ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝30】

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1ゲーム好き名無しさん
ここは、ドラえもんやのび太達がポケモントレーナーとして活躍する小説の30スレ目です。
このスレでは自分の書いた小説を投稿することが出来ます。

基本ガイドライン
▼荒らしには反応せずスルー、反応したら貴方も荒らしかもしれません。
▼喧嘩せずに仲良く利用する。
▼自演はしない。
▼sage進行

その他
▼次スレは>>970が立てること
▼現在のスレを使いきる前に新スレ誘導をすること。

詳しいガイドラインは>>2-5あたりに提示。

前スレ  ドラえもん・のび太のポケモン小説【外伝29】
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1216044499/
バーボンスレ 雑談専用スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/38986/1184595831/
まとめwiki 投下された作品はここでまとめて読める
ttp://www10.atwiki.jp/doraemonxpokemon/
ポケモン関係SSwiki 1乙作品がここで読める
ttp://www24.atwiki.jp/pokess-keeping/pages/4.html
避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/game/38986/
避難所 携帯用入り口
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/game/38986/
ドラえもん・のび太のポケモン小説専用 ロッカールーム(携帯可)
ttp://chat2.whocares.jp/chat/cr.jsp?rn=pokedora

2ゲーム好き名無しさん:2009/01/21(水) 20:59:53 ID:zfo4SZJs0
作者ガイドライン
▼作品を投下する際には酉と作者名を入れる。
▼自分の作品の質を向上させるよう、日々精進する。
▼一度始めた作品は何があっても完結させる。
▼作品を投下する時は、酉と作者名は必ずつける事。
※酉のつけ方:名前欄に作者・作品名#好きな文字列(全角最大4文字半角最大8文字)と入力
▼読みやすいように自分の前作品に対しアンカーをつける事。


読者ガイドライン
▼作者が投下した後には、何かしら励みになるようなレスをする。
▼作者への批判や悪口は控える。
▼投下中には絶対に割り込まない
▼作品の評価書き込みは冷静かつ客観的にお願いします。
ドラポケ避難所に作者考察スレがありますのでそちらも活用して下さい。
▼自分の気に入った作品の作者には応援書き込みをしましょう。
皆様の応援が作者の小説作りへの励みとなり、活力にもなります。
▼これは常識ですが、荒らし又はそれに反応する人は全てスルーして下さい。
荒れる元です。
▼作品を書くのは大変な作業です。
やたら「過疎、過疎」等と言わないで下さい。
作者、読者ともに以下の事に注意して下さい。
▼スレに偉い人は居ません。
皆平等です。
差別、中傷行為は止めましょう。
またその相手をすることも止めましょう。


3ゲーム好き名無しさん:2009/01/21(水) 21:07:37 ID:yjILEHgI0
…あれ?テンプレこれだけだったか

乙。
一応30いったんだね
4ゲーム好き名無しさん:2009/01/21(水) 21:30:38 ID:/GR4tUB40
あ、立てたの。乙
5M ◆cAII3gBk5. :2009/01/21(水) 21:52:23 ID:zfo4SZJs0
>>3
前スレからもらったんだが、何か忘れた? まぁ余りスレ立てはしないから、許してくれ。

さぁーて、さっさとやる事終わらせて投下分書き終えますかねぇ!
ごめんねぇ、投下遅れて。このスレと真剣なあらすじでちゃらにして欲しいなぁ・・・なんてw
6ゲーム好き名無しさん:2009/01/21(水) 22:55:10 ID:4o62YjSnO
>>5 乙!多分テンプレは以上だ 心おきなく小説執筆してくれ
7ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 00:54:49 ID:JdsPyjaE0
これであえなく前スレの分は流れていくわけですな
wikiがないから新規の人は読めないという酷いシステムww
8ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 01:38:04 ID:6mXrWF+FO
>>7
まぁ作者が投下前に前スレでの簡単なあらすじを書けば大丈夫だろ
wikiの問題はまだ解決出来ないから、ぼちぼち話し合っていくしない

次立てる時はガイドラインにも修正いるかもな
9ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 08:37:44 ID:RUCDm5I1O
>>8
めんどくさいスレですね
10ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 20:55:56 ID:RrrCE3pxO
>>7
新参涙目すぎワロタwwwwwwwww
11ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 21:09:20 ID:RUCDm5I1O
お前らいつもたいしたことしてないんだし、wikiくらい作れよ
12ゲーム好き名無しさん:2009/01/22(木) 23:05:46 ID:JdsPyjaE0
ここの住民は人に噛み付くことしか脳がないからなあ
スルースキルはないし
13ゲーム好き名無しさん:2009/01/23(金) 20:08:56 ID:xWKTflVr0
ドラポケ終わってるな
14ゲーム好き名無しさん:2009/01/23(金) 23:47:24 ID:e7MiscsN0
ここの口だけの携帯厨を一掃して、ゲサロとポケモン板以外の所に、ドラえもん・のび太のポケモン小説Part1としてリニューアルした方が良かっただろ
どうせ前のwikiなんて残ってたって中身の無い初代崇拝やドラーモン崇拝の池沼しか呼ばないんだし、今までの過去は捨てるべきだろ
15ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 00:55:33 ID:w/gFnx4T0
>>14
同意、初代なんてただ最初に書いてただけだろ
中身も無いし、評価されてるのもクチバの戦闘だけ
16ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 02:16:42 ID:q5Cfrt4gO
八点

そのわかりやすい自演はどうかと思うぞ
17ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 05:30:31 ID:y2JoAQhnO
>>14-15
まぁ何が気に食わないか知らんが取り敢えず落ち着け
どこにいても投下が可能という携帯のメリットは作者にとって大きい
それを捨ててまで移転する事に、俺は魅力を感じないな

それじゃあ今日の夜投下するぜ。本当はこれだけ言いたかったw
18ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 09:55:00 ID:dX7inkY/0
お前らの好きな作者って誰よ?
19ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 12:09:24 ID:UJs2wLW+O
トキワ、ミュウ、ギンガ、ドラーモン、初代
20ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 13:02:44 ID:dX7inkY/0
>>19
もう一度読み返してみろ。
とてもじゃないが(ry
21ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 13:24:31 ID:So3jiTGe0
ID:dX7inkY/0みたいなのが未だに残ってるのが疑問だわ
22ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 23:04:47 ID:yduiJMEH0
>>16
すぐ自演認定するくらいしか能がない君に何が出来るの?
投下の感想レスくらいでしか役に立たないと思ったら、それすらも投下乙の一言だけとか何なの?面白いと思ってんの?
他の創作スレだったら投下乙の一言だけなら、むしろそれは嫌味にしか聞こえないよ?
良かったところ良くなかったところ気になるところを取り上げて書くのが感想レスというものなのに、それすらもしないで感想書いて役に立った気になってるの?


23ゲーム好き名無しさん:2009/01/24(土) 23:28:03 ID:6dkmVvhxO
>>22
禿げ上がる程同意
24ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 10:05:13 ID:659I+zer0
あれー? 投下きてないよー?
25ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:08:01 ID:ZqlglQi9O
ごめん、少し用事があって遅れた。
今までのあらすじを簡単にまとめてみたから、
今まで「ミュウとかテラ厨二wwwバロスwww」とか思って未読だった人も読んでみて欲しいな。
いや、今でも厨二病全快だけどねw

それじゃあ半年ぶりの投下、行きます。
26ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:10:12 ID:ZqlglQi9O
――今までのあらすじ。
第1章「始まり」
もしもボックスで町をポケモン世界に変えて遊ぶ事にしたのび太達。
だが出木杉の企みにより、彼に支配された世界を作り上げられてしまう。
拉致されたドラえもんを救う為、彼らは出木杉主催の大会で優勝し、出木杉と戦う事を決意した。

第2章「支え」
出木杉の家で機械化された彼の母親が発見され、真実が語られる。
出木杉の変貌は、唯一の支えである母を失ったショックが原因であった。
彼はポケモン世界に町の住民を閉じ込める事で、孤独から逃れようとしていたのだ。

第3章「味方」
大会の途中、のび太達は二人のタイムパトロール隊員と出会う。
30代位のがっしりした体格の男性"隊員B"と、
何故か懐かしさを感じさせる青年"隊員C"通称クッド。
彼らの口から教えられたのは、タイムパトロールのルールだった。
もう間もなく――騒ぎの起きた地域への武力介入が始まる。
そうなれば出木杉の死は避けられない。
のび太達は改めて友を救う事を決意し、タイムパトロールと別れを交わした。

第4章「ミュウ」
常に出木杉の側に仕える、黒い体と赤い眼のミュウ。
見る者に圧倒的な威圧感を与えるその力は、出木杉の権力の象徴であった。

しかしある時、のび太はミュウの治癒能力で危機を救われる。

驚くのび太に、彼は語った。
自分が出木杉に弟を殺され、出木杉への復讐を誓っている事を。
敵を助けてしまったミュウは、もう後には退けない。
ミュウは一人、出木杉の元へ向かった。
自分の力では、出木杉に屈するしかない事を知りながらも……
 
27ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:17:35 ID:ZqlglQi9O
第5章「復讐」
ジャイアンがイカれた幹部ゴクとの戦いに勝利するが、
スネ夫は洗脳されたジャイ子を救う為、大会から退場してしまう。
のび太の準決勝の相手は仲間であるしずか。
しかし、その正体は完全擬態(トレース)能力を持つミュウツーだった。
最初はのび太を見くびっていたミュウツーだが、
激しい戦いの中でのび太をライバルだと認め、自分の目的を話し出す。
ミュウツーこそ、死んだと思われたミュウの弟だったのだ。
ミュウをかばい、ミュウに投与されるはずだった薬を打たれたミュウツーは、出木杉への復讐の為、人間に扮してこの大会に出場していたのである。
戦いに懸ける思いの差か。
後一歩の所でミュウツーに敗北するのび太。

しかし、遂に大会は最終戦へ進むと思われた次の瞬間……事態は一変した。

突然現れたミュウからのび太を守り、ミュウツーは爆死する。
そして、自分の部下である幹部達を騒動員し、出木杉が町を占拠した。

ドームに集めた全住民を、ダークライの力で悪夢の世界へと引きずり込んだ出木杉。
母の幻想に苦しむ出木杉は、皆に自分と同じ苦しみを味あわせたかったのである。
「さよなら」
出木杉はのび太とジャイアンを容易に追い詰め、彼らに最後の別れを告げた。
28ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:20:15 ID:ZqlglQi9O
第6章「決戦」
だがそこに、のび太とジャイアンの同志が集結する。
大会で敗れ、地下に閉じ込められていたトレーナー達が反旗を翻したのだ。
再会したのび太、ジャイアン、スネ夫、しずか。
四人は仲間達の思いを受け、出木杉の待ち受けるドームへと向かった。

出木杉に導かれたのは、五つの扉がある地下室。
その内四つの扉では、それぞれ奥に人質が監禁されており、
早く救わなければ死んでしまう事を出木杉が宣告する。
援軍の為に訪れたのび助、スネ吉と共に、四人は幹部が待ち受ける道への扉を開けた。

ドラえもんを救う為走るのび太。
そんな彼の前に、隠密用からくり"流水"が立ちはだかる。

友の為、皆の為、そして未来の為に、のび太達の最後の戦いが始まった。
29ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:22:48 ID:ZqlglQi9O
おまけ――アヒャヒャ、この設定忘れてなーい? のコーナー

・秘密道具は一度使うと壊れてしまう。
アヒャヒャヒャヒャ! 出木杉様の頭脳と僕の神力にかかれば未来の道具なんてイチコロなのさ☆
そう、それはまるでオリオンに仕向けられた蠍の毒のようにね!

・一度出動したタイムパトロールは暫くの間同じ時代に出動する事はない。
悪いけど、僕は僕の生きる時代にしか興味は無いのさ!
だからタイムパトロネウスの事はよく知らないよ、ごめんね(笑)
まぁ、要するに神はいつだって時代の中心にいるって事ですねわかります^^

・出木杉を教育した謎の老人の存在。
人生は学ぶ事の連続、それは出木杉様でも変わらない事なのさ!
かく言う僕の頭脳も常に発展を繰り返し、レベル6に進化する可能性まで出てきたよw
まぁ僕の場合は、人生じゃなくて神生なんですけどね、みたいなwww

・出木杉は改造してすぐにはミュウを洗脳しなかった。
これは簡単だね!
人がバベルの塔を作り始めた時、神はそれをすぐに壊そうとはしなかった。
アヒャヒャヒャヒャ、近付いてから危険を処理する事こそ! 神のたしなみ!
トイレに行きたくなった時、限界まで溜めて、苦しみに苦しみ抜いてからするのは最高だろ?
つまりそう言うことさ!

30ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:26:25 ID:ZqlglQi9O
――本編
「気を付けろ、スネ夫君! 今度は足元に来たぞ!」

スネ吉の忠告通り、足を刈り取ろうと前方から炎が迫る。
二人は息を揃えてそれを飛び越し、更に奥へと急いだ。
先ほどから続く、この挑発。
スネ夫はこれ以上付き合っても無意味と判断して、クロバットを呼び出した。
そしてそれに乗ると、続けてスネ吉にこう言った。
「スネ吉兄さん、一気に進む。 クロバットに乗ってくれ」
スネ夫の言葉に従い、クロバットに乗るスネ吉。
クロバットは少し体を後ろに引いて、そこから一気に最高速へ達した。
「す、凄い…!」スネ吉は思わず驚いた。
クロバットが翼を広ければ殆んど埋まってしまう程、通路は狭い。
だがクロバットは、その直線上の空間を自分の庭の様に易々と抜けていく。
微分の狂いすらないその動き。
それは、才能や小細工でどうとなる問題ではなかった。
地味な修行の蓄積と、パートナーとの深い信頼が成す、血の滲むような努力の証明だった。
「スネ夫君、君を変えたのは……一体何なんだい?」
本音がほろりと出てしまう。
自分と同じ、何の才能もないタイプだと思っていた少年の、この成長。
スネ吉は知りたかった。この少年を変えた、その存在の名を。
31ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:32:47 ID:ZqlglQi9O
「自分でも……分からないよ。
 兄さん、正直言うとね、僕は出木杉が大ッ嫌いなんだ。
 勉強も運動も出来て、優しくて、女の子にもモテて……いつも僕は、アイツが羨ましくて堪らなかった」

スネ夫はそう答えると、うつむいた顔をして、更に言葉を続ける。

「でも……それでも……それでも僕は、アイツを友達だと思ってたんだ。
 アイツと一緒に笑った事がある、泣いた事もある。アイツに救われた事だってある。
 アイツが悩んでたら、いくらだって悩み位聞いてやったさ!
 それなのに……アイツは……一人で悩んで、一人で苦しんで、友達だと思ってた僕が馬鹿みたいじゃないか…!」

「スネ夫君……」スネ夫の顔を伝う、僅かばかりの涙。
スネ吉はそれを見て、全てを理解する。

「アイツなんて大ッッッ嫌いだよ、本当に。
 でもだからこそ、勝手には死なせてやらない。
 意地でも救って、アイツの腹の中のモノを全て吐き出させてやるんだ!」

「ははっ、それは出木杉君も災難だな」
余りに滅茶苦茶なスネ夫の返答に、スネ吉は思わず笑ってしまった。

「君みたいな友達が居れば、僕も……」
「スネ吉兄さん、伏せて!」
「え…?」
前方の通路が紅く染まっている。
一瞬塗装かと思ったスネ吉だったが、それが全く違う物であると気付いた。
「炎の……壁!?」
「大丈夫だ、行ける! クロバット、エアスラッシュだ!」

スネ夫達は躊躇する事なく、炎の中へと飛び込んだ。
32ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:35:35 ID:ZqlglQi9O
「何だァ、こりゃ?」ジャイアンは困惑していた。
ジャイアンのたどり着いた場所は、劇場の客席の様な空間。
前方の舞台には赤い幕が掛かっていて、まるで本当に劇でも始まるかの様な雰囲気だ。
更に、ジャイアンが客席の中頃まで進むと、突然場内のアナウンスが鳴り響いた。

《本日はご来場ありがとうございます。
 大変お待たせ致しました。間もなく本日の舞台「神になった少年−The Story of Goku Kiyohime−」が始まります。
 ご起立されているお客様は、今すぐお座り…」
「ブーバーン、火炎放射だ」
ジャイアンはアナウンスが終わる前に、エンテイを型どったスピーカーを原料へと還した。
そして限界まで息を吸い込み、ゴクへ言い放つ。

「ゴク、さっさと出てこいッ!
 今お前の悪ふざけに付き合ってる暇は無いんだよ!!!」

会場内に木霊する叫び。
しばらくの間、深海の様な静けさが会場を包んだ後、舞台の幕が開いた。

「レディースェーンドジェンツルメーン。
 アヒャヒャヒャヒャ、久しぶりだねぇ? イアーン?
(まぁ準々決勝からここまで投下するのに作者が1年以上かかったからそう感じるだけで時系列的には1日しか経ってないけどそんな事指摘するのは野暮ですね分かります^^)」

「ゴク……相変わらず面倒臭い奴だぜ…!」

ステージの中央に立ったゴクと睨み合うジャイアン。
ゴクと因縁気味の関係にあるジャイアンだからこそ、油断出来ない。
この男は狂っている。
そしてその歪んだ思想こそが、この男の常識を逸脱した実力の由来であるとジャイアンは理解していた。
33ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:37:16 ID:ZqlglQi9O
「ヒャヒャ、今日は僕の……本気を見せてあげるよ」
「お、お前、その姿は…!?」
ゴクの着ていた赤い服が破れ、中からおぞましい衣装が現れる。
「おえぇっ……げほっ、げほっ…!」
特筆すべきはその衣装の絶望的なセンス。
一応長期に渡って小説の執筆に携わってきた作者だが、この服だけは千の言葉……いや万の言葉を使おうとも説明出来ない。
ステージに広がった翼状の造形が不気味に蠢き、全身からは無数の腕が突き出ている。
そして……そして……もうッとにかくウニョウニョでグチャグチャでゾワゾワしてオェッとなる史上最悪の逸品なのだ。

「アヒャヒャヒャ、どうだい? 凄いだろ?
 これは僕がデザインした、僕の僕による僕の為の服さ!
 謙虚なアフリカの民族衣装にヘレニズム文化を取り込むという斬新な発想!
 一目で快楽の絶頂状態(アタラクシア)へと導く圧倒的カリスマ性ッ!
 さぁー、思う存分に見るが良いよ! 今日イアンの心に、革命が訪れるだろう!」

「おぼろろろろろろろろろろろろろろろろ!」

ジャイアンはカタルシスの時を向かえてしまった。
34ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:39:34 ID:ZqlglQi9O
「雷電……さん?」
「違ァァァァう! 天才ッ(ここ重要)雷電様だ!」

しずかとのび助に場面は移る。
二人を待っていたのは、幹部一の頭脳を持つからくり雷電。
出木杉の頭脳を基準として設計された上、性格はゴクを参考にしたという厄介な事この上ない存在だ。
以前はロトムを軸とするトリッキーな戦法で野比親子を苦しめ、その頭脳に恥じない戦い振りを見せた。
実力はゴクと同等、またはそれ以上と見て間違いはないだろう。

「あひゃひゃひゃ! この前の恨みは忘れちゃいないぜ!
 よくもこの雷電様の命とも言える頭を踏み潰してくれたなぁ!」
「えっ……いや私、あなたの事なんて知らないんですけど……」

困惑するしずか。当たり前である。
雷電をフルボッコにしたのはしずかに化けたジン。
しずか本人は、雷電と今ここで初めてであったばかりなのだから。

ここから先の会話は、見ず知らずの人にキレられるしずかの気持ちになって読んで貰いたい。


「だが甘ァァァい! 激甘だよ、糞女!
 弱点の筆頭である頭部にメインコンピュータを内蔵するなんて愚の骨頂!
 俺の脳は始めから腹部に内蔵されていたのだ!
 気付かなかったか? 気付かなかったのか? え? は? フヒヒwテラワロスwww
 バカじゃないの?いやバカかwバカでないとこんな単純な失敗しないよなー?
 ほら言えよー!自分はバカですダメな子です、雷電様は天才でっすって言えよーwあひゃっあひゃっあひゃひゃひゃひゃwww」
35ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:42:13 ID:ZqlglQi9O
「物語中盤出番0だったり、知らない奴に馬鹿馬鹿言われたり。
 私の扱いちょっと酷すぎないかしら……」

「気にするな、しずかちゃん。
 四大からくりとか言われていて、一体だけ復活してない奴も居るさ」



のび助が、腰のモンスターボールを手に取る。
「さてと、お遊びはこれ位にして……ヤルか」

冬場の様に乾いていく室内。
のび助の一言で、それまでのお気楽な雰囲気は一蹴された。
空気がびりびりと振動し、両者に緊張を与える。

火蓋を切るのは誰か……そしてそれはどんな手か……読み合いの読み合い。
何十もの透明な責め手と受け手が交差して消えていく。
誰も手は出さないまでも、皆既に理解していた。
もう戦いは始まっている事を。

「「「ぁッ!!!」」」三人がほぼ同時に持ち手を出す。
「「10万ボルト!」しかし先手を取ったのはのび助。
ライチュウの電撃が雷電のマルマインを襲った。
マルマインはその電撃を持ち前のスピードで避け、高速で回転を始める。
「転がる…!?」
「しずかちゃん、ボーッとするな! 早く回転を止めろ!」
ここで出てしまった経験の差。
その差が生んだ一瞬の隙は、雷電の次の指示を容易に許してしまう。
高速で回転するマルマインが電磁浮遊によって宙に浮き、雷電は高笑いを響かせた。

「ひゃははぁッ! 来たぜ来たぜぇー!」照明に照らされ、全貌を明かす室内。
形は真四角、大きさは四方15m程。
その様は余りに整然としているが、真に見るべきは別にあった。
36ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:44:34 ID:ZqlglQi9O
「何なんだ、この床の模様は?」
「床だけじゃないわ。ほら、周りの壁にも、天井にも……」

二人が驚いた様子で周囲を見渡す。
床、天井、左右の壁。四方に渡る全視界に映り込む、文字の群れ。

「G−16、H−16……これは何かの目印か!?」
のび助は素早く雷電の企みに気付いた。
「マリルリ、冷凍ビーム!」そしてしずかが間を空けずに攻撃する。

少ない情報量で雷電の策に気付いたのび助に、その策がどんなものかも分からない状態で、それを止めようしたしずか。
平凡なトレーナーではこうはいかない。
二人の行動は称賛に値するだろう。

しかしそんな二人の行動もあと一歩、時間にして1秒足りなかった。

「マルマイン、T―36に入射角度64゚だ!」

回転を続けた状態でマルマインが天井へ突進する。
寸分の指摘さえ許さない程、洗練されたその動き。
マルマインは二人からやや右上の天井に射し込むと、壁を反射して更に加速した。
「何だ、あの動き!? まるでスーパーボールじゃないか!?」
「またこっちに跳ね返ってくるわ、避けて!」
天井から地面へ、地面から壁へ……予測不可能な三次元反射運動が二人を襲う。
37ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 11:48:03 ID:659I+zer0
支援
38ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 11:53:39 ID:ZqlglQi9O
「ぐっ…!」避けきれず、のび助は腕を負傷した。
「少しカスっただけで腕が……あのマルマイン、静電気持ちだな」
電流を纏ったまま、空間を飛び回るマルマイン。
その動きは反射と転がるの効果によりどんどん加速していく。
もはや体の反応は追い付かない。
しずかはマリルリを戻すと、ハピナスを呼び出した。
「ハピナス、たまご爆弾!」広範囲に渡る強力な爆発。
しかし闇雲な攻撃など通ずるはずもなく、容易に掻き消されてしまう。
守りに徹する事も攻めに転じる事も出来ないまま、嵐の中で苦しむ二人。
雷電はそんな二人を高らかに嘲笑った。
「あひゃっあひゃっあひゃひゃぁぁぁああ!!! 無様だなぁ、カス共!
 お前達も俺の様に安全地帯を見つけたらどうだぁーん?
まぁお前らのサイ以下の脳ミソで、それが可能かは分からんがなぁwぎゃはははwww」
雷電が大笑いしながらモンスターボールを取り出し、エレキブルを呼ぶ。
三次元に及ぶ攻撃の中での、更なるベクトルの追加。
それは正しく、最後の追い討ちを意味していた。
「クソォ…! 今攻撃されれば一貫の終わりだぞ…!」
「あひゃあひゃあひゃっあひゃあひゃひゃっあひゃひゃひゃひゃひゃ!!!
 これは流石に避けられねぇぇぇよなぁぁぁあああ゙あ゙!?
 天才雷電様の心と体、名誉にプライド、そして大切なシロナ様を傷つけた罪ぃぃぃい!!!
 死をもって償うが良いわぁぁぁあああ!!!」

エレキブルの両腕から、凄まじい電流が放たれた。
39ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/01/25(日) 12:01:28 ID:ZqlglQi9O
支援ありがとう。今日の投下はここまで。
何と中途半端な終わり方w
駆け足な展開で色々省いてるから、話で分からない所あったらスレに書き込んで下さい。
出来る限りの事は答えます。

また、なるべく早く来れるよう精一杯頑張るから、
もう少しだけ、俺の妄想(しょうせつ)に付き合ってくれると嬉しいかな。
40ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 12:15:52 ID:659I+zer0
乙。
無理しなければいいとおもうよ。
41ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 12:16:26 ID:ZqlglQi9O
あらすじ>>26-28 清姫先生の特別教室>>29 激突‐(1)>>30-38
これを忘れたらなんか俺ではない気がする。



最後に素朴な疑問を一つ。
昔好きだった漫画が何年かしたら糞漫画に見えて、
その漫画好きな人を馬鹿にしてしまう時期ってあるよね。
あれが高二病なのかな?
42ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 12:41:45 ID:659I+zer0
>>41
俺にはそんな経験無いが多分そうなんだろう。

昨日VIPに初代のスレが立っててワロタw
43ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 15:20:36 ID:iiIuGvX5O
乙。信じてたよ…しかし、ゴクも雷電も酷いなw
俺の好きなタイプの「地味な実力者」流水の出番を楽しみに待ってるぜ
44ゲーム好き名無しさん:2009/01/25(日) 18:09:05 ID:nu1TYDVs0
疾風ううううううううううううううううううう
45ゲーム好き名無しさん:2009/01/26(月) 20:48:20 ID:K7ovnsptO
しずかカワイソス
46ゲーム好き名無しさん:2009/01/26(月) 23:16:21 ID:mrMpIQbqO
ミュウ乙。見ただけで吐くゴクの服のセンスに吹いたw
ミュウのバトルは凝っていて本当に面白いな。
続きも期待してる。

>>41
別名中2病アレルギーだから合ってると思うぞ。
47ゲーム好き名無しさん:2009/01/27(火) 22:29:23 ID:MTWOqqhsO
やっぱミュウの投下が来るとホッとするわ
48あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/28(水) 23:58:10 ID:jo2OA47i0
前回までのあらすじ

突然現れたエムリットによってポケモン世界に来てしまったのび太たち。
突きつけられた条件はこうだった。
「元の世界に帰りたければ、ポケモンリーグのチャンピオンに勝ってください」

エムリットの目的は何か。この世界で一体どんなことが待ち受けているのだろうか……
この世界を脱出するため、彼らのシンオウ地方の冒険が始まる!

ということで久しぶりに投下する
49あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/28(水) 23:59:52 ID:jo2OA47i0
クロガネシティを目指し、旅を続けるのび太とドラえもん。
その道の途中、クロガネゲートでのことだった。

「ポッチャマ! あわ攻撃だ!」

地面に倒れる相手のイシツブテ。ポッチャマの勝利だ。
しばらくあわ攻撃と体当たりが続くだけの単調な試合が続き、とうとう敵の体力が限界になったというわけだ。
のび太は、疲労しているであろうポッチャマを抱きかかえる。
「やった、また勝ったよ! 本当に強いねぇ、君!」
褒めてもポッチャマは特に嬉しそうな顔をしなかったが、のび太は気に留めなかった。ここの所ずっと勝ちが続いているのでとても機嫌がいいのだ。
「のび太くん、よくそれで飽きないねぇ……」
「なんのこと?」
呆れた様子で、ドラえもんは溜息をつく。
しかしのび太はやはりそれを気にも留めず、さっさと歩き出した。
「さぁ、出口はすぐそこだよ。早くこの薄暗いクロガネゲートを抜けよう!」

視界がいっきに明るくなり、そこに広がっていたのは自然にあふれた炭鉱町だった。
あちこちにヘルメットを被った人やブルドーザーが見える。
のび太は、この町の珍しい光景をきょろきょろと見回していた。
「すごいや、ここがクロガネシティかぁ! 最初のジムがあるのはここだよね」
「うん、そうだよ。ヒョウタさんっていう岩タイプ使いがいるらしい」
それを聞いて、のび太の瞳には強いやる気の色が浮かんできた。
勝ち続きの彼は、今の自分ならなんでもできると思っているのだ。ビッパより単純である。
それに、実はのび太がやる気になっているのにはもう一つの理由があったのだが、それはまた後にしよう。

ポッチャマたちの回復と昼食を済ませると、のび太たちはさっそくジムの場所を探し始めた。
町を見学したい気持ちもあったのだが、それよりもジム挑戦のほうが優先だったのだ。
そして、案外すぐに見つかる。ポケモンセンター内の地図に従って歩いていくと、そこには立派な建物があった。
『クロガネジム』と、看板に表記されている。この世界を脱出するための最初の難関だ。

「のび太くん、先に挑戦していいよ。僕はまだナエトルのレベルを上げたほうがよさそうだし……」
「わかった。じゃあ、さっそく挑戦してくるね!」
心を躍らせながらのび太はポッチャマと共にジムに入っていった。
ポッチャマは元からバトルが好きなようで、ジムリーダーとの戦いを楽しみにしている。
その点ではのび太と同じだ。
50あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/29(木) 00:04:21 ID:jo2OA47i0
「ここがジムの中か……」
怖い顔をした何かの銅像が挑戦者を待ち構えるように立っている。
のび太が少し緊張しながら奥へと進んでいくと、開けた場所に出た。
床に白いラインが引いてあり、ごつごつした岩が所々にちりばめられている。ここが競技場なのだろう。

「やぁ、挑戦者かい?」
奥から、一人のヘルメットを被った青年が出てきた。眼鏡をかけている。
ぐっと構えるポッチャマ。のび太は「はい!」と元気よく返事した。
「僕、絶対まけない自信がありますよ!」
ジムリーダー相手に、一欠けらの不安も抱かずそう言い放つのび太。
ヒョウタは爽やかな笑顔で返した。
「ははっ、威勢がいいね。じゃあ早速始めようか」

審判も付き、いよいよ試合だ。
ポッチャマは、ラインの内側に堂々と入っていく。
「このジムでは2匹のポケモンと戦ってもらうんだけど、のび太くんは一匹だけでいいのかい?」
事前のルール確認もせずに来てしまったのび太だが、それくらいのことで同時はしなかった。
ポッチャマの力に絶対的な自信があったのだろう。のび太は二つ返事でOKした。
審判の声で試合が始まる。ヒョウタは爽やかにボールを投げた。

「僕の一番手はコイツだ。頼むぞ、イワーク!」

岩の巨体がポッチャマを覆い隠すようにフィールドに現れる。
のび太はそれを見て、ごくりとつばを飲んだ。さっきは自信満々だったくせに、何故か足が震えている。
イワークは、のび太のトラウマとも言える存在だった。
どうしたのか、とポッチャマが振り向く。それにはっと気が付き、のび太はイワークに指を突きつけてこう言った。
「あの時とは違って、僕には強いポケモンが付いてるんだ! ポッチャマ、あわ攻撃!」
51あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/29(木) 00:11:50 ID:s9c1ZSsm0
ポッチャマの口から勢いよくあわが吹き出す。
それが見事に直撃し、イワークは苦しそうにうめき声を上げた。
効果は抜群だ。目をつぶるイワークに向ってヒョウタはすかさず指示を出す。
「怯むな、イワーク。嫌な音だ!」

あわを振り払い、イワークの口から思わず耳をふさぎたくなるような音が鳴り響く。
地面に転がっている石ころが、かたかたと震えるのが視認できる。
「さぁ、どうするかな?」
余裕の表情でのび太に問いかけるヒョウタ。
激しい音波に頭を抱えるポッチャマに向ってのび太は叫んだ。
「ポッチャマ! あわであの音を止めて!」
再び放たれる無数のあわがイワークの顔面に命中した。
イワークの嫌な音は途切れ、のび太はほっと耳に当てていた手を下ろす。

「大丈夫か、イワーク!」
効果抜群の技を二回も受けて、イワークはふらふらになっている。もう一押しだ。
勝てる、と希望が出てきて、のび太の顔に自然と笑みが浮かぶ。

「今だ、ポッチャマ! すかさずあわ攻撃!」
無数の泡が連続でヒットする。
三度目の正直だ。力が抜けたように、とうとうイワークの巨体が地に伏した。
すざましい音が部屋中に響き渡り、振動が伝わってくる。
その時に巻き上がった砂が、全員の視界を奪った。
のび太は、イワークがもう一度起き上がらないようにただひたすら祈った。

砂埃が晴れた後に立っていたのは……やはり、ポッチャマだけだ。
「イワーク、戦闘不能。よって、ポッチャマの勝ち!」

へなへなと力が抜けたように崩れ落ちるのび太。緊張が解けたのだろう。
「やった……やったよポッチャマ!」
イワークに勝てたことで、のび太はとても喜んでいた。
ヒョウタはそんなのび太に向って笑いかけた。
「まだ勝負は終っていないよ。出番だ、ズガイドス!」

52あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/29(木) 00:14:58 ID:s9c1ZSsm0
ヒョウタの最後のポケモンがポッチャマを一睨みする。ポッチャマも負けずに睨み返す。
「そ、そういえばまだ一匹残ってるんだった……」
せっかく勝ったと思ったのに、とがっかりするのび太。
のび太はもう一度立ち上がり、「あわだ!」と命じた。
「ズガイドス、岩の陰に隠れろ!」
さっと岩の後ろに回りこみ、泡を防ぐズガイドス。
のび太が悔しそうに唇をかむと同時に、ヒョウタは次の行動に移っていた。
「今だ、ズガイドス。岩砕き!」

すると、目の前の岩が砕け散り、その破片が当たりに飛び散る。
ポッチャマがそれを防ごうと腕で身を守るが、ヒョウタはそれが狙いだったのだ。
ズガイドスは、隙ができたポッチャマに全速力で突っ込む。
「ああ、ええと……」
のび太が予想外の展開に慌てているうちに、ズガイドスはどんどん迫ってきていた。


「今だ、ズガイドス! 思念の頭突き!」

念派を纏ったズガイドス渾身の一撃が炸裂する。
ポッチャマは耐えられるはずも無く吹き飛ばされる。
「ポッチャマ!」
のび太の叫びも空しく、ポッチャマは地面に倒れこみ、戦闘不能となった。
審判がヒョウタのほうに手を向け、ジムリーダーの勝ちを宣言した。
のび太は、初のジム戦に負けたのだ。

「そんな……一撃で……?」
「嫌な音のせいで君のポッチャマの防御が下がっていたんだよ。
……まぁ、今度はもう一匹ポケモンを増やしてくるといい。君のポッチャマもなかなか強かったよ」

のび太は、ヒョウタの言葉がほとんど耳に入っていなかった。
ただ、目の前で倒れているポッチャマを見て、愕然としていた。
53あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/29(木) 00:16:24 ID:s9c1ZSsm0
「はい、貴方のポッチャマは回復が終りましたよ」
  
ここはポケモンセンター。のび太は相変わらず落ち込んでいた。
ポッチャマとならジム戦だって負けないと思ったのに。一番になれると思ったのに。
そんな風に下を向くのび太を、ポッチャマは心配そうに見つめていた。

「よう、のび太。どうしたんだ? そんな顔して」
のび太に声をかけてきたのは、ご機嫌な様子のジャイアンだった。
一緒にサルのようなポケモンを連れている。どこか、ヒコザルの面影を残していた。
そのポケモンを見つめるのび太にジャイアンは自慢げに話す。
「ああ、コイツは俺のヒコザルがさっき進化したんだよ。モウカザルって言うんだ。
すごいだろ、一匹でヒョウタのポケモンを全滅させちまったんだぜ!
まぁ、これも全部俺様の華麗な戦略あってのものなんだけどな」
「一匹で……?」
のび太は、タイプ相性では圧倒的に有利なはずだったのに負けてしまった。
同じ条件のはずなのに、なんだろう、この差は。
のび太はポッチャマとモウカザルを見比べた後、ぼそっと呟いた。
「……いいなぁ、モウカザル」

その声を聞いて、ポッチャマはのび太に怒鳴った。当然言葉はわからないが、相当怒っている様子だ。
自分よりヒコザルのほうを選んでおけばよかった、と言いたそうなその一言に、プライドの高いポッチャマは耐えられなかったのだ。
のび太は自分の言ったことの酷さに気が付き、慌てて訂正する。
「ごめん、ポッチャマ! そういうつもりじゃ……!」
しかしそのときにはもう遅い。ポッチャマはさっさと駆け出して、センターを出てどこかへ逃げてしまった。
ジャイアンは、腹を抱えて笑う。
「ハハハ、自分のポケモンに逃げられるなんて、さすがのび太だな!」

のび太はがっくりと膝をつく。
自分はなんて事を言ってしまったんだろう。そうだ、思い返してみれば負けたのは全て自分が悪いんじゃないのだろうか。
ドラえもんが呆れていた理由がやっとわかるのび太。
そう、のび太はほとんど「ポッチャマ! あわ攻撃だ!」しか指示を出していなかったのだ。
ポッチャマの力に過信しすぎていて、自分はろくな指示も出さずにただ褒めるだけ。
さっきの言葉も、「強いポケモンを持っていれば勝てる」という気持ちだけだったからこそ言ってしまったのではないだろうか。
のび太の目の前が真っ白になった。

「……おい、そんなに落ち込むなよ。まさか、他に一匹もポケモン持ってないわけじゃないよな?」
さすがに心配になったのか声をかけるジャイアンだが、のび太には届いていなかった。
のび太は、センター中の人々の視線を集めながらここを後にした。

「ポッチャマを見つけて、あやまらないと……!」

また日没までに時間はある。手遅れにならないうちに、なんとかしなければ。
のび太は必死に走った。その手には、ポケモンが居なくなった空のモンスターボールが握られている。
54あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/01/29(木) 00:19:36 ID:s9c1ZSsm0
これで投下終了です。
新鮮味を出すのって簡単なようで難しいですね
55ゲーム好き名無しさん:2009/01/29(木) 01:09:21 ID:qhcG8M5eO
乙。良い意味で生々しいな。新鮮味ばっかり求めることはないと思う
今も十分面白いし、無理に他の作品との差別化を図って失敗したら、個性的どころかヘンテコな作品になるかもしれないし
56ゲーム好き名無しさん:2009/01/29(木) 02:57:05 ID:nwQWTOzcO
相変わらずロクに感想を言うわけでもないのに作者に偉そうに指図してやがるな
57ゲーム好き名無しさん:2009/01/29(木) 16:08:33 ID:uLDbIt2QO
>>56
荒らしに構うな
58ゲーム好き名無しさん:2009/01/29(木) 21:32:08 ID:suOkA14cO
プラチナ氏乙。他との違いは少しずつ出していけば良いと思うよ。
エムリットがいるだけでも俺達読者は充分wktkだし。

のび太の成長シーン、良いねぇ…。
読者も感じていたのび太の単調な戦法を、こんな風に使ってくるとは思わなかったよ。
次の戦いに激しく期待。
然り気無くのび太を気遣うジャイアンも良かった。
こういう細かな配慮が、プラチナ氏の魅力なんだと思う。
これからも頑張ってね。
59ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 10:04:29 ID:JgvZW5nGO
保守
60ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 16:00:22 ID:EjDCB/kS0
復活して欲しい作者を書こう。
話題作りに
61ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 16:07:05 ID:EjDCB/kS0
ちなみに俺はノートとジャイアンだな
正反対の作風と正反対の魅力を持ってる
読み比べてて楽しい
6219:2009/02/01(日) 19:04:08 ID:8LdIcrmWO
>>19の5人
63ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 19:33:48 ID:yIOgI+jSO
ノビタとルビーとセカンドと使い手とジャイアン
64ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 19:45:21 ID:nw50ams10
かってにミュウたんを消すな
65ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 20:50:52 ID:hPUqXfMJO
今のスレには赤髪が必要、誰も新wiki立てないし
だから赤髪カムバック
66ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 21:02:53 ID:yIOgI+jSO
そうだな、面倒な物は他人に押しつけないと楽しめないからな
67ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 21:14:04 ID:8LdIcrmWO
>>64
ごめん、ミスったw
68ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 22:15:52 ID:EjDCB/kS0
正直彼らはこのスレを見ているのだろうか
69ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 22:28:27 ID:hPUqXfMJO
>>66
確かに面倒なのはわかるけどさ、それでもスレのことを考えてるなら逃げないでほしかった
wiki弄れるのは赤髪しかいないんだから
70ゲーム好き名無しさん:2009/02/02(月) 00:34:29 ID:9MMseHqB0
正直もう本気で読みたくなるような作品が無い
71ゲーム好き名無しさん:2009/02/02(月) 21:31:52 ID:9MMseHqB0
過去の作者でこのスレを見ている人がいたら何でもいいからレスしてくれ
出来れば短編でも何でも投下してくれ
今のこのスレにはミュウぐらいしかまともな作者はいないんだ
72ビラク ◆fIKVDKd5.2 :2009/02/02(月) 22:02:08 ID:smULj8TY0
打ち切りでいいなら投下するが
つか鳥これであってたっけ
73ゲーム好き名無しさん:2009/02/03(火) 02:06:34 ID:HOGMHCP0O
>>72
別に好きなようにしたらいいよ
74ゲーム好き名無しさん:2009/02/03(火) 07:58:34 ID:RZREKMVDO
ぜひ投下してくれ
75 ◆8c/Sw4f94s :2009/02/03(火) 21:06:33 ID:wGYqgNzs0
うふふ
76ソードマスタービラク ◆fIKVDKd5.2 :2009/02/04(水) 01:26:40 ID:DE+SqSTf0
一応打ち切りだが投下してみる
DIO様が過程や方法なぞどうでもいいって言ってたので色々飛ばす

あらすじ
なんやかんやで出木杉が一人でギンガ団をつぶすことにしたってことにしてください
雑魚を蹴散らしていく出木杉の前に10回攻撃しないと倒せないとかいう微妙なビーダルを使うやる夫が現れた(何故かこの小説のギンガ団幹部はやる夫、マーズ、サターン、プルート)
そんなわけで最終回ですサーセン
77ソードマスタービラク ◆fIKVDKd5.2 :2009/02/04(水) 01:27:27 ID:DE+SqSTf0
最終話「希望を胸に」

出木杉「チクショオオオオ!くらえやる夫!新必殺滝登り!」

やる夫「さあ来い出木杉ィィ!実はこのビーダルは一回攻撃されただけで倒れるおオオ!」

(ドン)

やる夫「グアアアア! こ、このザ・ビーダルと呼ばれる四幹部のやる夫が…こんな子供に…バ…バカなアアアアアア」

(ドドドドド)

やる夫「グアアアア」

サターン「やる夫がやられたようだな…」

マーズ「フフフ…奴は四幹部の中でも最弱…」

プルート「子供ごときに負けるとはギンガ団の面汚しよ…」

出木杉「くらええええ!」

(ズサ)

3人「グアアアアアアア」
78ソードマスタービラク ◆fIKVDKd5.2 :2009/02/04(水) 01:28:06 ID:DE+SqSTf0
出木杉「やった…ついに四幹部を倒したぞ…これでアカギのいるギンガ団アジトの扉が開かれる!!」

アカギ「よく来たな出木杉英才…待っていたぞ…」

(ギイイイイイイ)

出木杉「こ…ここがギンガ団アジトだったのか…!感じる…アカギの魔力を…」

アカギ「出木杉よ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに『厨ポケ』が必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」

出木杉「な、何だって!?」

アカギ「そしてドラえもんは錆びてきたので最寄りの町へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」

(ゴゴゴゴ)

出木杉「フ…上等だ…僕も一つ言っておくことがある 色々回収していない伏線があった気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」

アカギ「そうか」

出木杉「ウオオオいくぞオオオ!」

アカギ「さあ来い出木杉!」

出木杉の勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!
79ソードマスタービラク ◆fIKVDKd5.2 :2009/02/04(水) 01:29:27 ID:DE+SqSTf0
どうみてもヤマトです、本当にありがとうございました
意味がわからない人はソードマスターヤマトで検索してください
連載が大変なのはよくわかったので当分長編なんて書きません
書くとしても短編だと思います
80ゲーム好き名無しさん:2009/02/04(水) 10:35:14 ID:WQIFJoubO
これはひどい
81ゲーム好き名無しさん:2009/02/04(水) 17:11:16 ID:WbevPd1ZO
……
82ゲーム好き名無しさん:2009/02/04(水) 19:41:23 ID:rWzIgS7f0
もう釣りなのかもわかんね
83ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:28:24 ID:jNezsAnM0
ちょっと書いてみたから投下しようか
84ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:31:06 ID:jNezsAnM0
パラレルワールド的な感じ
【劇場版ジャイアン 永遠のガキ大将〜卑怯といわれても〜】前編

思えば、俺がのび太の金verを奪ったときから、こうなることは決まっていたのかもしれない。
この不思議な世界に来て、俺はいろんな事を学んだ。
PARの使い方、虫ポケモンの可能性、そしてトレーナーの腕力の重要性。
俺は16個のバッジを手にし、現実世界へ帰るためにこのシロガネ山に来た。
風のうわさによると、バッジを16個集めたもう一人の男がここで俺を待ち構えているのだという。
おそらくそいつは、俺と同じく練馬区からこの世界へとワープしてきた奴だ。俺はそいつと生死を賭けて戦うことになるのだろう。
上等だ。
俺がこの世界で行う、最後のポケモンバトル。それにふさわしいのは、俺の元仲間しかいないだろう。
俺は必ず現実世界へ生還する。そして、マスターガンテツの偉業を後世に伝えるんだ。
負けられない。いや、負けるはずがない。
俺の手持ちはいつの間にやら100Lvのスピアー一匹。だが、ここで不安になる奴はわかっちゃいない。
俺のスピアーは本来覚えるはずの無い技だって容赦なく覚えている。それの数は4種類には留まらない。
卑怯じゃない。卑怯なんて無いんだ。PARなんてものが存在するこの世界に、卑怯なんて概念は無いんだ。
85ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:31:47 ID:jNezsAnM0
「やっと来たか、ジャイアン」
「のび太・・・。やはりお前だったのか」
奴はシロガネ山の最深部で俺を待ち構えていた。
「世間話でも・・・・・・というわけには行かないね」
「ああ、分かってるぜ。お前に聞きたいことなんて何もないし、話したいことだって何一つ無い」
「ジャイアンの手持ちは・・・・・・何体?」
「一匹だ」
「じゃあ、1対1で戦おうか」
「ああ」
会話は簡潔だった。
いじめっこといじめられっこ。それでも俺達は仲良くやっていた。
しかし、俺達は今完全に対立している。
しばらくの間、俺達は無言で見つめ合っていた。
穏やかな目。
お互いこれまでの事を思い返しているのだろう。
86ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:32:18 ID:jNezsAnM0
そして、俺はモンスターボールを手に取った。
のび太もそれに反応してモンスターボールを持つ。
そして、ほぼ同時にポケモンを出した。
「ギャース!」
スピアーは雄雄しく鳴き声をあげる。
まるで、これが俺とともに戦う最後の勝負だと分かっているかのように。
いや、実際分かっているのだろう。このスピアーは賢い。人間の言葉をしゃべれこそしないが、人語を完全に理解し、反応していることは一緒に連れ添ってきた俺が一番良く知っている。
「ギャース!!」
俺のポケモンは前述したとおりのスピアーで、のび太のポケモンはオオタチだった。
奴が最初に貰ったポケモンはたしかオタチだったような気がする。
つまり、お互い最初に与えられたポケモンの最終形態で試合に臨んだということだと思う。
その場は、真剣勝負をする男達の熱気で包まれた。
87ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:33:29 ID:jNezsAnM0
互いに牽制しあってなかなか動かない。ここはトレーナーの俺が相手の次の行動を完全に読み取り、指示を出すべきなのだろう。
相手はオオタチ。ノーマルタイプのポケモンだ。
だが、侮ってはいけない。向こうがPARを使っていないという保証は無いのだ。
まずは相手の反応を見るという意味を込めて、かえんぐるまあたりを出すのが賢明だろう。
「スピアー! かえんぐ・・・」
「オオタチ、たいあたりだ!」
先手を取られてしまった。
オオタチはとんでもないスピードでたいあたりを繰り出した。
スピアーのスピードでもとっさに避けきるということは出来なかった。
「ギャースっ・・・!!」
かなりのダメージだ。若干カウンターをとられた形になっているのがなお悪い。
「スピアー! じこさ・・・」
「オオタチ! もう一度たいあたりだ!」
速い。
オオタチ自身のスピードだけでなく、トレーナーであるのび太の判断力と、なにより奴等の間にある強い信頼関係。
俺もスピアーとの絆はかなり強いつもりでいたが、奴等の洗練されたスピードにはかなわない。
88ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:34:33 ID:jNezsAnM0
「ちくしょうっ・・・ぶち殺してやる!」
こうなっては仕方が無い。
奴等がスピアーをいたぶるのに夢中になっている隙に、俺はのび太本体を叩く!
幸い俺は非常時のためにすごい武器を携帯しているのだ。
卑怯なんて無い。卑怯なんて無い・・・ッ!!
俺はスピアーに念力で指示を送りつつ、のび太の背後に回った。
まるで隙だらけ。こいつは俺がスピアーからはなれていることにすら気づいていないようだ。
「これで、終わりだァ!!」
俺はすごい武器を奴の脳天へ振り下ろした。

ズガッ!!
すごい武器はのび太の頭蓋骨にめ――
89ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:36:37 ID:jNezsAnM0
「ちくしょうっ・・・ぶち殺してやる!」
こうなっては仕方が無い。
奴等がスピアーをいたぶるのに夢中になっている隙に、俺はのび太本体を叩く!
幸い俺は非常時のためにすごい武器を携帯しているのだ。
卑怯なんて無い。卑怯なんて無い・・・ッ!!
俺はスピアーに念力で指示を送りつつ、のび太の背後に回った。
まるで隙だらけ。こいつは俺がスピアーからはなれていることにすら気づいていないようだ。
「これで、終わりだァ!!」
俺はすごい武器を奴の脳天へ振り下ろそうとした。その時だった。
のび太が突然振り向き、素早く俺から距離を離した。
さすがはここまでいくつもの修羅場を潜り抜けてきただけのことはある。
そうこなくては、そうこなくては面白くない!!
「スピアー、自己再生だ!!」
俺はスピアーが回復する為の一瞬の隙を作ることができた。
本来の目的はかなわなかったが、それでも戦況は大分よくなった。
俺はこのわずかなチャンスを最大限に生かす。
「スピアー! 電光石火だ!!」
指示がポケモンに伝わりさえすればこちらのもの。
スピアーの速さだって超一級品だ。

ズドッ!
両手の針がオオタチの腹部に――
90ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:37:08 ID:jNezsAnM0
本来の目的はかなわなかったが、それでも戦況は大分よくなった。
俺はこのわずかなチャンスを最大限に生かす。
「スピアー! 電光石火だ!!」
指示がポケモンに伝わりさえすればこちらのもの。
スピアーの速さだって超一級品だ。

ズドッ!
決まった!! ・・・と思いきや、スピアーの両手の針は硬い岩に突き刺さっていた。
どうやらオオタチは電光石火を超えるスピードで避けたらしい。
こいつら、俺の想像以上に手ごわい相手だ。
俺達はまだ敵に1ダメージも与えられていない。
この流れをどうにかしなければ、勝機は無いだろう。
だが、俺はこの大事なときに何かおかしなものを感じていた。
どう表現すればいいのか分からないが、いうなればデジャヴ。
のび太とオオタチに攻撃をかわされたときに感じた、おかしな感覚。
これをデジャヴと言うのかどうかは分からないが、とにかく気持ちが悪い。
俺は考えた。
91ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/04(水) 20:38:37 ID:jNezsAnM0
投下終了。
前より文章が落ち着いてきた感がある
92ゲーム好き名無しさん:2009/02/04(水) 22:44:35 ID:WQIFJoubO
卑怯だw
93ゲーム好き名無しさん:2009/02/05(木) 00:30:15 ID:6DN9ZgW5O
乙。相変わらずの不条理っぷりにクソ吹いたw
「ギャース!」って……お前www
何の迷いもなくスピアーに「かえんぐるま」使わせんてんじゃねーよwww
笑い死にさせる気かw
94ゲーム好き名無しさん:2009/02/05(木) 01:13:06 ID:zAdxE0C+O
乙!じこさいせいww
割とフェアなのび太が逆におかしく見えるw
95ゲーム好き名無しさん:2009/02/05(木) 17:41:33 ID:JYsRJJTDO
スピアーまで殺す気かwwwwww
96ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/05(木) 21:10:58 ID:Hozqphky0
>>94
今回のテーマは卑怯。のび太がどんな卑怯な手を使っているのか考えていてくれ
97ゲーム好き名無しさん:2009/02/06(金) 00:33:15 ID:xttOi3OP0
まさかのび太はスタンドつk
おや、誰か来たようだ
98ゲーム好き名無しさん:2009/02/06(金) 08:14:00 ID:RGrLzFtzO
後編で何やらかすか楽しみだなww
99ゲーム好き名無しさん:2009/02/07(土) 01:54:37 ID:fbXGPSnU0
また自演か
100ゲーム好き名無しさん:2009/02/07(土) 19:17:38 ID:b2yx76xsO
>>99
ジャイアンの人気を考慮すれば妥当だろう
嫉妬か?ビ〇ク
101ビラク ◆fIKVDKd5.2 :2009/02/07(土) 22:32:35 ID:FOjp1Use0
いくら俺でも自演するほど腐ってねーよ

ジャイアン氏乙
どっちも卑怯だwww
102あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/07(土) 23:20:10 ID:Jx2L2S6g0
みんな乙です。
投下開始する
103あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/07(土) 23:21:43 ID:Jx2L2S6g0
「うわーっ、強いなぁこのポケモン」
のび太が戦っていたのは、赤バージョン最初のジムリーダーであるタケシだった。
なんとか一番手のイシツブテを倒したものの、最後のイワークにはかなりてこずっていたのだ。
のび太のポケモンはヒトカゲ。炎タイプなので、岩タイプのイワークには相性がわるい。
「……ちぇっ、負けちゃったよ。つまんないの」
結局敗北したのび太はゲームボーイアドバンスの電源を切った。
その後、なんどか挑戦してみたが勝てる気がしなかったので、次第にポケモン赤の存在は忘れられ、ついにどこかへ失くしてしまったのだ。
このイワークとの勝負が、「炎タイプは弱い」とのび太が思う理由だった。
岩タイプのジムリーダーであるヒョウタとの戦いは、この時のリベンジでもあったのだ。

説明書などまともに読まなかったのび太はタイプ相性のことを全く考えていなかった。
あれがヒトカゲではなく、他の二匹なら勝てただろう。しかし――


「どこに行ったんだよ、ポッチャマ……」
寂しそうに一人呟くのび太。
ここはクロガネ炭鉱のすぐそばだった。探しているうちにこんな所まで来てしまったのだ。
様々な機械や道具が置いてあるが、日も暮れてきたせいか人の姿は見当たらない。
のび太はあれからずっと走り回っていたが、とうとうポッチャマは見つからなかった。
体力的にも限界だったため、のび太は岩の上に腰を下ろす。
謝りたいのに、見つからなくては意味がない。のび太は溜息をつく。
のび太は体力的にも精神的にも疲れていた。そうしているうちに彼を睡魔が襲う。
「……はっ、駄目だ。こんなところで寝ちゃいけない……」
閉じかけたまぶたをさっと開くのび太。しかし、それも長くは持たなかった。
なんどか顔を上下させた後、意識が遠のいていってしまう。


「……」
ぐっすりと眠ってしまうのび太の前に立ち尽くす一匹のポケモンがいた。
怒って出て行ってしまったポッチャマだ。
自分を探し回っていたのび太を見て、ポッチャマは何を思っているのだろうか。
しばらくして、向こうから何者かが走ってきた。
ポッチャマは驚いて身を隠す。
104あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/07(土) 23:26:02 ID:Jx2L2S6g0
……びたくん。のび太君!

はっとのび太が目を覚ますと、そこには心配そうな顔をしているドラえもんがいた。
もうすっかり夜になっていて、結構な時間がたったことがわかる。
「あれ、僕は一体……」
「そこで眠ってたんだ。ジャイアンから話は聞いたよ、ポッチャマを探してたんだって?」
力なく頷くのび太。ドラえもんはそんなのび太の肩に手を置いた。
「気持ちはわかるけど、今日はもう諦めて明日探そう」
「そ、そんなことできないよ!」
のび太が、「冗談じゃない」とドラえもんの手を跳ね除け、立ち上がる。
しかし、ドラえもんもそれで引き下がりはしなかった。
「君はここで眠りこけるほど疲れてるんだよ? もう暗いし、無茶はだめだよ」
「そんなこと言ってられないよ! ポッチャマに謝るまでは帰れない!」

そんな言い合いが続くが、一向に決着は付かない。
しばらくして、向こうから一人の男とポケモンがやって来た。

「のび太君は無事見つかったみたいだね」
のび太の姿を見るなり、にっこりと微笑むヒョウタ。隣にズガイドスをつれている。
何故この人が? と困惑するのび太にかまわずドラえもんは頷いた。
「どうも心配をおかけしました。そういえば、ズガイドスは見つかったんですか?」
ヒョウタは残念そうに首を横に振る。
「いや、まだなんだ。これだけ大勢で探しても見つからないとなると……すこし厄介だよ」
のび太の目線がヒョウタのズガイドスに止まる。
「? ズガイドスならそこにいるじゃないですか」
のび太は、ここでやっと辺りが少し騒がしいことに気が付く。夜だというのにあちこちから声が聞こえる。
「ああ、まだ話して無かったね。どうやら、ジムで世話をしている別のズガイドスが逃げて行っちゃったみたいなんだ。それでみんなこうして探してるんだよ」
逃げていってしまったポッチャマを探している自分にとって、そのことは人事に思えないのび太。

ふと、ヒョウタは真剣な目でのび太を見た。
「のび太君、ポッチャマと喧嘩したんだって?」
「は、はい……」
目をそらすのび太。
「僕がポッチャマに頼りっぱなしでちゃんと指示も出してなかったのに、ついつい酷いこと言っちゃって……それでポッチャマは……」
「もういいよ」、とヒョウタはのび太の言葉を遮る。
そして、さわやかに微笑んだ。
「君が原因をわかってるなら、僕から言うことは何も無い。まだ駆け出しのトレーナーなんだから、失敗くらい誰にでもあるさ。次の挑戦も楽しみにしているよ」
次の挑戦……ポッチャマとできるだろうか。
そんな風に落ち込むのび太だが、ヒョウタは長い間励ましてくれたりはせず、ズガイドス探しに戻っていく。
きっと、あとは自分で頑張れということなのだろう。
「そうそう、最近この炭鉱には凶暴なポケモンがうろついているんだ。くれぐれも炭鉱の中には入らないようにしてくれ!」
105あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/07(土) 23:31:05 ID:Jx2L2S6g0
ヒョウタがいなくなって、また二人だけになってしまった。
「さ、のび太くん。僕達も早く帰ろう」
「……もう少しポッチャマを探したいんだ。お願い、ドラえもん。あと少しだけ!」
呆れたと言わんばかりに溜息をつくドラえもん。
しかしのび太の真剣な眼差しに少し考え込み、とうとう負けてしぶしぶと頷いた。
「まったく、仕方ないなぁ、あと30分だけだよ? 遅れたら承知しないからね」
のび太の顔がぱっと輝く。
去り際に「気をつけてね」と言い、ドラえもんはセンターのほうへ姿を消した。

「待っててね、ポッチャマ」
ヒョウタへの二度目の挑戦は、やはりポッチャマとしたい。そうでなきゃ嫌なんだ。
そう意気込むのび太。しかしそのとき、すぐそばでなにかがガタンと音を立てた。

のび太の足元に、黄色いヘルメットが転がってくる。何物かがそこにいた。

「ポッチャマ!?」
期待をこめてそう呼ぶが、実際は違った。
暗いし、同じくらいの背丈なので間違えてしまったのだろう。そこにいたのは、ヒョウタのではない一匹のズガイドスだった。
のび太のほうを不思議そうな目で見つめ、ズガイドスは炭鉱の中へ姿を消していった。
落胆して、のび太はがっくりと下を向いた。
「なんだ、ポッチャマじゃないのかぁ……」
しかし、のび太の脳内にある言葉が浮かんできた。
ズガイドス……ズガイドスって……

「あ!」

ヒョウタが言っていた。ズガイドスがどこかへ逃げてしまった、と。
のび太は立ち上がりヒョウタを呼びに行こうとしたが、あることを思い出す。
「この炭鉱って……凶暴なポケモンが出るってヒョウタさんが行ってたよなぁ」
緊張が走る。ズガイドスが襲われたらどうしよう。
助けを呼びに言っていたら間に合わないかもしれない。
「どうしよう……」
のび太は自分の鼓動が早くなっていくのを感じた。
ズガイドスを早く見つけなければ。でも、炭鉱の中は危険すぎる。
しばらく悩んだ後、のび太はきっと炭鉱の中をにらみつけた。
「ええい、もうどうにでもなれ!」
のび太は自分を励ましながら炭鉱の中に入っていった。とりあえず、ポッチャマを探すのは後回しだ。
106ゲーム好き名無しさん:2009/02/07(土) 23:32:01 ID:cnW1Z79PO
>>101
ゴミ以下の屑に言われても説得力はねえよ
107あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/07(土) 23:33:56 ID:Jx2L2S6g0
所々に明かりがついていたので探し回るのは困らなかったが、意外とこの中は広く、探し回るのが困難だ。
当然人の気配は無く、薄暗さもあってなかなか不気味な雰囲気を出している。
とりあえずのび太は口に手をあて、思い切り叫んだ。
「ズガイドスー! どこにいるのー!?」
しかし返事は無い。地道に探すしかないようだ。

息を切らしながら、体力が少なくても炭鉱内を必死に駆け回るのび太。
なんど曲がっても似たような道が続く。まるで迷路のようだった。
それがのび太を余計に焦らせた。早くしないと、凶暴なポケモンとやらに出くわしてしまうかもしれない。
やっぱり帰りたいとか思ってくる頃になって、ついにその場所が現れた。
「あれは……」

そこは割りと広めの場所だった。
行き止まりなのか、土に紛れ、強固な岩盤が壁を作っている。
きっとこれ以上掘り進めないと判断され、放置されていたのだろう。
しかし、注目すべきところは他にあった。

「ズガイドス!」

しかし叫んだはいいものの、のび太はその光景をよく見てはっと口を閉じる。
そこには、さっきのズガイドスともう一匹の巨大なポケモンがいた。
お互いに戦闘体制をとっていて、けん制しあっているようだ。
しかしズガイドスのほうが押されているようで、壁まで追い詰められている。
きっと逃げている途中に襲われたんだろう。ズガイドスの目が怯えきっているのでのび太にはなんとなくわかった。
そのポケモンは、ぎろりと邪魔者のほうに目を向けた。

「ひっ……」
怖気づき、後ずさるのび太。
そこにいたのはイワークだ。しかも、ジム戦の時のより数段大きい個体だ。
元々苦手なのに、さらにこれだと洒落にならない。のび太の思考が停止した。

しかし、イワークはその前にズガイドスにトドメをさそうとしている様だ。
巨大な尻尾を思い切り振り上げ、ズガイドスに向って一気に振り下ろす。
物凄い振動が炭鉱に響き渡った。
108あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/07(土) 23:41:09 ID:Jx2L2S6g0
短いけどこれで投下終了
109ゲーム好き名無しさん:2009/02/07(土) 23:47:42 ID:a9RdAClgO
リアルタイムで読んでたぜ、乙
てか凄く先が気になるとこで止めたな、このドSめww
あとビラクも、雑音は気にするな。途中にAAを入れてくるあの話の続きも俺は待ってるぞ
110ゲーム好き名無しさん:2009/02/08(日) 12:10:00 ID:qpKQmN2SO
>>109
こいつわざとやってるだろ
111ゲーム好き名無しさん:2009/02/09(月) 13:25:20 ID:eeR4S35RO
ビラクとかよくいるゴミカスだろ
112ゲーム好き名無しさん:2009/02/09(月) 16:12:51 ID:8b2ULN1eO
レス乞食に構うなよ
113ゲーム好き名無しさん:2009/02/09(月) 17:25:14 ID:j4RPTp8eO
お前ら人を叩く前にプラチナを労ってやれよ
114ゲーム好き名無しさん:2009/02/09(月) 18:54:05 ID:YpTz6dGfO
プラチナ氏乙。のび太成長フラグktkr。
良い作者が来てくれて本当に良かった。
ジャイアン氏の短期復活と言い、良いことばかりだな。
115ゲーム好き名無しさん:2009/02/10(火) 23:38:48 ID:JWvAkjsO0
ジャイアンは果たして今後も連載を続けてくれるのだろうか?
それだけが心配。もう前編から一週間たつし
116ゲーム好き名無しさん:2009/02/11(水) 03:28:43 ID:4TB4Khc8O
ジャイアンはきまぐれだからなw
ジャイアン来たからそろそろノートもこないかね…
117ゲーム好き名無しさん:2009/02/11(水) 16:07:59 ID:+fB3BhBK0
ジャイアンとノートをセットで考えるのは何故か
118ゲーム好き名無しさん:2009/02/11(水) 21:17:00 ID:sn9WDD9FO
>>117
つノートはジャイアンが好き
119ゲーム好き名無しさん:2009/02/12(木) 18:28:41 ID:RW/8d0wA0
つノート=ジャイアン?
120ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/12(木) 20:13:19 ID:K4Ref2yO0
>>119
俺どんだけ神だよ
121ゲーム好き名無しさん:2009/02/13(金) 17:42:48 ID:pcBOF43FO
今ビラ糞読んだ
糞作品が消えて本当に良かった
122ゲーム好き名無しさん:2009/02/13(金) 20:13:38 ID:ViiNupBVO
>>117-120
この一連の流れ吹いたw
123ゲーム好き名無しさん:2009/02/13(金) 23:51:00 ID:4q9utvsCO
まとめwiki消えてない?
124ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 22:39:05 ID:08swggAoO
現存している作者はジャイアン、ミュウ、プラチナ、主人公、短編、アダムス位か
最悪だった頃からすると大分ましになったな
125ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 23:19:29 ID:aVUQDZA+O
もうこの状態の維持
126ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 23:20:26 ID:aVUQDZA+O
途中送信ミス。もうこの状態を維持できれば本望だわ
127ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 23:33:16 ID:ojUAmFxg0
>>124
そんなにいないだろ
128ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 15:42:28 ID:XP6WspLpO
ジャイアンとミュウとプラチナだけじゃないのか
129ジャイアン ◆8c/Sw4f94s :2009/02/16(月) 16:47:45 ID:6RgWumNH0
後編を作っていくのは君たちだ!!

