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札幌タイムスより:
派遣労働で労基法違反
JCOM札幌など監督署が指導
札幌中央労働基準監督署と札幌東労働基準監督署は、
ケーブルテレビのJCOM(ジェイコム)札幌(本社・札幌市、高頭二征社長)
で営業活動をしていた派遣労働者らが午後十時過ぎまで時間外労働していた
のにもかかわらず、派遣元の各会社が時間外手当を支払わずにいたことから、
労働基準法違反の疑いがあるとして調査した。その結果、二十八日までに
派遣先のJCOM札幌と人材派遣会社アデコキャリアスタッフ札幌支社(塚田康祐支社長)
に時間外労働が行われている事実を指摘し、時間外の管理がずさんだとして適正な時間
管理を行うよう指導した。また両社に労働者を派遣している他の各派遣会社に対して時間
外手当を支払うよう指導、改善を求める方針だ。
JCOM札幌は二〇〇〇年十月から営業に派遣労働者を採用し、市内でケーブルテレビ
の普及拡大にあたっている。
同社への派遣労働者は昨年九月には十数社約百三十人に上っている。雇用条件は派遣
会社ごとに賃金面などで違いはあるものの、就業時間は曜日や季節により午前九時から午
後六時、午前九時半から午後六時半などとなっていた。
しかし同社では一戸建てへの営業部門などは、夏場や休日を中心に割り当てた地区の
各家庭を午後八時ごろまで回る営業活動のほかに、帰社後に入念な日報や活動のチェック
を実施。時には研修などもあり、部署によっては午後十時過ぎまで残業をしていた。
各派遣会社は実態を知りながら、事業場外での労働は八時間の「みなし労働」にあたると
解釈。帰社後に行われる事務作業などについて、一部の派遣労働者から「時間外に当たる
のでは」との苦情が出されても、「事業場外での作業があるので、事業場内での作業も所定
または規定時間内にあたる」「営業手当に含まれている」など対応しなかった。
さらに派遣社員がタイムシートに超過勤務時間を書き込んでも、JCOM側は義務付けられて
いる派遣先管理台帳に記入せず、派遣元への連絡もずさんだった。派
遣元各社も「決められた時間を書いてください」「書いても時間外は出ませんよ」など、雇用契約
した就業時間を書くように求め、時間外手当は全く支払われていなかった。