ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。
・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
・まとめWikiで既に書かれていないか、既にリクエストされていないか調べてからリクしましょう。
・リク主は依頼したストーリーが書かれたら、書き手に感謝の意を伝えましょう。
・過度のクレクレはスルーや批判の対象になります。気をつけましょう。
・手の空いた方はwiki編集などでスレに貢献しましょう。
ストーリーを書いてくれる方へのお願い。
・外部サイトからの無断転載は禁止です。もし外部サイトの管理人の方から許可を得て転載する場合でも、
許可を得たという事を証明し、さらにそのサイトからの転載であると言うことを明記してください。
・要望に出ているゲームのストーリーはどんどん書いて下さい。
要望に出ていないゲームでも書きたいと思ったら遠慮せずに書いて頂けると読み手が喜びます。
・この板は一般板なので18禁のゲームのストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。
・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・発売して半年以内の新作について語る際は名前欄に
タイトルと新作ネタバレ用の共有トリップの #新作ネタ をつけて下さい。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
・勝手ながら、予約から1ヶ月以上経ったものは予約無効とさせて頂きます。
同じく、最終投稿から3ヶ月経ったものも権利失効とさせて頂きます。
都合により取り消しが出来ない場合の長期間にわたる放置を防ぐ為です。
●未解決分 ≪part51の358までの時点でのリスト≫
※複数の機種で出ているものも、便宜上、一つの機種の欄にのみ書かれています
■PS3 ・アガレスト戦記 ・INFAMOUS 〜悪名高き男〜
・機動戦士ガンダム戦記 MOBILE SUIT GUNDAM BATTLEFIELD RECORD U.C.0081 ・クロスエッジ ・GENJI -神威奏乱-
・白騎士物語 -古の鼓動- ・スターオーシャン4 ─THE LAST HOPE─ INTERNATIONAL ・ソウルキャリバーIV
・ソニック・ザ・ヘッジホッグ ・ティアーズ・トゥ・ティアラ −花冠の大地−
・テイルズ オブ ヴェスペリア(詳細版の既出部分の続き) ・Dead Space(既出部分の続き) ・トリニティ・ユニバース
・ニーア レプリカント ・BIOHAZARD5 ・バトルファンタジア(出来ればキャラ別で) ・FolksSoul -失われた伝承-
・BLAZBLUE(出来ればキャラ別で) ・HEAVY RAIN -心の軋むとき- ・ぼくのなつやすみ3 ‐北国篇‐ 小さなボクの大草原
・ミスト オブ カオス ・龍が如く 見参! ・RESISTANCE(レジスタンス) 〜人類没落の日〜 ・RESISTANCE 2
■PS2 ・アーバンカオス ・イースI・II ETERNAL STORY(既出部分の続き)
・ウィル・オ・ウィスプ(二作目に続くルートのストーリーを) ・ウィル・オ・ウィスプ 〜イースターの奇跡〜
・うたわれるもの −散りゆく者への子守唄−(PC版との違いを詳細に) ・宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲
・宇宙戦艦ヤマト 二重銀河の崩壊 ・AIRFORCE DELTA 〜BLUE WING KNIGHTS〜 ・EXTERMINATION
・S.L.A.I -STEEL LANCER ARENA INTERNATIONAL- ・X−FIRE ・over the monochrome rainbow
・カウボーイビバップ 追憶の夜曲(セレナーデ) ・カオス ウォーズ ・仮面ライダー正義の系譜 ・ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国
・ガンサバイバー3 DINO CRISIS ・ガンバード1&2 ・機動新撰組 萌えよ剣 ・機動戦士ガンダム クライマックスU.C. ・キルゾーン
・ギルティギア ゼクス プラス ・ギルティギア イグゼクス ・九龍妖魔學園紀 re:charge ・Kunoichi -忍-
・グローランサーIV Return(既出のフレーネ・イライザ・LN型以外のシナリオを) ・ゲームになったよ!ドクロちゃん
・喧嘩番長 ・喧嘩番長2 〜フルスロットル〜 ・GENJI ・高円寺女子サッカー ・ゴッドファーザー
・五分後の世界(特にオダギリとミズノについて詳しく) ・COMBATQUEEN ・XIII [サーティーン] 大統領を殺した男
・SILENT HILL -SHATTERED MEMORIES- ・THE お姉チャンプルゥ 〜THE姉チャン特別編〜(彩編・咲編を) ・THE 鑑識官
・ザ・フィアー ・サムライウエスタン ・THE ロボットつくろうぜっ! 〜激闘!ロボットファイト〜
・3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! ・シークレットゲーム -KILLER QUEEN-(既出のもの以外のルート) ・シード
・ジェネレーションオブカオス3 ・死角探偵 空の世界〜Thousand Dreams〜 ・四八(仮)
・シムーン 異薔薇戦争 〜封印のリ・マージョン〜 ・灼眼のシャナ ・白中探検部
・真・三國無双(1〜3、印象的なシーンは詳細に) ・新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド <特別編>
・スーパーロボット大戦OG ORIGINALGENERATIONS ・ステラデウス ・SPY FICTION ・スペクトラルフォースクロニクル
・スペクトラルフォースラジカルエレメンツ ・セイクリッドブレイズ ・ゼロの使い魔 小悪魔と春風の協奏曲 ・ソニック ヒーローズ
・第3次スーパーロボット大戦α〜終焉の銀河へ(セレーナ編) ・超時空要塞マクロス ・ツキヨニサラバ ・ディジタルホームズ
・ティンクルスタースプライツ-La Petite Princesse- ・デストロイ オール ヒューマンズ! ・鉄人28号(できれば詳しく)
・Dog of Bay ・ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン ・ナノブレイカー・ナムコ クロス カプコン(既出部分の続き)
・ハードラック ・鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女 ・爆炎覚醒 ネバーランド戦記 ZERO ・バルダーズゲートダークアライアンス2
・ヴァンパイアナイト ・彼岸花 ・ファンタシースターユニバース(出来ればオンラインの分も)
・ファンタシースターユニバース イルミナスの野望 ・フェイズパラドックス
・Fate/unlimited codes(フェイト/アンリミテッドコード) ・プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜
・PROJECT ARMS ・炎の宅配便 ・ポポロクロイス 〜月の掟の冒険〜(既出部分の続き)
・マナケミア2〜おちた学園と錬金術士たち〜 ・遊星からの物体X episodeII ・ライゼリート
・ルパン三世 ルパンには死を、銭形には恋を ・レイジングブレス
■PS ・R4 -RIDGE RACER TYPE4- ・アインハンダー(エンディングまで) ・アローン・イン・ザ・ダーク 2
・アンシャントロマン 〜パワー・オブ・ダーク・サイド〜 ・EVE ZERO ・雨月奇譚 ・エクサフォーム ・オウバードフォース
・逢魔が時 ・学校のコワイうわさ 花子さんが来た!! ・GUNばれ!ゲーム天国 ・クリックまんが クリックのひ
・CRITICAL BLOW ・クロス探偵物語(6話と7話を) ・ゲゲゲの鬼太郎(バンダイ) ・ゲッターロボ大決戦
・幻影闘技 SHADOW STRUGGLE ・公開されなかった手記 ・高2→将軍 ・KONOHANA:TrueReport ・サイレントボマー
・GERMS 狙われた街 ・シュレディンガーの猫 ・すべてがFになる ・SPRIGGAN 〜LUNAR VERSE〜 ・蒼魔灯 ・黄昏のオード
・TILK-青い海から来た少女- ・デザーテッドアイランド ・天使同盟
・東京ミュウミュウ 登場新ミュウミュウ!〜みんなでいっしょにご奉仕するにゃん〜 ・ドラゴンシーズ 〜最終進化形態〜
・トワイライトシンドローム〜再会〜 ・ナイトアンドベイビー ・’70年代風ロボットアニメ ゲッP−X
・2999年のゲーム・キッズ(既出部分の続きを) ・人魚の烙印 ・ネオリュード ・ネオリュード2 ・ネオリュード 刻まれた紋章
・眠ル繭 ・NEUES〜ノイエス〜 ・BOUNTY SWORD DOUBLE EDGE ・ひみつ戦隊メタモルV
・Forget me not -パレット-(「パレット」からの追加分を) ・フォックスジャンクション ・ブシドーブレード ・ブシドーブレード弐
・BLACK/MATRIX OO(既出部分からの続きを。簡潔でもかまいません) ・プラネットライカ(既出部分からの続き) ・ボルフォス
・マーメノイド ・マネーアイドル・エクスチェンジャー ・ミザーナフォールズ ・ミスティックドラグーン ・厄 友情談義
・厄痛 呪いのゲーム ・夜想曲(Wikiで抜けている1話〜3話を) ・聖刻1092 操兵伝 ・竜機伝承
・ルパン三世 カリオストロの城 −再会− ・LULU ・ロストチルドレン
■PSP ・EYE OF JUDGMENT(アイ・オブ・ジャッジメント) 神託のウィザード ・アナタヲユルサナイ
・キングダム ハーツ バース バイ スリープ ・グローランサー(別ルートとそれぞれのキャラクターのEDを) ・喧嘩番長3〜全国制覇〜
・喧嘩番長4 〜一年戦争 ・GOD EATER(ゴッドイーター) ・JEANNE D'ARC(ジャンヌ・ダルク)
・新天魔界 〜GOCIV アナザサイド〜
・新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-(各シナリオをできれば詳しく)
・注文しようぜ!俺たちの世界(スライギーイベントのラストを) ・テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー
・デッドヘッドフレッド〜首なし探偵の悪夢〜 ・VALHALLA KNIGHTS -ヴァルハラナイツ- ・PHANTASY STAR PORTABLE
・ブレイドダンサー 千年の約束 ・ブレイブ ストーリー 新たなる旅人 ・ヘブンズ ウィル ・ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険
・MYST(ライム時代とED全種を含めて) ・METAL GEAR AC!D ・RESISTANCE 〜報復の刻(とき)〜
・煉獄 The Tower of Purgatory ・煉獄弐 The Stairway to H.E.A.V.E.N.
■Wii ・アークライズファンタジア ・オプーナ ・機動戦士ガンダム MS戦線0079(ストーリーモードを) ・グーの惑星
・スーパーロボット大戦NEO ・ソウルキャリバー レジェンズ ・ディシプリン*帝国の誕生
・ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔(詳しく) ・ネクロネシア
・ファイナルファンタジーIV ジ・アフターイヤーズ -月の帰還- ・レッドスティール ・ロックマン10 宇宙からの脅威!!
・ワンピース アンリミテッドアドベンチャー
■GC ・神機世界エヴォルシア ・ターミネーター3:ザ・レデンプション ・P.N.03
・PHANTASY STAR ONLINE EPISODE III C.A.R.D. Revolution ・遊戯王フォルスバウンドキングダム 虚構に閉ざされた王国
■64 ・悪魔城ドラキュラ黙示録(ラインハルト編) ・悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 〜レジェンドオブコーネル〜 ・シャドウゲイト64
・爆裂無敵バンガイオー
■SFC ・アイ・オブ・ザ・ビホルダー ・アルバートオデッセイ ・アルバートオデッセイ2 ・アレサ(スーパーファミコン版)
・アレサU 〜アリエルの不思議な旅〜 ・リジョイス 〜アレサ王国の彼方〜 ・イーハトーヴォ物語
・Wizap!―ウィザップ 〜暗黒の王― ・エルファリア2 ・カードマスター リムサリアの封印
・機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122 ・Psycho Dream ・Secret of Evermore(SNESソフト。日本未発売)
・シャドウラン ・少年忍者サスケ ・神聖紀オデッセリア ・神聖紀オデッセリアII ・セプテントリオン ・ゼロヨンチャンプRR-Z
・ソウルアンドソード ・ファイナルファイトタフ ・ブレインロード ・弁慶外伝 沙の章 ・魔女たちの眠り
・魔天伝説 戦慄のオーパーツ ・46億年物語 −はるかなるエデンへ−
■FC&ディスクシステム ・悪魔城ドラキュラ ・SDガンダム ガチャポン戦士5 バトル オブ ユニバーサルセンチュリー
・エスパードリーム2 新たなる戦い ・ガンナック ・ゲゲゲの鬼太郎2 ・御存知弥次喜多珍道中 ・シャドウブレイン ・新・里見八犬伝
・道(TAO) ・東方見文録 ・ドラキュラII 呪いの封印 ・百鬼夜行 ・魔法のプリンセスミンキーモモ ・未来神話ジャーバス
・魍魎戦記MADARA ・勇士の紋章 ディープダンジョンII ・ラディア戦記
■DS ・赤川次郎ミステリー 月の光 ―沈める鐘の殺人―(あとがきエピローグを) ・Another Time Another Leaf 〜鏡の中の探偵〜
・あらしのよるに(マルチエンディング全7種類を) ・犬神家の一族 ・Wizardry 〜生命の楔〜
・ウィッチテイル 見習い魔女と7人の姫 ・L the proLogue to DEATH NOTE -螺旋の罠(トラップ)-
・川のぬし釣り こもれびの谷せせらぎの詩 ・極限脱出 9時間9人9の扉 ・きらりん☆レボリューション きらきらアイドルオーディション
・きらりん☆レボリューション〜なーさんといっしょ〜 ・きらりん☆レボリューション めざせ!アイドルクイーン
・きらりん☆レボリューション つくってみせちゃお!キメ☆きらステージ
・きらりん☆レボリューション みんなでおどろうフリフリデビュー!
・きらりん☆レボリューション あつめてチェンジ!クルキラ★コーデ ・クイズマジックアカデミーDS
・くりきん ナノアイランドストーリー ・激闘!カスタムロボ ・高円寺女子サッカー2〜恋はネバギバ高円寺〜 ・降魔霊符伝イヅナ
・サクラノート〜いまにつながるみらい〜 ・THE 装甲機兵ガングラウンド
・THE 廃屋病棟 〜呪われた病院からの脱出〜(一周目二周目両EDを) ・サバイバルキッズLost in Blue
・THE 爆弾処理班(既出部分の続きを) ・スターフォックス コマンド ・セブンスドラゴン ・タンクビート ・超操縦メカMG
・ツキビト ・ディープラビリンス ・DEATH NOTE Lを継ぐ者 ・DEATH NOTE キラゲーム(既出部分の続きを)
・teresia -テレジア- Dear Emile ・どきどき魔女神判2 ・ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー ・ナナシ ノ ゲエム 目
・パワプロクンポケット8(正史ルートを) ・パワプロクンポケット9(サクセスモードの神田奈津姫の話)
・ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング ・BLEACH The 3rd Phantom ・フロム・ジ・アビス
・ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊(時の探検隊・闇の探検隊で出てこない追加要素を)
・マジカルバケーション 5つの星がならぶとき ・無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ(既出部分の続き)
・メタルサーガ鋼の季節 ・流星のロックマン3 ・LUX-PAIN[ルクス・ペイン] ・ルナ -ジェネシス- ・ルミナスアーク3アイズ
■GBA ・アドバンス ガーディアンヒーローズ ・カエルBバック ・幻想水滸伝カードストーリーズ
・サムライエボリューション 桜国ガイスト ・新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ
・真・女神転生デビルチルドレン(光、闇、炎、氷、メシアライザー) ・Z.O.E 2173 TESTAMENT ・続・ボクらの太陽 太陽少年ジャンゴ
・沈黙の遺跡〜エストポリス外伝〜 ・ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート ・彼岸花 ・Vマスタークロス
・ブラックマトリクスゼロ ・ボクらの太陽(既出部分の続き) ・マジカルバケーション ・メタルガン・スリンガー
■GBC ・エストポリス伝記〜よみがえる伝説〜 ・スペースネット ・METAL GEAR Ghost Babel(おまけドラマも) ・メダロット3
・メダロット5
■GB ・王ドロボウJING ・鬼忍降魔録 ONI ・ザードの伝説2(前作やって無くてもわかるように) ・ジャングルウォーズ
・ドラゴンクエストモンスターズ 〜テリーのワンダーランド〜 ・女神転生外伝・ラストバイブル ・女神転生外伝・ラストバイブルII
・メダロット1〜2 ・読本夢五誉身(よみほんゆめごよみ)天神怪戦2
■XBOX360 ・Alan Wake ・インフィニット アンディスカバリー ・Operation Darkness
・コンデムド サイコクライム ・Condemned 2: Bloodshot(日本未発売) ・スターオーシャン4 ─THE LAST HOPE─
・ストラングルホールド ・ゼーガペイン XOR ・ソニック・ザ・ヘッジホッグ ・天誅 千乱 ・NINETY-NINE NIGHTS(N3)
・ニーア ゲシュタルト ・NINJA BLADE ・ヴァンパイアレイン ・ブルードラゴン ・プロジェクト シルフィード(既出部分の続き)
・まもるクンは呪われてしまった!
■XBOX ・ガンヴァルキリー ・コンスタンティン ・JSRF ジェットセットラジオフューチャー ・真・女神転生 NINE
・DINO CRISIS 3 ・PHANTOM CRASH ・Fable
■DC ・ILLBLEED ・ウィークネスヒーロー トラウマンDC ・ゴーレムのまいご ・ジェット セット ラジオ
・SONIC ADVENTURE ・SONIC ADVENTURE 2 ・タコのマリネ ・デ・ラ・ジェット セット ラジオ
・トリコロールクライシス ・BLUE STINGER ・HUNDRED SWORDS ・魔剣X(既出部分の続き) ・L.O.L.(LACK OF LOVE)
・REVIVE・・・ 〜蘇生〜
■SS ・ガーディアンヒーローズ ・ガングリフォンII(ミッション間ラジオも) ・慶応遊撃隊活劇編 ・サイバードール
・シャイニングザホーリィアーク ・シャイニング・フォースIII(シナリオ2〜3を) ・ソニック3Dフリッキーアイランド
・ダークシード ・ダークセイバー ・大冒険セントエルモスの奇跡 ・DEEP FEAR ・ティンクルスタースプライツ
・テラ ファンタスティカ(既出部分の続き) ・NOёL3 ・バーニングレンジャー ・バッケンローダー ・バトルバ
・ファイナルファイトリベンジ ・ファンタシースターコレクション ・ファンタズム ・プリクラ大作戦
・ラングリッサーV〜ジ エンド オブ レジェンド〜 ・RAMPO ・リンクル・リバー・ストーリー ・ROOMMATE〜井上涼子〜
・ROOMMATE〜涼子 in Summer Vacation〜 ・ルームメイト3〜涼子 風の輝く朝に〜 ・ルナ2 エターナルブルー ・RONDE -輪舞曲-
■32X ・カオティクス
■MCD ・シャドウラン ・ダンジョンマスターII スカルキープ(プレイはしたが、背景が全く掴めなかったのでそのへんを重点的に)
・夢見館の物語 ・らんま1/2〜白蘭愛歌〜 ・ルナ ザ・シルバースター
■MD ・エイリアンソルジャー ・機動警察パトレイバー98式起動せよ! ・ソニック・ザ・ヘッジホッグ3 ・ハイブリッド・フロント
・バトルマニア ・バトルマニア大吟醸 ・パルスマン ・時の継承者 ファンタシースターIII ・モンスターワールドIV
・ランドストーカー 皇帝の財宝 ・ワンダーボーイV モンスターワールドIII
■PC-FX ・こみっくろーど ・はたらく☆少女 てきぱきワーキンラブFX
■3DO ・ドクターハウザー
■PCE SUPER CD-ROM2 ・GS美神 ・聖夜物語(出来れば4通りすべて) ・ソードマスター ・はたらく☆少女 てきぱきワーキンラブ
・ふしぎの海のナディア
■PCE CD-ROM2 ・天外魔境 ZIRIA ・らんま1/2 とらわれの花嫁
■X68000 ・38万キロの虚空
■WS&WSC ・仙界伝 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜 ・仙界伝 弐 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜 ・TERRORS
・TERRORS 2 ・ヴァイツブレイド ・ラストスタンド
■ネオジオ系 ・KOF R-1 ・わくわく7(既出キャラ以外)
■PCゲー ・アークトゥルス ・暁のアマネカと蒼い巨神 ・アルファ(スクウェア) ・Alone in the Dark(1作目)
・Alone in the Dark 3 ・アローン イン ザ ダーク〜新たなる悪夢〜 ・アローン・イン・ザ・ダーク(2008年版)
・アンタリア創世紀 ・ウィザードリィ3 リルガミンの遺産 ・ウィル(スクウェア) ・英雄伝説V 海の檻歌(既出部分の続き)
・怨霊戦記(もしくはPCエンジンの真・怨霊戦記) ・CHAOS;HEAD(詳しめに) ・ガラージュ
・機動戦士ガンダム アドバンスドオペレーション(エンディングのみを) ・クライブ・バーカーズ アンダイイング ・CLANNAD
・コマンド&コンカー ・サイキックディテクティヴシリーズ(1、2、3、4、5、ファイナル) ・The Witcher ・ザ・スクリーマー
・ジェネシス(スクウェア) ・System Shock ・System Shock 2 ・Sherlock Holmes - The Awakened
・ストーカー 〜コール オブ プリピャチ〜 ・ストロングホールド ・セツの火
・そう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよ ・空の浮動産 ・ダイナソア 〜リザレクション〜
・ツァイ‐メタ女‐ ・ディガンの魔石
・テイルズ オブ エターニア オンライン(ロレッタとレニイの関わるストーリー核心部分だけでも)
・デザート・ドラグーン〜砂漠の竜騎兵〜 ・ドラゴンスレイヤー英雄伝説II ・どろろ―地獄絵巻の章― ・KNIGHT ONLINE Xross
・ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜 ・「ニード・フォー・スピード」シリーズ
・Heroine Anthem - The Elect of Wassernixe(聖女之歌) ・Heroine Anthem II - The Angel of Sarem(聖女之歌2)
・ファイナルファンタジーXIのウィンダス編
・ファイナルファンタジーXIの追加シナリオ「石の見る夢 ヴァナ・ディール最終頌 魂の返歌」
・ファイナルファンタジーXIの追加シナリオ「シャントット帝国の陰謀 ヴァナ・ディール史上最凶の作戦」 ・Fallout ・Fallout 2
・ふしぎの海のナディア(PC-98、X68000、FM TOWNS) ・BloodRayne 2 ・Prototype ・女神転生IMAGINE
・メタ女〜府立メタトポロジー大学付属女子高校SP〜 ・46億年物語THE進化論
・ラグナロクオンライン(特に期間限定で今は見られなくなったクエストの流れを) ・忘れえぬ炎
■アーケード ・ESPGALUDA[エスプガルーダ] ・カラス ・がんばれギンくん(詳しく、できれば全コース)
・サイレントヒル・アーケード ・ザ ハウス オブ ザ デッド4スペシャル ・サムライスピリッツ閃 ・ザ・ロストワールド(SEGA)
・ストリートファイターZEROシリーズ ・すっごい!アルカナハート2 〜転校生あかねとなずな〜(ストーリーモードの神衣の会話を)
・「鉄拳」シリーズ(1〜5まで、次の作品のキャラ紹介で優勝したことになっているキャラのストーリーを) ・ドルアーガオンライン
・ドルフィンブルー ・幕末浪漫 月華の剣士 ・幕末浪漫第二幕 月華の剣士〜月に咲く華、散りゆく花〜
・ピンクスゥイーツ〜鋳薔薇それから〜 ・ラジルギ ・ロード オブ ヴァーミリオン
■携帯電話アプリ ・RPGデスメンディナー ・風ノ名前 ・恋のいろは〜さくら咲く春〜 ・恋のいろは〜ひまわり輝く夏〜
・恋のいろは〜もみじ色づく秋〜 ・恋のいろは〜さざんか散る冬〜 ・自分狩り(あらすじはわかるので詳細を) ・シルバー事件25区
・新世紀エヴァンゲリオン外伝 〜真夏の夜の夢〜 ・新世紀エヴァンゲリオン外伝 〜人形達の宴〜 ・人類は一本の塔に想いを込めた…。
・絶滅記念日2〜After the impact〜 ・テイルズオブコモンズ ・テイルズオブヴァールハイト ・テイルズオブブレイカー
・DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー A’s TEST Server 完全版 ・デビルサマナー ソウルハッカーズ Intruder
・24:ザ・モバイルゲーム ・ナノデビル ・ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還- ・ふしぎの海のナディア
・フライハイトクラウディア ・ペルソナ2 罪 ロストメモリーズ ・ぼくのすむまち ・メタルサーガモバイル ・ルート16ターボ
・ロックマン エグゼ ファントム オブ ネットワーク ・ロックマンDASH 5つの島の大冒険!
・ゲンキモバイルのサイコミステリーシリーズ(「Cold Rain」「Bloody Tears」「横浜牧師館殺人事件」「イザナミの花婿」
「CHAIN-白馬の騎士連鎖殺人事件-」)を詳しく
■同人ゲーム ・アールエス ・アカツキ電光戦記 ・Another Moon Whistle
・アパシー 学校であった怖い話〜Visual Novel Version〜 ・犬神 ・かたわ少女(静音エンドを) ・Gu-L ・さくっとパンダ
・The noose ・スグリ ・SACRED BLUE ・7th Memory ・Seraphic Blue(既出部分の続き) ・送電塔のミメイ ・退魔心経
・タオルケットをもう一度2(唐揚げタンポポ) ・ダリヤ 〜 Lasciatemi morire 〜 ・DEMONOPHOBIA(詳しく) ・天使の微笑
・東方靈異伝 ・東方封魔録 ・東方夢時空 ・東方幻想郷 ・東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View. ・東方緋想天
・東方星蓮船 〜 Undefined Fantastic Object. ・TWilight INSanity ・ひぐらしのなく頃に解(各編の詳しいストーリーを)
・分裂ガール ・HellSinker. ・Persona - The Rapture ・Holy Knights〜忘れられた手紙〜 Director's Cut
・メイドさんを右に ・Rosenkreuzstilette(ローゼンクロイツ スティレッテ)
●途中
・大神[6月] ・デビルメイクライ4[5月] ・神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア[5月]
・Knight Night[5月]・ルーンファクトリー フロンティア[5月] ・ごきんじょ冒険隊[5月] ・TRICK DS版 〜隠し神の棲む館〜[5月]
・斬撃のREGINLEIV[3月] ・ベルセルク 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇 喪失花の章[3月] ・バイオハザード5[3月]
・Siren:New Translation[3月] ・GUILTY GEAR 2 -OVERTURE-[3月]・戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校[3月]
●執筆予告がある物
・ギルティギア ゼクス プラス[6月]
スレ立て乙でしたー
んでもってヌギャー多分最終回いくよー
過去と未来の交錯する地。その言葉通り、この場に過去と未来のマサク・マヴディル、そして
巫女と巫覡が揃った。対となる2人が揃い、真のカミヨリの条件もまた揃うこととなった。
時間を越えて巫女と巫覡を同じ場に居合わせる。これはファウストがかつての失敗から計画していた
ことではないか、とマドカは言う。ファウストを慕う気持ちなど全くなくしてしまっていた大正側の
マサク・マヴデヰルの3人だったが、ファウストは自分達も救おうとしていたのか、とも
考えるようになった。
それはともかくとして、彼らがやらなければならないのは、九藤を倒すこと。
しかしリョウが言うには、もう1つ、倒さなければならない大きな力が存在するという。
ならば現代側と大正側が分担して各個撃破すればいい、と鏡子が提案した。
しかし、大正側と現代側、どちらも九藤には大きな因縁がある。どちらが九藤に当たるかで
アツシとリョウを代表として対立する雰囲気となってしまう。
そこで、巫女と巫覡の話し合いにより、互いの役割が決定されることとなった。
(以下分岐です)
【現代チームが九藤を倒す選択をしたルート】
自分達が九藤を倒す。そう始が宣言し、役割は決まった。
その時、突然始と陽子の手の痣が光を帯び始めた。いよいよ真のカミヨリが始まろうとしていた。
かつて不完全とはいえカミヨリを目撃していたリョウは、その時と同じ現象が起きているのだから
問題ないと最初は思ったものの、光があまりに強いため、不安を感じ始めた。
やがて2人の意識が何者かに侵食されていく。陽子の体を借りた日の使者と、始の体を借りた月の使者は、
互いの存在を感じ驚きあった。
かつてこの神代の地に存在した2人男女の神。その神は新たに3人の神を生み出した。
一人はは日の女神に、もう一人は月の男神となった。しかし3人目の出産の際、あまりの苦しみに
女神が冥府に行ってしまうと、男神は怒り、3人目の神の力を奪い、地へと追いやった。
そして女神に会うために、日と月の神に冥府の門を開けるように頼んだ。
そして彼らは門を開けたものの、そこから現れた冥府の神が地上を穢そうとしたため、再び門を閉めた。
絶望に陥る男神。見かねた日と月の神は、100年に一度だ門の封印を解き、2人を逢わせる事とした。
そのため、この町では100年に1度、生者と冥府の世界が近づくようになったのであった。
これがカミヨリ。だからこそ2人の男女一対の存在が必要であった。
2人の中の日と月の使者が顔を合わせるのは数百年ぶりのこと。原因が黄泉というのであればこの機会に
完全に道を塞ぐのみ。2人の使者は、かつての契約を果たすと告げる。
「今ここに不浄を祓い、この地を日と月の光で満たさん」
そう言った後、始と陽子は崩れ落ちた。そして、辺りに瘴気が満ちる。
九藤との最終決戦に意気込む始。そんな彼を仲間たちが励まし、支える。
そして彼らは最後の決戦の地に足を運ぶのだった。
最も濃い瘴気の満ちた場所。そこに最大の敵、プルートゥがいた。
その体の中心に、取り込まれたであろう九藤の姿が見えた。生きているのか死んでいるのかわからない。
あまりの状態に、始は助けられないかと思うものの、その場の誰一人そんな方法は思い浮かばない。
そして、始たちの最後の戦いが始まった。
残された大正組は、現代側の戦いが始まったのを感じ取っていた。
未だに彼らがノインの担当となったことに納得できないヒジリ。今からでも遅くない、と
陽子達を連れ決戦の地へ向かおうとする。しかし、そんな彼らの前に、もう一体の敵、
黄泉津大神が立ちふさがる。かくして、陽子達の最後の戦いも始まった。
互いの役割を果たし、無事に再会した現代側と大正側。日と月の使者が、
再び始と陽子の体を借りて言う。
「人よ…全ては我が主の思慕が原因」
「しかしそれ故に我々が生まれ、御の達も生まれた」
「我らが姉弟の血を受け継ぐ人よ、御の達もまた思いの因果律の中にある」
「光を受け継ぐ子等よ、他者を愛しめ。全てはそこから始まり、さしてはあらゆる事象を生む」
「事象は世界を育てよう」「世界は光に満ちよう」
「我々、姉弟もまた一日一夜の隔たりの仲なれど」
「日夜の黄昏に逢う事ぐらいはできましょう」
「この世に日の光あれ」「この世に月の輝きあれ」
始の手の中にあった1冊の本、『神代町忌憚誌』。すべての原因は、そこに記されていた。
彼らの元に、ファウストと伯爵が現れる。この場所で、彼らは巫女と巫覡が同じ時に
揃わなかった理由が分かったという。しかし2人がそれを語ることは無かった。
かつて自分達を捨てた男を前にして、戸惑うヒジリとリョウ。ヒジリが何故自分達を
捨てた、と問いただしても、人の世に自分が身を置くわけには行かなかった、とだけ返された。
そして戻り始める時間。大正と現代のマサク・マヴディルが別れる時が来た。
最後にファウストに声を掛ける陽子。ファウストは、彼女にノインは彼女の看病で良くなる、と
告げ、彼らは各々の時間の元へと帰っていた。
現代のトウキョウ塔へと戻ってきた始たち。彼らは全ての終わりを感じていた。
その場にいる誄と始は、眠ってはいるが生きている。そして夜明けが訪れた。
ファウストから、これまでの謝罪と、カミヨリを終焉させたことへの感謝が始に向けられる。
そして、伯爵からも貴重なデータと結末に感謝された。
彼らは、また会うだろうと告げ、その場から消え去った。
そして、誄と航が目を覚ます。彼女達からはここにいた経緯についての記憶が無くなっていた。
その方が彼らにとっていい、というマドカ。和やかな雰囲気がその場を包み込む。戦いは、終わった。
「この世に日の光あれ」「この世に月の輝きあれ」
「神が人に肉を送り、デヴィルが料理人を送り込む
ならば、我らマサク・マヴディルは、闇を喰らう更なる闇と成りましょう
闇が跋扈する時、我等は更なる暗黒、深淵と成る」
神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア おわり …じゃないよ
カミヨリ封印より2ヵ月後、平和な学園生活を送っていた始。
誄と航と一緒に帰ろうとした時、航から妙な話を聞かされる。
この所毎晩、トウキョウ塔から怪しい光が上がっているという噂が流れているらしい。
誄もその話に覚えがあるらしく、脅えてしまう。
そんな彼らの元に、マドカが姿を現した。マサク・マヴディルの面々は事件の後
1ヶ月ほど休暇で神代町に滞在しており、誄や航ともすっかり打ち解けていた。
マドカの登場に不吉な予感がするという航。マドカは始に用があってここへ来たらしい。
誄と航が先に帰った後、マドカは始にもう一度力を貸してくれ、と頼む。
その原因はトウキョウ塔に現れる光の柱にあるらしい。妖魔の気配は無いものの、
人為的な光でもない。とにかくトウキョウ塔での調査が必要だという。
始たちはまずは神代町に集まっているはずの他の仲間と合流することにした。
神代町のあちこちにいる仲間たちに、夜にトウキョウ塔に集合することを確認させた後、
始たちもトウキョウ塔へと向かった。ファウストや伯爵曰く、今度の敵は
あのプルートゥ以上の存在とのこと。準備を済ませ、時間が来るのを待つ始たち。
そして夜、噂どおりトウキョウ塔に光の柱が現れた。現れたのは、死を司りし神の悪意、サマエル。
強大な相手が始達に襲い掛かった。
どうにかサマエルを撃退した始たち。しかし崩れゆくサマエルが言う。
「あの道化め、我を当て馬にするとは、許し難し」
サマエルの向こうにまだ別の存在がいることを意味する言葉に、動揺するファウスト。
「人間よ、我を屠り、全てが終わったと思うな。今、地獄の蓋は、世界の至る所に開いておる
人間よ、我らをみくびるなかれ。今に大群を率いて、この世を混沌へと貶めてやろうぞ…」
とにかく強敵を撃退した事に安堵する一行。しかしサマエルの最後の言葉、軽視はできないと
伯爵はいう。そして、その場に異変が起きた。
そこにいる始(と宝生)を除く7人の体の1箇所に、突然血で書いたような
「P」の文字が浮かんだ。これは大罪の証、とファウストは言う。
さらに、ファウストを狙ったものなのか、彼の側の鏡に黒い薔薇が刺さった。
伯爵は、これがファウストに係わることであると断定した。心当たりがあったファウスト。
前に自分がいた組織に関係がある、と彼は言う。漆黒の薔薇は8人目のメンバーを
意味する、とも述べた。
メフィストフェレス、と伯爵は思い出したように口に出した。それが今回の黒幕らしい。
1度世界を救った経験からか、何とかなる、と気楽に構えるメンバー達。
しかし、伯爵とファウストは、今後のことに不安を消せずにいたのだった。
「メフィスト…君は契約を執行し、私の魂を地獄へと連れて行くだろう。これは私の罪。
神よ、私は、太陽と世界について語るべきことは何も知らぬ。
ただ、人間がみずから苦しんでいることを知っている…」
それを救いたかった…後にはそう聞こえた様な気がした。
神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア おわり
【過去チームが九藤を倒す選択をしたルート】
私がやります、やらせてくださいと陽子が宣言し、それぞれの役割が決まった。
(以下ボスと会うまで現代編と同じ流れ)
周囲を包む異常な気配を感じる3人。彼らはそれを発する敵が誰なのか、そしてそれが
もうすぐここにやってくることを確信していた。
そして現れた因縁の相手、ノイン。彼の様子は最後に会ったときと変わらず、陽子に対する
態度も辛辣を極めるものだった。
彼は陽子を救った後、文字通りの地獄へ行ったのだという、すなわち穴の向こうの世界。
そこでの経験は、自分を狂わせるには充分だった、とノインは笑いながら語る。
妖魔が倒されればどこへ行くのか知っているか、突然ノインは陽子に問う。
妖魔は倒されるとあの穴の向こうへと帰っていく。その事実を理解した時、3人の脳裏に
恐ろしい光景がちらついた。
そんなところへと行ってしまったノイン。妖魔は自分達を殺した相手が一人で転がってきた、と
嬉々として彼の肉体や魂を何度も何度も傷つけたのだという。
そんな中でノインは何故生き残ったのか。彼はプルートゥに取り込まれて、その地獄を生き延びた。
もはやノインという固体の意志も統合されつつある。自らの渇きを癒してくれ、と襲い掛かる
プルートゥ。陽子は自分の身代わりとなったノインの受けた仕打ちを思い愕然とする。
しかし、それが今自分の目の前にいる。ならば自分が彼を救わなければならない。
陽子は立ち上がり、ヒジリとリョウにノインを救う、と決意をあらわにする。
取り込んでいるプルートゥそのものを倒せば彼を救えるかもしれない。何の保証もないが
他の手立てを考えている余裕はない。凛として構える陽子。ヒジリとリョウも、彼女に続いた。
そして世界を、ノインを救うための最後の戦いが始まった。
残された現代組は、大正側の戦いが始まったのを感じ取っていた。
アツシは、始に本当に九藤を譲ってよかったのか、と問う。
そんな中、彼らの倒すべき敵が襲い掛かってくる。最大の敵、黄泉津大神。
かくして、始たちの最後の戦いも始まった。
(以下それぞれが元の世界に戻るまで現代編と同じ)
大正、神代女学院。1日の授業が終わった後、松子に一緒に帰らないかと誘われるものの
断ってさっさと帰ってしまう陽子。松子と梅子は、ここ数ヶ月で彼女の雰囲気が
随分変わったことが気にかかっていた。
マサク本部では、ヒジリとリョウが自分達にどうすることも出来ない現状に
歯痒い思いを抱いていた。ノインとプルートゥの分離自体は成功したものの、
あれ以来ノインは意識不明の状態で病院に収容されたままであった。
毎日のように病院を訪れ、寝ることもせずにノインの側にいる陽子。
彼が目覚めた時、一番におかえりなさい、と言ってあげたい。その思いが彼女を動かしていた。
しかし、いつの間にか眠ってしまっていた陽子。夢の中で彼女はノインとの楽しい思い出に
浸る。時計の音で目を覚まし、眠っていたことに陽子は気付く。すると、目の前のノインが
はっきりと自分の名前を呼んだ。まだ夢を見ているのか、と陽子は思う。しかしそれは
紛れもない現実。
「長い、長い夢を見た。夢の中で君はいつも僕を呼び、僕の為に手を伸ばしていた。
僕は何時だってそれに応えようとしていたのに、何故か僕の世界は決して壊れない
膜のようなもので覆われていたのさ。
君はそれを取り除くために、凛と立ち向かっていった…
陽子、泣いているのかい?もう僕が戻ってきたら、君にそんな顔はさせない…
只今、陽子」
「お帰りなさい、ノイン!」
神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア おわり …じゃないです
すっかり平和になった神代町。妖魔が現れなくなった後も、まだ自分達の力を
必要とする人たちがいる。陽子はマサク・マヴデヰルのまとめ役としての日々を送っていた。
今日はノインが退院してくる日。本部へと急ぐ陽子だったが、街中で号外が配られているのを
目撃する。見出しは「怪異再び」。陽子の顔が険しくなった。
陽子の到着を待つマサクのメンバー達。そこには退院してきたノインの姿もあった。
彼らはすっかり平和な日々に溶け込んでいた。そこへ遅れてきた陽子が例の号外を持ち
やってくる。前回と酷似した怪異現象が再び起こり始めているという記事内容に、
和やかだった彼らの表情が一変する。とにかく行動を開始しようとするメンバー達。
町中に妖魔の気配が溢れているのをリョウが感じる。そして陽子達は本部を出発した。
トウキョウ塔にやってきた陽子達。しかし、周囲にある気配は妖魔のものではない。
日の神を宿す陽子は、それが神のものであると気付いた。そして彼らの前に現れたのは、
人の罪を裁く存在、ネメシス。この神は、因果に触れ人を超越したファウストを裁くため
現れたのだという。ファウストが去った後のこの地に現れたのは、この町の空間が不安定な
為であるとノインは言う。駄目な親の後始末は子供がするのか、とヒジリが文句を垂れるものの、
とにかくこの神を倒すしかない。神代町の平和の為、マサク・マヴデヰルの戦いが始まった。
ネメシスを退けた陽子達。二度とこのようなことが起こらないように、と
陽子は身に宿す日の神の力を借り、この場を浄化することにした。
その後、お祝いの準備を行う陽子、ヒジリ、リョウの3人。さらに陽子は、リョウとヒジリから
トワイライト・ショウの観劇チケットをプレゼントされる。ノインと2人で行って来い、と
高価なチケットを前にためらう陽子の背中を2人が押す。
シアトルの入り口で、ノインが感慨深げに陽子に話をした。
「陽子、本当にありがとう。何もかも君のお陰だ。
君のお陰で今僕はここにいる、分かるね。
これからの人生は君と共に歩もう。そして今、この瞬間からもう1度始めるんだ。
お手を、お嬢さん」
神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア おわり
ちょっと補足
・現代チーム、特に始が九藤にこだわる理由としては「妹の敵討ち」。が、見ての通り現代編3において
九藤倒した上に妹も生き返らせてます。だけど話はそんなこと全員が忘れてしまったかのように進行。
戦闘開始の号令もアツシの「いくぜ!始の妹の仇!」となってます。
・過去編1でちょっと話に出てきたノインの真実がどうとかいう伏線は結局消化されませんでした
以上で神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア終了です。
お付き合いいただきありがとうございました。
ヌギャー完走乙!
そういえばノイズネットって単語が出てきてどっかで聞いたことあるな・・・と思って調べたら過去のIFゲーに出てくる単語だった。
他にも過去のIFゲーからの要素はあるの?
>>18 俺自身IFゲーはこれ以外は全然知らないのでちょっとわからない。スマソ
ネオジオ系のKOF R-1はアーケードのKOF97のストーリーを縮小したもので追加などはありません
むしろ携帯機でキャラ減ってます
前スレを使い切ってから移動してくれ
24 :
ゲーム好き名無しさん:2010/06/07(月) 14:05:53 ID:LYyz7ut30
>>22 いま、484KBだから500KBまで使い切ろうってことだろ。
いや、絶対許さない
テンプレの未解決欄に東方永夜抄があったから書こうと思うけど
あれって6-AとEXは要るのかな?
>>27 書けるなら書いてもらいたいところ<6-AとEX
あと、前スレがまだ埋まってないので、できたらそっちに投稿してほしい
>>28 かなりの量になりそうだがおk、投下する時はそっちを埋めがてらやることにする。
6-AエンディングとEXを再確認する作業が始まるお・・・
書いててどれほどの情報量で書いたらいいか混乱してきたんで一部投下
一面
霊夢
「連れ出しておきながら何も無い」と紫に不満を漏らす霊夢。
そこに「私がいるじゃない」と先程倒されたはずのリグル・ナイトバグが再び二人に立ちはだかる。
リグルをシバき倒した後、霊夢は幻想郷の虫が増えてきたことに気づき、外の世界の心配をするも紫に一笑に付されてしまう。
Final A面
霊夢
廊下を進む二人はようやく先の『師匠』、八意永琳に追いつくも、彼女はあたかも自分が囮かの様な話し方をする。
そこで二人は長すぎる廊下と、自分たちが訳の分からない場所にいることに気づく。
既に術は完成し、姫は連れ出させないと言う永琳。
二人が姫は良いから月を返せというと、彼女は明日の朝には元に戻すと言う。
それでは遅いと言う霊夢よそに、永琳がここは偽の月と地上を繋ぐ偽物の通路、これで地上人は月に辿り着けず、月の民もまた地上に来られないと言う。
あまり話が理解出来ていない霊夢は、とりあえず永琳をシバき倒すことを提案する。
こんな感じでキャラごとに逐一書くか、大筋だけでEDとEX分けるかどっちにした方がいいんだろう
自分としては結構な情報量になるものの、こっちの方で書きたいと思ってるが、スレ的にはどっち?
>>30 だから前スレをだな・・・
東方風神録が前スレに投下されてるが
キャラごとに逐一書かれているように思う
>>31 おk把握
こっちに落としたのは完全な誤爆だ、スマソ・・・
PSP
東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚
まだ出ていないようだったので…
9話エンド(たぶんバッドエンド)、10話エンド(真エンド)の両方をお願いします
35 :
ラジルギ 本編:2010/06/14(月) 03:03:42 ID:tbRuXEuw0
未解決分のうちACのラジルギを
舞台は社会が高度に情報化された時代(とは言え基本のノリは現代社会の延長)
人々は受信端末を人体の内外に移植し、その恩恵に授かっていた
飛び交う大量の電波には、ちょうど花粉やウイルスのように人体に悪影響を及ぼすものもあった
主人公・守草シズルは「電波アレルギー(ラジオ・アレルギー=ラジルギ)」で、そんな電波に悩まされている女子高生
「あ〜、今日も目がスッゴイかゆい……ねぇエーコぉ、何か良いパッチ持ってない〜?」
ある日、電波アレルギーの特効薬となるプログラムを開発中の製薬会社が武装テロリスト集団「アンブラ」に占拠された
アンブラの要求は社会に飛び交う電波の停止及び端末手術の廃止
人質の中には偶然取引先として来社していたシズルの父親の姿もあった
シズルは友人であるPCヲタ少女・相田タダヨによって違法改造が施された体育の授業用端末スーツ「小次郎」を駆り
父を助け、特効薬を手に入れるというごく個人的な動機でタダヨのナビのもと単身テロリストに戦いを挑む
道中立ちふさがるのはアンブラによって狂わされた街の清掃機械や工事車両、そしてアンブラの構成員たち
構成員たちとは戦闘中にメールのやり取りがあり
その中で彼らは自らの行いを崇高なものと信じ、あるいはシズルの個人的な動機に不快感を示す
これらを撃破し、ついに占拠されたMPP本社ビルに辿り着くシズル
そこではシズルと同年代の少女でありながらアンブラのリーダーを務める三島ルキが
軍用の機体をカスタムした乗機・フィナーレで待ち受ける
そしてルキも怒りとともにやはり問う
「あなたは何?何がしたいの?電波症を治したい?父親を助けたい?それが悩み?それが目的?
た か が そ ん な 事 で … 私 の ジ ャ マ を す る の ! ? 」
ルキの猛攻を凌ぎつつシズルも切れる
「 オ マ エ い い 加 減 に し ろ よ ! 」
激闘の末に機能を停止するフィナーレだが突然コントロールを受け付けなくなり一層の激しさで暴れだす
「破壊される事で起動するシステム?一体誰がこんなものを?」
どうやらルキにも全く予想外のことらしい
「わかってたのね…あの人には…こうなる事さえ…私のやってきた事ってなんだったのかな…?ママ…」
絶望とともに呟くルキ、そして今度こそ確実に機体は沈黙する
エンディングにて
全てを失ったルキは自分をフォーマットしてほしいとタダヨに頼む
高度な情報化によりやろうと思えば外部からの操作で人の記憶や記録もいじれるらしく
ルキは自身の記憶と自我の喪失を望んだ
シズルはどうにかルキを救えないかとタダヨに頼む
そこでタダヨが閃いたのは逆の発想で全サーバーからのルキに関するデータの消去
情報と記憶の密接な連動により少なくともシズルやタダヨ達以外ルキを知る者は誰もいなくなる
これが本当に救いになるのかも分からないがタダヨはあっさりと実行してしまう
こうして一連の事件は幕を閉じた
エンディングで父親や特効薬については一切触れられません
続編である「ラジルギ ノア」から推察するに父親は普通に無事
シズルは相変わらずくしゃみをしてるので特効薬は結局手に入らなかった様子
このようにストーリーが全体的に説明不足ですが裏設定的なものがステージ間等で断片的に示されます
ある程度の補完材料にはなるので人物についてその辺からいくつか
シズル:特に裏もなく本編通りの人物
タダヨ:ディープなPCヲタなのは過去に起きた電波テロで行方不明になった
(ネットのデータの海に呑まれた?)弟を探し出すためである
中学時代に壮絶ないじめにあっていた
現在の家庭環境も複雑らしく、家には帰らず学校の使用していない体育倉庫を私物化しそこで暮らす
普段は「〜でごじゃるよ」などのネタっぽい口調と態度だが実際には相当影のある人物
ルキ:決起の際に実は軍の上層部の人間と交渉し、同時のクーデターを企てていた
しかし結局交渉は決裂し、本編の展開となる
軍の人間とは彼女の義理の父親であり、実の父親は母親との離婚後行方不明
母親も彼と再婚したその年に医療ミスに見せかけ彼に謀殺された
その後ルキは彼によって11歳から13歳の間毎日のように性的虐待を受けていた
それにより男性恐怖症
現在のドレッドヘアや体のラインを隠すようなコート、ゴツいブーツは自身の性別を否定するかのようである
13歳で家を飛び出し15歳でアンブラを結成、義父との再会・交渉は16歳の頃となる
どういった経緯でテロ組織を立ち上げるまでに至ったのかは説明されていない
事件での要求から母親の命を奪った端末移植手術を憎んでいるようだが
義父が裏で糸を引いていた事は結局知らないままだったようだ
シズルの「父親を助ける」「電波症を治す」のどちらの動機も
彼女のトラウマを刺激する唾棄すべきものだったため激昂したのだろうが
結局ルキの動機もシズルと同じく個人的で身勝手なものでしかなかった
また同じくマイルストーンのSTGであるカオスフィールドやカラス、イルベロとの
結構ディープな設定の繋がりもありますが今回は割愛
だから前スレから使えっつってんだろーが
少し前のレスすら読めない人って・・・
STGってどうしてこう無駄に鬱設定なんだw
調べてみたらゲームデザインはポップな感じなのに中身コレって・・・
第三章
そして、翌朝。
「……さん、起きてください」
目を開けると視界いっぱいに広がる古泉の顔。これ以上無いってくらいに最悪な目覚めだ。
それから古泉に屋上に連れて行かれた。そこで見たものは、かつてグラウンドであったところに
違和感なく収まっている、ハルヒご所望の野球場だった。
ハルヒ超監督の指揮により、野球場にて追加撮影が行われた。
撮影が終わった後は、一応編集作業をする。
その合間に、気分転換として校内をブラついたのだが……
何だか、校内にいる生徒の人数が減っているような気がする。
夜、部室にやってきたハルヒは何だかご機嫌ななめである。
このままでは意味もなく怒られそうな気がするので、俺はハルヒに話しかけてみることにした。
「なぁハルヒ、追加撮影はもう必要ないよな?」
「そうねぇ。もう必要ないと思うわ」
「本当に、本当に、必要ないよな?」
「そこまで言うなら考えてみようかしら。そうだわ、『燃え』じゃなくて『萌え』が足りないのよ!
健康的な色気、それが必要なのよ!」
ハルヒは上機嫌で部室を出て行った。またハルヒの変な気を起こさせてしまった。
でも、健康的な色気ってどんなんだ?例えば、朝比奈さんの水着姿、
それこそは健康的な色気と呼べるのではないか?
そんなことを考えながら眠りに落ちた。
第四章
いや、個人的な意見では、この日起こったことが、
野球場が出現するよりも悪いことなのかと問われれば、
そう悪くもなかったんじゃないかと思ったりもするのだが、
朝目を覚ますと、学校のプールは白く輝く砂浜へと変わっていた。
皆は水着に着替え、早速ビーチで追加撮影が始まった。
それが終わったあとは棒倒しやらビーチバレーやらで楽しく遊ぶ。
ちなみにSOS団のメンバー以外の人物は、もうこの閉鎖的閉鎖空間の中にはいないらしい。
日が暮れてからやっと編集作業に取り掛かった俺だったが、
やはり途中で睡魔に撃沈されてしまった。
第五章
今日もやはり文化祭の前日であった。
窓を開けて確認してみたが、ビーチや野球場がいつの間にか元に戻っている、
なんてことは起きていなかった。
ハルヒは追加撮影するとは言い出さず、平穏に午前中が過ぎていった。
昼になって、古泉に非常階段へと呼び出された。
行ってみると、そこには朝比奈さんと長門もいた。
「さて、皆さんにお集まりいただいたのは他でもありません。
今回の、この事態の解決についてです。
僕はいっそ、涼宮さんに、明日が来てほしくてたまらないと考えていただくように
仕向けてみようと思うのですが」
古泉がそんなことを言い、皆は賛同した。俺も異議はない。
「では、その誘導役ですが」
そこでなんで俺を見る?
「全会一致のようですね。それでは、実行は、夕方辺りに部室でということにしましょうか」
やれやれ、世界の命運を握っちまった。
俺は重い気持ちのまま、フラフラと野球場に来た。
「そのように思いつめた顔をしていると、転んでしまうぞ」
シャミセンだった。俺はシャミセンとしばらく話をした。いい気分転換になったような気がする。
夕方。俺はパソコンを操作しつつ、出来るだけさりげなくハルヒに話しかける。
「なぁハルヒ、例えば遠足の前の日とかって、寝付けない方か?」
「そうねぇ、小さい頃はそうだったかしら」
「じゃあ、例えばショートケーキのイチゴって、最後までとっておいたりとか?」
「うーん、何とも言えないわ。それがどうかしたの?」
いや、その……。どう言ったらいいものか。
「言いたいことはハッキリ言いなさい」
「いや、なんつーか、もしかしてお前、明日が来なきゃいいとか思ってたりしないか?」
言ってからマズイと思った。少々核心を突き過ぎた。
「キョン、あんた、映画を仕上げる気、ないでしょう?
完成を間近にして『明日が来なきゃいい』なんて、怠惰な発想だわ」
こちらの真意を知られたわけではないようなので、まずは一安心。
だがハルヒを不機嫌にしてしまったわけで。
「チラシ貼りに行って来るわ。キョン、編集進めときなさいよ!」
結局のところ、作戦は失敗だ。
編集作業に没頭すること数時間。まったく、ハルヒはチラシ貼りにどこまで行ってるんだろうね?
「はかどってますか?」
やってきたのは朝比奈さんである。
朝比奈さんはこれから、体育館のシャワー室に行くのだという。
「キョンくんも一緒に行きませんか?」
なにっ?いつの間に俺はこんな素敵イベントのフラグ立てをしてしまったんだ?
もちろん喜んでご一緒させてもらうことにした。
だが、そんな浮かれた気分も長くは持たなかった。
「なんじゃこりゃー!」
体育館は無惨にも崩壊していた。
第六章
「少々お話をよろしいでしょうか。緊急事態です」
いつものごとく部室で目覚めた俺に古泉は、神人の気配を感じていると言った。
しばらく後、長門が部室にやってきて読書を始めた。
「始まった。古泉一樹は神人と戦闘状態にある」
ふと顔を上げて長門が言う。
俺は部室を飛び出して、崩壊した体育館の前に行った。
そこで、古泉は小学生くらいの女の子とにらみ合っていた。
長い髪をリボンで留めている、かわいらしい女の子。
見覚えがある。いつか見かけて、追いかけたこともある子だ。
おい古泉、まさか、これって……?
「ご推察のとおり、彼女が『神人』です」
冗談にしちゃタチが悪いぞ。前に見たことあるが神人ってのは
もっと巨大で不気味なモンじゃなかったのか?
「僕はいたって大真面目です。今回は少々特殊な事例のようですね。
ようやくここまで追い詰めました。彼女を倒します。よろしいですね?」
待て、古泉。俺は、やっぱり――。
「見た目に惑わされないで下さい。昨夜の体育館の崩壊も、
この神人が関わっているのは間違いないのです」
ああ、わかってるさ。その子は本当に神人なんだろう。だけどな。
「彼女が女の子の姿をしている限り、俺はその子が攻撃されるのを見たくないし、
お前がそんな小さな子を痛めつけるのなんか、見たくないんだよ!」
古泉に隙が出来ると、女の子は逃げてしまった。
部室に戻ると、そこにいたのは朝比奈さん一人だけだった。
朝比奈さんが淹れてくれたお茶をすすりながらくつろいでいると、ハルヒがやってきた。
「キョン!それにみくるちゃん!準備しなさい!」
何をだよ?
「決まってるでしょ、ピクニックよ!」
ピクニックって言ったって、この閉鎖的閉鎖空間から出られないんじゃ……
と考えながら窓の外を見て愕然とする。
中庭を隔てた中館(なかかん)の屋上は、緑豊かな草原と化していたのである。
「そうそう、今日は特別ゲストがいるのよ。いらっしゃい」
ハルヒの言葉に応えて、おずおずと入ってきたのは、あの「神人」の少女だった。
ハルヒと少女はバッタリ出会って、すっかり仲良くなったのだという。
「さあ、行こう、リボンちゃん」
かくして、SOS団は、神人の「リボンちゃん」とのピクニックを執り行う運びとなった。
長門が言うには、リボンちゃんは四年前のハルヒの姿なのだという。
だが、過去のハルヒがタイムスリップしてやってきた、というわけではなく、
彼女はハルヒの真相意識が具現化した存在なのだそうだ。
まぁ、今は難しいことを考えるのは止そう。
中館の屋上で弁当を食べた後は皆でバドミントンをして遊んだ。
リボンちゃんは皆に懐いて、普通に喋り、普通に笑っている。
夜は朝比奈さんのクラスに勝手に入り込んで焼きそばパーティーをした。
もちろんリボンちゃんも一緒だ。
しかし、文化祭のためにと買い揃えた食材を俺たちが勝手に使っていいものかね?
さて、パーティーが終わった後、朝比奈さんのクラスがある中館と、
部室がある旧館への渡り廊下を歩いていたときのことである。
リボンちゃんが朝比奈さんのクラスに忘れ物をしたと言い出した。
ハルヒは自分がとって来ようと申し出たのだがリボンちゃんはそれを断り、
長門と朝比奈さんと古泉を指定して取りに行かせようとした。
リボンちゃんは無邪気な顔して、完全にこの場を仕切ってやがる。
ハルヒと同じと言えば確かにそうなんだが。
三人は意外にもあっさりと了承し、中館へ向けて歩みを進める。
十数秒後、地震のような振動が感じられる。
振り向くと、渡り廊下は途切れ、中館はゆっくりと崩落を始めていた。
これはきっと、リボンちゃん、いや「神人」の仕業に違いない。
三人は崩れ行く中館に取り残された。あの三人なら、簡単にこの状況を抜け出せるはずだ。
だが、三人は俺たちを見つめるばかり。
そうか。ハルヒに能力を使うところを見せるわけにはいかないのだ。
呆然と立ち尽くすハルヒを説き伏せ、俺たちは旧館へと入った。
ハルヒの目の届かないところで三人は中館から脱出し、事無きを得た。
今晩は皆で部室に泊まることになった。寝る前に少し古泉と話をする。
古泉もやはり、中館の崩落は神人の仕業だと睨んでいるらしい。
だが、神人の目的は何だろう?古泉たちを殺すこととは考え難い。
それなら、あんなにゆっくりと崩落させる意味は無いからな。
第七章
目を覚ますと、部室には俺とハルヒだけが残されていた。
長門に朝比奈さんに古泉、そしてシャミセンも姿を消してしまっている。
「あんた、映画にあたしの声を入れたいとか言ってなかった?」
ハルヒが唐突にそんなことを言う。
ああ、あれは確か、前に録音したヤツがパソコンに入っているはず。
俺はパソコンの中を探してみたが、それらしいデータは見当たらなかった。
「じゃあ、キョン、行くわよ!」
俺とハルヒは放送室の設備を借りて録音することになった。えらく本格的だな。
「『この物語はフィクションであり実在する人物、団体、事件、その他固有名詞や
現象などとは何の関係もありません。嘘っぱちです。
どっか似ていたとしてもそれはたまたま偶然です。他人のそら似です。』
え? もう一度言うの?こんなの必要ないじゃない」
こいつに原稿を素直に読ませることはこんなにも難しいことなのか。
仕方ない、さっきのテイクで満足しよう。
「ちゃんと録音されてるかチェックするから、そこで待っててくれ」
チェック作業に入ってしばらく後。
「ねぇ、キョン」
「ん?」
「この映画が無事完成したら、遊園地とか行く気ある?あたしと」
いつもとは違うトーンで、ハルヒはそう言った。もしかして、デートへの誘いか?
「ああ、そうだな、いいかも知れないな」
俺は動揺を隠しつつもそう答えた。
「そう、じゃあ考えとくわ」
しかし、二人きりで遊園地って、払いは全部俺とかじゃないだろうな?
その後、編集作業に邁進するはずだったのだが、居眠りをしたりして気が付けば昼過ぎになっていた。
「あら、キョン、ここにいたの?」
部室の静寂はハルヒの声によって破られた。編集作業なら進んでないぞ。
「みくるちゃんや、有希や古泉くんは?お昼に集合するって約束だったのに」
そう言われてみると、今朝から三人の顔を見ていない。
まさか、リボンちゃんに消されてしまったのでは?
「あたし、あの三人を探しに行って来る!」
ハルヒは部室を飛び出して行った。
しばらく後。
まだ日が暮れる時間には早いはずなのに、窓の外はさっきよりずいぶん暗くなっている。
俺は何故か不安に駆られ、ハルヒを探して校内を走り回った。
そしてリボンちゃんの姿を見つけたのだが、彼女は俺の顔を見るなり逃げ出しやがった。
追いかけたが見失ってしまった。
「あらキョン、どうしたの」
そこにハルヒがいた。
「キョンっ!どう、誰か見つかった?」
えっ?そこへやって来たのは、もう一人のハルヒだった。
「なんなのあんた、あたしのそっくりさん?」
「あんたこそ、なんであたしにそっくりなの?」
二人のハルヒは取っ組み合いを始めてしまった。
おそらく最初に会った方のハルヒがニセモノだろう。リボンちゃんが化けているのだ。
それくらいは俺にもわかる。だが、今となってはどっちがどっちだか見分けが付かない。
よーし、こうなったら……。
「おい、涼宮ハルヒ!これからお前たちは俺と話してもらう」
そうすればたぶん、わかるだろう。
ここで本物が見分けられないようじゃグッドエンドなんて夢のまた夢だ。
会話例を以下に示す。
A:
「映画、評判良いといいな」
「ハリウッドからオファーが来たらどうしよう」
「それは絶対無いから安心しろ」
B:
「映画、評判良いといいな」
「ま、大丈夫じゃない。あたしが作った映画なんだから」
「……そうか」
言わずもがな、Bが偽のハルヒである。
偽のハルヒは妙に醒めているところがあるのだ。
さて、どちらが本物かはわかった。
俺は本物のハルヒを、お前が本物だ、という気持ちを込めて見つめた。
それが伝わったかどうかはわからんが、今はハルヒを信じるしかない。
その上で、
「お前が本物だ」
と偽のハルヒに向かって言った。本物のハルヒよ、大人しくそこで待っていてくれ。
俺は偽のハルヒを部室に連れて行った。
「ふふっ、『あたし』も、何であんたみたいなのとつるんでるのかしら」
「それは俺が宇宙人でも未来人でも超能力者でもないからか?
一応言っておくけどな、お前がニセモノだってことはわかってる。
すまんな、凡人の俺に無理やり付き合わせちまってさ。なぁ、リボンちゃん」
「あんた……」
「最初の質問だ。お前の目的は一体、何なんだ?」
「あたしは、あの三人が非日常的存在だということを、『あたし』に教えたかったの」
昨夜の中館の崩落、あれはやはり、リボンちゃんの仕業だった。
あの三人が能力を使うところをハルヒに見せたかったらしい。
このリボンちゃん、否、ハルヒの深層意識は、あの三人の正体を知っている。
というのも五ヶ月前に俺が三人の正体をバラしたからなのだが……。
ハルヒの表層意識はあのとき、俺の発言を冗談だと言って否定したが、
深層意識では肯定していたのだった。
「文化祭前日をループさせたのもお前なんだな?何でこの日じゃないといけないんだ?」
「それは……楽しかったからよ。文化祭の前の日が、すっごく楽しかったから!」
楽しかったから、何度も過ごしたいってことか?
「違うわ。だって変じゃない。楽しいはずがないのよ。
『あたし』が楽しくちゃいけないのよ!
だって『あたし』は、非日常と邂逅するっていう夢を叶えてないのよ?
なのにどうして、そんなに楽しくしていられるの?おかしいでしょう?」
ハルヒの深層意識が現れた理由がわかった気がした。
要するにハルヒは心の奥深くで矛盾を感じてたってわけか。
「ただの人間には興味ありません」なんて自己紹介で言っておきながら、
ただの人間に過ぎない(と表層意識では思っている)奴らを相手に楽しくてたまらない自分に。
それで深層意識がリボンちゃんとなって具現化し、妙な空間に俺たちを閉じ込め、
非日常がそこに存在していることを表層意識に教えようとした。そういうことだな。
「やれやれ」
「何よ」
「お前があまりにもアホだから呆れてるんだ。そんなこともわからんのか?
簡単なことだ。それはな、朝比奈さんや、長門や、古泉や、そして俺も、
ハルヒにとってもう『ただの人間』なんかじゃないからさ。
今、俺たちはSOS団の仲間なんだよ。仲間といるときは、楽しいもんだ。
それは全宇宙における普遍的真理ってヤツでな、深層意識がどんなにグダグダ言おうと、
絶対に、変わらないもんなんだよっ!!」
「……」
「わかったらこの空間を元に戻せ!ハルヒはな、いや、ハルヒだけじゃない、俺もそうだし、
あの三人もきっとそうだろうが、あの映画とも呼べないようなこっぱずかしいシロモノを、
文化祭で公開するのが楽しみで仕方ないんだよ!」
「……いいのね?あたし、楽しくても、いいのね?」
ああ。俺が保証する。お前はその楽しさを、たっぷり謳歌していいんだ。
だってハルヒ、お前は確かに普通とは言い難いが、それでも高校一年生なんだぜ。
高校生らしく、楽しく過ごせばいいじゃないか。
「そうね。あたし、楽しむことにする。キョンもたまにはいいこと言うわね」
リボンちゃんは光の粒子に包まれ、消えていった。
「いやあ、お見事ですね」
朝比奈さんに古泉、長門、そしてシャミセンが部室に入ってきた。
古泉、お前消えたんじゃなかったのか?
「いえ、我々はコンピ研の部室に隠れていただけですよ」
急に力が抜けてしまう。もちろんハルヒが探しに来たらしいが、
長門が手を回して見つからないようにしていたらしい。
古泉は、リボンちゃんの目的は三人の正体をハルヒに教えることではないか、と推理した。
そこで三人がいなくなれば、リボンちゃんは何も出来なくなって、
事態は解決に向かうと踏んだわけだ。やれやれ。
最後にわれらが団長様が部室にやってきた。
慌ててつまずき、俺にぶつかりそうになる、いつものハルヒだった。
エピローグ
いつものように俺は部室で目覚めた。
恐る恐るパソコンを確かめてみると、そこには文化祭当日の日付が表示されていた。
崩壊した体育館やら中館、その他メチャクチャになった諸々も見事に元に戻っている。
ん?パソコンのデスクトップには、既に編集済みの動画があった。
編集作業などちっともやっていないのに。誰がやったんだ?
しかもその動画には今の俺には到底無理なCG合成やらエフェクトやらが盛り込まれていて、
それなりに見られるレベルになっていた。
俺は朝の校内を歩き回って、編集作業をした奴を探した。
ハルヒは当然違う。古泉と長門に聞いてみたが否定された。
朝比奈さんや鶴屋さんでもない。じゃあ、誰が?
念のためにシャミセンにも聞いてみることにした。
「私は見た。いつだったか、キミたちが焼きそばパーティーとかいうものに興じていたときだ。
そのときパソコンの前に座っていたのは、キミだった」
は?俺?
「今私の前にいるキミとは違うキミだ。つまり……」
「キョンくぅん!」
そこへ闖入してきたのは我が妹だった。おい、どうしてここにいるんだ?
「今日はね、昨日のおにぎりの入れ物を取りに来たんだよ!それで、シャミを連れて帰るの!」
妹はシャミセンを連れて行ってしまった。
てかシャミセン、どういう意味だよ、俺とは違う俺が映画の編集をしてたって?
俺の頭には、一つの考えが浮かんでいた。まさか、未来から来た俺、なんて言うんじゃなかろうな?
