Royale Sa・Ga サガバトルロワイアル3

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1ゲーム好き名無しさん
このスレッドは、SaGaシリーズのキャラを用いてバトルロワイアルを行う
参加型リレー小説スレッドです。

参加条件はそれまでの話を熟読することと、SaGaを愛していることのみ。
投下された作品はそれまでに投下された話との矛盾がなく、
ストーリー進行に大きな支障を来すものでない限り、原則として採用されます。
ただし、明らかに荒らし目的と見なすことができる作品は除外されます。

【書き手の心得】
・ネタはあってもすぐには書き上がらない時は予約が可能です。
・予約期限は第1放送完了までは3日。放送後は1週間に延長予定。
・予約・投下の際には騙り防止のためトリップを付けましょう。修正が必要になる場合もあります。
・当然ながら他の書き手が予約中のキャラを書くのはご法度。
・予約が期限切れで無効になっても、その書き手が予約なしで投下するのは問題ありません。
・整合性はリレー小説の命。前の書き手の話はしっかり読んで把握しましょう。
・作品の最後には状態表を忘れずに。死者が出た時は残り人数も併記を。

【前スレ】
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1183735467/

【過去スレ】
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1180441489/

【まとめWiki】
http://www36.atwiki.jp/rowasaga

【したらば掲示板】
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9594/

ルール・参加者名簿などは>>2以降。
2ゲーム好き名無しさん:2007/08/24(金) 23:39:56 ID:mJFrJeYi0
【基本ルール】
・主催者はかみ@魔界塔士Sa・Ga。
・最後の1人になるまで殺し合い、優勝者はどんな望みも叶えられる。
・回復系の術・魔法の効果は弱められている。蘇生(リヴァイヴァなど)は完全無効。
・開始は午前6時。6時間ごとに定時放送が行われ、死者の名前が読み上げられる。
・放送はMAP内のどこにいても聞くことが可能。
・また、一定の条件でMAP移動が行われる予定(移動に関する処理などは未定)。
・初期MAPはアロン島@ロマサガ1。本来の住民やモンスターはおらず無人状態。
 http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/19.jpg
 MAP中の1マスは1km四方程度として扱う。

【首輪】
・参加者全員は爆弾付きの首輪をはめられており、無理に外そうとすると爆発する。
・会場から逃げ出そうとした時も爆発する。
・放送と放送の間の6時間に死者が1人も出なかった場合も爆発する。
・かみの意思で手動爆破も可能。

【持ち物】
・ゲーム開始前、全参加者は本来の持ち物を全て没収されているものとする。
・衣服は例外として持ち込みを許されるが、防御効果はない。
・各参加者にはランダムで1〜3個のアイテムが、ザックに入った状態で支給される。
・ザックには参加者以外ならどんな大きいアイテムでも入るものとする。
・ランダム支給品はSaGaシリーズに登場した物、または現実に存在する物から自由に決定。
・ランダムアイテム以外に、以下の物が各人に支給されている。
 参加者名簿:名簿には全参加者の名前が掲載。写真や似顔絵は付いていない。
 地図:地図はアロン島のもの。上記画像参照。
 食料+水:簡素な保存食とボトル入りの水。2日分ほど。
 筆記用具、コンパス、時計、ランタン+油(油の量は適当、切れたら現地調達)

【その他】
・各キャラの参戦時期は自由に設定可。基本的に最初の書き手に決定権があるが、登場時に記載がない場合後

付け決定もOK。
・同作品キャラの参戦時期が違っても問題なし。むしろ時代固定だとロマサガ2とサガフロ2が困る。
・名無しキャラの名前決定も同様に自由。
・ロマサガ1/ミンサガキャラはどちらのバージョンで出演か最初の書き手が決定。状態欄に明記のこと。
・各キャラがどのイベントを経験したか、誰と知り合いかも無論ゲーム内で可能な範囲で自由。
・習得している術・技も常識の範囲で決定可能。
・ただしそれまでの同キャラに関する採用作品と矛盾は出ないようにね。
・他キャラとでは認識が違っていてもOK(AはBと仲間だったが、BはAを知らないなど)。パラレルワールド扱

い。
3ゲーム好き名無しさん:2007/08/24(金) 23:40:30 ID:mJFrJeYi0
■参加者名簿(○=生存、●=死亡)

【魔界塔士Sa・Ga 5/6】
○アシュラ/○ケンイチ(総長)/○アーサー(人間男)/
○フェイ(人間女)/○ミレイユ/●エスパーマン

【Sa・Ga2 秘宝伝説 4/5】
●ギゥンツ(エスパーボーイ)/○先生/○オーダイ(父親)/○女神/○コンボイ(メカ)

【時空の覇者 Sa・Ga3 3/4】
●デューン/○ポルナレフ/○ミルフィー/○シリュー

【Romancing SaGa(ミンストレルソング)10/10】
○アルベルト/○ガラハド/○吟遊詩人(エロール)/○グレイ/○クローディア/
○ゲラ=ハ/○シフ/○ジャミル/○ナイトハルト/○ホーク

【Romancing SaGa2 7/8】
○ヴィクトール/○クジンシー/○ニコライ(最終皇帝男)/○クリスティーナ(最終皇帝女)/
●ジェラール/○ダンターグ/○ノエル/○ロックブーケ

【Romancing SaGa3 9/10】
○エレン/○カタリナ/○サラ/○詩人/○トーマス/○ゆきだるま/
●ユリアン/○レオニード/○フォルネウス/○ビューネイ

【SaGa Frontier 9/10】
○アセルス/●白薔薇/○T260G/○ブルー/○ルージュ/○レッド/○メイレン/○零姫/
○レオナルド/○メタルブラック

【SaGa Frontier2 6/7】
○ウィル/○ギュスターヴ13世/○コーデリア/●サルゴン/○ジニー/○ナルセス/○ヨハン

【Unlimited: SaGa 8/10】
○アーミック/○オーベルベンド/●キャッシュ/○クン=ミン/○ジュディ/
○ヌアージ/○ヒロユキ/●ルビィ/○レオン/○ヴェント


計61/70人
4ゲーム好き名無しさん:2007/08/24(金) 23:41:17 ID:mJFrJeYi0
【状態表の書き方】

・キャラ表記について
 【座標/場所/時間】
 【キャラクター名】
 [装備]:キャラクターが装備している武器など、すぐに使える(使っている)ものを記入。
 [道具]:キャラクターがザックなどにしまっている武器・アイテムなどを記入。
 [状態]:キャラクターの肉体的、精神的状態を記入。
 [思考]:現在具体的に考えている事・目的・行っている事を記入。
 [備考]:その他何か特記事項。無くても良い。

【名前 死亡】※死亡したキャラが出た場合のみいれる。
【残り○○人】※死亡したキャラが出た場合のみいれる。
以下、人数分。

−例−
【E-2/河原/朝】
【ジニー@SaGaFrontier2】
[状態]:左腕に浅い切り傷(戦闘には支障無し)
[装備]:出刃包丁
[道具]:傷薬、確認済みの支給品0〜1、荷物一式
[思考]
基本:ゲームから脱出
1:ダンターグから逃げる
2:ウィルと合流

【ダンターグ@RomancingSaGa2】
[装備]:アイスソード
[道具]:確認済みの支給品1〜3(ただし武器は無い)、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:ゲームに優勝する
1:ジニーを追い、殺す

【ガラハド@RomancingSaGa 死亡】
【残り65人】
5ゲーム好き名無しさん:2007/08/24(金) 23:41:52 ID:mJFrJeYi0
【作品への修正要請について】
投下された作品に手直しが欲しい部分があると感じた場合、遠慮せず指摘しましょう。
ただし、特殊な場合を除き、修正を行うかどうかは作者の自由です。

・今までの作品・原作との矛盾、物理的に無理な描写など致命的な問題がある場合は修正必須。
・それ以外の点に問題がある(キャラの行動が不自然、能力・アイテム解釈が微妙、ロワ全体の進行への悪影

響懸念など)
 と感じた場合は、本スレで軽く指摘してからしたらばの議論スレに持ち込むことを推奨。
 議論スレでの話し合いの結果「修正した方がいい」となった場合は、本スレで作者に修正要請が出されます


・ただし、致命的な問題以外を理由としたものであれば、作者には修正を拒否する権利があります。
・議論スレでの結論を待たず、指摘が入った時点で作者が自主的に修正するのも当然OK。
・致命的な問題が発生し、修正不能な場合は残念ながらその作品は破棄となります。
・投下後、誰からも修正要請がないまま3日経過した場合はその作品は本採用。
 修正が行われた場合も、それから3日の間に再修正の要請がなければ修正版が本採用されます。
・本採用が決まった作品には、致命的な問題がない限り修正・破棄要請を出すことはできません。
 ただし作者本人の意思による修正・破棄、誤字脱字の訂正はその限りではありません。
・既に続きが書かれている作品の大幅修正(話の筋や結果が変わるレベルの)や破棄には、
 作者本人の他、そこからリレーされた作品の作者の同意が必要です。
6ゲーム好き名無しさん:2007/08/24(金) 23:43:40 ID:kyOIJhdt0
       /ソi 、   あたらしき かみ アポロンが>>1乙しつつ2ゲットだ
      /ノ_ノノヾ!      
      /ソ _.!`ソ   >3 そうかんたんに 2getができるかな?
    ....'/-`‐ '!(_   >4 この イージスのたてで きみらの2getは ふせぐぞ
  /::::ヾノ''ヽ!:::ヽ  >5 わたしには ひるいなき レスりょくが みについた
  {:::::;;:::::丶. 〉::;  >6 2get の きれあじを きみらのからだで あじわうがいい!
   !:::::';m;::::ヾ::!::::l  >7 きたぞ キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
   ヾ;;;;;;;;;;;;:::'';;:::;i'゛ >8 では そろそろ いくか!
.   l ノ::::::::・!::::::i  >9 な なんだ これは! わたしの 2getが! なにが おこったんだー!
   l i;;::::::・ii:::::::l   >10 く・・そ・・・・ はかったな たいさー
   l '|':'::::::;i;:::::|~  >11 わたしが さんかしゃにいないとは・・ 2getが ・・くず・・・・れる・・
7ゲーム好き名無しさん:2007/08/24(金) 23:56:26 ID:92KJevJE0
>>1乙。
ついでにアポロン自爆乙。

着火器具は火打石か、説明書付きのライターかチャッカマンでいいんじゃないだろうか。
魔力持ってると特定の参加者に有利な品になっちゃうし。
8 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/08/25(土) 16:33:05 ID:Z8z8zsi50
>>7 そんなところでしょう。
前スレ>>778 ゲームからはそこまで読み取れないので答えは出せないですね。
 仮に火打石が基本着火器具として、術の媒体としての力は引き出せないとしておけば問題ないと思います。

で、投下。
 

9忠と侠、理想の狭間  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/08/25(土) 16:34:41 ID:Z8z8zsi50
心の中の善意――そんなものが残っていたのならだが――は手紙に乗せて鳩と共に空へ放り捨てた。
残されたのは苛烈、悲壮なまでに苛烈な忠誠心の化身のみ。

延々と続く砂浜をカタリナは北西へ向けひたすら歩いていた。
戦うか抗うか、生か死か。
出逢った者にこの『ゲーム』に参加させられた意味を問う究極の選択を突きつけるために。
デューンという敗者がいたことの証しである右腕の傷は思った以上に深く、
熟慮の末にカタリナは左手でシルバーフルーレを扱うという武器の選択をした。
命のやり取り、ということに重きを置けば速さと精密さを兼ね備えた武器が有利であるし、
なにより剣と小剣を比べればカタリナにとっては小剣の方が扱い慣れているということが大きい。
聖王遺物の一つ、七星剣は魅力的な武器であるが、
優れた武器を持ってもいきなり人の剣技が上達して剣豪になれるわけではないのだ。
大切なのは身の丈にあわせること。
戦いの序盤から武器を選べるという幸運に巡り会っているのだから浮かれずに節制せねばならない。

……などという時間的に前になる話はともかく。
カタリナは今、波間から槍、そして鎧が現れるという奇怪な現象から目を逸らせずにいた。
他に疑いようが無いのではあるが、それが生身の人間の所業とは思えなかったから。
あるいは、魔に属する類なのかもしれない。
そういえば確かに最初に集められた空間には明らかに人でない気配もあった。
とにかく、こちらを認識しても速度を緩めることなく海から上がってくるそいつに対して、
決意どおりにカタリナは選択を突きつける。
「あなたはゲームに乗る道を選ぶか? それとも、抗うか? 答えて欲しい」


10忠と侠、理想の狭間  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/08/25(土) 16:35:40 ID:Z8z8zsi50
砂浜に人がいるのを確認したとき、メタルブラックはどうすべきかを内に問うた。
自らに課した任務は船の調達であり、その目的と関連がなさそうな人物に関わるのは合理的ではない。
しかし、アルカイザーに敗北してより生じた興味がその非合理的な選択をとらせる。
すなわち、向こうのアプローチに任せるという受動的な形ながら接触してみようという気になったのだ。
だが、かすかに血の香りを漂わせて血化粧をした女性の第一声は。
「あなたはゲームに乗る道を選ぶか? それとも、抗うか? 答えて欲しい」
自らの創造者も、所属する組織もない世界で何を為すべきかを考えている途中のメタルブラックにとっては厳しい質問だった。
今、レオナルドのために動いているのは彼の中に理想的な武人の心の一つ、滅私を見たからだ。
彼という武人を助けることが間違っているなどとは思えない。
けれどもそれはメタルブラックに与えられた裁量の範囲内での行動で、絶対的な行動基準は失われている。
Dr.クラインの命令も守るべきブラッククロスもないここで、最終的に何を目的とするべきかなどどのように決めればいいのか。
メタルブラックは返答に窮し、問い返した。
「私はメタルアルカイザー。私はまだ最終的な選択を出せる状態ではない。問い返す無礼は承知の上だが
 ……貴女は何を為すつもりなのか。できれば理由を添えて、答えて頂きたい」
検分するような視線に探られた後、女性はカタリナ=ラウランと名乗った。
戦闘になるならこちらの攻撃を見切れるであろう間合いをきっちり取りながら、彼女が答える。
「仕えるべき国の、民の、主君の永遠の幸福と繁栄のため、
 私はあの神に願いをかなえてもらう。私は信念に従い、あえて修羅道を行く。
 これでわかってくれるかしら」
11忠と侠、理想の狭間  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/08/25(土) 16:36:14 ID:Z8z8zsi50
「なるほど」
ここにも滅私と忠義の武人がいた――と、メタルブラックは心打たれる。
彼女はこの切り離された世界においてなお、所属する組織への忠義を尽くそうというのだ。
レオナルドの、滅私の献身。
カタリナの、すべてを捧げる忠義。
そしてこの空の下、どこかにいる小此木烈人ことアルカイザーの義侠。
どれも武人として羞じることなき素晴らしき精神であり、
自らの為すべき事さえ見つけ出せぬ今のメタルブラックがいたずらに挫いてよいものではない。
心底、そう考えた。
「カタリナ、乗るか抗うかの二択、今の私にはやはり断を下すことができぬ」
「……そう」
向けられる眼光の鋭さが増す。
心中に軸さえ持たぬ今のメタルブラックにはこのような武人と剣を合わせる権利などないことはわかっているが、
修羅の道を行く、と言いきった彼女の側がそれを許しまいことも理解できる。
「けれど、貴女の道と交わった今、我らは剣を交えるほか無いだろう。
 できるなら私も何か揺るぎなき信念を――」
「いいわメタルアルカイザー、まだ決まっていないなら私と一緒に来ない?」
開戦を覚悟したメタルブラックの言葉をカタリナが遮った。
一度張り詰めた緊張がわずかに緩む。
「別に従え、とか協力しろ、なんて言わない。
 そうね……あなたはどちらへ行くつもりだった? 北西かしら?
 そう、奇遇ね。私もこの砂浜をずぅっと北西へ進むつもりだったの。
 同道しましょう、あなたと戦うのはできれば後にしたいわ」
積極的にカタリナと戦う気になりきれなかったメタルブラックは、この誘いを承諾する。



12忠と侠、理想の狭間  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/08/25(土) 16:38:18 ID:Z8z8zsi50
忠義と義侠。
カタリナが問いかけで指した道をメタルブラックは究極的にはこのように取った。
どちらも武人が心に秘めるにふさわしいスピリッツ。そして理想の武人であることに善悪は無い。
自分が為すべき事は、このような認めた武人と関わりあう中で見つけ出せるのではないだろうか。
信念を捜し求める手がかりを求め、自由の大海を鋼鉄のヒーローは忠烈の剣士と共に行く。

今は戦うべきではない。
戦闘に、そして何より明かした信念に対して拒否反応を示さなかったメタルブラックに対してカタリナはそう判断した。
戦い抜ける力を持ちながら、彼は本当にどうすべきかを決めかねているのだ。
抗う者は殺す、乗る者は関知しない。では未決の者は? そんな想定外のスタンスに毒気を抜かれたというのもある。
どうにしろ自分は最後の一人が決まる瞬間まで戦い抜くつもりなのだ、
ならば戦いは理由が出来てから、彼が己の道を見つけてからでも構わない。
決意固めた修羅道に奇妙な出会いを経て、血塗れの道程を忠烈の剣士は鋼鉄のヒーローと共に行く。


【G-5/砂浜/午前】
【カタリナ@ロマンシング サ・ガ3】
[状態]:右腕負傷、マントが少し焦げた、返り血を浴びている、中度の疲労、冷血になる覚悟
[装備]:シルバーフルーレ@ロマンシングサ・ガ3 、ワンダーバングル@ロマンシングサ・ガ2
     ロケットベルト@サ・ガ3 完結編 時空の覇者(残り燃料70%ぐらい)、
[道具]:支給品一式、十字架@サ・ガ2 秘宝伝説、LV七星剣@ロマンシングサ・ガ3
[思考]
基本:如何なる手段を使ってでも優勝し、ロアーヌの永遠の繁栄を叶えて貰う。
1:ゲームを止めようとするものを殺す。
2:ゲームに乗る者については特に関知しない(襲われた場合は別)
[備考]:シルバーフルーレは左手で扱っています
【メタルアルカイザー(メタルブラック)@サガフロ】
[装備]:ハープーン@ミンサガ、アムトのシンボル@ミンサガ
[道具]:レオナルドの首輪調査データ
[状態]:正常
[思考]
基本:自分のなすべきことを考える
1.レオナルドを島から連れ出すための船を調達するためウェイプへ向かう
2. カタリナのふるまいを観察する
[備考]: 二人ともウェイプへ向かいます
13ゲーム好き名無しさん:2007/08/25(土) 16:39:17 ID:Z8z8zsi50
言い忘れです。 >>1乙!
14ゲーム好き名無しさん:2007/08/25(土) 22:25:49 ID:8mogvJb90
メタルブラックカコイイ!
人間的な善悪の観念がないゆえの特殊な立ち位置、ってのが面白い。
これからどんな答えを出すのか楽しみだ。
15ゲーム好き名無しさん:2007/08/26(日) 16:32:28 ID:rRiPauep0
前作った職人さんじゃないけど名前入り地図更新。
間違いがあったら指摘頼みます。

ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/45.jpg
16ゲーム好き名無しさん:2007/08/26(日) 23:48:27 ID:0z//ChYm0
>15
乙。

wikiも間違ってたから直したが、クリス、ジャミル、クローディアはE-6じゃなくてF-6だぞ。
17ゲーム好き名無しさん:2007/08/27(月) 20:16:51 ID:z/n3Ot9q0
>>12 乙!メタルブラックカコイイナ、いいコンビになれるか?

>>15 乙!文字カワイスwww
18ゲーム好き名無しさん:2007/08/28(火) 02:07:53 ID:1SmFLeQs0
うほっ指摘感謝!
訂正した。これでいいかな?
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/50.jpg

目に付いたフォントの中でこれが一番文字が目立ちそうだったw
ロワらしい字体探そうとすると背景に埋もれそうな細い字が多くて。
19ゲーム好き名無しさん:2007/08/28(火) 12:47:18 ID:9B6bTsS20
いえい。ギコナビ導入。これでスレが読める。
てな訳で、ノエルを予約します。
20ゲーム好き名無しさん:2007/08/28(火) 13:39:10 ID:Bkt0/WqZO
まず前スレ埋めないか
21ゲーム好き名無しさん:2007/08/28(火) 17:04:00 ID:RL5nfA+d0
>>18
修正乙。

>>19
予約キター!
でも、トリップ忘れてないか?
22ゲーム好き名無しさん:2007/08/28(火) 20:14:12 ID:+IiD1+rF0
>>18
修正乙。そのフォントいいな
でもカタリナ・メタルブラックはG-5ですよ

2319 ◆USIWdhRmqk :2007/08/30(木) 21:28:50 ID:9BIf5GSD0
>>22
あ、確かにトリップ付け忘れてました……失礼。
24Live・A・Evil ◆USIWdhRmqk :2007/09/01(土) 12:06:02 ID:cLv/xgYN0

──それは遠い遠い昔から語り継がれた、七人の英雄たちの物語。
今はもう忘れられた古い古いおとぎ話。

昔、昔あるところにそれはそれは大きく偉大な国がありました。
その国は魔法と、神秘の技とに支えられついには神々が業とする事どもにさえ手をかけました
ところが、神様と言うものは今も昔も旋毛曲がりの捻くれ者。
その国の人々の暮らしぶりに腹を立て、彼らを罰するためにモンスターを作り出しました。
この時に作られた、世界で最も新しい生き物がモンスターです。

多くの人々が傷つき、死にました。戦おうとする人々はいませんでした。
何故ならば、その国の人々は争いさえ、老いさえも克服してしまっていたからです。
戦う事を忘れた人々は弱く、国中は酷く怯えきってしまっていました。

そんな時、彼らは来ました。

クジンシー、スービエ
ダンターグ、ノエル

ボクオーン、ロックブーケ
ワグナス

彼らは死を恐れず戦いました。何故ならば、彼らは人々を救いたかったからです。
そして、救わなければなりませんでした。彼ら以外に戦える人間はいなかったのですから。
悪いモンスターを退治していく内にやがて、彼らは人々にある名前で呼ばれるようになります。

即ち、七英雄と。

──時は過ぎ、平和が訪れると多くの国々の栄華や武勇が詠われ、また忘れられていった。
だが、戦乱の世に。荒れ果てた治世に。苦しみ喘ぐ天変地異のさなかに。亡国の民達に。
苦しみが在る限り、世が乱れる限り。
この昔話は連綿と語り継がれ親から子へ、子から孫へと伝えられていった。
七英雄よ、我等が苦しみを救いたまえと言う言葉と共に。

麻の様に乱れた世界。絶えぬ争い。流される血。
縮小する帝国。燻り始める内乱への野望。暗君による暴政。鳴動する地脈。
人々は英雄を求め、心の不安の共に天を仰ぐ。

そして、彼らは来た。
だが……
25Live・A・Evil ◆USIWdhRmqk :2007/09/01(土) 12:10:08 ID:cLv/xgYN0
青白い髪の青年──ノエルは、そんな遠い白昼夢を思い出していた。
未だ異変の無いピラミッドを前に、背を木に預け片手に双眼鏡を持ちながら、先程から休む事にしていたせいだろう。
あるいは、己のらしからぬ素振りに動揺を覚えでもしていたか、と自嘲する。
彼に限ってそれは在り得ぬ想像ではあったけれど。

そこは島北西の多くを包む森林地帯の入り口、先程殺害した緑髪の青年(勿論、彼の名前などノエルは興味は無い)の遺体を
捨ててきた場所からも然程離れているとは言えない地点だ。
双眼鏡、彼も似たような器具の記憶はある。遠くにあるものを拡大して映し出す道具だ。
それと比較するならば、彼が今現在使っている双眼鏡はいかにも精度の点で劣っていたが、今の目的を果たすには十分ではある。

だが。

「七英雄。かつてはそう呼ばれもした者が、今や覗き屋風情の真似事……悲しい事ですね」

かつての英雄。今の化け物の残されていた矜持は思いの他、重いものであった。
ノエル。その男の本質は、七英雄である以前に戦士であり、武人であるのだ。
その破壊力で言えば最も効率の良いクジンシーのソウルスティールや、大津波を引き起こすスービエのメイルシュトローム。
多くのモンスターどもめを纏めてなぎ払う妹のロックブーケや盟友のワグナスの術法。
彼を敗北せしめる事となったバレンヌ帝のクイックタイムや、ソードバリア。
それらを、この男は風情の無い事だ、そう思っていた。

結局の所、紳士めいた顔の薄皮一枚下では、闘争への渇望が、剣の強者を求める妄念を振り払う事ついにかなわない。
それがノエルと言う男である。
ならば、何者がその矜持に首輪を付け、飼いならしていると言うのか。

「ですが、賽は投げられた」

ノエルの目が、酷く人間臭い色を湛えて歪んでいた。怒りであった。
忘れる事など出来はしない、泥の様な憎しみがこの男にはあった。
一度燃え上がったそれはそれは武人としての心を凍て付かせ、砕き去るには十分に過ぎた。

彼は。七英雄は。己を信じ、己が信じた者達に裏切られたのだ。
いや、彼らが守るべき物など本当は何処にも存在してはいなかったのだ。
考えて見るがいい!モンスターを駆逐したいのならば、古代人どもが盟約を交わした龍や巨人どもにやらせれば良かったではないか。
だと言うのに、何故我々だけが戦わされたと言うのか。ノエルは思う。
26Live・A・Evil ◆USIWdhRmqk :2007/09/01(土) 12:11:01 ID:cLv/xgYN0

ボクオーンなどは彼やワグナスに良く言っていたものだ。連中は、自ら手を汚す事を厭っているだけだ。
我々に手を汚させ、自らはただ弱者の立場から安穏としていたいだけだと。
ならば、それも良い。己が手を汚す事で、守られるものがいるのならば、と。かつての彼ならば思っただろう。
だが──古代人が彼らに成した仕打ちは、それさえ打ち砕くに十分過ぎた。
そして、愛する者の心にはその仕打ちは酷に過ぎた。

──そして、彼らは来た。
彼らには最早復讐すら許されてはいなかったけれど。

だから、彼は背中を刺す事に決めた。
「かみ」と名乗ったあの男に復讐を叶えさせる為に。
ありとあらゆる手段を用い、悪鬼となって皆殺しの歌を歌う事に決めたのだ。
それが出来ないと言うのならば、例え神と名乗る者であろうが、この手で切り殺す心積もりであった。

「兎も角……ゆっくりと人を待つとしましょうか。待つのは得意ですしね」

青い髪の修羅は、しかし一人野辺にて雌伏する。
その堰が切って落とされ、哀れな人どもの喉笛を噛み千切る時を願って。


【D-4/森の入り口/正午前】
【ノエル@RomancingSaGa2】
[状態]:全身に低温による軽度の痛み 休息中
[装備]:ガーラルソード @ロマンシング サガ(ミンサガ)
[道具]:双眼鏡@現実、拡声器@現実、投剣(8/10本) 、基本支給品×2
[思考]
基本:古代人への復讐を目的に優勝。それが不可能な場合、神を倒す。その為に信頼できる七英雄を探し、それ以外は殺す
1:ピラミッドの動向を見る
2:ロックブーケと会う
3:それ以外の七英雄と会う
4:優勝し、古代人に復讐する
27Live・A・Evil ◆USIWdhRmqk :2007/09/01(土) 12:12:05 ID:cLv/xgYN0
sage忘れスマン……orz
取りあえず、ノエルの行動指針をフォローしてみた。
28ゲーム好き名無しさん:2007/09/01(土) 23:39:36 ID:JWTH6T6r0
新作GJ。ノエルいい感じです。
29ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 11:07:18 ID:8EjwT0zq0
もしかして前々からノエルで異議出してた人かな?
別にストーリー進んでないよね
30 ◆Ifl6Ny3RJ. :2007/09/02(日) 12:18:36 ID:Eq7g9UxF0
新スレ乙です。
前スレ>>722氏、指摘されてたのにレスしてなかった。すまん
タイトルは打ち間違いでした
31ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 12:48:22 ID:a23nGih7O
新作乙。タイトルが巧いなw
32ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 13:40:02 ID:YVZN5HQR0
オルステッドー!もとい、ノエルかっこいいな。
彼が卑怯な手を使うようになるまでの心境フォローが必要かなーと思ってたけど、
上手い人がやってくれて安心したw
七英雄の悲哀を感じる。クジンシーだってダンターグだって元は英雄だったんだよな…
33ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 19:03:26 ID:DMXsHKq40
今単純に一番強いor弱いのは誰でしょうか?
強いキャラクターは弱体化されているようですが。
34ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 19:10:09 ID:RuDfrxJk0
>>33
かみ
35ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 19:30:24 ID:bYsL63e50
>>33

単純に強い、と言ってもゲーム内みたくパラでは言い表せないから、具体的に言って欲しいかも。
まぁ、最強が神なのは鉄板だろうけど。
36ゲーム好き名無しさん:2007/09/02(日) 20:54:56 ID:Q1WtEW2g0
ダメージの桁が違うディスガイア勢だろうね
37ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 00:52:20 ID:dtZ4Wnba0
ちょ、SRPGの誤爆かw

取り敢えず戦闘能力だけで言うなら最弱は非戦闘員のミレイユじゃね?
ミレイユのエスパー能力を考えに入れると、もしかしたら総長の方が弱いかも知れないが。
つか、一般人キャラ少ないなこのロワ。
他の所だとゲーム系でもNPCとかで戦わないキャラが結構入るのに。
この殺伐っぷりもサガの味か。
38ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 01:25:41 ID:xpjbQnj80
最強は女神かな?
設定的に古き神々の一人で(マルディアスを創ったマルダーと同時期の神とか?)
実際の数値でも全パラメータがカンスト。(HP999、力などのステがALL99)
全属性無効、バッドステータス無効、HP自動回復能力有り。
頑丈で物理攻撃にも強く、最強の無属性全体攻撃ができる。
回避不能で敵の防御力を無視する耐久力が無限の刀と、回避率が100%で、
構えるとパーティ全体に魔法攻撃を無効にするバリアを張る盾が固定装備。
どこからでも好きな町へワープできる天使の羽と何でも見抜く真実の目、
さらにパーティ全員を全快で蘇生させる心臓を持つ万能キャラ


39ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 02:46:32 ID:pq5iNLTo0
一番弱いのは一番最初に死んだ村長では?
一番強いのは詩人(エロール)の方ではないかと、本気を出せば真猿(HP90000)より強いようなので
ただし、アルティマニアの小説で最後に、猿の自爆から主人公達を助けるのに力を使いすぎて
普通の人間と同じ強さまで落ちたとあるので、この設定を使うのであれば最強ではなくなるな
40ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 14:24:18 ID:7a0byuIuO
町長を村長と書き込む奴が
また出たか!
41ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 15:23:12 ID:eHwuXBfV0
いいからお前ら続き書け、とですね(ry
42 ◆5s6UnGWy/w :2007/09/03(月) 18:14:25 ID:w6yAmjyh0
それで俺は撤回した予約をもう一度する訳か!
はい、どーぞ!

人間女・フォルネウス・ゲラ=ハ再予約&投下。
43トカゲやろうとかっこいい男:2007/09/03(月) 18:15:37 ID:w6yAmjyh0
目の前の状況をぼんやりしながら眺めながら、フェイはさっきまでのことを思い出していた。
酒場から出て小一時間、店の裏で青年にしつこく酒を勧めてしまった。
これから共に行動する為の信頼の証だのなんだのと理由を付けて。
というのもバッグに入っていた金属製の盃があまりにも見事だったからだ。
このカップを見るなり、一杯だけでもこの美青年と酒を酌み交わさなければ、という思いに駆られた。
フォルネウスは渋々一杯付き合ったが、それ見たフェイはすっかり気分を良くしてしまった。
そしてそのまま…眠ってしまった。

だが、間も無く銃声が彼女の睡眠を妨害した。
即座に手にした火縄銃を構える。異変に気づいたフォルネウスも槍を構え、敵襲に備えた。
続いてもう一つ銃声が聞こえる。宿屋の方からだ。
物陰から様子を覗うと、宿屋の入口から森の方へとおびただしい量の血痕が点々と続いていた。
軋んだ音を立てて宿屋のドアが開く。フェイは銃口を向け、狙いを定めた。
現れたのは、腰にサーベルを携えた爬虫類系の獣人。
「おいてめえ!そこを動くんじゃねえ!」
フェイが制すると、ゲラ=ハは立ち止まって礼儀正しく挨拶した。
「私はゲッコ族のゲラ=ハと申します。攻撃するつもりはありません」
モンスター風情が紳士的な態度をとることに一瞬違和感を覚えたが、勿論それで警戒を解く訳にはいかなかった。
フォルネウスが前に出て、問いただした。
「さっきのは貴様の仕業か?それとそこの血の主について知ってることを聞かせてもらおうか」
「不審に思うのは当然です。武器は構えたままで結構です。全てお話しましょう」
ゲラ=ハは自分を殺そうとした男、ブルーについての詳細と自分の身に起こった出来事を二人に説明した。

アルコールが身体から抜けていくのに従って、フェイは酒場での自分の振る舞いに後悔していた。
と同時に青年がその言動を気にする素振りも見せないことに安堵した。
(さっきは調子に乗りすぎた。なんであんな事口走ったんだろう。思い出すのも忌々しい。)
彼女は自分の信念に忠実だったが、調子に乗って軽はずみな言動をとってしまうこともしばしばあった。
悩める王様に取り入ったり、盗賊のアジトに我が物顔で押し入ったり。
モンスターに襲われる女性を助けようとした時など、
「魔物と美女のどちらが好みか」などと仲間に冗談めかして問い掛けたりしたこともあった。
死や戦闘は彼女にとって日常であり、それがニヒリスティックで冗談好きな彼女の性格を基礎付けたのだろう。
44ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 18:17:07 ID:w6yAmjyh0
「なるほど、それでとどめを刺さずに見逃した訳か。これほどの傷を与えて逃す襲撃者というのは考えにくいな」
ゲラ=ハの話を聞き、フォルネウスが切り出した。
しかし言葉とは裏腹に、信用するにはまだ半信半疑といったところだ。
その様子を見て、フェイが口を開いた。
「気に入らねえな。致命傷を負わせたからって殺人者を野放しにするなんてよ。
 自分が疑われたくねーんなら、とっ捕まえてどこぞにでも閉じ込めておけばよかったんだよ。
 術だかなんだか使われたって、追い詰めらんねー程じゃねえだろうに」
ゲラ=ハは表情を変えず(もっとも、その表情からは何も読み取ることはできなかったが)、答えた。
「……しかし、私はキャプテンを探したいのですが」
「どの道ここにいたところで埒があかんな。とにかくそのブルーとかいう男を追うべきだ。
 相当の深手を負っていることからしてもまだ遠くまでは行っていないだろう。
 見つけるのは容易いはずだ。貴様の探し人とやらも、それから探せばよかろう」
その言葉を合図に、一行はウェイプからの移動を始めた。森へと続く血痕を頼りにして。
「でも、そいつ見つけてそれからどーすんだ?どうやって見分ける?」
「二人に証言させればいい。嘘は調べれば露見するものだ」

(めんどくせーなぁ。二、三発ぶん殴って脅せばハッキリすると思うんだけどなぁ…)
フェイは仕方無く本音を胸にしまいこんだ。
45ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 18:19:15 ID:w6yAmjyh0
【F-4/ウェイプ出口付近/朝】
【フェイ(人間女)@魔界塔士 Sa・Ga】
[状態]:酔いはほとんど醒めた・右手から出血・酒臭い
[装備]:火縄銃@魔界塔士 五弦ベース@現実
[道具]:支給品一式 焼酎@現実 聖杯@ロマサガ3
[思考]
基本:美味い酒が飲みたい。
1:酒が不味くなるので気に入らない奴を殺す。(とくに神)
2:気に入った奴と動き、酒を飲む。(フォルネウスを少し気に入っている)
3:酒を飲む。
4:脱出する事は考えてない(基本行動方針を満たせればいい)
5:仲間との合流は出会えたらする。
6:ゲラ=ハとブルーの事をはっきりさせて始末をつける。


【フォルネウス@ロマンシング サ・ガ3】
[状態]:健康
[装備]:竜槍スマウグ@ロマンシング サ・ガ3
[道具]:支給品一式 ウォッカ@現実
[思考]
基本:神にアビスの力を見せつける。
1:興味を持ったため、フェイと行動。


【ゲラ=ハ@ミンサガ】
[装備]:サーベル@魔界塔士 防弾ベスト@サガフロンティア
[道具]:支給品一式 カード@ロマサガ3 確認済み支給品×1
[状態]:背中に痛み
[思考]:
基本:神をシメる
1:ホークを捜す
2:ブルーは深追いしない
3:仲間になりそうな人物を捜す
4:疑いを晴らすためフェイ・フォルネウスと行動
46ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 18:29:39 ID:w6yAmjyh0
以上です。相変わらず拙い・短いですごめんなさいorz
フェイをハジけさせてしまって反省している。
おかしかったら指摘よろしく。

密かに塔士16階のmap作成中…被ってないよね…?
今実機無いから記憶が曖昧だけど。
47 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/03(月) 19:31:00 ID:7KiIbUtU0
新作GJです。豪傑気質の姉御ですね。
次のMAP候補については、作ってから考えればいいんじゃないかな?

それで、
アシュラ、ミレイユ、ケンイチ、ヨハン、アルベルト、メイレンを予約して
さらにかき回す方向で。
3日でいけるかどうかだけが心配ですが、まあ頑張れ俺。
48ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 23:02:12 ID:7a0byuIuO
マーダー4人集合っすかw 期待。
49ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 23:15:03 ID:dtZ4Wnba0
>>43-45
酔いが醒めたら言葉は男っぽくなったけど性格は常識的になったな、フェイw
ブルーの運命やいかに、というかこっちの3人もミサイルの危機に曝されている訳だが…。
しかしモンスターが普通に社会に溶け込んでるSa・Ga世界出身のフェイが、
モンスターが紳士的な態度を取ったことに違和感持つかな?
そこだけは気になった。

>>46
MAP職人さん乙!
移動先候補はまだ決まってないし、広さや設備の配置がいい感じのMAPができたら
すんなりそれで決まりそうな気もする。
16階って言うと都市世界か。総長のホームグラウンドだな。
地下鉄とか図書館とか色々あって面白そう。

>>47
これは期待!
総長とアルベルトが激しくピンチw
50 ◆kGf..YZoZg :2007/09/04(火) 04:57:39 ID:fpEUF9R+0
プチ投下ラッシュに触発されて予約。
ガラハド・ヴェント・ナルセス・サラで。
51ゲーム好き名無しさん:2007/09/04(火) 20:12:10 ID:+2inqa+J0
>>47>>50
スゲー面子だな。期待

ところで自己リレーはどうゆーあつかいなの?
やめたほうがいい?
52ゲーム好き名無しさん:2007/09/04(火) 21:04:22 ID:ey2OisydO
極力やめた方がいいけど、長時間リレーされないようならやむを得ないってとこじゃない
未だ書いたキャラがリレーされない俺涙目w
53 ◆5s6UnGWy/w :2007/09/04(火) 23:24:15 ID:R59FeO0Q0
>>49
言われてみてそれもそうだと思ったけど、
そもそもSa・Ga世界で思い付く紳士って彼しかいないなあとも思ってしまったw
どーしてもおかしいなら修正するけど、どうしよう?

>前スレ708
亀レスすまん。テレキネシスは使う間は自分も動けないとか制限考えたけど、
これあると簡単に暗殺できちゃうしヤバイよね。修正してきます。

それと、同一キャラの再予約はやっぱマズかった?
他に書いてる人が予約するかと思って間空けたけど…即投下してしまって悪い。
NGなら破棄も考えます。
54ゲーム好き名無しさん:2007/09/04(火) 23:32:18 ID:R59FeO0Q0
って、◆FzZ4PxBZ76氏がミレイユ予約してるのか…
保留にしといた方がいいかなぁ
55 ◆oHCPL1DFHs :2007/09/05(水) 21:49:00 ID:gFdJUXT90
半謹慎中につき、したらばに一時投下で様子見。

T260Gを投下しました。いかがでしょうか?
56ゲーム好き名無しさん:2007/09/06(木) 00:26:19 ID:dPgfn/Tl0
>>53
再予約っていてもすぐに投下したし、いいと思うよ。破棄の必要はない。

>>54
特に問題はないと思う。
57ゲーム好き名無しさん:2007/09/06(木) 00:48:55 ID:qWo/cN+o0
>>55
乙です。そこまで反省しなくても……
話はいいと思いますが。T260Gはレオナルドと出会わない限り善にも悪にも染まるということでしょうか?

あっ、そうそう議論スレで

【議題11】次回マップのマス目は8×8だと広いか?
今回は海に囲まれたアロン島だからいいが、全体が陸続きのマップだと広いし人数も減ってくる
一マスの広さを小さくするか、マス目を減らすか、まだこの広さでいくか?

【議題12】リレーの日数について
自己リレーはどれぐらいの日数が経過したら問題ないか
予約期限が切れた時に同じくどれくらいの日数が経過したら同じキャラで予約できるか

をあげておきました。よければ議論スレへ

現行スレでいうの忘れていた俺って一体orz
58ゲーム好き名無しさん:2007/09/06(木) 04:45:20 ID:9WNprjfk0
>>55
GJ!
メカならではの解釈と展開、そうきたか!と思いながら読ませてもらいました。
今後が危ぶまれていたT260Gの復活、しかも記憶がなくてどう転ぶかわからない状態。
色んな展開に繋がりそうだね。
59 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/06(木) 16:22:32 ID:dPgfn/Tl0
>>55
投下乙です。
記憶喪失はなかなか面白いかも。
いろんな誤解フラグが生まれそうだし、T260Gの今後に期待。

あ、ついでにヴィクトール、シフ、オーダイ、ミルフィー、詩人を予約します。
60ゲーム好き名無しさん:2007/09/06(木) 17:12:29 ID:k+zKfKgO0
もし発見したのがモンドだったらグレートモンドにされてたりして…
61ゲーム好き名無しさん:2007/09/06(木) 17:18:55 ID:Y2f6ytb00
>>55
投下乙!
T260Gの記憶喪失はメカらしい思考などと合わさって展開の予測を困難にさせそうで面白い

それと作家陣の予約ラッシュにwktk
ところで予約期間ってまだ三日なんだっけ?
最近は落ち着いてきてるから一週間でもいいと思うんだが、どうだろう?
62 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/06(木) 20:27:15 ID:O/oja0ug0
すみません、予約より3日ですが今日中には投下できそうにありません。
ご迷惑をおかけします。

>>55
乙です、問題ないと思います。できればこちらにも本投下してほしいかもです。

>>53
予約切れが言うことではないですが、構想内ではテレキネシスは使いませんので問題なく修正してください。
63 ◆yBEncckFOU :2007/09/06(木) 21:27:00 ID:uRF0GQIu0
女神、ジュディ予約します
64 ◆oHCPL1DFHs :2007/09/06(木) 21:58:23 ID:e2P2iuOA0
24時間経過して特に問題も無さそうなので、本投下します。

>>57
どっちにも転ぶ可能性があるということで。
65再起動:2007/09/06(木) 22:04:53 ID:e2P2iuOA0
T260Gの不運、それはこの戦いに呼び込まれた時期が最悪だったことにある。
彼は、彼の最後の戦いを終えた直後に呼び出されたのである。

任務優先ファイルのマスクによる、不正動作中。
見ることも、聞くことも、考えることもできない状態で彼は呼び出された。

全員が集まった最初の場所でも何もできなかった。
それゆえ、情報を聞き逃してしまった。
かみの話を聞けていたならば、ボロへの帰還方法として優勝の道があることに気づいていたはずである。
話を聞いていたらゲームに乗っていたかもしれないと考えると、そう不運ではなかったかもしれないが、
ルールをまるまる聞けていないのは大きなマイナスに他ならない。

そして、アロン島へ飛ばされてからもしばらく何もできなかった。
それゆえ、ルビィにいらぬ勘違いをさせ、大きな痛手を負うことになった。
左腕の損失、これ自体はメカである彼にとっては、そう致命的なものではない。
重大なのは記憶領域の損傷。

メカである彼にとって記憶領域の損傷は致命的。
0と1から構成される情報は、壊れてしまってはまったく利用できない。
実際には、誤り訂正の技術が使われていて、
ある程度の損傷ならば、自己修復できることはできるのだが、
今回はそれでは防げないほど損傷してしまっていた。

そこで、彼の取った行動は記憶損傷部のマスク化。
然るべき施設が見つかるまでは、データを一時的に使えない状態にしておく。
然るべき施設が見つかった後は、データの修復と修復不能部からも利用可能な情報を抽出する。
他に取り得る方法は、損傷部の削除であろう。
それと比べて、彼はデータ修復に望みをかけた。その方が後々の任務確認に有効だと考えたからかもしれない。

もっとも、行動ができるだけまだ幸運なのかもしれない。
本当に不運であればメインプログラム格納部が損傷し、
起動不能、もしくは暴走状態になっていたことだろう。
どうやら、メインプログラム格納部には記憶領域の損傷はなかったらしい。
つまり、記憶領域が損傷したといっても考える力は残っているということだ。

では、損傷を受けた部分はどこか?
戦闘用プログラムも生きていた。
射撃マスタリー、剣闘マスタリー、自己修復……他にもまだまだあるだろう。
事実、自己修復プログラムが無ければ左腕の損傷は重大なことになっていただろう。
66再起動:2007/09/06(木) 22:06:04 ID:e2P2iuOA0
消えた領域。それは人で言う思い出。
T260Gを発掘したタイム、その姉ローズマリー、修理をしたタコおじさん。
ボロで世話になり、最後までその旅をともにしたゲンさん。
メカ工学者であり、死亡後もメカとして復活し、ともに戦ったレオナルド。
そのほかにも、旅行くなかで出会った仲間たち。
数千年前の記憶も、自分のいた世界のことも。

損傷部のマスクを終え、T260Gは再起動した。
それはさながらタコおじさんに組み立てられて目が覚めた後のように、
何も知らず、何をしてよいかもわからないままで。

【E-7/平原 午前】
【T260G@サガフロ】
[状態]:左腕にあたる部分が損失、左胸元部分に重大な損傷あり、その他左胸元部分を中心に軽度の損傷
    記憶消失状態、(ボディタイプ1)
[装備]:
[道具]:千切れた左腕部分、その他小さな部品
[思考]:
主任務:確認不能
補助任務:
A級優先・主任務確認
B級優先・情報収集
B級優先・自己強化

*T260Gの記憶は、ちゃんとした施設やレオナルドの力があれば、ある程度は修復可能と予測されます。
67 ◆oHCPL1DFHs :2007/09/06(木) 22:07:01 ID:e2P2iuOA0
以上です。
68ゲーム好き名無しさん:2007/09/06(木) 22:47:58 ID:Agj/eSih0
投下乙であります。これって微妙に狂気フラグか?とか思いつつ。
69ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 03:03:37 ID:vi0kbcqI0
投下乙です。機械に狂気なんてありませんよ人間やモンスターじゃないんですから
70 ◆kGf..YZoZg :2007/09/07(金) 04:55:47 ID:u2XwOBiO0
すいません期限ぶっちぎり…。
一応、もうちょっとで書き上がるところです。

予約1週間になると気は楽になるなーとは思うけど、
第1放送終了までは3日と決めたからにはそれで通したいような気も。
単なる意地みたいなもんだけど。
71 ◆kGf..YZoZg :2007/09/07(金) 08:02:04 ID:u2XwOBiO0
できた。もうちょっととか言いつつ時間的に全然ちょっとじゃなかった。
ガラハド・ヴェント・ナルセス・サラ投下します。
72ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:03:18 ID:u2XwOBiO0
彼はいつも走っていた。
大地を駆けて駆けて、どんな所でも駆け抜けて、待っている誰かの所へ急ぐのが彼の役目だったから。
或いは、遠くに見えていた大きな背中を追い掛けるのに夢中だったから。
或いは、走り続けなければ真実に手が届かなかったから。
走る理由は、幾つもあった。
けれどいつでも同じだったのは、走る先には希望があったということだ。
走り続ければどこかに辿り着けるはずだった。そして、そこには必ず何かが待っていた。
だから彼は、走るのが好きだった。
走ることはいつでも、彼にとって未来の光に辿り着くための手段だった。
――だが、今は違う。
ただ逃げるためだけの疾走に、希望は見出せそうになかった。
73ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:03:53 ID:u2XwOBiO0
「――みなさん、聞いてください。私はこのような殺し合いを望んでいません……」
風に乗って流れてくる声を、ナルセスは無表情に聞いていた。
深く皺の刻まれたその横顔を見ながら、サラは離れた仲間達に思いを馳せる。
今こうして呼び掛けているのは知らない誰か。
無謀な呼び掛けの結果、彼にどんな運命が降り掛かるか想像できなくはなかった。
残り人数が減るのは好都合なはずだ。しかしサラの気は晴れない。
こんな呼び掛けをして、結果的に死んでゆくのだろう人物は、もしかしたら他の誰かだったかも知れない。
どんな方法で広域に声を届かせているのか判らない。術なのか、それとも道具によるものか。
その手段を得たら同じことをしそうな人間に、サラには心当たりがあった。
聡明なトーマスならこんな手段は避けるだろうが、優しいユリアンならどうか。
或いは真っ直ぐな性格で、この殺し合いに憤りを感じているだろう姉なら。
死の危険に曝されることになっていたのは、彼らだったかも知れない。
ただ運命の悪戯で、今聞こえる声の主がその手段を得たというだけのように思えた。
それに――声の主はサラの知らない誰かだとしても、呼び掛けに応えるのも見知らぬ人ばかりとは限らない。
この声を聞いて、ユリアンやエレンが声の方向に向かっているかも知れない。
彼らに会いたくはない。しかし、このまま見過ごしてしまっていいのだろうか。

「行くぞ」
ナルセスが唐突に言い、凭れていた木から身を起こす。
「え……」
サラは返答に詰まる。まさか声の主のもとへ行こうと言うのか。
この慎重この上ない老人が、どんな考えがあって――
「目的地は町だ。あのような愚か者に構うことはない。……立ち止まる価値もなかったな」
「……は、い」
とんだ見当違いだったようだ。あの呼び掛けを耳にしても、ナルセスの心が動いた様子はない。
生き残り、勝ち残ることを考えるなら当然の反応だ。
しかしサラには彼のその冷静な、冷徹とさえ言える姿勢が恐ろしかった。
74ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:04:28 ID:u2XwOBiO0
川沿いに進めば、対岸は平地だ。休戦を呼び掛ける声はその向こうから聞こえた。
争いに巻き込まれる危険を避け、ナルセスとサラは別の方向に進路を取ることを選んだ。
人数を減らすとは言っても、積極的に戦いを求めるべきではない。
非力な少女と老人が獲物を討ち果たすには、闇雲に戦うのではなく機を窺う必要がある。
弓などで狙撃されるのも避けたい。見通しのいい場所を進むのは得策ではなかった。
ナルセスが提案したのは、森と平地の境目に沿って南下するルート。
町が見えてくる辺りまで進めば、周辺に人影があるかどうかはこちらからも確認できる。

「地図によれば……どうやらこれは洞窟か」
声を聞いた場所から歩き始めて数十分。
右手側、つまり太陽の位置から考えれば西だろうか。苔と蔦に覆われた岩山に触れて、ナルセスが言う。
手元の地図を見てみると確かに、この場所を指しているのであろう位置には洞窟の入口と思しき描き込みがある。
「町が見える辺りまでは、半ばほどまで歩いたな」
この位置からは町があるはずの方角を向いても、岩山に阻まれて町並みは見えない。
地図を見ればそれほど長い道のりではないように思えるが、歩いてみるといやに遠く感じた。
岩山を興味深げに眺めたり触れたりしているナルセスの先に立ち、歩き出そうとして――サラは立ち止まる。
自分とナルセス、二人分のもの以外の足音が聞こえたような気がしたからだ。
「……どうした?」
サラの様子に異変を感じ取ったのか、ナルセスが声を落として問う。
「誰か、来るみたい」
小声で答え、息を殺す。ナルセスも口を噤み、身を隠すように岩壁に寄り添った。
やがて足音が近付く。気のせいではなかった。確かに、草原をこちらに走ってくる足音がしていた。
岩陰からそっと窺うと、こちらへ走ってくる人影が見える。
サラより幾らか上に見えるが、少年と呼んでも差し支えない年頃の青年だった。
身を潜めるサラ達に気付く様子もなく、一心不乱に走り続けている。
そのまま観察する内、今度はその後ろに別の人影が見えた。
大剣を手にした大柄な男だ。真っ直ぐに、先の青年の後を追っているようだった。
「追われているな」
岩陰から少しだけ顔を出して様子を窺い、ナルセスが呟く。
必死に走る青年の姿と後ろの男の手にした大剣を見れば、状況は明白だ。
青年は恐らく、殺意を持った大剣の男に襲い掛かられ、逃げようとしている。
「下手に手は出さん方がいい。隠れるぞ」
ナルセスが言い、サラは頷いて様子を窺っていた顔を引っ込めた。岩山の陰で二人は息を殺す。
土を踏む足音はやがて硬い地面を踏む音に変わり、反響する音が耳に届き始めた。
青年が洞窟に逃げ込んだのだ。サラは岩山に触れていた手を離し、汗の滲んだ掌を握った。
身を潜める岩壁の向こうに彼がいるのだと思うと、気付かれる訳もないのに緊張が高まる。
洞窟へ入っていった足音は次第に遠ざかる。奥へ進んだのだろうか。
ややあって、別の足音が洞窟に踏み入り、硬い地面を蹴る音を反響させるのが聞こえた。
75ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:05:19 ID:u2XwOBiO0
気付かれなかった。
逃げていた青年も追っていた大剣の男も、恐らくは互いに気を取られ、注意力を欠いていたのだろう。
二人が自分達に気付かないまま洞窟へ姿を消したのを確認すると、サラは大きく息をついた。
「――思ったよりも岩盤が脆いな」
ナルセスが呟くのが聞こえ、顔を上げる。
いつの間にか、彼は洞窟の入口近くに立っていた。
枯れ枝のような手が岩壁を叩くと、表面から小さな石の欠片がぱらぱらと落ちる。
「何か、するんですか」
「崩す」
サラの問いに、ナルセスはこともなげに答えた。
その言葉の意味を即座に理解し、サラは息を呑む。
一瞬、脳裏にキドラントでの出来事が甦る。洞窟の入口を外から塞がれ、閉じ込められたこと。
あの時の不安と恐怖。情けなさと無力感、憤り。
張本人であった町長は死んでしまったが、あの出来事は今もサラの中に根深く残っている。
あれと同じことを、今度はこちらが加害者として行おうとしているのだ。
なるほどこれは合理的な手に違いない。直接戦うことなく、二人を脱落させられる。
閉じ込められた者の辿る末路は餓死か、窒息死か――或いは洞窟の中で相争って果てるか。
いずれにせよ、サラは血を見ずに済む。直接手を下す必要はない。
(……何を躊躇ってるの、私)
苦い思い出を喉の奥に飲み込み、自分に言い聞かせる。
(もう後には引けないんだから。やるしかない)
既に、この手で人を殺してしまったのだ。ここで退いたら、それも無為だったことになってしまう。
意味もなくあの女性、白薔薇の命を奪ったことになる。
それに、あのキドラントの生贄の穴で、心細い中でも希望を失わずにいられたのはどうしてか。
考えるまでもなく――皆がいたからではないか。

ナルセスが洞窟の入口に歩み寄り、岩を叩いて脆い場所を確かめる。
「この辺りか。これだけ岩があればアニマにも不足はあるまい」
入口を少し離れると、彼は掌を洞窟に向け、念じるように目を閉じた。
「マグマプロージョン!」
老人の細い手から、強烈な魔力が放たれるのを感じた。
洞窟の入口近くの壁が、瞬時に沸騰する。いや、正確に言えば岩の一部が沸き立つマグマへと変化したのだ。
岩をも溶かす高温のマグマが、爆発するように周囲へ飛散する。
支えとなっていた岩壁に穴が生じたことで、自重に耐えかねた天井が音を立てて軋む。
マグマは一瞬の破壊と共に冷たい岩へと戻り、がらがらと床に崩れ落ちた。
残ったのはいびつになった壁、不安定な天井。
「……一度では無理か」
ナルセスが額の汗を拭う。彼の発動した術は見たところ、破壊力はあるが効果範囲は広くない。
入口を完全に崩すまで続ければ、かなりの術力を消耗することだろう。
76ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:06:29 ID:u2XwOBiO0
「――下がっていて下さい」
彼の前に、サラは進み出る。
ほう、とナルセスが小さく呟いた。
サラは目を閉じる。精神の集中のためでなく、思い出すために。
大事な人々、シノンの仲間達の顔を。彼らがしてくれたことを。その優しさを。
そして、自分はそれに報いねばならないということを。
「……クラック!」
短い詠唱。岩壁を支える地面に亀裂が入る。
土台となる地面を失っては、如何に堅牢な壁もその形を保ってはいられない。元が脆かったなら尚更だ。
壁が傾き、音を立てて崩れ、天井が崩落する。
涙が滲みそうになった。土煙が目に入ったせいだと、サラは思おうとした。
入口の閉ざされた洞窟を、そうしてサラとナルセスとは暫し無言で見詰めていた。恐らくは違う感慨を胸に。

「どうやらお前は、期待以上に頼りになる相棒らしい」
肩にナルセスの手が置かれ、サラは物思いから抜け出す。
彼女の浮かない顔も、この老人には予想の範囲内だったのだろう。
聞き分けのない子供に言い聞かせるように、土砂に埋まった洞窟を一瞥して言う。
「何一つ問題はない」
「……はい」
「あの小僧は自らの身を守るため戦うこともできん弱者だった。我々が手を下さなかったとて生き残りはすまい。
それにあの男は殺意を持った人間だ。生き残られていては困る」
サラは頷く。ナルセスの言葉は正しい。どちらにせよ、いずれ始末せねばならない相手だった。
そう判断せねばならない道を、自ら選び取ったのだ。
「行きましょう。町に」
サラは『相棒』に振り返り、微笑んでみせる。強がりでしかない笑みだった。
彼はそれを見透かしているかも知れない。しかし、それでも良かった。
強がってみせたのは彼を欺くためでなく、自分を欺くためだったから。

立ち去る前に彼女は、一度だけ洞窟を振り返る。
(……ごめんなさい)
白薔薇に告げたのと同じ言葉を、名も知らぬ二人のためにサラは小さく呟いた。
77ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:07:21 ID:u2XwOBiO0
岩の上を走ると、辺りに反響して小気味良い足音が響いた。
しかしそれと裏腹に、ヴェントの気は重かった。正直、この洞窟に入ったことを早くも後悔しかけていた。

この洞窟については、地図を見た記憶から大体の位置の当たりを付けていただけだった。
職業柄、地図を読むのも地形を覚えるのも得意だ。逃げ込める洞窟があると咄嗟に思い出したのは良かった。
その位置に本当に洞窟があったのも良かった。そこまでは何ら問題はない。
しかし誤算だったのは、この洞窟内部の地形である。いやそもそも、実を言うと計算すらしていなかった。
洞窟でもないと逃げられない。そして行く手には洞窟があるはずだ。それだけで咄嗟に決めた方針だった。
この洞窟に踏み込んですぐに、ヴェントは失策を悟った。
期待していたのは横穴が四方に延びているような、入り組んだ洞窟である。
上手く道を選べば、あのガラハゲとか何とかいう男を撒けるだろうと思ったのだ。
しかし現実は非情である。洞窟は非常にシンプルな造りで、隠れられそうな場所も見当たらない。
残る希望はひたすら奥へ逃げ、闇に紛れてどうにかすれ違うというリスクの大きな作戦くらい。
入口近辺はまだ光が差し込んでいて周囲も見える。しかし、奥へ進めば暗闇だ。
見知らぬ地の暗い洞窟の奥へ踏み込むことに不安がないではないが、他に選択肢はない。
何でこんな事態になったんだっけ、と今更ながら考えて情けなくなる。
どう考えてもあの盾、というか疫病神のご利益だ。ヴェント自身は何一つ悪くない。――はずだ。
どこの誰の口癖だったか忘れたが、『俺って不幸』とでもぼやきたくなる。
しかし、不遇を嘆いたところで状況は何一つ改善しない。
後ろを振り向けば、鬼の形相をしたナマハゲ――だったか、とにかくあの男がすぐそこに迫っているだろう。
今できることは、ただ走ることだけ。
その先にあるかどうかも判らない希望のために、闇へ向かって走るだけ。

「いい加減に……止まらんか貴様……!」
さすがに息切れしてきたらしいガラハゲが、後ろから叫ぶのが聞こえた。
その声にもエコーが掛かっているのを聞くに、既に洞窟には踏み込んできているらしい。
あの中年が若い運び屋のヴェントにここまでついて来ているのだから、それだけでも大したものだ。
ヴェントは構わず走り続ける。そろそろ外の光が届かなくなってきた。
躓かないよう足元に気を付けながら、少しだけペースを落として足を進め続ける。
反響する二人分の足音。濃くなる闇。辛気臭いことこの上ない逃避行。
理不尽さに叫び出したくなった頃――背後から轟音が聞こえ、視界が闇に閉ざされた。
78ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:08:23 ID:u2XwOBiO0
「うわっ、何だ!?」
「これも貴様の仕業か!」
ヴェントとガラハゲの叫び声が同時に上がる。
この期に及んでまだ疑われているのかと思うと、怒りを通り越して情けなくなってくる。
「んな訳ないだろ! 奥にいてどうやって入口崩せるんだよ、大体そんなことしたら俺まで閉じ込められ……」
思わず怒鳴り返しながら、ふと気付く。
――入口が崩された?
――――閉じ込められた?
口に出してみて初めて、自分達がそういう状況に置かれていることをヴェントは自覚した。
どう考えても、今の音は入口が崩れた音だ。
そして、この奥の暗闇に秘密の抜け道でもない限り、入口を通らなければ洞窟からは出られない。
「……では誰の仕業だと言うのだ」
「知るかよ!」
今度はさすがのガラハゲも、むぅ、と唸ったきりで黙り込む。
ヴェントが敵ではないと納得してくれたとはまだ思えないが、少なくとも、他に敵がいることは理解したようだ。
二人が飛び込んだ途端に狙い済ましたように洞窟の入口が崩れるなど、自然にはあり得ない。
いや、今日の不運続きを考えるとあってもおかしくない気がしてしまいそうだが、幾ら何でもあり得ない。
ということは誰かが外にいて、二人が入ったのを知って入口を埋めたと考えるのが妥当である。
「とにかく、だ。面倒な話は後にして、まずはここから出ることから考えるぜ」
「ううむ……いや、解った。ここで共倒れになる訳にもいかんな」
これでまだ信用できないとか誤魔化すつもりかとか言い出すようならば、さすがに切れていたところだ。
幸い、そこまで物分かりの悪い男ではないようだ。ヴェントはやっと胸を撫で下ろす。
「じゃあ、まずは灯りか」
手探りでザックからランタンを取り出す。この暗闇では動きようもない。
ガラハゲの頭が光るとは言っても、それは他の光源からの光を反射しているに過ぎない。
この真の闇の中では頼りにはできない。尤も物理的にはできたとしても、頼りにしたくもないが。
がさごそとザックの中をまさぐる音が暫し続く。油の瓶も見付けた。後は着火器具だ。

「――それで」
数十秒後。まだがさごそやっているヴェントの背中に、ガラハゲの至極真っ当な突っ込みが突き刺さる。
「この暗い中でどうやって火を点けるつもりだ」
「……それを、これから考えるんだよ」
79ヴェントの日記、絶体絶命の3ページ目:2007/09/07(金) 08:08:55 ID:u2XwOBiO0
【E-5/洞窟近辺/午前】
【ナルセス(73歳)@SaGaFrontier2】
[状態]:健康
[装備]:赤水晶のロッド@ロマサガ2、海風貝(残り耐久度8/音のツール)@ロマサガ2
[道具]:アイスシード@ロマサガ2、荷物一式
[思考]
基本:残り10人以下までサラと組んで、できる限りマーダーとばれないように優勝を目指す
1:ウェイプ方面へ移動
2:サラの不安定さ、精神的脆さに気をつける

【サラ@RomancingSaGa3】
[状態]:やや鬱
[装備]:ボーイーナイフ@サガフロ
[道具]:確認済みの支給品×0〜2、荷物一式
[思考]
基本:ナルセスと組んだステルス(?)マーダー。エレンを最優先に、シノンの誰かを優勝させる。
1:ウェイプ方面へ移動
2:知り合いにはあまり会いたくない(エレン含む)
3:自分の目的と矛盾しない部分ではナルセスを信頼する


【E-5/洞窟内部/午前】
【ヴェント@Unlimited:SaGa】
[状態]:主に精神的に疲労
[装備]:なし
[道具]:確認済みの支給品0〜1、荷物一式
[思考]
基本:まずは安全確保、というか方針を考えるだけの余裕が欲しい
1:洞窟から脱出する
2:何とか誤解を解きたい
3:ところでこいつの名前何だっけ?

【ガラハド@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[状態]:健康
[装備]:モーグレイ
[道具]:荷物一式  ※アイスソーダの棒は放置
[思考]
基本:神打倒
1:洞窟から脱出する
2:その後でヴェントに正義の鉄槌を……
3:女神とジュディの所へ戻る


※E-5の洞窟の入口が土砂で塞がれました。
80 ◆kGf..YZoZg :2007/09/07(金) 08:16:06 ID:Qy+CcnjkO
規制怖いので携帯から投下完了宣言。
真っ暗闇でランタンの油に点火とか、結構危ない…よな。
81ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 18:46:19 ID:u2XwOBiO0
ちょ、wikiへの反映早っw
編集してくれた方、有難いですが一応投下直後じゃなくちょっと時間を置いて
突っ込みが入った時の修正とかを済ませてから反映にしといて下さいな。
修正ならいいけど、致命的な矛盾でもやらかしちゃった場合は最悪破棄だし。

wikiついでに、支給品解説が一部豪華になってて面白かった。
積極的に編集してくれてる方々には頭が下がるばかりだ。
82ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 19:15:19 ID:wrc//W2Y0
>>80
投下乙。感想は後ほど書かせてもらいます。

>>81
ごめん。今度から気をつける。
83ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 20:04:22 ID:J0dSim46O
投下乙です。
さり気にネズミイベントの話が絡んでて上手いね。
脱出できるかどうか楽しみだ。
84ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 20:06:25 ID:J0dSim46O
それともwikiの編集はそれほど手間もかからないし、
そんなに気にするほどでもないんじゃないかな。
85ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 20:07:27 ID:J0dSim46O
日本語おかしいな
×それとも
○それと
86ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 20:42:38 ID:u2XwOBiO0
それもそうか。
ごめん>>82
87ゲーム好き名無しさん:2007/09/07(金) 23:20:10 ID:wrc//W2Y0
>>80
では、改めて投下乙。
ヴェントの日記は何気にシリーズになってるんだね。
無事脱出できるかは女神とジュディしだいかな?
サラの心理描写がよかったです。
あと、さり気にガラハゲだったのに笑った。思い出してあげようよヴェント。
88ゲーム好き名無しさん:2007/09/08(土) 00:17:28 ID:rgtSHGvJO
ナマハゲとか更に悪化してるしwww
89 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/08(土) 19:10:46 ID:1SDSN1A60
ようやく投下します。規制にかからないといいなあ
90そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:11:48 ID:1SDSN1A60

胸を張って音のした方向へ動き出そうとしたケンイチの腕めがけて私は飛びついた。
「ダメっっ!」
ぶら下がるようにおもいきり体重をかけてやる。
私を引きずりながら走るわけにも行かず、ケンイチは困惑顔を向けてきた。

浜辺の怪物――爆発を起こしたのも多分こいつ、それで人を殺した――は直感でも見た目でも明らかに危険に思えた。
距離があるし、こちらは気付かれていないのにわざわざ向かうのは命を捨てに行くようなものだ。
本来ならそんなバカは見捨てたいくらいだけれど、
こんな早い段階からせっかくつかまえたこの盾代わりの駒をむざむざと無駄遣いしたくはない。

「放せって、コラ! おい!」
「冷静になりなさい! あんな怪物に一人で立ち向かうって死ぬ気なの!?」
「ほっとくわけにはいかねーだろーが! それに一人じゃねえ……だろ?」
私とケンイチの視線が同時に後ろの男のほうへ向けられる。
彼、ヨハンは呆然とした風も、動揺した様子もなく冷静に怪物を観察しているように見えた。
「おいヨハン、おまえもあんなバケモンはほっとけねーよな?」
「無理にきまってるでしょう? もっと強そうな人が何人か組んでようやくよ、あんなのっ!」

間違いなくこのマフラー男、ヨハンは私に似たことを考えている。
離れた位置で起こった一連の事態への反応から、私は直感的にそう判断した。
まず遠くとはいえ凄惨な事件を目にして落ち着いているし、表向きは好戦的に見えない。
けれど出会ったときのあの奇妙な感じからヨハンは多分魔法か、私の知らない別の能力を隠し持ってる。
牙も無く、この異常なゲームにただ押しつぶされるような一般人なんかじゃない。
この男も私と同じ、『人を利用する』という明確な戦略で生き残る気なんだ。
ともかく、彼がどう答えるかはだいたい予想がつく。
戦略なんかと関係なく現実的に考えれば当然の判断なんだけどね。
91ゲーム好き名無しさん:2007/09/08(土) 19:13:01 ID:1SDSN1A60

「犠牲者には悪いが……俺も行くべきじゃないと思う」
自然と判断が委ねられる形になったヨハンは、予想通り私の意見に同調してきた。
「ヨハンっ! てめー!」
「落ち着いてくれ、ケンイチ。
 少数で突っ込んで玉砕するより、このことを広く他の参加者に知らせてみんなで戦った方がいい。
 被害も小さくなるし、なにより勝率も高くなるはずだ。
 あれを許せない気持ちはわかるが、抑えてくれよ。
 どうしても行きたいなら止める理由はないが……無駄に死んで欲しくはない」
「やる前から無駄とはなんだ! やってやるのが漢だろうがよっ!」
「いい加減にしなさいよっ!!」
正直ここまで頑固なバカとは思わなかったけれど、ヨハンが見切りをつけかけていることに気付いて
私はうんざりした気分で大声を出して割り込んだ。
今はまだ大事な駒だし、ヨハンと二人きりなんてぞっとしない。
いっそケンイチの頬でもはたいてやろうかとさえ思ったけれど、それはぐっと抑える。
「護ってくれるってのは嘘だったの? 私を見捨てるって言うのね?
 初めの約束も護れない人間に何が出来るって言うのよ! ねえっ!」
涙目になっていればもっと有効なんだろうけどそこまで自分の演技力には期待しない。
でも、これで十分だった。ようやく諦めてくれたらしい。


92そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:14:10 ID:1SDSN1A60
∇.

