任天堂バトルロワイアル3

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1名無しさん@全板トーナメント開催中
任天堂のキャラクターを使用した架空バトロワ創作するスレです。

まとめWiki
ttp://www24.atwiki.jp/ncbr/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/8352/

前スレ
ttp://game13.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1175057742/
前々スレ
ttp://game11.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1166607924/

テンプレ>>1-7
2名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 02:20:21 ID:eiFE7ltF0
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 勝者のみ元の世界に帰ることができ、加えて願いを一つ何でも叶えてもらえる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去12時間に死んだキャラ名」
 「残りの人数」「主催者の気まぐれなお話」等となっています。

----「首輪」と禁止エリアについて----
 ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」や「印」を填められている。
 放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去12時間に死んだキャラ名」
「残りの人数」「主催者の気まぐれなお話」等となっています。

----「首輪」と禁止エリアについて----
 ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている。
 首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ。(例外はない)
 主催者側はいつでも自由に首輪を爆発させることができる。
 この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。
 24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ。 
「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい。
 下手に無理やり取り去ろうとすると首輪が自動的に爆発し死ぬことになる。
 プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。
 開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
 なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
 たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止能力が使えるようにもならない。
 開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
 禁止エリアは3時間ごとに1エリアづつ増えていく。
3名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 02:22:27 ID:eiFE7ltF0
【持ち物】

----スタート時の持ち物----
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を配給され、「ザック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「着火器具、携帯ランタン」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「支給品」
 「ザック」→他の荷物を運ぶための小さいザック。
 四次元構造になっており、参加者以外ならどんな大きさ、量でも入れることができる。
 「地図」 → 舞台となるフィールドの地図。禁止エリアは自分で書き込む必要がある。
 「コンパス」 → 普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「着火器具、携帯ランタン」 →灯り。油は切れない。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「食料」 → 複数個のパン(丸二日分程度)
 「飲料水」 → 1リットルのペットボトル×2(真水)
 「写真付き名簿」→全ての参加キャラの写真と名前がのっている。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「支給品」 → 何かのアイテムが1〜3つ入っている。内容はランダム。
※「ランダムアイテム」は作者が「任天堂ゲームのアイテム」と
 「現実の日常品もしくは武器、火器」の中から自由に選んでください。
 銃弾や矢玉の残弾は明記するようにしてください。
 必ずしもザックに入るサイズである必要はありません。
 また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
 ハズレアイテムも多く出しすぎると顰蹙を買います。空気を読んで出しましょう。

【お願い】

※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活はどんな形でも認めません。
※新参加キャラクターの追加は一切認めません。
※書き込みされる方はスレ内を検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。(CTRL+F、Macならコマンド+F)
※参加者の死亡があればレス末に必ず【○○死亡】【残り○○人】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※具体的な時間表記は書く必要はありません。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。
4名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 02:24:11 ID:eiFE7ltF0
【ガイドライン】

〔基本〕バトロワSSリレーのガイドライン
第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)


【用語集】
※基本的なロワスレ用語集
 マーダー:ゲームに乗って『積極的』に殺人を犯す人物。
 ステルスマーダー:ゲームに乗ってない振りをして仲間になり、隙を突く謀略系マーダー。
 扇動マーダー:自らは手を下さず他者の間に不協和音を振りまく。ステルスマーダーの派生系。
 ジョーカー:ゲームの円滑的進行のために主催者側が用意、もしくは参加者の中からスカウトしたマーダー。
 リピーター:前回のロワに参加していたという設定の人。
 配給品:ゲーム開始時に主催者側から参加者に配られる基本的な配給品。地図や食料など。
 支給品:強力な武器から使えない物までその差は大きい。
 またデフォルトで武器を持っているキャラはまず没収される。
 放送:主催者側から毎日定時に行われるアナウンス。
 その間に死んだ参加者や禁止エリアの発表など、ゲーム中に参加者が得られる唯一の情報源。
 禁止エリア:立ち入ると首輪が爆発する主催者側が定めた区域。
 生存者の減少、時間の経過と共に拡大していくケースが多い。
 主催者:文字通りゲームの主催者。二次ロワの場合、強力な力を持つ場合が多い。
 首輪:首輪ではない場合もある。これがあるから皆逆らえない
 恋愛:死亡フラグ。
 見せしめ:お約束。最初のルール説明の時に主催者に反抗して殺される人。
 拡声器:お約束。主に脱出の為に仲間を募るのに使われるが、大抵はマーダーを呼び寄せて失敗する。
5名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 02:25:52 ID:eiFE7ltF0
参加キャラクター・マップ
【マップ】
MAP1:ポップスターの孤島・主催者ナイトメア

大体12エリアに分類される人の住んでいた後が残る無人の孤島。

エリア1は北西の丘。滑らかな傾斜と見渡しが広い。
エリア2はエリア1の少し東に位置する北西の住宅街。アニメのプププビレッジ並みに舗装されている。
エリア3はエリア6より北の山。北東まで広がる。
エリア4はエリア3に囲まれた北東の灯台と港。脱出するにはここがカギ?
エリア5は東の山。南に広がる。
エリア6はエリア2の住宅街と繋がる、疎らに家が配置された村。
エリア7はエリア6と繋がる廃校(仮)。スタート地点なので廃校から変更も考えられる。
エリア8は東に広がる森。
エリア9は東の海岸。
エリア10は南西の病院&その周り。
エリア11は南の草原。見渡しが良い。
エリア12は幾らか民家が見える緩やかな山地。

ttp://ncbr.ushimairi.com/map.htm

【キャラクター】
キャラクター
●主催者達●
ナイトメア(カービィシリーズ)(刻印係)
ポーキー(MOTHERシリーズ)(時空越え係)
マザーブレイン(メトロイドシリーズ)(閉鎖空間係)
カジオー(マリオRPG) (首輪係)

【参加キャラクター】


7/7【マリオシリーズ】○マリオ・マリオ/○ルイージ・マリオ/○ピーチ/○クッパ/○マロ/○ジーノ/○ヨッシー
5/5【メイドインワリオシリーズ 】○ワリオ/○モナ/○9ボルト/○アシュリー/○Dr.クライゴア
8/8【カービィシリーズ】○カービィ/○メタナイト/○マルク/○ドロッチェ/○デデデ/○スピン/○アドレーヌ/○シリカ
3/3【ドンキーコングシリーズ】○ドンキー/○ディディー/○ディクシー
3/3【ゼルダの伝説シリーズ】○リンク/○ゼルダ/○ガノンドロフ
1/1【メトロイドシリーズ】○サムス
9/9【スターフォックスシリーズ 】○フォックス・マクラウド/○ファルコ・ランバルディ/○スリッピー・トード/○ペッピー・ヘア/
○クリスタル/○ウルフ・オドネル/○レオン・ポワルスキー/○パンサー・カルロッソ/○ピグマ・デンガー
9/9【MOTHERシリーズ】○ネス/○ロイド/○ポーラ/○ジェフ/○プー/○リュカ/○クマトラ/○ダスター/○ボニー
3/3【F―ZEROシリーズ】○C.ファルコン/○ブラックシャドー/○サムライゴロー
5/5【ポケモンシリーズ】○サトシ/○カスミ/○タケシ/○ピカチュウ/○ミュウツー
4/4【FEシリーズ】○マルス/○シーダ/○ロイ/○リリーナ
4/4【レトロゲーム】○ピット/○ポポ/○ナナ/○鷹丸
総勢61名
6名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 02:27:42 ID:eiFE7ltF0
--投稿について--
【予約について】
予約して3日以内に投下する事。

・予約一週間制
一部のロワなのですが2作品投下した人は
一週間予約をOKにしているロワがあります。
じっくり推敲した方がいい作品が書けるかと。


【キャラクター健康状態テンプレ】
以下のテンプレに沿ってできるだけ初見の人でも分かりやすく書くようにする事。
【名前:
 健康状態:
   武装:
  所持品:
 現在位置:
 第一行動方針:
 第二行動方針:
 第三行動方針:
 最終行動方針:
 備考:】

時間の書き方
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24
7名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 02:36:21 ID:eiFE7ltF0
【現在の生存者】

4/7【マリオシリーズ】○マリオ・マリオ/○ルイージ・マリオ/●ピーチ/○クッパ/●マロ/○ジーノ/●ヨッシー
2/5【メイドインワリオシリーズ 】●ワリオ/●モナ/○9ボルト/●アシュリー/○Dr.クライゴア
4/8【カービィシリーズ】●カービィ/○メタナイト/○マルク/○ドロッチェ/●デデデ/○スピン/●アドレーヌ/●シリカ
1/3【ドンキーコングシリーズ】●ドンキー/○ディディー/●ディクシー
3/3【ゼルダの伝説シリーズ】○リンク/○ゼルダ/○ガノンドロフ
1/1【メトロイドシリーズ】○サムス
5/9【スターフォックスシリーズ 】●フォックス・マクラウド/●ファルコ・ランバルディ/○スリッピー・トード/●ペッピー・ヘア/
○クリスタル/○ウルフ・オドネル/○レオン・ポワルスキー/●パンサー・カルロッソ/○ピグマ・デンガー
6/9【MOTHERシリーズ】○ネス/●ロイド/○ポーラ/○ジェフ/○プー/○リュカ/○クマトラ/●ダスター/●ボニー
2/3【F―ZEROシリーズ】●C.ファルコン/○ブラックシャドー/○サムライゴロー
2/5【ポケモンシリーズ】●サトシ/●カスミ/●タケシ/○ピカチュウ/○ミュウツー
2/4【FEシリーズ】○マルス/●シーダ/○ロイ/●リリーナ
2/4【レトロゲーム】○ピット/●ポポ/●ナナ/○鷹丸

テンプレ貼り、終了です。
それでは任天堂バトルロワイアルをお楽しみください。
8名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 08:12:07 ID:iCpZIiwr0
http://jbbs.livedoor.jp/game/43410/ 
避難所はこっちに変更になってますよ。
9名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 14:23:11 ID:eiFE7ltF0
マジで?すまんかった。
10名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 17:41:12 ID:iCpZIiwr0
http://jbbs.livedoor.jp/game/43410/
空白が入っていたみたい、こっちが正解
11名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/01(木) 21:50:58 ID:tV2AbIIS0
12名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/02(金) 10:44:24 ID:MyvEz6pcO
ところで前スレがDATしたけどウィキは大丈夫なの?
13名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/02(金) 14:10:02 ID:Hq3H8KoS0
ログなら残ってるよ。982までだけど。
14名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/03(土) 14:15:17 ID:Mwj8kgxM0
俺の手元のログは952までなんだけど、「兄に勝る弟などいない!」の後って何か投下されてた?
15名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/03(土) 14:36:47 ID:vh/7U8kR0
うんされてる。
具体的に言うとミュウツー関連。
16名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/05(月) 15:49:06 ID:qrKzYEHI0
>>15
そっか。
wiki編集したんだけど、そうすると最新話が足りないんだな。
入れておいてくれると嬉しいけど、面倒ならしたらばの仮投下スレに丸ごとコピペしてくれるだけでも助かる。
17名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/05(月) 18:12:29 ID:l8MLDzDt0
わかった。仮投下スレに置いとくね。
なるべくそのまま載せるので、頑張って下さい。

したらばのくせに多重書き込み防止ウザいです><;!!!!
18名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/05(月) 18:51:12 ID:qrKzYEHI0
>>17
ありがとう!
早速登録しといたよー。
ところで書き手さんの希望通り「俺」を「私」には直したんだけど、「ミュウツー」がところどころで
「ミューツー」になってるのは言われてないみたいだったから手をつけなかった。一応報告。
19名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/05(月) 20:00:47 ID:l8MLDzDt0
確かにミュウはμだけど…それは…
20名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/05(月) 20:04:01 ID:qrKzYEHI0
まあ一括で置換すればいいだけだから、その編集には1分もかからないんだけどね。
いざとなったら自分で編集するって言ってた書き手さんだし、勝手に手を加えるのもアレかなと思って。
21名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/05(月) 22:54:42 ID:l8MLDzDt0
ところでログはもう破棄しちゃってもいい?
22名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/06(火) 00:01:20 ID:FWfC0ckF0
あ、こっちは大丈夫、ありがとう〜
23 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:34:10 ID:feeeOsGZO
マルス、マルク、ブラックシャドー投下します
24 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:38:33 ID:feeeOsGZO
マルスは生い茂る木々の中、放送の内容をメモしていた。

名簿の死亡した人物の名前にバツ印をつけ、禁止エリアを地図の端にメモしておく。

更には新たなカジオーという名前、恐らくは主催者の中の一人。マルスはあのような子供が一人でこのようなことを行える訳がないと思ってはいたが、対等な立場の協力者がいるとは思っていなかった。

これは主催者のことももう少し考えてみなければいけないなと口にした後、地面に広げていたマップと名簿をザックにしまい立ち上がる。

剣を抜き放ち、茂みの奥を睨みつける。

「そろそろ出てきたらどうだ?」

その一点を睨みつけたままそう告げる。

それに答えは返ってこない。いや、数秒間の後に茂みの中から一人の男が現れる。

「その剣を下げてほしいのサ。こんな状態で戦おうなんて思わないのサ」

足を引きずりながら両手をホールドアップの状態で。

その足の怪我はかなりの重傷なのだろう、体を一本の太い木にもたれかけさせたその姿からは戦意など感じえない。

マルスは剣をしまう。

「では、聞かせてもらえるか?何があったのかをな」

マルクは余りにもうまくいくことにより浮かぶ笑みをこらえ話をする。

25 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:38:58 ID:feeeOsGZO
話を聞いた後、マルスはため息をひとつついて言う。

「つまり、ディディ、メタナイト、ロイそしてドロッチェ。この四人に襲われたということか」

「そう、そうなのサ。あいつらは本当に恐ろしい奴らなのサ」

うっすらと涙すらも浮かべさせながら語る。その姿を見れば同情を感じ得ない者などいないだろう、それほどの演技であった。

マルスはため息をひとつつく。

「そうか、そんなことがあったのか。それは災難だったな」

マルスの声はあくまで静かだった。

マルスはマルクに同情していたがシーダの名前がマルクの口から出なかったことに喜んでいた。

それはかすかな表情であったが、マルクは感じ取ったのだろう。

「あんたナンなのさ?ぼくの仲間を侮辱するならゆるさいのサ」

「あぁ、いやそんなんじゃないんだ。ただこのゲームに自分の大切な人が参加させられてるんだ、すまなかった」

「そうだったの、こっちも悪かったのサ。良ければ名前を教えて欲しいのサ」

「あぁ、まず俺の名前は……」

その時だった、空気を震わす振動が二人の元まで届いた。それはクッパが発した叫び声だったのだが、二人にはそれが何かを認識することは出来なかった。

26 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:42:12 ID:feeeOsGZO
あまりにも異質なその音は二人にそれが一人の人物が発した声だという発想をわかせなかった。

「いったい何なのサ」

「分からないけど……」

困惑しながらも危険を感じる二人に茂みの中から新たな声がかけられる。

「貴様らに聞きたいことがある」

そこにいたのはブラックシャドー。傷ついた体でありながらその姿は以前と変わりなく、威厳を保っていた。



マルスとマルクの二人が出会う少し前、ブラックシャドーは傷の痛みに僅かに呻きながらも身を起こす。

悪の帝王としての意地とでもいうのだろうか、敗北を許すことは出来なかった。

傷は酷く痛むが我慢出来ない程ではない。もちろんこれはブラックシャドーだからではあるのだが、簡単に見積もっても腹部の骨折箇所は十では収まらないだろう。

ブラックシャドーはその強靭な意志で痛みを無視して歩き出す。

しばらく歩くと話声が聞こえてきた。もちろんブラックシャドーにそれを避けて通るなどという思考など存在しない。

そして、ブラックシャドーは特に警戒することも無くその二人組に声をかけたのだった。



「いったいお前は誰なのサ?」

突然現れたブラックシャドーに驚いたように叫ぶマルク、そのマルクを庇うようにマルスはマルクの前に立つ。

だが、ブラックシャドーにとっては二人に警戒されることなどとるに足らないことなのだろう。トーンすら変えることはない。

「そんなことはどうでも良いだろ、それよりお前だな。さっきずれてたこと言ってたのは」

マルクに向かってそう言う。その表情はまるで新しいおもちゃを見つけた子供の様な笑顔であった。

「お前なんなのサ。まさかゲームにのってるのか?」

「そのようなこと聞かなくても解るだろ。特に貴様のようなものにはな」

「いったい何が言いたいのサ」

「もう止めようぜ。お前の嘘は単純すぎるんだよ」

「嘘だって、僕が嘘なんか言うもんか」
27 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:43:48 ID:feeeOsGZO
ブラックシャドーはため息をひとつつく。
「全く……仕方ないな。じゃあ、一つずつ言ってやろうか。まず、このゲームのルール上こんな短期間に四人もの殺人鬼たちが協力することなんか有り得ない。あともしそのようなチームが有ればザックの一つも残さないさ、勿論生存者なんてもっての他だ」

このゲームのルール、すなわち最後の一人になるまで残ること。つまりはチームでの優勝狙いは確実に破綻する。

勿論これが成立する条件もある。一つ目は対等な立場ではなく、一方的に誰か一人を優勝させるためだけに組んだ場合。

そして二つ目、裏切ることを前提として前半の人数が減るまで戦う場合。しかし、どちらもそれが成立するのが早すぎる。

「元々の知り合いが四人ゲームが始まってすぐに出会うなんて偶然は有り得ないしな」

横で二人の話をマルスは黙って聞いている。いつしか剣は抜かれていた。

しかし、マルクは慌てることなどしない。マルクは一流の嘘つきであった。

「これは僕の予想だけど……あいつらは主催者達が用意したジョーカーなんじゃないかな」

マルスは何も言わない。ブラックシャドーすらも黙り、ただマルクの言葉を促す。マルクもここで疑問を挟ませる訳にはいけない。

「お互いの位置を知ることが出来ればこの狭い場所で出会うことはそれほど難しいことじゃないサ」

「なるほどな……そうかも知れないな」

「ようやく分かってくれたのサ?」

「ふざけたことをぬかすな。貴様は俺の手下にする価値もない」

ブラックシャドーは先ほどまでの態度からは想像もつかない程の速度でマルクに拳を振り下ろす。

足を怪我したマルクにかわせるはずもない。その筈なのに、その拳が振り下ろされた先には誰もいなかった。
28 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:45:39 ID:feeeOsGZO
ブラックシャドーは少し見上げる。その視線の先にいたのは先ほどまでは存在すらしていなかった翼を広げ、空中を飛ぶマルク。

「どうして分かったか、説明して欲しいサ」

「単純なことだよ、ついさっき襲われて仲間を殺された奴がそんな冷静に分析なんて出来る訳がない。お前は完璧に被害者の真似をしすぎたんだ、本当に不幸を経験した人はもっと必死に話すんだよ」

二人を分けた物は住んできた環境の差。平和な環境と常に戦いが絶えない環境、その違いがブラックシャドーにマルクの嘘を見破らせた。

「へぇ、勉強になったのサ」

「勉強になるだって、おかしなことを言うな。勉強ってのはこれからまだ可能性がある者がすることだろ」

「だったら僕以外にいないのサ」

「分かってないな。殺すぞ」

ブラックシャドーは駆け出す。空と地という違いはあるがそのようなことはブラックシャドーにとっては特記すべき事ではない。

何よりも人を騙して生き残ろうなどと考える奴が自分に勝てる訳がない。

その思いが僅かにブラックシャドーの拳の勢いを僅かに鈍らせた。まるで金属と金属がぶつかるような音、一瞬火花が見えたようにも感じた。ブラックシャドーの拳はマルスの剣によって受け止められていた。

「どういうつもりだ」

ブラックシャドーが静かにマルスに問いかける。何故マルスがマルクを庇うのかまるで理解が出来ないというふうに。

マルスはブラックシャドーを真っ直ぐに睨みつけながら話す。

「お前、今あいつを殺そうとしただろ」

「あぁ、当たり前だろ。あんな奴は生かした所で障害となるだけだ、ならば早い内に殺しておいた方が良いだろ。それとも何か、まだあいつの嘘の意味が分からないのか?」

「分かってるさ、あいつは他の人を貶めて生きようとした。あいつの嘘は新たな悲劇を生む」

マルスは剣を振り、ブラックシャドーを僅かに下がらせる。

「ならば何故だ。何故、守る」

「こんなくだらないゲームで、こんな場所でもう誰一人失いたくないからだ」

マルスはマルクが嘘をついたことに怒ってはいなかった。むしろ当然のことだと受け止めていた。
29 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:47:37 ID:feeeOsGZO
自分の身を守るためにはそれもしかたないことだと。もちろん、マルクの言った嘘は許されないことだ。あの嘘は人を貶める嘘だ、新たな戦いを産み、新たな被害者を産む嘘。自らが生き残る為ではなく、他者を蹴落とす為の嘘。

だが、マルスにはそれ以上に優先すべき事があった。数多くの大切な人を失ったからこそマルスはこれ以上誰であろうと失いたくはなかったのだ。

「貴様、そいつは障害にしかならんぞ。ゲームを打倒しようとしても、最後の一人を目指すにしてもだ」

「だとしてもだ。俺は守り抜いてみせる、全てをだ」

マルスがブラックシャドーに駆け出す。
必殺の一撃を繰り出す。

「そのようなことが可能だと思っているのかっ」

ブラックシャドーはブラスターを構え何発か放つ。ろくに狙いをつける暇すらない。そのような攻撃が当たる筈もない。

マルスは楽々それをかわし、ブラックシャドーを射程圏内に入れる。

「全く、お前は甘すぎる」

マルスが炎に包まれた。

☆ ★ ☆ ★

マルクは冷静に戦況を見ていた。一見このままマルスに任して逃げれば良いようにも思えるが、二人には自分が嘘をついていたことを知られてしまった。

ここで確実に殺しておかなければ後々どのような不利な状況になるか分からない。

ブラックシャドーとマルスの戦力差を見比べる。ブラックシャドーは確かに強いだろうが、既に満身創痍の彼と比べて健康体のマルス。戦力差は明らかだ。

そこまで考えたところでマルスが炎に包まれた。ブラックシャドーの手には一輪の花、マルスは地面を転がり火を消す。それはさほどのダメージでは無いのだろう、地面に両手をつき勢いよく立ち上がる。

ブラックシャドーの能力を警戒しているのだろう、先ほどのように跳び出すことはしない。

「でも、それじゃ困るのサ」

マルクは背負っていたザックから一本の太い木を引き抜いた。

★ ☆ ★ ☆

マルスは自分の背後から殺気が膨れ上がるのを感じた。

僅かな目の動きだけで後ろを確認する。そこにあったのはマルスが今まで見たことが無いものであった。

30 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:52:49 ID:feeeOsGZO
しかし、マルスの戦士の勘がそれを危険だと判断した。

急いでその場を離れる。前転の要領で体勢を低くして。

離れた所で振り返ると先ほどの攻撃が通った場所の草木が刈り取られていた。

斬撃を飛ばす攻撃、それを放った者がマルクであったこと。特に何も感じない、感じる暇すらないというのが正確か。

マルスの足元に何発かの銃弾が撃ち込まれる。それは地面に穴を穿ち煙があがる。

マルスは圧倒的に不利な状況で諦めることはしない。

ひとまず自らの背後にあった木の後ろに回る。

そこに襲いかかるマルクの斬撃。その攻撃は木を斬り飛ばしマルスの髪の毛を掠め、明後日の方向に飛んでいく。

マルスは足元に転がっていた石をマルクに向かい投げる。

牽制にもならないがマルクの攻撃は止んだ。

そちらを見てみると、ブラックシャドーの銃撃がマルクを襲っていた。

☆ ★ ☆ ★

ブラックシャドーはマルクに銃撃をあびせるが、それは当たらなかった。

翼を大きく動かし、空に飛び上がるマルク。

さらに上空から数え切れない程の斬撃を浴びせる。

「チィッ」

ブラックシャドーはマルクに銃撃をあびせるが、それは当たらなかった。
31 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:53:46 ID:feeeOsGZO
翼を大きく動かし、空に飛び上がるマルク。

さらに上空から数え切れない程の斬撃を浴びせる。

「チィッ」

ブラックシャドーは考えていた。このままでは絶対に不利なのはこちらだ。何とかしてマルクを地面にまで引きずりおろさなくてはならないと。

だが、それは自分一人では無理なことは分かっていた。

戦力が足りない、ブラックシャドーはマルスを見て叫んだ。
「貴様、俺の手下になれ」

★ ☆ ★ ☆

「貴様、俺の手下になれ」

マルクはこの声を上空で聞いていた。そして、このことが自分にどのような意味を持っているのかも理解していた。

今、マルクは圧倒的に有利な状況にいた。

何故ならば空高くを飛ぶマルクにダメージを与えうるのはブラックシャドーが持つ銃しかない。

しかし、マルクは容易にマルスとブラックシャドーに攻撃をしかけることができる。

しかし、もし二人が手を組めばこの優位はなくなる。

攻撃手段を持たないマルスが防御に、銃を使えるブラックシャドーが攻撃に専念出来るからだ。

「そんなことさせないのサ」

マルクは攻撃の手を早めた。

☆ ★ ☆ ★

32 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 16:55:19 ID:feeeOsGZO
マルスは頭上から降り注ぐ斬撃をやっとのことで避け続けていた。

その場から動く事すらなく、手に持った剣で打ち払い続ける。

その流麗な剣裁きは柔の剣と言われるほど。

ブラックシャドーを見ると、その斬撃の間をなんとか走り抜けたようだ。少し離れた所から応戦している。

「おい、早くこっちへ来い」

ブラックシャドーがマルスに向かって叫ぶ。手下になるなどとは一言も言っていないのだが、マルスが断る可能性など考えてもいないのだろう。その姿にマルスは確かに威厳のような物を感じた。

それは数多くの王族達を見てきたマルスにとっても今まで見たことがない程の物であった。

しかし、マルスにはマルスの誇りがある。

「僕は悪の手下になんかならない」

堂々とそう言い放った。

★ ☆ ★ ☆

ブラックシャドーは舌打ちしたい思いだった。

マルスの考えが全く理解できない。このままでは二人とも死ぬだけだ、それ程に見ず知らずのマルクの命が大切なのか。

まるで自分自身と相容れない。磁石のように同一にして反発しあう関係、それがマルスとブラックシャドーの関係であった。

「貴様、このままでは死ぬだけだぞ」

そう言いはしたが、答えは分かっている。

「それでも構わない。僕は自分の信念を貫く」

☆ ★ ☆ ★

マルクは笑っていた。地上で言い争う二人が異常に滑稽に見えた。

命よりも信念の方が大事などと気が狂っているとしか思えない。死ねば終わりなのだ。

何をしても生きた方が良い、マルクは何も信じていなかった。

全てが自分よりも価値の無いものだと信じ、行動していた。
33 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:01:34 ID:feeeOsGZO
現にマルクは既に自分が負けることなど想像すらしていなかった。

ただ、マルスとブラックシャドーを八つ裂きにする場面しか想像していなかった。

「そろそろ終わらせるのサ」

傷のせいか、マルクはかなり疲れを感じていた。普段は無意識の状態でしている羽ばたくという動作ですら億劫になる程に。

次の瞬間、マルクの姿が消えた。

テレポート、それを繰り返し剣での斬撃を浴びせるのがマルクの戦闘スタイルだ。マルクはこのバトルロワイアルという特殊な状況であっても自身の戦闘スタイルを忠実に再現して、なおかつ二人をより効率よく倒す方法を探っていた。

★ ☆ ★ ☆

マルスはマルクの姿を見失った。そして吹き上がる気配、訳が分からないがそこにいるという確信を持って自分の正面を見る。

そこにマルクはいた。太い木を構え、こちらに向かってふりかぶる。マルクは優れた剣士だ、それは分かった。あの様なただの木をあそこまで自在に振れる者はそうはいないだろう。

だが、それは一般の視点から見ての事だ。マルスから見ればその剣技はまだまだ未熟な点が多い、避けられる。それは結果を見るまでもなく明らかだ。しかし、違う。マルクはマルスを見ていなかった、その視点の先にあるのはブラックシャドー。

