【ロマサガ】神立マルディアス学園五週目【ミンサガ】

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1ゲーム好き名無しさん
まだマルディアス学園が創立して間もない頃、女生徒に魔性の美人三姉妹がいました。
付き合った男を次々に不幸にしてゆき
それをトラウマ自分語りする美人メンヘル一年生・シェラハちゃん。
破壊行為が大好きでチャームポイントは
タカビーナルシスト逆切れ八つ当たり露出狂の古風でつつましい日本美人二年生・サルーインちゃん。
骨格美人の三年生・デスちゃん。
彼女達はたぶらかした男達を率いて、生徒会長エロールちゃんに生徒会戦で戦いを挑みました。
激しい選挙運動で公害レベルでした。とくにミニオンちゃん達、の中でもヘイトちゃんが公害レベルでした。
生徒会長の座が危うくなってきたエロールちゃんは、貧乏な奨学生ミルザくんを宝石で釣りました
のではなく全校生徒を愛する生徒会長の役目として10個も宝石を施してあげました。
超セレブのお金持ちで超美人でいかにもSっぽいサルーインちゃんに密かに憧れていたMのミルザくんは
サルーインちゃんが生徒会長になって他の男に更に人気が出ることを断固阻止しようとしました。

※ロマサガを使って遊んでるスレだと割り切ってください。
※リレー小説形式です。次に書く人が自由に展開させていきましょう。
※ちょっとした雑談、小ネタもどうぞ。

派生元、もっと詳細なネタが見たい方はこちらもどうぞ↓
ミンサガのミニオン様はエロカワカッコイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1117463661/l50

前スレ・まとめ等、詳細は>>2以降で
2ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:50:27 ID:???
前スレ
【ロマサガ】神立マルディアス学園四週目【ミンサガ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1133577884/l50

マルディアス学園まとめサイト
http://mardias.fc2web.com/
3ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:51:28 ID:???
登場人物紹介

【セレブ三姉妹】
★サルーインちゃん
 アハ、アハハハ!という高笑いが特徴的な、破壊行為大好きなセレブ三姉妹の次女。
 超タカビーでナルシストでもあり、自分の美しさに絶対の自信を持っているためか、身を飾ることを潔しとしない。
 そのため常に半裸。隙あらば全裸。ネクタイは飾りに入りません。
 ドSっぷりを発揮して振った男は星の数。しかし実はまだ恋愛経験がなく、ファーストキッスも守っている和風美人である。
 生徒会長のエロールちゃんとは永遠のライバル。
 クリスタルレイクプール事件の際、ミルザくんにアクアマリンをプレゼントした。

★シェラハちゃん
 「悲しいことを思い出すわ・・・」が口癖の、鬱病ぎみでダウナーなセレブ三姉妹の末妹。
 姉と違って恋愛経験豊富だが、付き合った男どもを軒並み不幸にしては、そこらの人を捕まえて自分語りをする癖がある。
 「ある黒髪の絶世美女が〜」で始まる不幸話は、例外なく自分の経験だったりする。
 全く関係ない話題だったのに、なぜか不幸話にシフトしていくという特技?があり、ハープも得意。そして巨乳な黒髪美女。

★デスちゃん
 セレブ三姉妹の長女の骨格美人。冥部の部長でもある。
 三姉妹の中で唯一マトモだが、マイルームにこもりっきりでめったに出てこない。
 その性格からか、サルーインちゃんとミニオンズの間の調整役になったりもする。
 ワイルちゃんには、同じ巻き込まれタイプとして妙なシンパシーを覚えるらしい。
 三途の川に浮かべた舟で、四寮長の一人フレイムタイラントくんとお茶会を開くのが日課。
 そのタイラントくんとは、友達以上恋人未満の微妙な関係が続いている。
4ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:52:07 ID:???
【ミニオンズ】
★ワイルちゃん
 ごくごく普通の眼鏡っこ。ちょっと気弱なところもあるがマジメな性格である。
 女の子らしい丁寧な口調で話す。
 サルーインちゃんに対する信仰が一番厚く、サルーインちゃんの行動には全く疑問をもたない。
 そのためか、のせられやすかったり、トラブルに巻き込まれやすかったりする。
 風の術を得意とし、サルーインちゃんに立ちふさがる相手には容赦をしない。
 ・・・が、ミルザくんがサルーインちゃんに惚れてることを知りつつも、ミルザくんに惹かれはじめている。

★ストライフちゃん
 眼つきの鋭いヤンキー気取りの優等生。趣味と特技は水泳で、ウコム学園のマリーンちゃんとは同じ水泳教室の仲。
 口調は乱暴でぶっきらぼう。サルーインちゃんに対する信仰も余り高く無い。相手を虫けら呼ばわりしたりする。
 しかし、幼い子のために戦ったり、捨て猫を可愛がったりと、意外と優しく、お茶目な一面もある。
 火の術を使うほか、ミニオンズきっての武闘派として体術にも長けており、稲妻キックなどを得意としている。
 ヘイトちゃんに絡まれやすいのか、コトあるごとにヘイトちゃんを折檻している姿が見受けられる。
 実はナイスバディの持ち主で、ヘイトちゃんいわく「わがままなばでぃ〜jfヵ●Д」なんだとか。

★ヘイトちゃん。
 公害。常ににぎやかなムードメーカーにしてトラブルメーカー。
 もうなんというか、アレでナニが極まったヒト。
 その口を開けば常にアヒャって狂気を醸し出し、その内面は冷静にイッちゃっているという、凄まじい性格をしている。
 その語尾は余りに特徴的で、書き手の皆さんから尊敬と恐れと、どう書けっちゅーねんという悩みを集めている。
 その性格に反して戦闘能力は高く、ミニオンズ随一の実力者でもあり、高度な幻術、闇術、邪術を使いこなす。
 特技は変装。趣味は盗撮。好きなテレビはアルカイザー。巷のアルカイザー=アルドラを知る、数少ない人物の一人。
5ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:52:42 ID:???
【ミルザとその周りの人々】
★ミルザくん
 本編の主人公的キャラ。『金!金!金!』がモットーの騎士団寮に住む、貧乏奨学生。
 潜在的Mのため、ドSのサルーインちゃんに一目ぼれをした。
 そしてサルーインちゃんを振り向かせるため、『運命の赤い糸石』を集めることに。
 性格は純真にして無垢。そして正義感溢れる騎士の鏡。でもドM。
 サルーインちゃんの触れた物にすら興奮することが可能で、一度妄想に浸りだすと、なかなか帰ってこない。
 しかし、その剣さばきは一級品で、全校生徒の中でも1,2を争う実力者である。
 特技は長剣。銀の長剣『レフトハンドソード』を使いこなす。
 現在、幻・水・闇の糸石を所持。

★オイゲンくん
 ミルザの親友で、同じく騎士団寮所属。頭脳派で大人っぽい兄貴分である。
 冷静なツッコミ役としてミルザの暴走を抑える役目に回る。大概放置してる気もするが。
 魔の島のモンスターにも臆せず交渉したりもするしたたかさを持つ。
 細剣を得意としていたが、城砦騎士のスキルを会得し、「海底戦争」の際に『ウコムの鉾』を譲り受けた。

★ジャミルくん
 クジャラート寮所属のシティシーフ。明るい性格で、ファラとダウドという幼馴染がいる。
 サルーインちゃんに振られたり、ファラがミルザくんに惚れたりと色々あったが、
 ダンスパーティやらクリスタルレイクプールやらを経て ミルザ・オイゲンの友人となる。

★アルドラちゃん
 元騎士団寮所属。ダークの魂に体を乗っ取られたり、騎士団寮を追われたり、邪眼の守りをつけられたり、
 と散々な目にあったが、アディリスとディアナの助けにより見事復活。
 ミルザくんのことが好きだったが身を引く。しかしサルーインちゃんのことは嫌い。
 自分を利用とした謎の男の正体を探るべく、アディリス、ディアナと同盟を結び、アディリスの家に身を寄せている。
 身を守るために土の精霊珠を媒介したカモフラージュで『変装』をすることにしたのだが、
 アレなアディリスちゃんの差し金であっという間にアルカイザーに。
 今は開き直り、ヒーロー業で生活費を稼いでいるとか・・。現在、風の糸石を所持。

★ナイトハルトくん
 学生でありながら、ローザリア舎の代表をもつとめる偉い人。
 全校生徒の中でも1,2を争う実力者であり、なおかつ金持ちで美形、そして独特のイントネーションと非の打ち所が無い。
 黒い打槍『カヤキスの槍』を振るい、黒い鎧を身に纏う。しかしこの鎧は何やらいわく付きのようで・・・?
 ディアナちゃんの婚約者でもあるが、サルーインちゃんにも何やらアプローチをかけている。

★ディアナちゃん
 イスマス寮代表の娘。器量よし、性格よし、戦闘力高い、と非の打ち所の無い才女。
 得意武器は小型剣で、『剣の女王』を振るう。
 醜い姿となっていたアルドラにも真正面から接し、邪眼の呪いを打ち破るきっかけともなった。
 それを機にアルドラ、アディリスと同盟を組む。
6ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:53:15 ID:???
【生徒会長】
★エロールちゃん
 マルディアス学園の生徒会長。「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」がキメ台詞。
 だが、目的のためには、わりと手段を選ばない性格をしており、一部で天然腹黒キャラがバレている。
 表の顔と裏の顔「詩人」を使い分け、いい具合に調整している。
 「無能な人間を会長にするわけにはいかない」という理由から、サルーインちゃんと対立している。


【四寮長】
★フレイムタイラントくん
 トマエ火山寮の寮長で、火の属性を持ち、火術と両手斧を得意とする。
 威厳のある渋い口調の人格者で、四寮長唯一の常識人。
 統治能力もさることながら、戦闘能力は四寮長の中でもずば抜けて高く、
 一撃必殺の破壊力を誇る『破砕流』、鉄壁のガード能力を持つ『セルフバーニング』、
 攻撃・拘束・設置式の罠として使える『フレイムウィップ』等の強力な技を使いこなす。
 反面恋愛に関してはオクテで、素直になれない照れ屋でもある。
 セレブ三姉妹の長女デスちゃんとは、友達以上恋人未満の微妙な関係が続いている。

★アディリスちゃん
 グレートピットの寮長で、土の属性を持ち、土術と杖を得意とする。
 常に明るくハイテンション、そして極まったオタク症という、結構アレな性格の人。
 趣味はマンガにアニメにゲームに特撮。そして酒。
 部屋の片付けが大の苦手で、アディリスハウスはアビスゲートより凄いとか。
 呪われたアルドラとディアナの状況に出くわしたことにより、アルドラ、ディアナと同盟を組む。
 アディリスをアルカイザーに仕立て上げた張本人でもある。
 
★タイニィフェザーくん
 スカーブ山の寮長で、風の属性を持ち、風術と衝槍を得意とする。
 四寮長の中では比較的まともだが、物凄い天然でもある。
 いい雰囲気の三途の川に乱入したり、アディリスちゃんの昔の姿をしれっとバラしたり、
 風は操れるのに空気は読めないというのが物凄い不思議。
 でもなぜか憎めない人。

★水竜くん
 クジャラートの寮長で、専用の神殿に住む。水の属性を持ち、水術と小型剣を得意とする。
 四寮長の中では珍しく、人間達との交流も深いが、無類の女好き。
 女の子をはべらせたり、デートにいそしんだりと、面白おかしく過ごしている。
 実際人間化したときの姿は、サラサラヘアーの超美形であり、口調まで変化するというおまけつき。
 また、あまぐもの腕輪を通して会話をすることができる。
 アルドラとディアナを初対面で口説いたこともあり。特技は神速のブラ外し。
7ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:53:49 ID:???
【魔の島の人々】
★ウェイ・クビン
 誰も立ち入ることができないと言われている、魔の島の主。糸石を狙う。
 六将魔と呼ばれる強力な側近をはじめ、多くのモンスターを従えており、配下のモンスターからは「マスター」と呼ばれている。
 自分自身も真理と知識の『魔のエメラルド』を所持。
 現在は研究に没頭して?おり、自分の代理として、指揮権をゴブリンセージに委ねている。

★デーモンコマンド
 六将魔の一人。通称デモコマ様。
 魔物にしては珍しく、下位のモンスターに優しく接し(除くラミアちゃん)、
 人間といえど、認めるに値する人物にはその価値を認め、そして闘う時は正々堂々闘うという、誇り高き紳士。
 岩をも砕く爪、強力な邪術、相手の精神を蝕む凝視、そして重力を操作するという大技をも持つ、強力な魔物である。
 ミルザと戦い、後にミルザを好敵手と認識するように。また、人化の法により人間の格好になることもできるが、妙に威厳が減退するとかしないとか。
 ゴブリンセージに不信感を抱いている。

★ゴブリンセージ
 将魔ではないが、ウェイ・クビンの腹心の部下。ゴブレンジャーの頭でもある。
 常に何かを企んでいる策略家で、幅広い情報網を持つ。
 口調は無邪気な子供のようで将魔にも臆しないが、人も魔物も駒としか見ていないフシがある。何を企んでいるかが読めない魔物。
 現在はウェイ・クビンの代理として糸石奪取のプランを先導している。
 海底神殿にサポート役としてゴブレンジャーを潜行させたり、マックスやブッチャーを確保したりと抜け目がない。

★ラミアちゃん
 常にハイテンションでかっ飛ばす、魔の島のアイドル。
 デモコマ様がお気に入りなのか、はたまたマトモに同行してくれるのがデモコマ様だけなのか、しょっちゅう一緒にくっついて回っている。
 見た目が人間に近いため、ごく普通に学園に潜入もできるが、かなり抜けているために成果の程は・・・。
 パニクると口調が謎の方言になる。天敵はストライフちゃん。

★リザードロード
 六将魔の一人。現在は何か思うところがあるのか、裏で独自に行動をしている・・・が、独自に行動をしすぎて金欠になった。
 デーモンコマンドとは友人同士で、他の将魔達に比べ、割と明るい性格の魔物。
 会話の節々でさりげなくボケるのが好きで、マジメにしているのかふざけているのかが掴み辛い、ひょうひょうとした性格をしている。

★スペクター
 六将魔の一人『隠者』としてクリスタルレイクプールで大騒ぎを巻き起こしていた魔物・・・だった。
 ナイトハルトくんの黒き鎧「カヤキス」により生命力をほとんど奪われて小っちゃくなったあげく、
 その「カヤキス」がスペクターとして魔の島に居座ってしまったために居場所を無くし、冥部に泣きついてきた。
 現在はサルーインちゃんファミリーのマスコットとして、癒しと愛嬌を振りまいている。

★カヤキス
 ナイトハルト君の漆黒の鎧。鎧自体に意思があり、クリスタルレイクプール事件のおりに、スペクターの生命力をほとんど奪い去ってしまった。
 そして六将魔のあとがまとして魔の島に潜入することに成功。
 他の将魔達には、中にスペクターが入っているとしか認識されておらず、そのためスペクターが今サルーインちゃん達の所にいるとは誰も知らない。
 実際中に誰かが入っているのか、いないのか?はまだ不明。この件に関してナイトハルトくんがどう関わっているかも、まだ不明である。

8ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:54:20 ID:???
★ゴブリンナイト・ティガー・ソルジャー
 ゴブリンセージを中心とした、ゴブレンジャーの一員!
 ・・・しかし実際はレンジャーといっても、ゴブリンセージの単なるパシリである。
 戦闘力には期待できないが、カムフラージュで潜入して薬を届けたり、マックスやブッチャーを回収したりとサポ的な働きをする。
 しかしなんだかんだで本人たちは、あまり仕事熱心ではない。遊ぶのが大好きな、無邪気な連中である。

★ゴブリンメイジャン
 ゴブレンジャーの一員だが、他のゴブリン達とは違ってセージを心の底から崇拝する、セージの狂信者。
 話し方からして知力や魔力もそれなりに高いっぽい。ゴブレンジャーの中では唯一セージから信頼されてもいる。

★銀の仮面の魔物
 六将魔の一人。気性が荒いと言われている『死神』『反逆者』のどちらかである可能性が高い。
 『気のムーンストーン』を求めて各地をさすらっている。
 身の丈ほどもある大剣を背負い、銀の仮面で顔の大部分を覆っている。
 その性格は残虐にして非道。同属をいたぶって追い込んだ挙句に首を跳ね飛ばし、
 なおかつそれを『楽しい』と感じるキレた性格をしている。

★マックス
 元々はメルビル誘拐事件の首謀者の一人で、サルーインちゃんに手ひどく振られたために、アンチサルーインちゃんの活動を行っていた。
 同志であったはずのコルネリオくんがワイルちゃんの下僕となったために、コルネリオくんを激しく憎悪した。
 そのため、メルビル動乱の際に宮殿地下で影のような魔物を召還して宮殿を襲っていたが、
 そこをセージにつけこまれ、セージから大量の魔物を譲り受けた。結局企みは失敗し、宮殿地下壊滅の際に片腕を失う。
 現在はセージに拾われ、洗脳処理を受けつづけている。

★ブッチャー
 元々は海賊の一人。卑劣で非道、自分のためにはどんな犠牲もいとわない残虐な性格。
 ホークをハメた上にコルネリオくんを逆に利用し、メルビルを襲撃するが、結局アルドラ達に撃退されたあげく、
 ホークとのタイマンに負けて海の藻屑と消え去った・・・かに思えたが、瀕死の重傷だったところをウコム海底寮の人魚に拾われた。
 しかし、海底寮でもウコムの鉾を奪い破壊の限りを尽くす。結局ミルザに敗れた上に、デモコマ様に精神を破壊される。
 ゴブレンジャーが回収し、現在はマックスと同じく洗脳処理を受けつづけている。
9ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 19:54:57 ID:???
【その他の人々】

★ゲラハくん
 トカゲのような見た目が特徴的な、ゲッコ族の若者。他のゲッコ族と違って人間との交流を求めていた。
 ゲッコ族開放の事件を機に、ミルザ、オイゲン、ジャミルと友人となる。
 クリスタルレイクプールでの活躍後、もっと人間を知るためとサンゴ海に向かい、ホーク海賊団の副長となる。

★ホーク
 サンゴ海の海賊だったが、メルビル騒乱の際に船を失ったため地上で出稼ぎを続けている。
 熱い魂を持つ男だが部下には恵まれず、部下の大半が重度の変態ぞろい。
 最近シルバーを迎え、ホーク海賊団はますますカオスの様相を示している。有り金をはたき、謎の古文書を買った。

★シルバー
 元々は風の糸石を守るシルバードラゴン。一度エロールちゃんに人間にしてくれと頼み込み、
 その際にあんまりな扱いを受けたためエロールちゃんを激しく憎む
 ・・・が、結局イザというときエロールちゃんに力を貸すという条件で人間となった。
 だが人間となってまだ日が浅いため、価値観とかがまだまだ人間とは大きくズレている。

★コルネリオくん
 メルビル寮生。元々はマックスと同じく、逆恨みによるアンチサルーインちゃん活動を行っていたが、
 ワイルちゃんに手ひどくやられ、ワイルちゃんの下僕となる。恐怖が高まりすぎたためか、ワイルちゃんに歪んだ愛情を抱くように。
 メルビルのフェル舎長の妹とも交際をしており、フェル舎長を追い落として権力を手中にするべく、メルビル動乱の手引きをした。
 しかしこの手引きをした事実は表ざたになることはなく、動乱時に不在という理由での謹慎処分に止まった。

★イフリート先生
 騎士団寮の体育教師。非常に熱い・・・というより暑苦しい性格をしている。直情傾向で、すぐ回りが見えなくなる。
 その体は鋼のような筋肉。その脳も筋肉。心の中も多分筋肉。色々思い悩んだりもするが、何故か最終的な結論は必ず筋肉に行き着く。
 フラーマ先生に熱烈な片思いをしているが、思いが成就する可能性は青の剣を初プレイで取得するより低いと思われる。
 最近謎のアドバイザーがついたが、本人の脳力がアレなために、成果はまったく出ていない・・・。

★フラーマ先生
 騎士団寮の教師。イフリート先生から猛烈なアプローチを受けているが、その全てを完膚なきまでに打ち砕いている。
 糸石の一つ、「火のルビー」の管理者であり、夜な夜な石の力で増幅させた生命の炎を自分に唱え、その美しさを保っている。
 特技は火術。そして精霊石の杖によるせっかん。ひょっとしたらドSなのかもしれない。

★アルベルトくん
 イスマス寮生でディアナの弟。お姉ちゃん大好きなシスコン。ミルザ曰く妖精のような男の子。
 しかしツフに惚れられたことにより、彼の安息の日々は終わりを告げた。
 ツフに処jy・・・もとい童貞を奪われた疑念があるが、そっとしておいてあげるのが人の道かと。

★ツフ
 マルディアス学園最強のスケバン。なぜかツノが生えており、その見た目は筋骨隆々。
 種族や性別といった部分を突き抜けた外見で、精神耐性の弱い人が見るとSAN値が下がります。おもいっきり。
 戦闘能力は鬼高く、エロールちゃんをもてこずらせたほど。
 口癖は「やるよ」。アルベルトに一目ぼれをした。これにより他の男どもは貞操の危機を免れたことに。
 アルベルトくんにはちゃんとお礼をいっときましょう。 特技はハリケーンミキサ・・・ではなくスピアー。
10ゲーム好き名無しさん:2006/03/16(木) 07:32:03 ID:???
>>1
乙!乙!乙!騎士として(ry
つーかマジでgj!よく立ててくれた。
11ゲーム好き名無しさん:2006/03/16(木) 13:13:50 ID:???
12ゲーム好き名無しさん:2006/03/16(木) 15:40:26 ID:???
スレ立てるなんて超がつくほど久しぶりだから
なんか不備があったらごめんな。

さあ書き手さんたち、きてくれー!
13ゲーム好き名無しさん:2006/03/19(日) 23:27:16 ID:???
>>1
ミゴトナモノダナ

前スレで未完になってる話をコピペするべきか
これがわからない
14ゲーム好き名無しさん:2006/03/21(火) 01:03:11 ID:???
>>13
一応どこから繋がるかの目安になるし、前スレが沈んだ時のためにもコピペっといたほうがいいのかもね。
しかしあそこからつなげるとなると、どういう展開になっていくのか・・・
15ゲーム好き名無しさん:2006/03/23(木) 22:43:44 ID:???
前スレ落ちたね。
専ブラなんでログは全部残ってるので、未完になってた話でも貼りなおしてみようか?
週末になんないととても書き込めないけどなー。
16ゲーム好き名無しさん:2006/03/24(金) 02:31:39 ID:???
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17ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 12:38:52 ID:???
すみません。これいつから始まるんですか
18ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 15:45:20 ID:???
マルディアス学園購買部
商品一覧
1、エロールちゃん鉛筆。(在庫あり)値段 10金
エロールちゃんのイラストが上の方に描いてあるせいで
生徒たちはいつもイラストのギリギリの所までしか使えない。

2、エロールちゃん等身大ポスター(限定版 完売)値段 3ジュエル
発売開始から購買部が生徒たちの戦闘や取り合いなどで大荒れになり
再販売の見込みはなし。

3、イフリート先生型消しゴム(在庫山積み)値段 1金
筋肉だらけの消しゴム。しかも見るだけで暑苦しいため
一部の男子生徒しか買わない。

4、サルーインちゃん等身大ポスター(限定版 完売)値段 5ジュエル
「エロールちゃんのポスターがあってなぜ私のがないのか!」と、
サルーインちゃんに強引に発売された。これもほとんど購買部か半壊に追い込まれたため再販はない。
余談だがレフトハンドソードを持った生徒が「サルーインちゃんのポスタアァァァァァー!」と叫びながら
残っているもの全部盗まれたとか。

5、水竜の香水(売り切れ)値段 3000金
四寮長の水竜が愛用している香水でこれを使えばどんな女子にもモテモテであるが一部のモンスターにしか
効果がないため、それを知らない生徒たちがごっそり買い込んでいる。
尚、この事について誰にも知らされていない。
19ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:24:24 ID:???
>>18 GJ! 前のテレビ欄もそうだったが、購買もかなりキてるなw
エロールちゃんとサルーインちゃんはさすがに大人気だね。
つーか生徒会長でグッズまで出てるのかwさすが主神
そしてミルザ・・・あんた相変わらずだな・・・

んじゃ、前スレでラスト3スレ前くらいで未完になってた話をサルベージして貼り付けます。
20前スレ373より再掲:2006/03/25(土) 23:25:26 ID:hEnEQSv0
鬱葱と生い茂ったジャングルの夜に大きく浮き上がる赤い月と白い月。
夜が濃くなり限りなく闇に近づくにつれ、二つの月は光を増し、そして惹かれあっていきます。

???「ああ〜、ウゼェ。ウゼェウゼェウゼェうぜぇうぜぇうぜぇ。」
夜を見上げながら、男は呟きました。
???「ストレス溜まるぜ。トロトロしやがって、このまん丸が!
     タラタラしてねぇで、さっさとくっつけよ!待ってる俺様の身にもなってみやがれ、カスが!」
男の仮面から覗く目が、闇に不気味に赤く輝きます。
???「疼く・・・あぁぁ滾る・・・これ以上放置プレイされたらブッ壊れかねねぇぜ・・・!」
声を震わせながら、男は己の背丈ほどもある大剣を思い切り石柱に叩きつけました。
激しい音を立てながらも石柱はまるでバターのように見た目軽々と斬り裂け、その体を二分にしました。
???「ああァ・・・うぜぇうぜぇうぜぇ」
怒りをぶつけるように落ちた石柱の頭に何度も剣を叩きつける仮面の男。
石柱はやがて原型がなくなり数多の砂と同化します。それでも彼は剣を叩き下ろすのをやめません。
ガッガッ、と鈍い音が闇に響き渡り四散していきます。
???「これだけオレをイライラさせておいてこのまま何も起きずに夜が明けちまうなんてことが起きたらよォ・・・
      あのゴブリンはぶっ殺し決定だな。・・・あのいけ好かない目をグリグリ抉って・・・ククク」
こもった笑い声を上げ続けます。
???「・・・おろ?」
ふと笑いを止め、キョロキョロと辺りを見回し始めます。
それと共に、その周辺の空間の一端から突如闇にも目立たぬ漆黒の鎧が音もなく姿を現しました。

――カヤキス。
21ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:26:17 ID:???
カヤキス「ここか・・・ここが二つの月の神殿。月の糸石ムーンストーンの隠れ家・・・そしてここへ二つのシンボル・・・あのモンスターどもと・・・」
一人呟き始めるカヤキス。
カヤキス「まったく、なぜこうも恋路には障害が多いものなのか・・・
      障害が多いほど萌える、いや、燃えるなんてどこのアホが作った言葉だ。燃えるどころかもはや興ざめだ、おなかが痛いぞチキシヨウ
      ・・・・・・――――!?」
カヤキスは、咄嗟に、ほとんど意識する前の本能のようなもののみで素早く上体を反らしました。
それからほぼ同時とも言えるほど緊迫した時間差で、一瞬前にカヤキスの首があった場所に閃光が走りました。
暴力的な――
カヤキス「・・・!?・・・!・・・!??」
何が今自分の目の前を通り過ぎたかを理解するのは、ヤツが言葉を発したその後でした。

???「よく避けたじゃねーの。スペクター。」

カヤキス「お前は・・・」
カヤキスの視線の先には、ヤツが立っていました。
顔全体を覆う銀色の仮面。その中心のわずかな隙間から覗く赤いまなこ。細長い腕と小さい体に不似合いな巨大な剣。
――あの剣が今目の前を・・・避けるのが少し遅れていたら・・・――
恐怖に浸りかける前に、仮面の男が話しかけてきました。
???「お前とこんなとこで会えるなんて思いもしなかったぜ。
      ・・・俺は?そう、六将魔『死神』、ソードスレイブ。久しぶりだなぁ?『隠者』スペクター?」
カヤキス「(ソードスレイブ・・・死神・・・将魔・・・)・・・久しぶりだな。だが久々の感動の出会いにしちゃ、少々過激すぎたような気もするが?」
ソードスレイブ「今のはちょっとした挨拶代わりさぁ。何かしばらく見ない内に随分印象変わったじゃん。」
カヤキス「挨拶代わり、か・・・その割には殺す気満々だったようだが?」
ソードスレイブ「カカカ。俺さぁ、今色々とストレス溜まっててよぉ。ついちょい正気失ってぶっ殺しモードになっちまったんだわ。悪いな。」
仮面の男は、大剣を器用にクルクルと回しおどけて見せました。
カヤキス「・・・全く、無責任なヤツだな。行動と発言に責任を持てぬものは将来痛い目に会うぞ。失恋、散財、友の裏切り・・・おーこわ。」
ソードスレイブ「あいにくだけどそんなもんは生前ぜーんぶ経験しちまったもんでね。もうその忠告は遅ぇよ。」
カヤキス「・・・大したものだな。私も堂々と不幸自慢のできる男になりたい。不幸は慈愛を目覚めさせる・・・
      不幸な男と哀れむ女。やがてそれは愛の鎖となり、そんな男女がよく長続きするというはなs」
ソードスレイブ「まぁそんなつまんねー話はおいといて。
     スペクターよぉ。おまえさあなんでここにいるワケ?俺の仕事の代わりでもしてくれようってハナシ?」
カヤキス「いや、違う。・・・特に用は無かったのだが・・・いや、あれだな。傷心旅行みたいなまぁそんな類の感じのアレだよ。そう、アレ。うん。
      ・・・まぁそんなことはどうでもいいんだけどさーつまりお前は、ここで何をしているのだ?」
ソードスレイブ「仕事さ。あの二つの月が重なった時に神殿の扉が開くってんでな、ここで待ってるんだ。
      神殿の中には月の糸石があるってハナシなんだが・・・もうどんくらい待ったかワカんねぇ。ったくよぉ。夜は長げぇ。無駄にな!
      あの野郎・・・もう少しってどんだけ長ぇもう少しだよ。もう少しってのはなぁ、一分や二分そこらの事を言うんだ・・・あー、うぜぇうぜぇ」
カヤキス「・・・誰だ?」
ソードスレイブ「は?」
カヤキス「お前にその仕事を任せたヤツだ。
      ・・・もしや、全身ピンク色の陰険な顔したむかつく感じの、そのめっちゃむかつく感じのゴブリンじゃなかったか?」
ソードスレイブ「・・・そう、それ。あのめっちゃむかつく感じのな。・・・なんで知ってんの?」
カヤキス「なるほど・・・そうか。・・・それは」
瞬間でした。

22ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:27:01 ID:???
金属と金属のぶつかりあうけたたましい音が、高々と響き渡りました。
それは、カヤキスの持つカヤキスの鉾と、ソードスレイブの持つ大剣の間から出た音でした。
ソードスレイブ「・・・おい。・・・何のつもりだ?」
カヤキス「・・・よく防いだな。完全に不意をついたつもりだが・・・流石は将魔、とでも言うべきかな?」
感情を微塵も表さぬ声で低く呟くカヤキス。
ソードスレイブ「・・・ケッ。」
歯をぐいと剥き出しにし笑います。
ソードスレイブ「・・・冗談にしちゃあ笑えねぇなぁぁ、オイィィ!!!」
ソードスレイブの大剣が、ギリギリとカヤキスの鉾を押し返し、そして勢いよく弾き返しました。
カヤキス「くっ!」
体制を崩すカヤキス。
ソードスレイブ「死んじまっても俺は知らねぇぜェェェ!!!」
闘気が拡散し、ソードスレイブの体が宙を舞います。
ソードスレイブ「ヴァアァァンダレアァァイイズゥゥゥゥ!!!!!」
狂った猛り声を上げながらカヤキス目掛けて落ちてくるソードスレイブ。
その手の大剣に、闘気の光線が収束していきます。
カヤキスはすぐにその場から飛びつくようにして離れました。
一瞬後に、一瞬前カヤキスがいた場所にソードスレイブの大剣が憂慮無く叩き下ろされます。
耳をつんざく爆発音と、目をつらぬく閃光が空間を支配しました。
カヤキス「・・・!!(なんだ、この威力は!・・・直撃していたならば、鎧ごと・・・怨念の装甲ごと断ち切られていた・・・)」
カヤキスはすぐに立ち上がり、鉾を構え直しました。
立ち上る煙の下から、ソードスレイブが大剣を構え突撃してきます。
ソードスレイブが大剣を振り上げると同時に、カヤキスは槍をソードスレイブ目掛けて突き出しました。
ソードスレイブ「おっ?」
直撃が一度。ソードスレイブが少し怯みます。
カヤキスは間髪いれずに二撃目、三撃目を繰り出しました。
突きの雨が、ソードスレイブの体を捕らえます。
上体が徐々に後ろにのけぞっていき、そして大剣がゴトリと鈍い音を立て背後に取り落ちました。
カヤキス「(これでとどめだ。)」
ソードスレイブの剥き出しの脊椎目掛けて、思い切りなぎ払いを繰り出します!

ガッ

カヤキス「・・・ぐっ、何?」
カヤキスの鉾はソードスレイブの体には達していませんでした。
鉾と体の間に、ソードスレイブの手が二つ。
ゴツゴツした指で鉾をしっかり掴んでいます。
カヤキス「素手で私の一撃を止めた・・・?」
仮面の下から覗く口が、にわっ、と笑みの形を浮かべました。
ソードスレイブ「カーッ。まったく、響くねぇ。」
腰の骨が軋みます。

ガンッッ!!

23ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:28:18 ID:???
とてつもなく鈍く、硬い音が響き渡ります。
ソードスレイブの突き上げた拳が、カヤキスの鎧の腹部を絶妙に捉えていました。
カヤキス「・・・・・・」
ソードスレイブ「・・・何だよ。」
ブオッ
カヤキスがソードスレイブ目掛けてその鉾で勢いよく足払いを繰り出しました。
跳躍して足払いを避けるソードスレイブ。そのまま何歩か後ろに跳び退り、床に突き刺さる大剣を拾い直しました。
真っ直ぐ、カヤキス目掛けて剣を構えます。
ソードスレイブ「貫けると思ったんだがな。かてぇかてぇ。」
カヤキス「・・・何という拳だ。角度、スピード、腕力、全て申し分ない。まったく、本当にモンスターの繰り出す攻撃とは思えんな。
      ・・・私の着ていた鎧がこのカヤキスの鎧でなければ、確実に貫かれていた。」
ソードスレイブ「俺の拳は羅刹の拳。一撃必殺の拳さ。・・・今まで壊し損ねたモンはなかったんだがな。
          ・・・こっちもそうだ。この剣。『羅刹の剛剣』。」
ソードスレイブの持つ大剣が、微かに熱を帯びていきます。
ソードスレイブ「さて、こっちはどうだろう!?」
『羅刹の剛剣』の刀身から、炎が燃え上がりました!
カヤキス「・・・!(痛手どころでは済まぬやもしれぬな。・・・無駄な怪我はなるべく避けたいところ、ここは・・・)」
ソードスレイブ「ひぃやっはああぁぁぁ!!!」
燃え盛る剛剣が、カヤキス目掛けて振り下ろされます!

ブン

ソードスレイブ「・・・な、にぃ?」
ソードスレイブの剣が捕らえたものは、”空”でした。
目測を誤ったわけでも、避けられたのでもありません。
カヤキスは、跡形も無くこの場から消えてなくなっていました。
ソードスレイブ「・・・・・・・・・そう、来るワケ。
         ・・・・・ちくっしょおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
燃え盛る剛剣を、思い切り地面目掛けて振り下ろしました。
一度だけではなく、二度、三度、刀身にありったけの怒りを込め何度も地面を叩きつけます。
ソードスレイブ「スペクターのクソ野郎・・・何だってんだ一体、テメェで喧嘩売ってきた癖に逃げやがって・・・!!
         なに考えてやがんだ、クソが・・・!寸止めはイチバン体に悪いってのによォォ・・・!うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇ」
大剣の炎の勢いが一層増してきます。
ソードスレイブ「次会ったら即消してやるぜスペクタァァァ!!!!」

夜にソードスレイブの猛り狂った遠吠えが深く響き渡りました。
24ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:29:03 ID:???
冥部。
ミニオンちゃん三人にスペクターくんとアルを加えた五人が、もぬけの殻となっている冥部を前に呆然と立ち尽くしていました。

ワイルちゃん「サルーインちゃんさまがいない!!デスちゃんさまも、シェラハちゃんさまも・・・」
ヘイトちゃん「ほぉぉんとだわぁぁぁん☆;:!!サルーインちゃんさまが元気になったってんでお祝いにどっか遊びにいっちゃったのかなあぁ@?;:、」
スペクターくん「女性のみでの夜間の外出はすっごい危ないっていうのに!!
          まったく、なんて危険に鈍感な姉妹なんだ、両親は彼女達に一体何を教えて育ててきたんだ!」
ストライフちゃん「大丈夫、あの三姉妹についてそのような心配は全くいらん。」
ヘイトちゃん「というかなんつーかその危険の方が心配だわぁん。%:・あの三姉妹を狙っておいて無事に家に帰れたものは一人もいないらしいし?」
ワイルちゃん「それ前シェラハちゃんさまが言ってましたよね。浪々と。」
スペクターくん「一日一回以上は言ってたよね。」
アル「ばっきゃろう、そういう問題じゃねーんだよバカども!
    ・・・・・・とうとう始まっちまったみてーだな。・・・もう時間はあまり無いぞ。」
ワイルちゃん「あっ!もうこんな時間!?早く寝ないと・・・朝は待ってくれませんからねっ!」
ストライフちゃん「やばい!明日マガジンの発売日じゃん!早く寝ないと!いや、このまま0時まで待ってコンビ二に行くか・・・?ぐっ、どうする!」
ヘイトちゃん「ああああぁぁぁぁぁ、夕飯の時間だわぁぁぁぁぁ★&~!@:!!;l:!!!」
スペクターくん「あああああ、僕もぉぉぉぉ!!!僕も・・・僕も、アレ?」
アル「そういう意味じゃねえって!!・・・もちろんお前らにも付き合ってもらうんだからな、逃げんなよ。」
ヘイトちゃん「うっわ、なんかやたら偉そうこのデブ猫。」
ワイルちゃん「カルシウムが足りてないんですね、きっと。・・・さっき道端で骨拾ったんですけど、食べます?」
ストライフちゃん(なにっ、いつの間に!!抜け目ないなワイルのやつめ・・・!)
アル「いらねーーーーよ!!!・・・ったく、人の気知れずのん気な事ばっか言いやがって・・・
    とりあえずエリスに連絡だ!」
ヘイトちゃん「人の気知れずぅぅ???それを言うなら『猫の気知れず』でしょうがぁぁぁ!+‘>!*!!
         まったく、最近の猫はやたら背伸びしたがるわねッ!!」
ワイルちゃん「大人に憧れる年頃なんですよ。」
アル「うるせーーーーーよ!!!」
25ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:30:46 ID:???
うつ伏せに倒れているジャミルくんの背中の牙から、声が聞こえてきます。

アル『こいつらの主人が・・・アムトのシンボルが動き出しちまった。二つの月を見比べてみても、猶予はあと二、三時間ってとこだろうな。
   とりあえず俺たちはこいつらの主人を探し出す。時間的にもまだそう遠くには行ってないはずだ。』
エリスちゃん「わかった。気をつけてね、アル。私達を襲った黒い鎧の男がいつ現れるか分からないわよ。」
アル『でーじょうぶだって。・・・それにしても、その黒い鎧の男ってのは何なんだ?何が目的でお前らを襲ったワケ?』
エリスちゃん「ヤツは、赤い光・・・そう、『アムトのシンボル』を欲しているように聞こえたわ。
    エリスのシンボルとアムトのシンボル、両方ではなくアムトのシンボルのみを・・・詳しい事はよく分からないけどね。」
アル『へぇ、変わった奴だな。・・・まぁ、とりあえずアムトのシンボルは俺に任せてくれ。
    アムトのシンボルを確保したらまた連絡するぜ、んじゃな。』
エリスちゃん「わかったわ。・・・本当に、気をつけてね。」

水龍くん「・・・あのさぁ、アルって奴は本当に信用できんの?」
エリスちゃん「ええ。彼は何度か共に死線を潜り抜けてきた私のパートナー。
     とりあえずは信頼できるわ。・・・たまにむかつく時もあるけど。」
水龍くん「げっ、『私のパートナー』とか『たまにむかつく』だなんて、もろフラグ立ってるじゃん!!
     エ、エリスさん、あのですね、あの子とお付き合いするのはおよしなさい。」
エリスちゃん「はぁ?あなたは何を言っているの?
     ・・・それにしても、実は先程から気になることがあって。」
水龍くん「なにっ!ついに私の魅力に気づかれたというワケでございますか。いやはや貴方様もお目が高い。
      よっしゃーー!!気になるなら端っこからまた端っこまで全部教えてあげるよーー!!さぁ、行こう、僕達二人の愛の講義室へ」
エリスちゃん「いきません!まったく、本当になんて人だ・・・こんな人が四寮長だなんて・・・他の三人もあなたみたいな人だと思うと!ブルル!
      ・・・それよりも、今二つのシンボルが出来上がったわけだけれども、今回は二つのシンボルに所有者がいない・・・」
水龍くん「・・・えーと、シンボルに所有者がいないっていうのは初めてなのか?」
エリスちゃん「ええ。それどころか私とアムト以外に両方のシンボルの所有者になったものはいなかったわ。
      ・・・今回は今までに比べて例外が多すぎる。何者かの陰謀を感じるの。ドス黒い、悪意に満ちた陰謀が・・・
      おそらく、月の舟で私達を襲ったあの黒い鎧の男が何かを・・・」
水龍くん「あの男も何者かに利用されていたようだったがな。もう一つや二つ裏がありそうだな。」
エリスちゃん「ええ。・・・ともかく、所有者がいないシンボルがどう動くのか、これが分からないの。
      シンボルという本能のままに蝕と共に神殿へ近づいていく・・・これは間違いないはずだけれども・・・
      所有者がいないと言う事は野放しにされた狂犬も同じ。もし何者かが不用意に近づけば、いや進行を阻止しようと近づけばシンボルは・・・」
水龍くん「どういうことだい?」
エリスちゃんの声は少し震えているようでした。
エリスちゃん「いえ、これは一つの仮定だけれども・・・可能性は十分にあるわ。
     あの物凄い数の怪物の群れと等しい力を持つはずのシンボル・・・サルーイン。
     ・・・アルの手に負えるのかどうか・・・分からない!」
26ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:31:31 ID:???
少し時を遡り、リガウ寮草原にて。
軽く上を向きながらふらふら無言で練り歩くサルーインちゃんを、その二人の姉妹デスちゃんとシェラハちゃんが追っています。
シェラハちゃん「姉さん!聞いてちょうだい、私の声が耳に入っているの?姉さん。
       どこへ行くつもりなの?ねぇ、聞いてる?」
デスちゃん「無視とかそういう次元のものとは思えない、この子がたった半日でこんなにも利口になるとは思えない・・・
       い、いや、も、もしかしてこれはあの守護霊交替現象では!?ああ、何でことだ、サルーインがいい子になってしまうなんて・・・
       いや、それはそれでいいのか?どっちなんだ?利口な方がいいんだよな普通。ばんざーい。ああ、でも・・・!」
シェラハちゃん「私にしてみればお利口すぎて人の話を華麗にスルーするようなサルーイン姉さんはまっぴらゴメンだわ。
       ああ、それにしてもこれもまた一つの不幸なのかしら。はてさて微妙なところ・・・私にとってはこの上ない不幸だけれども。」
デスちゃん「私にとっても不幸なのかも知れぬ。やはりサルーインは今までどおり元気で馬鹿で向こう見ずで浪費癖の強いのがイチバンで・・・
       ともかく、止まれーーーサルーイン!!夜間の外出の際はキッチリ誰と遊ぶのか
       場所はドコなのかいつごろ帰ってくるのかをちゃんと私に伝えてからにしろーー!!」
デスちゃんが、サルーインちゃんの手首をガシッと掴みました。

サルーインちゃん「ハ・ナ・セ」

デスちゃん「えっ?」
瞬間、サルーインちゃんの体から膨大な魔力がドッと噴出しました。
デスちゃん「うわっ!!」
何かに突き飛ばされたように、デスちゃんが勢いよく後方に吹き飛びました。
シェラハちゃん「デ、デス姉さん!?」
デスちゃんに駆け寄るシェラハちゃん。
デスちゃん「サ、サルーイン・・・?」
シェラハちゃん「ね、姉さん、一体何を・・・!・・・・・・!!」
立ちすさぶサルーインちゃんの顔を見て、シェラハちゃんは言葉を失いました。
あんぐりとだらしなく開いた口。生気なく剥かれた白目。
そして微かに赤い光がサルーインちゃんの体を纏っていることに、その時シェラハちゃんは初めて気づきました。

27ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:32:27 ID:???
シェラハちゃん「ね、姉さん・・・い、いったいな、なにが・・・」
サルーインちゃん「ワタシハシンデンヘ・・・フタツノツキノシンデンヘ・・・イカネバ・・・ナラ・・・ヌ・・・
          ツキガマジワルソノトキマデニ・・・シンデンヘ・・・ユウゴウ・・・・」
抑揚の無い声で、サルーインちゃんが言います。
デスちゃん「な、なにを言っているんだ、サルーイン・・・!?」
デスちゃんはバッと立ち上がると、再び歩き出そうとするサルーインちゃんの体をガシッと掴みました。
デスちゃん「おい、しっかりしろ!!どうしたんだ!!正気はあるのか!?おい、サルーイン!返事をしろ!!」
サルーインちゃん「ジャマヲ・・・シナイデクレ・・・!」
デスちゃん「サル・・・・・・!!うあ、うわあああああああ!!!!」
サルーインちゃんの周辺に、突如巨大な竜巻が発生しました。
デスちゃんが竜巻に飲まれてゆきます。
シェラハちゃん「デ、デスねえさーーん!!!・・・一体何を、サルーイン姉さん!
           ・・・仕方ない、ここはもう漆黒の帳で・・・!目を覚まして、サルーイン姉さん!」
シェラハちゃんが術の構えをとった瞬間です。
途轍もなく巨大な水の塊が、足元からシェラハちゃんを空高く突き上げました。
シェラハちゃん「ひゃっつ、きゃああああああ!?」
シェラハちゃんとデスちゃん。二人同時に草原の地面にドサリと力なく落下しました。
静寂が空間を包みます。

サルーインちゃん「ハヤク・・・ハヤク・・・」

サルーインちゃんは振り返りもせず、またふらふらとどこかへ歩き始めました。
その虚ろな目は、常に月を見上げているようでした。
28ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:33:59 ID:???
水龍くん「器の・・・暴走。」
エリスちゃん「そう。所有者がいないシンボルは、ただ融合という定めだけに取り付かれ行動する。
        そしてそれを邪魔しようとするものには・・・全力で排除をしにかかる。」
水龍くん「なるほどー、つまり、今のシンボルは心無い機械人形と化しているわけだ。」
エリスちゃん「そういうことね。・・・とても厄介だわ。
        アルが敵うかどうか・・・いや、それ以前の問題ね。・・・サルーインを傷つけるわけにはいかないもの。」
チラリと一度脇目でミルザくんを捕らえます。
水龍くん「確かにな。事情が事情とは言えレディーを傷つける行為は第一級の罪!女性の肉体は世の神秘であり
      無条件でこの世の遺産とされるのが当たり前なわけでそしてそれを保護するのが私の役目であって
      要するにエリス!君の肉体は私が末代まで保護してあげるよ!さぁ、私に全てをゆだねて・・・」
エリスちゃん「ああ、もう止めてよそうやって余計な事ばっか言うの!
        ・・・ほんとうに、どうしよう。サルーインを傷つけずなおかつ融合を阻止する方法・・・
        そして、シンボルの融合無しにあの神殿の扉を開く方法・・・
        全て、今まで私が考えた事もなかったことだわ。
        ・・・・・・でも、アムトなら・・・もしかしたら・・・やっぱり、アムトを探すしか・・・」
水龍くん「アムトを探すのかい?・・・一人では大変な作業だろう、私も手伝うとしよう。
      ・・・私と水の精達の協力があれば、女子一人探し出す事なんてたやす・・・
      まぁ、そんな容易い事ではないけれども、難しくは?ない?かもよ?」
エリスちゃん「ありがとう。水龍くんの力があれば百人力よ。
       ・・・じゃあ、私は行くわ。今は一秒の時間も惜しい・・・」
水龍くん「そうだな。私がアムトを見つけたら手近な水の精達に君にすぐ伝えさせる。
      エリス。君がアムトを見つけたようなら、いや、それ以外の事でも何か私に用ができたならば・・・そう、これ重要だよ!・・・これで私を呼んでくれ。」
水龍くんは眠っているジャミルくんの腕から『水龍の腕輪』を引っぺがしエリスちゃんに手渡しました。
水龍くん「その腕輪に呼びかけてくれば、私はいつでも君の前に現れるよ。
      あ、そうそう、呼びかけるときはなるべく、というか絶対ありったけの愛を込めt」
エリスちゃん「分かった!じゃあ、私は行くわ水龍くん。・・・敵の奇襲には気をつけて。」
水龍くん「分かった。・・・・・ミルザ達は・・・」
エリスちゃん「神殿が開くまで・・それが無理なら、最低でも次の朝日が昇り平和が戻るときまで・・・あの子達には眠っててもらう。
        もうこれ以上あの子達に迷惑や面倒はかけられないもの・・・」
水龍くん「神殿が開くまで?それはどういうことだ、融合が成功しなければ神殿が開く事はないんだろう?」
エリスちゃん「・・・いえ、もしかしたら・・・あるかもしれないの。融合させずに神殿を開く方法。
      そしてそれは、私とアムトが揃っていれば・・・実行できるような気が・・・」
水龍くん「大丈夫か?エリス。お前の言っている事には不確定要素が多すぎるぞ・・・」
エリスちゃん「ええ。分かっているわ、分かっているけど・・・分からないの。」
水龍くん「どっちだよ!・・・でも、・・・ああ、なんていうかその、エリス、今のきみ、凄くイイ・・・!」
エリスちゃん「じゃあ、水龍くん!アムトを探すわよ。くれぐれも気をつけて。」
水龍くん「よし分かった、エリスも気をつけて!数分で見つけてきてやる!」

二人の姿が闇夜に消えました。
29ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:34:47 ID:???
ミニオンズ「ええええええええええええええ!!!!!!?????」
月の下、夜の草原に三人の女子生徒の絶叫が響き渡りました。
ワイルちゃん「そそそ、それは本当なんですか!?サササ、サルーインちゃんがぁ・・・」
スペクター「そそそそ、そんな大変な事が・・・!サルーインが・・・!」
ストライフちゃん「なんでそれを早く言わなかったんだ!!どどど、どうするんだよ!!」
ヘイトちゃん「チィィィィ、てめぇこの猫ォォォォ!◎!!何でそんな大事な事言わなかったんじゃああああああ;;。l:。p」l;。!!!」
アル「あーもー、うるせーな、言ってる暇がなかったんだよ!
   ・・・まぁ、つまりこのまま黙ってたらアンタらのご主人様は二つの月の下恐ろしい怪物に生まれ変わっちまうってことだ。
   それを阻止するためにはとりあえずお前らの主人を見つけないといけねーわけだが・・・」
ワイルちゃん「ままままさかそんな大変な事が起こっていただなんて・・・
         ああ、なぜあの時サルーインちゃんさまが倒れたとき私はここまで想定しなかったのでしょう!!私のこの鈍い頭が憎い・・・憎い・・・」
ストライフちゃん「そう自分を責めるな、あれだけでここまで想定しろという方が不可能なハナシだ。」
ヘイトちゃん「キーーーッ!!!ワイル、あんたのせいよぉォォォ!!★純ヨ!!!この鈍感!@!めがね!!わかめがね!!」
ワイルちゃん「ひぃぃぃぃ!!私ったら伝説級のめがね無知無能馬鹿ーーー!!!」
ストライフちゃん「いや、煽るなよヘイト!!」
アル「まったくよー、取り乱しすぎだぜおめーら。」
ストライフちゃん「おい、アル!・・・おまえはなぜここまで状況を・・いや、それはあえて聞くまい、時間の無駄だものな。
           ・・・一つ質問していいか?・・・サルーインちゃんさまは助けられるのか?今は、お前だけが頼りなんだ!」
アルをまっすぐ見つめ、ストライフちゃんが言います。
アル「・・・ああ、まぁな。俺っちに任せときゃー、アレだ、万事大丈夫よ。・・・っつーワケでもねーなー。
   まぁ、でもできるだけ尽くしてやるさ。学園の危機だし・・・それに、お前には毛並を艶やかにしてもらった礼をしないといけないしな。」
ストライフちゃん「!!」
ヘイトちゃん「・・・んーー??」
ヘイトちゃんと目が合います。
ヘイトちゃん「なんだろうねぇ、毛並?艶やか?ストッライフちゃん私達がいない所でその子猫ちゃんと何をしてたのかなぁ??」
その声の調子は、ねちっこさが普段より二割くらい増しているようでした。
ヘイトちゃん「愛玩動物は嫌いとか言ってなかったけぇえ???わーたしのきき〜まちがいかなぁぁ〜〜〜????」
ストライフちゃん「そ、そうだ、私はこんな人に媚び媚びた生物がだいっきらいなのだ
           めっ、か、勝手に出鱈目抜かしおって、このネコめが、くっ、」
ヘイトちゃん「あれれぇ〜〜??なんかストッライフちゃんったら様子がおかしいなぁぁ〜〜〜」
ストライフちゃん「だ、黙れ!!」
アル(・・・なるほど、こういうことねぇ。)
ワイルちゃん「も〜〜っ!!!二人とも、というよりヘイトちゃん、そんな事はどうでもいいでしょ〜〜〜っ!!」

30ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:35:51 ID:???
アル「・・・サルーインが向かったのは『二つの月の神殿』だ。
    二つの月が重なるその時、アムトのシンボルとなったサルーインは、いまエリスのシンボルとなっている
    モンスターの群れと融合し、怪物になっちまう。・・・ここまではいいだろ?」
ストライフちゃん「ああ。」
ヘイトちゃん「怪物と融合したサルーインちゃん・・・ちょぉっとだけ見てみたい気もぉぉ・・・★」
スペクターくん「なんか融合しても性格とかは大して変わらなさそうだよねッ♪」
ワイルちゃん「ちょ、なにを縁起の悪い事を言ってるんですか!!」
アル「ここ(リガウ寮の草原)から神殿までは長い長い海を渡る事になるな。
   おろ、シンボルはどうやってワロン島まで行くつもりなんだ?意識のない人形が船を使うとは思えねーな・・・」
ワイルちゃん「ですね。・・・あ、ま、まさか海を泳いで・・・!?それはイカンですよ!!サルーインちゃんさまはカナヅチなんですよ!?」
ストライフちゃん「あっ、そういえば!!いかん、サルーインちゃんさまが溺れ死ぬ!!」
ワイルちゃん「えぇぇぇーーーーーーっ!!??しし、し、し、ししし、死ぬぅぅぅ!!?し、死ぬのはダメですって、死ぬのならまだ怪物になった方が・・・」
ヘイトちゃん「それはダメえれしょぉぉ@:!!あのお人が怪物になったら学園の、いや世界の、いや宇宙、果ては銀河系の危機よぉぉ!@!f!!」
スペクターくん「ぎ、銀河全体がサルーインの物に・・・!?ひ、ひぃぃぃ!!見えない、見えないよ!!
          不思議だよ・・・いつも手の届く場所にあったのに・・・今日は・・・見当たらないんだよ・・・明日が・・・」
アル「あーーーーーーー、もーーーーーーー、黙れ落ち着けーーーーーー!!!どうしててめーらこうも騒がしいんだ!!!!!
    俺はこうやってる間にもあれこれ考えてんだよ、雑音は思考に支障をきたすんだよ、黙ってろ!!せめて静かにしてろバカども!!」
ヘイトちゃん「バカ!?くっ、このデブ猫めっ!!」
アル「・・・ともかく、サルーインは海を渡っていると考えていいだろうな。泳いでか・・はたまた歩いてか・・・まぁ、そんな事はどうでもいいんだけれども。
   ・・・いけねーなーぁ、場所が海だとすると手の出しようがねぇ。最悪の場合はワロンのジャングルで・・・
   さすがにそれでは遅すぎるか?いや、どうだろう・・・?あーっ、くそっ!!」
スペクターくん「・・・えーっとさぁ。アル。」
アル「あん?」
ガリガリと頭の裏を掻きはじめるアルに向かって、スペクターくんがたずねます。

31ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:36:42 ID:???
スペクターくん「まだ分からないことがあるんだよね。融合を阻止するっつーけど、つまり具体的にどうすりゃいいわけ?」
アル「ああ、つまりだなぁ、サルーインを神殿の前でもう片方のシンボル、つまりモンスター達と会わせなきゃいいってハナシだよ。
   月が交わっているその間、俺達はサルーインを保護し、交わりが終わるまでにどこか遠い所にやっときゃいい。それだけでいいのさ。」
スペクターくん「ふぅん。・・・一筋縄じゃいきそうにないねぇ。」
アル「ん!なんだ、そうか、お前らオレの力をまだ知らないんだなー?
    オレ様が少しと本気になりゃー、ちょいと魔力が高いだけの女子供の一人くらいちょちょいと・・・」
スペクターくん「あいつを見くびっちゃいけない。”ちょいと”じゃないんだよ、”ちょいと”じゃ。あいつの魔力は・・・
         だいたい近くにいるけど、常に感じるんだよ、彼女の内に秘めた莫大な無尽蔵な魔力・・・。
         あれだけの魔力を潜めているような者は、僕は彼女に会うまではたった一人しか知らなかった。」
アル「・・・たった一人、だって?」
スペクターくん「そう。・・・その男は・・・・・・神にも立ち向かえる力を持っている。」
アル「!」
アルの顔が強張ります。
ストライフちゃん「神、って・・・」
ワイルちゃん「正気ですか、スペクターくん?・・・あなたは一体・・・」
スペクターくん「そう、正気。だからこそ不安が拭えないんだ。・・・潜在能力なんてものは引き出そうとしなければ引き出せないものだ。
         いくらその者が莫大な潜在能力を秘めていようとも、本人がその気にならなければそれは開花されないまま消える。
         その気になっても並大抵の事では開花しない。何をしても開花しないかもしれない。
         ・・・ただね、あるんだよ、憑依されたり乗っ取られたりするとさ。その間潜在能力が目覚めてしまうって事が・・・
         ・・・そして。その能力に肉体がついていけず・・・自滅してしまう、なんてことも・・・あるんだよ。」
アル「・・・!!」
ワイルちゃん「・・・・・・・・そんな・・・」

スペクターくんの無情な宣告が、場に静寂と絶望を呼び込みました。

アル「・・・・・・でも。」
アルが口を開きます。
アル「そりゃあくまで一つの可能性だ。まだサルーインが俺達に危害を加えると決まったわけじゃねぇ。
    そもそも、元々シンボルは無害なもんだ。自滅だとかそんなことねーって、安心しろ!」
ワイルちゃん「・・・で、ですよね!そうですよね!」
ストライフちゃん「そ、そうだ、アルの言う通りじゃないか。何もサルーインちゃんさまは邪悪なる者に乗っ取られているわけじゃあないんだしな!」
ヘイトちゃん「そ、そりゃそうよねぇぇ★!!ホラ、みんな何よ一瞬静かになっちゃったりしてさぁ!@!::!!m!
         バッカじゃないの、あははははは:○!#$!! ほら、スペクターあんた謝りなさいよ!★」
スペクターくん「ご、ごめんみんな、不安にさせちゃったりして!僕ったら色々物事には突っ込んで考えちゃうタイプだからさぁ、その・・・」
ワイルちゃん「もう、スペクターくんったら!あはははは・・・あ?」
ふとワイルちゃんの目が、夜の先にあるその二つの影を捕らえました。


ワイルちゃん「デスちゃんさま!!シェラハちゃんさま!!!」


ヘイトちゃん、ストライフちゃん、スペクターくん「!!?」

32ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:37:27 ID:???
ワイルちゃんの目線の先には、デスちゃんシェラハちゃんの姿が確かにありました。
夜に黒く染まった草の上に、力なく仰向けに横たわっています。

ワイルちゃん「ど、どうしたんですか!何が!いったい、何が!?」
ストライフちゃん「・・・!!!!!な、なぜ!だ、誰に!?」
ヘイトちゃん「いやあああああああああ!!!!!!!!」
スペクターくん「二人とも!?」
四人が一斉に駆け寄ります。
ストライフちゃん「だ、大丈夫ですか!?返事を・・・返事を!」
スペクターくん「起きて!!何があったんだ!!」
ヘイトちゃん「まさか、死・・・いやああああ!!目を覚まして!!」
ワイルちゃん「デスちゃんさまあああ!!!シェラハちゃんさまあああ!!」
唐突すぎるワケわからない状況に、これまでにないほど混乱し取り乱す四人。
呼びかけても揺さぶっても微動だにしない二人の体と顔。
絶望が募っていきます。
アル「お、おいおい、どうしたってんだ一体!」
ただならぬ四人の取り乱し方に、アルも困惑し始めます。
ストライフちゃん「デスちゃんさまとシェラハちゃんさまだよ、サルーインちゃんさまの姉妹の・・・
          姿を消していたと思ったらこんな所で・・・」
アル「いや、分かるけどもさ、・・・・死んでる、のか?」
ワイルちゃん「死んでいるなんてそんな物騒な事!!
         ・・・いや、でも、返事がないんです、きっと気絶してるだけですけど・・・でも!」
ヘイトちゃん「そうよぉぉぉぉ!!!★ し、死んでるワケないじゃなぁい、
         なんでいきなり死んでなきゃならんないのよおおぉぉう!!!」
スペクターくん「・・・そうだ、生死を確認すればいいんじゃないか。
         みんななんで真っ先に生死を確認しようとしないんだよ。」
スペクターくんがデスちゃんの胸に耳を近づけました。
ミニオンズ「やめろ!!」
スペクターくん「へっ!?」
驚くスペクターくん。
ミニオン三人も驚いたようで一度顔を見合わせました。
スペクターくん「・・・な、なんでだよ。ビックリさせないでよ。」
ヘイトちゃん「・・なんだか、ダメな気がするのよぅ、それ。」
ワイルちゃん「・・・そ、そうそう、二人とも生きているんだから・・・確認なんて、する必要、ありませんよ。」
ストライフちゃん「そういう、ことだ。だから今更そんな・・・確認する必要なんて、どこにも・・・」
三人の声は震えています。
スペクターくんはすぐに三人の心中を理解しました。
スペクターくん「・・・何がどうなろうとこれは避けては通れない道だぞ。そういう気持ちもわかるけども・・・」
ヘイトちゃん「で、でも」
スペクターくん「どちらにせよそれが運命だからさぁ・・・。」
スペクターくんの耳がデスちゃんの胸にあてがわれました。
・・・静寂。
・・・