興味のない茶番を横目にしながら、俺はこの二人を見捨てる可能性を考え始めた。
ミレイユ、ケンイチ、彼らのどちらかでも森へと逃げ込んでいった気配を察知できているだろうか。
おそらくあの犠牲者の仲間であったのだろうがそれが森へ逃げ去った、ということは
今、最も怪物に近い位置にいるのは自分たちに間違いあるまい。
早くこの位置を離れなければ次にああなるのは自分たちだと、二人は気付いているのか?
ともかく無駄な時間を費やしたあと、人数が増えることを期待して北東の村へ向かうことに決まった。

殿をかってでたケンイチが後ろ、ミレイユが真ん中、俺が先頭を務め森と平原の境界を行く。
そんな風にゴドンゴへ向かい、村にある建物がだいたい見分けられるくらいの距離まで近づいたところで
目的地である村の方から出てくる二人連れを見つけた。
向こうからもこちらが見つかっていてもおかしくない距離、後ろの二人に一旦停止の合図をかけて様子を見る。
ともかく二人連れはゆっくりとこちらへ近づき、そのまま10mほどのところまで接近してきた。
いくらかは腕の立ちそうな若い男と、妖しげな雰囲気を持つ女。
ファーストインプレッションで警戒の素振りを見せたのが俺とミレイユ、そして向こうの女。
それぞれ、現れた相手、そして組み合わせを見定めるように視線を動かす。
一方、ケンイチと若い男は素早く武器を構えつつ互いに前へと進み出ていた。
「おい、お前たちはこの殺し合いに乗るつもりか?」
「あなた方は、あの神を名乗る男の思惑には乗っていませんね?」
ほぼ同じタイミングで似たような意味の言葉を告げあい、少しの間を挟んでまた同時に口を開く。
「ああ、俺たちはみんな殺しあいにゃ乗っちゃいない」
「いいえ、僕たちは乗るつもりはありません」

表面的には非好戦的な2つのパーティの遭遇。
少しのやり取りの後で警戒心を解いたケンイチが二人に対して当面の敵、あの怪物の情報を説明し始めた。
「というわけだ。一緒に戦ってくれるよな」
「そう、それは……でも、それならもっと仲間が必要だわ。そう思うわよね、アルベルト?」
「ええ……そうですね、人数も問題ですが武器も足りないですよね……」
もっともな事を言う。
確かに、5人いてぱっと目に付く武器はケンイチが抱える斧とアルベルトの剣だけだ。
「そうよね。私は見ての通り武器も無いし戦えない。
 斧のあなたと、アルベルトはOKね、盾の子とマフラーの人……
 ミレイユにヨハンだったっけ、二人は戦える? どうなの?」
ふるふると否定するようにミレイユが首を振った。
そして、4人全員の視線が俺へと集中する。
「そういえばはっきりとは聞いてないな。どうなんだ、ヨハン?」
93そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:15:20 ID:1SDSN1A60

さてどう答えるべきか。
できるだけ目立たないポジションにいた方がいいが、まったく戦えないと嘘を答えてしまうと
力を振るわざるを得ない危急の事態に陥ったとき信頼を失うことになる。
ここは懐の短剣、同化術、そういう暗殺用の力は隠しておいて術士としてはほぼ正直に答えるのがいいだろう。
それにこれは、一つの質問をするいい機会になる。

「術を使うことができる。ただ、俺の術にはツールが必要で……それを持っていない」
何も間違いは言っていない。ツールを用いるのは基本で、ろくにツールがないと本当に戦闘用の術は使えないのだから。
「ツール? ……ドライバーとかレンチとかがお前の術には要るのか?」
「ドライバーやレンチは知らないが、とにかくアニマ……あー、自然の力を引き出せる何かが必要だ。
 それが無いと俺は力になれない。
 そうだ、この際聞こう。誰か何かツールになりそうなものは持っていないか?」
問いかけながら、全員に観察の目を光らせる。
本当にツールが得られるかもしれないし、自分と同じく何か隠し持っているなら変わった反応があるかもしれない。
各個人のアイテムの情報を得られるだけでも収穫になる。
ミレイユが、一瞬だけ支給品袋に目をやって首を振った。何か隠しているようだ。
ケンイチは素直にザックをごそごそ探っている。
メイレンは端から何もないという風に手を広げていたが……では何を支給されたというのか?
そしてアルベルトも何か思い出したようにザックへと手を入れていた。

やがてケンイチが取り出してこちらに示したのは薬ビン、アルベルトは何かの金属の道具。
「こいつはどうだ? 『せきかをとく』なんてふざけたラベルだが……」
「これはどうでしょう、あなたのいうツールでしょうか?」
薬品に金属製のものでは残念ながらどちらもツールとしては役に立ちそうもない。
しかし、俺にとって情報面で収穫が有ったといえる。
さらに、取り出されたアルベルトの道具を見ているメイレンのわずかな反応はなんだろうか。
「どちらも見たことがないな。でも試してみるか、貸してくれ」
金属がツールになるはずもないが、その未知の道具を手にとって調べてみる。
柄があって指がかかる場所があり、それに従って掴んでみるとくの字に曲がった金属の先が前を向く。
引けそうな部分を動かしてみるか? 実験するように指に力を込めようとした時。
「やめなさいっ!!」
メイレンの絶叫に遮られる。
向けた視線の先、メイレンの指から何かが光を反射してきらめいた。
……指輪、か?


94そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:17:26 ID:1SDSN1A60
∇.

アルベルトに嘘を付かれていた?
扱いやすそうな駒だと見ていた青年に裏切られた気がして私は少し動揺する、が……
渡された銃を扱うヨハンの手先を見てすぐに考えを改めた。
二人とも、銃を知らないのではないか?
ためつすがめつじっくりと調べるヨハンの手がやがてグリップを探り当て、その指がトリガーへ伸びていく。
銃声、無駄弾、余計な騒ぎ。トリガーを引かれてしまった結果を想像し、私は咄嗟に叫んでいた。

「やめなさいっ!」
それほど声量を上げたつもりはないけど、それでも鋭い声になってしまったと自分でも思う。
とにもかくにも動きを止めてこちらを見たヨハンにつかつかと近寄り、その手から銃を奪い取った。
「なんだ、銃触ったことないのかよ?」
「銃ってなんですか?」「銃とはどういうものだ?」
私が叫んだ理由を飲み込めていないだろう二人をかきわけて、ケンイチが口を開く。
すぐにヨハンとアルベルトの知的好奇心があれば当然の質問が彼に向けられた。
ありがたいことに面倒な説明なんかは彼が引き受けてくれるようだ。

私は手の内にある鉄の相棒を愛しげに検分する。
見たことのない型ではあったが、基本的な部分は知っている銃と大きな変わりないハンドガン系統のものだ。
隠し持っておく、というのが最良だったけれどどんな形でも無いよりはあったほうがいい。
大雑把すぎるが銃と隠れ蓑になる集団が揃えばとりあえず最後まで勝ち抜く私の計画がおぼろげに見えるというもの。
と、はじめての銃講座をやってる男三人の向こうからこちらへ送られてくる視線に気付く。
銃を知っているのだろう、アルベルトのような不思議を見る眼をしていない彼女は
盾に隠れるように立っている姿と相まってひどく消極的に見えた。
戦う力の弱い、保護される者。弱肉強食の原理では真っ先に消えていく類の者。
まあ当面はたいした注意を払う必要はなさそうだ、私がそう判断しかけたその時。
怯えと驚きの入り混じった様子で顔をゆがめ、彼女ミレイユがある方向へと目線を移す。
何事かとその先を追ったけれども私には何も見えない。何なの……?


95そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:19:29 ID:1SDSN1A60
∇.

「そうだな、すげえ弓……うーん、まあとにかく飛び道具だ、飛び道具。頼むぜ、これくらいにしてくれ」
表情は違ってもとにかく興味深そうな二人を押しとどめ、俺は話を切り上げようとする。
とにかく俺の斧、アルベルトの剣、メイレンの銃で戦えるのは三人ということになったか。
この調子で行けばバケモンを倒せる日も遠くなさそうだ。
あの化物が俺一人が命を張ってどうこうできる相手ならいいが……ミレイユとの約束もある。
すると、特攻むためにゃ確かにもっと頼れるヤツら――そう、あいつら3人のような誰か――を探さねえとな。
……てー、待てよ、メイレンはちゃんと銃を使えるんだよな? 数に入れていいんだよな?

ふと浮かんだ重大な疑問に俺ら三人から少し離れて立っているメイレンを見ると、
なんだか怪訝そうな顔で何かに気を取られている風だった。
いったいどうしたのか? と半回転しながら何を怪訝そうに見ているかその先を探る。
森、俺たちがやってきた方向に広がる平地、視界の右端にミレイユ。
怪しいものは別に何もない……いや、目の端に見える女の顔はひどく青く何かに怯えていた。
「どうした、ミレイユ? 気分でも悪いのか!?」
「向こう、イヤな感じがするの。……ここにいちゃダメよ! 早く移動しないとっ!」
もう一度、ミレイユが指したさっき見たのと同じ方向を眺めてみるが、何も見えな――いや、今度は何か動くのがいる。
いつの間にか横に来て同じく眺めていたヨハンが呟いた。
ヤツだ、あの怪物が追ってきたようだな、と。
「あとをつけられた? まさか見つかってたの!?」
聞こえたのだろう、不安を表現するようにミレイユが取り乱す。
もう覚悟を決めるしかない――俺は腹をくくった。
騒ぎに気がついたアルベルトとメイレンに向けても注意と覚悟を呼びかける。
「アルベルト! メイレン!
 バケモンが追ってきやがった! 二人ともヨロシク覚悟決めてくれなっ!」

決まったハズ、だよな? なのにこいつら、ゾクの誇りをかけた覚悟ってやつをわかってねえのか!
仕方ないわ、村で迎撃しましょうとメイレンが身を翻しやがった。
平地は不利です、ケンイチさん、下がりましょうと呼びかけながらアルベルトがそれを追っかける。
こんな開けた場所では爆発の的になる、そう言い残して隣にいたはずのヨハンはもう走ってやがる。
そしてミレイユは、あなたはなにやってるの、とでもいいたげな目でじっとこちらを見ていた。
なんだか悲しそうな、けどどこか醒めた眼でこちらを見つめて、それから背を向けて3人を追いかけていく。
決めた覚悟も宙ぶらりんで、いっそ突っ込んじまおうかと思う気持ちを俺はぐっと呑みこむ。
……くそっ、厄介な約束をしちまったもんだぜ! だがそこは裏切らねえのがゾクの流儀だ!
だから、そんな眼で俺を見んな!

96そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:21:58 ID:1SDSN1A60
【A-2南部/平原→ゴドンゴへ/午前】
【ケンイチ(総長)@サガ】
[装備]:ビルキース@ミンサガ
[道具]:確認済みの支給品0〜1(ただし武器は無い)、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:倒すべき敵は倒す。守るべき人は守る
1:ゾクの覚悟を見せるため村でアシュラ(化物)と戦う
2:ミレイユ他を守る
3:首輪への対抗手段の模索
【ミレイユ@サガ】
[装備]:アバロンの聖衣@ロマサガ2、魔王の盾@ロマサガ3
[道具]:賢者の石(一個)、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:生き残る。その為に強いやつを利用する。弱いやつは適当に利用して殺す
1:ケンイチ・アルベルトを適度に利用する
2:アシュラ(怪物)から逃げ延びる
3:ヨハンを自分と同じ戦略だと推測、警戒
【ヨハン@サガフロ2】
[装備]:竜鱗の短剣@アンサガ
[道具]:せきかをとく、確認済みの支給品0〜2、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:ギュスターヴか自分の優勝
1:アシュラ(怪物)と適度に戦闘。自分の生存を優先
2:利用できる人間を増やす
3:殺しをするときは自分がやっていることがバレないように
【アルベルト@ロマンシングサガ(ミンサガ)】
 [装備]:グラディウス @ロマンシング サガ(ミンサガ)
 [道具]:支給品一式
 [状態]:健康
 [思考]:
 基本:ゲームには乗らない
 1:アシュラ(怪物)との戦闘、みんなを守りぬく
 2:ナイトハルトら、仲間との合流
 3:主催者の打倒
 [備考]:ED後から参戦。ザックの底には銃の説明書だけがある。気づいていない。
【メイレン@サガフロンティア】
 [装備]:商人の指輪@サガ フロンティア、ベレッタ M93R(20/20+1)@現実、
 [道具]:支給品一式
 [状態]:健康
 [思考]:
 基本:ゲームに優勝
 1:アシュラ(怪物)と適度に戦闘。自分の生存を優先
 2:集まったパーティを利用する
 [備考]:クーン編で指輪をいくつか集めたところ。ED前。
97そういうケースのリアリズム:2007/09/08(土) 19:24:27 ID:1SDSN1A60
【A-2南部/平原→ゴドンゴへ/午前】
【アシュラ@魔界塔士SaGa】
[状態]:腕の内2本(下の1対)の指欠損、全身の前面に火傷
[装備]:アイスブランド、バトルハンマー
[道具]:荷物一式、ジェラールの荷物一式(確認済みのアイテム×1〜3)
[思考]
基本:ゲームに乗って殺戮
1:目の前の連中を追って殺戮する
2:オーダイとミルフィーを自分の手で殺す
98ゲーム好き名無しさん:2007/09/08(土) 23:10:59 ID:5QY2Iaht0
投下乙!
ミレイユの演技派っぷりが素晴らしい。
状況把握的にもヨハン、メイレンと比べても一歩リードって感じだ。
原作では微妙だったテレパシーもロワだと大活躍だなw
付近にいるオーダイチームとヴィクトール&シフも予約が入ってるけど、
こっちと合わせてアシュラ包囲網になるのかそれとも…。
99ゲーム好き名無しさん:2007/09/08(土) 23:54:00 ID:kY/3NcX60
投下乙。
なんか総長のキャラが気に入った。
…にしても全員ゴドンゴに行ったか。
ここもピラミッド、ウェイプにならぶ決戦場になりそうだな…。
マーダー三人もそれぞれ探りあい見たいなのをしてるし、今後の展開が気になる。
100 ◆oHCPL1DFHs :2007/09/09(日) 00:33:21 ID:g55Jgcfo0
ルージュはどこへ行ったんだろうと思いつつ、
レッドもアシュラ追っていましたね。
アシュラは集団リンチを避けられるのか?

ジニー、先生、ヌアージ、ロックブーケ予約です。
101ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 09:14:17 ID:RqjOo022O
ん?レッドはD-1に向かってた気がしたが
102ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 09:17:45 ID:RqjOo022O
それにしても、周りが冷静な人間ばっかりで
イマイチ熱血自爆っぷりを発揮できない総長カワイソスw
103ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 09:51:36 ID:g55Jgcfo0
ああ、そうか、D-1でも爆発起こってたか。
ごめん、間違えた。
104 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/09(日) 14:01:51 ID:A9K3PSAL0
すみません……。
今日が予約期限ですが、今日中に投下は無理そうなので予約破棄します。
105 ◆5s6UnGWy/w :2007/09/09(日) 19:21:39 ID:EILTlXw40
遅れ馳せながら、ミレイユのテレキネシスに関する記述を削除しました。

それと、支給品に関しても訂正が。
レオニードの革の帽子、サングラスは@サガ3です。
44マグナム、刀は…どうしよう。
支給品は全てサガシリーズに由来するものから、と思い込んでたので…

あと多作品に登場する同名アイテムはどう扱ったらいいのかな?
出典不明はなんか違うし。
106ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 19:49:33 ID:OhVLoBrv0
>>105
44マグナムはサガ1と2、刀はサガフロにあります。
そこからの支給品にしておけばいいんじゃないでしょうか

同名アイテムは保留しておいて書く人が必要になったときに決めればよいのでは
107ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 20:04:15 ID:OBeKvSHOO
wikiからキマスタ
皆さん乙です
見守らせていただきます
108ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 22:21:16 ID:bE10t/Ps0
>>105
刀はSaGa2にもあったね。1にもあったっけ。

同名アイテムは明確な区別がある場合(名前だけ同じで効果違うとか)は明記、
シリーズごとの差はないけど特殊な効果を持つ物は資料を調べやすいようにできれば明記、
刀とかマグナムみたいに純粋な武器でどっちでも大差ない場合は適当でいいんじゃないかな。
wikiでの分類用にどっちか書いてあるとわかりやすくはあるが。
後の人に判断を任せたい時はそれもありか。

>>107
wikiから先に知る人もいるんだな。
見守ると言わず書き手デビュー や ら な い か
109ゲーム好き名無しさん:2007/09/09(日) 22:56:46 ID:AnBe7MJ00
どうでもいいことだけどアイスソードは二本ともミンサガ仕様なんだな。
どっちかが旧ロマ仕様だとちょうどよかったかもしんない。
110 ◆oHCPL1DFHs :2007/09/10(月) 00:10:41 ID:QWFpbRCc0
投下します。
111くやしいのう:2007/09/10(月) 00:11:52 ID:QWFpbRCc0
「ジニー、どうした?まさか、アンデッドが見つかったとか?」
デテクトアンデッドを使った後のジニーの様子が少しおかしかったので、
まさかアンデッドがいるわけないだろうと思いながらも、
からかう意味もこめてヌアージは尋ねた。
「えっと、赤い点が見えたんだけど、これってアンデッドだよね?」
ジニーは術の効果を知らない、赤い点が見えただけである。
アンデッドを見つける術なのだから、この赤い点がアンデッドなのだろうと思いつつも、
確認の意味をこめてヌアージに尋ね返した。
「赤い点が見えたって、おいおい本当なのかい?
 見えたならそれがアンデッドだ。まさかこの中にアンデッドがいるとは…」
ジニーの返答を聞いてヌアージは驚きを隠せなかったが、
先生が目の中に入ると、
「まあ、アンデッドが敵とは限らないからな、
 注意しておくにこしたことは無いが」
と、あからさまな敵対視はしなかった。
彼の世界ではアンデッドは積極的に人を襲ってくる存在。
このゲームに巻き込まれる前であれば、こんな考えはしなかっただろう。
「うむ、自分の思い込みで敵と判断するのは良くない。
 そうだろう、ヌアージ殿」
「ああ、そうだな先生」
彼らは、思い込みが命取りになり得ることを実体験で得ていた。
お互いの思い込みで戦ってしまったことを反省し、
二人はあくまでも様子をみようという考えに達した。

話は逸脱するが、ヌアージが先生を先生と呼んでいるのは、
名簿に先生と名前が書かれていたからである。
多くの参加者が本名で書かれている中、何人かが職業の名前で書かれていた。
先生もその一人である。
本当は先生にも本名はあるのだが、わかりやすさのためというのと、
先生が先生と呼ばれることに慣れていたこともあって、先生と呼ぶことに決めたのである。

「そういうもの、なのかなぁ」
いくら先生が危ない人じゃないからって、
アンデッドは危ないんじゃないかなぁ、とジニーは思った。
「まあそのアンデッドは放っておいて、ジニーのおじいさんを探しに行こうか」
「それで、どこへ行こうというんだ?ヌアージ殿」
今にも、歩き出そうとするヌアージを引きとめ、先生は尋ねた。
112くやしいのう:2007/09/10(月) 00:12:57 ID:QWFpbRCc0
「ああ、どうせ当ては無いんだ、
 適当に歩いてみるしかないだろう?」
実際問題、この広い島にばらばらに飛ばされた上、
殺し合いという特殊な状況におかれているのである。
何か策を立てて見つけようとするのと、適当に見つけようとするのと、
それほど大きな違いは無いと言えなくはない。
探している相手が森に隠れるか、人の集まりそうな場所を目指すか、そんなのはわからない。
ヌアージはそう考えていた。

「う〜ん」
「う〜む」
ところが、ヌアージの考えがわからなかった二人は、少し首をかしげた。
適当に歩くと言われればこういう反応も仕方ないだろう。
「おいおい、じゃあ何か当てがあるのかい?」
そんな、どうも納得していないような二人の様子を見て、ヌアージは聞き返した。
「おじいちゃんなら、どうするかなぁ」
ジニーはウィルがどんな行動をするかを考えてみた。
考えてみたのはいいのだが、何も思いつかない。
彼女が生まれたときには、ウィルはディガーから引退していて、
現役時代のことは、話でしか聞いたことがない。
エッグを倒すために一緒に戦うことになっても、
テルムとハン・ノヴァとノースゲートにしか行ったことがなく、
ウィルが、どのような行動を取るのかはわからなかった。
あえて言うならば、ウィルの関わった冒険の中で、鉱山が崩れた話があったから、
洞窟には行かないかなぁ、と思ったぐらいである。
「え〜と、洞窟には入らないかもしれないと思うけど、
 それ以外はわかんないかなぁ」

一方先生は、周りの景色と地図を眺めながら答えた。
「まず、こっちの方向にピラミッドが見える。
 こっちには山が見える。たぶん洞窟があるのだろう」
先生は、自分の位置を二人に伝えることにした。
始めにピラミッドを指差し、次に腕を左に動かして山を指差した。
「この位置関係が成立するのは、D-3洞窟の北の森か、E-5洞窟の東の森。
 そして、山が見えるのはこっちだけで、こっちには見えない」
山を指していた指を真後ろに動かして、森しか見えないことを言う。
「だから、ここはE-5洞窟の東の森の可能性が高い」
先生は、自分の位置をそう推論した。そして実際に正解である。
113くやしいのう:2007/09/10(月) 00:14:02 ID:QWFpbRCc0
その先生の推論に対して二人の反応は大きく違った。
「まあ、そうだよな」
運び屋として各地を走り回るヌアージは、
先生に言われるまでもなく、ある程度はあたりをつけていたらしい。
「先生すご〜い」
ウィルを追いかけたはずが、船を間違って辺境の地へ行ったこともあるジニーは、
自分の位置なんてほとんどわからなかったらしく、素直に感心した。

「だから、こうやって山と森の間の平地が見えるように南に移動する。
 むこうからは見えないが、こちらからは見えるように」
今度は地図を指差して説明を続ける。
「森が切れるところまで行けば、平原が見えるようになる。
 この平原は地図の右下に飛ばされた人たちが町へ目指すために通るコース。
 おじいさんが見つかるかどうかはわからないが、
 こっちの姿を見せずに状況を確認するには、なかなか良いと思うのだがどうだろう?」

「平原をのんきに歩く奴が、どれだけいるかわからないが、それでいいんじゃないか?
 どうだい、ジニー?」
「えっ、私?」
突然、話を振られてちょっと驚く。
だが、自分の祖父を探したいのだから、方針はジニーが決めるのが妥当ともいえる。
「えっと、それでいいんじゃないかな」
他にいい案が思いついたわけでもないし、悪い案とも思わなかったので、
それでいいということにした。

それはそれとして、平原をのんきに歩く参加者がいないとヌアージは思ったし、
ジニーや先生も、いたら儲け物程度に考えていた。
ところが、その平原を歩く参加者がゴロゴロいたりする。
ゴロゴロいる割りに知り合いはいないのは残念だが。

「じゃあ、みんな、行くよ」
ジニーの声かけとともに、三人は森を南下していった。


114くやしいのう:2007/09/10(月) 00:15:09 ID:QWFpbRCc0
「ところで、ジニー。君のザックの中に入っていたものは何だったんだい?」
「そうだな、私も気になる。教えてくれないか?」
ジニーからは、武器とクヴェルとツールが無いと聞いただけで、何が入っていたかは聞いていなかった。
これから、一緒に行動するなら、中身を知っていたほうが良いと思い、ヌアージと先生は尋ねた。
「えっと、ちょっと待ってね」
歩きながら出すのは大変と思ったジニーは、歩くのをやめてしゃがみこむ。
「私のザックの中に入っていたのは、これと、これと、これ」
そして、ジニーはザックの中のものを出した。
「これは、なんだかよくわからないんだけど、二人ともわかる?」
三つ入っていた支給品のうち、ジニーは一つだけ効果がわからなかった。
その効果がわからない支給品を持ち上げて二人に尋ねた。
「うむ、それはちいさくなーれというアイテムだ。
 使うと人間の体の中に入れるくらい小さくなれるらしい」
カイという神官を救うために先生の教え子たちがこのアイテムを使った。
先生はその話を聞いたらしく、この良くわからないアイテムの効果がわかった。
「人間の体の中に入れるくらい小さくなっちゃうの!?
 なんかそれ、虫みたいにぷちって潰されそうで怖いなあ」
「うむ、確かに使うタイミングを間違うと大変なことになりそうだ。
 しかし、何かうまい使い道があるかもしれない」
「そうだな、小さくなってメシを食えば、食料が長持ちするな」
そんな、ヌアージのアイディアに二人は笑った。

他の二つは、工具箱と救急箱だった。
「ほう、これは工具がたくさん入っているな。
 この首輪を外すときに役に立つかもしれない」
「うむ、こっちも包帯、湿布と怪我をしたときに役立ちそうなものが入っている。
 体力回復には期待できないが、応急処置には使えそうだ」
ヌアージと先生は、ハズレでない物が入っていて安心した。
両方とも、劇的な効果をもたらすようなアイテムではないが、
そのかわり小道具がたくさん詰め込まれている。
組み合わせれば、何か面白いことに使えるかもしれないと思った。

115くやしいのう:2007/09/10(月) 00:16:14 ID:QWFpbRCc0
周りを警戒しながら、森の中を進んでいくと、左の方から物音が聞こえる。
「ねぇねぇ、左の方から音がしない?
 それも、なんかこっちに近づいてきてるような感じで」
一番最初に気が付いたのはジニー。
それに続くように、ヌアージと先生も左から来る物音に気づく。
「左か、ジニー、デテクトアンデッドをもう一度使ってみてくれないか?」
現在の進行方向から左といえば、南東にあたる。
南東といえば、アンデッドが見つかった方向である。
確認のため、もう一度デテクトアンデッドを使うようヌアージは提案した。
「うん、おっけー。えいっ、デテクトアンデッド」
見えた赤い点は、まだ自分たちから遠いところにあった。
「赤い点はさっきより近くにあるけど、まだ遠いところにあったから、
 この音はアンデッドの人じゃないはず」

「そうか、わかった。
 じゃあ、俺一人で接触してみるから二人は隠れていてくれないか?」
ヌアージの提案に二人は驚いた。
そんな二人を説得するよう、ヌアージは言葉を続けた。
「こんだけ、ガサガサ音を立ててるんだ、走っているってことだろう。
 誰かを追いかけているなら、追いかけている奴の音を最初に聞くだろう。
 聞こえなかったということは、逃げているんだろう。それなら話す価値もある」
確かに、物音が聞こえたのはこれが最初。
ヌアージの考えは間違っていない。
「でも、ヌアージさん一人で大丈夫なの?」
仮に、この物音の張本人が逃げていたとしても、安全な人とは限らない。
わざわざ一人で相手をするよりも、みんなで相手をした方がいいと、ジニーは思った。
「いや、私が出れば相手に勘違いさせてしまうかもしれない。
 ジニーがいれば、相手が乗り気だったときに真っ先に狙われるだろう。
 そういう心遣いなんだろう、ヌアージ殿」
モンスター=悪という認識を持つ世界があることを感じた先生は、
自分が目の前に現れないほうが事がうまく運びやすいとわかっており、
さらにか弱く見える少女がいては、狙われる危険性もわかった。
「さすがだな、先生。その通りだ。
 それに、俺は足には自信がある。俺が本気になれば、追いつけはしないだろう。
 目的地は決まってるんだ、ヤバくなったら適当に撒いて合流するさ」
ヌアージには、運び屋として自分の足にはかなりの自信を持っている。
だからこそ、あえて危険をかってでたのである。
「うん、ヌアージがそれでいいならお願いするわ。
 でも危なくなったら、逃げてね」
「ああ、わかってるさ」
116くやしいのう:2007/09/10(月) 00:17:17 ID:QWFpbRCc0
ジニーと先生が木陰に隠れ、南東から来る物音が近づいてくるのを待つ。
いくぶんか待った後、物音を立てていた人間が現れた。
その姿は青い髪をなびかせる絶世の美女だった。
「やあ、誰かに追いかけられているのかい?」
槍を持っていることがわかるようにしながらも、
あえて構えないことで敵意が無いことを示してヌアージが話しかけた。
「ええ、レオニードという吸血鬼に追われています。
 ここに居ては危ないですわ。私と一緒に逃げません?」
こんなことを言っているが、親切心で言っているわけではない。
得体の知れない吸血鬼を相手にしたくないのは本音だが、
一緒に行くことを提案したのは、都合の良さそうな手駒が見つかったからである。
「その吸血鬼ってのは結構強いのかい?」
デテクトアンデッドの反応の正体が吸血鬼で、その吸血鬼が危ない奴だという情報を得た。
問題はその吸血鬼がどのくらい危ないのか、ということ。

この質問はロックブーケには答えづらい質問だった。
テンプテーションが効かなかったから逃げてきたとは言えない。
「私は普通の女ですから、どれだけ強いかはわかりませんわ。
 でも、吸血鬼というからには、かなり強いんじゃないかしら?」
だから、あえて自分が普通の女を演じて、一般的に吸血鬼は強いと答えることにした。

「ほう、なるほど」
これはヌアージが吸血鬼の強さに納得して出した言葉ではない。
強そうな吸血鬼から逃げれるだけの足を持ち、
全力で逃げながらも、疲れた様子はさほど見られない。
そんな女が普通なわけがない。そう気づいたのだ。
「ジニー、先生。もう出てきてもいいぞ」
何かを隠しているが、あからさまな敵意は無い。
二人で一緒に行動するのはごめんだが、三人で見張れば対処もできる。
野営の時も自分と先生で見張りをすれば、寝首をかかれずにすむ。
わざわざここで問い詰めることもないだろうと、ヌアージは考えた。

ヌアージの声にこたえて、ジニーと先生が木陰から現れた。
「驚かせてすまないが、俺たちは戦う気は無い。
 あんたが信頼できるかどうかわからなかったから、ちょっと隠れてもらっていた。
 俺の名前はヌアージ、こっちのお嬢ちゃんがジニー、こっちのモンスターが先生だ。
 先生はモンスターだが、襲ってきたりはしない。安心してくれ」
117くやしいのう:2007/09/10(月) 00:18:26 ID:QWFpbRCc0
ロックブーケは自分の思い通りに行かず、悔しかった。
いい手駒が見つかったと思ったら、少女とモンスターが現れた。
モンスターに魅了が効くかどうかはわからないが、効かなかったら2対2。
それに、自分の技を見切られて死んでいった愚かな嫌われ者の話も聞いた。
下手を打てば、3対1で戦うことにもなりかねないとも考えた。
「ええ、少し驚きましたけど、わかりましたわ。
 私の名前はロックブーケ、よろしくお願いしますね」
事は荒立てたくない、待っていればチャンスは訪れる。
そう考えて、この場の流れにあわせることにした。

「そうだ、ジニー。剣は使えるかい?」
「剣?得意な方だけど、それがどうかしたの?」
ジニーは祖父から受け継いだ杖の資質と、父から受け継いだ剣の資質を持っていた。
その技術は、この年にして一般の戦士をはるかに超えるほどだ。
さて、ヌアージがこんなことを尋ねたのは、ロックブーケの持つ刀を見たからだ。
「ロックブーケさん、君の腰に下げてる剣をジニーに渡してやってくれないか?
 ジニーはこう見えても戦士だ。
 戦えない君が持っているより有効的に使ってくれそうなんだが、どうだい?」
ロックブーケは普通の女と答えている。
そう答えた以上、この提案にノーとは答えられない。
「え……ええ、わかりましたわ。どうぞ」
ロックブーケはさらに悔しがった。
思い通りに行かないどころか、武器まで奪われてしまった。
本当に悪いことばかりである。

「ジニー、先生。さっきのアンデッドは吸血鬼で、ロックブーケさんを襲ってきたらしい。
 それで、吸血鬼から逃げてきて、ここまでたどり着いたってことらしい。これからどうする」
ロックブーケから得た情報を伝え、これからの方針を尋ねる。
当初の通りにするのか、吸血鬼を迎撃するのか。
「ロックブーケは戦えないけど、三人で戦えば倒せない?」
「倒せないことはないだろう。だが、ロックブーケ殿はもう一度会いたくはないのでは?」
三人いる上に、相手の動きはこちらでつかめる。
下手をしなければ撃破できることだろう。
それでもロックブーケを連れながら戦うことに先生は気が引けた。
「そうね、私はできるだけ会いたくないわ。
 もし戦うなら、私は一緒には行けないわ」
レオニードはロックブーケが普通の人間ではないことに気づいている。
もし会ってしまったのならば、三人にそのことがばれてしまうかもしれない。
そう考えると、レオニードには絶対会いたくなかった。
118くやしいのう:2007/09/10(月) 00:19:30 ID:QWFpbRCc0
「うむ、戦えない女性を一人にするわけにはいかない。
 このまま、南へ向かおう。もし運悪く出会ったあらば、ロックブーケ殿には隠れていてもらおう」
先生はこの時点で、ロックブーケを戦えない女性としか認識していない。
この後、ヌアージから聞くことになるのだが、
今は戦えない女性と認識している以上、放っておくわけにはいかなかった。
「ロックブーケはそれでいい?」
「ええ、構わないわ」
本当は自分を置いて、レオニードを退治して欲しかったのだが、
自分一人を置いていってくれそうにないと感じ、
退治しに言って欲しいと言えなかった。



当初の予定通り、南に向かっていき目的地まであと少しというところまでたどり着いた。
地図で言えば、E-5とF-5の境付近である。
ここまで来る間、運よくレオニードとは遭遇しなかった。
そして突然、後ろ側から声が聞こえた。
「みなさん、聞いてください。……」
ただ、その声は小さく、聞き取るのが精一杯であった。
聞こえる範囲、ぎりぎりの場所だから仕方ないだろう。
そして、残念なことにロックブーケは声の主がノエルであることに気づかなかった。
拡声器を使っているため、声が変わっており、
さらに聞こえるか聞こえないかぎりぎりの大きさであったのだ。
もし、もっと近い場所に居たのなら気づけたのかもしれないが、
彼女の居る場所は気づけない程に遠すぎた。
もっとも、聞こえただけ運がいいのかもしれない。

「なるほどな、どうする?」
ヌアージは三人に尋ねた。

【E-5南端/森】
【ジニー@サガフロンティア2】
[装備]:刀@サガフロ、獣石の腕輪@アンサガ(水、デテクトアンデッド使用可能。残り18回)
[道具]:荷物一式、ちいさくなーれ@サガ2、工具箱@現実世界、救急箱@現実世界
[状態]:健康
[思考]:
基本:みんなで脱出する
1:聞こえてきた声への対応を考える。
2:おじいちゃんを探さなきゃ!
3:一緒に脱出する仲間を集める
119くやしいのう:2007/09/10(月) 00:20:48 ID:QWFpbRCc0
【先生@Sa・Ga2秘宝伝説】
[装備]:(できない)
[道具]:荷物一式、空気の実@SaGa、コテージ@SaGa2
[状態]:ちょっと疲れた、身体のあちこちに軽い痛み(休めば治る程度)
[思考]:
基本:教え子や巻き込まれた年少者を助ける
1:聞こえてきた声への対応を考える。
2:ジニーを祖父と再会させてやりたい
3:教え子達が心配、できるだけ早く合流したい
4:首輪解析できる仲間が欲しい、もしかすると大佐なら…?

【ヌアージ@アンリミテッド:サガ】
[装備]:アーメントゥーム@ロマサガ3
[道具]:荷物一式
[状態]:身体のあちこちに軽い痛み(休めば治る程度)
[思考]:
基本:神を倒す。困っている奴は極力助ける
1:聞こえてきた声への対応を考える。
2:かわいいお嬢ちゃん、私が君を護ってあげよう
3:神に対抗できるだけの味方と手段を見付ける

【ロックブーケ@RomancingSaGa2】
[装備]:
[道具]:荷物一式、クマちゃん@ロマサガ3
[状態]:軽度の疲労 外傷無し
[思考]
基本:ノエル、他の七英雄と共にゲームを脱出(障害になる者は排除する)
1:聞こえてきた声への対応を考える。
2:兄を探す
3:レオニードとの再会を避ける
4:男性キャラを魅了し、手駒にする(場合によっては同化も)
120ゲーム好き名無しさん:2007/09/10(月) 19:56:13 ID:ODVSab2D0
新作乙です。でも時間区分を忘れてますよ

ロックブーケは置いといて性格でも実践でもえらく冒険慣れした三人組だなあ。
海岸通りは大にぎわいだね。

121 ◆oHCPL1DFHs :2007/09/10(月) 22:17:11 ID:QWFpbRCc0
本当だ、時間区分忘れてる。すみません。

【E-5南端/森】→【E-5南端/森/午前】

に修正します。
122ゲーム好き名無しさん:2007/09/10(月) 23:43:49 ID:wiuvHeU2O
ロックブーケの扱いが確定したっぽいなw

ギギギ
123ゲーム好き名無しさん:2007/09/10(月) 23:48:04 ID:gC5zhtZj0
投下乙!
ロックブーケ、ドンマイ。
武器は取られるわ、テンプレーションは効かないっぽいわで散々だな。
ピラミッドに行ったらロックブーケは驚くだろうなw
それにしてもヌアージたちのパーティもほのぼのしてていいなー。

ただ、ちいさくなーれに制限つけないで大丈夫か気になった。
まあ、そんなに強力な道具じゃないからいいと思うけどな。
124ゲーム好き名無しさん:2007/09/10(月) 23:56:27 ID:IGe2pOKE0
ロックブーケカワイソスw
ちいさくなーれは出たら面白いなと思ってたのでちょっと嬉しい。
原作でははっきりしてない効果時間とか任意解除が可能かとかの辺りを詰めれば、
制限の代わりにできそうな気はするけど…。
その辺は実際に使う話が出てきた時に扱いを決めるんでもいいかもね。
125ゲーム好き名無しさん:2007/09/11(火) 22:19:49 ID:3Hh9BNaS0
ところで「せきかをとく」ってそのまんまの名称なのか?(w
石化回復だろうけど。
126 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/12(水) 00:20:16 ID:8F0dVBb/0
予約されていないようなので、ヴィクトール、シフ、オーダイ、ミルフィー、詩人を投下します。
127離別:2007/09/12(水) 00:21:22 ID:8F0dVBb/0

ゴドンゴの町は異様なほど人気がなかったが、それ以外は普段と同じといって良かった。
酒場も宿屋も、武器屋さえ、もとの町と変わりない。――外見だけは。
「やっぱり、武器はないねえ」
まいったという風に首を振ったシフに、ヴィクトールは同意の頷きで返した。
武器屋の中には、そこにあるべきはずの武器がなかった。
これは宿屋や酒場も同じで、武器になりそうな刃物類は一つとしてなく、また回復アイテムなどの道具も一切置いていない。
あらかじめ神が取り除いて置いたのだろう。
期待していたわけではないが、ザックには武器がない以上、素手でクジンシーをはじめ、殺し合いをしている連中を相手にしないといけない。――少々身が重い事実だ。
何とか剣を手に入れたいが、武器屋が無理とくれば他の人の支給品を貰うしかあるまい。

問題は人に会えるかどうかだ。
本来、賑やかだというこの町には人の姿がちっとも見受けられない。
「誰も居ないようだし、どうするんだい?」
シフの言葉にヴィクトールはしばらく思考する。

……この近くにいる者で殺し合いを止めようとする者は、大体の確立で町へ向かうはずだ。ここに留まっていればそのうちに人が集まってくるだろう。
だが、殺し合いに積極的な者もまた、町へ向かおうとするはずである。もしその両者が出会ったら……争いになることは間違いない。
ということは、この近くで争いが起こっている可能性は意外と高そうだ。
この町はシフに任せて町の周辺を見に行こうと思い、ヴィクトールはシフに視線を向けた。
「とりあえずこの周辺を見て回ろうと思うが、シフ殿は――」
「あたしも付き合うよ。どんな敵がいるかわからないしね」
ここに残っていてくれという前のその言葉に、ヴィクトールは一瞬言葉につまる。
たしかに、どんな強力な者がいるかわからないここで、単独行動するのは危険だ。
シフの言葉に甘えたほうがいいだろう。
そう判断したヴィクトールはとりあえず2人で周辺を見回る事にした。



町を目指し、砂浜を歩いていた詩人たち3人は、遠くの方に人影を見つけて足を止めた。
2人組みで殺し合いをしている風に見えないが、アシュラも初めはその振りをしていたのだろう。心なしか、2人とも警戒してるように見える。

128離別:2007/09/12(水) 00:22:10 ID:8F0dVBb/0

「私達に戦う気はない。だが、おまえ達は殺し合いをしているなら別だ」
オーダイはサンダーの書を片手に持って、庇うようにミルフィーを後ろへやった。
声を聞いた2人はオーダイたちに気づいたのか、互いに少し話し合った後オーダイたちの方へ来る。
「あたしたちも同じだよ」
オーダイたちの様子から、誰かに襲われたと察したのだろう。サンダーの書を持ったまま、警戒の目を向けているにもかかわらず、二人は武器を下ろせとは言わず、また警戒してる風にも見えない。
「そのままでいいから、何があったか話してくれないだろうか?」
男の方がそう切り出し、自分と横の女の事を短く紹介した。
朝早くに出会った後、ともに行動しているらしい。

その言動からは殺し合いに乗ってる様子など微塵も感じられない。
信用できる相手だと判断したのか、オーダイはサンダーの書を下ろした。
そして、ヴィクトールの質問に答えるべく、詩人に言ったのと同じ風にアシュラのことを話はじめた。

――だが、同じように話し終わることは出来なかった。
「ジェラールに会ったのか?」
その死を告げようとジェラールの名を出した時、驚きを含んだヴィクトールの声に遮られる。
「知り合いですか?」
興味津々といった感じに問いかけた詩人に、ヴィクトールは弟だと言った。
彼の顔には弟の安否に関する不安と、再会できるかもしれないという期待が見て取れる。

実に面白い展開だ、と詩人は思った。
彼が心配しているジェラールは既に死んでいるのだ。
それを伝えた時、彼はどのような反応をするだろう? 死に様を聞いた時、ミルフィーを責めるだろうか?
まとまりかけたこのパーティは、別離するのか……?
「ジェラールは……」
言いにくそうに彼の死を告げるオーダイ。詩人は期待の目をヴィクトールへと向ける。
ヴィクトールは初めこそ信じられない表情をしていたが、オーダイが彼の死に様を話すと、妙に納得したように頷いた。
詩人はいささか拍子抜けする。
この男は詩人が思っていたよりも冷静らしく、怒りのままに我を忘れるなどという事にはならなかった。
――だが、心の奥底ではどうだろうか……。
129離別:2007/09/12(水) 00:22:47 ID:8F0dVBb/0

やがて、オーダイがすべてのことを話し終わり、口を閉じると、重苦しい沈黙が舞い降りた。
詩人はちらりと隣のミルフィーへ視線を向ける。彼女はジェラールの事に責任を感じているのか、両手をきつく握り締めて俯いていた。
その顔に浮かぶのは決して晴れやかな表情ではない。だが、詩人はその顔を美しいと思った。
そして、彼女を見ていてある考えが浮かぶ。

「ところでヴィクトールさん。アシュラはここから南の砂浜辺りにいますよ」
この場にそぐわない、妙に明るい声。
その場の全員が声の主である詩人へと目を向けた。
だが、詩人はそんな視線を気にせず、言葉を続ける。
「まだ生きているらしいですから、また誰かを襲ってるかも知れませんよ」
こう言えば、きっとアシュラを倒しに行くはずだ。弟の仇を討ちに……。

――仇討ち。それは詩人達に語りつくされるほどある物語。
その結末はまちまちだが、この男はどのような結末を迎えるだろうか……。
詩人は内心でこれから生まれそうな物語にわくわくしながら、真面目な顔つきでヴィクトールを見つめた。
彼は何かを考えていた様だが、やがて決心した表情で口を開く。

「シフ殿、ここで分かれよう。私はアシュラを――」
「何言ってるんだい」
シフは落胆したように息をつくと、反転、豪快な笑みを浮かべた。
「水臭いじゃないかい。あたしも付き合うよ」

そんな2人にオーダイは苦い表情を向けていた。
彼からしてみれば、魔法も効かない――やっと逃げてきた奴のところへ行くなど、命知らずとしか思えないのだろう。
止めようとするのか?
詩人はそれを懸念する。
せっかく新しい物語が生まれようとしているのに、その可能性を潰すなど面白みがなさ過ぎる。
英雄は、冷静にそれを止めるより、力を貸すほうが似合っている。
詩人は静かに、オーダイを納得させられる言葉を捜し始めた。



やがて南の方に進路を取ろうとした2人の背に向かって、オーダイは声を張り上げた。
「私たちは逃げるだけで精一杯だった。ろくな装備もない今アシュラに挑むのは無謀だぞ!」
いつかは倒さないといけない。だが、今行って勝てるとは思えない。
そう呼びかけるが、2人の足は止まる気配を見せなかった。
130離別:2007/09/12(水) 00:23:33 ID:8F0dVBb/0

わざわざ殺されに行こうというのか……。
家族を殺された怒りはわからないでもないが、あまりにもリスクが高い。
今は装備や戦力を整えるべきだ。
そう思った時、唐突に詩人が口を開いた。

「オーダイさん。貴方にも大事な家族はいますよね?」
「……ああ」
真意のわからない詩人の問いかけだが、余りに真剣な表情だったのでオーダイも真剣な気持ちで頷く。
息子もリンも、自分が命を投げ出してまで助けたい家族だ。
「その家族が殺された。殺した相手もわかっている。……とすると、仇はとりたいですよね?」
「そうかもしれないが……」
反論しようと思うが、上手い言葉が見つからない。確かに大切な人が殺されたとなると、その仇を討ちたいと思う。
たとえ勝ち目がないと頭ではわかっていても、実際そうなると冷静に動くのは難しい。
「だったら、彼を止めるのはどうかと思いますよ」
はっきりと言いきる詩人の言葉には妙な説得力があった。

「……」
オーダイはしばらくしばらく考る。
アシュラは倒さなければならない相手だ。次の犠牲者を出さないためにも、それは早いほうがいい。
本当ならもう少し戦力を整えてからにしたかったが、こうなってはやるしかない。
オーダイには彼らを見捨てるようなことは出来なかった。何より2人より3人の方が勝率が増えるのは明白だ。
――問題はミルフィーだ。
側で守ってやろうと決心していたが、アシュラとの戦いの場に疲労した彼女を連れてはいけない。
「……ミルフィーを頼めるか?」
いきなり名を呼ばれたミルフィーがびくりと顔を上げた。
「おじさま。……もしかして」
「私はアシュラを倒しにいく」
はっきり告げる。
詩人は一瞬顔をしかめたが、頷いた。
「わかりました。ミルフィーさんはきちんと守りますよ。オーダイさんも……気をつけてください」
オーダイは詩人の言葉を聞くと、心配げなミルフィーを安心させるように笑みを浮かべると、2人を追うべく南へと歩き始めた。



遠ざかっていくオーダイの姿を見ていたミルフィーは、静かに詩人の方に向き直る。
「詩人さん。私も――」
オーダイのところへ行くと言おうとしたのだろうが、詩人は彼女の言葉を遮って首を振った。
「ミルフィーさん。今の貴女では足手まといになるだけです」
厳しい口調で諌めるとミルフィーは顔を俯けた。
131離別:2007/09/12(水) 00:24:17 ID:8F0dVBb/0

「ジェラールさんのような犠牲を出さないためにも、町へ向かいましょう」
詩人は覗き込むように柔らかな瞳をミルフィーへと向ける。
「貴女にも出来る事があると言ったでしょう。……町に行って協力してくれる人を探しましょう。いくらアシュラというモンスターが強くても、皆で協力すれば倒せますよ」
「はい……」
安心させ、励ますようなその言葉にミルフィーは小さく返事をした。
だがその瞳は、オーダイが消えた方を見ていた。

不安に揺らぐその瞳。
小さな肩も相まって彼女はとても儚げな存在に見えた。
それを見る詩人の頭に数々の詩が浮かんでくる。
巨大な力を持つ怪物。仲間を亡くし、それでも逃げてきた少女と英雄。犠牲になった仲間の兄とそれに手を貸す女戦士。そして英雄と少女の離別。
この詩の結末は、誰かの死か、アシュラの打倒か。それともまったく別の何かか。
そして、英雄と少女は再会できるか……。
詩人はこれから作られる物語に思いをはせ、悠久の天に目を向けた。


【A-2/砂浜/午前】
【ミルフィー@サガ3時空の覇者】
[状態]:撃たれた部位に痛み、かなり疲労
[装備]:源氏の小手
[道具]:支給品残りふたつ
[思考]
基本:ゲームに乗らない
1:詩人とゴドンゴに行く
2:オーダイたちが心配。出来れば助けたい
3:ジェラールの死に対する責任・罪の意識

【詩人@RomancingSaGa3】
[状態]:健康
[装備]:妖精王のリラ@サガフロ2
[道具]:荷物一式、未確認支給品有り、矢の数は未確認
[思考]:
基本:このゲームを観劇する
1:最終状況において自分が生き残ることを最優先する
2:状況が偏るようならドラマチックになるように演出も辞さない
3:オーダイとミルフィーに強い興味。ミルフィーを精神的に追い詰めるよう誘導
132 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/12(水) 00:25:33 ID:8F0dVBb/0

【A-2/中央地/午前】
【父親(オーダイ)@SaGa2秘宝伝説】
[状態]:肩・腕・腹など撃たれた部位に痛み、少し疲労
[装備]:孔明の靴、サンダーの書
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ゲームには乗らず、神を倒す
1:二人を追う
2:アシュラを倒す
3:上記が終わったら、町へ行きミルフィーを守る

【A-2/西部/午前】
【ヴィクトール@RomancingSaGa2】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:未確認の支給品1〜3(武器はない)、荷物一式
[思考]
基本:ゲームには乗らない。
1:アシュラを倒す
2:クジンシーを討つ

【シフ@RomancingSaGa】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:確認済みの支給品1〜3、荷物一式
[思考]
基本:神を叩き潰す
1:アシュラを倒す
2:仲間や知り合いと合流
3:アルベルトが心配



以上です。
突っ込みどころがあったらよろしくです。
133ゲーム好き名無しさん:2007/09/12(水) 00:30:01 ID:SrvncQt10
GJ。冷静なヴィクトールが頼もしいな。
そして詩人が相変わらず黒いw
134ゲーム好き名無しさん:2007/09/12(水) 01:36:43 ID:3vImvjgt0
乙!
ヴィクトールかっこいいよヴィクトール。本編と展開が全く逆なのが面白い。
そしてミルフィーは早く逃げろー!詩人は氏ね。
135ゲーム好き名無しさん:2007/09/12(水) 01:37:49 ID:3vImvjgt0
あ、あといつの間にか五十話越えてたんだな。オメ。
136ゲーム好き名無しさん:2007/09/12(水) 23:57:27 ID:1lVtJYJY0
詩人がデスノートのリュークに見えてきた
137ゲーム好き名無しさん:2007/09/13(木) 19:29:26 ID:pGb2DRjF0
投下乙です。詩人わるいなあ
ゴドンゴが次の戦場になりそうだけど詩人は戦闘に直面したらどうするんだろう。

>>125
そう、「せきかをとく@ロマンシングサガ(オリジナル)」でそのまんま。
効果もそのまんま。
138ゲーム好き名無しさん:2007/09/13(木) 20:27:29 ID:ztanp3gW0
基本ルール読んでて少し思った。
名簿に書かれてる参加者の名前って、どんな順番か決まってたっけ?
あとルールに書いてないけど、閃きと連携は無しでオケ?
139ゲーム好き名無しさん:2007/09/14(金) 00:52:46 ID:ixhKKhif0
名簿の順番は決まってなかったな。
作品中で順番を絡めたいなら好きに決めていいんでない?
閃き・連携はシステム化はしない、演出としてそれっぽい描写するのは無問題。
140ゲーム好き名無しさん:2007/09/14(金) 00:57:00 ID:1WA3XN8n0
ひらめきは原則避ける方向で、とか以前聞いたような気が。
やりすぎるとキャラの安易な強化に繋がるし。
とはいえゲームシステム上存在してるし、ある意味戦闘の華の一つだから、
結局は展開や演出で納得させられるかどうかだろうね。
141 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/15(土) 19:41:55 ID:tzXHfQmS0
周辺に影響を与えそうなのが怖いですが……

ダンターグ、ヒロユキ、吟遊詩人、アーミック、
トーマス、ブルー、フォルネウス、フェイ、ゲラ=ハを予約

というか試験投下します。
疑問点ないし未熟な点があればご意見ください。
142ゲーム好き名無しさん:2007/09/15(土) 23:18:58 ID:eome3/1V0
これは期待せざるをえない
143ゲーム好き名無しさん:2007/09/16(日) 00:19:13 ID:6qWgsa1HO
wktk
144ゲーム好き名無しさん:2007/09/16(日) 00:52:54 ID:4ZpTSUFL0
エロール死亡かあ。
問題は無いけど、個人的疑問

・このエロールはアルティマニア小説の、神の力を失ったエロール?
・女神の力制限はある?
145ゲーム好き名無しさん:2007/09/16(日) 02:30:32 ID:DOT/b3PQ0
ほとんど失われてたと言ってるから、アルティマニア小説っぽいな
ただ、ヒロユキからレフトハンドソード返してもらってたら勝てたかも?
さらに言うとアーミックとヒロユキが未来の希望か〜いきなり消えそう

そしてブルー……フォルネウスの前でトーマス人質にとってどーすんねん!!

もっと言うと、面白かったです!!
146ゲーム好き名無しさん:2007/09/16(日) 03:10:24 ID:keMQSjcf0
投下乙。
エロ神の力の程度については事前には決めてなかったし、いいんじゃないかな。
あっさり自分の生存を放棄しちゃうのも神様らしいというか。
ダンターグの脳筋っぷりには吹いた。ブルーの切り抜け方も上手い。
で、言われてみればトーマスとフォルネウスが出くわしてるんだな…これからも一悶着ある?

女神は制限するとしたら、
・イージスの盾:バリアは完全防御ではなく、強い攻撃や魔法だと破られる可能性あり
・天使の翼:行けるのはロワ会場内のみ、または飛べるのは自分だけで仲間置き去り、いっそ飛行能力だけでワープ無し?
・女神の心臓:回復能力を落とすか、女神自身に再生能力がなくて自分の命と引き換え?
辺りかなあ。
147ゲーム好き名無しさん:2007/09/16(日) 21:11:47 ID:lPpK6PHK0
海賊に玄武術使いに魔海侯と水に縁のある人が集まってるな
148ゲーム好き名無しさん:2007/09/17(月) 07:02:43 ID:3tQY9DIk0
合流はしてないがチャパ族も水関係だ。
そういえば海に囲まれてる割に水中戦はないな。
まあ好き好んで水中に入るキャラはそういないから当然といえば当然か。
149ゲーム好き名無しさん:2007/09/17(月) 07:31:53 ID:ySFAgq9/0
ヒロユキが海に浮いてたけどなw
150ゲーム好き名無しさん:2007/09/17(月) 18:18:45 ID:GKFBwx/B0
>◆ymBYNMMH4k氏
投下乙。突っ込みというか気になったところを。
ヴィクトールの『未確認の支給品1〜3(武器はない)』って表記ミス?
同様にシフの支給品にも武器が無い事を明記すべきな気が。
それと位置がA-2西部になってるけど詩人の言葉を受けて
海岸線を南下してるって解釈していいの?
151 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/17(月) 23:17:19 ID:xxdLIJaS0
>>150
その解釈でいいです。
で、シフの支給品は、確認済みの支給品1〜3(武器は0〜1)と追加します。
152ゲーム好き名無しさん:2007/09/18(火) 00:08:26 ID:mwY1yKl00
今のところ、予約が入ってないみたいだから
没スレにおまけの

【神々のお怒り!!】を投下しておきました

ただし【Disasters (大失敗/大災害)】で吟遊詩人の死に感動された方は見ないことをお勧めします。
153 ◆kGf..YZoZg :2007/09/18(火) 15:15:23 ID:2IHfwg4O0
神様も大変だな。

さて、同パートばっかり進めちゃっていいのかと少々心配に思いつつ、
ヴィクトール・シフ・オーダイ・ミレイユ・ケンイチ・ヨハン・アルベルト・メイレン・アシュラ・ルージュ予約。
途中で時間がなくなったら、この内数人は出てこないかも知れませんが。
154 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/18(火) 19:38:00 ID:TcgKrLPU0
私の上にもデス様の恩寵が来るかな……

問題はないようなので、こちらにも投下した方が良いでしょうか。
また、その際2,3行加筆しても大丈夫でしょうか?
155ゲーム好き名無しさん:2007/09/19(水) 00:38:46 ID:y7jfnDQ10
>>154
特に問題ないみたいだし良いんじゃないか

ただ、ロワってやたらと、三邪神の恩寵値上がりそうだな(特にデス)w
トップマーダーに輝くと80%の確率で主催者のかみ以外のキャラを一人葬ってくれる
なんてしたら絶対話は通らないけど面白いかも(あっ、レオニードには発動しない)

ちなみにアロン(ワロン)島で戦闘を行うと、エリス、アムト、サルーインの恩寵値が上昇するらしい
156ゲーム好き名無しさん:2007/09/19(水) 10:06:07 ID:ArzTmugi0
とりあえずエロールの恩寵はもう発動しそうにないな
157 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/19(水) 19:29:56 ID:LcS8dS4K0
では転載します
158Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:32:07 ID:LcS8dS4K0
≪1≫

見えた。
森の端から射程距離に街を捉えたことを確認して、ダンターグ(様)は口の端をニヤリと持ち上げた。
計画通りロケット砲、いや正確にはロケット弾をぶちこむべく、筒状の砲身から弾を力任せに引き抜いていく。
説明書きどおりであれば落下した弾は街を火の海に変えるだろう。
想像しただけで心が躍る。その勢いで全身の筋肉を躍動させてロケット弾をウェイプへと投げつけた。
放物線を描いて飛んでいく弾、やがて数百メートルを飛びそれは街の中へと消えた。

震動と爆発音、二つの波が並んでダンターグの後ろへ駆け抜けていく。
それから、不幸なターゲットとなった町に煙が上がる。
けれど、ダンターグ(様)は不満げな気持ちを表情にありありと浮かべて吹き上がる煙を凝視していた。
「……なんだ、たったこの程度か? 誇張もいいところではないか。
 破壊兵器とやらもたいしたことがない。まあ俺様の実力と比べて、だがな」
表情を変えず、ダンターグ(様)は補充用のロケット弾を無造作につかみ、次々と投げていく。
さっきと同じ震動と爆発音が投げた回数と同じだけ――ちなみに5回――ウェイプを発信源に響き渡った。
期待を下回る破壊力を馬鹿にしながらついでにロケット砲の砲身自体も投げつけてやる。
さすがに飛ぶことを考えられていない砲身は町まで届かず、どこか中途半端なところへと落ちていった。
火が回り始めたかもうもうたる黒煙が町からは上がり始めているが、ダンターグ(様)からすればたった一角を焼いているだけ。
「まあ初めから期待なんぞしていなかったがな……」
やはり、決定的最終的徹底的な破壊は自分がやらねばならないと心に決め、
続いて発破解体用の爆薬、ダイナマイトの束をザックからむんずとつかみ出す。
くくられた巻物のようなそれをダンターグ(様)はしばしじっと見つめてから……
……!
「この俺様をたばかったかっ!!!!」
大声で叫んだ。沸点の低いダンターグ(様)の脳が一気に加熱して煮えくり返る。
彼の数千年ものの古代人時代の知識でも辛うじて、爆薬の使用には火が必要であることを覚えていた。
だが、そんなものがどこにある? それどころかこの爆薬には導火線すら付いていないではないか!
破壊力が期待値以下なのは仕方ないとしても、使えないものをよこすなどどういうことか!
「仕組んだな、ええいっ!! ふざけやがって!」
怒りのパワーでぶん投げられたダイナマイトの束が先ほどのロケット弾と同じ軌跡をたどって宙を舞う。
その束が空中でバラバラと分解し、ウェイプの町の西側、少し届かないあたりにダイナマイトの雨を降らす。
ザックの奥にはちゃんとダイナマイト用の雷管と導線、起爆装置が用意してあることにはまったく気付かずに。

ものたりなさ、欲求不満が心の中で膨れ上がっている。
柱状に昇る黒煙の根元、ウェイプの街をカッと睨みつけて岩のような蹄で二三度、地面を掻く。
「いいだろう、やはり得体の知れん物などに頼ろうとしたのが間違いだった。
 やはり間違いなく信頼できるのは、我が肉体、我がパワーだけだ!」
最後に残ったドリルを凶器として手に携え、ダンターグ(様)は地を蹴って爆走を開始する。
行く手に破壊というただ一つの結果をもたらすために。
「この世に肉体を駆使して破壊できぬものなどないわーーっ!!」
絶叫! 疾駆! 突撃あるのみ!
159Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:33:04 ID:LcS8dS4K0
≪2≫

事態は完全に最悪へと傾いていた。
回復するまで待つ、などという考えがいかに甘かったかを痛感する。
襲撃に失敗し、重傷の身体を引きずってここまでなんとか逃げていくらか意識まで失った。
そんな状態では血痕に気が回らないどころか考える余裕さえなかったとはいえ、この失点は悔いるしかない。
だが、すべて後の祭りである。
ほかの人間を引き連れてこちらへ向かってくるあのトカゲ男の顔がよく見えている今となっては。
トカゲに気が付いたふうのトーマスにも緊張が見て取れる。

――さて、どうやって切り抜ける?
今のところ状況は1対3、手を打たねばトーマスもすぐに敵に回るだろう。
しかし、この殺し合いの舞台では誰が嘘をつくかわからない疑心暗鬼は容易に生み出せる。
あくまで抗弁してみるか……いや……ああ、なんてことだ。ダメだ……

頭が回りだした今になって、本当に失った点数の大きさと自体の最悪さが痛感できる。
血痕にすら考えが至らなかったのだ。だいたい逃げることが最優先だったのだからどうすることもできなかった。
あの宿屋に残っている自分が撃ったペンドラゴンの弾、は。
銃に無知でもない限り一度発射された薬莢のない弾は紛れもない証拠だ。
当然だが持っている銃と口径も、中の弾も一致する。
不意を突かれて重傷を負い何とか逃げてきた筈の人間が4発もの弾を撃ち返していたなんてのはあまりに説得力が無い。
懐に抱いている銃は、けして見せられない証拠に変わってしまった。
焦燥に駆られる私を知ってか知らずか、離れたところからトカゲ一行の第一声が女の蛮声をもって告げられる。
「そこのヤツら! 戦う気がねーんなら大人しく両手を頭の上まで上げな!」
樹にもたれた私へ一度だけちらりと目線を向け、トーマスがすっと両手を上げる。
どうやらこのお人よしは話し合いになると判断したようだ。無関係な人間はそれでいいだろうが、私は違う。
当然だが、やはり銃の情報はすでに伝えられているようだ。
ここで手を上げなければ問答無用であの三人に攻撃される。しかし、大人しく奴らに従ってもすぐに銃を発見される。
隠し持っていることを知りながら探しもしない間抜けならいいが、そんな奴がいるか?
少なくともあのトカゲはそれほど間が抜けている風には見えなかった。
そしてトーマスに話した内容との間の矛盾が判断材料に加わればもう誰も私を信用しまい。
つまりは、目的を達成できないままの死――

160Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:33:39 ID:LcS8dS4K0
その距離、約十メートル。
トカゲ男と、身体の大きな女を後ろに従えて槍を持った小柄な男が令状を携えた刑事のように冷徹に言い放つ。
「その男、ブルーに用がある。引き渡せ」
どうにかしなければ、必死に思考する私に天の救いがやってきたのはその時。

『……なさ…、………ください。わた……のような……あい……ぞ……せん。』
音、いや何かで増幅された声だった。
拡散してしまいほとんど内容は聞き取れないが、それが声であることはしっかり認識できる。
『……さ…、おお…………があ…れば、……な……あ……める……………も……かるはず……。
 わた……は…ま、…ラ……ィド……ます。どうか…………あ…ま……さい』
唯一無二の幸運、千載一遇のチャンス。
私は自分に出来ることから一つの術を選び、それに賭けた。
サイキックプリズン。術力により形成される場が球の形に出現し一瞬にしてトーマスを包み込む。
声に注意を奪われていなかったか、相変わらず冷たい眼をした緑髪の槍が動き出すより早く。
痛む身体をおして私は何とか声を発することが出来た。
「槍を止めろ、今の術……見えたろう。……すでに捕捉……した………いつでも起爆できる」
「何?」
「動くなっ!」
不審そうに停止した緑髪、ようやくこちらに気を向けたほか三人に対してぎりぎりの大声。
残響が体内で暴れ周り傷を痛めつける。が、ここは耐えなければならない。
手の内を見せるのは気に食わないし、何より術力を無駄にすることがもう何より気に障る。
しかし、今は何より生き延びなければならない。このハッタリを完成させて。
震える手で頭上の枝先を指差して気力を絞ってもう一つ、術を発動する。
トーマスに仕掛けた術と似た、しかしいくらか異なる球状の場が出現して指定された枝を包み込み、
周囲から集中していくエネルギーが球内で炸裂すると同時にその部分を消し飛ばした。インプロージョン。
二つの術には確かに相違があるが、極められた魔術を知らぬ奴らに見破れるはずなどない。
「見ての通り、だ。私はまだ……死ぬわけにはいかない。……見逃してくれないか?
 その男の命と……引き換えに」
眠って休んで回復したわずかな体力を振り絞り、立ち上がる。
大女が、かすかに動く素振りを見せた緑髪の男を制するようにその腕をつかむのを確認できた。
トカゲは、何を考えているのか読みにくい爬虫類の目で様子を窺っているのか――ともかく動いてはいない。
トーマスは何が起こっているのかと見定めるような視線を私と緑髪の男の間を行き来させていた。
そう、その目をしておけ。人質として利用される者の恐れと戸惑いの色をした目を。
それこそが、私とお前の関係を思惑通りに明示するものになる。
「私は今から、向こうへ行く。……追ってこない限り、起爆はしない。……約束する。
 だが……お前らが私を殺すなら……、その……利用された哀れな男も、道連れ……だ」
何とか言葉を吐き続けながら、ゆっくりとあとずさっていく。
引き延ばされたような時間、ひどく重い空気。
動かないように目で威嚇し、脅すように片手を前に突き出したまま一歩一歩、よろよろと下がっていく。
そして事件はさっきの声と同じく突然に起こった。
私が凝視する4人の後ろから、震動と爆発音が響き渡ったのだ。

161Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:34:18 ID:LcS8dS4K0
≪3≫

漸く町の入り口にたどり着いた頃でしょうか。
その、文字通り天から降ってきた災厄に私たちが巻き込まれたのは。
視界を掠めるように何かが落ちてくるのが見えた直後、強烈な音の波に耳を襲われました。
力の正体はつかめませんが、どうやら激しい爆発が町の中で引き起こされたようです。
誰かを探そうと動き出す前だったことは喜ぶべきことか。いやそうではないでしょう。
同じ目的で町に誰かがいたとしたら、ただで済んでいるはずがありません。

「うわあーっ!?」
「なにが、おこってるんですかねー」

慌てすぎとマイペース、反応は対照的ながら二人とも尋ねるような目で私を見ています。
「とりあ――」
えず救助活動を、と言いかけて私は口をつぐみました。
事態は一発で終わりではなかったのですから。
北西寄りの方角からそれらは打ち出されていました。間隔を置いて、次々と町中へその何かが落下し爆発する。
その繰り返しで建物が吹き飛ばされ、赤々とした炎が燃え上がり黒い煙を吐き出し始め、
町はさながら焼き討ちにあったように変わり果てていきました。
合計で、6発。しかし爆発の結果引き起こされた火事により、町は炎に包まれかけていました。
とりあえず、これ以上の攻撃はなさそうだと判断した私たちは激しく炎が燃え上がるほうへと向かいました。
万が一、誰かが負傷しているならそれを助けるためです。
けれど、無駄でした。
時間と共に明らかに勢いを増す炎が壁となって私たちの前進を阻んだのですから。
動ける方向は後ろだけ。
どうすることもできず引き返す選択しかできませんでした。
162Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:34:52 ID:LcS8dS4K0
他に選択肢の無いまま町の村の西側の入り口まで戻ってきたときでした。
前方から、接近……いや、突撃してくるモンスター――四足と人の上半身を持つ――に鉢合わせしました。
明らか過ぎるほどの殺気を身にまとって怒涛の勢いで直進してくるこの魔物。
タイミングを見ても、相手の力を見ても、最悪の出会いでした。
神としての力を制限されていた、いやほとんど失われていた私にとって、もはや彼を止めることなど不可能です。
ですから、選びました。……未来と、希望を。


転がる巨岩にも似た突撃が私に向かって殺到し、衝撃をもろに受けて私は宙へ舞い上げられました。
空中で動きを立て直せない私はただ落ちるだけですが、そこに彼が手にしている武器が突きこまれます。
身体の外には聞こえない、体内だけの鈍い音が胴を発信源に広がり、ダメージを知らせます。
止まることを知らぬ怒涛の突撃の慣性に捕らわれて私の身体は武器の先に引っかかっていました。
「雑魚が、死ねいっっ!!」
歓喜の色さえありありと浮かぶ修羅の叫びと共に、耳障りな音がすぐ傍で鳴り出して。
回転を始めたその武器の刃で、私の肉体が破壊されていきます。
肉を抉り、骨を砕き、血を撒き散らし。断末魔の不協和音を上げて私という存在は消えつつありました。

――ああ、この私はマルディアスで死ぬことができるのだ

恐ろしい出来事に出逢ったにしては奇妙な達観といえるでしょう。
私がいなくなった後の世界、そしてこのゲームとやらのことは少し心配ではありますが……
私はサルーインに立ち向かった彼らが見せてくれた輝きを信じることにします。
人のうちには善と悪の両方が備わっていて、私には彼らが選び取る行為自体を裁くことは出来ません。
それでも……私が言うのもなんですが、私の意志は場所も時間も越えて誰かが引き継いでくれるでしょう。
希望は私の力ではなく、人の心の中にちゃんとあるのですから。