「くそっ」

マルスは気づいた。気づいてしまった、そして気づいてしまったら避けることは出来なかった。それは自分の信念を否定することになるから。

例え、守る相手があのブラックシャドーであろうとも。マルスは足を踏みしめた。

そのマルスに荒れ狂う突風が襲いかかった。

☆ ★ ☆ ☆

マルクによって生み出された突風はマルスを吹き飛ばした。

何か飛び道具の攻撃がくることは予想していたが、このような攻撃がくる事は予想外であった。

体勢を立て直すことすら出来ない。何かにつまづいて、背中から酷く打ち付ける。それでも突風は吹き終わらずにマルスを後退させる。

視界の端に太い木が見えた。それに急速に近付いていく。自分の手に持った剣で自分自身を傷つけないようにする事が精一杯だった。

そして衝撃がきた。
34 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:03:46 ID:feeeOsGZO
それは激しい物であったが、予想していた程ではない。一瞬息が詰まったがそれだけだった。

マルスの体はブラックシャドーによって受け止められていた。

腹の怪我が酷く痛むだろうに外見にはそれを全く出すことなくマルスの顔を正面から見る。

しばし交差する二人の視線。先に口を開いたのはブラックシャドーだった。

「おい貴様、貴様の目的は何だ。何故そのような振る舞いをする。貴様の行動は支離滅裂だ。全てを守ることが目的ならば、何故殺さない。奴は、俺はこれから人を殺すぞ。邪魔な人間は容赦なくな。答えろ、貴様はどうするんだ」

そのブラックシャドーの言葉にマルスは迷いすらなく答えた。

「だったらその時はまたお前たちを倒して、救ってやるよ」

ブラックシャドーはやはり理解できなかった。何故、そのような余計な苦労を背負うのか。

ブラックシャドーは自分以外の全ての物を自分以下の存在と確信していた。だからこそ自分の邪魔をするファルコンに怒りを感じていた。

しかし、マルスには怒りを感じなかった。その理由はブラックシャドーには分かっていた。マルスは自分に似ていた。

その目指す方向は正反対であるものの最終的には同じ。それは自分の主張を通すこと。

ブラックシャドーは他人を傷つけることでそれを成そうとし、マルスは他人を守ることでそれを成そうとしている。

ブラックシャドーは自分が笑っているのに気づいた。今まで想像すらしていなかった道であったが、この男が歩む道を見てみるのも面白いと思った。
35 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:04:18 ID:feeeOsGZO
「誓ってやろう。俺は貴様らは殺さん。その代わり、貴様も誓え。俺に協力すると」

☆ ★ ☆ ★

マルスは曖昧な意識の中でそれを聞いていた。

その誓いに答える為、マルスは体を起こし、剣を天に掲げる。

「ブラックシャドー、確かに聞いたぞ。その誓い、ならば我も誓おう。我は汝のその誓いの為、協力を惜しまないと」

今ここで誓いがなされた。自らの主張を通す為に戦っていた二人の主張が重なった。敵はただ一人だった。

二人立ち上がり、マルクを睨みつける。戦うべき敵、二人には負ける気など全くしなかった。

☆ ★ ☆ ★

「まずいことになったのサ」

マルクは今の心境を一人呟く。今の状況は非常に悪い物であった。しかし、まだ勝ち目が無いという訳ではない。マルクにはまだ使っていない切り札があった。

ブラックホール、あれさえ使えば生き残る者などいない。全てを吸い込む絶対の技。

そしてあと一つ、マルクには勝算があった。

「そろそろ終わらせるのサ」

マルクは手に持った太い棒を二人に向けた。

☆ ★ ☆ ★

二人に襲いかかる。今までとは比べ物にならぬほどの数の斬撃。

しかし、もはや逃げない。

「みんな、見ていてくれ」

マルスはその場から一歩たりとも動かなかった。

ブラックシャドーもそうであった。まるで、襲いかかる斬撃が見えていないかのようにブラスターを撃つ。マルクは斬撃を放つのを中止して避けざるを得ない。

しかし、二人はまだ動かない。
36 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:06:10 ID:feeeOsGZO
斬撃が二人を捉える直前、マルスが動いた。

その一瞬後にはマルクが放った斬撃は全て叩き落とされていた。

マルクは正直驚いていたが、ここで動きを止めればブラックシャドーのブラスターによって身を焼かれるだけだ。翼を大きくはためかせて空を舞う。

しかし、マルクは気づいていなかった。自身の疲れが出血によるものだけではなく、主催者からかけられた制限によるものだということを。さらに主催者達は空を飛ぶという能力を警戒し、他の者たちよりも重い制限をかけていたということを。

マルクは次第に高度を保てなくなっていた。
徐々に高度を下げるマルク、それはブラックシャドーとマルスにとって初めて訪れた攻撃の機会であった。

ブラックシャドーはマルクの眼前にファイヤーフラワーを投げつける。マルクは何か把握出来ず一瞬動きを止めるが、ファイヤーフラワーは投げつけただけでは効果は殆どない。

それを手に持った棒で叩き落とそうとした時、ファイヤーフラワーが爆発した。

それを起こしたのはブラックシャドーが放ったブラスターの弾丸。それはファイヤーフラワーを貫いた。その一輪の花の中、蓄えられた炎がブラスターの一撃により爆発を起こす。

溢れる炎はマルクを焼こうと迫るが、マルクは間一髪でそれをかわす。あまりの熱気に肌がちらつく。しかし、なんとか凌いだ。そう思い、油断した一瞬。飛び上がったマルスの剣がマルクの翼を両断していた。

姿勢を制御することすら出来ずに地面に激突するマルク。口の中を切ったのだろう、血の味が広がる。

しかし、マルクはそのようなことは最早思考の外である。

頭の中に敗北の二文字がちらつく。ブラックシャドー、マルスが二人ともこちらに向かって走ってくる。

それを見て、マルクは切り札を使うことにした。

「惜しかったのサ」
37 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:07:09 ID:feeeOsGZO
ブラックホール、全てを飲み込むその技は発動した。しかし、それはマルクが考えていた規模とは全く違っていた。

一メートル程まで迫っていた二人を一瞬にして吸い込む筈だったその技はブラックシャドー、マルスの体勢を崩すほどの影響しか与えることは出来なかった。

それはマルクにかけられた制限のせいであったし、今まで与えられた数々の傷のせいでもあった。

マルクはそのことは知らなかった。しかし、マルクはそれで動きを止める様な者ではなかった。

接近してくるブラックシャドーに向けてザックから取り出したある物を構えた。

それはもう一つの勝算。絶対にあの二人は自分に勝てないと思った理由。

空気を引き裂くような音が響いた。一瞬にして30発もの弾丸が放たれ、それらは今まさにマルクに殴りかかろうとしていたブラックシャドーを吹き飛ばした。

マルクは放送が始まる前、あの惨劇の場所に一度戻っていた。もちろん目的は放置された支給品。

そこにあった物を全て回収し、放送を聞いている間に襲われないように隠れていた森の中でマルスを発見したのだった。

そしてサブマシンガンに自分が持っていた弾を込め、いざという時に備えていた。

更にはマルス達に自分が飛び兵器などを持っていないと認識させる為にわざわざ森の中で棒を一本拾ってきた。

そして、その慎重な作戦がマルクに勝利をもたらしたのだった。

「ブラックシャドー!!」

マルスの声が響く。しかし、ブラックシャドーは元々マリオの攻撃によって傷つけられた腹部をさらにサブマシンガンの弾丸によって内蔵までもグチャグチャに傷つけられていた。

最早死は避けられない。その絶望的な状況の中、ブラックシャドーだけは諦めていなかった。

崩れかけた姿勢を地面を叩きつけることで持ち直す。

そして叫んだ。肺が潰れているのだろう、声は出せなかった。だが、その叫びはただの空気の振動としてではなく、マルスそしてマルクをの心を揺さぶった。

38 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:12:16 ID:feeeOsGZO
そのままブラックシャドーはマルクを殴りつける。死にゆく者とは思えない程の力強さであった。

それはマルクの脳を揺さぶらせ、マルクを地面に転がさせる。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

いつしかマルクも叫んでいた。しかしそれはブラックシャドーとは全く違った叫び。

マルクは生まれて初めての恐怖に襲われていた。マルクはブラックシャドーに恐怖を感じていたのだ。

何故立ち上がれるのか。何故立ち向かってこれるのか。それが全く理解出来ない。

理解出来ない者には立ち向かうことは出来ない。恐怖を感じること以外何も出来ない。

ブラックシャドーは一歩ずつ近づく。

その歩みはあくまでも力強い。
まるで地面の感触を確かめるように歩く。

微かに聞こえる呼吸の音はいまだ消えぬ生を主張しているのか。マルスはその光景に圧倒され、何もすることが出来ない。

「来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

マルクは手に持った木の棒をめちゃくちゃに振り回す。

それは先ほどまでの鋭い斬撃とは違った恐怖から逃れる為だけの攻撃。

しかし、それによってブラックシャドーの攻撃が止んだ。

吹き飛ばされるブラックシャドー。一メートル程後退させられ、なんとか木にもたれかかることで姿勢を保つ。

そして、その手に持ったブラスターをマルクに向ける。

「ひぃ……」

小さく漏らすマルクの声、この距離でまさか外す事もないだろう。更にマルクは最早翼も、足も、切り札の一つであったテレポートすらも使えない。

それ程までに消耗してしまった。最早両手を動かすことしか、しかもそれ程激しく動かすことは出来ない。それがマルクに許された唯一の行為であった。

「えっ………」
39 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:13:41 ID:feeeOsGZO
涙すら浮かんだその顔で見上げたブラックシャドーの姿、それは樹木にもたれかかったその姿からは相変わらず、圧倒的な力を感じた。

しかし、何か違和感があった。まるで、迷っているように。今さら人殺しを拒むような健全な精神ではないだろうに、最後にはブラスターを下げた。

「何だかわからないけど、チャンスなのサ」

マルクは最後の力をふりしぼって剣を振るう。

それによって放たれる斬撃、マルスはそれを防ごうと走るが、それは間に合わなかった。

いや、それは正確ではない。マルスは確かに間に合った。攻撃を剣で阻む事は出来た。

しかし、それは先程までとは全く違ったことはただ一つ。マルスが持っていた剣。それは神剣ファルシオンのレプリカ。つまり、神剣に似せる為に造られた剣。確かに素晴らしい剣であったが、マルス程の剣士がその実力を発揮仕切るには少し役不足であった。

神剣ファルシオンのレプリカは根元から折られていた。

マルスはそれを確認するとブラックシャドーの方を振り向く。

そこには以前と変わらぬ姿のブラックシャドー。

良かった。心から安堵し、駆け寄るマルス。

駆け寄り、ブラックシャドーの体を揺さぶる。そして気づいてしまった。
40 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:15:58 ID:feeeOsGZO
ブラックシャドーは息をしていなかった。

更にまるで置いていた物が落ちるように、余りにも簡単にその首が地面に落ちた。

マルスの両手の中にあるブラックシャドーには既に首から上が存在していなかった。

血液がその最後の命を主張するようにマルスの両手を濡らす。

「嘘だろ……」

マルスは言葉を発する事が出来なかった。余りにも簡単に訪れたブラックシャドーの死に考えが全く追いつかなかった。

そのマルスの思考を現実に戻したのはマルクの笑い声だった。

マルスはマルクを睨みつける。しかし、マルクは最早恐怖など感じていなかった。何故なら最早ブラックシャドーは死んでいたから。

死んでしまえば何も出来ない。

「はははははは、死んじゃったのサ。何が誓いなのサ、下らないのサ」

「黙れ」

「何なのサ、僕はお前なんかもう恐くない………」

「黙れ、ブラックシャドーは誓いを守った。お前なんかにブラックシャドーを馬鹿にする価値などない」

そう、ブラックシャドーはマルクを殺すことが出来た。手に持ったブラスター、それをマルクに向かって放てば簡単に殺すことが出来た。

しかし、無意識であったとしてもブラックシャドーはそれをしなかった。

マルスは信じていた。ブラックシャドーの誇りを。

だからこそ、自分自身に強く怒りを感じていた。

何故ブラックシャドーを守ることが出来なかったのか。

そんな自分に嫌気がさすが、今一番重要なことはマルクを拘束すること。

「殺しはしない、だけど動きを拘束させてもらうぞ」

「悪いけど、それは無理なのサ」

すぐそばに置いていたサブマシンガンを手に取る。

それは最早弾薬は尽きていたのだがマルスへの牽制くらいにはなる。

そう思い、手にしたのだがマルクの『打算』はマルスの『決意』にかなう筈がなかった。
41 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:17:40 ID:feeeOsGZO
一瞬にしてマルクの右腕ごと両断されるサブマシンガン。

マルスは剣の刃の部分を両手で直接握りしめていた。当たり前のように手のひらの皮膚が裂け血が流れ出るが、そのようなことは今のマルスに意識させるに足る筈がない。

剣をつきつけ叫ぶ。

「認めろ、お前の負けだ」

マルクは考えを巡らすが、何も思いつかない。

「分かったのサ、認めるのサ」

マルスは両手を掲げて言う。
しかし、マルクは自分の負けを認めるつもりなど全くなかった。

「まぁ、それは嘘なのサ」

近くに転がっていたマルクによって放たれた固定化された斬撃。それを拾い上げ、マルスに投げつける。

それはマルクには避けられるタイミングではなかった。しかし、マルスはマルクの想像すらもはるかに超えた素晴らしい剣士だった。

考えての行為ではなかった。まるで人が熱いヤカンを触った直後に耳たぶを触れるように、脳で考える前に反射的にマルスの剣はマルクの胸を真っ直ぐ斬りつけていた。

余りの鋭さに一瞬のタイムラグがあり、噴き出す血液。

「あっ………ああああああああああああああああああ」

マルクは傷を押さえようとするが、その傷は深く。出血の量は致死量を既に越えていた。

「死にたくないのサ……」

最後にそうとだけ漏らして、マルクは息絶えた。その表情からはマルクとは出会って間もないマルスであってもマルクが抱いた無念さを感じるほどの物であった。

マルスにはそれを見続けることはできなかった。

「誰だってそうなんだよ」

最後に言い残したマルスの声は虚しく空に響いた。

マルスは後悔していた。ブラックシャドーとの誓いを守れなかったことを。

マルスは剣を放し、ブラックシャドーの遺体に向き直る。

「ブラックシャドー。ごめん……君との誓いは守れなかったよ。僕は、これからどうしたら良いのかな……」

マルスの迷い、それを解決出来る者は誰もいなかった。

言葉を返すことが出来る者すら。
42 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:18:25 ID:feeeOsGZO
[D-8/日中]

名前:マルス@ファイヤーエンブレムシリーズ

健康状態:中程度の疲労、両掌に傷、精神的疲労大、自分がこれからどうするべきか迷っています

武装:なし

所持品:神剣ファルシオン(レプリカ)の刃@星のカービィ、支給品一式

現在位置:D-8

基本行動方針:人を助けつつシーダを探す

最終行動方針:ゲームを潰す

備考:マルス、ブラックシャドーの持ち物を持っていくかどうかは次の書き手さんに任せます。


【死亡確認:マルク@星のカービィ】

【死亡確認ブラックシャドー@ファイヤーエンブレム】
43 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/10(土) 17:21:04 ID:feeeOsGZO
投下終了です。
まずはなかなか投下できなくてすみませんでした。

後、タイトルは『誓い』

以前投下した作品のミュウツーがミューツーと誤表記している点は直しておいてもらえたら幸いです。
44ゲーム好き名無しさん:2008/05/10(土) 18:02:41 ID:Mp0vL+z2O
展開はともかく、ブラックシャドーはファイアーエムブレムに出てないのと、マルスの口調がアレなのが気になった
うん、そうだ、マルスと言うよりラディだな
45ゲーム好き名無しさん:2008/05/10(土) 23:18:26 ID:zhEKHDCM0
マルス、もしかして放送聞き逃した?シーダさんは既に死者スレの住人に…
46ゲーム好き名無しさん:2008/05/11(日) 22:30:45 ID:lxNS+uow0
いや、冒頭でばっちり放送チェックしてるぞw勿論死者の件もw
そこと>>44の部分がちょっと引っかかったが、展開的にものすごくGJ
単なる噛ませ犬で終わるかと思ってたブラックシャドーの格好良さにびびったぜ
あと、マルスにはまだまだ生きて頑張ってほしいなぁ
47ゲーム好き名無しさん:2008/05/12(月) 07:25:57 ID:AYN9B/4nO
スマブラのマルスしか知らなかったのかな
ゲーム名間違ってるし

婚約者死んだのにスルーなのはちょっと違和感有るな
48ゲーム好き名無しさん:2008/05/12(月) 07:36:40 ID:cSePmpX+O
まあ原作でも誰が死のうと何事も無かったのかのようにスルー……
なんだけどここまでそれを引きずられても困るので、せめて一描写は入れて欲しい
49 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/13(火) 01:21:41 ID:Ifg01HejO
放送でシーダの名前が呼ばれていたということを忘れていました。

ひとまず冒頭部分の訂正版を考えてみました。

自分はマルスのキャラクターについては把握しきれていないので、セリフの細かい所などアドバイスしてくれれば幸いです。




シーダ、放送でその名前が呼ばれた時。マルスはまず自分の耳を疑った。次に放送の真偽を疑った。しかし、それらの可能性を全て自身であり得ないことだと認めてしまった。

そしてマルスは少しだけシーダの為に黙祷を捧げた。本当はいますぐ駆け出して彼女の生死を確かめたい。

しかし、そうできない理由があった。だから今少しの間だけシーダの死を考えないように数秒間の黙祷を行って茂みの中に声をかけた。

「そろそろ出てきたらどうだ」



このセリフから、前に投下しておいたSSに繋がるように考えてみました。

誤表記についてはウィキに移す際に直してくれれば幸いです。

ご迷惑をおかけします。
50ゲーム好き名無しさん:2008/05/14(水) 22:25:44 ID:txrZXc7BO
新人です。
ルイージとピグマを予約します。
51 ◆d94UUrJtFg :2008/05/14(水) 22:28:58 ID:txrZXc7BO
>>50
すみません。トリップ忘れてました
52ゲーム好き名無しさん:2008/05/15(木) 17:53:51 ID:DxXGhx8W0
>>50
わかったからsage進行で頼む
53 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:24:48 ID:zqflw1KSO
ルイージとピグマ投稿します。

タイトルは
『いわれなきリベンジ』
です
54 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:27:34 ID:zqflw1KSO
─どうしても超えられない壁がある。

兄弟という上下立場。

兄弟の力の差

兄弟それぞれの関連人物との関係の差

全てにおいてその弟は兄に劣る。


全てにおいて兄に先を越され、その弟は一人取り残される。


そして弟という立場の男は言う。


なぜ僕だけ取り残されないといけない?

なぜ僕は兄さんみたいなヒーローになれない?

なぜ僕の出番はすべて兄さんにとられないといけない?



なぜ…?

─────

55 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:28:15 ID:zqflw1KSO
気がついたら目の前の景色が太陽の照りつける空に変わった。

そうか、夢を見ていたのか。

ルイージは気絶から目覚めた。いつもより早い目覚めだった。
傷はというとかすり傷程度であり、さほど問題ではない。
大きく変わったことといえば武器を取られてしまったのか今もっていない、ということくらいか。
なるほど、あのブタにとられたわけか。
ルイージはそう確信した。


どうする?

言うまでもない。殺す。
ルイージの答えは決まっていた。

だが、今は武器を持っていない身。正面から挑んだって勝てる相手ではない。それでも奴は殺したい。

そういった感情がルイージの脳内で激しく回転していた。

56 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:29:14 ID:zqflw1KSO

しかし、いい答えが見つからない。いつの間にか自分の足で道を適当に歩いている。

ルイージはさっきから憎きブタ、ピグマ・デンガーを殺す方法を考えていたが、その時、ルイージの頭の中に気絶時に見た夢が流れてきた。
その瞬間、ルイージは酷い劣等感に襲われた。
兄さんにおいていかれ、ピーチ姫やヨッシー、ワリオにも先を越され、クッパにも緑のヒゲ呼ばわりされ…
すべての人が僕を馬鹿にしている。
兄さんと違って何もできない弱虫だと思われている。
そもそもほぼ全てに劣っている僕が兄さんを殺すことなどできるのだろうか。
それどころか他の人にかなうのだろうか。

57 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:30:22 ID:zqflw1KSO
ルイージは完全にネガティブ思考に入ってしまった。惨めな自分を責め立て続けた。

そして、ある思考がルイージの頭をよぎった。





このままだとデイジー姫を生き返らせることができない。





その瞬間ルイージの思考回路が一気に吹っ飛んだ。
ただ「殺す」という感情を残して……


そしてルイージは何も考えず歩いきつづけた。



58 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:31:27 ID:zqflw1KSO
すぐに見えた。あのブタはほかの何者でもないピグマの後ろ姿だった。
ピグマは誰かが後ろにいることに気がつき、振り向いた。
「誰や!…なんや、まだ生きてたんかいな」

ルイージは無言のままピグマに手のひらを向けた。

「また殺る気か。お前、自分の立場分かっとるんか?武器一つ持っていないお前にワイがやられると思うてんのか?」

ルイージは何の返答もせず、手のひらから一つの緑の火の玉を作り出した。

「何する気や。そんな物騒なもん撃たれちゃワイの身がもたへん。悪いが、これでおしまいにして貰うで」
ピグマはレイガンをルイージに向けて放った。

ビームはルイージの左肩を貫通した。
だが、ルイージは後退り一つせず手のひらの火の玉を大きくしていく。

59 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:32:55 ID:zqflw1KSO
「急所は外しちまったか。だがな、次は外さへんで」
ピグマは再びレイガンをルイージに向けて放った。

だが、火の玉の大きさはすでにルイージの身長を越える巨大な火の玉になっていた。

緑のビームはその巨大な火の玉に吸収され、さらに巨大化した。


「バカな!ありえへん!そんなもん撃たれちゃ死んじまうで!勘弁してくれ!」

すでに彼はいつもの気弱で優しいルイージではない。
このゲームが始まってから歪み始めた感情がとうとう限界まで達してしまったのだろうか。
このゲームは彼を感情を持たない殺戮マシーンへと変えてしまったのである。
ルイージは背を向けて逃げるピグマに容赦なく巨大な火の玉、ファイアボールを放った。





ファイアボールが通り過ぎた跡にはほぼ何も残らなかった。

ルイージの目の前に残っていたのはかつてピグマだった焼き豚と武器であるレイガン、キラーランスだけだった。

ルイージはまだ微かに生きているピグマには目も向けずレイガンとキラーランスを拾い上げるとそれをデイパックにいれ、あとは興味をなくしたかのように歩き始めた。



60 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:33:51 ID:zqflw1KSO
「…待てや」



ルイージは脚を止めた。



「お前にな…き…聞きたいことが…あるんや…て…」

うつ伏せに倒れたままピグマは僅かな意識を保ちつつルイージに話しかける

「…お前は…なぜ…ゲームに…このゲームに乗ったんや…」

ルイージは無言のままピグマに背を向けて立っているままだった。
ピグマはルイージの態度に感づいたかのように言葉を続ける。

「お前は…誰も…誰も信じられなくなっちまったんか…」



ルイージの返答はなかった。だが、ルイージのその目からは一滴の涙がこぼれ落ちていた。
ピグマは気づいていた。自分はかつての仲間、ワリオを利用しようと考えていた裏では、ワリオと本当の意味で仲間でいたかったと。

ピグマはルイージに対してワリオへの謝罪の意味も込めてかすれた声で話し続けた。

─────
61 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:34:21 ID:zqflw1KSO

「ワイみたいな…人を利用する輩のせいで誰も…ガッ!」

ルイージはいい加減聞き飽きたと言わんばかりにキラーランスをピグマの大きな腹に突き刺した。
そしてピグマの腹からキラーランスを引き抜き、ルイージは再び背を向けて歩き始めた。



ピグマは薄れゆく意識の中、まだ何かを語るように話しかけたが、すでに声は誰にも聞こえなかった。





─これがワイの罪滅ぼしや…

ピグマは誰にも聞こえない声でそう言い、息を引き取った。

[1日目/昼]
【名前:ルイージ・マリオ@マリオシリーズ】
健康状態:精神崩壊
武装:キラーランス@FEシリーズ
所持品:支給品一式、レイガン@スマブラシリーズ(残り8発)
現在位置:J−6
第一行動方針:ただ「殺す」のみ
最終行動方針:デイジーを生き返らせる?
備考:感情の大半を失っており、余程のことがない限り感情は戻らないと思います。

【ピグマ・デンガー@スターフォックスシリーズ 死亡確認】
62 ◆d94UUrJtFg :2008/05/16(金) 12:37:13 ID:zqflw1KSO
投下終了です。
まだ半人前なので誤字脱字、アドバイスがあったらお願いしますm(_ _)m
63ゲーム好き名無しさん:2008/05/16(金) 18:52:04 ID:6roQNV7m0
>>62
乙。
ルイージ殺戮マシーン化ktkr
64ゲーム好き名無しさん:2008/05/17(土) 06:23:55 ID:FMPbDnOKO

ルイージ…
65ゲーム好き名無しさん:2008/05/19(月) 17:43:58 ID:PlDHAJRe0

ルイージ二人目やっちゃったなw
66 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:12:24 ID:vwlf0PnsO
いきなり投下します。
レオン、Dr.クライゴア、サムス。タイトルは『戒め』
67 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:15:19 ID:vwlf0PnsO
サムス、Drクライゴア、レオン達は森の中、おそらくは材木を保管するために建てられたであろう。小さな小屋の中で放送を聞いていた。

学校のような人数が比較的集まりやすい場所で万が一放送を聞き逃すことがあっては笑い話にもならない。

だからこそ、学校に近いこの場所で放送を待っていたのだった。

たくさんの人間に様々な感情を与える放送であったが、この三人に動揺を与えることはできなかった。ただ冷静にメモをしていく。

Dr.クライゴアがワリオの名前に線をひく時であってもそれは変わらなかった。もちろん、残念な思いはあったが今その思いにとらわれるのは懸命とはいえない。

だからこそ、自ら二人に話を振る。

「お前達、知り合いの名は?」

少し不自然な言い方になったのは仕方が無いだろう。

しかしもとより短い付き合いの二人にそのような変化が分かる筈もない。

「ん……あぁ、馬鹿な狐と鳥が死んだだけだ。関係ない」

「私には元々知り合いもいないしな」

「そうか、それなら良いんじゃ。禁止区域も関係ないしな。ここで、少し情報交換をしておくべきじゃな」

「情報交換?わるいが、殆ど有益な情報などないぞ」

「何を言っとんじゃ、あるじゃろ。支給品じゃよ」

そう言ってまずDr.クライゴアは自らの支給品を取り出す。一つ目は小さなナイフだった。特に何の変哲もないただのナイフ。
二つ目はキノコ、まるで顔が描かれているようなそのキノコ。特別な物であることは分かるが、使い方が分からなければ意味がない。
三つ目、それは今までとは全く趣の違ったものであった。一冊の本、その表紙には何も書かれていない。

それはDr.クライゴアの好奇心をくすぐったのだろう、ページを捲る。
68 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:18:31 ID:vwlf0PnsO
1ページ目にあったのはこのゲームのルールを表記した物。
更に、このゲームに参加している物達の名簿が続く。

