逆さになったジープを見やってレオンは嘆息する。よくもここまで派手に事故ったものだ。
おそらくまだ使えるだろうが、二人だけで車体を道路に戻すのは無理だ。引き上げるには倍の人数か別の車が要る。
下にいる藤田をあまり待たせるわけにもいかない。地面と車の隙間に体を滑り込ませ
苦労してサイドボードから予備の銃を取り出す。
必要になるかどうかは分からないがこのままここに置いていくわけにもいかないだろう。
銃を回収して藤田のところへ戻る。
「待たせたな藤田さん。行こうか」
藤田が見つけたというホテルらしき建物へ向いながら簡単に情報交換を行う。
「ヤミジマ? いや、すまない、聞いたことが無いな」
「そうか……本当にアメリカに来ちまったのか。 弱ったな、一体どうやったらこんな
奇天烈なことがおきるんだか……。やっぱりあんたも無線はつながらなかったのかい?」
「ああ、俺の場合は大分前からなんだが、この辺りに妨害電波でも流れてるのか?
とにかく尋常じゃないな。この霧が出始めてから本格的におかしくなってきた」
「霧か……。夜見島じゃ霧は出てなかったな。かわりにでかい津波に飲まれて気がついたら
あそこの湖に――」
突然湖に視線をやった藤田の言葉が途切れた。
「ケネディさん! あんたが言ってた女の子ってあの子じゃないか!?」
叫び声に心臓が跳ねる。レオンは振り向いた。藤田の視線の先、湖のほうへ。
その少女は確かにそこにいた。
年齢は12〜3歳といったところか、制服のようなブルーのツーピースを纏い、黒い髪を後ろで束ねた少女。
だがその表情は幼さとは裏腹に沈痛なものを浮かべ、ただ湖のほとりに無言で立ち尽くしている。
レオンは声を掛けようとし、猛烈な違和感に襲われた。
最初、その違和感がどこから来るものなのか理解できなかったが、少女のほうへ一歩踏み出そうとした時に気づいた。
彼女との距離感がつかめない。
遥か彼方にいるような、それでいて息が吹きかかるほど目の前にいるような奇妙な感覚。
他にも次々とおかしな点が思いうかぶ。
なぜこんな人気の無い場所にこの少女はたった一人でいるのか?
なぜこんな濃密な霧の中で彼女の服の細部まで視認できるのか?
隣の藤田も同じものを感じたのか、困惑したまま動けないでいる。
少女は黙したまま何も語らず、ただ自分たちを見つめている。
何かを訴えるように。
沈黙に耐えられなくなったレオンは違和感を振り払い声を掛けようとする。だが。
突然少女の姿がかき消えた。
それまで不自然なほど鮮明だった彼女の姿が、周囲のにごった白色に瞬時に同化しそのまま消滅してしまった。
「!? 藤田さん! 今のを見たか!?」
「ああ、見たよ……消えちまった!」
急いで少女がいた場所に駆け寄るが、そこにはもはや誰の姿も発見できなかった。
何かがおかしい。
何か異常な事態が起きている。
地図には無い筈の湖。
出会う筈の無い日本の警察官。
そして自分たちの前に現れ、跡形も無く消えてしまった少女。
眼前に広がった奇妙な世界にどう説明をつければいいのか全く分からない。
唯一ついえることがあるとすれば、それは――
「どうもこの一件は一筋縄じゃいきそうにないな……」
「ああ……」
【トルーカ湖/一日目夕刻】
【藤田茂@SIREN2】
[状態]:健康
[装備]:NN38口径警察拳銃(装弾数5/5 予備弾10)
[道具]:警棒、懐中電灯、携帯無線、警察手帳、ボールペン
[思考・状況]
基本行動方針:レオンと協力して行動、事態の打開。
0、今の女の子は……?
1、 人のいる場所を探して情報を集める。
2、 弱者は保護する。
3、 連絡をとる手段を探す
※幻視能力にまだ気づいていません。
【レオン・S・ケネディ@バイオハザード2】
[状態]:打ち身、頭部に擦過傷
[装備]:HK VP70(装弾数18/18)
[道具]:ブローニングHP(装弾数13/13)、コンバットナイフ、ライター、ポリスバッジ
[思考・状況]
基本行動方針:藤田と協力して行動、事態の打開。
0、今の少女は一体……?
1、人のいる場所を探して情報を集める。
2、弱者は保護する。
3、ラクーン市警に連絡をとって応援を要請する。
※謎の少女の幻影?を目撃しました。
※湖に藤田の乗ってきたボートが泊めてあります。
※湖近くの斜面にレオンの乗ってきたジープが放置されています。まだ走らせることは出来ますが、
二人だけでは車体を起こせません。
※湖にリトル・バロネス号が停泊しています。
【キャラクター基本情報】
藤田茂
出展:SIREN2
年齢/性別:52歳(1986年当時)/男性
外見:中肉中背の日本人。実年齢よりはいくらか若く見える。日本警察の夏用制服着用。
環境:警察官。階級は巡査部長。
性格:情に厚い熱血漢
能力:警察官として射撃、格闘訓練を受けている。長年の経験と勘。幻視能力。
口調:一人称は「俺」、年少者に対しては「おまわりさん」。二人称は「あんた」等。「○○ちゃん」
と呼ぶことも。喋り方は穏やかでややクセがある。口癖は「やんなっちゃうなぁ」
交友:妻と朝子という娘がいたが、家庭を顧みなかったため現在は離婚、別居中。
備考:−05:00「予兆」後、ブライトウィン号へ向う途中からの出展。
かつては警部補だったが、一度逮捕した窃盗犯の「母親に会ってから戻ってくる」
という言葉を信じて取り逃がしてしまい、巡査部長に降格される。
1986年(昭和61年)の人間で、矢倉市子を除く他のSIREN2のキャラとは違う時代の人間。
当然、多河柳子殺害事件や羽生蛇村の土砂崩れ(SIREN)のことは知らない。
レオン・S・ケネディ
出展:バイオハザード2
年齢/性別:21歳(1998年当時)/男性
外見:くすんだ金髪の白人。身長178cm。青い制服の上に「R.P.D」のロゴ入り防護ベスト着用
環境:ラクーンシティ配属予定の新人警察官。
性格:正義感が強く、弱者を救う使命感にあふれている。行動力に優れるが時間にとてもルーズ
能力:警察官として射撃、格闘訓練を受けている。
口調:一人称は「俺」、二人称は「君」「お前」「貴様」等。はっきりとした口調で話す。
交友:「バイオハザード・ガンサバイバー」の主人公アーク・トンプソンとは友人。
ゲーム中ではクレア・スタンフィールドと序盤に出会う。エイダ・ウォンとは心を通わせる。
備考:原作開始直前からの出展。なぜか女性とは相性が悪く、いろいろと振り回される。
【アイテム情報】
携帯無線@SIREN2
現実の警察が使っているものと同じ物。外部との連絡には使えないが
携帯ラジオと同じようにクリーチャーが接近するとノイズを出す。
周波数を合わせれば舞台内で使えるかもしれない。
【フランク・ウェスト@デッドライジング】
【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
【黒澤怜@零〜刺青の聲〜】
予約します。
応対が遅れてしまい申し訳ありません。
>103-109
時間を
>105
【 美浜奈保子 】 雛城高校 保健室 18時06分06秒 → 17時05分55秒
>106
【 ジム・チャップマン 】 サイレントヒル ? 17時55分55秒 → 16時56分56秒
に変更したいと思います。
wikiの編集もしておきたかったのですが、方法がわからないのでお任せしてもよろしいでしょうか?
