逐艦の水兵らが現れ、代表らは
連行されてしまう。小林多喜二が、1929(昭和4)年に発表した。
小林はプロレタリア作家として活躍したが、特高に拷問を受けて死亡した。
ソースは
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008060590122331.html 売り上げを伸ばしている小林多喜二の小説「蟹工船」
=5日午前、名古屋市中村区の三省堂書店名古屋高島屋店
http://www.chunichi.co.jp/s/article/images/2008060599125117.jpg