【ロマサガ】神立マルディアス学園四週目【ミンサガ】

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1ゲーム好き名無しさん
まだマルディアス学園が創立して間もない頃、女生徒に魔性の美人三姉妹がいました。
付き合った男を次々に不幸にしてゆき
それをトラウマ自分語りする美人メンヘル一年生・シェラハちゃん。
破壊行為が大好きでチャームポイントは
タカビーナルシスト逆切れ八つ当たり露出狂の古風でつつましい日本美人二年生・サルーインちゃん。
骨格美人の三年生・デスちゃん。
彼女達はたぶらかした男達を率いて、生徒会長エロールちゃんに生徒会戦で戦いを挑みました。
激しい選挙運動で公害レベルでした。とくにミニオンちゃん達、の中でもヘイトちゃんが公害レベルでした。
生徒会長の座が危うくなってきたエロールちゃんは、貧乏な奨学生ミルザくんを宝石で釣りました
のではなく全校生徒を愛する生徒会長の役目として10個も宝石を施してあげました。
超セレブのお金持ちで超美人でいかにもSっぽいサルーインちゃんに密かに憧れていたMのミルザくんは
サルーインちゃんが生徒会長になって他の男に更に人気が出ることを断固阻止しようとしました。

※ロマサガを使って遊んでるスレだと割り切ってください。
※リレー小説形式です。次に書く人が自由に展開させていきましょう。
※ちょっとした雑談、小ネタもどうぞ。

派生元、もっと詳細なネタが見たい方はこちらもどうぞ↓
ミンサガのミニオン様はエロカワカッコイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1117463661/l50

前スレ・まとめ等、詳細は>>2以降で
2ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 11:46:19 ID:???
前スレ
【ロマサガ】私立マルディアス学園週目【ミンサガ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1125670354/l50

マルディアス学園まとめサイト
http://mardias.fc2web.com/
3ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 11:46:52 ID:???
登場人物紹介その一

★サルーインちゃん  破壊行為が大好きな超タカビーなお嬢さま。そのナルシストっぷりは常時半裸で
  自分を飾らない潔さ。ネクタイは飾りに入りません。反面ファーストキッスも今だ守ってる
  貞淑で身持ちの固い古風で純情派和風美人。エロールちゃんとは永遠のライバル。

★エロールちゃん 「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」を乱用する
  マルディアス学園の生徒会長。博愛主義を標榜して憚らないが一部で天然腹黒がバレている。
  表の顔と裏の顔『詩人』を使い分け、いい具合に調整している。

★ミルザくん  出稼ぎの為に上京してきた貧乏奨学生。「金、金、金!」がモットーの騎士団寮に寄宿している。
  毎日バルハルモンスターのバイトをして食い繋いでいる。潜在的Mで、Sっぽいサルーインちゃんに
  憧れており、『運命の赤い糸石』を求め学園中を奔走する。

★シェラハちゃん  サルーインちゃんの鬱病の妹。付き合った男を次々に不幸にして
  道端の人を捕まえては自分語りする。
  ミルザくんに肩入れをする。

★デスちゃん  サルーインちゃんのお姉ちゃんで骨格美人。三姉妹の仲で唯一正常だがマイルームから出てこない。
          アルドラちゃんをダークの姿にした。

★ワイルちゃん  ごく普通の子。サルーインちゃんへの信仰度は最も高く、
   サルーインちゃんのやる事成す事全てに疑いを持たない。
   その分、サルーインちゃんをけなす者、邪魔する者には容赦しない。
   クジャラート舎でミルザくんに接触した。
   風の術が得意。         

★ヘイトちゃん  公害。
   常ににぎやかで、サルーインちゃん一味のムードメーカー兼トラブルメーカー。
   変装が得意。スケートが趣味。彼氏持ち?
   ワロン寮でミルザくんに接触した。

★ストライフちゃん  人を虫けら呼ばわりするヤンキー気取りの優等生。水泳が得意。
     水中以外の場所では極度のアガリ症&恥ずかしがりやさん。
     意外とお茶目?

★アルドラちゃん  ミルザくんの事が大好き。
       ある日呪われた『ダーク 』の姿になってしまい、美貌と自信を失う。
       サルーインちゃんを心から嫌う。
4ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 11:47:30 ID:???
登場人物紹介その二

★オイゲンくん  ミルザくんの親友にして兄貴分。
     頭脳派で大人っぽく、ミルザくんとは正反対の性格。
     だからってSなのかどうかは不明。

★ツフ  バルハラントの村に住むスケバン。
    趣味はいい男探し。特技はスピアー。
    アルベルトをさらう。

★ナイトハルトくん 何やら何か偉い人。イスマス寮ディアナの婚約者。
      色々と謎の多い人物?糸石の一つアクアマリンと関係があるらしい。

★ファラ  クジャラート舎でウハンジに襲われていた所をミルザくんに助けられた。
  以後ミルザくんに惚れてしまう。
  ジャミル曰くサルーインちゃんがお前で俺がお前みたいな感じで。ありゃ?何がなんだか

★ジャミルくん  サルーインちゃんに一度告白して振られたクジャラート生。
    ミルザくんと意気投合する。ファラが好き。

★アルベルトくん  お姉ちゃん大好きなイスマス寮長ルドルフの息子。
    ミルザ曰く『妖精みたいな男の子』。
    ツフに惚れられてしまった。

★ディアナちゃん  イスマス寮長ルドルフの娘で、ナイトハルトくんの婚約者。
      器量もよし、性格もよし、しかも戦えると三拍子そろった才女。

★コルネリオ   ローバーン公。サルーインちゃんに一度ふられた?
     ワイルちゃんの下僕になった。

★ゲラ=ハ   ワロン寮のゲッコ族の青年。人間寮生との和解を望んでいる。誠実で素直。

★ラミアちゃん  謎の魔術師に仕える女モンスター。サルーインちゃんの弱点をつかむ。

★???  誰も見たことが無いと言う幻の島に住む謎の魔術師。
    まぁ、大体正体は分かるが、名前伏せとくか。

★アイシャ  『あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!シャシャシャタラールアイシャ!族!』
     『あたしタラール族のアイシャ!アイシャ!アイシャ!アイシャ!アイアイタラール族!』
5ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 12:33:39 ID:???
念願の新スレを手に入れたぞ!!
これで>>1に更なる乙ができる!!
6ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 12:39:52 ID:???
タイニィ「よくやったぞ。お前の苦労に報いてやるか。これをもっていけ」
>>1乙!

前スレで登場人物紹介を書いていたものですが、あと30分くらいで魔の島連中も書きあがりそうです。
書けたら投入しますねー。
7ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:02:20 ID:???
登場人物紹介 〜16話開始時点〜

【セレブ三姉妹】
★サルーインちゃん
 アハ、アハハハ!という高笑いが特徴的な、破壊行為大好きなセレブ三姉妹の次女。
 超タカビーでナルシストでもあり、自分の美しさに絶対の自信を持っているためか、身を飾ることを潔しとしない。
 そのため常に半裸。隙あらば全裸。ネクタイは飾りに入りません。
 ドSっぷりを発揮して振った男は星の数。しかし実はまだ恋愛経験がなく、ファーストキッスも守っている和風美人である。
 生徒会長のエロールちゃんとは永遠のライバル。
 クリスタルレイクプール事件の際、ミルザくんにアクアマリンをプレゼントした。

★シェラハちゃん
 「悲しいことを思い出すわ・・・」が口癖の、鬱病ぎみでダウナーなセレブ三姉妹の末妹。
 姉と違って恋愛経験豊富だが、付き合った男どもを軒並み不幸にしては、そこらの人を捕まえて自分語りをする癖がある。
 「ある黒髪の絶世美女が〜」で始まる不幸話は、例外なく自分の経験だったりする。
 全く関係ない話題だったのに、なぜか不幸話にシフトしていくという特技?があり、ハープも得意。そして巨乳な黒髪美女。

★デスちゃん
 セレブ三姉妹の長女の骨格美人。冥部の部長でもある。
 三姉妹の中で唯一マトモだが、マイルームにこもりっきりでめったに出てこない。
 その性格からか、サルーインちゃんとミニオンズの間の調整役になったりもする。
 ワイルちゃんには、同じ巻き込まれタイプとして妙なシンパシーを覚えるらしい。
 三途の川に浮かべた舟で、四寮長の一人フレイムタイラントくんとお茶会を開くのが日課。
 そのタイラントくんとは、友達以上恋人未満の微妙な関係が続いている。
8ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:03:10 ID:???
【ミニオンズ】
★ワイルちゃん
 ごくごく普通の眼鏡っこ。ちょっと気弱なところもあるがマジメな性格である。
 女の子らしい丁寧な口調で話す。
 サルーインちゃんに対する信仰が一番厚く、サルーインちゃんの行動には全く疑問をもたない。
 そのためか、のせられやすかったり、トラブルに巻き込まれやすかったりする。
 風の術を得意とし、サルーインちゃんに立ちふさがる相手には容赦をしない。
 ・・・が、ミルザくんがサルーインちゃんに惚れてることを知りつつも、ミルザくんに惹かれはじめている。

★ストライフちゃん
 眼つきの鋭いヤンキー気取りの優等生。趣味と特技は水泳で、ウコム学園のマリーンちゃんとは同じ水泳教室の仲。
 口調は乱暴でぶっきらぼう。サルーインちゃんに対する信仰も余り高く無い。相手を虫けら呼ばわりしたりする。
 しかし、幼い子のために戦ったり、捨て猫を可愛がったりと、意外と優しく、お茶目な一面もある。
 火の術を使うほか、ミニオンズきっての武闘派として体術にも長けており、稲妻キックなどを得意としている。
 ヘイトちゃんに絡まれやすいのか、コトあるごとにヘイトちゃんを折檻している姿が見受けられる。
 実はナイスバディの持ち主で、ヘイトちゃんいわく「わがままなばでぃ〜jfヵ●Д」なんだとか。

★ヘイトちゃん。
 公害。常ににぎやかなムードメーカーにしてトラブルメーカー。
 もうなんというか、アレでナニが極まったヒト。
 その口を開けば常にアヒャって狂気を醸し出し、その内面は冷静にイッちゃっているという、凄まじい性格をしている。
 その語尾は余りに特徴的で、書き手の皆さんから尊敬と恐れと、どう書けっちゅーねんという悩みを集めている。
 その性格に反して戦闘能力は高く、ミニオンズ随一の実力者でもあり、高度な幻術、闇術、邪術を使いこなす。
 特技は変装。趣味は盗撮。好きなテレビはアルカイザー。巷のアルカイザー=アルドラを知る、数少ない人物の一人。
9ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:04:07 ID:???
【ミルザとその周りの人々】
★ミルザくん
 本編の主人公的キャラ。『金!金!金!』がモットーの騎士団寮に住む、貧乏奨学生。
 潜在的Mのため、ドSのサルーインちゃんに一目ぼれをした。
 そしてサルーインちゃんを振り向かせるため、『運命の赤い糸石』を集めることに。
 性格は純真にして無垢。そして正義感溢れる騎士の鏡。でもドM。
 サルーインちゃんの触れた物にすら興奮することが可能で、一度妄想に浸りだすと、なかなか帰ってこない。
 しかし、その剣さばきは一級品で、全校生徒の中でも1,2を争う実力者である。
 特技は長剣。銀の長剣『レフトハンドソード』を使いこなす。
 現在、幻・水・闇の糸石を所持。

★オイゲンくん
 ミルザの親友で、同じく騎士団寮所属。頭脳派で大人っぽい兄貴分である。
 冷静なツッコミ役としてミルザの暴走を抑える役目に回る。大概放置してる気もするが。
 魔の島のモンスターにも臆せず交渉したりもするしたたかさを持つ。
 細剣を得意としていたが、城砦騎士のスキルを会得し、「海底戦争」の際に『ウコムの鉾』を譲り受けた。

★ジャミルくん
 クジャラート寮所属のシティシーフ。明るい性格で、ファラとダウドという幼馴染がいる。
 サルーインちゃんに振られたり、ファラがミルザくんに惚れたりと色々あったが、
 ダンスパーティやらクリスタルレイクプールやらを経て ミルザ・オイゲンの友人となる。

★アルドラちゃん
 元騎士団寮所属。ダークの魂に体を乗っ取られたり、騎士団寮を追われたり、邪眼の守りをつけられたり、
 と散々な目にあったが、アディリスとディアナの助けにより見事復活。
 ミルザくんのことが好きだったが身を引く。しかしサルーインちゃんのことは嫌い。
 自分を利用とした謎の男の正体を探るべく、アディリス、ディアナと同盟を結び、アディリスの家に身を寄せている。
 身を守るために土の精霊珠を媒介したカモフラージュで『変装』をすることにしたのだが、
 アレなアディリスちゃんの差し金であっという間にアルカイザーに。
 今は開き直り、ヒーロー業で生活費を稼いでいるとか・・。現在、風の糸石を所持。

★ナイトハルトくん
 学生でありながら、ローザリア舎の代表をもつとめる偉い人。
 全校生徒の中でも1,2を争う実力者であり、なおかつ金持ちで美形、そして独特のイントネーションと非の打ち所が無い。
 黒い打槍『カヤキスの槍』を振るい、黒い鎧を身に纏う。しかしこの鎧は何やらいわく付きのようで・・・?
 ディアナちゃんの婚約者でもあるが、サルーインちゃんにも何やらアプローチをかけている。

★ディアナちゃん
 イスマス寮代表の娘。器量よし、性格よし、戦闘力高い、と非の打ち所の無い才女。
 得意武器は小型剣で、『剣の女王』を振るう。
 醜い姿となっていたアルドラにも真正面から接し、邪眼の呪いを打ち破るきっかけともなった。
 それを機にアルドラ、アディリスと同盟を組む。
10ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:05:23 ID:???
【生徒会長】
★エロールちゃん
 マルディアス学園の生徒会長。「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」がキメ台詞。
 だが、目的のためには、わりと手段を選ばない性格をしており、一部で天然腹黒キャラがバレている。
 表の顔と裏の顔「詩人」を使い分け、いい具合に調整している。
 「無能な人間を会長にするわけにはいかない」という理由から、サルーインちゃんと対立している。


【四寮長】
★フレイムタイラントくん
 トマエ火山寮の寮長で、火の属性を持ち、火術と両手斧を得意とする。
 威厳のある渋い口調の人格者で、四寮長唯一の常識人。
 統治能力もさることながら、戦闘能力は四寮長の中でもずば抜けて高く、
 一撃必殺の破壊力を誇る『破砕流』、鉄壁のガード能力を持つ『セルフバーニング』、
 攻撃・拘束・設置式の罠として使える『フレイムウィップ』等の強力な技を使いこなす。
 反面恋愛に関してはオクテで、素直になれない照れ屋でもある。
 セレブ三姉妹の長女デスちゃんとは、友達以上恋人未満の微妙な関係が続いている。

★アディリスちゃん
 グレートピットの寮長で、土の属性を持ち、土術と杖を得意とする。
 常に明るくハイテンション、そして極まったオタク症という、結構アレな性格の人。
 趣味はマンガにアニメにゲームに特撮。そして酒。
 部屋の片付けが大の苦手で、アディリスハウスはアビスゲートより凄いとか。
 呪われたアルドラとディアナの状況に出くわしたことにより、アルドラ、ディアナと同盟を組む。
 アディリスをアルカイザーに仕立て上げた張本人でもある。
 
★タイニィフェザーくん
 スカーブ山の寮長で、風の属性を持ち、風術と衝槍を得意とする。
 四寮長の中では比較的まともだが、物凄い天然でもある。
 いい雰囲気の三途の川に乱入したり、アディリスちゃんの昔の姿をしれっとバラしたり、
 風は操れるのに空気は読めないというのが物凄い不思議。
 でもなぜか憎めない人。

★水竜くん
 クジャラートの寮長で、専用の神殿に住む。水の属性を持ち、水術と小型剣を得意とする。
 四寮長の中では珍しく、人間達との交流も深いが、無類の女好き。
 女の子をはべらせたり、デートにいそしんだりと、面白おかしく過ごしている。
 実際人間化したときの姿は、サラサラヘアーの超美形であり、口調まで変化するというおまけつき。
 また、あまぐもの腕輪を通して会話をすることができる。
 アルドラとディアナを初対面で口説いたこともあり。特技は神速のブラ外し。
11ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:07:00 ID:???
【魔の島の人々】
★ウェイ・クビン
 誰も立ち入ることができないと言われている、魔の島の主。糸石を狙う。
 六将魔と呼ばれる強力な側近をはじめ、多くのモンスターを従えており、配下のモンスターからは「マスター」と呼ばれている。
 自分自身も真理と知識の『魔のエメラルド』を所持。
 現在は研究に没頭して?おり、自分の代理として、指揮権をゴブリンセージに委ねている。

★デーモンコマンド
 六将魔の一人。通称デモコマ様。
 魔物にしては珍しく、下位のモンスターに優しく接し(除くラミアちゃん)、
 人間といえど、認めるに値する人物にはその価値を認め、そして闘う時は正々堂々闘うという、誇り高き紳士。
 岩をも砕く爪、強力な邪術、相手の精神を蝕む凝視、そして重力を操作するという大技をも持つ、強力な魔物である。
 ミルザと戦い、後にミルザを好敵手と認識するように。また、人化の法により人間の格好になることもできるが、妙に威厳が減退するとかしないとか。
 ゴブリンセージに不信感を抱いている。

★ゴブリンセージ
 将魔ではないが、ウェイ・クビンの腹心の部下。ゴブレンジャーの頭でもある。
 常に何かを企んでいる策略家で、幅広い情報網を持つ。
 口調は無邪気な子供のようで将魔にも臆しないが、人も魔物も駒としか見ていないフシがある。何を企んでいるかが読めない魔物。
 現在はウェイ・クビンの代理として糸石奪取のプランを先導している。
 海底神殿にサポート役としてゴブレンジャーを潜行させたり、マックスやブッチャーを確保したりと抜け目がない。

★ラミアちゃん
 常にハイテンションでかっ飛ばす、魔の島のアイドル。
 デモコマ様がお気に入りなのか、はたまたマトモに同行してくれるのがデモコマ様だけなのか、しょっちゅう一緒にくっついて回っている。
 見た目が人間に近いため、ごく普通に学園に潜入もできるが、かなり抜けているために成果の程は・・・。
 パニクると口調が謎の方言になる。天敵はストライフちゃん。

★リザードロード
 六将魔の一人。現在は何か思うところがあるのか、裏で独自に行動をしている・・・が、独自に行動をしすぎて金欠になった。
 デーモンコマンドとは友人同士で、他の将魔達に比べ、割と明るい性格の魔物。
 会話の節々でさりげなくボケるのが好きで、マジメにしているのかふざけているのかが掴み辛い、ひょうひょうとした性格をしている。

★スペクター
 六将魔の一人『隠者』としてクリスタルレイクプールで大騒ぎを巻き起こしていた魔物・・・だった。
 ナイトハルトくんの黒き鎧「カヤキス」により生命力をほとんど奪われて小っちゃくなったあげく、
 その「カヤキス」がスペクターとして魔の島に居座ってしまったために居場所を無くし、冥部に泣きついてきた。
 現在はサルーインちゃんファミリーのマスコットとして、癒しと愛嬌を振りまいている。

★カヤキス
 ナイトハルト君の漆黒の鎧。鎧自体に意思があり、クリスタルレイクプール事件のおりに、スペクターの生命力をほとんど奪い去ってしまった。
 そして六将魔のあとがまとして魔の島に潜入することに成功。
 他の将魔達には、中にスペクターが入っているとしか認識されておらず、そのためスペクターが今サルーインちゃん達の所にいるとは誰も知らない。
 実際中に誰かが入っているのか、いないのか?はまだ不明。この件に関してナイトハルトくんがどう関わっているかも、まだ不明である。
12ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:08:27 ID:???
★ゴブリンナイト・ティガー・ソルジャー
 ゴブリンセージを中心とした、ゴブレンジャーの一員!
 ・・・しかし実際はレンジャーといっても、ゴブリンセージの単なるパシリである。
 戦闘力には期待できないが、カムフラージュで潜入して薬を届けたり、マックスやブッチャーを回収したりとサポ的な働きをする。
 しかしなんだかんだで本人たちは、あまり仕事熱心ではない。遊ぶのが大好きな、無邪気な連中である。

★ゴブリンメイジャン
 ゴブレンジャーの一員だが、他のゴブリン達とは違ってセージを心の底から崇拝する、セージの狂信者。
 話し方からして知力や魔力もそれなりに高いっぽい。ゴブレンジャーの中では唯一セージから信頼されてもいる。

★銀の仮面の魔物
 六将魔の一人。気性が荒いと言われている『死神』『反逆者』のどちらかである可能性が高い。
 『気のムーンストーン』を求めて各地をさすらっている。
 身の丈ほどもある大剣を背負い、銀の仮面で顔の大部分を覆っている。
 その性格は残虐にして非道。同属をいたぶって追い込んだ挙句に首を跳ね飛ばし、
 なおかつそれを『楽しい』と感じるキレた性格をしている。

★マックス
 元々はメルビル誘拐事件の首謀者の一人で、サルーインちゃんに手ひどく振られたために、アンチサルーインちゃんの活動を行っていた。
 同志であったはずのコルネリオくんがワイルちゃんの下僕となったために、コルネリオくんを激しく憎悪した。
 そのため、メルビル動乱の際に宮殿地下で影のような魔物を召還して宮殿を襲っていたが、
 そこをセージにつけこまれ、セージから大量の魔物を譲り受けた。結局企みは失敗し、宮殿地下壊滅の際に片腕を失う。
 現在はセージに拾われ、洗脳処理を受けつづけている。

★ブッチャー
 元々は海賊の一人。卑劣で非道、自分のためにはどんな犠牲もいとわない残虐な性格。
 ホークをハメた上にコルネリオくんを逆に利用し、メルビルを襲撃するが、結局アルドラ達に撃退されたあげく、
 ホークとのタイマンに負けて海の藻屑と消え去った・・・かに思えたが、瀕死の重傷だったところをウコム海底寮の人魚に拾われた。
 しかし、海底寮でもウコムの鉾を奪い破壊の限りを尽くす。結局ミルザに敗れた上に、デモコマ様に精神を破壊される。
 ゴブレンジャーが回収し、現在はマックスと同じく洗脳処理を受けつづけている。
13ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:12:48 ID:???
【その他の人々】

★ゲラハくん
 トカゲのような見た目が特徴的な、ゲッコ族の若者。他のゲッコ族と違って人間との交流を求めていた。
 ゲッコ族開放の事件を機に、ミルザ、オイゲン、ジャミルと友人となる。
 クリスタルレイクプールでの活躍後、もっと人間を知るためとサンゴ海に向かい、ホーク海賊団の副長となる。

★ホーク
 サンゴ海の海賊だったが、メルビル騒乱の際に船を失ったため地上で出稼ぎを続けている。
 熱い魂を持つ男だが部下には恵まれず、部下の大半が重度の変態ぞろい。
 最近シルバーを迎え、ホーク海賊団はますますカオスの様相を示している。有り金をはたき、謎の古文書を買った。

★シルバー
 元々は風の糸石を守るシルバードラゴン。一度エロールちゃんに人間にしてくれと頼み込み、
 その際にあんまりな扱いを受けたためエロールちゃんを激しく憎む
 ・・・が、結局イザというときエロールちゃんに力を貸すという条件で人間となった。
 だが人間となってまだ日が浅いため、価値観とかがまだまだ人間とは大きくズレている。

★コルネリオくん
 メルビル寮生。元々はマックスと同じく、逆恨みによるアンチサルーインちゃん活動を行っていたが、
 ワイルちゃんに手ひどくやられ、ワイルちゃんの下僕となる。恐怖が高まりすぎたためか、ワイルちゃんに歪んだ愛情を抱くように。
 メルビルのフェル舎長の妹とも交際をしており、フェル舎長を追い落として権力を手中にするべく、メルビル動乱の手引きをした。
 しかしこの手引きをした事実は表ざたになることはなく、動乱時に不在という理由での謹慎処分に止まった。

★イフリート先生
 騎士団寮の体育教師。非常に熱い・・・というより暑苦しい性格をしている。直情傾向で、すぐ回りが見えなくなる。
 その体は鋼のような筋肉。その脳も筋肉。心の中も多分筋肉。色々思い悩んだりもするが、何故か最終的な結論は必ず筋肉に行き着く。
 フラーマ先生に熱烈な片思いをしているが、思いが成就する可能性は青の剣を初プレイで取得するより低いと思われる。
 最近謎のアドバイザーがついたが、本人の脳力がアレなために、成果はまったく出ていない・・・。

★フラーマ先生
 騎士団寮の教師。イフリート先生から猛烈なアプローチを受けているが、その全てを完膚なきまでに打ち砕いている。
 糸石の一つ、「火のルビー」の管理者であり、夜な夜な石の力で増幅させた生命の炎を自分に唱え、その美しさを保っている。
 特技は火術。そして精霊石の杖によるせっかん。ひょっとしたらドSなのかもしれない。

★アルベルトくん
 イスマス寮生でディアナの弟。お姉ちゃん大好きなシスコン。ミルザ曰く妖精のような男の子。
 しかしツフに惚れられたことにより、彼の安息の日々は終わりを告げた。
 ツフに処jy・・・もとい童貞を奪われた疑念があるが、そっとしておいてあげるのが人の道かと。

★ツフ
 マルディアス学園最強のスケバン。なぜかツノが生えており、その見た目は筋骨隆々。
 種族や性別といった部分を突き抜けた外見で、精神耐性の弱い人が見るとSAN値が下がります。おもいっきり。
 戦闘能力は鬼高く、エロールちゃんをもてこずらせたほど。
 口癖は「やるよ」。アルベルトに一目ぼれをした。これにより他の男どもは貞操の危機を免れたことに。
 アルベルトくんにはちゃんとお礼をいっときましょう。 特技はハリケーンミキサ・・・ではなくスピアー。
14ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 14:15:33 ID:???
とりあえず抜けは無いとは思うけど・・・こんな感じになりました。
いつのまにやらキャラが増えたなぁと書いてて思ったよ。しかも良いキャラ揃いだし。
んじゃ俺も続きをワクテカしながら待ちます。ノシ
15ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:14:02 ID:???
>>1
おつかれさま!

>>14
乙!分かりやすいよ。
ところで、本当にキャラ増えたな・・・まぁ、もう出そうにないのも少しいるケド。


さて、そろそろ本編投下します。
16ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:18:34 ID:???
騎士団寮の庭。赤い月の下、二人の男が刃を交えていました。
目を見開き咆哮を上げながら剣を振るう男、ラファエル。ウコムの鉾でラファエルの猛攻を必死で受け止める男、オイゲン。
オイゲン「くそっ、ラファエル・・・おまえ、どうしたんだ?」
様々な方向から迫り来る剣撃を受け止めながら、掠れた声で言います。
ラファエルはそれが聞こえていないかのように、連続でオイゲンに攻撃を浴びせかけていきます。
ラファエル「僕たちは今度こそ正しい道を見つけなきゃならないんだ!!」
オイゲンは小さく舌打ちをした後に大きく後ずさり、ラファエルと距離を取りました。
オイゲン「このラファエル半端じゃねえ。見た所正気も無いようだし、これもあいつらの・・・・・・ん?」
オイゲンの目に、ラファエルの額に埋め込まれているモノが目に入りました。
オイゲン「・・・ボルト?突き刺さってんのかありゃ?・・・なんかやばそうだな。
      すぐに気絶させて抜かないと・・・よし、瞬殺コースでいくか。」
オイゲンはウコムの鉾を片手で持つようにして、迫り来るラファエルをキッと見据えました。
・・・次の瞬間の事です。

オイゲン「あっ!!」

オイゲンの目が見開かれました。
おそらくラファエルの後方にある何かを確認した事によって。
オイゲンの人差し指が、ラファエルの後方に向かって指されます。
ラファエル「!!・・・・・・・・・!?」
突然のことに、正気を失っているラファエルもガバリと後ろに振り向きました。
そしてそこには・・・!


ガン


オイゲン「バカかお前は。」
ラファエルの後頭部に、オイゲンのウコムの鉾が打ち付けられました。
前のめりに崩れ落ちるラファエル。それからピクピクと痙攣したまま、起き上がることはありませんでした。完全に気を失ったようです。
オイゲン「まったく、世話が焼けるぜ・・・」
しゃがみこみ、地面に倒れているラファエルをひっくり返しました。
泡をブクブクと吐き、白目を剥いています。気絶している事は見るに明らかでした。
オイゲンは額に埋め込まれているボルトの頭をサッとなでた後、少し引っ張りました。
・・・ビクともしません。
オイゲン「素手で抜くってのも無理があるか・・・」

「オイゲン!オイゲン!!」

声がしました。
オイゲン「・・・ミルザ!お前ら!」
ミルザと、数人の騎士団寮生達が、駆けつけてきました。騒ぎを聞きつけたのでしょう。
ミルザ「ちょっと、こんなとこでなにやってんだよ、オイゲン!・・・って、うぇっ!?」
オイゲンの隣で泡を吹いて倒れているラファエルが目に入り、言葉を失いました。
オイゲン「おい、ラファエルをいますぐ保健室に運べ!事情は後で話す!」
説明する暇もないと考えたオイゲンは、一声こう叫びました。
ミルザとほか騎士団寮の生徒たちは、オイゲンと倒れているラファエルを一瞬見比べた後、
オイゲンに何もいう事なく全員ラファエルの方へ駆け寄っていきました。
17ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:19:35 ID:???
騎士団寮中庭。

デーモンコマンドは、地面に降り立ちました。

足元には、顔を下にして大の字に倒れているラミアちゃんがいます。
デーモンコマンド「・・・決まりだな。」
デーモンコマンドはニヤリと笑いました。
ラミア「ちょ、ちょっとちょっとォ!!死ぬかと思ったじゃないっスかぁ!!」
突然ラミアちゃんが起き上がりました。
デーモンコマンドはうざったそうに顔をしかめました。
ラミア「まったく、デモコマ様ったら!あたしがもし魔族じゃなかったら死んでましたよ!!」
紐だか布だかよく分からんような服一枚だけを着た姿で、デーモンコマンドに近寄り大声を上げます。
デーモンコマンド「・・・・・・チッ・・・」
ラミア(・・・・舌打ちされた!?)
ラミアちゃんは凍りつきました。
デーモンコマンド「まぁ、よい。とりあえず奴に連絡を取るか・・・」
デーモンコマンドは何気なく少しラミアちゃんと距離をとってから、目の前にボウッ、と小さな鏡を出現させました。
ラミア「あっ、懐かしいですね、それ。水鏡でしょ、それ?ねぇ。」
デーモンコマンド「黙れ。ウザイ。」
冷たく言い放ちました。
デーモンコマンドは水鏡を正面からみつめ、小声で何かを呟きました。
それからまもなく、鏡が波紋を描き、何かの顔を形成しました。

???『久しぶりだな。何の用かな?』
鏡の中の『顔』が声を出しました。
デーモンコマンド「久しぶりだな。実はお前に任せたいことがあってな・・・」
???『ほう。ただ私も多忙でな・・・貴様の要望通りにはなれぬかもしれぬが。とりあえず言ってみろ。』
デーモンコマンド「・・・糸石、火のルビーの事についてだが・・・」
???『火のルビー!・・・・・・うはは、そうかそうか、火のルビーか、ふふふ。』
声の調子が先程と打って変わって嬉しそうな調子に変わり、そして不適な笑い声を上げました。
デーモンコマンド「・・・なんだ、どうしたんだ?」
不適な笑い声に、違和感を覚えます。
???『デーモンコマンドよ、安心したまえ。火のルビーの事はすべて私に任せろ。
     そして火のルビーの事については『今後一切』関わらなくていい。』
デーモンコマンド「な、なんだと?」
予想だにしなかった返答に、意味もなくうろたえてしまいます。
???『ふっふっふ、楽しみにしていてくれたまえ、デーモンコマンドよ。では、さらばだ。』
その言葉の後、顔は歪み崩れ、元の何も映さぬ水鏡に戻りました。
18ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:20:42 ID:???
デーモンコマンド「・・・くくっ」
一時の静寂の後、デーモンコマンドは不意に笑い出しました。
ラミア「・・・な、なんなんですかいきなり、気味悪い。ところで、さっき話してたのは誰なんです?
    『火のルビーは任せろや』とか言ってやがったけど・・一体アイツは何者・・・」
デーモンコマンド「アイツ?無礼者めが。あの男は私も一目おく存在だ。貴様ごときはいくら陰でも無礼な口をたたく事は許されん。愚か者めが。」
三つの目でギョロリとラミアちゃんを睨みます。
ラミア「あ、あはは・・・そう、そうでスね。うへへ。うひひ。」
妙なテンションです。

デーモンコマンド「ふふふ・・・あの男に任せて正解だったかもしれん。いや、あの男の事だ。私よりもずっと先に火のルビーをその眼に捉えていたのかもしれぬな・・・
           ともかく・・・期待しているぞ、六将魔『反逆者』の名を謳われる者よ・・・!」

ラミア「反逆・・・者?」
デーモンコマンドのたわいもない独り言に出たその単語が、ラミアちゃんに引っかかります。
数秒後、ある過去の日の出来事がラミアちゃんの頭に映し出されました。


”ゴブリンセージの事は放っておけといっておる!!”
”いやぁ、やはりマスターは話が分かる!デモコマ様も話が分かる!
 あ〜、『死神』や『反逆者』がいなくてホントによかったぁ!
 ・・・うふふっ、じゃあ、僕はゆっくり自室でゴブレンジャーの指揮でもしていますよ。
 じゃ、みなさんっ、よい夜を!”


ラミア「そういえばずっと前セージの口からも出てた・・・『反逆者』の名前・・・。
    何かなぁ、とは思ってたけど。あれ将魔の事だったんだ・・・初めて知った・・・。」
そこまで考え納得した後、ラミアちゃんはもう一つ頭に何かの疑問が引っかかっていることを感じ始めました。
疑問の正体を確かめようと、静かにその疑問を凝視しはじめます。
そして・・・
デーモンコマンド「ラミア!」
ラミア「ハ、ハイッ!?」
突然名を呼ばれ、ラミアちゃんも気づかないままにその時考えていた事も謎の疑問も全て吹き飛んでしまいました。
デーモンコマンド「ボケッとしてないで、私達は帰るぞ!」
ラミア「ハ、ハイ!」

二人は静かに目をつぶると、その空間から瞬時に消え去りました。
19ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:22:17 ID:???
場面変わってミニオンズ。気絶したコンスタンツを連れ、見事騎士団寮を抜けていました。

ストライフちゃん「さて、そろそろ騎士団寮の領域を抜けた頃だろう。もう安心だな。」
ヘイトちゃん「そうねェェイ$6!さァて、このうっとうしい覆面ともおさらばァ!&$!」
二人は覆面をガバッと外しました。
ワイルちゃん「ゼイゼイ・・・わ、私もようやく荷物持ち終了です。」
ワイルちゃんは背負っていたコンスタンツを床に降ろし、肩で息をしながら乱暴に覆面を剥ぎ取りました。
ワイルちゃん「ゼイゼイ・・・な、なんで今回は私がこんなに疲れなきゃなんないんですかぁ・・・理不尽ですよヘイトちゃあん。」
ヘイトちゃん「理不尽も貴婦人もキャべジンもないわぁ☆#$!!これも全て我が主君、サルーインちゃんさまのた・め★」
ワイルちゃん「はっ!そういえばすっかり忘れてました・・・!サルーインちゃんさまのためだから私がパシられるわけですね!納得しましたよ!?」
一人元気にうんうん頷くワイルちゃん。
ヘイトちゃん「そうそう♪(こんな使いやすい娘は滅多にいないわねェい・・・★)」

ストライフちゃん「で」

ストライフちゃん「この女はどこに監禁しておこうか?」
ヘイトちゃん「ムダに三行使ってんじゃねェェこのアバズレがァぁァァ!香磨噤F!#F∀!!」
(バキャッ!!)ストライフちゃん「ぐべらッ!!?なぜここでアンタにあたしが殴られなきゃいけねぇんじゃボケェ!!」
(グワシャッ!!)ヘイトちゃん「ぐぼふっ!!」

ストライフちゃん「で」

ストライフちゃん「この女はどこに監禁しておこうか?」
倒れているコンスタンツを指差しながら言いました。
ヘイトちゃん「ふふ、そこらへんは流石このヘイトちゃァん。もうすっかり考えてあったりしちゃうのよォん@#$・・・
        騎士団寮西の人が住んでない地域にモンスター学部の寮が一つあるはず。そこを借りるのヨン。」
ストライフちゃん「モンスター学部の寮か。なるほど、それはいいかもしれんな。いざという時にはモンスター達の力も借りれるからな・・・
          ・・・ところで、ワイルおまえどうしたんだ?発言が無いぞ。」
ワイルちゃん「・・・いや、なんか先程あまりにシュールな出来事が起こったような気がしてそれで」

ストライフちゃん「さて、どうやって騎士団寮の連中をおびき寄せるかだな。」
ヘイトちゃん「んとォ:;やっぱりセオリー通り脅迫文でいこうかと&#▲@:・・」
ワイルちゃん「脅迫文って・・・あの『 こんや12じに だれかが しぬ 』っていうアレですか?」
ストライフちゃん「アレとはちょっと違うと思うが・・・まぁ、そんな感じでいいんじゃないか?」
20ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:24:04 ID:???
ヘイトちゃん「ハイ決まりよし決まり!!!さーて、早速張り切って脅迫文書くわよォォん+;:y」54@!!! ワイル、ペン!」

ワイルちゃん「・・・・もってませんけど。」
ストライフ「・・・・もってない。」

ヘイトちゃん「・・・仕方ねェ・・・爪で書くか・・・・・・ほい、お前ら紙!!」

ワイルちゃん「・・・もってませんが。・・・ストライフちゃんは?」
ストライフちゃん「もってない。」


ワイルちゃん「・・・あらら、どうするんですか?まったくもう・・・って・・・ん、どうしたんですか、二人とも?」
ストライフちゃんとヘイトちゃん。二人ともどこか達観した顔つきでワイルちゃんを凝視しています。
ワイルちゃんは意味も無くキョロキョロ二人を見比べてしまいます。
ワイルちゃん「・・・・っていうか、その・・・まさか・・・」
すぐに気づきました。
ヘイトちゃん「ワイル・・・今から紙とペン、大至急買ってきて。」

ワイルちゃん「やっぱりーーーーーーーーーーーーー!!?」

ストライフちゃん「そうだ、そのやっぱりだ。さ、さ、買ってきなさい、はやく♪」
ヘイトちゃん「それがアナタの役目だから♪ふふ♪」
二人とも似合わない暖かい笑みを浮かべながら、ワイルちゃんにつめよります。
ワイルちゃん「そ、そんな、いやですよ。もう私疲れきってるんですからね。二人のどっちかがやってくださいよ。ね。今度こそはね。わ、私だって怒っちゃいますからね。ね。」
ワイルちゃんはオドオドしながらも言い返しました。
ヘイトちゃんはサブリミナル的に一瞬だけ修羅のような顔をした後、先程よりも更に柔和な顔で、ワイルちゃんに向かって言いました。
例の『呪文』を。

ヘイトちゃん「これも全部・・・ サ ル ー イ ン ち ゃ ん さ ま の た め ・ ・ ・ 」

ワイルちゃん「!!!!」
ワイルちゃんの顔つきが瞬時に変わりました。
ワイルちゃん「そういえばすっかり忘れてました・・・!サルーインちゃんさまのためだから私が紙とペンを買いにいくってワケですね!?
        オーケー、じゃあ、大至急紙とペン買ってきます!!!!」
ヘイトちゃん「あ、ついでにチョコパンとタラコおにぎりも買ってきてねェェ。サルーインちゃんさまのため。サルーインちゃんさまのため。」
ワイルちゃん「OK!!じゃあ、いってきまーーーす!!!!!・・・・・・」
ワイルちゃんは全速力で走っていきました。
ストライフちゃん「・・・・・・・・はは」
・・・・・・その後姿に、ストライフちゃんはどこか悲しさに似た何かを感じていました。

・・・それから何分か経った時。
ヘイトちゃん「・・・ストライフ。」
ストライフちゃん「なんだバカ。」
ヘイトちゃん「あたし・・あれほど天然で素直な娘見たこと無いわァ@::・・・」
ストライフちゃん「・・・あたしもだ。」
ヘイトちゃん「ある意味・・・国宝級のバカよねえい・・・」
ストライフちゃん「・・・うん。」
21ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:26:42 ID:???


翌日。お昼正午の時刻の騎士団寮。
騎士団寮の生徒達全員、寮長ハインリヒ。テオドール先生、フラーマ先生、イフリート先生・・・・
騎士団寮に住むすべての人間が、広間に集結していました。
これから始まる幾ヶ月ぶりかの『臨時騎士団会議』のために。

ハインリヒ「さて・・・」
寮長ハインリヒが、口を開きました。それは臨時騎士会議の始まりを告げる合図でもありました。
ハインリヒ「これより臨時騎士会議を開催する。テオドール、議題の説明を。」

テオドール「みなももう知っての通り、我が娘であり、この騎士団寮のアイドル、コンスタンツが何者かに誘拐された。
       相手はコンスタンツを引き渡す代わりに、いわゆる身代金としてわが寮の宝、糸石『火のルビー』を要求している。
       大人しく相手の要求に従い火のルビーを渡すのか、それとも火のルビーを渡さずコンスタンツを・・・見殺しにするのか・・・
       私としては、いまだ答えを出せずにいる。みなの意見を聞きたい。」


ミルザ「・・・・・」
オイゲン「・・・・・・難しいね、コリャ。」

フラーマ先生(火のルビー・・・)
イフリート先生「・・・・・・」




・・・時は、今朝へ遡ります。



22ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:27:48 ID:???

ラファエル「実はそのー、昨日襲われちゃって・・・たぶんその人達にコンスタンツ誘拐されちゃったのかと・・・」
 
一同「ハァ!!??」


保健室にいるおよそ数十人の騎士、そしてラファエルの額のボルトを力ずくで引っこ抜いたテオドール先生、みなが同時にその一声を上げました。


騎士A(正気に戻った第一声がそれかよ、クズ!!)
騎士B(テメーは何をやってたんだよ、カス!!)
騎士C(なに『やっちゃいましたぁ♪』的な言い方でごまかそうとしているんだよ、ゴミ!!)

その場にいるほとんどの騎士達はラファエルに殺意と憎悪を抱き始めていました。

テオドール「コンスタンツが誘拐されただってーーーーーーーーーー!!!!!!」

テオドール先生が、今までにないくらいの大声を発しました。
瞬間的にその場にいるテオドール先生以外のすべての人間が耳をふさぎます。
テオドール「テメー、何やってたんだあ!大人しく見てたのかあ!このカスがーー!!」
ラファエル「うひぃ!?」
詰め寄るテオドール先生の物凄い剣幕にラファエルは恐怖を感じました。
テオドール「大人しく見てたのかっ、つってんだよ、あ゙ーーー!?」

ミルザ「こ、怖い・・・なんて勢いだ・・・」
オイゲン「あの人は結構な親バカだからなぁ。前からラファエルの事気に入らなかったみたいだし・・・」
騎士A・B・C「いいぞ、テオドール先生やれやれー」

テオドール「なんか答えろやコラ、皮剥くぞ、ア゙ーーー!?」
ラファエル「じ、じつはっ、その・・・昨日コンスタンツと永遠の愛を誓い合っていたら、突然見知らぬ三人組が現れたんです!!」
テオドール「愛とか交わすとかんな事は聞いてねーー!!余計な事は言うなやこのカスが!!指と指の間んトコ爪でカリカリするぞオラー!!」
テオドール先生の教師とは思えぬような暴言が、ラファエルに襲い掛かります。

テオドール「これよりー、臨時騎士会議を開催しますー。ラファエルくんの死刑に賛成のものはー。」
騎士A・B・C「ハーイ♪」
ラファエル「マジでか!?」
テオドール「ラファエルくんへの死刑判決は可決されまちたー。これより・・・
       死刑執行ゥォォーーー!!!!!」
騎士A・B・C「WAHOOOO!!!!ザッツグレイティストヒアーメーン!!!!」
ラファエル「マジでかーーーーー!!!??」

ミルザ「・・・・・・」
オイゲン「・・・・・・」
23ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:31:50 ID:???
ラファエルは困惑していました。
ラファエル「そ、そ、その、落ち着いて聞いてください!!突然のことでっ!つまり奇襲で!!」
テオドール「で?」
ラファエル「コンスタンツを守る暇も無かったんです!!仕方なかったんです!!マジで!マジで!!」
テオドール「で?」
ラファエル「その・・・つまりっ・・・・・・!」
返答に困ります。
ラファエル「え〜と、その・・・その・・・えと、その、その・・えーと、その・・・つまり、その・・・」
テオドール「そのそのそのそのうるさいわボケーーーーー!!!!!」
(ブグシャッ!!)ラファエル「キャオラッ!!!(悲鳴)」
テオドール先生の拳が、ラファエルの顔面にクリーンヒットし、ベッドから転げ落ちていきました。

ミルザ「あ、ラ、ラファエル!」
騎士一同「うひゃっほうぅ!!もっとやれーー!!」
ミルザ「ええ!?」
自分以外の騎士達の意外な反応に、ミルザは面食らいました。

・・・殴られた当の本人、ラファエルは相当パニックになっていたようです。
ラファエル「い、痛いわ・・。・・・・殴ったわね・・・僕を殴ったわねーー!!父さんにも殴られた事にゃいのにィーーー!!」
テオドール「誰が義父さんだコラーーー!!!!」
(ゲボグシャッ!!)ラファエル「ダヴァイッ!!(悲鳴)」
鈍い音が響きわたりました。再び、テオドール先生の怒りの拳がラファエルの顔面にクリーンヒットしたのです。
ラファエル「だれも・・義父さんとまでは・・・言ってな・・・い・・・のに・・・。ゲボォ」
ラファエルは完全にのびてしまいました。

ミルザ「ラ、ラファエル!!み、みんな、ラファエルが・・・って、」
騎士一同「ざまあみやがれラファエル!!うひゃひゃひゃ!!!さっすがテオドール先生!!!」
ミルザ「やっぱそーなんだ!?」

怒り渦巻く部屋中に、一陣の風が舞い込みました。

騎士C「いいぞ、いいぞ、テオドール!!いいぞ、い、わぷっ、ぷっ・・・」
窓から風に乗って飛んできた一枚の紙が、騎士Cの顔に張り付きました。
騎士C「なんだ、この紙は・・・この紙・・・は・・・って、え、」
騎士Cは、その紙を一目見た瞬間、言葉を失いました。
何度も何度もその紙に書いてある文字を読み返し、自分の眼に偽りが無い事を確認した後、騎士Cはその紙を指差しながら一同に対し言いました。

騎士C「みんな、大変だー!!これ、見て!!これ見て!!」

騎士Cの鬼気迫る声に、テオドール先生も含む騎士達は、騎士Cに、次に騎士Cの持つ紙に目線を写しました。
テオドール「な、なんだとう・・・・・・!?」
真っ先に声を上げたのはテオドール先生でした。


【騎士団寮のみなさァん!! コンスタンツを返してほしかったら、身代金の代わりとして糸石、火のルビーちょうだいねェ!!!】

24ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:34:06 ID:???

【騎士団寮のみなさァん!! コンスタンツを返してほしかったら、身代金の代わりとして火のルビーちょうだいねェェェ!!! よろちく★】

ほとんど殴り書きのような文字で、紙にはそう書いてありました。
騎士A「なんだってー!?身代金だってー!?」
騎士B「火のルビーだってー!?なんじゃそりゃー!?」
下部には、ご丁寧に取引場所の指定も書いてあります。

【取引場所は、フラーマさんの棟から南西部の洞窟。明日のお昼にきて! 絶対に一人できなさい!!じゃなァいとォ、コンスタンツがどうかなっちゃうわよォう!!】

ミルザ「火のルビー・・・!・・・ねぇ、オイゲン、火のルビーって事は・・・」
オイゲン「ああ。間違いない、糸石、『火のルビー』の事だ・・・!」
二人は確信しました。
それと共に、なぜコンスタンツを誘拐した敵はこの『騎士団寮』へ火のルビーを求めるのか、そういう疑問も持ち始めてきていました。

オイゲン「なぁ、テオドール先生!」
混沌とした雰囲気を破るように、オイゲンは言いました。
テオドール「な、なんだ?」
テオドール先生の顔は、心なしか少し青ざめているように見えます。
オイゲン「どういうことだよ、火のルビーって・・・『運命の赤い糸石』の事だろ?
      ・・・テオドール先生、なぜ敵は火のルビーをこの騎士団寮に求めているのか・・・わかるか?」

騎士A「運命の赤い糸石・・・?なんじゃそりゃ」
騎士C「聞いた事あるぞ、ほら、あの、アレだ。」

テオドール先生は少し間をおいた後、言いました。
テオドール「そう、この紙に書いてある火のルビーとは、間違いなく運命の赤い糸石のことだろう・・・
       その証拠に、この騎士団寮には、いま、火のルビーがある。」
ミルザ「・・・やっぱり・・・!」
ミルザくんは息を呑みました。
オイゲン「・・・もう俺ら何年か騎士団寮に住んでいるってーのに、んな事初めて聞いたぜ。・・・この寮のドコに、そしてなんで騎士団寮に火のルビーが?」
テオドール「・・・火のルビーはこの騎士団寮の宝として昔からこの騎士団寮の『ある場所』に保管されている。
       なぜこの寮に火のルビーが存在するのか・・・詳しくは外伝『決して届かぬ炎の御許』を読むといいだろう。」

騎士A「んな外伝あったっけか?」
騎士D「そんな話はないだろう。いまんとこ。」
25ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:35:41 ID:???
テオドール「わが娘、コンスタンツ・・・わが寮の宝、火のルビー・・・二つに一つ・・・!
       どうえらべというのだ・・・いや、わしの一存で決める事ではあるまい・・・フラーマ先生、そしてハインリヒ寮長に連絡をせねば・・・」
騎士B「せんせー!!火のルビー渡しちゃえばええやん!!」
テオドール「おまえは何も分かっておらん!」
騎士B「げえっ!」
テオドール「すまぬが、みな席を外してくれ。ここからはお前達には関係ない話だ・・・さぁ。」
テオドール先生は、手でみなに部屋を出るよう指示しました。
騎士達は一瞬躊躇した後、ぞろぞろとドアに向かい歩き始めました。
騎士C「あ〜あ、どーなっちまうんだか。」
騎士B「まぁ、どっちにしろラファエルは寮追放確定だな。」
騎士A「死刑も・・・」騎士D「それはないだろう。」
ミルザ「・・・・・・」
オイゲン「どうしたミルザ、行くぞ。」
一分後、騎士達はみな部屋を出て行き、部屋には倒れているラファエルとテオドール先生だけが残りました。


テオドール「場合によっては、臨時騎士会議が開かれるやもしれぬ・・・」




一方、その窓の外。
窓の下の壁に、騎士団寮生徒ではない一人の女の子が張り付いていました。
???「ふふ・・・万事成功ですね!・・・あとは彼らがうまく動いてくれることを願うのみです・・・」
女の子は立ち上がると、小さく笑みを浮かべました。

ワイルちゃん「あとは、事が上手くいくまでミルザさんの監視、ですね!」
26ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:37:58 ID:???

イフリート先生「ああ、フラーマ先生!僕は君と会うためだけに生きてきたのかもしれない・・・!」
フラーマ先生「バカじゃないの」
イフリート先生「バ、バカだってーーーー!?それってまさか、私めに対するププププププププロポー・・・」
フラーマ先生「バカじゃないの」

イフリート先生『バカなのだーーー!!♪  ぼくちんほんとにバカなのだーーーー!!♪ イェーーーイ!!』


ここはフラーマの棟最上階、フラーマ先生の部屋。
自称バカ他称バカの完全バカ、イフリート先生が、今日も飽きもせずにフラーマ先生に言い寄っていました。(フラーマ先生はいい加減飽きていますが)

イフリート先生「すいません!バカですいません!!」
フラーマ先生「まったくだわ。バカ。」

イフリート先生『バカなのだーーー!!♪  ぼくちんほんっっとマジでバカなのだーーーー!!♪ イェーーーイ!!』


その時です。
プルルル・・・プルルル・・・
部屋の中に、無機質な電子音が響き渡りました。
机の上からです。どうやら、電話のようです。
フラーマ先生「あらやだ、電話だわ。誰からかしら。・・・静かにしてろよイフリート!!」
イフリート先生「神の仰せのままに。」
フラーマ先生は受話器を取りました。
フラーマ先生「はい、フラーマですー」
イフリート先生(あー、退屈ー。えい、床に鼻くそつけちゃえ)
フラーマ先生「なんだってぇぇ!!!!???」
イフリート先生「の、のわぁぁぁぁ!!!??」
鼻くそを床につけようとしていたのがバレたと思ったイフリート先生は、すぐさま鼻くそを鼻に戻しました。
イフリート先生「す、すいませすいませんすすすいません、悪気とかそういう類のものは一切・・・
         ただの出来出来出来出来出来出来出来出来出来ごころーなんーですーー  ハイ、ハイ!♪」
フラーマ先生「コンスタンツがさらわれて、しかも犯人は糸石、火のルビーを要求しているだってーーーーーー!!!?」

イフリート先生「    え?    」
27ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:40:45 ID:???
フラーマ先生「はい、はい。わかりました、はい!・・・・・・はい、ではまた連絡します。では・・はい、さよならー

フラーマ先生は受話器を置き、ふぅと一つため息をつきました。
イフリート先生「フラーマ先生。」
フラーマ先生「なによ?」
イフリート先生の顔は、いつになく真剣でした。
イフリート先生「もちろん・・・先生は、コンスタンツではなく火のルビーを取りますよね?まさか・・・コンスタンツを取るなんて事は・・・ありえませんよね?」
フラーマ先生「そんなことない!!」
イフリート先生「マジでか!?」
本気で驚いたようです。
フラーマ先生「だって・・・コンスタンツかわいいじゃない!コンスタンツかわいいもん!!かわいいんだもん!!!
         朝すれ違うたびに・・・あの若々しい肌に、髪質に、声に・・・心が洗われるんだもぉん・・・アハァ」
若干いつもと声の調子が違います。
イフリート先生「・・・先生、落ち着いてください。・・・早まった真似はしないで下さいよ。
         火のルビーがこの寮にとって、そして『あなたにとって』どんなに大切なものか・・・分からないわけありませんよね?」
フラーマ先生「あなたに・・・」
イフリート先生「は?」
フラーマ先生「あなたに何がわかるっていうのよぉぉぉ!!!!」
イフリート先生「はい!!?」
イフリート先生は思い切り眉をしかめ、吐き出すように言いました。
フラーマ先生「コンスタンツは私にとってはスッゲ大切なの!!スッゲスッゲ大切なの!!!
         それこそ火のルビーと・・・いや、火のルビーよりも・・・スッゲ大切なの!!」
イフリート先生(ウッソ、なんかむかつくぞ?このフラーマ先生。)
フラーマ先生「あの子はまさにアイドル・・・私にとっても・・・いや、騎士団寮みんなのアイドル・・・心のアイドル・・・!
         そのアイドルが誘拐よ、誘拐!わかる?イフリート先生!!相手の要求どおりにならなきゃ殺人強姦当然バッチコイセイセイセイの誘拐よ!!?」
イフリート先生「ちょ、マジで落ち着いてください!キャラおかしくなってますよ!!」
フラーマ先生「あーー、コンスタンツのおっぱいもみてーーーーー!!!!」
イフリート先生「ブフッ!!(いけね、笑っちゃうトコだった)」
フラーマ先生「コンスタンツかわええーーー!!!コンスタンツかわえええーーーー!!!」
イフリート先生「だ、だれかこの変態をとめてーー!ただいまフラーマ乱心発生中ですよーー!!」
フラーマ先生「イフリートォォォォ!!!」
イフリート先生「は、はいっ!?」

フラーマ先生「コンスタンツは、かわいいわね。」

イフリート先生「・・・・・・・・は、はい。」
勢いに飲まれてつい言ってしまいました。


フラーマ先生「とにかく、私としては火のルビーをもはや渡しちゃってもいいんだけど・・・あとは生徒達、他の先生達はなんというか・・・・・・
         テオドール先生は臨時騎士会議も考えているらしいけど・・・テオドール先生、あとハインリヒにもいっておこう、『臨時騎士会議』を開こう、と。」

イフリート先生(・・・・・・・・・チッ・・・めんどうくさい・・・)
28ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:42:12 ID:???