ご迷惑ばかりおかけして申し訳ありません。
すいません
予約を延長します。
突然になりますが、
【真理@かまいたちの夜】
【賽臥隆恭@アパシー 鳴神学園都市伝説探偵局】
【日野貞夫@学校であった怖い話】
【宮田司郎@SIREN】
【レッドピラミッドシング(三角頭)@サイレントヒルシリーズ】
投下させていただきます。
全部夢だったらいいのに。
この鳴り止まない吹雪の音も、ペンションで起きた惨劇も、そして、この血塗れた私の姿も、彼がすべての元凶だったという事実も。
手に握りしめたストックから血がぽたり、ぽたりと滴っている。
そして、私の目の前には血の海の中に倒れた透。じっと私を見据えた目にはもう輝きはない。
私が彼の喉を突き刺した時、彼は何かを私に言おうとしていた。何を伝えようとしていたのだろう?
彼が死んでしまった以上、その答えはもうわからない。
カタン。
全身から力が抜け落ちて、木製の床に私はしゃがみ込んだ。
手からすべり落ちたストックが床を転がっていく。
「うっ…」
透を殺した。私が。
その現実に気がつくと、吐き気がこみ上げてきて、たまらず嘔吐する。
目の前に倒れていた透の髪にべったりと嘔吐物が絡み付いた。
彼を殺し、そして汚してしまった。
彼は私に何を伝えようとした?
彼は本当に皆を殺したの?
必死に私を守ろうとしてくれていたあの逞しい姿。あれもすべて演技だったというの?
私は取り返しのつかないことをしてしまったのではないか。
「透…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
私の謝罪の言葉も、嗚咽する声も、吹雪の音がすべて飲み込んでしまった。
透はただ、うつろな目で私を見ている。
私の後悔も掻き消してくれればいいのに、悲しい想いだけは雪のようにただただ降り積もっていくばかりだった。
全部夢だったら。目を開ければいつもの通り透がいて。
時々エッチなこともしてくるけど、優しくて。面白いことをいって和ませてくれて。
二人で一緒に叔父さんの美味しい料理を食べて、叔母さんと楽しくお話をして、敏夫さんとみどりさんと一緒にスキーにいって。
お客さんたちとの出会いがあって。
日常に帰れたら。こんな夢をみたって、皆に話して、そして言ってもらおう。
「全部夢だったんだから、大丈夫だよ」
ぴたりと吹雪の音が止んだ。何の音もしない静寂の世界。
ただ、ここもやはり白い世界だった。幾分のも霧の層に覆われて視界が悪い。
「白」…
白が怖かった。現実を突きつけられているようで、身体が震えるのがわかる。
「助けて…誰か助けて…」
小さな声なのに、不気味なほど辺りに響いた。そんな自分の声にまたぶるりと身体を震わせる。
殺人鬼が、私を殺しにやってくるかもしれない。ペンションで生き残った私を殺しに。
あるいは、罪のない透を殺してしまった私を『裁き』に。
どちらにせよ、私も死ぬ。殺されてしまう。
(でも、もしかしたら)
もう悪夢は終わったのかもしれない。
ここはもう現世じゃなくて、別の世界で。透もいて、皆もいて。
今度こそ上手くできるかもしれない。透に会って、謝ろう。謝っても許してもらえないかもしれない。
それでもいい。許してくれなくても構わない。
ただ、謝罪の言葉さえ伝えられれば…私はきっと楽になれる。
突如、静寂は破られ、私は現実に引き戻された。霧の向こうから、慌ただしい足音が響いてきた。
何かから逃げている足音…
(まだ…終わらないの?終わらせてくれないの?)
足に力が入らない。
手元の転がっていたストックを杖代わりに、ゆっくりと立ち上がる。
ストックの先にはまだ乾ききってない血液が付着していた。
駆けてきたのは学生の少年だった。霧のせいで姿形がはっきりしないが、少年特有の細身のシルエット、金に染められた頭髪に不似合いなワイシャツときちっとしたズボンの組み合わせ。
『普通』の少年。
「たす、助け…!」
(助けを求めている…?)