どういった仕組みになっているのかは知らないが先程放送で呼ばれた名前にバツ印がうたれていた。

それに加えて、何人かの名前にもバツ印がうたれていた。

放送を聞き逃したということは有り得ない。

「どういうことだ」

「分からん、じゃが推測は出来る。」

「何だ?」

「簡単なことじゃよ。こいつらは放送が終わり、今までの時間の中で死んだ者なのではないか……そういうことじゃよ」

「なるほどな……確かにその可能性は有るだろうが、放送が始まってまだそれ程時間もたっていない。可能性としては低いと言わざるを得ないな」

「まぁの。まぁこれに関しては後でいくらでも調べる事が出来る。先に進むぞ」

更にページをめくる、次にあったのはマップの絵。禁止区域もしっかりと明記されたそれは便利ではあるが、特に重要な物ではない。

次のページに進む。いつの間にかそれは最後のページであった。そこにはこう書かれていた。

『三つの道具集めし時、新たな道開かれる。それを防ぐは5の兵士、その道を辿りし時戒め解き放たれる』

「なんなんだ、これは」

首を傾げて覗きこむレオン、急にこのような文章を読んだところで理解できる筈もない。

「ふむ……まぁ、確証はないが。この戒め、これが首輪の事だとするのが自然じゃろ」

その質問にやや戸惑いながらも答えるDr.クライゴア。
69 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:29:33 ID:vwlf0PnsO
「まさか……有り得ないだろ、普通に考えればこれは罠だろ」

しかし、それを否定するレオン。当たり前だろう、そもそもこれは支給品として主催者から与えられた物。そのような物にゲームが破綻するような情報が書かれている筈がない。

「確かにそうじゃな。じゃが一つの条件を付け加えることでこれが成り立つのじゃよ。もし主催者達の目的が一部の参加者達の脱出。それであったならばどうじゃ?」

「何故、主催者がそんな事を望むんだ?」

「そんなに気を張らんでもえぇ、今現在でそれを裏付ける証拠などないのじゃからな。まず考えるべきことは何故主催者達がこのゲームを始めたか、ということじゃ」

「確かにそうだな。ただの戯れの為にやるにしては手が懲りすぎている」

レオンはこれに素直に頷く。

「そうじゃろ、そこには何らかの目的が有るはずじゃ。しかもその目的はわし等全員をいとも簡単に圧倒することの出来る者達が雁首揃えたところで達成出来ない事という程のな」

「つまり……こう言いたいのか?その目的の為に俺達の中で協力者を探していると」

「有り得ない、それならこのような殺し合いをする必要などない」

今まで黙っていたサムスが口を開く。

「……選抜じゃよ。自分たちの役にたたないものを減らす為、更にはこの支給品達。こんな物をわざわざ配っておるんじゃ、当然この支給品のテストも入っておるじゃろ」

そういって軽く支給品として手に入れたナイフを持ち上げる。

「となると……かなり高い割合であいつらのはある化け物を倒すことだな……」

支給品、参加者それら二つの戦闘に関する能力を確かめるのだ。目的は戦闘以外に有り得ない。

「有り得ない……だけど……そうとしか考えられない。筋があってる」

「じゃろ……だからまずは三つの道具を探さんとな。恐らくは支給品のテストも入っておるじゃろ」

そういって軽く支給品として手に入れたナイフを持ち上げる。

「となると……かなり高い割合であいつらの目的はある化け物を倒すことだな……」

支給品、参加者それら二つの戦闘に関する能力を確かめるのだ。目的は戦闘以外に有り得ない。

「有り得ない……だけど……そうとしか考えられない。筋があってる」

「じゃろ……だからまずは三つの道具を探さんとな。恐らくは支給品の中にあるじゃろ」

「その本は違うのか?」
70 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:35:48 ID:vwlf0PnsO
「ん……あぁ、違うじゃろ。これはただの説明書じゃ、このゲームをクリアするのに必要なものではない。ただの便利な道具じゃ、この三つの道具というのはこの全てが揃って意味がある物なんじゃろ」

「何故だ?」

「考えてもみぃ、主催者たちにとってはただ一人の優勝者が出た所で戦力としては殆ど意味が無いじゃろ」

主催者たちにとってはたった一人の参加者の戦力など殆ど手助けにならないのだから。

「できれば協力してゲームに対抗するようなお人好し、それが最も望ましいということか」

「それをするには……協力しなければいけない一人では解決できない状態に追い込めば良いのか」

「そうじゃな、そしてそれは脱出の鍵となる一つのアイテムを三つに分けておけば簡単に達成される」

「なるほどな……三つのアイテムを集めるには他人と協力するのが一番の近道だからな。それに、もし殺してそれを奪おうとしても一体何回戦闘を繰り返せば良いのかも解らなくなるしな」

「なぁ……二人とも……もしかしてその三つのアイテムって、これのことじゃないのか」

サムスの手の中にはコンピューターのディスプレイがあった。それ一つだけではなんの効果ももたず、しかし複数個集まれば他の支給品では得ることの出来ないほどの効果を得られることの出来る。

それは確かにその条件を満たしていた。

「ちょっと見せてくれ」

奪い取る様にそれをサムスの手から取るDr.クライゴア、結構な大きさがあるそれをゆっくりと地面に置いて調べる。

71 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:48:20 ID:vwlf0PnsO
「間違いないの、これは外部と通信出来る様になっておる。あとキーボードがあれば本来の機能を果たすことが出来るじゃろ」

「他には?何か無いのか」

「あぁ、他にめぼしい物はこのバッジくらいだな」

幽霊バッジ、戦闘中防御力が二倍になるという優れた道具である。サムスはそれを胸に付ける。しかし、特に今は何か特別な事が起こるといった物ではない。

「それで、そっちは?」

「俺の支給品はこれだけみたいだな」

そう言って取り出す。

奇妙な形の石、雷の石と名付けられたそれを地面におく。更に、鞄から取り出したのはバナナ。しかも身を食べ終わった皮だけいう明らかなハズレアイテム。

説明書がついていたがそこに書いてあったのは一言。

『滑ります』

何が滑るというか完全にだだ滑りの白けた空気が流れた。
完全に主催者のつまらないギャグの被害者になってしまったレオンは今までに無い程に主催者を怨みながらも、コホンと咳払いをして話を進める。

「まぁ……これだけだ」

「あぁ、そうか……」

「なるほどの……」

とりあえず三人の話し合いはここで終わった。

72 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/20(火) 22:53:35 ID:vwlf0PnsO
しかし、レオンはまだ二人に話して無いことがあった。

二人を信用していないレオンが自らが持っている全ての情報を明かす筈もない。

それがどれほど下らない情報であったとしてもこの場では自分の命すら左右するのだから。

それは鞄に押し込まれたグチャグチャになった一枚のメモ用紙。

そこにはこう書かれていた。

『時間がないから簡潔に書く。
僕は前のゲームの優勝者だ、言い訳をすることも今は出来ない。
どうやら僕はこれから記憶を消されてまたゲームに参加させられるらしい。
この手紙を読んだ人がどんな人が分からないけど。頼む、兄さんに、マリオ・マリオに伝えてくれ。

この首輪には決められた解除の仕方がある。それは簡単なことだった。

支給品を揃えろ、首輪に刻まれた星を落とせ。

これだけだ、頼む。絶対に伝えてくれ。

この首輪には決められた解除の仕方がある。それは簡単なことだった。

支給品を揃えろ、首輪に刻まれた星を落とせ。

これだけだ、頼む。絶対に伝えてくれ。

僕は今度こそこのゲームを潰したい。もう二度とあんな事したくないんだ。

ルイージ・マリオ』
73ゲーム好き名無しさん:2008/05/21(水) 06:07:01 ID:BXOQWhk9O
あれ?途中で規制か何かに巻き込まれたのかな?
74ゲーム好き名無しさん:2008/05/21(水) 22:28:14 ID:jR6wtLLQ0
レオンの一人称は「私」だったハズ。
取り合えず再開を待っています。
75ゲーム好き名無しさん:2008/05/22(木) 01:38:07 ID:6Jtsp4j0O
やっぱレオンは作品によって無茶苦茶変わるからなあ
76ゲーム好き名無しさん:2008/05/22(木) 19:25:55 ID:Cp25BmHl0
『滑ります』に不覚にも吹いたwナイスハズレw
あと最後の方で俺号泣フラグ立ちまくりな件w
本文の投下はこれで終わりなのかな?続きか現在状況が来るのを楽しみに待ってるよ
77ゲーム好き名無しさん:2008/05/23(金) 08:14:53 ID:67PyvLJJO
なかなか良い展開にこれからも期待せざるを得ない。
ステータス待ってるよー

ところで、二重に表現が使われてるのがきになる。
78 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/23(金) 15:07:22 ID:ec+XSBI50
すいません、状態表がぬけてました。
あと、掲示板に書き込む際にミスしていたらしくおかしなつなぎ方になっていました。
そこはウィキにあげる際省いておいてください。
以下、状態表です。
【2日目 昼 場所:F7】
【名前: サムス(メトロイドシリーズ)
健康状態: 良好。不安。スーツ着用していますがメトロイドフュージョン初期のXに侵食されている状態です。
  武装: 幽霊バッヂ@マリオRPG、パソコンのディスプレイ(外部と通信可能)@現実
 所持品: 支給品一式
現在位置: F−7(森の中)
第一行動方針: 首輪を外す。戦況確認。情報収集。首輪を外す為学校に向かって歩いています。
第二行動方針: 殺戮を行うものは容赦なく倒す。父さん……母さん……。
第三行動方針: 首輪を外し次第単独行動にて情報収集等を行い主催者全てを倒す
最終行動方針: 首輪を外す方法もしくは脱出方法を探し、このゲームの主催者全員を倒す。
備考:メトロイドフュージョンの初期状態からの出展の為、スーツはボロボロです。
もちろんスーツに付いてる武器類は取り上げられています。
備考2:首輪についてはGPSや生死確認システム等の機能がついてると推測しています。
備考3:主催者は首輪の機能から言って一人ではないかもしれないと推測しています】

【名前: Dr.クライゴア(メイドインワリオシリーズ)
健康状態: 良好。初めて見るものに興味深々。
  武装: 小さなナイフ@現実
 所持品: 支給品一式、薄汚れた本、スーパーキノコ@スーパーマリオ
現在位置: F−7(森の中)
第一行動方針:この本の解読を進める、とりあえずは三つの支給品を探す。
第二行動方針:レオンからは生態調査。サムスからはスーツの調査をして研究に役立てるのじゃ!
       科学者たる者どんな時にも研究心を忘れてはいかん。首輪を外す為学校に向かう。
第三行動方針: 工具になりそうな物が見つかり次第、首輪を外す方法を研究する。首輪自体も研究したいのう
第四行動方針: 他にも面白そうな研究対象はたくさんおったのう。楽しみじゃ!!
最終行動方針: 首輪を早く外して安心して研究に勤しみたいものじゃ。
備考:モナ等のメイドインワリオシリーズの仲間の事は心配だが
人間死ねば生き返らないのが定めなのでその時はその時だと(自分の事も)思っています。
備考2:できれば長生きして研究したい。首輪を外し、脱出方法が確保できればゲームにはあまり興味がない。
備考3:色々な人々から調査し研究に役立てたいので
首輪の外し方が分かった後もそれを盾に情報を引き出し研究に活用するのもありかなと考えています】

79 ◆ZqxRMEDNEs :2008/05/23(金) 15:08:15 ID:ec+XSBI50
【名前: レオン(スターフォックスシリーズ)
健康状態: 良好。苛々。
  武装:なし
 所持品: 支給品一式 バナナの皮@マリオカート、雷の石@ポケットモンスター、
     ルイ−ジからの手紙(本物かどうかは不明)
現在位置: F−7(森の中)
第一行動方針: この忌まわしい首輪を外す。
第二行動方針: 首輪を外した暁にはこの私をこんな目に合わせた小賢しいガキにお仕置きしてやらなければ。
       ついでにこのジジイとも少し遊んであげよう。
第三行動方針: ウルフ達が少し心配なので会えれば良い。が、基本彼らはなんとかなると信用している
最終行動方針: ウルフ達を探しつつ首輪を外しあの小賢しいガキを跪かせる。
備考:研究に協力する事を承諾した事を少々後悔しています。
  :ルイージからの手紙はゲームの核心を握るものだと思っています。
80ゲーム好き名無しさん:2008/05/24(土) 11:43:29 ID:8rjAMJ3VO
乙です
81ゲーム好き名無しさん:2008/05/27(火) 19:20:59 ID:EQJnDXCJ0
投下乙!この展開…すげぇ期待
…ところで、これ二日目でおkなのか?
82ゲーム好き名無しさん:2008/05/27(火) 20:21:43 ID:4CGptUxt0
乙です。ルイージ!
謎の本の「防ぐは5の兵士」と言う表現も期待が高まります〜
兵士とは主催者達の事?だとしたら一人多い?兵士ということはさらに黒幕が?
今後にも期待大


>>81
いや…1日目のお昼少し過ぎたあたり。
83ゲーム好き名無しさん:2008/05/28(水) 14:26:02 ID:N4QD2BKd0
よく見たら状態表が2日目になっとるなw
wikiに載せる時に直せばいい話だがwとりあえず投下乙ー
84 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/02(月) 22:44:10 ID:jl44788SO
活気がないのでガノンドロフ、ジーノ予約します。
85ゲーム好き名無しさん:2008/06/03(火) 08:35:24 ID:XzkTnRWpO
マーダ同士が遭遇かw
86 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:29:55 ID:zINyd0fQO
ガノンドロフは先ほど男を殺した場まで舞い戻ってきていた。

放送を聞いたから起こる心変わりや自粛の念にかられたからではない。

支給品、ただそれに興味が沸いたから。自分のバックにはもう一つのアイテムが入っていた。

スターロッド、それはこのバトルロワイアルの場においても最強の力を持つアイテム。強力すぎる為か、はたまたガノンドロフにそれに対する適性が無いのか。その力のほんの一部しか使うことは出来なかったが、その支給品にガノンドロフは興味を持った。

これほどの物が支給されているのならあの男が持っていた物も見ておく価値があると、ただそれだけの為にガノンドロフは足を向けていた。

最もこの男にとってはこの殺し合いの場であってすらも戯れの場でしか無いのだろう。

まるで鼻歌でも歌いそうな程に軽い足取りで道の真ん中を歩く。

それを一人の狩人が狙っていた。

ただ息を潜めて、木々と同化して。人を殺すことを決意した人形はただその薄暗い瞳でガノンドロフを見つめていた。


数分前、放送が流れた時。ジーノはただ静かにそれを受け止めた。

ピーチ、マロ、ヨッシー。それぞれにいろいろな思い出がある。

城を飛び出して、ほとんど無理やり自分たちの旅についてきたピーチ。彼女に治してもらった傷はどれほどあったろうか。

いつも泣いてばかりいたマロ、しかし彼は強かった。本当の父と母に初めて出会い、甘えたかっただろうに自分たちの旅について来てくれた。

ヨッシー、あまり接点はなかったがマリオから良く話を聞いていた。彼の背中に乗ってレースに出たこともあった。リズム感がないといってキノピオに馬鹿にされたのはその時だったか。

自分の鼓膜に届く鈍い音、それが自分が拳を地面に叩きつけている音だと気づいたのは少し経ってからのことだった。

涙は出ない、この体はスターロードを修復するためだけに借りた物だ。

そのような余計な機能はついていない。

それに、

「馬鹿が……ボクには悔しがる資格なんてないだろ……」

ジーノはいつもどこかに余裕を持っていた。それは共にいた仲間から与えられた物か、自身の力によるものか。

それは定かではない。しかし、ジーノは今初めて余裕を失っていた。

ジーノの頭に浮かぶのはマリオや、クッパの顔。彼らはまだ生きている、自分が行けば助けることも出来るかもしれない。

87 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:32:35 ID:zINyd0fQO
しかし、ジーノはその考えを地面な拳を強く叩きつけることで打ち消した。

スターロードの修復、それが唯一自分が果たさないといけないこと。それへの近道は参加者全員の抹殺。

もちろんクッパも、マリオもだ。そういえばマリオの弟なんてのも参加しているらしい。ルイーズだったか、それとも……まぁ……なんでもいいか、それも殺さないといけないな。そこまで考えた所で、近づいてきたガノンドロフに気づき、木の上に隠れたのだった。

先ほどまでの体を休めるという計画はとりあえず中止にしておく、あいつは明らかにゲームに乗った人間だ。それは歩き方で明らかに分かる。

このゲームに参加している者の歩き方は3つに分けられる。

まず1つ目、辺りを警戒する余りまともに歩けない者。これはただの臆病者、そして戦う力が無いもの。このような奴らは協力しても足手まといになるだけである。支給品だけ奪って、殺すのが正しい接触の仕方だろう。

そして二つ目、辺りを警戒しながらもしっかりと自身の目的を持って歩いている者。これが今のジーノには最も扱いやすい人種である。このような性格の者は自分一人ではなかなか生き残ることができないということは理解している。

つまり、打算からかそれとも情からか。まず間違いなくジーノを保護し、治療までしてくれるだろう。

そして3つ目。これは考える上で最も遭遇したくない人種。他者を警戒することなど考えになく、ただ傲岸不遜に大手を振り道を歩く者である。そのような者は邪魔になるものは誰であろうと討ち滅ぼしていくだろう。

ガノンドロフはその三つ目、ただ生き残りたいだけならば接触しないに超したことはない。


ジーノも接触するかどうか一瞬考えるが、たとえ今ここで避けたりしても優勝するにはいつかは乗り越えなくてはならない壁。そしてガノンドロフは傍目に見てもかなりの重傷である。

こちらもかなりのダメージはあるが、戦闘には支障はない。それにこちらには武器もある。

人を殺すには充分すぎる程の武器が。

ジーノは息を潜めて機を待つことに決めた。あの男を殺す。そのことをより確実に行うタイミングを狙うため、ただ今は息を潜めた。
88 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:35:26 ID:zINyd0fQO
自分の頭上から一人のハンターが自分を狙っていることを、ガノンドロフは気づいているのかいないのか、さほど時間もかけずに男の死体の場所まで戻って来ていた。

自らの目の前で死んだ男に敬意を表す気など無いのだろう、足で軽く蹴るように男の死体をひっくり返す。

そして乱暴に背負っていたバックを引き剥がして中身を確認する。

食料や地図など、役にはたつがガノンドロフにとってはどうでもいいとすら言えるような物が出てきた後、最後にゴトリと音をたてて出てきたのは割と大きめの機械が転がりでてきた。

それはガノンドロフは知らないことではあるが、ゲームボーイというゲーム機に非常によく似ていた。

片手で持つには重すぎて、携帯するには大きすぎてポケットになど入るはずもない。

更には白黒で少し暗くなると画面が見えないという、わざわざ携帯する意味があるのかどうかもよく分からない機械。

しかしそれはガノンドロフの興味をひいたのだろう。

スイッチを入れる。そこに浮かび上がったのはこの殺し合いの舞台の地図、更にはいくつかの点とそれを指し示す参加者の名前。

それは首輪探知機であった。このゲームに参加している者達の場所を見ることが出来る者。それを見てガノンドロフは笑みを強めた。

これを使えばリンクやゼルダ姫の居場所も分かる。しかし、ガノンドロフを喜ばせたのはそれだけではなかった。

「ジーノか……」

その声はガノンドロフのすぐ後ろまで飛び降りたジーノの耳には届かなかった。

支給品に注目するガノンドロフを見て、ジーノは最高の攻撃の機会だと思った。

ガノンドロフの注意は今現在こちらに全く注意をはらっていないのだから、そう判断したのも当然だろう。

しかし、それは首輪探知機。その奇襲が成功するはずもない。

銃口を向けたジーノとガノンドロフの視線が交わった。

笑みを浮かべるガノンドロフと驚愕の表情を浮かべるジーノ、反射的にジーノは銃のトリガーをひいていた。

ジーノも銃は少しは使ったことはあるが、このようなマシンガンはそれとは全く感覚が違っていた。

反動で浮き上がる銃口、慌ててそれを抑えこんで銃口がガノンドロフの方を向くようにする。

89 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:36:32 ID:zINyd0fQO
空気が引き裂かれるような音が響いて、それはしばらくしないうちにカタカタという乾いた音に変わる。

弾切れである。やはり焦っていたのだろう、一度に50発もの弾丸を消費してしまった。

立ちのぼる煙の中、人間の血液のあの独特な匂いが充満する。

「ハハハ……やった、殺したぞ……」死だろ」

「そうだな……お前は正しいな。だが、なぜ俺がそれを避けられたと考えない?」

煙が晴れた時、そこには無傷のガノンドロフがいた。右手にはズタボロに引き裂かれた男の死体。

もはや家族であったとしても身元の判別は不可能であろう。

哀れな盗賊の死体は血液にまみれ、内臓が弾け飛び、もはやそれが元々人間だったなどとは想像もできないほど破壊されていた。

普通の神経ならば直視すら出来ないだろう、それをガノンドロフはまるでゴミか何かのように足下に放り捨てる。

90 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:41:27 ID:zINyd0fQO
身構えるジーノ、こちらの奇襲が失敗したのだ。待っているのは直接相対しての戦闘しかありえない。

しかし、

「ジーノだったか?俺は今は気分が良いんだ。見逃してやろう」

そう言って、本当に背を向ける。ガノンドロフにとってはジーノなど殺す価値も無いのだろう。

まるで道端に転がる石ころのように、ただ脇に蹴飛ばしただけ、意識すらされていない。

それがジーノには酷く腹がたった。

「馬鹿にするなぁ!」

ジーノビーム、今までの物と比べても最大出力のそれがガノンドロフを襲った。
それは避けられるタイミングではなかった。

地を這うことしか出来ない人間にとっては。

「焦りすぎは良くないぞ」

面白くてしょうがないというかのように笑いを堪えながら話す声は頭上から聞こえてきた。

ジーノビームは地面を削り、木々を倒し。通常以上の戦果を残した。

しかし、ガノンドロフにとってはそれですらもただの児戯に過ぎない。

魔力消費の激しい今の状態であったとしても未だ余裕に溢れたその表情を、ジーノは強く睨みつけた。

ジーノにとってはそれですらもただの児戯に過ぎない。

魔力消費の激しい今の状態であったとしても未だ余裕に溢れたその表情を、ジーノは強く睨みつけた。

ジーノにとってはガノンドロフは絶対に越えなくてはならない壁。ゲームに優勝するための試練。

互いに消費の激しい身であった二人、今必要なのは時間。

敵を打ち倒すことが出来る程の力を蓄える時間。

しかし、それなのにガノンドロフは前に進んだ。

驚きからか恐怖からか、反射的に後ろに跳ぶジーノ。

91 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:44:13 ID:zINyd0fQO
それだけは絶対に避けないといけない。だからこそジーノは鬼となった。鬼とならなくてはいけなかった。

拳を強く握りしめる。関節のいくつかが壊れる音がした。

しかし、そのようなことは最早意識の外。

ジーノの考えていた事はただ一つ。ガノンドロフを殺す。

ぱちぱちぱち……

そのジーノに聞こえてきた乾いた拍手の音。

それはガノンドロフから聞こえてきた物であった。

「良い目だな、まるで鷹だ。獲物を殺す。そのためだけに特化した者の目だ」

言葉が言い終わる間にガノンドロフの目は変わっていた。

先ほどまでのある種ふざけた部分のあった目からジーノのような人を殺すことを決めた目に。

ジーノは最早何も言わない、何も言う必要がなかった。しばらくの後、どちらかがただの肉片となる。

ならば言葉など必要な筈がない。

「オオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……」

余裕という名前の仮面を捨てたジーノは自身の力を振り絞る為、声をもらした。

強くなった風の音にかき消えそうなその音は、風に紛れる事無くガノンドロフに届いた。

いつしかガノンドロフも構えていた。ジーノを倒すべき敵と定め、両手にエネルギーをためる。
92 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:46:02 ID:zINyd0fQO
エネルギーの絶対量で言えばジーノはガノンドロフにかなう筈もない。

しかし、近距離での戦闘。それはジーノの方が上だった。

ジーノは手に持っていた銃をガノンドロフに山なりに投げる。

思わず視線で追ってしまうガノンドロフ、それも当然であろう。先ほど自分の命を奪いかけたそれを完全に無視することなど出来る筈がない。

その間にジーノはガノンドロフのすぐ近くまで接近した。

ボクシングのインファイトのその距離よりも尚近い。

この距離では殴りかかる事すら出来ないだろう。

人を殴る為には予備動作というのが必要なのだから。しかし、ジーノにはそれは必要ではない。

ロケットパンチ、これを知らない者はいないだろう。幼稚な印象があるその攻撃は、絶対的な威力を持ってガノンドロフの腹に突き刺さった。

衝撃により吐き出した唾液と共に赤黒い血液がジーノの顔につく。
93 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:48:18 ID:zINyd0fQO
ジーノは右手を元の場所に戻し、更に左手を同じ様に構える。

しかし、ガノンドロフに二度同じ攻撃が通用する筈もなかった。

多数対多数、または多数対1の戦いに慣れたジーノにとって1対1の戦いに対しての経験が殆どない事が災いした。

頭を掴まれ持ち上げられるジーノ。

小柄なだけにいとも簡単にその体は持ち上げられた。

「残念だったな」

ジーノの腹にガノンドロフの左手に集められたエネルギーが叩きつけられた。

弾け飛ぶ木片。通常の人間ならここで死んでいただろう。

しかし、ジーノはこの体が本体ではない。

「残念だったのは……君の……方だよ……」

ジーノカッター、至近距離から襲ったその刃はガノンドロフの首をかすめるだけに終わった。

しかし、その流れ出る血液はあっという間に首から下を赤く染める。

常人ならば気を失っても可笑しくないという状況の中、ガノンドロフは笑った。

けたたましい笑い声の中、ジーノを殴った。殴った。殴った。もはや双方ともに以前の面影など残していない、ジーノの顔面は砕け、ガノンドロフは威厳などはなく、ただの盗賊として。

「ボクハ………マケル……ワケッッ」

ジーノの口の中に拳が突っ込まれた。

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

そのまま口から上を力づくで剥ぎ取る。

木で造られたそのボディは風に当たられカタカタと音をたてる。

もはや人形としての体裁を保ってもいない。

ガノンドロフはそれ、ジーノだった物を蹴り飛ばす。
94 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:52:19 ID:zINyd0fQO
それは地面に打ちつけられ、最後に木にぶつかり止まる。

その人形の口元が確かにこう動いたようにガノンドロフには見えた。

『ジーノビーム』

避けなくては、ガノンドロフはそう思うが避けられない。大量の出血からか、足がもつれて地面に転がる。

それは確かにガノンドロフの生涯初の恐怖であった。

しかし、ジーノが構えた銃からはビームどころか一陣の風すらも起こらなかった。

ジーノは死んでいた。

最後まで銃をガノンドロフに向けて、ジーノの決意はガノンドロフのそれを上回っていた。

しばらくして、ガノンドロフは立ち上がる。

気を抜けばふらつきそうになるその足取りをしっかりと踏みしめて、ジーノの眼前に立つ。

そして、躊躇うことなくそのボロボロになった人形に踵を踏み下ろした。

何度も、執拗に繰り返したそれはジーノが原型を留めなくなった所で終わった。

ガノンドロフであってすらも体力が尽きたのだろう、自身の服の袖を引きちぎり首を強引に止血したところで地面に座り込んだ。気を失う事はガノンドロフの誇りが拒否した。

ジーノをにらみつけながら木の根っこの部分にもたれかかった。

体力は限界を既に通りこしているだろうに、その目の力だけは尚強く。

バトルロワイアルの時はふけるのだった。
95 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:54:32 ID:zINyd0fQO
【一日目、昼】

ガノンドロフ@ゼルダの伝説

健康状態:徐々に回復中、魔力消費大、重傷、貧血、しばらくは殆ど動けません

武装:なし

所持品:首輪探知機、空の瓶、スターロッド@星のカービィシリーズ(かなりの制限がかかっています、能力としてはスマブラに出てきたスターロッドくらい)
現在位置:I-10

第一行動方針:ゼルダ姫、リンクの所に向かう

第二行動方針:支給品を集める

第三行動方針:ゲームの優勝

最終行動方針:全世界を自分の物に

備考:支給品に興味を持ちました。

ジーノが持っていた物はその場に放置されています。

ポケッチは流れ弾に当たって壊れました。

首輪探知機はマップの全域が表示されています。しかし、暗いところでは確認出来ません。電池は電源をつけっぱなしにしておいても3日間は切れません。

【ジーノ@マリオRPG 死亡確認】
96 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/05(木) 00:56:50 ID:zINyd0fQO
いきなり投下してしまって申し訳ないです。

タイトルは『決意』です。

97ゲーム好き名無しさん:2008/06/05(木) 21:13:29 ID:8tXyifv30
乙。
ここでジーノが逝ったか。
マーダーの数が一気に少なくなったけど、ルイージ、リュカ、ガノンと残ってるマーダーが凶悪すぎるので楽しみです。
98ゲーム好き名無しさん:2008/06/07(土) 23:11:24 ID:nKPRrHxd0
ジーノ死す
99ゲーム好き名無しさん:2008/06/08(日) 08:27:32 ID:b/xojBFsO
100ゲーム好き名無しさん:2008/06/08(日) 15:51:27 ID:KBosihIv0
ガノンかなり重傷か
101ゲーム好き名無しさん:2008/06/08(日) 15:58:43 ID:/p2MPm/x0
そう言えば、ダスターの時も自爆特攻であわや相打ちと言う所まで持ち込まれたな。
トライフォースの力で回復が早いとは言えガノンも流石に暫く出番なしかな?
102ゲーム好き名無しさん:2008/06/09(月) 05:22:06 ID:UYpJ48ZJ0
任天ロワって3年近く前からあったよな?
半年くらいで過疎って終わったかと思ってたんだがまだ細々続いてたのな
スマブラが発売した後ちょっと盛り返したとか?
103ゲーム好き名無しさん:2008/06/10(火) 09:50:54 ID:8lfN3q7/O
>>102
全然盛り返してません><
104ゲーム好き名無しさん:2008/06/11(水) 22:49:08 ID:q0qap6fC0
一時期よりは予約増えたけどね。
スマブラ発売後はむしろ完全停止状態だった。
105ゲーム好き名無しさん:2008/06/12(木) 15:09:54 ID:P7t8zcTEO
というか、「盛り返す」以前にそもそもそんなに栄えてた時期自体(ry
まったりとでも続いてるのは嬉しいけどね。たまにくる投下や予約を楽しみにして気長に通うのも良いものだ
106ゲーム好き名無しさん:2008/06/12(木) 16:43:13 ID:b6m+t5g00
そういやマーダーが一気に減ったな。
マルクとジーノが死んじゃったし。
ミュウツーとブラックシャドーは改心したし。

まあ、リュカがその分殺しまくるんだろうけど。
ガノンも何気に成績いいな。
107ゲーム好き名無しさん:2008/06/13(金) 02:04:18 ID:pfkG0TgOO
>>105
確かにあまり変わってないっちゃ変わってないかもなw
たとえどんなにゆっくりでも、ある意味それなりに安定したペースで更新されてるのは良いよね

>>106
改めて考えるとそうだなぁ…一時的は「マーダー多杉じゃね?」と言われていたくらいだったが
時間を進めるのをもう少し早くすればあるいは…とも思ったが、それはそれで別の問題あるだろうしな
108ゲーム好き名無しさん:2008/06/13(金) 02:42:26 ID:X1o1NM5X0
ていうかマップ広すぎじゃね?
109ゲーム好き名無しさん:2008/06/17(火) 21:34:52 ID:fQaX/wwU0
ナイトメア・マザーブレイン「出番を待ちつつ保守させてもらおう。」
110 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/18(水) 01:15:14 ID:JNKf1P83O
質問ですけど、ウルフとクリスタルって面識あるんですか?

