642 :
毛無しさん:
伝統的な「髪の中和」という言葉も、「アルカリの中和」だけでなく
「電荷の中和」という意味でもとらえれば、そのまま十分通用する表現かとも思います。
ちなみにこれらの一連の作用は、ファンデルワールス力・水素結合・疎水性相互作用・静電引力など、
いくつもの物理的・化学的な作用の結果です。複雑なこれらの動作がすべて解明されている訳ではありません。
ちなみに合成洗剤は金属石けんを生成しない、またはわずかなかわりに、本体が残留します。
これも疎水的結合です。たとえば構造的にシンプルなAS(ラウリル硫酸ナトリウム)では、
酸性側で多く、アルカリ側では少な目の吸着残留を起すことが知られています。
常時ある程度の残留を起していることになります。注)石鹸・洗剤の事典(朝倉書店)
643 :
毛無しさん:04/10/04 00:32:57
本来中性のものですから、対処のすべは少なく、よくすすいでもなかなか洗い流せません。
酸性リンスではわずかにとれるかもしれません。髪の場合は困りますが、これを除去するのでなく
カバーリングして欠陥を被覆し、外観も美しくみせようというのが、合成リンスの目的です。
代表的な合成リンス剤は、カチオン(陽イオン)界面活性剤で、アニオン(陰イオン)界面活性剤に対し、
逆性石けんともいわれています。洗濯用柔軟剤も衣類に対して行われるカバーリングで、成分も同じです。
644 :
毛無しさん:04/10/04 00:34:13
プラスイオンに帯電しながら、先の、中性時にもマイナスに帯電している繊維上に、
強く吸着して繊維の帯電も中和し、プラスイオンの安定した環境(電気二重層)をつくります。
結果は繊維上にカチオン合成界面活性剤が、1分子層または2分子層できっちりコーティングすることになります。
かなり強固な結合です。このオングストローム単位のコーティングが髪の1本1本を、見事にふんわり自由にして、
からまることなく美しい髪にします。 酸性リンスのように髪の生態にもとずく静電斥力でなく、
外部の環境をつくり換える否応ない静電反発力です。くり返し使っていけば、つねに美麗な髪でいられますが、
長期的にみたときゆっくり進行しているかもしれない髪の質的な変化は想像したくないものです