彼が近づいてくるにつれて、より少年の姿が鮮明に見えてくる。そこで一つ、『普通』の少年だったはずの彼の姿に違和感を覚えた。
彼の校章入りのシャツにべったりと赤黒いシミがついていた。彼の頬、額にもその痕跡がある。
見間違えるはずがない。この色は『血』の色だ。ペンションの惨劇の印の血の色の赤。
少年はこちらに向かって走ってきた。
たしかに彼は私に助けを求めていた。
だから、私は、
ストックを握りしめると彼から逃げ出した。
よく考えてみれば、ペンションに集まった人たちだって、透だって、私だって、『普通』の人間だった。
だが、たしかにあの中に人殺しが混じっていたのだ。
誰が?どうして?なんのために?そんなこと、もはやわかるはずがない。
でも、たしかに殺人は行われて、そして、私は透を殺した。
少年は血を浴びていた。
彼もまた誰かを殺したに違いない。
そして、今度は私を…
足音が聞こえる。彼は私を追いかけてきている。私を殺そうとしている。
(助けて……透!)
ぐらり、と世界が回った。
少し遅れて地面に叩き付けられる衝撃と痛みが全身を走り、息が止まった。
「けほっ!けほっ!」
足を縺れさせて転けてしまった。その際に胸を強打し、一時的な呼吸困難に陥ってしまった。
(来る、来てしまう…殺人鬼が)
足音はなおも近づいてくる。
(誰も助けてくれるはずがない。だって透は私が…)
タッタッタ(ギィ…)ッタッタ(ギィ…)
足音に混ざる不調和音。
ガラスに爪を立てた時のような耳障りな音が聞こえる。
足音がピタリと止み、代わりに少年の悲鳴が音を掻き消した。
「ば、ば、…化け物ッ!!!!!」
隆恭は振り向くこともなく走り続けた。どこに向かっているかはわからない。
とにかく今はあの危険な男から逃げ出さなければ。
喉が焼けるように熱く、息が上がり、視界がぶれている。
大声を上げてしまいたかった。だが、上げてしまえばあの男に居所がばれてしまって、そして…
あの死体のように、自分も人生の結末を迎えてしまう。
(あんな死に方だけはしたくない!)
まだ、マシな死に方があるはずだ
(…もちろん、死に急いでるわけじゃない)
誰かまともな人間はいないのか。幸いか不幸か、自分には『天眼』がある。人の良し悪しは見抜けるはずだ。
「はっ…はっ…はっ…は…」
どれくらい走っただろう。
長い時間に感じたが、実際はほんの数分くらいの出来事なんだろう。
これであの男を撒けたとは到底思えない。
霧のせいかずっと同じような風景が続くのもまた不安を煽られた。
しかし、一つの変化に隆恭は気がついた。人が一人かがみ込んでいる。
それがどんな人物なのか、今の隆恭には考える余裕がなかった。ただ助けてほしい。隆恭はその人影にむかって足を早めた。
「たす、助け…!」
するとその人影が顔を上げた。長い黒髪をもった女性のようだ。手に棒状の何かを持ち、それにしがみつくようにして立っている。
女性に助けを求めるのもなんだか格好が悪いが、なりふり構っていられない。
ようやく女性との距離が縮まった。だが、その瞬間。
彼女は驚嘆の表情を浮かべ、突然走って逃げてゆく。もしや、後ろからあの男たちが…?
後ろを振り返るが、一面に霧が広がっているだけで誰の姿も見当たらない。
また正面を向くと、女性の姿が遠くなっている。まずい、一人は危ない。
隆恭は彼女を追いかける。
彼女を一人にするのは危ない…というよりむしろ一人になりたくなかった。必死に彼女を追いかける。
だが、意外にもあっさり彼女に追いつくことができた。
彼女が転倒したのだ。転倒した拍子に手に握られていた棒状のもの…ストックが転がって彼女の手元を離れた。打ちどころが悪かったのか咳込んで苦しそうにしている。
ギィ…ギィ…
隆恭が彼女に声をかけようとした時、不気味な音と共に霧の向こうからまた別の影が現れた。
人の形をしているが、頭が大きすぎる。その頭は先の尖った三角形の金属で出来ている。
そして不気味な音の正体。
彼は異常な大きさをもった大鉈を引きずって歩いていた。鉈が地面と擦り合い、耳障りな音を作り出している。
その鉈が赤黒く染まっていることに、まだ隆恭は気がつくことはできなかったが、見るものを絶望と恐怖に陥れ、動揺させるのには十分すぎるくらいの非現実的で、恐ろしいものだった。
「ば、ば、…化け物ッ!!!!!」
声を張り上げて叫ぶが、女性はまだ呼吸が出来ず咳込んだまま立ち上がらない。
幸いその怪物…三角頭の歩みは自分の歩みに比べればずっと遅い。
隆恭は女性の手から離れたストックを握りしめ、立ち上がることのできない女性に肩を貸し、起き上がらせる。
(逃げないと…!)