・・・・静寂。
33ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:39:18 ID:???
スペクターくんの口の端が少しつり上がります。

スペクターくん「心臓は・・・動いている。」
スペクターくんが静かに、ゆっくりとそう言いました。
スペクターくん「生きてるよ。デスちゃんは生きてるよみんな!!」
歓声が上がりました。
安堵の歓声、安堵のため息、安堵の絶叫。
三つの安堵が空間を支配します。
しかしそれが収まるのは意外にもすぐの事でした。
スペクターくん「・・・そうだよ、まだシェラハちゃんが・・・」
ミニオンズ「・・・・・・」
スペクターくん「まぁ、でもデスちゃんが無事だったならシェラハちゃんも・・・?」
己の言っている事もよくわからないままに、スペクターくんはひょこひょことシェラハちゃんに近づいていきます。
その場にいる全員が同時に息を呑みます。

「姉さん!!」

シェラハちゃんが突然目を覚まし、上体を起こしました。
スペクターくん「え、えっ」
ミニオンズ「シェ、シェラハちゃんさま!!」
再び三人が同時に声を上げました。また一度顔を見合わせます。
ワイルちゃん「よかった、無事だったんですね!」
ヘイトちゃん「大丈夫ですかあああああ!!★pm!!」
シェラハちゃん「あ、あなたたち・・・」
駆け寄る三人に、目を白黒させるシェラハちゃん。
ストライフちゃん「よかった、本当によかった・・・でも、一体何があったんです?なぜこんなところで倒れて・・・」
その言葉に、シェラハちゃんの顔つきがはっと変わります。
シェラハちゃん「そうだ、姉さんは!姉さんは・・・!?」
スペクターくん「デスちゃんなら無事で〜すよ」
シェラハちゃん「そう・・・いや、それよりも姉さん・・・サルーイン姉さんは・・・!サルーイン姉さんはどこへ・・・」
今度はシェラハちゃん以外の四人の顔つきが変わりました。
ワイルちゃん「シェラハちゃんさま、サルーインちゃんさまを探していらしたのですか・・・?」
シェラハちゃん「ええ。あ、いや、正確に言うとそういうわけではなくて・・・ああ、そうよ、とても不幸な事が・・・!
          何がなんだか分からないの。サルーイン姉さんがいきなりしゃべらなくなって・・・外に出て行って・・・」
ピクリと反応するアル。
シェラハちゃん「そうよ、何を言っても聞かないからデス姉さんが手を掴むと・・・サルーイン姉さんがウィンドカッターをデス姉さんに・・・!
         その時のサルーイン姉さんの顔、正気とは思えなかった。そう、何かに乗っとられているみたいで・・・
         そして漆黒の帳を放とうとした私にも・・・サルーイン姉さんは術を・・・ウォーターガンを・・・」
ミニオンズ、スペクターくん、アルにあった一時的なものが瞬時に消えうせ、新たな絶望の灯火だけが点りました。


アル「・・・どうやら、ピッタリ的中しちまったみてーだな。」


34ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:40:03 ID:???
シェラハちゃん「くっ・・・」
シェラハちゃんの顔が苦痛に歪められます。
ワイルちゃん「だ、大丈夫ですかシェラハちゃんさま!」
シェラハちゃん「サルーイン姉さんの・・・あんなとてつもない威力のウォーターガンは見たことだって無いわ。
          一回食らっただけなのに・・ああ、体の節々がズキズキ痛む・・・」
スペクターくん「一刻も早くリガウ寮の医務室へ連れて行ったほうがいいね!デスの容態も深刻かもしれない・・・」
ワイルちゃん「では、早く行きましょう!もう時間もあまり無いことですし・・・」
アル「おいおい、大丈夫か?怪我人二人を女三人で運べるのか?」
ストライフちゃん「私は多少力には自信あるのでな、一人くらいなら私一人で・・・」
ストライフちゃんは、倒れているデスちゃんを軽々と抱きかかえました。
ヘイトちゃん「わぁお!!★スットライフちゃんすごぉぉぉい@!□~!!!聞きしに勝る大力持ち☆!!!℃*☆」
         マッスルパーーーゥワーァァ!β!!」
ストライフちゃん「コイツぜってーいつか殺す・・・」

デスちゃんをストライフちゃんが抱え、シェラハちゃんをワイルちゃんとヘイトちゃんの二人が支え、草原を渡りリガウ寮へと向かいます。
そして五人と二匹は無事リガウ寮の医務室へとたどり着きました。
すぐにシェラハちゃんとデスちゃんは奥の部屋へと運び込まれました。
ワイルちゃん「・・・これからどうするんですか、アル。」
医務室の扉の前をうろうろしながらワイルちゃんがアルに問います。
アル「仮にこのチビが言ってた事を全て真に受けてみるとしたら、やべーな。俺たちの太刀打ちできる相手じゃない。
   ・・・それがなくとも、サルーインの場所が確認できねーし、まぁ、とりあえずはワロン寮のジャングルに行くしかねーな。」
ストライフちゃん「ワロン寮のジャングル?・・・そうか、そこに『神殿』があるってわけだな。」
アル「そゆこと。目的地に先回りってコトさ。・・・先回りっつっても・・・
     こっからメルビル、メルビルからワロン寮、ワロン寮からジャングルで大分時間使っちまうから先回りになるかどうかも微妙な線だが・・・」
ワイルちゃん「ざっと一時間はかかりますよ・・・かなりやばいんじゃないですか!?」
アル「やばいな。蝕まであと・・・二時間くらいってとこだ。余裕はもう一切ねーな。」
ヘイトちゃん「二時間・・・誰も何もしなかったら二時間後にはサルーインちゃんさまは・・・ヒィィィィィ!!!!」
ストライフちゃん「二時間・・・百二十分・・・!」
ワイルちゃん「百二十分ってことは・・・えっと・・・えっと・・・7200秒ですね。7200秒?たったの7200秒ぉぉぉぉ!!?」
ヘイトちゃん「ちょっとぉぉ、一秒が7200回繰り返されるのなんてすぐじゃないのよぉゥぉぉ!@■!!」
スペクターくん「ああ、こうしてる内にも一つ二つカウントが減っていって・・・!」
ワイルちゃん「あと7192秒!!」
ヘイトちゃん「あと7191びょおおっぉおぉぉふjどfんdgkfdjさlfsd!!」
アル「一々カウントすなやかましい!!さぁ、今すぐにでも、いや、今すぐ行くぜ!」

35ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:41:59 ID:???
ワイルちゃん「・・・あ、で、でもデスちゃんさまとシェラハちゃんさまは・・・」
アル「んなのほっとけ、確か命に別状はないんだったろ?」
ワイルちゃん「で、でも・・・」
アル「じゃあお前だけここに残るか?」
ワイルちゃん「それは・・・」
言葉を詰まらせるワイルちゃん。
見かねたスペクターくんが言いました。
スペクターくん「じゃあさー、僕がここに残るよ。僕一人いたってなんか役に立つことあるかっていうと無いだろうし。」
ワイルちゃん「えっ、ホントですかスペクターくん!」
ヘイトちゃん「アンタ一人で大丈夫なのぉぉ???迷子になったり物乞いになったりしないィィィ????」
スペクターくん「大丈夫!僕は実は世渡り術には自信あるんだ。心配要らないよ!ハハッ!」
ストライフちゃん「いや、そういう問題じゃなくてだな。」
アル「そうそう、・・・大丈夫なの?そのガラで。モンスターと間違われて殺されるなんてことも・・・」
スペクターくん「こ、殺されっ!?・・・・・・・・・だ、大丈夫、大丈夫、なんとかまかるって。」
ワイルちゃん「本当ですかぁ〜?殺されちゃったら私嫌ですよ〜」
ヘイトちゃん「大丈夫大丈夫★ しゃべる猫だって珍しがられないこのご時世この学園、
        こんなの一匹いたって簡単には殺されないわよぉぉ!!中b!a」
ストライフちゃん「だな。」
アル「よし、じゃあ決まりだな!さてこれ以上時間は無駄にできねーぜ、いくぜ、まずはリガウ港だ!」
立ち上がり一度ぐいーっと伸びをした後、ダッと駆け出しました。
ヘイトちゃん「よっしゃあああ、行くわよぉぉう!○l*!!」
ワイルちゃん「スペクターくん、じゃあ行ってきますね!」
スペクターくん「よっしゃー、行ってらっしゃいなみんな!!」
ミニオンズも、アルを追って駆け出しました。

・・・人気の無いリガウ寮の廊下に、スペクターくん一人ポツンと残されます。
スペクターくん「・・・・・・・・・」


”ちょっと見て奥さん、なにあの変な生物!殺しちゃいましょ!!”
”あっ、社長あんなトコに見たこと無い生物がいますよ。いっちょ殺してきていいですか?”
”ほげほげ、おや、見たこと無い生物じゃのう。どれ、殺してみるかのう。”
”あっ!あんな所に変な生き物がいるよ〜!ママ、あれ殺していい〜?”


スペクターくん「・・・・・・不安だ・・・」
スペクターくんは泣きたくなりました。
36ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:43:30 ID:???
ここは、どこなんだろう
何もない。何も。
人も。物も。色も。光も。闇も。何も・・・
何も・・・

・・・声がする。


”おい!!”


懐かしい・・・でも誰よりもいとおしい・・・
このちょいSっぽい声色・・・Sっぽい・・・

サルーインちゃんだ!

サルーインちゃんがいた。
前方三十二歩の距離。誰よりもいとおしい・・・
微笑んでいる。ちょいSっぽい微笑み。
ああああああああサルーインちゃんはぁはぁはぁはぁ
そんなところで何微笑んでるんだいぃぃぃ!!!!こんなところでこんなことしてないで早く帰ろう!!さぁ一緒にはあはあはあはあ!!!

えっ、ちょっ、まっ、待ってよ・・・待ってよ、サルーインちゃん!!

サルーインちゃん・・・僕のサルーインちゃん・・・
どこへ行くの・・・サルーインちゃん・・!
行かないでよ・・・僕も・・・そっちに行くから・・・
追いつかない・・・追いつかない!
・・・なんで・・・なんで追いつかないんだよ・・・もうすこし待っててよサルーインちゃん・・ねぇ、お願・・・
ってか、ちょまっ、そんな足速かったんだサルーインちゃん!?っつか何その常識外れた速さ!?
ちょまっ、おかしくねっ!?っつかなにかの法則を無視してるとしか思えないよそれ!その走り方とか早さとか!ちょ、まっつ、サルーインちゃん!!
あっ、それ反則!!反則どころか、ど、どうやってやったんすかそれ!!え?そんな、えーーっ!?あ、いや、ちょ、ちがっ、待ってってば!!
だが・・そんなところも・・・はぁはぁ!!じゃあなくて!!待って!!待って待って!!!

待ってくれよおおお、サルーインちゃああああああああああん!!!!!!!!


『やかましい!!』


は?・・・って、げぼっ!!
37ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:44:28 ID:???
頭痛い・・・誰だ、僕をいきなり殴ったのは?出て来い!!

『まったく、こんな所でも騒々しい貧乏人だ。あはあはははは』

あはあはは?ん、この笑い方・・この声・・・このSっぽい笑い方と声・・・Sっぽい・・・

サルーインちゃん!?

『そう、サルーインちゃんさまだ。紛れもなくここにいる私こそが真のサルーインちゃんさまであられるぞ。あはあははは』
ああ、サルーインちゃん!!やっと追いついた!!ってあれ?サルーインちゃんはいまあっちにいったはずじゃ・・・
『は〜あ?あんなの私じゃないぞ。大方貴様の作り出した私の影かなにかであろう。本物の私は、ほれ、ここにいるぞ。ここ、ここ。』
そうか・・・!そういえば久しぶりだねサルーインちゃん・・・!!ああ、こうやって二人で言葉を交し合えるなんて・・・はぁはぁ!!
あれ?サルーインちゃんなんか見たことない服装だね。すごい似合ってるよ!!はぁはぁはぁ!!
『一々『はぁはぁ!!』を語尾に持ってくるな!暑苦しいんじゃボケ!!
 ・・・さて、貧乏人。一つ聞くぞ。貴様はなぜこんな事態なのにこう暢気に眠っているというのだ?』
え?
『私は今大ピンチなのだ!!まぁ実際のトコ何がなんだかよくわからねーけどとにかくやばいのだ!!
 なんかしんないけどとりあえずやばい!今そーゆー状況!!なのになんで貴様は眠っておるのだ!?』
え?え?眠る?大ピンチ?ちょっ、話をまとめて・・・
『くっ、いかんな・・・ダメだ、このままではすぐに消えてしまう。説明は省く。とにかく起きろ!!
 ・・・いま、いま頼りなのは、お前しかいないんだ!!・・・ミルザ!!』

・・・・・・!!

『私にはわかる。場所・・・貴様が向かうべき場所・・・。私が導こう。だから起きろ!』
起きるって言っても・・・どうやって・・・
『とにかく起きるんだよ!!ミルザ、貴様は騎士なのだろう?騎士は何事も諦めず何事にも屈せず正義を貫き悪を挫くと聞くぞ。
 今私の周りには厄介な大悪が渦巻いているようだ。放っておいていいのか、寝ていていいのか!気合で起きろ!!さぁ、早く!!』
・・・!!
サルーインちゃん・・・


”まさか・・・あの、サルーインちゃんが――――”


「サルーインちゃん!!」
38ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:45:11 ID:???
ミルザくんは跳ね起きました。

ミルザくん「・・・・・・・・・」
息を荒くつき、どこを見るでもないその目は未だ焦点が定まっていません。
水のせせらぎ。風のささやき。木々の摩擦。
この場所がマラル湖だと把握するのに、ミルザくんはかなりの時間を要しました。
ミルザくん「・・・僕は。」
うわ言のようにそう呟いた後、ミルザくんは己の腹部に何か光る物体がある事に気づきました。
ほぼ無意識のままその光るものを拾い、見つめるミルザくん。
透明な、いや、少し赤みがかかっているキレイな宝石の――

ミルザくん「オイゲン!!ジャミル!!」
ミルザくんはそう叫ぶと、まず寝ているオイゲンくんに駆け寄りました。
ミルザくん「起きて、起きてオイゲーン!!起きて起きて起きてぇぇーーー!!」
パシン!パシン!パシン!
オイゲンくん「ぐべらっ!!べらっ!ぼらっ!!・・・な、なんだぁ!?」
ミルザくん「やった、起きた!!実は・・・ああ、ジャミル!!」
ミルザくんはジャミルくんに駆け寄ると、オイゲンくんにしたのと同じように渾身の力を込めてジャミルくんの頬を張りました。
ジャミルくん「ぶっ!!・・・な、なんだぁ!?まだお天と様もおひるね中なのになんだってオイラがこんな時間に・・・」
ミルザくん「二人とも、よく聞いて!!」
オイゲンくん、ジャミルくん「んあー?」
二人の顔は、寝惚けてほとんど正気がないようです。
ミルザくん「今からワロン寮のジャングルに行こう!!融合を阻止するにはワロン寮のジャングルに行くしかないんだ!!」
オイゲン、ジャミルうん「はぇ!?」
唐突なミルザくんのその発言に驚く二人。
ミルザくん「もう時間は残されていない。一刻も早く・・・」
オイゲンくん「ちょっ、待て、待て!なんかいま頭が回らないんだ、ちょっと頭ん中整理するから焦るな!
         ・・・・・・そうだ、そういえば俺達は月の舟から転落して・・・そうだ、サルーインがアムトのシンボルに!!」
ミルザくん「そうそう、だからエリスのシンボルであるモンスターとの融合は絶対に阻止しなきゃいけない!
       そのためには今からワロン寮のジャングルに行く必要があるんだ!」
オイゲンくん「どうして?」
ミルザくん「サルーインちゃんが言っていたんだ!!」
オイゲンくん「はぁ?」
心底あきれ返った声を出すオイゲンくん。

39ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:45:55 ID:???
オイゲンくん「・・・そ、そりゃどういう意味だ、まさか、あの、なんつーか、妄想テレパシーみたいな・・・」
ジャミルくん「ミルザ、お前そこまで・・・」
ミルザくん「違う、違うんだって!たぶん違う!妄想テレパシーなんかじゃないはず!!きっと、いや、
       絶対サルーインちゃんが僕を頼りにしてテレパシーを・・・いや、でもなぁ、確かになぁ僕みたいな貧乏人にまさかなぁ
       ・・・じゃなくてっ!!絶対これはサルーインちゃんからのメッセージなんだ!!『ワロン寮のジャングル』へと!!
       この宝石から・・・確かに声がしたんだ、サルーインちゃんの!!」
ミルザくんは先ほどの赤みがかかった宝石を突き出しました。
ジャミルくん(・・・あれ?なんかこの輝き方見たことがあるような)
ミルザくん「・・・二人が行きたくないなら、とりあえず僕だけでも今からワロン寮のジャングルへ行く。行かなきゃいけないんだ。」
ミルザくんのその口調は確信に満ちています。
オイゲンくん「・・・そこまで自信持ってるトコ見ると、なんかもうこっちまで信じざるを得なくなっちまうな。」
ジャミルくん「どんな事が起こったってちっともおかしくない、今はそんな事態の真っ只中だしなぁ。・・・あれ?」
ジャミルくんはすぐに腕の違和感に気づきました。
ジャミルくん「あれ、あれ?ない、ないぞ!!うわぁぁぁオイラの水龍様の腕輪がぁぁぁ、ないぃぃぃぃぃ!!!?」
オイゲンくん「なんだよ?泥棒が泥棒されちまったのかよ。・・・・って、そういえば水龍は?エリスさんは?ど、どこへ!?」
ジャミルくん「あの気まぐれドラゴンめっ!突然腕輪ごといなくなりやがってっ!」
オイゲンくん「もう見るからに感じるからに適当で無責任なヤツっぽいもんなあいつ。
         ・・・あれ?いなくなった、と言えば・・・どうして俺達寝ていたんだ?」
ジャミルくん「オイゲンも寝てたのか?何でオイラ達こんな草っぱらで並んで仲良く寝てたんだろな。」
ミルザくん「僕達とっくに大人の仲間入りしててもいいくらいの年頃なのにね。」
ジャミルくん「そーいう問題じゃねえよ!」
ミルザくん「・・・あっ、そうだ思い出した!!」
オイゲンくん「何をだ?」
ミルザくん「たしか・・・そうだよ、僕達、舟が落ちた後にエリスさんに眠らせられたんだ。」
オイゲンくん「眠らせられた?・・・そうだったっけ?」
ミルザくん「うん。・・・確かに僕達はエリスさんに・・・」

―――・・・ほんとうに、ありがとう。でも、もうお眠りなさい。
     これ以上あなた達に迷惑はかけられない。・・・後は私たちに任せて・・・―――
―――・・・いやだ!・・・サルーインちゃんのところへ・・・・・・行くんだ・・・―――

40ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:46:41 ID:???
ミルザくん「二人はすぐに眠っちゃったけど、僕は少し抵抗をした。だから覚えている。
       エリスさんは、これ以上あなた達に迷惑はかけられない、と言った・・・」
オイゲンくん「・・・という事は、エリスさんと水龍は二人だけでこの事を何とかするつもりなのか。」
ジャミルくん「・・・ちぇーっ、何だよそれってつまり要するにオイラ達を頼ってくれてないってワケー?
        結構色々したのになぁ。なー?」
オイゲンくん「むしろ頼っちゃいけないと思ってるように聞こえるけどな。実際頼れる頼れないはともかくとして。
        ・・・せっかくここまで来ちゃったんだから、俺は最後まで付き合ってやってもいいんだが・・・なぁ、ミルザ?」
ミルザくん「うん、もちろんさ!・・・・そのためにも、今から僕達はワロン寮のジャングルに行くんだ!
      ・・・オイゲンは最後まで付き合ってくれるつもりなんだよね、よかった!さすが!!・・・ジャミルは?」
ジャミルくん「ん、オイラ!?・・・ん〜、このまま家帰っておやすみハイまた明日、ってのも・・・なんか後味悪いしな。
        ・・・それに、何より麗しのサルーイン姫君の大ピーンチ!!なワケだから・・・オイラもついていくぜ!!」
ミルザくん「さっすがジャミル!!よーし、じゃあ行こう、ワロン寮のジャングルへぇ!!」
オイゲンくん「おい、ちょっと待てよ。こっからワロン寮のジャングルって・・・よくよく考えると、あの、遠すぎないか?」
ミルザくん「えっ、あっ!」
重大な事実に気づくミルザくん。
ミルザくん「マラル湖から騎士団寮まで40分・・・騎士団寮からブルエーレ寮まで船で30分・・・」
ジャミルくん「ブルエーレ寮から徒歩でメルビル寮まで一時間ちょい・・・」
オイゲンくん「メルビル寮からワロン寮まで船で30分ってとこか・・・」
ミルザくん「合計・・・二時間四十分!?行くだけでも大旅行じゃないか!!」
オイゲンくん「・・・おいおい、どうするんだよ?そんな時間掛けてたら・・・蝕なんてあっというまに・・・」
ミルザくん「・・・それでも行くしかないじゃないか!行かないで黙ってるよりはマシさ!」
オイゲンくん「確かにそーだけれども・・・ええい、ジャミル!なんか持ってないのか!?どこでもドア的なさー」
ジャミルくん「ああ、今俺のポケットからもしそんな感じのものが出てきたらどんなに幸せなことか・・・!
        というか、今だけじゃなくてもいつも俺のポケットからもしそんな感じのものが出てきたらどんなに幸せなことか・・・!」
ミルザくん「わかるよその気持ち・・・!僕も、サルーインちゃんとの貧富の差を考えるたびに思うんだ、そんな事を・・・
       くっ・・・うらやましい・・・のび太くんがうらやましいよ・・・!この上ない勝ち組っ・・・!!勝ち組っ・・・!!短パンメガネの幸せ者っ・・・!!」
オイゲンくん「・・・・・・・・・」


(・・・・・・・・・まだここにいたのか、あの馬鹿ども・・・・・・・・・・・・・・・
しかしあと二人が見当たらないな。・・・・・・まぁ、いいとするか・・・・・
ミルザ、オイゲン。あとあのおまけ。連れていってやろう・・・・・・・・・・
ゲートなぞ帰ればいくらでも置いてある。一つくらいどうってことは・・)
41ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:47:29 ID:???
ミルザくん「ええ〜いっ、クヨクヨしてたって埒が明かないや、さぁ行くぞみんな!」
オイゲンくん「マジで行くのかぁ?・・・エリスさんと水龍が何とかしてくれるって〜。
         蝕が始まるまでワロン寮のジャングルに行くのなんて無理じゃん。ほら見てみろ空を。」
空を指差すオイゲンくん。二つの月が隣り合って輝いています。
ジャミルくん「なんか一気に気が抜けちまったな〜ぁ。」
ミルザくん「で、でも!・・・・・・・」
ミルザくんは言葉を失いました。
静寂が空間を包み始めました。

・・・・・・空間が黒く揺らぎます。

ジャミルくん「のわっ!!」
ジャミルくんは尻餅をつきました。
オイゲンくん「どうしたオイゲン?えっ、!・・・何だこれは!?」
ジャミルくんが見た物を、今オイゲンくんが見て同じように驚きました。
俯いていたミルザくんが顔を上げます。
ミルザくん「どうしたの二人とも!?な、何だこれは!?」
ミルザくんも同じように驚きました。
三人の視線がある一点に集中します。
そこにあるものは・・・

「どこでも・・・・ドア?」

42ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:48:13 ID:???
空間がポッカリと口を開けていました。中には全く別の風景が広がっています。
夜の密林・・・星が多い・・・ジャングル・・・
ジャミルくん「お、おいおい、何だよコレは!いまいきなりグワッて出てきたぜ!」
オイゲンくん「超常現象か!?一体これは・・・」
ミルザくん「どこでもドアだ!どこでもドアだよ!ほら見てよオイゲン。別の風景が広がってるよ、
       しかもこの風景・・・見覚えある、そうだよ、ワロン寮のジャングルだ、これ!」
オイゲンくん、ジャミルくん「なにぃ!?」
ミルザくん「きっと神様あたりが見かねてこれを出してくれたんだ!いや、違うな、サルーインちゃんが!きっとサルーインちゃんが!」
オイゲンくん「まぁ、それはないだろうが、今ここにこんなものがあるって事は確かなわけだ・・・
         ・・・ホントわけわかんねーけど、・・・どうだ、入ってみるか?」
ミルザくん「もちろん!僕は入るよ!!」
ジャミルくん「・・・オイラも入るぜ。こんな体験一生できそうに無いからな、ウン。しっかしホント不思議なことばっかり起こるなぁ、今日は。
        船が月の光を渡った。水龍の口の中にワープした。儲けが無かった。
        変な女に殺されそうになった。でかいしゃべる猫に襲われた。黒い鎧の怖いヤツに襲われた。」
オイゲンくん「ホンット厄日だなジャミル。同情するよ・・・
        ・・・さて、じゃあさっそく入るぜ、準備はいいか?」
二人は勢いよく頷きました。
そおっと空間の穴に足を踏み入れ、体を入れます。
三人が全員空間の穴をくぐったとき、その黒い穴は掻き消えるようにしてなくなりました。


マラル湖の中心にすぅと現れる影がありました。
その目が、鈍い緑色に光っています。
セージ「一足遅かったか!・・・しかしあの穴はまさか奴が・・・相変わらず小癪でむかつくマネをする奴だまったく。
     ・・・まぁ、でもいい。結局は自ら死ににいってくれるのと同じだもの。僕が手を出すまでもない。
     ・・・もう残る時間は僅かだ。僕も会場に行って宴の準備でも手伝っておくとするかね。ふふ。」
それだけ呟くと、再びセージは姿を消しました。

43ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:49:24 ID:???
・・・ワロン寮ジャングル奥地。

雨林の直中に突如黒い穴が出現しました。
穴の中から、ミルザくん、ジャミルくん、オイゲンくんの三人が出てきます。
ミルザくん「ここは・・・」
ミルザくんの記憶のある風景と今いるこの森の風景が一致しました。
ミルザくん「ここは間違いなくワロン寮のジャングルだ!前一度ワロン寮のジャングルに来たことあったけど、
       風景の感じが同じ、本当にジャングルにこれたんだ!」
ミルザくんは感無量のため息をつきました。
ジャミルくん「マママ、マジかよ〜!な、なんか不気味だなぁ・・・」
ミルザくん「きっと・・・あれだよ、サルーインちゃんだよ!きっとサルーインちゃんが!」
オイゲンくん「まぁそれはないだろうが、何者かの手引きは感じるな・・・それにしてもあの黒い感じ、どこかで見た事があるような。」
ミルザくん「とりあえずは結果オーライザッツライトオーイェーってことさ!さあて気合を入れてまず・・・・
      まず・・・」
オイゲンくん「まず・・・どうするんだ・・・・・・?」
ミルザくん「・・・・・・・・・」
ジャミルくん「・・・・・・・・・」
ミルザくん「・・・・・え〜と。・・・あれ・・・?」
一瞬ミルザくんの手の内の宝石の破片が少し光ったようでした。
ミルザくん「・・・こっちだ!」
ミルザくんはジャングルのある方向を指差し、そこに向かって歩き始めました。
オイゲンくん「・・??・・・・・・???」
ジャミルくん「おい、ミルザ〜。なんだよ、それごまかしてるつもりか〜?」
ミルザくん「違うんだ、また感じたんだ、サルーインちゃんの・・・」
歩きながら言います。
ジャミルくん「ワケわかんね〜よ〜」
オイゲンくん「もうここまで着ちまったらミルザの言うのを信じて進むしかねえよ。」
ジャミルくん「うわぁ、何か今更になって不安になってきたぜオイラ。」
44ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:50:10 ID:???
それから何分歩いた事でしょう。
三人はある気配を感じとり始めていました。
オイゲンくん「・・・感じるか?」
ジャミルくん「ああ。・・・と〜っても嫌な予感がするぜ。・・・泥棒やってるとさ、こういう事よくあるんだよね、嫌な予感するの。
        ・・・で、大体数分後には決まって悪いことが起きてんの。
        でさ、そうなるたび思うんだよね。『俺ってもしかしたら予言者の素質あるんじゃね?』って・・・」
オイゲンくん「予言者ってガラじゃあないけどな。」
ジャミルくん「なに!このばか!そうやってガラ、ガラってガラばっか気にしやがってよ〜!
        みんなガラに捕らわれて物事の本質を見抜けないよな、みんな結局はガラなんだよ!ガラ!ガラ!!ガラガラ!お前もガラガラだ!」
オイゲンくん「何をそんなに熱くなってんだよ!しかもガラガラ言ってて何がなんだか・・・」
ミルザくん「きっとジャミルもそのガラ関係で何か嫌なことがあったんだよ・・・そっとしておいてあげなよ。」
ジャミルくん「うう・・・オイラだって昔は・・・」
ミルザくん「・・・それはさておき、近づいてきているよ。僕達は確実に近づいている。
       ・・・この感じは・・・あまりいい気はしない。ジャミルの言うとおり・・・やっぱり何か悪い予感が・・・
       オイゲン、ジャミル!・・・武器を抜いておいたほうがいい。」
オイゲンくん「そうだな。」
ミルザくんはレフトハンドソードを取り出し、オイゲンくんはウコムの鉾を取り出しました。
ジャミルくん「武器ね。武器、武器・・・武器?」
ジャミルくんは一度、二度懐をまさぐった後、絶望的なある事実に気がつきました。
ジャミルくん「おれ、武器持ってねーーーーーーーー!!」
大げさに両手で頭を抱えながらジャミルくんが叫びました。
ミルザくん「ええ!?ジャ、ジャミル、それはまずいよ、武器が無いだなんて!」
ジャミルくん「よくよく考えたら俺は何かの手違いでここに来たわけだしな!持ってないのも当たり前だが・・・
       あっ★そうだ、そうだそうだぁ★ 俺には水龍の腕輪が・・・・・・ねーーーーーーーー!!!!!」
再び大げさに両手で頭を抱えながらジャミルくんが叫びました。
ミルザくん「ご、ごめんジャミル・・・」
ジャミルくん「い、いや、お前が謝る必要はないってミルザ。悔やむべくはあの時腕輪を使ってしまったことか・・・
        いや、もっと遡って腕輪を盗もうとしたことが失敗で!?いや、盗まにゃ生きてけない境遇に
        生まれたこと自体がそもそもの失敗でつまりオイラの誕生自体が一番の失敗なワケで!?ごごごごめんよ〜」
ミルザくん「ちょっ、悲観的になりすぎだって!大丈夫、生きていけばきっといい事あるって!」
オイゲンくん「そ、そうそう!ミルザの言うとおり!人生楽ありゃ苦もあるさってよく言うだろ?」
ジャミルくん「なんか微妙にずれてるところが逆にオイラの心を痛めつけるよ〜。」
ジャミルくんを慰めながら歩いていき、数分経ちます。
木々の複雑さが減っていき、視界が開けていきます。
それと共に、風の音とも葉擦れの音でも虫の声でも何物でもない何か”別”の音、そして邪悪な気配が強くなってくるようです。
・・・そして。
ミルザくん「・・・・・・オイゲン、ジャミル。」
オイゲンくん「・・・・・・なんかさぁ、大体予想できたぜ。・・・つまりさ。」
オイゲンくんはギュッと一層強く鉾を握り締め直しました。
ミルザくん「サルーインちゃんが僕達にさせようとしたのはこれだったんだ。・・・確かに。融合を阻止するには一番手っ取り早い・・・」
ジャミルくん「手っ取り早い・・・?・・・・・・これで!?」

三人の視線の先には、底が到底見えぬ程に無限に溢れかえったモンスターの群れがありました。

45ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:51:00 ID:???
ミルザくん「いけええええ!!!」
オイゲンくん「うおおおお!!!」
剣閃が、共振剣が、八つ裂きが。
スウィングが、天狗走りが、光の腕が。
二人の、ミルザくんの、オイゲンくんの攻撃が、武器が、無限のモンスターの数を一匹一匹減らしていきます。
ミルザくん「このモンスター達、一匹一匹は取るに足らない単なる雑魚だ!
       それにしても、このモンスター達・・・この群れ・・・どこかで戦ったことがあるような気がしてならないんだ!」
別の群れに飲まれかかってゆくオイゲンくんに向かって大声で叫びます。
オイゲンくん「ああ、俺もだ。どこかで・・・どこかで・・・うわっ!」
オイゲンくんの頬をモンスターの槍が掠めました。
オイゲンくん「この肉野朗!!」
オイゲンくんの鉾がモンスターの分厚い肉で覆われた腹部を捕らえました。
貫かれたモンスターは、どろりと溶け黄色い小さい光を天に向かい放出させながら消えてゆきました。
天に向かって伸びてゆく小さい光の集まりを少し遠いところから見ていたジャミルくんが呟きました。
ジャミルくん「なるほど、あの光が月の光・・・つまりエリスのシンボルそのものってワケね。
        あれが全部天に帰ればもう融合は・・・。・・・のわぁ!?」
モンスターの群れから一匹、ジャミルくんに向かって飛び掛ってくるはぐれ者がおりました!
涎を垂らし牙を剥きワケの分からぬ猛り声を上げながら、ジャミルくんに体当たりを仕掛けてきます。
オイゲンくん「しまったジャミルが!」
薙ぎ払いながら叫ぶオイゲンくん。
気づき叫ぶことは出来ても、加勢しにいけるほど余裕のある状況ではありません。
ジャミルくん「マジかよ、参ったな!こんなところで死ぬなんてオイラごめんだぜ〜!
        でも逃げるワケにゃあ・・・せめて武器さえありゃ〜!」
ギリギリで敵の攻撃をかわしながら、泣きそうな調子でそう言うジャミルくん。
ミルザくん「大丈夫!?ジャミル!」
ミルザくんがジャミルくんの事に気がつきました。
ミルザくん「待ってて、いまそのモンスターを・・・ぐあっ!」
ミルザくんがジャミルくんの方へと目をそらしていたその一瞬の内に、ミルザくんはモンスターの一匹の体当たりを食らってしまいました。
不意の一撃に尻餅をついてしまうミルザくん。
ミルザくん「くそっ!」
体勢を立て直すまもなくモンスターの踏みつけが倒れているミルザくんに襲い掛かります!
ミルザくん(ダメだ・・・モンスターの群れが圧倒的過ぎて避けるスペースが・・食らう!!)
ドシャッ
一瞬のことでした。
ミルザくんの周りにいた十匹程度のモンスター達が、一瞬にして切り裂かれ、消滅したのです。
ミルザくん「な・・・!?」
たじろぐモンスター達。
ミルザくんはすぐに気がつきました。いつの間にか自分の目の前にある”男”が立っているのを。
その真っ黒な体は、ほとんど闇に溶け込んでいるようにも見えます。
???「立て。」
その声。風格。ミルザくんはその男が何者かであるかをすぐに理解しました。
ミルザくんは立ち上がると、怒りと少々の困惑を含めた調子でその男の名を叫びました。


ミルザくん「・・・・・・カヤキス!」

46ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:51:46 ID:???
オイゲンくん「カヤ、キスゥ!?」
ミルザくんの声はオイゲンくんの耳にも入ってきました。
オイゲンくん「カヤキスがどうしたミルザァ!!大丈夫かァ!!」
その声はすぐに圧倒的な群衆の波に揉まれ掻き消えてしまいました。


ミルザくん「カヤキス!・・・何のようだ、また僕達を邪魔しにきたのか!させないぞ!!」
カヤキス「・・・生憎だが、今回用があるのはお前達のほうではない。」
ミルザくん「えっ!」
カヤキス「今回の私の敵は、こちらの愚かな肉団子の群れどもだ。」
カヤキスが打槍『カヤキスの鉾』を構え直し、モンスターの群れに向かって打ち付けました。
ミルザくん「えっ!?」
カヤキスの意外な返答にミルザくんは驚愕しました。
カヤキス「見ての通り事情を説明している暇は無い。というか仮に暇があったとしても絶対教えてやんねーけれども、
      とりあえず今は私とお前たちは戦う理由がないという事だ。」
ミルザくん「・・・・・・意味が、分からないぞ!戦う理由って・・・お前は・・・」
カヤキス「無駄口を叩くな!無駄口を叩く暇は全て敵を消すことに回せ!!エグドー」
カヤキスはやたら腑抜けた声を上げると同時に戦鬼の如く突きの雨をモンスターの群れに繰り出しました。
ミルザくん(・・・何がなんだか分からない、けれども、今はこんな奴よりモンスター達を倒すほうが優先的なのは確かだ!)
ミルザくん「とりゃあああああ!!!」
気合の入った声をあげ、ミルザくんも群れに再び攻撃を繰り出し始めました。


ジャミルくん「ありゃあカヤキスだ!あれ、でも攻撃しているのはモンスターの方で・・・ぎゃっ!!」
モンスターの体当たりをかろうじて避けるジャミルくん。
ジャミルくん「あ、あぶねーあぶねー!くそっ、どうするよ俺・・・せめて武器の代わりになるもん・・・なんか、なんか無いかなんか!」
執拗なモンスターの体当たりを猿のようにかわしながら、滅茶苦茶に懐をまさぐるジャミルくん。
背中に手を回したとき、なにか固く大きい物の感触を感じました。
ジャミルくん「こ、この感触は・・・ぶ、武器!?」
ジャミルくんは不自然さと違和感を見てみぬ振りして、勢いよく服の中に手を入れ、『武器』を取りました!
ジャミルくん「・・・・・・って、これかよ!!」
ジャミルくんは愕然としました。
ジャミルくんの手の中には、いつぞやのデブ猫、アルの牙があるだけでした。
モンスター『グオオオオ!!!』
ジャミルくん「ぎょへえええええ!!!」
モンスターの突進が一層凶暴性を増して行きます。
ジャミルくん「ったく、なんだよコイツは、イカレてんじゃねえのか!?っつかオイラに恨みでもあんのかこいつっ!?
        やっぱり、あれか、オイラのこのガラが気に入らないってワケ?いけないのはどこだ!?
        長い耳か?帽子か?髪型か?走り方か?走り方か?走り方か?クッソー!!」
ジャミルくんはアルの牙をしっかり握り締め、モンスターをギッと睨みつけました。
ジャミルくん「オラ来いよ肉団子、借りは返すぜ!」
47ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:52:30 ID:???
吐き捨てるようにジャミルくんが言います。
何かが通じたのかはぐれ者のこめかみに青筋が入ったと思うと、今までで一番の猛り声を上げ飛び掛ってきました!
ジャミルくん「よっ、」
闘牛士のようにヒラリと身を捻って突進をかわします。
そしてそのまま牙を振りかぶりました。
ジャミルくん「そ〜らよっ!!!」
アルの牙が、はぐれ者の首筋に深く突き刺さりました。
モンスター『ガッ・・・グアアァァァッ・・・・・・』
醜いうめき声と共に地に倒れ、そしてはぐれ者は消滅しました。
光が解放されてゆきます。
ジャミルくん「ふぅ・・・くー、決まった!!ナイスだぜオイラ!!」
ひとしきり自己満足に浸った後、手の平のアルの牙をじいっと見つめ始めました。
ジャミルくん(・・・ありがとよでか猫・・・まさかお前に助けられるとはな・・・
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
        ・・・・・・・・・・・待てよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ジャミルくんの脳裏に、いま一つの革新的な考えが浮かび上がろうとしていました。


ジャミルくん(この牙を使って・・・助けを呼べるんじゃねーか・・・・・・?)


そう考えるや否や、ジャミルくんはモンスターの群れが見えなくなるところまで走ってゆきました。
ジャミルくん(ちょい待ってろよミルザ、オイゲン!いま加勢を呼んでやるぜ!!)
48ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:53:50 ID:???
オイゲンくん「はぁはぁ・・・ぐっ、本当に・・・キリがねぇな・・・!」
休まずに巨大な打槍を振り回すオイゲンの疲労は既に尋常じゃないほどに溜まっていました。
倒しても倒しても一向に底が見えようとしない、無限のようにも思えるモンスターの圧倒的な数が、
精神の疲労をも着々と蓄積させてゆきます。
オイゲンくん「くそっ・・・」
湧くように次々現れるモンスターの群れ。
疲労し体の動きが鈍くなっていく事を実感しオイゲンくんは更に狼狽してゆきます。
己の持つウコムの鉾・・・明らかに先程よりも重い。
オイゲンくん「ケッコー体力には自信あったんだけどな、俺・・・
        やっぱ・・・舟の上で神雷打ちすぎちゃったのがいけなかったかな、
        挑発にまんまと乗せられちまって・・・バカだなぁ俺・・・」
挑発・・・

――もはやお前は蚊ほどにもないことがわかった――
――幸せに家庭を持っていいお父さんになってちょっと頑固なお爺ちゃんになってささやかな葬式を開いてもらえただろう――
――ついつい死ぬ間際の人にまで人生のアドバイスしちゃうから困る――

――・・・・・・カヤキス!――


オイゲンくん「・・・ああ・・・」
ギュッと一度強く鉾を握り締め直します。
オイゲンくん「・・・あーーーっ、思い出すだけでもムカムカする、あの糞やろうぁああああああぁぁぁぁ!!!!!!!
        クソォォォー、あの鎧野朗ぜってぇぶちのめす!!十数回ぶちのめす!!!
        いついかなる出来事が起ころうとも結果的にぶちのめす!!!
        ミルザ、そっちにカヤキスがいるんだろ!?今行くからちょっと待ってろおおぉぉぉぉ!!!!!」
オイゲンくんは空に向かって力いっぱいそう叫んだ後、鉾に力を集中させ始めました。
ウコムの鉾に、巨大な力が蓄積されてゆきます!
オイゲンくん「神雷!!!」
オイゲンくんの周辺に、神の裁きが落ちました。   
49ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:54:33 ID:???
ミルザくん「あれはオイゲンの神雷・・・!今日何回目だ、大丈夫なのか!?」
敵を切り裂きながら誰に言うでもなくもなくそう言います。
カヤキス「ふっ、おそらく今のでLP切れて消滅したな・・・。南無。」
ミルザくん「ちょっ、物騒なこと言ってるなよ!」
カヤキス「あの男は表面冷静なようで実際キレやすく後先をあまり気にしない性格のようだからな。
      あいつは幸せな結婚生活を送れそうにないな・・・哀れなものよ。
      ふっ、しかしたかが人事だというのにここまで心配してしまう私は心が広すぎだな。
      広すぎる部屋というのも難儀なものだ。もう少し心の拡張工事でもしてみるべきなのだろうか。」
ミルザくん(なんかウゼェこいつ・・・)

「ミルザ!!どこだ!」

ミルザ「!!・・これはオイゲンの声だ、オイゲン、こっちだー!!」
ミルザくんは群れに飲まれ見えないオイゲンくんに向かって手をふって合図をしました。
しばらくして、ミルザくんの周辺の群れのある方向に道ができあがっていきました。
オイゲンくん「ミルザ!」
オイゲンくんがミルザとカヤキスの前に姿を現しました。
ミルザくん「オイゲン!大丈夫か!!」
剣を振り敵を蹴散らしながらオイゲンくんに向かって言います。
オイゲンくん「ああ、なんとかな。もうはぐれねぇぜ、それにしてもミルザ・・・あっ!てめぇカヤキス!やっぱりいやがったな!」
オイゲンくんの視線が黒い鎧――カヤキスを捉えました。
カヤキス「オイゲンか、また会ったな。(チッ、LP切れてねーじゃんこいつ)」
オイゲンくん「てめぇ、ここで会ったが百年目!!今度こそぜってーーーぶちのめしてやる!!」
カヤキス「・・・ふん。」
『グオオオオオオ!!!』
オイゲンくん「・・・あっ!」
オイゲンくんは見ました。カヤキスの背後、腕を振り上げ牙を剥くモンスター――
ガッ!!ガッ!!
カヤキスは後ろを向くまでもなく、モンスターの顔面を槍の柄で打ち抜き、倒しました。
オイゲンくん「・・・・・・!」
カヤキス「私はいまお前たちと戦うためにここにいるのではない、今の私の相手はこの雑魚どもだ。
      分かったら早くモンスターどもを削れ。今は犬の手猫の手嫁の手孫の手全部必要な緊急事態なのだ!」
ミルザくん「そうだ、オイゲン!カヤキスはいま僕達と戦う気はない、カヤキスは無視しろ!」
オイゲンくん「!!・・ったく、どうなってるんだよ!」
オイゲンくんは視線をカヤキスからモンスターに移し変え、鉾を構え直しました。
オイゲンくん「じゃあぶちのめすのはまた後だ!今はこのモンスター達だ・・・うおおお!!!」
戦いは激化してゆきます。
50ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:55:17 ID:???
・・・ワロン寮ジャングル入り口。
ミニオンズとアルは、約30分の時間をかけようやくワロン寮のジャングルへと到着していました。
ゲッコ族「ジャングルの奥地へ行く船だぎゃ、乗るきゃね?」
アル「ああ、急いでるんだ、早く乗らせろ。」
ゲッコ族「・・・ぎぇぎぇっ、猫がしゃべった!・・・あ、あのー、もう一回なんかしゃべってください。」
アル「御託はいいからさっさと乗せろ!!」
ゲッコ族「ひー」

船に揺られながら、ぶつぶつとアルが悪態をつき始めます。
アル「・・・ったく、最近の奴らはしゃべる猫をすぐ物珍しがるから困る。」
ストライフちゃん「ここに来るまででもう何回目を付けられたか分からんな。」
ヘイトちゃん「アンタがでしゃばって人前でベラベラ喋ってンからいけないのよぉぉうう!!★@;・!!少しは自重しなさァァいい!!3!」
アル「すまん、すまんなんだが・・・何かオメーに言われるとすげーむかつくのはなぜだ?」
ストライフちゃん「大丈夫、それは半ば自然の摂理のようなもんだし。」
アル「なるほど」
ヘイトちゃん「あひゃー」
ワイルちゃん「ところでアル。時間的にどうです?船も早く来て予想よりも早くこれましたが・・・」
アル「んー」
少し夜空を見上げた後言います。
アル「十分とは言えないな。何せあのだだっ広いジャングルから人一人を探すワケだからな。
   残る時間からある程度はシンボルの位置は予測できそうだが・・・」
ストライフちゃん「アル、できるのか?」
アル「とりあえずは出来るだろうがな、こんなケースは初めてだからあんま自信ねーな。ま、何とかなるだろーよ。」
ヘイトちゃん「ちょっとォォ、いまいち頼りならないわねェアンタ。。。。」
アル「悪かったな。・・・・・・ん?」
突如、アルの目の色が変わります。
ストライフちゃん「・・・・・・?どうした、アル。」
アル「・・・・・・何だ、お前かよ!」
ストライフちゃん「はっ!?」
突如怒鳴りだすアルに驚くストライフちゃん。
ストライフちゃん「な、なんだなんだいきなりアル、どういう意味だそれは・・・」
アル「違う、お前じゃねえ!」
ストライフちゃん「えっ!?」
今度はしっかりこちらの顔を見られながら言われました。
ストライフちゃん「・・・・・・・・・?????」
困惑するストライフちゃん。
と、再びアルがまた何か喋り始めました。
アル「この疫病神め、さっさと失せろ!馴れ馴れしく通信してくるな!
    そうだ、エリスは?エリスを出せ。・・・は?なに?あんだって?」
どこを向くでもなくアルはそこにいない誰かと話しているように言葉を喋っていました。
ヘイトちゃん「・・・イカれた?」
ワイルちゃん「もしかしたらさっきのあの電話じゃないですかね。まったく分かりづらいにも程があるってものです。」
ストライフちゃん「電話・・・というのか、あれは?」
ヘイトちゃん「妄想テレパシー・・・みたいなもんじゃないの。」
ストライフちゃん「妄想?」
51ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:56:40 ID:???
(アンタはもう分かってると思うから色々と省くが、今俺達は・・・そうだな、ミルザとオイゲンってヤツがいてエリスさんの仲間なんだが、
ワロン寮のジャングルでモンスターの群れ・・・『エリスのシンボル』を蹴散らしているんだ。)
アル「なんだって!?どういうことだそれは、エリスもそこにいるんだろうな。」
(エリスさんはいない。どこに行ったかも分からない・・・んだが、ともかく俺達は融合を阻止するためにモンスターの群れと戦っているんだ。
だが、人手が足りねぇ。アンタもエリスのお仲間ってコトは目的は同じだろ、助けに来てくれ!早く!)
アル「・・・なるほど、シンボルが引き合うのを阻止するのではなく、根底から条件を変えちまう。片方のシンボルを消しちまおうってことか。
   ・・・だがなー、俺はエリスにアムトのシンボルを保護しろと・・・」
(結局は融合阻止に繋がるんだからどっちだって同じだろ!頼むよ!今はまさに猫の手も借りたい状況なんだって。
今俺がこうして喋ってる間にもあいつらは戦ってるんだ、一刻も早く来てくれ、でないと全滅しちまうよ!)
アル「・・・そうだな、どーせ行き着くところは同じだし・・・じゃあもうすぐ行くからそこで待ってろよ!
   あとぜってー俺の牙を手放すなよ。いいか、何があっても手放すんじゃねえぞ。位置が分からなくなっちまうから。じゃあ切るぞ。」

アル「おい、おまえら。」
ミニオンズ「え、あ!」
一人喋るアルを呆然と見つめてたミニオンズははっとしました。
アル「目的変更だ。サルーインは探す必要は無い。」
ストライフちゃん「え?それはどういう・・・」
アル「簡単な話だ、俺達でこれから無数のモンスター達を倒して倒して倒しまくることになるってこった。理解したか?」
ヘイトちゃん「はあああああ????サルーインちゃん捕獲作戦はどうなったのよォォォう!!!!」
アル「詰まる所サルーインを助けるってことには何の変わりもねぇ、安心しろ。
    ・・・着いたみてーだな。」
船が、ジャングルの対岸に辿りつきその動きを止めました。
のそりとアルが立ち上がります。
アル「しっかりついてこいよ!」
ストライフちゃん「え、ちょっ・・・」
船を降りジャングルにたつや否や、アルはある方向目掛けてダッと走り出しました。
ワイルちゃん「え!?ア、アルどうしたんですか・・・」
ストライフちゃん「一人でどっか行くな危ないぞ!」
戸惑うミニオンズ。
アルは走るのを止めると振り向きミニオンズを怒鳴りつけました。
アル「だーかーら、ついて来いっつってんだろ!!のんびり歩いている暇はねえんだよ!!」
ヘイトちゃん「何よ、ついてきて欲しいなら初めから言いなさいよぅーー!!@;」¥!」
アル「だから言っただろ!!さぁ行くぞ!」
アルが再び走り出しました。
ヘイトちゃん「まったく、いっつも行動が唐突な猫ね、これだから最近の猫はぁもうっ」
ストライフちゃん「説明している暇はないとかいつも言うが最低限の説明は最低欲しいよなぁ。まったく困ったものだな最近の猫ケラは♪」
ワイルちゃん「とりあえずついていきましょう!」
ミニオンズ三人も、アルについて走り出しました。
52ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:57:32 ID:???
ジャミルくん「よっしゃ、やったぜ!!」
ジャミルくんは牙を握り締めながら小躍りしました。
ジャミルくん「ミルザ、オイゲン、オイラちゃんと役にたったぜ・・・。
        まったく、ここ最近一番の幸運とピコンヌだったな、まぁ流石俺様とでも言うべきか・・・」
言いながらジャミルくんは近くの石に腰掛けました。
ジャミルくん「でもあの猫を信用しても大丈夫なのかなあ?でかくて喋るってだけで戦えるかどうかは・・・」
足をくすぐる葉も気にも止めずに再びジャミルくんは独り言を再開しだします。
ジャミルくん「・・・いや、信用できるできないじゃなくて信用しなきゃいけないんだ。
        猫の手も借りたいって自分で言ったじゃねーか、そうだ、猫の手があるだけでありがたいんだ・・・」
必死に自分に言い聞かせます。
ジャミルくん「とりあえずこの牙を手離さねーようにしないとな。こんなちっちゃい牙、
        無意識に落として気づかないまま、なんてコトはよくある・・・。」
過去今自分で言ったような失敗を何度かしたコトがあるジャミルくんは、
牙を懐に入れようとはせずに、手に持ち食い込むまで力強く握り締めました。
手の平を伝う尖った痛みで、牙の存在を忘れないようにしたのです。
ジャミルくん「後はここで待ってるだけでいいのか・・・?いや、とりあえずモンスターの所に様子を見に・・・
        いや、万が一のことがあっちゃーダメだ、オイラはここで来るまでひたすら待っているんだ・・・」
ジャミルくんの今の頭の中は友人二人のことで一杯でした。
ジャミルくん「ミルザ、オイゲン・・・頑張ってくれよ・・・。あと、俺は逃げたワケじゃねーからな・・・誤解してんなよ・・・。」
呟くジャミルくん。
その時でした。

「一本羽のついた帽子に緑の髪の毛のチビ。えーと、こいつか。」

ジャミルくん「!?!?」
唐突に背後から声。
ジャミルくんの心臓が爆発したように熱くなります。
ジャミルくん「だっ・・・」
勢いよく振り向きます。

人がいました。

大剣を振り上げていました。

ジャミルくん目掛けて――

ジャミルくん「なっ――」

ドシャッ

53ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:58:16 ID:???
???「何だよ、避けんなよ。ウゼェな。」

男は大剣を砕けた岩から引き抜きながら言いました。
ジャミルくんは困惑しながらも軽く距離をとり、言いました。
ジャミルくん「なな、なんだアンタいきなり!?そそ、そんなモン人目掛けて振り下ろしてさっ、何のつもり?!」
???「テメーらを消しにきたんだよ」
さらりと言いました。
ジャミルくん「消す!?」
???「わかんねえかよ、てめえらがいちゃ神殿が開かないんだろ?俺は神殿に用があるんだ、だからてめーらをここで消しちまおうってハナシ。」
ジャミルくん「はぁ!?」
ジャミルくんはこの男の言っている意味がほとんど理解できませんでした。
ただ、今自分が命の危険に晒されているという事だけは嫌々理解してもいました。
???「しらばっくれてもムダだぜ。・・・どうしたよ?あー、まさかちょっとブルっちゃってる?情けねーなぁ、
     でも安心しろって。あんま痛めつけて反応を楽しむとか俺、そーゆー趣味はないから。」
意味深に被られた銀色の仮面の下から、くぐもった笑い声がもれ出てきます。
???「首でも胴体でも一発でチョンぎってそれでお終いよ!!」
ジャミルくん目掛けて勢いよく飛び出しました!
ジャミルくん「ちょ、まっ!!俺はっ!!」
無論仮面の男は聞く耳を持ちませんでした。
ジャミルくん「ぎゃっ!!」
大剣の一撃をかろうじて避けるジャミルくん。
男は間髪入れず二撃目、三撃目をジャミルくんに浴びせかけていきます。
ジャミルくんは一々悲鳴を上げながら、一つ一つ必死に飛び退るようにして攻撃を避けていきます。
ジャミルくん(なんだってんだよ、一体!!ワケわからねぇ、しかもあの攻撃、岩が真っ二つだぜ。
         あんなの食らったら一発で骨ごと断ち切られて・・・じょ、冗談じゃねえぞ!!)
嫌な汗が顔を伝います。
54ゲーム好き名無しさん:2006/03/25(土) 23:59:03 ID:???
仮面の男は唐突に攻撃の手を休めると、ニワッと不気味に口を歪ませました。
???「随分必死じゃん?ウケるぜ。・・・・もしかして戦えないの?お前?」
ジャミルくん「・・・・・・さぁね。」
肩で息をしながら、それでも少し余裕があるようにジャミルくんは言いました。
ジャミルくん(どうする?どうする?どうする?武器も無い、手放す危険性があるから牙を武器にして攻撃するわけにはいかない、どうする?どうする?)
知恵を総動員しても、そう容易に打開策が思い浮かびません。
???「あらら、そんな冷や汗いっぱいかいちゃって。足もガクガク震えてるし。怖い?俺が怖いのかい?ぼっちゃん。」
嘲るようにそう言った後、仮面の男は一人馬鹿笑いを始めました。
しかしジャミルくんには悔しさだとか怒りだとかそういう感情は沸いてきませんでした。
ジャミルくん(そうだ笑うなら笑え、この状況を抜け出す方法をオイラが考え付くまでずっと笑っていやがれアホ。
         ・・・今の内に逃げるか?いや、逃げれば自分の位置を把握できなくなる。
         ミルザ、オイゲンの戦っている場所に戻れなくなってしまえば本末転倒だ、いや、ならば何か道しるべがあれば・・・)
???「もしかして武器とか持ってない?見た感じ術も使えないっぽいなァ。真夜中のジャングルに手ぶらで入ってきたわけ?大した怖いもの知らずじゃん♪」
ジャミルくん(どこに行っても同じようなジャングルだ、位置を把握することなんて簡単じゃねえ、
        逃げて巻いてここに戻ってくるなんて不可能だ・・・ならばミルザ、オイゲンのとこに逃げたら?
        ・・・ダメだ!面倒を持ち込むことはできねぇ・・・いや、どのみちこいつは俺を殺した後ミルザ、オイゲンも狙うつもりだったんじゃないのか?
        最初あいつは特徴から俺を探しているみたいだった。それにヤツはさっき『てめえら』と言ってなかったか!?)
???「・・・おいおい、人が話しかけてるってのに、ばっちりシカト?・・・なってないんじゃねぇの?そういう所さあ!?」
大剣を構え直し、ジャミルくんに突進してきました!
ジャミルくん「くっ!」
ジャミルくん目掛けて物凄い勢いで振られる仮面の男の大剣。
重い風切り音がジャミルくんの耳を叩きつけます。
ジャミルくん(あぶねぇ!あぶねぇ!!・・・そうだ、あいつさっき『てめえらがいちゃ神殿が・・・』とか言っていた!
        きっと神殿と融合には何か関係があるんだ、そして知っているんだやつは。俺達が融合を阻止しようとしているコトを・・・
        ヤツは融合を阻止してほしくない。もしかしてあの黒い鎧のヤツの仲間か?)
思考のパズルが無理やりにでもどんどん埋まっていきます。
ジャミルくん(ならどのみち戦うことになるんじゃないのか?面倒を持ち込むといっても所詮結果的には同じなわけで・・・別に・・・
        あーくそっ!!よくわかんねー!!ワケわかんねーー!!)
頭をガリガリ掻きながら今一度仮面の男を真っ向から見据えました。
男の仮面の下の目が、キュウッと細まります。
???「・・・すばしっこいねぇお前。・・・いつまで逃げてられる?もう一回いくぜぇ?」
剣を再び構え直します。
そして、長い舌をダランと出したと思うと。深くゆっくりと舌なめずりを・・・
ジャミルくんは、背筋に何かとてつもなく冷たい何かが通ったような感じを覚えました。

ジャミルくん(ダメだ・・・・・・。 怖 す ぎ る )

即決しました。
55ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 00:00:04 ID:???
ジャミルくん「へ・・・へへ、」
一、二歩ゆっくり後ずさります。
少し間を置いた後、ある方向へ向かって一気に走り出しました!
???「なっ!」
突然の事に仮面の男は驚きの声を上げました。
あっという間にジャミルくんは闇と木々にまぎれ仮面の男の視界から消えうせてしまいました。

呼吸を止め、足の力を総動員し、ひたすらにミルザとオイゲンのいるあの地点へ向かって全速力で”逃げ”続けるジャミルくん。
冷たい風が凄い勢いで顔に覆いかぶさってきます。
しばらく経った後、ジャミルくんはふと後ろを振り返りました。男の姿は見えません。
ジャミルくん(な、なんだ、撒いちまったのか!?)
ジャミルくんは走るのをやめその場に止まりました。もう一度振り返ります。姿が見えません。
ジャミルくん(撒いちまったなら撒いちまったでそれに越したことはねえが・・・)
安心するべき状況なのですが、あまりにあっさり事がすんでしまったことに、違和感と不安が拭えません。
そわそわ辺りを見回してしまいます。あの男の姿は見えません。虫のさえずりと風の音以外の物音もありません。
ジャミルくん(おいおい、マジか?まさか、本当に撒けちまったのか?)
言いようの無い不安と恐怖。
・・・・それは的中しました。

「ん〜、甘い甘い。」

ジャミルくん「!?」
およそありえない方向からその声はしたのです。
ジャミルくんはその方向を振り向きました。
背後。下。足の下。
突如、足元からゴボリとあの仮面の男が現れました!