後、ナイトメアの性格とかが分かるエピソードとかセリフとか教えてくれませんか。
111ゲーム好き名無しさん:2008/06/18(水) 22:39:51 ID:zu0lx9+M0
ググレカス
112ゲーム好き名無しさん:2008/06/20(金) 14:11:02 ID:rlki3t3AO
スタフォやったこと無いからわからん
Wikiやストーリーを教えてもらうスレのまとめサイトを読んでみてはどうだろう?
頑張って
113ゲーム好き名無しさん:2008/06/20(金) 15:17:53 ID:TgKloSooO
>>110
アサルト最終面、スターウルフ全員でフォックス達を援護射撃していたので会ったことはある。
114ゲーム好き名無しさん:2008/06/20(金) 18:15:10 ID:UwWkfHTH0
ウルフとクリスタルはセックスしてるよ
115ゲーム好き名無しさん:2008/06/20(金) 22:08:05 ID:EZvBLvNoO
>>114
アレってしてたっけ
勢いでやりそうではあるが
116ゲーム好き名無しさん:2008/06/22(日) 22:24:26 ID:376fkKviO
>>114-115
待て、それは何処の話だ
117ゲーム好き名無しさん:2008/06/22(日) 23:39:13 ID:NKp0UL4z0
コマンドのエンディングの一つで
ウルフとクリスタルの子供が出来るっていうのがあったような
118ゲーム好き名無しさん:2008/06/23(月) 17:54:02 ID:ptOOrCYG0
>>117
そのエンディングはない。
フォックスとクリスタルの子供が出てくるエンティングはある。

クリスタルとウルフが結婚したら
フォックスとパンサーがルイージやリュカ以上に狂いそう。
119ゲーム好き名無しさん:2008/06/23(月) 18:14:21 ID:VhZkEFIF0
>>118
なかったっけ?
子供が出来たの→やったなクリスタル!→でもウルフのかも
ってのがあったような
120ゲーム好き名無しさん:2008/06/24(火) 22:57:04 ID:/Sfegrng0
コマンド全クリしたが、そんな昼ドラ真っ青エンドはなかったハズ…
そして、ココまで完全に話題スルーされているナイトメア哀れ。
121 ◆ZqxRMEDNEs :2008/06/29(日) 00:24:26 ID:tRXWcPGEO
クリスタル、メタナイト、ディディー、リンク、スリッピー、ウルフ、ピット、マリオ、クッパ、ミューツー、レオン、サムス、Dr.クライゴア、ナイトメア、カジオー予約。

122ゲーム好き名無しさん:2008/06/29(日) 07:23:15 ID:ONXrQcoC0
何ィィィィィィィィィ!?なんだこの大人数予約(しかも主催者含む)はッ!?期待
123ゲーム好き名無しさん:2008/06/29(日) 07:52:50 ID:IRHZb6TJO
微妙に心配でもあるが……でももう中心部は一度に大人数予約するほかないんだよな
124ゲーム好き名無しさん:2008/06/29(日) 12:31:59 ID:HAGm859j0
予約すげぇ…がんばれ
125ゲーム好き名無しさん:2008/06/29(日) 12:55:22 ID:j7VH5zWk0
遂に主催者が何か動きを見せだす!?期待して待っています。
126ゲーム好き名無しさん:2008/06/29(日) 13:31:44 ID:VePsBi2A0
ミューツーじゃなくてミュウツーだよ
127ゲーム好き名無しさん:2008/07/06(日) 21:18:04 ID:B1X46eus0
って、もう一週間経っちまってるし
128ゲーム好き名無しさん:2008/07/07(月) 22:57:42 ID:ZK1eEbeV0
そう言えば前スレで ネス、プーを予約した ◆ilZClmYqFI さんは何処に?
129ゲーム好き名無しさん:2008/07/08(火) 17:55:07 ID:YzdlnWXCO
今までは普通に投下してたよな?
何かあったのか
130ゲーム好き名無しさん:2008/07/09(水) 23:22:47 ID:5ttizJz50
まだ落ちてないんだな、このロワ。
ちょっと意外。
131 ◆d94UUrJtFg :2008/07/14(月) 07:19:10 ID:Uua0eI30O
2ヶ月前ルイージとピグマのSS書いた者ですが、
同時に2つのSS予約してよろしいでしょうか?
よかったら一つは
クマトラ、メタナイト、ディディーを予約して
もう一つは
マリオ、クッパ、ミュウツー、マルス、ゼルダを予約したいんですが、
132ゲーム好き名無しさん:2008/07/14(月) 20:44:55 ID:y6uzYwkO0
 ◆ZqxRMEDNEsさんが予約しているけど、現在行方不明だからね…?
どうしましょう?
133 ◆d94UUrJtFg :2008/07/15(火) 07:41:05 ID:4u8OMJinO
あの、両方完成させてしまいましたんで、
明日までに反論レスがなかったら御勝手ながら乗せていただきますがよろしいでしょうか?
134ゲーム好き名無しさん:2008/07/15(火) 13:09:09 ID:2N6k9yzC0
どうせ予約ないんだ、構わんからこのまま一気に行ってしまえっ!期待
135 ◆ZqxRMEDNEs :2008/07/15(火) 16:16:56 ID:X3GsdaEhO
すいません、途中までは書いたんですけど、最後まで書き切れませんでした。

予約は破棄するので投下してください
136 ◆d94UUrJtFg :2008/07/15(火) 23:00:56 ID:4u8OMJinO
ありがとうございます。
ごちゃごちゃにならないようにまず明日の昼3時くらいに一つ目、明後日の昼3時くらいに二つ目を投下します。
137ゲーム好き名無しさん:2008/07/16(水) 01:10:34 ID:kJtVONKbO
>>135
乙。
良かったら避難所にでも投下してくれ
どんなんだったのか読んでみたいよ
138 ◆ZqxRMEDNEs :2008/07/16(水) 01:28:27 ID:tOo1zX2XO
それじゃ消すのももったいないんで中途半端ですけど避難所に投下しときますね。
暇つぶしに読んでください
139 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:38:42 ID:Xv9+S2/pO
クマトラ、メタナイト、ディディー投下します。

タイトルは

信じたくない虚実

です。
140 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:41:22 ID:Xv9+S2/pO
「…逃げられたか…」

メタナイトは背を向けて逃げていく奴(クリスタル)を後ろ目に言った。



「…ディディー、もういいだろう。起きろ」

「…うーん…」
水を顔面にかけたら簡単に目が覚めた。

「…貴様はこの二人の死体を外に運び出し埋めてやれ…」

メタナイトは死んでしまった二人に対してせめてもの情けで埋葬してやろうと思っていた。
ディディーはとりあえず無言で頷き、デデデとディクシーの二人を必死こいて担いで外へと歩き出した。

メタナイトはこの後どうすべきか考えていた。



まずはまだ生きているあの女を起こしてみることにしよう。



「…おい、大丈夫か」
女を少しつついてみた。

女はすぐに起き上がった。
「一体なんなんだよ」
「…大した怪我ではないようだな」
「ってかここは何処なんだよ!」

どうやら寝ぼけているみたいだ。起こしてやるか。

「…これがバトルロワイアルというものだ」

女は突然ハッと気づいたような表情をした。

「そういえばそうだったな。
すまん、少しだけ頭の中を整理させてくれ」
「ああ」





141 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:42:24 ID:Xv9+S2/pO
─────





2分後、ディディーが戻ってきた。
「終わったよー」
「そうか、ご苦労」

「よし、状況は整理できた」
どうやら女も状況を整理できたようだ。

女は自分達の前に歩いてきて言った。
「とりあえずいろいろ聞きたいことはあるんだけど…」



そして互いの間に沈黙が訪れ、再び女は口を開いた。



「お前ら誰なんだよ!!」

聞くのが遅すぎる。よく今まで違和感なく接していたものだ。

だが、あえてつっこまず自己紹介をした。

「私はメタナイトだ。そしてこいつが」
「ディディーだよ!」

「ディディー?そういえばディクシーにどこか似ているな。その…知り合いとか何かか?」
「そうだけど…」

「そうか、オレの名前はクマトラ。よろしくな。
そういえばディクシーとクリスタルはどうした?」

「それが…その」
ディディーは突然うつむきだした。

「お、おい、どうしたんだよ。なんか悪いこと言ったならすまない」

142 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:43:29 ID:Xv9+S2/pO
「…ディクシーは死んだよ」
ディディーが涙しながら言った。

「…は?」
「ディクシーはクリスタルという奴に殺されたんだ」
「ク…クリスタルが!?」
「そうさ。ぼくらが少しでも遅れていたらキミもクリスタルに殺されていたかもしれない」

「オレが…殺されかけた…クリスタルに…!?」
「そうさ」

ディディーとクマトラの会話は続いた。


─────


「まさかな。あいつがオレを殺そうとしたとは信じがたい。見間違えたんじゃねえのか?」

そう思いたかった。クリスタルは簡単に人を殺すような奴ではないと、

どうやら目の前にいるディディーとメタナイトの話によると自分は気絶していたようだ。

しかし、どうも気絶する前の記憶が曖昧でよくわからない。
もしかしたら自分はクリスタルにやられて気絶したのかもしれない…

だとしたら………





いや、そう思ってはいけない。
自分はかつての仲間を信じたい。
だが、これは場の問題である。
この場が日常だったら自分はクリスタルを信じることができただろう。
しかし、今の場はバトルロワイアルという名の殺し合いの場なのである。

143 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:44:36 ID:Xv9+S2/pO
ゲームに乗る奴には、
ただひたすら参加者を殺し続ける奴もいれば、
ゲームに乗っていないふりをして信用した相手を利用したり裏をかいて殺したりする奴もいる。

クリスタルはまさしくその仲間の裏をかいて実はゲームに乗っているのかもしれないということになるのだ。



クリスタルには悪いが、今はディディーの話を信用することにする。
当の本人がいないのだから。


だが…


「ディディー、オレはクリスタルを最後まで信じたいと思っているぜ」





144 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:45:34 ID:Xv9+S2/pO
【H−5/昼】
【仲間を探し隊:メタナイト&ディディー&クマトラチーム】
共通思考
廃校に行き、上記の仲間を探す。廃校で上記の仲間と合流、もしくは発見出来なかった場合、病院に向かう。

【名前:クマトラ@MOTHERシリーズ】
健康状態:頭部負傷、左胸が少し痛い(戦闘には影響は無い)、PP消費中
武装:コルト・ハイウェイパトローマン@実在兵器/残り0発(予備弾1発) 
所有物:支給品一式×3、イサカM37@実在兵器/弾切れ、シャトー・ロマーニ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面(残り250cc)、ナマクラヤイバー@マリオストーリー(装備していない)、リュカの服、武器0〜3(本人確認済み)
現在位置:H5
基本行動方針:リュカたちを探す
第一行動方針:クリスタルを信じたいけれど今は警戒する
第二行動方針:ディディー、メタナイトと共に行動
第三行動方針:もう誰も悲しませたくない
第四行動方針:リュカたちを探す
第五行動方針:リュカから学校の事を聞き出す
最終行動方針:ゲームを潰す】
備考:クリスタルをマーダーと認識していますが、そうでないで欲しいと思っています。

145 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:46:12 ID:Xv9+S2/pO
【名前:メタナイト@星のカービィシリーズ
健康状態:良好、若干不安。
装備:コキリの剣@ゼルダの伝説 時のオカリナ
所持品:支給品一式
現在位置:H5
思考:精神を保てている奴だけじゃない筈だ……。
第一行動方針:これからどうすべきか考える。
第二行動方針:クマトラには悪いがクリスタルに警戒する。
第三行動方針:上記の仲間、もしくは脱出の為に必要な技術を持つ仲間を探す。
第四行動方針:廃校に仲間と合流、もしくはいなかった場合、病院に向かう。
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:参戦しているのはゲーム版のメタナイトです。クリスタルをマーダーと認識しています】

146 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:46:47 ID:Xv9+S2/pO
【名前:ディディーコング@ドンキーコングシリーズ
健康状態:腹部負傷
装備:海賊のお守り
所持品:支給品一式
現在位置:H5
思考:
第一行動方針:クマトラの言葉に疑問。
第二行動方針:こうなったらクリスタル本人に聞くしかない(だが警戒するに変わりなし)。
第三行動方針:まだ見ぬ上記の仲間を探す。
第四行動方針:廃校に仲間と合流、もしくはいなかった場合、病院に向かう。
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:クリスタルをマーダーと認識しています】
147 ◆d94UUrJtFg :2008/07/16(水) 14:47:49 ID:Xv9+S2/pO
これで投下終了です。
矛盾点などがあったら指摘お願いします。
148ゲーム好き名無しさん:2008/07/16(水) 21:18:33 ID:bGGyFPpg0
乙。
嗚呼、勘違い、メタナイトの中ではデデデはそこまで悪どい人と言うイメージはないからな…
運が悪いのはデデデの一撃でクマトラの記憶が一部吹っ飛んでしまった事
それが無ければ誤解されなかったのに。でもクマトラは信じてくれているからね。

明日の投下も期待。
149 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 18:22:44 ID:zLhUpNDeO
遅れました(;>_<)
マリオ、クッパ、ミュウツー、ゼルダ投下します。

タイトルは

昔の敵は今の友

です。

※都合上修正した結果マルスが入らなくなってしまいました。
150 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 18:23:27 ID:zLhUpNDeO
「マリオ、これからどうするのだ?」

「ん?…まぁクッパを抑えるのに力使っちまったからなぁ。少し休むか」

「何!?我輩を悪く言うのか!」

「お前が勝手に暴走するからだろ!」

「いや、あれは我輩が知らぬうちに…」

以前の血で血を洗うような争いが今となっては笑い話にもなってしまう。
大惨事が未遂に終わったらどんな恐ろしいことでもこんなに笑いあって話しあえるものなのか…

ミュウツーはそんな二人の会話に興味を示したかのように割り込んできた。

「知らぬうちに…?自分の力をコントロールできないとは未熟だな」

「ミュウツーまで我輩を馬鹿にするか!」

「はははっミュウツーも面白いこと言うじゃねえか!」

「そう言うお前も私がいなかったら呆気なく死んでいたがな」

「な…!?」

「ガハハハ!!マリオも人に言える立場じゃあねえや!」



決して表情には表さなかったが、ミュウツーにとって二人とこんなに面白おかしく会話できることをこの上なく嬉しく思っていた。



─────
151 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 18:24:28 ID:zLhUpNDeO



「だいたいクッパが暴走するから俺が死にかけたんだろ!?」

「うるさいわ!お前は我輩が暴走したくらいでやられるような奴じゃあねえだろ!」



まだ続いているのか…とミュウツーもそろそろ呆れてきた時だった。

ミュウツーは人の気配に気づいた。

「人間…人間がいる」

「なに!?誰かわかるか!?」

「ああ、あの人間だ。クッパと共にいた」

「シークか?シークなのか!?」
クッパは大きく反応した。

「そうだ」


クッパは大声をあげた。
「おーい!!シーク!!我輩だ!!クッパ軍団隊長クッパ様だ!!我輩はたった今!!ミュウツーを部下に加えることに成功した!!だから安心して戻ってこーい!!」

耳鳴りがするほどの大音量が辺りに響いた。

するとシークはこちらに気づいたかのように走ってきた。



─────
152 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 18:25:56 ID:zLhUpNDeO



「結局何もしないで戻って来ることになるとはな」

「まあ過ぎたことは気にしない気にしない!ガッハッハッハ!」

シークとクッパが親友のように話していた。
そこにマリオも入ってくる。

「なるほど、お前も悪い奴じゃあないようだな」

「貴方は」

「俺はマリオ。クッパの永遠の宿敵さ」

「この状況では隊長と部下の関係だがな!」

「いつから俺がお前の部下になった」

「我輩はそういう予定だったんだ!」


「宿敵という割には仲がいいことで」

「まあこいつは度々悪戯はするものの根は悪い奴じゃないからな」

「いつか本当に悪いことしてやろうか?」

「やってみろ。すぐに懲らしめてやるぜ」


三人の会話は実に楽しそうだった。だが、その輪に入れないでいる者が一人いた。

ミュウツーである。

彼には輪に入りずらい理由があった。

かつて自分が殺そうとした人間、シーク。

シークは自分を敵視していないだろうか。それが心配だった。

153 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 18:26:55 ID:zLhUpNDeO
今まで自分になかった感情が一気に表現されてくる。

それはマリオという名の人間に会ってからであろうか。
いや、アイツーの時も同じ感情を持っていたのだろう。

ミュウツーは昔を懐かしく振り返っていた。





「どうしたんだ?お前も輪に入れよ」
マリオの声だった。
この人間はかつて人間を憎んでいた自分を誘ってくるのである。

「まさかあのことで輪に入れないでいるのか?安心しな。私はもう気にしてはいない」
シークも声をかけてきた。かつてシークを殺そうとした自分に対して…だ。

「私を許してくれるのか…?」

「貴方も元々悪い者ではないようだしな」

「そうか…すまない」





ミュウツーはだんだん自分に心を開いていけるようになってきた。



それもこのゲームにおいて自分に心を開かせてくれた人間のお陰だろう…





154 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 18:27:38 ID:zLhUpNDeO
[D-8/日中]
【新生クッパ軍団:クッパら4人チーム】

名前:クッパ@スーパーマリオシリーズ
健康状態:健康
武装:なし
所持品:ギガクッパのフィギュア@大乱闘スマッシュブラザーズ
現在位置:D-8
第一行動方針:ピーチ姫をさらってやるぞ
第二行動方針:クッパ軍団をもっとどんどん大きくしてやるぞ
最終行動方針:主催者達なんて我が輩が倒してやる
備考:ギガクッパ化の間の記憶は曖昧。放送は前回の話で書かれていなかったのと、状況から聞き逃したものとしています。

名前:マリオ@スーパーマリオシリーズ
健康状態:軽度の疲労、行動には支障なし
武装:デスビーム
所持品:デクの実@ゼルダの伝説
現在位置:D-8
第一行動方針:他の人も助けたい
第二行動方針:まだ残っている仲間を探す
第三行動方針:多分マーダー化しているルイージを説得する
最終行動方針:ゲームを潰す
備考:ディディ、メタナイト、ロイ、ドロッチェをマーダーとして誤認識しています。

155 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 19:02:25 ID:zLhUpNDeO
名前:ミュウツー@ポケットモンスター
健康状態:疲労大、疲労のの為、しばらくの間殆どの技を使うことが出来ません。
武装:なし
所持品:技マシン(破壊光線)@ポケットモンスター
現在位置:D-8
基本行動方針:自分のやるべきことを見つける
第一行動方針:決めてません、マリオとクッパ、ゼルダ(シーク)に全面的に従う予定です。
最終行動方針:まだ決めていません、マリオ達を見守りながら見つけるつもりです。
備考:技マシンには相性が合わなくてはいけないので使える人は限られます。

名前:ゼルダ@ゼルダの伝説
健康状態:疲労、シークに変身中。
武装:マスターソード@ゼルダの伝説
所持品:支給品一式
現在位置:D-8
第一行動方針:マリオ達と行動する。
第二行動方針:できればリンクを探す。
最終行動方針:ゲームの阻止。
備考:ガノンドロフのことは忘れています。
156 ◆d94UUrJtFg :2008/07/17(木) 19:03:35 ID:zLhUpNDeO
これで投下終了です。
こちらも矛盾点やアドバイスがあったらお願いします。
157ゲーム好き名無しさん:2008/07/18(金) 18:34:42 ID:nQ+8YPlw0
でもやっぱりミュウツは殺戮者ポジションでいてほしかった…
158ゲーム好き名無しさん:2008/07/21(月) 21:29:08 ID:rCHyMUWS0
同感
159ゲーム好き名無しさん:2008/07/21(月) 21:55:15 ID:JZRufqBy0
まぁ、今後どう転ぶかわからん。それは全てストーリー次第。
160ゲーム好き名無しさん:2008/07/22(火) 19:01:47 ID:No97AQDT0
ポケモンしか破壊光線つかえないの?
161ゲーム好き名無しさん:2008/07/23(水) 17:34:51 ID:w6zIt8sy0
がんばりゃポケモン以外の怪獣系も使えそうな気もしなくない
162ゲーム好き名無しさん:2008/07/23(水) 18:13:47 ID:XgbHetMa0
じゃあギガクッパが使えるかもしれないということだなwwwww
163ゲーム好き名無しさん:2008/07/23(水) 18:19:58 ID:9jbh3NS/0
164ゲーム好き名無しさん:2008/07/24(木) 21:21:19 ID:MrnT1St/0
そういやクッパ、まだピーチが死んだことを知らんのだな
どうするマリオ

いやほんと、ピーチは惜しかったわ
この二人をはじめとする美味しいフラグ抱え込んでるのに、一話で自殺ズガンて
165ゲーム好き名無しさん:2008/07/25(金) 19:43:51 ID:ZDutkKkr0
サトシやタケシが知るカスミとは似て非なるカスミ
シリカやデデデの知るメタナイトとは似て非なるメタナイト
メタナイトの知るカービィとは似て非なるカービィ
美味しいフラグが惜しいフラグになってしまった例は数多い。

でも、残念ながら終わってしまったフラグを嘆いてもしょうがないんだよな…。
166ゲーム好き名無しさん:2008/07/28(月) 19:37:04 ID:mGMa6Xxd0
それにしても自殺はないわとオモタ
167ゲーム好き名無しさん:2008/07/28(月) 21:42:39 ID:UCZYRyB+0
お前ロワは初めてか、力抜けよ
168ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 19:39:26 ID:Qp9crU8kO
今日の献立

ご飯に買ってきたカツオを載せて醤油とマヨネーズをぶっかけるだけ
早いし旨い
お酒も旨い
169ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 19:40:45 ID:Qp9crU8kO
誤爆orz
170ゲーム好き名無しさん:2008/08/07(木) 17:33:57 ID:/TsY7cNV0
誤爆ふいたw
171ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 17:11:16 ID:bY9apesu0
wikiみつけていっきに読んだ。面白いな
172レッドナイト卿&レマネ:2008/08/08(金) 23:00:18 ID:XYjUqdVm0
はじめましてレナイトです
読み返してみると好きなアドちゃんが死んでたんで次はサトシ(闇をきたいしたが
ロイのフライパンごときで死亡ww雷うけても死なない子なのにww フライパンは最強の武器というからねえ
レマネ「私がでていたら願いは全員いきかえって主催はだまれぶちころすぞ!!」 それにしてもアドが死んだこと以外おもしろいです、なぜか僕は闇サトシに期待してたぜww では^^
173名無しさん:2008/08/08(金) 23:59:48 ID:zlFzhM6pO
投下してみたいけど怖くて出来ないわ
174レッドナイト卿&レマネ:2008/08/09(土) 16:52:41 ID:SMff5bqO0
リュカは怖いなあ アドとかカービィとか殺してるし(リュカに恨みが増えた(アドの仇かww
リュカの願いはきっとお母さん、クラウスを復活させる  主催者を殺す(ポーキーがいるから
レマネ「主催全員、僕の部下じゃないか(え」
今殺しランキングキャラ1位はリュカですね
ピーチがしんだってクッパきづいたら自殺するかもしれないな糞がm・・クッパは
ミュウツーやさしくなったなあ さてこのキャラの中で全員を復活させたいのはだれだろ
リュカ、ルイージは大切な人しか復活させないだろう(願いで クマトラ大丈夫かな、リュカは人を殺しまくってるぞ アシュリー死因わろたwwこーひー牛乳かえせww
175ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 18:01:30 ID:5rfxZOD9O
176ゲーム好き名無しさん:2008/08/11(月) 16:45:37 ID:Gg//5fF70
クリスタル「ひどい誰がファルコを・・・」
クマトラ「俺」
177ゲーム好き名無しさん:2008/08/13(水) 23:18:25 ID:XuddnIj5O
なんか厨が出て来たな
178ゲーム好き名無しさん:2008/08/14(木) 03:19:39 ID:yrK/ERvI0
ミュウツーはポケスペの印象が強いから
むしろ敵役だと違和感を感じる様になってしまったこの頃。
179ゲーム好き名無しさん:2008/08/17(日) 19:19:31 ID:Ex04WPRp0
なんだこの香ばしい子は
180ゲーム好き名無しさん:2008/08/22(金) 21:51:27 ID:mb6jHoCm0
…保守。
181ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 22:51:49 ID:mBOpiBmf0
8月も終わるので保守。
182レッドナイト卿&レマネ:2008/09/05(金) 17:27:37 ID:shQK6mx80
主催者を倒すというのは無謀かもしれない
得にナイトメア=カービィしか倒せない
もし生き残って主催をフルぼっこしようとしてもナイトメアには勝てない
書く人はどうするんだろ・・・
183ゲーム好き名無しさん:2008/09/05(金) 17:50:56 ID:kJggT0Mc0
あ痛たたたたたたたた…
184レッドナイト卿&レマネ:2008/09/05(金) 18:57:17 ID:shQK6mx80
どうしたの??
あ〜アドレーヌ好きの僕に10000ダメージはおいといて