三角頭と反対の方向へ、女性を抱えたまま歩み出す。彼女も必死に足を動かすが、歩みは遅い。
「大丈夫っすか!」
「けほっ…けほっ……」
ギィ…ギィ…ギィ…
後ろの目線をやると、そう距離を縮められているようには見えない。だからといって引き離せているわけではない。
歩みはほぼ同じペース。もし、あの男たちが向こうからやってきて挟まれたら…
「…はぁ…はぁ…」
女性の咳が止んだ。
「だ…大丈夫すか、走れますか?」
「……」
女性が頷く。
「よ…よ、よし。」
あの歩みの速度なら走って逃げればきっと振り切れる。隆恭はその女性の手を取ると、彼女を引っ張りながら走りだす。
手がガクガクと震えているのが情けない。だが、その女性もまた恐ろしい気持ちは同じのようで痛いほどにその震える手を握りしめていた。
後ろに目をやると、少しずつだが三角頭が遠ざかっている。逃げ切れる…隆恭は心の片隅で考えた。
ようやく出会えたまともそうな女性。自分に頼ってくれる存在。隆恭の心のどこかで安堵、希望が芽生え始めた。
しかし、隆恭の足が突如止まった。
女性の足も遅れて止まる。
「…どうしたの?早く…!」
三角頭を気にしながら女性が隆恭を急かす。それでも先に行こうとしない隆恭。女性は彼の視線の先を追った。
「ようやく追いついたよ。坊や。」
もっとも恐れていた人物が、そこに立ちはばかった。日野貞男だ。
そして、彼ともう一人。
彼は日野の後ろで静かに事を眺めている。まるでこちらが少しでもうかつに動いたら的確に撃ち殺せるように身構えているように隆恭の目には見えた。
少なくとも、日野と同行している以上『まともな』人間ではない。
じりじりと迫る三角頭。まともじゃない人間たち。
「仲間も増えたようだね。」
不安そうに女性が手を握り締めてくる。隆恭も彼女の手を握り、それに答えた。
右目の視界にチラチラと入る、黒いオーラ。
…どうしようか。
【駅付近の路上/一日目夕刻】
【真理@かまいたちの夜】
[状態]:強い疲労、軽い打ち身、恐慌状態、疑心暗鬼、返り血
[装備]:特になし
[道具]:特になし
[思考・状況]
基本行動方針:死にたくない
1:隆恭と共に三角頭から逃走する
2:日野、宮田を警戒
3:先ほど逃げ出したこと、疑ったことを隆恭に謝りたい
*透を殺した罪悪感から三角頭に狙われています。自覚症状は今のところありません。
*隆恭の名前を聞いていません
【駅付近の路上/一日目夕刻】
【賽臥隆恭@アパシー 鳴神学園都市伝説探偵局】
[状態]:疲労、恐慌状態、身体の全面が血塗れ、左右で目の色が違う(天眼解放状態)
[装備]:ストック
[道具]:学生鞄(中身は不明)、コンタクトのケース(カラコン入り)
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界に帰りたい。
1:真理と共に三角頭、日野、宮田から逃走。
2:どうしよう
3:いざとなればストックを武器に戦う。
*真理の名前を聞いていません
【駅付近の路上/一日目夕刻】
【日野貞男@学校であった怖い話】
[状態]:健康、殺人クラブ部長
[装備]:特になし
[道具]:学生鞄(中身は不明)、霊石ラジオ@零〜赤い蝶〜
[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブ部長として、街にいる者を皆殺しにする。
1:坊や(賽臥隆恭)を殺す。
2:口封じのために真理を消す。
3:宮田はまだ殺さない
4:他に殺人クラブのメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる。
*原作新堂6話目より発生する「殺人クラブ」ルート、七不思議の集会直前より参加。
【駅付近の路上/一日目夕刻】
【宮田司郎@SIREN】
[状態]:健康
[装備]:特になし
[道具]:懐中電灯
[思考・状況]
基本行動方針:状況を把握する。
1:日野と同行する。日野のすることは今は基本的に傍観。
*原作OP直前、恋人恩田美奈を殺して埋めた直後より参加。
*日野貞男、及び宮田司郎は三角頭が近づいてきていることに気がついていません。
【キャラクター基本情報】
真理(GBA版によると小林真理)
出典:『かまいたちの夜』
年齢/性別:18〜19歳(大学1年生)/女性
外見:長い黒髪、容姿端麗、スタイル抜群。作中で原田○世、松た○子、石原○華に似ているといった表現がでてくる。
環境:90年代日本の女子大生。叔父が「シュプール」というペンションを営んでいる。
性格:しっかりものので頭が良い。少々気の強い一面もある。
しかし、殺人が起きるとボーイフレンドである透に頼ったり、弱音を吐いたりといった女性らしい部分も見せる。
能力:雪国育ちのため、スキーの腕は確か。護身術のたしなみもある。
口調:一人称「わたし」 二人称「あなた」
ハキハキとした女性らしい言い振る舞い。目上の人には「〜さん」、年の近い同性などは「〜ちゃん」と呼ぶ。
交友:かまいたちの夜の登場人物とは顔見知りで、小林夫妻は叔父叔母と姪という関係である。
主人公の透とは友達以上恋人未満である。
ただ、BADED後なので全員惨殺されたと真理は思っている。
備考:
かまいたちの夜では様々なルートがあり、ルートごとに登場人物の設定が変わってくるが、今回はメインシナリオであるミステリー編の設定です。
ミステリー編では透と真理の大学生カップルが真理の叔父の経営するペンション「シュプール」で奇妙なバラバラ殺人事件と遭遇することになる話。
その後の選択肢により、第2、第3と殺人が行われていき、最終的に宿泊客のほぼ全員が謎の人物に殺害される展開もあります。
BADED「彼女にストックで…」は真理が主人公である透を犯人だと思い込み、透を殺害するといった内容になっています。
タイトルも未入力ですいません。
「白と赤」
でお願いします。
保守
保守
ほしゅ
174 :
ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 23:02:37 ID:5U74n76O0
保守
175 :
ゲーム好き名無しさん:2008/09/27(土) 15:57:42 ID:Yh3+NBmZ0
1.