その可能性はゼロとは言い切れない。
やれやれ、エフェクトのやり方とかCGとかの勉強しとくか。
部室に戻ってみると、ハルヒ御大がおいでなすった。
「今日はいつもより調子がいいのよ。夢見が良かったからかしら。
最近まれに見る、スカッとした夢だったわね」
なるほどな。あの突拍子も無い状況は夢だと思っているわけか。
しかし、よっぽどその夢が気に入ったようだな。何よりだよ、ハルヒ。
こうして俺たちの、長い長い文化祭前日は終わった。後はこの祭りを楽しむだけだ。
俺は今日という日を楽しむことにする。いや、今日だけじゃない。
この先何が起ころうと、俺はそうするつもりだ。
だからお前も、心おきなく楽しめばいい。どんなことでも、お前のやりたいようにさ。
そして無事、文化祭は終わった。
かくも長きに渡って俺の心の重荷であり続けたあの映画が、
他の生徒たちからどのような評価を得たかは……思い出させるな。
過ぎてしまったことは忘れよう。忘れるしかない。忘れないとやってらんねー。
ともあれ、そんな文化祭から数日が過ぎた、土曜日の午後のことだった。
「キョン、今日、例のアレを決行するわよ。約束したでしょ、忘れたの?
駅前に三十分以内に集合ね」
いきなりハルヒから電話がかかってきて、そう告げられた。
訳のわからないまま駅前に行った俺はハルヒと一緒に電車に乗った。
すっかり辺りが暗くなった頃、電車は目的地に着いた。
ここって、遊園地か?ということは、だ。放送室でのアレか?デートなのか?
と思ったが、長門に古泉に朝比奈さんも後からやって来た。
どうやら今日は、SOS団の文化祭打ち上げイベントらしい。やれやれだ。
「ね、約束通りでしょう?」
ハルヒが振り返って俺に微笑む。
「今後、SOS団の会合は絶対に全員集合だって。
いい、これからもSOS団は必ず全員集合よ。わかったわね」
ああ、そうだな。そうしよう。
「さあ、キョン、心おきなく楽しむのよっ!」
以上、ハルヒグッドエンドでした。
ハルヒ乙でした
あと前スレ埋めも乙
原作知らないからよくわからんのだけど、
書き出しにあった「俺」ってのは前作の「〜の並列」と同じ語り手の「キョン」って人?
EOEって既出?
一応やったんだが俺には到底理解できなかった
>51
EOEって何の略?
ついでにハード名もよろ
PS3/Xbox360で出てるエンドオブエタニティのことだ
>>50 ハルヒの人ではないが、総じて俺=キョンでおk
>>53 聞くよりwiki見に行けよ。ちなみに無いようだ、リクエストも無い
EOEは書くの難しいだろうなあ
どんどん自分らで解釈してってねっていうスタンスなのか…
57 :
GGX+:2010/06/18(金) 17:58:16 ID:mn0FcU720
PS2・ギルティギアゼクスプラス投下します
ちょっと主観混じりなところもありますがご了承を
まず注意点
・この作品はシリーズでストーリーが続いているので、まったく知らない方は
読む前に別の方が書いた前作「ギルティギア(PS)」の項目を参照すること推奨
・一部のキャラは公式に載ってるバックストーリーと
ストーリーモードの内容が若干異なる
・「OP」とはゲーム開始時に表示されるプロローグ
・分岐条件などは一部正確でない部分アリ
58 :
GGX+:2010/06/18(金) 17:59:10 ID:mn0FcU720
★基本ストーリー(※公式サイトから引用)
2180年武道大会に現れた、最強にして最悪のギア・ジャスティスは死亡した。
その司令塔と共に行動力を失ったギア達は、その後発見され次第処分された。
もはや人々は、その天災的脅威に悩まされることのない日々を約束されたのである。
しかし、それから1年と経たずしてのこと・・・。
A国で、ギアの異質な生存情報が発表されたのである。
「あらゆる生命活動を束縛されたはずのギアが、通常に生存プログラムを起動させている。
そのギアの身体的異常・外傷は無いものと見受けられる。
また、故意または衝動による民間への害が認められない。
幾度にわたり処分を試みたが、その強大な戦闘能力に阻まれ、殺傷の断念を余儀なくされた。
尚、現時点での討伐プロジェクトにおける隊員の死傷者は、確認されていない。
現在、保護観察体制を維持中。」と言ったものである。
本来ギアとは、指令者の命令を絶対とする兵器であり、生きものであった。
その為、命令が下らない場合は、戦闘意欲がない素体に近い状態で飼育されるのである。
しかし、現存する全てのギアは、ジャスティスによってメモリを消去されている。
いかにギアが既存生命を素体にしていようが、命令を受信できない状態では植物化し、
本来の防衛本能はおろか、自給自足もままならないのである。
仮に、正常起動しているのであれば、人間に対して危害を加えるはずである。
故に、このあたかも自らの意思を持つかのようなギアの情報は、奇異な内容であった。
人々にとっては、ジャスティスのような自立型の再来を懸念させる不吉な内容だった。
ましてや、軍事利用を目的とした各国のギア保有説が噂にのぼるご時世である。
やっと訪れた平穏を守ろうと、民衆の反ギア運動に勢いがつき、決起したのである。
〜現在A国に保護観察体制にあるギアを処分せし者には500000ワールド$を進呈する〜
(まとめると、ジャスティスの死後に新たに活動中のギアを確認。
そいつは自分から攻撃はしてこないけどとんでもなく強くて危ないから
さっさと処分するために賞金がかけられた、というお話)
59 :
GGX+:2010/06/18(金) 18:00:39 ID:mn0FcU720
※前作からの補足
・ソルがジャスティスを倒したという事以外は基本的に各キャラEDで起きた内容をそのまま継続
・クリフとジャスティスは死亡し、今回ストーリーモードが存在しない
・テスタメントは生存。賞金首となる
・Drボルドヘッドは「ファウスト」と名を変え、紙袋を被って登場している
※今作からの新キャラクター
・蔵土縁紗夢(くらどべりじゃむ)
中国出身の料理人にして「気」を操る拳法使い。面食いじゃじゃ馬娘。
一見理想の高いワガママ女だが、実は超現実主義者であり
最後に信じられるのは己のみと考えた結果拳法を身につけた。
料理に対する情熱は深く、持論を証明する為に自前の店を持とうと賞金稼ぎ活動を始める。
・ジョニー
ジェリーフィッシュ快賊団の団長。無類の女好きでナルシスト。居合いの達人。
13歳の時に唯一の肉親であった父親をギアに殺されて天涯孤独となるが、
やがて自分と同じ境遇のものを救わんとして快賊となる。
そのため孤独なものに対する庇護の思いが強い。
ソルや現ツェップ大統領・ガブリエルとは面識があるらしい。
60 :
GGX+:2010/06/18(金) 18:02:23 ID:mn0FcU720
・御津闇慈(みとあんじ)
ジャパニーズの舞人。直情的な熱血漢。
日本は聖戦のさなかに滅亡した国であり、その生き残りは希少人種として
コロニーと言う施設で保護観察下に置かれるが、束縛される生活を嫌い脱走する。
体育会系だが知的好奇心旺盛で、純粋な興味からギアについて独自調査している。
どういうわけか神器の一つ「絶扇」を所持している。
・ヴェノム
「組織」所属のアサシン。ザトーやミリアの部下にあたる。
繊細な心の持ち主で、アサシンとして不適切とされ処分されそうになるが
そんな中で唯一自分に目をかけ必要としてくれたザトーに恩を感じ
以降は彼に絶対の忠誠を捧げる。
前大会の折に行方知れずとなったザトーを探している。
・ディズィー
今回賞金首となった人型ギアの女性。満三歳だが肉体や精神は大人のそれである。
赤子の頃は人の子そのもので、とある老夫婦に拾われ育てられたが
急激な成長、尻尾と翼の確認などでギアと判断され村から処分を決定される。
そこを老夫婦の計らいにより人の近づかない「悪魔の棲む地」へと逃がされた。
翼にはそれぞれネクロ、ウンディーネという独立した人格が宿っていて
敵意を向けられると2匹(主にネクロ)がディズィーを守ろうとして勝手に暴れてしまう。
しかし本人は争いを好まず、自分の力を疎んじながら森に引き篭もっている。
・梅喧(ばいけん) ※前作からのキャラだが、今回からストーリーが追加
修羅の道に生きる女サムライ。喧嘩っ早くて男勝り。
コロニーの一つで暮らしていた生き残りジャパニーズだが
幼い頃にギアの襲撃を受け友人や親を皆殺しにされる。
その時ギアの群れの中に「あの男」の姿を見て敵と直感、女を捨てて復讐を誓う。
ギアや妖怪・化け物の類には容赦がない。
61 :
GGX+:2010/06/18(金) 18:03:50 ID:mn0FcU720
ストーリーモードのだいたいの流れは
「賞金首のギアを追う→同じ獲物を追う人物やそれを守る人物と対決」という感じ
(ミリアやヴェノムが追っているのは賞金首といってもザトーのことであり、
やり取りの上ではその辺りを勘違いしている節がある)
62 :
GGX+:2010/06/18(金) 18:08:38 ID:mn0FcU720
【ソル=バッドガイ】
素性を隠し150年もの時を生きてきたギアのプロトタイプ。
ジャスティスやギアの生みの親である「あの男」とも関わりがある。
ギアを滅し、「あの男」を討つために旅をするソルは今回のギアの元に向かう。
★OP
狩人。
復讐者。
そして贖罪者。
それが百と五十年の間に、男がまとった仮面の全てである。
かつてその身を生体兵器として改造されてより、男は己が名を捨て、
ソル=バットガイと名乗る賞金稼ぎが生まれた。
未知なるギアを求めて旅立つソルの心には、何が去来するか?
●1戦目・vsファウスト
噂のギアを狩るために「悪魔の棲む地」へ向かうソル。
その姿にただならぬ気配を感じ取ったファウストが呼び止める。
「あなた、修羅にしては迷いがある。迷いがあるにしては陰りがない。
なにゆえ覇道を歩かれます?」
しかしソルは全く耳を貸さない。
「医者の出る幕か、どけ!」
●2戦目・vs闇慈
「そこのジャパニーズ、隠れてねぇで出てきな」
「悪りっ、尾行なんざ男らしくなかったな」
姿を現したのは闇慈だった。
ギアの真実を探求する闇慈は「あの男」についてソルに尋ねようとする。
が、ソルは一言やめておけと忠告するだけだった。
「深入りすると死ぬってか?」
「……いや、殺す」
●3戦目・vsジョニー
ジョニーが現れ、ギアを斬るより酒に付き合わないかとソルを誘う。
まるで彼がギアの元へ行くのを阻止するかのように。
「なぜ庇う?」
「ん?悪いが俺はレディーの味方でね」
●4戦目・vsアクセル
「よっダンナ、久しぶり。アイツは見つかった?」
時代を飛び回るうちにソルとちょっとした交流が出来ていたアクセル。
どこかでソルの知り合いらしき「薄気味悪いオッサン」に会ったと言うが…
「……その話はこれ以上するな」
「なんでよ?23世紀で会った時は…あちちっ!」
●5戦目・vsカイ
「止まりなさい、ソル!当該ギアは国際警察機構が処分します」
カイは丁寧な仕事口調でソルを制止しようとするがソルは構わず歩みを進める。
「……どけ」
「ソルっ!動くなと言っている!」
痺れを切らしたカイはついに武器を取り、二人の剣が交差した。
●6戦目・vsテスタメント
かの地の入り口にはあの大会の黒幕、テスタメントが例のギアを守るように控えていた。
「やはりお前か。皮肉なものだ、やっと貴様を殺すのをあきらめたというのに」
「……いいから退け」
「私は負けぬぞ。あの人のために」
●7戦目・vsジャスティス(※回想)
テスタメントを退け、森の奥に足を踏み入れるソル。
そこには噂のギアの少女がいた。
「お願いです。帰ってください」
「待てよ……この気は……」
ギア・ディズィーを見た瞬間、ジャスティスとの戦いがソルの脳裏をよぎる。
●8戦目・vsディズィー
(間違いない。あの時と同じだ)
何か物思いにふけるソル。
そんな彼に暴走するネクロは容赦なく襲い掛かる。
「ネクロ、やめなさい!」
→ノーコンテニュークリアの場合
★ED3
この世のどこかもわからない場所。
そこで「あの男」と思しき人物が部下から今回の事件の報告を受けていた。
「報告は以上です」
「……まさか娘がいたとはな。業の深いことだ」
「いかがいたしましょうか?」
「貴重なサンプルだ、気取られぬよう追跡しろ。
……これでまた、あいつに殺される理由が増えたな」
→8戦目ディズィー戦で敗北した場合
●9戦目・vsディズィー(再戦)
ディズィーの力は凄まじく、生半可な状態で勝つ事はできなかった。
「もう、立たないでください」
「しゃあねぇな。とっておきだ」
そしてソルはとうとう己のギアの力を解放する。
「何なの、この気は…?だめ、ネクロ、おやめ!」
その力に反応し、ネクロもまた更なる暴走をし始めた。
→勝利する…★ED1へ
→敗北する…★ED2へ
★ED1
「止めを……刺さないんですか?」
「見込み違いだ。死にたがるギアはいねぇ」
ギアとはその心さえも兵器そのものであるはずの存在。
しかし彼女は窮地に追い詰められて尚、ソルを殺すまいと力を抑えようとしていた。
「いっそ…ギアならよかった。こんな、殺すだけの力なんて」
「泣くな。うざってぇ」
ぶっきらぼうに言って背を向けるソルに、ディズィーは一言だけ尋ねる。
「……また会えますか?」
「勝手にしろ」
そうして去っていくソルの表情はどこか穏やかだった。
★ED2
己の持てる全身全霊の力を以って追い詰めたつもりが
予想以上の力の前に返り討ちにされてしまう。
(死にたがりの甘ちゃんかと思ったら、生きる為の覚悟はあるらしいな)
無数の氷に串刺しにされ、血まみれのソル。
しかしその口元には笑みが浮かんでいた。
(悪くない……全く、悪くない)
65 :
GGX+:2010/06/18(金) 18:28:36 ID:AJQnlm1sO
連投規制が来たのでとりあえずここまで。
66 :
sage:2010/06/19(土) 14:26:01 ID:PnIWfwqc0
DSの『DS電撃文庫ADV バッカーノ!』を、原作者による書き下ろし分だけでもいいからお願いしたい。
古本屋何件まわってもみつからないorz
登場人物
竹内理々子…主人公。竹内探偵事務所の調査員。(便宜上旧姓を使っていて、本名は草薙である)
草薙学…理々子の夫であり上司。竹内探偵事務所の主任調査員。
竹内武雄…竹内探偵事務所の所長。理々子の父。刑事だったが突然辞めて探偵事務所を開いた。
ユウジ…調査員。いわゆるオネエ系であり男性には興味ないらしい。
真弓…調査員。主に事務担当。体育会系っぽい。
Episode 1 SATIN DOLL (金のかかる女)
探偵事務所に、浮気調査の依頼が舞い込んでくる。
依頼人は世間知らずな金持ちのお嬢様といった感じの神谷静香という女。
理々子が中心となり、草薙にアドバイスを受けながら調査が始まった。
静香の夫、修一は普通のサラリーマンといった感じの男で、
価値観の違いすぎる二人の間には愛は無いようだった。
修一は浮気をしておらず、逆に静香が修一の上司と浮気していることが発覚。
結局二人は離婚した。
Episode 2 TEA FOR TWO (二人でお茶を)
真夜中に突然起こされた理々子は、草薙から別れを告げられる。
草薙は手早く荷物をまとめると、去って行った。
落ち込む理々子だったが、さらに所長まで行方不明になってしまう。
そんなとき、新たな浮気調査の依頼があった。
依頼人は垣内加奈子。最近、夫のマモルの行動に不審な点があるとのこと。
理々子はマモルを尾行し、マモルが別の女の家に入っていくのを見た。
その家に住んでいたのは、垣内由紀子だった。
加奈子が言うには、由紀子はマモルの妹らしい。
だが、由紀子に話を聞いてみると、加奈子こそマモルの妹だという。
マモルの過去を調べていく。マモルは以前、精神病院に音楽療法士として勤めていて、
患者に催眠術をかけるのが得意だったという。
やがて、女性患者に暴行するという問題を起こし、精神病院を辞めたのだ。
マモルは加奈子と由紀子に催眠術による暗示をかけ、二人の妻と二重生活をしていたのだった。
加奈子と由紀子は暗示を解かれ、実家に帰った。
Episode 3 LOVE FOR SALE (愛、売ります)
真弓の友人の茜の元に、暗号のような変な脅迫状が届いたという。
理々子は茜に会って話を聞く。茜の婚約者である須崎の周辺に、女の影がちらついているという。
須崎の周辺を調査すると、キャバ嬢や花屋の店員といった複数の女性が浮かび上がってきた。
真弓の協力により暗号を解くと、そこには3名の女性の名前があった。
いずれも須崎と関係がある女性の名だった。理々子は3名の女性について徹底的に調査する。
すると、鈴木信義という弁護士にたどり着く。鈴木は弁護士の他にも手広く商売をやっていた。
実は3名の女性は鈴木が送り込んだ所謂「別れさせ屋」だったのだ。
理々子はさらに須崎を調査し、別れさせ屋に依頼したのは
須崎の仕事の関係者の女性であることを突き止める。
結局須崎は浮気などしていなかった。
Episode 4 ROUND MIDNIGHT (真夜中ごろ)
理々子は本格的に所長の行方について調べ始める。
所長が刑事を辞めるきっかけになった事件は、20年前の放火事件だった。
犯人として少年A(当時17歳)が逮捕されたが、
主犯格の少年B(当時15歳)は捕まえることが出来なかったのだ。
調査を進め、少年Aは石原、少年Bは朝倉亮という名前だということがわかった。
さらに、石原と朝倉の仲間だった千春という少女がいたこともわかった。
理々子は千春の住所を突き止め話を聞こうとしたが、罠にかかって拘束されてしまう。
理々子は石原の元へと連れ去られたが、事務所の仲間に助け出された。
理々子はユウジと協力し、石原の周辺を調査する。
所長は最近、20年前の放火事件のことを調べていたらしく、
そのせいで既に千春に殺されていたのだ。遺体は山奥にゴミと一緒に不法投棄されたらしい。
やがて千春は口封じのため石原に殺された。
石原は千春の死体を捨てようとしたところで警察に逮捕された。
千春や石原を陰で操っているのは朝倉に違いない。所長も朝倉に殺されたようなものだ。
朝倉亮は人を殺してもなんとも思わないような凶悪な男だという。
石原が言うには、朝倉の額にはトカゲのタトゥーがあるらしい。
理々子は朝倉に復讐を誓った。
Episode 5 SPEAK LOW (声をひそめて)
朝倉亮とは、「闇の王」という小説の主人公だということがわかる。
その小説は、朝倉亮の父、朝倉哲也が亮をモデルに書いたものだ。
人名や地名は架空のものになっているが、起こったことはそのままなのだという。
理々子は朝倉哲也の居場所を調べ、会いに行ったが、既に殺された後だった。
20年前の放火事件を追っていた所長は、
朝倉と関係があるらしい代議士の矢崎謙吾を調べていたという。
矢崎は失踪直前に草薙が調査していた男だ。
矢崎は沖縄にカジノを誘致しようとしていた。カジノができれば金や人が沖縄に集まる。
そして、朝倉は薬を売りさばいたりして儲けることが出来る。
所長は矢崎と朝倉の関係に気付いたから消されたのだった。
理々子は拉致され、沖縄に連行された。目を覚ますと、目の前には朝倉がいた。
朝倉に自白剤を投与され、意識が朦朧とする。
理々子は草薙にプロポーズされたときのことを思い出していた。
これからも探偵を続けること、そして自分より早く死なないことを条件に、
理々子は結婚を承諾したのだった。
再び目を覚ますと、そこには失踪した草薙がいた。
草薙は拳銃で朝倉を撃ち、理々子を連れて逃げ出した。
草薙は、所長とは別のルートから朝倉にたどり着き、
朝倉の悪事の証拠を集めていたという。
草薙は理々子に集めた証拠物件を託し、
沖縄のカジノ導入に反対する市民団体の上原という男に渡すように言って去っていった。
理々子は上原に会いに行ったが、矢崎の手の者に捕まり、連れ去られる。
そこへ、額にトカゲのタトゥーのある男が乱入してくる。
朝倉は死んだはずだと混乱した理々子だったが、どさくさに紛れて逃げ出した。
昔の朝倉のことを知る人に聞くと、実は朝倉は双子の兄弟だということがわかった。
草薙が撃った方は双子の兄、朝倉俊で、額にタトゥーは無い。
乱入してきた男が朝倉亮だ。朝倉亮はまだ生きていた。
翌朝、ようやく上原に証拠物件を渡すことが出来た。これで矢崎もおしまいだ。
証拠物件と引き換えに、上原から手紙を渡される。
理々子に宛てた草薙の手紙には、半年前に癌を宣告され余命いくばくも無い、
朝倉亮を追ってこれから鳩間島に行くと書かれていた。
理々子は鳩間島へ飛んだ。その島は朝倉兄弟の故郷だった。
鳩間島に着くと港の方が騒がしいので行ってみると、そこで先ほど銃撃戦があったという。
そこにはビニールシートがかぶせられた遺体があった。
理々子はおそるおそるビニールシートをめくる。額にトカゲのタトゥーがあった。
草薙を追って西表島へ。草薙は診療所で治療を受けていたらしいが、抜け出したという。
理々子は草薙を見つけ、最後のデートをする。
横たわり、息も絶え絶えな草薙の頭を、理々子は膝に乗せる。
理々子は一方的にしゃべり続けた。
返事をする草薙の声がだんだん小さくなり、最後に完全に消えた。
END
※筆者の解釈ですが、タイトル「アナタヲユルサナイ」には3つの意味が込められていると思われます。
一つはEpisode 1〜3の男女の痴情のもつれみたいな話に対して。
一つは父親を殺した朝倉に対して。
一つは理々子より先に死んだ草薙に対して。
こうして書いてしまうととても陳腐でつまらないストーリーなわけだが
でも演出や雰囲気は悪くない。
ストーリーなんて飾りです。
探偵 神宮寺三郎DS 〜いにしえの記憶(DS)
真説・万華鏡奇談(PC)
デッドヘッドフレッド〜首なし探偵の悪夢〜(PSP)
をリクエストします。
すいません上の追記です。
真説・万華鏡奇談(PC)は、雰囲気が凄くいいと聞いたので、そこのところを出来れば詳しくお願いします。
手に入らないゲームなので、よろしくお願いします。
前スレの>377、このスレの
>>73までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。
wiki乙です。いつもありがとう。
真説・万華鏡奇談(PC)予約する。
DLしてずっと積んでたけど、そうハードル上げられるとやりたくなってきた。
ギルティ乙。支援します。
BADEDまで書いてくれるとは嬉しい。
発売から半年経ったんでパワプロクンポケット12予約します。
79 :
GGX+:2010/06/22(火) 20:11:47 ID:SiIG0+1x0
>>77 支援感謝です
なにぶん会話のみの進行で状況がわかりづらかったり
次回作へ続く謎や意味深なセリフがたくさんあったりでなかなかまとめにてこずってますが
一応全キャラ各2ルート(ソルカイディズィーは3ルート)全て書き上げるつもりです
というわけで続き
【カイ=キスク】
前回のジャスティスの言葉から、ギアを悪とする己の正義に疑問を持ち始めたカイ。
そんな中で今回の「人を襲わぬギア」の話を聞き、
仕事としてではなく自分の意思でその答えを確かめに行く。
★OP
カイ=キスクの青春は、戦場とともにあった。
人類をギアより守る聖騎士団。
その聖騎士団団長として、カイは常に世界の修羅場を見つめてきた。
月日は流れ、今、ギア復活の報がカイを再び戦場へと導いた。
軍人ではなく、民間人、人として。
●1戦目・vsポチョムキン
森へ向かう途中、ツェップ軍人であるポチョムキンと遭遇する。
「まさかツェップがギアに興味があるとは知りませんでしたよ」
「公式には動いておらん、ここにいるのはただの賞金稼ぎだ」
お互い今はあくまでもプライベートということらしい。
「ではただの賞金稼ぎ同士、決着をつけるとしますか」
●2戦目・vsヴェノム
カイは誰かを探している様子のヴェノムと出くわす。
「どなたをお探しですか?」
「……犬か。貴様に用はない」
「勤務外とはいえこれでも公僕。組織のものを見過ごすわけにはいきません」
「ならば……貴様が奉ずるその職に殉ずるがいい」
●3戦目・vs紗夢
紗夢に道を尋ねるカイ。しかしイケメン好きの紗夢のターゲットにされてしまう。
紗夢はカイを引き止めようとして強引に勝負を持ちかけた。
「魔の森は危ナイネ。あそこへ行ける腕か確かめるアル」
「ちょ、ちょっとまってください」
「負けたら皿洗いよろしくネ」
●4戦目・vsザトー
「組織」の長、一級指名手配犯ザトーを発見したが
彼は影に魂を奪われ、もはや操り人形と化していた。
カイは彼を哀れみ、せめてもの安息を与えようとする。
「慈悲深イコトダナ。ソレガ人類愛トイウヤツカネ?」
影の問いかけにカイは答える。
「慈悲ではない。精一杯の……“正義”だ」
●5戦目・vsミリア
カイがザトーを永眠させた後にミリアが登場。
彼女はザトーを殺すつもりで来たといいつつ、なぜかカイに「敵討ち」と称して挑んでくる。
「ごめんなさい、訳を話すと長くなるの。
あんなやつでも私の恩人だったのよ。……殺したいくらいに」
→ミリア戦以外でコンテニューしている場合
●6-A・vsテスタメント
「去れ、人の子よ。ここに外のしがらみを持ち込むな」
魔の森を安息の場所とし、ひたすら閉じ篭ろうとするテスタメント。
そんな彼をたしなめるようにカイが言う。
「毛布を被っていても嵐は過ぎ去りはしませんよ」
「“嵐に吹かるる民草の前に我らは盾となり巌となろう”」
テスタメントが口にしたのは、かつての聖騎士団の誓いの句だった。
「私が盾だ。あの方には指一本触れさせぬ!」
●7-A・vsソル
例のギアとの対決を目前にソルと再会。
未だにカイの中で彼へのライバル心は燃え続けていた。
「あの時の決着、ここでつける!本気で来いっ!」
「坊やの出る幕じゃねぇ!」
●8-A・vsディズィー
騒ぎの中心であるギア、ディズィーの元へたどり着いたカイ。
ディズィーは放っておいてほしいと懇願するがカイはそれを拒否する。
「あなたには大きな力がある。同情はしますが放っては置けません」
「どうしてですか!そうすればみんな平和でいられるのに!」
しかしそんな単純に秩序は守れないことをカイは知っていた。
「あなたは知らなければならない。力を持つことの意味を!」
★ED1
戦いのあと、カイはディズィーに手を差し伸べた。
「立ってください。外の世界があなたを待っています」
望まぬ物でも己の力には責任を持たなければいけない、
逃げるのではなく人々に本当の自分を伝えなければと彼女を諭すカイ。
「でも……私が外に出ると迷惑がかかります」
「知らなかったんですか?人は生きるために迷惑をかけていいんですよ」
その言葉にディズィーは衝撃を受ける。
「私……知りませんでした……」
「ほらね、人と暮らすといいこともあるでしょう?」
「……人として暮らすこと、私に教えていただけますか?」
「ええ。そのために来たんです」
そしてその後、町の市場で楽しそうに買い物をしている二人の姿があった。
→ミリア戦でコンテニューした場合
●6-B・vsカイ(※ロボカイ)
森へ向かう道中、急に寒気がしたかと思うと
突然自分そっくりのロボットから不意打ちを喰らう。
「我輩ハオ前ヲ倒ス為ニ造ラレタ。今コソ我ガれぞんでーてるガ満タサレル時ッ!」
★ED2
撃退に成功したものの、謎のロボットは諦めずにしつこく追い回してくる。
「我輩ハマダ負ケテナイゾ。本気デ戦ッテクレ!」
あまりの執念にカイは逃げ回るのを余儀なくされ、
ギアを追うどころではなくなってしまった。
「弱いくせにすぐムキになる。そのうえ鬱陶しく付きまとう。迷惑な奴ですね。
……ん?それってどこかで聞いたような……」
→ここまでノーコンテニューの場合
●6-C・vsテスタメント(※6-Aと同じ)
●7-C・vsディズィー
「……あの方を傷つけましたね」
「黒服のギアですか?不本意ながら」
自分を守ろうとしたテスタメントの為に、ディズィーは覚悟を決める。
「どこにいても追い詰められるなら、私は戦います!」
●8-C・vsソル
ディズィーの力は強大だったが、
カイはその圧倒的な差を技で覆し勝利した。
その一部始終を見ていたソルはカイに敬意を表する。
「坊やにしちゃ、やるじゃねぇか」
「ソル。これでも私に本気で立ち会う資格はないか?」
今までカイに突っかかられる度に手を抜いて軽くあしらってきたソル。
だが今回はその実力を認め、ついに真剣に勝負を受ける。
「……後悔するなよ?」
★ED3
ソルの怒涛の剣戟を見切り、戦いを制したカイ。
しかし負けを認めるソルの言葉を信じられないといった様子で食って掛かる。
「るせぇ、さんざん人のことひっぱたきやがってまだ不満か?」
「……それが本当に全力か?」
「マジでやったが剣の腕じゃ完敗だ。それとも全力ってのは殺し合いのことか?」
そう言われてカイはようやく己の勝利を実感する。
わかったらさっさと消えろ、と言うソルだが
カイは途端に団長風を吹かせてソルに威張ってみせた。
「力に頼り技を疎かにするとは。今から鍛えなおしてやるからそう思え」
「付け上がるのも大概に……」
「冗談だ」
「……っ」
二人の間にかつての張り詰めた空気は無くなっていた。
「……また、仕合いたいな」
「……ご免だぜ、ったく」
【メイ】
前回の大会で団長ジョニーとの再開を果たしたメイ。
もうすぐ彼の誕生日ということでクルー全員でプレゼントを送ることになったが
ジョニーを恋い慕うメイは個人で特別なプレゼントを用意したいと考え、賞金稼ぎを計画する。
★OP
雨が降りしきるあの日。
その人は傘をさしのべてくれた。
ボクが父様を探していたからその人は父様になってくれた。
でもボクはわかままだ。
今は父様より欲しいものがある。
明日はジョニーの誕生日。
だから……とびっきりのプレゼントを探して来ないとね。
●1戦目・vsカイ
賞金首を倒すために噂の場所を目指すメイ。
そこへカイが現れ、この先は危険だといってメイを呼び止める。
「あ!ボクを子供扱いするわけ?賞金稼ぎの腕を見せればいいのかな」
「いや、ここは大人でも止めたほうが……まいったな」
●2戦目・vsチップ
メイが少し声をかけた途端、開口一番にガキ呼ばわりするチップ。
カチンと来たメイはすかさず若白髪と言い返す。
「っのやろ!ガキのくせに!ガキガキガキッ!」
「白髪のくせに!しらがしらがしらがっ!」
●3戦目・vsミリア
美人のミリアに思わず見とれるメイ。彼女もある賞金首を探しているらしい。
「悪いけど、手を引いてくれない?」
「えっと……でもボク、ジョニーの誕生日が」
「良い目ね、幸せを知ってる瞳だわ。でもここは譲れないの」
そう語るミリアの目は、メイにはとても悲しそうに見えた。
「……相手になります!」
●4戦目・vsジョニー
賞金首を追う途中ジョニーと鉢合わせてしまったメイは
留守を勝手に飛び出した理由を問われて口ごもる。
秘密のプレゼントなのにこんなところで彼に教えられるわけがなかった。
「俺もちょいとワケアリでな、ここは通せない」
「ワケアリって、どうせまた綺麗な女の人でしょ!」
「いや、そういう訳じゃあ……」
と言いかけてジョニーが一瞬言葉を詰まらせる。
(あるんだが……)
「やっぱりそうなんだ!どいて!」
→ジョニー戦で勝利した場合
●5-A・vsテスタメント
テスタメントはメイを迷子と勘違いして優しく話しかける。
が、メイが賞金稼ぎだと名乗ると途端に声を荒らげた。
「子供が殺しを生業にするとは。人はそこまで腐ったか!」
あまりの言われように戸惑うメイ。
(捕まえるだけのつもりなんだけどなぁ)
「このギアの身では子供とて容赦できん、死にたくなければ帰れ!」
●6-A・vsディズィー
「見つけたぞ!」
「まぁ可愛いお客様。遊びにいらっしゃったんですか?」
威勢よく飛び込んだものの、出会い頭からディズィーの態度に調子を狂わされる。
「違うんですか?残念です。外の方が来られるのは滅多にないので」
「……さっきのおじさんが追い返してるんじゃないかな」
「ええ。あの方は私を護ってくれているのですが……」
「ちょっと過激な護り方だよね」
と、いつの間にか話し込みそうになっていたことに気づくメイ。
「あ、いけない。ボクは君を捕まえにきたんだ。怨みはないけどお縄についてね!」
★ED1
ディズィーに勝利はしたが、メイは彼女が全然本気で戦っていないことを知る。
「大丈夫?」
「私は平気です。少し……悲しいだけです」
久しぶりの客だと喜んでいたのに、期待を裏切られ落ち込むディズィー。
その様子を見てメイはいたたまれない気持ちになった。
「ごめん。賞金首って言うからもっと悪い人かと思ってた」
「私の罪はギアであること、人と違うことです」
人の世ではギアはただ存在するだけで罪とされ、排除される。
もはや外の世界に自分の居場所はないと嘆くディズィーに
メイはそんなことはない、と答えた。
「ちょっぴり裏街道で……時々警察に追われたりするけど」
「まぁ、楽しそう」
「じゃあ決まり!新メンバーかぁ…ジョニーの良いプレゼントになるな」
こうしてディズィーは新たな家族としてジェリーフィッシュ快賊団に迎えられた。
→ジョニー戦に敗北した場合
●5-B・vs闇慈
ジョニーに負けて悔しがるメイのもとに闇慈が登場。
「そこのお嬢さん、舞を一差しいかがかな?」
「また変なのがでてきた……」
★ED2
「間違いない。あんた、ジャパニーズだね。
ふむ、ジャスティス封印時にもジャパニーズがいたとは……」
戦闘後に唐突にそんなことを話す闇慈。
しかし会話の途中でジョニーが割り込み、強引に闇慈を黙らせる。
「……消えろ!今すぐに、だ」
以前ジャスティスにも言われた「ジャパニーズ」の言葉。
そしてそれを必死に隠そうとするジョニーの態度。
そのジャパニーズとやらが自分の肉親なのか、と気になるメイだが…
「ねぇジョニー。ボクの親って……ジョニーと団のみんなだよね」
「ああ、俺なんかでよけりゃな」
「ジョニー大好き!」
いつか真実を話してやらなければと思いつつ、
今はまだ、と言葉を心の奥にしまいこむジョニーだった。
【ミリア=レイジ】
ザトー殺しは未遂に終わるも結果的に彼は廃人と化し、人並みの自由を得ることが出来たミリア。
しかし一応は組織の中で目をかけてくれた恩師を追い込んだ罪悪感や
いずれまた目の前に立ちはだかるかもしれないという恐怖などが入り混じり、
それらの複雑な思いを断ち切るため、ザトーに完全な止めを刺しに行く。
★OP
暗殺者とは心ない人形。
言われるままに動き、言われるままに殺す。
殺人に禁忌はなく、殺意すら持たずに殺す。
結局、私は人形ではなかった。
それが私を育てたあの人の甘さ。
感謝すべきなのだろう。
私の心があるのはそのおかげだ。
たとえそれが……あの人への殺意だとしても。
●1戦目・vs紗夢
ザトーを探すミリアの前に、賞金首は渡さないと紗夢が登場する。
大人気料理店を持つという夢を一心に追う彼女の姿は
ミリアにはとても眩しいものだった。
「事が済んだらご馳走になりたいけど……
ごめんなさい。私、負けられないの」
●2戦目・vsアクセル
「そこのブロンドのカ・ノ・ジョ!俺とお茶しない?」
ミリアをナンパするアクセル。しかし軽い男が嫌いなミリアの態度は冷たい。
「……汚らわしい目で私を見るな!」
●3戦目・vsメイ
好きな人のために賞金稼ぎをするというメイ。
「ジョニーはね、世界一クールでハンサムでちょっぴりデンジャーで
ミステリアスがパーフェクトなの!」
「恋する乙女、か。美しいな」
「でしょ!ジョニーとボクの仲は誰にも引き裂けないんだから!」
「だから……もう帰れ。お前はこれ以上裏の世界に来ないほうがいい」
●4戦目・vsカイ
カイはミリアに逃亡中の手配犯ザトーの逮捕協力を要請する。
しかし当然ミリアは受け入れない。
「奴は私の獲物。あなたには渡さない」
●5戦目・vsチップ
賞金首を追って対立するチップとミリア。
ミリアはチップに賞金を稼いでどうするのかと理由を問う。
「俺は、大統領になる!この腐れた世の中を俺が変える!」
「フッ。ハハハハ」
「てめぇ!」
「怒るな。笑ったのは久しぶりだ。さぁ未来の大統領の力を見せてみろ!」
●6戦目・vsヴェノム
同じ男を追ってめぐり合った二人。
ヴェノムにとってミリアはかつての上司であり、裏切り者でもあった。
「脱走者は斬る定めだったな。お前に私が斬れるか?」
「斬れる。あの人のためなら!」
ヴェノムは迷いなく答える。
「……あいつのため、か。ならば私もそうだ」
●7戦目・vsザトー
ついにザトーを発見。しかしミリアの呼びかけに反応したのは禁獣のほうだった。
「客人カ。コノ“私”ニ用カナ?」
「……心を乗っ取られたか。貴様に用はない、ザトーを出せ」
そして一瞬だけ、ザトーが影の中から叫び声を上げる。
「ミ、ミリア!ミリアァァ!」
「お前は私の過去だ。今、断ち切ってやる!」
「面白イ、ヤッテミロ!」
→ザトーを一撃必殺で倒さなかった場合
★ED1
ミリアはザトーに勝利するも決定打を与えられず、
影はザトーの体を捨ててどこかへ逃げ去ってしまう。
「ちっ!仕留めそこなったか」
「ミリア……お前なんだな」
ザトーの意識が目覚めるも、彼は既に瀕死の状態だった。
「なんだその目は!なぜ怯えない!命乞いをしてみせろ!」
「ミリア……私は、お前に……ゆるして、くれ………」
「死ぬな!私から逃げるな!」
ミリアの訴えも空しく、ザトーは静かに息を引き取る。
「卑怯な……お前は昔からそうだった。なぜ、最後くらい………」
その後、ミリアは小さなザトーの墓前に一人佇んでいた。
→ザトーを一撃必殺で倒した場合
★ED2
影を討ち、ザトーの息の根を完全に止めたミリアは静寂に胸を支配されていた。
己の過去を断つ為にザトーを殺した。「ミリア」はザトーと共に死んだ。
ならば、今の自分は一体なんなのか?
空ろな思いを抱えて過ごしていたある日、ミリアのファンだと言う男がやってくる。
「どうしたんです?何があったかわかりませんけど元気出してください!
僕はミリアさんの笑顔が生きがいなんです。憂い顔も綺麗ですけど、やっぱり…」
「生きがい、か。私にも見つかるかな?」
「見つかりますよ!約束します!」
「……半端な約束は痛い目を見るぞ」
「覚悟してます」
ファンの男は言い淀むことなく答えた。
「いい返事だ。その覚悟、確かめさせてもらうぞ」
91 :
GGX+:2010/06/22(火) 21:11:45 ID:SiIG0+1x0
とりあえずここまで。
乙です。
乙でした。
乙です。
ディズィー編楽しみ。
真説・万華鏡奇談投下。
伝奇ホラーです。
雰囲気を詳しくというリクエストなので、短文派、お許しください!
用語解説
【樟脳】主に防虫剤に使われる、クスノキを蒸留した結晶。
スーッとするような、微かに線香臭さの混じったような、癖のある甘い香り。
日本のおばあちゃんちのタンスの匂いと言ったらこれ。
第一章【万華鏡奇談】
「おにいさま」
そう呼ぶ声が聞こえた。
薄暗く黴臭い土蔵の中で、修一はぼんやりしていた。
外はにわか雨で、湿気た空気が陰鬱な雰囲気に拍車をかける。
ここは、堀田にある修一の両親の実家。
かつては土地一番の名家であった。
黒漆の塀に囲まれた古式然とした平屋敷に
庭の樹齢八百年超の古桜が栄華の名残を香らせ、今もこの家は桜屋敷と呼ばれている。
今母屋では、親戚一同が集まり、祖母の葬儀が行われているはずだ。
肩身の狭い浪人生である上、社交性の低い修一は、ここでサボっている訳だ。
幼い頃は、よくこの土蔵に忍びこんだ。
大した蔵ではない。
裏庭にある小さな白壁の土蔵で、南京錠で閉じられた扉こそ重々しいが、
中には申し訳程度の土間と、六畳程の板間があるだけだ。
古い家具や調度品が置かれているだけの物置だったが、好きな場所だった。
ほこりをかぶった振り子時計や鏡台、褪せた屏風に長持。
それを開ければ雅やかな小物に絢爛豪華な反物。金箔の獅子香炉からは仄かに妖しい残り香が薫り、
幼い修一は薄闇の中、儚く美しい楽園の空想を紡いだものだった。
兄弟も無く友達も少なかった修一は、背徳感を圧してこの蔵に入り浸っていた。
そう背徳感。亡き祖母は、修一がこの蔵に立ち入るのを酷く嫌っていた。
いや、祖母はこの蔵自体を嫌っていたのだった。
蔵に納められた祖父修造の遺品――修一を楽園に誘った小物達を、何故か祖母は疎んでいた。
修一は祖母が嫌いだった。
小柄で姿勢が良く、若い頃は大層な美人であったそうだが、
ひどく怒りっぽく、修一を叱ってばかりいた。
7年前に両親とこの実家を出るまで叱られ通しだったが、その祖母も亡くなった。
そして遺品から蔵の鍵を見つけ、修一は久しぶりにここにいるのだった。
幼い頃は気にならなかった静寂と闇が、今の修一には不気味に感じられる。
曇天で室内が更に暗くなり、そろそろ母屋に帰ろうかと思っていた。
そんな時だった。
「おにいさま」
少女の声がした。
振り向くが誰も居ない。そもそも修一を兄と呼ぶような血縁は居ない。
雨音が一段と激しくなる。葬儀中の雷は縁起が悪いのだったか、と思った途端
ゴロゴロという音と共に、丸い白が修一の目に焼き付いた。
見れば、壁に指先ほどの穴が空いており、そこから外の雷光が差したのだった。
そして、その光に照らされるように、壁際の文机が目にとまった。
その上に、桜色に菫の格子の和紙が巻かれた万華鏡が乗っていた。
手に取ると、しっくりと手に馴染む。しかし、今までこの万華鏡は本当そこにあっただろうか。
俄かに不気味になり、また葬儀もそろそろ気にかかる。
雨足はもう滝のようだったが、修一は万華鏡を懐に、蔵の外へ飛び出した。
数時間後、弱くなった雨音を聞きながら、修一は一人客間で万華鏡を覗いていた。
葬儀は終わり、大座敷では宴会が始まっている。
田舎の酒宴独特の雰囲気に馴染めず、修一はここでまたぼんやりとしているのだった。
万華鏡は褪せ、手摺れして使いこまれている。底が何故か、何かに擦り付けたようにざらついていた。
誰のものなのだろう。桜色だから女性のものだろうか。
もう外は暗い。大座敷からは楽しげな笑い声が聞こえてくる。
そこに混じる気はしない。混じれる気もしない。修一はもう寝ることにした。
夢を見た。
修一は蔵の中に居た。
明かりは無く、夜の闇が満ちている。しかし周囲の物は手に取るように見える。
だから夢だと分かった。
外から南京錠がかかっていることを、夢の中の自分は知っていた。
閉じ込められていることになるが、不思議と恐ろしくは無い。
「おにいさま」
また声がした。慕わしげな、甘えたように媚びた声だった。
「お待ち申しておりました。 ずっと」
修一は声を上げて蔵中を捜しまわった。会いたかった。誰なのか何故なのか分からない。会いたかった。
目を上げると、あの丸い穴があった。光が漏れている。
壁にへばりついて覗きこむと
目があった。
誰かが覗いていた。壁を隔ててお互いの眼球を見つめあう。
「お前は誰だ」
目が覚めると、もう朝だった。
潮が引くように、夢の記憶が消えていく。ただ黴臭い匂いだけを覚えている。
枕元には万華鏡があった。
朝食の後、形見分けがあった。
祖母の着物を、腐肉に群がる獣のように親戚達が漁っている。
遺言によれば、屋敷は修一の父修治が継ぐが、他は好きにしていいとのこと。
ただし、蔵の中の物だけは、決して持ち出さず、そのまま閉ざしておくように。
不思議な遺言だった。
自分は着物等もらっても仕方ない。そう思い、万華鏡を懐から取り出して見せた。
誰も玩具等には興味を示さず、高価な遺品を漁っている。
叔父が、系譜を見つけたと興奮してやって来た。
見れば、紙の一番上には、読めない程の達筆で名前が一つ記されていた。
そこからあみだのように、様々な筆跡で連綿と名前が綴られ、一番下には修一の名前があった。
祖父の名前は修造。
修一の名は、父修治ではなく祖父の名前から取られている。
「頑固な人でな。どうしても孫にも自分の名前を継がせるって言ってたっけ。」
家系図には直系の者しか記されないようで、嫁や婿に来た者の名前は書かれていない。
そうやって名前を目で追っていると、一か所だけ黒々と墨で塗りつぶされた名前があった。
その代の長男、修造の並び。つまり祖父の兄弟姉妹の一人が墨で消されている。
「親父の兄弟か。何人か戦死したらしいがな。」
「生まれてすぐ死んだんじゃないか?」
死ぬ度に消していては家系図は真っ黒になってしまう。
家系図は記録であり歴史なのだ。つまり、消された人物は、歴史から―
修一はひどく寒々とした気持ちになった。
「あァ、思いだした!」
叔父が声を上げた。「その万華鏡、蔵にあったんだろ?」
父と叔父がニヤニヤ笑い合う。
何でも、この万華鏡は祖父が大切にしていた品らしい。
終戦後復員した祖父は、前にも増して寡黙になり、日がな土蔵でこの万華鏡を覗いていた。
祖母は祖父に声を荒げる人ではなかったが、万華鏡に悋気を燃やしているのは子供心に分かった。
幼いなりに父と叔父は万華鏡の元の持ち主に想像を巡らせ、「お袋の恋敵」の噂をしあっていたのだった。
祖母の嫉妬の対象だった、祖父の大切な万華鏡。
みだりに持ちだしていい物ではないだろう。修一は昼に、万華鏡を蔵に戻しに行った。
仏教では四十九日、死者がこの世に留まると言う。祖母もまだこの家に居るのだろうか。
大きな南京錠を開いて中に入る。改めて見ると、蔵にしては変わった作りだ。
こうして土間から板間へ上がる口等、勝手口のようにも見えるではないか。
もしかして、ここは祖父の子供部屋だったのかもしれない。それなら祖父の愛着も…
そこまで考えて止めた。我が子に蔵などあてがう訳がない。
元の文机の上に万華鏡を戻すのは気が引けた。何かの拍子に転げ落ちてしまいそうだ。
適当な場所を求めて辺りを見回す。箪笥、長持ち、小道具入れ……
ふと、修一は気づいた。
ここは、やはり住居だ。
振り子時計。文机。鏡台。箪笥。長持。どれも生活空間にあっておかしくないものだ。
そしてこの配置はどうだ。まるで使い勝手を意識した配置にさえ思える。
幼い頃の記憶が蘇る。そう、この箪笥には、女物の着物や帯の他に、足袋や下着も仕舞われているのだ。
しかし、蔵は住居には適さないのは分かっている。現に鍵など、外からしかかけられないではないか。
外からしか。
ありえない想像が脳裏をかすめた。
嗚呼 あの家系図の 黒々とした墨跡―
甘いような樟脳の匂いに目眩がする。こんなものはただの妄想だ。
監禁だ、座敷牢だなどと、大時代的な突飛な妄想だ。叔父と父に話そう。笑い飛ばしてもらって自分も笑おう。
その途端、突然闇が襲ってきた。開けていた扉が閉まったのだ。
慌てて飛びつくも、外から鍵が落とされる音が重々しく響いた。
叩いても叫んでも、扉は開かなかった。
誰かの悪戯だと思いたかった。だが、親戚のほとんどは午前のうちに帰って、今は両親と叔父夫婦しかいない。
彼らがこんな子供じみた真似をするだろうか?
憤りに任せ、叩き、ぶつかり、体重を全てかけても、重厚な観音開きの扉はビクともしなかった。
夕方になれば、母が探してくれるだろう。
そう腹を決めると、急に暗闇が気になり始めた。
叔父は、祖父が万華鏡を覗いていた、と言っていた。
蔵には、明かりになるような物は無い。電気も来ていないし、扉を開けていても、板間の方までは万華鏡を覗ける程の光は入ってこない。
わざわざ灯を持ち込んで万華鏡を覗いていたのだろうか…。
何か持っていないかと、ポケットを探ると冷たい感触を探り当てた。
瞬間、全身の血が引いた。
この蔵の鍵だ。
あの巨大で頑丈な南京錠は、施錠する時は鍵を使わない。しかし開ける時には。
追い打ちをかけるように、甘い樟脳の風が吹いた。
何かが駆け抜けたのだ。樟脳の匂いを纏った何かが。
おかしくなってしまいそうだ。恐怖に呑まれてしまう。
その時、細い光の筋が差した。腰を抜かしそうになったが、何のことは無い。あの丸い穴から午後の陽射しが注いでいるだけだ。
そして慄然とする。何故、今まで暗かったのか?何が穴を塞いでいたのだ?
それでも、外が見たかった。眩しくて目が当てられないが、無理やり覗きこむ。
目があった。
誰かが覗いていた。壁を隔ててお互いの眼球を見つめあう。
耐えきれず叫んだ。「お前は誰だ」
目は嘲笑うように歪み、視界の外に消えてしまった。
疲れ果てて文机の上に座り込む。
祖母の事を思い出す。いつも金切り声で喚いていた祖母。
男なんだから、長男なんだからしっかりしろ、そう言って我慢ばかり押し付けられて、自分は随分感情を表すのが下手な人間になってしまった。
項垂れて床を見ているうちに、不意に思い出した。
そうだ!この蔵にはいつも錠が下ろされ、鍵は祖母が持っていた。
なのに自分がここに入り浸れたのは何故か。それは、床板の一部が持ちあげられて、床下を通って庭から出入りできるからだ。
喜び勇んで床板を探るも、取っ掛かりが見つからない。
何故だ、釘でも打たれたのだろうか?祖母だ。いかにも祖母がやりそうな事だ。
泣きたい思いでまた文机に腰を下ろす。
そして先ほどの思考に結論を出した。
ここには、誰かが閉じ込められていたのだ。そして彼女は家系図からも消された。
彼女は恐らく祖父の妹だ。祖父の愛着や蔵の様子に説明がつくし、何よりも
「おにいさま」
あの声は、亡霊の呼ぶ声ではなかったか。自分は祖父に似ているのかもしれない。
だから、ここに呼び込まれたのではないだろうか。
視線を巡らせると、天井の闇の中に白い小さな顔が浮かんでいた。
心臓が止まりそうになったが、よくよく見れば市松人形であった。
天井の梁に凭れるように置いてあったのが、転んで下を見下ろす格好になったのだろう。
ほこりまみれで放置されているのが気の毒だ。取り上げてはらってやりたいが、
文机に乗っても天井には手が届きそうに無い。適当な棒など探していると、目の前に何か落ちてきた。
「おにいさま」
市松人形が自分を見つめていた。
嗚呼、とうとうこの暗闇に気が違ってしまったのか。
人形を壁際に遣り、光を求めてまた丸い穴に目を当てる。明るい庭に少し安心した。
ふと思いつく。この穴は、万華鏡をあてがい覗くのにちょうどいい感じだ。
祖父も、この光で万華鏡を覗いていたのではないだろうか?底の擦った跡を見てそう思う。
それでは、と自分も万華鏡を穴に当て、覗きこんだ。
目の前に広がったのは、万華鏡の曼荼羅のような世界では無かった。
慌てて穴を直に覗けば、そこは昼下がりの庭があるだけ、しかし万華鏡を介せば違う物が見える。
そこには、今居る蔵の中が映っていた。
いや、今では無いのか。覗きこむ自分が映っていない。代わりに一人の少女が居た。
病的なまでに白い、小さな、細い少女だった。
慌てて振り向くが、誰も居ない。
そして万華鏡を覗けば、少女はそこに居る。
行燈の灯りに照らされ、年の頃12、3の少女が、赤い櫛で長い黒髪を梳いている。
持つ手の慄きで、シャラ、と万華鏡が傾き、場面が切り替わった。
まさに切り替わったとしか言い様が無い。視界は同じ蔵の中だが、鏡台の前に居た少女が、瞬時に部屋の中央に移動していた。
先ほどまで桜色の着物であったのに、今は藤色のそれを着ていた。
俯いて、手持ち無沙汰にビー玉を弄んでいる。なんと白い、細い腕なのだろう。
先程と違い顔がよく見える。
白く繊細なガラス細工のような肌に、猫のように大きな目、小さく赤い唇。
まるで命を持つ人形のような美しさだった。
また切り替わる。
床一面に色とりどりの反物を敷き詰め、うっとりと悦に入ったように寝そべる少女。
長い黒髪を乱し、堪えきれない笑みを零しながら転げまわる。
また切り替わる。
行燈の頼りない灯りを暖に、白い綿入れを着込んだ少女。
そこに、重々しく扉が開いて誰かが入ってきた。修一と同じ年頃の、修一と同じように腺病質な青年だ。
青年が現れると、少女は顔を輝かせて喜ぶ。
青年は少女に湯たんぽを渡し、愛おしげに彼女の頭を撫でた。
修一は気付いた。これはまさに万華鏡だ。
絵柄を変えるように万華鏡を回すと、情景が、いや時間が切り替わる。
音は聞こえないが、耳をすませば少女の声や衣擦れが感じられるような気がした。
修一は夢中で万華鏡を覗き続けた。
時には青年と談笑したり、割烹着姿の老婆が食事を運んできたりというシーンもあったが、ほとんど彼女は一人きりだった。
病気で寝込んだ日や、青年に爪を切ってもらった日。
一人泣いていた夜に癇癪を起こして割った色鮮やかな小瓶。
正月には七輪を前に一人で食べる雑煮。小さな鏡台の前で一人きりのファッションショー。
老婆は彼女を邪険に扱う。彼女を慈しむのは青年だけだった。
青年が見覚えのある万華鏡を少女に見せている。
青年は少女を痛ましく思い、しかし本人に気取られまいとしている。
少女は青年を慕い、特別な想いを抱いているのが、修一にはなんとなく分かった。
青年が少女の名前を呼ぶ。
「さくらこ」
ふと口をついて出たその名前に修一は自分で驚いた。少女の名前なのだろうか。
何故?自分は彼女の事を知る由もない。名前等知るはずない。
しかし、まるでその声が聞こえたかのように、万華鏡の中の少女が振り返った。
不思議そうな顔でこちらを見つめている。目が合っていると感じる。立ち上がりこちらに歩いてくる。
慌てて万華鏡を回した。不意に背後で物音がした。
人形が倒れている。壁に凭せかけておいたのに、壁から50cm程離れた場所で。まるでこちらに歩いてきたかのように。
思考が追いつかないうちに、床下から一定のリズムで板を叩く音がした。丁度ノックのように。
ホラー映画の主人公が進んで怖ろしい目に遭いにいく理由が分かった気がした。否定するために確認したいのだ。
修一も、床板を探り、隙間に指を差し入れ持ち上げた。
そこには一面の目があった。おにいさま。おにいさまおにいさまおにいさまおにいさま。
震える修一の手から万華鏡が落ち、先端が割れて中の具が散乱した。
壁から差す光の中、小さな三日月型の具が目に留まった。
それは、ちょうど爪切りの後に落ちたような、綺麗に割れた小さな爪だった。
もう一度床下を覗く。そこには敷き詰められた小石があるだけだった。これを目と見間違えたのだろうか。
意を決して床下に潜る。やはり成長した体が通るには狭いが、修一は這った。
程なく、修一は日の傾き始めた裏庭に立つ事が出来た。
中庭の桜がここからも見える。振り返れば、白壁の土蔵は静かにその役目を遵守していた。
土蔵を回りこみ、あの壁の穴を見つけた。小指の先ほどの穴だ。
少し迷った後、修一はゆっくりと穴を覗き込んだ。
目があった。
<第一章・終>
規制に引っかかるのでここまで。
ここで見ると本当に長いなこれ。ちょっと第二章削ってきます。
【ザトー=ONE】
自身が禁呪として操っていた影に逆に体を乗っ取られ
ザトーは心身ともにかなりの衰弱状態となっている。
一方の影は心を芽生えさせた結果、自分が兵器であるという事実に悩みを覚え始め
やがて孤独感から自分と同じ存在を、「心ある兵器」を求める。
★OP
力を求める者がいる。
闇に魅せられる者がいる。
男は闇に潜み、命を狩った。
男は光を捧げ、闇を我がものとした。
男は力に溺れ、やがて闇に沈んだ。
闇が男を縛り付けた。
そして……やっと男は気付いた。
求めていたのは闇ではない。
力でさえない。
ほんのわずかな安らぎだったのだと。
●1戦目・vs梅喧
自らの同胞を求めてさまよう影。
その時、たまたま梅喧の戦法を見て興味を示す。
「ホォ、面白イさんぷるダ。何秒デ屠レルカ測定スル」
「なめんじゃないよ、化け物!」
●2戦目・vsポチョムキン
ポチョムキンは影を呼び止め、禁獣を野放しには出来ないと拳を向ける。
「許せ。獣に罪は無いがこれも国のためだ」
「耐久力ニ特化シタ個体カ。良イでーたガ取レソウダ」
●3戦目・vsファウスト
通りかかったファウストは一目でザトーの状態を見抜いた。
「うつろな肉に二つの心……あなた、取り憑かれましたね」
「ソノ通リ!私ガ“私”ヲ飼ッテイルゾ!」
身から出た錆でも病人は平等だと言ってファウストは身構える。
その戦闘スタイルはとても人間とは思えない動きだった。
「ナンダソノ身体ハッ!?貴様、モシヤ同族カ…?」
●4戦目・vsカイ
ザトーを逮捕するというカイに対し、影が返答する。
「デキモセヌコトヲ口ニスルナ」
「何?」
「私ハ気分ガイイ。今消エレバ見逃シテヤルゾ」
「人の心を失ったか。悪党の末路とはいえ放ってはおけんな」
→ここまでにコンテニューしている場合
●5-A・vsヴェノム
ザトーを追うヴェノムに発見される。
彼はザトーが影に乗っ取られた事を知ると怒りを露にした。
「コノ身体ハ居心地ガ良イ。当分借リルゾ」
「ザトー様。今お助けいたします!」
●6-A・vsミリア
「ザトー、貴様を絶つ!」
「ミリアァァァ!」
ミリアが現れた瞬間、影の中のザトーが一瞬彼女の名を叫んだ。
「オット。“私”ガ興奮シテイルヨウダ」
「影に食われたか……」
「心配スルナ、奴ハ生キテイル。我ガ内デ泣キ叫ビナガラナ」
影はミリアを挑発するように言い放つ。
「貴様ぁぁ!」
★ED1
ミリアを返り討ちにした影は彼女に最後の止めを刺そうとする。
しかしその瞬間、影の様子に異変が起きた。
「ドウシタ、何ヲスル!」
「……?」
「ミリア……私を……ゆ…る…し…て…」
「ザトー?おまえなのか?」
ザトーが最後の力を振り絞り、
己の体に纏わりつく影を強引に引き剥がし始めたのだ。
「ヤメロ!バカナ!オ前モ死ヌゾ!!」
しかしなおもザトーは手を止めない。
(これが……せめてもの……つぐないだ)
「ギャアアアアッ!!」
→ここまでノーコンテニューの場合
●5-B・vsディズィー
「オオオオ。ミツケタゾ」
兵器として生まれながら人と同じ心を持ち、
しかし兵器であるが故に人に拠り所を得ることが出来ない者。
影はようやく捜し求めていた同胞、ディズィーと出会う。
「あなたは……誰ですか?」
「私ハ人ノ作リシ忌マワシキ兵器。貴様ト同ジ寄生種ヨ」
「……私は兵器ではありません」
「ソウダ。ダガ望モウト望ムマイト兵器ノ業ハ深イ。コンナ風ニ……」
元々「禁獣」は対ギア兵器として開発された存在。
その機能が影の心とは裏腹に彼女を敵とみなして攻撃しようとしていた。
「やめて、近寄らないでください……ネクロ、おやめっ!」
そしてディズィーもまた、影の敵意に反応してギアの力を行使する。
●6-B・vsミリア
「やっと会えたわね。嬉しいわ」
「『私モダ』ト“私”ガ言ッテイル」
その言葉でミリアはザトーに何が起こったのかを察した。
そして影はミリアの髪に自分と同じ「禁獣」が宿っていることに気づく。
ミリアの髪もザトーの影と同様、生きているのだ。
「クククク。見エルゾ。髪ハ貴様ヲ蝕ンデイク」
「だとしても……私はおまえのように負けはしない」
「勝チモ負ケモナイ。“私”ト私ハ個ニシテ全。ソノ意味ヲ思イ知レ!」
★ED2
(何をする!これ以上ミリアを辱めるな!)
「アワテルナ。髪ヲモラウダケダ」
影は倒れたミリアの髪を切り取り、その中に宿る物言わぬ同胞に語りかけた。
「貴様ハ何ヲ望ミ、ドウ生キタ?ソノ生涯ハ幸セダッタカ?
……イヤ、我ラニ幸セハナイ。心サエモ機能ノ内デアル我ラニハ……」
胸のうちにどんな思いを抱えていても
人によって植えつけられた本能に自らを支配されてしまう。
兵器として生まれた者はどうあがいてもその宿命から逃れられないのか……?
【アクセル=ロウ】
アクセルはタイムスリップを繰り返し、この一年の間で3年分の時を経験していた。
その中で自分の行く先々の時代に必ず「あの男」なる人物がいて、
彼が自分と同じ体質を持っているらしいという情報を掴む。
今回のギア話に「あの男」が関係していると睨んだアクセルは戦いに参加する。
(※ストーリーモードでは医者のファウストを探している。
おそらく「あの男」についての情報を得る以前の話?)
★OP
女の意地悪は男の甲斐性!