全員の1人のだれかにスターロッドあるかな?? なかったらおわたですね
ナイトメア粉砕できないww
185ゲーム好き名無しさん:2008/09/06(土) 00:24:37 ID:9GpXE/260
ガノンか誰かがもってなかったっけ
186ゲーム好き名無しさん:2008/09/06(土) 02:36:28 ID:nqR9+I2Z0
星野死なせてどうすんのさ にんてんキャラで唯一サムスと張り合えるんだぞ
リュカはネスとの絡みが過去ログ見てない俺には楽しみだ   
187ゲーム好き名無しさん:2008/09/06(土) 02:56:48 ID:H3tZAGaaO
Wiki見ろよ
188ゲーム好き名無しさん:2008/09/06(土) 12:22:10 ID:nqR9+I2Z0
wiki見てきた
星野はアニメから、デデデもアニメからか、面白い
ゲームからだと武器無しでも性能やばいからかな
なんにせよ職人さんgj 
189レッドナイト卿&レマネ:2008/09/06(土) 16:15:48 ID:2iyJucf40
アドレーヌもカービィにたいして いいフラグもってたのになあ
天国でアドレーヌはどうなってんの
アドレ「バーロー このスレのアドレーヌは天国だが他のところのアドレーヌは生きてるさ」
へえ〜  サトシに闇モードがあってもおもしろかったと思う
そしたら バーンうるさいがww
190 ◆d94UUrJtFg :2008/09/08(月) 07:42:57 ID:fGFf+BsgO
>>139>>149を投下した者ですが、wikiの管理って機能しているんですか?
あまり機能していないようでしたら荒れたりしないように自分が管理人代理を務めたいと思うのですが。
あと、新しく予約(今のところネスあたり)して宜しいでしょうか?
勝手な質問すみません。
191ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 13:24:16 ID:cwv/I0OXO
◆ilz氏の確認がとれない以上大丈夫だとは思うけど
192レッドナイト卿&レマネ:2008/09/08(月) 17:16:00 ID:pT9jYXgo0
そろそろリュカとネスを戦わせたら面白そうww
師匠vs弟子の夢の対決(スマブラxでは1回やったけどね
そういえばアドとアドレーヌって同一人物なのかな?? 最終鬼畜:ちがうかったら妹の仇でリュカ殺す
それにしてもクッパ馬鹿だなww(こんな殺し合いの中で馬鹿なことしてやがるww
193ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 20:08:41 ID:AhwGlXwV0
リュカとネスは師匠でも弟子でもない件
194 ◆d94UUrJtFg :2008/09/10(水) 06:57:49 ID:yZtVpqxxO
>>191少し確認とってきます
あと、>>192>>193、sage推奨な
195 ◆d94UUrJtFg :2008/09/10(水) 07:28:22 ID:yZtVpqxxO
スレ内のSSも含め、現在の状況を整理

3/7【マリオシリーズ】○マリオ・マリオ/○ルイージ・マリオ/●ピーチ/○クッパ/●マロ/●ジーノ/●ヨッシー
2/5【メイドインワリオシリーズ 】●ワリオ/●モナ/○9ボルト/●アシュリー/○Dr.クライゴア
3/8【カービィシリーズ】●カービィ/○メタナイト/●マルク/○ドロッチェ/●デデデ/○スピン/●アドレーヌ/●シリカ
1/3【ドンキーコングシリーズ】●ドンキー/○ディディー/●ディクシー
3/3【ゼルダの伝説シリーズ】○リンク/○ゼルダ/○ガノンドロフ
1/1【メトロイドシリーズ】○サムス
4/9【スターフォックスシリーズ 】●フォックス・マクラウド/●ファルコ・ランバルディ/○スリッピー・トード/●ペッピー・ヘア/
○クリスタル/○ウルフ・オドネル/○レオン・ポワルスキー/●パンサー・カルロッソ/●ピグマ・デンガー
6/9【MOTHERシリーズ】○ネス/●ロイド/○ポーラ/○ジェフ/○プー/○リュカ/○クマトラ/●ダスター/●ボニー
1/3【F―ZEROシリーズ】●C.ファルコン/●ブラックシャドー/○サムライゴロー
2/5【ポケモンシリーズ】●サトシ/●カスミ/●タケシ/○ピカチュウ/○ミュウツー
2/4【FEシリーズ】○マルス/●シーダ/○ロイ/●リリーナ
2/4【レトロゲーム】○ピット/●ポポ/●ナナ/○鷹丸
196ゲーム好き名無しさん:2008/09/11(木) 22:14:41 ID:EY3UJn620
にんてん、イヴあたりをジョーカーとして入れてもよさそうだった 
ジョーカーは途中参加できないの?
197 ◆d94UUrJtFg :2008/09/12(金) 01:05:52 ID:MZcKeXIuO
>>196
新キャラ追加は荒れる原因になるから×
なので既存のルイージかリュカあたりをジョーカーだったことにするか、ジョーカーなしにするかのどちらかで
198ゲーム好き名無しさん:2008/09/15(月) 19:01:28 ID:r6RbI5ak0
ここまでWiki更新終了。。
久しく更新してないと大変な事になるってのを思い知った・・・。

まぁ、途中から新規キャラクターが出るのは公平さが崩れるから宜しくないだろうね。
199 ◆d94UUrJtFg :2008/09/15(月) 21:33:22 ID:Zo6WxXzUO
>>198
更新お疲れ。
本当に機能していないのかと思いましたよ。申し訳ありません。

そろそろネス辺りをいじろうかいじるまいか迷っているところだが…
もう少し考えてくる。
200ゲーム好き名無しさん:2008/09/17(水) 00:37:59 ID:tyQhGg4C0
Wikiは誰でもいじって良い系だと思いますよ。
ずっと勝手にいじってきましたし。

というか一応ですが私は◆ilz氏ではないですよ。管理系は全く分からないです
201ゲーム好き名無しさん:2008/09/19(金) 08:17:32 ID:A3yZxBF6O
保守
202ゲーム好き名無しさん:2008/09/22(月) 00:25:45 ID:B4dqUMysO
命懸けで
203B4dqUMys@名無し:2008/09/22(月) 08:36:18 ID:B4dqUMysO
保守
204B4dqUMys@名無し:2008/09/23(火) 22:47:59 ID:Bgcj3RwhO
過疎かな。
205ゲーム好き名無しさん:2008/10/05(日) 23:03:32 ID:+fNRPZDM0
ho
206ゲーム好き名無しさん:2008/10/10(金) 22:32:46 ID:8R65yWFa0
30分以内に書き込みが無かったらカジオーが酷い目に保守。
207ゲーム好き名無しさん:2008/10/11(土) 03:45:38 ID:L0asCRL10
新たな展開に期待
208ゲーム好き名無しさん:2008/10/14(火) 22:54:17 ID:I5mx5jXE0
50分以内に誰もかきこまなければ
俺は明後日リュカによって刺殺 
209ゲーム好き名無しさん:2008/10/15(水) 19:48:57 ID:8ePp5/Nf0
救出
210ゲーム好き名無しさん:2008/10/21(火) 23:58:04 ID:UTUfle+60
ぽしゅ
211ゲーム好き名無しさん:2008/11/08(土) 19:08:08 ID:ERBk+LnW0
>>208-209の流れにちょっと笑いつつ保守
212ゲーム好き名無しさん:2008/11/08(土) 19:19:59 ID:W4BAOseY0
何のために保守してんの?
213ゲーム好き名無しさん:2008/11/11(火) 07:50:18 ID:D8AxjJRNO
支援
214ゲーム好き名無しさん:2008/11/16(日) 22:33:50 ID:+hE8RPIn0
一ヶ月半も進んでねーぞ
やばいんじゃねーのか?&保守
215ゲーム好き名無しさん:2008/11/18(火) 20:34:08 ID:V1rv3CXW0
と言うか最後にSS投下されたの7月…
やばいんじゃないのかじゃありません。ヤバいです…保守
216ゲーム好き名無しさん:2008/11/28(金) 13:20:54 ID:SN6Zivu/0
ちゃんと人がいるならきっとそのうち投下も…とまだ希望を持ってるけど、
もし保守さえ尽きちゃったら希望が不安に負けそうだな…という事で保守
217ゲーム好き名無しさん:2008/12/14(日) 21:04:06 ID:2iiGzQ1L0
まだ残ってる…
218 ◆d94UUrJtFg :2008/12/21(日) 11:15:58 ID:EV+dJzxHO
保守
いいシチュが思いつかん。なんかリクしてくれたらそのSS書いてみるよ(ネスとリュカの対決希望とか)
219ゲーム好き名無しさん:2008/12/21(日) 23:01:32 ID:yqirNPY+0
狂気に陥ったロイの暴走
もしくは、血まみれのクマトラが更にスピンとであってマーダーと勘違いされてバトル展開
220ゲーム好き名無しさん:2008/12/23(火) 22:15:37 ID:rbZY3CDQ0
気絶したまま動く気配のないピット
ジェフ君とピカチュウとかマリオにおいていかれたプー
ここら辺の動向が気になるな
221ゲーム好き名無しさん:2008/12/24(水) 17:16:01 ID:9Tq4jhPuO
爆弾を持ち込もうとしている鷹丸……
222ゲーム好き名無しさん:2008/12/24(水) 22:02:22 ID:XJF1KpAP0
鷹丸が狂気の爆弾を持ち込もうとしている…
でも、近くにはリュカの怨敵?ネスがいる…
ネスがポーラと9Vの所に合流していて
ダウン寸前のポーラが元気を取り戻していたら
逆にリュカが1VS4の流れになっちゃいそう。

個人的にはルイージの冷酷殺人ターミネータっぷりが見たい。
ルイージを恐怖でしか語れない日が来る事に期待。
223ゲーム好き名無しさん:2009/01/01(木) 04:50:48 ID:bapYzPCHO
あげ
224ゲーム好き名無しさん:2009/01/01(木) 04:53:14 ID:bapYzPCHO
できてなかった
225ゲーム好き名無しさん:2009/01/14(水) 22:03:58 ID:p8f00QCq0
ほしゅ
226ゲーム好き名無しさん:2009/01/14(水) 22:07:46 ID:22TXJhh10
ゲハ等で組織的工作を行い日夜中傷で埋め尽くしている在日堂のはったり大勝利に対する現実

今年夏〜現在までのPS3の10万越えタイトル
ソウルキャリバー4、ドラゴンボールBL、GTA4、ウイイレ2008、侍道3

今年夏〜現在までのWiiの10万越えタイトル
WiiMusic

PS3の3月までの、ほぼ確実に10万以上売れると思われる発売予定タイトル
ガンダム無双2
白騎士物語
ストリートファイター4
バイオハザード5
龍が如く3
真・三国無双5エンパイア
FF13体験版

Wiiの3月までの、ほぼ確実に10万以上売れると思われる発売予定タイトル
一本もなし
227ゲーム好き名無しさん:2009/01/28(水) 17:59:28 ID:Lt64+SYr0
困ったときの保守
228 ◆LlYRrETCWQ :2009/01/29(木) 22:03:15 ID:nw5iEd030
果たしてここをまだ見ている人なんているのだろうか
半年以上投下なし、もはや再起不能なんじゃないかって気もするが……

ここでクリスタル、ディディー、メタナイト、クマトラ、ルイージ、主催勢を予約
229ゲーム好き名無しさん:2009/01/30(金) 00:41:13 ID:xD0fMDsG0
見てるよ〜
期待sage
230ゲーム好き名無しさん:2009/01/31(土) 08:32:31 ID:aXKB1cj20
久しぶりの予約に期待
231 ◆LlYRrETCWQ :2009/02/01(日) 22:21:38 ID:tz6+/wBe0
うああああああ、えらいこっちゃ
ここで5人を戦わせようと思ってたのに、廃校組とルイージの中間にスピンがいること失念してたぁぁぁぁ

というわけで、本来の文を大幅に削って投下します
232三者三様 ◆LlYRrETCWQ :2009/02/01(日) 22:26:30 ID:tz6+/wBe0
「クマトラ、出発の準備はできたか?」
「ああ……ん?ディディーはどうしたんだ?」
「彼なら、先に外に出て待っている。我々も行くぞ」
そう言って、メタナイトはクマトラと共に廃校の一室を出ていく。
彼のクマトラへの態度には――若干ながら、疑念の色が含まれていたことは否めない。
(……にわかには信じられん。いくらこの状況下とはいえ――
 デデデが……殺し合いに乗っていたというのか……?)

あの後、メタナイト達はクマトラと軽い情報交換を行った。
廃校で、一体何が起きたのか。あの惨劇の真相はどうだったのか。
当初は頭を殴られたショックで記憶に混乱を生じていたクマトラだったが、暫しの休息を挿むことで
あやふやだった記憶は鮮明さを取り戻した。
その情報によると――あの廃校で最初に襲撃してきたのはデデデだったということ。
しかし判明したのはそこまでだ。クマトラは彼の最初の攻撃で気絶させられたとのことである。
ディクシー、そしてデデデ殺害の真相は未だ闇の中だった。
(――果たして、この娘の言葉は真実か……?)
クリスタルがあの場で人を殺した可能性は極めて高い。
特にデデデを殺したのは、凶器をはじめ現場の状況から見て、彼女であると断言していいだろう。
このまま、彼女の言葉を鵜呑みにしてもいいのか?
そもそも……このクマトラという女は本当に信用できるのか?
彼女の語った事実が真実である証拠はない。虚言である可能性も否定できない。
しかし……その一方で、彼女が嘘をついているようにも思えなかった。
情報交換の際、クマトラ本人のこともある程度聞かせてもらっている。
彼女の過去、リュカという少年、ポーキーとの因縁……
(むぅ……)
デデデを殺したのはクリスタルだろう。だがディクシーはどうか?
彼女の死因を調べれば調べるほど、不可解な点が出てくる。
またそれとは別に、校舎の別室に放置されていた少女の絞殺体も気になる。
(この一件、真実はどこにある……何を信用すればいい……?)
真実を見失ったことで、思考が必要以上に傾きを見せていることを自覚する。
(いかんな。冷静にならなければ)
これ以上は泥沼になると判断し、思考を中断する。ここで考えていたところで埒は明かない。
いずれにせよ、クリスタル本人に接触しないことには、話にならない。
だからこそ、メタナイト達は、これからクリスタルの追跡を行うことを選んだ。
……そうでなければ、ディディーが先走りかねない。
(ディディー……今はむしろ彼のほうが心配か)
普段通りを装っているつもりだろうが、ディクシーの死は彼に明確な影を落としている。
放っておけば、迂闊な行動を取る危険も考えられる。彼の動きには、十分気を配るべきだろう。
233三者三様 ◆LlYRrETCWQ :2009/02/01(日) 22:27:20 ID:tz6+/wBe0
「ディディー、待たせたな。急いでクリスタルを――!?」
廃校の外に出たメタナイトは、自分の配慮の足りなさを痛感する。
まさか、危惧していた可能性がこうも早く到来するとは。
「ん……おい、ディディーはどうしたんだ?」
後に次いで外に出てきたクマトラもまた、その異変に気付く。
そう、待たせていた場所にディディーの姿がない。
(迂闊だった……今のディディーを一人にするべきではなかった……!)
「お、おいメタナイト!見てくれ、この跡は……」
地面に薄く付いた血の跡が発見される。この廃校から逃走した、クリスタルの血だ。
恐らく、先のコキリの剣の一撃で付いた傷だろう。
その周辺には、ディディーの足跡らしきものも見受けられる。
「まさかあいつ、一人でクリスタルを追ったのか!?」
「……急ぐぞ」
不吉な予感を胸に秘めつつ、二人はディディーを追って駆け出した。


(クマトラはああ言ってるけど……でも、やっぱりオイラは……)
廃校の外にクリスタルの残した血の跡を発見した時、ディディーは居ても立っても
いられなくなり、その消えかけの痕跡を辿って走り出した。
ディクシーを殺されたことによる、怒り、悲しみ、憎しみ――
それらは、ディディーの精神を確かに蝕んでいた。
(ゴメンよ、二人とも。でもオイラやっぱり、あいつを信じられそうにない――)
惨劇のきっかけは、デデデの襲撃だとクマトラは言っているが……
状況から考えて、クリスタルがあの場で殺人を犯したことは明白だ。
そのデデデと、クリスタルが繋がっていた――という可能性だって考えられる。
だったら――

――もし、あのクリスタルともう一度対峙したら。
その時、オイラは理性を保てるのだろうか……?

手にした木槌を握り締める。
懐には、2本のペンシルロケット。
どちらも、ディクシーが所持していた――今となっては形見同然の品だった。
それらは、復讐のために使われるのか。

ディディー、メタナイト、クマトラ。それぞれがそれぞれの想いを抱き、クリスタルを追う。
仲間の復讐のため。仲間を最後まで信じるため。そして――真相を解き明かすために。
三者三様の想いは――しかし彼らの間に、ほんの僅かながら亀裂を生じさせていた。
234三者三様 ◆LlYRrETCWQ :2009/02/01(日) 22:31:04 ID:tz6+/wBe0
【H−5/昼】

【クマトラ@MOTHERシリーズ
 健康状態:頭部負傷、左胸が少し痛い(戦闘には影響は無い)、PP消費中
 武装:コルト・ハイウェイパトローマン@実在兵器/残り0発(予備弾1発) 
 所有物:支給品一式×3、イサカM37@実在兵器/弾切れ、シャトー・ロマーニ@ゼルダの伝説ムジュラの仮面(残り250cc)、ナマクラヤイバー@マリオストーリー(装備していない)、リュカの服、武器0〜3(本人確認済み)
 現在位置:H-5
 基本行動方針:リュカたちを探す
 第一行動方針:ディディーを追う
 第二行動方針:もう誰も悲しませたくない
 第三行動方針:リュカたちを探す
 第四行動方針:リュカから学校の事を聞き出す
 最終行動方針:ゲームを潰す
 備考:クリスタルをマーダーと認識していますが、そうでないで欲しいと思っています】

【メタナイト@星のカービィシリーズ
 健康状態:良好、若干不安。
 装備:コキリの剣@ゼルダの伝説 時のオカリナ
 所持品:支給品一式
 現在位置:H-5
 思考:精神を保てている奴だけじゃない筈だ……。
 第一行動方針:ディディーを追う
 第二行動方針:クマトラには悪いがクリスタルに警戒する。
 第三行動方針:上記の仲間、もしくは脱出の為に必要な技術を持つ仲間を探す。
 第四行動方針:廃校に仲間と合流、もしくはいなかった場合、病院に向かう。
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:参戦しているのはゲーム版のメタナイトです。クリスタルをマーダーと認識しています】

【ディディーコング@ドンキーコングシリーズ
 健康状態:腹部負傷
 装備:海賊のお守り、木槌@アイスクライマー
 所持品:支給品一式、ペンシルロケット×2@MOTHERシリーズ
 現在位置:H-5(メタナイト達から離れ、単独でクリスタル追跡中)
 第一行動方針:クリスタルを追跡
 第二行動方針:クリスタルに追いついた時は……?
 第三行動方針:まだ見ぬ上記の仲間を探す。
 第四行動方針:廃校に仲間と合流、もしくはいなかった場合、病院に向かう。
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:クリスタルをマーダーと認識しています】
235 ◆LlYRrETCWQ :2009/02/01(日) 22:33:08 ID:tz6+/wBe0
すいません、>>234の時間を
【H−5/日中】
に訂正お願いします

というわけでルイージとクリスタルと主催の人達を出せませんでした。すいません
236ゲーム好き名無しさん:2009/02/01(日) 23:21:52 ID:94kPltKB0
GJ、ディディーこれは死亡フラグ?

少しでもストーリーが前進したのは良い兆候。
コレを切欠にまたココが賑わってくれればいいなぁ。
237ゲーム好き名無しさん:2009/02/03(火) 00:33:02 ID:OgcLkZv/0
GJ!
削られた文章勿体無いなーと思ったけど、
スピンって日中時点で廃校に向かっているのな…確かに出てこないと不自然か。
ともあれ投下乙
238ゲーム好き名無しさん:2009/02/05(木) 18:47:41 ID:k6c5SpDc0
GJ!!
ずっと待っていて正解だった
239ゲーム好き名無しさん:2009/02/05(木) 21:49:09 ID:I9IAcai10
この続きにwktk
240ゲーム好き名無しさん:2009/02/08(日) 12:18:00 ID:o97ostLH0
Q.じゃあWiiで何が遊べるんですか?

A.
10月に遊べるWiiの新作ゲーム1位
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081003/music12.jpg
10月に遊べるWiiの新作ゲーム2位
http://www.famitsu.com/game/coming/__icsFiles/artimage/2008/09/01/pc_fc_n_gs/03_2.jpg
11月に遊べるWiiの新作ゲーム1位
http://japan.gamespot.com/i/product/10295690/b008.jpg
11月に遊べるWiiの新作ゲーム2位
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081201/fs09.jpg

PS3で忍道対戦アクションゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081031/naru11.jpg
PS3で三国+戦国キャラで無双OROCHI Z
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080326/msr19.jpg
PS3で時代劇を舞台にヒートアクションゲーム
http://japan.gamespot.com/i/product/10291411/b035.jpg
PS3でSRPG+TPSアクションゲーム
http://japan.gamespot.com/i/product/10278796/b212.jpg

     /在日堂\ 
三 .゚・。|・゚・。O-O。|・゚・   PS3は撤退しろ!PS3は撤退しろ!
 三┌|6#)'e'( ::|┘    PS3の撤退はみんなが望んでる!!!!
     `‐-=- '
      /  >
241ゲーム好き名無しさん:2009/02/11(水) 04:40:52 ID:s+8nsdBv0
保守
242ゲーム好き名無しさん:2009/02/12(木) 07:36:32 ID:ki3EhmZM0
ho
243ゲーム好き名無しさん:2009/02/13(金) 21:46:50 ID:J8rZUJR70
ジェフ、ピカチュウ、ピットあたりで何か書くかも
244ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 15:13:36 ID:KQQeX4yV0
wktk
245ゲーム好き名無しさん:2009/02/25(水) 20:53:41 ID:X45yTKizO
まだ続いてんのか、この糞スレ
246ゲーム好き名無しさん:2009/04/01(水) 02:58:22 ID:35YcMvbI0
ほす
247ゲーム好き名無しさん:2009/04/07(火) 23:05:05 ID:Gz19UT2L0
干す
248ゲーム好き名無しさん:2009/04/21(火) 21:34:45 ID:ZmnmtU6HO
捕手
249ゲーム好き名無しさん:2009/04/27(月) 16:04:07 ID:S9GjfsIV0
ニワンゴの西村博之、
「ニワンゴライフ」「スーパーマリオライフ」
鋭意開発中!!!!(本人談)
250ゲーム好き名無しさん:2009/05/24(日) 22:11:01 ID:Xg+lcsHIO
補習
251ゲーム好き名無しさん:2009/06/06(土) 15:51:57 ID:VmFOO1ZxO
干す
252ゲーム好き名無しさん:2009/06/08(月) 21:44:26 ID:o7cjzfl50
乾す
253ゲーム好き名無しさん:2009/06/20(土) 19:46:53 ID:teun4trV0
鷹丸 任天堂 でググると、ここのまとめサイトが一番に出てくる…。
あと、避難所が消滅してる。…誰か居ないのかー?
254ゲーム好き名無しさん:2009/06/21(日) 08:13:02 ID:78oI9yYH0
そろそろまともにやばい
これじゃあここカオスロワに占領されても不自然じゃないぞ
255ゲーム好き名無しさん:2009/06/27(土) 01:05:51 ID:1xTDabQeO
第1回放送終わってちょっとしか立ってないのに残りが半数を切ってるロワは珍しいと思う。
仮に書き手が戻ってくるなり新しく来るなりしても第3回放送まで行かずに終了してしまうと思う。
なので、もう一回設定、キャラクターとかを見直して、新たに始めるべきだと思う。
主催陣が強すぎるし…

256ゲーム好き名無しさん:2009/06/27(土) 17:34:00 ID:daNj6cXNO
こんな糞スレ終わっちまえよ
257ゲーム好き名無しさん:2009/07/01(水) 12:52:22 ID:kudU7I2L0
リセットするなら主催陣をダークマター族にしていかがか?
258ゲーム好き名無しさん:2009/07/01(水) 18:40:20 ID:eItVFuu20
大したフラグも立たないしな
何の盛り上がりもなく作業みたいにキャラが死に
因縁が出来てもすぐ次の話で消化され
これはどうしようもないんじゃ……
259 ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:42:05 ID:FbDUt8wr0
もはや完全に動きなしか……ていうか誰か人いるのかな
他の書き手氏ももう離れてしまっただろうか……

保守ばかりなのも何なので、前回投下した話で削った部分を投下してみることにする。
260NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:43:21 ID:FbDUt8wr0
「はぁ……キノコ王国じゃ、得体の知れない武器の軍団が攻めてきてるってのに。
 僕だけ一人、お留守番してろって。そりゃないよ、兄さん」
陽が落ちかけている空を窓から見上げながら、ルイージは憂鬱げにボヤいた。
そんな彼の愚痴に傍らで付き合っているデイジー姫が、励ましの言葉をかける。
「ほらほら、愚痴らないの。せっかくなんだし、ゆっくり休まなきゃ」
「そりゃそうなんですけど……最近出番ないから寂しくって。僕ももっと冒険したいよ」
「ほんと、欲張りねぇ。あたしなんてゴルフの時から全然出番ないってのに」
「え!?あ、気が回らなくてゴメン……」
「ま、いいけど。そのうち再登場して下克上してやるんだから。ルイージにも負けないわよ」
そんな取り留めのない談話をしているうちに、夕焼け空に、星が一つ輝いた。
「あ、見てルイージ!一番星よ!」
見つけるや否や、デイジーは手を合わせて星に祈る。
「願い事しなきゃ。えーと、ルイージが活躍できますよーにっ!」
「って、自分の出番をお願いするんじゃないんですか、姫?」
「いいの。そんなの、そのうち実力でゲットしてやるんだから。
 ほら、ルイージも何かお願いしたら?」
「えーと、そうだなぁ。じゃ、二段ベッドの上の段で寝られるように……」
「いや、そーじゃなくてっ!もうちょっと他にあるでしょ」
「そ、そう?うーん……それじゃ、やっぱり……」

――僕の願い。それは――


僕は、いつも二番目だった。
いつも兄さんが先で、僕はその次だった。
スーパーヒーローである兄さんは光を浴び、僕は常にその影にいた。

でも、僕はそれでよかったんだ。
脚光を浴びる兄さんを、影から支え続ける。ヒーロー・マリオの弟にして、永遠の二番手。
兄さんが光なら、僕は影。だけど僕はそのポジションに誇りすら持っていた。

いつしか、僕や兄さん達には、仲間がだんだんと増えていった。
ヨッシーが、ワリオが――彼らは次々と僕を踏み越え、スターの階段を上がっていく。
別にそれを妬む気なんてなかった。むしろ、彼らを応援すらしていた。


「ルイージってば、あなたこそそんなお願いでいいの?」
「いいんですよ。僕はこの役どころが合ってるんだから」
「ふふ……ルイージらしいわね」

そう、あの頃は幸せだった。何も知らなかった、あの頃は。

261NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:45:29 ID:FbDUt8wr0
   ※   ※   ※   ※   ※


『ゲーム終了。ゲーム終了――!』

島中に放送が響き渡る。

『優勝者決定。現時刻をもって、バトル・ロワイアルの終了を宣言する!』

全てが終わったことを告げる声が。


なんで。どうしてこんなことに。
どこで間違えてしまったんだ、僕は。

僕の目の前には、一人の男の死体が横たわっている。
今しがた、僕が殺した男だ。僕が、この手で殺した人。
知らない人間じゃない。むしろ、うんざりするほどよく知った人物だった。

――ありがと……よ……ルイージ……

最後にこいつが呟いた言葉が、頭の中に反芻される。

――お前に止めて貰いたかったんだ……俺は……

やけに満足げな顔をして、このバカは死んでいった。その目には、涙すら滲ませていた。
自分がしてきたことも棚に上げて、いい気なもんだ。
僕の都合なんて、何も考えていないくせに。

……それでいいのか。そんな死に方でいいのか、お前は。

お前はそれでよかったのか!?
こんな決着のつけ方で、本気で満足なのか!?