時は戻り臨時騎士会議。


静寂の中、ひとりの騎士が言いました。

ブラッツ「僕は、コンスタンツ救出のために火のルビーを渡してしまって、何の問題も無いと思っています。」
それから、相次いで一人、また一人とその意見に賛成する事を表明していきます。
その時です。
一人の男がその流れを止めるべく、言いました。

イフリート先生「私はその意見に反対だ。コンスタンツを誘拐した相手は、まず正気の沙汰ではない。
         火のルビーを渡したところで、大人しくコンスタンツが帰ってくるとは思えんな。」

オイゲン「おっ、珍しいな、あのイフリート先生が・・・あのキャラがあんな発言するなんてよ。」
ミルザ「珍しいよね。てっきりあの人も僕たちの意見に絶対賛成の方だと思ったんだけど・・・」
オイゲン「ミルザ、お前はコンスタンツを助ける側の人間なのか?」
ミルザ「もちろん、そうだよ。オイゲンは・・・どうなの?」
オイゲン「・・・さあな。・・・・・・ただ、イフリート先生の言う事は一理あると思うぜ。」
オイゲンはイフリート先生をじっと見つめました。

ブラッツ「イフリート先生!!コンスタンツを救出せねば・・・火のルビーを渡さねば、コンスタンツは100%帰ってこないんですよ!
     いくらルビーを渡してもコンスタンツが帰ってこないという可能性があっても・・・僕たちはそれとは違ったもう一つの可能性に賭けるしかないんじゃありませんか!?」
ブラッツはまたみなの先陣を切るようにして言いました。

イフリート先生「賭け?愚かな事を言うなよ、ブラッツ。火のルビーも失い、コンスタンツも失う。まさに最悪のシナリオじゃないか。
         このシナリオは怖すぎる上に容易に想像できるほどにその可能性は高い。冷静になりなさい、ブラッツ。」
ブラッツ「俺は冷静だ!しっかしイフリート先生、アンタいつの間にそんな血も涙もない人間になったんだ?アンタこそ正気になれ!」
イフリート先生「血も涙もないワケがないだろう。私はわざわざ最悪の道を自ら辿ろうとしている君達の方向を正そうとしているだけだ。
         私も、できればコンスタンツを失う選択肢を選びたくない・・・。だが、『できない』からこそ私はこちらの選択肢を選ぶしかなかったのだ。お分かりか?」
ブラッツ「いいよな、大人って奴は。そうやって俺らの気持ちを理解しようとせず大人の考えだけで話を進める!」
イフリート先生「私は正しい事を述べているだけだ。そもそも普通に考えて火のルビーとコンスタンツ、どちらが大切か分かるだろうが。
         私情にほだされて正しい道を見失っているようだな。最悪のシナリオが想像できるだろう?想像したくないのか?」
ブラッツ「100%ってワケじゃねーだろ!」
イフリート先生「わからんぞ?」
ブラッツ「ほざくな!!」

ハインリヒ寮長「静粛に、静粛に!!」

殺伐とした雰囲気の中、ハインリヒ寮長の声が響き渡り、二人の論争はぴたりとやみました。

ミルザ「・・・ブラッツ・・・」
ブラッツ「なんなんだよ、アイツは・・・アイツがあんな奴だったなんて・・・!」
オイゲン「まぁ、冷静になれよブラッツ。」
ブラッツ「くっ・・・」
ブラッツは肩で息をしながら、イフリート先生をキッとにらみつけました。
29ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:46:13 ID:???
フラーマ先生「ハインリヒ。私も発言してよろしいですか?」
ハインリヒ寮長「どうぞ、フラーマ先生。」
フラーマ先生「ありがとう、ハインリヒ。」
フラーマ先生はずいと前に出て、言い出しました。
フラーマ先生「火のルビーは、赤い運命の糸石の一つ。糸石は、一つ一つがとても強大な魔力を持っています。
         その魔力を手にするために、糸石は様々な邪悪なる者から狙われています。現に今回の件で・・・
         邪悪なる者に糸石を手渡す事。それはとても危険な事です。」
イフリート先生(ほう・・・フラーマ先生、いつのまにか火のルビーを取る考えに変えていたか。意外だが、さすがだ。)

フラーマ先生「ただし」
イフリート先生(?)

フラーマ先生「その危険性よりも、私はコンスタンツの命のほうが大事だと思っています。」

イフリート先生(何!?)

ざわめきが起こりました。
一部の騎士達には、「おお」と歓声を上げるものもいます。

テオドール先生「確かに・・・イフリート先生の言うように敵がその場でコンスタンツを引き渡さず火のルビーだけを取っていってしまう可能性もあるかもしれない。」

突如、テオドール先生が話し始めました。
みんなの視線がテオドール先生に向かいます。

テオドール先生「しかし、もしそのような事が起こったならば・・・私はその場で力ずくで敵を倒し、コンスタンツを奪い取る。
          火のルビーを渡すという結論に至った場合、私がルビーを渡しにいく。そして最悪のシナリオは絶対に起こさせん!」

テオドール先生のその勇敢な一言に、騎士達は頼もしさを覚えました。
騎士A「さすが、騎士団の剣、テオドール先生だ!」
騎士B「頼りになるぜ・・・」
ブラッツ「さすがテオドール先生!・・・どっかの冷酷なヤローとは大違いだな。」
騎士C「だな!!あんなんだからフラーマ先生に振られるんだよな!」
ブラッツ「ちげぇねぇ。あはははは!!」

ハインリヒ寮長「静粛に、静粛に!」

再びハインリヒ先生の声が響き渡りました。
ざわめきが消え、静寂が戻ってきます。
30ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:48:09 ID:???
ハインリヒ寮長「意見のある者は?」

イフリート先生「・・・火のルビーは――」
ハインリヒ寮長「!イフリート先生。」
ブラッツ(またアイツか――)
イフリート先生「火のルビーは、わが騎士団寮の宝です。伝統です。それを・・いいんですか?
          渡してしまえば・・・絶対に帰ってはきませんよ?絶対に。絶対に。」
フラーマ先生「まだルビーを渡すとは決まったわけではありませんが・・・」
フラーマ先生が口を開きました。
フラーマ先生「みなさんがどうしてもコンスタンツを助けたいというのなら、いいんじゃありません?
         伝統や・・・歴史なんてものは、実際人ひとりの命には遠く及びません。・・・ね、ハインリヒ。」
ハインリヒ寮長「・・・・・・」
再び静寂が訪れました。


「それでは採決を行う。・・・コンスタンツ救出に、賛成のものは!」


まず真っ先にテオドール先生が手を上げます。
次にフラーマ先生が、そして、騎士達が一人、また一人と・・・ミルザも、オイゲンも、そしてやがて騎士達全員が挙手をしました。
イフリート先生だけは、手を上げようとはしません。
そのまましばらく経ち、ハインリヒ寮長は言いました。


ハインリヒ寮長「賛成多数。コンスタンツ救出は可決された。これにて会議を閉会とする!」

31ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:50:11 ID:???
   ・ 
   ・
   ・ 
オイゲン「・・・そういえば。」
ミルザ「ん、なに?」
臨時騎士会議が終わり、二人は騎士団寮の廊下を歩きながら話していました。
オイゲン「お前には言ってなかったが・・・昨日の夜、そうだな、あの騒動があったちょっと前、『奴』の気配を感じた。」
ミルザ「奴って?」
オイゲン「奴だよ。デーモンコマンドさ。」
ミルザ「ええ、デーモンコマンドが!?」
思わず大声を上げてしまいます。
ミルザ「まだ、生きていたんだ・・・」
オイゲン「ああ。あれは間違いなく・・・やつの気配だった。
      そしておそらくラファエルを洗脳したのも、コンスタンツを誘拐したのも奴らの・・・」
ミルザ「そうか・・・」
オイゲン「・・・脅迫文の文面は奴が書いたとは思えなかったけどな。おそらくは連れのあの女が書いたんだろうが・・・
      ・・・やつらなら、火のルビーを渡しても平気でコンスタンツを殺してしまう。
      そしておそらくは火のルビーを渡しにいくテオドール先生も・・・やりかねなくないか?」
ミルザ「・・・そう、かな・・・?そんな事はないと思うけど・・・」
オイゲン「おいおい、何言ってるんだミルザ。大丈夫か?」
オイゲンは冗談めいた調子で言いながら、ミルザの額を触りました。
ミルザ「大丈夫だってば!なにすんだよ!」
オイゲン「ははっ、そうかそうか。」
手を離しました。
オイゲンくんは一息つくと、言いました。

オイゲン「なぁ、俺達またヒーローになってみないか?」
ミルザ「へっ?どゆこと?」
首をかしげるミルザくん。
オイゲン「事前に場所指定をしてしまった敵の裏をかくのさ。
      洞窟に潜入、敵に気づかれずにコンスタンツを救出、できれば敵も背後からぶちのめして、
      火のルビーもコンスタンツも無事、一件落着評価うなぎのぼりそして二人で名誉騎士になって特別待遇ウヒャッホウ!・・・どうよ?」
ミルザ「・・・それいいね!さすがオイゲン!!」
オイゲン「そうだろそうだろ!実は俺、そういう感じのスパイ?みたいな怪盗X?みたいな展開がある映画が大好きでさ・・・その・・・」
ミルザ「そういえば、イスマスのダンスパーティーで怪盗になろうそうなろうとか言いだしたのもオイゲンだったね。」
オイゲン「ああ。その、なんちゅーかある種の後ろめたさ?みたいな背徳感?みたいなの・・・ゾクゾクしないか?ん?」
ミルザ「・・・・・・うん。そうですね。」
オイゲンの目は、いつになく輝いていました。
32ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:51:37 ID:???
オイゲン「でだな、この作戦の成功のために、今からある人に助力を求めに行くんだが・・・」
ミルザ「ある人?」
オイゲン「ああ。イフリート先生さ。」
ミルザ「イフリート先生?なぜイフリート先生に・・・」
オイゲン「まぁ、それはお楽しみって事で。さぁ、いくぞ!」
オイゲンはミルザの手を掴み、ぐいと引っ張りました。
ミルザ「ところで、オイゲン・・・」
オイゲン「ん?なんだぁ、ミルザ?」
ミルザ「その作戦っての、いま閃いたの?なんか色々考えてるみたいだけど・・・」
オイゲン「いま?んなワケねーだろ。騎士団会議の途中からずっと考えてたさ。」
ミルザ「・・・・・・マジでか。」



二人は、まずイフリート先生の自室へと向かいました。
オイゲン「あのー。先生、いますかー?」
木のドアを手でノックします。
数秒経っても、先生は出てくる気配がありません。
オイゲン「・・・やっぱいねぇか。まぁ、あの人が自室にいるなんて事は滅多にないからなー・・・」
イフリート先生は授業が無い日は、大体フラーマ先生の棟か修行場にいて、自室にいる事はほとんどありません。
オイゲン「しかたねぇ、じゃあ、次はとりあえずフラーマの棟へいってみようぜ。」
ミルザ「うん。」
身を翻し、その場を去ろうとしたその時です。

「・・・なんだ、誰だ?・・・何のようだ。」

オイゲン「おっ!」
ドアの中から、掠れた声がかすかに聞こえてきました。
オイゲンは急いでドアの前に戻りました。
オイゲン「俺です、オイゲン。あとー、ミルザ。実は先生に用があってですねー、入れてもらえませんか?」
言い終えると、ドアが静かに開きました。
イフリート先生の巨体が、ぬぅと現れます。
先生は静かに言いました。
イフリート先生「・・・入れ。」
33ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:53:14 ID:???
二人は先生の部屋に足を踏み入れました。

イフリート先生「いやぁ、少々散らかっててすまんな。足の踏み場も無くって・・・」

先生の部屋は、言うほど汚くはありませんが、それでもあまり綺麗とはいえないような部屋でした。
カップ麺の容器や新聞などが、整理されずに床に無造作に散らかっています。
そして散乱物の中でも、とりわけダンベルや握力計などの筋トレ用具が目立っていました。
イフリート先生の普段の生活の様が、手に取るように分かる。そんな部屋でした。
イフリート先生「まぁ、座れ。」
先生はドカリと座りました。
ミルザとオイゲンもゴミを蹴り、場所を作った後続いて座りました。
イフリート先生「それにしても、珍しいな。私に何のようだね?」
オイゲンはニヤリと笑いました。
オイゲン「実はですね・・・」


オイゲンはミルザに説明した事を、同じく先生にも説明しました。
先生はその話に大変興味をもったようで、話の途中からはずっとニヤニヤと笑いながら聞いていました。
オイゲンは一通り言い終えると、一息ついてこう言いました。

オイゲン「そこで、です。イフリート先生・・・僕達にカムフラージュをかけてほしいんです。」

イフリート先生「カムフラージュ?」
オイゲン「そうです。身近に土術を使える人間は先生しか思いつかなかったので・・・カムフラージュ、潜入には最適の術でしょう?」
イフリート先生「・・・そうだな。」
オイゲン「敵地への潜入は、深夜、夜明け前の3時くらい・・・生徒達が皆寝静まったところでいこうと思っています。
      先生には出発直前に俺達カムフラージュをかけてもらいますが・・・大丈夫ですか?」
イフリート先生「大丈夫だ。騎士団寮の未来のためならば寝る間も惜しまん」
オイゲン「それはそれは、いやあ、さすが先生!・・・じゃあ、一発カムフラージュを俺たちにかけてみてください!」
イフリート先生「いまか?」
オイゲン「はい。先生のカムフラージュの効果の程を前もって知っておかないといけませんからね・・・」
イフリート先生「よし、わかった。では二人ともそこにじっと座ってろ。」
先生はふふっと小さく笑った後、立ち上がり術の構えをとりました。
ミルザ「イフリート先生への用って、これだったんだね。」
オイゲン「そうさ!」
魔力が集約していきます。
34ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:54:18 ID:???
フリート先生「カムフラージュ!」
先生の手から、魔力が放たれました。
オイゲン「うおっ!」
ミルザ「うわっぷ!」
激しい閃光に、二人は思わず目をつぶりました。
それから、数秒経ちます。
イフリート先生「もういいぞ、二人とも。」
先生の声がしました。
ミルザとオイゲンの二人は、ゆっくりと目をあけました。
それから、自分の手を見ます。
ミルザ・オイゲン「!!」
手が透けていました。
目を凝らせば全体的な形はかろうじて分かるものの、集中してみなければほとんど分からないくらい、カムフラージュをかけられた二人の体は透明になっていました。
ミルザ「す、すげーー!!」
オイゲン「さすがイフリート先生だ!」
感嘆の声があがります。
イフリート先生「ただ――見ての通り完全に姿が消えたわけではない。気配も消えない。
         いくら姿が透けてるからとはいえ、音を立てたりしてしまえば敵に感づかれるぞ。気をつけろ。」
オイゲン「いや、その点は全然大丈夫っすよ。カムフラージュで補えない点は・・・『幻のアメジスト』が補ってくれるんでね!」
オイゲンがその言葉を発すると、先生の顔色が瞬時に変わりました。


イフリート先生「幻の・・・アメジスト!!?」

35ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 16:57:02 ID:???
ミルザ「・・・ど、どうしたんですか?先生。」
先生は、血走った目で極限まで薄くなった二人を見下ろしていました。
イフリート先生「いま、幻のアメジストと言ったな。幻のアメジストを・・・糸石を、お前達は持っているのか?」
ミルザ「は、はい・・・」
オイゲン「アメジストだけじゃありませんけど。」
イフリート先生「・・・見せてみろ!私に!」
ミルザ「は、はい。」
ミルザは立ち上がり、懐から幻のアメジスト、水のアクアマリン、そして闇のブラックダイアを取り出し、イフリート先生に見せました。
糸石をじぃっ、と凝視する先生。
その顔色が、みるみる赤くなっていきます。
イフリート先生「これは、間違いなく・・・本物だな?・・・お前達が集めたのか?」
真剣な顔で問います。
オイゲン「そうです。・・・そういえばまだ騎士団寮の人達にはいってなかったっけな。」
ミルザ「だね。へへ、すごいでしょ、せんせー。この三つ全部僕達が手に入れたんですよー。」
イフリート先生「・・・・・・そうか。・・・さすが私の教え子だ。」
どこからかカタリと音がしました。

ゾクッ

ミルザ「・・・!!」
ただならぬ気配を感じ取りました。
全身の毛穴が開くような、そんな感覚を覚えます。
ミルザは直感的にすぐ糸石を懐に入れなおしました。
イフリート先生「?どうしたんだ、ミルザ?」
オイゲン「どうした?」
オイゲンがミルザの顔を覗き込みます。
ミルザの顔色は心なしか先程よりも青ざめているように見えます。
ミルザは声を震わせながら言いました。
ミルザ「いま・・・ただならない気配を感じた。背筋がゾクッとした・・・誰かに、どこかから恐ろしい奴が、今僕達を見ている!」
オイゲンは首を傾げました。
オイゲン「そんなの俺は感じなかったけどなあ。」
イフリート先生「私もだ。ゴキブリの気配でも感じ取ったのではないか?ははは」
ミルザ「そ、そうかな・・・」
ミルザは釈然としませんでした。
と、その時先生が唐突に言いました。
イフリート先生「ところで、私も一緒にいっていいかな?」
ミルザ・オイゲン「へ?」
思わず疑問符を口に出してしまう二人。
36ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 17:01:26 ID:???
先生は床に座ると、言い始めました。
イフリート先生「いやぁ、私も君達と一緒にヒーローになってみたくてね。
         もしかしたら、この件でフラーマ先生が私の事を見直してくれるかもしれんではないか!
         ・・・あと幻のアメジストの力も見たいし。筋肉も鍛えられるし。」
ミルザ「へぇ。僕はついてきても全然OKだけど。先生だし。オイゲンがどう言うか・・・ねぇ、どう?オイゲン。」
オイゲンの顔を覗き込むミルザ。
オイゲンは少し考えた後、言いました。
オイゲン「・・・まぁ、別にいいんじゃないか?いざという時の戦力になるし。」
イフリート先生「さすがオイゲン!分かっているな!」
オイゲン「そのかわり!」
イフリート先生「ん?」
オイゲンは先生に顔を近づけ、言いました。
オイゲン「成績、ちょいとサービスしといてくださいよ。」
イフリート先生「・・・ふっ、わかったわかった。」
小さく笑いました。
オイゲン「さてと・・・」
立ち上がるオイゲン。
ミルザ「ん、帰るの?」
ミルザも立ち上がります。
オイゲン「じゃ、明日の早朝3時に。校庭集合にしましょう。その時まで来なかったらおいていきますからね。」
イフリート先生「あいよ。」
オイゲン「さ、出るぞミルザ。」
ミルザ「うん。じゃまた、先生!」
二人は身を翻し、先生の部屋を後にしました。




・・・二人は最後まで気づきませんでした。
三人の話を、影からすべて聞いていた者の存在を。
・・・二人は予測しませんでした。
この事件には恐るべき裏がある事を。



つづく

37ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 17:03:25 ID:???
結局一週間ほど遅れちゃいましたが、やっと投下できました。すいませんでした!
書いてみたら結構長くなったものだ。
それでは次の方、おねがいしまーす。
38ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 23:31:32 ID:???
初めて来たがミルザの紹介にハゲ藁w
39ゲーム好き名無しさん:2005/12/04(日) 21:13:05 ID:???
本編乙。
フラーマ先生の唐突な下ネタふいたw
反逆者って、単なるあだ名だったんだ。なんのモンスターが来るんだろう。
次に期待だ!
40ゲーム好き名無しさん:2005/12/05(月) 08:10:47 ID:???
お疲れさん。
この展開って、アレだよな。あの人が実はあーだったってことだよな!
「反逆者」ってのをそういう風に解釈したか!いや、目からウロコだ今回の話は。
これまでのが演技だったとしたら・・・あのキャラを見る目が180度変わったわ。
かなり楽しませて貰いました。こりゃ今回の話も波乱多そうだなー。
41ゲーム好き名無しさん:2005/12/05(月) 22:54:44 ID:???
>>38
なんでミルザの性格、あんなんなっちゃったんだろうw
一応ミンサガでは伝説の勇者なのに…
それはそうと、登場人物紹介書いた人乙。読み応えあるよ。
42ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 12:46:01 ID:???
おいおい、スレが過疎りかけてんぞ。まさか住民いなくなった?それともROMなだけか…
43ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 23:13:38 ID:???
凍結解除してみるか。
さて、今回のって、イフ先生もアレってことだよなぁ。
それともゲーム本編のように、AとBがいるんだろうか。

しかし「決して届かぬ炎の御許」が、三谷幸喜の「洗面器を頭に載せた女の話」とか、
2chの「鮫島事件」みたいな感じに思えてきたよ。
44ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 23:34:21 ID:???
>>37
乙!
ラファエルカワイソスwww
でもフラーマ先生はもっとお淑やかだと言い張ってみる。

>>43
少しずつ書いてる。もうちょっと待って下さい。
45ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 23:43:39 ID:???
>>44
そか、実際に作成予定って言ってたもんね>外伝
楽しみに、のんびり待ってます。

さて続きはどうなるんだろ。俺も書いてみたいが、どう繋げるかが全く浮かばない。
影から聞いてたってのは、メガネのあの子なんだろうけど・・・
46ゲーム好き名無しさん:2005/12/07(水) 00:08:10 ID:???
いま考えてみると、確かにイフ先生それっぽいなあという描写はあるんだよね
夜忍び込んだりとか、心ん中は以外に無機質で冷静な感じなトコとか、初登場時ミルザのある一言でどもったりとか。
天然なトコや筋肉マンなトコは素っぽいけどw
47ゲーム好き名無しさん:2005/12/08(木) 18:47:38 ID:???
乙の帳
48ゲーム好き名無しさん:2005/12/08(木) 21:03:58 ID:???
よかったら俺が続き書こうか?
49ゲーム好き名無しさん:2005/12/08(木) 21:31:16 ID:???
続きを書いてくれる人はいつでもウェルカムだ!
50ゲーム好き名無しさん:2005/12/10(土) 01:27:35 ID:2HefllQn
おー、続き書く人がきてくれたか!楽しみにしてるぜ。
ついでに、前スレより下がりめなので、ちょいあげてみる。

しかしアルティマニア読み直してみたけど、イフリートって結構多才だったんだな。
クリフレやダークライトウェブやクラック使えるなんて。火の鳥とコラプトスマッシュと縮退砲しかくらったことないや。

そしてリザードロードのリザードレボリューションはどんな技か想像がつかないな・・・
5144:2005/12/11(日) 02:50:02 ID:???
さてようやくできた外伝を投下するよ。
本編が終わってから書こうかとも思ったけど、
考えていたシナリオに矛盾が出るとあれなんであえてこのタイミングで。
>>48
気をつけて書いたつもりだけど、本編に影響したらごめん。
52ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 02:51:25 ID:???
【騎士団寮、フラーマの部屋】
フラーマは机に肘をつき、組み合わせた手に顎を乗せ思案に暮れていました。
その静かな室内にノックの音が響きました。
フラーマ「どうぞ」
ドアを押し開け入ってきたのは二十代中盤位の風貌の若い騎士でした。
ハインリヒ「何の用件かな?」
フラーマ「わざわざ呼び出してすまないわね。見て欲しいものがあるの」
椅子から立ち上がるとフラーマは一通の手紙をハインリヒに差し出しました。
ハインリヒは手紙の文面に視線を巡らせました。

『炎の魔術師 フラーマ殿

貴女はこの学園でも相当な力量を持つ術士だと聞き及んでいます。
その貴女の力を是非とも借していただきたいのです。
もし話を聞いていただけるのならばリガウにある我が研究所を訪ねていただきたい。
報酬は【火のルビー】
炎の術士なら名を聞いた事があるはずです。
貴女が訪れてくれることを心から願っております。

N.シュターゼン』

ハインリヒ「シュターゼンか・・・聞かん名だな。それに【火のルビー】、糸石か」
フラーマ「ええ、それと最近リガウで起きている魔術師失踪事件、知ってるかしら?」
ハインリヒ「!そうか!つまりこいつが!」
フラーマ「断定は出来ないけど・・・まず間違いなく関係はあるわね。
     限りなく黒に近いグレーってとこかしら?」
ハインリヒ「どうするつもりだ?」
フラーマ「もちろん行くわよ」
あっけらかんと答えました。
ハインリヒ「危険すぎる!」
フラーマ「前から糸石には興味があったのよ」
ハインリヒ「・・・止めても無駄か。最近リガウではモンスターの動きも活発だ。私も行こう」
長年パートナーとして冒険を繰り返してきた二人はお互いの性格を熟知していました。
フラーマ「頼りにしてるわ、ハインリヒ」
53ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 02:53:18 ID:???
ヘイトちゃん「ありがとねええええええええええん@−^*+☆」
用件を聞き終えたヘイトちゃんは奇声を発しつつ、部屋を飛び出していきました。

タイラントくん「やれやれ、人の話は最後まで聞いていくのが礼儀だと思うがな」
嘆息しつつ、タイラントくんは呟きました。
デスちゃん「話を聞かせたがるのは年寄りの証だぞ」
背後からの声に多少驚きつつも落ち着いて返しました。
タイラントくん「こう見えてそれなりの年月は生きているからな。否定はせんよ。
        ・・・・いつからここに?」
デスちゃん「ついさっきだ。それにしても意外だ。ああいうのが好みか?」
タイラントくん「・・・冗談にしても笑えん」
渋面をつくるタイラントくん。
デスちゃん「ふふ、それはすまなかったな。ではお詫びとして語れなかった話の聞き手になろう」
タイラントくん「光栄だな。といってもこの話の主役は私ではないのだがな」

随分前の話だ・・・具体的にどのくらいかは・・・思い出せんな。
ちょうど私の炎帝と言う名が浸透し始めた頃の話だ。
その頃トマエ火山は今とは比べ物にならないほどの活力に満ち溢れていた。
理由は後で語るが・・・火の魔力が無尽蔵のように沸いていたのだ。
だがある時その魔力が飽和点に達した。溢れ出る力が行き場を無くしてしまったのだ。
そして常日頃から魔力を受けていたここの火山の住人達も、
溢れる力を抑えきれず破壊衝動に身を委ねていった。
私も例外ではなく、散発的に襲いかかる破壊衝動を押さえ込むのに苦労をしていたものだ。
火山自身も溜まりすぎたエネルギーを持て余していた。
あの時トマエ火山は破滅の道を歩んでいたのだ。
だが私は凶暴化した部下達を抑えるためにろくに行動が出来なかった。
原因がわからなかったのも理由の一つだが。

そんな時火山のふもとに魔導師が住み着いた。
その魔導師は別の人間を引き連れて火山に入り、そして一人で出てくるという行動を繰り返していた。

外伝『決して届かぬ炎の御許』
54ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 02:54:51 ID:???
【トマエ火山麓、研究所】
その建物は石造りで簡素ながらも、どこか威厳を漂わせる造りでした。
フラーマは頑丈そうな木製扉を叩きました。
軋みつつ扉が開きました。
その先には奇妙な仮面をつけた魔導士が佇んでいました。
シュターゼン「我が研究所にようこそ。私の名はシュターゼン。
       この度は私の招待に応じていただき、感謝の極みです。フラーマ殿
       それとも『真紅の魔術師』とお呼びしたほうが良いですかな?」
フラーマ「フラーマでいいわ。『殿』もいらない」
ハインリヒ「挨拶をするときは仮面をとるべきではないのか?」
シュターゼン「おや?こちらの方は?」
フラーマ「私の相棒よ」
ハインリヒ「ハインリヒだ」
シュターゼン「おお、これは失礼。しかしこれは取りたくても取れないのです。平にご容赦を」
ハインリヒ「・・・・・・」
シュターゼン「では中にお入りください。立ち話には少し長いお話ですので」
魔導師は二人を研究所に招きました。


【研究所内部】
フラーマ「では話を聞かせてもらおうかしら。失踪事件も含めてね」
いきなり本題に触れましたが魔導士は毛ほども動揺しませんでした。
シュターゼン「やはりご存知でしたか。人の口に戸は立てられませんからな。
       それを話すには、まずあなたをここにお招きした理由を話さねばなりません。
       このところのトマエ火山の状況をご存知ですか?」
ハインリヒ「モンスターが凶暴化していると聞き及んでいる」
シュターゼン「ええ。妙だと思いませんか?」
ハインリヒ「妙?モンスターが凶暴化するのはそう珍しい事でもないが?」
フラーマ「・・・『炎帝』がいる」
シュターゼン「その通り。絶対的な力でトマエ火山を治めている彼がいるにもかかわらず
この騒動。私は疑問を持ち調査を進めました」
ハインリヒ「まさか・・・『炎帝』がよからぬ企みをしているのか?」
椅子が倒れるほどの勢いでハインリヒは立ち上がりました。
シュターゼン「落ち着いてください。彼の性格を聞く限りその可能性は無いでしょう。
       私が調べたところ、この騒動の原因は【火のルビー】である事が判明しました」
55ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 02:56:53 ID:???
フラーマ「!どういうことかしら?」
魔導師はゆっくりと頷くと説明を始めました。
シュターゼン「ここトマエ火山には【火のルビー】が存在しています。
       いつから存在していたのか、それはわかりかねますがここ数年ということは無いでしょう。
       トマエ火山奥深くに設置された【火のルビー】は徐々にこの地の地脈から力を得ていたようです。
       ここ四半世紀ほどトマエ火山が落ち着いていた事もこの事と無関係ではないでしょう。
       しかし【火のルビー】といえど限界はあった。
       ここ最近の騒動は【火のルビー】から漏れ出た魔力によるものです。
       今はまだ漏れ出ているだけですが本当の限界を迎えれば・・・・」
ハインリヒ「大噴火・・・か。被害は相当なものになるだろうな」
シュターゼン「あるいはリガウ島が消し飛ぶかもしれません。
       糸石の本当の力は私にもわかりませんからな」
フラーマ「それで私を呼んだ理由は?」
シュターゼン「【火のルビー】に溜まった力を全て消費しトマエ火山から持ち出していただきたい。
       今の【火のルビー】はいつ爆発するかわからない爆弾のような物。
       それを暴発させずに扱うには火術に長けた者でなければ危険だという判断故です」
フラーマ「なるほど・・・ね」
ハインリヒ「術士の失踪は?」
シュターゼン「今トマエ火山は凶暴化したモンスターで溢れています。
       その力は【火のルビー】に近いものほど強力です。つまりはそういうことです」
ハインリヒ「貴殿はよく無事だったな」
シュターゼン「逃げ足にはそれなりに自信が有りましてな」
ハインリヒ「・・・・・」
ハインリヒは懐疑的な視線を魔導師に向けつつ隣に座るフラーマに尋ねました。
ハインリヒ(どう思う?)
フラーマ(完全に信用は出来ないわね。でも事実なら見過ごせないわ)

フラーマ「いいわ、この話、うける」
シュターゼン「それは重畳。時間はあまりありません。トマエ火山に行きましょう」
56ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 02:58:16 ID:???
【トマエ火山1階】
火山内部は空気が焼けるほどの熱気を放っていました。
熱に弱い生き物なら呼吸をするだけで肺が焼けそうな温度です。
ハインリヒ「たまらんな」
フラーマ「ええ、でも確かにこの温度は異常だわ」
滴り落ちる汗を拭いつつ三人は深部へと進んでいきました。

【トマエ火山地下二階】
広い空洞には正気を失ったモンスターが暴れていました。
同種族にさえ躊躇い無く牙を突き立てています。
シュターゼン「このような状況です。『炎帝』もまともに動けないでしょう」
ハインリヒ「それはともかく・・・どうするのだ?このままでは先に進めん」
フラーマ「強行突破・・・しかないでしょう?」
言うが早いかフラーマはモンスターの群れに火の鳥を叩き込みました。
ハインリヒ「仕方あるまい!貴殿は下がっておれ!」
愛用のハルバートを構え突撃しました。

シュターゼン「・・・・実に美しい炎だ」
誰にも聞こえないほどの声で魔導師は小さく呟きました。

【火のルビー】の魔力を過剰に受け闘争心の塊となったモンスターは想像以上に手ごわいものでした。
恐怖心や痛みを感じないため文字通り死ぬまで喰らいさがるためです。
ハインリヒ「奴の、言う事も、あながち、間違いではないのかも知れんな!」
戦獣を打ち払いつつ声を張り上げました。
フラーマ「少し時間を稼げる?もう一発火の鳥で・・・」

シュターゼン(以前より格段に手ごわい。思った以上に進行しているな。手を貸すべきか?)

???「何をしている!!!」

広間に怒号が響き渡りました。
トマエ火山の主、フレイムタイラントくんです。
タイラント「私闘は硬く禁じたはずだ!!今すぐ戦いを止めろ!!」
その気迫は正気を失っていたモンスターでさえ圧倒するものでした。
タイラント「失せろ!!」
広間にいたモンスターは蜘蛛の子を散らすように逃げていきました。

ハインリヒ「この気迫・・・『炎帝』の名にふさわしいな」
フラーマ「ひとまず助かった・・・のかしら?」
57ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 02:59:39 ID:???
シュターゼン(僥倖だな。まさかこのタイミングで来るとは)

タイラントくんは燃え盛る頭蓋骨を魔導士に向けました。
タイラント「貴様・・・このところ我が領域で行動しているようだな。
      何を企んでいる!返答次第ではただでは済まさん!!」
シュターゼン「・・・それは誤解です。実は―――」

タイラント「バカな・・【火のルビー】が我が領域に・・だと?」
シュターゼン「気付かずとも無理はありません。変化というものは外から見てこそ気付くもの。
       その物に近しいものであればあるほど、またその変化が小さいものであればあればあるほど、
       見えにくくなるものです。あるいはあなたが生まれる前から存在していた可能性もあります」
タイラント「・・・ック・・・!!」
牙が砕けんばかりに歯を食いしばりタイラントくんは俯きました。
シュターゼン「時間がありません。道中の護衛をお願いできませんか?
       私達はあなたの部下達と無駄な争いはしたくありません」
タイラント「貴様の言う事が事実なら・・確かに時間が無い。同行しよう」
フラーマ「心強いわ。私はフラーマ。よろしくね、『炎帝』さん」
ハインリヒ「ハインリヒだ。よろしく頼む」
タイラント「ああ」
シュターゼン「では先を急ぎましょう」

【トマエ火山地下四階】
溶岩に囲まれた床を越えた先の行き止まりに一向はたどり着きました。
ハインリヒ「ここか?行き止まりのようだが」
シュターゼン「カムフラージュですよ」
魔導師が手をかざすとただの岩肌が激しく燃え盛る炎の壁に変わりました。
更に手をかざし炎を消し止めました。その先には大きな穴が口を開けていました。
フラーマ「これはあなたが?」
シュターゼン「モンスターに入り込まれると厄介ですからね」
フラーマ(ファイアウォール・・・。やっぱり只者じゃない)
58ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:00:57 ID:???
【トマエ火山、ルビーの間】
大穴の先には50m四方ほどの空洞になっていました。
その空洞の中心部、燃え盛るマグマの海に浮かぶ小島の岩の上にルビーは安置されていました。
ハインリヒ「あれか・・・、ジャンプで届く距離ではないな」
シュターゼン「心配は無用です」
魔導師は懐から奇妙な種を取り出すとマグマの海に放り込みました。
すると見る間にマグマの色が黒ずんでいき硬化しました。
シュターゼン「ではフラーマ、よろしくお願いします」
フラーマ「・・・ええ」
冷え固まったマグマの上を歩き、ルビーのもとへ向かいました。

彼女がマグマを渡る姿を三人はじっと見守っていました。
シュターゼン「ああ、タイラントさん。あなたはここから先に進まないほうがいい。
       ルビーの魔力で暴走してしまう可能性があります」
タイラント「わかっている」
ハインリヒ「・・・結局ここにたどり着いた術士はフラーマだけか」
シュターゼン「いえ、彼女で六人目です」
ハインリヒ「どういうことだ?他の術士はモンスターにやられたのではないのか!」
タイラント「待て。正気を失った部下がいるとはいえ、ここは我が領域。人死になど出しておらんぞ」
シュターゼン「ああ、それはですね・・・・」
タイラント・ハインリヒ「!!!!」
突如強烈な光が生まれました。
ルビーを手に取ったフラーマが白い火柱に包まれたためです。
シュターゼン「話した事全てが事実ではなかっただけです」
魔導師は仮面の奥でくぐもった笑い声を上げました。
59ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:02:12 ID:???
ハインリヒ「フラーマ!!今行くぞ!」
シュターゼン「邪魔をしないで下さい。今彼女はルビーの力と戦っているのです。
       もっともそれに屈すれば消し炭も残りませんが」
ハインリヒ「どけ!!邪魔立てするなら容赦はせんぞ!」
シュターゼン「どうぞ。行けるものなら」
ハインリヒ「!」
いつのまにか彼の足は炎の鞭、フレイムウィップにより拘束されていました。
シュターゼン「そこでゆっくり鑑賞していてください」
ハインリヒ「貴様・・・・!」
しかし次の瞬間には炎の戒めは雲散霧消しました。
シュターゼン「・・・無茶をしますね。下手に力を行使すると暴走することになりますよ?」
タイラント「貴様の・・狙いは・・・知らん・・だが・・・・
      我が・・領域で・・勝手な真似は・・・させん!」
ハインリヒ「恩にきる」
裂帛の気合と共にハルバートを打ち下ろしました。
しかし魔導師は瞬時に後方に飛びのき、凶撃をかわしました。
シュターゼン「あくまで邪魔をしますか・・・仕方ありませんね」
魔導師は静かに仮面を外しました。
すると魔導衣の内部から炎が噴出し全身を包みました。
ハインリヒ「シュターゼン・・貴様一体!?」
イフリート「シュターゼン・・それは仮の名に過ぎん・・・我が名はイフリート!」
タイラント「イフリート・・だと?だが・・その姿は・・・」
炎に包まれたその姿はまさしく炎の魔人と呼ぶにふさわしい姿でした。
しかしイフリートの特徴ともいえる筋骨隆々の体躯は持ち合わせていませんでした。
イフリート「私は炎の化身・・ただひたすらに炎を求めた末に行き着いたのがこの体だ」
60ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:03:30 ID:???
ハインリヒ「魔物ならば容赦はせん!」
ハルバートを構え、人体の急所の一つである水月を突く大技『ウォータームーン』を繰り出しました。
イフリート「君は炎を貫き倒す事が出来ると考えているのか?私は・・・無理だと思うが」
ハインリヒ「!」
確かにイフリートを貫いたはずの矛先は高温により溶解していました。
イフリート「鉄や鋼は炎には干渉できん。君は私と戦う術を持ち合わせていない。黙って見ているんだな」
ハインリヒ「おのれ・・・!」
タイラント「ハインリヒ!・・これを使え!」
言葉と共に投げつけられたのは炎を束ねた細剣、炎のロッドでした。
タイラント「本当なら・・大剣の一つも・・寄越してやりたいが・・
今の私の・・集中力ではそれの精製が・・限界だ・・・これ以上・は・無理だ。
後は頼む・・・」
その言葉を残しタイラントくんはルビーの間から離脱しました。
ハインリヒ「心得た!」
61ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:05:06 ID:???
イフリート「『炎帝』・・今という状況でなければその力を行使できたろうに・・・。
      ・・・ともかく君は力を手に入れたようだ。相手になろう」
ハインリヒ「いつまでも人を格下扱いしていると痛い目を見るぞ」
居合の如く剣を振るい衝撃波を放ちました。
イフリート「遅いな」
剣閃が届く前にイフリートは身をかわしました。
イフリート「何!」
そのかわした先にハインリヒは肩口から衝突し斬りつけ、
高速の六段突きを繰り出し、最後に抉るような回転を加えた突きを放ちました。
イフリートは地に膝をつきました。
ハインリヒ「油断すればそうなる」
イフリート「まさか体当たりをするとはな。セルフバーニングか」
ハインリヒ「術も使えずして騎士は名乗れんよ」
しかし、炎の障壁を持ってしてもイフリートの熱は防ぎきれませんでした。
ハインリヒもまた膝を折りました。
体表の水分の奪われ、白煙の如く水蒸気を発しつつも彼は前に進もうとしました。
イフリート「・・・何故そこまで必死になる?君が彼女のところに行ってどうなるとも思えんが」
ハインリヒ「真の騎士はどのような状況でも諦めたりはしない」
真直ぐな返答にイフリートは口の端を上げました。
イフリート「だがもう時間だ。・・・安心したまえ。彼女は無事だ。
      私は最後の最後で賭けに勝てたようだ」
ハインリヒ「!フラーマ!」
【火のルビー】を手にし、白炎を身に纏ったフラーマが立っていました。
フラーマ「大丈夫よ、ハインリヒ」
62ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:06:10 ID:???
【トマエ火山、中心部】
タイラント「魔力の流入が止まった?
      あの人間達がやったのか・・・よし、すぐに・・・」
その時、二匹の溶岩の塊が転がるように部屋に飛び込んできました。
炎神「タイラント様!」
タイラント「おお!おまえ達も動けるようになったか!」
火神「はい!先程・・ではなくて!はぐれのモンスターたちがジェルトン寮で略奪を行っています」
タイラント「くっ!我が力が及ばぬ今を好機とみたか!
      行くぞ!我らが力を侮らせるわけにはいかん!」
炎神・火神「はいっ」
タイラント(おまえ達が勇者ならば切り抜けられるはずだ、頼んだぞ)
63ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:07:59 ID:???
フラーマ「・・・何処までが真実なの?賭けって何の事?あなたの狙いは何?」
イフリート「トマエ火山が噴火の危機にあるのは事実だよ。私の嘘は火術士たちの死因だけだ。
この火山やその周囲の生物達の異常は君たちも肌で感じただろう?」
フラーマ「確かにね」

イフリート「賭けについてだが・・・
      私が【火のルビー】を発見した時は既にかなりの力が蓄えられていた。
      もっとも、だからこそ見つけられたのだがね。当初はその美しき炎を我が手にしようと考えた。
      しかし・・・無理だった。私とルビーの炎はあまりにも違いすぎた。
      ルビーの炎は私という存在を受け入れなかった。触れる事すら出来なかったのだ」
イフリート「狂おしかった。誰よりも炎を愛する私が出会った最も美しい炎は
      私とは相容れない存在だった。私は考えた。ならばこの炎を打ち破りたいと、この炎と戦いたいと」
ハインリヒ「それでルビー操れる資質を持っていそうな火術士を集めたのか」
イフリート「時間が無かった。このままでは大噴火という形で魔力が流れ出てしまうところだった。
      だが最後の機会に現れた君が見事その役を果たしてくれた」
ハインリヒ「そのために何人の火術士が犠牲になったと思っている!」
イフリート「五人だ。サルゴン、ルビィ、エレノア、ローラ、ボルカノ・・
      彼らもまた美しき炎の使い手だった。だがルビーには認められなかったようだ」
ハインリヒ「騙まし討ちのような手口を使っておいてよく言う!」
イフリート「それは違う。私は彼らには説明した。どのような危険があるかわからない、とな。
      だが彼らは一人として退くことなくルビーを手にした。
      使命感から強大な力に危険を顧みず挑み、倒れた彼らを君は『哀れな犠牲者』と呼ぶのか?
      それは彼らに対する侮辱ではないのか?」
ハインリヒ「・・・・・」
イフリート「最も今回は時間的に最後の機会だった。このような手段を使った事は謝罪する。
      私も後がなかったからな。手段を選ぶ余裕は無かった」
64ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:10:04 ID:???
フラーマ「随分とおしゃべりね」
イフリート「自分の夢が叶うのだ。多少饒舌にもなるさ」
フラーマ「そう。でもおあいにく様。火山の噴火も防げたし、ルビーも手に入れた。
     こちらには満身創痍のあなたと戦う理由が無いわ」
イフリート「なに、心配には及ばんよ」
突如イフリートは咆哮し、炎を吹き上げました。
その炎はイフリートの体を包み込み、傷を癒していきました。
ハインリヒ「なんだと!」
フラーマ「『魂の歌』・・・」
イフリート「騎士ハインリヒ、落胆する事は無い。
      この術はある程度時間がかかる。君はその隙を与えないだけの技量を持っているよ。
      さて・・・これでやる気になってくれたかな?」
フラーマ「気が進まないわ。正直あなたの事は嫌いじゃないの。
     炎に対する価値観には共感できるところもあるしね。」
イフリート「光栄だが・・・君が拒むのなら騎士ハインリヒを人質に取らせてもらおう。
      傷ついた彼には私の炎をかわす術は無い」
炎を纏った掌をハインリヒに向けました。
ハインリヒ「ふざけるな!私がおめおめと人質などに・・くっ!」
剣を手に立ち上がろうとしたハインリヒは、力尽き再び膝をつきました。
フラーマ「・・・無駄よ。私はこの距離からでも彼を完璧に守る事ができる。
     今の【火のルビー】にはその力がある!」
イフリート「ふむ。では諦めよう。君たちはルビーの力を消費させ、帰るといい。
      然る後、私はジェルトン寮を壊滅させよう。腹いせとしてね」
ハインリヒ「貴様!」
フラーマ「ブラフね。あなたはそんな事はしないし、できないわ」
イフリート「さてそれはどうかな。私が考え方を変えるかもしれない。
      私という存在を消さねばそれが起こる可能性は決して消えることは無い」
フラーマは悲しげな視線をイフリートに向け、喉から声を絞り出しました。

フラーマ「・・どうしても戦わなければならないの?」
イフリート「それが運命というものだ」
65ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:11:12 ID:???
イフリートは掌から数条の熱線を撃ち出しました。
しかし、同じく掌を突き出し炎の盾を形成したフラーマに全て弾かれてしまいました。
イフリート「成る程、正面からは無理か。ならばこんな手はどうかな?」
燃え盛る両腕を振るい小型のエレメンタル、『ファンダム』を生み出しました。
イフリート「全方位からならどうだ!」
無数の『ファンダム』を従え、あらゆる角度から砲撃を始めました。
フラーマ「無駄よ」
巨大な炎の壁で身を包み降りそそぐ炎を全て吸収しました。
フラーマ「落として」
炎の壁は意思を持ったように眼前の敵に迫ります。
壁に押しつぶされ『ファンダム』は全て地に沈みました。
イフリート「素晴らしい・・・素晴らしいぞ!」
炎の魔人の咆哮が如き歓声が響きました。
66ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:12:03 ID:???
【ジェルトン寮】
生徒1「くそっ!なんだってこんな事に!」
押し寄せるモンスターを刀で押さえつけながら怒鳴りました。
生徒2「『炎帝』は・・タイラント寮長はなにやってんだ!」
女生徒「知らないわよ!喋る前に手を動かす!しっかり私を守ってよね!」
生徒2「術士はいいよなぁ・・・後方で」
生徒1「気を抜くな!非戦闘員の脱出の手はずはまだ整っていない!ここを抜かせるわけには」
その時、別の生徒が駆け寄ってきました。
生徒3「大変だ!船着場に鳥型モンスターが!」
生徒1・生徒2・女生徒「なんだってーーーーー!!」
モーロック「逃がさねえよ。お宝や喰い物は全部頂く。男は奴隷。女は・・・ひひひ」
女生徒「誰があんた達なんかに!」
火幻術を放ちましたがかわされました。
モーロック「おっと。抵抗するだけ無駄だ。俺たちは『炎帝』の部下だぞ。」
生徒3「そんな・・・」
67ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:13:50 ID:???
???「どういうことだ?」
いつのまにか寮内に大男が立っていました。
モーロック「何だー、貴様は? 俺は『炎帝』様からこの隊を預っているのだ。
      俺に挑戦するのは『炎帝』様に刃向かうことだ。わかってるのかー」
???「それがどうした」
モーロック「えっ、それがどうしただって。『炎帝』様だぞ。
      四寮長実力一と言われる『炎帝』様だぞ。こ、怖くないのか?」
???「それは事実だな。
    だが、貴様は『炎帝』でも何でもない。ただのザコモンスターだろうが!
    覚悟しろ!」
モーロック「待て! ちょっと待て。そういきり立つなよ。
      『炎帝』様はすごいぞ。従っていれば、常にでかい顔ができる。
      それで一生威張りつづけることができるのだ。
      な、いいだろう。お前も『炎帝』様の部下になれ」
???「やれやれ。・・・・・・貴様は『炎帝』に会ったことはあるか?」
モーロック「いや。実はまだ会ったことはないんだ。
      機会があれば一度会ってみたいんだがなー」

モーロック「・・・・・・まさか、え ん て い?」
タイラント「貴様の望みがかなったな」

68ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:15:24 ID:???
イフリート「本当に素晴らしい・・・。私の持つ全ての術を持ってしても破れんとはな」
百を越える術の直撃を受けて尚、フラーマの炎の壁は揺らぎませんでした。

イフリート「ならば我が生命をもって立ち向かおう」
フラーマ「止めても・・・無駄なんでしょうね」
イフリート「その通り。騎士ハインリヒ、君にもわかるだろう?」
ハインリヒ「貴様の考えは理解できん。だが・・・騎士道にも退いてはならんときはある」
イフリート「十分だ。さあ・・・我が生命よ。燃え上がり炎となれ!」
どこまでも赤い、真紅の炎を吹き上げ、炎の魔人は双眸を滾らせました。

イフリート「これが私の生命の色か。初めて見たが・・・美しい」
陶然としながらも、炎を凝縮させていきます。
フラーマ「それがあなたの覚悟なら、私も全力で迎え撃つわ」
同じく白色の炎を凝縮させ、密度を高めてゆきます。
イフリート「さあ、ゆけ!我が炎の猛禽達よ!」
紅い炎が破裂し、数え切れないほどの無数の紅い鳥がフラーマに襲い掛かりました。
フラーマ「出て」
白炎がまばゆい光を放ち、巨大な鳥の姿へと変わりました。
フラーマ「撃って」
白い怪鳥は巨大な翼を振るい、炎を巻き起こしました。
しかしその炎は数羽の火の鳥を撃ち落すにとどまりました。
イフリート「その程度では我が命は尽きん!」

フラーマ「・・・行って」
巨大な翼を羽ばたかせ、怪鳥自身が突撃しました。
迫り来る火の鳥の激突に怯むことなく突き進みました。炎の魔神に向かって。
イフリート「そうだ。それでいい。これで私は・・・・!」
トマエ火山に激震が走りました。
69ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:17:29 ID:???
白い炎にその身を焼かれながらも炎の魔人は生きていました。

フラーマ「あなた・・・最初から死ぬ気だったんでしょう?
     限界まで高められた糸石の力は自然災害のそれだわ。勝てない事をあなたが悟れないわけがない」
イフリート「そのとおりだ。君たちには礼を言わねばならんな。
      我が生命の燃え尽きる際を見届けてくれた騎士 ハインリヒ。
      至高の炎でもって私を打ち倒した魔術師 フラーマ」
フラーマ「まじめに答えて。それがわかってどうして!?」
イフリート「わからないか?今私は至高の炎とともにある」
フラーマ「・・!」
ハインリヒ「死して望みを叶えてどうなる。理解できん・・・」
イフリート「ふふ、価値観はそれぞれだ」
炎の魔人は本当に、嬉しそうに笑いました。

イフリート「ここはもう崩れる。早く脱出することだ」
激戦の傷を受けた空洞は破滅の音を立て振動していました。
ハインリヒ「ああ、さらばだ」
フラーマ「最後に一つだけ聞かせて。あなたは本当に満足しているの?
     別の生き方があったとは考えなかったの?」
イフリート「満足だよ。炎に依らぬ生き方など私には出来ない・・・」
フラーマ「本当に・・・そうかしら?」

二人が駆けていく音を聞きながら、炎の魔人は視界が狭くなるのを自覚しました。

我ながら不器用な生き方だったと思う。

だが・・・満足だ。

ああ・・私はようやく辿り着いたのだな。

――決して届かぬ炎の御許へ・・・・。

70ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:18:45 ID:???
ハインリヒ「急げ!出口が埋まる!」
フラーマ「・・・ええ!」
しかし、奇妙な種で固めていたマグマが限界を迎え、砕けました。
二人の脱出路をマグマの河が寸断しました。
ハインリヒ「こうなれば君だけでも向こう岸に送る!少々手荒だが許せ!」
フラーマ「冗談じゃないわ。ルビーの力を使えば・・・」
震える手でルビーの力を引き出そうとしましたが、疲労のため立ちくらみを起こしました。
ハインリヒ「無理だ!あれだけ大きな力を使った後だぞ!」
フラーマ「大丈夫。今度こそ」
その二人の頭上に大きな影が差しました。

タイラント「待たせたな」
71ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:19:41 ID:???
タイラントくん「というわけで間一髪間に合った」
デスちゃん「それで?」
タイラントくん「後は危機を救った二人に礼としてルビーを渡した。それで終わりだ」
デスちゃん「ふーむ、ジェルトン襲撃はなかなか聞きごたえがあったが・・・
      結局ルビーの件にはほとんど関わってないんだな」
タイラントくん「しかたあるまい。いろいろあったのだ」
デスちゃん「まぁ、結構楽しめた。喉が乾かないか?お茶をいれようと思うのだが・・・」
タイラントくん「いただこう」
二人は連れ立って三途の川へ向かいました。
72ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:20:56 ID:???
【草原】
ハインリヒ「ひとつ教えて欲しい」
フラーマ「なにかしら?」
ハインリヒ「奴がジェルトン寮を襲うと言った時に何故嘘だと断言できた?」
フラーマ「彼がエゴイストだからよ。とびっきりの、ね。
     彼は自分の計画にとって邪魔者でしかないあなたを殺そうとしなかった。
     『炎帝』はあの通りだったし、やろうと思えばいつでも出来たのに。
     多分、生命を無駄に奪うことは彼の美学に反する事だったんじゃないかしら。
     だからカマを掛けてみたのよ。結局確信が持てなくて戦う事になったけど。
     彼は『生命』を『炎』と表現したわ。あながち間違いじゃないと思う。憶測の域を出ないけど」
ハインリヒ「なるほど・・・それにしても驚いた。君が糸石に認められる程の術士だったとはな」
しかし彼女は肩をすくめて、
フラーマ「違うわ。私は糸石に体を貸しただけ。
     魔力を溜め込んだ糸石はとても人には使いこなせる物じゃなかった。私は身を任せたのよ」
ハインリヒ「では他の火術士たちは・・・」
フラーマ「制御しようとしたんでしょうね。使命感か己の力への自信か。これも憶測だけどね」
73ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:25:08 ID:???
草原に乾いた風が吹き抜けました。

ハインリヒ「さて・・・帰るか」
フラーマ「待って」
ルビーを取り出し、高く掲げました。
白い羽が舞い散り人型の何かが形成され始めました。
フラーマ「これで本当に最後。もう蓄えられた魔力は空だわ」
ハインリヒ「これは・・・?」
フラーマ「彼の可能性の一つ、彼の別の生き方を見てみたくなったのよ」
ハインリヒ「それを望んだのか?あいつが?」
フラーマ「さあ?どうでもいいわ。私もエゴイストだし」
ハインリヒ「危険ではないのか?本来イフリートは凶悪なモンスターだ」
彼女はクスリと笑って答えました。

フラーマ「大丈夫よ。その時は私か、他の誰かが彼を倒す事になるわ。
     彼に言わせれば、


――「それが運命というものだ」


時は巡り騎士団寮

イフリート先生「フラーマ先生!見てくださいよ!この美しい筋肉!
        この素晴らしいカット!クラクラするでしょう!」
フラーマ先生「・・・・・・・・・・・・・・本当にクラクラするわ」