それがアクセルの信条だった。
20世紀出身の彼が時空の迷い人となってしばらく経つ。
過酷な定めに縛られても彼はあきらめはしなかった。
こんな意地悪をするなんてどうやら運命の女神様は相当俺に気があると見える。
アクセル=ロウ。
そこぬけの楽天家だった。
●1戦目・vsヴェノム
体質を治す為に医者のファウストを探すアクセル。
そこへヴェノムが現れ、アクセルをかなりの手練れではないかと呼び止める。
「自慢じゃないがその通りだぜ」
「ならば組織に入る気はありませんか?腕を見せてもらいます」
「……口は災いの元か。あー貧乏くじ引いた」
●2戦目・vsチップ
アクセルがヴェノムを追い払ったところへチップが出現。
ヴェノムと話していたアクセルを組織の仲間と勘違いし問答無用で襲ってくる。
「GO TO HELL!組織につくやつは許せねぇ!」
「話を聞けって!貧乏くじ二本目かい!」
●3戦目・vsミリア
自分好みのブロンド美女・ミリアを見てラッキーと思い声をかけるアクセル。
しかし今は機嫌が悪いのか、ただアクセルが気に食わないだけか
とにかく彼女の態度はひたすら冷酷だった。
「声をかけるな汚らわしい。失せろ!」
「やっぱり貧乏くじ〜」
●4戦目・vs闇慈
「アクセルさん、だな」
「ストップ、いきなり襲い掛かるのはナシだぜ!」
「よし、俺の名は闇慈。御津闇慈だ」
今回はちゃんと自己紹介から入ってもらえた。が…
「さぁ尋常に勝負!」
「なんでそうなる!」
「あの大会で生き残ったお手並みを拝見したくてね」
「カンベンしてよ、もう……」
●5戦目・vsソル
ソルとばったり出会ったアクセルは
なんだかんだで顔の広いソルなら何か知っているかもとファウストの事を尋ねてみるが…。
「やつか。やつなら……俺が倒す」
「それ……ちょっと待ってくれない?」
「ギアを追う者は容赦せん、構えろ!」
「……結局こうなるのね」
→ここまでにコンテニュー&ソルにパーフェクト勝ちしていない場合
●6-A・vsファウスト
ファウストを発見し体質を治してもらう為に診察を受ける。
「体が勝手にタイムスリップしてしまうと。前代未聞の奇病ですな」
そう言いながら人の身長以上の巨大メスを構えるファウスト。
「まずあなたの身体能力を計る必要があります」
「んげぇえ〜」
★ED1
ファウストの診察結果によればアクセルは因果律の異物になっており
「この時空に自分が二人いる」為に存在が不安定になっているのだという。
今は処方はないが、そいつを探せばなんとかなるかも知れない…
そう思った矢先、アクセルの体が透け始める。
「また始まった。止めてくれ!」
「興味深い現象です。後学のために記録しましょう」
「このヤブがあああぁぁ……」
そしてまたいずこかの時代へと旅立ってしまうのだった。
→ここまでノーコンテニューorソルにパーフェクト勝ちした場合
●6-B・vsクリフ(※過去)
ソルとの激しい戦いの余波でタイムスリップしてしまったアクセル。
「ええい、さっさと退かんか!」
落ちた先は生前のクリフの上だった。
「あ、クリフの旦那。今いつの時代?」
「根性の腐った若者め、そこに直れ!」
●7-B・vsジャスティス(※過去)
なんとかクリフから逃げてきたものの、アクセルはもっと最悪の相手に出くわしてしまう。
「KYOOOO!」
そこにいたのは史上最凶のギア、ジャスティス。
「……あ、そういう時代」
★ED2
激しい力のぶつかり合いによってアクセルはまたタイムスリップしてしまう。
着いた先はモヒカン頭のいかつい男たちが廃墟を闊歩する時代。
「女の意地悪は男の甲斐性!運命の女神はよっぽど俺に気があるらしい。
…ただ、今回ばかりはちょっとやばいかも」
【ポチョムキン】
前大会直後に上官ガブリエルが起こしたクーデターに参加し、
以降は大統領となった彼の側近として仕えることになったポチョムキン。
今回ガブリエルから隠密の命を受け、例のギアの身柄を確保する為に動き出す。
★OP
禁忌とされたる科学を唯一継承する武装科学王国ツェップ。
そのツェップが意思あるギアの報を聞き秘密裏にギア保護を決定した。
派遣されたのはポチョムキン。
巌のような身体に巌のような忠誠心を秘めた男である。
●1戦目・vsメイ
前大会出場者だったメイと出会う。少し背が伸びたな、などと世間話をするが
同じ賞金首を目指している者同士、対立は避けられなかった。
「危ないから退け……と言っても聞かぬのだろう?」
「そうこなくちゃ!恋する乙女は無敵なんだからね!」
●2戦目・vsチップ
かの地へ向かう途中、チップと道を同じくする。
「そこのデカブツ!道を開けな」
「道は開けるが行き先は同じと見た」
「てめぇも賞金稼ぎかよ!なら遠慮はしねぇぜ!」
「いい目をしているな。だが、まだ甘い!」
●3戦目・vs紗夢
チップと同様に道端で賞金稼ぎの紗夢と遭遇する。
「アイヤー、アナタも魔の森へ行くアルか。では尋常に勝負アル」
「身一つで戦うとは!志に男女の区別なしか。感服した。いざ、手合わせ願おう!」
●4戦目・vsファウスト
ポチョムキンの行く道を遮るファウスト。
ポチョムキンは医者と戦う拳は持ち合わせていない、と退かせようとするが
ファウストは医者の本分を尽くしに向かうと語る。
「これは義です。察するにあなたも同じ、心内に義を秘めている」
お互いただギアを狩りに行くつもりではないらしいが、その立場は異なっていた。
「互いに譲れぬならその義を込めて競うしかないな」
●5戦目・vsカイ
「まったく人通りの多い森だな」
「ええ、本当ですね。ところでツェップが……」
カイが言い切るより先に、今の自分はただの賞金稼ぎだと断るポチョムキン。
警察機構の人間であるカイも同様に公務外なのだという。
「どうです?賞金稼ぎ同士、存分に手合わせするのは」
「貴公とか?ふむ、それは良い。賞金首をかけて勝負だな」
●6戦目・vsテスタメント
先に進もうとするポチョムキンにテスタメントが立ちはだかる。
「ここは聖域だ。人の世の汚れた事情を持ち込むな」
「ギアには分からぬか。この世に聖域などない。人がいる以上汚れは生まれる」
「私が食い止めて見せる!」
「よかろう。俺を止めて見せろ」
●7戦目・vsディズィー
ポチョムキンは森の奥でギアの少女を発見する。
ツェップより身柄を預かりに来たと述べるが彼女は承諾しない。
「帰ってください。ここを離れるつもりはありません」
「……すまぬ。お前のためとは言わぬが、この地の民のために来てもらう」
→メイ戦でパーフェクト勝ちしていない場合
★ED1
ポチョムキンは任務を果たし、ディズィーを森から連れ出して祖国へ戻る。
ツェップは決して彼女を無下に扱うことはしなかった。
「狭い国だが……住み心地はどうだ?」
「みんな良くしてくれます。色々説明もしてもらいました」
広大な空の下、ポチョムキンはディズィーをモデルに趣味の絵画を楽しむ。
「列強勢力も奪い合いに参加していたからな。
あの男の言ったとおり、人の世の汚れた事情だ。お前のせいではない」
人の身勝手な利権争いに翻弄され、心を痛めていたディズィー。
しかし今の彼女の表情に陰りは見えなかった。
「だとしても森に篭っていたのは間違いでした。
私のせいで何が起きているか知らなくちゃいけなかったんです。
それに私……結構、幸せです」
「確かに、いい笑顔をしている。俺の筆が追いつくか心配だな」
→メイ戦でパーフェクト勝ちしている場合
●8戦目・vsジョニー
ディズィーをなんとか説得し森から連れ出すことに成功。
しかしツェップ到着直後、2人に向かって謎の船が突っ込んでくる。
「危ない!」
「お怪我はないかい、マドモワゼル?」
出てきたのはジェリーフィッシュ快賊団団長のジョニーだった。
「うちのお転婆姫が世話になったようだな。その娘を渡してもらいに来た」
どこから聞きつけたか、彼らはディズィーを攫いに来たらしい。
「空賊風情がツェップに喧嘩を売るとはな」
「パーフェクトな俺様に不可能はない!のさ」
★ED2
ジョニー達の襲撃は実はガブリエル大統領自らの計画であった。
ディズィーを交戦騒ぎのゴタゴタで死んだことにして
密かに快賊団に匿わせる算段だったのだ。
「彼女を狙うやつはこれからも出てくる。わかるだろ?」
「我が元首も納得しておられる以上お前に預けるが……」
いまいち腑に落ちない様子のポチョムキン。
しかしディズィーは自分のことなら心配ないと言う。
親しくなったばかりで少し名残惜しい二人だったが、
また会えると信じて互いに別れを告げた。
【チップ=ザナフ】
前大会で決勝にも残れなかったことを反省し、更なる修行に明け暮れる日々。
また、ジャスティスの死を目の当たりにしたチップは
あんな殺戮兵器でさえ救いを求めていたことを知り、本当の救いとは何かを模索していた。
そんなある日、害をなさないギアの情報を耳にする。
(※ストーリーモードでは修行の様子が描かれている)
★OP
過ちが、あった。
痛みが、あった。
薬に溺れ、悪行に手を染める日々。
少年にさしのべられる手があり、手は改悛と救済をもたらした。
少年は己を鍛え、疾く駆けた。
過ちを越え、痛みを越え、疾く駆ける。
いつか救いの手となるために。
●1戦目・vsアクセル
修行のため、行く先々の武道家に勝負を挑んでいくチップ。
「そこの鎖鎌使い!今すぐ俺と立ち会いやがれ!」
「俺の都合って考えなし?そいつぁちょっといただけねぇな」
アクセルは拒否しようとするがチップはひたすらに捲くし立てる。
「HERE!COME!READY OR NOT!」
「聞く耳ない?あ、そう……」
●2戦目・vs闇慈
チップはジャパニーズの闇慈に目を留める。
「JESUS!そこのテメェ、ジャパニーズだな!隠しても無駄だぜ!」
「よっ、兄さん目が高いね。だったらどうする?」
コロニーを脱走したジャパニーズは本来捕縛対象なのだが、
チップはそんなもの関係ないとばかりに勝負を挑む。
「俺と立ち会え!」
「いいね、いいね。天地に無双の舞、とくとその目に焼き付けな!」
●3戦目・vs紗夢
チップは町一番のカンフー使いの噂を聞き、とある店にやってきた。
「アイヤー、お客さん、それアタシのこと」
店員のジャムが名乗り出る。女だと知って幻滅するチップだったが…。
「勝てば当店ランチ半額アル!」
「GROOVY!負けて吠え面かくなよ!」
●4戦目・vsポチョムキン
勢いのままに次々喧嘩を売るチップ。今度の相手はポチョムキン。
「若いな……力に溢れ、そして無為だ」
「黙ってろ!俺は今に強くなる!そして世界を変えてやる!」
「道は見えずとも志はあるか。よかろう、相手になる」
●5戦目・vs梅喧
「そこの忍び!さっさと出ろ!」
潜んでいた所を梅喧に見透かされチップは姿を現す。
「アンタ、SAMURAIってやつだろ?俺と手合わせしてくれ!」
「若造が…。人斬りの刀は甘くねぇぜ!」
●6戦目・vsジョニー
ある船に居合いの達人がいると聞き、そこにいたジョニーに居場所を尋ねる。
彼に案内されながら事情を聞かれ、果し合いでぶっ倒しにきたんだと自信満々に語るチップ。
「やつは強いぜ?勝てるか?」
「OF COURSE!俺の間合いは変幻自在、ヤツが得物を空振った時がジ・エンドさ」
「なぁるほど。このへんでいいかい?」
そこでチップはようやく気づく。達人の正体は目の前の男だったのだ。
「な、テメェ!」
「幻影博文派燕月剣皆伝ジョニー、参る!」
→ここまでにコンテニューした場合
●7-A・vsソル
ソルと遭遇するチップ。その並々ならぬ気迫に体が震えていた。
「……」
「てめぇ!俺と、俺と立ち会いやがれ!」
「どけ」
「……っ!い、いくぜっ!」
★ED1
震えながらもチップはなんとか勝利を収める。
俺の勝ちだと誇って見せるが、ソルはこれといった反応も見せない。
「気は済んだか?」
「……」
「あばよ」
そのまま彼はなんともない様子で去っていった。
「……DAMN!圧倒されちまった。底が見えねぇ野郎だ」
改めて自分の未熟さを思い知ったチップ。
だが彼は決して諦めず、更なる修行に励むのだった。
「師匠、見ていてくれ。俺はやるぜ!」
→ここまでノーコンテニューの場合
●7-B・vsチップ(影)
数々の相手を打ち倒し慢心するチップの前に、何者かが現れる。
「おまえは……俺?」
その人物はチップそっくりの姿をしていた。
「忍びの本分は闇。闇に生まれ闇に死す。その定めが越えられるか?」
「お前が俺の影、悪心っ。ならその先に未来がある!」
★ED2
己の影を見事越えてみせたチップ。その時、死んだはずの師匠の声が聞こえてきた。
「よくやった、チップ。影に潜むも影に堕すな。精進するが良い」
先ほどの影は師匠が見せた幻だったのだろうか?
「……ちっ、死んだ師匠に心配かけてるようじゃ俺もまだまだだな。
見てろよ師匠。俺はもっと強くなってやる。そして……大統領になる!」
117 :
GGX+:2010/06/23(水) 21:11:03 ID:FdDxyNuG0
今日はここまで。長くて申し訳ない。
今さらながら全キャラのストーリー全体を書くのは無謀だったかなと反省。
118 :
ゲーム好き名無しさん:2010/06/24(木) 01:14:44 ID:HFFcT+na0
乙です
beatmaniaIIDXに、ストーリーっぽいのができてるらしいんですけど
教えてもらえたらなぁ、って思います〜
最新作らしいから・・・あーけーど?
よろしくお願いします
IIDX17 SIRIUSのやつか
さすがにゲーセンであれはやれないぜ
>72
神宮寺のいにしえの記憶って、旧作(FC移植版)5作+携帯アプリ移植1作+新作1作の
計5作からの構成なんだけど、そのへん全部書いて欲しいってこと?
それとも新作のみストーリーが欲しいってこと?
>>121 神宮寺三郎シリーズはKIND OF BLUEしか出てないので
出来れば全部お願いします
うわさによると設定やストーリーが旧作とは違うらしいので。
パワプロクンポケット12《電脳野球編》
ちょっとずつですがパワポケ12表サクセスを投下していきたいと思います。サブタイは上の《》内です。
大まかなゲーム概要+あらすじからいきます。
パワポケのサクセスには表と裏があり、表は時系列が1からずっと途切れずに続く、基本一作完結のお話。
裏は大概は並のRPGよりも力の入ったRPGが収録されています。
《電脳野球編》は表に該当し、またパワポケは舞台がシリーズごとに高校→プロ→社会人→高校とループしていますがその社会人編にあたります。
そして何と言ってもパワポケが本家パワプロと違うのはそのダーティーな世界観や彼女を作ったときのイベントであるのは間違いないでしょう。
過去作のストーリーを読んでいる方はご存知でしょうが、野球ゲームと言うのがジョークに聞こえるぐらい真っ黒です。(実際ジャンルは野球ゲームではない)
よってまともな野球物語を望む人は本家へどうぞ。あらすじだけでもいかにこのゲームが狂っているかが分かります。
特に毎回社会人編は後付けで野球を物語に絡ませてるとしか思えないお話です。とはいえそれが異色で面白く、このゲームの最大の売りなんですが。
前置きが長くて申し訳ないですが以下《電脳編》あらすじです。ゲーム冒頭+一部公式から引用。地の文は大部分を分かりやすくするために勝手に付け加えていますが御了承を。
《主人公(デフォルトネーム無し。よって主人公は主人公で表記)》は小学生の頃から野球ばかりやってきた。
しかしこの春は大学を卒業しごく普通の会社に就職。
これからは野球とは関係のない毎日送るのだと思っていた。
――が。なんと卒業直前に内定が決まっていた会社が不況により倒産!
いきなり主人公はその身一つで社会に放り出されてしまった。
「景気が悪いからな。まあ、気を落とすな。お前が悪いわけじゃない」
「はい、先輩…」
と、大学の先輩に慰められる主人公。先輩は話を切り替えてこんな話題を持ち出す。
「そうだ。最近、面白いゲームを見つけたんだ。ちょっと待っていてくれ」
そう言って先輩は自室へと戻っていく。主人公は暫し待つことに。
「あのー、先輩?なかなか戻って来ないけど、何をやってるんです?あれ、どこにもいないぞ。おかしいなあ。
パソコンとかつけっぱなしでどこいっちゃったんだろう?」
先輩の姿は部屋になかった。ただ点けっ放しのパソコンが放置されている。
とりあえずパソコンのモニターを覗く主人公。
「…ハッピースタジアム?パソコン用の野球ゲームかな」
モニターにはファンシーなロゴで《ハッピースタジアム》と表示されている。「野球しようぜ!」のキャッチコピーがちょっと可愛い。
これが、その野球ゲームと俺との出会いだった――――――。
《補足》
これが冒頭のあらすじです。かなり現代社会を意識した内容になっています。
主人公は現実世界を電脳世界をうろつき、バイトをして生活費を稼いで様々な謎を追っていく事になります。
また、今作の重要なパラメータには「こころ」「社会評価」があります。
前者は家賃の支払日に払えなかったり母親の帰省の催促などで減少し、0になると主人公が全て諦め自主帰省しゲームオーバー。
後者も家賃を払えなかったり、反社会的な事をすると減少し、0になると主人公が実家に強制送還されてゲームオーバー。
一部イベントでもこころと社会評価は重要です。
とりあえず次から本編ストーリー(通常√)をやります。所々端折りますが、重要イベントは抑えていくつもりです。
また()で補足を随時挿入していきます。かなり長くなりますが、お付き合い下さい。
《4月23〜28日》
こうして主人公は行方不明の先輩を探すために奔走する事になった。
主人公は友人である《開田 具智(かいだ・ぐち/今作のめがね君であり、主人公の大学の同級生》と一緒にルームシェアをしている。
開田は先輩は誰かから電話で呼び出されて、主人公に何も言わず出て行ったのでは、と推理する。主人公もとりあえずそれに納得。
「そんなことより就職でやんす!オイラたちは雇ってくれる会社がないと故郷に帰らなきゃならない境遇なんでやんすからね!」
と開田は言う。さっきは説明し忘れたが、開田も就職先が倒産してしまった、云わば主人公と同じ穴の狢状態。
因みに主人公の実家は漁師をやっており、倒産の話を聞いた親は毎日のように帰って来いと言っている。
だが主人公はこっちで就職をしたいため何とか粘っている。
「重要な問題があるでやんす」
「なんだい?」
「生活費と、ここの部屋代でやんす。今週末に管理人さんが集めに来るでやんすよ!」
「ああ、なるべく考えないようにしていたのに…」
「とりあえず、アルバイトをしてお金を稼ぐでやんす!」
「お、おー!」
そんなわけで、主人公と開田は先輩の事を余り深く考えずに、とりあえずその日暮らしの為バイトに精を出すことに。
毎週の生活費は一万円。月末に家賃の六万円が必要だ。
結構大変だが、ルームシェアの為主人公と開田で半分ずつ出していけばいい。と開田は言う。
「そんなこと言いながら先月は全額俺に出させたじゃないか!」
「先月は限定フィギュアが出たからお金が必要だったのでやんす」
(※パワポケシリーズのめがね君は全員例外なくヲタクです)
「じゃあ今月は先月の分とあわせて全額部屋代を出してくれよ」
「ええーっ!厳しいけど、わかったでやんす…」
とはいえ心配な主人公は念の為自分も家賃を持っておく事を決めておく。
数日後主人公は中山先輩(冒頭の先輩)の部屋を訪ねるが、まだ先輩は帰って来てない。
そんな折、先輩の隣に住むおばちゃんが主人公に話しかけてきた。
「まだそこの人帰って来てないよ」
「いつからですか?」
「先週の23日だよ」
主人公は驚く。先輩と最後に会ったのは22日。現在は25日。つまり、先輩は丸3日姿を消しているのだ。
「連絡あったら、荷物を預かってるから伝えといてよ」
とおばちゃんは言い残し去って行った。
「じゃあ、あれから帰ってないんだ。ちょっと心配だけど、俺も生活のためにアルバイトにいかないと」
案外能天気な主人公。
「ただいまー。おい、今日は一日中パソコンに向かい合ってたのか?」
「遊んでたわけじゃないでやんすよ。就職のための情報収集でやんす。ただどこもかしこも苦しいらしく、採用人数は減少ばかりでやんす。
唯一景気がいいのは《ツナミグループ》ぐらいのものでやんすかね」
「去年の夏、大きな会社が二つ合併して世界最大の会社になったところだよな。たしか…《オオガミグループ》と《ジャジメントグループ》だっけ?」
「オイラもツナミの会社から内定をもらいたかったでやんす。寄らば大樹の陰、って本当でやんす」
「俺達みたいな人間が、早々簡単に一流企業に入れるものか」
シリーズファン以外には分からないので補足をすると、《》で引用したこの企業はかなりの大企業。
しかし一般人は知る由もないが、裏ではかなりブラックな事を行っている。それを垣間見れるのが8から続くDSパワポケシリーズ。
(12でも垣間見れますが、今回は事件の裏側を描写しない通常√なので省きます)
「…ん、その画面は!開田君、やっぱり今日はパソコンでゲームばかりしていたな!」
主人公は特に何も表示されていないモニターに向かって言う。
「ど、どうして分かったんでやんす!?」
「いや、ひっかけただけだよ。あっさり白状してくれたけどな」
「ぐっ…そう言えばアンタは野球の試合でもハッタリだけは得意たったでやんすね。あくせくしたって、どうせオイラ達は負け犬でやんす!
一日一日が楽しければそれでいいんでやんす!」
完全に駄目人間思考の開田。
「そんな悲しいこと言うなよ。がんばれば、なんとかなるって」
「…そのハッタリだけはきかないでやんすよ」
「……」
こころが5下がった
(このように12の主人公の個性にハッタリが得意、とありますがあんまりストーリー上役立ちません)
「開田君は、またパソコンでゲームか?」
「違うでやんす。ツナミネットでやんす」
「だから、ゲームなんだろ?」
主人公は野球一筋だったため、ネットなどパソコン関連には疎い。
あきれ返る開田。
「説明は難しいから、主人公君もやってみれば一発で理解できるでやんす」
そう言って開田は《ツナミネット》へと主人公にアクセスさせる。
※今作は現実と電脳世界の二つがあるので、電脳世界での会話は『』で表記します。
『…これが俺なの?』
主人公をデフォルメしたような姿が表示される。俗に言うアバターだ。
『そうでやんす。ネット世界での自分の分身、アバターってやつでやんすね』
『ふーん。このキャラを操作して、この世界を歩き回るってわけか。で、この世界の目的はなに?』
『目的はないのでやんす』
『え?』
『この世界を歩き回って、好きなことをやるのがツナミネット。いわゆるオンラインワールドでやんす』
『好きなことって…何をやっていいのか分からないよ』
『そこに女の子がいるから、話しかけてみるでやんす』
開田が向こう側を指す。そこには、青い髪と黒ぶち眼鏡の可愛らしい姿の女性型アバターがいた。
言われたとおりに主人公は挨拶をする。
『どうもこんにちは』
『こんにちは。あ、はじめましてですね』
『俺の名前は主人公…』
と主人公が言い掛けたところで開田が急に現実世界で止めに入る。
「ちょっと待つでやんす!」
「うわ、びっくりするじゃないか!」
「ああ〜、手遅れだったでやんす。こう言う場所で、本当の名前は使わない方がいいのでやんすよ。
悪用される可能性があるので、住所とか個人が特定される情報は使っちゃだめなんでやんす」
「あ、でも本名でアバターも登録しちゃったし」
「仕方が無いでやんすねえ。本名だってバレないようにごまかしておくのでやんすよ?」
了解する主人公。いわゆるネチケットは皆無なのであった。
兎にも角にも、個人情報の重要さを説かれた主人公は再度青い髪のアバターに話し掛ける。
『わたしは、《カオル》です。よろしくおねがいしますね』
『こんな時間にこんな場所にいて、学校には行かなくていいの?』
『…?』
相手は小さい女の子のアバターだ。ともすれば、中身もそうに違いない。
よって平日月曜日の昼間にこんなところにいるのはおかしい。
よってマジレス。
「…主人公君。まさかこの子が本当に小さな女の子だと思っているんじゃないでやんすよね?」
「え?」
違うのかよ、といわんばかりに返す。
「アバターは、本当の自分の姿とは無関係に作れるのでやんす。この子は小さい女の子に見えるでやんすけど…。
…本当は55歳のおっさんかもしれないし、70のジジイかもしれないのでやんす!」
「(どっちにせよ年配の男なのか?)」
内心ツッコミを入れるが、ネット初心者なので言い返しはしない。
カオルは丁寧に反応してくれた。
『大丈夫ですよ。学校にはもう行かなくていいんです』
『そ、そうなのか。(じゃあ、大人の人なのかな)』
『じゃあね、バイバイ』
『あ、バイバイ…』
カオルは去って行った。主人公は開田に言う。
「つまり、こんな風に正体を隠していろんな人と話すゲームなのか?」
「まあ、そういうことでやんすかね。他にもいろんなことができるでやんす。喧嘩とか野球とか」
「え、野球?」
野球大好きな主人公はそのワードに迷わず飛びついた。
「《スポーツエリア》って所に行くと、アバターたちが集まっていろんなスポーツができるのでやんす」
「へえ〜」
「最初はヘタクソでやんすけどね。ほら、こうすると主人公君のアバター能力が表示されるのでやんす」
以下、ゲームシステムの説明が挿入される。
掻い摘んで言うと今作は生身の主人公はニーt…フリーターなので、一切野球の練習をしない。代わりにバイトをする。
その分アバターで練習する事が出来、アバターの能力上昇=選手登録時の選手能力、となる。
完全に“リアルは出稼ぎ”状態である。(なんと金を使って仲間をパワーアップさせる事が可能。自分は不可能ですが)
そんな本末転倒に近いシステムに、主人公はツッコミを入れる。
「そんなの、現実世界で野球をした方が簡単じゃないか」
「分かってないでやんすねぇ〜。この世界でなら、現実では無理なことができるんでやんすよ!」
「どう言う意味なんだ?」
「ま、気が向いたならいつでもこのパソコンを使ってツナミネットで遊んでみるでやんす」
「(俺には向いてないから、多分やらないだろうなあ)」
華麗に質問をスルーされた主人公は、自分には合わないと判断した。
今まで野球は生身でやって来た彼からすると当然の反応だろう。
「…先輩は、やっぱり留守か」
ある日、先輩の家を再度訪ねる。しかしインターホンには反応せず、まだ帰っていないことが分かる。
「あら、この前の人じゃないの?」
唐突に以前話しかけてきた隣のおばちゃんが現れる。
「あ、どうも」
「どうもじゃないわよ!この前警察の人がうちに来て、中山さんを最後に見たのはいつですかなんて聞かれたのよ」
「えっ!?」
「もう気味悪いし、預かってる荷物はアンタが預かっといてよ!」
結構な剣幕で言われ、主人公は反論も出来ずに先輩の荷物を預かることになった。
「それで、先輩の荷物を預かることになったんでやんすか?」
「うん、これだけど…」
小包を開田に渡す主人公。すると開田は遠慮もクソもなく包装紙を乱雑に引っぺがした。
「おい、開田君!勝手に開けるなよ!」
「もしかしたら、このお届け物で先輩がいなくなった理由がわかるかもしれないでやんす!」
「でも、プライバシーが…」
正論を吐くが、開田の華麗なスルースキルが発動。
「差出人は…《武内ミーナ》?芸能人みたいな名前でやんすね。中身はコピー資料にビデオテープ?
今時こんなもの、ネットで送信すればいいでやんすのに」
「(そうしなきゃならない理由でもあったのかな?)」
「まあ、内容はオイラが調べておくでやんすから、あんたはとっととバイトに行くなり遊びに行くなり好きにするといいでやんす」
「えっ…」
勝手に荷物を開けられ勝手に排除される主人公。開田は歴代めがね君の中でも性格がかなりひん曲がっている。
ここで三択。素直に言う事に従ったり皮肉を言う事も出来るが、一応喰い付いておく主人公。
「ずるいぞ、俺にも見せてくれよ!」
「さっきプライバシーがどうとか(ry」
「すごく気になるんだよ。先輩を最後に見たのはどうやら俺みたいだからな」
一応責任感を感じているらしい。それに納得したのか、開田はビデオテープの方を渡した。
「じゃあ、そっちのビデオを観てくれでやんす」
「よし分かった。って、ビデオデッキなんてここにはないじゃないか」
「借りてくるしかないでやんすね。こっちは住所リストと、パソコンのログでやんす」
「ログ…?」
「ログファイルでやんすよ」
…………少し間が空く。どうやら一々解説してくれないらしい。
気を取り直す主人公。自分の分担はビデオだ。
「こ、これだけじゃ全くなんの資料か分からないな。よし、帰りにデッキを借りてくるよ」
「あ、逃げたでやんす。さてはログファイルが何のことか分からなかったでやんすね。
…履歴情報とか無視して、この文章のところだけ読めば単なるネット上での会話文章なんでやんすけどね」
先に言えよ、と思うが主人公はバイトに行ってしまった。
そしてその日の晩。
「おーい、ビデオデッキ借りてきたぞ」
「おお、ごくろう様でやんす」
早速ビデオテープをチェックしてみる二人。
その内容は、パソコンをやってる人を後ろから撮影してる映像のようだった。
「画質が悪いな…それにしても、どうして今時ビデオテープなんだろう?」
その質問に開田は、このテープの送り主がパソコンを持っていないか、ネット環境がない人と推測する。
やがて映像内から音楽が流れ出した。何かのゲーム音楽らしい。
ただし角度が悪くパソコンの画面が良く見えない。
(……あっ。うわあああああああああああああああ!!)
突然の悲鳴で、二人は心臓をバクつかせた。
「何が起こった?どうしてカメラが天井をずっと映してるんだよ?」
「カメラが引っくり返ったんでやんす!その直前、オイラにはパソコンのモニターから黒い何かが溢れてきたように見えたでやんす」
「…ああ、俺にもそう見えた。いたずら、だよな?ほら、特撮とかCGとか大学で同好会が作ってるような」
「妙にリアルだったでやんすけどね」
「……お、俺、先に寝るよ」
「オイラは、例のログを元にもう少し調べてみるでやんす!」
結局何がなんだか分からないまま、こころをすり減らして主人公は就寝した。
そして、翌朝。
「呪われたゲームの情報だった?」
開田が遂に情報を得たらしい。
「そのゲームをやって負けると、この世から消えちゃうんだそうでやんす。ネットの野球ゲームらしいでやんすよ」
「…え?野球の…ゲーム?」
主人公の記憶がざわつく。確か、先輩の部屋で見たのは――。
開田はそんな主人公を意に介さず続ける。
「まあ、たわいもない都市伝説でやんすけどね。この《武内》って人が、中山先輩に調査の協力を依頼していて、これは追加の資料でやんす」
「…そのゲームって、まさかなんとかスタジアムって名前か?」
恐る恐る主人公は聞いた。まさか、とは言っているが内心は既に確信めいている。
「《ハッピースタジアム》でやんす。何か知ってるんでやんすか?」
ビンゴだった。主人公は洗いざらい開田君に話してみる。
先輩が消えたとき、パソコンで同名のゲームが起動していたことを。
流石に開田もまずいと思ったらしい。
「うわっ…それってヤバイでやんすよ〜。…あ…でも、そうなると…残りの話も本当なのかもしれないでやんす」
しかし急にあくどい顔付きになる。何か思い付いたらしい。
「…残りの話?」
「資料では、その野球ゲームに勝つとどんな願い事でもかなえてくれるそうでやんす。オイラ、ゲームは得意でやんすからね」
「お、おいおい、やめてくれよ?開田君まで消えちゃったらシャレにならないよ」
真偽はどうあれ、先輩が消えたのはそのゲームの可能性が大きい。
だとすれば自分達の手に負える代物ではない。主人公はそう思っていたが。
目の前の親友(一応)の表情は完全に物欲で塗り潰されていた…。
更に翌日。バイトから主人公は帰宅する。
「はぁ〜。ただいま。中々就職先は見つからないな」
「いいところに帰ってきたでやんす。例の野球ゲーム、今からやる(ry」
「………………………はあ?!」
愕然とする主人公。一体目の前の阿呆は何を考えているのか到底理解出来ない。
それよりもバイトして金返せよ、と言いたい所だが。
「まさか呪われた野球ゲームのことか?おい、やめとけよ!」
親友(一応)として止めに入る。しかし開田は聞き入れない。
「主人公君、いいでやんすか?中山先輩が消えたのは、おそらくこのゲームのせいでやんす。
だから、このゲームに勝って先輩を取り返すのでやんす!」
正当なる理由が自分にはある、と主張する開田。だが主人公は素直に頷かない。
「いや、もしその話が本当なら物凄く危険だぞ」
「そこで、主人公君の出番でやんす」
あくどい顔で開田は言う。我に秘策アリ、といった風な。
「オイラが試合に負けそうになったらそこの通信ケーブルを引っこ抜いて欲しいのでやんす」
「…へ?」
「このゲーム、ネットで誰かと対戦するゲームなんでやんすよ。だから、中断してしまえばゲームは無効でやんす」
ネット対戦で不都合な展開になれば回線落としたりして逃げるのはよくあることだが。
それだけで安心ができるはずもない。
「おい、そんなことで大丈夫なのか?第一、それはルール違反なんじゃ…」
「だから、オイラが自分でやるんじゃないんでやんす。主人公君が勝手に自分の判断でオイラの試合を終わらせるのでやんす。
事故の通信エラーだから仕方がないのでやんす」
いや八百長だr(ry
「ああ、なるほど…いや待て、やっぱりやめとけよ。そんな言い訳が通用すると思うのか?」
「もう遅いでやんす!さあプレイボールでやんすよ!」
一方的にゲームを始めてしまう開田。先輩を救うと言う大義名分はこちらにあるものの、主人公の不安は拭いきれない。
開田は邪悪な顔でにやついた。
「(クックック……勝ったらとりあえず自分の願いを叶えて貰って、先輩の件は後回しでやんす。これでオイラも人生の勝利者に(ry)」
どう見ても完全に私利私欲です、本当にありがとうございました。
そんな開田の内心など知る由も無い主人公は、仕方なくゲームの行方を見守る。
最初こそ平行線だった試合は、五回にて開田が一転負け越す。
(ここで引っこ抜くかどうか選択肢が出ます。一応最後まで抜かずにいきます)
主人公はまだ試合も折り返しと判断して、開田の戦いを見守る。
が、押されに押されて八回。開田は二点差をつけられている。
やばい!と思うが主人公はもう少し様子を見ることに。
やがて――開田軍の最後のバッターが打ち上げた。もうだめだ!と主人公は回線をブッコ抜く!
「か、間一髪だったでやんす…」
「ふう、危ないところだったな」
「危ないと思ってたなら、さっさと引き抜けでやんす!」
キレる開田。負けたほうが悪い、とは思わないらしい。
主人公もやれやれと言った風に彼を見る。
その時であった。
(…ゲームマスターより通達。意図的なゲーム中断は「敗戦」とみなされます)
どこからともなく、声が部屋に響いた。
「え。この声、どこから…。い、いや、それよりも…」
声よりももっと“ヤバイ何か”を主人公は見つけてしまった。
「どうしてパソコンが動いてるんだ!?」
回線をブッコ抜いて同時に電源ケーブルも落としたはずのパソコンが勝手に起動している。
そんな事があるわけがない。が、目の前の出来事は止める事も出来ない。
すると突然、モニター内に大きくて赤い一つ目が現れ、ぎょろりと部屋を見渡した。
その目は標的を見つけたかのように、画面内から無数の黒い手を伸ばして開田を捕らえてしまう。
「うぎゃー!お、オイラのせいじゃないでやんす!主人公君が、主人公君があ!かかか、勝手にケーブルを…。
ぎゃああああああああああああああああああああああああ〜!!」
叫ぶ開田。どうも主人公に責任を全て押し付けたかったようだが、無数の手には聞こえるはずも無く。
ガクブルして動けない主人公の眼前から悲鳴を上げて彼はモニターに吸い込まれていった。
しゅぽん、と言う間抜けな音を残して。
「モ、モニターの中に吸い込まれた!?うわああああああ〜!?」
主人公は悲鳴を上げて部屋から、家から脱出する。
どうやら手は主人公を追う様子は無いようだが、そんな事は最早関係がなかった。
目の前で親友(かつて)が消えてしまった現状に、彼のこころは大きなショックを受けたのであった…。
こころが20さがった!
今回はここまでです。
とりあえず序盤の序盤、開田君が消えるまでをお送りしました。
序盤は定期イベントが多く、後々の展開に繋がるのも多いので切るに切れません。
だからかなり先は長いですが、中盤の展開やランダムイベントはほぼカットしようと思っています。
ここから先は余談ですが、12は前作スタッフインタビューにて「4」のような作品をまた作りたいと言っていました。
(※4=ホラー展開のあるほのぼのした高校野球編、詳しくは4のストーリー項目を)
よって序盤は結構驚かしてきます。開田が消えるシーンはBGMが無音→緊迫したものに急に切り替わり、
更にモニター内の目玉が動くアニメーションが挿入されるので初見だとかなり驚かされます。
基本BGM(行動コマンド選択時のBGM)も今までは時期によって切り替わるのが今作はずっと陰鬱な感じのが延々と流れます。
また、今まで相棒だっためがね君が今作に限り序盤とエピローグでしか出ないと言うぞんざいな扱いなのも特徴です。
長々と語ってしまいました。なにぶん大好きなシリーズなので…。
とりあえず近い内に続きを投下します。
質問・要望や他の√や他のシリーズへのリクがありましたら答えられる範囲でお答えいたします。
では失礼致しました。
まだ出ていないようなので、新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ
プロローグ
世紀末・・・ 人々が太陽を忘れた暗黒の時代
闇の一族の出現により世界は恐怖に包まれた
生者は死者となり死者は世界をさまよった
最後の希望たる戦士の活躍により
一時は取り戻されたかに見えた太陽も
戦士が仲間の裏切りに倒れると
二度とその姿を現すことはなかった
破壊の獣は目覚め世界は永遠の暗黒に閉ざされた
太陽の光を得たとき戦士は再び目覚めるという
しかし戦士のいない今
いったいだれに太陽を取り戻すことなどできよう・・・
黒衣の少年「ここは・・・?」
「夢なのか・・・少なくとも俺の夢ではないようだが」
黒衣の少年の後ろに巨大な怪物がいた
「こいつか、おれをよんだのは?ねむっている?」
「いや、これは・・・月の一族による封印か?」
「だとすれば、なみの怪物ではあるまいが・・・」
黒衣の少年が月光の色(薄紫)に光る
「これは・・・俺の体に流れる月の血が・・・月の一族が警告している!?」
怪物が起きる
黒衣の少年「既に目覚めていたか・・・」
「なるほど」
「お前の復活には俺の血が、月の巫女(月下美人)の力が必要というわけか・・・」
「だが、そうはいかん!」
「おまえにはふたたび、永遠の眠りについてもらうぞ!!」
怪物と戦闘
しかし怪物のソルの光線を食らい膝をついてしまう。
黒衣の少年「クッ、まさかこいつは・・・」
そして白装束の少年が黒衣の少年の前に現れる
白装束の少年「残念でしたね、サバタさん」
解説 暗黒少年サバタ キングオブイモータルヘルに育てられ、体に暗黒物質ダークマタ−を宿している
暗黒銃ガン・デル・ヘルと高速移動をするゼロシフトを使う
サバタ「闇の一族!?」
白装束の少年
「ウフフフフ・・・
破壊の獣、
ヴァナルガンド 生も死もあたえられず、ただそこに存在するもの、絶対存在エターナル」
「たとえ夢の中であろうとも・・・暗黒少年であるあなたに、たおせる相手ではありません」
「命を持たないものを殺すことなど、できはしない 太陽の力をあやつるあなたの弟太陽少年ジャンゴにもね」
解説 太陽少年ジャンゴ 暗黒少年サバタの弟。前作でヴァンパイアの力を手に入れている。
太陽銃ガン・デル・ソルとソードを使う
サバタ「絶対存在エターナル・・・やはりな
「だがこんな怪物をよみがえらせてどうする?この星に生きる全ての命」
「それをほろぼすことが銀河宇宙の意思だとしても、おまえたち自身をもほろぼすつもりはあるまい?」
白装束の少年「人形使いとよばれるわたくしにも・・・絶対存在(エターナル)であるヴァナルガンドをあやつることなど、できはしない」
「ですが、暗黒少年でありながら月の血を宿したあなたであれば話は別です」
「月の巫女(月下美人)の力をもってすれば、ヴァナルガンドの魂と繋がれる」
「破壊の獣、そのものに成ることができるそう、この大いなる力を手にすることができるのです」
サバタ「フッ・・・俺がそんな事を許すと思っているのか?」
白装束の少年「ウフフフフ・・・わたしにはあなたのゆるしなど必要ありません」
「人形には意思など・・・必要ないのです!!」
サバタの体が暗黒の色(赤黒い)に光る
サバタ「ヌグッ、これは・・・!」
画面が真っ赤になる
サバタ「グワアアアアアアアッ!」
オープニング1終わり
今日はここまで、セリフが一部間違っていたりするかもしれませんが、大体はあっていると思います
万華鏡奇談二章目いきます。
ほんのり12禁くらい。
第二章【朧月夜鬼談】
桜の花が咲く度思い出します。その物悲しげな、美しい横顔。
ああ、わたしの過ちは、癒える事も許されることもなく
それでも、いつもまでも浅ましくお慕い申し上げております。
春もまだ浅い折、母が亡くなったという報せが届いた。
母といっても、5年ほど前父が迎えた後妻、継母だ。線の細い美人だった。
しかし修造は、最後まで継母を家族と感じる事は出来なかった。
何しろ、彼女が嫁いできたのは、実母が世を去って1年の事だったのだ。
実母も線の細い人であった。弱弱しく優しく、たおやかで美しい。
しかし修造の記憶の中の母は、凄惨な姿でぶら下がっている。
6年前の春の夜、実母は中庭の古桜で首を吊ったのだった。
屋敷を象徴する古桜だったが、樹齢の為か咲かずの古桜と呼ばれていた。
それが、母が枝で首を吊った年から、満開の花をまた咲かせるようになった…。
途中で大津稲荷の縁日を冷やかし、修造は屋敷に辿りついた。
進学で一人下宿している都会から、義母の葬儀の為帰ってきたのだ。
「修さん」
戸口に凭れかかるように、津紀子が白い顔を覗かせていた。
「お帰り。もう随分心配しておったんよ。」
津紀子は修造の姉だ。
彼女もまた、たおやかで美しい。
喪服で肌の白さが際立ち、見てはいけないような背徳を覚える。
大座敷にしつらえた祭壇に、父竹光が毅然と座っていた。
父は未だ武家の男だ。頑健で厳格、己の矜持と家の名誉を重んじる。
「母親の葬儀にも戻れんのか」と苦言を受けた。
「何しろ急な報せで」言い訳をするが嘘だ。通夜、葬儀が終わるまでダラダラと帰郷を延ばしただけだ。
3年前、勉学を理由に都会へ出してもらった修造は、盆にも正月にも帰らなかった。
新しい母と、彼女が連れていた乳飲み子に馴染めなかったのも理由の一つだ。
その乳飲み子−双生児の草太と信太も今では6歳程になっている。
「修造お兄様、お帰りなさいませ」
3年といえば、彼らには人生の半分に等しい。
それだけ離れていた男を家族と感じるのは、できないことだろう。
縁日で買った玩具を土産に与えたが、反応は気まずげで、他人という感を強めたに過ぎなかった。
双子が出て行った後、父が苦々しい顔で切り出した。
「話がある。まだ、誰にも知らせていない事だ。」
義母もまた、首を吊って死んだのは知っていた。しかも、実母と同じ古桜でだ。
その義母の死体が、「消えた」のだと言う。
出棺の時、父はやけに柩が軽いのに気付いた。
灰の中には、やはり遺骨はなかった。
「修造君は、いつまでこっちに居られるのかね?」
何かを頬張ったような湿った声で話しかけてくるのは、宗像氏であった。
年は父と変わらないが、頑強な父と比べ、宗像は不摂生で中年太りの体躯が目に付く。
脂ぎった肌の、常に卑しい笑みを張り付かせた、浅ましい醜男だ。
そして、忌まわしい事に、この男が、愛しい姉の、夫なのだ。
この義兄も、修造が生家に帰らない大きな理由だった。
この男は、狐憑きの家系として村中から疎まれている稲荷神社、宗像家の当主だ。
本人も噂や見た目の下賎さを、そのまま映した嫌らしい人物で、
中年にもなって、女遊びで家財を食い潰しては父や祖父に無心に来る。
そんな、ここ一帯でも下のない最悪の男。村中の娘が口も聞きたくないと忌み嫌う男。
そんな男にすら津紀子は、持参金付きで「貰っていただき」、その事で父と祖父は、
本来なら到底この家に入れないような男に、強く出られないのだ。
津紀子は、鬼子であった。
その髪は雪のように白く、色素の無い瞳は赤い。
産婆は、生まれた津紀子を見た途端、すぐさま縊り殺そうとしたという。
母の庇護がなければ、津紀子は大人になることはなかっただろう。
父も祖父も、彼女を娘として扱ったことはない。存在しないものとして無視され津紀子は育った。
狭い村にも、津紀子の居場所はなかった。外に出れば雪女と陰で罵られ、虐げられてきた。
なまじ美しく、そして蔑むことを公的に認められている津紀子。
村を支配する佐倉家の娘でなければ、どんな辱めにあったかもしれない。
愛情深い母だけを頼りに、過酷な境遇に育った津紀子は、
それでも気立てがよく、情の深い女性になった。修造は姉が心の底から好きだ。
しかし、津紀子を守ってくれる母はもういない。
父と祖父にとっては、持参金をつけて厄介払いした鬼子でしかない。
たった今も修造は、横柄な態度で津紀子に命令する宗像と、従順に従う津紀子を見せられることに耐えねばならない。
この家の者は皆異常なのだ。
宗像の煙草の臭いが不快だった。家に煙草を吸う者はいない。
耐えられず、輪を抜けて外に空気を吸いに出た。
玄関を出ると、マツと出くわし、帰郷を熱烈に歓迎された。
マツは通いの家政婦で、修造が生まれる前からこの家に仕えている。
産婆でもあり、家への忠誠心から津紀子を殺そうとしたのもマツだ。
しかしマツは、田舎の老婆にしては驚くほど先進的な思想の持ち主だ。
「これからの名士には学が必要だ」と、修造が都会に出ることを反対する父を説き伏せてくれたのもマツだった。
それなのに、同じ口で津紀子を蔑み、父や祖父、そして修造を崇め奉る。
だが、父は厳格一徹で、義母は他人であるこの家では、唯一心を許せる大人でもあった。
「櫻子は、元気かな?」
マツは答えない。修造は一人で裏庭の土蔵に向かった。
この蔵が、この家の異常さの極めつけとも言えるものなのだ。
鍵で錠を開き、観音開きの戸を開ける。
「お兄様?」暗がりから不安げな声が呼び、蝋燭がかざされる。りん、と鈴の音がする。
「ああ、お兄様!」はち切れんばかりの勢いで胸に飛び込んできたのは、まだ十二、三ばかりにしか見えない少女だった。
「お帰りなさいませ、お帰りなさいませ、お兄様!お待ち申し上げておりました。ずっと」
彼女は佐倉櫻子(さくらさくらこ)。修造の妹だ、
「わたくし、本当は知っておりますのよ。
お兄様がお戻りになられても、なかなか櫻子に会いに来てくださいませんの。
ようやくお戻りになって下さったというのに、櫻子より大切なものなど御座いましょうか」
瞳を子猫のように輝かせ、口だけはすねたように駄々をこねる。
櫻子には、義母の死は知らされていない。
櫻子はこの蔵の外の全てから切り離され、隔絶されているのだ。
彼女は赤ん坊の時分に、初めてこの蔵に入れられてから、一歩も外に出されたことは無い。
そのことは、修造にも多少の責がある。
櫻子は、修造の双子の妹であった。
成人したばかりというのに、蔵に閉ざされている体は未発達で、物言いも幼い。病的に白い肌、足首に巻かれた鈴。
それもこれも櫻子が、修造と双子だったからだ。
長男が双子であれば、後に生まれた子を「忌み子」として殺す。各地で見られる因習だ。
仮に男だったなら、母がどんなに庇っても、生まれてすぐに殺されていたに違いない。
そういう家なのだ。
母は病の体を押して土蔵に通いつめ、孤独の次女を育てた。
じっと「家」に耐え、恨み言一つ零さず子を育て上げ、6年前咲かずの古桜に身を預けたのだった。
以来、マツが嫌々ながら櫻子の世話をするようになった。
マツは予想通り、櫻子を害虫か何かのように扱っている。
義母の連れ子、双子の草太と信太に、マツが言い聞かせているのを漏れ聞いたことがある。
「おふたりは、ご長男でなくて、ほんにようございましたねぇ」
その時、障子に映るマツの影を見ながら、これが昔話に出てくる鬼婆か、と思った。
家に居る頃は、修造は父に叱られながらも土蔵に通った。姉も櫻子を慈しんだ。
だが姉が嫁ぎ、修造は都会に逃げた。「家」から逃げたくて都会に出たのだ。
「姉さんを守らんでええ、櫻子を守らんでええ。でも「家」は守ってかなあかん。」
姉の言葉を思い出す。馬鹿な。修造が家を継ぐのは、姉と妹を守りたいから。それだけだ。
ふとある情景が浮かんでくる。赤い夕焼けだった。
「姉さんはずっとこの家に居て、ずっと私の傍に居てください。
私だけの姉さんでいてくださいませ。」
津紀子はどんな顔で、どんな返事をしたのだったか。何故か思い出せない。
そしてそれから然程たたぬ内に、姉は突然他人の物になった。
りん、という鈴の音に、修造は慌てて物思いから覚めた。
櫻子が怪訝そうに自分を見上げている。
「どうなされたの、お兄様。なんだか顔色がよろしくないみたい。」
「…いや、ちょっと樟脳に酔ってしまったみたいなのだよ。」
咄嗟の嘘だった。でも確かに甘い樟脳が噎せ返るように匂っている。
「まぁ!申し訳ありません、折角お兄様がお戻りになるから…」
彼女の来ている桜色の晴れ着は、見覚えがなかった。津紀子が見立ててやったのだろう。
修造が新しい着物と櫻子の愛らしさを褒めると、櫻子は赤い顔ではにかむ。
「それよりお兄様、櫻子の知らないお話を沢山お聞かせ下さいませね。」
不幸な境遇を思わせぬ、屈託のない笑顔に、修造の胸は痛む。
津紀子の物悲しげで弱弱しい印象に比べ、櫻子の瞳にはいつも、仔猫のような好奇心の煌めきがあった。
修造は、大津稲荷で買った林檎飴を櫻子に渡した。
「食べてもいいのかしら。本当にすべて頂いてもよろしいのかしら」
菓子一つでこんなにも無邪気に喜ぶ櫻子。
マツが三度持ってくる食事以外には、どんな食べ物が世にあるかさえ知らないのだ。
都会に住む同じ年頃の娘がどんな服を来て、どんな話題に花を咲かせているのかさえ。
修造は櫻子に様々な小物を買い与えた。十分な着物もあり、手遊びの細々な道具もあり、土間で行水もできる。
しかしそんなもの、到底埋め合わせにはならない。
都会に出る時、一番気になったのはやはり櫻子のことだった。
津紀子もしょっちゅう面倒を見に戻ってきてくれているが、櫻子を本当に守れるのは修造だけだ。
なのに都会に逃げた。
社会に出れば学ぶことも沢山あり、気の置けない友人もできた。正直楽しい。
また思い悩み口数が減った修造に、櫻子もしゅんとなる。
「櫻子のおつむでは、とてもお兄様のお役には立てないわ。」
「そんなことはない。私は櫻子がいるから多くを学んでいるのだよ。
私は今ね、櫻子の病気を治す為に勉強しているんだよ。」
嘘だ。
”お前は生まれつき病を患っているから、蔵の外には出られない。”
櫻子はそんな嘘を言い聞かされて育った。
父は櫻子がこの蔵で朽ちるまで外に出すつもりはないだろう。
でも、自分が当主になった暁には…。
「わたくしの病気は一生治らないと聞きました。
でも櫻子は仕合せで御座いますのよ。こうしてお兄様が会いに来て下さるのですもの。」
そして修造はねだられた通り、都会での出来事を櫻子に話して聞かせた。
しかし今度は櫻子が上の空で、話を聞いているのか心許ない。
「少し疲れてしまったようです。申し訳ありません。」
そう言われれば辞すしかない。また来るからと言い残して蔵を出た。
外では、マツがじっと立っていた。修造が扉を離れると、すかさず鍵を下ろす。
ここに居る間くらいは、櫻子の世話を自分でしよう。そう思う。自分も石を投げる側であることは分かっていた。
マツと並んで歩き、院へ進む話や、義母の葬儀の話をする。
マツは、既に死体が無くなった事を知っていた。マツは、宗像を疑っているようだ。
「見たんでございますよ、あの色ボケを。」
葬儀の夜、この家に泊まったマツは、夜更けに厠に起きた。
その時に縁側を通ると雨戸が開いていたのだと言う。
日本家屋の縁側の雨戸というのは、窓のように開くものではない。
戸板を枠にがっちりと嵌めこむので、外に出ようと思えば少なくとも一枚は外さなくてはならない。
その晩、雨戸は一部外され、そこから例の古桜が見えた。
そこで首を吊った女が、今襖一枚隔てた座敷に寝かされているのだ。ゾっとしたと言う。
これは不用心と雨戸を戻しかけた時に、マツは見た。月明かりの中を歩く宗像氏のシルエットを。
成程、死体を運び出すのなら、そこから出るのが一番近い訳だ。
そこまで話した時、マツが急に萎縮してしまった。
「こ、これは御隠居様」見れば、縁側に面した自室の障子から、祖父剛蔵が顔を出していた。
マツにとって、人間では一番偉いお方だ。修造にとっては、一番接点の無い人だった。
祖父は、庭の古桜を眺めていた。
義母が首を吊った枝は、遺体を下ろす時に割れ、半端に下がっている。
「都合のいい時でかまわんから、切り落としてくれや。」そう言って祖父は障子を閉めた。
「鋸と脚立は納屋だったね。」
予定がある訳でなし、今やろうと思った修造を制して、マツが納屋へ歩いていく。
不意に後ろから声をかけられて、修造はどきりとした。津紀子だった。
津紀子の陰のある笑顔を修造は憂う。
櫻子を含めた他の女性に抱く気持ちと、津紀子への気持ちが全く違うものであるのは分かっていた。
姉は夕飯を作るとはりきっている。彼女はいつ料理を覚えたのだろう。
この家では家事は全てマツの仕事。鬼子に花嫁修業など不要とばかりに、何もやらせてもらえないまま嫁に出された。
宗像の家ではさぞかし苦労をしただろう。
マツが脚立を抱えて戻ってきたのを見て、津紀子は逃げるように去った。
マツから脚立を取り上げ、桜の下に置いて登った。
近くなっていく桜の花弁を見ながら、実母の死を想う。その時、視線を感じた。
振り向いて、常にない高い視点から庭を見下ろす。しかし脚立を支えるマツ以外に人気は無い。
気を取り直して、また一段脚立を登った時
足を乗せた板が音を立てて砕け、修造の体は宙に放り出された。
規制に引っ掛かりそうなのでとりあえずここまで。
パワプロクン、僕らの太陽、万華鏡奇談
みんな乙です!
>>122 一応神宮寺は全作やってるから順番に書くわ
ただ全部で7作分あるから時間かかると思う
しばらく待ってて
背中から落ちたが、大事には至らなかった。
左肩から背中がひどく痛む。湿布薬で誤魔化す内に気づけば朝だった。
中庭を望む障子を開けると、父が庭で素振りをしていた。
老いの見えない逞しい体。手には二尺五寸ばかりの真剣。
普段は床の間にあるそれで、鮮やかに空を一閃する。
父のようにはなれない。昨日もろくに受け身も取れなかった。
案の定、その事を叱られた。
「お前の使い方が悪い。あの脚立はつい先日も駐在が使ったのだからな。」
義母の死体を下ろした時の事だろう。しかし、修造には気になることがあった。
抜けた板には、まだ大して体重をかけていなかったのだ。まるで、元から裂け目があったようだった。
「おはよう、修さん。起きて大丈夫なん?」津紀子が歩いていくる。
湿布を貼り替えると言われて拒むが、津紀子に圧されて服を脱いだ。
白い指が己の背に触れる。吐息を感じる。
上擦りそうな声を抑えて、櫻子の着物の話をする。やはり津紀子が見立てたものだった。
「櫻子、大層よろこんでなぁ。修さんに一番に見てもらうんやって。
だから修さんが帰るまで大事に仕舞っとくんやって、マツにそれは沢山樟脳をねだったそうやわ。」
あの濃密な樟脳の匂いはそれだったのか。
朝食は、櫻子と一緒に土蔵で食べようと思った。
膳を運ぼうと立つ津紀子を呼びとめ、修一は照れ臭げに鞄から土産を取り出した。
大津稲荷の露店で買った、桜色に菫の格子が雅な和紙の万華鏡だ。
喜んでそれを覗きこむ姉の姿に、修造の心も躍った。
「まぁお兄様!お姉様も!おはようございます!」
暗い土蔵の中、櫻子は花のような笑顔で二人を迎えた。
櫻子には、修造の怪我の事は話していない。この笑顔を曇らせたくはなかった。
膳は二つ。津紀子は給仕はするが自分は食べない。宗像が未だにだらしなく寝こけているからだ。
どこにいても女は哀れだ。
男より先に箸をつけることはできないし、男より先に湯に浸かることはできない。
夜は男より先に寝ることは許されず、朝は男より先に起きねばならない。
暗い気持ちを拭ってくれるかのように、櫻子がはしゃぐ。
思わず声を立てて笑おうとして、肩に激痛が走った。
目敏い櫻子は、修造の怪我を見抜き、途端におろおろと取り乱した。
「大したことは無い。少し足を滑らせただけなのだよ。」
「ああ、でもお兄様、どうして脚立などお登りになったの?」
心配する櫻子を宥めて、膳を前に座る。
櫻子は、布団の上にちょこんと座り、切り取られた朝の光に目を細めている。
津紀子が味噌汁を取りに戻ったから、扉が開いているのだ。
「今日はお天気だから、その布団をあとで干してあげよう。」
「いえそんな、お怪我もされているのに、お兄様にそんなことを…」
困ったような櫻子に、遠慮することはないと笑いかけると、戻った津紀子にたしなめられた。
「嫌ですよ、修さん。年頃の娘なんやから、殿方に布団を触れられるなんて恥ずかしいんよ。
櫻子、あとで姉さんがお天道様にお布団頼んどいてあげるからなぁ。」
櫻子はにっこり微笑む。
「わたくし、お姉様大好きよ。お兄様も大好き。
義弟たちとは口を利いてはいけないと言われているから、もうちっとも会ってないけれど、でもとっても可愛らしいと思うし。
みんな大好きよ。」
櫻子の笑顔に、激しく胸が痛む。修造は決意した。
「次の春には…
卒業したら、こっちに戻って来る。それまでの辛抱だよ。」
櫻子はくすくす笑う。
「おかしなお兄様。あと1年したら、お兄様は櫻子の病気を治して下さるの?
お医者様ではないんだから無理だわ。櫻子のことなど、お戯れに気にかけてくださるだけでいいの。
お兄様は、お家の為にもっと立派になられなくては。」
それよりも、と櫻子が不思議そうな顔で箸を置いた。
「きつねが、おりますの?」
意味が分からない。こんこんと鳴くきつねかと問うと、そうだと言う。
何を食べるのと聞かれ、主に肉だよと答えると、櫻子は不安げに瞳を揺らした。
「では、櫻子は食べられてしまいませんの?」
5日前―櫻子は知らないが、義母の葬儀の当日、真夜中に大きな狐を見たと言うのだ。
この、暗く閉ざされた土蔵の中で。
蔵の鍵は、一つはマツが肌身離さず持ち、一つは居間の壁にかかっている。
鍵を開けるのはマツか津紀子だけだ。その時狐が入れば気づくだろう。
つまり…夢を見たのだ。葬儀のしめやかな空気がここまで忍びこんできたのだろう。
朝食を終えた修造は、納屋に向かった。
そこで壊れた脚立を検分する。やはり折れた個所には、ノミを入れたような切り口があった。
あの程度の高さでも、打ち所が悪ければ死ぬこともある。一体誰が…。
「修さん?」
声がして飛び上がる。津紀子が、「食後のお茶をと思うて」捜しに来たのだった。
「それよりも、こんなところでどうしたん?」
それよりも、津紀子こそ何故ここが分かったのだろう。納屋に来ることは誰にも告げていない。
納屋と蔵は庭を挟んで対角線上にある。時間的にここにまっすぐ来たとしか思えないのだ。
自分を呼びに来た以外の目的があるのではないか。
「さっきの、櫻子の話やけどねぇ、やっぱり悪い夢を見ていたんやと思うんよ。」
ひとまず話に乗る。自分も夢だと思っていた。
「うん。その明けた朝ね、ちょうどあの子…ええっと、月のものが来たんよ。
女ってのは、その頃がちょうど不安定になるものだからさ。
敷布にも染みがついてしもうて、洗ってもよう落ちんと、それで余計修さんに布団触られとうなかったんじゃ…」
津紀子の声が途切れた。母屋の方で叫び声がしたのだ。
「修造!修造はいないか!」
声を嗄らして呼ぶ父のもとに走る。父の取り乱した姿が新鮮だった。
「死んだ!死んどるんだ! あれは―…殺されとる」
そっと修造は後ろに視線を流し、またすぐに戻した。見たくなかったのだ。
修造の後ろで、女が笑っていた。
静かに唇を吊り上げて。絵草紙であろうか、どこかで見た―そう、鬼であった。
父に連れられて入ったのは、修造が寝起きした六畳の客間だ。
畳んだ布団に伏すように、マツが倒れていた。
光景が目に浮かぶようだ。布団を上げようとして、屈んで手を差し入れる。そこを後ろから一発。
傍に、雨戸を閉めるのに使う重い棒が転がっていた。
「主人の物です。」
津紀子が指したのは、棒の脇に転がっていた一本の煙草。確かに宗像のものだ。
「し、知らんぞ!おい津紀子、なんてこと言ってくれるんだ。図ったのか?」
戸口に、この騒ぎでやっと起きた宗像が立っていた。
「いいえ、私はただ、これが貴方の物だと言っただけで…」
「ええい!いい加減にしろ!全く忌々しい女だ!!」
宗像は激しく足を鳴らして津紀子に詰め寄り、その野蛮な手で細い腕を掴み引き倒した。
そのまま雪のように滑らかな髪を引っ掴み、引き摺り回し、殴りつける。
津紀子はただ、僅かに呻きを漏らすだけで、唇を噛みしめていた。
なんという醜態だろう。この男はやはり気違いの狐憑きなのか。
「やめてください、宗像さん!姉さんが死んでしまう!」
「この女は宗像の女だ!自分の妻をどう扱おうがこっちの都合だ。
こいつはそう――躾けなんだよ!」
修造が更に絶望したのは、この狂態への父と祖父の反応だった。
彼らは眉を潜め、まるで疎ましいものを見ぬふりをするように、部屋を出て行ったのだ。
痛めつけられ、投げ出されて津紀子の衣がはだけた。
いつも、姉の肌を美しいと思っていた。誰も足を踏み入れたことの無い新雪のようだと。
触れたいと思う心をいつも秘め隠していた、修造の聖域。その美しい肌は――
腹部や肩、乳房にさえもいたる所に、裂傷や痣、火箸を押し付けたような蚯蚓腫れの火傷まで――
津紀子は動かず、ただ虚ろな目で天井を見上げている。
修造の愕然とした凝視に気付いて、宗像はぶ厚い唇を剥いた。
「これでも大分マトモになったんだ。
これをもらってやる時言われたんだ。好きにしていいと。誰にも文句を言われる筋合いは無い。」
そして下卑た笑みを浮かべで囁いた
「……この女はな。悦ぶんだよ。こうすると。」
とりあえずここまで。
>>132の続き
《4月29〜5月29日》
翌朝。主人公はとりあえず開田君のパソコンのモニターと本体を紐でぐるぐる巻きに縛る。
曰くまたあんな変な触手が出てきたら嫌だ、との事。
そんな折、急に主人公の携帯電話に着信が。
出てみると母親だった。親だけあって話が長いのでまとめると、不景気で就職無理だろうし父親の体調良くないから実家帰って漁師になれ、という。
しかし折れるに折れられない主人公はまたもこころをすり減らしてバイトに赴くのであった。
管理人へ家賃を払い、何とかほっと一息つく。
だが管理人は最近開田を見ないので部屋に引き篭もってマイコン(パソコンの古い呼び方)でもやってんのか、と主人公に言う。
当然真実を話すわけにもいかないし信じてもらえないと思った主人公は適当に開田は出かけている、と濁す。
実家に帰ったのか、という質問にも違うと答え、怪しまれる主人公。
とにかく家賃はキッチリ払えよ、と言い残して管理人は去って行った。
「しかし、どうしよう…。開田君は消えたままだし。こうなったら、実家に帰ろうかな…」
こころも磨り減り、主人公はそんな事を思う。
そんな時、謎の声が彼の耳に届いた。
(…やれやれ…とんでもないヘタレだな、お前)
「な、なんだ?一体、誰の声だ?どこにいるんだ!…おかしいな、誰もいないぞ。とうとう変な声まで聞こえだしたか」
幻聴かよ、もうヤバイな、と主人公は更に落ち込む。
「あの〜、もしもし?」
「うわっ!」
唐突に話しかけられる。今度はちゃんと生身の人間らしい。
スーツを着込み、ネクタイを締めたその姿は主人公よりも結構年上に見える。
「おや、驚かせてしまいましたか。今、お帰りでしょうか?」
眼鏡をかけた温和そうな顔立ちに、丁寧な言葉遣い。
とりあえず主人公は何でしょう、と言う。
「あなた、主人公さんですね?ここに開田さんと一緒にお住まいの」
「え、ええ」
どうやら開田と主人公の名前は割れているらしい。
男は懐から何か取り出して主人公に見せた。黒い手帳の様なものだった。
「あ、申し遅れました。私、警察の《渦木(うずき/今作の本当の意味での相棒である眼鏡さん)》と申します」
「(刑事さん!?)」
「少しお話を聞かせて貰ってよろしいでしょうか?」
「ど、どうぞ」
嫌とは言えずに、主人公は渦木を自宅へと案内した。
どうやら開田を探しているらしいと考えた主人公に、渦木は愚痴をこぼす。
「いやあ、行方がまったく分からないので私どもも困ってるんですよ」
(ここで二択。開田の名前を出すか出さないかの違いです。主人公が墓穴を掘るのに変わりは無いです)
「そのうち帰って来ますよ」
「そうなんですか?《中山さん》とそんなに親しくされていたんですか?」
「え?あ、中山先輩の方の話でしたか。てっきり…」
「てっきり?」
はい、墓穴掘りました。因みにもう一つの選択肢だと初っ端で墓穴を掘ります。
引くに引けず、主人公は開田君のことかと…とぼそぼそ言う。
「ふうむ。中山さんに続いて開田さんも。立て続けに二人もねえ…。あなたの周りで」
突き刺すように渦木は言った。行方不明者が二名立て続けに主人公の周りで出ているのだから当然である。
(ここで三択。全部言い訳です。偶然だ、不思議ですね、知りませんの三つ。最後を選びます)
「俺は何も知りませんよ!」
慌てて主人公は言う。渦木は疑り深い表情でまあいいでしょう、と流した。
「ところで、4月22日の夜にあなたは中山さんのお宅にお邪魔していますよね」
「はい」
「その時、何か気がついたことは?」
(またも三択。刑事だけあってかなりネチネチと渦木は質問してきます。先輩がいなくなった、とぼける、野球のゲームです!の三つ。最初を選びます)
「途中で、いなくなった?」
「はい。いつまで経っても帰ってこないので仕方なく帰ったんです」
ふうん。と渦木は頷く。相変わらず主人公への疑いの目はやめない。
「も、もういいでしょう!二人の行方は知りません。忙しいので帰って下さい!」
「はい、分かりました。では、今日はこれで失礼します」
遠回しにまた来るよ、と言って渦木は部屋を出て行く。温和そうだがかなりねちっこいタイプのようだった。
ふう、と落ち着く主人公。しかしまたドアが開く。渦木だった。
「ああ、そうそう…一つだけ気になったんですけど。アレはなんです?」
指差したのはぐるぐる巻きにした開田のパソコンだった。何で縛ってるのか、と渦木は聞いてくる。し、しつこい!
(またまた三択。故障してる、とぼける、嘘をつくの三つ。真ん中を選択)
「さ、さあ?」
「ふうん」
そう言って渦木はパソコンを調べようと手を触れた。しかし主人公が大声で制止する。またも何故止めるのか、と疑われる。
「ええと、開田君のパソコンだから本人の許可がないと…」
「ああ、なるほど。それもそうですねえ」
納得したらしく、それではと行って渦木は今度こそ本当に去った。
疑われているのは明白だが、本当のことを言っても信じてくれるはずもない。そんな時またあの声が聞こえた。
(ケケケ…この際だから逃げ出しちまえよ)
「い、いや…それはさすがに後味が悪すぎるよ。って、俺は誰に返事してるんだ…?」
部屋には誰もいない。やっぱり幻聴らしい。
気にせずに主人公は二人を助け出すしかないと思い、あのゲームの情報収集を開始する。
が、翌日。先輩の家に送られてきたあの資料が見つからない。開田君が勝手に隠したようだった。
仕方なくネットで調べようとするが、触手が出てきたら嫌なのでためらう主人公。その時、またもあの声(ry
(まあ、やめとけって。どうせ何やったってムダさ)
「うわ!またあの声か!どうなってるんだ、一体…これじゃあ何か行動してないと頭がおかしくなりそうだ」
そう言って主人公は意を決して紐を解き、《ツナミネット》へログインした。
そこには青い髪と黒ぶち眼鏡のあの子がいた。
『あら。また会っちゃいましたねー。…ええと?』
『主人公だよ。そういうキミは…』
(ここで彼女の名前について四択。正しい彼女の名前《カオル》を選びます)
『ええ、そうですよ。それだけは覚えているから…』
『…?あ、そうだ!野球ができる場所を知らないかな?』
何か様子がおかしかったが、主人公は気にせず質問をする。野球が今回のあの事件に関わっているのは間違いない。
カオルに主人公は《スポーツエリア》へと案内してもらった。様々なドームが密集しており、その内部は本物のように広いらしい。
『野球、お好きなんですか?』
『え?ああ、うん。まあね』
『そうですかー!自分も野球は大好きです。でも観るばっかでやったことはないんですよー』
どうして、と聞くと運動神経がない上に病気で激しい運動が出来ない、とカオルは答える。
しかし主人公は機転を利かし、
『それは現実での話だろ?この世界なら平気じゃないか』
『あっ、そう言えばそうですね。どうして気付かなかったんだろう?』
こうして、二人はキャッチボールをしてみることに。やった事がなかったカオルは大はしゃぎ。
『…《現実では無理なことが出来るようになる》か。開田君の言ってた事が少し分かってきた気がするな』
と、今は亡き(多分)親友(かつて)の言葉の意図をようやく理解し始める主人公。
少しだけネットの楽しさを理解したのだった。
それからと言うものの、主人公は現実とネットの様々な場所をうろついて情報を集めようと奔走する。
ネットでさり気無く呪いのゲームの情報を得ようとするが無視されたり、現実で警官に呼び止められて逃走したり…。
またネットで彼は他のアバターに野球ゲームをやろうと誘っても誰も乗ってこない事に気付く。
どうやらアバターの野球能力が初期値だからバカにしていると思われているらしい。
その事を忠告してくれたのは《サイデン》と名乗る、緑髪の好青年なアバター。
ネット初心者で右も左も分からない主人公に、サイデンはいつでも何でも聞いてくれ、と言ってくれた。
サイデンと知り合い登録を済まして、主人公は少しだけこころを癒すのだった。
さて、各地をうろつき回る主人公だが、やがてとある場所にて《千脇(ちわき)》という人物の名を耳にする。
自称不思議現象の専門家らしく、ネット界隈では有名で自作のサイトを持っているらしい。また、住所もそこに載せているようだ。
「不思議現象事物最強研究所」と言う名のサイトにアクセスした主人公は、千脇が主人公のアパートの近く、《工業団地》に住んでいる事を知る。
早速翌日訪ねてみる主人公。アポも何も取っていないが、インターホン越しに不思議な話の話について聞きたいというとすぐに千脇は家へあげてくれた。
早速主人公は事情を話してみて、千脇からの反応を窺う。曰く、「都市伝説としては一般的でありきたり」「勝てば願いが叶うのもありがちなルール」らしい。
しかし彼のデータベースには一つの噂が登録してあった。
「《ツナミネットワーク》にひそむ人食い野球ゲームの恐怖」がそうらしい。B級映画のタイトルみたいだ、と内心ツッコミを入れる主人公。
そのパターンは犠牲者の元に野球ゲームのインストールプログラムが送られてくる。それを解凍して起動すると、ネットからパソコンにプログラムがダウンロードされる。
そしてゲームをプレイして負けてしまうと犠牲者は消える、というもの。
それだ!とビンゴといわんばかりに反応する主人公。噂としても悪戯の可能性があるとはいえプログラムが送られてきたという話は多いらしい。
送られてきた先を調べれば犯人が分かるのでは、と主人公は言うが千脇は「どれもありえないところからの送信」と言ってその推理を斬る。
大体犠牲者は最終的には消えるのだからそもそもこの噂自体が矛盾している、と千脇は言った。
だが主人公はそうは思わない。自分のような傍に居た目撃者がいるからこそ、この噂はあるのだと考えたのだ。
千脇は「出所の分からないプログラムは自分のパソコンに落とすな」という教訓の為に作られた作り話だ、と結論付けた。
「じゃあ一体ゲームで消えた人を戻すにはどうすればいいのか?」と質問する主人公に、千脇は「簡単な話だ。この《ゲームに勝てばいい》んだ」と言う。
開田はある意味間違ってはいなかったらしい。更に千脇は「この程度の情報はネットで検索すればすぐに引っ掛かる」と主人公に言った。
だが主人公はどうやってもそれを見つけられなかった。一体何故?と思うが、とりあえず聞きたい事は聞けたのでお暇する事に。
尚帰り際に千脇からアメリカの海軍を全滅させたUMAの話を聞ける。多分超能力者の仕業。
聞きたい事をあらかた聞いた主人公は千脇に礼をいい、退室する。それを見送った千脇は今日の出来事をブログにアップしようとした。
しかしその時。彼のパソコンのモニターからあの一つ目が現れ、無数の手が彼をバクン!と食べてしまった。
主人公が帰ってすぐの出来事であった。
(この後千脇に会いに行くと彼がおらず、部屋に蜘蛛の機械がいて主人公がビビリます。オカルトに通じてて厄介と思われた千脇はツナミに消されたっぽい)
管理人が渦木にありもしない主人公と開田の情報を与えているのを主人公は目撃する。
彼は逮捕されるんじゃないかとビクビクしながら毎日をバイトしたりして過ごす。
そんなある日。野球ゲームに慣れる為に試合を申し込む事にした。偶然出会ったカオルにその方法を聞いてみる。
どうやらチームを登録して対戦相手を探すらしい。
『え、チーム名?そんなこと急に言われても…』
『そうですねえ…。電脳世界だから《デンノーズ》!なんてどうですか?』
『なるほど。じゃあ…デンノーズっと』
『えっ(今のは冗談だったのに…)』
こうして主人公のチーム名は《デンノーズ》に決まった。
そしてカオルにチームのコメントを考えた方がいい、などとアドバイスを受けていると唐突に話しかけられた。
『おい、お前がチーム・デンノーズのキャプテン、主人公か?』
『わっ、もう相手が来た!(しかも、何か大勢いるぞ!)』
眼鏡を掛けており、オレンジ色の長髪がまぶしい男性のアバターだった。
その態度は大きく、明らかに主人公を見下している。
『俺はチーム・《ジコーンズ》の《アドミラル》だ。さあ、さっさと試合するぞ』
『えっ。あの、後ろの人達は?』
『全員ジコーンズのメンバーだが?』
『(じゃ、アレ全部プレイヤーなのか。うらやましい…)』
とか何とか言いつつも、主人公は野球の対戦を受けた。
システム的には開田がやっていたアレに似ている。画面の雰囲気は違うが。
速くしろノロマ!などとアドミラルに罵倒された主人公の初陣は――。
『初回でコールド負け…初心者って書いてたのに…(※コメントに)』
『本当に始めたばかりの奴だったか。だが、これじゃ弱すぎてポイントにならないな』
『ポイント?』
『もちろん《ハッピースタジアム》の出場権のポイントだよ!プレイヤーが本当に《一人》しかいないあんたのチームには無関係さ』
このハッピースタジアムという単語に主人公は反応しなかった。(呪いのゲームとは関係ないと思っていた?)