どうなんだ――ワルイージ!!


262NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:46:40 ID:FbDUt8wr0
ワルイージとの最後の戦いの場から少し離れた、大木の下。
そこで、彼女は眠っていた。決して目覚めることのない眠りに。

デイジー姫。

この殺し合いの中で命を落とした、僕が守るべき大切な人。
彼女の遺体は綺麗なままだった。ちょっと突けば目を覚ますのではないかと思えるほどに。
そう、ほんの少し打ち所が悪かっただけ。小さな、あまりにも些細な傷で、彼女は逝ってしまった。
「……なんで」
彼女の亡骸を前に膝をつき、呟く。

――大丈夫よ、ルイージ!私も精一杯サポートするから、自信を持って!

何一つ守れなかった。大切な人も、ライバルを自称するバカも、ここで出会った多くの仲間達も。
生き残ったのは自分ひとり。……こんな結末、望んでいない。
何が優勝だ。何が勝者だ。
違う。これは僕の――完全な敗北だ。

「うあああああああああああああ――――ッ!!!!」



バトル・ロワイアル。
主催者により選抜された数十人を拉致・隔離し、最後の一人になるまで殺し合わせるゲーム。
ルイージは、そんな理不尽に巻き込まれた中の一人だった。
この理不尽なゲームの中において、ルイージは殺し合いを止めるべく奔走する。
元々正義感が強く、心優しい性格である彼である。殺し合いに乗る余地などありはしない。
加えてこのゲームには、彼の守るべき人――デイジー姫もまた参加させられていたのも大きい。
さらに、普段サポートしている兄・マリオがこの場にいなかったこともある。
自分がやらねば誰がやる。そうした状況は、彼を奮い立たせた。
彼は力の限り戦い抜いた。普段の気弱さを抑え込み、ゲーム阻止のため奔走した。
頼りなさや危なっかしさこそあるものの、仲間も順調に増やし、自分達を縛り付ける首輪の解除法を
突き止め、これから反撃という段階までいった彼は、十分すぎるほど健闘したといえるだろう。
しかしその結果は――惨敗だった。
ルイージの奔走も虚しく、非情な殺し合いの流れを止めることはできなかった。
次々と発生するイレギュラー、倒れていく仲間達。その果てに、ついにはデイジー姫までも命を落とした。
やがて……最後に残ったのは彼と、彼のライバルを自称する男――
殺し合いに乗り、既に多くの参加者達を手にかけていた、ワルイージだった。
ワルイージはこのゲームの中で、何かに追いたてられるかのように人を殺し続けた。
その最期は、ライバルであるルイージの手で引導を渡される形となる。
憑き物が取れたかのように安らかに眠る彼の姿は、ルイージに暗い影を落とした。

そして――今、ゲームは終了した。
263NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:48:50 ID:FbDUt8wr0
   ※   ※   ※   ※   ※


『優勝おめでとう、ルイージ君。実に素晴らしい戦いを見せてくれた。
 この大会の主催者として、大いに楽しませてもらったよ。礼を言わせて貰おう』
モニターに映し出された、黒服に身を包んだ男が、優勝者であるルイージを祝福する。
ロケット団首領、サカキ。そして今は、このバトル・ロワイアルの主催者でもあった。
ルイージは答えない。表情一つ動かさず、沈黙を保っていた。
だが……サカキの次の言葉で、それは崩れることとなる。
『今回のゲームでは、君達の行動は実にいい参考となった。
 本番の予行演習としてはなかなかの余興だったよ』
「本番……予行演習……?」
『そう。約束どおり、優勝者の君は元の世界に戻してあげよう。
 そして、これから行われる真のバトル・ロワイアルに参加する権利を与える』
ルイージは耳を疑った。真のバトル・ロワイアル、その参加権……そんな説明など何も受けてはいない。
「……どういう意味だ。真の……だって?」
『ああ。近いうちに、我々は再びバトル・ロワイアルを開催する。
 今回と比べ規模は圧倒的に大きく、参加者も遥かに豪華なメンバーを取り揃えるつもりだ。
 そう……君の兄であるマリオや、その仲間達も参加者として選抜されている』
「なっ……!?」
『このゲームは失敗は許されない。それ故に、シミュレーションが必要だった。
 それが、この大会だ。本番を成功させるためのデータを収集が、この大会の目的だった』
ルイージは理解した。自分達が巻き込まれたこの殺人ゲームは、全て本番のための前座だったのだと。
それだけのために?ただのシミュレーターとして、自分達は殺し合いなどさせられたというのか?
『そのために君達……世界にとって影響の少ない存在を、参加者として召喚した。そう……
 世界に取り立てて必要とされない存在である、君達を』
「必要のない……だと!?」
『ああ、そうだ。本番前に世界に余計な影響を与えて、足をつかせるわけにはいかないのでね。
 その点、君達なら消えたところで、世界の大勢に大きな影響はもたらさない。
 替えが利く程度の存在価値……そういう人選を行ったのだから』
264NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:52:11 ID:FbDUt8wr0
「ふざけるな……必要ないだの替えがきくだの……お前ら人の命を何だと思ってるんだ」
ルイージが言葉を紡ぎ出す。恐ろしいほど低く、静かな、淡々とした声で。
彼のものとは思えないほどの異質な声には、かつて見たことのないほどの怒りを含まれていた。
『事実、そうだろう?君一人が消えたところで、君の世界にどれほどの影響が出る?
 そう……君がいなくても、マリオがいればクッパ軍団は撃退できる。ピーチ姫も助けられる。
 マリオの相棒候補だっていくらでもいる。君以上の働きができそうな者など、いくらでもね』
自分のことはいい。どうせそうやって虐げられることには慣れている。だが。
『君の友達のデイジー君やワルイージ君もそうだ。彼らが消えたところで何の支障もない。
 せいぜい君達のお遊び……カートやテニス、パーティーの頭数が足りなくなるだけだろう?
 そんなものの替えなど、少し探せばいくらでもいると思わんか?』
大切な仲間を、友を侮辱されることは、彼の逆鱗に触れるには十分だった。
「違う……その言葉を取り消せ。そんなもので僕達の価値を決めるな」
――もしあいつに手が届くならば、この手で四肢をもぎ取り、嬲り殺しにしてやるのに。
バトル・ロワイアルの中においても最後まで自分を保ち続けた彼にすらそこまで思わせるほど、
サカキの言葉は許しがたいものだった。
彼の言葉は、ルイージ達の存在の全否定を意味する。ルイージの、デイジーの、ワルイージの、
いやこの大会に参加させられた全ての命の、徹底的な侮辱。黙っていられるはずがない。
しかし、彼の怒りはサカキまで届くことはない。

『君達の価値を論じても意味はない。いずれにせよ、今大会は実行した価値はあった。
 残念ながら、もう時間だ。君は記憶を失い、元の世界に戻る』
「なんだって……!?」
ふいに、目の前の世界が歪み始める。そして自分の意識も遠ざかっていくことを自覚した。
『本番では、今回にはなかった、素敵な賞品も用意してある。
 そう、今回君が失ったもの……失われた命を蘇らせるくらいの賞品がね。
 これは君にとってもチャンスといえるのではないかな』
「待て……まだ話は終わっていない……!!」

『さらばだ。本番でも、健闘を期待するよ』

その声を最期に、ルイージの意識は闇に沈んでいった。
265NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:54:40 ID:FbDUt8wr0
   ※   ※   ※   ※   ※


目が覚めた時、そこは自宅のベッドの中だった。

「ルイージ、起きたのか!?」
「兄さん……?」
兄・マリオの顔が、僕の顔を覗き込んでくる。
ずいぶんと懐かしいような気がした。
「いつまでたっても起きないし、ずっとうなされっ放しだったから心配したぞ」
どういうこと?今までのことはずっと夢だったのか?そんな馬鹿な……
どうも、意識が完全に覚醒しきっていないらしい。
だけど、兄さんの次の言葉が、僕の虚ろな意識を叩き起こした。
「それより、大変だ!デイジー姫とワルイージが、失踪したらしい!」
マリオのもたらした情報は、あれが夢ではない現実であることを示していた。

「デイジー姫と……ワルイージ……」
「どうした?ルイージ」
「そうだ!兄さん、大変なんだよ!!」
慌てて、僕は口を開く。兄さんに真実を伝えるために。
「僕とデイジー姫と、ワルイージは……僕達、は……?」
でも――
「え……あ、あれ……?」
言葉が出てこない。いや……思い出せない――!?
あの惨劇の記憶が、頭の中に浮かび上がってこない。
どうして?覚えていないはずがないのに。
記憶に霧がかかった。眠りから覚めた人間が、夢の内容を忘れていくように。
「どうしたんだ?……とにかく、デイジー姫が失踪した件で、ピーチ姫にお城に呼ばれてるんだ。
 俺は先に行ってる、お前も準備したら来てくれ」
そう言って、兄さんは足早に部屋を出て行った。

消えていく。あの時の記憶が、ただの夢となって僕の頭から消滅していく。
気付けば、目から涙が流れていた。
大切な人の最期の姿すら思い出せなくなっている自分が、悔しくてしょうがなかった――
「――くそっ!!」
机に頭を打ちつける。落ち着け!泣いている場合かルイージ。
もう時間がない。あと少しで、多分この記憶は完全に僕の頭から消えてしまう。
少しでも、少しでもいい。何かに書き留めて、遺しておかなくては。
あの悪夢の、これからもう一度繰り返される殺人ゲームの内容について。
自分の知る限りの、覚えている限りのことを――
266NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:56:00 ID:FbDUt8wr0
『時間がないから簡潔に書く。

 僕は前のゲームの優勝者だ、言い訳をすることも今は出来ない。

 どうやら僕はこれから記憶を消されてまたゲームに参加させられるらしい。

 この手紙を読んだ人がどんな人が分からないけど。

 頼む、兄さんに、マリオ・マリオに伝えてくれ』

文章が断片的で曖昧になってしまうが、そんなことを構っていられる余裕もない。
既に虚ろとなった記憶を懸命に掘り起こしながら、ひたすら思い出す限りの情報を書き連ねた。

『この首輪には決められた解除の仕方がある。それは簡単なことだった。

 支給品を揃えろ、首輪に刻まれた星を落とせ。

 これだけだ、頼む。絶対に伝えてくれ。

 僕は今度こそこのゲームを潰したい。もう二度とあんな事したくないんだ。

 ルイージ・マリオ』

そうだ。もうあんな事はしたくない……いや、しちゃいけない。
あんな悲劇を、繰り返しちゃいけないんだ――

267NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 08:58:15 ID:FbDUt8wr0
   ※   ※   ※   ※   ※


「デイジーが心配だわ。無事だといいのだけど」
「大丈夫です、きっと無事にいますよ。な、ルイージ?」
「え?あ、うん……そうだ、必ず探し出し、助けてみせます」
「頑張って、マリオ!あなた"だけ"が頼りよ、期待してるわ」
「お任せください、ピーチ姫!」
「……」

……いや、いいんだけどさ。別に。
いつも、そうだった。頼りにされるのは兄さんで、僕はそのオマケ。
ピーチ姫を助けても、お礼を言われるのは兄さんだけ。
クッパ達と戦い撃退しても、みんなから称えられるのはいつも兄さんばかりだった。
僕のことは誰も見向きもしない。みんな、申し訳程度にしか僕のことを見ない。
それどころか最近は、僕のことを足手まといの役立たずと評する声まで上がってきているらしい。
……いつものことさ。今さら気にすることじゃない……
そう、誰になんと言われようと、これが僕の誇り――

――この世界に必要のない存在である、君達を――

誰かの声が、僕の脳内に呪いのように響き渡る。
誰だったのか……どうしても思い出せない。

「デイジー姫がいなくなったんだって」
「ふーん。でも、僕デイジー姫のことあんまりよく知らないんだよね」
「でも、お友達が失踪して、ピーチ姫も心配してるだろうなぁ」

街を歩いていると、キノピオ達の井戸端会議が耳に入り込んできた。

「それから、ワルイージってのもいなくなったらしいよ」
「誰それ?ああ、時々ワリオと一緒につるんで、ルイージさんを目の仇にしてたあいつかぁ。
 そんな人もいたっけ。でもまあ、どうでもいいんじゃない?僕達にはあんまり馴染みないし」
「ていうかさ、ルイージさんなんかをライバル視する時点でどうかしてるよねー」

――たとえ君達が消えたところで、世界の大勢に大きな影響はもたらさない。

……違う。そんな馬鹿なこと、認めてたまるか――
268NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:00:19 ID:FbDUt8wr0
   ※   ※   ※   ※   ※


――それから、間もなくのことだった。

ルイージが、真のバトル・ロワイアルに巻き込まれたのは。
そう……もちろん、マリオも一緒だ。
ピーチ姫も、クッパも、ヨッシーも、ワリオも、ドンキーコング達も――

デイジー姫の亡骸が、集められた参加者達の前に晒される。
前の、ゲームの予行演習の時に命を落とした時と、全く同じ綺麗な状態のままで。
真っ先にデイジーのもとに駆け寄るルイージ。そこにダメ押しとばかりに首を爆破されるデイジーの遺体。
大切な人を二度失う悲劇に、彼の心は瞬く間に絶望に支配される。

「優勝すれば、無事に元の世界に帰して、一つだけどんな願いでも叶えるぜ!」

ルイージの耳に、悪魔の囁きが聞こえてきた――


放心状態の頭の中で、僕は同じ言葉を何度も復唱する。

優勝すれば一つだけどんな願いでも叶える。
一つだけどんな願いでも叶える。
どんな願いでも叶える。

――本番では、今回にはなかった、素敵な賞品も用意してある。
――そう、今回君が失ったもの、失われた命を蘇らせる程度の賞品をね。

誰かの声が脳裏に蘇った。
ああ、そうか。そういうことか。

どんな願いでも叶える?
もしもその力が本当なら、デイジー姫を生き返らせることができたなら。

だったら――
だったら、僕の選ぶべき道は一つしかない。


デイジー姫を、生き返らせる。


そして、そのためにも――


あのポーキーとかいう奴を――倒す!
269NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:01:45 ID:FbDUt8wr0
このバトル・ロワイアルなどというふざけた殺し合いを、叩き潰してやる!!
自分達のしてきた非道を、徹底的に後悔させて。
地べた這い蹲らせて、泣いて許しを乞うまで!
その上で、死んでいったみんなを生き返らせてもらおうじゃないか。
拒むようなら、力ずくででもだ!

餌をちらつかせて煽ったつもりだろうけど。
それで僕が殺し合いに乗るとでも思ってるの?馬鹿にしてるのか?
冗談じゃない。デイジー姫を殺したあいつに媚びなきゃいけない謂れがどこにある!?
僕はあいつらを絶対に許さない。どんな手を使っても、あいつらを追い詰めてやる。

……わかっている。首輪を嵌められている今の自分には、あいつには手も足も出ない。
だけど。こんな首輪、どうにかする方法はある。僕はそれを知っているような気がした。
そして何より――ここには僕以外にも、頼りになる仲間がいる。
兄さん。ピーチ姫。ヨッシー。ドンキーコングと、彼の仲間達。
ワリオやクッパもだ。ワルだけど、こんな殺し合いに乗るような奴らじゃない。
断言してもいい。
僕の仲間に、自ら殺し合いに乗る奴なんて、絶対にいないと。

僕は面を上げ、みんなのほうに視線を向けた。




……え?




――僕は言葉を失った。


270NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:03:41 ID:FbDUt8wr0
みんなが僕を見ている。

ある者は怯え、ある者は警戒し、ある者は蔑んで。
僕と目が合った者は、みんなばつが悪そうに僕から目を逸らす。
そして、誰も僕に近寄ろうとしない。
なんで?なんでみんな、僕をそんな目で見るの?
「ルイージ……」
そんな中で、兄さんだけは変わらない目で、僕を慰めようと声をかけてくる。
いや――違う。これはいつもの兄さんの目じゃない。
何かを恐れるような、腫れ物に触れるかのような視線。
なんで僕にそんな態度を取るの?

まさか――僕が殺し合いに乗るとでも思ってるの?
僕はみんなに、そんな安っぽい人間だと思われてたの?
いや待て、そんな馬鹿な。みんな僕と同じように混乱してるだけだ。そのはずだ。

やがて……ピーチ姫と、目が合った。
「ひっ……!」
見たこともないような恐怖の表情を顕にし、震えながら後ずさった。
「い、いやああああああああ!!!!」
ピーチ姫は絶叫した。今まで聞いたこともない、正気とは思えないような悲鳴を上げて。
まるで今にも自殺でもしてしまうんじゃないかと思えるような絶望に、その表情を染めて。

何だよそれ。

後になって考えれば、デイジー姫の返り血を浴びた僕の姿に驚いただけかもしれない。
他のみんなもそうだ、突然の惨劇に戸惑っているだけかもしれない。
いや……それにしても、その反応はあんまりじゃないか。
だけど、その反応を見て、僕は真実を思い知らされた。
だって……皆が僕に向ける視線は、多かれ少なかれ、ピーチ姫と同じ冷たさを持っていたから。
みんな僕のことを疑い、恐れている。


ああ、そうか。


そうだったんだ。

271NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:07:19 ID:FbDUt8wr0

僕って。


そんなにも、みんなに信用されてなかったんだ。


――オマエタチハ、ヒツヨウノナイソンザイ

――お前がいなくなったところで、何の影響もない。

ふざけるな。

ふざけるな……ふざけるなああああああああああッ!!!!

デイジー姫も!!ワルイージも!!死んでしまった仲間達も!!
そしてこの僕も――ッ!!!
どうでもいい存在なんかじゃない!!
認めない!!絶対に認めない!!!

今まで僕の中に溜め込まれていたものが、爆発した。

もういい。
少なくとも、ここにいる他の連中にとっては、僕はその程度でしかなかったわけだ。

だったら――


その瞬間――僕の中で何かが壊れた。
良心も道徳も。信じていた仲間達への想いも――



272NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:10:13 ID:FbDUt8wr0











   ※   ※   ※   ※   ※

第一回放送が流れてから、随分時間が流れた。
既に、陽も下がり始めている。

どうして――

幾度となく自問自答を続けながら、クリスタルは廃校を離れるべく、ひたすら歩いていた。
足取りが重い。どこをどう歩いているのかわからない。
フォックスを、仲間達を失った事実。あの廃校での惨劇。誤解。自分に向けられた敵意。
それらはクリスタルの精神を激しくすり減らし、追い詰めていた。
(フォックス……私は、どうすれば……)
今は亡き恋人に半ばすがるような形で問いかける。答えが返ることはないとわかりながらも。

そして――それから、どれだけ歩いただろう。
やがてクリスタルは、二つの死体を発見する。
一つは、頭を撃ち抜かれた少女の亡骸。
もう一つは……高圧電流で黒焦げになった鳥の姿の男。
「ファ……ル……コ……」
かつての仲間の、あまりに無惨な姿。
消え入りそうな声で呟くと、クリスタルはその場に崩れ落ちた。
そのまま、胃の中の物を嘔吐する。もう、限界だった。
肩を震わせる。目から涙が止まらない。
もう一度、問いかけた。答えの返ることのない問いを。
どうして、こんなことに――
273NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:11:55 ID:FbDUt8wr0
それから、さらにどれくらい時間が経過しただろうか。
その場で壊れた人形のように座り込むクリスタルの背中を、ただじっと見つめる者がいた。
――追いついてきた、ディディーコングだった。
「何なんだよ、お前……」
遺体の前で座り込む彼女の虚ろな瞳は、殺人鬼のそれとは思えない弱々しさがあった。
彼女の前の遺体、恐らく彼女の大切な仲間か友達のものだったのだろう。
自分にとってのドンキーやディクシーのような。
仲間のために涙することのできる者が、殺し合いに乗るものだろうか?
「じ……自分だって、ディクシーを殺したくせに……」
自分に言い聞かせるように、ディディーは彼女に向けて呟く。
そう、こいつはディクシーを殺した。こいつはディクシーの仇だ。
それに殺し合いに乗っているなら、それこそこのまま放置などできるはずがない。

「ディクシーの……仇を討ちに来たの……?」
ぽつり、とクリスタルの口から声が漏れる。
いっそ――このまま殺されてもいいかもしれない。
事情はどうあれ、私がディクシーを守れなかったのは事実だ。
それで、この子の気が済むのなら――

「そ……そうだっ!!オイラは、お前を許さないッ……!!」
急速に鎮まっていく憎しみを奮い立たせるように、ディディーは叫んだ。
だけど、許せないから……どうする?
オイラも……この人を殺すの?同じように、人殺しになるの?

――ドンキー、ディクシー……オイラは、どうすれば――

沈黙が場を支配する。
その重苦しい場の空気に、クリスタルとディディーは囚われていた。
それ故に――二人は、『敵』の接近に気付くことに遅れてしまう。

「危ない!!避けろぉッ!!」
草原に声が響き渡り、二人は我に返った。
メタナイトの声だ。だが、二人がそれを認識するより早く。

次の瞬間――

一筋の光が、真っ直ぐに彼らのいる場所目掛けて飛んでくる。
光……光弾は二人、いやディディーに向けて、真っ直ぐに――

「危ないッ!!」
274NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:13:17 ID:FbDUt8wr0
光弾がディディーの胸を貫く直前、クリスタルがディディーの身体を突き飛ばす。
ディディーに当たるはずの光弾は、彼を庇ったクリスタルのわき腹を掠り抜けた。
「あぅ……ッ!!」
クリスタルは勢いのままに、ディディーを押し倒す体勢でその場に倒れこむ。
「お、お前っ!?」
「よ、よかった……無事のようね……」
「お前、なんで僕を……」
ディディーは彼女の行動に目を疑った。
彼女はその身を呈してまで自分の命を守った。その行動は、殺人鬼のものとは思えない。
「あなたまで死なせたら……あの子に、ディクシーに……合わせる顔が、ない……」

彼女の言葉が終わる前に、二発目の光弾が二人に襲い掛かる。
「バカ、何ぼさっとしてる!!」
しかし、それは二人に命中することはなかった。
雷――PKサンダーが二人と光弾の中間に阻むように落ち、直撃を防ぐ。
「ク、クマトラ!?」
「大丈夫か、二人とも!」
二人のもとに、駆け寄ってくる新たな来訪者。――クマトラとメタナイトだ。
「なんとか間に合ったようだな……!」
メタナイトはそう言うと、光弾が発射された方角に視線を向ける。
そこには――殺し合いに乗った一人の男が、銃口を4人に向け構えていた。

「あのクソ野郎……まだ懲りてなかったのかッ!!」
襲撃してきた男の姿を見て、クマトラは眉をしかめる。
その男とは、以前にも遭遇したことがあったからだ。
その時は適当にあしらったものの、クマトラはその判断の甘さを後悔した。
「ちっ、あの男……やはり殺し合いに乗ってしまっていたか!」
メタナイトは舌を打ち、その目に険しさを灯らせる。
ゲーム開始前に行われた惨劇、そしてディディーから聞いた彼についての情報――
それらから、男が危険な行動に移るという可能性は予測できていた。
「そ……そんな……」
だが……誰よりも驚愕したのはディディーであろう。
ドンキー達ほど親しかったわけではないにしろ――男は、彼の仲間だったのだから。

右手にはこちらに向けられた光線銃。左手には血濡れの槍。
緑の帽子。髭の男――
しかし彼の瞳は、かつての優しさなど微塵も感じさせられないほどの、冷たさに満ちていた。

「ルイージ……!」
275NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:14:44 ID:FbDUt8wr0
クマトラはクリスタルのもとに駆け寄り、彼女の安否を気遣う。
「クリスタル、大丈夫か!しっかりしろ……」
しかし、クリスタルの前にあった遺体を見て、一瞬心臓が跳ね上がる。
何故なら、それは自分が殺した鳥男のものだったからだ。
まさか、この鳥男はクリスタルの仲間だったのか――?
「クマトラ……平気よ、かすり傷だから。それよりも……」
「あ……ああ……」
クリスタルの声に我に返る。今はそのことを気に病んでいる場合ではない。
目の前に迫る脅威に対応することを考えなければ。
ディディーに目を向ける。何やら緑のヒゲ野郎に向けて叫んでいるようだ。
「ルイージ!オイラだよ、ディディーだよ!わかんないの!?」
その内容から、どうやらディディーと緑のヒゲ――ルイージとは仲間であることがわかる。
だが、ルイージの殺し合いに乗った姿は、どうやら彼の知る姿からはかけ離れているものらしい。
必死で叫びかけるディディーだが、ルイージの耳には届いてはいない。
「ダメだ、ディディー。あの野郎はもう殺し合いに乗っちまってる」
クマトラはディディーに、諭すように言った。
「あいつとは少し前に遭遇したことがある。その時から、完全に殺し合いに乗っちまってた。
 少し考える時間をくれてやったつもりだが……考えは変わらなかったらしいな」
そう、クマトラとしては、頭を冷やしてやる時間を与えてやったつもりだった。
デイジー姫を殺されたことで、彼に対し同情の念がなかったわけでもない。
だから、鳥男のように殺すことはなく、放置して去った。……その結果がごらんの有様だ。
あの時きっちりと引導を渡すべきだったと、クマトラは後悔した。
「悪いが……あいつをこれ以上放置するわけにはいかない」
「そんな!待って、あいつはオイラの仲間なんだ!!」
ディディーの制止を無視し、彼女の瞳に鋭さが灯る。
奴は与えてやったチャンスをふいにした。くれてやるチャンスは二度もない。
あれから多くの惨劇を見てきたクマトラ自身もまた、考え方が変わっていたのかもしれない。
悲劇は繰り返させない。リュカを助けるためにも。もう、躊躇いは見せない。
そのために、殺し合いに乗るクソ野郎は躊躇いなく潰す。そう、奴はもう人間じゃないのだから――
「あいつ根はいい奴なんだし、ちゃんと話をすれば……」
「……無駄だ。あの目は……もう説得の通じるものではない」
「そ、そんな……」
メタナイトもまた、ルイージが堕ちきっていることを察していた。
「ディディー、君には悪いが……彼は、止めなくてはならない」
コキリの剣を身構える。クマトラもまた銃をその手に構え、戦闘態勢に入った。
「クリスタル、回復は後になっちまうが……ここは任せて、下がってろ」
「え、ええ……」


276NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:16:21 ID:FbDUt8wr0
あの女は――

狐の女を気遣うクマトラが視界に入った時、ルイージの中に感情が戻った。
それは怒りか、苛立ちか……少なくとも、マイナスの感情であることだけは確かだ。

何故だ?
なんで、あの女は受け入れられる?
そうだろう。だって、あの女は。

「――したくせに」

「え……?」
突如、ルイージの口から声が発せられた。
その声は、そして彼の突き刺すような視線は、はっきりとクマトラに向けられていた。

「お前も、人を殺したくせに」

背筋が凍りつくような、低く冷たい声で。

「お前が、あの女の子を殺したくせに」

普段の彼からは絶対に考えられないような声が、はっきりと紡がれた。

「お前が……そこの鳥男を殺したくせに」

背筋どころか、場の空気そのものが一瞬にして凍りついた。


ルイージに猶予を与えたつもりだと言うなら、クマトラの対応は杜撰すぎた。
クマトラにより眠らされたルイージが目覚めた時、彼が最初に見たものは何か?
それは、モナとファルコの死体。頭部を銃弾で撃ち抜かれた死体と、黒焦げの無惨な死体。
そんなものを見せられて、それで頭冷やして考え直せというのは難しい話だろう。
加えて、自分を眠らせたクマトラはその場にいない。処置としてはあまりにも無責任であるし、
同時に二人を殺したのがクマトラであると誤解されても文句は言えない。

「殺……した……?」
目を見開き、呆然と呟くクリスタル。
そしてその視線を、自分のすぐ隣にいるクマトラへと動かす。
「ファルコを……殺した……の……?」
277NEGATIVE ZONE ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:17:57 ID:FbDUt8wr0
「そ、それは……ッ!?」
言葉を詰まらせるクマトラ。
ルイージの言葉が全くの見当違いならともかく、ファルコを殺したのは事実なのだ。
あの時のクマトラの甘さは、不幸にもそのまま彼女に跳ね返ってくることとなった。
彼女が最後まで信じると宣言したクリスタルから、疑念を受けるという形で。

「ッ……お前達、今はそんな――」
不穏な空気を感じ取ったメタナイトは、すぐさま二人を諌める。
――だが、制止の声が最後まで紡がれることはなく。


ここに来て、事態はさらなる展開を見せる。


「なっ――!?」
メタナイトの全身を、凄まじいプレッシャーが走り抜けた。
「う……ああっ……!?」
ディディーもまた、その動物的本能でルイージの危険を敏感に受け止めていた。
圧倒されたディディーがその場にへたり込む。
(嘘……でしょう……この人、一体……!?)
クリスタルも、全身に先程までとは明らかに違う震えが走り、動けない。
「ち、違う……以前とは……!」
前に彼と対峙した時とは明らかに違う――クマトラもまたそれを理解し、戦慄した。
震えが走る彼女の手から、銃が滑り落ちた。


――何故だ。

何故、実際に人を殺したその女を受け入れる?
お前達、デイジーを殺されただけの僕をあんな目で見たくせに。拒んだくせに。
そんなにも、僕が信用できないか。僕が……必要ないのか。
僕は必要のない人間なのか。僕達は、世界に必要ないのか。
認めない。僕も、デイジーも、ワルイージも、みんないらない人間なんかじゃない。
そんな世界、絶対に認めない――!!