とかはダメか
130ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 18:51:56 ID:mBvdpkAhO
>>128
主人公は受験後に復活予定
短編は昔居た「まぁ普通の短編」の事
短編にするつもりが連載になったらしい
アダムスは現在避難所で連載中
なかなか面白い
131ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 19:56:30 ID:GDDgnSNRO
アダムスほど上達した奴はいないよな
昔は荒らし扱いまでされてたし
132ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 19:58:39 ID:Wl3iK0hVO
はいはいミュウミュウ
133ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 20:01:54 ID:Hd0EAF6E0
本当にすさまじい成長ぶりだよな。昔とは別人のようだ。
ただ、個性が薄れて他の作者と区別がつかなくなってきた感はあるけど。
134ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 20:40:38 ID:GDDgnSNRO
設定やキャラを見ると工夫は感じられるんだけどな
まぁ個性は薄くなっても以前よりは今の方がいいと思う
135ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 20:42:38 ID:mBvdpkAhO
>>132
ノートも忘れちゃ困る
>>133
いやアダンのキャラとか凄まじいだろw
136あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:18:13 ID:VVwV6Q1v0
続きできたんで投下するね
137あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:18:54 ID:VVwV6Q1v0
「す、ズガイドス!!」

たたきつけられた尻尾と共に舞い上がった砂煙が収まる。
なんとかズガイドスは攻撃を避けたようで、息を切らしながらイワークを見ている。
のび太はほっと胸をなでおろすも、ズガイドスの様子を見ていてすぐに気が付いた。
「……大変だ、このままじゃ長く持たない」
ズガイドスはイワークの巨体におびえて腰を抜かしていた。このままじゃ避けられる攻撃も避けられない。
のび太は必死に考えた。この状況をどうすれば打開できるのだろうか。

「ははは……こんなときポッチャマがいればな……」
ついついそう呟くのび太。
そう。ポッチャマがいれば、イワークと十分戦える。
……でも、駄目だ。のび太は首を横に振る。
今はポッチャマがいない。自分で何とかしなければ。そうしないとズガイドスがやられてしまう。
そうこうしているのび太を気にも留めず、イワークは第二打の準備を始める。
そして、もう一度足がすくんでいるズガイドスに向って尻尾を振り下ろした。

のび太は悩んだ末に決断した。

「間に合えーっ!!!」

のび太は何も考えずに突進した。
間一髪でズガイドスを突き飛ばし、イワークの攻撃から守ることに成功する。
「よかった……」
しかし、そのかわりにのび太の元にイワークの尻尾が下ろされてしまう。
ズガイドスを守るのに必死で、そこまで気が回らなかったのだろう。
のび太は目をつぶった。どう考えてもこの速さでは避けることなどできはしないだろうから。

こんな危険な目にあうなんて、あの頃ののび太には想像もつかなかった。
ポッチャマと楽しむだけで、この旅の制覇なんて余裕だと思っていた。
いままでの出来事が走馬灯のように一瞬で駆け巡る。


しかし、その尻尾はのび太の数センチ右に叩き付けられた。
138あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:24:31 ID:VVwV6Q1v0
イワークは苦しそうにうめき声を上げ、手元が狂ったのか攻撃が外れている。
空しく中をきり、激しい音を立てた尻尾。
何が起こったのかと、のび太はすぐに目を開け、あたりを見回した。
そして、すぐに見つける。

「ポッチャマ……?」
のび太の視線の先にいたのは、紛れも無くのび太のポッチャマだった。
ぜーぜーと息を切らしていて、よっぽど急いで走ったのだろうと簡単に予想が付く。
所々に擦り傷があり、なんども転んでしまったようだ。
ポッチャマがイワークに攻撃してくれたおかげで、のび太は助かったのだ。

ポッチャマがのび太のほうに駆け寄ってくる。
のび太は嬉しくなり、思わずポッチャマに抱きついた。
ポッチャマは、のび太のことが心配でとんできてくれたのだろう。

「来てくれたんだね! ありがとう!」
ポッチャマはちょっと困ったような顔をした。
のび太はゆっくりとポッチャマをはなす。
「僕、君に酷いこと言っちゃって……ごめん、本当にごめん! ずっと謝りたかったんだ」
ポッチャマは手でのび太を「もういいよ」となだめる。十分気持ちが伝わったのだろう。
そして今度は変わりにイワークのほうを指差した。
イワークは度重なる邪魔者の乱入に我慢しきれなくなったのだろう。
のび太たちのほうをものすごい目で睨んでいた。
無事に逃げられるとは到底思えない。

しかし、のび太はもう怖気づくことは無かった。さっきので色々と吹っ切れたのだろう。
それに、ポッチャマが来てくれてさっきの何倍も心強かったのだ。
「ポッチャマ。もう一度だけ、僕を信じてくれるかな?」
ポッチャマは力強く頷く。のび太は、心底嬉しくなった。
のび太は服の汚れを払い、なにか決意のこもったような目でイワークを見た。

彼には、さっきの敗因がもうわかっていた。
自分がトレーナーとして上手く指示を出せなかったこと。そして、ポケモンの力に頼りすぎていたということ。

「今度はもう……今までみたいな戦いはしない。行くよ、ポッチャマ!」

139ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 23:27:59 ID:GDDgnSNRO
支援
140あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:29:12 ID:VVwV6Q1v0
勇ましくイワークの前へ踏み出すポッチャマ。
ポッチャマは、ズガイドスを助けに危険な炭鉱の中へ走っていったのび太を見たときから、
もう一度のび太を信じて共に戦うと決意していた。
しかし、これでのび太が不甲斐ないまねをしたら今度こそポッチャマはいなくなる。
のび太にとって、この一戦はいろいろな意味で大切なものだった。

イワークは水タイプであるポッチャマを見て、顔に焦りを見せる。
のび太の目にもう恐れはない。今なら負ける気がしなかったのだ。
指示を出そうとしたのび太だが、ズボンの裾を引っ張る何者かに気が付き、ふとそちらを向いた。

そこには、のび太のほうをじっと見つめるズガイドスがいた。
「ひょっとして一緒に戦ってくれるの?」
ズガイドスは大きく頷く。怖くても、この状況では戦うしかないと悟ったのだろう。
「ありがとう。一緒に頑張ろう!」
のび太は改めてイワークのほうを見るが、予想外のことが起きた。

「あ、あれ……?」
しばらくのび太たちを睨みつけ、何を思ったのかイワークは地面にもぐってしまった。
物凄い速さで、その大きな体からは予想も付かないほどだ。
残されたのは地面に掘られた大きな穴だけ。のび太は顔に飛んできた泥を払い、首をかしげた。

「分が悪いと思って逃げたのかな?」
しかし、少し待ってみてもあたりは静かなままだ。
ポッチャマとズガイドスも真剣に辺りの様子を探っているが、よくわからないらしい。

妙な不安が炭鉱内を包み込む。こんなにあっさりしていていいんだろうか。
でもなにか裏がある気が――
単純なのび太なりに暫く考えるが、仕方が無いので自分に言い聞かせるように頷いた。
「うん、きっとそうだ。逃げたんだよ。
戦わずにすむならそれに越したことは無いしね。さぁ、早く帰ろ……」

そのときだった。
突然、のび太の背後から音を立てて巨体が姿を現す。
さっと振り返るのび太。「危ない!」と鳴き声をあげるポッチャマ。
……イワークは穴を掘って地面にもぐり、のび太たちが油断するのを狙っていたのだ。
やっと気が付いたのび太にかまわず、思い切りその頭を突き出した。
しかしのび太は、自分でも信じられないような動きで奇跡的にそれを回避する。

イワークは再び地面にもぐる。のび太にもこの不利な状況は理解できた。
どこからイワークが飛び出してくるかわからない。いくら岩タイプに有利なポッチャマがいたところで、
攻撃が当たらなければどうということはないのだから。
141あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:32:33 ID:VVwV6Q1v0
イワークの容赦ない攻撃が続く。
突然ポッチャマの背後の方に現れたと思うと、すぐに攻撃を仕掛けてくるのだ。
さらに、回避するのがやっとで、泡攻撃で撃退しようとしてもすぐに地面に引っ込んでしまう。
タイプ相性をも覆す戦術とはまさにこのことだろう。

「地面を掘り進むスピードは時速八十キロ……? そんなのに反応できるわけないじゃないか!」

のび太は、ポケモン図鑑に記されていた一文を見てがっくりとうなだれる。
ポッチャマとズガイドス、もちろんのび太自身もかなりの体力を消耗していた。
でも、ポケモン達はまだ諦めていない。先にトレーナーが諦めてしまっては元も子もない。
自分を信じてもう一度来てくれたポッチャマのためにも、諦めるわけには行かなかった。

ふたたびイワークの攻撃が繰り出される。
イワークも相当必死なようだ。でなければ、ここまでして苦手なタイプを相手にするとは思えない。
またポッチャマの泡攻撃は不発に終わり、体力だけが失われていく。

「どうすればいいんだろう……せめて真正面から来てくれれば……」

イワークが地面にもぐっているわずかな時間を利用して必死に脳を回転させるのび太。
それはもう、今までに無いくらいに考えをめぐらせた。
四方八方から飛んでくるイワーク、そして仲間の二匹のポケモン……

自分たちの体力の消費を考えると、あまり長引かせるわけには行かない。
特に、ズガイドスは戦いに慣れていないようなので、早く決着をつけなければ。

しかしそんな風にズガイドスを見ていて、のび太の中にある光景がよみがえってきた。

「……そうだ!」

まさに青天の霹靂。のび太はぱちんと指を鳴らす。
この状況を打開する術を思いついたのだ。
さっと振り返ったポッチャマたちを呼び、こっそりと作戦を打ち明けた。
うなずく二匹。のび太は、さっそく行動を開始した。

痺れを切らしているのか、イワークの攻撃の回数がだんだんと多くなってくる。

142あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:37:30 ID:VVwV6Q1v0
「……しっ、しまったぁ!」

のび太とポッチャマは、さらにイワークの攻撃を避け続け、だんだんと壁のほうに追いやられていった。
そして、とうとう背中に岩の壁が触れてしまう。
強固な岩盤が邪魔していてこれ以上後ろに下がれない。さっきのズガイドスと同じような状況になっているのだ。
チャンスだと思ったイワークは、一撃で仕留めようと勢いよく地面から飛び出してくる。
のび太の真正面から、ロケットのような勢いの頭突きが飛んできた。

「……なんてね」
イワークは、余裕そうなのび太の表情に目をまるくする。
そう、壁に追い詰められたこと自体が作戦だったのだ。
頑丈な壁と背中合わせになっていれば、後ろからは攻撃されずにすむという単純明快なものだった。

のび太は限界直前の体力を振り絞り、攻撃命令を出す。

「ポッチャマ。あわ攻撃だ!」
無数のあわが、一斉にイワークの顔面に直撃する。
しかも、体力の消費もあってか、ポッチャマの特性、「げきりゅう」が発動している。
イワークの頭突きと、ポッチャマ最大の泡攻撃が激しくぶつかり合う。
そしてやがてイワークは怯み、顔を振って水を掃おうとする。タイプ相性の勝利だろう。
しかしこれで攻撃が終ったわけではない。のび太はすっと指を上に上げた。

「ズガイドス! 岩砕き!」

イワークの背後から勢いよくズガイドスが駆けてくる。
ポッチャマを集中して狙っているイワークは、このことをあまり警戒していなかったのだろう。
ツノの部分に見事な岩砕きがヒットした。渾身の一撃だ。
イワークは悲痛な叫びを上げ、どうっと地面に倒れこんだ。
砂煙が巻き起こり、のび太はげほげほと咳き込む。

「昔、どっかの漫画でツノが弱点だって見てね……ここのイワークも同じでよかったよ」

ポッチャマの目が輝く。
のび太たちの勝利だ。あの凶暴なイワークを、なんとか倒すことができたのだ。
安心感に包まれながら、のび太は地面に倒れこんだ。

143あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:41:59 ID:VVwV6Q1v0
いろいろあったが、これでやっとまた平穏な空気が炭鉱内に戻ってくる。
体力の限界か、倒れこんだままの体制ののび太。
ポッチャマもズガイドスも相当疲れているようだ。無理も無い。
のび太は弱弱しく言った。
「勝ったよ、ポッチャマ……ズガイドスもご苦労様」

ポッチャマは満足そうに頷く。もう、のび太と頑張れるかどうかで悩む必要などなきに等しい。

ズガイドスもポッチャマも見つかり、一件落着。
しかし勝負には勝ったものの、のび太には不可解な点があった。
イワークにもう少し話を続ける。

「ねぇ、どうして君はそんなに暴れていたの……?」

そう。こんなタイプ相性をも覆す戦法を取ることができるイワークが、なぜ理性を忘れたように暴れまわっていたのだろうか。
ヒョウタが言っていた凶暴なポケモンとは、きっとこのイワークでまちがいない。こんなのが何匹もいてもらっては困る。
さらに、このイワークは異常なまでに勝ちに執着していた。きっと何かあるとのび太は思ったのだ。

しかし、所詮人間とポケモンでは言葉を通じ合わせることはできない。
どうするかと悩んでいたところに、あるポケモンがやって来た。
岩陰から姿を現したのは、見覚えのあるピンク色のポケモンだ。


「すごいですねぇ、そのメンバーでこんなイワークを倒しちゃうなんて」
「え、エムリット!?」

エムリットはのび太の素っ頓狂な声にかまいもせず、イワークに近づいた。
「まさか、イワークが暴れていたのはひょっとして君が原因とか……」
「またまた……そんなことしませんよ」
エムリットはくびを横に振って否定する。
「私、炭鉱に走ってく貴方を見て何かと思ってつけてきたんです。そしたら……まさか見ず知らずのズガイドスを助けるためだったなんて……」
エムリットはイワークの頭に手を触れた。
「確かにのび太さんの言うとおり、貴方には何か暴れる理由があったのでしょう? 
私も気になります。教えてくださいよ」

それから、少しイワークとエムリットの会話のようなものが続いた。
何故かイワークはさっきまでの暴挙が嘘のように素直に反応している。
なにか、崇拝の眼差しのようなものがエムリットに向けられているような感じさえする。

のび太はそんな光景を見ていて、改めて疑問に思った。
「エムリットって……一体何者なんだろう?」
144あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:44:32 ID:VVwV6Q1v0
ポッチャマが見つかり、のび太にこの世界の夜景を楽しむくらいの余裕ができた。
明るい月が、この炭鉱町を優しく照らしている。炭鉱にずっといたせいか、夜の風がとても肌に気持ちよく感じた。

「あのイワークが暴れていた理由は、タマゴですよ」
「タマゴ? ポケモンにもあるの?」
のび太の中でのポケモンは初代止まりだった。
金銀以降のことはよく知らないし、タマゴなんてのも初耳だった。

「あのまま炭鉱が掘り進められると、自分たちの巣も危ないと思ったのでしょうね。それで、あんなに人やその匂いがするポケモンを襲っていたのです」
「そうだったんだ……」

エムリットは、すーっと月明かりをバックに飛び上がっり、去り際に一言残していく。
「この町の人たちはポケモン達に影響を及ぼさないように掘り進める方法を知ってるので大丈夫だと教えておいたのでもう平気です。安心していいですよ」

エムリットが去り、また静かになった。
イワークが暴れる理由が無くなり、この炭鉱も安全になったと思うと、のび太の気持ちが晴れやかになる。
だが、まずは早くポッチャマたちをポケモンセンターに連れて行かないといけない。
いそいでここから立ち去ろうとするのび太だが、向こうから近づいてくる二人を見て足を止めた。

「のび太くん! どうしたんだい? そんなに汚れて……」
「あはは、ちょっとね」

近づいてきたのはヒョウタとドラえもんだった。
さすがに帰りが遅いので心配したのだろう。のび太を妙な罪悪感が襲う。
ヒョウタは、のび太のつれているズガイドスを目にとめた。

「このズガイドス、君が見つけてくれたのかい?」
「はい。炭鉱の中に逃げていたのを見つけて……」
「しまった」と口を閉じるのび太。無茶したことでドラえもんが怒ると思ったからだ。
だが、ドラえもんは呆れたように溜息をついただけだった。
「やれやれ。まぁ、今回はべつにいいんじゃない? 君にしてはよくやったと思うよ」
ほっと一息つくのび太。
ヒョウタはそんなのび太を見ながら、ある提案をした。

「のび太くん。そのズガイドス、君が連れて行ってあげてくれないかな」
「へっ?」
ふと足元を見ると、ズガイドスがズボンの裾を掴みのび太を見上げている。
「なんだか、バトルがしたかったみたいでね。僕たちと挑戦者とのバトルをこっそり見てたりしたことが結構あったんだ。
だから今回のも、戦いを求めて飛び出していったのかもしれないと思ってさ」
たしかに、ズガイドスの目はどこか輝いているように見えた。
「僕と一緒に行きたいかい?」
ズガイドスはこくりと頷いた。のび太には、それを否定する理由も無い。
こうして、ポッチャマに続く第二の仲間ができたのだった。

「どうやら無事にポッチャマも見つかったみたいだし、よかったじゃないか。ジム戦、楽しみにしてるよ!」
145あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/02/16(月) 23:47:08 ID:VVwV6Q1v0
ここで投下終了。
やっぱ前回もう少し書いといたほうが区切りがよかった気がしないでもない
146ゲーム好き名無しさん:2009/02/16(月) 23:53:13 ID:GDDgnSNRO
乙!
バトルの内容とか心理描写が凄くよかったと思う
147ゲーム好き名無しさん:2009/02/17(火) 11:34:39 ID:Zv9pQ5UiO
こういう戦闘中の丁寧な描写はここでは久しぶりだなww乙!
次回も楽しみにしてる。ところでプラチナ氏ってもしや・・・?
148ゲーム好き名無しさん:2009/02/17(火) 18:24:49 ID:u17NJGLVO
乙。のび太の成長回だったけど、キチンと一つの話としてオチが付けられていて良かった。
さりげなくエムリットの伏線を張っているのもニクい。
まるで、サトシの仲間が増えていく様なワクワク感を感じた。
この辺がやっぱりプラチナ氏の非凡さだよね。

ただ「…だろう」という表現の頻度には気をつけて。
推量の意味を持つ文末表現は色々あるから、一度調べてみると良いかも。
149ゲーム好き名無しさん:2009/02/17(火) 19:26:49 ID:G75ylrBFO
乙。アニメを見ているように楽しめた
150ゲーム好き名無しさん:2009/02/18(水) 02:58:33 ID:3eb8J6DLO
>>135
ノートは最初から人気だった
上昇したというよりデスノで敬遠していた人を実力で引き込んでしまった感じ
151ゲーム好き名無しさん:2009/02/18(水) 07:19:21 ID:j09R+TN1O
>>150
でも文章力は低かっただろう?
トレーナーに作品が変わってからの文章力の伸びには驚いた覚えがある
152ゲーム好き名無しさん:2009/02/18(水) 17:04:10 ID:3gQSDW5F0
>>151
こいつ絶対ワシがそだてたとか思ってるな
住人は相変わらずか
153ゲーム好き名無しさん:2009/02/18(水) 18:00:37 ID:AMjwDNchO
>>152
そうカリカリするなよ

ここの住民が最悪だったのは事実だが今それを指摘する意味は大してないだろ
あくまで俺の主観だが無理につっかかってるように見えるぞ

程よく過疎ったんだからまったりやろうぜ
154ゲーム好き名無しさん:2009/02/18(水) 18:34:30 ID:XIoN9niUO
最近やたら突っ掛かってる奴がいるよな
155ゲーム好き名無しさん:2009/02/21(土) 16:29:47 ID:5D6f0+7X0
ここいらで二、三人一気に新人が現れないものだろうか
156ゲーム好き名無しさん:2009/02/21(土) 18:03:37 ID:J6biomLOO
自分でどうにか変えようともしない他力本願な住民ばかりのスレにそんなものは来ないよ
157ゲーム好き名無しさん:2009/02/21(土) 22:17:35 ID:qgl6/2jSO
今まとめサイト見てて思ったんだが・・・。
DPその2が最後に更新されたのっていつだった?作中でシェイミゲット
の下りでオーキドが「カントーでも同じ石碑が〜」ってセリフがあったん
だけど、このセリフってプラチナで更新されたんじゃなかったか?
158ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 03:06:19 ID:PK1oGqAAO
パソコン使って更新履歴を覗けばわかりますよ^^
159ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 16:51:07 ID:2F+Ht7SV0
ダメだ・・・もう我慢の限界・・・なんだこのスレ・・・・

もうね、物理学をやってる自分には馬鹿馬鹿しくて観てられないのね・・・
文系とか高卒の人達には楽しぬるぽかも知れないけど、自分は無理・・・

っつーことで退散しますわw あとは文系&高卒の諸君だけでやってくれやノシ
160ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 17:29:46 ID:c37M1I8A0
末永くこのスレから抜けていくふりをしていく人でいてください><

ところで純粋な読み専の人はもはやいない気がするんだが
今は読み専でも昔は作者やってました、という人が多そうだし
161ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 17:49:17 ID:qavIdKWQO
漫画に異様な程物理やら化学やらの話持ち出す奴居るよな
学校の教科書程度の知識を知って何頭良くなった気で居るんだよって話だけどさ

>>160>俺ガイル
書こうにもドラポケって縛りは意外に厳しいのさ
ポケモン詳しくないし
162ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 17:49:56 ID:jcErrDn80
>>159はコピペだろw
163ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 18:37:33 ID:PK1oGqAAO
2chの超有名コピペにガチで釣られる奴が沢山いるのが今の住民層ってこった
164ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 19:08:21 ID:/rH0OXrdO
俺は見たことあるから釣られなかったが、コピペって何のために貼るんだ?
というか釣りの意義って何?
165ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 19:41:08 ID:qavIdKWQO
>>164
昔周りが知らない事を知って偉そうに博識ぶってる奴とか居たろ?
それと同じ類いだよ

自分は脳みそが成長してないって証拠をネットに晒してんの
166ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 20:05:45 ID:BRw2u+K3O
>>165
うわぁ……

コピペ張るのに意味があるわけないだろ
167ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 20:15:50 ID:7glHfsTd0
なんだこの厨くさい流れ
168ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 20:46:40 ID:PK1oGqAAO
ここは2ch初心者ばかりのスッドレですね
169ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 20:58:23 ID:/rH0OXrdO
2ちゃん上級者とかなりたくもないんだけど
「俺は2ちゃん上級者だぜ!」なんてお前胸張って言えるの?言ったところで周りは引くと思うぞ
170ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 21:10:05 ID:gveWFeHqO
2ch上級者は上級者であることを名乗らないだろ。
なぜなら空気を読むことに長け、争いごとをスルーできるスキルがあるから。
胸を張って上級者などと名乗るのは初心者の証拠だ。
171ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 22:14:16 ID:/rH0OXrdO
まあそうなんだろうけどさ
でもその上級者はみんなスルーしてて、初心者だけ荒らしやコピペに反応してるのに、「ここは初心者ばかりですね」っておかしいだろ
172ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 22:19:48 ID:gveWFeHqO
だからそいつがいわゆる2ch初心者とやらなんだからほっとけ
173ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 22:25:46 ID:UVaLMi9KO
気持ち悪い
174ゲーム好き名無しさん:2009/02/22(日) 23:19:38 ID:/rH0OXrdO
>>172
分かった
175ゲーム好き名無しさん:2009/02/23(月) 11:35:57 ID:i8sx+O5E0
ここ何のスレだよ
176ゲーム好き名無しさん:2009/02/24(火) 22:12:39 ID:3/FcIARbO
書き貯めてた投下分が消えた…。
そんな悲しい俺の為に、誰か一句詠んでくれないか?
177ゲーム好き名無しさん:2009/02/24(火) 22:56:46 ID:vPmB6Ub9O
メモが消え
途方に暮れる
漢ミュウ
震える由は
雪か心か
…生まれて初めて2ちゃんで短歌詠んだわw
…落ち込むのは無理ないが、その…何年でも俺は待つから
178ゲーム好き名無しさん:2009/02/24(火) 23:27:49 ID:qttb+VMzO
昔のスレと比べて気持ち悪いのが増えたな
179ゲーム好き名無しさん:2009/02/24(火) 23:31:20 ID:kE4IlvirO
これミュウか……ドンマイどころの騒ぎじゃないなw
180ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 02:08:35 ID:T0SC7iVyO
>>177
ありがとう。スルーされる事覚悟してたから余計に嬉しいw
頑張るよ。

昔はこういう下らないネタが大量に飛び交っていたよねw
実質バーボンの雑談がスレのメインだった気がする。
181ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 02:36:46 ID:S3Xy+0E3O
高尚なスレでもなんでもないんだから、もっと下らないネタや気持ち悪いネタで溢れるべきだと思いまふ
182ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 08:04:11 ID:7CU20+kvO
確かに、必要最低限の話しかしないより、たくさん雑談した方が盛り上がるよな
183ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 13:10:40 ID:gKbKXmsIO
>>178
気持ち悪さに耐えられない作者は皆消えていったからな
184ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 16:56:03 ID:7KAQ8t2L0
くだらないことで盛り上がってたバーボンは好きだった
楽しかったなぁ
185ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 19:23:17 ID:C5PJ7vV2O
今は下らないことじゃなくて気持ち悪いことばっかだよな
186ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 20:42:38 ID:7CU20+kvO
そういう話ばっかしてるから、
「今俺がやろうとしていることも気持ち悪いことなのかな…」って思う人が増えて過疎に繋がるんだよ
187ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 21:30:48 ID:gKbKXmsIO
そんな事を思う奴がいるならこんなに気持ち悪いスレにはなってないと思います
188ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 22:21:11 ID:T0SC7iVyO
まぁーまぁー、そんなにキモチワルイきもちわるいばっか言うなって。
批判と中傷は違うんだぜ?
改善して欲しい所があるなら具体例をあげていかないとな。
189ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 23:49:15 ID:S3Xy+0E3O
ってか何がどう気持ち悪いかを明確に述べない限り、それはただの無意味で非建設的な感情の吐露でしかないということを理解しろ
まあ仮に明確に述べた所で無意味であることには変わりないがww
190ゲーム好き名無しさん:2009/02/26(木) 12:38:28 ID:+NH5zc1z0
ってか何がどう気持ち悪いかを明確に述べない限り、それはただの無意味で非建設的な感情の吐露でしかないということを理解しろ
まあ仮に明確に述べた所で無意味であることには変わりないがww





だっておwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
191ゲーム好き名無しさん:2009/02/26(木) 13:23:47 ID:FEEzOT9QO
煽るにしてもせめてAAくらい貼れよ
192ゲーム好き名無しさん:2009/02/26(木) 16:46:55 ID:iADb6IUz0
>>191
携帯が多いここのために、あえてAA貼らなかったんだろ
193ゲーム好き名無しさん:2009/02/26(木) 18:29:21 ID:FEEzOT9QO
携帯でもAAは見れるぞ
194ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 04:54:14 ID:cD1FzkCaO
汚い流石ビラク汚い
195ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 04:57:03 ID:cD1FzkCaO
そいやもうドラポケ三周年だな
完璧荒廃してるが
196ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 07:28:51 ID:cw7YrbmhO
二年前に初めてこのスレを知った俺にはにわかには信じられない>三周年
197ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 07:42:11 ID:gvKWdn/7O
俺は2年半前だな。1周年の時はなんかやろうみたいな話になったけど結局何もやらなかったんだよな…
198ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 17:06:04 ID:e7XXAnnK0
AAスレだったころから
今ではドクケイルのむしのさざめきが懐かしい
199ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 17:43:53 ID:B9JBGGJyO
三周年なんだから始まったのは二年と2ヶ月くらい前だろ
200ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 19:57:00 ID:FQDoLju6O
AAスレ立ったのは2006年の11月じゃないか?
個人的な事情でよく覚えてる

だから3周年じゃなくて3年目
201ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 20:02:14 ID:gvKWdn/7O
ごめん、じゃあ俺来たの2年半前じゃなく1年8ヶ月前くらいだわ
202ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 20:15:24 ID:39l+HcSTO
一昨年の八月辺りからもう脳死状態だったけどな
203ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 20:59:44 ID:gvKWdn/7O
去年の春くらいまではまだ活気があったと思う…全盛期にはいなかったからそう思うのかもしれないが
204ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 21:37:52 ID:byOzejyZO
安価で短編でも作ろうか

題名つ>>208
205ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 21:56:59 ID:gvKWdn/7O
題名見てストーリー決めるタイプか
>>208に期待
206ゲーム好き名無しさん:2009/02/27(金) 23:19:56 ID:H6cV9+exO
フッ……光と闇の狭間に生ける獅子の子の魂よ。
この名無し……及ばずながら力を貸させて頂こう。
『虚』と『無』の永久なる運命より、この業の渦巻く人の世の生を天の地へと解放させたらんために……
207ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 03:16:20 ID:cDyAfikVO
聖闘士ジャイアン
208ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 03:59:20 ID:j26gNcYo0
ドラポケキャラでこのスレの衰退振りを書く
209ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 10:02:50 ID:gwyWWhOgO
>>208
長ったらしいのになったなw

じゃあ次は主人公とヒロイン >>212
210ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 10:25:15 ID:2V6PyxLqO
いや荒らしだろ
タイトルは>>207でいいか新しく募集するかしないと
211ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 14:13:58 ID:Ym49HK5F0
主人公:鬼畜出木杉
ヒロイン:ポケモンの女性キャラたち

ゴクリ……
212ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 15:42:28 ID:SqAUE7RTO
ゴクキキョウナナシ等のオリキャラ
213ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 17:54:35 ID:gwyWWhOgO
>>210
無茶振りこそ安価の楽しい所だから何でも許容だ!

オリキャラか……また難しいのをw 最後は敵キャラを>>216頼んだ。
なるべく……なるべく敵にしやすい奴だぞ? 空気読めよ、な?
214ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 18:08:13 ID:SqAUE7RTO
ksk
215ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 18:38:06 ID:i0XGsdIrO
ksk
216ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 18:38:40 ID:i0XGsdIrO
ドラーモン
217ゲーム好き名無しさん:2009/02/28(土) 21:37:58 ID:gwyWWhOgO
>>216
ちょwwおまwww

まぁ良い。凄まじくカオスなものになりそうだが頑張ってみるわ。
過度な期待はしないで待っててくれよな!
218ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 15:12:23 ID:6qsKbxyJ0
結局ドラーモンは12歳年下の娘とまだ付き合ってるのか、それが重要だ
219ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 18:04:29 ID:1pL3vP4vO
あんなメンヘラーの妄想を本気で信じてた奴って居たの?
220ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 19:55:17 ID:MaW0bgCtO
セカンド乙
221ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 20:01:47 ID:Pj+1Gcmb0
>>220
久々にそれ見たんだけど
222あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 20:50:52 ID:KGwdZzYA0
そろそろ投下する。

>>147
俺はこれが初作品だよ
223あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 20:51:51 ID:KGwdZzYA0
「じゃあさっそく始めようか、のび太くん」

ここはクロガネジム。
あれから二日後、のび太は再びこのジムのバトルフィールドに立っていた。
ごつごつした岩がいくつか設置されていて、床には土が敷き詰められている。
「はい、お願いします。いくよ、ポッチャマ!」
のび太の掛け声と共にポッチャマが勢いよくフィールドに飛び出した。
やる気満々のようで、相手ポケモンの登場をそわそわと待ち構えている。

「頑張って、のび太くん! この二日間、ポッチャマやズガイドスと練習を重ねたんだ。きっと君なら勝てるよ!」
後ろでは、ドラえもんとナエトルがのび太のことを見守っていた。
彼らはついさっきバッジをゲットしたので、あとはのび太の勝利を待つだけだった。

ヒョウタはイワークを繰り出す。
相変わらずの巨体だが、ついこのまえ炭鉱で出会ったイワークに比べると大したことはない。
のび太にも自信がついてきた。もはや、イワークに対する恐れはなくなっていたのだ。
「先手必勝だ。ポッチャマ、バブルこうせん!」

ポッチャマが放った攻撃は、「あわ攻撃」を遥かに凌ぐ威力だった。
光線のように勢いよく飛んでくるあわがイワークの体力を確実に減らしていく。
マズイと判断したのか、ヒョウタはイワークに急いで指示を出す。

「イワーク、嫌な音だ!」

バブルに負けずにイワークも大きく口を開く。
ポッチャマはそこから放たれる耳を劈くような音に怯み、バブル光線を途切れさせてしまう。
しかしイワークも体力の限界だったようで、ひとしきり嫌な音を浴びせ続けるとすぐに倒れてしまった。
重量感たっぷりの音がジムに響き渡る。
ヒョウタは、「まいったな」とイワークをボールに戻した。

「いやぁ、さすがだね、のび太くん。まさかそのポッチャマが新技を身につけているなんて」
「頑張って特訓して昨日覚えたんです。ね、ポッチャマ?」
ポッチャマは満足げな表情でこくんと頷く。自分のパワーアップが今の一戦でよくわかったようだ。

「気をつけて、のび太くん! 君のポッチャマは嫌な音で防御が下がってるよ! 僕もあれをやられて苦戦したんだ」
一匹目を倒して安心したのび太に、ドラえもんのアドバイスが飛んでくる。

「大丈夫。見てて、ドラえもん。きっと勝って見せるよ!」
224あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 20:52:59 ID:KGwdZzYA0
ヒョウタは一言イワークに言葉をかけると、二番目のポケモンを繰り出した。
そいつは勿論ズガイドス。前回ポッチャマを倒したポケモンだ。
地面の砂を足で掻き、今にも突進を始めようと構えている。
第二ラウンドの幕をきったのはのび太の声だった。

「ポッチャマ、バブル光線!」

ポッチャマのバブル光線がズガイドスを襲うが、ズガイドスはあの時のように岩の後ろに隠れる。
もちろんバブル光線は岩を砕くこともできず、弾けて辺りに水を飛び散らしているだけだった。

「効かないよ。ズガイドス、岩砕きだ!」

その声と共に、綺麗に岩が弾け飛んだ。
岩の破片が弾幕のようにポッチャマに襲い掛かり、その攻撃を怯ませる。

「悪いけど、ズガイドス最大の攻撃で決めさせてもらうよ。今の君のポッチャマと持久戦はしたくないからね!」

ズガイドスはいっきにポッチャマのほうへ駆け出した。
ズガイドスを青いエネルギーが包み込み、そのスピードは徐々に増していく。
ヒョウタは高らかにその技名を叫んだ。

「ズガイドス! 諸刃の頭突きだ!」

これを食らったらひとたまりも無いということはのび太にも理解できた。
頭がパニックを起こしかけて目の焦点がズガイドスと合わなくなるが、のび太はぐっとそれを抑える。

「……大丈夫、落ち着け。僕がしっかりすればなんとかなる」

小さく呟き自分を落ち着かせ、再びズガイドスに目を向けた。
この威力は予想していなかったけど、似たような状況のための対策は練ってきた。
練習どおりにやれば大丈夫だ。

「ポッチャマ、岩の後ろに隠れるんだ!」
225あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 20:55:48 ID:KGwdZzYA0
ポッチャマはのび太の声に気づき、さっと近くの岩に身を隠す。
しかし、ヒョウタは余裕の表情を崩さない。

「無駄だよ。諸刃の頭突きは岩をも砕く!」

ポッチャマが盾にしていた岩は、無惨にも砕かれた。
大きな衝突音を立て、岩の破片が四方八方に飛び散り、砂煙が当たりに舞う。

こんな攻撃を受けてポッチャマが立っていられるはずなどあるはずが無い。
ヒョウタも審判も、誰もがズガイドスの勝ちを確信した。
しかし、ドラえもんは違った。

「まだだ。きっとポッチャマなら……大丈夫だよ」

そのとおり。のび太は次の指示を出した。

「ポッチャマ、バブルこうせんだぁあああ!」

まさか、と後ろを向くズガイドス。
そう、ポッチャマはとっさに後ろに回りこんでいた。
岩の後ろに隠れたのは盾にするためじゃない。相手にポッチャマを倒したと思わせ、一瞬の隙を作る作戦だった。
しかも幸いなことに、ズガイドスは岩を砕いたときに諸刃の頭突きの反動を受け、大きなダメージを負っていたのだ。

見事に隙を取ったポッチャマは、バブル光線を連続でヒットさせる。
とうとうズガイドスは地にその身を伏した。
審判がさっと旗を上げる。

「ズガイドス戦闘不能! よって、挑戦者、野比のび太の勝ち!」
226あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 20:58:21 ID:KGwdZzYA0
のび太は、自分のしたことが信じられなかった。
ゲームの時から苦戦していたジムリーダー戦を、やっと勝ち取ることができたのだ。
嬉しそうな顔でポッチャマが駆け寄ってくる。

「……よかった、上手くいって。練習のかいがあったね、ポッチャマ」

何を言ったらいいかわからず、とりあえず思いついた言葉を口に出す。
いかに攻撃を避けるか、ドラえもんのナエトルが練習相手になってくれたのを思い出していたのだ。

しばらく呆然としているのび太だったが、ヒョウタが爽やかな笑顔で近づいてきた。

「おめでとう、のび太くん。最初にこのジムに挑戦したときから随分と成長したじゃないか」
「いやぁ、それほどでも。僕が本気を出したらざっとこんなもんですよ!」
ドラえもんが呆れた調子で歩み寄る。
「まったく、君はいつも僕をひやひやさせるよ。でもよく頑張ったね、のび太くん」
「ありがとう、ドラえもん!」

それからなんだか徐々に嬉しさがこみ上げてきて、のび太は有頂天になっていった。
それを見かねたポッチャマがのび太に優しくあわ攻撃を放つまでずっと自慢を続けていた。
ヒョウタは苦笑いし、のび太に何かを差し出した。

「これがこのジムを攻略した証、コールバッジだ。大切にしてくれよ?」
「はい、一生の宝物にします!」
「それとのび太くん、一つアドバイスだ。ポケモンの能力が下げられてしまったり混乱させられたりした時は、一度交代してモンスターボールに戻せば元に戻るよ。これからも頑張ってくれ」

その言葉を聞き、のび太のモンスターボールの一つがカタカタと震えた。
きっと、ズガイドスが「次は自分も戦わせろ」といっているのだろう。

いろいろあったが、やっとジムバッジを受け取ることができた。
何はともあれ、これでのび太の最初のジム挑戦は終ったのだ。
227あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 21:01:49 ID:KGwdZzYA0
「さーて、次はどの町に行くんだっけ?」
「確か……えっと、ごめんのび太くん。ド忘れしちゃった」

二人はあの後、ポケモンセンターで談笑を続けていた。
とりあえず今日はもう休むことにして、明日出発しようという話になったのだ。

「あれ? のび太さんにドラちゃんじゃない!」

のび太はもはや懐かしくすら感じるその声に、ぱっと顔を輝かせて振り向いた。
「しずかちゃんじゃないか! 旅は順調に進んでる?」
トゲピーを抱えたしずかは、にっこりと笑顔を見せる。
「ええ、順調よ。さっきヒョウタさんに勝利したの」
「僕もだよ! ほら、これジムバッジ!」
二人は、お互いにジムバッジを見せ合った。
ドラえもんも無事に最初のジム戦を終えたと知り、しずかはほっと胸をなでおろした。

「よかったわ……これで次のソノオタウンに進めるわね」
「ソノオタウン?」
「ええ、とっても綺麗なところらしいわよ。早く行って見たいわ」
しずかは、得意げに説明を続ける。
渡された雑誌には広大な花畑の写真が掲載されていた。
「じゃあさ、しずかちゃんも一緒に行こうよ。僕達ポケモンをよく知らないんだし、一緒に行動したほうが安心でしょ?」
「いいわね、そうするわ。二人ともよろしくね」
こうしてしずかが一緒に行くことになり、のび太の機嫌がさらによくなった。


「……あれ、この人、僕達と同じくらいの歳じゃないか」
のび太はさらにページをめくっていき、ふと気になる記事に目を留めた。
活字が嫌いなのび太が興味を持つほどのものとは、ポケモンリーグのことだった。

「へぇ、最年少のリーグ制覇者なんだ。凄いね」
ドラえもんが感心したように記事を読んでいく。
そこに映っていたのは、赤い帽子とマフラーを身につけた少年だった。

「じゃあ、私達でも頑張ればチャンピオンを倒せるかもしれないってことね」
「うん、ポッチャマやズガイドスと精一杯頑張るよ。さぁ、次はソノオタウンだ!」
228あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/03/01(日) 21:04:11 ID:KGwdZzYA0
投下終了です
229ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 21:25:32 ID:1fy9VHEj0
shine
230ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 21:58:12 ID:0J4z5teLO
乙。今までのバトルで一番良かったよ。
同じ相手との戦いって大抵既視感が出てしまうものだけど、プラチナ氏は上手くまとめたね。
短く簡潔に戦いを描写しながらも、見せ場はしっかり作ってる。
更に、のび太の成長した点だけでなく欠点も同時に出す事で、これからの伸びしろを予感させる作り…。

話が進むほど、作品の世界に浸っていくのが分かるよ。
本当に面白い、これからも頑張ってくれ。

俺も見習わないとなぁ…。
231ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 22:10:26 ID:ph1IomYGO
プラチナ氏乙ー!
ってか
>>147はプラチナ氏を誰だと思ったんだw
232ゲーム好き名無しさん:2009/03/01(日) 22:30:45 ID:MaW0bgCtO
乙。のび太の成長ぶりをここまで分かりやすく、それも自然に書けるのは凄い
233ゲーム好き名無しさん:2009/03/02(月) 16:43:50 ID:mmAqTztGO
乙。成長ぶりを書きつつものび太らしさを消してなくて素晴らしいよ
234ゲーム好き名無しさん:2009/03/04(水) 22:46:01 ID:vdEywKYEO
唐突に質問だけど、皆が好きなオリキャラって誰?
俺は新カントー氏のソラとか凄い好きなんだけど。
235ゲーム好き名無しさん:2009/03/05(木) 01:00:20 ID:FClYijrIO
ミュウのオリキャラは全部好きかもしれないw
他にはギンガのナナシ、トキワのフォルテ、ノートのキキョウとかかな
236ゲーム好き名無しさん:2009/03/05(木) 14:22:42 ID:VFiRDiGh0
ドラーモンかな
237217:2009/03/08(日) 00:58:29 ID:U1Wcz4NFO
短編、取り敢えず一投下目が出来た。
出てくるキャラが多いから凄いごちゃごちゃしてるが、まぁ肩の力抜いて読んでくれ。
設定とか本当にテキトーだからなwww
238217:2009/03/08(日) 01:00:42 ID:U1Wcz4NFO
ここは次元の間。次元空間に創られた小さな一室。
部屋に備えられた椅子に座り、一人の少女がため息を吐く。
「皆……来てくれるかな」
少女の名前はオリー。桃色のショートヘアが可愛らしい、普通の少女だ。
ただ、彼女には一般に言われる少女とは異なる点がいくつかある。
「ゼンマイ博士……私に、このスレを救う事なんて出来るのかな」
口から漏れる白い息を見つめながら、少女は一人……顔も知らない客人を待ち続けていた。

――始まりは2006年の冬。
ポケモン板に「ドラえもん のび太のポケットモンスター」というスレが立てられた事から、全てが始まった。
最初は平凡なAAスレであり、一部の者が遊び半分で戯れるスレでしかなかった。
しかしある日、そんなスレで小説を書こうという猛者が現れる。
連載を始めた頃は本当に、本当に地味で、一部の物好きが知る小説に過ぎなかった。

「乙wwwジャイアンそれ強盗www」

それが一人……また一人と読者が増えていき……

「ドラーモンwww」

他の作者による外伝スレが生まれ……

「バーボンwwwクソワロタwww」

偶然建てられたバーボンスレが読者による雑談スレとなり……

「ノートはドS「糞メガネがぁあぁぁww「ルビーと新カントーはライバル同「さよならG(グローバル)S(サンダーウィッチ「おちんちんぴろーん「日清戦争」後ろの童貞卒業乙」

ドラポケという1つのジャンルはその規模を拡大していった。
 
239217:2009/03/08(日) 01:06:21 ID:U1Wcz4NFO
「約束の時間まで……あと5分」

彼女は、そんなドラポケ小説の一つ「携帯獣」の登場人物が一人だ。
彼女は今、彼女の本来存在する世界とは、全く違う世界に来ている。
ここは現実とWWW、要するにインターネット空間との間。
ドラポケスレの衰退を知ったオリーの養父ゼンマイ博士が、スレの危機を救う為、彼女をこの世界に送り込んだのである。
「私の力ではここまでが限界だ!
 作者が少なくなった今、このスレを救えるのは、作者の思いが込められたオリジナルキャラクターであるお前しかいない!
 私が呼び掛ければ、きっとお前以外にも同士を集うはずだ!
 頼んだぞ、オリー!
 スレを救う方法? それは自分の力で見つけるんだ、オリー!」

「それは一番肝心な所だよ……博士」

こうして、カオスな雰囲気とテキトーな設定で物語は始まっていくのだった。
 
240217:2009/03/08(日) 01:08:48 ID:U1Wcz4NFO
「待たせたな…」

突然室内に扉が現れ、その内から人影が現れた。
「あなたは…!?」
緑色の髪が生えた丸い頭、その頭に着色された温かみのある肌色、そしてその平和的なフォルムに反する凶悪な面構え。
男……いや、そのロボットは高らかに叫んだ。
「俺がこのスレの救世主……疾風様だ!」

――疾風(登場作品:ミュウ)

「あ、あなた、もしかして……ゼンマイ博士に呼ばれて、こ、ここに来たんですか?」
焦りを隠せず、呂律が回らないオリー。それを見て疾風はニヤリと笑う。
「その通りだ、安心しろ。
 俺が来たからには、このスレはもう大丈夫だ。
 遂に来るんだよ、俺の時代が! もう誰にも地味とは言わせねぇぇぇぜぇぇぇぇぇぇ! ギャハハハハハハハハ!」

「えっ……あ、はい」
焦っていたオリーの思考は、疾風の言葉で急速に落ち着き、もとい冷めていった。
この人大丈夫なのかな、むしろ危ない気がする。
なんて思ったりもした。そしてそれは正しい。
「疾風さん、博士からどの様に言われていますか?」
「俺の登場する小説が連載中のスレがヤバいんだろ?
 頼りになる奴とネタになる奴を探していると言ってたが……あの爺、見る目あるぜ。
 このスレにおいて、俺ほど頼りになる奴は居ねーからなぁ! ギャハハハハハハハハ!」
「ネタになる奴……」
確かに博士の目は正しいと思うオリーであった。
 
241217:2009/03/08(日) 01:12:09 ID:U1Wcz4NFO
「……湿気た部屋だな」
その声に気付き、オリーが後ろを振り向く。
そこに居たのは、青い髪をした少年。
オリーと歳の変わらないその少年は、壁にもたれながら部屋の様子を眺めていた。
「いつの間に…!?」
オリーはその少年の侵入に全く気付かなかった。
この少年は強い。一瞬で感じ取れる、そのカリスマ性。
「俺の名はナナシ。爺さんに呼ばれて来た。
 ここに来た理由は……言うまでもないだろう」

――ナナシ(登場作品:ギンガ)

「はい、ヨロシクお願いします!」
部屋中に響く程大きな声でオリーは返事をした。
その声に、先程の様な冷ややかな色はない。



「何か待遇の差を感じるんだが……」
疾風は一人呟いた。

「フン、キザな野郎だなぁ。本当に使えるのかよ」
「お前よりはな、肉達磨」
「に、肉達磨どぉわとおおぉぉぉおおお!?」
自分から喧嘩を売って逆上する疾風。なんかもう……言葉が出ない。
オリーは慌ててその喧嘩の仲裁に入る。
しかしナナシは、そんなオリーを片手で抑止した。
「面白い……ここで実力を見ておくのも良いだろう。
 おい、肉達磨。お前の手持ちを出せ。ポケモンバトルでケリを付けるぞ!」
 
242217:2009/03/08(日) 01:14:25 ID:U1Wcz4NFO
「ポケモン?」
「はい、博士から聞きませんでしたか?
 この世界には自分の手持ちを一匹だけ持って来れるんですよ?
 世界のバランス状、余り強いポケモンは持って来られませんけど」

「なんだそりゃぁあああ!? 初耳だぜぇぇぇぇええ!!!」
心の中で絶望する疾風。
「お前……まさかポケモンを持って来てないのか?」
そんな疾風を見て、ナナシは冷めた声で言った。
疾風の顔に、汗(オイルか?)が滲んでいく。
その顔が焦りで満ちているのに、疑い様はない。

「くくく……ポケモンを持ってない? 違うな……」

しかし疾風は、自信満々にそう言った。そして次の瞬間、室内の雰囲気が一変する。

「この俺にポケモンなんて必要ねぇぇぇぇんだぁあああ!
 何故なら俺はッ、出ぇ木杉様の作った最強のからくり何だからなぁぁあああ!!!」

「…………………」
「…………………」
・・・・(^ω^`;)

腕を変形させてサイコガン的な物に変換させる疾風。
それをナナシの方に向けると、彼は大きな叫んだ。
「ごめんなさいと言えぇぇぇぇ! さもないと俺のインペリアルキャノンが火を吹くぞぉおおぉぉぉ!」
 
243217:2009/03/08(日) 01:18:02 ID:U1Wcz4NFO
「リザードン、火炎放射」
「ぐあああああああああ!」
「ラフレシア、溶解液!」
「のほぁあぁああぁあぁ!」

そんな疾風を、後ろから何者かが襲った。
「うぎぃぃいいいあうあうああああああああ!?」
火だるまになって転げ回る疾風。
「これが本当の火だるま、ってか」
ナナシは一人で静かにそう言って、一人で笑う。
オリーも隠れて笑っていた。

「あー、びっくりしたー。
 まさかいきなり戦闘シーンに鉢合わせるなんてねぇ」
「君達、怪我はないか?」
近付いてくる攻撃の主二人。
「あなた達は?」
一人は背の高い銀髪の男、もう一人はオリーより少し年上の少女。
雰囲気からして、どうやら二人は知り合いの様だ。
「私はコウ。ゼンマイ博士に頼まれて来た者です」
「あたしはキキョウ。こっちの銀髪と同じ世界の住人よ」

――コウ&キキョウ(登場作品:ポケモンとのび太とノートと)

「馬鹿野郎……俺は敵じゃねぇ……」
まだ息のあった疾風は、かすれた声でそう言った。
「あれ? もしかしてあのガラクタ……味方だった?」
キキョウは申し訳なさそうにそう問う。
「えっ……とぉ」
「………………」
無言で顔を合わせるオリーとナナシ。
数秒の空白の後、二人を息を揃えて言った。


「いえ、全く問題ないです」
 
244217:2009/03/08(日) 01:23:47 ID:U1Wcz4NFO
「ふふ、カッチリ約束の時間1分前に到着です。
 やはり私の行動には無駄が無……い!?」
衝撃的な事実を知るコウ。
確かにコウは歩くスピードも完全に計算に入れ、完璧な歩行計画を建てていた。
しかし部屋の時計は、既に予定の時刻を2分上回っていたのである。
「なっ、なっなっ何故ぇぇッ!」
コウは自らの頭を抑え、苦しみの叫びを上げた。
「オ、オリーさん! あの時計は、せ、正確ですか!?」
「え、ええ……」
「う、嘘、うウソだぁッ!」
コウは自らの時計に視点を移す。
ここへ向かう前まで、キキョウに貸していた時計は確かに予定通りの時刻を告げていた。
「わわ、私のときぇいは予定通りだ……どどどどうなっている!?」
キキョウの顔を鬼の様な形相で睨むコウ。それに対し、キキョウは手を合わせてさらっと言った。
「ごめんねぇ、あたし細かい時刻合わせとか嫌いだからさぁ」
「カスがッ! 時計も合わせない奴の何処がロケット団と言うんだ!? 身の程を知れ!」
「と、時計位で何キレてんのよ! アンタってデカイくせに心が小さいのね!」
「な、なななななぁ!!!」
余りにくだらない戦いが、今始まろうとしている。

「お、落ち着いて下さい! 二人とも!」
「そ、そうだ……仲間同士で言い争っても意味はないだろ」

今度はオリーとナナシの二人が仲裁に入る。
飛び交う罵倒、殴りかかる二人、宥める二人、忘れ去られた疾風。
――約三十分後。
相当な時間をロスしたが、何とか室内に落ち着きが戻った。
「すいません、取り乱してしまって」
「私も大人気なかったよ、ごめんね、皆」
「仕方ないですよ、こんなグダグダな短編なんですから」
「その通りだ。批判は全て作者に任せて、俺達は好きにやらせて貰おう」
話が本題に戻った事を確認し、コウがオリーに問い掛ける。
「ゼンマイ博士は、呼ぶ人数を貴方に伝えていなかったのですか?」
245217:2009/03/08(日) 01:28:28 ID:U1Wcz4NFO
「……警察官が1人欲しいとは言っていましたね。
 あと、新カントー物語という作品に気になる人がいると。
 それに、ミュウという作品から絶対に頼りになる憂作という男の子を連れて来るとも言っていました」
「それじゃあ後少なくても3人は味方が居るって事ね。心強いわ」
「だが、もう約束の時間は30分も過ぎている」
「後5分待っても来ない場合……我々だけで出発した方が良さそうですね」
「俺もそう思うぜ(疾風)」
椅子に座って、暫く四人は談笑を続けた。
自分の世界の事……ドラポケの事……作者の事。
様々な事を話す中で、四人は自然にお互いの理解を深めていく。
「どうすれば良いか分からないなら、ドラポケの過去ログを旅して過疎の原因を探す、と言うのはどうですか?」
話の中で、コウはそう提案した。

「あたしは賛成よ、温故知新と言うしね」
「過去を振り返る……か、悪くないな」
「俺もそう思うぜ(疾風)」
「良い案です、コウさんが居て助かりました。
 それじゃあ早速、過去ログ倉庫へ移動を始めましょう」
椅子から立ち上がるオリー。しかし突然、その動作をキキョウが遮った。
「待って! 誰かが近付いてくるわ…!」
246217:2009/03/08(日) 01:34:34 ID:U1Wcz4NFO
キキョウの言葉を聞いて、メンバー全員が耳を澄ます。
「……笑い声だ」
「味方、ではないですか? 我々の仲間以外この場所には来られないはずでしょう?」
「その通りです……でも……この声」
「味方の声とは思えないわね、不気味過ぎるわ」
「俺、分かったぜ」
「用心に越した事はありません。取り敢えず迎撃の準備をしましょう」
「おい、この声の主、俺は分かるぞ!」
「扉が現れたら、すぐ合図を送れば良いのよね?」
「そして……その合図の方を向いて構える」
「油断しないで下さい、敵は私達の理解を越えた存在かもしれない」
「俺の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」

どんどん近付いてくる、その笑い声。凄まじい音と共に、現れた扉は一瞬で粉砕された。
「こっちよ!」
キキョウの合図と共に、室内に緊張が走る。
赤い髪の少年がエンテイに乗って現れ、火の粉を上げながら部屋の中央まで滑り込んで来たのだ。
その異様な雰囲気に、早くも戦闘体勢をとる四人。
オリーは少年へ近付いて問う。
「あなたは……誰ですか?」
オリーのその質問に、侵入者に笑顔で答えた。

「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! 僕の名前はゴク!
 このスレを救う為に天界から舞い降りた神の使いさ!」

――清姫 極(登場作品:ミュウ)

「こ、このスレに普通の人は居ないの…?」
嘆くオリー。
「まぁ……頑張ろう」
慰めるナナシ。



こんなグダグダで本当にスレの危機を救えるのか!?
何故ゴクが現れたのか!? まだ現れてない仲間達とは!?
そして作者は続きを考え出す事が出来るのか!?