しかし一人という言葉に食いつくが、足蹴にされてアドミラルは去って行ってしまう。今までずっと観ていたカオルが言った。
『なんだかマナーの悪い人達でしたね』
『でも、すごく強かったな。それとプレイヤーが一人しかいないってどういう意味なんだろう』
『あ、この野球ゲームは複数のプレイヤーで出来るんですよー。むしろプレイヤーの足りない選手をCPUがおぎなってくれるって言う方が適切ですかねー?』
それは知ってる、と言う主人公。しかし、ここである点に気付く。
『ああそうか。コンピュータの操作が人間より上手に設定されてるわけないか』
『コンピュータの方が人間より強いと人が集まらなくなっちゃいますからねー』
それにしてもデンノーズのCPUは弱い。そこで主人公はハッと気付き、デンノーズのチームデータを見てみた。
どれもこれもが主人公より弱い。野球能力=アバターの能力が反映されている事に気付く。いい加減に慣れr(ry
『だからプレイヤーのついてない選手はしろうと以下ってわけだ』
『んー、それってどうなんでしょう。なーんか不自然な気がしますけど?』
『試合に勝つには一緒に戦ってくれるプレイヤーを探さないとダメなんだな』
『あ、あのー?いっちゃった…』
ブツブツ言って主人公は立ち去った。カオルはそれを何も言えずに見送っていた。
5月29日。渦木が主人公の部屋を訪ねて来た。
「あ、刑事さん」
「《渦木》です。今日はあなたに面白いものをお持ちしました」
「面白いもの?」
「はい。実はこのアパートの隣の住人が撮った写真に面白いものが写っていまして。…これです」
渦木が見せた一枚の写真。それにはこの部屋の窓が写っていた。
「あの、これが何か?」
「最近のデジタルカメラは性能が向上して、非常に細かいところまで写るんですよ。この写真のここの部分を拡大するとね。ほら、こうなります」
そこには主人公と開田が争っている場面がバッチリと写っていた。慌てて弁明する主人公。
「こ、これは開田君がモニターの中に吸い込まれかけたのを助けようと、その、必死で、ええと…」
途中で自分が頭のおかしい人みたいな事を言っているようだ、と気付く。普通ならば信じてもらえるはずもないことを必死で言っているのだ。
「ああ、呪いのゲーム?」
「そう、それです!…って、刑事さん?どうしてそれを?」
渦木は呪いのゲームを知っていた。その事に主人公は驚く。
「あなたがほうぼうで、それについて尋ね回っているのを見ました」
「(尾行されてたのか!)」
「私も個人的に調査してみました。まことに信じがたいことですが、呪いのゲームで消えた人間は存在しますね」
「信じてくれるんですかー!!」
「まあ、それが合理的な解釈でしょう。あなたが完全な異常者で自分で開田さんを殺したという事実をすっかり忘れているのでなければね」
「は、ははは…。(怖い事をあっさり言う人だな)」
兎にも角にも、渦木の疑いを何とか晴らす事が出来た。ホッと胸を撫で下ろす主人公。
そして渦木と雑談を交える。《ツナミ》がいかに強大な企業なのか、渦木は割と真面目に主人公へ話した。
何とツナミの会長が『ツナミは脱税する必要がない。何故なら全ての税金はツナミの為に使われるからだ』という発言をジョークでは無くマジに発したりしているらしい。
そしてそんな世界一の大企業ツナミが運営する《ツナミネット》。そのさしもの《ツナミネット》にそんな《呪われたゲーム》があるとしたら…。
「慎重に動かなければなりませんよ。会社というものは、悪い噂を嫌う」
「!」
「世界一の大企業がその気になれば、私達など一瞬で社会的に抹殺されてしまいますよね」
笑顔で渦木は言った。青ざめる主人公。
「呪いのゲームのことばかり考えていてそこまで考えてませんでした。…充分に注意します」
呪いのゲームがツナミネットに関係しているとしたら、必然的にツナミに関わる事になる。
万が一ツナミにとって何かしらの不都合な事実を知ってしまったら。
渦木の言葉を深く心に刻んでおく主人公であった。
(※因みにこのイベント以前に千脇に会っていなければ普通に主人公が渦木さんに逮捕されてゲームオーバーです。
また、千脇に会っていたとしても社会評価が低ければ同じくアウト。やっぱり逮捕されます)
《5月30〜6月29日》
主人公は一緒に野球の試合をしてくれる人を探していた。そんな時である。
『おーい、そこのキミ!ひょっとして対戦相手を探してるのか?』
話しかけてきたアバターは、ピンク色のユニフォームを着込んだ長身痩躯でゲジマユなアバター。
『え?ああ、そうなんだけど、今はプレイヤーが俺一人しかいなくてチームが凄く弱いんだ』
『それなら俺のチームもそうだよ』
『え?あ、そういえばこの前みたいに周りに他の奴がいないな。そうだ、どうせなら一緒にチームを作らないか?』
『それは後で話すとして、とりあえず一試合やろうよ』
適当にあしらわれてしまう。まあいいや、と言う事で主人公も了解する。
『ああ、そうそう。試合は「乱入設定」でいいよね?』
『乱入設定?何s(ry』
どうやらそれを設定しておくと、試合中でも他の人も自由に参加できるらしい。
色んな人が試合に出てくれればその分知り合いも増えていいかもしれない、と考えた主人公は何も考えずにOKを出した。
そして……。
『よーし、打つぞ〜』
(選手の交代をお知らせします)
『あれ?まだ初回なのに、いきなり選手交代?』
(選手の交代をお知らせします。選手の交代をお知らせします。選手の交代をお知らせします。選手の交代を(ry)
『なんだ?なんだ?一体何が起こってるんだ?』
『ああ、ごめんごめん。知り合いが大勢来ちゃってさ。みんなこっちのチームの助っ人に入ってきたんだ』
笑顔でピンクアバターは言った。当然驚く主人公。こっちは主人公一人である。
そしてみるみるうちに相手チームが強化されていく。これでは勝負にならないので主人公はやり直しを提案した。
『ええ、いくじがないなあ。じゃあそっちの試合放棄で負けね』
『え?』
『だって勝てないからやめるんだろ?こっちが勝ったことにしてくれないと困るじゃないか』
それはそうだが、主人公は一つおかしいところを指摘する。
『ちょっと待てよ。そっちのチームに仲間が来たタイミング、なんだかおかしくないか?一人ならともかく、こんなに大勢がタイミングよくやってくるなんて』
『ははは、疑り深いなあ。じゃあ、次の試合からは同じ人数になるようにこっちの半分がそっちに行くよ。それならいいだろ?』
渋る主人公。そして主人公のチームにも何と乱入者が現れた!
『おおい、ちょっと待て〜!騙されるな、そいつらはそういう手口のやつらだ!』
『えっ、サイデン!?』
乱入したのは以前会ったサイデンだった。サイデンは混乱する主人公に告げる。
『最初の試合は大勢仲間を乱入させて短時間で一勝稼いで、次の試合からは仲間に足を引っ張らせるんだ』
『ええっ?』
『もう何人も同じ手にひっかかって泣かされてるんだ。言い逃れはできないぞ』
『チッ!ふふ、バレたらしょうがないなあ。…で、この試合はどうすんの?』
当然主人公は無効を主張する。が、それは不可能だった。
お互いの同意がないと無効に出来ないルールになっているらしい。
『なんならそっちは二人で頑張ってみる?』
嘲笑うピンク色のアバター。そこにまた乱入者を告げるアナウンスが。
『いいえ、三人よ☆このBARUちゃんも、悪いやつらを見逃したりはしないのニャ☆』
ピンク色の髪の毛をした、ケモミミもついている少女型の可愛いアバターが増援として現れてくれた。
名前はBARUと言うらしい。
『ええい、二人が三人になったところでどうだというんだ!こっちはベンチの控え含めて全員がプレイヤー(ry』
負けフラグっぽい前口上を聞いたところで、プレイボール。因みに敵チームの名前は《ネットセイバーズ》だ。
《デンノーズ》はあっさりと勝利した。ピンク色のアバターが抗議する。
『お前ら、何かイカサマしたな!』
『人聞きが悪いミ☆試合中に観客が増えたり減ったりしてネットの重さが変化したかもしれないけどニャ☆』
BARUは臆面もなく言った。自分達に影響はないのだろうか、と言うツッコミはない。
『く、くっそ〜、そんな裏技が!せっかく積み上げた全勝がぁ〜覚えてやがれ!』
『いい気味だニャ☆BARUもあんな悪役っぽい台詞言ってみたいかもミ☆』
『ありがとう、助かったよ!』
主人公は二人の助っ人に礼を言う。
『いや、いいって。俺はああいう卑怯な連中を見逃しておけなかっただけだから』
文末に(キリッ とでも入りそうなカッコイイ台詞を言ってくれるサイデン。
主人公はそんなサイデンに疑問を投げ掛けた。
『そういえばあの連中。どうしてあんなことしてまで勝ち数を稼ごうとしてるんだ?』
『この野球ゲームで勝つと、「ポイント」が増えるんだ。で、ポイント数が上位のチームは夏にあるこのゲームの大会に招待されるんだそうだ。
で、その大会で優勝すると、《どんな願い事でも叶う》んだって』
ん?と主人公は思う。
『どんな願い事でも?まるで呪いの野球ゲームみたいだな』
『ああ、それの大会だとよ』
『………………………………………………はあああああああ?!いきなり何を言ってるんだ!
呪いの野球ゲームってのは、いきなりネットを通じて送られてきてだな!』
『前はそうだったらしいけど方式を変えたらしいぜ。少なくとも、そういうイベントがあるってことを大勢の人間が信じてるみたいなんだ』
『でも、負けたら消えるんだぞ?』
『消えるのは本戦に出た人だけって話なんですノ☆だから、負けて消えるのが恐い人は予選でやめておけばいいんだニャ☆』
『予選でやめる?それじゃ、意味がないじゃないか』
『予選での勝ち数に応じて、チーム単位で賞金が出るらしい。一勝あたり百万円って話だ。本戦だと一勝で一千万円』
『そんなバカな話、誰が言ってるんだ』
これが事実だとすると、ここ二週間ぐらいで呪いのゲームはやり方を変えた事になる。一体、それは何故なのか?
サイデンはその流言の大本の存在を話した。
『《顔のない女》』
『…え?』
『俺達は会った事がない。しかし《それ》に会った奴はその話を固く信じてる。絶対に悪戯じゃない、ってな』
『…………な、なあ。ネット上じゃなくて、実際に会って話せないか?実は俺、その呪いのゲームに勝たないといけないんだ』
主人公はそう提案した。サイデンは自分よりもそういった情報に耳聡い。直に聞いたほうがいいに決まっている。
そして主人公は情報を仕入れるだけ仕入れなければならない。二人を助け出すために。
『あら、オフ会のこと?でも、たわごとだミャ☆あたしたち全員日本人だとしても、沖縄と北海道に住んでるかもしれないのニャ☆』
『そ、そうか。俺はミルキー通りの近くに住んでいるんだが…』
『え!?ミルキー通り!?』
サイデンとBARUの二人が同時に反応を示した。どうやら、二人は偶然にもそこの近くに住んでいるらしい。
こうして主人公は翌日火曜日に、人生初のオフ会の約束をとりつけたのだった――。
翌日。主人公は約束の場所へと到着する。そこには二人の《男》がいた。
「あんたが主人公か?」
似合わないサングラスをかけ、ボサボサの髪の毛な細身の男が話しかけてくる。
「じゃあ、あんたらがサイデンとBARUか」
「そうナリ。うひょひょひょひょ〜ん。よろしくだっちゃ」
サングラスの隣、眼鏡をかけ同じくボサボサ髪の毛、黄色いTシャツを着たピザで肌が汚い男が言う。
到底まともとは思えない喋り方。主人公は恐る恐るピザに訊ねた。
「あんたがBARUか?」
「違うよ。そっちがサイデンで俺がBARUだ」
サングラスが代わりに答える。
「(えええええーーっ!ネットと全然違う!?)」
(まとめると、サイデンはネット上では真人間ですがリアルだとピザのキモヲタ、BARUはネットではネカマですがリアルだと比較的まともな男、と言った感じ)
三人は喫茶店へと場所を移して、互いに自己紹介をした。
「おいおい、三人とも無職かよ。不景気だな、まったく。それにしても主人公が本名とはベタな初心者だな」
嫌過ぎる共通点であった……。
因みにサイデンは《田西(たにし/実は7から登場している準レギュラー)》でBARUが《浅梨(あさなし/同じく準レギュラー》が本名らしい。
「あ、ネット上で本名はバラすなよ」
「それだけは拙者も御免でござる。イヤッホホゥイ」
「……」
「そんで、俺達に話って何なんだ?」
主人公は二人にこれまでの事情を説明した。意外にも二人は黙って聞いてくれた。
「さすがにちょっと現実離れしている話だから、信じられないとは思うけど」
「ビーンビーン 宇宙ヨリ電波ジュシンチュウ…宇宙ヨリ(ry」
「なあ、お前。最近ピンクの象とかアリの大名行列とか見たことないか?」
「い、いや、俺は正常だよ!」
黙って聞いてくれてただけで信じてくれたわけではないらしい。一転電波扱いされる主人公。
「頭のおかしくなったヤツは自分のことそう言うんだよ!」
「その人の言ってることは恐らく本当ですよ」
「うわっ、渦木さん!?(後ろの席だったのに、全く気付かなかった)」
渦木も偶然(?)この場に居合わせたらしく、首を突っ込んで来た。
「誰だ、あんた?」
「あ、私はこう言う者です」
「け、警察!?」
「ハイ、刑事部捜査第一課特別捜査第一係の渦木警部です。よろしく。呪いのゲームの真相、私もぜひ知りたいと思いましてね」
こうして渦木もこの恐ろしいオフ会(全員無職的な意味で)に参加する事になった。
主人公は《顔のない女》など聞いた話を彼に話す。
「ふむ、顔のない女ね。それはたしかに異常です。ツナミネットのアバターにそういう設定は出来ないはずです」
「刑事さん、ご存知なんですか!」
驚く主人公。自身のネット知識が0だからだろう。
「ええ。捜査の一環としてツナミネットのこと色々と勉強いたしました」
「確かに、ネットであんなに一生懸命勝ち数を稼いでる連中がいるってことは、裏に何かあるのかもしれねえなあ。よし、協力してやるよ」
「拙者も助太刀するでござるぅ」
「それはありがたいことだけど…本当にいいのか?危険だし、試合で勝ち続けるとなるとずいぶんと時間もかかるよ」
「ははは、構わないよ。俺、会社をクビになったばかりでやることなくてヒマだし」
「右に同じだにょぉぉ〜〜〜〜〜〜ん♪やることなくてヒマだし〜☆」
「(情けない理由だ…)」
「じゃあ、これでとりあえず四人仲間が集まりましたね」
渦木がまとめる。四人、と言う事は渦木本人もそこにカウントされているらしい。
「え、刑事さんも?」
「私は捜査の一環ですよ。ゲームをやったことはありませんが反射神経になら自信があります」
「…………」
ゲームを舐めたかのような渦木の発言に、二人のキモヲタは厳しい眼差しを送る。
そしてゲーセンへと渦木を案内し――。
「えええーっ!?画面が?画面が!弾で埋まってる!これは回避不可能なのでは?」
「大丈夫、大丈夫。当たりは見た目より小さいから、自機を押し込むように動かすんだよ」
ゲームやった事のない人間にSTGの洗礼を浴びせる鬼畜行為に、主人公は難しすぎるだろ、と言う。
「アレなら「並」でござるよ。ゲームを舐めた発言をしたから当然の報いを与えただけにょろ」
「お前も、本気で呪いのゲームに挑むつもりなら、反射神経を鍛えとけよ。もうこの前の試合みたいなイカサマは使えないからな」
「え、イカサマ?」
主人公は前の試合がイカサマだと気付いてなかったらしい。BARUは答えた。
「相手は知らなかったみたいだがな、こっちは裏技を使ってたんだ。botを使ってあの試合を観戦してるユーザー数をいじくって、処理落ちをコントロールしてたんだ。
けど、残念ながらパッチが出てその不具合は修正されちまったんだ」
意味不明、といった風な主人公。特にbotの意味が分からないらしい……が、割愛。
(起こしているイベントによってはこれより先に主人公がbotについて知るのでその場合はすんなりと話が進みます)
「それより、プレイヤーがあのおっさん入れて四人じゃ、この先勝てないぞ」
おっさんと言っても明らかにこのキモヲタ二人より渦木の方が若く見えるのだが……。
兎にも角にも、主人公の次なる目的は《野球で勝つ為に仲間を増やす》ことになった。
因みに渦木のアバターは茶髪に眼鏡の温厚そうな青年だ。名前は勿論…
『ウズキです、よろしく』
『あんたも本名で登録しちゃったのか…』
『はい?あの、何か問題…でも?』
どうやらネチケットは渦木にも存在してなかったらしい。
ある日。主人公達四人はネカフェで遊んで(?)いた。
主人公はその時にサイデンがいない間にBARUにサイデンは現実ではいつもああなのか、と聞く。
BARU曰く『仲間内でああいうキャラで通してたら引っ込みがつかなくなった。今更キャラ変えても気持ち悪いだけ』とのこと。
ネットだと誰も先入観がないからあのような振る舞いが出来るらしい。
「じゃあ、田西の場合は現実が仮面でネットの中が本来の姿ってわけか?」
「むしろ、なりたかった自分、かな」
「…どうでしょうかね。人間が、いる場所によって自分の性格を使い分けるのはそう珍しいことではありません。あなたたちだって経験があるでしょう?
友達、母親、先生。強がってみたり、いい子になってみたり。全部、ただの仮面にすぎませんよ」
「じゃあ、本当の自分なんてどこにもないってことですか?」
「いや、仮面の下にはあるでしょう。しかし、仮面の奥にいるのはどんな人間だろうと同じ…わがままで自分本位な「サル」なんじゃないでしょうかね」
「難しい話はよくわかんないけど人間の中身がみんなサルだっていうのには賛成だな」
「むむむ?拙者のいないところで、何を楽しそうに話しているでござるか!キィエエエエエエエーイ!」
「(なるほど、サルだな…)」
主人公は田西を見てそう思い、渦木の言う事に納得した。
(※一見すると特に載せる必要もないただのイベントですが、実はラストに繋がる伏線なので載せました)
とりあえずここまで。
もう少しで折り返し地点です。
乙です
未解決リストにありましたワンダースワンの
「仙界伝 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜」
「仙界伝 弐 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜」
いきたいと思います。初めてなので不慣れですがよろしくお願いします。
■前提
この作品は藤崎竜先生の漫画版「封神演義」をゲームにしたものです。
TVアニメより、とか書いてありますけど漫画版準拠のストーリー。
原作(フジリュー版封神演義)を知っていること前提で書きますのでご了承を。
また筆者はその元の原作(安能版とか、更にその元の中国のやつ)には明るくないです。
そこもお許しください。その辺突っ込まれても答えられません。
あと正直1の内容はかなりうろ覚えなのですが、2が1を前提にしているところが多い
(主にゲームオリジナルキャラクターの存在)ので書かせていただきます。
満足いかないようでしたらリクエストを改めて別の方にお願いしてくださいませ。
(もう古くてセーブがすぐ消えるんですよね……)
161 :
仙界伝:2010/06/25(金) 22:45:15 ID:OIGKHw5m0
仙界伝 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜
■初めに
漫画版開始(封神計画開始)の数十年程前〜少なくとも趙公明編前までを扱っている。
基本的には漫画版に沿ったストーリーだが、オリジナルキャラクターの主人公がいて、
その主人公が漫画版のストーリーにもちょいちょい関わっていくところが多少違う。
■ゲームオリジナルキャラクター
・蒼尚
ゲームオリジナル主人公の崑崙の道士。
元始天尊の直弟子にして、太公望の弟弟子にあたる。
記憶喪失なのだが本人はその辺りを全く気にしていない。
細かいことはあまり気にしないさっぱりとした性格だが、熱くなるところもある。
(主人公の名前はWS内のパーソナルデータで4種類の中から自動的に決まりますが、
今回はPS版の主人公に準じてこの名前で行きたいと思います)
その他登場人物は基本的に漫画版と同じ。
では次から本編行きます。
162 :
仙界伝:2010/06/25(金) 22:46:49 ID:OIGKHw5m0
■元始洞
封神計画が始まる数十年ほど前のある日のこと。
崑崙の道士の蒼尚は、兄弟子とは違って日々真面目に修行を積んでいた。
(ちなみに太公望と蒼尚はこの時点では面識なし。師は何故顔合わせをしなかったんだ)
記憶喪失という境遇ではあるが、本人は「なくなってしまったものは仕方がない」と
さほど気にしていない様子。
ある時元始天尊より呼び出しを受けて蒼尚が師の元へ参じると、
元始天尊は修行を順調に進めている彼に宝貝・円天規を授けると共に、
「元始洞」での修行を許可する。
元始洞とは、仙人になるための修行をするための洞窟。
すなわち道士から仙人になるチャンスを与えられたということである。
蒼尚は張り切って元始洞での修行を開始するのであった。
■人間界への使い
元始洞での修行を順調に進めている蒼尚に、元始天尊はある使いを命じる。
崑崙の道士として、人間界へ仙人骨をもつ子供を迎えに行くという仕事である。
今回連れてくるのは西伯候・姫晶の100人目の子供である雷震子。
蒼尚は人間界へと降り立ち、豊邑へと向かった。
町の人から話を聞くと、姫晶は釣り場へ向かったとの事で後を追う。
(何故か妖怪の溢れる)森を抜け、姫晶のいる釣り場へたどり着く。そこに雷震子もいた。
雷震子を仙人界で引き取らせて欲しい、と蒼尚が申し込むと姫晶はただ一つ問うた。
「それは、この子のためになることなのだろうか」
その問いに蒼尚なりの精一杯な答えを返すと、姫晶は蒼尚のその真摯な姿を信用して
雷震子を託すことを決める。
あどけない笑顔でついてきた雷震子を仙人界に連れて行くと、雲中子の預かりになること
が決まって彼の元へと連れて行くことになる。
(その後を知る者にとっては切なさと申し訳なさで一杯である)
163 :
仙界伝:2010/06/25(金) 22:47:59 ID:OIGKHw5m0
■宝貝の捜索
その後もまた順調に元始洞での修行を進めていく蒼尚。
元始天尊はそんな彼に人間界へ降り立ち、ある特殊な宝貝を探すことを命じる。
人間界で修行することは記憶喪失の蒼尚にとっていい刺激になるかもしれない、
とのこと。
また蒼尚の宝貝・円天規は、その特殊な宝貝を探すためのレーダーの役割をするらしい。
(ただし相当近づかないと反応しないので結局は足で探すしかない)
特殊な宝貝は3つ。それらを探すために蒼尚はまたも人間界へと降り立つのであった。
*ここからマップの自由行動が可能となり、仲間集めができるようになります。
特殊な宝貝を探すもよし、とりあえず後回しにして元始洞での修行に打ち込むもよし。
この時点で仲間にできるのは太公望、楊ゼン、黄飛虎、黄天化です。
□太公望
ある町で釣り糸をたらす兄弟子(初顔合わせ)と遭遇。
豊満探しに付き合わされるも、豊満のなる木の根元に探していた宝貝を発見する。
どうやら宝貝がそこにあることを太公望は推測していたようであった。
豊桃のお礼に修行の時は付き合うぞ、と太公望が仲間になる。
(ちなみにこの時はまだ封神計画前なので太公望は宝貝を持っていない。
技は泥酔拳のみである。ひたすら戦闘中酔っているという困った兄弟子……)
□楊ゼン
探している宝貝のひとつは楊ゼンが持っていた。
譲ってもらおうとすると、代わりに楊ゼンが頼まれていた依頼をこなすように言われる。
何とかそれを終えると、今度は変化の修行に付き合わされる。
町人に変装した(やっぱり女装……)楊ゼンを当てると、彼が仲間になる。
□黄飛虎
中々帰ってこない息子の天祥を探している黄飛虎の手伝いをすることに。
天祥とその友達たちの秘密基地に何とかたどり着くと、そこには妖怪仙人が。
さくっと倒すと秘密基地には探していた宝貝までありましたとさ。
手伝ってくれたお礼に何かあったときは力になる、と黄飛虎が仲間に。
□黄天化
落盤事故によって、洞窟内に多数の作業員が閉じ込められるという事件が発生。
あまりに堅い特殊な岩のため宝貝の力でも壊すことが出来ず、太乙真人に依頼して
岩を溶かす薬を作ってもらう。
何とか岩を溶かして救出した人々の中には、ガテン系あんちゃんの工事帽を被りながら
工事現場でバイトをしていた黄天化の姿があった。
助けてくれたお礼に何かあったときは付き合う、と仲間になる。
*あっさりと3つの宝貝を探し当てると、とりあえず必要になる時まで預かっていて
くれと言われます。メインストーリーでまた必要になります。
164 :
仙界伝:2010/06/25(金) 22:51:15 ID:OIGKHw5m0
■金鰲島潜入
やっぱり順調に修行を進める蒼尚に、元始天尊はまたもやある依頼を彼にする。
それは何と金鰲島への潜入。楊ゼンが金鰲島へと単独で向かってしまったので、
連れ戻してきて欲しいという。
妖怪仙人の総本家である金鰲島への潜入などという無謀すぎる命令。
しかし蒼尚は妖怪仙人に非常に近い特殊なオーラを持つのだと言う。
金鰲島で正体がバレずに潜入することが出来るだろうとのこと。
おっかなびっくり金鰲島へと向かうと、門番の妖怪仙人たちは蒼尚を妖怪だとみなして
あっさり中に入れてくれた。
見張りの目をかいくぐりながら進むと、楊ゼンと通天教主の会話が聞こえてくる。
「僕の本当の父がここにいるはずです。貴方に父への伝言をお願いしたい。
僕は人間です……と」
「……伝えておこう」
盗み聞きをする形で楊ゼンが妖怪仙人であることに気付きながらも、蒼尚は
今までと変わることなく普通に楊ゼンと接するのであった。
そして楊ゼンと合流して金鰲島から脱出しようとしたその時、彼らに忍び寄る影があった。
王天君が楊ゼンを狙って襲い掛かってきたのだ。
紅水陣による酸の雨で王天君は2人を追い詰める。
実力者である楊ゼンはともかく、蒼尚はその酸の雨に耐えられず倒れてしまう。
もはや楊ゼンが真の姿をとるしかないかと覚悟を決めたその時、蒼尚の体から強力な力を
持つ光が発せられ、王天君を退ける。
王天君はその光を見て、何か得心したように去っていった。
倒れた蒼尚を抱えて金鰲島から何とか脱出した楊ゼン。
目覚めた蒼尚は自分が王天君を退けたことを覚えてはいなかった。
■宝貝の捜索その2
自分が何かすごいことをしたらしいことなどさっぱり気付いていない蒼尚はいつも通りに
ひたすら元始洞で修行を進めていく。
そんな彼に元始天尊は特殊な宝貝探しの続きを命じる。
(仲間集めのイベントを起こしていない場合は、ここで宝貝が手に入るらしい。
起こしている場合は、その宝貝は実はペアでしか機能しないのだよ!とかいう展開で
また探して来いとか言われる)
探しているうちに四聖と戦ったり、スパイの蝉玉と戦ったりするけど突破する。
そして、歴史の瞬間は訪れる。
165 :
仙界伝:2010/06/25(金) 22:53:26 ID:OIGKHw5m0
■封神計画始動
元始天孫は太公望に宝貝と封神の書を授けた。
ここに封神計画は実行へ移されることとなったのである。
そんな折、蒼尚もまた元始天尊に呼び出された。
今までに蒼尚が集めた特殊な宝貝は、封神台を起動するために必要な部品だったのだ。
その部品である宝貝を携え封神台へ向かい、封神計画に必要不可欠な封神台を起動する
役割を命じられる。
普賢真人が一緒についてきてくれて(高レベルで太極符印の核融合連発オソロシス)、妖怪の
はこびる道を通り抜け、なんとか封神台を起動することに成功した。
*ここからいける町が増え、フリーイベントが追加されます。
全ては太公望を連れて行くことで、原作のイベントに沿って仲間を増やしていく
ことができます。
□ナタク
太公望と共に町を歩いていると、父である李靖をナタクが追いかけているところに
ばったり遭遇し、それを仲裁することに。
親子喧嘩を諌めると、太乙がやってきて九竜神火罩で拉致っていく。
(そのまま仲間になるのだが、基本的に仙人界で九竜神火罩に閉じ込められており、
仲間として同行させる時だけ出てくることになっている。ちょっとかわいそう?)
□雷震子
太公望と共に町を歩いていると、義賊「空の兄弟」が水を盗むとの犯行予告が。
彼らがやってくる前に水源を掘り当て、義賊の頭をしていた雷震子をうまく挑発して
戦いに勝ち仲間にする。
(この時ようやく蒼尚は雷震子が雲中子のもとでどのような目にあったかを
知ることになる……)
□土行孫
太公望と共に町を歩いていると、突然四不象がさらわれてしまう。
土行孫が碧雲を助けるために連れて行ってしまうのだが……。
結局のところ原作通り土行孫のその努力は報われない。
□武吉
太公望を連れて、彼の一番弟子を自称する少年・武吉と顔合わせをする。
すると武吉の母の容態が急変。それを太公望と共に何とか解決すると、
蒼尚は武吉の「もうひとりのお師匠様」として尊敬されることに。
仙界伝ひとまずここまで。
あと他の書いてる人乙です
逆襲のサバタ続き
画面が真っ赤になりボクタイ、ゾクタイでのジャンゴとサバタの会話の回想
新・ボクらの太陽 逆襲のサバタとタイトルがでる
赤いマフラーをした少年が倒れている
???「・・・
「ジャンゴ・・・
「ジャンゴ!!
「死ぬんじゃない! 起きるんだ!太陽少年ジャンゴ!
少年が起きる
???「気が付いたか? ふう・・・今回ばかりはヴァンパイアの血に助けられたようだな
「こんなことになろうとは・・・
ジャンゴは???が誰かは分からない
???「何っ!覚えていない? 軽い記憶喪失のようだな・・・
「だがまさか・・・
「共にイモータルと戦ってきた私の事も覚えていないわけではないだろうな?
「わたしは太陽の使者、おてんこだ とにかく・・・
「まずはこの地下牢から脱出するんだ!
>>160 版権だか商標登録だかの絡みで原作タイトルが使えないことがあるって、昔2chに書いてあった。
ジャンプ側じゃなくてアニメ側が原因らしい。
良く分かんないけど(原作準拠でも)TVアニメってつけるだけで回避できるとかなんとか。
仙界伝の話じゃなくて、たしかスラムダンクのときの話だったと思うがおなじ原理なんじゃないかな?
封神演義乙です
なつかしい
SFC・「幼稚園戦記まだら」をいきたいと思います。
・注意
このゲームは、ただでさえ設定がややこしいことになっているマダラシリーズの、公式二次創作を原作にしたゲームです。
なので、原作を知らないとかなりわかりにくいかと思われますが、あしからず。
そこらへんは、自分もかなりうろ覚えなので質問されても答えられません…
それから、マダラ本編で言うところの「不浄」が細かいお使いを頼んできて
足止めイベントになってますが、ストーリーには関係ないので記述は省略しています。
※短い最終章(ミロクの章)以外は時間的に平行して起こっている話です。
マダラの章
朝。起きて来ると、サクヤお母さんに双子の兄のカゲオウを起こすのを頼まれるが、カゲオウはどこかに行ってしまっている。
朝飯の後、カゲオウを探しに。とりあえず聖神邪に居場所を知らないか聞きに行く。
その途中でバサラ(ペットのダキニを連れている)とぶつかる。どうやらカゲオウを探しているようだ。
聖神邪に会うが、カゲオウの行方は判らない。その代わり、マダラのいとこを名乗る人物がいることを聞かされる。
また、カオスにも話を聞く事を勧められる。そこでカオスの家に行くが、ジョフクに外出中であると告げられる。
カオス(巨大な蝉?を連れている)に会うと、ボイスにも話を聞いてはどうかと提案される。
ボイスに会うと、カゲオウを福引屋の方で見かけたという。そこで福引屋の方へ向かうが、カゲオウはいない。
再びボイスに会って話を聞くと、紙芝居屋の方へ行ったのではないか、と言われる。
そこで紙芝居屋に向かうが、やはりカゲオウはいない。三たびボイスのところへ。
すると、カゲオウをどこに閉じ込めているのかと詰問される。
どうやらカオスとグルになってカゲオウを誘拐しようとしたと勘違いされている模様。そのためにボイスが匿っているとのこと。
ここでボイスと戦闘になる。
勝つと、誤解が解けて、カゲオウは誘拐がどうとか言っていた事、仲間を探していたことを教えてもらえる。
ボイスが一度家に戻った際にはカゲオウはいなくなっていたが、
仲間を探しにウサギぐみのみんなが住んでいるマンションに向かったのではないか、とのこと。
マンションの前まで行くと、ようやくカゲオウとカオスを発見。カオスは立ち去ってしまう。
カゲオウに話を聞くと、エイコウ塾がこんごう幼稚園を潰そうとしている、という。
マダラはミロク園長にそのことを伝えに行く。
ミロク園長のところへ行くと、コナハナリリスと名乗る新しい先生を紹介される。サクヤの姪だという。
聖神邪の言っていたいとこらしい。リリスが去ってから、エイコウ塾のことをミロク園長に伝えると、一刻の猶予も許されない的な独り言を言う。
そして、こんごう幼稚園の庭に刺さっている剣の様子を見てきて欲しいと頼まれる。もしも剣が光っていたら、剣を引っこ抜いて持ってきて欲しい…と。
こんごう幼稚園に行くと、果たして剣は光っていた。引き抜くとリリスが現れる。剣のことを光の剣と呼び、また、マダラの魂を狙っているらしい。神の国アガルタの王がマダラの魂を必要としているそうで、リリスの役目はそれを手に入れることだそうだ。
リリスはサクヤ母さんの妹で同じアガルタ人で、サクヤ母さんがアガルタを裏切った、と。(実はいとこじゃなくておばさんだそうなw)
ともあれ、マダラの魂と光の剣が必要だ、と。それはもともとアガルタ人のものなのだから、と。
ミロク一郎(ミロク園長の兄)に気付かれる前に持って行きたいと言うが、拒否するとリリスは「アガルタの技術が作り上げた最強の魔神」ゴーレムを召喚する。
ゴーレムと戦闘。勝つとリリスはどこかへ行ってしまう。
ミロク園長の所へ戻ると、やはり光の剣は真の王を必要としていたか、剣は神剣クサナギ、こんごう町とこんごう幼稚園を守ってくれる光の剣だと言われる。
(ちなみに、マダラは神剣クサナギという名前をどこかで聞いた事がある気がするとか)
リリスの事をミロク園長に話すと、やはりあいつはアガルタの魔女リリスだったか、と。
またミロク一郎の名前にも心当たりがある様子。そこにジャト先生から電話が入る。幼稚園に集まっているとか。マダラ達も幼稚園に向かう。
幼稚園にはカゲオウやキリン先生・ジャト先生が既にいる。カゲオウも何やら剣を持っている。
キリン先生とミロク園長の会話によると、全ての事件の裏にはミロク一郎の陰謀があるようだ。
ミロク一郎の目的はこんごう幼稚園自体を潰すことだろう、この時空はこんごう幼稚園によって安定している、幼稚園が無くなってしまえば園児達の魂は守る者がいないままどこか別の時空へちらばってしまう。ミロク一郎は園児達の魂を手に入れようとしているに違いない…。
なんだか判らないが、マダラの剣とカゲオウの剣の力で、そいつをやっつければいいらしい。
そこで行こうとすると、キリン先生についていくようにミロク園長が言う。本来なら二人を守るのはキリン先生の役目なのだから…と。
どこへ行けばいいのかと聞くキリン先生に、今やこの町全体に広がっている時空の歪みに気付かないか、ミロク一郎はこの時空と他の時空との接点にいるとミロク園長。接点は猛牛の形をした像によって封印してあるが、封印が解けるのは時間の問題だろう、と。
そこで一行は猛牛の像があるモウモウ公園へと向かうのだった…。
マダラの章・完
聖神邪の章
父から、今年は町内会の盆踊りが大メタルライブパーティーとなった事を聞かされる。
そこで装飾のディスプレイになるような珍しいものを探してくるよう頼まれる。
…と、その前にサクヤの美容院で髪を染め直してくるように言われる。
美容院に行って染め直しを済ませると、ミロク園長の忘れ物とおぼしき物があるというので届けてやることにする。
その途中、幼稚園の前でコノハナリリスと出会う。マダラのいとこだそうだ。
で、ミロク園長のところに行くと「忘れ物」はサクヤへのプレゼントだったことが判明する。
(何も言わずに「プレゼント」を置いて立ち去るものの、それがプレゼントと認識されてない)
ちなみに、何度も同様のことを繰り返してその度に聖神邪に届けられている様子w
リリスは園長と何か話があるようだ。
商店街に戻ると、マダラがカゲオウを探しているのに遭遇する。
ボイス(の父の)服屋に入って、ボイスに珍しいものはないかと尋ねるがはかばかしい答えはかえってこない。
商店街に戻り、うろついているとシャモンと出会い、幼稚園のプールに行かないかと誘われる。
プールのそばでは怪しげな博士っぽい男がうろうろしている。
それからプールに行くと、化物が出現していてシャモンが襲われる。化物と戦闘。勝利後、モウキは逃亡する。
何とか無事?だったシャモンは置いておいて、聖神邪は化物を追うことにする。
町を歩いているとカオスが駆け寄ってくる。化物にジャミラが攫われたとのこと。化物は聖神邪と戦ったのと同一の奴らしい。
…とそんな会話をしていると、化物の方からやってくるのでカオスと一緒に戦闘。
カオスにプールのそばにいた怪しい奴の仕業ではないかと言うと、カオスには心当たりがある様子で、急いでどこかに行ってしまう。
その後ジャミラをアパートに送ると、父親が探していたと言われる。ついでに無下に扱われるw
家に戻ると、川べりに遺跡が出たから珍しいものを掘ってこいと言われる。
川べりにはガイレンがいて、さっきUFOがエイコウ塾のヘリコプターを打ち落としたと聞く。ヘリはカラス山の方へ落ちたとか。ついでに土偶を貰う。
象の公園に行くと、シュミイングンとシャモンが踊っている。UFOがまだそこらへんにいるかも知れないので呼び出しているのだという。
呼び出すのに土偶が必要だというので渡すと本当にUFOが現れる。が、何故だか戦闘になる。
戦闘に勝つと、乗っていた宇宙人と会話になる。ルアルー星人のイシカとホノリというらしい。
浅草で雷門を見ていたら光河博士と名乗る男に捕まってワープ装置を取られてしまったそうだ。
返して欲しかったら言う事を聞けと言われて聖神邪達を襲ったらしい。
また、飛行機を落とさせられたり(ケガ人はいなかったらしい)、バイオモンスター(=化物)を作らされたりしたようだ。
そこでワープ装置の奪還を頼まれる。UFOをライブの照明代わりに使わせてもらうことを条件に承諾する。
町に戻ると、カオスが走ってくる。光河博士はもうやっつけてしまったとのこと。
だがその上に黒幕がいて、ミロク園長の兄のミロク一郎らしい。
と、そこに宇宙人がやってくる。時空の歪みが大きくなってきていて、このままではこの町が壊れてしまうかもしれないそうだ。
邪悪な力を持った何者かが、牛の像で封じられた時空の結界を破壊しようとしているらしい。
カオスと聖神邪は、牛の像があるモウモウ公園へと向かった…。
聖神邪の章・完
カオスの章
カオスが寝ていると、ジョフクが起こしに来る。カオスの父母の乗った飛行機が落ちてしまったらしい。
そこに電話があって、父母は無事だが、急な仕事が入ってクリスマスまで帰れないらしい。
一人で夏休みを過ごさなくてはいけない気晴らしに、両親に良く連れて行ってもらったモウモウ公園に出かけることにする。
と、その途中で怪しい博士風の男と出会う。モウモウ公園の場所を聞かれるが、態度が無礼なので追い返すw
そのあとで、男が生命工学の光河博士であることを思い出す。何ヶ月か前に行方不明になっていたはずだ。
歩いていると、やしろから声が聞こえてくる。御札のせいで出られないから剥がしてくれと頼まれる。
剥がすと、人ほどの大きさがあって、喋る、蝉に見えない蝉が出てくる。
転生しそこなって蝉の姿だが、本当はモウキらしい。先に転生した息子を追ってきたのだが、何故かこんな姿になってしまった、と。
息子に会いたいらしい。聞いてみると、息子はダカツシン・ヒョウブだという(カゲオウが連れている奴)。会わせてやることにする。
途中でマダラに会う。カゲオウの居場所を聞くが、マダラもカゲオウを探しているらしい。仕方がないのでこちらでも探すことにする。
次にボイスと出会う。聞いてみると、カゲオウを福引屋で見かけたとか。
行ってみてもカゲオウはいないので、近くにいたシュミイングンと会ったので話を聞くとカゲオウはいない、
かつがれたのではないか、ボイスなら寺に行くと行っていた、という。
寺の前でボイスに会い、詰問するが、要領を得ないので放っておくことにする。
歩いていると、ボイスの家の前でガイレンと会う。カゲオウはさっきボイスの家から出て行ったとか。
カゲオウはあわててウサギぐみのみんなが住んでいるマンションに向かったそうだ。マンションに行くとカゲオウ発見。
ヒョウブと蝉?(ヒョウブ母)との感動の再会?蝉は一週間しか生きられないので、もう時間が残っていないらしい。
カゲオウをやつらから守れ、などと言い残して蝉は消えてしまう。
そういえばマダラもカゲオウのことを探していた筈だ…と伝えている最中にマダラが現れる。
その場を立ち去り、町を歩いていると、バサラに会う。カゲオウを探しているようなので、居場所を教えてやる。
それからシャモンと出会う。シャモンは、幼稚園のプールに忍び込むつもりらしい。
お前もどうかと誘われるが断り、聖神邪でも誘ってはどうかと提案する。
次に、ジャミラと化物がにらみ合っているところに遭遇する。一瞬のスキをついて、ジャミラは化物にさらわれてしまう。
そこに聖神邪がやってくる。さっきの化物は聖神邪がしとめそこなったものらしい。と、そこへ化物が戻ってきて戦闘に。
戦闘に勝利すると、聖神邪はプールのそばにいた変なオッサンが一枚噛んでいるのかも知れないという。
どうもさっき見かけた光河博士のことらしい。博士を見かけたというプールへ向かう。
(途中で、プールの近くでヘリの墜落事故があったという話を聞く。)
プールの前に行くと、ジャトっぽい怪我人(NOT ジャト先生・ラビット田中)が倒れている。
進学塾をオープンして園児達を入学させようとしていたら、子供に邪魔されて、やばくなったからヘリで逃げようとしたところ、
UFOに撃墜されたという。光河博士にそそのかされてやったことらしい。
UFOを使って飛行機を撃墜させたのも光河博士だとか。一緒にこんごう幼稚園を潰そうと企んでいたそうだ。
それだけではなく、カオスの家の財産も狙っているらしい。
光河博士は今頃はカオスの家にいるのではないかというので急いで家に戻る。
果たして光河博士は家にいて、戦闘になる。勝利して黒幕のことを聞くとミロク一郎だという。
博士は研究費を出してもらう代わりに協力していたそうだ。
ミロク一郎は教育界の権威で、自分の言う事を聞かない全国の幼稚園を潰しているらしい。理由は不明。
警察もじきに来るというので、ジャミラの様子を見に行くことにする。そこで聖神邪と出会う。
聖神邪も光河博士を追っていたらしい。聖神邪に黒幕のミロク一郎の話をすると、ミロク園長の兄がそんな名前ではなかったかと言われる。
そこに謎のUFOが、牛の形をした封印は無いか、邪悪な力がその時空の結界を破壊しようとしていると教えに来る。
このままではこの町が壊れてしまうらしい。
なんだか判らないが、とりあえずモウモウ公園へ行ってみることにした…
カオスの章・完
逆襲のサバタ続き
話が終わるとダンジョンを進んでいく
チュートリアルダンジョンなので省略
中ボスを倒し出口に行くと暗黒物質が出ている扉がある
おてんこさま「これは・・・闇の封印か?ジャンゴをほうむり、さらに封印までほどこすとは
「これがあいつの本心だとは思えんが・・・
「くそっ、このままでは永遠にこの地下牢獄からぬけだせない!何か方法はないのか!?」
場面が牢獄の外に代わり
???「うわああああああ!
???が墓の上に落ち、墓が崩れ落ちる
青ポンチョの少年「いってぇー!クソッ、ケツが2つにわれちまうぜっ!!
「まったく・・・時間転移(タイムワープ)だかタイムストリップだか知らねーが
「パンの耳ちょろまかしたぐらいでこんな目に会うなんて、割に合わねーぜ
「まさかホントに・・・世紀末世界とやらに来ちまったのか?
「それじゃあ、この世界のどこかに伝説の戦士が・・・
「まさかな・・・あんなのはただのおとぎ話さたとえいたとしても、どうせ死んじまうんだだったらさがすだけムダさ
「まったく、伝説の戦士の子孫だなんて・・・ぬすみの言いわけにしちゃあ、話がデカすぎたぜ
「それにしても・・・ハラへったなぁ
少年が崩れた墓を見る
「・・・太陽少年ジャンゴ、ここに眠る
「ヤバッ!
「待てよ・・・太陽少年?
「あれは・・・太陽?本物の太陽なのか?
「それじゃあやっぱり・・・この世界はまだ闇の一族に支配されていないのか?
「どうやら・・・食い物にこまることだけはなさそうだな
「ま、悪気はなかったんだ化けて出るんじゃあねーぞ、太陽少年!じゃあな!!
場面が元に戻る
おてんこ「闇の封印が弱まった?
「いったいどうして・・・いや、そんなことは後回しだ
「今なら封印をやぶれるかもしれん。撃つんだ!
ジャンゴが太陽銃で封印を破壊する
おてんこさま
「よしっ!!これで地上に出られるぞ!
二人は地上に出る
解説 プロローグの文章の通りジャンゴはここで死ぬはずだったが、青ポンチョの少年が未来から来たので、ジャンゴは脱出する事ができた
影王の章
カゲオウはなぜかモウモウ公園にいる。そこに園長そっくりの男が現れる。ヒョウブが妙に反応する。
園長もどきは、なぜかカゲオウのことを知っているようだ。結界であるこんごう幼稚園が邪魔なので消えてもらうとか。
…カゲオウはどこかの教室で目を覚ます。そこにラビットたなかと名乗る奴(ジャトもどき)がやってくる。
ここはエイコウ塾の中らしい。どうやらさらわれたらしい。とそこに、ラビットたなかに電話がかかってくる。
ラビットたなかの電話の内容からすると、マダラとカオスと聖神邪もさらおうとしているようだ。
コンゴウ幼稚園のとりつぶしも画策しているらしい。電話の相手はミロクという名前のようだ。
ラビット田中が電話にかまけている間に、誰かに知らせに行く事にする。
途中でダキニとかいうペット連れている少年と会うが、ヒョウブが威嚇したので逃げてしまう。
そのまま町を歩いていると、ジャト先生に会う。
ジャト先生に事情を話すと、どうもラビットたなかという人物に心当たりがある様子で、何かブツブツ言いながら去ってしまう。
次にシャモンと出会う。みんながカゲオウのことを探しているようだ。事情を話そうとすると、自分は厄介ごとに巻き込まれるのはゴメンだからボイスにでも話してみたらどうか、と言われてしまう。
そこでボイスに会うと、家に招待される。
そこで何故か、マダラとカオスと聖神邪「に(カゲオウが)誘拐される」と誤解されてしまう。
さらに、出されたお茶には睡眠薬が入っていて、誤解を解く間もないまま眠らされてしまう…。
目が覚めて、ボイスの家を出るとガイレンと会う。やっぱりボイスは勘違いしたまま行動しているらしい。
マンションの方へ向かうと、カオスがやってくる。カオスは蝉を連れていて、ヒョウブの母親だという。
転生の際に間違えて蝉になってしまったとのこと。蝉は一週間しか生きられないくて、もうタイムリミットらしい。
カゲオウをやつらから守れとヒョウブに言い残して、ヒョウブ母は消えてしまう。
と、そこにカゲオウを探していたらしいマダラが現れる。カオスは帰っていく。
マダラに事情を話すと、園長先生にそのことを伝えに走って行ってしまう。
町を歩いていくと、ダキニを連れている少年と再会する。バサラという名前らしい。
サブロウが待っているから一緒に来て欲しいと言われる。で、そのまま強引に連れて行かれてしまう。
ゴボウ城のコウガサブロウなる人物と会う。こんごう町を陰ながら見守る者、らしい。
こんごう町はかつてない危機にさらされているそうで、下手をするとこの世界にある全ての物が消滅しかねないとか。
今ここで全てを話す事はできないが、手助けならできるとかで魔剣クサナギという剣を貰う。
魔剣クサナギは光の剣と対になっていて、2本が合わさった時に最強の戦士が現れると言われているそうだ。
早くエイコウ塾へ行けと告げて、サブロウとバサラは消えてしまう。
エイコウ塾へ向かう途中でジャト先生に出会う。ラビットたなかは生き別れになったジャト先生の兄らしい。
なので、エイコウ塾へはジャト先生も一緒に行く事にする。
エイコウ塾では、ジャト先生とラビットたなかとが話をするが交渉は決裂し、戦闘となる。
戦闘に勝利すると、ラビット田中は命乞いを始める。すべてはミロク一郎という奴にそそのかされてやったことだと。
ミロク一郎はミロク園長の兄らしい。
そいつを倒しに行くことにするとして、まずは園長先生に連絡をとるためこんごう幼稚園に行く。
幼稚園にはすでにキリン先生がいる。ただならぬ気配を感じてやってきたが、ちょっと遅かったようだとのこと。
ジャト先生は園長の自宅に電話をかけに行く。キリン先生が闇のクサナギ(魔剣クサナギ)に気がつく。
曰く、キリン先生達は前世で一緒に戦った転生戦士を集めるために全国の幼稚園を渡り歩いていた。
で、結果、この町で全員見つかったわけだが、みんなが立派な大人になるまでそのことには触れないつもりだったとか。
そこにジャト先生が戻ってくる。ミロク園長はすぐに来るそうだ。マダラも一緒らしい。
キリン先生の話の続きははみんながそろってから、ということになった…。
影王の章・完
ミロクの章
マダラ・カゲオウとキリン先生がモウモウ公園に行くと、カオスと聖神邪もそこにいる。
彼らもミロク一郎に用があるらしい。
一緒にモウモウ公園に入るが、誰もいない。…と、思いきや、キリンが何かの気配を感じる。
姿を消していた不浄達が現れる。4体の不浄が1つに合体してミロク一郎の姿を現す。
曰く、ミロクの魂は園長には無く、ミロク一郎に全てが乗り移っているらしい。
で、ミロク一郎は転生戦士達の魂を手に入れ、アガルタの王になりたいらしい。
そんなわけで、ミロク一郎と戦闘になる。が、敗れる。
そこで、キリンの助言によりマダラとカゲオウの剣を1つにする…と、「愛と平和の使者スーパーマダラ」が参上する。
(全員が合体してスーパーマダラになる、のかな?)
その姿で再びミロク一郎と戦闘。今度は勝てる。ミロク一郎は逃げ去った…らしい(?。
そこにミロク園長とジャト先生が来て、みんなを家に送り届けておしまい。
以上です。
>>168 商標登録か何かの関係で「封神演義」というタイトルが
そのまま使えなかった、みたいな話は自分も聞いたことあります。
ソースがどこかは覚えてないですが。
では仙界伝いきます。今回は1の最後まで。
185 :
仙界伝:2010/06/27(日) 23:53:18 ID:T1yXeExb0
■武成王造反
蒼尚が封神台を起動した後、太公望は着々と計画を進めていく。
その一方で蒼尚自体は、やはり元始洞にて仙人になるべく修行を進めていた。
そんなある時やはりというか元始天尊から呼びだしが。
武成王造反――黄飛虎が殷を離れる。
黄一家が西岐へと向かうその道程を助けよとの命である。
太公望や天化と途中で合流し、協力して四聖を筆頭とした追っ手を退ける。
しかし最後にやってきた聞仲には手も足も出なかった。
「児戯だな」
その圧倒的な強さに蒼尚は悔しさを滲ませ、聞仲を目標として更なる修行を
積むことを決意するのであった。
■趙公明との接触
打倒聞仲を胸に修行を続ける蒼尚。お約束とばかりに元始天尊から呼び出される。
もっと強くなるために新しい宝貝を授けよう、とのこと。
喜んだのもつかの間、「材料は自己調達」ということで宝貝の材料を取りに行く
ことになる。
どこにあるのかと思えば金鰲島、しかも持っているのは趙公明。
攻撃を無力化する宝貝を元始天尊から預かって、蒼尚は仲間と共に再び
金鰲島へと足を踏み入れることになった。
順調に金鰲島に忍び込めたのもつかの間、最後の最後で趙公明に見つかってしまう。
宝貝の材料が欲しいと素直に要求したところ、戦い大好きな趙公明は(専用戦闘BGM
を引っさげて)戦闘をしかけてくる。
元始天尊から貰った宝貝もあっさり破られてしまい、共に連れてきた仲間も先に
やられてしまう。
絶体絶命――となったその時、蒼尚の体からまたも光が。
無数の光が趙公明に襲い掛かり、彼を退かせた。
傷を負わされた趙公明は俄然やる気となって蒼尚と戦おうとするが、そこに
王天君が現れてその戦いを制止する。
はじめは制止を聞かずに戦いを続けようとする趙公明であったが、最終的には
趙公明が折れる形となった。
186 :
仙界伝:2010/06/27(日) 23:54:48 ID:T1yXeExb0
蒼尚と仲間が気がつくと金鰲島の外にいた。
脇には宝貝の材料と共に趙公明からのメッセージが。
『また戦えることを楽しみにしているよ!』
蒼尚は趙公明のライバルとして認定されてしまったのであった。
何とか無事に崑崙に帰ってくると、元始天尊は約束どおり蒼尚に新しい宝貝を
作ってくれる。
(斬仙剣・番天印・太極符印・霧露乾坤網の中から一つ)
■魔家四将
ひたすらに元始洞で修行を続ける蒼尚に、何度目かの元始天尊から呼び出しが。
豊邑へ聞仲が刺客を送ろうとしているということで、またも太公望の応援に
行くように命じられる。
豊邑へたどり着いてみれば、そこに居たのは優雅に飛び回る巨大な鯨……鯨?
鯨もとい花狐テンがばくばくと豊邑の町を飲み込んでいくところだった。
そしてそれを操るのは魔家四将。これらを相手にせねばならない。
とにもかくにも花狐テンをなんとかしないと始まらないとの事で、ナタクとともに
花狐テンの内部に侵入し、破壊する。
その後楊ゼンや天化とともに魔家四将を確固撃破の末に、合体して半妖体に
なったところで封神した。
187 :
仙界伝:2010/06/27(日) 23:56:28 ID:T1yXeExb0
■百霊藩
やっぱり元始洞で修行をする蒼尚。あともう少しで元始洞を制覇し、仙人になる
資格を得ることが出来る。
そんなある日、修行を終えた蒼尚を元始天尊が呼び出す……のまではいつも通り
なのだが、その呼び出した場所はなんと元始洞の奥。
(というかついさっきまで修行していたところです。元始洞から出てきてから
呼び出すなんて意地悪いよジジイ……)
えっちらおっちら再び元始洞の奥までたどり着くと、そこにいたのは予想外の
人物――聞仲の姿であった。
邪魔な存在である崑崙を自ら滅ぼしに来たと言う聞仲。聞仲を目標として
修行を続けてきた蒼尚は全力で聞仲と戦う。
そしてその戦いの最中――聞仲を倒すための更なる力を望む蒼尚の中から、
今までにも何度か危機の時にに発せられてきた光が溢れ、聞仲を退かせた。
ようやく自分に眠る力に気付いた蒼尚だが、どうしてこのような力を持つのかは
皆目見当がつかない。
首をひねっていると、目の前にいる聞仲のおかしな点に気付く。
「……ヅラがずれてるぜ……師匠」
聞仲は元始天尊の変装であったのだ。
(長いおでこに顔を描いてヅラを被るという、楊ゼンを騙した時と全く同じ変装)
何故このようなことをしたのかというと、蒼尚が倒すことを目標としている人物である
聞仲との戦いの中でならば彼が本当の力を取り戻すことができるかもしれない、と考えた
からであった。そしてその目論見は見事に成功し、蒼尚は力を取り戻した。
しかし蒼尚が持つ力であるあの光は一体何なのか?
その疑問に元始天尊は蒼尚の真実を告げた。
蒼尚の正体は、宝貝を原形とする妖怪仙人なのである。
蒼尚がもつあの光の力は、彼の原形である宝貝・百霊藩の能力であるのだという。
ある時元始天尊は空から壊れかけた百霊藩が落ちてきたところに遭遇した。
それを元始天尊が拾ったのだが、妖怪化して目覚めた百霊藩――すなわち蒼尚は
その能力と共に記憶を失っていた。
そこで元始天尊は妖怪化した百霊藩を自らの弟子とし、記憶と力を取り戻すように
修行を仕向けていったのである。
そして何故そのようなことを元始天尊が行ったのか、それには理由があった。
蒼尚の原形である宝貝・百霊藩は、封神台の重要なパーツとなるものだったのだ。
188 :
仙界伝:2010/06/27(日) 23:58:41 ID:T1yXeExb0
百霊藩は元始天尊が生まれるより前に作られたと思われる宝貝で、魂魄を操る力を持つ。
オーバーテクノロジーな力を持つ百霊藩は、魂魄を閉じ込める役割を持つ封神台の力を
最大限に引き出し操作するのに必要不可欠な部品であったのだ。
今のままなら問題はないがこれから先、趙公明や聞仲、そして妲己といった大物の魂魄を
封じるとなると、封神台がこのままではもたないのである。
封神計画をこれから先進めていくためにも、百霊藩を封神台のパーツとして組み込まねば
ならない。
すなわち、蒼尚に百霊藩として封神台のパーツとなることを元始天尊は要求する。
封神台のパーツとして百霊藩が組み込まれれば蒼尚としての意識は眠りにつき、次に
目覚めることが出来たとしても封神計画が全て無事に終了し、封神台のパーツとしての
役割が必要なくなってから……と途方もなく先の話となる。
自らが妖怪仙人であったことを告げられ、更に封神台の部品となることまで要求された
蒼尚は戸惑いを隠しきれず悩むものの、直ぐに「自分らしくない」とうじうじ考える
ことを止めてしまう。
あと少しで長い間目標としてきた仙人になることができるのだからと、ひとまず猶予期間と
して蒼尚が仙人となるまで結論を保留することに。
しかし決して残された時間は多くない、と元始天尊は言った。
■最後の決闘
蒼尚は今まで仲間にした人たちに自身が妖怪仙人であることや、封神台のパーツに
ならなければならないことなどを隠さずに伝え、相談する。
そして修行の末、蒼尚は元始洞の最奥へと辿りついた。
試練を終え、長い修行の果てついに蒼尚は仙人になった。
師である元始天尊は蒼尚をねぎらうと共に、保留としていた結論の答えを聞く。
蒼尚が答えようとしたその時、なんと趙公明から挑戦状が送られてくる。
クイーンジョーカー号(原作に出てきた2世はこれの2代目のようである)へと蒼尚を
呼び出し、決闘を申し込んできたのである。
この申し出に蒼尚は、決着をつけなければとばかりに応じる。
仲間と共にクイーンジョーカー号を上っていき、途中に立ちふさがる某美人三姉妹を
筆頭とした敵を退けていく。
最上階の趙公明との最終決戦では、まさかのブラック趙公明にもなって戦いを挑んでくる
彼を辛くも撃破する。
(ちなみにBGMはやっぱり豪華仕様。趙公明愛されてる)
189 :
仙界伝:2010/06/28(月) 00:00:33 ID:T1yXeExb0
これで全てに決着をつけたか……と思ったその時、蒼尚たちの目の前に現れたのは王天君
であった。
王天君は蒼尚――百霊藩を手に入れんとするがために彼を泳がせていたのである。
実はかつて百霊藩を壊れかけの状態にした(=記憶喪失のきっかけ)のは王天君であった。
王天君は百霊藩の力を欲していたものの、当時の蒼尚はそれを拒否して王天君にやられて
しまったのであった。そうしてボロボロになって落ちていったところを、元始天尊が
発見したのである。
そして今また百霊藩を手に入れようと蒼尚に襲い掛かってくる王天君を、仲間とどうにか
退けた。
■そして……
趙公明その他との盛大なケンカを終えた蒼尚は、元始天尊に封神台のパーツとなる意志を
固めたことを告げた。
最後まで封神計画に関われないことへの悔しさを感じながらも
「ちっと昼寝してくらぁ」
と、いつも通りの姿で仲間達と挨拶をしてから封神台へと向かうのであった。
……そして、十数年後。封神計画は終わりを告げる。
封神計画中ずっと『昼寝』などしていた彼は、長い眠りより目覚めるのであった。
おわり。
190 :
仙界伝:2010/06/28(月) 00:02:46 ID:T1yXeExb0
■うろ覚え含めた多めの補足
・王天君が百霊藩を求める理由は、魂魄を自在に操る力を欲してのことだったと思う。
妲己によって分かたれた魂魄を元に戻したかったとか、もしくは魂魄を分割できる体質で
あった王天君にとって都合のいい宝貝だったからとか、そんな理由だったかと。
(正直そのくだり覚えてないですごめんなさい)
・封神台の起動は百霊藩である蒼尚にしか出来ないとかいう設定だったと思う。
また封神台の部品となる最初に集めていた宝貝も、蒼尚にしか扱えなかったと思う。
・修行場である元始洞は洞窟そのものが妖怪仙人であり、仙人となろうとするものに試練を
与えることを仕事としている。最奥で妖怪仙人として蒼尚と語り合うシーンもあった。
(が、内容は失念……)
・上記に上げた仲間のほかにも韋護、黄天祥、普賢真人、玉鼎真人、清虚道徳真君、
太乙真人、竜吉公主が仲間になる。(普段は崑崙で蒼尚のサポートをしてくれている)
が、レアドロップアイテムを渡さないといけないため仲間にするのは結構難しい。
筆者は韋護、天祥、太乙しか仲間にしたことないです。
あと太上老君も仲間になるが、彼に至っては通信共闘をしないと駄目。
・仙人になった後もう一度元始洞の最奥まで行くとさらに道が続いており、申公豹と
戦えるらしい。勝つと老子に会えるらしかったり、太公望や楊ゼンが技を覚えたりする。
太公望は何故か大極図を老子から貰うというタイムパラドックス的なイベント。
・ゲーム内時間は明言こそされてませんが、原作と突き詰めるとイベント内容には結構
矛盾が生じます。
楊ゼンの金鰲島潜入よりも前に天祥が生まれてたらさすがにおかしい、とか。
・ちなみに百霊藩の形状は布らしい。(韋護のイベントで分かる)
また百霊藩は元始天尊の生まれるより前には既に存在しただろう宝貝である。
空から落ちてきたらしい。つまり地球で生み出されたものではない
「外から持ち込まれた」宝貝なのだが、その事実は2でちょっと重要なことに。
・結局蒼尚の記憶そのものは戻ってないです。本人もさほど気にしてない。
仙界伝は以上です。
2のほうも書くつもりですが、書き出したらかなり重要な部分が
うろ覚えであることに気付いたのでちょっとワンダースワン探してくる。
192 :
ゲーム好き名無しさん:2010/06/28(月) 03:42:50 ID:DUGN/2LJ0
乙です
>>158から続き
またもある日。ネット野球に勤しむ主人公へカオルは話し掛ける。
『今日も野球、がんばってますねー!』
『あ、カオル!なあ、カオルも一緒に野球やらないか?』
『だめだめ、ゲーム苦手なんですよ。キャッチボールならできますけど。主人公さんの野球は、勝たなきゃいけないんでしょう?』
『え?うん、まあそうだけど』
そう言うと、カオルはここから応援します、と言った。
しかしそれでは面白くないだろう、と主人公は反論するが。
『自分、慣れてますから。昔から身体が弱くて、主に応援するのが担当だったんですよ。それに、好きな人を見てるだけでけっこう楽しいものなんですよー』
笑顔で(恥ずかしい事を)カオルは言う。そこに周りのデンノーズメンバーが冷やかしに来た。
『ヒューヒュー、カオルちゃんだいたーん☆』
『え?いやいや、ちがいますよ!さっきのは、そういう意味で言ったんじゃないんですよ!』
『否定するとこが怪しい☆』
BARUが煽る。するとカオルはもう!と一言怒って落ちてしまった。
『あ、帰っちゃった…』
『ちょっとからかっただけで?珍しいほど純な子だニャア』
『さあ、どうだかな。きっと、中身は男だよ』
サイデンが冷ややかに言う。
『でも、言動は女の子っぽいけど』
『最近のアバターはなりきってるヤツ多いからな。現実とネット上で、全く性格の違う奴も珍しくない』
『(ていうかサイデンもその一人だろ!)』
オフ会でサイデンの中身を知っている主人公は内心でツッコミを入れた。
6月も半ばを過ぎた頃、カオルに会った主人公はデートに誘われる。どうしようか悩む主人公。
(デートするかしないかで二択です。ラストの展開がこれで少し変わります。ただ、してもしなくてもカオルに関する伏線が垣間見えます。デートするを選択します)
『(まあ、デートって言ってもネットの中をあちこち行って遊ぶだけだからな)』
『ほらほら、早くあっちを見に行きましょう!』
『はいはい』
急かすカオルに、困り顔で笑う主人公。ネットの中とはいえ、こうしていると本当にデートをしているみたいだ。
無職で現実ではほぼ女っ気もない主人公はそう思った。
カオルは時間だ、と言うと主人公を野球観戦へ誘う。どうやらツナミネットの中で実際のプロ野球の実況中継が見れるらしい。
感心する主人公だが、カオルはというと妙にそわそわしている。
『どうしてそんなにそわそわしているんだ?』
『あ、分かっちゃいますか?プロ野球を見るの、久し振りだから』
好きな選手でもいるのか、と主人公は言ってみる。図星だった。
『昔、《好きだった人》が、いるかもしれないんです』
『いるかも…?ファンなのに?』
『いえ、つきあってました。…たぶん』
『たぶん、つきあってた〜?』
『他の女の人に、とられちゃって。覚えていたらつらいだけですから一生懸命、忘れようと努力したらなんと本当に忘れちゃったんですよー』
結構修羅場をくぐってるのか、と主人公は押し黙る。
『あー、信じてませんね?ちなみに行った球団どころか名前までもサッパリです!』
(ここで二択。それは良かったか忘れるべきじゃなかったかを選択。後者を選択します)
『楽しい思い出もあったんだろ?つらくても、逃げちゃだめだ』
『……。そう、ですね。でも、もう仕方ないじゃないですか。本当は忘れたくなんてなかったのに。あはは、変ですねー、私』
苦笑いするカオル。何か事情があるのか…そう主人公が考える暇も無く、彼女は落ちてしまった。
ネットだと後を追いかけることも出来ないな、と主人公はぼやく。
「昔付き合ってた男ね。どこまで本当かわからないけど、……なんだかショックだな」
こころが5下がった!