ジャミルくん(なんだってぇぇぇ!!!!???)

仮面の男は右拳を腰ダメに構え、勢いよくジャミルくんの腹を殴りつけました。
ジャミルくん「がばっ!!」
ジャミルくんの体が浮きました。
男が拳を離すと同時に、ジャミルくんは地面に突っ伏しました。
ジャミルくん「ガハッ!ゴホッ・・・!」
腹を押さえのたうち回るジャミルくん。
吸い付くような腹部の痛み。喉から焼けたものが出ていきます。
???「ハッハッハ!!無様な、どうだ?ビックリしたかよ!?」
ジャミルくんは涙目のまま、嘲笑しながらこちらを見下ろす仮面の男を睨み付けました。
そのジャミルくんの顔を見た途端、男の嘲笑が、爆笑へ変わりました。
???「ひゃっひゃひゃひゃひゃ!!!!おーおー、かわいそー!!痛かったか?あーん!?」
ジャミルくん(!!・・・この・・・やろっ!嘗めやがってよォ・・・・・・!)
涙で視界が霞んでゆきます。
56ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 00:00:50 ID:???
???「さてと、お遊びはもう終わりにしよーぜ?いい加減飽きてたろ、怖がるのも。」
男がゆっくり大剣を振り上げるのが、涙で霞んだジャミルくんの視界でもしっかり確認できました。
ジャミルくん(お、おい、止めろよ・・・!冗談だろ、オイ!それ、振り下ろすのか?
        死ぬぞ?俺、死ぬぞ?俺が、死ぬ?殺され、る?)
思考がぐちゃぐちゃになってきます。
ジャミルくん(オイオイ、カンベンしてくれよ、なんで学園生活中に殺されなきゃなんねえんだ、俺の人生、通り魔に真っ二つにされて終了?
        マジか?ハハ、冗談にしちゃ笑えねぇ、ぜんっぜん笑えねぇよ、っていうか・・・ワケわからねぇよ!!)
仮面の男の口元が歪むのが見えました。大剣が、月に照らされ鋭く光ります。
ジャミルくん(オイオイ、あれ本物だよな、あれに切られたら?どうなる?死ぬよな、もちろん死ぬんだよな、真っ二つだよな、ああ!?
        ちょ、参ったな、何もしなきゃ死ぬよな、どうしろってんだオイ、死ぬ?バカ言え死にたくない!!仮に死んでみろ、
        ファラがいるんだぜ!ダウドもいるんだぜ!!ミルザもいる、オイゲンもいる、みんな悲しんじゃうじゃん。ほれみろ、死んじゃダメじゃん。
        それにな、まだまだ生きてやりたいこと、あんなことこんなこと沢山あるんだぜ。死んじゃダメに決まってんだろ糞ッたれ!!)
ジャミルくんは腕を立て、跳ね起きました。
???「れっ!?」
ジャミルくん「ふっざけんなよォォ!!!」
???「ぐばぁっ!!」
ジャミルくんのキックが、男の胴体を直撃しました!
仮面の男はそのまま音を立てて後ろに倒れました。
ジャミルくん「・・・・・・!!(や、やった・・・!すげぇぜ俺・・・!)」
倒れた男を見て、ジャミルくんは喜ぶと同時に少しだけ自分の行動に後悔し始めました。
???「テメェ!!」
男が立ち上がるのはすぐでした。
ジャミルくん(・・・そりゃ、そうだよな。・・・まだ状況は根本的には何も変わってねぇ、だが大分時間は経った、
         このまま耐え切ってれば・・・必ず助けが来る!それまで持ちこたえることができれば・・・)
ジャミルくんは立ち上がった仮面の男をキッと見据えました。
仮面の下の目が、先程よりも一層赤く鈍く光っているようです。
???「うぜぇ・・・うぜぇうぜぇ、やってくれるじゃねーかよぉオイ!!雑魚が粋がりやがって、すぐに殺してやるぜ!!」
大剣をジャキッとこちらに向かって構えました。
先ほどとは違い、隙の無い、無駄の無いしっかりした本気の構え。
ジャミルくん(もう逃げきることはできねぇ、攻撃を死に物狂いで避けるんだ!!やってやる、
        今まで泥棒やってきて何回こーゆー絶体絶命を抜けてきたと思ってるんだ、俺ならできる!!)
自らに言い聞かせます。
仮面の男が向かってきます!

『そこまでだ!!』

ジャミルくん、???「!!?」
辺りに、今までその場にいなかった何者かの声、ジャミルくんには全く聞き覚えの無い声が――
???「・・・何の、用だよ、」
仮面の男は、その声に覚えがあるようでした。
男がある方向を向きます。その先には、一人の・・・いや、一匹のモンスターが立っておりました。
ジャミルくん「な、なんだってんだ、一体。」
???「邪魔すんじゃねえよ、セージ!!」

セージ「あなたの相手はそいつじゃない、ソードスレイブ様!!」
57ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 00:05:22 ID:???
サルベージ終了。これ書いた人は、全部で何レス使うか書いていてくれてたんだが、
それによるとあと3レスの所だったようだ。ここで止まっちゃいました。
なので続きを書ける人は、こっからスタートになるのかな?

まーのんびりやってきましょう。この時期だから忙しい人も多いだろうし。
俺もいずれまた書いてみたいです。
とりあえず購買ネタ書きてえなwあれはオモロかった。
続き書く人以外でも、ネタがあればじゃんじゃん書いちゃっていいんじゃないかな?

さて、6周目クローディアでタイラント先生に稽古つけてもらいに行くか・・・
58ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 11:05:11 ID:???
この職人さんはやっぱ書いてる途中で死んだのかな・・・
59ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 20:31:23 ID:???
しかしソードスレイブはまたアクが強いキャラだな。
60ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 23:19:20 ID:???
マルディアス学園購買部
追加商品一覧

1、火神防御ミサンガ(在庫薄) 10金
タイラントくんの加護が宿るミサンガ。力が微妙にアップするほか、
炎のように燃える闘志が宿ると信じられている。運動部の生徒達に人気の一品。

2、タイニィフェザーの羽ペン(在庫薄) 10金
タイニィフェザーくんの羽をベースにした羽ペン。同じ模様の物は一つとして無い上に、
角度によって色彩が微妙に変化する、とても美しい羽ペン。芸術系の生徒や、おしゃれな女生徒達に人気。

3、大陸蛇のちから(在庫あり) 5金
アディリスちゃんが「ウコンの力」のCMを見て、それを真似して作った漢方薬。
不死身ともいえる生命力を持つ、大地の属性のアディリスちゃんプロデュースだけあり、効果はバッチリ。
・・・ただし、二日酔いによる胃痛、胸焼けにしか効果が無いため、一般生徒からの売れ行きは良くない。
が、何かと気苦労が絶えず、それを酒で紛らわしているマルディアス学園の先生達の間では地味なブームとなっている。

4、死の香(在庫多数) 10本で5金
デスちゃんプロデュースのお香。精神を静める効能のある香りで、リラクゼーション効果は抜群。
しかし、「死んだようにリラックス」「永眠するようにグッスリ眠れます」「死は幸いなり」などと箱に書いてあるため、
売れ行きは今ひとつ。ただし、盆とお彼岸だけ爆発的に売れます。

5、香水「闇の誘惑」 3000金で発売予定→発売中止
シェラハちゃんプロデュースの香水。そのネーミングと、プロデューサーであるシェラハちゃんの退廃的な色気から、
「これを付ければ一足飛びに大人の仲間入りだぜムッハー!」と
勝手に解釈して興奮した野郎ども(90%が騎士団寮生)が大挙して購入した。
・・・が、匂いを嗅いだ相手だけでなく、つけた本人も魅了されてしまうブツだった為、購買課前で一大バトルロワイアルが勃発。
かくしてこの香水は発売禁止となり、シェラハちゃんの悲しい話のエピソードが一つ増えただけとなった。


6、ミルザくん著 「赤貧の食卓」(在庫山積み) 10金→5金→2金
ミルザくんがついに本を出した!それも料理本だ!ミルザくんの実生活に伴う料理アイディアが満載だ!内容は・・・
「ちょっと待って!その生ゴミ、処分する前にもう一度見直してみませんか?」
「工夫次第でキャベツの芯もこんなに美味しく!」
「かんたんにできる!芽の出たじゃがいもや、野菜の切れ端だけで作るおもてなし料理!」
「腹痛は時間がたてば直るけど、空腹は時間がたってもひどくなるだけ!だから恐れずチャレンジ!腐りかけ!」
などなど。・・・当然高校生にウケるわけもなく、ほとんど売れていない。
価格も順調に下がり、「そろそろ1金にしちまうか・・・」と言われているとかいないとか。

61ゲーム好き名無しさん:2006/03/26(日) 23:45:40 ID:???
>芽の出たじゃがいもや、野菜の切れ端だけで作るおもてなし料理
ミルザお前友達いなくなるぞw

この学園の購買部はずいぶんチャレンジャーだな。
エルマンが在庫を必死に売りつける姿が浮かんだ。
62ゲーム好き名無しさん:2006/03/32(土) 01:41:11 ID:???
とりあえず今回のお話しについて。

ジャミル災難すぎ
63ゲーム好き名無しさん:2006/03/32(土) 12:02:42 ID:XQYoGoiC
↑3/32て なんで?www
64age虫:2006/03/32(土) 12:26:51 ID:smxoa8hE
・・・書かれている事を、嘘にはしたくないからさ。

         ∧_∧
        ⊂(´・ω・`)つ-、
      ///   /_/:::::/
      |:::|/⊂ヽノ|:::| /」 はいはいわろすわろす
    / ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
  /______/ | |
  | |-----------|
65ゲーム好き名無しさん:2006/04/05(水) 09:30:43 ID:???
飽きたので終了しました。
66ゲーム好き名無しさん:2006/04/08(土) 22:46:13 ID:???
いつできあがるかわからないが、続き書いてみてもいいかな?
細々と書いてみるので、かなり遅くなるかもしれないけど・・・
とりあえず進行度予想としては、いわゆるメインの連中を二つ月の神殿内部に押し込めるまで進めたいな。
で、この話の最初の部分持ってる人がいれば、貼ってみてもらってもいい?
一応ログはとってあるので俺も話の把握はできるんだが、なんせ前スレ落ちちゃってるしなぁ
67ゲーム好き名無しさん:2006/04/09(日) 02:20:36 ID:???
>>56の残り2レス分?くらいを補完しようと文を作ってて明日ぐらいに投稿できそうな状況だったんだが…
だめか?
6866:2006/04/09(日) 03:49:22 ID:???
>>67
いやもう全然okです。いっちゃっておくれ。
正直話の出だしをどうしようかサッパリな状況だったので・・・
69ゲーム好き名無しさん:2006/04/13(木) 00:42:34 ID:uZcUvCrt
とりあえずage
略して
とりage
70ゲーム好き名無しさん:2006/04/16(日) 13:24:59 ID:???
変なところで投稿止めたり。投稿宣言しといてブッチしたり
「最高の荒らし」だな、と思った。
こういうスレでは下手な誹謗中傷よりダメージがでかい
71ゲーム好き名無しさん:2006/04/18(火) 00:27:53 ID:???
紅色の体、翠眼のゴブリン、セージが、仮面の男・・・ソードスレイブに近寄ります。
セージ「こんな所で油を売っていただなんて・・・そんなヤツはほうっておいて、早く例の場所へ向かってください!」
ソードスレイブ「んだよ、羽がついた帽子、緑色の髪、テメーが言ってた三人のうちの一人だろーがよコイツは。」
セージ「いえいえ!目的は敵を減らすことではなく、あくまでモンスター退治の阻止なんですよ!
     神殿に入れなくなっていいんですか、そんなヤツは無視して、早く、早く!」
ソードスレイブ「・・・コイツをぶっ殺してから。それからじゃダメか?十秒だってかかんねえよ!」
言って、ジャミルくんをギッと睨みつけるソードスレイブ。
セージ「ダメです。十秒だって一秒だって余計な時間はかけられません。(この将魔は殺してからが長いからね・・・十秒以上は確実だ。)」
ソードスレイブ「チッ・・・またいいとこで寸止めかよ!!今日何度目だ?二度目だッ!!二度も!!ありえねェ!!うぜぇうぜぇ」
セージ「そのフラストレーション、思う存分あちらの愚か者達にぶつけてやってください。
     溜めれば溜めるほど解放のカタルシスがなんとやらって言うじゃないですか?解放はあなたを待ってくれていますよ。」
ソードスレイブ「ケッ、俺はあんま溜めるのは好かねぇんだがな。溜まっちまったもんは仕方ねぇが・・・
         えーと、どっちだったっけか?」
セージ「あっちですよ。」
セージがある方向を指差しました。
ジャミルくん(!!・・・あの方向・・・やっぱりこいつ!)
ジャミルくんは確信しました。
ソードスレイブ「んじゃあ、行くとするか。・・・ケケ、待ってろよ。」
ジャミルくんは目を疑いました。
ソードスレイブは突然床に”沈んで”いき、その場から消えたのです。
セージ(やれやれ、まったくバカな犬は飼いならすのに苦労するよ、それにしてもサルーイン、来るのが遅いな、まぁいいけど)
ジャミルくん「なっ・・・」
戸惑うジャミルくんを、その場に残っているゴブリンセージがまん丸い瞳でじいっと見つめ始めました。
その視線にジャミルくんが気づきます。 
72ゲーム好き名無しさん:2006/04/18(火) 00:30:51 ID:???
ジャミルくん「・・・な、なんだよ」
セージ「・・・・・・」
目を細めながら、トコトコとゆっくり近づいてきます。
目の前で止まると、ふふっといやらしく笑った後言いました
セージ「君にはお世話になったネ、礼を言うよ、愚かなこそ泥さん。
     この感謝の気持ち、何か違う物にして君に手渡したいところだけど・・・残念。今はできないんだ・・・
     きっとまた会うよ。その時に今回の件の分のお礼をたっぷりしたげる。
     ・・・んじゃネ、バイバイ♪」
セージはそこまで言い終えると、突如黒い穴に包まれ跡形も無くその場から消えてしまいました。

ジャミルくん「・・・・・・・・・」
ジャミルくんは一連の出来事に呆然としてしまいました。
・・・しばらく経ち、状況が頭の中で整理しかけてきた時、当然の感情、命の危険が去ったその安堵、喜びの感情がジャミルくんを満たします。
ジャミルくん「何はともあれ・・・オイラ、助かったんだなぁ〜!!」
大きく伸びをして喜びを表現します。
伸びきりプルプルと体を震わせている途中・・・ジャミルくんははっとしました。
ジャミルくん(あ!・・・牙は!?)
焦りは一瞬だけでした。
解かれていない右の握りこぶし。開くとそこにはちゃんとアルの牙が存在していました。
・・・少し血に濡れています。
ジャミルくん「よかった、よかった!流石俺様だねぇ、ちょいと危なかったが結局は守り切れたってわけだ、俺たちの切り札・・・
        ・・・それにしてもあの仮面のヤツはなんだったんだ?ヤバかったな、あのゴブリンも一体・・・それにしてもあいつが指差した方向・・・
        あの仮面のヤツが向かったのはミルザとオイゲンのとこだ!やべぇぞ・・・早く着てくれよぉ猫さんよぉ・・・」
再び牙をぎゅうと握り締め、周りを見渡しました。

ガサガサガサガサ!!

ジャミルくん「!!」
静けさの中から、葉擦れの音が近づいてきます。
一つではない、複数・・・
ジャミルくん(・・・来た!?いや、違う可能性も・・・!)
ジャミルくんはその方向へ目を凝らしました。
そこから出てきたのは・・・
73ゲーム好き名無しさん:2006/04/18(火) 00:37:02 ID:???
まず一言言わせてもらうけど、俺は>>67じゃない。
あまりにも来ないんで勝手に少ない語彙で頑張って書いてみたーよ
ここまでしか出来なかったけどなんとかスレの復活のきっかけになってくれれば・・・
じゃ、>>66頑張って。
中途半端でごめん、俺にはここまでしかできない。
74ゲーム好き名無しさん:2006/04/19(水) 15:07:02 ID:???
>>73乙。

自分にできることがあるのなら、つうことで
前スレ落ちたし、17話をまとめサイトにうpしたので参考になれば。
不備があったらごめん。

7566:2006/04/19(水) 23:18:15 ID:k35KW2zC
>>73
GJ!ありがとう。かなり書き出しやすくなったよ。

>>74
保管庫の中の人も更新乙です。結構時間たっちゃったけど、保管庫を見つつ、なんとか矛盾の無いように繋げていければなぁ、と。

で、現状整理すると・・・
ミルザ・オイゲン・カヤキス→ピラミッド前で肉軍団相手に大立ち回り
ジャミル→死神から辛くも逃れる。素手で猫の牙持ち(発信機がわりみたいなもんか?)
ミニオンズ&猫→ジャングル到達、牙に向かって進軍中
水龍&エリス→情報収集中だが、ジャングルには割と直ぐ来れる位置?
サルーインちゃん→自我喪失中。ピラミッドに向け進行中
デス・シェラハ→サルーインちゃんに吹っ飛ばされて病院へ。
スペクター→病院前で待機
アムト→行方知れず
で、うまいことピラミッドを開けるには、エリスとアムトをピラミッドに寄せなきゃならない、か。

うーん、スペクターくんあたりに、もう少し働いてもらおうかな?
つか、カヤキスいるんで、スペクターももう少し弄くってみたい俺ガイル

まぁ無茶して遅れちゃわないように、適度に書きます。目指せGW前・・・いけるかな・・・
76ゲーム好き名無しさん:2006/04/21(金) 00:47:31 ID:???
セージの容貌が、脳内で勝手にゴブリンからぷにショタキャラに変換されます。
何とかしろ
77ゲーム好き名無しさん:2006/04/21(金) 13:37:10 ID:???
>>75
まとめ乙。なんとか頑張ってくれ。

>>76
知らん。
78ゲーム好き名無しさん:2006/04/25(火) 00:57:48 ID:???
うー
79ゲーム好き名無しさん:2006/04/28(金) 02:05:46 ID:h86of8hx
ほし
80ゲーム好き名無しさん:2006/04/29(土) 21:56:47 ID:???
書いてくれるだけでありがたい状況で言うのもあれかもしれないが、
4月19日に宣言してGWぐらいまでに・・・って皆が皆このペースで書いてたら
年に何人が書けるかどうかだ。これじゃ廃れるのも致し方ないと思うが・・・。
のんびりしたペースになってから、その分書くチャンスが減る。挑戦できなくなる、の
悪循環に陥ったのかもしれないな。人が少なくなった一因に。
81ゲーム好き名無しさん:2006/05/04(木) 21:48:06 ID:???
>>81
遅くなってすまん。思ったように時間がとれなかったのと、要素が多くて正直苦戦してる・・・。
まぁ、このスレのゆったりしたペースに甘えてる部分が少なからずあったので、なるべく早く書き上げるようにガンバります。

で、目標は、ピラミッド内最終決戦の始まりまで場面を持ってこうと思ってる。
だが、スペクターとアムトを拾って、デスシェラハにもちょっとしたフォローを入れようとなると、
場面が予想以上に複雑になってしまって・・・
なので、アムト達がジャングル入りするまでのジャングル外の話と、
ミルザvs死神中心のジャングル内の話とで2本にわけて書いています。
ジャングル外の方はそろそろあがりそうなので、なんとか今日中にでもいければ・・・
ジャングル内は難産、というか戦闘シーンムズス。楽しいけど。
82ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 02:17:12 ID:???
御 託 は い い か ら さ っ さ と 投 下 し ろ
83ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 02:31:28 ID:???
コラコラ、カリカリするでない。
あんまりカリカリしてるとおじさんもカリるよ?

>>81
頑張ってくれよー
おじさんも何かしら頑張るよー
84ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:00:52 ID:zxn5Vgwc
>ジャミルくん(・・・来た!?いや、違う可能性も・・・!)
>ジャミルくんはその方向へ目を凝らしました。
>そこから出てきたのは・・・

アル「ぶはーーっ!!やっと茂みを抜けたぜ!」
ストライフ「ん?そこに居るのは・・・お前、たしかクジャラート舎の奴だな。」

アル、そしてストライフちゃんが茂みから勢い良く飛び出してきました。

ジャミル「あ!来たか!さぁ早くこっちへ!ミルザ達の手助けをしてやってくれ!!」
ストライフ「ミルザぁ!?またあいつらが絡んでるのか!はぁ・・・」
ストライフちゃんが、心底うんざりした顔で溜息をつきました。
ジャミル「しかし猫さんよぉ。女の子一人だけつれてくるってのは・・・あんまり援軍としては頼もしくないなぁ。」
ストライフ「は?」

そしてストライフちゃんは振り向き、絶句しました。

ストライフ「・・・はぐれた・・・のか・・・?」

アル「急ぎすぎて、残り2人を振り切っちまったみたいだな。」

ストライフ「・・・あんの虫 け ら ど も が ーーー!!!」

月が重なろうとしている夜空に、ストライフちゃんの絶叫が響き渡りました。

ストライフ「・・・しかたがない。私たちだけでも先に行くぞ。案内しろ虫けら。」
ジャミル「虫けらって・・・(汗)ま、まぁいいや。おいアル!行くぞ!!何アホみたいにボケっとしてんだ!」

すぱこーーーん!!

その一言を聞いて、ストライフちゃんがジャミルくんの頭をひっぱたきました。
ストライフちゃん「貴っ様あ!猫ちゃんに向かってなんちゅー口のききかただあああ!!!
         ・・・どうしたのかなー猫ちゃん?よーしよしおいでー♪」
ジャミル「(・・・ふっ・・・不条理だーーー!!)」

アル「いや・・・飼い主の気配が急にしたんだ・・・いる。近い!ジャングルに来ているぞ!でも何故突然・・・。」
85ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:01:41 ID:???
ジャミル「へ?何言ってるんだよ猫!!早く行かないとミルザ達が・・・」
アル「待て!もうすぐそこに居るんだ!主もここが解っているハズだ!!」
ストライフ「そうか。じゃあ待つぞ。」
ジャミル「でもミルザ達・・・」
ストライフ「黙れ。」
ジャミル「(うう・・・・猫>俺なのかよーー!!!)」
そして、2人一匹のそばの茂みから、ガサガサっと音がしました。

出てきたのは、ほわほわの長い髪をした、かなりかわいい女の子。
片手に壷を持ち、下着の延長のような、ある意味凄い服装をしています。
アムト「・・・アル!」
外見よりもかなり幼い声でアルを呼んだのは、アルの主、赤い月のアムトちゃんその人でした。

アルが、とててててっ、とアムトちゃんのもとへ走っていきました。
それを屈んで迎えようとするアムトちゃんの視界に・・・ジャミルくんが入りました。
ジャミル「よ、よぉ。久しぶr」
アムト「きゃーーーーーー!!あんたあの時の!!覚えてるわ!てゆうか何でいるのーーー!!
    わかったわーーーー!!あたしのことが忘れられないのねーーーー!!
    眠れない夜をいくつも抱えてきたのねーーー!!それもあたしの可愛さが罪なのねーーーーー!!」
    でもそれはストーカー行為なのよーーー!きゃーーー!危険だわーーー!」
アムトちゃんは言うやいなや壷をぽいぽい投げてきました。
ジャミル「どわーー!!!またこのパターンかよ!!つーか今回ややこしい事になったのはアンタのせいじゃねーか!!
     だいたい、なんでそんなに壷があんだよ!!」
アムト「それはもちろん四次元ポ(ry」
ジャミル「嘘つけーーー!!!」
アル「主!!落ち着け!つーか主。さっきまで学園中で気配がしなかったのに、どうやってここまで来た?
   ここは短時間で来れる場所でもあるまいに。」
「――――それなら、ボクが説明するよ。」
場の全員が声の方を振り向きました。

そこには、ふよふよと浮遊する、スペクターくんの姿がありました。

ストライフ「スペクターくん!?デスちゃんさまとシェラハちゃんさまの病院に居たはずじゃ!?
         あの2人は大丈夫なのか?それに・・・一番早い船に乗ってきた私たちに追いつくなんて・・・」
スペクター「それも併せて説明するよ。デスとシェラハは大丈夫さ。もう気が付いてるよ。
        ・・・それに、ボクの頼もしい『戦友』が見守っててくれてるよ。」

そう告げるスペクターくんの両手には、赤く輝く細剣が1本ずつ握られておりました。
86ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:02:47 ID:???

【今よりしばらく前。デスちゃん達が病院に連れて行かれ、幾らか過ぎた時刻】

エリス「・・・おかしいわね。学園中、どこにも気配がしない・・・あぁ、もう月が交わろうとしている!時間が無い!
    ・・・仕方ないわ。ジャングルに先に行って、アムトが来ることにかけるしかないわ。
    水竜くん、聞こえた?ジャングルに向かいます。」
水竜「ううむ、こちらでも一向に見つからない。・・・この私が美女を見つけられないなんてーーー!!
   私ともあろうものが!!ショック!超ショック!!・・・だからなぐさめてエリスたん!!」
エリス「あまぐもの腕輪の位置から割り出した、水竜くんの出現ポイントと思われる位置を、
    現在『死ね矢』で狙っています。さて何か言う事は?」
水竜「ごめんなさい」
エリス「・・・まったく。ほんっとーに四寮長ってのは、実力はあるのかもしれないけど、
    適当でいーかげんでエロスねぇ!!なんでそんなのが四人もいるのかしら!!」
水竜「ふぉふぉふぉ。まぁ私が一番真人間よ。コレホント。ふぉふぉふぉ。」
エリス「それがますますもって悪夢だわ・・・しかしこれだけ探してもいないってことは・・・
    ・・・あと考えられる可能性は、地下深くにでも潜ってるとか?でも学園に地下なんて・・・。」

【同刻:冥部】

「あれれ〜〜〜?おかしいなぁ。みつからないよ〜〜?このあたりだって測定できたのに。」
誰もいない冥部の奥で、お尻をふりふり、体勢を低くしてテーブルの下を覗く姿がありました。
「月の輝きが、あの赤い腕輪に移って、そして腕輪に残る月の反応がここで止まった・・・そこまでは解ったのに。」
それは、月の輝きを追ってここまで来たアムトちゃんでした。
アムト「・・・まさか、また別の貴金属に入っちゃったとか?いや、ならばその貴金属の位置もわかるはず・・・」
かちゃり
アムト「ここで反応がぷっつり消えた・・・地下深いから解らなくなっただけかと思うけど・・・。」
かつ、かつ、かつ、かつ・・・・
アムト「ここまで無いとなると、他のものに入ったとか・・・まさか器が生き物だとか!?」
ぴたり
アムト「そうかもしれない!器が生物とか、魔力を持つものだと、それに邪魔されて位置がわからなくなるのかも!!」

???「・・・誰だ?」
アムト「うひぃっ!?」

アムトちゃんが、飛び上がるようにして後ろを見ました。視線が後ろの人物の足元にいき、そして徐々に上にあがっていきます。
???「一日所用で開けていて、戻って挨拶に来てみたら、こんな時間にもぬけの空だ。」
靴のサイズ、そして声質から判断するに、明らかに男です。
???「まったく。夜間に出歩くのは危険であるというに・・・しかし三姉妹に加えお付きも居ないとはなぁ。」
背が高く、はるか上から見下ろすような形で、アムトちゃんと目が合います。
???「と、思っていたら見知らぬ女が一人。貴様はいったい、どこのどなたのどちら様かな?」
アムトちゃん「あなた・・・だぁれ?」

「私はフレイムタイラント。この冥部の・・・ま、隣人だな。」
87ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:03:33 ID:???
タイラント「しかし、見ない顔だが・・・。ひょっとして、不法侵入者か?」
と、タイラントくんがアムトちゃんを見る眼が、悲しみに満ちたものになりました。
タイラント「・・・生活が余程苦しかったんだな。そんな下着みたいな衣服しか着られないとは・・・」
・・・微妙に勘違いしています。
タイラント「だが盗みはいかんぞ。しかし貴様、よりにもよって此処に盗みに入るとは・・・余程の勇者か狂j(ry」
と、タイラントくんのセリフをさえぎってアムトちゃんが呟きました。
アムト「わかったわ・・・あなたわたしを狙ってるのね?」
タイラント「は?」
アムト「いやーーー!!そうなのねーーー!ここは誰もこない地下深く!!わたしの悲鳴は誰にも届かないーー!!」
タイラント「おい、私は別に手荒な真似をしようとしてるわけじゃ・・」
アムト「きゃーー!いやーーー!大ピンチなのねーーーー!!あたしのつぼみが、散らされちゃうのーー!?」
・・・こっちの勘違いの方が、かなり重症のようです。
タイラントくんの顔に、ちびまる子ちゃんのような斜線が入りました。
タイラント「・・・人の話を聞け。貴様が人の部屋に勝手に入ってきてるのが悪いんだろうが?」
アムト「きゃーーー!!でも負けない!!ぜったいに負けないわーーーー!!」
アムトちゃんが壷を小脇に構えました。
タイラント「(チッ。やる気か!見た感じ、こいつは武闘派ではなさそうだ。ならば術か?)」
アムト「きゃーーーー!!くらうがいいわーーー!!」

しかし、術ではなく・・・おもいっきり壷が飛んできました。

タイラント「へ?」
すかこーーーーーん!!!
・・・セルフバーニングは、射突は防げません。
タイラントくんが、ぐおおお〜〜と鼻を抑えつつうめいています。
アムトちゃん「もういっぱーーーーつ!!」
しかし、アムトちゃんが壷を投げようとした瞬間、タイラントくんは一足飛びで一気に間合いを詰め、その手をねじり上げました。
アムト「いっ・・・・痛たたたたた!!いたぁいーーー!!」
タイラント「暴れるな。よけい痛むぞ。できれば女に手荒な真似はしたくない。
      ・・・貴様、ここで何をしていたのだ?ひょっとしたら、ここの主達が消えたことに関係が・・・」
アムト「え・・・いや、あたしが来たときは誰もいなかったのよ。それにいまどきの子なら、普通に夜遊びじゃない?」
タイラント「そんなはずは無い。少なくとも約一名は、おいそれと出歩く人では無いからな・・・。」
アムト「普段出歩かない人が出歩く・・・この夜に・・・まさか・・・まさか・・・。」
タイラントくんが、そのセリフを聞いて何事かと問いただそうとしたときに、冥部の扉が勢い良く開かれました。
火神「タイラントさま!!!大変です!!!って、え・・・
   ・・・タイラントさま!なにやってるんですか!!そんなかわいい女の子と!!そんな近くで!!
   うらやましい・・・じゃない!!見損ないましたよ!!デスちゃんて人がいながrぷげぁ!!」
タイラント「お前どさくさ紛れにいらんこと言おうとしたろう。漬物石にしてしまうぞ。・・・。で、何が大変なんだ?」
火神「あ、そうですよ!!なんでも今、デスちゃん様とシェラハちゃん様が意識を失うほどのケガで病院に運ばれたとか・・」

タイラント「  な  ん  だ  と  !?」

言うやいなや、タイラントくんは地面を蹴り、凄まじい勢いで飛び出して行きました。
火神「速っ!!・・・ときにおじょうさん、お怪我はありませんk」
アムトちゃん「その人たちって、ここの住人の人かしら!まさかシンボル絡み・・・?こうしちゃいられないわーー!!
       あんたーー!!病院はどこなのよーー!案内してちょうだいよーーー!!」
火神はアムトちゃんに肩をつかまれ、がっくんがっくん揺られたため、またしてもセリフを全て言えませんでした。
88ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:04:16 ID:???
デス「・・・・・・う・・・うぅん・・・・」
シェラハ「あ・・・姉さん・・・・!姉さん・・・気付いたのね!」
デス「・・・ここは・・・私はいったい・・・」
バーバラ「ここはジェルトンの病院よ。貴方は妹さんと一緒に運ばれてきたの。
     全身を強く打ったみたいだけど、傷にはなっていないわ。頭を少々強く打ってしまったようだけど、もう大丈夫ね。」
シェラハ「よかった・・・よかったわぁ・・・」
バーバラ「さて、汗が凄いわね。さあ体を起こして。汗を拭くから、上を全部脱がすわ。
     ・・・ふふふ、綺麗な肌ね。お姉さん妬いちゃいそうよ♪」


DQNその1「へっへっへ、殺す?殺しちゃう??」
DQNその2「変な生物だからなぁ・・・殺っちゃってもいいんじゃね?」
スペクター「ひっ、ひいいいい・・・・」
スペクターくんの不安は、しっかり的中しておりました。と、病院の入り口あたりから凄まじい足音が一直線に向かってきます。
タイラント「邪魔だどけーーーー!!!!」
DQNズ「ばべらっ!!!!!」
DQN達を跳ね飛ばし、タイラントくんは一番奥の部屋、姉妹が入院している部屋に向かいます。
スペクター「・・・助かった・・・。あれ?今のは確かタイラントくん?」
そしてタイラントくんは、勢いに任せて、治療室の扉を思い切り開けました。


タイラント「デスちゃあーーーーん!!!」

・・・そこには、上半身裸で、汗を拭いてもらっている最中のデスちゃんが・・・。

タイラント&デス「「あ。」」

――――――――沈黙が場を支配しました。

そして、タイラントくんとデスちゃんの顔が、徐々に赤く染まっていきます。

タイラント「あ、えーと、その、ほら、いや、わざとじゃなくて、心配で急いだあまりその・・・」
デス「・・・お〜〜〜の〜〜〜れ〜〜〜は〜〜〜」
なぜか室内に雷鳴がとどろき、死への招待状のイントロがどこからともなく流れてきました。
デス「さっさと出ろーーーーー!!!」
おもむろにデスちゃんは、大鎌を投げつけました。ぐるぐると凄まじい勢いでそれは飛び・・・

さくっ。

・・・セルフバーニングは、射突は防g(略
89ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:05:40 ID:???
スペクター「おや??火神さん。タイラントくんなら、さっき血相を変えて走ってきたよ・・・って、誰その人?」
タイラントくんの後を追うように、火神が病院に入ってきました。しかし、火神の表情が明らかにデレきっています。
火神の背中には、アムトちゃんが乗っかっておりました。
火神「いやぁ〜〜〜女性を背中に乗せて運ぶ!うーんこれこそ男!そうは思わないかキミ?」
スペクター「背中に乗せるという時点で、牛馬と同じ扱いだと思うんですが・・・まぁいいです。
      タイラントくんならさっき慌てて病室に突っ込んでいったよ。その後すごい物音がしたけど・・・あ。」
スペクターくん達が病室前に行くと、腕に包帯を巻いたシェラハちゃんと、バーバラ先生がなにやら話していました。
シェラハ「あらスペクターくん、貴方たちが運んでくれたって聞いてるわ。ありがとうね。」
スペクター「シェラハちゃん!大丈夫そうだね!よかった・・・。デスちゃんは大丈夫なの!?・・・てか、なんで表にいるの?」
シェラハ「それは、ねぇ。」バーバラ先生「お邪魔な野暮天は嫌われるわよ、てね♪」
と、シェラハちゃんは肩をすくめ、バーバラ先生はウィンクしました。
90ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:06:31 ID:???
デス「あー、やりすぎたことは謝る。でも悪いのはおぬしだぞ。さっきの映像は忘れたか?」
タイラント「はい、忘れました。頭からの流血と共に記憶もがっぽり持っていかれた気がします。
      ・・・ま、あんなものを投げられるだけ元気があれば大丈夫そうだな。ある意味安心した。
      ――――しかしどこのどいつがこんなマネを・・・許さんぞ。必ず見つけ出し、焼き尽くしてくれるわ!今から震えて待っているがいい!!」
デス「・・・妹なんだがな。」
タイラント「何が?」
デス「サルーインに吹っ飛ばされたのだ。恐らくシェラハもそうだろうな。」
タイラント「はぁっ?・・・なーんだ。姉妹ゲンカか。だからプリンは人数分買っとけとあれほど・・・」
デス「そんなものではない!つーか『私のプリンを食ったろう!』でケンカになるか!!」
タイラント「・・・以前お茶うけの大福を食べられたとかで、サルーインの首を締めていたのは誰だったかな。」
デス「う・・・で、でも!あの様子はいつものサルーインとは違っていたような・・・。
   あいつはタカビーで粗暴で破壊行為大好きでナチュラルボーンデストロイヤーだが、
   なんだかんだで家族思いなヤツなんだ・・・少なくとも、私はそう信じていた。でも・・・」
そういうと、デスちゃんの顔が曇り、苦悶に満ちた表情になりました。そして・・・目の端に、涙が一つ、浮かび始めていました。
デス「サルーインは、あいつは、私が常日頃うるさく言っていることに、不満を募らせていたんだろうか?
   あいつは高慢で、勝負事が弱いくせに好きで、すぐ物を壊すけど心根は優しいヤツだったんだ。
   それが、シェラハまで容赦なく手にかけるなんて・・・サルーインが変わってしまったのなら、それはきっと私の責任だ。
   ――――ひどい話だ。私は・・・姉失格だ。・・・そうだ、こうしてはいられない。早く、サルーインを探さないと・・・」
デスちゃんが慌てて立ち上がろうとし、だけどすぐに頭がクラクラして、思わず倒れそうになります。
それを、タイラントくんが優しく抱きとめました。
タイラント「落ち着け。そんな状態では無理だ!」
デスちゃん「でも、早くせねばサル―インが・・・」
と、タイラントくんが、デスちゃんの頬を優しくなでて、ごく近くから、デスちゃんの眼差しを真っ直ぐ見据えました。
――――顔と顔が触れ合いそうなほどに、その距離は詰まりました。
タイラント「・・・大丈夫だ。サルーインはグレてはいないし、お前の今までやってきたことも、間違ってはいない。」
デス「でも、でも・・・そんな証拠はどこにもないではないか?」
タイラント「証拠なんて必要ない。わかるさ。お前はサルーインを信じているのだろう?そして、私はそんなお前のことを信じている。
      お前という人間を、お前がやってきたことを信頼している。お前は素晴らしい姉だ。私はそう確信している。」
そう言って、タイラントくんは指で、デスちゃんの目の端の涙をそっと、拭き取りました。
タイラント「だとすれば、そんな素晴らしい姉であるお前のもとで、サルーインがひねくれるものか。
      サルーインは今も変わらず、良くも悪くもシンプルなままさ。だから今回のことも何かの間違いだろう。
      きっと明日になればまた、いつものような高笑いと共に、学園に騒動を撒き散らすだろうよ。
      だから、お前のすべき事は3つ。しっかり養生すること。悲嘆にくれて自分を責めるのではなく、妹を信じて希望を持つこと。
      ・・・そして、サルーインが帰ってきたら、『おかえり』と言ってやることだ。少々の小言と共にな。」
デス「・・・・・・うん。わかった・・・不思議だな。おぬしの声を聞いていると、不安が薄れていくようだ・・・」
タイラント「やっと笑ってくれたな。お前はよく眉間にシワを寄せているが、やっぱりお前は笑った顔が・・・」

・・・『いちばん素敵だよ。』という言葉を、タイラントくんは心の中にとどめておきました。
91ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:07:27 ID:???
バーバラ先生「(青春してるわね〜〜♪)」
シェラハ「(あ、また一つ悲しい話を思いついちゃった。どっちも『ただの友達』なんて言い張ってるくせに、
     どうみてもBKPな2人の話。あ、ちなみにBKPってのはバカップルの略よ。発音は『バカッポー』でお願いね。)」
火神「(これは面白い♪・・・しかし、盗み聞きしてるのがバレたら、後で地獄巡りの目に遭わされるな・・・)」
スペクター「(サルーインちゃんは今やアムトのシンボルとかいうモノに・・・。うぅ、言えない、言えないよそんな事・・・。)」
アムト「・・・あの人の妹さんが、シンボルになったのね・・・」
ぼそりと呟いたアムトちゃんの言葉に、全員の注目が集まります。バーバラ、シェラハちゃん、火神は「?」という顔でしたが、
スペクターくんだけは驚愕の表情でした。「・・・なんで、シンボルのことを!?」
アムトちゃんは、意を決してドアを開けました。
バーバラ先生「あ!ちょっと今開けたら・・・!」

タイラント&デス「!!」
ドアが開くと同時に、どささささっ!!という音とともに、5人が折り重なるように部屋に転がり込んできました。
タイラント「・・・ほーお。盗み聞きとは、いい趣味を持ったな?えぇ火神よォ!?」
火神「(お、俺だけピンポイント爆撃ーーー!?)」
アムト「あのぅ・・・あなたがお姉さんですね?」
デス「そうだが・・・そういうアナタは誰かな?」
アムト「私・・・アムトといいます!実は妹さんのことで」
スペクター「アムトだってええええええええええええ!!!!!」
と、スペクターくんが素っ頓狂な声をあげました。あたふたと頭をかきまわし、考え、そして時計と、窓から映る月を交互に見比べました。
――――時間がない。しかし、ここで詳細をバラしたら、デスちゃんやシェラハちゃんをさらなる悲しみと絶望に・・・。
シェラハ「どうしたのスペクターくん?・・・サルーイン姉さんのことについて、何か心当たりでも・・?」
スペクター「エ?あ、アハハハ。いやぜんぜん。ボクまーったく心当たりがないやぁ。ところでえーとアムトさん?ちょっとあっち行きましょ、あっち。」
そう言って、スペクターくんはアムトちゃんの背中を押して、病室から出て行きました。
火神「コラコラそこのキミ。抜け駆けはいけないなぁ。私もお嬢さんといっしょにぷげあ!!」
タイラント「ま ぁ ゆ っ く り し て い け 。なぁ盗み聞きくん?」
火神「おーのー!!」
シェラハ「まったく・・・何事かしらね。ところであの人だれか知ってる?」
デス「アムト・・・生徒会にそんな名前のが居た気もするが・・・。」
タイラント「・・・生徒会のメンバーだったのか。それが何故冥部にいたか・・・ふむ・・・」
92ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:08:15 ID:???
アムト「ちょちょちょちょっと!何よ!?あ、あんたもまさかあたしのことをーーー!」
スペクターくん「お願いです!あの姉妹にはシンボル化のことは言わないであげてください!!これ以上傷つけたらかわいそうです!!
        そして・・・サルーインちゃんを、助けてあげてください!!シンボル化を解除してください!!!」
病院の表に引っ張り出されたアムトちゃんに、いきなりスペクターくんが土下座をしました。
アムト「ちょっとあんた・・・そういえばさっきもシンボルのことを知ってたわね。教えてくれない?あなたの知ってることを。」
そして、スペクターくんは、アルから聞いた全てのことを話しました。
アムト「そんなことに・・・・アルは一足先に向かったのね。」
スペクターくん「サルーインちゃんを、シンボル化から元に戻す方法はないんですか!?」
アムト「融合のタイムリミットを過ぎるまで待つか・・・もうひとつは、シンボルに込められた月の光を強制的に抽出して、合成してしまうこと。
       こうすれば、シンボル同士を合体させる必要はなくなるわ。」
スペクターくん「そんないい方法があったなんて!ならすぐにお願いします!!」
アムト「条件が厳しいの。一つ、2つのシンボルがすぐ近くにあること。一つ、月が交わる、その直前であること。
       そして最後の一つ。私とエリスが、その場に行くこと。」
スペクター「ほんとに、ギリギリの条件なんですね・・・。」
アムト「エリスは頭のいい子だから、きっとジャングルに来てくれるわ。あとは私もいかなきゃだけど・・・今から間に合うの?」
スペクター「それは・・・うぅ、もう時間が・・・。どこか乗せてくれそうな船があれば、ひょっとしたら・・・。」
一縷の望みをかけて、二人はジェルトンの波止場に向かいました。

ジェルトンの波止場。海に向けて桟橋が伸び、その下には砂浜が広がっています。
――――そこに、とんでもない光景が広がっておりました。

空間が渦巻き、ぽっかりと穴があいています。そこからとめどなく、肉シリーズ達がジェルトン港に降りてきました。

アムト「な・・・なに・・・こいつら・・・モンスター?そんな、こんな大量の・・・」
スペクター「・・・肉の壁ども・・・。」

と、穴からひょっこりと、ゴブリンメイジャンが顔を出しました。

「ヤハリ セージサマノ オッシャッタトオリ。念ニハ念ヲ。エリスハ 多数ヲ相手ニデキル弓使イ。
 対シ、アムトハ、大勢ヲ消ス術ヲ持タナイ・・・。殺シハシナイ。シンボルガ無効ニナルト困ル。シカシ・・・ジャングルニモ寄ラセナイ!」
 
歯噛みするアムトちゃんとは正反対に、スペクターくんの目が輝きました。
スペクター「(あれはゲート・・・あの先にある植物はジャングルのもの!!道が・・・道ができた!!)」
93ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:09:06 ID:???
アムト「やられるもんですか!!えいーー!!」
肉の壁「術・・・?じゃない!壷だーーー!!ウボアー」
スペクター「(意外と善戦してるな・・・よし、今のうち!)」
スペクターくんは、魔族特有のワープを繰り返し、肉シリーズの上をひらひら飛んでいきます。
メイジャン「ドノミチ間ニ合ワナイダロ。肉ト遊ンデロ」
そしてゲートが閉じていきます。しかし、完全に閉じきるその直前に、スペクターくんがジャングル側に、スルリと入り込んできました。
その直後、まるでVTRの巻き戻しのように凄い勢いでゲートが開いていきました。
スペクター「おおおおおお!!」
ジャングル側から、スペクターくんがゲートに両手を向け、雄たけびを上げ続けています。
メイジャン「ナ・・・・ゲートヲ操作デキルトハ・・・!貴様、ジャマヲスルナ!」
バキィッ!!メイジャンが、鈍器でスペクターくんを後ろから打ち据えました。
スペクター「くっ・・・くそおおおお!!負けるかああああ!!アムトちゃん!手は貸せないけど、なんとかこっちまで来てくれ!!
      ・・・ゲートは開けたサイドからしか操作できないんだ!!」
アムト「ちょ、んな、なんとかったって・・・きゃっ、このっ!」
メイジャン「ソウ。ダカラ、ゲートヲ開ケヨウトスレバ ワタシニ無防備ナ背中ヲ晒シ続ケルトイウコトダ」
バキッ!ベキッ!ドガッ!!鈍器とロッククラッシュがスペクターくんを叩きのめします。
メイジャン「頑張ルナ。無駄ナコトヲ・・・何ガソコマデ駆リ立テル?」
スペクター「・・・かけがえの、ないものだからさ。いろいろあって、うまくいえないけど・・・ 
      セレブ3姉妹や、ミニオン3人組と過ごした日々は、とっても楽しかった。今まで感じたことも無い、宝石のような日々だったんだ。
      でも、もしもサルーインちゃんが失われてしまったら。もうあの楽しい日々には、二度と戻れない気がする。
      姉妹やミニオンズに悲しい爪あとを残して、もう、無邪気に騒いでいた時は、二度と帰ってこない。
      お前たちにわかるのか!!かけがえのないものを失う悲しみが!かけがえのないものを傷つけられるくやしさが!!
      ・・・だから、ボクはアムトちゃんを、ジャングルまで・・・なんとしても・・・」
アムト「キミ・・・・。!っきゃーーー!!」
アムトちゃんが一瞬の隙をつかれ、両側から肉の壁に羽交い絞めにされました。
スペクター「アムトちゃーーーーん!!くそ・・・くそ・・・ボクは・・・なんて無力なんだ・・・」
メイジャン「ヤット身ノホドヲ知ッタカ。オイ肉ノ壁、ソッチカラ槍を投ゲロ。コノチビヲ串刺シニシテシマエ」
肉の壁が2体、ゲートの側に寄ってきました。槍を投擲する構えをして。
・・・その時、声が聞こえてきました。
94ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:10:14 ID:???
「無力なんかではないぞ。」「そうそう。豚どもよりよっぽど漢だぜ。」「よく頑張った!感動した!」
直後、凄まじい音がしました。アムトちゃんが思わず目をつぶります。すると、アムトちゃんの両側を捕まえていた手が急激に緩みました。
目を開けてみると、両側にいた肉の壁の頭に、それぞれ岩の塊のような拳がめりこんでいます。
炎神「2連携、岩獣・・・」火神「・・獣拳!てね。お嬢さん、お怪我はありませんかな?むふふ。」
アムトちゃん「ありがと。あなたはさっきの人ね。」とお礼を言いました。・・・炎神に向かって。
火神「おぉぉのぉぉぉぉ!!」炎神「仕方ないだろ。素人じゃ区別はまずムリだって。」
スペクターくん「あの人たちは・・・てことは!」
と、肉の壁の集団の一角に異変がおこりました。空気を切り裂く音、悲鳴、巻き上がるのは赤い血と、肉片。
その、局地的な赤い竜巻は徐々にゲートに近づいていきます。
メイジャン「ウ・・・ソノチビヲサッサト殺セエエエエ!!!」
しかし、槍が投げられるよりも速く、肉の壁の集団から赤い竜巻が、まるで獣のように飛び出してきました。
その赤い竜巻は、構えた武器を振り下ろしました。直後、槍を投げようとしていた肉の壁達が、爆ぜた果実のように、赤黒い血達磨と化して転がっていきました。
タイラント「・・・間に合ったか!!スペクターくん。まだ生きてるか?」
スペクター「タイラントくん・・・!なんで?」
タイラント「お前さんの嘘は解り易すぎるぞ。サルーインがどんな状況か知っていて、デスちゃん達を心配させまいとしたんだろ?」
スペクター「・・・タイラントくん達が来たって事は・・もうデスちゃんやシェラハちゃんにもバレちゃった?」
タイラント「いや。私も心配させたくないんでな。同じく嘘をついて出てきたよ。3人で連れションしてくると言ってきた。」
スペクター「・・・もっと適当な嘘は無かったんですか・・・そうだ!さぁアムトちゃんこっちへ!!」
メイジャン「ク・・・クソオオオ!ソノ女ヲ寄セルナーー!!!」
タイラント「・・・だとさ。火神、炎神、アムトをここまで届ければ良いらしいぞ。」
メイジャン「・・・クッ!!肉ドモ!囲メ!狩レ!!」
大勢の肉シリーズが、大挙してアムトちゃんのもとに向かっていきました。
アムト「うっわ、大量にきたわーー!!どうしましょーー!!」
火神「おーおーオッカナイねぇ。・・・でも馬鹿だねぇ。」
炎神「だな。おーい豚ども。お前たちが背中を向けている相手は・・・もっとおっかねぇぞ。」
ゲートの側にいるタイラントくんが、おもむろに君主の大斧を構え、態勢を低くとりました。
タイラント「 火 車 」
再び、赤い竜巻が肉シリーズの背後から襲い掛かります。肉シリーズは混乱をきたし、統率が乱れてめちゃくちゃになりました。
メイジャン「ク・・・私ハ撤退シタ方ガ良サソウダ。・・・ゲートヲ、自動終了ニシテカラナ!!」
メイジャンが手をかざすと、ゲートが少しずつ小さくなりはじめました。そのままメイジャンは後じさりし、ジャングルの闇の中に消えていきました。
スペクター「く・・・持ちこたえられない!!急いで!!」
ゲートがどんどん小さくなっていきます。もうマンホールくらいの広さもありません。
アムト「待ってて、あと少し・・・えい!!」
アムトちゃんが、ジャンプして頭から突っ込みました。丁度アムトちゃんの全身が抜けた直後に、穴はまた一回り縮みました。
アムト「やったぁ・・・ついにジャングルについたわーー!!」
アムトちゃんがスペクターくんを抱きしめて、ぐるんぐるん振り回しています。
スペクター「やりとげた・・・やったよ・・・ボク・・・。」
95ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:11:14 ID:???
穴はまた縮み、もはや腕が一本通るくらいの幅しかなくなっています。
火神「・・・これではもはや、私たちは通れませんね。」
タイラント「スペクターくん・・・私には、正直何がどうなっているのかはサッパリわからない。
      ただ、サルーインが危ないこと。そして、それを助けるためにお前たちが行くということはわかる。
      それがわかっていながら、何もしてやれないとは・・・我ながら情けない。」
スペクター「うぅん。そんなことないよ。ボク、がんばってきっとやり遂げてみせるよ。
      だから、タイラントくんには、デスちゃんやシェラハちゃんにもしもの事が無いように、守ってあげてて欲しいんだ。
      ・・・もう、ボクの帰る場所は、あそこだから・・・。」
タイラント「あぁ。わかった。・・・私がお前たちにしてやれるのはこんなこと位だが・・・こいつを持っていけ。」
おもむろにタイラントくんは、ゲートの穴に手を突っ込みました。その手から炎が生まれ、何かを形づくり、ジャングルの地面に落ちました。
・・・それは、2振りの炎のロッドでした。
タイラント「それは細剣だが術具でもある。炎の初歩的な術なら問題なく行ける。火の鳥も撃てるが、ムチャをすると壊れる。気をつけろよ。
      ・・・スペクターよ。私たちは今、同じ目的のために戦った。つまり、もはや我々は隣人でも知人でもない。・・・『戦友』だ。」
スペクター「戦・・・友・・・。」
タイラント「そう。で、戦友ってのは共に戦い、戦い抜いたあとに、うまいメシと酒で乾杯をするものと相場が決まっている。
      ・・・だから死ぬな。絶対に。必ず生き延びろ!」
スペクターくんが、両手に炎のロッドを持ち、力強くうなずきました。それを見て、タイラントくんはニッ、と笑い、
タイラント「全てが丸く収まったら、私のおごりだ。デスちゃんたちも交えて、食事にいくぞ。いいな。」
スペクター「うん・・・うん!」
そして、ゲートはまた縮み・・・ついには完全になくなってしまいました。
炎神「タイラントさま。」
タイラント「あぁ。豚どもがまだ残っているな・・・一匹も逃すな。行くぞ!」
96ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:12:19 ID:???
【そして現在の時刻】

スペクター「・・・ていう経緯があったんだ。」
アムト「そして、いよいよもって時間が無いの。」
ストライフ「ウダウダやってるヒマはないな。」
と、ジャミルくんがプルプル震えています。
ジャミル「・・・武器。」
スペクター「?」
ジャミル「・・・武器くれええええ!!その武器貸してくれ!!一本でいいから!!!」
スペクターくんは一瞬とまどいましたが、やがて微笑み、炎のロッドを一本、ジャミルに渡しました。
スペクター「これで、君とも『戦友』だね!」
ジャミル「おうよ!!・・・やっぱ俺はツイてるかもしれねぇ。手に入った武器が、なんつっても細剣だからな!!
     ・・・あの銀仮面ヤロウ、覚えてやがれよ・・・次はこっちも容赦しねぇ!!
     アル、つーわけでこれ返すよ」
アル「あ、オレの牙・・・って汚!血ィついてるじゃねーかよーーーー!!ふざけんなーー!!」
ジャミル「だーーー!しょうがねーじゃねーーーかーーー!!!今日はオレ、巻き込まれ型だったんだからなーー!!」
ストライフ「さっさとしろ虫けらああああ!!」
ジャミル「(だからなぜオレにだけ・・・)」


エリス「で、本当なの?アムトがジャングルに現れたって!!」
水竜「あぁ!!水の精霊から報告が入った。どういう経緯で来たかはわからないがな!!だがラッキーだ!!」
ゲッコ族の怪訝な視線もなんのその、水竜くんは、ジャングルの川面を滑るように移動しています。
エリスちゃんは狼化して、水竜くんの頭にのっておりました。
エリス「確かにこれは速いわね・・・でもそろそろ奥地に入るわ。川は無いんじゃないの?」
水竜「心配無用!!見ててねーー!!」
と、水竜くんは川に浮かぶ適当な大きさの板切れを拾い上げました。そのままスピードを落とさずに川岸に近づいていきます。
エリス「きゃ、ぶつか・・・」
水竜「ハイドラスフォールズ!!!」
水竜くんが手をかざした瞬間、ジャングル一面が氷に覆われていきます。
そして水竜くんは水から飛び上がると空中で板を踏み、スノーボードのようにして、スピードを殺さずそのまま滑っていきました。
エリス「へーえ、やるじゃない!ちょっと見直したわ!」
水竜「当然!!モテそうなスポーツは全て抑えてあるからな!!わはははははは!!!」
エリス「・・・前言撤回。」


かくして、ミルザとオイゲンとジャミル。ワイルちゃんとストライフちゃんとヘイトちゃん。
二つの月のエリスちゃんとアムトちゃんとアル。水竜。スペクター、おそらくはサルーインちゃんも・・・
皆、ジャングルの奥地を目指し、あるいは到達していきます。役者は揃いつつありました。

そして、月の重なるタイムリミットは、刻一刻と近づきつつありました。
97ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 04:15:36 ID:???
とりあえずジャングル外の話、投稿完了です。遅くなってごめんなさい。
スペクターとアムトをジャングル入りさせ、ジャミルに武器を渡して、あとの姉妹のフォローも・・・ってやってたらこんなになっちまいました。
さぁ次はミルザと死神で戦闘バリバリだー!
98ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 16:54:36 ID:???
乙。
よく頑張ってくれた。ホント乙。
スペクターはもう完全に人間っぽく染まったな。
少し前まではまだちょっと冷たさ残ってるというかサバサバしてる感じだったけど。
つまりカッコヨス。メイン武器が壷のアムトもw壷スキルってミンサガにあったっけ?
続きも頑張って。
99ゲーム好き名無しさん:2006/05/05(金) 21:23:42 ID:???
100ゲーム好き名無しさん:2006/05/06(土) 17:32:15 ID:???
スペクターは魔族じゃなくて不死です。
でも乙
101ゲーム好き名無しさん:2006/05/06(土) 21:14:56 ID:???
スぺクターカッコいい!乙です
102ゲーム好き名無しさん:2006/05/06(土) 22:25:26 ID:???
先に書くのはあれだが、武闘派の純粋な悪役はいまソードスレイブだけだから、ソードスレイブはまだ死ぬのは早いな
クビンとかブッチャーとかマックスとかはいつ消えてくれてもいいよw
嘘。ごめん。
103ゲーム好き名無しさん:2006/05/07(日) 02:20:55 ID:???
マル学を新都社に連載してくれる絵師さんいないかな・・・
104ゲーム好き名無しさん:2006/05/08(月) 13:09:08 ID:???
マル学、ってなんかの会社名みたいだな。
105ゲーム好き名無しさん:2006/05/11(木) 13:11:54 ID:???
十日だろうが二日だろうが俺は待つぜ?
10697:2006/05/15(月) 01:56:35 ID:uLIcHwZg
遅くなりました。すいません。ではいきます。
107ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 01:57:17 ID:uLIcHwZg

さて、ストライフちゃんとアルがジャミルの方へ走っているその一方で・・・

ワイル「はぁ、はぁ・・・」
ヘイト「も・・・もう走れなぁあぁぁlfjぁjfぁいい・・・」
ワイル「猫ちゃんと、ストライフちゃんはさすがに速いですねえ・・・ぜぇぜぇ」
ヘイト「あたしは頭脳派だからぁあぁぁぁぁもう無理ぃぃぃぃ走りたくないよぉぉぉおお!」
ワイル「あーもう座り込まないでください!こんなことしている間にもサルーインちゃんは・・あぁ・・・」

「・・・ハヤク・・・ハヤク・・・」

ワイル「? 今何か聞こえたような・・・」
ヘイト「んあ?何よう。ついにワイルちゃんも電波キタ?ゆんゆんしちゃったあああljkぁ?」
ワイル「・・・ヘイトちゃんに言われた・・・。で、でも、確かに聞こえてきたんですよ。
    あ、あれは!!」

サルーイン「ピラミッド・・・シンボル・・・ユウゴウ・・・」

丁度2人が見下ろす形となるあたりを、サルーインちゃんがふらふらと歩き・・・いや、浮遊して、ホバーのように移動しています。
その視線は虚ろに。そしてその歩みはただ一直線に、ピラミッドの方角を向いておりました。

ヘイト「浮き上がって水平移動してるわぁ・・・。確かにこれならカナヅチとか関係ないわねぃ・・・」
ワイル「あぁ・・・サルーインちゃんさmムゴグガッ!?」
飛び出そうとするワイルちゃんを、ヘイトちゃんがタックルをしてとっ捕まえました。
ヘイト「落ち着きなさぁい。アンタ忘れちゃったのぉぉfjl?デスちゃんさまとシェラハちゃんさまがどうなったか。」
ワイル「あ・・・。」
ヘイト「明らかに様子がおかしいわぁ。今のまま私たちが行っても、ボコボコにされちゃうわぁあああ。」
ワイル「それじゃ、どうすれば!?」
ヘイト「猫ともはぐれちゃったしぃ。手がかりはサルーインちゃんさまのみだし・・・
    とりあえず尾行して様子を見るのがいいと思うわあljふぁjldjふぁ〜〜」
ワイル「・・・とりあえず、今はそれ以外に手段は無さそうですね。
    でもこの赤いセーラー服だと、目立ちそうですね〜〜。」
ヘイト「ひょほほお〜〜〜fjかfl そんなアナタに、アタシの変装☆グッズあげるわぁあ〜〜!!」
ワイル「・・・ヘイトちゃん。ひょっとして変装グッズって、その頭に挿してる木の枝2本のことじゃ・・・」
ヘイト「?」
ワイル「あ・・・いや、もう何もいいません。そんな汚れを知らない幼子のような純粋な目で、
    『そうですけど何か?』と訴えるのはやめてください。では、追跡開始しますよ!」