次回、聖闘士オリー「冥王ドラーモン接近編」に続く!
247217:2009/03/08(日) 01:41:53 ID:U1Wcz4NFO
作中の容姿と性格は基本的に登場作品に準じていますが、少しだけ変わってるかも。コウとかw

他にも懐かしいキャラ出していくつもりだから、出して欲しいキャラあったら書いてくれ。
ついでに、フォルテは正体がドラキャラかもだから見送りました。
248ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 01:42:45 ID:dz1AqXn20
やっべえ面白いww

>>247
フォルテって正体空かされてたっけ?
249ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 03:17:20 ID:ARhy8jQ5O
ミュウ投下乙
250ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 10:10:53 ID:wnPWMdSnO
オリキャラ好きの俺にとっては夢のようなメンバーだ、最高ww
じゃあ、ラスボスの側近として鬼畜出木杉が欲しい。出来ればオリーやキキョウと絡ませてくれ
とここまで書いて思ったんだが、鬼畜出木杉はオリキャラとしてカウントされないのかな…?
無理なら名前忘れたけどルビーに出たオリキャラの女を敵でも味方でもいいから代わりに出してほしい
251ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 18:20:33 ID:H/G32Fam0
「ノートはドS「糞メガネがぁあぁぁww「ルビーと新カントーはライバル同「さよならG(グローバル)S(サンダーウィッチ「おちんちんぴろーん「日清戦争」後ろの童貞卒業乙」

懐かしすぎてうんこ漏らした
252ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 22:39:49 ID:ARhy8jQ5O
性犯罪者じゃない鬼畜出木杉なんてただの出来損ないのパロキャラに過ぎないだろうが
253ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 23:35:43 ID:U1Wcz4NFO
>>248
いや、雰囲気的にそう思っただけ。
>>250
オーケー。取り敢えず二人とも出してみる。
リンは昔起こった懐かしい騒ぎに絡めて……鬼畜出木杉はモチロン性犯罪者としてwww
254ゲーム好き名無しさん:2009/03/08(日) 23:54:06 ID:U1Wcz4NFO
――作者の皆さんへ。
今回、皆さんの作ったキャラを勝手に使用してすみませんでした。
今回の短編は、皆さんの作品に対する嫌がらせや中傷を目的とはしておらず、純粋な二次創作に過ぎません。
もし自分の短編で気分を害されたという人は、面倒だとは思いますが、以前使用していたトリップを付けてスレに抗議を書き込んで下さい。
要望、抗議には出来る範囲内で答えます
本当にすみませんでした。
255ゲーム好き名無しさん:2009/03/09(月) 00:05:09 ID:x8B48iE3O
一応ここは全年齢板だと釘を刺しておく
256ゲーム好き名無しさん:2009/03/09(月) 00:59:23 ID:cnMGbXQ2O
このスレに昔からいて、ドラポケを愛してるんだなぁというのが伝わってくるな
>>255
鬼畜出木杉はポケモン板で女キャラを犯してたんだから、過激になりすぎずほどほどにやれば大丈夫じゃね?
257ゲーム好き名無しさん:2009/03/09(月) 08:00:52 ID:x8B48iE3O
いや、ポケモン板であれを書くこと自体がLRに引っかかる板違いだったから
30年生きててその辺の分別もつかないってのがアレなだけで
258ゲーム好き名無しさん:2009/03/09(月) 10:14:58 ID:cnMGbXQ2O
そういうもんなのか。ドラポケ来たばっかのころドラーモンが凄いマンセーされてたからいいのかと思ってた
まあ、きっと作者さんが全年齢用の文に仕上げてくれるよ…と、勝手にハードルを上げてみるww
259ゲーム好き名無しさん:2009/03/09(月) 11:30:18 ID:+c+TDg2KO
殺し描写→あり
暴力描写→あり
性行為未遂→あり
性行為事後→あり

過度な暴力(虐待など)描写→なし
グロ描写→なし
性行為描写→なし

こんな感じ?
260ゲーム好き名無しさん:2009/03/09(月) 12:01:17 ID:cnMGbXQ2O
多分15禁はセーフ、グロ含む18禁はアウトくらいじゃないか?
261ゲーム好き名無しさん:2009/03/10(火) 20:34:00 ID:Gi8AoxPU0
オリキャラにこだわらず、各作品(各作者)の一番いいキャラを出して欲しいな
262ゲーム好き名無しさん:2009/03/10(火) 21:57:14 ID:e4ELXAoZO
ジャイアンのガンテツとかか
263ゲーム好き名無しさん:2009/03/10(火) 22:01:34 ID:Gi8AoxPU0 BE:1121745839-2BP(820)
ガンテツはオリキャラ同然
264ゲーム好き名無しさん:2009/03/10(火) 22:03:36 ID:Gi8AoxPU0
Beは気にしないでくれ
265ゲーム好き名無しさん:2009/03/10(火) 22:16:23 ID:e4ELXAoZO
あのガンテツ出たらストーリーが破綻すると思うけどなw
266ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 02:57:21 ID:0fX5Hkll0
初めて覗いて見たけど、何だよこのスレ。

最高に面白いじゃん、眼の保養になるわ〜ww
今まで覗いた事が無かったのが、本当に勿体無かったよv
267ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 12:26:06 ID:g5oVpVn2O
しばらく投下のない時期があったが、今は少しよくなってきたよな
268ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 21:53:36 ID:rQfxNBSCO
>>267
ただ現状ミュウの人気とプラチナの定期投下に支えられてるのが問題
どちらもスレから消えないだろうからまだ良いけどな
269ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 22:09:15 ID:sR5cR9+8O
消えないだろうって、作者は奴隷か何かですかそうですか
270ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 22:37:06 ID:rQfxNBSCO
>>269
おいおい……どう捉えたらそうなるんだよ
二人を信じてるって意味に決まってるだろうが
お前みたいな暗い思考の奴が勝手な被害妄想で暴れ出すんだよ
271ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 22:45:29 ID:sR5cR9+8O
そうだね、自分で現状を快方に向かわせるつもりはないけど、ミュウ氏とプラチナに投下させとけば何もしなくてもスレは存続できるからね
272ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 22:56:02 ID:rQfxNBSCO
>>271
それをミュウでもプラチナでもなくお前が言っても何の説得力も無いけどな
お前何様だよ
どうせ逃亡作者かなんかだろう?
そうやって何事も批判してばかりの奴は、結局何にも出来ずに人生を終えるんだよ
273ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 23:32:06 ID:g5oVpVn2O
>>272
無視無視
あのオリキャラの作者にも俺は期待してる。俺も以前短編書いたから作品書くのがどんなに大変かはよく知ってるし、作者には感謝もしてるさ
274ゲーム好き名無しさん:2009/03/13(金) 23:45:25 ID:rQfxNBSCO
>>273
悪い……いちいち因縁付けられるからイライラしてな

各キャラの特徴がよく出てて良いよな
ちゃんと作品を読み込んでいて、このスレが好きな作者なんだなって思う
流石ミュ(ry
警察官=キョーコの登場が楽しみだwww
275ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 00:46:28 ID:PLmlF8ssO
>>272
作者でもないのに説得力がないってまんまお前に当てはまってるがな
276ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 00:49:38 ID:LlwRn+HV0
>>272
逃亡作者だからって批判するのはどうかと思うよ
277 ◆wtriJfTC.Y :2009/03/14(土) 03:20:14 ID:MM+FF45VO
お久
まだこのスレ続いてんのな
278ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 08:15:04 ID:+43YjQuyO
ワタリ?お久しぶり
279ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 08:28:49 ID:xaRQd6mwO
>>276
逃亡作者だから批判している訳じゃないぞ
読者の言葉を勝手に変な解釈して投げ出す作者が嫌なだけで
「作者を奴隷扱い」とか「何もやってない」とか……
小説書けない奴だって居るに決まってるだろうに……
過疎ったら話題提供する以外どうすれば良いんだよ……
280ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 08:30:32 ID:HJMzTey5O
この酉って以前ばれて、違う酉にしたんじゃなかったっけ
281ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 12:23:01 ID:PLmlF8ssO
小説が書けないなんて甘えだろ
気に入らない意見に片っ端から噛みついてスレを殺伐とさせたりするくせに、自分が正義だと勘違いしてるID:xaRQd6mwOみたいなのが居るから作者が消えていったとは考えられないものか
282ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 13:50:50 ID:HJMzTey5O
>>281
お前も人のこと言えないじゃん。だいたい奴隷扱いだのなんだの、意見というよりただの悪口だったじゃないか
それに対して、しっかり意見を述べて反論したID:xaRQd6mwOに対してお前が意見ですらない悪口で返しただけにしか見えない
283ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 15:14:27 ID:PLmlF8ssO
スルーすれば良いものをわざわざ構ってやった結果がこのザマというのが分からんのかね
284ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 15:18:02 ID:9k/yfn2yO
>>279
あくまで自分が悪くないと言い張るわけですか、そうですか
どう見たってあれは批判に見える
285ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 15:52:37 ID:No03G9XF0
いったん空気を切り替えようぜ!

ミミズの軽やかな動きには目を見張るものがある
286ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 17:31:39 ID:xaRQd6mwO
>>285には悪いが言わせて貰う
自分の言っている事を変に解釈されてるままでは嫌だ

>>281
書けないのが甘え……ってお前本気で思ってるのか?
俺は小説好きだけど、文章関係はてんで駄目なんだよ
何年も学んだ結果がこれだから、この事実は変えられない
ゲームが好きだからゲームを作れるのか、違うだろ?
いくら好きだって技量が足りない事はある
それを甘えだって言うのなら……お前は絶対人としてどうかしてるよ

更に言うと勝手に勘違いして噛み付いてきたのはそっちだろ
こっちはお前の勘違いを直そうとしただけだ



小学生でも分かる事二度も言わせんなよ……
疲れる
287ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 18:02:02 ID:9k/yfn2yO
>>286
小説を書ける能力が無い、それは分かった。
だからって逃亡した作者に対して、結局何も出来ずに人生終えるはないだろ。
これが批判じゃないなら何なの?

あと>>268もハッキリ言って言い方悪いよ。
人頼りの姿勢が丸見えだしさ。
288ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 18:42:31 ID:0bNAHgdWO
一言多いんだよな
289ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 18:42:37 ID:HJMzTey5O
もうやめようよ…俺も最初はID:xaRQd6mwOの味方してたけど、
>>285が気遣ってくれたんだから、感謝して終わりにすればよかったと思う
「勘違いされたままはいやだ」って気持ちは分かるけど、そこは我慢して妥協しようよ…
290ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 19:16:46 ID:PLmlF8ssO
285で流れを止めておけば良かったのに自らが調子に乗ってるのだから救えないな


>>286
ゲームが好きなら、PCさえあればRPGツクールでも使ってゲームを作ればいい
そのための金がないのなら働け、貯金しろ
文章を書く能力がないのなら、初心者用のSSスレに行って何作でも投下してアドバイスをもらってこい
能書きをたれることは出来るのに、それすら出来ないなんて言うつもりはないだろうな?
291ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 22:35:36 ID:xaRQd6mwO
>>287
ちゃんと>>279読んでくれ
俺は逃亡した作者を批判してるんじゃない
「俺は読者から奴隷扱いされてる」とか「読者なんて何もやってないカス」だとか、
勝手な被害妄想で辞めてく奴が駄目だって言ってるんだ

辞めるのなんて自己の自由だ
でも勝手に読者の言葉を歪めて、文句言い散らすなんておかしいだろ
俺はそういう奴に、もっと素直に物事見ろよと言いたいんだ
自分の居場所自分で潰して何になると言いたいんだよ

口が悪いのはすまないと思う……ごめん
つい棘のある言い方してしまうんだ、本当にごめんよ
292ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 23:00:27 ID:xaRQd6mwO
>>289
ごめん……いつも同じ批判をする奴がいるから、今回は納得するまで話したかったんだ

>>290
それすら?お前にとって数ヵ月はかかりそうな特訓がそれすらなのか?
俺は特殊な職に就こうとしてるから分かるが、創作で大切なのは技術だけじゃないんだよ
俺は小説以外に目標がある
だから小説の執筆にそこまで情熱は燃やせない
突っ走れない方向があるのって……甘い事なのか?

小説読むのが好きだから小説書くのに時間費やせられるとは限らないんだよ
努力すれば出来るとか……努力した事のない奴しか言えない言葉なんだよ
293ゲーム好き名無しさん:2009/03/14(土) 23:11:08 ID:0bNAHgdWO
まあ努力には努力する才能と暇が必要ですから。
ってか正直このスレなら最低中学生の作文レベルでも読者に受け入れられるんだし、
連載(?)できる根気と暇が何よりの問題だろうよ
294ゲーム好き名無しさん:2009/03/15(日) 00:37:03 ID:JqCFrjslO
>>292
で、お前は結局自分が気に入らない意見を持つ奴を煽りたいだけなのか?
295ゲーム好き名無しさん:2009/03/15(日) 00:52:09 ID:ijv9HPjZO
そんな言い方ないだろ
てかいい加減不毛だからこの話題終了しようぜ
296ゲーム好き名無しさん:2009/03/15(日) 01:50:00 ID:FilMNMBlO
何話分書き溜めてから投下したほうがいいかな?
297ゲーム好き名無しさん:2009/03/15(日) 08:49:50 ID:3OgzdC9OO
>>296
初めて投下するなら出来るだけ多く溜めておくのが良いかと
初めに沢山投下すればその分だけ読者からの印象は良くなるよ
298ゲーム好き名無しさん:2009/03/17(火) 20:51:44 ID:2QnRD58fO
保守
299主人公 ◆EVlaGYbTRE :2009/03/20(金) 20:13:03 ID:moPGwXcYO
お久しぶりですまんが浪人が決定してしまった
そのせいで続きが書けそうにない…
本当に不甲斐なくてすまん
300ゲーム好き名無しさん:2009/03/20(金) 20:29:19 ID:ImXLFK0K0
ざまあwwwwwww
301ゲーム好き名無しさん:2009/03/20(金) 20:51:16 ID:zrprN4CpO
だが俺は来年まで待つ!
このスレのことは一旦忘れて勉強にうちこんでくれ!
302ゲーム好き名無しさん:2009/03/20(金) 21:26:41 ID:MMOuwVmXO
>>299
とりあえず受験乙。
人より多くの経験が出来ると思って、元気出してくれ。
まぁ続き書けなくたって、たまにはスレを見に来てくれよな。
303ゲーム好き名無しさん:2009/03/20(金) 21:40:53 ID:1KFohZ1jO
俺は主人公の続きを読むためならあと1年くらいかるく待つぜ…
304主人公 ◆EVlaGYbTRE :2009/03/21(土) 00:19:57 ID:VjFxdIN/O
温かい言葉、どうもありがとう
続きが書けそうにない、とは言ったが、
浪人は浪人なりに息抜き程度に書いて投下できたら、とは思ってる
気長に待っててくれると嬉しい
305ゲーム好き名無しさん:2009/03/21(土) 15:59:40 ID:hWUbzaqxO
ロッカーがなくなったな
306ゲーム好き名無しさん:2009/03/21(土) 17:50:05 ID:Q4Tz/A9KO
ロッカーの代わりを作ろっかー
307ゲーム好き名無しさん:2009/03/21(土) 18:37:08 ID:rnLZjfIE0
普通にチャットルームとかでよくないか?
308ゲーム好き名無しさん:2009/03/21(土) 18:38:12 ID:rnLZjfIE0
あ、洒落だった
309ゲーム好き名無しさん:2009/03/22(日) 09:48:17 ID:N33xp5z9O
>>299
頭の悪さが文章から伝わってきてました^^
310ゲーム好き名無しさん:2009/03/22(日) 15:56:31 ID:AgxNrbaiO
>>299
浪人とか生きてて恥ずかしくないの?
なんで滑り止め受けなかったの?
もしかして滑り止めも落ちたの?
311ゲーム好き名無しさん:2009/03/24(火) 11:38:25 ID:09s4HGh0O
ほしゅついでにage
312ゲーム好き名無しさん:2009/03/26(木) 00:05:42 ID:lUXN4lGs0
規制のせいで…
313ゲーム好き名無しさん:2009/03/28(土) 07:15:48 ID:qHi4iGVaO
314ゲーム好き名無しさん:2009/03/28(土) 08:51:19 ID:AucIonz60
■誘致企業と警察の黒い癒着■

鳥取市の誘致企業リコーマイクロエレクトロニクスに
対する疑惑を書いたホームページを作った。

リコーマイクロエレクトロニクスはすぐに鳥取警察署に連絡をした。
警察は父親を呼び出し
「強制入院の手続きを取る。息子さんがかわいいでしょう」と言ったそうだ。
強制入院だと問題を表沙汰にせず処理できる。この時はホームページ閉鎖の脅しにすぎなかったようだが・・・
鳥取市で誘致企業の機嫌を損ねると怖い。
-----------------------------------
リコーマイクロエレクトロニクスにアルバイトに行っていた。 勤務態度不良でリコーのアルバイトをクビ同然で辞めた。

その後、鳥取市のテスコという工場に勤め真面目に働いていた。
「真面目に働いているのはリコーに対する報復(あてつけ?)」という噂でテスコをクビになった。直後、テスコの社長から雇用保険の書類をとりに来るよう泣きそうな声で電話があった。
噂は嘘だと知ったのだろう。

雇用保険の手続きのため職安に行った。職安の次長と相談すると、口止めをされた。職安と会社は連絡を取り合っていたらしい。

しかし噂は狭い鳥取市である程度広がっているようだ。

リコーマイクロエレクトロニクスに電話を掛けた。
「君はうちのような一流企業が組織ぐるみでやったとでも思っているのかね?」
「そんなことはありませんけど」
「じゃあ会社には関係ないじゃないか」

しかし公的機関(職安)も巻き込んだ組織ぐるみの人権侵害の揉み消しである。
315ドラーモン作大長編 ◆d0eIRsiHgQ :2009/03/30(月) 20:48:26 ID:Yc90urFmO
久しぶりだな
316ゲーム好き名無しさん:2009/03/30(月) 22:57:47 ID:pvjiRcd+O
え?本人?
317ゲーム好き名無しさん:2009/04/02(木) 23:26:40 ID:waVO0pKs0
おそらくまるで別人

ところでロッカーの需要はあるのかね
318ゲーム好き名無しさん:2009/04/02(木) 23:32:15 ID:I+Dvc0HpO
無いよりは確実にあった方がいいって感じじゃないかな
無くてもなんとかやっていけるけどあれば申し分ないってとこだと思う
319あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 21:55:39 ID:0If//5Tx0
なんだか久しぶりになりましたが、投下します
320あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 21:57:00 ID:0If//5Tx0
「すごいや! これがソノオの花畑かぁ」
「実際に見るとまた違うわね。もう最高だわ!」

しずかの目が嘘のように輝く。
目の前には、とてつもなく巨大な花畑が広がっていた。
見たことも無いくらいに生き生きとしている色とりどりの花が、まるで絨毯のように地面を埋め尽くしている。
その中をアゲハントやミツハニーたちが気持ちよさそうに飛んでいた。
ここはソノオタウン一番の観光スポット、『ソノオの花畑』だ。

彼らは昨日のうちにソノオタウンについていた。
とりあえず、今日は休憩することになったのだ。

しずかが大はしゃぎで花畑の中へ飛び込んでいく。
無邪気な顔を見せるしずかにのび太が見とれていると、ドラえもんはなにやらポケットから取り出した。
蜂蜜のような液体が詰まっているビンだった。
「なにそれ? 新しい秘密道具?」
「違うよ、のび太君。道具は使えなくなってるってこの前説明したじゃないか」
そう言うなり、ドラえもんはきょろきょろとあたりを見回した。
そして何かお目当てのものを発見したらしく、そこへ走っていく。
321あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 21:59:21 ID:0If//5Tx0

「この木がどうかしたの?」
「ほら、よく匂いをかいでみなよ。とっても甘い香りがするだろ」
確かに、嗅ぐまでもなく甘い香りがする。
しかしのび太は、なんだか不に落ちない表情をしている。
「……それだけ?」
「まぁ見てなって」
ドラえもんは、さっきのビンのふたを開け、なんとその中身を木に塗りたくった。
この木の元々の匂いと合わさり、のび太たちの世界ならその辺の昆虫が集まってきそうだ。
「これは甘い蜜。こういう木に塗ると、ポケモンが集まってくるらしいんだ」
「へぇーっ。どこで手に入れたの? そんなもの」
「君がまだ寝てる朝早くに散歩してたら、この町の店で偶然見つけて買ったんだよ。早起きは三文の徳っていうだろ?」
ことわざなどよくわからないが、のび太が次に放つ言葉は一つだった。

「ねぇ、ドラえもん。その道具僕に貸して!」
「……やれやれ」

まぁやってみたくなるのも無理は無いだろう、と納得してくれたのか、ドラえもんは蜜をのび太に渡す。
のび太はそのビンをしげしげと見つめながらドラえもんに問いかけた。
「これってどれくらいしたら集まってくるのかな? 五分くらいあれば大丈夫だよね!」
「ううん、結構な時間がかかるみたい。ポケモンがよってくるかどうかなんて運任せだからね。
最低でも六時間は待つって説明されたよ」
「ろ、六時間!?」
のび太は素っ頓狂な声を上げた。そして、ふたを閉めてビンをドラえもんに返す。
ドラえもんは呆れたように溜息をつく。
「まぁ、せっかちな君には無理な相談だよね」
「あたりまえだよ、そんなに待ってられないって。……やっぱり僕、その辺を散歩してくるよ」

ドラえもんに別れを告げてきた道を引き返すが、途中でズガイドスがいないことに気がつく。
ポッチャマに聞いて見ても、「知らない」というふうに首を横に振るだけ。
のび太が心配になって探して見たが、ズガイドスはただドラえもんの塗った甘い蜜に引っかかっていただけだった。

その後、ドラえもんに怒られたことはいうまでも無い。
322あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:02:18 ID:0If//5Tx0
「まったく、「自分のポケモンの面倒はちゃんと見ろ」なんて僕が怒られちゃったじゃないか……」

しかし、ズガイドスは話をよく聞いていないようだった。
なぜなら、「余ったから」とドラえもんに貰った甘い蜜のビンを嘗め回していたからだ。
ポッチャマはそれを呆れたように見つめている。
「甘いものが好きなんだなぁ……」
気を取り直してのび太もなんとなくその辺りを眺めるが、一つ、興味を引く花があった。
赤くて、なんだか他の花とは雰囲気が違うような花だった。

「グラシデアの花っていうんだよ、それ!」

のび太の後ろに居たのは小さな女の子だ。
にこにこしながら、自慢げにその花を指差している。
「昔から、この辺りではありがとうって気持ちをこの花にこめて送ってたんだよ」
「へー、そうなんだ。……僕も一つ貰っていこうかなぁ」

のび太は、せっかくなのでその少女にこの花畑を案内してもらった。
自分の知識を自慢するのが嬉しいらしく、とても楽しそうに口を動かしている。
そんな中、のび太はある人物を見つけ、思わず叫んでしまった。

「おーい、スネオ!」

のび太の叫びにはっと振り向くスネオ。
誰だかわかると、すぐにのび太たちのほうへ歩いてくる。
「ああ、なんだ。のび太じゃないか」
「うん、なんだか久しぶりだね」
少女は、スネオを胡散臭そうな目で見つめる。
「お兄ちゃんのお友達?」
「うん。スネオっていうんだ。とってもお金持ちなんだよ」
ふーん、と女の子はどうでもよさそうな返事をよこした。

「ヒョウタを無事に倒したらしいね。よかったじゃん」
コールバッジに目を留めたスネオは、心底どうでもよさそうにそう言った。
……いや、むしろ競争相手だということを考えるともう少し手間取ってくれればよかったのにと思っているのかもしれない。
「勿論さ。僕のポッチャマが大活躍だったんだ」
しかしそんなことは気にも留めず、誇らしげに答えるのび太。
スネオはそれを見てなにを思ったのか、一つモンスターボールを手に取った。

「じゃあのび太。ここで一回バトルしないか? そのポッチャマの力を見せてくれよ」
「いいよ。受けて立とうじゃないか!」
それを聞いて、女の子の顔がぱあっと輝いた。
「私、ポケモン勝負って始めて見るの。お兄ちゃんたち、トレーナーだったのね!」
「ああ、そうさ。のび太のポケモンなんてあっというまにやっつけちゃうから楽しみにしてるといいよ!」
323あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:04:58 ID:0If//5Tx0
「僕のポケモンをあんまり馬鹿にするなよ。目にもの見せてやる! 行くよ、ポッチャマ」

ポッチャマは、待ってましたといわんばかりにさっと出てくる。
それを見てズガイドスは残念そうな顔をするが、「すぐに交代するからさ」となだめる。
この状況ではポッチャマを出さざるを得ないと直感的に悟ったのだ。

スネオはにやりと笑みを浮かべ、最初のモンスターボールを頭上に投げはなった。

「来い、ズバット!」

そこに現れたのは、こうもりのような姿をしたポケモンだった。
のび太は「弱そうなポケモンだなぁ」とか思ったが、油断は禁物だと考え直す。

「ルールは2対2。先に全員戦闘不能になったほうの負けだぞ!」

女の子に見守られながら、二人のバトルは開始された。

「ポッチャマ、バブル光線!」
「ズバット、超音波だ!」

二人の最初の指示が同時に響き渡る。
ポッチャマが攻撃に入る前に、ズバットは素早く口を開いた。

「気をつけて、ポッチャマ!」

……しかし、ズバットはただ口を開き、妙な音を出しただけだけのように見えた。
スネオはニヤニヤと不適な笑みを浮かべる。
のび太が異変に気づいたのは、少したってからのことだった。

いつものようにポッチャマは頷かない。バブル光線を出す素振りも見せない。
それどころかふらふらと覚束ない足取りで辺りを駆け回った挙句、地面に頭を打ちつけ始めた。

「ど、どうしちゃったの!?」
「ははっ、やっと気がついたかい? 今の技は超音波。ポケモンを混乱させるのさ!」

324あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:08:05 ID:0If//5Tx0
のび太はもう一度ポッチャマを注意深く観察した。
確かに、これは混乱しているとしか言いようが無い。自分で自分を攻撃して、勝手にダメージを負っている。
油断してはいけないと思っていたのに、さっそくやられてしまった。

「ははっ、どうするのび太。このままじゃ勝手に戦闘不能になるぞ? せいぜい相手を不利にする技の恐ろしさをかみ締めるんだね!」
余裕そうに笑うスネオ。
のび太はこの状況を打開すべく、必死に頭を働かせた。

「混乱……混乱……前にもどこかで聞いたことが……」
暫く悩み、のび太はぱちんと指を鳴らす。
あれはクロガネジムのこと。ヒョウタの言葉を思い出したのだ。
混乱は、ボールに戻せば直るというあの言葉を。

「こないならこっちから行くぞ! ズバット、噛み付く!」
「戻って、ポッチャマ!」

のび太はとっさの判断でモンスターボールにポッチャマを戻す。
そしてズバットの噛み付くを換わりに受けたのはズガイドスだった。
まだ持っていた甘い蜜のビンを放り投げ、勢いよく飛び出したのだ。

「そのまま頭突きだ!」
ズガイドスは、鋭く突きたてられた歯を、頑丈な頭で押し返した。
その指示を聞き、ズガイドスはものすごい力でズバットを吹き飛ばした。
頭突きがクリーンヒットしたズバットは、よろよろと逃げるように上空へと戻る。

「まずい、ここは一旦……」
スネオがモンスターボールを取り出す。
しかし、ズガイドスの攻撃はここで終らなかった。のび太はすかさず次の指示を出す。
「ズガイドス、追い討ち!」
ボールに戻る前に素早くズガイドスが飛び掛り、ズバットに追撃する。
二度も攻撃をうけ、耐えられずにズバットは地面へ落下していった。

「どうだ、スネオ! これで2対1だ!」
のび太は自慢げにスネオに指を突きつけた。
325あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:12:07 ID:0If//5Tx0
「ちっ、のび太の癖になかなかやるな……」

スネオの顔から余裕が消える。
なんたって、相手にはまだ2匹残っているのだ。ポッチャマの混乱も、ボールに戻って直ってしまった。
スネオとしては、いい経験地稼ぎになると思っていただけだったのだ。
「どっちとも自滅させるつもりだったのに、まさかこんなことに……」
スネオはちらっと自分のモンスターボールを見る。
ボールには、早く自分を出せといわんばかりに目線を送るリオルがいた。
「そうだ、リオルならズガイドス相手に相性抜群だな」
そう呟き、スネオはリオルを出そうとモンスターボールを掴む。

「やいのび太! 勝負はこれからだぞ!」

……しかし、予想外の乱入者によってバトルは中断されてしまった。

「パチリス? どうしたの、一体」


勝負の途中に走ってきて、その雰囲気を破壊したのは一匹のパチリスだった。
全員の視線がそちらに向く。
パチリスはそうとう急いできたようで、疲労のあまりぐったりと倒れこんでしまった。

女の子は急いでそれを抱きかかえる。

「ねえ、そのパチリス、ひょっとして君のポケモンなのかい?」
のび太が問いかけるが、女の子は首を横に振る。
「この子、私のパパが働いてる発電所によく遊びに来るの。でも、こんなになるまで急いでたのははじめて。一体どうしたのかなぁ」

何か思い当たる節があったのだろう。
発電所と聞いて、スネオは取り出しかけたモンスターボールをしまった。

「すまん、用事を思い出した! 悪いがのび太、この勝負は次までお預けだ!」
ズガイドスがつまらなそうに下を向く。
のび太が呼び止める前に、スネオは走ってどこかへ去ってしまった。
326あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:14:14 ID:0If//5Tx0
「おーい、スネオー! ……行っちゃった」
「……変な人ね」
二人は不思議そうにスネオの背中を見つめるが、次第に興味はパチリスのほうへ移っていく。
きっと、女の子に何か伝えたかったのだろう。

「どうしよう? 僕が一緒に発電所まで様子を見に行ってあげようか」
「ええっ、いいの?」

のび太は「勿論さ」と胸を張って答える。

「花畑を案内してもらったお礼だよ。さぁ、早く行こう」

「ありがとう、お兄ちゃん!」

しかし、スネオとの決着はまた今度ね、と自分のポケモンに言い聞かせなければいけないのもトレーナーの辛いところだ。
いいところで中断させられてしまったズガイドスに、我に返って混乱していたと気がつくポッチャマ。
二匹とも、納得させるのは少し大変だろう。

苦労しているのび太に向って女の子は言った。
「このビン、ちゃんとゴミ箱に捨てないと駄目だよ。自分のポケモンの面倒はちゃんとみないとね!」
327あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:17:15 ID:0If//5Tx0
「はぁーっ、危なかった」

スネオは川辺のベンチで休憩を取っていた。
この辺も花だらけだ。さすが花の町ソノオタウンといわれるほどはある。

「きっとあれはギンガ団イベントだったんだよ。このあと、発電所が襲われるのさ」

ギンガ団。この世界に暗躍している謎の組織だ。
ゲームでは、その集団が発電所のエネルギーを奪いに襲ってくることになっている。

リオルはそれを聞いて、講義するような目でスネオを見つめる。
スネオは手で「まぁまぁ」とリオルをなだめた。
「じゃあなんで助けに行かなかったのかって言いたいのかい?」
リオルは頷く。
「そんなの、面倒だからにきまってるからさ。
ま、あの程度のレベルがあればのび太にでもギンガ団くらい倒せるだろ。
ゲームでは簡単だったしね。忠告するまでも無いよ」
納得がいかないような顔をするリオル。

しかし、スネオは重大な勘違いをしていた。
これはゲームではない。失敗すれば、本当に危険だということを……
328あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/05(日) 22:18:41 ID:0If//5Tx0
投下終了しました。
規制に巻き込まれるのってほんと怖いよね
329ゲーム好き名無しさん:2009/04/05(日) 22:32:15 ID:g1KX8hFj0
test
330ゲーム好き名無しさん:2009/04/05(日) 23:45:38 ID:6DR3wuUgO
乙。規制だったのか…
微笑ましい描写が多くて顔が綻ぶよ。しかしスネオ、お前…
331ゲーム好き名無しさん:2009/04/06(月) 09:41:52 ID:cTdxvdCrO
プラチナ氏乙。
相変わらず文章が安定してるなぁ……見習いたいww
スネオは他作品に比べてそれほど嫌みがないところに好感がもてました。
これからもがんばってください
332 ◆DXzVKxB5sE :2009/04/06(月) 22:05:07 ID:pfpTGQUpO
新人ですが私も投下しても良いですか?
333ゲーム好き名無しさん:2009/04/06(月) 23:28:48 ID:b3zzjJH8O
そりゃもちろん大歓迎だよ
それとプラチナ氏乙。投下してくれてホッとしたよ
花畑の景色とか小説でこんなに上手く読者に伝えられるのってすごいと思う
ストーリーも「よくこういうの思い付けるなあ…」って思わされるところがしょっちゅうあるし
334ジャイアンの冒険記 ◆DXzVKxB5sE :2009/04/09(木) 21:05:18 ID:nrkMysa7O
プラチナ氏乙です。初投下します。
335ジャイアンの冒険記 ◆DXzVKxB5sE :2009/04/09(木) 21:12:09 ID:nrkMysa7O
#1 プロローグ 晴れたある日のことである。 東京都練馬区のとある空き地で、二人の少年が追いかけっこをしている。 どうやら眼鏡の少年が持っているゲームソフトが事の発端になっているようだ。
336ジャイアンの冒険記 ◆DXzVKxB5sE :2009/04/09(木) 21:19:45 ID:nrkMysa7O
ちょっと携帯の電源が切れそうなのでもう少し時間が経ったら投下します。本当にすいません
337ゲーム好き名無しさん:2009/04/09(木) 22:51:11 ID:Y5YTU57IO
ちょっと待て、ちゃんと携帯のメモ帳機能使って書き溜めてから投下してくれ
338ゲーム好き名無しさん:2009/04/09(木) 22:52:14 ID:qgmw4t8oO
もう二度と来なくていいよ
339ゲーム好き名無しさん:2009/04/09(木) 23:03:54 ID:Y5YTU57IO
いや、そこまで言わなくてもいいだろ
ただ、小説書くのに不慣れなら避難所をお勧めする
340ジャイアンの大冒険 ◆DXzVKxB5sE :2009/04/11(土) 20:10:28 ID:2IuUjmvhO
ふとしたはずみで携帯壊してしまって修理しないといけなくなったので次から酉変えます。すいません。
341ゲーム好き名無しさん:2009/04/11(土) 21:31:25 ID:kr8pIp06O
>>338が見えないの?
342ゲーム好き名無しさん:2009/04/11(土) 21:42:14 ID:t6PgabmqO
なんでお前はそんな頑なに新人を追い出そうとするんだ
343あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:38:55 ID:F19hIZ8F0
>>340
期待して待ってるよ。

続き投下します
344あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:41:13 ID:F19hIZ8F0
「風が凄いね……」
「うん。だから、この風を利用して発電してるのよ。ほら、あれを見て!」

女の子が指差したのは、風の力でぐるぐると回っている大きな風車だった。
傍には、『谷間の発電所』と書かれた看板が立っている。
ここはその名の通り谷間にあって、なかなか立派な発電所だ。

風で乱れる髪を押さえながらしずかはのび太の方を向いた。

「じゃあさっそく行きましょうか、のび太さん」
「うん。悪いね、つき合わせちゃって」
「いいのよ、付いていきたいっていったのは私なんだし。本物の風力発電所なんてあんまり見る機会はなさそうだしね」

のび太達は女の子に先導されて入り口の前にやって来た。
特に鍵はかかっていないらしく、ゆっくりと自動ドアが開く。
すると、パチリスが急に女の子の後ろに隠れ、警戒するように辺りを見回した。
「まったく、どうしちゃったの? パチリス……」
「きっと直接見ればわかるわよ。あなたのお父さんはいつもどこにいるの?」
女の子はパチリスをそっと抱きかかえ、二人を案内した。
ポケモン達は既にセンターで回復したので、万が一の場合でも大丈夫だろう。

ちなみに、ドラえもんはまだ甘い香りのする木の下にいる。

「……それにしても、なんだか人がいないね。しずかちゃんはどう思う?」
「確かに静かすぎるわね。人の気配が感じられないわ……」
そう。ここまで誰ともすれ違っていないのだ。
女の子も、やっぱり何かおかしいと言っている。何があったのだろうか。
のび太の中に、言いようの無い不安が湧き上がってきた。

「ここよ。ここの先でいつもパパが働いてるわ!」

女の子指さしたのは普通の扉だった。
しかし、のび太はそこである異変を感じ取る。

「ねえ、誰かの声が聞こえない?」
ドアは結構薄いようで、頑張れば向こうの音が聞こえないことも無かった。
女の子も扉に耳を当てて試してみる。
「……うん。でも、パパの声じゃないわ。なんだか知らない人の声が……」
「ああ、それは私の部下の声なのよ」
「ふーん……えっ!?」

聞き覚えの無い声に、のび太ははっと振り返った。
345あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:44:10 ID:F19hIZ8F0
「あなたたち、この発電所に何の用かしら?」

後ろに居たのは、隣に強そうなブニャットを従えた赤い髪の女だった。
楽しそうにのび太たちを見つめているが、仲良く会話できる状況には思えない。
しかも、周りは完全に囲まれていた。
十匹のニャルマーが、睨みを利かせながらのび太たちを威嚇している。

パチリスが震えながらも敵意をむき出しにした。どうやら、このことを伝えたくて走ってきたらしい。
背筋がぞっとするのを感じる。のび太は知らず知らずのうちに身構えていた。

「……ねぇ、知ってる人?」
「知らないよ、こんな人たち!」
女の子がのび太に助けを求めようとすがりつく。
しかし、当の本人もそれほどの余裕があるわけではなかった。足ががくがくと震えていて、助けるどころではない。
「私の名はマーズ。
……私達としても邪魔されると困るのよね。ちょっとの間、おとなしくしててもらえるかしら?」

のび太は後ずさろうとするが、後ろは扉で塞がれていることに気がつく。
取っ手を掴んで部屋の中へ逃げ込もうとするが、しずかがそれを静止した。
「駄目よ、のび太さん。この中にもあの人たちの仲間がいるんでしょ?」
「そ、そっか。ありがとう、しずかちゃん」

のび太は自分に言い聞かせた。少し取り乱しすぎだろう。
……クールになれ。頭を落ち着かせるんだ。
炭鉱内でのイワーク戦も二度目のヒョウタ戦も、そうすることで切り抜けられたじゃないか。

クールになったのび太は赤い髪の女をきっと見据えた。

「い、一体、な、何が……」
「あなたたちは何者? 一体何の目的でここに来たの? それがわからないと、おとなしくなんてしてられないわ!」
346あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:47:26 ID:F19hIZ8F0
しずかの言葉に、「あぁ怖い」とおちょくる様な反応を示す赤い髪の女。
「目的? そうね、ちょっとこの発電所を利用して膨大な電気エネルギーを得ようと思ってね。まぁそんなワケでそこの君のお父さん達には働いてもらってるわ」
女は、極悪そうにニタリと笑みを浮かべる。小さい子が見たら泣き出してしまいそうだ。
実際、女の子は今にも泣きそうにのび太にしがみついている。
のび太はそんな女の子を見ていられなくなった。
そして震える足を押さえ、勇気を振り絞って指を赤い髪の女に突きつける。

「なんだか知らないけど、そんな理由で無理やり人を働かせるなんて許せないよ!」
そう言うと、のび太は手にモンスターボールを構える。
それを見て赤い髪の女はせせら笑った。
「あら、私と戦おうって言うの? ふふっ、面白いじゃない」
赤い髪の女が合図すると、ブニャットが前に出てくる。

のび太は怖気づきそうに鳴るも、ぐっと堪えた。
ここまで言って退いたらかっこ悪いと自分に言い聞かせたのだ。
「頼むよ、ポッチャマ!」

モンスターボールから飛び出たポッチャマは、臆することなくブニャットに睨み返す。
その目には、『強そうな対戦相手』としか映っていないのだろう。

「ポッチャマ! 距離をとってバブル……」
「猫騙しよ」
のび太が指示を言い終わる前に、ブニャットが素早く接近する。
そしてポッチャマは見事な猫騙しをくらい、目をつぶって怯んでしまった。

「ポッチャマ、懐に突っ込んで嘴で突くんだ!」
「催眠術」
ブニャットの目が妖しく光り、ポッチャマを眠りの世界にいざなう。
そのままぽてっと地面に倒れこみ、無防備な状態になってしまった。
敵の前でいびきを上げながら寝ている自分に気がついたら、プライドの高いポッチャマは確実に機嫌を悪くするだろう。

「ああっ、ポッチャマ!」
「アハハハ、所詮そんなものなのかしら? 大したことないじゃない!」
のび太は唇をかみながら、やむをえずポッチャマをボールに戻す。
……完全に遊ばれている。手も足も出ないなんて。

しずかがのび太の手を掴んだ。

「逃げましょう、のび太さん。私たちの実力で適う相手じゃないわ!」
「でも……」
しずかは無理やりのび太の手を引っ張り、出口へ向って走り出した。
女の子とパチリスもそれに続く。

悔しさを誤魔化すため、のび太はモンスターボールをぎゅっと握り締めた。
347あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:50:00 ID:F19hIZ8F0
「……」

のび太達は必死に逃げ回り、今は大きな機械の陰に身を隠していた。
途中の通路で挟み撃ちにあい、唯一の逃げ道であるこの部屋へ逃げ込んだのだった。
そしてとっさにドアを閉め鍵をかけて立てこもるが、出るに出られない状況になってしまったというわけだ。

ドンドンと何かを叩く音が聞こえる。きっとニャルマーたちが体当たりでドアを破壊しようとしているのだ。
のび太はその音が聞こえるたびに、自分の心が少しずつ弱くなっていく気がした。

「あの人、私たちを捕まえる気みたい。どうしましょう?」
「どうにかして逃げるしかないよ。……そうだ、窓は?」
カーテンが日光を遮っていたので今まで気がつかなかったが、のび太たちの後ろの壁には小さな窓がついていた。
ここから外へ出られれば、と思ったのである。
しずかはこっそり外の様子を見るが、溜息をつきながら首を横に振る。
「だめ、窓の外もニャルマーが見張ってるわ」
「そんなぁ……」
既にこの部屋の周りは包囲されていた。
のび太は落ち込むが、隣でパチリスを抱きしめながら俯いている女の子を見て口を閉じる。
この子を不安がらせてはいけないと、自分を叱ったのだ。

「のび太さん、この子の力を借りたらどうかしら?」
しずかはボールから一匹のスボミーを出した。のほほんとしたおとなしそうなポケモンだ。
そして、図鑑を見せながら説明する。
「スボミーは眠り粉を覚えてるの。これを使えば、ニャルマーたちの動きを止められるハズよ」
眠り粉。その名の通り、相手を眠らせる草タイプの技だ。
のび太はそれを聞いて、ボールからズガイドスを呼び出す。
「コイツにドアを向こう側へ吹き飛ばしてもらおう。それで、怯んだニャルマーに痺れ粉を撒きながら逃げるっていうのはどう?」
「ちょっと強引だけど、それでいくしかないわね」

するとしずかは立ち上がり、さっそくドアに駆け寄った。
作戦がきまったなら、迷ってないで早く実行に移そうというわけだ。

時間はあまり残されていない。ドアはみしみしと音を立て、今にも外れそうだ。
……いや、破壊しようとしているほうからすれば逆に幸運なのかもしれない。

「じゃあ、三つ数えたら行くよ?」
「ええ、お願い。女の子は私に任せて!」

ズガイドスはいつでも飛び出せるよう、体制を整える。
パチリスも協力してくれるらしく、体に電気をため始めた。

「3……2……1……今だ!」
348あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:53:27 ID:F19hIZ8F0
頭突きとスパーク。二つの攻撃が、ニャルマーごとドアを勢いよく吹っ飛ばした。
数で劣っていても力では二匹のほうがが上だったらしく、のび太はズガイドスの力強さをあらためて実感した。
部屋の外に出たのび太たちは、急いで出口へかけていった。

「スボミー、痺れ粉よ!」

黄色い粉が通路に充満し、ニャルマーたちは麻痺状態にされてしまった。
巻き込まれたら元も子もないので、急いでその場を離れる。

「うまく行ったね。そのスボミー、すごいよ!」
「いいえ、のび太さんのズガイドスこそ。本当に力持ちだわ!」

お互いのポケモンを褒めあう二人。
自分たちを追っているポケモンは全て眠ったので、少し安心できたのかもしれない。

しかし、相手はそこまで甘くなかった。

「うげっ!」

のび太は変な声をあげてしまう。何かに思い切りぶつかったのだ。
「のび太さん、大丈夫!?」
それを見てしずかと女の子も足を止める。
なにやら、見えない壁が通路を塞いでいるようだった。
その向こうでは、銅鏡のような姿をしたポケモンがじっと三人をみつめていた。

「きゃあっ!」
彼らの後ろで窓ガラスが割れる音がする。
空気が入れ替えられて、通路の眠り粉は外へ吐き出されてしまった。
こつこつと靴の音をたて、誰かが歩いてくる。

「ご苦労様、ドーミラー」

のび太たちが後ろを振り向くと、そこには勝ち誇ったように笑うマーズがいた。
そう、まんまと追い詰められてしまったというわけだ。

「今のは光の壁。よく逃げたけど、ここまでよ。観念してもらおうかしら!」
349あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 22:57:03 ID:F19hIZ8F0
「そっ、そうはさせない。僕が相手だ!」

のび太は二人をかばうように前に出た。
それを見てマーズは極悪そうな笑みを浮かべた。
「私はやめておいたほうがいいと思けどね。さっきこの子の強さはわかったでしょう?」
ブニャットが迫りよる。
女の子はそれを見て、震えながら目をつぶった。
「どうしよう。これじゃあみんなやられちゃうよ……」
「落ちついて。のび太さんなら、きっとなんとかしてくれるわ」
後ろから女の子をなだめるしずかの声が聞こえる。

しかし、確かに女の子の言うことも一理あった。
相手のブニャットの素早さ、そして的確なトレーナーの指示。
さっきと同じことを繰り返したら、その時点でのび太の負けになってしまう。

「ええい、考えてても始まらない。頼む、ズガイド……」
ボールを掴もうとするのび太だが、目の前にパチリスが飛び出してきた。
パチリスはのび太のほうを見つめる。
「ひょっとして、戦ってくれるの?」
頷き、ブニャットのほうを向くパチリス。
女の子を守りたいという気持ちが強かったのか、おびえながらも勇気を持って立ち向かっていた。

「今度はその子? あんまりブニャットを甘く見てると後悔するのはそっちよ?」
マーズがニヤニヤと煽ってくるが、のび太は気にせずパチリスに指示を出した。
ポケモン図鑑を開き、覚えている技を確認する。
四つの技のうち、とりあえず便利そうな技を選んでみる。

「パチリス、影分身だ!」

パチリスが素早く動き、残像で何匹もいるかのように見せかける。
ブニャットはそれに惑わされ、攻撃の対象を見失ってしまう。
「いいぞ、パチリス! そのままスパーク!」
迸る電気を身にまとい、パチリスは素早い身のこなしでブニャットに突っ込んていった。
しかし、マーズはニヤリと笑みを浮かべただけだった。

「残念だったわね。ブニャット、つばめがえし!」
ブニャットは周りの分身ごとパチリスに攻撃する。
目にも留まらぬスピードだ。避ける暇も無く、パチリスは大打撃を負ってしまった。
地面に叩きつけられ、痛みそうにうめき声を上げる。
350あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 23:00:59 ID:F19hIZ8F0
まだポケモンバトルに慣れきっていないのび太だが、そんな彼にもわかることは一つだけあった。

「まずい、あと一撃でも受けたらパチリスが持たない……」

のび太は、この実力差を埋める方法を必死に考える。
でもパワーでは圧倒的に向こうのほうが上だ。いくら影分身でかく乱してもつばめがえしでやられてしまう。
必死に図鑑を見るのび太を見て、マーズはからかうように言った。

「もうやめればぁ? そんな弱そうなポケモンじゃ話にならないわよ」
しかし、のび太は言い返した。
「そんなことない!」
思えば、パチリスは発電所に来たときから怖がっていた。
しかしそんなパチリスでも、今はこうして勇気を振り絞って頑張っている。それを否定するわけには行かなかった。
「パチリスだってまだ諦めてないんだ。僕が諦めるわけには行かないじゃないか! 弱そうだなんて言わせな……」

しかし、そこでマーズのいった言葉がひっかかる。
弱そう……のび太がズバットの外見に対して抱いた感想だ。

しかし、ズバットはのび太のポッチャマを追い込んだ。それは何故だろう?
のび太の中に、スネオの言葉がよみがえってくる。

――せいぜい相手を不利にする技の恐ろしさをかみ締めるといいよ!――


「……そうか!」
のび太はこのパチリスの情報をよく見て、一瞬で理解した。
自分が今まで気にも留めなかった技が、このパチリス最大の長所であったのだ。
そして、希望が満ちてきたようにマーズのほうを見る。

「勝負はまだ終っちゃいない。いくよ、パチリス! 電磁波だ!」

パチリスの放った電磁波がブニャットを直撃する。
しかし、ダメージを与えた様子は無い。
からかわれていると勘違いしたのか、マーズは怒鳴った。

「そんな弱いポケモン、さっさと沈めてあげなさい! ブニャット、つばめがえし!」
しかしブニャットは動かない。いや、動けないでいた。
今度はのび太が笑みを見せる番だった。
351あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 23:05:47 ID:F19hIZ8F0
「ブニャットは麻痺して動きが鈍ってるんだ。今だパチリス。甘える!」
パチリスに甘えられ、ブニャットは戸惑ったような表情をみせる。
のび太はすかさずモンスターボールを手に取った。
「下がって、パチリス。……頼むよ、ズガイドス! 頭突きだ!」
勢いよくズガイドスが飛び出し、そのまま渾身の頭突きをかました。
ブニャットは激痛のあまり膝をついた。ズガイドスの攻撃力は伊達じゃない。

「あたしのポケモンに何すんのさ! もう許せない、ブニャット、シャドークローよ!」
マーズはさっきとは比べ物にならないくらいの形相で叫んだ。
ブニャットの爪が紫色に光り、ズガイドスに襲い掛かる。

「受け止めるんだ、ズガイドス!」
「無駄よ、ブニャットのパワーを耐えられるわけが無いわ!」
ズガイドスはその頭でブニャットのシャドークローを思い切り受ける。
しかしその体格の差からして、誰もがズガイドスの負けだと思った。
さすがのズガイドスとはいえ、基礎的な攻撃力ではマーズのブニャットのほうが上だった。

「駄目よ、のび太さん。ズガイドスが!」
「……大丈夫。きっと耐えられるよ」

その言葉どおり、ズガイドスは見事に攻撃を跳ね返した。
ブニャットもさすがにまずいと思ったのか、交代しようとする。
だが、その隙を逃さないわけは無い。のび太は最後の指示をさけんだ。

「いまだ、ズガイドス! 突進!」
ズガイドスの一撃が炸裂し、ブニャットはまた膝をつく。
そして体力も限界だったのか、とうとうその身を地に伏した。

「ぶ、ブニャット! ……どうして私のブニャットが力の押し合いで負けたの?」
「さっきあなたが馬鹿にしたパチリスのおかげだよ。甘えるの効果でブニャットの攻撃力が下がってたんだ」

反動でダメージを受けてよろけるズガイドスをささえ、のび太は答える。
「甘える」は、相手を油断させて攻撃力をがくっと下げる技だった。
352あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 23:09:53 ID:F19hIZ8F0
「子供に負けるなんて、少しおふざけが過ぎるとは思わないか?」
マーズの後ろから、一人の老人が歩いてきた。その後ろを、なんだかステキな髪型の人々がついてくる。
冷たい目線でこの光景を眺めると、老人は呆れたように溜息をついた。

「うるさいわね、偉そうに。まだまだブニャットは戦えるわよ!」
その声と共に、ブニャットはむくりと起き上がる。
結構なダメージを負わせたようだが、それでもまだ倒れなかった。

「そんな、まだ戦えるなんて……」

絶望的な呟きがこぼれた。ズガイドスもさっきの押し合いで相当疲れている。
さらに相手はまだ何人もいる。このまま消耗していけば、やがて負けてしまうだろう。

……しかし、予想とは裏腹に、ブニャットはボールへ回収される。
そしてマーズはそのボールを突きつけ、きょとんとしているのび太にこう言った。

「今回は見逃してあげる。でも、次にあった時は容赦しないわ。覚悟しときなさい!」

負け惜しみというわけではないことはわかっていたので、のび太は何も言い返さなかった。
パチリスは緊張が解けたように気を失ってしまった。

「あの人、自分のブニャット以外には本当に興味が無いのね……」

しずかは、マーズのかわりに麻痺してるニャルマーたちを回収する下っ端たちを見てそういった。

「だって、今のブニャットだってこの子達と同じ状態になってたわけでしょう? バトルに詳しくなくっても、普通は気がつくわよ……」

しずかは、なんだか悲しそうな顔でパチリスの頭をなでた。
353あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 23:12:05 ID:F19hIZ8F0
その後のこと。
のび太たちは、発電所の前で警察に事情聴取を受けていた。
しばらくしてやっと開放されると、後ろから誰かが話しかけてくる。
そこにいたのは、コトブキでのび太と会った国際警察のハンサムだ。

「やぁ、また会ったね。あんな強い奴に勝つなんて凄いじゃないか」
「いや、別に勝ったわけじゃないんですよ……」
元気なさそうにそう答えるのび太だが、「そんなに謙虚にならなくていいよ」と肩をたたかれる。
普段あまり褒められないので、その言葉はなんだか嬉しかった。

そして少し悩んだ挙句、ハンサムは真剣な目つきでのび太を見る。

「いい機会だから、君たちにも話しておこうか。
奴らはギンガ団。何をたくらんでいるのかは知らないけれど、人のポケモンを奪ったりする犯罪集団なんだ。
奴らはいつどこに現れるとも限らないからね。注意しておいてくれよ」

それだけ言うと、ハンサムはほかの警察官たちと一緒に発電所のほうへ行ってしまった。
することが無くなったのび太達は、ひとまず休憩できる場所を探した。

「あの木の下がいいんじゃない?」
というしずかの提案で、そこまで重たい体を引きずるようにして歩いていった。
のび太の中にどっと疲れが沸いてきて、草の上に寝転んでしまう。
空はもう赤く染まっている。ヤミカラスが鳴き声を上げながら飛んでいた。

「まったく。今日は一日ゆっくりできると思ったのに、とんだ災難だったよ……」
「本当よね。まぁでも、のび太さんかっこよかったわよ」
それを聞いて、のび太の顔がみるみると赤くなった。
「そ、そうかなぁ……」
「ええ。パチリスちゃんも頑張ってくれたしね」
しずかになでられると、パチリスは気持ちよさそうに目を細める。
そんなほほえましい光景を眺めながら、のび太はあの老人の言葉を思い出していた。


「これだけの電気エネルギーが集まれば、何か凄いことができる。この天才、プルートにはよくわかるよ!」
あの後、プルートはマーズとそんな事を喋りながらさっさと帰っていった。
目的が達成されたからあそこで引き下がったのであろう。
もちろん発電所の人たちも無事で、一件落着と言うわけだった。
女の子はとても嬉しそうな顔で何回ものび太たちにお礼を言っていた。
しかしどうにもその言葉が引っかかる。しかし考えても無駄なようなので、のび太は思考を停止した。
354あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 23:15:46 ID:F19hIZ8F0
「さ、のび太さん。早くポケモンセンターに帰りましょう? ドラちゃんが心配してるわ」
「そうだね」

重い腰を上げてゆっくりと歩き始めるのび太たちだが、後ろから何かが付いてきた。
振り返ると、そこにいたのはさっきのパチリス。何かを訴えるような目をしている。
「ひょっとして、のび太さんに付いていきたいんじゃない?」
「そうなの? パチリス」

パチリスは頷く。よーし、とのび太はモンスターボールを手に取った。
のび太の三匹目の仲間ができた瞬間だった。

「でも、あの時逆転できたのは、実はスネオのおかげだったんだよね」
「え? スネオさんが?」
「うん。このパチリスが飛び込んでくる前、丁度スネオとバトルしてたんだよ。
その時のスネオの戦略を覚えてたから、このパチリスのことに気がつけたんだ」
のび太は遠い目をした。
「うん。影分身は昔アニメでみて「うわぁかっこいいなぁ」とか思った記憶が残ってたんだけどさ、
甘えるとか電磁波とかって地味そうで全然考えても見なかったんだよね。」

へぇーっと感心するように相槌を打つしずか。
のび太が、「でも」と、笑うように話しかける。

「スネオの奴、発電所って聞いたとたん「用事を思い出した」ってどっか行っちゃってさぁ。
運がよかったんだね、こんなことに巻き込まれなくて」

それを聞いて、しずかはきょとんとした顔で尋ねる。
「……え? 何も言わないで行っちゃったの?」
頷くのび太。そして、思い出したように
「あぁ、「勝負は次に預けとく」っていってたっけ。僕もポッチャマたちに負けないよう頑張らないとね!」
と付け加えると、すぐに話題を変えてしまった。
しずかは眉間にしわを寄せ、一瞬、何かを考えるような素振りを見せる。

「案外、まだドラえもんは甘い木の下にいたりしてね!」
しかし能天気なのび太は、それに気が付かず、笑いながら喋っていた。
355あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/04/11(土) 23:19:11 ID:F19hIZ8F0
投下終了です。
どうでもいいけど、今になって野生のヤミカラスがプラチナに出てこないことに気がつきました
356ゲーム好き名無しさん:2009/04/12(日) 00:38:15 ID:MOQNEUrYO
乙。痺れ粉だか眠り粉だか分からないww
ヤミカラスはまあ、風景に出るくらいべつにいいんじゃないか?
それよりストーリーの組み立て方に毎回感心するわ…参考になる
357ゲーム好き名無しさん:2009/04/13(月) 16:54:35 ID:ZUilqqgbO
乙。俺も別に構わないと思う
それより、ゲーム形式じゃないからこその巧妙な戦法がぶつかってて、読んでいて面白いと感じた
358ゲーム好き名無しさん:2009/04/14(火) 08:55:29 ID:2W/HJY+rO
誰かwiki作れカス
僕は携帯だからやりませんけどね^^
359 ◆C1aEnJaUS2 :2009/04/17(金) 23:05:55 ID:QrL9lNG3O
 
360ゲーム好き名無しさん:2009/04/24(金) 19:23:52 ID:27VTzBkFO
念のため保守しとく
361ゲーム好き名無しさん:2009/04/29(水) 12:48:44 ID:xr2wOVKcO
でさきからほしゅ
362ゲーム好き名無しさん:2009/05/03(日) 12:39:30 ID:pAwzLMKdO
ガッチリ保守
363ゲーム好き名無しさん:2009/05/08(金) 18:36:44 ID:B1+/gXDdO
金銀リメイク発売決定記念保守
364ゲーム好き名無しさん:2009/05/15(金) 18:00:21 ID:TUzN5sHqO
誰もいないのか?
365ゲーム好き名無しさん:2009/05/16(土) 03:38:15 ID:ldtBFqtFO
新人ですが、内容に賛否ありそうなので様子見してたのですが
人も少なくなってきたので後日投下してみようと思います
366ゲーム好き名無しさん:2009/05/16(土) 09:46:05 ID:Xvx8eg+BO
待ってるぞ。最初は色々言われるかもしれないけど、
「悪いところを指摘してくれてる批判」と「ただの叩き」を見分けられれば傷つかず続けられるから頑張れよ。応援する
367 ◆OVcEruNBe6 :2009/05/16(土) 14:28:44 ID:qAoHS3I2O
久々に見に来たけど、まだ投下してる人いたんだね
368ゲーム好き名無しさん:2009/05/17(日) 12:51:55 ID:5l4ye5rvO
>>367
誰だよお前
369339:2009/05/17(日) 15:45:19 ID:du9QqZHqO
>>367
煽るだけなら帰ってくれ
370369:2009/05/17(日) 15:46:16 ID:du9QqZHqO
名前欄は気にしないでくれ
371 ◆OVcEruNBe6 :2009/05/17(日) 20:04:04 ID:Vj6Igk3cO
別に煽りに来たわけじゃないんだけど
372ゲーム好き名無しさん:2009/05/17(日) 20:13:07 ID:CHepy8KqO
その酉はなんだ
元作者か?なら名乗れ
373ゲーム好き名無しさん:2009/05/17(日) 20:21:39 ID:du9QqZHqO
>>371
誰?
374ゲーム好き名無しさん:2009/05/18(月) 06:24:09 ID:No6mC/FiO
赤髪のトリだろ
375ゲーム好き名無しさん:2009/05/18(月) 16:08:41 ID:TGUVh1U1O
赤髪氏って酉曝してたっけ?
376 ◆pXSMZkovvI :2009/05/18(月) 17:03:07 ID:99O0LG9jO
だから本物だって
ギンガの酉出せば確実かな
377ゲーム好き名無しさん:2009/05/18(月) 18:13:06 ID:S8rRgK4DO
ギンガの酉って誰かが見つけてなかったっけ
378ゲーム好き名無しさん:2009/05/18(月) 19:22:36 ID:TGUVh1U1O
でも本物っぽいな…名無しじゃなく酉出して来たのには何か意味があるのか?
ギンガの続きを投下してくれるとか、ロッカーを作り直してくれるとか…どっちも俺待ってるんだが
379 ◆OVcEruNBe6 :2009/05/18(月) 20:38:47 ID:99O0LG9jO
出てきた意味は別にないよ
ギンガはともかくロッカーはすぐ作れるけど、もうロッカーは作らないほうがいいんじゃないかな
380ゲーム好き名無しさん:2009/05/18(月) 23:28:35 ID:TGUVh1U1O
そうか
新作の予定も無いのか?
381ゲーム好き名無しさん:2009/05/18(月) 23:57:26 ID:99O0LG9jO
新作書くくらいならギンガの続き書くかなぁ
382ゲーム好き名無しさん:2009/05/19(火) 00:18:08 ID:MKY43RhZO
それを聞いてホッとした
ならそっちの気が向くまで、何年でも気長に待たせてもらう
383ゲーム好き名無しさん:2009/05/22(金) 18:52:05 ID:UkyWoCkfO
保守
384ゲーム好き名無しさん:2009/05/24(日) 10:18:31 ID:vWgUiNeVO
なんかさすがに不安になってきたなぁ…生存報告だけでも聞きたいものだ
385ゲーム好き名無しさん:2009/05/29(金) 21:52:02 ID:r6JttV50O
最近は避難所の方が盛り上がってるな
386ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/06/02(火) 22:19:05 ID:CdleM8L1O
長く音沙汰なしで本当にごめん…。
当分の間このスレには帰って来れないと思うから、最後に書き込んでおくね。

短編も、本編も……中途半端な所なのに、自分の力不足でこんな結果を招いた事を、本当に申し訳ないと思う。
ごめんね…。

最近、頭が上手く回らなくて、自分の頭の中の話が文章に出来ないんだ。
書こうと思っても、文が続かない。
雑音ばかりが頭に響いて……。
おそらくは俺の容量にはもう空きが無いんだと思う。
ずっと、弾けそうで、ぷかぷかぷかぷか。
どれだけ周りの人が大切なのかとか現実の厳しさ残酷さを脳髄にぐりぐりっぐりゅ。
もう俺というは存在じ
387ミュウ ◆cAII3gBk5. :2009/06/02(火) 22:29:11 ID:CdleM8L1O
やっぱ駄目だな…。

俺は絶対に戻ってくるし、絶対に逃げたりしないよ。
今はただ応援して欲しい。
もう2年半になるんだもんね、このスレが立ってから。2年半。

今の俺に説得力はないかもしれないけど、俺は本当にこのスレが大好きだから。
最後まで諦めたくないから。
これだけは信じて欲しい。
388ゲーム好き名無しさん:2009/06/02(火) 23:59:18 ID:B1xO7pjHO
ミュウ…辛そうだな…ロッカーがあれば思う存分語り合えるんだが…
とりあえず、そんな思いつめないでくれよ…
俺はたまに生存報告さえしてくれれば、投下自体は何年でも待つからさ…
389ゲーム好き名無しさん:2009/06/03(水) 00:47:39 ID:F23DwIHzO
ちょっ…大丈夫か?ミュウは現作者では一番馴染み深い作者だから、さすがに心配になるぞ
あまり無理せずに…というかそんなに辛いなら作者を引退してもいいんだから、ここを去るとか淋しいことはやめてくれ
390ゲーム好き名無しさん:2009/06/04(木) 08:56:35 ID:A3Koy0heO
ついに現行作者全滅か、長かったな
391ゲーム好き名無しさん:2009/06/04(木) 20:07:34 ID:gDuFdr/yO
まだだ…まだプラチナがいる。それに主人公も来年復帰するはずだ
避難所でもGTが精力的に投下してるしな
392ゲーム好き名無しさん:2009/06/10(水) 16:47:24 ID:ViEuhY/UO
>>391
プラチナはもう最終投下から二ヶ月経ってるが?
GTや短編も避難所だから関係は薄いし、主人公に至っては来年も残ってる保証あるの?