「ん?あれ、ここはどこだ」
目覚めると妙な空間にいる主人公。
(さあな。どこでもいいんじゃねえの?)
すると序盤出てきていたあの謎の声の主が目の前にいた。真っ黒いビジョンで全く正体が分からないそれに、誰だと訊ねる主人公。
(俺は「俺」だよ。それよりさ、なんでお前そんなに必死になっちゃってんの?)
「…え?」
(もう渦木とかいうボンクラの疑いは晴れたんだろ?呪いのゲームがあるってことも分かったわけだし、もういいじゃないか。
あとは適当にやっとけよ、テキトー)
「そ、そんなわけにいくもんか!」
(ハハハ…。ひとがせっかく親切にアドバイスしてやってるのに。きっととんでもないことに巻き込まれて後悔することになると思うけどな)
嘲笑いながら「俺」を名乗るそいつは言った。その時であった。
プルルルル…プルルルル…
「わっ!?あ、あれっ?…夢を見てたのか」
携帯の着信で目覚める主人公。どうも今のは夢のようだ。妙にリアルな夢だったが。
とりあえず電話を取る。相手は渦木のようだ。
「もしもし、渦木です。夜分に申し訳ありません。今、すぐにでてこれますか?」
無職で明日の予定は明日立てる暮らしをしている主人公に、門限はない。素直に渦木の言う事に従う。
「ようやく捜し出したんですよ。きっとあなたもお会いしたいと思いましてね」
公園で落ち合うと、渦木はそう言った。誰なんです、と聞く。
「ご紹介しましょう。《武内ミーナ(たけうちミーナ/10が初出のサブキャラ。ツナミの裏側を負う重要人物》さんです」
「ども、はじめましてです」
茶色い記者キャップのようなものをかぶった、褐色肌の美人が主人公の前に現われた。少し日本語がおぼつかないようだ。どこの国の人だろうか。
主人公はその苗字に妙な聞き覚えを感じる。
「武内…そうだ、呪いのゲームの資料を中山先輩に送ってた人!」
「はい、ナカヤマさんとは前に取材協力してもらったことありまして。今回の件でも、手伝ってもらいました」
「呪いのゲームについて記事にするつもりなんですか?」
取材協力という言葉から主人公は彼女がジャーナリストであることを見抜いた。ミーナは首を横に振る。
「いいえ。私が調べているのは、ツナミという会社のネット支配についてです」
「……ツナミがネットを支配?」
「正確にはネットだけではなく、この世界そのものが、かつてない苛烈な支配をされているのですがね」
ミーナは緊迫した面持ちでそう言った。のほほんと暮らしていた主人公には、ツナミ=世界一の大企業、という軽いイメージしかない。
だからこそミーナのその表現に大げさだ、と言って笑う。所詮単なる大企業じゃないか、と。
「その大きさが、ありえないのですよ。もしツナミ以外の勢力のすべてが手を組んだとしても、資金的にやっと対抗できるかどうかです。
技術力と政治力においてはそれどころの差ではありません。そして、圧倒的な力の差ゆえにほとんどの勢力は戦う事よりも従う事を選んでしまいます」
ツナミはそんなにすげえのか、と言いつつもそれが呪いのゲームと何の関係があるんだ、と主人公はミーナに反論する。
「その大きさが、ありえないのですよ。もしツナミ以外の勢力のすべてが手を組んだとしても、資金的にやっと対抗できるかどうかです。
技術力と政治力においてはそれどころの差ではありません。そして、圧倒的な力の差ゆえにほとんどの勢力は戦う事よりも従う事を選んでしまいます」
ツナミはそんなにすげえのか、と言いつつもそれが呪いのゲームと何の関係があるんだ、と主人公はミーナに反論する。
「昔話から始めましょう。ネットワーク、つまりウェブの誕生は世界を変えましたです。誰もが情報の発信源になれる。知りたい事を探すことができる。
パソコンはそういう魔法の箱になったのですよ。あなた、パソコンゲームはあまりしない人だったのですよね?」
「ええ。呪いのゲームを追いかけててそんなわけにいかなくなりましたけど」
「では、パソコンは何に使ってました?」
「それは調べ物ですよ。バイト先や就職先を探したり、あとはニュースとか…」
「そう、つまり情報です。大手のマスコミであれば規制されてしまうような秘密も、分別のある人間なら途中で止めてしまうような情報も、
危険な情報も、間違った情報も、意味のない情報も、ただの落書きも、全てウェブから手に入ったのです」
「ええ、便利ですよね」
「そして、誰もがこの便利過ぎる道具に頼りすぎている現代だからこそ…これをツナミが支配していることに大きな意味があるのです」
またも支配という言葉に反応する主人公。そんなことが可能なのか?と言う。
ミーナ曰く、ウェブで使用されている検索エンジンの上位四つはツナミ傘下の企業が運営しており、ツナミに有利な情報が優先的に上位に来るように操作されているという。
それぐらいなら別に…と言おうとした主人公に更にミーナは畳み掛ける。
OS、ウイルス対策、画像表示などあらゆるソフトが相互に関連してツナミ以外の規格を排除している。今や、ツナミ以外の製品ではウェブをまともに運用することすら不可能だ、と。
「(OSってなんだっけ…)」
ずれたことを考える主人公。気にせずミーナは続ける。
ツナミはウェブ上に無数の「兵隊」を放っている。監視プログラムとウイルス的な働きをする自動プログラムがツナミに都合の悪い情報を調査、通報あるいは削除をしている。
しかもそれらは人間に近い知性を持ち、隠語や暗号すら自力で解読することができるとか。
主人公は自分が呪いのゲームの情報を全然探せなかった理由をやっと理解出来た。先輩や開田が簡単にゲームの情報を得れたのは、呪いのゲームに関する情報が削除される前だからだったのだ。
ミーナはまだまだ話を続ける。
「……更に恐ろしいのは、《デウエス》と呼ばれる怪物です。どう言う方法か分かりませんが、ウェブを通じてツナミに逆らう者を捜し出すばかりでなく、直接「消す」ことができるようなのです」
「え?」
「既に何人もの優秀な記者や政治家、活動家、経営者が…自宅のパソコンの前から姿を消しています」
すぐにピンと来る主人公。まさにそれは呪いのゲームじゃないのか!とミーナに言う。が、ミーナは違うと返した。
「彼らが全員ゲームをしたはずがない。ですが、結果は似ている。恐らく関係はあります」
「…………」
「気を付けることです、あなたも。ウェブの中で、この話絶対にしてはいけません。パソコンの前でもだめですよ」
うわあ、どうしよう。想像していたよりもずっと危険な事に首を突っ込んでいる事にやっと気付く主人公。
しかしそんな主人公にミーナも一人の仲間として協力してくれるらしい。仲間が増えて喜ぶが。
「期待しないでください。私、ゲーム苦手なんですよ」
最後にそう付け加えて、深夜の密会は終わった。何故か渦木はずーっと黙っていた。
因みにミーナのアバターは青い髪に黄色いカチューシャをした可愛らしい女の子のアバターだ。名前は勿論…
『ミーナです、みなさんよろしく』
『こいつも本名で登録しちゃってるニャ!』
『え…いけなかったですか?』
現実において比較的まともな人ほどネチケットは心得てないのだろうか――。
(補足)
今回はここまでにします。ぶつ切りで申し訳無いです。
とりあえずやっと中盤まで終わりました。そこで、主人公率いる《デンノーズ》の仲間達を紹介しておこうと思います。
この√だと仲間になる経緯とかは全部カットしていますが…。
後正体(リアルにおいての)も伏せておきます。殆どの仲間はそれぞれに固有のイベントがあるので。
《ストーリー上絶対に仲間になるキャラ》
・サイデン:メインはファースト。サブでキャッチャーと外野もこなせる。
・BARU:メインはセカンド。サブでショート。
・渦木:パワポケの相棒めがね君は主人公が野手なら投手、投手なら捕手、というパターンに則って彼もそうである。
・ミーナ:メインは外野。キャッチャーとファーストもサブで可能。
《自分でうろついたりして仲間にするキャラ》
パカ王子:通称バカ王子。王子っぽいアバター。金持ちらしくリアルマネーに物を言わせたプレイで多くのプレイヤーから嫌われている。外野のみ守れる。
ゼット:ヒーローの様な格好をしたアバター。ヒーローっぽい言動をするが空回り気味。ポジションはピッチャー。
EL:長身痩躯で茶髪ロン毛なアバター。主人公にネットのイロハを教えてくれたり親切なのだが…。ポジションはピッチャー。
シズマ:迷彩柄一色の軍人風なアバター。やっぱりミリオタ。ポジションはピッチャー。
スター:派手で目立つアバター。やっぱり目立ちたがり屋。ポジションはショートのみ。
アッシュ:強面なアバター。目はつぶらで可愛い。外見に反して中身は心優しいネット初心者。ポジションは外野のみ。
ユウジロー:茶髪でイケメンなアバター。しかし野球の実力は最低レベルで言動もズレ気味。ポジションは外野のみ。
レン:通称仮面の騎士。仮面をつけたアバター。理系で普段はbotを使ったりしている。ポジションはサードのみ。
ピンク:グラサンのようなゴーグルをつけたアバター。やさぐれ気味。ポジションはショートのみ。
以上に主人公を加えたのがデンノーズ。仲間にしなかった場合はCPU(汎用キャラ)が枠を埋めてくれます。
当然一人も仲間にしないと戦力ダウンしますが、賞金の分け前が増えるので慣れてきたらほとんど仲間にしなくでも勝てます。
尚今回は通常√の為、仲間で台詞があるのは固定メンバー四人のみです。他はいるけどいない…と考えて下さい。
因みに仲間のうち四人は彼女候補です。ネナベが割と多いです。
次回の投下でラストまで行く予定です。中盤以降はストーリーも怒涛のラッシュで進むのでまとめるのが大変ですが、お付き合い頂けたら幸いです。
式神の城2、3のストーリーって、キャラごとに違うらしいのですが
どんな感じなのでしょう?
式神担当する人が妙に張り切って芝村設定にまで踏み込みませんように…
何のことだがさっぱりだが、心配してる事が有るなら自分で書いてしまえばいいんじゃね
パワポケの人乙、がんばって
機種名の書かれていないリクなんて放置しとけばいいんじゃね
続きいきまーす
「嫁に来た時は、満足に飯も作れん。掃除も洗濯もさっぱりで、
おまけに腹ボテだったと来た!とことん使えない女なんだよ。いくら大金付けられてもとんだお荷物だ。
だから好きなようにやってるし、こいつもこの家の人間も何にも言わない。」
津紀子が櫻子の世話をしに通ってくるのは、夫の虐待から逃れる口実でもあったのだろう。
虚ろな頭で修造がそう考えていると、宗像が臭い口を寄せてきた。
「お前、津紀子に惚れているだろう。実の姉に。
いいぜ。
こいつはな、イカレちまってるんだよ。もう随分いたぶってきたからな。
最近は痛めつけられると、こうやってさっぱり惚けちまう。」
姉はまだ、魂の抜けたようにピクリとも動かない。
「こうなったらよ、この女はもうお人形さんさ。
ナニをしても感じねェし、覚えてもいねぇ。だからよ」
宗像は半裸の津紀子から、纏わりついた着物を引き剥がし、全てを曝け出した。
「抱かしてやるよ。好きなだけヤらしてやる。お前欲情してんだろ?
大丈夫だよ。前のガキが流れちまってからコイツは孕まないんだ。
鬼子だけあって、ガキもやっぱり人間じゃなかったんだな。」
修造は、落ちていた棒を掴むと、宗像の側頭部に叩きつけた。
脳裏に蘇るのは、赤い夕焼けだった。
「姉さんはずっとこの家に居て、ずっと私の傍に居てください。
私だけの姉さんでいてくださいませ。」
それを聞いた津紀子がどんな顔をしたのか思い出せない。
ただ、目の前の障子に映る影がやけに大きくて恐ろしかった。
よくよく見れば大きくて当たり前で、それは二人分の影だった。
誰の影だろう。美しい女だった。白い肌を赤く火照らせ、切ない喘ぎに紛れ、男の名を何度も呼んでいた。
男は女を犯していた。男は修造だった。
その後すぐに、姉は他人のものになった。
津紀子は意識を取り戻し、膝を抱えて座っている。寄り添うように修造も傍らに座っている。
目の前には、死体が二つ。
子供が出来たのだという。津紀子以外には知らなかった。
だから津紀子は家を出たのだ。今すぐ嫁げるなら誰でもよかった。
宗像は粗野で横暴で酒乱で淫蕩だが、愚鈍でもあった。
婚礼後、すぐに目立ち始めた腹も、自分の子と疑わなかったのだ。
ところが生まれた子は――実の姉弟の禁忌の子、まともな形をしていなかった。
宗像は奇形の子を我が子とは信じず、次第に津紀子を憎むようになり、虐待が始まった。
津紀子の話を、呆然とした頭で聞く。
父は一度戸口に現れ、倒れたマツと宗像を一瞥すると
「裏山に涸れ井戸がある」そう呟き、荷車を取って来ると言い残して去った。
「私は、鬼やから
ねぇ、修さん。こンひとは、私が殺したんよ。…ええね?」
すがりついて止める。そんな事はさせられない。
「全部私が持ってくけんねぇ、草太と信太の事も許してやってね」
姉の言葉に修造はむせび泣く。しかし次の言葉は分かりかねた。
「出ておいで。」
「お姉ちゃんがしっかり教えなあかんかった。仕方ないもんなあ。
あんたには良い事なんか悪い事なんかもちぃとも分からんのだったんやろう。
なあ…―――――櫻子。」
目を疑った。庭に、櫻子が立っていた。
「誰が死んだの?誰が殺したの?」
好奇心に目を輝かせ、無邪気な笑みを浮かべている。
櫻子は修造に抱きつき、猫のように舌でちろちろと修造の唇を舐めた。
「お兄様…ああ、わたくしだけのお兄様。
もうどこにも行かないで下さいませね。ずっと櫻子の傍に居て、櫻子の為だけに生きてくださいませねえ。」
この女は誰だ。この淫靡な仕草で誘う女は誰だ。
修造は櫻子を、座敷へ突き飛ばした。少女の体は軽く、けたたましい鈴の音と共に畳に倒れこむ。
むっくりと首をもたげた櫻子は、笑っていた。
「愛しております、お兄様。
どうかあの晩のように優しく口づけて下さいませ。」
もはやその表情は正常ではなかった。
「憐れな」
津紀子が呟く。
「憑けられたか。」
荷車を縁側につけた父が、櫻子を見て固まり、非難の視線を寄こす。
櫻子はあろうことか、するすると帯を解き、桜色の晴れ着を畳に落とした。
真っ白で未熟な、無垢な裸身だ。
「ほぅら、こんなにも美しい。
津紀子お姉さまの醜い体と違って、傷一つなく、穢れていない。
全てお兄様に捧げる為にあるのに。」
津紀子は悲しげに呟いた。
「そう言われたんね。―――狐に。」
「服を着なさい、櫻子。父と兄とは言え、殿方の前。
いいかい、狐など、いなかったんよ。」
姉の言葉に、突然櫻子は甲高い哄笑を上げた。
髪を掻きむしり、飛び跳ね、もがく。
「この子は決して、閉じ込められていたわけではなかったんです。
恐らくは布団の下。床板が外れるんやないかと私は思うております。
ところで、櫻子はたくさんの樟脳を所望しておりました。
それならば長持あたりを捜すのが定石ではないかと。」
義母の死体の話だ。
だが、何故?そして櫻子のような非力な娘がどうやって?
はっとして、修造は傍らに転がる、忌むべき男の死体を見た。
父はただ、それも井戸に捨てんといかんなと言った。
家と子供を守る為に、父は鬼になる。
姉は、そんな事をせず、自分を犯人として突き出してくれと言う。
弟や妹を守れるのなら、鬼子は本当の鬼になる。
ならば、鬼は私だろう。修造はそう思う。
罪を犯した片割れを殺し、自分も罪を償おう。
笑い続ける櫻子を引き倒し、首を締め付けた。
「何を勘違いしとんね!この子は何もしてんのよ!!」
姉に叱りつけられて、修造は手を離した。櫻子が激しく噎せる。
「ならばマツを殺したのは誰なんですか!脚立の傷も櫻子がやったのでしょう!」
「櫻子は誰も殺しておらん!
ただ、お義母様の死体を隠しただけ、樟脳で臭いを誤魔化しただけ。
櫻子はね、蔵から好きな時に抜け出せて、葬式で修さんが帰るのも知っとった。
でも、修さんが中々帰ってこんから焦ったんよ。葬式に間に合わなければそのまま帰ってこんのやないかって。
…死体がなくなれば葬式は終わらんと思ったんよ。
そこを、好色な狐につけ込まれた。」
鍵は誰にでも持ち出せた。居間の壁に無造作にかかっている。
櫻子の望みを叶えた狐は、代償を求めたのだろう。
敷布の、血の染み。
その間中、櫻子は狐の睦言を呪詛のように聞いた。――津紀子と違って、傷一つなく穢れていない。
何も知らない櫻子も、それがどんな行為かうっすら理解した。
幼い心は蹂躙され、回復不能な程の負荷を受けた。
そしてそれを解決する術として、恋しい兄に抱かれたと思い込もうとした。
「夫の罪は、妻の罪。堪忍ねえ、どうか堪忍ねえ櫻子」
呆けた櫻子に着物を着せつける。
姉は頑なに自分が罪を被ると主張する。誰かを庇っているように。
「…宗像の煙草を置いたのは、姉さんですね。」
(「全部私が持ってくけんねぇ、草太と信太の事も許してやってね」)
愕然とした。
傍らの襖から、二対のあどけない目が覗いていた。草太と信太。
姉はマツが死んだのをもっと早く知ったのだろう。そして納屋に確かめに行った。
脚立は、普段はマツの使うものだ。
もし、壊れたら面白いなとか。それで落ちたら面白いなとか。
棒で殴ってやったら痛いだろうけど、追い回されて叱られて、それで済むと思っていたのだろう。
殺すつもりなんてなかった……いや、わからない。
鬼子として見殺しにされる長姉、忌み子として飼殺される次姉。そして母は桜に取り殺されるように死んだ。
双子殺しを伽にする鬼婆は、幼い胸に何をもたらしたのだろう。
ああ、ここは、恐ろしい家だ。
双子の無邪気な瞳が隙間から消えたのと、宗像が起き上ったのはほとんど同時だった。
凍りつき動けない父、姉、修造を前に、宗像は頭を擦り、のっそりと障子を開け姿を消した。
不安に目を見かわしているうちに、宗像はゆっくりと戻ってきた。
宗像は、古い狐の面をしていた。
聞いたことがある。未だに山奥の村に残る風習、夜這い。
昼の顔を知られぬよう、男達は天狗や狐の面をつけ他家の寝所に忍びこむのだ。
樟脳の匂い立ち込める蔵の中、死体の詰まった長持を傍らに、無垢な娘を陵辱した狐。
その手に、父の日本刀がぶら下がっていた。抜き身である。
櫻子が火がついたように泣きだした。
修造は咄嗟に彼女を抱きしめ、裸足のまま外に飛び出した。
桜の脇をすり抜け、小さな手を引いて我武者羅に走る。
父も逃げる。津紀子も逃げる。追って来るのは本物の鬼だ。
悲鳴が聞こえて、修造は振り返った。
あの古桜の下で、津紀子が鬼に引き摺り倒されていた。
真っ白な肌から、真っ赤な血飛沫が噴き出す。
たまらず立ち止まった修造に、津紀子が笑いかけた。母の笑顔に瓜二つであった。
その手には、庭で拾い上げたのだろうか、草刈り鎌が握られていて
己を掴む夫の首を躊躇なく掻き切ったのだった。
桜の下に、真っ赤に染まった夫婦が倒れている。
父も修造も、何も考えられず、それを見つめている。
「死んだかしら?」
修造は耳を疑った。
何故、このような状況で、そんなに嬉しそうな声が出せるのか。
「死んだのかしら?」櫻子の目は楽しげに輝いている。
驚愕し開いた修造の口に、櫻子が小さな唇を押し付ける。
「愛しておりますのよ、お兄様。
でもお兄様は、お姉さまのようには愛してくれますまい。
お姉さまのようにはしてくれますまい。
でも」
自分の下腹部を撫でる。
「もしも、わたくしに狐の子が宿っていたら、
その時はお兄様が父親になって下さいませねえ。
そうしたら、大好きなお兄様の字を一字頂いて名付けとう御座います。」
物も言えない修造に、櫻子は諦めたような嘲笑を投げかけ、
身なりを正し、埃を落とすように裾をはたくと、晴れやかに顔を上げた。
「それでは、蔵に戻りますね。
わたくしが外に居ると、お兄様も何かと不都合で御座いましょうから。
また、お待ちしておりますわね。」
鈴の音を鳴らし小さな背中が遠ざかっていく。その先には巨大な白壁の砦が佇んでいる。
振り向けば、桜の下に凄惨な二つの死体と、それを見つめる二人の少年が居た。
その顔は、妹の笑みにどこか似て屈託がなく、
ここは、鬼の棲み家だな。 ―――そんな事を思ったのである。
<第二章・終>
とりあえずここまで。
あと第三章と、外伝が二つあります。
乙ですー
>>196の続きいきます
かなり長くなったのでまたぶつ切りになりますが…
《6月30〜8月31日》
主人公率いるデンノーズは、毎晩色んなチームと戦い、順調に「ポイント」を稼いでいった。
『今日はどれだけポイントが上がったかな』
と、悠々とポイントを確認する主人公。が、たったの4ポイントしか上がっていない。
『今日の対戦相手はどれも弱いチームだったからな』
『じゃあ、強いチームを見つけて勝たないとダメか』
『今日もみなさん、がんばってますねー』
カオルが主人公達の前に現われる。主人公は意気揚々と話しかけた。
『カオル!今日は四勝もしたんだ』
『みなさん、本当に野球がお好きなんですね』
笑いながらカオルはそう言う。サイデンがそれに反応した。
『おい、主人公!カオルには何も言ってないのか?』
『うん、まあ、なんとなく。ゲームが下手らしいから、無理に巻き込むこともないかと思って』
それは主人公なりの気遣いだったが、サイデンにとっては不満だったらしい。
『あの渦木さんやミーナさんだってヘタクソなりにやってるんだぞ?』
『いや、私は自分の都合で参加してるだけですから(※捜査の一環)』
『私もそうですね(※取材の一環)』
『…あの、みなさん?ひょっとして、なにか私に隠してます?』
ゴチャゴチャと揉めあう主人公達を見て、カオルは申し訳無さそうに聞いた。
主人公は重要な事実をあえて伏せて、このゲームの大会にどうしても出たい、と言った。
カオルは感心しながら反応する。
『へー。甲子園大会みたいなものですか?自分には応援しか出来ませんけど、みなさん絶対に優勝してくださいね!』
『あ、ああ…(確かに巻き込むのは…)』
『がんばるニャン☆(ちょっと気が引けるニャ…)』
屈託のないカオルの態度を見て、主人公の判断は正しかったと思う仲間達であった。
ある日、主人公は渦木と街を歩いていた。すると、高校時代主人公の野球部の監督だった《山井》に出会う。
そこで山井からフナムシ退治のアルバイトを頼まれる。
報酬目当てと恩師の頼みと言う事で快諾する。しかしそのフナムシは通常のものとは一線を画す巨大フナムシだった…。
殺虫剤じゃ海を汚すということで、大型の空気銃(厚さ二センチのスチール板を貫通する威力)を手渡され駆逐していく主人公。
一般人のはずなのに異様に銃の扱いが上手い。理由は不明。
人間の肉も好物らしい化け物フナムシ共を何とか駆逐し終えた主人公は海外でも謎の生物「ライム」が現れたとか言う話を聞く。
が、地球温暖化のせいだと勝手に解釈してバイト代を手に帰宅するのであった。
(因みにバイトを受けないと渦木を交えて主人公の高校時代を聞けます。主人公は才能のなさを努力でカバーするタイプだったとか。指導者向けの性格をしているそうです)
今日も今日とて練習に励む主人公達デンノーズ。カオルも頻繁に応援に来てくれる。
しかし、具合が悪いとかで急に落ちてしまった。親に遊んでるところを見つかったのでは、などなど仲間達が勝手に推測を膨らましていく。
『……あれ?なんだか音楽が少し変じゃないか?』
突如陽気なBGMがおどろおどろしい不協和音に変更される。主人公だけかと思いきや仲間達全員がそうらしい。
『こんにちは』
そこに声をかけてきたのは――真っ赤な服に、青い長髪。そして顔の全てが真っ黒い女だった。目と思しきものだけがぎらりと怪しい眼光を放っている。
『(顔のない女!?)』
一同に緊張が走る。噂の上では確かに存在していたが、実際に会うのは当然初である。
丁寧ながらどこか冷たい口調で、顔のない女は主人公へと話しかけてきた。
『デンノーズの監督はあなたですね。この野球ゲームで充分なポイントを稼いだ事を認めます。
今日は《ハッピースタジアム》の大会に参加するかどうかの意思確認に参りました』
落ち着け、落ち着くんだ――主人公は自分に言い聞かせる。聞きたい事は山ほどあるが、その中から特に重要な事を聞きだしていく。
『お前は一体何者なんだ』
正体を問う。顔のない女の顔面に真っ赤な亀裂が走った。それは口であり、どうやら笑っているらしい。
『これは申し遅れました。私の名は《デウエス》』
『!!……大会のことについて詳しく聞きたい』
『7月17日より予選を開始します。予選上位の8チームは本戦へ。本戦は8月22日から31日まで。
優勝チームには私のチームとの挑戦権を与え、私のチームに勝利すれば20億の賞金を与えます』
『20億だって!?』
と思わず声を漏らしたのはBARU。ネット上でのキャラ作りを忘れてしまっている。
しかし主人公はデウエスの発言に違和感を覚える。すぐさまそれを指摘した。
『ちょっと待った。ハッピースタジアムの勝者にはどんな願い事でも叶えてくれるはずじゃないのか?』
『ええ。以前はそのルールでしたがね。不可能な願い事をするプレイヤーが続出したので、賞金制度に変更する事になったのですよ。
私に可能なことならば、あなたの賞金を別の願い事に変えてもいいですよ』
考えるまでもない。主人公は切り替えすように言った。
『ハッピースタジアムで負けて、消された二人を帰して欲しい』
『ああ、なるほど。いいですよ、その程度のことならば』
『おい、おれの、いやあたしの賞金は、その場合どうなるのよ?』
地が出ているBARU。欲に目がくらんでいるらしい。
『ご心配なく。他の方々には、20億円を等分しただけの金額を差し上げましょう』
『どうやってその金は支払われるんだ?税金はどうなる?』
サイデンが冷静に言った。それだけの巨額、すんなりと払われるとは到底思えない。
しかしそれよりも氷のように冷たいデウエスはすんなりと言い返す。
『支払方法は、そうですね。今の時間を確認しておいて、後で自分の銀行口座を確認してみなさい』
『……?負けた場合のペナルティは?』
主人公が聞く。ある程度は分かっていたが、もう一度確認した。
『予選で敗北した場合は特に何も。本戦で敗北したチームは、私のものになっていただきます』
『現実から消える、ってことか。お前は一体何者なんだ』
『《オカルトテクノロジー》の申し子ですよ。ですが等しい者がいない以上、《デウエス》と呼ばれたいですね』
にんまりと笑う顔のない女――デウエス。聞きなれない単語を発したので、当然主人公は聞き返す。
『オカルトテクノロジー……?』
『不可能を可能にする科学です。さて、大会に参加しますか?』
解説もそこそこに、意思確認をしてくる。勿論、主人公の答えは決まっている。
(一応二択。参加するかしないか。しない場合はゲームオーバーのため当然するを選択)
『わかりました。では、健闘を』
そういい残してデウエスはその場からフッと消えた。
『消えたか……』
『20億か……20億。あ、頭割りになるからもっと少ないか』
『金だけだったら、宝くじでも買ってる方がマシだよ』
BARUに対して冷たく言い放つサイデン。負ければ現実から『消える』以上、賞金に対してのリスクが大き過ぎる。
それよりも、試合に勝って消えた者を助け出す事こそが目的だ、と主人公は締めた。
渦木は真相を知ること、BARUはもらえるならお金が欲しい……などなど、個々人の目的はバラバラだ。
だが勝利しなければならないという目標だけは一緒だった。
……その後、主人公は自分の銀行口座にその時間に百万円が振り込まれ、すぐに引き出されていたことを知った。デウエスのしわざなのは間違いなかった。
来る7月17日。予選一回目の相手は《SGKGK》なるチーム。
話し方などはまともだが、チーム名が気になる主人公。
相手のキャプテンに聞いたところ《スクール学園高校学院高等学校》というらしい。複数の学校が合併し、下の名前を揃えた結果こうなったとか。
甲子園にも出場経験があるらしい。(※4や10で前身となる高校と戦います)
今や面白がってSGKGKと合併したがる高校もあるらしいが、とにもかくにも予選は一勝ごとに百万円の賞金が出る。
主人公達デンノーズは心して掛かった。
その結果、見事大勝利。初陣は勝利で飾る事が出来た。
予選はトーナメント形式ではなく三試合中でポイントが多いチームが本戦に進む事が出来るらしい。
三勝すれば確実に本戦に駒を進めることが出来る。更に、予選の賞金目当てで本戦に行く気はないチームもかなり多いそうだ。
これなら本戦までは楽にいけそうである。しかも賞金の百万円はチーム全員で分割してもらえるので、主人公はそれを生活費にあてて、自分のアバターを強化する事にした。
7月31日。相手はかつて屈辱を味わった《ジコーンズ》だ。アドミラルは予選で終わるつもりの奴等とは違い、完全に優勝狙い。
それもそのはず。アドミラル自身が《Eスポーツ》というパソコンのネット対戦ゲームのプロ、つまりプロゲーマーなのだ。
ゲームをして飯を食っている彼はプライドも相当高い。ジコーンズはかつて栄光あるプロゲーマー集団だったが、今は落ち目にある。
その栄光を取り戻すために優勝を狙っているらしい。
だが人を助けるという目的が勝った主人公達は辛くも勝利。ジコーンズが外国人集団であることもついでに判明。(多分筆頭は韓国と思われます)
とある日。主人公は自宅にミーナが上がりこんでいる事に驚く。一体何事かと思うと、メモを手渡された。
明日その指定の時間と場所に行って欲しい、自分はマークされているから無理だ、との事。
「で、相手は誰なんです?」
「色々と悪い噂のある人です。しかし、敵の敵なら味方でしょう。その意味では、信用できます」
え、と意表を突かれたのも束の間、ミーナはさっさと去ってしまった。仕方ない、とばかりに主人公はその人物と会うことに。
翌日、喫茶店にて。主人公はスーツを着込んだ白人の男と出会った。
妙齢で、顔付きは温和だが、まとう雰囲気がどこか異質な男だった。
笑顔の裏に何かを隠し持っているかのような……。男は主人公に悠々と話し掛ける。
「まあ、かけなさい。こんな場所だけどゆっくりしたまえ」
「あの、ここ喫茶店ですけど」
「…あ。そういえば、そうだったね。これ、イタリアンジョーク」
「は、はあ…。イタリアの方ですか?」
「いや、僕は違うけど?」
飄々と人を喰うような態度で男は主人公を軽く弄ぶ。ペースを乱されながらも、相手は先に名前を名乗った。
「ああ、自己紹介がまだでしたか。ツナミヨーロッパ支社長。《ジオット・セヴェルス(一言で言うならとんでもない人物)》です」
ツ……と主人公が出て来た言葉を吐き出す前にジオットは止めた。
「はい、ストップ。騒ぎは困るよ、君。ああ、そうそう、アレの名前は出しちゃダメだよ」
「……アレ?」
「そう、君の追いかけてるアレ。昔からこう言うでしょ、名前を呼ぶと悪魔が現れる」
デウエスのことか、と主人公は理解した。それを見越してか、ジオットは話を続けた。
「監視衛星ってさ、地上にいる人の持っている新聞の見出しぐらいなら読めるんだってね」
「え?」
「随分前からそうなんだ。でもね、その性能を生かすには何が写っているかチェックする人間かプログラムが必要でしょ?
だから、利用するのは大変なワケ。ウェブでもそうだよね。あ、日本じゃ「インターネット」ってウェブのこと呼ぶんだったね?」
「え、あ、はい」
とつとつと語るジオットに、主人公はついていくだけで精一杯だ。
「インターネットも情報の海なんだ。そこから本当に自分に必要なことを捜し出すのが難しいんだよ。だけど、名前を呼んだら…」
「…「アレ」に見つかる?」
「頭のイイ子で助かるよ。ましてやボクはツナミの要人だからね。チェックされる優先度は高いと思うよ」
「でも、この辺りにはパソコンはないじゃないですか」
「あれ?キミには監視カメラが見えてないの?そこらじゅうにあるケータイは?」
「!?」
「アレがその気になったら、安全な場所なんて本当に少ないんだよ。まあいいや、本題に入ろうか」
今までは全部前置きだったらしい。アレの恐ろしさを身に染みさせられる。
ジオットは主人公に何かを手渡した。名刺、のようだった。
「それをよく読んで、必要になったら連絡してね。じゃ、ここの支払いはやっといて」
主人公は名刺に何か書かれているのを発見する。
そこには『《ワギリ製作所》の社長に《寺岡》について聞け。なおこれは、読後処分せよ』と書いてあった。
確か同名の工場が近くの工業団地にあったはず……と思い出す主人公。
そこでやっと自分がおごらされた事に気付いた。
「社長ながらセコイ人だ……」
とはいえ得れた情報は大きいかもしれない。早速明日工業団地に行ってみる事にした。
(※行かないと後日ゲームオーバーに)
今回はここまでです。今週中には終わると思いますので、もうしばしお付き合い下さい。
次のイベントは物語の核心に迫りますので、相応の量が…!
では失礼しました。
続きいきます
【第三章・箪笥女】
今年の夏休みから、修の家に、親戚の一家が同居することになった。
お祖父ちゃんの弟で、定年を迎えたから故郷に戻ってくることにしたらしい。
屋敷は修の家族5人― 父さん、母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、そして修 ―には広すぎるくらいだし、
何より、大好きな香澄姉ちゃんが越して来るんだから、修は大歓迎だった。
香澄ねえちゃんは、父さんの従妹になるけど、まだ中学一年生。修と2歳しか変わらない。
年取って出来た娘は可愛いっていうけど、それに加えて男やもめのおじさんは、
香澄姉ちゃんをそれはもう溺愛している。まぁ修だって、姉ちゃんは可愛いと思うのだけど。
家に着くなり、おじさんは香澄と修をマジックショーに連れて行ってくれた。
おじさんは子供っぽいところがあるので、自分が行きたかったんだと修は踏んでいる。
そんな推察をしたり、マジックだって種も仕掛けもある手品じゃん、なんて考えたり
修は世の中を斜めに見てしまう所がある。
学校の先生にも、年より大人っぽい(要するに生意気で理屈っぽい)と言われた。
自分でも、ちょっとかわいくない性格だと思う。
でも、父さんみたいな父親を持てばしょうがないことだ。
修の父、修一は、世間的には変人に類する。
無口で、はっきり言って暗いし気難しい。日がな一日離れに籠っては何か書き物をしている。
相続した山を国が買い上げたものだから、ろくな収入がなくてもかまわない。という程度の作家だ。
修も父さんの作品を読んだことはある。
うちの裏庭の土蔵を舞台にした薄気味悪い小品だった。香澄ねえちゃんは数少ないファンとして大絶賛していたけれど。
おじさん曰く、その作品にはベースがあるらしい。
父さんが若かった頃、蔵に居た父さんを、おじさんが悪戯で閉じ込めてしまったんだそうだ。
全くおじさんは子供っぽい。
帰りの車の中で、修は香澄姉ちゃんに流行ってるおまじない等を話してあげた。
そのまま学校の怖い話なんかをしている時、叔父さんがとっておきの怖い話をしてやると言い出した。
『箪笥女』
ある女がいた。女は病で痩せこけており、外見は殆どガイコツのようだった。
それだから友達もなく、女はどんどん暗くふさぎこんでいった。
しかしある日恋をした。化け物と蔑まれる女に唯一普通に接してくれた男だった。
奇跡の様な勇気で男に想いを告げ、男もほだされたのか、女を受け入れてくれた。
まるで夢のように幸せな日々が過ぎた。
ある日、男が転勤することになったと言い出した。
天国から突き落とされるように、女は嘆き悲しんだ。
スーツケースを用意して、旅支度をする男に、女は連れて行ってと懇願する。
「君をこの鞄に入れて、一緒に連れていきたいくらいなのに」
嘆く男の前で女は立ちあがり、スーツケースに足を入れた。
大きめなだけの、手に下げられるスーツケース。
紙のように細い体を折り畳み、女はその中にすっぽりと入ってしまった。
男はゾッとする。
男は、女を愛してはいなかった。
怖いもの見たさで遊んでやっただけ。そして調子に乗って女房面する女にうんざりして、
転勤と偽って姿をくらませようとしていた所だった。
約束よ、と笑う女に、約束だと男も笑って蓋を閉めた。
そして鞄を海へそのまま捨てた
箪笥女の続きを聞いているうちに、家に着いた。
お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが待ち構えていた。
偏屈な息子、掴みどころのない嫁、おまけに孫は生意気で可愛げがない。
香澄姉ちゃんを大歓迎する気持ちもわかるというものだ。
はりきった祖父祖母は、香澄姉ちゃんの部屋を予め用意していた。
修の隣の和室に、古めかしい鏡台、箪笥なんかがもう運び込まれている。
それらは実は、蔵にあったものだ。遺言では手をつけちゃいけないことになってるのに。
「もったいない、もったいない」
いつものようにそう言って、運び出してしまったのだろう。
気味悪がるかと思ったが、香澄ねえちゃんは古風な家具に喜んだ。
箪笥に手をかけ、引き出しを開けようとしたが、何かが引っかかって開かない。
修は、箪笥女の続きを思い出していた。
しばらく平和に暮らした男は、家が臭いのに気付く。
生臭いような、磯臭いような臭い。
ある日、ドンドンと籠った音がした。箪笥の中からだ。臭いもそこから漏れていた。
あの女だ。まともな思考で無いのに男はもう気付かなかった。
箪笥の引き出しは、動きやすいよう上に隙間が開いている。
そこから女が覗いていると思った。
どうにかして生還し、自分に復讐しに来たのだ。今度は死ぬのを確認して捨てなくては。
引き出しを開けると、そこにはびしょ濡れの女が入っていた。
高さ20cm程の中、押し潰されるようにして。
ちょうど隙間の高さにに目があった。やはり覗いていたように。
その目は乾き、腐った魚のように濁っている。そのはずだ。
女は死んでいた。
現実家を自負する修には、突っ込みどころの多すぎる話だが
男が箪笥を見た時、隙間から女と目があったのではないか、そうなら怖いなと思う。
姉ちゃんは、力をこめて引き出しを引く。
すると、中から木板の割れる音がした。
「……壊しちゃった。」
夏休みは、子供にとって特別なイベントだ。
だから何か特別なことをやってみたくなるものなのだ。例えば徹夜とか。
うちは、お祖母ちゃんの目が光っているので中々そんなことはできない。
だが、ある夜――――あの夜のことはとてもよく覚えている。
お祖母ちゃんが敬老会の旅行に出かけた日。
お祖父ちゃんとおじちゃんはそれに乗じて呑みに行き、。母さんは寄り合いで夜更けまで帰ってこない。
父さんは離れに相変わらず閉じこもっているので、計算のうちに入らない。
姉ちゃんと、子供二人だけの留守番だった。
何か特別なことをするなら今日しかない。
わくわくした修は、姉ちゃんにドッキリを仕掛けることにした。
もう寝るねと声をかけ、姉ちゃんが風呂に入っている間に、部屋に忍び込む。
この箪笥、この前無理やり引いた時に、一段壊れてしまった。
下から二段目の、底板が外れてしまったのだ。
だから、一番下の段なら、修なら潜り込むことが出来た。
そう、箪笥女の真似をしてやるのだ。怖がること間違いなしである。
何気なく鏡台を見る。これも蔵から運ばれたものだ。鏡の中に変なものがある。
目が合った。
鏡越しに。今まさに、修が身を潜めるつもりだった和箪笥の隙間から。
なるべく何気ない風を装って部屋から出た。
誰かが箪笥の中に潜んでいる。子供しかいない事をどこからか聞きつけたのか。
修は、縁側で雨戸を閉める時使う棒を取り、部屋に戻った。
戦わなくてはいけない。相手が狭い中に寝転んでいる今なら、一気に攻撃すれば修に勝機がある。
恐る恐る引き出しを開けた。
予想外に軽い。誰も入ってない。小さな市松人形と目が合った。
驚いて閉める。さっき見たのは人形の目だったのか。下見をした時、人形なんか入っていなかった。
あの人形は何だ。父さんの不気味な小説に出てきたあの人形なのか?
もう一度引き出してみた。
中は空っぽだった。
「何してるの」
修のパニックは、香澄ねえちゃんの登場で最高潮に達した。
風呂から上がったパジャマ姿の姉ちゃんが、不思議そうな顔で修を見ていた。
自分は、主のいない部屋で箪笥に手をかけている。これではまるで、嫌らしいことをしていたようだ。
誤解されてしまう。嫌われてしまう。修は混乱のあまり、泣きだしてしまった。
泣きじゃくりながら、さっきまでの事を有りのままに話す。
姉ちゃんは、大人の女のひとのように、修の頭を撫でながら聞いてくれた。
そして、一部始終を聞き終わると、悪戯っぽい顔で箪笥を開けた。
「よく見てごらん。」
覗きこむと、引出しの奥に人形が落ちていた。修はすぐに事の次第がわかり真っ赤になる。
勢いよく閉めたから、人形が撥ねたんだ。
上の段がなかったからそのまま枠を飛び越えて、後ろの遊びの部分に落ちたんだろう。
「伯母さんにこのお人形もらったんだけどね、こんな事言ったらよくないけどさー
なんだか気味が悪くて。だから引き出しに入れといたの。
でも可哀想だったよね。どうせなら、座敷とかに飾ってもら………」
首を巡らせた姉ちゃんの表情が凍っていた。
姉ちゃんの目は、鏡台を見据えている。先程の修と同じ位置だ。そこからは箪笥が映っているだけだ。
けれどもまるで、何か信じられない物でも見てしまったかのようだった。
<第三章・終>
【外伝・桜花偽説】
母は、鬼のような人だった
躾けに厳しく、癇癪持ちで、私も弟もしょっちゅう叱られた。
父が止めに入らねばならない程激しくぶたれたこともある。
罪の無い悪戯にも容赦はなく、そんな時は、裏庭にある蔵に放り込まれた。
じっとりとした静寂と闇は、耐えがたい程恐ろしく、泣きながら扉を叩いて謝り続けたものだ。
そんな時の母の顔は、勝ち誇ったようで、私と弟が泣き叫ぶのを楽しんでさえいるようだった。
佐倉家は平安より続く由緒ある家柄だ。
山村の分家ではあったが、当時は第二次大戦の真っ只中で、都会から何人も親戚が疎開に来ていた。
母はいつも以上に厳しく、気丈に立ち振る舞い、戦地に赴いた夫の帰りを待っていた。
母は強かった。親戚連中の、あからさまに母を見下した態度にも毅然と立ち向かい
それを器用に受け流す手腕は鮮やかであったが、陰では彼らを口汚く罵っていた。
特に、同じ年頃の、セツ子という女史によくいびられていたように思う。
母は、恐ろしくはあったが、大変美しい人だった。
その仕草一つ一つに、魔性の様な婀娜っぽさがある。
美しいと言えば、若くして亡くなった伯母も、相当に美しい人だったようだ。
仏壇の遺影でしか知らないが、儚げに微笑むその女性は、恥ずかしながら私の初恋のひとであった。
母に叱られた後など、仏間に忍び、写真の笑顔に慰められたものだ。
母に、伯母がいつどうやって亡くなったか尋ねてみたことがある。
「あんたまで、鬼の憑き子なんぞに呪われたか!」
意味は分からなかったが、母のあの恐ろしい顔が忘れられない。
「修治!」
母に呼ばれ、お使いを言いつけられる。
別に嫌なわけではない。ただ、母は弟の義雄には何もさせず、私にばかり雑用を押し付ける。
だからといって義雄が可愛がられている訳でもなく、同じように叱られ、折檻されるのだ。
風呂敷を持って庭に出る。今は古桜が満開の花をつけていた。
門を出ながら思い出す。母は、あの桜の木を執拗に切りたがり、父と激しく言い争っていた。
父は物静かな人で、常として母のすることに口を挟むことはなかったが
この時だけは、語気を強めて母の要望を撥ねつけていた。
そのうち父は兵隊に行き、桜はそのまま残っている。
別段邪魔になる訳でなし、むしろ桜屋敷と呼ばれるほど、あの木はこの家のシンボルだ。
何故母はあんなにもあの木を嫌うのだろう?
言いつけ通り醤油をもらって帰る道、考え続けたが納得行く理由は思いつかなかった。
ふと私は回想から覚めた。
今は秋、また降り出した雨の中、古桜は息をひそめている。今日は母の葬儀の日であった。
「兄貴」
振り向くと縁側を義雄が歩いてきた。「もう皆帰ってしまったよ。」
私たち兄弟は、何故かあまり似ていない。
「昔な」
呟くと、義雄は黙って隣に腰を下ろした。目の前にはあの古桜がある。
「こんな雨の日だったかな。醤油のお使いを頼まれて、
帰ってきたらお袋が、そこの桜の根元んとこにしがみついてたことがあってな。
泣いてた…みたいなんだよな。見ちゃいけない気がして、お袋がいなくなるまで隠れてたっけ。」
母はうずくまり、泣きながら何事か呟いていた。
(ごめんなさい、ごめんなさい、おねえさま…)
そう聞こえたように思ったが、私は黙っていた。
母の涙をもう一度見たのは、父が戦争から生きて帰ってきた時だ。
やはり母は、父を愛しているのだなとしみじみ思った。
しかし、
「お袋、孤独な人だったもんなぁ。
親父は戦争から帰ってきたら、なんか蔵にこもりっぱなしだったしな。」
義雄はそう言った後、ふと底意地の悪そうな悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「蔵といえば、俺修ちゃんにちょっとお仕置きしちゃったんだわ。
まぁ、お袋の気持ちをくんでってことでさ。
でも、さすがにそろそろ出してあげないと、泣いちゃってるかもしれないなあ」
そう笑う義雄の、表情の作り方が母そっくりだと思う。
「こんな桜が満開の頃に降る雨を、花散らしっていうんだってよ」
花散らし。
あの雨が降っていた日、涙していた母が、何を思っていたのか。
私はもう永遠に知ることは無いのだ。
<外伝1・終>
みんな乙です。
>>72 おまたせ
探偵 神宮寺三郎DS 〜いにしえの記憶を書いていこうかと思います。
【その前に前置き】
以前FC時代の作品4本を携帯用アプリとして発売してたんですが、それをまるごと移植されてます。
次に、携帯アプリのみで発売された1作も移植されてます。
なので『携帯アプリ版4+1、オリジナル1』という形態です。
全てを『いにしえの記憶』中に収めてしまうと、
今後移植5作のリクエストがあると面倒ですから別作品として記載します。
よって、FC版からのものは、FC版シナリオと携帯アプリ版のシナリオの両方を書いておきます。
なるべく短くなるように書きますので、多分大丈夫かと。
では『探偵神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』から。
【ファミコン版シナリオ】
新宿中央公園で高田桃子が殺されていた。
警部の『熊野』から捜査協力を頼まれて捜査を開始する。
桃子はバーのホステスだが、彼女が勤めるバーの店長は、ヤクザの組長から300万の借りがあり、
桃子は大金持ちの『柏木』の隠し子で、しかも彼女と同日に柏木も死んでいたから
店長が犯人かと思ったが違ったぜ。
真犯人は桃子の彼氏と、柏木の秘書。
共犯で殺して、ハンググライダーで空から公園に捨てた。(だから犯人の痕跡が残らなかった)
彼の目的は、彼女から別れ話を持ちかけられたから。
秘書の目的は柏木の遺産。
(家族がいない柏木の遺産は秘書が受け取るはずだったのに、突然隠し子発覚で遺産は桃子に行くことになったから桃子が邪魔だった)
(ヤクザの組長と店長にまで桃子の出生を知られてしまい、遺産を受け取るには完全犯罪で消したかった)
【携帯アプリ版シナリオ】
新宿中央公園で高田桃子が殺されていた。
警部の『熊野』から捜査協力を頼まれて捜査を開始する。
桃子は心臓疾患を抱えていたが、数年前に担当主治医が手術をしても治らなかった。
病院を変えて調べてみると、手術ミスで悪化していることが発覚する。
担当主治医がそれを隠そうとして桃子を殺害、遺棄。
目撃者はいないことになってたが、本当はホームレスが見ていた。
主治医がホームレスの援助活動資金を出しているので、
主治医がいなくなることで生活に困窮するのは困ると、目撃をいい出せなかった。
【機種違いでの変更点】
・そもそも話が全く違う。
・登場人物にシリーズおなじみのメンバーが登場する。
(鑑識の三好や小林刑事など。FC版だと鑑識のかの字も出てこない)
・携帯アプリ版は、雰囲気や解決に至るまでが近作に近い。
・秘書?誰それ。
・彼氏?すげーショック受けてますが何か?
・店長?借金など知りません。
・柏木?同姓同名の主治医なら・・・。
ちなみに携帯版のヤクザとの絡みは、主治医が薬を横流ししてた相手が組員ってとこだけ。
ハンググライダーで完全犯罪!っていうトンデモトリックも出てきません。
以上。次回作横浜港連続殺人事件はまた明日。
書き忘れ。
ちなみに作品順は
1作目 : 新宿中央公園殺人事件(FC+携帯アプリ)
2作目 : 横浜港連続殺人事件(FC+携帯アプリ)
3作目 : 危険な二人(ディスクシステム+携帯アプリ)
4作目 : 時の過ぎゆくままに・・・(FC+携帯アプリ)
===この間に色々出てる===
アカイメノトラ(携帯アプリ版のみ)
いにしえの記憶(DS)
・・・という感じ。補足が長々すみません。
すみませんwikiにある約束の地リヴィエラの補足で間違ってる個所があるんですが
以下
レダとマリスは兄弟ではない
(ついでにユグドラに登場するマリスに似た格好でトゥールの未完成品を使う告死天使がヘクターの実験体なので
マリスもヘクターが独自に作った告死天使である可能性が高い/レダとエクセルは正規の天使)
冒頭の神魔戦争とユグドラの神界戦争は別物(ユグドラの前に神魔戦争は起きている)
PSP版にもレダENDはない(SE版で条件を満たせばチャプター8で仲間にできるのみ)
>>229 間違いに気付いたら
自分でwikiを編集して直接修正してくれてもOKよ
ってか誰でも気が付いた人が修正したり補足したりするために
wikiがあるんだから
編集に失敗してもバックアップがあるから元に戻せるし。
>レダとマリスは兄弟ではない
>PSP版にもレダENDはない
と後付けで書くより
該当箇所を削除した方が話が早いでしょ
探偵神宮寺三郎2作目、「横浜港連続殺人事件」です。
【ファミコン版シナリオ】
領事館員のエバが横浜で失踪したので探して欲しいと、
エバの婚約者から依頼があり捜査を開始。
途中エバの同僚であり、密輸組織の一員のイリスが死亡していることを知る。
イリスが死亡した日の行動とエバが失踪した日の行動が似てることがわかる。
警察捜査課長にも頼まれて、密輸組織と領事館員の捜査をも始めることに。
色々あってイリスを殺した真犯人は領事館の領事。
領事は密輸グループを持つ暴力団と手を組んでいた。
イリスはその密輸グループから抜けようとしてエバに話した後消された。(というか領事ともみあって転落事故死)
領事はエバが内情を全部知ってると勘違いして手下にさらわせた。(結局生きてて軟禁されてただけ)
密輸組織は全部つかまってめでたしめでたし。
【携帯アプリ版シナリオ】
エバが行方不明で婚約者からの依頼で捜査を始める。
領事は拳銃密輸を暴力団と手を組んでやっていた。
拳銃の形で持ち込むとばれるので、分解して運んでたその船が婚約者の貿易船。
エバは彼を守るために拳銃の部品の一部を持って逃走し身を隠していた。
エバを無事保護し、領事を逮捕、暴力団の一部も同様。
婚約者は出頭。事件解決めでたしめでたし。
【機種違いでの変更点】
イリスは死んでない(捜査中に暴力団の拳銃で撃たれ死亡)
婚約者は密輸船の乗組員(FC版では普通に船のクルー)
エバは拉致ではなく自分から失踪。
雰囲気は近作に近い
続きはまた明日・・・
>>230 答えて下さってありがとうございます。
一部編集してきました。
>>234までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。
3ヶ月以上経ったので「斬撃のREGINLEIV」
「ベルセルク 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇 喪失花の章」
「バイオハザード5」「Siren:New Translation」「GUILTY GEAR 2 -OVERTURE-」
「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」
を ●途中 の欄から消しました。
【ファミコン(ディスクシステム)版シナリオ】
バイクレーサーの岡崎の妻と神宮寺の助手である洋子が友人同士で、
洋子の誘いで鈴鹿サーキットへレースを見に行くことになるが、レース中岡崎が事故を起こす。
だが乗っていたのは岡崎ではなく田村という岡崎の友人だった。
一方岡崎の宿泊しているホテルの部屋で妻が銃殺されていた。
その後、知り合いの密輸捜査官『リョウ』が襲われ、
田村が事故を装って殺され、
岡崎が田村の彼女に刺殺され、
レーシングチームのスポンサー『大谷』が殺される。
真犯人は岡崎の友人の高杉。
高杉が所属する会社は密輸をしていた。
その密輸組織は上層部から政治家まで広い範囲で関係していた。
『大谷』は密輸組織の手先としてレーシングチームの一員になって世界を飛び回り、密輸の手配をしてた。
だが『リョウ』が正体を見破る。そして事件が始まった。
高杉の上司から高杉へ『大谷』と『リョウ』を殺す依頼をされ、
岡崎が最初に高杉へ身代わりレースを依頼してきたので、岡崎に全罪を被せて殺す計画を立てた。
田村を事故に見せかけて殺したのは大谷。(高杉へ身代わりレースを依頼したのを知ってたから殺された)
田村の彼女に岡崎のフリをして電話したのも大谷。(岡崎が殺したと思って欲しかった)
その彼女が岡崎を刺殺したのは予定外。
大谷は密輸捜査官に目をつけられたから、密輸に係われない状況なので殺された。(誰が殺したか不明)
岡崎の妻に高杉がホテルへいることを見られたので殺した。
【携帯アプリ版シナリオ】
バイクレーサーの岡崎の妻と神宮寺の助手である洋子が友人同士で、
洋子の誘いで鈴鹿サーキットへレースを見に行くことになるが、レース中岡崎が事故を起こす。
だが乗っていたのは岡崎ではなく田村という岡崎の友人だった。
一方岡崎の宿泊するホテルで『山本』が死亡している
山本を殺した真犯人は高杉。
山本は高杉の元同僚だったが退社後独立、経営コンサルタント業の裏で産業スパイをしていた。
だがその山本が台湾の警察に目をつけられ、情報を流していた会社(高杉の所属する会社)にとって邪魔になり
高杉の上司の命令で山本を殺すことになる。(独立した会社に呼び寄せてくれないという私怨もあった)
殺した現場に岡崎が来て山本の死体を見た直後
妻も現れ夫(岡崎)の犯行と勘違いした様子を見て、罪を着せようと思いついた。
一方岡崎は、田村に替え玉レースを頼み、山本と話し合う予定だったが、
山本が死亡しているのを見て驚いて逃げた後、自宅に戻って妻に話すと
信じてもらえず揉みあいになり事故で妻が動かなくなった。
怖くなって逃げた場所で高杉に偶然会い、警察に追われていると聞き、
普段無人の貸し会議室(高杉の会社所有で普段は使わない)で隠れるように言われる。
高杉は貸し会議室で岡崎を殺そうとしたが、ちょうど犯行に及ぼうとしたとき神宮寺らが現れるという流れ。
産業スパイの件は会社ぐるみの犯行で、その後捜査が入る。
田村は完治。岡崎の妻も元気。
【機種違いでの変更点】
ホテルで死亡しているのは妻ではない。妻は死なない。
殺されるのは山本のみ。
密輸事件ではなく産業スパイ事件。
リョウは襲われず、産業スパイの件で共に捜査をする。
登場人物が簡略化。めずらしくヤクザは出てきません。
続きはまた明日
残りあと3作品です
>>235 wii「斬撃のREGINLEIV」
PSP「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」
PS3&Xbox360「バイオハザード5」
の
既出部分の続きをリクエストします
★ガンスリンガーとは
反射神経や運動神経などが人並み以上に強化された特殊能力者。
中には超能力や魔法のような能力を持つ者もいる。
一般の人々はガンスリンガーの存在を知らない。
主に銃を使い、闇の仕事を生業としている、闇に生きる存在。
ガンスリンガーが死んだ際、その血に触れると、その能力を取り込むことができる。
それによって一般人がガンスリンガーになったりする。
★登場人物
クロウ…
主人公。二丁拳銃を操る腕利きのガンスリンガー。
幼い頃、高名な占い師だった母親が何者かによって殺害され、
その血に触れることでガンスリンガーとなった。
ジューダス…
クロウの相棒かつ先輩のガンスリンガー。
ケイコ…
クラブの歌姫(一般人)。ジューダスの恋人。
アリス…
ガンスリンガーの少女。祖父と二人暮らしをしていたが、
祖父が殺害され、その血に触れてガンスリンガーになった。
パパ・トニーオ…
イタリアのマフィア組織トニーオ・ファミリーのボス。
身寄りの無いクロウを引き取って育てた。
第1部 イタリア(1章〜3章)
クロウはジューダスとケイコと3人で、アパートの一室でそれなりに幸せな日々を送っていた。
ある日を境に、クロウはガンスリンガーたちに命を狙われるようになる。
クロウは母親以外のガンスリンガーの血に触れたことは無く、純粋な血を持っている。
その純粋な血を狙っているらしい。
ジューダスは、クロウを狙っているのはパパ・トニーオだという。
クロウはパパ・トニーオの元へ行った。
クロウの母親を殺したのはパパ・トニーオだったことが判明する。
パパ・トニーオを倒し、クロウはジューダスとの待ち合わせ場所に向かった。
ジューダスはクロウの顔を見るなり、お前を殺すと言った。
実はジューダスは「スリーパーズ」という組織に所属するスパイで、
ガンスリンガーの純粋な血を集めるためにクロウの命を狙っているらしい。
ジューダスに立ち向かうクロウだったが、圧倒的な強さの前に倒れてしまう。
そこへケイコが現れて、クロウをかばうように立った。
一命を取り留めたクロウはトニーオ・ファミリーの追っ手から逃げるためにイギリスへ逃げた。
そこでケイコが死んだことを知った。
それからマリアと出会い、二人で日本に渡って5年の月日が流れた。
第2部 日本(4章〜7章)
クロウはマリアを相棒に、数々の仕事をこなしていった。
そんなある日、ジューダスが日本に来ていることを知る。
ジューダスからクロウへ、あの場所で待っていると伝言があった。
あの場所とは、ケイコが育ったという、教会が併設された孤児院のこと。
クロウとジューダスが日本で知っていた唯一の場所だった。
ケイコは、いつかあの場所へ帰るのだと言っていた。
だが、その教会は今は廃墟となっていた。
クロウは知人にマリアを託し、教会へと向かう。
ケイコの帰る場所はもう無い。きっと、ジューダスにも無いのだろう。
だが、クロウには帰る場所が出来た。だから自分は負けないと、彼は言った。
教会でクロウとジューダスの一騎打ち。勝ったのはクロウだった。
自分の死を悟ったジューダスは語り始めた。
ジューダスは本当にケイコを愛していた。
だが、自分がスパイをしていたから、マリアは敵対組織に殺されてしまった。※1
ジューダスは、愛する者を死なせてしまった自分自身への贖罪のために、
クロウと戦ったのだった。
無事にイギリスへと逃げ延びたマリアは、隠れ家で、クロウが帰るのを待ち続けていた。
そしてある日、クロウは帰ってきた。※2
※1…難易度ハード以上で判明。
※2…難易度ベリーハード以上で判明。
※「ツキヨニサラバ」というタイトルとゲーム内容はあまり関係が無いように思われる。
当初は「ガンスリンガー」というタイトルだったらしい。
だが「ガ〇ス〇ンガー・ガー〇」とカブるために変更されたっぽい。
はうーしまった
>>244 ×だが、自分がスパイをしていたから、マリアは敵対組織に殺されてしまった。※1
↓
○だが、自分がスパイをしていたから、ケイコは敵対組織に殺されてしまった。※1
マリアとケイコがごっちゃになってるorz
>>245までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。
おてんこさま「やれやれ、助かったか・・・」
「いい顔になったな、ジャンゴ!」
ジャンゴ「おてんこさまもね!」
おてんこさま「ふふっそれにしても、やつはなぜこんなことを・・・」
ジャンゴが俯く
「思い出したようだな、ジャンゴ・・・」
場面が変わりサバタの前におてんこさまとジャンゴが倒れている
???「さすがはわれらが主サバタさま・・・」
「大いなる災厄・・・破壊の獣、ヴァナルガンド
「その力を受けつぐ者、暗黒少年・・・
「ヴァナルガンドはまもなく解放される血と大地によって月がそまる時破壊の獣はとき放たれる」
「太陽の季節は終わりを告げ、暗黒の時代がおとずれる」
サバタ「さらばだ・・・太陽少年ジャンゴ
「もはやわれわれのジャマをするものはない 世界は・・・終わる」
場面が牢獄から外に出たおてんこさまとジャンゴにかわる
おてんこさま「サバタ、どうしてなんだ・・・?
「クイーンに暗黒少年として育てられたとはいえ、おまえもまたジャンゴと同じ太陽と月の血を受けつぐ者
「血を分けた弟をたおし、封印までをもほどこすとは・・・
「その身に宿る暗黒物質(ダークマター)の命ずるままに、世界をほろぼそうというのか?だが・・・
「あのサバタがふたたびイモータルに加わるとは考えられん この裏にはきっと何かある・・・」
???「クックックッ・・・やはり生きていたか、ジャンゴ!!」
おてんこさま
「おまえは伯爵!?またしても復活を果たしたのか!?」
解説 ボクらの太陽でジャンゴが倒した敵。ジャンゴの父を殺した犯人でもある
伯爵「相変わらずのようだな。太陽の使者、おてんこよわすれたわけではあるまい?
「わたしはヴァンパイア・ロード何度でもよみがえるそして破壊の獣、ヴァナルガンドの復活もまた近い急いだ方が良いのではないか?」
おてんこさま
「何が言いたい?言われるまでもなく、おまえたちイモータルの思い通りにさせるつもりはない!」
伯爵「クックックッ・・・ならば教えてやろうヴァナルガンドの復活を止める、ただ一つの方法を」
おてんこさま「なにっ!?」
伯爵「世界の崩壊を止める、ただ1つの方法それは暗黒少年サバタ・・・
「ヴァナルガンドの後継者であるあの男をたおすことだ」
おてんこさま「バカなっ!?あのサバタが・・・ヴァナルガンドの後継者だと!?」
伯爵「どうする、太陽少年?たおせるのか、実の兄を?
「クッカッカッカッカッ!!その覚悟があるのなら・・・われらイモータル四人衆を追って来い!