そして2人は、サルーインちゃんと付かず離れずの距離を維持しながら追いかけていきました。

108ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 01:58:08 ID:uLIcHwZg

【ピラミッド前】

オイゲン「ちきしょう!!こいつら一体何匹いるんだ!!全然減らねぇぞ!!」
ミルザ「がんばれオイゲン!確実に数は減らしてるんだ!気を強くもつんだ!!」
カヤキス「叫べば敵が減るのならば、いくらでも叫ぼう。しかし実際は、無駄なカロリーを消費するだけだ。
     浅はかだな。プッ。」
オイゲン「・・・(ビキビキビキビキッ)」
ミルザ「あ、オイゲンの太刀筋が鋭さを増した。怒ってるなぁ・・・」

「へ〜〜〜〜え。さっきは消化しそこねたけどよぉ。新鮮なのが揃ってるじゃねェかよォ〜〜〜」

ミルザ「!」

突然、炎を帯びた大型剣が地面から突き出されてきました。
ミルザは反射的にのけぞり、その一撃を紙一重のところで回避しました。

「あぁ?また避けやがったかよ。まーいぃぜ。ツラぁ拝む前に首ィ跳ね飛ばしても、余韻が残らねェだろうからよォ。」

オイゲン「地中から・・・だと!?」
ミルザ「誰だ!!」

「あ”ー?んだテメェ。人に向かっていきなり『誰だ!』だってか?ウゼェ野郎だなぁ。俺の嫌いなタイプだぜ・・・」

――――地中から骨ばった両腕が。銀の仮面が。そして、ボロを着込んだ腐臭を放つ体が。
「そういやぁ自己紹介ってヤツ?がまだだったかよぉ。一応紹介しといてやっか。」
――――その男は、炎を帯びた大剣『羅刹の剛剣』だけを握り締めて。仮面のせいで表情は一切うかがい知れません。
「俺の名前は『ソードスレイブ』六将魔が一人よ。まぁ教えなくても良かったんだがよ。なんせテメーラは・・・」
――――しかし、全身からにじみ出る『死』の気配で、重要なことは全てわかりました。
「これから死ぬんだからよォ!首を飛ばして!胴をブッちぎって!脳漿まきちらしてよォ!!げひゃひゃひゃひゃ!!」


―――――こいつは、ヤバい。
109ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 01:58:51 ID:uLIcHwZg
ミルザ「オイゲン!」
オイゲン「あぁわかってる!こいつはさっきまでのザコモンスターとは格が違う!!」
ミルザくんとオイゲンくんが、武器を構え直します。それを見て、ソードスレイブの目がキュウッと細まりました。
ソードスレイブ「いくぜえええああああああああ!!アッパァァァァァスマッシャアアアアアアア!!!!」
ミルザ「!」
ソードスレイブが地面を思い切り蹴り、一瞬の踏み込みでミルザくんの懐に入り込みました。
そこから、思い切り大剣を振り上げます。ミルザくんはレフトハンドソードでそれを受けようと構えました。

ガキィィィン!
ミルザ「うわあっ!!」
オイゲン「ミルザーー!!!」
ソードスレイブは、ガードしたミルザくんに構わず、そのまま剣を振り上げました。
その勢いで、ミルザくんが後方に弾き飛ばされます。
オイゲン「てめえ!!くらいやがれ!!」
吹き飛ばされたミルザと入れ替わるように、オイゲンが突っ込み、立て続けに突きを放ちました。
そのうち一撃が、ソードスレイブの胴を射抜きます。
オイゲン「・・・やったか?」

ソードスレイブ「  残   念   」

胴を刺し貫いたウコムの鉾を、ソードスレイブが凄まじい力で掴みました。
オイゲン「んなっ!?」
そのまま鉾をずぼっ、と引き抜いて、オイゲンくんごと横に思い切り投げ捨てました。
ソードスレイブ「俺の体は既にほとんど骨。穴だらけでよぅ。刺されても感じネェのさ。へへへ・・・」
そしてソードスレイブは、剣を引きずりながらミルザに近寄っていきました。
体を起こし、ミルザくんがレフトハンドソードを構えます。
するとミルザくんの横手から、肉の大地が一匹、突然飛び込んできました。
ミルザ「伏兵か!!」ミルザくんは素早く横に飛び、その奇襲を回避しました。
ソードスレイブ「うぜぇな。出てくんじゃねぇよ豚が!!」
と、ソードスレイブは大剣を大きく振りかぶりました。
肉の大地「!!」
一閃。ソードスレイブはミルザくんめがけ、肉の大地を巻き込んで大剣を叩きつけました。
ミルザくんの眼前で、肉の大地が真っ二つに千切れ飛びます。
ソードスレイブ「あぁうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇえええええ!!!」
そのままソードスレイブは、狂ったように大剣を振り回しました。
当たれば即死なその一撃を、ミルザくんとオイゲンくんは巧みにかわしていきます。
しかし、単純で鈍重な肉シリーズ達は、どんどん巻き込まれて、真っ二つにされていきました。
ミルザ「見境なし・・・なんてヤツだ!!」
オイゲン「あの剣をあのスピードで・・・今の状態で受けるのはヤベェ。くそ、ザコ相手に神雷撃ちすぎたか・・・。」
ミルザ「しかしカヤキスに、あの大量のモンスター軍団に、そしてこいつ・・・敵も本気だね。
    ・・・そうえば、カヤキスが消えてる・・・」
オイゲン「あ、居ねぇ!まぁ当然か。ヤツも将魔だもんな。・・・あれ、ジャミルも居ない。」
110ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 01:59:49 ID:uLIcHwZg
――――少し離れたジャングルの中にて
カヤキス「あのゴブリンの姿は見えんが、『死神』がとうとうココに来たか。今私が出るのは余り得策ではないな。
      将魔にまで、私が肉シリーズを狩っていたことが知れたら、もう魔の島への潜入は続けられまい。
      ・・・しかしあのゴブリン。私の正体に気付いている感じだが・・・まぁ向こうがボロを出すまでしらを切りつづけるさ。」

――――ピラミッドの裏側にて
セージ「(くそ!『死神』の大馬鹿め!お前が殺しちゃ意味ないじゃないか!!
     サルーインは確実に近づいているはず。だが肉シリーズの数がもつか・・・。
     最悪、モンスター作成は諦めて石だけでも確実に回収しなきゃねぇ。
     やれやれ。ボクは前線に出るタイプじゃあないんだよなぁ。石の実際の回収なんて、死神みたいな頭カラッポなやつにやらせりゃいいのに。
     ・・・まぁどの道、メイジャンと肉達がアムトの邪魔をしているはずだ。
     アムトさえ来なければ、アムトのシンボルはずっとサルーインのまま・・・。ウフフフ。どう転んでも絶望だよミルザ!)」


――――再びピラミッド前
ソードスレイブ「あぁ?ジャミルぅ?・・・あーさっきの羽帽子のヤツか。なんだ。探してんのか?へへへ・・・」
そのソードスレイブの一言で、ミルザくんとオイゲンくんの動きが止まりました。
オイゲン「てめぇ・・・なんでジャミルの格好を知ってやがる!!!」
ソードスレイブ「あー。そりゃ決まってんじゃネェか。先に会ったからだろうが。
          面白かったぜェ。ぎゃーぎゃー泣き喚いてよォ。あれこそ無様!つーのか?
          ・・・まぁあんな離れた所で逃げ隠れて震えてるようなヤツ、死んでもいいんじゃね?げひゃひゃひゃひゃ!!」
ミルザ「・・・黙れ。」
ソードスレイブ「あ”?俺の聞き間違いかァ?なんかゴミ虫が、黙れなんてよぉ。イキがったセリフ吐いたのか?あ?」
ミルザ「聞こえなかったのか?・・・その臭い口を今すぐ閉じろと言っているんだ!!!
     お前たちはなんだ!何様のつもりだ!!人を道具にして!人を簡単に殺して!
     ・・・僕の大切な人や、僕の友人達を・・・許せない!!」
111ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:00:50 ID:???
ソードスレイブ「スゲェ寝言だなぁ!!ウケたぜテメェ!!!!」
ソードスレイブが思い切り突っ込み、大剣を突き刺しにいきます。
ミルザくんは素早く横に回避したため、大剣はそのままミルザくんの背後に居た肉の壁を刺し貫きました。
ソードスレイブが、ニヤリと笑いました。
ソードスレイブ「ちょこまか逃げ回ってんじゃネェよこのヘタレがああああああ!!!」
ソードスレイブは、体を思い切り回転させ、大剣を横なぎに振りました。
突き刺さっていた肉の壁の死体が、ミルザくんに向け飛んでいきます。その後を追うように、ソードスレイブも走り出しました。
しかし、ミルザくんはその場から動かず、目をかっ!と見開きました。
ミルザ「剣閃!!」
ミルザくんが抜き放った剣閃は、そのまま肉の壁の死体を両断し、なお威力を殺さずにソードスレイブに向かいました。
ソードスレイブ「!!」
とっさにソードスレイブは大剣を盾にし、剣閃を受け止めました。
しかし、ミルザくんもまた、すでにソードスレイブの眼前に迫っていました。
ダッシュした低い体勢のまま、ミルザくんがソードスレイブの足を横なぎに切り付けました。
ソードスレイブ「ぐあっ!!」
ミルザ「まだ浅いか!でもこのまま押し切ってやる!!」
ミルザくんは、剣の打ち込みの速度をますます上げていきました。
ソードスレイブは、大振りの大剣を構える隙を作れず、一方的に受けていきます。

しかし。

ソードスレイブ「ぐ・・が・・・調子コいてんじゃネェ!!!」
そう吼えると、ソードスレイブはおもむろに大剣を両手から放りました。大剣が一瞬空中に浮かびます。
ソードスレイブ「 羅 刹 掌 !!!」
そしてソードスレイブは、その大剣を思い切り殴りつけました。
その衝撃で、大剣が凄まじい勢いで回転しながらミルザめがけて飛んでいきます。
オイゲン「危ねぇ!!」
とっさにオイゲンくんが、横からミルザくんに飛びつきました。
地面に倒れこむ二人の上すれすれを大剣が飛んでいき、そのまま木を何本かなぎ倒していきました。
ソードスレイブが地面に再び潜っていきます。ミルザくんとオイゲンくんが立ち上がりました。
ソードスレイブ「おーおー頑張るネェ。だが解るぜ。お前ら疲れてきてやがんだろォ?
          ツラいか?キツいかよ?じゃあ楽にしてやるぜェあひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」
ソードスレイブは、大剣の落ちている場所に地中から現れました。そしてニヤニヤと笑っています。
オイゲン「野郎・・・調子こきゃあがって!!」
ミルザ「くそ・・・このままじゃジリ貧だよ!一気に決めるしかない!!
     オイゲン・・・・・・『あの連携』をやろう!」
オイゲン「え?あれかよ!?まだ成功率も低いし、なにより実戦で使ったことねぇぞ!
      ・・・けど、もう迷ってられねぇってか。いいぜ!やってやらぁ!!」
ソードスレイブ「よーぉカスども!女みてぇなお喋りはもう終わったかァ!?
          じゃあ次は俺様がテメーラを女みてぇにヒーヒーいわせてやるぜ・・・苦痛と恐怖でなあああ!!
          払車ァァァアアア剣!!」
ソードスレイブが大剣を構え突っ込んできます。
その通過した軌跡に沿って、衝撃が走りました。肉シリーズがまたいくつも切り裂かれていきます。
オイゲン「ぐああっ!!くそ、スゲェ剣圧だ!!もう受けきれなくなるのも時間の問題だぜ!!早くこっちも・・・」
ミルザ「ダメだオイゲン!闇雲に仕掛けても上手く連携できない!隙を作らなければ・・・きっかけ。きっかけさえあれば・・・。」
112ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:01:35 ID:???
ミルザとオイゲン、そしてソードスレイブが、無言のまま、じわじわと距離をつめています。
空気が重く、澱んだような感覚がします。まるで大気が全て、殺気で黒く塗りつぶされてしまったかのような――――

と、声が聞こえました。

「ミルザ」
ミルザ「あぁ、動きは一見メチャクチャなのに隙が見当たらない!」
「おいミルザ」
ミルザ「一瞬、一瞬だけでいい。あいつの意識を外に逸らさないと・・・」」

「聞いとんのかこぉの貧乏人がああああああ!!!!」
ミルザ「うひぃっ!?」

突然の罵りの言葉に、驚きと焦りと軽い快感を感じながら、ミルザくんはソードスレイブの動きに注意したまま辺りをうかがいました。
バカだのアホだの貧乏人だのという言葉が、ミルザくんの胸元から聞こえてきます。
ミルザくんは胸元を覗いて見ました。
「・・・やっと気付いたか、相変わらず鈍感だなこのバカミルザ。アハアハアハハハ!」
胸元に下げられたアクアマリン。そこから半透明で、妙に小さいサルーインちゃんの上半身が、まるでアクアマリンから生えているように飛び出していました。
ミルザ「ほぇ!?へ?ええええ!?サ、サルーインちゃん!!え!?何これ!?ジャングルにのみ生息する希少なキノコとか!?」
サルーイン「人を粘菌とかと一緒にすんなヴォケ!!!いいか?私は今、なんでかは良くわからんが、とにかくピンチなのだ。
        しかーし!そこは賢い私!本能のまま・・・違う!冷静な判断で、『精神』を肉体から切り離すことに成功したのだ。」
ミルザ「・・・ひょっとして、さっきボクを起こしてくれたのは・・・?夢とかテレパシーとか、はたまたチャネリングかと思ってたよ。」
サルーイン「なんだ気付かなかったのかバカめ。精神だけ切り離したのはいいが、その状態でいるのは非常にツラかったのだ。
        そこで、私はアクアマリンの存在を感じ取り、そこに向かったのだ。」
ミルザ「・・・どうして?」
サルーイン「・・・アクアマリンの存在だけは、強烈に解ることが出来たからだ。理由はわからん。
        ただ、糸石の魔力を流用すれば、精神体を維持することがグッと楽になることに気付いたのだ。
        まーそれで、ねぼすけの貴様を叩き起こしてやったあと、この石の中に入ってたんだ。・・・あ、ミルザ。」
ミルザ「な、なに!サルーインちゃん!!はぁはぁはぁはぁ!!」
サルーイン「・・・よけるか防ぐかしろ。さもないと首が飛ぶぞ。」
ミルザ「へ・・?うぉあ!!!」
アクアマリンから目を離したミルザの前で、ソードスレイブが大剣を振りかざしていました。
間一髪、転がるようにしてその一撃を回避します。サルーインちゃんはそのミルザの格好を見てゲタゲタ笑っていましたが・・・

・・・やがてボツリと、寂しそうに言いました。
サルーイン「だけどこんな小っちゃい石の中にいるのも飽きた・・・そろそろ戻りたい。」
ミルザ「サルーインちゃん・・・」
113ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:02:23 ID:???
ミルザ「サルーインちゃん、心配しないで。ボクが必ず、君を守ってみせる!元にもどしてあげる!!」
サルーイン「・・・・・・アハ、アハハハ!当然であろう!お前はキリキリ働けばいいのだ!わたしのためにな!!
        で、どうやって守ってくれるんだ?今のお前にそんな余裕があるようには見えないぞ?」
ミルザ「うっ・・・いや、目の前のあいつを何とかしたいんだけど、なかなか隙が・・・」
サルーイン「そうか。・・・ん?これは・・・私か?そのすぐ後に2人・・・あーこの気配は・・・
        おいバカミルザ。さっきお前たちは、豚みたいなモンスターを大量に切っていたよな?あれはなぜだ?」
ミルザ「え?いや、えーと・・・(アイツらがサルーインちゃんと融合を狙ってるなんて本人前にして言えないよなぁ・・・)
     詳しいことは省くけど、とにかくあのモンスターをやっつけて、サルーインちゃんに近づけないようにしなきゃいけないんだ。」
サルーイン「ほほーう。なら、いい案があるぞ。こいつは愉快なことになりそうだ。」
そう言ってサルーインちゃんは、ニヤリと笑い、
サルーイン「もうすぐ、私の体が来る。そうしたら、大声で叫べ。するべきことを――――『そこのモンスターどもを消せ!』とな。」
ミルザ「え?それはどういう・・・?」
サルーイン「やかましい!黙って言うとおりにしろバカミルザ!!
        ふっふっふ、ヘイトとは違った意味でやかましい、そこの大剣持ったバカの呆ける顔が目に浮かぶようだ・・・その隙を逃すな!わかったか?」
ミルザくんがうなずく前に、大剣を振りかざしたソードスレイブが上空から迫ってきました。
それを必死でしのいでいると、突如森の方が騒がしくなってきました。
野鳥の群れが飛び立ち、空気が震えているのがわかります。

そして、森の中に、赤い瞳が見えました。

ミルザ「サルーイン・・・ちゃん。」
オイゲン「おい・・・空中に浮いてるぞ・・・それになんだあの眼は・・・。」
ソードスレイブ「あぁ?なんだこのアマ?・・・あー。こいつがシンボルの一つか。ケケケ、タイムオーバーってヤツ?」
ミルザくんは、ソードスレイブの挑発するような言葉には耳を貸さず、すうっ、と息を吸い込み、叫びました。

ミルザ「そこのモンスター達を倒すんだ!!そのモンスター達を、サルーインちゃんに近寄らせるなあああああ!!!」

オイゲン「うわっ!!突然どうしたミルザ!!ここには俺たちしかいねーぞ!?」
ソードスレイブ「へ、ひゃひゃひゃひゃあ!!ついにテンパっちまったか?ああ?」

しかし、次の瞬間でした。

森の奥から、凍れる冷気の束と、黒い闇の洪水が、肉シリーズに向けて襲い掛かりました。。
それらは肉シリーズ達を凍りつかせ、黒く塗りつぶし、次々と潰していきました。
広大な範囲を攻撃しているのは、武器を扱う男達には決して真似のできないモノ。高位の術。
「ミルザさん!!あなたもここに!?」
「あらアンタたちひさしぶりぃぃぃふぁljjf!なんでいるのかしらないけどおおぉぉklfl!」
サルーインちゃんを追うようにして、そこにはワイルちゃんとヘイトちゃんの姿がありました。
ミルザ「ワイルちゃんたち・・・来てくれたのか!」
サルーイン「私の肉体を追っかけてきたのだ。今は精神体だからか、感覚が研ぎ澄まされている感じがする。だから解った。
        普段なら絶対気付かな・・・げふんげふん!いや、普段だろうとお見通しだったがな!!アハハハハ!!」
残り少なくなった肉の壁が次々と魔法の餌食になっていきます。そしてソードスレイブは――――
114ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:03:20 ID:???
ミルザくんが振りかえり、オイゲンに目配せをしました。
ミルザ「(今がチャンスだ!隙をみせているはずだ!!準備を!)」
オイゲン「(オーケイ。いつでもいいぜ!!・・・っておい!!)」
ソードスレイブ「う ぜ え ん だ よ 」
しかしソードスレイブは、大量に死ぬ肉シリーズを見ても、全く動揺していませんでした。
大剣を盾のように構え、あいた方の手で肉の壁を一匹、首をつかんで吊り上げています。
オイゲン「・・・仲間が死んでもお構いなし。人でなしの外道だな。つくづく良い性格してやがるぜ・・・。」
ミルザ「って、アイツ、一体何をするつもりだ!?」

ソードスレイブ「合体してえんだろォ?じゃあ手伝ってやらァ!俺は優しいからなぁ!!げひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
ソードスレイブは、そのまま肉の壁を、思い切りサルーインちゃんの体に向けて投げつけました。
肉の壁が、凄まじい勢いで平行に飛び、まっしぐらにサルーインちゃんに向かっていきます。
ミルザ「うわあああああああ!!!サルーインちゃああああん!!!」
サルーイン「取り乱すなバカミルザ!!あの骨臭いヤツがスキを見せてないのに、お前が慌ててどうする!!」
ミルザ「でも!!」
サルーイン「だから大丈夫だと言っておろう!なんせ、私の体だからな!アハアハアハハハハ!!」
ミルザ「(だから不安なんだってばーーーー!!!)」

平行に飛んでいった肉の壁が、サルーインちゃんに迫ります。
月の光を取り込み、シンボルの一部と化した肉の壁は、来る融合の時を思い、歓喜の声を上げました。

サルーイン(肉体)「・・・邪魔ダ!!」
肉の壁「!!」

しかし、サルーインちゃんの肉体は右手を上げ、肉の壁に向けました。
激突する直前に、肉の壁はビタッと止まり、空中に浮かびます。
そのままサルーインちゃんは、肉の壁に魔力を放出して、粉々に消し飛ばしてしまいました。

オイゲン「お?」
ワイル「きゃ?」
ヘイト「あひゃ〜」

セージ「な・・・サルーインが肉の壁を拒絶した・・・ということは・・・ぐぬぬ・・・!」

カヤキス「(肉シリーズどもを、シンボルの相手としてではなく、融合を邪魔する異物と見なしたか。
      ・・・つまり、肉どもはもはや、シンボルとしての資格を失ったということだ。
      郡体であることに調子に乗って、死なせすぎたなセージよ。)」

ソードスレイブ「・・・おいおい話が違うじゃねぇか・・・!
          醜い化物に変貌するアマの姿を背景に、絶望にくれるミルザの首を叩き斬る予定だったのによ
          ・・・しまった!ミルザ!」

ミルザ「オイゲン!!――――いくぞ!!」
115ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:06:56 ID:???
ソードスレイブが、一瞬戦いから意識を逸らし、そして我にかえる直前でした。
ミルザくんからの呼びかけに対し、オイゲンくんはウコムの鉾に帯電させ始めることで応えます。
そしてミルザくんは剣を空中に放り投げ、左手でキャッチしました。
オイゲン「うおおおおお!!!!こいつをくらいやがれええええええ!!!」
ウコムの鉾にエネルギーが、蛍のように舞い、集います。大気に青い電流のスジがいくつも走りだします。

ズガアアアアッ!!
轟音と共に落雷がソードスレイブの側に炸裂しました。
ソードスレイブ「チィッ!!!だが当たらねーよ!!狙いがアマちゃんだなぁ!!げひゃひゃ・・・あ。」
地面に落ちる稲妻の中で、電流とは違う、きらめきが見えました。
その直後、雷が消える瞬間に何かが空間を切り裂き、ソードスレイブの胸に、銀の軌跡が走りました。
ソードスレイブ「グアアアアアッッ!!!これは・・・斬られた痛みだけじゃねえ!電気!?バカな!!」
ミルザ「――――ひとつ!」
雷を切り裂くように強襲したミルザくんの一撃が、ソードスレイブの胸を切り裂きました。
ミルザくんはレフトハンドソードを、その名のとおり左手に持ち・・・なおかつその刃には、神雷の電流が帯電して、青く輝いていました。
オイゲン「押し切れミルザああああああ!!!!」
落雷がソードスレイブの剣に落ち、レフトハンドソードが腹を切り裂きます。
ミルザ「ふたつ!!」
落雷がソードスレイブの退路をふさぎ、レフトハンドソードが、ソードスレイブの鉄仮面にヒビを入れました。
ミルザ「みっつ!!!!」
そして落雷がソードスレイブの頭上から貫くのと同時に、レフトハンドソードが横なぎに、肋骨を何本か斬り飛ばしました。
ミルザ「よっつぅぅああああああ!!!」

ここで、ミルザくんの動きが止まり、力無くレフトハンドソードを取り落としました。
同時に、落雷が止み、ウコムの鉾へのエネルギーチャージがピタリと止まります。
ミルザ「くそ・・・5連続出し切れなかったよ・・・もう限界だぁ・・・。」
オイゲン「立つなよ・・・立つんじゃねぇぞ・・・もうこっちも静電気すら出ねぇんだからな・・・。」

煙が晴れます。そしてへたり込んだミルザの眼前には
ニィィと笑みを浮かべ、大剣を振りかざしたソードスレイブの姿がありました。

しかし、ソードスレイブはそのまま剣を振り下ろそうとしません。そして小刻みに震え出し・・・
ソードスレイブ「・・・・ゲハアッ!!」
・・・そのまま後ろに大の字に倒れこみ、ピクリとも動かなくなりました。

オイゲン「ビビらせやがって・・・最後まで性格の悪いヤローだったな?しっかし、完全に出し切れなかったとはいえ・・・一応成功か?この連携。」
ミルザ「だね。ぶっつけ本番だったけど、なんとかうまくいったね。僕たちの持つ神器での、神雷とレフティフォークの2連携。」
オイゲン「神雷とレフティフォークか・・・そういやミルザ、この連携に技名つけてなかったよな。
       ・・・・・『神の左手』なんてどうだ?」
ミルザ「あ、いいかもしれない。でもひらがなで『かみのひだりて』の方が・・・いや、なんでもないです。ハイ。
    でも、アイツに勝てたのはサルーインちゃんのおかげだよ。ありがとうサルーインちゃん。」
サルーイン「アハハハハ!そうだろうそうだろう!!感謝するがいい愚民よ!!感涙にむせぶ権利を与えてもいいぞ!アハハハ!」

サルーインちゃんの肉体が肉の壁を退け、そしてソードスレイブを撃退したことで、ミルザ達に安堵が訪れました。
座り込んで、すっかりリラックスしています。そのせいで、場の誰もが気付いていませんでした。
サルーインちゃんの肉体が忘我の状態のまま、まっすぐミルザくんの方に近寄ってくることに。

――――ミルザくんのレフトハンドソードが、月明かりのような輝きをまとっていることに。
116ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:08:17 ID:???
森の中を、ジャミルくんとアルが先頭をきって走り、その後をストライフちゃん、アムトちゃん、スペクターくんの順に続いていきます。
ストライフ「肉のような化物達がもう一方のシンボルに・・・それとサルーインちゃん様を融合させるだと?
       ふざけたマネを!!」
ジャミル「だから、そうさせないために、今ミルザ達が戦っている。俺たちも早く行って手伝わなきゃな。」
アル「でもうまいこと考えたな。確かに相手を壊してしまえば融合の心配は無い。エリスのシンボルを消してしまえばもう大丈夫ということか。」
しかし、アムトちゃんが重い表情のまま言葉をつなぎました。
アムト「・・・無くすことはできないわ。あくまでも月の輝きは、月と月が重なったときに初めて消えるの。
     壊すといっても、それはあくまで器の破壊に過ぎないわ。
     器を失った輝きは、その付近にある、器となりえるものに再び入り込み、新たな器にする。」
スペクター「・・・それって、例え化物達をやっつけても、別の何かをサルーインちゃんが追い求めるってこと?」
アムト「ええ。もともとシンボルは無機物に宿らせるものだったから、別に何でもよかったんだけど・・・
     ・・・今度は片方が人だからね・・・融合させるわけにはいかないわ!」
ジャミル「融合ってのは・・・『一緒になる』『合わさる』ってことだよな?」
ストライフ「・・・貴様今エロスな想像をしなかったか?サルーインちゃん様を妄想とはいえ汚すヤツは・・・」
ジャミル「違うって!落ち着けって!いや、一緒になる、ってのはどのレベルまでなんだろうな?ってな。
      たとえば宝石とかを、『身に付ける』レベルなら、片方人間でもまぁ大丈夫なんだろうけど・・・」
スペクター「『めり込ませる』とか『突き刺す』とかいうレベルだと・・・
       ・・こりゃ大変だ!化物にならなくても、サルーインは死んじゃうよ!!」
アル「・・・急げ!今俺たちにできるのはそれだけだ!!」


一方、ピラミッド前にて。

力無くへたりこみつつも、サルーインちゃんの精神体と楽しく談笑するサルーインちゃん。
力を使いきり、その場から動けずにいるオイゲンくん。そして走り寄ってくるワイルちゃんとヘイトちゃん。
と、全員の視線が、サルーインちゃんの肉体の方に向きました。
サルーインちゃんの肉体は、まだ浮いたまま、少しずつ、ミルザくんの方によっていきます。
その姿に、ミルザくんは嫌な予感を覚えました。
ミルザ「(・・・もうシンボルの相手はいないハズだから・・・あとは時間が過ぎれば終わるはずなのに。
     なんでこっちに一直線に?)」
そしてサルーインちゃんは、浮遊したままミルザのすぐ側まで来ました。
サルーイン「おー、やっと来たな肉体!!傷なんかつけてないだろうな!
        あ、大丈夫か。だって私の美しい体に傷をつけようなんて虫だろうと思わぬだろうし!アハハ!」

直後サルーインちゃん(肉体)の顔が、幸福この上ないという表情を形作り、

落ちていたレフトハンドソードをおもむろに拾い上げ、

そのまま自分の心臓めがけて――――
117ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:09:11 ID:???
ミルザ「うわああああああああああ!!!!何するんだサルーインちゃん!!!」
ミルザくんがとっさにその手に飛びつき、レフトハンドソードを無理やり奪い取ります。
すると、サルーインちゃん(肉体)の表情が怒りの顔つきになり、その目が赤く光を放ちました。
サルーイン「邪魔ヲ・・・スルナァァァァァァ!!!」
サルーインちゃんが、おもむろにミルザくんの顔面を殴りつけました。
のけぞったミルザくんの手から、おもむろにレフトハンドソードが落ちます。
サルーインちゃんがそれに手を伸ばした瞬間、ワイルちゃんがウインドカッターで、剣をミルザくんの方へと飛ばしました。
ワイルちゃん「・・・サルーインちゃんさま・・・自殺をしようなんて・・・そんなああああ!!」
オイゲン「いや・・・違う!あの光・・・あのレフトハンドソードの輝きは・・・そういうことかよクソッタレ!!」
ヘイトちゃん「なぁにぃよおおおおfじゃlfj??ワケわかんないわぁぁぁぁjfljf!!」
ミルザ「この輝き、さっきのモンスターと同じ・・・。まさか、コレと融合を・・・!?ダメだ!サルーインちゃん!!」
そう言ってミルザくんは、レフトハンドソードを抱え、サルーインちゃんに背中を向けて、亀のように丸くうずくまりました。
同時に、ワイルちゃんとヘイトちゃんが駆け寄ってきます。
サルーイン「ウ・・・邪魔ダアアアアアアア!!!!!」

サルーインちゃんの咆哮と共に、サルーインちゃんから大量の魔力が、赤い花びらのようになって溢れ出しました。
それは桜吹雪のように激しく舞いながら、サルーインちゃんとミルザくんを包み込み、
丸いドームのような、魔力のバリアを形作りました。

オイゲン「ぐわっ!なんだこりゃ!!触るだけで弾き飛ばされそうだ!!」
ワイル「魔力の、壁・・・。こんな、とても入れないですよ!!」
ヘイト「やるしかないわねぇん・・・ワイルちゃん!気合入れなさいよぉぉおおお!!
     魔力の壁は、魔力で破るしかないでしょうがああjfぁjf!!」
言うやいなや、ヘイトちゃんがダークスフィアをバリアに叩き込みはじめました。
同時にワイルちゃんが吹雪を同じ個所に打ち込みます。

サルーイン「邪魔ヲスルナアアアア!!ヨコセ!!シンボルヲヨコセエエエエ!!!!」
かたくなに剣を離そうとしないミルザくんを、サルーインちゃんが馬乗りになってボコボコに殴りつけています。
ミルザの顔から、口から、鼻から、血がだらだらと流れます。しかし、ミルザくんは決して手を離そうとしませんでした。
ミルザ「いやだ・・・ダメだ・・・サルーインちゃん・・・自害なんてさせない・・・・!!」

「ミルザ、おい、バカミルザ。」

と、アクアマリンの中からサルーインちゃんが呼びかけました。
ミルザくんがうっすらと目を開けて、サルーインちゃんを見つめます。
サルーインちゃんは、いつものような小バカにしたような表情のまま、やれやれ、と頭を横に振りました。

そして・・・優しく微笑み、言いました。

サルーイン「ミルザ、もういい。もういいんだ。さっさと剣を離せ。お前このままだと、本当に死ぬぞ?」
118ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:10:07 ID:???
ミルザ「サルーイン・・・ちゃん・・・何を!?ダメだ!!あきらめちゃダメだ!!」
サルーイン「諦め?バカを抜かすな!!そんな平民みたいな感情で死ぬ決意をするかヴォケ!!!
        いいか?他の連中が、私のために道具のように働く。それは当然のことだ。大宇宙のお約束ってやつだ。でもな。
        ・・・他の連中を、自分の死に道連れにする。そんなことを私がするものか!!バカにするな!!
        私は誇り高く!気高く!!死ぬときは勝手に死ぬわ!!誰かを道連れになんて、寂しい庶民のやることだ!アハハ!!」
サルーインちゃんの口から、高笑いと共に紡がれた言葉は、とても悲壮な決意でした。
しかし自身満々に、傍若無人に、唯我独尊に笑うその姿からは、悲壮さはとても感じられませんでした。
――――ミルザくんの目には、そのサルーインちゃんの姿が、何よりも美しく見えました。
サルーイン「それに、精神が肉体と離れてるからな。多分痛みや苦しみは感じないだろ。うーん、さすが私だ!!アハハハハ!
        ・・・だからミルザよ。さっさと離れろ。お前まで死ぬことはない。
        お前まで死んでしまっては・・・いや。この私が道連れに死なせたということになってみろ!!
        この私の死が、お前みたいなモンのために汚れてしまうわ!!だからさっさと離れろバカ者!!」
しかし、ミルザくんは微動だにしません。そこへ、サルーインちゃんの肉体がミルザくんのわき腹に蹴りを入れました。
ミルザくんが横に転げ、レフトハンドソードがあらわになります。サルーインちゃんの肉体がそれを掴み、再び心臓めがけて自分自身に振り下ろしました。

ミルザ「おおおおおおおおおお!!」
しかし、気力を振り絞り跳ね起きたミルザくんが、その間に割って入りました。
サルーインちゃんの振り下ろした剣の先が、ミルザくんの肩にめり込みます。
肩から鮮血が噴出し、焼け付くような痛みが走りましたが、ミルザくんは歯を食いしばってそれに耐え、サルーインちゃんの手を掴んで剣を押し戻そうとしています。
サルーイン「ばか!!!何をやっている!!私はもういいと言っている!!私の邪魔をする気か!!私のプライドを汚す気か!!」
ミルザ「ああそうさ!!そんなことは絶対にさせない!!いくらサルーインちゃんの命令といえど、聞けないよこんなこと!!
     ボクは!!サルーインちゃんに生きていてほしいんだ!!死なせるか!!死なせてたまるか!!!
     プライドなんて関係無い!誰が何と言おうと!!どんなボロボロで無様であろうと!!たとえこの命が燃え尽きようとしていても!!
     ・・・・・ボクはサルーインちゃんを守るんだあああああああ!!!」

サルーイン「・・・やれやれ・・・お前は正真正銘の、今世紀最大の、そして人類最後の超大バカだな・・・。」
心底あきれ返ったように、サルーインちゃんが呟きます。

しかし、その口の端は、わずか・・・ほんのわずかではありますが、吊りあがって笑みを形作っていました。


セージ「・・・ひどい三文芝居だね。当の本人が『死にたい』って言ってるんだし、そのとおりにすりゃーいいのにさ。」
ワイルちゃんたちと、サルーインちゃんを挟んでちょうど反対側。ピラミッド入り口の側にて、セージが馬鹿にしたように今の光景を見ていました。
セージ「早くシンボル合体完成させないとさぁ。ピラミッド開かないんだよね。だからさ・・・手伝ってあげるよ。ボクがさ。」
そしてセージは底意地の悪い笑みをこぼしたかと思うと、クラックの詠唱体制に入りました。
魔力のバリアがカバーしきれていない部分である地面を崩し、ミルザくんをレフトハンドソードから引き剥がすつもりです。
「だがしかし。そんなことはまるっとお見通しだ。イクゾー。」
と、詠唱中のセージの後頭部が、思いっきり蹴り飛ばされました。
セージ「っぐわ!!!痛ぁ!!!だ、誰だ!!ボクをにいきなり蹴りなんて・・・」
カヤキス「・・・先ほどはよくも一杯食わせてくれたものだ。なぁセージよ?」
セージ「・・・カヤキス・・・・・・・・・様!!」
119ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:11:38 ID:???
カヤキス「まったくナメた真似をしてくれたなセージよ。私を・・・将魔を利用してハメるとはな。死んで詫びる覚悟はできたか?」
セージ「・・・お言葉ですが、カヤキス様には言われたくありませんな。私は知っているんですよ?
     先ほど、ミルザ達と共闘して肉の壁達を殺しまわってくれましたね?
     あれはピラミッドの扉を開くことを邪魔する行為。つまりはマスターに対する裏切りに他ならない。」
カヤキス「・・・・・・」
セージ「・・・そこでいかがです?ここは一つ、お互いに水に流し不問にしませんか?
     そして、とっととあのサルーインとかいう女を、あの銀の剣で刺し貫く手段を・・・」
カヤキス「・・・よく回る口だな。」
言うやいなや、カヤキスは槍を構えました。その目に殺気が宿ります。
セージ「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!さらに裏切りを重ねるつもりですか!?
     ・・・ねぇ、『自称スペクター』さま?」
カヤキス「・・・それで私がひるむとでも思ったか?」
セージ「ぐっ、調子に乗るなよきさま!!!!ボクがこのことを触れ回れば、貴様は居場所を無くし、追われる立場となる!!」
カヤキス「そうかな。クセ者とはいえ一介のゴブリンと将魔、どちらの言い分が採用されると思うかね?それに・・・
      ・・・死人に口無し。いい言葉だな?」
セージの背中に、冷たい汗が流れ始めました。
カヤキス「貴様は調子に乗りすぎだ。他者をまるで道具のように扱う・・・しかし、それに酔いしれる余り肝心なことを忘れている。
      貴様自身も、ただの道具だ。いや、あのミルザ達も、他の連中も、そして私たち将魔も、皆、道具なのさ。
      この世は、道具が道具を、互いに道具として扱っているだけだ。
      他者を道具と見なしておいて、自分だけは違うというのは、思い上がりだな。」
セージ「・・・くっ!!」
カヤキス「死ね。自分を道具と思わない道具は、単なる不良品だ。そして不良品に用は無い。そうだろ?」
と、セージがサルーインちゃん達の方をちらりと見やり、そしてニヤリと微笑みました。
セージ「カヤキス様・・・私だって、この目は節穴じゃあないですよ。わかりますよ。どんな詭弁を並べ立てようと・・・
     あなたが狙っているのは糸石じゃない!サルーインだ!!だから融合や自殺の邪魔をする!!
     ・・・ならば、あれはどうしますか?カ ヤ キ ス 様 ?」

セージが指差した先、魔力うずまくバリアの中、肩に剣の刺さったミルザくんが、懸命に剣を押し戻そうとするその背後で

ゆっくりと

ゆっくりと

――――大剣を担いだソードスレイブが、再び起き上がっていました。

ソードスレイブ「ミ、ル、ザ・・・殺 ス!!」

カヤキス「なっ!!!ソードスレイブめ、もう目覚めたというのか!!」
そこで気が付き振り返ると、カムフラージュをまとって、セージの姿が消えかけています。
完全に姿と気配が消えるなか、セージの声だけが、カヤキスの耳に聞こえておりました。

セージ「ソードスレイブ様をダウンさせた場所で、あんなことが始まりましたからね・・・
     どうしますカヤキス様?今から駆けつけますか?どの道あのバリアの中には入れやしないでしょうけど・・・アハハハハハ!!!」

同時に、ジャングルから、がさがさと音が聞こえました。
120ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:12:36 ID:???
ジャミル「よし!!ついにピラミッドに着いたぜ!って・・・なんじゃこりゃあああああ!!」
スペクター「ワイルちゃん!ヘイトちゃん!!・・・あの魔力の渦の中は!サルーインちゃんがいる!!」
アムト「あの渦の中心にシンボルが2つ!!一つはあの女の子!もう一つは・・・大変!!あの剣よ!!」
ストライフ「融合ってことは・・いかん!!サルーインちゃん様が間違いなく死んでしまう!!」
アル「すげー魔力の渦だ!!てことは、ワイルとヘイトは、あれに穴を開けようとしてるってことだろうな。なら話は早ぇ!スターライトFS!!」
ストライフ「そういうことだな!いくぞ、火の鳥!!!」
素早く状況を判断したアルとストライフちゃんは、それぞれの持つ最高位の術を重ねるように繰り出しました。
同時にジャミルくんとアムトちゃんが、魔力を打ち込んでいる個所に走っていきます。
と、ジャミルくんが渦の中の異常に気付きました。懸命に耐えているミルザの後ろに、誰かが立ち上がりつつあります。
――――あいつは!!
ジャミル「あの野郎・・・!!おい、急げ!!早くあけろ!!ミルザ達が死んじまうぞ!!!」
ストライフ「勝手なこと抜かすな!!くそ、魔力が足りん!!」
アムト「・・・待って・・・来る!エリスが!!」

次の瞬間、あたりの気温が下がり始めました。
そしてジャングルの奥地から、一筋の氷の道が、一直線に走りました。
水竜「イィーーーーヤッハァァァァーーーーーッ!!!」
ノリノリの水竜くんが、流木のボードで、華麗なエアトリックを決めながらジャングルから飛び出してきます。
エリス「ちょっと楽しんでる場合じゃないでしょーが!!下見なさいよ下!大変な状況になってるわ!!
     ・・・あ!アムトが来ている!あとはあの魔力の渦の中にシンボルがあるわ!!」
水竜「なるほど。あまりに唐突で何が何やらだが、ここは偉大なる先人の知恵を借りるとするか。
    ・・・右へ習えだ!!とりあえずあそこに術を叩き込めばいいんだな!!」
水竜くんが、空中でボードを蹴り飛ばし、そのまま宙返りしながら、リキッドキャノンを連射して叩き込みます。
同時にエリスちゃんが空中から飛び降り、人の形に戻って、アムトちゃんのもとに駆けつけました。

アムト「エリス!!」
エリス「アムト!!よくここまで・・・」
ジャミル「喜んでる場合じゃねーぞ!!まだかよ!!」
ワイル「あと・・・あと少し!最後の一押しがあれば・・・」

皆が懸命に術を繰り出している中、気おされて出遅れてしまったスペクターくんが、一人ぽつんと取り残されていました。
スペクター「(怖い、とても怖いよ。失敗したら・・・でも、でも!!ボクも、ボクだって、やるんだ!!)」
そしてスペクターくんは、目を閉じて、炎のロッドを握り締め、深呼吸しました。
スペクター「(お願いだ。タイラントくん・・・力を・・・勇気を分けてくれ!)」
121ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:13:36 ID:???
【ジェルトン:港湾部】

炎の壁が一角を取り囲む中、肉の化物達が右往左往しています。
煙の中に、一人の男の影が見えました。その男が念じると、周りに火の玉が浮かび上がり、それはやがて細剣の形をなします。
直後、それら赤い細剣が何本も飛び、肉の化物の眉間を貫きました。唯一肩口に喰らった化物は、それを外そうとします。
・・・次の瞬間、細剣が輝いたと思うと爆発し、その化物の首から上を吹き飛ばしました。
爆炎の中を踏みしめ、その男が、大斧を片手に歩いていきます。
襲いくるもの、逃げ去るものの区別なく、片端から叩き斬り、潰していきます。
と、四方八方から槍を持ち、化物達が男に襲い掛かっていきました。
が、化物達が刺す直前に、男は大斧を用いて棒高跳びの要領で空高く舞い上がりました。
「火神縮退撃」
空中からの落下と同時に、地面が円形に赤く光り、高熱のエネルギーが肉の化物を全て吹き飛ばしていきます。
直後、正面と背後から、大勢の肉の化物が迫ってきました。
男は正面に向けて、巨大な火の鳥を放ちます。同時に地面を蹴って後方に飛び、空中で体を回転させ、後方に向けて大斧を突き出しました。
「破ッ――――」
火の巨鳥が正面を薙ぎ払うのと同時に、赤く輝き、炎をまといながら後方に向けて突進し――――
「――――砕流ゥ!!」
・・・場の全てを破壊し尽くしました。直後、その男・・・フレイムタイラントくんは、何かに呼ばれたように空を見上げました。

空には、二つの月が、ほぼ重なりつつありました。

そこで、タイラントくんは、何故かはわかりませんが・・・そうしなければならないような気がして、大声を張り上げ、月に向かって吼えました。
タイラント「・・・スペクターよ、ツライか?だが負けるな!勇気を振り絞れ!!貴様が勇者ならばやれるはずだ!!!
      昔とは決別したのだろう?サルーイン達と、これからの人生を生きていくのだろう!?
      ――――これから、新しい人生を、貴様自身で築いていくんだろう!!!
      勇気が、力が欲しいか!!ならば私の力を貸してやる!!気合を入れろ!!!勇気を持て!!!!!
      
      ――――貴様が道を、切り開くのだ!!!!!」

【ジャングル:ピラミッド前】

スペクターくんが、おもむろに目を見開きました。
魔力の渦の中では、完全に立ち上がったソードスレイブが、大剣を振り上げつつあります。
スペクター「いくぞ・・・タイラントくん、力を貸してくれ!!!!
       うおおおおおおおおお!!!!くらえ!!!ロッド火の鳥ぃぃぃぃ!!!!」
小さなスペクターくんの持つ炎のロッドから、紅の巨鳥が生み出されました。それは一声鳴いた後、一気に魔力の渦に向かっていきます。
ストライフちゃん「!!最後の一押しが・・・」
ヘイトちゃん「来るわぁぁぁぁぁllf;jfl!!みんな!衝撃に気をつけなさぁぁぁいぃjlfjlfj!!」
そしてスペクターの火の鳥が、魔力の集中している箇所に炸裂し・・・・

バリィィィィィンン!!!

魔力の渦が一箇所、ガラスを割ったかのように砕け散り、ぽっかりと穴があきました。

ジャミル「よっしゃあああああ!!アムト!!エリス!!突っ込むぜ!行くぞ!!」
122ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:14:34 ID:???
細剣を逆手に構えたジャミルくんを先頭に、アムトちゃんとエリスちゃんが突っ込んでいきます。
アムトちゃんとエリスちゃんが、シンボルの抽出と再融合の術式の詠唱に入るなか、
ジャミルくんは、ソードスレイブに一直線に突っ込んでいきました。
ソードスレイブ「・・・痛かったじゃねぇかよ・・・そこのクソアマと一緒に、くたばりやがれぇぇぇぇぁぁぁあああ!!!」
ジャミル「く た ば ん の は テメェの方だああああああああああっ!!!」
振り下ろされた大剣を、ジャミルくんの電光石化が思い切り横に弾き飛ばしました。
弱って握力の鈍ったソードスレイブの手から、大剣が吹き飛ばされていきます。
ソードスレイブ「テメェは・・・さっきのカスかぁあぁぁぁあ!!!」
ジャミル「さっきの釣りを返してやるぜぇ!!倍返しでな!!!!」
そのままジャミルくんは、変幻自在の動きでソードスレイブに切りかかりました。
素早い動きから生まれる連続の斬りこみが、ソードスレイブを切り裂いていきます。
ソードスレイブ「ぐあああああああああああ!!!!!」

エリス「アムト!!」
アムト「エリス!!」

そしてエリスちゃんとアムトちゃんが、サルーインちゃんとミルザくんにその両手を向けました。
次の瞬間、辺りをまばゆい月明かりの輝きが満たしていきます。
そしてサルーインちゃんの体から赤い球体が、レフトハンドソードから銀の球体が抜き取られ、空中に浮かび・・・・

エリス&アムト「「融 合!!!」」

その掛け声と共に、二つの球体が溶け合うように一つに重なりました。
そして赤と銀のまばゆい光が、轟音と共に溢れ出します。

ジャミル「くらいやがれえええええ!!!」

そして、同時のタイミングで、
融合したシンボルが爆発するように飛び散り、大気に赤と銀の粒子を撒き散らし、
ジャミルがソードスレイブに変幻自在の最後の一撃を叩き込み、
渦巻く魔力のバリアが砕け散りました。

――――辺りに静寂が訪れました。

その静寂のなかで、ズッ、ズッ、と石を引きずるような音だけがします。

それは、ピラミッドの石扉がずれて、入り口が開く音でした。
123ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:15:26 ID:uLIcHwZg
サルーインちゃんの肉体の目から、赤い光が消えました。同時に浮遊状態も止まり、そのまま力無く崩れ落ちます。
ミルザ「うわっと!!サルーインちゃん!!!」
ミルザくんが反射的に支えました。その瞬間、肩から刺すような激痛が走りました。
ミルザ「あ痛たたたたたた!!!」
ジャミル「うわ、ヒデェなこりゃ。でもよーミルザ。痛ぇってことは生きてるってことだぜ、な?」
ミルザ「ジャミル!!!無事だったのか!!!よかった・・・」
ジャミル「へへっ、俺はしぶといぜ?そう簡単にくたばってたまるかよってな!!」
アムト「あなたがこの女の子を守ってくれたのね?おかげで犠牲者が出ないで済みました・・・ありがとう。そして、ごめんね。」
エリス「眠らせたりして悪かったわ。まさかアナタ達がここまでやるなんて・・・。アナタの思いの強さを軽く見ていたみたいね。ごめんなさい。」
ミルザ「あ・・・君達は、エリスちゃんと・・・ひょっとしてアムトちゃん?君たちがここにいるってことは・・・」
アムト「うん、もう大丈夫よ。今まさに月は重なり、そして扉は無事開かれたわ。」
エリス「つまり・・・もうシンボルは役目を終えた。だから消え去り、どこにも無いって事よ。もちろん、この子の中からもね。」
ミルザくんはそれを聞き、無言で笑顔を浮かべ、そのまま地面に大の字に横たわりました。

ワイル「サルーインちゃんさまあああああ!!!」
ヘイト「あひゃ〜〜〜そんなに揺らしちゃダメぇぇぇfjlj魔力の使いすぎで、まだ起きられないのよきっとぉぉおjfぁjf」
サルーイン「甘いなヘイト。そんなもんでバテる私ではないわ!!ちょっと精神が外出しているから、そっちはまだカラッポなのさ。」
その声を聞いて、ワイルちゃんとヘイトちゃんが目をぱちくりさせて見つめあい、そしてミルザの胸元のアクアマリンを覗き込みました。
サルーイン「よう。貴様らも大儀であった!!しかし来るのが遅いぞ馬鹿者め!!バツとして、スカーブ山の岩おこし10箱買って来い!!アハハ!!」
ワイル「・・・あのー、この小さいサルーインちゃんさまは、新種のエリンギか何かですか?」
ミルザ「ワイルちゃんもボクと同じ勘違いしてるね。いや、これはサルーインちゃんの精神体さ。説明すると長くなるけど・・・」
ワイル「・・・可愛いいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!きゃーーーきゃーーーきゃああああああああ!!!!」
ミルザ「わわっ!!ワイルちゃん落ち着いて!!痛い痛い!!アクアマリン引っ張らないで!!首が変な方向にねじれるううう!!!」
ヘイト「あーあーあー。ワイルちゃんが壊れちゃった☆」

オイゲン「ったくよ・・・毎度毎度ながら骨の折れる思いだぜ。でもまぁ・・・今回もまた、首の皮一枚でつながったみてぇだな・・・おっと!」
ウコムの鉾を支えにしてオイゲンくんが立ち上がろうとしますが、バランスを崩しました。
すると、横から手が伸びてオイゲンくんの腕を掴み、その体を支えました。
オイゲン「・・・あんたは・・・。」
ストライフ「また貴様らとはな。まったく、どうしてこう毎度毎度、貴様らのようなへなちょこ野郎どもと・・・
       ・・・だが、今回は礼を言っておく。サルーインちゃん様が世話になったからな。ほら、立てるか?」
オイゲン「へ・・・へへへ。ったくよぉ。相変わらずおっかねぇセリフばっかだなお前はよ。
      ・・・でもまぁ、『虫けら』から『へなちょこ野郎』ってことは、ちったぁランクアップしたのかね?へへへ。」
ストライフ「・・・・・・」
オイゲン「痛ぇえーー!!何足踏んでんだてめーーーー!!」
ストライフ「おっとすまんな。足が滑った。」
124ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:17:02 ID:???
アムト「でも皆さんボロボロよね・・・待ってて、今癒して あ げ る♪」
アムトちゃんがそう言って壷を掲げると、赤い月の輝きがあたりに降り注ぎました。
ジャミル「これは・・・へへ、ムーンライトヒールの強力版みたいだな?」
水竜「(・・・あのほわほわの髪の毛・・・甘く幼い声・・・そしてこの癒しの術・・・
    ・・・エリスちゃんとはまた違う、癒し系美人・・・たまらん!たまらんぞオイ!!こりゃ迷うな・・・♪)」
ワイル「でも、ミルザさんとオイゲンさんは、まだ完全じゃないみたい」
水竜「こいつはまたこっぴどくやられてるからな。私に任せたまえ。癒しこそ水術の本領だ!!
    おりゃー!!癒しの水スーパーー!!」
直後、ミルザくんとオイゲンくんに、ドリフのコントのような大量の水が降り注ぎました。
ミルザ「ぶわっっぷぷ!!!何すんだアンターーー!!!」
水竜「ふふ、出血大量大サービスだ!!ほら、どんどん傷が癒されて、体力が戻っていくだろう?」
オイゲン「・・・確かに。なんか釈然としないところもあるが・・・」
と、おもむろに水竜くんはアムトちゃんに近寄っていき、髪をかきあげ、とびっきりの笑顔を見せました。歯が光っています。
水竜「あなたの癒しの術のあとに、出すぎた真似を許してください。美しい人よ。
    私の癒しの術とて、あなたのその魅力には遠く及ばない。そして私の病は、あなたしか癒せないのですよ。
    ・・・そう、この『恋』t」
おもむろにアルが水竜をひっかきました。
水竜「うわっちゃあああああ!!何するんだこのバカ猫・・・げふん、ほーらかわいいでしゅねー♪よーしおいでおいで。」
アル「主よ、なんとなくわかる。コイツに近づいちゃダメだ。」
エリス「そーよ!!アルの言うとおりだわ!!彼に近づくと妊娠出産、子供は9人で野球チーム?いや、11人でサッカーを。てな状態になるわよ!!」
オイゲン「(あんな短時間でここまでいわれるとは・・・コイツどんな言動してたんだ・・・)」
エリス「いいアムト?あんたは世間知らずなところがあるから言っとくけど、コイツはあの四寮長なのよ!!危険人物よ!!だから近づいちゃ」
アムト「四寮長ですってええ!?」
と、アムトちゃんの目がキラキラ輝きました。
アムト「それなら大丈夫!!この人いい人よ!!だって四寮長なんでしょう?
     なら、私を守ってくれる良い人に決まってるわ!!!」
それを聞いて、エリスちゃんとアルの顔が、『い”っ!!!』とでも表現するかのような、味わい深い表情になりました。
そして当の水竜は・・・・
水竜「・・・・来た!!私の時代が来たーーーーーーっ!!!!!」
ざっぱーーん!!という荒波を背景に、夜空に向かって叫んでいました。
むろんその荒波は水竜くんが自分で巻き起こしたものですが。
125ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:17:48 ID:???
一方で誰も気付きませんでしたが、扉があいた直後に、ピラミッドの中に誰よりも先に駆け込む影がありました。
セージ「くそっ。くそっくそっ。くそっくそっくそおおおおおおお!!!!!
     一体なんだよ!!ボクの邪魔ばかりしやがって!!
     小うるさいミルザ!悪運だけは強いサルーイン!ボウフラのように沸いてくるミニオンども!!!
     開き直りやがったカヤキス!!!口ばかりで能無しで使えないソードスレイブ!!!
     ・・・こうなったら、せめてムーンストーンだけでも先に持ち帰ってやる!!
     大体なんでボクまでこうして最前線で動かなきゃならないんだ!!こんなのはバカどもにやらせりゃいいんだ!!チクショーーー!!」


そして、サルーインちゃんを囲み、一時の安堵にひたっている集団に、近寄る影がありました。
それは、ぱん、ぱん、と拍手を鳴らしながら近寄ってきます。場の全員の視線が集中しました。
ミルザ「・・・カヤキス!!!」
カヤキス「・・・サルーインを守りきったようだな。」
エリス「あなたは・・・さっきの!!」
水竜「ほーう。戻ってきてくれたのか。ならばさっきのお返しをしてやらねばな!!」
カヤキス「待て。そんな雑事にかまけてるヒマはないぞ。そんな寄り道をしてばっかりいると、あっというまにお肌は曲がり角。おばちゃんの仲間入りだ。プッ」
エリス「・・・・な ん か ム カ ツ ク ん で す け ど !!」
カヤキス「まずは、無事サルーインを守りきれたことに、祝辞を述べよう。おめでとう。よくやった。」
ミルザ「・・・??どういう・・つもりだ?」
カヤキス「ふん、気にする必要はない。だが一つ気がかりが。・・・サルーインの精神体は、いつまでそこにいるつもりだ?」
サルーイン「おお言われてみれば。よーし、戻るぞ!!こんな狭いとことはおさらばだ!!元のゴージャスバディに・・・えいっ・・あれ?
        ・・・・戻れない。入れないぞ!!」
ミルザ「ええええええええ!!!??」
カヤキス「・・・やはりな。精神体を長く切り離しすぎたか。精神体がアクアマリンの影響を受けすぎたか。理由はわからんが・・・そういうことだ。」
そこまで言うと、カヤキスは振りかえり、ピラミッドに向かって歩みはじめました。
カヤキス「今のままではサルーインの精神は、体には戻れまい。アクアマリンと同等の魔力で、なおかつ精神の橋渡しをするものが必要だ。」
エリス「まさか・・・ムーンストーン?」
カヤキス「『気』とは、体内のエネルギー、及び精神の力をあらわす。気にするとか、気が抜けるとかいうようにな。そして・・・」
そこでカヤキスはぴたりと止まり、首だけ振り返って言いました。
カヤキス「すでにピラミッドの中に潜入している者がいる。・・・それは魔の島に属する者だ。」
ミルザ「・・・なんだと!!!じゃあ、遅れをとったら、サルーインちゃんはずっと元の体には・・・」
カヤキス「そういうことだ。そして私もこれからムーンストーンを求めに向かう。私は将魔だからな。」
オイゲン「・・・オイオイてめぇ、大層な自信だなぁ。逃がすと思ってるのか!?」
カヤキス「戦いたくば戦ってもいいが・・・そんなことをしている間に、ピラミッドへ先に潜入したヤツが奪い去っていくぞ。本当にお前は、考え浅いなプゲラッチョ」
オイゲン「・・・(ピキピキピキピキ)」
カヤキス「それではさらばだ。追いたくば追ってくるがいい。
      サルーインを元に戻したければ・・・そして、ここまでの目にあってもなお、死を恐れないのであればな。」

そのままカヤキスは宙に浮くと、ピラミッドの奥に飛びさっていきました。
126ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:20:04 ID:???
ミルザ「どういうつもりだ・・・アイツ、まるで僕たちを導いているかのような・・・」
オイゲン「導いてるっつーより、誘い込むの方が正解かもな。けど今さら後には引けねぇ。そうだろ?」
ミルザが力強く頷いているその後ろで、スペクターくんがプルプル震えています。
スペクター「・・・あいつは・・・!!」
ワイル「あら?どうしたのスペクターくん?」
スペクター「あいつは・・・間違いない!!ボクの力を・・・!!」
言うやいなや、スペクターくんは物凄い勢いでピラミッドの中へ突っ込んでいきました。
ヘイト「あらぁ!?ちょっとおおおjfljlfj!!」
ジャミル「アイツどうしちまったんだ?だけど一人じゃ危険だぜ!!」
ワイル「それに早くしないとムーンストーンが・・・!!」
ストライフ「行くしかないな。・・・サルーインちゃんさまは、私が担いでいこう。
       貴様らの汚い手に触れさすわけにはいくまい。」
ヘイト「うわぁーお♪やっぱりスットライフちゃんはマッスルパゥアァァァ猫好きのくせnふげあぁj;jlfj!!!」

と、ストライフちゃんのハイキックが炸裂する一方で・・・

アル「おいおい、まだ付き合うってのか?もうここまでやればいいだろ?シンボルは消えたんだろ?」
エリス「そうは言ってもね。今回のゴタゴタには私たちにも責任あるしね。」
アムト「それにこのまま悪人の手にムーンストーンを渡すわけにはいかないわ!!悪人は、私の壷のサビにしてやるわーー!!」
水竜「ならば私もご同行しよう。美しい女性だけを死地に赴かせるわけにはいかないからね。」
アル「・・・わかった。俺も行く。(こいつがある意味一番不安材料だからな・・・)」

オイゲン「ミルザ。」

ワイル「ミルザさん。」


サルーイン「準備はいいか?バカミルザ?これが今夜の正念場だ!!派手にかませよ!!アハアハアハハハハ!!!」


ミルザ「・・・行こう!!みんな!!!」


そして皆も、ピラミッドの中へと消えていきました。

127ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:21:28 ID:???

――――そしてしばしの静寂の後。

ソードスレイブ「・・・ム・・・」
メイジャン「気付カレマシタカ、ソードスレイブ様」
そこには回復薬を手にしたメイジャンが、ソードスレイブを介抱していました。

ソードスレイブ「・・・・ミルザ・・・あの羽のクソチビ・・・!!」
メイジャン「五割ホドシカ回復シテオリマセンガ・・・急ギ、糸石ノ奪取ヘ!!」
糸石、その言葉を聞いて、ソードスレイブの目が、カッ!と見開きました。
ソードスレイブ「・・・・セージの野郎・・・カヤキスの野郎!!!」
そしていきなりメイジャンの首をしめ、掴み上げました。
メイジャン「グ・・・ガ・・・ソードスレイブ様・・・ナ、何ヲ・・!!」

ソードスレイブ「うぜぇ。うぜぇうぜぇ。うぜええんだよおおオオオヲヲヲ!!!
          もう糸石なんて知るか。マスターぁ?関係あるか!!!
          ミルザ、あのガキを殺す!オイゲン、あの小僧を殺す!!ジャミル、あのチビを殺す!!!
          セージ、あの目をエグる!!!カヤキス、あいつをバラバラにしてやる!!
          男も!女も!!人も!!!そうじゃねえヤツも!!!!全員ぶっ潰してやらあああ!!