ルイージの中の何かが、膨れ上がった。
単なる人の持つ感情の一つでありながら、限界を超えて膨れ上がったそれは実体と化していく。
圧倒的な負のプレッシャー。ルイージの中にある、ありとあらゆる負の感情。
それは、周囲の空気を包み込み――いや、一つの空間を作り出すまでに至る。


――ネガティブゾーン。

278 ◆LlYRrETCWQ :2009/07/03(金) 09:52:11 ID:QNSRNINcO
さるさんくらったので、続きは避難所の仮投下スレに投下しました
279代理投下:2009/07/03(金) 19:23:18 ID:gUgz/aK30
※本スレ>>277の続き。さるさんくらったんでこっちに


元々ルイージの中で渦巻くマイナスの感情は、とうの昔に限界を突き抜けていた。
全ての存在を信じられなくなったその心は、破裂寸前まで追い詰められていた。
そして、最後のきっかけとなったのはクマトラだった。
殺人を犯したクマトラが受け入れられている光景を前にして……爆発した。


全身に走る強烈な寒気と吐き気。力が抜け、朦朧とし始める意識。
何もしていないのに、メタナイト達はまるで命を削られるかのような感覚に襲われていた。
(バカな……奴は一体……!?)
コキリの剣を持つ右手が震えている。メタナイトは、自分が恐怖していることを自覚した。
ルイージという男に対して、理屈抜きの、絶対的な恐怖を。
(何だ……あいつから放たれる気は……!?)
圧倒的なプレッシャーを前に、メタナイトは動けないでいた。
比較的精神の均衡を保っていた彼ですらこれである。他の3人は彼以上に圧倒されていた。
ディディーは、仲間が殺し手に回ったことのショックで。
クリスタルとクマトラは、突然突きつけられた殺人疑惑で。
それぞれの心に隙を作った彼らはそこを突かれ、完全にこの空間に呑まれてしまっていた。
(今の心を乱した三人にこれを耐えろというのは酷か!?いや、しかし……!)
これは異常すぎる。立っているだけでも精一杯、まともに戦える状態などではない。
このまま奴と正面から戦うのは危険だ――全滅の危険すらある。
では逃げるか。だが、今の全身がすくみ上がったこの状態で逃げ切れるのか?
戦うにしても逃げるにしても、クリスタルは怪我をしている。まさに進退窮まっていた。
(どうする……どうすればいい……?)
思考をフル稼働させ、手を考える。焦りに支配された頭は気付かない。
彼らしくもない弱気が、自分の脳内を占めていることに。

「……クリスタル」
ふいにディディーが立ち上がり、そう口にした。
その手に木槌を構えて、真っ直ぐにルイージのほうを見据える。
「あんたがディクシーを殺したかどうかは、ひとまず置いとく。
 とりあえず……さっきは助けてくれてありがと」
「!! ディディー……!」
そう言ったディディーの横顔には、強い意志と覚悟の表情があった。
「ディディー、お前まさか……」
「メタナイト、悪いけど……あとは頼んだよ」
280代理投下:2009/07/03(金) 19:26:14 ID:gUgz/aK30
ディディーは持っていた海賊のお守りを、メタナイトに投げ渡す。
その行動で、メタナイトは彼がこれから何をしようとしているかを察した。
制止の声をかけようとしたところで、彼の肩の震えが治まっていないことにも気付く。
「待て、ディディー!お前……」
彼への認識を改めねばならない。
彼はこの空気に呑まれきっていない。勇気を振り絞り、恐怖に懸命に抗っている。

ルイージの銃から、第三射が放たれようとしていた。
それより僅かに早く、ディディーは、懐からペンシルロケットを取り出す。
木槌同様、ディクシーが持っていたものだ。二発あるうちの一発を、ルイージに向けて撃ち放つ。
同時に、ルイージの銃から、光弾が撃ちだされる。

両者のちょうど中間部分で、光弾とロケットはぶつかり、そして――


轟音と共に、爆発が巻き起こった。
光と煙が、彼らとルイージの互いの視界を遮断する。


「今だ、みんな逃げて!」
そう叫ぶと、ディディーは木槌を片手に爆煙の中へ――その向こう側のルイージのもとへと駆け出した。
「なっ……おい、よせディディー!」
「クマトラ!……我々は逃げるぞ」
後を次いで走り出そうとするクマトラを、メタナイトは制止する。
「なんだと!?てめぇ、あいつを見捨てる気か!?」
「今の我々では戦えん……わかっているはずだ。ディディーの覚悟を無駄にする気か!!」
クマトラは言い返せなかった。今の状態ではPSIを使うことすらままならないのだ。
しかし、かと言ってこのまま逃げ出していいのか?
「ぐ……っ」
クリスタルに視線を移す。怪我をしているし、何より今の彼女は精神的に危うすぎる。
どういう選択を取るにしても、彼女を安全な場所まで避難させなくてはならない。
そして、彼女を引っ張っていけるのは自分だけだ。メタナイトの一頭身の身体では理がある。
「クリスタル、立てるな!」
クリスタルは答えない。放心状態に陥っているようだ。
「ちっ……しっかりしろ、おい!」
強引に手を引っ張り立ち上がらせ、肩を貸し共に走り出す。
「ディディー……すまない!」
ディディー一人を残して、メタナイト達はその場から駆け出した。

メタナイトは自分に言い聞かせる。他に手はなかった、と。
逃げるにしても戦うにしても、ネガティブゾーン下での今のこの状況はあまりに不利すぎる。
足止めが、時間稼ぎが必要だった。
「死ぬな、ディディー……!」
覚悟を決めたディディーなら、少なくとも今の自分よりは戦えるはずだ。勝てないまでも――
281代理投下:2009/07/03(金) 19:29:26 ID:gUgz/aK30
――勝てない……?勝てなければどうなる?
その先に待つは――殺される運命のみ。
それでも逃げるのか?彼が殺されるのをわかりながら、逃げ出すのか?
……いや、違う。ディディーとルイージは元々は仲間だ。
そう……ディディーの言葉がルイージに届く、僅かな可能性に賭けるしかない。

メタナイトは繰り返し、自分にそう言い聞かせた。
ルイージはもう説得など通じない……最初に下した、自分の判断も棚に上げて。

   ※   ※   ※   ※   ※

「う、うわぁっ!?」
メタナイト達がディディーに背を向け逃げていった、ほぼ直後。
ディディーは震えの治まりきっていない足をもつらせ、盛大に転んだ。
「う、ぅぅ……なんだよこれ……」
力が抜けていく。身体が重い。強烈な睡魔が襲い掛かる。
これがネガティブゾーンの効力だ。空間内にいる者達に、ありとあらゆるマイナスの効果を与える。
意志の弱い者なら、意識を保つことすら許されなかっただろう。
(くそっ、しっかりしろディディー!!)
それでも立ち上がり抗えるのは、仲間のためか、彼自身の意地か。
首をぶんぶんと振り、弱気を振り払う。
「!!」
動物的本能が、危険を察知する。即座に、ディディーは横っ飛びでその場を逃れた。
次の瞬間、キラーランスがその場所目掛けて突きつけられた。
「く――っ!」
槍先はディディーの身体を掠め、そのまま地面に突き立つ。
その一瞬に、隙が生まれる――この槍を無力化させるチャンスだ。
「こンのぉぉぉっ!!」
槍目掛けて、木槌を思い切り振り下ろす。
重量に任せたその一撃が、細身であるキラーランスをへし折った。
「よし……っ!?」
そう呟き顔を上げたディディーの視界に、槍の持ち主の姿が映し出される。
その瞬間、ディディーの体は蛇に睨まれた蛙の如く硬直した。
持ち主――ルイージの、凍りつくような眼差しを、その身に受けて。
遠目では伝わりきらなかった彼の恐ろしい姿を、目の当たりにして。
「う……わぁぁっ……がっ!?」
怯えの声があがり切る前に、腹に重い衝撃が、ルイージの足により蹴り込まれる。
ディディーの軽い身体は、それだけでたやすく5、6メートル近く吹っ飛ばされた。
「がは……げ……ほっ……」
ネガティブゾーンの効力で、受けるダメージもふっ飛ばされる強さも跳ね上がっている。
まともに蹴りを受け、ディディーは咳き込みながらその場に蹲った。
ルイージがゆっくりと歩いてくる。右手にはこちらに向けられた銃、左手には木槌――
そう、今の蹴りで手放してしまった木槌が、いつの間にか彼に拾われ、その左手に握られていた。
「ル、ルイージ……お前何やってんのさ……!」
恐怖を抑えて、ディディーは必死でルイージに呼びかけた。
282代理投下:2009/07/03(金) 19:32:35 ID:gUgz/aK30
何やっているか?見てわかるだろう。僕は殺し合いに乗ったんだ。
「こんな、こんな殺し合いなんかして、どうなるってんだよ!?」
自分が危なくなったから、攻撃をやめて口説き落としにきたわけ?反吐が出るよ。
ワリオもそうだったな。最初から僕を人殺しに乗ったと思い込んでた。
その態度がムカついたから、ちょっとからかってやったら、声を裏返してビビってさ。
まあ結果的に、僕が殺し合いに乗ったのは事実だからその辺はどうでもいい。
だいたい、僕が人を殺す意味なんて、ちょっと考えれば猿でもわかるだろうに。
「デイジー姫を生き返らせるため!?そのためにあいつらの言いなりになるのかよ!?
 そんなことして生き返っても、デイジー姫が喜ぶと思ってんの!?」
思うわけがない。デイジーを殺したあの連中の言いなりになるのだって、嫌で仕方ないに決まってる。
それでも、あんな無惨な死に方を――二度も三度もさせられるよりはずっとマシだ。
「僕だって、ディクシーを殺された……
 でも、誰かを殺してまで生き返そうだなんて思わない!!」
……そうか。君も大切な彼女を殺されたのか。辛かっただろう。
そうだよね、僕も最初はそう思ってた。何も知らなければ、そう考えただろう。
前の時と同じように、みんなと協力してあいつらと戦う道を選んで……
……前の時?前の時って何だっけ……いや、今はそれはどうでもいい。
「見損なったよ、とんだ弱虫だ!」
涙目になりながらも、そこには怒りと蔑みの光が灯っている。
ああそうだ。弱虫で臆病者だ。あんな見え透いた餌に釣られて人を殺す、どうしようもない屑さ。
今さら何を言ってるんだコイツは?お前達みんな、ずっとそういう目で僕を見てきたくせに。
最初から僕が人を殺すと判断して、疑って、恐れて、拒んでたくせに。
目を見開いてよく見ろ。これがお前達が疑ってた……いや、お前達が望んだ僕の姿だ。
「何やってんだよ……目を覚ましてよ……」
違う。目が覚めたんだよ。
二番手で燻っている自分がどれほど憐れで惨めで滑稽だったか、ようやくわかったんだ。
知りたくなかった。知らなければきっと幸せだった。
「く、来るな……来ないでよっ……!」
ディディーの声から、徐々に怯えの色が強くなっていく。
大丈夫だ、もう怖がることはない。一瞬で終わらせて――

手に持った木槌を振り上げる。
そして、それをディディーに向け振り下ろそうとした一瞬――手の動きが止まった。
一瞬、ほんの一瞬だけ。
それは、まだ自分の中のどこかにある迷いのせいか。
それとも、自分と似た境遇に立たされながらも屈しない彼の姿に、負い目を感じたせいか。

一秒にすら満たない短い時間が、妙に長く感じられた。
僕は――

283代理投下:2009/07/03(金) 19:35:45 ID:gUgz/aK30
「う……わあああああああああああ!!!!!」

僕の思考がその先に至る前に、ディディーの絶叫がそれを遮断した。
どうやら心が恐怖に耐えられなくなったらしい。
懐からペンシルロケットを取り出すと、それを僕に向けて発射しようとしてくる。
だがその行動に移られる前に、僕は反射的にレイガンの引き金を引いた。
次の瞬間、銃声が轟き――放たれた光弾が、ディディーの腕を貫く。
ロケットは、ディディーの身体から切り離された。そのロケットを握る、彼の右手ごと。
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああッ!!!」
右手を失い、絶叫するディディー。これで、もう彼に抵抗する力は残っていない。
「うああああああっ!!嫌だ、死にたくない!!誰か、誰か助けてぇぇぇぇ!!!」
先までの強気はどこへやら、箍が外れたように泣き叫ぶ。ずっと怖いのを我慢していたのだろう。
「ドンキー!ディクシー!マリオ、ピーチ姫、ヨッシー、クッパでもワリオでもいいっ!!
 助けて!誰かっ、たすけてぇぇぇぇぇぇ!!!」
己の醜態を隠そうともせず助けを求める、その中に僕の名はない。
当たり前か。彼を殺そうとしているのは他ならない僕なんだし。
もっとも、そうでなくとも脇役で『どうでもいい存在』の僕の名を呼ぶとは思えないけどね。
……まあいいや。そろそろ黙ってもらうよ。甲高い猿の鳴き声が耳障りでしょうがない。
ディディー、君はよく頑張ったよ。せめてもの情け、すぐに終わらせる。
今度こそ躊躇うことなく、彼の頭目掛けて木槌を振り下ろした。
トマトか何かが潰れるような音と共に、不愉快な感覚が木槌を通して手に伝わってくる。

「ははっ……ははははは……」
頭が潰れ動かなくなったディディーを前に、僕の口から笑いが漏れる。
なんで笑ってるんだろう。別に可笑しくも楽しくもないのに。
どうでもいいや。僕はもう、戻れないんだから。

   ※   ※   ※   ※   ※


「!!」
嫌な予感が過ぎり、クマトラは走ってきた道を振り返る。
胸騒ぎがした。置いてきたディディーの身に何かあったのか。
いや……何もないはずがない。
「くそっ……!!」
クマトラの足が止まった。
「やっぱり……放っておけるか……!」
「クマトラ!ディディーの覚悟を無駄にする気か!!」
「しかし――!?」
クマトラがメタナイトに反論するより先に。
「クリスタル!?どうした!?」
クリスタルが、突如わき腹を押さえ座り込んでいた。見れば、そこからかなりの量の血が噴出している。
ルイージに撃たれた傷は思いの外深手だったらしい。このまま無理に走り続ければ、傷に響くだろう。
284代理投下:2009/07/03(金) 19:38:19 ID:gUgz/aK30

「大丈夫か、すぐに回復を……」
「来ないで!!」
クリスタルの叫び声が響いた。
「クリスタル……!?」
突然の拒絶の言葉に、クマトラは戸惑いを隠せない。
クリスタルの声に、その目に疑念が込められているのを、はっきりと感じた。
「クマトラ……ファルコを殺したって……本当……?」
「そ、それは……!」
言葉に詰まるクマトラ。それは、ルイージの言葉が真実であることを物語っていた。
「答えて。ファルコとあの女の子を殺したのは、あなた……?」
「待て、今はそんなことを言っている場合では……」
「答えてッ!!」
メタナイトの制止はクリスタルの叫びで打ち消される。
「……そう、だ」
少しの沈黙の後、クマトラは真実を口にした。
「女の子……モナを殺したのはあの鳥野郎……ファルコって奴で。
 そして、ファルコを殺したのは……オレだ」
気まずい空気が流れるのは避けられなかった。だが、隠し続けることもできない。
「ああするしかなかった……あいつは殺し合いに乗ってて、オレももう少しで……」
正当防衛だった。仕方のないことだった。もし殺していなければ、逆に自分が殺されていただろう。
だが、そんなクマトラの都合などクリスタルにはわからない。
「そう言って、あの恐竜と同じように殺したの……?」
ヨッシーの無惨な姿がクリスタルの脳裏を走る。いや、ヨッシーだけではない。
「あの、絞殺された女の子も……あなたが殺したの……?」
「!?待て、あれはオレとは違――」
「モナって子も……あの人はあなたが殺したって言ってた……!」
「誤解だ!あいつが勝手に勘違いして……」
「仕方がないからって!正当防衛だからって、みんな同じように殺したの!?
 あの男と同じように!!」
285代理投下:2009/07/03(金) 19:40:22 ID:gUgz/aK30
クマトラは再び言葉を詰まらせる。
最後まで信じると決めたクリスタルに疑われ拒絶された事実が、彼女の心に容赦なく傷をつける。

――お前『も』人を殺したくせに

後を次いで、ルイージの言葉も脳内に蘇り、彼女の心の隙間に入り込んでくる。
お前『も』。オレは同じなのか?人を殺したと言う意味では、自分もあいつらも同じ――?
ならばオレも、もう人間じゃないのか……?
「いい加減にしろ!そんな話は後でもできる、今は――」
険悪なムードに陥る二人を一喝するメタナイト。
だがその言葉を最後まで言い終わる前に――

背中に、寒気が走った。
ほんの少し前まで感じていた、絶対的な恐怖感が。

(なん……だと……!?)
背後を、逃げてきた方角を振り返る。
何かが、まっすぐに飛んでくるのが見えた。あれは――
「いかん!!みんな散れッ!!」

ペンシルロケットが、3人のいる場所目掛けて飛んでくる。
3人は慌ててそれぞれが散ってその場から離れた。
ロケットは彼らのいなくなった中央部に突き立ち、そのまま爆発を起こす。
続いて、周囲が爆煙で包み込まれる。ディディーが放った時と同じだ。

「くっ……二人とも、無事か――ッ!?」
煙で見えなくなった二人の安否を確認する間もなく。
寒気が――ネガティブゾーンの効果が、メタナイトを蝕み始める。
(馬鹿な、早すぎる……もう追いついてきたのか――!?)
全身を震わせる彼に隙が生まれ――
286代理投下:2009/07/03(金) 19:42:27 ID:gUgz/aK30
そこを、「二発目のロケット」が襲い掛かる。
ロケット――そう、身体そのものをロケットと変えて。
緑の弾丸が炎を吹きながら、真っ直ぐにメタナイトに向けて突っ込んでくる。
――ルイージロケットだ。
「がぁ――ッ!?」
それを認識した時は既に遅し。メタナイトは為す術なく、そのロケットの直撃を身体に受ける。
衝撃は凄まじく、彼の軽い身体は容易に20メートル以上もの距離を吹っ飛んだ。
ルイージロケットの威力は明らかに異常だった。暴発時を含めた、本来の威力を凌駕している。
ルイージは、普段使用する時を遥かに超えた、限界以上のパワーを溜めた上で放ったのだ。
ここまでのパワーを溜めて放てば、万が一的を外した場合、自身に返ってくるダメージも計り知れなかっただろう。
だが、ルイージは一切の躊躇いなくそれを放った。
今の彼は、自分の身が傷つくことすら恐れない、殺人マシーンなのだから。

「メタナイトッ!?」
吹っ飛んだメタナイトに、クマトラの視線が向く。
それが――彼女にとって致命傷になった。

「がっ……!?」

クマトラの頭を、誰かの右手が掴んだ。
誰が?言うまでもない、ロケットを撃ち出し、今しがたメタナイトを倒したあの緑のヒゲ。
彼に対し絶対的な隙を見せたことを後悔する間もなく……
掴まれた彼の手の中で、自分の頭蓋骨がぎしぎしと悲鳴をあげる。
「ぐぁ……ッ!?」
「クマトラ!?」
「バカ、何してる!!逃げろ!!コイツがオレに気を取られてるうちに――」

その言葉が最後まで終わることなく。
クマトラの全身に、激しい電撃が襲い掛かった。
「うああぁぁぁぁ―――ッ!!!」
287代理投下:2009/07/03(金) 19:47:03 ID:gUgz/aK30
――サンダーハンド。

マメーリア王国での戦いの最中、ルイージが手にした力。
その雷の力を一切の手加減なしに、十分な殺意を込めてクマトラに流し込んだ。
光と火花を飛び散らせ、その中でクマトラのこの世のものとは思えぬ断末魔が響く。
痙攣する身体はまるで壊れた人形のようであり――

やがて、電撃が収まる。
クマトラは自分が殺した鳥男と同じように、黒コゲとなっていた。
誰の目にも、まともに生を続けられる状態ではない。
だがルイージはさらなるとどめとして、もう片方の手で木槌を彼女の首元目掛け横薙ぎに振るう。
その一撃は、クマトラの首と胴体を容易に分断した。
「う……ああ……」
クリスタルからは、もはや全ての気力が失われていた。
このネガティブゾーン下で、惨劇の一部始終を実演されたのだ。精神を正常に保つことなど不可能だった。
抵抗も、逃亡も、何も頭に浮かんでこない。あるのは純粋な恐怖だけ。
いや、もう一つあるとすれば……

――バカ、何してる!!逃げろ!!コイツがオレに気を取られてるうちに――

最後まで自分の身を案じ、自分を信じてくれていたクマトラ。
彼女を疑い、拒絶したことへの後悔。
もし自分が彼女を信じていれば、この男からも逃げ切れたかもしれない。
自分のせいで、全てが台無しになった。そう、ディディーの覚悟すらも。
ルイージが、自分に向けてゆっくりと歩み寄ってくる。
彼の手には、今クマトラの息の根を止めたばかりの血濡れの木槌が握られていた。
ディディーが持っていたそれを彼が手にしていることで、全てを察することはできた。

彼の心が、見える。何もない。この人の心は、空っぽだ。

288代理投下:2009/07/03(金) 19:48:14 ID:gUgz/aK30
「あ……ああ……」
ただ、一つだけ確かなことがある。
その目に灯るは、自分に真っ直ぐに向けられた――殺意。

「あああああああああああああッ!!!」

このまま、彼女が意識を失ってしまえばどれほど幸せだっただろう。
だが不幸にも、ルイージの手にする木槌が彼女の頭を粉砕し、絶命する瞬間まで。
クリスタルはその身を存分に、恐怖と絶望に苛まれた。

最初のロケットが撃ち込まれてから、実に24秒。
彼がこの場に現れて、惨劇が始まってからほんの24秒で、全てが終わった。

3人とも、いや先のディディーを含めて、彼らはただの一般人ではない。
多かれ少なかれ修羅場を潜り抜けてきた、相応の実力を持った戦士達だったはずだ。
その彼らが、自分達の力を全く発揮できることもなく、抵抗すらままならずに一方的に蹂躙された。
優しさを壊された、たった一人の殺人マシーンによって。

倒れた3人の持つザックから、目ぼしい支給品を漁ると、ルイージは再び獲物を探し歩き出す。
愛しい人を蘇らせるため。その無念を晴らすため。
そして、自分達の存在意義を示すために――
289ゲーム好き名無しさん:2009/07/03(金) 21:19:49 ID:byAQT74kO
290代理投下:2009/07/03(金) 21:26:05 ID:gUgz/aK30
   ※   ※   ※   ※   ※


巨大なモニターに、バトル・ロワイアル会場の地図が映し出されている。
そこに点在する光点。生存中の参加者を示す光点だ。
それを見つめるは、黒いスーツに身を包んだ一人の男。

このゲームの主催者であり、『5の兵士』の最後の一人。
そして彼らの中で、唯一の普通の人間でもある。

――ロケット団首領、サカキ。

進行するゲームを静かに見守る彼の部屋に、別室より通信が入る。
『さて、どういうことか説明してもらおうじゃないか』
ポーキーだ。別モニターに映し出された彼の目には、サカキへの疑いが色濃く出ている。
『あのギガクッパのフィギュア。あれに仕込まれた力は何だ?
 あの人形にあんな力が秘められていたなんて、聞いていないんだけど』
「当然だ。私は説明していないのだからな。元々君達は、支給品の選別は我々に一任しただろう?」
何食わぬ顔で答えるサカキに、モニターの向こうのポーキーは不快感を露骨に示す。
「何か問題でも?ゲームを円滑に進行させるために用意したカンフル剤ではないか。
 もっとも予想外に早く発動した上、いい効果は得られなかったようだが」
『全くだ。殺し合いを促すどころか、一部の連中の結束させるきっかけになってしまった。
 せっかくの愉快な泥沼が台無しじゃないか?』
「あの泥沼を収束させるなど、誰も予測できんよ。君も最初は、あれを楽しげに見ていたじゃないか。
 ……それに、たかだか一騒動が治まった程度で騒ぎ立てるなど、君らしくもないな。
 争いの火種はまだ幾つも残っている。ゲームの進行にも何の影響もない」
会話は淡々と続けられる。
『まあいいさ。今回は見逃してやるよ。だけど、裏切ろうなどと思うなよ』
「まさか。私の目的はこのゲームの完成……そんな必要がどこにある?」
291代理投下:2009/07/03(金) 21:28:52 ID:gUgz/aK30
『ふん……ロケット団だかなんだか知らないけど、所詮お前はただの人間なんだ。
 俺がその気になれば、お前なんて簡単に殺せるんだからな』
「フ……ご忠告、ありがたく受け取っておくとしよう」
その言葉を最後に、通信は切られた。

「所詮ただの人間、か……人形(フィギュア)風情が、よく言う」

(バトル・ロワイアルの完成……その言葉に偽りはないよ、ポーキー君。
 だが、ただ快楽に浸ることしか考えない君では、ゲームの真の意味はわからないだろうな)
サカキは別のモニターに目を移す。そこには会場の地図が映し出されていた。
今しがた話題に出ていたギガクッパが、ほんの少し前まで暴れていたその場所に注目する。
いくつかの光点が集まっていた。戦闘行為は行われていないことは盗聴で判明している。
「あのギガクッパの暴走を抑え、正気に戻したか。
 そして、あのミュウツーをも仲間に引き込むとはな……」
状況は絶望的だったはずだ。力に支配され暴走するクッパに、殺し合いに乗ったミュウツー。
どう考えても相容れる要素は一切存在しない。
彼らの戦いは、そのまま規模を拡大しさらに被害を広げる、誰もがそう予測した。
だが……ギガクッパを巡る一連の騒動は、バトル・ロワイアルの常識を根底から覆す結果を出した。
たった一人の男の介入によって。

「マリオ……か。なんという男だ」

彼は見事に、クッパの暴走を止めることに成功した。
それだけではない。あの冷たく閉ざされたミュウツーの心すら、彼は難なく解きほぐした。
そう……彼は全てを丸く収めてみせた。ただ一人の犠牲もなく、だ。
その戦いから逃れたはずのゼルダもまた彼らと合流し、彼らの輪の中に入った。
まるで、このマリオという男の光に導かれるかのように。
「流石だな、スターの申し子。私の睨んだ通り……いや、それ以上だよ」
サカキは素直に驚嘆する。やはり彼は、他の参加者達とは一味違う。
彼なら、自分の求める力となり得る……そんな確信すらあった。

292代理投下:2009/07/03(金) 21:30:11 ID:gUgz/aK30

続いてサカキは、地図の南西部に目を向ける。
彼が注目したのは、今しがた虐殺を繰り広げた、緑の弟を示す光点だ。
兄とは対極的に、彼の周囲の光点は一気に消失した。

「ルイージ……修羅の道を堕ち続けるか。皮肉なものだな」

その運命に、苦笑するサカキ。
前の大会では、愛する人が死んでもなお絶望に屈することなく、最後まで抗い続けたというのに。
「人は、環境次第でこうまで変わるか」
もっとも、元を糺せばサカキの言葉に起因するとも言えるのだが。
いずれにせよ、ルイージもまたサカキの望む力へと成長しようとしている。マリオとは違う形で――

マリオとルイージ。
まさに彼らは、光と影。

「マリオブラザーズ……か。さて、彼らはどういった運命を辿るのか……」
この先、二人が再会した時……そこに待つものは何だろうか。
新たな惨劇か。それとも……
「どう転ぶにしても、面白くなりそうじゃないか。……なぁ?」
傍らのペルシアンの頭を撫でながら、サカキは自分の座る椅子の左後ろに直立している男に声をかける。
痩せた体、紫のオーバーオール、帽子に描かれた逆向きのLの字。
男の目には光はない。まるで人形か、あるいは死人――
「……ワルイージ君?」
前座ゲームでマーダーとして活躍し、死んだはずだった男がそこに立っていた。
サカキの言葉にピクリとも反応せず、彼の虚ろな目は一点を見つめ続けていた。
ただ一点、ルイージの生存を示す光点を。


293代理投下:2009/07/03(金) 21:32:10 ID:gUgz/aK30
   ※   ※   ※   ※   ※

「なんて……ことだ……」
朦朧とする意識の中で、メタナイトは無念を隠すことなく呟く。
ルイージロケットの一撃は急所を外れ、かろうじて彼を生き延びさせていた。
幸運なことに、どうやらルイージは彼の生存に気付くことなく去っていったようだ。
だが、ダメージは大きい。意識を保つことすら難しく、しばらくは動けそうにない。
そして……彼の心に、生還の喜びなどない。
クリスタルは。クマトラは。二人はどうなってしまったのか。
一刻も早く確認したい所だが、それすらもままならない。

あまりにも、迂闊だった。無理にでもあの二人を引っ張って逃げるべきだった。
それを躊躇ったのは……彼女達への不信が自分の中に残っていたせいかもしれない。
無様だ。これでは、せっかくのディディーの命を賭けた行動を、無碍にしたも同じだ。
いや……違う。
そんな綺麗なものじゃない。自分は逃げたかったのだ。
あのルイージという男の異常さを、恐れていたのだ。
そのために、ディディーを言い訳に使った……!

