今年9月に開園予定で、アジアでは2カ所目となる香港ディズニーランドが、関連ホテルのレストランの
宴会メニューにフカヒレのスープを盛り込んだ。フカヒレはサメのヒレだけを切り取って、残りを海に戻すため、
残虐性が以前から指摘されている。香港の環境保護団体などは「ディズニーは環境破壊に手を貸している」と
抗議の声をあげている。しかし、香港ディズニー側は「中国式の宴会には欠かせない一品」として、
あくまでも提供する考えだ。
香港の英字経済紙スタンダードによると、ディズニーに最初に抗議の意思を示したのは、香港大学の教授で
環境保護に取り組んでいるブライアン・ダーベルさん。ディズニーの経営最高責任者(CEO)マイケル・
アイズナー氏宛ての手紙の中でダーベルさんは、フカヒレのスープを提供することは「経営幹部のミス。
ある客層はフカヒレのスープを高級品とみなしている。ディズニーはそうした客たちから金を稼ぎたいのかも
しれないが、恥を知れと言いたい」と批判している。
ダーベルさんの抗議に、環境保護団体のグリーンピースや世界自然保護基金(WWF)香港も呼応している。
香港ディズニーは抗議に対する声明文で、「我々は環境に対する責任を非常に真剣に考えている。
また同様に地元の文化にも敏感に対処している」とした上で、「中国の5つ星ホテルではフカヒレの
スープを提供するのは当たり前」と反論している。(途中略)
国際自然保護連合(本部・スイス)の昨年の調査結果によると、乱獲などが原因で世界のサメ262種類のうち
56種類が絶滅に瀕している。一方、香港政府は10の世界的な環境保護条約を結んでいるが、フカヒレに
関しては対象とされていないため、野放しなのが現状だ。
ディズニーランドが開園するのは、日本、パリを含めて香港が世界で5ヶ所目となる。ディズニー本体と
香港政府の共同事業で、建設費用35億米ドルのほとんどは香港住民の税金でまかなわれた。
総面積は125ヘクタールで、香港の離島・ランタオ島に9月12日に開園予定。香港ディズニーランドでは、
開園初年度の入園者数を560万人と、強気の見通しを示している。
ライブドア
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1184110/detail?rd