                  逃 が さ ね ぇ ぞ ク ズ ど も  !!!」

そして、息がつまり泡を吹いて気絶したメイジャンを投げ捨てて、
羅刹の剛剣を手に取ったソードスレイブは、ピラミッドの中へと疾走していきました。

かくして、石を巡り、追われる者が、追うものが、それをさらに追うものが、ピラミッドに集います。

――――全ての決着は、ピラミッドの中で――――。

つづく!


128ゲーム好き名無しさん:2006/05/15(月) 02:24:07 ID:???
遅くなりました。申し訳ない。
これで一応全員がピラミッド内に集う形になりました。つたないけれど、書きたいことは頑張って全て叩きつけたつもりだ。
うまくまとまってくれてるといいけど・・・
以前、一度魔の島編を区切って日常学校ネタをやりたい、という話があったので、
セージくんも最前線に放り込んでみました。果たしてどうなるか・・・次の人にお任せします。
129ゲーム好き名無しさん:2006/05/16(火) 01:24:11 ID:???
乙!
130ゲーム好き名無しさん:2006/05/16(火) 11:23:22 ID:???
激しく乙!こんだけ多くのキャラ立ちした連中を一カ所に集めてくれた力量はすごい
ジャミルの変幻自在シーンは脳汁出まくったよ

ストライフちゃんとオイゲンくんのやりとり、いいね
131ゲーム好き名無しさん:2006/05/20(土) 02:24:26 ID:???
うおっ、久しぶりに投下きたんか。乙。
ジャミルはキチっと借りを返したな。それでもまだまだ粘るソードスレイブはなかなかだ。
ほとんどのキャラにちゃんと見せ場があって素敵。いい最終回だった…なんて言われかねないくらい。
さて、死亡フラグびんびんのセージくんと、二人のスペクターに目が離せないぞ。乙
132ゲーム好き名無しさん:2006/05/20(土) 04:38:54 ID:???
サルーインちゃんにボコされてたミルザ
ドMの彼のことだから、あとできっと思い出してハァハァ転げ回ってるに違いない
133ゲーム好き名無しさん:2006/05/20(土) 21:48:06 ID:???
サルーイン「邪魔ヲスルナアアアア!!ヨコセ!!シンボルヲヨコセエエエエ!!!!」
かたくなに剣を離そうとしないミルザくんを、サルーインちゃんが馬乗りになってボコボコに殴りつけています。
ミルザの顔から、口から、鼻から、血がだらだらと流れます。しかし、ミルザくんは決して手を離そうとしませんでした。
ミルザ「いやだ・・・ダメだ・・・サルーインちゃん・・・自害なんてさせない・・・・!!

     (ハ、ハァハァ!!も、もっとだ!!もっとだもっと!!もっと殴ってください!!!!!
      ハァハァハァハァ!!もっと、もっとだー!!グヘッ、いかん、いしきが・・・)」




てな感じか。
134ゲーム好き名無しさん:2006/05/21(日) 01:46:31 ID:???
>>133
うわぁ、色々と台無しになるな。でもクソワロタ

そして超乙!!かなり燃えた!!
今回の個人的燃えポイント
・ミルザとオイゲンの2連携
・ちっちゃいサルーインちゃんとミルザとのやりとり
・スペクターくんの火の鳥発射
・ジャミルの変幻自在
135ゲーム好き名無しさん:2006/05/25(木) 00:09:45 ID:481oMNKN
この舌触りッ
136ゲーム好き名無しさん:2006/05/29(月) 17:25:29 ID:???
保守
137ゲーム好き名無しさん:2006/06/03(土) 02:23:55 ID:eohr0MSA
いい最終回だった

とか言われそうで怖い
138ゲーム好き名無しさん:2006/06/04(日) 02:12:22 ID:Lh/2g0WM
まとめサイトで通しで読んでみた。
改めて、みんないいキャラしてるよなぁと思った。これだけのキャラがいれば、短編とかでも色々イジって遊べそうなんだがなー。
139ゲーム好き名無しさん:2006/06/05(月) 04:08:08 ID:???
ぐはー初めてこのスレ発見して、
読み切ってしまいました
ありがとうごしました
ミンサガ引っ張りだしたい気分
明日学校なんだけど…^^;
しかし凄いですね、この力量
あなた達プロですか?
続編ぜひ!m(_ _)m
140ゲーム好き名無しさん:2006/06/06(火) 00:37:01 ID:???
あまりに過疎なので、書けたら書くます
最近お暇な名無しでごじます
141ゲーム好き名無しさん:2006/06/07(水) 23:18:07 ID:???
>>139
ようこそ秘境へ。こんなところへ来るのは、よほどの勇者か狂j(ry

>>140
おー楽しみに待ちます。頑張ってね。

で、あいた時間でちょっと妄想してみた。
ハリーポッターじゃないが、こういう寮が複数ある学園だと、
寮対抗戦みたいなのがありそうなもんだが、そうなった場合はどういう感じになるのやら。
ゲームでの出身地や出没地域や、神の支配地域やマル学劇中での位置とかを考えると、こんな感じか?

騎士団寮
ミルザ・オイゲン・ノーデン・プラッツ・ラファエル(ヘェイトちゃん・ツフ)

ローザリア寮
サルーインちゃん・ナイトハルト・タイニィ・ディアナちゃん・アルベルト・ガラハド

バファル寮(サンゴ海込み)
エロールちゃん・ワイルちゃん・アディリスちゃん・アルドラちゃん・エリスちゃん・親分・ホーク・クローディアちゃん・ジャアン

クジャラート寮
シェラハちゃん・水竜・ジャミル・アムトちゃん・ファラ・ダウド・ミリアム

離島連合(リガウ&ワロン)
デスちゃん・タイラント・ゲラハ・グレイ

142ゲーム好き名無しさん:2006/06/07(水) 23:36:29 ID:???
寸評:

【騎士団寮】
主人公とその相方が属する寮。それなのに、嗚呼それなのに。余りにも人材不足。
ノーデンとプラッツ入れなきゃ3人ってどういうことだ。
まぁ所属寮が貧弱な方が、主役っぽいといえばぽいのかもしれん。
ちなみに隣接するバルハラントを組み込むと、もれなく最凶ツートップが加入されるので
戦力は一気に上昇します。制御不能になりそうですが。どのみち難儀な寮だ・・・

【ローザリア寮】
最初は本命になるかと思われたが、意外とクジャラートが充実していたため、対抗とも言い切れないような。
ただ、サルーインちゃんの壊しっぷりと、ナイトハルトくんの統治っぷりはかなり脅威かと。
他にも戦えるメンバーが揃っている気が。ナイトハルトくんが引っ張れば相当強そうだが、
サルーインちゃんが陣頭指揮とると内部からぶっ壊れそうだ。
ちなみに対ツフ用生物兵器を持つ唯一の寮。

【バファル寮】
文句無しのド本命。サンゴ海まで入れてしまったが、それを抜いても人材豊富過ぎ。
女性陣が異常に多く、かなり華やか。騎士団寮に分けてやれ。
普通にしてればまず負けることはなさそう。
唯一の不安点はワイルちゃんの存在。まぁどっからどう見てもスパイです。本当にありがとうございました。
やっぱりローザリアに情報流したりするんだろうか。そういう意味でもローザリアは強いのかもしれない。

【クジャラート寮】
書いてみたら意外と人材豊富。そしてここでストライフちゃんを忘れてたことに気付いた。
ストライフちゃんも入れると8人と、バファルに次ぐ豊富さを誇る。
まぁダウドとファラが数に入るかどうかはアレだが・・・
シェラハちゃん、水竜くん、ジャミルくんと、クセ者揃いな寮。まず真っ当な手段では来なそうな気がする。
そういう意味では、なかなか侮れない。正統派のバファルに対する、技巧派のクジャラートって感じだ。

【リガウ&ワロン】
騎士団寮に続く、人材不足その2。まぁ規模が規模だからしょうがないが。
ただ、ここの場合は人材不足というより少数精鋭と言った方がいいかもしれない。
数こそ少ないが、それほどここの人材は魅力的。
デスちゃんとタイラントくんのコンビをどう使うかが大きな鍵になりそうだ。
なんだかんだで、ここがチームとして一番統制が取れてそうな気がしてきた。

そしてここまで書いて、一体なにで寮の間の優劣を決めるのか考えてなかったことに気が付いた。やっぱ体育祭かなんかかな。
143ゲーム好き名無しさん:2006/06/08(木) 03:48:30 ID:???
気がつけばあと一ヶ月ちょいでこの物語が始まって一周年か・・・・
そしてマターリ進行だが何だかんだでベースであるミンサガのイベントも
劇中じゃちょうど半分くらいは終わってるんだな
144ゲーム好き名無しさん:2006/06/09(金) 00:05:37 ID:???
一周年か…なんというか、随分長く続いたよなー
いまはほぼ停滞してるけど。

>>142
3人とは言ってもラファエルほぼ機能してないから実質2人だな
145ゲーム好き名無しさん:2006/06/10(土) 00:17:10 ID:???
>>141
>>144
オレはこのスレ出来た時から見てたよ
話を書く能力があれば良かったんだが・・・

影ながら応援してます
146ゲーム好き名無しさん:2006/06/10(土) 20:20:38 ID:???
もう一周年近いのか…
文章とかさっぱりだけど、何か出来ればと思ってかいた。
15行で挫折した('A`)
ttp://erotyabin.gotdns.com/user/erotyabin/cgi/uproda/img/upsf002867.png
147ゲーム好き名無しさん:2006/06/11(日) 02:13:47 ID:???
>>146
超GJ!3人とも可愛くてステキだ。これ一番最初の出だしのとこだよな?
今までの色んな話の一部を切り取るみたいな形で、シリーズ化キボン

そして1周年乙。俺も最初から見てたクチだ。これからも影ながら応援してるよ。
148ゲーム好き名無しさん:2006/06/11(日) 04:11:54 ID:???
いや・・・だからまだ一周年じゃないって
149ゲーム好き名無しさん:2006/06/12(月) 00:05:25 ID:???
今回の話で一応魔の島絡みは一段落するってことになったんだっけ?
となるとようやく折り返しってことか。先が見えない戦いだ…
150ゲーム好き名無しさん:2006/06/12(月) 03:50:31 ID:???
>>147
サンクス。こんなのでよかったら時たま描くよー。
151ゲーム好き名無しさん:2006/06/15(木) 23:37:37 ID:???
今回の話が鬼門だと思う。何かと複雑だしな…
152ゲーム好き名無しさん:2006/06/18(日) 23:24:29 ID:???
すげー何だこのスレ!
153ゲーム好き名無しさん:2006/06/20(火) 21:16:43 ID:???
いらっしゃーい
154ゲーム好き名無しさん:2006/06/22(木) 01:36:14 ID:???
>>146が見えなくなってる。くそ、出遅れた・・・見たかった。
155ゲーム好き名無しさん:2006/06/25(日) 23:04:10 ID:beJAJbRs
捕手
156ゲーム好き名無しさん:2006/07/01(土) 02:16:50 ID:xETnd8mF
ほしゅ☆
157ゲーム好き名無しさん:2006/07/08(土) 20:55:34 ID:???
158ゲーム好き名無しさん:2006/07/08(土) 21:29:40 ID:???
かなり久々に覗いてみたら、なんだ、この過疎り方は。
よし、ちょっと待ってろ。
159ゲーム好き名無しさん:2006/07/09(日) 12:53:08 ID:???
よし!ちょっと待ってるぞ。
160ゲーム好き名無しさん:2006/07/09(日) 21:42:12 ID:???
保守♥
161ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 00:07:00 ID:???
勢いで書けた。書きたいところの半分まで。
しっかし、久しぶりだァ・・・
162ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 00:08:06 ID:???
だだ広い月の神殿をひた走る一つの小さな影がありました。
一片の躊躇いもない足取りで走り続けています。
ひどく特徴的なその緑色の目が、怪しくギラついています。

セージ(なぜだ、なぜなぜ、なぜなんだ?!
     なぜこうもこのボクの計画はことごとく破綻するんだ!!
     ミルザ・・・あのゴミ虫め、虫の癖に、雑魚の癖に、必死に足掻きやがって!!
     あいつのあの小汚い足掻きのせいで・・・とことんボクの品位が失われていく。
     ちくしょう、ちくしょうちくしょう、ちくしょう)

次第に、顔の色が怒りから焦りへ塗り替えられていきます。

セージ(このままでは・・・クビンにも見限られてしまうじゃないか。
     性能が悪いと・・・不完全だと・・・
     捨てられる?このボクが?この、ボクが?
     あは あは あはは あはははは
     バカな)

セージの足が不意に止まりました。
何かが切れたように、セージの首がカクンと後ろに倒れます。
虚ろな目が、高い天井に向けられます。

セージ「あは あはは あははは あは はははははは  あはは  」

不気味な笑いを断続的に続けながら、
フラフラと歩き始めるセージ。
・・・しばらくしてから笑いが止まったと思うと、まだ天井を向いたまま何か呟き始めました。

セージ「ありえない。ボクは・・・ボクだぞ。
     ボクは、ボクなのに・・・役立たずだなんて。
     ふざけたことをぬかしやがるよなあ。あはは、うふふ。
     ・・・けっきょく、月の石はボクの目の前じゃないか。
     計画が一つ失敗したところでなんてことないじゃないか・・・」

倒れた首が、ゆっくりとまた前に向き直りました。

セージ(・・・吠え面かかしたげるよ、ゴミ虫ども。
     誰が上で誰が下か、そのくらい理解してくれなくちゃあねえ?うふふ)

いつの間にやら、セージの口は笑みを形どっていました。
163ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 00:09:44 ID:???
二つの月の神殿。
その内部に遂に、ミルザくん達十人は踏み込みました。
その神殿は、天井から壁、床までほぼ満遍なく金箔に覆われているし、
薄く掘られている何とも形容し難い壁画といい、見迷うほどの辺りの広さといい、
何もかもが古びた外見とかけ離れた神聖さを醸し出しており、そのギャップに一同はしばらく感嘆していました。

ミルザ「さぁ、急いでいこう!早くしないとカヤキスの奴らが糸石を・・・」
と、思い出したようにミルザくんが言いました。
そのミルザくんの言葉を種に、次々とメンバーは我に帰ったように顔つきを緊張にこわばらせます。
ワイル「スペクターくんも心配ですよ。敵に噛み付いて返り討ちに会ったりしたら・・・」
ヘイト「よっしゃ、全速力全力投球で走り抜けるわよぅぅ!!!物ども続きェェーーーい!@!$hh!!」
エリス「ちょっと、皆さんそうお焦りにならず。安心してください。
    この月の神殿は、糸石を望む者への試練としてとても複雑な迷宮になっているのです。
    百足の如く枝分かれする通路は、そう易々と糸石の間へと案内してはくれません」
息巻くメンバーに、エリスちゃんが宥めるように言いました。
アル「そうそう、そゆこと!あの鎧のヤツだって、先に入ったってゆーヤツも、
   今頃迷いに迷って右も左も分からなくなってることだろーゼ」
そのアルの言葉に、黙りこくってたオイゲンが突如目を輝かせ食いつきました。
オイゲン「へーぇ、そりゃカッコつかねえなぁカヤキスの旦那も!ざまあみろ、ってか!うはは!!はは!!」
ミルザ「オイゲン・・・目が今までになく輝いてるね」
水龍 「なるほど、全く気が利くシステムだなぁこの神殿は。
    で、糸石の間まではモチ君が案内してくれるんだよネ!」
水龍くんが、隣のアムトちゃんに馴れ馴れしく腕を回します。
アムト「勿論ですとも!このアムトが、糸石の間まで最短距離で水龍さん達をご案内します!」
水龍「あっはは、全く頼りになる姫君ですね!このワタクシ、ますます貴方に惚れ込んでしまいましたよ・・・」
アムト「水龍サンはご冗談も上手いんですね。ますます四寮長が好きになりましたよ」
水龍「好き?!好きですと?!それはまさしくこの私に向けて言った言葉なんですよね?!
   ウホッ!マジかよ来てよかったぜ今日は一番のしゅうk」
おもむろにアルが水竜の顔をひっかきました。
水龍「ぎゃびっ!!こ、このクソね・・・こねーこねこちゃんちゃ〜ん♪ほ〜ら可愛いでちゅね〜♪」
アル「色々と冗談じゃねえ!ったく、このバカと寝ぼけ眼の主に何か言ってやってくれよエリスぅ」
エリス「 静 粛 に 。 ってか黙りなさい!黙れ!うるさい!
    まだみなさんに説明しきれてないことがいっぱいあるのよ」
アル「いっ!ご、ごめんなさい・・・」
身を小さくするアル。
オイゲン「まぁ、全部水龍のせいだろ?
      そうだよ、水龍、てめェーだよ てめェー」
ヘイト「そうだよナンパふかしやがってこの水ゥゥゥゥ!!@ウザいんだよ!!@!;・33」
水龍「むがっ!な、何とアグレシッブな女子なことか、何たる暴言!フラグか?!フラグなのかこれは?!」
ヘイト「何のフラグだァァァァあああああぁ!!@f☆!★「「!」
オイゲン「うぁぁー きえてくれー」
ミルザ「・・・エリスちゃん、説明再開して」
エリス「・・・はい」
オイゲン「うらむのは すいりゅーだぜ」
164ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 00:12:29 ID:???
エリスちゃんは一度コホンと咳払いし、話を続けました。
エリス「最短距離で行けば、糸石の間まではすぐでしょう。
    ただし、油断しないで下さい。糸石の間には・・・
    『最後の試練』が待ちかまえています」
ストライフ「最後の試練・・・金庫番か?」
サルーインちゃんを抱えたままのストライフちゃんが問います。
エリス「・・・そうです。
    名をゾディアックといい、背から双頭の龍を生やす禍々しい容貌の魔獣です。
    その咆哮は天をも揺るがし、その巨爪は地をも引き裂く。
    そして、三つの頭がそれぞれ繰り出す冷気弾は、まさに絶対零度。
    触れるものは愚か、近寄るもの全てを氷の牢獄に閉じ込めてしまうそうです。
    ・・・でもまあ、いかに恐ろしい怪物といえど、所詮は金庫番。人の作ったものですし、
    皆様なら難なく攻略できると思いますよ・・・あれ、どうしたんですか?」
話を終えたエリスちゃんが周りを見渡すと、心なしか全体の士気が低下しているようでした。
ミニオンズは、青ざめた顔でヒソヒソ何か話しているし、
早速臆病風に吹かれてる者もいるようでした。

ワイルちゃん(なんか・・・今までになくヤバそうですよね・・・・・・戦いになったら私下がってますよ。)
ヘイトちゃん(とばっちりー受けないように今の内に帰りたい気持ちも山々よねェェ・・・・・)
ストライフちゃん(サルーインちゃん様のお体を危険な目に合わせないためにも、戦いは四寮長達に任せて下がってような。)
ジャミルくん「あの仮面野郎だけでも十分すぎるほどに精神磨り減らしてるってェのに・・・か、帰りてェ・・・
        なァ〜、ミルザオイゲ〜ン。オイラは後ろで戦わないで見てるからなァ〜。頼むよ〜」

アル「エリスぅ・・・わざわざそんな大仰に金庫番の恐ろしさをアピールしなくても・・・」
エリス「う、うん・・・」

ワイル「・・・ところで」
ワイルちゃんがミルザくんに近寄りました。
ミルザ「ん?どうしたの?」
ワイル「サルーインちゃん、どうしてます?さっきから声聞こえませんけど・・・」
ワイルちゃんがミルザくんの胸元のアクアマリンを掴み覗き込みました。
アクアマリンに浮かぶサルーインちゃんは、精神体だから寝息こそ立ててないものの目を休ませ眠っているようでした。
ワイル「サルーインちゃん・・・寝ている?」
ミルザ「・・・やっぱり、この体で長い間いるのは疲れちゃうのかなあ」
ワイル「そう、みたいですね。・・・はやくもとの体に戻してあげたいですね・・・」
ミルザ「ウン・・・(・・・それにしても、サルーインちゃんの寝顔かーわいーなー。
     ・・・寝顔?そういえばこんな近くで寝顔見たのなんて初めてだなあ。ン?ちょっと待てよ。僕の胸元にアクアマリンがあって、
     そこにサルーインちゃんの顔があるわけだからつまり・・・イカンイカン!何を考えてるんだ僕!)」
ミルザくんが、雑念を払いにほっぺたをパンパンと叩く傍らで、エリスちゃんがみんなに対して言いました。

エリス「さっ、今から糸石の部屋に案内するわ。みなさん、ちゃんと付いてきてね」
アムト「というワケで、ハイ一列に並んでー!出発しんこー!!」

一同は、糸石の間へと歩を進め始めました。
165ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 00:20:46 ID:???
ムムッ、想定外の出来事が起こった。
いま携帯から書き込んでるけど、事情でパソコンが(多分)明日まで使えなくなった。
昨日から待たせといてアレだけど、また待たせちゃうかな。スイマセン。
スイマセン、スイマセン、ゴメンなさい…
166ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 01:18:19 ID:AZ+w+42s
乙以外の発言は認めない。
167ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 01:23:34 ID:???
うお、予想外の流れに乙!
いや、ちょっと待ってろ〜の後に、幕間みたいな小ネタが来るかと思いきや、
本編の続きが、しかも今日来るとは。
ついにセージくんキレちゃったね。そしてやっぱり出るかゾディアック。
楽しみに続きを待ってるよ。大丈夫、これまで待ってたんだから、今さら1日くらいはものの数には入らんよw
168ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:37:58 ID:???
さて、行くでよ
169ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:39:16 ID:???
月の神殿の一部屋。
その中心にある宝箱を、黒い鎧の男・・・カヤキスが今まさに開けようとしていました。

カヤキス「クソッ」
カヤキスは、足下の空箱を蹴飛ばしました。
手にある、おそらく箱に入っていただろう取るに足らないものも、同時に床に投げ捨てます。
カヤキス「一体なんなのだ、この神殿は。そんじょそこらのテーマパークの大迷路とかとは比にならんな。
      ・・・・・・間違いなくデートには使えんな。・・・いや、逆に使えるかも?
      いやいや、そんなことは問題ではない。問題は・・・この神殿の異常なる広さ」
壁にもたれかかり、くたびれた足を休ませながら思案に暮れるカヤキス。
カヤキス(月の神殿の試練とは、この事だったのか。
      この迷宮こそが、石を目指す者を阻む最大の壁。
      そして、おそらく月の交わりが終えるまでに
      この神殿を脱出しなければ、神殿の内部にいた者は・・・)
その先は容易に想像できるのですが、カヤキスはあえてその先を想像しませんでした。
カヤキス(しかし、私はなんとお間抜けなのだ。
      ミルザ達にはエリスがついてる以上、先に糸石を奪取するのは困難・・・
      そして万が一時間内に脱出できなければ・・・
      ゲートが使えればいいのだが、どうなのだろう・・・?
      ・・・ともかく、こうして考えている時間は全くの無駄である事には変わりない。
      まだ月が交わりを終えるまで時間があるだろう。とりあえずは探索だ。)
体を壁から離しニ、三首を鳴らした後カヤキスはまず部屋の出口へ向かい歩み始めました。
その時――

「見つけた、見つけたぞ」

カヤキス「なっ――」
その声と同時に、突如小さい浮遊物体が部屋の中へ突っ込んできました。
浮遊物体を目で追うカヤキス。
浮遊物体は、すぐにカヤキスの目の前で停止しました。
手の平ほどの大きさしかない、ゴーストによく似た姿形の浮遊物体は、
瞳の無い目で恨めしくカヤキスを睨みつけています。
???「久しぶりだな、『黒い悪魔』よ」
静かに、身に秘める怒りを押し殺すように浮遊物体は言いました。
カヤキスはしばらく見つめた後、言い放ちました。

カヤキス「・・・・・・だれだ?」
170ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:41:21 ID:???
???「・・・きさっ、きさまぁ!!」
浮遊物体は、身を震わせ声を荒げました。
スペクター「身に覚えが無いとは言わさないぞ、『黒い悪魔』ナイトハルト!!
       僕は――・・・、六将魔が一人、スペクターなり!
       あの夜を覚えているだろう、そうだ覚えていないわけがない。
       お前がその忌々しい黒き鎧にて僕の全てを吸った日を!」
カヤキス「・・・・・・身に覚えが・・・ないな」
スペクター「意味の無い言い逃れをするな!このような惨めな姿、矮小な力で、
       僕がどれだけの無念と屈辱を味わったかお前は知るまい。
       この湧き上がる恨みつらみ憎しみ、さぁどうして晴らしてくれようか!」
カヤキス「・・・・・・」
カヤキスは一度小さいため息をついた後言い始めました。
カヤキス「貴様は『私』に力を奪われたのではなく、この『鎧』に力を奪われたのだ。
      無念?屈辱?私の知るところではないな。出直せ」
スペクター「―――!!」
スペクターは、カヤキスに向かってまっすぐ炎のロッドを振り下ろしました。
咄嗟に鉾で身を守るカヤキス。
けたたましい金属音が部屋中に鳴り響きます。
スペクター「この・・・この・・・っ!
       ・・・お前は、あの夜から今までこの僕の地位を利用し
       好き勝手やってきたのだろうが、それもここで終わりだ!」
カヤキス「・・・・・・・・・・ふん!」
カヤキスは、鉾に力を込めスペクターを吹き飛ばしました。
スペクター「わっ!・・・くそッ!」
スペクターは、再び猛スピードでカヤキスに突っ込み炎のロッドを振り下ろしました。
またもカヤキスの鉾で受け止められるも、今度は何度も何度もロッドを振り下ろします。
スペクター「このっ、このっ!!」
カヤキス「・・・・・・」
攻防がしばらく続き、・・・ふとカヤキスが言いました。
カヤキス「貴様はなぜ体を取り戻したいのだ?」
171ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:44:11 ID:???
スペクター「・・・は!?・・・僕を惑わせようとでもしているるつもりか、何を――」
カヤキス「いいから」
ガキン!と一層高く金属音が鳴り、二人の距離が離れます。
カヤキス「自分の胸に聞いてみるがよい。・・・体を取り戻して・・・どうするつもりだね?」
スペクター「・・・は?!」
スペクターの顔の怒りの色が、更に増してゆきます。
身を震わせスペクターは怒号を上げました。
スペクター「僕を虚仮にしているのか!!!なぜこうも僕をほとほと呆れさせてくれるのかこの天邪鬼め、
       僕が体を取り戻したい理由?!そんなの決まっているじゃないか、それは・・・
       あのときの力を取り戻して・・・ふた、たび・・・・・」
スペクターは、言葉を詰まらせました。

カヤキス「・・・クック」
カヤキスは小さく笑いました。
カヤキス「さて、私から体を取り戻してどうする?再び将魔へと戻るのか?
      再び人間に恐れを与え恐れられる存在へと戻るか?」
スペクター「そ、そんなワケ!・・・い、いや・・・」
カヤキス「・・・貴様が体をこの鎧に奪われてから随分と月日が経ったな。
      その間に貴様は変わりすぎたのだ。・・・生まれ変わったと言っていいほどに」
スペクター「・・・な、」
スペクターが声を張り上げます。
スペクター「なにを知った風な口を!」
カヤキス「貴様があのミニオンどもと仲良くしてるとこを見れば全て分かるわ。
      ・・・ふふ、私の目に狂いはあるかな?」
スペクター「・・・・・・ぅ・・・」
スペクターは、数時間前に己に交わした誓いを思い出しました。

ボクの帰る場所は――
172ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:47:56 ID:???
カヤキス「・・・一つ、貴様にいい事を教えてやろう。」
スペクター「?」
カヤキス「この鎧は貴様の力を根こそぎ奪った。魔力、精神力。
      ・・・だが、奪ったのはそれだけではないのだ」
スペクター「え、どういうこと!」
カヤキス「この鎧は怨念、邪な気を主食としている。
      ・・・貴様は、力を奪われてから自分自身何かが変わったとは思わなかったのか?
      性格が変わったとか、・・・そうだな、分かりやすいところでは一人称が変わった。
      あの時、この鎧は貴様の力と同時に貴様の邪気、悪意をほぼ奪い取ってしまったのだ。
      権欲、性欲、凶暴性、・・・意地の悪さ」
スペクター「・・・・・・ぅ・・・」
カヤキス「いかに貴様が邪悪だったか、この鎧を纏う私がいま一番分かる。
      この鎧を纏っている間、貴様の邪悪な気が私に流れ込み私を侵食してゆく。
      私はみるみる邪悪になってゆく。今の私は、人を嵌めたり虚仮にしてケタケタ笑うのが溜まらなく快感だ。クック」
スペクター「・・・・・」
俯きこんだまま、スペクターは何も言おうとしません。
カヤキス「貴様も、私から感じる「自分」のおかげでここまで来れたんだろう。
      貴様がいまあそこまで血が上り怒り狂ったのも、「自分」である私とあまりに接触しすぎて
      多少「自分」を吸い取ってしまったため。
      ・・・ふふ、私の言いたい事は分かるだろう?スペクター」
その言葉に、スペクターは顔を上げました。
カヤキスと若干目をそらしながら言い始めます。
スペクター「・・・ああ、分かるさ、分かるとも。そこまで懇切丁寧に説明されたら、いやでも。
       ・・・諦めろって言ってるんだろ、そのくらい理解できる」
一テンポ置いてから、スペクターは続けます。
スペクター「・・・諦めるさ。・・・確かに、もう僕に元の体は必要ない。
       分かってる、分かってるけど、でも・・・
       ・・・・・・お前の態度が、気に入らない」
カヤキス「そうかそうか。」
カヤキスは身を翻し静かに出口へと歩みを進めながら、スペクターを見ず言いました。
カヤキス「・・・私が気に入らないのならば、元の貴様もそうだったのだよ。」
カヤキスはそれ以上何も言いませんでした。
去っていくカヤキスの後姿を・・・スペクターは、ずっと目で追っていました。
・・・視界から消え去っても、ずっと。
スペクター「・・・・・・」
スペクターは小さくうなだれました。
173ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:50:40 ID:???
暗く、広く、また何も無い大広間。
セージは、神殿に入ってからおよそ『一つも迷わず』この広間に到着しました。
はるか前方を見据えると、金色の光が漏れる隙間が見えます。
その隙間を見ながら、その視点の持ち主・・・ゴブリンセージは声を震わせながら呟きました。
セージ「あそこから漏れるあの光は・・・月の石ムーンストーンのもの。
     近づくと・・・やっぱりプンプンにおうよ、糸石のにおい」
ゆっくり・・・ゆっくりと、その『隙間』に向かって歩を進めるセージ。
壁も天井もほぼ見えないこの大広間に、セージの足音だけが小さく響きます。
かぐわしい糸石の『匂い』が・・・セージにしか感じれないその匂いが、段々と増していきます。
感極るセージは、ゆっくりと以前のある出来事を思い返し始めました。


セージはその日、主に呼び出されていました。
クビン「セージよ。そろそろ糸石を手中に収めてはどうだ?」
部屋の入り口に立つセージを見ないままにクビンは言います。
セージ「まっ、そうお焦りにならないでくーださいな。
     何がどうなろうと、最終的には全ての糸石が
     あなたの手に入る手筈になっていますから」
クビン「それは分かっておる。おまえはいま糸石集めには必死でない事も・・・分かっておる。
    おまえはエンターテイナー気取りで、手駒を使ってミルザ達をおちょくっているだけなんだろう。」
セージの眉が一度ピクリと大きく揺れました。
セージ「おや。・・・・・マスター、ちょっと的確ゥ。」
少し間を空けてから、クビンは今度はしっかりセージの方を向いて言いました。
クビン「・・・だが、お前はあくまで私の部下である事を忘れるな。
    お前は単独ではない。あくまでわしの支配するモンスターの一員に過ぎない。
    ・・・そろそろ必死になれ。『遊ぶ』のではなく『働く』のだ。
    わしの信用を失えば・・・どうなるかわからない筈はあるまい?」
セージを見据えるクビンの目つきは、とても鋭いものでした。


セージ(肉の壁を随分と無駄に消費してしまったケド・・・糸石さえ手に入ればチャラだ。
     ムーンストーンが手に入り・・・サルーインも元に戻れなくなる。更にはあの憎きカヤキスを追い払い・・・
     一石二鳥どころか、一石三鳥だねェ。アッハハハ・・・)
含み笑いを続けながら、歩を進めるセージ。
・・・そしておよそ大広間の半分程に達した時です。
セージ「・・・・・・!?」
・・・セージは何かの気配を感じ取りました。
174ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 19:54:54 ID:???

――フゥー  フゥーー

セージ(・・・吐息?・・・鼓動。気配、・・・音。・・・・・・・・・)
空耳などではない。「それ」は、確かに存在する物としてセージの耳に入ってきていました。
生物の気配。心臓の鼓動。吐息。・・・荒く、飢えた吐息。
「それ」はどこからか?
セージは咄嗟に天井を見上げました。
「それ」が漏れ出ているらしい、頭上――
しかし、そこには何の変哲も無い天井が延々と広がっているだけです。
セージ(・・・おかしいな、確かに生物の・・・モンスターの気配、が・・・)
困惑した表情で天井を見続けるセージ。
・・・突如のことでした。

『私に打ち勝つことが出来るならば、お前を糸石の守護者として認めよう。』

セージ「なっ、」
どこからともなく女性の声が・・・機械を通して漏れでたような声が、突如広間中に響き渡りました。
セージ「だ、誰だっ!!何者だっ?!」
焦燥の色を浮かべながら、辺りを見回すセージ。
と、セージは一つある事実を思い出しました。
セージ「そ、そうだ。・・・忘れていたよ。糸石のある所には必ず存在する・・・あの・・・
     くははは、何でこんな大事な事を忘れていたんだろうね?ふっふっふ、ふふふふ」
言い終わると同時に、「それ」の主は遥か天井から現れました。
大きな地鳴りと咆哮を上げ・・・その禍々しい全貌をセージの目の前に晒しました。

セージ「月の糸石の金庫番・・・えっと、お名前はなんだったっけかな。
     ・・・そうだ、ゾディアック」
175ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:00:41 ID:???
ゾディアックのけたたましい咆哮が、腹に響きます。
殺意に満ち満ちた目が、セージを捕らえました。
セージ「化け物め・・・!」
セージは、震える手でクラックを唱えました。
ゾディアックの立っている地面が薄く割れ、体制を崩します。
セージ「化け物は化け物らしく、同じような化け物とチャンチャンバラバラやってりゃーいいのさ」
セージは素早くゾディアックから距離をとると、
杖・・・『霊木の杖』の両端を強く握り締めました。
セージ「さぁー、霊木の杖!今日はどんなカッコイイ姿をボクに見せてくれるのかな?!ワクワクするよ!」
両端を掴むセージの手に、力がこもります。


バキッ


セージ「・・・!・・・・・?!」
杖が音を立て床に落ちました。
同時に、遥か後方へセージが吹き飛びます。
セージ「・・・ぁ・・・・・・っ・・・」
セージの小さい鼻の穴から、一筋の赤が滴り落ちます。
・・・頬の痛みと、原型を留めたまま落ちている杖が、今の状況を物語っています。
身を起こすのも忘れ、しばらく放心するセージ。
間もなく、「再び」ゾディアックがセージ目掛けて突っかけてきました。
セージははっとし、瞬時に身を起こし飛びつくように勢いよくその場を離れました。
けたたましい音が一度響き、セージのいた場所がゾディアックの一撃に深く抉れました。
セージの額から一筋、冷や汗が流れます。
セージ「ふっ、ふっ、ふっふっ、うふふふふ
     ・・・ばけ、もの。化け物化け物化け物。・・・化け物」
うわ言のように呟いたと思うと、まっすぐゾディアックを見据えながら今度は声を張り上げて言いました。
セージ「ボクの邪魔をするな、化け物!!臭くってさ!醜くってさ!!その上カッコワルくてさ!!!
     荒い鼻息に!卑しい目!!いびつな姿!!!お前みたいなただの怪物が!
     どうしてこのボクに迷惑をかけるんだ!!」
セージは、かろうじて肉眼で確認できる距離にある『霊木の杖』目掛けて駆け出しました。
セージ「ボクの杖ええエエェェーーーーーー!!!」
176ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:01:58 ID:???
絶叫を上げながら、杖だけを目指して駆けるセージ。
しかし、セージの走りよりも何倍も素早くゾディアックはセージに駆け寄り・・・
セージ「ぐぁっ!!」
ゾディアックの体当たりがセージに命中し、セージの軽い体はいとも容易く吹き飛びました。
セージ「う、・・・ぐっ・・・」
痛みと痺れ。上体を起こすだけでも多大な労力を失います。
痛みに悶えるセージを、ゾディアックがあざ笑うように見ています。
ゾディアックのその視線に、セージは深い屈辱を覚えました。
セージ「・・・醜悪で、醜怪で、愚劣極まりない奇天烈なナリの犬っコロ!!
     ・・・こーゆーワルクチさえも満足に通じないような無知アホな獣の癖に、
     なんとも、人を見下すような態度をとる能だけはちゃあんとあるようだネ・・・!」
頭から幾筋もの血液を流しながらも、怨恨の目つきでゾディアックを睨むセージ。
セージ(こんな犬っコロごとき・・・魔の島に帰って他の将魔達に頼めばイッパツさ。
     結界が解け内部に入れるようになった・・・ということは、無論ゲートだって使えるはずだ。
     でも問題は・・・ゲートを開ける余力が今のボクには無いってことだ。
     ・・・ダケド、もう少し・・・もう少し時間を稼げれば何とかなる・・・)

(  ど  う  や  っ  て  ?  )

ドクン
一度大きくセージの心臓が波打ちます。
セージは、どこにでもなく何にでもなく問いました。
食い止める。そう、どうやって?
余力が無い。さぁ、どうやって逃げる?どうやって切り抜ける?
立ち上がる力くらいなら、ある。だが、走る力も無ければ無論術を使う力も無い。
さぁ

どうする?

177ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:03:29 ID:???
セージ「―ぁ・・・――ッッ!!!――ぅ・・・―ッッ!!」
堰を切ったようにセージの体から大量の冷や汗が流れ出しました。
詰まったように息苦しくなる。酔ったように頭がぼやける。
それでも意識ははっきり――ある一つの感情へ・・・
セージ「ちょ・・・」
偏る・・・
セージ「ちょっと待て・・・」
前に・・・

ゾディアック「グオオオオオオオオオ!!!!」

雄たけびが響き渡り、魔獣は、牙を剥き一直線にセージへ突っ込みました。
まばたきする暇もありませんでした。・・・セージは、ただ目をつぶって――


「いやぁっほおおおぉぉぉう!!!!!」


ゾディアック「?!グ・・・グゲエエエエ!!!」

謎の叫び声と、ざっぱああああん!!と波が打ちつけるような謎の音。
そしてゾディアックの悲鳴がほぼ同時に響きました。
セージ「・・・え?!」
セージは目をパッと開きました。
頬をへこませ、横にぐらつくゾディアック。その上を飛ぶ・・・人型の影。
水を撒き散らし、長い髪を振り乱し、宙をグルグルと舞っています。
目を凝らしてその影を見るセージ。
丁度・・・目が合った瞬間、また別の音が聞こえてきました。
扉が開く音。足音。・・・ざわめき。

「ちょっと水龍さん!そんなノリノリで・・・え?!」
「水龍・・・てめェー、騒いでんじゃ・・・あれ?!」
「?!?!」

目線を素早く音のする方向・・・部屋の入り口付近へと目を移すセージ。
そこには・・・彼が憎む連中がいました。


・・・ミルザ達。
178ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:05:38 ID:???
セージとゾディアックがいる部屋へと入るミルザ一行の反応は様々でした。
ゾディアックの姿に驚愕するものがいれば、横の紅色ゴブリンの存在に動揺するものもいるし、
状況がよく分からず混乱するものだって勿論います。
一同は、それぞれ複雑な顔をしながらも、横なりに倒れてるゾディアックを見た後その近くまで駆け寄りました。

水龍「このでっかい動物がエリスちゃんの言ってた金庫番?んじゃ、こっちにいる、ちっこいウサギさんみたいのはなんだ?」
駆け寄る一同へ、先ほどゾディアックを水のスケートボードで蹴飛ばした水龍くんが言います。
エリス「え、ええ。確かにこれはゾディアックだわ・・・で、こっちにいるのは・・・?」
エリスちゃんがゴブリンへと視線を移します。
ミルザ「ゴブリンセージ。魔の島のヤツだ」
エリス「え!」
ミルザくんが応えました。
続くようにオイゲンくんも言います。
オイゲン「かわいい顔して残酷で、危険なヤツさ。
      今回も・・・コイツが関わっていたのか?」
ストライフ「私達に扉を開けさせ、ムーンストーンを横取りでもしようとしていたのだろう。
       だが、金庫番に返り討ちにされこの様、か・・・」
冷ややかな目で、血を流すセージを見下ろします。
エリス「で、でも・・・この神殿は迷宮。最短距離をきた私たちより先に・・・
    多く見てもたかが数分前に入ったような者が、先にたどり着いてるというのはどうも疑問が・・・」
エリスちゃんが腑に落ちないような口調と表情でみなに言いました。
アル「そうだぜ。『偶然』なんて答えは許さねーぜ」
オイゲン「ワカラねーが、きっとなにかしたんだろ・・・ま、コイツに直にききゃぁいい話だがな」
オイゲンくんが、一歩セージに近づきました。
と、それとほぼ同時にミルザくんもセージへと詰め寄り言いました。
ミルザ「まさか・・・サルーインちゃんをシンボルにするよう仕組んだのも・・・お前なのか?」
セージ「!」
179ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:07:22 ID:???
じいっとセージを見つめるミルザくん。
オイゲン「・・・そういえば『あの』時・・・コイツはあのカヤキスを連れてきてたな。
      カヤキスを操ってたのも・・・コイツか?」
ストライフ「・・・全部こいつが・・・?今回の黒幕はコイツなのか・・・」
ジャミル「そういやぁー、オイラ見たぜ!こいつ、あの仮面野郎ともグルだった。
      ミルザ達の元へアイツを向かわせたのもコイツだ!」
ミルザ「・・・・・!」
その場にいる全員の視線が、セージを突き刺します。
ミルザくんはたまらずセージに掴みかかりました。
ミルザくん「答えろ!サルーインちゃんをあんな目に会わせたのはお前か?全部お前の仕業なのか?!」
叫びながらセージを揺さぶるミルザくん。
セージはしばらく緑の目でじいっとミルザくんを見つめた後、言いました。

セージ「・・・さあ?」

ミルザ「・・・!!・・・・こ、この・・・・・・クソ・・・ガキ・・・・・・!!」
ミルザくんの目が、血走り、眉間に筋が大きく浮き出ます。
ミルザ「きさま!正直に言わないと、この小さな首を絞め潰してやるぞ!!」
憤怒の勢いでセージに迫るミルザくんは、かつてないほどの怒りを覚えていました。
そんあミルザくんに、今まで黙っていた水龍くんが言いました。
水龍「・・・落ち着けミルザ。捕まえて色々すりゃ嫌でも吐くさ・・・それよりも・・・」
水龍くんが顎でゾディアックの方を示しました。
一同の目がゾディアックを向きます。
水龍「・・・かわいくない方の敵さんがお目覚めだ」

・・・金庫番、ゾディアックが、ゆっくりと立ち上がろうとしていました。
180ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:09:35 ID:???
ヘイト「う、うわぁぁ!!」
ワイル「きゃあ!!」
ゆっくりと起き上がる魔獣の形相を見た二人は、慄き飛び退りました。
ワイル「わ・わ・わ・・・め、目覚めましたよォ〜、怪物が・・・・ひ、ひぃ〜」
ヘイト「水龍!!あぁンたがヤンチャしちゃったせいで、ほらァ怪物サンご立腹じゃないのォォ!★☆!!!@ll!!
    責任とれィ責任ンン!!$!」
後退しながら思い思い叫ぶ二人。
それに便乗するように、エリスちゃんとアムトちゃんもじりじり後退しながら何か言い始めました。
エリス「あ、あの〜、分かっているとは思うけれど、これはあくまでも『試練』なワケで、
    私たちが手出しすることは禁止されているの!だ、だから頑張って!きっとイケるわ!ファイト!オー!」
アムト「四寮長サン達なら余裕よォ〜!」
魔獣の前に立ち睨み続ける水龍の耳に、その言葉が耳に入りました。
水龍「安心して退がっていなさい、お嬢さんたち!
    この四寮長きってのキレ者・水龍が、こんな陳腐な怪物ごときちゃちゃっとやっつけてみせましょう!」
水龍くんは、後退する女子達の方向を振り向き、芝居がかった口調で叫びました。
オイゲン(・・・頭が、っていうか脳みそが・・・)
アル(・・・ブチ切れてるって意味だよな・・・)
あきれ返る二人。
ジャミル「んじゃー、オイラも下がって見てようかなァー。(今まで随分頑張ってきたし、別にいいよなァー?)」
ストライフ「サルーインちゃんさまの御体に衝撃が渡ってしまわないよう、私も下がっているか・・・」
おずおずと魔獣と距離をとっていく二人。
魔獣の近くには、ミルザくん(とセージ)、オイゲンくん、アル、水龍だけが残っていました。
魔獣は、うなり声を上げながらまだ完全に体を起こしていない状態で首をゴキゴキ鳴らしています。
水龍「おや、お前たちは下がってなくていいのかな?化け物相手は危ないぞ・・・」
オイゲン「アンタだけにいい格好させてられるかい!」
アル「上に同じ!」
ミルザ「上に同じ!・・・じゃないよ僕は。このガキ・・・ゴブリンセージを放したらすぐ逃げてしまいそうで・・・」
セージ「・・・・・」
セージと水龍くんを見比べながらミルザくんが言います。
水龍「・・・見たところ随分ケガしてるようだし、ほうっておいても・・・」
アル「オレにまかせろ」
水龍の話に割り込んだアルが、すぐに術の構えをとりました。
アル『アースライトバインド!』
アルが術を唱えると、セージの足元から爆発したように勢いよく光の鎖が噴出し、セージの体に巻きつきました。
セージ「・・・・・・ン・・・!」
セージが一度あがきます。光の鎖は複雑にセージに絡みついており、セージは動けずにコロンと横に転がってしまいました。
ミルザ「ナ、ナイス猫ちゃん!これで安心だよ」
アル「猫ちゃんじゃなくてアル、な。以後覚えとけな」

水龍「!・・・構えろ。雑談は終わりだ、来るぞ」
181四行入れるのミスったからもう一度。:2006/07/10(月) 20:13:32 ID:???
ヘイト「う、うわぁぁ!!」
ワイル「きゃあ!!」
ゆっくりと起き上がる魔獣の形相を見た二人は、慄き飛び退りました。
ワイル「わ・わ・わ・・・め、目覚めましたよォ〜、怪物が・・・・ひ、ひぃ〜」
ヘイト「水龍!!あぁンたがヤンチャしちゃったせいで、ほらァ怪物サンご立腹じゃないのォォ!★☆!!!@ll!!
    責任とれィ責任ンン!!$!」
後退しながら思い思い叫ぶ二人。
それに便乗するように、エリスちゃんとアムトちゃんもじりじり後退しながら何か言い始めました。
エリス「あ、あの〜、分かっているとは思うけれど、これはあくまでも『試練』なワケで、
    私たちが手出しすることは禁止されているの!だ、だから頑張って!きっとイケるわ!ファイト!オー!」
アムト「四寮長サン達なら余裕よォ〜!」
魔獣の前に立ち睨み続ける水龍の耳に、その言葉が耳に入りました。
水龍「安心して退がっていなさい、お嬢さんたち!
    この四寮長きってのキレ者・水龍が、こんな陳腐な怪物ごときちゃちゃっとやっつけてみせましょう!」
水龍くんは、後退する女子達の方向を振り向き、芝居がかった口調で叫びました。
オイゲン(・・・頭が、っていうか脳みそが・・・)
アル(・・・ブチ切れてるって意味だよな・・・)
あきれ返る二人。
ジャミル「んじゃー、オイラも下がって見てようかなァー。(今まで随分頑張ってきたし、別にいいよなァー?)」
ストライフ「サルーインちゃんさまの御体に衝撃が渡ってしまわないよう、私も下がっているか・・・」
おずおずと魔獣と距離をとっていく二人。
魔獣の近くには、ミルザくん(とセージ)、オイゲンくん、アル、水龍だけが残っていました。
魔獣は、うなり声を上げながらまだ完全に体を起こしていない状態で首をゴキゴキ鳴らしています。
水龍「おや、お前たちは下がってなくていいのかな?化け物相手は危ないぞ・・・」
オイゲン「アンタだけにいい格好させてられるかい!」
アル「上に同じ!」
ミルザ「上に同じ!・・・じゃないよ僕は。このガキ・・・ゴブリンセージを放したらすぐ逃げてしまいそうで・・・」
セージ「・・・・・」
セージと水龍くんを見比べながらミルザくんが言います。
水龍「・・・見たところ随分ケガしてるようだし、ほうっておいても・・・」
アル「オレにまかせろ」
水龍の話に割り込んだアルが、すぐに術の構えをとりました。
アル『アースライトバインド!』
アルが術を唱えると、セージの足元から爆発したように勢いよく光の鎖が噴出し、セージの体に巻きつきました。
セージ「・・・・・・ン・・・!」
セージが一度あがきます。光の鎖は複雑にセージに絡みついており、セージは動けずにコロンと横に転がってしまいました。
ミルザ「ナ、ナイス猫ちゃん!これで安心だよ」
アル「猫ちゃんじゃなくてアル、な。以後覚えとけな」
水龍「!・・・構えろ。雑談は終わりだ、来るぞ」

ゾディアック「グオオオオオオオオオ!!!!」

部屋中を揺るがす咆哮を上げ、ついにゾディアックは身を起こし戦闘体制に入りました。
182ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:15:53 ID:???
先に仕掛けたのは魔獣、ゾディアックでした。
床を思い切り蹴り、白い牙を剥き、大砲の弾のように水龍たちに突っ込んできます。
水龍くん達は、それぞれバラけるように飛び、一撃を避けました。
水龍「おいお前たち!私が中心になってコイツを攻撃する!お前たちはサポートだ、サポートに徹しろ!!
    いや、サポートというよりかは、ぶっちゃけ引き立て役的な?!」
水龍くんは誰ともなく皆に聞こえるようにそう叫んだ後、球状の水の塊を自らの周りに瞬間的に幾つも生み出しました。
水龍くんが手を前方に突き出すと、無数の水の塊が散弾銃のようにゾディアックに次々突き刺さりました。
ゾディアックが小さいうめき声を上げます。最後の水の弾が突き刺さるや否や、ゾディアックは一直線に水龍くんに突っ込みました。
水龍くんは床を蹴りつけ、水の爆発を残しながら大袈裟に高く飛び突進を避けました。
水龍(コイツ、意外と手ごたえ・・・)
入鹿のごとく弧を描き、そして無駄に大袈裟に体を捻りながら宙を舞う水龍くん。
その軌道上に、次々またあの水の塊が作られていきます。
水の爆発を受け戸惑うゾディアックの背後に、水龍くんが静かに着地します。
水龍(・・・ない。)
水龍くんがパチン、とこれまた大袈裟に大きく指を鳴らすと同時に、
空中に作られた水の塊が次々ゾディアックに襲い掛かり始めました。
水の弾丸がゾディアックを撃ち抜くたびに、耳障りのいい音が空間に響き渡ります。
ゾディアック「グオオ・・・グ、グエエ!!」
水の猛射を受け苦しそうな声を上げるゾディアックを見据えながら、
水龍くんは一際多い水の弾丸・・・水の大砲を目の前に生成しました。
ゾディアックを襲う水の塊が弾切れを起こします。ゾディアックの、憤怒と憎悪に満ちた蒼い目が水龍くんを捕らえました。
水龍くんが、手を優しく水の砲弾に添えます。
ゾディアックが、牙を剥き猛り狂った声を上げながら水龍くんへ突進します。

水龍「リキッドキャノン」

水の爆発音が鳴り渡り、大砲は、突進してくるゾディアックへ向けて発射されました。
二度目の爆発音が鳴ると同時に、ゾディアックの巨体があっさり吹き飛びました。
ズズウンと地鳴りを上げ、ゾディアックが広間に仰向けに倒れました。
同時に、広間の隅に避難してたミニオンズ達から感嘆の声が上がります。

ワイル「や、やっぱり四寮長は強いですね・・・!」
アムト「うわー、すごいすごいすごーい!!まるで映画を見てるみたい!!」
ジャミル「うほォ〜〜!!怪物が袋叩きだァ〜!!もっとやれやれィ水龍サマーー!!」

ゾディアック「ギ・・・ギギギ・・・・・・」
フラフラと足を、体を震えさせながらもゾディアックが立ち上がります。
水龍くんは意地の悪そうな笑みを一度浮かべたあと、ビシッとゾディアックを指差しながら言いました。
水龍「まだやるのかい?いいだろう、じゃぁ貴様が「ラわーーーん!!」と泣いて命乞いしちゃうまで叩いて叩いて叩きのめしてやるわ!! 」


――水龍くんから少し離れた所で一部始終を見ていたオイゲンくんが、ミルザくん、アルに言いました。
オイゲン「水龍のヤツ、ノリノリだなァ・・・あいつばっかにいいとこ回すわけにはいかん、俺達もやってやろうぜ!」
アル「もっちろんだぜィ!!」
ミルザ「・・・・・・(別に任せておいといてもいいと思うんだけどなあ・・・)」
183ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:18:50 ID:???
水龍「先手必勝ぉぉぉーーーー!!」
水龍くんが床を蹴り、爆発音と水柱を後に残しながら瞬時にゾディアックの懐に入りました。
ゾディアック「ギ・・・」
水龍「喜べ!!空中ツアー、というか天井付近ツアーへ特別ご招待だ!!」
水龍くんが両手を高々と上に上げると同時に鯨型の水柱がゾディアックの足元から現れ、
ゾディアックを高々と空中へ放り飛ばしました。
ゾディアック「ギ・・・ギャアアアアアア!!!!」
ざっぱああああんと耳に心地よい音を背景に高く舞うゾディアック。
そして、水龍くんは今度は自身を鯨型の水柱に乗せ、高く舞い上がりました。
部屋の隅のギャラリー達の首が一斉に上を向きます。
ゾディアックと水龍くんが、同じ高さで目を合わせました。
水龍「一緒に落ちようか?それともお前だけ――」

「ところがどっこい!!オレ様が先だあああああ!!!!」

水龍「は??!!」
その声はありえないことに、水龍くんよりも少し高い位置から聞こえるようでした。水龍くんが見上げると・・・
水龍「ネ、ネコ?!」
アル「てめーだけに出番回してやるかってんだこのスットコドッコイ!!スターァライトビット!!」
アルの尻尾がまばゆい光に包まれ、そのままゾディアックの巨体にその光の尻尾を叩きつけました!
ゾディアック「ギョ、ギョエエエエええ??!!」
叩きつけられたゾディアックは、物凄い勢いで地面に向かって落ちてゆきます。
水龍「クソッ、横取りするたあふてぶてしいネコちゃんだ!!って・・ええ?!」
ゾディアックを目で追い下を向いた水龍は、また一驚き。

オイゲン「よっしゃァーー、こーい!!場外まで吹っ飛ばしてやるぜェーー!!」

丁度ゾディアックが落ちるであろう地点・・・その少し横にずれたところに、バットのようにウコムの鉾を構えるオイゲンがいました。
水龍「ぶへっ!!もう用意してらっしゃるだとォ?!」

オイゲン「お♪来た来たァ!!」
舌なめずりし、目の色を変えて獲物の到来を待つオイゲンくん。
ぐんぐんゾディアックの落下が進んでゆきます。
ゾディアック「ギャアアアア!!ちょま、ちょま、ギョエエエエエエ!!!」
オイゲンくんは片足を上げ、身を捻り、ウコムの鉾を構え、落ちてくるゾディアックに狙いを定めました!

カッキイイイイイン!!!

ゾディアック「ギャアアアアアア!!!!!!」
オイゲンくんのウコムの鉾バットの一撃は、キレイにゾディアックの尻付近をヒットし、吹き飛ばしました!
オイゲン「打った打った打ったァァァーーー!!!オイゲンくんカキインッ!!って!!カキインッ!!って打ちましたよォォーーー!!
      ぶっはァァァーー、べろべろべろべばーーーざまあみろ水龍ゥゥ〜〜〜!!そして、とどめはこの人ォ!!!いっけェェええ〜〜!!!」
興奮してワケわからぬ声を上げるオイゲンくんは、視線をゾディアックの吹き飛ばされる方向に変えました。
そこには、レフトハンドソードをしっかり構えるミルザくんの姿がありました。
184ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:21:42 ID:???
ミルザ(まさか僕にトリが回ってくるなんて・・・そういえば、よくよく考えたら僕ってあんま『トリ』回ってきたことないよなァ〜
    でも今がまさに絶好のチャンス!見ててサルーインちゃん、・・・寝てるか。でも、カッコよくキメてやる!)
ミルザくんはレフトハンドソードを握る手を強めました。
水龍(く・・・ミ、ミルザが一番の決め所をォォ〜〜!罪なヤツめこのォ〜)

オイゲン「いけェー!ミルザァー!!」
アル「やっちゃれェーーー!!」
ワイル「頑張ってミルザさーーーん!!」
ジャミル「ミ・ル・ザーーー!!」
アムト「いっけ、いっけええーーー!!」

もはや周りの応援のノリはスポーツショー。口笛を吹いて囃し立てる人もおります。
ミルザくんは緊張しながらも、向かってくる(吹き飛んでくる)ゾディアックに狙いを定めました。
ギュルギュルとボールのように丸まって回転するゾディアック。
近づいてきます。緊張が高まります・・・

ミルザ「えっ?!」

ミルザくんは驚愕しました。ゾディアックの顔が丁度ミルザくんの方向へ向く時、ゾディアックの真ん中の顔は口を大きく開けていました。
その口の奥には、青白い光が渦巻いていて・・・
そのまま、ゾディアックは青白い光――冷気をミルザくん目掛けて吹き出しました。

ミルザくん「うああああああああああ!!!!」

「!!!!!」

ミルザくんは顔を押さえ、横なりに倒れました。
ゾディアックは、冷気を噴射する勢いで回転運動が収まったのか、ピタリと止まりその場に崩れ落ちました。
オイゲン「ミ、ミルザ!」
アル「ミルザ!」
水龍「だ、大丈夫か?!」
185ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:26:26 ID:???
三人が、顔を押さえて倒れるミルザくんに駆け寄ります。
ミルザくんは上体を起こし、顔から片方手を離して言いました。
ミルザ「だ、大丈夫大丈夫・・・し、心配しないで・・・」
手を『大丈夫』と言う風に振りながら言います。
ミルザくんの顔は、凍傷でかなり赤くなっていました。
オイゲン「あーんま大丈夫には見えないぞ!でも、まぁ無事で良かったよ・・・
      ・・・無事?・・そういえばなんで無事なんだ・・・?」
何かの引っ掛かりを感じるオイゲンくん。
ミルザ「ちょ、ちょっとオイゲン。その言い草酷くない・・・?はは」
オイゲン「いやあ、エリスさんが言ってただろ、ゾディアックの冷気は絶対零度って・・・あ、ま、まさか!」
ミルザ「どうしたの?」
オイゲン「エリスさん、ゾディアックのこと完全に誇張してたんだぜ。
      エリスさんが言うほどあのゾディアックは恐い存在じゃないってこった!
水龍「マジ?!・・・まぁ、たしかにエリスちゃんが言うほど強くないしなァ、実際・・・」
アル「・・・エリスもアムトもゾディアックを直接見たことはなかった。
   ぜんぶ噂、というか上からの情報だったんだ。・・・まぁ、そういうこったナ」
水龍「・・・そういうことか。ふっ、おっちょこちょいなレディーたんだ。ますますそそられるよ・・・フフ」
アル「て、てめー何言ってやがんだ!!」
オイゲン「殺すぞ!!」
水龍「まぁ、落ち着けってぇ〜。後でアイスおごってあげるから」
と、水龍がそこまで言った時、ゾディアックはゆっくり立ち上がり始めました。
三つの頭、三つの口から、青白い光が漏れています。
ミルザ「あれは・・・『冷気』が来るぞ、みんな!」
ミルザくんが立ちあがろうとします。
オイゲン「ミルザは、そこで座って休んでいろ。
      ゾディアックは大した事ない。絶対零度なんかじゃねえんだあの冷気は・・・安心して見ててくれ」
ミルザ「・・・・・・」
ゾディアックの三つの首に、冷気が溜まっていきます。



――・・・・・・
水龍達とゾディアックの戦いを見ながら、セージは考えていました。
セージ(・・・あれは勝つ流れだな。・・・勝っちゃ困るんだよなァ、勝っちゃ。・・・負けても困るけど。
     ・・・でもま、もうみんなの視線がボクにはいってないこと、だし・・・)
セージは首だけ回して辺りを見回しました。
セージ(ん。・・・もう誰もボクを見てなんかいない。
     いくらでも手が打ちようがあるねえ。困るくらいにサ。うふふ
     ゲート一回開くくらいの力は・・・戻ったし、手足縛られててもゲートは開けるんだよね。潜れないけど。
     さて、どオする?どォしよっかなあ〜?うふふ)
しばらく思案に暮れるセージ。・・・と、突如セージは『何か』を感じ取りました。
セージ(・・・この怒り。・・・この憎しみ。・・・・・・神殿を走り回っている。・・・迷っている。
     ・・・なァんだ、都合いい人材が近くに転がってたじゃァないか〜
     なんだかヤツ、体力も少し戻ってるみたいだし、もう少しお世話してもらおっかナ。)
186ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:31:08 ID:???
魔獣の三つの首が少しだけ仰け反ります。
ググッと小さく震えた後、ゾディアックは三つの口から蒼い冷気の塊――冷気弾を噴き出しました。
空気を冷却し、撥ね逸らしながら、冷気弾はそれぞれ三人目掛けて飛んでゆきます。
オイゲンくんは打槍を構え、アルはビットを幾つか作り出し、水龍くんは水の大砲を生成しました。

オイゲンくん「スカッシュ!!」
アル「スターライトFS!!」
水龍「リキッドキャノン!!」

三人の眼前に、激しい閃光と炸裂音が響きました。

・・・向かい来る冷気弾の一つは、オイゲンくんの打槍に叩き潰されました。
もう一つの冷気弾は、アルの出した光の銃弾と相殺され、
更にもう一つの冷気弾は、水龍くんのリキッドキャノンにあっさり飲み込まれ消滅しました。
ゾディアック「・・・・・・!!」
たじろぐゾディアック。
・・・三人は、一瞬だけお互いを見回した後、ゾディアック目掛けてほぼ同時に駆け出しました。

「「「とどめさすのははオレだぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」」」

ゾディアック「ヒッ!!」
ゾディアックは恐怖しました。・・・自分に向かってくる三人(ってか一人と二匹)の勢いの凄まじいこと。
水龍「残念ながら、とどめをさす事ができるのは真のヒーローのみ、とずっと昔から決まっているんだ!!!」
アル「るせー!!!ウダウダ言ってないで、ちったァみんなの前で恥かくことぐらい覚えやがれ!!」
オイゲン「真のヒーローだとか、自惚れてんじゃねェよ!!」
ミルザ(・・・もー、勝手にしてくれ。)
三人、ほぼ横一直線に並びながら、ゾディアック目掛けて突っ込んでいきます。
オイゲンくんは打槍を構え、アルは爪を光に纏わせ、水龍くんは全身に力を蓄えながら。
とどめを刺さんと、ゾディアックへ。
・・・・・・瞬間でした。


魔獣の頭上に開く闇の穴。
赤に燃え銀に光る剣。
むせかえる程の『死臭』と『殺気』。


ゾディアック「グギャアアアアアアアア!!!!!!」
「「「!!!!!!」」」


ゾディアックの三つの首が跳ね飛びました。

187ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 20:37:14 ID:???
今ある分は終わった。久しぶりな分、なにか致命的な綻びがないか心配だなあ。
ゾディアック戦は嫌にノリノリで書けた。なんでだろう。
最初はあんな風にするつもりなかったのに・・・ほぼ放送事故。
あーいう戦闘は久しぶり、だよね?