ルイージを恐れて。ディディーを利用して。クマトラとクリスタルを信じきれなくて。
そうして、全てが台無しになった。
情けない。あまりにも惨めだ。……だが今さら後悔しても遅い。
(すまない……)
沈んでいく意識の中で、メタナイトはディディーに謝罪した。
そして、誓う。
ルイージ。あの男だけは絶対に許さない。次に会った時は、必ずこの手で倒すと。
もう、恐れから逃げない。過ちは繰り返さないと――

294代理投下:2009/07/03(金) 21:34:17 ID:gUgz/aK30
メタナイト@星のカービィシリーズ
 健康状態:ダメージ(大)。強い後悔。気絶
 装備:コキリの剣@ゼルダの伝説 時のオカリナ、海賊のお守り
 所持品:支給品一式
 現在位置:H5
 第一行動方針:ディディー達への贖罪
 第二行動方針:ディディーやクマトラから聞いた仲間、もしくは脱出の為に必要な技術を持つ仲間を探す。
 第三行動方針:ルイージは見つけ次第、必ず殺す
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:参戦しているのはゲーム版のメタナイトです。クマトラから、リュカの情報を入手しました】

【ディディーコング@ドンキーコングシリーズ 死亡】
【クマトラ@MOTHERシリーズ 死亡】
【クリスタル@スターフォックスシリーズ 死亡】


   ※   ※   ※   ※   ※



既に陽は傾きかけていた。
一人草原を歩くルイージは、ふと空を見上げる。

一番星が、輝いていた。

――兄さんにも、あの星が見えているだろうか?
295代理投下:2009/07/03(金) 21:37:38 ID:gUgz/aK30

誰も信じられなくなり、心が壊れた時――彼は真っ先に兄を殺すことを決意した。
今まで抑えていた、気付いてすらなかった黒い感情が表に出たせいもある。
だが……何より本当の理由は、自分自身にけじめをつけるためなのかもしれない。
いや……あるいは――

「くくくっ……ははははははははははははっ!!!」

彼は笑った。ただひたすらに。
その目から流れている涙に気付くこともなく。


――どうしたの?兄さん。

早く僕を止めに来なよ。

でないと、本当に取り返しがつかなくなるかもよ?



【名前:ルイージ・マリオ@マリオシリーズ
 健康状態:精神崩壊。ネガティブゾーン常時放出中
 武装:木槌@アイスクライマー、レイガン@スマブラシリーズ(残り4発)
 所持品:支給品一式、ペンシルロケット×3@MOTHERシリーズ、バンパー@スマブラシリーズ
 現在位置:J−6
 第一行動方針:ただ「殺す」のみ
 第二行動方針:――しかし……?
 最終行動方針:デイジーを生き返らせる?
 備考:感情の大半を失っており、余程のことがない限り感情は戻らないと思います。
   ネガティブゾーンの効果は現在軟化。しかし感情を刺激された場合、再度強まる危険あり】
296代理投下:2009/07/03(金) 21:38:25 ID:gUgz/aK30
【I−5/夕方】



夕焼け空の一番星。

あの日、デイジー姫と見つけた一番星に願ったのは、何だっただろう――

星は、どこか悲しげに輝きながら、闇に堕ちた男を見守り続けていた。





――ねぇルイージ、それで結局何をお願いしたの?

――もちろん、決まってるよ。僕のお願いは――




 に い さ ん の  や く に た ち た い


297代理投下:2009/07/03(金) 21:59:37 ID:gUgz/aK30
と、いうわけで、代理投下終了です。
この話を正式にさいようするかは、まだ分かりませんが、
wiki編集の際は避難所のほうを参考にしてください。
◆LlYRrETCWQさん乙です。
超久々の投下がまさかの類似さんがネガゾーン発動で
さらに強力なマーダー化する話とは・・・
ほんとに兄とは対極の道を進んでるのが余計悲しいなぁ・・・

これで書き手さんがまた集まってくれればいいですね。
・・・というか、ここどれくらい人残ってるんだ?
298ゲーム好き名無しさん:2009/07/04(土) 18:21:37 ID:vGawU2XL0
乙です!久々の投下に興奮しました。
ルイージ…
299 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/05(日) 14:04:15 ID:Bav/Ny5oO
このまま終わるのも
寂しいので
サムライゴロー、ジェフ、ピカチュウで予約します。
300ゲーム好き名無しさん:2009/07/05(日) 15:47:57 ID:Z4SfaOO70
ごめん、こんな事言うのも何だけど、クリスタルはファルコの件は知ってたんじゃ……?(@wiki62話)
そこは窮地に立ってあまりに混乱してたって感じで脳内補完すればおkかな
ともあれ◆LlYRrETCWQさん本当に乙、◆1TVDZc0Ct2さん投下楽しみに待ってます
301ゲーム好き名無しさん:2009/07/05(日) 22:56:32 ID:9YEF6c7Y0
一気に活性化か!?
wktk
302 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/07(火) 16:40:29 ID:Nt8Vn06j0
サムライゴロー、ジェフ、ピカチュウ
できましたので、投下します。
303 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/07(火) 16:43:36 ID:Nt8Vn06j0

サムライゴローはなだらかな丘を歩いていた。
そして歩きながら考えていた。

宇宙は広い。そりゃ広い。
どんくらい広いかっていわれても
ミュートシティが何個入るとか、そうゆうレベルの話じゃない。
いくらオレさまが宇宙規模の大盗賊の頭だとしても
宇宙の端から端までの見たわけじゃあない。
だから、多少文化とか常識が違っても
「そんなもんもあるだろう。」と認識することができる。
人間とタコが合体したような奴や、人間とワニを融合したような奴、
その他本来の人の形からはみ出たような奴だって、
「そんなもんもあるだろう。」と認識することができる。
驚嘆こそあれど、恐怖することなどはない。

しかし、先ほど少年が自分のペットであろう犬を刺し殺した時、
オレさまは少しなからず恐怖を覚えた。
別に、少年に殺されてしまうと怯えたわけじゃあない。
だからといって、少年が異形な容姿だったわけでもねぇ。
普通だったら、まだ布団にしょんべん漏らしてもおかしくねぇぐらいの少年が、
あそこまで、ただ淡々と人・・・と犬を殺せるようになってしまう、
この空間、バトルロワイヤル自体に恐怖を感じたのさ。

あの少年が元から人殺しに慣れていた可能性だってあるさ。
だが、そうだとたてらだ。
あの犬があんなに少年に懐くか?
多分、少年はあの犬をすごく可愛がっていたんだろう。
それでも少年は迷うことなくあの犬を殺した。
そして、少年の迷いを消したのは、
304 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/07(火) 16:45:45 ID:Nt8Vn06j0
間違いなくこの、バトルロワイヤルという”ゲーム”だろう。

オレさまはこの空間から抜け出すため、
恐怖を払拭するため、
今までの状況をまとめ直してみた。


犬にくっついて歩いていたとき、いきなり放送が始まった。
あの犬っころを追いかけながらメモってたから
かなり汚い字になっちまたが、重要なことはメモってある。
―21人。第一放送で読み上げられた人数だ。
その中にはオレさまのライバル、ファルコンも入っていた。
正直、あいつが死んでしまうとは思えねぇ。
まあ、その放送が真実だとすると、
さっき死んじっちまった犬を足すと22人。
おそらく少年の後ろで死んでた少女も出血してから
そう時間が経っていなかったから放送後に死んだと思うから23人。
参加者か分かりにくっかたが、
足みてぇなとこに首輪みてぇなのがついていたので、24人。
そうすると残ってるのは37人。
オレさまとあの少年、さらにオレさまを
人殺しだと勘違いしてるであろう侍を除くと
いまだオレさまが出会ってないのは、34人になる。
他にも殺し合いに乗っているものはいるだろうし、
さっきの少年や侍はオレさまのことを人殺しとして広めるだろう。
そうなると協力できる人数はおのずと減ってくるだろう。
オレさま一人でここから脱出するのは無理だし、
協力者は多いほうがいいに決まってる。
やっぱり、早めに他の参加者と連絡をつけたほうがいいな。
305 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/07(火) 16:52:37 ID:Nt8Vn06j0
すいません。改行を行う前のものを
間違って投下してしまいました。OTL
修正いたしますので、しばらくおまちください。
306 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/07(火) 19:06:15 ID:N6LrpTjiO
度々すみません。
パソコンの調子が悪いみたいなので明日投下し直します。OTL
度々すみません。
307ゲーム好き名無しさん:2009/07/07(火) 23:28:17 ID:Zdee+5jh0
おおっ、頑張れ。待ってるぞー
この調子で復活なるか?
308 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 12:55:34 ID:8l7uKWmc0
お待たせしました。
それでは再び投下します。
309 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 12:57:09 ID:8l7uKWmc0
サムライゴローはなだらかな丘を歩いていた。
そして歩きながら考えていた。

宇宙は広い。そりゃ広い。
どんくらい広いかっていわれても
ミュートシティが何個入るとか、そうゆうレベルの話じゃない。
いくらオレさまが宇宙規模の大盗賊の頭だとしても
宇宙の端から端までの見たわけじゃあない。

だから、多少文化とか常識が違っても
「そんなもんもあるだろう。」と認識することができる。
人間とタコが合体したような奴や、人間とワニを融合したような奴、
その他本来の人の形からはみ出たような奴だって、
「そんなもんもあるだろう。」と認識することができる。
驚嘆こそあれど、恐怖することなどはない。

しかし、先ほど少年が自分のペットであろう犬を刺し殺した時、
オレさまは少しなからず恐怖を覚えた。

別に、少年に殺されてしまうと怯えたわけじゃあない。
だからといって、少年が異形な容姿だったわけでもねぇ。

普通だったら、まだ布団にしょんべん漏らしてもおかしくねぇぐらいの少年が、
あそこまで、ただ淡々と人・・・と犬を殺せるようになってしまう、
この空間、バトルロワイヤル自体に恐怖を感じたのさ。
310 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 12:58:59 ID:8l7uKWmc0

あの少年が元から人殺しに慣れていた可能性だってあるさ。
だが、そうだとたてらだ。
あの犬があんなに少年に懐くか?
多分、少年はあの犬をすごく可愛がっていたんだろう。
それでも少年は迷うことなくあの犬を殺した。
そして、少年の迷いを消したのは、
間違いなくこの、バトルロワイヤルという”ゲーム”だろう。

オレさまはこの空間から抜け出すため、
恐怖を払拭するため、
今までの状況をまとめ直してみた。


犬にくっついて歩いていたとき、いきなり放送が始まった。
あの犬っころを追いかけながらメモってたから
かなり汚い字になっちまたが、重要なことはメモってある。

―21人。第一放送で読み上げられた人数だ。
その中にはオレさまのライバル、ファルコンも入っていた。

正直、あいつが死んでしまうとは思えねぇ。
まあ、その放送が真実だとするとだ。

さっき死んじっちまった犬を足すと22人。
おそらく少年の後ろで死んでた少女も出血してから
そう時間が経っていなかったから放送後に死んだと思うから23人。
参加者か分かりにくっかたが、あのピンク色の物体も
足みてぇなとこに首輪みてぇなのがついていたので、24人。
311 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 13:00:18 ID:8l7uKWmc0
そうすると残ってるのは37人。
オレさまとあの少年、さらにオレさまを
人殺しだと勘違いしてるであろう侍を除くと
いまだオレさまが出会ってないのは、34人になる。

他にも殺し合いに乗っているものはいるだろうし、
さっきの少年や侍はオレさまのことを人殺しとして広めるだろう。
そうなると協力できる人数はおのずと減ってくるだろう。
オレさま一人でここから脱出するのは無理だし、
協力者は多いほうがいいに決まってる。
やっぱり、早めに他の参加者と連絡をつけたほうがいいな。

サムライゴローは担いでいた
2つのデイパックのうち片方のデイパックをあさり―
    ―ピンクのファンシーな携帯電話を取り出した。


―――――――――――――――――――――――――――――――

ジェフは民家の中にあるベッドに腰掛けた。
そしてそのベッドの中心には、傷口がふさっがった電気ねずみ、
ピカチュウがうつぶせに寝ていた。
ジェフもまた先ほどまでのことを思い出していた。

僕は民家に入ると傷だらけの動物をソファに置き、
家の中に使えるものがないか、大急ぎで探索した。

しかし、役に立ちそうなものは一向にでてこない。
黄色い動物をくるんでいる僕の上着に
血が染み込んでいくのがありありと分かる。
312 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 13:01:44 ID:8l7uKWmc0
自分の皮膚から汗が噴出すのが分かる。なにか、なにか、
僕は改めて自分のデイパックを見直した。
だめだ、役に立ちそうなものははいってない。

ふと、動物に目をやる。まだ出血している。視線を少し横にずらす。
そして生き物の隣に置いてあるデイパックに気づいた。
そうだ!!あの動物のデイパックだ!!!!
この際、人の荷物を勝手にいじっちゃだめとかは、どうでもいい。
なにかなにかなにかなにか・・・・・・・!

「なにがおこるかな」というアイテムが出てきた。
・・・いや、なにが起きるんだよ。

ツッコミを入れている暇はない。僕は慌てて説明書を読んだ。
「なにが起きるか分からない。
使ってみてのお楽しみ!料理の材料にもなるよ。」

・・・微妙だ、が、今はもうこれしかない。僕はこのアイテムにかけることにした。
「なにがおこるかな」を使うとルーレットのようなものが回りだした。
ルーレットの絵には、きのこや、花、雷などの絵が描いてあった。

僕にその絵の意味は分からない。
僕はとにかく、なんでもいいから、この黄色い動物を助けてほしっかた。


そしてルーレットはきのこの絵で止まった。

313ゲーム好き名無しさん:2009/07/08(水) 13:02:56 ID:8l7uKWmc0
そして、そのきのこが消えたと思ったら
黄色い生き物の傷口はふさがっていた。脈も正常に戻っていた。
助けることができたんだ!僕はおもわずガッツポーズをとった。



第一放送が終わってからもうだいぶ時間がたった。
あれから僕が家の中で動物が目覚めるのを待っていると
突然、放送が始まった。
放送を担当したのはポーキーではなく、「カジオー」という奴だったので、
少なくともポーキーに仲間がいることは分かった。

幸いネス、ポーラ、プーの名前は呼ばれなかったが、
それでも人が死んでいるということに変わりはない。
この動物を傷つけた少年以外にも、殺し合いに乗ってる奴らは確実にいる。

そして死んでしまった人がいる。この動物のように傷ついてる人もいると思う。
だから僕は、この殺し合いを止める。そしてポーキーの奴をぶっとばす。
僕が改めてゲームの打開を誓ったところで

ジリリリリリリリリリリリリリリリン、電話のベルが鳴った。

どうする、取るべきか?
頭の中を様々な考えがよぎった。が、結局取ることにした。

「はい。もしもし。」
314ゲーム好き名無しさん:2009/07/08(水) 13:04:16 ID:8l7uKWmc0

「おぉ、やっと出た。」

電話の向こうから野太い声が聞こえてきた。

「おまえはこのゲームとやらに参加してるか?」

「いいえ、僕は殺し合いをするつもりはありません。あなたは―

「オレさまも殺し合いはするつもりはねえよ。」

・・・自分のことをオレさまって言う奴にいい思い出があんまりないなぁ。

とにかく僕が最初に会ったのは、錯乱している少年。
その次にあったのはその少年に傷つけられ会話などままならない動物だった。
なので、このゲームが始まって会話したのは、初めてだった。

「OK、僕はジェフといいます。あなたのお名前は」

なんかお見合いみたいな自己紹介に、
お見合いみたいな聞き方になってしまった。
野太い声の男は野太い声で答えた。


「オレさま?オレさまはサムライゴローだ。」


―――――――――――――――――――――――――――――――

315 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 13:05:19 ID:8l7uKWmc0
オレさまがあの少年から逃げるとき、
オレさまはとっさにあの犬っころもデイパックを掴んでいた。
わりいな、犬っころ。やっぱりオレさまは盗賊なんだよ。

犬っころのデイパックのなかには、
「カービィの携帯電話」とやったらファンシーなアイテムだった。

・・・犬には無理だろ。これ使うの。

さらにもうひとつ「ダッシュシューズ」という靴が入っていた。
これをはくと早く走れるらしいのだが
が、サイズが合わないのでとりあずバッグにしまう。

・・・っていうかこれも無理だろ!!犬には!!

携帯の説明書には使い方とエリア内にある電話の番号表が書いてあった。
とりあえず、学校、警察署、病院と人が集まりそうな施設から電話してみた。
だれもでねぇ・・・ まあ次だ、次。

次に民家1と書いてあるところに電話を掛ける。
だれも出ないので次に民家2に、そして次に民家3に・・・


・・・民家41だれもでねぇ。なんだ、他の参加者はみんなアウトドアなのか?
次は民家42 1コール 2コール 3コール 4コー「はい。もしもし。」
「おぉ、やっと出た。」
思わず口からそう漏れたのはしょうがねぇだろ。 


316 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 13:06:31 ID:8l7uKWmc0
そんで、そっから30分近く情報交換をした。
ジェフはメカに強いらしく工具があったら首輪をはずせるかもしれないらしい。
オレさまは今ジェフと合流するためにF−4に向かっている。
なんでも林の中にポツンと茅葺の家が置いてあるそうだ。

まっすぐ南に向かいたいのだが時間は2時を過ぎているため、
下手に南に進むとD−3にはいっちまう。
なわけで今オレさまは西に向かって歩いている。
いったん海岸のほうに出て迂回してF−4に行くことにした。



サムライゴローはなだらかな丘を歩いていた。このバトルロワイヤルから抜け出すために。



【C-2/午後】
【サムライゴロー@エフゼロシリーズ】
健康状態:狼狽
武装:銘刀サムライ@カービィSDX
所持品:支給品一式×2(本人、ボニー)不明支給品(1〜2、本人確認済み)
 カービィの携帯電話@星のカービィ鏡の大迷宮 ダッシュシューズ@ポケットモンスター 
現在位置:C−4
思考・状況:ゲームからの脱出
基本行動方針:盗みはするが、殺しはしない。
第一行動方針:F−4でジェフと合流する。
第二行動方針:他の参加者とも連絡を取りたい。
第三行動方針:服を取り替えたい
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:参戦しているのはF-ZERO伝説のサムライゴローです。
備考:ボニーの血を被っています。
備考:ジェフと情報交換しました。ネス、ポーラ、プー、ポーキーについて知りました。
 ポポをマーダーと認識しました。ある程度信用しています。
備考:リュカをマーダーだと認識しました。
317 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 13:07:33 ID:8l7uKWmc0


【F-4/午後】
【名前:ジェフ(MOTHER2)】
健康状態:疲労(小)
  武装:ワルサーPPK@現実/残り9発
 所持品:支給品一式
 現在位置:F−4 茅葺の家の中
基本行動方針:殺す事は極力避ける
第一行動方針:サムライゴローと合流するまでここで待機
第二行動方針:ネス達と合流したい
第三行動方針:動物が気になる。
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:ポポをマーダーだと認識しました。
備考:サムライゴローと情報交換しました。
 リュカをマーダーがだと認識しました。ある程度信用しています。


【名前:ピカチュウ(ポケモンシリーズ)
健康状態:健康 多少貧血気味
武装:無し
所持品:支給品一式、不明支給品(1〜2)
現在位置:F−4 茅葺の家の中
第一行動方針:サトシと合流
基本行動方針:サトシを捜す
最終行動方針:サトシに従う
備考:少し貧血気味ですが、行動に問題がない程度に回復しました。
備考:もう少しで目が覚めると思います。
318 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 13:11:53 ID:8l7uKWmc0
以上投下終了です。
途中トリ付け忘れたり、誤字脱字があったりOTL
本当にたびたびすいません。

サムライさんの一人称が統一しきれなっかたのは
私の実力不足です・・・

修正箇所、矛盾点などの指摘お願いします。
319ゲーム好き名無しさん:2009/07/08(水) 20:37:42 ID:AxKcekU3O
おお、これは何というGJ・・・!投下乙です!
キャラ同士の間に色々動きが出てくると期待も高まってくるなー
320ゲーム好き名無しさん:2009/07/08(水) 23:13:18 ID:HBSc2z0r0
GJ!!
久しぶりの投下にスレが活気付いてきましたね
321 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/07/08(水) 23:36:53 ID:uv3lEZWRO
感想ありがとうございます。
書き忘れていたのですが、タイトルは「ゴローが行く!」でお願いします。
322ゲーム好き名無しさん:2009/07/19(日) 21:06:16 ID:y4jJ3Ulf0
久々にきたら過疎りかけてるwww
んー、書き手からすると書きにくいのかなー?
323ゲーム好き名無しさん:2009/07/26(日) 15:53:25 ID:I5OrR3R20
ほしゅほしゅ
324ゲーム好き名無しさん:2009/07/27(月) 22:24:20 ID:ml7bKV8ZO
ゴローが電話掛ける時に使った説明書にはエリア内の電話全部につながってんのか?
325ゲーム好き名無しさん:2009/08/09(日) 22:35:26 ID:z4oAPoIz0
多分そうじゃない?
だから一個ずつ電話かけてたんだと思う
326ゲーム好き名無しさん:2009/08/10(月) 04:28:34 ID:ZhiMvZmvO
まあ 次の書き手さん次第だな。
しかし今昔のSSを読みかえすと結構あらが多いな…

・どう考えても放送いく前に状況書くべきだったキャラがいる
・放送後なのに放送に関しての描写が全くないSSがある
・1・2話で死亡するキャラが多すぎる
・キャラクターの思考が単純すぎる
と、自分が感じたのは以上。やっぱりこのまま続けるのは難しいと思う。
327ゲーム好き名無しさん:2009/08/11(火) 22:08:17 ID:ZNLILYkn0
wikiとか読み返してみたら
矛盾発見した。

>>315でゴローがボニーのデイパック持ってきちゃってるけど
その前に57話でゴローが逃げた後リュカが
ボニーのデイパック漁ってるんだけど・・・?
結構いい展開になってるからこのまま続けてもいいんだけど
リュカがボニーのから手に入れたマキシムトマトとか
どっから出てきたの?ってなっちゃうから直した方がいいと
思う。
今さらな感じで作者さんには悪いけど。
328ゲーム好き名無しさん:2009/08/11(火) 23:53:44 ID:X68ps4LNO
「このまま続けるのは難しい」って意見と「このまま続けたい」って意見とで、
どちらにも頷ける所があるのが何より難しい感じだな
最終的にはその辺も書き手さん次第だとは思うけど…
書き手さんが「まだだ、まだ終わらんよ」と思ってる限りは続くだろうし、
逆に「厳しい気がする」「もう無理ぽ」となったらそのままじゃ続きようがなくなるだろうし……
329 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/08/12(水) 18:01:28 ID:Gt66uUM00
>>327
見落としていたようです。すみません。
後日一部を修正して避難所のほうに投下します。
>>328
個人的に存続は難しいと思います。


330ゲーム好き名無しさん:2009/08/15(土) 17:48:41 ID:lguTxYVOO
未だフラグもろくに立ってないしな
立ててもすぐに折られる&適当に消化されるし
331 ◆1TVDZc0Ct2 :2009/08/17(月) 15:01:41 ID:eVLjuLdq0
避難所のほうに修正版をあげましたので、
正式に採用するさいは、そちらを使ってください。
相変わらずトリつけわすれたりですいません。OTL
332ゲーム好き名無しさん:2009/08/23(日) 13:02:46 ID:MxpUkLeHO
なんかwiki覗いたらピットの話が追加されてたんだが他の掲示板でもあんのか?
333ゲーム好き名無しさん:2009/08/23(日) 14:39:23 ID:z8eNmnhG0
今見てきた、たしかにこのスレには投下されていない作品でしたね。
とりあえず丸腰ピット君は第一放送聞き逃し確実のようで…
334ゲーム好き名無しさん:2009/08/31(月) 21:34:33 ID:jlUDJ1nP0
age
335ゲーム好き名無しさん:2009/08/31(月) 22:53:17 ID:lp6+g0yj0
おめでとう、あなたは3125番目の当選者に選ばれました
またとない幸運を掴むチャンスがやってきました

手続きはとってもカンタン
↓このスレに行き
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1250679721

 *  、-'ヾ'''ヾ`"''','、、 ,            _____
  _-'"         `;ミ、         /:::::::::::::::::::::::::\〜
 _-"ミ;ノリ人ノノヘ/リ; `゛゛ ミ       /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\〜
 >ミ/         'γ、` ミ      |:::::::::::::;;;;;;|_|_|_|_|〜
 了| "~`、  "~"`   {,',; ;} 。     |;;;;;;;;;;ノ∪  \,) ,,/ ヽ〜
 "7 `⌒`   ⌒   }ミ:. {      |::( 6∪ ー─◎─◎ )〜 
  '|   /       レリ*       |ノ  (∵∴ ( o o)∴)〜  
+  i  (       }ィ'        |∪< ∵∵   3 ∵> ハァハァ
   `  ー---    /|` +        \       ⌒ ノ
    ヽ  ̄    / |__           \_____/
     `i、-- '´   |ソ:     
      ↑                    ↑
    ドレアム派                 ゾーマ厨

たったこれだけなんだ、しかも書けば書くほど効果アップ
336ゲーム好き名無しさん:2009/10/16(金) 13:51:42 ID:nb2zOi/H0
久しぶりにきました。
緑弟さんが・・・異様なことに・・・
ジェフとサムライゴロー・・・途中でマーダーにやられたらどうすんだろ。

・・・てか続くの?
337ゲーム好き名無しさん
続いてほしいよ