そこで足を止めたのは冷静になったからでも考えがあったからでもなく、ただ疲れたからだ。
荒く、不規則な息を吐く。
その息が、真っ白な霧の中に吸い込まれていく。
それでも、立ち止まることで少しは昂ぶった気持ちが落ち着いてきて、数分してようやく、辺りを見回す余裕が出来た。
ぼうとした輪郭の見えない濃霧。其処此処に建物の影が見えるが、どれも見慣れない、見たこともないもの。
異界。
いっそそう言ってしまう方がしっくりとくる。
けれども ―――。
岸井ミカは数歩脚を進め、間近に近くの建物を見る。
錆びた鉄、古びたコンクリート、剥げかけたペンキ、光を発さなくなったネオン管。
知っている意匠。
グラマラスな女性のシルエットのようなそれは、ボウリングのピンだ。
横にある三つの穴の穿たれた球形はボーリングの球。
この建物は、かつてボーリング場だったもの。
古く、朽ちて、打ち棄てられたボーリング場。
ゴーストタウン。
不意に、そう言葉が浮かんだ。
此処はゴーストタウンだ。
かつては人が住み、賑やかだった場所。
ただそれだけの場所 ―――。
大きく息を吸い、そして吐く。
ゴーストタウンという、どことなくお話しめいた言葉が、幻想の白霧に塗り込められた彼女の意識を、柔らかく現実へと引き戻す。
とにかくここは、ゴーストタウンだ。
多分、いや、間違いなく日本じゃない。
アメリカかどこか ―――。
いつの間に、とか、何故、とか、そういうのはひとまず脇に置き、そう結論づける。
雛城町ではない。
現在のでも、過去のでも、多分未来のでも裏側のでもなく、ガイコクなのだ。
「タダで海外旅行できて、すごいラッキーじゃない?」
口の中でそんな軽口を叩き、小さく笑う。そんなに面白くはないのに。
いずれにせよ、何故? とか、どうして? は、ミカにとっては不得意分野だ。
重要なのは、「どうするか?」
そのことだ。
大きく息を吸い、そして吐く。
そうして考えて、やはり出てくる結論は、
「…やっぱ、センパイ頼み、っかなぁ ー―――…」
というところに落ち着く。
「何故? どうして?」 なんて言うのは、いつもの如く逸島チサトに丸投げしてしまうのが、一番良いのだ。
まずは電話だ。
そう思う。
電話機を探そう。
海外通話の時って、アタマに何かつけるんだっけか、とか、そもそもゴーストタウンに生きている電話機ってあるんだろうか、とか、そういう不安は一旦退ける。
この中に ――― ひびが入り、汚れたボーリング場の窓から、その奥の薄闇へ視線を向ける。
この中に公衆電話か何かはないだろうか。
この中に ―――。
ぴちゃり。
そのとき、中から小さく、湿った音が聞こえる。
くちゃり。
ぬかるみの音。ねばつく音。
何かを食べる音。
小さく、息をのむ。
引っ込めたはずの不安が、またぞろ鎌首をもたげてミカの背後から様子をうかがっている。
そろりと、その薄闇に近づく。
窓の中の暗がりに、大きな黒い人型の影。
緩慢な動きで、それは何かを引き寄せ、口へと運ぶ。
赤く、赤黒く粘ついたそれが、くちゃりと音を立て飛沫を飛ばす。
ミカはふらつき、音を立て窓にもたれ掛かる。
そしてその人影が、やはり緩慢に振り返った。
2.
気がついたら霧の中だった。
言えることはそれだけだ。
人の気配もなく、電話も通じない。
インターホンを取ってもノイズだけ。
第一、こんな建物の中まで薄白くもやがかっているのだから相当なものだ。
この異変に、医師マイケル・カウフマンは心当たりがあった。
教団だ。
ダリア・ギレズビー等を信者とする、この街サイレントヒルに古くから在るキリスト教と土着宗教の融合した奇怪な教団。
カウフマンは日曜にはミサに行くし、誰かが咳をすれば「God Bless you.」と合いの手を入れる。
ただ、それは単にそうしていた方が周囲に対して都合がよいからと言うだけで、決して熱心なキリスト教徒ではない。
勿論、アンチ・キリスト教徒というわけでもないし、反キリスト教的な地下教団の信者になる気もない。
ただ単に、神に祈るよりも先にやるべき事があり、それらがあまりに多すぎるから、熱心な祈りを後回しにしているだけだ。
そう、例えばサイレントヒルの近辺に自生する特殊な薬草を元にして、他に類を見ない麻薬を精製し、それを密かに売りさばくこと、とかだ。
アルケミラ病院の院長として勤務する彼は、その実、どこにでもいる凡庸で平凡な医師にすぎない。
医師として図抜けた才や技術がないことは自覚しているし、それらを得ようという情熱もない。
医師になったのは、たまたま医学に触れる機会があり、それらを学ぶに足るだけの知性があり、そして何より、金になるからだ。
しかし、この小さな街の院長としてただ漫然と患者を診て得る報酬では、カウフマンにとって十分ではなかった。
自分が格別強欲だとは思っていないが、それでもこんな慎ましやかな生活をするのは不本意で、そしてだからダリア・ギレズビーとその教団とも手を組んだのだ。
宗教学は彼の分野ではない。
それでもおおまかには、ダリア・ギレズビー等の属する教団の思想は掴んでいる。
まず、この手のカルトにありがちな、遠くない未来に起こるとされる終末論だ。
それから、キリスト教の影響による聖母信仰。
この世界の腐敗や邪悪を、聖母(聖女?)の生み出したが真なる神が清め、そして熱心な信者だけが新たな世界で永遠の幸福に生きる。
負け犬宗教だ。
カウフマンはそう思う。
要するに彼らは、現実の自分で何かを成し遂げようとはせず、今そこに居もしない聖母や神やらを待ち続け、来もしない新世界の幸福になどに縋って死んだように生きている。
カウフマンは自分を現実主義者だと思っているし、神秘主義に傾倒する気はあまりない。
確かに、ダリア・ギレズビーから預かったあの少女は、教団のもつ異常な力そのものだ。
そしてまた、彼はそれらあり得ざる力による恩恵を受けてもいる。
それでも、カウフマンにとってそういう得体の知れないモノの存在などは些末にすぎなかった。
カウフマンは現実主義者なのだ。
居るか居ないか分からぬ"神"や神秘主義に縋る気はさらさら無い。
ただ、利用出来るから利用する。それだけだ。
力とは使うことに意味があるのであり、力に仕えて滅びの道を行くなど、本末転倒だ。
得るべきは来世や新世界の幸福ではなく金であるべきだし、頼るべきは聖母や神ではなく自分自身だ。
医師としての才に格別なものはなくとも、処世術や経営手腕にならばそれなりの自負はある。
そして表向きとは別の、麻薬密売という裏家業も、ボロを出さずにやってのけるだけの手腕がある。
だから、来るべき新世界など、迷惑千万なのだ。
まとめよう。
マイケル・カウフマンはアルケミラ病院の院長であり、医師であり、現実主義者だ。
ダリア・ギレズビー等の居る教団と麻薬密売の利便のため通じているが、自分自身が神秘主義に傾倒する気はない。
そして教団には、確かに忌まわしい ――― 例えば、カウフマンの麻薬密売に気がついた捜査官を変死させるような ――― 力があるのだ。
だからこの異変が、教団の何らかの力により引き起こされたのだと、即座にそう「現実的に」判断をした。
カウフマンは教団と協力している。持ちつ持たれつだ。
彼らを軽蔑はしているが、侮っては居ない。
この異変にも警戒、用心はしているが、特別パニックに陥ることもない。
ダリア・ギレズビー…或いは他の教団の誰かと接触を図り、確認をすることが肝要だと考える。
何より、カウフマンには切り札がある。
彼らの力がどれほどの物かの正確なことは分からないが、それが真実であればあるだけ、この切り札にも意味がある。
傍らに持つアタッシュケース ――― 高級な特別あつらえで、耐衝撃性能は抜群だ ――― に、それは隠されている。
だが。
それは、今使うべきものなのかどうか?