続きはまだやりたいけど、イっていいならイきますよ。
イっていいですかね?
188ゲーム好き名無しさん:2006/07/10(月) 23:55:21 ID:???
気持ち悪い。あんたと、その文章中のキャラの口調が
189ゲーム好き名無しさん:2006/07/11(火) 00:14:12 ID:???
乙以外の発言は認めな(ry
確かにヘイトの口調は気持ち悪い。うん、昔から思ってた…

>>187
乙。よく二日程度でここまで書けたなー。
ザッと見たところ綻びはなかったと思う。
なんというかゾディアックの噛ませっぷりがワロタ。イカや亀に比べると確かに弱いしな。
続きは、俺は行っていいと思うよ。別に。
190ゲーム好き名無しさん:2006/07/11(火) 01:01:05 ID:???
でもそのうち聞かずにはいられなくなる。それがヘェイトクオリティ。
つーか赤魔から本性を表した時の差は何なんだ。

>>187
乙。久々に読めたので堪能した。
カヤキスとスペクターのやり取りが良かった。そうか、悪いもんごと吸い取ったのか。そういう解釈もアリだな。
アレの登場の仕方がいいな。ボスっぽいヤツを倒して真のボスが乱入してくるという流れがイカす。
ストUのベガと豪鬼を思い出した・・・。
191ゲーム好き名無しさん:2006/07/11(火) 23:02:26 ID:iAWtPs6y
久々に乙
ついでに上げとこう
192ゲーム好き名無しさん:2006/07/18(火) 01:44:23 ID:???
次まだかな。
193ゲーム好き名無しさん:2006/07/18(火) 23:40:29 ID:???
>>187
乙。こんなに軽いバトルも久々だ。しかし野郎どもはノリノリだな。
続きも書いちゃっていいんじゃね?楽しみに待ってる。
194ゲーム好き名無しさん:2006/07/22(土) 20:13:59 ID:???
>>187
亀だが乙。水龍カッコイイよ水龍
次を書くならいつごろ投下するか教えてくれ、たのむ
195ゲーム好き名無しさん:2006/07/27(木) 00:42:56 ID:???
じゃあ次書きたいと思います。ってかもう書いてます。
書きたいこといっぱいあるし、最近過疎が進んで来た分
文章量もそれなりにしとかないとなあとか思ってるんで、結構時間かかるかと…
七月は越してしまうかもしれません。
196ゲーム好き名無しさん:2006/07/29(土) 23:52:00 ID:???
>>195
wktk
七月越えまで一週間もないし、のんびり書いておくれ

ついでにageるわよぉぉオオォォ〜ん☆@欄n
197ゲーム好き名無しさん:2006/07/30(日) 23:40:04 ID:???
>>195
楽しみに待ってるよ。納得のいくのを作ってくれ。
待つにしても、誰かが書いてくれてる、ってことが判るだけでも張り合いが出るな。

>>196
ヘェイトちゃん乙w

さて、待ってる間に小話でも投入してみようかな?本編のストーリーには全くからまない、番外的なもので。
つーかバレンタイン期間に書こうとして頓挫したものがあってな・・・
198ゲーム好き名無しさん:2006/07/31(月) 15:51:49 ID:???
投入して大丈夫かと
199197:2006/08/01(火) 01:38:17 ID:???
んじゃ投入してみるよー
200ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:40:42 ID:???
<番外編:それぞれのバレンタイン>

マルディアス学園にも、やってきましたバレンタイン。
それは誰も彼もが心惑わす魔性の一日。
天国と地獄が、勝者と敗者が、勝ち組と負けドッグが明らかになる、
そんな罪深き一日。

そして我らがセレブ3姉妹も、そんな美味しいイベントに乗り遅れるものかと、
チョコ作りにいそしんでいました。

【サルーインちゃんの場合】

※手作りチョコレートの作り方
1.まずはチョコレートを砕いてください。

サルーインちゃん「なるほど!ではいくぞ!!おりゃーーー!!!」
バリーン!!バリーン!!

2.次に、細かく砕いたチョコを湯煎してドロドロにします。

サルーインちゃん「まだまだいくぞーーー!!!」
バキバキバキバキ グシャッ!!

2.次に、細かく砕いたチョコを湯煎してドロドr

サルーインちゃん「うるせーーー!!!もっと!!もっとだ!!!」
ベキベキッ!バキバキバキバキッ!!ドグシャッ!!

2.・・・あのー、さっさと次の工程に入らないと・・・・

サルーインちゃん「あ”ーーー!?聞こえんナァーーーー!!!アハハアハアハ!!!」
グシャッ!!ドガシャッ!!ちゅどーーーーん!!!メメタァ!

2.アンタどんだけチョコを消費すれば気が済むんですか。どっかのチョコレート工場長のカリビアンですか。
  つーか、後半擬音がおかしくねぇですか。もはや料理jy

サルーインちゃん「うるせえええええーーー!!お前も壊れよ!!!無窮自在ぃぃぃ!!!」

ワイルちゃん「・・・あぁ・・・レシピをバラバラにしちゃった・・・。」
シェラハちゃん「まぁ予想通りの展開ね・・・。サルーイン姉さんに『壊す』『砕く』なんて工程与えたら、
          そこでずっとループするのはお約束よね。」
デスちゃん「やっぱりレシピ与えても理解しなかったか・・・
        サルーインよ、たまには四行以上の文章も読もう、な。」
サルーインちゃん「アハハハハ!!楽しいな!!バレンタインはこんなに楽しいイベントだったなんて!!
            もっとだ!!もっとぶっ壊すぞ!!ワイル!次のチョコもってこーーーい!!!!」
ワイルちゃん「は、はひぃぃぃぃ!!(なんでこんな時に限ってストライフちゃんもヘイトちゃんもいないんですかーーっ!!)」
デスちゃん「食材を壊す祭りと思ってるのか。イタリアのトマト投げとかと混ざっちゃってるなーー。」
シェラハちゃん「すでに手段が目的になってるわね。・・・さて、私たちもチョコの用意をしなきゃ。」
201ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:44:19 ID:???
【シェラハちゃんの場合】

シェラハちゃん「(ここを・・・こうして・・・うん、出来上がり。)」
綺麗に、そつなく、シェラハちゃんのチョコレートが出来上がりました。
シェラハちゃん「(さて、誰にあげようかしら・・・あの人は馬に蹴られて入院中だし、
          あの人はゴールドマインで逃げ遅れた上に救助から漏れて、パブに張り紙貼られたし、
          あれはイナーシーの嵐で、あっちは砂漠の流砂で、あれは迷いの森で・・・
          ・・・う〜ん・・・・・)」

サルーインちゃん「おらあああーー!!次!次のチョコもってこいワイルーーー!!」

さっ

シェラハちゃんが自分のチョコを、さりげなくサルーインちゃんの前に置きました。
ならば当然、
サルーインちゃん「あ!チョコめーーーっけ!!!アハハアハハハ!!!」
バキバキバキッ!!
シェラハちゃん「あぁ・・・せっかく作ったチョコレートが姉さんに壊されてしまったわ。
          さようなら、私のバレンタイン・・・あぁ、悲しいわ・・・」
デスちゃん「その割にはなんか満たされたような顔してるなシェラハ。」

202ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:46:31 ID:???
【デスちゃんの場合】

シェラハちゃん「あら姉さん。姉さんのも出来上がり?」
デスちゃんの手には、なんともシンプルな、それでいて完成度の高いチョコレートがありました。
デスちゃん「うむ。これで完成だ。」
シェラハちゃん「あ、でもここに持ってくると姉さんが・・・」
サルーインちゃん「あーーー!!!ここにもチョコめーーーーっけ!!!」
ワイルちゃん「駄目です!!サルーインちゃんさまああああ!!!」

デスちゃん「問題は、無い。」
ガキィィィッ!!!!

サルーインちゃん「なっ!!わ、割れねぇ!!」
デスちゃん「 死 の 一 閃 !!(ハリセンで)」
すぱーーん!!と気持ちの良い音が響きました。
サルーインちゃん「痛ってえ!!てか、なんで壊れないんだこのチョコ!!なんかの卑劣なワナ?」
デスちゃん「ふっ。甘いわ。このチョコは耐火・耐熱処理を徹底的にしているのでな。
       必然的に強度も上がったわけだ。普通のチョコのつもりで手にかけたお前の負けよ!!」
サルーインちゃん「なっ、なにおおおお!!ちぇっ、そんなんいらねーやバーヤバーヤ!!
            ワイルーーー!!代わりのチョコはないのかーー!!」
ワイルちゃん「はっ、はひいいいい!!!」
そしてぱたぱたぱたと走るワイルちゃんが、ふと立ち止まり、言いました。
ワイルちゃん「・・・デスちゃんさま、ところで何でチョコに耐火処理なんてしたんですか?」
デスちゃん「・・・・そうだなー変だなー不思議だなーー。
        本当にこの世は不思議がいっぱいだなーーーアハハハハ・・・・。」
シェラハちゃん「はいはい。」

「ただいまーーー。」

【ストライフちゃんの場合】

ワイルちゃん「あ、この声はストライフちゃん!!よかった・・・・もーストライフちゃん今大変なんですから!
         水泳教室から戻ってくるの待ってたんですよっ!!・・・・なんですその荷物?」
帰ってきたストライフちゃんは、両手両肩さらには背中、果ては頭の上にまで、紙袋を抱えています。
それら紙袋には、溢れんばかりの綺麗な包装のプレゼントがいくつも・・・全部チョコです。
ワイルちゃん「・・・どしたんです・・・これ・・・?」
ストライフちゃん「ふ・・・ふふ・・・だから私はこの日が嫌なんだ・・・
           朝校舎に行こうとしたら靴箱に溢れてた。
           机についたら机の中どころか、上にこんもり置いてある。
           休み時間には後輩に捕まって、紙袋を持たされたと思ったら女子が殺到してきやがった。
           あげく水泳教室行ったら、水着姿の私を大量に追っかけてきた・・・女ばっかが。」
デスちゃん「凄いなこれは・・・ラブレターが入ってるのまであるぞ。それも複数。」
シェラハちゃん「この包装、かなり本気と見たわ。モテモテね・・・羨ましいわ・・・。」
ワイルちゃん「これは手作り、こっちは高級ブランド・・・ストライフちゃん、彼女なら作りたい放題ですね・・・。」
ストライフちゃん「お前らそれ以上言うな。泣くぞ?泣いちゃうぞ?」

「泣かないでェェェェェェ。涙はキミには似・合・わ・な・イヒェィヤァァァァアアアア☆d潤v
203ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:50:13 ID:???
【ヘイトちゃんの場合】

ストライフちゃん「!!この脳天からドリルをブッ刺したような声は・・・野郎!!どこだ!!」

しかし、アヒャヒャウヒョヒョヒョと笑う声はすれど、姿が見えません。
デスちゃん「ん?なんか臭くないか?」
ワイルちゃん「そういわれれば確かに・・・」
シェラハちゃん「でもおかしいわね。他には誰も・・・向こうでサルーイン姉さんがチョコ壊しまくってるくらいよ。」

ぽたっ

と、ストライフちゃんのすぐ横に、何かのしずくが垂れてきました。
ストライフちゃん「・・・これは・・・ぐっ!匂いの元はこれかよ!!なんだこの黒いのは・・・上か!!」
ヘイトちゃん「行くわよぉぉぉおおおおおスットライフちゅわああああぁぁぁんfjljfl!」
ストライフちゃん「うぉわあああああーーー!!!!」
ストライフちゃんがとっさに後ろによけました。その直後、上から何か黒い物体が落ちてきました。
どがしゃああああん!という音と共に、ホコリが舞いました。
そのホコリの中に、黒い物体が一つ。

――――そして、物体の中に、爛々と輝く目が・・・

ワイルちゃん「・・・まさか・・・ヘイトちゃんですか?」
ワイルちゃんが一歩後ずさりします。
ヘイトちゃん「そうよぉぉォォ〜〜♪`〒
         アタシ特製のチョコを、裸体の上からタ・ッ・プ・リ・塗ってェェェ〜〜。
         そう、贈り物はア・タ・シ(はぁと)さぁ食べて食べてェン、スットライフちゅわん・・(はぁと)」
全身にチョコ(と言い張る何か)を塗ったヘイトちゃんは、
どっからどう見てもコールタールの怪人にしか見えません。しかもゴイスーなオイニーを撒き散らしてます。

デスちゃん「ち、チョコってのは、瘴気を撒き散らすものだったかな・・・」
デスちゃんは既に開門で門を半分開き、いつでも逃げ込む体勢に入っています。
シェラハちゃん「や、やっぱり、ストライフちゃんが受け取ってあげなきゃ、
        ヘイトちゃんは満足しな・・・いやいや、報われないと思うの。報われないのは悲しいわよ。」
シェラハちゃんはいつの間にやら、厨房の奥に隠れていました。
ストライフちゃん「ちょっ、待て、私を一人にするなああああああああ!!!!」
ヘイトちゃん「さぁ〜〜捕まえるわよぅスットライフちゃん☆m廓」
ストライフちゃん「やめ・・・来るなっ・・・」


サルーインちゃん「ああーーーー!!!でっかいチョコめっけーーーーーー!!!!!」

204ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:51:51 ID:???
突然サルーインちゃんがヘイトちゃんにタックルをかまし、すっ転ばしました。
ヘイトちゃんが目をぱちくりして見上げました。
そこには目を怪しく輝かせて、怪しく笑うサルーインちゃんの姿が。
ヘイトちゃんがサルーインちゃんの目を覗きます。そこにはびっしりと、

壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!
壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!壊れよ!
・・・と。

ヘイトちゃん「あ、あの〜〜サルーインちゃんさま、落ち着いて、ね?」
サルーインちゃん「うりゃああああーーー!!ぶっ壊れよォォォーーーー!!!!」
ヘイトちゃん「べぐしっflfj!!!!」
サルーインちゃん「これはデカイなーー!!壊しがいがあるなーー!!アハアハアハハハハハ!!!」
ヘイトちゃん「ちょ、サルちゃさま、まt」
サルーインちゃん「なかなか壊れないな!!だがこれならどうだ!?これならどうだ!?私に壊せぬモノは無いアハハハ!!!」
ヘイトちゃん「アヒャあふぁあfkぁふぁf壊れちゃうううううううううjふぁlfぁl!!!!!」

ストライフちゃん「た、助かった・・・サルーインちゃんさま、このご恩は一生・・・」
サルーインちゃん「お、ストライフか。それ全部チョコか?あぁなるほど。お前もぶっ壊すために持ってきたのか?」
ストライフちゃん「いや、これは色々と贈られまして・・・」
サルーインちゃん「贈られた?お前なに言ってるんだ?」
ストライフちゃん「え、だってバレンタインは―――――」

205ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:52:32 ID:???
【ワイルちゃんの場合】

サルーインちゃん「ええええええっ!!!バレンタインってば、チョコを贈る祭りなのか!?壊すんじゃなくて!?
            そんなぁ!!聞いてねーーぞそんなのーーー!!」
デスちゃん「・・・チョコ作る前に言わなかったっけ?」
シェラハちゃん「あの時はチョコ破壊に夢中だったからね。耳に入ってないんじゃない?」
サルーインちゃん「・・・てことは、チョコを贈らないと祭りコンプリートにならないのかぁ?
           やだやだやだ!!そんなのいやだ!!この私ともあろうものが!!乗り遅れてなるものか!!!」
シェラハちゃん「姉さんワガママ言わないの。そんなバラバラのクズチョコなんて、誰も受け取らないわよ?」
実際は、ヘイトちゃん製のチョコでもテンション絶頂で受け取る男が、騎士団寮方面に約一名おりますが。
サルーインちゃん「・・・ううう、ストライフのチョコも全部ぶっ壊しちゃったし・・・」
ストライフちゃん「早っ!!つか、いつの間に・・・」
サルーインちゃん「しゃーない。デス姉ぇ!!チョコくれ!!!」
デスちゃん「  絶 対 ダ メ  」
サルーインちゃん「いーじゃんかこのケチ姉!!薄情もん!!鬼畜!!ビッグフット!!チュパカブラ!!!」
シェラハちゃん「罵倒の言葉に未確認生物が何故混ざるのかしら。」
ストライフちゃん「あの人の思考回路は我々ではわかりませんね。」

ワイルちゃん「あのう・・・・」

言い合いをしているサルーインちゃんとデスちゃんの間に、おずおずとワイルちゃんが割り込んできました。
その手には、スカイブルーの箱にピンクのリボンで飾りつけた、綺麗な箱があります。
ワイルちゃん「サルーインちゃんさま、はい、バレンタインのチョコです。だから、怒りを静めてください。バレンタインですもの、ね?」
サルーインちゃん「お前が、私に?」
ワイルちゃん「はい♪サルーインちゃんさまは、私の大切な人ですから♪」
ワイルちゃん、さらっと問題発言を言ってのけました。
サルーインちゃん「ふむ・・・そうか。ならば受け取ってやらんでもな・・・ん?」
と、サルーインちゃんの頭に突如ピコンヌと電球が付きました。
サルーインちゃん「(・・・チョコが手に入った!!ワイルの奴のなら、品質も大丈夫だろ。)
            よぉーーーし!よくやったぞワイル!!あとで褒美をくれてやるぞ!!アハアハアハハ!!!」
ワイルちゃん「え、ほんとですかあああ!!わー、やったあ〜♪」
サルーインちゃん「さて、ちょっと出てくるぞ!!そうだな・・・よし、あのアホのとこにでも行くか!!!アハハハハ!!」
デスちゃん「(・・・横流しする気だな・・・)」
シェラハちゃん「(・・・自分で作ったって言い張る気ね・・・)」

そしてサルーインちゃんは、意気揚揚と出かけていきました。向かった先は――――。
206ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:53:33 ID:???
【ミルザくんの場合】

ミルザ「・・・ヒマだね・・・」
オイゲン「・・・あぁ・・・。」
ミルザ「・・・ラファエルの奴は、さっきコンスタンツから何か貰ってたね・・・」
オイゲン「・・・あぁ・・・。」
ミルザ「・・・ジャミルを呼んだけど、今日はファラと遊ぶんだってさ・・・」
オイゲン「・・・あぁ・・・。」
ミルザ「・・・なぁオイゲン、今日ってさ、バレンタインだよね・・・?」
オイゲン「あぁん?何だって?」
ミルザ「い、いや、バレンタインなのに僕らには何にも無いなぁって」
オイゲン「うるせええええええ!!!バレンタイン!!バレンタイン!!!うるせえんだよおおお!!!!」
ミルザ「ぐえっ!!!!お、落ち着けオイゲン!首締めるな!!つーか目がイってるよオイ!!!」
オイゲン「バレンタインがなんぼのもんじゃああ!!!俺たちゃ硬派な騎士団なんだよおおおお!!!
      黒いお菓子っていえばようかんだ!!!そうだろ!!そうだよなミルザ!!!」
ミルザ「サ、サーイエッサー!!」
オイゲン「2月のイベントだぁ!?それは節分だ!!そうだろ!!そうだよなミルザぁ!!」
ミルザ「サ、サーイエッサーーッ!!」
オイゲン「バで始まる単語は、バナナワニ園だ!!そうだろ!?そうだよなミルザああああああああ!!!」
ミルザ「サ、サーイエッサァァァァァァァ!!!!」

サルーインちゃん「あいっかわらずアホやってるなお前らは。」

ミルザ「・・・サルーインちゃあああああああんん!!!!!!!!」
チアノーゼ寸前だったミルザくんですが、サルーインちゃんの声を聞くやいなや、
オイゲンを吹っ飛ばしてサルーインちゃんの方に爆走してきました。
我に返ったオイゲンくんが、その後を追います。

ミルザ「さ、サルーインちゃん!!今日はまたどうして??はぁはぁはぁはぁ!!」
サルーインちゃん「アハハハ!!そりゃバレンタインだからな!!!」
ミルザ&オイゲン「「・・・え?」」

サルーインちゃんが、自慢げにスカイブルーの箱を取り出しました。
サルーインちゃん「ほれ貧乏人!!!私がお前にチョコを贈ってやるぞ!!!」
ミルザ「サルーインちゃんが・・・ボクに・・・?」
サルーインちゃん「それは当然だ!!なにせバレンタインだからな!!!アハアハアハハ!!」
ミルザ「・・・・・!!!」
オイゲン「う・・・・嘘だ・・・・」
サルーインちゃん「当然手作りだぞ!!アハハハハ!!」
オイゲン「嘘だあああああああ!!!!!」
オイゲンくんは、そのままヨロヨロと力無くミルザくんの肩を掴みました。
オイゲン「あ、あははは。おいミルザ、ミルザくん。俺たち友達だよな?俺たち似たもの同士だよな??」

バシッ!!!
ミルザくんはオイゲンくんの手を跳ね除けました。そして一言。
ミルザ「 下 が れ 、 下 郎 。」
オイゲン「(うっ、上から目線ーーー!!!)」
207ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:56:46 ID:???
ミルザくん「あ、ありがとうサルーインちゃん!!僕、嬉しくて死にそう!!死んでもいいくらい嬉しい!!!」
サルーインちゃん「アハアハアハハハ!!バレンタインだバレンタインだ!!ほらほらもっと喜べ!!!」
オイゲンくん「・・・お、おーい、ミルザくん・・・なぁ、俺たち友達だよな?どんなことがあっても、な?」
するとミルザくんは無言で肩をすくめ、首を左右に数回振って・・・
ミルザ「黒いお菓子が、ようかんですか・・・。2月は節分のシーズンで、バのつくものはバナナワニ園、と・・・。」
オイゲン「おーいミルザくん・・・・」
ミルザ「ごめんよオイゲン。どうやらボクとキミとは、文化が違うみたいだ。」
オイゲン「(か、勝ち誇ってやがるーーーーー!!!!)」

サルーインちゃん「おい、さっさと開けろよ。せっかく私の手作りなんだからな!!アハハ!」
ミルザくん「え・・・(ちょっと待ってよ食べたら無くなっちゃうじゃんこれから写真とって匂い嗅ぎまくって冷凍保存して
       一生懸命勉強してクローン技術開発して食べる用舐める用嗅ぐ用観賞用に増やそうとしてたのに・・・
       ・・・ま、サルーインちゃんのお願いなら・・・)」
そしてミルザくんがチョコの箱を開けると・・・

サルーインちゃん&ミルザ「「・・・・・・・!!!!!」」
オイゲン「おい・・・お前ら何凍り付いてんだよ?どれどれ・・・」
そんな2人の横からオイゲンくんがチョコを覗きました。そのチョコには、ホワイトチョコで文字が書いてありました。

           「私はこれからも、ずーっとアナタのしもべです♪」・・・と。

オイゲンくん「・・・へ?!」オイゲンくんも凍りついてしまいました。
それほど、チョコに書かれたメッセージは衝撃的でした。
ミルザ「(え?え?ちょっとこれって、確かこれはサルーインちゃんが手作りで、
     しかも僕のためにつくったもので、てことはこのメッセージは、
     サルーインちゃんから僕にあてたメッセージってことで、で、しもべって!!
     サルーインちゃんって実はM?強気に見えて実はM?ダメだよ!!僕らこんな関係なんて、まだ早すぎるよ!!)
     ・・・・・・コホン、えーとサルーインちゃん、これはどういう・・・」
サルーインちゃん「うがああああーーーーっっ!!!!!!」
ミルザくんがサルーインちゃんの方を振り向いた瞬間に、サルーインちゃんのストレートがミルザくんの顔面をぶちぬきました。
サルーインちゃんの顔は、興奮と混乱と恥ずかしさとで、真っ赤に染まっています。
サルーインちゃん「忘れよ!!忘れよ!!忘れよォォォーーッ!!!!」
ミルザ「ぶげらっ!!ばぼっ!!ごべっ!!!!」
オイゲン「あ・・・あぁ・・・」
サルーインちゃん「・・・貴 様 も 見 た な ?」
オイゲン「う、うわあああああ!!!!」

ぐしゃっ

オイゲンくんは薄れ行く意識の中、思いました。
・・・バレンタインと呼んで良いのは、日ハムの監督だけだ、と。

ワイルちゃん「(うふふ・・・サルーインちゃんさま、食べてくれたかなー?ちょっと冒険しちゃった♪恥ずかしいよーきゃ〜きゃ〜♪)」

サルーインちゃん「ワイルァーーーー!!!帰ったらおしおきだーーーーー!!覚えとれよーーーー!!!」

――――思い通りに行かないもの。嗚呼それが青春時代・・・
【終】
208ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 01:58:56 ID:???
色々手を加えたら、なんだかよくわからない話になってしまった。
そして最大の失敗を発見。

・・・バレンタイン監督はロッテじゃねぇか・・・。

では>>195、楽しみに待ってるよー。
209ゲーム好き名無しさん:2006/08/01(火) 22:11:02 ID:???
>>208
乙!
いっきに読めて面白かった。
オイゲン君には心の底から同情するww
210ゲーム好き名無しさん:2006/08/02(水) 02:28:13 ID:???
>>208
乙柱陣
キャラ一人ひとりの持ち味が堪能できて良かった
ヘェイトちゃんが何気にエロス。惚れそう
サルーインちゃんの暴れっぷりも素敵すぐる
211ゲーム好き名無しさん:2006/08/07(月) 16:29:55 ID:???

212ゲーム好き名無しさん:2006/08/11(金) 21:59:31 ID:dkvAnwrt
妖怪大戦争に出てる赤いのがミニオンに見えたw
213ゲーム好き名無しさん:2006/08/12(土) 03:26:30 ID:???
俺も一瞬オモタw
214ゲーム好き名無しさん:2006/08/14(月) 23:30:07 ID:???
では久々に・・・
続きマダー?(AA略
215ゲーム好き名無しさん:2006/08/14(月) 23:57:56 ID:???
チンチン
216ゲーム好き名無しさん:2006/08/16(水) 02:58:16 ID:???
皆がうっかり保守を怠けていつスレが落ちるのか楽しみでしょうがない
217ゲーム好き名無しさん:2006/08/18(金) 21:45:21 ID:xPEVusTQ
じゃあ保守
218ゲーム好き名無しさん:2006/08/19(土) 02:10:38 ID:???
じゃあ俺も捕手
219ゲーム好き名無しさん:2006/08/21(月) 00:32:48 ID:???
保守三柱陣・神罰
220ゲーム好き名無しさん:2006/08/21(月) 05:18:17 ID:???
ミニオン・保守イト
221ゲーム好き名無しさん:2006/08/24(木) 23:50:33 ID:???
続き町
222ゲーム好き名無しさん:2006/08/25(金) 17:08:06 ID:???
チョ ヌン ヘェェェェイトォォォ!!! ニダ
223ゲーム好き名無しさん:2006/08/25(金) 18:38:37 ID:???
>>222アキラの生徒乙
224ゲーム好き名無しさん:2006/08/26(土) 14:24:41 ID:???
  , ─ 、
  ! '´ ̄ヽ
  ! l〈ノノリノハ
  ! l<=(! ゚ヮ゚ノヾ<>>222さんヘェェェェイトォォォ!!! のあとにラゴを付けるとベストです
225ゲーム好き名無しさん:2006/08/30(水) 23:11:28 ID:???
さてそろそろ8月も終わってしまうワケだが。
これから9/4までネット見られないから、その間に動きがあるのを期待してageとく。
誰のでもいい、続きでなくても小ネタでもなんでもいいから、何か読みたいよ俺は。
226ゲーム好き名無しさん:2006/08/31(木) 08:24:27 ID:kH7uKjnO
便乗age
俺も小ネタでもなんでもいいから読みたい。
てか俺は幕間劇のアホさとかがかなり好きだったw

俺にも書く能力があればorz
227ゲーム好き名無しさん:2006/09/02(土) 08:55:37 ID:???
保守
228ゲーム好き名無しさん:2006/09/02(土) 11:40:21 ID:mbLFK+tG
オラオラオラ
229ゲーム好き名無しさん:2006/09/04(月) 15:49:33 ID:???
無駄無駄無駄
230ゲーム好き名無しさん:2006/09/06(水) 14:42:21 ID:12Pqhbcd
保守保守
231ゲーム好き名無しさん:2006/09/08(金) 18:59:50 ID:FV50sTz3
保守
232ゲーム好き名無しさん:2006/09/10(日) 23:23:01 ID:m/2Z7bGE
保守
233ゲーム好き名無しさん:2006/09/12(火) 21:33:21 ID:b+/I0hyF
もしかしてこのスレ俺しかいない?
234ゲーム好き名無しさん:2006/09/12(火) 22:21:59 ID:/8yfkk6D
俺もいるぜ ノシ
しかし>>187はどこに消えちまったんかねぇ。
なんでもいいから次が読みてぇ・・・
235ゲーム好き名無しさん:2006/09/13(水) 08:05:13 ID:2o13t2Zk
早くセージきゅんとスレイブの死に様を拝みたいぜ
236ゲーム好き名無しさん:2006/09/13(水) 12:06:38 ID:yO/xKtjE
>>76のせいでセージきゅんがショタキャラにしか見えない
237ゲーム好き名無しさん:2006/09/13(水) 17:32:32 ID:xF8Jfi/q
あるあ・・・ね・・・ある・・ね・・・あ・・・
あねーるwwwwwwww
238ゲーム好き名無しさん:2006/09/13(水) 21:12:21 ID:2o13t2Zk
どっちだよ!
239ゲーム好き名無しさん:2006/09/16(土) 09:45:37 ID:dKAxLp5N
ここでは保守は二日に一回くらいでいいの?
240ゲーム好き名無しさん:2006/09/16(土) 18:52:27 ID:WBV5rdVf
どうせもう誰も続き書かないから保守無しで
241ゲーム好き名無しさん:2006/09/17(日) 21:02:32 ID:b4g+/gVd
俺はよぉ〜〜『未来』ってやつがちいとばかし見えるんだがよぉ〜〜
投稿は『明日』。そう、『明日』だ、『明日』来るぜ〜〜〜!
こいつは『マジ』にビビビッと来たんだぜオイ!投稿が『明日』に来るってなあ〜〜〜!
242ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 09:34:04 ID:A+iW3iJl
そっと脳内ヘイトちゃん置きつつ投稿ワクテカ
ttp://pc.gban.jp/?p=6008.png
243ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:38:24 ID:BXE3BCNv
セージ(・・・・・来た、来た来た!!)

耳を貫く、魔獣の悲鳴。
飛び散らし、床を染める魔獣の血。
崩れ落ちる体と跳ねる三つの頭を背景に、
その魔獣の首を刎ねた張本人である『仮面の男』が、神殿に降り立ちました。
ジャミル「あ、あいつは・・・!」
アムト「ゾディアックが一撃で・・・」
エリス「な、また敵が・・・!ど、どうやってここに・・・」
一同が突然の出来事にざわめく中、オイゲンくんはいち早く仮面の男に向かって、その名を呼びました。

オイゲン「まだ生きてやがったのかい、ソードスレイブ・・・!!」

オイゲンくんの言葉に、ソードスレイブが頭を上げました。
『黒い』目が、オイゲンくんとミルザくんをギョロリと捕らえました。
オイゲンくんがぐっと身構えます。
ソードスレイブ「・・・なんつーかな。アレだ。」
オイゲン「・・・?」
ソードスレイブの落ち着いた拍子の口調に、意表をつかれるオイゲンくん。
ソードスレイブ「この神殿さァ、どうなのよ実際?だだっ広くて。
         勢いに任せて入ったがいいさ。だが、随分と迷っちまってなァ・・・
         思わず壁や床に当たっちまったな。石を崩して道を塞いでしまったトコもあるかもしれねーな・・・
         イライラさせてくれるよなァーこの神殿は。・・・イライラが過ぎるとこうも落ち着くモンなのかね?
         体の疲労もあってか・・・これが『萎え』っていうの?新発見だ。」
ポリポリと仮面を掻きながら、ソードスレイブが言います。
オイゲン(な・・・何を言ってるんだこいつは?)
水龍がしびれを切らしたように言いました。
水龍「お前はそこのゴブリンの仲間で、魔の者だな。用件はわかってる。受けて立つから早く来い!」
ソードスレイブの首が、ギギッと水龍の方を向きました。
ソードスレイブ「・・・アンタ、えーと・・・四寮長の水龍だっけか?よっ。
         初めましてなヤツが多いなァ〜。だが全員の自己紹介聞いてる暇はねーなァ・・・」
辺りを見回すソードスレイブ。
のんびりとしたソードスレイブの態度に、オイゲンくんはしびれを切らしました。
オイゲン「ソードスレイブ・・・お前ふざけてんのかよ、そんなのんびりしてちゃあ寝首かかれる、ぜ!!」
ウコムの鉾を構え、オイゲンくんが一直線にソードスレイブに突っ込みました。
244ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:39:19 ID:BXE3BCNv
ソードスレイブは咄嗟に大剣を盾にし、鉾の攻撃を受け止めました。
ギリギリと力を入れるオイゲンくん。
ソードスレイブも力を込めながら、そっと呟きました。

ソードスレイブ「わかんねーかガキ。めんどくせー事は無しだ、って言ってるだけだぜ・・・」

オイゲン「!?」
ソードスレイブがオイゲンくんを弾きました。
オイゲン「くっ」
後ろに弾かれ体制を崩すオイゲンくん。
ソードスレイブはそれを確認した後、部屋中に響くよう声を張り上げました。

ソードスレイブ「聞こえるかガキども!!無駄なギャラリーはいらねェ、みんな纏めて消えてもらうぜ!!!」

ソードスレイブはそこまで言うと、大剣を置き体に力を込め始めました。
オイゲン「な、なんだ・・・」
戸惑うオイゲンくんを傍に、ミルザくんは不意に強烈な危機感を覚えました。
ミルザ「みんな、何か来るぞ!!気をつけて!!」
ミルザくんは立ち上がり、声を張り上げました。
それとほぼ同時でした。
空間が一度大きく脈動し、周辺の『空間』が、局地的に粘土細工のように歪みはじめました。
音も無く、歪みはゆっくりと『穴』に変形しました。
水龍「こ、これは!?」
ワイル「この穴・・どこかで・・・!」
戸惑う一同。それから間髪もありませんでした。

『!!!』

突如、空間に浮かぶ幾つもの『穴』から、同時に無数の変色し骨ばった手が現れたのです。
ストライフ「こ、これは・・・」
ヘイト「ぎゃ・・・キャアああーーーーーーーーー!!!!!」
一つの穴につき数十本の腕。腕はシュルシュルとまっすぐ伸び、
ソードスレイブとセージ、そしてミルザくん・オイゲンくん・ジャミルくんを除いたその場の全ての者の四肢を強く掴みました。
アムト「な、なによコレ!?は、離しなさい・・・!」
エリス「これは・・・死者の腕・・・あの男が呼び出したもの!?」
アル「ミギャー!!離せ糞野郎!!!」
水龍「こいつ・・・き、キモッ!!」
それぞれ首を振りながら抵抗するも、腕は圧倒的な力で穴に引きずりこんでいきます。
ストライフ「ちく、しょ・・・・!離せ・・・!私に触れるな・・・サルーインちゃんに触れるな・・!!」
腕は、無抵抗のサルーインちゃんの肉体も掴んでいました。
そして、抵抗のないサルーインちゃんはあっという間に穴の中に放り込まれてしまったのです。
ストライフ「サ、サルーインちゃん、う、うあああああ!!!」
245ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:40:23 ID:BXE3BCNv
異常事態にしばらく困惑していたミルザくんは、ストライフちゃんのその悲鳴でハッと目を覚ましました。
ミルザ「みんな!」
足に奮いをかけ、まずミニオン達の元に駆け寄ろうとします。
しかし、すぐさまソードスレイブがミルザくんの目前に立ちはだかりました。
ソードスレイブ「オイ。まだ動くんじゃねえよお前」
ミルザ「くっ、邪魔だ!」
レフトハンドソードを振り上げ、ソードスレイブ目掛けて振り下ろします。
ソードスレイブはすぐさま大剣で受け止めました。
ミルザ「そこを・・・どけ・・・!」
ソードスレイブ「後でな」
ミルザ「今だ!今そこをどけ!!」
ソードスレイブ「うぜえな。ちったあ待てねえの?」
ギリギリと鍔迫り合いを始める二人に向かい、オイゲンくんが言いました。
オイゲン「よし、ミルザはそこでそいつを食い止めてろ!俺があいつらを助ける!」
ミルザ「!」
そのオイゲンくんの言葉を、少し離れた場所のジャミルくんが聞きつけます。
ジャミルくんは立ち上がり、ロッドを手に取りました。
ジャミル「よ、よし、オイラもあいつらを助けるぜ!」
ミルザ「オイゲン!ジャミル!頼んだぞ!」
鍔迫り合いを続けるミルザくんとソードスレイブを見据えたまま、
オイゲンくんは鉾を構え、ジャミルくんはロッドを構え死者に引きずられる者に向かって駆け出しました。
ソードスレイブ「ったく・・・そう焦ンなよてめぇら・・・」
ソードスレイブは一歩身を引き、ミルザくんの体ごと剣を弾きました。
ミルザ「くっ!!」
体制を崩すミルザくんを傍らに、ソードスレイブはバッと手を高く挙げました。
瞬間、駆けるオイゲンくんとジャミルくんの目の前に、それぞれまたあの穴が開きました。
それと同時に、穴の中から剣を持ったモンスター・ワイトが飛び出してきました。
オイゲン・ジャミル「?!」
ソードスレイブと同じく腐敗し、ボロ布を纏ったワイトは、それぞれ同時に右手の剣を目の前の者へ振り下ろしました。
二人とも咄嗟に手に持つ武器でその一撃を受け止めました。腕に衝撃が走ります。
オイゲン「・・・あのやろォ。ガラに似合わず小ざかしいマネしやがって・・・!
      ・・・そしてお前はそこをどけェ!!」
オイゲンくんは力任せにワイトの剣を弾き飛ばし、鉾をワイトの顔面に叩きつけました。
ジャミルくんも、上手く剣を払いロッドの打撃をワイトに与えます。
間髪いれずに一撃、二撃とワイトに攻撃を与えていきます。
しかし、その間にも・・・

ワイル「ダメ・・・も・・・力が入らな・・・」
ヘイト「ぐぅぅぅぅどこへ、どこへ連れてくつもりなのよこの手どもはァァ!☆!@trr!ぎゃっ、髪掴まないで、これ以上は・・・!」
エリス「離しなさい・・・離しなさい・・・!」
アムト「乙女の手足を掴んで引きずり込むなんてーーこの女の敵!!変態!!」
アル「あぎゃぎゃ!!しっぽ掴むなこの手ども!!尻尾掴まれると、力が・・・」
みな抵抗空しく、徐々に穴の中に引きずり込まれていきます。
既に半分は穴の中に浸かっている者もおりました。
246ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:41:02 ID:BXE3BCNv
水龍「ちくしょ、寄ってたかってレディー達やこの私をどこに引きずり込むつもりだこの変態どもは!
    だがしかし、四寮長を甘く見ればすぐさま痛い目を見るぞ、腐敗する者どもめ。」
水龍くんが力を込めました。
水龍くんの身が、淡く蒼い煙に包まれていきます。
その様子が、一同の目に入りました。
アムト「す、水龍さん何かするつもりよ!」
いち早く気付いたアムトちゃんが、そう叫びました。
ミルザくんと激しく打ち合うソードスレイブの耳に、その言葉が入ります。
ソードスレイブ「・・・ったくよォ。余計な真似しようとしてんじゃねえよクソ」
ソードスレイブの黒い目が、ギリリと水龍の方を向きます。
水龍「うおおおお!!」
水龍くんの体に、どんどん力が漲っていきます。

水龍「!?」

水龍くんは驚愕しました。
突如、水龍くんを掴む腐った腕が大量に増えたのです。
まさに『無数』の腕が、一斉にグイと水龍くんを引っ張りました。
水龍「聞いてないぞいきなりこんな・・・ちょ、ま!うああ!!」
一瞬にして水龍くんは穴の中に引きずり込まれ、消えました。

エリス「水龍!」
アル「水龍!」
ワイル「水龍さん!!」
ジャミル「水龍サマ!!」

それを見ていた者・・・つまり今この場にいるほぼ全員が、戦慄を覚えました。
アムト「な・・・そん・・・・・・な」
絶望するアムトちゃんを、腕が力強く引っ張ります。
程なくアムトちゃんも穴の中へ消えてしまいました。

オイゲン「クソッ・・・誰かどうにかしろ!!」
しぶとく耐えるワイトを何度も叩きつけながら、誰にともなくオイゲンくんが叫びます。

ワイル「もう・・・だめ・・・」
一人、二人と。
エリス「こんなもの・・・何で・・・・・・」
ヘイト「うぐぅ・・・・・・」
穴へ引きずり込まれ消えていきます。
ストライフ「ふざけやがって・・・せめて、せめてもう一本私に腕があれば・・・」
アル「なんだか楽になってきた」
やがて、腕に掴まれていた者達は、みながみな引きずりこまれ、
ついには、穴と腕はその場からなくなってしまいました。

ソードスレイブ「はい消えた。」
247ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:41:35 ID:BXE3BCNv
同時に、オイゲンくんとジャミルくんはワイトを叩き伏せました。
辺りを一度見回した後、二人は強くソードスレイブを睨みつけました。
オイゲン「あいつらをどうしたんだ」
ジャミル「あの穴と腕は一体全体なんなんだい。あー!?」
静かに、内に込める怒りや焦りを秘めるように言います。
ソードスレイブは、その問いに答えずに下を向きクックと小さく含み笑いを続けるばかりでした。
オイゲン「あいつらをどうしたか、って聞いてるんだぜ。」
ミルザ「質問に答えろソードスレイブ。・・・答えろ!まさか、殺したのか?!」
先にミルザくんがしびれを切らし、含み笑いを続けるソードスレイブめがけてそう叫びました。
ソードスレイブの笑いがピタリと止まります。
ソードスレイブは、下を向いたままゆっくり口を開きました。
途端、ミルザの胸のうちに不安やら後悔やら入り混じった感情が湧き始めます。
しかし、その先の言葉はミルザくんやオイゲンくん、ジャミルくんの期待したものとは全く違うものでした。

ソードスレイブ「・・・いいぜ、いいぜ。きたぞ、きたぞ。」

ミルザ「!?」
震えた口調でそう言うソードスレイブは、ただならぬ気配を漂わせています。
ミルザくんのこめかみに、冷や汗が一筋伝います。
突然、ソードスレイブがガバリと顔を上げました。
目が赤く光り、口元を大きく歪ませています。
ミルザ「・・・!」
ソードスレイブは、大剣を床に大きく打ち付けると、三人に向かって声を張り上げ言いました。

ソードスレイブ「これで邪魔なクソどもはみーんな消えた!!げひゃひゃひゃ!!!!
          さぁ、借りを返してやんよテメーら!!バラバラに八つ裂きにしてなァァひゃひゃひゃひゃ!!!」

「!!」
ソードスレイブの大剣が、たちまち炎に包まれました。
ソードスレイブはその大剣を大きく振り上げると、床を蹴り付け一瞬にしてミルザくんとの間合いを詰めました。
オイゲン「来るぞ、避けろ!!」
途轍もない勢いで振り下ろされる大剣の一撃を、ミルザくんは飛びのくように避けます。
そのまま何度かステップするようにオイゲンのもとへ後退し、肩を合わせました。
ミルザ「・・・お前を倒して、あの子達に何をしたか全部吐いてもらう。」
レフトハンドソードをソードスレイブ目掛けてまっすぐ構えます。
ソードスレイブ「あぁ!?『獲物』がナマこいてんじゃねェよ!!!
         吐くのは俺じゃなくて、テメーの方だぜ。血反吐をドバドバってなァァ!!!」
再び大剣を構えると、口を大きく開けながらミルザくんとオイゲンくん目掛け、猛獣のように迫ってきます。
ミルザ「・・・オイゲン。神雷はもう無理か?」
オイゲン「・・・生憎な。体力を随分消耗しちまってる。だがそれは・・・ヤツだって同じはずだ」
ソードスレイブ「死ねェェェェええええええ!!!!!!」
轟音と共に繰り出されるソードスレイブの一撃を、二人はそれぞれ別の方向に飛び避けました。
二人同時に、床を蹴りつけそのままの勢いでソードスレイブに突っかけます。

『小転転・クロス』
248ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:42:32 ID:BXE3BCNv
【???】

「離せ!!オイこら離せ!!」

ストライフちゃんは叫びました。
腕に引きずられ穴に入ったストライフちゃんは、間もなく神殿はない別のどこかに移動していました。
土くれの壁に土くれの天井、床。そこら中に大き目の蝋燭がかけられ、淡い明かりが視界を確保しています。
そして、そこには生ける屍無数の『ゾンビ』が、サークルを作るように円形に沿ってずらりと並んでいました。
ストライフちゃんはその『ゾンビ』にさながら胴上げのように抱えあげられています。
ストライフ「何のつもりだ・・・ここはどこだ!サルーインちゃんはどこへ!?ぐっ!」
暴れ叫ぶストライフちゃんをまったく問題でないという風に、
ゾンビ達は、ストライフちゃんをサークルの中心の空間に投げ飛ばしました。
ストライフ「いたた・・・あれ」
尻餅をつくストライフちゃん。痛みに眉をしかめるた後、ふとサルーインちゃんの体が横たわっているのが目に入りました。
ストライフ「よかった、サルーインちゃん・・・・あれ?みんな。」
サークルの中心には、ストライフちゃんとサルーインちゃんの体だけでなく
穴に入れられた者達全員がいました。
ワイル「ストライフちゃん・・・」
ヘイト「よかった!って言ったら変ダケド全員ここにきたみたいだねェ。」
ゾンビ「黙レ、貴様ラ!!」
ストライフ「!」
互いが互いの安否を確認する間もなく、
自分達を囲む無数のゾンビの内の一匹が檄を飛ばしました。
ワイト「私ノ名ハ、ワイト。ココニイル屍タチヲ束ネルモノ。貴様ラハ・・・」
水龍「おまえ言葉を話せるのか。ちょうどいい聞きたいことがある。」
アムト「ちょっと四寮長さん・・・!」
水龍くんが身を乗り出しながら、言いました。
ワイトが顔をしかめます。
水龍「ここはドコだ?」
その質問に、ワイトは一層顔をしかめました。
ワイト「見レバ分カラヌカ?『地獄』ダ!
    アマリ調子二乗ッタ行動ヲトラヌ方ガイイ。寿命ヲ縮メルゾ。」
水龍「へェ?それってどういう意味だい?・・・教えてくれないと分からないなー」
小ばかにしたような調子のその水龍くんの言葉に、ワイトは怒りをあらわにしました。
ワイト「言ッテオルダロウ、見 レ バ 分 カ ラ ヌ カ !!
    今ヤ貴様ラハ、籠ノ中ノ鳥。捻レバ捻ラレル子犬以下ノ存在ナノダヨ。」
水龍「それが――」
水龍くんが首を鳴らしながらゆっくりと立ち上がります。
水龍「四寮長に向かっていう言葉か?」
ワイト「―――ソンナニ早ク死二タイカ・・・!!」
ワイトの息が荒々しくなります。
ワイル「ちょ、ちょっと水龍さん・・・」
エリス「そ、そんな好戦的にならなくても」
水龍「まぁまぁ、少しは僕を頼りにしてはどうですお嬢さん方。」
エリス「でも・・・」
水龍「・・・所詮一匹一匹は塵埃に過ぎない。これしきの数では物にもなりませんよ。
ワイト「キサマ―――ッ!!」
ワイトと、無数のゾンビが集束するように水龍くんに襲い掛かりました。
249ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:43:26 ID:BXE3BCNv

【月の神殿 糸石の間】

ソードスレイブ「ヤツラは死んだ!!」

ミルザくんとオイゲンくんの攻撃を大剣一つで受け止めながら、ソードスレイブは叫びました。
ミルザ「どういうことだ・・・」
ソードスレイブ「引きずり込んでやったのサ、『地獄』へ。無数の屍が生ける死の楽園・・・
         分かるか?今頃あいつら食い物にでもされてるだろーぜ!!げひゃひゃひゃ!!」
ミルザ「なら、お前を倒して助け出す!!」
ミルザくんは一層強い一撃を打ち込みました。
ソードスレイブ「出来もしねぇ事言ってんじゃねェ!!」
ミルザ「ぐっ!!」
ソードスレイブは大剣を振るいミルザくんを押し返しました。
しかし、その時ソードスレイブにできた隙をオイゲンくんは逃しませんでした。
露になったソードスレイブのわき腹へ、勢いよく打槍を叩きつけにかかります。
が、その一撃をソードスレイブは余った左手で軽々と受け止めてしまいました。
ソードスレイブ「腑抜けた攻撃してんじゃねェよ!!嘗めてんのかァ!?」
ソードスレイブの血走った赤い目がオイゲンくんをとらえます。
オイゲン「・・・おーおー、おっかねぇ目してやがるなぁ。あんまこっち見んなよ」
ソードスレイブ「あぁ!?ウゼーぞてめぇ!!」
オイゲン「・・・いやさ。余所見はしない方がいいんじゃないのかなーって」
ソードスレイブ「ん・・・ゲハァ!?」
突如、ソードスレイブは頭部に大きな衝撃を感じました。
前のめりにぐらつき、鉾を掴む手が緩みます。
ソードスレイブの背後には、炎のロッドを構えたジャミルくんがおりました。
オイゲン「だから言ったろ。油断しすぎだぜアンタ」
オイゲンくんは鉾を掴む手を強引に引き離し、そのまま振りかぶりました。
ジャミルくんも同時にロッドを振りかぶります。
二人は、同時にソードスレイブ目掛けて武器を叩き下ろしました。
ソードスレイブ「くそっ!!」
体勢を崩したまま、変な動きで飛びのくように二人の攻撃を避けました。
二人の武器は空を切り地を叩きつけます。
しかし二人の目は、すぐさま飛びのいたソードスレイブを捕捉しました。
250ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:44:04 ID:BXE3BCNv
オイゲン「逃がすな!」
ジャミル「おう!」
同時に地を蹴り、ソードスレイブへ突っかけます。
ソードスレイブは、体勢を崩したまま剣を構え受けの体制に入りました。
オイゲンくんとジャミルくんが、ほぼ同時にソードスレイブに一撃を入れます。
金属と金属がぶつかり合う甲高い音が、一層高く空間に鳴り渡りました。
ソードスレイブ「二人、三人・・・ガキでも何人か集まりゃぁ俺に勝てるってか・・・?つくづく幼稚なお子ちゃまだ・・・」
オイゲン「・・・くっ、」
ソードスレイブは、オイゲンくんの鉾とジャミルくんのロッドを受け止めたまま徐々に体勢を戻していきます。
ソードスレイブ「ガキにしては確かに筋はいいかもしれねえがな。真っ向からで俺にかなうワケが・・・」
ジャミル「真っ向じゃないサ」
ジャミルくんはふっとロッドへ込めてた力を抜きました。
オイゲン「!?」
ぐっとオイゲンくんの鉾が一気にスレイブの剣に押しやられていきます。
ソードスレイブ「はは!何やってやが・・・あ?」
『あ?』と言った時には、既にジャミルくんはソードスレイブの目の前にはいませんでした。
ジャミル「正々堂々がお好みかい?余裕だなガイコツのダンナ!」
ジャミルくんがそう呟いたのは、ソードスレイブの『背後』でのことでした。
ソードスレイブ(狗盗剣だと!)
首だけ背後を向かせるソードスレイブ。ジャミルくんが剣を振りかざしているのが目にとまります。
オイゲンくんと力比べをしている両の手のどちらかを離す間もありませんでした。

ジャミル「そりゃ!!」
ソードスレイブ「ぬぁっ!!」

ジャミルくんのロッドが、ソードスレイブの脚部をキレイに払いました。
ソードスレイブは背中から地面に突っ伏します。
ジャミル「だから言ってたろアンタ油断しすぎなんだ」
オイゲン「ははっ、とにかくこれで最後にしようゼ、ソードスレイブサンよ!!」
仰向けに倒れ、上を見上げるソードスレイブの目に、武器を高く振り上げる人間二人が目に入りました。
四肢を動かす暇もありませんでした。
オイゲン「そりゃっ!!」
オイゲンくんの鉾が、ジャミルくんのロッドが、突き下ろされました。
ミルザ(やった!)
ミルザくんが少し遠いところでガッツポーズを取ります。
しかし、おなじく遠いところで見ている紅色のゴブリンの顔は余裕そのものでした。
251ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:44:54 ID:BXE3BCNv
オイゲン「・・・・・・チッ」
オイゲンくんが舌打ちします。
ジャミル「あり??」
ジャミルくんは首を傾げました。
二人は、間違いなくソードスレイブ目掛けて武器を打ち込んだはずなのに、
武器の下はおろか、この広間からソードスレイブは完全に姿を消しさってしまいました。
オイゲン「やられたぜ」
ため息をつくオイゲンくん。
ミルザくんが二人に近寄ります。
ミルザ「ソードスレイブは一体・・・」
オイゲン「不死系の特権だ。コソコソ隠れやがって・・・」
ジャミル「・・・ってェこたぁ、地面の中から今アイツは俺たちを狙ってるって事か・・・?」
ジャミルくんの声は若干震えています。
と、同時に声が聞こえました。

『ったくよォ、うぜーぜ。てめーら俺を随分萎えさせてくれんな〜』

「!!」
声がしたのは床のほうです。
そしてその声は間違いなくソードスレイブのものでした。
オイゲン「出て来い!」
ソードスレイブ『みょーに息が合ったコンビネーション。若さの勢い。
         テメーらは俺を気持ちよくさせてくれねー。もはやテメーらは俺の『獲物』としては手が余りすぎる』
床の下の声が広間を動き回ります。
ジャミル「出て来いっつってんだよ!!」
ソードスレイブ『あァ、あァ・・・そうさ、俺は油断しすぎてた。実力の差ってのァーあんまアテにならねーもんだ。
         俺はテメーらを本気で倒す。久しぶりだぜェ俺が『敵』と認識するヤツラが現れたのはよぉ・・・』
ジャミル「チッ」
ミルザ「ジャミル!」
しびれを切らしたジャミルくんが、オイゲンくんとミルザくんから離れ歩き出します。
ジャミル「ウダウダ言ってねーで出てきたらどうなんだい?えー!?
     アンタ俺達にボロボロにやられて怒ってんだろォ!さっさと出てきて鬱憤はらしたらどうだい!!」
ジャミルくんの表情は余裕そのものです。
ソードスレイブをダウンさせたことで、自信が生まれたのでしょう。
ジャミル「それとも・・・ソードスレイブさん、アンタ逃げんのか」
ソードスレイブ「自惚れんな」
ジャミル「は?」
ジャミルくんのこめかみに冷や汗が一筋。
そのソードスレイブの声は、『床の下』からは聞こえていませんでした。
ミルザ・オイゲン「ジャミル!!!!」
二人が叫びました。

ソードスレイブ「ガキが自惚れてんじゃねえよ。」

パァン
252ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 21:46:15 ID:BXE3BCNv
ごめん、今回はここまで。
253ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 22:48:01 ID:+43PMI9y
GJ!!
254ゲーム好き名無しさん:2006/09/18(月) 23:16:40 ID:6DbY//DM
>>252
GJ。超GJ! いやー燃えた。ソードスレイブマジ外道。
そしていよいよラストバトルかね。ソードスレイブvsミルザオイゲンジャミルも燃えるが、
女子と動物だけの中で、ただ一人男の水龍がマジかっこよすぎる。こっちもハデにかましてほしいもんだ。
お疲れ様!

