フィナステライドの飲み方に関しては、様々な観点から議論が可能ですので、
大変面白いテーマだと思います。基本的なデータをどう解釈するかもいろいろあって面白いです。
フィナステライドの薬剤として物理量としての体内での半減期は5mg投与で3時間から16時間しかないのです。
(
http://www.oncology.com/v2_MainFrame/1,1614,_12%7C00328%7C00_21%7C002%7C00_04%7C001%7C00_29%7C00z%7C00lib_id%7C001574,00.html 以下このページから数字を引用します)。また1回飲ませて止めた場合のDHT削減効果は24時間です。
また、1日量1mgという量は様々な検討を経て達成された、合理的な量であることは間違いありません。
私の以前の投稿でもこのことを何度も繰り返しています。私は、この平均値はできるだけ尊重しましょうと言っています。
そういうわけで確かにこの数値だけを見ると、フィナステライドは毎日飲まなければいけないような気になります。
しかし、それならば、なぜ一日量0.2mgから1mgまでほとんどフィナステライドの効果が変わらなかったのでしょうか。
ここにちょっとした謎があります。
実は薬剤の物理量としての体内の存在量と、それが体に及ぼす効果の間には、
累積効果、遅延効果の差が存在するのです。1回だけ飲ませて後それだけという場合には24時間しか効果がなくても、
毎日連用した場合は、止めてから体内のDHT濃度がもとどおりになるのに、フィナステライドは、何と2週間もかかるのです。
(以前私は1週間と言ってしまったように思いますが正確には2週間でした)。
前立腺の大きさに至っては3ヶ月もかかります(以上、上のoncology.com参照)。
つまり体はフィナステライドの効果に対してそれだけ適応し、メモリを持っていることになります。
薬剤は風邪薬や胃腸薬のように1回かぎりの使用を前提とするか、それとも何年も連用するのかによって、意味が変わってきます。
フィナステライドの効果が0.2mgでも1mgでもそれほどその「効果」が変わらなかった理由は、
0.2mgの連用が体に累積効果をもたらしたからに他なりません。
あるいは体が長期的にそのように適用したのだと言うこともできます。
連用していて、突然止めたときにその効果が消えるのに2週間かかるものを、1日おき、2日おき、あるいは3日おきに飲んだとしても、
長期的に考えた場合、それほど差が出るだろうか、というのが私の基本的な考え方です。
3日に1回でも毎日1回でも長期的平均的には、血中DHT濃度の削減は同じように減ったままではないか、
正確に言うと、変動しつつも平均をとれば同じことなのではないか、と考えるわけです。
メルクが薬の説明書きに毎日1mgずつ飲みなさいと指示している意味は、毎日平均1mg飲みなさいといっていると解釈できます。
なお5mgを半分に割ってこれを1週間で2回飲むと、1日量は0.7mgになり、実質的には1mg以下になります。
心配であれば、2.5mgを月、木、土として、1週間に7.5mgにしてもよいのかもしれません。
なお、プロスカーの1回量は本来は5mgですから、一回に2.5mg飲んでも全く危険はないと言えます。
なお私のいう月金責めは、1回量が1mgではありませんので、お間違いなく。むしろそうではなく、1回量は2.5mgに増えるのです。
私の提唱は、だったら耐性( この場合はhyperandrogenicityの出現、つまりアンドロゲン受容体の長期的な適応的増加)を避けるために、
とびとびにしましょうと言っているけです。もちろんこの提唱は、考え方の1つにすぎません。
ただしこれは体験的な実験ですので、一般性は持ちませんが、どういうわけか、1日量1mgでだらだら続けるよりも、
間を開けて2.5mgにする方が、がくんがくんと効果が上がるような気がしました。
しかも、2、3日飲まないと抜け毛が増えるなどということはありませんでしょう。
もしそうなら、それはそれでフィナステライド依存症になっているわけで、
まさしく薬物中毒そのものでしょう。
基本的には生命に危機が迫る場合の薬剤とは違いますので、
フィナステライドは、1日平均量のいつのまにかの増加、あるいは薬物依存的な
1日平均量の増加だけは避けるようにして、合理的だと思う飲み方を工夫すれば
よいのではないでしょうか。