――だからヒロユキ君、アーミック君、私も知っているみんな、まだ顔も知らぬ異世界の皆さん、
  希望をそれぞれの未来へ繋いでください、勝手ですが頼みました―――

突撃する魔物と交錯する刹那、私はわずかばかり残った神としての最後の力を振り絞り二人を転送しました。
送り届けられるのは海岸線がやっとでしょうが、少なくとも私と同じ目には逢いません。
ようやく突撃を止めた魔獣の武器を離れ、慣性に引きずられて私の身体は燃え上がる建物へ向かっていきました。
そして、私の物語は吹き上がる炎と煙とともに空へ還ったのでした。

163Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:35:37 ID:LcS8dS4K0
【F-3/ウェイプ西部/午前】
【ダンターグ@ロマサガ2】
[装備]: 大型ドリル
[道具]: 荷物一式、ダイナマイト用雷管・導線・起爆装置
[状態]:
[思考]
基本:参加者全員抹殺
1完膚なきまでにウェイプを破壊する
2他人を吸収はしない(首輪が付いていない死体ならば吸収してもいいが

【F-4/ウェイプ港/午前】
【ヒロユキ@Unlimited:SaGa】
[状態]:健康
[装備]:レフトハンドソード@ロマサガ
[道具]:確認済み支給品×0〜2(ヒロユキが使えそうな武器は無い)、荷物一式
[思考]
基本:ルビィを探して元の世界に戻る
1:あー、オレ死んだ……? ……って詩人さん?
2:ルビィの事がものすごく心配
3:ウェイプでルビィを探す?
4:厄介なゲームに巻き込まれた…俺って不幸
【アーミック@Unlimited:SaGa】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:確認済み支給品×1〜2、荷物一式
[思考]
基本:このゲームを阻止する(参加者の説得)
1:ちえらー……? ……あれぇ、しじんさん?
2:参加者を説得する
3:ウェイプで他の参加者を探す?
4:早く村へ帰りたいです
164Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:36:50 ID:LcS8dS4K0
【F-4/村はずれの森/午前】
【フェイ(人間女)@魔界塔士 Sa・Ga】
[状態]:酔いはほとんど醒めた・右手から出血・酒臭い
[装備]:火縄銃@魔界塔士 五弦ベース@現実
[道具]:支給品一式 焼酎@現実 聖杯@ロマサガ3
[思考]
基本:美味い酒が飲みたい。
1:酒が不味くなるので気に入らない奴を殺す。(とくに神)
2:気に入った奴と動き、酒を飲む。(フォルネウスを少し気に入っている)
3:酒を飲む。
4:脱出する事は考えてない(基本行動方針を満たせればいい)
5:仲間との合流は出会えたらする。
6:ブルーと町の状態を両面で警戒
【フォルネウス@ロマンシング サ・ガ3】
[状態]:健康
[装備]:竜槍スマウグ@ロマンシング サ・ガ3
[道具]:支給品一式 ウォッカ@現実
[思考]
基本:神にアビスの力を見せつける。
1:興味を持ったため、フェイと行動
【ゲラ=ハ@ミンサガ】
[装備]:サーベル@魔界塔士 防弾ベスト@サガフロンティア
[道具]:支給品一式 カード@ロマサガ3 確認済み支給品×1
[状態]:背中に痛み
[思考]:
基本:神をシメる
1:ホークを捜す
2:仲間になりそうな人物を捜す
3:正面のブルーと後方の状況を両面で警戒
【トーマス@ロマサガ3】
[装備]:
[道具]:確認済みの支給品0〜1、高級傷薬×2@ロマサガ3、隠者の指輪@サガフロ、荷物一式
[状態]:手足に細かい傷多数、移動などには影響なし、サイキックプリズン
[思考]
基本:ゲームからの脱出
1:とりあえず三人に従う
2:知り合いを捜す
3:神を知っている風な男(人間男)に、神の話を聞きたい
[備考]ゲラ=ハ、ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断。(ただし、ダンターグとヴェントの名前は知らない。ゲラ=ハは半信半疑)サイキックプリズン状態はブルーとある程度離れると解除
165Disasters (大失敗/大災害):2007/09/19(水) 19:37:34 ID:LcS8dS4K0
【E-4/村はずれの森/午前】
【ブルー@サガフロンティア】
 [装備]:ペンドラゴン@サガフロンティア(7/8発)
 [道具]:支給品一式 ペンドラゴンの弾薬(21発)
 [状態]:左側の脇腹に重症(戦闘に支障あり)
 [思考]:
基本:ルージュを殺せ!
1:どこか隠れる場所を探して放送まで休む
2:ルージュを捜す
3:回復次第、参加者達を片っ端から抹殺 (ゲラ=ハとその仲間、トーマスを出来るだけ早く殺したい)
[備考]:魔術、陰術、秘術、時術/空術の資質習得、ルージュ戦前から参戦。ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断(容姿のみの情報)。

【吟遊詩人@RomancingSaGaMS 死亡】
【残り 60人】
※吟遊詩人の所持品は死体と共に炎の中へ。
※ウェイプ中央部(F-3/4境界部)が激しく炎上中。
※ウェイプの北西、E-3平地あたりに爆薬のみ、雷管なしのダイナマイトが数十本散乱しています。
166ゲーム好き名無しさん:2007/09/19(水) 19:39:25 ID:LcS8dS4K0
転載終了。wikiのほうは自分で直しときます。
ではゴドンゴ戦に期待〜
167 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/20(木) 18:06:07 ID:8lwB6VYU0
アーサー、ゆきだるま、ヒロユキ、アーミック、カタリナ、メタルブラックを予約します。
168ゲーム好き名無しさん:2007/09/20(木) 23:42:06 ID:HoWg/2Na0
おお、一波乱ありそうな組み合わせの予約が。期待。
169ゲーム好き名無しさん:2007/09/20(木) 23:42:59 ID:2sLT/ECp0
>>166
転載乙

FzZ4PxBZ76 氏に僕の書いた【神々のお怒り!!】が怒られるんじゃないかと少しヒヤヒヤしました


それにしても今予約ラッシュですけど1度に登場する人数すげー
170ゲーム好き名無しさん:2007/09/20(木) 23:53:46 ID:yluJZLgY0
そういやエロールと邪神3兄弟も兄弟ってことになるんだよな
171 ◆kGf..YZoZg :2007/09/21(金) 13:51:27 ID:5p5qDHsM0
毎回すみません、予約期限ぶっちぎります。
途中のパートまで投下ってのはできるんですが、
それをやると残りのパートが自己リレーになってしまうので1話にまとめたいところ。
今夜投下を目標にしますが、他の人が書いたのも読みたいので上書き予約はご遠慮なく。
172ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 15:43:09 ID:eAT7SEwY0
>>171
乙。頑張れ。

進んでるパートと進んでないパートの差が激しいな。
ウィルとかギュスとか何とかしたいが思いつかん
173ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 19:22:16 ID:OBjCzVBXO
洞窟に引きこもってる人外美女コンビとか
怪傑ルックのままどっかにワープしてったレオンとか
周囲の女性がどんどん移動しちゃって取り残されてる伯爵とかな。
174ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 20:01:34 ID:YUJ26hQ+0
具体的には
洞窟の零姫&ビューネイ、砂浜のオーベルベント&ポルナレフ、怪傑レオン、復活ルージュ、
放浪ギュスターヴ、恋するウィル、森林浴伯爵、疑心アセルス&ニコライ+レッド
あたりがまだ時間的に朝にいるね。

あとは……拡声器イベントを時間的なポイントにして真ん中あたりを片付けないとまずいかな?
既に反応が描写されてるのは北側のクジンシー&クン=ミン+コーデリア、ホーク、
南側のナルセス&サラ、ジニー&先生&ヌアージ、ブルー+トーマス+フェイ&フォルネウス&ゲラ=ハ
だいたい2マス(2km)分が声が届いた範囲として、
こう整理してみると確実に範囲内にいそうでまだ描写されてないのはナイトハルトと女神&ジュディだね。
ギュスターヴとウィルは移動方向次第で範囲外に出る余地があり、
ニコライ&アセルスとレッドは限界ギリギリ(やや遠い?)あたりにいる。
零姫&ビューネイは洞窟内まで音が届くかはかなり怪しいし、
ヴェントとガラハゲは走り回っていたおかげで聞き逃した感じ。
……ノエルの作戦は一体……


175ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 20:59:19 ID:7MiT1pmbO
ネタはあるんだが時間が……

拡声器は周囲1マスが聞き取り可能な範囲として、
確実に描写が必要っぽいのはギュスと女神・ジュディ組かな。
他にも移動その他で聞こえることもあるだろうけど。
176ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 21:07:25 ID:eAT7SEwY0
何かギュスは無視しそうだし、ジュディも女神が制しそうだ
そうすると来るのホークとコーデリアだけか。ノエル…
ま、俺の勝手な想像だけどさ。

そういやギュスってお互い知ってる参加者が一人もいないんだな
177ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 21:28:03 ID:5p5qDHsM0
ノエルが可哀想なのは、今のところ誰も
「対主催の同志がいる! 行って助けよう!」というストレートな反応をしていない点w

ある意味すごくサガらしい。
178ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 23:22:41 ID:7CypkiX/0
保留中のE-5組の事も思い出してあげてください…
179ゲーム好き名無しさん:2007/09/21(金) 23:42:19 ID:5p5qDHsM0
うん、あくまで「今のところ」だ。
180ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 00:03:31 ID:sh6V5JHvO
>>177
警戒されるか哀れまれるかだからなw
181ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 04:15:54 ID:3pA6I6H80
お兄さま……テラカワイソス……
182 ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:15:01 ID:mW08XAAV0
やば。

いや…完成させたんだ。
最後の仕上げに、各キャラの前の登場作品からコピペしつつ状態表書いてたんだ。
……本文には書いてなかったけど状態表には書いてあった内容との矛盾に気付いたorz
しっかり読んだつもりでも状態表って結構見落とすな…。

で、取り敢えず矛盾にはならないように修正したんだけど、ちょっと後付けっぽい所が。
それに加えて、出していいかどうかちょっと悩んだアイテムもあります。
レス数もかなり膨れ上がってしまってさるさん規制必至なので、
前半部分をこっちに投下、後付け修正を含む後半部分を一時投下スレに投下しようかと。
どこが問題っぽいかはあっちに記載。
183それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:15:47 ID:mW08XAAV0
異郷の地を踏みしめ進む内、ヴィクトールの胸中には様々な思いが去来する。
父に伴われ、ジェラールと共にモンスターの討伐に赴いたのはつい数日前のこと。
未熟ながら懸命に戦うジェラールの姿に、頼りなく見えてもこの弟も皇家の男なのだと思った。
しかしやはり、ジェラールには戦よりも政の場で活躍させてやりたいと思っていた。
弟の太刀筋には、優しすぎるゆえの躊躇いがある。
たとえ相手が敵であれ、或いはモンスターであっても、自らの手でその命を絶つのには躊躇が伴う。
それを振り払う強さが武人には必要だ。そして、ジェラールに最も欠けているのはその点だった。
肉体や技術なら、鍛えれば大抵の者はそれなりに使い物になる。しかし心はそう容易くは変わらない。
だからこそ、ヴィクトールは弟を戦場に出したくはなかった。
弟の優しさ、甘さがいつか命取りになってしまうのではないかと恐れたゆえに。
ジェラールは出会ったばかりの少女を守り、傷付いた身体で彼女を庇い続けて、ついには力尽きたのだという。
それが不要な甘さだとは思わない。皇族として、男として立派な最期だ。
その最期を、兄として誇らしく思う。
しかし誇れる最期など遂げなくて良いから、生きていてほしかった。
統一のための戦乱の時代が過ぎ、平和が訪れた時に必要とされるのはジェラールのような才能なのだ。
――そうでなくとも、たった一人の弟。
ヴィクトールとて辛い。傍に誰もいなければ慟哭していたかも知れない。
だが今は、涙に暮れている訳にはいかなかった。
憎き仇、アシュラがこの先にいる。今も誰かがその手に掛かり、息絶えようとしているかも知れない。
弟のために涙を流すのは、憂いを断ち切ってからでも遅くない。
今は強く在らねばならない時だ。非情と呼ばれようとも、戦うことだけを考えねばならない。
亡きジェラールのためにも、共に戦う道を選んでくれたシフのためにも。
勝てる確証もない、二人きりの行軍。
次第に高くなる日に照らされて、足元の砂は南国の風景に相応の熱を帯びつつあった。
この熱砂の上に伏すのは自分達か、それとも仇たるアシュラか。
そんなことを考え、自分らしくないとヴィクトールは自嘲した。
184それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:16:52 ID:mW08XAAV0
砂を踏む二人のものとは違う足音が聞こえ始めたのは、歩き始めてそう長くは経たない内だった。
先に気付いたのはシフだった。油断なく、背後から近付いてくる足音へ振り向く。
やや遅れてヴィクトールも倣う。そして、そこに意外な姿を見た。
「あんた……!」
「オーダイ殿!」
二人は同時に驚きの声を上げる。
先程別れたばかりの男――それも、彼らの無謀を諌めたオーダイが、二人を追い死地に近付こうとしている。
まさか今更になって止めるとは言うまい。
やがて近付いてきた彼の目を見て、ヴィクトールは確信する。彼は戦いに来たのだ。
不充分と知っている戦力で、自らの命の危険を冒し、二度と戻れぬやも知れぬ行軍に身を投じようというのだ。
「……すまん。やはり放ってはおけなくてな」
立ち止まり待つ二人に追い着いてきたオーダイが、ばつの悪そうな顔で微笑む。
「いいのかい? あんたの連れは」
「ああ。心配だが、身を隠しながら休むなら二人でも大丈夫だろう」
それに比べてこちらは放っておけない、ということか。
実際にアシュラと対峙した彼が無謀と言うほどなのだ、奴は確かに強敵なのだろう。
それでも、彼は来た。それが希望だ、とヴィクトールは思う。
幾ら助けたくとも、見知らぬ相手と心中しようとなどは考えまい。
ならば彼が追ってきたのは――ごく僅かなものであっても、勝利の可能性を信じたからだ。
「……オーダイ殿。感謝する」
「礼には及ばんさ」
「そうそう。あんたのためだけに戦うんじゃないんだからね、立場はみんな一緒だよ」
シフが笑って、ヴィクトールの背を力一杯叩いた。
さすがのヴィクトールも一瞬よろけそうになるが、シフの方はそれだけの力で叩いても手を傷めた様子もない。
改めてこの女傑の力強さに感心すると共に、その気遣いを心底嬉しく思う。
あまり独りで思い詰めるなと、そう彼女は言ってくれているように思えた。
185それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:17:52 ID:mW08XAAV0
三人で砂浜を歩き始めて、やや過ぎた頃。
前方を見渡しながら歩くヴィクトールの目に、内陸部を進む数人の人影が映った。
「あれは……」
「逃げている……な」
オーダイの目が鋭くなる。人影は南から北へ、走る速度で移動している。
南の方角にいる、逃げなければならないような存在。それが何者か予想するのは容易い。
「行くぞ」
ヴィクトールが言うと、二人も頷く。
急がなければ手遅れになるかも知れない。その思いが、ヴィクトールの足を急がせた。
ジェラールのような犠牲者を、これ以上増やしてはならない。
追われる彼らを救えれば、助けられなかった弟への罪滅ぼしにもなるかも知れないと思った。

接近する内に、逃げている集団の何人かはこちらに気付いたらしい。
走る影は五つ。その内の二人がまず立ち止まり、先を行く三人も速度を落とす。
既にある程度は姿の判別もできる距離。しかし、五人の中に知っている人間はいなかった。
男が三人に女が二人。中には武器を持った者もいるが、万全な武装とはとても言えない。
互いに集団行動をしていることで、殺し合いに乗っていない者であることは解るはず。
いきなり攻撃されることはあるまい。敵がすぐそこまで迫っているのでないのなら、話が聞きたいが――
「シフ!」
ヴィクトールの思惟は集団の一人、金髪の少年の声に中断される。
「アル!?」
名を呼ばれ、シフが驚きの声を上げる。
彼女の様子を見るに知り合い、それも友好的な間柄のようだ。
大きな角をつけたシフの姿は、遠目にシルエットを見ただけで判別が付く。お陰ですぐに話が通じそうだ。
集団の後尾にいるのはアルと呼ばれた少年と、斧を持った青年。
南の方向を気にしながらも、ヴィクトール達の接近を待つように逃げる速度を落としてくれている。
そのお陰もあり、間もなく三人は彼らに追い着いた。
「シフ、よく無事で」
「それはこっちの台詞だよ。あんたが危ない目に遭ってやしないかって心配してたんだよ」
「危ねー目になら、今まさに遭ってるぜ」
安堵に目を輝かせて再開を喜ぶ二人に、もう一人の青年が口を挟んだ。
「まだ無事を喜んじゃいられねー。とにかく、あんたらも向こうに」
「追ってきているのは六本腕のモンスターか?」
オーダイの問いに二人は頷いた。ヴィクトールとシフ、オーダイは顔を見合わせ、頷き合う。
「アル。あたし達は奴と戦いに来たんだ」
「そんな、たった三人で!?」
「退く訳にはいかない。奴は私の弟の仇だ」
ヴィクトールが言うと、少年ははっとしたように彼を見た。
それで思い出す。シフから聞いた、かつての仲間の話。
そして、少年の姿には確かに見覚えがあった。
反抗して殺された女性を『姉さん』と呼び、神に挑みかかろうとしたのがこの少年だった。

「ねえ、何してるのよ!」
先に進んでいた三人の一人、耳の尖った女性がこちらを振り向き、呼び掛ける。
「そんな所で止まってたら追い着かれるわ。あなた達も、早く逃げましょう!」
186それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:18:41 ID:mW08XAAV0
厄介な事態になったかも知れない、とミレイユは考える。
近付いてきたこの三人組。事情は聞かなくとも、彼らの溢れる闘志は嫌というほど伝わってくる。
相手の思考が自分にとって望ましくないものであっても読み取れてしまうこの能力が、こういう時は厭わしい。
嫌になるような状況が解るからこそ最悪の場合に備えて手を打てるのだから、無論有難くはあるのだが。
「我々はあのモンスターと戦うつもりだ。君達は離れているといい」
帽子を被った中年の男が言った。うんざりしそうなほど真っ直ぐな眼差しで。
こういう男は嫌いだ。どうしても、父を思い出してしまう。
「……ミレイユ、すまねー。俺も戦う」
「な……何言ってるのよ!」
ケンイチまで気を変えてしまったのはさすがに予想外だった。思わず狼狽した声が出る。
「命張って戦おうって奴を見殺しにはできねー。こればっかりは譲れないぜ」
「約束したでしょ! 私を守るって……」
「ああ、約束は破らねーさ」
不敵に、ニヤリと笑う。この男の考えていることが、ミレイユには解らなかった。
きっとテレパシーで心を読んだところで理解はできないだろう。相容れない。それだけは確かだ。
「あの化け物を倒して、絶対に生きて戻る。それでまた守ってやるさ」
「なっ……」
何て臭い台詞。反吐が出そうなほど芝居がかった言葉だ。
けれど、ケンイチはそれを本気で言っているのだろうことは想像できた。
どうしてそんなことを言えるのか、ミレイユには解らない。
どうして人のために、そこまでの覚悟ができるのか。

「おい、どうした」
先を行くヨハンとメイレンがやっと立ち止まり、こちらを振り向いた。
「彼らは戦えるのか?」
「ヨハンさんは術士だと言っていました。メイレンさんは、あの銃という武器が使えるようですが……」
帽子の男に聞かれ、アルベルトが答える。
「なら……君は彼らと一緒に行くといい」
突然視線を向けられて、ミレイユは目を見張る。帽子の男は続けた。
「アシュラには魔法は効かない。魔法の使い手が戦うには向かないだろう。
君には戦う力はないようだし、メイレン君……か、彼女も女性だ。安全な所に逃げなさい」
「あたしは女じゃないってかい?」
アルベルトの知り合いらしい大女が茶化す。女でないかどうかはともかく、女らしくないのは間違いない。
187ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 07:21:45 ID:+dU8ObB/O
規制回避
188それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:21:56 ID:mW08XAAV0
「アル、あんたもついてってやりな。あの子らを守るんだ」
「いえ……シフ。私もここで戦います。少しでも戦力は必要でしょう」
アルベルトまでそんなことを言い出し、ミレイユは唖然とする。
この少年は単純とはいえ、もう少し冷静かと思っていたが――見込み違いだったか。
「あなた達……解ってるの!? あの化け物、爆発物を持ってるのよ!」
「ミサイルをまだ持っているなら、この距離で撃ってこないことはないはずだ」
帽子の男が言う。この距離、という言葉にはっとして南に目を遣ると、ここからももう化け物の姿は見えていた。
一度は引き離したと思っていたが、ここで時間を食っている間に近付かれてしまったらしい。
「我々がここで戦って食い止めていれば、君達は安全に逃げ延びられるはずだ」
「私の連れも町へ向かった。女の子と、詩人風の青年だ。彼らと合流するといい。
……もし私達が戻らなければ、彼らと共にアシュラを倒せる仲間を探してほしい」
冗談ではない。ヨハンとメイレンと三人で町へ向かうというのが安全策だとはとても思えなかった。
言うまでもなく、ヨハンは信用できると言うには程遠い。
メイレンも真っ先に逃げ出した辺り、自分の保身を第一に考えていると思っていいだろう。
二人は互いの力を警戒し、互いに仕掛けることこそないかも知れないが、足手纏いのミレイユを守る理由はない。
何かが起こった時に守ってくれる者もない、そればかりか切り捨てられる危険のあるチームで行動したくはなかった。
「……いいえ。ヨハン、メイレン、あなた達は二人で町に向かって」
「ミレイユさん!?」
アルベルトが驚きの表情を浮かべる。お人好し達に向けて、ミレイユはにこりと笑ってみせた。
「私には武器も魔法も使えないけど、危険を少し早く予知する力があるの。役には立てるわ」
「うむ……しかし」
後から来た三人の一人、体格のいい若い男が困った顔をする。
もう一押しだ。ミレイユはケンイチに顔を向け、彼の目を見た。
「平気よ。――だって、ケンイチが守ってくれるんでしょう?」
少し不安げに、上目遣いでじっと見詰める。
「お……おう。約束したからな」
女にはあまり免疫がないのか、露骨に照れた様子でケンイチが答えた。簡単なものだ。
これで彼は、自身を盾にしてでも守ってくれる。
後は、戦いの成り行きを見守るだけだ。
リスクの高い賭けではあるが、ヨハン達と行く方がずっと大きなリスクを背負うことになる。
この三人組はあの化け物を知っていて、それでも戦いに来たのだ。自信もなしにそんなことはするまい。
相手が化け物とは言っても、人数では勝っている。倒せる目はあるということだ。
そして何より、ここに残ればもう一つの選択肢を選ぶこともできる。
彼らの力が足りず、化け物相手に勝つ見込みがないとなれば――いつでも、見捨てることができるのだ。
盾以外に武器にできるものはないが、目の前の敵に気を取られている相手を後ろから殴ること程度はできる。
この場の全員を敵にしようとしている化け物とはいえ、自分のために働こうという者を殺すか。
否だ。自らの力に自信を持っている者ほど、取り入ることは容易い。
逆らえばいつでも殺せるという絶対的な優位が、従う者を庇護する余裕となる。
189それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:22:57 ID:mW08XAAV0
果たして戦う力を持たない女性を戦闘に巻き込んでいいものか。ヴィクトールは悩む。
彼女はこのケンイチという青年を信頼しているようだし、ケンイチにも彼女を守る気はある。
しかし果たして守り切れるのか。取り返しの付かないことになってしまいはしないだろうか――
ヴィクトールが考え込んだ所に、ヨハンと呼ばれていたもう一人の男が口を開いた。
「付き合っていられんな。むざむざ命を捨てるなど、愚か者のすることだ」
「はっ。見損なったぜヨハン」
ケンイチが吐き捨てる。彼の気持ちは無論嬉しいが、ヨハンの言うことも正論だ。それは痛いほど解っている。
無事で済む保証も何もない挑戦。ヨハンのような反応をするのが、寧ろ当然と言えるかも知れない。
「ケンイチ殿。彼を責めることはない」
ヴィクトールは首を振り、彼を制する。
ケンイチは尚もヨハンを睨んでいたが、興味なさげに視線を外されると小さく舌打ちをした。
「すまんな。私の連れに……ミルフィー達に、よろしく頼む」
「……何と伝えればいい」
「そうだな。――私は不死身だから心配することはない、とでも」
オーダイの軽口に、ヨハンもやっと薄い笑みを浮かべた。
「伝えておこう。……じゃあ、もう行くぞ」
「ごめんね。私も町に向かうわ」
「ああ。気を付けて」
永遠の別れとならないことを祈りつつ、ヨハンとメイレンに別れを告げる。
振り向くと、もうアシュラはその姿がはっきりと見えるほどに近付いていた。
ミレイユを説得する余裕はなくなってしまったが、こうなれば大丈夫だという彼女自身の言葉を信じるしかない。
「絶対に守り切れるとは約束できんぞ。自分の安全を、まず第一に考えてくれ」
「大丈夫。解ってるわ」
ミレイユは気丈に微笑んだ。――ふと、彼女の纏う衣がヴィクトールの目に留まる。
「その紋章……君はバレンヌ縁の者か?」
「バレンヌ? いいえ、聞いたことないわ。この服なら支給品にあったのよ」
「……そうか」
何か引っ掛かりを感じる。バレンヌの紋章入りの上等な仕立ての服となれば、皇族か貴族のものだろう。
しかしヴィクトールはこの衣を見たことがない。となれば、これは誰の――?
「来るぞ!」
オーダイの声にはっとして、考えを中断する。服のことなど今考えても仕方ない。
「見せてやるぜ、ゾクの魂!」
勇ましく斧を構えてケンイチが叫ぶ。賊と言うからには山賊か海賊の出なのだろうか。
それにしては随分と義侠心があることだと思うが、文化が違えば賊の在りようもまた違うのかも知れない。
ヴィクトールは迫り来るアシュラの巨体を睨む。六本の腕の内の二本には、剣とハンマーが握られている。
あの剣を奪えれば、得意の流し斬りを喰らわせることもできるだろう。そこまでが勝負所だ。
「……ジェラール、見ていてくれ」
今は亡き弟の名を呟く。自らの内に闘志が湧き上がるのを、ヴィクトールは感じた。
190それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:24:24 ID:mW08XAAV0
【A-2/南部平原/午前】
【ヴィクトール@RomancingSaGa2】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:未確認の支給品1〜3(武器はない)、荷物一式
[思考]
基本:ゲームには乗らない。
1:アシュラを倒す
2:クジンシーを討つ

【シフ@RomancingSaGa】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:確認済みの支給品1〜3、荷物一式
[思考]
基本:神を叩き潰す
1:アシュラを倒す
2:仲間や知り合いと合流

【父親(オーダイ)@SaGa2秘宝伝説】
[状態]:肩・腕・腹など撃たれた部位に痛み、少し疲労
[装備]:孔明の靴、サンダーの書
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ゲームには乗らず、神を倒す
1:アシュラを倒す
2:今はミルフィーのことはヨハンとメイレンに任せる
3:アシュラを倒したらミルフィー達と合流
191 ◆kGf..YZoZg :2007/09/22(土) 07:28:58 ID:+dU8ObB/O
さるさん食らいました。
いつも長すぎるのは自覚してるのでどうにかしたい…。
状態表続きから一時投下スレに書きます。
192ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 09:34:41 ID:L9IacG9G0
乙。
熱血組と冷静組の対比が面白かった。キャラの心情なんかも凄く出てて良かったよ。
アシュラ戦もだが、ルージュとヨハンもどうなるか楽しみだな。

そして、ヴィクトールはいつまで支給品を確認しないんだ。
俺も今気付いたけど、ヴィクトールの支給品未確認は前作の書き手氏のミスだと思うから
支給品は確認済みに直した方がいいかな。前作含めてね。
(前作でヴィクトールのザックには武器がないという描写があるが、状態表が『未確認』になってたため)

後付け設定や銃に関しては問題ないと俺は思う。
193ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 09:36:26 ID:L9IacG9G0
ミスった。下から二行目
前作でヴィクトールのザックには武器がないという描写があるが、状態表が『未確認』になってたため

前作でヴィクトールがザックには武器がないと考えている描写があるが、状態表が『未確認』になってたため
194ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 10:35:00 ID:Tn3tZzGV0
乙です。
kGf氏は心理描写が上手ですね。 兄さん格好いいよ兄さん
あんまり長いようだったら、時間帯指定してくれれば支援しますよ。
さて次は本格的に戦闘か…。wktk

私も、後付けと銃は無問題です。
195それぞれの覚悟  ◇kGf..YZoZg:2007/09/22(土) 19:48:20 ID:RlX4L1EO0
前編分残りのパラメータを転載しておきます。

86 :それぞれの覚悟  ◆kGf..YZoZg:2007/09/22(土) 07:30:26 ID:TApSTI3A0

【アルベルト@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[装備]:グラディウス @ロマンシング サガ(ミンサガ)
[道具]:支給品一式
[状態]:健康
[思考]:
基本:ゲームには乗らない
1:アシュラ(怪物)との戦闘、みんなを守りぬく
2:ナイトハルトら、仲間との合流
3:主催者の打倒
[備考]:ED後から参戦。ザックの底には銃の説明書だけがある。気づいていない。

【ケンイチ(総長)@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:ビルキース@ミンサガ
[道具]:確認済みの支給品0〜1(ただし武器は無い)、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:倒すべき敵は倒す。守るべき人は守る
1:ヴィクトール、オーダイ、シフの男気に共感。ゾクの誇りに懸けてアシュラと戦う
2:ミレイユを守る
3:首輪への対抗手段の模索

【ミレイユ@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:アバロンの聖衣@ロマサガ2、魔王の盾@ロマサガ3
[道具]:賢者の石(一個)、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:生き残る。その為に強いやつを利用する。弱いやつは適当に利用して殺す
1:保身に徹し、戦闘の行方を見定める
2:ケンイチ達に勝ち目がなければ裏切る

【アシュラ@魔界塔士Sa・Ga】
[状態]:腕の内2本(下の1対)の指欠損、全身の前面に火傷
[装備]:アイスブランド、バトルハンマー
[道具]:荷物一式、ジェラールの荷物一式(確認済みのアイテム×1〜2)
[思考]
基本:ゲームに乗って殺戮
1:目の前の連中を殺戮する
2:オーダイとミルフィーを自分の手で殺す
196ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 19:59:47 ID:RlX4L1EO0
そしてGJ、投下乙です。
ヴィクトールカッコイイな、流し斬りが死亡フラグになりませんように。

後付けと銃については特に問題は無い、かな。
コットン製の銃なんて知識の無いジェラールも有るアシュラもひどい冗談だと考えるだろうし。
197ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 20:14:22 ID:RlX4L1EO0
おおう、問題ないとか言っておいて一点だけ確認したいことを。

コットン製の、どうみても銃らしくない銃をルージュがためらうことなく撃てたのは、
触ってしっかり確認すればそれが使うことができる銃だと判断できる、ってことでよろしいでしょうか?


指輪の問題についてはヨハンの思考の一番上に「指輪を集める」とでも入れておけばいいんでは。
原作での持ち主であるメイレンもラスト以外では至極安定して見えるし。


198ゲーム好き名無しさん:2007/09/22(土) 23:41:31 ID:sh6V5JHvO
知識も何も気付かずに落としたんじゃ文句の付けようも無いな
199 ◆kGf..YZoZg :2007/09/23(日) 00:28:13 ID:+p969orv0
感想とか指摘色々、それに状態表転載、ありがとうございます。
ヴィクトールの支給品については仰る通り、直し忘れてました。
「未確認」を「確認済」に訂正します。

あと、途中で大きな場面転換ってことでタイトルを変えつつ、
まとめに載せる時は1話扱いで『それぞれの覚悟/見えざるもの』という形にしようかなと思ってましたが
午前のキャラと昼のキャラが混在してる場合は時間別リストではどっちに載せればいいんだろう。

>>197については、そのつもりで書いてました。
ルージュは拾ってからメイレンに会うまでの間に確認してたということで。
ヨハンの思考は、まあ起きてからどうなるかは未知数ということに。
200 ◆kGf..YZoZg :2007/09/23(日) 00:32:54 ID:+p969orv0
もう1つ相談しようと思ってたこと忘れてた。
アンサガの銃はゲーム上だと装弾数という概念がないんですが、ロワではどう扱いますかね。
201ゲーム好き名無しさん:2007/09/23(日) 01:08:09 ID:ECbe1E8h0
ロワで考えるなら相談数……まちがえた装弾数や残弾数は必要だと思う
サガで考えるなら弓矢で、でたらめ矢やアローレイン、ミリオンダラーなどの技が封印されることになるので必要ない

個人的なら当然後者だが、飛び道具を持ってる奴が最強ということになるので、前者を押しておく
202 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/23(日) 14:28:44 ID:vM7B+X260
ごめんなさい。今日中投下は無理ですので予約破棄します。
長らくキャラを拘束してしまって申し訳ない。
このキャラを使う人は遠慮なく予約どうぞ。

あと、ヴィクトールの状態欄はすっかり忘れてた。WIKIの方は自分で直しときます。
203ゲーム好き名無しさん:2007/09/23(日) 16:12:36 ID:mETlN9z7O
そろそろ予約期限改めてもいいんじゃないかと思うんだが。
204ゲーム好き名無しさん:2007/09/23(日) 19:21:06 ID:t66vSSUz0
>>199 返答ありがとうございます。ま、次に回すデスね

>>200-201 適当に残弾数を決めた方がよさそうです。
限界あるほうがどこかで話のネタにできそう。
ところでアンサガの銃って一発ずつ弾を込めるマスケット銃とか短筒とかなイメージがあるなあ。
205ゲーム好き名無しさん:2007/09/23(日) 20:00:01 ID:z9dlJsGW0
>>203
>>61に対して>>70で一応返信されてるし、
皆もそれに同意してるから何も言わないと思ってたんだが
206ゲーム好き名無しさん:2007/09/23(日) 20:26:06 ID:mETlN9z7O
>>205
おk、一次放送まで頑張ろう。
207 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/25(火) 00:16:18 ID:/77mKbGd0
遅くなったが、予約されてない様なので、
アーサー、ゆきだるま、ヒロユキ、アーミック、カタリナ、メタルブラック投下します。
208接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:17:24 ID:/77mKbGd0
ウェイプの街は夕暮れを受けたように赤く染め上げられていた。
旅の詩人や物書きなら、思わず感嘆の声を漏らすほど美しい、
それでいて何か不吉なことを揶揄する、そんな炎が吹き荒れている。

「一体何が起こってんだ?」
巻き上がる炎を忌々しげに見つめながら、アーサーは疑問を口にする。
ウェイプは、平和なイメージの街からは連想できないほど凄惨たる有様だった。
仲間を探すついでに役に立つものを探そうとしていたが、とても期待できそうにない。
激しく燃える中央部と倒壊した建物、どう考えても何かを探せる状況ではなかった。
それどころか、戦闘をしなければならない可能性もある。

この炎を神が意図的に起こすはずがないので、アーサーたちと同じく、殺し合いゲームに参加させられた者によって作られた、という事になる。
しかも完全に倒壊している建物の状況から見て、純粋に破壊を目的とした攻撃をしたのだろう。
恐怖からでなく神の言葉に同意する者がいる。さらにはこれをゲームとして楽しむ奴がいる。
それは苦い事実だ。
もちろん、ゆきだるまたちや、ここに居る筈のアーサーの知り合いたちなど、神に抗う者もいるが……。
巨大な力を持った奴が、殺し合いをしている。
アーサーはじっと中心部を見つめる。煙でよく見えないが、そいつは今もあの炎の中にいるかもしれない。
もしかすると知り合いも……。
フェイたち仲間は状況によって微妙だが、この近くに総長がいるなら、ゾクの魂を見せてやるぜ! とか言いながら殺し合いに乗った奴に突撃しそうだ。

「アーサーさん。港に誰かいるみたいなのだ」
突然ゆきだるまが言った。その目は港へ向けられている。てっきりアーサーと同じく、街の惨状を見ていると思ったのだが違うようだ。
炎ばかりに目がいって、ろくに街を見渡していなかったアーサーは、ゆきだるまの言葉を受けて街の端を見つめた。
桟橋が掛かり、何隻かの船が浮いている港。たしかに、そこには2人の姿がある。
1人は男、もう1人はモンスター……か? 争っている気配はない。
遠くからでわかりづらいが、呆然と炎を見つめているように見える。
もしかすると、アーサーたちと同じく、仲間を探しに街へ来た人か?
……少なくとも、街を燃やした奴ではないはずだ。
この状況の原因を知っているかわからないが、一応接触するに越したことはない。
そう思ってアーサーは隣のゆきだるまに言った。
「いっちょ街まで行ってみようぜ!」

209接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:18:21 ID:/77mKbGd0
何でオレ、生きてるんだ?
ヒロユキは自分の両手を見ながら、ぼんやりと思った。指を曲げたり伸ばしたりしてみるが、普段どうりに動く。生きているどころか、傷一つない。
それは何故なのか。
自分たちは、とても生き残れない状況にいたのに……。

数分前。
回転する武器を持った半獣人のモンスターが、猛牛もかくやという勢いでつ込んで来て、手に持った剣を構える暇もなく、その男と交錯した。
……だが、武器が身体を貫いた衝撃も何もなく、気がついたら町の中央から随分離れた港へいた。
アーミックともども、怪我一つしてない。
一体何が起こったのか……。

初めはわからなかったヒロユキも、時間が経つにつれ、ぼんやりと理解してきた。
吟遊詩人が何かしたのだろう。
ここにない彼の姿を思い浮かべ、漠然とそう思う。
何か、得体の知れない人という感じはしていたのだ。

――モンスターと接触する直前、吟遊詩人の瞳に映っていたのは絶望ではなかった。全く別の……未来への希望。吟遊詩人はそれをヒロユキとアーミックに託したのだ。
「詩人さん……」
おそらく、彼はもう……、
哀愁がこみ上げてくるがそんなのに浸っている暇はなかった。

「あんたら、この街で何が起こったか知ってるか!?」
突然近くで聞こえた声に、ヒロユキは顔を上げた。見渡すと、そう離れていない場所に1人の男とゆきだるま? の姿があった。
周りを注意していなかったためか、男が近づいてくるのに気づかなかった。
慌てて剣に手を伸ばしかけるが、男の姿を見てそれをやめた。その男に見覚えがある。
たしか初めにいた場所で神と会話した男だ。その話の内容から、どうやら神と敵対していたことが思い取れた。神の命じた殺し合いを素直にするとは思えない。
それに、男の横にいたゆきだるまの姿に毒気をぬかれたのもある。――紛れもなくゆきだるま。結構暖かなこの場所で何故溶けないのか気になるが……特殊な支給品だろうか?

そう思った時、そのゆきだるまが言葉を発した。
「僕達は仲間を探しにこの街へ来たのだ。よければ何があったか教えて欲しいのだ」
(ゆきだるまが喋った??)
七大驚異より驚く不思議な光景に、言葉を失う。
チャパ族など人間以外の種族との面識はあるが、いくらなんでもゆきだるま族とか、そんなのは見たことない。
狼狽するヒロユキとは対照的に、アーミックは冷静に問いに答える。
「僕も、よくわからないんですけどー……」
などと簡単に詩人と半獣人のモンスターのことを説明する。
「しじんさん、大丈夫でしょうかねー」
ヒロユキと違い、アーミックは詩人が生きていると思ってるようだ。
「アーミック、詩人さんは――」
もう生きてないだろうと伝えようとしたが、まだはっきり決まったわけではない。推測でもそれを口にしたら本当のことになってしまいそうに思って躊躇った。
アーミックとゆきだるまが不思議そうにヒロユキを見るが、笑って誤魔化す。
今は信じてみよう。イスタンダールに似た感じを覚えた詩人、彼はきっと無事だと……。

210接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:19:13 ID:/77mKbGd0
「……ともかく、神の野郎の言葉に躍らせれた奴がいるってことだな」
憤りを含めた声のアーサーは、そこにいない誰かを睨むような険しい表情をしていた。
「連中がこの町に来てるかもしんねえし、詩人って人のこともある。こうしちゃいられねえな」
アーサーはシリューから受け取った武器を持って立ち上がる。
「そのモンスターのところに行くぜ」
「わか――あっ、ちょっと待って欲しいのだ」
頷こうとしたゆきだるまは、東の方を見て声のトーンを上げた。
「あれはカタリナさんなのだ」
うっすらと見える女性と、黒い服の男。
「知り合いか?」
心なしか嬉しそうなゆきだるまにアーサーが尋ねる。するとゆきだるまは嬉しそうな表情のまま頷いた。
「そうなのだ。一緒に冒険した仲間なのだ。……アーサーさん、モンスターの所へ行くのはカタリナさんが来てからにして欲しいのだ」
ゆきだるまはそう頼むが、アーサーは難しい顔で黙りこくった。カタリナとか言う奴がいるのはこの対岸のあたり。ここまで来るのに少し時間がかかりそうだ。
ほんの少しだが、その時間も無駄に出来ない気がする。
「いや、俺は一足先に行ってるぜ」
カタリナがゆきだるまの仲間なら、アーサーがいなくてもいいだろう。戦闘が起こるわけでもないし……。一緒にいた男の姿が気になったが、ここで見つけた同士か何かだろう。

「で、でも……」
ゆきだるまは躊躇うような声を出した。
「アーサーさん1人じゃ――」
「僕がついてきましょうかー」
ゆきだるまの言葉をのんびりとした声が遮った。
アーサーたちはきょとんとして声の主――アーミックを見つめたが、確かに、彼なら案内も出来そうだし、ちょうどいいかもしれない。
「ああ、頼むぜ」



ウェイプの中心は、アーサーが思っていた以上に激しい炎が吹き荒れていた。
目に入る色は赤ばかり。中央に近づくほど熱気をともなった不快な空気がちりちりと肌を焼く。
「……そのモンスターとどこで会ったんだ?」
「たしかぁ、あのあたりだったと思いますー」
アーミックが真っ直ぐ遠くを指した。
吹き付ける熱風のせいでこれ以上進めそうにないからはっきりとわからないが、モンスターの姿は見えない。おそらく別の場所へ移動したのだろう。

アーサーがちょうどそう思った時、ウェイプの東部から何かが倒壊する音が聞こえた。
建物が勝手に壊れるはずないので、故意に破壊した誰かが居るのだろう。
ゆきだるまたちのはずがないし、吟遊詩人でもないと思われる。
……という事は、この景色を作り出した張本人。そいつの可能性が高い。
アーサーは熱気の渦巻く場所から離れ、東の方へ足を踏み出す。

そいつが1人で暴れているわけがない。誰かを相手にしているはずだ。可能性が高いのは吟遊詩人だろうが、仲間の連中が巻き込まれているかもしれない。
……行かないわけにはいかなかった。

「アーミック。お前はどうすんだ?」
「僕も、アーサーさんと、一緒に行きますー」
一応問いかけると、のんびりマイペースにアーミックはそう言った。
211接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:22:22 ID:/77mKbGd0



お久しぶりなのだ。僕はゆきだるまなのだ。
コンボイたちと別れた後、僕はアーサーさんと街へ仲間を探しに来たのだ。
でも、僕達がついたころには街は赤く燃え上がっていたのだ。
何だか、火災要塞を思い出す激しい炎だったのだ。
アーサーさんは僕の隣でその炎を見ていたのだ。もしかすると、仲間の人を探しているのかもしれないのだ。
でも、炎と煙で、街はあまり見えないのだ。
海のある方向だったら、見えるかもしれないけど……。
そう思って港へ目を向けると、誰かが居たのだ。
アーサーさんにそのことを伝えると、アーサーさんは港へ行くといったのだ。僕もついていくことにしたのだ。

港にはヒロユキさんとアーミックさんがいたのだ。
2たりは吟遊詩人という人と一緒に行動していたらしいのだ。僕の知っている詩人さんとは別の人見たいのだ。
その人とは、半獣人の男に襲われたさい離れ離れになったらしいのだ。
それで、アーサーさんはアーミックさんと一緒に炎のあたりを見に行くことになったのだ。
様子を見るだけといっていたが少し心配なのだ。
もしかしたら、僕の永久氷晶を使えば炎が消せるかもしれないのだけど……、
永久氷晶がなくなったら、僕は溶けてしまうのだ。
……僕は、出来ればまだ……。
でも、永久氷晶を使うことで、誰かを助けれるなら、そのときは迷わず使いたいのだ。
それが、僕が生き返った意味かもしれないから……。

……ともかく、今は僕に出来ることをするのだ!
この方向に、もうすぐカタリナさんがやってくるはずだから、ちゃんと事情を説明して、アーサーさんたちの助けになってもらうのだ。
きっとカタリナさんなら助けてくれるのだ。


「カタリナさーん」
先ほどアーサーたちがいた場所に立って街を見ているカタリナたちに、ゆきだるまが呼びかけた。
その声が聞こえたからか、港に用事があって目を向けたのかわからないが、カタリナたちはゆきだるまに気づいたようだ。こちらに向かって歩いてきた。

「お久しぶり――」
親しげに話しかけようとしたゆきだるまは、だんだんはっきりと見えてきたカタリナの姿に言葉を失う。
真紅の装飾。美しい模様のように、彼女の服は血の色で染められていた。
「あなたたちはゲームに乗るのか。それとも、抗うのか。答えてくれないかしら?」
あっけに取られているゆきだるまたちに、カタリナが話しかける。
その手は細い剣へつかんでおり、いつでも攻撃に移れる姿勢だ。……警戒しての構えではない。
その瞳にやどっているのは冷徹な光。――仲間に向ける目ではなかった。
212接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:23:54 ID:/77mKbGd0
「そ、そんなの、決まってるのだ。こんなゲームは間違ってるのだ!」
予想と違う仲間の反応にとまどいながらも、ゆきだるまははっきりとそう答えた。
「カタリナさんも、そう思――」
「私は、あの神に願いをかねえてもらう」
カタリナもまた、はっきりとそう言った。その言葉の意味することは――ゲームでの優勝。
きっとこんなゲームに乗っていないと思っていた仲間。なのに……、
ゆきだるまの口から疑問の言葉が出る。
「そんな……、どうしてなのだ?」



どうして、と、先ほども尋ねた人物がいた。
目に涙を溜めながら、こんなことは間違えていると訴えた少年。彼はもう、ここにいない。

彼女の目の前に立っているのは、穏和そうな見知らぬ青年。そしてかつての仲間。
それに会ったというのにカタリナの決意は変わらなかった。それどころか、ますます強くなる。
火災要塞で、仲間を助けるためにアウナスを倒そうと、その身を省みず永久氷晶を使ったゆきだるま。消えてしまったはずの彼がここにいるということは、神にはそれだけの力がある。
――ロアーヌに永遠の繁栄をもたらすだけの力もあるはずだ。
その願いのため、知り合いでも躊躇わない。このゲームを阻止しようとするものを殺す。

カタリナは戦闘体型に入ろうとして、隣にいるメタルブラックのことを思い出した。今は戦いたくなくて共に街へ向かっていた男。彼はもう、どうするか決めただろうか。
ちらりと彼を伺う。メタルブラックは、向かい合ったカタリナとゆきだるま達から何歩か離れたところに立っていた。戦いに参加する気配はない。

「カタリナ、貴女の信念、その強さを見せてもらいたい」
カタリナが見つめているのに気づいたのか、メタルブラックが顔を向けた。彼は、彼の行く道をまだ決めかねているようだ。カタリナを見て、それから決めるのだろうか。

(いいわ、見ていなさい、メタルアルカイザー。私の信念を)
かつて、仲間だった者だろうと関係ない。
大切な国のため、民のため、そして何よりあの方の幸せのため、
忠義の剣士は目の前の"敵"に向き直った。


【F-4/ウェイプ中央部/午前】
【アーサー(人間男)@魔界塔士Sa・Ga】
[状態]:健康
[装備]:パンチ@サガ2 手裏剣(残り12枚)@サ・ガ3時空の覇者
[道具]:荷物一式 確認済み支給品0〜2(武器なし)
[思考]:
基本:かみ打倒
1:仲間達との合流
2:ウェイプで仲間を探す。とりあえずは街東部へ
3:シリュー達と合流し、手裏剣を返す
213接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:25:29 ID:/77mKbGd0
【アーミック@Unlimited:SaGa】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:確認済み支給品×1〜2、荷物一式
[思考]
基本:このゲームを阻止する(参加者の説得)
1:アーサーについていく
2:参加者を説得する
3:しじんさん、どうしたんでしょうかー
4:ウェイプで他の参加者を探す?
5:早く村へ帰りたいです

【F-4/ウェイプ港/午前】
【ヒロユキ@Unlimited:SaGa】
[状態]:健康
[装備]:レフトハンドソード@ロマサガ
[道具]:確認済み支給品×0〜2(ヒロユキが使えそうな武器は無い)、荷物一式
[思考]
基本:ルビィを探して元の世界に戻る
1:あー、仲間同士じゃなかったのか?(カタリナに対応)
2:ルビィの事がものすごく心配
3:ウェイプでルビィを探す?
4:厄介なゲームに巻き込まれた…俺って不幸

【ゆきだるま@Romancing Sa・Ga3】
[状態]:健康
[装備]:永久氷晶@ロマンシングサ・ガ3 スプラッシャー@ロマンシングサ・ガ2
[道具]:なし
[思考]
基本:僕が蘇った理由を考えるのだ!
1:助けてもらったお礼に(シリューとコンボイを)お助けするのだ!
2:カタリナさんを止めるのだ!
3:冒険をした仲間に会いたいのだ!
4:アーサーさん達が心配なのだ!
5:剣を預かるのだ!

【カタリナ@ロマンシング サ・ガ3】
[状態]:右腕負傷、マントが少し焦げた、返り血を浴びている、中度の疲労、冷血になる覚悟
[装備]:シルバーフルーレ@ロマンシングサ・ガ3 、ワンダーバングル@ロマンシングサ・ガ2
     ロケットベルト@サ・ガ3 完結編 時空の覇者(残り燃料70%ぐらい)、
[道具]:支給品一式、十字架@サ・ガ2 秘宝伝説、LV七星剣@ロマンシングサ・ガ3
[思考]
基本:如何なる手段を使ってでも優勝し、ロアーヌの永遠の繁栄を叶えて貰う。
1:ゲームを止めようとするものを殺す。(とりあえずは目の前のゆきだるまとヒロユキ)
2:ゲームに乗る者については特に関知しない(襲われた場合は別)
[備考]:シルバーフルーレは左手で扱っています
214接触、戦闘開始:2007/09/25(火) 00:26:25 ID:/77mKbGd0
【メタルアルカイザー(メタルブラック)@サガフロ】
[装備]:ハープーン@ミンサガ、アムトのシンボル@ミンサガ
[道具]:レオナルドの首輪調査データ
[状態]:正常
[思考]
基本:自分のなすべきことを考える
1:カタリナのふるまいを観察する
2:レオナルドを島から連れ出すための船を調達するためウェイプへ向かう
[備考]: 二人ともウェイプへ向かいます





以上です。
突っ込みどころがあったら指摘お願いします。
215ゲーム好き名無しさん:2007/09/25(火) 00:35:08 ID:ZCJhzkdJ0
カタリナVSゆきだるま、因縁の対決?
炎に包まれた町というのが不吉なフラグに思えてならない。
見守るメタルブラックがどう出るかも気になる。
アーサーとアーミックはダンターグ戦に突入するのか…ウェイプ組も大詰めに近付いてきたかな。
そういや、このままいくとアーサーとフェイが再会しそうだね。
216ゲーム好き名無しさん:2007/09/25(火) 02:19:24 ID:fhYNx21l0
>>214
乙です
ゆきだるま、がんばって!!

ミカエルとモニカ兄妹が出てない以上カタリナの改心は不可能なのか!!

あとイスタンダール(イスカンダールでは?)が自分の住んでる次元では普通の人間と変わらない強さだが
他の次元(並行世界)では無類の強さになるという設定だったのをこれを読んでて思い出した。
まあ思い出しただけなんだけどね

このままいくとダンターグのスコアが伸びるのか? はたまたどうなるのか? 目が離せない
217 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/25(火) 17:50:36 ID:/77mKbGd0
指摘&感想乙です。なんか誤字多いなー。
イスタンダール→イスカンダール
火災要塞→火術要塞、
に直しておきます。
218ゲーム好き名無しさん:2007/09/25(火) 20:17:30 ID:WBnvpSs00
投下乙です。雪だるまがスプラッシャーを扱う描写が気になるぜw
ヒロユキの空気っぷりも完璧だなw

直すべき所は、「躍らせれた奴」「別の人見たいのだ」「願いをかねえて」
辺りかな?
219 ◆ymBYNMMH4k :2007/09/25(火) 23:36:33 ID:/77mKbGd0
指摘どうもです。
こんなに間違いがあったとは……。もっとしっかり推敲しなきゃな。
あと、ダンターグがいるのはウェイプの西部だったので、そこも直しときます。
220ゲーム好き名無しさん:2007/09/26(水) 00:36:32 ID:HIShgcsPO
>>363
ピカチュー大将軍の弟か従兄弟あたりじゃね
んで、トリスタンとラウニィーの情事を見て
くそーラウニィーとズッコンバッコンズッコンバッコンピュピュッピュピューってしてー
って思ってそれを実行しようとしてトリスタンに見つかってランスロットとカノープスとウォーレンと
ミルダスとギルディンとデネブが呼ばれてヴォラックは捕まってしまって地下の拷問室で
毎日毎日肛門にカボチャ入れられたりミルダスとギルディンとの3Pやったりランスロットのロンバルディアで
キンタマ1個取られたりウォーレンの占星術で不吉な予言を毎日聞かされていたぶられて
ヴォラック・カタタマ、ウィンザルフになってしまってゼノビアとかに居れなくなって
復讐してやると思ってローディスに行ってバールゼフォンに「うほっいい男」って言われて
お尻合いになってしまってそのままテンプルコマンドになったんだと思う
221ゲーム好き名無しさん:2007/09/26(水) 00:38:38 ID:m/na7zrXO
ちょwww
222ゲーム好き名無しさん:2007/09/26(水) 01:05:49 ID:Yv9fRBCv0
なんて誤爆だwww
223ゲーム好き名無しさん:2007/09/26(水) 16:36:22 ID:x3vqkztw0
他のロワでも見かけたからぶっちゃけ荒らしかなんかだと思うが
224ゲーム好き名無しさん:2007/09/27(木) 00:10:51 ID:CyqdmjZF0
俺も他のロワで荒らしやってたことあるけど、やっぱりこういうの見ると
ああやっぱりやっちゃだめだよなと改めて思うよ
225 ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 06:55:49 ID:+iuOtj/q0
火曜に投下されたばっかりの話の続きだけど…大筋変更はなさそうなので投下してしまおう。
進んでるパートを更に進めてばっかりでごめんなさい。次は多分遅めのパート書きます。

という訳で、ヒロユキ・ゆきだるま・カタリナ・メタルブラックを予約即投下。
226愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 06:56:46 ID:+iuOtj/q0
機械というのは愚直なものだとDr.クラインが呟くのを、かつて聞いたことがある。
人よりもずっと理性的であり合理的、しかし融通の利かない、作られた魂を持つ者達。
彼らを誰よりよく知っているゆえに創造者は口にしたのだ。諦めが半分、肯定が半分のその言葉を。
その言葉は、メタルブラックの記憶領域の片隅にひっそりと残っていた。
ブラッククロスの他の構成員達と己の違いはその愚直さにあるのかも知れない。
彼はそう思っていた。自らの中の心を探す手掛かりは、そこにあるのかも知れないと。

そして彼は今、その愚直さゆえにただ静かに見守っている。始まろうとする戦いの成り行きを。

対峙するのは、女剣士とゆきだるま。
それぞれに譲れぬ理由があって、彼らは互いに剣を交えようとしている。
背を向けたカタリナの表情はメタルブラックには見えない。
しかし彼女は、自分と出会った時と同じ眼差しをしているのだろう。決意を秘めた、真っ直ぐな目を。
対するゆきだるまの丸い目にも、迷いは微塵も感じられない。
彼らの決闘を止めることなど誰にもできないだろう。メタルブラックは無言で見守った。
――のだが。

「ちょ、ちょっと待てよ。仲間じゃなかったのかよ?」
ゆきだるまの連れの青年が、素っ頓狂な声を上げて場の緊張感をぶち壊す。
「仲間だから止めなきゃいけないのだ。カタリナさんに考え直してもらうのだ」
「意思を変えるつもりはないわ。私は後には引かない」
静かな声でカタリナが言う。
「あんたは引かなくても俺達は引きたいんだよ! 大体今はこんな所で揉めてる場合じゃ……」
「カタリナさんが引かないなら、僕も引かないのだ。放ってなんておけないのだ」
味方のはずのゆきだるまにまで反論され、青年はぽかんと口を開けて愕然とした顔をする。
その視線が助けを求めるように暫し彷徨い、やがてメタルブラックに向く。
「なあ、あんたも止めろよ! この人の連れなんだろ?
皆殺しなんて考えてるんじゃ、あんたにも敵になっちまうんだろ。それでも黙って見てんのかよ!?」
「覚悟を決めた武人同士の戦いだ。止めることなどできん」
「何だよそれ!? 俺まだ覚悟なんてできて」
「ヒロユキさん、先に行っててほしいのだ」
ゆきだるまの言葉に、ヒロユキと呼ばれた青年は口篭もって彼を見た。
「アーサーさん達にカタリナさんのことを伝えてほしいのだ。
それから、もし僕が負けた時には……僕の体の中にある永久氷晶を取り出してほしいのだ」
一言一言から強い決意を感じる。己が死して後のことまで慮り、仲間を案じるゆきだるまの精神。
彼の中にも確かに武人の魂がある。メタルブラックはそれを確信する。
227愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 06:57:16 ID:+iuOtj/q0
「んな訳にいくかよ! 戦うのを止めさせるために戦うって、そもそもおかしいじゃん!」
ヒロユキはまだ食い下がる。戦いに水を注そうとする彼を、不思議に見苦しいとは思わなかった。
「引かないなら、あなたもこの場で殺すだけよ。邪魔をしないなら今は見逃してもいいけれど」
カタリナが剣の切っ先をヒロユキに向けた。しかし意外にもヒロユキは怯まない。
半ば自棄を起こしてでもいるのか、猛然とカタリナに食って掛かる。
「あーもう、何なんだよ。全員殺すんだろ? 優勝したいんだろ? じゃあ何で相手選ぶんだよ。
邪魔するとかしないとかじゃなくて皆殺し、そこの人も殺すとかになんないの? 訳わかんないよ」
「このゲームを妨害されては困るの」
冷然と、カタリナは答える。
「言ったでしょう。私は優勝して、願いを叶えてもらう。
ゲームに乗った者同士で戦うのなら後でもいい。けれどゲームを壊そうとする意思は、摘み取る」

「……どうしてなのだ? カタリナさん」
黙って聞いていたゆきだるまがぽつりと呟いた。
カタリナも、ヒロユキも口を噤んで彼に目を遣る。
「僕の知ってるカタリナさんはいい人なのだ。そんなことまでして、どんなお願いを叶えたいのだ?」
「知れたこと。ロアーヌの繁栄、その他に望みなどない」
答えるカタリナの声に迷いはない。
「国のため……なのだ?」
「ロアーヌの民のためを思えば、七十人の犠牲など……些細なことでしょう?」
本当に些細とは思っていまい、とメタルブラックは考える。
些細なことと思っているのなら、こんな風に言い聞かせるように口にはすまい。
彼女自身も知っているのだ。己の行いが悪であることを。
知った上で、善悪の観念を忠義の心が超えたのだ。
「……何だよそれ」
ヒロユキが呟く。
今までの、状況を飲み込めず慌てていた彼の口調とは明確に違う、それは小さな――しかし強い呟きだった。
「あの無茶苦茶な神様に頼んで自分の国を栄えさせたいってのかよ?
巻き込まれただけの何も悪くない人まで殺して……皆殺しにして?
邪神の力でお国は立派になりました、悪の勝利ですめでたしめでたし、って?」
言葉を続ける内に、彼の声は次第に熱を帯びてくる。
平静は保っているものの、彼の中には激しい怒り、憤りが燃え滾っているに違いなかった。
自らが彼女の目的のため犠牲にされようとしているという怒りではない。
これは義憤だ。メタルブラックは感じた。アルカイザーがブラッククロスに抱いたのと同じ、正義の怒りだ。
228愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 06:58:08 ID:+iuOtj/q0
ゆきだるまが心配げに振り返り、ヒロユキを見上げる。
ヒロユキは真っ直ぐにカタリナを睨んでいる。
カタリナは、二人から目を逸らさない。怒りの込められた視線を堂々と受け止めている。
メタルブラックはただ見守った。正義と忠義がぶつかり合い、静かな火花を散らすのを。
「ヒロユキさん……」
制止すべきか悩む様子で名を呼ぶゆきだるまの声にも、ヒロユキは舌鋒を収めない。
「ふざけんなよ。そんなの、国に住んでる人だって願い下げなんじゃないの?」
「知らなければ幸せでいられるわ」
「知ったら嫌がる人がいっぱいいるのは解ってんだろ?
幸せにしてあげるなんて言って、その人達の気持ちは無視じゃないか。そんなのただの自分勝手だよ!」
さすがに、カタリナも一瞬返事に詰まったようだった。そこに、遠慮がちなゆきだるまの声が割り込む。
「そうなのだ、カタリナさん……ミカエルさんだって喜ばないのだ」
ゆきだるまがその名を出した瞬間、カタリナの肩が僅かに震えたのをメタルブラックは見た。
微細な動きをも読み取る機械の目だからこそ見えた、ほんの微かな動揺。
相対するゆきだるまにも、ヒロユキにも読み取れてはいないだろう。
「ミカエルさんは自分の国さえ良ければ他はどうでもいいなんて思う人じゃないのだ。きっと悲しむのだ」
「知ったように語らないで!」
鋭い声が飛び、ゆきだるまはびくりと身を震わせる。
メタルブラックにとっても初めて聞く、カタリナの感情的な声だった。
「あの方がどれほどロアーヌを愛しているか知っているの?
ロアーヌの繁栄のため、どれほど身を捧げているか。どれほどの重いものを背負っているか、解るの?」
ああ、そうか、とメタルブラックは思う。
彼女の言葉は主君を語るものであると同時に、彼女自身をも語るものなのだ。
主君が国を愛するように、彼女は主君を愛し。
主君が民に身を捧げるように、彼女は主君に身を捧げ。
国家と民の未来を背負う主君の重責と同じように、彼女は献身という重責を自ら負っている。
「あの方に憎まれても、軽蔑されても構わない。二度とロアーヌの地を踏めなくてもいい。
それでも、ロアーヌの繁栄という望みを同じくしていることに違いはない――これが私の忠誠の形」
「カタリナさん……」
言葉を失い、ゆきだるまは俯く。
229愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 06:59:25 ID:+iuOtj/q0
カタリナの決意は固い。それは何者にも、きっと主君にさえも揺るがすことはできないだろう。
しかしヒロユキは諦めなかった。彼は尚も鋭い視線をカタリナに向けている。
「……信じてないんじゃんか」
「何……ですって?」
カタリナが問い返す。メタルブラックにも、ヒロユキの言葉の真意は測りかねた。
「ミカエルさんだか何だか、そんな立派な人が国のために頑張ってんだろ?
その人が困るようなことしてまで神頼みしなきゃいけないって、じゃあその人の努力は何なんだよ」
子供の論理だ。一人の指導者が努力しただけで国は栄えない。
まして永遠の繁栄など、人の力だけで果たすことのできる願いではない。
己の努力が無になろうとも、道化に過ぎなかったと思い知るとも、指導者は国の繁栄を喜ぶだろう。
そのために払われた犠牲をどれほど嘆こうと、喜びは消えはしない。民の幸福は彼自身が望んだものなのだ。
しかし、論理ではない部分でヒロユキの言葉は間違ってはいない。
それはカタリナの心への問いだ。彼女自身に、忠義の士として恥じるところがないかという問い。
「そこまでしなきゃいけないほど、あんたの国は傾いてんのかよ」
「ロアーヌを愚弄することは許――」
「国が悪いなんて言ってないよ。あんたを認めないって言ってるんだ!」
怒りに満ちた挑戦的な口調。これが先程まで弱腰だったあの青年か、と驚いてしまうほどの。
「認めないなら、戦って私を倒せばいい」
剣を向けるカタリナに、ヒロユキは一歩も退かず――

「認めないから、戦わないんだよ!」

――いや、退いた。
彼はゆきだるまを抱え上げ、カタリナから遠ざかるように駆け出したのだ。

「待ちなさい! 逃げる気!」
「戦いたいなら勝手に追って来いよ! あんたに付き合う義理はないんだ」
振り返り、ヒロユキが叫ぶ。
「ヒロユキさん〜、降ろすのだ!」
「町でとんでもない化け物が暴れてんだよ。俺の仲間もやられたかも知れない。戦いに行った奴もいる!
今あんたと戦って俺が死んじまったら、助けられないんだよ! 賑やかし程度でも俺だって戦力なんだ!」
町は炎に包まれている。剣呑な事態になっていることに間違いはないだろう。
ヒロユキの言葉に嘘はない。それも確信できた。
230愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 07:00:35 ID:+iuOtj/q0
「ヒロユキさん、解ったから降ろしてほしいのだ〜!」
「解った? ほんとに解ったな? あの人の相手は今は勘弁な、ってか暴れないでくれって冷たいから!」
逃げようとしてはいるものの、遠ざかる二人の速度は遅い。
カタリナが腰のベルトに手を掛ける。そのベルトにスイッチと噴射口があることにメタルブラックは気付いた。
人間が身に着けて使用するための加速装置だ。彼女は二人を追うつもりなのだ。
加速すれば一瞬で追い着けるだろう。そのまま背後から強襲することも難しくない。

「――カタリナ」
メタルブラックは、強い力で彼女の肩を掴んだ。
今まさにスイッチを入れようとしていた彼女の手が止まる。些か驚いた顔で、彼女は彼を睨んだ。
「止めるなら、あなたも敵よ」
「今の彼らには果たさんとする義がある。戦うのは……あの炎が収まってからでも遅くはなかろう」
二人のやり取りも、カタリナが加速装置を持っていることも気付いていない様子で、ヒロユキがまた振り返る。
すぐには追って来ないのを見て取ってか、彼は立ち止まると大声で叫んだ。
「いいか、俺達がやられたらあんた達があの化け物の相手することになるんだ。
遺言になるかも知んないから言っとくけどさ! 独りで誰にでも勝てるなんて思い上がんなよ!」
「やられたらとか遺言とか縁起でもないのだ!……あ、待つのだヒロユキさん!」
捨て台詞を残してヒロユキはまた踵を返し、ゆきだるまが慌てて追い掛ける。
勝つ自信もない敵に、ヒロユキはそれでも立ち向かおうとしている。
彼をそうさせるのは仲間への思いか、正義の心か。
確信できることがもう一つある。もしアルカイザーがこの場にいたならば、ヒロユキと同じ行動を取っていた。
「追うのなら、私は貴女の敵になるのだろうな」
正面に回り込んで見据えると、カタリナは諦め顔で溜息をついた。
「……それは得策ではないわね。私もそこまで思い上がってはいないもの」
剣を降ろして、カタリナは燃える町を見上げた。
彼女の瞳の中に炎が揺れる。しかし瞳に宿った信念は、いまだ揺らいでいないように見えた。
231愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 07:03:14 ID:+iuOtj/q0
「行きましょう」
ヒロユキ達の姿が黒煙に紛れ見えなくなった頃、カタリナが再び口を開いた。
その眼差しは、炎を上げ続ける町に向けられている。
「何のために?」
「その化け物とやらが、泳がせるべきですらない脅威なのか確かめに」
信念は変わらずとも、思い上がりを指摘されたのは多少堪えているのかも知れない。
カタリナの返答に、メタルブラックは頷いた。
「ならば私も、今暫くは敵としてでなく同行しよう」
「ゲームに乗った化け物と戦って潰し合ってくれるなら、彼らのことは今は捨て置いてもいい。
けれど炎が収まったら……私は彼らを殺す。その時は敵になるかしら」
読めるはずもない表情を読もうとするかのように、彼女はメタルブラックの顔を見た。
「その答えは、まだ出ていない」
「……そう」
カタリナは苦笑し、先に立って町へと歩き始めた。

彼女を追って町への道程を歩き出しながら、メタルブラックは思い至る。ひとつの納得に。
ああ、何だ。
人間とて愚直ではないか、と。
232愚直という美徳と悪徳  ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 07:04:01 ID:+iuOtj/q0
【F-4/ウェイプ/午前】
【ヒロユキ@Unlimited:SaGa】
[装備]:レフトハンドソード@ロマサガ
[道具]:確認済み支給品×0〜2(ヒロユキが使えそうな武器は無い)、荷物一式
[状態]:健康
[思考]
基本:ルビィを探して元の世界に戻る
1:アーサーとアーミックの手助けをする
2:カタリナへの対処は生き残ったら考える
3:ルビィの事がものすごく心配
4:ウェイプでルビィを探す?

【ゆきだるま@Romancing Sa・Ga3】
[装備]:永久氷晶@ロマンシングサ・ガ3 スプラッシャー@ロマンシングサ・ガ2
[道具]:なし
[状態]:健康
[思考]
基本:僕が蘇った理由を考えるのだ!
1:助けてもらったお礼に(シリューとコンボイを)お助けするのだ!
2:今はアーサーさん達をお助けするのだ!
3:カタリナさんを止めたいのだ!
4:冒険をした仲間に会いたいのだ!
5:そういえば剣を預かりっぱなしなのだ!