外伝『決して届かぬ炎の御許』


74ゲーム好き名無しさん:2005/12/11(日) 03:29:17 ID:???
ネタ少なめなシリアスを書いてみた。
タイラントくんの活躍が少ないがわたしはあやm(ry
なおイフリートの外見は初代のあれ。

シリアス書くと反動でバカな話書きたくなる。
海賊とかw
75ゲーム好き名無しさん:2005/12/12(月) 00:14:29 ID:???
乙!こういう話だったのか。旧版のイフリートを持ってくるとは、こってるねー。
フラーマ先生の術発動のセリフがイカス。ハインリヒもかなりムチャな戦い方するなー。
タイラントくんも締めるとこ締めてた気ガス。寮救出のやりとりが燃え&ワロス。あれロマサガ2の迷シーンだよなw
なにはともあれお疲れ様。
しかしタイラントくんは、こんだけ危険なブツのありかを寄りにもよってヘイトちゃんに教えたのか・・・
なんか起きたら介入する気だったのかなー。
76ゲーム好き名無しさん:2005/12/12(月) 00:38:30 ID:???
乙。なかなか良い話だったお。

イフがウェイの配下になった経緯が気になるな
77ゲーム好き名無しさん:2005/12/13(火) 18:22:02 ID:???
( ・∀・)続きマダー ?
78ゲーム好き名無しさん:2005/12/13(火) 20:43:50 ID:???
熱い話をありがとう乙!
吹雪の中を凍えて帰って、なんだかあったまった気分だ。
旧版イフリートで苦労させられた悪夢も蘇ったよ。まさか繋がってたとは!
みなさんの着想のすごさに敬服する。
79ゲーム好き名無しさん:2005/12/14(水) 21:45:07 ID:???
乙!台詞回しがうまいなー、カッコいい。
なんか色々小ネタも混ざってて面白かったです。サルゴンとかなつかしい・・・

>>77
明日か明後日にゃ投下できそうです。
80ゲーム好き名無しさん:2005/12/17(土) 16:34:03 ID:ShW336gn
新作期待ageてみる
この待つ瞬間がタマラナイ
81ゲーム好き名無しさん:2005/12/18(日) 15:01:31 ID:???
(´∀`)続きマダー?
82ゲーム好き名無しさん:2005/12/19(月) 00:06:27 ID:???
続き書く宣言したものですが、病気により執筆が遅れてます。
冬だものね!冬だものね!…冬ってこわい…
迷惑かけてすいません…早いうちに無理してさっさと完成させて死んできます。もうすこしだけ待っててくださいな。
83ゲーム好き名無しさん:2005/12/20(火) 10:42:25 ID:???
新作期待してますよ(^^)
84ゲーム好き名無しさん:2005/12/20(火) 23:34:33 ID:???
年末だし、この寒さだし、ゆっくり養生して納得いくものを作ってくれればいいよ
8582:2005/12/21(水) 00:25:16 ID:???
とりあえず、できた所まで投下します。
待たせるのはちょっと悪いから・・・
86ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:26:44 ID:???
【騎士団寮校庭】

まだ夜も明けていない騎士団寮の校庭。
一人の男が立っていました。
イフリート先生「・・・遅いな。」
自身の腕にはめられてる時計をチラリと見ます。
――午前3時2分
約束の時間から2分過ぎています。
先生は一度ため息をつき、そのまま夜空を仰ぎ見ました。

???「あ、イフリート先生だ!せんせー!」

突如声がしました。
そこには、駆け足でこちらへ来るミルザくんとオイゲンくんの姿がありました。
二人は先生の目の前で止まりました。
ミルザくん「先生・・けっこう来るの早いですね。」
イフリート先生「私は時間にはきっちりしているからな。
         ・・・お前ら。自分から時間を指定しておいてそれで遅れるとは何事だ!」
オイゲンくん「すんません。・・・っつっても、ほとんどはコイツのせいなんすけどね。」
ミルザくんを指差します。
ミルザくん「す、すいません・・・ちょいといい夢見てまして・・・いい夢・・・いい夢・・・うへへ」
オイゲンくん「おい、妄想の世界に浸るな!・・・ったく、先が思いやられるぜ。」
イフリート先生「・・・まったくだな。」
先生は小さく笑いました。
オイゲンくん「さて、そろそろ行くか!・・先生、カムフラージュを。」
イフリート先生「わかった。」
先生は昼間と同じように二人に、続いて自らにカムフラージュをかけました。
イフリート先生「お互いの姿を見失うなよ。」
オイゲンくん「大丈夫ですって。」
ミルザくん「・・・さるーいんちゅわぁん・・・・・・うひひひ」
オイゲンくん「で、お前はいつまで妄想に浸ってるんだ!」
ミルザくん「うぎゃっ!」
ゴチン、とオイゲンくんのげんこつが正確にミルザくんの頭にヒットしました。
オイゲンくん「・・・ちゃんと見えている。よしよし。」

オイゲンくん「さぁ、行きましょう、ミルザ!先生!」
イフリート先生「ああ。」
ミルザくん「よし、行こう!」

三人は駆け出しました。
87ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:27:52 ID:???
【コンスタンツ(が捕らえられている洞窟)内部】

三人は洞窟内部へたどり着きました。
少し進んだ所の広い通路に、魔族、虫系、一部の夜行性の獣系のモンスターなどが徘徊しています。
イフリート先生(いいか、聴覚感知のモンスターもいる分、足音を立てないように注意するんだ。
         私達の存在が敵に知れてしまえば、コンスタンツの命はないぞ。)
ミルザくん(はい。)
地面を踏みにじっていくように、ゆっくり、慎重に足を運んでいきます。
敵の目と耳を盗んで進んでいく事に馴れていないミルザくんとオイゲンくんは、今までに味わった事の無い緊張とじれったさを感じていました。
獣達の飢えた呼吸と虫達の小うるさい羽音も、彼らの耳にはほとんど入っていきません。
聞こえるのは自らの呼吸の音と心音のみ。
その音すらにも注意を払いながら、三人は進んでゆきます。


何十分経ったでしょう。果てしない緊張の末に、三人はモンスター達の姿が見えない狭い通路へとたどり着きました。
ミルザくん「はぁ、はぁ・・・疲れた・・・」
たまったものを吐き出すように言いました。
オイゲンくん「モンスターはあそこに集中していたみたいだな。
        ここではモンスターの姿も見えないし気配も感じない・・・はぁ、マジ疲れた。」
たまっていた息を一気にふきだすと同時に、岩壁にもたれかかりました。
急速に疲労と緊張が抜けていきます。
イフリート先生「よくやったぞお前達。だがまだこれで終わったわけではないぞ・・・」
オイゲンくん「わかってますって。」
オイゲンくんは岩壁を離れました。
オイゲンくん「夜が明けるまでにすべて終わらさなきゃいけないもんな。急がねえと。」
ミルザくん「そうだね。よし、いこう!」
三人は再び足を進めました。
88ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:28:51 ID:???
それから、一向は岐路へとたどり着きました。
細い通路が二手に分かれています。
ミルザくん「・・・分かれ道だね。どうしよう?」
オイゲンくん「チッ、不親切な洞窟だな・・・時間もないし、ここは二手に分かれていくしかないな。」
ミルザくん「こっちは三人だよ。」
イフリート先生「・・・・・・」
イフリート先生「では、私が一人で行こう。」
ミルザくん「えっ、先生が?・・・一人で大丈夫なんですか?」
イフリート先生「無論だ。私を誰だと思っている。・・・心配には及ばん、私は行くからお前らも早く行け。」
ミルザくん「は、はい・・・」
先生はそのままさっさと行ってしまいました。

オイゲンくん「・・・俺たちもいくぞ、ミルザ。」
ミルザくん「う、うん。」
二人も、もう片方の道を行きました。
89ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:30:40 ID:???
それから数分後。

【コンスタンツ最深部】

「眠れん・・・」

ストライフちゃんはごろりと寝返りをうちました。
ストライフちゃん「まさか場所と寝具が変わっただけでこうも眠れんものだとは。・・・なぁ、ヘイト。」
寝袋ごとヘイトちゃんの方向を向きます。
ヘイトちゃん「そうねェ・・・でも我慢、我慢よォ、スットライフちゃん。」
ストライフちゃん「わかってるけど・・・そもそもなんで私達がここにいなければならんのだ?取引くらいこいつらに任せておけばいいじゃないか。」
後方で直立不動のまま動かないオーガを指差しながらストライフちゃんは言いました。
ヘイトちゃん「何言ってんの!;!こんな頭悪そうで雑魚そうな豚に任せられるわけないじゃなァい!!!★f☆★
        取引なんか成立せずに相手のヒトにぶちのめされてコンスタンツ奪還されてそれでお終いよォ。。」
ストライフちゃん「じゃあ、せめて寝るときくらい寮に帰っても」
ヘイトちゃん「ダメに決まってるでしょォォォォ!!б☆□@!!
        こんなとこにコンスタンツおいといて帰ったら、あの豚オーガがなにするか分かんないじゃない!!◎」
傍らに倒れているコンスタンツと、直立不動のまま動かないオーガを見比べながら言いました。
ストライフちゃん「じゃ、じゃあ、コンスタンツも寮に連れ帰って・・・」
ヘイトちゃん「バカ!!寝てる女運んでるトコなんて見られたら怪しまれるに決まってるでしょ!!★ 大体重いしイヤだわ。」
        どうしたのストッライフちゃァん。さっきから頭悪いわよォう。もちっと考えなさァい。。。」
ストライフちゃん「そ、そうだな。すまん、うまく頭が回らなくて・・・(へ、ヘイトにバカっていわれた・・・)」
ヘイトちゃん「ったく・・・誘拐も楽じゃないわねェ。・・・なぁ、オーガ!!」
八つ当たり気味にオーガに話を振ります。
オーガ「・・・バウ?」
ヘイトちゃん「バウて!変な鳴き声!!ω」
オーガ「・・・ヒヒーン」
ヘイトちゃん「こ、こいつ瞬時に鳴き声変えやがった!Φ! ウザッ!!!@%⇔」
オーガ「あ、すんません。自分オーガなもんで。」
ヘイトちゃん「しゃべれるのかいっ!!★☆氏煤浴I!!」
オーガ「簡単な熟語の組み合わせ程度なら、なんとか。へへ」
ヘイトちゃん「しらねーよ!!!Pwh●」
ストライフちゃん「眠れねーよ!!静かにしろ二匹とも!!」
ストライフちゃんの怒号が飛びました。
ヘイトちゃん「!?(”匹”でくくられた!?)」
オーガ「!?(”匹”でくくられた!?)」
ストライフちゃん「ったく・・・静かにしてくれよな。寝るのが遅くなればなるほど肌の調子が悪くなって明日困るんだ。」
ヘイトちゃん「え?ストライフちゃん肌の調子とか気にしてんの??へェ〜ラロロ意外ィ〜〜」
ストライフちゃん「当たり前じゃ!!!」

「ふぅん、ずいぶんカワイイ誘拐犯じゃないか。」
90ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:32:27 ID:???
ヘイトちゃん・ストライフちゃん「え!?」
突然、部屋の中に聞き覚えの無い声が響き渡りました。
空耳と疑う事はありえないほどに大きく、確かな声で。
ストライフちゃん「誰だ!!」  ヘイトちゃん「何事ォ!?」
二人は急いで寝袋を外し、飛び起きました。
辺りを見回します。誰もいません。外と部屋の間を遮断する扉もかたく閉じたままです。
???「誰がこんな結果を予想したか・・・どうやら私の心配も取り越し苦労だったようだ。」
間違いなく部屋の中から聞こえるその声。
ストライフちゃん
「コソコソ隠れてないで出て来い!!」
声を張り上げます。
???「私は隠れてなんかいないよ。君たちの目の前にいる。」
ストライフちゃん「・・・!?」
声はかなり近づいていました。いやがおうにも恐怖を感じざるをえません。
???「もうそろそろ切れる頃だろう・・・目をこらして前を見てみなさい。」
二人は困惑しながらも前を見つめていました。
確かに、なにか人の体のようなものが少し浮き上がっているようにも見えます。
次第にそれは更に濃度を増していき、誰の目にも明らかに人の形を浮き上がらせていきました。
???「どうだ?見えてきただろう。」
男は言いました。
ストライフちゃん「!!?」
ヘイトちゃん「これは・・・カムフラージュ・・・!アンタ、侵入者ねェ!どうやって入ってきたのよ。鍵は閉めてあるはずよォ!!Γ」
???「そんなこと、どうでもいいではないか。私は騎士団の使者。ともかく、コンスタンツを返してもらおう。」
男はさらりと言いました。
ヘイトちゃん「あら、そう来るってワケ。オーガ、やっちゃいなさァいい!!☆a■δ!!」
オーガ「・・・あー?」
ヘイトちゃん「・・・だァからやっちゃいなさいってんのよォう!!†★☆!!」
オーガ「・・・あー・・・」
ヘイトちゃん「なんでそんなにヤル気ないの!?アラ反抗期!?」
オーガ「・・・あー。」
オーガはやる気なく腕を振り上げて男に襲い掛かりました。
???「・・・身の程知らずめが。」
男は腕に力を込めました。筋肉がボコリと隆起します。

グバアッ

男の渾身の一撃により、オーガは吹き飛びました。
壁に激突し、そのままうつ伏せに倒れます。
ピクピクと一、二度痙攣し、そして動かなくなりました。
ストライフちゃん「!?」
ヘイトちゃん「!?」
予想外の出来事に慄く二人。
男はニヤリと笑いました。
ストライフちゃん「おまえ・・・やるな。オーガを一撃で・・・何者?」
男を睨みつけます。
イフリート先生「私の名はイフリート。ふふ、騎士団寮の一体育教師さ。」
91ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:33:50 ID:???
【コンスタンツ深部】

ミルザくん「先生、だいじょうぶかな・・・」
オイゲンくん「だいじょうぶさ。あの先生ならきっと・・・いや、う〜ん?」
ミルザくん「・・・だ、だいじょうぶかな。」
オイゲンくん「・・・心配だな。」

二人は依然音を立てないように洞窟の深部へと進んでいました。
この道の最深部であろう小部屋のような場所へ二人はたどり着き、そして言葉を失いました。
ミルザくん(これは・・・)
オイゲンくん(こんなトコにモンスターが、しかもこんなに沢山・・・)
その部屋には、様々な種族、種類のモンスターが無数に存在し、巨大な群れを作っているのです。
本来群れを成さないようなモンスターも、そこにはいました。
ただ二人にとって好都合なのは、みな眠りに落ちているという事です。
オイゲンくん(なんかすげぇモノ見た気分だぜ・・・ともかく、こっちにゃコンスタンツはいないみたいだ。どうやらここで行き止まりだ。)
ミルザくん(みたいだね。)
道はこの小部屋で終わってるみたいで、そしてコンスタンツの姿もどこにも確認できませんでした。
オイゲンくん(となると、イフリート先生の行った方の道に・・・おそらくコンスタンツが。)
ミルザくん(多分そうだね。じゃ、引き返そうか。)

ピチャ

!?

水がはじける音。静寂の中に唯一つ響きます。
ミルザくん(しまっ・・・!!)
オイゲンくん(ちょっ・・・・・おまっ・・・・・!!)
油断から、ミルザくんは床の水溜りを勢いよく踏みつけ、音を立ててしまったのです。

「キィィイィぃーーーーーーーー!!!」

ミルザくん・オイゲンくん「!!!!」
一匹の虫型モンスターが、金切り声を上げました!
その先の展開は、二人には容易に予想できました。

無数のモンスター達が一斉にビクリと起き上がります。
無数×2の眼光が二人を睨みつけます。
飢えた吐息が響き渡ります。
92ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:34:40 ID:???
オイゲンくん「オイ、やばいぜミルザ。絶体絶命だ」
ミルザくん「う、うん。そうだね」

二人は既に分かっていました。逃げ場が無い事も、そしてもうカムフラージュが解け、自分達の姿が露になっている事も。
オイゲンくん「やるしかねぇ」
オイゲンくんは打槍、ウコムの鉾を取り出し構えました。
キッとモンスター達を見据えます。
ミルザくん「いや、その必要は無いよ、オイゲン!」
オイゲンくん「なんだって?」
ミルザくん「一か八かだけど・・」
幻のアメジストを取り出しました。
オイゲンくん「! そうか!」
オイゲンくんはウコムの鉾をしまい、後ろに下がりました。
幻のアメジストを片手に、術の構えをとるミルザくん。
ミルザくん「術なんてほとんど使った事無いけど・・・糸石の力ならどうにかなるはず・・・!」

ミルザくん「睡夢術!!」

強力な煙がモンスター達を覆いました。
煙を浴びたモンスター達は、一匹、また一匹と崩れ眠りに落ちていきます。
やがてモンスター達は一匹残らず眠りに落ちました。


まるで先程の騒ぎは無かったかのように辺りに再び静寂が舞い戻ります。
ミルザくんはたまらずガッツポーズをあげました。
ミルザくん(はぁ、はぁ・・・やった!)
オイゲンくん(やったな、ミルザ!だいじょうぶか?)
ミルザくん(だいじょうぶ、ただ、糸石の力といえど、あんな強力な術は・・・ちと体に、悪い、ね・・・もう早くも、くたくた、だよ。)
吐息を乱しながら切れ切れに喋ります。
オイゲンくん(もうあんま喋る。俺たちの目的はこれで達成されたわけじゃないぞ。喋らずにきっちり体力を戻しておけ。)
ミルザくん(うん・・・)
オイゲンくん(とんだ無駄足をくらっちまったが・・・さぁ、いくぞ!)

二人は、来た道を引き返し始めました。
93ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:37:02 ID:???
【コンスタンツ最深部】
閉塞された部屋の中で、ヘイトちゃんとストライフちゃん、そしてイフリート先生が対峙していました。
ヘイトちゃん「わざわざこんな所まで来ちゃって、ご苦労なこって。
        でも残念。そこから一歩でも動いたら、コンスタンツの命はないかもよォ?」
イフリート先生「へぇ。」
躊躇わずに先生は一歩踏み出しました。
ヘイトちゃん「ちょ、ちょっと!そんな軽々しく動いちゃっていいのォ!?アンタ、教師でしょ!?生徒の命第一じゃ・・・」
イフリート先生「やれるものならやってみなさい。」
挑発するように言います。
ヘイトちゃん「・・・!よくもそんな事が言えたものね!」
ヘイトちゃんは後方で倒れているコンスタンツの方へと、一歩足を踏み出しました。
その瞬間、突然地中から何かが現れ、ヘイトちゃんの進路をふさぎました。
ヘイトちゃん「ちょ、な、なにコレ!・・・アースハンド!?」
うろたえるヘイトちゃん。
間もなくコンスタンツの隣にもう一つアースハンドが出現しました。
手は自らの意思を持っているようにコンスタンツを掴むと、イフリート先生の方へ向かってぽいと投げました。
先生はコンスタンツを受け止め、またニヤリと笑いました。 
イフリート先生「さて、コンスタンツは返してもらったぞ。さぁ、あとはお仕置きの時間だな。」
先生はコンスタンツを部屋の隅へ置くと、ヘイトちゃんの方へ向き直りました。
ヘイトちゃん「・・クッソ!」
ヘイトちゃんは闇の球を作り出し、二本のアースハンドを破壊しました。
イフリート先生の方へ向き直り、キッと睨みつけます。
ヘイトちゃん「アンタなんかに邪魔されるわけにはいかないのよォう!!」
ヘイトちゃんは再び闇球を作り出すと、イフリート先生に向けて放出しました。
先生も同じ程度の大きさの火球を作り出し、闇球にぶつけ相殺します。
ヘイトちゃん「くっ・・」
イフリート先生「まだまだ甘い。」
ジリと一歩踏み出し、距離を縮めます。
ストライフちゃん「次は私の番だ!くらえ!!」
魔力が漲っていきます。魔力は炎へと形を変え、更に炎は巨大な鳥へと形を変えました。
イフリート先生「ほう、火の鳥じゃないか。」
感心するイフリート先生へ、火の鳥の巻き起こした無数の火の玉がおそいかかります。
部屋中が震え、紅く染まりました。

ストライフちゃん「はぁ、はぁ・・・やったか?」
ヘイトちゃん「オォーー、ナイス、ストライフちゅわァん!!★☆」
ストライフちゃん「死なない程度に威力は絞っておいたはずだ・・・だがそれでも少々手荒すぎたか。」
イフリート先生「いや、そうでもなかったぞ。」
ストライフちゃん・ヘイトちゃん「!?」
先生は二人の目の前にいました。
全くの無傷。ダメージを負った気配は微塵もありません。
ストライフちゃん「なっ、なぜ・・・」
イフリート先生「まだまだお前のは火遊びレベルだ。」
先生の拳が、ストライフちゃんの顔面を捉えました。
先程のオーガのように、ストライフちゃんも吹き飛び、壁に激突し、そして倒れました。
イフリート先生「・・・だが、センスはある。寮に帰って大人しく勉強し直す事だ。」
手をパンパンと払い、ゆっくりとヘイトちゃんの方に向き直ります。
ヘイトちゃん「・・・・・・!!」
94ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:37:43 ID:???
ヘイトちゃん「アンタ・・・セルフバーニングを使っているんでしょう。」
イフリート先生「ほう、ご名答。」
ヘイトちゃん「セルフバーニングではなければ無傷でいれるわけがないもの!・・・卑怯な奴ねェ・・・!」
イフリート先生「私達はなにも試合をしているわけではないだろう、これは闘いだ。
         闘いに卑怯などという言葉は無いだろう。」
ヘイトちゃん「んな事誰も聞いてないわよゥ!!・・・いいわ、このヘェイトちゃぁんがアンタを倒したげるわァ!!」
イフリート先生「どれ、やってみなさい。」
ヘイトちゃんは後ずさり距離をとると、術の構えを取り魔力を漲らせました。
ヘイトちゃん「アタシのとっておきをみせたげる!!★ いけっ、ダークネビュ・・・」

パァン

ヘイトちゃん「あびゃっ!?」
ヘイトちゃんは尻餅をつきました。
ヘイトちゃんは困窮していました。何が起こったのかよく分からないようです。
イフリート先生「無防備に大技を使おうとするなど、愚の骨頂。そら、今のように小さい技でショックを受け、術は不発に終わり更に隙もさらけ出してしまう。」
先生は、ヘイトちゃんを見下す形で手から紫色の電球を発し、放ちました。
目にも留まらぬ速さで電球はヘイトちゃんに達し、強力なボディブローを食らわせました。
ヘイトちゃん「ぎゃんっ!!」
呻きながらゴロゴロ転がるヘイトちゃん。
イフリート先生「大技はこういう時に使うものだ。」
紫色の魔力が広がり、漲っていきます。
ヘイトちゃんの顔が凍りつきました。

イフリート先生「ダークライトウェブ!!」

凄まじい音と共に幾重もの魔力の網がヘイトちゃんを掴み、弾けていきます。
数秒後術が終わった時には、ヘイトちゃんは地に伏していました。
95ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:39:38 ID:???
イフリート先生「これで終わったな」
先生は倒れているヘイトちゃんを見やりました。
イフリート先生「・・・死んではいないな。」
先生はヘイトちゃんを持ち上げると、部屋の隅に置きました。
次にストライフちゃんをチラリと見やります。
イフリート先生「・・・こちらも死んではいない・・・」
呟いた後、先生はドアの前へ行き、鍵をカチリと開けました。
そして、部屋の中心にドカリと座り、胡坐をかきます。
イフリート先生「あとは・・・」
先生は怪しく、小さく含み笑いを浮かべました。


そしてそれから数分後。


静かにドアが開きました。
ドアを開けた人物は、中の様子を見て驚きました。

ミルザくん・オイゲンくん「イフリート先生!?」
96ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:40:32 ID:???
イフリート先生「お前達。遅いではないか。この通り、誘拐犯は倒してコンスタンツは助けたぞ。」
先生は満足げに笑いました。
オイゲン先生「まさか先生がもうやっちゃってるなんてな。」
ミルザくん「さすが先生!これで一件落着ですね・・・」
ミルザくんは何気なく部屋を見回して、そしてまた言葉を失いました。
その視線が、倒れている一人の女の子に止まります。
イフリート先生「どうした?」
オイゲンくん「なにやってんだよ。」
ミルザくん「あの子・・・もしかして・・・」
ミルザくんは女の子に近寄り、顔を覗き込みました。
その瞬間ミルザくんはハッと顔を強張らせました。
ミルザくん「この子・・・やっぱり、ストライフちゃんだ・・・!」
オイゲンくん「なんだって!?」
ミルザくんと倒れているストライフちゃんの元に駆け寄るオイゲン。
オイゲンくんもその顔を覗き込みます。
オイゲンくん「ス、ストライフだ・・・」
オイゲンくんは息をのみました。
イフリート先生「なんだ、知り合いなのか?」
ミルザくん「知り合いどころか・・・一緒に協力して戦った事もある・・・友達です。・・・先生、この娘が、ストライフちゃんがコンスタンツの誘拐犯だったんですか?」
イフリート先生「そうだ。」
ミルザくん「そんな・・・」
信じられませんでした。
イフリート先生「そいつだけではないぞ、もう一人いるだろう、そっちに。」
先生は倒れているヘイトちゃんに向かって指を差しました。
そちらに視線を移すミルザくんとオイゲンくん。再びミルザくんは驚愕しました。
ミルザくん「あ、あの娘は・・・ヘイトちゃん!」
イフリート先生「あいつとも知り合いなのか?」
オイゲンくん「・・・あの娘とはいつどこで会ったんだ?」
ミルザくん「まえ、ワロン寮で会って、一緒にゲッコ族を解放させたんだ・・・
       二人とも誘拐なんてやるような娘じゃないのに・・・なぜ・・・?」
目の前の事実と過去の差がミルザくんを混乱させます。
信じるしかないはずなのにミルザくんは信じる事が出来ませんでした。
イフリート先生「人間なぞそのような物だ。人はかならず何かを偽り生きていく。
         それが何かは他人が知る事はできない。それを知っているのは己だけ・・・何物にもどうしようなく裏は存在するのだ。」
ミルザくん「そんな・・・」
イフリート先生「それよりミルザ、オイゲン。もう片手の道には何があった?」
オイゲンくん「ああ、あっちには・・・」
オイゲンくんが答えます。
オイゲンくん「特に何もありませんでした。モンスターが沢山いたけど全員寝てたようで・・・
        種族問わず幾数十ものモンスターが集団で纏まって寝ていました。」
イフリート先生「へぇ?」
先生は少し関心を持ったようでした。
イフリート先生「種族問わず、か。普通モンスターは決まった種族でそれぞれ縄張りを張り纏まるものだが・・・
          まぁ、そんな事はどうでもよい。それよりも・・・」
先生は立ち上がりました。

イフリート先生「糸石は無事か?」
97ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:41:57 ID:???
ミルザ「え、ええ。」
ゴソゴソと懐をあさり、三つの糸石を取り出し先生に見せます。

妖艶な紫の輝きを放つ『幻のアメジスト』。
鮮麗な蒼の輝きを放つ『水のアクアマリン』。
深淵の闇の輝きを放つ『闇のブラックダイア』。

三つもの糸石。
イフリート先生「・・・」
イフリート先生(伝説、おとぎ話の作った産物でしかないと噂され、その噂、おとぎ話でさえも知らない人間が大半を占める。
         糸石の存在を知る人間は少ない。その中で糸石を手に入れようとする人間はごく一部。
         その中のほとんどは諦めていき、ごく一部の中の一部の中の人間も糸石を手に入れることなく金庫番に屈し倒れてゆく。
         ごく一部の中の一部の中の一部の中の選ばれし人間。一握りなんてものでは済まされない。神に愛されし領域までに踏み込む人間。
         そんな者がいま間違いなくこの私の目の前にいる。我が教え子、ミルザ、オイゲン。・・・そして糸石も・・・)

・・・私は

ミルザ「せ、先生、どうしたんですか?さっきから下向いてだんまりで。」
先生の顔を覗き込みます。
先生が顔を上げます。
イフリート先生「その・・・糸石を、手にとってゆっくり見ていいか?」
ミルザ「あ、はい、いいですけど。」
オイゲン「?」
先生は手を伸ばし三つの糸石を掴みました。

イフリート先生「・・・ありがとう。」

オイゲンくん(・・・・・・?)
口に出すほどの物ではなく考え込むようなものでもなく、ただ一抹の違和感を感じ取ります。
イフリート先生「・・・さて。」
先生は少し二人と距離を置くように後ずさりました。
ミルザくん「先生?」
先生の顔は少し微笑んでいるようでした。

・・・私は――何と運がいいのだ。





イフリート先生「お別れだ」





巨大な真紅の鳥が舞っていました。
98ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 00:47:06 ID:???
まだ続き書いてます。
明日中にはぜんぶ投下します!できるはずです。
切れ方が中途半端ですが、お待ち下さい…ガンバルカラorz
99ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 05:54:27 ID:???
乙!またイイところで切ったなぁ。
続きを楽しみにしてますよ。無理せず頑張ってくださいな。
100ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 09:01:58 ID:???
乙。
イフ先生の格好良さが増すにつれて燃えてきた。
ラストは脳内で believing my justice が始まってたよ。



そして蹂躙されるヘイトちゃん(*´д`)ハァハァ
101ゲーム好き名無しさん:2005/12/24(土) 10:23:06 ID:???
乙!
年賀状書きながら続きを待つよ。
102ゲーム好き名無しさん:2005/12/26(月) 14:40:05 ID:???
保守ってみるぜ。続きがたのしみだ
103ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:33:18 ID:???
やっと全部投下できます。
お待たせしてすいませんでした。
104ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:37:41 ID:???
イフリート先生「・・・・・ふむ。」

砂埃が晴れてゆきます。
視界が露になってきました。
「・・・オイオイ」
伏せていたオイゲンとミルザが立ち上がります。
オイゲンくん「突然なんなんスか?・・・ちょい洒落になってませんよ、今の威力は。」
砂埃を払いながら言います。
イフリート先生「洒落のつもりは無かったがな。」
オイゲンくん「・・・じゃ今のは・・・今の火の鳥は・・・・・何だったんスか?
        ・・・殺す気だった、とでも?」

イフリート先生「そうだ。」

落ち着き払った口調で言う先生。
ミルザくん「ちょっ、」
前に出ながら言います。
ミルザくん「訳が分かりませんよ、一体どうしたんですか、先生?」
ミルザくんの顔は困窮に満ちています。
イフリート先生「・・・フー」
イフリート先生「なあに、簡単な事だよ。お前達が邪魔だからだ。
         だから、殺そうとした。それだけの事さ。」
サラリと言ってのけます。
ミルザくんは唖然とし、オイゲンくんは顔を顰めます。
オイゲンくん「・・・ハァ?意味わかんねーよ!・・・邪魔?そりゃどういう事だ!!」
オイゲンくんは先生に掴みかかる様にして言いました。
先生は呆れた顔をし、言いました。
イフリート先生「やれやれ、では簡潔に述べるぞ。」
105ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:39:16 ID:???
イフリート先生「私は糸石、火のルビーを手中にするため騎士団寮の教師としてここに忍び込んだ。
         火のルビーを手にするための日々を過ごす中、お前達のもつ糸石の存在を知った。
         お前達の持つ糸石を手にし、この『イフリート先生』の皮を依然被ったまま騎士団寮に戻るには、
         お前達をここで殺してしまうしかない、そう考えた。そういう事だ。」

ミルザくんとオイゲンくんは、何もいう事が出来ませんでした。
先生の言う事が理解できないのか、いや、あるいは理解しようとしたくないのか、ともかく二人は硬直したまま何か考える事も出来なくなっていました。
イフリート先生「そしてもう一つ」
イフリート先生「死に行くお前達にすべてを教えてあげよう。」

イフリート先生「イナーシーに存在する魔の島。そこには、知能を持つモンスター達で構成された糸石を狙う一種の組織のようなものが存在する。
         そのモンスター達を統率するボス、『マスター』。そして『マスター』の側近である『将魔』と呼ばれる六匹のモンスター。」

イフリート先生「・・・そして、私はその『将魔』の一員なのだ。」

ミルザくん「!!」
オイゲンくん「!!」


イフリート先生「改めて名を名乗ろう、ミルザ。オイゲン。」


二人の脳裏に、ある日の記憶が蘇ってきます。


”みんな、よろしく!!おはよう!!!私の名はイフリート!!イフリート先生と呼んでくれぃ!!!
 筋肉一番、牛乳最高、好きな言葉は『血と汗と涙を流せ』!!!みんなもこれから私と一緒に血と汗と涙を流して飲んで吐いて捨てて頑張っていこう!!!!”
”血は流したくありません”




イフリート「私は六将魔が一人、『反逆者』・イフリートだ!!」



106ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:41:18 ID:???
ミルザくん「・・・そんな」
オイゲン「!」
イフリート先生「?」
ミルザくん「何を言っているんですか、先生!先生は糸石を狙う組織から派遣されたモンスターだっていうんですか。
       でも・・・先生は人間じゃないですか!!先生は誰かに操られて変な事を言っているだけです!!」
先生を指差しながら、訴えるように言いました。
確かに、そのイフリート先生の姿は、一般的にモンスターと呼ばれるものとは程遠い、人間の姿なのです。
オイゲンくん「そうだぜ。まさかアンタが・・・先生がモンスターだなんてありえない!何考えてんだ!」
イフリート先生「・・・フー」
ため息をつきます。
イフリート先生「では、このような窮屈な姿をしている意味も無いワケだ。
         百聞は一見にしかず。そうだ、これは私の一番の教育方針でもある。
         ・・・見せてやろう、お前達に・・・真実を。」
先生は術の構えを取りました。
ミルザくん(・・・そんな・・・まさか、まさか・・・)
言い得も知れぬ不安のような感情が襲い掛かります。


イフリート先生「  人化解除!  」


目を覆うような閃光が先生を包みました。
数秒後、先生を覆う閃光の箱が晴れた時、そこにはイフリート先生は存在しませんでした。
107ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:44:03 ID:???
イフリート「みよ、この羽を。」
背に生える蒼く透き通った小さい羽。
イフリート「みよ、この尾を。」
長く細く美しい尾
イフリート「見よ、この体を。」
燃え盛るような赤の体、恐ろしいほどの筋肉。
内から無限に湧き上がらんとする火炎を押さえつけるかのように取り付けられた鉄仮面、その下から覗く、殺気に満ちた目。


それは、紛れも無くモンスター・イフリートの姿でした。


ミルザくん「そん、な・・・」
オイゲンくん「嘘だろ・・・」
目の前の現実にただ驚く二人。
イフリート「とりあえず・・糸石は安全なところに閉まっておくとするか。」
イフリートは三つの糸石を片手に持つと、そのまま糸石を持った手を胸に叩きつけました。
手を離すと、そこには青と紫と黒の光が浮き上がっていました。
イフリート「ちょっとやそっとでは取り返せぬぞ。そう、私を倒さぬ限り・・・・」
ミルザくん「・・・・・・!」
オイゲンくん「・・・・・!」
二人を嘲るように、イフリートはすこし目を細めて言います。
イフリート「さて・・・この姿になった私は、『イフリート先生』であった時の様に気は長くは無いぞ。」
一歩踏み出します。

イフリート「この姿になったのはもういつぶりだろうか・・・ともかく私がこの姿になったからにはお前達が生きて帰るのはもう不可能だ。」
ミルザくん「・・・」

イフリート「さぁ、ゆくぞ!」

ガキィン!!

ミルザくん「!!」
イフリートの拳とミルザくんの剣が交わります。

イフリート「いい反応じゃあないか。」
ミルザくん「・・・・・先生・・・!」
108ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:47:25 ID:???
先生の拳が、爪が、ミルザくんめがけて振り下ろされます。
ミルザくんは打ち返すわけでもなく、ただ一つ一つ受け止めていきます。
けたたましい音が響き渡ります。
イフリート「さぁ、どうした!?受けるだけでは戦闘は進まんぞ。打ち返してみろ!反撃してみろ!!」
あざ笑うかのように言うイフリート。
ミルザくん「そんな・・・」
ガァン
ミルザくんの一撃が、イフリートの手を弾き返しました。
イフリートに、完全な隙が生じます。
イフリート「ほう」
ミルザくん「・・・、先生・・・っ!」
歯を食いしばり、剣を振り上げます。
ミルザくんの剣撃が、イフリートの頭めがけて振り下ろされます!

イフリート「・・・どうした。」
ミルザくん「・・・・・!」
ミルザくんの剣は、イフリートの頭上で止まっていました。
イフリート「どうした。そのまま攻撃しないのか。」
ミルザ「・・・・・僕は、僕は」

「先生に攻撃することなんてできません!!」

オイゲンくん「・・・・・!」
イフリート「・・・・・馬鹿が!」
ガキン!
レフトハンドソードがイフリートの平手打ちにより吹き飛ばされます。
イフリート「なんと勿体無い。実力は恐らくは騎士団随一。ハインリヒやテオドールにもひけをとらないというのに・・・」
腕を大きく振りかぶります。
イフリート「致命的な部分が欠けている。そう、騎士としての・・・」
手の平に、魔力と炎が集約していきます。
ミルザくん「先生・・・先生!」
イフリート「最早―――」

イフリート「救い難い。」

ミルザくん「――あ、がっ!!」
炎が纏われた掌が、ミルザくんの顔面に思い切り叩きつけられました。
衝撃で吹き飛び、壁に激突し、そして・・・力なく崩れ落ちました。
オイゲンくん「ミルザ!」
オイゲンくんはすぐに飛び掛り、ウコムの鉾をイフリートに向かって振り下ろしました。
イフリートは咄嗟に炎の手で打槍の一撃を受け止めました。
ぎろりとオイゲンくんの方向へ向き直るイフリート。

イフリート「ようこそ、オイゲン。次にああなるのはお前だぞ?」
鉄仮面の下の目がギラリと光ります。
オイゲンくん「望むところだ。俺だって・・・やってやるさ。」
109ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:49:33 ID:???
オイゲンくん(ミルザの馬鹿野郎・・・こいつは敵だって言うのに、何を躊躇っていたんだ!
        そうだ、イフリート先生は・・・イフリートはもう完全なる俺達の敵なんだ。容赦してはいけない・・・!)
イフリートめがけ、積極的にウコムの鉾を叩き降ろし、突き出します。
ミルザくんの時とは逆に、今度はイフリートが防戦を喫していました。
イフリート「ふむふむ、オイゲンよ、お前はなかなかいいぞ。ミルザとは違い躊躇わずに攻撃を仕掛ける。」
オイゲン「アンタは敵だからな。いくら元先生だとしてもよ・・・親友をやられて容赦するわけにゃいかねぇんだよ!」
槍に捻りを加えながら、一層勢いよく突き出します。
イフリートは横に飛び移るようにして一撃を避け、そのまま流れるように術の構えをとりました。
イフリート「これはどうかな?ハッ!」
掛け声と共に、オイゲンくんの四方に巨大な岩石が出現しました。
そのままオイゲンくんに向かって吸い込まれるように岩石が飛んできます。
オイゲンくん「チッ」
地面を蹴り、瞬発力を総動員し、石の隙間から外へ抜け出します。
岩石が当たり砕け散る音を背後に、オイゲンくんは再びイフリートに向かい突きかかりました!
イフリート「まだまだゆくぞ。」
イフリートの体の周りを走る炎から無数の隆起ができあがりました。
そのまま隆起は火球となり、オイゲンくんに襲い掛かります。
オイゲンくん(随分どでかい火球だ!しかも・・・こんなに大量に・・・一々相殺していられない・・・!)
火と火の隙間を正確に、素早く避けていきます。
しかし、火球は尽きる事なく延々とイフリートの体から生まれ、放たれ続きます。
イフリート「どうした?オイゲンよ。避け続けているだけでは体力を消耗するだけで戦いは進まぬぞ?」
嘲るように言ってきます。
オイゲンくんはニヤリと笑いました。
オイゲンくん「バッカだなぁ先生は。俺が何の策も持っていないと思ってるのか?」
イフリート「なんだと?」
オイゲンくん「打つ手はとっておくものさ!」
オイゲンくんは懐から、水色の球体を取り出しました。
そのまま、火球の隙間から見えるイフリートに狙いを定め、一瞬のうちに投げつけました!

パリン

球体は弾け、中から多量の水がこぼれ出ました。
こぼれ出た水はすべてイフリートにかかり、火球を生み出す炎は煙を立てて消え去りました。
イフリート「ほう、これはなかなか奇怪な戦法だな。・・・だが、これしきの隙を作ったところでどうする!」
力を全身に集中します。ふたたび炎が沸きあがろうとします。
オイゲンくん「ここからだぜ!」
イフリート「なに?・・・なんだ、それは!」
オイゲンくんの持つ打槍、ウコムの鉾の先端に、莫大なエネルギーが集中していました!
力が蓄積されていくと共に、空間が細かく振るえます。
オイゲンくん「これはキッツイぜ・・・俺も・・・アンタも!」
歯を食いしばり、重いきり踏ん張り、そして・・・


オイゲンくん「神雷!!」


強烈な閃光と轟音が、部屋中を埋め尽くし、飲み込みました。
110ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:53:09 ID:???
轟音がやみ、光が消えていきます。
オイゲンくんは肩から息をしながら、前を見ていました。

オイゲンくん「マジ・・かよ・・・」

その声は、若干震えていました。

「なかなか効いたぞ、オイゲン。まさかこのような技を隠していたとは・・・」

男は、イフリートは変わらずそこに立っていました。
その鉄仮面は雷熱により黒く焦げ、羽は千切れ、彼の全身からは夥しい量の煙が立ち上っています。
それでもなお、イフリートは立っていました。
イフリートは余裕を残した声で、静かに言いました。
イフリート「だが、残念だったな・・・私は耐久力には自信があってね。どんな技でも一発で倒れる事はありえないんだよ。」
オイゲンくんへ、一歩づつ近づいてきます。
オイゲンくん「ぐっ・・・クソが!」
大きく捻りを加えた強烈な突きを繰り出します。
しかし、イフリートへの一撃は届くことなく強烈な平手打ちにより、弾き飛ばされてしまいます。
弾き飛ばされたウコムの鉾は、グルグルと回転し勢いよく壁に突き刺さりました。
オイゲン「ちぃっ・・・・・!」
武器を失い、うろたえるオイゲンくん。
イフリートが近づいてきます。
イフリート「これですべて終わりだ!」
足を炎に変え、目にも留まらぬ速さでオイゲンくんの目の前にまで飛び込みました。
イフリートはそのまま、ミルザくんを倒したときと同じように、掌に炎を集約させました。
オイゲンくん「・・・!」
硬直するオイゲンくん。
避ける暇はありませんでした。

ゴバァ!!

オイゲンくんも、ミルザくんと同じように吹き飛び、壁に激突し・・そしてうなだれ動かなくなりました。


途端に沈黙が訪れます。
イフリート「・・・・・・」
部屋の隅に倒れる、五人もの人間。
ただ一人だけ立っているイフリート。
イフリート「・・・終わった。」
イフリートはそのまま余韻に浸るように、目を瞑りました。

「せん・・・せい・・・・・・・・・・・せん・・・」

イフリート「!!?」
隙間風のように掠れた小さい声がどこからか聞こえます。
イフリートは声の元の方向に素早く向き直りました。
そこには、倒れたまま目を開けてこちらを向いているミルザくんだけがいました。
111ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:57:29 ID:???
イフリート「・・・まだ生きていたのか。」
ミルザくんの頭の上から言います。
イフリート「残念だがお前達には死んでもらわなければいけないのだ・・さらばだ・・・」
大きく手を振りかぶります。
掌から、炎が燃え盛り漲ってゆきます。
そして、ミルザくんの頭めがけて勢いよく振り下ろします!

ミルザ「先生の・・・先生がこの騎士団寮にいた年月は・・どれくらいだか覚えていますか?」

イフリート先生「何?」
先生の手が止まります。
ミルザくん「テオドール先生に聞きました。あなたは少なくとも10年前にはこの騎士団寮にいた、と。
    ・・・10年。あなたはそのような長い年月、10年も火のルビーを狙っていたというのですか?」
それは小さな違和感でした。
不思議とイフリート自身も少しだけ違和感を覚えたのです。
ミルザくん「答えてください・・・先生・・・」
イフリートは少し悩んだ後言いました。
イフリート「・・・・・・そういう事だ。」
ミルザくん「・・・そんな・・・・・」
十年。
ミルザくん「そんなワケがない!・・・そんな長い年月を隔てての任務なんて・・・おかしい!おかしすぎる!
       ・・・先生はもしかしたら・・・やっぱり誰かに操られて・・・」
イフリート「黙れ!!」
ミルザ「・・・!」
イフリートは、徐々に自分の言っている事に自信をなくしはじめてきていました。
イフリート「・・・・・っ!」
頭痛が走ります。



・・・不思議だ。お前はなにか、こう、私の中の・・・私でさえも覗けない暗い部分を、すべて知っているようだ。
――そう。僕はアナタのすべてを知っています。アナタの知らない・・・アナタが覚えていないそんな部分でさえもすべて。
・・・知りたい。
――教えてあげますよ。そして、アナタのための席もひとつ用意しておいてあげます。
・・・席?
――幸運な事に空席が一つありましてね。・・・アナタにふさわしい、アナタにピッタリの席です。きっと、お気に召してくれると思いますよ。
・・・しかし私は、今の職をやめるわけは・・・
――やめる必要はありません。あなたは空いた時間に少しこちらに来てくれるだけでいいのです。
・・・だが。
――そこにはアナタのすべてがあります。
・・・私の、すべて。
――そう。アナタのすべてです。そして僕はそれがなんのか、それを教えるためだけに君を連れていこうとしている、それだけです・・・
・・・
――さぁ、知りたければ僕のこの手をとってください。とるもとらぬもアナタの自由。さぁ・・・どうします・・・?
・・・
112ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 02:59:25 ID:???
――不思議だ。
――言われてみて、初めて意識した。
――私はいつから騎士団寮に・・・?そして私はどのぐらい騎士団寮に・・・
――私は・・・?
――・・・ッッ  

ミルザ「先生はきっと誰かに操られて・・・」
――!
イフリート「黙れ!!!」
ミルザ「ぐあっ!」
イフリートはミルザくんを殴りつけました。
――何を考えているのだ、私は・・・。私は私しか知らぬが故に私の知る私こそが真実。・・・悩む必要などない、私は私を信じればいい、それだけの事だ!
イフリート先生「私はイフリート!将魔イフリート!!
         騎士団寮に潜入し火のルビーを手に入れんと企む”反逆者”イフリート!!
         それ以外の何者でもない!!
         もう何も考えずに死ね!!ミルザ!!!!」
今度こそ、イフリートはミルザくん目掛けて手を振り下ろしました!!
ミルザくん「せんせ・・・」

・・・・・・

・・・・・・


ミルザくん「やっぱり・・・そうだ。」
その声は確信づいていました。
ミルザくんの目線が、イフリートの震えたまま止まっている手から、顔へ移ります。
鉄仮面の下の光が、若干鈍くなります。
ミルザくん「先生は・・・僕を、生徒を・・・殺せない。
      急所に当たったはずなのに・・・僕は生きている。恐らくオイゲンも生きている。
      先生は、躊躇っているんだ!僕達を殺すのを・・・」
イフリート「ぐっ!」

――なんだコレは
――何だと言うのだ

”イフリート先生!それすごいですね!もう一回やって下さいよ!”
”せんせー。筋肉ってやっぱ大切なんですか?どれくらい?”
”先生、よくフラーマ先生にあんなに大胆なアタックができますね・・・先生のそんなところ、ちょっと尊敬するかも・・・”
”イッフリート!!イッフリート!!”

ミルザくん「先生は・・・僕達を殺す事は出来ない!なぜなら・・・
       いくら先生が演技をしていたとしても・・・先生と僕達が過ごしたあの日々は真実だから・・・」
イフリート「・・・何を・・・!!」



「あなたは・・・悲しい人です。」
113ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 03:02:20 ID:???
イフリート「なっ・・・!?」
ミルザくん「えっ・・・この声・・・」
突如、ミルザくんの物でもイフリートの物でもない声が辺りに響き渡ったのです。
イフリート「・・・誰だ!?」
イフリートはすぐさま声のした方向に体ごと振り向きました。
入り口の方です。開いたドアの中に、一人の女の子が立っていました。
その女の子の姿を認めた瞬間に、ミルザくんは声を上げました。

ミルザくん「ワイルちゃん!!なんでここに・・・」

ワイルちゃん「・・・・・・」
イフリート「な・・・知り合いだと・・・?」
二人に向かってゆっくりと近づきながら、ワイルちゃんは言いました。
ワイルちゃん「イフリート先生?あなたからはまったく”殺気”が感じ取れません。
        邪悪なモンスターに相対したら、普通は近づくだけでも殺気と血の匂いがプンプンするもんなんですが・・・」
イフリート「どういうことだ。」
ワイルちゃん「先生・・・アナタ、正直いま辛くないですか?」
イフリート「何を・・・!」
ワイルちゃん「さっき来たばっかであんまアナタの事は理解しきれてませんけど・・・私には、アナタが少し無理しているように見えますよ。
        仕方なくやっているような・・・あまり乗り気ではないような・・・」
イフリート「何だ、お前は!出鱈目抜かしおって・・・」
ワイルちゃん「・・・まぁ、そんなことはどうでもいいんですけど。」
ワイルちゃんは既にイフリート先生の近くにまで達していました。
ワイルちゃん「・・・・私の友達を傷つけた事は許しませんよ。」
一瞬倒れているストライフちゃんとヘイトちゃんを見た後、見上げるようにしてイフリートを睨みつけます。
その目には、怯えの色は全くありません。
114ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 03:05:25 ID:???
ルザくん「ワイルちゃん!なんでここに・・・まさかきみも・・・ゆうか・・・」
ワイルちゃんの視線がミルザくんに移ります。
ワイルちゃん「・・・ミルザさん、話はこの人を倒してからです。今は口を開かないで、そこで黙って倒れていてください!」
ミルザくん「倒すって言っても・・・この人は僕の先生で・・・その・・・」
ワイルちゃん「大体は分かっているつもりですよ。だから安心していてくださいって!」
ミルザくん「・・・・・・」
ワイルちゃんは再びイフリートの方へ向き直りました。
イフリート「ふん、生意気な事を!お前一人で何が出来るというのだ!私はそこらの野良イフリートとは違うぞ!」
ワイルちゃん「・・・・・・!」

「一人じゃないぞ。」
「一人じゃないわよぅ。」

ワイルちゃん「えっ!」
イフリート「なぬっ!?」
二人とも同じ方向に振り向きます。
ヘイトちゃんとストライフちゃんが、ゆっくりと立ち上がろうとしていました。

ヘイトちゃん「ワイル、アンタ遅いわぁ、このノロマ!!・・・まぁ、いいけど!!★
        よう、筋肉マンくん。さっきはよくもやってくれたわねェい・・・あたし達は三人揃えばパワー50倍よォ!借りは返すわァァ!!☆★」
ストライフちゃん「・・・作戦はとりあえずはモンスター狩りに変更だな。覚悟しろ。」

ワイルちゃん「ストライフちゃん、ヘイトちゃん・・・!(へ、ヘイトちゃんにノ、ノロマって言われた・・・)」

イフリート「ぐっ・・・くそぉっ、邪魔者どもめっ!!」
115ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 03:07:54 ID:???

【魔の島】

闇の中に、ただ二つだけ緑色の光点が存在します。
光は独り言のように呟いていました。

「揺れる・・・揺れる・・・揺れているねぇ・・・うふふ。
ほんとうに、君はいくつ偽りを作るつもりなんだい?・・・ふふ、まったくもって面白いよ、君は。」

光が少し狭まります。

「・・まぁ、そうもいってられないよね。もし『精神障壁』が解けてしまったら、君はもうこちらへ戻ってこなくなってしまうもの。
・・ふふ、君以外に『火のルビー』が相応しい奴はいないんだから。手放すわけにはいかないよねぇ。
最悪の事が起こる前に、連れ戻さないとねぇ・・・」

突然光が不気味に輝きだしました。

「彼らへの挨拶がてらに、たまには僕もあっちにいっちゃおうかな!?
うふふ、それがいいね。面白そうだ。うふふふ・・・
まっ、もちろん一人ではいかないけどね。怖いし・・・」

光が動き出します。

「ますます盛り上がってくるねぇ。ふふふ・・・予想するだけでもう今から楽しみだ!」



つづく
116ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 03:12:09 ID:???
ついに終わった・・・本当に疲れた。
最初がミニオンで始まったからやっぱミニオンが活躍しないと?
本当に時間使いまくってすいません。靴飲んで死んできます。

あとは他の人にすべて任せます。続きの人よろしくおねがいします!
117ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 11:07:46 ID:???
GJ!じっくり読ませてもらったよ。お疲れさま。
葛藤してるイフ先生がなんつーか、悲しいよなー。これもセージの仕業か・・・
ミルザ達が倒れて、ミニオンズが立ち塞がるってのは初めてのケースかも。トライアングル期待。
んで、続きを書いてみたいなーと思ったんだけどいいかな?
・次回で終了予定
・誘拐犯だということがバレっぱなしだと今後ギクシャクしそうなので、ある大人のキャラにとりなしてもらう予定。
・ひょっとしたら後半の活躍はそのキャラにもってかれるかも・・・
こんな感じになりそうです。なんとか年内には完成させるよー。
118ゲーム好き名無しさん:2005/12/27(火) 22:09:41 ID:???
>>116
乙。
イフ先生は人間形態だったのか。
俺はてっきりまんまかと思ってたw
>>117
頑張れ。
119117:2005/12/29(木) 22:57:41 ID:???
続き宣言したものです。一応そろそろ折り返し点ぐらいまでは完成しましたが、
どう見ても年内は無理っぽです。3が日超えるかもしれない・・・
どうしよう、前半部を先に投入したほうがいいかな?
120ゲーム好き名無しさん:2005/12/30(金) 08:06:54 ID:???
全部出来てからでいいんじゃない?
121117:2005/12/30(金) 13:15:49 ID:???
了解。なるべく早く仕上がるよう頑張ってみますね
122ゲーム好き名無しさん:2006/01/01(日) 01:15:12 ID:???
あけおめ!
今年もよろしくみんな。

>>121
がんばれ!
123117:2006/01/01(日) 02:03:18 ID:???
あけおめー。今年もよろしくお願いします。
なんだかんだで、もうしばらく・・・少なくとも今日の午前中には投入できそうです。
もうしばらくお待ちください。
124ゲーム好き名無しさん:2006/01/01(日) 13:12:19 ID:???
んじゃ行きますー。
1251/23:2006/01/01(日) 13:13:24 ID:???
>イフリート「ぐっ・・・くそぉっ、邪魔者どもめっ!!」

空気が、震えています。
コンスタンツの捕われている洞窟の最も奥で、最後の戦いが、今まさに始まろうとしています。
ミニオンズの後ろには、力なくミルザくんとオイゲンくんが倒れ、
イフリートの後ろには、気を失い、目を閉じたままのコンスタンツが倒れていました。

ストライフちゃん「ったく、痛かったな・・・この礼はタップリしてやるぜ、筋肉野郎!」
ヘイトちゃん「3人揃ったアタシ達の恐ろしさ、とくと焼き付けることねぇぇぇぇぇ〜〜★☆」
ワイルちゃん「ちょっと2人とも。」
目を血走らせ、殺気立っている2人の耳を、ワイルちゃんがひっぱりました。
ストライフちゃん「あ、痛!」ワイルちゃん「ぬぅおわああ!何よぉぉお!!」
ワイルちゃん「バレちゃったんですか?ミルザさん達に。」
ストライフちゃん「あ、えぇと、それは・・・」ヘイトちゃん「バレ・・・ちゃったぁぁぁん、かも★」
ワイルちゃんはそれを聞いて、心底疲れたような顔で、泣きそうになりながら言葉を漏らしました。
ワイルちゃん「じゃあ私たち、よくて停学、普通なら退学、もしくは逮捕ですね・・・」

ひゅううう・・・3人の間を、一陣の風が通り過ぎました。

ストライフちゃん「ってことは・・・私のスキルは、ち、中卒・・・」
ヘイトちゃんn「うひゃはぁ〜〜〜スットライフちゃん、顔が死兆星を見たレイみたいよぉぉぉムガッ!」
ストライフちゃん「黙れ!!元はといえばルビーの話の言い出しっぺは貴様だろうがあああ!」
ヘイトちゃん「何よおおおお!!『拉致るか』なんてクゥゥーールに言ってのけたのはスットライフちゃんよぉぉぉ!」

ずごん!

