http://news.msn.co.jp/topyom/20020723-075757.htm E型肝炎、5%が感染…感染研検査(読売新聞)
2002 年 7 月 23 日
--------------------------------------------------------------------------------
感染者の死亡が確認されるなど、国内でのまん延が疑われているE型肝炎に
、国民の20人に1人が感染している可能性が高いことが、国立感染症研究
所(感染研)の全国調査でわかった。
様々な年代の健康な人から採取した血液を検査したところ、E型肝炎への感
染後にできる“証拠”と言える抗体が、900人中49人(5・4%)から
検出された。E型肝炎は、感染しても発症せずに終わる「不顕性感染」が多
いといわれ、感染者本人が気づかないうちに感染が広がる恐れもある。感染
研では「今や、医療現場がE型肝炎をもっと疑って対処する心構えが必要と
なっている」と警鐘を鳴らしている。
感染研が調べたのは、1993年に日本の北部、中部、南部でそれぞれ約3
00人の健康な人から採取し、保存していた血清。武田直和・ウイルス第2
部第1室長が開発した高精度の抗体検査薬を使い分析した結果、49人から
抗体が見つかった。抗体保有率は地域差が大きく、最も高率だった中部地域
では7人に1人(14・1%)が感染歴を持っていた。
E型肝炎は1度感染すると免疫が体内にでき、一生消えないと考えられてい
る。実際、年齢が高くなるほど、抗体保有率も高まる傾向があり、30歳未
満では保有率がわずか0・4%だった。
またこれとは別に、全国21の国立病院、国立療養所で作る「肝疾患共同研
究班」でも、90年以降に各病院で原因不明の急性肝炎と診断された患者2
42人の血清について調査したところ、18・6%にあたる45人からE型
肝炎の抗体が見つかっていたことも判明した。実際の分析は、血清を感染研
に持ち込んで行われた。
感染研より抗体の保有率が高かったのは、高い年齢層が多かったためと考え
られる。