【F-4/ウェイプ港/午前】
【カタリナ@Romancing Sa・Ga3】
[装備]:シルバーフルーレ@ロマンシングサ・ガ3 、ワンダーバングル@ロマンシングサ・ガ2
     ロケットベルト@サ・ガ3 完結編 時空の覇者(残り燃料70%ぐらい)、
[道具]:支給品一式、十字架@サ・ガ2 秘宝伝説、LV七星剣@ロマンシングサ・ガ3
[状態]:右腕負傷、マントが少し焦げた、返り血を浴びている、中度の疲労、冷血になる覚悟
[思考]
基本:如何なる手段を使ってでも優勝し、ロアーヌの永遠の繁栄を叶えて貰う
1:ゲームを止めようとするものを殺す
2:ゲームに乗った者は、自力で倒せそうか戦って弱ってくれそうなら関知しない
3:町の状況と「化け物」の実力の程を確かめる(できるだけ危険は冒さずに)
4:化け物騒ぎが一段落したらゆきだるまとヒロユキを見付け、仲間ともども殺す
[備考]:シルバーフルーレは左手で扱っています

【メタルアルカイザー(メタルブラック)@SaGa Frontier】
[装備]:ハープーン@ミンサガ、アムトのシンボル@ミンサガ
[道具]:レオナルドの首輪調査データ
[状態]:正常
[思考]
基本:自分のなすべきことを考える
1:カタリナのふるまいを観察する
2:ヒロユキとゆきだるまの行動を見届ける
3:レオナルドを島から連れ出すための船を調達する
233 ◆kGf..YZoZg :2007/09/27(木) 07:13:24 ID:+iuOtj/q0
以上、投下完了です。
ヒロユキ覚醒しすぎかも。
折角グループ分離してたのをまた面倒なことにしてすいません。
234ゲーム好き名無しさん:2007/09/27(木) 19:46:06 ID:zPELvZb70
Gj+投下乙。
ヒロユキは何か主人公しているようで。
巻き込まれ型で普段はパシリだけどやる時はやる奴だからな、彼も。
235ゲーム好き名無しさん:2007/09/27(木) 23:31:06 ID:asj16KqY0
GJ!
ヒロユキかっこいいな、ヒロユキのくせにw
俺も彼はやればできる子だと信じてるぞ。まあ次の放送で絶望のどん底に落ちるだろうが…
236ゲーム好き名無しさん:2007/09/28(金) 00:35:02 ID:jo2zQ1Ts0
GJ
こんなヒロユキ見たらきっとルビィもかなり見直して……あっ!! もう見れねーじゃん!!

そういえば昔から謎なんだが、ゆきだるまはどうやって剣持ってるんだろう

後、吟遊詩人!!ちゃんとヒロユキにレフトハンドソードの使い方教えてやれよ
王者の剣……使うと勝手に敵が逃げてくれる
レフティフォーク……左手に持ち変えると剣が勝手に戦ってくれる
という固有技のあるなんともヒロユキ向きの剣じゃないか!!

スプラッシャーの分子分解とファイナルストライク使えるけど……
両方ともアウトだっけ?
237ゲーム好き名無しさん:2007/09/28(金) 03:50:47 ID:iFQ4tVTo0
うおお……原作知らないが、ヒロユキが……熱い!
かっこいいぜヒロユキ。GJ。
238ゲーム好き名無しさん:2007/09/28(金) 20:09:37 ID:hcw1Q2BO0
今ヒロユキが熱い!
メタルブラックとカタリナコンビも相変わらず良い。
239ゲーム好き名無しさん:2007/09/29(土) 01:01:59 ID:LjPizZgo0
>>235を見てふと思い付き、
2人ともロワ参戦してるカップル及びカップル候補(原作で描写のある範囲で)をピックアップしてみた。

・デューンとシリュー
・ナイトハルトとディアナ
・ユリアンとエレン
・アセルスと白薔薇
・ウィルとコーデリア
・ルビィとヒロユキ

…あれ、もしかして第一放送後は阿鼻叫喚?
240ゲーム好き名無しさん:2007/09/29(土) 01:15:40 ID:hVR7HwoY0
・ジュディとアゴ
・ジュディとヌアージ

…冗談だよw
241ゲーム好き名無しさん:2007/09/29(土) 01:59:55 ID:ooGwsHP50
ヒロユキもやはり、福田に負けてちょっと逆切れモードに……
あれ? ヒロユキ違い?
242 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/09/30(日) 20:05:05 ID:qoX43v9o0
>>239
見せしめは仕方ないとしても、両方健在なのは一組だけか……
なんとロワらしい……

そんなウィルと、他にノエル、零姫、ビューネイ、計四名を予約いたします。
243ゲーム好き名無しさん:2007/09/30(日) 20:58:36 ID:JaqF79kj0
ついにウィルと人外コンビが動く!wktk
244ゲーム好き名無しさん:2007/09/30(日) 22:52:23 ID:UjoDc4os0
>>239
今気付いたんだが

クローディア×グレイ

抜けてる
245ゲーム好き名無しさん:2007/09/30(日) 23:36:36 ID:by7uAg0C0
グレクロは本編中カップル描写ないしなー
好きなカプではあるが。
>>242
期待してます。
これでギュスレオニード以外は全員二回登場?
246ゲーム好き名無しさん:2007/09/30(日) 23:48:22 ID:x4AEMVSa0
>>245
レオン、オーベルベンド、ポルナレフも一回だよ
247ゲーム好き名無しさん:2007/10/01(月) 02:48:05 ID:2TnEXZ5r0
おや? おまけを投下しようと思ったら予約が入ってますな〜
話が投下されるまで自重しますね
248ゲーム好き名無しさん:2007/10/02(火) 03:46:11 ID:xUAPwV0X0
何かあれだな、今の所主人公達よりサブキャラ達がいい味だしてる感じ。
ヴィクトールも父親もヒロユキもかっこいいぜ。
この調子で主人公達も覚醒してほしいもんだ。
249ゲーム好き名無しさん:2007/10/02(火) 05:41:04 ID:KQATg8diO
どういった意味合いで「主人公」と言ってるのかわからんが
プレイヤーキャラもそれ以外も相当に魅力的だと思うよ
250ゲーム好き名無しさん:2007/10/02(火) 12:01:41 ID:ptLki0BvO
書き手の皆様乙です。
今まで見守ってました。これからも見守りますw
サガロワ面白いなぁ〜
着々と進んでるので楽しみで仕方ない
251ゲーム好き名無しさん:2007/10/02(火) 14:15:49 ID:oXaGpZq40
>244がツフ×アルベルトと言わなくて安心した
252ゲーム好き名無しさん:2007/10/02(火) 14:28:20 ID:/U20YHFl0
ロワでかっこよく活躍したり決意を固めるのは往々にして死亡フラグ。
まあ、活躍しないのも空気のまま死亡フラグだけどな。
253ゲーム好き名無しさん:2007/10/02(火) 22:00:56 ID:bwCReWx60
>>252
某ロワの班長にあやまれ!!
254ゲーム好き名無しさん:2007/10/03(水) 00:34:10 ID:HHSJmxLI0
あそこは特殊な場所だからなあ。
〜〜は死亡フラグと言われて、それにとらわれないくらいの柔軟さは確かに欲しいけどね。
255244:2007/10/03(水) 01:34:21 ID:VEPvPOXC0
>>251
わ〜 す〜 れ〜 て〜 た〜

ちなみにツフとシフは別人でおk〜?
256 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/03(水) 19:29:19 ID:QEpq6oxb0
投下します。違和感あればご指摘ください。
257ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:32:11 ID:QEpq6oxb0
その「男のようなもの」に気取られるより先にその彼を見つけたことは、卓抜した感覚のなせる業であった。
ウィル・ナイツは木の幹に背を預けて何かの道具を手にどこかを眺めている彼を見ていた。
「男のようなもの」。
姿形こそ人であるが、ウィルの目にはそれは人に「見えなかった」。


朝から出会ったのは胸を抉られて倒れていた男ただ一人。
それはゲームの進行をこれ以上無く象徴したものであり、不安を掻き立てる徴でもあった。
アニマの失せた肉の塊に対する冷然とした自分の視線を自覚しながら、ウィルはさらに走り続ける。
大音量で響く呼びかけを聞いたのは森と岩の壁の間をさらに東へ駆けている最中だった。
内容には興味が湧かなかったが、人が集まるかもしれないと考えれば避ける理由は自ずとなくなっていた。
それだけ彼女に会える確率も上がるのではないだろうか、と。
広い島から一人を探し出すという砂粒を探すような目的についてきっかけに期待を抱かなかったといえば嘘になる。
ともあれ、ウィルは進行方向を変えることなく東へと走っていた。

異質な気配を察知したのは、ほとんど岩で出来た丘から離れて再び森の中に少し踏み入ったあたりだった。
人の物ではない、かといって自然の力とも異なる、強いアニマ。
それは人に対しては直感とか勘としか説明できないが、ウィル自身にとって経験上信頼に足るもの。
タイクーンと呼ばれるまでになったディガーにとって生命線ともいえるもの。
果たして、木陰に見つけた人影は「人でないもの」だった。
思えばこの時、関わらずに無視して即座に立ち去っておけば危険に晒されることはなかっただろう。
けれどほんの短い間、見極めと判断に時間をかけたことでその人ならざるものに見つかることになった。
258ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:33:29 ID:QEpq6oxb0
先に見つかったことにわずかに動揺した様子を見せたが、すぐににこやかに声をかけてくる。
「こんにちは! あなたも呼びかけを聞いたのですか?」
まったく相容れない相手、というわけでもなく言葉でコミュニケーションを取ることが出来るらしい。
完全に質の異なる存在であることまで覚悟していたウィルはそれでわずかに安堵する。
あくまでも穏やかに話しかけてくる相手に、警戒を悟られぬようにウィルも穏やかに応じ返した。
「ああ、こちらこそ。僕はウィリアム=ナイツ、ウィルと呼んでください」
「私はノエル、と申します」
「ノエルさんですか。そう、僕も呼びかけを聞きました。あなたも聞こえたと思いますが――今は何を?」
自分より音源に近い位置に潜んでいたのだから当然彼も聞いているはずだ。
そこを切り口に、ウィルは一番はっきりさせておきたいことへいきなり切り込む。
警戒して様子見をしていた、と言われてしまえばそれ以上詮索する言葉はない、が。
「少し距離を置いて様子を探っていたのです。
 いかに友好的な呼びかけとはいえ、流石にあからさま過ぎる。
 罠の可能性を考えてしまうのも仕方ない。こんな場所では慎重すぎて困ることはない、そうでしょう?」
「なるほど、そうですね」
表面上は納得を示したが、心中でノエルに対する注意は外さない。
どれだけノエルが柔和な態度を作り笑顔を交えても、初めて関わるこの種の相手への本質的な不信感は消えなかった。
その根っこは、ウィル・ナイツがヴェスティアを旅立って以来22年間の体験へと続いている。
そもそもウィル・ナイツの世界・サンダイルには社会を構築し人と関わるような人間以外の種族は現在生息していない。
だが、人類以前にこの世界を制覇し各地のメガリスやいくつものクヴェルを遺した古代文明の担い手達は、
自分たちとはまるで違う何か異質の存在であるようにウィルは感じ始めていた。
発掘作業を通じて芽生えた想いは尊敬であり、畏怖であり、恐怖。
人を魔獣に作り変えてしまう程のアニマを扱い利用し、人を操り人形のように使うクヴェルを作る悪意ある存在。
そういう存在はどういう姿形をしているか?
漠然とでもイメージしていたのは異質、かつ巨大なアニマを内包した知性体であり、
まるでその答えであるようにウィルが目の当たりにしたのが、このノエルであった。


259ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:34:35 ID:QEpq6oxb0
自分に支給されたという双眼鏡という道具(ノエルを見つけたときに彼が使っていた道具だ)について軽く説明し、
試してみるか、という風に差し出すノエル。けれどウィルはそれを取らない。
コーデリアを探すことを優先すべきでほかの事にかまけている暇はない、という理由もあるが、
なによりも、この不審をかきたてられる相手とこれ以上関わる気になれないというのが心の奥の本音だった。
「すみません、ノエルさん。僕はまず第一に人を探していまして。
 失礼かもしれませんが時間はいくらあっても足りません。絶対に見つけなくちゃいけないんです。
 そういう理由ですから」
視線を外さず、ぺこり、と軽く頭を下げたウィルにノエルはそれでも微笑を向ける。
静かに背を向け、一歩を踏み出そうとした刹那――

『そんなこともありうる』と考えていなければ避ける事はできなかっただろう。
倒れこむように身を捻ったウィルの鎧をかすめて、空気を裂いて飛来した短剣が襲い掛かった。
実体化した脅威、真実だった不信感に考えを向けるよりも早くウィルは地面、樹幹と続けざまに蹴り身を躍らせる。
振り返った視界の中で、さっきまでいた場所をノエルの剣が真一文字に薙ぎ払っていた。
会話していた間に湛えられていた柔和さが失せ、代わりに殺気が満たされた眼と視線がぶつかる。
「やはり――」
口を開いたノエルをそれ以上顧みず、ウィルはさらに森の奥、木々の間へと逃げることを決意した。
背後より猛然と追いかける気配と、科白の続きが追いついてくる。
「騙し討ちなど慣れぬことはすべきでない、か」
それきり、森の中で二人の口から言葉が放たれることはなかった。
鎧と靴に力を借りて逃げるウィルに対し、超人的な動きで障害をものともせず時に剣撃を振るいながらノエルが追う。
何度かその切っ先に鎧や身を掠められながらもウィルは集中して三次元的に変化をつけながら走り続ける。
いつしか、森を抜けていた。
その開けた空間で、前方に立つ二つの影をウィルは見た。だが、彼らも―――



260ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:35:43 ID:QEpq6oxb0
策を半分放棄する形になることは理解していた。
それでもノエルがウィルを追いかけたのは、この男が持つ謎に興味を持ったからであり、
狙いを付けた相手を逃してまで潜伏を続けるという選択を嫌ったからでもある。
殺害の障害となるようなものはなかったはずだ。
初対面の相手を警戒するということはわかるが、ただそれだけで自分の攻撃はかわせはしない。
いや、そもそも最初の段階、ノエルに気付かせることなく先に見つけられたことから気にはなっていた。
敗北を喫して以来、少なくとも以前よりはノエルは人間の力というものを評価するようになっていた。

思えばバレンヌの人間はわずか1000年で戦闘分野での魔法技術を
自分たちに匹敵する、いや一部においては凌ぐほどに進歩させてきた。
人間という種族は確かに自分たちより個体として弱いが、その分変化や成長における速さを備えている。
このウィルにしても、何か未知の力を用いてノエルの攻撃を回避した――と確信していた。
それを傍証するように、追撃の剣をかすり傷程度にしか身に触れることを許さずウィルは逃げおおせているではないか。
やはり、彼もまた自分に挑んできた人間たちに類する存在なのだ。
結果的に網にかかったのは彼だけだとしても、それを殺すことは価値ある勝利となるだろうし、
ピラミッドに人が集まるならさも遅れた風を装い合流するという形でまだ策は使えるだろう。

鎧の力か、時に空中で方向転換などの曲芸的な動きを混ぜながら猛然と逃げるウィルを執拗に追う。
やがて木々が途切れ、開けた場所へと飛び込んでいく。
時間的にはそれからすぐ、ウィル・ナイツが立ち止まるのをノエルは見た。
しかしノエルもまたそこで攻撃の手を止めざるを得なかった。
勢いを乗せて追突するようにウィルへ突進する動きを急停止する、
その目の前を、突然現れた悪魔の像が振り下ろす鎌が横切った。



261ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:37:00 ID:QEpq6oxb0

ウィル・ナイツは困惑の極みにあった、といって差し支えない。
森の中に浮かぶ小さな草原といえる場所でぶつかった人物二人、
女の子といっていいほどの年齢の少女と、妖艶ささえ匂わせる女性。姿形はそれで相違ない。
けれど彼らもまた人の姿形を持っていながらウィルの感覚では「人に見えない」者達だった。

進退窮まりついに逃走を途絶させられたウィルの戸惑いをよそに、突然背後でアニマが膨れ上がり形を為す。
何かの魔物の姿をとったそのアニマは、手にした鎌でウィルとノエルの間を断ち割った。
優れた反射神経を持って一撃を寸前で回避したノエルもまた、それで追撃を途絶させられる。
ウィルを中心に対称となる位置に人でないものたちが向かい合う構図ができあがっていた。

「そのように熱烈に追いかけている姿を見ると、つい邪魔したくなるのう」
何がおかしいのか笑みを付け加え、少女が数歩進み出る。
どこに警戒の重点をおくべきか迷いウィルは素早くあたりに眼を配る。
挟撃、いやほとんど包囲されたといえる状況。
ノエルは武器での戦いを主とするようだが、現れた二人は術師という感じのオーラを放っている。
少なくとも前後の人外達が連帯はしていない以上、今は下手な動きをせず成り行きを見守るほかないと結論付ける。
「そなた、命拾いしたのう。命冥加なことじゃ。
 さて……そこな男。そなたは妖魔……とも違うようじゃな」
一人近づいてきた少女が2メートルほど距離をおいてウィルに並ぶように立ち止まった。
これでウィルは三人が作り出す二等辺三角形の内側にいることになる。

「だが何者か、などは問わぬ。
 わらわは零、向こうはビューネイじゃ。
 そなた、かなり血気に逸っているようじゃが、本当にその行為の先に展望が見えておるのかえ?」
幼げな姿と相反する自信に満ちた大人びた口調で問いかける。
問いの先にいるのはノエルであるが、ウィルはまるで自分が問いかけられたように感じとった。
コーデリアを探す、それはいい。しかし、思いを伝えてその先はどうなる? どうする?
ウィルの内心など思いもかけず、ノエルの無回答を迷いと見たか、零がさらに畳み掛けていく。
262ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:38:11 ID:QEpq6oxb0
「わらわはあの神などを名乗る輩の掌の上で踊るつもりなどない。
 あれは気に入らぬし、何よりわらわは束縛が大嫌いでのう。
 そなたもそういう反骨心は持たぬか? プライドというものがそなたを苛みはせぬか?」
少女は、そう、抵抗の宣言を言い切った。
こういう風に立ち止まって考えさせられてみればウィルだって同じ結論にしかたどり着かないはずだ。
人ならざる者への不審は拭い去れないが、
首輪の恐怖に抗ってここまで断言できる零の精神には尊敬にも似た何かを抱かざるを得ない。

「……ふむ、なかなか辛辣な事を言うお嬢様だ。
 私はノエル、そこの男はウィル・ナイツという名だそうです。
 さて――確かに、私もあの神とやらに抱く好意など微塵もありません、が……」
言葉が切られる。風の音。ノエルの眼が細く、絞られていく。
「『我ら』には果たさねばならない復讐があります。
 また『我ら』の力を持ってすればあの神に後悔の念を覚えさせることも不可能ではないでしょう。
 考えてみれば、これもひとつの好機ですね。もとよりこういう作法の方が性にあっていますし――」
音もなく、剣をつかんでいるほうの腕がノエルの頭上まで持ち上げられていく。
大きくスタンスを広げ、剣を持つ右手を高く掲げ、左手を槍先の如く前へと突き出した特異な構えをとる。
「ウィル・ナイツ、それにお嬢様方。――正々堂々、殺らせていただきます」

呼びかけている間はまだ残されていた少女らしさが、掻き消えていた。
ウィルに並んでいる零の顔は冷然としたものに変じ、そこには嫌悪の感情が浮かび上がっていた。
構えを取り対決姿勢を明らかにしたノエルに動じることもない。
「……ノエルとやら、そなたも運命やら定めやらに縛られる存在か?
 おのれの万能を信じ人を見下す、空疎な自信に満ちたその姿――まったく気に入らん、気に入らんの」
決裂を認めたのだろう、ウィルには少し離れた位置にいるビューネイへとアニマが集束しているのを感じていた。
同様に、零の小さな身体を覆うようにもアニマが少しずつ集中していく。
少女はまさに氷のような微笑を浮かべていた。
「さて……想定の範囲内とはいえつまらない事になったものよ。
 ウィル・ナイツ、それにビューネイ! さあ、どう生き延びて見せようぞ?
 ……降りかかる火の粉は払わねばなるまい?」

263ゲーム好き名無しさん:2007/10/03(水) 19:39:06 ID:WYGZc9+E0
 
264ストレインジ・エンカウンターズ:2007/10/03(水) 19:39:17 ID:QEpq6oxb0
【C-3/洞窟前/午前】
【ノエル@RomancingSaGa2】
[状態]:全身に低温による軽度の痛み
[装備]:ガーラルソード @ロマンシング サガ(ミンサガ)
[道具]:双眼鏡@現実、拡声器@現実、投剣(7/10本) 、基本支給品×2
[思考]
基本:古代人への復讐を目的に優勝。それが不可能な場合、神を倒す。その為に信頼できる七英雄を探し、それ以外は殺す
1:対峙している三人の撃破
2:ロックブーケと会う
3:それ以外の七英雄と会う
4:優勝し、古代人に復讐する

【ウィル(37歳)@サガフロ2】
[装備]:飛天の鎧@サガフロ、疾風の靴@ミンサガ
[道具]:裏メモリーボード@サガフロ、荷物一式
[状態]:飛行状態(飛天の鎧)、素早さ上昇(飛天の鎧・疾風の靴)
[思考]
基本:コーデリアに会う。目の前で殺し合いが起きても知ったことじゃない。
1:離脱のタイミングを狙う。ただし零の言葉には心を動かされている
2:人外に不信感
※「ウィル対エッグ」終了後からの参戦です。
「潜入!アレクセイ一味」でコーデリアは死亡しました。
時間軸の都合でギュスターヴには一方的に面識があります。
ジニーは産まれていないので知りません。

【零姫@サガフロンティア】
[状態]:健康
[装備]:ワンダーバングル@ロマンシングサガ3、ラストリーフ@サガフロンティア2、リボン@SaGa3時空の覇者
[道具]:荷物一式
[思考]さて、まずは何処に向かったものか
基本:首輪の解除法を探す。
1:正々堂々、逃げ延びる
2:まず機械に詳しい者を捜し、協力を求む。
3:自分に関係が無ければ保身的に行動する。
【ビューネイ@ロマンシングサガ3】
[状態]:健康
[装備]:竜の眼(真)@ミンストレルソング、ゾクのハチマキ@魔界塔士サガ、
    星屑のマント@サガフロンティア1
[道具]:荷物一式
[思考]この娘……面白い。
基本:零に同行し、どこまで神や運命に抗えるか見届ける。
1:ノエルとの戦いに力を貸す?
2:零に同行。気が向けば力を貸す。
3:零が生きている間は生き残る為に力を尽くす。
※名簿は見ていません
265 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/03(水) 19:40:58 ID:QEpq6oxb0
投下終了。
多くの種族が混在しがちなサガシリーズにあって
サガフロ2って人以外の種族って直接はいないよね、そんなことから考えてみました。
266ゲーム好き名無しさん:2007/10/03(水) 20:31:05 ID:fGdvg7pq0
投下乙&GJ!
ウィルの思考に説得力があって引き込まれた。
正々堂々モードのノエルも零姫もかっこいいな。まさに人外大決戦(ウィル以外)。
しかしこうも不利だとノエルを応援したくなってくるw
267ゲーム好き名無しさん:2007/10/04(木) 00:31:55 ID:xaxy42z90
>>265
GJです。
七英雄VS四魔貴族 キタ―――――!!

ノエルは副リーダーで実力ならリーダーのワグナスより上だから
3対1でもちょうど良い位のハンデってところかな?
268ゲーム好き名無しさん:2007/10/04(木) 10:53:01 ID:u6Fv4z540
武器なしツール・クヴェルなし金属ありで今のウィルにろくな攻撃手段がねえからな…
269ゲーム好き名無しさん:2007/10/04(木) 17:22:46 ID:UgbLApXX0
なにせウィルは体術が使えない……使えなかったよね?
一応森の中の草原だから、地形効果に樹のアニマは確実にあるな。あとは石のアニマがあるかないか。
霧でも出てれば水のアニマも使えて大分選択肢が広がるんだが……。
それと飛天の鎧に術阻害効果はあるのかな?

んで術が普通に使えるとして、使えるのは次の五つだな。

ニードルショット

デルタ・ペトラ
ロックアーマー

どれもいまいちだな。
270ゲーム好き名無しさん:2007/10/04(木) 23:24:45 ID:LTWQyikm0
ところでノエルって古代人だし機械と魔法に強いよね?
零姫が探してる人材だと思うんだが
271ゲーム好き名無しさん:2007/10/04(木) 23:51:29 ID:4gxyghh40
ノエルって今、剣使ってるけど体術も同時に使えるの?
彼のカウンターは極悪だし、それの如何で戦闘能力がだいぶ変わってくると思うんだが。

まぁ、今回の戦闘では関係なさそうだけど。
272ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 00:49:50 ID:pAo6SADF0
3481 名前:やってられない名無しさん 投稿日: 2007/10/05(金) 00:03:29 ID:???O
だからゲームのシステム通りにロワをやる訳じゃないと
何ベン教えりゃ(ry

クソ低脳が
273ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 18:44:36 ID:j7y1d96t0
古代人(七英雄含む)って人間のこと短命種って呼んでたような…
まあ誤差の範囲内ですねそうですね
274ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 19:45:10 ID:uP13RJZT0
なによりも零姫がノエルの名言を奪ってくれたのが見事。
ところで、キャラによって本来のゲーム中での登場時期が違いますね。
たいていのキャラクターはゲームクリア後ですが、ウィルは中盤、たし
かジャミルに至っては本編開始前です。だとすると本来の実力最低はジ
ャミルですかね?
275 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/05(金) 19:59:33 ID:hS4pW1IZ0
>>273
ググって大体詳細を把握。直接そう言ってるのはサグザーのようですね。
必要と有れば修正いたしますが、どうでしょうか。
276ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 20:12:13 ID:jRa7ZNCf0
>>274
あんまそういうのは考えない方がいいと思うけどなあ…>ゲーム進行による強さ
本編後のユリアンだってあっさり殺られてるし関係無いんじゃ
277ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 22:26:58 ID:j7y1d96t0
>>275
いや、それやると七英雄全員の描写に関係してくるんで問題無いです。
自分で言っておいてなんなんですが。
余計な事言って申し訳無い。
278ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 22:36:26 ID:7oaky40W0
>>267
七英雄>四魔貴族なんて誰が決めたんだ?
どっちもストーリー上重要なボスなんだし、似たようなモンだろ。
279ゲーム好き名無しさん:2007/10/05(金) 23:49:26 ID:jRa7ZNCf0
ビューネイは力制限されてるのに対して、ノエルが制限されてるって描写が無いからじゃね?
まあノエルもある程度強さ抑えられてるだろうけど
280 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/06(土) 00:53:09 ID:KXotdfod0
ミルフィー、詩人を予約&投下します。
ご意見ご感想、問題あれば指摘の方を、よろしくお願いします。
281遥かなる戦いの詩を 〜トラウマ持ちの少女〜:2007/10/06(土) 00:54:05 ID:KXotdfod0
重い体を引き摺り、傷付き疲労した体を庇いながら、ミルフィーは力無くゴドンゴへの道を辿っていた。
照り付ける日の光に、更に体力を奪われているかのようだ。
途中何度も先を行く男が振り返りつつ声をかけてきたが、彼女は返事をすることすら億劫な有様だった。
それでも相変わらず、吟遊詩人は話を止めなかった。

「いやあ、いいですねえ。素晴らしいです。この一面に広がる大海原!
 私の世界の海も見事なものでしたが、この世界のものも格別です。ミルフィーさんは、海はお好きですか?
 そうそう、海と言えばこんなお話がありますよ。私のいた所には不思議な半島があってですね……
 なんと術の力で大地の鎖を断ち切り、船のように走ることができるんです!嘘じゃないですよ?
 その島は海に潜り、海底の魔物を打ち倒す為の伝説の要塞なんです。
 どうです?ロマン溢れるお話でしょう?他にもこんなのがありますよ。
 これは私が北方の地方を旅した時の話なんですが……」

ミルフィーが聞いているか否かなど気にも留めていないのだろう、男はお構いなしに一人で話を続ける。
もしくは絶えず騒々しい話をすることで彼女の神経を擦り減らすのが目的だったのかもしれないが。
そして実際、彼女は苛立っていた。
初めて見る青く美しい海、それは確かに魅力的だった。
しかしそれは同時に彼女に嫌な記憶を呼び起こす引き金となった。
ミルフィー達の住むサガ世界にも海は存在する。だがそれは異次元からの侵略の象徴だった。
大海の上に悠然と佇む水瓶から流れ出す水は、今彼女の目の前に湛えられたそれと比べて遙かに異質のもの。
それは見る者全てに恐怖と嫌悪を与えるものだった。
幼くして滅びの未来から過去へと送り込まれてきたミルフィーにとっても、それは例外ではない。
この海水が数々の大陸を侵食し、海の底へと沈めてきたこと。
湧き出す水と共に押し寄せてくるおびただしい数の魔物の群れに脅かされる日々。
魔物によって船は出せず、大陸間の交流もほとんど途絶えた。
それらの記憶は水瓶を破壊し、新たな歴史を歩み始めた今も脳裏に焼き付いて離れない。
その中でも特に強烈で鮮明なものがある。入り江の町レイ、そして海底のムーの町で目にした光景だ。
水瓶の水には人間を異次元の魔物へと作り変える働きがある。
水の力にあてられた町の人々が次々と異形のモノへと姿を変える。時を越えて旅を続けたミルフィー達は、
彼らが助けを求め、苦しみ、意識を支配される様をまざまざと見せ付けられた。
ミルフィーはその時、彼らを助けられない無力さを呪い、未来を変える決意を新たにしたのだ。
以来彼女は水そのものに少なからぬ嫌悪を抱いていた。
また、デューンやシリューのように敵の魔物の肉を食することを激しく拒絶した。
意識こそ保てても、あのサハギンになった哀れな人々を思うとモンスターに姿を変えることなど
絶対に受け入れられなかったからだ。
282遥かなる戦いの詩を 〜トラウマ持ちの少女〜:2007/10/06(土) 00:54:54 ID:KXotdfod0

「……と、まあこんな不思議な種族もいたんですよ。おや、どうやらあれが目的の町のようですね」

陰鬱な面持ちのまま歩き続け、暫くして海に面した町でようやく休息を取ることができた。
二人は人気の無い町を散策して見つけた宿屋へと入る。
簡素な造りの宿屋だったが、体を休めるには申し分無かった。
ベッドに体を横たえ、ミルフィーは一応詩人に感謝の意を伝えた。
「礼には及びません。さて、それでは私は周辺の見回りにでも行ってきますね。
 レディのお休みを邪魔しては大変だ」
詩人が姿を消すと、ミルフィーはザックに入っている名簿と残っていた支給品を見渡した。
これらの確認はすべきだとずっと考えていたのだが、オーダイと別れた後、その機会が漸く巡ってきたのだ。
これまでの言動から、あの詩人を信用しても大丈夫だとは到底思えなかった。
そしてそこで初めて、彼女は仲間達がこのゲームに参加している事を知る。
これ以上の人の死、殊に仲間の死だけはどうしても考えたくなかった。
(みんな、お願い……無事でいて……)
ザックの中から見つけたのは一振りの剣と、巨大な石造りの船だった。
(これは…ブラッドソード?でも遺跡で見つけたものとは違うみたい……)
武器の扱いが苦手なミルフィーにも、この剣は容易に扱えるらしい。
これでアシュラに応戦できていれば、手遅れになる前にジェラールを救えたかもしれない。
彼と情報交換をしている際にアシュラに不意打ちされたことを思い返し、悔やんだ。
巨大な石船は、どう見てもミルフィーの役に立ちそうには見えなかった。
(私、こんな重い物持って歩いてたの…?)
ザックから出してみて、その大きさと重さに驚く。再びこれを持ち歩くなど、とても不可能に思えた。
仕方無く石船をベッドの側に置き、剣を握り締めたまま、目を閉じた。

 * * *

ゴドンゴを出ると、詩人は逸る気持ちを抑えきれず駆け出していた。
あれほどのお膳立てをしておいてそのドラマを観ないなど考えられない事。
ミルフィーには悪いが、やはりこちらが優先だ。
それに彼女にすべきことは全て為し終えた。
これから彼女は彼女の意思で物事を決定し、運命に従うだろう。
オーダイとの約束を違えることにもなるが、これも致し方あるまい。
なるべく彼の目の届かぬよう行動するだけだ。
今はただ、新しい詩への創作意欲という衝動に突き動かされるのみ。
目深に被った布巻きの下で、男は無垢な子どものように満面の笑みを浮かべる。
喉の調子は今日も絶好調だ。

「あめんぼあかいなあえいおう!」
283遥かなる戦いの詩を 〜トラウマ持ちの少女〜:2007/10/06(土) 00:56:57 ID:KXotdfod0
【A-3/ゴドンゴ宿屋/午前】
【ミルフィー@サガ3時空の覇者】
[状態]:撃たれた部位に痛み、かなり疲労
[装備]:源氏の小手、ブラッドソード@魔界塔士サガ
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ゲームに乗らない
1:身体が回復するまで休息を取る
2:オーダイたちが心配。出来れば助けたい
3:仲間はどうしているだろうか
4:ジェラールの死に対する責任・罪の意識


【A-2/平原南東部/午前】
【詩人@RomancingSaGa3】
[状態]:健康
[装備]:妖精王のリラ@サガフロ2
[道具]:荷物一式、未確認支給品有り、矢の数は未確認
[思考]:
基本:このゲームを観劇する
1:最終状況において自分が生き残ることを最優先する
2:状況が偏るようならドラマチックになるように演出も辞さない
3:アシュラとオーダイ、ヴィクトール達の戦闘を陰から見守る
(特にオーダイには見つかりたくない)

※石船@ロマサガ2はゴドンゴの宿屋に放置されています
284ゲーム好き名無しさん:2007/10/06(土) 01:02:29 ID:KXotdfod0
以上。詩人さんはもっと早く大佐に怒られてる予定でしたが、
のんびりしてる間に離れ離れに…時間が欲しいです、神さま。
ミルフィーが水の属性持ちだということに突っ込みが入るとは思えませんが、
一応先に書いておきます。オリキャラ化と捏造の狭間にgkbr
285ゲーム好き名無しさん:2007/10/06(土) 01:50:37 ID:1y1uQEdb0
ノリノリだな詩人w
286ゲーム好き名無しさん:2007/10/06(土) 01:59:45 ID:KXotdfod0
どう考えても
『どう見てもミルフィーの役に立ちそうには見えなかった。』は
重複表現っぽいです。本当に(ry
修正ですね。
287ゲーム好き名無しさん:2007/10/06(土) 02:16:20 ID:jH+Zhed90
重複表現か?
違和感はないけど。
288ゲーム好き名無しさん:2007/10/06(土) 03:50:29 ID:5UWEk7RL0
本人が言ってんだから修正でいいだろ。
何はともあれGJ。詩人は相変わらずだなw
ゴドンゴ周りは危険な奴いないし当分この二人は安泰か?
289ゲーム好き名無しさん:2007/10/06(土) 21:19:06 ID:LSf9bP2Z0
乙。石船とはまた面白いアイテムが出てきたな。
詩人も期待を裏切らない行動してくれるしw
290ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 00:59:39 ID:2TyGTAcl0
石の船か〜 一瞬詩人の話の所為でバンガードが出てきたのかと思った
291ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 02:41:49 ID:2TyGTAcl0
>>278
う〜ん、七英雄>四魔貴族というわけじゃないんだが、昔ロマサガ2、3をやったときのイメージが

ロマサガ2
@クジンシー:絶対最初に負ける
Aボクオーン:背後を取られて水鳥剣←たぶん日本でひかっかたの俺だけ
Bロックブーケ:テンプテーション壊滅事件
Cダンターグ:力押しにより壊滅
Dスービェ:メールシュトローム!!
Eノエル:カウンターで気付いたら……
Fワグナス:サイコバインド、熱風で……

ロマサガ3
@アウナス:自然セルフバーニングって……
Aアラケス:ヤキゴテ熱い……
Bフォルネウス:メールシュトローム!!
Cビューネイ:……あれ? 負けた記憶が無い!?

グゥエイン に乗って毎回倒してるからかもしれないけど主人公一人に倒されてるイメージが……
まあ、あくまで影の話だけど、本体の場合はかなり強いが、さっきも言ったグゥエイン の印象の所為で影の方が印象が強い
その所為かビューネイってかなり弱い印象が……、しかもキングギドラ取られちゃってるし……
でもビューネイは好きなテクキャラだから頑張って欲しいのも事実なんだけどね
292ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 03:18:24 ID:JuoYdT+DO
293ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 13:44:23 ID:1luGnhu80
クソ低脳ですってよ。
しかし低脳って何だろ、低能だろ普通は
294ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 14:01:35 ID:b3xgvEe90
コピペに(ry

wiki弄ったから変だったら修正してね。
ダンターグとオーベルベンドの名誉はこれで守られたと一応思う。
295ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 16:52:36 ID:6En4GwGF0
名前間違えられやすいツートップかw
修正乙。
296 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/07(日) 18:57:34 ID:pESDKYoN0
新作乙です。
詩人って深く考えているようでものすごく行き当たりばったりだよね、何か。
石船は……もう誰にも拾って貰えない気がするけれど防御力はものすごいはず。

>>277
いえいえどうも。
ゲーム中で印象がないのはだいたいみんな皇帝!って言うからなんですよね。
297ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 20:28:23 ID:71GUI9O30
溶岩の上を平然と移動できるから熱耐性もすごいだろうな
あとこれ水に浮かべて普通の船としては使えんのか?
298ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 20:57:58 ID:NY5bu73z0
そういや溶岩に浮く舟は水にも浮くもんなのか?
もし浮かないようなら鉄鉱石製ってことにして黒鋼の武器でも……
299ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 21:13:10 ID:2TyGTAcl0
いや、それで武器作っちゃたら…… いま忘れ去られそうになてっる。孤島で待ってる奴が……
300ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 21:18:40 ID:2TyGTAcl0
あっ、何か日本語が変になってるorz

>>292-293
すまん。どうしてもゲームの印象って抜けないな〜
301ゲーム好き名無しさん:2007/10/08(月) 01:10:29 ID:8nTgRX/s0
よし、もうそろそろ良いかな

没作品投下スレで、おまけ『ロワサガの裏側・ロマサガ3編』を投下して置きますね

冗談が分かる方だけお願いします。たぶん真面目な方だと不謹慎極まりないと言われそう……

ロマサガ3編となってますが、他のサガはたぶんやらないと思う
(というか出来ないと思う)


302ゲーム好き名無しさん:2007/10/08(月) 01:27:30 ID:bIvQ5Z7v0
ビューネイの設定で提案があるんだが
実は多彩な青龍術が使える、というのはどうだろ?
元々グラフィックが術士っぽいし、武器を使いそうにないし
辻褄合わせるとすれば主人公と戦ったときに
勝手に覚えたとか、そんな感じにすればよくないか?
303ゲーム好き名無しさん:2007/10/08(月) 01:36:51 ID:IXD1EVu50
>>300
低脳といえばフーゴさんの得意なセリフじゃないか
304ゲーム好き名無しさん:2007/10/08(月) 14:59:20 ID:NUe31dDZO
牽制の意味も込めて。
男2人が洞窟に閉じ込められたらする事は…一つ!

VNT「ランタンは…っと
ガラハアッード「それは私のアイスソードだ
305ゲーム好き名無しさん:2007/10/08(月) 16:11:35 ID:K6CKsKJW0
アッーイスソード
306 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/08(月) 23:18:34 ID:t90eWkex0
かみ、オーベルベンド、ポルナレフ、レオン、レッドを予約します。
扱いが難しいのは承知してます、一応。
307ゲーム好き名無しさん:2007/10/09(火) 00:09:54 ID:8nTgRX/s0
おまけ『ロワサガの裏側・ロマサガ3編』を書いたものだけど
さすがに悪ふざけがすぎたせいか誰も感想いってくれね―――!!
反省orz
308ゲーム好き名無しさん:2007/10/09(火) 00:34:33 ID:YUFgG5Rs0
かみ予約?!
これは期待。
309ゲーム好き名無しさん:2007/10/09(火) 00:54:14 ID:7jAG7SP80
本当だ、何気にスゲーのが予約されてる……
ところでまた、全部ひらがなで喋るのか……
310ゲーム好き名無しさん:2007/10/09(火) 01:05:21 ID:wJnrz2sI0
>>306
それって主催がロワ内のバトルに関わるわけじゃないよね?
311 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/09(火) 01:34:59 ID:wyAlPsryO
>>310
荒木じゃあるまいしw
312オープニング書いた人:2007/10/09(火) 02:16:33 ID:Wsb3922y0
何かかみの平仮名しゃべりは不評なようで。すいませんでした。
>>311
期待してます
313ゲーム好き名無しさん:2007/10/09(火) 02:39:28 ID:uPL+cPiB0
ところでみなさん、一時投下スレのあれはご覧になりましたか?
自分的には結構ありだと思うのですが。
314ゲーム好き名無しさん:2007/10/09(火) 02:47:55 ID:YUFgG5Rs0
一時投下?没スレじゃなくて?
ネタを思い付いた人が投下するのはいいんじゃないの。
ギャグ物だと感想が付くかどうかは笑いのツボが合うかどうかだから、反応少なくてもそれはしょうがない。

かみの平仮名喋りは原作の雰囲気出てて好きだw
今後放送とかで長台詞増えると、漢字使いたくなりそうだが。
315ゲーム好き名無しさん:2007/10/10(水) 23:46:55 ID:JZwOLi2xO
おい レスが たんねーぞっ!

開始前のノリは何処へ…
316ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 00:24:50 ID:p7/U04c60
逆に考えるんだ!! みんな話を考えるのに忙しすぎてレスできないんだ!!
317ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 00:54:19 ID:QYOK81pQO
>>316
それはつまり、書き手しか(ry
318ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 12:46:02 ID:DWHY1MLK0
ぶっちゃけFFDQロワと住人も内容も被ってそうな感じだ
319ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 15:33:45 ID:6K/iDc6w0
おすすめ2ちゃんねる見る限りそうでもないと思う俺が通りますよ
320 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/11(木) 21:28:30 ID:l2vpX/mK0
申し訳無い。自分の作品の中では比較的長めになってしまったので、
二作に分けて投下しようと思うんだけど、二作目がまだ書き上がってない…

延長のシステムって決まってたんだっけ…?
321ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 21:50:51 ID:l2vpX/mK0
とりあえず先に一作目だけでも投下しておきます。
322Debug −予想外の事態とその対処−:2007/10/11(木) 21:54:07 ID:l2vpX/mK0


             誰かが言った。

『1つの作品を作り出すためには、いろいろなものを犠牲にしていかなくてはいけない』と――。


今日は諸君にこのゲームの裏側を少しだけ見せよう。
真っ暗で何も無い空間。そう、我々がゲーム開始時に目にしたあの空間だ。
その空間に突如、テーブルと椅子が現れる。
いや、それは既にずっと以前からそこに存在していたのかもしれない。
ただ私やあなたの目に入らなかっただけで。
並べられた何の変哲も無いテーブルと椅子。
木製の、何処にでもありそうな、至極普通のテーブルと椅子だ。
視点を移すと、テーブルの上に起動中のノートパソコンが一台置かれているのがわかる。
何故こんな所にノートパソコンが?と疑問に思うだろうか。もう少し近付いてみよう。
目を凝らすとディスプレイに何かが映し出されているのが見えるはずだ。
少しの間を置きながら連続的に切り替わる映像の数々。
それは今まさに闘いを始めんと武器を構え対峙する者たちの姿だったり、
標的を射抜こうと弓を引き絞る女性の思い詰めた表情だったり、
廃墟と化し燃え上がる町の光景だったりと、様々だ。
おっと、もう少し見ていたいが、この席を譲らねばならないようだ。

機嫌の良さそうな素振りをしながら礼服に身を包んだ男がこちらに向かってくる。
シルクハットの広い鍔に隠されてその表情を窺い知ることはできないが。
彼こそが、この空間の主にしてゲームの主催者、全知全能の創造主たる神だ。
その右手にはコーヒーカップが握られている。中には入れたてのコーヒーが。
神はノートパソコンの脇にカップを置くと、椅子を引き、腰掛けた。
画面の中では相変わらず参加者たちの姿や会場の様子が浮かんでは消えている。
それを見て彼は微笑み、まだ湯気の立つコーヒーを口へと運んだ。

「・・・・みなさん がんばっているようですね。だいいちほうそうがたのしみですよ」
323Debug −予想外の事態とその対処−:2007/10/11(木) 21:55:35 ID:l2vpX/mK0

ふと、何かに気付いたようにして顔を上げると、神が呟く。
「……こうやって話す方が標準的でわかりやすいですかね?
 それにしても面白そうな展開になってきました。
 早速首輪を外したい困った人達もいるみたいですが…まあいいでしょう」
神は足を組み、両手の指を交差させ、実にゆったりとした態度で映像を眺める。
死体の傍に佇む者、息を荒げて森を駆け抜ける者、離島を目指して海を進む者…
一際強い興味の籠った視線が、画面の中のある人物へと向けられた。かつて自分を打ち倒した存在。
本来神にとって、参加者は皆一様に「ゲームの登場人物」でしかないはず。
そこには何の区別も、価値も、ましてや感情など存在するはずもなかった…のだが。
「いけませんね……主催者が参加者に私的な感情を抱くなど、公平性を欠く恐れがある。
 少し、『時間』の中に身を置き過ぎましたか。こうして物事を反省するまでになってしまうとは…。
 しかし、彼らが再び私のもとへ辿り着けるかどうか。
 何しろ死すべき運命を背負った、ちっぽけな存在ですからね。
 ……いずれにせよ、活躍は楽しみです。」
神は口元を歪ませながら自分の行き過ぎた態度を戒める。
優勝者が出れば、当然そのままゲームを終えなければならない。
塔では冒険者たちにあれこれと助言を与えずにはいられなかったが、それも自重する。
しかし、神の内に不思議な感情が湧き起こる。それは塔の中で感じた倦厭感とも、
ゲームを生き抜いた彼らに対する感動とも違った類のものだった。

ここからは私の推測にすぎないが、神の抱いた感情とは以下のようなものではないだろうか。
終わりへの期待感。始まりの記憶を持たない神が初めて感じた、
その身を滅ぼされるかもしれないという期待。
それは回転する刃に身を引き裂かれて以来、絶えず思考し続けてきた対象だった。
終焉の可能性を模索するうちに、彼はこのゲームへと思い至った。
一応の開催動機は恐らくそれである。
当然、ゲームをするからにはルール通りに進行される必要がある。
かと言って、神はそれを義務に感じている訳ではなく、
それが彼にとって魅力的な選択肢だったから、ただそれだけだ。
それはつまり、このゲームが神にとって唯一の選択肢だったこととの理由だとも考えられる。
…こんな推測は、当の本人に「考えてみたこともありません」と一笑に付されるのかもしれないが。

神は懐から一冊の本を取り出し、ページをめくる。
そこにはゲームから退場した者たちの名とその死の詳細が記されている。
この行為の意図を想像するのは難しい。放送前のメモ、といったところか。
再び、神は何かを思い出したような素振りを見せる。
「ああそうだ、客人を待たせていたのをすっかり忘れていました」
そう言うと神は本を置き、体を起こして椅子から立ち上がる。
次の瞬間、その姿は何処にも見当たらなくなった。
テーブルと椅子だけが残され、やがてそれも見えなくなる。
324Debug −予想外の事態とその対処−:2007/10/11(木) 21:57:41 ID:l2vpX/mK0


     『神はぜんまいを巻いた。彼はその機械に油を注す』


なおも続く計算外の事態に、レオン・バーガンディは困惑と後悔との入り混じった複雑な感情に呑まれていた。
先ほど潜り抜けてきたドアに目をやる。追っ手は完全に撒いたはずだが、ここは?
このドアの説明書きには確か、「会場内で行った事のある場所に自由に移動できる」とあったはずだ。
会場内…?ようやく理解したレオンは脱力する。自分はまだこの会場内を全く移動していない。
だが、そこからの推理は早かった。
自分が何をして今どこにいるのか、これからどんな状況が予想されるか。
心構えができると、レオンは辺りを窺った。
……程無くして、闇の中から「彼」が現れた――。

「やっときましたね。おめでとう! ここにたどりついたのは きみがはじめてです」

ゲームの開始を宣言した時と同様に、両腕を大きく広げて現れた神はレオンに祝福の言葉を述べる。
しかし大袈裟に首を傾げると、そう言うには少し早過ぎますね……と付け足すように呟いた。
レオンは咄嗟に身構える。だが、武器になるようなものは一つも持ち合わせていなかった。
「お前…は、一体……」
口から漏れるのはただ当惑の言葉だけ。神はそれに返答し、説明を始める。
「質問は一切認めません。君は非正規にここへ来た。と言っても、それは私のミスです。
 君を咎めたり、ペナルティを科したりすることはありません。
 ゲーム製作者の過失で起こったことに対して、プレイヤーが責任を負うことはありませんから」
一歩、神が近付く。反射的にレオンは後ずさりしてしまう。挫いた足がズキズキと痛む。
辺境を旅して回っていた兄と違い、彼はヴァフトームの神殿で瞑想ばかりしていた人間だ。
剣の一本でもあれば闘うことも考えられただろう。しかし今は逃げ出すことを考えこそすれ、
抗う意思など持ち合わせようもなかった。おまけに相手は神を名乗る正体不明の人物。
「ふむ、これは予想外のバグですね。移動先候補にこの場所が設定されている」
気が付くと、レオンが所持していたドアは神の手元にあった。
「……これでいいでしょう。次回からはちゃんと移動先を指定して使ってくださいね。
 さて、迷惑をかけたお詫びに、君は元の場所に戻してあげましょうか。
 では今後の活躍に期待していますよ」
神の手からドアが消えると、彼は右手を掲げた。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!私は…!」
レオンが何か言いかけたが、神は構うことなく空間を歪め、彼を会場の島へと送り返した。

再び独りになった神は、闇に向かって呟いた。
「…まあ、わざとだったんですが…こうもいきなり使われるとは。それが予想外でしたね。
 でも、二度目はありませんよ。いきなりラストバトル、というゲームも面白そうなんですが……」
「それにしても、おかしな格好ですね」
神はその口元に穏やかな笑みを浮かべた。


     『神はサイコロ遊びをする。彼自身にも予測不可能なサイコロ遊びを』

325ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 21:58:15 ID:FAD0ZHZH0
 
326Debug −予想外の事態とその対処−:2007/10/11(木) 21:58:30 ID:l2vpX/mK0

【?-?/ゲーム開始時の空間/午前】
【かみ@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:なし
[道具]:ノートパソコン@現実? コーヒー@SaGa3
死亡者名簿@SaGa ディアナの支給品 町長の支給品
[状態]:正常
[思考]
基本:ゲームの鑑賞、参加者の監視、問題の解決
1:ゲームを鑑賞する
2:ゲームにとって致命的な問題への対処をする
(ゲームの進行に干渉しない程度に)
3:ゲームを面白くする為に演出をする(同上)
4:参加者や会場の監視、及び死亡者の記録
5:ゲームに乗らない者や首輪を外そうとする者に関して、
今のところ手を下すつもりはない(無理矢理外そうとする者を除く)
[備考]:バラバラになった後からのゲーム開催。どういう訳か生きているようです

【D-2/森北西の入口/午前】
【レオン@アンリミテッド:サガ】
[装備]:怪傑ロビンの衣装(頭巾、マスク、マント)@ロマサガ3
[道具]:荷物一式、ドア(あと2回使用可能)@SaGa2
[状態]:左足捻挫
[思考]
基本:神を利用できるかどうか見極めつつ、他の参加者を味方に付ける
1:神とアロン島の情報を得る。知っていそうな人間男を探したい
2:自分の本性を知っている者は殺す。キャッシュは可能なら丸め込む
3:突然の真実に触れ、困惑
[備考]:ヴェント・ヒロユキを知っているかどうかは後の書き手に任せます。
参戦タイミングはカオスルーラーに取り込まれた直後です。
327 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/11(木) 22:03:14 ID:l2vpX/mK0
以上です。色んな矛盾、問題が予想されると思うので、
忌憚無いご意見、ご指摘のほど、お願いします。

>>312>>314
平仮名一本で行きたかったけど俺じゃ力不足だった…すまぬ。
328ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 23:30:56 ID:TbTp2bsh0
結構ぶっ飛んでるけど、面白く繋げられそうな展開が来たな。
先が期待できる。

>>318
住人はむしろDQロワとかぶってる。
329ゲーム好き名無しさん:2007/10/11(木) 23:33:54 ID:oSJi3taO0
GJ!
オープニングでかみを平仮名喋りさせたの俺だけど、こっちの方がいいと思う。
上手くやればドアが面白いアイテムに化けそうだ。
後編の方も期待。
330 ◆oHCPL1DFHs :2007/10/12(金) 00:13:36 ID:vQE6NMR+0
あまり自信が無かったので、したらばに一時投下しました。
少々問題のある作品ですがいかがでしょうか。
331ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 00:27:50 ID:uwp9sN6O0
申し訳ないが、この剣についてはよく知らないもんで何ともいえん。
それ以外はおかしい箇所も無いと思うし、その剣さえ問題無ければ通しでいいんじゃない。
誰か、詳しい人、頼む
332ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 02:15:38 ID:rqOBa8CU0
やっぱサガ好きはDQ好きなやつ多いかなー?
333ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 02:52:04 ID:lEFRYIEzO
おお、2本も投下来てる。
しかも◆5s6UnGWy/w氏のはまだ続きがあるようで楽しみ。
ドアって最初の場所行けるんじゃね?とちょっと考えてたので、同じこと考えてた人がいてニヤリとした。
雰囲気もいいし、神の心理考察も面白い。
考察してる「私」が無性に気になったんだけど、単なる形式的な語り手なのかな?

◆oHCPL1DFHs氏のは支給品の扱いが焦点か。
幻魔相破はよく覚えてなかったので攻略サイトで調べた。
・待機中に直接攻撃(斬打突)を受けると自動反撃
・受けた攻撃でHPが0になっていても反撃は発動、威力は通常よりUP
・更に受けた攻撃でLPが0になっていても反撃は発動、威力はもっとUP
・対象に気絶効果
だそうだから、作中で原作と違うのは射撃に反撃した部分のみ。
で、既に死んでる使用者の体を敵の所まで動かして攻撃させるほどの力があるかは…
どういう設定の武器だったか覚えてない+資料がないので何とも言えん。
自動反撃は剣だけが勝手に動くのか、持ち主の手も一緒に動かすもんなのかも含めて、
フロ1の資料が手元にある人いたら教えてほしい。

元々システムで処理してる戦闘に理屈をつけなきゃいけないゲーム系二次創作である以上、
システムを多少無視
334ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 02:54:23 ID:lEFRYIEzO
途中で切れた。

システムを多少無視するのはあり、というのが私見。
ただし、システムに拘らないのなら設定が拠り所になるから、
設定無視になるのならいただけない。
335ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 03:50:09 ID:9b5JE0OC0
わからんが、ゲームのグラフィックでは受けた攻撃で気絶して幻魔相破が発動すると、
肉体から幻魔を持った分身だか幽霊だかが現れて、そいつが自動反撃するようになってる。
もちろんLPが0になった状態も同じである。設定面に関してはわからん。

突属性とはいえ射撃攻撃には本来反撃できないわけだが、まあその点はアリだと思う。
しかし欲を言えばその点を踏まえて改定を加えてほしい、というのも本音ではある。
えらい都合の良い話だが。
336ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 19:58:02 ID:rFeb3KBf0
>>330
あくまで個人的意見ながら、ストーリー的には〇だけどシステム的には×。

むしろ意図せぬ自動反撃だからこそ簡単でない距離を乗り越えての反撃というのに納得できない。
乱戦でかなり近い距離から撃たれて、とか
ジャミルがクローディアに対して突撃して間合いを詰めにかかってる最中に撃たれて――
とかなら射撃に対するカウンター発動も容認できるし、
例えば明確に敵対関係のある戦闘で、意地でもこいつは倒さなければという決意を背景に
簡単でない距離を飛び越えてカウンターってのは勢い+補正×2でOKできてしまう気がする。

効果や能力の拡張をシステム的に出来ないからと否定する気はない。
もやもやしたものを上手く言葉に出来ないんだけど、
本人の意思に関わらない幻魔による自動死亡補正みたいなのが
自分が受け入れられなかった点。


展開自体は面白いし距離の問題さえなければまったくOKなんだけど、
微妙な問題を含む作品だからこそやや厳しめに意見しました。



337ゲーム好き名無しさん:2007/10/12(金) 21:16:55 ID:e3q9gxfj0
これは没だろ常識的に考えて・・・
338 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/12(金) 22:13:23 ID:T1ixeGxn0
今日中の投下は難しいです。
キャラ拘束してすみません。予約はお構いなく。
339ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 01:26:28 ID:hDKps7LK0
>>338
あわてず、ゆっくり、頑張ってくれ!!

>>330
とりあえず、ジャミルがクローディアの殺気か何かに気が付く描写があれば問題ないのでは?
というのも無意識に攻撃しているジャミルがクローディアだとわかってる節があるし

あと距離の問題だけど、普通の弓矢で、スコープも無しに精密に首だけ打ち抜くのに
そんな遠くから狙うのは無理では?(ゲーム内では普通にしてるけど……)
意外と近くから狙ったのでは?
340ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 10:56:51 ID:+C8UwWMY0
クローディアの弓術は超人レベルですよ
341ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 11:06:28 ID:YCBMi/yV0
>>339
意味を捉え違ってたら悪いんだが、ジャミルはクローディアを知らないぞ
人を殺したくないって意志が働いて手加減したんだと思う

それとこの前作品に「首筋を確実に狙える瞬速の矢」って表現されてたから
一応可能って事にはなってる


しかし首輪あるのに首打ち抜けるかね
342ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 11:52:33 ID:zxQJ89UV0
首輪が細ければ問題ない
343ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 12:02:35 ID:/oQU9aY50
首くらい打ち抜けるだろ。さすがにそこまで太くないだろうし…。
そんなん言ったら首を切ったりもできなくなる
344 ◆oHCPL1DFHs :2007/10/13(土) 18:46:04 ID:PJPXAuj+0
う〜ん、頑張って改定しても、ぎりぎりのラインそうですね。
今回は自分でも微妙と思っていたので、さくっと没ってことで。
皆さん、意見ありがとうございました。
345ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 18:47:00 ID:GO4s02vD0
とりあえず議論スレの事も忘れないであげてください…

>>330
クローディア背負ってるハズなのに別々の場所にいるよw
346ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 20:13:18 ID:iUxcbuO30
>>344
今回は残念でした。
展開そのものは問題なくよくできていたと思うので、次はきっと。
347ゲーム好き名無しさん:2007/10/13(土) 20:36:52 ID:hDKps7LK0
>>344
う〜ん、残念!!
348ゲーム好き名無しさん:2007/10/14(日) 00:05:06 ID:eNwuOo0yO
まあこれに懲りず、また投下して下さい
349ゲーム好き名無しさん:2007/10/14(日) 01:55:44 ID:L4XdgyUs0
没らせません、勝つまでは
350ゲーム好き名無しさん:2007/10/14(日) 23:28:53 ID:Ycoc3N750
おいおい一日レスがねーじゃねかよ
こういう時は

「乱れ雪月花――――!!」

と好きな技を叫んでみる!!
351 ◆ymBYNMMH4k :2007/10/15(月) 00:39:22 ID:AWsnEUpx0
便乗して
「ミリオンダラー!」
ボス戦では殆ど使わないけどなんか好きだ。とくにロマサガ3のが印象に残ってる。

ついでに、
ロックブーケ、ヌアージ、先生、ジニー、レオニードを予約します。
352 ◆ymBYNMMH4k :2007/10/15(月) 00:41:10 ID:AWsnEUpx0
sage忘れごめん……
353ゲーム好き名無しさん:2007/10/15(月) 01:26:36 ID:Leugi04v0
>>352
期待してます!!

しかし予約が来るとは必殺技って叫んでみるもんだな〜
354ゲーム好き名無しさん:2007/10/16(火) 13:17:57 ID:XY+rJ9kQ0
>>352
期待して待ってます。
やっとレオニードが動くか。7話以来だからかなり久しぶりだなw
355ゲーム好き名無しさん:2007/10/17(水) 19:36:52 ID:lSUBr53J0
「活殺獣閃衝――!」

レオニードって一応マーダーだったっけ。
しかし伯爵はアシュラに相性勝ちできるんだよね。
356 ◆ymBYNMMH4k :2007/10/18(木) 00:29:36 ID:Ubb2XGkx0
最近こんなのばっかりだけど、
完成していない上に、しばらく書く時間がつくれそうにないので破棄します。
キャラを拘束してしまって本当にすまない。
357ゲーム好き名無しさん:2007/10/18(木) 01:20:13 ID:NvDrr8dV0
破棄か…残念。
次回作を楽しみに待ってます。
最近は忙しい書き手さん多いのかな。他の書き手さんも頑張って下さい。
358ゲーム好き名無しさん:2007/10/19(金) 23:16:54 ID:nCR5t0YXO
レス伸びてないから

『ブライトナックルー!!』

レッド固有技を叫んでみた
変身ヒーローは扱いにくいのかな
359ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 00:16:57 ID:RibeqZ7qO BE:8518447-2BP(4430)
叫びたくても叫べないGB好き涙目


とりあえず
「七支刀」(全体攻撃)
360ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 08:59:12 ID:2WWBSWpE0
変身ヒーローとはいえ、各作品のボスキャラと
一対一で対等に戦ったら萎えるかなやっぱり?
361ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 12:28:00 ID:P3NCp9m00
レオン→どう見てもアルカイザーの勝ちです本当に(ry
ビューネイ、フォル→アビスの力が使えない設定(多分フォルも)だし問題なさそう
クジンシー→ソウルスティール封じられれば勝てそうな気はする
ロックブーケ→身体能力はそんなに高くないイマゲ、魅了されると思うけどな
ノエル、ダンターグ、アシュラ→能力が多少制限されてるとするか、負傷してるならあり
メタルブラック→レッドが原作でメタルアルカイザーと戦った時より成長したと言い張れば
かみ→ チ ェ ー ン ソ ー が あ れ ば

あくまで、ゲーム上でHPがプレイヤーキャラの何十倍単位だというのは無視して、
「人間より頑丈だけど負傷すれば動きは鈍るし急所やられれば死ぬ生き物」として扱うならこんなとこか。
人によってイメージに多少差はありそうだが。
362ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 13:30:33 ID:KUoqD8w60
能力制限されて常人と大差無いって設定だと
単純なガタイのデカさとかも一つの基準になるな。
普通の人間がアシュラやダンターグとタイマン張ろうと思わないだろうし。

つまり、ロワには小泉理論が適用されるんだよ!
363ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 13:51:10 ID:KUoqD8w60
つまりシフが(ryってこった
364ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 13:54:09 ID:4BDHjugK0
ヒーローには誘惑や即死などのステータス異常は基本的に効かないはず
変身してれば(これ重要)、七英雄ともなんとかなるかもしれない
メタルブラックはライバルという位置づけだし、互角でもいいんじゃないかな
既にメタルアルカイザーの話で度々アルカイザー意識してるシーンあるし、弱かったら説得力に欠ける

やたらめったら変身されたら弱体化くらうだろうけど、奥の手ということで
めったに変身しないなら多少強くてもアリじゃないかね
365ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 15:03:41 ID:pRmIZ0rfO
あるいは、仲間を(主にアセルス)守るために自分の命を犠牲にして助け、今際の際に正体を明かすっていうのもアリかと。ファイナルクルセイドあるし。

アセルスはそんなに弱くないとかガタガタ(ry
366ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 15:55:46 ID:0ukTICtf0
そしてアセルスにピンクタイガーの力を授けるのか
367ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 16:22:48 ID:RibeqZ7qO
この流れをまとめると


マルディアスのツフは普段はか弱い大女
しかし一度別世界に飛ばされると
塔を叩き壊し、世界をバラバラにし、海に大穴を開ける
アンリミテッドな宿命を持つ存在なのだ!
帝国も平面世界もリージョンも一撃で粉砕する
エッグなんてメじゃないぜ!
だがここは悲しき故郷、エロカールとの契約により本来の力は発揮できない…
命を賭してアルベルトを守った彼女のバルハルパワーは
常にアルベルトを見守り続けるのだ!
368ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 18:24:19 ID:DKF2eah40
>ツフは普段はか弱い大女
ダウト

ん?誰か来たようだ
369ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 19:28:48 ID:p83BeespO
「デミルーン・エコー!」
ところで質問なんだが・・・カムシーンってこのロワに出たっけ?
出てないようなら次にPC使える時にでも書いてみようかと思うんだが
370ゲーム好き名無しさん:2007/10/20(土) 19:56:03 ID:mhKfYsfA0
曲刀違いながらインペリアルクロスの最後尾に飛んでくる落月破斬はいやな思い出

>>369
3の曲刀はいまのところ一つも出ていません。
371ゲーム好き名無しさん:2007/10/22(月) 02:41:23 ID:FZItLUeb0
「地獄爪殺法!!」

>>367
ツフ>バファローマン族♀?