モメはじめた二人の頭に、良い角度でチョップが叩き込まれました。頭を抱えて悶絶する2人に、抑揚の無い声で
ワイルちゃん「黙 り な さ い 」
ストライフ&ヘイト「「はい」」
普段見たことの無い、ワイルちゃんの静かな迫力に押され、二人は素直に返事をしました。

ヘイトちゃん「(・・・どうしちゃったのかしらワイルちゃん。なんつーか、スゲェ迫力なんですけど・・)」
ストライフちゃん「(・・・怒ってるな、完璧に。在学が絶望的になったせいか?マジメなヤツだったからな・・・)」

ワイルちゃんが、ひそひそ話をしている2人を見て、ふふっ、と微笑みました。
ワイルちゃん「(2人とも、本当に身勝手なんだから・・・。
         でも、とても優しい、私のステキな、ステキな友達よ、2人とも。)」
次にワイルちゃんは、倒れているコンスタンツに目を向けました。
ワイルちゃん「(巻き込んでしまって、本当にごめんなさい。でも誓います。必ずアナタは無事に帰します。)」
そしてワイルちゃんは、倒れているオイゲンくんに目をむけ――――
ワイルちゃん「(オイゲンさん・・・ふふ、オイゲンさんは、まるでミルザさんのお兄ちゃんみたい。
         ・・・ちょっぴりだけ、羨ましかったんだ。オイゲンさんのこと。いっつもミルザさんと一緒なんだもの。)」
――――最後に、倒れているミルザくんに目を向けました。
ワイルちゃん「(ミルザさん・・・楽しかった。アナタと知り合えてから、
         ツラいこともあったけど、とっても楽しかったのよ。
         でも、ここまでですね・・・サヨナラ・・・ごめんなさいね・・・。)」
そして、ワイルちゃんはメガネに手をかけました。
1262/23:2006/01/01(日) 13:14:19 ID:???
ワイルちゃんが、メガネを勢い良く外しました――――その目の端にたまっていた涙と共に。

イフリート「さて・・・最後のお別れは済んだかな?では、さようならの時間だ。」
一歩、また一歩とイフリートがにじり寄ってきます。

ワイルちゃん「ヘイト、ストライフ・・・今は急を要するから呼び捨てさせてもらうわ。
       私に考えがあるの。聞きなさい。」
メガネを胸元にしまい、眼光鋭く見据えるワイルちゃんの迫力に押され、あとの2人はただただ頷きました。
ワイルちゃん「まず、ストライフの得意の火術は、アレには効果が薄いわね。
         そしてヘイト得意の闇術も、ヤツは扱うことができる。
         だから、相手の知らない術で・・・私の風の術でケリをつけるわ。」
ストライフちゃん「しかしワイルよ。ヤツはオートセルフバーニングだぞ。吹雪は通用しない。」
ワイルちゃん「風術は、吹雪だけではないわ。いい?フォーメーションは、ヤツを囲むように。
         ストライフは主に敵の火術の相殺を。
         あと、私が切り込むときに、同時に切り込んで、ヤツの懐をこじ開けて。」
ストライフちゃん「OK。相殺だけじゃあ気が進まないが、そういう荒仕事もあるなら任せろ。さっきの借りを返してやる!」
ワイルちゃん「ヘイトは、主に中間距離から闇、邪術を連射。大技の必要は無いわ。そして、私の合図で――――」
ワイルちゃんが、小声でぼそぼそ、と他の2人に告げました。
それを聞き、ヘイトちゃんが親指を突き出し、「了解!」のポーズをとります。
そしてミニオンズは誰が言うでもなく、同時にこくん、と頷きました。
              「「「行くぞ!!!!」」」


【時同じくして。コンスタンツの洞窟より5km離れた地点の街道】
???「まさか、昨日の今日で阿呆な所業を起こすとは。行動力だけは無駄にあるのが厄介だな。」
夜明けも迎えず、月も出ず、闇にまみれた街道を疾走する一つの影があります。
???「夜中になっても行方知れず。もしやと思ってフラーマ先生に連絡を取ってみれば・・・やれやれ。」
その影は、一人ぼやいたあと、ますますスピードをあげ、街道を人知を超えたスピードで疾駆していきます。
その足跡は、黒く焼け焦げ、白い煙をあげていました。
1273/23:2006/01/01(日) 13:16:06 ID:???
ミニオンズの3人がイフリートを囲むように、三角形の形に散らばりました。
ヘイトちゃん「んぢゃ行くわよう!!シャドウボルト!!」
連続して闇の槍が、イフリートの足元から突き出されていきます。
イフリート「ほう、さっきとは逆に、最弱の術を連射か。悪くはない・・・しかし効かないよ、それでは。」
イフリートが手を前にかざしました。炎が凝縮され、一匹の大きな火の鳥が、今まさに羽ばたこうとしています。
イフリート「黒焦げになるがいい!」
ストライフちゃん「甘いのは貴様の方だ!!」
イフリートの火の鳥が放出される直前、別の方向からストライフちゃんの火の鳥が飛んできました。
それはイフリートの火の鳥より若干小ぶりではあるものの、その分スピードは速く、
イフリートの火の鳥を打ち消すことはできませんが、軌道をそらすには十分なものでした。
あさっての方向に向かい、誰もいない岩盤に命中する火の鳥を見て、イフリートが歯噛みします。
イフリート「なるほど。3人揃ったときが、貴様らの本当の力が発揮されるときか。
       術ではラチがあかないな。ならば腕力で黙らせよう。」
イフリートがヘイトちゃんに向けて、一歩ずつ近寄ってきます。シャドウボルドの連射でも、その足は止まりません。
と、イフリートの後ろから走り寄る音が聞こえてきました。
イフリート「・・・甘いわ!!!」
イフリートが振り返りざま、ヒートスイングを打ち下ろしました。その拳の先にいたのはストライフちゃん・・・

ではなく。

ヘイトちゃん「ワイルちゅわん!?」
頭から倒れこむようにして、ギリギリでヒートスイングを回避していたのはワイルちゃんでした。
別方向から、ストライフちゃんが、拳を構えて駆け寄っています。
そちらをイフリートが向こうとした時に、足元のワイルちゃんがおもむろに立ち上がり、イフリートに向かってパンチを放ちました。
そのか弱いパンチは、容赦無く炎の盾に防がれてしまいました。ワイルちゃんの拳に鈍い痛みが走ります。
イフリート「はっ!一人だけ何もしてない理由がわかったわ。まぁそのひ弱なパンチでは何の役にもたたんがな。」
ワイルちゃんはしかし不敵に笑いました。
ワイルちゃん「いいえ。役にはたちますよ。・・・炎の盾を剥がす役には、ね。」
イフリート「!!」
イフリートがワイルちゃんの言葉に目を見開いた時には、すでにストライフちゃんがフックを放つ体勢に入っていました。
イフリート「こざかしい!体術に慣れていようが、しょせん小娘!この筋肉で・・・」

ワイルちゃん「今よ・・・・歌え!!!ヘイト!!!!」
ヘイトちゃん「おおともさ!!インペリーーーーーーウムゥゥゥゥ!!!!」

【時同じくして、コンスタンツの洞窟入り口】
???「ここか。右手の奥の方から凄まじい炎気がする。そして妙に不安定な殺気も。
     確か騎士団寮で所在知れずなのは、ミルザ・オイゲン・イフリート先生だったな。
     ――――まさか。そういうことなのか?指導すべき立場の者の裏切り・・・考えたくはないがな。」
一つの影が、コンスタンツの洞窟に歩み入ります。
その視線の先には、先程のミルザの睡夢術から目覚めたばかりの、多くのモンスターがいます。
モンスター達は、入り口から入ってきた新しい獲物に向かって、嬉々として集まってきました。
影は、面倒くさそうに溜息をつきました。
???「モンスターどもよ。貴様らには3つの選択肢がある。1つは退くこと。我はこれを強く勧めるが。」
モンスターたちはその言葉を聞くと、げひゃげひゃと笑いながら、一斉に襲い掛かってきました。
???「馬鹿共が。選択肢の残りの2つは――――」
最初に駆け出したモンスターが、影に食いつこうとし――――地面に叩き付けられました。
???「――――挽肉になるか、消炭になるか、だ。」
1284/23:2006/01/01(日) 13:16:59 ID:???
ヘイトちゃんがインペリウムと叫んだ後、みゃーみゃーみゃーと奇妙な歌声がしました。
その直後、ストライフちゃんの右フックがイフリートの腹にめがけて突き刺さりました。
イフリート「ゲバァッ!!?」
イフリートの腹部を、焼きごてをあてたような激しい痛みが襲います。その巨体が、『く』の字に曲がります。
イフリート「(バカな!なんだこの威力は!!私の腹筋を突き抜けて・・・)」
ストライフちゃん「今のは、気に食わないが一応ヘイトの分だ。そして、やっと殴れるな・・・貴様の顔面を。」
イフリート「くっ!」イフリートが、両手をクロスさせて顔面をガードしようとします。
しかし、それより一瞬早く、ストライフちゃんの左ストレートがイフリートの顎を捉えました。
ストライフちゃん「これがさっきの私の分だ!女の顔を殴るんじゃないぞ筋肉野郎め!!」
今の一撃でイフリートのガードが外れ、糸石を埋め込んである胸元があらわになりました。
ストライフちゃん「ワイル!」 ヘイトちゃん「ワイルちゅわん!!」

ワイルちゃん「行きます。」

イフリートのがら空きの胸、3つの糸石が埋まっている個所に向けて、ワイルちゃんが跳躍しています。
その手には、風が渦を巻き、一つの球体を形作っていました。
ワイルちゃん「ブラッドフリーズ!!」
その球体をイフリートの胸に叩きつけます。
瞬間、イフリートの心臓からの血の流れが止まり、イフリートの呼吸が止まりました。

一瞬、全ての音が止まり、静寂が場を支配しました。
カツーン・・・
その静寂を打ち破ったのは、イフリートの胸から幻のアメジストが落ち、地面に落ちた音でした。
一拍置いて、イフリートが後ろにゆっくりと崩れ落ちます。
ワイルちゃんは慌てて幻のアメジストを拾い、大事そうに両手に抱えました。
ストライフちゃん「終わった、か?」
ヘイトちゃん「えっへっひぇ〜〜kfkjflアタシ達に逆らったのが運のつきぃぃ〜〜〜★☆」

と、ワイルちゃんがコンスタンツの元に歩み寄り、よいしょっと、と担ぎ上げました。
そしてよたよたとミルザ達の所に運び、アメジストと共に、ミルザの傍らに置きました。
ストライフちゃん「おいワイル、何を・・・」
ミルザ「う・・・うーん・・・わ、ワイルちゃ・・・?」
ワイルちゃん「ミルザさん、この子と、この石はお返しいたします。」
ミルザ「ワイルちゃん・・・キミは・・・?」
そのミルザの問いにワイルちゃんは答えず、小首をかしげ、ただ悲しげに微笑むだけでした。
1295/23:2006/01/01(日) 13:17:44 ID:???
一方、倒れているイフリートの側に、ヘイトちゃんがひょこひょこ近寄ります。
ヘイトちゃん「(うひひ〜〜今のうちにぃ残りの2つをゲ・ッ・トよぉぉ〜=〜m)」
と、カッ!とイフリートの目が開きました。
ヘイトちゃん「やば。」

ストライフちゃん「ん?」
ストライフちゃんが気配を感じて振り返ると、眼前にヘイトちゃんの尻が迫ってきておりました。
そのまま尻を顔面にくらい、ヘイトちゃんと一緒に後方へ、ミルザ達のところへ吹き飛ばされます。
ストライフちゃん「ヘ〜〜イ〜〜ト〜〜〜!!こぉの虫けらがああああ!!」
ヘイトちゃん「ちょ、ま、あっちあっち。」
場の全員が視線を向けます。そこには、全身から炎をたぎらせ、胸に2つ石をつけたイフリートがおりました。
ワイルちゃん「もう・・・気付いたの?」
イフリートが、そのまま術の構えをとります。
ミルザ「先生・・・」オイゲン「やっぱり本気かよ・・・」
ワイルちゃん「いや、違います!あなたは本当はそんなこと出来る人じゃないんでしょう!?」
イフリートの動きがピタッと止まります。
ミルザ「そうだ!先生は、あの日あの時、僕らと過ごしてきた先生は、嘘じゃない!
     先生!正気を取り戻して!負けないでくれ!イフリート先生!!!」
イフリート「わたしは・・・ワタシハ・・・・アア・・・」
そしてイフリートは突如頭を抱え、洞窟中に響く雄たけびをあげました。

残響音がこだまするなか、イフリートは力なく膝を付き、言いました。
イフリート先生「この石二つだけは貰っていく。お前たちは・・・帰れ、今すぐに・・・。」
ミルザ「先生・・・・。」

セージ「えぇ〜〜〜それじゃあつまらないなァ〜〜〜〜。」
と、突然幼い声が聞こえたかと思うと、イフリート先生が頭を抱えて苦しみだしました。
ミルザ「誰だ!!まさか、操っているのはお前か!!!」
セージ「操ってるなんてやだなぁ。後押ししてると言って欲しいナ。こんなふうに・・・ね。」
と、イフリート先生の動きが止まり、ゆっくりと起き上がりました。
イフリート「ふふフふ・・・かワいい、生徒たチ。消灯時刻だ、ナ?」
その目は赤く輝き、心情を一切窺い知ることが出来ません。いえ、心情が失われたのかもしれません。
そのままイフリートは手を大きく広げました。
その前に、大きく、荒々しく、真紅の羽根を広げた炎の巨鳥が形作られていきます。

オイゲン「で、でけぇ・・・」
ストライフちゃん「今の私では、あれを打ち消す火の鳥は作れないぞ・・・」
ヘイトちゃん「あひゃ〜〜〜美人薄命ってぇのは、このことねぃ・・・」

セージ「キミたちと遊ぶのはもう終わりサ。あの世にいっても、仲良くネ。アハハハ・・・・」

ミルザ「諦めるな!!!」
1306/23:2006/01/01(日) 13:18:53 ID:???
ミルザ「先生に・・・『先生じゃない先生』に殺されて終わるなんて御免だ!だから、諦めるな!!」
ワイルちゃん「そうです!まだ!まだ諦めないで!!みんな!!」
ミルザくんがレフトハンドソードを構え、剣閃を放つために力を溜めています。
同時にワイルちゃんが、吹雪の詠唱を開始しました。

ミルザくんとワイルちゃんの激を受けて、あとの3人も腹をくくりました。
オイゲン「だよなぁ。こんなおっかねぇ女と心中なんて、俺はゴメンだぜ。」
オイゲンくんのウコムの鉾に、再びエネルギーが充填されていきます。
ストライフちゃん「それはこっちのセリフだ!虫けらめ・・・。」
ストライフちゃんの眼前に、紅蓮の鳥が生み出されていきます。
ヘイトちゃん「ヘイトちゃんの底力、見せてあげるわひゃぁ〜〜jfぁjkl!」
ヘイトちゃんの頭上に、闇の球体が作り出されていきます。
ミルザ「行くぞ!」


【時同じく、ミルザくん達の位置まで200m】
???「(くそ、邪悪な炎の気配だ。間に合うか?いや――――)」


「剣閃!」「吹雪!」「神雷!」「火の鳥!」「ダークスフィア!」
5つの技と術が炸裂しました・・・しかし。
オイゲン「ダメだ!スピードが少し落ちた程度で、まだ向かってきやがる!」
ミルザ「くそ・・・くそおおお!!」


【時同じく、ミルザくん達の位置まで100m】
???「(――――諦めん。諦めんぞ。間に合う。間に合ってみせる!)」


弱っているミルザくん達の技では、火の鳥を打ち消すことはできませんでした。
それでは、先程の決意を込めた5人の技は、全くの徒労だったのでしょうか?
いいえ。
火の鳥を消すまで至らずとも、その速度を弱めた技。5人の決意の込められた技が、
――――まさに運命を変えたのです。
1317/23:2006/01/01(日) 13:20:14 ID:???
巨大な火の鳥が、ミルザくん達のすぐそばまで、着弾寸前まで迫っています。
ワイルちゃんが、思わずミルザくんにしがみつきます。
ミルザくんは、固く目をつぶりました。


その瞬間、彼らの背後の岩盤が爆裂しました。


耳をつんざく轟音と共に、何がおきたか分からない5人の上を、人影が飛び越えていきます。
その影は、赤いコートを翻し。


その手には――――――――両手斧!


???「炎の猛禽よ。貴様に命令する――――散れ!」
低く通る声でそう言いながら、影が両手斧を火の鳥に叩きつけます。

カッ!!
その瞬間に赤い閃光が輝きました。

頭部にあたる位置に、両手斧の一撃を受けた火の鳥は、
閃光を放った次の瞬間には急速に勢いを失い、大気に溶けるように散っていきました。


オイゲン「助かった・・・・」ストライフちゃん「・・・のか?」
ミルザ「きみは・・・」
ワイルちゃん「あなたは・・・」
ヘイトちゃん「あひゃ〜〜〜。」
イフリート「・・・キ、貴様ハ・・・・!」
セージ「へーえ。キミは・・・」


  「君主」   「炎の精霊」   「リガウの守り手」   「四寮長」

               『炎帝』

        「フレイム――――タイラント!!!」


タイラント「ようミルザ、久しいな。どうやら再開を喜んでいられる状況ではないようだ。
      ――――が、我はどうやら間に合ったようだ。紙一重ではあったが、な。」
1328/23:2006/01/01(日) 13:21:18 ID:???
イフリート「貴様ァァァ!!」
再びイフリートが巨大な火の鳥を作り、飛ばします。
同時にタイラントくんは、君主の大斧を投げつけました。
タイラント「行け」
その掛け声と共に、投げられた大斧は炎に戻り、そのまま巨鳥に姿を変えて突っ込んでいきます。
火の鳥同士が激突し、部屋の中央で業火が球体となり、そして散り散りになりました。
タイラントくんが、ゆっくりと歩いていきます。それを見て、イフリートも悠然と近寄ってきました。
2人が、お互いの拳が届く位置で止まりました。互いを睨みつけたまま、動こうとしません。
タイラント「オートセルフバーニングか。」
イフリート「あア。」
タイラント「我もだよ。これでは膠着してしまうが、あまり面白くない、な。」
次の瞬間、タイラントくんが両手で掌打を放つように、自分の炎の盾をイフリートのそれに叩きつけました。
イフリート「!!」
ガラスを割るような音と共に、互いの盾が粉々に砕けます。
イフリートはその光景に一瞬ひるみましたが、すぐさま拳を振り上げて攻撃体勢に入りました。

イフリート「縮退砲!」
タイラント「縮退撃!」

ガッシィィィィィィン!!!
イフリートとタイラントくんの右拳同士がぶつかり合いました。
その瞬間、衝撃が赤い波動として円形に広がりました。
2人は同じ距離を弾き飛ばされる形で、後ろに跳びすさります。

イフリート「クリムゾォォォンフレイアアアアアア!!!」

すぐさまイフリートは、巨大な球体の炎を作り出し、タイラントくんに向けて放ちました。
凶暴な音を発しながら真紅の球体が向かってきます。
タイラントくんは両手を突き出すように構えました。同時にタイラントくんのオーラが赤みをましていきます。
そして球体がタイラントくんの両手に触れ、爆発する瞬間でした。

タイラント「焼殺!!」

円形の魔方陣が浮かび上がったかと思うと、地面から猛り狂う炎の柱が吹き上がりました。
その炎の柱は球体の炎を包み込みます。炎が拮抗する音が響き渡ります。
そして、目を覆わんばかりの白い閃光が場に走りました。
・・・それが収まったころには、炎の柱も、球体もありませんでした。
まさに、炎の球体を『焼き尽して』しまったのです。

イフリート「ホォ・・・」
オイゲン「・・・すげぇな・・・。」
1339/23:2006/01/01(日) 13:23:05 ID:???
今の一連の攻防で、タイラントくんとイフリートの間に再び距離があきました。
すると、タイラントくんはヘイトちゃんに視線を向けました。
ヘイトちゃん「あひゃぁ〜〜さっすがタイラントくぅん(はぁと)助かったわぁん☆★f」
タイラント「はっはっは。貴様には、後で色々聞きたいことがある。逃 げ る な よ」
と、ジト目で低い声でヘイトちゃんを威圧すると、イフリートの方に向き直りました。
タイラント「貴様はイフリート先生なのか?まさか、本当にモンスターだったとは。
       まぁモンスターであるかどうかはさしたる問題ではない。」
そこで一度言葉を区切り、疲弊しているミルザ達を見やりました。
タイラント「こいつらをここまで追い詰めたのは貴様か?」
イフリート「そウだ。」
タイラント「目的は。糸石か?」
イフリート「そうサ。」
タイラント「騎士団寮に入ってから裏切ったのか?裏切るために騎士団寮に入ったのか?」
イフリート「・・・私ハ、将魔イフリート・・・はじめから裏切るためサ・・・」
ミルザ「嘘だ!10年近くも何も行動を起こしていなかったじゃないか!!
     さっき謎の、子供みたいな声がした。そいつがきっと先生を・・・」
タイラント「なるほど。貴様もまた黒幕では無いか。だが――――ファイアウォール」
タイラントくんがミルザくん達の方に手を向けると、彼らの前に業火が吹き上がり、炎の壁を作り出しました。
タイラント「どのみちこいつを止めなければ、話の進展が無いな。あとは任せろ。」

セージ「へーえ。大した自信だね。でも四寮長には用が無いんだ。ひっこんでてくれないかナ?」
突如、幼い声が空間に響き渡りました。
ミルザ「・・・お前は・・・イフリート先生を帰せ!!!」
タイラント「貴様が黒幕か?ひっこめと言われてひっこむと思うか?」

セージ「ふふふふ・・・忘れてるのかな?今こっちには・・・水のアクアマリンがあるってことをサ!」
次の瞬間、イフリートは胸のアクアマリンに手を添えて、ウォーターガンを唱えました。
水しぶきを上げながら、巨大な鯨が地面を潜行してきます。
鯨は大きく口を開け、そのままタイラントくんを飲み込みました。
セージ「はい。おしまい。石の力に適うわけがないじゃない。これで今日から三寮長だね。」

と、鯨の背中に赤い亀裂が入りました。亀裂は一気に大きく広がっていきます。
そして鯨を構成する大量の水分と共に、水分に負けない勢いの炎をまとってタイラントくんが飛び出してきました。
タイラント「あまり舐めないことだ。我は水に完全に負けるわけではない。水の弱点もまた、火なのだから。
       術を扱うには魔力の他、資質が大きく関与する。火のモードの化物が放つ水術など恐れるに足らん。
       ――――ただ、むかつくだけだ。」

(そう、資質が重要だ。そして我が見た中で、数多の術の資質を秘めていたのはアイツだけだ。アルドラという、あの女)
13410/23:2006/01/01(日) 13:25:08 ID:???
セージ「・・・フン。石はもう一つあるんだよ。闇の力で苦しむんだね。無関係な『野次馬』くん。」
イフリートの周囲に闇が渦巻きます。そして闇の吹き溜まりから、いくつもの闇の球体が浮かび上がります。
セージ「すごいだろう?糸石の力!闇のブラックダイアの力!無尽蔵の闇の力!これでキミ達は――――

タイラント「黙れ」

タイラントくんの吐き捨てるような言葉に、思わずセージの言葉が止まりました。
タイラント「二言目には石、石、石か。それしかセリフが無いのか『小僧』?
       糸石は確かに強力だ。だが、戦いはそれが全てではない。
       魂を燃やす闘志、絶対に負けないという覚悟、臨機応変に変わる状況。
       言葉では語れぬものが、机上では決して計れないものがある。」
セージ「・・・この期に及んで精神論かい?炎帝も落ちたもんだね。」
タイラント「精神論ではないさ。実際に今までの戦闘で体感し、確信した経験則だ。」
そしてタイラントくんは、イフリートに・・・いや、その意識を支配しているセージに向けて、指をさしました。
タイラント「貴様、眼前の敵に向かって、己の拳を握り、殴りつけた経験はあるか?
       無いだろうな。貴様の術法操作はたいしたものだ。戦術も悪くない。

       しかし、貴様には強い意志も覚悟も無い――――そう、貴様の戦いには『魂』が無い!

       ミルザやオイゲンが、そしてあの3人娘が対峙したときのように、
       イフリート先生がイフリートとして、その意識を保っていたなら、我も苦戦は免れなかったろう。
       少なくとも、イフリート先生は闘いに魂をこめられるヤツだったからな。
       はっきり言おう。貴様が精神を支配している状態のイフリートと戦うのは
       ――――楽な作業だ。比較にならぬほどな。」

セージ「・・・へ、へーえ・・・言ってくれるじゃないか。でも大層なセリフは・・・勝ってから言うんだね!!
     こっちは火のモードを持つ上に闇の糸石がある!火遊びしか脳が無い奴に何ができるのさ!!」
少々怒気のこもったセージのセリフと共に、数多の球体がタイラントくんに向かってきます。

タイラント「まぁ言っただけではわからぬだろうよ。ならば実際に教育をしてやろう。
       火のモードを『持つ』ことと、火のモードで『ある』ことの違いというものを。
       我が『炎帝』と呼ばれること、その意味を。

       ――――『炎を支配する』とは、どういう事かをな。」
13511/23:2006/01/01(日) 13:26:38 ID:???
闇の球体が迫る中、タイラントくんは目の前に巨大な火の鳥を作り出しました。

タイラント「火の鳥――――古式!!」

タイラントくんの掛け声とともに、巨大な火の鳥の全身にヒビが入ったかと思うと、
その内部から突き破るように、小型のハチドリのような、無数の火の鳥が飛び出しました。
眼前を覆い尽くさんばかりの大量の炎のハチドリが、闇の球体とぶつかり、次々と潰していきます。
そしてタイラントくんは、地面を静かに蹴りました。

瞬間、爆発音がしました。

タイラントくんは、爆発の推進力で壁に向かっていました。そして再び壁を蹴り、また爆発音が響きました。
そのまま天井を、床を蹴っていきます。そのたびに爆発音がし、その間隔はどんどん短くなっていきました。
タイラントくんのスピードはどんどん上がっていきます。まるで赤いレーザーが乱反射しているようです。
タイラントくんはそのまま洞窟中を使い、軌道を読ませずにイフリートに向かっていきました。
イフリート「ク・・・ウ・・・」
セージ「上だ!!」
イフリートの頭上から、タイラントくんが火の鳥を放ちました。
しかし炎はイフリートには効果がありません。イフリートは火の鳥を無視して空中に拳を打ち込みます。
その側をカスるように天井を蹴ったタイラントくんが、地面に向けて突っ込んでいきます。
地面に激突する瞬間に体を反転して着地したタイラントくんは、そのまま手を伸ばしました。
その手の先には、先程タイラントくんが放った火の鳥が来ています。
タイラントくんの手が触れた瞬間、火の鳥は、君主の大斧へと姿を変えました。

そのまま低い体勢で、イフリートの足をなぎ払いに行きます。
イフリートが反射で飛び上がり、ギリギリで斧を回避しました。
そして大斧を振りぬいたタイラントくんの手の中で、斧が再び炎に戻り、その形状を変えていきます。
炎はタイラントくんの両手に分かれて、それぞれ一本ずつの炎のムチに変形しました。
イフリートが着地し、そのままヒートスイングを放ちます。
同時にタイラントくんが、蹴りを放ちました。
2人の攻撃は、それぞれの持つ炎の盾で弾き返されました。イフリートの腕とタイラントくんの足から血が流れます。
2人が再び、同時に攻撃態勢に入りました。タイラントくんのムチがイフリートの頭上を襲います。
頭上から振り下ろされたムチを、体をひねってイフリートが回避します。
しかし、その足元にはもう一本のムチが絡められておりました。
タイラント「ハッ!」
タイラントくんが勢い良くムチを引き、イフリートの体勢を崩しました。
足をとられて膝をついたイフリートに向けて、間髪入れずにタイラントくんが突っ込みます。
そして、もう一方のムチが再び炎に戻り、タイラントくんの手に集まってきました。
タイラント「火神縮退撃!!」
そのまま炎に包まれた手を地面に叩き付け、エネルギー式の範囲攻撃を加えます。
まともに喰らったイフリートは、大きく後退しました。
13612/23:2006/01/01(日) 13:28:33 ID:???
タイラントくんとイフリートが、再び距離をあけてにらみ合っています。
セージ「・・・なるほどね。ミルザ達を守ってる炎の壁の勢いが増してる。
     炎を自在に操り、炎の術を重ねて、地相を炎にする。それによりますます力を得る。嫌な循環だね。
      つまり炎で場を支配する・・・だから炎の支配者ってかい?」
タイラント「よく気付いたな。しかしそれではまだ十分ではないな。」
そしてタイラントは、君主の大斧を構えました。
タイラント「――――決着を、つけるか。」
イフリート「・・・来・イ!」
セージ「ふふふ。そうだね。ボクも早く石が欲しいからネ。正々堂々、ケリをつけよう・・・」

君主の大斧を構え、タイラントくんが真正面から突っ込んでいきました。
と、拳を構えたイフリートの周囲に、色濃い闇が形作られました。

セージ「・・・なーんてね。ダークスフィア!!」
イフリートが、闇の球体をはるか上方に放ちました。
その先は洞窟の天井。その真下にはミルザ達。炎の壁は、正面から来る攻撃は防ぎますが、上からの崩落は・・・
タイラント「舐めた真似を!」
タイラントくんが振りかえり、大斧を投げつけました。それは火の鳥と化し、闇の球体に当たり相殺しました。

イフリート「死ネ!!」

ザシュッッッ!!


そのスキを逃さず、イフリートがタイラントくんの背後から・・・左胸を拳で打ち抜きました。


ワイルちゃん「タイラントくーーん!!!」

セージ「アハハハハ!!バカだ!バカがいるよ!!アハハハハハ!!」

13713/23:2006/01/01(日) 13:30:02 ID:???
しかし、狂ったように笑うセージも、何か違和感を感じました。
イフリートが、凍りついたように動かないのです。
同時に、タイラントくんもまた、ウンともスンともいいません。

すると、左胸を打ち抜かれたはずのタイラントくんが、首だけでゆっくりと、ゆっくりと振り返りました。
その顔の左半分、いえ、それだけではありません。打ち抜かれた左胸を含む、タイラントくんの左半身が――――


――――龍骨を携えた、燃え盛るただの『炎』になっていました。


イフリートが放った、体を貫いたと思われた今の一撃は、
炎と化した半身の中に腕を突っ込んだにすぎなかったのです。

タイラント「これが、火のモードで『ある』こと。炎そのものであるということだ。」

そのままタイラントくんは半回転し、イフリートの懐に・・・一撃が届く位置に滑るように入り込みました。
同時に、炎と化した半身が元に戻り、再び完全に人化します。
セージ「・・・くっ、イフリート!相手はまだ武器を練成してない!炎を生み出す前に叩き潰せ!」
タイラント「炎を生み出す?その必要は、ない。」

そしてタイラントくんは、イフリートの体の前に、スッ、と手を伸ばしました。
その手の先には、イフリートの炎の盾があります。
その盾に、タイラントくんは静かに、静かに手を添えました。

次の瞬間、タイラントくんは添えた手を握り締め、引っ張りました。
その動きに合わせるようにイフリートの炎の盾が収束し、一本の棒のような形となっていきます。

タイラント「貰うぞ。」

タイラントくんはそう呟くと、一気に腕を引きました。
腕を引ききった時には、イフリートの炎の盾は燃えカスのようになり、
それを代償に、タイラントくんの腕の中には一本の両手斧・・・君主の大斧が握られていました。

セージ「・・・バカな。」
タイラント「炎を創造し、炎で練成し、炎を操作し、炎と同化し、炎を略奪する。
       ――――――これが、『炎を支配する』ということだ。」

そしてタイラントくんは、イフリートの胸の辺り、ワイルちゃんの一撃の跡が残る部位を確認しました。

タイラント「狙いはそこか。では、味わうがいい。

       ――――――――零距離からの、破砕流をな!!!!」
13814/23:2006/01/01(日) 13:31:10 ID:???
イフリートの縮退砲が、上から打ち下ろされます。
しかしそれより一瞬早く、タイラントくんが全身を捻りながら、大斧をイフリートの胸に叩き込みました。

君主の大斧を槍のように叩き込むと同時に、地面を思い切り蹴ります。
爆音が響き渡り、タイラントくんはイフリートごと、壁に向かって突進していました。

タイラントくんの全身が赤く輝きます。
全身のオーラが渦を巻き、螺旋の形をもって、斧の一点に力を収束しています。
そのまま2人は恐るべきスピードで、そう、正に流星のように突っ込んでいきました。

大斧を通して、イフリートの皮膚が、筋肉が、骨が、内臓が、螺旋にねじれ、へし折れていきます。
そのままコンスタンツ捕獲場所の壁を突き破り、通路に出て、さらに通路の反対側の壁に向かっていきました。


爆音が響き、洞窟全体が大きく揺れました。


その残響音が余韻となって残るなか、カツン、カツン・・・と、2つの糸石が落ちる音が静かに聞こえました。


次の瞬間、ミルザ達を守っていた炎の壁が低くなっていき、地面に溶けるように消えました。
ミルザくんが、オイゲンくんが、ミニオンズが、通路にぱたぱたと出てきます。
そこには、胸に大斧を突き立てられて、壁に埋め込まれたイフリートと・・・

タイラント「――――終わったぞ。」

水と闇の糸石を拾い上げた、タイラントくんの姿がありました。
タイラントくんは、そのままミルザに糸石を手渡しました。
タイラント「しっかり持っておけよ。これはお前が勝ち得たものだからな。」
ミルザ「タイラントくん、ありがとう・・・でもどうしてここに?」
タイラント「うーん、まぁ火のルビーには、我も少々ワケ有りで、な。」
ミルザ「そうなんだ。あ・・・イフリート先生・・・は・・・?」
タイラント「殺してはいない。全くタフだよ奴は。だが、このまま放置もできまい。」
そう言うとタイラントは、指をパチン、と鳴らしました。大斧が炎のムチに変化し、イフリートを拘束しました。

タイラント「さて、と。」
そう言うやいなや、タイラントくんは一直線にヘイトちゃんの方に歩み寄ると、ヘイトちゃんの襟首を掴み、
タイラント「ちょっと来い。色々聞きたいこともあるからな。」
そう言って、コンスタンツの捕獲場所まで引きずっていきました。
ヘイトちゃん「あ、あひゃ〜〜〜jfぁjdぁfjぁj!!」
13915/23:2006/01/01(日) 13:32:55 ID:???
コンスタンツ捕獲場所に着くやいなや、タイラントくんはコンスタンツの状態を確認しました。
タイラント「大丈夫だな。外傷は全く無い。ショックで気絶しているだけか。」
そしてヘイトちゃんを、鬼の形相で睨みつけて言いました。
タイラント「いいか?今からの問いに、正直に答えろよ。嘘をついたら・・・尋問から拷問にシフトするからな。」
ヘイトちゃんが、こくこくこく、と首を縦に振りました。
タイラント「コンスタンツをさらったのは、貴様らか?」
ヘイトちゃんが首を縦に振ります。
タイラント「理由は、火のルビーだな。」
再びヘイトちゃんが首を縦に振りました。
タイラント「それは、我からルビーの在りかを聞いた瞬間から、計画していたことなのか?」
ヘイトちゃんは首を横に振り、言いました。
ヘイトちゃん「いやぁ〜〜最初はぁこっそり頂いちゃうつもりだったんだけどぉ〜〜★○▲」
        乳繰り合ってるの見かけた時にピコーンと閃いたのぉ〜〜jfぁjfl」
タイラントくんが、苦渋に満ちた表情で頭を抱えました。
3人の行き当たりばったりな行動に、もはや呆れて怒る気力も無いようです。
タイラント「・・・では、もし交渉が不成立だったら?コンスタンツに危害を加えるつもりだったのか?」
その問いに、ヘイトちゃんはマッハで首を横に振りました。
ヘイトちゃん「そ、そんなことしないわよぅぉぅぉぅ!同じ女の子に、いくらなんでもそんなぁ〜fぁjf;」
タイラント「本当だな?」
ヘイトちゃんは、首をこくこくと縦に振りました。
タイラント「結局、ルビーしか目に入っていなかったのか。安直というかなんというか・・・。
       いいかヘイト。貴様は『決して届かぬ炎の御許』のプロローグしか聞かなかったから知らんだろうが・・・」
そしてタイラントくんは一息ついて言いました。
タイラント「4寮長の司る4元素は、自然を司る、生命のもとと言ってもいいものだ。
       だが、地震や津波や竜巻のように、過ぎたる力は凶器となる。
       特に、我が司る『火』は、そのままでも破壊に直結する危険度の高いものだ。
       だから、火のルビーは取り扱いには慎重を要し、相応の力のある者が管理しなければならん。」
ヘイトちゃん「危険物取扱二種ならあるけど。」
タイラント「問 題 外 だ! そもそも盗みを計画した時点で犯罪だと認識しろ馬鹿が!!」
タイラントくんが、どこから取り出したのかハリセンでヘイトちゃんの頭をひっぱたきました。
タイラント「――――まぁ。安易に火のルビーの場所を話してしまった我にも責任はある。
       ・・・反省、してるか?」
ヘイトちゃんがシュン、とうつむいて、こくんと力無く頷きました。
タイラント「他の糸石はいざ知らず、これはハッキリと所有権がある・・・要は人のモノだ。
       おまけに危険物ときている。もうルビーを狙おうと思わないと・・・誓えるか?」
一瞬間があきましたが、ヘイトちゃんがこくこくこく、と首を縦に振りました。

タイラント「そうか。ならば――――」
14016/23:2006/01/01(日) 13:34:15 ID:???
イフリート「う・・・」
オイゲン「おっ、先生が気が付いたぜ・・・」
ミルザ「先生・・・」
イフリート先生は、薄く目を開けました。その瞬間、胸が激しく痛みます。
イフリート「ぐふ・・・骨に、内臓までいっているな・・・これも、あの女子がやったのか?」
ミルザ「女子・・・?ワイルちゃんのことですか?いえ。それはタイラントくんが・・・」
オイゲン「タイラントくんを責めるのはお門違いだぜ。なにせ彼が来なけりゃ、俺達は丸焼けだったんだからな!」
イフリート「タイラント・・・あぁ、四寮長か・・・。流石だ。大した力量だ・・・。
       だが、その間の記憶が無くてな・・・そう、あれはあの女子に一撃を受けて・・・。」
そしてイフリートは、げほっげほっと血を吐きました。
イフリート「・・・ミルザよ、あの女子を呼んでくれないか・・・。
       心配するな・・・私はもはや何もできん・・・。」
ミルザがそれを受けて、後方に視線をやりました。
ストライフちゃんと、ワイルちゃんがゆっくりと歩いてきました。
イフリート「女子よ・・・私はそんじょそこらの連中には負けない自身があった。
       だが現実はどうだ?私は四寮長はおろか、女子三人にも一本とられてしまった。
       ・・・教えてくれ。私は・・・なぜ負けたんだ?」
ワイルちゃんは目を閉じて、思いを巡らせたのちに、ゆっくりと答えました。
ワイルちゃん「私は・・・負けるわけには行きませんでした。友達を守るために。タイラントくんも同じです。
        それに対してあなたは、先生であることを止めました。
        ・・・そう。守るために闘った私達と、守ることを放棄したあなた。
        『守るもののある強さ』の有無。これが・・・勝敗を決めたんだと思います。」
イフリート「・・・誰かを守る強さ、か・・・。」
ミルザ「ワイルちゃん・・・。」


セージ「はい。つまらないお話はそこまで〜〜〜。」

――――突如、イフリート先生の埋め込まれている壁に、黒くて大きい穴が開きました。

セージ「見事にやられちゃったね、『反逆者』。まぁ、また出直そうか。」
イフリート「ヌ・・・貴様は・・・」
ミルザ「・・・お前は・・・その声は!!!!」

セージ「キミに会うのは初めてだね、ミルザ。でもボクは・・・ずっと前から知っていたのさ。キミのことを。」


その穴から、緑色の目をした一匹のゴブリン・・・ゴブリンセージが現れました。
14117/23:2006/01/01(日) 13:35:47 ID:???
ミルザ「僕を知っているだと?」
セージ「そうさ。ずっと前から知っていたのさ。アクアマリンを見つけた時も、ブラックダイアを得た時も。」
オイゲン「ってことは、てめぇは、イフリート先生の言っていた・・・」
セージ「そっか。反逆者が明らかにしてたっけね。まぁボクに言わせれば、やっと気付いたの?ってトコだけど。」
ゴブリンセージは、子供のように無邪気に微笑みながら言いました。

セージ「ボクの名前はゴブリンセージ。将魔みたいに強くはないけど・・・まぁ一兵卒でもないよ、とだけ教えておくよ。」

ストライフちゃん「このガキが。さっき私たちを焼き殺そうとしてくれたのは貴様だな?」
言うやいなや、ストライフちゃんはヘルファイアを放ちました。
しかし、セージが杖をひょいひょいっ、と動かすと、イフリートの周りの土が動きました。
それによりイフリートの体勢が崩れ、セージの盾となる位置に倒れこみます。
ヘルファイアは、その状態のイフリートに命中しました。

セージ「ふう、こわいこわい。いきなり乱暴だなぁ。とっさに仲間に隠れちゃったよ。」
そのセリフを聞き、オイゲンくんのこめかみに青スジが走りました。
オイゲン「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞてめぇ・・・今のは、とっさの動作じゃねぇ。
      自分の盾で防ぐような・・・そう、道具を当たり前のように使うかのような動作だ。そういう奴かよてめぇ!」
セージ「フン。ボクがどんな奴かは好きに想像すればいい。ともかく、反逆者は回収していくよ。ヒドいケガだしねぇ。」
ミルザ「イフリート先生を・・・連れて行くだと!?」
セージ「キミもわからない人だね。彼は先生じゃなくて、反逆・・・」
ミルザ「黙れ!イフリート先生がこんなになったのも、お前のせいだろう!
     先生を連れて行くだと?させるか!!お前を倒し、先生を正気に戻す!!」
セージ「どうやらキミとこのまま話してても意味ないみたいだね。んじゃ、ボク達は帰るよ。」
ミルザ「させるか!!」

ミルザくんがレフトハンドソードを抜き、一気に間合いを詰めてセージに切りかかりました。

そのとき黒い穴から、黒い影が踊り出てきました。
ガッキィィィン!!
その黒い影が、ミルザくんの一撃を受け止めたのです。

セージ「・・・ありがとう。助かったよ、スペクター・・・いや、今は『カヤキス』かな?」
14218/23:2006/01/01(日) 13:37:21 ID:???
そのカヤキスと呼ばれた影は、全身を黒い鎧で包み込み、黒い打槍を構えていました。
兜の中は暗く、どのような顔をしているのかは一切わかりません。
そして、全身から黒い瘴気のようなものが噴出し、まとわりついておりました。
上段から振り下ろしたミルザくんの剣を、徐々に押し返していきます。
ミルザ「・・・こいつは・・・!」
セージ「あぁ。彼も将魔の一人さ。一人で来るのもこわいからさ。付いてきてもらって正解だったよ。」
ミルザ「どけ。そこをどけ!!」
カヤキス「・・・・・・・」
ミルザ「くっ、ならば力ずくでどいてもらう!乱れ突き!!」
カヤキス「・・・・・・・!」
連続して繰り出されたミルザくんの突きを、カヤキスは全て弾き返しました。
ミルザくんとカヤキスの間に距離があきます。
ミルザ「こいつ・・・強い!」

ストライフちゃん「・・・おいワイル。あいつ今スペクターって言ってなかったか?」
ワイルちゃん「スペクターくんは、今ヘイトちゃんのドラクエのLV上げやらされてるハズですが・・・
・・・あ、危ない!!」
ゴブリンセージがロッククラッシュを密かに唱えました。ミルザくんの死角から石が落ちてきます。
それを見て、とっさにワイルちゃんがミルザくんを突き飛ばしました。

ミルザ「ワイル・・・ちゃん?」
ストライフちゃん「ワイル!!」
ミルザくんをかばって岩を頭に受けたワイルちゃんが、気絶しています。その頭から、一筋の血が流れていました。

セージ「あはっ。時間も無いことだし、ミルザには寝ててもらおうと思ったのに。自己犠牲?バカだね。」
ミルザ「き さ ま・・・・!!!」
ミルザくんが歯噛みしながら、セージを睨みつけました。
そんなミルザくんを見て、セージは「やってられないよ」と言う風におどけてみせました。


――――ミルザくんの怒りは沸点を迎えました。

14319/23:2006/01/01(日) 13:39:07 ID:???
ミルザくんが目を固く閉じて、そして、きっ!と見開きました。
レフトハンドソードを一度鞘にしまい、居合の形で一気にセージに向かって走っていきます。
その前に、打槍を構えたカヤキスが立ちはだかり、横一閃になぎ払いました。

ミルザ「うおおおおお!!!」

ミルザくんは、それを跳躍して飛び越えると、そのままカヤキスの頭を踏みつけて、乗り越えていきました。
カヤキス「!!」セージ「へ?」

シュパァァァン

ミルザくんが剣を抜き、走らせました。
一瞬の間があいて・・・

ぴしぴしっと、セージの眉間にナナメに線が走りました。
その線は、明確な傷となり・・・一気に血が噴出しました。

セージ「う、うわ、うわ、うわああああ!!!」

と、ミルザくんの後ろからカヤキスが、打槍でわき腹を殴りつけました。
ミルザくんが横に飛ばされます。

セージ「く・・・!!ミルザァァァァ!!」
するとカヤキスが、眉間を押さえるセージの肩を掴み、顎で向こうの方角を指し示しました。

ヘイトちゃん「んあ!?あんたら何なのよぅぅぅjfぁjfl」
タイラント「貴様らか?黒幕は。まさかそちらから出てきてくれるとはな。」

セージ「・・・ここまで、だね。」
そしてセージは、わき腹を押さえているミルザに向けて、血に濡れた目を向けました。
セージ「ミルザ。この傷は土産として貰っていくよ。今日のことは忘れない。この礼は必ずする。楽しみにね・・・
     そして。糸石は、関わった者の運命を絡み取っていく。望むと、望まざるとに関わらずね。
     覚悟しておくんだね。ミルザ、オイゲン、セレブ3姉妹とそのお付き、四寮長・・・
     ・・・みんなみんな、運命の車輪の中にいるのさ。すでにね。アハハハ・・・。」

そして黒い穴の中にセージ・カヤキス・イフリートは入っていき・・・黒い穴は閉じました。

ミルザ「・・・先生・・・先生ーーーーッ!!!」

黒い穴のあった場所には、もはや何の手がかりも無く、ただの岩壁があるだけでした。

――――こうして、夜明け前の長い長い冒険は、終わりを告げました。
14420/23:2006/01/01(日) 13:41:11 ID:???
ワイルちゃん「う、う〜〜ん?」
ワイルちゃんが、目をしばしばとまばたきします。真っ白い部屋・・・騎士団寮の医務室に、彼女は寝ておりました。
ワイルちゃんは、状況を整理しようとして、そしてどんよりとした気分になりました。
ワイルちゃん「そっか。誘拐犯だってバレちゃったんですよね・・・これから尋問ですか・・・しくしく」
すると、ばたばたばたと走る音がして、ドアがバタン!と開きました。
ミルザ「ワイルちゃん・・・目が覚めたんだね!」
ミルザくんの姿を見て、ワイルちゃんが悲しげに顔をゆがめました。
ワイルちゃん「ミルザさん・・・ごめんなs」
ミルザ「ごめんよおおおおお!!ワイルちゃあああああああん!!!」

ワイルちゃん「へっ?」

ミルザ「君はただ巻き込まれただけだったんだね!!
    そんな不幸な女の子を守りきれないなんて、僕は、僕はああああ!!」
ワイルちゃん「え?あの、ちょっ」
すると、さらにパタパタと足音が聞こえてきました。
ヘイトちゃん「あぁ〜〜おなかいっぱああああいいいい。騎士団寮の食事も結構うまいわああああjlkjlf」
ストライフちゃん「あぁそうだな。お、ワイル目が覚めたのか。」
ワイルちゃん「あのー・・・これはどういう・・・」
僕は、僕はぁぁぁと叫びっぱなしのミルザくんをどかして、ストライフちゃんがワイルちゃんの横に座りました。
ストライフちゃん「これを読め。」
手渡された手紙には、文章がペンではなく、焼印を押したように記されていました。こんな芸当ができるのは一人だけです。
ワイルちゃんは手紙を読み進めました。手紙にはこうありました。

「貴様らのしたことは重大な犯罪行為だ。本来なら退学も止む無しだ。
 だが、貴様らの暴走の責は、安易に火の糸石の話をバラした我にもある。
 それに、貴様らの行動が結果的には、騎士団寮に潜んでいた巨悪を炙り出すことに繋がった。
 よって、フラーマ先生と交渉の結果、誘拐実行と巨悪の暴露でプラスマイナスゼロとすることにした。
 このことを知っているのは我とフラーマ先生だけだ。対外的には・・・
 ・誘拐犯は、イフリート先生を操っていた連中。
 ・貴様ら三人は、我から火の糸石の話を聞き、興味本位で調べてたときに誘拐事件に巻き込まれた被害者。
 と、なっているはずだ。
 ――――助けるのは今回だけだぞ。わかっているな。」

ワイルちゃん「え、てことは・・・まだ学園にいられるんですねぇぇぇ・・・ふええん!!よかったよおおお!!」
ストライフちゃん「泣くな泣くな。っとと・・・証拠隠滅、と。」
ストライフちゃんは弱めのヘルファイアで、今の手紙を焼きました。手紙は灰となり、風に乗って散りました。
と、オイゲンくんが入ってきました。
オイゲン「お、目が覚めたかい。丁度良かった。そろそろ始まるぜ。」
14521/23:2006/01/01(日) 13:43:02 ID:???
〜〜臨時騎士団会議〜〜

テオドール「今回の事件では、犯人を捕らえることこそできなかったが、
       コンスタンツは無事に戻ってきた。火のルビーも守ることができた。
       イフリート先生のことは残念だが・・・まずは被害を最小限に抑えられた、皆の尽力に感謝したい。」
ノーデン「イフリート先生って、誘拐犯に操られてたんだって?あの人単純だから、催眠術とか弱そうだもんなー。」
プラッツ「まさかそんなことになってたなんて・・・俺悪いこと言っちゃったな・・・。
      イフリート先生は、いまだに行方不明なんだろ・・・?」
ノーデン「まぁ気ィ落とすなよ。あの人はそんな、すぐ死ぬタマじゃねーって。」
プラッツ「そうか・・・そうだよな!!あの人帰ってこね―と体育できねーしな!!!
      ・・・ところでよ、なんでラファエルの野郎がのうのうと並んでるんだ?」
ノーデン「あー。イフリート先生が操られてコンスタンツを連れ出したんなら、
      生徒の力じゃどうやっても止められなかったろうってな。ヤツに責任無しと判断されたらしい。」
プラッツ「なんか・・・イマイチ納得いかねーなー。」

テオドール「さて、コンスタンツから、ラファエルと正式に付き合いたいという申し出だが・・・
       わ、私は、わた、わたしは・・・これを許そうと・・・お、思う・・・。」
コンスタンツ「お父様!」
ラファエル「お義父様!」
テオドール「まだ貴様が『お義父様』呼ばわりするのは早いわヴォケ!!!」
ラファエル「ひぃっ!!」

プラッツ「マジかよ!!テオドール先生、なんか怪しいキノコでも食ったのか?」
ノーデン「影で乳繰り合われて、また今回みたいなことになるよりは、安全な騎士団寮内で・・・ってことらしい。
      まぁ苦渋の判断だったみたいだな。見ろよあのテオドール先生の顔。10歳くらいフケたんじゃね?」

テオドール「ゴホン、さて・・・では今回の会議の主題に入ろうと思う。入ってきたまえ!!」
すると会議場のドアが開き、ミルザくん、オイゲンくん、ミニオンズが入ってきました。

テオドール「騎士団寮の生徒として、いち早く行動し、コンスタンツを救い出したミルザ、オイゲン!
       そして他寮の生徒でありながら、事件解決に協力してくれたワイル、ストライフ、ヘイト!
       彼ら5人に、名誉騎士の称号を送りたいと思う!異議あるものは?」
騎士団寮生たち「「「異議なし!」」」

オイゲン「色々あったけど、名誉騎士で特別待遇ゲットか。まぁ終わりよければってやつだな?」
ストライフちゃん「フン、名誉騎士か・・・仕方ないな。貰ってやるか。(・・・本当は犯人なんだが、まぁいいか。)」
ヘイトちゃん「あひゃ〜〜〜jfjfljf特別待遇名誉騎士〜〜〜らぁっきぃぃぃぃぃ!!」

テオドール「満場一致だ。受け取ってくれたまえ。」

    ミルザ「僕たちは――――」
ワイルちゃん「私たちは――――」
14622/23:2006/01/01(日) 13:45:17 ID:???
【時同じくして。騎士団寮の外れにて。】

フラーマ「騎士団会議には出て行かないの?あなたなら名誉騎士間違い無しよ。炎帝。」
タイラント「遠慮させていただく。今回の事件は我の責によるところも大きい。とても貰える立場ではないさ。
       それに、我は騎士というガラではない。
       ――――色々と、済まなかったな。」
フラーマ「いいえ。貴方はコンスタンツの命を救ってくれた。それで十分すぎるほど、よ。
      ・・・ところで、イフリート先生は、本当に操られて・・・?」
タイラント「我と戦った時は完全に意思を乗っ取られていたがな。ミルザ達の話を聞くと、
       自我がしっかりありながらも、自己矛盾にさいなまれていたようだ。
       精神操作が、2重、3重にかけられていたのかもしれん。・・・厄介ではあるが、救いもある。」
フラーマ「と、いうと?」
タイラント「完全に塗り替える精神操作ではなく、自我と作為が入り混じった状態になっていた。
       と、いうことは、過去の行動は完全な演技というわけではなく、多少なりとも地が出ていたということだ。」
フラーマ「・・・ってことは、あの暑苦しい性格は、地の可能性があるのね。ハァ、やっぱりクラクラしてきたわ。
      ところで、もう一つだけ教えてもらえるかしら。」
タイラント「答えられることであれば。」
フラーマ「あの三人娘を助けた真意について。」
タイラント「言わなかったか?奴らはとんでもないことをしたが、怪我の功名で騎士団寮内部の敵を暴けた。
       我にも多少の責任はあるし。その辺をかんがみて――――」
フラーマ「本当に、それだけ?」
タイラント「――――正確には、あと2つある。
       1つは騎士団寮のためだ。誘拐犯が捕まって誘拐事件が解決すれば、自然と警戒心は薄れる。
       だが、人質は取り返したが誘拐犯が逃げている状態ならば、警戒心は薄れるまい。
       なにせ敵の本来の目的は石だ。再来することは、目に見えているからな。」
フラーマ「なるほど。もう一つは?」
するとタイラントくんは、頭上の青空を見上げるようにして「うーむ、なんというか・・・」と区切ると、
今朝のメンバーのことを思い出しました。ミルザくんとワイルちゃんの。オイゲンくんとストライフちゃんの。
(ヘイトちゃんは?という質問は無しの方向で)
そして、腕組みをして言いました。
タイラント「過ちは、いくらでも反省して修正できる。だが友人関係に入った亀裂は、自分一人では容易に修正できまい。
       ――だから、もし大人がウソをつくことで、若い連中の亀裂を回避できるなら・・・そうした方が良いと思った。
       若い連中には、反省はしても後悔はして欲しくなくてな。うーむ、自分でも何を言ってるかよく分からんよ。」
それを聞いて、フラーマ先生はクスリと笑いました。
フラーマ「炎帝、貴方は変わったわね。なんていうか、人間臭くなったわ。
      戦いの時も、結局ほぼ人間体で押し切ったんでしょ?
      人間を、そして人間体で過ごす事を、とてもいとおしく思っている感じ。
      ――――貴方をそう変えた人は、果たして誰なのかしらね?是非一度お会いしてみたいわ。」
タイラントくんは、その語りかけには応えず、フン、とそっぽを向くだけでした。
14723/23:2006/01/01(日) 13:47:44 ID:???
【臨時騎士団会議場】

    ミルザ「僕たちは――――」
ワイルちゃん「私たちは――――」

ミルザ&ワイル「「辞退します!!」」

テオドール「へ?」
オイゲン「え?」
ストライフちゃん「な?」
ワイルちゃん「ひゃ?」

会場中『ええええーーーーーーーーーーーっっ!!??』

ミルザ「僕たちは、騎士のつとめを完全に果たすことはできませんでした。先生も助けられませんでした。」
ワイルちゃん「私たちも、名誉騎士と名乗るにはまだまだ実力不足です。」
ミルザ「だから」
ワイルちゃん「ですから」
そして、ミルザくんとワイルちゃんは目を合わせ、微笑み、同時に語りました。
ミルザ&ワイル「もっと実力をつけて、名誉騎士にふさわしいその時が来るまで・・・辞退いたします。」
オイゲン「ちょ、ミルザお前何いってんだよーーーー!!」
ストライフちゃん「ワイルーー!!お前どうした!!頭うったのがまだ響くのか!?」
ヘイトちゃん「ワイルちゃあああああん!!そんなああああああlじゃfljfljf!!」
テオドール「・・・・っ!感動した!!まだまだ高みを目指すその姿に感動した!!
       わかった。君達の意見を尊重しよう!
       ・・・つーワケでラファエル!さっきのお前たちの話も白紙な。」
ラファエル「え、ちょ、そんなああああ!話が違いますよ義父さん!!」
騎士団寮生「げひゃひゃひゃひゃ!ざまーみやがれラファエル!!」
ラファエル「やめてよね。君達が(略」
騎士団寮生「なんだとてめーーー!!!!」

【騎士団寮外れ】

タイラント「おい。なんか会議場が荒れ始めたぞ。窓ガラスも割れた。」
フラーマ「あらあら・・・私が行かないと収まりそうも無いわね。それではごきげんよう、炎帝。」
タイラント「うむ、さらばだ。」
フラーマ「・・・ねぇ炎帝。敵はまた近いうちに来るのよね・・・大丈夫かしら?」
タイラントくんは、ワァワァギャーギャーと音のする会議場を見て、そして、ふっ、と微笑みました。
タイラント「大丈夫さ。また狂人どもが魔手を伸ばしてくるだろう。だが――――

       ――――狂人は勇者に打ち倒される。そういうものさ。」

それを聞いて、フラーマ先生はニッコリ微笑むと、小走りに会議場に向かいました。
そしてタイラントくんも、帰路につきました。

タイラント「(次に騎士団寮を救うのは、お前の役目だぞミルザ。できるはずだ。お前が勇者ならば、な。)」

16話『a kidnapping』 終わり
148ゲーム好き名無しさん:2006/01/01(日) 13:52:48 ID:???
はい、そういうワケで16話終了です。初めて本編の終了を書いたけど、
収束させるのは予想以上に難しいね。今まで書いた中で一番長くなったよ。
で、大方の予想通り、介入させた大人はタイラントくんでした。まぁ外伝や本編初めにちょくちょく出てきたし、
火の石だし、なにより原因はこのヒトがヘイトちゃんに喋っちゃったせいじゃないの?ってことで出させて貰いました。
おかげでオイシイところもってっちゃった気が・・・だが私はあやまらn
メガネを外したワイルドなワイルちゃんってのも、以前レスで見て気に入ったネタでした。
なんにせよ、気に入ってるキャラ2人を思う存分使えて満足です。つかタイラントだと気兼ねなく超人バトルが書けて楽しかったw

ではでは、今年も一年よろしくお願いします。
149ゲーム好き名無しさん:2006/01/01(日) 14:27:12 ID:J17Jx4eo
乙!
新年早々いいもの読ませてもらったよ。
イフ先生との再戦が楽しみだ。
タイラントくんかっこいいなー。

みんなあけおめ。今年もよろしく。
150ゲーム好き名無しさん:2006/01/01(日) 16:28:03 ID:???
>>148
貴様・・・俺好みのお話を・・w
乙だ!
あぁもうなんかインスピレーション湧いて来たんで17話の冒頭は俺に書かせてくれ!
そしておまいら今年もよろしく!
151ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 00:08:53 ID:???
乙!!すげーお年玉だ!ロマンシングの神様ありがとう
なんかみんな神懸かり的な面白さで読ませてくれるね
152ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 15:35:51 ID:???
今回の話で一気にイフ先生の重要度が増したなw
こういう大した事ない脇役的な存在だったのが突如大活躍する話は、個人的に大好物だったので、今回の話は良かった。
しかしセージはいいキャラしてんのな。この物語の中では珍しい徹底した悪役だし、これからなんでもやってくれそうな気がするよ。
153ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 16:56:58 ID:???
六将魔は

デーモンコマンド
リザードロード
「陰者」スペクター
「反逆者」イフリート
「死神」???????
と五人明らかになってるワケだけど、あと一人は誰なんだろな。もう将魔っぽいモンスターがいないような気も…
というかデモコマ様とリザードロードには、他の奴等にある異名みたいなのはないんだろうか。
154ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 18:06:42 ID:???
じゃあ俺が勝手に命名してみる。
「邪眼」
「剛槍」
でどうよ?
どう見てもそのままです。本当に(ry
最近人少ないみたいでカナシス(´・ω・`)
155ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 18:10:55 ID:???
「司令官」
「貴族」
で、どうよ。

どう見てもそのままです。本当に(ry
156ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 18:12:10 ID:???
リザードロードは貴族のくせに金欠なんだな。ビバ貧乏貴族
157ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 18:42:15 ID:???
新作マジで面白かったよ。職人さん乙!