シャキン。
再び音が聞こえた。
机の下にうずくまり、息を潜めたカウフマンは混乱した頭でそう自問する。
シャキン。
音が近づく。
アレは…。
あの奇怪な化け物が、教団の呼び出した神とやらなのか?
シャキン。
この赤い液体はあいつに効くのか?
ジャギン。
音が、入ってくる。
ジャギン。
音が ―――。
3.
腹立たしさと情けなさと、あとはあきれたような感情がそれぞれ混ざり合っている。
一つは自分自身に対してだ。
もう一つは、目の前にいるこの太った男に対してだ。
それでも、それらのもやもやした感情の全てがこの男のせいだと考える。
ミカの心の処方では、それが妥当なやり方だ。
けれども今回は、それをそのままぶつけることはしなかった。
流石のミカでも、この状況でむやみやたらに諍いを起こしたいとは思わない。
とげとげしさを隠しもしないが、気持ちを落ち着けて、このたるんだ ――― 腹も、顔も、目つきもたるんだ ――― 男に確認をする。
「つまり、エディーはココがドコなのか知らないってコト?」
「ああ、そうだよ。特に目的もなく走らせてきたからなぁ…。
別に、どこでも良かったし」
名を、エディー・ドンブラウスキーというらしい。
この街の人間ではない。本人曰く、レンタカーを借りてドライブをしていて、迷った挙げ句にガス欠になり、この街に迷い込んだ…という事らしいが、どうにもハッキリしない。
ミカは、何か曖昧だとなと感じるが、何故なのかと言うところまでは考えない。
ただ、数度のやりとりでミカが確信したのは、一つにはまず、この男は基本的に無害な男だと言うことと、そしてあらゆる意味で頼りにならない男だ、という事だ。
一言で言えば、使えない。
見ての通りに太鼓腹の白人男で、言っていることも曖昧。知性や教養というものとは無縁に見える。
その上、かなり意地汚い。
何せ、「腹が減っていて」「たまたま見つけたから」という理由で、こんな廃屋にあったピザを食べる位なのだから。
たとえ冷凍食品だろうと、まともな神経じゃない、と、ミカは思う。
答えつつ、エディーは口元に付いた赤いケチャップを指でぬぐってはぴちゃぴちゃと舐め取っている。
ミカのエディーに対する印象はさらに最悪になる。
ミカならずとも、年頃の少女ならほとんどが嫌悪するだろう。
ミカは早速と、エディーというのは「そういう男」 なのだと、結論づけた。
つまるところ、自分の人脈に入れる必要はない、と。
それでも、ミカにはまだいくつか確認したいことがあった。
そのうち二つは既に確認している。
一つが、先ほど聞いた、「此処が何処か」だが、それは早くも期待はずれの結果になった。
そしてもう一つは、言葉の問題だ。
黒革の手帳に書かれていた走り書き、メモ。
明らかに英語であるそれが読めたと言うことの違和感を、ミカは忘れていない。
それが、文字だけではなく会話ではどうなのか、という事が、ミカには気になった。
普段よりもずいぶんと注意深くなっていると言えるが、今までの経験で異変慣れしていて、そしてそれでも尚付きまとう、「普段の異変とは何かが違う」という本能的な違和感が、多分に影響しているかも知れない。
エディーとの会話がなんなく通じたことで、ミカはそれらを確認した。
何故かは解らないが、今の自分は英語が理解できている、という事に。
「理解できている」というのは違うのかも知れない。
伝わる、という方が適切なのかもしれない。
ただ、ミカはそのあたり細かいのニュアンスの差は気にしない。
そのままに事実として、そのことを受け入れたのだ。
エディーの方は、それを異変として受け入れているのか居ないのか、そもそも異変自体に気がついているのかがミカには読めない。
気づいていない、のだと思ってはいる。
ミカとて、メモの事さえなければ、あれを読まずにエディーと会話をしていれば、単純に「日本語の巧い外人さんだ」としか思わなかったかも知れない。
もとより、細かいことは気にしない性格。まずは気づかなかっただろう。
――― 逸島センパイなら、すぐ気づいたかな?
ふと、あの小柄で控えめなようでいて、それなのにやたらに芯の強い先輩のことが頭を過ぎる。
そして、もう一つ確認しなければいけないことがあったと、意識を引き戻した。
「あのさ。ここ、電話在る?」
「あ…? んん ―――」
考えているのかいないのか、胡乱なくぐもった反応を返しつつ顔を少し上げるエディー。
「あそこ、かな…?」
顎をしゃくって奥のカウンターテーブルを示すのを見て、ミカは小走りに駆け寄る。
が、そこにあった古ぼけ汚れた電話機は、一目で使えないことが分かる。
コードが切れているのだ。
「ちょっと何これ、コード切れているじゃん!」
ミカが思わず声に出すと、背後からエディーの声が返ってくる。
「そんなの、知らないよォ。
俺はちょっと見かけただけで、使えるなんて言ってないし…」
語尾がくぐもって小さく消えるその調子に、ミカは苛立ちを刺激される。
「使えない電話、とか、どーゆー理由で探してると思うわけ? 意味分かんないんですけど?」
「お、俺のせいじゃないだろ。俺だって、ここには来たばっかりで、よく分からないし…」
「ピザ見つけるのは得意です、って? スッゴイ才能。ゼンッゼン、羨ましくなんか無いけど」
乗り出すような、詰め寄るような姿勢になるミカと、反して怯えて後じさるような格好のエディ。
見るからに、いじめっ子といじめられっ子の態が丸出しだ。
その状況に、さらなる登場人物が現れ、場面を展開させる。
「君たち…」
入り口から、濃霧を背負い声をかける壮年男性。
「取り込み中のところ済まないが、何か飲み物は無いかね?」
息が荒く、些か落ち着きがない。
まるで、何かから逃れてきたような様子だ。
ミカは男を見、それからエディーを見る。
エディーが顎をしゃくって、奥の自販機を示すと、男は軽く謝意を述べてそちらへと走り寄る。
手には、黒革のアタッシュケースを持っていた。
こうして、サイレントヒルの地にて、岸井ミカ、エディー・ドンブラウスキー、そしてマイケル・カウフマンの3人が、時と場所を越えて集うことになった。
4.