>>368
ダウト>ダウト族♀

>>369
カムシーン……ハリードでアイテムコンプ目指しているさい、にファティーマ姫と天秤にかけてられるアイテム

>>370
う〜ん、確かによく宮廷魔術師(女)が……
「おらの、アメジストたんが―――!!」
とか叫んだっけ

すまん、あんまりにも過疎ってたもんだから……
372 ◆m604XAkfEs :2007/10/22(月) 18:39:59 ID:AA4w0lY90
最終皇帝(男)、レッド、アセルス予約します。
新人ですががんばって書いてみます。
373ゲーム好き名無しさん:2007/10/22(月) 19:10:13 ID:EZT1Lphp0
>>372

レッドの予約、 ◆5s6UnGWy/w 氏がまだ破棄してないんじゃあ?
もう少々待ってみては??
374 ◆m604XAkfEs :2007/10/22(月) 20:09:50 ID:6wn9nbYOO
>>373
携帯から。
うわ…やってもうた…周りが見えてないorz
大変失礼しました、予約取り消します。
375 ◆5s6UnGWy/w :2007/10/22(月) 20:24:46 ID:EwqOTRWdO
予約はお構いなくどうぞ、と書いたつもりでしたが。

>>374
そう言わず是非お願いします。
大歓迎です。
376 ◆m604XAkfEs :2007/10/22(月) 20:51:26 ID:6wn9nbYOO
では、レッドを抜かして書きます。木曜の夕方までには投下出来るかと。
377ゲーム好き名無しさん:2007/10/22(月) 21:02:03 ID:EZT1Lphp0
>>375
ああっ!ちゃんと見てなくてごめんなさい。
茶々になってしまって申し訳ないです。

>>376
私の方こそ、周りが見えてなくてごめんなさい。
失礼致しました。ほんとすいません。
378ゲーム好き名無しさん:2007/10/23(火) 00:35:15 ID:vImZ6EZE0
>>376
新人書き手さんに期待!!
379ゲーム好き名無しさん:2007/10/24(水) 20:09:30 ID:AjcCdr0c0
「超重力」、で新作期待待ち。

……超重力で死ぬ人がいるとしたら、描写が凄くグロくなりそう……
380 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:25:18 ID:eAJjWwjN0
それでは投下します。


「ところでアセルス嬢、君の支給品は何だったのかな?」
そう言って自称皇帝―ニコライ・アレクサンドル・バレンヌ―は話を切り出した。
先ほどの爆発音を聞いたレッドが飛び出していき、その後の話し合いからさらに数十分後。
その数十分間、アセルスは先ほどのニコライの問いに対する回答を模索し、
ニコライはアセルスの回答を予測し自らの支給品も含めてその対応を模索していたが、
肝心な事を確認していなかった事を思い出し、冒頭の発言へと繋がる。


「これから私たちは目的を共にし、行動しようとするパーティーなのだよ。それならばお互いの
支給品がどのような物であるのかを確認することに何の支障があろうか!さあ、見せてはくれないか」
確かにニコライの発言は正しい。このような状況で行動するのなら互いの持ち物を確認し、出来ることなら
交換し合うといったことは重要だ。そうすれば自分には価値が無い物でも他人には貴重な物かもしれず、
無駄にする事も無い。さらに戦闘になった場合でもそれぞれの武器や防具の特性を活かした戦いが出来、
勝利する確率も格段に上がる。
ただし、これには大前提がある。それは

相手に自分の支給品を渡してもかまわない人物か

である。そしてアセルスにとってこの目の前にいる人物は決して信用できる人物ではない。
そんなことを考えアセルスがしばし躊躇していると、ニコライがそんなことは織り込み済みとでも
言わんばかりに発言を続ける。
「ふむ、さすがに言葉一つでは動かないか。しかしこの場合はそれが正解だよアセルス嬢。
どれだけ私が素晴らしい人物であっても、君から見れば知り合って数時間にしか過ぎない相手だ。
そんな奴に、このふざけた殺し合いの命綱とも言える支給品をホイホイ渡す阿呆など全く役に立たん!
その点で用心深く行動する君の行動は正解なのだよ」
それを聞いてアセルスはこの男への認識を少し改める。
(へぇ、一応客観的に物事を考えることも出来るのね。どこまでも自己中な奴だと思ったけど)

だがしかし。

「まぁ満点の回答は一目見ただけで私の偉大さ、高潔さに気付き、このような質問をする前に
献上することであるが。君はまだ若いから仕方の無いことではあるが、人を見る眼を磨いておいた方が
今後のためにも良いことだぞ、アセルス嬢!」

――前言撤回。やっぱり信用できない。

「じゃあどうするの?私から力ずくで奪うとでも?」
そうアセルスが挑発気味に言うと、ニコライは軽く笑いながら返答する。
「まさか!そんなことをしている間にレッド君が戻ってきたら面倒臭い事になる。このニコライ、
二対一でも負ける気はせんが無用な争いは避けたい。そのため、コレが正解だ」
そう言うとニコライは2メートル程の距離を取り、自分のバックの中から一対の弓矢を取り出し、
そのままバックをアセルスへと投げ渡した。
「やはり人の上に立つものは自ら率先して行動しなければならん!武器はさすがに抜いておくが、
この距離なら私の弓よりも君のそのバックから覗いている剣の方が速いだろう。さ、私は
行動に移したぞ、君はどうする?」
381血の束縛、魂の呪縛 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:31:04 ID:eAJjWwjN0
アセルスは考える。この男が自らを不利な状況に追い込む奴では無いことはこの短い時間からでも
十分理解できた。口ではああ言っているがこの距離でも剣を防ぐ手段があるのだろう。
それが何なのかは見当もつかないが、この際仕方ない、乗せられてやろう。
「条件があるわ。あなたの支給品を見終わってから私の支給品を渡す。それでもいい?」
「ハッハッハ、一向に構わんよ。むしろ私のバックに入っていた支給品は差し上げよう!」
さすがにこれにはアセルスも驚いたのか、唖然としている。
「……どういうこと?」
疑り深い目で見つめるアセルスに対し、さも当然と言わんばかりにニコライは答える。
「簡単な話だよ。今の私には必要ない、それだけの話だ。それより論より証拠、自分の目で見れば
納得するのではないかね?」
そう言われて慌ててアセルスが中身を確認すると、出てきたのは

香水の瓶
この二点である。

アセルスが中身を確認したのを見た上で再びニコライが語りだす。
「見てのとおり、私に支給された武器は弓。これでは両手が塞がってしまうため盾は必要ない。
それにその香水は神秘の香水と言ってね、使うと技力と術力を回復させてくれるのだが残念なことに
効果が女性限定なのだよ。よってこれも必要ない。だが君なら両方とも使えるだろう?
だから渡すのだよ、納得してくれたかねアセルス嬢」
客観的に考えれば、ニコライが言っていることの理屈は通っている。
それに剣を装備しているアセルスの守備力が心許無いのも事実だ。
だがそれでも素直に施しを受けるのが癪に障るのか、アセルスはただ貰うだけを良しとはしなかった。
それは単にニコライに借りを作りたくないからなのか、それとも体に流れる妖魔の君の血のせいなのか、
そこまでは本人にも分からない。

「わかったわ。でもわたしだけ貰いっぱなしっていうのもフェアじゃないから、私のバックに入っている
宝石を代わりにあげる。これで貸し借り無しよ」
そう言ってアセルスは自分のバックをニコライへ投げ渡す。そんなアセルスの態度に苦笑しながら
ニコライは中身を確認する。
「確かに中々の宝石、これなら代金としても申し分ない!それと…名簿が二つ?なるほど、
こちらは写真付きか。どれどれ…おお!やはりジェラール帝本人であったか!残念ながらレオン帝は
別人であったが…なんと!ヴィクトール皇太子まで本人とは!このお方の尊い犠牲のお陰で
それまで軽視されていた我が帝国の術法が飛躍的に発展するきっかけとなったのだよ!遺言と言われる
『流し切りが完全に入ったのに…』は今でも術士たちの間で語り継がれている位だからね。もっとも、
戦士の間では術士が幅を利かせる原因となった人物として評判は芳しくないが」

そんな話―アバロン新市街にヴィクトールの名が使われなかったのは帝国直参の兵達の強い反対に
あったから、逆に冥術研究所の所員達はヴィクトールの復活を目論んでいる―を聞かされても
アセルスからしてみれば関係の無いことである。ただこのまま喋り続けられても困るので、軽く
相槌を打ってはおく。
「ふーん。でもそのヴィクトールって人、腕は良かったんでしょ?なんでそこまで戦士に嫌われているの?」
「それはだね、アセルス嬢。皮肉にも彼が優れた武人であったためだよ。当代随一の使い手であったと
評されていた彼の剣技が全く通用しなかった、この事実を当時の戦士たちは認めなかった!
認めてしまえば自分たちの立場が危うくなることを恐れたために!君に分かり易く言うなら
可愛さ余って憎さ百倍といった所かな。哀しいことではあるが、しかし仕方の無いことでもある。
私の様に頭脳明晰武芸百般、歩く姿は百合の花という人物はそうはいないからね!」
382血の束縛、魂の呪縛 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:34:16 ID:eAJjWwjN0
結局最後には自画自賛にたどり着く、ニコライの話術にある意味感心していたアセルスが何気なく
空を見上げていると…突如前方から殺気が発せられた。
あまりの強烈さにアセルスの反応が遅れ死を覚悟するほどだったが、それ以上のことは起こらず
今さらながら殺気の発生源―ニコライの方へ剣を向けてみると、ニコライは名簿のある一点を
見つめている。その手は怒りのためなのか小刻みに震え、名簿の端をクシャクシャにしてしまっている。

やがてニコライが徐に口を開く。こちらを見ないまま、今までとは別人のような低い口調で。

「……アセルス。お前が探している白薔薇とかいう女を捜す手伝いはしてやろう。その代わり、
この女…クリスティーナを殺す手伝いをしてもらう」

そう言うニコライの雰囲気はとても人間とは思えないほど重く、迫力に満ちていた。
アセルスからしてみれば人間というよりも妖魔、それもかなり上級のソレに近いものを感じる。
しかし彼女には半分とはいえ妖魔の中でも最上級の血が流れており、かろうじて質問するだけの
気力は奮い立たせた。
「ちょっとまって、理由ぐらい説明してくれてもいいんじゃない?」
そうアセルスが聞くと、ニコライはあの口元しか歪ませない笑みを浮かべて答える。
「ハッ、よかろう。この女のマントの留め金を見ろ。ここに刻まれている紋章は皇帝しか使う事が
許されない物だ。私とジェラール帝の物が同じであるように。だがこの女も全く同じ紋章を身につけて
いる。そして前に言ったが私は歴代皇帝の記憶を受け継いでいるがこんな女は知らん。
つまりだ!
この女は!!
皇帝で無いにも拘らず!!!
堂々とこの神聖な紋章を身につけている!!!!
これがどれほどの罪か…お前に分かるか?…この女は死刑だ。徹頭徹尾、寸分の狂いも無く死刑だ。
それもこの私が直々に止めを刺してやる!そしてその流れ出る血を、歴代皇帝への謝罪と
鎮魂の供物としてくれよう!!」

ようやくアセルスは、先程なぜニコライから妖魔に似た気を感じたのか理解した。
この男は歪んでいるのだ。皇帝という称号に取り憑かれているといっても良い。
自分は皇帝なのだから何をしても構わない、あるいは皇帝の権威を護るため、広めるためなら
何をしても構わない、そんな態度。そして自分の為には他者を省みない。
そこが妖魔に似ているのだ。
もっとも先程の殺気から考えて、少なくともニコライの実力はセアトより遥かに格上、
元黒騎士筆頭のゾズマでも…と言う位のレベルにまで達している。アセルス自身、
妖魔化しても勝ち目は薄いと考えている。少なくとも相手の手の内が分からない現状では。
383血の束縛、魂の呪縛 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:37:20 ID:eAJjWwjN0
ならばこの提案を断ることは出来ない。
「分かったわ。でも最初に彼女から事情を聞いてから私は行動する」
しかしその答えで満足したのかニコライは先程までの口調に戻って答える。
「ああ、それでも構わないよ。どうせあんなふざけた奴の言い分など考慮する必要は無い!
それとすまなかったね、私としたことがレディの前でつい声を荒げてしまって。まあ
私の愛国心の現れと思ってくれたまえ。で、これからどうするかね?私としてはレッド君の
帰還を待って彼の支給品の確認、またあちらでなにが起こっていたのかを聞こうと思うのだが」
「私は反対ね。今すぐにでもレッド君の後を追いかけたい」
そんなアセルスの意見を聞いて、ニコライは大げさに頭に手を当てながらいかにも私悩んでます
と言わんばかりのポーズをとり、数分の後口を開いた。
「ではこうしよう。もうしばらく待てばあのかみと名乗る男が定時連絡をするようだ。
それまでレッド君が戻らなかったら彼が向かった方向に移動する。これでどうかね?」
「…分かったわ、そうしましょう」

ここで一つ謎解きをしておこう。なぜニコライはアセルスに自分の所持品を与えたか?
確かに先程のニコライの発言、それだけでも十分説明はつく。だが、ニコライには別の考えがあった。
それはそれぞれの武器の特性だ。剣を持つ者と弓を持つ者。どちらが前衛でどちらが後衛かを
説明する必要は無いだろう。そして盾はどう考えても前衛が持つ物だ。
つまりこの段階でこの二人の中での戦闘時の役割分担が自ずと決まってしまったのだ。
それは体力を温存しておきたいニコライにとっては願っても無いこと。
さらにこれはニコライも知らないことだが、アセルスの世界では弓は戦闘では殆ど使われない。
なぜなら銃というよりコンパクトで破壊力が大きく、しかもある程度の技量の差をカバーしてくれる
武器が出回っており、アセルスが無意識の内に弓を多少見くびっている点である。
しかしここにアセルスの誤算がある。しかも3つ。

一つ、ニコライの弓矢の腕。これは長い帝国の歴史の中でも五本の指に入るほどの腕前を誇る。

一つ、支給品の弓の威力。この弓の威力は戦車の砲撃と同レベルと言うふざけた弓である。

そして最も重要な一つ。
ニコライにとって武器が支給品にあるかは元々重要ではない。なぜなら彼の格闘技の実力は
間違いなく帝国史上最強であり、何より自分の手で武器…風神剣を召喚すれば済む話なのだから。
(ふ…一つの疑問を隠したければ、それ以上に大きな疑問で相手の思考をミスリードすることだ。
アセルス嬢、見事にひっかってくれて感謝するよ)
384血の束縛、魂の呪縛 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:38:55 ID:eAJjWwjN0
放送までこの場に留まる。
この二人の行動が吉と出るか凶と出るか、それは分からない。

放送を聞き、既に白薔薇が死んでいるとアセルスが気付いた時に傍にいるのがレッドなのかニコライ
なのか、あるいは二人ともいるのか。それによるアセルスの変化は?

あるいは二人がいる場所より東で起こっている戦いがこちらに飛び火することはあるのか?
その中の二名、一人は彼らの長年にわたる宿敵だった相手、一人は彼女が半妖となった遠因を作った相手。
彼らに遭遇した場合の二人の対応は?

放送が終わった後、いったい何が起こるのか。それは誰にも分からない。無論、主催者であるかみにも。



【C-2/森/午前】

【アセルス@サガフロンティア】
[装備]:ドラゴンソード@サガ2秘宝伝説、アースガード@ロマサガ3
[道具]:水以外の支給品一式×2セット、水は2人分。神秘の香水×1@ロマサガ2、写真付き名簿
[状態]:左腕に浅い傷(服の切れ端を巻いている)。ドレスは脱いだため、ブラウス+スパッツ姿
[思考]:
基本:白薔薇が生き残るよう行動する
1:ニコライに強い警戒心。放送を聞いてからレッドの元へ向かう
2:人を殺したことをレッドに知られたくない
3:ギゥンツの仲間に少し興味
4:ヴィクトールに一度会ってみたい
[備考]:闇迷宮脱出後から参戦。零姫の顔は知らない。参加者全員の名前と顔を確認。秘術が使える。
385血の束縛、魂の呪縛 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:40:13 ID:eAJjWwjN0
【ニコライ(最終皇帝男)@ロマンシングサガ2】
[状態]:健康
[装備]:よいちのゆみ@サガ2秘宝伝説、矢×80、魔女の瞳@ロマサガ3
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:最終的に勝てばよかろうなのだーッ!
1:可能な限り消耗を避ける。放送を聞いてからレッドの元へ向かう
2:クリスティーナ(最終皇帝女)を殺す
3:アセルスはいい手駒になりそうなので、真意を見極めつつ手元に置きたい
4:レッドは鉄砲玉兼アセルスへの餌として活用してやろう
[備考]:参加者全員の名前と顔を確認。そのためレオンが自分の知る人物ではないと認識。
    風術が使える。


※アースガード@ロマサガ3:25%の確率で斬打突雷を回避するガーターの一種。

※神秘の香水@ロマサガ2:パーティー内の女性全員のWP、JPを50回復してくれる。
 イーリスやネレイドも回復対象であるため、見た目女性なら問題は無いだろう。

※よいちのゆみ@サガ2秘宝伝説:サガ2における最強の重火器の一つ。その威力は
 レオパルド2(戦車)に勝るとも劣らず、しかも攻撃範囲は敵1グループ。
 
※魔女の瞳@ロマサガ3:非常に高い魔法防御を誇るアクセサリー。凝視耐性あり。
386 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 13:46:09 ID:eAJjWwjN0
以上です。
ちなみによいちのゆみの矢が多いのは、
サガ2での弓の攻撃が1回で4本の矢が表示されることと
レオパルド2並みの威力ということで
使用者の技量しだいで1〜4本の矢を同時に放てると解釈したためです。
問題があればこの考えは没でかまいません。
387ゲーム好き名無しさん:2007/10/25(木) 16:48:53 ID:b0qP6xVP0
乙!ニコライ強えー
こりゃヒューマンじゃ最強か?

ただ写真付き名簿で歴代皇帝を認識したなら、
七英雄に対して反応なしというのはどうだろう
いや心の中では考えてるのかもしれんけどw
388ゲーム好き名無しさん:2007/10/25(木) 18:05:56 ID:4IzaxKRS0
投下乙。ニコライの台詞回し難度高いw
歴代皇帝の能力も完璧に備わっててかなりの強キャラだな。
与一の弓について。矢の数は弓系攻撃全てのグラフィックがアレだし、
あの表示は命中を表現してるだけのものなんじゃないかなあと思う。個人的に。
それと戦車砲と同等の威力ってことにまで言及するとなると
後々の描写に問題が出たりしないか心配。
ガラスの剣の威力が核爆弾の倍近かったりするしw あくまで個人的意見。
ぶっ飛んだアイテムってことにしても面白いとは思うし。

>>387
七英雄云々に関しては40話を良く読むといいと思うよ。
389 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/25(木) 19:24:24 ID:O/nfCVi/0
新作乙です。
考える利己主義者って素敵。
武器については、戦車砲と同等の威力はたとえくらいに受け取っときます。個人的に。
複射の方はありです。

で、クリス、ジャミル、クローディアを予約且つ投下します。
390明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:25:31 ID:O/nfCVi/0
1.

「ああ、いやちょっと待ってくれ、クリス」
自分に差しかけた陰鬱な影を振り払うように、
俺はすでに先を急ごうとしている背中を呼び止めた。
「なんだ?」
「そういや、クリスにはなんか武器や防具は当たらなかったのか?
 さっきチェックしたってのに手ぶらだけどさ」
「ああ、それはな」
振り向いたクリスは表情を変えず、ただ虚空に数発の拳を繰り出す。
数発……多分三発。
それくらい鋭く、そして目にも留まらないパンチだった。
「武芸全般、何でも出来る――見ての通り、体術もだ。
 半端な武器よりこっちの方が信頼できるし、術でも後れを取る気はない。
 ……歴代の伝承の極みという奴だ」
「はあ〜」
バレンヌ帝国の、歴代皇帝の威信を背負って自信満々に言い切るクリスに、
ジャミルは感心したような、呆れたような吐息を吐く。
「……凄えな。
 ん〜、じゃあさ、短剣とか軽めの防具とかだったら譲ってくれないか?
 言わなかったけど俺の方は武器は武器……なんだけどな、がっかりでよ」
「残念だが短剣ではない。棍棒、いや杖かな。
 それでよければ渡すが……そんながっかりするほどの武器とは何だ?」
無駄のない所作でザックから杖を取り出しながらクリスがたずねる。
俺は待ってましたとばかりにその武器を見たときの失望と愚痴をぶちまける。
「だいたいな、殺し合いだかゲームだか知らねえけどなら武器くらい選ばせろっての。
 絶−っ対、使えもしない武器抱えて困ってる奴がいるぜ。
 それどころか一つも武器が無いとか、ハズレとか……
 とにかく、こいつを見てくれよ!」
傾いた俺のザックの口から、重そうな音を立ててそいつが地面に滑り落ちる。
それは、大型の剣――の形に切り出された、石。
いかにも値打ち物の剣の様に柄や鍔、厚めの刀身まで奇麗に整えられていることが無性に嫌味たらしい。
「な、誰が好きこのんで石の剣なんか使うかってんだよ。斬れるか!
 そのくせ重さはそこらの大型剣とタメ張るって――最悪だろ?
 これを武器だっつーなら単なるいわだって立派な武器だぜ?」 
「……まったくだな」
心底同情した風に頷くクリスに気をよくし、
俺も大げさに両手を広げて呆れたとジェスチャーをして見せる。

笑い飛ばして、杖を受け取って、歩き出す。
そう続くはずだった未来はやってこない。

空気を裂く気配、そして熱いものが俺の肩へと食い込んでくる。
崩れるバランス、脳を刺す痛み、喉からあふれる意味を為せない叫び。
森の奥、狙い撃たれた、ってのか……?
391明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:27:01 ID:O/nfCVi/0
2.

「逃げろ、クリス! 狙い、撃たれるっ!」

私の背後から。
地面に流れ出る血を吸わせながら、崩れた体勢のままで叫ぶジャミルは
多分こう言っていたのだと思う。
それをはっきりと覚えていない理由は、
肩の傷をちらりと見てそれが致命傷でないことを確認したあとはもうジャミルを見ていなかったからであり、
そして何よりもその時、私が激昂していたことが大きい。
七英雄戦の為に出来る限り戦闘は避ける。
ジャミルが言っていたことは戦略的に正しいし、
森に潜むスナイパー相手に正面突撃など愚かな選択だということもわかっている。
けれど、眼前で行われた凶行。最善など、望んでいられるか。
このようなことを見逃せるほどに、黙っていられるほどに、私は温くはない!

駆けながら、左手で術を編む。
黄色がかった光の球がそこに生じ、私はそれを森の奥へ向かって解放する。
そのアクションを終えるより早く、樹の間からまるで――
まるで幹を迂回してくるかのように矢が私めがけて飛来してきていた。
私は躊躇なく伸びたままの左手を前に出して矢に対して半身の体勢をとる。
戦闘中、攻撃は予想の範疇。
上腕部に矢が突き立つが動ければ関係ない。
この一射目を受け止めた私は一切怯むことなく放った光球の行方を追う。
確かな意志を乗せて飛ぶそれが森の中のある一点を探り出し、そこへ向かっていく。
その一点から、二射――いや、二波目が打ち出される。
地面に対し小さな角度で斜めに滑り降りてくる矢はどうやら脚を狙っているようだったが、
コースと距離、そこから割り出した攻撃のタイミングまで予測は既にできている。
――だから、いかな小細工でも私は関係なくねじ伏せる。
右手に握っている杖をある振動数で震わせながら、
そこに何か堅いものが存在しているかのように空中を強打した。
「エアロビートッ!」
振動はミート・ポイントからたちまちに空気へと伝播し、
その空間へと侵入してくる矢を迎撃して軌道をかき乱す。
すべての矢は低い軌道からさらに低く押し付けられて地面へと叩き落とされた。

攻撃の不成功が確定した瞬間と、狙撃者の小さな悲鳴は同時だった。
私は少しくぼ地になった場所へ飛び込み、その狙撃者――女をその目で捉える。
私は地面に杖をつきたて、こう言う。

「動くな!!」
392明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:28:24 ID:O/nfCVi/0
3.

むささびシュート。クイックチェッカー。
二度にわたる攻撃の成果を確認するよりも早く、正確に私を見つけ出して光の球が襲いかかってくる。
黄色を帯びた光が視界一杯に広がり――
熱くもなく、痛みもない光の中で、私は視覚を封じられた。

(視力を! しまった―――)
自然と会話する、気配を察する。
いくらそういう能力において人より優れている私でも、まったく目に頼らないことなど考えられない。
とにかく、視界を失う前の最後の情報と感じ取れる気配から
止まっていることは危険だと判断し、記憶している空間を大きく飛び退る。
矢を番えるよりも早く彼女の警告が鼓膜を振るわせる。
まるで全身を金縛りにするようなその気合に気圧されるが、何とか踏みとどまり
私は一把で大量の矢をつかみ取って弓を構える。

「そうまでして独り生き残りたいか。
 それほどの弓の技術と実行するだけの強さを持ちながら!」
「…………」
すべての失敗は、外すはずのないジャミルへの一矢を仕損じたこと。
ほんのわずか、指先が迷いに震えた。それが狙いを狂わせた。

「誰も殺していないなら――いや、この場合条件は無意味か……
 勧告は一度きり、だから心して聞いて、考えなさい。
 ……今なら、武装解除の上で投降を認めるわ」
「…………」
私は明らかに動揺していた。
だから、誤った選択――退かずに戦うという選択をしてしまった。

「もちろん指の何割かは折らせてもらうことになるけれど命は取らない。
 さあ、猶予のあるうちに行動なさい。
 最早あなたの視界も、未来も塞がれているのだから」
「このままでも、私はあなたを射抜くことが出来ます」
あながち嘘でもない。気配だけでも、私は矢を撃ちこむ事くらい出来る。
もちろん静止していてくれるなら、だけれども。
そして二度の攻撃でも止められなかったこの人を射抜ける確率は、低い。
それでも、私は――


393明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:29:01 ID:O/nfCVi/0

沈黙、膠着、緊張。
「決裂か」
相対している彼女が呟いたタイミングからわずかに遅れて突然、別の、小さな気配が地面を叩いた。
それらを合図にしたように、正面の彼女からおよそ90度ほど右側から誰かが飛び込んでくる気配。
判断の余裕はその時点で消し飛んだ。
このあたりの森の様子を必死に思い出しながら、背後にあるはずの茂みの方向へ強引に飛ぶ。
そのまま、彼女と新手の誰か、その両方を射程に納めるように引き絞っていた矢ぶすまを解き放つ。
でたらめ矢、本当の意味でのでたらめ矢。
「仲間に手ぇ出すなっ!」
識別できたのは、矢が手から離れた一刹那後。
そして、草陰に吸い込まれていく私の耳にへばりついたのも知っている彼の呻きだった。

394明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:29:52 ID:O/nfCVi/0
4(1-2)+5(2-2).

ザックが宙を舞い、アーチを描いて地面に落ちる。
それが、私と彼女の対峙に割り込んできた最初の物質だった。
悔いることがあるならそれは私が自分の安全のために守りの警戒レベルを引き上げたことだ。
動くことを放棄した様子見の数刹那。
それで、彼は死ぬことになった。

戦いの展開を知らない彼が何を考えてここに飛び込んで――
傷付いた身体に無理を言って飛び込んできたか。
それは「仲間に手ぇ出すな」、彼の最期の言葉からすべて知ることが出来る。
針でつつかれた風船みたいに彼女はその刺激に鋭敏に反応し、
番えていた無数の矢をでたらめ矢よろしく解き放っていた。
情けなくも守りに入っていた私はかすり傷程度で済んだものの、
彼女に突っ込んでいくまさに途上だった彼は数本の矢の直撃を受け、今度こそ地面に倒れ伏す。
離れていく彼女を追うことを放棄し、私は持てる限りの回復術で彼の治療を行った。
生命を繋ぎとめていられるか、可能性は五分五分……いや、そんなにあっただろうか。
私は絶望的であることを密かに悟っていながらただそう信じていたかっただけなのかもしれない。


君主が持つべき寛容と高潔、正義と慈悲に従って行動した結果。
何が悪かった、というのか。
彼を守る責任を放棄した無謀な攻めだったか?
一片の慈悲なく、情けをかけることなく追いつめて殺すべきだったか?
たとえそれが、自分を裏切るようなことであっても――?


『和解の段階は過ぎ去った』、七英雄に対しては私はそう振舞うことが出来る。
その七英雄に対してさえ、事情を知った今ではその心情を察するくらいはできる。
だがここでは、誰もが死の影に怯え生き延びようと足掻くここでは、
誰かの盾となるためには和解と理解の段階を介在させることさえ許されないのか。
思考をやめた正義の行使など虐殺と変わらないというのに?

歴代の伝承の重み――人の代表として七英雄と戦い続けてきたバレンヌの剣の輝きは、
今はまるで彼の形見の石の剣のように鈍らに、光を失って、思えた。
395明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:30:37 ID:O/nfCVi/0
6(3-2).

敵意のない、気配だった。
緊張の糸が張り詰めた状況下で、私が囮に対して矢を放たなかったのは、
皮肉にも感覚が一つ欠け落ちていたせいで向かって来る気配をより鋭敏に見分けられたからだ。
あるいは、目の見えていない私にとって地面に落ちるまでそれは囮の役に立っていなかった、とも言える。
ともかく私は彼の攻撃に反応し、
――そして、それで最初の目的を達した、はずだ。


あれから、私にとっては身近な自然の気配に何とか頼って逃げてきた。
ようやく眩んでいた目も元の能力を取り戻しつつある。
けれど、もし彼女が追いかけることを選んでいたとしたら逃げるなんて出来なかったはずだ。
そうでなかったのは、あの手強い相手が追ってこなかったのは、
治療行為を優先したからに違いない。
そうすると、もしかしたらギリギリで彼はまだ生きているかもしれない。
それは。
それは、どちらでも、構わない。
目的は達することが出来たように、思える。
最後の迷い、それはもう私を縛ることはないような気がする。
今も、人が死に追いやられるときの呻き――彼の呻き――は耳の奥で、
消えないこだまになって響いている。
そして私は、残念ながらその声に抵抗できるくらいの強さを持ち合わせているようだ。
きっと、次の機会には指先を震わせる迷いを克服してしまうだろう。
……まるで彼と一緒に、弱い自分も射殺してしまったように感じられる。
それがなぜか無性に、寂しくも思えた。


ようやくハッキリとした視界、その一点を狙い矢を一つ放つ。
普段弓矢を使うときと何も変わらず、
地面から頭を出しているターゲットの石へと寸分違わず矢は吸い込まれていった。

396明瞭と不明瞭の交差:2007/10/25(木) 19:31:27 ID:O/nfCVi/0
【F-6森入り口付近/草原/午前】
【クリスティーナ(最終皇帝女)@RomancingSaGa2】
 [道具]:荷物一式×2、蒼龍石の杖@アンサガ、カールテン@サガフロ2、確認済支給品0〜3、
     10クラウン(1クラウン×10枚)@ロマサガ2
 [状態]:左腕負傷、七英雄打倒への強い意志
 [思考]
基本:七英雄を倒す上での最善の行動をとる
1:七英雄打倒に協力してくれる仲間を探すためにウェイプへ。
2:ジェラール、ヴィクトール、レオンに会いたい
3:情け・甘さを捨て去るべきか、苦悩
 [備考]
※アンサガのレオンをロマサガ2のレオンだと考えています。
※10クラウンに体力回復効果はありません。
※T260Gはゲームに乗っていないと判断。
※クローディア(名前は知らない)をゲームに乗っていると確認

【F-6森北部/午前】
【クローディア@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[状態]:ほぼ健康
[装備]:エスパーダ・ロペラ@ロマサガMS、のばらの弓@サガフロ2、矢×10本
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ゲームに優勝する
1:必ず生きて帰る。最後の迷いは断ち切れたか?

【ジャミル@RomancingSaGa 死亡】
【残り 59人】

おまけ
蒼龍石の杖@アンサガ (正確には「獣石の杖:素材‐蒼龍石」)
木行術の術具。これだけでも初歩的な木行術、デテクトプラントとオーバーグロウスが使えます。
カールテン@サガフロ2
攻撃力自体は高めの石の剣。普通に使えばただの鈍器。以下参考記述(巻末小説より)
>その物質が秘めた本質――アニマを引き出してやらなければ、石の剣はただ重いだけの板でしかない。
 石が属性として持つ"硬い"というイメージを術として現象化させることで、
 石剣ははじめて"斬る"力を帯びるのである。
397 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/25(木) 21:22:44 ID:O/nfCVi/0
>>391 あ、「エアロビート」って、2と3混じってるよ……なんという……

完全にエアロビートのイメージで書いてしまいましたが、
「オゾンビート」に置き換えて大丈夫でしょうか。
ご意見お願いいたします。すみません。
398ゲーム好き名無しさん:2007/10/25(木) 21:58:30 ID:eV74Kwf90
おお、投下ラッシュだ。どちらの書き手さんも乙です。
最終皇帝はどっちも強いなあ・・ノエルやカタリナとも戦えそう
他の主人公系でこのくらい強いのっていないかな
399ゲーム好き名無しさん:2007/10/25(木) 22:42:18 ID:ex2JZ/dL0
最終皇帝まで来れば七英雄とあんまりスペック変わらないだろうな。
人間の姿こそしてるが中身は化け物レベルだと思う。
400 ◆m604XAkfEs :2007/10/25(木) 22:49:56 ID:bPCfX06BO
感想、ありがとうございます。いやー嬉しいw
弓の威力はバルカン砲と同等位でどうでしょうか?せめてサブマシンガンよりは強くあってほしいので。
あと、>>397さん、アンサガ未プレイなので見当違いだったらすいませんが「動くな!」はタンブラーロッドの固有技だった気が。
あるいは不動金縛りだとしたらこれまたすいません。
401ゲーム好き名無しさん:2007/10/25(木) 23:05:02 ID:Oom6NEk1O
これだけは言っておく。

いわワロタwww
402ゲーム好き名無しさん:2007/10/25(木) 23:52:38 ID:Gr92zaFx0
W最終皇帝キター!
書き手さん達乙です。

ニコライは何かもう口調だけで笑える。
曲者っぷりがいいなあ。強さも人外レベルと判明したし、ラスボスにでもなれそうな勢いだ。
アセルスの明日はどっちだ。
ヴィクトールの散々な言われっぷりが笑えるやら泣けるやらw

クリスは相変わらず正統派にかっこいい。
そしてジャミル、お疲れ。最期までいい奴だった。
決意を固めたクローディアはこれからますます強マーダーになりそうだね。
403ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 00:10:54 ID:nw6/Q0J+0
変身したレッドや融合したブルーorルージュくらいか

PS2勢がんばれw
404ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 01:04:40 ID:N2o+ehqT0
ニコライって冥の術法研究所を作ってるみたいだし
クロウエクステンドで爪装備も出来そう
シャドウサーバントで影武者犠牲にしそう
何故だろう全く更正とかしそうにない
ただ一つ言えるのは、ニコライのキャラってサガロワで一番の成功だと思う

クリスも強いよな
あっという間にクロを追い詰めるし
ジャミルが間に入らなかったらクロはやられてるっぽいし

この二人だけど使える術法が逆っぽいね

ニコライ
冥の術法研究所を作った
風神剣が使える

の点から 冥と風が使えるっぽい

クリス
ライトボール使った
矢が飛び交っているのにミサイルバリア使わなかった

の点から 天と土かな?
405ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 05:20:20 ID:ADNKDQXaO
ミサイルガードか。
406ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 07:58:25 ID:tYu36e8y0
体術がかぶってるのが惜しいな
407ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 11:50:35 ID:cbuV+R9S0
あとはイメージだとニコライは火、クリスは水か
でも合成術考えると逆のほうがいいか?
408ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 12:37:24 ID:2bHk+hQaO
ニコライがクイックタイムの話をしてたから彼が水で
クリスが火の気がする
409ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 15:28:17 ID:ZZ6bUtDt0
ところで、リヴァイヴァとかの強力な治癒術は制限がかかってて使えないんだよね?
410ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 15:29:12 ID:ZZ6bUtDt0
あ、正確には治癒術及びそれに類する補助術か。
411ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 16:06:30 ID:aYspfd3mO
水風冥・・・何というマニアックチョイス
412ゲーム好き名無しさん:2007/10/26(金) 18:11:59 ID:cbuV+R9S0
マニアックすぎるだろw

クリスはクリムゾンフレアかエリクサーか、どっちでもいけるな
413 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/10/26(金) 19:05:27 ID:utW5anpN0
>>400
その通り、「動くな!」はタンブラーロッドの固有技です。
作中でやってるのはただの威圧であって、何の効果も無いです。
紛らわしくてすみません。
414ゲーム好き名無しさん:2007/10/27(土) 12:13:02 ID:zqSqLfaY0
今さらだけど、
>零姫の顔は知らない。参加者全員の名前と顔を確認。
これって矛盾しない・・のかな?零姫を自分の知ってる零姫と同一人物かわからないってこと?
あとアセルスはレッドを小此木君と呼んでいた気がする
415ゲーム好き名無しさん:2007/10/27(土) 13:14:14 ID:2mglFMQCO
>>414
零姫が名簿に『零』だけで書かれてたら判別しにくいのでは
妖魔の剣も一緒に写ってたら解るだろうけど

レッドの事は漢字で『烈人君』って呼んでたような気がする
416ゲーム好き名無しさん:2007/10/27(土) 18:24:58 ID:7Syf4fXCO
針の城でイル坊に話を遮られたか、そもそも零の話自体聞いてないかのどちらかでは
417ゲーム好き名無しさん:2007/10/27(土) 19:32:23 ID:0z7Ypcfb0
>>415
字を知らない可能性もあるね。だから一致しない。

何人かには『ゼロ』と読まれる可能性もあるんじゃ
418ゲーム好き名無しさん:2007/10/27(土) 19:44:24 ID:Caxs0/vN0
顔は知らないってわざわざ断りがあるんだし、
存在は知ってるんだろうね
419ゲーム好き名無しさん:2007/10/27(土) 23:19:08 ID:rLEQvfh30
>>409
蘇生は完全禁止、治療は制限により効果半減となってます。

参戦時期が確定したら、それまでゲーム中の強制イベントとかで
確実に経験したであろうことと食い違うのは矛盾してる事になるよね?

術は習得してるもの以外を開発してる事もありえたっけ。
420 ◆m604XAkfEs :2007/10/28(日) 02:19:35 ID:O3LOf00mO
携帯から。遅くなってすいません。
備考の所を

針の城で零姫のことは聞いているが、顔は知らない。そもそも今は白薔薇の事が心配なので話を忘れている。

に修正します。あと、アセルスの呼び方は烈人です。此方は完璧に私のミスでした。
申し訳ありませんがどなたかWikiの修正をお願いします。
421ゲーム好き名無しさん:2007/10/28(日) 18:04:11 ID:9W6XPMNEO
ギュスターヴを書きたいんだが、内容がまとまらなくて困ってる…
書き手の人はどうやって書いてるんだろう
メモ帳に放置したまま進まんworz
422ゲーム好き名無しさん:2007/10/28(日) 20:38:02 ID:5gR9CGey0
目的をひとつに決めて、そこまで書けたら投下でいいと思う
つなぎでもちょっとした考察でもいいから
423ゲーム好き名無しさん:2007/10/28(日) 22:56:47 ID:V4jTbz260
何をさせたい・どういう状況に持ってきたいというのを思い付いたら、
キャラがそういう行動を取る理由付けを考えて、その結論に達するまでの思考を書いてみる。
それだけでも繋ぎなら1本できるよ。
…と言うと簡単そうだけど、その文章化する過程がなかなかうまくいかないのも常だよな。
ギュスの動きには期待してるので頑張ってほしい。
424ゲーム好き名無しさん:2007/10/29(月) 12:20:02 ID:Amu6XrTD0
金属で術の阻害になるのはサガフロ2勢だけでいいかな?
相手の術を鋼鉄製のギュスターヴの剣でガードしてダメージ抑えたとかナシ?
425ゲーム好き名無しさん:2007/10/29(月) 15:40:02 ID:Fan1pklu0
それは別にいいんでないかい?
元のゲームでも金属製なら武器でも術を弱体化させる効果はあったと思うぞ
426ゲーム好き名無しさん:2007/10/29(月) 18:24:53 ID:6EuVzlZF0
サガフロ2の術に対してはそれで問題なし、というか設定どおり。
金属製品を装備すると使用する術の威力が下がり、受ける効果も減る。
427ゲーム好き名無しさん:2007/10/29(月) 22:15:33 ID:xIZFG7bW0
最終皇帝男が金属製の武器使ったからって術の威力さがらないよな?
428ゲーム好き名無しさん:2007/10/29(月) 23:46:37 ID:S7RZe9Lq0
サガフロ2の術じゃなければ威力は下がらない、でいいと思う。
固有術付きのアイテムを装備したとかで違う世界の術を発動した場合、

サガフロ2キャラが異世界の術を使用→金属の影響なし
異世界のキャラがサガフロ2の術を使用→金属の影響あり

になるんじゃないかね。
アニマが関わる術かどうか、が基準だと思。
429ゲーム好き名無しさん:2007/10/30(火) 00:23:46 ID:zuo5lsE60
ギュス様が魔法に金属で対抗しようとしてアボンするかもしれんのか
強キャラもいないし、ちっと不利だがサガフロ2の連中には頑張ってもらおう
430ゲーム好き名無しさん:2007/10/30(火) 04:58:41 ID:ySF9cMnU0
一応基本全員術が使えたりアニマ感知で感覚が優れてたりしてサガフロ2の連中が優れてる面もない事はない
家の外にいてもソフィーが亡くなる瞬間がわかったり、ウィルが人ごみからエッグを感じ取ったり
初っ端に死んだサルゴンは強キャラだったと思うが相手が悪かった
431ゲーム好き名無しさん:2007/10/30(火) 08:55:57 ID:qwR/f2GLO
術に関しての確認が色々出てるのでこれも聞いてみる

最終皇帝が持ってるっぽいクイックタイムとか、ブルーかルージュが持ってる時術は無効か制限範囲内?
クイックタイムは言うまでもなく
時術の…名前忘れたけど連続攻撃出来るの凶悪だったような
432ゲーム好き名無しさん:2007/10/30(火) 14:23:14 ID:ghZBEu9d0
タイムリープは連続使用されると手も足も出ないからなあ
術者より素早ければいいけど描写が難しいし制限かも

オーバードライブは全術力消費だし見せ場としてアリじゃいかと思う
それでやられたキャラはご愁傷様だが
433ゲーム好き名無しさん:2007/10/30(火) 16:14:39 ID:Mwupl2iN0
クイックタイム・オーヴァドライブ辺りは
制限掛けて効果激減って話だった筈だが?
434ゲーム好き名無しさん:2007/10/30(火) 16:49:28 ID:v4X1XycD0
そもそも、
あの外道皇帝が他人のために大量の術力使う姿が想像できんw
クイックタイムは一人では意味無いしw
435ゲーム好き名無しさん:2007/10/31(水) 00:23:57 ID:wDn94xj40
「邪王炎殺黒点波!!」あれ?「邪王炎殺黒龍撃!!」だっけ?まあいいか

オーバードライブはともかくクイックタイムの位置づけは難しいな
原理的に両方とも自分もしくは自分達以外の時間を止めるかとてもゆっくりにする
との事だけど

オーバードライブ:自分以外の時が止まる
これなら5秒〜10秒位自分以外の時間が止まるで良いが
(ジョジョのザ・ワールドと同じ考え)

クイックタイム:術を唱えた本人と敵のみ行動できず、仲間のみ動ける
これはどういうことだろう?
@術を唱えた瞬間、自分と敵のみが時間が止まり2〜3秒の間、仲間のみが動ける
A「クイックタ―――――イム!!」と叫んでいる間だけ自分と仲間のみ時間が止まり、叫んでる本人は普通に動けない
(魔術師オーフェン方式)

@の場合クリスなら仲間を逃がす為に使いそう、ニコライは間違いなく死亡
Aの場合クリスなら何かさまになりそうだが、ニコライなら笑えそう

即死技(魔法)、蘇生技(魔法)、回復アイテム(魔法)、時間の操作など禁止事項や規制事項が多いのに
普通にソウルスティールを使っても特例として許されるクジンシーって本当に皆に愛されてるよ

久しぶりにジャンプでハンター×ハンター見たら昔、幽遊白書を見ながらロマサガ2で黒点波で敵を倒していた事をフッと思い出した僕が通りますね
436ゲーム好き名無しさん:2007/10/31(水) 02:05:47 ID:y/GFLHVT0
クイックタイムって確かすばやさ自体が上がる効果もなかったか?
437ゲーム好き名無しさん:2007/10/31(水) 12:42:29 ID:F6MT3lC10
>>435
オーヴァドライヴを仲間全員にかけた、という解釈でいい>クイックタイム
438ゲーム好き名無しさん:2007/11/01(木) 05:45:38 ID:GPBxryCiO
というか、本来は敵の行動停止は初ターンのみの副次的な物で、味方の絶対先制(皇帝が皇帝だけに専制とかけている・・・わけではない)が主眼では。
いやまあそれだけでも充分過ぎる程凶悪なんですけどね
あと、他にはBGMがイカレるくらいか
439ゲーム好き名無しさん:2007/11/01(木) 18:58:09 ID:RzFUOGyS0
そういや禁止・規制がかかっていることは公表されてない情報だよね?
やってみて初めてわかるとすると切り札失敗というケースも有あということか

>>435
ソウルスティールにも地味に制限がかかっていたりする。効果には関係ないけどね
440ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 00:34:25 ID:iwdd+SHr0
>>439
そういえばソウルスティールって吸収系の技なのに自分がダメージ喰らってたなw

そう考えるとボスキャラは何かしらの規制を受けていると考えるべきだな!!
今のところノエル、ダンターグ、アシュラも何かしら受けているかも
最終皇帝の2人もボス並の強さなのでありそう

登場人物で人外や女の子が大量に参加してる時点でロックブーケもある意味規制ありだし……
441ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 00:40:10 ID:zt8qlC4w0
回復術使いは回復量が少なくて制限に気付く描写もちらほらとあるね。
滅多に出せない大技の使い手は使ってから初めて気付くケースが多そうで、
下手すると使用が死亡フラグになるという…
クジンシーは早めに気付いただけ幸運とも言えるか。
442ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 01:55:35 ID:zt8qlC4w0
ネタ出しの参考になるかと思って現状まとめ作ってみた。

■詩人
アシュラ戦を見届けるためにオーダイ達を追う。A-2南東部(ゴドンゴすぐ外)から西へ移動中。

■アシュラvsオーダイ&ヴィクトール&シフ&ケンイチ&ミレイユ&アルベルト
A-2南部にて接触、これから戦闘開始。
ミレイユは戦況によっては寝返る気満々。

■ミルフィー
ゴドンゴの宿屋にて休息中。

■ルージュ&ヨハン
気絶&ぐるぐる巻きのヨハンをルージュが捕虜にした状態。
位置はB-3、すぐ近くにメイレンの死体。

■ニコライ&アセルス
C-2の森の中にて放送待ち。その後レッドを探しに向かう予定。

■ノエルvsビューネイ&零姫&ウィル
C-3洞窟前にて接触、戦闘開始。

■ホーク、コーデリア
ノエルの呼び掛けを聞き、コーデリアは偵察のため、ホークは不意打ち阻止のためピラミッドへ。
まだ遭遇していないが出会う可能性大。今ピラミッドに行ってもノエルとはすれ違い。
コーデリアはうりぼう連れ。

■クジンシー&クン=ミン
コーデリアを偵察に出してC-4で待機中。
443ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 01:56:12 ID:zt8qlC4w0
■ナイトハルト
C-6でキャッシュを殺害したところ。現状まだ死体の傍にいる。

■オーベルベンド&ポルナレフ、レッド、レオン
ベルポルコンビは休息できる場所を探しているが位置はD-1、街からは遠い。
かみに弾き返されてきたレオン、音を聞き付けたレッドがD-2におり、遭遇の可能性も?

■ギュスターヴ
D-5の森の中。白薔薇の死体を埋葬し、移動開始。首輪サンプル所持。

■ダンターグ、アーサー&アーミック、ヒロユキ&ゆきだるま、
 メタルアルカイザー&カタリナ、トーマス&フェイ&フォルネウス&ゲラ=ハ、ブルー
混戦必至のウェイプ組。
ダンターグはウェイプ西部におり、すぐそこにエロ神の死体。
ウェイプ中央部からアーアー組がそちらへ向かう。
ヒロだるま組も加勢に行こうとしているが、位置はウェイプ港近くとやや遠い。
しばらく遅れて追う形になるのがメタリナ組、ただし積極的に戦闘する気はない様子。
メタルアルカイザーには一応レオナルドを連れ出すための船を探すという目的もある。…忘れてないよね?
村外れの森(北部)にはフェイチーム、人質として残されたトーマス。その少し北に彼らから逃げたブルー。
トーマスとフォルネウスは元敵同士だが、まだ互いに気付いていない?

■女神&ジュディ
E-4川辺からガラハドを探しに行くところ。
ジュディのファミリアが役に立ちそうな役に立たなさそうな。デュラハンも一緒。

■ジニー&先生&ヌアージ&ロックブーケ
E-5でノエルの呼び掛けを聞いたが、兄の声に気付かないロックブーケ。
呼び掛けへの対応は考え中。レオニードとの遭遇は避ける方向。

■ヴェント&ガラハド
E-5の洞窟に閉じ込められ中。この洞窟って別のどっかと繋がってたっけ?

■ナルセス&サラ
洞窟前からウェイプ方面へ立ち去った。位置はまだE-5。
このまま進めば村から火の手が上がっているのを見ると思われる。慎重派チームの反応やいかに。
444ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 01:56:46 ID:zt8qlC4w0
■T260G
記憶喪失状態で復活。場所はF-7。
しかし付近にメカを知っている人物がいないという不遇さ。一番近い所で先生、次はもうウェイプ組だよ。

■エレン&グレイ
E-8、ルビィの死体の傍から離れる。行き先は未定。
昼に突入してるので、誰かと遭遇しなければこのまま放送を聞くことになると思われる。

■シリュー&コンボイ、レオナルド
GB組はゆきだるまが島に置いてきた支給品を取りにサモンで海に潜ったところ。
その島ではレオナルドが(クロスワードを解きながら?)メタルアルカイザーを待っている。
このままいけば出会いそう。

■クリス、クローディア
クリスはF-6の森入口付近。傍にジャミルの死体。今後はウェイプに向かうつもり。
そこから北へ逃げたクローディアは森の中に潜伏中。

■レオニード
放置王。動いていなければクローディアと近い位置だが、ロックブーケを追って行ったので今の位置は…?
比較的近くにいる女性キャラはロックブーケ、ジニー、クローディア、クリス、エレンといった所か。
445ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 02:05:45 ID:zt8qlC4w0
まとめてみて改めて感想:ウェイプ人口密集しすぎ。
放送までの描写が必須と思われるのはアシュラ戦、ノエル戦、ウェイプ乱戦。
次点として対応考え中のジニー組、強制送還レオン、ピラミッドに向かったホーデリア、離島組辺り?
446ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 19:58:48 ID:WcmBXSia0
まとめ乙です。3つの戦闘はどこも1VS集団戦の感じだね

即死技って普通に賭け要素があるから、外れても規制に気付かなそうな予感。
447ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 20:51:33 ID:0UOJlqC2O
まとめ乙です

>デュラハンも一緒

不覚にも激しく萌えた自分は異端
やたら可愛い気がして仕方ない


人口集中っぷり、これは人数激減フラグかな
448ゲーム好き名無しさん:2007/11/02(金) 21:51:51 ID:r0v4pf/H0
まとめ乙。アーアー組とかメタリナ組に吹いたw

それにしても集団戦多いな…
ただでさえ描写難しいそうなのに、複数あったらしばらく停滞しそうな悪寒
449ゲーム好き名無しさん:2007/11/06(火) 18:53:45 ID:/f5Q5o6P0
HOLD
450ゲーム好き名無しさん:2007/11/08(木) 00:54:11 ID:rrVAsU9l0
インペリアルクロース!! って必殺技じゃね〜

最近過疎理気味、もうそろそろ放送いく?
451ゲーム好き名無しさん:2007/11/08(木) 06:32:48 ID:BccPETMf0
いやまだだろ。まだ午前でどう考えても放送前に一悶着あるグループが複数あるんだ。
ここを乗り切れば書き易いパートが増えるんだけどな。

と無責任な事を言ってる俺は最近忙しくて投下できてない書き手…
暇ができるまでプロットは色々考えてる。
452ゲーム好き名無しさん:2007/11/09(金) 00:59:07 ID:eRRcs2Cy0
う〜ん、思ったより難産
とおまけしか書かない僕が通りますね
453 ◆kGf..YZoZg :2007/11/10(土) 00:26:37 ID:AyZHEgM+0
週末に時間が取れそうなので、
ノエル・ウィル・零姫・ビューネイで予約。

色んな所に手出しすぎて自己リレーにならずに書けるパート減ってるピンチ。
454ゲーム好き名無しさん:2007/11/10(土) 01:17:14 ID:hD9i/1cR0
期待・・・orz

ノエル強いなあ結構好きなコンビだった
455ゲーム好き名無しさん:2007/11/10(土) 02:34:30 ID:mVzauYgY0
予約が来たのって何年ぶりだろう
456ゲーム好き名無しさん:2007/11/10(土) 12:17:09 ID:fUlydMj40
おおお予約きたー!戦闘に超期待!

>>455
そんなに経ってねーよw
457ゲーム好き名無しさん:2007/11/10(土) 13:09:07 ID:b7S7dcOBO
おおっ予約来てる!期待してます〜
458ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 00:16:20 ID:jk4Kbckd0
延長・・・?
459 ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:16:19 ID:5uoFUnqy0
今回こそは期限内に仕上がる!と思ってたら最後の締めに手間取りました。
すいません、今から投下開始します。
460勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:17:14 ID:5uoFUnqy0
ウィルは油断なく、アニマの流れに意識を集中する。
場のアニマは二人の女へと収束している。術を発動する気か、とウィルは悟る。
彼女らの発する人外の気は、強大な術力を想像させるには充分なものだ。
しかし如何に強力な術士とて、術を発動させるには僅かながら時間を必要とする。
詠唱を必要とするもの、所定の動作や意識的なアニマの操作を要するものなど様々だが、いずれも一瞬とはいかない。
剣を手にしたノエルを前に術の発動を試みるなど、悠長もいいところだ。
見たところ彼女らは武器を持っていない。他に攻撃手段がないということもあるだろう。
しかしそれでも、身を守れる保証がなければ無防備に過ぎる。
彼女らが術に頼れるのは、先頭に立つウィルを味方と認識しているからに他ならない。
厄介だ、とウィルは思う。
ノエルから見ればウィルは、術を発動させようとする彼女らを守る前衛の位置。
それは即ち、最初に狙われる位置でもある。
零の言葉の通り、降り掛かる火の粉を払わねばならないのは三人とも同じこと。
ノエルを倒すつもりなら素直に共闘するのがベストの選択肢だ。それは解っている。
しかし、今ここで全力で戦うのは得策とは思えなかった。
敵の実力はよく知っている。術士が二人付いているとはいえ、ウィル自身は無手。
戦えば無傷では済まない。時間のロスにも繋がる。
コーデリアが無事な内に探し出すためにも、時間を無駄にする訳にはいかない。
それに、人ならざる者と手を携える気にはなれなかった。
零が語った言葉には、確かにウィルの心を揺らす重みがあった。認めざるを得ない力があった。
しかしそれと同時に、彼女もやはり人間とは相容れぬ人外であると感じていた。
力ある者の傲慢。一言で言えばそうなるだろうか。
運命の束縛からは、誰もが自由になれる訳ではない。
エッグとの因縁にウィルは少なからず宿命的なものを感じていたし、それを背負うのが己の役目と思っていた。
束縛への反骨だけで道を決められるほど、人間は強くもないし、感情で生きてもいない。
461勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:18:26 ID:5uoFUnqy0
ウィルは結論する。この戦いには、深入りすべきではない。
沈黙を守るビューネイの意図は掴めないままだが、ノエルと零には互いに退く気はなさそうだ。
ならば、離脱の機会は必ずある。
ノエルも敵を残したままウィルを追いはしないだろうし、零にはウィルを引き止める理由はない。
すべきことは――前線を狙おうとしてくるだろうノエルの攻撃を避け、この場を離れることだ。

三人の敵を前に、ノエルは考える。
見たところ、ウィルには攻撃の手段はない。脅威となるのは術の使い手であろう二人の女だ。
しかし前衛に立つウィルを倒すか抜き去らなければ、後衛に剣は届かない。
選択肢は、大まかに言えば三つ。
一つ。女達に術発動の猶予を与えるのを覚悟の上で、手前のウィルから倒す。
術の種類が判らない以上、これは避けたい。攻撃的でなくとも致命的な術は幾らでもあるのだ。
もう一つ。ウィルの横をすり抜けて、後衛のどちらかを狙う。
逃げた時の速度を思うと、ウィルの機動性は相当のものだ。防がれれば大きな隙を作ることになる。
最後の一つ。この場所を動かないまま、後衛の女達を狙う。
――これが現状では最上の策だ。そう結論付け、ノエルは動く。

己とウィルの間の位置へ向け、零は精神を集中する。
あれだけの自信の持ち主だ。ノエルの実力が生半なものでないだろうことは容易に想像できる。
武器も持たないウィルを正面からぶつけても、食い止められるとは思っていない。
力に勝る相手との戦いを有利に運ぶには何が必要か。――真っ向からの激突を避ける絡め手だ。
じっと構えていたノエルが、ウィルに向かい地を蹴った。
瞬間、零は準備動作を終え、術を発動する。
462勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:20:11 ID:5uoFUnqy0
それは、ほぼ一瞬の間の出来事だった。
最初に動いたのはノエル。手にした剣の切っ先を向け、姿勢を低くしてウィルに向け踏み込む。
迎え撃つように、ウィルの周囲の草が鋭い針と化してノエルの足元へ飛ぶ。
ニードルショット。森に囲まれた洞窟の前というこの場所に満ちる、樹と石のアニマを利用した術。
威力の小さい、基本的な術故に必要とするアニマも少ない。即ち、瞬間的に発動できるのだ。
足に草の針を受け、ノエルは突進を止める。しかし体勢を崩しはしない。
剣を持つ右腕で防御姿勢を取り、自由な左手を背中に回して上体を屈める。
背負ったザックの中身が、その勢いで手の届く位置まで滑り出る。
ノエルが取り出したのは一本の投剣。それを、今まさに術を発動せんとしていたビューネイに投げ付ける。
木漏れ日を受けて煌いた刃が、一瞬ビューネイの目を眩ませ、反応を遅らせた。
雷球を放とうと力を集中させていた手の甲に投剣が突き刺さる。
「くっ……!?」
ビューネイはよろめき、小さく声を上げる。
痛みに集中が途切れ、術力は放たれることなく霧散した。集まりかけていた電撃が小さく火花を散らす。
それを見届けるまでもなく、ウィルは次の動作に移っていた。
ノエルの攻撃の矛先が逸れさえすれば離脱は容易い。すかさず森へ飛び込もうと踵を返す。
零の発動した術が効果を現したのは、その瞬間だった。
彼女とウィルの間、本来ならウィルの背後であった空間に幻影が形を結ぶ。
ノエルがビューネイに狙いを定めず、ウィルに向かって来ていれば目にしていたはずの場所。
ウィルがこのタイミングで離脱を図らず、振り向いていなければ目にしなかったはずの幻影。
それは、目にした者の理性を奪い、狂乱を齎す黒猫の姿。
零が誤算に気付いた時は、既に一瞬遅かった。

「――うわああああああああ!」

ウィルは絶叫し、訳も解らず飛び掛かる。この恐慌と混乱を齎した元凶、黒猫に向かって。
しかし彼の手は空を切る。黒猫の幻は掻き消えた。
勢い余って、彼はその向こうの人影にそのまま飛び付いた。
鎧と靴に助けられた神速に反応できるはずもなく、人影――零は為す術もなく地面に押し倒される。
ウィルはなおも狂乱の雄叫びを上げ続けながら、倒れた零の細い首に手を掛ける。
それが誰であるかも解らないまま、彼は腕に力を込めた。
463勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:21:03 ID:5uoFUnqy0
「零……!」
ビューネイは自らの手に突き刺さる投剣を抜き、投げ捨てる。
一瞬のことだった。ウィルが突然狂気に陥った原因は解らない。
ノエルが術を用いた様子はないのを考えれば、零の術が暴走したといったところか。
ともあれ、ウィルを止めなければならないことは確かだった。
零は妖魔とはいえ肉体的には人間に過ぎない。彼女自身の言を信じるならば、だが。
脆弱な少女の肉体は、大の男に首を絞められなどしたらいとも簡単に器としての用を為さなくなるだろう。
傷の痛みも忘れ、ビューネイは再び術力の集中を開始する。
アビスの加護のない今の自身に使える数少ない術、サンダーボール。
ただ止めるだけの用途としては殺傷力の高すぎる術である。ウィルを傷付けることになるだろう。
しかし、ビューネイには本来、この男を助ける義理もないのだ。
止まらぬとなれば殺すことになっても構うまい。そうしなければ、零が死ぬ。

掌に集めた術力を雷として放とうと、ウィルに向け手を翳したその時。
意識の外に追い遣ってしまっていた方向から足音と殺気を感じ、ビューネイは身を翻す。
僅か一瞬の後、金属の刃がビューネイのいた場所の空を切る。
刃の切っ先はひらめいたマントの裾を僅かに切り裂いて、小さな切れ端がひらりと宙に舞う。

「避けましたか。流石です」
避けられた剣を引き、ノエルは口許だけで微笑んだ。
その表情、微塵の乱れもない呼吸、穏やかな口調からビューネイは彼の余裕を感じ取る。
足から血を流してはいるものの、痛みを感じているのかすら定かではない。
「しかし次はありません。ご覚悟を」
静かに宣告すると、ノエルは再び剣を構え直した。
ビューネイは横目で零とウィルを窺う。ウィルに押さえ付けられたまま、零はぴくりとも動かない。
464勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:22:20 ID:5uoFUnqy0
「そうか……」
深く息を吐き、ビューネイは微かな苦笑を浮かべた。
あるかも知れないと思いかけていた可能性が、やはりなかったと判ったに過ぎない。
これが在るべき結末だったのだと、ビューネイは思う。
「貴様の勝利だ。これも定めか」
「諦めたのですか?」
ノエルが疑問の表情を浮かべる。相手が本当に覚悟を決めてしまうなど、彼も思ってはいなかったろう。
「既に滅びし身。在るべき道へ帰るに過ぎぬ」
「……あちらのお嬢様とは違う考えのようだ。抗うつもりかと思っていましたが」
零を一瞥し、ノエルは小さく首を振る。
抗うつもりだった。零の眼差しを見て、定められた結末を変えられる可能性を一度は信じた。
しかしその零も、ただの人間に殺されようとしている。恐らく、ちょっとした不運が原因で。
不運とは即ち、運命だ。
やはり運命は滅びという結末を選んだのだと、ビューネイは感じ、それを受け入れたのだ。
定めに縛られる身である己が抗おうという気になどなった、それが間違い――気の迷いだったのだ。
ビューネイは静かに、自嘲の笑みを浮かべ答える。
「抗ったところで今の我が身は無力。人の子に滅ぼされるのが定めと、もとより思っていたのでな」
「それは申し訳ない。手を下すのが人ではなくて」
肩を竦めるノエルの口調に、ビューネイは僅かな興味を感じ取る。
再び滅びようとしている己には関係のないことだ。そのはずなのに、ビューネイには彼の反応が気になった。
見た目は人間と違わず、術ではなく剣を武器とする、人ならざる存在でありながら人間に似た彼が。
人間という存在に、何らかの感慨を抱いている――その理由に興味があった。

「人間という種族は確かに興味深い存在です。彼らの進歩には目を見張るものがある」
ビューネイの疑問に気付いたのか、ノエルは楽しげに話し出す。
「彼らはごく短い時間に成長し、文明と技術を目覚ましく向上させる。
百年も生きられない脆弱な生物でありながら、自分達より遥かに強大な生物にも立ち向かう。
彼らには――畏敬の念すら覚えることがあります。彼らは、私達にはない何かを持っている」
その感慨は、確かにビューネイにも覚えのあるものだった。
「何故であろうな。人がこうも成長するのは」
この不思議な男の中に、自分と通じるものをビューネイは感じ取る。それはノエルも同じであったのだろう。
いつしか二人の間には、旧知の仲間同士であるかのような空気が流れていた。
ノエルは剣を降ろさぬままで、ビューネイは掌に集めた術力を解除しないままでありながら。
465勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:23:26 ID:5uoFUnqy0
「私が思うに、彼らには時間がない故でしょう。
命短き故に、その短い時間でより多くを成し遂げようと必死に足掻く。多くを為せる己へと変わろうとする」
どこか遠くを見るような目をして話すノエルを、ビューネイは不思議な思いで眺めた。
同じように大きな力を持った人ならぬ存在。そして同じように、人間の力を思い知らされた者同士。
よく似た立場でありながら、自分は諦め、この男は立ち向かおうとしている。
その違いがどこから来るのかが気になった。
「私は……彼らが羨ましい。彼らのように変わる力、己を高める力を手に入れたい。
人間を見、人間と戦うことでそれが叶うかも知れないと考えた……だから彼を追ってきたのです」
ノエルは狂ったように叫び続けるウィルを一瞥し、失望したように一言を付け加える。
「少々、期待外れでしたが」
ああ、そうか――と、ビューネイは思う。
ノエルと自分がどう違うのか理解するには、今の言葉で充分だった。
気付いてしまえば簡単な、滑稽な答えだ。

「何だ。貴様も人間と同じではないか」
「何……と?」
ノエルの表情に、微かながら初めて揺れが生じた。
ビューネイは笑う。蔑みや憐れみ故でなく、親しみにも似たものをノエルに感じた故に。
「貴様も人間と変わりない。その変わろうとする意思、成長を求める心。貴様の言う人間そのものだ」
「……面白いことを仰る方だ」
どこか嬉しそうな表情を、ノエルは浮かべた。
「私達は種としても今の人間とは違う。彼らに言わせれば『古代人』ということになるようですが……
寿命は違えど、共通点の多い種族であることは確かです。本来ならば」
ノエルは笑みを浮かべる。しかしそれは今までの穏やかなものとは違い、冷たく酷薄な笑みだった。
「しかし私達は、人であることを捨てた」
その言葉と同時に、ノエルの纏う雰囲気が変わる。
明らかに人外のものと判る気迫が、彼の全身から立ち上る。
「かつての同胞にすら魔物と呼ばれたこの身を、人と同じと仰ったのは……貴女が初めてです」
(そうか。この男)
彼は魔貴族たるビューネイのように、今と同じだけの力を生まれ持っていた訳ではないのだ。
人間が育つのとは異なった形ではあれ、変わることを望み、力を得た結果が今の彼なのだ。
しかし、違いはそれだけか?
自分とノエルを隔てるものは、生来の力の有無というその一点だけか?
その結論も、既にビューネイの中にはあった。
466勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:25:14 ID:5uoFUnqy0
「人も魔物も、本質は変わらないのやも知れんな」
「我々も、人間と同じだと?」
「区別があると思う故に、違いが生まれるのやも知れん。貴様を見ているとそんな気がしてくる」
人を捨てたと言い、人とは異なると言い、人を羨ましいと言うノエル。
しかし彼の精神は限りなく人間的だ。変わる力を羨み、変わることを欲しているという一点に於いて。
変化を求めることは、現状の全てを受け入れることの対極だ。
そして受け入れず抗う意思を持っているのが、人間であり、零であり、このノエルなのだ。
変わろうとし変わってゆく力、受け入れず抗う力は人間だけのものではない。

「お陰で私も、気が変わった」
運命とは、受け入れんとする意思が生み出した言葉。
(私は抗えなかったのではない。抗おうとしなかったのだ)
立ち向かう力を、人間にのみ備わったものだと思っていた故に。

「私は――抗ってみせる」
手の中に集めた術力を瞬間的に練り、ビューネイは解き放つ。
死を受け入れた相手と思い、攻撃を予期していなかったろうノエルに向けて。
「な……!?」
咄嗟に剣を持つ手で防御したノエルに、雷球が叩き付けられる。
火花を散らし、鋼剣を激しい電流が駆け抜ける。苦痛に顔を歪め、ノエルは剣を取り落とした。
「さらばだノエル。いずれ再び相見えよう」
それ以上の追撃は加えず、ビューネイは地を蹴った。
今の己にノエルと一対一で、正面から戦って勝つ力がないことは解っている。
しかし、『今は』だ。人ならぬこの身にも変わる力はあるかも知れないと、今の彼女は思っている。
現に、受け入れることが全てであった己から、変化の可能性を信じる己に変わることができたではないか。
(許せ、零。貴様の意思は潰えさせん)
今は生きているのか死んでいるのかも判らない零を、一度だけ振り返る。
息があったとしても助ける余裕はない。それを少しだけ、ビューネイは苦々しく思った。
行動を共にした僅かな間に、友情や絆のようなものが芽生えたという訳ではない。
しかし彼女なら、より大きな可能性を見せてくれるのではないかと思っていた。
そして、もし彼女ともう少し共にいられたならば、自身が彼女にもっと大きな希望を見せてやりたかったと。
467勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:26:25 ID:5uoFUnqy0
走り出したビューネイの背を見て、ノエルは一瞬迷う。
恐慌状態のウィルと意識のない零に止めを刺すのは容易い。この上ない好機だ。
しかし、ビューネイをこのまま逃がすのは彼の誇りが許さなかった。
実力で負けることはなかっただろう相手を、油断故に見逃した。言い訳のしようもない慢心故の失策だ。
挽回せねば誇りは回復できないという思いが、ノエルにはあった。
敵を侮り足元を掬われた己の未熟さに打ち勝つために、ビューネイは討ち果たさねばならないという思いが。
勝利への好機か、己の誇りか――逡巡の末、彼が選んだのは誇りだった。
ノエルを人間と同じだと言った彼女の言葉が気になっていたこともある。
ウィルを追い、倒すことで手に入れられるのではないかと期待した何かを、彼女は掴んでいるのかも知れない。
今のウィルを殺したところで、それは価値ある勝利ではない。
もしここでビューネイを取り逃がし、再び巡り会うこともないまま彼女が死ねば、謎は永遠に謎のままだ。
ゲームの勝利を放棄するのではなく、確実な勝利への鍵を手に入れるため、今は追わねばならぬのだ。
ノエルは剣を拾うとビューネイを追い、森の中へと走り出す。

ふたりの魔物が森を駆ける。ひとりは逃げるため、ひとりは追うために。
しかしいずれも、向かう先は同じ。
己にとっての勝利を、勝利に繋がる鍵を手にするためにビューネイは逃げ、ノエルは追って走り続ける。
468勝利への逃走  ◆kGf..YZoZg :2007/11/13(火) 01:27:31 ID:5uoFUnqy0
どうして、こんなことになってしまったのか。
ウィルは呆然と自問する。立ち尽くす彼の足元には、力なく横たわる少女――零の姿。
ノエルの隙を見て逃げ出そうとした瞬間からの記憶がごっそり抜け落ちて、思い出そうとしても何も浮かばない。
気付いた時には零を押さえ付け、力任せに首を絞めていた。
自らが何をしているかに気付き、慌てて手を離した時には彼女は動かなくなっていた。
空白の時間に何があったかは見当も付かない。だが、自分がこの少女を手に掛けてしまったことだけは確かだ。
蒼白な顔をして横たわる彼女は、まるきり人間の、年端もゆかない少女にしか見えない。
そのことがますますウィルの罪の意識を強くした。
人外の魔力があっても、捕らえられてしまえば彼女の体格ではウィルを跳ね除けることもできなかったろう。
そして、手に掛けてしまったのがただの少女ではなく零だということが、ウィルの困惑を深くしていた。
敵意を持つ理由の微塵もない相手であれば、彼は気付いただろう。己が正気を奪われていたことに。
しかし彼の中には零への少なからぬ不信感、人外の傲慢さへの憤りが確かにあった。
それ故に、もしかしたらという思いを彼は拭い切れない。
自分は覚えてもいない間に、彼女に殺意を抱き、自らの意思で殺してしまったのではないかという疑いを。

立ち尽くすウィルは気付かない。零のアニマは、未だその身体を離れていないことに。
混乱から立ち直りきっていない彼には、それを確かめる余裕さえもなかった。
「僕は……どうすればいい?」
木々の合間に見える空へと、ウィルは問い掛ける。返るのはただ、風の音と木々のざわめきだけだった。
469ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 01:32:11 ID:ub+Q8bojO
本文投下完了です、が状態表落とそうとしたら規制食らいました。
状態表はしたらばの一時投下スレに落とします。
470ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 02:55:11 ID:9IP4JnUT0
新作GJ!
ビューネイはようやくやる気を出したか…。
大ボス対決も面白そうだが、残った二人もどう動くか楽しみだ。

ただ、ノエルの思考ちょっと変じゃね?
優勝が目的なのに他の七英雄を探すってのが。
「神を倒すのが目的で、無理なら優勝」ってなら分かるけど。
471ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 08:23:06 ID:7uXYeK0mO
七英雄も利用するだけ利用して
最終的に自分だけ優勝、という思考なら何ら問題無い。

まだ読んでないから見当違いな事書いてたらすまん
472ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 09:43:02 ID:aYnAmMDB0
新作乙。
零もなんという不運。
だが結果としてビューネイが決意を新たにしたから良かったのかな?
473ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 11:45:49 ID:E0NywJ9D0
少なくともロックブーケを殺すつもりはないだろうね

>>469久しぶりの新作乙
妹も吸血鬼におっかけられているんだよなあ・・
474ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 12:02:40 ID:IChesRs60

16 :マロン名無しさん:2007/11/09(金) 02:03:13 ID:???
     _____
   /::::::::::::::::::::::::::\〜プーン
  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\〜プーン
  |:::::::::::::;;;;;;|_|_|_|_|〜プーン
  |;;;;;;;;;;ノ∪  \,) ,,/ ヽ〜
  |::( 6∪ ー─◎─◎ )〜        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |ノ  (∵∴ ( o o)∴)〜      < ウルセー!全部自演なんだよ!
  | ∪< ∵∵   3 ∵> ムッキー!    \__________
  \        ⌒ ノ_____
    \_____/ |  | ̄ ̄\ \
___/      \   |  |    | ̄ ̄|
|:::::::/  \___ | \|  |    |__|
|:::::::| \____|つ⊂|__|__/ /
|:::::/        | ̄ ̄ ̄ ̄|  〔 ̄ ̄〕
475ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 19:41:11 ID:bB1d/3uA0
状態表、転載しておきます
476勝利への逃走 ◇kGf..YZoZg:2007/11/13(火) 19:43:37 ID:bB1d/3uA0
>>468
【C-3/洞窟前/午前】
【ウィル(37歳)@サガフロンティア2】
[状態]:飛行可能(飛天の鎧)、素早さ上昇(飛天の鎧・疾風の靴)
 混乱状態(正気には戻ったが立ち直りきっておらず、冷静さは失っている)
[装備]:飛天の鎧@サガフロ、疾風の靴@ミンサガ
[道具]:裏メモリーボード@サガフロ、荷物一式
[思考]
基本:コーデリアに会う。目の前で殺し合いが起きても知ったことじゃない。
1:困惑。どうしていいかわからない

※「ウィル対エッグ」終了後からの参戦です。
「潜入!アレクセイ一味」でコーデリアは死亡しました。
時間軸の都合でギュスターヴには一方的に面識があります。
ジニーは産まれていないので知りません。


【零姫@サガフロンティア】
[状態]:窒息により意識不明、倒れた時に後頭部を打った可能性あり
[装備]:ワンダーバングル@ロマンシングサガ3、ラストリーフ@サガフロンティア2、リボン@SaGa3時空の覇者
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:首輪の解除法を探す。
1:正々堂々、逃げ延びる
2:まず機械に詳しい者を捜し、協力を求む。
3:自分に関係が無ければ保身的に行動する。
477勝利への逃走 ◇kGf..YZoZg:2007/11/13(火) 19:44:12 ID:bB1d/3uA0

【C-3/西部・森/午前】
【ビューネイ@ロマンシングサガ3】
[状態]:左手の甲に刺傷
[装備]:竜の眼(真)@ミンストレルソング、ゾクのハチマキ@魔界塔士サガ、
    星屑のマント@サガフロンティア1
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:神や運命に抗い、生き延びる。そのために力が欲しい
1:ノエルから逃げ切る
2:人間を観察し、どうすれば強くなれるかを知る
3:互いに生きていれば零と再会したい

※名簿は見ていません


【ノエル@RomancingSaGa2】
[状態]:全身に低温による軽度の痛み、右手に軽い火傷
[装備]:ガーラルソード@ロマンシング サガ(ミンサガ)
[道具]:双眼鏡@現実、拡声器@現実、投剣(7/10本) 、基本支給品×2
[思考]
基本:古代人への復讐を目的に優勝。それが不可能な場合、神を倒す。その為に信頼できる七英雄を探し、それ以外は殺す
1:ビューネイを追い、戦って倒す
2:ロックブーケと会う
3:それ以外の七英雄と会う
4:優勝し、古代人に復讐する
478ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 20:04:28 ID:bB1d/3uA0
さて、新作乙です。
客観的に見たらウィルの行動は変質者一直線です。

>>470
「本体」を有する七英雄にとって、死ぬことは(屈辱とはいえ)状態が変わるだけ
なんて風にノエルは仲間とそれ以外の死について別物と見ているのかも。
これに基いて、妹以外に対しては>>471のように使い捨てられる戦力としてカウントする
……という解釈はどうだろう
479ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 20:07:21 ID:n1wA7bwM0
言いたくないんだが、七英雄については……
死んでも本体の元へと還るだけであって、ロワ世界での死は皇帝たちとの戦いによる死と同じ、
確かに再生に時間はかかるけれど取り返しのつかない死ではないのではないのか?
480ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 20:14:02 ID:bB1d/3uA0
そのへんはなんも決まってないし、七英雄自体の設定のわからない部分にも関わるしなあ。

普通に>>479の通りかもしれないし、
零姫が危惧したように精神/魂のレベルで捕らわれて逃げられないのかも知れん
いずれにせよ七英雄当人にもそこんとこがどうなってるかを気付く方法はないし、
一回死んでリタイアした奴がそのあとロワ自体に関わることは不可能なのは間違いない。
481ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 22:00:16 ID:exLMo32Z0
とりあえずロックブーケが倒されると殺らせていただきますモードになるんだし
優勝狙いはおかしくないか
482ゲーム好き名無しさん:2007/11/13(火) 22:49:27 ID:mL8cvOVw0
新作乙です!
ビューネイとノエルの対比が良かった。兄さんも姐さんも格好いい。
ところで零は気絶している様ですが、思考は「???」にしなくても良いのでしょうか?