>153
デモコマ様は「魔王」で良いんじゃないだろうか。
リザードロードは…出番少なくて良くわからんが…
「変しつsy…   もとい、「変革者」とか?

>将魔っぽいモンスター
紫スライムに清き一票。
158ゲーム好き名無しさん:2006/01/03(火) 20:31:00 ID:???
リザードレボリューションからの連想なら、「革命家」とかか?どんな技なのかは知らんけど・・・
デモコマ様はリーダーシップがあるっぽな名前がいいのかね。「皇帝」だとウェイより偉そうだし、
「将軍」だと将魔とカブるし、「君主」はもう他にいるしなー。コレってのが想像つかん。

>将魔っぽいモンスター
ざっと思いついたのは↓
・オーガロード
獣人ランク10 だけどパワーバカっぽいからイマイチ個性に欠けるか?
・巨人樹
将魔が力技多いのばっかだから、術のスペシャリストを。でも見た目からだと術法スペシャリストに見えないんだよなぁ
一番痛いのココナッツだし・・・
・幸運の魔女
やっぱり女キャラが一人はいた方がいいか?
闇の術法だけだとデモコマ様達とカブるので、ベルクウィニスの刃で追っかけ回して欲しい。
159ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 00:29:31 ID:???
将魔か…。
一匹巨大なのがいるのもよくないか?アビサルマローダとか…巨人樹とか。


さて暇だし幕間でも書くかな。
160ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 18:56:20 ID:???
今から幕間投下するお
161ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 18:59:18 ID:???
幕間劇『臨時講師』

始業のベルが鳴り響きました。
騎士団寮の生徒達が、一斉に校庭に集まりだします。
一人の騎士が、みんなに対し問いかけました。
騎士A「そういやぁ、今日から体育の授業は新しい先生が来るんだってな。」
騎士B「そうらしいな。イフリート先生に代わる教師か・・・また濃いのがくるんだろうなぁ。」
騎士C「どうしようか?もしイフリート先生以上に濃くて厳しい人が来たら?」
騎士D「あはは、それはちょっと勘弁願いたいよな。まぁ、あれ以上濃いのなんて流石に存在しないだろうが・・・」
騎士C「だよね。あははは」
騎士E「ちげぇねぇ。」
騎士A「とりあえず爽やかな人が来てくれたらいいよな。」
騎士D「だよな。」
騎士B「なっ。」
その他大勢「だよなー。」
騎士E「おい、来たぞ。」

校舎から、一人の男がこちらに向かって歩いてきます。
騎士一同は息を飲みました。
次第に、その男の顔が確認できるようになって行きます。
騎士D(お・・・・?爽やか系な容姿だな。)
騎士C(っつかいたって普通って感じだよね。)
男は騎士達の前に立ち、こちらをしばらく見回した後、ハキハキとしたよく通る声で言いました。






騎士団騎士「君達こんにちは!新しく君達の体育教師を受け持つ事になった、『騎士団騎士』だ。よろしくな!『騎士先生』と呼んでくれ!!」






騎士一同 (  つ  か  い  す  て  だ  ッ  ッ  ッ  !  !  !  )


162ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 19:00:45 ID:???
授業が始まりました。

騎士先生「さて、今日は初めて君達と顔をあわせるわけだが・・・」
騎士D「先生ー」
一人の騎士が手を上げます。
騎士先生「お、質問か?なんだね、オイゲンくん。」
騎士Dもといオイゲン「騎士先生。騎士団騎士って先生の本名なんですよね?」
騎士先生「もちろんだよ。」
オイゲン「名付け親が見たいなー。」
騎士A「せんせー。」
またもう一人手を上げる騎士がいます。
騎士先生「ん?なんだね、ブラッツくん。」
騎士Aもといブラッツ「先生は自分の名前に違和感を感じた事はないんですか?」
騎士先生「ん?ないよ。ああ、でもよく友達に『お洒落な名前だね』って言われるよ!」
ブラッツ「え?その友達の感覚が理解できないのは俺だけっスかね。」
騎士B「先生。」
騎士先生「はいはい、ノーデンくんも俺に質問かい?」
騎士Bもといノーデン「最近『自分、使い捨てっぽいな』とか思いませんか?」
騎士先生「そんなことないよ!人はね、一人一人生きている意味と理由があるんだ。
       使い捨ての人間なんてこの世には一人たりともいないんだよ!」
ノーデン「でもアナタ、この話以降絶対物語中に出ませんよ。」
騎士E「先生。」
騎士先生「なんだい?騎士Eくん。」
騎士Eもとい騎士E「先生は、子供の頃『一発キャラ』とかってあだ名付けられたりしてませんでした?」
騎士先生「何を言ってるんだ!そんなあだ名つけられた事なんか一度も無いぞ!」
騎士E「あ、確かにこの話限りの一発キャラだから、子供時代とかそんなん設定されてるわけありませんよね。」





オイゲン・ブラッツ・ノーデン(((騎士E、お前も露骨な一発キャラだろ・・・)))




幕間劇『臨時講師』おわり






騎士Cもといミルザくん「あ、あれ、僕の出番は?」
163ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 19:08:10 ID:???
幕間っつーより露骨な一発物だけどww
たった二レスとかもうね。
露骨な一発キャラで遊んでみたかったから書いてみた。

ブラッツとノーデンも、正直一発キャラに近いけども!
164ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 22:23:50 ID:???

騎士団騎士は一回もないな。
ツフでさえ耐えられる俺でも、こいつは無理だな。
頭身がヤバスw

まとめサイトの人まだいる?
いたら更新をお願いします。
期待して待ってますんで。
165ゲーム好き名無しさん:2006/01/04(水) 23:18:38 ID:???
乙。
騎士団騎士って序盤の名無しキャラか。164見るまで忘れてた。
ミンサガ出て間もないころ、仲間のLP尽きさせれば、悪行値が上がって冥府に行けるって何故か考えて、
インペリアルアローの陣形でこいつ殺したっけか・・・バファル帝国兵やクジャラート兵も・・・
イスマスがルドン高原と化していたあの日。
166まとめサイトの中の人:2006/01/05(木) 13:31:59 ID:???
第16話更新したので報告。
遅くなってごめん。ちょっと忙しかったんで。

幕間乙!
騎士団騎士使ったことねーな。
これを機に使ってやるか・・・ツフパーティーで。
167ゲーム好き名無しさん:2006/01/05(木) 14:18:46 ID:???
騎士団騎士は、鎧に固定装備を着けていない上に
LPが名無しキャラ中最高(つっても4だけど)。

名無しとしては強い部類に入るし、仲間にする条件も易しい。
主人公+名無しだけでクリアを目指す時とかには超オススメ。
168ゲーム好き名無しさん:2006/01/05(木) 21:13:35 ID:???
>>166
乙、超乙!
これからもがんばってくれ。
俺はあんたのファンなんだぜ?
169ゲーム好き名無しさん:2006/01/05(木) 22:17:00 ID:???
>>166
お疲れ様!毎度毎度お世話になります。
今回の更新で個人的に嬉しかったのは、自分は16話ラストを書かせて貰った者なんだけど、
このあたりが一区切りかなぁ?って思ってたまさにそこで改ページしてあったところ。
なんて言っていいのかよくわからんけど、妙に嬉しかったなぁ。
これからも更新頑張ってください。自分もまた何か書ければ書かせてもらいますねー。
170ゲーム好き名無しさん:2006/01/07(土) 23:58:54 ID:???
>>150
なー、いつごろ出来る?
俺には石が関わらない、学園コメディっぽいかどうかわからないけどそんな感じなような本編のネタがあるんだが…遅れるようなら書いてしまいますぜ〜ヒヒ
なんて事はしないが、17話期待してるお。
171150:2006/01/08(日) 00:13:50 ID:???
>>170
糸石関係しないなら書いてもらって全然OKだよ。
月石をテーマにするつもりだったから。
正直糸石絡みの話が続いてたからどうかと思ってたんで、渡りに船w
時間もかかりそうなんでお願いします。
172ゲーム好き名無しさん:2006/01/08(日) 00:34:21 ID:???
たしかに、幕間っぽい話の連作は今まで無かったけど面白そうだ。
冒険話もいいけどシリアスになりがちだからなー。
ひたすらアホな話や甘甘な話を書きたくなる。それにその手の話だとご新規さんが入りやすいかもしれんね。
173ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:16:30 ID:???
唐突に幕間を投下します
174ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:17:49 ID:???
やっぱり凄い状態のアディリスハウスにて。

アディリスちゃん「む〜〜〜」
アディリスちゃん「ほ〜〜〜」
アディリスちゃん「うぉーーー!!」
アディリスちゃん「いけーーー!!」

ディアナちゃん「アディリスの部屋から奇声が聞こえるけど・・・いけない薬でもやってるの?」
アルドラちゃん「あいつに限ってそれは無いだろ。脳内麻薬で十分アレだしな。
          いや、昨日なんかのアニメのDVDを大量に借りてきてねぇ。見っぱなしなんだ。」
ディアナちゃん「・・・大丈夫かしら?相当いれこんでるみたいだけど。」
アルドラちゃん「また変なこと言い出さなきゃいいけどな・・・」


          幕間「悪影響」


と、アディリスちゃんの部屋のドアがどかーん!と開きました。
アルドラ&ディアナ「「わっ!!!」」
なぜか部屋から煙がたちこめています。その中でアディリスが立っていました。
アルドラちゃん「アディリス・・・」ディアナ「・・・もしも〜し・・・」
アディリスちゃん「・・・イイ。ステキだわ・・・。」
アルドラちゃん「ふえっ?」
アディリスちゃん「この世の全ては等価交換だったのねーーー!!」
突如アディリスちゃんの目がキュピ〜〜ンと光りました。
それと同時に、かしわ手を打つように、両手を体の前でパン、と合わせ、
そのまま両手を地面に叩きつけました。

すると地割れが発生しました。

ディアナちゃん「きゃーーー!」
アルドラちゃん「なにクラック唱えてんだお前ーーー!!」
するとアディリスちゃんはチッチッチッと指を振り、
アディリスちゃん「違うわよーーう!!これはねぇ、錬・金・術(はぁと)」

ディアナちゃん「ねぇアルドラ、まさか昨日借りてきたアニメって・・・」
アルドラちゃん「多分ディアナが想像したとおりだ。だけどここまで影響されるとは・・・」
175ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:18:39 ID:???
アディリスちゃん「そう!そうよ!!これからはこの路線で行くわ!!
      糸石も賢者の石も、同じ石ならオールオッケーよ!!」
ディアナちゃん「いや違うと思いますが・・・つーか何ですか賢者の石って」
アルドラちゃん「つーかお前のは錬金術じゃなくて単なる地下採掘だと思うんだが。
          それで取れるのは賢者の石じゃなくて、せいぜい廃石だぞ。」
するとアディリスちゃんは、2人の方を向いて、怪しげな笑みを浮かべました。
アディリス「いやーん二人ともノリ悪いわぁ♪
       ・・・ノレるように、おねぇさんが導いてあ・げ・る。
       まずはカッコから入らないとね〜〜〜。」
言うやいなやアディリスちゃんはアルドラちゃんを捕まえると、自室の方に引きずり込みました。
アルドラちゃん「わ、ちょ、ま、は、離せーー!やめろー!!どさくさ紛れで胸を掴むなー!!!」
アディリスちゃん「あらぁ♪アルドラ胸おっきくなった?成長期だもんね〜〜」
アルドラちゃん「言うなーーーー!!!」
ディアナちゃん「(・・・呆然)」

そしてアディリスの部屋でどったんばったんと音がして、そしてドアが開きました。
ディアナちゃん「・・・アルドラ・・・その格好は・・・」
アルドラちゃん「・・・お、重い・・・なんでハルモニアスーツなんかあるんだよ・・・」
アルドラちゃんは、全身鉄の鎧で覆われており、もはや表情すら分からん状態です。
まぁ要はアレみたいな感じと思ってください。
アディリスちゃん「・・・済まない、アル。お前の魂だけしか練成できなかった・・・」
アルドラちゃん「意味わかんねーこと言ってんじゃねーー!!
          つーか重い!重いよ!!済まないって言うなら外せよアディリス!!」
アディリスちゃん「あーんダメよ〜〜そこは『兄さん!』って言わなきゃ。」
アルドラちゃん「誰が兄さんだよ!つーかお前『アル』って別のヤツのこと想像してんだろコラ!!」
ディアナちゃん「別のアルって・・・アル・ヤンコビック?」
アディリスちゃん「ディアナ、それはマイナーすぎるわ・・・と、次はディアナの番ね〜〜♪」
ディアナちゃん「え、や、ちょっ!!」
アルドラちゃん「(・・・マジで重い・・・)」
176ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:19:53 ID:???

そしてやっぱりアディリスちゃんの部屋でどったんばったんと音がして、そして2人が出てきました。
ディアナちゃんは、頭にバンダナを巻き、作業着のようなものを着てスパナを持たされています。
ディアナちゃん「・・・まぁ無難な格好ですね・・・(アルドラに比べれば・・・)」
アディリスちゃん「よし行くぞウィンリィ!!」
ディアナちゃん「・・・私のこと?」
アルドラちゃん「・・・だろうな・・・。」
アディリスちゃん「よーーーし!賢者の石探しに行くぜオラーー!!!」

そして、グレートピット寮に、凄まじい地震が連続して発生しました。奇声と共に。
アディリスちゃん「錬金術ーー!!錬金術ーー!!等価交換ーー!!等価交換ーー!!」
ディアナちゃん「だから、それは錬金術じゃなくて、ただの無差別破壊ですってばーーー!!」
アルドラちゃん「・・・こりゃダメだな。トリップしてる。」
そしてアルドラちゃんは、グレートピット寮所属のモンスターを一匹呼んで、耳打ちしました。
アルドラちゃん「(この話にオチつけられるのはこの人だけだ。この人呼んできてくれない?)」

アディリスちゃん「ふい〜〜いい仕事したわ。さて、そろそろ彼らが来てくれるハズなんだけど・・・」
アルドラちゃん「彼ら?」
すると、妙に体の線が細く、楽器を携えた4人組が来ました。先頭のはメガネをかけてます。
謎のメガネ「どうも、アジカンです。」
ディアナちゃん「えっ、ア●アン・カンフー・ジェネレーションの皆様ですか?」
謎のメガネ「いえいえ。私たちは、
        アフマド×ジェフティメス カップリング 振興会の者です。」
アルドラ&ディアナ「「  マ ニ ア ッ ク 過 ぎ だ ろ !!!」」
謎のメガネ「だから4人しかいないんです。まぁそれは置いといて。ではご唱和ください。
        『消してーーーー!!』」
アディリス「『りらいとしてーーーー!!!』」
アルドラちゃん「うるせーーーーーー!!!!」
タイラント「――――また貴様はバカやっているのか。貴様の所のモンスターが泣きついてきたぞ。」
177ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:20:50 ID:???

アルドラちゃん「タイラントくん、来てくれたんだね!!」
タイラント「ぬわ!なんだこれは。さまよう鎧か?えーい、成仏せい。」
アルドラちゃん「ち、違うって!アルドラですよアルドラ!!実は・・・」
タイラント「・・・な、なるほど。苦労してるな・・・同じ寮長として謝罪する。済まないな・・・」
アディリスちゃん「あーー!!来たわね!焔の錬金術士!!!」
タイラント「・・・我のことか?」
ディアナちゃん「おそらく・・・」
アディリスちゃん「ますます役者は揃ったわねーー!!さぁ探そうぜ!ドラゴンボーr・・じゃない、賢者の石!」
タイラント「断る!!つーかいい加減目をさませよ。アルドラとディアナが困窮してるだろうが。」
アディリスちゃん「なによーーー!ノリ悪いわねぇ!!
           やーいやーいこの軍部の狗!無能!女ったらし!!」
タイラント「(・・・・怒)」
ディアナちゃん「一応罵倒の言葉もアニメをふまえているのが、律儀というかなんというか・・・」
タイラント「で、この思いっきり突っ走った状況に、どうオチをつけるんだ?」
アルドラちゃん「困ったときは、爆破オチが妥当かと。」
タイラント「だな。」

アジカン「『消してーーー!』」
アディリス「『リライトしt』」
タイラント「 火 神 縮 退 撃 」


ちゅどーーーん

178ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:21:40 ID:???
ディアナちゃん「アディリスの容態はどう?」
アルドラちゃん「ところどころに包帯まいてはいるが、元気だよ。一応反省したみたいだ。」
ディアナちゃん「それは何より。ところでアディリスは・・・?」
アルドラちゃん「あー、それがなぁ。なんかアマゾンから荷物が届いたとかで、部屋に嬉々として入ってった。」

・・・・・・

アルドラ&ディアナ「「まさか!!」」

すると、どかーーん!とアディリスの部屋のドアが開きました。
やっぱり煙がたちこめております。その中に立つアディリスの目が光り、そして言いました。

アディリスちゃん「ささやくのよ・・・私のゴーストがね。」
アルドラ&ディアナ「「へ?」」
アディリスちゃん「ネットは広大だわ・・・あ、全身鎧の次は全身擬体とかもイイナー♪」
アルドラ&ディアナ「「あのー、もしもし?」」
アディリスちゃん「バトー、トグサはそっちを回れ。私は電脳にダイブする。」
アルドラちゃん「バトーとトグサってオレたちのことか?」
ディアナちゃん「ちょっと、アディリス?大丈夫?」
アディリスちゃん「ちっちっちっ。私のことは『少佐』と呼んでちょうだい。」

エロールちゃん「アディリス?ケガをしたというから見舞いに来たけど、元気そうね?」
アディリスちゃん「課長!」
エロールちゃん「か、課長!?」
アディリスちゃん「っていうかエロちゃーーーん!!一つ聞きたいことがあるんだけど・・・」
エロールちゃん「き、聞きたいこと?何でしょう?」
アディリスちゃん「生徒会に、公安ってないの?いや、あるでしょ!
           密かに腹黒いエロちゃんのことだもの!ねぇそれって9課?9課?ならアタシも入るーー♪」
エロールちゃん「・・・こういう場合どうしたらいいんでしょう?」
アルドラちゃん「やはり爆破オチが最適かと思います。」
エロールちゃん「ですよねぇ・・・。」

アディリスちゃん「ねぇエロちゃーーん!一緒に笑い男や個別の11人を追いまs」
エロールちゃん「  ギ ャ ラ ク シ ィ 」

ちゅどーーーん


幕間「悪影響」おしまい。
179ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 00:24:52 ID:???
アルドラ→アルとふと思い立ってから一気に作ってしまった。
ミンサガ関係無い上にアレな話だけど、後悔はしていないぜ!
あぁ、アディリスちゃんはアホカワイイなぁ。
180ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 01:49:12 ID:???
>>179
GJ・・・といいたいとこだが、スマン、正直よくわからん。

後『困窮』の使い方おかしくね?
確か『貧乏で困る』って意味だったような。
181ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 09:05:23 ID:???
>>179GJ!!
勢いで楽しめたよ。
182ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 16:56:56 ID:???
ごめん、よく分からなかった。何のネタ?
183ゲーム好き名無しさん:2006/01/09(月) 21:49:34 ID:???
確かにネタがわからんとわけわからんだろうな。

俺は楽しめたよ、はがれんもよく読むしね、降格機動隊もすきだべ。


俺オタクだな、たぶん。
184179:2006/01/09(月) 21:56:09 ID:???
しまった、ネタ元を書き忘れていた・・・いや、サガは全然関係ないんだ。
話としては、「鋼の錬金術士」にアディリスちゃんがハマってしまってさぁ大変という流れです。
そしてラストは「攻殻機動隊」にハマってしまって以下略。わかりづらくてごめんなさいorz
いや、アルドラも鋼の錬金術士の弟もアルだよなぁ、と思い立って一気に作ってしまったので、
サガ関係ないけどアディリスちゃん出るなら大丈夫だろ・・・と安易に書いてしまいました。

おかげで勢いだけの独り善がりな電波話になっちゃった。サガ全然関係ねーし。
上の2作品知らないと意味不明なだけだよなぁ・・・。反省。次はキチンとわかりやすいのを書くよー。

ちなみに困窮は「行き詰まって対処に苦しむ」という意味もある。
しかし問題なのは、俺は「困惑」と書いたつもりだったのに、困窮になってたって所だろーなー・・・。

185150:2006/01/09(月) 23:24:55 ID:???
>>170
任せるって言っちゃったけどいいのかな?
もし無理そうなら言って欲しい。
書きますんで。
186ゲーム好き名無しさん:2006/01/10(火) 12:24:31 ID:???
まとめサイトの中の人、いつも素早い更新乙です。
見やすくていいですよ。
187ゲーム好き名無しさん:2006/01/10(火) 19:00:45 ID:???
>>148
遅れながら乙
本来敵対関係のミルザ側とミニオン側がぶつかるのはやはりいいな
そして最後には何だかんだで落ち着く流れがいい
188ゲーム好き名無しさん:2006/01/10(火) 23:49:18 ID:???
前スレ落ちたな。

>>185
心配しないでもおk。
ちゃんと執筆中でよ。
189ゲーム好き名無しさん:2006/01/11(水) 01:06:57 ID:???
前スレついに落ちたか。長い間よくがんばってくれた。
そしてまとめサイトの中の人乙です!更新早いねー!

>>188
楽しみにしてるぜ。
190ゲーム好き名無しさん:2006/01/11(水) 23:15:37 ID:???
冒涜の涜ってさー、ニュースだと絶対に漢字で書かないよな。
ん、んー、イフリート!
191ゲーム好き名無しさん:2006/01/13(金) 13:06:21 ID:???
>>188
今日か明日投稿できそう
書くと、思った以上に長くなるのな…
192ゲーム好き名無しさん:2006/01/14(土) 21:50:23 ID:???
期待age
193ゲーム好き名無しさん:2006/01/16(月) 20:16:32 ID:???
( ・∀・)マダー?
194ゲーム好き名無しさん:2006/01/17(火) 21:50:09 ID:???
本編来ない間はみんなでコピペ改変集やAAなどの小ネタ出し合うってのはどうだ?
と、13機関スレ見てきたばかりの俺がレス。
195ゲーム好き名無しさん:2006/01/18(水) 00:13:47 ID:???
>>194
いいね。本編待ちのときはただじっと待つんじゃなくて、適当に小ネタやら雑談やら入れてスレ活性化を試みてみるか。
書いてる人も、スレが動いてるほうが楽しく書けるだろうしな。
んじゃ適当なコピペ改変でも。

アディリスちゃん「知ってるか?
           寮長は3つに分けられる
           ハーレムを求める奴
           一途な想いに生きる奴
           空気の読めない奴
           この3つだ

           あいつは─── 」

アルドラちゃん「つーかお前も寮長だろーが。」

元ネタは「エースは3つに分けられるのガイドライン」つーかAC0。
196ゲーム好き名無しさん:2006/01/18(水) 01:31:10 ID:???
やめようよ、ゴチャゴチャになるから
静かに待とう
197ゲーム好き名無しさん:2006/01/19(木) 07:54:08 ID:???
続き書く宣言した者だけど、事情でパソコンが使えなくなって、もう投稿するのは無理だ…少なくとも今月中は。
ここまで引っ張っといてホントにごめん!十七話は他の誰かが書いてやってくれ…その代わり十八話はまかせてくれ。
報告も遅れてホントにごめん…
198ゲーム好き名無しさん:2006/01/19(木) 19:10:13 ID:???
仕方ないな。俺が書く。
長くなりそうだから幕間、本編とわけて投下するよ。
少なくとも幕間は土曜の夜には何とかできると思う。
199ゲーム好き名無しさん:2006/01/19(木) 23:50:32 ID:???
>>197
仕方ないさ。じっくり下ごしらえして楽しい話を作ってくれ。

>>198
おー!楽しみにしてるよ。
幕間、本編と分けるってことは、その幕間は本編のプロローグみたいなものってことか。期待。

で、待ってる間、雑談でもするか。
あまり静かに待ちすぎててスレが停滞しても、職人さんのモチベーションが下がると俺は思うんで。

いずれ土のトパーズ取りに行くときはアイシャは再登場するんだろうか?
出るとなると、ヘイトちゃん以上にセリフが難解な希ガス。
あのアイシャのセリフを作った人は俺の中では神。あれ見たときコーヒー噴出したのを覚えているw
200ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 01:34:08 ID:???
土系ならアディリスたんは絡んでくるかもなー。二人の会話がすごそう。なぜが通じてるとか。
201ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 01:35:16 ID:???
うっかり投稿ボタン押してしまって連投スマソ。
202ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 01:40:56 ID:???
ああ、また連投しちまった☆専ブラ使い始めたばかり不慣れでゴメソ。
タイニィたん親衛隊として、個人的にはタイニィたんがらみの話が好き。なんでアイシャにもエロールの子と言ってんのかとか。あのキットンソックスの行方とか。
人間化するとやっぱり威厳の無くなるタイニィたん。くるくるほわほわ巻き毛な天然美形希望。
203ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 13:46:18 ID:???
何この腐。
204ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 15:30:04 ID:???
腐れとキモイのとか設定無視した露骨なエロ絵描いたりもうだいぶ前からこんな感じだよ
キモイと叩けば反発するが十分キモイ
良かったのは最初のスレの中頃までと派生スレ
205ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 16:06:56 ID:???
派生スレってあったっけ?
206ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 16:20:30 ID:???
無いと思うが。
派生元のミニオンスレの事言ってるんじゃね?
207ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:50:39 ID:???
魔の島の一室、そこにある水鏡が揺らぎだしました。
セージ「ん?誰だろ?」
???「貴様か。マスターはどうした?」
水面に映し出されたのは銀の仮面をつけた男でした。
セージ「あなたは・・・、すいませんマスターは今出られない状態なので僕が代わりに承りますよ。」
???「そうか。ならば用件を伝えよう。フロンティアにもリガウにもムーンストーンらしき物はなかった。
だが最後に来たワロンでそれに関係しているであろう建物を発見した」
セージ「おお!さすがです!」
???「見え透いた世辞などいらん。しかしこの建物に入る手段が見つからん。なんとかしろ」
セージ「ああ、そのことなら心配要りません。直接的な方法ではありませんが手は打ってます。
すみませんが、もう少し現地で待機していてもらえませんか?」
???「・・・いいだろう。だが俺の気が短いことを忘れるなよ」
セージ「ええ、それはもう!」
???「ふん」
水鏡は再び静謐な水面を取り戻しました。
セージ「はっ!力押ししか出来ない奴が偉そうに!それでなくても機嫌が悪いってのに!」
セージは眉間に手をやりました。
痛みはもうないはずですが、鈍い痛みが走ったような気がしました。
セージ「マックス!!しっかり呪えよ!!ただし殺さない程度に!!返されたら君が死ぬことになるからね!!」
マックス「御意。・・・・・・・・・・・」
セージ「もっとももう死んでるようなもんだけどね」
マックス「御意。・・・・・・・・・・・・・・・」
セージ「そろそろ表沙汰になる頃かな。誰でもいいからさっさとなんとかしてくれよ、僕のためにさあ?」
室内にセージの笑い声が響き渡りました。
マックス「御意。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

幕間劇『前兆』

208ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:52:02 ID:???
バファルは一年を通して気候が安定している。
何年に一度かは雪が降ることもあるが、基本的には冬も温暖だ。
今日も午後に入ってからは気温が上がり始め、暖かい日差しが大地に降り注いでいる。
こんな日は外に出て昼寝するに限る。
俺は猫だからな。


この前の騒乱以降も何度か旅に出たがここの所はそれもない。
最初は退屈だったが、それも悪くないと思っている自分に気付いた。我ながら怠惰になったものだ。
・・・・む?どうやら最初の客が来たようだ。
今俺がいる場所、ベイル高原は治安が良く、訪れる人間も多い。
ここのモンスターは物腰柔らかで、しっかりしたものが多いからだろう。
トップがあれではそうならざるをえないだろうがな。
この前もなにやらやらかしたと聞く。困ったものだ。
回想しているうちに訪問客は随分と近くまで来ていた。
帯剣している。
念のために距離をとろうと腰を浮かせかけて、やめた。
その訪問客があまりに珍奇な格好をしていたため、あっけにとられたのだ。
服装自体は貴族のそれなのだが、羽が生えている。
あの羽は何だろう?素早さ向上の効果のある魔法の防具か何かなのだろうか?
俺の視線にも気付かずその羽人間は剣を振り始めた。
その剣の動きはそれなりの形になってはいたが、まだまだ発展途上だった。
回避が得意な俺ならば一昼夜でもかわし続けられるだろう。
だが、羽人間の目はあくまで真剣そのものだ。そこからは決して折れない意思の力が感じられた。

209ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:52:54 ID:???
羽人間の体から蒸気が立ち上り始めた頃、新たなる訪問客が現れた。
でかい。
今まで体格のいい人間は数多く見てきたがその中でも三指に入る。
その体から発せられる闘気には上位の魔族でさえ怯む事だろう。
シフ「アル!!精が出るねぇ!!お弁当持って来たよ!!」
一瞬俺のことかと思い、全身の毛が逆立ったが、それは羽人間に向けられたものらしい。
アルベルト「シフさん・・・ありがとうございます」
どうやら同じ名前のようだ。奇遇な事だ。
シフ「いいんだよ!!男の子は沢山食べないとねぇ!!」
ツノ人間はバスケット・・・と呼ぶにはあまりに巨大な籠から、これまた巨大な弁当箱を取り出した。
中身は巨大な米の塊や焼いた魚、焼いた肉など豪快なものばかりだ。
シフ「そろそろ教えてくれないかい!?どうして急に剣の訓練を始めようと思ったんだい!?」
ツノ人間は焼いた肉を細く千切り俺のほうに投げてよこした。
施しなら受けんが、おすそ分けなら食べてやらん事もない。
・・・うまい。案外良い奴かもしれん。
アルベルト「・・・・どうしても倒したい人がいるんです」
シフ「なんならアタシが倒してやるよ!!?」
アルベルト「それは無・・それでは意味がないんです。自分で倒さないと意味がないんです!」
シフ「そうかい!!やっぱりアルも男の子だねぇ!!そいつと戦うときはアタシにも立ち合わせておくれよ!?」
アルベルト「ええ・・必ず」
シフ「じゃあ御飯食べたらアタシが稽古をつけてやるよ!!」
アルベルト「お願いします!!」
飯を食い終わると、羽人間とツノ人間は立ち去っていった。場所を変えるようだ。
俺と同じ名を持つ羽人間・・・お前は強くなる。狩る者の目を持っているからな。
だがな・・・

あいつはやめとけ。
210ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:53:24 ID:???
腐臭いスレになってて残念
211ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:54:11 ID:???
続いて現れた訪問者は長い黒髪の人間だ。
何処かで会ったような気がするが思い出せない。
俺の視線に気付いたのか長髪人間は近づいてきた。
そして3mほどの間を開けて座り込んだ。
ストライフちゃん「ちーっちっちっちっち、ほーらおいでー」
だが俺は動かない。俺の毛並みに触れたければ自分から近づく事だ。
動かない俺に対して、黒髪人間は新たな策を用いた。

ふりふり

ネコじゃらしか。
全く、そんなものが俺に通用すると思ってるのか。

ふりふり

効かんというに。

ふりふり

ええい、目障りな!この!鬱陶しい!ふりふりふりふりと!どうだ!草の分際で!
二度とふれぬようにしてやる!ふぅ、すっきりした・・・・むぅ。
おい人間、そんな微笑ましい目で俺を見るな。
別に喜んでたわけじゃないぞ、目障りだから片付けただけだからな。
ストライフちゃん「かわいいなぁ、もう!!」
黒髪人間は俺を膝に抱き上げると撫で始めた。
ストライフちゃん「変わった格好だけどかわいいなぁ」
撫でるのは構わんが、もう少しゆっくり優しくしてくれ。摩擦熱で熱い。
ストライフちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・」
なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで
アル「やめんか!!熱いだろうが!!」
ストライフちゃん「うわ!?しゃべった!」

ストライフちゃん「へぇ、アルムアムトっていうのか」
アル「アルで構わんぞ。ところでストライフ。お前ワイルとかいう人間の仲間か?」
ストライフちゃん「ワイルを知ってるのか?」
やはりな。既視感があったのはそのせいか。
アル「この前のメルビル騒乱の時にな。・・・毛を解くな」
ストライフちゃん「ライオンみたいでかわいいぞ?」
そういう問題ではない。
アル「かわいい物好きか。見かけによらんな」
ストライフちゃん「そうなんだ。硬派なキャラで通してるから、人目を忍んで楽しんでいる」
何故そんな事を気にするのか俺には理解できん。
212ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:55:40 ID:???
ストライフちゃん「そういえばお前は喋れるな・・・」
?なにをいまさら。
ストライフちゃん「いいか?私がかわいい物好きである事は誰にも話すな。
特に私と似た格好をしているが、決して同じ生物ではありえない上、
脳が膿んでるんじゃないかと思うような言語を操る人非人には絶対に喋るな」
どんな奴だ。
アル「すまんが良くわからん。猫語で頼む」
ストライフちゃん「え?え、えーっと・・・・・・
いいかにゃ?私がかわいい物好きである事は誰にも話すにゃ。
特に私と似た格好をしているけど、決して同じ生物ではありえにゃい上、
脳が膿んでるんじゃにゃいかと思うようにゃ言語を操る人非人には絶対に喋るにゃ・・・でいいかにゃ?」
アル「・・・・すまん。俺が悪かった」
ストライフちゃん「だ、騙したな!?しかも言わせといてドン引きだと!?
罰として顎の下をさわさわしてやる!」
アル「それは罰なのか?」
ストライフちゃん「ならば偶然持っていたブラシでツヤツヤになるまでブラッシングしてやる!」
アル「だから罰なのか?それは」
ストライフちゃん「くうっ!それなら私が飽きるまで肉球をプニプニし倒してやる!!」
アル「それは・・・ちょっと嫌だな」
ストライフちゃん「ふっ!私の勝ちだな」
胸を張るような事じゃないだろう。

ストライフちゃん「また来ても良いか?」
アル「来るのは構わんが、いるかどうかはわからんぞ?」
ストライフちゃん「それでいい。また来る。絶対だ」
長髪人間、もといストライフは何度も振り返りながら帰っていった。
変わった人間だが、お陰で毛並が艶やかになった。いいことだ。
213ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:57:05 ID:???
もうじき日が暮れる時間だ。
風も冷気を多分に含んできた。そろそろ帰るか。
俺は起き上がると大きく欠伸をした。
今日も面白い人間達に会えたな。
踵を返そうとした俺に影がかかった。
振り向くと、白髪の女が俺の方を見ている。
???「あなた随分と綺麗な毛色をしてるわね。ちょっと抱かせてもらっても良いかしら?」
いつもなら無視して帰るところだが、この人間はなかなか見所がある。
特別に抱かれてやるとしよう。
俺は差し出された腕に飛び乗った。
バーバラ「ありがとう、猫さん。あたしはバーバラ。この学園中を渡り歩いてる非常勤の養護教諭よ。
それとは別に踊りもやってるんだけど、どう?あなた中々ステージ映えする格好だし一緒にやらない?」
悪いが見世物になる気は毛頭ない。
顔を背け、拒否の意を示す。
バーバラ「賢いコね。でも残念だわ。あなたならきっと――」
???「姐さ〜〜〜〜〜ん!!」
バーバラ「ごめんね、相棒が呼んでるからもう行かなきゃ。それじゃね!」
その人間は俺をそっと地面に降ろすと走り去っていった。
忙しい奴だな。
吹きぬけた風に俺は思わず身震いした。
もうすっかり日は暮れ代わりに二つの月が夜空に浮かんでいた。
さて、帰るとしよう。

バーバラ「どういうことなのエルマン?次はローザリアじゃなかったの?」
エルマン「それが急遽メルビルに来て欲しいって人事部の人が」
バーバラ「だから聞いてるのはその理由よ」
ナタリー「何でもお偉いさんが原因不明の病に罹ったらしいよ」
バーバラ「そんなの一介の校医であるあたしにどうにか出来るとは思えないけど?」
エルマン「藁にもすがるってやつじゃないですか?」
バーバラ「随分ね・・・。まぁフロンティアでも未知の病気には何度か出会ったけどね」
ナタリー「とりあえず交通費+報酬もくれるらしいからいってみようよ!」
バーバラ「何も出来ずにお金を貰うのは主義に反するんだけどねぇ」
三人もその場から立ち去りました。
そして夜空には赤と銀の月が地上を見下ろしていました。
214ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 20:58:01 ID:???
アル「帰ったぞ。聞いてくれ、今日も――どうした?」
室内には旅装束を身に纏ったエリスちゃんがいました。
エリスちゃん「シリル、行って来るから」
シリルくん「気をつけて」
アル「旅に出るのか?なら俺も」
エリスちゃん「お帰り、アル。ごめんね。あなたは連れて行けないの」
そう告げるとエリスちゃんは小屋から飛び出していきました。
アル「おい待て!」
走り出そうとした足をシリルくんに絡め取られました。
アル「邪魔するな!お前の本体で爪を研ぐぞ!」
シリルくん「それは困るな。ともかく彼女を行かせてあげてよ。これはエリスちゃんとアムトちゃんの使命なんだ」
アル「主人も?」
シリルくん「そして君には君の使命がある。アムトちゃんの神殿に戻ってシンボルを求める人達を待っていて欲しいんだ。
      その人達が無事シンボルを手に入れられたなら今度は僕の所へ連れてきて欲しい」
アル「・・・あいつだけならともかく主人が絡んでいるのならば仕方あるまい。
   ただ、どういうことなのかは説明してくれ」
シリルくん「月が満ちようとしているんだ。だから彼女達は石を求める人達を試さなきゃいけないんだよ」
アル「・・・・・・・・・・・・・・さっぱりわからん」
215ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 21:02:15 ID:???
思ったより早く出来たので投下。
まぁ前半部分はただ書きたかったから書いただけで、ばっさりカットしても問題はなかったんだけどなw
月石ってことでアムトとエリスはやっぱ必須だし、古文書つながりでホーク達も絡んでくるだろうし、
いつもとは毛色の違うメンバーになりそう。
難しいパスになるかも知れんけど勘弁してください。
216ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 21:24:22 ID:???
乙だが
これじゃ幕間じゃなくてもう本編な気がするんだが・・・・
217ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 23:04:45 ID:???
幕間が多くなって、本編に影響が出るどころか積極的に取り込むようになってから書き辛くなった。
サルーインちゃんファミリー、エロールちゃん、初期ウェイ一味といった
初期からのこのスレを象徴していたキャラの一部は、短慮な新キャラ連発とそれらの溶け込みの為に
基本のキャラ個性が変容していくどころか出番さえごっそりなくなってしまった。
リレー小説だから流れが変わっていくのが面白い、とはいえこのスレは
最初の面白ネタ設定ありきだった。あくまで前提に忠実だったからこそ
小ネタや更なる伏線によって深みが増して、リレーにしてはかなり見事なスレになってた。
たとえ張った伏線がどれほど重くて巧みだろうともそちらに本筋を移してしまってはもはや別物。
それはロマサガから名前だけ借りてるんじゃないの?というような新キャラ、脚色されたキャラがメインの
舞台には興味も沸かなければ創作意欲も沸かないし、大体キャラがわからなくて書けない。
色んなキャラが出るから〜とはいっても思い出して欲しいのは少数のメインキャラとサポートキャラだけでも、
工夫してネタを動かしていた最初の頃。スレの進むうちにロマサガのネタスレじゃなくて
ほぼ二次創作スレになった、雰囲気が変わるのも人が減るのも仕方がない。

何言ってんだって長文だがマジレス。こんな風に感じてる。流れに任せるスレだし、と思って見てたけど
結局自分には書きづらいスレになってた。初期の遊び心っぽいオリジナティは好きだったけどな。
>>新作
乙と言いたいがもし本編ならついに語り形式も変わったんだな
218215:2006/01/20(金) 23:23:55 ID:???
>>217
一応幕間劇です。前半部分が。
語りを変えてるのもそのため。
俺書き出したの途中からだったし確かに初期キャラ使い難かった。
それで新しいキャラ出したりもした。
正直スマンかった。
219ゲーム好き名無しさん:2006/01/20(金) 23:45:43 ID:???
主役がミニオンズとサルーインちゃんじゃなくて、ミルザになったからこそ今の形になったのかもな。
ミニオンズだとサルーインちゃんと関わりは深いが、ミルザ達だと、どう頑張っても直接関わりが多くなるのはミニオンズだろうからなぁ。
ミニオンズ中心になれば、
ミルザ←ミニオンズ→サルーインちゃん
て形になって、ミルザともサルーインちゃんとも等距離の扱いができるが、ミルザ中心だと、
ミルザ→ミニオンズ→サルーインちゃん
て形になって、ミニオンズを介さないとサルーインちゃん達が出て来れなくなる。結果出番が減る。

それに石を追っかける話が、ゲーム本編をトレースするような冒険活劇になってきて、
本編をトレースした分、本編に出てきたキャラが色々絡むようになってきた。だからキャラも増えたのかも。
で、そういう流れになると3邪神はますます出しづらくなるだろうな。なんせラスボスだし。

俺は今の流れは今の流れで好きだよ。こういう連作も好きなんで。
ただ、冒険メインで、生徒会選挙はもはやどこにいったのか・・・って感じだが。
学園モノ風にあくまでこだわっていて、ミニオンズ中心だったら、また違っていたのかなぁとは思う。
220ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 00:05:01 ID:???
本編を拡張してしまうような幕間が多くなったこともそうだが
神々の戦いを選挙戦としたミンサガ本編の学園パロディが主軸なのに
その敵軍である三邪神やミニオンと主人公達が敵対するどころか馴れ合ってきてるのが
少し方向性が変わった事も原因の一つかな・・・
原因の原因としては魔の島関連とかゲーム本編では
その他で片付けられるキャラが濃くなりすぎて強大な第三勢力として
主人公と敵の共通の敵として位置づけられてるからかも
221ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 00:12:25 ID:???
魔の島連中=13機関
ミニオンズ=マレフィセント、ピート
ミルザ達=ソラ達
その他アルベルトなどの原作キャラ=ディズニーキャラ

みたいな感じ?じゃね?そうじゃね?俺いい線いってね?いってなくね?マジで?すまん。
222ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 00:12:54 ID:???
このスレも終わりか
ま、リレーにしては長く続いた方だろ
223ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 00:16:09 ID:???
まだ終らんよ
224ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 00:27:58 ID:???
>>219
そうかな、初期のメイン視点は「ミルザくんからサルーインちゃんへの恋の奮闘記」
でほぼ固定だった。そこにミニオンズが介する、石絡みの思惑が介する、サルーインちゃん絡みの陰謀が介する、
で十分初期メンバーはメインカメラを通して活躍出来ていたよ。そしてノリに一貫性があった。
確かに学園物風味にするためのひねりがあったけどもし無くても活躍できなかったわけじゃない。
ミルザくん主人公って一番メインカメラとして適していたと思うよ。
今のメインカメラはなんだろう・・・なにか「大きな陰謀」を軸にして話が進んでると思うけど、
それって「神の視点」なんだよね。神の視点っていらないものはばっさり切る、そのくせ
好きなものはいつでも拾えるんだよね。ミルザくんでもミニオンズでも捨てられるんだよ。
そんなこと複数の書き手がやってたらめちゃくちゃになる。でもここの職人はめちゃくちゃにしないだけの
レベルの高さと読解力があった。だから一回張られた伏線を壊さないようにしていた結果、
どんどん張られてがんじがらめになっている・・・ここまできてしまったから
サルーインちゃんとか唐突に出せなくなったんじゃないかな。
ミルザくんがサルーインちゃんらぶの為に行動して、ミニオンズが出てきて、
ミルザくん付近サルーインちゃん付近双方が巻き込まれるってのはある種初期のお約束だった。
その約束を軸にしてたから色々盛り込んでも全体として安定してたんだと思うんだよね。
わかりやすくてしっかりした軸だったから。今の「神の視点」はいまだ謎な上に、
まだどう転ぶかわからないって軸。少し下手な展開したらそこで終わってしまうくらい危ういもの。
こういうのってしっかり練れる個人作品に有効な視点で、リレー小説には向かないよ。
書き手がしっかりしてるほど気軽に書けなくなる。
初期にこだわりすぎるのもどうかと思ったけど、あまりに違う方向に流れすぎたんじゃないかな。
話を大きくしようとか面白くしようとかしすぎて、初期設定を生かそうって工夫が薄れちゃったんじゃないか。
225ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 09:52:42 ID:???
もうこの続きは望めないだろうな。
この状態で続きを書こうとする人がいるとは思えん。
となると一度リセットしてやり直すしかないだろうが・・・
それならこのスレは必要ないだろうな。
じゃあなおまいらノシ
まとめサイトの人も長い間ご苦労様でした。
226ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 10:38:12 ID:???
えっ今続き書いてるんだけど。
書き遂げられるかどうかわからないからまだ宣言してなかったけど。
やり直すの?まじ?
227ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 10:51:02 ID:???
やり直さないでええよ。
というか俺はまだ続き気になる口だからやめてほしくない。一読み手の声でした。
228ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 11:59:24 ID:???
リセットする必要はないだろう。
今なぜか、初期とあまりに流れが違いすぎているからリセットしようかって流れ?になってるようだが、
俺は初期のころから追っかけてるけど、今の状態は変異ってより正当進化だと思ってるけどな。
サルーインちゃんの出番は確かに減ったとは思うけど、そんなのはこれからいくらでも出していけばいいだろうし。
要はミニオンズと同行するシチュエーションなら問題なく出せるんだから。

初期のころのが好きだった人がいるというのもわかるが、
それと同時に今の話を楽しんで読んでいる人間がいるってことも考えて欲しい。
229ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 12:16:36 ID:???
っていうかリレー小説スレだもの流れが変わるのは当たり前じゃないか
流れが変わって云々文句があるなら自分で話を書いて少しずつ修正していけばいい
やり直すだの書き辛いだの愚の骨頂、定期的荒らしがスレを無理矢理潰すための陰謀にすら思える
230ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 12:54:01 ID:???
>>203
>>204
>>210
>>222
>>225

自作自演乙
231ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 14:31:52 ID:???
ID任意で自演とか言っても。

続き書きたいなら書けば良いと思う。
変な流れだと周りが認識したら、勝手に過疎って落ちるだろうと思ってるんだけど。
随分前から人は少なくなってると感じるけど。
232ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 15:50:11 ID:???
>>217
お前が初期が好きなことはわかった。
で、なんでそんな事を書き込んでるんだ?
今の流れが気に入らないなら、スルー、新しくスレ立てる、自分で書いて修正、
いくらでも手段はあるのに。
気に入らないなら黙って消えてくれ。
我慢ならないなら何か行動してくれ。
不満言うだけなら厨でもできる。
233ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 16:58:59 ID:???
>>229
>>232

こういう人間がいる時点でスレが終わってる
234ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 17:34:36 ID:???
>>233
オマエモナー
235ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 17:58:15 ID:???
おまいらもちつけ
終わったと思う人は来なければいいし、そうじゃないと思う人は残ればいいだけの話だろ?

↓以下何事もなかったかのように再開
236ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 18:04:56 ID:???
>>229,232
そういう意見はこの手のスレに付き物だし正論ではあるけど
確かに人が少なくなってるんだから理由を考えることは別にそれほど悪くないと思うよ
描き辛い人達がいるの?何で書きづらいの?って話なんだから、
好きに続きを書けば良いじゃん、書かないで文句言うなっていうのはまた少し違うんじゃない?
だって書きづらいって言ってるんだし・・・
無理矢理書いて今の流れをむちゃくちゃにしないだけ一つの真剣な意見だよ。
今の流れは人が少なくなった(落ちそうに見える)故の議論の一環だと思う。
このままだったら落ちるんじゃないか?じゃあどうすれば活性化するんだ?
初期はかなり賑わっていたから・・・ていう話に見えるけど、それは駄目なのか?
今と前の要素を上手く組み合わせれられればいいんだよ。
というよりもう落ちていいんじゃね的レスのが見ててつらい・・・

初期もマルディアス学園だし、今もマルディアス学園だよ。
繋がっているのだし、気に入らないなら出てけって言えるほど住人は多くないと思うよ・・・
237ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 18:07:24 ID:???
最後の・・・に哀愁を感じた。
238ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 18:08:34 ID:???
あ、ごめん一足違い>>235
でも最初の頃も割と議論っぽいのあったし
冷静にいけばこのスレにメリットになるんだと・・・思う
239ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 18:15:15 ID:???
初期が好きにせよ今が好きにせよ
それなりの根拠を示してないとまるで説得力が無い
ましてや単調に終了、出てけ、お前がやれなんていってる奴は稚拙杉
240ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 20:14:54 ID:???
だな
241ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 20:26:01 ID:???
それで具体的にどうすんの?
とりあえず再開して今後は出番の減ったキャラをだすようにすればいいのか?
サルーインとかシェラハとか。
242ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 20:36:32 ID:???
・腐、ヲタ御用達キャラを消滅させる
・ミンサガ以外のキャラは出さない、SaGa、ロマ2,3、サガフロ然り
・本編に影響でるような幕間を減らす
・幕間で生まれたようなキャラを本編に関わらせない
・キャラの性格や特徴を変えない
・敵同士馴れ合いを減らす
・いらん敵群はさっさとたたきころす
243ゲーム好き名無しさん:2006/01/21(土) 21:22:44 ID:???
一、二、五は完全に同意だけど、一は難しいだろ。
244ゲーム好き名無しさん:2006/01/22(日) 15:47:33 ID:???
続き書き終わったよー
でも長すぎるし、今までのいろんなこと盛り込もうとしたら
すげー色々すぎたというかなんというかちょっと自分でも不安要素いっぱいだ
もし書き込んでよかったら今日か明日か書き込むよ、多分連投規正引っかかるけどな!
245ゲーム好き名無しさん:2006/01/22(日) 18:16:32 ID:???
投下していいんじゃない
各自思うことはあるけどとりあえず話を進めないことには始まらないし
流れならゆっくり変えていこうじゃないか
246ゲーム好き名無しさん:2006/01/22(日) 22:15:25 ID:???
>>245
もうちょっと様子を見てみた方がいいとも思ったが、
どの道、もう>>244の書いた内容を変更することもできないし、そんなことはさせられないだろうしね。
今回の話は話として、今までの延長で楽しみつつ議論も並行させてみる?荒れそうでちょっと不安だけど・・・

>>242
何ヶ所か質問させてくれ。
>・腐、ヲタ御用達キャラを消滅させる
すまん。これがどんなキャラ達を指すのか、正直よくわからん。
萌えキャラ系を指すのか?だとしたら、ほとんどの連中を消さなきゃいけなくなるような気がする。

>・ミンサガ以外のキャラは出さない、SaGa、ロマ2,3、サガフロ然り
たしかに、正規キャラクターとして出さないのは当然だと思う。
では、いわゆるパロディネタ(神をチェンソで真っ二つとか)はどうする?俺はギャグの一環としては有りな気がするけど・・・

>・キャラの性格や特徴を変えない
そんなにコロコロ激変したキャラっていたっけ?それにシリアスな本編と、おちゃらけで話の筋に関係無い幕間とでは、
キャラの使い方も違ってくると思うし、
もちろん、前までの流れを読んで遵守するのは、この手のリレー小説ではマナーだけど。
どのくらいまでの差異なら許容範囲なんだろうな。そりゃいきなりミルザを殺人鬼みたいなキャラとして描くのは論外だろうが・・・

で、今後進めるとして、一番考えなきゃいけないのは次のことだと思うんだ。
>・敵同士馴れ合いを減らす
ここの敵ってのは、「対魔の島」のことか、それとも「対ミニオンズ」も含むのか?