無いとは言えないけど、もう少し現実味のある考え方しようよ
393ゲーム好き名無しさん:2009/06/12(金) 19:35:34 ID:EaT8TqeBO
kssr
394ゲーム好き名無しさん:2009/06/16(火) 20:19:05 ID:Qs08xrwTO
とにかく保守
395ゲーム好き名無しさん:2009/06/18(木) 16:47:24 ID:gh2Yf4glO
正直ここの人達は、どういった感じの作品を求めてるのだ?
396ゲーム好き名無しさん:2009/06/18(木) 21:56:50 ID:WodblplLO
投下が来ればなんでも嬉しいが、出来ればドラえもんメンバーが冒険の中で成長するのとか…かな
あと、戦術とか凝ってるやつ
397ゲーム好き名無しさん:2009/06/19(金) 22:31:40 ID:qqFCoqVeO
オリキャラが出なくてドラキャラがキャラ崩れすることもなく、なおかつ投下が早く勝負も単調じゃなくて凝っているもの

矛盾とかあったら、まずぶっ叩かれるから注意
でも内容が良ければ好き勝手できる
398ゲーム好き名無しさん:2009/06/20(土) 08:25:01 ID:kbrzMuctO
俺は、ある程度こだわりを持ってやってくれればいい
399ゲーム好き名無しさん:2009/06/20(土) 13:02:37 ID:y8gWv0UY0
過疎
400ゲーム好き名無しさん:2009/06/22(月) 07:43:48 ID:9Db2KWfGO
ジャンルの話してるならレンジャーをお願いしたい
401ゲーム好き名無しさん:2009/06/25(木) 19:16:25 ID:MUhwkF0IO
>>395
作者になってくれるってことか?
402ゲーム好き名無しさん:2009/06/28(日) 01:10:32 ID:CVXP+UsAO
保守
403ゲーム好き名無しさん:2009/07/01(水) 01:24:20 ID:pc7corbD0
つまんねえんだよ糞ども
404ゲーム好き名無しさん:2009/07/04(土) 20:52:54 ID:klBqWMZAO
>>403
じゃあ面白いの書いてみろ
405ゲーム好き名無しさん:2009/07/06(月) 15:36:48 ID:GUZlx2RjO
懐かしいなぁo(^-^)o
以前挑戦者っていうの書いてた者です(^-^)v
406ゲーム好き名無しさん:2009/07/06(月) 22:08:30 ID:KZU0zyouO
ふーん。もう書く気無いからそういうこと言うんだよな
407ゲーム好き名無しさん:2009/07/07(火) 22:06:45 ID:MlPqjzpGO
リメイク金銀さえくれば……!きっと……!
wikiの挑戦者のページ、何回分か抜けてるな。
408ゲーム好き名無しさん:2009/07/07(火) 22:12:38 ID:liuDdWoF0
のび太「いけ!ドラえもん!」 ドラえもん「ふんがー!」
409ゲーム好き名無しさん:2009/07/08(水) 00:13:31 ID:BFjEiMenO
そういやドラえもんをポケモンと間違える話もいくつかあったなあ
410ゲーム好き名無しさん:2009/07/12(日) 13:36:44 ID:8a7/A5Y6O
しかしよく落ちないなこのスレ
411ゲーム好き名無しさん:2009/07/13(月) 12:45:16 ID:vqctWWoAO
書く気も無いのに保守だけしてる無能がいるからだろ
小説スレ(笑)って体を取ってるのにこのザマじゃ、みっともないから早く落とした方がいいのに
412ゲーム好き名無しさん:2009/07/15(水) 01:00:46 ID:ji190GyNO
久しぶりに覗いたな
セカンドっていうキチガイのフリしてドラーモン煽った日々が懐かしい
413ゲーム好き名無しさん:2009/07/15(水) 22:28:13 ID:d9dssbPkO
>>412
セカンドが事あるごとに叩かれて、庇う度に俺まで叩かれてたのはお前のせいだったのか
というかそもそもこのスレが廃れた原因はお前にある。償えクソ野郎
414ゲーム好き名無しさん:2009/07/16(木) 17:19:45 ID:t+twn/K5O
>>412
2ちゃんでもここまで根性の腐った奴は初めて見た

他人をかたって荒らした挙げ句にそれを楽しんでるとか人間のクズだな
415ゲーム好き名無しさん:2009/07/16(木) 20:31:38 ID:z1eWFkaVO
セカンドは重罪人だったから、何かあると真っ先に疑われる立場だったしな
ドラーモンがこいつのせいで消えたと思うと腹立つな
あとセカンドを許す気は無いが、さすがに少し同情する
416ゲーム好き名無しさん:2009/07/16(木) 22:21:41 ID:DajUdRxBO
>>413-415
こういう煽り耐性の無いバカは、それが余計に火種を大きくした事にも気付かないくらいバカなんだろうな
417ゲーム好き名無しさん:2009/07/17(金) 00:06:30 ID:rAOcNsLAO
>>416
そのバカを煽ってさらに火種を大きくしてしまうバカもいるみたいだけどな
418ゲーム好き名無しさん:2009/07/17(金) 16:52:08 ID:dbQfx0DvO
>>417
その馬鹿を(以下無限ループ
419ゲーム好き名無しさん:2009/07/17(金) 17:31:30 ID:fsTOSP8LO
つーかセカンドは自分でドラーモン叩いたって認めてるじゃん
420ゲーム好き名無しさん:2009/07/17(金) 20:40:07 ID:rAOcNsLAO
>>419
それに乗っかってセカンドのふりして叩いたんだろ
421ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 01:32:41 ID:vp3Q2TQpO
火種を投下すると糞スレでも少々伸びるんですね^^
ちなみに私、以前パパドラっての書いてました^^
被害の来ない避難所で本スレ荒れるの見るのおいしいです^p^
422ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 01:37:31 ID:vp3Q2TQpO
あ、412は俺です^^
さぁ炎上してね^^
423ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 01:47:41 ID:1H29m8ZEO
せっかく煽るんなら酉出すとか徹底的にやろうぜ
どうせ残ってるのはKとかその辺のクズばっかなんだし
424ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 01:59:47 ID:vp3Q2TQpO
酉とか覚えてねーよwwwwww
Kなついなwww
あの頭悪い煽り耐性ないやつかwwwww
チャットで散々煽ってやったわwwwww
425ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 02:33:32 ID:1H29m8ZEO
本当にあのチャットはどうしようもない奴が多かったよなwwwww
KとかAAとか
426ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 17:31:09 ID:tyNFaAhpO
>>423
残ってる奴=クズって、それお前もクズってことになるぞww
もちろん俺もだがwww
427ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 18:41:50 ID:vp3Q2TQpO
おいおいwwwwwもう燃え上がるだけの勢いもないのかよwwwww
マジで雑魚共やなwwwwwwwww
428ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 18:48:53 ID:tyNFaAhpO
そんなに燃やしたいなら、またポケ板に建てればいいよww
あそこはよく燃えるぞwww
429ゲーム好き名無しさん:2009/07/18(土) 18:57:07 ID:vp3Q2TQpO
つーか燃やせる作者いねえwwwwうぇっwwwwww
移転主犯の自演盗キワいつからいねえのwwwwwww
430ゲーム好き名無しさん:2009/07/19(日) 00:19:25 ID:Aynf2GRCO
クズでもなんでもいいから作品読みたいわホントに
今ならAAやKどころか、セカンドやノビタすら受け入れられる気がする
ドラーモンやトキワやミュウやノートが帰って来たら絶対嬉しくて泣く
431ゲーム好き名無しさん:2009/07/20(月) 03:27:01 ID:PKqIeQF50
もうここ携帯しかいないんだな
432ゲーム好き名無しさん:2009/07/20(月) 04:11:07 ID:RMS6tSGHO
そうだよ
433ゲーム好き名無しさん:2009/07/20(月) 19:08:07 ID:aakxjF4GO
携帯でもいいじゃない
434あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:10:19 ID:9xpWujuX0
とりあえず保守ついでに投下するぜ!
435あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:12:09 ID:9xpWujuX0
のび太とドラえもんはソノオタウンをあとにし、次の町へ向っていた。
しずかはもう少し自分の力量を上げるため、ソノオタウンに残ることにしたらしい。
きっとギンガ団との遭遇で自分の実力不足を実感したのだろう。

「地図によると、ここがハクタイの森だよ。ここを抜ければ次の町だ!」
「どんくらいで着くの?」
「三時間はあるくみたい。……いっとくけど、タケコプターも使えないからね」

溜息をつくのび太と、それに呆れて別の意味で溜息をつくポッチャマ。
パチリスも他の二匹と普通に歩いていて、すぐチームに馴染むことができたことがわかる。

のび太とドラえもんは薄暗い森の中を歩いていた。日の光が遮られ、さっきまでの明るい道とはまた違う感じだ。
背の高い木々が立ち並んでいて、まるで迷路のような道を作り上げている。
ちらほらと虫ポケモン達の姿が目に付くが、凶暴なポケモンはそんなにいないらしい。
風に揺れる葉の音がこの森に涼しげな空気を作っていた。

静かでいいところだとのび太は思ったが、さっそくそんな静けさを破るような声が聞こえ
た。

「そこのおまえ、俺とバトルだ!」

その声がした向こうには一人の少年がいた。
それは誰が導見ても、虫取り網を担ぎ、麦藁帽子をトレードマークとする虫取り少年だった。
ドラえもんはちょっと嬉しそうな顔で「受けてたつよ!」と返答する。

「どうしたの?」
「いや、新しい仲間の力を試すいいチャンスだと思ってね。ここは僕たちに任せて!」

ドラえもんが取り出したモンスターボールからはヘラクロスが登場した。
準備運動のように立派なツノを振り回している。見るからに強そうである。
実際に戦うところを始めて見るのび太は、わくわくしながらそれを見ていた。

このヘラクロスは、甘い蜜のおかげで仲間にしたポケモンだった。
のび太は、ドラえもんが次の日になってやっと宿に戻ってきたことを思い出した。

「いい虫ポケモン連れてるじゃないか。でも、俺の方だって負けてないぜ」

少年がくりだしたのは一匹のドクケイルだった。
二本の黄色い触覚を動かし、毒々しい緑色の翅を羽ばたかせながらこちらを見つめる。

――勝負は始まった。
436あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:15:31 ID:9xpWujuX0
「頼むよ、ヘラクロス。ドクケイルをツノで突くんだ!」

指示を聞き、狙いを定めると、ヘラクロスはドクケイル目掛けて勢いよく飛んだ。
ぴくっと触覚が動いたと思うと、ドクケイルは攻撃を素早く察知し、華麗にそれを回避する。
パワフルな攻撃だったが、当たらなければどうと言うことは無かった。
それをみてのび太は叫ぶ。

「気をつけて! ドクケイルは触覚のレーダーで相手の動きを敏感に感じ取れるんだ! って図鑑に書いてあるよ!」
「そっか。……だったら!」

ドクケイルは羽ばたき、その翅から危なそうな粉を振りまき始める。
しかし、ヘラクロスの攻撃の速さはそれを遥かに凌駕した。

「ヘラクロス、つばめがえしだ!」

目にも留まらぬスピードだ。これを回避するのはまず不可能だろう。
ヘラクロスがツノを思い切り振り下ろしたと思うと、次の瞬間ドクケイルは叩き落されてていた。
どうやら効果は抜群だったらしい。ドクケイルはすでに戦闘不能のようだ。

虫取り少年の手持ちは一匹だったらしく、この勝負はドラえもんの勝ちに終った。

「つ、強いなお前!」

「まあね。そっちのドクケイルも中々だったよ」

お互いに相手のポケモンを褒めあうふたり。
そんな二人を見ていて、やっぱり勝負っていいなとしみじみ思うのび太だった。
しかしこの決着のつき方はだれがどうみても早すぎた。

「ドクケイル、次は絶対勝つぞ!」

張り切って叫ぶ虫取り少年。虫取り少年とドクケイルのたびはまだまだ続く……

437あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:18:36 ID:9xpWujuX0
とりあえずそんなバトルを終えてから二人はまたしばらく歩き、数時間が経過しただろうか。
不幸なことに雲行きが怪しくなっており、下手すると一雨来そうな雰囲気だ。
森のポケモン達もその気配を察知したのか、みんなどこかに姿を隠してしまった。

「地図によると、もう少し進めばこの森を出られるはずなんだけど……」
「道に迷っちゃったんだね」

どうやらこの森は旅人に優しくないみたいで、のび太達は途方にくれていた。
何度もここを歩いたようにも見えてくる。立ち並ぶ木々が彼らをあざ笑っているかのようだ。
こんなに長く歩いたので、のび太も限界らしく座り込んでしまった。

「もう駄目、少し休もうよ」
「まったく、そんなこと言ってる場合じゃないだろ。夜になる前にはこの森を抜けたいけど……」

そこまで言いかけ、ふとドラえもんは言葉を切る。その目の方向には、見るからに古そうな洋館が建っていた。
屋根瓦は所々剥がれ落ちていて、そもそも人が暮らしている気配が無い。
この暗い空の色と合わさり、なかなか不気味な雰囲気をもっている。
丁度その時、ぽつぽつと雨水が落ちてきた。このままもう少しすれば、本格的に降り始めるだろう。
水が苦手なズガイドスは、喜ぶポッチャマを恨めしそうな目で見つめた。

「ちょっとあそこで雨宿りさせてもらおうよ。ついでに道も聞けるかもしれないし」
「えぇーっ? ほんとに行くの?」

のび太はしぶしぶたちあがると、ぬれないようにポケモン達をボールに戻し、先行するドラえもんについていった。
次第に降ってくる雨に耐え切れず、とうとう走り出すはめになったのだが。


錆付いた柵に出迎えられ、二人は敷地の中に足を踏み込んだ。
草が伸び放題になっている庭に、オレンジ色の芝刈り機が寂しそうに置いてある。
庭はそこまで広くはなく、二人はすぐに色あせた玄関の前にたどり着いた。
しかしどういうわけか、何度呼び鈴を鳴らしても誰も現れなかった。
ドンドンと扉をたたいてみたり、大声で呼びかけてみたりするが、やっぱり誰も現れなかった。

「どうしよう、ドラえもん」
「こうなったら……悪いけど、勝手に上がらせてもらおうか」
「それっていいの!?」

確かに法的にもいろいろとまずいような気がするが、このままでは風邪を引いてしまう。
つかれきった体を休めるためにも、やはりドラえもんの言い分はもっともなように感じられた。

二人の意見が一致し、のび太は恐る恐るドアノブを捻る。
どうやら鍵がかかっていないらしく、ぎぃっと音を鳴らしながら扉はひらいた。

「すいませーん! 誰かいますかー!」

ドラえもんの声に返ってくるのは沈黙だけ。どうやら、本当に人はいないらしい。
というかそもそも、この状況を見ると人が暮らしているのかどうかすら疑問だった。
438あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:21:01 ID:9xpWujuX0
中には高級そうな赤い絨毯が敷かれているが、所々にしみができていた。
吹き抜けになっている天井には立派なシャンデリアがかかっていて、それと同時に蜘蛛の巣も張ってある。
この床に積もっているホコリを見ると、ここの館の主人は相当掃除をサボっているようだ。
というか、もうしばらくのあいだ人が住んでいないのだろう。生活臭の感じられない館だ。
訪問者を睨みつけているような石像に、のび太は軽く恐怖を覚える。

「ここ、早く出ようよ! なんか怖い!」

全員の意見が再び一致した。
なんだか見るからにヤバそうなところだ。幽霊屋敷のような散らかりようだ。
のび太は色々と不吉なものを頭に受信して震え始める。
三人は、まるで絶対に立ち入ってはいけない場所に来てしまったかのような面持ちで深く溜息をついた。

「そうだね。とりあえず戻ろっか」

ドラえもんはさっそくドアを開けてここから脱出しようとするが、しばらく固まった後、のび太に向ってにっこりと笑いかけた。
それを不思議に思ったのび太は、少々怒り気味に尋ねた。

「どうしたのさ、ドラえもん。早く出ようよ!」
「ごめん、よくわかんないけどこのドア開かないんだ。不思議だね」

二人はとりあえず笑ってみた。それしかできなかった。

439あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:24:19 ID:9xpWujuX0
それから少しの時間をかけ、二人はようやく落ち着きを取り戻す。
ドアは意外と頑丈で、いくらポケモンの技を放っても壊れることは無かった。無駄なところだけしっかりしている。
とりあえず近くにあった椅子に座り込んで、二人はこれからどうするか話し合うことにした。
窓ガラスに強い雨がうちつける。雷なんてなった日には、のび太は心にトラウマを残すことになりそうだ。

ドラえもんは真剣な目で語った。
「そういえば僕、道の途中でこんな噂を聞いたんだ。この森には、主を失った幽霊屋敷が存在するって。
通称『森の洋館』。もりのヨウカンっていう和菓子とは関係ないらしいよ。
森の洋館にはゴーストポケモンたちが住んでるみたいで、シンオウでも有数の心霊スポットっていわれてるとか」

きっとここのことなんだろうな、とのび太は悟った。
秘密道具を使えないのが本当に悔しかった。

「こんなとき、通り抜けフープでも使えたらな……」
「今はこんなこと言ってる場合じゃないだろ。なんとかしてここから出る方法を見つけないと」

そういうと立ち上がり、ドラえもんはゆっくりと奥に向って歩き始めた。

「ええっ、行っちゃうの!?」

「ここでじっとしてるよりはマシさ。怖いんならそこでまっててくれ」

そういうとドラえもんはのび太のとめる声を聞かずに進んでいき、とうとう姿が見えなくなってしまった。
一人でいるならどこにいたって怖いだろ、とのび太はなきそうになる。
心細くなるが、隣にいたポッチャマの声ではっと我に返った。

「そうだよね、トレーナーの僕がしっかりしてなくちゃね……」

ポッチャマ、ズガイドス、パチリス。全員がいるかぎりとりあえず安心だろう。
それを見て勇気付けられたのび太はとうとう決心した。

「こんなところで立ち止まってるわけには行かないや。ドラえもんたちを追いかけるぞ!」
それに続くポケモン達。仲間がいることにやっと気がつき、のび太はちょっぴり心強くなった。
きっとこの屋敷から出る方法は見つかると信じて、重い腰を上げたのだった。

440あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:26:11 ID:9xpWujuX0
……しかし、そんなのび太は屋敷中を駆け巡るが、何分経ってもドラえもんたちを見つけることはできなかった。
無駄に拾いこの屋敷には部屋がいくつもある。こんな辺境に建っていなければ、本当に最高な場所だっただろうに。

「みんなどこに行ったんだよぉ……」

のび太は並んでいる部屋のドアを順番に開けていくが、どこにも誰もいない。
この屋敷は結構広いみたいで、沢山の部屋があった。
のび太がうんざりしながら五枚目のドアを開くと、そこには一人の女の子がいた。

「やあ、この館にも人がいたんだね。気がつかなかったよ。もっと早く出てきてくれればよかったのに」

少女はにっこりと笑う。そして次の瞬間、その姿は見えなくなっていた。
かわりに、そこには一枚の円盤が落ちていた。
技マシン96「みがわり」と記されている。このうえなく不気味だ。

のび太は何事も無かったかのようにそれを拾い、現実から目を背けようとその部屋を後にした。


「どこいったんだろうなぁ、ドラえもん……」

のび太たちが階段を降りて進んでいくと、そこにあったのは大きな食堂だった。
立派なテーブルが並んでいるが、やはり床は散らかっている。本当にもったいない。
きょろきょろと観察していると、のび太は不思議なものを見つけてそちらに興味を移した。

「すごいよ、この冷蔵庫。自動で開くようになってるみたい!」

そこには、オレンジ色で明るいデザインの冷蔵庫が鎮座していた。
のび太が近づくと共に、その冷蔵庫は扉を大きく開けたのだ。

しかしそれは便利で画期的なシステムなんかじゃなくて、ただ攻撃するためだった。

441あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:30:03 ID:9xpWujuX0
そこには、オレンジ色で明るいデザインの冷蔵庫が鎮座していた。
のび太が近づくと共に、その冷蔵庫は扉を大きく開けたのだ。

しかしそれは便利で画期的なシステムなんかじゃなくて、ただ攻撃するためだった。

冷蔵庫は自分の体内から猛吹雪を放つ。
ズガイドスがとっさにのび太を突き飛ばさなかったら、あっという間に凍ってしまっただろう。
結局突き飛ばされたときの衝撃でダメージを負ったのび太だが、そんなことはいってられない。

「な、なんなんだ!?」

しかし冷蔵庫は答えない。……いや、それが普通なんだけど。
冷蔵庫は、まるで生きているかのように襲いかかってきた。



のび太は突然の出来事に驚き、必死に逃げ出した。
この館の雰囲気のせいで、相手が幽霊だと思い恐怖に支配されたのだ。
しばらく走ると、ついに見覚えのある顔に出会って感動したように声をかけた。

「ドラえもん! よかった、やっと会えた!」
「ああ、のび太くん! 無事だったんだね!」
ドラえもんとのび太は互いの無事を確かめあった。
後ろには、足の遅いナエトルを抱えて必死に飛んできたヘラクロスの姿がある。

「なにを言ってるのかわからないと思うけど、僕はさっき洗濯機に襲われたんだ。そっちは?」
「ぼくは冷蔵庫に襲われたよ。ズガイドスがいなかったら今頃……」

そこまで言いかけ、のび太はふとあることに気がつく。
知らないうちに、自分たちの周りはオレンジ色の電化製品に囲まれていたのだ。

電子レンジに扇風機、そして芝刈り機。
そして案の定、その内の一つがうなり声を上げ始めた。

「う、うわぁぁああああっ!」

独りでに動く芝刈り機に恐怖の叫びを上げるのび太。
芝刈り機から無数の鋭い葉っぱが吐き出される。当たったらひとたまりもなさそうだ。

「頼んだよ、ナエトル。葉っぱカッターだ!」

ドラえもんのナエトルも似たような技で応戦する。
しかし、技の威力は段違いだった。相手の葉っぱがナエトルの葉っぱをことごとく弾き飛ばし、結局は自分たちで回避する羽目になる。

それを楽しんでいるかのように、芝刈り機は刃を動かす音を鳴らした。
442あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:32:26 ID:9xpWujuX0
もはや冷静な判断などできなくなった二人。しかし神が少しだけ微笑んでくれたのか、ちょうどそのときのび太の懐から図鑑が落ちた。
さっとそれを救い上げると、必死にあの冷蔵庫をスキャンする。そうだ、きっとああいうポケモンガいるに違いない。
そして――その祈りは通じた。

「ドラえもん、あれはロトムっていうポケモンよ! 電化製品に潜り込んで悪さをするんだ!」
「ロトム!?」

なーんだ、幽霊じゃなかったのか。と、のび太は安心したように息をついた。
冷静に考えれば、いまは5対1。これだけ数に違いがあれば勝てるはず、と自分を励ますのび太だった。
ロトムが憑依したらしく、扇風機は一瞬輝いたように見えた。
扇風機は回転をはじめ、そこから真空の刃を飛ばす。

「ポッチャマ、バブル光線で迎え撃て!」
「ナエトルもはっぱカッターで援護するんだ!」

二匹の攻撃が激突し、エアスラッシュは防がれる。
ロトムはこれじゃあまずいと思ったのか、すぐに扇風機から飛びだす。
その判断は正しかったようで、続けて放たれた二匹の攻撃により扇風機は吹き飛ばされ、壁に激突して故障した。

「こうやって一つづつ破壊していけば勝てるよね!」

「うん。ここが持ち主を失った謎の洋館って設定じゃなかったら弁償を迫られるところだったよ」

二人が会話している間にロトムは次の電化製品に潜り込んでいた。
今度は再び芝刈り機が光り輝いたかと思うと、そこから無数の葉っぱが旋風のように飛び出してくる。

のび太とドラえもんはそれを防ごうとポケモン達に攻撃技の指示を出していく。
しかし、そこで……気のせいか芝刈り機が笑みを浮かべたような気がした。

443あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 20:44:02 ID:4jxZNA9hO
すいませんこのへんで一旦中断します
444ゲーム好き名無しさん:2009/07/20(月) 22:55:36 ID:axzN3jyxO
さるさん支援
445あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:22:26 ID:9xpWujuX0
「のび太くん、これは罠だ!」

襲い来る葉っぱを全て弾き飛ばした頃になってドラえもんが叫ぶ。
芝刈り機の中からロトムがロケットのように飛び出し、ポケモン達の間に割ってはってきたのだ。

リーフストーム自体がこのための布石だった。
全員技を繰り出したばかりで疲労し、とっさにロトムに反応できないでいた。
ロトムの放つ電気ショックがポッチャマを襲う。ポッチャマはかなりのダメージを受け、倒れてしまった。

「ああっ、ポッチャマ!」

「ナエトル、葉っぱカッターで追い払うんだ!」

葉っぱカッターによりロトムは傷を負った……といいたいところだが、ヒットしたのは影分身だった。
それどころか分身を通り越し、葉っぱカッターはその向こう側にいたズガイドスに命中してしまう。

「どこ狙ってるんだよ!」

「ご、ごめん……」

そんな混乱の隙を突き、ロトムは再び電気ショックを放つ。
ヘラクロスは強烈な電撃をくらい、耐えられたはいいものの麻痺してしまう。

「つ、強い……」

全員のコンビネーションが上手くかみ合っていなかった。
一度に複数のポケモンに指示を出すことなんて今回がはじめてだったので、それがあだになったのだろう。

ロトムはそんな風にチームワークが乱れるところを見ると、実に面白そうな笑みを浮かべた。
そして暫く考えた後……なんと、トレーナー目掛けて飛んできたのだ。

「あ、危ない!」

のび太が叫ぶも、それは既に遅すぎた。
ロトムが次に選んだ乗り移る機械は……ドラえもんだったのだ。

「うわああああっ!」

すっとドラえもんの中にロトムが入り込むと、体が一瞬だけ黄色に輝く。
乗っ取られたドラえもんは、ニヤリと口をゆがめた。どうやら完全に自我を失っているらしい。
446あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:27:27 ID:9xpWujuX0
「ど、どうしよう! ドラえもんが乗っ取られちゃった!」

のび太は予想外の自体に大混乱に陥ってしまう。
元々ピンチだった上に、信頼できる仲間が敵に奪われてしまった。しかもそれがドラえもんだっただけに、精神面へのダメージは大きかった。

「……」

ドラえもんの中からロトムは怪しい風を打ち出す。
その風に吹っ飛ばされたパチリスは地面に叩きつけられ、痛そうにうめき声を上げた。
その声で、パニックになっていたのび太ははっと我に返る。
そうだ。自分が何とかしなくちゃ始まらないじゃないか。

(ロトムは電源の入っていない電化製品を動かしてたから、ドラえもんのスイッチを切っても意味ないだろうし……
……そうだ!)

のび太に考え付く方法はこれしかなかった。

「ドラえもんはネズミが苦手なんだ! ひょっとしたら……ネズミを近づければ覚醒してくれるかも!」

のび太は知っていた。ドラえもんはネズミに対しては人一倍敏感なことを。
襲われたときの逃げ足、ジャンプ力はすざまじいものを感じるし、酷い場合では地球ごと爆破しようとしたときもあった。
どこかにネズミがいるような場所は無いだろうか。これだけ古びた洋館なんだ、一匹くらいはここを根城にしていても不自然ではない。
ロトムはそうはさせるまいとこちらへ向ってくる。まずはその動きを止めようとのび太は指示を出した。

「ズガイドスは怖い顔でロトムの動きを鈍らせるんだ! パチリスは……」

しかし、一度に二回命令しなければいけないので、やはり今までより難易度は上がってくる。
ドラえもん……いや、ロトムはそんなのび太を容赦なく攻撃した。
それを耐えつづけるのび太は次第に後悔してきた。
仕方が無い、と二匹をボールに戻すとのび太は回れ右して走り出した。
447あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:30:15 ID:9xpWujuX0
「こんなことなら……もっと複数戦に慣れとくんだった……」

必死に逃げ、階段を駆け上がる。こんなことになるなら雨に濡れていたほうがいくらかマシだった。
再び二階に上がり、無駄に多い部屋のうち一つを適当に選び(みがわりを拾った部屋は見向きもしなかった)、さっとドアノブをひねり、中に隠れる。
どうやらここの鍵は故障しているらしく、立てこもることは不可能なようだった。

「それにしても……ポケモン世界にネズミなんているのかな?」

自信が無かった。ひょっとしたら絶滅しているのかもしれないと思うほどにこの世界では動物の姿が見当たらないのだ。
しかしのび太が諦めかけたとき――救いの手は届いた。

「あっ!」

のび太はこの部屋の隅に置いてあるおもちゃ箱の中に、とあるアイテムを見つけたのだ。
保存状態もよく、未だに綺麗な色を保っているその黄色い耳をみてのび太は一瞬で理解した。

「こ、これは……『ポーズでいっぱいおしゃべりピカチュウ』!」

動かし方によっていろんな音声が出るすぐれもののぬいぐるみだ。
それはまぎれもなくピカチュウ……つまり、ねずみの形をしていた。
のび太はごくりとつばを飲み込む。これなら、ドラえもんを目覚めさせられるかもしれない。

「……」

丁度その時、無言で追いかけてくるドラえもんがこの部屋のドアを開く。
迷っている時間はなさそうだ。
震える手を押さえ、のび太は……追いかけてきたドラえもんにピカチュウを突きつけた。

「ネズミだよ、ドラえもん! 君が一番怖がり……苦手だった存在だ!
僕の知ってるドラえもんならきっと怖がってくれるはず。
強大な力に飲み込まれる前に……そんな気持ちを思い出してくれ!」

静寂に包まれた屋敷に響く愛らしいボイス。
ピカチュウの鳴き声そっくりのその音声は……ロトムの、ドラえもんの動きを止めた。
絶対的な恐怖の前に、自分の心を取り戻したのだ。

「ね、ねずみぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

ドラえもんは言葉にならないくらいの奇声を上げた。
そとでなりひびいた雷にも負けないくらいの叫びが屋敷中に轟いた。


――ドラえもんはどさっと倒れこんだ。
448あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:33:31 ID:9xpWujuX0
それから数分後の話だ。

ロトムはドラえもんから計り知れないエネルギーを感じ取ったのか、あのあとすぐに逃げて行ってしまった。
ひょっとしたらと玄関のドアノブをひねってみると、今度はちゃんと開いてくれた。
どうやらここにのび太たちを閉じ込めていたのはロトムのイタズラだったらしい。

そして当のドラえもんはまだ気絶したままで、ナエトルがそれを心配そうに見つめている。

「ロトムはイタズラ好きなポケモンなんだよな。きっと悪気は無かったんだろうけど……」

この屋敷はもう人が随分と住んでないみたいだから、きっと脅かす相手がいなくて寂しかったのだろう。
のび太はそんな事を考えていると、なんだか悲しくなって溜息をついた。
しかし丁度その時外で雷がなり、のび太はびっくりして尻餅をついてしまう。
わりと近くに落ちたようだ。鋭い音がこの森に轟いた。

「もうなんなんだよぉ……」

この幽霊屋敷のような雰囲気にのび太はついさっきのことを思い出しかけるが、首を振って無理やり忘れる。
結局、最後まであの女の子について明らかになることはなかったらしい。


449あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:37:39 ID:9xpWujuX0
「トリトドン、泥爆弾だ!」

トリトドンの口から泥の塊が吐き出される。
勢いよく飛んでいくそれは、いやな効果音を立てながら相手のワンリキーに直撃した。
野生のワンリキーは体勢を立て直すと、その威力に恐れをなして逃げていく。
そして出木杉はトリトドンの頭をいとおしそうになで始めた。

「今日も最高に美しいよ、トリトドン。コンテスト出場も考えといたほうがいいかもしれないね」

トリトドンは気持ちよさそうに鳴き声を上げる。本当に出木杉に懐いているようだった。
どうやら彼は見かけによらずポケモン達に愛される才能があるらしく、すでに手持ちの三匹とは固い絆で結ばれていた。

「さて、そろそろ次の町だ。ちょっと休憩するかな」

出木杉はヨスガシティに向い、歩き始めた。今は日没ごろなので丁度いいタイミングで次の町にたどり着けたといえよう。

しばらくしてポケモンセンターに入ると、出木杉は真っ先にジョーイさんのところへ向う。
そして手持ちの三匹(ポリゴン、ビッパ、トリトドン)を預けると、すこし考えるような素振りを見せてからセンターの隅のほうに足を進めた。
その先にあったのは、青い形のパソコンである。
450あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:40:53 ID:9xpWujuX0
「ちょっと気になることがあるんだよな」

このパソコンはトレーナーなら誰でもつかっていいことになっている。
トレーナーカードのID(実はのび太たちも最初センターによったとき発行してもらってる)を入力すると、すぐに自分用の場所に接続できるのだ。

他の皆は絶対にこのパソコンを使わないだろうという確信が出木杉にはあった。
だってDPt世界ではどうぐあずかりシステムが存在しないし、ポケモン預かりシステムの世話になるほどのポケモンを捕まえるとは思わない。
ここは画面の向こうに広がるポケモン世界とは違う。六匹以上のポケモンに面倒を見るほどの余裕は無いはずだ。
他には大して使う機能がないので、きっとみんな見向きもしない……というか存在を忘れているだろう。

出木杉はそんなことを考えながらさっそくIDを入力すると、モニターの中にはすぐに表示が出てきた。

『ミズキのパソコン』『出木杉のパソコン』『ナナカマドのパソコン』などが並ぶ。
いたって普通の光景のように見えるが、出木杉は逆に頭を抱えて考え込む。
その理由は単純だった。

「どうして僕のパソコンが登録されているんだ……」

そう。出木杉はこのパソコンを使うのがはじめてだった。
デフォルトで登録される、トレーナーに必須の『ミズキのパソコン』はわかるが……残りの二つは明らかにおかしい。
誰がいつ登録したんだ。そもそも、出木杉はこの世界でパソコンを買ったりした覚えなど無い。

これもあのエムリットの仕業なのか? そもそも、エムリットは自分たちになにをさせようとしているんだ。
というか、あのエムリットだけのたくらみだけではないかもしれない。ひょっとすると、裏にトレーナーがいたりして……

(今は考えていても仕方が無いな。とりあえず、目の前のことに集中するとしよう……)

自分にそう言い聞かせると、出木杉は最後になんとなく自分のパソコンに接続してみた。
しかしそこであるものを見て、さっき以上に驚く。驚愕、といった表現が正しいだろう。

「そんな……!」

しかしそこで自分の声の音量に気がつき、はっと口を閉じる。
まわりの人々がびっくりしたような目で自分を見ていたので、ちょっと気まずかった。

「それにしても、どうなってるんだ? これじゃあ、まるで……」

出木杉は「考えたくない」と、とりあえず思考を停止することにした。
しかし脳内にはどうしてもあるシナリオが浮かんできてしまう。
このことはなるべく他の皆には伝えないようにしよう、と出木杉は思うのであった。

451あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/20(月) 23:44:32 ID:9xpWujuX0
これで投下終了です。
なんか無駄に書きためがあるからしばらく定期投下できるかもしれない
452ゲーム好き名無しさん:2009/07/20(月) 23:47:27 ID:aakxjF4GO
半分諦めてたが、そんなに書き溜めてたのかw
定期投下とか嬉しすぎるわ、乙
453ゲーム好き名無しさん:2009/07/21(火) 14:34:08 ID:cNLw6h36O
投下乙
出木杉は何に気付いたのか気になるなぁ

ところで今まで投下できなかったのは規制されてたから?
454 ◆QxWLPEFfHw :2009/07/21(火) 21:42:08 ID:Ln4weUtW0
そうだよ。なんか二ヶ月くらい巻き込まれてた
また規制されるかもしれないのが怖いな・・
455ゲーム好き名無しさん:2009/07/21(火) 23:07:44 ID:hsAvHOkNO
ずいぶん長い規制だな…規制されたってことは生存報告も出来なかったんだな
まあ今回の投下で凄く安心したよ
456ゲーム好き名無しさん:2009/07/22(水) 01:04:31 ID:jeXCDOYIO
乙!ほんと森の洋館の怖さは異常だよな。ゲームとは思えないほど怖い…謎だらけだし
しかし、出木杉は何を見たんだ?気になる…
457ゲーム好き名無しさん:2009/07/24(金) 17:53:40 ID:Hjv2+0XTO
以前のが見たいんだけどまとめとかあるのかな…??
458ゲーム好き名無しさん:2009/07/24(金) 19:13:45 ID:oWhkvhEeO
そういやまとめwikiって今どうなってるんだろ
459ゲーム好き名無しさん:2009/07/24(金) 20:43:16 ID:Km6yOMSuO
んなもんねーよ
460ゲーム好き名無しさん:2009/07/25(土) 20:02:54 ID:av49ntONO
wiki消えちまったのか…
461ゲーム好き名無しさん:2009/07/27(月) 15:16:46 ID:BXEp7sQ10
俺の小説読みたい奴いる?
462ゲーム好き名無しさん:2009/07/27(月) 19:59:46 ID:/2w5dTUKO
どんな小説なのか知りたいとこだが…
でも実際作者が少ないから、投下してくれるとありがたい
463長編小説―苦闘物語 ◆7XxgpLHpxM :2009/07/27(月) 23:18:49 ID:BXEp7sQ10
じゃあ投下するね
464長編小説―苦闘物語 ◆7XxgpLHpxM :2009/07/27(月) 23:19:51 ID:BXEp7sQ10
#プロローグ

「トドメだガブリアス! ドラゴンダイブ!!」
倒れているゴウカザルに、ガブリアスが最後の攻撃を加える。
これによってゴウカザルは瀕死状態になってしまった。
「そんな、僕が負けるなんて……」
少年、のび太は無情にも突き付けられた現実に狼狽する他なかった。
「勝敗は決した。もうお前の仲間は助からない」
男が冷たい声で言い放つ。

「そんな……! 嫌だ……! ドラえもおおおおおん!!!」



「……!」
のび太は目を覚ました。夢だったのだ。
「もう、何だよのび太くん。うるさいなぁ」
同じく寝ていたドラえもんものび太の大声で起こされたようだ。
「怖い夢でも見たの?」
寝ぼけ眼を擦りながら問いかけるドラえもん。
のび太は放心状態のまま、窓の外を見ながら呟いた。
「いや……一体何だったんだ、あの夢は……」

時は十一月上旬の深夜。冷たい風がしきりに部屋に吹き込んでいる。
この日見た夢が後に彼らの運命を大きく左右する冒険の端緒になる事など、今の彼らが知る由も無かった。
465長編小説―苦闘物語 ◆7XxgpLHpxM :2009/07/27(月) 23:21:18 ID:BXEp7sQ10
とりあえず今日は冒頭部分だけなのでこれで投下終了とさせてもらいます。投下頻度は1週間に1度が目安ですかね
466ゲーム好き名無しさん:2009/07/27(月) 23:43:42 ID:/2w5dTUKO
乙。本格的には来週からみたいだからコメントは出来ないが…
とにかく毎週楽しみに待たせてもらうよ
467ゲーム好き名無しさん:2009/07/28(火) 13:38:45 ID:KwluGU8gO
臭い
468ゲーム好き名無しさん:2009/07/28(火) 23:16:43 ID:UnKxB/67O
定期投下が2人になれば嬉しいが…
まああまり期待しすぎるのも怖いし軽い気持ちで待ってる
469ゲーム好き名無しさん:2009/07/29(水) 14:24:05 ID:O5mfBpYG0
俺も書こうと思うけど舞台にする地方で希望とかある?
470ゲーム好き名無しさん:2009/07/29(水) 23:27:24 ID:liQs+S8RO
フィオレ(レンジャー)とか言ったら怒る?
フィオレがダメならホウエンをお願いしたい
471ゲーム好き名無しさん:2009/07/30(木) 12:55:08 ID:IdsTAs8X0
誰がこんな過疎スレで書くかよ
死ね
472ゲーム好き名無しさん:2009/07/30(木) 20:15:59 ID:13xxMhBsO
469が書くって言ってんだろうが
てめえが死ね
473ゲーム好き名無しさん:2009/07/30(木) 20:19:33 ID:IdsTAs8X0
>>469だが?糞携帯氏ね
474ゲーム好き名無しさん:2009/07/30(木) 21:50:05 ID:awFrSR8bO
冷やかしは帰ってください
475ゲーム好き名無しさん:2009/07/30(木) 22:39:37 ID:13xxMhBsO
人に勝ってるところが無いからPC使って携帯を馬鹿にすることしか出来ないんだな
「携帯厨」とか言い出す奴の典型的な例だな
476ゲーム好き名無しさん:2009/07/30(木) 23:26:10 ID:vBZkO1Ca0
>>475
そうやってすぐ噛み付くからアレコレ言われるんだろ
477ゲーム好き名無しさん:2009/07/31(金) 01:23:37 ID:14qaspih0
冷やかしがあるだけマシと思わないか?もうこのスレ5人も残ってないと思うんだが
478ゲーム好き名無しさん:2009/07/31(金) 05:06:59 ID:juzQUnFRO
>>475は携帯が馬鹿だと言われる理由の典型例みたいなレスだな
479ゲーム好き名無しさん:2009/07/31(金) 11:56:05 ID:Gh6FbikJO
5人はいそうだぞ
480ゲーム好き名無しさん:2009/07/31(金) 13:24:00 ID:Qh7F+GXGO
まともな住人は五人もいればいいとこだろーね、本当に落ちぶれたな
481あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:11:59 ID:K7BMZwlg0
苦闘物語氏乙です。投下します
482あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:13:08 ID:K7BMZwlg0
「どうしようかなぁ……」
爽やかな朝だ。暖かな日差しの元で、鳥ポケモン達が今日も元気に飛んでいる。
そんな素晴らしい一日の始まりだというのに、のび太はポケモンセンターのロビーで難しい顔で考え事をしていた。

ここはハクタイシティ。ハクタイの森をやっと抜けて、昨日の夜ついたばかりだ。
のどかで何も無い田舎町だが、のび太は結構この雰囲気を満喫していた。

のび太が今頭を悩ませている原因は、言うまでも無くジム戦にあった。
ハクタイジムでのバトルは最近ダブルバトル方式になったらしく、その経験が無いのび太はどうするか迷っていたのである。
ダブルバトルは二体のポケモンを出すルールだ。なので当然、指示を出す難易度も一対一より上がってくる。
ロトムのとき一度に三匹に指示を出そうとして失敗したので、その難しさはよくわかっているつもりだった。
それと、あともう一つの理由はポッチャマにあった。

「わかったわかった! もう君を出すことは決めてあるから大丈夫だって」
ポッチャマは朝早くからずっと張り切っていた。一方のパチリスとズガイドスは眠たそうに欠伸しながら早速二度寝の体制に入っているのだが。
……この様子だと、今度のジム戦に対してよほどの思いを持っているのだろう。
今思えば、ポッチャマは最近、重要なトレーナー戦であまり活躍ができないでいた。
スネオ戦では超音波で混乱させられたまま終り、マーズとのバトルではすぐに眠らされてしまった。
そんなわけで、ポッチャマはこのバトルに勝って自分のプライドを保とうとしているに違いない。
つまり、ここで負けたりなんか絶対にできないということだ。

しばらくそうして悩んでいると、向こうからドラえもんが歩いてくる。
「珍しく早起きだね、のび太くん。偉いじゃないか」
「いやぁ、ポッチャマに起こされちゃってさ。それより聞いてよドラえもん!」
のび太は、さっそく今悩んでいたことをドラえもんに話す。
うんうんと頷きながら聞いてくれ、しばらくしてドラえもんはぽんと手をたたいた。
「じゃあさ、一回練習して見ようよ。僕もダブルバトルなんてやったことないしさ」
バトル、と聞いてポッチャマはこちらに顔を向ける。
もはやその誘いを断る理由は無いので、のび太はすぐにOKした。
だが、「でも……」と、のび太は欠伸をしながら続きを話す。
「まだ朝早いからさ。あと一時間寝かせて……」
「もう、そんなんだから君は怠け癖が着くんじゃないか。さ、早く始めるよ!」
有無を言わせず、ドラえもんは強引にバトルを始めることにした。
483あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:18:18 ID:K7BMZwlg0
「二体二でいいよね? 一匹でも戦闘不能になったほうの負けだ」

二人はポケモンセンターの隣にある空き地に移動していた。
何も無く寂しい場所だが、中々の広さもあり、まさにバトルの練習にはもってこいである。
朝に弱いのび太は気が乗らなかったが、朝日を浴びているとだんだん目もさえてきたので考えを変えることにした。

「こうなったらやるしかないか。いくよ、ポッチャマ。パチリス!」
二匹がのび太の前に出てくる。対するドラえもんのポケモンはヘラクロスとナエトルだ。
このヘラクロスの強さは昨日の虫取り少年戦でよくわかった。向こうが弱かっただけかもしれないが。
とりあえず、のび太は練習試合とはいえ少し警戒することにした。
ドラえもんが試合開始の合図をする。二人の初ダブルバトルが始まった。

「えーと、パチリス! ヘラクロスに電磁波!」
のび太はヘラクロスのパワーを警戒してそう叫ぶ。そりゃあ戦闘中あんなに暴れ回られていたら、警戒するのが普通だろう。
しかしドラえもんのほうが一枚上手だった。なんと、のび太が思ってもいないような技を使ったのである。

「ヘラクロス、身代わりだ!」
指示を聞くとヘラクロスは自分の体力を削り、自分そっくりの身代わりを作り出した。
電磁波はその分身に当たったため、ヘラクロスには何の異常も無い。どうやら、中々厄介な技のようだとのび太は判断する。
相手を惑わすだけの影分身とは違い、こちらのほうは直接自らを守る盾になってくれるらしい。

「昨日、君に貰った「技マシン96」で覚えさせたんだよ!」
「そ、そんなにいい技が入ってたなんて……」
そう。実はあの後、のび太は拾った技マシンをドラえもんに譲っていた。
のび太は一瞬そのことを後悔したが、例の少女のことを思い出してその考えを頭から捨てる。
余計なことは忘れてしまおうと思い、のび太は再びバトルに集中した。
484あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:22:30 ID:K7BMZwlg0
「でも、どうしよう……パチリスの攻撃だけじゃ身代わりを敗れないかもしれない……」
本当は体力の四分の一しかない身代わりの強度を知らず悩み始めるのび太に、ポッチャマの声が飛んでくる。
そうか、これはダブルバトルだった! と、のび太はやっと理解した。
効果がいまひとつでも二匹同時なら届くはずだと解釈したのび太は、右手の人差し指をヘラクロスに突きつけ、次の指示を叫んだ。

「ポッチャマ、バブル光線。パチリスはスパークだ!」
パチリスの素早い攻撃とポッチャマのバブル光線が連続でヒットして、身代わりは一瞬で破壊された。
自分を守る盾が無くなり焦るヘラクロスだが、ドラえもんは不気味なほどに冷静だった。

のび太はひとつ重大なミスを犯していた。

「ナエトル、葉っぱカッター」
「し、しまったぁああ!」

そう、これはダブルバトル。相手も当然二匹のポケモンで勝負している。
最近目立った活躍が少なかったためかナエトルの存在にまで気が回らなかったのび太は、見事に墓穴をほってしまったというわけだ。
勢いよく飛んでくる葉っぱカッターでダメージを負い、体制を崩す二匹。
そして、それを待っていたかのようにヘラクロスが超スピードで突っ込んできた。
かなりの痛手を負ったポッチャマの前で、体に力を溜め始める。
やがてそれは見ていて恐怖を感じるほどになり、ドラえもんは次の指示を出した。

「ヘラクロス、つばめがえし!」
「ああっ、ポッチャマ!!」

渾身の技を受け、ぽてっと地面に倒れるポッチャマ。
誰がどう見ても先頭不能である。のび太の初ダブルバトルは敗北に終った。

485あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:25:50 ID:K7BMZwlg0
「うまく行かないなぁ……」
「最初から上手な人なんていないよ。ま、そのうち慣れるだろ」

その後もしばらくだらだらと練習を続け、のび太たちは少し休憩することにした。
連戦で疲れがたまっていたため、ポッチャマもおとなしくそれに従う。
木陰で気持ちいい風と疲労感に包まれながらのび太は寝転んだ。割と早起きも悪くは無いと思った。

「でも、やっぱり四匹のポケモンに気を配るなんて難しすぎるよ。なんとかできないかな……」
「あなたたち、どうやらお困りのようね」
さっと振り向く。いきなり声をかけてきたのは黄色い髪の女だった。
どこからともなく現れたその人は微笑を浮かべながら語りかける。
「なんだかあなたたちのバトルを見ていたらほうっておけなくなってね。よかったら色々と教えてあげるけど……どう?」
そういうと、彼女は一つのモンスターボールを宙に投げはなつ。
ボールが地面に着くと共に出てきたのは、大きなドラゴンポケモンだった。
その鋭い瞳が強さを示すかのように黄色く輝いている。

「私のパートナーのガブリアスよ。私、バトルには自信があるの」
「す、すごいや!」
その外見に感動し、がばっと起き上がるのび太。
このポケモンはよくゲームでジャイアンが使っていたので、頭の片隅に残っていたのだ。
やっぱり実際に見るとかっこいいな……と、疲れが吹き飛んだかのようにガブリアスを見つめ続けた。

「ぜひお願いします。いいよね、ドラえもん?」
「うん、僕達だけで悩むよりはずっといいもんね。僕からもお願いします!」
二人の返事を聞いて、彼女は満足そうに頷いた。

「素直でいいわね。
……私の名はシロナ。ここじゃあ近所に迷惑だから、少し場所を変えましょうか」
486あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:30:05 ID:K7BMZwlg0
シロナに案内され、のび太達は大きな丘の上にやって来た。
ここはなかなかの標高に位置するらしく、とても涼しい風が吹いてくる。
たくさん歩いたのでぜえぜえと息を切らすのび太だが、そこから見える景色を見てぱっと顔が明るくなった。

「いい眺めでしょう? ここは私のお気に入りの場所なの」
眼下にはハクタイシティが広がっている。
遠くに目をやると巨大なテンガン山が広がっていて、その迫力がひしひしと伝わってきた。
青い透き通るような空をバックにしたその光景は見ているものの気持ちを高揚させるかのようだった。

「シロナさん、あれはなんですか?」
ドラえもんが指差したのは二つの大きな石像だった。
色あせていたり傷がついていたりと、作られてからかなりの時間がたっていることがわかる。
圧倒的な存在感を放つその姿に……のびたは、はっと気がついた。

「これ、ディアルガとパルキアだよね!」
そう。その姿は
ダイヤモンドとパールのパッケージにそれぞれ描かれているポケモン、ディアルガとパルキアのそれだった。
有名なので、最近のポケモンに興味のある人ならわかるであろう存在だ。

「そうよ。遥か昔に時間と空間を作ったといわれる神のポケモン。私の故郷でもこの神話は有名なのよ」
そこまで喋ると、シロナは手に二つのモンスターボールを取った。
どうやら話はここまでということらしく、そのボールを宙に投げる。
「そろそろ特訓に入りましょう。ここでのんびりするために登ってきたんじゃないしね」
登場したのは岩を引きずっているゴーストポケモンとさっきのガブリアスだ。
図鑑で確認すると、コイツの名はミカルゲというらしい。ゴースト+あくタイプという珍しいポケモンだ。
シロナは二人を見据えて語った。
「あなたたちはまず、二匹のポケモンに同時に命令することに慣れないといけないわ。初心者が一番つまづきやすいのはここね。
そこで私の出す課題は……とりあえず、ダブルバトルでこのガブリアスに一撃でも攻撃を与えること。
それができたら、次の段階へ進みましょう」
487あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:33:30 ID:K7BMZwlg0
その言葉とともにのしのしと前に出てくるガブリアス。
たしかに強そうなポケモンだが……一撃与えるだけでいいなら簡単のような気がしてきた。
そんなわけでのび太はさっそく手を上げる。
「じゃあまず僕が行きます! いいよね、ドラえもん?」
「ああ、君に譲るよ。思う存分やってくれ」
のび太のポケモンはさっきと変わらずポッチャマとパチリス。
ポッチャマはレベルの差を感じ取ったのか、相手をかなり注意深くみつめている。
こうしてシロナとのび太のダブルバトルが始まった。

「積極的でいいわね。あと、最初に言っておくけど……手加減はしないわよ?」
「ええ。全力でいいですよ! パチリス、かげぶん……」

その言葉を遮るように巨大な爆音が朝の空き地に轟く。
「ガブリアスがいきなり破壊光線を放った」とのび太が気がついたのは、ほんの少し遅れてからだった。
舞い上がる砂煙の中……シロナは平然とした顔で言った。

「言ったでしょう、手加減はしないって。
でもね……本当に強くなりたいなら、こうでもしないとこの先生き残れないの。大丈夫。この修行が終ったら、あなたはかなり強くなっているはずよ!」
「そ、そんな! ちょっとまって!」
しかしそんな声も虚しく、ミカルゲは容赦なくシャドーボールを放ってきた。
まずい……このままじゃ本気で危ない。そう悟ったのび太は、色々と突っ込みたい気持ちを捨て、目の前の相手に集中することにした。
辛うじてシャドーボールを避け体勢を立て直した二匹に、のび太は指示を出す。

「パチリスは電光石火。ポッチャマはバブル光線でガブリアスを狙うんだ!」
猛スピードで突っ込むパチリス。弾丸のようにバブルを飛ばすポッチャマ。ガブリアスは何故か動かない。回避しようとしない。
これはいける! とのび太が勝ちを確信した……そのとき。
「ミカルゲ、シャドーボール」

その一言で二匹の攻撃は失敗に終った。
シャドーボールがパチリスを跳ね飛ばし、そのままポッチャマのバブル光線をはじきつつ向ってくる。
勿論、こんなこと予想外だったためポッチャマもパチリスと同じく吹き飛ばされてしまった。
488あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:38:46 ID:K7BMZwlg0
その言葉とともにのしのしと前に出てくるガブリアス。
たしかに強そうなポケモンだが……一撃与えるだけでいいなら簡単のような気がしてきた。
そんなわけでのび太はさっそく手を上げる。
「じゃあまず僕が行きます! いいよね、ドラえもん?」
「ああ、君に譲るよ。思う存分やってくれ」
のび太のポケモンはさっきと変わらずポッチャマとパチリス。
ポッチャマはレベルの差を感じ取ったのか、相手をかなり注意深くみつめている。
こうしてシロナとのび太のダブルバトルが始まった。

「積極的でいいわね。あと、最初に言っておくけど……手加減はしないわよ?」
「ええ。全力でいいですよ! パチリス、かげぶん……」

その言葉を遮るように巨大な爆音が朝の空き地に轟く。
「ガブリアスがいきなり破壊光線を放った」とのび太が気がついたのは、ほんの少し遅れてからだった。
舞い上がる砂煙の中……シロナは平然とした顔で言った。

「言ったでしょう、手加減はしないって。
でもね……本当に強くなりたいなら、こうでもしないとこの先生き残れないの。大丈夫。この修行が終ったら、あなたはかなり強くなっているはずよ!」
「そ、そんな! ちょっとまって!」
しかしそんな声も虚しく、ミカルゲは容赦なくシャドーボールを放ってきた。
まずい……このままじゃ本気で危ない。そう悟ったのび太は、色々と突っ込みたい気持ちを捨て、目の前の相手に集中することにした。
辛うじてシャドーボールを避け体勢を立て直した二匹に、のび太は指示を出す。

「パチリスは電光石火。ポッチャマはバブル光線でガブリアスを狙うんだ!」
猛スピードで突っ込むパチリス。弾丸のようにバブルを飛ばすポッチャマ。ガブリアスは何故か動かない。回避しようとしない。
これはいける! とのび太が勝ちを確信した……そのとき。
「ミカルゲ、シャドーボール」

その一言で二匹の攻撃は失敗に終った。
シャドーボールがパチリスを跳ね飛ばし、そのままポッチャマのバブル光線をはじきつつ向ってくる。
勿論、こんなこと予想外だったためポッチャマもパチリスと同じく吹き飛ばされてしまった。
489あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:42:18 ID:K7BMZwlg0
「そ、そんな!」
どうやらこのミカルゲ、そうとうなレベルのようだ。
二匹の攻撃をこうもあっさりと防いでしまうなんて……絶対に只者じゃない。
のび太は次の指示を出そうとした。しかし、無情にも相手のほうが早かった。
ガブリアスは再び動き出す。そして、口に破壊のエネルギーを溜め始めた。
さっきと同じ光景に、のび太は思わず叫んだ。
「避けて、二匹とも!!」

飛んでくる破壊光線。それは轟音を立て、地面を軽々と破壊する。
空き地はもはや荒れ放題になっていた。二度の破壊光線により……地盤が緩んでしまったのである。
立ちはだかるガブリアス。そして、それを守るミカルゲ。
「の、のび太くん……頑張って!」
後ろでドラえもんが応援してくるが、のび太は正直くじけそうになっていた。
滅茶苦茶だ。こんなのクリアできるわけないよ! と。
490あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/07/31(金) 22:45:16 ID:K7BMZwlg0
投下終了。
途中のは大事なことなので二回書きました
491ゲーム好き名無しさん:2009/07/31(金) 23:44:27 ID:14qaspih0

応援してるから頑張れ!
492ゲーム好き名無しさん:2009/07/31(金) 23:54:12 ID:Gh6FbikJO
まだこのスレに投下してくれるなんて、感謝してもし尽くせない…
ありがとう、乙
493ゲーム好き名無しさん:2009/08/01(土) 13:06:41 ID:xoYsAQeKO

もうスパルタなんてもんじゃないなww
494ゲーム好き名無しさん:2009/08/04(火) 08:44:19 ID:9oGa8BVG0
晒し上げ
495ゲーム好き名無しさん:2009/08/05(水) 20:43:34 ID:5clPsNqzO
クッソスレ
496ゲーム好き名無しさん:2009/08/05(水) 21:57:51 ID:5gJeeBDL0
ゴミスレsage
497ゲーム好き名無しさん:2009/08/07(金) 00:10:35 ID:fXWfgFR40
のび太誕生日おめ
公式設定によると今年で45歳だな
498ゲーム好き名無しさん:2009/08/07(金) 00:59:24 ID:X8xf5F02O
うわ中年もいいとこじゃんw
499ゲーム好き名無しさん:2009/08/08(土) 00:42:11 ID:TOzq6BB3O
新参ですが、いま余分に書き溜め中です
投稿した暁にはよろしくお願いします
500ゲーム好き名無しさん:2009/08/08(土) 09:44:40 ID:ZaEuGD8QO
そうか。ここは住人に紛れて作者を叩く荒らしが隠れてるから気をつけてな
楽しみにしてるぞ
501ゲーム好き名無しさん:2009/08/08(土) 17:09:24 ID:QwJnMbN60
また携帯かよ
502ゲーム好き名無しさん:2009/08/15(土) 02:38:40 ID:6RSpHsAk0
保守
503あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 21:51:11 ID:QAjJyH6+0
投下します
504あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 21:53:25 ID:QAjJyH6+0
シロナとの特訓開始から数十分が経過していた。
強力な破壊光線に、隙のないシャドーボール。
いまだにガブリアスに攻撃を当てることはできないが……のび太はひとつ気がついたことがあった。

何故かは知らないが、ガブリアスは破壊光線を打った後暫く動けないということだ。

よほど反動が強いのか、ガブリアスはいつもそこで動きを止める。
そしてミカルゲの役目は、多分そこに攻撃が来ないようカバーすることなのだろう。
二匹が役割を分担し、とても息の取れた連係を築き上げている。
のび太はこのバトルを通じて少しづつ学んでいった。ダブルバトルの奥の深さというものを……

「どうしたの? もうギブアップかしら」

「いいえ、そんなことはありませんよ。パチリス、電光石火!」

ガブリアスの破壊光線が終り、またミカルゲがそれをカバーする体制に入った。
それをチャンスと踏んだのび太はパチリスに攻撃を命じたわけだ。

このタイミングで二匹に攻撃を指示するたびにミカルゲにあっさりと防がれてしまっていた。
だが、今回は一味違う。少なくとものび太はそう考えていた。

「何度やってもおなじよ。ミカルゲ、シャドーボール!」

「パチリス、影分身で避けるんだ!」

シャドーボールが勢いよく飛んでくる。
パチリスはそれを素早く避け、残像を作りながら突進していった。

「そのまま電磁波だ!」

ミカルゲに飛びついたパチリスは電磁波を浴びせ、麻痺させる。
これにより動きを鈍らせたミカルゲは行動を遅らされてしまった。
ミカルゲさえ封じてしまえばガブリアスは隙だらけなのだ。のび太はそれに気がつくまでにかなり時間がかかった。
505あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 21:56:28 ID:QAjJyH6+0
「いまだポッチャマ。バブル光線!」

「ミカルゲ、ガブリアスを守って!」

今度はシャドーボールの妨害も無しにバブル光線は放たれる。
さっと攻撃の間に割り込もうとしたミカルゲだが……麻痺しているためか、なかなか思うように動けない。
その間にも勢いを増すバブル光線は一直線に飛んでいった。

しかしここで不運なことに、ガブリアスはぴくっと腕を動かす。
そう。破壊光線の反動による行動の制限が終り、ついに再び攻撃の態勢に入ったのだ。
龍の波動でバブル光線を打ち消したガブリアスは……勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「そ、そんな!」

再び口に破壊のエネルギーを溜めるガブリアス。
それは徐々に増していき……やがて爆発しそうな勢いにまで膨れ上がった。
この攻撃を受けたらひとたまりもない。しかしまた回避してもせっかくのチャンスがなくなってしまう。

しかしのび太は気がついた。
ガブリアスのすぐ近くには……まだパチリスがいる!

