>>1 ・和田俊【朝日新聞記者】
「アジア的優しさ持つ カンボジア解放勢力のプノンペン制圧は、武力解放のわりには、流血の跡がほとんど見られなかった。
入城する解放軍兵士とロンノル政府軍兵士は手を取り合って抱擁。政府権力の委譲も平穏のうちに行われたようだ。
しかも、解放勢力の指導者がプノンペンの裏切り者たちに対し、「身の安全のために、早く逃げろ」と繰り返し忠告した。「君たちが残っていると、われわれは逮捕、ひいては処刑も考慮しなければならない。
それよりも目の前から消えたくれた方がいい」という意味であり的を遇する上で、きわめてアジア的な優しさにあふれているようにみえる。〈中略〉カンボジア人の融通自在の行動様式から見て、
革命の後につきものの陰険な粛清は起こらないのではあるまいか。」
出典元:1975年4月19日『朝日新聞夕刊』より
【踊る埴輪より】「カンボジア解放勢力」とは、自民族大量虐殺を犯した悪名高き「ポルポト派」のことです。
・本多勝一【朝日新聞記者】
「例によってアメリカが宣伝した『共産主義者による大虐殺』などは全くウソだったが
(それを受けて宣伝した日本の反動評論家や反動ジャーナリストの姿はもっとこっけいだったが)、しかし末端にはやはり誤りもあったようだ。」
出典元:1975年10月号『潮』より