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食いだおれさん:
生粋の神戸市民である僕が、始めて東京に行ったのは17歳の時だ。従兄弟は親切
に東京を案内してくれた。まずお腹がすいたので何か食べたいというと
「ケジャンクク(犬肉スープ)」という珍しい食べ物屋さんへ連れて行ってくれた。
そのお店では手足が解体された犬が一杯転がってた、ちょっと不気味だ。
東京では路上にホームレスが堂々と寝ていた。女のホームレスも寝ていたのには大変驚いた。
今晩のおかずをスーパーで買うのにも連れて行ってもらった。関西では
見かけない珍しいブランドの商品が多かった。肉の売り場では豚と並んで犬の肉が
売られていた。東京のスーパーでは普通らしい。今晩は「すき焼き」と聞いていた
のだが、従兄弟は当たり前のように犬の肉を買った。恐る恐る聞いてみると、東京
ではすき焼きと言えば東京の肉を使うのが普通なのだそうだ。食べてみると臭みは
強いがこの臭みの強さがいかにも東京らしくて、とても印象に残った。