「パチリス、今のうちに電光石火を決めるんだ!」

その指示を聞くと、パチリスは目にも留まらぬスピードで駆け出した。
龍の波動を放ったときに消費したエネルギーのぶん、その直後に発動された破壊光線の準備時間が長引いたのだろう。

まさに発射寸前というその瞬間――パチリスの攻撃はガブリアスの腹部にヒットした。

「や、やった!」

急に力が抜けたかのように膝をつくのび太。
これだけのレベルを持ったポケモンを相手にしていたので、かなり緊張していたのだろう。
この修行では、ガブリアスに攻撃を当てた時点で合格になる。
シロナは微笑み、ぱちぱちと拍手を送ってくれた。
506あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 21:59:47 ID:QAjJyH6+0
のび太たちが過酷な修行を受けている時のこと。

「まったく、あの自転車全然スピードがでなかったな。無料レンタルとはいえほんと最悪だったぜ!」

ぶつぶつ文句を言いながらサイクリングロードのゲートを出て行く人の姿……それはまさしくジャイアンのものだった。
そのバッジケースの中には、すでに二つのジムバッジが収められている。
草タイプ使いのナタネとはモウカザルの相性が抜群だったので余裕で突破してしまったのだろう。

「ん? なんだよ、あの人だかりは」

ただでさえ機嫌が悪いのに、さらにそれを加速させるようなことが起きた。
なんとこんななにもないような道で沢山の人間がひしめきあい、通行の邪魔になっているのだ。
どうやら何かあったらしい。ジャイアンはふと手持ちのポケモン達にめをやった。

「今のコイツじゃ空飛んであれを越してくこともできねえしな……」

そこのボールに収められていたのはムクバード。威嚇が得意なジャイアンにぴったりのポケモンだった。
悪態をつき、仕方無しにジャイアンはその人だかりの中に突っ込んでいく。
そしてきょろきょろと辺りを見回し、適当に短パン小僧と思しき少年の肩を掴む。

「おいお前、ちょっと聞きたいことがあるんだが」
「は、はいっ!?」

その威圧感に短パン小僧は飛び上がる。ムクバードの威嚇など話にならないレベルである。
ジャイアンがこの状況について問いつめると、短パン小僧はおびえながらも早口で解説した。

「この人たちは……サンダーを探しにやってきた人たちなんですよ」
507あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:04:14 ID:QAjJyH6+0
「さ、サンダー!?」

短パン小僧の言葉に飛び上がるジャイアン。
それもそうだろう。サンダーといえば伝説の鳥ポケモン。捕まえればかなりの戦力になる。

「は、はい……どうやら昨晩、ここでサンダーを見たって人がいたんで……それで……」

「なるほど。それでこいつらは血眼になって探してるってワケか」

よく見ると確かに周りの人々はポケモンを連れている。一目でトレーナーだとわかった。
確かに、サンダーはプラチナで野生ポケモンとして登場する。きっとその設定はこの世界でも同じなのだろう。
ジャイアンはこれを好機だと判断し、さっそくモンスターボールを手に取る。短パン小僧も興味が自分から離れた今が好機だと判断して一目散に逃げ出した。

「お前ら、話しは聞いてただろ。早速サンダーを探して来い!」

ジャイアンはボールからモウカザルとムックルを取り出すとすぐにそう命令する。
しかし肝心の二匹はきょとんとした表情でいまいち反応がぱっとしない。

「……ああ、お前らは知らないんだったな。サンダーってのは電気タイプの鳥ポケモンでかなり強そうな奴だ。わかったか?」

それだけの説明で探せというのもむちゃくちゃな話だが、それを聞いて一番嫌がったのはムクバードだった。
もう見るからに嫌そうな顔をしている。ジャイアンはその顔を暫く睨みつけ、やっとその理由がわかり、ふんと鼻を鳴らした。

「そうか、お前電気タイプは苦手だったな……」

やっと理解してもらえてムクバードはほっと安心したように息をつく。
通常のジャイアンならここで有無を言わせず行かせるところだが、彼もここにくるまでそれなりに危険な目にあっているのだ。
その分微妙に慎重さが増していたのでムクバードは救われたというわけだった。

「お前らの力だけじゃサンダーには勝てなさそうだしな……しゃあねえ、新しく地面タイプを捕まえるか」
508あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:07:38 ID:QAjJyH6+0
しかし肝心なところはダメだった。レベル差を考慮して挑戦を諦めるというところにまで考えは及ばなかったのである。
というわけでジャイアンは地面タイプのポケモンがいる場所を必死に思い出し始めた。

「……そうだ、サイクリングロードといえばアイツがいる場所のすぐ近くじゃねえか!」

ジャイアンは二匹をボールに戻すと、今来た道を逆走して行った。
向う先は……サイクリングロードの脇の荒れ果てた裏道のようなところだった。

「ここだ。ここならすごい地面タイプを捕まえられるぞ!」

数時間後ジャイアンがたどり着いたのは普通は気がつかないような小さな入り口だった。
迷いの洞窟の隠し部屋のようなところだ。ここに注意を向けるトレーナーは極少数だった。
ジャイアンはその洞窟に足を踏み入れると、ずかずかと進んでいった。
洞窟内は静寂が支配し、ひっそりと佇む野生ポケモン達の気配が不気味な空間を作り上げている。

「薄暗いな。モウカザルにフラッシュでも覚えさせときゃよかったか?」

そんなものは覚えない。しかしジャイアンは何かに気がついたようにモウカザルを洞窟内に解き放つ。
するとその尻尾の炎で周囲が照らされ、今までより格段に歩きやすくなった。

「これで探せるぞ。さあ、早く出てk……」

ジャイアンが叫ぼうとしたそのとき、さっそく前方から謎のエネルギー波が飛んでくる。龍の怒りだ。
瞬時に気がついたジャイアンは持ち前の運動神経を発揮してそれを回避し、攻撃の飛んできたほうをにらみつけた。

「モウカザル、火の粉だ!」

モウカザルは手に炎の塊を溜め、それを勢いよく暗闇に向って投げつける。
勿論命中するはずも無く火の粉は空振りするが、かわりに一匹のポケモンが姿を現した。
ジャイアンはそれを見て嬉しそうに笑みを浮かべる。

「さっそく出てきやがったか。大人しく俺のポケモンになりやがれ!」
509あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:12:06 ID:QAjJyH6+0
そこに居たのはドラゴンと地面の二つのタイプを持つポケモン、フカマル。
進化すればかなりの力を持つことになる強力なポケモンである。
フカマルはジャイアンの中に眠る力を感じたのか、闘争本能をむき出しにしている。
アレはまちがいなく戦いに植えている目だ、とジャイアンは悟った。

「上等じゃねえか。いけ、モウカザル。もう一度火の粉だ!」

再び鋭い火の粉が飛ぶが、フカマルは難なくそれを回避する。
そして反撃してくると思いきや、フカマルは何か別の技の予備動作に入った。
それを見て何か思いつくことがあったのか、ジャイアンはすぐさま次の指示を出す。

「モウカザル、挑発!」

フカマルはモウカザルの挑発に乗り、物凄い形相で睨みつけてくる。そしてすぐさま飛び掛ってきた。
計画通り……と勝ちを確信したジャイアンは、戦いを長引かせるのも性に合わないのでいっきに叫んだ。

「今だ、マッハパンチ!」

フカマルは爪を鋭く光らせ突進してくる。しかし、モウカザルのスピードのほうが格段に上だった。
目にも留まらぬスピードで一気に間合いをつめると、モウカザルはその勢いに乗せて右ストレートをかます。
フカマルはそのまま地面に叩きつけられ、ダメージのせいか次の動作にすぐ入ることはできなかった。
これをチャンスと判断したのだろう。ジャイアンは空のモンスターボールを手に取ると、思い切りそれを投げつけた。
510あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:15:22 ID:QAjJyH6+0
ばしっと命中し、フカマルはモンスターボールの中に吸い込まれる。二、三回ゆれるが、フカマルがボール内から出てくることは無かった。
満足そうな顔をすると、ジャイアンはつかつかと歩み寄り、ボールを拾い上げた。

「これでサンダーをゲットする準備は整った。行くぞ、モウカザル!」

少し休ませろといわんばかりの顔をするモウカザル。
ジャイアンがだらしねぇなあとモンスターボールを手にしたそのとき……二度目の攻撃が彼の目の前を通り過ぎた。

「な、なんだ!?」

あたりはしなかったものの、明らかにこれは自分を狙った攻撃。しかしフカマルはもうモンスターボールの中に納まっている。
じゃあ一体誰が? とあたりを見回すジャイアン。その答えはすぐに出ることになる。

「こ、こいつら……」

そう。気がつくと、ジャイアンは数十匹のフカマルに取り囲まれていた。
きっと今のバトルを見て強敵に飢えていたフカマル達はがまんできなくなり襲ってきたのだろう。
さすがのジャイアンもこれはまずいと冷や汗を流す。こんな数のポケモンを相手にするのははじめてだった。

しかし悩んでいる暇は無い。フカマル達は一斉に牙をむき、勢いよく飛び掛ってきた。
一戦終えた後で辛いが嘆いていてはやられてしまう。ジャイアンはとっさにモンスターボールを掴んだ。

「いけっ、ムクバード!!」

ムクバードは登場と共に荒々しい鳴き声で飛び掛るフカマルを威嚇する。攻撃を下げる作戦である。
しかしフカマルの勢いが衰えることはなく、ジャイアンはその突進を思い切り受けてしまった。

「うぐッ!」

ジャイアンは壁にたたきつけられる。ムクバードとモウカザルとの距離が離れてしまった。
しかも最悪なことに、一匹のフカマルが何か奇妙な動きをしている。ジャイアンは口を開こうとしたが……ほんの少し遅かった。
511あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:18:46 ID:QAjJyH6+0
「うおおおおっ!?」

フカマルは強烈な砂嵐を洞窟内に発生させ、ジャイアンの視界を奪う。
さっきモウカザルが挑発したのはこの技を防ぐためだった。なのに、今回はこうもあっさりとそれを許してしまったのだ。

ゲームでもフカマルを育てていたことのあるジャイアンはその特性をよく知っていた。深まるの特性は砂がくれ。砂嵐が起きているとき、回避率がアップするという代物だった。

「仕方ねえ! ムクバード、吹き飛ばしだ!」

声が届くことを祈りながら送叫ぶジャイアン。幸いムクバードはそれを聞き取ってくれたらしく、洞窟内に旋風が巻き起こる。
砂嵐ごと周りのフカマルたちを風で吹き飛ばしたムクバードとモウカザルは、ジャイアンの姿を見つけるとすぐに飛んできた。

「よし、上出来だ。お前ら、こっちへ来い!」

悪態をつきながらもジャイアンはさらに奥深く足を進めていった。
フカマルはそれをみすみす逃がすようなマネはせず、あたりまえのように追ってくる。ジャイアンは逃げるようにその大群から背を向けた。
512あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:22:49 ID:QAjJyH6+0
「まったく、今日は本当についてないぜ!」

フカマルに追われながら必死に逃げ回るジャイアン。
この洞窟は比較的狭く酸素も薄いので、すぐに息切れしてしまう。
後から迫ってくるフカマルたちも放ってはおけない。まさに極限状態だった。

しばらく走ると、ジャイアンはすっと足を止める。
体力が切れたかあるいは諦めたのだとフカマルは油断する。しかし……こともあろうに、ジャイアンは笑った。
そして自信たっぷりにフカマルたちに指を突きつけたのだ。

「お前ら、なにか勘違いしてるんじゃないか? 俺はただ闇雲に逃げていたわけじゃねえ。コイツを探してたんだよ」

そこに落ちていたのは一枚のディスクのようなもの。そこにはなんと、「技マシン26じしん」と記されていた。
あのとき、ゲームでもこの場所にじしんの技マシンがあるとジャイアンは思い出したのだった。

「お前は俺様に負けたんだ。大人しく指示に従ってもらうぜ!」

ジャイアンはボールからさっき捕まえたフカマルを繰り出す。
そしてすぐさま自身の技マシンを使い、新たな技を覚えさせた。
野生の勘が危険を伝えているのか、フカマルは一斉にジャイアンに襲い掛かる。

しかし、それはもう既に遅い。ジャイアンは命令を下した。

「フカマル、地震だ!!」

洞窟に鋭い炸裂音が響き渡る。それと同時に地面は急に揺れだし、周囲のものを襲った。
この衝撃波により周りのフカマル達は吹き飛ばされる。無論、この攻撃を受けて立っていられるはずもなかった。
ムクバードに捕まって攻撃を回避していたジャイアンはすっと地面に降り立つ。ムクバードのほうは空を飛ぶを覚えてもいないのにこの体重を持ち上げるのが限界だったのか倒れこんだ。
513あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:25:21 ID:QAjJyH6+0
「へっ、俺様の華麗な戦略を見たか!」

自信満々にそうはき捨てるジャイアン。勿論。一歩間違えれば洞窟が崩壊して生き埋めになっていたかもしれないという事実には気がつかなかったが。
しかしジャイアンはそういったはいいものの、何か異変を感じる。倒れたフカマルたちがおきあがり仲間になりたそうな目で見ているのだ。

「ちょっとまて、さすがにそれは無理だ!」

そんなにモンスターボールを持ち歩いているはずも無い。
しかし不覚にもジャイアンは自分を慕うポケモンを一日で30匹ほど増やしてしまったのである。

514あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/08/15(土) 22:26:11 ID:QAjJyH6+0
これで投下終了です
サンダーはこの後のストーリーに大きく関わってくる予定
515ゲーム好き名無しさん:2009/08/16(日) 16:46:37 ID:s0R1/zCOO
乙。意外とジャイアン頭いいなw
516ゲーム好き名無しさん:2009/08/17(月) 20:13:38 ID:4VURKHUAO
こんな過疎ったスレにまだ精力的に投下してくれてる作者がいるんだな
ホント頭が下がるわ、乙
517ゲーム好き名無しさん:2009/08/19(水) 13:54:52 ID:LtqQnzIi0
携帯ばっか
518ゲーム好き名無しさん:2009/08/21(金) 23:54:43 ID:EuWdEOCNO
クッソサクヒン
519ゲーム好き名無しさん:2009/08/30(日) 23:34:19 ID:G+zcfZUA0
あえてのプラチナ氏、避難所の方がwikiを建ててくださいました。
ttp://www24.atwiki.jp/fantomdorapoke/pages/1.html

そこで貴方の作品を収容させていただきたいのですが、収容する際の順序はどうなさいますか?
特に拘りが無ければ、こちらで適当に収容しますが。

例えば>>482-489>>504-513で1ページ、とかそういう指定をお願いします。
前スレのログも保存してありますので、前スレのほうも補完可能です。
520ゲーム好き名無しさん:2009/08/31(月) 13:49:19 ID:sNDD+iGhO
おお、乙
そういえば赤髪氏ってまだいるんだろうか…
あとミュウ氏はもう続き書ける状態じゃないのかな…寂しいスレになったなあ
まずは、まだ作品を書いてくださる作者を大切にしないとな
521あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:15:34 ID:tG8Z/cIq0
久々に投下する

>>519
乙です。その辺は全てそちらにお任せします
522あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:17:52 ID:tG8Z/cIq0
「いよいよだね、のび太くん」

「大丈夫。今回もきっと勝ってみせるよ!」

ドラえもんの応援を受け、のび太は今、ハクタイジムの中に立っていた。
この部屋には天井が無く、クロガネジムに比べるとかなりの開放感を感じる。
目の前にはバトルフィールドが広がっており、その向こう側には……ジムリーダーが腕を組みながらのび太を見据えていた。
その瞳からは揺るがない自信のようなものが感じられる。のび太は自分との格の違いを悟ったが、決して不安になったりはしなかった。
あの後も続いたシロナとの悪夢のような特訓のおかげで微妙に自信がついていたのだろう。それに、手持ちのレベルも一日でかなり上がっていた。

「貴方が挑戦者ね?
私は草タイプ使いのジムリーダー、ナタネ! さっそく始めましょう!」

ナタネは威勢よく自己紹介を済ませると、宙に投げはなった二つのモンスターボールが開き、中からポケモンが登場した。
一匹は薔薇のようなポケモン。そしてもう一匹は……黒い花びらのようなもので身を隠している謎のポケモンだった。
さっそくのび太はポケットに手を突っ込み、お目当てのものを取り出す。

「ロズレイドと……あの黒いほうはチェリムっていうのか」

図鑑を見て呟くのび太。
草タイプに有効な技はポッチャマのつつくだけだが、ここまできてしまったからには仕方がない。
審判の声が鳴り響き、のび太の二つ目のバッジをかけた勝負は幕を開けた。

「チェリム! 日本晴れよ!」

ナタネの声と共に、急に日差しが強くなる。
このジムは天井が空いているため天候の影響を受けやすかった。
天気を良くして一体どうするんだろう? とのび太が思っているところに、ナタネは言った。

「この技の意味がよくわからないようね。いいよ、いまからそれをきみに教えてあげる!」
523あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:21:59 ID:tG8Z/cIq0
するとチェリムの体が突然光に包まれた。
そしてかたかたと震えたかと思うと……なんと次の瞬間、自分を覆っていた花びらを開き、最初とは比べ物にならないくらいの変化を遂げた。

「し、進化!?」

「違うわ。チェリムは日差しが強いと花びらを開く習性があるの!」

にこにこと笑顔を飛ばし、桜色の花びらをまとったその明るい姿にのび太は驚く。
そんなのび太の動揺にかまわず、ナタネは次の指示を出した。

「ロズレイド、葉っぱカッターよ!」

宙を裂き飛んでくる無数の葉っぱを回避する二匹。距離が開いていたからなんとか避けられた。
油断していてはこっちが負ける。のび太は頭を切り替え、バトルに集中することにした。

「ポッチャマ、ロズレイドにバブル光線だ!」

葉っぱカッターに応戦してポッチャマも負けじと打ち返す。今日はいつもより調子がいいのか、なかなかの速度だ。
しかしその攻撃は……ダメージを与えるどころかロズレイドにあっさりと片手で防がれてしまう。
ポッチャマは目を丸くした。ロズレイドはにやりと笑みを浮かべる。

「ふーん……この程度なの」

確かに相性がわるいのは事実なのだが、それを差し引いてもここまで効果がないのはおかしい。
のび太はそう考えながらもパチリスに指示を出す。

「まだだ! パチリス、電光石火!」

バブル光線を防いだのはいいが、その時腕を防御に回したせいで葉っぱカッターは途切れ、一瞬の隙ができていた。
そこを上手くついて、パチリスの電光石火はロズレイドの腹部に命中した。

524あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:25:21 ID:tG8Z/cIq0
「そのまま電磁波だ!」

「させないわ。チェリム、神秘の守り!」

電磁波を浴びせられる直前に、ロズレイドとチェリムの体が光り輝く。すると次の瞬間――電磁波ははじかれ、攻撃が無効に終わってしまった。

「そ、そんな!」
「残念、この技を使っている間は状態異常の技は効かないの。
ロズレイド……もう一度葉っぱカッター!」

電磁波で相手を鈍らせるのはのび太のパチリスの基本戦術だったため、それが防がれるとなると厳しくなる。
体制を立て直し再び繰り返される葉っぱカッターに、パチリスは後退を余儀なくされてしまう。

この攻撃の中、相手に接近するのはかなり無茶があった。
のび太はポッチャマにバブル光線を指示するが、今度は防御に入ることもなくロズレイドはそれを受ける。
ダメージはほとんどゼロに等しかった。防御する価値もないということだろうか。

「つ、強い……」

照りつける日差しがのび太の思考を遅れさせる。これも作戦の内なのだろう。
しかしそんななか、彼にも気がついたことがあった。
ロズレイドの攻撃。必死に回避するポッチャマとパチリス。にこにこと笑顔を向けているチェリム。

明らかに――一匹だけおかしいポケモンがいた。

「その目、どうやら気がついたようね。
そうよ。このチェリムは攻撃技を覚えていないの! 自己顕示欲が弱い子なのよ!」

「じゃあなんでそんなポケモンをバトルにだしてるんですか!?」

思えばチェリムは、日本晴れと神秘の守りくらいしか使っていない。
ナタネはその質問を待ってましたといわんばかりの顔をした。

「チェリムの特性はフラワーギフト。
日本晴れのとき……自分のポケモンの攻撃と特防をあげるのよ!」
525あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:29:11 ID:tG8Z/cIq0
「そ、それでポッチャマのバブル光線がそんなに効かなかったのか……」

のび太はやっと理解した。
タイプ相性の悪さ、フラワーギフト、そしてこの照りつける日差し。それらの要素がポッチャマの水技の威力を弱らせていたのだ。
シロナからポケモンの能力地について呆れ顔で教えられたからか、『攻撃と特防が上がる』と言う言葉ですんなり理解することができた。ここまでそれを知らずにやってきたのも色々と凄いのかもしれないが。

「わかったところでどうするの? この状況を覆せるかしら」

冷静に今の状況を観察してみると……というか、冷静にならなくてものび太の不利は明らかだった。

チェリムのフラワーギフト、そして神秘の守り、日本晴れによってのび太の攻撃のほとんどが封じられていた。
ポッチャマのバブル光線も効かないし、パチリスの電磁波も無効化されている。
さらに威力の増した葉っぱカッターを打ち続けてくるロズレイドのせいでむやみに接近することもできない。

(た、確かに……このままじゃ負けるかも……)

弱気になるが、ポッチャマと約束してしまった手前、諦めるわけには行かない。のび太は必死に思考を巡らせた。
そんなとき――ポッチャマはトレーナーのほうを振り向く。

「ひょっとして……あれを使えって言ってるの?」

頷くポッチャマ。のび太は次の指示を出すのを躊躇った。
なぜなら、この技は下手すれば自分たちの首をさらにしめることになるかもしれないからだ。
しかも……ポッチャマにかかる負担が激しいのだ。

実はポッチャマにはまだ技が残されていた。水タイプでなく、かつ相手にも届く技が。

526あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:32:36 ID:tG8Z/cIq0
「ほら、どうしたの? 押されてるんじゃないかな!」

こうしている間にもナタネの攻撃が迫り来る。
のび太は迷い――そして、決断した。

「二匹とも、ロズレイドに接近するんだ!!」

その指示を聞き、二匹はロズレイドに一直線に突っ込んでいく。近づけば近づくほど葉っぱカッターを受ける可能性が上がるかもしれないというのに、だ。

「……効果抜群のつつくを決める気ね。でも、無駄よ。フラワーギフトがあればタイプ不一致の攻撃なんて耐えられる!」

(タイプ不一致……? な、なんのことだろう)

のび太の疑問をよそに、ロズレイドの攻撃が繰り返される。その葉っぱカッターはポッチャマを容赦なく襲った。
効果抜群である葉っぱカッターを受けてもまだ持ちこたえるポッチャマ。
そのふらふらな足取りから、もう限界は誰が見てもすぐにわかるのに。
負けたくないという強い気持ちだけがポッチャマを支えていた。

「まだ倒れないのね。……いいわ、せっかくだからこの技でトドメをさしてあげる!」

ロズレイドは無数の尖った葉っぱを自分の周囲に集める。
そして次の瞬間……それは一斉にポッチャマ目掛けて飛び出した。

「ロズレイド、リーフストーム!!」

旋風のようなすざましい攻撃だ。吹きすさぶ風に乗り、葉っぱはどんどん接近してくる。
さっきまでの攻撃とは比べ物にならない。これをくらったらいっかんの終わりだ。

527あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:36:28 ID:tG8Z/cIq0
「パチリ……」

スと言いかけたところで、のび太の口が止まる。
策を思いついたのはいいものの、言う寸前で躊躇してしまった様子だ。
シロナとの特訓で二匹のポケモンに同時に指示を出すことには慣れた。しかしこの作戦ではパチリスの被害が大きすぎる。

「ご、ごめん今のやっぱ無し……」

パチリスはそんなのび太に向って抗議するように鳴いた。策があるなら自分に遠慮するな、ということなのだろう。
迫り来るリーフストームにパチリスの訴えてくるような視線。悩んだ末、のび太はもう一度口を開いた。

「パチリス、ポッチャマを堪えるで助けるんだ!」

パチリスがポッチャマの前に飛び出し、堪える体制に入る。そして飛んでくる葉っぱを全て受け……なんとか持ちこたえていた。
体力をほとんど使いきり、パチリスは手を地面に着く。

「ありがとう、パチリス。これで攻撃の準備が整ったよ!」

ポッチャマは駆け寄り、ロズレイドのほうを見る。その顔には、勝ちを確信したような笑顔が秘められていた。

「今だ、ポッチャマ。がまんを開放するんだ!」

がまんが一気に開放され、ポッチャマの体から大量のエネルギーが放出される。

「がまんですって!?」

この技は、がまんしている間に受けた攻撃を二倍にして打ち出す技。
そしてその蓄積されたエネルギーは……ロズレイドを一撃で吹き飛ばし、ダウンさせた。

528あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:38:30 ID:tG8Z/cIq0
「ろ、ロズレイド!」

パチリスとロズレイドに受けた「効果抜群」の技を「2倍」にして返す……
この技を耐えられるポケモンはそうはいないだろう。
ロズレイドは戦闘不能になり……ナタネに残されたのはチェリムだけになった。

チェリムは踊りをやめ、落ち込んだ顔でうつむく。
たった今、のび太たちの勝ちは確定した。なぜなら、このチェリムは攻撃技を持っていないからである。
529あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:42:54 ID:tG8Z/cIq0
ナタネは溜息をつくと、にっこりと笑ってのび太のほうを向いた。

「まさかがまんを仕掛けていたとはね。見事にやられたわ」

この超威力の攻撃の弱点は、ポッチャマが技を耐え切れなかったら失敗してしまうこと。そしてダブルバトルのとき、がまんは最後に攻撃を加えた相手に解き放たれることだ。
その二つの条件をクリアするにはポッチャマが頑張るしかなかった。葉っぱカッターを耐えられなかったら……今ごろのび太は負けていた。

「攻撃技を使えないチェリムだけじゃ……降参するしかないか。いいよ、貴方の勝ち。ジムバッジは持って行きなさい!」
「や、やったよ! ポッチャマ、パチリス!」

満足そうな顔を見せるポッチャマ。これで今まで溜まっていた連敗への苛立ちなどすっかり忘れてしまったようだ。
ナタネはゆっくりとのび太に近づき、そっと手を伸ばした。

「はい、これがフォレストバッジよ。ハクタイジムを勝ち抜いた証だから大切にしてね!」

ついに二つ目のバッジを手に入れたのび太。しかし喜んでる裏で、彼には一つこのバトルで気になったところがあった。

「どうしたの? のび太くん」
「いや、なんでもないよドラえもん。次は君の番だろ? 頑張ってね」

問いかけてくるドラえもんに何事も無いかのように振舞うと、のび太は休憩するためバトルフィールドから足を遠ざけた。

(今日はポケモン達にかなり無理させちゃったな……。次からはこうならないように頑張らないと!)

一人決意を新たにするのび太。
とにかくこれでバッジは二つ目。元の世界に帰るまで、残りあと六つだ。

530ゲーム好き名無しさん:2009/09/01(火) 23:52:46 ID:+NY6MIt8O
投下終了?それとも規制された?
531プラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/01(火) 23:53:17 ID:kj2cgztrO
これで投下終了です
そろそろドラえもんの空気化が深刻になってきた
532ゲーム好き名無しさん:2009/09/02(水) 23:08:00 ID:iDWLJJpMO
だったら次からは観戦中の心境や応援シーンを入れるとかすればいいと思うよ
次回はそういう問題とは無縁だろうけどね
今回はのび太の馬鹿さとヘタレぶりと成長ぶりがいい具合に入っててよかったよ、乙
533ゲーム好き名無しさん:2009/09/03(木) 08:18:09 ID:5Uee4gzXO
というか、昔からドラポケだとドラえもんって空気になりやすい気がする
534ゲーム好き名無しさん:2009/09/03(木) 19:36:34 ID:8dKXz0D70
ドラえもんと秘密道具が空気になるのはお約束w
真面目な作品だと尚更。
535ゲーム好き名無しさん:2009/09/03(木) 22:45:03 ID:5Uee4gzXO
やっぱ「秘密道具禁止」がドラえもんの空気化に繋がるのかな
昔はドラえもんはポケモン世界に行かない作品すらあったしな
536ゲーム好き名無しさん:2009/09/05(土) 23:30:15 ID:omlDbTaz0
チャットの流れがキモすぎる
537ゲーム好き名無しさん:2009/09/06(日) 06:01:23 ID:IIbQXcXrO
>>536
URLくれ
538ゲーム好き名無しさん:2009/09/06(日) 08:39:13 ID:HZjrlEqFO
ファントムって奴ヤバイ
何とはなしてるのか全くわからないヤバイ
http://newdorapoke.chatx2.whocares.jp/m/?guid=on
539ゲーム好き名無しさん:2009/09/06(日) 09:19:33 ID:AVAimkmNO
避難所の作者だろ。ほっとけよ
540ゲーム好き名無しさん:2009/09/06(日) 17:36:41 ID:kJJjoRfa0
電話ばっかwwwwwwww
ニコ厨にリア厨もいるし、もうどうしようもねぇな
541ゲーム好き名無しさん:2009/09/06(日) 20:43:26 ID:cH6oTVYxO
85:ファントム ◆.DxfZ0s0HAsage2009/09/06(日) 18:13:30 ID:7YV5gvC2
本家スレにて、私やチャットの流れを馬鹿にするような書き込みがあったので報告しときます。

なに言ってんだこいつ
542ゲーム好き名無しさん:2009/09/06(日) 21:52:40 ID:AVAimkmNO
昔のアダムスあたりと同じように考えとけ
スルーが最善
543ゲーム好き名無しさん:2009/09/07(月) 02:34:06 ID:5F5kQGNH0
初代の作品には、本物のドラえもん長大編にも通ずるような、
そんな何かがあったな。

と、懐古厨がレスしてみるテスト
今度VIPにスレ建てしてみようかと考えてるんだが、やはり金曜とかかな?
544ゲーム好き名無しさん:2009/09/07(月) 10:54:44 ID:or1UzBiMO
>>543
金曜だとポケモン好きなVipperは立つであろうHGSSフラゲのスレに流れるんじゃないか

それからVipperが流入して来ても困るからここの存在は晒さないでくれ
粘着してるやつがいるのにこれ以上迷惑なのが増えても困る
545ゲーム好き名無しさん:2009/09/07(月) 23:55:44 ID:6A6nv9R/O
VIPにスレ建ては危険だ…
546ゲーム好き名無しさん:2009/09/08(火) 03:15:34 ID:FM+b3+R9O
前ドラーモンとノートの完コピをVIPに投下したら全く伸びなかった
あとファントムキモすぎ
547ゲーム好き名無しさん:2009/09/13(日) 20:45:25 ID:NMHLermcO
HGSS発売記念age
548ゲーム好き名無しさん:2009/09/13(日) 20:47:39 ID:12uFqewCO
まだこのスレあったのかよ ゲサロ移転して
初代しかいらなかったんだよ そもそも
549ゲーム好き名無しさん:2009/09/13(日) 21:47:16 ID:pqFztM920
そろそろポケモン板への移転をもう一度考えてみる時期じゃないか?
550ゲーム好き名無しさん:2009/09/13(日) 23:05:30 ID:msIEHwve0
>>549
ビラクさんまだいらっしゃったんですか
551ゲーム好き名無しさん:2009/09/14(月) 00:20:58 ID:DLdOH4FEO
いや、俺もアリだと思う。新人がたくさん来ると思うぞ
まあ、おそらく変な奴や荒らしも来るだろうが現状よりいいだろう
552ゲーム好き名無しさん:2009/09/14(月) 13:51:38 ID:GvO++UiSO
まぁこのスレが埋まってからの話になるけどねww
553ゲーム好き名無しさん:2009/09/14(月) 17:10:04 ID:DLdOH4FEO
遠いww
554ゲーム好き名無しさん:2009/09/16(水) 18:39:06 ID:CNpYeUAHO
ファントムとやら氏ね
555ゲーム好き名無しさん:2009/09/19(土) 17:54:42 ID:73WZ11If0
>>464は結局一回こっきりだったな
556ゲーム好き名無しさん:2009/09/20(日) 12:00:14 ID:lpIeRTB20
このスレにはよくあること
557ゲーム好き名無しさん:2009/09/20(日) 18:05:02 ID:whY6dU6B0
PC持ちは俺含めて4人でおK?
558ゲーム好き名無しさん:2009/09/22(火) 17:04:35 ID:/duOQP0cO
クレしん…
559ゲーム好き名無しさん:2009/09/23(水) 18:45:04 ID:i2d1DKalO
ここの住人はHGSSは買った?
560あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:18:47 ID:4JsJxX1b0
俺は運よく予約無しで買えたよ
世間が金銀リメイクなのにプラチナってのもあれだけど保守ついでに投下する
561あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:19:55 ID:4JsJxX1b0
「見えてきたよ。あれがテンガン山だ!」

ガイドブックを確認し、ドラえもんは目の前に聳え立つ巨大な山を指差した。
頂上は降り積もる雪で白く染まり、向こう側から登りたての穏やかな朝日がかかって美しく輝いている。
のび太はその雄大さを間近で観て、なんともいえない感動に包まれた。
ここはシンオウで一番高い山らしい。この地方を東と西に分かち、その頂上には「槍の柱」なる遺跡があるそうだ。

ハクタイを出発して数日、彼らはテンガン山の麓に来ていた。
ドラえもんも無事にバッジをゲットでき、今のところ旅は順風満帆で進んでいる。
そしてここまで来るのにもう一つ嬉しいことがあった。

「それにしても……強そうになったよね、ナエトル」

ドラえもんのとなりには、ジム戦を終えて進化したナエトルの姿があった。
人間が一人乗っても大丈夫そうにがっしりとした体系になったその名前は……ハヤシガメというらしい。
のび太はちょっと羨ましそうにハヤシガメを見つめた。

そういえば、思い返してみると自分のポケモンは進化したことがなかった。
ポッチャマはあれだけ戦ってまだ進化しないし、ズガイドスの進化も見えてこない。

「ポッチャマもいつかこんな風になるのかな?」

問いかけてみるが、ポッチャマは知らないといった風に首をかしげた。
まあいいや、とのび太はテンガン山を再び見つめる。

「はやく行ってみよう。僕、なんだか待ちきれないや」

「まったく、さっきまで歩くの疲れたって行ってたのは誰だったんだろうね」

「それとこれとは話が別だよ!」

呆れたようなドラえもんの反応だが、のび太は気にせず走っていった。
ドラえもんもしょうがないなあと少し嬉しそうにそれを追いかける。
562あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:21:52 ID:4JsJxX1b0
「ここがテンガン山の中かぁ……」

テンガン山内部には巨大な洞窟が広がっていた。
複雑に入り組んだ迷路のようになっていて、一歩間違えると外に出るまで何時間もかかるらしい。
とても静かな場所で、野生ポケモン達もあまり騒ぎ立てたりはしていない。なんだか神聖な場所だった。

そんな洞窟を見渡して……のび太は一言呟いた。

「ねえドラえもん。ここ、すぐ道に迷いそうじゃない?」

のび太の言っていることはもっともだった。こんな迷路のような場所、迷わずに抜けられるはずがない。
しかしドラえもんは問題ないという。

「のび太くん、あれを見てごらん」

どらえもんの指差した先に居たのは、岩陰で休んでいる一匹のポケモンだった。
とても特長的な鼻をしていて、体は岩でできているようだ。
しかもよく見てみるとあちこちにそれと同じポケモンがいる。ここを住処にしているのだろう。

「なんだか不思議なポケモンだなぁ……」

図鑑によると、どうやらノズパスというポケモンらしい。
なんでも、鼻の先が磁石になっていてずっと北を向いているとか。

「テンガン山を抜けるには東に進んでいけばいい。そこであのポケモンの出番なんだよ」

「なるほど。方角がわかるのを利用するんだね!」
563あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:25:02 ID:4JsJxX1b0
すぐに期待以上の反応を示す物分りのいいのび太にドラえもんは感動した。
ポケモン達と頭を使って敵を攻略していくうちに、洞察力も鍛えられたのだろう。

「ふふっ、おかしいな。目線が熱くなってきちゃった。
この気持ちはきっとあれなんだろうな。のび太くん。僕は今猛烈に……」

「それで、東ってどっち?」

「ノズパスから見て右の方向だよ」

ドラえもんはそういうと、何事もなかったかのように四次元ポケットから紐のようなものを取り出した。
のび太はそれを受け取り、しげしげと見つめる。

「なに? これ。新しい秘密道具?」

「違うよ、ポケモン世界の道具なんだ。穴抜けの紐って言うらしい。
なんと、これを使えば一瞬で入り口に戻ることができるんだ!」

「科学の力ってすごい!」

一見タダの紐なのに、実は最先端科学の結晶のような便利な道具だった。秘密道具にも負けず劣らずの性能かもしれない。

「でも、迷ったときでもこれがあれば安心だね」

のび太はそれを大切にしまった。
とりあえずこうして彼らのテンガン山を越える道のりはスタートしたのだ。
564あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:28:06 ID:4JsJxX1b0
その後、二人は静かな洞窟をひたすら歩いた。
会話しながらだったので退屈はしなかったが、やはり歩き続けると疲れてくる。

「あとどれくらいかなぁ?」

「ガイドブックによるとあと半分くらいだから頑張れ!」

励ますドラえもん。まだ半分もあると聞いてうなだれるのび太。
ドラえもんが「もう少しだから頑張れ」と励ますべきだったと後悔し始めると……

その時、とつぜん異変は起こった。

「な、なんだ!?」

なにが起こったのかは知らないが、この洞窟に巨大な振動音が響き渡ったのだ。
ノズパスは微動だにしなかったが、他のポケモン達はくもの巣を散らすように逃げていく。
地面の揺れが収まると……のび太はドラえもんの肩を掴んだ。

「ど、どうなってるの!? 一体何が……」

「おちついて、のび太くん。そんなこと聞かれても僕にわかるわけないだろ!」

それもそうか、とのび太は冷静になり、手を離す。
いざとなれば穴抜けの紐があるから安心だ、と考え直すことにしたのである。
しかしそれを使ったとして、また入り口からここまで歩いてこなければいけないくなる。
それはとてつもなくしんどいことのように感じられた。

「とにかく、行けるところまで行こうよ。何が起こったのかは知らないけど、ここで戻るなんてごめんだよ!」

「うーん、君の言うことも一理あるな。……やっぱり最後まで歩いてみようか。
そのかわり、十分に気をつけて行こうね」

ドラえもんはのび太に賛成すると、さっそく歩き出そうとした。
しかし……数歩先で足を止める。

565あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:30:34 ID:4JsJxX1b0
「どうしたの? ドラえもん」

「のび太くん、あれ……」

体感温度が急に下がりだしたような気すら感じられる。
ドラえもんが言いたいことはのび太にもよくわかった。
この道の先に……見たこともないポケモンのようなものがいた。

大きく透き通るような氷の体に、黄色に輝く6つの点のような目。
そいつはのび太たちのほうをじっと見つめたと思うと、ゆっくりと――接近してきた。

「あ、あのポケモンはなに!?」

のび太は急いで図鑑を開く。
あのポケモンの名前はレジアイス。
氷河期に造られた氷でできていて、その体温はマイナス200度……らしい。

「のび太くん、避けて!」

ドラえもんの叫びにはっと気がつく。
見れば、レジアイスは手に冷気を集中させ、それを一気に打ち出したところだった。

「うわぁああっ!」

のび太はそれを奇跡的な動きで回避し、冷凍ビームはそのすぐ脇に命中する。
レジアイスは何故か知らないが、完全に二人を抹殺する気だった。これがフレンドリーな空気には到底思えない。

「ありがとう、ドラえもん。助かったよ」

「どういたしまして。それにしても、何でアイツは僕達を襲ってくるんだろう?」

わからない。のび太たちには突然わけのわからないポケモンに襲われるようなことをした覚えなどなかった。
しかしレジアイスはお構いなしに、機械的な動きで冷凍ビームを乱射した。
566あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:32:38 ID:4JsJxX1b0
「このままじゃまずいよ。はやく脱出しよう!」
「それしかないみたいだね。さっそく穴抜けの紐を……」

ドラえもんがそういいかけたとき、地面が再び大きく揺れる。言葉を遮られた挙句地面に倒れこみ、ドラえもんは顔をしかめた。
レジアイスは地震を放ったわけだ。しかもそれだけじゃない。
洞窟内で地震が起こるなんて……まさに最悪のシチュエーションだった。

「危ない、ドラえもん!」

みしみしと嫌な音が響いた次の瞬間、のび太たちの上から岩がなだれのように降り注ぐ。いまの技で天井が崩壊したのだ。二人は必死にそれを避けようと走り出した。

がらがらと音を立ててふさがってしまう道。幸い、二人は無事だった。……しかし。

「ドラえもん、どこ!?」

二人は正反対の方向へ逃げ出していた。のび太はレジアイスのほうへ。ドラえもんはその反対側へ。
二人は見事に積もった岩で分断されてしまっていた。

「のび太くん、僕は無事だよ。それより、今は君の身が危ない!」

その声で、のび太は今の自分が置かれた状況に気がつく。
自分のほうにはレジアイスが待ち構えていた。現に、今も冷凍ビームを放つ体制でいる。
さらに運の悪いことに、さっきの混乱で穴抜けの紐を落としてしまったらしい。しかもそれは瓦礫に飲み込まれたらしく、どこを探しても見当たらなかった。

「そ、そんなぁああ」

のび太は絶望に支配され、がくっと膝をつく。
しかしこうしていてもレジアイスが攻撃してくる。のび太は仕方がなく立ち上がり、それを回避した。

退路は絶たれ、目の前にはレジアイス。
覚悟を決めて……のび太はモンスターボールを握った。
567あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:35:18 ID:4JsJxX1b0
「頼むよ、みんな!」

のび太はポッチャマ、ズガイドス、パチリスの三匹を繰り出した。
さっき図鑑で確認したとき、このレジアイスのレベルがかなりのものであることもわかった。
一対一では勝ち目は薄い。こうなったら……三匹で同時に戦おうということだった。
ロトムの時は失敗したが、今ののび太は複数戦にも少しづつ慣れ始めていた。

「二匹同時に指示を出すことができたんだ。三匹同時でもやってやる!」

恐怖に潰されそうになりながらも、のび太は挑戦的に言い放つ。
その声に反応するかのように……レジアイスの目が、不気味に光り輝いた。
568あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/09/23(水) 23:37:01 ID:4JsJxX1b0
これで投下終了です
569ゲーム好き名無しさん:2009/09/24(木) 08:19:35 ID:M3/rh9BsO
乙。配布イベントかなんかで出るやつだっけ?しかしほんと運悪いなww
あとよく予約無しで新作買えたな。俺は普通に予約してたわ
570ゲーム好き名無しさん:2009/09/24(木) 23:12:21 ID:YN4V0TFX0
乙乙乙
571ゲーム好き名無しさん:2009/09/24(木) 23:20:46 ID:wZJJMmUB0
乙パイ
572ゲーム好き名無しさん:2009/09/26(土) 17:29:14 ID:VpQX8R0dO
つまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないな
つまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないなつまんないな
573ゲーム好き名無しさん:2009/09/28(月) 12:34:53 ID:rbv7VuXBO
つまらない
574ゲーム好き名無しさん:2009/10/02(金) 01:16:34 ID:/uRTJFN/O
保守
575ゲーム好き名無しさん:2009/10/05(月) 22:28:19 ID:r0GmsaAG0
このスレも色々あったからなぁ
人気のベテラン作者が実は自演だったり
576ゲーム好き名無しさん:2009/10/06(火) 00:59:01 ID:etuFloGpO
なんだっけそれ
577ゲーム好き名無しさん:2009/10/06(火) 16:29:14 ID:iCLa1ric0
ほしゅ
578ゲーム好き名無しさん:2009/10/07(水) 08:09:25 ID:vIFM6Ba7O
ワタリのことかぁ!!!!!
579ゲーム好き名無しさん:2009/10/07(水) 23:42:09 ID:UH4ElkrVO
ワタリとか懐かしすぎる
580ゲーム好き名無しさん:2009/10/11(日) 23:37:24 ID:JD4dcmEkO
保守
581あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/16(金) 22:33:13 ID:sbLtE32z0
そろそろ投下します
582あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/16(金) 22:35:05 ID:sbLtE32z0
静まりかえった洞窟の中をぴりぴりとした空気が張り詰める。

旅を続ける彼らの前に突如現れた謎のポケモンレジアイス。
襲い来る敵に戦うしかないと悟ったのび太たちは、真正面から対峙していた。
(ここは悠長に様子見してる場合じゃない。なら、先手必勝だ!)

この洞窟内にのび太の指示が響き渡る。
「ズガイドス、怖い顔だ!」
ズガイドスが飛び出し、レジアイスに怖い顔をする。
素早さを下げようとしたのだが……全然効いていないらしく、なんとレジアイスは怖がる素振りも見せない。
その無表情と氷の体は、まるで怖がるという感情を持ち合わせていないかのような雰囲気すら持っていた。

「そ、そんな!」

さっそく作戦が失敗して驚くのび太だが、すぐに頭を切り替える。レジアイスは攻撃の手を緩めてはくれないだろう。
予想通り、かまわず手から冷凍ビームをはなつレジアイスだが、のび太はそれをなんとか回避した。
たったいま自分がいたところが凍り付いているのを見て、背筋に寒気が走る。相手の動作が遅くなければ、即ゲームオーバーだっただろう。
これは公式戦ではない。トレーナーへのダイレクトアタックも十分に考えられるのである。
のび太は再び頭を落ち着かせ、次の指示を出す。

「だったら……パチリス、電磁波!」

続いてパチリスが飛び掛り、次の冷凍ビームを準備しているところに微弱な電気を浴びせる。
今度のは効いたらしく、レジアイスは麻痺して一瞬動きを止めた。のび太はその隙を見逃さなかった。

「今だ! ポッチャマ、バブル光線。ズガイドスは突進だ!」

勢いよく飛ぶ無数のバブルがヒットし、その直後にズガイドス渾身の一撃が加わる。
ぐらっと体制を崩すレジアイス。しかし今のでは決定打にはなっていなかった。
壁に氷の手を突き刺しバランスを保つと、何事も無かったかのように元の体制にもどった。
583あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/16(金) 22:38:26 ID:sbLtE32z0
「……」

レジアイスの目が再び妖しく光り、両腕を構える。
そして次の瞬間、身も心も凍てつきそうな攻撃が同時に三匹を襲った。凍える風だ。
吹き飛ばされそうになりながらもふんばり、なんとか攻撃を耐え切った。

「くっ……大丈夫? みんな!」

体勢を立て直し、頷く三匹。
幸い、大したダメージはなかったようだが……のび太は様子がおかしいことに気がついた。
全員の素早さが下がっている。さっきまでのような素早い動きはできなくなっていたのだ。凍える風の追加効果である。

これがレジアイスの狙いだった。レジアイスは再び冷凍ビームを放つ。

「パチリス、堪えるんだ!」

今のパチリスと冷凍ビームの速度の差から回避できないと悟り、のび太は仕方がなく堪えるを指示する。
パチリスは冷凍ビームを耐え抜き、わずかに残った体力で立ち上がる。
その隙に他の二匹はレジアイスにつっこんでいった。
しかしレジアイスがそれをゆるすはずもなく、痺れた体を無理やり動かし再度冷凍ビームの体制に入る。

「ポッチャマ、水遊びで水をばら撒くんだ!」

ポッチャマの放った大量の水が冷凍ビームから身を守る盾となり広がった。
冷凍ビームは、ポッチャマの変わりにこの水を一瞬で凍らせる。

「ズガイドス、岩砕き!」

岩ではないが、今ので固まった氷を粉砕し、それを弾幕のように吹き飛ばすズガイドス。
氷の塊は何発もレジアイスにあたり、攻撃の隙を作っていた。
さらに、都合よく麻痺してくれたのか、完全に無防備な状態だ。冷凍ビームを放った体制から戻れずにいた。
584あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/16(金) 22:40:47 ID:sbLtE32z0
「そのままダメ押しだ!」

ズガイドスは捨て身で突っ込み、のけぞったレジアイスに強烈な一撃を加える。
これは直前に攻撃を受けている相手に対し、威力が上がる技。今のレジアイスに対し、この攻撃は二倍の威力を持っていた。

人間、追い詰められると予想以上の力を発揮してしまうものだ。
今ののび太はまさにそれで、普段よりも頭の回転が速くなっていた。

倒しきることはできなくても、ここまでの戦闘でかなりのダメージを与えられたと思い込むのび太。
しかし――残念ながら、それは全く持って甘い考えだった。


「そ、そんな……!」


この空間を絶望的な空気が支配する。
レジアイスは、今の攻撃でもほとんどダメージを受けていなかった。
それどころか……すざまじい力で腕を振り、ズガイドスを吹き飛ばした。

「ズガイドス!」

それを両手でキャッチし、反動で吹っ飛ばされるのび太。
地面に仰向けに倒れこむと、レジアイスはまるで恐怖がそのまま形になったかのようなオーラを漂わせながらそれを見下ろしていた。
585あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/16(金) 22:44:12 ID:sbLtE32z0
最初は優勢なようにも見えたが、ほんの一瞬判断を間違えたせいで逆転されるというのはよくある話だ。
あれだけ攻撃を与えてもまともにダメージが通らず、ズガイドスが倒されたとなるとのび太は頭がパニックになりかけていた。

パチリスがとめようと電光石火で突っ込んでくるが、今のレジアイスの前には全くもって無意味なものだった。
硬い氷の体に防がれ、そのままゆっくりと凍える風で吹き飛ばされる。

「パチリス!」

非常にまずいことになった。
パチリスもズガイドスも戦闘不能になってしまったようで、完全な一対一の状態になっている。
しかものび太は気がついていなかったが――レジアイスはひっそりと「鈍い」を積んでいた。
自分の素早さを下げ、攻撃と防御を挙げるわざ。レジアイスの動きが鈍っていたのは電磁波のせいだけじゃなかった。

動きの鈍ったレジアイスはゆっくりとのび太に向ってきた。
ポッチャマがそこに割ってはいる。のび太を守ろうとしているのだ。
トレーナーとして指示を出さなければいけないと立ち上がるが、レジアイスを見たとたんに考えが変わる。

「……む、無理だ」
586あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/16(金) 23:42:34 ID:zSChVmPqO
一時中断
587ゲーム好き名無しさん:2009/10/17(土) 07:50:10 ID:80W3kbroO
投下来てたのか、乙。実際にあんな奴に追い詰められたら怖いわな
一時中断ってことは今日も投下してくれるのか?
588あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:06:41 ID:slUOeCgO0
うん今から続き投下する
589あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:08:29 ID:slUOeCgO0
脳内を恐怖と絶望が支配する。目の前の相手は自分たちとは格が違う。
作戦がどうとか相性がどうとかそういう問題ではない。ただ一つ、レベルが絶望的に足りなすぎたのだ。
その圧倒的な力量の差を思い知り……のび太は叫んだ。

「無理だよ、ポッチャマ!」

のび太はこれまでの戦いで悟った。この敵は、今まで戦ったどんな敵よりも強い。
凍えて素早さが下がっているポッチャマに勝てる相手ではなかった。

しかしポッチャマはどかない。意地でもここで抵抗を続けようという意志がその瞳からにじみ出ていた。
その口から、レジアイスをとめようと必死にバブル光線を放つ。
しかしレジアイスは虫に刺されたくらいにしか感じていないらしく、その足を止めることはなかった。

「もうやめて、ポッチャマ!」

バブル光線はことごとく跳ね返される。
それでもポッチャマは攻撃の手を止めなかった。レジアイスはそんなポッチャマをあざ笑うかのようにゆっくりと進んでいく。
そして邪魔だといわんばかりに、凍える風でポッチャマを吹き飛ばした。

「ポッチャマ!」

地面に叩きつけられてなおポッチャマは立ち上がった。
ここで引き下がることはできないのだろう。プライドと意地だけが今のポッチャマを支えていた。
590あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:11:38 ID:slUOeCgO0
いつも酷い目にあい、後ろ向きな考え方が骨身にしみていたのび太にはポッチャマの行動がよくわからなかった。
この世界でなら一番になれるかもしれないとも思ったが、やはりこのレジアイスやいつぞやのギンガ団幹部のように圧倒的な力の差がある奴もいる。
のび太はそういう存在に対し『もしかしたら勝てるかも』と思いながらも、やはり最後には負けてしまった。

だからもう勝ち目はないとのび太は諦めた。
開始早々味方が全滅寸前に追い込まれ、これ以上やっても無駄だ、とある意味冷静な視点で状況を見た。
しかしポッチャマは叫ぶ。トレーナーが諦めてもなお立ち向かい続けた。

すると突然――その体を光が包み込む。

「こ、これは……?」

のび太は図鑑を開き、ポッチャマの様子を確認する。
しかし図鑑が読み込んだのは「ポッチャマ」のデータではなかった。

眩しい光に、レジアイスもその進行を止める。
光が切れたあと、そこに立っていたのは……ポッチャマとは姿の変わったポケモンだった。

「これってまさか……」

データが読み込んでいたのは「ポッタイシ」というポケモンだった。
自分が一番偉いと思っているとか、群れを作らないとか、そんな情報は今ののび太にはどうでもよかった。
ただ一つ、のび太を動揺させるのに十分すぎる情報が……そこにはあった。

「ポッチャマが……進化した……!?」
591あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:13:54 ID:slUOeCgO0
そう。これが初めてみるポケモンの進化だった。
自分のポケモン。最初のポケモンが……ついに、その姿を変えたのだ。
ポッタイシは力強く頷く。そして、レジアイスのほうをにらんだ。
のび太は突然の出来事に戸惑う。負けると思っていたのに、この状況を逆転させる可能性がほんの少しだが現れてしまったのだ。

「え、えっと……」

何を言っていいのかわからない。
……だが、悩むのはあとにしてここは少しでもその可能性にかけようとのび太はいつものセリフをいった。

「ぽ、ポッタイシ、バブル光線だ!」

目が眩んだのか、動かないレジアイスに向ってポッタイシはバブル光線を打ち込んだ。
進化エネルギーの勢いで力が普段以上に上がっているのか、なんとかレジアイスの進行を押さえこむほどにはなっている。

たしかに吹き飛ばされるだけだったポッチャマのときと比べれば大きな進歩だ。
でも、すぐにこれじゃあダメだとのび太は悟る。

(このままじゃただの時間稼ぎにしかならない。やっぱり、無理なのか……?)

