>>29 第5条(強制労働の禁止)
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
第5条は憲法18条が強制労働の禁止について規定しているものを労働関係について具体化したものです。
我が国の過去の労働慣行としての「タコ部屋」や風俗営業などの強制労働を規制したものです。
「精神または体の自由を拘束する手段」というのは、精神の作用や体の行動を何らかのかたちで妨げる状態にする方法を言います。
「暴行、脅迫、監禁」とは、刑法の規定と同じですが、「その他の手段」として長期労働契約、賠償額予定契約、前借金の相殺、強制貯金などがあります。
「労働者の意思に反して」とは、労働者の意識ある意思を抑えることをいいます。
本条に違反した場合は、労働基準法でも最も重い罰則である1年以上、10年以下の懲役か20万円以上、30万円以下の罰金に処せられます。