ギルガメスとバララントの前線となっていたギルガメス星系所属の辺境惑星の一つ惑星ガルシア。
この惑星では幸い恒星間ミサイルが使用禁止になってから戦闘が始まったのと、アストラギウス銀河の
中でも辺境に位置する為大規模な戦闘は行われず、広大な自然と豊かな資源、そして多くの一般市民が
生活していた。
終戦の際、駐留していたメルキア正規軍の約5割が撤収した為、ギルガメス側戦力は主に惑星ガルシアの
ガルシア連邦軍によって維持されていた。
ガルシア連邦大統領は僅か1年で終了した終戦協定の無効化による再戦勃発で新たな戦力の増強を
ギルガメス上層部に要請したが、現在主戦力は再戦のきっかけとなった不可侵中域を中心に展開されており、
辺境惑星ガルシアへの本格的な再支援は当面見送られていた。
一方、100年戦争中に惑星ガルシアへ侵攻し、終戦後も残留していたバララント軍は戦力の大半をそのまま
残しており、パワーバランスはバララント側へ大きく傾いていた。
バララント軍はこれまでは橋頭堡と周辺の制圧した都市の維持に注力していたが、再戦を機に一気にガルシア
連邦中枢の都市部や豊富な天然資源を擁する資源採掘地域への侵攻を開始しようとしていた。
物語(妄想Shoot)はこのガルシア連邦の西部に位置するガルシア連邦軍フランシスコ基地から始まる...
「畜生!メルキアの奴ら一度引き上げた部隊は戻せないって回答してきやがったらしいぜ!」
「奴らこんな辺境の星にはもう興味が無いんだろうさ」
「天然資源に困った時だけいい顔して、1年間の再戦準備で資源確保が出来たら見殺しかよ!」
フランシスコ基地のAT乗り達が司令部に届いたメルキアからの回答を聞きつけ口々に罵る。
終戦後も駐留した残り5割のメルキア正規軍もガルシア連邦首都を中心に防御陣地を展開し、
辺境惑星のさらに辺境地域のペタス基地には戦力を割こうとはしなかった。
首都防衛体制の確立は戦略上確かに最大の優先事項だ。
しかしそれを判ってはいても、よりバララント軍に近い場所に位置するペタス基地の兵士達に
とっては不満が出るのも当然だった。
だが惑星ガルシア駐留のメルキア正規軍の指揮官、リードマン大佐はこのペタス基地の要請に
応え首都ミルズ基地から1つのAT小隊を物資及び専任整備班と共に輸送機で離陸させた。
イナーク分隊...
リードマン大佐直轄の特務部隊として再戦開始直前に配備されたドッグタイプAT5機で編成された
特殊任務部隊。
首都防衛の中核となるメルキア正規軍、イーグルワン大隊とは対照的に、奇襲・陽動や後方かく乱・
包囲された味方部隊の救援など、局地的かつカンフル剤的な特殊任務を得意とする。
だがペタス基地へ到着した輸送機から搬出されたATを見てペタス基地の誰もが不信感を抱かざるを
得なかった。
3個中隊の増援に対して1個小隊。
そしてその1個小隊の5機のATもスクラップ同然の破損した状態で到着したのだった。
そのATを補充物資と共にハンガーへ運ぶ専任整備班とは別に、イナーク小隊の面々は輸送機の
タラップから降りて基地指令所へ向かった。
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