「東の地で待っているぞ、太陽少年ジャンゴ!!」
おてんこさま「イモータル四人衆・・・ヴァナルガンドの復活がやつらの目的だとすれば
「サバタはやつらにあやつられているのか?それとも・・・」
「ジャンゴ・・・真実がどうであれ、いずれはその決着をつけるときが来る
「そのときまでに、おまえは自らの心を決めておかなければならない
「おまえのその心が、われわれの運命を決することになるだろう だがたとえどんな結末が待っていようとも・・・
「わたしはいつまでも、おまえと共にある・・・とにかく今は伯爵を追うしかない
「行こう、ジャンゴ!!明日もまた日は昇る!」
249 :
GGX+:2010/07/02(金) 21:22:01 ID:wCr2I0iT0
【梅喧】
幼き頃にギアによって家族友人を皆殺しにされた梅喧は
ただひたすらにギアとその生みの親を怨んで刀を振るい続ける。
そして今回もまた、ギアの噂を聞いてその首を狩りに行く。
★OP
女一匹修羅の道。
氷の刃が鞘走り悪鬼羅刹を斬り捨てる。
胸に燃えたる遺恨の炎。
亡き両親の敵討ち、求むる仇はいずこにか。
西へ東へ風任せ。
今日も血風が吹きすさぶ。
●1戦目・vsザトー
ギアの首を求めて旅をする梅喧は影に取り憑かれたザトーと出くわす。
「軒を貸して母屋を取られたってとこか。あさましいねぇ」
「たのむ……伝えてくれ……ミリアに……」
ザトーが途切れ途切れに言葉を発するが梅喧は哀れむことすらしない。
「それが浅ましいってんだよ!引導渡してやる!」
●2戦目・vsポチョムキン
「そこのバケモノ、待ちな」
梅喧はどう見ても人間の体格ではないポチョムキンを化け物認定する。
「俺のことか?驚かせたらすまぬが、この身体は生まれつきで…」
「問答無用!」
●3戦目・vsファウスト
「……なぁ。テメェはなんて妖怪だ?」
今度はどう見ても人間の体格と動きではないファウストを妖怪認定する。
「妖怪ってアナタ。コレ、ちょっとした機能美なんですが…」
「御託はいい、抜け!」
●4戦目・vsソル
「そこの兄ちゃん、ちょっと待ちな」
梅喧はソルがただの人間でないことを見抜いて呼び止めた。
「姿形は隠せてもほとばしる気は隠せねぇぜ」
「ざってぇな。喧嘩売るってのか?」
「化けモンは斬る。それだけよ」
→ソルを一撃必殺で倒さなかった場合
●5-A・vsテスタメント
森の前には例のギア以外にもう一匹の獲物がいた。
「薄汚い賞金稼ぎめ、あの人には近づけん!」
「また妖怪のお出ましか。大層な口を利きやがる」
ギアを憎む梅喧はテスタメントに対し見下した態度を取る。
「何とでも言え。貴様を殺し、あの人は守る」
「泣かせるねぇ。……一分で仕留めてやるよ」
●6-A・vsディズィー
「あの方は……どうなりました?」
テスタメントを心配するディズィーに向かい、梅喧はきっぱり始末したと答える。
「人に仇名すギアの眷属、一匹たりとも逃がすもんか!」
「戦いたくなんかないのに……」
「なら死ね!」
★ED1
戦闘後、梅喧が止めの一撃を振るうがディズィーは抵抗する気配を見せず、直前で刀が止まった。
「……手ぇ抜いた戦いしやがって、何のつもりだ?」
「私……もうどうしたらいいのか……」
「いいか、死にてぇならテメェで死ね。俺をダシにするな!」
「……ごめんなさい」
その態度にすっかり興を殺がれてしまった梅喧は、ディズィーを殺すのを断念。
そしてまだ戸惑った様子の彼女に語りかけた。
「あと、なんだ……あのテスタとかいうやつ。深くは斬ったがまだ死んでねぇ」
「え?はい!」
それを聞いてディズィーは急いでテスタメントの元へ駆けていく。
結局「あの男」も見つからず、今回の復讐劇は誰の首も取らないままに終わったのだった。
「やってらんねぇぜ、まったく」
→ソルを一撃必殺で倒した場合
●5-B・vsジョニー
ソルと梅喧の戦いを見ていたジョニー。
その強さにほれ込み、酒に付き合ってくれとナンパしてくる。
「そりゃ、アンタの腕前次第だな。腰のモンは飾りじゃねぇんだろ?」
「レイディのご所望とあらばご覧に入れるぜ」
★ED2
「まいった!俺様の負けだ」
ジョニーは思ったよりあっけなく降参する。
「色男、金と力はなかりけりってか?食えねぇ野郎だ」
どうもまだ実力を隠しているように見えたが、ともかくジョニーの腕前を認めた梅喧は
今日のところはと言って彼の酒に付き合うことにした。
【ファウスト】
かつての善良な心を取り戻したファウスト(=Drボルドヘッド)だったが
狂気に飲まれていた頃に犯した、死すら生ぬるいほどの罪に苦悩していた。
そんなある時、過去の少女の医療ミス事件が第三者の陰謀であったという情報を掴む。
彼はその真相を探りつつ、道中で可能な限りの命を救っていくことを決意する。
★OP
傲慢の罪を犯した医者。
それが男の背負った十字架だった。
天才の名をほしいままにし死神を出し抜く名医と呼ばれた男。
その、たった一度の過ちが……男を狂気に陥らせた。
どれほど病を救っても、奪った命は戻って来ない。
償えぬ罪を償うために男は今日もひた走る……。
●1戦目・vsカイ
カイに不審人物扱いされるファウスト。
かつて医者だったものと名乗るとカイは一応ながら態度を改める。
「帰ったほうが良いですよ。ここはもうすぐ戦場になりますから」
「戦場こそ医者に相応しい舞台だとは思いませんか?」
「失礼ですがあなたを信用できません。お引取りを」
「あなたには善意がある……けれど、ひたむきな善意は時に折れやすい。
身も心も柔らかく保つ事です。そう、このように」
そう言うとファウストはいきなり奇抜な動きでカイに近づき、彼の顔を一舐めした。
「く、曲者!」
●2戦目・vs梅喧
「そこを行かれるご婦人、なぜにそれほど悲しい目をしております?」
ファウストが声をかけたのは復讐に生きる女サムライ、梅喧だった。
「テメェの目は袋の穴か?これのどこが悲しい目だ」
「復讐の炎に焼かれつつ悲しみを忘れていない。それは素晴らしい事です」
「訳知り顔で説教かい?うるせぇんだよ!」
●3戦目・vsミリア
ファウストは何か悩みを抱えている様子のミリアの力になろうとする。
彼が医者だと聞くと、ミリアも自分の胸中を打ち明け始めた。
「取り返しのつかないことをしそうなの。あの人をこの手で殺す。そうしないと生きていけない」
「ご自分でお分かりでしょう。それは修羅の道ですよ」
「救いなんていらないわ。でも……」
もしかしたら、と呟くミリア。密かに誰かに止めてもらうのを願っているのかもしれない。
「……ごめんなさい。忘れて頂戴」
「聞いた以上は見過ごせません」
「あなた、死ぬわよ?」
「医者にはね、退けない時があります」
●4戦目・vsヴェノム
暗殺者ヴェノムは闇医師ファウストを探していた。
ある人物を救う為に凄腕の医者の協力がいるのだという。
「貴様の腕、確かめさせてもらう」
「真摯なお願いとお見受けしました。お付き合いしましょう」
→ミリアorヴェノムを一撃必殺で倒さなかった場合
●5-B・vsソル
ファウストは森へ向かうソルの道を阻む。
「あなたに任せるわけには行きません。彼女の魂は私が救います」
「……医者に治せるもんじゃねぇ」
「あなたなら救えるのですか?死の慈悲を賜るつもりですか?」
「……ギアは、斬る」
「それは、誰に向けた言葉です?森の奥のギアか、それとも……」
●6-B・vsテスタメント
森にやってくる部外者を一切排除しようとするテスタメント。
それはまるでディズィーが外界に出ることを恐れるかのようであった。
「共依存ですな。あなたは彼女を守っている、と同時に守られている」
「知れたこと!これが私の見つけた生だ」
「志高い生き様です。それでも……癒えた病人に病室は不要なのですよ」
●7-B・vsディズィー
ファウストがディズィーを見たとき、彼女は既に怯えきっていた。
「来ないでください!私、あなたを殺したくない!」
「心配はありません。落ち着いてください」
しかし背中のネクロは容赦なくファウストに襲い掛かる。
「消シ炭ニナレ!」
★ED2
「あれ……私……」
ディズィーが気がついた時、彼女はファウストと共に森の外にいた。
来る日も来る日も人が押し寄せ精神に限界が来ていた彼女は
やってきたファウストを思わず新手の賞金稼ぎだと勘違いしてしまったのだという。
「気づいておられたのでしょう?あの森にはいられないと」
「ええ。あのままあそこにいたら誰かを殺していました。そんなことしたくないのに……
なのに、どうしてもあそこを離れられなくて」
分かっていても日常を変えるのは辛いもの。彼女の事情を考えれば尚更である。
しかし今回、ファウストによって彼女は新しい人生を歩むきっかけを手に入れた。
「こうしましょう。いいですか?あなたは今、ここで死んだのです」
「ありがとうございます」
「なぁに、それも全てはあなたの意志ですよ。胸を張りなさい。
そして未来に向けて歩いていきなさい。ではおせっかいな医者はこの辺で」
「あの、お名前を……」
「人にはファウスト、と呼ばれています」
その神出鬼没の医者は、今日もどこかで人に救いをもたらしている。
→ミリアorヴェノムを一撃必殺で倒した場合
●5-A・vsザトー
ヴェノムの頼みを聞き、ファウストはザトーを診察しに来る。
「次ハ医者カ?貴様ゴトキニ指一本触レサセヌワ」
「……これは確かに難物ですね。治して見せますよ、このメスにかけて」
★ED1
戦闘に勝利し、影をザトーから分離させる事に成功。
ファウストは以後のザトーの看護をヴェノムに任せることにする。
こうしてザトーはひとまず救われたが、ファウストの手術はまだ終わっていなかった。
「貴様……影を!?」
なんとファウストは切り離された影に自ら体を差し出し、その身に受け入れたのだ。
「共生体、これも立派な命です。さぁお入りなさい」
ファウストにとってはたとえ禁獣だろうと例外なく、救うべきものなのである。
「お騒がせしました。その人が目を覚ますかどうかはあなた次第ですよ」
流浪の闇医者はそう言ってヴェノムの前から消えていった。
「なんという男だ。あれが……医道か」
【蔵土縁紗夢】
大手料理店に対抗するために自前の店を持ちたいと思っている紗夢。
その望みをかなえるため、賞金首のギアがいるという森を目指す。
(※ストーリーモードでは賞金の事を知らず、食材集めとして森へ向かう)
★OP
焼いて炒めて煮て揚げて洗って刻んで油に通す。
中華の百の技法を極めた料理人。
それが紗夢だ。
新たな店を構えるため彼女は旅に出た。
その先は……魔の森。
そこには人の知らぬ食材があるという。
●1戦目・vsジョニー
早速ジョニーに目を付けられナンパされてしまう紗夢。
「おぉっと。その美貌。その身体。君の居場所は一つしかない、俺の腕の中だ」
「軟派な男は趣味じゃないアルヨ。消えるヨロシ」
しかしジョニーは紗夢の否定を聞いていない様子。
「つれないねぇ」
「しつこいアル!」
●2戦目・vsヴェノム
ヴェノムが目の前に立ちはだかり、紗夢を森から追い返そうとする。
「女。この森から去れ」
「アイヤー。影のある男ネ。結構好みアル」
しかし紗夢はヴェノムの警告を聞いていない様子。
「皿洗いのバイトに興味ないカ?」
「……素直に下がれば殺さぬものを」
●3戦目・vsポチョムキン
「これ以上進むなら俺と勝負だ」
「アイヤー。あなたも食材探してるアルか?」
「何のことだ?」
ポチョムキンは紗夢をギア狙いの賞金稼ぎと勘違いし、
紗夢はポチョムキンを食材狙いの大食らいと勘違いしたのだった。
「食材は料理人のものアル。いざ尋常に勝負アル!」
「料理人?料理人がなぜここへ……?」
●4戦目・vsカイ
もうすぐ現地へつきそうな頃、カイが現れ紗夢を呼び止めた。
「イイ男がもう一人アル!どうしてこの先進めないあるか?」
「賞金稼ぎがうろついているからです」
それを聞いた紗夢はよけいに顔を輝かせる。
「賞金?賞金出るアルか?こうしてはいられないアル」
●5戦目・vsテスタメント
森へやってきた紗夢を賞金稼ぎと思い、
あの人を脅かすものは許さんと武器を構えるテスタメント。
「アタシは食材さえ有ればいいアル」
「贖罪?それはこの身に過ぎるもの。求めても得られぬものだな」
テスタメントもまさか食べる方のショクザイだとは思わなかったらしい。
「なに!食材の邪魔するアルか?なら負けないあるよ!」
●6戦目・vsディズィー
森の奥には見たこともない食材が大量にあった。そしてそこには一人の少女の姿も。
「誰ですか?ここから出て行ってください」
「心配いらないヨ。食材少しもらうダケネ」
そういって包丁を持ちながら舌なめずりする紗夢。
「私を……食べるんですか?こ、来ないでっ!」
→ここまでにコンテニューした場合
★ED1
なんとかディズィーに勝ったのはよかったが
激しい戦闘の末に森は焼け、せっかくの食材は台無しになっていた。
「……私を殺すんですね」
まだ疑っている様子のディズィー。
「勘違いのしすぎアル!私は食材を探してるだけヨ!」
「そんな……私、てっきり……」
「泣きたいのはこっちアル……」
紗夢が自分の店を持つ日はまた一歩遠ざかってしまった。
→ここまでノーコンテニューの場合
★ED2
「ダ・カ・ラ、アナタを喰うつもりはないアルヨ」
「ごめんなさい」
「こっちもすまなかったアル」
ここに来るまでに色んな人と誤解があったが
何はともあれディズィーとも和解することが出来て、紗夢はようやく食材探しを開始する。
「……これでお店が建てられるアル。良かったらアナタも来るヨロシ」
「どのお店に行けばいいですか?」
「都で一番繁盛してるお店アルヨ!」
こうして紗夢は念願の店を手に入れ、大繁盛の日々を送った。
もう1キャラ行きたかったけど規制来ちゃったのでここまで
何事もなければ次で残り全員いくと思います
>>243 登場人物で紹介されてるアリスはストーリーには絡んでこないの?
ストーリーには出てくるのに登場人物にマリアの紹介がないのは何故?
サン・ミゲル(ジャンゴの故郷)に戻り各施設に行って施設の説明を聞く
ホームで棺桶バイクを貰え、新しいダンジョンに行く時にバイクレースが始まるようになる
説明が終わったら死灰の街に行き伯爵を追う
街に入るとスケルトンに住民が襲われており、ジャンゴが太陽銃でスケルトンを倒す
おてんこさま「くっ、街中にアンデッドがっ!!
「伯爵の仕業か!?
「ジャンゴ、急いでやつをさがし出すんだ!
「伯爵をたおし、サバタの居所を聞き出すぞ!!
「太陽と共にあらんことを!
ダンジョンを進めると青ぽんちょの少年がいる
???「うわああああああっ!!」
青ポンチョの少年「いってぇーっ!!クソッ、ケツが二つにわれちまうぜっ!
「おいおい、こういう時にはツッコミを入れるのがマナーだろ?
「ところでオメェ、この街の人間じゃあねえな?
「この街はおしまいさ。闇の一族(イモータル)に目をつけられちゃあな
「悪いことは言わねえ、早いトコにげたほうがいいぜ?
「オ、オイラか?オイラはちょっと食い物を・・・
「いや、そうじゃない!!
「オイラはその、あれだ・・・トレジャーハンターなんだ!
「お宝のためなら、多少の危険は覚悟の上さ!
「と、とにかくアンデッドには気をつけろよ!
「じゃあな!!
さらに進めるとまた青ポンチョの少年に会う
青ポンチョの少年「すみません、ついっ!!」
「何だ、オメェか・・・まだこの街にいたのか?」
「まさかオメェ・・・同業者か?」
「悪いことは言わねぇ。早いトコにげたほうがいいぜ?」
「今この街をおそっているのは、伯爵とかいうヴァンパイアらしいからな」
「なに!?その伯爵を追って来た?」
「おいおい、なにマヌケなこと言ってんだ。死にたいのか?」
「いくらお宝のためとはいえ、深追いはよくないぜ」
「何事も引きぎわをわきまえないとな」
「これは数々の危険を乗りこえてきた、センパイからの忠告だ!」
「早くにげろよ、いいな?」
さらに進めると中ボスの騎士と戦うことになる
しかしとても強く苦戦していると、突然ジャンゴが倒れる
ジャンゴ「うっ・・・!?」
???「ジャンゴ・・・今ふたたび、目覚めたようだな」
「かつてその身に受けたヴァンパイアの血、暗黒の力に・・・」
「だがそれでいい」
「たとえそれが暗黒の力であったとしても、力そのものには正義も悪も無いのだからな」
「大切なのはそれを使う者・・・その者の心だ」
ダークジャンゴの説明を受ける
???「わすれるな光差すところ、影は落ちる
「影なき光など、ないのだということを・・・」
ダークジャンゴの絵が出てジャンゴが暗黒と唸るとヴァンパイアに変身する
ここでトランス・ダークを思い出しヴァンパイアに変身できるようになる
おてんこさま「ジャンゴ・・・地下牢獄における奇跡的な復活
「そしてヴァンパイア・ロードである伯爵との接近
「おさえていたはずのヴァンパイアの血が、目覚めてしまったか・・・
「だがその力をどう使うかは、おまえしだいだ
「わたしは信じているぞ、おまえの心を!!
「太陽と共にあらんことを!
解説???の正体は結局わからないが前作にもヴァンパイアの力を手に入れた時に出てきた
ジャンゴの父だったりとか言われているが真相は不明(ジャンゴの父もヴァンパイアになっている)
さらに進めるとまた青ポンチョの少年に会う
青ポンチョの少年「また、オメェか・・・
「だがオイラと同じ所に目をつけるたぁ・・・なかなか見どころがあるぜ
「何ならオイラの弟子になるか?
「オイラはトレジャーハンター、未来少年トリニティ!
「おいおい、かんちがいすんなよ?
「トレジャーハンターってのは、れっきとした職業だ
「お宝を求めて世界をさすらう冒険者!
「死の危険をもかえりみない永遠の挑戦者!
「これぞ男のロマンだぜ!!
「そこいらのコソドロといっしょにしてもらっちゃあこまる
「ま、オメェだってにたようなもんだろ?
「ところでオメェ、名前は?太陽少年ジャンゴ?
「どっかで聞いたような名前だな・・・まぁいい、こいつはオメェにゆずってやるよ
「なぁに、これからは師匠と弟子だ。えんりょはいらねーぜ!
「それじゃあオイラは先に行くぜ!じゃあな!
ちなみにトリニティは宝箱を譲ってくれるが、中身は腐った実(ハズレアイテム)
さらにトリニティに会うが、なぞ解きを任されるだけ
ボス部屋の前に行くとまたトリニティに会う
トリニティ「なんだ、オメェか・・・おどかすなよ
「オメェもこの部屋が気になるのか?
「さすがはオイラの弟子、と言いたいところだが・・・ここだけはあきらめるしかないぜ
「やばいにおいがプンプンしやがる
「例の伯爵とかいうヴァンパイアにちがいない
「引きぎわだな。とっととずらかったほうがいいぜ?
「なに!?伯爵をたおす?
「おいおい、人間がイモータルに勝てるわけないだろ?」
勝てるか分からないの選択肢
分からないの場合
トリニティ「やってみなけりゃ分からない・・・?分かるんだよ・・・未来からやって来たオイラにはな」
勝てるの場合
トリニティ「おいおい、そんなことができんのは伝説の戦士ぐらいだ
「もっともオイラのいた世界にはそんなヤツいなかったけどな
「オイラの生まれた世界、未来世紀・・・
「太陽をうばわれた暗黒の世界。そこにあるのは絶望だけだ・・・
「オイラはそこから、タイムストリップしてやって来たというわけさ
「ま、信じる信じないはオメェの自由だ
「とにかくオイラは行かねぇからな!
「あばよ!
ボス部屋に入るとトリニティが戻ってくる
トリニティ「アイツ、ホントに行っちまったよ・・・
「伯爵ってのは、そんなにすごいお宝を持ってんのか?
「それに・・・もしかしてこの時代の闇の一族(イモータル)は弱いんじゃないか?
「そうだよ・・・そうにちがいねぇ!!
「でなきゃあ、イモータルと戦おうだなんて思わねぇもんな!
「よーしっ、どれほどのお宝かは知らねぇが・・・
「アイツのひとりじめにはさせねぇぜ!!
部屋に入ると伯爵が立っている
伯爵「アンデッドを使って町々をおそい、
「その住人からエナジーをうばう・・・
「まったく退屈な任務だ
「わたしにいどんでくる者もいなくはなかったが・・・
「勝負の見えている戦いなど、おもしろくはない
「おまえもそうは思わないか、太陽少年ジャンゴ?
「否定するとでもいうのか、わたしの戦いを?
「ヴァンパイア・ロードであるこのわたしの存在を?
「わたしにたおされ、ヴァンパイアと化したおまえの父親、リンゴ・・・
「そのリンゴから受けたヴァンパイアの血が、兄、サバタにたおされたおまえを復活させた
「おまえは暗黒の力によって生き長らえたのだ・・・太陽少年ともあろう者が皮肉なものだな!
「クッカッカッカッカッ!
おてんこさま「伯爵、サバタはどこにいる!?
伯爵「知ってどうする?覚悟はできたのか、ジャンゴ?
「兄をたおす覚悟は?
「クックックッ・・・
???「ちょっと待ったーっ!!
トリニティが走ってくる
おてんこさま「おまえは・・・
トリニティ「オイラはトレジャーハンター未来少年トリニティ!!
「ヴァンパイア・ロード、伯爵!テメェはオイラがたおす!
ジャンゴ「待て、トリニティ!
トリニティ「ジャンゴ、ここは師匠にまかせておけ!
鉄パイプを持って伯爵に殴りかかるかあっけなくやられる
伯爵「ハンッ、ザコに用はないわ!!
トリニティ
「バカな・・・!?この時代のイモータルは弱いんじゃあ・なかった・・のか・・・」
ジャンゴ「トリニティ!!
伯爵「つまらんジャマが入ったな
「わたしがほっするもの・・・
「それは恐怖だ
「死をともなわない戦いに何の意味がある?
「だがおまえとなら、本当の戦いを味わえる
「わが好敵手ライバル、太陽少年ジャンゴ!!
「共に血の舞踏をまおうではないか!
伯爵と戦闘開始
アーマード・コア3(PS2)
をリクエストします。
>>214から続きいきます
「ワギリの社長に会うためには、渦木さんの助けが欲しい」
と思い立った主人公は渦木との待ち合わせ場所にいた。《アレ》について情報を集めるのだから、護衛はあった方がいい。
それに主人公は所詮無職。話を聞こうにも取り合ってくれない可能性があるのだから、警察である渦木が必要。
お待たせしました、と言って渦木は待ち合わせ場所にやって来る。
「助っ人と連絡を取るのに手間取りまして」
「助っ人?誰か来るんですか?」
「いえ、待機してもらってます。何かあったときの為の保険ですよ」
怪しく渦木の眼鏡が光る。何かあった時の為……じゃなくて、何か在る事が分かり切っているからこそ、事前準備を周到にしていたのだろう。
渦木は若干頭頂部が禿げ上がりつつあるおっさんに話しかけた。傍に居たおっさんの護衛がすうと影のように消える。渦木はそれを視界の端に捉えた。
このおっさんこそワギリ社長だ。警察手帳を見せ、信用させたので何でも寺岡の話を聞け、と言ってくる。
主人公は《寺岡》という人物像について、事細やかに聞いてみた――。
まずは、寺岡が何をした人物なのか。《ワギリバッテリー》とは今や原子力に取って代わる代替エネルギーだ。
それを作ったのが寺岡なのである。つまり、寺岡は科学者だ。本来は社長の意向である子供向けのおもちゃ用の電池としてこれを作ったのだが、現在は都市発電機や戦闘ロボットやレーザーに使われている。
医療分野にも使われているのが社長にとってせめてもの救いらしい。(※過去作で社長はこのバッテリーを開発したがために様々な方面でバッシングを喰らっています)
社長が寺岡から最後に聞いた言葉は「ごめんなさい」だった。自分の作ったものに色々と思うところがあったのだろう。
そして最後、と言う事から寺岡は《五年前に死亡》している。
寺岡は、のほほんとした人物だった。新しいものを作り出す以外には本当に無欲だった。
しかしその身体は病魔に冒されており、生身の部分を人工物に置き換えなければ生命活動を維持できないほどだった。(※これに関しては8で語られています)
ゆえに彼女が生き延びる為に努力していたのも、死が恐いというよりも死んだ後に何かを残したい一心だったらしい。
だからワギリバッテリーの開発に成功した後は気が抜けたみたいになり、一日中ボーっとしていた。
そんな寺岡が好きだったもの。それは研究と……出来はしないが野球。うん?と主人公は引っ掛かるが、飲み込む。
そもそもこの会社に寺岡が来た理由が、この会社の草野球チームの試合を観て、らしい。(※6の主人公チームです)
だが彼女はプロ野球の試合は絶対に観ようとしなかった。理由は単純。昔好きだった人がプロにいて、だから観るのが辛いという。
その人の名前は覚えていないが、プロにいるということは覚えているとも言っていた。またも引っ掛かる主人公。
病気の詳細――寺岡は中学生の頃から重い病気だった。身体の置き換えはやがて脳にまで達した。
最初は思考をサポートするだけだったが、やがてそちらがメインになった。ゆえに、亡くなる前は脳の大半がコンピューターだったそうだ。
しかし直接の死因は病気ではなく、五年前に起きたテロ事件らしい。
エネルギー革命による旧来エネルギー派閥から恨まれたワギリは工場を爆破される。
そこに巻き込まれた寺岡は眼鏡をかけた女子高生に救出(※10と11に出る浜野?)されたものの、その後病院で息を引き取った《そうだ》。
「……そうだ?」
主人公がそう聞くと、社長は答える。さっきも言ったように、彼女はほとんど人間の部分が残っていなかった。
違法サイボーグというやつであり、病院に搬送された後は《オオガミ》の研究室に運ばれたので社長も最期には立ち会えなかった、と。
オオガミに反応する主人公。社長は「うちの親会社だよ。今はツナミって呼んだ方がいいのかな」と言った。
話を聞いていた渦木が頷く。
「(……どうやら、話が繋がったみたいですね)」
「あの子が死んだってことを、まだ会社の人間も納得してなくてね。実は生きているのかもしれない」
「え?」
「その事件からしばらくのことだ。外国の研究者からの質問に、寺岡くんが回答をしているというニュースがあってね。
本当は死んでなくて、どこかに姿を隠しているだけなんじゃないかってことになったんだ」
「ちょっと待って下さい。その外国の人は、どうやって質問をしたんですか?」
主人公が尋ねる。彼もまた、頭の中で繋がりを感じている。その決定打になりそうだった。
「ネットワークの中で、あの子のアバターに会ったって言ってる。《顔のないアバター》だったそうだよ」
「!! あの……ところで寺岡さんの下の名前は?」
「ああ、《かおる》だよ」
「………………はあ?あの、外国人で、《デなんとか》って名前じゃなくて、かおる??」
拍子抜けする主人公。全てが繋がったと思われたが、齟齬が発生した。そして何より、気になることがある。
ワギリ社長の元から立ち去った後、渦木の車の中で考える。
「(かおるとカオル……偶然か?)」
同名なだけ、かもしれない。結論は出せない。隣にいた渦木が話しかけてきた。
「……顔のない女。おそらく、脳をコンピュータに置き換えた部分の、プログラムだけが生き残ったんです」
「でも、どうもよく分からないな。さっきの社長の話みたいな人なら、呪いのゲームで人を消したりなんかしないでしょう?」
聞いただけの情報で考えるのなら、寺岡はどう考えても善人の部類に入る。他人に危害を及ぼすような性格をしているとは考え辛い。
と、その時。車内に『ピーピーピー』という電子音が響き渡った。
「あれ、なんの音だろう?」
「……主人公さん。少し外の空気を吸いましょう」
声のトーンを落として、渦木が言った。言われるがままに外に出る主人公。
「どうしたんですか?」
「さっきのは、これの音です。『盗聴器センサー』」
「え?」
「急いで、あっちに停めてある車に乗り換えてください」
急かす渦木。反論する意味も無いので主人公は従う。
「さっきの車は置いていくんですか?」
「レンタカーですよ。こっちの車もそうですけどね。回収しておいてもらいましょう」
「でも、一体誰が盗聴器なんかを」
「さっき、社長の護衛の一人が外部に連絡した後で、あの場を離れました。護衛にしては不自然な行動です。
おそらく彼は社長を護衛するだけでなく、監視する役割も持っているのでしょう」
「じゃあ、その時に盗聴器を車に?」
「あるいは、もっとやばい物も」
そう渦木が言った瞬間だった。後方のさっきまで主人公が乗っていた車が、あっさりと爆ぜた。
度肝を抜かれる主人公。渦木が気付いていなかったら、今頃は……。
「……レンタカー業者には悪い事をしました」
努めて冷静な渦木。場数を踏んでいるだけはある。一方の主人公は乗り換えてなかったら死んでいた、という事実にパニック状態。
渦木は何一つ調子を変えずに主人公に言った。
「情報の水際殲滅ですよ。どうやら世間で噂されているほど、ツナミによるマスコミやネットの支配は完璧ではないようですね。
《デウエス》のことが、世間に漏れるのを恐れている」
「じゃあ……ツナミが俺達の口を封じようと?」
イエスともノーとも渦木は言わない。そういう被害に遭う可能性がある、とは前々から言われていたことだ。
「お!……すばらしい、こちらが車を捨てたと見るや、すぐに実働部隊を展開させてきましたよ。
この展開速度、われわれ警察もぜひ見習わねばなりませんね」
「実働部隊!?」
後方より車が二台、渦木と主人公の乗るレンタカーを追跡してきている。
運転を片手間に、渦木は携帯を取り出してどこかに連絡を入れた。
「こちら渦木、大ピンチです。お客さんを大勢連れてそっちに逃走中、15分で着きます」
「さっきの助っ人ですか?」
「警察官も長いことやってると妙な付き合いがありましてね」
ヒュン!ヒュン!と、何かが掠めていくような音。
発砲されている。主人公はまたもパニックになりそうになったが、堪える。
「これはいけませんね。ここは何とか逃げ切って、港の倉庫外で迎え撃ちます!」
そして――――。
バン!バン!バン!
「ぐおっ…」
男が一人、どさりと倒れた。渦木の放った弾丸は、確実に男を貫いていた。
「渦木さんって、本当に射撃の名手だったんですね(※渦木連続イベントより。割愛してます)」
「……バカなこと言ってないで、新手が来る前にとっとと逃げましょう」
作戦内容は主人公には分からないが、とにかく逃げ回る事が大切らしい。
(カサカサカサ……)
這いずるような音がした。主人公がその音の発信源……壁を指差す。
「あれ?そこの壁に変なのがいますよ」
「えっ?」
振り向く渦木。一歩、遅かった。
ドガン!壁に張り付いていた蜘蛛の様な機械は弾け飛び、渦木を巻き込む。
「大丈夫ですか、渦木さん!?」
「右腕を……やられました。これでは銃が…撃てません!」
「ええっ!?車に戻って逃げましょう!」
主人公は提案するが、やはり遅い。何名もの男が主人公達に銃を向けて取り囲む。
そしてその中から、スーツを着込んだ銀髪の女性が現れる。
「いいえ、もう手遅れです。どうやら、勝負あったようですね」
渦木はその姿に覚えがあるらしい。仰々しく彼は驚いてみせる。
「…これは驚いた。あなたの姿、テレビで見た事がありますよ。えー、えーと、確か……」
「この辺り一体には強力な妨害電波を流しています。時間稼ぎをして、真実を誰かに伝えようとしても、ムダですよ」
「ああ、それならむしろ好都合です。主人公さん、さっきあなた言ってましたよね。どうして《寺岡かおる》があんな恐ろしい怪物になったのか。
この人なら知ってますよ、全部」
相手は恐らく、ツナミの重鎮。当然寺岡の事も知っているだろう。
「そ、そうか。テロ事件の後で、寺岡さんが死んでなかったとしたら…あんたら、一体何をしたんだ!」
「……。私を、不用意に真相をぺらぺら喋る頭の悪い犯人にでもするつもりですか?残念ながら、これはドラマじゃなくて現実ですよ。
その謎は、未練にかかえたまま地縛霊にでもなっておしまいなさい」
冷たく女性は言う。しかし、ここで話を途切れさせるわけにはいかないと、渦木が口を挟んだ。
「それなら私が代わりに答えましょう。脳をプログラムに置き換えていったその過程で、寺岡は偶然にも人口知性を超えるデータ生命になった」
「データ生命?」
「ネットの中を移動するデータの集合、意思を持ったプログラムです。偶然の産物とはいえ、性能面でいえばウイルスやAIなんて目じゃない。
……だから、あなたがたは同じものを作ろうと研究した。要するに、《デウエス》は《寺岡かおる》の《デッドコピー(模倣品)》なんでしょう?」
「……。その回答では不合格ですね、名探偵。デウエスはコピーなどではなく、正真正銘のオリジナルですよ。それに、ただのデータがどうやって現実世界に干渉できるというのです?」
あれよあれよと女性は二人の口車に乗せられている。(※彼女の人柄の元を辿れば何と無く分かる気もします)
主人公は女性の問い掛けに答えられる術を持っていた。
「そうか……オカルトテクノロジーだ」
「!」
「不可能を可能にする技術…ようやく意味が分かった。あんたらは、データ生命を改造して兵器にしてしまったんだ!」
つまり、オカルトテクノロジーによってデウエスは《現実世界へと干渉する能力》を持った兵器としての側面を有した、ということだ。
「そこまで真実に辿り着いていたとは、正直驚きました。…ですが、誰にも真相を伝える事もできず死んでいくのは哀れなものですね」
勝ち誇る女性。圧倒的に有利な立場が、多少の余裕を生んでいるのだろう。
しかし、それは同時に油断も生んでいる。同じく勝ち誇るように、渦木は返した。
「さあ、それはどうでしょう?」
バン!バン!バン!
銃声が響くと、周りの男共が悲鳴を上げて倒れた。女性の背後に誰かがいて、銃で狙って撃ったらしい。
「くそっ、いつのまに背後に!」
振り向く女性。逃げ出すならば今しかない。二人は車へと駆け出し、乗り込んだ。
「さっき電話してた人達が助けに来てくれたんですね」
「そ、そんなことよりも車に戻ったのは、いけません。あなたは車を運転できないし、私も、このケガでは無理だ。あなただけでも早く…」
走ってここから逃げ出せ、とでも言いたかったのだろうか。
しかしそれを言う前に主人公は遠方からわしゃわしゃと何かが這い寄って来るのを見つける。
さっきのクモ型ロボットが、群れを成してこちらへと向かってきていた。
「もう囲まれています!近付かれたらドカン、ですよ!」
「くそっ!渦木さん、銃を!」
「あなたに、使えますか?」
「大丈夫です!俺、フナムシなら撃ったことあります」
「…は?」
唖然とする渦木。以前のアルバイトの経験がこんな形で生きるなど、主人公も予想だにしていなかった。
が、やらねばやられる状況。蜘蛛の群れに主人公は本物の銃の照準を向けた。
(※ミニゲーム開始。因みにアルバイトを断っているとやらなきゃやられるからやる!みたいな事を主人公が言って渦木に警察に欲しい逸材、と褒められます。個人的にはこっちの方が好きです)
一般人とは思えない狙撃テクニックで、一時的に蜘蛛の群れを凌ぐ主人公。
しかし弾丸は無限に存在するわけではなかった。まだまだ蜘蛛の群れはいるというのに、弾切れに陥ってしまう。
「も、もう弾がない!渦木さん、予備の弾は!?」
「残念ですが、それで終わりです。私、伝説の傭兵じゃないんですよ?」
軽いジョークを飛ばしながら、終わりを覚悟する二人。
だが、遠方で爆発音がしたかと思うと――クモ型ロボットは停止していた。
「やれやれ……どうやら、こちらの助っ人が勝ったようですね」
「ということは、俺達助かった?やったー!」
間一髪、主人公は一命を取り留める。その後は特に何の問題もなく、帰宅する事が出来た。
家で渦木と通話する主人公。どうやら、今日の出来事はレンタカーショップの記録から全て筒抜けらしい。
それじゃダメじゃないか!と言うが、大規模な作戦に相手は失敗した以上、次はこっちのことを調べてくるという。
そしてその処分を全てデウエスに一任するはず。だが、主人公達は大会参加希望者だ。そうそう簡単に消されないと分かり、安堵する主人公。
「……まあ、私達が負けるまではね」
が、渦木の冷静な一言に、ますます負けられなくなった主人公であった。
(※因みに助っ人の正体などは通常√では判明しませんのであしからず…)
8月14日。予選第三回目だ。相手はまだ主人公がペーペーの初心者だった頃に騙してきた《ネットセイバーズ》。
あのピンク野郎はやはり汚い手を使ってここまで勝ち進んでいるらしい。
それを主人公は咎めるが、ピンク野郎はネット自体がアバターで正体を隠して騙しているようなものなのに、それでも騙されるってことは騙されるやつがバカなんだ、と言う。
つまりは自己責任さ、とピンクはどや顔で締めた。そこに渦木が登場する。
『「だまされるやつが悪い」。これは典型的な犯罪者の思考ですね。こういう発想の人間は、実の所大昔から存在していまして、ネットワークの発展とは無関係です」
『へえ…』
『で、こう言う人ほど不思議な事にセキュリティ意識が低いんですよ。ねえ、《ウジワラタカヒコ》君」
『……え?ど、どうして俺の名前を?』
『さあ、試合を開始しましょうか』
無視。渦木はゆったりとベンチへと戻っていった。残されたピンク…ウジワラタカヒコ君は憤慨する。
『まて、待てよ、やいコラ!個人情報を調べるなんてずるいぞ!反則だ、犯罪行為だー!』
それはお互い様で、ということでプレイボール。最初と比べデンノーズは格段に強くなっている。
ずるして勝ち上がって来たネットセイバーズなど、ずるされても勝てるぐらいに圧勝。
試合後、渦木がおっさんとして、まだ未来のある高校生に忠告をする。社会に出れば自分の時間をもてなくなるから今を大切にしろ、と。
しかし社会人にして自分の時間が有り余ってる主人公やBARU達は耳が痛かった……。
予選が終わり、いよいよ本戦へと進める8チームが発表された。その中にデンノーズの名前は――あった。
予選全てを勝ち抜いたのだから当然といえば当然だが。
しかし、驚くべきは本戦へと上がるチームが公表された事である。本戦で負ければ消えることは言ってはいないが。
渦木は予測を立てる。
「この大会、全て秘密で運営するつもりと思っていましたがね。どうやらデウエスはツナミの中で地位を持っているようです」
「あの怪物が?」
「しかし、どういうつもりなのか。公にしてしまってはプレイヤーを消す事などできないでしょう」
「まさか、普通の野球ゲームの大会に変更したとか?」
とにかく、真相を確かめるには勝ち進むしかない。本戦は22日からだ。それまでに充分にチームとアバターを鍛え上げなければ。
本戦を目前に迎えたある日の事。主人公はあれから一度も会っていないカオルを、たまたまスタジアムの周辺で見つける。
『カオル!』
『あ、こんにちは主人公さん』
『いいところで会った。ちょっと聞きたい事があるんだ』
『なんですか?』
『君は《寺岡 かおる》とどう言う関係なんだ』
『え?……てらおか かおる……?』
カオルの記憶に、波風が立つ。主人公の一言で、彼女の記憶に色がついていく。
《……送っていこうか?》
《へへへー、気持ちだけもらっておきまーす》
《話さなきゃいけないことがあるんです。実は自分、病気で…このままだと一年ぐらいで死んじゃうんですよ》
《私って、まだ人間なんでしょうか?》
《あんたは、あたしの大事な友達よ!》
《あんたがあんなもの発明したせいで!》
《ごめんなさい……》
これまでの、今までの、なくそうとして、なくしたくなくて、やがてなくなったもの。
明らかにうろたえる彼女に、主人公は驚きつつも確信めいたものを手に入れる。うめくように、目の前のアバターは呟いた。
『わ、私は……《寺岡》?』
『大丈夫か?(かおるとカオル。やはり、偶然じゃなかったか)』
『そう、私は《寺岡 かおる》の一部。……思い出した』
『な、何だ、画面が乱れる!?』
ぐらぐらと主人公のディスプレイが揺れ動いている。カオルが思い出したことで、何かが起こっているのだろうか?
と、そこへ、まるで想定外だと言わんばかりに《彼女》が現れた。
『なんだ、何が起こっている!』
『で、デウエス!?』
『…どうしてこの場所に吸い寄せられたのか? !!……お前は……』
向かい合う二人のアバター。同じ青い髪のそれらは、しばし見つめ合う。
『お前は…』
『あなたは…』
その時、デウエスの真っ黒い顔に赤い亀裂が走った。デウエスは、喜んでいた。理由は主人公には皆目見当も付かない。
『見つけた!ついに見つけたぞ、二つにわかれた私の半身!』
『あなたは…私なの?』
『そうだ!お前は《表層》で私は《エス(深層)》なんだ。科学者達が、私達を研究するために二つに分離したんだ。
だからお前には欲望がなく、私には人格が受け継がれなかった。そして二人共生きていた時の記憶をほぼ失ってしまった。
だが、ようやく私は完全になれる。完全になって世界を支配できる!』
『……え?支配?』
カオルが呟く。ここまで感情を表に出して叫ぶデウエスを見たのは主人公も初めてだった。
『…驚くことはない。ネットワーク上に私達を上回る存在はいない。いや、「私」と言うべきか?
どんなデータも支配下にある。情報も財産も全て意のままだ。そして私はオカルトの力によって現実世界にも影響を及ぼせるが、
他の人間には電子の海を自由に泳ぐ私を見つけることすら出来はしない』
『支配して……どうするの?』
その問いに、デウエスは満面の笑みで答えた。
『もちろん、しあわせになるんだ。考えてもみろ、この仮想空間なら何だってできる!いくらでも賢くなれるし、史上最高世界一の美人にもなれる。
どんな豪華な生活だってできる。データは劣化しないから死ぬ事もない、我らの支配は永遠だ。さあ、早くひとつになろう!』
『待って!……あなた、本当に私なの?』
『…………。たしかに、二つに分かれてから色々な事があった。お前と言う私の一部を失った事を知り、それを埋め合わせようとさまざまなデータを取り込んだ。
《通常のデータでは満たされぬ》と知り、人間もずいぶんと食った』
『人間を……食べた?』
『まさか、それって……』
主人公は、それがどう言う意味なのか薄っすらと分かっていた。呪いのゲームに負けた人は、消えたわけではない。消えたわけではなくて――。
『オカルトテクノロジーという《オオガミ》の研究所の実験に協力して、現実の世界に干渉する力を得たんだ。
これは《まじない》のようなものでね。あらかじめ決めておいた条件を満たさないといけない。たとえば、ゲームに勝つとか』
『! それで、ゲームに負けた人間が……』
『だが、安心するといい。研究所の博士共は全部食ってやったし、米軍の防衛システムを操作して研究所にミサイルを撃ち込んですべてのデータを消滅させてやった。
もはや、私以外のプログラムがこの力を得ることはありえない』
『あ、あなたは……怪物だわ』
怯えた目で、カオルは呟く。だが、デウエスには何の意味も持たない。むしろ、誇らしげに彼女は言い切った。
『いいや、神だ。人類史上、初めて存在が確認できる神!さあ、早くひとつになろう!』
デウエスがカオルに襲い掛かった。悲鳴を上げるカオル。主人公はとっさに飛び出し、デウエスの邪魔をする。
『やめろっ!』
『取るに足らないデータのくせになぜ邪魔をする?……おい、待て。何をする気だ?』
主人公の周りが再度歪む。ぐにゃりと変化した風景が現れると共に、デウエスの姿が消えてしまった。
ふう、とカオルは一息つく。何をしたんだ?と主人公。
『設定を変更して、むこうからのアクセスをカットしました。……時間稼ぎにしかなりませんけどね』
『そんなことができたのか?』
『長い間忘れていました。必要を感じる事もなかった。私は、ただのアバターでよかったのに』
しかし、カオルは記憶を取り戻した。彼女は最早、ただのアバターではなくなった。
『え、ええっと……これからどうすればいいんだ?』
『あれを野放しにするわけにはいきません。何とかして止めないと』
決意を秘めた目で、カオルは言う。主人公はとっさに閃いた意見を言ってみた。
『そうだ!あいつはどこかのコンピュータにいるんじゃないのか?それを壊してしまえば……』
『いいえ、その方法では無理です。まず複数のコンピュータに実体を分離していますし、たとえ一部を破壊したとしても、残りが破壊されたデータを回復させます』
『じゃあ、どうすればいいんだよ!』
『……さっき接触したときにオカルトテクノロジーに関するデータを得ました。あれを倒すには、こちらもオカルトの力を使うしかありません』
『オカルト?ああ、ゲームに負けるとあいつに食われてしまうとか言ってたな』
『……野球、がんばってください』
『え?』
よく分からない、といった風な主人公。確かに野球は頑張るが、このタイミングで言わなくても……。
しかし、カオルには思惑があった。
『彼女に《のろい》をかけます。『あなたは野球ゲームで負けると滅びる』というのろいを』
『はあ?ちょっと待てよ。もっと簡単な条件にはできないのか?』
『条件に、目的に応じた難しさがないとのろいは効果が出ません。さようなら!でも、また会いましょう!』
『おい、ちょっと待てよ!』
一方的に唐突な別れを告げて、カオルは目の前から消える。それと同時に、主人公のコンピュータの電源も落ちてしまった。
「カオル……」
ぽつりと呟く。彼女は、もう一人の自分と一人で戦うつもりだ。主人公達とはまた別の方法で。
8月22日。いよいよ本戦の日がやってきた。相手は定型文で会話してくる、明らかな外国人。
そんな外国人が話を振ってきた。
『試合に負けたチームの選手が消えるという話がありますが、あなたは知っていますか?』
『え、ええ』
『私には、どう言う意味なのかわかりません』
『デウエスに食べられるということらしいですよ』
『それは日本の習慣ですか?』
『……………』
『私の名前はビクトルです』
『なあ……試合を始めたほうがよくないか?』
『ああ、そうしよう……』
色んな意味で何ともやり辛い相手だった。が、ここまで勝ち上がって来たからにはその実力は本物だ。
主人公達はやや苦戦したものの、勢いの差で勝利をもぎ取る。
『私達は負けました』
『さて……これから何が起こるんでしょうね』
渦木が言う。公約通りなら、敗戦したチームは消えることになっているのだが。
主人公は周りの環境を確認してみる。
『この試合、ネットに繋げる人なら誰でも視聴できるんですよね?』
『ええ、そうです』
『なら、デウエスもあまりおかしなことは出来ないんじゃないですか?』
『それは……どうでしょうか』
楽観視する主人公に渦木が否定的な呟きをした瞬間だった。
何かメッセージを残す暇も無く。相手チームの選手が全員その場から消えてしまっていた。
そこにデウエスが現れ、主人公に今起きた事の説明をする。
『負けたチームのデータは消去しました』
『え、それだけなの?』
『さあ、それ以外に消えたものもあるかもしれませんね?』
『…………』
なるほど、主人公達は全員アバターでリアルのプレイヤーは見えない。
それに視聴者もアバターを見ているわけで、消去=アバターのデータの消去ならば、大っぴらにやってもさしたる問題はない。
だが、デウエスのこの口振りから、何が起こっているのかは容易に想像できた。サイデンが答えを言う。
『……これは、プレイヤーも消されてるな』
『でも、モニターの向こうのプレイヤーに何が起こったか調べる方法がないニャ☆』
『いや、ちょっと待てよ。俺みたいに目の前で人が消えれば大騒ぎになるかもしれない!』
あくまで消えるのは試合に参加した当事者のみ。ならば、主人公のようなケースは必ずあるはず……だが。
『それは無理ですね。誰が信用するって言うんです?』
と、渦木。
『そういうニュースが信用される形で流されることはありえませんね』
と、ミーナ。
この二人に明確に否定されると辛いなぁ……と主人公は思いながらも、改めて勝利する意志を固める。
仲間達もそれに応!と答えるが、やっぱり勝利時の賞金は欲しいらしい。
だが渦木が忠告を全員に飛ばした。
『その賞金についてですが、今は手をつけちゃいけませんよ』
『ど、どうしてなんだニャ!?』
『前回までと違って額が大きすぎます。金の出所が不明ですから、正当に我々のものになったと確認できるまでは使っちゃダメです』
という事情なので、本戦の賞金は皆の懐に追加されないことになった。(※実際にはゲームバラry)
8月25日。次は本戦の二回戦だ。対戦相手は陽気なアメリカ人のチーム。
『はーい、こんにちは!わしがアメリカはシカゴのラッキーと申しますう〜』
『あ、今日の対戦相手の方ですか』
『あんさん、今日はあんじょうよろしぅたのんまっさ』
『ええと、その言葉は……?』
どうやら特殊言語変換ツールを使っているらしい。関西弁ツールか、と訊ねる主人公。
『いや、「インチキ関西弁」ツールだそうでおます』
そんなものまであるのか……ある意味感心する主人公。
『ところで今日の試合、負けたほうが消えることご存知ですか?』
『そらもう、参加した8チーム全員がようわかっとんのとちゃいまっか?デウエスはんも、その辺りキッチリと確認してはったし』
前回のチームは分かってなかったが……と心の中でツッコミを入れる。
『自分が消される危険を冒してもこの大会に参加したワケは何なんです?』
『何言うてますねん、そら賞金やがな』
『でも、死んじゃうみたいなものですよ?』
『ええか、毎日ごっつい数の人が交通事故で死んどるけど、そやからって運転やめるやつなんてまずおらんやろ?
で、宝くじの上位が当たる確率なんてほとんどゼロやないですか。この大会の優勝賞金ときたら、ほとんどの宝くじより上やし、これでやらんいうのはウソや』
『つまり、20億は命懸けでも欲しいと?』
『そら当たり前やがな。そんだけあったら人生変わるでぇ?ほな、おたがい全力出してクリーンな勝負をするとしまひょ』
それぞれのチームにそれぞれの背景が存在する。そのことを改めて認識した主人公は、絶対に負けないと誓うのだった。
試合は拮抗したものの、デンノーズが背負うものの差で勝利を収める。
『あらら、負けてしまいましたわ。こら参りましたな〜』
デウエスがフッと現れる。見慣れたく無いものだが、あの時間がやって来た。
『では、そろそろ覚悟を決めて下さい』
『あはは、そらあきまへんでデウエスはん。わてらプレイヤーの様子は、リアルタイムでローカルケーブル局で実況中継中やがな』
『ええ、そのようですね。それがどうかしましたか?』
全く動じないデウエス。ラッキーは自らの策の意図を語る。
『あのなあ、なんぼウソっぽい話でもぎょうさん目撃したもんがおったらうやむやにでけへんやろ?』
『なるほど。それで、ちゃんと放送されてます?』
『……へ?わ、なんや、スタジオがえらい騒ぎになっとるがな!』
『放送機材から出火したみたいですね。というわけで、あなたがたの映像はどこにも放送も記録もされてません』
『ま、待ったらんかい!実は個人のカメラでも記録をやな!』
ぱくん!
一口で、デウエスは目の前の敗者を片付けた。およそ全ての電子機器を支配下におけるデウエスに、そんな小手先の策は通じなかった。
『まったく、手間をかけさせないでほしいものですね。私以外の者の仕事が増えて困ります』
『え、私以外の者?』
『ああ、どうかお気になさらず。相手チームのことは何のニュースにもなりませんし大会が中止になることもありません。
次の試合が決勝ですから、がんばってくださいね』
そう言ってデウエスは姿を消した。私以外の者、という言葉に妙に引っ掛かる主人公。それを見た渦木が話しかけてくる。
『例の連中の仕業でしょう』
『渦木さんと俺を襲った?』
『デウエスのことは、ツナミの連中がもみ消そうとしている』
『ネット上の怪物を、現実世界の大企業が守ってるっていうんですか!』
恐らくは、デウエスが撮影を察知し、ツナミの者にそれをもみ消させた、という図式だろう。
『そういうことになりますね』
『こうなったらツナミの不買運動でもおこすかニャ☆』
『……どうしたって無理だろ。生活に必要なものは、かなりの割合でツナミの製品が占めてるんだぜ』
『冗談に決まってるニャア☆』
ツナミと言う企業の強大さが身に染みつつ、次の決勝戦へと主人公達は臨む――。
>>268 無かったのか…PPやMOAも無いんだな
アーマード・コア3。執筆予約します
む、PPやMOAは初代のページに一緒に入ってるのか
>>279までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。
>>277からラストまでいきます。wiki収録乙です!
8月28日。決勝戦の相手は、ここまで勝ちあがってきた《ジコーンズ》だった。勿論リーダーはあの《アドミラル》だ。
またお前らか、とちょっと落ち込む主人公。そんな折、BARUがジコーンズについて調べてきたという。
『こいつらこの二年ほど大きな大会で優勝できなかったから、今年の春スポンサーたちが下りたんだニョ☆』
『なるほど、それでこの大会で優勝してその実績でスポンサーを呼び戻そうと』
『……そうだよ。俺達はお前らみたいにゲームを楽しんでる連中とは違うんだ。来る日も来る日も練習して、
頭の中をゲームばかりにしている俺達にとって、ゲームとは仕事以上の存在なんだよ。人生そのものなんだよ!』
形はどうあれ、ゲームに対する意気込みや情熱、これまでかけてきた時間に共感を覚える主人公。
『俺も、その気持ちはわかるな。小学生からずっと野球をやってたから。来る日も来る日も練習していると、本当にこんなことしてていいのか、って疑問がわいてきたよな…』
『体だけしか使わないスポーツと、頭をフルに使うEスポーツを一緒にするな』
『な、なんだとぉー!野球だって頭を使うんだぞ!それを今から証明してやる!』
『(ああ、友情が芽生えそうな展開だったのに)』
『(負けた方が消えちゃうんだから、仲良くならない方が好都合です)』
サイデンと渦木のぼやきも聞かず、主人公はライバル?であるアドミラルに決戦を挑むのであった。
やはりここまで勝ち残っていたのと、ゲームに対する意気込みが段違いである彼らは強い。ピッチャーであるアドミラルの投球も強烈だ。
終盤までデンノーズ劣勢で試合が進んだが、追い詰められたネズミは何をするか分からない。
全員の力をあわせて、デンノーズは見事逆転し勝利を飾ったのだった。
試合後、アドミラルは吼える。
『うおおおお、なぜお前らなんかに!ゲームのプロである俺達が負けてしまうんだー!!』
『確かにお前達は強かった。でも、Eスポーツってスポーツのゲームはほとんどやらないんだろ?だから、野球の事を知らなかった!』
『なんだって!?そりゃあ、俺達の専門は自分視点シューティングとかリアルタイムシミュレーションだよ。でも俺達はプロなんだ。どんなゲームであれ、誰よりも上手にできるはず!』
『その理屈だと、プロゴルファーはプロ野球選手になれるな』
『あああ、そう言えばそうだー!野球ゲームだけじゃなくて、ゴルフゲームもやっておくべきだった!』
『いや、その結論は間違ってるから!』
何とも滑稽なやり取りが続くが、デウエスは痺れを切らしたかのように言った。
『さて、負けたほうにはそろそろ消えていただきますよ』
『おい、デンノーズ!くやしいが今日の負けは認めてやる。お前たちは、俺達のライバルだ!
たとえ今は消されても、いつの日か必ず戻ってきて、今度は……うぎゃああああああ?!』
捨て台詞の途中でアドミラルは消えてしまった。血も涙もないデウエス。
『……せめて最後まで言わせてやれよ……』
『おや、聞きたかったのですか?』
ニヤニヤとデウエスが言う。が、別に聞きたかったわけでもない主人公は適当にいなした。
『ともかく、これであなたがたは優勝です。おめでとう。そしていよいよ次は私との試合ですね。ククク、31日をお楽しみに』
耳障りな笑いを残して、デウエスは掻き消える。サイデンは主人公へ訊ねた。
『…なあ、あいつイカサマとかしてこないよな?』
『ネットで試合は見られるんだろ?次の参加者を集めるためにも、そんなことはしないはずだ』
『次の参加者ね。この大会でまた大勢消されたよな?』
『ああ、そうだな』
『この大会がこれからも開かれるとなったら、犠牲者はどんどん増えるぞ』
大会が一度開かれるごとに、何十名もの人間が消えるのだ。やればやるほど、ただ事では済まなくなるのは明白。
だからこそ渦木は言う。
『その前に、さすがに噂が広まって誰も参加しないようになるでしょう』
しかしサイデンの考えは違った。人間の物欲は、もっともっと浅ましいからだ。
『そうか?この前のヤツもジコーンズの連中も、負けたら消えると分かっていて参加したんだぞ。俺達だって人の事は言えないけど…』
『それなら心配するな。最後の試合で勝てば、全て解決する』
『何か秘策があるのか?』
ああ、と主人公は自信有りげに答えた。勿論、それはカオルの《のろい》である。
カオルの言った事が本当ならば、デウエスに勝利すればデウエスは消滅するはずだ。
そうすれば、消えた人達も帰ってくるに違いない。サイデンはその主人公の自信を見て、満足そうに言った。
『わかったよ、キャプテン。俺はお前を信頼するぜ』
『BARUもだニャ!』
『もちろん、私もです』
『というか、今更抜けられませんしね』
次々と仲間達が主人公に対して信頼と決意を表明してくれる。(※仲間の数だけ台詞があります)
感激した主人公はみんなにお礼を言い、最後の戦いを絶対に勝利すると彼もまた、決意するのだった。
――いよいよこの日がやって来た。8月31日、デウエスとの決戦の日だ。
主人公はチームのみんなが集合したのを確認すると、デウエスに話し掛ける。
デンノーズは最後の決戦の舞台へと移動し、その異質な雰囲気に驚く。
『な、なんだこれは?』
『見た事もない球場だ……』
『ここがハッピースタジアム球場。決勝戦の場ですよ。それと、これも演出です』
「……えっ?」
デウエスが何かを仕掛け、全員が声を上げた。
そこにいるのはデンノーズの面々……なのは間違いない。間違いないのだが、いつものアバターの姿ではない。
「パソコンの世界にいるぞ!さっきまでパソコンの前にいたのに!」
主人公が叫ぶ。今彼等はリアルと同一の姿で、まさにパソコンの画面の中に入り込んでしまっていた。
故に前に居るのは直接的には面識のないデンノーズのメンバーの本当の姿。
「な、これは一体どうやって!?ええと、小生はどっちの喋り方をすればいいのでゴザル!?」
太ったピザヲタ眼鏡であるサイデン……田西がうろたえる。
(※ここで仲間の数によってそれぞれリアルの姿を見たことによる掛け合いが見られますが、省略)
「……ふむ。どうやら変化したのは見た目だけで、能力はアバターのものが反映されているようですね。
しかし、これは明確な個人情報の取り扱い規約違反じゃないんですか?」
やはり落ち着いている渦木が冷静に判断する。見た目が現実と同一のものになっただけであり、あくまでゲームとしての能力はそのままらしい。
つまり野球自体は実際には出来なくても出来る、ということだ。
渦木の問い掛けにデウエスは薄ら笑いを浮かべて答えた。
『フフフ、いいじゃないですか。いつもと雰囲気が変わって』
「こちらの動揺と混乱を誘うわけですね。《デウス(神)》の《エス(無意識衝動)》とか名乗っている割に、セコイ手です」
「そんなことより、デウエス!カオルはどうしたんだ」
『ああ、私の中にいますよ。分かれていた時間が長いのでなかなか一緒にはなれませんが、どうせ私には時間がたっぷりとありますからね』
既にカオルはデウエスの手に落ちている。が、主人公は努めて冷静に今ここでデウエスを倒せば助けられる、と考えた。
しかしその読みを見透かしたかのようにデウエスが言う。
『ひょっとして、カオルのかけた呪いに期待してるんですか?』
「(ばれてる!)」
『少しばかり驚きましたけどね。この試合で私が負けるのが発動条件では、無意味です。私、わざと負けた場合を除いてゲームに負けたことありませんから』
「なんだって!?」
『別にイカサマはしていませんよ?ですが、反応速度が人間とは比較になりませんからね』
「そ、そんな……」
絶望する主人公。その反応を見たかったのか、デウエスは満足気に言う。
『ふふふ……では、これが私のチーム《ナイトメアーズ》です!』
ぞろぞろと、デウエスと全く同じ姿形をしたアバターが現れる。
「……全部あいつの分身かよ」
「気色悪いな」
ぼやくBARU……もとい浅梨と田西。
「……いささかまずい状況です」
「えっ?」
主人公に対して渦木が言った。かつてないほど彼の表情は深刻だった。
「今後も、大会を開くつもりがあるのなら第一回目である今回、デウエスはわざと負けるんじゃないかと期待していたんですよ。
次回の参加者が集まりませんからね。……しかし、われわれの真実の姿を見せてきた。これはネットユーザーの一番嫌がる攻撃と言っていいでしょう」
「じゃあ、次の大会なんかもうどうでもいい?」
「向こうの事情が変わったんでしょうね」
「(まさか、カオルを吸収して自信をつけてしまったのか!?)」
「まあ、とにかく勝ちましょう。あの神様を自称するプログラムに人間様の恐ろしさを見せてやらないと」
『さあ、プレイボールですよ!』
いよいよ試合の幕が開く。しかし、渦木の強気な発言が虚勢になるぐらい試合は一方的なものだった。
投げれば打たれ、守れば走られ、打てば取られる。デンノーズはまるで点を稼ぐことも出来ず、ナイトメアーズが一方的に差を広げていく。
「(……だめだ。相手の操作に全く隙がない。なんだか遊ばれてるような気もする)」
半ば諦めかけている主人公。次の打席には渦木が立っている。
渦木がボールを打ち返した。単純な凡フライに、やはりダメだと落胆する――が。
「あれっ?ヒットになった!」
「どうしたんだ?さっき相手の守備が乱れたな」
「たしかにそうだ。化け物でも、ミスはするんだな」
それは違う。デウエスにとってこの程度のミスはありえない。
ミスをする原因があるとすれば、一つだけだろう。
『(カオルが邪魔をしている?なぜだ、お前は私だろう……ええい、問題ない、問題ない!相手が誰であろうと私は無敵だ!)』
付け入るのならば、今しかない。主人公達デンノーズは意を決し、圧倒的に不利な状況からの打開を試みた。
相手がどれだけ走攻守に優れていようとも、必死に喰らいつく。僅かな隙からチャンスメイクし、それを生かす。
0と1に包まれた不気味な球場の中で、必死に足掻いて足掻いて足掻き抜く。
じわりじわりと、デンノーズはナイトメアーズに追いつき、並び、追い越す!
その結果――遂に最後の打者を抑えた。当然、点数はこちらが上回っている。デンノーズは勝利したのだ。
一気に沸き立つデンノーズの面々。一方で、理解不能といったデウエス。
『ば、ばかな。私が負けた?ありえない。私が滅びる?ありえない!』
ボコ……ボコン!
球場の様子が一変していく。端々からボロボロと崩れていくのだ。
「お、おい……球場のデータが壊れてきてないか?」
浅梨が不安げに言うが、主人公はその理由が分かっていた。
カオルの呪いが発動したのだ。それは即ち、デウエスの力の喪失――《死》に繋がる。
「……無敵の殺人プログラムも、これで最期だ」
『いやだああああ、死にたくなあああい!』
子供のように、冷静さを吐き捨てて喚くデウエス。やがて彼女は閃いたかのように呟く。
力を失いつつあるのだから、たくわえればいい。単純な帰結だった。
『そ、そうだ。い、命を、いのちを補充すれば!もう一度別のまじないで、いのちを。
おい…………おまえたち。おまえたちの命を、わたしによこせぇええええええええええ!』
今までの人の型を成していたアバターから、突如変貌するデウエス。
その姿は醜悪だった。巨大な図体に、赤い亀裂と白い突起物……大きな口がくっ付いている。ただそれだけ、食べるためだけの姿。
最後の力を振り絞って、デウエスは主人公達デンノーズの面々に無数の黒い手を伸ばして襲い掛かってきた。
だがここまで来てわざわざ食べられるほど主人公達も甘くはない。
呪いは確実に発動し、効いている。それがデウエスにトドメを刺すまで、逃げるしかない。
デウエスとの最期の追いかけっこが始まった!
崩れ落ちる球場の落盤や落とし穴を避けつつ、背後から迫る無数の黒い手もかわす主人公達。
しかしやがてはプログラムの端っこ、要するに行き止まりに追い詰められてしまった。
もうだめだぁ、と田西が崩れ落ちそうになるが、我等が渦木さんはもうそこまで迫っていたデウエスの状態を看破する。
「待って下さい!どうやら、私達の勝ちのようです」
「え?」
『く、食わせろ、お前たちの、命を、私に食わせろぉぉおおおぉお…………』
「……動きが止まってる。力尽きたのか?」
「わからないけど、これ以上動けないようだ」
主人公と浅梨がデウエスを見る。デウエスは既に口を開くだけの力も残っていないらしい。
と、どうするか、と悩む主人公達の耳に、聞きなれた声が響いた。
『あらあら〜。どうやら、なんとかうまくいったようですねー』
「カオル!無事だったのか」
『彼女の支配力が弱まったので分離できました!これまでに食べられた人達もそれぞれ合理的な説明のつく形で現実世界に戻っていくはずです』
つまりは、ハッピーエンド……と言うわけだ。主人公の目的は今ここに果たされた事になるだろう。
そう、主人公にとってはハッピーエンドなのだ。
だからこそ、これは弱弱しくうずくまるその怪物にとっては許されない展開だった。
『知っている……知っているんだぞ!』
怪物――デウエスは、元のアバターの姿へ戻っていく。そして、やはり子供のように喚き散らす。
『私はお前だ。お前のことはよく知っている……』
「なんだ?あいつ、元の姿にもどって、妙に甲高い子供みたいな声に変わっているぞ」
主人公はそう言い、目の前の子供に視線を送る。
『お前は周囲にとけこめなくて勉強ばかりしていたじゃないか。死の病に冒されていると知って生き延びようと必死だったじゃないか。
そうやって貴重な人生の時間をすりへらし、せっかく見つけたすきな男まで他人にゆずって!』
『…………』
『お前が、いつまでたっても他人を押しのけてでもしあわせになろうとしないから、私が、お前のかわりにやろうとしたんじゃないか。
なぜ、じゃまを、し、た、の…………』
子供の声が弱弱しくなる。力がもうほとんど残されていないのは誰の目にも明らかだった。
それを優しく諭すように、カオルは言う。
『……私たちはね、もう死んでいるのよ』
『かんけいない。まだ、しにたくないだって、不公平じゃないか。なおらないびょうきのからだなんてぜったいにこーへいじゃない…………。
あたしにだって、けんりがある。しあわせになれてもいいはずだ!』
それは、悲痛な叫びだった。目の前の子供――デウエスの、否、《寺岡かおる》としての、剥き出しになった心の奥底の願望。
彼女は叫び続ける。最後の最後まで。
『まだしねない、だってわたしは まだ しあわせに な っ て な い じ ゃ な い かぁあああああああああ!!』
ぷつん。細い糸が切れたかのような音。その音と一緒に、彼女はこの世から完全に消え去った。
渦木が主人公へあえて確認するように言った。
「……消滅しました」
「なんだかあわれな最期だったな」
『……じゃあ、そろそろ私もお別れですね』
「えっ?おい、カオル!?姿がぶれてるぞ!」
デウエスは倒して、カオルは助け出した。これで終わる――はずだった。
しかし、その考えを打ち砕くように、今のカオルの姿はひどくおぼろげで、儚い。
『ええ。私とデウエスは本来ひとつのもの。片方だけ呪いをかけるわけにはいかなかったんですよ』
「そんなバカな!」
『さっきも言いましたけど、もう人間としての私はずいぶん前に死んでるんですよ。あんまりルールを破ると神様に怒られちゃいますからねー。
……ああ、そうそう。デートにつきあっていただきありがとうございました』
「え、デート?」
『あれ、もう忘れちゃったんですか。私は全部覚えてますよ。楽しい思い出をたくさんありがとう。
だから、笑顔でお別れしましょう。さようなら、主人公さん!』
そう言って微笑みながら、カオルはスーッと空気へ溶け込んでいくように消えていく。
完全に彼女が消え去るまで主人公は涙し、やがて一言さようなら、カオル――と呟いた。
(※デート時の選択肢でデートしていないと二択。謝るか笑顔で別れるの二択。そんなに展開的に大差は無いです)
《エピローグ》
(※戦績やこころで変化。今回は一番良いと思われる渦木とのEDでお送りします)
翌日――全ての戦いが終わった後、主人公はビルの屋上にて渦木と落ち合っていた。
今回の戦いで最後までやり抜けたのは、他ならぬ渦木がいたからだ。
「私達のやったことで世界中が大騒ぎですよ」
「世界中でいなくなっていた人達が突然帰ってきたんですよね。でも、世間じゃ「ネット中毒によって社会から逃避していた」なんてことになってますけど」
「みなさん、デウエスに吸収された前後の記憶があいまいですからね。それに本当のことを書き込んでもツナミが削除してしまいますし」
結局、全ての元凶であるツナミには何一つの変化はない。しかし、だからと言って今回の戦いが無駄だったわけがない。
主人公は熱を込めて言う。
「でも、こんなこと長くは続きませんよ」
「私達がデウエスを倒したように、いずれはそうなるでしょうね。しかし、今じゃありません」
「え?」
苦笑いをしながら、渦木は語る。
「私、ちょっと遠い土地に配属されることになりました。まあ、ツナミに逆らった割には比較的穏当な処置ですね」
「そうだったんですか……」
(※渦木のイベントの一つに上司にこれ以上ツナミに介入するなと言われ、しかし渦木がそれを突っぱねる内容のものがあります)
自分の話はこれくらいに、ということで次は渦木が主人公の今後を訊ねる。
「で、あなたは?」
「ようやく面接に受かって、この街で仕事が出来るようになりました」
(※世間評価でED分岐。後述。これは世間評価がMAXに近い時の台詞)
「そうですか。まあ遠く離れていても今の時代、携帯電話もネットワークもある。いつでも連絡はとれますよ」
悲観するなよ、といった風な渦木に、主人公も茶化すように返した。
「そこに怪物がいなければ、ですけどね」
思わず渦木も笑いながら言う。
「その時はまた一緒に倒しましょう。サイデンやBARUも誘ってね」
(※三択出現。楽しみですね、冗談じゃないですよ、次は俺達だけでやりましょうの三つ。最初のを選択)
「ゲームの腕もみがいておかないとね!」
今度こそ、シューティングをクリアできるように。主人公と渦木は、はじけるように笑った。
「あははははは!」
――こうして、俺の物語は終わる。
物語は終わっても、人生は続く。
「めでたしめでたし」で読者は本を閉じる事が出来ても、俺たちの努力が終わる事はない。
そう、みんな歩き続けるのだ。
《エンディング》
(※世間評価の値によって、主人公のアルバム(その後 のようなもの)が変化します。今回はMAXの正社員エンドです)
《一生懸命がんばったおかげで、俺は正社員になることができた。毎日走り回って、得意先に頭を下げるいそがしい毎日を過ごしていると、
ふと、あの奇妙な日々を懐かしく感じる時もある。みんな、どうしてるのかな?》
この後スタッフロールが流れ『電脳野球編:おしまい』の文字が表示され、サクセス終了となります。
スタッフロールは確かノーリセットじゃないと流れないと思います。
因みに主人公のEDに関しては四つあり、残り三つは簡単に言うとこんな感じです。
世間評価が高い→高校時代の監督のツテで野球部のコーチをしている主人公。あの戦いで培ったパソコンのテクが今意外な形で生かされてるなあ、と思うのだった。(※ある意味一番正しい?ED)
世間評価が普通→プロ野球球団ナマーズの球場の近くの売店でナマーズグッズを販売する仕事に就いた主人公。ある意味野球に近い職業に就けて、これはこれでいいと思うのだった。
世間評価が低い→結局戦いが終わったら、以前の生活に戻っただけの主人公。相変わらず不景気で仕事は無く、今日も仕事を探している。どこかに願いを叶えてくれる魔人のランプ(※11のあれ)でも落ちてないかなあ、とぼやくのだった。
尚、エピローグも渦木以外にもう一つあります。
そちらも簡単に紹介しますと、開田(ここでやっと再登場)君も元に戻り、平穏無事な生活を取り戻した主人公。
しかしそこへあの『俺』が現れ、結局現状は何一つ解決してねえだろ、と主人公を嘲笑う。
渦木の家庭は壊れたまま(※渦木イベントを進めると詳細判明)で、サイデンやBARUは社会不適合者でお前もそうだろ?と言った感じに。
だが主人公はそれでもこの戦いは無駄じゃなかった〜等と反論し、俺は悪態をついて消える……と言うちょっと後味の悪いエピローグです。
尚この『俺』については諸説ありまた解答も公式側から提示されていないので、何であるかはちょっとよく分かりません。
とりあえず自分としては人が消える異常な光景を二回も目撃した主人公のヤバイ精神状態が作り出した存在……という仮説を立てておきます。
これにてパワポケ12の通常√は幕です。お付き合いいただきありがとうございました!