>>470
wikiで見てみたら、ノエルの行動方針は52話(つまり前々回のノエル)から変わってた。
そこまで遡って意見貰ったほうがいいかな?混乱しそうだけど……。
483 ◆kGf..YZoZg :2007/11/14(水) 00:10:10 ID:+Ol5OYD50
ご意見ご感想、それから状態表貼り感謝です。
レスの多さにちょっとびびった。人がいるっていいなあ。

>ノエルの思考
前の話を読むと、優勝が第一目的には違いない(古代人への復讐のため)し
それが無理だった時の脱出のために七英雄を集める気のようなので、
変更はしなかったけど…どうなんだろ。
復讐は七英雄の共通の目的だから、仲間(+自分?)の命と引き換えにでもやる気なのかなと解釈。
集めるだけ集めてから優勝コースに決めた場合は「復讐のために死んで下さい」になるんかな。

>気絶中の思考
どうするのかちょっと迷った。
無事に意識が戻ることがあれば起きた直後は基本行動方針は変わってないだろうし、
スタンスがわかりやすいように残しといてみたけど、不明にしとくのが無難かな?
基本行動方針はそのままで、それ以下は???とか。
484 ◆kGf..YZoZg :2007/11/14(水) 00:14:17 ID:+Ol5OYD50
そして今になって状態表ミスってたのに気付きました。
ノエルの投剣は1本投げてそのまま放置してったので6/10本です。
485ゲーム好き名無しさん:2007/11/14(水) 00:45:39 ID:M4Ahki2a0
>>483
GJです
優勝と七英雄を集める事の矛盾についてだけど
特にないんじゃないかな?
古代人に復讐するということだけど、
「願いの際に皆で復讐したい」といえば
4人だけでなく全員復活したあげく古代人に復讐できる

また、七英雄は核の部分が共有なんだしノエル一人生きていれば
数百年後全員復活できるかもしれない

屁理屈っぽくなってスマン

あと、ビューネイ好きの俺としてはやる気になってくれたのはちょっと嬉しい
やっと名簿を見てくれそう!!
とりあえずフォルネウスと合流する方向に行くのか
自分を殺した人間どもに復讐するのか
宿命の子のサラを捕まえて再びアビスの力を手に入れるのか
楽しみです!!
486ゲーム好き名無しさん:2007/11/14(水) 22:15:42 ID:mIkkV7Tt0
サガロワwiki1万突破したね。編集してる人いつも乙です。

>>483
個人的には???の方が気絶中だと分かりやすくて有り難いので、
そんな感じでいいと思います。
487 ◆R2f2kk3lSA :2007/11/15(木) 19:35:24 ID:Y09gSgdm0
したらばの方にナイトハルトを試験投下します。無茶をやりますが…
488ゲーム好き名無しさん:2007/11/15(木) 20:42:55 ID:a7OHC1KC0
まずは投下乙。
殿下が空気になりそうだったから俺もちょっとネタ考えてたけど……
こ の 発 想 は 無 か っ た

特に異論は無いです。
489ゲーム好き名無しさん:2007/11/15(木) 21:08:49 ID:mbMeZtvrO
さすが>>487!俺に出来ない事を平然とやってのける!
そこに(ry

マジでGJ!
490ゲーム好き名無しさん:2007/11/15(木) 21:23:18 ID:mbMeZtvrO
と手放しに賛辞レスするのもなんなので……
攻撃手段の有無とか、動力とか決めておくべき事は議論すべきかと。
491ゲーム好き名無しさん:2007/11/15(木) 23:19:31 ID:0Gzorf8I0
ある程度ナハトの詳細についてはっきりさせといた方がいいだろうな
とりあえずあれってまともに運転とかできるのだろうか?
492ゲーム好き名無しさん:2007/11/15(木) 23:29:45 ID:BgjTBLDNO
したらば表示できない。
誰か転載してくれー
493ゲーム好き名無しさん:2007/11/16(金) 12:45:15 ID:Ld7AJJKQ0
>>492
ファイルシーク使ったりmobileってとこから入ったりしてみた?
一応転載しとくけど。
494運命の車輪は回り始める? ◇R2f2kk3lSA:2007/11/16(金) 12:45:55 ID:Ld7AJJKQ0

相手を先に殺さねば自分が死ぬ。だから、殺す。
一軍を指揮する将として、そんな心情を戦場の極限で動機とする一兵卒がいることは知っている。
居場所が戦場にしかないから、戦場で死ぬためにひたすら自身を戦いに駆り立てる。
そんな行き着いてしまった兵士や戦士がいる事も知っている。
けれど、そのどちらでもなく。
この狂ったゲームを悪夢と思い込み、死をもって解放されると安らいだ男を殺めたことは
まるで戦いの覚悟のない非戦闘員を斬ってしまったような後味の悪さが残った。

ナイトハルトはせめてもの黙祷を捧げて彼の形見として大剣を拾い上げ、
ある確信を持って浜辺の方へ――名も知らぬ男がやってきた方向へ、足を向けた。
見つけたものは波に洗われている死体が一つ。
外れるとは思っていなかったが、それでも予想通り過ぎる光景にナイトハルトは嘆息した。
さっき自分が殺した男が、「夢の中で」殺してしまった死体だろう。
埋葬するだけの時間の余裕がないためナイトハルトは彼にも黙祷を捧げるにとどめ、
傍らに落ちていた二つのザックに目を向けた。


それは誰もがかかる罠、というわけではない。
とはいえ貴重な食料や支給品の可能性を無視する考えを持つのは難しいところだ。
だから、事後にできることといえばナイトハルトの不運に同情するくらいだろう。

495運命の車輪は回り始める? ◇R2f2kk3lSA:2007/11/16(金) 12:46:58 ID:Ld7AJJKQ0
手近にあった死体と離れているザック、つまりは悪夢の男のものと思われる方に近づき、
ナイトハルトは中身を確かめるべくその口を開いた。

 刹那、空気が震えた――――

気がして、ナイトハルトは反射的に周囲を警戒する。
けれど、波が繰り返し打ち寄せるほかは別におかしなものは見つからない。
不思議に思いつつもザックの中身を確認する作業に立ち戻ってナイトハルトは悟ることになる。
不気味な響きが、そのザックの中からやってきていることに。

 これはなんだ。一体何が入っているというのか?

慎重な、あるいは弱気な人間なら、ここでザックを投げ出したことだろう。
けれど不幸にもナイトハルトは謎を見てみたい、確認したいという勇気を持ち合わせていた。
大きく息を吸い込み、集中を高め、
一思いにザックの奥へと手を入れて――それに触れる!



暴風と、衝撃と、機械仕掛けのような耳障りな爆音。
そのあとの少しの間の記憶は、ナイトハルトにはない。
気付いたときには、高速で移動する何かに必死にしがみついていた。


体験したことのない速さで周りの景色が後方へすっ飛んでいく。
なんとかバランスをとってしゃがんだ体勢をキープしたナイトハルト。
しかし、これから一体どうすればいいのか?

「グオオオォォォォォォォォンッッッッッ!!!!!!」

足元から、鋼鉄の馬がびりびりと肌を震わせるような唸り声を上げた。

496運命の車輪は回り始める? ◇R2f2kk3lSA:2007/11/16(金) 12:48:09 ID:Ld7AJJKQ0
【C-6/砂浜→からどこかへ向かって爆走中!/午前】
【ナイトハルト@RomancingSaGaMS】
[状態]:健康、ハイパー(ry に騎乗中
[装備]:ギュスターヴの剣@サガフロ2、剣の女王@ミンサガ
ハイパーゴールドラグジュアリーフルオートマチック真ファイナルヴァーチャルロマンシングときめきドラゴンマシーン@RomancingSaGa3(エンジン全開)
[道具]:確認済みの支給品×0〜2、荷物一式、キャッシュの荷物(未確認支給品0〜1)
[思考]
基本:必ず神を倒す
1:さて、どうするか?
2:アルベルトの保護
3:同志を募る

※エスパーマンの荷物と武器(サイコダガー@SaGa、レイピア)は砂浜に放置されたままです
※ハイパーゴールドラグジュアリーフルオートマチック真ファイナルヴァーチャルロマンシングときめきドラゴンマシーン@RomancingSaGa3 … 通称"ナハトズィーガー"。
497ゲーム好き名無しさん:2007/11/16(金) 23:15:10 ID:a4PgZ4Tm0
殿下www
ナハトズィーガーは細かい設定とかあったっけ?…ないよな。
精密操作が可能だとしても機械を知らない殿下にはまず無理そうだ。
メカに強い参加者と遭遇してどうにかなることに期待。
どうにもならないまま暴走し続けるのにもちょっと期待。
498 ◆oHCPL1DFHs :2007/11/17(土) 00:05:38 ID:t9ZzKMbh0
キャッシュがギュスターヴの剣を取り出したときにナハトズィーガーが何で出てこなかったとか、
たぶん突っ込んじゃいけないんだろうなぁ。

余談は置いておいて、ホーク、コーデリア、ギュスターヴ投下です。
499私はあなたを知っている:2007/11/17(土) 00:06:50 ID:t9ZzKMbh0
男は苛立っていた。
「オイ、何で誰も来ないんだ」
その男はピラミッドの前で顔をしかめながら佇んでいた。

森の中でノエルの呼びかけを聞きつけ、
あからさまな不意打ちを防ごうとピラミッドへと駆けつけた。
それなのに、誰もいない。もう長いこと待っている。

まず目的の人物、ノエルがいない。
始めに来たときには、どこかで待ち伏せでもしているのかと思って、
周りを警戒しながら待ち続けたんだが、何も起こりやしない。
そもそも、誰かがいそうな気配すらない。
あんな呼びかけをしておいて、奴はどこへ行ったんだ?

それに、他の人間も来やしない。
仲間を求めて来るお人よしや、殺人者が集まったりするもんじゃないのか?
たまたま周りに人がいなかったとか、疑い深い人ばかりだったとか……
こんな罠に引っかからないなら引っかからないで良いが、
ここで待っている自分自身が情けないじゃないか。
何も起こらないのに、ただ待ち続けるだけ。
本当に情けないったらありゃしない。

「クソったれが……」
ホークの怒りは腹の中でふつふつを煮え上がり、
もともと怖い顔が、余計に怖く見えた。



いや、誰も来ていなかったわけではない。
この少女、コーデリアは少し前からピラミッドに到着して様子を見ていた。
クジンシーから聞いていたノエルの特徴と比較すると、
ピラミッドの前にいる男は似ても似つかない別人。
それに風貌が怪しすぎる。眼帯に長い髪、長いひげ、怖い顔。
ヴィジランツの中には、いかつい男も居たとはいえ、
目の前の人物はどう見ても山賊とか海賊とか、そういった賊にしか見えない。
その上、苛立った顔で周囲を警戒するホークの姿は、獲物を探す野獣の目にすら見えた。
万が一、善人という可能性もあるかもしれないが、仲間も居ないのにそんな危ない賭けはしたくない。
もう少し、様子を見て何もなかったら、クン=ミンには悪いと思いながらもどこかへ行こうと考えていた。

500私はあなたを知っている:2007/11/17(土) 00:07:52 ID:t9ZzKMbh0
--------------------------
「……どうかみなさんお集まりください」
ギュスターヴは森の中でノエルの声を聞いた。
彼の目的はゲームからの脱出。そのために欲しいのは情報。
ここにいる参加者と接触をはかり、できるだけ多くの情報を集めたいと考えていた。
これはギュスターヴが自分の力を信じていたからこそ考えられたことだろう。
弱者であれば、信頼できる人物を探すか、人との接触を避けるかすることだろう。
弱者はそうでなければ殺されてしまうだろうから。
だが、ギュスターヴは違う。
たとえ情報を集めるために接触した人物が殺人者であったとしても、
自分の力ならば切り抜けられると信じていた。

だから、彼はもともと人が集まりやすいと思われる町を目指していた。
そんな折に聞こえてきたノエルの声。
誰が来るかはわからないが、人が集まるならば情報も集まる。
そこで戦いが起きるかもしれないが、脱出のための情報が手に入れば儲け物。
ギュスターヴは町へと向けていた足を切り替え、ピラミッドへ向けて歩いていった。

ギュスターヴは川を渡るために、橋を探すことにした。
結局、橋は見つからなかったが、あからさまに使えと言われているように置かれたボートを見つけた。
明らかに不自然で、もともとそこにあったとは考えられなかったが、そこは神があえてそうしたんだろうと結論付けた。
神としても島が川で南北に分断されては面白くないだろう。
それならば、何かの細工をしてもおかしくないと考えたのである。

川を渡るのに時間をかけたこともあり、何人か集まっているだろうと思ったが、
そんな期待をよそに、ギュスターヴがピラミッドで見かけたのは2人だけだった。
誰かが争った様子もない。本当に2人だけだった。
1人にはファミリアが同行しているので厳密には2人だけではないが同じようなものである。
それも、お互いが接触しているというわけではなく、
片方はピラミッドの南でにらみをきかせ、片方はピラミッドの東で様子を見ていた。
南の男は、いかついにも程があると言いたくなる男。
東の女は、一般的女性の格好をした若い女。
あえて接触するならば女の方だとギュスターヴは判断した。

501ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 00:08:12 ID:XjQPismY0
ナハトズィーガー

ハイパーゴールドラグジュアリーフルオートオートマチック真ファイナルヴァーチャルロマンシングときめきドラゴンマシーン
ということは?
スーパーウルトラデラックスファイナルロマンシングドラゴンマシーンのネジを締め忘れてる〜

ヒッツェカノネやナーデルカノネという武器を積んでいる
永久機関を積んでいるのでガス欠は無い
殿下がトップマーダーになるチャンスだな
というより
ナハトズィーガーが轢き殺したキャラは殿下にカウントされるの?
502私はあなたを知っている:2007/11/17(土) 00:09:57 ID:t9ZzKMbh0
南の男に見つからないように移動して、東の女へとギュスターヴは近づいた。
大きな声を出されて南の男に気づかれても困るので、相手に警戒されないように剣は鞘に収める。
そのかわり相手を注視して、何かがあったときは反撃できるようにしておく。
「俺はこの首輪を外す方法を探している、お前に何か分かることはないか?」
聞きたいことをストレートに聞く。だが、この場ではこれが良かった。
この発言はコーデリアにとってギュスターヴがゲームに乗っていないと判断させるのに十分だった。
コーデリアはギュスターヴのことをよく知っているというわけではないが、
彼の生き様の一面を知っている。
彼女の知っているギュスターヴはもっと年を取っていたが、
それでもあの生き様は若いときから変わらないと感じた。
それに、首輪を外すなんて無茶なことを言って、本当にやってしまいそうな気もした。
「私には何もわからない。でも、あなたが首輪を外したいなら、手伝ってもいいわよ」
コーデリアにはノエルの偵察、クジンシーの対処、ウィルの捜索とやらなければならないことがたくさんあったが、
それでも、ギュスターヴに力を貸したほうがいいと感じた。
ノエルという人物は、待っていても姿を現さないし、本当にここにいるのかどうかもわからない。
クジンシーは炎の将魔ほどの力を持つ相手でさえ、一撃でアニマを吸い尽くす技を持っているけれども、
アニマを持たないギュスターヴならアニマを吸われることもない。頼りになる仲間である。
「クヴェルとかツールに詳しい仲間がいるから紹介してあげる」
ウィルは道具に関する知識は超一流。もしかしたら、首輪のことも何か分かるかもしれない。
それに、ウィルを探す口実にもなる。
彼女はここにいるウィルが、いつのウィルなのかわからなくとも、とにかくウィルに会いたいと思っていた。
彼女は見て知っている。ベエンダーの中で生きた83年を。

「随分とすんなり話が進むんだな。まあいい、誰なんだ?その仲間というのは」
ギュスターヴは、あまりに話がうまく進むので違和感を感じながらも、
情報が手に入るならば、それは嬉しいことだとも感じた。
「ウィリアム・ナイツ。凄腕のディガーよ」
「ウィリアム・ナイツ!?あのタイクーンウィルの仲間なのか?」
生きる世界が違うとはいえ、世界一有名なディガーの名前は聞いたことがある。
確かにタイクーンと呼ばれる程の人物ならば、この首輪について何か分かるかもしれない。
こんな年若い少女が仲間というのは少々疑問だったが、一緒に行くのも悪くはないとギュスターヴは判断した。
「確かにタイクーンなら、この首輪のことも何かわかるかもしれないな。
 では、お前には俺の手伝いをやってもらおう」
503私はあなたを知っている:2007/11/17(土) 00:11:02 ID:t9ZzKMbh0
少女の方はうまくいった。後は南の男である。
ギュスターヴは剣を抜き出し、コーデリアに提案した。
「ウィルを探す前に、あの男と話したい。いいか?」
その剣を抜く仕草は、いざ戦うことも辞さないという雰囲気を示していた。
コーデリアはあまり戦いたくは無かったけれども、
ギュスターヴなら大丈夫だろうと信じて首を縦に振った。
「その前に、武器もツールも持たないでは戦えないだろう?この中から使えるものを選んで使え。
 ザックが2つあるのは気にするな。殺された人間の側に落ちていたのを持ってきただけだ」
ザックが2つあるのは、コーデリアがギュスターヴのことを知らなければ、
ギュスターヴが殺したんじゃないかと思わせるくらい怪しかったが、
彼女がギュスターヴを知っていたのと、ゲームに乗った人間がわざわざ道具を分け与えることも無いのとで、
特に疑問もなく流された。

ザックの中に入っていたのは槍と装飾品3つと金属製の何か。
金属製の何かを除けばクヴェル級のものであった。
持つ者が持てば凄まじい力を発揮するが、
剣を持ち、術を使えないギュスターヴが持っていても何の役にも立たない。
ギュスターヴは気前良く、支給品をコーデリアに分け与えた。
とはいえ、潜在的な術の資質は術を専門にして戦う者と並ぶほどながら、武の道を選んだコーデリアは、
あまり多くの種類のアニマを引き出せても強い期待ができないのが残念なところである。

「あっ、これはあなたが持っていた方がいいかも」
ギュスターヴから武器を貰ったコーデリアは、邪魔な金属製の武器を渡す。
「これは銃って言って…」
自分と同じで銃には無知なギュスターヴに説明書に書いてあったことを説明する。
ギュスターヴは、鋼の強力な武器としか認識できなかったが、
もし無事に帰ることができるなら、同じようなものが出来ないものかとも考えた。
「なるほど、これはいいものだな、ありがたくもらっておこう」

そして2人と1匹はホークの下へと向かっていった。

504私はあなたを知っている:2007/11/17(土) 00:12:32 ID:t9ZzKMbh0
【D-5/ピラミッド東部/午前】
【ギュスターヴ13世@SaGaFrontier2】
[状態]:健康
[装備]:ミスリルソード@サガ2、アグニCP1(弾数13発)
[道具]:確認済みの支給品×1(金属製の何か)、首輪×1、荷物一式 ×2
[思考]
基本:首輪を解析する、もしくはその技術のある者を探す。ゲームに乗った者は容赦無く殺す。
1:ホークへの接触
2:タイクーンウィルの捜索
※ギュスターヴの参戦時期はハン・ノヴァの建設を開始した辺りです(1249年、29歳)

【コーデリア@SaGaFrontier2】
[状態]:健康
[装備]:ウコムの鉾@ミンサガ(水のクヴェル)、トパーズ@ミンサガ(石のクヴェル)、
夢魔のメダリオン@サガフロ2(獣のクヴェル)、ルビー@ミンサガ(炎のクヴェル)、
レッドフード@サガフロ2
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ウィルの捜索とクジンシーの撃破
1:ホークへの接触
2:ウィルを探す
3:ギュスターヴにクジンシーを倒してもらいたい
4:ノエルの動向・目的を探る
[備考]:クン=ミンの土のファミリアが同行しています。
※コーデリアはアルティマニア小説終了後から復活して参戦(1321年、外見18歳)

【D-4/ピラミッド南部/午前】
【ホーク@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[状態]:やや疲労
[装備]:炎のロッド
[道具]:ビームライフル、不明の支給品一つ
[思考]
基本:ゲームに乗る以外の方法がないか考える
1:ノエルも他の人間もいないのでイライラしている
2:自分を狙う相手は倒す
3:仲間がいれば会う
505 ◆TPGeEOnvzM :2007/11/17(土) 00:13:50 ID:t9ZzKMbh0
以上です。
506 ◆oHCPL1DFHs :2007/11/17(土) 00:15:18 ID:t9ZzKMbh0
ゴメン、トリ入力間違えた。
507ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 00:25:35 ID:XjQPismY0
>>506
すまんやっちまった!!
ゴメンなさい!!
508ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 01:30:25 ID:p83Icuma0
乙です
サガフロ2勢独特のアニマとソウルスティールを結びつけたのが上手だと思いました。


ギュスターヴはクジンシーの天敵かも・・でも素の剣技で負けそうだ
509ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 12:29:25 ID:sH69XMO80
とりあえずしたらばの議論スレに
【議題13】ナハトズィーガーの性能について を挙げました。
もう作品も通しでいいですよね。

>>506
乙です。
ホーク涙目w
あとコーデリアは道具が充実してますね。……ん、何かデジャヴ。
510ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 15:20:41 ID:wYySEX2H0
乙です。なるほど、ギュスのアニマとクジンシーか、思いつかなかったぜ。
511ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 19:54:19 ID:30nc0ZRy0
新作乙です。
アニマを吸い尽くす技≒LPを吸い尽くす技 か…
本当にそれでソウルスティールを封じられるのだろうか?
とりあえず、頑張れホーク

>>498
キャッシュは自分の荷物を一切あらためてない感じ。
512ゲーム好き名無しさん:2007/11/17(土) 22:44:35 ID:LuDED2tC0
さすがにクジンシーが剣術でギュスターヴに後れを取るとは思えない
サガフロ2の軍事は恐ろしく原始的だし
513ゲーム好き名無しさん:2007/11/18(日) 05:52:01 ID:wxnZmlFP0
投下乙。
ギュスターヴがやっと本格的に動き出したな。

しかしコーデリアの設定は…ちょっと議論の余地ありじゃないか?
ベエンダー自体、ゲームには全く出てこない小説のみの設定だし。
今までのコーデリアの描写も、登場話でのクジンシーとの口論とか、
長い年月の間ウィルと歴史を見守って達観したコーデリアの性格には思えない。
ギュスターヴを一方的に知ってるとかは面白いんだけど。
514 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/18(日) 20:10:10 ID:ctauD8aI0
アシュラ戦(アシュラV.Sシフ、ヴィクトール、オーダイ、アルベルト、ケンイチ、ミレイユ)
を予約いたします。出来上がるかはわかりませんが…

>>513
まったくの個人的な意見としては容認なのですが、
ベエンダーについてはほかの人の意見を聞いてみたいかもです。
515ゲーム好き名無しさん:2007/11/18(日) 20:21:36 ID:9jhLdrscO
アシュラ戦、楽しみです。

小説の設定ってのは、知らない人間にはさっぱりわからんのですが、
エロールの時よりも問題があるのでしょうか?
516ゲーム好き名無しさん:2007/11/18(日) 20:23:18 ID:d0quxr4yO
アシュラ戦に予約が!
これはwktk。

ベエンダー関係は問題点があるとすれば、
攻略本持ってない書き手が書きにくくなるのと
今までのコーデリアの言動と食い違いがないかどうかかな。
後者は読む側の解釈によってどうにでもなる範囲かもしれないが。
517ゲーム好き名無しさん:2007/11/18(日) 21:02:23 ID:wxnZmlFP0
アルティマニア読み返してベエンダー関連の設定纏めてみた。

ベエンダーは不老不死の超越的な存在。
誕生の経緯についても色々設定はあるが今回の話とは関係ないので省略。
彼はアンデッドに近い存在で、本人はアニマを持たないが活動の為に生物のアニマを喰う。
コーデリアが殺される場面をたまたま目撃したベエンダーは、彼女の持つアニマに惹かれる。
そこで、彼女のアニマを喰ってしまわずに、アニマを持たない自分の器の中に同居させ、自分の一部にする。
同化したベエンダーとコーデリアは共にウィルの一生を見守り続ける。
その間にシルマールに会ったり、追われるヨハンを何故か助けたり、ギュスターヴの死を見届けたり、
偽ギュスターヴ&サルゴンとちょっとだけ戦ったり、ジニーとも話したりする。
ウィルが天寿を全うする時、ベエンダーは彼の前に現れ、コーデリアのアニマを自分から分離する。
魂だけになったウィルとコーデリア再会。一緒に昇天、というか大地のアニマの一部となる。

…って改めて読み返してみると、ベエンダー同化後のコーデリアだと
37歳ウィルとかギュスターヴどころか、サルゴンもジニーもヨハンも知ってることになるのか。
後付けで考えると、登場話でのサルゴンとのやり取りは知ってて知らない振りをしてたと取れなくもない…か?
「私はヴィジランツであって〜」は生前っぽい台詞だと思うけど…。
518ゲーム好き名無しさん:2007/11/18(日) 21:48:47 ID:Kd4KlbISO
おおっ。少し来てないうちに三つも投下されてる&予約も来てる〜嬉しい楽しいw
書き手さんたち、乙です。そしてGJ!

ベエンダーinのコーデリアなら、今の『零姫殺しちゃったかも』錯乱ウィルの事も慈愛で受け入れそうだけど
そうでないコーデリアだと、なにこのストーカー!?って思いそう
対人面の辻褄…気が動転してて忘れてたとか、気付かなかったとか補正はこじつけクサいですか

…意見になってなくてスマソ
しかも日本語でおkってな文でスマソ
519 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:07:18 ID:tWHCBQkf0
>>518
久しぶりに個人に戻って混乱があった、ってのはどうだろう。
やや無理があるか。

投下します。
520odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:08:25 ID:tWHCBQkf0
1-1
迫り来る巨体を緊張の面持ちで睨むアルベルトは突然に彼を襲った衝撃に転びそうになるのを必死にこらえる。
突然後ろから頭に何かをかぶせられ、さらに背中を思い切りはたかれたのだ。
頭に嵌っているのは金属製の冠のような防具で、振り返るとシフが勇ましい笑いを浮かべていた。
「そいつを使いな、アル。あたしの頭には合わなくてねえ。
 さあ、あんたとあたし、二人で前衛を張るよ!
 こいつはあたしらにしかできない役目さ。
 アル、あんたの見た目はまだまだひよっこだけど、実力はもうそうじゃない……だろ?」
「シフ、でも、あなただって武器もなく……」
「あっはっは、心配してくれるのかい?
 大丈夫、あたしの拳が見えないかい? ちょいと不満だけどあたしにゃこいつで十分さ!
 似合わない武器……いや、せいぜい盾がわりだけど、これもあるからね。
 さあ、死ぬ気でかかって――勝つよ!」
強く言い切ったシフの手には確かに勇敢なバルハル族の戦士には不釣合いに見える
小型剣よりさらに一回り小さい、護身用に使われるような小振りな短剣が握られている。
アルベルトはもう何も言わずに視線で闘志を伝え、二人はアシュラへ向けて前進していく。
――今はただ、自分の力を信じるのみだ。


1-2
行動を開始した二人に置いて行かれるものかと駆け出そうとしたケンイチ、
その肩が後ろから伸びた手に掴まれる。
不機嫌そうに声を荒げながら、ケンイチはその手の主、ヴィクトールに食ってかかる。
「――ああ? なんだよ! いまさら止めとけとでも言うつもりじゃねぇだろうな!」
「そんなことを言うわけがないだろう。
 落ち着けケンイチ……だったな。お前と俺の仕事は中衛だ。
 見ての通りこちらには武器さえ行き渡っていない。
 そしてお前のその斧はこちらにとって貴重かつ強力な武器だ」
「だったらなんであの二人が切り込みなんだ? そいつは俺の役目だろう!?」
「いや――お前たちに会う前からシフ殿、オーダイ殿と相談していたやり方だ。
 前衛が盾、中衛が剣、後衛が目と頭脳。
 俺たちの役目はシフ殿とアルベルト殿をサポートしながら……」
「必殺の一撃を叩きこむ、ってわけか!!」
「そういうことだ!
 ただ、無理はするな。奴の腕は6本で俺たちも6人、数のバランスが崩れるのが一番まずい。
 さあ……勝負といこう」
武骨な斧を担いだケンイチと、空いた両手で力強く握りこぶしを作ったヴィクトールが並んで立つ。
強い覚悟を備えた二人は、左右の側面へ回り込むようにそれぞれ走り出した。
521odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:09:29 ID:tWHCBQkf0
1-3
動き出した4人とその向こう、敵を認めて迎撃すべく足を止めたアシュラをオーダイは一望していた。
ヴィクトールの指から、きらりと反射された太陽の光が眼をかすめる。
武器も持たずアシュラに挑むその姿に改めて不十分過ぎるほどに不十分な装備の状態を認識し、
オーダイの心に再び不安が頭をもたげだす。
三面六臂を操る――しかも、魔法への耐性までも身に付けた自分の知らないアシュラと
接近戦でやりあうのは万全の自分でさえ無理な話だろう。
それでも勝利に届くには彼らの力とコンビネーションを信じるしかない。
思う通りに動けない自分を恨めしげに確かめ、同じく心配そうに戦いの開始を見守るミレイユに話しかける。
「君は、予知の力があるそうだな」
「ええ。……でも、頼られても困る。わかったからって間に合わないんじゃ何もできないのと一緒」
「いや、十分だ。今のわたしでは彼らの横で戦うことはできないが――
 一人でなければできる事はいくらでもある。そして、我々は一人じゃない。
 わたしと君で戦闘全体を見て出来る限りの情報を前に教えるんだ。
 君の力はきっと役に立つ」
「そう、かな。…………勝てると思う?」
「……異形の怪物、アシュラは我々一人一人より確かに強い、が。
 例え一人では及ばぬ半端な強さでも補い合い積み重なればどこまでも強くなれる。
 ……勝てるさ」
消せない不安の色。ミレイユはオーダイの心のうちが言葉に反していることを見破っていた。
けれど、その心では同時に信頼と希望が同じだけの輝きを放っている。
本当のところ、どうなって欲しいのか。わずかながらでも希望の方に賭けたくなっている自分がいないか?
過剰な期待に流されないようにミレイユは自分を戒め冷静な判断力を保とうと務めながら、
戦いの開始を見た。
522odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:10:35 ID:tWHCBQkf0
2.
戦闘――いや、殺戮開始。
アシュラは六本の腕の筋肉を盛り上がらせ、三つの面でその敵を見据え、
修羅の血を滾らせながら咆哮を轟かせる。
剣とハンマーが、まず向かってきた二人の人間に対してうなりを上げた。
小柄な男・アルベルトが剣、大柄な女・シフがナイフで、それぞれ攻撃を受け止める。
――脆弱な連中め、貴様らは寄り集まってなんとか自分と釣りあいがとれる程度に過ぎん。
数を集めて勇気を奮い向かって来る人間達の弱さに憐憫の冷笑を浴びせ、残忍の火を燃え上がらせる。
二つの武器を止めても、アシュラにはまだ空いている腕が4本あるのだ。
二人のそれぞれに二つの腕を差し向けて殴り飛ばすことなど、容易。
右側のアルベルトを殴り飛ばし、左側のシフを怯ませたところで
アシュラの3対の目のうち一つが回りこんでくる男二人をしっかりと睨みつけていた。
――雑魚どもめ、わが六つの目を欺くつもりとは、笑止!
拳を当てられながらなお下がらずにいるシフに対して攻撃を集中する素振りを見せつつ、
側面より来る二人を待ち受ける。
奇襲のつもりであろうがアシュラとしては一薙ぎで剣の錆とするつもり――だが。
「読まれてるわ、ヴィクトール!」
ミレイユの声、踏みとどまるヴィクトール、空を切るアイスブランド。
意図を外したわずかな動揺をつかれて前面のシフからショルダータックルを浴びる。
――小癪な!
衝撃で後方へ突き飛ばされながら大柄なシフよりなお勝るリーチを利して、ハンマーを振り下ろす、
だがその意図も阻まれる。
小気味良い金属音を鳴らして――ディフレクト。
ハンマーより早く飛び込んできたアルベルトの手にした剣によりその攻撃は無力化された。
六つの目に邪悪な眼光を輝かせながらアシュラは敵対者どもを忌々しげに睥睨する。
――雑魚どもがあがきおるわ。雑魚どもが!
523odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:11:45 ID:tWHCBQkf0
3.
ヴィクトールは中衛が剣、と言っていたがそれは真実ではない。
それぞれが適した武器を持っているわけではないこのパーティにおいて、
まだしも使い慣れた武器を持つアルベルトが戦いの流れの中で必然的に主力となっていた。
もちろんそれはアシュラにもわかることで、当然その攻撃もアルベルトを向く。
その結果アルベルトはより防御に集中しなければならず攻撃頻度の低下、
つまり全体の攻撃力の低下を引き起こしていたものの、
逆にアシュラの狙いをひきつけることで結果的に作戦通り防御の中心としての働きを果たしていた。

アルベルトがディフレクトにより剣を弾き、
残りの腕をシフが身体を張り、両翼からヴィクトールとケンイチが牽制と浅い攻撃で援護する。
ミレイユが可能な限り両翼の二人に危険回避の指示を飛ばし、
オーダイは戦況を計ってめくらまし程度とはいえサンダーで支援する。
その合間から、アルベルトが一撃を加えていく。
そういう流れがしばらくの間続いていた。

役割の分担とダメージの分散によって、戦いは削りあいの低速の消耗戦になっていた。
それは、このままアシュラを行動不能に追い込むまで戦えるかもしれないという希望の一方、
先にこちら側の誰かが力尽きたり武器が限界に達したりでバランスが崩れるのではないかという不安を抱えた戦い。
六本の腕の攻撃を捌くために身体を張って盾の役を果たしているシフの消耗は明らかだし、
ヴィクトールやケンイチも有効な一打を与えられず時に攻撃を被弾し、徐々に消耗している。
往々にしてこういう戦いはどちらが先に切り札を切るか、またその切り方で決着する。
鍵を握るのは焦燥と、忘却。

「共震剣!」
特定の震動を与えられた剣身をぶつけるように、アシュラへと斬りかかる。
最初に――そして先に動いたのは、アルベルトだった。
受ける側の予想以上の震動がアシュラを襲い、その巨体をぐらつかせる。
それが全員にとって切り札――即席ながらの連携攻撃の合図となった。

流星のようにシフの手から放たれたナイフがアシュラを狙い、
それを避けようと動いたアシュラの周囲にオーダイが数条の雷を呼び視界を一瞬とはいえ遮蔽する。
もとより当てるつもりのなかったナイフをヴィクトールが拾い上げ、突撃。
その間にケンイチが、シフのサポートを受けて――
一人に塀を乗り越えさせる時のように、組んだ両手を足場にジャンプと腕力を組み合わせるやり方で
アシュラの頭上へと舞い上がる。
初めの攻撃を当てたアルベルトも次の攻撃の態勢を整えて動き出し、シフも反転して突っ込む。
前後と上、合わせて四方向からの同時攻撃。

――行けるかもしれない。いや、行けっ!
希望というよりは願望に近い心の叫びをアルベルト。
だがこちらを向くアシュラの顔の一つに焼け付くような眼差しで射すくめられ、背筋に寒気を覚える。
「うおおおっっ! ジェラールの仇だっ!!」---ッッ!!!」
ヴィクトールの雄叫びと、誰かの必死な声が同時に聞こえた。
そしてアルベルトは、光を見た。
524odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:13:23 ID:tWHCBQkf0



4.
シフの背中が見える。
上から襲い掛かるケンイチがガードしようとしたアシュラの両腕めがけ思い切り斧を振り下ろすのが見える。
アシュラの左の面にナイフに全体重を預けるような突き方で突進するのが見える。
膠着かわずかに優勢で進んでいた戦いの趨勢を決める一撃が炸裂するというのに。
いうのに、ミレイユは自身の能力で、
そしてオーダイは経験と勘、加えて襲い来るいつかに似た予感でそれを察知した。
「行っちゃだめ――――――っっっ!!!」
背後からの危険を予知したミレイユの絶叫の中、オーダイは全力で動き出していた。
痛みも、疲労もすでにどこかへ吹き飛んでいる。
連携攻撃の完成する瞬間へまるで加わるかのように、割り込んでいく。
その目の前で、オーダイは閃光と爆発が生じてに4人を呑みこむのをはっきりと見た。
――フレアか!
アシュラの、切り札。
連携と相打ちのような形になったのは耐久力への自信から自爆覚悟の至近距離を狙ったか、
それとも4人に予想以上に崩されて撃つタイミングを逸したか。
とにかく、やるべきことについてオーダイには迷いはなかった。
――わたしは不死身、か。今度はどちらに転ぶかな?
全身の力を振り絞って広がる無属性最強魔法の光と爆発へと身を躍らせる。
容量オーバーの熱と痛みの中でオーダイの手は確かに彼らを弾き飛ばしたのを感じた。

・・・
――何秒が過ぎた? フレアは通り過ぎたか?
何故フレアの爆発から生還できたのか、それともここが死後の世界か。
曖昧なまま目を開けたオーダイは、すぐに状況を悟る。
そこには、前よりもさらに醜く焼け爛れた肉を晒し、
しかしなお修羅の闘志を失わぬアシュラが立ちはだかっていた。
「フレアを越えてなお立つか。……まったく、あがきおる」
オーダイを見下しながら、アシュラの口元だけがわずかに歪む。
その長身の向こうに倒れている4人、うち一人がゆっくりと起き上がる。
――まだ、望みはある。
迷わずに彼らの姿を覆い隠すようにサンダーで地を抉った。
悲壮も絶望もない決然とした声で叫ぶ。
「アシュラは――あとはわたしが引き受けた!
 君たちは、その間に最良の判断をしろ!」

525odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:14:55 ID:tWHCBQkf0

5-1
決死の戦いに向かうに当たって。
アクセサリーばかり支給されていた中でもとりわけ説明の怪しい指輪にほんのちょっぴり縋る気になったこと、
フレアの爆風の最中ヴィクトールにそれを思い出す余裕があったこと。
その指輪の名前は『生命の指輪』、取説で都合のいいチャチな奇跡を宣伝していた怪しい指輪。
たとえヴィクトールがどれだけその指輪の力を信じていなくても、
制限されている中でささやかでも働くその助けが幾人かの生と死を分ける。

オーダイによってフレアの光から弾き出された4人のうち最も早く意識を取り戻したのは
至近距離でフレアを受けた4人の中では一番マシな位置にいたヴィクトール。
何が起こったかもわからずに熱と傷の痛みで呻くヴィクトールの耳に、雷の音。
続けて――オーダイのメッセージが、届いた。
冷や水をかけられた様にもやもやしていた意識がハッキリとする。
それほど離れていない場所に倒れている三人を見つけ、
もう一度聞こえたオーダイの言葉を心の中で繰り返す。
『最良の判断を』
取りうる選択は一人での玉砕か、仲間を一人でも助けて撤退か。
ジェラールの死の話に接していなければ湧き上がる心のままに玉砕覚悟で斬り込んでいただろう。
けれど、弟と同じ遺志を示されて答えないわけにはいかない。
すでに失われたものを忘れてアシュラに最終的な勝利を与えるわけには、いかない。

傷付いた身体に無理強いして近い位置にいた意識のないシフを引き起こしたところで、
その下にいる形になっていたアルベルトの目が薄く開くのを見る。
「完敗だ、アルベルト殿。残念だがここは――逃げろ」
余裕はない。だから、ヴィクトールは言うだけですぐに動きだす。
こちらも気絶しているケンイチを起こす途中で無言でアルベルトが加わり、
それからオーダイとアシュラの方をけして振り向かず、二人で――逃げた。

……どれだけ進んだだろうか。
密生した木々の間にたどり着く頃にようやく背後を振り向くと、
アルベルトは声をあげないように唇をかみ締めながら、泣いていた。泣きながら進んでいた。
決死の戦いは、惨敗だった。それでも――それでも。
戦いは始まったばかりだ。
526odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:16:02 ID:tWHCBQkf0
5-2
距離があったとはいえフレアの衝撃に吹き倒され盾の影にうずくまっていたミレイユは、
そのままでオーダイのメッセージを聞いた。
『最良の判断をせよ』……
それはミレイユに対して逃げろ、という意味なのだろう。
しかし。
一行は敗れ去り、どうやら……全滅してしまった。
オーダイは逃がそうと必死だが、一人で逃げてなんになる? 何が出来る?
――こんなところでしょうね。ちょっとは期待したけど……
  さあこれからが勝負よ、ミレイユ。気を引き締めなさい。
アシュラに対して最期の生命の火を燃やすオーダイの背中越しに、
ミレイユは彼女が望んでいたような絶対的強者・アシュラに対して向かい合う。

527odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:17:10 ID:tWHCBQkf0
【B-2/南部森/昼】
【ヴィクトール@RomancingSaGa2】
[装備]:生命の指輪(現在使用不可)、鉛の短剣@UnlimitedSaga
[道具]:確認済みの支給品1〜2(アクセサリー)、荷物一式
[状態]:全身怪我、重疲労
[思考]
基本:ゲームには乗らない。
1:アシュラを倒す
2:クジンシーを討つ

【シフ@RomancingSaGa】
[装備]:なし
[道具]:確認済みの支給品0〜1、荷物一式
[状態]:気絶、怪我の状態不明
[思考]
基本:神を叩き潰す
0:気絶中(思考保留)
1:アシュラを倒す
2:仲間や知り合いと合流

【アルベルト@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[装備]:グラディウス @ロマンシング サガ(ミンサガ)、鋼玉の頭冠@UnlimitedSaga
[道具]:支給品一式
[状態]:全身怪我、重疲労
[思考]:
基本:ゲームには乗らない
1:アシュラを倒す
2:ナイトハルトら、仲間との合流
3:主催者の打倒
[備考]:ED後から参戦。ザックの底には銃の説明書だけがある。気づいていない。

【ケンイチ(総長)@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:ビルキース@ミンサガ
[道具]:確認済みの支給品0〜1(ただし武器は無い)、荷物一式
[状態]:気絶、怪我の状態不明
[思考]
基本:倒すべき敵は倒す。守るべき人は守る
0:気絶中(思考保留)
1:ヴィクトール、オーダイ、シフの男気に共感。ゾクの誇りに懸けてアシュラと戦う
2:ミレイユを守る
3:首輪への対抗手段の模索

528odds and ends  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/21(水) 19:18:16 ID:tWHCBQkf0
【A-2/南部平原/昼】
【父親(オーダイ)@SaGa2秘宝伝説】
[装備]:孔明の靴、サンダーの書
[道具]:荷物一式
[状態]:瀕死
[思考]
1:時を稼ぐ

【ミレイユ@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:アバロンの聖衣@ロマサガ2、魔王の盾@ロマサガ3
[道具]:賢者の石(一個)、荷物一式
[状態]:正常
[思考]
基本:生き残る。その為に強いやつを利用する。弱いやつは適当に利用して殺す
1:アシュラを利用する

【アシュラ@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:アイスブランド、バトルハンマー
[道具]:荷物一式、ジェラールの荷物一式(確認済みのアイテム×1〜2)
[状態]:身体の各所にダメージ(下の1対の腕の指欠損ほか)、体力を七割程度損耗(行動に支障なし)
[思考]
基本:ゲームに乗って殺戮
1:参加者を殺戮する
2:オーダイとミルフィーを自分の手で殺す

529ゲーム好き名無しさん:2007/11/21(水) 22:41:25 ID:OlMNfJwVO
投下乙!
戦略的な戦闘描写がわかりやすかったです。
アシュラの威圧感が伝わってきた。

それにしても、自爆キャラを差し置いて
アシュラが自爆するとはw
530ゲーム好き名無しさん:2007/11/21(水) 23:34:06 ID:8mKGfCTa0
投下乙です。
サガならではの連携、熱かったです。
ミレイユがどう行動に出るか楽しみですね。

それと、失礼ながら描写で読み取れなかったのですが、
シフとケンイチは放置でしょうか、それとも逃げる二人に運ばれているのですか?
531ゲーム好き名無しさん:2007/11/22(木) 00:54:03 ID:QhmCDlKS0
おお、投下乙。
難しい大人数バトルだけにどうなるかと思ってたけど、アシュラ強いなあ。
決死のオーダイに黒いミレイユ、
鬱モードに突入しそうなアルベルトと今後が楽しみな展開だ。

気絶中の2人は位置はヴィクトール達と同じになってるから、運ばれてるのかな?
532 ◆oHCPL1DFHs :2007/11/23(金) 01:52:59 ID:PR6oQzs30
父親かっこいいなぁ。
コーデリアは基本的に18歳少女を演じてますね。微妙な会話は、この演技が影響しているかな。

と、では以下のキャラクターを予約します。
フェイ・フォルネウス・ゲラ=ハ・ブルー・トーマス
ダンターグ・アーサー・アーミック・ヒロユキ・ゆきだるま
カタリナ・メタルアルカイザー
533 ◆R2f2kk3lSA :2007/11/23(金) 19:24:01 ID:lys8xEfb0
ウェイプ期待待

繋ぎですが、レオニード伯爵を地味目に投下します。
534World is not mine  ◆R2f2kk3lSA :2007/11/23(金) 19:44:49 ID:lys8xEfb0

「……どうでもいいことだ」

呟いた声が、梢の間から差し込んでくる光の中に広がっていく。
人ではない魅力と力をたたえた美女を追っていたレオニード伯爵であったが、
彼はもう追跡を完全にやめてしまっている。

アロン島のやや強い日差しを木陰に避けながら、
革の帽子、サングラス、手にした武骨な銃と大量に不似合いなもので飾られた
ジャングルにまったくそぐわない雰囲気をまとって伯爵はただ存在感だけを強く主張していた。

もとより必死に追いかけるつもりは失せていた。
美女、そしてその身体を流れる美味なる血潮は欲するものだ。
だからといって、ギラギラと太陽が輝く昼間から走らされるのは気に入らない。
太陽の光程度は障害にはならないが、やはり明るいのは気分のいいものではない。
まして自分の意志ではなく他人の手で強引に呼び出されたとなればなおさら。

時に衝動的でさえある吸血の欲求はまだ身体の奥で疼いてはいるが、
数百年の齢を重ねたレオニードにとってどうしても抑えられないものではない。


偶然に見つけた玉座のようになっている古木の根の部分に腰かけ、
伯爵はけだるげに頬杖をつく。
自らの領土たるポドールイは永遠の夜とも称される場所であるが、
世界にはそうでない場所がほとんどだ。
ここがポドールイと逆の極性を持つことも万が一有り得ないでもないが、
おそらくはまだ上りかけの太陽は普通に天頂を過ぎ、やがて沈んでいくだろう。
梢の間から差し込んでくる光は限られた量とはいえ、強い。
今は吸血鬼にとって眠るべき時間だ。だから、今は何もしなくていい。
けれど夜が来れば――そこは私の世界。

535World is not mine  ◆R2f2kk3lSA :2007/11/23(金) 19:45:49 ID:lys8xEfb0

当面動かないことを決めたレオニードはふと、支給された奇妙な鉄製の道具を思い出す。
暇つぶし代わりに変に複雑な形をしたそれを取り出していろいろと弄くっていた。
打撃用の武器としては脆そうで、しかも使いにくそうだ。だからといって防具でもないだろう。
そんなことを考えていた伯爵であったが引き金にはすぐに気付いていた。
何がどうなるのかはわからなかったがとにかく引いてみる。
銃身を水平にし、よりにもよってその銃口を自分へと向けたまま。

――――森の中に、銃声が響き渡った。


「もう何もしないのも……一興か。陽が落ちるまでは、な」

古木の玉座に背を預けながら、レオニードは虚空を見上げて呟く。
少し疲れた。
手にしていた銃を再び荷物の中に投げ落として、ゆっくりと目を閉じる。
その胸には、無粋にも赤い色が花を咲かせていた。


【E-6北部/森/昼】
【レオニード@RomancingSaGa3】
[装備]:
[道具]:革の帽子 サングラス 44マグナム(弾丸装填済み 残弾数49)
[状態]:胸に銃創 
[思考]
基本:ゲームには興味無し 時々吸血衝動が起こる(女性キャラに対してのみ)
1:夜を待つ
2:聖杯を持つ者には従う

536ゲーム好き名無しさん:2007/11/23(金) 19:46:33 ID:lys8xEfb0
終了です。期待・待ちってヘンな日本語でした
537ゲーム好き名無しさん:2007/11/23(金) 19:54:32 ID:lys8xEfb0
振り返ればtheをつけるべきだったかも、はいいとして
投下しておいてなんですが一つだけ心配なことが。
伯爵の血って赤いんでしょうか。
538ゲーム好き名無しさん:2007/11/23(金) 21:09:02 ID:59/HVqx8O
赤いと思われ。
システム上の問題で混乱した仲間にファイナルレター食らわされようが噴き出す血は赤。
539 ◆kGf..YZoZg :2007/11/23(金) 22:56:05 ID:tK+qwYF80
勢いが戻ってきたかな?
ウェイプ組の予約にwktk。サガロワ始まって以来の大人数予約だよね?

伯爵もついに動いたか…と思ったら動いてないw
果たして夜まで誰にも出会わないのか、それともそう簡単にはいかないか…。
つか、今の伯爵って一見死体だな。
雰囲気のあるSSだし今後の展開にも繋がりそうでGJ。

さて、動かせるとこからコツコツと、という訳でレオナルド・コンボイ・シリュー予約します。
540 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:13:47 ID:m9w89w910
久々に来たら投下がいっぱいあって驚いた。
全員GJ!
予約の方も楽しみだ。

で、ロックブーケ、ヌアージ、ジニー、先生、クローディアを投下します。
541 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:14:50 ID:m9w89w910
悪いことは続くものだ。
憮然とした気持ちで、ロックブーケはこれまでのことを思い返していた。
くだらない殺し合いゲームなんかに強制参加させられただけでも煩わしいのに、初めに出会った男は得意の術が効かない男。
血をくれと襲いかかってくるその男に、ロックブーケは逃げるという選択しかできなかった。
風の魔法で足止めしつつ、森の中を目的地もないまま、ただただ走り続ける。
しつこい男で、追いつかれることも覚悟していたロックブーケだが、男が日を避けて、木々が作る影の下を中心に通っていたことに気づき、
それからは、わざと日向を通ることによって男と距離をとることに成功した。

更に逃げ続け、ようやく男の姿が見えなくなったころ、ロックブーケはヌアージという男に会った。
周りに人の姿はない。術で簡単に手駒に出来るだろう。
そう思った彼女は共に行動することにしたが、彼には術の聞かない女にモンスターといった連れがいた。悔しい誤算だ。
さらに、それだけで終わらず、ヌアージの言葉に流されるような形で、唯一の武器を手放さずを得なくなった。

そして、この放送。
小さい声で所々聞き取りにくいが、内容は殺し合いの停滞を呼びかけるものだった。
だが、はっきり言って危険人物に「ここに標的がいますよ」と教えているのと同じだ。
頭の回るものなら近づくまい。
もちろんロックブーケもそのつもりだった。
危険だとわかっているところへわざわざ向かおうとは思わない。

探し人がいる以上、人の集まりそうな場所へ行くのが最適だが、ロックブーケが探しているノエルの性格なら、
もしこの放送を聞いてもピラミッドへ向かおうとはしないはずだ。
他の七英雄達は行くかも知れないが、ダンターグあたりはピラミッドを破壊しようと考える可能性がある。
それに巻き込まれるのはごめんだし、そもそも兄以外の七英雄をそこまで積極的に探そうとは思っていない。
なにより術の効かないあの吸血鬼が放送を聞いてピラッミドに向かっていた場合、鉢合わせになってしまう。
彼とは出来るなら二度と会いたくない。
そう思って、ロックブーケはピラミッドに向かわないことを結論した。
だが、そう易々いくかはわからない。

ロックブーケは気づかれないようにヌアージたちを観察する。
3人は聞こえてくる声へ真剣に耳を傾けていた。
先生というモンスターが何を考えているかは読み取れないが、ジニーの顔には不安の表情、
ヌアージからは声の主への興味が見て取れた。
この様子では、ピラミッドに向かおうと言い出すかもしれない。
3人と行動し始めてからは成り行きに任せようと思っていたが、そうなった場合は反対するつもりだ。
それでも行こうというようなら――ジニーが武器を持ったままなのが癪だが、わざわざ危険な場所に同行する必要はないだろう。


「なるほどな、どうする?」
放送が終わった後、ヌアージがロックブーケたちを見回して尋ねた。
放送の内容について聞いているのだろうが、ジニーや先生はまだ迷っているようで答えようとしない。
思いもよらなかった形の人との接触なので当然だ。
無視して南へ向かうべきか否か、決めかねているのだろう。
数秒間が無意味に過ぎた。
542 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:17:17 ID:m9w89w910
「俺はピラミッドに向かおうと考えている」
3人とも何も言わなかったからか、ヌアージが自分の意見を口にした。
はっきりと言われたその言葉に、二人ともはじかれた風に彼に目を向ける。
その表情からは、賛成か反対か読み取れない。
予想どおりの言葉にロックブーケは呆れながらも二人にならった。
正直、反対したいのだが、いつどこでぼろが出るかわからないので、あまり口を挟まないほうがいいだろう。
とりあえず、3人の結論が出るまで黙っていたほうだ良さそうだ。

ヌアージは意見を口に3人をしっかり見回した。
「危険かもしれないが、遠くから様子を見るくらいは価値があるだろう」
ピラミッドからここまで届くくらいの放送だ、何人もの人が耳にすることだろう。
一体、その中で神に抗おうと考えている人が何人いるかわからないが、少なくとも放送した1人にはその意志があるはずだ。
神を倒そうとする――いわば同士のような男をほっとくわけはいない。
そう思ったことを話すと、ジニーと先生もヌアージの言葉におおむね同意の表情をした。

「私も……」
ジニーが考え事をしていた顔を上げて、決然とした目でロックブーケたちを見回す。
「私のおじいちゃん、優しいから……、これを聞いてきっとピラミッドに向かおうって考えるわ」
ジニーの祖父、ウィル。
ジニーが思うに彼は神の言葉を是とする人ではない。優しい祖父だ。
危険を冒してまでピラミッドに向かうかはわからないが――いや、彼一人ならともかく、ここにはジニーがいるのだ。
ウィルが早くジニーと再会したいと思っているなら、人の集まりそうな場所へ行くはずだ。

「なら、彼を探すためにピラッミドに向かうか? 私は特に異議はないが……」
ヌアージも先生もジニーを祖父と再会させてあげたいと思っていたから、
異議どころか逆に彼女の言葉でピラミッドに行く決心が強まった。
小さいとはいえ、ここまで聞こえるほどの声だ。
もし、これから行こうとしていた場所にウィルがいたとしても、距離から考えて彼も放送を聞くことになるだろう。
彼がジニーの言葉通りの性格なら、ピラミッドに向かうはずだ。

ヌアージは先生とジニーに向かって一つ頷いた。
「では、ピラミッドに行ってみようか」
「うん!」
3人の意見は一致した。
だが、すぐにピラミッドには向かえない。
これが、数時間前だったら別だが、今はもう一人の同行者がいる。
反対、賛成、そのどちらともいえない顔をしている青に髪の女性。
代表してヌアージが彼女に尋ねた。
「ロックブーケもそれでいいか?」
ロックブーケは一瞬、考えるように顔を伏せたが、静かに首を振った。
「残念だけど、私は行けないわ」
訝しげな目になった3人にロックブーケは慌てて説明する。
「もしかするとあの吸血鬼が放送を聴いてピラミッドに向かうかも知れないし、
殺し合いに乗った人たちが集まるかもしれないから、出来ることならピラミッドには近づきたくないわ」
543 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:18:35 ID:m9w89w910
「それなら3人で行くか?」
ロックブーケが只者ではない事に気づいていたヌアージはそう提案するが、そうとは知らないジニーは即座に否定した。
「ロックブーケは普通の人でしょ? 一人で置いていくなんて……」
そう言われれば仕方がない。
いまさら、ロックブーケは只の人じゃないみたいです、なんて言ってややこしい事になるのはごめんだ。
こっそり先生にそれを伝えた時にジニーにも言っておけば良かったのだが……。
今さら思っても仕方がない。

「なんなら、私が1人で行こうか?」
ジニーが提案するが、ヌアージと先生は即座に首を振った。
「それは危険だ」
「1人では危ないぞ」
2人の即座の否定にジニーは思わず口を尖らせた。
「私だって一人前のティーガーよ。おじいちゃんと一緒にだけど、色んな冒険だってしたんだから!」
それは事実だが、年上の2人から見ればジニーは保護の対象だ。1人で行かすわけにはいかないだろう。

同様に、ロックブーケも、実力を隠している節があるとはいえ、積極的に戦う気はなさそうだ。
今すぐ敵に回ることはあるまい。
もしかしたら、ヌアージたちを警戒して実力を隠しているだけの人かもしれない。
その実力がどれほどかわからないが、殺し合いをしていない人を1人で残すのはやめたほうがいい。
「それなら私がロックブーケと共に残ろうか?」
そう提案したのは先生だ。
「私がついていくと、呼びかけてきた者を警戒させてしまうだろう」
開始直後もこの姿のせいでヌアージとひと悶着があったのだ。
少なからずモンスターを敵と判断する人物がいる証拠だ。
放送で不特定多数が集まりそうなピラミッドに近づくのはよした方が賢明だろう。
ヌアージとジニーもそう思ったのか黙って頷いた。

「ロックブーケもそれでいいか?」
「かまいませんわ」
モンスターである先生に魅了の術は効かないだろう。
もし、残るのがヌアージだったら、手駒にするのにさほど苦労はしなかったのに。
と内心で悔しがりながらも表面には出せず、ロックブーケは微笑んで肯定した。
ここで反対するのも不自然だ。
もっともらしい事でも言えればいいが、あいにく思いつけない。

「それでは、私達は洞窟で待っていようか?」
先生の問いにヌアージははっきり頷いた。
ウィルが洞窟にいる可能性はほぼ0%だ、このまま南へ行ったほうが人と接触できる可能性は高い。
だが、先生とロックブーケの2人だけで人に接触するのは先生は外見、ロックブーケは戦闘の面で不安がある。
それに、町にいる人は放送を聞いてピラミッドに向かう可能性が高い。
ならば町や平原に行くよりも、洞窟で身を隠していたほうが安全だ。

ロックブーケが若干の不安要素だが、先生には彼女を警戒するように言っている。
彼女も積極的に戦う意志はなさそうだし、武器はジニーが持っているから、大人しく先生と洞窟で待っていてくれるだろう。
せっかく会えた人と別れるのは危険だが、仕方ない。
待ち合わせの場所を決めているから再会もできるはずだ。
544 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:20:08 ID:m9w89w910
「つまり、私とヌアージがピラミッドに向かって、先生とロックブーケが洞窟で待っているの?」
ようやく出た結論をジニーが確かめるように呟いた。
「そういうことになるな」
それ以外にもいい方法があるかもしれないが、何が起こるかわからないこの場所で時間を無駄にしている暇はない。
今ここで彼らが話し合っている間にも、誰かが命を落としている可能性がある。

「それなら……」
ジニーが先生の方を向いてザックをさぐり始めた。
あまりの唐突さに3人とも唖然としてジニーに注目する。
しばらくして彼女が取り出したのは、見覚えのある小瓶。
「このアイテム先生が持っていて」
ジニーは小瓶を先生へ渡そうとするが、先生は差し出されたそれに手を伸ばそうとしない。

「それはジニーに支給されたアイテム――」
「私だって、ロックブーケの武器を譲ってもらったし……、この道具、先生の方が上手く使えるでしょ?」
躊躇う先生にジニーは刀を見せてそう言った。
道具も武器と同じで扱いなれていない人が持つより、使い慣れた人が持つほうがいいはずだ。
ジニーはそう考えたのだろうが、先生は「ちいさくな〜れ」のことを話に聞いただけで、実際に使った事はない。
先生はそう言ってジニーに小瓶を返そうとしたが、
ふと思い直して、自分のザックの口を開いた。
「うむ、それではありがたく頂こう。代わりにこれを渡そう」
ザックの中にある折りたたんだテントのような物体を指差した。
「……ありがとう先生」
おそらくジニー達が向かうピラミッドには大勢が集まるはずだ。とすると、安全に休める道具を持っているほうがいい。
ジニーもそう思ったのか、はたまた小瓶を貰った代わりと言ったからか、礼を言ってそれを受け取った。

「さて、それではそろそろ行くか?」
2人の成り行きを見ていたヌアージがそう切り出す。
やることが終わった今、ぐずぐずしている暇はない。昼過ぎにあるという放送までにピラミッドに着くなら、早く行ったほうがいいだろう。
「じゃあ、先生とロックブーケとはしばらくお別れだね。おじいちゃんを見つけたらすぐ行くから」
先生とロックブーケに向けてジニーが小さく手を振り、そのままヌアージと共にその場を去ろうとしたが、思い直したように口を開く。
「そうだ、ロックブーケには知り合いいないの?」
先生の知り合いのことは、先ほど名簿を見たときに聞いたが、ロックブーケの方は失念していた。
もしかするとこれから行く場所にいるかもしれないので、聞いておいたほうがいいだろう。

「私は……」
知り合いはもちろんいる。だが、それを話していいものか……。
「……ノエルという知り合いがいますわ」
ロックブーケは少し躊躇ったが、兄のことだけ話すことにした。
もし彼が殺し合いに乗っていたとすると、その知り合いのロックブーケも疑われることになる。
が、他の七英雄ならともかく、彼なら自分が殺し合いに乗っていると悟られないように行動するだろう。
彼はピラミッドに行かないと思うが、一応話すくらいはいいだろう。
545 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:21:19 ID:m9w89w910
「ノエルね。じゃあその人を見つけたらロックブーケのこと伝えとくね」
笑顔でそういうジニーにロックブーケは曖昧に頷いた。
彼女はロックブーケの話を聞いてノエルのことを信用したようだが、ヌアージはどうか。
特に表情の変化はないが、彼はどことなくロックブーケのことを警戒している様に見えた。
もしかすると、彼にノエルのことを話したのは間違いだったのではないか?
ふとそんな事を思うが、それが自分の杞憂であることを願って、ロックブーケはジニーたちと別れた。



話は少し遡る。
ジニーたちがピラミッドに向かうか話し合っている頃、クローディアはジニーたちの姿を見つけた。
周りの景色も見えないまま森を移動して来た彼女だが、偶然にもジニーたちの近くへ来ていたのだ。

クローディアが初めにその4人――いや、3人とモンスターを見た時は、戦っているのかとも思ったが、意外にも違う様だ。
よく聞こえないが、彼らは意外にも友好的な感じで何事か会話している。
おそらく、先程聞こえてきた声の事で話し合っているのだろう。
クローディアに気づいている様子はない。
さて、どうするか。
弓を持ったままクローディアは考える。
相手は4人だ。ここから弓を放ったとしても、1人、運がよくても2人を仕留めるのがやっとだろう。
そうなると残りの2人は同時に相手にしなければならなくなる。
そんな状況で勝てる可能性は……低い。
もし、彼らが先程の女性と同等の力を持っているなら、手を出すべきではない。
クローディアの目的は人を殺すことでなく、最後まで生き残ることだ。
生き残るためにはここにいる全員を殺さないといけないが、今、無理に4人を相手にする必要はない。
だとすると、彼らをほって置いてもいいが……。

そう考え始めたクローディアだが、彼女の目の前で4人は二手に分かれた。
女性とモンスターは西に、少女と男性は北へと向かって行く。
突然のことに驚いたが、逆に好都合だ。彼らがどこに向かうか知らないが、4人一斉に相手をしなくてすむ。
クローディアは少し考え、少女達の方を追うことにした。
彼女らは声が聞こえてきた方向へ行くようだ。
クローディアも放送した人の所に行こうと思っていたから丁度いい。
彼女らを追って、その後、隙を見て殺す。
そう決意したクローディアの瞳に、もう迷いは見られなかった。


【E-5南部/森/午前】
【クローディア@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[状態]:ほぼ健康
[装備]:エスパーダ・ロペラ@ロマサガMS、のばらの弓@サガフロ2、矢×10本
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ゲームに優勝する
1:ジニーとヌアージを後をつける
2:必ず生きて帰る。
546 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:23:18 ID:m9w89w910
【ジニー@サガフロンティア2】
[装備]:刀@サガフロ、獣石の腕輪@アンサガ(水、デテクトアンデッド使用可能。残り18回)
[道具]:荷物一式、工具箱@現実世界、救急箱@現実世界、コテージ@SaGa2
[状態]:健康
[思考]:
基本:みんなで脱出する
1:ピラミッドに向かう
2:おじいちゃんを探さなきゃ!
3:一緒に脱出する仲間を集める

【ヌアージ@アンリミテッド:サガ】
[装備]:アーメントゥーム@ロマサガ3
[道具]:荷物一式
[状態]:身体のあちこちに軽い痛み(休めば治る程度)
[思考]:
基本:神を倒す。困っている奴は極力助ける
1:ピラミッドに向かう
2:かわいいお嬢ちゃん、私が君を護ってあげよう
3:神に対抗できるだけの味方と手段を見付ける

※クローディアの事には気づいていません

【E-5南部/森/午前】
【先生@Sa・Ga2秘宝伝説】
[装備]:(できない)
[道具]:荷物一式、空気の実@SaGa、ちいさくなーれ@サガ2
[状態]:ちょっと疲れた、身体のあちこちに軽い痛み(休めば治る程度)
[思考]:
基本:教え子や巻き込まれた年少者を助ける
1:洞窟に向かいひとまず待機
2:ジニーを祖父と再会させてやりたい
3:教え子達が心配、できるだけ早く合流したい
4:首輪解析できる仲間が欲しい、もしかすると大佐なら…?

【ロックブーケ@RomancingSaGa2】
[装備]:
[道具]:荷物一式、クマちゃん@ロマサガ3
[状態]:軽度の疲労 外傷無し
[思考]
基本:ノエル、他の七英雄と共にゲームを脱出(障害になる者は排除する)
1:ひとまず先生に同行
2:兄を探す
3:レオニードとの再会を避ける
4:男性キャラを魅了し、手駒にする(場合によっては同化も)
547 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/24(土) 03:24:13 ID:m9w89w910
以上で終了。
指摘が合ったらよろしくです。
548 ◆oHCPL1DFHs :2007/11/24(土) 04:18:58 ID:mt4mOw2H0
クローディアー、ピラミッドは森に隠れられない上に対主催しかいないよ〜!!

