「深夜のあれだけ眠いなか、よくあれだけ粘着に渡り合えたと思う」
それが俺の感想だ。
あれほど完全勝利を収めたこともなかった。初の経験だった。
なのにどうだろう。俺はあれから毎日、あの粘着が来ているのではないか、
そうビクビクした朝を迎えてる。
俺は勝った。俺は、強い。
なのにもう、怖がるのはイヤだ……!
青年の身体を、光が包み込む。痛みはない。だが喜びもない。
生まれて二十有余年、数々の悲しみを乗り越え、数々の幸せを抱きしめてきた。
「もう考えなくていいんだね」
青年は、神になった。
スレを生かすも殺すも、彼の手一つでどうにでもできる能力(ちから)を持った。
神(ゴッド)ワタギ、新生。