>>242
こりゃまた上手いな。あのビラビラをニットにしたのか。その発想はなかった。
そして顔が微妙にアホっぽくて可愛いなw
255ゲーム好き名無しさん:2006/09/19(火) 00:23:27 ID:7i9Ot1SX
>>242
ちょ、予想外にかわいいw
オリジナルのシルエットが残ってるのがイイ
ぷにぷにしてそうなのもイイ
>>252
ついに来t(ry
少人数の近接ガチバトルがアツイな。ジャミルのトリックスターっぷりがカッコイイ
ソードスレイブの真性悪役的な立ち回りに惚れ惚れする
ミルザの今後の活躍に期待
非常に乙!
256ゲーム好き名無しさん:2006/09/19(火) 14:20:10 ID:8Y373cer
おほっ投下きてる!超GJマジGJ!
こんなにバトルシーンがアツイ学園ものは他に見たことがないw
257ゲーム好き名無しさん:2006/09/21(木) 22:24:04 ID:9KKBdfOo
保守
258ゲーム好き名無しさん:2006/09/23(土) 21:17:51 ID:3KbwKLU6
なんというか一気に書いて一気に投稿、みたいな形だとそれなりの期間待たせちゃうし、
何よりモチベーションの維持が難しいから、何回かに分けて投稿していいよね?
リレー小説なはずなのに一人で何回もなんて!とか言うかもしれないけど、
今回の話は結構難しくて、その証拠に停滞して過疎り気味だし・・・

肯定の返事が来るか、時間が経ち次第、投稿します。
259ゲーム好き名無しさん:2006/09/23(土) 21:38:32 ID:Q5rWRTgt
>>258
俺は書いちゃって良いと思う。というかむしろ読みたいので書いて欲しい。
やっぱり定期的に話が進まないと停滞しちゃうしね。書ける人が書いた方がいいと思うよ。
それに、話が進んだことで、アイディアが生まれて新たに書くきっかけを掴める人がいるかもしれないし。
俺も、最初は続きなんか書けないよ!って思ってても、
話が進んでくと、「あ、こっからならこうやって展開できるかも?」って思ったことあったしね。

てなわけで、楽しみにしてるよ。しかし今回は登場人物も要素も、メルビル襲撃に匹敵するくらいの複雑さだよな。
260ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:19:23 ID:iw/qLojN
>>251から

ジャミル「はがっ?!」
ソードスレイブの骨ばった手が、ジャミルの頬をはたきました。
張り手の一撃とは思えないほどに鈍い音が響き渡ります。
ミルザ・オイゲン「ジャミル!!」
吹き飛ぶジャミル。その手からロッドがとり落ちました。
ソードスレイブ「ガキはすぐに自惚れる・・・・・・調子こく・・・・・・
         目上の者に対する態度がなってねえ。そういうのが最高にウゼぇんだよ」
ソードスレイブは、大剣を床に突き刺したと思うと、炎のロッドの方を手に取りました。
大剣が、沼にでも浸かったかのように地面へ沈んでいき、消えてしまいます。
ミルザ「な・・・・・」
ソードスレイブは、ロッドを一、二度クルクル回し、そして構えました。
ソードスレイブ「テメーらが相手にしてんのは『俺様』だぜ!そこらの腐れモンと一緒にすんな。
         命賭けてかかってこいや、俺も全力で相手してやっからよォ!!」
ソードスレイブは、矢のようにミルザとジャミル向けて飛び出しました。
一撃を、ふたりはまさに間一髪のタイミングで避けます。
ミルザ「早い!さっきより早いぞコイツ!」
オイゲン「そりゃそうさ、武器が軽くなったんだから。
      奴は確実に仕留めにきている。早めに決着つけよう、もういっちょあの連携いくぜ!」
オイゲンはそう言い終えると同時に、鉾に電撃を溜め込み始めました。
ミルザ「よし来た、いくぞ、『神の左手』!!」
ミルザはレフトハンドソードを空高く投げ、それ目掛けて自らも飛びました。
その剣を左手でキャッチした瞬間です。
ミルザ「なっ!?ぐあっ!!」
一筋閃光が瞬いたと思うと、ミルザが撃ち落されたように吹き飛びました。
ソードスレイブの剣閃がミルザを捉えたのです。
オイゲン「ミルザ!」
ソードスレイブ「同じ技を二度見せちゃあさー、対応されるに決まってらぁな。」
オイゲン「くっ・・・・・畜生め!」
オイゲンは『神の左手』を諦め、神雷をそのままソードスレイブへ向けて発射しました。
剣閃を使い隙の出来たソードスレイブには、おそらく避ける暇はありません。ソードスレイブは目を見開きました。
鼓膜を突き破る勢いの轟音と共に、幾つにも枝分かれした青筋がオイゲンの前方いっぱいに広がります。
あまりの勢いにオイゲン自身も驚きながら、一気に襲い掛かる疲労にオイゲンは鉾を思わず取り落とし、膝をつきました。
オイゲン「くっ・・・・やったかよ!?」
とめどなく溢れる方息を無理に押さえ込みながら、オイゲンは言いました。
立ち込める煙が徐々に晴れていきます。

ソードスレイブ「やられてねェーよ、アホ」

オイゲン「!?」
261ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:21:01 ID:iw/qLojN
頭上から声がしたと思い上を向けば、そこには随分とアクロバティックな体制のままこちらに飛び掛るソードスレイブの姿がありました。
口を歓喜の形に大きく歪ませています。
オイゲンは咄嗟に手で頭を覆いましたが、ソードスレイブのロッドの一撃が手ごと頭蓋に叩きつけられました。
オイゲン「う、ぐああ!!」
頭蓋と手の甲に鈍い痛みが走り、オイゲンは呻き声と共に床に突っ伏しました。
盾にした手のお陰で何とか致命傷は免れたものの、指は折れ体を起こす事が出来ぬほどの深刻なダメージがオイゲンに残りました。
オイゲン「ぐっ・・・・・・!」
朦朧とした視界の中なんとか顔を上げると、ミルザとソードスレイブが斬り合いを繰り広げています。
二人とも疲労が溜まっているようで、五分五分の戦いを続けています。
ミルザ「よ、よくもオイゲンを・・・・・・このやろう!」
ミルザは渾身の剣撃を放ちましたが、ロッドで防がれてしまいます。
しかしその衝撃でソードスレイブの表情が少し歪みます。
ソードスレイブ「ククッ、やるじゃねーか。だがよォ、こいつならどうだ?!」
ソードスレイブは一度バックステップを踏むと、砕くほどの勢いで床を蹴りつけ、高く高く飛び上がりました。
ミルザ「!?」
到底真似出来ぬような恐るべき跳躍力により、たちまちソードスレイブの姿が小さくなっていきます。
かろうじてソードスレイブが上空でロッドをクルクル回しているのをミルザくんとオイゲンくんは認識しました。
高い跳躍、片手に持つ細剣・・・・・・二人はソードスレイブがやるであろう事を予測し、ハッとしました。
ミルザ「まさか・・・・・・サ、サザンクロス!?」
オイゲン「あれを、あの、ゾンビがやる、のか・・・・・・!?」

サザンクロスは細剣の大技。
上空に、闘気で出来た五つの光点を十字を描くように作り出し、それを対象にぶつけるという技です。
主にアンデッドに有効であるはずのその技を、アンデッド自身が使おうとしているその不可解さに二人の思考はたどり着きました。

オイゲン「あいつがサザンクロスなんて技やる筈がない、何故ならヤツはアンデッドだからだ!ハッタリだぜミルザ、緊張するなあ!」
オイゲンくんは立ち上がり、力を込めて叫びました。
ミルザくんは分かっているという風に表情を変えず無言で頷きましたが、
ソードスレイブにもオイゲンの声は聞こえていたようで、上空からも返事は返ってきました。

ソードスレイブ『確かによォ、俺はあんな技やんねーしそもそもやった事ねー。
         ま、やろうと思えばできっかもしんねーンだけどよォ・・・・・・』

ソードスレイブはそう言いながら、空中を超高速で何度も突き付けるようにして幾つもの闘気の光点をつくっていました。
確かにそれは『サザンクロス』の動作なのですが、どこが違うかといえば作り出す光点の『位置』と『数』。
オイゲン「・・・!?」
ミルザ「な、なんて滞空時間だ、そして何個光点を作るつもりだ、もうとっくに『五つ』以上だっ、多すぎる!」
262ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:22:16 ID:iw/qLojN
ソードスレイブ『技なんて感覚と応用だぜ坊や。マジの『戦士』なんてのァー、その場その場の『即席』で強い技を作り出していくモンだ。
         『コイツ』も即席だ。つまり名前はねー。そう、名もねー寂しい技で・・・・・・散ってくれやクソガキども!!!』

上空に作られた、まるで夜空に瞬く星々のごとく無数の『闘気』の光点。
その光点は一つ一つに十分な殺傷能力を持っているものの、その瞬く様は傍から見れば非常に美しいな光景です。
しかし・・・ミルザくんとオイゲンくんがそれに抱くイメージは無論、美しいなどと暢気な感情からは程遠いものでした。

ソードスレイブ「いけええええェェェェェェ!!!!!」

ソードスレイブの合図によって、無数の光点は流星群の如くミルザくんとオイゲンくんらに降り注いでいきました!
オイゲン「伏せろ、い、いや、防げ、防ぐんだァァーーー!!」
オイゲンくんは落ちた鉾を持ち上げ、半分折れた指を強引に鉾の竿に絡ませ握り締めました。
落ちてくる光点に狙いを定めます。
ミルザ「いや、待ってオイゲン・・・!ジャミルにぶつかっちゃうよこのままじゃ。ジャミルの近くで防ぐんだ!」
オイゲン「・・・!ああ、確かにそうだな。わかった!」
ミルザくんとオイゲンくんは、倒れているジャミルくんの近くに素早く駆け寄り、再び『隕石』を防ぐべく降ってくる光点に意識を定めました。

ソードスレイブ『ふひゃ!!やるねェ、自分だけでなく友人も守るってかい!!大した友情だぜーー!!
         くひゃひゃ、頑張って生き残って見せろィ!!ひゃひゃひゃ!!』

ミルザ「うあああああああ!!」
オイゲン「うおおおおおおおお!!!」
二人はディフレクトではなく、半ば襲い掛かる敵を撃ち落すように、怒涛の勢いで光点を打ち消していきます。
しかし余りの光点の多さに、次第に二人は押されていきます。
特にオイゲンくんは、打ち消す事は出来ずに、既に防ぐだけで精一杯になっておりました。

セージ「ちょ、ちょっと待ってくれよ・・・・・・ボ、ボクに当たることもお構いなしかよォォォ!!?」
光点は、傍らのセージの場所にも降り注いできています。
まさか巻き添えが来そうになるとは思っていなかったセージは驚きソードスレイブに恨みを向けながらも、的確な対処をしました。
セージ「ひ、開けゲート!!ボクを守れェーー!!」
セージの頭上に、あの黒い穴・・・ゲートが開きました。
セージ目掛けて落ちてくる光点が次々ゲートの中に吸い込まれていきます。

オイゲン「ちくしょ、俺・・・もう・・・!」
オイゲンは度重なる疲労とダメージで、既に限界に達そうとしていました。
光点が鉾にぶつかる衝撃が、オイゲンくんの折れた指を執拗にいたぶり続けます。
それでも、光点はまだ際限なく振り続けます。
ミルザ「頑張れ、オイゲン・・・!もう少し、もう少しだ・・・!」
ミルザくんは、潰れそうになるオイゲンくんの分までと、更に剣を振るう速度と強さを高めました。
やがて、地面に落ちた無数の光点が煙の幕を作り、辺りは一面の靄に包まれていました。
263ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:24:02 ID:iw/qLojN
ソードスレイブ「はぁ、はぁ・・・・・・いやァ爽快、爽快!!さて、どうなったかなあ!?」

ソードスレイブは、光点の襲撃が終わり靄の晴れつつある地面に着地しました。
大技を使い疲労に軋む足を進めながら、グイグイと首を振り辺りを見回します。
その目に、ジャミルくんを覆うようにして倒れているミルザくんとオイゲンくんの姿が映りました。
オイゲンくんは鉾を手放しており、ミルザくんは倒れてなお剣を握り締めています。
オイゲンくんは途中で力尽き、ミルザくんは最後まで防ぎきったものの最後に力尽きてしまったのでしょう。
ソードスレイブは倒れている三人に向けて、笑みを落としました。
と、ソードスレイブは二人に止めを刺しに向かうよりも先に、もう一度辺りを見回しました。
傍らのセージと目が合います。
ソードスレイブ「・・・・・・クク」
ソードスレイブは小さく暗く笑うと、セージの方へ歩を進め始めました。
そのままセージの目の前で止まり、上半身を折りニヤニヤと笑いながらセージの顔を覗き込みます。
その笑顔にセージは少しむかつきながら、見境なく自分にも攻撃を及ばせたソードスレイブへの怒りの程を一割ほど語調に含めながら言いました。
セージ「・・・いやァ、ソードスレイブ様カッコイイなあ!・・・でもさっきの技、コントロールにちょっと難がありましたねー。
     うふふ、危うくボクまで死にかけちゃいましたもん。次は気をつけてくださいよォー」
しかしその言葉を聴いたソードスレイブは、なぜか小さく笑い出したのです。
ソードスレイブ「コントロールに難があり、だァ?・・・いんや、コントロールはバッチシだったぜェ〜?」
セージ「・・・はい?」
意外な反応に、セージは思い切り呆けた声を出しました。
それを聞いたソードスレイブは今度は激しく笑い出し、笑い終えた後、セージの耳元で小さくこう囁きました。

ソードスレイブ「・・・狙われた気分は、どうだい?」

セージ「・・・・・・――!!」
セージは、確かにその時自分の胸の内が一瞬にして怒りに沸騰する感覚を覚えました。
セージ(コイツ―――ッ)
なおもニヤニヤ笑いながらこちらを見つめ続けるソードスレイブに対し思わず沸きあがる怒声を強く押さえ込み、
セージは激しい怒りを何とか押し殺しながら言いました。
セージ「・・・あ、あはは、どう、と言われましてもォ」
ただしまともな言葉が出てきません。
ソードスレイブはまだニヤニヤ笑いを続けながら、言いました。
ソードスレイブ「前から思ってたが、テメーのそのナメた態度むかつくんだよ・・・つくづく慇懃無礼なヤツさオメーはよ。
         この戦いが終わったらテメーは殺すぜ。そのドス黒い腹と生意気な目をかっさばいてやっから覚悟しとけ。クヒヒ・・・」
そこまで言い終えると、再びミルザくんとオイゲンくんの倒れたほうへ首を向けます。
剣を握り締め何とか立ち上がろうとするミルザくんの姿がそこにはありました。
ソードスレイブ「ふう、よくやるぜあのガキ・・・」
ソードスレイブはロッドを握り締めると、ゆっくりとまたミルザくんの方へ歩を進め始めました。

セージ(あの、不良品め・・・・・・!)
ソードスレイブの後姿をセージは焦りと怒りの入り混じった目で見つめながら、心中で怒りの程を呟きます。
セージ(いい方法を思いついたぞ。どちらが勝とうと結局殺される、って言うなら・・・
     殺してやる。ここにいるボク以外の全員、みんな、一人残らず、殺してやるぞォ・・・)
セージは体が動かせないので首だけ動かし、広間を見渡します。
遠くに落ちている今だ原形を止めている霊木の杖と、気絶して倒れているオイゲンくんとジャミルくんを見、セージは心底意地の悪そうな笑みを浮かべました。

セージ(見ていろクズ虫ども。お前らを殺し、生き残り、糸石を手にし、そして最後に笑うのは、ボクだ。この、ボクなんだ!)
264ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:28:51 ID:iw/qLojN
【???】

水龍「おらおらおらァーーー!!」
ゾンビ「ギャーーーーー!!」
水龍くんやミニオンズが捕らえられた『地獄』。
そこで無数のゾンビに挑戦した水龍くんは、いまや巨大な龍の形に変化し次々にゾンビ達を薙ぎ倒していっています。
水龍くんは前足を大きく上げて地面に叩きつけました。それと同時に、巨大な鯨の形をした水柱が4、5つほぼ同時に立ち上り、ゾンビの群れは天井に叩きつけられていきました。
場の隅に避難し水龍くんの戦いを見ていたミニオンズ達は「おお」と感嘆の声を上げました。
ゾンビ達が次々にやられていく様を見ながら、そのリーダー格のワイトは徐々に焦りを隠せなくなっていきます。
特にゾンビの雑兵達は、まだ何十匹か相当な数は残っているはずなのに、みな既に尻込みをしています。
そんなゾンビ達に、ワイトは大声を上げ喝を入れました。
ワイト「エエイ、怯ムナオ前ラ!!奴ノ懐ニ飛ビ込ミ、一斉ニ攻撃ヲ叩キ込ムンダ!」
ゾンビ「デ、デモドウヤッテ懐ニ・・・ウアァ!」
ワイト「!?」
いきなり水がはじける音がしたと思うと、ゾンビ数人が突然どこかへ弾き飛ばされました。
ワイトはその時、いつの間にやらそこかしこに水の砲弾がぷわぷわ浮いているのに気がつきました。
その瞬間、水の砲弾は突如ゾンビ達に向かって一斉放射されました。
ゾンビ「ギャバ!」「グゲ!!」「ハガ!!!」「ホゴ!!!!」
様々な角度から放たれる砲撃の嵐は、凄い勢いでゾンビの数を減らしていきます。
その様子にワイトは狼狽しながらも、やられていくゾンビ達を尻目に剣を握り締め勇んで水龍くんの元へ駆け出しました。
そのワイト目掛けて、水の砲弾が一つ、二つ飛び込んできます。
ワイトは全力でその砲弾を叩き斬り、そのままの勢いで水龍くんの懐に入り込みました。
水龍「!」
ワイトはニヤリと一度笑い、剣を勢いよく引きました。水龍くんの体に突き刺すつもりです。
ワイト「クハハハ!!!!四寮長、ウチトッタrゲボアアァァ!!?」
ワイトが剣を突き込む暇もなく、水龍くんの前足の一撃・・・強烈なアクアスパンキーにより、ワイトは滅茶苦茶に回転しながら遠くに吹き飛んでいきました。
水龍『はいはいごくろーさん。・・・さぁーて!纏めて片付けちまおうかね!』
水龍くんは一度あざ笑うようにため息をつくと、生き残りの数十匹のゾンビの方へ近寄り、身を捩り尾びれを大きく捻りました。
ゾンビ達の顔が、瞬時に恐怖に染まります。
ゾンビ「何ヲスル気ダ、ヤメロヤメロ!!」
ゾンビ「ハイ総員退避ィィィー!!!」
捻られた尾びれに、蒼い闘気の靄が集束していきます。

水龍『タイダルビートォ!!』

水龍くんの尾ひれが、ゾンビの群れ目掛けて凄まじい勢いで薙ぎ払われました!
ゾンビ「グギャアアアアーーーーー!!!」
極太に極長の尾びれは、ゾンビ達を一人残らず巻き込みました。
そしてその一撃は強烈で、さながら大型トラックに撥ねられる程の衝撃がゾンビ達に襲い掛かります。
勿論、一たまりもありません。みな骨を砕き折られ壁に吹き飛ばされ、ゾンビ達はみな倒れました。
ヘイト「・・・・・無傷で、しかもこんなに早くゥ・・・」
アル「倒しちまったぜ、あの野郎・・・」

水龍は立っているゾンビがいなくなった事を確認すると、すぐに人型に戻りました。
水に濡れたようになっている長い髪を掻きあげながら、水龍くんは言いました。

水龍「ちょいと・・・刺激的にやり過ぎたカナ・・・」
265ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:32:44 ID:iw/qLojN
アムト「四寮長さん、やったやったー!」
ワイル「お疲れ様です!水龍さん!」
ミニオンズ達はすぐに水龍の元へ駆け寄りました。水龍くんの顔が綻びます。
水龍「どうだい、見ていてくれたかいレディー達!この僕の活躍っぷりを!!素晴らしかったろう!!」
アムト「やはり四寮長さんは偉大ですね!しかもあんなでっかい龍みたいにもなれるなんて!」
ヘイト「ホントホント!!とっても強かったわねェ!!しかもあんなにカッコ悪い龍になれるなんて!!””♪@!!」
ワイル「一時はどうなる事かと思いましたが・・・これでとにかく一安心ですねっ」
アル「これも全部、変身するとカッコ悪くなる水龍くんの活躍のおかげだな!!」
ヘイト「だねェェ!!!★」
水龍「賞賛されて嬉しいんだけどさー、ちょっとだけノイズが混じってるような気がするのは気のせいかなー」
アル「気のせいじゃね?」
ヘイト「気のせいよねェ」
アルとヘイトちゃんがちょっとだけ意気投合する中、サルーインちゃんを担いでいるストライフちゃんが釘を刺しました。
ストライフ「そ、それにしても・・・ここはどこで、そしてここから脱出はできるのかな?出口はないみたいだが・・・」
そのストライフちゃんの言葉に、一同はまだ危機を脱していない事を思い出します。
瞬時に、場が沈黙に包まれました。
エリス「確かに、見る限り出口は見当たらないわね。そしてここはどこであるのか・・・少なくとも月の神殿の近くではないでしょうね」
エリスがそう言ったきり、長い時間誰も喋らなくなります。
ゾンビ達を退治したことがただの束の間の喜びであった事、そしてここからが本当の悪夢であるのではないか、と・・・みんなは思い始めていたのです。

「ソウサ、貴様ラハココカラ出ルコトハ出来ンゾ」

「!?」
突如しゃがれた声が聞こえたと思うと、倒した筈のワイトがそこにいました。
顔だけ起こしてこちらを向いています。剣も手放してしまったみたいだし、戦う気力はないみたいです。
ワイト「ココハソードスレイブ様ノ作ッタ地獄。ソウ、出口ノ塞ガレタ地下洞窟・・・云ワバ『棺桶』ノヨウナ物ダ」
水龍「棺桶、だと・・・」
ワイト「ソウダ。ククク、分カルカ?貴様ラハ死ヌマデココカラ出ルコトハ出来ナイノダ!!」
一同が胸に抱いてはいたものの口に出せなかった事を、ワイトはあっさりと代弁してしまいます。
ワイト「ツマリココデ貴様ラハ餓死スルノヲ待ツノミサ・・・フハハ!イズレ気付クゾ、我々ニ食ワレテイタ方ガマダ幸セデアッタ、ト・・・
   飢エニ苦シミ!ヤガテ互イノ肉ヲ食ライアイ!最後ニハコノ薄暗イ地下デ!誰ニモ見ラレナイママ骨ニナッテイクノダァ!!
   ハハハ、最悪ダ!!最悪、最悪、最悪ノ中ノ最悪ノ死ニ方ジャンカヨォ!!グヒャ、ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!ぐぴゃっ!!」
狂ったように笑うワイトの頭を、水龍くんは思い切り踏み潰しました。
ワイトの頭が地面にめり込み、そして動かなくなりました。
水龍「黙れ醜男。レディー達を不安にさせるようなことを叫ぶんじゃあない」
水龍くんはワイトの後頭部に唾を吐きかけると、みんなの元へ戻り、言いました。
水龍「だいじょぶサみんな。だいじょぶだいじょーぶ!成れば成る、ケセラセラって奴さ!
   喉乾いた時は僕が水を出してやるし、それに何とかして地上への道を造ってやるさ!」
水龍くんは皆を安心させるようにおどけて言い放ちます。
アムト「で、ですよね私達は何も出来なくても、四寮長さんがいれば何とかなる・・・」
ワイル「ですよね!頼りにしてますよォ!」
二人はそう叫んだものの、傍から見ても明らかなほどにそれはただの『空元気』でした。
ここが地下なら天井を破った瞬間に土が降ってきて生き埋めになるだろうだの、水龍の力で『七人もの人間(内一匹動物)』を地上まで連れて行けるだろうか?だの
ここはそもそもどのくらい地下なのだろうかだの、そしてどこの地下なのだろうかだの、月の交わりが終えるまでピラミッド内に帰れるのか?だの・・・
その場にいる全員が、いま不安しか感じていませんでした。

脱 出 不 可
266ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 01:39:53 ID:iw/qLojN
>>259様のお言葉に甘えてとりあえず投稿。
次もあります。頑張って続き書いてます。ホント一人でごめんなさい。
何とかこの複雑な話を終わらすために頑張ります。
267ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 12:45:05 ID:C3Fpzj7N
GJ
どんどん絶望的になるな。全員生き残れるか不安になってきたw
268ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 13:31:45 ID:G82FRD/2
乙!
しかし追い込まれまくりだな。こっから逆転の目はあるのか?
ソードスレイブが鬼のような強さだな・・・気のムーンストーンからドーピングでも貰ってるんだろうか。守護者殺したのコイツだしな。
地獄巡りメンバーもどうなるんだろうな・・・ソードスレイブ殺して開放されるのか?そういや地獄に強い人がいたな・・・。
まぁ色々妄想しつつ楽しみに待ってるよ。
269ゲーム好き名無しさん:2006/09/24(日) 21:37:00 ID:Bb3E2XkE
イイヨイイヨー!
この状況からどうやって挽回するのか超楽しみ。
270ゲーム好き名無しさん:2006/09/25(月) 00:56:48 ID:mhQpX7Fa
まとめサイト5000踏んだ記念あげ
いつもご苦労様です>まとめサイトの中の人
271ゲーム好き名無しさん:2006/09/27(水) 07:43:19 ID:vwaF70pt
保守
272ゲーム好き名無しさん:2006/09/28(木) 18:19:27 ID:Uf8fzr0c
サルーイン、っていうバンドがあるらしい。
ttp://www.visunavi.com/news/preview.php?id=1156994742&year=2006&month=09

しってた?
273ゲーム好き名無しさん:2006/09/28(木) 21:09:46 ID:SJTlhazp
ステータス調べようとぐぐったら出てきて吹いたことがあるw
ビジュアル系っていうのかな、しかしバンド名のおかげですべてギャグに見えた。
274ゲーム好き名無しさん:2006/09/29(金) 00:20:11 ID:PfTZ+qct
コンセプトに邪悪な神が何とかって書いてあるし、こいつらサガやってたのかもな。
つーかこういうのもミニオンと言うのだろうか・・・
275ゲーム好き名無しさん:2006/09/29(金) 02:58:42 ID:e2lssn1I
ストーリー上では、破壊女神サイヴァの心臓から生まれたのが、サルーイン。
ということになってる。

で、>>272では「邪悪なる神の心臓」がコンセプトというのは上記に通ずるし、
詞が「ダークで退廃的な世界観」というのは、ゲーム中の神の恩寵「破壊神の憎悪」にも通ずる。

外見的にも25歳くらい?
なので、ガキの頃(1991年の)初代ロマサガ1を
ハードにプレイしていたと想像するに十分な状況証拠が揃ってるな(w

>>274
5人組なので何とも・・・
3人組だったらミニオン確定なのだが。
276ゲーム好き名無しさん:2006/09/30(土) 01:28:39 ID:LX5L9LQZ
その内テレビに出たら厄い事になるかもな。
277ゲーム好き名無しさん:2006/10/01(日) 23:58:32 ID:tYp6IXw7
最近の展開でなんかソードスレイブがカッコよく見えてきた。
カヤキスとの話で生前に裏切りやら何やら全部味わったらしいが、その辺の掘り下げとかもあんのかな。

反対にセージは更にヘタレくさく…
その内「い、いのちばかりはー!」とか普通に言いそうだな。
278ゲーム好き名無しさん:2006/10/02(月) 22:56:56 ID:7cRofTjU
>>277の、
>生前に裏切りやら何やら全部味わったらしいが、その辺の掘り下げとかもあんのかな。
の部分を見て、なんか妄想が広がったのでSSにして投稿してみたいと思う。
変な設定付けられるとキツいだろうと思われるので、幕間というよりは、番外というか、
パラレルワールドみたいな感じで捕らえてください。
多分あと1時間以内には・・・
279ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:38:37 ID:G92ojpa6
【番外編:悠久の時に埋もれて】

その日、その夜。時はすでに深夜を迎え、辺りを宵闇と星空が包み込んでおりました。
虫の鳴くが途切れ途切れに響く中、夜空よりもなお暗い大穴。
グレートピットの最深部に、薄く灯りがともっております。
そこから、天真爛漫にして豪快な、あっはっはと形容するような笑い声と、
とても上品ながらも、そこはかとない黒さを含んだ笑い声が聞こえてきます。

「いや〜しかしアンタも相っ変わらず容赦ないわね〜。」
日本酒の一升ビンを片手にケタケタ笑っているのは、ここの主、4寮長の一人アディリスちゃんです。
一升ビンには、ぶっとい毛筆で「破壊するもの」と銘柄がついており、ほぼ中身が空っぽになっています。
「まぁ、少々言い過ぎましたかしらね。しかしその程度であんなに逆上するとは。殿方としてなっておりませんわ。」
一方、マグカップでコーヒーに口をつけたその人は、綺麗な金髪に輝くほどの美貌の持ち主。
この神立マルディアス学園の現生徒会長、エロールちゃんその人でした。

アディリスちゃん「アンタの言う『その程度』ってのが気になるとこよね。具体的には何て?」
エロールちゃん「ですから、そのナンパしてきた恥知らず達に、
           『鏡を見たことがないのですか?眼科、いや脳神経科に行くべきですわね。
           身の程を理解したなら黙って立ち去りなさい。
           さもないと、その汚物臭い口に砂利を詰め込んで黙らせますわよ?』と。」
アディリスちゃん「・・・それを『その程度』と言ってのけるアンタが凄いわ・・・
           まぁその後は聞かなくてもいいか。ギャラクシィで一閃?」
エロールちゃん「いえ。スターソードで念入りにしばき倒しました。」
アディリスちゃん「相変わらずねぇ。外面は虫も殺せなそうなのに。」
エロールちゃん「仕方がありませんわ。降りかかる火の粉は払わねばなりません。」
アディリスちゃん「どっかで聞いたフレーズだわね。」

280ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:40:04 ID:G92ojpa6
エロールちゃん「ところで、アルドラは元気ですか?」
アディリスちゃん「うん。元気でやってるよ。明日の授業が早いから、もう寝てるけど。
           そうそう、この前アルカイザーファンの子と仲良くなったとか言ってたわ〜♪」
エロールちゃん「アルカイザー…アレですか…貴方もとんだ業を背負わせたものですね。」
アディリスちゃん「ヒーローには業は付きものよ。宿命っていう業がね!!」
エロールちゃん「はいはい。興奮しないでください・・・そういえば最近、少し部屋が綺麗になったような。」
アディリスちゃん「うん、アルドラがちょくちょく片してくれてるの。」
エロールちゃん「まったく・・・アルドラに甘えてばっかりいたら、ますますダメになりますわよ?」
アディリスちゃん「え〜〜〜。エロちゃん相変わらず手厳しい〜〜辛口〜〜。」
エロールちゃん「まったく。まぁそれが貴方の持ち味でもありますが・・・しかし、良い子ですよね。アルドラは。」

するとアディリスちゃんが、ふうっ……と色々回想するかのような、慈しむかのような目をしました。

アディリスちゃん「――――いいコよ。アルドラは。とってもいいコ。アタシは凄く感謝してる。あのコと出会えた運命にね。
           だからさ。アルドラには、あのコには・・・幸せになってもらいたいの。
           そのためだったらアタシ、何だってしちゃうわ。」

エロールちゃんはそれを聞いて、腹黒さのかけらも無い、心からの微笑みを浮かべ、アディリスちゃんに問いました。
エロールちゃん「・・・その言葉、アルドラには伝えたの?」
アディリスちゃん「何いってんの。伝えられるわけないじゃん。恥ずい。」
エロールちゃん「ふふふ。そうでしょうねぇ。」
アディリスちゃん「あーそうだ。ねぇエロちゃん。ちょっとお酒も切れちゃったしさ。
           なんかお話してよ。面白いお話。ほら、よくエロちゃんがパブで無理やり聞かせてるやつ。」

ちょっと照れたのか、半ば強引に話をすりかえます。エロールちゃんは軽くため息をついた後・・・
エロールちゃん「・・・では。貴方のリクエストに応えられるかは解りませんが・・・」
どこからともなくギターを取り出しました。

優しいギターの調べが流れ始めます。アディリスちゃんは、目を瞑って軽く頭を揺らしています。
エロールちゃん「お話の、リクエストは?」
アディリスちゃん「そうね・・・季節がら、ちょっと怖めの話がいいかな?」
エロールちゃん「怖い話ですか。難しいですね。怖いというより悲しい話に近いかもしれませんが・・・こんな話が。」
281ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:40:58 ID:G92ojpa6
〜〜以下エロールちゃんの弾き語り

昔々。そう、私が入学するよりも、4寮長が来るよりも、いえいえ学園ができるよりも遥かな昔・・・。
古代、そう呼ばれる時代のことです。
この辺りでは、数多の国が乱立して群雄割拠を争っておりました。そう、寮ではなく、本当の国家です。
そんな中でも、圧倒的な武力を誇り、勢力を各地に伸ばしていた国がありました。

その国の名は『リガウ王国』といいます。

そうです、今のリガウ島の名は、ここから来ているのです。
当時リガウ島には王朝が存在しておりました。そしてそのリガウ島は、武力をもって各地を攻め立てていたのでした。
リガウ王国の強み。それは、死すら恐れぬ兵士たちの戦いぶりでした。
但し、彼らは勇猛さをもって死の恐怖を克服したわけではありませんでした。
・・・死をも超える恐怖に、駆り立てられていただけだったのです。

アディリスちゃん「あ、その話知ってる。リガウの有能な将軍が、最初は国のためにがんばってたのに、
           だんだん暴走しだして恐怖政治みたいになっちゃって、最後に王様やっちゃったって話でしょ?」
エロールちゃん「うーん、一部は合ってるんですが・・・。しかし、貴方がその話知ってるとは以外ですね。どこでそれを?」
アディリスちゃん「前にパブでクダ巻いてたら、黒髪のダウナーな巨乳美人ちゃんに、半ば強引に聞かされたわ。」
エロールちゃん「なんともシュールな出来事ですわね。でも、その話は少し違うのですよ。
           その話では、恐怖政治を敷いた張本人は将軍となっていますが・・・」

〜〜以下再びエロールちゃんの弾き語り

圧倒的な武力。それを実現する恐怖政治。そして、それらを実現したのは有能な将軍・・・
・・・ではありませんでした。

当時の王が、恐怖政治の根源だったのです。

彼は悪い王でした。邪悪、と言ってもよかったかもしれません。
言葉遣いは粗暴。常に怒りを胸にひめ、気に食わなければ、親であろうと容赦はしない。
そして、手におえないほどの・・・『殺人狂』だったのです。
通常ならば、そんな王の国など直ぐに滅んでしまうでしょう。しかし時は戦乱の世。これが彼に味方しました。

彼は悪い王でしたが――――とてつもなく強い王でもあったのです。

彼は王でありながらも、軍を率いて常に最前線に討って出て行きました。
その戦い振りは苛烈の極み。敵も、味方をも殺しながら突き進む。それはもはや、戦争ではなく殺戮でした。
先ほど話しにのぼった有能な将軍の部隊と、王の率いた部隊は連戦連勝の負け知らずだったそうです。

将軍と王は、敵から畏怖の対象とされました。刀を愛用していた将軍は『刀鬼』と呼ばれていました。
そして両手大剣を愛用した王はこう呼ばれていました。

――――死神と。
282ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:44:38 ID:G92ojpa6
この王の本名については、悠久の時の中で史料も口伝も全て失われ、もはや知るすべはありません。
しかし、この王の異名については――――真偽の程はどうあれ――――いちおうの言い伝えはあります。
この王は、その風貌もまた常軌を逸しておりました。
戦争中のみならず、王座についているときも、食事をとるときも、眠るときでさえ・・・

王は鉄の仮面を必ず被っていたのです。

なぜ仮面をつけていたか。それは色々といわれております。
狙撃を恐れていたからだとか、顔に醜い傷跡がついていたからだとか、はたまた呪いで取れなかっただとか・・・。
真相はわかりません。が、この仮面は、配下の人間たちにとってはまさに恐怖の対象だったそうです。

なにしろ顔のほぼ全てを覆っており、他の人からは王様の目しか見ることができません。
そのため、王様がどのような表情をしているのか、どんな感情を抱いているのかがサッパリ解らなかったのです。

わかるのは、時々目が、キュウッ・・・と細くなることのみ。
そのため配下の人間は、王の機嫌をいつ損ねるか。王がいつ激昂するか。
そしてなにより、王にいつバッサリやられるか・・・と怯えながら過ごしていたそうです。
なにしろこの王様は、王座にいる場合でも、議会の間でも、食事の時でも大剣を側に起き、
気が向いたら誰がいようが、何をしていようが、襲い掛かってきたといいます。
おかげで宮殿の中で、血の匂いが染み付いていない場所は無かったとか・・・

城下のものはそんな王様を、陰で嫌悪と恐怖を込めて、「仮面の王様」と呼んでいたそうです。
283ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:45:40 ID:G92ojpa6
そんな王様にも、一人。ただ一人だけ、友人と呼べる人間がおりました。
それが先ほどの、「刀鬼」と呼ばれた将軍でした。
唯一王と対等に話すことができ、そして武勇でも肩を並べることのできる人物。
王は、この将軍だけは信頼しておりました。

・・・しかし、この将軍が王の指示で武器を集め、ある刀にいきついた時から・・・歯車が狂いだしました。
これも諸説あり、将軍はもとから王を嫌っていたとか、別の側近にそそのかされたとか、
・・・刀に呪われた、なんて説もあります。
その真偽のほどはわかりませんが、ついに運命の時は訪れました。

ある夜のことです。王がいつものように鉄仮面をつけたまま寝ていると、宮殿に兵士がなだれこんできました。
その兵士を率いていたのは、唯一の友たる将軍でした。
激しい戦いでした。
王は着るものも着ず、ただ大剣のみをたずさえ、片端から兵士を切り刻みました。
ついには、宮殿の護衛兵も、なだれこんだ反乱兵も全てが死に絶え、その場に立つのは王と将軍だけでした。
力は互角。しかし、数多の兵を切り殺した疲労に加え、信頼していた人間の裏切りにより動揺していたのでしょうか。

ついに一瞬の隙をつき、将軍はその手にした刀で、鉄仮面ごと王の首をはね飛ばしたのです。

それは異様な光景だった、と言います。
けたたましい音をたてて、鉄の仮面が床を転がって、やがて首を地面につけた形で止まりました。
そこだけ見ると、鉄の仮面をただ置いてあるだけにみえます。

しかし、仮面の首元から赤い血がびゅるびゅると吹き出し、あたりを真紅の水溜りに染めていきました。

その只中で、将軍が刀の血を拭き、鞘に収めようとしました。

と、強烈な殺気を感じ、将軍が王の首の方を振り向きました。

すると、王の仮面の奥に、徐々に赤い輝きが2つ見えてきます。

それは、王の目でした。

王の目がゆっくりと開き、怨念に満ちた赤い目を広げ・・・
284ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:47:39 ID:G92ojpa6
将軍はその晩を境に行方知れずになりました。
国を捨てて旅に出た。将軍もまた裏切られて殺された。王に呪い殺された。刀の呪いに・・・などなど。真相は闇の中です。
そして、王の遺骸は宮殿に転がっていたのですが、王の首だけはどこを探しても見つからなかったそうです。
その後、中心的人物を2人同時に失くしたリガウ王国は急激に弱体化し、ついには滅んでしまいました。

しかしリガウ王朝が無くなった今も、王の首は敵国の民を、自国の民を、そして将軍を呪いつづけているのだそうです。

エロールちゃん「と、まぁこんな話ですわ。」
アディリスちゃん「うーん思ったより怖くないなぁ。まぁ血なまぐさい話ではあるけれど。」
エロールちゃん「ところがですね。これには続きがあるんですのよ。
          ・・・実は王の首は、実在していたのです。
          以前、学校拡張工事の際に、どこからともなく出土したそうで。」
アディリスちゃん「へー凄いじゃん!吉村教授もビックリね。」
エロールちゃん「これは私も拝見しました。古い銀の仮面に、肉だかなんだかわからない
          ミイラのようなものが詰まってただけでしたが・・・ですが。」
アディリスちゃん「ですが?」
エロールちゃん「これがまた紛失したのですよ――――割と最近、完全防備の保管庫の中から!」
アディリスちゃん「・・・マジ?」
エロールちゃん「マジですわ。ただし、この仮面の存在も紛失も、一般生徒で知る人間はまずいませんが。」
アディリスちゃん「・・・うわ〜お・・・ひょっとしてホンマもんかしら?」
エロールちゃん「さて、どうでしょうか・・・。ただ発掘作業員の間では、謎の病気や事故が続発したそうですが。」
アディリスちゃん「いや〜生々しいわぁ〜なんか酒がマズくなっちゃった・・・。」
エロールちゃん「リクエストしたのは貴方ですよ。」
アディリスちゃん「あはは、まぁそうなんだけどさぁ。そだ。ちょっと場所を換えて飲まない?」
エロールちゃん「それでは、外で、月見酒などいかがかしら?


        ――――――今日は2つの月が重なる、珍しい日ですから。」


アディリスちゃん「名案ね。乗った!あ、じゃあ他のヤツらも誘おうかな?
         ・・・あ、もしもし?ちょっとタイニィ!今から来なさい!酒もって!
         いーからきなさいよ!美女二人の誘いを無下にするっての!?

         ・・・しょうがないじゃん!水竜もタイラントも連絡つかないんだから。」

そんなやりとりをしながら、アディリスちゃんとエロールちゃんは、月の見える丘に向かって歩き出していきましたとさ。

番外編 おしまい。



アディリスちゃん「でもさ、普通に不死や悪魔とやりあうこの世界で、いまさら恐怖心霊体験ってのもないよね。」
エロールちゃん「それを言っちゃあおしまいですわよ。」
285ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 00:50:59 ID:G92ojpa6
なんか知らんが、ソードスレイブの生前を妄想したらこんな感じになってしまった。
サガフロの斉王の影響でも受けたんだろうか・・・。
そして久々にアディリスちゃん動かせて楽しかった。アディリスちゃん出すと、エロールちゃんを苦も無く絡ませられるんだよなー。
では本編続き、楽しみにしてるよ。
286ゲーム好き名無しさん:2006/10/03(火) 23:06:01 ID:oDghETpr
>>285

追い詰められても割と余裕を見せてるソードスレイブには、暴君て設定はハマリ役だな
あと陰謀の絡まないエロールちゃんはなかなか癒される
エロールちゃん一派に所属するキャラがもっといれば話にも絡ませ易いと思うんだがな
ニーサが空気になってるのが惜しいな
287ゲーム好き名無しさん:2006/10/05(木) 22:13:55 ID:bFsJgrmt
>>285
乙華麗
リガウ島の将軍とソードスレイブを絡ませるとは見事な発想。
二つの月の神殿から帰ってきたらミルザ達もパブでこの語りを聞くことになるんだろうなw
288ゲーム好き名無しさん:2006/10/06(金) 23:04:33 ID:54VNqIVj
ソードスレイブが生き(?)残る目が出たな。
289ゲーム好き名無しさん:2006/10/09(月) 07:34:29 ID:VNN1i//6
そろそろ保守するか
290ゲーム好き名無しさん:2006/10/11(水) 07:15:19 ID:bXwRjAMG
保守
291ゲーム好き名無しさん:2006/10/13(金) 07:00:36 ID:iFOfn08d
保守
292ゲーム好き名無しさん:2006/10/15(日) 07:39:37 ID:+4/sKjro
保守ばかりというのもつまらんがネタを書く力が俺には無いから保守
293ゲーム好き名無しさん:2006/10/15(日) 15:08:01 ID:SJwhuNJv
じゃあセージの絵でも書く。


どうでもいいけど、ダイモンズのラフィンとセージがイメージ被る。
294ゲーム好き名無しさん:2006/10/15(日) 15:30:56 ID:SxmjNngB
>>293に激しく期待

>どうでもいいけど、ダイモンズのラフィンとセージがイメージ被る

ってことは、ヘェイトちゃんは・・・ヘェイトちゃんは鉄の腕かよ!ガクガク
295ゲーム好き名無しさん:2006/10/15(日) 22:58:55 ID:SJwhuNJv
セージってさー、いざ書いてみるとあいつハゲだからあんま様になんねえのな。
アイツ微妙にショタキャラ属性あるから顔に可愛げは持たせたいんだが難しいね。これじゃあ。
296ゲーム好き名無しさん:2006/10/16(月) 00:57:33 ID:nKEBM7vI
可愛いハゲ・・・・クリリンとかか?
297ゲーム好き名無しさん:2006/10/16(月) 01:05:41 ID:VqYbPOvm
適当に帽子被せるか擬人化しとけばおK
298ゲーム好き名無しさん:2006/10/17(火) 13:59:57 ID:iOdF7gMQ
とりあえず少しでも過疎を和らげるために好きなキャラ順でも並べとく。

1・水龍くん
2・ミルザくん
3・セージ
4・タイラントくん
5・デモコマ様

男キャラばかりに!?
299ゲーム好き名無しさん:2006/10/17(火) 21:36:46 ID:V3cFI99T
好きなキャラか。ランキングでも作ってみると面白いかもな。

1.ストライフちゃん
2.タイラントくん
3.デスちゃん
4.イフリート先生
5.ワイルちゃん

すまんヘェイトちゃんw
300ゲーム好き名無しさん:2006/10/17(火) 22:42:04 ID:pDBKdxQ8
好きなキャラいいね。これなら俺にも書きこめそうだ。

1.タイラントくん
2.デスちゃん
3.ストライフちゃん
4.アディリスちゃん
5.カヤキス

まだまだいるが、上位5人だとコレだな。

301ゲーム好き名無しさん:2006/10/18(水) 00:09:13 ID:nfRr6m8m
俺も書いてみる
1.タイラントくん
2.シルバー
3.アルドラちゃん
4.オイゲンくん
5.デスちゃん

シルバーが入ってるのは原作で思い入れがあるから
あとタイラントくんは人気あるな
302ゲーム好き名無しさん:2006/10/18(水) 00:48:02 ID:7rcyZpR1
流れに乗って書いてみた

1.ストライフちゃん
2.ヘイトちゃん
3.デスちゃん
4.オイゲンくん
5.タイラントくん

5人に絞るとこうなるな
ミニオンセット、騎士団コンビの合わせ技で考えると
ワイルちゃん、ミルザくんがベスト5入りするんだが
303ゲーム好き名無しさん:2006/10/18(水) 17:38:29 ID:Ybv+YDfJ
三姉妹+ミニオンちゃんでキャッキャキャッキャしてるのが好きなんだが
いっきに五人オーバーするんでそれ以外のキャラを

1.セージくん
2.イフリート先生
3.ミルザくん
4.エロールちゃん
5.スペクターくん
番外.ツフ

コンビとか組み合わせで考えるとまた違ってくるな
デスちゃんとタイラント君の微妙な関係とか
アディリス家とか好きだ
304ゲーム好き名無しさん:2006/10/19(木) 22:16:40 ID:mL+8DNiG
今のとこ

5票
タイラントくん

4票
デスちゃん

3票
ストライフちゃん

2票
ミルザくん、オイゲンくん、イフリート先生、セージ

1票
水竜くん、エロールちゃん、アディリス姉さん、アルドラちゃん、ヘェイトちゃん、
ワイルちゃん、スペクターくん、デモコマ様、カヤキス、シルバー

圧倒的にタイラントくん&デスちゃんカップルが人気だな。
対抗できるのはオイゲンくん&ストライフちゃんだけか!?
つか、イフリート先生が密かに人気でワロタw
イッフリート!イッフリート!イッフリート!イッフリート!
305ゲーム好き名無しさん:2006/10/20(金) 00:20:23 ID:Bbx3DL5C
何となくイフリート先生と魔連中の絡みを見てみたいな。
リザードやラミアなんかとはいい掛け合いしてくれそう。
306ゲーム好き名無しさん:2006/10/20(金) 02:50:25 ID:amjaBl99
おお、集計されてる。タイラント&デスちゃんカップル強いなー。
ちょっと俺も点数つけて集計してみるよ。せっかく1〜5位まで選んでるわけだしな。
さて、1位…5点、以下1点ずつ下げて5位で1点としていくと・・・


1位(17点)  タイラントくん

2位(13点)  ストライフちゃん

3位(11点)  デスちゃん 

4位(8点)  セージ

5位(7点)  ミルザくん

6位(6点)  イフリート先生

7位(5点)  水龍くん

8位(4点)  シルバー・オイゲンくん・ヘイトちゃん

9位(3点)  アルドラちゃん

10位(2点) アディリスちゃん・エロールちゃん

11位(1点) デモコマ・ワイルちゃん・カヤキス・スペクター


1位は変わらず。タイラントくん強ぇ・・・。まぁ俺も大好きなキャラだけど。んで、2位と3位が入れ替わったな。
ストライフちゃんいいよね。特にヘイトちゃんをしばいてる時が輝いてるな。
で、1・2フィニッシュを防がれたデスちゃんは、ストライフちゃんの後ろで笑顔でピキピキいってそうなイメージが・・・

4位〜7位までは1点差で各1人ずつ。
4位にセージ。まぁ名悪役だよね。この張り巡らされた死亡フラグを果たしてどう潜り抜けるのか・・・。
5位に主役のミルザ。キメるところとハァハァしてるとこのギャップがいいと俺は思うんだが、
・・・なんかこの結果にえらく落ち込んでそうな風景が浮かんだ・・・。
6位、ここで来るかよイフリート先生!イッフリート!イッフリート!イッフリート!!脳筋!脳筋!
7位に水龍。ツームーンラブで一気に目立ちまくったからなぁ。それにミルザにすらツッコまれる不真面目さがたまらん。

で、8位以下は1点差で団子状態だな。他ミニオンズやオイゲン、アルドラもここに。

ペアとかトリオとか、組み合わせでのランキングを考えればまた変動もあるのかな。
俺はサルーインちゃんとミニオンズ、騎士団コンビ、リガウのバカップルが好きだな。
307ゲーム好き名無しさん:2006/10/20(金) 20:21:50 ID:piBx/DJ5
>>306
乙。
何っつーか・・・タイニィ哀れw

というか意外と人まだ残ってるんだな。
308ゲーム好き名無しさん:2006/10/20(金) 21:01:52 ID:P4CyebcJ
>>306
うほっ、さらに詳しい集計乙。
組み合わせができればもっと幅が広がるってのは同意だな。
ミニオンズとか入れると一気に3人分埋まるからw
309ゲーム好き名無しさん:2006/10/21(土) 13:26:12 ID:MfqqQ4Fe
ロマンシング・佐賀
310ゲーム好き名無しさん:2006/10/23(月) 18:48:46 ID:OUQhm9jy
一度投票したから保守のみ
311ゲーム好き名無しさん:2006/10/23(月) 21:30:18 ID:Y6nHrP+u
イッフリート!イッフリート!
312ゲーム好き名無しさん:2006/10/24(火) 06:59:52 ID:fDlBXdFQ
>>309
佐賀県まで書かないと監視されないらしいよ
313ゲーム好き名無しさん:2006/10/25(水) 01:05:41 ID:NtoyMZ91
最後の将魔は幸運の魔女だな。
でラミアとそっくり云々のイベントがあったら面白そう。
デモコマ…爪 スレイブ…剣 リザード…槍 イッフリート…拳 魔女…鎌
でバランスもいいしな。
314ゲーム好き名無しさん:2006/10/25(水) 01:28:33 ID:yuvEg0VB
幸運の魔女いいね。敵幹部には1人くらい女キャラがつきもんだし。
それにベルクウィニスの刃という奥の手があるしな・・・
315ゲーム好き名無しさん:2006/10/28(土) 12:56:18 ID:Zw0dmx0U
ほしゅ
316ゲーム好き名無しさん:2006/10/28(土) 16:56:42 ID:YetJbr3R
幸運の魔女がミルザくんをを踏みつけている図が浮かんだ。
317ゲーム好き名無しさん:2006/10/28(土) 19:10:19 ID:9scY6hd6
ドMなミルザくんはその踏みつけにハァハァするんじゃないかと思った
318ゲーム好き名無しさん:2006/10/28(土) 20:11:47 ID:yNnHWp18
>>313
スペクターは?w
319ゲーム好き名無しさん:2006/10/29(日) 15:18:10 ID:f5bQNuGW
6将魔(今出てるのは5人だけど)と主要男キャラが、うまく対になってるような気がしてる俺ガイル。
まぁ偶然というかこじつけかもしれないが。以下こんな感じで・・・

ミルザとデモコマ
・それぞれの陣営の中心人物。対戦経験あり。デモコマはミルザを正式にライバルと認識してる。
オイゲンとカヤキス
・武器は同じ打槍。対戦経験あり。特にオイゲンはかなり嫌っているっぽい。
タイラントとイフ先生
・同じ炎属性。対戦経験あり。過去にルビーを巡る因縁あり。共通の知人(フラーマ先生)がいる。
水龍とソードスレイブ
・今回の事件で因縁が生まれる?まだ対戦経験はないが・・・
タイニィとリザードロード
・武器が同じ衝槍。どう見てもこじつけです。本当にあry

最後の二つはこじつけ臭さムンムンだが。
ただ、最後の将魔が魔女ならば、水龍と対峙させるのは魔女の方が面白いかもしれないね。

>>318
スペクターは魔術・・・なのか?まぁカヤキスになったおかげで、
リザード…衝槍  カヤキス…打槍  という分け方もできるが。
320\___________/:2006/10/30(月) 01:53:38 ID:oZyGDbjY
          V
       _____
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     |;;;;;;;;;;ノ   \,, ,,/ ヽ          |・ |―-、       |  ハァ?黙ってろデブ
     |::( 6  ー─◎─◎ )          q -´ 二 ヽ      |
     |ノ  (∵∴ ( o o)∴)         ノ_ ー  |      |
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321\___________/ :2006/10/30(月) 16:29:31 ID:7TVaWAq0
          V
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322ゲーム好き名無しさん:2006/11/02(木) 21:13:21 ID:sJB5RJ4h
保守
323ゲーム好き名無しさん:2006/11/05(日) 18:18:04 ID:kt0DrxY/
324ゲーム好き名無しさん:2006/11/05(日) 22:13:08 ID:TjupePMQ
325ゲーム好き名無しさん:2006/11/09(木) 07:31:44 ID:ixTYJCVU
326ゲーム好き名無しさん:2006/11/13(月) 10:51:51 ID:L9MmK9nj
続きまだかなー
327ゲーム好き名無しさん:2006/11/16(木) 09:31:11 ID:jTJ01Zpa
ワイルちゃん「今のサルーインちゃんさまの成績じゃ進級が危ないです…なんとかしないと…」

ワイルちゃん「サルーインちゃんさま、現在のクジャラート舎の寮長は?」
サルーインちゃん「なんだ突然?クジャラートなどそのうち私が牛耳ってやる!アハ!アハハハ!」
ワイルちゃん「えっ、えっと…じゃあ『私とストライフちゃんとヘイトちゃんが糸石を一個ずつ持っています。
        全てサルーインちゃんさまに捧げると何個になりますか?』」
サルーインちゃん「!? お、おまえたちいつの間に…!?よくやった!!」
ワイルちゃん「ああっあの、そうじゃなくて、その〜……How many brothers and sisters do you have?」
サルーインちゃん「ど、どうしたーー!?デス姉!大変ーー!!ワイルがーー!!」
ワイルちゃん「えええっ P, please wait!!!」
サルーインちゃん「ヘイトが乗り移ったーーーーー!!!」
ワイルちゃん「これは奇声じゃなくて!ちょっやm塩まかないdk目にいいぃぃぃ!!」


思えばイッフリート先生くらいしか授業シーンがない件
328ゲーム好き名無しさん:2006/11/19(日) 22:29:22 ID:GKSOr+ON
保守
329ゲーム好き名無しさん:2006/11/21(火) 14:24:48 ID:YrLTnDG6
キャラが購読してそうな週間少年誌

ワイル=サンデー
ストライフ=マガジン
ヘイト=チャンピオン

サルーイン=ジャンプ
デス=マガジン
シェラハ=チャンピオン
330ゲーム好き名無しさん:2006/11/24(金) 00:46:41 ID:TwmAxC7w
 
331ゲーム好き名無しさん:2006/11/27(月) 23:48:01 ID:IV6DWxMs
>>329
サルーインがいかに痛いDQNかがわかるなw
332ゲーム好き名無しさん:2006/11/28(火) 00:11:30 ID:oAQ+VmFH
むしろ
シェラハ=マガジン
デス=チャンピオン
じゃないか?

シェラハ「絶望した!私の不幸を呼ぶ体質に絶望した!!」
デス「……厄いわね」
333ゲーム好き名無しさん:2006/11/28(火) 07:29:30 ID:O3rFY9U0
>シェラハ「絶望した!私の不幸を呼ぶ体質に絶望した!!」
>デス「……厄いわね」


サルーイン「そぉい!」
334ゲーム好き名無しさん:2006/12/02(土) 09:19:27 ID:xxpZKsu5
図書室にて

ストライフちゃん「これ借りまs」
ヘイトちゃん「はぁああい★~!『にゃんこ大好き!ぷりちー写真集』ですねええぇぇぇ¶!琵W∀!!!」



ミルザくん「図書室で爆破事件か…最近物騒だなー」
335ゲーム好き名無しさん:2006/12/06(水) 00:22:22 ID:MCYkpn3U
投稿が来ず早二か月…
336ゲーム好き名無しさん:2006/12/07(木) 23:22:33 ID:C2ofgKjV
番外編もいいが、いいかげん本編の続きを見たい。
あれから一体どうなるのやら。そして書ける人は残ってるのか・・・。
337ゲーム好き名無しさん:2006/12/11(月) 21:23:14 ID:9SpUaJqY
 
338ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:04:52 ID:0t7D5j1k
よしゃ、じゃあ書いた分の半分を。
339ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:07:04 ID:0t7D5j1k
ミルザくん「うおおおあああ!!!」
ガキィン!
ミルザくんの渾身の一撃も、またもやソードスレイブに受け防がれてしまいます。
しかし、ミルザくんは一向に怯む事をせずに剣を打ちつけ続けます。そこには執念がありました。
ミルザくん「はぁ、はぁ・・・お前を・・・お前を倒して!!」
バチィン!
ソードスレイブ「!」
叫びと共に放ったミルザくんの一撃が、ソードスレイブのロッドを遂に跳ね除けました。
ソードスレイブの懐が完全に開きます。
ミルザくん「みんなを助けるんだあ!!!」
ミルザくんは更に渾身の力を込め、露になったソードスレイブの懐目がけてニ撃目を繰り出しました。
・・・しかし、ソードスレイブは咄嗟に跳躍し、ミルザくんの攻撃を軽々とかわしてしまったのです。
ミルザくん「クッ・・・」
空を斬ったミルザくんは大きくよろめきます。
しかしソードスレイブはそこを狙おうとせずに、数歩バックステップを踏み距離をとりました。
ミルザくんが体勢を戻したのを見はからって、ソードスレイブは言い始めました。
ソードスレイブ「いま・・・俺を倒してヤツラを救い出すって言ったな」
ミルザくん「ああ。それがどうした!命乞いでもするつもりか!?」
ソードスレイブ「いんや。ただ、ただな。・・・・・・一つ忠告してやろうと思ってな」
ミルザくん「忠告、だって?」
不意に、ミルザくんの顔に一筋、無意識の冷や汗が走ります。
ドクドクと己の心臓が高鳴っているのを、ミルザくんは自覚します。
ソードスレイブ「そうサ。・・・耳かっぽじってよぉ〜く聞いとけ、重大な事だからな」
ミルザくん「・・・・・・やめろ」
考えるよりも先に、その一言が口をついて出て行きました。
ミルザくんの胸は相変わらず警鐘を打ち鳴らし続けています。
『ソードスレイブのこの先の忠告は絶対に聞いてはいけない』、いや、『聞きたくない』と。
ソードスレイブ「俺様が奴らに案内してやった『地獄』はな。俺が作った部屋だ。
         魔の島の地下深くの深くの深く。『出口のない洞窟』。それが地獄の正体だ。」
ミルザくん「・・・・・・それ以上、言うなっ!」
ミルザくんは再びソードスレイブへ斬りかかりました。
金属音が鳴り響き双方の剣がぶつかり合い、また鍔迫り合いが展開されます。
・・・・・・しかし、ソードスレイブは構わず『忠告』の先を言い始めました。
ソードスレイブ「俺はある術法を使って地獄の扉を開いただけに過ぎない。つまりだぜー。・・・俺を倒したところで・・・・・・」
ミルザくん「それ以上は言うな!!」
ミルザくんは強くソードスレイブを弾き飛ばしました。
もう一度ミルザくんはソードスレイブを斬りつけようとしますが、ソードスレイブは後方に大きく跳躍し、またミルザくんの攻撃を避けてしまいました。
ミルザくんは体勢を大きく崩し、尻餅をついてしまいます。
ミルザくん「くそ、ちくしょうちくしょう!!」
軋む体に鞭打ち、何とか身を起こそうとするミルザくん。
そんなミルザくんを無視し、ソードスレイブは『忠告』の続きを始めようと口を開きました。
ソードスレイブ「・・・・・・お?」
しかし、すんでのところでソードスレイブは思わず感嘆符を口に出してしまいました。
ミルザくん「?」
ソードスレイブの目は、ミルザくんの後方を見つめています。
その視線に気付いたのか、ミルザくんは後ろを振り返りました。

オイゲンくんがゆっくりと立ち上がろうとしていました。
340ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:08:16 ID:0t7D5j1k
ミルザくん「オ、オイゲン!大丈夫!?」

ミルザくんは剣を構えながら首だけ後ろを向かせて言いました。
オイゲンくんは返事をしないまま完全に立ち上がり、ゆっくりとミルザくんに近づいてきます。
顔を項垂れさせ、ハァハァと苦しそうに息をしながら。
ソードスレイブはその様子を見ながら、構えていたロッドを地面に立て何やら愉快気に笑い始めました。
ソードスレイブ「おーおー大したタフさだな〜、まだやれるのかい!クックッ、見上げたガキだぜェ〜」
オイゲンくんはソードスレイブのその言葉を一切気にも留めようとはせず、
無言のままミルザくんの隣に立ちました。
もはや声を出す気力もないのでしょうか。まだ項垂れたままハァハァと肩息をついています。
ミルザくん「オイゲン・・・・・・」
心配したようにオイゲンくんに声をかけるミルザくん。
オイゲンくんは何も言わないまま、顔も項垂れさせたまま、ミルザくんの方へ振り返りました。
ミルザくん「・・・・・・?」
ミルザくんはオイゲンくんの肩に手をやり、再び声をかけました。

ミルザくん「オイゲン、大丈夫・・・?無理しなくてもアイツは僕が・・・・・・」
オイゲンくん「いや」
ミルザくん「!」

オイゲンくんはようやく声を出したと思うと、肩にかけられたミルザくんの手をパチンと払いのけました。
ミルザくん「?、?」
ミルザくんは何かの違和感を感じ取ります。
それとほぼ同時に、オイゲンくんはこう言いました。

オイゲンくん「後はぜ〜んぶ、ボクが片付けてやるよん♪」

ミルザくん「え?」
あのオイゲンくんが発したとは思えない、子供のような無邪気な語調に『ボク』という一人称。
それが何なのか、ミルザくんは次の瞬間に確信しました。
オイゲンくんが、勢いよく顔を上げこちらに向けたのです。

オイゲンくん「だからキミらは眠ってればいいよ。ずっとず〜っとね!!」

オイゲンくんの目が『緑色』に光っているのを確認したミルザくんは
次の瞬間・・・腹に衝撃を感じ、床に突っ伏していました。
ソードスレイブ「な!?」
目の前の唐突で意外な展開にソードスレイブがロッドを持ち直そうとすると、足元の地面が薄く割れソードスレイブは体勢を崩し転んでしまいます。
それを見てオイゲンくん・・・・・・いや、オイゲンくんの体を乗っ取ったセージは高笑いしながら全力疾走を始めました。

セージ「あはははは!!!油断したな、ざまぁみろこのカス虫どもめェ!!!
     ここからはボクの一人舞台だ。眼球思い切りかっぴらいてとくと見ていろ!!!」
341ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:10:38 ID:0t7D5j1k
『ボクは、「契約を施した生物」あるいは射程距離内の「意識を失っている人間または死んだ人間」に、自分の「意識」を「移す」事ができる!
一度に乗っ取れる体は一つのみ。だが、乗っ取った体は「時間が経過」するか、ボクが再び「本体か他の体に意識を移す」か、
「乗っ取った人間が意識を取り戻す(意識を失っている人間の体を乗っ取った場合のみに限り)」までは自由に操れる!
そして術を使う場合は「本体の魔力」は関係なく「乗っ取った体の魔力」を使うことが出来るので、
本体・・・「ゴブリンセージ」の魔力が切れている今でも「オイゲンの魔力が切れない限り」術は使う事ができる!
なお乗っ取った体の身体的感覚は一切「ボクの意識」は感じ取らないので、オイゲンは大怪我をしているがボクには全く問題ない!
アニメートの技術を応用した「人の体を乗っ取る能力」。これが、ボクのためのボクだけの術法だ!!』

ミルザくん「くっ・・・!」
ミルザくんはエナジーボルトを受け傷ついた腹を押さえながら、ゆっくり立ち上がりました。
オイゲンの姿をしたセージを目で追いやると、どうやら『本体』の元へ向かっているようです。
ミルザくんは剣を握り締め、床を蹴りつけセージ目掛けて走り出しました。
ソードスレイブ「・・・・・・ッケーな事してんじゃねーよ、あの糞ゴブリンがァ・・・!」
ソードスレイブもゆらりと立ち上がると、セージ目掛けて飛ぶように駆け出します。
しかしセージはいち早く、力なく転がる本体の元へたどり着くと、術の構えをとり素早くある術を唱えました。
セージ「浄化の水!!」
本体の頭上に淡い色をした小さな水瓶が現れたと思うと、かたむき本体へ水を浴びせかけます。
本体の体を締め付けていた光の鎖が消え去りました。
セージは小さくガッツポーズをしたのち後方を振り返り、突っかけてくるミルザに対してこう言いました。
セージ「おぉ〜っと、いいのかいミルザくーん!?おまえが今から斬りかかろうとしてるのは、おまえの親友の体だぜ!親友を斬り捨てるつもりか!?」
ミルザくん「・・・・・・!!」
342ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:11:44 ID:0t7D5j1k
セージは、オイゲンくんの手を高く挙げオイゲンくんの顔を笑みの形に歪ませました。
ミルザくんの動きがセージの目の前で止まります。
顔を屈辱に少し歪めながら、振りかぶっている剣を下げ、言いました。
ミルザくん「なんて卑怯なヤツだ・・・!ゴブリンセージ、お前には本当に・・・心の底から虫唾が走る。
      僕が『何がどうあってもマジにブッ殺したい』なんて思ったヤツなんて、お前が初めてだよ!」
ミルザくんのこめかみには青筋が走り、表情は未だかつてない憤怒の色に染まっています。
セージ「なら今すぐブッ殺せばいいじゃぁ〜ん。ふふ、『キミの親友の体ごと』ネ!!
     ・・・あはは!!出来るワケないよねェ!?キミみたいなお人よしクンにはサァ!!!きゃはははは!!!」
ミルザくん「ちくしょっ、この・・・クソガキィ・・・・・・!!」
オイゲンくんの姿のまま腹を抱えて高笑いをするセージを、屈辱と怒りに燃えた目で見つめます。
と、セージは高笑いしながら思い出したようにこう言い出しました。
セージ「・・・・・・うふふ、キミがこの体ごとボクをブッ殺せなくても、後ろの『アイツ』はどうするかなァ・・・。ね♪ミ・ル・ザ・く〜ん♪」
ミルザくん「!?」
ミルザくんはガバリと後ろを振り向きました。
憤怒の形相でロッドを振りかぶりこちらへ疾走してくるソードスレイブの姿が、すぐそこにありました。
ソードスレイブは、オイゲンくんの体やその目の前に立ちふさがっているミルザくんもお構い無しにロッドを大きく振りました。
ミルザくん「う、うあああああ!!!」
ミルザくんは咄嗟にレフトハンドソードを盾にしてロッドの一撃を防ぎました。
ソードスレイブはチッと舌打ちをし、少し目を細めミルザくんを見つめます。
ソードスレイブ「・・・オイオイ、つくづく友達思いだねぇお前は。あーんなクソカスの言いなりになっちまいやがって・・・」
ミルザくん「うるさい!オイゲンは僕の親友なんだ。セージのクズガキが何言ったって、斬れるワケないよ・・・」
ソードスレイブ「・・・・・・ハッ、親友ねぇ。」
ソードスレイブは何か少し思案した素振りを見せると、いきなりため息をついてロッドを下げてしまいました。
ミルザくん「え?な、何を・・・」
ソードスレイブ「・・・テメーが暢気に友情謳歌してるスキによォ・・・ほら、後ろ見てみやがれ」
ミルザくん「?」
ミルザくんは後ろを振り向きました。
緑色に輝いていたはずのオイゲンくんの目は普通に戻っており、そして数秒後にドサリと横なりに倒れてしまいました。
ミルザくん「あっ・・・」
ソードスレイブ「ヤツはそこのガキの体から離れた・・・そして後ろのゴブリンの目には緑の光は戻ってねェ。ってことは・・・」

「お〜〜い、二人とも、こっちこーっちィ!!」

ミルザくん・ソードスレイブ「!!」
343ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:12:51 ID:0t7D5j1k
ジャミルくんが・・・いや、ジャミルくんの体を乗っ取ったセージが走りながらそう呼びかけました。
挑発するように、二人に向かってぴょんぴょん跳ねながらアッカンベーしています。
ミルザくん「くそっ、嘗めやがって・・・!」
ミルザくんは今度はすぐに駆け出さず、しばらく剣を構えながら様子を見ていました。
・・・ふと、セージは少しだけ駆け出したと思うと『ある物』を拾い上げ、こちらに見せ付けてきたのです。
セージ「ミルザくんは・・・これ知ってるかなァ〜?ずぅっと前にメルビルにあの翼手竜を召喚させたあのっ!」
セージは杖をクルクル回すと、杖の両端を掴みそのまま腕を突き出し、ニィとこちらに向けて微笑みかけました。
ミルザくんは、記憶の糸を手繰り寄せます。

海賊とモンスターが攻め寄り騒乱の波に巻き込まれたメルビル。
その極め付けを飾ったのは、超巨大な翼手竜。(エロールちゃんは大空飛龍と呼んでいたな、確か)
そしてそれを呼び出したのは、一人のハゲ・・・・・・が叩き壊した鍵となる杖。

ミルザくんは、セージが持っているものの危険さを認識したと共に、もう一つの事実を予測しました。
ミルザくん「セージ!!もしかして、メルビルの騒乱を起こしたのも貴様なのか!!!」
セージ「あはは、誤解しないでほしいなァ。ボクはちょいと手を貸してやっただけさ、面白くなりそうだったからねっ!!
    だ・か・らァ・・・・・・この場も、も〜少し面白くしたげるよっ!!いっぱい楽しんでねー!!あはははは!!!」
セージは邪悪な笑みを浮かべると、両端を掴む手に思い切り力を込めました。
ソードスレイブ「チッ・・・・・・」
ミルザ「やめろォォーーーー!!!」
ミルザくんは、杖が折れるのを阻止しようと全力で駆け出します。
セージはその様子を見て益々笑みを深くしました。

セージ(くはは、馬鹿め!!お前がこっちに向かってきたらお前は益々ボクの術中にはまるんだ!!
     杖を折りモンスターを召喚させる。そしてしばらく奴らを翻弄した後にボクは本体へ意識を戻す。
     後は、ドサクサ紛れにムーンストーンを奪い取って、一人退散すればいいってハナシだ!
     ミルザが持つ糸石は、二人が屍と化した時にゆっくりと取ればいいし、どちらかが生き残ってしまったとしてもその時はその時だ。
     ソードスレイブが生き残っても、ボクには『マスター』という超ド級の後ろ盾が存在するしね!)
344ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:13:51 ID:0t7D5j1k
セージは一層緑色の目をギラつかせながら、両の手に力を込めました。
弱弱しい樫の繋ぎ目がメキメキと綻んでいく音が聞こえます。その隙間から、薄い闇が漏れ出始めていました。
セージ「霊木の杖の邪気が形作るモンスターはその霊木の杖によって違う・・・・・・ふふ、何が出るか、楽しみにしてくれていいんだよ」
遂に、杖が『パキッ!』と音を立ててしまいます。
小さい木片が飛んだと思うと、杖の中心に小さい穴が開き、少量の闇がぴゅうっと吹き出ました。
ミルザ「セージーーーーーーー!!!!!」
セージは邪悪な笑みを強め、両端を握り締める手に思い切り力を込めました!