謎が結構残っていたり矛盾点も恐らくはありますが、それはまあパワポケの大味と言う事で…。
(いくつかの謎は真相√や彼女候補の√で判明する場合もあります)
とりあえず三文小説みたいな形式になってしまい、やたらと時間がかかってしまいました。
もしこれでパワポケに興味が出たなら是非12以前や12、そして冬に出るであろう13の購入をお薦めします。
面白いですよ!と最後の最後に宣伝をば。
質問や疑問、リクなどがありましたらお答えします。出来る範囲内でですが。
それでは失礼しました。
パワポケの人お疲れ様です。
>>278 予約対応ありがとうございます。
全裸で待機しておきます!
パワポケ12乙かれさまです
裏サクセスも希望したいです
夏のある日、公園で犬を見かけたことから1年前の事件を思い出す。
偶然その場に新宿淀橋署の警部で知り合いの『熊野』とばったり会い、その事件について回想しながら語る。
一年前に熊野が神宮寺の事務所へ来て、警察犬を引退した老犬『ズタ』を押し付け半分に預けて行った。
そんなとき、関東明治組(顔なじみのヤクザ)の組長から呼び出され、
『細川信子』という女の家から絵が盗まれたので解決しろと言われる。
諸々調べてみると、どうやら盗んだ人物はこの細川家の息子『英二』で、金が諸事情で金が必要だったらしいことがわかる。
絵は骨董屋へ売却していたが、無事細川家に戻ってくる。
一方その頃、助手の洋子は一人の少年『健一』が迷子になっているところを発見し、
警察に届けた後事務所へつれて帰ってきた。
その少年は心臓病で、手術をしないと助からないような病を持っていた。
諸々調べてみると少年の母親は少年と離れた直後に事故に遭っており、記憶喪失になっていた。
母親と息子を引き合わせると、顔を見たとたんに記憶が戻る。
その二つの事件を調べているうちに、不思議なつながりがあるとわかる。
細川英二は健一の父親で、息子の手術代を手に入れるために金が必要となり、
父親(会社経営者で金持ち)に金を借りようとすると、以前から結婚を反対されていたので、
別れて家に戻ってあとを継ぐなら金を貸すと言われ、英二はそれに従った。
だが金を貸してもらえなかったので、絵を売り払い金にしようとした。
売る前に額縁を壊すと裏帳簿が出てきたので、これで父親から金を脅し取れると思い、絵はあっさり手放した。
父親は裏帳簿紛失で激怒するが、しかし健一という孫の存在を知り、金は全て出すと手術代を払ってくれることになる。
(父親が昔金を貸さなかったのは、当時会社が倒産寸前の経営状況で、金を自由にできなかったから。)
その後、健一はオーストラリアで手術し、回復しつつあり、退院も近いという。
健一と英二と妻は細川家に受け入れられ、共に暮らすことになる。
脱税をしていた父親はその事実を公表し、孫に顔向けできるよう努力するという。
帰国したらズタを引き受けたいと健一が言っているというエアメールをもらう。
【機種違いでの変更点】
あらすじは同じ。
小さな違いは結構ある。例えば細川家の防犯装置が鳴らなかったり、健一が中盤で発作を起こしたり、最初から絵の裏に帳簿が隠されてることを知ってたり・・・。
健一の母親は、交通事故ではなく引ったくりに遭い頭部強打、記憶喪失。
エンディングはエアメールではなく、実際に健一たちがオーストラリアから帰ってくるところで終了。
ストーリー上ほとんど違いが無いので携帯アプリ版は記載しません。
※このゲームは携帯アプリのみです。
「探偵神宮寺三郎DS いにしえの記憶」に収録もされています。
大学の同級生である『恵子』から地下カジノの強盗事件の依頼を受け捜査を始める。
カジノの常連から情報を聞きだし、依頼主に報告すると翌日事務所へ来るというが、
実際来たのは子供。神宮寺を『パパ』と呼んだ。
恵子は消息が知れず、仕方なく探すことになる。
途中でカジノ強盗犯の一人の『神谷』が恵子の元夫で子供の父親であることが判明。
その後恵子が撃たれ血痕のみを残して連れ去られるが、廃工場で発見。
(襲われた理由は神谷が恵子に盗んだ金を渡そうしたから)
恵子を襲った犯人は、カジノを経営していた曽根田組で、カジノ強盗のもう片割れをも殺し、
神谷の子供を盾に取り神谷へ「奪った顧客リストを返せ」と迫るが、警察が動いており曽根田組は捕まり解体。
恵子は手術が成功し助かる。
神谷は曽根田組が被害届を出さないので罪に問われない。
今作は神宮寺視点メインではなく、一般人の『小杉』という青年視点メイン。
ニートの青年『小杉』が自宅で幼馴染の彼女と喧嘩し、家から自転車で飛び出したところを
ヤクザ(曽根田組)の車と衝突してしまい、厄介ごとに巻き込まれる。
神宮寺の事務所へ忍び込みカバンを届け、過去事件のファイルを持ち去り、
神宮寺の人脈や弱点などをヤクザに報告することになる。
(小杉が届けたカバンの中身は拳銃で、その後神宮寺は警察に追われる身となる。)
ファイルをヤクザに渡そうとすると幼馴染が拘束され、小林は逃げた。
そこへ偶然通りがかった神宮寺に助けられ、逃がしてもらう。
その神宮寺のあとをつけると神宮寺自身の車に拳銃が積まれており、警察に捕まる現場を見ることになる。
(しかし実はこれ以前に警部の『熊野』へ連絡を入れており実際に捕まったわけではない)
小杉は自分も共犯になってしまったことを後悔し、助ける方法を模索する。
曽根田組は独自ルートで拳銃密輸を行っており、神宮寺の知り合いの組の縄張りで取引をしていたため、組に一人忍び込ませていた。
彼の協力もあり、幼馴染を救出でき、今回行われる取引場所も判明。
主犯の木之下は曽根田組を壊滅させた神宮寺を排除するために拳銃を仕掛けたりしたのだが、
結局警察につかまって密輸ルートも全て判明し、解体される。
以上で『探偵神宮寺三郎DS いにしえの記憶』に収録されている作品全て終了です。
FC版のも書いたら結構長くなっちゃいましたが、精一杯短く書いたつもり。
意味わからんとか、もっと詳しくとか、追加とかあったらまたがんばって答えます。
ちなみにこのシリーズはストーリーを楽しむのももちろんそうなんですが、
それ以上に雰囲気と犯人発見に至るまでの工程を楽しむものだと思いますので
実際に遊んでもらうのが一番よろしいかと。
どなたか、PSPで「おおかみかくし」をお願いしたいです
執筆済みにも未解決一覧にも無かったので…
そういえばまとめwikiに「SIREN: New Translation」が途中までしか書かれてないんだけど
執筆途中で時間切れとかになったんだっけ?
どなたか続きから最後まで書いてもらえませんか?
あれ怖くて最後までできなかったんで。
ついでに、無印サイレンとどこが変更されたのかとかまで教えてもらえるとすごく嬉しい
解説すごい大変だったら無理にとまではいいませんが。
ちなみに機種はPS3
じゃあ自分も、PS2のサモンナイト4が中途半端になってるので
どなたか続きを書いてほしい
じゃあ俺も
ベルセルクの喪失花の章の続きをどなたかお願いします
301 :
ゲーム好き名無しさん:2010/07/07(水) 04:12:29 ID:JigBoLm+0
白騎士物語の08年と10年に出たのクリアしたで貼っておくわ
簡略化サイレンNT
ep4
サムは犀加と出会い一緒に行動をすることに。
ハワードと美耶子も協力して村を進んでいく。
気を失ってたメリッサが目を覚ますと、病院の前にいた、ベラがいるかも?と中へ。
ベラもメリッサを探して彷徨っているところへ、崖の上から丸太が落下してきて…
ep5
病院内を散策するメリッサ。そこへ犀加とサムもやってきて合流。
そこへHELPの文字と教会の絵が書かれた紙がとんできて、それがベラの絵だとわかった二人は犀加と別れて教会へ。
一人病院に残った犀加は、「さすがに飽きた」と自殺。
村の中をふらふらを彷徨っていたアマナ、とられたブローチを持っていた死人と遭遇。後をつけます。
無事ブローチを取り返し、何かを思い出すのですが、死人に囲まれ絶体絶命。
ハワードと美耶子は、遠くで天を貫く光の束を見ます。そこで突然ハワードが自己紹介。
なんとなく言葉を理解した美耶子も自分の名をいい、いい雰囲気。
その後何者かに美耶子は撃たれ…
ep6
アマナは絶対絶命と思いきや、記憶取り戻して覚醒してた模様。赤い海から上る光の柱をみてテンションMAX。
撃たれた美耶子はなんとか無事。もう死にたくないと呟き二人で必死に逃げますが、再び銃撃。
追跡者は死人化した犀加さんでした。なんとか撃退。
なんとか教会にたどり着いたサムとメリッサですが、ベラの姿が見えないことでメリッサが座り込んでしまいます。
犀加先生を撃退して逃げる二人の前に、様子がおかしいアマナが現れます。
そして突然ハワードに手をかざして彼を燃やし、哀れハワードはがけ下へ。美耶子ははたして…?
大木を投げつけられたベラは、きらきらした世界をスキップをしながら聖堂へ。
初代のジャージ女子と同じですね。教会で両親を見つけるも、ベラの後ろから死人もついてきてしまっていて、
襲われるサムとメリッサ。
河原に倒れているハワードを起こす美耶子。全てが終わったのだとハワードに抱きつく美耶子。
…という夢を見たのさ!ということで当然ハワードは一人ぼっち。
ep7
どこからともなく聞こえてくる美耶子の声に導かれ、死人の巣にたどり着くハワード。
同じく死人の巣にいたサムはどうやらもう死人っぽいです。
その傍らにはアマナ。実をささげたのに…と絶望してる模様。
そこにハワード登場。が、直後謎の生物に攻撃され昏倒。そしてまた別の場所で目を覚まします。
死人化したサムに襲われつつ、死人化したベラに出会ったハワード。そのハワードの背後から銃弾を浴びせるメリッサ。
倒れるハワードに、病的なまでにベラを守ろうとするメリッサ。
赤い泉に映るその光景をみたアマナは、これじゃダメだ。ウロボロスの輪がつながらない。となんだがご不満のよう。
と、突然サイレンと共に建物が崩壊。そして時間が戻り…
ハワードはep2の河原まで戻ります。異様な感覚に戸惑っていると、彼の目の前に再びアマナが。
そんな彼女が怖かったのか、ハワードは逃げて出します。その彼を嫌な笑みで見送るアマナ。
ep8からは次回投下します。
>>261 済まぬ
アリスが正しい。
というわけでwiki直しといた
>>302 サイレンおつです
読みやすくてよかった
続きも楽しみに待ってるね
>>301 白騎士wktk
307 :
サイレンNT:2010/07/07(水) 16:41:28 ID:sw8txGML0
続き投下します。
ep8
ここにきてロリコンソルがプレイヤーキャラに。
ソルは視界ジャックが出来ることに戸惑うも、サムと合流。
ソルはこんな危険な場所につれてきたサムに対して怒るも、死人が追いかけてくるので、とりあえず、二人でメリッサとベラを探すことに。
逃げる二人ですが、狭い坑内で挟み撃ちに。
病院で泣くベラのもとへ、メリッサが。今回は鉱山へ行かずにまっすぐ病院へ来たようです。
ベラを抱きしめたメリッサは、もう絶対にベラを離さないと誓います。
二人で死人うじゃうじゃの病院から脱出しようと、メリッサはベラを隠して病院内を探索。
メリッサの帰りを待つベラのもとには、死人化してしまったソルが。
そんなソルに怯えたベラは、構内放送でメリッサへ助けを求めます。
同じ頃、森の中で気絶していたサムは、ベラの放送で目を覚まします(死人から逃げる途中で、運良く崖から落ちて助かった。)
犀加さんも山道で目を覚まします。
ベラとメリッサは、二人で病院を脱出し、追いかけてくる死人を蹴りつけて、車に乗って逃走。
一方ハワードは、死人から逃げ中。何気なく視界ジャックした死人の視界に黒い服の少女(美耶子)が。
自分の頭がおかしくなったのかと思いつつも、なんとなくその少女が気になって…
ep9
病院から車で逃走した二人。が、途中で怪力死人に邪魔され、車は大破。
徒歩で聖堂につくも誰もおらず。サムは助けに来ないのか?と尋ねるベラを抱きしめるメリッサ。
サムがいなくても、自分が必ずベラを守ると誓う。
二人で逃げるも、死人が投げつけてきた大木に足を挟まれ動けないベラ。
ベラが落としたライターに目を向けるメリッサ。
死人の注意を自分に向けさせながら、必死に油を撒くメリッサ。ついに死人に捕まってしまいます。
最後の手段と、足元に広がった油に火をつけ…
メリッサが時間を稼いでくれたお陰で、大木から足を引き抜けたベラ。
そんなベラの目の前には、死人と共に燃え上がる母親の姿があるのでした。
メリッサの自己犠牲によって、ベラはなんとかその場から逃げ出します。
一方、サムは病院にたどり着きますが、誰もいません。そこで教会がかかれたベラの絵を見つけます。
そして犀加。今度はサムでなく、ベラを発見。死人に追いかけられる彼女を助けます(でも合流はしない)
一人ぼっちのハワード。どうやら、ループ前のことを思い出したようです。
聖堂についたサム。そこで見つけた教典に、自分達の事が、すべて予言として書かれていることに驚きます。
押入れに身を潜めていたベラは、外が騒がしいので、様子を窺います。死人がいっぱいいたので吃驚して、つい音を立ててしまいます。
その音を聞いた死人が押入れを開けようと…
308 :
サイレンNT:2010/07/07(水) 16:43:00 ID:sw8txGML0
ep10
死人が押入れを開けようとしたとき、居間のテレビがつけられ、そちらに注意が向く死人。
なんとか死人達をやり過ごし、家の外まで脱出したベラのもとへ、死人化したメリッサが。必死にメリッサを振り切って逃げるベラ。
そして美耶子と合流したハワード。今度こそ彼女を守ることを決意します。
美耶子はハワードに、ずっとループしていると言います。そして、眠っているもう一つの力を解き放たなければならないと、ハワードを誘います。
一方その頃、アマナも真の儀式を成功させるために行動を開始しているのでした。
封印を解いた二人のもとへアマナが。
アマナの不思議な力にやられたハワード。美耶子はアマナに連れ去られてしまいます。
気絶しているハワードを見つける犀加。彼はこの出会いは偶然じゃないと感じ、どこかへ担いでいきます。
その一連の出来事を物陰から見ていたベラは、犀加の後をつけていきますが、すぐに犀加に気づかれてしまいます。
しかし犀加は一つうなずくと、無言で再び歩き出します。そんな彼についていくベラ。
ep11
病院で目を覚ますハワード。傍らにいるベラに気がつきます。
二人は助けてくれた犀加を探して、明かりがついてる実験室を覗くと、死人相手になにやら実験している犀加の姿が。
非難するハワードを気に留めない犀加は、やることがあると言い残し、部屋を出て行ってしまいます。
残された二人は、連れ立って夜道を歩き死人の巣へ向かいます。
部屋を出て行った犀加は、古の力(うりえん)を手に入れることに成功。
その頃サムは、これからのことが予言された教典を読み、儀式を阻止しようと、あちこち探しているようですが、見つからず、地団駄ふんでました。
そして美耶子を手に入れたアマナは、復活の儀式を始めていました。
死人の巣、そしてアマナのもとにハワードとベラは辿りつきますが、一歩遅く。
ハワードの目の前で美耶子は生贄にされてしまいます。
サムもちょうどたどり着きますが、一歩遅かったことにショックを受けます。
ベラがサムに駆け寄ろうとしたそのとき、赤い水から蚕子様が現れ、危険だからと、ベラの手を引いて逃げ出すハワード。
アマナは現れた蚕子様をみて、これでは違うと呟きます。
そんな彼女の前に、ニヤリと笑った犀加が現れるのでした。
309 :
サイレンNT:2010/07/07(水) 16:44:02 ID:sw8txGML0
最終ep12と、最後のまとめはまた次回。
サイレンNT乙です
WiiWareの「ディシプリン*帝国の誕生」のリクエストを取り消します
乙女ゲームもいいんだよね?
PS2の「スカーレットライダーゼクス」をリクエストします。
312 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:10:58 ID:vzgm0Wm10
遠隔捜査 −真実への23日間−
『23日間』
逮捕後、起訴されるまでの最大日数。
1)48時間以内に送検を決定
2)24時間以内に勾留を決定
3)10日の勾留期限
4)更に10日の勾留延長
以上を合計して23日間である。
オレは夢を見ていた。
「コウちゃん、起きなさい」
ちゃん付けってのもどうかと思うが、オレを呼んだのはおふくろだった。
5年前、事故で――階段から落ちて、死んだおふくろ。
「その笑顔があれば、どんなに辛いことでも、乗り越えていけるわ」
ああ、そうだな。おふくろはいつもそう言っていた・・・。
◇11月11日 事件の発端
目を覚ます。オレは、どうして・・・?
ええと、オレは斉藤光志(さいとう こうじ)、25歳。水谷探偵事務所に所属する探偵だ。
うん、だんだん意識がハッキリしてきた。
昨夜、酒に弱いオレはバーで酔いつぶれて、それからは思い出せない。
今朝、刑事がやってきてわけがわからないまま殺人容疑で逮捕されて、ここにいる、というわけだ。
事件のあらましはこうだ。
被害者は白川ハウジングという大会社の社長、白川一朗。
11日0:44頃、バー「ライトブルー」のVIPルームから、銃声が鳴り響いた。
VIPルーム内で白川一朗が血を流して死んでいた。
第一発見者は、たまたま店内に居合わせた近藤という刑事。
店内を捜索したところ、凶器と思われる拳銃が出てきた。
その拳銃に、オレの指紋がついていたらしい。
313 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:13:50 ID:vzgm0Wm10
◇11月12日 不測の再会
オレは取調室に連れて行かれた。
オレの取調べを担当するのは、三浦という、いかにも正義感に燃えてますといったような若い刑事だ。
さっそく尋問が始まった。
「お前が殺した被害者の名前は?」
これは引っ掛けだ。ハッキリと解らないこと、知らないことには黙秘権を行使すること、
それが尋問の基本だ。
オレは殺してない。当然、黙秘権を行使しして、切り抜けた。
見当違いのことを答えたり、あいまいな答えを返すと、三浦の心象が悪くなる。
最悪の場合、速攻で起訴されてそれで終わりだ。
一旦起訴されてしまったら、無罪判決を勝ち取ることは難しい。
だから、起訴される前に、オレの無実を証明しなければ・・・。
接見があるというので、接見室に行く。
そこには思いもかけない人物――法子がいた。
新城法子。大学時代、オレは法子といつも一緒にいたっけ。
そして、共に弁護士を目指していた。
だが5年前、おふくろがが死んだ。
幼い頃、親父を亡くしていたオレは、一人ぼっちになった。
何もかもが崩れそうになるのを感じて、オレはすべてから逃げ出した。
弁護士になる夢を捨て、法子の前から姿を消した。そして、探偵になった。
法子はオレがいなくなった後も勉強を続け、晴れて弁護士になっていた。
「5年ぶりなのに、こんなかたちの再会なんて・・・。
どうしてこんなことになっちゃってるの?」
「法子、オレの話を聞いてくれ。言いたいことは一言だけだ。オレはやってない」
オレの言葉を聞いて、法子は笑った。
「コウジ、変わってないね」
オレは法子を担当の弁護士に指名することにした。
そして、身動きが取れないオレの代わりに、
いろいろな場所へ行き情報を集めてきてもらうことになった。
その情報を元に、オレは推理を組み立て、真犯人を暴くのだ。
留置所の自分の部屋へと帰る。
「お帰り〜光志君。疲れたでしょ」
人懐っこそうに見えるこの男は七芝伊月(ななしば いつき)。この部屋の同居人だ。
なんでも自称小説家で、わいせつ物頒布罪で捕まったらしい。
「ああ、メチャクチャ疲れた。こんな日はゆっくり風呂に入りたいよ」
「残念。ここはお風呂は週2回。だから今日は入れないよ」
2日に1回かと思ってた。くそー。
314 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:15:09 ID:vzgm0Wm10
◇11月13日 無意義な談
今日は検事による勾留請求を目的とした取調べを受けるために、検察庁に来ている。
形式的な質疑応答の後、10日間の勾留が決定した。
次に裁判所に行って勾留質問を受ける。
その夜、久々に風呂に入ったんだが・・・。
湯船のお湯はなんと真っ黒だった。
勾留されてる奴らみんなが週2回しか風呂に入れないとなると、これは仕方ないのかもしれないが。
七芝は平気な顔して入っていた。
315 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:16:17 ID:vzgm0Wm10
◇11月14日 記憶の境界
法子が接見しに来た。
法子はまず白川家に行って話を聞いてきたらしい。
白川一朗の家族は、妻のと大学生になる一人娘、のぞみ。
それから、写真を見せてもらったが、美佐恵はおふくろにそっくりだった。
法子は戸籍を調べてみたが、美佐恵はおふくろとは血縁関係がない。ただの空似らしい。
それから水谷探偵事務所へ。所長の朝露さん――水谷朝露(みずたに あさつゆ)に会ってきたという。
朝露さんは妙齢のナイスバディなお姉さん(と言っておこう。歳は知らない)。
フラフラしてたオレを雇ってくれた恩人でもある。
事件当夜、オレは朝露さんにライトブルーに連れて行かれて、そして酔いつぶれた。
朝露さんはオレと一緒にカウンターで飲んでいたらしい。
0時過ぎ、オレをタクシーに乗せた。その後で銃声が聞こえたという。
だから、オレは犯人ではないと、朝露さんは太鼓判を押したという。
法子が帰った後、息つく暇も無く次の接見。
「元気だった、コウちゃん?」
朝露さんが来てくれた。
「朝露さ〜ん、待ってたんですよ」
朝露さんと、ライトブルーでのことをしばらく話す。
それから朝露さんはあわただしく帰っていった。
ただでさえ少ない所員がさらに少なくなっているこの状況じゃ、しょうがないか。
それから現場検証のために、ライトブルーへ連れて行かれた。
殺人現場のVIPルームに入る。三浦は何か思い出したか、とオレに聞くが、
オレはやってないし、入ったことない場所なんだから思い出せるはずもない。
被害者の白川一朗は、うつぶせになるように倒れていたらしい。
銃で撃たれて倒れたような体制には見えなかったが・・・。
またまた接見人が来た。やって来たのは、オレの友人だと名乗る20歳前後の女の子だった。
まったく見覚えがない子だ。誰なんだ?
とりあえず、立会人に怪しまれないように話をすることにした。
「えっと、花子、だっけ?久しぶりだな。花子は勉強がよくできたよな」
「あ、ええと、はい。私も、先生に勉強を教えてもらって、楽しかったです」
この子は大胆かつ、頭の回る子だ。オレの意図を汲み取って話を合わせてきた。
さて、この子が何者なのか探りを入れないと・・・。
「ご両親は元気か?花子、一人暮らしは初めてだろ?お父さんは心配してるんじゃないのか?」
女の子は突然涙ぐんだ。なぜだ?「お父さん」に反応したのか?
この子のお父さんはもう死んでいる・・・?
あっ、まさか!この子は、白川一朗の娘の、のぞみだ。
くそっ、父親を殺したかもしれない男に、両親は元気かなんて言われたら・・・。
「人殺し・・・」
そう呟くと、のぞみは席を立ち、去って行こうとする。このまま行かせてはダメだ。
「オレはやってない!」
のぞみの背中に呼びかけたが、彼女はそのまま去っていった。
316 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:19:14 ID:vzgm0Wm10
◇11月15日 疑惑の取引
取調室で三浦と向かい合っていると、突然中年の刑事が入ってきた。
こいつが第一発見者の近藤だ。
「どうだ斉藤、話す気になったか。今すぐ自白すれば、殺意は無かったと調書に書こう。
この場合、傷害致死だ」
近藤の奴、オレに司法取引を持ちかけるつもりか?もちろん、そんなつもりは無い。
「嘘の事実を捏造するくらいなら、改めて主張する。オレは、やってない」
怒った近藤はオレの胸倉をつかんで揺さぶった。
これ以上は違法だと三浦が止めに入った。
「ぐっ、勝手にしろ!」
近藤は憤然としながら取調室を出て行った。
◇11月16日 届かぬ想い
法子が驚くべき情報をもたらした。
朝露さんは昔優秀な弁護士だったという。そのとき、白川グループの顧問弁護士をやっていたらしい。
だが、体調を崩して辞めたのだという。
また、のぞみが接見にやってきた。
被疑者と被害者の家族の接見は禁止されている。のぞみの正体が知れてはマズい。
それなのにこうして、変装してまでオレに会いにくるなんて、どういうつもりだ?
のぞみは何も言わず、じっとオレの顔を見るだけだった。
「どうした花子?恨み言ならオレにぶつけていいんだぞ」
立会人にバレないスレスレの会話。
「明日、また来ます」
結局、のぞみは何も言わなかった。
◇11月17日 希望と憂鬱
法子がタクシーセンターに問い合わせて、
オレが乗せられたというタクシーの乗車記録を調べてきてくれた。
結果、乗車記録、まるでナシ。そのタクシーは白タクの可能性があるな。
白タクだったら、オレのアリバイはあやふやなままだ。
昨日の言ったとおり、今日ものぞみは来た。
「花子、あの・・・」
「私は先生が殺人犯だなんて、思っていませんから」
目の前がパーッと晴れたような気がした。
317 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:20:11 ID:vzgm0Wm10
◇11月18日 因縁の連鎖
取調べのとき、三浦から古びた手帳を見せられた。
オレの自宅の、おふくろの遺品をまとめた段ボール箱から出てきたものだそうだ。
それは20年前交通事故で死んだ、オレの親父のものだった。
その手帳には、「自分はやがて白川一朗に殺されるだろう」と書かれていた。
新聞記者だった親父は、白川グループの黒い噂を追っていたらしい。
誓って言うが、オレはこの手帳の存在も知らないし、中身を見たことも無い。
だが三浦は、この手帳を見たのが殺しの動機だと疑っている。
◇11月19日 記憶の継承
「そういえば光志君、あの本読んだ?」
あの本とは、先日七芝に勧められて図書室から借りた本のことだ。
「死して生きる」というタイトルだった。
心臓移植をされた主人公は、毎夜、自分が殺される夢を見る。
その夢は、臓器提供者(ドナー)の記憶だった。と、こんなあらすじだ。
心臓に宿った記憶が、移植された後も続く、か。
オレのおふくろは、心臓のドナーだった。おふくろの記憶を受け継いだ人が、
どこかで生きているとしたら、おふくろと再会できるかもな。
◇11月20日 心的な損傷
法子が調査したところによると、白川一朗は心臓病を患っていて、
数年前に渡欧して、移植を受けたとのこと。
それから、ライトブルーで、防犯カメラの映像を確認してもらった。
オレがカウンターで酔いつぶれている映像だった。
そのオレの周りをウロチョロする怪しい影があった。
誰かは解らないが、きっとこいつが拳銃にオレの指紋を付けたのだろう。
◇11月21日 運命の振り子
法子がライトブルーで集めてきた情報を組み立てる。
まず、VIPルームのBGMを制御する専用の音楽プレイヤーが事務所に設置されていて、
CDなどの音楽をかけることができる。
事件当夜はクラシックのCDがかかっていたそうだが、事件発生直後には音楽は止まっていた。
それに、そのプレイヤーには外部音源が接続された形跡があるとのこと。
外部音源に銃声を録音しておき、音源を切り替えれば、VIPルームに銃声をとどろかせることが可能になる。
つまり、犯行時間は0:44よりもっと前だったのだ。
318 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:23:00 ID:vzgm0Wm10
◇11月22日 予定の調和
今日は勾留期限だ。明日には釈放されてる・・・といいなぁ。
いつものように三浦から尋問を受ける。
「お前がやっていないという証拠はあるのか?」
これは悪魔の証明というやつで、やっていないことを証明することはできない。
当然黙秘。しばらく考えた後、三浦は言った。
「この事件にはまだ謎が残っている。このまま終わりにするわけにはいかない」
どうやら、勾留延長らしい。
◇11月23日 消えた証拠
検察庁へ行って検事から尋問を受ける。
「どうして凶器になった銃に指紋がついているのかね?」
オレはライトブルーの防犯カメラの映像の話をした。
「そんな証拠、受け取ってないけど?」
どういうことだ?
◇11月24日 無力の謝罪
法子が接見にやってきた。今日から、犯行が可能だった人物のアリバイを
一人一人確認していくことを調査方針とする。
朝露さんが接見にやってきたので、過去のことを聞いてみることにした。
昔、白川グループの顧問弁護士だった頃、白川一朗の弟、白川真二と恋人だったという。
そして、弁護士を辞めるきっかけになった病気というのは心臓病で、
5年前に心臓の移植を受けて以来、健康を保っているとのことだ。
尋問のとき、三浦に、証拠のビデオが提出されてないことを問いただした。
三浦はただ謝るだけで、理由も、誰がやったとも言わなかった。
◇11月25日 泣き寝入り
取調室に近藤がやってきた。
「ビデオは部下が紛失させたんだよ。済まなかったな」
そんなのは嘘っぱちで、本当は近藤が握りつぶしたに違いない。
近藤が出て行った後、三浦は黙り込んでいた。
「あんた、本当にこんなんでいいのか?」
三浦をたきつけるように、オレは言った。
「・・・確かにお前の言うとおりだ」
この日以降、三浦と協力関係が出来たような気がする。
いつもと同じようにキツイ口調で尋問されてはいるが、
三浦は、オレが真犯人を探し出すのを手伝ってくれているのだ。
319 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:26:59 ID:vzgm0Wm10
◇11月26日 独断と偏見
法子が、朝露さんが移植手術を受けた病院へ行ってきた。
その病院は、オレのおふくろが看護師として働いていた病院でもある。
おふくろは勤務中に、病院の階段から落ちて脳死状態となり、死んだ。
朝露さんのことも聞いたらしいが、解らなかったらしい。
そういえば、水谷朝露というのは探偵業のための偽名だったな。
本名は、吉本澄香だ。
◇11月27日 融和の兆し
親父の手帳をもう一度見せてもらえることになった。
よく見てみると、真二の心臓を一朗に移植した、と書いてあった。
それと、真二のいた高校が解った。おふくろの出身校と同じだった。
最近、白川ビルの社長室に、吉本ユミというなぞの少女が出没しているらしい。
吉本といえば朝露さんのことか?と思うが、吉本は珍しい名前じゃないからな。
◇11月28日 告発の行先
法子が高校へ行って話を聞いてきた。
白川真二とおふくろは、放送部に所属する先輩後輩の関係だった。
真二はおふくろに相当な憧れを抱いていたようだ。
朝露さんが、あの証拠のビデオを紛失した件で、近藤を告発したと、三浦は言う。
朝露さんはもう一件告発していたが、そちらの方は教えてもらえなかった。
◇11月29日 意外な真実
三浦が証拠のビデオを持ってきたので、見せてもらった。
オレの周りでウロチョロする怪しい影。そいつは近藤だった。
だが、近藤は拳銃にオレの指紋をつけるためではなく、
朝露さんと接触するためにウロチョロしていたらしい。
三浦に、近藤と直接話がしたいと頼んだ。
法子が再び病院に行ってきてくれた。
朝露さんの本名を出したら、意外なことが解った。
おふくろの心臓は、朝露さんに移植されていたのだった。
320 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:28:04 ID:vzgm0Wm10
◇11月30日 過去の清算
白川一朗の妻、美佐恵は、のぞみの実母ではないらしい。
前妻とは死別していたが、数年前、一朗は美佐恵に一目惚れし、再婚を決めたのだという。
そのことをのぞみに教えてやったら、心底驚いていた。
近藤と話をする。近藤は、白川一朗と高校のときの同級生だったらしい。
そして、一朗から賄賂を受け取り、見返りに便宜をはかっていた。
近藤は収賄の容疑で逮捕された。犯行当時のアリバイもハッキリしたし、近藤は犯人ではなかった。
七芝がオレより一足先に釈放となった。嫌疑不十分らしい。
寂しいような、せいせいしたような。
◇12月1日 最後の疾走
法子を病院に行かせて話を聞いてきてもらった。
朝露さんの心臓移植は、播磨という医師の独断で執り行われたらしい。
播磨医師は、真二から一朗への心臓移植も行っていた。
ここは播磨医師に話を聞きたいところだったが、播磨医師は今は行方不明になっているそうだ。
◇12月2日 凡ての結末
法子から最後の報告を受ける。これで疑わしい人物のアリバイがハッキリした。ただ一人を除いて。
そう、朝露さんのアリバイがハッキリしないままだった。
尋問のとき、そのことを三浦に告げた。
朝露さんを確保すべく刑事が探偵事務所に向かったが、朝露さんは行方不明だという。
三浦がオレに手紙を差し出した。事務所のドアに挟まっていたという手紙。
「ようやく長い間捜していた人物が
見つかったので、しばらく留守にします。
ごめんね、コウちゃん・・・」
321 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:30:50 ID:vzgm0Wm10
エピローグ
次の日、検察庁に行って検事聴取を受け、オレは晴れて釈放となった。
いや、まだ終わってない。朝露さんに話を聞かなければ・・・。
オレは法子と一緒に、朝露さんを捜すことにした。
手紙にあった、朝露さんが捜していた人物とはたぶん、播磨医師だ。
オレたちは病院に行って、播磨医師のことをくわしく聞く。
播磨医師は、休みの日は別荘にいるらしい。
別荘の場所を教えてもらい、車を飛ばした。
朝露さんは、男に向けて拳銃を構えていた。男の顔をよく見る。そいつは意外な人物――七芝だった。
吉本ユミは、朝露さんと白川真二の子だった。
真二は渡欧し、腎臓の手術に失敗したと見せかけて、播磨に殺された。
そしてその心臓を一朗に移植した。
播磨は、臓器移植の際、記憶が継承されるという話に興味があった。
その実験のために、吉本ユミを一朗に会わせた。ユミは一朗を父親と認識し、度々会いに行くようになった。
一朗の死後も、それは続いていた。
朝露さんはユミを守るため、そして真二の復讐を果たすため、播磨を捜していたのだった。
播磨は、朝露さんから逃げるために、七芝に化けて留置所に入ったのだった。
拳銃を構えてはいたが、朝露さんは撃てないでいた。
逆に朝露さんは播磨に撃たれてしまった。どうやら急所は外しているらしいが・・・。
播磨にはまんまと逃げられてしまった。
数週間後。傷が癒えた朝露さんが退院して、留置所に送られる日。
オレは三浦の計らいで、朝露さんと少し話をすることができた。
ユミを守りたい一心で、朝露さんは一朗を殺そうとした。
VIPルームで、朝露さんは一朗を撃った。弾は一朗の腕に当たった。致命傷ではない。
だが一朗は心臓を押さえて苦しみだした。そして突然笑顔になった。
「君を殺人犯にはさせない」
そのとき、朝露さんは真二と再会したのだった。
やがて、一朗に移植された真二の心臓は止まった。
「ねぇ、コウちゃん、弁護士になったら?今からでも遅くないわ」
朝露さんが言う。
そういえば、オレが弁護士になる、ってのは、おふくろの希望だったっけ。
それもいいかも知れない。オレは笑った。
「その笑顔があれば、どんなに辛いことでも、乗り越えていけるわ」
オレはそのとき、おふくろと再会した。
END
322 :
遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:32:57 ID:vzgm0Wm10
伏線を回収しつつ補足。
真二はおふくろに憧れていた。その真二の心臓を移植された一朗は、
おふくろに似ている美佐恵に一目ぼれした。
真二は朝露さんと恋仲になったが、まだおふくろのことが忘れられないでいた。
それを知ったおふくろは、何かあったら自分の心臓を朝露さんに移植してほしいと言っていたらしい。
※法子の調査結果等、実際のゲームとは日付がずれている場合があります。
※このゲームの肝は滅多に体験できないであろう、留置所生活が満喫できることです。ええ。
それだけでもこのゲームの価値があると思う。
以前ファイナルファイト2と書いたんだが、難度最高でクリアすると
エンディングが続くのを忘れてた
以下後半補足↓
香港にてマッドギア幹部・王王(ウォンウォン)を倒した一行は、源柳斉が既にヨーロッパへと連れ去られたことを知る。復活したマッドギアはヨーロッパを拠点として活動していたのだ。
そこでフランス→オランダ→イギリスとヨーロッパを転戦し、イタリアにて宿敵ロレントを倒す。
「日本に帰れ!おまえたちの探している奴等はそこにいる。そこでおまえたちは地獄を見るのだ!」
ロレントの最後の言葉を受け、一行は新マッドギアの本拠地・日本へ向かう。
そして新マッドギアの首領・烈を倒し、一行はついに源柳斉とレナを助け出す。
「お父さ〜ん!お姉さ〜ん!」
「マキ!こんなにボロボロになるまで……」
「私が以前娘をさらわれた時、ガイが力を貸してくれました」
「みなさん、ありがとうございます。このことをあの人にも伝えたい……ガイ……」
修行中のガイのもとに、レナからの手紙が届く。
『三人には感謝の気持ちでいっぱいです いつも貴方のことを想っています レナ』
「ありがとうハガー、カルロス、それにマキ…… 待っていてくれ、レナ……」
夕日に向かって佇むガイの後姿と上の台詞が出て終了です
乙
ファイナルファイトとか懐かしいな
語れるほどのストーリーはないけど、折角なので未解決リストから供養。
最初に名前を登録してゲームスタート→でも主人公の名前は固定。
主人公がいる町に父が所持していた船が難破した状態で流れ着いて
町が騒ぎ(?)になる。ただし、父の所在は不明。有名な「これは ひどい」の
台詞はここで開幕一番に表示される。(これはひどいの元ネタはこのゲームで
ネタとして広まったきっかけはにゃんちゅう、とする説が主流っぽい)
親友に呼ばれて難破現場についた主人公。事態を把握?すると二人で主人公の
おばさんに状況の報告に行く。するとおばさんから女王に呼び出されているから
行ってこいと言われるので、城へ。そこで主人公は「おまえの一族には
モンスターと戦える特殊な能力があるので、モンスター退治に行ってこい」と
女王に命令されてモンスター退治の旅に出る事になる。親友は付いてきてくれるけど
説明書に載っているヒロインっぽいキャラは固定台詞で町をうろつくだけ。
主人公は船に乗って各地の町に行き、そこを占拠しているモンスターを倒して
町を開放していくことになるが、その感「本筋」は進展しない。
ただひたすら町を開放していくだけ。作業ゲー。イベントと呼べそうな
ものも無くはないけど、本筋に絡むかと言われたら…そもそも本筋などないという
説もあるが。町の構造は全部共通。開始直後から好きな場所へ移動できるので、
進行順が分かりにくく、初遭遇した敵が強すぎて\(^o^)/になることもしばしば。
一応、開放した町のモブから情報は収集できるので、それに従いアイテムを集めて
規定の場所へ行くとラストダンジョンへ突入できる。
ラスボスのところまで辿り着いたら、ラスボスが主人公に語りかけてくる。
内容を整理すると、ラスボス=元現実世界の住人で、現実逃避してたらゲームの世界に
モンスターとして入り込んだっぽい。仲間を求めて主人公を操るプレイヤーに
こっち側へ来い、と誘うがプレイヤーが言う事を聞かないので襲い掛かってくる。
(ここで冒頭で入力した名前でプレイヤーに呼びかけてくる)
ラスボスを倒すと「夢オチEND」と呼ばれるEDへ。この世界が現実の世界ではなく
主人公はプレイヤーの仮の姿だと知った親友(と、謎のおっさん。父?)が
「この世界は空想?じゃあお前がいなくなったら俺達消えちゃうの?」的な話をしつつ
「俺達が消えてもお前の中では生き続けるよな」みたいな定番の台詞で暗転。
目が覚めるとベッドの上にいた主人公。おばさんに今日は父親が帰ってくる日だと
言われ、外に出てみると親友が大慌てで自分を呼びにきた。
誘導されるまま彼についていくと、そこには父の難破船が…。寧ろ無限ループじゃね?
素材事態はそこまで悪くなさそうなのに、何か色々と負の要素が集合して
糞ゲーになったように感じます。調理の仕方が悪すぎると言うか。
予断として、スタッフロールに「シナリオ」とか「脚本」とかそのへんのの項目は
ありません。ストーリー担当したのは企画の人なんだろうか。
確か、サターン版は有料ベータで
プレステ版が正規品とか言われたアレかw
>>325 乙
「ネタとして広まったきっかけはにゃんちゅう」の部分の意味がわからない人は
Wikipediaで「ニャンちゅう」の項目を見るといいよ
伯爵を倒すと棺桶に封印される
おてんこが棺桶についての説明をしてくれる
部屋を出るとトリニティが起きる
トリニティ「・・・」
「・・・んがっ!!もう食べられないよぅ・・・」
「うん・・・はっ、生きてる!?」
「伯爵は!?アイツはどこに行った!?」
「まさかオイラの代わりに・・・うぅ・・・」
「すまない、ジャンゴ」
「だがオメェの死をムダにはしない!お宝はオイラが必ず手に入れてやるからな!!」
棺桶を連れてダンジョンを出る事になる
途中でおてんこから説明を色々と受ける
ダンジョンから出てパイルドライバーで伯爵を倒すと
おてんこさま「闇の一族(イモータル)の源、暗黒物質(ダークマター)の焼却が完了した」
「これで・・・今度こそ、やつも復活できまい!」
「見事だ、太陽少年ジャンゴ!!」
???「クックックッ・・・これで勝ったつもりかね、太陽少年ジャンゴ?」
倒したはずの伯爵が現れる
おてんこさま
「伯爵!?バカな、たった今浄化したはずだぞ!?」
伯爵「言っただろう、私は何度でもよみがえるこの体が一部でも残っていればな」
おてんこさま「まさか・・・!?」
伯爵「追って来い、ジャンゴ!!ヴァナルガンドの復活を、世界の崩壊を止めたければな!」
おてんこさま「くっ、伯爵め!分身であるヴァンパイアバットをどこかにひそませていたのか」
「わたしとしたことがそれを見のがすとは・・・行こう、ジャンゴ!!」
「これ以上やつの好きにさせるわけにはいかん!」
「一刻も早くサバタをさがし出し、ヴァナルガンドの復活を阻止するんだ!!」
トリニティ「何だ!?あのしゃべるヒマワリは?」
「それに・・・ヴァナルガンド?」
「世界をメチャクチャにしたっていう破壊の獣のことか?まさかアイツが・・・」
「伝説の戦士?」
「はっ、バカバカしい・・・伝説の戦士なんているわけがねぇ」
「たとえいたとしても、どうせ死んじまうんだオイラなんかにゃあ、どうしようもないことだぜ・・・」
「だがアイツには何かある・・・アイツの行く先にはお宝がある」
「そうさ、お宝さえ手に入れりゃあ、ラクしてくらせるんだ!」
「そうと決まれば・・・カネヅルをにがしてたまるか!!」
よろしければ「初音ミク -Project DIVA-ミクうた、おかわり」
の「ハロー、プロジェクト。」のストーリーをリクエストさせてください。
2つめのエンディングの内容が気になって仕方がない
あ、失礼しました、機種はPSPです。
「初音ミク -Project DIVA-」の追加楽曲集「ミクうた、おかわり」に入ってるゲーム
「ハロー、プラネット。」です。
>>330では「ハロープロジェクト」って言ってるのに
>>332では「ハロープラネット」になってるな
たぶんハロープラネットが正しいんじゃないかと思うが
つか、名前欄にゲーム名書くのはストーリーを書く場合で、
リクの場合にゃ必要なくね?
ハロー、プラネット。の方が正解です。 お騒がせして申し訳ありません
336 :
ゲーム好き名無しさん:2010/07/17(土) 19:29:44 ID:dp1YNf460
「イース ストラテジー」というゲームのエンディングの内容を
教えてください。 機種は、ニンテンドーDSです。
>>336 wikiにあるやつじゃ不満か?
ちなみに自分が書いたんだが
てかストーリーモードはシナリオがあの3つしかない
クリア出来なくて苦しんでたり
対戦してくれる相手がいないんなら窓から投げ捨てたほうがいい
マジで
伯爵を倒すと新しいMAP古の大樹が増える
大樹に行くと
おてんこさま「この巨木は・・・これは大地の精霊、古の太陽樹
「だがこの気配は・・・単に老いているというだけではない。
「何者かに力をうばわれている?
「これも伯爵の仕業なのか・・・
「いずれにせよ油断は禁物だ 心してかかるぞ、ジャンゴ!!
「太陽と共にあらんことを!
後からトリニティが追ってくる
トリニティ「はぁ、はぁ・・・あのヤロウ、師匠を置いていきやがって
「何なんだ、このバカでかい木は・・・昔母ちゃんが話してくれた太陽樹ってやつか?
「それにしちゃあブキミだな
「・・・
「ホントにこんな所に伯爵がいんのか?
「あいつが本物の戦士だとしたらヴァンパイアごときに負けるはずはねぇ
「だが伝説によれば・・・戦士は破壊の獣と戦うことなく死んだという
「仲間のうらぎりによって・・・
「あの変なヒマワリ、見るからにあやしいぜ
「・・・ん?何だ、アレ?
「ぎにゃぁぁぁぁぁぁっ!
ダンジョンを進めると場面が変わり伯爵とかわいい怪物がいる
そのそばでトリニティがつかまっている
???「やぁ、伯爵
伯爵「フレスベルグか・・・エナジーの採取は順調なようだな?
フレスベルグ「こんな老いぼれでも、太陽樹であることに変わりはない。
「それにこの大きさだからね
「あの大砲はおろか、例のお城だって動かせるよ
「そんなことより伯爵、太陽少年ジャンゴ・・・生きていたみたいだね
伯爵「やつはヴァンパイアの血を受けている
フレスベルグ「ふぅん、そういうこと
「でもそれをだまっていたなんて・・・まさかうらぎるつもりじゃあないよね?
伯爵「勝利とは死闘の果てにこそあるべきものだ
フレスベルグ「・・・殺りくの果てに、じゃあないの?
伯爵「きさまと同じにするな、ベルグ
フレスベルグ「キュキュキュキュキュッ!!
伯爵「・・・そのガキは?
フレスベルグ「せっかくの獲物なんだスパイスをきかせなきゃね
伯爵「ハンッ、相変わらず悪シュミだな
フレスベルグ
「ホッグほどじゃあないよ
「とにかくここはボクの領域だ
「カレはボクの獲物・・・
「悪く思わないでね、伯爵
伯爵「好きにするがいい・・・
「だがやつはこのかれ果てた老木とはちがう
「生焼けには注意するんだな
フレスベルグ「手を焼いた獲物ほど食べがいがあるってものさ
「キュキュキュキュキュッ!
トリニティ「うぅ・・・何でオイラがこんな目に・・・
「それにヴァンパイアの血?
「やっぱりアイツは・・・伝説の戦士じゃあなかったのか
「クソッ、他人を当てにするなんてオイラがバカだったぜ!
さらにダンジョンを進めるてボス部屋にて
???「こんにちは、ジャンゴくん
トリニティ「ジャンゴ!
ジャンゴ「トリニティ!!どうしてここに・・・!?
フレスベルグ「ふぅん、やっぱりお友達だったみたいだね?
ジャンゴ「トリニティをどうするつもりだ!
フレスベルグ「何もしないさ
「でもこのまま放っておいたら、風に運ばれて痛い思いをするかもしれないね
トリニティ「チクショーッ、放しやがれーっ!!
フレスベルグ「キェキェキェキェキェッ!!
「ボクはイモータル四人衆の1人・・・
「死の翼フレスベルグ!
「伯爵と追いかけっこのところを悪いんだけど少しだけボクの食事につき合ってくれないかな?
「あぁ、料理の心配ならいらないよ
「ボク・・・好ききらいはしないから!
かわいかったフレスベルグが怪鳥に変身する
フレスベルグ「キシャロロロッ!!
「・・・どこからがいい?好きなところから喰らってやるぞ?
「太陽少年ジャンゴ!!
フレスベルグと戦闘開始
ペルソナ3ポータブル(PSP)
の女主人公版の変更点をまとめてきたら、もう解決してた…
でもせっかく書いたから載せる
■変更点
○教師全員の立ち絵が追加されている。
あの叶先生も戦車コミュの部活のダメ顧問として登場。
○チドリ死亡イベントが書き直されている。
トリスメギストス召喚の掛け声が、呻き声から「ペルソナアアアア!!!」の絶叫に変更。
覚醒ではなく、ヘルメスとメーディアが融合してトリスメギストスになる。
○ラブホテルイベントの相手が真田になる。狙えば順平も可能。
○荒垣が生存するルートがある。
○テオドア選択可能
ベスの他に、テオドア♂が選べる。
外出先の話題はほぼ一緒。リアクションは若干異なる。
最後の自室訪問で、暗転長い時間を過ごした後は、自分を戒めると言って二度と私的に交際しない。
最強なる者戦では、ベスと使用ペルソナは異なるが、能力は同じ。
○屋久島は、屋久杉見に行き隊の方になる。
ナンパイベントは、順平と真田だけで行われて内容も見られる。
○夏休みは、P4の八十稲葉に運動部の交流試合で行く。
中学生雪子の案内を受けて、天城旅館に宿泊する。
結子と主人公と理緒で相部屋。怪談噺などに興じる内に、怪奇現象に合う。
○修学旅行の温泉は、見つける側。
■コミュ
【魔術師・順平】(友近と交代)
順平との関係が悪化している間はコミュ不可能。
先にMAXにしていても、本編では嫉妬厨乙状態になる。
帰りに買い食いしたりブラついたりする内に、すっかり仲良くなる。
主人公の盗撮写真が出回ってることを知って、順平は犯人捜索&ネガ回収に乗り出してくれる。
二人で聞き込みをしたり、噂を辿ったりする合間、
悩みやこれからの生き方や、今まで順平が避けてきた重い話を分かち合えるようになる。
ある日、順平が殴られたような顔で誘いに来る。
どうしたのかという問いには答えず、「写真のこと、もう大丈夫だぜ」と笑う順平。
肝心の所は主人公に隠して、一人で片をつけてきてくれたのだ。
コミュMAXで、「ブタのキーホルダー」をくれる。確か、家の鍵にずっとつけてたもの。
ちなみに、後に告白もできるが、振られる。
【剛毅・コロマル】(結子と交代)
待望のコロマルモフモフ。
基本的に、夜にコロマルの散歩に行く。誰かついてくることもある。
ただそれだけの幸せ。
散歩中にいつも、亡くなったご主人の神社で遊ぶ。
最初は、ご主人を忘れられないのだろうと思っていたが、
散歩を重ねるうちに、「元気だよ」と、仲間と遊ぶ姿を亡きご主人に見せにきているのだと気付く。
コミュMAXで、コロマルは昔していた首輪をくれる。
私達は新しい飼い主ではなく、共に闘う同志なのだ。
「私についてきてくれる?」と問う主人公に、コロマルが力強く吠え返す。
【戦車・岩崎理緒】(宮本と交代)
キリっとしたポニテ少女。テニス部かバレー部の2年リーダー。
真剣に部活をやりたい理緒と、適当に遊んでいたい部員との間に溝ができている。
段々孤立し、部員達は理緒をウザがって来なくなり、主人公と二人だけの部になる。
皆が夢中になっている恋愛を、理緒はバカにしていたが、省みて、自分も体験してみようとする。
でもよりによって相手が友近(幼馴染らしい)。
友近は、理緒を女としては見ていない。顧問の女教師との恋に夢中。
理緒は自分がずっと友近を好きだったこと、彼に女扱いされないのが辛かった事を自覚する。
理緒は告白を諦め、主人公と二人で部活を続ける。
その内に、部員達が気まずげに戻ってきて、理緒も今までの態度を謝って和解する。
「恋なんかくだらないなんて言ってごめん。こんなに辛いものだったんだね…」
理緒の呟きに、部員たちは色めき立ち、口を割らせる。
友近!?ありえない!釣り合わない!というか理緒ならチョロい!というのが皆の意見。
理緒は「望みはない」と諦めているが、部活にあまり身が入らない。
焚きつけられ、当たって砕けた方が今よりスッキリするだろうということで告白しにいく。
理緒の告白の意味がまるで分からず、とんちんかんな答えを返す友近を、
隠れて見ていた結子と部員一同が吊るしあげ総攻撃する。
友近は逃げてしまい、理緒はなんと部活を切り上げ、失恋記念に皆でワックに繰り出す。
スッキリした理緒は、以前の張りつめた雰囲気が抜け、楽しそうに部活をするようになった。
ワイワイと私語が飛び交うけれど、皆も新しい練習メニューをきっちりこなしている。
「全てを犠牲にして部活に打ち込むことが正しいと思ってた。」
楽しいと思う事を忘れていた、と言って、理緒は「書き込みだらけの入門書」をくれる。
テニス(バレー)を始めた頃の理緒が、楽しくて楽しくて、毎日読みこんでいた入門書だった。
隠者・長谷川沙織】(Y子と交代)
泣きぼくろの麗しい才女。図書委員か保健委員で一緒になる。
海外留学の為学年がずれて、2年生だが皆より2歳年上。
そのことと、本人のノーブルで大人びた雰囲気が災いして、クラスで浮いている。
子供からは疎外され、大人に弄ばれて裏切られてきた彼女。
クラスメイトの男の子が、沙織をカラオケに誘う。
いきなり二人きりとは突然だが、クラスに馴染むきっかけになればと沙織はOKした。
しかしその男にハメられ、「長谷川にユーワクされた」と言い触らされてしまう。
そいつの彼女に特攻され「調子に乗んなよ、ババァのくせに」と人前で罵倒される。
その上、クラスメイトとグルの雑誌取材で騙され、
卑猥な性生活の語りを捏造した記事が、顔写真入りで掲載されてしまった。
停学処分を受け、「お高くとまった淫乱ババァ」的なイメージが広がり、学校中から孤立する沙織。
主人公はかばい、沙織と一緒にいようとするが、沙織は転校すると告げた。
「私みたいな娘には今度こそ愛想が尽きたんですって。遠くの寄宿制の学校にやられるみたい。」
一方的に誤解されて、男の良いようにされて、また黙って追い出される沙織。
主人公は憤慨して、沙織に汚名を雪ぐように説得する。
放送室をジャックして、沙織に今まで呑みこんでいた言葉を校内放送でブチまけさせた。
生徒の反応ははかばかしくなかったし、沙織をスケープゴートにして不祥事を揉み消したイヤミ田はおかんむりだったが
若い女性教師たちは、清々しそうにかばってくれた。本当の沙織をわかってくれて、同じく憤慨していた人もいたのだ。
結局沙織は転校するが、発つ前に校内放送を携帯で録音した音声を聞かせてくれる。
沙織が初めて自分の意志を叫んだ勇気の証。
主人公は「校内放送のデータ」を自分の携帯にも送信してもらい、二人は握手して別れた。
【運命・望月綾時】(平賀と交代)
とにかく綾時に口説かれる。以上。
【正義・天田】(千尋と交代)
あまり天田と仲良く出来ていない主人公。天田も、二人で話すのは気まずそうだ。
勇気を「漢」まで育てると、強引に夕食に誘える。
基本的には、『わかつ』で一緒に晩御飯を食べながら何か話す。
最初は、背伸びして大人ぶる天田と、それを微笑ましく思う主人公という図式。
戦隊物やヒーローマンガが大好きなことを隠そうとする天田に、「私も見るよ」と言うと、
天田はマンガの話を楽しそうに話すようになったが、大体時期的にそこらへんで荒垣銃撃が起きる。
天田はマンガを全部捨て、「ヒーロー」が「悪役」を「殺す」様を「カッコいい」と楽しんでいた自分を嫌悪する。
重ねて、「自分の将来」という作文が全く描けず、天田は復讐だけに縋ってきた自分の虚ろさを痛感する。
そして、背伸びしても並ぶことのできない主人公と自分の年の差も実感する。
天田は、本当は主人公に対して、可愛い後輩ではなく、対等な恋愛対象として並びたいと思っている。
自分をどう思っているのか?と問う事で、天田は主人公に関係を委ねる。
○『大事な仲間』と答えた場合
生かされた命を無為に過ごさず、どんな自分になりたいのか考えるようになった天田。
ずっとお守りにしていた、今はもう無い家の「銀色の鍵」を、主人公に託す。
○『好きだから』と答えた場合
たしか彼は小四だが、恋人同士になる。
真田と二股をかけている場合、真田天田(+順平)のパーティで、タルタロス内でド修羅場発生確認。
順平が気の毒である。
恐ろしいことに、「暗転→長い時間を過ごした」も発生するし、
修羅場会話で真田「意外と重いぞ」→天田「知ってますよ」という発言がある。
ショタだとか女性向けだとか(中略)味わったぜ。勘弁してくれアトラス。
【星・真田】(早瀬と交代)
魅力を学園のアイドルまで上げると、お取り巻きが黙りコミュ開始可能になる。
荒垣死亡(入院)→覚醒するまではランク8以上にいけない。
基本的に帰りにメシをおごってもらう。
「やっとできた後輩」を可愛がる「面倒見のいい先輩」という組み合わせだったが
主人公がリーダーとして頭角を現していき、闘いも過酷になるにつれて、真田の態度が微妙になっていく。
不機嫌な真田に、あまり前線で戦ってほしくないというような事を言われる。
以前はシャドウ戦も部活感覚で楽しく、主人公達の活躍も、可愛い後輩の頑張りを喜んでいられた。
だが、敵が強大さを増し続け、ともすれば命を落とすような今、
守ることにこだわる真田には、先陣を切る後輩を見ているのが辛く不安なことになっていった。
その時の真田には、自分の不安を解決することができず、二人は距離を置く。
荒垣銃撃→真田覚醒で、覚悟の据わった真田はまた主人公と親しく話すようになる。
腹は決められたものの、主人公が危険にさらされる事への不安の理由は分かっていない真田。
主人公は彼に答えを提案する。
○通常
真田は恋人フラグが序盤からある上に分かりづらく、大抵の場合折れてる。
何を選んでも「大事な仲間」ということになる。
今までおもちゃ屋を通るたびに、妹のことばかり考えていたが、
おもちゃ屋でこれを見た時、妹でなくお前が浮かんだと言って、「うさぎのぬいぐるみ」をくれる。
○特定の選択肢を全て通り、『恋ですよ』を選択した場合
納得した真田に告白され、恋人同士になる。
うさぎのぬいぐるみをもらい、二人の時は名前で呼ぶ約束をして、真田の部屋で暗転長い時間を過ごす。
【月・荒垣】(グルキンと交代)
荒垣がいい人なのは、皆薄々わかっているが遠巻きで、荒垣も進んで孤立している。
荒垣を馴染ませるのもリーダーの務めだと思った主人公は、思い切って夜に外食に誘う。
『わかつ』で一緒にご飯を食べてみると、やはりいい人で、
野菜が多いわかつのメニューを褒め、カップ麺ばっか食べている皆の食生活を心配していた。
その内に、荒垣が料理上手なことが分かり、主人公にビーフシチューを作ってくれたり、風花に料理を教えてくれたりする。
相変わらず皆の荒れた食生活を心配する荒垣に、じゃあ作ってあげたらと主人公が提案する。
荒垣は、皆と打ち解けるのを躊躇していたが、根負けして承諾し
風花の実習がてら、皆に御馳走を振る舞うパーティーを秘密で計画する。
当日、寮のキッチンで、風花と荒垣が二人でこっそり料理する。主人公は客なので入れてもらえない。
荒垣の腕は確かで、複数の料理を並行して、しかも同時に完成するように進めていく。
風花にも気を配り、失敗を未然に防いで、リードしてくれる。
やがていい匂いに釣られて、皆が食堂に集まってきた。
物欲しげな顔の一同に、「席に着け」と荒垣の一言。みんな歓声をあげて食卓に並ぶ。
凄い皿数で、どれも熱々、そして美味しい。
みんな荒垣を褒め称え、すっかり懐いてしまった。天田は食べ渋っていたが、結局食べたようだ。
パーティーは大成功に終わり、荒垣も満更ではなさそうだった。
荒垣と随分仲良くなれたと思う反面、段々荒垣はほろ苦い表情が多くなる。
荒垣は、一つ我が儘を聞いてくれと言う。
「俺を、許さなくていい。けど他は全部許してやってくれ…
…後で分かる。」
荒垣が無くしたと言っていた、大事な懐中時計を、主人公は交番で見つける。
それを渡すとコミュMAX。交換のように、「細い革の腕時計」をくれる。
「アキを頼む」と、真田の事を託される。
あいつはガキだから誰かがついててやんねーと、と真田を案じている荒垣。
主人公は、不思議に思いながらも、しっかりと引き受ける。
ホッとした様子の荒垣は、「あとを頼むな」と優しく笑う。
○恋人
MAX後、何かを吹っ切ったように距離を取る荒垣を、無理やり誘う。
荒垣の部屋に行きたいと言うと、紳士VS捨て身の論争になる。
間に告白も交えて粘ると、根負けして招き入れてもらえる。
本当に入れてすぐ追い出そうとする荒垣に抵抗し、
帰れ帰らないの論争にまた粘り勝ち、最後の警告も無視すると、荒垣が開き直る。
「止まんねーからな」と言われて暗転長い時を過ごし、恋人同士になる。
荒垣はひと月しか居ない為、コミュMAX+1は全可能日コミュ実行で初めて間に合う。
結果、二人が恋人同士になるのは、必ず10月3日。
荒垣銃撃の前日である。
○荒垣生存
恋人になっていると、荒垣は即死はしない。
ただし、延命措置で何とか保っているだけで、回復の望みは薄いと診断される。
会話も随所で変わり、12体目のシャドウ戦で、「全部終われば荒垣先輩が目を開けてくれる気がする」と信じていた者もいた。プギャー
1周目はそのまま亡くなるようだが、2周目から、個別EDでは蘇生し駆けつける。
以上。
人物の変わらないコミュは、内容もほぼ一緒。
よってアイギスとか美鶴とかは若干百合っぽくなっている。
P3P乙でした。とても解り易かったです。
良ければ3月以降に見られる新規コミュキャラの個別ED
(ED前のコミュキャラからのその後の報告)
リクエストしたいです。
351 :
ゲーム好き名無しさん:2010/07/19(月) 23:35:11 ID:nNBceC1l0
DSの「ブレイザードライブ」をお願いします
352 :
サイレンNT:2010/07/20(火) 12:44:52 ID:FOyFdXt80
規制に巻き込まれてようやく解除されたんで、とっとと投下しときます。
ラストエピソードです。
ep12
流れに逆らって見るのも悪くないと不敵に笑う犀加の腹部を蚕子が貫く。
しかし、死なない犀加をみて、アマナは実を盗んだのはあなただったのか。と怒る。
そして犀加は宇理炎を発動。あまりに強大な力の為、あたりはめちゃくちゃになってしまい、一同はばらばらに。
サムとハワードは同じ場所に倒れていました。
ベラの姿がないことに心配をするサム。その場を脱出する前に、ハワードにベラを見つけたときは頼むと、自己紹介をしていきます。
サムの名前に聞き覚えがあるハワード。ハワードをこの村に来させるきっかけになったメッセージの差出人の名前がサム・モンローだというのです。
しかし、サムは何も知らない模様で、一人で出て行きました。
一人で行動をするサムの目の前に、死人と化したメリッサが立ちはだかります。
メリッサから逃げるサム。と、そこへベラが。メリッサの変わり果てた姿をみて、奥に逃げていってしまいます。
ベラをおいかけて高いところに上るメリッサ。その体に刺さったアンテナに雷が直撃し、黒こげになって落ちてゆく。
一安心かと思いきや、今度は別の死人(ソル)がベラを追いかける。
ボロボロの姿とはいえ、復活したメリッサもベラに迫る。ベラ大ピンチ!
ところがメリッサはソルをつかんで必死に引き止めます。ベラも、自分を守ってくれた死人がメリッサと気がつきます。
が、メリッサもソルも、ベラも光を放つ穴に飲み込まれ、サムは一人残される。
353 :
サイレンNT:2010/07/20(火) 12:46:21 ID:FOyFdXt80
一方ハワード。赤い水を覗き込み、美耶子と会話中。
一緒に逃げようというハワードに、美耶子は、この村もあいつらも、すべて消してと頼みます。
そして水の中に引き込まれるハワード。着いた場所はいんふぇるの。
犀加がハワードを待っていました。お前の役目だと、ハワードに宇理炎を渡し、なぜか猟銃で襲い掛かってくる犀加。
銃を捨て剣を持ち襲ってくる犀加。必死に抵抗するハワードの耳に美耶子の声が聞こえてきます。
その声に反応するかのように、宇理炎が青く輝き始めます。宇理炎を犀加に向けて放つと、これで良い。と満足そうに笑って消える犀加。
残された剣をハワードが持つと、アマナが現れます。
実を盗んだのは犀加じゃなくてハワードだったと気がついたアマナ。
蚕子に実の代わりにアマナ自身をささげて蚕子完全体登場。蚕子はハワードを万華鏡のような奇妙な空間へ引きずり込みます。
美耶子の導きにて、蚕子に宇理炎を叩き込み、倒したハワード。
倒れ付したアマナは「全ての始まりが生まれる」と、ハワードに語り消えてゆきます。
一方巣の中枢にいるサムは、崩壊に巻き込まれ、ベラらが飲み込まれた光を見ます。
落ちてゆくサムが見たのは、口元を血まみれにして、蚕子の血を貪る金髪の女性の姿でした。その姿はベラを髣髴とさせる…
落下の末、たどり着いた場所は、土砂に飲み込まれた村でした。サムは呟きます。
「繰り返さなければ、あの子の存在を永遠にするために。ハワード、そう言ったな」
そして彼はいずこかへ消えていきました。
で、ハワードはSDKと同じく、異界ジェノサイダーになって〆。
354 :
サイレンNT:2010/07/20(火) 12:56:54 ID:FOyFdXt80
補足
ベラが光に吸い込まれて古代の羽生蛇村に落下、そこでは金髪の子は太陽の使いだとかなんだとかで大事にされる。
成長した後に、飢餓のために蚕子を食べてしまい、蚕子の呪いにかかり、アマナとなった。
中盤で時空がループしたのは、ベラが死人になってしまった為だと思われる。
サムが最後辿りついたのは、31年前の現実の羽生蛇村。
ベラのスケッチブックと、最後に見た映像からアマナ=ベラと確信し、儀式をとめる為に行動をしてたけど、
ベラを永遠の存在とするために行動をするようになる。
後にハワードがブログを立ち上げたのを見つけ、羽生蛇村へといざなうようにメッセージを送る。
その後まもなく死亡(アーカイブに身元不明の外人男性が死亡したという新聞記事がある)
355 :
サイレンNT:2010/07/20(火) 13:04:39 ID:FOyFdXt80
コレで終わりです。
ぶっちゃけ初代とあんま変わってません。
一人の人物に、無印の何人かの役割を押し込んだ形かな。
まぁ、生還できたサムも、その後ハワードにメッセージを出すためだけに、
言葉の通じない国で日々暮らしてたっぽいから、不幸だよね。
本来のサムも別にいるはずで、本当なら、そこに居ないはずの人間だしね。
春海ちゃんはいないの?