レジアイスは痺れを切らしたのか、バブル光線をくらいながらも腕に力を溜め始めた。
地面の岩がそれに吸い込まれるかのように宙に浮かぶ。
レジアイスはばかぢからでトレーナーもろとも吹き飛ばそうとそれを勢いよくはなった。

592あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:16:50 ID:slUOeCgO0
「う、うわあああああああああっ!」

バブル光線を飲み込みながら、それはどんどん近づいてくる。
そして爆発。洞窟内に、最初に聞いたときと同じような振動音が鳴り響く。
砂埃は舞い、洞窟はゆれ、天井からさらに岩が崩れ落ちてくる。


しかし――のび太はそんな爆発の中、生き残っていた。








「悪いな。俺の手違いでお前を危険な目にあわせてしまった」

のび太とポケモン達を守ったのは、ドンカラスをつれた一人の赤い髪の男だった。
とっさに「まもる」を使い、ばかぢからを防いだのだ。
その男はレジアイスのほうを向き直る。その鋭い目つきをのび太はどこかで見たことがあるような気がした。

「あ、あなたは?」

「俺の名はシルバー。……通りすがりのポケモントレーナーだ」
593あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:20:19 ID:slUOeCgO0
シルバーはそれだけいうと、状況が掴めないのび太を置き去りに、すっとレジアイスを睨みつける。
それと同時にドンカラスはゆっくりと羽ばたき、上昇した。

レジアイスは邪魔者が増えようとお構い無しに凍える風を放ってくる。

「ドンカラス、熱風だ」

ドンカラスの羽ばたきによって発生する強力な熱風が凍える風を防ぎ、どうじにレジアイスにダメージを与えた。
効果は抜群のようで、レジアイスは少しづつ後退していく。
レジアイスは熱風を食らっても、次の攻撃を出そうとしない。
シルバーはそれを見て一言言った。

「黒い霧」

その命令と共にドンカラスは黒い霧を放射状に吹きだした。
目の前が漆黒に染まり、霧が晴れる前に向こうから冷凍ビームが飛んでくる。
しかも一発だけじゃない。視界を遮られ我を失ったのか、四方八方に乱射してくる。

「このままじゃ迂闊に近づけない……!?」

「いや、やけになったら勝負は終わりだ。つまり、それは俺の勝ちを意味する……」

ドンカラスは翅を大きく広げた。

「ドンカラス、ふいうち」
594あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:23:27 ID:slUOeCgO0
風を切るような音がし、次の瞬間、ドンカラスの姿が消えていた。
霧の中に突っ込んでいったのだろう。そしてしばらく冷凍ビームの発射がなくなった。
丁度このとき、霧が晴れ始め……そこにはレジアイスの胴体に深々と突き刺さるドンカラスの嘴があった。

「そろそろ頃合だろう。トドメのつじぎりだ」

ドンカラスは嘴を引き抜き、翼を刀のように使ってレジアイスを切り裂く。
目にも留まらぬスピードだった。
次の瞬間――レジアイスはぐらりと重心を崩し、その身を地に伏した。

「つ、強い……」

「なに、大したことはない。俺のドンカラスは強運だからな。みごとに急所にあたったようだ」

そういうとシルバーは手にモンスターボールを取り出し、レジアイスに向って投げつける。
レジアイスはボールに収まり、三回ほどゆれ……動きを止めた。

レジアイスの捕獲に成功し、シルバーはすっとボールを拾い上げる。
のび太は目の前の脅威が去り、なにがなんだかよくわからないがとりあえず安心することにした。
595あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:28:47 ID:slUOeCgO0
呆然と立ち尽くすのび太の前にゆっくりと歩み寄るシルバー。

「こんな目にあわせてしまったお詫びだ。お前をテンガン山の出口まで送っていこう」

「ちょっとまってください! 実はまだあの岩の向こうに友達が……」

のび太は瓦礫の山を指差す。
「なるほどな」と呟き、シルバーはもう一つのモンスターボールを繰り出し、放り投げた。

中から現れたのは巨大な体を持つポケモン、ギャラドス。
その威嚇しているような登場の仕方にのび太は腰を抜かしそうになった。
しかもその色はなんと赤だ。登場と同時に光があたりに飛び散り、その特別さを際立たせている。
見とれているのび太に、シルバーは冷静に忠告した。

「その友達とやらにここから離れるように言ってくれ」

なにをするつもりかはしらないが、のび太はドラえもんにその旨を伝えた。
ドラえもんが十分遠ざかれたと思う頃になって……シルバーは言った。

「ギャラドス、はかいこうせん」

その口から繰り出される強烈な光線の前に、瓦礫の山はなす術も無く吹き飛んだ。
そのあとには大きな穴が開いていた。

「のび太くん、無事だったんだね!」

「ど、ドラえもん! すっかり忘れてたよ!」

お互いに無事を確かめ合う二人。

「俺はレジアイスを捕まえに来たんだが、手違いで逃がしてしまってね。それがこの洞窟内で暴れまわっていたようだ。すまなかったな」

倒れているポッタイシをモンスターボールに戻しながらのび太は疑問に思った。
これだけの実力を持つこの人は……レジアイスを捕まえに来るようなこの人は一体何者なんだろう、と。
596あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/10/17(土) 20:30:56 ID:slUOeCgO0
投下終了。謎の新キャラは今後大きくストーリーに関わってくる予定
……最後のシーンまでドラえもんの存在を完璧に忘れていたもうダメだ
597ゲーム好き名無しさん:2009/10/17(土) 21:53:38 ID:80W3kbroO
乙!
謎も何も、間違いなく「あいつ」だろうが、どうストーリーに関わってくるか楽しみだ
598ゲーム好き名無しさん:2009/10/18(日) 01:49:19 ID:BTyNdI2FO
もうドラえもんは空気の方がオイシイ気がしてきた
599ゲーム好き名無しさん:2009/10/20(火) 17:21:46 ID:8H7lot9mO
保守
600ゲーム好き名無しさん:2009/10/22(木) 23:56:59 ID:s/8T7hYbO
ここの住人は女主人公(コトネ?)についてどう思う?
601ゲーム好き名無しさん:2009/10/23(金) 23:55:25 ID:strth4t70
俺の嫁
602ゲーム好き名無しさん:2009/10/24(土) 12:18:02 ID:gN9mSbg+O
俺だろ
603ゲーム好き名無しさん:2009/10/27(火) 14:05:54 ID:rbwFtlHiO
ポケ板で盛り上がってた時代ならその話だけで50レスはついたよな
コトネを小説に登場させる時はどうドラキャラと関わらせるかとかで
604薫 ◆N9lDd.MabY :2009/10/28(水) 23:13:08 ID:XGF2CboQO
久しぶり
明日の今頃語りに来るよ
605ゲーム好き名無しさん:2009/10/29(木) 23:44:11 ID:A/mPwuDSO
さっさと来いよ
606ゲーム好き名無しさん:2009/10/29(木) 23:47:08 ID:bKx2D+dy0
300
607ゲーム好き名無しさん:2009/10/30(金) 00:16:31 ID:BOrG9Jv9O
300って何だ
608ゲーム好き名無しさん:2009/11/01(日) 14:53:54 ID:/DptSillO
>>604は釣りだったんだろうか
609ゲーム好き名無しさん:2009/11/03(火) 22:58:25 ID:ElDKZQmvO
それ以外無いだろ
610ゲーム好き名無しさん:2009/11/04(水) 20:53:41 ID:rgEZbU/UO
ドラミちゃん=まねきねこダックじゃね?
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime3/1257305336/














611ゲーム好き名無しさん:2009/11/04(水) 21:47:00 ID:mpuiHkayO
保守
612ゲーム好き名無しさん:2009/11/08(日) 14:46:39 ID:JD2F+cuyO
なんか昔の初代スレみたいになってるな。プラチナ氏がいる分まだ希望があるが…
613ゲーム好き名無しさん:2009/11/12(木) 09:39:57 ID:QUA8iXa4O
ぶっちゃけ今HGSS出たからポケモン板に立て直すかpart1から仕切り直したら結構いくんじゃないかと思ってる
614ゲーム好き名無しさん:2009/11/12(木) 11:34:14 ID:BUWOYnfCO
>>613
仕切り直したくはないが、外31
615ゲーム好き名無しさん:2009/11/12(木) 11:42:53 ID:BUWOYnfCO
すまん、ミスした
>>613
ポケ板に立てるのは賛成だが、外伝31として立てるとやっぱ人が来なくなるだろうか?
荒らしや文章力がド素人な新人も来るだろうが、
それでもまず人口を増やさないと初代スレみたくいずれ落ちるだけだしな…
あと、新人が投下した内容がひどい時ってここの住人は毎回かなりきつく言うけど、
素人相手でも助言はしてもあまり叩かないようにしないか?
616ゲーム好き名無しさん:2009/11/12(木) 13:58:13 ID:QUA8iXa4O
>>615
どちらでも人は増える気はするけど荒らしや素人なんかはポケモン板に立てるなら覚悟しとかないとね
part1でもpart31でもいいけど人数増やしたいなら素人は黙認するくらいじゃないとダメ
いきなり「下手くそは書くな」とか言われると辛いっしょ
テンプレにある程度初心者のためのアドバイスとか入れてあげるといいんじゃないかな
タケシ「」 と 「」そう言ってタケシはニヤリと笑った。
この書き方の違いなんかを軽くね

まぁそういう素人見るのが嫌なら過疎でもここで頑張りましょうってだけ
正直自分も久しぶりに来たから偉そうなこと言えないけど
ポケモン板に移ったら「お、懐かしい。また暇潰しに書いてみようかな」みたいに
名前変えて復活したりとかそういう人いそうなんだよね
今書いている人もできれば大勢の人に見てもらいたいだろうし

結論は任せるが提案ということでご一考を
携帯から長文スマソ
推敲してないから文おかしいかも
617ゲーム好き名無しさん:2009/11/12(木) 14:39:26 ID:BUWOYnfCO
>>616
俺は作者が増えるなら素人でも大歓迎だな
そういう風にテンプレを改良すれば初心者も助かるだろうし
てか、新人を辛辣に叩いて逃がしたりしたせいで今みたいに過疎ったんだと思う
俺一人で結論は出せないが、ポケ板復帰は賛成
避難所で残った人達で話し合ってみるかな
618ゲーム好き名無しさん:2009/11/14(土) 12:58:43 ID:uBxkhkqfO
プラチナ氏は今回のポケ板移転についてどう思う?
できれば貴重な作者の意見を聞きたいから、
嫌じゃなければ時間がある時に酉付けて避難所の話し合いに参加してほしい
619あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/11/17(火) 00:33:28 ID:WniN9m5vO
俺は別にポケ板に移転してもいいと思うけど
実はポケ板の頃の状況をよく知らないんでなんともいえない

あとまだ規制解除されてないから次の投下は結構後になりそうです
620ゲーム好き名無しさん:2009/11/17(火) 08:22:52 ID:8JaGclb1O
規制だったのか…
621ゲーム好き名無しさん:2009/11/20(金) 19:33:30 ID:NOPaJC/LO
>>619
ポケ板の酷さ知らないから言えるんだよ
ID非表示の犠牲になったやつの気持ちも考えろゴミ
622ゲーム好き名無しさん:2009/11/20(金) 21:49:22 ID:os0YkROa0
test
623ゲーム好き名無しさん:2009/11/20(金) 22:45:31 ID:paGkJpNuO
>>621
プラチナは事情知らないけど意見求められて仕方なく答えただけじゃん。叩くべきは618だろ
プラチナは「ポケ板の頃の状況をよく知らないんでなんともいえない」って言ってるし、
知らない上で「個人的」にポケ板でもいいって言っただけだろうが
個人的な意見を述べただけの人(しかも貴重な作者)をゴミ扱いするお前は害虫だな。さっさと消えろカス
624ゲーム好き名無しさん:2009/11/20(金) 23:02:44 ID:1VIgAWAC0
>>621>>623
なんでお前らそんな喧嘩腰なんだ
とりあえず落ち着け
625ゲーム好き名無しさん:2009/11/21(土) 17:33:09 ID:ifz3p8iGO
作品も感想も書けない書かないゴミどもだからしょうがない
626ゲーム好き名無しさん:2009/11/21(土) 18:48:30 ID:gOILEEVaO
>>625
そりゃあ感想書いてる読者が作者をゴミ呼ばわりはしないわな
627 ◆0oe33Tyq22 :2009/11/25(水) 02:25:46 ID:4zta43yF0
文章力がど素人と聞いて
628 ◆0oe33Tyq22 :2009/11/25(水) 02:31:45 ID:4zta43yF0
……あー、作品投下はしないけど

ポケ板参入は大いに結構でござんす
おそらく昔からいた年齢層の人は大体忙しくなっちゃってる時期だろうし、そろそろ大丈夫……になっててほしい
629ゲーム好き名無しさん:2009/11/25(水) 21:01:32 ID:hfORJWsyO
>>627-628
久しぶり!!
死ね
630ゲーム好き名無しさん:2009/11/25(水) 23:33:37 ID:7Hd/cA8gO
見覚えある酉だな。誰だっけ
631ゲーム好き名無しさん:2009/11/27(金) 03:00:51 ID:VKGr366IO
また構ってちゃんのAAモソか
632ゲーム好き名無しさん:2009/12/01(火) 19:41:14 ID:08gMI0t4O
保守
633ゲーム好き名無しさん:2009/12/06(日) 08:58:12 ID:v5jL/wYzO
プラチナ氏が規制されたとか凄い痛手だな…
634ゲーム好き名無しさん:2009/12/08(火) 16:31:38 ID:mCf3XoAs0
まだこんな擦れ合ったのか。保守
635ゲーム好き名無しさん:2009/12/08(火) 22:37:00 ID:P+ocfHcPO
もうほとんど保守スレだけどな
636ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 15:43:30 ID:ZDElPlnW0
しょうがないから書いてやるよ
637ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:33:56 ID:ZDElPlnW0
 拝啓 ドラえもんさま。
 こんばんは、野比のび太です。
 陽春の候、いかがお過ごしでしょうか。
 さて、あなたに誘われるままポケットモンスター金銀の世界にやって来てから、
 六時間ほどが経過いたしました。
 言い出しっぺのあなたがゲームの世界に来ないとは正直予想外でした。
 おかげでぼくはウツギ博士にお使いを頼まれ、先ほどやっとそれを終え、
 一人だけ大幅に遅れをとっています。
 博士からのお礼は特にありません。
 早くも現実の世界に帰りたくなってしまいました。
 スペアポケットとは言いません。
 せめてウラシマキャンデーを、ウラシマキャンデーをください。
 冗談です。
 それでは、またお会いいたしましょう。
 敬具

638ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:34:43 ID:ZDElPlnW0
 ここはヨシノシティ
 かわいい花の香る町



「へぇ、ゲームの世界にも季節ってあるんだぁ」
のび太は感嘆の声を洩らした。
この町にはその説明の通り、至る所に花がある。
もちろん、春を象徴する桜もその花を咲かせている。
「きれいだなぁ……」
のび太はのび太らしい率直な感想を述べた。
「ほらヤドン、桜きれいだよ」
しかし、のび太のパートナーであるヤドンは桜に一瞥も与えず、
ただぼんやりと月の浮かんだ夜空を眺めている。
のび太はやれやれと思いながらポケギアに目を落とす。
「次の町はキキョウシティか。みんなもう着いてるんだろうなぁ……」
のび太は溜め息を漏らした。
ヤドンはまだ空を見ている。
ウツギによれば、もともとのび太たちがもらえるはずだったポケモンたちは、
数日前に何者かに盗まれてしまったらしい。
のび太は不安を感じずにはいられない。
「そういうイベント、なのかなぁ?」
のび太の独り言に答えるものはいなかった。
考えていてもしょうがないと判断したのび太は、
ヤドンを連れて30番道路に向かった。
639ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:35:38 ID:ZDElPlnW0
 ここは30番道路
 キキョウシティ …… ヨシノシティ



「ここを抜ければキキョウシティなんだね」
のび太はなんとなく、そばにあった大きな木に手をついた。
そして、木の上からなにかがぶら下がっていることに気付いた。
「うわッ!」
のび太は驚き、慌てて後ろに下がった。
そのなにかの正体は野生のイトマル。
のび太は胸を撫で下ろす。
「はぁ、どきどきしたぁ……」
のび太はイトマルをよく捉えようとして、そのつぶらな瞳と目が合った。
「よし、捕まえてみよう」
そう決めるや否やのび太は傍らのヤドンに命じる。
「体当たり!」
気を抜いていたらしいイトマルにヤドンのピンク色の体がぶつかった。
「よし、モンスターボール!」
射撃が得意なだけあって、のび太の投げたボールは見事にイトマルに命中し、
当たったボールは揺れもしなかった。
「やった、えへへ」
初めて自力でポケモンを捕まえ、頬が紅潮している。
「やっぱり考えすぎだったな」
のび太は実に単純な構造の脳みその持ち主だった。
640ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:37:09 ID:ZDElPlnW0
 ここはキキョウシティ
 懐かしい香りのする町



「だれかと一緒に行けばよかったかしら」
しずかはぽつりと呟いた。
しずかはこの世界に来た四人の中で唯一、ポケモンをプレイしたことがない。
みんなのプレイを見ていた程度だ。
経験不足はしずかを焦らせ、結局ここまで一人で来てしまったのだった。
「別に優勝するつもりもないのに」
そう、ゲームには勝者がつきものだ。
今回の場合は最初にチャンピオンになれば優勝である。
しかし、しずかは勝ち負けにはあまり興味がなく、
どちらかと言えばかわいいポケモンと一緒にいたいという気持ちだった。
どうせ黙っていてもだれかが優勝するだろうと考え、
これからは自分のペースで進むことにした。
「それじゃナゾノクサ、お散歩にでも行きましょ」
パートナーのナゾノクサを連れて、しずかもまた31番道路へ歩き出した。
641ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:38:46 ID:ZDElPlnW0
 ここはマダツボミの塔
 ポケモンの修行をなされよ



「オニスズメ、つつく!」
ジャイアンはマダツボミの塔で坊主相手に修行をしていた。
修行と言っても、マダツボミ狩りと言い換えることができるほど一方的なものだった。
ジャイアンのパートナーはワンリキーだが、
マダツボミやホーホーを相手にしてはその実力は発揮できない。
そこで新入りのオニスズメの出番というわけだ。
そしてとうとう、マダツボミの塔において最も強い坊主、コウセイをも倒してしまった。
「あんたも弱いなぁ。全然手応えなかったぜ」
ジャイアンは勝ち誇った笑みを浮かべる。
そんなジャイアンを見据え、コウセイは口を開く。
「確かにそなたは強い。だが」
「負け犬のくせに説教かよ」
ジャイアンを無視してコウセイは続ける。
「そなたはポケモンに対する愛情が足りない」
途端にジャイアンの顔が不愉快そうになった。
「愛情なんて強さに関係ねぇよ」
「どう思おうと勝手だが、そのままではこれ以上強くはなれまい」
いつものジャイアンならばとっくにコウセイを殴っていただろうが、
コウセイの持つ密かな迫力に圧倒されてしまっていた。
「ちッ、ばかじゃねぇの。なにが愛情だよ」
ジャイアンはそう吐き捨て、塔をあとにした。

642ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:40:22 ID:ZDElPlnW0
 キキョウシティ ポケモンジム
 リーダー ハヤト
 華麗なる飛行ポケモン使い!



「それじゃよろしくお願いします」
「こちらこそ」
その頃、スネ夫はキキョウジムに挑戦していた。
ハヤトはポッポを、スネ夫はパートナーであるケーシィを繰り出す。
「ポッポ、体当たり!」
先手を打ったのはハヤトだった。
スネ夫は動じず、ケーシィに指示を出す。
「テレポート!」
ポッポから攻撃を受ける直前にケーシィの姿がかき消えた。
「どこに行った?」
「後ろだよ」
ケーシィはポッポの背後に回っていた。
「ポッポ、風起こし!」
「ケーシィ、テレポート!」
スネ夫はただただ、ケーシィにテレポートを命じ、
ポッポの攻撃をケーシィがテレポートで避ける、という行為が幾度も繰り返される。
「どういうつもりだ!」
スネ夫はそれには答えない。
そして、ハヤトはスネ夫のその意図に気が付いた。
(悪あがき狙いか!)
そう、スネ夫は技ポイント切れによって悪あがきを発動させようとしているのだ。
(舐めた真似を)
「テレポート!」
怒りに震えるハヤトにスネ夫の声が聞こえた。
(今のが十四回目のテレポートだな)
テレポートの技ポイントは十五。
ならば、とハヤトは考える。

643ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:41:34 ID:ZDElPlnW0
ケーシィが最後のテレポートを使ったときに、
ポッポに守るを使用させれば悪あがきを防ぐことができるだろう。
「ケーシィ」
スネ夫が指示を出そうとした。
「ポッポ、守る!」
ハヤトの命令を受け、ポッポが自身を丸め、防御しようとしたそのとき。
「悪あがき!」
ケーシィはテレポートではなく、悪あがきを発動した。
「なにッ!」
防御体勢が万端でなかったポッポは、悪あがきをまともに食らい倒れた。
「ばかな!なぜ……」
スネ夫がいやらしい笑みを浮かべて言う。
「技ポイントが常に満タンとは限らないよ?」
その言葉にハヤトははっとする。
「なるほど、おれと戦う前にテレポートの技ポイントを一だけ減らしておいたのか」
テレポートの連発が悪あがき狙いであることが気付かれるのは、
スネ夫にとっては計算のうちだったのだ。
「仕方ない。出てこい、ピジョン!」
ハヤトが繰り出したのは、切り札でもあるピジョン。
「先制攻撃だ、泥かけ!」
もはや攻撃を避けるすべを持たないケーシィは、泥かけを食らってしまった。
「ケーシィ、悪あがき!」
命中率が下がっているケーシィの悪あがきは虚しく空を切る。
「ピジョン、風起こし!」
もともと防御力の高くないケーシィは、ピジョンの攻撃で戦闘不能となった。
「戻れ、ケーシィ。次はこいつだ!」
スネ夫が出したのはハネッコ。
「ハネッコ、だと?」
草タイプのハネッコは飛行タイプのピジョンとは相性が悪い。
「どこまでも舐めたものだな」
ハヤトは呆れかえっている。
それを見て、スネ夫はにやりと笑った。

644ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:42:36 ID:ZDElPlnW0
「ピジョン、体当たり!」
ハヤトの指示を受けたピジョンは、ハネッコ目がけて走り出した。
(効果抜群な風起こしを使わないなんて、随分と手を抜いてるじゃないか)
ハヤトが本気を出していないことが分かり、スネ夫はほくそ笑む。
「舐めてるのはぼくじゃない、あんたの方さ。ハネッコ、毒の粉!」
ハネッコの至近距離にいたピジョンに毒の粉が直撃した。
「ハネッコ、続いてフラッシュ!」
ハヤトとピジョンに少しの暇も与えず、スネ夫はハネッコに命令した。
眩い光がジムを照らす。
「目が、目がぁッ!」
ピジョンはもちろん、ハヤトも思わず目をつぶった。
スネ夫はどこに持っていたのか、しっかりとサングラスを装着している。
「秘伝マシンを持っていたのか……」
ハヤトは目を押さえながら呟いた。
そう、フラッシュを含むすべての秘伝マシンは、
ポケモン図鑑やポケギアと同様に、
ゲームが開始したと同時にプレイヤーに配られている。
一つしか手に入らないものであるため、
二人以上でプレイするときは全員に配られるように設定されているのだ。
スネ夫はさらにフラッシュを命じ続ける。
ハヤトの目が回復するころには、ハネッコはすでに六回目のフラッシュを終えていた。
それからは一方的な戦いだった。
ハネッコに攻撃はほとんど当たらず、たまに当たってもすぐに光合成で回復してしまう。
ピジョンはと言うと、毒に少しずつ体力を奪われ、加えて攻撃を食らっていた。
それから数分後、ピジョンはとうとう体力が尽きて倒れた。
「……おれの負けだ。これを受け取ってくれよ」
ハヤトはスネ夫にジムバッジと技マシンを渡す。
「ありがとうございます」
(技マシンは泥かけか。正直いらないなぁ)
スネ夫は口先でだけ礼を言うと、ジムを出た。
上機嫌で鼻歌など歌うスネ夫の耳に、聞き慣れたあの声が聞こえた。
「スネ夫、勝負だ!」

645ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:45:28 ID:ZDElPlnW0
ジャイアンからしてみれば、さしたる理由はなかった。
ただむしゃくしゃしていたから、そしてその目の前をスネ夫が通ったから、
ジャイアンはスネ夫に勝負を挑んでいた。
「ジャ、ジャイアン。それはちょっと勘弁してくれないかなぁ」
スネ夫は必死でジャイアンとの勝負を避けようとする。
今戦える手持ちはハネッコしかいないのだ。
「ぼく、一応ジム帰りだから手持ちが」
「うるせぇな、勝負しねぇなら全財産よこせ!」
さすがジャイアン、めちゃくちゃである。
スネ夫の脳みそは経験上、こう言っている。
機嫌の悪いジャイアンに逆らうことは最も無駄な行為の一つであり、
無駄どころか危険なのでやめた方が賢明だ、と。
諦めがついたスネ夫はハネッコを出した。
ジャイアンはオニスズメを繰り出す。
結果は言わずもがな、ジャイアンの楽勝であった。
「ありがとな、スネ夫。いいストレス解消になったぜ」
ジャイアンはスネ夫の所持金の半分を奪い、ジムへと向かっていった。

646ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 19:47:06 ID:ZDElPlnW0
 ここは31番道路
 キキョウシティ …… ヨシノシティ



「やっと着いたよ、キキョウシティ」
のび太はキキョウシティ入口を前にして呟いた。
「正確にはまだ31番道路だけどね」
あと一息、と入口に入ろうとしたそのとき。
「ぐはッ!」
扉が勢いよく開き、のび太の顔面にクリティカルヒットした。
ついでに鼻血が出た。
「あっ、ごめんなさい!」
のび太の耳にかわいらしい声が届いたが、当然その程度では痛みは治まらない。
「ごめんですんだら警察はいらないんだよ、ってしずちゃん!」
「あら、のび太さん!」
扉を開いたのはのび太の思い人、しずかだった。
「ほんとにごめんなさい!」
「いや、全然平気だから気にしないで」
しずかは腰を深く折り、のび太に謝罪する。
のび太は鼻にティッシュを詰めている。
「そんなことより、しずちゃんはどうして戻ってぐふッ!」
のび太の言葉はそこで途切れた。
驚きながらしずかが呟く。
「あれは……ホーホー?」
のび太は今度は野生のホーホーに後頭部を攻撃されたのだ。

647ゲーム好き名無しさん:2009/12/12(土) 21:52:32 ID:zUBjEI1wO
これ、昔投下された未完成作品だよな
648ゲーム好き名無しさん:2009/12/13(日) 10:50:06 ID:2n2ei5W60
このままじゃどうにもならない
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/poke/1260668737/
649ゲーム好き名無しさん:2009/12/13(日) 14:16:00 ID:dzoP5cd30
               ____
              /      \
                /|   _ =    ミ
            彡  -、 , 、 _,-  ミ _
            { `| ,x=x = ,r=x、, |´ }  お前さあ、それこの板と何か関係あるの?♪  
             ヽ{!  '" , ',:、 '" ,' |}ノ
             |  /`'ー'"ヽ- ト    どう考えても関係ないよね? ♪   
         i'´ ̄::::::: ヽ ノー=-' } /::V
 _人_    /N::::_:::::/`ー、__ノ-'/ : : /‐く  じゃあなぜそんなこと書き込んだのかな?♪
 `Y´    /::::::://:::/:::::|  ><  /:::丁´:::::::::::::V゚}∩  *
       /::::nんh_::∧:::::}/八. ∨::::::」::::::::::〈ヽ.ノ///〉 きっとバカなんじゃないかな?♪
.     /:/| ! // 〉:::::>ヘ.ノ八 ソ::::{::::::::::::/:::}    っ
    //:::::::\__ノ〉::〈:::::::|/ ∧〉::::〉::::::::/::::∧  , ィ´精神科に行って診てもらいなよ^^♪
    /:::::::::::::::::::::/::::::::\::! /:::::>'´::::::::/::::/:::い.ノ):〉
    !:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::ヾ厶イ:::::::::::::/:::/:::::::ヽノ:/
    |::::::::::::::/ヽ:::::::::::::::<>:::::::::::::::::::/ |:::::::::::::::::::/  *
    `ー七:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::::::::/
     //:::::::::::::::::::::::<>::::::::::/::::/  ヽ:::::::::::/
   /⌒〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::イ::::::::/    `ー‐'  *
650ゲーム好き名無しさん:2009/12/13(日) 23:24:48 ID:Z4lLL7LRO
本気でこんな強行手段取る奴がいるとは思わなかった…
651ゲーム好き名無しさん:2009/12/14(月) 16:05:15 ID:/Qvd3i/k0
これでポケモン板に戻るのも難しくなったな
お前一人のスレじゃないんだから相談ぐらいしろ
652ゲーム好き名無しさん:2009/12/14(月) 22:28:25 ID:6RhYlsU4O
新初代になるならまだしも投下もせずただスレ建てるだけかよ
避難所もロッカーもあるのに相談せず単独行動したことで最悪の事態になってるぞ
653ゲーム好き名無しさん:2009/12/14(月) 23:00:07 ID:oyqCDlFM0
まあ元から投下も無いしな
654ゲーム好き名無しさん:2009/12/14(月) 23:20:08 ID:SSBRjNyG0
>>648は他のヤツラとは違うって言いたかったんだよ
655ゲーム好き名無しさん:2009/12/15(火) 19:51:25 ID:Cbe9J9hp0
ていうかお前ら誰でも良いから投下しろよ
656ゲーム好き名無しさん:2009/12/16(水) 00:41:01 ID:p7/0jzihO
まだ4人以上もいるとは思わなかった
657ゲーム好き名無しさん:2009/12/16(水) 21:45:21 ID:w7uk16xZO
ジャイアン「ようのび太、対戦用のポケモンは捕まったか〜?」
スネ夫「無理無理!状態異常もろくに知らないんだから。はははっ」
のび太「もちろん手に入れたさ。出てこいっ、ミュウ!」
スネ夫「あ゛ーっ!幻のポケモン!」
ジャイアン「なんでのび太がそんなもん持ってんだ!」
出来杉「やぁのび太くん。そのミュウ、マクドナルドでもらったんだね。僕も欲しかったなぁ」
658小学2年生 ◆OPQJCQqa3I :2009/12/18(金) 00:11:12 ID:8mtnWOEe0
    ニョキ               
       /"lヽ ニョキ         
      ( ,人)          
       |  |  
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|   ● /   ヽ  ●   |  
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ヽ     ヽ_/ヽ__/     /
659ゲーム好き名無しさん:2009/12/21(月) 18:30:49 ID:thiVgDK/O
ポケ板の方のスレいきなり過疎ってるじゃんよ
660ゲーム好き名無しさん:2009/12/26(土) 08:28:36 ID:xjLwE5fQO
落とせばいい
661あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:12:27 ID:40YYbN9M0
規制解けたんで投下するね
662あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:14:23 ID:40YYbN9M0
「……ここまで来れば大丈夫だろう」

あれから数時間。薄暗いテンガン山の洞窟を抜け、彼らの前には広々とした青空が広がっていた。
時刻はまだ昼ごろ。登り始めた時間帯から考えると、だいぶいいペースだと言える。
のび太は瀕死のポケモン達が眠るボールを気にしながらシルバーのほうを向いた。

「ほんとうにすいません。さっきはありがとうございました」
「いや、元は俺が悪いんだ。むしろこちらが謝らなければいけないくらいだな」

元は自分が悪い……そう、シルバーはさっきレジアイスを捕獲しようとして取り逃がし、それが原因でのび太たちに被害が及んだのだ。
この男はそうとうポケモントレーナーの実力があるらしく、周りの野生ポケモンはその覇気を恐れたのかあの後まったく姿を見せなかった。
のび太はその鋭い眼差しをどこかで見たことがあるような気がしたが……気のせいだなと忘れることにする。

「シルバーさんはこのあとどうするんですか?」
「ああ、ちょっと用事があってな。ここでお前らとはお別れだ」

シルバーはボールからさっきのドンカラスを出し、自分の肩に止まらせる。
このドンカラスはよく鍛えられているようで、翼を広げた様はとても見事なものだった。

「この先色々あるだろうが気をつけてくれ。次の町はすぐそこだ」

ドンカラスはその立派な翼をはためかせ、自分の身長の倍以上はあるシルバーの体を宙に持ち上げる。
そのままシルバーを掴んで空高く舞い上がり、終いにはその姿が見えなくなっていってしまった。
空を飛べるシルバーをすこし羨ましいなと思うのび太だが、すぐに思考がポッチャマたちのほうへ戻ってしまう。

「……そうだ、早くポッチャマを回複させてあげないと」

「ヨスガまでもう少しだってね。急ごう、のび太くん」

そう言って走り出すドラえもんだが、数歩進んだところで足を止める。

663あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:18:07 ID:40YYbN9M0
そう言って走り出すドラえもんだが、数歩進んだところで足を止める。

「……のび太くん?」

のび太の足は止まっていた。なにやら考え事をしているようだった。
ドラえもんはそっと近づき、その顔色を確かめる。

「僕、またポッチャマたちをこんな目にあわせちゃってさ。トレーナーの才能がないのかな?」

あんな敗北をした後では無理はない。圧倒的な力の前になにも出来なかったのだから。

「仕方ないよ、相手が悪かったんだ。君はよく頑張ったよ」

慰めるドラえもんだがのび太は首を横に振る。

「それはわかってるさ。でも、ポッチャマがせっかく頑張ってたのに、僕、途中で諦めかけちゃってさ……」

のび太は悔しそうに自分の手持ちを見つめた。
ハクタイジムのとき、もうポケモン達にこんな無茶はさせないと誓ったのに、さっそくこんなことになって落ち込んだのだろう。
ドラえもんはどうしようか悩む素振りを見せた後、のび太の肩をぽんとたたいた。

「まぁ、僕達はまだトレーナーになって日が浅いんだ。今はまだそんなに思いつめなくてもいいと思うよ」
「そ、そうかなぁ」

それに……と、ドラえもんは瀕死のポッタイシたちを指差す。

「今はこんなことしてる場合じゃないだろ? ほら、早くポケモンセンターで回復してあげないと」
「……うん、そうだね」

のび太は顔を上げる。早く次の町へ進まなければ、とそういう意思表示だ。
二人はヨスガシティに向って走り出した。
664ゲーム好き名無しさん:2009/12/27(日) 22:18:30 ID:mOeeOjGXO
支援
665あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:34:42 ID:40YYbN9M0
一方その頃、テンガン山の西側。

「やっとここまで来たわね。夕方までには向こう側に出たいけど……」

空高く聳え立つテンガンさんを目の前にして、しずかは軽く溜息をついた。
この世界が危険なところという感想を持ってしまった彼女にとって、なるべく危ない道は避けたかったのだ。
こうして眺める分にはとても素晴らしい観光所でしかないが、実際に入っていくとなるとやはり気が引ける。

「でも、仕方ないわよね。早くのび太さんたちに追いつかなきゃ」

しばらく躊躇った後、しずかはようやく覚悟を決めた。
自分たちも前と比べればかなり成長しているので、少し自信がついているのだろう。
テンガン山の暗い洞窟に足を踏み入れようとした……そのときだった。

「おーい、そこにいるのはしずかちゃんじゃないか!」
「この声は……スネオさん!?」

はっと振り返ると、そこには見慣れた人間の姿があった。
普段ならここで再開を喜ぶはずなのだが……今のしずかにそんなことはできなかった。
複雑な心境でいることに気がつかず、スネオはゆっくりと近づいてくる。

「まさか、こんなところで会うとは思わなかったよ」
「そ、そうね。本当に奇遇だわ」

しずかの様子が微妙におかしいことを感じ取ったのか、スネオは首をかしげた。

「どうしたの? しずかちゃん。僕の顔になんかついてる?」
「いや、別になんでもないの。ただ、あまりにびっくりしたから……ってだけよ」

すぐにいつもの笑顔に戻り、落ちついてそう誤魔化すしずか。
スネオは「まぁいいや」とすぐに興味を失うが、その代わりに……ごく当たり前の一言を放った。
「じゃあさ、二人で一緒にテンガン山を抜けようよ。そっちのほうがなにかと安心だろ?」

666あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:37:06 ID:40YYbN9M0
しずかは勿論躊躇った。
というかそもそも、何故こんなにスネオに対して不信感を抱いているかというと……いつかの発電所の事件が原因だった。

のび太の話によると、スネオが『発電所をギンガ団が襲撃する』ということを知っていたのは事実。
なのにどうしてそれを教えてくれなかったのか、としずかは微妙にわだかまりを抱いているのだ。

そもそも、これはスネオがギンガ団の恐ろしさをゲームどおりだと見くびったことが原因だ。
だが実際に危険な状況まで追い詰められたしずかにとっては、スネオのことをそう簡単に許せるはずはなかったのである。

「そんなに心配そうな顔しなくて平気だよ。まぁ確かにみんなよりペースは遅れてるけど、それは僕が大器晩成型の冒険をしているからさ」
「あ、いやそういうわけじゃなくて……」

スネオと一緒にテンガン山を抜けるか、それともここで断るか。
しずかの内なる戦いにまったく気がつかないスネオだが、このままではいずれこの悩みを疑われてしまう。

決断を迫らされたしずかは――あることを思いつき、手をたたいた。

「そうだ、スネオさん。ここで勝負しましょう」
「えっ、こんなところで?」
「そうよ。まずはお互いの力を試してみようと思わない?」

考えてみればあたりまえのことだ。トレーナー同士の目が合ったらそこで即バトルというのはゲームでもこの世界でも共通のことなのだ。
スネオを倒す→スネオはポケモンセンターに引き返す→そのうちに先へ進む
という作戦を脳内で瞬時にくみ上げたしずかは、少し罪悪感に苛まれながらも自分の発想力に微妙に感心した。

スネオはちょっと考えるが、すぐに快く頷いた。

667あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:40:00 ID:40YYbN9M0
「まぁ、別にいいけどさ。使用ポケモンは何体でいく? 僕は最大で3匹まで出せるけど」
「手持ち全部よ。私も丁度三匹だから丁度いいわね」

そういうとしずかは距離をとり、さっそく最初のボールをかまえる。
二人が同時にボールを投げると……次の瞬間、スネオは自分の行いを後悔したような顔になった。

「運が悪かったわね」

緑色のポケモンがくるくると踊るように出現する。
しずかの繰り出したポケモンはキルリア。それに対し、スネオの出したポケモンはゴルバットだ。
タイプ相性的にはキルリアの有利なのである。

「先手必勝だ。ゴルバット、噛み付く攻撃!」

スネオの指示通り、ゴルバットが大きな翼を広げ素早いスピードで口を開く。
しかし、しずかはスピードの差を最初から見切っていたようでとっさに反応した。

「キルリア、テレポート!」

突如キルリアの姿が消え、ゴルバットの攻撃は空振りに終る。
目標を失いおろおろするゴルバットだが、しずかは躊躇いなく命令した。

「そのまま念力!」

キルリアがゴルバットの死角に出現し、素早い動作で念派を飛ばす。反応できずゴルバットは大ダメージを負う……はずだった。
なんとゴルバットは自分の背後に現れたのを把握し、急上昇してその攻撃を避けてしまったのだ。

「そ、そんな!」
「驚いた? ゴルバットは超音波の反射で直接見なくても周りの状況がわかるのさ!」

自分の思惑通りに事が運んで満足そうに自慢するスネオ。
ゴルバットは今のうちに影分身をいくつも作り出し、自分の回避率を上げていた。
668あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:44:39 ID:40YYbN9M0
(このまま回避率を上げ、かみつくで徐々に体力を奪っていけば……僕の勝ちだ!
苦手なタイプ相手に勝利する僕ってカッコイイ!!)

スネオの思惑通り、影分身がキルリアを囲むようにしてどんどん増えていく。どう見てもしずかの不利だ。

「さぁ、どうする? これでもう攻撃は当たらないよ!」
「……いえ、別にそうでもないわ」

スネオは一つだけ見逃していた。キルリアもしずかも、この状況に全く動じていないということを。
とくにキルリアはトレーナーの感情を敏感に察知するポケモンだ。しずかが不安になっていればすぐにわかる。

「キルリア、マジカルリーフ」
「し、しまった!」

マジカルリーフ。絶対に命中する草タイプの技である。ゴルバットに対し効果はいまひとつだが……その動きを止め、次の攻撃に十分な隙を作るには十分だった。
キルリアの打ち出した攻撃はゴルバットを追尾し、直撃してその羽ばたきをとめさせた。

「そこね。もう一度念力よ!」

キルリアは間髪いれず次の動作に入り、ゴルバットを念力で吹き飛ばした。
そして驚くべきことに、ゴルバットは一撃で倒れてしまう。キルリアの力が強かったのか、一回戦目は一瞬にして終った。

「ば、馬鹿な! 僕のゴルバットが!」
「驚いた? そろそろ……舐めてかかると危ないってわかったんじゃない」

唖然とゴルバットをボールに戻すスネオ。しずかの強さには予想外だったのだろう。
そもそもしずかがのび太たちより遅れたのは、特訓して強くなるためだ。ある程度は成長していないとおかしい。
このまま初心者に負けると自分のプライドが許さないらしく、スネオはこわばった表情で二番目のポケモンを繰り出した。
669あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:52:05 ID:40YYbN9M0
「僕の二番手は……コイツだ!」
ボールから飛び出してきたのは、まるっこい風船のようなポケモンだった。
そのままやる気のない動作で宙に浮かび上がると、気の抜けた鳴き声で自分の存在をアピールした。
しずかはスネオの顔に笑みが戻ったのを見て、微妙に警戒する。見かけによらない強さを持っているというのはポケモン界でもよくあることなのかもしれない。

「フワンテ、たくわえる!」

スネオの声と共に、フワンテの体が一回り大きくなった。この技の効果を知らないしずかは、意味がわからず困惑する。
ここは長引かせないほうがいいと判断したのか、しずかはすぐにこう言った。

「キルリア、もう一度念力よ!」

キルリアの手から念派が放たれ、暢気な表情でいるフワンテを襲う。
その見かけどおり簡単に吹き飛んでしまったが……普通に耐え切ってしまったようだ。
キルリアはかまわず再度念力で追撃をかけるが、それでもフワンテの体力を削りきることができなかった。

「たくわえるは自分の防御と特防を上げる。そして、もう一つ……」

フワンテは隠し持っていたオボンの身を口に運び、食べてしまう。するとみるみる体力が回復していった。
スネオはにやりと笑みを浮かべる。そして次の瞬間、フワンテは物凄いスピードで一気に接近してきた。

「そんな、速すぎ……」
「そのまましっぺ返しだ!」

キルリアを物凄い打撃が襲う。しっぺがえしは攻撃を受けた直後に使うと威力が上がる技だ。
どうやら一発で限界だったらしく、打たれ弱いキルリアは即ダウンしてしまった。
フワンテは勝ち誇ったような表情をする。しずかはキルリアにかけよった。

「キルリア、大丈夫!?」
670あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:53:37 ID:40YYbN9M0
「フワンテの特性はかるわざ。持ってる道具がなくなった時、自分の素早さをあげるのさ!」

その後もスネオが自慢しているあいだにフワンテは蓄えるで自分の能力を上げていた。
しずかは思いもよらぬ強敵に、少し余裕を失ってしまう。

「こうなったら……あなたに頼むしかないようね」

しずかは最初旅に出たときからずっと一緒のモンスターボールを握り締めた。
最初のパートナーは随分と成長した。いまこそ……その成果を見せるときなのかもしれない。

「頼むわよ……トゲチック!」

「と、トゲチックだって!?」

しずかの繰り出したボールからは白いポケモンが飛び出してきた。
スネオはその姿を見て仰天したように目を見開く。そのポケモンはにっこりと笑顔を振りまいた。

「こんなに早くなつき進化させるなんて、そんな……」

そう、このトゲチックはしずかのトゲピーが進化した形態だ。
スネオはまだなつき進化の条件を満たしていない自分の手持ちを見つめ、羨ましそうに呟いた。

「えっ、なつき進化? ……まぁよくわかんないけど、丁度この前進化したばかりなのよ」

以前はあまり戦闘に出せなかったが、トゲピーは進化したことでかなり戦力が上がった。しずかもその力を信頼していた。
スネオはとりあえず優位に立とうと、素早さが上がったフワンテにもう一度命令した。

「たくわえるんだ、フワンテ!」

たくわえるは最高で3回が限界。フワンテはもう一段階大きくなり、最初とは随分印象が変わって見えた。
しかししずかはそれを読んでいたようで、微妙に口元が緩んでいた。
671あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 22:59:41 ID:40YYbN9M0
「それを待っていたわ。トゲキッス、アンコールよ!」

「アンコール……だって……?」

アンコールをかけられたフワンテは、もう使えないたくわえるをしようとし、失敗し続けるという謎の動作を繰り返す。
アンコールは相手におなじ技を繰り返させるので、これで実質フワンテは行動不能になったというわけだ。

(で、でも……耐久力は三回の蓄えるで十分上がってる。かるわざも発動したんだし、ここはアンコールが切れるまで耐えて……)

「トゲチック、ゆびをふるよ!」

「な、なんだって!?」

冷静に分析していたスネオをしずかの一言が凍りつかせた。
ゆびをふるはランダムで技が出るギャンブル要素の強い技。正直言って、実戦で使うのは無謀すぎる技だ。

「仕方ないでしょ、この子はまだ十分に攻撃技を持ってないのよ」

初心者ゆえの思い切った判断か。予想を裏切る展開に、スネオの目が丸くなっているのがよくわかる。
トゲチックはにこにこと指を振り続ける。そして次の瞬間――そのわざは発動した。

「こ、これは……」

空に黒い雲が現れる。とても不吉な何かを暗示しているかのような色だ。
バチバチと音を立てた後、その雲から……強力すぎる電撃、「かみなり」が落ちてきた。

「う、うわぁああああっ!?」

スネオの悲鳴と共にフワンテを襲う青い稲妻。まるで大地が揺れるかのような音だった。
こんな攻撃に当然耐えられるはずもなく、フワンテはぽとりと地面に落ちる。誰がどう見ても戦闘不能だった。
672あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 23:03:13 ID:40YYbN9M0
「ふ、フワンテ!?」

「こ……幸運だったわ。あなた最高よ、トゲチック!」

「う、嘘だ……こんなことあるわけがない……」

放心状態のスネオはフワンテを震える手でボールに戻す。
これでスネオの残るポケモンはあと一匹になった。しずかにとっては願ってもない状況だ。

「くっ……いけ、リオル!」


スネオの最後のポケモン、リオルが登場した。未だに進化はしていないようである。
このピンチにやれやれと肩をすくめ、ゆっくりと戦闘態勢にはいる。

「リオル、はっけいでトゲチックを倒すんだ!」

リオルは素早く接近し、掌にこめた波動をトゲチックにぶつける。
打撃音とともにあとずさるトゲチックだが、まだまだ余裕そうな表情である。
しかしリオルの連撃を受け止めきることはできないのか、徐々にダメージは蓄積していく。

「い、いいぞリオル!そのまま……」
「トゲチック、一旦戻って!」

モンスターボールに回収され、リオルは標的を失う。しずかはすぐに次のボールを手に取った。

「頼んだわ、ロゼリア!」

薔薇の花びらのような手のポケモンが現れる。これもまたなつき進化のポケモンだ。
登場したときの隙を狙われ一撃はっけいをくらうが、大したことはないらしい。
スネオはどうやらこのなつき進化系列のポケモンが気に入らないらしく、叫んだ。

673あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 23:03:58 ID:40YYbN9M0
「くそっ、リオル! もう一度はっけいだ!」

「無駄よ、毒タイプに格闘タイプは効きにくい……」

しずかの言葉通り、リオルの攻撃はロゼリアに受け止められてしまう。
そしてそれと同時に、何故かリオルが地面に手を突き苦しみ始めた。

「宿木の種……体力を吸収する技か……!」
「そうよ。そして、次はそのスピードを封じさせてもらうわ!」

フットワークが鈍くなっているリオルに向って、ロゼリアは容赦なく黄色い粉を撒きつける。
これはいつかニャルマーたちをまとめて行動不能にした痺れ粉だ。大事なことなのでもう一度言うが、これは痺れ粉である。
リオルはもうまともに戦える状態ではなかった。ロゼリア相手では分が悪すぎたのか、完全にしずかのペースになっている。

「ロゼリア、メガドレインよ」

リオルの体力はロゼリアに吸収されていく。宿木の種の効果もあわせ、最初に与えたはずのダメージも完全に回復した。
リオルはなんとか反撃を試みるが、ロゼリアの繰り出したマジカルリーフに叩きのめされる。
あまりに一方的過ぎる試合展開に、スネオは一人呟いていた。

「嘘だ……僕がしずかちゃんに負けるわけが……」

「どう? 降参する気になった!?」

「だ……誰が降参するもんか! リオル、はっけ……」

スネオがそういいかけたときにはもう遅かった。リオルは宿木の種に体力を吸い取られ、とっくに戦闘不能になっていた。
674あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 23:10:31 ID:40YYbN9M0
「嘘だ……」

「す、スネオさん?」

しずかは気がついていなかった。スネオも相当焦っていたのである。
他のみんなとは完全に遅れているし、のび太に一度負けそうになり不安になっていた。
さらに自分が未ださせられないなつき進化をしずかはいとも簡単に成功させ、なおかつ初心者に負けてしまった。

「ま……ママアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアア」

絶叫を残し、スネオは風を切って走る。
一人残されたしずかは、自分の目標が達成されたにもかかわらず呆然と立ち尽くしていた。

「なんか……悪いことしちゃったかしら」

静かの問いにロゼリアはくびを横に振る。それが、「敗者に情けは無用」か「むしろ相手を叩きのめしたことを喜ぶべき」かそれとも他の意味を持っているのかはわからないが、
しずかはとりあえず笑ってみた。

「ま、勝ったんだしいいわよね。早いところテンガン山を抜けちゃいましょ」

しずかは持っていた回複アイテムでポケモン達を回復させると、ゆっくりと洞窟の中へ足を踏み入れていった。
675あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2009/12/27(日) 23:16:21 ID:40YYbN9M0
これで投下終了です
なんか物凄い久しぶりに投下した気がするね!
676ゲーム好き名無しさん:2009/12/27(日) 23:31:34 ID:mOeeOjGXO
乙。またなつき度が下がったな…
677ゲーム好き名無しさん:2009/12/28(月) 10:32:41 ID:1uiV2966O
678ゲーム好き名無しさん:2009/12/31(木) 17:52:51 ID:uswCDBrdO
結局、このスレも年を越すんだな
679ゲーム好き名無しさん:2010/01/01(金) 00:26:50 ID:DYntar5qO
あけおめ
680ゲーム好き名無しさん:2010/01/02(土) 17:23:30 ID:Q78SwTLW0
もうおわりだろ
681ゲーム好き名無しさん:2010/01/02(土) 18:19:26 ID:hBqc5EmJO
新年早々そういうこと言うなよ
682ゲーム好き名無しさん:2010/01/05(火) 04:34:23 ID:WAGGgc8R0
はいはい
683ゲーム好き名無しさん:2010/01/05(火) 10:03:17 ID:1jddspndO
終わってほしい奴や諦めてる奴は何を目的にここ来てるんだ
684ゲーム好き名無しさん:2010/01/13(水) 10:05:27 ID:IFdnLwyKO
685ゲーム好き名無しさん:2010/01/21(木) 19:21:37 ID:L075MOobO
保守
686あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:09:44 ID:7v2/LVoC0
投下します
687あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:13:01 ID:7v2/LVoC0
あれから数十分後、無事に次の町『ヨスガシティ』に到着したのび太たち。
二人は急いでセンターをさがし、傷ついたポケモン達を回複してもらっていた。

「はい、これであなたのポケモンはみんな元気になりましたよ」
「ありがとうございます……」

営業スマイル全開のジョーイさんからモンスターボールを受け取ると、のび太は申し訳なさそうに手持ちのポケモン達をみつめた。
もう、こんな無茶な戦いはさせない。もっとポケモントレーナーとして強くなろう。
のび太は内なる決意を固めると、そっとモンスターボールを懐にしまった。

「えっと、ドラえもんはどこだろう……?」
このポケモンセンターは比較的賑わっているので、ぱっと見ただけではドラえもんがどこにいるのかはわからない。
……ここ、ヨスガシティはとても綺麗な街づくりで、シンオウ地方の住みたい町ランクでは上位に入るとかなんとか。
そのため、今までの町より必然的に人口は多くなりこういうちょっとした不都合が生まれてしまうのである。
なんともいえない微妙な不安に包まれるが、すぐに後からそれを振り払う声が飛んでくる。

「おーい、のびたくんこっちだよ!」

さっと振り向くと、そこにいたのは椅子に腰掛け手を振っているドラえもんだった。
のび太はほっとして近寄り、その隣に座り込む。

「ポッチャマ……じゃなかった、ポッタイシたちは大丈夫だった?」
「うん、ばっちりだよ。でも……」

「でも」と言いかけたのび太を前に、一瞬ドラえもんの顔が暗くなる。

……ポケモンセンターは最新の医療技術を使用しているので、『大丈夫でない』ことなんてまずない。
直せないものなんて精神的なものか死んでしまったポケモンくらいである。
しかしこの場合はそのうちの一つが当てはまっていた。

「今日はもう、色々あって3匹とも疲れてるみたいなんだ。ジムへの挑戦は明日でもいいかな?」
688あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:16:05 ID:7v2/LVoC0
なーんだそんなことか、とドラえもんはにっこりと笑った。
「そんなのあたりまえじゃないか。挑戦は明日にしよう」

早朝にテンガン山に入ったはずが、今はもう太陽が真上に昇っている=真昼間だ。
こんな早くに活動を停止することに抵抗を覚えたのび太だが、それはこの旅で少しづつ怠け癖が改善している証拠だ。

「この世界も悪いことばっかりじゃないかな」

「……なにか言った?」

「う、ううん。なんでもないよのび太くん」

あせあせと首を横に振るドラえもん。のび太は怪訝な顔をするが、まぁいいやと視線をもとにもどす。
ふと見ると時計はまだ12時17分を指している。ゆっくり休むとは言ったが、やはり午後はどうしても暇になってしまう。
「疲れたからぐっすり昼寝でもしたいなー」という気持ちと新しい町に来たワクワク感がぶつかりあい、のび太は一人で悩み始めた。

「どうしたの、のび太くん」

「いや……ちょっと午後の過ごし方を考えてて……」

「あ、それならいい方法があるよ」

ぽんと手をたたくドラえもん。のび太はつい反射的にドラえもんのポケットに注目してしまった。
しかしこの何故か秘密道具が使えない世界でいつものパターンは通用せず、変わりにドラえもんは近くの壁を指差した。
そこには自らの存在を必要以上にアピールしている大きなポスターが貼られており、なにやら聞き覚えの無い単語がぱっと目に入る。
689あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:20:50 ID:7v2/LVoC0
「ポケモン……コンテスト……?」

「そう。入場料無料らしいし、いい暇つぶしになるとは思わない?」

ポスターに記されている情報から推測すると、ポケモンコンテストなるイベントはこの町最大の特徴のようだ。
ポケモンたちが自分の魅力をアピールするというもので、最近急激に流行り始めてきたらしい。
今日開かれるのは『うつくしさ』部門のコンテスト。その名の通り見た目の美しさを競うのだろう。
そしてもう一つ、驚くべきことに……

「へー、この町のジムリーダーってコンテストもやってるんだ」

「うん、だから会場でジムリーダーの人をみかけたらついでにジム戦の予約もしてもらえるってわけ」

なるほどー、と妙に感心するのび太。
見るだけなら疲れているポケモン達に無理させることもないし、なによりちょっと面白そうだ。
もともとそんなに悩まない性格だったためか、のび太はすぐに頷いた。

「ドラえもん、さっそくここ行ってみよう!」

しかしその直後、のび太は自分の腹の虫が鳴るのを感じる。
ドラえもんはちょっと呆れた風に苦笑した。

「……のまえに、お昼ご飯食べないとね……」

開催までまだ時間はあるし、なにもそこまで慌てることもない。
とりあえず二人は一旦休憩を入れることにした。行動するのは、そのあとからでもいいだろう。

690あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:24:06 ID:7v2/LVoC0
「うわぁ、すごいよドラえもん!」

昼食を取り終わったのび太達は、さっそくコンテストの会場に足を運んでいた。
その建物は嘘のように巨大で美しく、この町のシンボルといっても過言ではないくらいのものだ。
ヨスガ市長の本気が伺える。他の建物とは明らかに気合の入れようが違っていた。

「すごい人だかりだね。のび太くん、はぐれちゃダメだよ」

「わかってるよそれくらい。さ、早く中に……」

途中で何かが目に留まり、のび太ははっと言葉を止めた。

「どうしたの? のび太くん」

のび太は答えない。というか、そもそも声があまり耳に入っていなかった。
人だかりの向こう側をじっと見つめ……何を思ったのか、急に会場の入り口とは反対方向に足を進めた。
ドラえもんはあわててのび太の腕を掴む。

「ちょ、ちょっとまってのび太君。いったいなにがあったのさ」

「いや、少し気になることがあって……僕の気のせいかもしれないから、ドラえもんは先に行ってて!」

そういうと、あっけに取られるドラえもんを放置しのび太は走り出してしまった。
なにかに夢中になったのび太を静止するのは意外と難しい。人ごみのなかに紛れると、もうのび太の姿は見えなくなっていた。

691あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:28:01 ID:7v2/LVoC0
「ちくしょう……なんでこんなことになっちまったんだろうな……」

ドラえもんが途方にくれている中、別の場所でもとある深刻な事態が発生していた。

緊張と静寂の中、頭を抱えてうなだれるジャイアン。
自分の手持ちポケモンであるモウカザルは、そうとうな無茶をしていたのか随分と息が上がっている。
彼らの前には絶望的な光景が広がっていた。このままでは敗北は必至だ。

「おい……こんなところでへばってる場合じゃないだろ。しっかりしろよ」

力なく呟くモウカザル。しかしその目はまだ諦めてはいなかった。
まだ自分は戦える、と訴えかけているかのようなその目に、ジャイアンは息を呑む。
強い魂が自分の心を揺さぶりかけてきたのである。

「へっ、そうこなくっちゃ張り合いがねえよな」

このモウカザルとはここまでずっと最高のコンビとして旅をしてきた。少なくともジャイアンはそうおもっていた。
どんな過酷な状況でも諦めなかったからこそ今の自分があるのだ。
未だ無敗のジャイアンは誓った。こんなところで、自分の戦歴にドロを塗ることはできないと。

「どんな理不尽な条件でも俺達は勝つ。そうだよな? モウカザル。言っておくが、もし無様な失敗したら承知しないからな!」

力強く頷くモウカザル。これでもう、不安なんてものは吹き飛んでしまった。
ジャイアンは再び立ち上がる。胸に新たな決意を秘めながら。

(俺は最強のトレーナーだ。どんな極限状況でも……必ず勝ち抜いてみせる!)

刻一刻と過ぎていく時間。高鳴る胸の鼓動。
ジャイアンは「早く終らせて帰りたい」と思いながら、その時を待った。
早く終らせたいが……勝負をやるからには負けたくない。

「第三審査、開始します! 選手の方は舞台裏にお集まりください!」
692あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:31:22 ID:7v2/LVoC0
――ジャイアンは今、いろいろあってポケモンコンテストに出場していた。
ポケモンコンテスト。ポケモンの魅力を競い合う大会のことだ。
部門は「かっこよさ」「うつくしさ」「たくましさ」「かしこさ」「かわいさ」の五つがあり、それぞれ四段階のレベルに分かれている。
ここヨスガシティでは今日も盛大にコンテストが開催されており、今ジャイアンが出場しているのは……「うつくしさ」部門だった。
奇遇なこともあるものだ。丁度のび太たちが見ようとしていたコンテストに出場しているのだから。

「無茶だろ……常識的に考えて」

そう呟きたくなるが、ジャイアンはぐっと堪える。
どうしてこうなってしまったのだろうか。時は数時間前に遡る――


「なにぃ? ジムリーダーが留守だとぉ!?」
「ああ。確かこのジムのリーダーは今ポケモンコンテストに出場してるらしいが……」

ジャイアンは三つ目のバッジをかけてヨスガジムに挑戦しようとしていたが、そこでまさかのトラブルが発生した。
ジムリーダーの不在。なんとも迷惑な話である。

「気にくわねえ。ちょっと文句言ってくるぜ!」

ジャイアンはそうはき捨てると、すぐにコンテストが開かれている会場に向った。
会場はこの町のシンボルのようなもので、とてもあっさりと見つかる。
立派な建物の自動ドアをくぐり――ジャイアンはジムリーダーを探し始めた。

「どこだ、ジムリーダー! 出てきやがれ!」

周りの目線もお構い無しに叫ぶジャイアン。
メリッサの特徴的な格好はゲームで知っていたので、探すのには困らなかった。
人ごみの中ジャイアンは紫色の派手な髪型をしている人を見つけ、勢いよく走っていく。

「見つけたぜ、メリッ……」
「その声は、ひょっとして剛田君じゃないか!?」
693あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:34:29 ID:7v2/LVoC0
メリッサを見つけたはいいものの、隣にはなんと出木杉もいた。
ウミウシのようなポケモンをいとおしそうになでているところだった。

「で、出木杉!? なんでお前がここに……」
「いやあ、ちょっとコンテストに出場してみようと思ってね。君もそのつもりで来たんだろ?」
「い、いやぁ俺は……」

否定しようとするジャイアンだが、不意に手を握られそのことばを途切れさせる。
メリッサがとても情熱的な目でジャイアンを見ていたのである。
嫌な予感がしたが……それは外れることなく的中する。

「それは素晴らしい心意気デスね! ぜひ参加しましょう!」
「そうですね。僕、君の代わりに申し込んできてあげるよ!」

そう言って走り去っていく出木杉。
しかも不運なことに、今日のコンテストは「うつくしさ」の部門のみ。
この美しさとは無縁に見える存在であるジャイアンがどんな演技をするのか、このやり取りをみていた人々はみな期待していた。
そんな視線をうけ、ジャイアンは仕方がなくコンテスト出場を認めてしまったわけだったのだ。
694あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/01/23(土) 00:37:35 ID:7v2/LVoC0
というわけで回想終了。
ジャイアンは現実に引き戻され、とりあえず今の状況を確認してみた。


これから始まるのは3時審査の「演技」。
技でポケモンの美しさをアピールする、コンテストの中でも一番盛り上がるところだ。
しかしここまで来てジャイアンの得点は低い。このままだと最下位は確定だ。
どうしてこうなったかというと、やはりここまでの審査に問題があった。

1時審査の「ビジュアル」では出木杉のトリトドンがぶっちぎりで最下位だった。
見た目の美しさを競うだけなのでそれは仕方がないだろう。まあジャイアンも人のことは言えないくらいの得点だったが。

だが、2時審査の「ダンス」あたりでかなりの差が開いてしまったのが問題だった。
なんと出木杉のトリトドンは見るもの全てを魅了するかのように華麗な動きで踊り、一気に最上位にまで上り詰めてしまった。
いっぽうのモウカザルはダンスなどやったこともなく、失敗を繰り返し、失点を多くしてしまった。
さっき息を切らしていたのはこのダンスでかなり疲労したからである。


「負けないよ、剛田くん!」

爽やかにそう言う出木杉。
ジャイアンは元はといえばこんな勝負どうでもよかったが、何故か出木杉相手だと絶対に勝ちたくなってくる。
モウカザルも自分を信じてくれているんだ。こんなところで負けるわけにはいかないじゃないか。

ゆずれないものがそこにはあった。


「3時審査……開始!」
695ゲーム好き名無しさん:2010/01/23(土) 14:12:14 ID:4zs1ix3GO
乙。投下来てたのに今気付いた…投下終了レスが無いのは規制だろうな…
しかし普通コンテストは戦績に数えないだろww
696ゲーム好き名無しさん:2010/01/24(日) 13:22:45 ID:Pke3n2Qd0
プラチナ氏乙
久しぶりに書き込めるが次の投下の時も乙が言えるかどうか・・・
マイナーなプロバイダに乗り換えようかしら
697ゲーム好き名無しさん:2010/01/24(日) 19:32:53 ID:BAFh+g1O0
698ゲーム好き名無しさん:2010/02/04(木) 22:56:36 ID:DtHcKnwGQ
保守
699ゲーム好き名無しさん:2010/02/05(金) 22:21:24 ID:KjKqdijd0
痛い
700ゲーム好き名無しさん:2010/02/06(土) 22:51:39 ID:NaFJjJJv0
投下していい?
701ゲーム好き名無しさん:2010/02/06(土) 23:23:04 ID:Zc3ow2h90
>>700
どうぞ
702ゲーム好き名無しさん:2010/02/06(土) 23:44:33 ID:NaFJjJJv0
ちょっとまっって。いろいろおかしいことに気づいた。推敲してから投下します
703700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 14:04:06 ID:JOGyXs/z0
こんどこそ投下します
704700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 14:05:35 ID:JOGyXs/z0
巷で人気のゲーム「ポケットモンスター」の「緑バージョン」を購入したのび太だが、射撃とあやとり以外はとことんダメな彼はその簡単なゲームでさえ序盤で行き詰まってしまった。
ドラえもんはのび太の教育係として、彼に物事をやり遂げる喜びを教えるのにこのゲームを利用することを思いついた。
「ゲームに入り込むマシーン」これは21世紀の科学革命後、世紀を跨ぐ直前に開発され、一世を風靡した機械だ。その機能はまさに名の通り、ゲームの世界に入ることができるのである。
ドラえもんはのび太に、その機械を使って件のゲームに入ってみないかという提案をした。のび太も、せっかく大金をはたいて買ったゲームを持て余すのは嫌だったので、快くその提案に乗った。……というより、喰いついた、といった方がより正確かもしれない。
ともあれ、のび太はポケットモンスターの世界に入ることになった。
そのマシーンではひとつのゲームに最大3人までの人が入ることができる。
だが、のび太とドラえもんが同時に入ってしまったら、何らかの不具合が起きた際に機械の操作を行う人がいなくなってしまうため、とりあえずはのび太だけが入り、あとからジャイアンやスネ夫など他の人も転送していくという次第になった。
「心配しないで。こちら側から君の動向はわかるし、何らかの形でコンタクトをとることはできるはずだから」
「うん。ドラえもんに任せるよ」
カセットを入れ、スイッチを押す。のび太は目の前が真っ白になった。
705700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 14:06:41 ID:JOGyXs/z0
気づけばそこは花畑。のび太は、自分が無事ゲーム内に入れたことを理解した。
ここに来てからまず何をすればいいのか。また、ドラえもんとコンタクトを取るにはどうすればいいのか。不安が彼の脳内を支配するのにそう多くの時間はかからなかった。
こういう時、とりあえず動いてみるということをしないのがのび太であった。
じっと立ち尽くして、誰かが助けてくれるのを待つ。それが彼だった。

「君、どうかしたの?」
太った青年がのび太に声をかけた。のび太は事情を包み隠さず話した。
しかし、突然異世界からワープしてきたと言われて信じられる人はそうはいない。青年は話しかけたことを後悔した。
「お願いします! 助けてください!」
「いや……助けてくれって言われても」
この少年は本気で言っているのか、それとも俺をからかっているだけなのか、青年はしばらく思案したが、結論はでなかった。
この太った青年はのび太とは逆のタイプで、どうすればいいのかわからなくでもとりあえずなにかやってみる人間だった。
彼は突然自分語りを始めた。
「俺の父親は偉い科学者でな……」
のび太は心を無にした。
706700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 14:08:48 ID:JOGyXs/z0
一方その頃、ドラえもんはジャイアンとスネ夫の説得に奔走していた。
ドラえもんは彼らが当然自分の提案に乗ってくるものだと思っていた。今までの例から考えると、確かに彼らは面白そうなことにはこちらが望まずとも首をつっこむ性質だった。
彼の唯一の誤算は、のび太のやる「ポケットモンスター・緑」はもはや時代遅れのゲームで、現在巷で人気のゲームはその続編である「ポケットモンスター金・銀」であるということだった。
スネ夫によると、金・銀バージョンと赤・緑・青・ピカチュウバージョンでの通信は可能だそうだが、それでは結局のび太くんは一人で冒険することになるではないか。それではほぼ確実にのび太くんは挫折する。まったく意味がない、とドラえもんは思った。
ドラえもんはその二人の説得を諦め、しずかちゃんや出木杉など、話の通じそうな人たちのもとに行くことにした。

その二人は元来あまりゲームをやらない性格だった。それゆえゲームに対する関心も薄く、説得は先の二人以上に困難を極めるかもしれないとドラえもんは危惧した。
しかし、その想像とは裏腹に、二人はおよそ二つ返事と言ってもいいほど簡単に承諾した。
その背景には、のび太に対する自然な思いやりがあるからかもしれないと、ドラえもんは解釈した。
707700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 14:12:18 ID:JOGyXs/z0
ちょうどその頃、ゲーム内では――
「……と、いうわけなんだ。科学の力ってすげー」
「そうっすね」
デブの長いひとり語りが終わる頃には、のび太の考えもわずかながら変化を遂げていた。
のび太はいままでの受動的な生き方が――くだらない話を延々と聞かされる――この現状をまねいたのだと悟り、これからは一人で判断して一人で生きていこうと決意した。
「ありがとうございました。自分が何をすべきなのか分かりました」
「ああ。頑張れよ!」
早々に別れを告げ、のび太はポケモンの潜んでいると思われる草むらへと駆け出した。
マサラタウンにショップはないので、素手で自らの道を切り開いてゆくほかない。オーキドの研究所に行くという考えは自活の決意をした彼にはなまぬるすぎた。
幸い、彼の想像よりも潜んでいるポケモンの数は遥かに少ないようで、トキワシティにつくまでに襲われるということはなかった。もし襲われていたら、彼の身体能力ではまず生存していることはなかっただろう。

708700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 14:14:08 ID:JOGyXs/z0
投下終了
メモ帳に書いた段階では5,6レス行くかと思ってた
709ゲーム好き名無しさん:2010/02/07(日) 15:20:02 ID:TYtJ3mx+Q
初投下乙!緑とは新鮮だな。てかオーキド止めないのかww
710ゲーム好き名無しさん:2010/02/07(日) 17:38:57 ID:RIRSru3f0
横に長すぎて読みづらい
711700 ◆GmgU93SCyE :2010/02/07(日) 18:55:58 ID:JOGyXs/z0
>>710
悪い。いつも専ブラでウィンドウ小さくして見てるもんだから……
712ゲーム好き名無しさん:2010/02/07(日) 19:18:40 ID:TYtJ3mx+Q
初めてならではのミスっしょ
次から直してくれれば全然いいよ
713ゲーム好き名無しさん:2010/02/07(日) 19:32:02 ID:F+m//Pcn0
てすt
714アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/07(日) 20:01:50 ID:kTQmk5cB0
プラチナ氏、700氏乙

皆さんは自分を覚えておりますでしょうか?
ここで投下するか避難所で投下するか迷っていましたが、
今回は本スレで挑戦してみたいと思います。
今から投下します。
715アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/07(日) 20:05:16 ID:kTQmk5cB0
『大人のび太のポケモンストーリー』