「私だって一人前のティーガーよ。おじいちゃんと一緒にだけど、色んな冒険だってしたんだから!」
ティーガー→ディガーですね。

では、フェイ以下略投下。ほぼ間違いなく規制されるので転載お願いします。
549激突、戦闘中:2007/11/24(土) 04:20:09 ID:mt4mOw2H0
<ブルーの失策>
「道連れにするというのなら、道連れにすればよい。そんな脅しには屈せぬ」
人質を取ったブルーに対して、フォルネウスは答えた。
「何だと!?」
「ッ!!」
「おい、それでいいのかよ!?」
その答えに全員が驚く。
そんな驚きにフォルネウスは冷静に答える。
「奴を見逃せば、他の人間を2人殺すこともある。
 起爆しないとは言っているだけだ、自分が安全になれば何をするかわからない。そうだろう?」
あまりにも冷静で、あまりにも冷徹な意見。
トーマスがかつての敵だから見捨てるというわけではない。
目先の出来事にとらわれず、未来のことを考えたのだ。

「くっ……」
まさか、人質をものともせずに襲ってくるとは、
まさか、人が一人死のうとも構わないとは。
苦し紛れの人質策だったが、ブルーにとってこれは予想外。
どうにもならない……
あの気迫から見て、緑髪の男はすぐに襲ってくるだろう。
力も十分、とても自分がかなう相手じゃない。
こんな所でやられるわけにはいかない。殺されてたまるもんか。
………
少し考えて決意をする。
できるならば避けたかった最終手段を…

「そりゃあ、あんたの言うことはわかるけどな」
フォルネウスの言っていることはわかる。
この状況では、おそらくフォルネウスの言うとおりにするのが最良なのだろう。
でも、だからといって目の前の人間を見捨てるのはどうもしゃくに障る。
「ああ、もう。
 おい、てめぇ!!うちらに付いてくれば命だけは助けてやる。
 だから、そいつをとっとと放しやがれ!!」
このまま状況を放っておけば、望まない死者がでる。
それに突然爆音が聞こえてきた町の状況も気になっている。
それゆえの保留。決して良い判断ではないがやむを得なかった。
550激突、戦闘中:2007/11/24(土) 04:21:16 ID:mt4mOw2H0
ブルーにとっては判断が難しい提案だった。
提案に乗ればここで最終手段を使う必要はない。
それでも、相手が約束を守るとは限らない。
ここでブルーは開き直る。
なんだ、最終手段を使うのが早いか遅いかの違いだけじゃないか。
ならば今あえて消耗を選ぶ必要はない。
気に食わないが提案に乗ってやろうじゃないか、と。
そうと決まれば早い方がいい。
相手が話し合って意見が変わらない間に答えなければ。
「わかった……お前の提案に乗ってやろう。だが、約束は守れよ」
そう言うと、ブルーはトーマスを解放した。

「それで、いいのか?」
奇妙な提案を勝手に決めてしまったフェイにフォルネウスは尋ねる。
「今は保留だ。それより街のことが気になる。
 ゲラ=ハも勝手に決めちまってすまねえが、わかってくれ。」
当事者でありながら、蚊帳の外のように物事を決められてしまったゲラ=ハは丁寧に答える。
「いえ、無用に死者を増やしたくありません。
 ここは仕方ないでしょう。お気になさらずに。ただ、武器はこちらに渡してもらわなければなりません」
身をもった経験。
ブルーの持っている武器は危ないとわかっていたゲラ=ハは銃の押収を提案する。
「ああ、そうだな。
 おい、お前。銃を持ってんだろ?そいつをよこせ」
ブルーはこの場では従っておいた方がいい、渡したところで最終手段には影響がないと考えて、
あっさりとペンドラゴンを渡した。

「……」
トーマスは複雑な気分だった。
怪しいとは思っていたが、突然に同行者に裏切られ、
裏切られたと思ったら助けられたのは、かつての敵とトカゲと大女のモンスターパーティー。
どうにもやりきれない。
「今のお前が何を考えているのか知らないが、
 お前が殺しに乗っていないならば、私とお前は敵ではない。」
トーマスの様子に見かねてフォルネウスが声をかけた。
決して味方とは言えないが、敵対するつもりはないという意味である。
トーマスこの言葉をどこまで信じてよいかわからない。
このゲームに参加して予想外のことばかり起きているからだ。
それでも自分に対する殺意が感じられなかったので、信用はしないまでもフォルネウスにあわせた。
「そうか、今はお前の言うことを信用しておこう。ありがとう」
そして、そっとブルーから解放してくれたことへの礼を添えた。
551激突、戦闘中:2007/11/24(土) 04:22:15 ID:mt4mOw2H0
「いいか、町が気になる。走るぞ!!」
「わかった」
「ええ」
「チッ…」
「えっ、もしかして俺も一緒に行くことになってる?」
それぞれがそれぞれに答えてウェイプへ急ぎ向かった。


<孤高のアーサー>
「こいつはやべぇぜ」
巨大な体に巨大なドリル。
そして今にも襲って来ようかという眼光。
勢いだけで来たいいが、パンチでどうにかなる相手じゃあない。
手裏剣は不意をうって一撃必殺で使うか、前衛の後ろから支援するために使うかのどちらか。
こんな大型の相手に一人で戦うってのに使える武器じゃない。
同行しているアーミックが戦力になったとしても、武器も持っていないんじゃ厳しい。
「アーミック、ここは俺が時間を稼ぐ。お前は仲間を呼んできてくれ。
 俺たちだけじゃこいつは倒せない」
「え〜と、わかりました。アーサーさん、無理しないでくださいね」
アーサーは厳しいなと思いながらもうなずく。

「ほほう、お前一人で俺様と戦おうというのか?いいだろう、望みどおり殺してやろう」
後ろへ下がっていく小動物はあとで殺せばよい。
目の前の雑魚を殺してくれよう、と、ダンターグは右手のドリルを突き出して突進する。
まともに直撃すれば、死は免れない。誰の目から見ても明らかだった。
アーサーもわかっている。攻撃を貰えば終わり。今は相手の攻撃をかわし続けるしか方法がない。
「見切った!!」
ダンターグのドリルをすんでの所でかわす。
ドリルと突進、それは明らかな直線攻撃。
直線攻撃をかわすには、タイミングを見計らって直線軌道から体を外す。
説明するのは簡単だが実行するのは難しい。
しかし、アーサーは攻撃をかわすことだけに精神を集中している。
そして前衛として戦ってきた戦士の勘が、アーサーの体を動かした。

552激突、戦闘中:2007/11/24(土) 04:23:17 ID:mt4mOw2H0
「ちょこざいな!!だが、一度かわせたくらいでいい気になるな」
再度、ドリルを構えてアーサーへ向かって突撃する。
だが一度見切られた技は、そう易々と当てられるものではない。
初撃と同じように、またアーサーにかわされてしまう。
「ちょろちょろと鬱陶しい奴め」
ダンターグは逃げ回るアーサーに何度も突撃する。
しかし、その度にアーサーは攻撃を避ける。
ダンターグの攻撃は確かに強力。
その巨体、その突進力から繰り出される攻撃は、一度でも当たればそれが決定打となろう。
ところが力でねじ伏せることを得意としてきたダンターグの攻撃は単調。
攻撃を見切られ、回避に専念されては当てることは出来ない。
どれだけ強力な攻撃でも当てることが出来なければ意味がない。
もちろん、回避しているだけではダンターグには勝てないが、
アーサーからしてみれば、アーミックたちが来るまでの時間稼ぎをすればいいだけ。
戦略的にアーサーは勝っていた。

「くそっ、雑魚のくせに生意気な!!」
怒りの声を上げ、ダンターグは大地を足で踏みつける。
そしてまた馬鹿の一つ覚えのようにアーサーへ突撃する。
もう何度も見切った攻撃をアーサーは危なげなくかわす。
が、アーサーが攻撃をかわすのと同時に大地が揺れる。
ダンターグの大地への踏みつけが時間差で地震を起こしたのである。
予想外の事態にアーサーはバランスを崩す。
ダンターグはそれを見逃さず、すかさず体当たりを加える。
アーサーはこの体当たりを避けれらないと判断して防御をする。
それでもダンターグの体当たりの勢いは止まらず、突き飛ばされて地面へと倒れてしまう。
そんなアーサーを決定的に追い詰めるがごとく、ダンターグは、アーサーの足を踏みつけた。
アーサーの骨が砕け、鈍い音がなり響く。
「これでもう動けまい。これで終わりだ」

「アーサーさ〜ん」
「まずいのだ、これはものすごくまずいのだ」
アーサーが攻撃を受けるとほぼ同時にアーミックが仲間を連れて戻ってきた。
だが、ほんの少し遅かった。
アーサーは足を封じられてしまい、もう攻撃をかわすことは出来ない。
アーミックたちも、ダンターグに接近してアーサーを救い出すのは難しい。
「はっはっは、残念だったな。
 何、悲しむことはない。すぐにお前らも一緒に殺してやる。
 安心してこの男が死ぬのを見ておくがいい、はっはっはー」
ダンターグはドリルを掲げ、アーサーへめがけて振り下ろした。
553ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 09:35:19 ID:S8MaMJyE0
こ、ここで終わりなのか・・?
554ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 09:45:08 ID:2FKoIO630
支援
555激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 10:54:59 ID:M93nbklY0
<初めての仲間>
振り下ろされたドリルは、アーサーへ向かって一直線に進む。
そこへ突然、空から質量のある攻撃がダンターグの側面へ襲い掛かる。
ダンターグは不意の攻撃を避けきれず、体はよろめき、突き出すドリルの軌道がずれる。
アーサーは動かない足に変わって、腕で地面を突き出し、
その反動でぎりぎりのところでドリルを避けた。
「誰だ!?」
ダンターグの目の前に現れたのは機械の戦士だった。

メタルアルカイザーはダンターグを倒すべき敵だと判断した。
今までの情報から、町を破壊したのはダンターグだとわかった。
その上、自分自身の快楽のために殺しをする快楽殺人者。
虫唾が走った。
忠義や信念など何もない。
ただ、自分の喜びのためだけに他者をかえりみない行いをする。
愚かなブラッククロスの連中を思い出す。
こいつは倒さなければならない。生かしておくわけにはいかない。

「貴様は、この私が倒す」
メタルアルカイザーは稲妻の球体をダンターグへ投げかけ、
球体が当たると同時にダンターグを中心に竜巻を発生させる。
さらに、竜巻がやむ前に槍をかかえてダンターグへ突進する。
メタルアルカイザーの技と速度からなる連携攻撃。
ダンターグはものの見事にこれらの攻撃を食らってしまう。

「なかなか骨のある奴が出てきたじゃねえか。
 このヤロウ、まずはお前からブッ倒してやる」
ダンターグはメタルアルカイザーへ向かって勢い良く体を突き出す。
メタルアルカイザーはダンターグを両の腕で押さえようとする。
ダンターグの力とメタルアルカイザーの力のぶつかり合い。
始めは、どちらも引かず膠着状態。
だが、徐々にメタルアルカイザーの足が下がり続ける。
「どうした?お前のパワーはそんなものなのか?」
メタルアルカイザーは力では敵わないと判断して、手を離しバックステップで距離を取る。

技と速度ではメタルアルカイザーが上、力ではダンターグが上。
どちらか片方が勝ったとしても、もう片方も無事ではすまない。そんなレベルの戦いであった。
556激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 10:56:05 ID:M93nbklY0
ダンターグとメタルアルカイザーが競り合っている間に、アーミックたちはアーサーの下へと駆け寄る。
「へへっ、間に合ったか。俺たちも加勢するぞ」
アーサーは砕かれた足に無理やり力を入れて立ち上がろうとする。
常人ならば歩くことも不可能な足に気合を込める。
しかし、気合だけではどうにもならず、地面へと崩れ落ちる。
「だめなのだ、そんな体じゃ戦えないのだ。
 ぼくたちが戦っている間、アーサーさんは休んでいて欲しいのだ」
アーサーの勇ましくも痛々しい姿を見て、ゆきだるまが提案する。
言葉を発したのはゆきだるまだが、その気持ちはアーミックもヒロユキも同じであった。
「情けねえ。でも、仕方ないな。この足じゃどうにもならない」
アーサーは戦いに参加できないことを悔やみながらも、
思うように動かせない体には逆らえず、ゆきだるまの提案を受け入れた。
「アーサーさん。俺が肩を貸しますから、安全なところへ行きましょう」
「いや、それはいらない。足は動かねぇが、腕はまだ動く。この場から離れることくらい俺一人で出来る。
 お前たちは、はやくあいつと戦ってくれ」
アーサーを案じたヒロユキの提案を跳ね除け、はやくダンターグと戦うよう促す。
自分のために、戦力がそがれるのが嫌だったからだ。
3人はそんなアーサーの意思を受け取り、ダンターグとメタルアルカイザーの下へ向かう。

ダンターグとメタルアルカイザーの戦いは互角だった。
メタルアルカイザーが、連続攻撃を繰り出してダンターグを追い詰めれば、
ダンターグは力任せの一撃をメタルアルカイザーに決める。
今もまた、メタルアルカイザーはダンターグの懐へ飛び込み、両の拳から繰り出す猛打をたたきつける。
ダンターグはメタルアルカイザーの攻撃を受け、その反撃という形で攻撃を返す。
それが、さっきまでの戦いだった。
メタルアルカイザーの猛打が終わるとほぼ同時に、剣を持った白い塊が風を伴ってダンターグの側面を突き抜ける。
続いて小動物の短い手から嵐のようなパンチが繰り出される。
最後に背後に回った地味な人間が飛び上がり、上段下段と切りつける。
『タイガー疾風マシンガン天地二段』
あえて出すならこのような名前の見事な連携攻撃がダンターグに降りかかる。
「あんたが何で戦ってるのかわからねえ。
 でも、戦ってるなら俺たちは仲間だ。一緒にこいつを倒すぜ!!」
本当は怖くてしょうがないのだが、勢いだけでヒロユキは声を上げた。

突然やってきた援護攻撃。
ダンターグとの戦う中で、倒せても万全な常態ではいられないと感じていたメタルアルカイザーにとってはありがたいものだった。
そして、援護をしてきた者たちは仲間として一緒に戦おうと言う。
これまで一人で敵と戦ってきた、メタルアルカイザーにとってそれは不思議な感覚だった。
(一人では困難な相手を前に、協力して戦う。これが仲間というものか?)
メタルアルカイザーの中に感じたことのない思いが宿った。
557激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 10:57:04 ID:M93nbklY0
<敵と一緒に仲間と戦う>
「残念だけど、ここまでね」
腕だけでダンターグから離れようとしているアーサーの前にカタリナが立ちはだかる。
同行していたメタルアルカイザーが突然戦い始めたのには驚いたが、そんなことは関係ない。
自分は自分のなすべきことをするだけ。殺せる者は殺す。
「てめぇは、あのメカの仲間だったんじゃないのかよ」
アーサーはカタリナのことは一瞬見ただけで全く知らないが、
一緒に行動していた黒いメカが戦っているのに、自分を狙ってくるとは予想できなかった。
「仲間、ではないわ。事情があって一緒にいただけ。
 どちらにしても今から死ぬあなたには関係のないこと」
カタリナはそう答えると、左手に持つシルバーフルーレをアーサーの首筋へと突きつける。
「安心しなさい。せめて苦しまないように殺してあげるわ」
「くそっ、これまでか」
逃げ切れない。そう判断したアーサーは目をつぶる。

「アーサー!!」
建物の間を抜けて見えてきたのはアーサーと見知らぬ女。
そしてアーサーの喉を貫く小剣だった。
「てめぇ、やりやがったな!!」
フェイはやりきれない怒りを目の前の女にぶつける。
「私は神に願いを叶えてもらうために当然のことをしただけ。あなたは違うのかしら?」
「私はあいつの言いなりになるつもりなんて無い」
カタリナは今まで出会ってきた人と同じように、自分の考えを告げて相手の動向を見ようとするが、
フェイはカタリナの考えをあっさりと否定した。
「そう。なら、あなたもこの男の後を追わせてあげる」
「何でもてめぇの思い通りになると思うな」
そんなやり取りをしている間に、後ろを走っていたフォルネウスとトーマスが姿を現した。

「ッ!!フォルネウスとトーマス!?」
かつて戦って倒した敵と、一緒に戦った仲間が同時に現れたのを見てカタリナは驚いた。
「カタリナさん、話は聞こえました。
 あなたがそういう考えをするのは残念ですが、それならばあなたは敵です」
トーマスはフェイとカタリナの声を聞き、目の前に倒れる男を見てカタリナとの決別を示す。
一方のフォルネウスも無言でカタリナを威圧する。
558激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 10:57:52 ID:M93nbklY0
相手が悪い。
仲間と協力してやっと倒せたフォルネウスに、トーマスと威勢のいい女も付いている。
一人で戦うのは厳しい。でも、私にはこの不思議な盾がある。
私が知っているこの盾は、弓だけしかかわせなかったけれど、この不思議な盾は剣の攻撃もかわせる。
それに、いざとなればベルトを使って逃げることも出来る。
だから戦う、いずれは倒さなければならないのだから。出来るところまで戦う。

カタリナは小剣をアーサーから引き抜き構える。
フェイたちの方はフォルネウスを前衛に、フェイ・トーマスが後衛から援護する陣形を取る。
「スコール」
カタリナとフォルネウスがにらみ合っている間に、まずはトーマスが玄武の基本術を唱える。
ダメージを期待しての術ではない、地相を玄武にしてフォルネウスが戦いやすくするために使った術である。
「いくぜっ!!」
それと同時にフェイの銃が火を噴き、フォルネウスも前進し連続して槍を突き出す。
ところが、カタリナは銃弾をいとも簡単に盾で弾き、
フォルネウスの突きも一段、二段と槍の軌道に盾を合わせて弾く。
そして攻撃をかわしながら、術を唱え影分身を作り出す。
肉弾戦をしながら術を唱えるのは無謀な行動だが、それを攻撃はかわせるという自信からやってのけた。
その間にフェイの二撃目が飛んでくるが、これも簡単に盾で弾く。
フォルネウスも次こそはと槍を叩きおろし、突き出すが、タイミングを合わせられて防がれる。
攻撃をかわしたカタリナは今度はお返しとばかりに十字を描くように連続で突きを浴びせる。
影分身もカタリナの動きに合わせてフォルネウスへと攻撃をかける。

「嘘だろ、攻撃があたりゃしねえ」
銃弾も槍撃も簡単に弾かれてしまうことにフェイは驚きを隠せない。
「あれはワンダーバングル!?でも、おかしい」
カタリナの装備している盾を見て、トーマスは疑問に思う。
トーマスの知っているワンダーバングルは、射撃攻撃しかかわせない。
槍の攻撃を防げるはずが無いのだ。見た目は同じ、なのになぜ?
トーマスは隠者の指輪を見つめて考える。
もしかしたら、特別な効果がかかっているのかもしれない。
もしかしたら、この指輪の力が役に立つかもしれない。
でも、指輪を一度使えば5時間使えなくなる。
一瞬だけ迷ったが、トーマスは考えた。
少なくともシャドウサーバントを外せるのだからいいのではないかと。
この指輪が一定時間使えないのはカタリナは知らない、
指輪の効果でシャドウサーバントを解除されるとわかれば二度目は使ってこないはず。
そう考えれば、悪い選択じゃない。ここで使っておくべきだ。
トーマスが指輪をかかげると、4人それぞれを光が包み込んだ。
559激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 10:58:42 ID:M93nbklY0
トーマスたちは、補助術を使っていないので何の被害も無い。
一方のカタリナは自分の影分身が消えたことに気づく。
それでもカタリナはひるまない。影分身が使えなくとも攻撃さえ受けなければ負けないのだから。
「フォルネウス、何でもいいからもう一度槍で攻撃してくれ!!」
トーマス自身、四魔貴族にこんな言葉を発することがあるとは世にも思わなかった。
その上、戦っているのはカタリナ。不思議な感覚だった。

フォルネウスはトーマスの言葉を受け取り、槍を構えたまま突撃する。
カタリナは右腕の盾を信じて、余裕の顔でフォルネウスを迎え入れる。
ところが、フォルネウスが近づいても盾が反応しない。
完全に防げると思っていたカタリナは右腕で受け止める形になった。
ただでさえ怪我をしているのに、直撃をもらった。
「そんな、そんなことって!!」
もう、右腕は使えないかもしれない。直感的にそう思わせるほど致命的な一撃だった。

「おっ、当たった。よしっ、それなら!!」
フェイはすかさず弾を込めるが、トーマスがそれを静止する。
「待ってくれ。あの盾に射撃攻撃は効かない。
 槍が防げるのがおかしいと思って、それは何とかしたけど、射撃は100%防がれる。
 何もしないで、そこで見ててくれ」
「ちぇ、つまんねーの」
近接戦で使える武器もなく、術も使えないフェイは仕方なく待機することにする。

そこへブルーを背負って走ってきたゲラ=ハが追いつく。
ブルーが怪我をして思うように走れないので、
変な挙動を見せたら即死亡という条件でゲラ=ハが背負うことにしたのである。
もともと被害者ということで、いざというときには遠慮なく処分できるという意味も込めている。
「現状を説明していただけますか?」
「あ〜、今は殺しに乗ったピンクの女と戦ってる。射撃攻撃が効かないらしくて私は何もできない。
 そうだ、私がそいつの監視をやるから、お前はピンクの女と戦ってくれ。以上」
細かいところは無視して要点だけ伝える。戦闘中だから必然的にそうなる。
ゲラ=ハもそれを察して、ブルーを地面に下ろし戦闘態勢を取る。
「彼女も言ったけど、直接殴るか術を使うかしないといけないから頼む」
「ええ、わかりました。…ウォーターガン」
短い間の接触で、フォルネウスとの武器と技量の違いを感じたゲラ=ハは、
接近して援護するのではなく、術で援護する方を選んだ。
560激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 10:59:26 ID:M93nbklY0
<ブルーの思考>
気に食わない。非常に気に食わない。
何で自分がこんな目にあわなければならないのか……。
だが、そんなことで嘆いていても仕方が無い。
嘆いている暇があったら、この状況を打破する方法を考えなければならない。

目の前で戦っているのが4人と、監視役の1人。
少し奥を見れば、半獣のモンスターを機械兵士と小動物とゆきだるまが包囲している人外魔境。
よく見ると、奥にはまだいそうだが地味すぎて良く分からない。
随分と多くの参加者が集まったものだ。
それに、奥で戦っていると言っても距離的には殆ど離れていない。

ここでブルーはひらめく。
まずは、この距離ならヴァーミリオンサンズで全員巻き込めそうと判断した。
もちろん1回攻撃しただけで、全滅を狙うのは無理があるが最終手段がある。
最終手段とは、そうオーヴァドライブである。
オーヴァドライブを使って、5回連続で攻撃すれば半分は殺し、半分は重症にできると考えたのだ。

ブルーにとって最終手段を使うか使わないかは難しい判断だった。
オーヴァドライブを使えば、状況を打破できるかもしれないが技力・術力をすべて使ってしまう。
使わなければ、死ぬ可能性は下がるかもしれないが捕らわれたまま何も出来ない。
ギャンブルを仕掛けるのは今か後か。

ブルーは悩みながらも、決断する。
561激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 11:00:06 ID:M93nbklY0
【F-3/ウェイプ西部/午前】
【メタルアルカイザー@SaGa Frontier】
[状態]:HP70%
[装備]:ハープーン@ミンサガ、アムトのシンボル@ミンサガ
[道具]:レオナルドの首輪調査データ
[思考]
基本:自分のなすべきことを考える
1:ダンターグの撃破
2:カタリナのふるまいを観察する
3:レオナルドを島から連れ出すための船を調達する
*現在地ダンターグ正面

【ゆきだるま@Romancing Sa・Ga3】
[状態]:健康
[装備]:永久氷晶@ロマンシングサ・ガ3 スプラッシャー@ロマンシングサ・ガ2
[道具]:なし
[思考]
基本:僕が蘇った理由を考えるのだ!
1:目の前のモンスターを倒すのだ!
2:助けてもらったお礼に(シリューとコンボイを)お助けするのだ!
3:カタリナさんを止めたいのだ!
4:冒険をした仲間に会いたいのだ!
5:そういえば剣を預かりっぱなしなのだ!
*現在地ダンターグ右翼

【アーミック@Unlimited:SaGa】
[状態]:健康
[装備]:(軽体術)
[道具]:確認済み支給品×1〜2、荷物一式
[思考]
基本:このゲームを阻止する(参加者の説得)
1:仕方なくダンターグを倒す
2:参加者を説得する
3:しじんさん、どうしたんでしょうかー
4:ウェイプで他の参加者を探す?
5:早く村へ帰りたいです
*現在地ダンターグ左翼
562激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 11:01:15 ID:M93nbklY0
【ヒロユキ@Unlimited:SaGa】
[状態]:健康
[装備]:レフトハンドソード@ロマサガ
[道具]:確認済み支給品×0〜2(ヒロユキが使えそうな武器は無い)、荷物一式
[思考]
基本:ルビィを探して元の世界に戻る
1:メタルアルカイザーと一緒にダンターグを倒す
2:カタリナへの対処は生き残ったら考える
3:ルビィの事がものすごく心配
4:ウェイプでルビィを探す?
*現在地ダンターグ背後

【ダンターグ@ロマサガ2】
[状態]:HP50%
[装備]:大型ドリル
[道具]:荷物一式、ダイナマイト用雷管・導線・起爆装置
[思考]
基本:参加者全員抹殺
1.目の前の参加者の撃破
2.完膚なきまでにウェイプを破壊する
3.他人を吸収はしない(首輪が付いていない死体ならば吸収してもいいが
*4人に包囲されています

【カタリナ@Romancing Sa・Ga3】
[状態]:右腕重症、マントが少し焦げた、返り血を浴びている、中度の疲労、冷血になる覚悟、術力小消費
[装備]:シルバーフルーレ@ロマンシングサ・ガ3 、ワンダーバングル@ロマンシングサ・ガ2
     ロケットベルト@サ・ガ3 完結編 時空の覇者(残り燃料70%ぐらい)、
[道具]:支給品一式、十字架@サ・ガ2 秘宝伝説、七星剣@ロマンシングサ・ガ3
[思考]
基本:如何なる手段を使ってでも優勝し、ロアーヌの永遠の繁栄を叶えて貰う
1:フォルネウス達を撃破する(無理なら逃げる)
2:化け物騒ぎが一段落したらゆきだるまとヒロユキを見付け、仲間ともども殺す
3:ゲームを止めようとするものを殺す
4:ゲームに乗った者は、自力で倒せそうか戦って弱ってくれそうなら関知しない
[備考]:シルバーフルーレは左手で扱っています
*ワンダーバングルと七星剣のバグ効果は隠者の指輪で消滅しました
563激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 11:04:07 ID:M93nbklY0
【フェイ(人間女)@魔界塔士 Sa・Ga】
[状態]:酔いはほとんど醒めた・右手から出血・酒臭い
[装備]:火縄銃(28/30)@魔界塔士、五弦ベース@現実、ペンドラゴン@サガフロンティア(7/8発)
[道具]:支給品一式、焼酎@現実、聖杯@ロマサガ3、ペンドラゴンの弾×4(発射済み)
[思考]
基本:美味い酒が飲みたい。
1:ブルーを見張る
2:酒が不味くなるので気に入らない奴を殺す。(とくに神)
3:気に入った奴と動き、酒を飲む。(フォルネウスを少し気に入っている)
4:酒を飲む。
5:脱出する事は考えてない(基本行動方針を満たせればいい)
6:仲間との合流は出会えたらする。

【フォルネウス@ロマンシング サ・ガ3】
[状態]:HP90%
[装備]:竜槍スマウグ@ロマンシング サ・ガ3
[道具]:支給品一式 ウォッカ@現実
[思考]
基本:神にアビスの力を見せつける。
1:カタリナを倒す
2:興味を持ったため、フェイと行動

【ゲラ=ハ@ミンサガ】
[状態]:背中に痛み
[装備]:サーベル@魔界塔士 防弾ベスト@サガフロンティア
[道具]:支給品一式 カード@ロマサガ3 確認済み支給品×1
[思考]:
基本:神をシメる
1:カタリナを倒す
2:ホークを捜す
3:仲間になりそうな人物を捜す
564激突、戦闘中 @代理:2007/11/24(土) 11:04:44 ID:M93nbklY0
【トーマス@ロマサガ3】
[状態]:手足に細かい傷多数、移動などには影響なし
[装備]:
[道具]:確認済みの支給品0〜1、高級傷薬×2@ロマサガ3、隠者の指輪(5時間使用不能)@サガフロ、荷物一式
[思考]
基本:ゲームからの脱出
1:カタリナを倒す
2:知り合いを捜す
3:神を知っている風な男(人間男)に、神の話を聞きたい
[備考]ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断。(ただし、ダンターグとヴェントの名前は知らない。)

【ブルー@サガフロンティア】
[状態]:左側の脇腹に重症(戦闘に支障あり)
[装備]:
[道具]:支給品一式 ペンドラゴンの弾薬(21発)
[思考]:
基本:ルージュを殺せ!
1:オーヴァドライブを使う・使わない(決断済み)
2:捕らわれている現状の打破
3:ルージュを捜す
4:回復次第、参加者達を片っ端から抹殺 (ゲラ=ハとその仲間、トーマスを出来るだけ早く殺したい)
[備考]:魔術、陰術、秘術、時術の資質習得、ルージュ戦前から参戦。ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断(容姿のみの情報)

【アーサー(人間男)@魔界塔士Sa・Ga 死亡】
【残り57人】
*アーサーの荷物はどこかに転がっています。
565ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 11:46:26 ID:lCDtSSW60
大人数乙
フォルネウスとトーマスが組んでるのが複雑な気分
船の調達からどんどん遠ざかるメタルアルカイザー
隠者の指輪でバグ武器を打ち消すのはなるほどと思いました

あと気になった点でワンダーバングル。
零姫は腕輪と称していたけど本当は盾が正しいってこと?
566ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 15:08:27 ID:yUf8jjj1O
人間女の一人称が「うち」、か…
まあエスパーボーイの妙な口調に比べればマシだが
567ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 19:38:22 ID:sEKe9bkt0
おお、大量新作乙。
ここもスローでクイックなのか?w
隠者の指輪ナイス。

>>565
バングルで腕輪、わっかのアクセサリーのことだから……
防御効果を発揮するときにウェイクアップして盾っぽくなる
とかの解釈でどうだろう。2と3で同じ見た目か、という問題はあるけど

>>566
いや、「私」じゃないか?
568 ◆oHCPL1DFHs :2007/11/24(土) 20:07:47 ID:mLVQfPyc0
転載ありがとうございます。

「盾」は自分もバングルを盾で表現するかなぁ、と思いましたが、
デューン戦で盾と書いてあったので盾と書きました。

人間女は一人称単数が「私」で一人称複数が「うちら」ですね。
現実でもよくいるパターンです。
569ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 21:11:29 ID:5gDmg/gd0
大作投下乙!
2つの戦闘が同時進行ってのが熱い。ブルーも何か企んでるしまだ一波乱ありそう。
アーサーもかっこよかったよ。フェイとの再会目前ってのが皮肉だ。
あと、ヒロユキの度重なる地味強調にワラタ。
570ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 21:54:35 ID:yUf8jjj1O
>>568
フェイに「現実によくいる一般的女性の口調」が
当てはまると思ったのは何故?
感覚の相違だろうけど、原作で一言もセリフを言わないかそれに等しいキャラと
不特定とはいえセリフを持ってるキャラが同列に扱われるのには凄く違和感がある。

キャラ立てるのに必要なレベルならともかく。
571ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 22:12:31 ID:OMxzY9BP0
別にうちら位使ったっておかしくないだろ
そもそもフェイ自体オリキャラみたいなもんだし
前の話と一人称変わったってなら問題あるかもしれんが
572ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 23:28:03 ID:yUf8jjj1O
それとその五弦ベースってのはただの飾りなの?
573ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 23:48:01 ID:yUf8jjj1O
ぶっちゃけこれならまだズガンしてくれたほうがマシだった
574ゲーム好き名無しさん:2007/11/24(土) 23:49:33 ID:g81BtCJ20
なんか臭いぞ
575ゲーム好き名無しさん:2007/11/25(日) 01:01:40 ID:cLLpmc/60
誰をズガン?
576ゲーム好き名無しさん:2007/11/25(日) 01:08:44 ID:tIOO6njGO
毒吐きに行けよ
577 ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:24:39 ID:SpLv++vj0
今回は短いので期限内に上がりました。
レオナルド・シリュー・コンボイ、投下します。
578未知との邂逅  ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:26:16 ID:SpLv++vj0
目を丸くする、という表現が、彼が人間であれば的確であったろう。
生憎今の彼の目は元々丸いのだが――レオナルドは少々呆然として、その光景を見守っていた。
普通は海から人が現れるとは予想しない。いや、人間の姿をしていれば人に似た水妖とも思える。
しかし、まさか海から防水加工が施されているかも怪しいメカが現れるなどとは誰も考えない。
そんなレオナルドの驚きと一種の感動を余所に、海中から現れた二人組は砂浜に降り立った。

「よぉ、ブラザー!」
爽やかに、メカが片手を挙げて挨拶をする。丸っこいフォルムには何となく親近感が湧く。
「やあ。すごいね、泡の中に入ってここまで来たのかい?」
「見ての通り、ね。なかなか便利でしょ?」
もう一人、人間の女がウィンクしてみせた。どうやら彼女が術を使ったものらしい。
――そこまで理解して、レオナルドは初めて思い出す。
そういえば、今は初対面の相手には警戒せねばならないのだと。
あまりに毒気のない二人組だったせいで、危険をすっかり忘れていた。
出会った相手が友好的であったのは自分にとっても、彼らにとっても非常な幸運だった訳である。
「君達は平和的みたいだけど、よくボクが危ない奴かも知れないって思わなかったね」
「ああ! そういやそうだな、考えてなかったぜ!」
今初めて気付いた、という様子でメカはがしゃんと手を打った。
人間の女はやれやれと呆れた様子で肩を竦めて、少し笑った。
「私は考えてたわよ。でもあなたの様子を見たら、警戒は必要ないって判ったけどね」
「ボクを見たら? なんで?」
メカは表情も読めないし、一見しただけでは武装も判らない。警戒して然るべきだと思うが。
その疑問に答えるように、女はレオナルドの足元を指差した。
「これから人を殺そうって考えてる殺人メカが、クロスワードなんかで遊ばないでしょ?」
なるほど、言われてみれば簡単な答えだ。謎はすべて解けた。
レオナルドの足元には、つい今しがたまで睨めっこしていたクロスワードパズルが置いてある。
全く意味不明のカギだらけで役に立つのか定かではない品であったが、意外な効能もあったものである。
579未知との邂逅  ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:27:14 ID:SpLv++vj0
「それにしても、この島に他にも誰かいたとはなあ」
互いに軽い自己紹介を済ませると、コンボイと名乗ったメカは感心したように周囲を見回す。
「こんなちっこい島に三人もいたんだろ。全然気付かなかったけど」
「慌てすぎて周りが見えてなかったんじゃないの?」
人間の女、シリューが茶化す。そういえば砂浜に凄い勢いで突っ走った跡があったっけ、と思い出す。
「三人じゃなくて、多分四人だよ。君と、これ置いてった人と、ボクと、もう一人」
メタルアルカイザーが持ってきた、放置されていたらしいザックを持ち上げてみせる。
コンボイは自分の荷物を持っているから、これは別の誰かのものだろう。
「おお、あったあった! 取っといてくれたのか、探す手間が省けて助かったぜ!」
「これ落としてったの、君の知り合い?」
「ああ。こっから連れ出すのが精一杯でな、置いて来ちまった訳だ。探して届けてやろうと思ってよ」
よほど慌てるような事情があったらしい。ザックを差し出すと、コンボイは満足げに受け取った。
「ところで、もう一人って?」
「うん、今はここにはいないんだけど。やっぱり最初から島にいたらしくてね」
シリューの問いに、頷いて答える。
しかし考えれば考えるほど、この狭い島に四人もが飛ばされていたとは驚きだ。
すぐに出会えるような場所に複数人を配置する。これが神の意図したことならば、その狙いは明白だ。
このゲームの盤上でも真っ先に殺し合いが始まる場所に、この島はなっていたのかも知れない。
話の解る者ばかりが集まっていたのは運が良かったと言えよう。

砂浜で休息しつつ、レオナルドと二人はこれまでの経緯を話す。
メタルアルカイザーとの出会い、首輪の解析、彼が船を探しに行ったこと。
首輪の解析データはコンボイにも転送しておいた。プリントアウトができればシリューにも渡せるのだが。
二人からは、ここに荷物を忘れていった仲間のことが聞けた。ゆきだるま、だそうだ。
それはあだ名か何かなのかと思ったら、見たまま本物のゆきだるまだという。
何でもありだ。あの奇妙な神が何を考えてキャストを選んだのか、よく解らない。
それから、彼らの仲間はもう一人いるらしい。アーサーという人間の青年だそうだ。

「そっか、待ってる人がいるのね。あなたも連れて出ようかと思ったけど……すれ違っても厄介かしら」
「なー、『水の石と大地の石で調合できる古魔法』って知ってるか?」
「それならダミアンね。……って、何遊んでるのよ」
シリューがコンボイからクロスワードを取り上げる。ふと見ると、幾つかの項目が埋まっているようだ。
レオナルドの知識にはないことを、彼らは少なからず知っているらしい。
580未知との邂逅  ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:29:10 ID:SpLv++vj0
「待って。解るとこがあるなら、全部埋めちゃってくれないかな?」
言うと、シリューは不思議そうな顔をした。
無理もない。どう見てもただのパズルだ。解いてどうなるものとも思えない、かも知れない。
しかしレオナルドにはひとつの予感、いや、予測があった。
「これ、支給品なんだ。わざわざ入ってたってことは、何が意味があるかも知れないよね?」
シリューからパズルを受け取り、三人の中央に置く。
まだ空白の方が多いマスの中に幾つか、二重の四角になっている部分があった。
「二重線のマスに入った文字を並べ替えると、何か言葉が出てくる……ってのがお約束だよね」
「何かのヒントになるかも知れない、ってこと?」
シリューが首を傾げる。その表情は半信半疑、どちらかと言うと疑が多い趣だ。
コンボイもそれに関してはシリューと同感らしい。
「あんな腐った野郎が俺達の役に立つヒントなんて置いといてくれるか?
解いてみたら答えは『バカが見る』だった、なんてオチが待ってそうだけどな」
そう思っていた割には熱心に解こうとしていたような気がするが、突っ込まないことにする。
「うーん、確かにそうかも知れないね。でも、あいつは『ゲーム』って言ってた」
ゲームスタートの合図が行われた会場での神の言葉を思い出す。
殺し合いをゲームだなどと称する趣味の悪さには怒りを覚えずにはいられない。
しかし思い出したくもないあの惨劇の序幕に、忘れてはならない大きなヒントがあるかも知れない。
「楽しませてくれ、って言ってたよね。ボク達に、何か期待してるんじゃないかと思うんだ」
あれだけの力を持った存在が、殺し合いをただ眺めるだけで楽しめるのか。
ゲームの参加者に選ばれた者達が、言いなりに殺し合うだけで終わるなどと思っているか。
――どちらの答えも、恐らくノーだ。

「あいつは、ボク達が逆らってくるのを予想してる。それを解った上でこんなことをしてるんだ。
反抗される可能性も含めて、楽しんでる。きっとね」
「だから……反抗するためのヒントも用意してる、ってこと?」
「あくまで可能性の話だよ。でも、可能性があるなら賭けてみる価値はあるよね」
数少ない、手掛かりになりそうな要素だ。徒労に終わる恐れはあっても、何もしないよりいい。
「……そうね」
シリューは頷いた。コンボイも、大きな頭を重そうに縦に振る。
「やるだけやってみるのも、悪くはねーな!」
「みんなの知識を結集したら、結構埋まりそうだしね」
クロスワードのカギは、全く聞いたこともないような事柄がほとんどだった。
先程シリューがこともなげに答えた言葉もそうだ。古魔法など聞いたこともない。
レオナルドの知らない術体系を、シリューは知っている。
そもそも彼女がここに来るために使った、泡に入って海を渡る術もレオナルドには未知のものだった。
そういえば、彼女はどこから来たのだろうか?
581未知との邂逅  ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:35:47 ID:SpLv++vj0
クロスワードを囲んで更なる情報交換をした結果、明らかになったのはとんでもないことだった。
コンボイが住んでいたのは、幾つもの世界が巨大な柱によって繋がっているという場所。
シリューがいた場所では、人間がメカやモンスターに姿を変えたり、戻ったりが可能だったという。
未知のリージョンという所までは予想していた。しかし聞いた限り、リージョンどころの騒ぎではない。
三人が元いたのは明らかに、違う世界だ。
レオナルドの知る世界は、異なるリージョンであっても物理法則や生物の仕組みに違いはない。
コンボイが渡り歩いたという数多の世界も、同じ世界観の一部というところから外れてはいなかったという。
全く違う源を持ち、全く違う法則のもとに成り立つ異世界があるなどというのはSF小説の領域だ。
しかし、信じざるを得ない。ここにこうして、異世界から来た三人が揃っているのだから。

「なるほどなー、全然わかんねー質問ばっかのはずだぜ」
「……この『チンワセン』って何? えーと……『ヘカトの次に強い蛙系モンスター』?」
「知らねーのか、チンワセン」
「知らないわよ」
レオナルドには結構な衝撃の事実だったのだが、二人はショックを受ける様子もなくパズルに興じている。
そのお陰で、レオナルドが埋めた所も含め、三割ほどのマスには答えが書き込まれていた。
「でも、何でこんな色んな世界についての質問をあいつは考えられたんだ?」
コンボイが疑問を口に出す。それはレオナルドも気になっていたことだ。
このパズルを作ったのは恐らく、あの神だろう。
彼は何故、様々な世界のことを全て知っているのか。
「神様だから……じゃ、説明にならないか」
「神様って言ったって、そう全知全能でもないんじゃない?」
納得のいく結論は、今は出せそうにない。
「君達の仲間……ゆきだるま君とアーサーさんだっけ。彼らも違う世界から来たのかな?」
「どうかしら。ゆっくり話す暇がなかったからね」
「ゆきだるま型のモンスターってのは俺の世界にはいなかったけどな」
彼らもまた異世界の住人で、ここにいる三人とは違う知識を持っているとしたら。
その協力を得れば、クロスワードのマスはもっと埋まるだろう。
一体幾つの世界から人が呼び集められているのかは定かではないが。

「彼が戻ってきてくれたら、ここから出てその人達も探しに行きたいんだけど……」
メタルアルカイザーはどうしているだろうか。彼が向かった方向へ視線を向ける。

見えたのは、海の向こうから上がる炎だった。
582未知との邂逅  ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:37:14 ID:SpLv++vj0
火の手が上がっている。それも、この離島からもはっきりと見えるほどの激しさで。
レオナルドは直ちに、自分のメモリー内にインプットした地図を呼び出す。
この場所からの距離と角度から割り出した座標は、地図上に描かれた町のマークの位置。
町へ向かう、というメタルアルカイザーの言葉が甦る。

「大変だよ! 町が燃えてる!」
レオナルドが叫ぶと、二人はすぐに反応した。砂浜に腰を下ろしていたシリューが跳ね起きる。
「うっわ。こりゃ派手だな……」
「まずいわね。アーサー達が行った方向じゃない」
「ボクの仲間も……町に向かったはずだ」
三人は顔を見合わせる。心を決めるのに、言葉は要らなかった。
ほぼ同時に、三人は頷く。
「行きましょう」
「うん。待ってる場合じゃないね」
「格好良く助けに行ってやらなきゃな!」


【G-5/島/午前】
【レオナルド@サガフロンティア】
[状態]:正常
[装備]:水撃銃
[道具]:聖王ブーツ、特製サガ・クロスワード、荷物一式×2人分、首輪解析データ
[思考]
基本:首輪解析
1:ウェイプに向かう。メタルアルカイザーが心配
2:異世界の出身者に会い、クロスワードを完成させる

※クロスワードのSaGa2・SaGa3関連の項目は全て埋まりました。
 サガフロ関連の項目はレオナルドの知識の範囲で埋まっています。

【シリュー@サ・ガ3 時空の覇者】
[状態]:人間状態、脚部に軽いダメージ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、白いバラの花束
[思考]
基本:神をGMの立場から引き摺り下ろす
1:ウェイプへ向かい、アーサーとゆきだるまを助ける
2:デューン達に会いたい

【コンボイ(メカ)@サ・ガ2 秘宝伝説】
[状態]:軽度の疲労、脚部、背部にダメージ
[装備]:加速装置(残り1)@サ・ガ2秘宝伝説
[道具]:支給品一式×2(片方はゆきだるまの)、時空ワープ@サ・ガ3時空の覇者、首輪解析データ
[思考]
基本:ゲームの破壊のために、仲間と合流する
1:ウェイプへ向かい、アーサーとゆきだるまを助ける
2:ゆきだるまに荷物を渡す
583 ◆kGf..YZoZg :2007/11/25(日) 02:38:37 ID:SpLv++vj0
投下完了です。
規制を気にしなくていいって気楽だなあ!
584ゲーム好き名無しさん:2007/11/25(日) 17:49:00 ID:iB173OAI0
解析チームGJ! いいチームだな。
でも多分ウェイプには間に合わない……

ところでクロスワード、初代SaGaの項目がやや危ういかもね。
585ゲーム好き名無しさん:2007/11/25(日) 19:23:58 ID:iB173OAI0
お前ら指輪かデスティニーストーンどっちか全部出す気だな!
と思ってアイテムの支給できる残り限界数を調べてみたら45!? そんなに?

もちろん何で使ってないんだ!というケースもあるだろうから
余裕があるとはいえないけど容量自体はあるなあ。
一番難しいのはそれ自体武器であるオブシダンソードか。
586ゲーム好き名無しさん:2007/11/26(月) 00:41:06 ID:MrrlOXWp0
投下乙です。
初代Sagaより、時代の壁があるサガフロ2の方が危ういような。コーデリア以外で解けるのかな?
ロマサガ2は最終皇帝と七英雄が長期間生きてるから何とかなりそうだけど。

ところで、【雪だるまの支給品1〜3】はどこへ行ったのでしょうか?
587 ◆kGf..YZoZg :2007/11/26(月) 03:50:37 ID:GhegmU1n0
>>586
おっと、指摘ありがとうございます。
ゆきだるまの支給品は一纏めに「支給品一式×2(片方はゆきだるまの)」で表したつもりでしたが、
「一式」というと共通支給品だけに見えますね。
コンボイが持ってるということで、彼の道具欄を訂正します。

[道具]:支給品一式×2、時空ワープ@サ・ガ3時空の覇者、ゆきだるまの支給品1〜3個、首輪解析データ
588ゲーム好き名無しさん:2007/11/26(月) 20:54:52 ID:e692qTkhO
チンワセンwwww
589 ◆ymBYNMMH4k :2007/11/27(火) 23:48:29 ID:Xzg3TFws0
>>548
指摘どうもです。
ディガーはいつも間違うんだよな…。

>>564
投下GJ
大人数入り乱れての戦闘にwktk、メタルアルカイザーがなんかかっこよかった。
フルボッコ状態のダンターグとカタリナに明日はあるのか、ブルーはどう動くか、
今後の展開が気になるなー

>>583
投下GJ
このチームはほのぼのしてていい感じ。
ウェイプへは間に合うのかな?
間に合わないほうが良さそうだけど……。
590 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/28(水) 20:05:08 ID:uXXaMfMe0
前回の失敗を踏まえました。

メタルアルカイザー(メタルブラック)、ゆきだるま、アーミック、ヒロユキ、ダンターグと
ナルセスとサラを予約いたします。
591ゲーム好き名無しさん:2007/11/28(水) 20:12:44 ID:Ksprqhpc0
カタリナやブルーらもいるしちょっと難しくないか
592 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/11/29(木) 19:07:33 ID:XACk3Qi20
>>591
確認したらダンターグ戦とカタリナ戦の位置、同じなのか。
ごく近いとすると、片方だけ切り離して進行させるのは確かに難しいかも。
んー、
申し訳ないですが、一旦予約を破棄してもう一度考えてみます。
すみません。
593ゲーム好き名無しさん:2007/11/30(金) 18:39:11 ID:W2eFG6hX0
チンワセンよりしろくのがまの方が有名だからな
594 ◆ymBYNMMH4k :2007/12/04(火) 00:36:52 ID:wP8ZHy360
ブルー、カタリナ、フォルネウス、フェイ、ゲラ=ハ、トーマスを予約&一時投下スレに投下します。
位置の関係をはじめ、色々問題点があると思うので指摘よろしくです。
595 ◆m604XAkfEs :2007/12/04(火) 00:40:57 ID:XtAuViYC0
続いて。
レオン、ポルナレフ、レッド、オーベルベンド予約します
ちょっと癖のある支給品出す予定なので投下の際には
こちらも一時投下スレになると思います。
596ゲーム好き名無しさん:2007/12/04(火) 01:32:37 ID:ceYjF1230
>>594
大人数バトルの投下乙!
カタリナの判断は問題ないと思う。
多勢に無勢、逃げるのに絶好のアイテムとなればベルトを使うのは自然。
建物を倒壊させて追跡を遮るというのも上手い。
ダンターグ組の描写がないのは、カタリナもフォルネウス達も自分達の戦いに精一杯で
そっちを気にする余裕もないから彼らの視点では描かれてないと思えば違和感はない。

気になったのは、ウェイプってそんなに建物密集してたっけ?って事ぐらいかな。
気になるって言っても修正が必要なほどとは考えないけど。
フェイは戦闘に参加せずに何してるんだと思ったら、ブルーの見張りか…。
味方側優勢だったらブルーを放ってまで戦いに加わろうとしないのもまあ納得か。

しかし大規模戦闘は話数が多くなりがちだから、
そこに加わってるキャラとそうでないキャラの登場話数の開きが凄い事になりそうだ…。

>>595
ひと波乱ありそうな組み合わせにwktk。
どんな支給品があるか楽しみだ。
597ゲーム好き名無しさん:2007/12/04(火) 21:56:10 ID:OJYfuXQ70
>>594
ダンターグ組描写なしは、ブルーの介入が無いから問題ないかと。
ベルトはディーンみたいに戦闘で応用する使い方じゃないから個人的OK。
ウェイプの町並みは良く分からない。他の人の判断に任せます。

個人的に気になったのは、この辺り。
・「呪文」というのはサガっぽくないから、「魔法」とか「術」という表現がいいかなぁと。
・ゲラ=ハの広範囲魔法って何?(前話のウォーターガンは単体)
・クラックは広範囲魔法ではなくて直線攻撃魔法だよね?
598 ◆ymBYNMMH4k :2007/12/05(水) 23:42:50 ID:PdPJ7a2K0
>>596>>597
指摘&感想ありがとうです。
呪文と魔法は後で術に統一しようと思って忘れてました。
ゲラ=ハの広範囲魔法は……光術でも使った描写を追加修正します。
クラック直線攻撃魔法→完全に見落としてました。すみません、これも修正します。
599 ◆m604XAkfEs :2007/12/06(木) 11:20:04 ID:aRLKZkIKO
すみません、急用が入って今週パソコン使う暇が
なくなってしまったので、予約破棄します。
…インフルエンザは本人だけでなく、周囲の人達にも様々な被害が及ぶため
皆様もどうかご自愛下さいorz
600ゲーム好き名無しさん:2007/12/06(木) 23:16:12 ID:Eu1iQbiW0
うお、お大事に…って患者は本人じゃないのかな。どっちにしても乙です。
601ゲーム好き名無しさん:2007/12/09(日) 18:15:31 ID:ljmawsBU0
過疎か規制かとにかく人気がない……
それはそれ、修正込みで転載しときます
602選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:17:38 ID:ljmawsBU0
早くここを打開するためには、オーヴァドライブを使うしかない。
目の前で戦う4人を見ながらブルーは思考する。
このまま彼らに捉えられているままでは何も出来ないのだ。
この状況でオーヴァドライブを使うと、かなりの大人数を巻き込んだ上で、自分の身は解放されるだろう。
ただし、今後アイテムなどで回復しない限り、術と技が一切仕えなくなる。
そうまでして、使うべきか?
勿論、彼らから逃れられるのはいいが……、
ブルーの最終目的はルージュを殺すことだ。彼は技力・術力なしで勝てる相手ではない。
それに、敵はここに居る者だけじゃない。他にも居る筈だ。
そんな奴らとも戦わなくてはならない状況になるかもしれない。
だとすると、先のことも考えて術の力は温存しておいたほうがいい。

そもそも、元をただせば捕まったのだって、見通しの甘さが招いた結果だ。失敗は繰り返したくない。
ブルーは結論した。
今はオーヴァドライブを使う時ではない。
この場面なら――もう少し経ってからならどうだろうか?
戦いの途中だ。傷つき瀕死になるものが多数出るかもしれない。
オーヴァドライブを使わずとも、ヴァーミリオンサンズの一撃で殺せる状況が、出来る可能性はある。
待ってみるのも一つの手だ。

ブルーは思考しながら、戦いの成り行きを見守ることにした。
戦場は互角……いや、
3対1という苦戦を強いられながら、カタリナは上手く立ち回っている。避けれる攻撃は結局的に避け、致命傷は防ぐ。
それだけでなく、即席チームのぎごちない連携の隙を狙って攻撃の意思さえ見せていた……が、不利には変わりない。
カタリナは次第に押されてきていた。

奥の方は……、
カタリナたちの戦闘に近づき過ぎると巻き込まれると判断したのか、奥で戦ってた者達は次第に距離をとり始めている。
人外魔境の戦闘模様は先程より遠くの方に見えた。
このままではヴァーミリオンサンズの射程から外れるだろう。
だが、やはりオーヴァドライブは使わない。――いや、使えない。
それはあくまで最終手段だ。後先考えずに使うべきではない。
……結果、吉と出るか凶と出るかわからないが、待つほかなかった。

603選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:20:52 ID:ljmawsBU0


トーマスが指輪を掲げてから、カタリナは明らかな劣勢を強いられていた。
フォルネウスだけでも厳しいのに、トーマス、さらに男を背負ったトカゲも現れ、相手は3人になった。
それに後ろに控えている女と男。
怪我をしているらしい男はともかく女の方は武器がないから戦えないのだろう。
実戦には慣れているようにみえる。
万が一フォルネウスを倒せても、彼女が後から来たトカゲから武器を貰ってフォルネウスの代わりを務めるだろう。

そうなると一人で倒すのは不可能だ。……逃げるしかない。
カタリナの目的はあくまで優勝する事だ。生き残らなければそれは果たせない。
ここで無理に彼らを倒す必要はない。
殺し合いを円満に進めるためには殺すのが一番だが、この状況では諦めるしかないだろう。
同行者だったメタルブラックが戦っている、半獣人のモンスター。
彼の力量がどれほどかわからないが、そいつがフォルネウスたちを殺してくれるのを期待するしかない。
ここは引くのが一番だ。
ロケットベルトを使えばそれも可能だろう。
だが、彼らがこのまま逃がすとは思えない。追ってくるのは明白だ。
とすると……、

604選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:21:37 ID:ljmawsBU0
ウェイプ西部は住宅街らしく、乱雑に家が立ち並んでいる。
広い道はH型に広がっており、他は路地のような細い道しかない。
そこに逃げ込むと、フォルネウスたちも一人ずつ追いかけるほかなく、前衛に当たる危険性から呪文の援護も出来まい。
決断してからの行動は早かった。
小剣を防御の型に構える。
後ろで援護するトーマスたちの魔法で、少しずつダメージを受けてはいるが、致命傷には程遠い。
戦いが続けば危ないが、今のところはフォルネウスとの力比べには負けていない。
さらに彼の槍の軌道と大体の威力は先程からの打ち合いで検討づいている。
それでも攻めあぐねているが……、逃げるだけなら……出来るはずだ。
カタリナは自身の技量を信じて、剣を持つ手に力を込めた。

フォルネウスの攻撃は正面から来た。高速の二回攻撃――二段突き。
2人が接近しすぎているからか後ろの援護はない。
カタリナは左手で剣を持ったまま、自身のマントを翻した。
なびく桃色の布がフォルネウスの視界を一瞬遮り、それを利用して彼の槍を避ける。
勢いづいていたフォルネウスは、上手く捌かれる形になってわずかにバランスを崩した。
本来はその隙に攻撃に転じる技だが、カタリナはそうしなかった。
素早く身を翻すと一目散に細い路地へと飛び込んだ。
てっきり攻撃が来ると思っていたのだろう。カタリナから距離をとったフォルネウスは逃げる彼女に一瞬あっけにとられるが、すぐに冷静な態度になってカタリナを追いかける。
彼の武器は槍だ。突く能力に長けたそれなら、細い道でも充分な威力を発揮できる。
カタリナの持つ小剣も突きに特化しているが、槍と比べて攻撃力に劣る。
それに一対一とはいえ、無敵の盾がない今四魔貴族に勝つのは難しい。
カタリナはフォルネウスと正面から戦わず、ロケットベルトの加速でつけた距離から術を放った。
攻撃しようと迫ってきたフォルネウスは、一度動きを止めて防御の体制になる。
だが、そんなのは関係ない。カタリナが唱えた術には別の意図があった。
クラック。
それが起こしたのは地割れと激しい地震。あわよくばフォルネウスを巻き込もうと思っていた地割れの方は、あっさり彼に防御されたが、本命の地震は防がれなかった。
思いの中激しい地震は左右の建物を巻き込んで倒壊される。
さすがに建物が倒れてくるのは予想していなかったのか、フォルネウスの判断が遅れる。
倒壊した建物に潰されないように後ろへ下がるのが精一杯で、彼は背を向けて逃げるカタリナを見ているしかなかった。

605選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:22:21 ID:ljmawsBU0


フォルネウスは崩れる建物の向こうに仄かな桃色のマントを見た。
不利と感じて逃亡したのだろうが、人一人を殺した彼女をみすみす逃がす事は出来ない。
だが、彼女が逃げた道は瓦礫に阻まれ、追いかけるのは無理そうだ。
ためしに槍で突いてみたが、不安定な瓦礫は崩れやすく、上を歩くのは危険だ。
さらに足を取られるかも知れないので、別の道を探したほうが、カタリナに早く追いつけるだろう。
フォルネウスは周囲に目を向けた。
このあたりは建物が密集していて、通り抜けれそうな道は、先程のカタリナの技であらかた潰されてしまった。
時間がかかるが、回り道をするしかないだろう。
「どうすんだよ?」
「勿論追いかける。……ここはまかせた」
予想外の事態に少々の戸惑をみせるフェイにフォルネウスはそう言うと、彼女の返事を待たず、通れる道を探すために走り出した。
トーマスもそれに続く。
「あ、ちょっと待てよ!」
フェイは彼らを追おうとするが、ブルーを見張っていないといけないので踏みとどまった。
「……しかたねぇな」
フェイは不満げに呟く。
アーサーを殺したカタリナは許せないが、ゲームに乗っているブルーを逃がすわけには行かないのでここで待つほかない。

「……見張りは私がしましょうか?」
ややあって彼女の気持ちを汲み取ったのか、ゲラ=ハがそう提案した。
「いいのか?」
「はい」
元々ブルーをここに運ぶ役目もゲラ=ハがした。その時と同じに扱うのだから、フェイよりもゲラ=ハの方が適任だろう。
だが、それでも進んで危険人物の見張りを引き受けてくれるとは……。初めに会った時から思っていたが、彼は見慣れたモンスターらしくないほど紳士的だ。
「んじゃ、頼んだ」
ブルーの事はゲラ=ハに任せ、フェイはカタリナを追う事にする。若干フォルネウスたちに遅れるが、追いつけないほどではないだろう。
だが、あんまりゆっくり行くと間に合わなくなる。――アーサーの時の様に。
ふとアーサーの遺体がある方に目を向けたフェイはこの会場の中ですっかり見慣れてしまったザックを見つけた。
おそらくアーサーのだろう。
フェイは黙ってそれを拾うと、フォルネウスたちが向かった方へ走り出した。

606選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:23:09 ID:ljmawsBU0


事態は悪化したのか、それとも良くなったのか……、
女の唱えた呪文のせいで、付近の建物が崩れ、人外魔境の様子が見えなくなってしまった。
彼らの姿は炎に包まれた瓦礫の向こう。この状況でヴァーミリオンサンズを使っても、ろくな成果は得られないだろう。
全員を殺せるチャンスはなくなった。

だが、そんなに悪い状況ではない。先程よりは、逃げられる状況になったかもしれない。
彼の近くにいるのはゲラ=ハとフェイ。
先程はブルーを見張っていたフェイはゲラ=ハと言葉を交わしている。
その話の成り行きから、見張りはゲラ=ハになるらしいが……、
ともかく、今呪文を唱えても、彼女は気づかないだろう。
だが、2人を同時に仕留められるか?
彼女達は後方の援護に努めていたせいか、いたって無傷だ。そんな相手を一撃で仕留めるのは難しいだろう。
だとするとどうするか? どうやって殺すか? ……いや、
欲を出して殺す必要はない。とりあえず逃げられればいいのだ。
だとすると……、ブルーはシャドウサーバントを唱えた。
これで1回までなら攻撃に耐えられる。
後は……ゲラ=ハが1人になった隙を狙って殺すだけだ。

――思えば、ゲラ=ハがブルーを殺すチャンスはいくつもあった。
初めにあった時、追いかけて仕留める事もできた。
次に、フェイ達と共に見つけた時、彼はトーマスを人質にしたが、見捨てて殺す事も出来た。
それをしなかったのは……何故だろうか。いや、今さらそんなことを考えても意味がない。
確かなのは殺さなかったという事実だけだ。

そして何の因果か今はブルーが彼を殺そうとしている。
初めの時のように失敗するわけには行かない。
確実に……殺さなければ。
ブルーは獲物を待つ蜘蛛の様に、ゲラ=ハの隙をゆっくり窺い始めた。

607ゲーム好き名無しさん:2007/12/09(日) 18:23:36 ID:y61OxM8b0
 
608選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:23:42 ID:ljmawsBU0
【F-4/ウェイプ中央部/昼】
【カタリナ@Romancing Sa・Ga3】
[状態]:右腕重症、マントが少し焦げた、返り血を浴びている、中度の疲労、冷血になる覚悟、術力中消費
[装備]:シルバーフルーレ@ロマンシングサ・ガ3 、ワンダーバングル@ロマンシングサ・ガ2
     ロケットベルト@サ・ガ3 完結編 時空の覇者(残り燃料60%ぐらい)、
[道具]:支給品一式、十字架@サ・ガ2 秘宝伝説、七星剣@ロマンシングサ・ガ3
[思考]
基本:如何なる手段を使ってでも優勝し、ロアーヌの永遠の繁栄を叶えて貰う
1:フォルネウス達から一旦逃げる
2:化け物騒ぎが一段落したらゆきだるまとヒロユキを見付け、仲間ともども殺す
3:ゲームを止めようとするものを殺す
4:ゲームに乗った者は、自力で倒せそうか戦って弱ってくれそうなら関知しない
[備考]:シルバーフルーレは左手で扱っています
*ワンダーバングルと七星剣のバグ効果は隠者の指輪で消滅しました

【F-3/ウェイプ西部/昼】
【フォルネウス@ロマンシング サ・ガ3】
[状態]:HP90%
[装備]:竜槍スマウグ@ロマンシング サ・ガ3
[道具]:支給品一式 ウォッカ@現実
[思考]
基本:神にアビスの力を見せつける。
1:カタリナを追う
2:興味を持ったため、フェイと行動

【トーマス@ロマサガ3】
[状態]:手足に細かい傷多数、移動などには影響なし
[装備]:
[道具]:確認済みの支給品0〜1、高級傷薬×2@ロマサガ3、隠者の指輪(5時間使用不能)@サガフロ、荷物一式
[思考]
基本:ゲームからの脱出
1:カタリナを追う
2:知り合いを捜す
3:神を知っている風な男(人間男)に、神の話を聞きたい
[備考]ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断。(ただし、ダンターグとヴェントの名前は知らない。)
609選択 ◇ymBYNMMH4k:2007/12/09(日) 18:24:15 ID:ljmawsBU0
【F-3/ウェイプ西部/昼】
【フェイ(人間女)@魔界塔士 Sa・Ga】
[状態]:酔いはほとんど醒めた・右手から出血・酒臭い
[装備]:火縄銃(28/30)@魔界塔士、五弦ベース@現実、ペンドラゴン@サガフロンティア(7/8発)
[道具]:支給品一式、焼酎@現実、聖杯@ロマサガ3、ペンドラゴンの弾×4(発射済み) パンチ@サガ2 手裏剣(残り12枚)@サ・ガ3時空の覇者 未確認支給品0〜2(武器なし)
[思考]
基本:美味い酒が飲みたい。
1:カタリナを追う
2:酒が不味くなるので気に入らない奴を殺す。(とくに神)
3:気に入った奴と動き、酒を飲む。(フォルネウスを少し気に入っている)
4:酒を飲む。
5:脱出する事は考えてない(基本行動方針を満たせればいい)
6:仲間との合流は出会えたらする。

【F-3/ウェイプ西部/昼】
【ゲラ=ハ@ミンサガ】
[状態]:背中に痛み
[装備]:サーベル@魔界塔士 防弾ベスト@サガフロンティア
[道具]:支給品一式 カード@ロマサガ3 確認済み支給品×1
[思考]:
基本:神をシメる
1:ブルーを見張る
2:ホークを捜す
3:仲間になりそうな人物を捜す

【ブルー@サガフロンティア】
[状態]:左側の脇腹に重症(戦闘に支障あり)
[装備]:
[道具]:支給品一式 ペンドラゴンの弾薬(21発)
[思考]:
基本:ルージュを殺せ!
1:捕らわれている現状の打破
2:ルージュを捜す
3:回復次第、参加者達を片っ端から抹殺 (ゲラ=ハとその仲間、トーマスを出来るだけ早く殺したい)
[備考]:魔術、陰術、秘術、時術の資質習得、ルージュ戦前から参戦。ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断(容姿のみの情報)
610ゲーム好き名無しさん:2007/12/09(日) 21:58:46 ID:x7j29ZPT0
修正&転載乙!
年末が近くなると忙しい人増えるのは仕方ないんだろうなあ。
ここは投下来る時は一気に来る傾向があるから、次のラッシュを楽しみに待とう。
611ゲーム好き名無しさん:2007/12/13(木) 01:04:16 ID:x2HJG+tv0
612ゲーム好き名無しさん:2007/12/16(日) 18:26:36 ID:V7081JftO
携帯からだったら何とか書き込めた。
一時投下スレにビューネイ ノエル レッドを書いてみました。

初めて書いたもんで一時投下に書きました。
内容に問題ありかもしれないので意見宜しくお願いします。
613ゲーム好き名無しさん:2007/12/16(日) 18:41:02 ID:6/GLNX0F0
反対方向に移動するならちょっと理由が強引かなと思いました
614ゲーム好き名無しさん:2007/12/17(月) 01:27:17 ID:b+C+oXwn0
初投下乙。
OCN規制まだ続いてるのか…。

気になったのは>>613も言ってるけど反対方向に行った理由の強引さ、
置いていっていいと言われたからって助けに来た重傷の相手を置き去りにするかどうか
(ニコライに会わせたくなくても、安全な場所まで連れて行くとかは可能なはず)、
あとビューネイはノエルに投げ付けられた剣は捨ててたはずということかね。
ビューネイが蒼龍術を使うのは問題ないと思う。

それと、あんまりこういうのは言いたくないが、日本語的には「そうゆう」→「そういう」な。
SS書くの自体慣れてないみたいだけど、人に読ませる文章ではその辺気をつけた方がいい。
615ゲーム好き名無しさん:2007/12/17(月) 04:18:21 ID:0XKXGlnZO
仰る通りSS書くのは初めてです。投剣に関しては投げたのは足元位で偶然ザックに刺さってたとか
サンダーボールで怯んだスキに拾っておいたとか、(決心した後だからOKじゃないかと)
レッドとノエルの事に関してはもう少し納得いくように会話を追加すれば
問題無くなるかな。
地理的には真逆に引き返したって感じでは無いつもりです。
レッドが大袈裟に言ったと思ってください。(せいぜい爆心地の方向から110°位)
ノエルが意図を理解して剣を引き抜くまでは2、3分程度と考えて
レッドは爆心地よりノエルやビューネイの場所の方がかなり近かった、
そう解釈してもらえればありがたいです。
まあこれは備考欄に書けば良いかな。

あとビューネイはベルセルクを使ってくるけど術というよりは2のように
体術的な扱いに近いんじゃないか?という考えにより
ビューネイが蒼龍術を使えるようにした。といった所です。
616 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:07:59 ID:zueYrFeQ0
メタルブラック、アーミック、ヒロユキ、ゆきだるま、ブルー、ゲラ=ハを予約
してすぐに投下。ぬるいです。
617震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:11:45 ID:zueYrFeQ0
<12分前‐ヒロユキ>

改めて、目の前にいる怪物を凝視した。
(……でも、やっぱり場違いなんじゃないかなぁ、俺)
盛り上がる筋肉、飾り立てる鋭い角、闘志に満ちた表情。
これでもかと獰猛さを表現したダンターグに、ヒロユキはわずかに弱気を覗かせる。
戦闘自体は、こちらが押している……と言えなくもない気がする。
一緒に戦っている仲間はとても頼もしい。
小さな身体から鋭い体術を繰り出すアーミック、見た目とはまるで大違いのゆきだるま、
そして前面でダンターグと渡り合ってくれている鋼鉄の戦士。
(怯えてる場合じゃないっ! こうなりゃトコトンやってやる!)
アーミックとゆきだるまが幾度目かの連携攻撃に切り込んでいくのを目で追いかけ、
怖がってる自分を鼓舞するように足を動かす。
「続くぜっ、三段斬りだっ!!」
流れるような斬撃三つ、三連携の完成でわずかに巨獣がぐらつく。
同時に、その手の内にあるドリルから白煙が昇り始めて刃の回転が停止した。
勝てる――という手ごたえが4人に共通して生じかけていた。
憤怒に歪むダンターグの容貌も、追いつめられた獣のそれとしか思えなかった。

