703 :
食いだおれさん:
うなぎのうまい店。 大作
その店は池袋から約15分、東武練馬、不動通り沿いに存在する孤高の3店舗の一店。
駅からイオンを横目に坂を下り切ると高島平まで延びる通りにぶつかる。
そこが不動通り。 約5分ほど歩くと油とすすでくたびれ切った看板が目に入る。
玄関の開き戸を開けるともわっと立ち込める油の匂い、歴史の重さを実感させる。
服に移りそうな匂いなので、一見さんはきっと嫌うであろう。
外見と同じくくたびれきった店内には店長と思わしき白髪の老人が佇んでいる。
一見物静かだが、歴戦の痕跡が背中から汲み取れる。
自ら席を選ぶまでもなく、ガタがきた椅子のカウンター席に案内される。
自分で席を選ぶ事はできない。 どうやらこの店の掟のようだ。
お茶が出され、改めて店内を見渡すと歴史ある達人らしい店構え。
率直に言ってしまえばとても汚い。 その事をまるで意に介さないかのように
注文を黙々と作る店主。 この店主、只者ではない。
つづく。