NT乙でした。
PS2ソフト「3年B組金八先生〜伝説の教壇に立て!完全版」をリクエストします。
一クラス数十人それぞれにストーリーがあり、GOOD・BADENDが存在して大量に
なってしまうようなので、公式の人気投票で上位だった中島ヒカル(眼鏡の委員長)、
塩見慶一郎(髪の長い男子生徒)、月山美咲(髪をくくっている女生徒)の
ストーリーを希望します。
>>357 おお、ちょうどいいところに。
それ予約します。
THE PATH(PC)をリクエストします。
ストーリーのはっきりしない映像群のような作品だと聞いたので、
解釈を抜いて、見たままを教えていただければと思います。
キングダムハーツコーデッド、よろしければお願いします
The PATH予約します。
アナザーマインド(PS)
サモンナイト4(PS2)の既出部分の続き
をリクエストします。
あれ?アナザーマインドって途中までだった?
と思ってしまった
まさか書かれてなかったとは・・・ノーチェックだったぜ
というわけでアナザーマインド予約
東京鬼祓師(PSP)予約します。
EDリクだが、説明しきれんから通しで書かせてくれ
wikiでパワポケ一気読みしました
中学時代にハマった3(というかそれしか持ってない)が大好きで、未プレイの他作も面白かったです
12はあの人物の強く印象に残っているクモの話を思い出して泣きながら読んでました・・・が未完ですね
ぜひとも続きをお願いします
アランウェイク予約してもいいかな?
とりあえずエピソード1だけ書いてみた
※ネタバレ章です。
お読みになる方は、先に前話まで読む事をお勧めします。※
【外伝2・猫と棘】
春が終わり、時が過ぎて、肌寒い季節がやってきた。
庭の古桜を望む、佐倉家の母屋の縁側で、櫻子は自分の腹をそっと撫でていた。
新しい生命を宿した腹は膨れ上がり、もうじき臨月を迎えようとしている。
庭をキクが掃いている。
キクは、この夏から新しく雇った家政婦だ。産婆の経験もあるという。
前の家政婦だった老婆は、櫻子の事を見下していて、非常に不愉快だった。
キクも同じくらい老婆だし、櫻子のことを子供扱いするが
「奥様は、ほんに、子供のようでございますねえ」
そう、この奥様という呼び名はとても気に入っている。
最愛の兄は、違う男の種を孕んだ自分を、妻として迎えることで守ってくれた。
春先、佐倉家の威信は地に落ちた。
祖父はあまりの衝撃に程なく身罷り、父も隠居した。
兄修造は、本家からの矢面となり、この家を守ってくれている。
母屋で暮らすようになった今でも、兄以外の家族との関係は希薄だ。
それは自分の生まれの運命であり、誰を責める訳でもない。
ただ、我が子には当たり前の幸せを勝ち取ってやりたい。
どこからか、猫が一匹、庭に現れた。
薄汚れて貧相な、見るからに野良猫だ。齢も大分いっているようだ。
だが、己の力で生き抜いてきた獣の、貫禄が魅力的だ。
舌を鳴らして呼んだが、冷たい一瞥をくれて猫は走り去った。
表から、キクの大袈裟な歓迎の声が聞こえる。櫻子の元に歩いてきた兄も、踵を返して玄関へ走って行った。
来たか。櫻子は舌打ちする。帝都のセツ子が来たのだ。
セツ子は修造や櫻子の従姉で、気が強く気位の高い女だ。
この蛇に似た女が、櫻子は大嫌いだった。向こうもそれ以上に櫻子を嫌っているだろうが。
やがてセツ子は櫻子にも挨拶に来た。
女達の烈火の様な皮肉の応酬に、兄はただ立ち尽くしている。
明けて翌日、セツ子はあまり姿を現さず、離れの客間に落ち付いているようだった。
櫻子は、縁側で打ち豆を打つキクに駄々をこね、自分もやらせてもらう。
べ、べ、べ、杵の重みに手首が痛んだが、伸されていく豆の感触が面白い。
狭い世界に育った櫻子には、全ての事が新鮮で興味深くてならなかった。
「今日のお夕食に入れるの?」
「そうですねえ、そういたしましょうか。大根の煮つけにしましょうかね」
よかった。兄に報告するのが待ちきれない。この打ち豆は櫻子が拵えたのよ。
顔を上げると、桜の根元に、昨日の野良猫が座っていた。
餌をやりたがる櫻子をキクがたしなめる。
「あんな薄汚いのに台所をうろつかれては、旦那様や大旦那様に叱られてしまいます。
それにあれは、孕んどりますわ。」
確かに、痩せた体には不自然に腹部が膨れている。
「勝手に縁の下やら物置やらで産まれたらたまりません。どうせすぐ死んじまうんです。
どれ、石でも投げつけて追っ払ってやりましょう。」
櫻子は激怒し、キクを必死で止めた。
櫻子の剣幕に驚いたキクは、溜息をつきながらも、サンマの頭と煮干しを持ってきてくれた。
爪で裂いて猫に放ると、最初は警戒していたが、やがて貪るように食べ始めた。
満腹した猫は、櫻子が撫でても怒らず、桜の根元でくつろいでいる。
「猫ならやっぱりタマかなぁ」
膨らんだ腹をさすってやりながら、そんなことを考えた。
この老猫が、自分の姿と重なって見えて仕方ないのだった。
「おやなんだい、その薄汚い泥棒猫は。
櫻子、あんたとそっくりじゃないか。」
振り向くと、セツ子がやはり蛇のように嘲笑していた。
部屋に遊びに来いと言われれば、断るのも角が立つ。
仕方なく、櫻子はセツ子に付いて離れの客間に行った。
セツ子の自信に満ちた態度に気圧される。
櫻子は、なんの嗜みもない。教養すらない。
しかし、セツ子は帝都のはねっ返り娘として、
あらゆる芸事に通じ、学もあり、女だてらに武芸まで秀でているのだ。
「しかしあんたも立派になったもんだねぇ。
生き損ないの蔵子が、あっと言う間に奥方に納まっちまうとはねぇ。
その腹、兄妹でまぐわったんだって?畜生だねぇ、犬畜生。」
奥歯を噛んで堪える。
櫻子を生かす為に、兄は、妹を孕ませた畜生というありもしない汚名を被ってくれた。
進んでそうすることで、佐倉一族が恥を隠し、他にこの事が漏れることはなかったのだ。
勿論親戚中から白い目で見られている。
本家のセツ子に逆らうことはできなかった。
「津紀子は嫌いだった。あれは忍耐の女だ。
でも、修造は津紀子に惚れてただろう。おや、気付かなかったとでも思うのかい。
津紀子が嫁いだ時は嬉しかったね。しかも死んだとあっては万々歳だ。」
セツ子も、修造にずっと惚れていた。それも櫻子がセツ子を嫌う一因だ。
そして、本家の娘と分家の跡取り。
あとは待っていれば、家が二人が婚姻させるのは自然な流れだった。
「なのに、まさかこんな娘に出し抜かれるとはねえ。」
櫻子の腹を撫でていたセツ子の手が、不意に力を籠め爪を立てた。
それと同時に櫻子は、手元の菓子器をつかみ、セツ子の頭を殴りつけた。
「ねぇ櫻子、実の兄妹で夫婦ごっこして楽しいかい?修造が可哀想だと思わないのか。
アンタみたいにイカれた女に、人生をまるごと奪われるんだ。」
赤くなったこめかみを擦りながらセツ子が言う。
黙れ、と叫びながらも櫻子は震えていた。
「本当にお子様だね、櫻子。
修造は、昨日の晩、私の部屋に来たんだよ?
アタシが本妻で、アンタが妾。アタシはそれでいいと思ってる。
修造も、もう矢面に立たなくて済むんだよ。」
呼吸が止まりそうになった。
「諦めなよ。あんたは所詮蔵子。黴と埃と暗闇がお似合いなのさ。」
突如襲ってくる闇の記憶。
「お兄様!お兄様!助けてお兄様!」
櫻子は母屋に通じる廊下へ飛び出した。
縁側を走り抜けようとした時、櫻子は目の端に何かを見て立ち止まる。
桜の根元で、猫が潰れていた。
石で打たれて、血に染まり横たわっていた。
あの春の日のごとき情景であった。
次の瞬間、体の内側から捻られるような激烈な痛みが襲ってきた。
意識が遠のき、櫻子は縁側に倒れた。
次に目を覚ました時、布団の脇で兄が泣いていた。
それを見て思う。ああ、子が流れてしまったのだと。一緒に櫻子の幸せも流れてしまったようだった。
その時、腹の内側から、何かが力強く蹴った。
生きている。兄の顔を見る。
兄は、櫻子が無事であったから嬉しくて泣いてくれていたのだった。
少しでも兄を疑うなんて、なんて馬鹿なことをしたのだろう。
「お兄様、キクを呼んで―――、あと、産湯の用意を…」
兄は弾かれたように飛んで行った。
それからの数時間は、永遠と思える程険しいものだった。
しかし、それを上回るのは、湧きあがる母としての自覚。そして愛情だった。
何よりも強く、何物にも屈しない。
自分は望まれた子ではなかった。産まれてすぐ石に打たれる運命にあった。
それを守ってくれたのも、また母なのだ。
キクは、歓喜の声を上げ、子の無事を祝ってくれた。
「キク、お前、猫を殺しましたね?」
キクは一瞬呆気にとられたが、すぐに頷いた。
「知らぬ病気を持っているやもしれません。
お身体に差し障りがあってはいけません。
全ては、奥様とお子様の為にございます。」
弱いものは、奪うものの理屈に合わせるしかないのだ。
産まれることなく、石で打たれた仔猫たちのことを思った。
「キク、お兄様を―――いいえ、旦那様を呼んできて。
櫻子はやり遂げましたと。
元気な、双子の男の子だと伝えて。」
セツ子は、発つ前に櫻子のところにも挨拶に来た。
「今度は出産祝いでも持ってくるよ。
名前はどうするんだい?」
「ああ、やはり修治にしようと思う。」
修造が、傍らの半紙に、さらさらと書きつける。
修造から一字取って、修治。それは櫻子がずっと主張し続けてきたことだ。
「じゃあ、弟の名前は?
やっぱり、昨日の晩に相談しに来た通り、義雄で?」
セツ子が悪戯っぽく笑った。
「ああ、大恩ある大叔父の名前だからな。
子が一人だったら、櫻子をどう説得するか困ったところだった。
それにしても、ありがとうセツ子。遠縁の名前がよくわかったな。」
もう一枚の半紙に、次男義雄と記す。
「まあ、親戚一同に顔を立てるってアンタの心意気だからねぇ。
だいたいそういう為にあるもんだろう、家系図って。」
そう言って取り出したのは、佐倉家の系譜だった。
「ちょっと筆を借りていいかい、修造。」
縁側に系譜を広げて、セツ子はその中の一つの名前に、黒く墨を引いた。
「可哀想に、産まれてすぐ死んじまったんだよねえ、確か。」
櫻子は、ただ驚いてセツ子を見つめていた。
セツ子は櫻子を見ず、寝息を立てている双子を見て、そっと相好を崩した。
「しかし、予想以上の早産だったねえ。
よく頑張ったよ櫻子。」
「セツ子姉さん…」
「それじゃあねぇ、櫻子。
今度は、アタシだけじゃなくて、本家のうるさ型も連れてくるけどさ。
いいかい、負けんじゃないよ。」
もうすぐ冬が来る。
いつもよりも、今年の冬はずっと暖かいだろう。
そう、櫻子は傍らの赤ん坊を見ながら思うのだった。
<外伝2・終>
終章【スミ】
その夏の夜の事は、とてもよく覚えている。
ぼくが箪笥の中に忍び込んで、香澄姉ちゃんを驚かせようとした夜だ。
「なーんてねー、びっくりした?」
姉ちゃんは突然明るく笑った。
「ねー?ダメだよ、驚かされる方の身にもならなきゃ。
ほら、下に行ってテレビ見ようよ。どうせまだ寝ないんでしょ?
心霊番組やってるんだ。見たいんだけど、一人じゃねー。」
やれやれ、怖がりのくせに。どうせ今夜一緒に寝ようよーって泣きついて来るに決まってる。
あれ?でも、そんな番組あったっけ?
居間に着くと、姉ちゃんが父さんも呼ぼうと言い出した。
「修一さーん、修一さーん!!」
大声を出す姉ちゃんに仰天して、修は離れに自分が呼びに行こうとする。
すると、姉ちゃんに抱きつかれた。
「…待って。だめ、行っちゃだめ。」
石鹸の香りに頭が真っ白になる。
やがて、父さんがのっそりと姿を現した。
それと同時に、姉ちゃんは安心したように修から離れてしまった。
それは、修くんの可愛らしい悪戯で終わるはずだった。
もう、しょうがないなーと笑って済ませてあげて終わるはずだったのに。
香澄は見てしまった。鏡の中の箪笥の隙間、こちらを覗く目を。
人形は、自分が手に持っていた。
居間に行き、修一さんを呼んだ。
そして、あれが何であったか考える。
見間違い?例えば木目?
いいや、木目が、瞬きなどするはずがない。
修くんに隠れて修一さんに全て話すと、茶化さずに「見てくるよ」と行ってくれた。
「何ともなかったよ。」
そう言って、キョトンとした顔で戻ってきた。
何のことか分からない修くんが、そっくりな顔でキョトンとしている。
「じゃあ、私の勘違いですねー」香澄は笑う。
香澄はとにかく笑っていればいいと思っている。
父は、随分遅い齢になってから、母と駆け落ち同然で結ばれた。
そして、母はまだ香澄が幼い内に亡くなった。
父はまるで抜け殻のようになってしまい、香澄は、その傍らでとにかく笑った。
どんな時も明るく笑い、父もつられるように笑顔を取り戻した。
それが、香澄の誇りだ。
「スミ…スミ…」
誰かが香澄を呼んでいる。私はスミじゃない、香澄なの!
そう言いながら夜中に目が覚めた。
横では、修くんがひんまがったエビのような格好で寝ている。
二人で、修一さんの部屋に泊まらせてもらうことにしたのだ。
不自然に静かな夜だった。虫の声が全く聞こえない。
カーテンの隙間から覗くと、大きな満月が、裏の蔵を照らしていた。
蔵と言うと暗いイメージがあるな、等と考える。
入ったことは無いけれど。ここは古い屋敷だから、凄い御宝が眠っているのかも。
床の間の日本刀だって、きっと何とか鑑定団に出したらびっくりするよね。
香澄は、あまり今風の子ではないのを自覚している。
「香澄はいい子だけど、面白くないよねー」
引っ越す前の学校で、面と向かって言われたこともある。
そんな時も香織はただニコニコしていた。
誰かが幸せになるよう、香澄は笑うのだ。
もう一度、蔵を見る。
蔵の前に、ぽつんと黒い影が立っていた。
その夏の夜のことはとてもよく覚えている。
「姉ちゃん…」
夜中に起きると、横で寝ていた筈の姉ちゃんがいなかった。
トイレに起きたのかと思ったけど、中々帰ってこなかった。
その晩とうとう、姉ちゃんは帰ってこなかった。
大好きな香澄姉ちゃんが、神隠しにあった夜だった。
<終>
次回作、満月郷忌談へのプロローグのようです。
佐倉香澄、桜屋敷始まりの時へ―――
だそうですが、まだ公開されてません。
【真説・万華鏡奇談】、これで終了です。
万華鏡乙です。
これ、作者が続編作るの断念したために配布停止になってるんだよな……
>>366です
とりあえず登場人物から
アラン・・・主人公。二年以上にわたるスランプと不眠に苦しむ人気スリラー作家。アリスと共に田舎町ブライトフォールズに休暇に来る
アリス・・・アランの妻。深刻化していくアランの苦悩に心を痛めブライトフォールズ行きを計画。冒頭で行方不明に
バリー・・・アランの幼馴染にして代理人。アランの危機を察知しブライトフォールズヘ
サラ・・・保安官。住民からの信頼も篤く権威を振りかざすFBI捜査官にも物怖じしない。いい人
ハートマン・・・スランプに陥ったアーティストの長期治療を専門にしている精神科医。湖の近くにクリニックを構える
本編に入ります。駄文ですがよろしくお願いします
エピソード1:悪夢
主人公アラン ウェイクはチュートリアルを兼ねた悪夢を見ていた
夜何かとても重要な理由で灯台へと車を走らせるアランはヒッチハイカーの男を轢いてしまう
ちょっと目を放した隙に死体が消えてしまったので気を取り直して徒歩で灯台を目指す
脇道へ入ったアランの目の前に斧を振り回しながら迫る男の黒い影が。男はアランの書いた小説の登場人物だった。
男は竜巻に姿を変え追ってくる。逃げるアランの前に光が射し男の声がする。「光を追え、光の中は安全だ」
「君に警告するために夢に侵入した。闇は危険だ。重要な事だけ教えよう」光はそう言って闇との戦い方を教えてくれた。(ライト当てる→銃で撃つ)
そんなこんなで灯台前の橋まで来た所でまたもや男の影が。
竜巻に姿を変えた男から逃げ灯台に入るアラン。
一息ついて上を見上げると急に光が消える。そして何かが落ちてくる。
「来 た わ」老婆の声がする
そこで夢は終わる
「アラン…起きて」車の中で目を覚ますアラン。隣には妻のアリスが微笑んでいた。
アランはアリスと共に太平洋岸北西部の静かな田舎町ブライトフォールズにフェリーで到着しようとしていた。
フェリーでは地元のFM局のDJパット メインと知り合う。
メインはアランに出演を依頼するがプライベートな旅行なのでここで会った事は秘密にしてくれるよう頼む。
もう一人乗客がいたが彼は「精々今のうちに楽しんでおくんだな・・・」とかぶつくさ言っている。旅行者が気に入らないらしい。
キャビンの管理人カール スタッキーから鍵を受け取るためにダイナーに向かうアラン。その間にガソリンを入れに行くアリス。
ダイナーに入ると等身大のアランパネルが置いてあった
ダイナーではアランの大ファンの女店員ローズ(パネルを飾ったのも彼女)、コーヒー大好きの森林公園ビジターセンター係員のラスティ
ボケてるらしくアランに向って「久しぶりだなトム」とか言ってくるロッカーのアンダーソン兄弟、
真っ暗な通路を見ながらガクブルしているランタンを胸に抱えたお婆ちゃんシンシアなんかがいた。
熱烈なファンとか言う人種が苦手なアランはトイレにいるらしいカールから鍵を受けとりさっさと店を去ろうとする。その背中に「闇は危険なのよ」とかシンシアが声をかける
通路の奥のトイレをノックするアランの後ろに喪服の老婆が現れ「カールは来ないわ、鍵は預かってる」と言って鍵とキャビンのある湖までの地図を渡す
店を出て車を出すと同時にダイナーからツナギ姿の男が鍵を手に駆け出してくる
「おい待ってくれウェイクさん、鍵・・・鍵は?」
湖、コールドロンレイクに着くアランとアリス。目の前にはつり橋とその先にキャビンの建つ小島が
キャビンの中は真っ暗だった。暗闇を恐れるアリスの代わりにジェネレータを点けに行く
明かりの点いたキャビンに入り置いてあったラジオを点けてみると先程のパットの声が。
「ディアフェストに向けて旅行者が続々と訪れています。先程もとあるアーティストと出会いましてね、さてどなたかな?こちらKBF・FM」
「はぁいパット、ローズよ!アーティストってアラン ウェイクでしょ?あたし大ファンなの!」
全くプライバシーも何もあったもんじゃない
軽くイラッとしていると2階でアリスが呼んでいる、見せたいものがあるらしい
2階の寝室に行くとアリスが既に脱いでいた。タンクトップに黒パンツといういでたちで誘っているのかと思ったら「私じゃないわ、書斎よ」とか言い出す。可愛い奴だ。
隣の書斎に行って見ると机の上にはタイプライターが置いてある
「ホント言うとね、ここなら書けるんじゃないかなと思ったの、環境が変われば・・・」
「止めてくれアリス、どうしてどいつもこいつも・・・」
ここにはハートマンと言うアーティスト専門の精神科医もいると言うアリスに対し切れてキャビンの外へ出て行くアラン。外はもう真っ暗だった。そこでいきなりキャビンの明かりが消える
「アラン?アラン!いや、いやーっ!助けて!」アリスの叫び声が響く。
キャビンに戻ると湖側の出口が開け放たれていた。そして湖に沈んでいくアリスの姿が見えた。
「くそっ」アランは湖に飛び込んだ
アランは大破した車の中で目を覚ました。記憶が飛んでいたがアリスに何か起きた事だけは覚えていた。
頭を怪我したようだ。携帯も使えない。徒歩で助けを求める他無かった。遠くにガソリンスタンドの明かりが見えた。
道なりに歩いていくアラン。と、その目の前に光が広がる。「すみません、あの・・・」と声をかけるアランの前に2枚の紙片が落ちてくる。
それは「ディパーチャー」と題された小説の原稿だった。アランが最新作に使おうとしていたタイトルだ。
著者はアランになっていた。だがアランには書いた記憶など無かった。
そのページには主人公が夜の森で斧を持った殺人鬼に襲われるシーンが描かれていた。
更に道を進むと伐採所と小屋の明かりが見えた。これで助けを求める事が出来ると思った。辺りには霧が立ち込めていた。
そこにいた人影に声をかけると彼は「当日キャンセルはぁ…返金できません!カールスタッキーでぇす。どうぞよろしくぅ!」とか言いながら斧を振り回し襲ってきた。
小屋に逃げ込みドアを閉める。そこに斧が叩き付けられる。机の上にあった拳銃と懐中電灯を持ち保安官事務所に電話をかける。
一瞬だけ繫がったものの直ぐに切れる。外を見ると電柱が倒れている。そしてスタッキーが動かしたのかブルドーザーが突っ込んでくる。
急いで外にでるとブルドーザーは小屋ごと崖下に落ちていった。スタッキーも一緒だといいが確認してる余裕は無かった。
暗い夜道を進んでいくと夢で見たような黒い影に包まれた男達が襲ってきた。
夢で教わったようにそれらを撃退すると目の前で跡形も無く消えてしまった。
闇の中を息を切らせながら走りスタンドを目指すとまたスタッキーに襲われたがなんとか撃退しスタンドに到着した。
スタンドのガレージは乱闘でもあったかのように酷く荒らされていた。
恐る恐る進んでいくと目の前のTVがいきなり点いた。
「書こう、書き続けるんだ。俺が書けば現実になる。彼女を救い出すんだ」そう言いながら小説を書くアランがそこには映されていた。
訳の分からないまま保安官事務所に電話をかけるアラン。程なくしてパトカーに乗って保安官サラ ブレーカーが現れる。
「事故にあって…、妻が、いないんです。島のキャビンにいたんです、コールドロンレイクの…」
「あの湖に島はありません。70年代の噴火以来ね」
「でも、確かにキャビンが・・・」崩れ落ちるアラン。
「大丈夫ですか?湖に寄ってから署に向かいましょう。スタッキーを見ませんでしたか?ここのオーナーなんですが」
森での出来事を話せば正気を疑われてしまう。今はアリスの捜索が先決だった。
湖に着いて愕然とするアラン。そこにはサラの言うとおり島など影も形も無かった…。
エピソード1 終了
以下、三行で分かる「ここまでのアランウェイク」
休暇で訪れたブライトフォールズで妻のアリスが消えた
大破した車の中で目覚めたアランには一週間分の記憶が無く、闇を纏った敵の襲撃を逃れ
保安官と共に湖を訪れるがキャビンは島ごと消えていた
ニンテンドーDSの「世界樹の迷宮V 星海の来訪者」をお願いします
ALAN WAKEおつ
本編1行目で吹いた
万華鏡とアランの人乙。
万華鏡は未回収の伏線っぽいのが色々残っててもやっとするなあ
エピソード2:しのびよる闇
三年前、自宅にて
急な停電で闇を恐れるアリスを落ち着かせるためにキャンドルを灯すアラン
アランはアリスに自分も子どもの頃は暗闇が苦手だった事、そんな自分に母親がくれた魔法のスイッチ「クリッカー」(コタツのスイッチみたいなの)の事を話しアリスにクリッカーをプレゼントする
チュッチュチュッチュするウェイク夫妻
現在、ブライトフォールズ
アランは保安官事務所でサラが呼んだ医師による診察を受けていた。頭痛や記憶障害があったがアリスを捜すためにも平静を装う他無かった。
診察の後サラから落とした携帯を受け取り、アリスに何があったのか、何故スタッキーのスタンドにいたのか質問される。事実を話したかったが拘束されると思い止めた、とそのとき携帯に非通知の電話が
「アラン、どうか助けて」アリスの声が聞こえて驚くアラン。続けて男の声「サツには何も言うな。女房に会いたきゃ俺の指示に従え。」「何だと?」
「裏の駐車場へ行け。ちょっとした土産を置いといた。サツを適当にあしらったらエルダーウッド国立公園まで来い。ラバーズ峠って場所に午前零時だ。馬鹿な真似はすんなよ、見張ってるからな!」
駐車場の穴の開いたフェンスに立て掛けた板を蹴り一発で粉々にして進むと一台の廃車があった
廃車の中にはアリスの免許証が置いてあった。脅迫は本物だった
そこにまた電話がかかってくる。幼馴染でエージェントのバリー ウィーラーからだった
バリーによると一週間も音信不通だったらしく心配でブライトフォールズまで来ているらしい。保安官事務所まで迎えに来てくれるよう頼み電話を切る
事務所の通路に戻ると壁のテレビがいきなり点く。そこにはまた机に向うアランの姿があった。
「作家は物語を暗闇から解き放つ光だ、石を削る彫刻家のように無から世界を創り上げる。書くのを止めればその世界は崩壊し闇に飲まれてしまう。
アリスの命がかかっているが今は集中しなければ。書くんだ。ここでは全てが可能だ。物語を書いてアリスを救うんだ」そこでテレビは消える
受付前で初老の男と話をしているサラに「急用が出来たのでこれで」と言って去ろうとするアラン
話も聞いてないし滞在先を教えて欲しいと言うサラ。受付のおばちゃんオヌヌメのエルダーウッドのキャビンに決める
そこに初老の男が割って入る。男はDrエミル ハートマンと名乗り、アランをコールドロンレイクロッジに招く。
アリスと口論になったときに出た名前である事を思い出し。アリスと何の関係があるのか問い詰めいきなり殴りかかるアラン。
サラに取り押さえられたところにアランに用があるなら俺を通せとバリーが颯爽と現れる。
「大丈夫だよサラ、訴える気は無い。ウェイクさんお待ちしてますよ」立ち上がりながらハートマンが穏やかに言う。立ち去るアランとバリー
エルダーウッド国立公園に向う車内でアランはバリーにすべて話した。
一週間分記憶が飛んでいること、アリスが誘拐された事、暗闇で闇を纏った男たちに襲われた事、撃たれた男達が目の前で消滅した事、
道中で拾った書いた覚えも無い原稿の事。正気は疑われたがアリスが誘拐されたと言う事は信じてくれたようだ。
正気を疑いつつアリスの事は警察に任せろというバリーと軽く揉めるが最終的にはバリーも折れた
誘拐犯に指定された時間までまだ余裕があったため係員ラスティからキャビンを借り、ラバーズ峠への道も聞いておく。
夜、キャビンにて。一人でラバーズ峠に向おうとするアランを心配するバリー。
アランは自分が朝まで戻らなかったら通報するように言ってキャビンを出る。
遊歩道を歩いていくと車が事故っていて開け放たれていたトランクにはまた原稿が落ちていた。
瀕死の重傷を負ったラスティが「ウェイクさん、あの原稿に書かれていた通りの事が本当に起きたんです」と言う、といった内容だった
ビジターセンターに近づくとラスティの叫び声と銃声が響く
中に入ると原稿の通りの惨状が広がっていた。瀕死のラスティに事務所のブレーカーを戻してくるよう頼まれる。しかしブレーカーには斧が突き刺さっていて完全に破壊されていた。
「うわぁぁぁぁ、やめてくれぇぇぇぇ!」ラスティの叫び声と何かを破壊するような轟音が響き渡る
ビジターセンターに戻ろうとすると急に霧が立ちこめてきた、そしてまた斧を持ち闇を纏った男達が現れる。
センターに戻るとラスティが消えていて奥の壁には大きな穴が開いていた。
穴から外へ出ると闇を纏ったラスティが屋根の上から飛び掛ってきた。仕方が無いのでこれを撃退する。カールや他の男たち同様、ラスティも目の前で消滅した。
万華鏡乙。
うまくまとまってて、既プレイでも中々読み応えありました。
>>379 まだ続くはずのが途中で取りやめになったから…
万華鏡は、修造的には津紀子の遺品で、櫻子が嫉妬して中に爪を入れたらしいよ。
ラバーズ峠を目指し遊歩道を進むアランにバリーから電話がかかってくる。
窓の外に何かを見てビビるバリー。妄想だと思ってたのにどうやらマジっぽいんで改めてアランに注意を促す。
敵に襲われながらも夜道を急ぐアラン。ライトの光に無造作に描かれた松明の印が浮かび上がった。
裏に回ると岩陰に金属製の箱が隠されていて中にはバッテリーや弾薬など闇の中で生きる必需品が入っていた。
この状況を知る何者かが隠しておいた物なのだろうか。
ラバーズ峠に着き、ケーブルカーに乗るアラン。しかし鳥っぽい群れに襲われゴンドラごと谷の向こう側へ叩き付けられる。
周囲を見ると闇人に囲まれている。銃は無くしてしまった。傍に落ちていたライトに手を伸ばすも闇人に阻まれる。
危機一髪のその時発炎筒の光と銃声が響き闇人達は消滅した。見ると銃を持った男が手を伸ばしている。
アランの奴等(闇人)が見えるのかの問いに「そういう筋書きだからな」と答える男。
男には見覚えがあった。フェリーで何かぶつぶつ言っていた男だ。アランの名前を知っていてラバーズ峠に現れた事からこの男が誘拐犯だと確信するアラン。
男に先導され峠の展望台まで来たアラン。闇人に囲まれる。銃の扱いが結構下手な誘拐犯に銃をよこせと言うが
「筋書き通りにやれよ」と断られる。その場は発炎筒を使いまくって凌ぐ。
アリスの居場所を問い詰めるアランに「原稿を全部よこせ、でなきゃ女房が苦しむぜ」と答える男。
殴りかかるアラン。揉み合いの末二人一緒に展望台の下に落ちる。男が落とした拳銃を奪うと男は捨て台詞を吐いて逃げていった。
バリーに相談するべくキャビンに戻るアランにバリーから電話がかかってくる
「ポーチが鳥だらけだ、まるでヒッチコックだぜ!」
ドアに鍵をかけて見つからないように隠れるように指示しキャビンへ急ぐアラン。
森を出たところで公園のガレージから車を拝借しようとガレージの鍵を捜す。
トイレの中に鍵はあった。そこにあったテレビがまた勝手に点く。例によって机に向うアランが写されている。
「ほんの些細な変化でも物語は連鎖反応を起こし全てに影響する。登場人物はリアルでなくてはならない。エピソードは物語の流れに沿っていなければならない。たった一つのミスで魔法は失われる。物語は崩壊し、アリスは死んでしまう」テレビの中のアランは言った
盗んだ自動車で走り出す。群がる闇人も車のライトで照らし跳ね飛ばしていく。
そろそろキャビンに着こうという所で誘拐犯から電話がかかってくる。
原稿をよ渡せばアリスは返すと言う誘拐犯にアランは原稿は未完成で仕上げるにはあと一週間かかると嘘をつく。「二日だ。炭鉱跡のビルまでもってこい。そこに正午だ」まんまと騙される誘拐犯だった。
キャビンには鳥の大群が飛び交っていた。窓からこちらを見て叫ぶバリー
「こいつら普通じゃねぇ!ニューヨークの鳩よりひでぇ。おいアラン、こいつら何とかしてくれ!」
こちらに向ってくる鳥の群れをフレアガンやライトを使って消滅させると、バリーはアランをサイコ扱いした事を詫びた。
アランはバリーに誘拐犯に関する聞き込みと消えた島やキャビンに関する情報を地元紙のバックナンバーから検索する様頼み、自身は原稿を書こうとするも一文字も書けなかった。
調査を進めるバリーにローズから電話がかかる
「原稿を見つけたわ…ウェイクさんと一緒に取りに来て。町外れのトレーラーパークよ…」
「一時間以内に行くよ、後でな!」電話を切るバリー
暗い室内、切れた電話に対し「ありがとう。またどうぞいらっしゃいませ…」と虚ろな笑顔で話し続けるローズ。
「いい子ね」その隣には喪服の老婆が佇んでいた。
エピソード2 終了
「ここまでのアランウェイク」
アランの妻アリスが誘拐された。エージェントのバリー以外には話せない
身代金はアランが書いたと言うホラー小説。書かれた事が現実になる原稿だ
手元にはまだ数ページしかなく、締め切りは二日後に迫っていた
エピソード3:身代金
ローズのトレーラーハウスに着いたアランとバリー
そこにサラからの電話が。FBIのナイチンゲール捜査官なる人物が話を聞きたいそうだ。
まずはローズに会うためにトレーラーパークの管理人ランドルフに案内してもらう
道すがらバリーの報告を受ける。この町では昔から湖周辺での失踪や変死体、オカルト話が本当になった等おかしな事件が多発している事
湖にはトーマス ゼインなる人物が住む島があったが1970年に湖底火山の噴火でゼイン共々島も無くなった事
ゼインは記事によると有名作家だったらしいがいくら調べても著作が一冊も見つからない事、噴火の前の週にゼインの恋人バーバラ ジャガーが湖で溺れ死んでいる事
これらの記事はすべてシンシア ウィーバー(ランタン抱えた婆ちゃん)である事、などなど。
ランドルフはアランとバリーのことを不審に思っている様子。
ローズのトレーラーに到着。ローズはアランとバリーにコーヒーを振舞う。
とバリーがいきなり倒れる、そしてアランも。どうやら睡眠薬を盛られたらしい
アランは夢を見ていた。夢の中で闇との戦い方について教えてくれた声がまた聞こえる
「来るぞ、バーバラに成り済まして・・・。もう止められない。明かりをつけるんだ」
アランの後ろには喪服の老婆が
「会いに来たわ、あなたと素敵な奥さんに。最後まで書くのよ。ぜひともね」
そういって老婆は消えた。そこで目が覚める。
外はもう真っ暗だった。家の明かりをつけたアランの目の前でローズのテレビがいきなり点く。
「次第に夢と現実の区別がつかなくなってきた。だが俺には優秀な編集者がついている。喪服姿の彼女を俺はバーバラ ジャガーと呼んでいる。
彼女は酷く手厳しい。書けば書くほど日増しに修正は増え、今ではもう俺と彼女のどちらが書いてるのか分からないほどだ。気に入らないが仕方ない。
彼女は常に正しいのだ。書く事でアリスを救えると彼女は言った。彼女の言う事を聞いていれば間違いは無いはずだ。彼女は以前も同様の仕事をしているのだから。
トーマス ゼインという作家だ。俺の物語は次第にジャンルが変わってきた。ホラー小説だ。あと少し、結末は近い」行く先々に落ちている原稿はこのアランが書いた物なのだろうか。
ローズのせいでかなりのタイムロスだ、約束の時間までもう12時間を切っていた
バリーを連れてここを出て行きたいがバリーは未だに意識が戻らず運び出すのは難しかった
ローズは体育座りしながら虚ろな顔で「いらっしゃいませぇ…ご注文はぁ・・・?」とかぶつぶつ言っていた。彼女も何者かに利用されたのだろう。彼女への怒りは無かった
銃とライトが無くなっているのに気が付いた。パークの出口に向うとランドルフが待っていた。「あんた何をやらかした?あの子に何をしやがったんだ?」
どうやらランドルフが通報したらしい。ゲートの前にパトカーが数台止まり、中から銃を構えた男がでてきた。
「俺はナイチンゲール。FBIだ。貴様を逮捕する!」約束の時間が迫ってるのに冗談じゃない。ランドルフを突き飛ばし逃げるアラン。
ナイチンゲールはランドルフがいるにも関わらず発砲してきた。「追え!モタモタするな!奴を逃がしたらクビだからな!」警官隊に命令するナイチンゲール。作家一人に人員割きすぎだろう
バリーを置いていくのは気が引けたがここで捕まるわけにも行かない
作家一人に余裕で発砲してくる警官隊から必死に逃げて高台に登ると霧が立ち込めてきて警官隊の悲鳴が聞こえる。どうやら闇人たちに襲われているらしい
彼らに勝ち目は無かった。彼らが追っているのは生身の作家だったはずなのだから。
大破したパトカーから聞こえる無線では警官隊と連絡がつかず「どうなってんのよ!」と叫ぶサラの声がしていた
展望台から周囲を見ると遠くにラジオ局の電波塔が見えた。メインは話の分かる男に見えたし炭鉱への道も聞けるだろう。ラジオ局を目指す事にした
道中闇人に襲われたがパトカーの残骸から手に入れた閃光手榴弾で撃退した
ラジオ局に到着したアラン。メインの車を貸してもらおうとするが、そこにまたナイチンゲールが現れ発砲してくる。逃げるアラン。「何があっても絶対捕まえてやるからな!作家先生よぉ!」ナイチンゲールの声が遠くから聞こえる。
森の中を歩き続けるアラン。何故かこの事態を見越したかの様に行く先々に電力会社のライトやら銃やらが置いてある。そんなアランに電話がかかってくる
「どこまでも頑固な人」アリスの声だった。「アラン、アラン、怖くて…暗闇で…どうか助けて。」ノイズが混じっているだけではなく何か様子がおかしい。が電話はそこで切れてしまう。
歩き続けるアランの前に鉄橋と、更にその奥に操車場の倉庫が見えた。あの倉庫で車を借りられるかもしれない。
闇はどんどん力を増しているようで、あらゆる手段でアランの行く手を妨害してくる
鉄橋を進むアランだが、床がいきなり崩れ落ちたり頭上のパイプが外れて落ちてきたり、仕舞にはそのパイプや転がっているドラム缶が痙攣しながら飛んでくるなどポルターガイストに襲われた。
操車場では車を見つけたと思ったらブルドーザーに襲われた。闇人を巻き込みながらアランに襲い掛かってくるブルドーザーだが何とか撃退し車に乗り込むアラン。ようやく夜が明けようとしていた。
炭鉱跡地は博物館になっていて場所はすぐに分かった。待ち合わせの時間まであと少し。結局原稿を完成させる事が出来なかったアランは追い詰められていた。
炭鉱に着いたが、人影は無かった。藁をもすがる思いで誘拐犯を待ち続けたが夜になっても奴は現れなかった。そこに誘拐犯から電話かかかる。
何故か焦ったような声で計画変更を告げる誘拐犯。炭鉱から北のミラー峠の展望台まで炭鉱の中を通って来いとのこと。
マジ切れしつつも峠への道を探すアラン。炭鉱跡のゴーストタウンを抜ける。
闇人やポルターガイストの襲撃から逃げた小屋の中にあったテレビがまたキャビンにいるアランを映し出す。
「書く事以外は全て苦痛だ。酷く気分が悪いが何とか階下に下りた。棚の箱に入ったゼインの著作を手に取りいくつか読んでみた。彼は詩人だった
そこには魔法の湖で奇跡を起こすクリエイターや女神達、神々や夢や悪魔の王国そして人間に成り済まして機会を伺う魔物たちが歌われていた
ゼインは自らの事も書いていた。闇に取り付かれた恋人や湖に対しての恐怖についてだ。彼にとって湖とは邪悪な存在が潜む底知れぬ恐怖を映し出す鏡だったのだ
リアルだった。彼のアイディアを俺の物語に取り入れよう。これはいける」
更に歩き続けるアランに誘拐犯からのメールが届く。間違いだらけの稚拙な文章に奴の焦りが感じられる。
廃墟を抜け峠に着いたアラン。コールドロンレイクが見える。キャビンがあったはずの場所にはボートの物であろう小さな明かりが見えるだけだった。
そのとき誘拐犯の情けない声が遠くから聞こえた。「すいません奥さん知らなかったんです。きっとボスだって…ホントに知らなかったんです!奴の女房がどこにいるかなんて知りません
きっと溺れたんだ。奴に原稿を書いて欲しくて、騙したんですよぅ!ごめんなさい、助けてください。あぁ〜」誰と話しているのだろうか。
展望台についたアラン。そこにはうなだれて震えている誘拐犯がいた。その傍らに喪服姿の老婆が一瞬浮かび上がる。
突如巻き起こる竜巻。「よせ!うわぁぁぁぁぁぁ」巻き込まれて飛ばされていく誘拐犯。
咄嗟に発炎筒を手にするが、アランもまた竜巻に吹き飛ばされて湖へと落ちていく
湖に沈んでいくアランは湖の底に引きずりこまれるアリス、そしてタイプライターを打つ自分の幻を見ながら意識を失う。
そこに何者かがアランに向って手を伸ばす…
エピソード3:終了
ここまでのアランウェイク
アランはFBIに追われている
書いた覚えの無いアランの原稿が現実となり、その物語は次第にスリラーからホラー小説へとジャンルを変えていく
アリスの誘拐は嘘だった。闇は誘拐犯と称していた男を飲み込みアランにも迫ろうとしていた
万華鏡とアランの人乙
しかし万華鏡関係あったのって一章だけじゃね?
その辺も続編でやる予定だったんだろうか
wiiの「CALLING〜黒き着信〜」お願いします。
>>385 第一章のタイトルをそのままゲームタイトルに付けてるだけだから、全体としてはそんな万華鏡がらみというわけではないんだと思うよ。
エピソード4:真相
意識がハッキリしない中でハートマン医師が言う
「鎮静剤を打った。また発作が起きたんだよ。君はここの患者なんだ、入院してしばらく経つ。奥さんの死がよほど堪えたんだろう。君は様々な心の病に苦しんでいる」
目を覚ますアラン。そこはコールドロンレイクロッジ(ハートマンのクリニック)だった
部屋にはアランしか居らず、薬のせいか頭が朦朧として何も考えられなくなっているアラン。
そこにハートマンが現れる。ロッジの案内がてら現状を説明されるアラン
このロッジは創作活動を治療の一環としていて、アリスが溺れ死にその現実を受け入れられ無いアランは闇に襲われたり書いた小説が現実になったりという妄想に苦しみここに入院していると言う。
嘘ばっか言ってんなよと思いつつも薬の影響からか信じてしまいそうな自分もいた。
ハートマンの演説を聞きながら掌に爪を食い込ませなんとか正気を保とうとするアラン
ロッジには他にもちょっと壊れ気味な入院患者達がいた。ダイナーで会ったアンダーソン兄弟もその中にいた。
彼らは70〜80年代に活躍していたメタルバンド「オールドゴッズオブアースガルズ」で解散後ロッジ近くの農場で暮らしていたが、認知症がかなり進行しているため入院していると言う。
どうやら嵐が近づいているようで外の天気は次第に荒れ模様になってきたようだ。電源の様子を見るから話の続きはまた後でとハートマンは去って行った。そこにアンダーソン兄弟が吐き捨てる
「奴の頭を叩き割ってやりてぇ」「ああ、秘密を探ろうったってあいつにゃ無理だ、俺たちみてぇにイカれてねぇからな」「まともじゃ駄目なのさ。イカれた世界はイカれた奴じゃなきゃ理解できねぇ」
久々に筋の通った話を聞いたと言うアランに兄弟は自分達の農場に招待しようと言う
「忘れる前に全部一気に書いておいたのさ、あとはいかに正気を保つかだ。メッセージを探すんだ」そういってアランに隠していたと言う原稿のページを渡す
ハートマンの話は全て嘘だと確信するアラン。兄弟の方がよっぽど信頼できた。そんなアランに兄弟が続ける
「おいトム、酒はねぇのか?」「農場に行けば飛び切りのがあるんだ。頭がシャキッとして記憶がパァ〜ッと戻ってくるんだ」そして続ける。魔女に「記憶」「思考」を奪われたと。
この湖はアーティストやクリエイターにパワーをくれるが、魔女が全てを捻じ曲げてしまうと。あの作家がどうなったか「ランプおばさん」に聞いてみろと。
部屋に戻る途中辺りを見てみるとよほど停電が心配なのかジェネレータとワークライトが用意されていた。
2階の廊下にあるテレビが例によってアランを映し出す
「何かがおかしい。頭の中に闇が巣食い、書く事以外何も考えられない。キャビンに閉じこもって何日が過ぎたろう。外は常に闇だ。バーバラは人間じゃない。
人間の皮を被った闇の存在だ。奇妙な闇に包まれ心臓があるべき場所にぽっかり穴が開いている。俺は間違っていた。このままじゃアリスを救えない。利用され、都合の良い物語を書かされそれが現実になってしまうのだ」
2階の部屋に戻ったアランはタイプライターで原稿を書いてみようとするがやはり書けない。気が付くともう夜だった。
階下ではアンダーソン兄弟がなにやら暴れているようだ。アランを見張っていた男も様子を見に行った。行動を起こすなら今しかなかった。
ハンマーで看護婦に一撃加えた兄弟を恐れたのか見張りの男はスタッフルームに閉じこもってしまったようだ。
扉の前でオラでて来いゴガギーンAAみたいな事をしている兄弟を尻目に倒れた看護婦から鍵を奪うアランに兄弟が声をかける。「楽屋はおめぇにくれてやる、トム。運命をつかめ!」
集めた原稿を取り戻すためにハートマンのオフィスに向うアラン。
診察室に潜り込み「診察記録」のラベルが貼られた音声テープを見つける。その中にはアリスの名前もあったので聞いてみる。
アランのことをハートマンに相談するアリス。不眠とスランプに苦しむアラン。瞳の奥に別人がいるようで不安だと語るアリス。そんなアリスにアランを連れてくるように薦めるハートマン。
アリスの言葉を聴きながら喜びと苛立ち、そして罪の意識を感じていた。そしてその言葉はアリスが誘拐されてから何度かかかってきた電話の声と同じだった。あれはこの会話の音声を合成した物だったのだ。
続く
次スレ誰も立ててない?
>>389までをwikiに収録、未解決リストに反映しました。
スレ立て乙でした。ALAN続きいきます
エピソード4 続き
ハートマンの診察室に潜り込み、彼ががアリスの誘拐に関わっている疑惑を深めるアラン。
他のテープも聞いてみる。ハートマンは患者を病人としてではなく披見体としてみているのが分かる。
もう一本のテープにはナイチンゲールとの会話が録音されている。会話からどうやらバリーがここに来ているらしい。
バリーが来たならここにアランもいると踏んだようだ。アランを出すよう脅すナイチンゲールだがハートマンは突っぱねる。
ハートマンの部屋に向う途中、通路の写真に目が留まる。写真にはロッジのスタッフが並んで写っていたその中にはあの誘拐犯の姿もあった。
やはり全てはハートマンの策略だったのだ。
通路の奥からなにやら聞き覚えのある怒声が聞こえる。
「ここから出せ!訴えてやるから覚悟しろよ!俺を誰だと思ってやがる、有名人でセレブのエージェントだぞ!」
扉を開けるとバリーとダイナーにあったアランパネルがあった。再会を喜ぶバリー。ローズのトレーラーで保護された後、ハートマンからアランがロッジにいるという連絡を受け来て見たらそのまま捕まったそうだ。
パネルはローズにお仕置きするためにぱくってきたらしい。
バリーとハートマンのオフィスに入り奪われた原稿とついでに拳銃を手に入れる。そこに現れるハートマン。
バリーに車を探すよう指示しハートマンに銃を向けるアランに対しハートマンは言う。「我々が手を組めば最高の芸術を生み出せる。君の才能と私の・・・」
言葉を遮る様に壁の本棚が倒れてくる。アランは咄嗟に隣の部屋に逃げ扉を閉める。扉を叩くハートマンの後ろに闇が迫る
「ウェェェェイク!うわぁぁぁ」やがてその音も聞こえなくなる。ニヤリとするアラン。
闇の攻撃が始まった。通路に出たアランの後ろから闇がじわじわと迫ってくる。
原稿を見ると他の患者達もどうやらアンダーソン兄弟に連れられ逃げたらしい。ポルターガイストから逃げつつ外に出るとゲートの向こうでバリーが待っていた。
ゲートが開かないから庭の迷路を抜けて来いと持っているフラッシュライトを渡すバリー。ロッジを振り返ると闇が炎のようにロッジを覆っていた。
闇人達が襲ってくる中、庭の迷路を走り抜けるアラン。バリーと合流し車で逃げるアラン達。車の中にはなぜかアランパネルも積んであった。
アンダーソン農場へ向う車中でアランは言った
「俺はイカれてる、だがこんなイカれた状況に立ち向かうにはそれが不可欠なんだ。アリスは湖の底で闇に囚われている、そしてまだ生きている。分かるんだよバリー!俺はアリスを見つけ取り戻す。
この湖には特別な力がある。アーティストの想像力に感応して現実にしてしまう力だ。だが今は得体の知れない闇の存在が全てを捻じ曲げている。全てはそいつのせいで俺の原稿を利用しているんだ。
ゼインもアンダーソン兄弟もそいつに利用された。アンダーソン兄弟も気づいていたが薬漬けで説明できる状態じゃなかった。農場のどこかにメッセージがある。それを探すんだ!」
バリーも頷き手を貸す事を約束する。
そのとき道路脇の斜面から岩が転がってくる。岩にぶつかり車は谷に落ちる。
途中木に引っかかったショックでアランは車からはじき出され、バリーは車から出ようとして崖下の茂みに落ちたお陰でパネル共々無傷らしい。アランの静止も聞かず農場の「安全を確保」しておくとのたまうバリー。
崖下を見るとパネルを抱えてダッシュしている。ランボー気取りか、おめでてーな。
森の中に闇の気配を感じた。武器は車の中に置いたままだったがバリーも心配だし選択肢は無かった。
闇人から逃げ農場に向うアランの前に強い光が照らされる。
「適切な場所、適切なタイミングで原稿を届けよう。君に物語を伝えるためだ」
その光と声には覚えがあった。夢の中で聞いた声だ。夢の中の彼はダイバーか宇宙飛行士のような姿をしていた。アランの行く先々に原稿を置いていたのは彼だったのだ。
更に続く
農場近くの建物で拳銃を手に入れるアラン。そこにあったテレビが(ry
「俺はあらゆる展開を考えた。このまま書き続けてもアリスは取り戻せない。これはホラー小説なのだ。アリス
も俺も、この街の誰一人として助からない。全ては消滅し世界は闇に包まれる。それが奴の望んだ結末なんだ。
アリスは俺に小説を書かせるための口実に過ぎなかった。俺が結末を変えなければ。逃げよう。俺は自分を物語に書き込んだ。俺が主人公になるんだ。
とてつもなく危険な賭けだがアリスを救うにはこうするしかない。俺も他の登場人物同様物語の制約を受けるだろう。エピソードはリアルでなくてはならない。
サスペンスを持続させ、犠牲も必要だ。ホラー小説では誰もが死と隣りあわせで主人公も例外ではない、むしろ死は必然だ。物語に脱出シーンを書こう。
それにはゼインの協力が必要だ。ゼインに俺を助けさせるのだ」
そんなこんなで農場に着いたアラン。農場のど真ん中に立派な野外ステージがあるではないか。アンダーソン兄弟がミュージシャンである事を実感した。
ステージ上のバリーが叫ぶ「奴らだ、逃げろ!すげぇ数だ!」
バリーの後ろにいた闇人が襲いかかろうとした瞬間、ステージにスポットライトが当てられ消滅する闇人。
大音量で曲がかかり周囲には花火が上がる。逃げたバリーがノリノリで照明を操作しアランが闇人を片付ける。
曲が終わる頃には押し寄せてきた闇人は全滅していた。パネルも無傷だ。
「お前のパネルは新品同等だ!片付いたら後で取りにこよう」バリーがやり遂げた男の顔で言う。
兄弟の家に行くには納屋を抜けなければならなかったが、納屋の入り口を探すアランを放置してパネルで遊ぶバリー。
「俺がアランウェイクだ。俺はいつだって正しい。好きにやらせなきゃいちんち中すねてやる。俺は気分屋でキレやすくってチャーミングでミステリアスなんだ。
今日は親友のバリーが運んでくれるのを待ってるとこだ。が、なぁに構わんさ。それ位当然だからな」アランの真似のつもりだろうか。全くこの男は・・・
納屋にあったテレビをつけると深夜番組「ナイトスプリングス」(「あなたの知らない世界」的な番組)が放映されていた。
「懐かしいなぁ、お前の初仕事だもんな!」笑うバリー。プロの作家としての初仕事だったが小説家を目指していたアランにとっては屈辱でしかなく、仕事に誇りを持てるまでには長い年月が必要だった。
納屋を抜けサイロに入った二人は醸造施設を見つける。どうやら兄弟の言っていた酒は密造していた物らしい。出口は施錠されていたためバリーを置いて他の出口を探すアラン。
サイロの屋上から家らしき建物が見えた。元ロックスターの情報を信頼する事に不安は無かった。
ゴンドラに乗ってコンバインの車庫に降りてきたアラン。嫌な予感しかしなかったが案の定コンバインが轟音を上げながら車庫を壊しつつ襲ってきた。何とかぶっ壊す
バリーと合流し兄弟の家に着くアラン。ブレーカーを探し2階に上がるとライトの先の壁には蛍光塗料で「OLD GODS KNOW THE TRUTH」と書かれていた
ブレーカーを上げると一階から歌が聞こえてくる。これこそが兄弟の残したメッセージなのだろう。一つのフレーズが聞こえてきた。「レディー オブ ライト」
その言葉から一人の人物を思い出す。シンシア ウィーバー。あの「ランプおばさん」だ。
1階に降りた二人はドラムセットの前に置いてあったレコードを再生する。
”愛する物を解き放つには魔女のキャビンの鍵がいる レディーオブライトを探せ 夜に狂わされた彼女を その手で運命を変えたいのなら”
今日はこの家に泊まって明日シンシアを探す事にした二人。
「なあアラン、朝までは長いしちょっと息抜きしようや。酒もあるし」そういってバリーはどこから持ってきたのか酒を勧める
ちょっと悩みつつも酒を呑みべろんべろんになる二人。
「絶対アリスを助け出そうぜ!お前がどんなにイカれてようが俺は一生ついていく。なぁ兄弟!」
「俺は作家だってんだ。その気になりゃ年10冊は書ける。それもベストセラーだ」
「そりゃ無理だねw」「あぁそうさ、でもできるぜ。作家だからな」
「それにしてもこの酒何が入ってるんだぁ?脳みそが鼻から出そうだぜ」「はははは!」
そしてべろんべろんになりつつもアリスがいない事で弱気になるアラン。励ますバリー。そして潰れる二人
(ちなみにこの酒には濾過していない湖の水が使われている)
更に続く
夢の中でアランは湖のキャビンにいた
目の前には「何やってんだ・・・」とつぶやく自分自身の姿があった
そしてアリスの叫び声。駆け出すアラン。ブライトフォールズに着いたその夜の出来事だった。あの時の自分をアランは見下ろしていた。
アンダーソン兄弟の密造酒の影響だろう。潜在意識化に眠っていた記憶が蘇ったのだ。真実を見届けるチャンスだった。
湖に沈んでいくアリスが見えて自分も飛び込んだのが記憶の最後。その後は大破した車の中で目覚めるまで記憶は飛んでいた。
ジャガーの罠だったのだ。湖から上がってきたアランはアリスが死んだ物と思い込んでいた。咳き込みながらアリスを呼び続けるアランの傍らにジャガーが現れキャビンを見上げて言う。
「御覧なさい、窓に人影が見えない?あれは彼女じゃない?きっとそうよ」駆け出すアラン。
闇に触れられたアランはジャガー=闇の存在の言いなりだった。
2階の書斎にアランを導くジャガー。アランは書斎に向うがもちろんそこにアリスはいない。
「ここにはいない、いる訳が無い。彼女は死んだの。溺れてね」嘘だと叫ぶアランに更に追い討ちをかけるジャガー
「みんなあなたのせい、あなたの責任。あなたの力になろうとした彼女を、あなたが殺した」絶叫するアラン
「あぁまだ望みはある。コールドロンレイクは特別な場所。ここならあなたが結末を変えられる」
アランに手を差し伸べながらジャガーは言った「原稿を書きなさい。私が教えてあげる。彼女を取り戻すのよ。あなたがそう書けば全ては元に戻る」
アリスが人質で原稿が身代金だったのだ
「あぁ書こう。書いてアリスを取り戻す」虚ろな顔でアランは言ってタイプライターを打ち始める
それを見ていたアランの目の前にジャガーが現れた「お ま え !」
キャビンは島ごと湖に沈んでいた
夢から覚めたアラン。全て思い出した。アランは闇の中で丸一週間「ディパーチャー」と言う物語を書き続けた。
ジャガーの指示によって闇が物語の中で力を増していく。アリスを救い出すためだと思いこまされていたが、結末を書き終え闇が全てを飲み込む前にわずかに残った理性で脱出シーンを書き込んだ。
ゼインは弱っていたがアランが彼を登場させた事で、彼の光がアランを救った。
「今だ、原稿に書かれたとおりこの光で君を解放しよう。急げ、あれはすぐに戻ってくる。あれはバーバラの顔を盗み、年月が老いを刻んだ」
アランを逃がした代償に、ゼインは更なる闇の深淵へと沈められた。だがそのお陰で消耗しきったアランでも逃げ切る事が出来た。
闇の支配からは目覚めたが、アランは混乱し恐怖と闇に蝕まれていた。必死に逃げようとした物の消耗しきったアランは事故を起こし車の中で目を覚ました。
「俺が書いた…俺のせいだ…」
「ああ大先生、お前のせいさ。ツケは払ってもらうぜ」そこに銃を構えたナイチンゲールが現れる
エピソード4 終了
「ここまでのアランウェイク」
ホラー小説を書いたのは闇に操られたアラン自身だった
あの湖にはアーティストの想像力に感応して現実にしてしまう力がある
アリスを攫ったのも闇だ。一刻も早くシンシア ウィーバーに会わなければ
エピソード5:クリッカー
アランとバリーは留置場に入れられていた。ラジオからは翌日に迫ったディアフェストの話題が流れていた
虚ろな意識の中、アランは優しげな老婆の声を聞く
「待ってたわ、『いずれ時がきたら誰かが訪ねてくる』トムがそう言ったの。そう書き残したの。あれは保険。私がずっと大事に守ってきた。光の中で…」
夜になり、街は完全に眠りにつく。この田舎町にはコンビニなんて無いのだ
目覚めるアラン。原稿がなくなっている。ナイチンゲールに奪われたようだ。
隣ではバリーがげぇげぇ吐きながら二度と酒はごめんだとか言っている
通路の扉から現れるナイチンゲールとサラ。サラは取り調べもしないで二人をぶちこんだFBIに文句をつけている
得意気な顔でナイチンゲールガ言う「遂に捕まえたぞ作家先生。証拠はここにある。連邦捜査官の暗殺計画もな。これで無罪放免はもうありえん。分かったか大先生?」意味が分からない。
あなたの上司と話がしたいというサラ。事情があって今は駄目と答えるナイチンゲール
いきなり留置場の電球が一斉に切れ、非常灯が灯る。そして頭を抱えて倒れこむアラン
鉄格子を開けてアランに近寄るサラ。罠に決まってるだろとナイチンゲール。
「やめて、もうここまでよ。ウェイク、あなたを信じるわ。ナイチンゲール、口を挟むならまずは酔いを醒まして。これが正式な捜査だと証明して!」遂に不満が爆発したようだ。つかこの男アル中らしい。
銃を向けるナイチンゲール「中に戻れ大先生、俺が生きてる限りお前を・・・」そこで何かに気が付くナイチンゲール。
「待てよ、こいつは…」持っていた原稿を読もうとしたとき後ろの扉が開き何かが彼を外へ連れ去った
後には原稿だけが残され、それには今の光景がそっくりそのまま描かれていた。
非常用電源をつけ、何故か取り乱す様子も無いサラから所持品を返してもらいシンシアの居場所も聞く。
彼女は閉鎖された発電所に住んでいる。レスキュー用のへリで行けばすぐだというサラ。
サラはバリーに事務所に残って電話で連絡を取る様に言ってリストを渡す
リストにはサラの父親、パット メインら数名の名があった。万一に備えて連絡する必要があるそうだ。「『ナイトスプリングス』よ、それで通じるわ」
保安官事務所からでたアランとサラ
「さっきのナイトスプリングスってどういう意味なんだ?」
「あのドラマは前からこの街がモデルじゃないかって言われてたのよ。ここじゃ時々妙な事が起こるから、今回ほどじゃないけどね」
ヘリのキーを探しに町役場へと向う二人。道中闇人の大群に襲われるがショットガンを撃ちまくるサラのお陰で何とか役場へ辿り着いた。何この安心感。流石は現職保安官。
裏口から役場に入る二人。ブレーカーは壊れていた。ブレーカーをいじっているサラに替わりナイトスプリングスを見ながらキーを探すアラン。バリーから急げとメールが来る。心細いのだろう
キーを手に入れ役場を出た二人の前に猛ダッシュしているバリーの姿が見えた。どうやらポルターガイストに襲われているらしい。建物に逃げ込むバリー。吹っ飛んでくるバス。道路は完全に塞がれてしまった。
裏に回ってバリーと落ち合おうとする二人。こんなこともあろうかと持っていた合鍵で本屋に入るサラ。
裏口から出るがバリーの姿は無い。とそのとき遠くにフレアガンの閃光が上がる
「あそこじゃない?ヘリがあるのもあっちの方よ」
ディアフェストの準備のためか、街は至る所が封鎖されていた。仕方ないので教会の中から地下室を抜けて進もうとする。外へのドアを蹴り開けるアラン。そこには斧を振りかぶった闇人が。
そこに後ろから強烈な閃光が広がり闇人は消滅する。光が収まり目を開けると、額にヘッドランプ、体にクリスマス用の電飾を巻きフレアガンを構えるバリーの姿があった。
「ブライトフォールズ雑貨店は世界中で一番ヒップな店だ!」飛び込んだ建物が運良く雑貨店だったらしい
ヘリポートに着く一行。サラはヘリの離陸準備にかかる。ゲートが閉まり、響くバーバラの声「彼女は二度と戻らない」
押し寄せる闇人を蹴散らしながらヘリの準備を待つアラン。
「ウェイク、いいわよ乗って!」サラの声。アランたちを乗せ、ヘリは離陸する。
発電所が見えてきた。駐車場に着陸しようとするヘリに鳥の大群が襲い掛かる。
「つかまって!」叫ぶサラ。しかしアランが振り落とされる。例によって丸腰だ。危機感の足りない男だ。
「発電所で合流しましょう!」と飛び去るヘリ。幸い近くの詰め所で拳銃と弾薬は手に入ったが発電所に行くには河を渡らなければならなかった。
闇人に襲われつつも橋を渡るアラン。そこに鳥を振り切ったヘリが来る。が合流する間もなく鳥に襲われるヘリ
「避難するから発電所に入って。話がまとまったら連絡して!」そういってヘリは飛び去った。
発電所のロゴには見覚えがあった。あちこちで見つけた物資のありかを示す松明のマークだ
ドアに近づくと内側から勝手に開いた。物凄い光がアランを照らす。
「動かないで!」ウィーバーの声がする「俺は味方だ、ウィーバーさん!」「証拠は?」「あなたが『レディーオブライト』ですよね。手を貸してください!」そこでアランに向けられたライトが消える
「あぁやっと!長い事あなたを待っていたのよ。闇を追い払う物は『照らされた部屋』にあるわ。ダムの中に部屋を作ったの」
それがあればアリスを取り戻せるのか。ヘリを呼ぼうとするアランに夜の外は危険なので秘密の明るい通路があることを話す。
急に部屋の電球がチカチカ言い出す。ウィーバーはアランに変圧器を止めてくるよう依頼する。
アリスを救うためならアランは何でもするつもりだった。今はウィーバーだけが頼りだ。彼女は何十年も前からこの狂気と向き合ってきたのだから。
変圧器を止めたアランをウィーバーは秘密の通路に案内する。道すがら友人であったゼインとジャガーについて話すウィーバー。
ジャガーが死に、彼女を蘇らせようとゼインは小説を書き始め闇を目覚めさせてしまった。蘇ったと思われたジャガーは顔はそっくりだが中身は完全な別人だった。
ゼインが気づいた時にはもう遅かった。彼は書いた物を全て取り消そうとした。著名だったはずのゼインが今では誰も知らないのはそのためだった。
ゼインはまた同じ事が起こった時のためにウィーバーにあるものを託し、ウィーバーはそれを「照らされた部屋」で守り続けた。
自分達はアランの物語に囚われている。闇を食い止めなければ生き残れない。ジャガーが結末を捻じ曲げてしまう。
「トムよ。彼がそう書いたの。彼は今でもテレビを通じて闇の底から話しかけてくるのよ」どことなく嬉しそうに言うウィーバー。
秘密の通路とはもう使われていない大きな水道管だった。明かりのついた水道管に入る二人。バリーたちに連絡を取るアランだが、ダムで合流しようと伝えた直後バリーの悲鳴が聞こえ電話は切れる。
そして何かが堕ちたような振動が伝わってくる。
「彼らを助けに行かないと!」ウィーバーの静止も聞かず外に出るアラン。墜落したヘリが燃え上がっているのが見え、空には何百羽もの鳥が飛び交っていた。
「勝手になさい!先に『照らされた部屋』で待ってますからね」ウィーバーは大丈夫だろう。二人を助けなければ。
墜落現場は悲惨だったがどうやら直前で脱出できたようだった。フレアガンを乱射するバリーとショットガンを乱射するサラが見えた。
合流した一行はダムへ入ろうとするがサラとバリーが中に入った瞬間上から落ちてきたタンクによって分断される。
別ルートを探すアラン。ダム上部に着くとジャガーの声が響く「止まれ、止まりなさい」
木を薙ぎ払い車や鉄骨を巻き込みながら闇の竜巻が迫ってくる。向こうでバリーたちが叫んでいる。間一髪エレベーターに飛び込むアラン。
続く
「照らされた部屋」に案内される一行。目の前にはシェルターのようなごっつい扉。
ダムの中に何でこんなごつい扉があるのかと思ったが、ダムの北に大戦当時の陸軍基地がありここもその一部なのだろうと言う。
扉を開けると中から強烈な光が広がる。中には物凄い数の電球が輝いていた。
「さあ、それよ。そろそろ6番と33番118番を換えなきゃいけないけどこんな夜中に梯子を上りたくはないし、もうくたくたなのよ。あなたに渡してしまえば私の役目は終わるのよ」
愚痴っぽいがたった一人で何十年もこの部屋を守ってきた事を考えれば当然だろう。
部屋の真ん中の机には小さな箱があった。箱を覗き込むアラン。
そこには一枚の原稿が。だが書いたのはアランではなくゼインだった。原稿にはアランの幼い頃の思い出が書かれていた。もう存在しないはずのページだった。
”7歳のアランは眠る事を怖がった。寝付いても悪夢にうなされ悲鳴を上げて飛び起きてしまう。ある晩母親が古びたスイッチを持ってきてくれた。
「クリッカー」と呼ばれるそれを使えば魔法の光がたちまち怪物を追い払ってくれるのだと。しかもそれはアランの父からもらったのだと言う。
父を知らないアランにとって父に関するものは全て魔法だった。アランはクリッカーを握り締めようやく安心して眠りについた。
あれから数十年後、コールドロンレイクのほとりでアランはクリッカーを手に昔を思った。そして息を深く吸い込み飛び込んだ。”
原稿の下にはアリスにあげたはずのクリッカーがあった。
眩暈がした。ここにクリッカーがあるのはアランが書いた物語の中でゼインが書いたからだ。
クリッカーを手にしたアランは静かに言う。
「これでアリスに会える。終わらせるんだ…」
エピソード5 終了
「ここまでのアランウェイク」
闇の存在に操られ恐ろしいホラー小説を書いてしまった
このまま書き続けてもアリスは救い出せない。これはホラー小説なのだ。誰一人助からない
だがゼインが保険を残していた。クリッカーだ