導かれし運命


カーテンも閉め切った薄暗い部屋の中で、小太りの青年が黙々と携帯ゲーム機で遊んでいた。
部屋の中は薄暗く唯一の光は携帯ゲーム機の明かりのみだった。
ゲームソフトやゲーム機がいくつも散乱している。
「ポケモンは楽しいな。はははっ!」
野比のび太は笑いながら独り言をぶつぶつ呟いた。のび太は25歳だが、
仕事もせず、家に引きこもって遊び呆けていた。いわゆるニートである。
のび太をまともにするためにやってきた猫型ロボットのドラえもんはとうに彼を見放し、
未来の世界に帰ってしまった。しかし、のび太はそれをまったく気にしていなかった。
(自分が悪いんじゃない……全てドラえもんが悪いのだ)
のび太はゲームをしている間に突如としてドラえもんが帰った日のことを思い出した。
全てドラえもんに非があるのだ。自分は何一つ悪くない。
再び集中してゲームをしようとしたが、いまいち集中できない。
(ドラえもんのことを思い出したせいだ)
のび太は勝手にそう思うことにした。そう思わなければならないような気がした。
すっかり集中力が途切れたのび太は一時ゲームを中断することにした。
のび太が今、熱中しているゲームは全世界で大ヒットしている『ポケットモンスター』だ。
このゲームはポケモンと呼ばれるモンスターを捕まえて育てたり、闘わせることができるゲームだ。
のび太は何年も前からこのゲームの虜となっていた。
のび太が住んでいる街でも幅広い年齢層に支持され続けている。
小さい頃からの友達であるジャイアンやスネ夫、それに静香や出木杉もやっている。
のび太は彼らに長らく会っていない。
聞いた話によるとジャイアンは店を継いでスーパーにまで発展させ、
スネ夫は親の会社を継いで社長となり、静香は大学を出て中小企業に勤めていると聞いた。
出木杉の噂は聞かない。彼等は既に自分とはかけ離れた遠い存在になっていた。
そんな彼らを恨めしく思いつつも再びゲームをしようとしたが、やはり気が乗らなかった。
その時だった。のび太の頭の中に稲妻のような衝撃が走った。
不機嫌なのび太の顔がみるみる内に笑顔になる。
途端にのび太は部屋のカーテンを開け、電気を付けて押し入れの戸を強引に開けた。
押し入れの中は古ぼけていて埃だらけだった。
かつてドラえもんが自分の部屋と称していた押し入れだ。
「何かあるはずだ。ドラえもんが残していった物が」
一心不乱にのび太は押し入れの中を探った。
しばらくして押し入れの隅にドラえもんがいつも身に付けていたポケットが見つかった。
それはのび太を狂喜させるに値するのには十分だった。
「やったぞ! まさか『スペアポケット』を残していくなんて!」
スペアポケットはドラえもんの『四次元ポケット』に繋がっているのでドラえもんの道具を出し放題だ。
のび太はスペアポケットを右手で掴んで歓喜した。
自分の不幸な人生を変えることが出来るかも知れない。
そう思うとのび太の心が弾んだ。早速のび太はポケットに手を突っ込んだ。
716アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/07(日) 20:07:49 ID:kTQmk5cB0
中を探っていく……そして大型の電話ボックスのような物が出てきた。
「何だ? これは『もしもボックス』に似ているが、どこか違う」
電話ボックスのような大型の道具を見つめて言った。
もしもボックスはどんな世界も作り出せる素晴らしい道具だ。
しかし、出てきたのはもしもボックスとは微妙に違う……
もしもボックスの新型のような物なのかもしれない。
のび太はそう思うことにした。新型なら、それはそれでラッキーだ。
(これさえあれば僕の望む世界を作れる)
のび太は思った。その新しいもしもボックスのドアを開けて、中に入ると
その内装のハイテクさにビックリした。
のび太が知っているもしもボックスとはまるで違う。
「間違いない、これは新型もしもボックスだ」
高まる高揚感を胸にのび太は期待に目を輝かせた。
すると突然どこからか音声が聞こえてきた。
「スーパーもしもボックスへようこそ! この新しいもしもボックスは従来のもしもボックスより、
大幅に機能が充実した、もしもボックスの集大成です。そのため、どんな世界も演出できます。
どのような世界にしましょうか?」
その音声はどことなく懐かしさを感じさせるものだったが、のび太はそんなことをあまり気にせず、
話すことが出来るハイテクなもしもボックスに心を奪われていた。
のび太はどんな世界にするか既に頭の中にあった。
「この世界をポケモンの世界にしてくれ! ポケモンのゲームに登場する強いトレーナーも登場してほしい。
さらに付け加えると、この世界のジャイアン、スネ夫、静香、出木杉、ドラえもんも
僕と一緒に連れていって欲しい!」
のび太は興奮を抑えきれずにリクエストした。
なぜ、のび太がこの世界のジャイアン達を自分と一緒に連れて行きたいかというと、
彼等を見返して、自分がいかに凄いかということを見せつけたいからだ。
「かしこまりました」
新型もしもボックスが丁寧に言うと急に目の前が真っ暗になった。何も見えない。
恐怖が募っていくのが分かったが、自分が望んだ世界に行けるのならと思うとそれを抑えられた。
(この暗闇が終われば、僕はポケモン世界の頂点だ)
のび太はポケモンを極めつくしていた。
働いていないため誰よりもポケモンに時間を費やせるからだ。
しかも、対戦では一度も負けたことがない。
これから行く世界が自分にとってどれほど有利か、のび太は知っていた。




外界から閉ざされ、真っ暗で光さえ届かぬシロガネ山の最深部に一か所だけ明かりが照らしている。
そこにいるのは赤い帽子がトレードマークの青年レッド。
カントー地方では知らぬ者はいない伝説のトレーナーだ。
身長180pはあろうかという長身の痩せ形で25歳という若さで
最強の名を欲しいままにし、100年に一人の逸材だと言われている
717アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/07(日) 20:09:28 ID:kTQmk5cB0
しかし、レッドは数年前にカントーポケモンリーグチャンピオンを突然辞めて、
ひたすらこのシロガネ山で修業をしていた。
自らを限界まで極めるために……。
長年チャンピオンをしてついに一度も負けることがなかった。
レッドがチャンピオンを引退する決意をしたのは他の地方のチャンピオンとの対戦だった。
ホウエン、シンオウの二人のチャンピオンと勝負したが、圧勝だった。
弱すぎてとてもレッドの相手にはならなかった。
ホウエン、シンオウのチャンピオンを名乗る二人のトレーナーとの勝負で、
レッドは自分と互角に闘えるトレーナーが永久に現れないことを悟った。
「どいつもこいつも雑魚すぎて話しにならねえ……
ダイゴもシロナも俺の足元にも及ばなかったな。
あれでチャンピオンとは笑わせてくれる……」
傍らでレッドのためにフラッシュで明かりを付けているポケモンのピカチュウを見つめながら、
過去を思い出すようにレッドは言った。
未来永劫自分に敵う相手のいないことが内心つまらないなと思いつつも
心の底では嬉しくもあった。それは例え様もない優越感だ。
「……俺は最強だ。俺に敵う奴はいない。もしもこの世界がポケモンの強いやつが偉い世界だったら良かったのにな」
レッドは家から持ってきたラジオを聞きながら愚痴をこぼした。
すると、摩訶不思議なニュースが耳に飛び込んできた。
「速報です。名のあるトレーナーが突然失踪するという事件が起きました。
この現象は世界各地に及んでいます」
レッドは驚いてラジオから流れ出る不可解な現象に聞き耳を立てた。
(名のあるトレーナーが突然いなくなる?)
それは理解しがたかった。なぜ名のあるトレーナーが同時に消えてしまうのか疑問だ。
その時だった、ピカチュウのフラッシュの明かりが突然消えた。
途端――視界が真っ暗になり、レッドは意識を失った。
718アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/07(日) 20:11:19 ID:kTQmk5cB0
短いですが投下終了です。
719ゲーム好き名無しさん:2010/02/07(日) 22:06:53 ID:vSPDEvLV0

少しずつ活気が戻ればいいな
720ゲーム好き名無しさん:2010/02/07(日) 22:27:40 ID:TYtJ3mx+Q
乙、久しぶりだな。昔とは別人だわ
続きが気になる。楽しみだ
721ゲーム好き名無しさん:2010/02/13(土) 18:17:20 ID:Rl82mT4i0
気まぐれにスレ検索したら懐かしいスレが見つかったんで驚いた
ゲサロに移行してから随分と盛り下がってるみたいだね
バーボンもないし
今後また巡回スレにここを加えるつもりなんだけど、最近の詳しい状況を誰か教えてくれるとうれしい
722ゲーム好き名無しさん:2010/02/13(土) 18:56:10 ID:WXPHUWOc0
>>721
超過疎
かつての作者全滅
wiki死亡
723アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 20:45:03 ID:nWyU5DhQ0
投下します。
724アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 20:51:53 ID:nWyU5DhQ0
空き地の激闘


のび太の部屋が徐々に明るくなり始めた。さっきまで真っ暗だったというのが嘘のようだ。
完全に光を取り戻したのび太は部屋をくまなく見た。しかし、何の変化も感じられない。
騙されたのか?のび太は急に不安になってきた。なぜかというとこれと言った変化が無かったからだ。
窓から見る風景も何の変哲もない。ふと、ズボンの腰の辺りに何やらボールが三個付いていた。
それは上が赤色で下の部分が白になっている。
間違いない、それはポケモンが入っているモンスターボールだとのび太は確信した。
「これは絶対にモンスターボールだ! きっと、強力なポケモンが入っているに違いない」
のび太はモンスターボールを手にとって喜びの声を上げた。
嬉しい――この瞬間はのび太にとって至福の時だった。長年憧れつづけていたものが手に入ったのだ。
強力なポケモンが入っている証拠はどこにもなかったが、ポケモンには絶対の自信を持つ自分が、
弱いポケモンを持っているとは夢にも思わなかった。
「ようし、早速家から飛び出してみよう。もう引きこもりはやめだ。
僕はこの世界に来た瞬間から最強のポケモントレーナーなのだ!」
奇声を発しつづけながら、家から飛び出した。もう落ちこぼれとは言わせない。
いきなりこの世界にやってきたドラえもん達の慌てふためく顔が目に浮かぶようだった。
特に聡明で底の知れない出木杉の慌てる顔が見ものだった。
のび太は出木杉とは比較的仲の良い関係を築いていたが、心の中では底の知れない奴と思っていた。
(ふふふ……出木杉め、今頃大慌てでいるだろうに……)
ニヤリとほくそ笑みながら階段を駆け下りる。そして大急ぎで靴を履いて玄関のドアを押しあけると、
まだ見ぬ世界へと駆けだしていった。
のび太の街の空は既に夕闇を迎えていた。それでも満面の笑みを浮かべながら歩を進める。
目的の場所は特に決まっていなかったが、心が躍って歩きださずにはいられなかった。
とりあえず空地にでも行ってこようか?もしかしたらジャイアンとスネ夫辺りがいるかも知れない。
(あの二人に僕の最強のポケモンを見せつけてやろう)
のび太の心臓の鼓動がさらに大きくなり、胸が高鳴る。
自分はこの世界では王様のようなものだ。そうのび太は感じている。
通りすがりの人達が好奇な目で自分を見ている。
今に自分の強さを目の当たりにし、尊敬の眼差しに変えてくるだろう……。
のび太の夢は膨らむばかりだった。
そしてようやく目的の空地に着くとのび太は愕然とした。
空地は土管が三つ積み上げられている。その積み上げられた土管にふんぞり返っている者が一人。
それに土管の傍らに突っ立っている者がいた。
空地にふんぞり返るとまず思いつくのはジャイアンだったが、
今――空地にふんぞり返っているのはまったく別の男だった。
のび太はその顔を知っていた。ポケモンのゲームに登場する確かハヤトという人物だった。
もう一人はセンリという物静かな雰囲気を纏った男だ。
ハヤトはこちらに敵意を持った目をぎらつかせて
「何だ? お前は。ここは俺達の縄張りなんだが」
明らかにのび太に警戒心を持った口調で言った。
「僕は野比のび太だ。この世界の主だ」
のび太は負けないように言い返した。少しの沈黙の後、ハヤトは大笑いした。
725アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 20:53:07 ID:nWyU5DhQ0
「ははははーっ! 馬鹿め! この世界の主だと!? ホラ吹きめ!
この世界の主はレッド様だ! 貴様などではない!
貴様は反乱分子として最強の飛行ポケモンの使い手である、
このハヤト様がポケモンバトルに勝利した後に国王レッド様が住まわれる王宮に突き出してやる!
センリ、いいよな?」
ハヤトは大笑いしながら横にいるセンリに問いかけた。
「良かろう……だが、お前の手に負えないようなら俺が挑むがいいか?」
落ち着き払った口調でセンリは言った。
「馬鹿め! このハヤト様がこんなへなちょこ野郎にやられるかってんだ。
それより、こいつのランキングが知りたい。俺はあれをもっていないのでな」
ハヤトは再びセンリに問いかけた。センリはポケットの中から何やら
黒いゴーグルのようなものを取り出した。
「このトレーナーランキングゴーグルを使えば相手の強さが分かるが
使う必要はなかろう。俺の予想ではあいつのランキングは3000位程度と見ている。
1603位のお前の相手ではなかろう。測るまでもない……」
厳しい目でのび太を観察するように見ながらセンリは述べた。
既に夜になり、暗闇に包まれてよく相手の表情は窺うのが難しかったが、
あの二人が自分が軽く見て、馬鹿にしている様子なのが見て取れる。
完全に舐められているのだ。のび太は二人のやり取りを聞いて、
この世界には相手の強さを把握するアイテムがあるのを知った。
あの二人は自分を3000位などと言ったが、のび太は自分のランキングは1位だと思うことにした。
(今に見ていろ。あの二人をぎゃふんと言わせてやる)
内心ではそう思っていたが、不安だった。それはハヤトが言ったレッドのことだ。
しかし、そのことは頭から離すことにした。それがいいのだ。
「勝負だ! かかってこい、野比のび太! ゆけっ、ピジョン!」
ハヤトは勢いよくボールを投げて大型の鳥の形をしたポケモンを繰り出した。
暗闇を自由自在に飛んでのび太を睨み付けている。羽を大きく羽ばたかせ羽毛を飛び散らす。
戦闘意欲は十分だった。それを見てのび太は不安になった。
のび太が持っているポケモンは何が入っているのか分からないのだ。
事前に調べれば良かったのだが、のび太はポケモンの世界にやってきた喜びで肝心なことを忘れていた。
(もしも弱いポケモンだったら……)
コテンパンにされるだろう。
落ち着け、大丈夫だと自分に何度も言い聞かせながらモンスターボールを投げた。
ボールは眩い光を放ちながら地面に転げ落ちる。
そして中から青色を基調とした巨大なポケモンが姿を現した。
それはさながら特撮の怪獣のようなフォルムをしている。
鋭い爪や牙を備えていて、顔は特に鮫の中で最も獰猛と言われるホオジロザメに似ていた。
まるで鮫が立って歩いているかのようだ。それに加えて無駄な贅肉をそぎ落としたような姿は圧巻だ。
(大当たりだ)
とのび太は内心思った。そのポケモンはガブリアスと言い、ドラゴンタイプ最強と言われている。
まさかガブリアスが入っているとは驚きだった。
もしも、事前にガブリアスが入っていることを知っていたらハヤトにビビることはなかっただろう……。
「ガブリアス、逆鱗だ!」
726アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 20:55:45 ID:nWyU5DhQ0
のび太はガブリアスに最強の技『逆鱗』を命じた。
のび太の命を聞いたガブリアスは突如狂ったように暴れ出し、体を回転させジャンプをして
空高く飛ぶピジョンに攻撃した。
ピジョンは一瞬にして飛翔する力を失い、急降下して血しぶきと共に地面に落下する。
「馬鹿な!? 俺様のピジョンが……」
呆然と立ち尽くしてハヤトは自分のピジョンを見ていた。
そして我に返って戦闘不能に陥ったピジョンをボールに戻すとその場にガクッと膝を落とした。
のび太は勝利したにも関わらず、ガクガクと体を震わせていた。
自分のガブリアスが一瞬にしてピジョンを戦闘不能にするのを見て恐怖すら感じた。
ポケモンバトルとはこんなにも恐ろしいものだっただろうか?
それともガブリアスとピジョンのあまりの戦闘力の差か?
どちらにしてものび太はピジョンを倒して主人である自分に褒めて貰おうとしているガブリアスの目を見て、
嫌悪感を抱かずにはいられなかった。恐ろしかった。
それでも徐々に優越感が込み上げてくる自分が嫌になった。
(これがポケモンバトルか……僕は甘く見ていた)
のび太は罪悪感に苛まれつつ、絶望の表情を見せているハヤトに向かって言った。
「ハヤト、ピジョンは大丈夫かい?」
「心配は無用だ。このぐらいポケモンバトルでは良くあること。
ポケモンセンターに行けばたちどころに治る」
ハヤトは吐き捨てるように言った。ハヤトの敗北を目の当たりにしたセンリがのび太の前に出た。
「……ハヤトでは駄目だったか、ならば俺が相手になろう。
ちなみに俺のランキングは189位だ。いつもハヤトとつるんではいるが、
俺の実力はハヤトを遥かに凌ぐ。いくんだ、ケッキング!」
そう言ってセンリはボールを投げ、超巨大な類人猿の姿をしたポケモンを繰り出した。
その巨体は立ち上がると2メートルは下らないであろう。
しかし、なぜかそのポケモンは地面に横たわっていた。
「ケッキング、ギガインパクトでガブリアスに攻撃!」
「ガブリアス、逆鱗!」
のび太は逆鱗を再び命じる。ガブリアスはのび太の命令を聞くと再び狂ったように暴れ出す。
鋭い爪を突き立ててケッキングの腹部に突き刺した。途端にケッキングの鮮血が飛び散る――。
唯、ケッキングもやられっぱなしではなかった。
ケッキングは巨大な体躯を起き上がらせて立ち上がった。
立ち上がるとはるかにガブリアスよりも大きかった。
ケッキングは巨体を生かしてそのままガブリアスに突撃する。
ガブリアスはケッキングの一撃をくらってよろめいた。
やばい、このままギガインパクトを続けられたらガブリアスは持たない。
のび太がそう思った時、ケッキングは何を思ったのかまた地面に横たわった。
「ガブリアス、今だ! 反撃だ!」
のび太が叫ぶのと同時にガブリアスは横たわったケッキングに渾身の逆鱗を与えた。
ケッキングは悲痛の叫びの声を上げるとわずかにピクピクさせるだけでほとんど動かなくなった。
「トレーナーランキング189位のセンリが負けた?
野比のび太……いったいランキングはいくつなんだ?」
センリが敗れたのを見て更に絶望するハヤト。
727アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 20:58:13 ID:nWyU5DhQ0
「慌てるな、今……調べる」
センリはケッキングをボールに戻すと、上着のポケットから黒いゴーグルを取り出して
顔に付けた。すると、センリの額から汗が流れ出てきた。
明らかに脅えている。震えながらセンリは言った。
「トレーナーランキング127位だ!」
その言葉にハヤトは凍りついたようになった。
「127位だと!? いくらなんでもこんな間抜けな野郎が127位なわけないだろ!
何かの間違いじゃないのか?」
「確かに127位を示している。だがトレーナーランキングゴーグルの故障かもしれん。
最近、手入れしていなかったし、旧型でもある……」
闇夜の空地の周辺には既に街灯の明かりが灯され、
ポケモンバトル終了と同時に静けさも戻りつつある空地に忍びよる足音が聞こえた。
のび太が振り向くとそこには長身だが、頭が禿げあがっている老人が姿を現した。
トレーナーランキングゴーグルという、この世界独特の相手の強さが分かるアイテムをしている。
「センリとハヤトに勝利した君はなかなかのものだ。今度は私と勝負してくれないか?」
現れるや否や、突然のび太にポケモンバトルを仕掛けてきた。
「あなたは?」
ビックリしながらものび太は尋ねた。
「私はカツラ、唯の老いぼれだ。ほう、確かにランキング127位。
138位の私より数段上だ。だが、油断しない方がいい。
数々の修羅場をくぐりぬけ、長年鍛え抜かれた私のポケモンの力を侮らない方が身のためだ」
カツラの言葉とともにカツラの気迫と闘志がひしひしと伝わってくる。
(今度の相手は一筋縄ではいかない。気を引き締めなければ)
カツラが発する百戦錬磨のオーラをのび太は敏感に感じ取った。この人は強い。
「カツラさんの登場か……。これで野比のび太の真価がわかる」
センリは二人の勝負に注目しながら言い放った。
空地は熱いポケモンバトルのフィールドと化し、戦う両者の気迫が支配した。
緊迫感が空き地全体に漂う。夜風を受けて草がゆれる。
のび太は気を振り絞ってモンスターボールを投げた。
手持ちの三匹の内、一匹はガブリアスだと確定したが、残りは不明だったので別のボールを投げた。
出てきたポケモンは二足歩行でヒト型に似るが、なによりキノコの笠を被った外見が特徴のキノガッサだ。
(やった、これまた大当たり!)
キノガッサはかなり強力な部類のポケモンで、人気が高い。
「キノガッサか……。確かに強力なポケモンだが、私の炎ポケモンの前では無力。
ゆけえっ! ゴウカザル!」
喜んだのも
つかのま、カツラが繰り出してきたのは最強の炎タイプの呼び声高いゴウカザルだ。
弱点である草タイプを持っているキノガッサでは相当不利だ。
のび太はカツラのことをゲームで知っているので炎タイプの使い手であると知っていた。
しかし、すっかり忘れてキノガッサが出てきたことを喜んでしまったのだ。
のび太は浅はかな自分を呪った。こんな調子でこの先勝ち抜いていけるだろうか?
「ゴウカザル、フレアドライブで焼き尽くしてしまえ!」
カツラの一言でゴウカザルが元々身に纏っている炎を強くし、
激しく燃え出させてキノガッサに情け容赦なく襲いかかってきた。
728アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 21:01:23 ID:nWyU5DhQ0
のび太はキノガッサをボールに戻そうとするが、まだポケモンバトルに慣れていなく、
あまりにもゴウカザル凄まじい勢いに咄嗟に対応出来なかった。
(ああ……どうしよう)
万事休すかと思われたその時であった――
突然、空き地にゴウカザルの灼熱とも言える炎すらも
いとも簡単に消し去る程の雨が降りしきる。
これこそ天の助けであった。ゴウカザルが突然攻撃を止めて苦しみ出した。
ゴウカザルの元々纏っていた炎すらもかき消える。
(ゲームとは違って良かった)
のび太は内心思った。これがゲーム通りであったならば、
雨が降っていようがゴウカザルのフレアドライブによって一瞬にして倒されていただろう。
のび太はこれこそ天の助けとばかりに歓喜した。
反対にカツラは天を睨みながら、雨を呪っているように見えた。
「………雨かね。これでは私の炎ポケモンは成すすべがないね。
君は本当に運がいい。天に感謝しなさい、雨が降らなければ君は負けていたのだから。
私には分かるよ。君はランキングが私より上でもポケモンバトルに慣れていない。
あの時、咄嗟に別のポケモンに交代させることもできたのだ。
なのに君はポケモンを交代させることをしなかった。これ以上続けても恥をさらすだけだよ。
もしも、このまま続けていたら……。
私のポケモンは一匹も倒されずに君のポケモン三匹を倒していただろう。
私には分かる……君は素人だ」
カツラは淡々と言葉を続けた。冷静な語り口だった。
のび太はその言葉に怒りを覚えた。
ポケモンのゲームを何百時間もプレイした自分を甘く見られるのが許せなかった。
「ふざけるな! 僕は誰よりもポケモンに詳しいし、誰よりも強いはずだ!」
のび太は激高してカツラに怒鳴った。のび太のどなり声が雨の中、周辺近所に響き渡った。
「意地を通さずに認めなさい、君は弱い。
まず自分の弱さを認めない限り、強くはなれないよ。
それより雨が強くなってきたから、皆帰ろう。さらば」
カツラは大人びた口調で子供を諭すかのように言った後に背を向けて去ろうとする。
センリとハヤトもそれに従う。
「待て、お前ら! お前らには僕の強さが分からないのか!?
それに僕はこの世界を作った創造主なんだぞ! 僕はこの世界で一番偉いんだ!」
のび太は去ろうとする三人に向かって怒声を浴びせた。
それを聞いたカツラは去ろうとする足をピタリと止めて言った。
「……二度とその言葉を口にしない方がいいよ。
反乱分子としても捉えられかねん、この世界の主は宮殿に住まわれる国王レッド様だ。
それを肝に銘じたまえ、青年よ」
カツラは何やら遠くを指さして言った。その指先には見たこともない宮殿が立っていた。
のび太は今まで気づかなかった。あんなところに宮殿が建てられていたなんて……。
「カツラさん、そう言えばさっきもこいつ……『この世界の主だ』とか言ってましたぜ」
ハヤトは思い出したかのように言った。それにセンリも無言でうなずく。
「そうか、それは危険だな……」
729アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 21:04:31 ID:nWyU5DhQ0
カツラの表情が険しくなる。
「カツラさん、こいつを捕らえて王宮に連れ出した方がいいかもしれません」
冷静にセンリがカツラに意見した。
「いや、その必要はないだろう。我々が捕らえなくても
レッド様の命を受けて反乱分子を見つけ出す者がこの街にたくさん潜んでいる」
そう言うとカツラはセンリとハヤトと共に空き地から姿を消し、
のび太はしばらく呆然と空地の中央に立ちつくしていた。
730アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 21:05:35 ID:nWyU5DhQ0
投下終了です。
731ゲーム好き名無しさん:2010/02/13(土) 21:51:07 ID:5BAIT44z0
>>730

もう少し改行多くしてくれると読みやすいんだが

受験もうすぐ終わるし終わったら短編でも書いてみようかな
732アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/02/13(土) 22:21:45 ID:nWyU5DhQ0
>>731
読みづらくてすみません。
確かに改行多くしたほうが読みやすいですね。
指摘されるまでそれに気付かなかった自分は未熟です。
指摘してくれてありがとうございます。
読みやすいように次から改善します。
今後も何かあったらどんどん指摘してください。
733ゲーム好き名無しさん:2010/02/13(土) 23:58:44 ID:6jA2e07RO
乙。ギャグではないんだろうけどハヤトの弱さに笑ってしまったw
あと、バトルを生々しい感じで書くのはかなり良いと思う
734ゲーム好き名無しさん:2010/02/14(日) 00:31:19 ID:ZLbpYynQO
面白い。乙
これは読者の我が儘だが、なんとかこの週1ペースで頑張ってほしい
735ゲーム好き名無しさん:2010/02/14(日) 10:37:47 ID:ZLbpYynQQ
736ゲーム好き名無しさん:2010/02/14(日) 18:58:50 ID:/qINMb2y0
何でお前等は作品投下しないの?
737ゲーム好き名無しさん:2010/02/22(月) 00:56:56 ID:MFnwHr1wO
保守
738ゲーム好き名無しさん:2010/02/27(土) 02:15:07 ID:vmB7dnXcO
age
739アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:47:44 ID:zZ7InBbl0
投下します。
740アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:49:16 ID:zZ7InBbl0
絶望の再会


のび太は自分が作ったポケモンの世界の欠陥を思い知らされた。
この世界の支配者は自分じゃない『レッド』なのだと――
降りしきる雨の中、のび太はフラフラとそんなことを考えながら歩いた。
空地を出て、レッドが住んでいる王宮の方角を目指した。
会いたい、会ってレッドの存在を確かめたい。そんな気持ちが募る。
腹立たしい、自分を差し置いて王気どりなのが許せなかった。
(この世界を作ったのはレッドじゃない、この僕だ)
その気持ちだけが心を支配した。
しかし、雨は止むことはなく、のび太に容赦なく降りかかる。
それはのび太がこの世界の支配者じゃないことを暗示しているかのようだった。
寒い、傘もささずに夜道を歩いていれば当然だ。
何か、雨を凌ぐものがあれば……
のび太はどこかにコンビニでもないかと探したが、見つからなかった。
今の世の中、コンビニはどこにでもあるはずだったが、この世界にはコンビニ一つもない。
このままでは風邪を引いてしまう。せめて厚着を着てくれば良かった。
のび太が絶望に浸っていると誰かが傘を自分に差し出してくるではないか。
(ラッキー!)
のび太に傘を差し伸べてくれた人物は、
170センチ前後ののび太と同じくらいの背丈の長身の女性で、のび太は見覚えがあった。
幼き頃からの友人、源静香だ。
「のび太さんね。傘もささないで歩いてびしょぬれじゃないの!」
のび太は開口一番から怒られた。
でも嬉しかった。やっと見知った人と巡り合えたのだ。
「静香ちゃん、久しぶりだね。僕が作ったこの世界はどうだい?」
のび太は調子良く、静香に問いかけた。
「………のび太さん、最低!」
静香は顔を下に向き、一瞬悲しげな仕草をした後、のび太の頬をひっぱたいた。
のび太は不意をつかれてよろめいた。
「のび太さんのせいよ! のび太さんが作った世界はめちゃくちゃよ!
この世界に来て一年経つけど、レッドとかいう独裁者が国民を苦しめているだけじゃない!
罪もない善良な多くの人たちがちょっとでもレッドを批判したりしたら、
捕らえられて王宮の地下深くにあるという牢獄に閉じ込められるのよ!」
静香は泣きながら怒気を含んだ声で言った。
その顔は悲痛で様々な苦しみを経験してこなければ出来ないような顔だった。
「この世界に来て一年だって?
今日作ったばかりの世界だよ。僕は今日この世界を創造してやってきたのさ!」
確かに静香とのび太の言っていることには食い違うことがあった。
のび太は今日この世界にやってきたのだ。また、静香も同様のはず……
(どういうことだ? 何らかの拍子で時間軸がずれたのか?)
741アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:50:48 ID:zZ7InBbl0
のび太は疑問に思った。静香は一年前にこの世界に来たと確かに言っているのだ。
「確かに、のび太さんを見かけたのは今日が初めてだわ!
のび太さんだけ、この世界に来たのはおかしいわね。
でも、のび太さんがこの世界を作って皆を苦しめたのは確かなの!
早く元の世界に戻しなさい!」
静香は既に頭に血が上っている様子だ。怒りに我を忘れそうにさえなっている。
そんな静香を見たのは初めてだった。
「うるさいなっ!」
のび太は逆切れして静香を殴り飛ばした。
はっとしたときには静香の体は地面に横たわっていた。
のび太は後悔した。怒ったとはいえ、まさか自分が手を挙げるとは予想出来なかった。
(しまった……僕はなんということを……)
後悔しても遅い。静香は悲しんでのび太を見上げている。
まさか自分の心がこんなにもすさんでいたとは思いもよらなかった。
「昔ののび太さんとは違う。どうしてなの!?
どうして!」
静香は酷く失望した目をしていた。
「ごめんよ……悪気はなかったんだ。ついカッとなって口より手が出てしまった。
今は反省している。けがはしていないかい?」
のび太は反省の色を見せ、静香に近寄ったが、その手を静香が払いのけた。
「近寄らないで! もう知らない!」
そう言って静香は痛みをこらえた様子で立ち上がった。
そして豪雨の中駈け出して行ってしまった。
その瞬間――突然凄まじい落雷が落ちた。静香の方だ。静香の悲鳴が聞こえる。
民家が建ち並ぶ歩道の数軒先からのものだった。
のび太は傘を手に急いで数軒先の民家の近くへと走り出した。
息を切らしながら静香にたどり着くと、
ガクガクと震えている静香を漆黒のジャンパーにフードを被り、
ゴーグルを身につけた男が、静電気を全身にまとったポケモンを従えて見下ろしていた。
「静香ちゃん、この男は?」
問いかけても静香は返事をしてくれなかった。
のび太に対しての嫌悪感とはまた別な理由からのようだ。
それ程この異形の男が恐ろしいらしい。
謎の男が従えているポケモンはトゲが全身を覆っているサンダースだった。
「源静香……トレーナーランキング56位、ゴミめ。
お前のことは知っているぞ王国の反乱分子だ。
レッド様に忠誠を誓わない者は女だろうと容赦はせん」
謎の男はそう言い放つと静香の胸倉を掴んだ。
静香は苦しみもがくが女の力では振りほどくことができない。
「待て! お前は何者だ! どうして静香ちゃんを狙う!」
のび太は鼻息を荒くして謎の男に突っかかった。
「ずいぶん威勢がいいな、だが、調べてみると野比のび太、
トレーナーランキング127位。やはりゴミだな。
俺の相手ではない。俺は王国警備隊員のデンジだ」
742アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:52:38 ID:zZ7InBbl0
「王国警備隊員? 何だそれは」
「王国警備隊とは、王国中のトレーナーの中から選りすぐりのエリート5人で構成された。
王国の秩序を守る部隊だ」
デンジは雨の中、フードと相手の強さが分かるゴーグルを外し、端正な容姿を露わにした。
「丁度いい、この女をかばうのであれば貴様も反乱分子だ。
この俺の電気ポケモンの力を思い知るがいい、いけっ、サンダース!」
「静香ちゃんは僕が助ける! いけっ、キノガッサ!」
二匹のポケモンが睨みを利かせる。互いに主人の命令を今か今かと待っている。
しびれを切らして先に攻撃したのはサンダースだった。
「サンダース、目覚めるパワー氷」
目覚めるパワーとは使うポケモンによって技のタイプが違う特殊な技である。
このサンダースが使う目覚めるパワーは氷。キノガッサの弱点だ。
サンダースの全身から凄まじい冷気が襲いかかる。
あっと言う間にキノガッサはダウンした。
あまりのサンダースの強さにのび太は一瞬何が起きたか分からなかった。
「クソっ、戻れ! キノガッサ!」
のび太は舌打ちをしながらキノガッサをボールに戻して、
まだどんなポケモンが入っているかわからないボールを投げた。
中から出てきたのは期待を裏切る水、飛行タイプのギャラドス――
闘いの最中、降り注いでいた雨はいつのまにかやんでいた。
しかし、電気タイプのポケモン相手にとっては絶望的なギャラドスが出てくると
悲壮感も出てきた。ギャラドスは中国の龍を思い浮かべる姿で見かけは強そうだが、
現に強いのだが、電気タイプ相手には致命的という弱点を持つ。
何しろ弱点が重なっているのだ。
「俺のサンダースの格好の餌食だ。サンダース、10万ボルトを浴びせてやれ」
デンジの声とともに稲光が走り、凄まじい雷撃がギャラドスを無残にも黒こげにした。
これでのび太は瞬く間に二匹のポケモンを失い、デンジのあまりの強さに驚愕せざるを得なかった。
(レベルが違いすぎる。でも、最後まで諦めない)
まだのび太は諦めなかった。諦めやすいのび太でもまだ諦めるのは早い。
のび太には最強のドラゴンポケモン――ガブリアスが残されているのだ。
「いけっ! ガブリアス! もうお前しか残されていないんだ!
絶対勝てよ!」
「いくら強力なポケモンを出してきたところで、
俺のサンダースには勝てない。サンダース、目覚めるパワー氷!」
サンダースは全身を震わせて冷気を放出する。
その威力は極めて高く、ガブリアスを凍りつかせる程だった。
「サンダース、とどめだ。目覚めるパワー氷! 絶望と共に散れ、野比のび太」
デンジは容赦なくサンダースに目覚めるパワーを命じた。
サンダースは凍りついたガブリアスにも容赦せずに冷気を浴びせる。
もはやガブリアスは戦闘不能となっていた。
(この僕がストレートで負けた!?)
気がついたら負けていた。デンジのあまりの強さにのび太は絶望すら覚えた。
743アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:54:15 ID:zZ7InBbl0
「口ほどにもなかったな。さてと……」
デンジはサンダースをボールに戻すと、別のボールを掴み、投げた。
黄色の体色をした鳥が大空を飛翔しながら現れた。
「伝説の鳥ポケモン、サンダーだ。
そして俺の切り札でもあるが、今はこの女をレッド様の元へ送るために使う。
だが、のび太……お前は弱すぎる。虫けらに過ぎないお前は哀れだ。見逃してやる」
そう言うとデンジは横で震えている静香を捕まえると強引にサンダーに乗せて
飛び去ろうとする。静香は必死の抵抗を試みるも屈強なデンジに成すすべもない。
のび太はポケモンを使って何とかしないのかと疑問に思ったが、
静香の腰にはモンスターボールが付いていないのに気付くと
――ああ、ポケモンを持っていないんだなと悟った。
きっと、これまでの戦いで奪われたのかもしれない。
「静香ちゃん!」
のび太は叫んだ。
「のび太さん! 助けて!」
静香は涙ながらに訴える。静香の悲痛な叫びがこだました。
静香の叫びは近所中に届いているはずなのだが、誰も助けようとしない。
辺りを見回してみると不思議なことに、
通行人は誰も気にも留めていない様子なのに気づいた。
路上を歩いている会社帰りのサラリーマン風の男達。
彼等は一人の女性が大男に連れ去られようとしているのに見向きもしない。
のび太は静香を助けようと思案するものの、
デンジと静香を乗せたサンダーははるか上空へと消えていった。




のび太はさっきまで激闘を繰り広げた路上で絶望に打ちひしがれていた。
静香ちゃんを勝手にこの世界に巻き込み、デンジに何も出来ずにあっという間に
静香ちゃんを奪い去られてしまった。静香を助けることができない自分にいら立ちを覚える。
デンジが静香を連れ去るのを阻止できなかった。
阻止するどころか足が震えて何も出来なかった。例えようのない恐怖が支配していた。
(元の世界に戻そう。この世界は何か変だ)
のび太は元の世界に戻す決心をした。意を決して自宅へと駆け出す。
自宅へと走りながらのび太はデンジの言葉を思い出した。
『お前は虫けらに過ぎない』
とても腹立たしかった。でも何も出来ない、どうすることも。
もしもボックスを使ってこの世界の存在そのものを消してしまえば忘れるだろう。
しかしその言葉が頭から離れられない。デンジの嘲笑った表情が脳裏によぎる。
でも、のび太は駆け出すのをやめなかった。自分はとても臆病な人間だと思った。
「ふん、言いたい奴は言えばいい」
のび太はそう吐き捨てた。自宅までもう少しだ。これで何もかも終わる。
744アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:55:54 ID:zZ7InBbl0
そう思った時であった。路地を曲がった直後、とても懐かしい見知った者が姿を現した。
その人物は非常に整った端正な美しい容姿の青年だった。
背がのび太よりはるかに高く、見上げるだけで精一杯だ。
190センチは確実にあるだろう長身を持て余してこちらを見下ろしていた。
その人物こそ出木杉英才――のび太の青年期における最高の親友だ。
出木杉とは少年時代はそれほど親しい間柄でもなかった。
しかし、中学校に上がると周りの環境は変わった。
静香やスネ夫など受験して私立中学に通う者が多くなり、
小学校時代に遊んでいた友達は激減してしまった。
出木杉も当然、私立に通うのだと思っていたが、なんとのび太と同じ公立の中学になった。
しかも、クラスも同じ。これは信じられないことだった。
だが、これが出木杉と親しくなるきっかけとなったことは間違いない。
今、その出木杉が自分の前に立っていると思うと激しい動悸がした。
のび太は嬉しかった。すぐにでも今までの経緯を話して謝りたい気持ちでいっぱいだ。
「出木杉、久し振りだな」
そう言いながら出木杉の肩をポンと叩いた。
「愚かな奴だ……」
出木杉はのび太の手を払いのけながら呟いた。
冷徹な視線がのび太の胸を突く。出木杉の目は驚くほど冷徹だった。
かつての優しい出木杉の面影はない。のび太はショックを受けた。
「出木杉、どうしたんだ?」
「のび太、お前はこの世界を元の世界に戻そうとするが、無駄だ。既に手は打ってある」
出木杉が話し終えると、のび太の家の方角からまたも懐かしい人物
――いや、人ではない猫型ロボットのドラえもんが空を飛ぶ道具『タケコプター』を
頭に装着し、プロペラを回転させながら猛スピードでこちらへと向かってくる。
そして、出木杉の右隣に着地してタケコプターをしまうとのび太へと目を向けた。
「のび太君は相変わらず馬鹿だね。まんまと僕と出木杉君の罠に嵌まるなんて」
ドラえもんが腹を抱えて大笑いしながら言った。
一方、隣の出木杉は眉一つ動かさない。
「どういうことだ、ドラえもん!」
のび太は憤りを隠せなかった。どうして未来へと帰ったはずのドラえもんが
出木杉と一緒にいるのだ? その答えを知りたかった。
「簡単なことだよ。僕は未来へなんか帰っていない。
君と喧嘩したあの日……僕はすぐに出木杉君のロボットになったんだよ」
ドラえもんが高笑いしながら、のび太の問いに答えた。
のび太はその言葉にショックを受けた。
(まさか……そんなことが?)
あまりの衝撃に頭の中が真っ白になりそうだ。ドラえもんが出木杉のロボットに?
「その通りだ。ドラえもんは何年も前から俺のロボット。
せいぜい絶望するがいい……愚かなのび太よ」
さらに追い打ちをかけるような出木杉の冷酷な言葉が胸を刺した。
だが、のび太はまだ言い返すだけの気力は残っていた。
745アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:57:55 ID:zZ7InBbl0
まだ奥の手があるのだ。
「ふははははははーーっ! それで僕を罠に嵌めたつもりか!
君達はもしもボックスに細工を施して僕に都合の悪い世界を演出させたつもりだろうが、
勘違いしてるぞ! 今から僕が家に戻って元の世界に戻せばそれで終わりだーっ!」
狂ったような叫び声をあげた。そうだ、家に戻って元の世界に戻せば全て終わるのだ。
「………のび太、やはりお前は愚かだ。
たった今もしもボックスはドラえもんが回収したばかりだ。残念だったな」
出木杉の一言にのび太は発狂して叫んだ。
「うああああああああーーっ!」
のび太の絶望が頂点に達し、どん底に落とされたような悲痛な叫びがこだました。
その場に膝をついて拳で雨で濡れたアスファルトを叩いた。両目から涙が流れ落ちる。
「この世界でお前が生き残る道はただ一つ、国王レッドを倒すことだ。
国王レッドにポケモンバトルに勝てばドラえもんは元の世界に戻してくれる。
デンジとのバトルで己の非力さを思い知っただろう。
這い上がれ……のび太」
出木杉はそう言い残すとドラえもんと共にその場を後にした。




レッドの王宮


平凡な街に似つかわしくない威容を示している宮殿。
それはこの国が民主主義ではなく、専制君主による支配を現していた。
この圧倒的存在感を誇る宮殿に仕えているトレーナーはおよそ三百名。
彼らはエリートであり、一般市民の羨望を集めていた。
唯一無二の絶対君主『レッド』の手足のごとく働き、どんな命令も遂行する。
もはや神にも等しい、その絶対君主レッドは背もたれの高い玉座に座り、
片手にワイングラスを持って口に運びながらモニターに映し出された青年の映像を眺めていた。
煌びやかな王冠を被り、華美なマントをはおっている。
「のび太って言ったっけ? この間抜け面に勝てば永遠にこの世界を支配できるんだな?」
レッドは注がれたワインを飲み干しながら、視線を正面に立っている奇妙なロボットに言った。
「約束は守る。お前がのび太君に勝てば、この世界はお前にやる。
でも、お前が負ければこの世界を元に戻す」
ロボットは淡々とした口調で返した。
「ドラえもん、俺がこんな奴に負けると? 冗談はやめてくれ。
俺は地上最強のトレーナー、レッドだ。俺に敵うトレーナーは存在しない」
レッドは自信たっぷりに言い返した。
それもそのはず、レッドは自分が選ばれた存在だと改めて認識する出来事が
一年前に起こったのだ。それは正に彼の人生を大きく左右することだった。
その出来事をレッドは思い返した。一年前――レッドはシロガネ山に居た。
746アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 16:59:36 ID:zZ7InBbl0
偶然持ち合わせていたラジオで名のあるトレーナーが謎の失踪をするという事件を耳にした時、
レッドの視界が真っ暗になり、意識を失った。
次に目が覚めたときにはなぜかレッドは玉座に座っていたのだ。
レッドは一時混乱状態に陥ったが、頭のいい彼は自分が別の世界に来たことを察知し、
恐らく名のあるトレーナーが失踪したのと深く関連性があるに違いないと考えた。
レッドはこの国では国王として崇められているのを認識すると失踪したトレーナーの行方を捜させ
王宮に集めさせた。それはとても簡単だった。なにしろ服装がこの国の人間と違うからだ。
なんとか失踪したトレーナー全員を王宮の広間に集めさせるとレッドは演説を行った。

『皆さん、我々は見知らぬ世界に迷い込んでしまいました。
しかし、幸運なことにこの世界は我々が居た世界と同様のポケモンの世界です。
この世界で生活することは容易なはず、なぜなら私はこの世界では国王として崇められているのです。
だから心配せず、私にお任せください。皆さんの生活は保証します』

突然、訳のわからない世界に連れてこられ、
平常心を失っているトレーナーの誰もがレッドの言葉に耳を傾けた。
混乱し、パニックに陥っているものが多かったのも幸いして、
元の世界から来たトレーナー全員をいとも簡単に掌握できた。
それからしばらくしてドラえもんと名乗るロボットが訪ねて来た。
ドラえもんはこの世界に自分達を連れてきたのに関与しているという。

『この世界を永遠に支配したいのならば、一年後にやってくるのび太に勝て』

レッドはドラえもんの言葉に承諾し、のび太が現れるのを待った。
そしてドラえもんの言うとおり、のび太はこの世界にやってきた。
レッドはドラえもんが用意したモニターを使ってのび太をどんな人物か見ていたが、
たかがデンジ如きに無様に負けるところを見て拍子抜けしてしまった。
(……のび太は弱い。俺がのび太に負けることは現時点では百パーセントありえない。
だが、潜在能力はかなりのものだ。頂点を極め、多くのトレーナーを見てきた俺には分かる
成長したら相当強いトレーナーになることは明白だ)
心の内でのび太が後々の脅威になることを予感した。
「ドラえもん、のび太は潜在能力だけは計り知れない。
俺はあえて今勝負せず、のび太が成長した時に相手してやる。
それまでこの玉座でひたすら待つ。RPGのラスボスになったような気分だな」
言ってからレッドは腕組みしながら深く目を閉じた。




「………」
ドラえもんは沈黙しながらレッドの言葉に耳を傾けていたが、やがてレッドがそれ以上話さなくなると
どんなところでも行くことができる秘密道具『どこでもドア』を四次元ポケットから取り出した。
747アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 17:01:21 ID:zZ7InBbl0
どこでもドアはピンク色で塗られているだけで、
ドアノブの付いたごく平凡なドアにしか見えない。だが、その性能は素晴らしく、
一度行ったことのある場所ならドアをくぐるだけで瞬時に行くことができるのだ。
ドラえもんはどこでもドアのドアノブをゴムまりのような手でくっ付けて押しあけてからくぐった。
出た場所はとても薄暗く、ひんやりとした牢獄だった。
例えれば刑務所のような場所で鉄格子の中、
多くの囚人たちが手錠をかけられ、身動きできずに固いシーツの上で苦しそうに寝そべっている。
ここはレッド王国の地下にある牢獄だ。
国王レッドに反乱分子として見なされた者達は容赦なく牢獄へと放り込まれる。
そして強制的な労働を強いられ、どんな屈強な者でも音をあげるという。
ドラえもんがこの地下牢に来た理由は二つある。
その一つが労働を強いられた者達を密かに秘密道具で治療するためだ。
それはドラえもんの義務でもあった。なぜなら自分とレッドとの賭けにこの世界の住民は関係ない。
例え仮想世界の住民でも巻き込みたくはなかった。
ドラえもんは手際良く未来の最先端の医療道具で囚人たちを一人一人治療していった。
「すまねえ、いつも助かるぜ」
囚人の誰もがドラえもんに感謝の言葉をかけていた。
それともう一つ、ドラえもんがここに来た本当の目的
――それはデンジにここに連れてこられた静香に会うためだった。
静香が閉じ込められている檻はさらに奥深くにあった。
屈強な男たちが閉じ込められている牢獄の最後に地下に降りる螺旋状の階段があり、
そこを降りた先に小さな鉄格子が付いた檻が見えた。
静香はドラえもんに目を向けると明らかに敵意むき出しで
「ドラちゃん! いったいどういうことよ! この世界を元に戻して!」
と喚いた。静香の精神状態は極限にまで達していることが窺えた。
ドラえもんは静香を哀れむような目で見つめる。
静香は涙もとっくに乾き切った様子で、身も心もボロボロだった。
「静香ちゃん、ごめん。のび太がレッドに誰にも頼らず一人で勝つまで元の世界には戻せない。
この計画はずっと前から出木杉君と考えていたんだ。
この方法しか駄目だと分かった時から、僕と出木杉君はのび太君に対して厳しく接すると決めた。
例え鬼といわれようとも……僕と出木杉君は目的を達成する」
ドラえもんの目は涙で溢れかえっていた。
「ドラちゃん……」
静香はそれ以上言わなかった。
「本当にごめん……」
それだけ言うとドラえもんは後ろを向き、またどこでもドアを取り出してその場から消えた。




レッドはドラえもんと話を終えた後、自らを補佐する最高幹部達五人を広間に集めた。
最高幹部五人が一度に集結するのは久々のことである。
748アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 17:02:56 ID:zZ7InBbl0
集まったのは、レッドの代わりに全指揮権を任せている総司令官のクロツグを筆頭に
出木杉、シロナ、リラ、そしてレッド王国警備隊長のワタル。
出木杉意外、いずれも元の世界で名を馳せたそうそうたる顔ぶれだ。
皆、レッドの座っている玉座より一段低い床に深く平伏している。
しかし、出木杉だけは立ったままで冷徹な眼差しをレッドに向けていた。
「出木杉、控えよ! レッド様に無礼だぞ!」
一番に総司令官のクロツグが怒りをあらわにして注意した。
「クロツグ、別に良いではないか。出木杉は厳密にいえば余の配下ではない、
余の協力者が使わした客人なのだ」
レッドはドラえもんと話している時の口調とは違い、威厳たっぷりに言った。
幹部達と接するときは一人称を『俺』から『余』に変え、威厳を示すのだ。
「ははーっ」
クロツグは面白くないといった態度を示しながらも従った。
「皆、立ちあがって良い。いつまでも平伏しているのは窮屈であろう」
レッドが立ち上がるように促すと、幹部全員が立ち上がった。
「余がお前達を呼んだのは他でもない、
余に反目し半年も小競り合いをしてきた『ジャイアン一派』についてだ」
ジャイアン一派とはレッドの独裁体制に不平不満を持つ者達を集めた組織――
いわば反乱分子の寄せ集めといっていい。
規模は三十人程度に過ぎないが、トレーナーランキング5位のリーダー、ジャイアンに
『達人』と呼ばれる9位の骨川スネ吉、それにスネ吉の従兄で11位の骨川スネ夫は侮れない。
その上位三名を除いてもランキング二桁台の強者が多い。1位のレッドには恐れるに足らないが、
幹部達は大いに苦しめられてきた。ランキングが僅差だと戦い方次第では負けてしまうこともあるのだ。
「良く聞くがよい、もうジャイアンとの遊びは終わりにしたい。
新しい遊びを思い付いたのでな。クロツグに命ずる、ジャイアンとそれに与する者は
余に対する反逆とみなし、徹底的に捕らえるのだ」
レッドはクロツグにジャイアン一派との遊びの終わりを告げた。
今までの小競り合いとは違い、徹底的にジャイアン一派を潰す決断を下した。
新しい遊びとはもちろん、のび太のことである。
「ははーっ、ジャイアン一派は必ずや総力を挙げて壊滅して見せます」
クロツグはさっきまでの不機嫌な表情とは打って変わり、満面の笑みを見せて答えた。
それに続いて、他の幹部達も大喜びといった様子だ。
特にクロツグはジャイアン一派のことを面白く思っていなかったのをレッドは知っている。
「お待ちください!」
突然、クロツグの後ろに控えていたワタルが前に進み出た。
「レッド様、ジャイアン一派に制裁を加えるのはこの王国警備隊の精鋭で十分でございます。
ぜひ、私めにお任せください」
「何? 王国警備隊などお前を入れても僅か五人ではないか!
そんな少数で何ができる」
すぐにクロツグが反論した。シロナ、リラ、出木杉は沈黙を保っている。
「クロツグ様、少数精鋭と言った言葉をご存じか?
王国警備隊は我々の世界で名の知れたジムリーダー、チャンピオンで構成されています。
749アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 17:04:20 ID:zZ7InBbl0
この世界の軟弱なトレーナーなど五人で十分でしょう。レッド様、ぜひ私めに」
ワタルの意志の強さについにクロツグは閉口した。
「………良かろう。この件はワタルに全て一任するとしよう」
レッドはしばしの沈黙の後、了解した。
「ありがとうございます。必ずやジャイアン一派を壊滅して見せます」
議論に収拾がつくと幹部達は広間から出て行った。
レッドはワタル一人には手に負えないのではないかと思ったが、
王国警備隊が壊滅したら、また別の者達で結成させればいいと考えた。
非情だが、レッドにとって部下達は使い捨てに過ぎないのだ。
(俺さえ、この王国に君臨出来ていれば他はどうでもいい)
レッドはモニターに映された自分に対する現時点ではとても小さな脅威――のび太を見ながら思った。
この小さな脅威もいずれは大きな脅威となるに違いない。
それを恐れつつも、レッドはなぜか楽しみでもあった。自分を脅かすトレーナーの存在を
心のどこかで待ち望んでいたのだ。
(でも最後に勝つのは俺だ。
最強のトレーナーの称号とトレーナーが君臨する世界の支配は俺のものだ。誰にも渡さん)
こうしてレッドの支配する王国の夜はふけていった。
750アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/03(水) 17:05:38 ID:zZ7InBbl0
投下終了です。
751ゲーム好き名無しさん:2010/03/03(水) 20:57:42 ID:Q6OYT8HuO
乙!5、9、11って遊びどころか戦争だなw
しかし引き込まれるストーリーになってて実にいい
752アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/05(金) 18:52:05 ID:Fm3Qeyj70
>>751
まったくの偶然です。指摘されるまで気づきませんでした。
後で見て驚きました。ランキングの数値はほとんど適当なのが仇になったか……。
不謹慎なので訂正したいと思います。

訂正

『達人』と呼ばれる9位の骨川スネ吉、それにスネ吉の従兄で11位の骨川スネ夫は侮れない。×

『達人』と呼ばれる10位の骨川スネ吉、それにスネ吉の従兄で12位の骨川スネ夫は侮れない。○
753あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:23:27 ID:RrO5EaAC0
アダムス氏乙です投下します
前回投下終了いえなくてすいません
754あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:24:24 ID:RrO5EaAC0
観客席。

「まったく……のび太くんどこいっちゃったんだよ……」
溜息をつきながらふらふらと空席を探すドラえもん。
会場はけっこう賑わっていて空いている席を探すのも一苦労だった。
しばらく人ごみの中を歩き、ようやく開いてる席をみつけたのでもうここでいいや、とドラえもんは座り込んだ。
もう三時審査が開始されているようで、ちょっと出遅れた気分である。

「あっ、イーブイ!!」

隣から声が聞こえてくるが自分に関係していると気がつくまで数秒かかった。
きがつくと、ドラえもんのひざの上にはちっちゃいもふもふしたポケモンが乗っかっていたのである。
扱いにこまってさっと声のほうを振り向くと、トレーナーと思われる黄色い髪の女がいた。

「あの、この子は……」
「すまん、ウチのイーブイはちょっと人懐っこすぎてなぁ」

イーブイのトレーナーは両手を合わせて謝る。
ひざの上で飛び回るイーブイ。しかし軽いので特に苦には思わない。

「ははっ、べつにいいですよ、僕ポケモン嫌いじゃないし」
忘れず鼠っぽいのを除いて、と付け加えるドラえもん。
トレーナーはポケモンが嫌いじゃないという言葉に意反応したのか、ふとなにか思いついたような顔をする。
「なぁ、アンタひょっとしてポケモントレーナーだったりする?」
「え、はいまぁ……」
何か面倒そうなものを受信してドラえもんは不安になる。今日は厄日なのかもしれない。
イーブイのトレーナーはドラえもんの手を握ると、言った。

「お願い、このイーブイちょっと預かってもらえない!?」
「ええっ、僕がですか!?」
にこにこと笑顔を向けるイーブイ。すぐにはいと返答できるはずもなくドラえもんは困惑した。

755あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:33:47 ID:RrO5EaAC0
「なんか知らんがジョウトの友達からたくさん貰っちゃって。せっかくだから連れてってくれへん?」

「うーん、でもほんと僕でいいんですか?」

見ず知らずの他人にポケモンを押し付けようとはずいぶんと大雑把な人だ。
イーブイはドラえもんのことがトレーナーだと判明してからよりいっそうにこにことしている。

「実はそいつ、バトルが好きみたいなんや。この町のジムを通り過ぎるたびに名残惜しそうに立ち止まって……もうどうすればいいのかわからなくてな」

「そ、そうなんでs

「大丈夫、引き取って後悔することなんてぜったいあらへん! いいか、まずは……」

イーブイはたくさんの種類に進化するとか特性の適応力がどうのこうのとか八つ裂きばやに説明されてうろたえるドラえもん。もはや反撃の余地がない。
とうとう観念したのか、ドラえもんはくびを盾に振ってしまった。

「わかりましたよ。じゃあ……ありがたく貰っておきます」

「ホントに? いやー、助かった!」

こんな出会いの仕方もあるものなんだな、としみじみとイーブイをみつめるドラえもん。ハヤシガメ、ヘラクロスに加え新たな仲間ができた瞬間だった。
756あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:36:14 ID:RrO5EaAC0
ステージ上。

観客席のほうでドラえもんがうろたえているあいだにも審査は進んでいく。
ジャイアンは必死に脳を回転させているところだった。

(俺たちが下手な小細工しても空回りするだけ……こうなったら、あれでいくしかない!)
三時審査は一番成績が悪かったものから順番が回ってくる。
そもそもゲームでもコンテストなんてやったことないので他のトレーナーを参考にしようとしたがそうもいかず……ジャイアンは命令を出した。

「いけ、モウカザル! マッハパンチだ!」

その指示を聞くと、モウカザルのするどい拳が空を切りみごとな一撃を繰り出す。ちょとまえ覚えた得意技である。
会場の隅に固まっていた空手王っぽい服をきている集団からは歓喜の声があがるが……審査員は微妙な顔をしていた。
一部を除いてあらかさまに会場のボルテージが下がる。

「ちょっとまてなんだこの空気! 俺に喧嘩売ってるのか!」
「まぁまぁ、落ち着きなって。たくましさ系統の技ならテンションさがってもおかしくないよ」

次は見た目でかなりの表を落とした出木杉のトリトドンの番だった。
このどこか愛嬌のあるのんびりとした顔からはまったく緊張が感じられない……というかそもそも緊張するという懸念が存在するのかも不明だ。
そんなある意味ベストコンディションのトリトドンに出木杉は言った。
「みててごらん。美しいわざとはこういうものを言うのさ!」

トリトドンは優雅な動きで首を持ち上げ、上に向って見事な水の波動を炸裂させる。
上空で花火のように弾け散った水の波動は……会場のボルテージを回復させてくれたのである。
沸きあがる歓声。ジャイアンは軽いショックを受ける。

「ちくしょう、こんな奴に負けるなんて……」
「これでやっとわかっただろう? ポケモンは見た目で判断しちゃいけないのさ!」
「ああ……そうだな」

コンテストはむしろ見た目重視ということには突っ込まないでおいた。
757あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:39:20 ID:RrO5EaAC0
三番目のパチリスが放電、四番目のドーミラーが神通力をつかって一週目終了。
次にジャイアンの番がまわってくるころには、一度は盛り上がった会場もまた最初の状態にリセットされていた。

(やっぱりあんな地味な技じゃ効果は薄いか……こうなったら、こんどはあれを使うしかないぜ!)

彼なりに試行錯誤をしているつもりだった。しかしちょっとばかり考える方向がおかしかったことだけが残念なところ。
満を持してジャイアンは叫ぶ。モウカザル最大にして最強の攻撃技を。

「モウカザル、きあいだまだっ!!!!」

モウカザルの身体が激しい光につつまれる。そして次の瞬間、その両手には激しい光を放つエネルギー体があった。
徐々に周囲の気合を溜め込むその技は、いい意味か悪い意味かはおいといてとりあえず観客の目を釘付けにした。
そしてエネルギーが十分に溜まったそのとき……モウカザルはそれをいっきに会場にたたきつける。

――巻き起こる爆発。会場をそれはもうすざまじい爆風が駆け抜けた。

「やったぜ、モウカザル! これで一気に逆転だ!」

しかし現実は無情だった。ボルテージがさらに下がった上そこまで凄い評価をもらったわけでもない。
そのかわりに空手王風の集団からは歓声……いや、もはや拍手喝采が飛んでいたけれど。

「そ、そんな馬鹿な! なんでだよ!」
「馬鹿なのはキミのほうだよ……芸術は爆発だから云々なんて理屈で通用すると思ったのかい」
「なんだと!?」

呆れる出木杉とあんな爆音があったにも関わらずまったく動じていないトリトドン。
ジャイアンは正直言ってもう殴りかかりたかったが大衆の前なのでぐっと堪えた。忍耐力の強化も実はこの旅でのちょっとした変化だ。

758あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:42:47 ID:RrO5EaAC0
今の技が派手すぎたせいか、次のパチリスやドーミラーが美しいとされる技を発動してもボルテージはいまいち上がらない。ある意味妨害技としては今のきあい玉はかなりの性能を発揮していた。
むしろこれを『失われシ禁術の覚醒』と歓喜するものもいたが、それはまた別のお話。

「まずい……このままでは最高に美しいはずのコンテストも台無しじゃないか!」

会場ボルテージが下がるどころかむしろ混乱しているこの状況を嘆く出木杉。
かくべつコンテストに熱を入れてるわけではないが、せっかくのトリトドン活躍の場を破壊される(物理的な意味ではない)のは許せない。

(しかたがない。あの技をつかうとするか)

会場の注目がトリトドンに集まる。もはやこの死んだ空気を回復させる希望があるのは彼らだけ。
静まり返った空気……次の一手を心待ちにされるこの感覚……悪くないな、と出木杉は感動する。
出木杉はそんな期待を背負い、命令した。ボルテージ低下をさげるあの技を。

(みんな、みていてくれ。今……僕たちにできる最高の技を見せる!)

