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陰陽の中和的な主体であるその太極は、二性性相の中和的主体である神を表示したものである。
「神の二性性相と被造世界」
として原理では、宇宙における統合原理である(道)タオイズムから換骨奪胎して原理に組み込んでいる。

タオイストが、あらゆるものを基本的な合一性のあらわれとして体験するという場合、たとえば陰と陽と
いうような対立概念も、すべてが包含された統合体の中では、その差異も相対的であるに過ぎないことを
自覚していた。対立とは、思考領域に属する抽象概念であり、そのために相対的である。

「美を美と知ったとき、醜が存在する。善が善と識ったとき、悪が存在する。」『 老 子 』というように、
ひとつの概念に心を集中する行為そのものが対立概念を生む。タオイストは、こうした知的概念の領域を
超越し、そうすることで、あらゆる対立が相対的であり、両極的な関係にあることを識る。苦と楽、生と
死、陰と陽、秩序と混沌、『 善 と 悪 』も、別々の範疇に属する絶対的な体験ではなく、同じ世界のふた
つの側面、単一世界の両極に過ぎないことを悟る。対立はすべて両極的なもの、つまり統合であるという
意識が、人間のめざすもっとも崇高な方向のひとつであるとする。善自体、悪自体は存在しない。

このため、東洋で徳のある人物とは善を究めて悪をなくすといった不可能なことを企てる人間ではなく、む
しろ善と悪のダイナミックな調和を維持できる人間をさしている。
原理のように太極を神と言うなら、神は陰陽、秩序と混沌、善と悪、の中和的な主体である。

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陰 / \ 陽
  善 〈 ←ーーーー→ 〉 悪
秩序 \ / 混沌
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        合