静寂と薄闇に包まれた室内で、青白い影がゆっくりと起きあがる。
ぬめるような白い肌。碧く澄んだ瞳に、ぐみのようにふっくらと赤い唇。
さらりとした金髪は短く刈り揃えられ、しなやかで華奢な肉体を包む紺色のジャケットは、イギリスの名門子息が通う学校の制服を彷彿とさせる。
まだ年端も行かぬ少年のようだ。
それでいて、見る者をゾッとさせるような、蠱惑的ともいえる美貌をもっている。
彼は戸惑っていた。
その戸惑いが、整った顔立ちの中に皺となって現れ、完璧ともいえる容貌に暗い影を落としている。
何が彼を悩ませているのか。
この霧、この場所、この怪異、或いは、この禍々しさ…。
どれも違う。
そのどれも、彼自身を惑わし困惑させるにいたるものではない。
彼を惑わしているのは、彼自身。
彼自身に起きた変化そのものだった。
立ち上がった彼は、室内を見回す。
既に先ほどの男は居ない。
逃げた、のだろう。
机の上にあったと思われる書類やケースなどが散乱している。
そして、上等な絨毯の上には、赤黒い染みが広がっている。
あのとき、浴びせられた液体。
血のような、上質のワインのような、赤く済んだ液体。
あの液体を浴びせられたときの、焼けるような痛み、苦痛。
よろめき、くずおれ、そして男 ――― 獲物 ――― 逃してしまったこと。
軽く手足を動かし、様子を確かめる。
明らかに、力が減っている。
彼を彼たらしめる力。
魔力、を。
少年は考える。
あの液体は、魔力を奪うもの。
それは間違いない。
どれだけの効果があるのかは分からないが、あれは "此処にあってはいけない" ものだ。
ならば、滅せよう。
あの液体を持つあの男も、それらの存在を知った者も、知る者も ――― 何も知らぬ者も。
だが、そのための力が今は不足している。
今一度、彼は人の中に紛れ、機会をうかがおうと思う。
機会を待ち、魔力を得て、彼本来の力、彼本来の姿を現し、存分になすべき事をなそう。
誰かに会ったときは、あの名前を使えばいい。
記憶を無くした哀れな少年、エドワード。
バロウズ家の忌まわしき交信により生まれた異形。悪魔の子、シザーマンとして力を振るうそのときまで。
少年は窓の外へと目を向ける。
深い霧に閉ざされた街の中で、多くの哀れなモノ、多くの忌まわしきモノが蠢くのを感じながら。
彼らは時と場所を越えて、世界の狭間の此処に集う。
【ボウリング場跡/一日目夕刻】
【岸井ミカ@トワイライトシンドローム】
[状態]:健康、軽い苛立ち
[装備]:特になし
[道具]:黄色いディバッグ、筆記用具、小物ポーチ、三種の神器(カメラ、ポケベル、MDウォークマン)
黒革の手帳、書き込みのある観光地図、中身の分からない包み、オカルト雑誌『月刊Mo』最新号
[思考・状況]
基本行動方針:センパイ達に連絡を取る。
1:電話が必要だ。
2:このデブ(エディ)はムカツク。
3:おじさん (カウフマン)は誰? 普通の人っぽいけど…。
【ボウリング場跡/一日目夕刻】
【エディ・ドンブラウスキー@サイレントヒル2】
[状態]:まだ小腹が空いている。
[装備]:特になし。
[道具]:ピザの残り。
[思考・状況] この子供は何をそんなに怒っているんだろう。嫌だなぁ…。
基本行動方針:取りあえずこの場をやり過ごす。
1:自分が人を殺してきたこと (※1)は誰にも知られないようにしよう。
2:子供は面倒くさい。
3:何か食べ物が欲しい。
(※1)設定によると実際には怪我をさせただけで殺していない可能性があるが、本人は殺したと思いこんでいる。
【ボウリング場跡/一日目夕刻】
【マイケル・カウフマン@サイレントヒル】
[状態]:疲労、喉の渇き、軽いパニック。
[装備]:特になし。
[道具]:アタッシュケース、赤い液体 (アグラオフォティス)の入った小瓶×3
[思考・状況] 教団の力で異変が起きている。ここを脱出したい。
基本行動方針:生き残る。教団が神を出現させようとしているならば、赤い液体を使い阻止する。
そのためには何でもするが、出来れば自分の手は汚したくない。
1:こいつら (エディとミカ)を利用できないか。
2:赤い液体のことは誰にも話さない。
3:出来れば、病院の院長室に戻って赤い液体のストックを増やしておきたい。
4:教団関係者から状況確認が出来ないだろうか?