618震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:12:55 ID:zueYrFeQ0
けれども、七英雄最大の武闘派・ダンターグは容易い相手ではなかった。
まるで地団駄のように細かな震動とともに地面を踏み鳴らし、
戦いで後れをとっている屈辱を晴らすかのようにその岩のような拳を大地へと打ちつけてようやく静まる。
ヒロユキは、悪魔のようににやりと笑うダンターグを、見る。
「面白い。そろそろブチギレられそうだ」
残虐な笑みを作り暴虐な眼光をたたえた荒れ狂う猛獣が、そう言った。
炎が燃える音以外は不思議なほどに場が静まる。
重厚な威圧――わずかに4人が怯んだ瞬間が戦いの分岐点となる。
さっきの地団駄とはまったく違う勢いでダンターグの太い前足が地面を踏み拉く。
そこから、地面が裂けていく。
知っているものならば「地裂撃」と呼ぶだろう技、ただし肉体でやるものではないけれど。
「力技でクラックなんて初めて見たのだ!」
「土龍撃!? いや、もっとヤバそうな……」
巨体の足元を起点に延びる地割れからなんとか逃れようとする4人。
隊列の関係上両翼に展開していたアーミックとゆきだるまは避けることができたが、
メタルアルカイザーとヒロユキは口を開けた地面に捕まってしまう。
断層、落下、土砂。
なんとか完全に地割れに落ち込んでしまうことは防いだ二人に更なる追い討ちがかかる。
いや、アーミックとゆきだるまにとっても、ダンターグにとってさえ予想外の出来事。
こちらで戦っている彼らには知らぬことだが、丁度タイミングを合わせたように
反対側でカタリナが同様に地面に干渉する魔法――クラックを放っていた。
地面に同時に大きなストレスが与えられたことでその歪みは狭い範囲の地震となってウェイプに襲いかかった。
激しい震動。震える大地、あちこちで倒壊を始める建物。
今し方地裂撃でつけられた傷が再び開き、今度こそはとヒロユキの身体を飲み込んでいく。
「うわっ、なんだよ、ヤバイって!!!!」
手にも足にも一緒に重力に引かれ流れ落ちる土砂が覆いかぶさる。
空はあっという間に狭くなり、やがてヒロユキの視界は完全に土に閉ざされた。
ずっと遠くで、ダンターグの哄笑が響いていたような気がした。

619震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:14:19 ID:zueYrFeQ0
<7分前‐ブルー>

トカゲの目は人と違うのか、上手く感情を読み取ることが出来ない。
思考を表情に出さないように気をつけながら、ブルーは忌々しげに視線を切った。
見張りとして残ったゲラ=ハと1対1――もっともマシな状態に勝手になっている。
しかし、サーベルを構えたトカゲ男は爬虫類の目でじっとこちらを凝視し続けていて、
ブルーは何かを仕掛けるための隙を見出すことが出来ない。
仕方なく、周囲を見回してみる。
何かの術により引き起こされた地震のせいで西も東も建物が崩れて道を阻んでいる。
そのせいで、もともと起こっていた火事がさらに広がる様子を見せていた。
この場所が火に巻かれてしまう可能性も少しずつ大きくなっていると思う。
ゲラ=ハはどう考えているのだろう。置いていかれるということはないだろうが……

突然、西側のガレキの山の一部が吹き飛んだ。
急いでその方向を向いたブルーが見たのは、
放物線を描いて雨のように降る建材と地面を転がっていくゆきだるま、
接地寸前で受身を取る長身の機械兵士、そして自分の足元まで吹き飛んできた小動物。
「大丈夫ですか? 傷が……待ってください」
「あう……おかまいなくー……」
冷静さを崩す様子を見せないままゲラ=ハが降ってきた小動物に応対し、
腹の毛を赤く染めている傷のせいか妙に間延びしてしゃべるその動物に治癒の術をかけていた。
(チャンスなのだろうか?)
自問する。
確かに、ゲラ=ハがこちらに向けている注意は弱くなっている。
けれど、事態は今どう変化している?
奥の戦闘がこちらへ近づいてきた? あの半身半獣の魔獣はどうなった?
精神を集中し、いつでもヴァーミリオンサンズの発動ができるようにしておきながら、
ブルーはその機を掴みかねたまま、宙に躍り出た巨体に目を瞠った。

620震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:15:57 ID:zueYrFeQ0
<4分前‐メタルアルカイザー>

「カエルの様に押しつぶしてくれるわ!」
降下してくる前足がダンターグの重量に落下加速度を加えて、メタルアルカイザーの両肩へ落ちてくる。
体内で金属が軋む音を聞きながら、対衝撃姿勢をとるメタルアルカイザーであったが
ダンターグの踏みつけは余りに重過ぎて受け止められようはずもない。
結局仰向けに倒され、地面と巨体の間でサンドイッチになる。
みしり。
音が体内を反響する。

ヒロユキが土に飲み込まれた後――
救助のために動き出した3人を見逃すダンターグではない。
必殺の「ぶちかまし」。
メタルアルカイザーは盾となり真正面から受け止めるべく突進に立ちはだかるものの、
望みは叶わない。
それどころか為すすべもなく押され、地面を掘り返し始めていたアーミックとゆきだるまを巻き込んで
崩れ落ちた建物まで押し込まれる。
一体となった質量がガレキの山をぶち抜いたところでようやく圧力から解放されたものの、
メタルアルカイザーは何とか受身を取って転倒を防ぐのが精一杯だった。
そして有効な反撃も取れないまま、今はこうして相手の足の下。
621震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:17:11 ID:zueYrFeQ0
「疾風剣、なのだ!」
メタルアルカイザーの頭上、ダンターグの脇をすり抜けてゆきだるまが跳ぶ。
数発の剣撃を置き土産にしながら。
ダンターグの意識と圧力がいくらかゆきだるまに釣られた隙を衝いて
メタルアルカイザーは両腕に力を込める。
ほんの少しだけ押さえつけている前足を上げることに成功すると一気に滑り出る。
「チッ、逃がしたか――うるさいぞ、雑魚がッッ!!!!!!」
舌打ちしてダンターグは再びさっきのように地面を数度叩いた。
あれは苛立ちを紛らわせるための癖だろうか。
地裂撃の時よりも激しく脚と腕を使って地面を殴り穿ってようやく静かになった。
真ん中に敵を置いて挟み込むようにゆきだるまとメタルアルカイザーが立っている。
二人減って1対2。
けれど踏み付けを喰らったメタルアルカイザーのダメージは明らかだ。
電子の頭脳は変化した状況を冷静に分析する。
このまま、体力を削りあう戦いを続ければ次に脱落するのはゆきだるまだ。
あるいはその時点ならメタルアルカイザーの勝算はより大きくなっているかもしれない。
けれどすでにいくらかの犠牲を支払い、その上さらなる犠牲の先にある勝利に。
(そのような救いの無い勝利に、何の意味がある?)
決意が決まる。勝負を賭けるは今。
オリジナルの最も得意とする必殺技‐ムーン・スクレイパー。
衝撃波を引き連れながら不敵に笑うダンターグへ、突っ込んでいく!
角と槍がかち合い、お互いの身体同士がぶつかりあう。
力比べではダンターグ、ぶちかましの時もダンターグが押した。
けれど、必殺のムーン・スクレイパーはさすがの巨獣でも組み止められない。
少しずつ少しずつ機械の戦士が巨体を押し込んでいく。
不敵に笑っていた顔はしかめられ、焦燥の色を帯びつつある。
消耗しているのは何も片側だけというわけじゃない。
決着の時は確実に近づいていた。
そしてそれは流れが向きを変えた時と同じく――
地面の震えから、始まる。


622震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:18:37 ID:zueYrFeQ0
<地震発生‐アーミック>

数分前、ウェイプ西部を襲った局地的な地震。
今度の震動は、それを大きく上回る強震だった。
グランドスラム……ダンターグの持ち技の中で二つある切り札の一。
数分前のぶちかましの時に腹に角を引っ掛けられ何十メートルもの飛行を経験させられたアーミックは
壊れた壁に背を預けてルビーのような大きな紅い目で破壊されていくブレた風景を見ていた。
勇敢な突進をかけた機械の戦士がバランスと踏ん張りを失い逆にダンターグに弾き飛ばされる。
それぞれ援護の姿勢を見せていたゆきだるまとゲラ=ハが揺れによろめき、
転倒して地面を舐める。
一つ前の地震を耐え抜いた建物が次々とドミノ倒しに倒壊を始めていた。
火事のおかげで炎に包まれた破片があちこち飛び回り、飛び火を促進する。
ついに崩壊がアーミック、そして隣でもっとひどい傷を負っている青年の頭上に迫った時、
小さなチャパ族の英雄はその傷にもかかわらずまさに英雄の名に相応しい行動に出た。
自分を省みずに崩れ落ちてくる建物の間を駆け、青年・ブルーを抱えて逃れたのだ。
実際、重傷であるブルーには生き埋めから逃れることなど無理な相談で――
ただし、アーミックの行動がもう数秒遅ければ無差別のヴァーミリオンサンズで
落下物とほかの全員を巻き込んで吹き飛ばす賭けに出ざるをえなかったのだが――
怪我人を抱えた怪我けものアーミックは震動の中を少しでも安全そうな方向へひたむきに走った。
壁のなれの果てが岩石弾と化し、炎の矢と化して二人に襲い掛かる。
ついに限界に達しアーミックの短い腕が地面にブルーの身体を投げ出した時、
揺れが止まった。

623震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:19:57 ID:zueYrFeQ0
「だいじょーぶ、ですかー?」
大きな腹の傷のほかに少し傷の増えた純朴なチャパ族はまず始めに
運んできたブルーの心配をした。
「……君に感謝する。僕はブルー、君は?」
「チャパ族のアーミックです」
投げ出されうつぶせでころがっている体勢から必死に起き上がろうともがいていたブルーに
手を貸して上体だけでも起こしてあげながらお互いに自己紹介。
ブルーの無事を喜んだ後でアーミックはひくひくと鼻を動かしてここがどこなのかを探った。
どうやら、あの大きな獣・ダンターグのいる場所は区画をいくつか隔てた向こうらしい。
といっても、その間には巨大かつ燃えているガレキの山があって戻れそうにはなかった。
向こうから、雄叫びがガレキにこだまして届く。
「……ひどいです。みんな、だいじょーぶでしょうか?」
大きな目で炎を見つめながら一緒に戦っていた仲間の心配をするアーミック。
けれど、彼がまずすべきはそんなことではなかった。
ネズミのような金切り声を上げ、アーミックの全身が硬直する。
小さな身体の脇に一本、どこから現れたのか分からない剣が突き立っていた。
「えーあー……? な、なんなんです、かー?」
間髪いれず、さらに二本の剣が出現してそれぞれ別の角度からアーミックを抉る。
大きな目に映る景色がオレンジと灰色に滲む。
そこに映りこんだよろよろと立つ影が、アーミックに送辞を送る。
「本当に感謝するよ、アーミック。……では、さよなら」
いつの間にか剣の消えた肉体に瞬発的に力を込め、アーミックはその影を叩く――が、
確かに見えていたはずの影は夢か幻であったかのように滲んだ景色へと溶けていった。
「まだそんな力があったのか。今度こそ、終わりにする」
背後から聞こえるその声がブルーのものだとようやく悟る。
すでに光の格子が檻を作りアーミックを囲んでいた。
エネルギーの奔流が小さな身体に押し寄せ、内側をかき回した後で外へ噴き出した。
すべてを白く染めていく光だけを感じながら、それでアーミックは事切れた。
「果報は寝て待て……なんてよく言ったものだ」
疲れ切った表情を浮かべて倒れたアーミックから荷物をひったくり、
電撃のように脇腹から脊椎へ走った激痛に顔をしかめる。
痛みをなだめすかしつつよろよろとブルーは街の外を目指して歩き去った。
そこに、小さなチャパの英雄の亡骸を残して。


624震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:21:15 ID:zueYrFeQ0
<1分後‐ゲラ=ハ>

ようやくおさまった揺れの後でゲラ=ハが知ったのは、
ブルーとアーミックがいた場所がガレキの山の下になったこと、
半身半獣の敵と戦闘していた二人の旗色が良くないこと、
そしてガレキと火に囲まれた戦場の真ん中で勝ち誇り咆哮を上げるダンターグのこと。
目の前が新たな戦場になっていることと積み上がった物体の量から考えて、
その下の二人をすぐに救出できる見込みは限りなく薄そうだった。一言でいうなら、無理。
悲しみを顔に出すことなくガレキの墓標を一瞥した後で、思考する。
任務が無くなり、かなりの強敵の出現、あたりの状況は悪くなる一方。
(海賊的に見て、退き時です)
ゲラ=ハは冷静に判断を下す、しかし。
ブルーが同じ判断を下したなら冷徹に1人で立ち去っただろうが、
このゲッコ族の男の鱗の下に流れる情がそれを許さない。
「ウォーターガン」「サンダークラップ!」
偶然だが、術を放ったのはゆきだるまと同時になった。
ダンターグが二つの術に動きを阻まれるのを横目に見て
素早くゲラ=ハはメタルアルカイザーへと駆け寄り、静かに提言する。
「退き時です、一時撤退しましょう。
 向こうで私の仲間と合流すれば体勢を立て直すことが可能です」
バイザーの下で、メタルアルカイザーの目が赤く感情的に輝く。
「しかし」
「すでに犠牲は支払われました。後は、しっかり勝ちましょう。
 よく考えてください、鋼鉄のキャプテン殿」
反論を述べさせず、畳み掛ける。
赤い目がチカチカと点滅した。
考えているのか――メタルアルカイザーの動きが鈍る。
「何をしてるのだ、あいつが動き出すのだ!」
丸い身体でぴょんぴょんと器用に飛び跳ねながら、ゆきだるまが横にやって来る。
ゲラ=ハはもう一度、逃げます、さあ走りましょう、と意見を伝え決然と駆け出した。
思い描く未来への自信を失いかけていた二人も、結局のところこれに従い動き出す。
そのさらに後ろで大きな蹄の音が追ってくる気配もまた、ゲラ=ハは確かに感じていた。
あとは味方がしっかりしてくれていることを信じよう。

625震える街  ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/17(月) 19:22:21 ID:zueYrFeQ0
<同1分後‐ヒロユキ>

一度彼を葬った揺れが、今度は気まぐれに救い出す。
再び開いた大地の傷から揺れにもみくちゃにされながらも突き上げられた手が空気を引っ掻き、
泥だらけの頬は風を感じた。
大きく息を吸い込み口中どころか喉まで広がった泥の味に咳き込む。
全身ドロドロに汚れたヒロユキは喉が焼ききれるかと思えるほど存分に咳をして、
ほんのわずかだけ泥で重くなったまぶたを押し開けた。
一瞬だけガレキの列と変わり果てた街並みが眼に飛び込み、すぐに痛みで目を閉じる。
溢れる涙でなんとか目に入った泥を押し流してようやくわずかばかりでも見ることが可能になった。
自分が土に埋もれた後、戦いはどうなったのだろう。
崩れた建物、迫ってくる地割れ、嘲笑うダンターグ……
「うわぁっ!?」
想像した巨獣の姿に怯え、ヒロユキは悲鳴を上げて身を竦めた。
泥と砂に埋もれて死にごく近いものを体験し、戦うための勇気はへし折れていた。
泥の感触、ひび割れた地面、何もかもが恐ろしくもう何も考えたくも無かった。
おろおろと周りを見回し、わずかに泥から顔を出したレフトハンドソードをこそこそと拾い上げると
ヒロユキは恐怖を感じる音がしない方向へとわき目もふらず走り出す。
そう、考えようとしなかっただけでわかっていたのだ。
戦いが恐らく続いているということに。
けれどヒロユキはそれらすべてに背を向けて、この震える街から逃げ出した。
肩で、頬で、指先で、地震が続いているような気がした。

626ゲーム好き名無しさん:2007/12/17(月) 20:09:50 ID:KK+9BrQq0
支援
627状態表転載:2007/12/18(火) 12:45:43 ID:nzh5ZhXE0
【F-3/ウェイプ西部/午前】
【メタルアルカイザー(メタルブラック)@SaGa Frontier】
[状態]:HP30%、腕機能低下
[装備]:ハープーン@ミンサガ、アムトのシンボル@ミンサガ
[道具]:レオナルドの首輪調査データ
[思考]
基本:自分のなすべきことを考える
1:ゲラ=ハの仲間と合流してダンターグを撃破
2:カタリナのふるまいを観察する
3:レオナルドを島から連れ出すための船を調達する

【ゆきだるま@Romancing Sa・Ga3】
[状態]:ダメージ
[装備]:永久氷晶@ロマンシングサ・ガ3 スプラッシャー@ロマンシングサ・ガ2
[道具]:なし
[思考]
基本:僕が蘇った理由を考えるのだ!
1:トカゲさんの仲間と合流して目の前のモンスターを倒すのだ!
2:助けてもらったお礼に(シリューとコンボイを)お助けするのだ!
3:カタリナさんを止めたいのだ!
4:冒険をした仲間に会いたいのだ!
5:そういえば剣を預かりっぱなしなのだ!

【ゲラ=ハ@ミンサガ】
[状態]:背中に痛み、全身に細かい傷
[装備]:サーベル@魔界塔士 防弾ベスト@サガフロンティア
[道具]:支給品一式 カード@ロマサガ3 確認済み支給品×1
[思考]:
基本:神をシメる
1:フォルネウスたちとの合流
2:ホークを捜す
3:仲間になりそうな人物を捜す

【ダンターグ@ロマサガ2】
[状態]:HP25%
[装備]:大型ドリル(故障)
[道具]:荷物一式、ダイナマイト用雷管・導線・起爆装置
[思考]
基本:参加者全員抹殺
1.目の前の参加者の撃破
2.完膚なきまでにウェイプを破壊する
3.他人を吸収はしない(首輪が付いていない死体ならば吸収してもいいが
628状態表転載:2007/12/18(火) 12:46:06 ID:nzh5ZhXE0
【E-3/ウェイプ北部/午前】
【ブルー@サガフロンティア】
[状態]:左側の脇腹に重症(戦闘に支障あり)
[装備]:
[道具]:支給品一式 ペンドラゴンの弾薬(21発)ブルー未確認の支給品×1〜2、アーミックの荷物一式
[思考]:
基本:ルージュを殺せ!
1:ウェイプから脱出し、身体を休める
2:ルージュを捜す
3:回復次第、参加者達を片っ端から抹殺 (ゲラ=ハとその仲間、トーマスを出来るだけ早く殺したい)
[備考]:魔術、陰術、秘術、時術の資質習得、ルージュ戦前から参戦。ダンターグ、ヴェントをマーダーと判断(容姿のみの情報)

【F-3/ウェイプ西のはずれ/午前】
【ヒロユキ@Unlimited:SaGa】
[状態]:恐怖
[装備]:レフトハンドソード@ロマサガ
[道具]:確認済み支給品×0〜2(ヒロユキが使えそうな武器は無い)、荷物一式
[思考]
基本:ルビィを探して元の世界に戻る
1:できるだけ逃げる
2:ルビィの事がものすごく心配

【アーミック@Unlimited:SaGa 死亡】
【残り56人】
629ゲーム好き名無しさん:2007/12/18(火) 13:11:15 ID:nzh5ZhXE0
大規模戦闘GJ!
ここまでスケールの大きい破壊が起こるとは。
ダンターグにボスの風格が備わってきたな。
アーミックもかっこよかったし、ブルーもやっと脱サラマンダーw
この規模の地震だと、カタリナやフェイ組にも影響出そうだな。色々とwktk。
630ゲーム好き名無しさん:2007/12/18(火) 13:43:50 ID:nzh5ZhXE0
あとついでに>>615
レッドについては修正に期待だが、投剣はやっぱり強引でない?
ビューネイは投剣を「投げ捨てた」後「走り出した」わけで、すぐ拾える距離だとは思えない。
拾う描写は前の話になく、状態表にも所持品として書かれていない。
所持品として書いてないものを(不明支給品とか以外で)「実は持ってました」はリレー小説としては限りなく灰色、つか黒。
1人で書く小説ではなく、リレー小説だということを意識してほしい。
新規書き手は歓迎するが、これから共同で話を作る仲間だからこそ苦言を呈させてもらう。
631ゲーム好き名無しさん:2007/12/18(火) 14:50:32 ID:SCGsTeoSO
何やら反論する形で見苦しいかもしれませんが
描写が「投げ捨てる」これ一つなので足元かその近くでも
それ程問題無いかと思いますが。
むしろあの状況で大袈裟に遠くに投げるってのは不自然に感じます。
ああいう状況なら投げ捨てる動きは最小にするのが普通かな、と

あと前の話に少しエピソードを追加するのは見た覚えがあります。
(何話か覚えてないし、もしかしたら違うロワかもしれないですが)

全く関係のない話ですがウィルのニードルショットのダメージが
ノエルの状態表になかったのに誰も気付いていない辺りに疑問を
少々感じました。(私自身も話の中ではスルーしましたが)
ついでにビューネイを急に活躍させたのは七英雄や最終皇帝と
強キャラ揃いロマ2勢が強すぎる(ボスクラスのキャラがいない作品もあるのに)
と感じたからです。
作品の間の強さのバランスを多少考慮することは悪いことではないでしょうし。

あと個人的な事情で申し訳ないですがに「これから」ではなく多分「これっきり」です。
632ゲーム好き名無しさん:2007/12/18(火) 15:28:05 ID:SCGsTeoSO
今読み返したら違ってた。
どっちかというと捨てた投剣が避けた後にたまたま足元にあった、
の方ですな。勘違いしてた。
もしくは逃げ去る時に同じ方向にあって拾ったか。

まあ多分そちらが一番納得行く形はやはり足元に投げ捨てる→
多少引きずる形で持ってたザックに刺さる。→後で気付く。
って所でしょうか
抜け目無さそうなレオニードが自滅しそうだったりして間抜けてたりするので
こういう書き方もそんなに問題無いんじゃないかと。

こんなものでしょうか。というか書き手の人の意見が欲しいです。
特にこの話を書いた人に。(改変じゃなく追加なので多分了承してくれると思いますが)
633ゲーム好き名無しさん:2007/12/18(火) 20:06:23 ID:8VBbkEno0
描写の無い部分を推測することは自由ですが、
それが動く場合背景・説明となる描写が必要でしょう。

個人的には無理に投剣を使わなくても成立させられそうな展開に思えますが…

>>627
転載ありがとうございます。
634ゲーム好き名無しさん:2007/12/19(水) 01:00:27 ID:7IxFyust0
この話とは別にして、投剣なんか一本多いような。
64話でウィルに投げて7本、69話でビューネイに投げて6本が正しかった?

投剣については>>633と同じで使わなくてもいけそうと思う。

レッドは時間的に描写が必須。
レッドは朝にD-2からD-1へ向かっている。
ノエルは午前にD-4で拡声器を使い、ユリアンの死体処分後、C-3まで移動して交戦。
ビューネイの逃げた方向がD-2の方角であったとしても、
ノエルがD-2到着するまでに、レッドはD-2から離れている。
時間的にもレッドはオーベルベンド組が隠れていなければ接触できている。
オーベルベンド組含めて描写が欲しいです。
635ゲーム好き名無しさん:2007/12/19(水) 01:08:04 ID:3rDznoT00
>>632
『勝利への逃走』を書いた時の意図としては、
ビューネイは剣を無造作に捨てただけのつもりでした。
遠くには投げてないからこそ、走り出した(遠ざかった)後で拾えるかというと疑問。
とはいえ、読み返して頂いてそう読めないというのであれば、それはこちらの描写不足です。
後続の書き手諸氏の解釈に異を唱えるつもりはありません。
正直、キャラの思考に関しても引っ掛かる点がないでもないのですが、
それは単なる言葉の解釈の問題かも知れませんし、瑣末な点なので気にしません。

ただし、「拾える位置にあったと解釈して、今回の話で拾う」なら異存はありませんが、
「前回の話の間に拾っていたことにする」というのは了承できかねます。
逃げる時のビューネイにそんな余裕はないだろうというのもありますが、
まあそれは前述のように解釈の差の範囲かも知れません。
なので、「まあそう解釈してもいいよ」と言うのは簡単です。
しかし、それは「状態表にない装備を追加した」という前例を作ることになります。
一度それを許してしまうと、今後似たようなケース(前の話の状態表との矛盾)があった時、
「あの時は認められたのに今回は何で駄目なんだ」という話になって荒れる恐れがあります。
杓子定規だと思われるかも知れませんが、ルールというのはそういうものです。
ちなみに、剣がザックに刺さってて後で気付く流れなら、矛盾にはならないと思います。

これっきり、ということは元は書き手になるつもりのなかった方で、
話が進まないのを見かねて書いて下さったのでしょうか。そのことは大変嬉しく思います。
それと、ニードルショットのダメージについての指摘、感謝します。
状態表を書く時というのは話を書き上げてさあ投下するぞと気が急いていたりで、
こういうポカをやりがちなので、気付いて指摘して下さるのは有難いです。

という訳で、『勝利への逃走』のノエルの状態表に「足にごく軽い刺し傷」を追加します。
と、投剣の数は投下時の状態表書き間違いがそのまま残ってたようですね。
>>634の通り、6本が正しいです。
それ含め、wikiの方も状態表訂正しときます。
636 ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 01:09:27 ID:3rDznoT00
うは、鳥忘れた。

ここからは私見。今後投下されないのでしたら関係ないかも知れませんが。
>>631で書かれているような、バランスを考えてビューネイを活躍させたというような内容は、
書き手としてはあまり発言しない方がいいことだと思います。

まず、ボスクラスのキャラがいない作品もある「からこそ」、
作品間の戦闘能力のバランスというのはそもそも最初から成り立っていません。
ロマサガ2とロマサガ3だけの間でバランスを取ってもあまり意味はないかと。
また、ロワでの活躍度は必ずしも戦闘能力の強さと比例する訳ではありません。
ぶっちゃけ、序盤から大人数を相手に派手に立ち回るような中ボス格は大抵長生きできないので、
強すぎないキャラの方が後々まで残って活躍するということも珍しくはありません。

そして、こういった「特定作品の強化または弱化」を意図しているのをオープンにするというのは、
「贔屓作品のキャラを活躍させたいのだろう」という邪推に繋がりがちです。
ビューネイに思い入れがあるのが伝わってくるしっかりとした描写をされているだけに尚更。

加えて、小説というのは現実には当然書き手の考えによって展開するものですが、
物語中ではキャラの思考や行動によって因果関係が成り立っていることになっている以上、
「書き手の意図でそうさせられた」「キャラが書き手の意図のための駒として使われた」
という図式が目に見えると興醒めだという読み手も少なくありません。
読み手が見たいのは好きなキャラ達が生き生きと動く姿であって、書き手の自己主張ではありませんから。
637 ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 01:13:55 ID:3rDznoT00
で、鳥出したついでに。
アルベルト・ヴィクトール・ケンイチ・シフ・詩人予約します。
638ゲーム好き名無しさん:2007/12/19(水) 03:58:38 ID:9S182m96O
wktkwktk
639 ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:06:23 ID:3rDznoT00
脳内に詩人が降臨したのか、驚くほど早く仕上がりました。
アルベルト・ヴィクトール・ケンイチ・シフ・詩人投下します。
640悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:07:39 ID:3rDznoT00
耐え切れずに上げる嗚咽の声が、残り少ない体力を更に奪い去ってゆく。
全身の痛みが、歩き続ける気力を萎えさせてゆく。
それでもここで膝は折るまいと、アルベルトは思った。
ここで負けたらディアナは、優しくも厳しかった姉はきっと彼を叱るだろう。
それに一度地に膝をついてしまったら、もう立ち上がれなくなるような気がした。
「――アルベルト殿」
気絶したケンイチを背負って前を歩いていたヴィクトールが足を止め、振り向いた。
アルベルトも立ち止まる。肩を貸して引きずってきたシフは未だ意識のないままだ。
「少し休もう。シフ殿とケンイチ殿の傷の具合も見なければ」
はっとして、シフに視線を移す。ぐったりとした彼女の足元から、来た道に点々と続く血の跡。
自分のことに精一杯で、彼女の傷のことにまで考えが回っていなかった。
アルベルトは恥じた。己の弱さ、不甲斐なさを。今度は自分がシフを助けなければならないというのに。

森の湿った土の上にケンイチとシフの体を横たえ、傷の具合を窺う。
ケンイチは爆発のショックで気を失っているだけらしく、戦いで負った傷もさほど深くなかった。
だが、問題はシフだ。オーダイが割り込んだお陰か致命傷こそ免れていたが、彼女は最前線で戦っていたのだ。
爆発に巻き込まれた時のものだろう。脇腹に深い傷があり、ひっきりなしに鮮血が流れ出ている。
「シフは……私を庇って……」
一瞬のことだったが、はっきり覚えている。
閃光を見た瞬間、シフはアルベルトを守るように彼の前へ躍り出たのだ。
強くなったつもりでいたのに、自分は今も彼女に守られる存在のままだ。
守られるだけで何も返せるもののない自分が情けなくて、悔しくて、また涙が溢れ出す。
「この傷では……あまり動かさん方がいいな」
ヴィクトールが唇を噛んで、元来た方向を睨む。
決死の覚悟で残ったのであろうオーダイ、そして逃げ遅れたのだろうかここには姿のないミレイユ。
彼らを助けたい気持ちは、無論アルベルトにもある。
しかし戻ったところで、犠牲者が増えるという以上の結果を生むことができるだろうか?
641悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:09:00 ID:3rDznoT00
足音が聞こえた。反射的に、二人は身構える。
今何者かの襲撃を受けたら勝ち目はない。
アルベルトもヴィクトールも満身創痍だし、意識のない二人を守らなければならないのだ。
頭を過ぎる想像は、最悪の結末。
が――その悪い予測は、良い方向に裏切られた。
「ご無事……では、ないようですね」
「詩人殿!」
木々の間から姿を現した青年に、ヴィクトールが安堵の表情を浮かべる。
そういえばオーダイは詩人風の青年が仲間にいると言っていた。彼がそうなのだろう。
「皆さんのことが心配になって、来てみれば……恐るべき敵のようですね」
「ああ……ミルフィー殿は?」
「町までお連れしました。今は休んで頂いていますよ。町は無人でしたし、心配は要らないでしょう」
ヴィクトールが再び安堵の息をつく。そして少しの間を置き、重々しく口を開いた。
「オーダイ殿は……我々を逃がそうと、奴の前へ」
その先は語らずとも、彼が辿るであろう運命を想像するのは容易い。
「何ということでしょう……」
詩人は目を伏せる。重い沈黙が場を包んだ。

「……皆さんもここを離れ、休息を取られた方が良いでしょう」
暫しの沈黙を破り、口を開いたのは詩人だった。
「ここに留まっては危険です。町にはミルフィーさんもいますし、戻って戦力を整えなければ」
「しかし……シフが」
アルベルトは反論の声を上げる。詩人の言葉は正論だが、重傷のシフを動かしたくない。
戦いの場からここまで運んでくる間にも、かなり出血しているのだ。
詩人は屈み込み、シフの傷を見る。
「確かに、あまり動かさない方が良さそうですね。……でしたら」
詩人が顔を挙げ、アルベルトとヴィクトールを見る。
「彼女には私がついていましょう。お二方は町へ向かって下さい」
「しかし、詩人殿……」
「私は怪我もありませんし、いざとなれば逃げる程度はできます。お二方はお疲れでしょう」
沈黙したヴィクトールに、詩人は言い聞かせるように言葉を重ねる。
「そちらの彼も、傷は浅いようですが休息は必要でしょうし。ここに寝かせておくのも忍びないですから」
「確かに……」
ケンイチも目立つ外傷こそないものの、かなりのダメージを負っていることに違いはない。
それにここに留まっていて、もしアシュラが追ってきたとしたら彼らを守れる自信もなかった。
642悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:10:18 ID:3rDznoT00
「ミルフィーさんは回復の術が使えたはずです。
彼女が動けるようでしたら、シフさんの手当てに来て頂きましょう。
それに、先程は探す時間がありませんでしたが……町になら、薬などもあるかも知れません」
回復術の使い手。その言葉が、アルベルトの消えかけていた希望を甦らせる。
彼女を呼んでくればシフを助けられるし、もしかしたらオーダイをも救えるかも知れない。
「ヴィクトールさん。貴方は彼に比べて消耗も少ないようですし、一度町へ行って……
宿屋にいるミルフィーさんを連れて、ここに戻ってきて下さい」
「……解った」
ヴィクトールは頷く。詩人はアルベルトに視線を向けて、優しい声で続ける。
「貴方は町でお休みになっていて下さい。そちらの彼の傍にも、誰かついていた方が良いでしょうし」
「いえ……私も、ここに戻ります!」
気遣ってくれているのは解るが、その言葉に甘えたくはなかった。
シフやオーダイ、ミレイユを助けるために行動したい。疲れよりも、その気持ちが先に立っていた。
「ミルフィー殿を迎えに行くのは、一度会った私の方が適任だな。ついでにケンイチ殿を宿に運ぼう。
アルベルト殿。ならば、その間に町で薬を探す役を頼んでも構わんか?」
「はい。あまり時間はかけられませんからね」
自分にもできることがある、その事実だけで心が軽くなるのを感じていた。
疲労も、体中の痛みも、今は気にならない。気にしてはいられない。

「そういえば、詩人殿。ここに来る途中に男女の二人連れと会わなかったか?」
ヴィクトールが聞いて、アルベルトも二人のことを思い出す。
先に町へ向かったはずのヨハンとメイレン。彼らは詩人とはすれ違ってしまったのだろうか。
「お会いしていませんね。危険を避けようと、少し回り道をして来ましたから」
「そうか……彼らとも合流できれば良いのだが」
二人はアシュラとの戦闘には乗り気でない様子ではあったが、危険を知らせない訳にはいかない。
アルベルトは周囲を見回し、地形を確認する。
太陽の位置から察するに、自分達が逃げてきたのは南の方向。町からは遠ざかってしまった。
つまり、自分達よりもアシュラの方が町に近い位置にいるということだ。
早めに町へ向かわなければ、アシュラが町を襲うことを思い立ち、彼らも犠牲になるかも知れない。
「急ぎましょう」
アルベルトの言葉に、ヴィクトールも頷いた。
「詩人殿。どうか無事で」
「シフのこと、よろしくお願いします」
「ええ。皆さんも、どうかご無理はなさらないで下さいね。ご無事をお祈りしています」
詩人に見送られ、再びケンイチを背負ったヴィクトールと共にアルベルトは歩き出す。
進み続けなければならないのは、先程までと同じ。
しかし違うのは、今は行く手に反撃への希望があるということだ。
643悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:11:34 ID:3rDznoT00
ヴィクトール達を見送った詩人は再び、意識のないシフの傍らに座った。
オーダイは今頃、もう死んでしまっているのだろうか。
ここへ来る途中に爆音を聞いたのを思い出す。あれが彼らが戦闘していた時の音だったのだろう。
派手な戦闘になっているのを察し、危険を避けて森の中を進んできたのが災いしたか、戦いの場は見られなかった。
その代わり、逃げてきたらしい二人に出会うことができた。戦況を聞けたのは幸いだった。
オーダイの最期を見届けられないのは心残りだが、下手に近付けば自分も無事では済みそうにない。
せめて後で彼の亡骸を確かめに行こう、と詩人は思う。
期待に違わぬ立派な死を遂げた英雄の最期の姿を目に焼き付けて、彼を讃える詩を作ろうと。
ミルフィーが彼の死を知ったらどうなるだろう、と詩人はまた夢想する。
どれほど深い悲しみに、彼女は囚われるだろう。
その嘆く姿を思い浮かべるだけで、心が躍るようだった。嗚呼、なんと美しい悲劇だろうか。

「……く……ぅ」
傍らで、地に横たわるシフが呻いた。
詩人は彼女の顔を覗き込む。瞼がぴくりと動き、青い目がゆっくりと開かれて詩人を見る。
「おや。気が付きましたか」
「あんた……何で、ここに……?」
「無理して喋ってはいけませんよ。酷い傷なんですから」
怪訝そうな顔をする彼女に、安心させるように柔らかく微笑んでみせる。
シフは尚も不思議そうな表情をしていたが、自らの傷の程度は解るのだろう、大人しく黙った。
「アルベルトさん……でしたっけ、それにヴィクトールさんはご無事です。助けを呼びに町へ向かわれました。
もう一人の、ええと、黒い髪の男性。彼も気を失ってはいましたが、大した怪我はしていません」
「そう……か、良かった……」
シフの表情に安堵が浮かぶ。彼らのことを相当心配していたのだろう。
アルベルトと呼ばれていた少年も、シフのことを随分と気に懸けていた。
この二人の間には単に同じ場所に居合わせたというだけでない、強い絆があるのだろう。
年齢からいって恋人ではなさそうだが、以前からの親しい仲間だったというのは充分考えられる。
そういえばアルベルトはこのゲームの始まりの場所で、見せしめに殺された女性を姉と呼んでいた。
姉を失い、今また戦いに敗れて仲間を失ったのだ。彼の心痛は察して余りある。
「ただ、オーダイさんは……」
声のトーンを落として告げると、シフも沈痛な顔で目を伏せた。
戦況から、そうなっても不思議はないということを察してはいたのだろう。
彼女は取り乱すことも涙を流すこともなかった。強い女性だ、と詩人は思う。
644悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:13:06 ID:3rDznoT00
「アルは……落ち込んでただろうね」
目を閉じたまま、シフが呟く。
自分が重傷を負っているにも関わらず、彼女は少年の心配をしている。やはり二人の絆は本物だ。
「ええ……ですが、貴方を助けようと張り切っておられましたよ」
「無理、しなきゃいい……けど」
「背負い込んでしまうタイプのようですね、彼は。責任感が強いと言うのでしょうか」
シフは目を開け、小さく頷いた。その表情は優しい。子を思う母親のような眼差し。
「……だからね、心配なんだ」
「大丈夫ですよ」
詩人は微笑んだ。心の底から、彼は笑みを浮かべていた。
シフの優しさと、アルベルトの責任感と、二人の間に流れる温かい感情。
殺伐とした死のゲームの中にも、人間の優しい想いはこんなにも強く息づいている。

シフが苦痛に短い呻き声を上げ、咳き込んだ。
「傷が痛みますか? 大丈夫ですよ、じきにアルベルトさんが戻って来られますから」
優しく語り掛けるが、シフは答えない。彼女の口から、塊のような大量の血が溢れ出る。
「貴方が心配なさることは、何もありませんよ。ですから、どうか安心して」
大きく目を見開いて、シフは信じられないという顔をしていた。
詩人は微笑んで、彼女の脇腹の傷に深く突き刺していた矢を引き抜いた。
鮮血が彼の手を汚し、森の土の赤く染まった面積を広げる。
「安心して、安らかにお眠り下さい」
僅かに体を痙攣させ動かなくなったシフに、詩人は穏やかに語り掛ける。
見開いたままの彼女の瞼にそっと手を添え、閉じさせる。
血塗れの矢を落ち葉の下に埋め、自らのマントを裂いて即席の包帯を作るとシフの胴に巻き付けた。
差し込まれた矢によって掻き回された無残な傷はそれに隠され、見えるのは滲み出る血のみとなった。

詩人は天を仰いだ。
その瞳に陶酔の色が浮かび、涙が零れ落ちる。
「――手当ての甲斐も虚しく、また一つの命が散りました。
強く優しき女傑シフ、共に戦った仲間はきっと貴方を忘れはしない。
貴方が遺したものをそれぞれが受け取って、深い悲しみと共に決意を新たにするのです」
天に向かって詩人は語る。朗々と、情感を込め、涙を流しながら。
さながら、観客のないモノローグ。
言葉を紡ぐ内に詩人の声は次第に歌うような調子を帯び、悲しげな調べが大気を震わせる。
「嗚呼、悲しきは若き英雄、アルベルト。その無垢なる瞳は悲しみに染まるのでしょう。
高潔なる魂を持つ若者は、絶望の淵に立たされ何を思うのでしょうか」
姉を失い、仲間を失ったアルベルトが、信頼で結ばれたシフまでも失ったことを知ったら。
英雄物語の若き勇者のような真っ直ぐな眼差しをしていた彼は、どんな嘆きのシーンを演じてくれるだろう。
それを思うだけで詩人の心は高揚し、新たな詩想に満たされる。
木漏れ日の注ぐ森に、静かに、ささやかに、詩人の独唱は響いた。
645悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:17:29 ID:3rDznoT00
【B-2/北部森/昼】
【ヴィクトール@RomancingSaGa2】
[装備]:生命の指輪(現在使用不可)、鉛の短剣@UnlimitedSaga
[道具]:確認済みの支給品1〜2(アクセサリー)、荷物一式
[状態]:全身怪我、重疲労
[思考]
基本:ゲームには乗らない。
1:町へ向かい、ケンイチを休ませてミルフィーと合流
2:ミルフィーが元気なら、彼女を連れてシフを助けに行く
3:戦力が整ったらアシュラを倒す
4:ヨハン、メイレンとも会って危険を伝えたい

【アルベルト@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[装備]:グラディウス @ロマンシング サガ(ミンサガ)、鋼玉の頭冠@UnlimitedSaga
[道具]:支給品一式
[状態]:全身怪我、重疲労
[思考]
基本:ゲームには乗らない
1:町で薬を探し、シフを助けに戻る
2:オーダイとミレイユが心配、生きていれば助けたい
3:ヨハン、メイレンとも会って危険を伝えたい
4:アシュラを倒したいが力不足を実感
[備考]:ED後から参戦。ザックの底には銃の説明書だけがある。気づいていない。

【ケンイチ(総長)@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:ビルキース@ミンサガ
[道具]:確認済みの支給品0〜1(ただし武器は無い)、荷物一式
[状態]:気絶、全身に軽い傷、目立つ外傷はない
[思考]
基本:倒すべき敵は倒す。守るべき人は守る
0:気絶中(思考保留)
1:ヴィクトール、オーダイ、シフの男気に共感。ゾクの誇りに懸けてアシュラと戦う
2:ミレイユを守る
3:首輪への対抗手段の模索
646悲しみのアリア  ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:19:22 ID:3rDznoT00
【B-2/南部森/昼】
【詩人@RomancingSaGa3】
[状態]:健康
[装備]:妖精王のリラ@サガフロ2
[道具]:荷物一式、未確認支給品有り、矢の数は未確認
[思考]
基本:このゲームを観劇する
1:最終状況において自分が生き残ることを最優先する
2:状況が偏るようならドラマチックになるように演出も辞さない
3:この場でアルベルト達を待ち、シフの死を知った時の反応を見る
 (特にアルベルトとミルフィーの反応が楽しみ。シフは手当ての途中に息絶えたと伝えるつもり)
4:アシュラが遠ざかったのを確認できたら、オーダイの亡骸を見に行きたい


【シフ@RomancingSaGa 死亡】
【残り 55人】
647 ◆kGf..YZoZg :2007/12/19(水) 12:23:10 ID:3rDznoT00
以上、投下完了です。

そういえばこのスレももう475KBですね。
次の予約・投下が大人数パートだったりした場合は、次スレ準備が必要かも。
テンプレに追加した方がいいこととか、何かありますかね?
648ゲーム好き名無しさん:2007/12/19(水) 19:55:43 ID:G3JPJ5x60
新作乙!詩人マジ外道
シフ…残念だったよ。まあ後はアルベルトが意志を継いでくれるさ。
ゴドンゴ向かった熱血トリオには頑張って欲しいところだ
649ゲーム好き名無しさん:2007/12/19(水) 20:44:21 ID:iqMFUMuL0
新作乙。
なんて正統派のステルスなんだ…
しかも自己陶酔。最悪だな、もちろんいい意味で
650634 ◆oHCPL1DFHs :2007/12/20(木) 01:21:49 ID:HV52EpQI0
本当はIDが変わる前にトリを出せれば良かったのだけれど、
予約即投下を狙っていたら間に合わなかった。

オーダイ、ミレイユ、アシュラ予約即投下です。
651窮鼠:2007/12/20(木) 01:22:45 ID:HV52EpQI0
ミレイユは思う。
アシュラは強い、大きな怪我をしているが利用するに十分価値がある。
姿が醜いのが残念だが、今は多くをねだっても仕方が無い。
どうすればアシュラを利用できるのか。
予知の力を使って少しだけ未来を読んでみる。

〜アシュラを利用することは出来ない〜

おぼろげながら、そんな未来が見えた。
しかし、この悲しい未来のほかに、もう一つ見えたものがある。

〜自分自身はこの状況から助かる〜

アシュラを利用することも出来ないのに、命は助かる?
いくら怪我をアシュラが負っているとはいえ、
自分の逃げれる速さを考えれば追いつかれるのはほぼ確実。
どうして、そんな未来になるの?
ミレイユはアシュラとオーダイを見つめながら、理解できない未来を待った。


652窮鼠:2007/12/20(木) 01:23:51 ID:HV52EpQI0
オーダイは自分のダメージを感じて、もう長くないと悟った。
動けて数分。全力で動こうものならもっと短い。
あとは引き受けたとは言ったものの、それほどまでにフレアのダメージは大きかった。

ここでの最良の選択、どうすればいいだろうか?
ミレイユを逃がすために、もう一度身を盾にして時間を稼ぐ?
いや無理だろう。
体は数分動くかもしれないが、それは全力ではない。
数人がかりでやっと互角の戦いができた相手に満身創痍の自分では何秒持つか…
それに、ミレイユはまだ走り出していない。
おそらく、恐怖で足が動かないのだろう。
数秒持ったところで何も変わらない。自分もミレイユも殺されるだけだ。

自分だけ逃げる?
当然ながらこれも無い。体がもう無理だと言っている。
すぐに治療が受けられれば一命は取り留められるかもしれないが、当てが無い。
逃げたところで野たれ死ぬのが目に見えている。
第一、力の無い女性をおいて一人だけ逃げるのはありえない。

ならば倒す?
いや、これもまた無理な話。
アシュラはダメージを受けていても、動きに支障は見られない。
それに引き換え自分はもうまともに動けない。
全力のパンチが2〜3回打てるかもしれないが、それで終わり。
武器を持たない自分に出来るのはその程度。
その程度でアシュラを倒せるはずがない。

打つ手が無い。
逃がせない、逃げれない、倒せない。
こんなところで、こんなくだらない神のゲームで自分は死ぬのか。
ん、こんな神のゲームで?
そうか、武器ならあるじゃないか。確実に殺すことのできる武器が。

653窮鼠:2007/12/20(木) 01:24:53 ID:HV52EpQI0
オーダイは一つの決意をしてアシュラを見つめる。
4人に大怪我を負わせて追い払い。残ったのは瀕死の自分と力無き女性だけ。
フレアを受けて動いた自分を見て少し驚いたようだが、
それでも勝負は決まった、と言わんばかりの表情をしてこちらへと近づいてくる。
こちらへ死の恐怖を与えるつもりなのだろう、
手に持つ剣とハンマーを振り回して、ゆっくりと向かってきている。

状況は自分にとって有利。
アシュラが気をゆるめずに真っ直ぐに自分を殺しに来ていれば、
考える時間も無いまま、何も出来ないままに殺されていただろう。
それに、アシュラを倒すには密着する必要がある。
油断してくれなければ、アシュラを倒せる可能性は無い。

アシュラを油断させたままにするために、あえてしゃがみ込んで動かないで待つ。
この体勢をすることで、動けないように見せかける。
最後のサンダーで力を使い果たした、そう思わせるのだ。
残り少ない体力を振り絞って、一瞬の隙をつかむために、少しでも相手の隙を引き出す。

一歩一歩アシュラは近づいて、目の前までやってきた。
アシュラは高笑いを上げているが、それでいい。
わたしはお前の慢心の隙を突く。

アシュラは高笑いとともに、武器を振り上げた。
思った通りの大振り。
確実に殺すならば剣で突けば良いものを、確実に殺せるという慢心が大振りを誘い出す。
オーダイはこの瞬間、全身に力を入れてアシュラに抱きつく。


「それで、避けたつもりか?くだらん、実にくだらん」
アシュラは笑いながら剣を持ち替えて、オーダイの背中を刺す。
一方、オーダイはその間に両手をアシュラの首下へと回す。
「避けたわけじゃないさ」
オーダイはアシュラの首輪をつかんで言葉を続ける。
「いい事を教えよう。この首輪は無理に外そうとすると爆発する。
 そして、首輪が爆発すれば誰であろうと死ぬ」
オーダイの言葉を聞いて、笑っていたアシュラの顔が一瞬で青ざめる。
「馬鹿な、そんなことをすればお前も…」
そんなことをすれば、オーダイも生きていられないとアシュラは思ったが、
こうしなければ、自分が殺せたことに気が付き、


654窮鼠:2007/12/20(木) 01:26:27 ID:HV52EpQI0
「離せ、離せっ!!」
確実に殺せると思って油断していたところで、突然やってきた死の恐怖。
相手の決意は固く、その死は決して逃れられない。
狂喜から、恐怖。そして錯乱。
アシュラはもう暴れまわることしかできなかった。
「これがこのゲームのルールだ。あきらめろ」
オーダイは最後の力を振り絞り、首輪の内から外へ力をかける。

ボンッという音とともにアシュラの首は吹き飛び、
オーダイもその爆風に吹き飛ばされて絶命した。



〜アシュラを利用することは出来ない〜
〜自分自身はこの状況から助かる〜
予知は予想のしない形で当たった。
利用しようと思っていた相手は死んだ。
逃げた4人も大怪我を負っていて、利用する価値があるかというと難しい。
私はどうしようかしら?


【ミレイユ@魔界塔士Sa・Ga】
[装備]:サンダーの書、アバロンの聖衣@ロマサガ2、魔王の盾@ロマサガ3
[道具]:賢者の石(一個)、アイスブランド、バトルハンマー、
ジェラールの荷物一式(確認済みのアイテム×1〜2)、荷物一式×3(ミレイユ、オーダイ、アシュラ)
[状態]:正常
[思考]
基本:生き残る。その為に強いやつを利用する。弱いやつは適当に利用して殺す
1:方針はこれから考える

※孔明の靴はオーダイが履いたままです。オヤジの履いた靴を履く気になれなかったようで。

【父親(オーダイ)@SaGa2秘宝伝説 死亡】
【アシュラ@魔界塔士Sa・Ga 死亡】
【残り 53人】
655 ◆oHCPL1DFHs :2007/12/20(木) 01:27:43 ID:HV52EpQI0
以上です。
656 ◆oHCPL1DFHs :2007/12/20(木) 01:37:16 ID:HV52EpQI0
うわ〜、忘れ物…
【A-2/南部平原/昼】
657ゲーム好き名無しさん:2007/12/20(木) 01:57:10 ID:T3T7R7cV0
投下乙!
最期まで熱かったよ父さん。
アシュラも倒れたか……存在感のあるマーダーだった。
漁夫の利でアイテムゲットしたミレイユの今後の動きが気になるところ。
658 ◆m604XAkfEs :2007/12/20(木) 02:40:28 ID:1wPJ5An80
投下乙です!
さすが大佐、ただでは死なない!
そしてミレイユ、魔王の盾補正付きのサンダーの書か…かなり強力。
さて、自分もレオン予約します。
以前言っていた支給品ネタはこいつだったので、とりあえず。
659 ◆FzZ4PxBZ76 :2007/12/22(土) 19:12:57 ID:cQ/niuhp0
新作乙です。
あそこから相討ちとは恐るべし。

ところで、>>617〜の震える街、ですが、
前の話から時間帯が昼になっていることを見落としていました。すみません。
よって、それぞれの時間を
【F-3/ウェイプ西部/昼】
【E-3/ウェイプ北部/昼】
【F-3/ウェイプ西のはずれ/昼】
修正いたします。本当にすみません。
660ゲーム好き名無しさん:2007/12/24(月) 20:35:19 ID:qbWwIzhn0
ノエルとビューネイ予約させていただきます
661魔貴族と英雄 戦いの意味:2007/12/24(月) 20:58:04 ID:qbWwIzhn0
森を走る中でノエルは思った
本来のこのバトルロワイヤルの目的を

(・・・私はこの戦いから生き延びるために戦っている
ならばこの女を倒す必要は無い、しかしここで逃がすと・・・)

そう考えると同時にビューネイが突然立ち止まり話しだした
「貴様は戦いに何を求める?」
「・・・」
ノエルは沈黙を守る
「成長か?誇りのためか?生きるためか?」
「・・・」
ノエルは考えている事を代弁された
(・・・この女と組むか?確かに直接的に殺す理由は無い・・
今は妹や七英雄と会うべき・・)
しかしノエルは考えている事と反対の事を話す
「私は復讐のため立ちはだかる物は全て破壊します」
しかしビューネイの一言で表情は凍りつく
「フン・・本当にそう思うなら今ここで殺せ・・」
662魔貴族と英雄 戦いの意味:2007/12/24(月) 21:43:40 ID:qbWwIzhn0
・・・
しばらくの沈黙の後ノエルが話す
「・・・交渉しましょう」
「交渉?」

ノエルが続ける
「私は人を探しています、とりあえずそれまでは
積極的な戦いをしません。」
あえて嘘をついた・・・
「ロックブーケ、という女性です、ご存知ですか?」
「・・・すまんな名簿すら見てないのだ」
ほぼ想定通り・・・なので肩をおとさなかった
「そうですか・・あなたに目的は?」
「・・・進化、それだけだ」
少し前の会話を思い出した

(人間への興味・・それがただ一つの共通点か・・・)
今殺すのは容易い、しかしそれがもったいない気がしてな
らなかった

「・・・あなたの知り合いがいるか確認したらどうですか?」
そしてノエルは剣を地面に刺し、手を上げる、素手でも戦って勝てる
事を確信して

そしてビューネイは名簿を見る、分かったのは過去に自分を
倒した相手と一人の魔貴族の名前があった

「・・・分かるのは何人か居る」
「その中で会いたい人は?」
わざとらしく話を延ばし考える、この女をどうするか・・・

「六人・・・生きてるかは知らんがな」

そのビューネイの言葉と同時に考えがまとまった
663魔貴族と英雄 戦いの意味:2007/12/24(月) 22:06:48 ID:qbWwIzhn0
「・・・・・あなたの目的が達成されるまで同行し
ましょうか?」

・・・自分でもおかしな事を言っているのは分かっている、
しかし今ここで終わらせるのはもったいない、それだけだった

「私に異論は無いが?」
「その前に一つ聞きます、なぜ貴方は人間を捨てた私を人間だと言ったんですか?」

ビューネイはその美しい顔を微笑ませて言った
「さぁ?私にも分からない」


【C-3/西部・森/午前】
【ビューネイ@ロマンシングサガ3】
[状態]:左手の甲に刺傷 多少の疲労(軽度)
[装備]:竜の眼(真)@ミンストレルソング、ゾクのハチマキ@魔界塔士サガ、
    星屑のマント@サガフロンティア1
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:神や運命に抗い、生き延びる。そのために力が欲しい
1:知っている人に会う(フォルネウス優先)
2:人間を観察し、どうすれば強くなれるかを知る
3:ノエルと行動を共にする
4:ノエルの過去を知る

【ノエル@RomancingSaGa2】
[状態]:全身に低温による軽度の痛み、右手に軽い火傷
[装備]:ガーラルソード@ロマンシング サガ(ミンサガ)
[道具]:双眼鏡@現実、拡声器@現実、投剣(7/10本) 、基本支給品×2
[思考]
基本:古代人への復讐を目的に優勝。それが不可能な場合、神を倒す。その為に信頼できる七英雄を探し、それ以外は殺す
1:ビューネイを理解し行動をともにする
2:ロックブーケと会う
3:それ以外の七英雄と会う
4:優勝し、古代人に復讐する
5:邪魔するものは殺す

フォルネウスと会ったとしたらどうするかは自由
ビューネイの戦闘意識はそこまで高くない
664魔貴族と英雄 戦いの意味:2007/12/24(月) 22:35:25 ID:qbWwIzhn0
終わりで
665ゲーム好き名無しさん:2007/12/25(火) 00:06:01 ID:6lmR4J4O0
まずは投下乙。初投下の人だよね?
取り敢えず気になった点をいくつか。

・書きながら投下はしない方がいい
メモ帳などに書いて、完成してからまとめて投下が吉。
投下に時間がかかってると、その間は他の人が書き込めないので。
また、完成してから通して読み返すことで誤字脱字やミスを減らすことにも繋がる。

・強制じゃないけど、できたらsageよう
メール欄に「sage」と入れると、スレッドが上がらない。
sageずに書き込むと、そのスレはスレッド一覧の一番上に来る。
ロワは殺し合いという題材を扱うので好き嫌いが非常に分かれる。
なので、嫌いな人を不快にさせない配慮として、よっぽど下にある時以外はできたらsageた方が。

・これも強制じゃないけど、トリップ推奨
名前欄に#+好きな文字列(#rowasagaとか)を入れると、違う文字列に変換されたのが出てくる。
>>658-659とかを見てもらえるとわかりやすいと思う。これがトリップ。
同じ文字列を入れないと同じトリップにはならないので、本人証明に使える。
投下した作品の修正をする時、他人が勝手に修正できてしまうようだと困るので
騙り防止のために投下する時はトリップを付けるのお勧め。

で、作品内容だけど、これはどの話からの続き?
この前したらば(>>1にリンクがあるまとめwikiから行ける外部掲示板)に
ノエルとビューネイの話が投下されてるけど、流れ的にそっちからの続きじゃないように読める。
したらば投下作は要修正かそのまま通しか話がまとまってないけど、
没になった訳ではないので、なかったことにするのはまずい。
このスレの投下作だけでなく、したらばへの投下作などもチェックしておいてくれるとありがたい。
書き手さんが増えるのは嬉しいけど、この辺の基本は押さえといてほしいかな。
666 ◆R2f2kk3lSA :2007/12/25(火) 20:02:50 ID:hJfKzGzG0
トリップをつけるといいと思うよ。

ホーク、ギュスターヴ、コーデリアで予約即投下します。
667死ぬ前に一度見ておけ  ◆R2f2kk3lSA :2007/12/25(火) 20:06:04 ID:hJfKzGzG0

海では風なんかを待つためにもっと時間を食うことがある。だから…
だから、なんだ。
何とか自分をなだめすかそうと俺は待つことに意義を与えようと試みたが、
結局怒りが増すばかりでしかない。

風待ち? ふざけるな。
いますぐにでも行動の時なのに、俺はここで待ちぼうけ。どこが風待ちなんだ?
ノエルのクソ野郎はすでに誰かを罠に引っ掛けて悠々と次へ移っちまったんじゃねえか?
だったら俺は何をやってるって話だ。ああ? いつまで待てばいい!

いらいら、いらいらが募るばかり。
それでも俺はここを離れるという決断が下せない。
単にじゃあ代わりに何をするか、という行動方針が見つからないだけだが。
ノエルのような連中を倒して回るってのが一番簡単な答えでも、
それだけでは神の手中からは脱出できない。
よく考えればうまくあいつに戦うように仕向けられているような気さえする。
いや、悩んだり迷ったりするのもきっとあいつの楽しみになってんじゃねえのか、くそっ!

このままでは精神的に妙なことになりそうな予感がしたので、俺は別のことを考えた。
そうだ、支給品だ。
いろいろあって頼りになるこの武器以外は詳しく見てもいないが、
金属の光沢がある筒ともう一個何かが入っていたはずだ。
ガサゴソ、ガサゴソ……


668死ぬ前に一度見ておけ  ◆R2f2kk3lSA :2007/12/25(火) 20:06:59 ID:hJfKzGzG0
これは剣? 棍棒? 杖? いや、違う。取っ手は二つあるしな……おお、説明書き付きか。
何、えーと……
『ビームライフル 本日は当製品をご購入いただき大変有難うございます。
 ……大変危険ですのでむやみに人に向けたりしないでください……』
ビーム・ライフル? 船幅の……なんだ、ライフルって。
『使用法……構え……発射……当製品は30回の使用が可能です……』
用語がわからんが引き金を引いて術か矢のようなものを飛ばす武器なのか、コイツは!?
ふむふむ、結構使えるか? よしよし。
じゃあもう一個の方は、と。
ザックの奥から突き出た木製の棒状のものを握る。
そういえばこの袋、絶対に容量がおかしいが深く考えたらまた深みに嵌りそうだ。
こっちこそ棍棒か杖なのか? 少し手で持つには太すぎるような気がするが……

「よう、景気はどうだ、兄弟」
横から声をかけられる。迷いを避けるために考え事を捻っていたせいか完全に不意打ち。
とにかく顔を動かして俺はその主の不敵な面構えを目にする。その手には、剣が。
一方俺の左手はビームライフルを握り、右手はザックの中だ。
不覚――これで斬りつけられたらどう反撃すりゃいい? 畜生!
奥歯を噛み鳴らしながら、俺はえいやとばかりにザックから左手を引き抜いた。
握っているそれは剣には及ばなくともそれなりの鈍器にはなるはずだ。なってくれ。
片手にはやや厳しい重さだったが、俺は必死でそいつを引き出す。
様子見か、向こうが動かなかったおかげもあり俺はなんとか防御の構えぐらいは取ることが出来た。
「驚かすなよ。先に名乗って欲しかったな、兄弟?」
「…………くっ……ハハハハッ、死ぬ前に一度見ておけ?
 そうか、お前は興行の仕掛人か!? ハハハハハッ」
何故か大声で笑われる。
それで張り詰めていた緊張が切れ、予想した以上の重さが左腕にかかってきた。
棒状のものだと思っていたそれは、二つの脚を持ち上部は一つの大きな板で繋がっていて。
「『  大自然の驚異!!!
   死ぬ前に一度見ておけ!
      この先すぐ 
  グレート・フェイク・ショー』!!?????」
「ハハハハハッ! すまない、あんまり怖い顔してるんで疑ってたが心配無さそうだ。
 俺はギュスターヴだ。……ところでそれ重くないのか?」


669死ぬ前に一度見ておけ  ◆R2f2kk3lSA :2007/12/25(火) 20:08:21 ID:hJfKzGzG0
ピラミッドの前、場違いな看板が立っている。
その看板の後ろで、ピラミッドの階段に腰掛けたすっかり芸人扱いの俺と
ギュスターヴ、それにその連れのコーデリアと三人が情報交換中だ。
俺がノエルに対抗するように、二人はクジンシーって奴に対抗する気らしい。
そして、クジンシーはノエルを同じ七英雄の一人だと言ったそうだ。
「エグイな、そのソウルスティールってのは……アニマ……あー、魂まで根こそぎか。
 それで、コーデリアは俺たち4人で勝算はあると思うか?」
「わからない。でもホーク、私はあなたは来ないほうがいいって思う」
「俺は頼りにできねぇってか? わけを聞かせてもらおうか」
「それは……」
当惑し、口ごもるコーデリア。
助けるようにギュスターヴが後を継ぐ。
「ホーク、俺はな、アニマを持たない男なんだ。
 つまり、クジンシーも俺のアニマは吸い取れない。無いものをどうする」
「ハァ? 待てよ、アニマってのは魂なんだろ? 無い人間なんてあるのかよ?」
口を開いてしまった後で、俺はわずかに失敗の気配を感じ取った。
思い返してみればコーデリアがアニマと何かについて説明している時もそうだった。
そういう話を聞いている時のギュスターヴの顔はわずかに暗く、険を秘めて見える。
今も、同じ顔が俺の前にある。
「……いるのさ。とにかく、そいつにとって俺は天敵ってことだ。
 だがホークは違うだろう。つまり、狙われたら一発でおしまいだ。
 お前は……いっそここで待っていたらどうだ。
 俺達はクジンシーを片付けたら戻ってくることにする。
 それにまだピラミッドに向かっている連中が来るかもしれないぜ」
「本当は無理やりでも付いていくところだが……ギュスターヴ、ここは任せるぜ。
 それがお前の……いや、いい。死ぬなよ」
「お互い様だ」
ぱちん、とハイタッチ。
それから俺は約束代わりに預かったトパーズを手で弄びながら離れていく二人を見送った。


『グレート・フェイク・ショー』の看板の裏。
再び俺は一人で誰かを待ちぼうけだ。
それがお前の、欲していた場所なんだな――
ギュスターヴに言いかけてやめた言葉を脳内で反芻する。
あの不敵な面構えの男はその裏でどれだけの劣等感を乗り越えてきたのか。
欠けていることが求められる瞬間なんて無かったことだろう。

「死ぬなよ……」
想いを込めて、俺は呟くようにもう一度願いを吐き出した。
670死ぬ前に一度見ておけ  ◆R2f2kk3lSA :2007/12/25(火) 20:10:06 ID:hJfKzGzG0

【D-5/ピラミッド東部/昼】
【ギュスターヴ13世@SaGaFrontier2】
[状態]:健康
[装備]:ミスリルソード@サガ2、アグニCP1(弾数13発)
[道具]:確認済みの支給品×1(金属製の何か)、首輪×1、荷物一式 ×2
[思考]
基本:首輪を解析する、もしくはその技術のある者を探す。ゲームに乗った者は容赦無く殺す。
1:クジンシーの討伐
2:タイクーンウィルの捜索
※ギュスターヴの参戦時期はハン・ノヴァの建設を開始した辺りです(1249年、29歳)

【コーデリア@SaGaFrontier2】
[状態]:健康
[装備]:ウコムの鉾@ミンサガ(水のクヴェル)、
夢魔のメダリオン@サガフロ2(獣のクヴェル)、ルビー@ミンサガ(炎のクヴェル)、
レッドフード@サガフロ2
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:ウィルの捜索とクジンシーの撃破
1:ギュスターヴにクジンシーを倒してもらいたい
2:ウィルを探す
[備考]:クン=ミンの土のファミリアが同行しています。
※コーデリアはアルティマニア小説終了後から復活して参戦(1321年、外見18歳)



【D-4/ピラミッド南部/昼】
【ホーク@RomancingSaGa(ミンサガ)】
[状態]:やや疲労
[装備]:炎のロッド、トパーズ@ミンサガ、ビームライフル
[道具]:
[思考]
基本:ゲームに乗る以外の方法がないか考える
1:ギュスターヴの勝利を願いながら、待つ
2:自分を狙う相手は倒す
3:仲間及びウィル=ナイツには友好的に
※ピラミッド前にグレート・フェイク・ショーの看板が立てられました。
671ゲーム好き名無しさん:2007/12/25(火) 22:33:07 ID:6lmR4J4O0
おお…投下乙!
ギュスターヴの心情にすごく納得がいった。ホークもかっこいいな。
実際ソウルスティールとぶつかってどうなるかは未知数だが…。
看板ワロタ。これが先の展開に影響するのか考えるととても愉快だ。
672ゲーム好き名無しさん:2007/12/26(水) 17:04:05 ID:qgY5J2IhO
えーしたらばで先にビューネイ等を書いた者ですが……
何かかぶっちゃいましたね。かなりの変更と追加して
場所自体も変更を加えたりして多分矛盾は無いように作り変えましたが……
これどうしましょうか?まあ自分が修正をだらだらやってたのが原因なんですが……

あと毒吐きで気になったレスですが自演のつもりはなかったです。
普通に作者のレスとわかるものと思いましたが説明不足だったんでしょうね。

あ、投下乙です。なんというかロマ3はネタなアイテムが多い……
673ゲーム好き名無しさん:2007/12/26(水) 17:20:10 ID:qgY5J2IhO
連スレで申し訳ない。
投剣で無くとも確かに成立可能ですがサンダーボールとかだと
個人的に投剣より味気無い感じがするのでそうしただけの話です。
あの話は単に何か書きたいと思った時に最初に思いついただけです。
レッドはあんまりにも短い話だったので追加しただけですが
修正版ではその辺りの矛盾もあるアイテムを使う事で無くすので大丈夫だと思います。
674ゲーム好き名無しさん:2007/12/26(水) 18:52:50 ID:2K4W8+bj0
説明不足とかそういうレベルではなくて、トリップをつけて欲しい。
そのわずかな手間を惜しんだせいで
どれだけ文を連ねたところで信頼に足らないということを証明しているだけ。

>>661
もノエルの行動に矛盾があると思えるが、
本人証明がすでに不可であるため反論も修正も実質封じられてる。
トリップなしで投下するということはそういうこと。
675ゲーム好き名無しさん:2007/12/26(水) 23:44:11 ID:Ev1KOA2T0
>>672
作品が投下されて修正宣言が出てる所に、それを無かったことにして別展開を投下する方がルール違反。
内容に質問が来てるのに書き手の反応もないし、>>661-663はどう考えても没だと思う。
だから気にせず修正版を投下して問題ない。

が、あなたも鳥無しだから、したらばに投下したのと同一人物だという証明はできない。
…まあ証明手段が皆無な訳じゃないが、したらば管理人さんに手間を掛けさせる事になるし、管理人さんとしても取りたい手段じゃないだろう。
他に本人を名乗る人がいないなら好意的に考えて信用してもいいとは思うが、
他ロワでは本人を騙って勝手に修正する奴が出た事件というのも実際あったので、手放しに信用はできないわけだ。

取り敢えず、今からでも鳥を付けることを勧める。
676ゲーム好き名無しさん:2007/12/29(土) 22:46:59 ID:d0mt/Mg80
実際、トリップなしでの投下作品の修正ってのは難しい問題だけど、
わざわざ本人を騙る荒らしが出るような環境じゃないし厳密にしすぎなくてもいいんじゃ?
今回も>>672以外には本人を名乗る人がいないんだし、信用していいと思う。
本スレに投下した人は音沙汰がないようだし、気兼ねせず修正版投下しちゃえ。

ただ、修正版投下→正式採用までの間は一時的にでもいいからトリップを付けてほしい。
>>672は初心者っぽいから念のため言っとくと、トリップ付けても何も害はないよ。
入力した文字列から弾き出されてるだけだから、個人情報は一切漏れない。

で、次スレからはテンプレにしたらばチェック推奨の旨、
一時投下スレであっても作品が投下されて修正要・不要の議論などが行われてる最中は
同じパートの投下は控えるようにってのを追加しとこうか。
気付けばもう498KBだ…ちっと今時間ないから、誰か暇があったら頼む。
677ゲーム好き名無しさん:2007/12/29(土) 23:00:45 ID:d0mt/Mg80
頼むとか言いつつすぐできそうな所だけ手直ししてしまった。
こっちは容量ないので、テンプレ練りなどは避難所でやりましょう。
678ゲーム好き名無しさん:2007/12/30(日) 12:03:56 ID:cA16z4BK0
この話をどうするか早く決定しないとまずくないか
完全に書き手が止まってしまってる
679ゲーム好き名無しさん:2007/12/30(日) 13:11:54 ID:jJnNfoENO
規制があってから携帯でこっちに書いてるんで……すみません。(例によって今回も携帯です。すみません)
個人的な事ですが親に隠れて書いてるんでもう少し先になると思います。
とりあえずロマ2の人力風起こし機、アンサガの罠付き宝箱LV99と魔石の指輪を
話に使うのでアイテムがかぶらない為にもこれだけは予告しておきます。

投下するときはちゃんと鳥をつけるので宜しくお願いします。
680ゲーム好き名無しさん:2007/12/30(日) 13:14:50 ID:p9WAUrxG0
今までの流れと比較して、そこまで止まってるようには見えないけど。
再予約して音沙汰が無い◆m604XAkfEs氏の事は気になる。
681 ◆CWkky2r.OQ
679です。
鳥の付け方を知ってなかったのでPCからじゃないと鳥付けられないと勘違いしてました。
よく見たら上の方にやり方書いてありましたね……。
投下するときはこの鳥でやるので…迷惑かけてすみません。