最初、このスレの話は、「ミニオンはミルザを敵だと思っているが、ミルザは友達だと思ってる」って状態だったよな。
んで、奇妙な協力体制ができた。魔の島が出てきてそれが強まったというより、協力体制を維持するために、
魔の島連中がどんどん強力になってきた、て流れだと思うんだ。
これはずっとこのままで行くのか?それともお前さんの言うように馴れ合いをなくし、ミルザとミニオンズを敵対関係にするのか?
ここの方針がはっきりしないと、書き手も話の進め方、締め方が分からなくなると思うぞ。

例えば近い話だと、16話なんかはミルザ達とミニオンズを決裂させたほうが自然な流れだったかもしれんが、
書き手の人がなんとかして元の状態に戻そうと苦心した感じが見られる。
それは、この書き手の人達が、「ミルザ達とミニオンズを明確な敵同士にはできない」って縛りを意識していたせいだと思う。

敵対関係に戻すんなら、それ以降はミルザ達とミニオンズは、顔を合わすたびに殺し合いってことになるんだよな・・・
果たしてそれを明るく書ける書き手さんはいるんだろうか・・・。俺は明るい話キボンヌなんでなぁ・・・。

長い上にゴチャゴチャしてしまった。読みづらいと思うけど一応意見というか、疑問点みたいなのを並べてみました。
247ゲーム好き名無しさん:2006/01/22(日) 22:49:13 ID:???
パロディは全然いいだろ。度が過ぎるとアレだが、こまかーくさりげなーくならいくらでも(まあ基本的にパロディってのはそーゆーもんだが)OKだと思う。
あと魔の島の人達だが、最近セージくんが出張り過ぎな感じがあるな。将魔の奴等は結構バラけて出てるようだからいいんだが。
とりあえず魔の島がほとんど関係ない話が欲しいな。バランス的にね。十八話はそうなるのかな…
まあ個人的には魔の島どもが出ると結構盛り上がるし好きなんだけどな。躊躇なく殺せるような相手だから激しい戦闘も気兼ねなく書けるし。
つけもー
248ゲーム好き名無しさん:2006/01/22(日) 23:51:34 ID:???
>・キャラの性格や特徴を変えない
本編と幕間とでかなり違うキャラとかいる。本編中でもあんまり間が開いてたりすると。
だからそういうキャラで困った時は元のロマサガでのイメージに頼るな・・・
そのせいか元のロマサガとかなり毛色の違っちゃってるキャラは書くときはらはらするかも

パロディは話に影響しなきゃ普通に好きな要素だwあと
>・いらん敵群はさっさとたたきころす
これはたたきころしちゃうかはともかく話にメリハリをつけるのと
設定の複雑化を防ぐためにそれなりに積極的にするのがいいと思う。

>>246
ミルザとミニオンズはもし完全な敵対関係にしたとしてもとても殺し合いには発展しないでしょ
元々石の取り合で取られたらチクショーくらいで命賭けてるのは魔の島連中だけ
最近魔の島連中に感化されてるんだな他の一般生徒キャラたちも。
249ゲーム好き名無しさん:2006/01/23(月) 05:41:44 ID:???
これ心掛けるべきだと思うな
・書き手は自分の書きやすいキャラに出番を片寄らせないよう努める
250ゲーム好き名無しさん:2006/01/23(月) 22:52:48 ID:???
おれはむしろ書き手より描き手を何とかするべきだと思う
251244:2006/01/24(火) 01:05:10 ID:???
そろそろ議論は一段落したかな・・・?
これから投下しますがかなりの長さのため、
時間差作って二回に分けて書き込みますね
じゃあ前半いきます
252ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:06:18 ID:???
「赤い月夜も俺の影を映し出さない・・・闇夜は俺を抱く腕さ、
 お嬢ちゃん月のない日は気をつけな、月が出てても防犯だ、
 真昼間でも乞食のガキからほらダッシュ、そこですれ違ったおいらが・・・っと」
赤い月光を受けて掲げた豪奢な腕輪がキラリと光ります。その光が彼の鋭い瞳を通り抜けました。
我々はこの眼を知っている!忘れてた人もいっぱいいる!そう、
それは名脇役ならぬ名盗賊、ジャミルくんです。
ジャミルくん「今日の一番の戦果はやっぱこれかな!う〜んこりゃ一品だ、持ってるものは金しかない
    間抜けどもには勿体ねえよ、おいらがお前の真の居場所を教えてやるさ!
    ファラの細くて白い腕に・・・くうう考えただけでもたまんねー!・・・
    しかし最近何でか戦利品が腕輪ばっかりなんだよな、腕元はもう王侯貴族に引けを取らないのに
    格好は一式100均じゃまるで腕輪に命賭けて全財産注ぎ込んでる腕輪マニアみたいかな・・・
    ・・・服でも調達してやろうかな・・・」
ジャミルくんは今日もそのビジネスを終え夜の南エスタミル寮を一人歩いているところでした。
一匹狼の盗賊、そのねぐらに戻るところだったのです。
ジャミルくん「服ってーとどんなんがいいだろ、俺もミルザ達とつるんでたうちに
    あのセレブ三姉妹の格好を知っちまったからなー。盗むなら超一流がいい!
    ・・・でもあの三姉妹みたいな服ってどこで売ってるんだ?12月31日の夜限定で非販売だろうか?
    ・・・いやもっと近い道があるじゃないか、三姉妹から直接盗む・・・」
ジャミルくんは少しの間考えを巡らせました。と、汗をだらだら流し始めました。
ジャミルくん「ま、まあ・・・あんな格好がファラに似合うとも思えねえしな・・・
    適材適所、そうそう!こんな時の為にこの言葉はある!わははは・・・服のことは後で考えるとしよう、
    今日は腕輪で良いや。こんなに立派な品だもんな!とくにこのはめ込まれた月より見事な宝石・・・」
ジャミルくんはまた、赤い月に腕輪を掲げました。
すると、腕輪の向こうの赤い月に、少し不思議な気持ちが沸きました。
ジャミルくん(・・・・・・?あれ?なんだろ・・・今あの月に、何か違和感が)
ジャミルくんはふと、月から顔をある方に向きなおしました。
南エスタミル寮の観光名物、愛の神殿。
ジャミルくんの瞳には一つの影を捉えました。夜空に向かって壷を差し出している一人の女の子でした。
ジャミルくんはさっと隠れます。なにかやましいことがあるわけではなく、盗賊としての本能なのです。
ジャミルくん(なんだってんだ、こんな夜中に女の子が・・・あぶねーな、ここは南エスタミル寮だぜ?
    持ってるもんはなんだありゃ?壷か?壷を持ち上げて何やってんだ・・・?
    ああ、ダンベルの代用で筋トレか。・・・じゃなくておいらはもー、・・・
    あっあんな服ならファラにピッタリかもしれない!・・・じゃなくておいらはもおおお!)
ジャミルくんは考えました。あの事件、ウハンジ寮長のハーレムはあの愛の神殿の中ではなかったか?
もしかしてあの女の子、またあの種のよからぬ事と関係が―――?
ジャミルくんは放って置けなくなりました。
253ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:07:15 ID:???
女の子のほか、周囲に何者かいないか忍び足と猫のような目で探ります。そして女の子の背後に回り、
暗い神殿の中にも誰も居ないか確認しました。
女の子「・・・・・・ふう重い、誰も近くにいやしないわね・・・」
ジャミルくん「誰も居ないな」
女の子「ぎゃあああああああああわわわわやあああああああああああああ!!!!!」
ジャミルくんは鼓膜がミンチになったかと思いました。思わず体勢を崩して倒れます。と、
その女の子もジャミルくんの上に思い切り転んだのです。
ジャミルくん「どえっっっ!!!」
女の子「きゃあーーーーーーーいやーーーーーーいやーーーーーあんた見たのねーーーーーー!!!
    見たのねーーーーーーーいやーーーーーばかっばかっひいいいい
    しかもよく考えたらさっきの悲鳴も聞いたわねーーーーー乙女にあるまじき奇声を知ったわねーーーーー
    いやああああああんた生きて返せないわーーーーーごめんなさいーーーーー!!!(ガン!ガン!)」
ジャミルくん「ちょ・・・ぶっなんなんだぶへっ!」
女の子はのしかかった体勢のまま思いっきりジャミルくんを、両手に持った壷で叩きます。
ジャミルくん「(やばい、殺される・・・!)ちょ、ちょっと待てよおどかして悪かったよ!
    俺は・・・ぐほっ!ちが・・・俺はちょっと・・・」
生死がかかっている時にも悲しいかな、頭の回転の良いジャミルくんは一番無難な道を取ろうとしてしまうのです。
ジャミルくんはウハンジ事件のことをいうとややこしくなると思いました。
ジャミルくん「違うんだよ!俺は・・・、そう、ちょっとあんたの服が可愛いなと思っただけさ!」
女の子「ええっ!」
ジャミルくんはやばい、このとっさの言い訳も結構やばく聞こえる、と思いました。
しかし女の子は壷を叩きつける手を止め、ジャミルくんを見開いた目で見つめました。
ジャミルくん(あれ・・・?もしかして、上手い良い訳だったかな?)
ジャミルくんは女の子の顔が見えました。かなりかわいい娘で、ふわふわの長い髪がジャミルくんの顔に
かかってきました。闇夜の錯覚か、頬が桜色を帯びているように見えます。
女の子はふっと息をつきました。
女の子「いやあーーーーーーあんたあたしに一目惚れねーーーーーー一目惚れなのねーーーーーーー!!
    一目見た相手は次に会った時恋を許されない階級差がお約束のあの一目惚れなのねーーーーーーー
    いやあーーーーーあたし一目惚れなんて信じないわーーーーーーー!!!
    一目であたしの何がわかるのーーーーーあたしがこーーーーーーんなにかわいいからってーーーーーー!!
    かわいいからって一目惚れなんてーーーーーーーそりゃ当然よねーーーーーーーー
    あなたの罪じゃないのねーーーーーーーーーあたしのかわいさが罪なのねーーーーーーーーー
    あたしに一目惚れするのが当然のこの世のセオリーが罪悪なのねーーーーーうふふはは(ガン!ガン!)」
ジャミルくん「ぐへぶほっ!おめえちょっといい気になってんじゃねえかぼふっ(やばい、本当に殺される・・・!)」
ジャミルくんはやはり選択を誤まっていたようです。
その時でした「あっ」
女の子は手を滑らせて、その壷を傾斜させてしまったのです。
254ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:08:57 ID:???
ジャミルくん(・・・うわっ!)
次にジャミルくんに降ってきたのは殴打の雨粒ではなくなにか液体のような物でした。
ジャミルくん(水!?・・・ん・・・なんだこれ・・・流れるのが遅い。俺の上に覆い被さっているのに
    俺は・・・苦しくない)
その液体を通してみる夜はどことなく明るい感じがしましたが、ジャミルくんの前の女の子は
あまりに明らかな蒼白の色をしていました。
???「誰だそこで騒いでいるのは!」
女の子「―――!」
人ももういない往来の方からの声は警備兵の声です。女の子はさっとジャミルくんから退き、
まるで光が消散したようにそこから逃げていきました。
ジャミルくんはほっとしましたが警備兵が来たのではそうも言っていられない。
いつのまにか自分にかかっていた液体のような物がほぼ消えているのに気がつきましたが
そんなことより、もはやこの距離でこの体勢からでは警備兵を撒くのは不可能だな、今夜の窃盗の件も
あの警備兵は知っているに違いないし俺を捕らえよとするだろう、仕方が無いから少し妥協しよう、
そう考えました。ジャミルくんは手に持っていた腕輪をカンッと道に叩きつけました。
警備兵「なんだっ!?」
思惑通り警備兵は腕輪の方に注意を取られて近づきました。その一瞬の隙にジャミルくんは
木陰へ姿をくらましました。警備兵が目を上げた時にはもうあたりに人影も何も無かったのです。
ジャミルくん(ちぇ!いくら焦ったからといってもやってしまったな、あの腕輪は一番のもうけだったのに!
    しかし他のものを取り出している暇は無かった―――ああ、残念だな!
    全くあの子は大した美人だったが、すごい上玉ほど関わるとろくなことがない!
    ミルザの奴はその辺分かっていないんだよなあ・・・ああ、あの腕輪、おいらのファラのための
    とびきりの物だったのに!あの星がこぼれた様な宝石の白い輝き!)
ジャミルくんは名残惜しげに木々の隙間から投げつけた腕輪を持っている警備兵を見やりました。
その手元から漏れている輝きは、赤い光でした。


第17話『ツー・ムーン・ラブ!』
255ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:10:10 ID:???

ミルザくん「あのさあオイゲン、この肉じゃがおいしいよね」
オイゲンくん「そうだな、お前みたいな田舎のやつほど肉じゃがうまく作れるよな、肉が入ってないけどな」
ミルザくん「うんあのさあ、肉が入ってないのに肉じゃがって言っていいのかなあ」
オイゲンくん「今肉じゃがって言っても何も無いし別にいいんじゃないか」
ミルザくん「肉は怒らないかなあ」
オイゲンくん「肉が怒ったらどうするんだ?襲ってくるのか?でも来ないし平気じゃないか」
ミルザくん「でもここに肉が居ないから襲って来れないんじゃないかなあ」
オイゲンくん「そうだな、肉は歩けないからここまで襲いに来れないのかもな」
ミルザくん「大体僕は肉に縁も因果も全く無いから肉は怒っても僕に関われないんじゃないかなあ」
オイゲンくん「肉屋の前を通っても襲ってこないんならまあそうなんじゃないのか」
ミルザくん「僕は肉に申し訳ないんだよ、オイゲン」
オイゲンくん「じゃあこうすれば、肉が入ってないんだからじゃがって言えばいいんじゃないの」
ミルザくん「そうか・・・そうすればもう肉を怒らせることもないんだね」
オイゲンくん「肉に嘘をついてないから怒られる筋合いがないな」
ミルザくん「・・・でもじゃがに入ってるのはじゃがいもだけじゃないよ、にんじんやたまねぎが怒らないかなあ」
オイゲンくん「じゃあじゃがにんたまって言えば」
ミルザくん「そうか・・・でもこのじゃがにんたまにはお醤油も砂糖も入っているんだよ」
オイゲンくん「お前は全ての料理に使ってる材料名をいちいち組み合わせてろ」
二人はそんな会話はちりほどもなかったようにもくもくと食べ続けました。
ミルザくん「なんだか最近色々考えるんだよ」
オイゲンくん「さっきの考えなくていいことはともかくとして当然のことだな、最近色々ありすぎてる」
ミルザくん「・・・・・・不思議なんだよ、この学園は僕なんかにはそりゃあ敷居が高すぎて
     足を180度開脚しなきゃ跨げない程の学園だったよ・・・でもそれだけで、  
     名門という以外はごく普通の学校だと思ってたしそういう学園生活を送ってた・・・
     でも僕、糸石を捜し始めてからは何か・・・・・・」
オイゲンくん「お前の途切れた言葉の先に俺も同感だな、イフリート先生やクリスタルレイクプールの一件
     ・・・他にもだ、俺達が関わって解決してきたと思ってる事には・・・全部見えていない影があると思う」
ミルザくん「・・・そうなんだ、そしてそれらのことには」
オイゲンくん「常に糸石がまとわりつく」
ミルザくんは頷く代わりに目を閉じました。
ミルザくん「僕は自分が何も考えてなかったことを思い知るんだよ・・・糸石ってなんなのかな、
     僕はただサルーインちゃんのためだけに糸石を追っていた・・・そしてサルーインちゃんのためだけに生き、
     サルーインちゃんのためだけに100点取り、サルーインちゃんだけのために妄想という海に身を投げ」
オイゲンくん「ほぼサルーインちゃんのためになっていないがお前のなかの全ての公式にサルーインちゃんが
     組み込まれていることは知っている。はい今はサルーインちゃんのために頭を動かしましょーねー」
256ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:11:06 ID:???
ミルザくん「イエッサー!!そうなんだ、糸石はサルーインちゃんのためにあるんだけどそれは僕にとってのことで
     糸石は他にも使いようがまあ僕には全然ないんだけど糸石はつまり他の目的に使われてはならないんだけどまあ」
オイゲンくん「お前に論理を求める俺が馬鹿でしたからもういい、つまり糸石には多様性があるらしいな、
     しかも随分魅力的なようだ」
ミルザくん「そりゃあ糸石はサルーインちゃんと僕の架け橋だよ君!きっとその架け橋は七色の虹で」
オイゲンくん「その七色のように使い道が多々選べるってわけさ、一色一色に狙ってる奴がいるんだよ」
???「お前らすごい会話してるな・・・いやオイゲンよ、お前のその無理やりすぎる論理展開には
    私も鱗が全部落ちる思いだ」
ミルザくん「えっあなたは・・・あっ!」
ミルザくんとオイゲンくんが驚いて目を上げるとそこにはあの四寮長が一人・水龍くんが
人間型の姿で立っていました。
ミルザくん「わあああ、水龍さん!!ど、どうやって入ってきたんですかあ
     僕の家に金目のものがないって知らないなんてあなたそれでも四寮長ですか!」
水龍くん「女体の神秘よりよく知っとるがそんなこと四寮長の資格に全く関係ないわい!!
     この私がお前んちなんかに盗みに来るわけないだろ!私には貧しくても隣に女の子がいるのだ(にっこり)」
オイゲンくん「あんた何しに来たんですか男子校生を敵に回しに来たんですか」
水龍くん「ふむオイゲンお前は賢い、」
ミルザくん「えっやっぱりケンカ売りに来たんですか!でも僕の隣はサルーインちゃんが来ないと出現しないんで
     その売り言葉は駄目ですね、他当たってください」
水龍くん「違う!お前の隣は出現したりなかったりするのかよ!・・・あのなあ話をスマートに進めさせろ!!
     オイゲンが賢いといったのは私が入ってきた方法を理解したようだからだよ、だから方法を聞いてこないのさ」
そう言って水龍くんは天井を指しました。オイゲンくんは目もくれませんでしたが
ミルザくんはぱっと見上げます。ミルザくんの顔に、天井から雫がぽとりと落ちてきました。
ミルザくん「ああ、雨漏りのところ!」
水龍くん「私が水を通してお前達に語りかけられることは先刻承知よな、そしてその進化系で
     十数えぬ程度なら私は水に変化することが出来るのだ、お前のボロ部屋は私にいつでも
     扉を開いて歓迎しているようなものよ」
ミルザくん「なんてことするんですかあ!!天井がもっと痛んじゃうじゃないですか!
     あなたはいつも水の中に居るから梅雨の雨漏りがどれ程辛いか知らないんでしょ!
     一人ぼっちの思春期の少年にとってバケツに落ちるポトリ、ポトリって音がどれ程わびしいか!!
     いちいち僕の妄想への遠海漁業を邪魔するんですよ!!!」
オイゲンくん「わびしいんじゃなくてうざいんじゃねえか」
ミルザくん「ああっ修理代を寮に頼まなければいけないっ!しかもその修理代は僕の
     食費代に回されるから結局修理なんて出来ないんですよわかってるんですか!!
     なんで普通にドアを叩いてくれないんです!!!」
水龍くん「食費代に回されるってお前・・・割と詐欺みたいなことしてるな・・・
     いやすまんロマンチックな登場の仕方に最近凝ってて・・・」
ミルザくん&オイゲンくん「俺達の前にロマンチックに現われてどうする気だ!!」
257ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:12:03 ID:???
水龍くん「まあ細かいことを気にするな、女性に気配り忘れるな、という東方の格言があるのだ
     お前達も男を上げたかったら私を見習え、それでだな」
オイゲンくん「そんな格言あるのか?」
ミルザくん「テストに出てきたことはまずない」
水龍くん「それでだな〜お前ら、というよりミルザよ。私達は知り合いで時に協力し合ってきた仲だが、
     これだけで友達になるには十分の前提がある。だがそれ以上に我らには友達になれる
     強いつながりを持っているのだよ、なんだかわかるかな?」
ミルザくん「友達・・・友達と言う言葉をむず痒く思ったことはあれどこんなに薄ら寒く感じだことはないぞ・・・
     あの〜手を肩に置かないでくれますか」
水龍くん「おやおや友達候補にすげなくするものではない、で答えがわかるよな秀才ミルザ」
ミルザくん「僕テストの点にならないような問題は解けないんです。いやまあまじなんですけど」
水龍くん「テストの点数をいくら稼いでも社会では役に立たないし食費代にもならないのだよミルザ!」
オイゲンくん(あ、ミルザがレフトハンドソード抜きたがってる)
水龍くん「だから友達になる前の間柄として教えてあげよう、私達二人はお互い恋の味を知っているのだ」
ミルザくんは少したじろぎました。
ミルザくん「こ、恋の味・・・・・・!」
水龍くん「そうとも!いまさらなことを言って済まぬな、だがそうだろう私達は分かり合える!」
ミルザくん「ああああなたはサルーインちゃんを舐めたことがあるんですかんですかああ!!!」
水龍くん「どうして読解力がそう変な方に突っ走るのだ首に手をかけるな手を!!!
     サルーインちゃんなんか私は舐めたことないしお前も舐めたことないだろどうせ!!!」
ミルザくん「はっ!!!・・・そ、そうですよねよかったまさか舐めたことなんて・・・!
     よかった!・・・どうせ僕も舐めたことないし・・・どうせ僕も・・・ブツブツ」
水龍くん「こいつなんて一元的な見方しか出来ないんだ、なんでお前友達やってられるんだ?」
オイゲンくん「そうでしょ?だからあんたには無理ですよ」
ミルザくん「はっ!!!そ、そうです!僕には友達になってもらう必要はない・・・
     だってもうオイゲンという友達がいるから!!!はいっ終わりです引き取ってください!」
水龍くん「危険からの回避のためにためらいなく親友をだしに使える、まさしくこれこそ親友だなー
     お互いのためにお互いがある、そういうことなのだ。なあミルザ、
     お互いの恋のためにお互いを使うというのはお前にとって悪い案なのかね?」
ミルザくん「こ、恋のために!?」
水龍くんはにっこりと笑います。ミルザくんは目を見開き、オイゲンくんは胡散臭げに沈黙しています。
ミルザくん「・・・ど、ど、どんな契約条件でしょう・・・!?」
水龍くん「顔を近づけないでくれ友人、こんな鼻息初めてだ・・・そして口で語るより
     目で見るほうがはやい事がある、一緒に来い。さあ友人ここが分かれ目よ、
     来るか来ないか、どうするのだ!?」
ミルザくんに衝撃が走りました。オイゲンくんは眉をひそめてミルザくんの肩を叩きます。
258ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:13:03 ID:???
オイゲンくん「おい、付いて行ったらもうすでに巻き込まれてたってこともあるんだぜ!
     これは罠だよ、まあなんか最近に比べて生易しそうに思えるかも知んないけど
     これが平常時の危険なんだよ、考えた方がいいぞ」
ミルザくん「考える?オイゲン、君は考えるのかね?」
オイゲンくん「は?」
ミルザくん「もしそこにサルーインちゃんの生写真があるのなら!!!
     たとえ前にまきびしが撒かれていようとも!!!串刺しの罠がある落とし穴があろうとも!!!
     バナナの皮が隙間なく敷かれていようとも!!!前へ進むのが男じゃないのか!!!
     進まぬわけにはいかない、たとえそれがコラだとしても・・・そうだろ!!!?」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
水龍くん「あっぱれな心意気だ、特に最後の部分が」
ミルザくん「オイゲンだって僕が捕らえられていたらそうするでしょ!?ねっねっ!」
オイゲンくん「いや・・・進まないでお前にサルーインちゃんの生写真を見せるよ、
     そうすればお前は勝手にこっちに来ると思うんだ、たとえそれがコラだとしても」
水龍くん「おあとがよろしいようだな。私について来いミルザ、すぐに深い友情が必要なことがわかるよ」
ミルザくん「はいっ!!!背後にピッタリくっついて背後霊の代わりをします!!!」
水龍くんとミルザくんは早速出かけようとしました。
オイゲンくん「待ちなよ、俺も付いて行く」
水龍くん「おや?ミルザがそんなに心配か?そうも見えんな。それともお前も私の話に興味があるのか」
オイゲンくん「・・・別に。友達は多い方がいいだろ、それとも定員オーバーかな?」
水龍くんは整った人間型の顔を微笑ませました。
水龍くん「恋の船に定員などないものよ」

〜南エスタミル寮〜
暗い商店街の路地裏では、今日も品物を調達している商人たちがいます。
武器商人「ふー、やれやれ。最近の武器は重量ばかり増しているなあ。
    あたた腰が・・・どれ一休みしようかね。・・・・・ん?」
何か風が吹き抜けたような気がしました。武器商人が顔を風の方向に振り向かせると・・・
???「通行の邪魔だぜおっさん!!!」
武器商人「ぶへっ!!!」
何者かに思い切り頭を踏んで飛び越えられました。武器商人は衝撃を受けた頭を抑えます。
武器商人「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!なんだってんだ!!こ、このやろう〜〜〜礼儀ってもんを・・・!」
武器商人は息を巻いて自らが運んでいた武器を取り出し、去り行く影に切り付けようとしました。
???『通行妨害だ間抜けめ!』
武器商人「――――――!?」
とっさに後ろからの声―――さっき商人の頭を足蹴にした奴が来た方―――から声がしたので、
武器商人は思わず後ろに切りつけてしまいました。しかし武器商人が切ったものは―――
武器商人「猫!?」
259ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:14:10 ID:???
武器商人の目には規格はずれに大きいが―――確かに猫の姿が映ったのです。武器商人はたじろぎました、
まさか動物を切るつもりはなかったのです。
???『残像だ』
武器商人「えっ!」
背後からまた先程の声がしました。振り返ると、そこには今しがた見た猫。
傷も何もなく、何か鉄のようなものをくわえていました。
???『人間は遅い。お前ほどにのろい。なのに何故だあの人間は―――からくも俺の追走から
    逃げ延びている。こうしている暇もない、お前、物騒なものを似合わぬ手で振り回すものではない』
武器商人「!」
武器商人は手に持った剣を見ました―――剣のはずでした。しかしそれはもはや鉄の塊に過ぎない―――
へし折られて刃がなかったのです。今気付きました、あの猫の加えた鉄は俺の剣の刃だ!
武器商人「お前は一体――――!」
武器商人が目を上げると、もうそこには大きな猫の姿はありませんでした。
もう風は吹き抜けませんでした。
???『――――――遅かったのか!何故主人がいないのだ!?
    シリルのやつめ、散々もったいぶってこのザマか!―――あいつが『月の光』を一身に浴びたはずなのだ、
    あいつが『アムトのシンボル』を持っている!!!』
ジャミルくん「一体なんだってんだ!!!全く美人は災難の予兆だぜ!」

ミルザくん「すごいんだねえ〜四寮長っていうのは。水の流れに乗って、だけならず
    水の表面に乗ってるだけで流されていけるなんて!!」
ミルザくんは感嘆の声を洩らします。ミルザくんとオイゲンくん、そして水龍くんの奇妙な三人組は
川の上にいました。舟もなく、いかだもなく―――流されている三人が乗っているのは、まさしく水の「上」なのです。
水龍くん「語弊がある、あくまで我らを運んでいるのは水の精。私が水の精に命じなければ
    途端に水の精は気ままな流れの内に戻り、お前達など飲み込まれてしまうわ」
オイゲンくん「俺達にとっちゃなんでも同じことさ、いやなかなかどうして悪い気分じゃないな!」
ミルザくん「あっ川岸に人がいる!!おーーーい!!」
オイゲンくん「手をじたばたさせるなよミルザ、ガキだよなお前」
ミルザくん「あれっどんどん人が集まってくるよ!なんかざわざわしてる!どうしたんだろ?
     やっぱり僕らが水の上を走ってるのが不思議なんだろうか?
     えっへへちょっと鼻が高くなっちゃうね水龍さん!」
水龍くん「岸の人間達の唇を読むとこう言っている、
     『大変だ!川の上に浮いている人影が手招いている!生きてる人間が川の上に立てるはずがない、
      やばい、俺達こっちへおいでって呼ばれてるんだ!
      いやー死にたくない、俺達やり残したことがある、死人はすっこめ、』」
ミルザくん&オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
水龍くん「・・・さて、そろそろ目的地に着くはずだな、ウソ寮近くの川岸だ」
オイゲンくん「ウソ寮?」
260ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:15:14 ID:???
ミルザくん達が目を見上げるとそこはマルディアス学園でも有数の乾いた地域、
ウソ寮内の砂っぽい風景が見えてきました。
ミルザくん「ウソ寮って・・・何があるの?僕ウソ寮って言うと名物は宿屋のいらっしゃいませしか知らないんだけど」
水龍くん「それしか名物がないのだからお前は十分博識だ、とにかく我らが歩みを進めるには
     ウソ寮は通らざるを得ない道なのだな、さあ岸に上がれ、ウソ寮の中心まで歩こう」
オイゲンくん「ウソ寮で何を得るってんだ?しかもその口ぶりだとまだまだ終着点は先ってことらしいな、
     あんたそろそろ肝心のところを俺達に教えるべきだぜ」
水龍くんは二人に目を向け、含み笑いのような微妙な表情を見せました。
水龍くん「そうだな、要は最も重要なのは結果ではなく過程・・・お前達がいくら結果を知ろうと
     私がいなければ過程を辿れぬ。友人達よ、我らが求めるものは二つの月の結婚、
     『エリスのシンボル』と『アムトのシンボル』だ」
ミルザくん&オイゲンくん「『エリスのシンボル』と『アムトのシンボル』?」
水龍くん「そう、そしてそれらの手ががりは・・・古文書!!!」
ミルザくん&オイゲンくん「古文書!!?」
水龍くん「そのいにしえ、マルディアス学園が創設されたばかりの頃に『二つ月のシンボル』のジンクスが流行った。
     そして一人の女学生がその秘密を手に入れマイポエミアン日記にしかと書きとめた。
     しかしその女学生は秘密のダイアリーを隠すため巧妙に表紙の装丁を学術書もどきに見せかけていた!!
     そしてその日が来た。女学生は論文のために大量に借りていた学術書を図書館に返す時、
     間違って自分のポエム日記も一緒に返してしまったのだ!!!」
オイゲンくん「なんなんだその三流悲劇調コントのプロットは!!!」
ミルザくん「僕たち話がさっぱり読めません!!!」
水龍くん「つまり『二つ月のシンボル』の秘密はメルビル寮の名高い図書館の本の中のどれかに記されている!!
     そして私は長い年月をかけてきてその本を突き止めたのだ!!!」
ミルザくん&オイゲンくん「そ、その本は一体!?」
水龍くん「図書館にない」
ミルザくん&オイゲンくん「(ガクッ!!!)馬鹿にしてるんですかあんたはアアァーーーーーーっ!!!
    『二つ月のシンボル』の秘密じゃなくて『二人騎士の神器』の威力を見せたってもいいんですよおおーーーーっ!?」
水龍くん「ま、ま、暴力に訴えるのは男らしくないぞ、ちょ、レフトハンドソードもウコムの矛もちょっとしまえって、
     お前達はまだまだ女心の微妙な揺れを読むような思慮はないようだなーもっと間を見極めたまえ!
     つまり図書館にあるはずなのにないのならこうだ、そもそもこの逸話が作り話であるか、
     だがもう一つあるな、オイゲンお前は図書館から返し忘れた本をすっかり借りパクしたことはないかね」
オイゲンくん「あっ!つまり図書館から借りたままで返した記録のない本!」
水龍くん「理解が早くてよろしい、そして借りた人間の記録から辿っていけばおのずとその本に導かれる」
ミルザくん「借りパクなんてしちゃいけないと思います!本は返済期間までにしっかり返してね!!」
水龍くん「ずれた突っ込みをするなお前は図書委員か。というわけで借りたままだった生徒を辿ると
     その生徒は他の生徒に又貸ししていた、その生徒も又貸ししていた、エンドレスエンドレス、
     終わりがないのが終わりそれが借りパクスパイラル」
オイゲンくん「結構あんたしみじみ言ってるけどなんかあるのか?」
ミルザくん「つまり借りパクスパイラルの中でその本が僕達に回されてくる順番待ちなんですね!」
水龍くん&オイゲンくん「違うわこの重症若年性ボケ!!辿っていけば今持ってる人間がすぐわかるんじゃわい!!」
ミルザくん「あー・・・そうか、つまりその人間がウソ寮にいるんですね」
水龍くん「くっ・・・最後の最後で理解が早いふりされると尚ムカつく・・・!・・・おほん、
     いかにもそのとおりなのだミルザ。さあ納得いったかな?踏み出す準備は?」
ミルザくん「オーケーです!!!」オイゲンくん「はい、はい。行こうぜ」
261ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:16:26 ID:???

ウソ寮の中心、寮で一番賑わっているはずながらもこの寮に限ってはうら寂しいような人の少なさです。
水龍くん「あの男だ。もう何ヶ月か前からあそこに立っている」
ミルザくん「あの人・・・ホークさんじゃないか」
水龍くん「ほう知り合いか?」
オイゲンくん「ゲラ=ハも隣にいるじゃないか。何ヶ月か前というとあいつら、あのメルビルの一件から
     すぐにここに来たんじゃないか?」
久しぶり、たくましい海の漢キャプテンホークと海賊達はウソ寮の酒場にたむろしていました。
水龍くん「ちょうどよかった!知り合いならきっと容赦してくれるはずだ!!
     さっ行ってきてくれこの100ジュエル札二枚をおひねりに」
ミルザくん「何か誤解してるんじゃないですか?」
オイゲンくん「その点については俺はそいつを責められないな・・・」
ミルザくん「確かに手に古い本みたいなの持ってるや。三人で行こう」
オイゲンくん「おう。おい四寮長、暴れないでくれ」
水龍くん「いやあああーーーーーーー男はいやーーーーーーーやあらかいねーちゃんじゃなきゃいやーーーーー!!!」
酒場の前でぼうっと立っていたキャプテンホークは気配に気付き、目を上げると
そこにはミルザくんとオイゲンくん、オイゲンくんに引きずられてきた水龍くんの三人がいました。
ホーク「お前らは・・・おおーう!!あの時の!!」
水龍くん「いやーーーーーー「おおーう」のこの響きがたまらなくイャーーーいやーーーおうちに帰してーーーー!!!」
ミルザくん「ちょっと落ち着いてください水龍さん」
オイゲンくん「このおっさんは嫌がってる奴が大好物なんだぜ」
オイゲンくんの言葉に途端に水龍くんは沈静しました。
ホーク「なんなんだ?」
ミルザくん「気にしないで欲しいし知らない方が良いって事あると思うんです。あの、僕達は・・・」
ゲラ=ハ「ミルザさん、オイゲンさん!」
ミルザくん&オイゲンくん「ゲラ=ハ!!」
ミルザくんたちとゲラ=ハは再会の喜びを表しました。
久しぶりだな、お前が海賊になってからなかなか会えないから、などという言葉が飛び交います。
ゲラ=ハ「今日ははるばる騎士団寮から、こんなところまでどうしたのですか?」
ミルザくん「あ、それが・・・僕達、君のキャプテンが持ってる古文書が欲しいんだよ!」
ミルザくんの言葉にゲラ=ハとキャプテンホークは渋い顔をしました。
ホーク「おいおいこれは・・・お前らなんだか知ってるのか?」
ゲラ=ハ「宝探しのための鍵なんて、海賊にしか必要ないものですよ。あなたたちは
     夢見るような冒険の旅より、明日の単位を気にする一般生徒だからです」
オイゲンくん「宝探しの鍵って、いやそれは・・・」
ホーク「一攫千金メディチ家の遺産徳川の埋蔵金!!!」
ゲラ=ハ「幻の青の剣クロスクレイモア前衛のプロテクトスーツ!!!
    私たちの求めるものにはこの古の叡智が必要なのです!!!申し訳ないが、あなたたちには必要があると思えません」
オイゲンくん(・・・・・・なんでこんな大いなる勘違いをされてるんだ?)
ミルザくん(この人たち中身がほとんど思春期の女の子のポエムだと知ったらどんなに・・・あっ)
     「でもそれならどうしてすぐに冒険の旅に出ないの?だってもうその鍵はもってるだろ!?」
262ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:17:22 ID:???
ホーク「そりゃ、お前これは伝説の古文書なんだぜ!!ゲッコ達から高い金で売ってもらったもんだ、
    そんなすごいものの中身をすぐ解読できるはずないだろ?ほぼ古代文字なんだ!」
ミルザくん「・・・・・・ええ?
     (古代文字?いやいくら学園創設ごろっていっても言語までさかのぼると思えないんだけど)」
オイゲンくん「・・・・・(いや、よくわからんがこれはチャンスだ)
     だったらちょっとどうです、俺達に少しだけ見せてもらえませんか?
     このミルザは学園有数の秀才で古典はそりゃ好成績だし、この水龍さんにいたっては
     なんと東方の格言にまで通じているお人なんだぜ!もしかしたら、解読できるか、も」
ホーク&ゲラ=ハ「なんと!東方の格言だって!?」
ミルザくん(・・・・・・あのさあ、信じてるの?)
オイゲンくん(ウソとハサミは使いようって本当の格言があるんだよ)
ホーク「それなら・・・もちろんこれは素晴らしい取引だぜ!」
オイゲンくん「はいもちろん!俺達は中身の一部さえわかれば良いんです、ちょっと見せていただいて
     解読できたらそれでよし、あなたたちに解読方法を教えます。
     そしたらこんなところでくだまいてる暇はない!それを持って冒険の海に出ればいいんです」
ホーク「オーゥケーイ!決定だ、お前らに見せるぜ!全く、内容がチンプンカンプンだったんだ」
水龍くん「どれどれ!」
ミルザくん「うわっいきなり力が漲ってますね」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・これ・・・は・・・・・・・・」
古文書を一斉に覗き込んだ三人は凍りつきました。
ゲラ=ハ「おお・・・・・!!ミルザさんたちが古代の神秘の前に硬直している・・・!」
ホーク「今目の前で古代のロマンが解き明かされていると思うと・・・!くうっ俺も震えが走っちまうぜ!」
ミルザくん&オイゲンくん(こ、これは・・・・・!)
水龍くん(・・・・・・・・・・・・判読できないのも仕方がないな、思い切り女の子独特のマル字だ)
ミルザくんたちは目の前で生命の誕生を見守るかのような表情をしたホークたちの視線に
冷や汗と脂汗とそれ以外のものをだらだら流していきます。ミルザくんは落ち着いて息を吸い込みました。
ミルザくん「・・・い・・・いづれの御時にか女御、更衣あまたさぶらひたまひける中にいと
     やむごとなき際にはあらぬがすぐれて時めきたまうありけり」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
水龍くん「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ホーク&ゲラ=ハ「おおおっ!!!」
ホークとゲラ=ハは目の色を変えて三人に飛びついてきました。
ゲラ=ハ「すごい!さすがミルザさんです!今の神秘的な発音!なんて素晴らしい!」
ホーク「すげえぜ!本当にこんな謎めいた文字が読めるなんて!一体どういう意味なんだ!?教えてくれよ!」
ミルザくん「え、え〜〜〜とそそれは〜〜〜(やばい適当に言ったけど宝探しに関連した意味なんて・・・)」
水龍くん「・・・こういう意味だ、昔一人の美しい女がいた・・・その女は美しさゆえに
     湖の怪物へのいけにえに選ばれた・・・しかし捧げられた先の怪物は
     それはもう『美男子』で!『優しく気が利き』!『スマートでストイックでちょっぴり照れ屋で』!
     そんな訳でその女はもうメロメロ!ひゃっほういけにえ最高!!と思ったという話・・・」
ミルザくん&オイゲンくん(ガクーーーーーーーーーーーッ!!!)
263ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:19:24 ID:???
ホーク&ゲラ=ハ「・・・・・・・・・・・・(呆然)・・・そ、それが宝とどんな関係が」
水龍くん「早まらず聞け!その女は『しかも太っ腹な金持ち』!だったその怪物にいろんな豪華なものを貰った。
     その豪華な宝たちには何より『そんな豪華なものでも出し惜しみせずくれる』!怪物の心がこもっていた、
     だからその女はより大切に思い、ある島に大事にしまっておいた」
ホーク&ゲラ=ハ「おおおおお!!!いきなりロマンの予感が!!!」
水龍くん「次の日その女は階段で滑って頭を打って死んだ」
四人(ガクーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!)
水龍くん「・・・・・・・・で、その女の死体は怪物が丁重に誰も知らないところに葬った。
     だがその女の魂は成仏していない。その女は怪物が自分にくれた豪華な品々を誰も知られず
     海に葬ってしまうのが嫌という未練があるのだ。つまりこの女の魂が縛られた死体の場所を探し当てれば
     その魂は探し当てた者達に自分が隠した財宝の在り処を示すだろうと書いてあるのだーーーー!!!」
ホーク&ゲラ=ハ「な、なんだってーーーーー!!!」
水龍くん「そしてこの女の死体の場所を突き止めるための暗号を解くには!メルビルの図書館で
     勉強中の女学生達に助言を求めよと記されている!!お前達の行く道は決まったのだ!」
ホーク&ゲラ=ハ「(勉強中の女学生?)そ、そうだったのか!!よしそうと決まったら
     出発だお前らーーーーーーーーー!!!」
海賊「オオーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ときの声を上げ、海賊達はウソ寮をつむじ風のように去っていきました。
ウソの酒場は打って変わってがらんとしてしまいました。
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・あの〜水龍さん・・・」
オイゲンくん「・・・見事な虚構だと賞賛したいが一部はなんか事実を捏造した話に感じるんだが・・・
     いやそんなことはどうでも良いがあいつら古文書持ってっちゃったぞ、いいのかよ」
水龍くん「ばかめ、既に求めたものを得たからこそ虫を追い払っただけのこと。
     どうやら『二つ月のシンボル』は一つは愛の神殿に、もう一つはどうやら迷いの森に手がかりが
     あるようだな。そしてもう一つ、そのふたつの終着点は・・・ゲッコ族のジャングルらしい」
ミルザくん「ゲッコ族のジャングル・・・?あ、そういえば前ゲラ=ハに聞いたことがある!
     深いジャングルの奥に不思議なピラミッドがあって、それは月が二つあしらってある・・・」
オイゲンくん「おっと、それだな。ゲラ=ハに聞いたことがあるとは、どうやら俺達には縁があることのようだぜ」
水龍くん「成る程、やはりお前達を連れに選んだ私にもなかなか所縁あるようだな。
     ウソからでは南エスタミル寮もメルビル寮も似た様な距離だ。どっちに先に行く?」
ミルザくん「南エスタミルでしょ!だって最後がワロン寮のジャングルなら南エスタミルから回って
     メルビル寮に行けばその後海路ですぐにワロン寮に行けるよ!」
オイゲンくん「俺はメルビル寮だな」
ミルザくん「えっなんでさ、僕の計算した最短距離にけちつける気?よしいいよどっちが何歩かかるか歩いて測ろうぜ」
オイゲンくん「一人でマルディアス学園の歩き方やってろ。メルビル寮から確かめてもしもなく、
     その後南エスタミル寮にもなければ確実にガセってことだ。騎士団寮への帰りが早くなるだろ」
水龍くん「お前なーまだ私を信じてないのか?」
オイゲンくん「さっき見事な嘘つき振りを見せてもらったんでな」
水龍くん「あれは真実だ!!かなり前モンスター生と人間生の交流会があってその時私のところに
     一人の女の子が来たのだ!」
ミルザくん「えっ!そ、その女の子はさっきの話のように・・・!?」
264ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:20:19 ID:???
水龍くん「あの女つーんとお高く止まりやがってしょうがないから手懐かせようとたくわえから
     いくつか宝石をやったんだ!いそいそ受け取っていくからむふふ陥落も近い!とか思ってたのにあの女
     次の日私の神殿が濡れてるからって階段で転んであろうことか頭を打って記憶喪失になった!!
     したらどうだ私のことも覚えてないあげた宝石をどこやったか覚えてない
     私の神殿は人間には危ないから交流会は中止!!っきーーーーー尻も触ってない上宝石まで損した!!」
オイゲンくん「はいはい聞いた俺達が馬鹿だったよ」
ミルザくん「自分の恨み言を綺麗に脚色しちゃうあたり誰かに似てるなあ・・・誰だっけ?」

シェラハちゃん「っくしゅ!・・・誰かが噂をしているのね・・・
     噂と聞くと悲しい話を思い出すわ・・・学園の噂の的だった黒髪の絶世美女の話、
     余りに美しすぎるその姿から目を逸らすために人々はついつい正反対の噂を立てちゃうの。
     男子生徒をもてあそんだ、自殺者百人切り、不幸不幸詐欺、常にポケットに忍ばせたヒップエレキバン」
デスちゃん「世の中真実を見極める人間がいっぱいいてまだまだ捨てたものじゃないな」
サルーインちゃん「つうか常にポケットに忍ばせたヒップエレキバンってのはこっちも初めて知ったな。ふん!(パリン」
そんな優雅な会話も久しぶりの三姉妹。今日も冥部はセレブリティなティータイムです。
デスちゃん「サルーイン、おとなしいのは良いことだが破片をちらかすんじゃない。
     お前に掃除させようと思っても掃除機を持たせれば凶器になるし、
     ほうきを持たせればまたがってスカーブ山の頂上から飛び降りるんだから」
サルーインちゃん「あはあははデス姉!家を綺麗さっぱりしたい時は火の鳥で一掃するという主婦の知恵があるのだ!」
デスちゃん「家全部片付けてどうする!主婦は火の鳥なんか使えんわ!お前がガスコンロを使えないように!」
シェラハちゃん「サルーイン姉さんは最近宝石を壊すのに余念ないのよねえ」
シェラハちゃんの言葉どおり、サルーインちゃんは見るもきらきらしい宝石の山を前にして、
手に掴んでは「ふん!」とばかり粉々にしていきます。
デスちゃん「これにはまってくれたお陰で破壊癖が家具や日用品に及ばなくて何よりだ」
ヘイトちゃん「家具が日用品が壊される十ううぅぅうう万倍かかってるのにィ・・・д」
ストライフちゃん「お前にすら備わっている金銭感覚がこの人たちにはないんだ・・・」
ヘイトちゃん「ダイヤモンドは砕けないなんていったあのヒトはウソツキよぉおおお!!!泣&l☆鬱!!」
ヘイトちゃんとストライフちゃんは呆然と砕かれていく貴重な宝石たちを見ています。
ワイルちゃんはいそいそとその破片を拾って行きます。そのワイルちゃんの肩にはちょこんとスペクターくんが。
スペクターくん「ワイルちゃん一通り砕いて飽きた後に掃除機で片付ければいいじゃないかあ、
      なんでわざわざ手で拾ってるのさ?」
ワイルちゃん「だって破片でも綺麗でしょう?これ使えますよ、この大きさちょうど良いです、
      スペクターくん用のお洋服の装飾に使えばすごく綺麗な晴れ着が出来ますよ!」
スペクターくん「(ガーーーーーーーーーーン!!)ワ、ワイルちゃん!!君って奴ァ!!君って奴ァーーー!!
      こんな僕に宝石!!?宝石!!うおおお一カラット百万するような宝石を
      全身に纏えるなんてこの大きさでなければ不可能!!うおおおーーーー小さいとこんなにも
      自尊心を満たすのが簡単なんだあああ!!!ワイルちゃん、君って天才だよ☆」
ワイルちゃん「・・・・・・・((青筋)作ってやるのやめようかな)っいた!」
ワイルちゃんが咄嗟に手を持ち上げました。宝石の破片で切ったのです。
265ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:21:21 ID:???
サルーインちゃん「!大丈夫かワイル?!」
シェラハちゃん「宝石の破片で指を切ったのね・・・悲しいことを思い出すわ・・・
      ガラスの破片で指を切った黒髪の絶世美女の話。指を切った彼女に駆け寄って
      傷口を舐めてくれた男の子がいたの。けれどその男の子は黒髪の絶世美女が
      自らの血に毒を仕込んでいたためにそりゃあもうポックリ」
デスちゃん「何でお前はそんな体張った意味のない無差別殺人してるんだ」
ワイルちゃん「大丈夫ですよこれくらい!ちょっとドジしちゃって・・・ごめんなさいサルーインちゃん!」
サルーインちゃん「おのれえぇぇ宝石め私の可愛い下僕を!!!!!ゴッドハンドだ!!!」
ストライフちゃん&ヘイトちゃん「きゃーーーーーーーーー宝石の山がァーーーーー!!!(泣)」
サルーインちゃんの愛の怒りによって発動したゴットハンドにより、あれだけあった宝石は
見事砂塵と化してしまいました。
サルーインちゃん「あはははははワイル仇は取ったぞ!!!」
デスちゃん「馬鹿もーーーーーん一個ずつやれって姉ちゃんがゆーとるだろうが
      なんでお前は小さな傷に見合った薬を塗ってあげるとか絆創膏を貼ってあげるとか
      ささやかな愛を表現出来んのだ!!」
サルーインちゃん「愛!それはビックバン!!」
デスちゃん「ビックバンは宇宙で起きるのもだ私の部室で起きるものじゃなーーーーい!!!
     あーもうワイル新しい宝石買ってこいまた違うもの壊し始めるから!!!予算は十億ジュエルだ!!!」
ワイルちゃん「わ、私はそういうリッチマンのなわばりは苦手なんですってばァ〜〜〜〜
     私にはスーパーで肉じゃがの用意を買ってるときが一番ほっとする一時なのに〜〜〜(泣」
スペクターくん「ワイルちゃんの平和が壊されていく・・・」
ストライフちゃん「さっきからとんだ世界名作劇場のヒロインだなワイル・・・」
ヘイトちゃん「こんな世界名作劇場なら今頃子供達はみんなヘイトだと思うわん☆」
スペクターくん「あれっワイルちゃんがさっき指を切った破片・・・色が違う」
スペクターくんの言葉に一同は一斉に先程の破片を見ました。
スペクターくん「さっきはダイヤモンドだから、透明だったんですよ」
デスちゃん「赤くなってるな。ワイルの血を吸ってしまったんだな、たまにこういうことはある、
      貴石というのはその希少性により不思議な力を持つものだ」
ストライフちゃん「そんな不思議な力を持ったものをああいうひとのおもちゃにあてがって心は痛みませんか?」
デスちゃん「心が痛いのより生活が不便な方が私は嫌だ」
ヘイトちゃん「みいぃんなーーーーーR2!!お客さんよん招かざる客よん☆★+;@@l」
サルーインちゃん「何だまたエスタミル寮のゴミどもか!」
最近三姉妹の元にはエスタミル寮のウハンジ寮長から使者が訪れるのです。野心家のウハンジ寮長、
何か新しい事業のために学園トップレベルの資産家三姉妹から資金を借りたいということなのでした。
266ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:22:29 ID:???
サルーインちゃん「ヘイトやつらの耳元で歌って踊って来い!!」
ヘイトちゃん「いやああぁァァあん遂にヘイトの一人舞台ですのねえぇえ!!!VW
     きっと華麗にデヴューを果たして見せますわアァァああ見守っててねプロデューサー☆Å$!!!」
デスちゃん「あほサルーインこんな近くでヘイトに歌われたんじゃ私達姉妹も明日変死事件でニュースの中だわ!!」
シェラハちゃん「悲しいことを思い出すわ・・・抜け駆けは・・・許されないのよヘイトちゃん・・・」
デスちゃん「あほシェラハハープを持つなハープを!!!お前ら二人に歌われたら絶滅だわ!!ええい部屋に入れろ!!
     もう金輪際来ないようにきっぱり断ってくれるわ、いや逆に金輪際出られなくしてやってもいい」
ワイルちゃん「デ、デスちゃんさま鎌を構えないで下さい鎌を・・・そ、それではお入りください!」
冥部の扉が開かれました。エスタミル寮からの使者は、正装を警備服と兼ねている為にいつも厳しい様子です。
使者「扉を開いてくださって感謝感激です、話を少しはお考えになってくださったのですね」
サルーインちゃん「バカめ扉の向こうがいつも明日への一歩だと思うなよ!ふっ!」
デスちゃん「なにをちょっといい事言った気になってる。ウハンジ寮長の使者よ、
     今日は直接お伝えしよう、私達にあなた方を支援する気はなく―――」
使者「お待ちください、確かに未来の成功を担保に金を借りられるものではありません。
   私達は誠意の証として、これを担保にあなた方からご援助を頂きたく思いまする」
三姉妹&ミニオンズ「―――――――?」
さっと白く上等な絹に包まれたものが差し出されました。使者の手がはらりと絹を払うと、
そこにはかなり見事な腕輪がありました―――――はめ込まれた非常に大きい宝石は、赤い輝きを放っています。
サルーインちゃん「おい!貴様我ら姉妹をなんと心得る!?こーーーんな物お前ら貧乏人の借金を
     一ジュエル単位で数えたって足りないほど私達は持っとんのだボケ!!ゴミ箱にだってつまってるわいあはは」
デスちゃん「これは中々の品だな・・・物の性質はともかくおそらく歴史的な値打ちがある」
シェラハちゃん「まあ驚いたわ、こんなもの博物館以外にもあるのねえ、知らなかったなんてまた不幸が一個」
サルーインちゃん「・・・・・・・歴史なんて壊してやる!!!歴史なんて壊してやる!!!」
ワイルちゃん「さ、サルーインちゃん落ち着いてください、歴史を壊してから家具を壊しましょうよ、ねっ」
使者「おっしゃるとおりでございます。これは南北エスタミル寮が一つだった頃からの秘宝です。
   今は分断されてしまった二つの伝統工芸の極意がここに刻まれております。
   全マルディアス学園内が欲する幻・・・それがこの腕輪なのでございます。
   この宝の中の宝こそ、我らの誠意とあなた方の美貌にふさわしい!特にサルーインさま、
   この赤い輝きがどれ程あなたを際立たせることか!」
サルーインちゃん「うん!?いやあうんお前貧乏人にしては目に入ってるほこりが少ないようだなあははあは」
ストライフちゃん「この人いい気にさせるのって世界で一番簡単なことなんじゃないだろうか」
デスちゃん「そうだなあ、サルーインにいいだろうな。よしいいだろう、お前の親分に金をくれてやろう。
     大した金じゃないし返せなくなられても別に問題ないし」
スペクターくん「何ジュエルなんですか?」
シェラハちゃん「あなたの命の百万個分くらいの値段ね」
スペクターくん「・・・理解できすぎて心が崩壊しそうだ・・・」
ワイルちゃん「あ、あのう〜本当にいいんですかあ?そんなすごい品でもサルーインちゃんにあげたらどうせ・・・」
デスちゃん「だって今サルーインのおもちゃの方が切れてるからなあ。五秒くらい変わりに遊べるだろ」
ワイルちゃん「ぜ、全マルディアス学園中が欲する幻が、ああっ!」
267ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:23:55 ID:???
使者「私達の心がご理解いただけたようで嬉しい!ではサルーインさま、どうか契約の証として
   この私めにこれをあなたの腕に通させて下さることをお許しください!!」
サルーインちゃん「はあ?何ぃ?」
使者「男女の結婚ではお互いがお互いに指輪をはめる慣習がございます。同じように、
   エスタミルには成立の証として話を持ちかけたものが、話を受けたものに贈り物を
   自らつけさせて頂くならわしでございます。あなたのご期待に答えます、という意味を持ちます」
デスちゃん「・・・・・聞いたことがなかったが、面白い風習だな」
ヘイトちゃん「置いて行きなさいイイィィィ゛ィ゛ーーーーッ!!!そんな簡単にセレブ三姉妹の
     半径十めいとる内に入れると思ってんのーーーー!!!発動するわよぉオオ!!!@л」
ストライフちゃん「何がだ」
デスちゃん「サルーイン好きにしろ、どうせ腕輪をつけてもらうとしたらお前だし」
使者「ああっけれど私は恐ろしいもしこれほど眩いサルーイン様のお手前にこの私などが行ったら
   太陽に焼かれるがごとく溶けてしまいそうな気がして・・・!」
サルーインちゃん「ようし恐怖に打ち勝って近うよれ!!♪」
ストライフちゃん「この人って・・・」
使者はどこか重げな足取りでサルーインちゃんに近づきました。
サルーインちゃんの手首に美しい腕輪が通されます。
サルーインちゃん「ほーーう・・・」
デスちゃん「似合うなサルーイン、お前は赤が一番だな」
シェラハちゃん「悲しい話を思い出すわ、黒髪の絶世美女に一番似合うのはやっぱり黒なんだけど
     黒い宝石ってもてはやされないの・・・わかってない・・・あいつらわかってないわあ・・・」
ワイルちゃん「サルーインちゃん綺麗ですわ!見て下さいなこの宝石の輝き、
     まるでサルーインちゃんの元、命が芽生えたよう!」
サルーインちゃん「うん?どれ」
サルーインちゃんは赤い宝石を覗き込みました――――――
使者『かかったな間抜けめ!!!』
サルーインちゃん「!?」
突如赤い光が冥部中を照らしました。
デスちゃん「何ッ!?貴様!!」
使者『は、は、は!やりました、そうよくやった!やりました、そうよくやった!
   帰ります、帰っておいで!!』
ストライフちゃん「―――――――待たないか貴様!!」
ストライフちゃんがウインドウカッターを投げつけました。僅かに惜しい、エスタミル警備服が吹っ飛びます。
ワイルちゃん「――――あいつは!!!」
ワイルちゃんが追おうとした刹那、一瞬にして光が部屋に充満し、
三姉妹とミニオンたちは目を開いてることも出来なくなりました。
―――ワイルちゃんが僅かに目を見開けた時、もはやそこにあの使者の姿はありませんでした。
ストライフちゃん「―――――――・・・一体!デスちゃん、この腕輪には一体・・・ああ!」
ヘイトちゃん「サァルウゥゥインちゃあーーーーーーーーん!!!!ヾ」
268ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:25:18 ID:???
デスちゃん、シェラハちゃん双方も、ミニオンちゃん達も無事な中、サルーインちゃんは目を閉じて横たわっていました。
ワイルちゃん「サルーインちゃん!サルーインちゃん!!サルーインちゃん、起きてください!!」
シェラハちゃん「取り乱さないで、よくご覧なさいワイルちゃん、姉さんは気を失ってるだけ、無事よ」
デスちゃん「・・・・・・一体なんなんだ」
ストライフちゃん「こっちのセリフでしょう、私達はともかくあんたたち二人、それにサルーインちゃんほど
     魔力のあるものがなんであの腕輪は怪しいって気がつかなかったんです!」
デスちゃん「怪しいと気付く?この腕輪は何も怪しいことなどない」
ヘイトちゃん「ナンですって!+」
シェラハちゃん「さっき見たでしょうワイルちゃんの血を吸い取った宝石を、
     あのように古くいわくある貴金属という物には力が宿って当然なの。価値があれば価値があるほど
     力なんて宿っているのが普通のことなのよ」
デスちゃん「これほどのものならさっき位の光を宿らせていてもおかしくはない」
ワイルちゃん「でもサルーインちゃんがこうして倒れているのですよ!」
デスちゃん「確かに・・・宿っていたものがいきなり開放されるというのもおかしいが、
     あの光はなんら邪悪なものはない。むしろ聖なるもの、無害だな」
スペクターくん「聖なるものがこの人に無害ですって?」
デスちゃん「・・・・・・・精神はともかく体に影響は全くないはず。サルーインは心配ないはずだが・・・
     しかしさっきの下郎はなんだ?意味深なことを捨て置きおって」
シェラハちゃん「どうもあの男はおかしかったわ、最後の方、まるで声が重なったような・・・
     違うわね、片方の腕からもう一つ気配がしたような」
ワイルちゃん「・・・あ、あのさっきの男、私知ってます」
全員が一斉にワイルちゃんを見ました。床の透明な破片がきらりと光りました。
ワイルちゃん「マックスという男です」