【アルケミラ病院院長室/一日目夕刻】
【エドワード@クロックタワー2】
[状態]:健康。魔力が減っている。
[装備]:特になし。
[道具]:特になし。
[思考・状況] 皆殺し。赤い液体の始末。
基本行動方針: 人の中に紛れて機会をうかがう。
1:ここから出て、人を探す。
2:か弱い少年として振る舞う。
※赤い液体(アグラオフォテス)
サイレントヒル、サイレントヒル3に登場するキーアイテム。
魔力、魔物に対して退魔の効果を発揮する。
この世ならざるモノに対してのみのため、屍人、サイレントヒルのクリーチャー等には効くと思われるが、バイオのゾンビ等には効かないと思われる。
具体的にどの相手にどのくらい効くかは不明。
サイレントヒルの中では、人間にとりついた魔物を完全に無力化したり、ラスボスである"神"の誕生を、不完全な状態にする等の効果があった。
【キャラクター基本情報】
エディー・ドンブラウスキー
出典:サイレントヒル2
年齢/性別:23歳/男性
外見:トラッカー帽を被った、金髪の太った青年。
環境:1994年時点、ガソリンスタンドでアルバイトをしていたが、職場でも肥満などをネタにからかわれていた様子。
性格:普段はおっとりとして物腰も柔らかいが、臆病で強気に出られると卑屈になる。
肥満などの劣等感を抱え込んでいる為もあり、逆上すると暴走するタイプ。
能力:ごく一般的か、それより些か劣る青年男性。
口調:一人称は俺。やや間延びした感じ。
交友:ゲーム内ではジェイムス、ローラ等と出会うが、他は特になし。
備考:サイレントヒル2、最初のジェイムスとの出会いの後より。
サイレントヒルに来る直前、エディは以前から彼をバカにしていた隣人とその飼い犬に向け銃弾を発射し、傷つけ、或いは殺害している。
その後混乱から逃走し、気がつくとサイレントヒルに迷い込んでいた。
登場時ではひとまず落ち着きを取り戻しており、街の異変には気がついていない。
尚、ゲーム内では後半にて、主人公ジェイムスと戦う中ボスとなるが、リボルバーを撃ちまくりかなりの耐久度を持つエディは強敵である。
とはいえこれは、特殊な条件が重なった結果と見なし、本ロワではそのまま当てはめる必要はないと思われる。
マイケル・カウフマン
出典:サイレントヒル
年齢/性別:壮年男性
外見:黒髪の白人男性。
環境:1982年時点、サイレントヒル、アルケミラ病院の院長であり、教団と裏で癒着している。
性格:尊大で姑息、利己的。用心深く、常に自己保身を念頭に置いている。
能力:80年代初頭において平均的な医師としての知識と技術。
口調:丁寧だが些か尊大さが感じられる。
交友:ゲーム内、ダリア・ギレズビーと密約の元の協力関係。アレッサ・ギレズビーを密かに治療。
看護婦、リサ・ガーランドを強制的にその治療に当たらせるが、事件の異常さに耐えられなくなり反発し始めたリサと揉め、殺害してしまう。
他、数人の街の住人と交流。
備考:ゲーム開始直後、リサ殺害及び異変開始時点であり、サイレントヒルが異界化したときでもある。
主人公ハリーとは出会っていない。
彼は教団 (ダリア・ギレズビー) と結びついており、ホワイトクロジェアと言う特殊な麻薬の原料を供給して貰い、それらを精製し密売することで不当な利益を得ている。
またその麻薬密売ルートを守るため、アレッサの持つ魔力により捜査官等を殺して貰うなどの形でも教団から恩恵を得ているが、彼らの教義には関心がない。
また、教団の力が自分に害を与えることになった場合の用心として、独自に調べた魔力を打ち消す効果のある赤い液体『アグラオフォテス』を用意し常備している。
開始時点では小分けにした小瓶入りの物を4本持ち、一本をシザーマンに対して使用。委員長室の金庫にはストックがある。
エドワード(シザーマン)
出典:クロックタワー2
年齢/性別:10歳程度/男性
外見:金髪碧眼で、透き通った白い肌と美貌を持つ10歳程度の少年。
シザーマンと化したときは、せむしの醜い矮人であり、黒い服を着て巨大な鋏を両手に持っている。
環境:エドワードは仮の名で、巨大な鋏で少女達を切り裂いた「シザーマン事件」の生き残りとして、施設で生活をしていた。
事件以前の記憶が無く、出自その他は不明とされているが、実際はシザーマンの仮の姿である。
性格:機をうかがい、人に紛れて潜む。エドワードの姿の時は、大人しく聡明な少年を演じている。
シザーマンのときは人としてのコミニュケーションをしないので、内心どう考えているかなど不明だが、知能が低くなっているわけではない様子。
能力:半不死。ほとんどの物理衝撃による身体的損傷を魔力にて無効化する。(倒れたり押されたりはする)
シザーマンとして、巨大な鋏を持ち人体を両断出来るほどの力を持つが、動きは速くない。
口調:エドワードの時は、大人しく理性的。一人称は「僕」など。
交友:クロックタワー2の主人公ジェニファー、ヘレンを初めとした主要登場人物と面識がある。
備考:クロックタワー2エンディング後、異次元の裂け目から追放された後に、この地で覚醒した。
シザーマンの正体は、15世紀から続くイギリスの辺境貴族の家系、バロウズ家に伝わる邪神信仰により生まれた"偉大なる父の使徒"と呼ばれ、死と恐怖をもたらす邪神の使いであるらしい。
自らの世界とは異なる場にいるため、ゲーム本編より能力的には劣っている可能性がある。
又、マイケル・カウフマンにより浴びせられた「赤い液体」の効果により、魔力を多く失っている。
以上で御座います。
まさかエディーが来るとはw
やはり静岡が舞台なだけあって静岡キャラが多いな。
僕の場合、静岡キャラが多くなってしまう一因は、実のところ改めて描き始めたら、意外と
書けるくらいには把握できているゲーム、キャラクターが静岡ばかりになってしまうと言うのが
ありまして…。
それと今更ですが変更点。
>>190 エディの装備を、
[装備]:ハンドガン (4/10)。
とします。
これは原作で 「来る直前に重で隣人とそのペットを撃っている」 「ジェイムスと戦うときにハンドガンを使用する」
展から、サイレントヒルに来た時点で既に保っている方が自然だと思えるためです。
あと、さらに今更ながら、このスレにwikiへのリンクが張ってなかったので、改めて張っておきます。
ホラーゲームバトルロワイアル@wiki
http://www9.atwiki.jp/horrorgamerowa/