「あっ」

カタンと杖が音を立てて床に落ちます。
同時に、ジャミルくんの目から光が消えうせたと思うと、体が崩れ落ちました。
ミルザくん「えっ、えっ?」
と突如、困惑するミルザくんの耳に、聞き覚えのある幼く未熟な・・・悲鳴が聞こえてきました。

「うぎゃああああああ!!!!」

ミルザくん「!?」
悲鳴のした方向を振り向けばそこには・・・
何者かの腹をロッドで突き刺しているソードスレイブがそこにおりました。
突き刺されているのはセージの本体。
本体はジタバタと手足を荒がせ、苦しみに悶えていました。

ソードスレイブ「あったり〜〜〜」
セージ「いたっ・・・いたいよぉぉ・・・!くっ、くそっ!」
345ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:14:58 ID:0t7D5j1k
ニヤニヤと笑うスレイブを、セージが涙目で睨みつけます。
ソードスレイブ「完全に乗り移ったわけじゃあなく、あくまで操りの域は出ていなかった・・・そういうこったな。」
セージ「・・・・・・!!」
セージは屈辱に血に濡れた下唇をかみ締めます。
セージ(くっ、頭の悪い戦闘しか能のない猿のくせして、なんでこんな・・・!!)
ソードスレイブ「今・・・『頭の悪いコイツがなぜこんな』って・・・思ったかよォ〜」
セージ「!?」
見透かされたような発言に、思わずセージは目を見開きました。
ソードスレイブ「バカだぜお前。頭の善し悪しと、こういう機転の利く利かないは違うんだぜ・・・さて、そろそろ死ぬか?」
セージ「・・・・・・!!」
スレイブは、セージの腹に突き刺さるロッドをゆっくり引き始めました。
セージの腹からごぷっ・・・と青い血が少し漏れ出、セージは苦痛と焦りに顔をゆがめます。
セージ「ぎゃっ・・・!ちょっ、待て、待ってくださいよぉソードスレイブサマ!!」
ソード「お?」
セージ「この『月のムーンストーン』の元までアナタを連れてきたのは誰ですか?このボクでしょうが!
     そんなボクをこ・・・殺すんですか!?感謝の気持ちの欠片もないヤツだなっ、頼むからボクを敵視しないで下さいよ!!」
ソード「 知 ら ね ぇ よ 。そもそも敵視なんかしてねー、ウゼーんだよテメーが」
セージ「ウザい・・・?そんな些細な理由でボクを!(ウザいのはキサマだ、この不良品めがっ!!)」
ソード「大事な事を忘れてねえか坊ちゃんよ・・・・・・お前は格下なんだぜ。俺に口答えする権利なんてあると思ってるのか?」
セージ「かっ、格下だろうとボクは、アナタの手助けを・・・!(格下はキサマだっ、この単細胞が!!)」
ソード「ハッ、だから知らねェっつってんだろ。慇懃無礼って言葉知ってるかよォ〜、
    腹ん中で見下されてんのは、気持ちのいいもんじゃねぇんでね・・・」
セージ「ボっ、ボクは見下してなんかっ!!(バ カ を 見 下 し て 何 が 悪 い ! ! ! )」
ソード「もういいから黙れや!!!死にたくねぇなら死にたくねぇの一言でも言ってみろや・・・あぁ!?」
ソードスレイブはイライラした風に舌打ちしながら、セージの顔に一発ビンタを入れました。
セージ「あぅっ!!」
鈍い音が響き、セージの首が捻れます。
セージは痛みに咳き込みながら、屈辱にワナワナと震えます。
その様子を見て、ソードスレイブは満足そうに笑みを浮かべました。
ミルザくん「ちょっと待てよ!」
ソードスレイブ「あ?」
ロッドを引き抜こうとするソードスレイブに、ミルザくんが静止を求めます。
ミルザくんはゆっくり近づきながら、言いました。
ミルザくん「そいつには色々聞きたいことがある。だから殺すな。
      そいつを裁くのは僕だ。お前じゃない。だから殺すな」
ソードスレイブ「ハァ?」
ミルザくんの発言に、ソードスレイブは顔をしかめます。
ソードスレイブ「・・・・・・何言ってやがんだよ、お前。敵の分際で、俺に指図するのかい。ええ?」
ミルザくん「・・・・・もちろん、素直に聞いてくれるなんて思っちゃいないさ。
      でも・・・・・・そんなヤツに構ってないで、さっきの続きを早く始めるぞ。」
ソードスレイブ「おいおい、言ってること矛盾してるぜオマエ。
         ・・・っくく、だがよォ・・・・・・おい、ゴブリンくん。」
ソードスレイブは小さく含み笑いしながら、セージの頭を無理やりミルザくんの方に向けます。
そして、セージの耳元でこう囁きました。
ソードスレイブ「思わぬ助け舟が来たじゃんかよぉ・・・ええ?記念に、君に一つチャンスをやろうじゃないか。
         奴に助けを乞え。オマエがミルザに助けを求めるんだよ。『助けてくださいっ!』ってなァ。命が惜しいならそのくらい簡単だろ・・・?」
セージ「・・・・・・!」
346ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:16:26 ID:0t7D5j1k
ミルザくん「なっ、何を・・・」

ソードスレイブがセージにかけた言葉に、ミルザくんは反応に困りたじろぎます。
セージはもちろん、一層屈辱に胸を昂ぶらせます。
ソードスレイブ「おいおい、早くしろよォ。キミの大嫌いなミルザくん目掛けて、必死に助けを求めるだけでいいんだぜ〜。
         キミみたいにさぁ〜プライドの低い小悪党なら簡単だろォ・・・・・・なぁ?」
セージの頭をぺしぺしと叩きながら、ねっとりとした口調でそう言うソードスレイブ。
セージは下唇を噛み締めながら、わなわなと震えています。
ミルザくんは何とも複雑そうな表情で、そのいきさつを見つめていました。
セージ「ちくっ、しょう・・・・・・ちくしょう・・・・・・」
ソードスレイブは、セージのうわ言のような呟きを聞き、またケタケタと小気味よさそうに笑います。
ソードスレイブ「おいおい、早くしろよ〜。おらぁチャンスをやってんだぜ?それも、お前にとっちゃあハードルの低い
         聖母のように慈愛に満ちたやっさしいチャンスをよォ〜・・・・・・さぁ、はぁ〜やぁ〜くぅ〜」
セージ「・・・ク・・・・・・めて・・・だ・・・・・・」
ソードスレイブ「あ?」
セージが何やらとてもちいさな声で呟きだします。ソードスレイブは耳を澄ましました。
セージ「このボクが・・・こんな屈辱を受けたのは・・・・・・はじめて、だ・・・・・・」
ソードスレイブ「!・・・ははっ」
ソードスレイブが小さく笑い出します。・・・・・・が、次の瞬間。セージは勢いよくソードスレイブの顔目掛けて振り向いたと思うと――

セージ「こんな屈辱を受けたのは初めてだっ!!このボクがっ、こんな屈辱を受けたのはっ!!!許さない、許さないぞぉ!!!!」

セージの緑色の目が、突如強烈に一度光りました!
ソードスレイブ「!?ぐっ!」
ソードスレイブは頭の中に強烈な刺激を感じ取ります。
思わずロッドを掴んでいた手を離し、頭を押さえてよろめいてしまいました。
ミルザくん「あっ!!」
347ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:17:00 ID:0t7D5j1k
うろたえ、剣を構え直すミルザくん。
・・・・・・しかし、ミルザくんはすぐに剣を構えるのをやめてしまいました。
腹を貫くロッドだけで支えられていたセージの体は床に落ち、セージはロッドごと体をどこかへ引きずります。
セージ「こんな屈辱を受けたのは、初めてだ・・・・・・許さない・・・・・・ミルザも、ソードスレイブも・・・・・・殺して、やるぅ・・・・・・」
うわ言を呟きながら、ゆっくり、ゆっくりと、這いずり回ることしか出来ないセージ。
セージにはもはや正気はなく、ただ執念のみで動いているようでした。
ミルザくん「・・・・・・」
その光景に、さすがのミルザくんも哀れみの視線を落としてしまいます。
そしてソードスレイブは、そのセージの姿を目を細めながらしばらく見ていたと思うと・・・・・・

ソードスレイブ「いいぞ、助けてやる」

ミルザくん「!?」
ミルザくんはガバリと視線をソードスレイブへ移します。
ソードスレイブの目は・・・・・・死にかけの小動物を見るような、哀れみに満ちた目をしていました。
ソードスレイブ「俺はよ・・・・・・・テメーはプライドなんかかなぐり捨てて、ミルザに助けを懇願するもんだとばかり思っていた。
         そして、そうしたらその瞬間にお前をブッ殺そうと思っていた。だが・・・・・・くくっ。なかなか見上げた悪党だぜ・・・・・・」
ソードスレイブはそこまで言うと、セージの目の前にゲートを作り出しました。
ミルザくん「・・・・・・!!」
ミルザくんも、セージも、驚いたような顔をしてソードスレイブを見つめだします。
ソードスレイブ「ゴブリンセージ。お前の自信やプライドや執念・・・・・・それはどこからくるのか、知りたくなった。
         貴様を生かしておいてやる。・・・・・・ククッ・・・・・・」
ミルザくん「・・・・・・な、なにを言っているんだ!!勝手に逃がすな!!」
ソードスレイブはミルザくんの言葉に聞く耳を持たず、ゲートを消そうとはしません。
セージは視線をソードスレイブから外すと、ゆっくりゲートの方へ這っていきます。
ソードスレイブ「・・・・・フッ」

やがて、セージはゲートに包まれて見えなくなってしまいました。
348ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:20:33 ID:0t7D5j1k
ソードスレイブ「なんちゃってな♪」

ゲートが突如消滅し、セージの目の前の床から、つい先程までゲートがあった場所から、
大剣を持ったソードスレイブが、海面から浮かび上がってくるかのようにぬぅっと現れたのです。
ソードスレイブはキュウッと目を細め、大剣・・・「羅刹の剛剣」を大きく振りました。

セージ「・・・・・・!!?」
目を疑うより先に、セージの視界はグルリと回転し別の方向を向いていました。
ミルザくん「う、うああ!!」
ミルザくんは、目の前の凄惨な光景にたまらず顔を覆い、悲鳴を上げてしまいました。


ゴブリンセージの首が、弾け飛んだのです。


セージの首は、断面から夥しい量の青い血を吹き出させながらグルグルと飛んでいきます。
頭を失ったセージの胴体が前に倒れると同時に、首もそこらにゴロリと転がりました。
胴体を失ったセージの首はビクビクと痙攣しながら、微かに口が動きます。
セージ「ボク、の・・・・・・ちくしょう・・・・・・」
ほどなくセージは目を閉じ、動かなくなりました。
剣を振り放った状態のまま静止しているソードスレイブは、セージの胴体の断面から吹き出た血を存分に浴びながら、ゲタゲタと笑い出しました。
ソードスレイブ「げひゃひゃひゃひゃひゃ!!!バカバカバカバカバカバーーーーーカ!!!!
         俺がそう簡単に逃がすかってんだァ!甘めーんだよ糞ゴブリンがァ!!!!きゃはっ、げひゃひゃひゃひゃ!!!!!」
ミルザくん「・・・・・・!」
ミルザくんは、色々な感情の混じった複雑な表情で、血に塗れながら爆笑するソードスレイブを睨みつけます。
ソードスレイブ「ひゃひゃひゃゴホゴホゴホ!!!・・・あ゙ーーー、ひっひっひ、爽快爽快。
          ・・・・・・くっくっ、おや、どうしたどうしたい?ミルザくん?」
ソードスレイブは笑みを絶やさないまま、ミルザくんの方向を向きます。
ミルザくんは、少し震えた声で小さく呟きました。
ミルザくん「セージが、死んだ・・・これで色々な事はすべて闇の中・・・
      サルーインちゃんのことや、イフリート先生のこと・・・」
ソードスレイブ「?・・・言ってることよく分からねーけどさー。何にも気にしてなくていいよ」
ソードスレイブは再び剛剣を床に沈めると、セージの胴体からロッドを引き抜き構えました。

ソードスレイブ「お前さんだってここで死ぬんだからな」

ソードスレイブは凄まじい速さでミルザくんの元へ突っ込み、一撃を浴びせました。
ミルザくんは咄嗟に避けましたが、間髪を入れずにスレイブは下から斬り上げます。
ミルザくんは今度は、レフトハンドソードでその攻撃を受け止めました。
ソードスレイブが小さく笑います。
ソードスレイブ「オイオイ、力が弱ってきてるぜ・・・どうしたい、もっとやる気出せよ、オイ・・・」
ミルザくん「うるっ、さい・・・!!」
ミルザくんは力強くソードスレイブを押し返そうとしますが、それでも全く押し返せる気配はありません。
それどころか、徐々にミルザくんが押されていきます。
ソードスレイブ「・・・・・・じゃあ、こう言えばもう少し本気、出してくれるかな?」
ソードスレイブは囁くように言いました。

ソードスレイブ「さっき俺が地獄に招待してやったお前の友達・・・・・・『何があろうと』『どうやっても』『絶対』『100%』こっちに戻ってはこれないぜ!」
349ゲーム好き名無しさん:2006/12/12(火) 23:21:21 ID:0t7D5j1k
残り半分でピラミッド戦は終了させます。
まだ未完成なところがあるので後ほど。
350ゲーム好き名無しさん:2006/12/13(水) 00:14:12 ID:TUPM/a3j
>>349
ついにきt(ry
乙。けっこうハードな展開だね。でもミルザのまっすぐな所が良い。後半wktk
しかし敵ながらちょっとカワイソス
個人的にはもっとコメディ風味のが好きだな
351ゲーム好き名無しさん:2006/12/13(水) 01:03:11 ID:PDNwdDVX
セージは死んでなさそうなヨカーン
352ゲーム好き名無しさん:2006/12/13(水) 17:54:16 ID:KMcQrrw2
GJ!
キャラの台詞にジョジョっぽさを感じた
353ゲーム好き名無しさん:2006/12/14(木) 21:26:21 ID:WypHNe9O

だがセージきゅんうあああああああああ

>>352
確かにソードスレイブだけジョジョ臭がw
354ゲーム好き名無しさん:2006/12/16(土) 15:09:57 ID:27bqf9iE
超乙!
神殿の戦いも終わりが近づいてきたんだなあ…
355ゲーム好き名無しさん:2006/12/21(木) 22:12:21 ID:Oq7GzW+C
保守
356ゲーム好き名無しさん:2006/12/26(火) 17:11:24 ID:1C9P6W1u
保守
357ゲーム好き名無しさん:2006/12/30(土) 21:36:47 ID:VoPSLXV6
保守なのだ
358ゲーム好き名無しさん:2006/12/31(日) 20:28:43 ID:08yH+yxi
すごい亀だが乙!!ついにセージが・・・。でもまだ何か残してそうなんだよなぁこの策士。
そしてソードスレイブにいいように振り回されてるねぇ。ミルザにも一発ハデにぶちかまして、3倍返しくらいで叩きのめしてほしいもんだ。
しっかし、確かkidnappingが終わったのが今年の正月だったから・・・1年越しかぁ。長かった。
では来年も引き続き楽しみにしてるよ。
359ゲーム好き名無しさん:2007/01/01(月) 00:51:16 ID:4saEvVkS
あけましてーおめでとうー!
360ゲーム好き名無しさん:2007/01/05(金) 10:01:22 ID:YAFagE/b
おめでとー!
361ゲーム好き名無しさん:2007/01/08(月) 08:04:23 ID:xQSBHg/x
セージが死ぬとは・・・リヴァィヴァかけてたりして・・・
362ゲーム好き名無しさん:2007/01/12(金) 21:31:32 ID:oZZ8JUqo
363ゲーム好き名無しさん:2007/01/17(水) 22:27:12 ID:siNhYQik
しゅー
364ゲーム好き名無しさん:2007/01/24(水) 08:35:26 ID:EMK4R/td
 
365ゲーム好き名無しさん:2007/01/29(月) 22:36:24 ID:Wd/YQbgA
ふん
366ゲーム好き名無しさん:2007/02/01(木) 19:12:49 ID:ifsjZTvI
ほしゅ
367ゲーム好き名無しさん:2007/02/06(火) 00:43:47 ID:F0FM2aKJ
続きマダー?
368ゲーム好き名無しさん:2007/02/12(月) 23:02:35 ID:3opR4vFN
369ゲーム好き名無しさん:2007/02/20(火) 20:10:12 ID:uTDwP6fL
もう我慢できぬ。俺が書く。
370ゲーム好き名無しさん:2007/02/20(火) 23:06:15 ID:VR31xIpK
これはwktkせざるを得ない
371ゲーム好き名無しさん:2007/02/21(水) 00:11:40 ID:tqP7VlBB
お前のような奴が来るのを待っていた。
372ゲーム好き名無しさん:2007/02/21(水) 15:12:09 ID:nFqWoTUM
あなたこそはスレを救う素質あり!とみました!!
373ゲーム好き名無しさん:2007/02/28(水) 22:08:35 ID:+YGFCWM9
保守ぅ
374ゲーム好き名無しさん:2007/03/02(金) 20:49:25 ID:lh/8v73i
投下をwktkしつつ、容量を食わない方法で待つ試みとして、お気に入りの本編、幕間をあげてみる。
本編…「kidnapping」
ワイルちゃんけなげだよワイルちゃん。炎帝イカスよ炎帝。ゼロ距離破砕流がまた見たい。
幕間…「みんなのゆめ」
ワイルちゃん可愛いよワイルちゃん。ストライフちゃんエロいよストライフちゃん。ヘェイトゥちゃんの夢も見てみたかった。
375ゲーム好き名無しさん:2007/03/06(火) 22:33:47 ID:APQ3hQM6
幕間はデモコマが人になる奴とかソウルドレインの奴が結構好きかも。
376ゲーム好き名無しさん:2007/03/06(火) 23:09:40 ID:i5mfYAGl
このスレにある「それぞれのバレンタイン」が好き。ヘェイトちゃんは変態カワイイ。
というか他の話うろ覚えだぜ。久々に見直すかね。
377ゲーム好き名無しさん:2007/03/07(水) 00:13:20 ID:QHrK0FVo
四寮長と将魔ってどっちが強いんだろ。
イフリートとかスレイブ見てると互角くらいな気がするけど、デモコマ様はミルザに負けたし将魔の中にも実力差はあんのかな。
まあそのミルザの強さが結構曖昧なわけだけども。今のスレイブ戦でも手負いだし。
378ゲーム好き名無しさん:2007/03/08(木) 23:52:24 ID:RMmNPDWf
四寮長>六将魔>ミルザくらいなのかな。まぁ書き手によっても展開は変わるが、
実際はどれも接戦になるんだろうけど。その方が盛り上がるからなー。
379ゲーム好き名無しさん:2007/03/10(土) 19:21:26 ID:ieFfPBmo
既に過去のキャラだがダークが相当強かった気がする。
380ゲーム好き名無しさん:2007/03/11(日) 23:50:30 ID:1OHdIbZJ
術具&アルドラの体補正ありといえタイラントを倒したからな。
性格の悪さも一級品。似たようなスレイブは何だかんだ言って正々堂々がお好みなのに、ダークは卑怯な手満載だからな。
381ゲーム好き名無しさん:2007/03/19(月) 23:45:24 ID:oAFvUJT4
前みたいに未来が見える人来ないかな〜
382ゲーム好き名無しさん:2007/03/30(金) 22:36:39 ID:UGEqguZU0
久しぶりに読み返してみるかな
383ゲーム好き名無しさん:2007/04/07(土) 02:21:32 ID:TtYp3opY0
このスレ立ってからもう一年以上経ってたんだな
ssなんて殆ど書いたこと無いけど練習でもしてみるかね
384ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:09:47 ID:CubdWCll0
いいもんいいもん
誰も投下しないならぼく投下しちゃうもん。
385ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:14:34 ID:CubdWCll0
>ソードスレイブ「さっき俺が地獄に招待してやったお前の友達・・・・・・『何があろうと』『どうやっても』『絶対』『100%』こっちに戻ってはこれないぜ!」


ソードスレイブ「早い話・・・死んだっつった方が分かりやすいかな?そうさ、俺が殺したってことになるな!!」

ミルザくんの頭の中に、死という単語がガツンと響き渡ります。
胸から何か大きなものが抜けていく感覚がしました。
ソードスレイブ「んっんー、どうだいミルザくん、その喪失感は。ある意味スガスガしくて、心地よいんじゃあないか?
         身近な大切な誰かが死んだときは、テメーも一瞬死ぬ。果てしなくムナしい気分になるんだよな。
         ここはドコ?私はダレ?なんてふざけた事考えちゃったりしてさ。くっくっく」
鍔迫り合いを続けながら、ソードスレイブは喋るのを辞めようとはしません。
ソードスレイブ「だが、お前はまだマシな方さ。なんでか分かるか・・・え?
         目の前に仇がいるからなっ!!その喪失感、怒りに変えて俺にぶつけろよっ!!なぁ、ミルザ!!」
ガキィンと一度金属音が木霊し、ミルザくんが後方に吹き飛び膝をついてしまいます。
ソードスレイブは追い討ちをかけようとはせずに、その場から動かずにロッドを真っ直ぐ構えます。
ソードスレイブ「さぁ、こい!俺をもっと必死にさせてくれ!!」
肩を揺らしながら、待ち構えるソードスレイブ。
・・・・・・しかし、ミルザくんは膝をついたまま動こうとはしません。
ミルザくんは虚ろな目で地面を見つめながら、小さく震えていました。

死んだだってさ。
あの元気だったワイルちゃんや男勝りだったストライフちゃん。
嫌味だったけど頼りになった水龍さんに、エリスさんとアムトさん。
ちょっと変だけど賑やかだったヘイトちゃんに、あのネコまで。
死んだだってさ。
そういえば、サルーインちゃんの体もあの穴の中に吸い込まれていったよね。
だという事はさ、つまりだよ・・・・・・?
あああ

ソードスレイブ「ちょいまち、オイ・・・・・・ミルザくんよー」
地面を見つめたまま動かないミルザくんを見つめながら、ソードスレイブは痺れを切らしたように叫びました。
ソードスレイブ「死んだと聞きゃーオマエ、復讐放棄してまず走馬灯タイムかよ、ええ!?やる気出せってやる気!!怒れよ!!」
ミルザくん「・・・・・・・・・」
ミルザくんは何も聞こえていないかのように、何も反応しません。
ソードスレイブはチッと舌打ちし、今までになく冷静な口調でこう言い始めました。。
ソードスレイブ「・・・・・・では、俺とてもう贅沢は言わん。俺をここまで本気にさせてくれただけでも上出来ってことにしておくとするさ・・・・・・」
しばらくミルザくんを哀れみの目で見つめながら、ため息混じりに呟き始めます。
ソードスレイブ「そうやって今までの学校生活でも存分に思い返していろミルザ。”こっち”の事は何も心配しなくていい・・・・・・
         何も苦しませずに、楽に殺してやる。俺に熱さを思いださせてくれた礼ってことで・・・・・・ネ♪」
ロッドを構え、地面を見つめるミルザくんに狙いを定めます。
ソードスレイブ「・・・・・・さて」
そして、剣を振りかぶりながら思い切り地面を蹴り付けました!

ソードスレイブ「ミルザッ、討ち取ったりィ!!!」

ゴッ
386ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:17:05 ID:CubdWCll0
ソードスレイブ「何ッ!?」

ミルザに斬りかかろうと近づいたソードスレイブが、鈍い音と共に突如後方に弾き飛びました。

もちろん手を出したのはミルザくんではありません。ミルザくんは、未だ膝をついて地面を見つめています。
しかし、目の前で起こった異変に、ミルザくんは少しだけ驚いて顔を上げました。
顔を上げた瞬間、ソードスレイブにぶつかったモノに・・・・・・
自分を”守った”モノに・・・・・・ミルザくんは驚愕しました。


『何をボーッとしているか、ボケミルザァァァ!!!!』


糸石、アクアマリン。
いや、『サルーインちゃん』!!
ミルザくんの胸元から飛び出し、向かい来るソードスレイブの顔に一撃を与えたのです。
ミルザくん「え、え!?え!?」
ミルザくんは咄嗟に立ち上がりアクアマリンを拾い上げ、覗き込みました。
新種のエリンギ・・・に見えても仕方がないキノコのように飛び出たサルーインちゃんの思念体は、大層ご立腹のようでした。
サルーインちゃん「ボーッとしやがって、なに危うく殺されそうになっとるんじゃ!!シャキッとしないか、シャキッと!!」
愛しきサルーインちゃんの声にミルザくんは少し希望を取り戻しそうでしたが、現実を考え直すと結局落胆してしまいます。
シャキッとしてソードスレイブを倒したところで、サルーインちゃんの思念はあの体に戻ることは・・・
ミルザくん「ねぇ、聞いてよサルーインちゃん・・・実はn」
サルーインちゃん「うっさい、ゴチャゴチャ言うな!!貴様なんぞに言われんでも、事情は一応把握しておるわ!!!」
ミルザくん「は、把握してるって・・・・・・ワイルちゃんやストライフちゃんや・・・サルーインちゃんの体がもう戻ってこなくなっちゃったことも?」
サルーインちゃん「ぬわぁーーにが「戻ってこなくちゃったぁ〜」だこのバカアホマヌケドジトンマカス!!カスミルザ!!
           もう少し頭を働かせてはどうだ、貴様の貧相な脳味噌でも、奴らを救い出す方法くらい考えれば思いつくだろ・・・」
ミルザくん「えっ!?ってことは・・・・・・!」
サルーインちゃんは、どこか確信めいた笑みを浮かべていました。

ソードスレイブ「へぇ〜〜、アクアマリンの女さんよぉ!!
          あいつらを救い出す方法があるってかい?じゃあ聞かせてくれよ!聞いてやるからさ!!」

いつの間にか立ち上がっていたソードスレイブは突如こう叫びだしました。
ミルザくん「ゲッ!あいつに話全部聞かれてる・・・!」
サルーインちゃん「ふん・・・・・・地獄から蘇ってきたものだけに、耳の方も地獄耳のようだな・・・・・・」
ミルザくん「うまい事言ってる場合じゃないよ!!」
サルーインちゃん「だが、聞かれた所でどうって事はないわ。むしろこの際だ、あの大剣バカに全部聞いてもらおうじゃないか。
           ミルザ、私の顔をあの大剣バカの方に向けろ!」
ミルザくん「えっ!?で、でも・・・」
サルーインちゃん「早くせんかぁぁぁ!!!」
ミルザくん「わぁかりましたああああ!!!」
ミルザくんはうろたえながらも、勢いに任せてソードスレイブの方にアクアマリンを突き出しました。
アクアマリンから伸びたサルーインちゃんが、ソードスレイブを見据えながら叫び始めます。

サルーインちゃん「お前は言った!”ある術法を使って地獄の扉を開いた”と!!”地獄の正体はただの出口のない洞窟”と!!
           ある空間同士を繋げる、早い話が”どこでもドア”的な事の出来る禁断の術法を私は知っている・・・・・・
           つまりだ、大剣バカ!!お前にもう一度”地獄の扉”を開かせる・・・つまり”ゲート”を使わせればいいだけの話なのだ!!!」
387ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:18:53 ID:CubdWCll0
ソードスレイブはその言葉を聴くと小さくクックと含み笑いをはじめ、やがて大きく笑い始めました。

ソードスレイブ「・・・はっはっはっ、ご名答だぜアクアマリン女!!
         だがよォ、どうやって俺にもう一度ゲートを使わせるつもりだ!?」
サルーインちゃんは、もうそんな事考え済みだわいという風に間髪入れずに答えました。

サルーインちゃん「拷 問 だ ! ! 貴様を拷問して強引に使わせる!!どうだ、完璧だろう!!」

ソードスレイブ「えっ!?」
ミルザくん「拷問!?」
二人がそうリアクションしてから、突如場に静寂が訪れます。

サルーインちゃん「な、なぜ沈黙するのだバカ者ども!シンプルでかつ確実な方法だろう?」
ミルザくん「い、いや、でも意表をつかれたというか真っ当すぎて場違いというか・・・・・・」
サルーインちゃん「いや、何というかこれくらいしか思いつかな・・・ごほごほ!!これが最善の方法である事に間違いはないという事なのだ!勝てばよかろうなのだ!
           どうだ大剣バカ、感想を聞かせてみろ!!この私が採点してやるぞ!!」
ソードスレイブはしばらく目をまん丸にさせてサルーインちゃんを見つめていましたが、
何かを思いついたようにハッと背筋を伸ばしたと思うと、いきなり大剣をクルクル回しながらおどけたようにこう言いだしました。
ソードスレイブ「俺、拷問とか苦手なんだよねー、ジッサイ。やるばっかで、やられた事なんかゼンゼン無いもんだからさ。
          もしかしたら耐えられなくてゲート使っちゃうなんて事、ありえるかもお〜」
ミルザくん「え?」
サルーインちゃん「え?」

ミルザくんはもちろん、サルーインちゃんも意表をつかれ反応に困ってしまいます。
二人とも口ごもっている間に、ソードスレイブはニッと愉快そうに口を歪ませ、ミルザくんに向かってこう叫びました。

ソードスレイブ「だからかかってこいよ、ミルザ!!拷問するってんならまず俺を倒さないとな!!さっ、来い!!」

ミルザくん「・・・・・・」
ミルザくんは少しの沈黙の後、レフトハンドソードをぎゅうっと強く握り締め、ソードスレイブ目掛けて構えました。
その目は、まっすぐソードスレイブを見据えます。

ミルザくん「・・・・・・覚悟しろ、ソードスレイブ!」
388ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:20:39 ID:CubdWCll0
ミルザくんは、弾丸のように飛び出しソードスレイブへ一撃を繰り出しました。

金属音が鳴り響きロッドとレフトハンドソードが弾け合います。
ミルザくんは怯まずにもう一度、二度、三度、剣撃を間髪いれずに何度も繰り出していきます。
ソードスレイブは一つ一つ防いでいくも、武器の差か体力の差か徐々に押されていきます。
ソードスレイブ「ククッ・・・・・・!」
楽しげに喉を鳴らすソードスレイブ。
ミルザくんは何撃か食らわした後、腰だめに少し力を溜めて、ソードスレイブの持つロッド目掛けて力強く払いあげました。
ガキン!
ソードスレイブ「!!」
ソードスレイブの手から、ロッドが弾け飛びました。
ロッドがクルクルと宙を舞い、ソードスレイブは武器を失います。
ミルザくん「もらった!」
ミルザくんは少し笑みを浮かべ、ソードスレイブの肩目掛けて一撃を振り放ちました。
しかし、突如ソードスレイブは大袈裟に大きく体を反ったと思うと、そのままバック転を繰り出したのです。
弓なりに振り上げられるソードスレイブの足がミルザくんの剣撃を弾き、そしてソードスレイブは軽やかに着地しました。
ミルザくん「!?」
ミルザくんは目を疑いました。ロッドを弾き飛ばし手ぶらになった筈のソードスレイブが、
いつの間にかもう剣を手にしているのです。それも”羅刹の剛剣”の方を。
そして、間髪いれずに凄まじい速さでミルザくん目掛けて斬りつけてきたのでした。
ミルザくん「うわぁ!!」
ミルザくんは持ち前の鋭い反射神経で、間一髪を攻撃を避けます。
しかし、すぐに切り返しがやってきます。
ミルザくんは今度は剣で防ぎ、素早くバックステップを踏み距離を取り直しました。
どっ、と疲労がミルザくんの体にのしかかります。
ミルザくん「はぁ、はぁ・・・・・・ヤツはあの大剣をどうやって・・・・・・」
傍らに転がっているロッドを見ながら、呟くミルザくん。
その呟きに、胸元のサルーインちゃんが答えました。
サルーインちゃん「私は見たぞミルザ。さっきヤツがバック転した時・・・・・・ヤツの両の手が”床に少しだけ沈んでいた”。
           そして着地した時・・・・・・ヤツの手にはもう羅刹の剛剣が握られていた。」
ミルザくん「サルーインちゃん・・・・・・」
サルーインちゃん「床の”下”に突き刺さった剛剣を軸に回転し、着地する時の腕の勢いに任せて床の下の剛剣を引き抜いた。
           ・・・・・・私の言ってる意味が分かるか?私自身も言っていてなーんかよく分からんが、まぁこんな所だろう」
ミルザくん「頭がどうにかなりそうだった・・・この世のものとは思えないもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・・・・って事かい!?サルーインちゃん!」
サルーインちゃん「よく分からんがまぁそういう事だ!―――さぁ、ヤツが来るぞ!防ぐかよけるかしろ!」
ミルザくん「うん!」
ソードスレイブ「うおおおぉぉあああ!!!」
剣を引きずりながら猛スピードで向かってきたと思うと、勢いにまかせ渾身の払い上げを繰り出しました。
剣でその一撃を防ぐミルザくん。しかし・・・・・・
ミルザくん(くっ、あ、握力が・・・・・・!)
ソードスレイブ「くおおおぉぉぉぉ!!!」
ギギギッと鉄の擦れる音が断続的に響きます。
そして・・・・・・

ガァン

ミルザくん「あっ」
レフトハンドソードが、弾け飛んでしまいました。
389ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:21:41 ID:CubdWCll0
ソードスレイブ「ひゃほ!!大チャーンス到来ッ!!」

ソードスレイブの二撃目が、手ぶらのミルザくんに襲い掛かります。
ミルザくん「くっ!」
バックステップを踏み避けるミルザくん。鼻先スレスレの場所を剣が振り下ろされていきました。
ミルザくんは急いで距離をとろうともう一度バックステップを踏もうとしますが・・・・・・
ソードスレイブ「逃がさねーぞ!!」
ソードスレイブは、ミルザくんの首目掛けて剣を横薙ぎに振り払います。
ミルザくん「ぐわっ!!」
全力で膝を折るミルザくん。ギリギリ頭スレスレの場所を剣が通過していきました。
ひとまず安堵するミルザくん。しかし・・・・・・
ソードスレイブ「まだまだァ!!まだ終わらねーぜぇぇ!!」
横に振り払った勢いで体を大きく反り剣を振りかぶるソードスレイブ。
そして、ミルザくん目掛けて容赦ない三撃目が繰り出されました。
ミルザくん「うっ!!」
転がるようにして、また間一髪で何とか避けるミルザくん。
凄まじい轟音が鳴り、先程までミルザくんがいた床に大きなクレーターが出来ていました。
ミルザくん「くっ・・・くそっ、剣が無きゃやられるのは時間の問題だぞ・・・」
サルーインちゃん「そら、あの大剣バカ大きな一撃を決めて隙が出来ているぞ!さっさと剣を探して拾えバカ者!」
ミルザくん「う、うん!」
ミルザくんは急いで立ち上がり、キョロキョロと辺りを見回します。その時です。


「ミルザ!!上だ、上を見ろぉぉ!!!」
390ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:22:39 ID:CubdWCll0
ミルザくん「!?」
どこからか声が聞こえました。それも聞き覚えのある声・・・
ジャミルくんでした。
ミルザくん「ジャ、ジャミ・・・」
ジャミルくん「お前の剣!今投げてやったんだよ!上、上を見ろ!!」
ミルザくん「上・・・」
ミルザくんはガバッと上を向きました。丁度真上の辺りに、レフトハンドソードがグルグルと宙を舞っています。
ジャミルくん「投げすぎちまったんだよー!ごめんよー!」
ミルザくんは溜め息をつきながら、宙を舞うレフトハンドソードを見据え、目掛けて飛び上がりました。
ソードスレイブ「ハッ!格好の的だぜェ!」
飛び上がるミルザくんに、ソードスレイブは照準を合わせます。
その瞬間。

ズガアアアアアアッ!!

ソードスレイブ「!?」
耳を劈く轟音が、まさにソードスレイブのすぐ側から上がりました。
青い落雷が、ソードスレイブの側に突如炸裂したのです。
ソードスレイブ「これ、は・・・!?まさか・・・」
一筋の冷や汗を垂らし、ソードスレイブは咄嗟にある方向に視線を走らせました。

そこには、ウコムの鉾を握り締めたまま膝立ちでこちらを見据えるオイゲンくんの姿がありました。

オイゲンくん「瀕死のオレから・・・最後のプレゼントだぜソードスレイブ・・・」

ソードスレイブ「・・・・・・!」
ソードスレイブは仮面の上からでも分かるくらいに顔を焦りの色にゆがめると、稲妻が炸裂した方向を見やりました。
靄が立ち込めるその中から・・・ソードスレイブが予見した通りの物が出てきました。

そう、電撃を纏ったレフトハンドソードを構え、こちらへ向かってくるミルザくんの姿です。

ソードスレイブ(こいつら、咄嗟にこんな・・・!)
ソードスレイブは大剣を構え直しました。
オイゲンくん(わりぃが俺にはもうこれ以上援護は出来ねえ・・・指一本も動かせねえよ。
        ミルザ。お前の「レフティホーク」で―――ヤツを仕留めるんだ!)
そこへ、稲妻が走るようにミルザくんの電撃を帯びた剣の一撃が繰り出されました。
391ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:24:15 ID:CubdWCll0
ルザくん「ひとつ!!」

ガキィィン!!

耳を劈く程の金属音が部屋に鳴り渡りました。
それは、ミルザくんの一撃でソードスレイブの大剣が弾け飛ぶ音でした。
ソードスレイブ(しまっ・・・・・・!)
ミルザくん「ふたぁぁつ!!」
弾け飛ぶ大剣にソードスレイブが手をやろうとする間もなく、ミルザくんの二撃目がソードスレイブの肋骨を砕き割りました。
ソードスレイブ「ぐはああああ!!」
ソードスレイブの体勢が大きく崩れます。
ソードスレイブ「ぐ・・・・・・」
ミルザくん「うおおおお!!!(もう無理だ、これが最後だ、五回なんて不可能だ、四回も無理だ、
      三回が限界だ、これで限界だ、だから、これで終わらせる!次が最後だ!!これが最後だ!!!)」
残る体力を総動員し・・・いや、体力などミルザくんはもうほとんど残っていないのです。
ミルザくんは、内に秘める力を・・・希望を力に、体力に変え・・・
止めの一撃を、最後の一撃を、ソードスレイブに繰り出しました。

ミルザくん「みぃっつぅぅ!!!」

バシィィィン!!!

形容しがたいが、とりあえずは凄まじい音が・・・空間中に広がりました。
ミルザくん「・・・・・・」
ソードスレイブ「・・・・・・」
二人とも一言も喋る事はありません。
ただ、二人の間からはジュゥ〜プスプス・・・と、何かが焦げるような音だけが木霊していました。
ミルザくん「・・・・・・」

ミルザくん「そんな、バカ、な・・・・・」

ミルザくんは握力を失い剣をその手から離し、膝をつきました。
ソードスレイブは・・・・・
レフトハンドソードの刀身を・・・・・握り締めていました。
ソードスレイブは全身から煙を立ち上らせ、取り分け刀身とその手の間からは
一層激しく煙が立ち昇り、焦げ臭い臭いが染み出ています。

ミルザくんの最後の一撃を、ソードスレイブは手で受け止めたのです。

ソードスレイブ「言ったろミルザ・・・・・・俺に、俺様に、一度見せた技は聞かぬと」
ソードスレイブは刀身にくっついた手を、もう片方の手でひっぺがし、そしてゆっくりゆっくりと立ち上がり・・・・・・膝をついているミルザくんを見下ろしました。
サルーインちゃん「ミ、ミルザ・・・・・・!」
その目は・・・・・・勝ちを確信した目でした。
ソードスレイブ「お前はよくやったよ、ガキのくせにな。これほどやるガキを見たのは初めてだ・・・
         そして・・・・・お前の敗因、お前が俺に敗北した一番の原因を・・・・・・教えてやる」


ソードスレイブ「年季の違いだ」
392ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:27:00 ID:CubdWCll0
ソードスレイブ「無駄な前置きしてたらまた誰かに邪魔されちまぁな。死ね」

ソードスレイブは床に手を沈めロッドを取り出し両手に掴むと、満身創痍といった風にゆっくり振りかぶり、
ロッドの剣先をミルザくんの首に据えたまま、倒れるように突き出しました。
ミルザくん(体が、動かない・・・)
逃げようとしても、体がいう事を聞きません。
連戦の疲労とダメージで、ミルザくんの体力はもう完全に底をついていました。
ミルザくん(僕は・・・こんな所で死ぬ、のか・・・!?)
ジャミルくん、オイゲンくん「ミルザァァァーーー!!!」
サルーインちゃん「・・・・・・やめろ、やめてくれーーー!!!」


ボン、ボン!!


ソードスレイブ「ぐばぁ!?」
ジャミルくん「!?」
オイゲンくん「今のは!?」
サルーインちゃん「・・・・・・!?」
ソードスレイブが横に弾けとび、地に伏しました。
横側から、強烈な衝撃を受けたのです。
ソードスレイブ「な、なにが・・・!なんなんだ今のは畜生!!」
ソードスレイブを叩き付けた”何か”・・・それが飛んできた方向にソードスレイブは視線を走らせました。
そこには・・・・・信じられない光景が、彼にとって、いやその場にいる全員にとって、
それでもやはり彼にとっては一番信じられない光景が――そこにあったのです。
393ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:27:54 ID:CubdWCll0


「危機一髪!!ってヤツだったワケだ!!」
「ふわ〜〜、よかった間に合って!!本当によかった!!」
「あと1秒でも遅ければ・・・ミルザさんは死んでいたのかもね」
「結果オーラァァイ!!!結果ザッツルァァーーーイ!☆♪!!&!!!」
「遅れたのはお前のせいだろが!確かに結果オーライだが調子のんな!」
「ほんっとウザってぇ女だな!」
「いやいや、確かに遅れたのは”ヘイトちゃん”のせいですが、それでもここに戻って来れたのは完全に”ヘイトちゃん”のおかげですよ!」


ソードスレイブ「あ、あ、あ、あ、ふぇ!?ななな、なぜ!?な、なんで、なのだァァァーーーー!?」

あまりに予想外の光景に、ソードスレイブはとてつもなく間の抜けた声を上げました。


水龍くんが、アムトちゃんが、エリスちゃんが、ヘイトちゃんが、ストライフちゃんが、アルが、ワイルちゃんが、

そう、ソードスレイブが”棺桶”に閉じ込めた7人が・・・『何があろうと』『どうやっても』『絶対』『100%』戻って来れない筈の7人が・・・・・


今!ここに!
確かに戻ってきたのです!!
394ゲーム好き名無しさん:2007/04/11(水) 23:36:34 ID:Mwimzy7vO
投下終了、ありがとうございました
395ゲーム好き名無しさん:2007/04/12(木) 11:40:25 ID:dy7zn/qjO
乙すぐる
396ゲーム好き名無しさん:2007/04/12(木) 18:45:05 ID:YBrHc/Ga0
キテ(゚∀゚)ター !!乙。
スレイブかっこいいとか思い始めてしまった。追い詰められちゃったけど。
デモコマみたいな全体技無いし、どうなるやら。
397ゲーム好き名無しさん:2007/04/23(月) 22:55:08 ID:kt6IFwJ90
やけにジョジョっぽい台詞が多いな
だ が そ れ が い い
398ゲーム好き名無しさん:2007/04/24(火) 04:18:45 ID:KzMrTXf4O
ロマサガ自体ポジションジョジョと呼ばれてるし
399ゲーム好き名無しさん:2007/04/30(月) 08:45:13 ID:fLd9jPEQ0
ロマサガの新作出ないかなぁ
400ゲーム好き名無しさん:2007/05/06(日) 08:00:49 ID:8p/Ap14r0
ミンサガ2が出たら買っちゃうよ俺
401マララー( ・∀・) ◆uAUwMARaRA :2007/05/07(月) 03:04:29 ID:KVONaMXT0
                      ''';;';';;'';;;,.,    ブーン・・・
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ブーン・・・
                        ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
             rっ        vymyvwymyvymyvy、
             ||       mVvvMvyvmVvvmvyvmVvv、  VIPからきますた
 VIPからきますた  |/⌒ヽ /^ヽ (^^) /^ヽ (^^) /^ヽ(^^)/^ヽ
             (^ω^ )(ω^ )/⌒ヽ(^ω^)/⌒ヽ^ω^)  ( ^ω)-っ
       /⌒ \   |   _二二二つω^ )(\ ( ^ω^ )二⊃ /⌒ヽr 
   ⊂二(^ω^ )二ノ   /( ^ω^ )  ⊂二\\_/⌒ヽ二二( ^ω^)二⊃
       ヽ    | (´ ._ノ ヽ   /⌒ヽつ  \( ^ω^)  |    /
        ソ  ) \\⊂二二二( ^ω^ )二二二⊃ ⊂_) ( ヽノ
       ( < \  レ’\\   ヽ   /   i ) ノ     ノ>ノ 
        \|\|      レ  (⌒) |   /ノ ̄     レレ
                      ⌒| /   '´
402ゲーム好き名無しさん:2007/05/09(水) 06:54:54 ID:BrwBbCMp0
切実にロマサガ3のリメイクしてほしい。してくれたらモレナク発売当日に買う
403ゲーム好き名無しさん:2007/05/09(水) 07:02:02 ID:BCfyv39q0
キドラント町長と戦える仕様になったら三本買う
404ゲーム好き名無しさん:2007/05/12(土) 19:38:20 ID:nJBF5iB70
エレン=ツフの悪感
405マララー( ・∀・) ◆uAUwMARaRA :2007/05/12(土) 19:49:10 ID:SRNgE9Gz0
リメイクされたFFTはどうなのよ
406ゲーム好き名無しさん:2007/05/12(土) 20:26:02 ID:nbjqb2at0
FFTは幾つか新要素を加えただけの移植の筈だからリメイクとは違うと思う
407マララー( ・∀・) ◆uAUwMARaRA :2007/05/12(土) 21:18:44 ID:SRNgE9Gz0
おもしろいのかと訊いているッ
408ゲーム好き名無しさん:2007/05/13(日) 23:41:08 ID:yB6cWG1f0
>>407
買ってないから分からん
本体はあるんだが
409マララー( ・∀・) ◆uAUwMARaRA :2007/05/14(月) 00:53:27 ID:XWu9NoEH0

         ∧_∧
        _( ´_ゝ`) ボケ
      /      )           _  _
     / ,イ 、  ノ/    ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
    / / |   ( 〈 ∵. ・(   〈__ >  ゛ 、_―
   | !  ヽ  ー=- ̄ ̄=_、  (/ , ´ノ
   | |   `iー__=―_ ;, / / /
    !、リ  -=_二__ ̄_=;, / / ,'  >>408
        /  /       /  /|  |
       /  /       !、_/ /   〉
     / _/             |_/
     ヽ、_ヽ
410408:2007/05/14(月) 20:58:21 ID:iyIKebHr0
>>409
PS版持ってて既に200時間くらいやったから買わないンだよ
411ゲーム好き名無しさん:2007/05/21(月) 19:33:26 ID:szHdkp6y0
またひとりか
412マララー( ・∀・) ◆uAUwMARaRA :2007/05/23(水) 01:34:15 ID:2fBGSrkq0
ビアンカとフローラどちらにするべきか
413ゲーム好き名無しさん:2007/05/24(木) 18:59:41 ID:NtqNHUij0
ルドマン
414マララー( ・∀・) ◆uAUwMARaRA :2007/05/25(金) 18:12:58 ID:WXlG3bf80
ブックオフに行ったらオウガの漫画があった
姉さんの病んデレ度が薄められてた
415ゲーム好き名無しさん:2007/05/27(日) 18:43:17 ID:zhNxCiu10
昔デニムをロードにするためにわざとカチュアを殺したぜ
隠し銃の存在は知らなかったが
416ゲーム好き名無しさん:2007/06/02(土) 07:55:36 ID:uz3UlmIB0
そろそろ保守
417ゲーム好き名無しさん:2007/06/10(日) 23:31:05 ID:KYnrbopW0
保守
418ゲーム好き名無しさん:2007/06/16(土) 23:22:00 ID:W5KrX7el0
最近サガやってないな
419ゲーム好き名無しさん:2007/06/19(火) 22:28:16 ID:2Xuhacal0
420ゲーム好き名無しさん:2007/06/22(金) 23:55:17 ID:XSrsUwmD0
>>419
すでにマイリスト登録していたわけだが
421ゲーム好き名無しさん:2007/07/02(月) 16:48:21 ID:BAxvJz+L0
未来予知能力者の再来を希望する
422ゲーム好き名無しさん:2007/07/08(日) 14:17:04 ID:DSiIbyrQ0
もう最初のスレから2年以上、というかこのスレだけでも1年以上経ってるのか
前スレまではいいペースで投下されてたのにな
423ゲーム好き名無しさん:2007/07/10(火) 00:54:32 ID:smpvYoSi0
あげてみるか。
誰か書いてくれねーかなぁ
424名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 18:07:02 ID:azAl0E5W0
誰もいない
425ゲーム好き名無しさん:2007/08/11(土) 00:17:34 ID:veLkDurX0
                , ‐'''^^"'''ー、、
      ._..-'" ̄ ̄フ′       `'‐、
    ./     /             \
   /       .!                  l,
  ./        .|                   l
  ./           |                   l
 │     .,..-'"`-、                  ヽ
 ..!    ../      \               !
 ..|    /        ヽ             /
  l   ./ ,,,,,,,        l     ,―、   ._, /
  .ヽ  l  """'''      ヽ   ./   .l-'/ 、}
   `'''l 、~'=ー- 、.,_     _,.、 -一='  i' |.!
     .!.  `ー- ‐^  :::  ^‐ -┳´    /
     .ヽ、       :  :   ┃    .,/
      l      :;    ;:  ┃   .l
       ヽ.   ..:,     ,:   ┃  /
        ヽ.    \,/        /.|
           ヽ. 'ー- ..,_,.. -‐'    / ト,
         ヽ.   ._ _.    | /  |ヽ
      ____,./ヽ  "'"   |./    ./  \、
  -‐ '''"  ̄ /  :| \,,,__,,,, /    /    | `'''‐- 、.._
426ゲーム好き名無しさん:2007/08/19(日) 22:54:31 ID:wC8z/2WxO
セージきゅんの緑色の目って、魔のエメラルドのカケラだろ?
セージきゅんの体は死んだけど、目だけ魔の島に帰って復活すると予想
427ゲーム好き名無しさん:2007/08/29(水) 14:34:15 ID:DjG97QUT0
マルディアス学園放送部が謎の黒髪美女に乗っ取られた!?
延々と続く、自称「不幸話」に、男子生徒の自殺未遂事件が続出!
現生徒会長エロールちゃんは、学園の放送に秩序を取り戻すべく、
ビジュアル系吟遊詩人に扮し、放送合戦をしかける!
いっぽうそのころ、会長不在の生徒会執行部では、
書記のニーサちゃんによる、とある計画が実行に移されようとしていた……
学園の未来やいかに!?衝撃の幕間劇!!



という妄想。

セージ君はどうなるんだろね。
個人的にはそろそろ他のキャラの活躍が見たい。
空気なリザードロードとか。
428ゲーム好き名無しさん:2007/09/03(月) 23:14:57 ID:bmAdHMDj0
保守
429ゲーム好き名無しさん:2007/09/17(月) 17:43:50 ID:XfXuhAwg0
二週間レス無し
430ゲーム好き名無しさん:2007/09/17(月) 19:08:07 ID:vaS5E64A0
うう・・・
431ゲーム好き名無しさん:2007/09/30(日) 14:17:19 ID:GtzMJ77T0
fddhhfffs




mhmghdkh





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432ゲーム好き名無しさん:2007/10/07(日) 00:52:25 ID:a0J9ejlEO
433ゲーム好き名無しさん:2007/10/29(月) 20:21:24 ID:gbvLbL8+0
アキラメナイ!
434ゲーム好き名無しさん:2007/12/13(木) 01:04:47 ID:x2HJG+tv0
435ゲーム好き名無しさん:2007/12/23(日) 19:10:51 ID:VvVRETdm0
hosyu
436ゲーム好き名無しさん:2008/01/24(木) 01:11:33 ID:X1mhTB2c0
保守。
437ゲーム好き名無しさん:2008/02/28(木) 23:22:46 ID:Ew9IPpuN0
保守。
438ゲーム好き名無しさん:2008/04/18(金) 10:39:37 ID:3wfxIfBGO
保守
439ゲーム好き名無しさん:2008/04/23(水) 00:20:00 ID:kWGom/n00
a
440ゲーム好き名無しさん:2008/04/24(木) 08:19:29 ID:x6w2m/31O
ピコーン!
441名無しさん@全板トーナメント開催中:2008/05/03(土) 16:13:15 ID:GJyqN7th0
a
442ゲーム好き名無しさん:2008/05/10(土) 22:12:49 ID:rm0oQBqTO
もう我慢できん 俺が書く
443ゲーム好き名無しさん:2008/05/16(金) 02:53:01 ID:g9+KkHn50
キタコレ。期待して待つ。
444ゲーム好き名無しさん:2008/05/17(土) 21:01:59 ID:sgiUclgoO
改めて読んでみたら、キャラ立ちとかセリフ回しとか色々と神がかってるな
445ゲーム好き名無しさん:2008/05/19(月) 02:37:34 ID:y7j9lOzq0
しかし中身が濃くなると話が複雑化してきて、おいそれと短くつなげる事が出来なくなる罠。
まーSSスレでは陥りがちな話ではある。
446ゲーム好き名無しさん:2008/05/20(火) 02:35:41 ID:rgKX9E7j0
h
447ゲーム好き名無しさん
保守