『よくやった、お前はよくやったよマックス!さあおいで、お前は一番の方法の為に上手くやってくれた』
暗闇の中、揺れる水面に気味の悪い緑の光が映っていました。
水鏡を見つめているのはぽつんと小さなセージでした。
セージ「もっともお前は何もしていない!そう、よく何もしなかったのがいいんだよ!
    その体を最適に僕に操らせてくれた、死者ごとく意志は無く生者のごとくの力を持って!
    ・・・気分がいいね、まったくさっきまでの不快さは吹っ飛んだ!」
???「呪いは呪者のほうにも呪いがかかる。とにかく効能が遅いんでストレスをどうしても溜めるのだ」
セージは振り向きました。何も無い。それは間違いだ。暗闇に溶け込もうとその強大な力は
欺けない―――それはカヤキスでした。
セージ「(・・・力が満ちているな)これはこれはカヤキス様、あなたのうつろな目は何もかもお見通しですね!」
カヤキス「それでお前は呪いから乗り換えたのだな。あえて言うが、引っ掛けたつもりは全く無いのだ」
セージ「・・・(あぶねー「呪いと乗りー」を引っ掛けるなんて流石カヤキス様ですね!とかつい言おうとしちゃった)
    その通りです。しかし僕は呪いを諦めたんじゃないんですよぉ、不可能だったんです
    何でか知りませんけどね!しょうがないから違うやり方にしないとなあと思ったら」
269ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:26:43 ID:???
カヤキス「思いもよらずいい方法だったわけだ。その方法はいまだ知らんが、お前の呪いが不可能だったわけには
    訳がある。ついついくどい言い方をしてしまう私にも訳がある。
    ワケあり?えっあなたワケありなの?そんな響きについつい引っかかってしまう子羊がまた一匹」
セージ「ご用はなんですか」
カヤキス「因果律が覆されたのだな。原因があって結果があるところを何か違う要素が乱れこんだために
     結果だけになってしまった。結果があって原因があることはない。だからお前には
     結果もないことも当然なのだ」
セージ「ほう・・・大体わかりましたよ。いやだなあ、僕ゲームをやる前にクリアされてたんだ!
    例えニューゲームを選んでもそれはもう違うゲーム・・・」
カヤキス「調子が戻ったようだな。ストレスには一に運動、二に野菜、三に牛乳だと思って
    私の冷蔵庫から持ってきたのに、ほらひやひやだぞこの牛乳」
セージ「僕便秘じゃありませんよ。これ賞味期限昨日までみたいですけど」
カヤキス「賞味期限の切れたひやひやの牛乳を飲むとあらすっきりだぞ」
セージ「だから僕便秘じゃありませんよ。そんなことよりねえカヤキス様!僕がめくらだと思ったら
    それはあなたの失敗なんですよ!まさか賞味期限切れの牛乳をくれるためだけに
    わざわざ僕なんかの前に御出でになったわけじゃないでしょ?どうかあなたの悪巧みを教えてくださいませ!」
カヤキス「な、何故わかった私が賞味期限切れの牛乳を処分するのに生ゴミ捨て場まで行くのがめんどくさいから
    適当にお前に押し付けちゃおー☆と思ったことを・・・!!」
セージ「(こいついつか謀殺しよう)いやだなあお茶目さんな将魔さま!
    僕達はいつまでもおふざけしているほど暇じゃないはずですよ・・・今にも宝石たちは
    長く伸ばされた欲深い手に捕まれようとしているんです」
カヤキス「早速で悪いが用件だ。私はお前がなにをしたか知っている。サルーインを『アムトのシンボル』にしたな」
セージ「(どこが早速だこのゴキブリ)用件はおっしゃられる前からわかっておりました。そのとおりでございます」
カヤキス「お前が糸石のためにあれを駒に使うつもりなのもわかってる。しかしそうというからには
    お前は『エリスのシンボル』がどこにあるかも知っているはずだな」
セージ「言葉をお引取り致します、はいその通りでございます、そして『エリスのシンボル』の在り処、
    もちろんお教え差し上げます」
カヤキス「話が早いようで何よりだがそんな簡単に私に受け渡してしまっていいのかな?
    別にお前なんか明日家出してても気付かないだろうがそんなどうでもいい人にも
    ついつい気を使ってしまう教育を受けているのだ育ちがいいから」
セージ「はいはいカヤキス様のお心遣いから育ちの程度が胸焼けするほどよくわかりますよ、
    もちろん僕ごとき者の陰謀など、あなた様の気まぐれの前になんでしょう!
    ・・・しかしカヤキス様、もしよろしければ僕はあなた様の出来心をより愉快にするお手伝いが出来るはず」
カヤキス「・・・ほう、手伝いと」
セージ「家事手伝いじゃないんですよ、お皿洗いとかお掃除とかは自分でやってください」
カヤキス「なんで皿洗いと掃除をしてくれって言おうとしたのがわかったんだ」
セージ「つまりこうです、『エリスのシンボル』の在りかを僕は教え、『エリスのシンボル』の
    奪取のためにあなたの腕となり足となり、そして『エリスのシンボル』を
    強く、最も深くあなた様だけの物とするために考えるのです・・・」
カヤキス「・・・・・・・・・・・・・・・」
カヤキスはがらんどうの鎧の中から鋭い視線を投げかけます。セージはそれでも柔らかな笑みを固く守っています。
270ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:28:22 ID:???
カヤキス「よかろう、お前を利用してやることとしよう」
セージ「なんてことでしょう!光栄の至りです、力の限り!」
カヤキス「いや給料分だけの力でいい、時給5ジュエルくらいでいいかな」
セージ「それじゃデコピンするほどの力も使えません。いいんですよ僕の力をあますことなく・・・ふふふ」
セージの笑いが長く漏れていました。その不気味な声は水鏡を一層揺らしているようでした・・・

・・・マルディアス学園に夕日が射し染めようとしていました。
???「そんなバカな・・・赤い月の光がこぼれてしまったの?」
???「そうらしいんだ、風が吹けば木々がざわめき、ざわめきは木々に乗って僕の元へ来る・・・
    しかし今僕の元に来たということは、もうかなり時間が経ってしまっている話だ」
???「アルはどうしたというの・・・こんな時に!では光はどこへ行ってしまったの?」
???「アルは光を追っているはずなんだよ、アムトちゃんはある生徒の上にこぼしてしまったらしいんだ」
???「その生徒、『アムトのシンボル』になってしまったの!」
???「それがわからない、アムトのシンボルになったら呆然として動けないはずだよ、
    『エリスのシンボル』が完成するまでは、光は引かれ合わない」
???「・・・それではその時、別のものに光を封じ込められた」
???「それが一番説明のつく話だ。アルはそれを持っている生徒を追っているはず・・・
    しかし・・・」
風が吹き、沈黙と共に森のざわめきが流れました。
シリルくん「その生徒が今も持っているとは限らない」
エリスちゃん「アムトはどうしたの・・・どうしてアムトはいなくなってしまったの?」

オイゲンくん「いい加減教えろよ、その『二つ月のシンボル』のジンクスってどんなんなんだよ」
オイゲンくんの声が闇夜が垂れる前の空に響きました。
水龍くん「気になるのか?」
オイゲンくん「気になるも何もそれが一番の問題だろ」
水龍くん「気になるのか?気になるのか?気になるのか?あのコが気になるのか?」
オイゲンくん「何の話にシフトしてるんだよ!!!」
ミルザくん一向は迷いの森の入り口付近に来ていました。
しかし迷いの森、既にここがどの辺だかわからなくなっています。
水龍くん「ふう〜〜〜〜勿体ぶれば勿体ぶるほど言うのが勿体無くなってくるなあ〜〜〜
    じゃあ変わりにこの話な!アディリスのとこに行くつもりが干からびて倒れてしまった私を
    とある女の子が介抱してくれて」
オイゲンくん「俺達はもうお前の武勇伝は聞き飽きたんだよ・・・」
ミルザくん「そうですよ、自分ばっかり話して僕のサルーインちゃんラブモーメントはちっとも」
オイゲンくん「それよりはマシだな」
271ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:29:41 ID:???
水龍くん「うんわかったお前ら鬱憤がたまってるようだな、ここには水がない。
    ここでお前らにリンチにあったら私のハンサム顔も危険だからそろそろ話してやろう、
    つまり一つの月『エリスのシンボル』ともう一つの月『アムトのシンボル』は
    お互いを結びつける役割を果たす」
オイゲンくん「顔の問題だけで済むと思ってんのかお前」
ミルザくん「ええ!そ、そんな『運命の糸石』みたいのがこの学園にはもうひとつあるんですかあ!?
    しかもそっちは二つ集めるだけなんて・・・」
水龍くん「厳密に言えば本質が違う。『二つ月のシンボル』はお互いを持つ方と持つ方が
    問答無用で愛し合う。例え持ち主が誰であっても、な。『運命の糸石』は全く別だ、
    いくら糸石を集めようとも好きな人と結ばれないこともある――――
    なんでミルザは泡を吹いているんだ?」
オイゲンくん「この泡は打ち砕かれた希望そのものなんだ」
水龍くん「ふーん。まあ泡は気泡だよな。・・・好きな人と結ばれないこともある、
    しかし他に結ばれるものが現われる―――――それが『運命の人』だからだ」
ミルザくん(運命の、人――――)
オイゲンくん(結ばれる、『もの』、ね。成る程・・・)
水龍くん「これが違いだよ、『二つ月のシンボル』は対象を自分で選べるが、
    『運命の糸石』は選べない・・・必ず決まった相手としか結ばれることがない。
    さて私の恋愛アイテム講座は分かりやすかったかな?おやミルザさっきの泡はどうした」
ミルザくん「希望を捨てるわけないでしょ!!元の場所に戻さなきゃっはいっ!!!」
水龍くん「泡を吹くとそれを再び飲み込むという民間療法があるのか。まあいいや
    迷いの森の・・・まあどんな場所か大体の見当はつくな」
オイゲンくん「―――――いや、ここは?」
気がつくと、三人は不思議なところに経っていました。木々が回りに生えておらず、
青白い月明かりが差し込んでいる・・・もう夜は舞い降りていたのです・・・そして
その中心には大きな木がありました。とてもとても大きな木。
ミルザくん「うわあ・・・・・・この木、まるで月に届きそうだな」
オイゲンくん「・・・そうだな、大きくて高くて、一番天辺は一体どんななんだろ・・・」
水龍くん「ああっ!!!一番天辺にかわいいおねーちゃんが!!!!」
ミルザくん&オイゲンくん(ガクーーーーーーーッ)
オイゲンくん「こんな時に願望じみた幻覚を見るなーーーーーちょっと俺が素直に綺麗だななんて
     言っちゃおうかな言っちゃおうかなって瀬戸際に貴様ーーーーーーーー!!!」
水龍くん「うわーーー首に手をかけるな首にお前の大人の階段登る瞬間なんて私の知ったこっちゃねーーーーー」
オイゲンくん「本当のお花畑へ送ってやるーーーー!!!」
ミルザくん「ちょっとオイゲン、本当に女の子がいるよ、僕にも見える」
オイゲンくん「はあ!?その女の子とサルーインちゃんどっちがかわいい?」
ミルザくん「もちろん僕はサルーインちゃん!!!あっでもサルーインちゃんは綺麗でもあるし〜」
オイゲンくん「本当にいるみたいだな」
水龍くん「ちょ、ちょっと首から手を離して、泡が、気泡が・・・」
オイゲンくんが目を凝らすと、確かにそこには女の子がいました。
272ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:30:35 ID:???
オイゲンくん「あんなところで何してるんだ?・・・なんか小さい・・・舟みたいのがそばにないか?」
水龍くん「きっと登って降りられなくなっているのだ!!助けに行かなければ!!!
     さてオイゲン私は水中生物なので木の昇り降りなんて技持っていないのだ、
     あのハニーのところまでおんぶして連れてっておくれ」
オイゲンくん「・・・・・それは結局俺が女もお前も降ろす羽目になるという余りに意味のないことだと
     知って言ってるのか貴様・・・」
ミルザくん「な、なんであんなところにいるんだろう、まさかここは飛び降り自殺実況場・・・!?」
水龍くん「なんと!では飛び降りてきたハニーを私が颯爽と受け止めなければ!!!
     でもあんなに高いところからじゃこっちの腕が折れそうだから
     オイゲンお前が私の代わりに受け止めて一瞬の隙に私と交代しようじゃないか」
オイゲンくん「こいつが迷いの森で野垂れ死にってシナリオはどうだと思うミルザ・・・」
ミルザくん「僕そんなサスペンス見ないよ、自分の恋のシナリオを描くのに精一杯だからさ・・・!」
???「あ、あなたたち何故ここにいるの!?どうしてこんな時に・・・」
木の上の人影が声を落としてきました。月の逆光でよく見えませんが、なにか不穏な表情が見えます。
ミルザくん「あ、あの僕らは・・・!」
水龍くん「私達はあなたに呼ばれたのです」
???「ええ!?」
水龍くん「あなたの助けてという悲鳴が心の波に乗って私の胸ヘ届いたんだーーーー!!!
     死んではいけません生きてかわいい男の子と女の子を5人ずつ!!!」
ミルザくん「ちょっとオイゲン静かにさせてよ」
オイゲンくん「任せろ、天からの声だと思うことにするぜ」
水龍くん「ごふっ!!・・・・・・!!!」
???「あの・・・なんなんです・・・?」
ミルザくん「すいません、僕達あやしい者は一人だけなんで安心して欲しいんです!
     僕たちはただ『エリスのシンボル』を探してここまで、あなたは一体・・・!」
???「『エリスのシンボル』!すでに手に入れようとする人達が現われたのね・・・
    でもまだ『エリスのシンボル』は出来ていない」
???『あなたたちは出直さなければならない』
ミルザくん「――――――木がしゃべった!!!」
オイゲンくん「・・・あ・・・あんたたちは、なんなんだ?」
エリスちゃん「私はエリス、生徒会実行委員の一人です。そしてこの木はシリル・・・」
水龍くん「水の知らせで聞いたことがある!木の化身の生徒がいるという」
オイゲンくん「もう蘇ったのか」
ミルザくん「・・・???あなたが生徒会の人・・・そ、それで今そんな高いところにいる
     理由は一体なんだというのですか!?」
エリスちゃん「ああっ・・・集中力を乱さないで!私はこれから月の舟に乗らなければいけないの」
ミルザくん「月の舟!?」
273ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:31:29 ID:???
シリルくん『本来なら今だ二つの月のシンボルはまだ光が満ち足りず、手に入れるチャンスには
     まだ遠かったんだ。けれど予期せぬことに『アムトのシンボル』はもう出来てしまった・・・!
     だからエリスちゃんは『エリスのシンボル』の完成のために月の光の軌道に乗り、
     何より早く月の光を拾って来なければならないんだよ』
ミルザくん「・・・え?ええ??・・・あのう僕妄想ってちょっと理解できなくて・・・」
オイゲンくん「お前が言うな!!!」
水龍くん「どうして『エリスのシンボル』なんて完成させなければならないのですかーーーー!!!
     だってもうすでにほんまもんのエリスがいるじゃないですかーーーー!!!
     私はもーーーーあなたさえいれば私はあああーーーーーーーーー!!!」
オイゲンくん「お前ちょっと死んでろよ!!!おい俺が話を聞く!説明してくれよ何言ってんだ!?」
エリスちゃん「あ・・・あ・・・お願いだから騒がないで〜〜〜私の心をかき乱さないで〜〜〜
     月の光の流れはナイーブで〜〜〜ちょっと舵を誤まったら・・・あ」
エリスちゃんの舟が乗り出しました。・・・が、一瞬宙に浮いたと思ったら・・・
すぐに舟は地面に直行落下してきました。
エリスちゃん「いやああああああああああああああ!!!」
オイゲンくん「・・・っ畜生取りあえず舟を蹴って舟から分離しろ!!!あんただけ受け止めて
     俺がウコムの矛で舟の軌道を逸らして安全にする!!!ミルザあの子を受け止めてくれ!!!」
ミルザくん「ええーーーーー初めてのお姫様抱っこはサルーインちゃんって決めてるのにーーーー
     いや初めてどころかぼくの両腕はサルーインちゃん限定なのーーーーーーわーーーーー
     こうなったら柔らかいはらわたの上に落ちてもらって僕は下敷きになろう!!!」
オイゲンくん「お前はそんな妄想上の限定のためにはらわたぶちまけてもいいのかーーーーーー!!!」
水龍くん「ふっガキどもはお呼びでない!私が僅かだが体内に残っている水分を操り
     あの子に水のクッションを作る!!!」
ミルザくん「ええ!!!すっすごい水龍さんってなんてカッコイイんだ!!!」
オイゲンくん「お前さっきと言ってることが違うじゃねえかよ!!ああもういいやとにかく任せた!!!」
エリスちゃん「ふ、舟蹴ったわよ!!・・・きゃあああーーーーーー!!!」
そんなことを言ってるうちにエリスちゃんはますます落下してきていました。
水龍くん「・・・水よ!!母なる水よ!汝の生み出せし生命のため・・・水龍の呼び声に答えよ!!!」
水龍くんの口から水の気がほとばしりました。
『・・・・・・・・りゅう〜・・・』
水龍くん「・・・あれっ?え?何この声?もしかして水?・・・えっいや会話は別にしなくていいんだけど」
『・・・・・・・す〜いりゅうさんよ〜〜!・・・・』
水龍くん「えっなにこの口調?全然神秘がないよ?・・・もしかして水って肝っ玉母ちゃん系?」
『・・・・水龍さんよ〜〜〜おいらを助けてくれ!!!』
水龍くん「!!!!!!!!
     ぐぼーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
水龍くんの口からいきなり何か人間大の物体が飛び出したのです!
274ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:32:16 ID:???
ミルザくん「げっ!!!」オイゲンくん「うわ」
エリスちゃんの真下には飛び出してくる物体が!!
エリスちゃん「いーーーーーーーやああああーーーーーーーーーーーー!!!(泣)」
???「ぎやあーーーーーーーーーー何ィーーーーーーー!!?」
その時でした、エリスちゃんの体が途端に狼に変化し、その物体を足蹴に飛び跳ねて着地したのです!
???「ぎゃひっ!!!」
ミルザくん&オイゲンくん「え・・・え・・・???・・・あ、あのお前・・・」
水龍くん「ぜえっ、ぜえっ、こ、こんな汚いもの吐いたなんて私の経歴に傷がついたぞ!!
    ・・・お前!!!」
???「うっひい〜〜〜〜〜〜お、お前らおいらが何したって言うんだよお〜〜〜〜!!!」
ミルザくん&オイゲンくん「ジャミル!!!!!」
飛び出してきたのは、あのジャミルくんだったのです。
ミルザくん「ジャミル、お前なんでこんなところに、・・・こんな来かたで」
ジャミルくん「俺だって知るかい!!こんな来かたでってその言い方が俺の心を刺すんだよーーー!!!」
水龍くん「ぜえ、ぜえ・・・お、お前『水龍の腕輪』で私を呼んだろう!!」
オイゲンくん「なんだって?」
ジャミルくん「そうだよ!!!あんたの水来てくんないじゃん!!!あんたの売りは即配達だろ!?」
水龍くん「どういう例えなんだ私は出前屋じゃないわい!!お前は偶然にも私も水を呼び出している時に
    私の腕輪を使おうとした!!だから水がどちらにも向かおうとしたが当然力の強い私の方に
    引っ張られる、しかし同調していたお前もここまで引っ張られてきてしまったのだ!!!」
ジャミルくん「なに!?はあ!?そ、そういやここは南エスタミルじゃない・・・俺あんたのところまで
    一瞬で引っ張られてきたのか!?」
ミルザくん「よかったじゃないかジャミル、瞬間移動なんて滅多に出来るものじゃないよ」
ジャミルくん「お前が言うと下手な慰めなんだか本気なんだかわからなくて嫌だ・・・」
オイゲンくん「それにしてもあんた・・・エリスさんだっけ、その姿・・・」
四人は一斉にかわいい女の子だったはずの銀の狼の方に目を向けました。
エリスちゃん『・・・そうです、私は狼の化身。先程の人間の姿は借りのものです』
水龍くん「ちっくしょーーーーー狼に化かされたーーーーーーー!!!」
オイゲンくん「一々叫ぶなこのバカ寮長!!!」
ミルザくん「だったら、最初から狼の姿に戻って着地してくれれば・・・」
エリスちゃん『わ、私はあくまで猫ではなくて狼で・・・着地にちょっと自信がないんです』
水龍くん「かわいい・・・!なんだか守ってあげたい・・・!」
ジャミルくん「独身の男は部屋に犬飼ってるっていうからいいんじゃねえの」
シリルくん『エリスちゃんはやく月を追わないと・・・!僕も集中力が切れてきたよ、
    木々は風に揺られるもの、それをコントロールして空への動かぬ堅固な台に出来るのは僕しかいない』
エリスちゃん『ええ、ごめんねシリル、私が月の光の流れに乗れないばっかりに・・・』
オイゲンくん「・・・こいつらは本気で言ってるようだな」
ミルザくん「光の流れ・・・・・?・・・・――――!」
ミルザくんは閃きました。
275ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:33:24 ID:???
ミルザくん「ねえエリスさん、僕たちも一緒に月の舟で連れて行ってください!」
エリスちゃん『ええ!?』
オイゲンくん「お、おい何を言ってるんだよミルザ」
ミルザくん「この水龍くんは水の四寮長!川の流れを彼は自在に操ることが出来るんです!
     例え光とはいえ流れの操作に違いがないなら・・・この人は舟の安定に役に立ちます!」
エリスちゃん『四寮長!水の水龍・・・ま、まさか、人間の姿だったから思い及ばなかった!』
水龍くん「(あれ?そうじゃん?私も元々は人外の姿・・・こういう世界だと人間は人間としかくっつかないけど
      人外だと人外同士なら何でもアリ!様々なヴァリエーションが・・・狼だってあめんぼだって!)
     そうですエリス!私は流れの王!流れに乗り!流れに流れ!流れに流れ流れ」
オイゲンくん「俺たちが付いていけなくなったら流れに流して地平の果てに葬り去ればいいのです」
エリスちゃん『・・・なんてコメントしたらいいかわかりませんが・・・でももしかしたら
     私は本当にあなた達を呼んだのかもしれない。あなたたちの力が必要なのかも・・・』
ミルザくん「僕、親切の安売りは大得意なんです!!!任せて!」
オイゲンくん(こいつもう本来の目的忘れてるな・・・)
水龍くん「そういうわけだ、ジャミルお前も来い!」
ジャミルくん「はあ!?ええ?なんなの?なんなわけ?合コンだったら男四女一なんてなんの強奪戦だよ」
水龍くん「合コンじゃないわなんでも話を軽くしてしまうやつめ!!!
    お前は『水龍の腕輪』を持っているんだろう?それがあれば私はマラル湖から水を引き出せる!!
    干からび知らず、パックがなくてもプルプル肌」
オイゲンくん「こいつのためじゃなくて俺とミルザって友達のために付いて来てくれるだろジャミル?」
ジャミルくん「お・・・・・おう・・・・・何かわからんがお前らの間に大きなクレバスが見えるよ・・・
    ・・・しかしミルザお前、アクアマリン持ってなかったの?」
水龍くん「ああ!!!」
ミルザくん「え?持ってるよ!宝物の一番の宝箱は自分自身だよ!・・・ぼ、僕の中にアクアマリン・・・っ!」
オイゲンくん「いちいち遠くに行かないでくれミルザ」
ミルザくん「でもなんで?確かに持ってるけど僕アクアマリンはちゃんと使いこなせないから、
     どうせ水を出そうとしても水の精気のないところじゃ・・・」
水龍くん「あっほーーーーーお前が使いこなせなくてもこの水のプロの私が使いこなせないと思ったのか!?」
ミルザくん「あっ!!!」
ジャミルくん「抜けてんねー、ミルザ」
ミルザくん「ご、ごめん気付かなかった僕、水龍さん水気が減ってたのに・・・・・」
水龍くん「はあ〜、いやいいのだ、どうせ私はアクアマリンを借りたりしないよ、
     それはお前がサルーインちゃんからもらった宝物。他の男が触っていいものじゃない」
ミルザくん「・・・・!す、水龍さん・・・・」
水龍くん「そんな石ッコロより女の柔肌よーーーーー!!!さあエリスその姿じゃこれだけの人数のスペースがない!
     君も人間型に戻りたまえーーーーーーー!!!」
エリスちゃん「・・・・・・・・・・私の隣と後ろと斜め後ろにこの人を座らせないで下さい」
オイゲンくん「必ずあなたを死守します。死ぬのはあっちです。」
276ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:34:16 ID:???
ミルザくん「・・・あの手にアクアマリンを触らせないでよかった、ほんとによかった・・・
     ところでジャミルさ、なんで水龍の腕輪を使おうとしてたの?」
ジャミルくん「えっ・・・」
ミルザくん「いやだって普段必要ないでしょ水を呼び出すのと水龍さんとの通信しか出来ない腕輪じゃん。
     ・・・・・・・・あっ・・・・ご、ごめん水道止められたんだね・・・・僕って無神経で・・・」
ジャミルくん「・・・・・俺も貧乏だけどさあ、俺お前っていう自分より貧乏な奴がいて
     ちょっと自信に思っちゃったりしてるんだぜ・・・・・いや、なんでもないんだよ・・・
     てか俺もよくわかんねえんだ、あれがなんだったのか」
エリスちゃん「みんな行きましょう!時間は余るほどない!」
ジャミルくん「おう、行こうぜミルザ!お前ら俺を巻き込んだんだからな」
ミルザくん「あ、うん・・・・・・・・・?・・・・・・」
ジャミルくんはミルザくんの前に走り出しました。ミルザくんは何か、ジャミルの背中に光ったようなものを
見た気がしましたが、目の錯覚だろうと思いました。
ミルザくん「行こう!水龍さん、お願い!」
水龍くん「流れ行く道よ、我らを導き、祝福せよ!」
月夜の空に、一つの小さな舟が浮かんでいました。
ミルザくん「すごい!僕ら、夜空を渡っている!!」

???『・・・ちっ!何故一瞬にして目の前から消えたんだ!?
    ・・・・・工事中の穴なんかないしそこにはまったってことはないよな・・・ふん!
    しかしいくら逃れようとも変わらぬこと!貴様に俺の『牙』を取り付けた・・・
    俺の匂いが離れていく!本来なら己の匂いほど嗅ぎ付けやすいものはないのさ、
    ・・・だが本当に遠くまで行ったらしいな、これはメルビル寮・・・?
    ――――!?俺の牙の近くに懐かしい気配がある・・・!?・・・まさか、
    ・・・・・うっ!?やばい、気配が断絶された・・・だかそれは俺の不注意だ、
    ・・・・・・・・もっと近くに赤い光の気配がある!!?』

ミルザくん「へえー、この壷の中に月の光を集める!?」
ミルザくんたち一行は無事月の軌道の流れに乗り空の上。ミルザくんは興味深々に壷を覗き込みます。
エリスちゃん「余り覗き込まないで、一応この壷はエネルギーを吸っているのよ」
水龍くん「うーんまるで熟練された女の魔力のようだなあ」
オイゲンくん「はい、はい」
エリスちゃん「こうして一旦壷に集めた光を更に凝縮できる器に変えるの、
     それが一般に知られる『エリスのシンボル』と『アムトのシンボル』」
277ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:35:33 ID:???
ミルザくん「この壷が最終形じゃないんだ!あのさあ使い終わったらこの壷くれないかな、
     たくあん漬けるのにちょうど良さそう」
オイゲンくん「お前そもそも漬物石持ってないだろ」
ミルザくん「石なんか道端で拾うもん」
ジャミルくん「そこが誰の所有地かわからないんだぞ?そこから勝手に持ってきたら立派な窃盗だよ」
ミルザくん「ううう・・・窃盗のプロに言われた・・・
     気付かない振りをして石を勝手に拾ってくることはもうできなーーーーーーい!!!」
エリスちゃん「そもそも壷をあげません。・・・私とアムトは数年に一回こうして仕事をするの、
     これが生徒会での私達の本職・・・」
水龍くん「そうか月の光がエロールちゃんの若さを保つためのエキスだったとは!」
オイゲンくん「若さも何も一応高校生なんだがその発言何となくわかるな」
エリスちゃん「違います、違いますけどあなたの暴言をテープに取ってあの生徒会長に聞かせてやりたかった・・・!」
ジャミルくん「エリスさん・・・涙流すほどなにがあるんすか」
エリスちゃん「こうして月の光を集めシンボルを完成させる、そして蝕の日を待つ・・・
     その日がピラミッドの中の秘宝を求めるものにとっては唯一の挑戦の日!」
ミルザくん「蝕の日・・・・・?」
エリスちゃん「そう、愛の月と獣の月が交わる日」
オイゲンくん「やーーーーーーっと『二つ月のシンボル』の意味がわかったぜ!
      お互いのシンボルが月と月が蝕でどんどん重なりあうように引かれ合うってわけか」
エリスちゃん「まああなたたちどうして知ってるの?二つのシンボルは蝕の力を利用して融合するのよ」
ミルザくん&オイゲンくん&水龍くん「・・・・・・・・・融合?」
エリスちゃん「そう、その融合した形が真の完成型なの、それがあのピラミッドと反応を起せば・・・
     そこからが挑戦の始まりなのよ!・・・・・どうしたの?」
ミルザくん(融合ってさあ・・・あれじゃない?パワーアップするやつでしょ?ちがう?)
オイゲンくん(そうそうそれで融合した同士が二つの人格の中で葛藤するアレだろ)
水龍くん「(つ、つまりこういうことじゃないか?)つまりお互いシンボルを持っていた同士の
     心が融合し、二度と離れることがないということなのだね!?」
エリスちゃん「はい?何を言ってるの?」
水龍くん「・・・・・・・・・・・お互いのシンボルを持ってる者同士は必ず・・・・・」
エリスちゃん「ああ!ええ、そうよ必ず引かれ合うわ!だってシンボルは融合しようとするんだから、
     持ち主はお互い向こうのシンボルに引っ張られるからね、
     でも融合したらお互いもう好きにどこでも行けるわよ」
三人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミルザくん(ちょっと、あの、話がどこかなんかとーっても違うような)
オイゲンくん(お互いを持ってる同士が必ず引かれ合って?あれ?融合したらもう好きにどこでもグッバイ?
     えっ?なにこの行きずりの恋にもなってない意味のない引かれ合い)
水龍くん(・・・・・・お前ら何故私を見る・・・私を見るなよ・・・・・やめろよかっこよさは減るんだよ・・・)
    「うわーーーーーーーっ私を見るなーーーーーーー違うんだーーーーなんか手違いがあったんだーーーー
     水の流れからの情報は伝言ゲームであの子彼氏が出来たんだって!が私に届く頃には
     あのせがれうじが襲来したんだって!になっていることなんか日常茶飯事なんだーーーーー!!!」
278ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:36:40 ID:???
ミルザくん「そんな情報源ない方がまだマシでしょうが!!!」
オイゲンくん「何でしっかり確かめてから人に言わねーーーんだよ学園内でもトップの地位にいるやつが!!!」
水龍くん「私はちょっとかじった情報をさもくわしげに言うことで
    「すごーい水龍さんって何でも知ってるのねー」ってハニーに褒めてもらうタイプの男なのだ!!!」
ミルザくん「何でそんな恥かしい事堂々と言ってんですかぁ!!ぼくわかりません!!
     ちょっとかじった情報をさもくわしげに言うことで
     「この知ったかぶり!そんな表面だけの空っぽの脳に恐怖を刻み付けてあげるわ!!」
     ってサルーインちゃんに言われてSMプレイでしょそこはァ!!!」
オイゲンくん「俺こっち側の人間になることにしたんでよろしく、ジャミル、エリスさん」
ジャミルくん「・・・これが銀河鉄道でさ、車両が切り離せればはっきり区別つけられるんだけどな」
エリスちゃん「なんなんですかあんたたちは・・・けれどそう・・・融合「してもいいもの」が
     シンボルになればいいけれど、もし融合「してはいけないもの」がシンボルになってしまったら・・・」
オイゲンくん「――――――――?何を言ってるんだ?シンボルになってしまうってそもそも
     シンボルのための型があるんだろ?」
エリスちゃん「確かにシンボルのためだけの型はあるけれど・・・シンボルの本質は結局のところ
     『月の光の力』なのよ、光は何にでも射す・・・光を凝縮してしまえるのは、
      何も専用の型に限ったことじゃないのよ」
ジャミルくんはどこか青白い顔になっていました。
ジャミルくん「――――そういえばこの壷・・・俺が昨夜あそこで殴られたのは・・・こんな感じの・・・
      俺何を浴びた?あの水みたいのはなんだったんだ?水みたいで、柔らかくて、どこか眩しくて―――」
オイゲンくん「・・・・・・じゃ、ジャミル?」
エリスちゃん「あ・・・あなた何を言ってるの?・・・そういえばあなた南エスタミル寮から来たって、
      アルがいてある生徒を追っているはずの―――――」
ジャミルくん「俺、変なでかい猫に追いかけられれそれで水龍の腕輪に助けを―――――」
エリスちゃん「―――――――――!!!」
???『変なでっかい猫だって!俺が!お前そこらの野良猫をかわいーvっていって
    由緒ある血統書付きの猫をプッ変な顔wとかいうタイプだろ!!!』
ジャミルくん「うわ!なんだ!?何で俺が野良猫に共感してしまうたちだと知っている!?」
エリスちゃん「この声は、アル!?―――ジャミルさん、失礼!!」
ジャミル「わっ!」
エリスちゃんはジャミルくんの襟元から手を突っ込み背中をまさぐりました。
オイゲンくん「エリスさん一体―――――」
水龍くん「エリス私にもお前の腕バージョン孫の手しておくれ!」
オイゲンくん「俺が後で孫の手に鉤爪つけたもん改良してかいてやるから待ってろスッタコ!!」
水龍くん「男はイヤーーーーーーーーー腕の毛痛いねん男はイヤーーーーーーー!!!」
ミルザくん「オイゲンその孫の手って使い終わったら僕にくれないかなあ。
     栗拾いに使えると思うんだよね」
オイゲンくん「お前の周辺に栗の木なんかあり得ないだろ!!!うわーーーーーーお前らだ
     お前らがいるから話が進まないんだよーーーーーーー消えてしまえーーーーーー!!!」ギャー
エリスちゃん「これはアルの牙!!ここから声が送られてきているのねアル!!!」
アル『そうだ、聞こえるんだなエリス!・・・なんだって俺が追っていたはずの野郎がお前の隣にいるんだ!?』
279ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:37:39 ID:???
エリスちゃん「それは―――」
ジャミルくん「それはこっちの質問が終わってからだな!なんなんだよあんたたちは!
     おいらに何の恨みがあって追いかけてくる、言っとくけどな、盗みの恨みならあきらめなよ
     盗んだものなんかとっくに売り払われて学園各地に旅に出ちまってるんだよ!」
アル『盗んだことにすら気がついていない盗人めが!お前が俺の主人を脅してそのために
   こっちの月の光がこぼれてしまったことはわかっている!!お前からは赤い月の光を感じなかった、
   何か別のものに封じ込めたのだろうが!!』
ジャミルくん「・・・俺が誰を脅したって・・・?ふわふわした髪のかわいい娘のことか・・・?
     おいらはな・・・おいらがな・・・おいらが殺されかけたんだよ・・・・・・!!」
エリスちゃん「ああっ静かな殺意のオーラが全身を駆け巡っている!落ち着いてジャミルさん、
     よくわからないけどアルこれは確かよ、この人は深く関わってしまったけど何も知らないのよ」
アル『俺の主人の行方も知らないのか?こいつ以外に手がかりなんてないんだぞ!』
エリスちゃん「ねえあなた、昨晩のことをもっとよく教えて欲しいの。どうして赤い月の光を被ってしまったの?
     その光はどこにいったの?アムトはどこに?その時あなた何か持ってる物はなかった?」
ジャミルくん「―――俺がたまたま側に寄ったらあの娘が狼狽して壷で殴ってきて・・・その時その娘は
     バランスを崩したんだよ、だから壷の中身をおいらにぶちまけたんだ。
     でもあの中身はいつのまにか消えてた、昨日持ってたもんなんてしけた盗品くらいだよ」
エリスちゃん「盗品!貴金属のものもあったんじゃないの?違う?どんな安いものでもいい思い出して―――
     なにか赤い輝きを帯びていたものはなかったの!?」
ジャミルくん「赤い輝き――――――・・・!」
ジャミルくんの脳裏に蘇りました、あのかく乱の為に投げつけた腕輪、ああ勿体ないことをした、
大した品だったのに―――そんな思いで振り返ったときのあの輝き。
ジャミルくん「赤かった!確かに赤かった、あの腕輪にはめられてた宝石は確かに透明色だったのに!」
エリスちゃん「それだ!それだわ!!その腕輪に赤い月の光が凝縮されてしまったのよ!!
     ああでもよかったただの腕輪で、その腕輪、どうしたの!?」
ジャミルくん「―――――言い辛いことだがもはやおいらの手にもなければ行方もわからねえ!
     あの時地に投げつけて警備兵が拾ったのを見たきりだよ!」
エリスちゃん「・・・・・ああ!」
アル『いや、上等な知らせだ!警備兵というからには南エスタミルの警備兵だな!
   エリス俺は今しがたここ南エスタミル寮で赤い月の光を感じた!!』
エリスちゃん「ええ!では、南エスタミルにもはや『アムトのシンボル』になってしまった腕輪はあるのね!?
     ・・・いえ待って!今しがたですって?どうしていままで感じなかったの?
     アルは今日一日南エスタミル寮にいたはずでしょう!?」
アル『・・・・・アムトのシンボルは一時南エスタミルを離れていたが、再び戻ってきたということでは』
ジャミルくん「・・・何となく読み込めてきたがあんな品が一日のうちに出入りを繰り返すかな?
     どうしたわけだろう、もしも身に付けてる人間が出入りをしているとして・・・
     いいや、昨日盗まれたような盗品、たとえもとの所有者のものに戻っていても身に付けるとは思えねえし、
     持ち主のところに戻ってないなら尚更この時点では警備隊に保管されてるとしか思えないな」
280ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:38:42 ID:???
アル『・・・・・全く面倒なことになってるが考えるより感じる方が先にくる!
   『アムトのシンボル』、いやそうでなくともそれに関わるものはこの南エスタミルにあるさ!
   俺は探す!もちろん主人もだ!エリス、お前は自分の本領に専念しろ!』
エリスちゃん「わかっているわ!気をつけなさいねアル!」
ジャミルくん「・・・俺はなんだかとんでもねえことしちまったみたいだな・・・悪い」
エリスちゃん「あなたは悪くない、私達の落ち度よ、最近の選挙戦の動向のために
     生徒会がぴりぴりしてて・・・そらもう生徒会長のあの扱き使いぶり・・・グルルル!!!
     私達疲れがたまっててついミスを犯してしまうのよ、
     これもそれも悪いのはあの生徒会長の労働基準法違反を恐れない悪魔の心なのよおオオーーーーー!!!」
ジャミルくん「・・・あ、あのさ・・・・・あんたは是非転部情報誌を見るべきだと思うな・・・」
水龍くん「エリス、それほど苦しいのか可哀相に、そんなに辛いなら私のところにこないか
     ちょっと湿った六百坪の新築なんだ、階段で足を滑らせないようにすればほかは全て快適だよ」
エリスちゃん「私魚より肉派なんで」
水龍くん「わかってるよ、緊急時には恋に落ちてしまいやすいが平常時に戻った時にその恋が
     どうなるかわからない・・・お前は私への恋が本物かどうか恐くて
     そんな風に私の好意を受けちゃいけないと思っている・・・
     ああエリス、君とはいつもと何の変わりもない、そんな日に出会いたかったね」
ミルザくん「この人すごい自分に都合いいように解釈できる妄想力があるなあ」
オイゲンくん「お前と友達になれるんじゃないかな」
エリスちゃん「壷の中に光が満ちてきている・・・!もうすぐ完成するわ、『エリスのシンボル』!
     これさえあれば『アムトのシンボル』も、アムト本人の気配も読み取れるはずだわ・・・」
ミルザくん「――――――!?みんな伏せて!!!」
ミルザくんの一声に五人は咄嗟に上体をかがめました。すぐ上で風を切るような音―――
いいえ風を切った、恐ろしい音がしました。
???「よく読んだ・・・だがお前達が生きているのはただひとえに私の美学によるものだと知れ・・・・・
    私がもしみな綺麗に首を落としてやることを望まずに、舟本体を攻撃していれば
    お前達は墜落していたのだ、地獄の底までな」
ジャミルくん「―――――こいつは!?」
ミルザくん「お前は、あの時の!!!」
暗闇の中に青白い炎が浮かび上がったようでした。それはまるで死者の怨念、死者の郷愁―――
そして黒い恐怖の鎧。
???「覚えていたな。それは当然、一度見たら忘れられない、二度見たら目に焼きつき、
    三度見たらあれっこれ恋?と思うようになり、百回見たらどれが本物かわからなくなる。
    我こそはカヤキスだ!」
ミルザくん「えっ!!!やばいよ僕こいつ見るの三回目だよどうしようオイゲン!!!」
オイゲンくん「俺もセリフに突っ込みたいがそこはこらえて武器を構えろーーーーーっ!!」
281ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:39:30 ID:???
水龍くん「ちょっと待て!こんな小さなしかも満員の舟上で武器を構えてもバランスを崩さないのは
    一人がせいぜいのところだ!」
カヤキス「心強い後ろ盾がいるようだなひよっこどもよ、そうだせいぜい一人、それも
    射程を長く持つ矛の使い手オイゲンが最良の選択であろう」
オイゲンくん「――――――――っく!!舐めやがって!」
エリスちゃん「こいつ・・・!一体どうやってここまで近づいたのか!?宙に浮けようとなんだろうと、
    私の嗅覚からこれほど近づくまで逃れていたなんて!」
カヤキス「犬か・・・」
エリスちゃん「なんだとおのれ!!!」
カヤキス「鼻がよく利くいい犬のようだな、どうだ私のところで番犬をしないか、
    衣食住、もちろんおやつ付きで服はオーダーメイドだ。最近ワンちゃん用お着替えが流行っていて
    色んなデザインが着られる。専用の獣医さんはもちろん付けるぞ、町の隠れた名医を知っているんだ」
エリスちゃん「うるせーーーー今日はなんなんだ厄日かーーーーーー!!!」
水龍くん「いきなりプロポーズのライバルが現われた」
ジャミルくん「あれがプロポーズに聞こえるのかよ・・・」
ミルザくん「ああっサルーインちゃんにところで私の犬にならないかって言われたい!!!」
オイゲンくん「じ、じ、神雷が出てこないのもみんなこいつらが戦意をそぐからだ・・・!」
オイゲンくんは一応すでにウコムの矛を構えています。カヤキスはその手の中の黒い槍を
ゆらりと動かしました。
ジャミルくん「水龍さん俺達水の力で援護しよう!!!」
水龍くん「ならぬ!オイゲンの真の切り札は神雷だろう・・・水は操れるが結局のところ気まま、
    いくら私達が慎重に動かしてもこちらに水が及んでこないと保証が出来ない、
    もしそこに神雷が来たら全員オダブツだ」
カヤキス「ふ・・・組み合わせが悪かったようだな。条件の合わない夫婦の妥協は・・・悲惨だ」
オイゲンくん「もういいよてめえもそんなこと言って俺を脱力させる戦略なんだろ!!
    みんな敵で俺は最初から一人で戦ってるんだーーーきっとそうだーーーーーー!!!」
ミルザくん「オイゲン疲れてるな」
カヤキス「!」
カキン!槍と矛がせめぎあいます。
カヤキスが間合いを詰めようとしているのに対し、オイゲンくんは引き離そうと精一杯です。
エリスちゃん「きゃっ!」
オイゲンくん「!済まない、くっ・・・狭くて動きが・・・!」
ミルザくん「オイゲンの動くスペースを確保するために舟から飛び降りる勇気のある人挙手はいっ!!!」
ジャミルくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
水龍くん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
エリスちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ミルザくん「・・・・・・・あ・・・あれ?誰もいないの?・・・もしかして僕だけ?・・・
     ・・・・・・え、えーっと死ぬ時は一人って、それって、悲しいね・・・・・・・!」
オイゲンくん「・・・手を上げなかった奴らが確かに憎いけどミルザ飛び降りなくていいんだよ、
      飛び降りなくていいから!!!(泣)」
282ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:40:26 ID:???
カヤキス「・・・お前はどうやら最近本格的に矛を使い始めたようだな、
     構えは大したものだが型にはまりすぎていて柔軟性がない、結局のところお前に足りないのは
     経験と時間・・・一瞬では決して埋められないものが敗因だ」
オイゲンくん「〜〜〜〜〜一瞬の付け焼刃を舐めない方がいいんだぜ!!!神雷!!!」
オイゲンくんが溜めていた神雷が放たれました、カヤキスに裁きが落ちようとします。
カヤキスはすっと・・・と静かに手を上げます。神雷が直撃しました!
オイゲンくん「―――!?っなんだばかめ!避けられないと知って潔いところを見せたのか!
     ―――――――――き、貴様!!?」
もはやそこは闇夜の虚空と見えたそこには、いまだ恐ろしい気配がありました―――
カヤキスはなんの傷も受けず生きていました。
オイゲンくん「なんで・・・貴様は・・・化け物なのか・・・?」
カヤキス「お前の目に映っている姿こそ真実だぞ・・・・・もはやお前は蚊ほどにもないことがわかった、
     ・・・・・・・・・・それが『エリスのシンボル』のための本質というわけか」
エリスちゃん「!!!」
エリスちゃんはさっと壷を隠すように庇いました。
水龍くん「あの者の目的はエリスの月の光か・・・!一番厄介なこととなった、
     なるほど舟を落とせば月の光がこぼれてしまうからやらないのだな」
ジャミルくん「俺は博打でも水を使ってあの野郎だけを濡らしバリバリに感電させてやろうと思った、
     だがあいつにはなんにもきいちゃいねえ!」
ミルザくん「こいつの力とは、一体・・・・・!?」
カヤキスはもはやオイゲンくんを見ていないようでした。
カヤキス「私の用件はただ一つ・・・・・それを受け取りに参ったのだ」
カヤキスの繰り出される槍が壷付近に集中します!
オイゲンくん「くっ・・・・・!なんて突きの雨!!」
エリスちゃん「おのれ化け物がこの光をなんとするつもりだ!この光は神聖なものだ!!
     お前にふさわしいのは悪霊の光と知れ!!」
カヤキス「私が用があるのはそんな光ごときではない。その光が呼び寄せるもう一つの赤い光だ」
オイゲンくん「神雷!!!」
オイゲンくんの神雷が炸裂します。
オイゲンくん「神雷!!!神雷!!!」
ミルザくん「オイゲン!あいつに神雷は効いていないよ!恐らくあの鎧は電撃を遮断するんだ、
     お前の体力を無駄に使っちゃいけない!」
オイゲンくん「無駄じゃない、いくら電撃を遮断しようとも鎧は金属!これだけ雷撃を浴びれば熱を持つ、
     生身の者なら鎧の中で丸焼きだし霊体であっても熱は効く!!」
カヤキス「・・・・・・・お前は惜しい戦士だ・・・・・・・もし刃を向けたのが私でなければ・・・・・・
     幸せに家庭を持っていいお父さんになって
     ちょっと頑固なお爺ちゃんになってささやかな葬式を開いてもらえただろう」
オイゲンくん「こいつ殺すーーーーーーーーっ
     平凡だけどなんかむかつく他人の人生シュミレーションをするなーーーーーーっ!!!」
ミルザくん「オイゲン疲れてるんだよ、ちょっと自分の幸せな未来を想像して心を休ませてみるのはいいことだよ!」
オイゲンくん「お前はやっぱり敵軍なのかーーーーーーー!!!くそっ神雷!!!」
水龍くん「―――――――いかん、エリスジャミル避けよ!」
283ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:42:00 ID:???
オイゲンくんは力を使いすぎてバランスを崩したのです、最後の神雷は月の舟をかすってしまいました。
オイゲンくん「――――――――!」
カヤキス「お前はまだ若い・・・特に精神は未熟・・・ちょっとはじけて恋でもしてみるべきだが、
     その時間はもうないんだよな、ついつい死ぬ間際の人にまで人生のアドバイスしちゃうから困る」
オイゲンくん「・・・・・・・・っっっ!!!(ブチッブチッ)」
ジャミルくん「あああオイゲンちょっと気を静めてもう忘れようぜ、明日起きたら
     きっといつも通りのちょっと斜に構えたお前がいるさ、きっとそうだからもう休もう」
エリスちゃん「――――――ど、どうしよう月の舟がバランスを失ってる・・・!
       あと5度でも傾いたら、その時は、もう・・・・・・!」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・まじで?」
水龍くん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふっ・・・・・
     どうせ落ちるんならぴっちぴちの水着姿のハニーたちのいるプールだーーーーーー!!!
     いやここはもう15禁の枠を飛び越え混浴温泉だーーーーーーーーーーーーー!!!
     いやなんで死ぬのにわざわざ混浴温泉なんてねーちゃんに配慮しなければならんのだ
     死にゆく男に女専用風呂の秘密を教えてーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ジャミルくん「あんた取り乱しすぎだよバカ!!!」
ミルザくん「ぼ、ぼ、ぼく流れ星になったらサルーインちゃんのところに堕ちたいです・・・・・!!」
ジャミルくん「お前は愛する人を隕石衝突で殺してもいいのかーーー!!!」
オイゲンくん「ちくしょーーーなんでここにいる四バカがタイニィフェザーじゃねーんだーーーー
      あ゛ーーーーーーーーあの猛毒っぽい翼が天使の翼に見えるーーーーーーー!!!」
水龍くん「どうせ私は15の夜に天使の資格を失ったよウワーーーーーーーーー!!!」
ジャミルくん「15の夜に何があったんだよ!!あああいつもはこっち側のオイゲンまで壊れてるよーーーーー!!」
エリスちゃん「(タイニィ・・・フェザー)・・・水龍さん!あなたは今ここで
      元の姿に戻るのよ!!!」
オイゲンくん&ジャミルくん「えっ!?」
水龍くん「・・・・・!?何を言っているのだエリス!?私は水に住まうもの、そもそも空に縁がないものなのだ
     ・・・口惜しいがもしオイゲンの言うように私が羽のある四寮長だったなら・・・!」
ミルザくん「・・・そうか・・・ここは月の光の流れの内・・・水龍さんはいつも水の中で泳いでいたけど
     それだけじゃない、流れの中で泳いでいたんだ!」
水龍くん「・・・ミルザお前・・・いくらなんでも私とて物理の法則に反することはかなわんぞ!」
オイゲンくん「・・・いや俺達が水の上の流れに乗っていたのはあれはなんだ?
     物理の法則にのっとっていたのか?あれは水の精の力だろ!?」
ミルザくん「この月の舟だって出発の時水龍さんの力を借りて、ここまで来れた・・・・・
     もしかしたら水龍さんなら月の舟に協力してもらわなくても、この流れに乗れるかもしれない!!」
エリスちゃん「水龍さん・・・私も月の光の軌道に乗るなんて本当は初めてだったのよ、
     今私が空を渡っているのはあなたの力があったからこそ」
水龍くん「・・・・・・・・・・・・・・」
ジャミルくん「どうせ落ちたら死ぬんだろ?最後の最後にあがいたっていいじゃん、
     それでもし生き残れたら一瞬女風呂に落ちるなんかよりもいっぱい綺麗なねえちゃんを見れるぜ!」
カヤキス「―――――――まさか、お前達は!」
284ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:42:45 ID:???
水龍くん「・・・ふ・・・・・お前達・・・・・・・・
     私は格好つけなければ気が済まないたちなのだぞ!」
その時でした。空に浮かんでいた一隻の舟は地に落下していました。
そして、空に大きな水蛇が浮かんでいました。
カヤキス「――――――――なんと・・・!愚かな・・・・・」
水龍くん『私にしっかりとつかまって!決して離さないで!私がもがいても振り落とされてはならない、
     その手を私の肉に食い込ませろ!!』
ミルザくん「――――――水龍さん・・・・・!」
その空の水蛇は宙でもがいていました。徐々に落ちながらも、しかし宙にしがみ付き決して放さないかのようでした。
カヤキス「・・・・・・・・・・まさか・・・・・・・お前達が・・・・・・
     いや私は知っている・・・愚者が世界を遙かに超え行くことがあるのを!」
ミルザくん「水龍さんの体は月の舟より遙かに大きい・・・もう僕たちの動きを抑えることは出来ないぞ!!
     ここからが本番だ!!!」
カヤキス「ち!」
カヤキスは余裕の体勢を立て直し、先程より間合いを取りました。
水龍くん『やつは宙を自在に動き回れる、私はこうして宙に留まることが出来たがあくまで月の光の流れの中に
     いなければならない・・・ジャミル!』
ジャミルくん「わかった、この腕輪を使い、ミルザを噴射させた水で押し上げあいつの射程も延ばす!」
水龍くん『物分りのいい人間もいるものだ!』
ミルザくんの足元が吹き上がる水で押し上げられました。
ジャミルくんが操作すると水は自在に上へ、下へ、ミルザくんを連れて行ってくれます。
ミルザくん「こいつはすごい!!」
オイゲンくん「ちぇ、今日はミルザにいい方を取られたなあ、だかお前は攻める方、俺は守る方。
     あいつが『エリスのシンボル』の光の壷に狙いを変えようとしても俺が死守する!こいつらを守るついでにな」
オイゲンくんはジャミルくんとエリスちゃんを見やりました。そして水龍くんの体を足でトンと叩きました。
ミルザくん「オイゲンにはいつもかっこいいセリフを取られてるんだからおあいこだろ!?
     ・・・行くぞカヤキス!!!」
カヤキス「・・・こっちがイクゾしたかったけどまあ来い!」
ミルザくんとカヤキスの激しい攻防が始まりました。
エリスちゃん「・・・壷の吸い取る力をマックスにするわ・・・!月の光さえ手に入れれば私達逃れられる・・・
     水龍さんに少しずつ流れの中を下降してもらい真下が水のところに落ちてもらえばいい!
     たとえあんな化け物でも地上に降りさえすればまくことは可能なはずよ!
     さあ壷よ!エネルギーを吸い取って・・・!!」
カヤキスの目元が一瞬光ったようでした。
ミルザくん「よそ見をするな!騎士精神に反するぞ!!」
カヤキス「!」
ミルザくんのレフトハンドソードは容赦なくカヤキスを追い立てます。
285ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:43:41 ID:???
ジャミルくん「ミルザが優勢だ・・・・・ミルザ!!!そこで一気にけりをつけるんだ!!!」
カヤキス「―――――くっ!!」
カヤキスが上方に飛びのきました。ミルザくんはすかさず追います、
カヤキスは体勢を崩している!必殺技を叩き込むチャンス――――!
ミルザくん「逃げを取ったな!!お前の負けだ!レフティホー―――」
カヤキス「実に間抜けなセリフだよミルザ!罠にかかったのはお前の方だ!!!」
ミルザくん「!?
      (なに!?体がおかしい・・・なにかに・・・・ひっぱられて!!!)
     うわあああああああああああ!!!!」
エリスちゃん「!!!ああっ!!!」
なんということでしょう、ミルザくんは思い切り・・・あの『エネルギーを吸い取る壷』に引っ張られていたのです!
カヤキス「わかるか・・・それだけ出力を上げた壷・・・月の光でなくとも大きな力なら吸い取ってしまうのだ!
    私はミルザがその壷の直線上に来るように誘導したのだ・・・
    ミルザは今私を倒すため巨大なエネルギーを練り上げた!!当然なのだよ、
    その壷がミルザを吸い取ってしまわんとすることはな!!!」
ジャミルくん「―――――なんてやつだ!!体勢を崩したのも罠のうちだったとは!!」
オイゲンくん「いけない、本当にもうミルザの半分は『壷の中』に吸い込まれてしまってる!!」
カヤキス「さあエリス!!お前はここまで一緒に来た仲間を見捨てるか?
     それとも『壷の中身』を捨てるか!?その選択見届けさせてもらおう!!!」
エリスちゃん「――――――――ううううう・・・・・・・・・・・!!!
     壷よ!どうか汝が捉えしものたちを解き放て!!!」
エリスちゃんの悲痛な声に、壷の中からはミルザくんと、まるで夜を殺してしまいそうなほどの光とが
飛び出しました。
水龍くん『エリス!!!』
カヤキス「・・・・・・これでいい・・・・・・月の光よ、私のもとに来い・・・・
     私を『エリスのシンボル』とせしめよ!!!」
ミルザくん「―――――――何!?」