「トリトドン、ゆうわくだ!」

マイペースで愛嬌のある顔をしていてとりとめがなく無表情で何を考えているのかわからなくて……そんなトリトドンが誘惑を発動した。
言うまでもなく会場の空気は壊滅した。これもまた何故か一部のミニスカートからは絶大な支持を受けていたが。
テンションを下げることのないはずの技でここまでの偉業を成し遂げるのがどれほど難しいか想像できるだろうか。こんな偉業を成し遂げたのはこのトリトドンだけなのだ!

「やっぱりキミは最高だよ、トリトドン!!」
「ちくしょう、負けたぜ……完敗だよ出木杉!」

もうやけくそだった。
759あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:44:51 ID:RrO5EaAC0
――ジャイアンや出木杉が壮絶な死闘を繰り広げているちょうどそのとき。
別の場所でもまた静かな戦いが繰り広げられていた。

「ふふっ、追いかけっこは私の勝ちみたいですね」

ふれあい広場。トレーナーとポケモンが一緒に散歩できるヨスガの名所のひとつだ。
美しく整えられた園内の花畑の真ん中で……一人のトレーナーと一匹のポケモンがなんともいえない空気の中向かい合っていた。

「だって……勝てるわけ無いだろ……キミは飛んでるんだし……」

長時間の追いかけっこに体力を根こそぎ奪われ、ぜぇぜぇと息をきらすのび太。
彼の前にいたのは、謎のポケモンエムリット。のび太たちをこの世界につれてきた張本人……張本ポケモンでもある。
コンテスト会場前の人ごみの中、のび太がUターンを始めた理由はこれだった。エムリットを見かけたから、それを急いで追いかけてきたというわけだ。

エムリットは近くのベンチの手すりのあたりに腰掛けると、笑みを崩さぬまま問いかけた。

「どうです? バッジ集めのたびは順調ですか?」
「まぁ、なんとかね。今はバッジが二つだよ」

バッジケースの中身を見せるのび太。エムリットはにっこりと笑った。
「上出来じゃないですか。この調子で頑張ってくださいね、応援してます」
「ありがとう。言われなくても頑張るよ」

それじゃあ、と上空に舞うエムリット。そして笑顔で手を振るのび太。

「……って、違う! そんな話をしにきたんじゃない!」

ぶんぶんと首を横に振る。
こんなことを話に来たわけじゃない。このままではエムリットのペースにはめられまた逃げられてしまう。

「僕はキミに聞きたいことがあるんだ。そのために追いかけてきた!」

760あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:48:11 ID:RrO5EaAC0
びしっと指を突きつけるのび太。ここまできて努力が水の泡になるなんて冗談じゃない。
のび太の気迫に押されたのか、ただ単純にきまぐれか。しばらく悩み、エムリットはふっと溜息をついた。

「……聞きたいこと、ですか。うーん、まぁいいでしょう」

さっきまでの遊びにはもう満足したかのような感じでエムリットはのび太に微笑む。

「ここまで頑張ったんだし、答えられる範囲でなら教えてあげますよ」

その一言にのび太は自分の胸が躍るのを感じた。ここまで来て……やっとまともに話を聞ける。
走り回った甲斐もあるというものだ。のび太は呼吸を整えると、改めてエムリットのほうを見つめた。

「じゃあ、聞くけどさ……」

一瞬だけ言葉が詰まる。エムリットに聞きたいこと……それはいったいなんだ?
なれない運動で体力を消耗しすぎて上手く思考が纏まらない。しかし、このチャンスを逃したらもう機会はないかもしれない。
悩んで……幸い、深く考えずとも答えは出てくる。誰もが感じるであろうあたりまえの疑問を、のび太は口に出した。

「キミは……どうして、僕たちをこの世界に連れてきたんだ!」

思えば旅の最初から疑問に思っていたこと。ちょっと特殊な体験をしてるだけの小学5年生にこのポケモンは何を期待しているのだろう。
エムリットはちょっと困った顔をする。躊躇う素振りを見せたのち、申し訳なさそうに口を開く。

「ごめんなさいね。残念ながら、それには答えられないんです」
「だって……私も、その理由は知らないんですから」
761あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:51:09 ID:RrO5EaAC0
のび太は耳を疑った。

「どうして? 僕たちをこの世界に連れてきたのはキミだろう?」

「まぁ、直接つれてきたのは私ですけど。でも……それはただ命令に従っただけ。
だから、答えられるはずがないんですよ」

頭がくらくらするのを感じた。のび太は、せっかく手に入れた道具をジャイアンに奪われた時の絶望に近いものを受信する。
命令? 従っただけ?
どうやらエムリットのイタズラとかそういう単純なものではないらしい。もっと大きな……陰謀めいたものが存在している。

「じゃあ誰なんだよ。その、僕たちを連れてくるよう命令した存在っていうのは」

「ふふっ、そこまで喋るわけにはいきませんよ」

そういうとエムリットはすっと上空へ上がる。のび太の手が届かない位置だ。

「ま、これ以上しゃべったら怒られますね。そろそろお別れの時間です」

「ちょっと待ってよ。これじゃあまだ全然……!」

憤慨するのび太をよそ目に、さらに上空へ上がっていくエムリット。
これではさすがにもうどうしようもない。のび太は悔しそうに右手を握り締めた。

「とにかく、私から言えるのは『殿堂入りしてください』の一言だけです。応援してますよ、のび太さん」

「ま、待って!」

叫んだ頃にはもう遅い。エムリットは遥か遠くへ飛び立ってしまった。
一人取り残されたのび太はがっくりうなだれる。せっかく、謎が解けると思ったのに。

762あえてのプラチナ ◆QxWLPEFfHw :2010/03/06(土) 00:55:29 ID:RrO5EaAC0
これで投下終了です。
まだバッジ2つとかサトシもびっくりのペースだね!
763ゲーム好き名無しさん:2010/03/06(土) 01:34:50 ID:Gav8gpSLO
そしてそれが上出来と褒められるなんて驚異的なハードルの低さですねw
しかし出木杉はまさかアホなのか?ww
764ゲーム好き名無しさん:2010/03/07(日) 12:41:19 ID:bqMwQpzu0
age
765アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:38:01 ID:jOyzEzXH0
投下します。
766アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:40:43 ID:jOyzEzXH0
ジャイアン一派


のび太は泣きながら深夜の路上に這いつくばっていた。もはや立つ気力もない。
深い深い絶望の底にいた。静香はデンジに連れ去られ、
のび太は出木杉とドラえもんに罠に嵌められてしまった。
この世界はのび太にとって都合の悪い世界に演出させられている。
(僕は……もう駄目だ)
ふと気がつくと路上には誰も歩いていないことに気がついた。
のび太はこの瞬間、もう夜が遅いのだと気がついた。
途端に強烈な眠気が襲いかかってきた。このまま眠ってしまおうかと思った時、
その眠りを妨げる程の脅威が迫ってきた。遠くからかすかに荒い息遣いが聞こえてくる。
それは人間のものではないことがすぐに分かった。全速力でこちらへと向かってくる。
グルルルと獰猛なうなり声を上げる正体はハイエナか犬に似た凶暴なポケモンのグラエナだった。
グラエナは大口を開けて、その研ぎ澄まされた牙を剥けて威嚇している。
のび太は身の危険を感じ、起き上がると逃げ出した。
グラエナはしつように追いかけてきた。
そしてついに追いつかれたのび太はグラエナの牙に背中の服を噛み裂かれた。
(今度こそ僕も終わりだな)
自らの命が風前の灯火だと気付いた。25年間、命の危険は何度もあったが、
今度こそ終わりだと思った。これは天罰なのかもしれない。
世の中を自分の思う通り変えようなどとした罰だ。
まず、自分が変わらなければならないと今更ながら思った。
のび太は死を覚悟した――瞬間、何者かがモンスターボールを投げ、ポケモンを繰り出した。
そのポケモンは人間に酷似した姿をしているが、大きな違いは鍛え上げられた四本の腕だろう。
格闘ポケモンのカイリキーだ。
カイリキーはその四本の腕でのび太に今にも噛みつこうとしているグラエナを
掴んで投げ飛ばした。投げ飛ばされたグラエナは路上に叩きつけられる。
グラエナは怯えて一目散に逃げ出した。
(助かった……でも誰が助けてくれたのだろう?)
のび太は九死に一生を得たが、誰が自分を助けてくれたのか不思議だった。
その人物はのび太に駆け寄ると険しい顔つきをした。
大柄な男で、身体中傷だらけだ。だがその顔には見覚えがある。
「大丈夫か、のび太」
「ジャイアン、ありがとう」
ジャイアンだ。ジャイアンが自分を助けてくれたのだ。
のび太はジャイアンに礼を言った後、安心したのかそのまま意識を失った。




ジャイアン一派のアジトは骨川家の物置小屋の地下にあった。
767アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:43:46 ID:jOyzEzXH0
この物置小屋はのび太の小学校時代、スネ夫がプラモ道場として使っていたところだ。
もちろん、のび太は出入りしてはいけなかった。
のび太はジャイアン、スネ夫の二人に苛められていたからだ。
物置小屋はさびれていて上手くカモフラージュとなっている。
外からはいたって普通の物置小屋で、
まさかジャイアン一派のアジトになっているとは思いもよらないだろう。
物置小屋の地下は広々としており、三十人の一派が自由に出入りできるほどの広さだ。
地下一階が訓練場、地下二階が作戦会議室、地下三階が寝室になっている。
一派の資金源は骨川家の財力で賄っている。
骨川家が経営する会社はスネ夫の代になって急速に拡大して
今や有数の大会社にまで成長していた。これは全てスネ夫の持ち前の経営手腕の賜物であった。
のび太は朝方に目覚めた。昨日は大変な目にあった。
しかし、どれもこれも自分がまいた種なのだから仕方がない。
それどころか静香や他の皆に迷惑をかけた自分を恨んでいるに違いない。
だが、昨日ジャイアンに助けられ、それから意識を失った。
そして次の日に目覚めた。目覚めたのび太のベッドを四人の男たちが囲んでいた。
その男たちには見覚えがあった。屈強なレスラーのようなジャイアン、
とんがった口が特徴の骨川スネ夫、同じくとんがった口でパーマをかけ、サングラスをかけている。
スネ夫の従兄の骨川スネ吉にのび太の小学校時代の恩師――名前は忘れた。
小学校時代普通に『先生』とだけ呼んでいたからかもしれない。
皆が傷だらけだった。数々の戦いを経てきたに間違いない。
(全部、僕のせいだ)
のび太は罪悪感に苛まれていた。
自分のせいで皆がここまで傷だらけになるまでレッドとの戦いを繰り広げてきたのだろうと思うと
胸が張り裂けそうだった。
それと同時に何としても自分の手でレッドとのポケモン勝負に勝たなければと思った。
目覚めたのび太に一番初めに声をかけたのはジャイアンだった。
「のび太、やはりお前がドラえもんの道具を使ってこの世界を作ったんだな?」
ジャイアンは厳しい眼差しをのび太に向けている。
いや、ジャイアンだけじゃない、他の皆も同様であった。
「皆、すまない……全部僕がやったことだ」
のび太はベッドから起き上がってすぐさま謝った。
「誤ってすむ問題じゃない。謝罪よりも情報を教えてくれ。
何かあるはずだ。レッドを倒すことができる何かが」
のび太は今までの経緯を何から何まで話した。
皆はさして驚く風もなく、冷静に聞いていた。
彼らと話していく内に皆は大人なんだなと気付いた。
年齢じゃない、あのジャイアンでさえ見違えるように変わった。
かつての荒々しさはほとんど消え、冷静さを身につけていたのは驚きだった。
ジャイアンの剛胆さにのび太は頼もしく思い、
彼らといろいろ情報交換するうちにジャイアンがこの基地のリーダーなのか納得した。
大人になったジャイアンは冷静さと勇猛さを兼ね備え、さらにリーダーとしての資質もある。
768アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:45:28 ID:jOyzEzXH0
(まさかジャイアンがここまで成長するとは……)
のび太はジャイアンの成長ぶりを見て感慨にふけっていた。




骨川スネ吉は昔、のび太を差別したことを後悔していた。
昔、弟みたいに可愛がっていた従兄のスネ夫と、その友達を連れて遊びに出かけたとき、
のび太だけ差別して連れて行かなかったのだ。その時のことを思い出すと吐き気がした。
あの時、なんでのび太を連れていかなかったのだろうと、何度も悔やんでいた。
だから、スネ吉はのび太へのお詫びの仕方を考えていた。
(どうすればあの子の役に立てるだろうか?)
スネ吉はのび太が目覚めるまでそのことばかりを思っていた。
考えた末、出した結論はのび太を『達人』とまで呼ばれた自分の手で最強のトレーナーに育て上げよう。
のび太の話しではのび太がレッドにポケモンバトルで勝てば元の世界に戻れるらしい。
そう思ったスネ吉はのび太に基地の案内をするという名目で訓練場に連れ出した。
訓練場の扉をスネ吉が押しいだいてのび太を中へ入れた。
訓練場は広々としていて、学校の体育館を感じさせるつくりだった。
「のび太君、ここが訓練場だ」
「かなり広いですね。ここまで広いとポケモンバトルを大いに楽しめそうだ」
のび太の驚きと好奇心にあふれた無邪気な笑みを見て、スネ吉は意を決して心を鬼にした。
「今のお前ではレッドや出木杉に敵わない!
お前に欠けているものはいくつもあるが、トレーナーとしての最大の資質は冷静さだ。
お前のさっきまでの言動や態度を見てそう思った。
どんな状況でも常に冷静沈着、相手に自分の動揺を悟られないようにするために冷静さが必要だ。
それがレッドや出木杉にあってお前にはないものだ。
知識だけは相当あるようだが、ポケモンの知識だけではこの世界では生き残れない!
ましてや最強のトレーナーレッドを倒そうとするなど夢物語だな。
俺に師事してみないか? 俺が一週間でレッドや出木杉よりお前を強くしてやる」
スネ吉はのび太に自分に弟子入りしないかと持ちかけた。
「本当に強くなれるんですか?」
「もちろんだ」
「出木杉、そしてレッドに勝てるならどんなことでも耐えます。
スネ吉さん、僕を強くしてください!」
スネ吉の思惑どおり、のび太はこの誘いに乗り、ここに師弟の関係が誕生した。




スネ吉に師事してからの一週間は苦痛の連続であった。
まず一日目はスネ吉自ら書き綴った、有名なトレーナーのリストを暗記することから始まった。
膨大な量を暗記するのはのび太にとって苦痛以外の何ものでもないが、
769アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:48:57 ID:jOyzEzXH0
デンジ、出木杉、レッド三人のトレーナーを思い浮かべると次第に暗記する意欲が高まった。
一日目めはそれで終了。二日目からは一日目の暗記の続きを昼ごろまでやった後、
実践経験を積むために基地内のトレーナーにひたすらポケモンバトルを挑むということを
毎日繰り返した。そして特訓最後の日、基地内で一番強いトレーナー、
ジャイアンとの勝負が組まれた。ジャイアンはトレーナーランキング5位という驚異的な強さだ。
スネ吉いわく、ジャイアンに勝てるようになればレッドを倒せる可能性が見えてくるらしい。
のび太はこの一週間でランキングをグングン上げて、20位までになった。
これもスネ吉の特訓のお陰だと認識した。後はジャイアンに勝てば……。
基地内の訓練場中央のフィールドでのび太はジャイアンを見上げていた。
「………ジャイアン、今日は勝たせてもらう」
「のび太、悪いがそう簡単に俺は負けるわけにはいかねえ……」
二人はお互いに火花を散らせている。フィールドを取り囲むように一派達が二人に声援を送っていた。
試合形式は三対三だ。そしてついにポケモンバトルの火ぶたが切って落とされた。
二つのモンスターボールが飛び交い、フィールドに投げ落とされる。
「いけっ、キノガッサ!」
「ゆけっ、ハリテヤマ!」
のび太がキノガッサを、ジャイアンが大相撲の力士そっくりのハリテヤマを繰り出した。
ジャイアンのハリテヤマは本当の力士であるかのように迫力のある四股を踏んでいる。
その四股は力士の最高位である横綱のそれと全く変わらないものだった。
二匹は互いに格闘ポケモンであるが、その性質はまるで違う。
キノガッサは格闘タイプを持っているのに催眠技を必ずと言っていいほど用いる。
しかし、ハリテヤマは正攻法だ。
「キノガッサ、キノコの胞子!」
バトル開始早々、のび太は催眠技であるキノコの胞子を命じた。
キノガッサの頭上のキノコの部分から、胞子がまき散らされる。
ハリテヤマは成すすべもなく、深い眠りへと誘われた。
そこから怒涛のキノガッサの攻撃が繰り出された。
「キノガッサ、スカイアッパー!」
のび太の命令を瞬時に聞いた途端、キノガッサは鍛え上げられた右拳を高く、
ハリテヤマの懐に潜り込んで突き上げた。
「……ばかな、俺のキノガッサが……やられた?」
ハリテヤマはスカイアッパーの力で天高く突き飛ばされ、ジャイアンの目の前に落とされた。
ジャイアンを初め、基地内のトレーナー全員が驚愕の色を浮かべていた。
「ジャイアンさんのハリテヤマが一瞬で……?」
「信じられん、のび太がここまで強くなっているとは……」
訓練場内にざわめきが起こった。
それもそのはずジャイアンのポケモンが一瞬で、フィールドに叩きつけられて呻き声をあげているのだ。
(勝てる……勝てるぞ! ジャイアンに勝てば俺はランキング5位!)
のび太はスネ吉に言われた通り、表情では冷静さを保っていた。だが、
内面では既に興奮状態にあった。なにしろ、
ジャイアンのポケモンをこちらのポケモンが全く無傷のまま一匹倒したのだ。
つまり、三対三から三対二の状態で一気に優位に立った。
770アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:50:07 ID:jOyzEzXH0
これは大きなアドバンテージだ。この状況からひっくり返せるはずがない。
「ジャイアン、この勝負いただきだな!」
「のび太、まだ勝負はついてない、ゆけっ、ハガネール!」
ジャイアンはハリテヤマをボールにしまい、
全身鋼でコーティングされた超巨大な大蛇が姿を現した。
(ふっ、ハガネールなんか見かけ倒しに過ぎん……この勝負もらった)
のび太がそう思った時、ふと特訓中スネ吉に言われた言葉を思い出した。

『いついかなる時でも油断するな。勝ちを意識して驕ってはならない』

特訓中、何度も何度も言われた言葉……今、自分は勝ちを完全に意識してしまっている。
しかし、気にしないことにした。この勝負は百パーセント勝てるとのび太は確信してしまっていた。
771アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/08(月) 17:52:28 ID:jOyzEzXH0
投下終了。
書きためた分全部投下してしまった。
ちょっと急ぎすぎたかな。

プラチナ氏乙!
772ゲーム好き名無しさん:2010/03/08(月) 23:55:30 ID:ZsS77fbTO
マジか…じゃあ次は少し待たなきゃならないんだな…
なんにせよ乙
773ゲーム好き名無しさん:2010/03/16(火) 19:28:55 ID:Gm9zbmziO
保守
774ゲーム好き名無しさん:2010/03/22(月) 12:45:01 ID:uHZ1sxaZ0
775ゲーム好き名無しさん:2010/03/23(火) 00:29:22 ID:/vblOYtEO
ドラえもん×ポケモンって発想自体は素晴らしいからな
776ゲーム好き名無しさん:2010/03/23(火) 17:57:32 ID:1jTfSbL80
前にここの連中が作者だけのスレは小説スレじゃないって言ってたけどなんで?
777ゲーム好き名無しさん:2010/03/23(火) 19:59:40 ID:/vblOYtEO
読者がいないからとか、そんなとこじゃね
まあ作者も他作品の読者になれるんだけどな
778アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:41:13 ID:/aN+d40q0
久し振りに投下します。

その前に訂正。

「……ばかな、俺のキノガッサが……やられた?」 ×

「……ばかな、俺のハリテヤマが……やられた?」 ○
779アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:43:16 ID:/aN+d40q0
勝敗の行方


全身を鋼でコーティングされたハガネールは見る者全てを圧倒した。
その光り輝くボディは重厚な威圧感を放っている。
(ハッタリだ……ハッタリに過ぎない)
のび太は額に汗をかきながら、ハガネールの巨体を見上げていた。
大きい、自分の背丈の何倍もある……これが本物のハガネールか……。
(ゲーム通りなら、キノガッサの敵ではない)
そう自分の胸に言い聞かせて、気持ちを落ち着かせようとする。
「ジャイアン、本気でこの勝負もらった!」
のび太は気持ちを落ち着かせた後、ジャイアンに対して勝利宣言をした。
「……のび太。お前はスネ吉さんに修業をしてもらって変わった。
見違えるほどにな。言葉だけじゃない、以前のひ弱な印象は消え、精悍な顔つきになった」
ジャイアンは静かに言った。そして続ける。
「だがな、自分が優位に立つと油断するのは治っていなかったようだな……」
「何だと? ふざけるな! 自分が劣勢だからってデマカセを言うな!
キノガッサ、キノコの胞子!」
のび太は怒って、キノガッサに命令した。
ジャイアンは苦し紛れに自分の動揺を誘っているだけだ。のび太はそう思うことにした。
しかし、のび太が命令を下そうとしたキノガッサはなぜかハガネールに長い胴で締め付けられていた。
どういうことだ?いつのまにハガネールは自分のキノガッサを……。
(もしや、俺が優勢になって有頂天になっている隙に攻撃を加えただと?)
しまったとのび太は思った。突如、あの時の言葉がよみがえってくる。

『いついかなる時でも油断するな。勝ちを意識して驕ってはならない』

僅かな驕りが、こういう結果を招いたのだ。
キノガッサはハガネールに締め付けられて苦しそうにしている。
「のび太、俺はお前が油断しているのに気づいて、この作戦に気がついた。
お前の注意を逸らすために巧みな言葉を使い、その隙にハガネールに目線で指示したのさ」
ジャイアンはしてやったりといった顔つきをして言った。
「やられた……完璧にやられた……僕のキノガッサがやられた」
のび太は悲痛な叫びをあげて苦しむキノガッサを戦闘不能と判断してボールに戻した。
これで勝負は分からなくなった。むしろ強力なキノガッサを失ったのび太は不利か。




「これで勝負が分からなくなった」
「いや、のび太のポケモンの中でエース的存在であるキノガッサが消え、
残りのポケモンで考えるとジャイアンさんが有利だ」
780アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:45:01 ID:/aN+d40q0
「そうだな、やっぱりジャイアンさんの勝ちか」
観戦しているトレーナー達もジャイアンの勝ちを見越していた。
そんな中、僅かながら、のび太の勝利を信じるトレーナー達がいた。
小学校の教諭であるのび太の恩師、スネ夫にのび太の師匠になったスネ吉だ。
この三人はのび太の修行中に三人とものび太に敗れている。
「のび太は勝つ……必ずな」
壁に寄りかかってサングラスをしたスネ吉が腕組みしながら注意深くフィールドを見つめて言った。
「野比の勝ちを私は信じている。
二人ともかつての教え子だが、今日は野比の勝ちを信じるぞ」
「のび太は日増しに強くなっている。勝負をして分かったよ。
それにスネ吉兄さんが鍛え上げたんだ」
この三人は基地内のトレーナーナンバー5内に必ず入るトレーナー達だ。
彼らはのび太の潜在能力を高く買っていた。




のび太は次に出すポケモンを決めていた。ガブリアスとギャラドスが手持ちに残されているが、
水タイプが苦手なハガネールに相性がいいギャラドスを繰り出そうとした。
しかし、突然――のび太とジャイアンが勝負しているフィールドの中央に3D映像が映し出された。
その映像に映し出されたのは王冠を被り、華美なマントを身につけている青年だった。
「アジトの諸君、余が3D映像を通じて直々に伝えにきた」
その青年はとても偉そうに上から目線で居丈高に言った。
基地内の皆は騒然としていた。のび太はこの青年が誰なのかすぐに分かった。
「お前がレッドか!?」
「そうだ。余がこのレッド王国の君主、レッドである。
3D映像とは言え、ついにこうして相まみえることができたな、のび太よ」
レッドは嬉しそうにのび太の問いに答えた。
「レッド、俺たちの勝負を邪魔にしやがってお前だけは許せねえ!」
ジャイアンは拳を握りしめて激昂して今にも爆発しそうであった。
「ジャイアンよ、久しいな。だが、余はお前に伝えねばならない重大なことがある。
ジャイアン一派は明日には消えてなくなる。
明日、王国警備隊がお前たちに、一大決戦を仕掛けるからだ。
今までの小競り合いとは違うぞ。王国警備隊の精鋭5人が集結して戦うのだ」
その言葉に基地内のトレーナー全員が衝撃を受けていた。もちろん、のび太も……。
レッドは更に言葉を続ける。
「王国警備隊5人で足りなければ後詰として幹部の出木杉あたりにでも
向かわせるか。出木杉の知り合いであるお前たちにはさぞ辛かろう」
レッドは笑顔を見せながら言う。それは冷酷な笑みだった。
その場にいる誰もが、一言も口にできなかった。
今、この場は恐怖によって支配されていた。レッドは再びのび太に向き直った。
「のび太よ……お前はわずか短期間で相当強くなったようだな。
781アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:47:21 ID:/aN+d40q0
精悍な面構え、少し前までとは雲泥の差だ。やはり底知れぬものがある。
余とお前は選ばれし者なのだ。余が勝てばこの世界は永久に余のもの。
しかしお前が勝てばこの世界はポケモンの世界でもなくなるという」
「レッド、お前は勘違いしているぞ、この世界は俺の気まぐれで出来たに過ぎない」
のび太は苦し紛れに言った。この世界をレッドのものにしてはいけない。
元の世界に戻さなければいけない、改めて思う。
「苦し紛れだな。まあ良い、言いたいことは言った。この場は退くとしよう」
そう言うとレッドの3D映像がフッと消えた。その場には重苦しい沈黙だけが残った。
のび太とジャイアンはとてもポケモンバトルを続ける気にはなれなかった。
明日、必ずレッドがこの基地に襲撃してくると思うと恐ろしかった。
ジャイアンはとりあえず、今は一旦中断して明日の対策を練ろうと言ってきた。
のび太はそれに従った。



裏切り


レッドの王宮の一室にカツラ、ハヤト、センリの三人のトレーナーはいた。
三人のトレーナーは明日ジャイアン一派を討伐する王国警備隊に加えられることになった。
そのため、幹部クラスの待遇を受けていた。豪華な食事がテーブルに並んでいる。
食器なども全て最高級のものを取り揃えてあった。
なぜ、彼らが王国警備隊に加えられることになったのかは、
やはり元からいる5人だけでは心もとないと、レッド自らが隊長のワタルに
「もう少し手駒がほしいだろう」と言って彼らを用意したのである。
それには別の意図が見え隠れしたが、ワタルはそれに従った。
この人選は過去にのび太と戦った経験があるからでもある。




ハヤトは豪華なテーブル並べられた豪華な食事に手当たり次第手を伸ばしていた。
「うめえ! 旨すぎるぜ! なあセンリ!」
横に座って腕組みしてただ黙っているセンリに言った。
「………」
センリはハヤトの問いにもただ黙って考え事でもしている様子だった。
それを不思議そうにハヤトは見ていた。センリだけじゃないカツラも黙っている。
「どうして二人とも黙っているんだよ!?」
ハヤトはとうとう我慢できずに黙っている二人に言葉を投げかけた。
「……ハヤト君はレッドの意図を読み取れないのかな?
レッドがなぜ、下級のトレーナーである私達をジャイアン一派討伐に向けさせたのか……。
それは私達がジャイアン一派に協力しているのび太と知り合いだからだ。
782アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:49:10 ID:/aN+d40q0
それに私達は前にレッドを裏切った罪でポケモンを没収されている。
警備隊に加わればポケモンを返してくれるから断わりたくても断れない。
要するに私達は捨て駒にうってつけというわけだ。私達だけじゃない、元からいる5人も捨て駒だ。
レッドにとっては全てが駒に過ぎないのだ。
だから前にレッドを裏切ってジャイアン一派となって戦おうと思ったんじゃないか?」
カツラはハヤトに分かりやすく説明してくれた。
ハヤトも思い出した。半年前、レッドのやり方に耐え切れなくなった自分達は
レッドを裏切ったことを。そのせいでポケモンを没収されたのを思い出した。
ランクが1603位までガタ落ちしてのび太に無様に負けた苦々しい思いをこの間したばかりだ。
だからこれは名誉挽回する千載一遇の好機じゃないか、なのにこの二人ときたら……。
「レッドを裏切ろうと思う」
カツラは突然、ハヤトが耳を疑うことを言い出した。
(レッドを裏切るだと……!?)
どうして痛い目にあっているのにまた裏切ろうと言うのか。
「そうですね。今度こそ裏切ってジャイアン一派に加わりましょう」
センリが頷いて言った。センリも同じ意見なのか?
「どうしてレッド様を裏切ろうと言うんですか? また痛い目に会おうとするんですか?」
ハヤトは机をバンバン叩きながら反対した。
「ハヤト君、レッドを裏切ったほうがいい。レッドは非情な男だ。
いずれ破滅する。私には分かる。既に裏切りの計画は立ててある。
私の計画に間違いはない、絶対に成功するから安心したまえ」
カツラはそういって胸を叩いて見せた。ハヤトはなぜか安心した気持だった。
カツラとはもう一年近い付き合いとなるが、カツラにはなぜか安心する何かがある。
「分かった。カツラさんの計画に乗るよ」
「そうこなくては、私の計画というのはごく単純なもの。
明日、警備隊の連中とジャイアン一派が交戦する直前に反転して裏切りを持ちかける。
それでジャイアン一派と共に奴らと戦う……ただそれだけの話だ」
カツラの作戦はとても単純でハヤトにも分かりやすかった。
「センリ君、ハヤト君、分かったかね?」
「すげーぜ! カツラさんの作戦は絶対成功する!」
ハヤトはカツラの作戦に同意したが、センリはなぜかここにきて明らかな動揺を見せていた。
不穏な動きを見せている。しかし
「カツラさんの作戦に全面的に賛成です」
それでもカツラの意見に賛成したのでハヤトは疑念と不安をかき消した。



団体戦


ついに王国の命運を分かつ一日が始まろうとしていた。
この日は晴れ。真っ青な青空で雲ひとつなかった。
783アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:50:58 ID:/aN+d40q0
朝からジャイアン一派の特集がテレビで組まれ、国民は生放送で今日一日自宅で
『レッド王国の精鋭VSジャイアン一派』をまるで年末年始番組を見るかのような面持ちで
テレビ画面を見守っている。今日は特別に休みの日にされ、会社勤めのサラリーマンでさえ休みであった。
一大決戦は子供たちの遊びの場、空き地で行うとレッド自ら公言し、空き地周辺はマスコミやテレビ局の人間が
大挙して押し寄せ、ジャイアン一派達にマイクやカメラを向けている。
まだ王国警備隊は姿を見せていない、空き地に居るのはジャイアン一派総勢三十名。
トレーナー達は各自ウォーミングアップを始めていた。




のび太はマスコミやテレビ局の人間に色々質問されていらだちを覚えていた。
「のび太選手、今のお気持ちはいかがですか?」
あるマスコミの女性がのび太にマイクを向けてきた。のび太にとっては迷惑極まりない。
レッドは何を考えているつもりだ?何の茶番だと怒りを募らせる。
しかし、隣にいるスネ夫だけは上機嫌で受け答えしている。
(やっぱりスネ夫は目立ちたがりだな)
やれやれといった様子でのび太は手持ちポケモンの最終調整を開始した。
「よし、大丈夫だな」
どうやら、ポケモンのコンディションは抜群のようだ。
今日でレッドとの戦いを終わらせて見せる。静香を救い、
悪に染まった出木杉とドラえもんに裁きを与える。
のび太は大きく息を吸い、そして吐き出した。自らの体調もばっちりだ。
その時だった。大空の彼方から八人のトレーナーが徐々に姿を現した。
飛行タイプのポケモンに乗ってものすごいスピードで向かってくる。
先頭にいるのはドラゴンタイプのポケモン、カイリューに乗っている。
そして一瞬のうちに空地へと降り立つ――。
秘伝用に使っている飛行ポケモンから降りてこちらに向かってきた。
八人が空き地に降り立ったことによってほとんどのトレーナーが空き地の外へと追いやられてしまった。
ドラゴンポケモンのカイリューに乗っていたトレーナーが話しかけてきた。恐らくリーダーであろう。
「我々が王国警備隊だ。俺は隊長のワタル。ランキングは8位」
長身でマントをはおっている男が自己紹介した。そして続々とワタルにならって自己紹介を始める。
「俺は電気タイプの使い手!
この世界で『雷撃』の異名を持つデンジ! ランキングは13位」
黄色い髪をしていて、ワタルと同じく長身の男が言った。
「いちいち名乗らないといけないのか、
めんどくさいけど、しょうがない。俺はグリーン、ランキングは忘れた」
グリーンと名乗る青年が頭をかきむしりながらめんどくさそうに名乗った。
「俺は『非道』のカゲツだ。そしてこいつは俺の相棒……」
「『残虐』のマキシ様だ。俺様は昔は善良な男だったが、ある日突然残虐な性格になった。
俺様が被る仮面はその残虐さの証!」
モヒカンヘアーの男と凶暴な仮面を被った大男が自己紹介した。
784アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:52:31 ID:/aN+d40q0
これで全員かと思いきや、まだ三人の男が残っているではないか。
「新入り、早く自己紹介しろ!」
隊長のワタルが自己紹介するように促したその時だった。
なんと三人の男はこちら側についている。
「ふははははーーーっ! ワタル隊長、残念だったな!
私たち三人はこれよりジャイアン一派につくことにするよ!」
三人の男のうち真ん中の男……見覚えがある。カツラだ。両脇の男はハヤトとセンリ。
あの三人組はこちらに寝返ったらしい。だが、センリだけ明らかに様子が変だった。
馬鹿笑いしているカツラとハヤトとは違い、何か企んでいる。
「………残念なのはお前らだ」
センリは再び警備隊の連中の元に戻っている。どういうことだ?
のび太には状況がいまいち把握できない。
「どういうことだ、センリ君」
カツラはセンリの行動に衝撃を受けている様子だ。
「まだ分からないのか? 俺は最初からワタル様の下僕だ。
お前らの行動は逐一、ワタル様に報告していたのだ。
これからお前らは処刑される。それを見て楽しむとするか」
センリは邪悪な笑みを浮かべて言った。
カツラとハヤトはその場に崩れ落ちて放心する。
「センリ、俺達は友達だよな?」
すがるようにハヤトが言った。それをセンリは冷たく突き放す。
「お前らは俺が出世するための生贄なんだよ!
お前らを生贄にささげることによって出世と栄光が手に入るのだ!
ワタル隊長、俺を新隊員に迎えてあいつらに鉄槌を下してください!」
センリは狂気の目をぎらつかせてワタルに言った。
「分かった。デンジ、処刑はお前にまかす」
「はい、隊長。サンダース、出てこい!」
ワタルの指示でそばに控えるデンジがサンダースを繰り出した。
のび太が手も足も出なかった凄まじい強さのサンダースだ。
「サンダース、10万ボルトで3人を処刑しろ!」
「ちょっと待ってください、3人ってどういうことですか!?」
センリが慌てて訪ねた。
「裏切り者は我が王国警備隊にはいらない。また裏切る可能性があるからな」
デンジの言葉にセンリの顔は青ざめ、血の気が引いたようになり、その場に崩れ落ちる。
あっという間に強い電流がカツラ、ハヤト、センリに襲いかかった。
三人の悲鳴が空き地に響き渡る――空き地は騒然となった。
空き地はパニックに陥り、多くの一派が蜘蛛の子を散らすように逃げ出してしまった。
気付いてみれば残ったのはのび太、ジャイアン、スネ夫、スネ吉、先生の五人。
丁度王国警備隊の連中と同じ人数だ。マスコミやテレビ局の人間も恐怖のあまり逃げ出した。
それでも勇気ある人間もいるようで何人かは残った。
救急車で10万ボルトで倒れた3人を運んでくれた人もいた。
この世界は完全にレッドに洗脳された人々だけかと思っただけに嬉しかった。
785アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:53:47 ID:/aN+d40q0
やはりレッドを非難する人間も少なからずいる。この独裁国家も完全ではないことが分かった。
「残ったのはお前たちだけか……いやお前たちだけでいいのだ。
今ここにいる者だけが我々と闘う資格があるというもの」
突然、ワタルは懐から何やら首輪がついたチェーンのようなものを取り出した。
いや、他の隊員も同様に首輪がついたチェーンを取り出して投げた。
そのチェーンが連結を始める。連結されたチェーンの首輪がのび太達の首に嵌められた。
それはワタル達も同じだった。同様に首に嵌められている。
それがのび太達とつながっている。
「これは何の真似だ!?」
ジャイアンがチェーンを掴んで外そうとするが、固くて外れないようだ、
のび太もチェーンを外そうとするが、駄目だった。
「この鎖は絶対に外れない。我々全員に勝たない限りな。
我々かお前たちか、勝ったほうだけがこの鎖を外すことが出来る。
負けたほうは首輪に仕掛けられた爆発装置が作動して死に至る。
まさにデスマッチだ。これで団体戦を始めようと思う。団体戦は知っているな?」
ワタルは生死がかけられた勝負を仕掛けようというのにニヤニヤしながら説明した。
すると凶暴な仮面を被ったマキシがのび太達の躍り出た。やる気満々だ。
「俺様一人で十分だ。先鋒は俺が務めるいいな?」
「良いだろう。まずはお前からいけ」
「そうこなくっちゃ。トレーナーランキング49位の俺様の相手はどいつだあ!」
マキシはワタルから許可を得るや、ボールを手に握り、準備を始めた。
「私が行こう」
先生が言った。
「先生、先生は駄目です。俺がいきます」
のび太は先生を引きとめようとした。先生では勝てない。
それが分かっている。トレーナーランキング55位の先生の実力では簡単にやられてしまうだろう。
だから引きとめた。先生もそれを分かってくれるだろう。察してくれるだろう。
「いや、私がいく。かつての生徒を危険にさらすわけにはいかない。
野比、剛田、骨川、私の雄姿を目に焼き付けてくれ。私は絶対に負けん……。
私には家族がいる。しかし、この世界の妻と子供はレッドに洗脳されてしまって本当の家族ではない。
この手で何もかも終わらせて本当の家族と再会したい」
先生の目は涙で溢れていた、と同時にのび太やスネ夫、ジャイアンまでも涙する。
先生は懐から静かに一枚の写真をのび太に手渡した。のび太はそっと涙を拭って写真を受け取る。
その写真には先生の家族が写っていた。
「さあやろう、マキシとやら」
「おっさんが相手か、余裕だな」
マキシと先生は向かい合って火花を散らす。こうして激戦の幕が上がった――。
786アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/03/30(火) 15:57:24 ID:/aN+d40q0
投下終了です。
物語のラスボスが3D映像ながらご登場。
そして王国警備隊編へと突入です。
787ゲーム好き名無しさん:2010/03/30(火) 20:36:00 ID:5VOd5J27O
乙、前回「ん?」とは思ったがやっぱ訂正されたか
788ゲーム好き名無しさん:2010/03/30(火) 22:44:25 ID:CIX7Aj/J0
改行って知ってる?
789ゲーム好き名無しさん:2010/03/31(水) 09:40:19 ID:+HH1kTqWO
「団体戦」とかタイトルらしき部分はレスの頭に置くべきだと思う
790ゲーム好き名無しさん:2010/04/07(水) 11:48:48 ID:MhWmRvIxO
保守
791ゲーム好き名無しさん:2010/04/14(水) 07:37:49 ID:uW/q4NyvO
保守
792ゲーム好き名無しさん:2010/04/22(木) 19:41:54 ID:w9K1J6ruO
保守
793ゲーム好き名無しさん:2010/04/28(水) 20:35:13 ID:6vbEvlRjO
アダムスまだいる?なんか不安になってきたんだが
794ゲーム好き名無しさん:2010/05/10(月) 17:54:04 ID:Npd5UluYQ
保守
795アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 13:44:38 ID:pU2NwyVV0
投下します。
796アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 13:47:16 ID:pU2NwyVV0
『残虐のマキシ』


のび太は先生とマキシのデスマッチを緊張の面持ちで見守っていた。

「ゆけっ、シザリガー!」
「行くんだ、ドサイドン!」

マキシが繰り出したのはザリガニに似たシザリガーだった。
巨大なハサミを不気味に動かしている。それに対して先生が繰り出したのは、
2メートルを超す巨大な体躯、その大きな角が自慢のドサイドンだ。
身体が岩のように盛り上がっている。無数のプロテクターが全身を覆う。
先生が扱うのは大型のポケモン。大柄な先生に実に似合っている。
だが相性が悪い。マキシは水タイプの使い手と教えられた。
岩地面タイプのドサイドンでは分が悪い。

「ショータイムの始まりだ!」

マキシが天に向かって咆哮した。まるで野生の獣のようだ。
想像していたマキシとは全然違う。筋骨隆々としているのは想像できたが、
その仮面は邪悪そのもの。悪の権化となり果てたのには何があったのか。

「シザリガー、クラブハンマー!」
「ドサイドン、ストーンエッジ!」

真っ先に攻撃したのは素早さでわずかに優るシザリガーだった。
シザリガーはドサイドンのボディに容赦なく巨大なハサミを叩きつける。
ドサイドンの頑強なボディもクラブハンマーによって所々にひびが入る。
凄まじい威力だった。ドサイドンは何も出来ずに地面に倒れるのをのび太は見た。
さらに驚くべきことにドサイドンは戦闘不能なのにシザリガーはなおも叩き続ける。

(何て凶暴なポケモンだ。これが残虐のマキシたる所以か……)

のび太はなぜマキシが残虐のマキシと呼ばれているのかに気がついた。

「ははははーっ! 俺様のシザリガーは凶暴でな。飼い主の俺様でさえ手がつけられない」

マキシが高笑いして言った。その表情は残虐そのものだ。

「クッ、なんて強さだ。さすがは王国警備隊といったところか。
だが、まだ私は負けない。ゆけっ、エレキブル!」

先生はシザリガーにやられ続けるドサイドンを急いでボールに戻した。
797アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 13:50:06 ID:pU2NwyVV0
次に繰り出したのは電気タイプの大型のポケモン、エレキブルだ。
エレキブルは電気を発しながら登場する。とても強そうだ。

「クックックッ! 電気タイプのポケモンか……相性が悪いが
俺様のシザリガーには最強最大の必殺技があるんだぜェ!」
「必殺技だと! 何を戯言を」

マキシの自信満々な表情に先生は動揺する。確かにこの対戦はエレキブルに有利過ぎる。

(だが、あの技を使えば……)

のび太はマキシの思惑を読み取っていた。シザリガーには必殺技がある。
しかし、エレキブルのほうが素早さが高い。でもあのアイテムを使えば――。

「シザリガー! ハサミギロチン!」
「エレキブル! 10万ボルト!」

のび太は自分の予感が外れることを心の底から祈った。
しかし無情にもその予感が的中してしまう。それはあっという間の出来事だった。
エレキブルの身体は一瞬の内に縦から真っ二つに綺麗に切断されてしまった。
鮮血が空き地に飛び散る――空き地は真っ赤に染まる。
見るも無残な残酷な光景にのび太は我が目を疑った。
先生はショックで呆然としていた。

「素早さの劣るシザリガーが、
どうして素早さの高いエレキブルより先に攻撃できたのか……。
俺様のシザリガーには『せんせいのつめ』という道具を持たせていたのだ。
この道具の効果は持たせたポケモンが、
素早さの優る相手に稀に専制して攻撃出来るという優れものだ」

マキシは笑いを堪え切れないといった様子で説明した。

「貴様ーッ! よくも私の大事なポケモンを! ゆけっ! ブーバーン!
エレキブルの仇打ちだ! エレキブルの無念を晴らせ!
だいもんじでシザリガーを燃やしつくせ!」

先生は怒りで我を失っていた。いつもの先生ではない。冷静さを失っている。
ポケモンバトルで絶対に大事なのは冷静さだ。
水タイプのシザリガーにだいもんじなんて無謀にもほどがある。

「シザリガー、もう一度ハサミギロチン」

大の文字の燃え盛る灼熱炎がシザリガーのその身を焦がすが致命傷には至らない。
798アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 13:53:03 ID:pU2NwyVV0
シザリガーはその巨大なハサミで瞬く間にブーバーンの身体をいとも簡単に切断した。
再び鮮血が飛び散り、先生の顔を真っ赤に濡らした。
そのまま先生はその場にガクッと膝を付き、両手を地面に付ける。

「野比、剛田、骨川、すまん……」

それが先生の最後の言葉だった。
先生の首に付いた首輪がピコンピコンと鳴り出し、そして爆発した。




先生の死をのび太は受け入れられなかった。のび太はこれを夢だと思いたかった。
でも現実に起きた惨劇を受け入れるしか道はなかった。
先生の遺体をのび太は確認する。所々焦げた跡があり、とても見るに耐えられなかった。
空のかなたから、タケコプターを付けた猫型ロボットのドラえもんの姿があった。
猛スピードでこちらに近づいてゆく。しかしその表情は感情のかけらもない冷酷無比なものだった。
その冷酷無比なロボットは空き地に着地すると自分たちに声をかけることもなく
先生の遺体に駆け寄った。先生の死を悼むのかと思いきや、
遺体を風呂敷に包んで四次元ポケットに収容した。何をする気だろう?と思ったが、
先生を失ったショックで一言も声をかけられなかった。
ドラえもんの変わり果てた姿を見たショックもあるかも知れない。
それは皆も同じだった。ドラえもんを知る者ならば今の変わり果てた姿に驚愕するだろう。
昔のドラえもんはおっちょこちょいでどこか間の抜けた感じだった。

(ドラえもん……何という変わりようだ)

在りし日のドラえもんの姿を思い浮かべる。
ドラえもんのあの優しい目は二度と見られないのか。
そんなことを考えている間にドラえもんはまた空のかなたへと消えていった。

「ドラえもん様もご苦労なこった。わざわざ遺体を収容しに来るなんてよう」

マキシがため息をつきながら言った。ただ一つの救いは爆発が弱く先生の五体は繋がったままだ。
こうして先鋒戦はのび太達の負けとなった。いや、
勝ち負けなんてどうでもいい命を弄んだこの勝負が許せなかった。
皆も同様に怒りを募らせている。ジャイアンは怒りが頂点に達しているようだ。

「今度は俺がいく。俺がこの戦いに終止符を打ってやる。
犠牲者は先生だけだ。どうせお前らの首輪は爆発しないように出来ているんだろう?」

ジャイアンがワタルを睨みつけて問いかけた。ワタルはクツクツと笑いながら
799アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 13:55:35 ID:pU2NwyVV0
「よく気がついたな。その通りだ」
「どうしてわかったんだ?」

スネ吉が問う。

「あいつらの妙に落ち着いた態度で分かったんだ。
あいつらのだけは爆発しないように作られているんだろう」

ジャイアンは怒りを抑えきれないといった様子で答えた。

「俺がこの戦いを終わらせる。俺のランキングはワタルよりも高い5位だ。
絶対に負けない。ワタル、こんな茶番は終わりにして大将戦で結着をつけようぜ!」
「良いだろう! マキシ、俺がいく。最強のドラゴン使いにして
5大幹部の内の一人、このワタル様が直々に相手してやろう」

ワタルは漆黒のマントを投げ捨てて構えた。
800アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 13:57:16 ID:pU2NwyVV0
投下終了です。
801アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 18:25:19 ID:pU2NwyVV0
投下します。
802アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 18:26:58 ID:pU2NwyVV0
『大将戦』


辺りには異様な静けさが戻っていた。これから大将戦を迎えるというのに周りは穏やかだ。
一陣の風がどこからか吹くと両雄がボールを投げる。
ボールが地面へと転がり、中からポケモンが飛び出す。

「ゆけっ、ハリテヤマ!」
「いくんだ、カイリュー!」

ジャイアンの十八番ハリテヤマが出てきた。対するワタルは巨大な竜を繰り出した。

「カイリュー、ドラゴンダイブ!」

カイリューはそのまま巨大な体でハリテヤマを押しつぶした。
ハリテヤマはあまりの勢いにノックアウトしてしまった。
ジャイアンはあわててハリテヤマをボールに戻す。

「出てこい、ハガネール!」

次にジャイアンが繰り出したのはハガネールだ。ハガネールが蛇のような胴体をくねらせて登場した。

(勝負はこれからだぜ!)

ジャイアンは落ち着いて呼吸を整える。

「ハガネール、ストーンエッジだ!」
「カイリュー、火炎放射!」

先に攻撃したのはカイリューだ。カイリューは大口を開け、火炎の息を吐きだした。
燃え盛る火炎がハガネールの鋼のボディをとかしてゆく。
ハガネールにとって、炎タイプの攻撃技は弱点だった。ハガネールは
高威力の火炎に苦しんだが、なんとか耐えてカイリューの頭上に鋭くとがった岩を
出現させて、そのまま落下させた。
カイリューの頭に岩石が突き刺さる。途端に大量の血が頭から出血した。
カイリューは痛みでうめき声を上げる。

「そのぐらいでうろたえるな! カイリューもう一度火炎放射!」

カイリューは再び火炎放射で攻撃した。高威力の火炎がハガネールを襲った。
ハガネールに二度目の火炎放射を受け切れる体力は残されていなく、
ついにダウンしてしまった。これでジャイアンのポケモンはあと一匹だ。
ジャイアンは窮地に立たされてしまっている。どうすれば挽回できるか考えたが、
803アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 18:28:07 ID:pU2NwyVV0
何も浮かばない。自分も先生と同様に敗れて死ぬのだろうか?
しかし恐怖は自然と感じなかった。これまでの戦いで仲間を失うところは何度も見てきた。
ついに自分の番が来たのだ。だが、ただで負けるわけにはいかない。
皆のリーダーとして、意地を見せなければ……。

「いくぜ! カイリキー!」

ジャイアンの最後のポケモンはカイリキーだ。人間の姿に近いが、四本の腕を持つ屈強なポケモン。
全身が鋼のような筋肉に覆われており、見る者を圧倒する。
これがジャイアンの切り札だ。ジャイアンは今までカイリキーと共に戦い抜いてきた。
のび太がやってくるまでの一年間、カイリキーはジャイアンのピンチを何度も救ってきた。
このままじゃ終われない。カイリキーの力をワタルに、王国警備隊の奴らに見せつけてやる。

「カイリキーか、所詮俺のカイリューにとっては虫けらに過ぎん。
まだ俺は10パーセントの力しか出していない。30パーセントの力も出せば
お前のカイリキーはゴミになる。カイリュー、破壊光線!」

カイリューの口から、すさまじいエネルギー弾が放たれる。
それはカイリキーの腹部に命中し、カイリキーはコンクリートの壁にふっ飛ばされ、
そのまま倒れる。カイリキーはピクリとも動かなくなり、やがて戦闘不能となった。
この瞬間、ジャイアンの敗北が決まった。ジャイアンの顔が蒼白となる。
ジャイアンは絶望に顔を歪める。首輪が鳴り出し、そしてすぐに爆発した。
804アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 18:28:56 ID:pU2NwyVV0
『怒り』


のび太は例えようのない怒りを抑えられなかった。

「今度は俺が戦う。ワタル、お前だけは許さない」
「ふん、ザコめが、王国警備隊は王国全土を警備する最強部隊。
このワタル様がさっきのザコと同じく貴様をゴミにしてやる!」

ワタルが吠えた。更にのび太の怒りが増していく。

「さっきのザコ! ジャイアンのことか!」

のび太の中で何かがプツンと弾けた。怒りが頂点に達し、ワタルへの憎悪が増す。

「そうだお前も剛田たけしと同じ運命を辿る。
ここが貴様らの墓場となるのだ!
おい! デンジ、俺のランキング数値はいくつだ!」

ワタルがデンジにランキング数値の確認を迫った。
ワタルはさっきジャイアンを倒したことによってトレーナーランキング5位に
上がっているはず。それを確認しようということか?
デンジがランキングゴーグルのスイッチを押す。すると、

「おめでとうございます。隊長は8位から5位へとランキング数値が
上昇しております」
「本当か? 嬉しい。この瞬間、俺は世界で5番目に強いトレーナーとなったのだ。
この調子でゆくゆくは総司令官に上り詰めて見せる。なんといっても俺には
忠誠心溢れる部下が4人もいるからな。俺は最高の幸せ者だ」

ワタルは有頂天になり、大笑いする。その姿を見てのび太の怒りは膨れ上がる。

「わははははーっ! さあ、かかってこい、と、その前にこいつのランキングが知りたい。
デンジ!」
「はっ! 野比のび太、トレーナーランキング20位です。
以前私と戦ったときより大幅にランキングが上昇しおりますが、
隊長の敵ではありません」
「そうか……所詮ゴミというわけか。さあ恐怖のショーを始めるとするとしよう。
ゆけいっ! カイリュー!」

再びカイリューがモンスターボールの中から姿を現した。
のび太はカイリューを見上げてみた。巨大な身体に大きな翼をはやしている。
誰もが想像する立派なドラゴンだ。しかし、その眼光は邪悪そのもの。
805アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 18:29:57 ID:pU2NwyVV0
このカイリューがジャイアンの命を奪ったのだ。

(絶対に許さない)

それに先生の命をも奴らは奪った。

「いけっ、キノガッサ!」

のび太の声とともにキノガッサがモンスターボールから出てくる。

「キノガッサ、キノコの胞子!」
「カイリュー、火炎放射!」

キノガッサの胞子が辺りに散らばる。この胞子をカイリューが浴びれば
たちどころに眠ってしまうだろう。のび太はカイリューを眠らせられると思った。
しかし、そう上手くはいかなかった。

「ふははははーっ! 俺のカイリューにはラムの実を持たせている。
ラムの実は状態異常を治す効果があるのだ。残念だったな」

ワタルは二ヤりとした表情で笑いながら言った。のび太はワタルの言葉にショックを受けた。
ワタルの言葉通り、カイリューはラムの実を取り出して食べ始めた。
すると、さっきまで眠そうにしていたカイリューは元気を取り戻した。
邪悪な笑みとともにカイリューの口から凄まじい火炎が吐き出される。
キノガッサは悶え苦しみ、その場に倒れる。のび太はワタルの強さに恐怖を覚えた。
これほどまでに強いトレーナーは見たことがない。

(くっ、なんて強さだ。今まで戦ったどのトレーナーよりも強い)

正直、ワタルがここまで強いとは思ってもみなかった。

「ワタル、あんた程のトレーナーが、黙ってレッドに服従しているのはなんでだ」
「冥土の土産に教えてやろう……俺がレッド様に服従している理由、
それはレッド様が俺よりもはるかに強いからだ。あのお方の強さは人知を超えている。
レッド様は神のごとき存在なのだ。だから偉大なるレッド様のために働けることを我らは喜びとする」

ワタルは天を仰ぎ見ながら語った。その目は狂気に満ちている。
のび太は衝撃を覚える。この男が完全に服従する程、レッドは強いということか……。

「どうした? 早くポケモンを出したらどうだ?」

ワタルにポケモンを出すよう促された。のび太は慌てて次のポケモンを繰り出す。
806アダムス ◆BdUP9kGduU :2010/05/17(月) 18:31:49 ID:pU2NwyVV0
「ゆけっ! ギャラドス!」

ドラゴンタイプではないが、姿形がドラゴンに近いギャラドスが威嚇しながら
モンスターボールから飛び出す。

「ギャラドス、氷の牙!」

ギャラドスは冷気を帯びた鋭い牙でカイリューの腹部を噛み裂いた。
カイリューは悲鳴を上げてついに倒れる。これで残りポケモンは二対二だ

「馬鹿な!? 俺のカイリューがやられた。だが次はどうかな。
ゆけいっ! キングドラ!」

ワタルの二匹目はタツノオトシゴに似たキングドラだ。
ドラゴンタイプに水タイプまで加わった恐るべきポケモンである。
キングドラはその巨体を悠々とさせて登場した。その眼光は主のワタルと同じく鋭く、
周囲の者全てを委縮させ恐れさせる。
荒々しい性格のギャラドスでさえ心なしか怯えているように思える。

「キングドラ、龍の波動!」
「ギャラドス、たきのぼり!」

ギャラドスは滝のような水を出現させ、その滝に上り、キングドラに襲いかかった。
キングドラは一瞬も怯まずに正面からその猛攻を受けた。数分間にも及ぶ攻防が続く――。

「どうした!? やはりその程度か野比のび太、
やはり地力が違うようだな。俺は20年以上もドラゴン使いとして
凡人には到底辿りつけないような過酷な修行を続けてきた。
今ではドラゴンポケモン使いの最高峰とまで言われるようになった。
今の俺を超えるトレーナーは偉大なるレッド様のみ!
キングドラ、遊びはその変にしとけ!」

ワタルの叫びとともにキングドラの表情が一変した。
突如鬼神のごとき様相になり、口を大きく開け、青色の光線をギャラドスに向けて放った。
その光線はギャラドスの身体を射抜き、その場にガクッと倒れた。
それを見たのび太は愕然とした。
まだ一度もダメージを受けてないギャラドスが一撃でやられるなんて……。

(これが自分とワタルとの力量差か……)

こうなったら最後のポケモンに賭けるしかない。のび太は意を決して

「ガブリアス、お前に全てを賭ける!」
807ゲーム好き名無しさん:2010/06/02(水) 22:06:45 ID:PTLmXufVO
規制解除記念保守
808ゲーム好き名無しさん:2010/06/11(金) 00:08:12 ID:EXAuT6Tf0
保守が必要なほど過疎ったスレで作品を投下する作業はむなしくならないのかね。
809ゲーム好き名無しさん:2010/06/12(土) 10:09:53 ID:NHwpU6gnO
>>808
なんでわざわざやる気削ぐような発言する
810ゲーム好き名無しさん:2010/06/23(水) 17:08:19 ID:hd+lG3kxO
保守
811ゲーム好き名無しさん:2010/06/28(月) 23:18:24 ID:4QLlQvd90
落ちそう
812ゲーム好き名無しさん:2010/07/01(木) 08:54:51 ID:wGwpKcsFO
このスレ埋めて、BWに合わせてポケ板いかね?
813ゲーム好き名無しさん:2010/07/10(土) 01:50:14 ID:spAqtB/fO
アダムス規制か?
814名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 12:47:10 ID:IZh0iovb0
プラチナはいなくなったな……
815名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:07:35 ID:fdfDvM4AO
もはや荒らしも寄り付かないんだし、ポケ板行かないと自然消滅するだけだよなこれ
816ゲーム好き名無しさん:2010/07/14(水) 18:13:23 ID:UIWa4Ox2P
817ゲーム好き名無しさん:2010/07/20(火) 00:01:50 ID:cX5ErFbdO
初代の時期の最初からいる人いるの?
818ゲーム好き名無しさん:2010/07/20(火) 20:43:02 ID:ks2Clhoo0
俺は初期からいたが途中で離れて、今戻ってきてまだ残ってることにびびった
819ゲーム好き名無しさん:2010/07/20(火) 22:00:20 ID:mORAqGL2O
>>818
今?いつ頃離れたんだ?
820ゲーム好き名無しさん:2010/07/20(火) 23:40:33 ID:ks2Clhoo0
正直全然覚えてない
セカンドが何かやらかして、ドラーモン陣営にフルボッコされて、
俺がそのことを赤髪氏のチャットで愚痴ってアク禁くらいそうになったとこまでは覚えてるけど
821ゲーム好き名無しさん:2010/07/21(水) 00:57:03 ID:Bs/lYHTtO
なんでそこでアク禁寸前になったんだ…論争でもしたのか
ドラーモンとか懐かしいなぁ、あれ最後まで読みたかったわ。てかこうして顔出すってことは元作者っしょ?
822ゲーム好き名無しさん:2010/07/21(水) 01:25:23 ID:2bS9FfTb0
うん元作者。過疎ってるからってちょっとした待遇を期待して出てきたのは否定できない

論争に関しては、事実上のセカンド庇護とドラーモン陣営批判をしたな。「お前らドラーモン神格化すんなよ」と
823ゲーム好き名無しさん:2010/07/21(水) 10:43:19 ID:Bs/lYHTtO
>>822
うん、住人は避難所とここ合わせて、俺入れてやっと5人ちょいっぽくて待遇すらできないんだ
あと以前元作者が来た時に期待してもてなしたら「こんなとこで二度と書くかバーカ」みたいに言われたのもちょっと根に持ってる
ところで、多分その時セカンドの自演扱いとかされなかった?俺もあいつが謝罪した時「許してやろうぜ」って主張したらフルボッコにされたよ
まあ俺なんかドラーモンに限らずほとんどの作者を神格化してたけどねw
824ゲーム好き名無しさん:2010/07/21(水) 16:05:02 ID:2bS9FfTb0
バーボンでは少しセカンドの自演じゃね?って言われたが、
チャット上で赤髪氏が「作者であるあなたでも許さない」
って言ったので正体の話にはならず「赤髪KAKKEEEE」で終わったな
825ゲーム好き名無しさん:2010/07/21(水) 17:21:28 ID:bj01dSWf0
俺みたいなROMもいることを忘れないでくれ
826ゲーム好き名無しさん:2010/07/21(水) 21:08:13 ID:Bs/lYHTtO
>>824
へえ…赤髪氏はセカンドに何かされたのだろうか
>>825
まさかまだROM組がいるとは思わなかった
827ゲーム好き名無しさん:2010/07/22(木) 00:23:36 ID:JngrE/z60
俺もROMってる
いつかまた書きたいと思いつつタイミングのがしながらはや2年
828ゲーム好き名無しさん:2010/07/22(木) 01:23:05 ID:QWjtgA6zO
ROM組は意外に多いんだなぁ
保守レスしたり作者に一人コメントしてる時「もう俺と作者しかいないのか…」なんて孤独感に押し潰されそうだったぞ
829 ◆OVcEruNBe6 :2010/07/22(木) 12:22:48 ID:uWIPoYWB0
俺もいるぞ!
830ゲーム好き名無しさん:2010/07/23(金) 21:33:49 ID:BJJXnwV+0
俺もいるが・・・>>829の酉が誰だったか思い出せない
831ゲーム好き名無しさん:2010/07/23(金) 22:09:18 ID:aKADx8ar0
>>830
赤髪氏
832ゲーム好き名無しさん
おおおお