・・・・・・つまりこういうことなのです。シンボルの本質は月の光、
月の光さえ凝縮して得てしまえばそれはたとえどんなものであってもまさしく『シンボル』・・・

カヤキス「・・・なるほど」
セージ「しかし大量の月の光を封じ込められるものっていうのは結構多いようで少ない!
    たとえば魔力の宿った宝石などがそうです。しかし容量が足りないことが殆ど。
    シンボルが宝石になった年には大抵融合は失敗するんですよ!だからシンボルつくりってのは
    神経を使う仕事ですねえ」
カヤキス「お前は無駄が多いな。出し惜しみしないようだが、そういうやつが実は金持ちになれない筆頭なのだ」
セージ「申し訳ございません、カヤキス様を見習ってけちになります。
    カヤキス様は容量の足りるようなものをさっさと言えとおっしゃられているんですね、
    それは一部の宝石、練成した魔法物質、隕石、群れ、あとは魔力の強い人間ですね」
286ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:44:28 ID:???
カヤキス「群れ?」
セージ「いや!いや!最後の例は今回の『アムトのシンボル』ですね、完成してもう動かないでしょう!」
カヤキス「私が最も手に入れるのが容易いものはどれだ?」
セージ「宝石が一番多いでしょうが、それ以上にはずれがあるんで一番面倒でもあります。
    練成した魔法物質はちょっともう間に合わないなあ、隕石は今ではいいやつはほぼありませんよ」
カヤキス「さっさと言え」
セージ「おやおやカヤキス様は僕をからかっていらっしゃる!まさかそんなに近くにあるのに
    あなたが気付いていないわけがない」
そう言ってセージはじっとカヤキスを見つめました。
カヤキス「・・・・・・これか」
セージ「はい僕が言うまでもなく・・・・・・・・・・」

カヤキス「我が鎧は怨念をすすり、欲望をすすり、力をすする!この程度の光、
    朝飯にもならぬものだが――――――だがその後待つのは千億の命にも等しいもの!!!」
エリスちゃん「――――あいつの企みが読めた!!あの鎧は力を吸い取るのね!
    だからオイゲンくんの神雷も吸い取られて効かなかった・・・!
    あの鎧を今回の『エリスのシンボル』にするつもりだ!!」
水龍くん『――――しかしその後待つのが千億の命にも等しいものとは?
     『エリスのシンボル』の力をあれ程過少と言いながら、その後に融合する『アムトのシンボル』の
     力は同等ではないというのか?』
エリスちゃん「・・・いいえ!込められた光は必ず均等の力だわ、そうでなければ融合出来ないのよ!
      ・・・・・・・込められた・・・・・光は均等・・・」
オイゲンくん「・・・・・まさかあいつの鎧のように・・・・・・
      『込められた入れ物』の方の力が強大なのでは・・・・・・!?」
エリスちゃん「―――――――!!!なんてこと・・・盗賊がいつもの働きで盗めるような腕輪が
      それほど強力な器なわけがない!!」
ジャミルくん「―――――『アムトのシンボル』は、別の器で完成していたってことなのか!」
ミルザくん「う・・・い、一体その器ってなんなんだ・・・?・・・カヤキス・・・
      あんなやつの野望にその器を使わせるわけにいかないよ・・・・・!!!」
カヤキス「愚者よ、お前達を賞賛することを私は厭わない。
     しかし愚か者はいつも気付いたときには遅い―――――それをあざ笑わせてもらう!!」
カヤキスの鎧に光がどんどん集まってきます!
ミルザくん「くそ・・・・させるか、させてやるものかーーーーーーー!!!」
カヤキス「その叫びが私への素晴らしい祝福だミルザ!さあ終わりは近く、そして始まる――――
     !?」
一身に月の光を集めていたカヤキス。しかし突如、カヤキスの鎧は全てに投げかけるように
光を跳ね返し、拡散させたのです!
カヤキス「・・・・・・・・・・・!?」
ミルザくん「え・・・・・・・・・・・!」
ジャミルくん「・・・光が散っていく・・・!」
オイゲンくん「・・・・・・・そして地に降り注いでる」
エリスちゃん「――――――えっ・・・なんなの!?この邪悪な気配で満たされた地上は!?」
カヤキス「―――――――――――――セージ!!!」
287ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:45:20 ID:???

セージ「そうだ、いいぞ、いいぞ、お前達は僕を頭として動く一つの体・・・ねずみの話を知ってるかい?
    群れとは『ひとつの器』なんだよ・・・お前達の一つ一つが光を宿し、そしてお前達全ては一つの光なのだ。
    ・・・・くははっ気付いた時には遅かったねカヤキス・・・!
    月の光はあくまで敵意もなく純粋な聖気に満ちたもの。お前が今まですすってきたものどもを思い出すがいい!
    あれだけ純然たる邪気と敵意に満ちた鎧に、いきなり月の光を全部取り込もうとて
    邪気と聖気が反発して聖気を吹き飛ばしてしまうのは当然のことなんだよ!!!
    ・・・だが邪悪なるものでもバラバラにされた、ほんのすこしのこぼれた光なら取り込むのは容易い・・・!
    カヤキスお前の失敗は全ての力に区別をつけていなかったこと・・・究極の力はひとつなわけじゃない。
    さあ、あの愚か者がお前達のために光を降らせてくれたんだよ、
    喜んでお食べ・・・・・・・・」

水龍くん『・・・・・地上の邪悪な群れ!あれはモンスターの大軍だ!!』
オイゲンくん「邪悪な気配たちが、次々光を吸い取っていく・・・・・・!?」
エリスちゃん「・・・・・・群れ・・・・・・・まさか・・・・・・
     そんな、私は群れの場合の『シンボル』なんて見たことがない・・・なかった!」
オイゲンくん「・・・・・・・一体どういうことなんだ!?」
カヤキス「・・・・・・私はセージに一杯食わされた、やつは私が自分を侮っていたことを利用した・・・」
ジャミルくん「・・・・・・あんたは一体なんなんだ!」
カヤキス「もはやお前達と争う理由はどこにもない、ここまでだ。無事であったことを天に感謝する時間だ」
ミルザくん「馬鹿にするな!お前は、お前達は一体なんだっていうんだよ!
     人の影を渡り歩いて!!人の心を駒にして・・・!自分達のしてることが、
     どれだけ許されない恐ろしいことかわかってるのかよ!!!」
カヤキス「・・・感傷的な正義論をお前と語る気はない、ミルザ。
     お前がもし本当に傷つきたくなくて、自分の心を大事に大事に守っておきたいのならもう
     糸石に関わることをやめることだ。次の朝日が昇る頃にはお前の平和が戻ってくるだろう」
ミルザくん「・・・・・・・・・!!」
カヤキス「いづれ再びまみえるのは既に決定された結果だ、
     しかしお前の選択によっては私の姿は全く別のものだろう」
ミルザくん「――――――――待て、カヤキス!!」
ミルザくんの叫んだ先にはただ闇夜があるばかり・・・カヤキスは掻き消えていました。
オイゲンくん「ミルザ・・・」
ジャミルくん「・・・・・・・わけがわからねえよな、その気持ちは俺達も一緒だよ」
水龍くん『・・・モンスターの一個の群れが、全体で『エリスのシンボル』だというのか・・・なんてことだ』
エリスちゃん「・・・『アムトのシンボル』が、もしあのカヤキスの言ったように
     とても強力な器のもとに完成しているのなら・・・それは恐ろしいことだわ!
     モンスターの群れが蝕を利用して、強力な器の力と共に一つに融合してしまうのよ!」
ジャミルくん「今はその『アムトのシンボル』を探すのが俺達がいちばんにするべきことだぜ、
     『アムトのシンボル』さえこっちの手にあれば・・・!」
エリスちゃん「けれど融合しないと神殿には入れないのよ・・・
     神殿の中に何があるかあなたは知ってるのミルザ?」
288ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:46:21 ID:???
ミルザくん「なにがあろうと、融合を阻止することが一番大事なことだよ」
エリスちゃん「気のムーンストーンよ。あなたが糸石を集めてることは学園中の噂だから知ってるの、
      でも今回の二つの月の蝕を逃したら次に蝕が来るのは4年後―――
      あなたはもうこの学園にいないわ、気のムーンストーンは絶対にあなたの手に入ることはないのよ」
ミルザくん「・・・・・・・・・・」
オイゲンくん「ミルザ・・・・・・」
少しの沈黙がありました。ミルザくんの唇の動きは震えるようなかすかなものでした。
ミルザくん「なにがあろうと、融合を阻止することが一番大事なことだよ」
エリスちゃん「・・・・・・ミルザ・・・・・・」
ジャミルくん「・・・・・ん!?あっ背中の牙が何か言ってるぜ!」
エリスちゃん「・・・・・・・アルだわ!どうしたのアル?」
アル『赤い光の気配の正体を見つけたぜ!ミニオンとかいう女の三人組だよ、
   何かしらんがウハンジ寮長をたずねて来たらしい、だが納得のいく返事がもらえなかったそうだ』
ミルザくん「ミニオン!ミニオンちゃん達!?」

アル「俺はこのうち一人と顔見知りだったから話がスムーズにいったんだ、
   どうやらこいつらも『アムトのシンボル』に関わってしまったらしい、
   ウハンジ寮長の使者と名乗るやつらがこいつらのところにやってきて、
   その主人に腕輪を差し出したらしいんだな」
エリスちゃん『腕輪!!ジャミルの言っていた腕輪ね!!!』
ストライフちゃん「・・・・・顔はハンサム猫なのに一本牙がない・・・」
ヘイトちゃん「あれじゃ流し目の微笑みもカッコが付かなくて拾って貰えないわあぁああ☆!!!℃*☆」
ワイルちゃん「それじゃお魚も満足に食べられないでしょうに可哀相・・・」
スペクターくん「でも大丈夫!最近しっかりほぐれておいしい猫缶があるからね!!
     種類を色々教えてあげるよ、なんたって僕の主食ですから!!」
アル「うるせーよお前ら中途半端な憐れみしやがって!最後のやつはそんなこと明るく言うんじゃねえ!!
   そうだなエリス、その使者は警備兵の格好をしてたらしいからほぼ間違いないだろう」
エリスちゃん『その腕輪はどうなったの!?その人たちが持ってるの!?』
アル「・・・いや・・・こいつらの主人が持ってることには持ってるが、 
   その腕輪にもうアムトの力は込められていない。どうやら容量がギリギリだったらしいな、
   もっといい器を見た瞬間飛び出したのか・・・こいつらも浴びたし、
   だから俺がこいつらに赤い気配を感じたんだが――――――
   こいつらの主人にアムトの力が入ってしまったらしいんだ」

エリスちゃん「・・・・・・・・・・・・・・ミルザ」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジャミルくん「・・・まさか、あの、サルーインちゃんが・・・」

ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アムトのシンボル」
289ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:47:17 ID:???
アル「えっおいなんだよ!?こいつらに付いていってこいつらの主人を保護しろお?
   それは俺の領分じゃないぞ!俺の主人の居場所だって今だわからないんだよ・・・
   お前のシンボルならアムトの力を引き付けるから主人の居場所もわかるだろうが、
   『アムトのシンボル』じゃアムトを引き付けないんだよ!磁石のおんなじ極だからさ!
   ・・・・・・・・・なんだそれは・・・・それはマジなのか?」
ワイルちゃん「どうしたんですかあ?」
ヘイトちゃんちゃん「なによもォオオーーーッ長電話ネエこれだから最近の猫はっ‘、;*@」
アル「・・・おいおまえら・・・俺はどうやらお前らと協力しなきゃいけないらしいんだ・・・
   お前の主人を守るために、ひいてはマルディアス学園を守るために、だ
   ・・・・・・・お前達の主人の元に連れて行け!」
ミニオンズ「・・・・・・・・・・・???」

シェラハちゃん「姉さん?どこに行くつもりなの?姉さん?
     どうして私の子守唄が効かないのかしら・・・姉さんがとっくに子供じゃないからかしら・・・
     ここはもう心を鬼にし、身内の情なんて捨て漆黒の帳を・・・
     ああっこれは悲しい話がまた一個ではなくて!?」
デスちゃん「何でお前はそう独り言で盛り上がれるんだ複数としゃべる時は
     どん底に落とす勢いの暗さのクセに!!・・・サルーイン?どうしたんだ?
     どこに行くつもりなのだ?何で答えない!・・・はっ!い、今頃になって
     無視という処世術を覚えてしまったのか・・・・・!!あの成績の悪い子が!!」
シェラハちゃん「こちらから言わせてもらえば何でデス姉さんって一人でしゃべらせておくと
     昔を懐かしむおばあちゃんみたいになるのよ。・・・サルーイン姉さんったらどこいくのよ〜
     私達も一緒に連れてってくれなかったらまた悲劇が一個!!・・・・」
ふらふらと冥部を出て行くサルーインちゃんの後を二人の姉妹が追っていきます・・・
冥部はがらんと静まり返っていました。そこに突如現われました。
???「へん!ここの姉妹らはちと魔力が強すぎるのさ、だから僕が標的に選んだわけなんだけどね・・・
    残りの二人に残りカスが気付かれたらさあ大変だ、マックスの痕跡は一切消させてもらうよ。
    ・・・やれやれ僕がお掃除だなんて!・・・いつも予兆があるな、
    あの馬鹿カヤキスとの会話!全く本当に馬鹿馬鹿しいものだが予兆が全て見通せるようになれば・・・
    ―――――――そこにいるのは誰だ!」
その影、セージは振り返りました。・・・なにか赤い装束の・・・この姿はどこかで見たことがある。
セージ「・・・君はミニオンの一人かい?」
???『・・・・・・私は・・・行かなくては・・・誰か・・・誰かのところへ・・・
    そうだ・・・・・アクアマリンだ・・・アクアマリンを持ってるやつのところがいい』
セージの目は見逃しませんでした。その赤い人影の胸の部分で透明な宝石の破片が光ったこと・・・
セージ「ああそうかい、お出かけしたいの?でも駄目だね、君を行かせるわけには・・・・・っ!!」
セージの言葉がまだ終わらぬ内にその人影は一瞬にして消えたのです。
セージ「・・・やられたな!あれは殆ど霊体なんだ!くそ、面倒な欠陥にならなきゃいいがね、
    しかしサルーインというのは大した悪足掻きのようだな、あんなものを残すなんて・・・
    ちっ手駒は少ない、これだけ根幹に関わりそうなことには直接この僕が追わなければ!
    あれはシンボルと化すほんの一歩手前で切り離したサルーインの意志だ!」
290ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 01:47:57 ID:???

水龍くんのマラル湖にミルザくん達は落ち、無事地上に帰ってきていました。
エリスちゃん「・・・水龍くんどうだったの?」
水龍くん「確かにあらゆる場所から流れてきた水の精たちは、ある似たような形をしたモンスター達が
     同じ方向を目指して進んでいたと言っているな。だがそれが
     森へ帰ったとか映画の列に並びに行ったとかユートピアを目指してとかもう滅茶苦茶で」
エリスちゃん「・・・あなたは親切なんだろうけど後半部分は言わない方が好感度アップだと思うわ」
水龍くん「ミルザは寝てるんだな」
エリスちゃん「私が無理矢理寝させたのよ、オイゲンとジャミルの二人も魔法でね。
     私達と違い人間の生徒なのよ、月の光の軌道上であんな戦いをして消耗しないわけはないね・・・」
水龍くん「エリスお前のせいではないよ」
エリスちゃん「・・・ありがとう水龍くん、でもわたしここまでしてもらって、あの子達や、
     あなたに恩返しできるかどうかわからなくて・・・」
水龍くん「ミルザが恩を返してもらいたくて恩を売ってるのではないのはわかっているはずだ」
エリスちゃん「・・・・・・・でも・・・・・・・・・・」
水龍くん「私は見返りのない一善なんて空しくってやってらんねーーーけどさもーーーーーー」
エリスちゃん「わかったわかったわよお返し楽しみに待ってなさいよ」
―――――――いやだ!サルーインちゃんのところに行くんだ!
エリスちゃんの耳の奥で、自分が魔法で眠らせる直前のミルザくんの悲痛な声が蘇ります。
エリスちゃん「(ミルザ・・・私出来ることはなんでもするつもりよ、もう作られてしまった
     『二つ月のシンボル』・・・もしそれを融合させなくてもあのピラミッドの扉を開く方法が
      あるとしたら・・・・・)・・・・・あるとしたら・・・・・・アムトを探さなきゃ」

・・・・・・・ちょっと時を巻き戻してメルビル図書館
女生徒「・・・・『そんな夢見ちゃってもいいよねマイダーリンそんなカモミール』・・・・」
ホーク「もういい、もういいんだ!!!もう古文書の中身なんて俺たちはもうよっっくわかったんだ!!」
ゲラ=ハ「夢が一杯!一杯つまってる事はわかったんです!!!
    でもあまりに一杯過ぎる夢が男達の夢を押し潰してしまうものなんて私たち知らなかったんです〜〜〜〜!!!」


続く?
291244:2006/01/24(火) 01:54:55 ID:???
・・・前半行きますとか言ったけどなんか書き込めちゃったから全部書いちゃった・・・
この板ってこんなに連投できるのか・・・

原作に沿った話にするとまたキャラが多くなっちゃうなあというのと、
セージくんに関して、もうこういうキャラである限りどんな話にも首を突っ込んでくるだろうから、
一旦なんらかのケリをつけたらどうだろうと思ってこういう出だしにしました。
ただ先にエリスちゃんとかその辺は振られたから出しちゃったけど・・・

突っ込みどころが少ないよう気をつけたつもりだけどまあ言い訳はなしで・・・
次の人にお願いします
292ゲーム好き名無しさん:2006/01/24(火) 23:07:25 ID:???
新作投下で丸々一日レスが付かないところとかもう末期だな
ちょっと論議があっただけで読み手、書き手ともにびびって皆逃げちまったか、情けないキモヲタどもだ
293ゲーム好き名無しさん:2006/01/25(水) 00:44:26 ID:???
>>291
乙です
>>292
情けなくないキモオタ乙です
294ゲーム好き名無しさん:2006/01/25(水) 01:40:26 ID:???
>>291
話の舞台づくりお疲れさん。とりあえず前提条件を固めてくれたようで、ご苦労様でした。
しかし二つ月の神殿は結構要素が一杯あるんだよなぁ。
門前のワイルと内部のゾディと帰宅時の「おれたちゃ(略」しか、ゲームやってたときは意識してなかったな。

久方ぶりに3姉妹、特にサルちゃんが出てきて嬉しい限り。しかしすぐ罠にはまるなーこの人は。
・・・そこがゲーム本編のサルーインを妙に正確に投影してる気がする・・・。

しかし色々要素も出てきて、詰め将棋のようになってきたね。襲撃といい、メルビル絡みはなんでこんなにややっこしいのが多いのか。
後で時間があれば、プレイヤーノート風に整理してみよう。
まぁミルザ側には、オイゲンもいるし、ジャミルも来たし、それに四寮長の一人水竜もいるしな!
(スレを読み直して)
・・・やっぱダメかもしれん・・・。
295ゲーム好き名無しさん:2006/01/25(水) 01:50:34 ID:???
>>291
乙!皇帝の奇病は発生しなかったか…意外だが代わりにサルーインちゃんが…
なんか今回ちょっとややこしいね。先が読めん…。続き書いてみたいが難しそうだなあ。
しかしあれだな。セリフまわしが上手いね。こういうコメディ調のセリフ回し大好き。カヤキスのさりげボケ属性に惚れた。
…しかしカヤキスといいリザードロードといい、貴族(?)階級の人はなんでこうも天然ぽいだろwアルベルトもそうか。

そういえばシェラハ出たのひっさしぶりだなあ。

>>292
大好き。
296ゲーム好き名無しさん:2006/01/25(水) 14:14:53 ID:???
>>291
乙。


さて、この後どうなるかな
297ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 00:46:06 ID:???
ところで将魔は基本的にオリキャラに近いじゃん?使う技とかはともかく性格は原作に元がないから使いにくいというところがあるかもしれない。
そこで、アルティマニアを参考にして今明らかになってる将魔五匹のパラメーターを比べてみたぞ。少しは性格設定の参考になるかもしれんから書き手の人達は見てみてくれ。
ちなみに銀仮面の魔物については正体と思われるあのモンスターのステータスを抜き出している。

力…銀仮面>>スペクター>イフリート>リザード>デモコマ
体…スペクター>リザード>銀仮面>>イフリート>デモコマ
器用さ…リザード>>スペクター>イフリート>銀仮面>デモコマ
素早さ…デモコマ>>銀仮面=リザード>スペクター>イフリート
知力…イフリート>デモコマ>>スペクター>銀仮面>リザード
精神…スペクター>イフリート>銀仮面>リザード>デモコマ
愛…リザード>>>イフリート>デモコマ=スペクター=銀仮面
魅力…イフリート>デモコマ>>リザード>>銀仮面=スペクター
デモコマ:知力と魅力、そして素早さに長けるが、腕力や体力、精神力などの男性的な能力が低い。
リザード:器用さと愛は随一。体力も素早さも高いが力と精神力、知力はいまひとつ。あれだ、頭が弱いポップ。
スペクター:体力と精神力に優れるタフガイ。うたれ強いっつーこったな。どんな状況でも適応できる、みたいな…
イフリート:見た目とは裏腹に肉体的な能力にはあまり長けておらず知力と魅力に優れる。精神力も高い。
銀仮面:腕力は頭一つ抜けている。他の能力もそこそこ高いが愛魅力は低い。

以上検証終了。うーん合ってるような合ってないような?でも五匹全員一位、最下位を最低一つずつにはランクインしてるあたり、かなりバランスとれてるなと思った。
しかしイフリートはなかなか意外な結果だったなあ…まあ本編でも意外な事ばっかな人だったし別に変ではないか?
ちなみに銀仮面の人の腕力は、全敵キャラの内なんと二位。これも意外だったなー。ちなみに一位はディープテンタクラー寮長。
さてさて少しは参考になったらこれ幸いだ。ああ携帯で書いてたら疲れた。じゃあみんな元気で。
298ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 05:19:08 ID:???
煽りにも負けないキモヲタどもの姿があった!
ジャカジャーン
299ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 12:57:44 ID:???
>>298
そんな時間に楽器掻き鳴らさないでください><
近所迷惑です><
300ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 14:47:16 ID:???
>>294
あんたに一応言っとくけどご苦労さんって普通目下とか格下に使う偉そうな言葉だよ。
わざと使ってんなら別だけど最近作中でも文章力微妙なのが多いよな、こういう書き手なのかね。
301ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 20:38:39 ID:???
そうピリピリすんなや。
302ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 21:13:11 ID:???
あっさり釣られる情けないキモヲタどもの姿があった!

ジャカジャァーン
303ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 21:21:50 ID:???
今午後九時ですから><
ギターを一層強く掻き鳴らさないでください><
304ゲーム好き名無しさん:2006/01/26(木) 22:58:22 ID:???
「ご苦労」と聞くと悲しい話を思い出すわ

某週間少年誌である作家が連載を終えた時、巻末の作家コメント欄でたくさんの労いのコメントを頂いたわ
その中でキャリア、技術、明らかに格下と思われる作家が「連載終了ご苦労さま!」とコメントしていたの・・・

その後その作家の漫画は打ち切りになってしまったの・・・
305ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 01:01:50 ID:???
>>297
検証乙! アルティマニアでも雑魚敵の数値なんて見てなかったからな。かなり意外だ。
イフリートはマッチョなイメージだけど、一番怖いの火の鳥だしな。この結果を見て改めて納得。
リザードワロス。愛が随一ってのが、悪役らしくないよなぁ。知力が低いってのも…
しかし銀仮面の腕力凄いな。あんま戦ったことなかったから知らんかったよ。冥府の戦士には、よく踊り殺されたがなー
306ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 01:04:57 ID:???
俺もつられてアルティマニア見直してみたが、モンスターのパラメーターって基本的にHP以外は雑魚敵には多く、イベントモンスターには少なく設定されてるんだよな。
これはどういう事なんだろう。
307ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 01:29:45 ID:???
>>306
俺は単純に、イベントモンスターの固有技の威力が高い分、参照する能力値は控えめにしているのかとも思ったが、
技の性能見るとそういう訳でも無いらしいんだよなぁ。
イベントモンスターはじわじわと、雑魚の場合は一瞬でカタをつけられるようにしたのかな。
308ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 06:48:09 ID:???
>>297

HPは?
ついでに言うと
デーコマ…ステは兎も角、技が強杉。状態異常が効かない上、術耐性も高い。
イフリート…パーフェクト超人。と思いきや知力依存の技が多い。状態異常が効かない。自動セルフバーニング。
銀仮面…技がクソすぎる。が、このステで技が強かったらヤバイ。耐性に片よりあり。
リザード…コイツも技が駄目。器用さが一番良いのに器用さ依存の技がない。盾がウザイ。
スペクター先生…ステも技もすこぶる良い。只、実際に闘うと、彼のやる気の無さに萎える。

なかなかステだけでは語れない物もある罠。
…どうでも良いけど、某所でひさびさにミンサガ関連の絵を描いたんだが需要ある?
ナンか凄く久し振りにスレ見たんで空気読めない罠。
309ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 08:09:46 ID:???
>>308
そりゃもう!絵も文も投下してくれる人は大歓迎だ!
310ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 13:03:53 ID:???
銀仮面とリザードを始め技が劣遇されてる奴はホントとことん劣遇されてるけど、デーコマとかイフリートとかを始め技が優遇されてるやつはとことん優遇されてるよな。
簡単に言うとランクが高い敵は、技が極端に強い奴と技が極端に弱い奴しかいない。差がハッキリしすぎてる。なんか…ひどいよな。
特にアビサルマローダとかひどすぎる。
311ゲーム好き名無しさん:2006/01/27(金) 23:58:14 ID:???
ツフがアルベルトに付きっきりになって暫く…
番長の居ない平和な…もとい、ちょっと寂しいバルハラントの雪原に佇む2つの影…

「あ〜あ…退屈だなぁ…」
伝統的なバルハル族の衣装を身に纏う少女戦士が、溜息をつきながらぼやく。
「バルハル戦士ちゃん…どうしたんスか?急に…」
一緒に歩いていたバルハルペギーが問いかける。
少し前まではツフに付き従い、バルハラント中でブイブイ言わせた(!?)二人だが
リーダーが欠けてからの日々は平穏そのものだった。
バルハル戦士ちゃん「だってさぁ…、学園の内外で、あんなに沢山の事件が起きてるって言うのに
         私達、完全に蚊帳の外じゃん。ツフちゃんは…そこそこ絡んでたりするのに…。」
そう言って雪の上に座り込むバルハル戦士ちゃんに、バルハルペギーも同調する…。
バルハルペギー「俺達、名無しと雑魚キャラッスからねぇ…。」
バルハル戦士ちゃん「名無しだって、頑張ってるんだよ!!この前だってフライ・バイとか閃いたし…っ」
ちょっとムキになって反論しだした彼女だが、バルハルペギーは至ってクールである。
バルハルペギー「強くなっても、LPは増えないスから…。」
バルハル戦士ちゃん「何よ…、自分だってLP2しか無い癖に。」
バルハルペギー「なっ!?馬鹿にするッスか!?生命波動撃つッスよ!!」
バルハル戦士ちゃん「フライ・バ…」
バルハルペギー「わかった。落ち着け。」

バルハルペギー「ツフさん…、帰って来ないッスかねぇ…?」
バルハル戦士ちゃん「ツフちゃん……ハァハァ(ぼそ」
バルハルペギー「待て。今お前何つった?」

…と言う事でバルハル戦士女性化
ttp://aploda.net/dl.php?mode=pass&file_id=0000009436
312ゲーム好き名無しさん:2006/01/28(土) 00:03:14 ID:???
ストーリーに一度も出てない(たぶん)キャラなので小話を付けてみたけどびめお…
今度はデーコマにでもしようかな…
313ゲーム好き名無しさん:2006/01/28(土) 00:29:45 ID:???
>>312
キモヲタが多くなったと感じるのは
お前の絵のせいだよ
314ゲーム好き名無しさん:2006/01/29(日) 14:51:39 ID:???
   ∩___∩         |
   | ノ\     ヽ        |
  /  ●゛  ● |       |
  | ∪  ( _●_) ミ     (( | プラプラ
 彡、   |∪|   |  J  ))   
/     ∩ノ ⊃  ヽ  
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
315ゲーム好き名無しさん:2006/01/30(月) 00:06:00 ID:???
なんかギスギスしてんな…今週死ぬほど忙しくてちょっとずつ読んで、1週かけてやっと読み終えたとこだというのに。
仲良くしる。

>>291
遅レスだが乙!きちんとパーティが5人ずつに分かれてるのが分かりやすくてイイ感じ。
しかしミルザをも怒らせるとは、水竜くんも重症なんだなw

>>311
乙。次は♂キャラも書いてみる?

で、ちょっと現状整理してみた。間違ってたら指摘よろしく。

・二つ月の神殿内部にムーンストーンが。入るにはアムトとエリスのシンボルを、神殿前で融合させる必要アリ。
・アムトのシンボルはアムトの聖杯→ジャミルの腕輪→サルーインちゃん自身に。
・エリスのシンボルはセージ率いる肉シリーズ軍団に。軍団まとめてで一つのシンボルの資格をもったようだ。
・融合を阻止するのが当面の目標。同時に融合させずとも神殿に入る方法がある。そのためにはエリスとアムト両名が必要。
・アムトは行方しれず。
・サルーインちゃんは夢遊病みたいな感じで神殿へ向かう。ただし意思を切り離した霊体?みたいなもんが別に行動をとる。
目指すのは「アクアマリンの持ち主のところ」
・銀仮面は神殿のそばで扉が開くまで待機。
・カヤキスは帰った?
・ミルザ、オイゲン、ジャミル、水龍、エリスの5人はマラル湖で回復中
・ワイル・ヘイト・ストライフ・スペクター・アムルアムトの5人は北エスタミルから、神殿に向かった?
・デス姉とシェラハはサルーインちゃんを追っかけてった。

こんな感じ?
316ゲーム好き名無しさん:2006/01/31(火) 17:13:06 ID:O869ElsD
age
317ゲーム好き名無しさん:2006/02/01(水) 01:03:46 ID:???
ところで、続き書く人いないなら俺がいっちょ挑戦してみるよ。
投稿、いつになるかわからんけど…
318ゲーム好き名無しさん:2006/02/03(金) 23:09:57 ID:???
おっ、ついに続き書いてくれる人が来たね!
楽しみに待ってるよ。ガンバレ!
319ゲーム好き名無しさん:2006/02/04(土) 22:03:45 ID:???
なんでセージはわざわざカヤキスを騙してモンスターの群れをシンボルにしようとしたんだ?
よく文を読めばわかるかな…でも誰か教えて。
320ゲーム好き名無しさん:2006/02/04(土) 22:49:54 ID:???
>>319
文中からあえて読み取るなら、サルーインちゃんと融合させて強い兵器を作るため。
カヤキスを騙してまでの一発勝負だよなコレ。確かにセージの立ち位置は否応にも変わりそう。
でも多分目的自体は特に明らかにしてなくて、
この後書く人たちに任せますってリレー小説の余地残しじゃない?
>>317
頑張ってクレー。でも一応完成の目処はスレに伝えておいた方がいいんじゃないか?
もっと早く書きたい人とか出てくるかもしんないから。

セージあたりの行動理由って実は不透明なまま進んでるからなあ〜。
書き手たちである程度方向性を定める議論スレとかどっかにあると良かったのかもな。
321ゲーム好き名無しさん:2006/02/05(日) 22:28:10 ID:???
>>320
たしかにカヤキスを利用したってことはもうバレたからな。
カヤキスの中の人が別だってことはまだ割れてないし。
これ明らかになると、デモコマあたりから裏切り者認定されて粛清されそうだな。
まーなんにせよただでは済まない希ガス。魔の島編からちょっと距離を置くきっかけにもなるかもね。
322ゲーム好き名無しさん:2006/02/05(日) 23:27:53 ID:???
セージはカヤキスの中の人がスペクターではないという事は気づいているんだよな?それっぽい描写は結構あるが。

ところでカヤキスはこの後どうするんだろう。二つのシンボルを待ち構えるためにジャングルにでも行くのが妥当か?


323ゲーム好き名無しさん:2006/02/05(日) 23:43:04 ID:???
>>322
すでにピラミッドには銀仮面がいるしなあ。でもこのまま済ませてくれそうもないかな。
ミルザ達がピラミッドから出てくるのを待ち構えてるかもね。

流れとしてはこんな感じか?
ピラミッド前で肉軍団and銀仮面
→ムーンストーン前でゾディアック
→出てきたところに待ち伏せてたカヤキス

すげーな。ボスラッシュだ。魔の島編一区切りとするには相応しいボリュームかもね。書くの大変そうだけど・・・
324ゲーム好き名無しさん:2006/02/06(月) 00:05:16 ID:???
むしろもうカヤキスとは戦わないかもしれないなあ。カヤキスの目的が目的なだけに。
あんま書き手の方向性を定める事を言うのもなんだが、展開的にミルザ達との共闘も有り得そう。

というか、セージお前死亡フラグ立ってないか…?
325ゲーム好き名無しさん:2006/02/06(月) 01:18:50 ID:???
後に書く人の範囲を限定するような予想はやめてくれ
書き手側にとってはそれに合わせないといけないみたいで困る
326ゲーム好き名無しさん:2006/02/06(月) 01:27:21 ID:???
>>325
いやいや、そこを斜め上に裏切ってこその書き手クオリティ!
こういうのは漫画の来週予想みたいなもんだろ、
書き手は予想に沿うにしろ沿わないにしろ書きたい話を書くに限るさ。
ていうかいきなりレスのびててびっくりしたよ。俺は活気あっていいと思う。
327ゲーム好き名無しさん:2006/02/06(月) 06:42:13 ID:???
セージはデレツン
328ゲーム好き名無しさん:2006/02/09(木) 23:21:58 ID:???
このまま落ちるなよな
本編途中に幕間や小ネタって禁止だっけ?
329ゲーム好き名無しさん:2006/02/10(金) 07:39:41 ID:???
一応そうだった気もするが、このまま置いとくと落ちるかもしれないしなあ。
>>317
どのくらいになりそう?まだまだかかりそうならば、
小ネタとかを差し挟む余地が出てくるのかもしれないけど・・・
330ゲーム好き名無しさん:2006/02/13(月) 20:46:25 ID:???
僕は最近このスレを知ったのですが、まとめサイトにあった
アナザーストーリー「それぞれの幸せ」は本編とは無関係の
扱いなんですか?
331ゲーム好き名無しさん:2006/02/13(月) 23:36:13 ID:???
そうだと思うよ。まあアナザーだしな。
332ゲーム好き名無しさん:2006/02/14(火) 00:17:14 ID:???
カヤキスじゃないほうのスペクターってさりげなく重要な位置にいるよな。
最終的には裏切り物扱いされて排除されちまうのか、最後までサルファミでいるのか、魔の島へ戻るのか。どうなるだろう。
結構かわいいキャラだし最後までサルファミにいて幸せでいてほしいけどな。
333ゲーム好き名無しさん:2006/02/14(火) 12:27:39 ID:???
本物のカヤキスこそ、魔の島潜入のあと魔の島側とミルザ側の合間から陰謀を張り巡らすような
重要キャラになるんだなと思ったら直後にセージくんが出てきて思いっきり役割掻っ攫われたからなw
しかもそのまま落ち着いちゃってる状態であるカヤキスの転機を握ってるのはスペクターくんの存在だわな。
そういやスペクターくんはちっこい&幽体コンボのアクションで大活躍できそうなおいしいキャラじゃないけ。
あとさ、次スレには索引作って最初に載せない?このスレにたどり着いた人がいきなり>>330みたいにまとめサイト
覗いてくれるとは限らないじゃん。本編だけでも一行あらすじ載せると興味沸いて貰い易いかもと思ったんだけどさ。

ところでさーお前らこのマルディアス学園が無事終了したとしたら、
このスレの意志を継いだロマサガ2、3のネタスレもやりたいと思う?
やるとしたらどんな設定になるかね?
(ただのifネタ振りだから性急とか本当にやるかとかあんまり真面目に考えないでくれな)
俺は学園コメディは引き継がせたいなー。

で、>>317見てるかー?
334317:2006/02/14(火) 23:30:53 ID:???
ある病気で入院してまして、昨日退院しました。報告できずにすいません。
とりあえず今頑張って続き書いています。
頑張って書き遂げるので、どうか最後までお待ちください。
335ゲーム好き名無しさん:2006/02/15(水) 08:21:05 ID:???
>>334
おいおい、入院って・・・
普通に書けるくらいならいいけど、無理しなきゃ書けないようなら絶対安静にしてくれよ。
大事にしてくれ。・・・本当に大丈夫か?

ロマ2だったらちょっとだけ考えてるネタあるな。
てか別に1、2レスで済むような小ネタだったらいつでも投下していいと思うが。
幕間はごっちゃになったり流れが断絶しそうでどうかと思うけど。
336ゲーム好き名無しさん:2006/02/15(水) 16:24:48 ID:???
ロマ2,3以前に既にここが撃沈しそうだよ・・・
337ゲーム好き名無しさん:2006/02/15(水) 22:29:41 ID:???
>>334
入院してたのか・・・。大変だったな。
大丈夫?無理はしないで、体調戻してからゆっくり書いた方がいいぞ。
こちらものんびり待つさ。

>>333
スペクターくんは、何気に魔の島連中やカヤキス、それに多分ナイトハルトにも影響するキャラなんだよなぁ。
今のスペクターくんを見てるととてもそうは思えないがw彼のふるまいは結構なインパクトを与えるかもね。
学園コメディは面白いんで俺も好きだ。恋愛話やら戦闘話やらも学園ベースなら混ぜやすそうだし。
ロマ2だと、どうしても立ってるキャラが7英雄になりそうだなぁ。ロマ3はやったことがないのでわからない。当時の俺にあのソフトは高かった・・・
そういえば個人サイトで、アンサガで学園モノ書いてる人いた気がする。

しかし小ネタと幕間の境界ってどんなんだろうな。
1,2レスでの小ネタだとしても、キャラが出てきて何か話したりすると、幕間話の1種になりそうな気がするんだなぁ。
338ゲーム好き名無しさん:2006/02/15(水) 23:24:05 ID:???
        _,,:-ー''" ̄ ̄ ̄ `ヽ、
     ,r'"           `ヽ.
 __,,::r'7" ::.              ヽ_
 ゙l  |  ::              ゙) 7
  | ヽ`l ::              /ノ )
 .| ヾミ,l         ,,,,,,,,,,,,,,,_ ヒ-彡|
  〉"l,_l  _;;-==ェ;、    /rj:ヽ\ ゙レr-{
  | ヽ"::::'' '/ iニ)ヽ,ヽ   i' {::::::;、!  r';' }  < アイスソード買ってほしいの・・・グレイきゅん・・・
 . ゙N l ::.  !:::::::c!    `'ー''(つ  ,l,フ ノ
 . |_i"ヽ  つ`''"  、  ////  /i l"
   .| ::゙l////     '      ,il" .|'"
    .{  ::| 、 ::   , ‐-    , il   |
   /ト、 :|. ゙l;:        ,i' ,l' ノト、
 / .| \ゝ、゙l;:      ,,/;;,ノ;r'" :| \
'"   |   `''-、`'ー--─'";;-'''"   ,|   \_ ・


         ↓


       (   ゚д゚ )


         ↓

         ∧_∧          
       _(  ゚д゚  )           
     /      )           _     _
    / ,イ 、灰  ノ/  ∧_∧ ―=禿 `ヽ, _
   / / |   ( 〈 ∵. ・(   〈__ >  ゛ 、_―
  | !  ヽ  ー=- ̄ ̄=_、  (/ , ´ノ 
  | |   `iー__=―_ ;, / / /
   !、リ  -=_二__ ̄_=;, / / ,'
       /  /       /  /|  |
      /  /       !、_/ /   〉
    / _/             |_/
    ヽ、_ヽ
339ゲーム好き名無しさん:2006/02/15(水) 23:55:45 ID:???
>>336
このスレの場合はもうオリジナリティと設定が発展し過ぎてるんで
もう新規書き手が望めなそうだけどロマ2、3やるとしたらまた別モンだから話も別だな
このスレのペースは状態を考えればこれで妥当だとおも、気軽に書けるスレではないからなー
まあ雑談は悪でなし保守ついでにおめーら奮って雑談しようじゃないか
>>337
七英雄主役やってみたいなw幕間と小ネタだが、
俺的にOK:1、2レスで終わる。一分くらいのコントの域。
NG:レス使う上しっかりしたストーリーになっちゃってる。かな
>>338
スクロールしたらグロかと思ったじゃねーかwグレイ乙
340ゲーム好き名無しさん:2006/02/17(金) 00:04:43 ID:???
キャラが多数いる上に、色々個性が出てきてるからね。
このキャラの性格や活躍を知りたければこの話を読め!みたいなガイドラインがあると良いんだろうか。
例えばストライフちゃんなら海底戦争やアナザーストーリーとかか?
ただ作るとなると相当めんどくさいだろうなぁ。そんな俺は言うだけで何もできないヘタレ。
341ゲーム好き名無しさん:2006/02/17(金) 01:36:09 ID:???
何か議論になった時今のままでいいじゃん今のままがいい!みたいなこと言ってて
現状のまま受け入れるかと思ったら落ちそうだよ・・・とか愚痴言ってる変なスレになってるぞ。
ガイドライン作ったらやりやすいとかもう正直、このスレほぼ内輪話だろ。
新規書き手が見込めないって今だって何人?固定の3,4人で回してるようなリレー小説2chでやる意味あるのか?
なんか新ネタあるなら考えない?前みたいな誰でも楽しめるようなスレをまた見たい。
ネタも50レス以上ないような今現在、落ちてもなんのおかしくもないスレだ。

なんか思ったけど今のスレはストーリーとか設定とか、ルールとか大事にしすぎてガチガチになってるよ。
俺がこのスレの好きだったところはストーリーもだけど、何より人からリレーを引き継いで、
また次の人にパスするところだったんだよ・・・。そこが一番の楽しみだったけど、
今ってそういう娯楽性より今まで職人が積み上げたストーリー重視に見える。職人自体偏ってるだろうしな。
・・・・こんだけ言ったけど小ネタぐらい許してやれよ。誰でも参加して盛り上げようってネタスレで
「ぐちゃぐちゃになるから静かに待とう」なんて考え、自分達の作品に執着した完璧主義だぞ。
342ゲーム好き名無しさん:2006/02/17(金) 07:52:21 ID:???
どーせまとめサイト様があるんだし小ネタくらいは全然大丈夫だよな
343ゲーム好き名無しさん:2006/02/17(金) 08:14:47 ID:???
俺もなんか小ネタ考えてみようかな。今晩あたりに投下できればいいけど。
344ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 01:16:36 ID:???
アルベルトが「ネエサン、ウッ ネエサン、ウッ」ってうるさいから
羽に姉さん当てて死ぬほどぐりぐりしたら
「ネエサン…ウッ、ネエサン…ウッ」ってなった。

最初は面白かったんだけど、なんかキモくなったので首元を横から思い切りチョップしたら
「ウッ」みたいなこと言いながらすごい勢いで飛んで行った。




アイシャが「アタシタラール、アイアイタラール」ってうるさいから
裸エプロンに姉さん当てて死ぬほどぐりぐりしたら
「タラール・・・ブルスコ・・・アイアイ・・・ブルスコ・・・ウッ」ってなった。

最初は面白かったんだけど、なんかキモくなったので首元を横から思い切りチョップしたら
「アタシタラールゾクノアイシャ、ウッ」みたいなこと言いながらすごい勢いで飛んで行った。




どう考えても時期ハズレです本当に(ry
ウッ
345マルディアス学園内放送ちゃんねる:2006/02/18(土) 01:39:17 ID:???
5:16 聖闘士星矢(再)「牡牛座のツフ登場」
5:40 ツフの窓辺から
7:10 ジャンさんの英会話
7:30 聖闘士星矢(再)「獅子座のツフ登場」
8:00 (S)目覚ましテレビ(再)  ツフ ツフ ツフ 他
10:00 臨時講師『騎士団騎士』先生の、個性を身に着ける講座
11:00 (S)渡る世間は角ばかり(再) ツフ ツフ ツフ ほか
11:30 ウッ
11:50 聖闘士星矢(再)「魚座のツフ登場」
0:00  アヒャっていいともtこt;rdhjtこslr。tgs 
1:00  (S)(字)短い角
1:30  聖闘士星矢(再)「牡羊座のツフ登場」
2:00  ナイトハルトくんの正しい日本語
4:00  マルディアスニュース(天)▽1匹見つけたら100匹いる!カヤキス退治の極意
    ▽流行の最先端は角!?▽クジャラート舎味めぐり▽脅威のシスコン皇太子ほか
5:54  聖闘士星矢(再)「教皇ツフ登場」
7:00  プロ野球〜リガウドーム 騎士団寮ズ×ローザリアズ 解説・コルネリオくん 実況・ナイトハルトくん
    (最大延長9:24まで、以降の番組繰り下げ)
8:54  ミュージックステーション  ヘェーラロロほか
9:00  ゴールデン洋画劇場(S) 「聖闘士星矢」(1990年亡国のイージス・戦場のピアニスト・タイタニック合作)
    クジャラート兵監督 女術士 女闘士 ゲッコ族の白い方のどれか
10:54 (天)
11:00 (S)魔甲戦機ステコムファー
11:55 スポーツマルディアス ぶっちゃけもう練習めんどいっすぅぅぅぅぅぅ><▽
0:07 番組っすぅぅぅぅぅぅぅぅ><
    ▽42 ぅぅぅぅぅぅぅ><
1:25  あたし脱ぎますぅぅぅぅぅぅぅ><
2:45  (S)映画案内っすぅぅぅぅぅぅ><
3:20  朝ですぅぅぅぅぅぅぅ><
3:25  ぅぅぅぅぅぅぅぅ><
346ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 02:03:46 ID:???
まともな番組が天気予報しかねーぞw
347ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 09:52:04 ID:???
深夜枠濃すぎだろw
っつかなんで聖闘士星矢でやたら押して来るんだよwアルカイザーか?
348ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 12:33:59 ID:???
>>344,345
GJwwツフ引っ張りだこじゃんwww

>>341
新ネタね。ん〜・・・ちょっと前にリセットするか?って流れになった時も思ったが、
最初の頃の盛況ぶりは書き易かったものそうだけど、
ミンサガ発売して間もない熱狂ムードに押されてた面もあるだろうから
もしリセットして新しいリレー小説始めるとなっても(ミンサガじゃなくて他のサガでも、)
またあんだけ盛り上がるかはわからんよ?むしろ固定客獲得してるここはある意味安泰かもしらんw

でももし本当に違う書き易いスレ作りたいんだとしたら俺は多分のるよ?
ロマサガ2だったらちょいやりたいことあるし。ミンサガはここでこんだけやっちゃったからな。
ただやり直すんじゃなくてこのスレはこのスレ、新しい話は別の新しいスレでやればいいんじゃないのか?
ちゃんと育つスレなら乱立にならんだろうし。でも人集めるにはある程度ネタがなきゃ・・・

まあとにかく小ネタいくぞー今更ベタにバレンタインネタ
349ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 12:35:24 ID:???
グランドでのこと、2月14日。
義勇軍女の子「はいあなた!チョコレートですよ!」
義勇軍男の子「うーん、おいしそうだな、もぐもぐもぐ」
詩人さん「おや?おままごとですか?・・・おいしそうですね、どろまんじゅう。
     ははは、ハート型なんて凝ってますね。本当にチョコレートに見えますよ」
義勇軍女の子「あっ詩人さん。詩人さんにもあげるよ、はい召し上がれ」
詩人さん「ははは、ありがと・・・ちょ、ちょっと男の子・・・」
義勇軍男の子「・・・もぐもぐ・・・ガリッハムッハフッうっ・・・」
義勇軍女の子「世界には泥を食べる生物が各地に存在します。その生物は長寿安泰、
     泥は健康とお肌の為にもいいのです。さあどおぞ」
詩人さん「何やってるんですか君たちはーーー!(汗)ちょ、ちょ口に近づけないで下さい!!
     ちょ、やめ、やめて下さいってばーーーーー!!!」
・・・そこに東から
ミルザくん「聖戦!!聖戦なんて!!!戦ってるなんて大きな勘違いで
     はじめから参戦資格すら持ってない対岸の火事ーーーー!!!」
オイゲンくん「うるせえなそもそもバレンタインなんて業界の陰謀なんだよ!!!」
ミルザくん「・・・オイゲンもちょっとイライラしてるだろ」
オイゲンくん「・・・俺はイベントなんて体育の日しか認めねーーーー!!!」
・・・西から
サルーインちゃん「今日は何故かチョコレート業者どもがスポンサーを頼みに来るぞ!!!
     チョコレート業界なんて崩壊させてやる!!時代はふ菓子だ!!!」
ワイルちゃん「今日が何の日か気づいてないんですねサルーインちゃん」
ストライフちゃん「基本1000年単位でしか時間を計れない人だからな」
ヘイトちゃん「ヘェイトブラァぁあんド!!!のアカいチョコ〜♪☆☆★★」
ワイルちゃん(・・・ドキドキ・・・昨日徹夜で作ったチョコ・・・私ったら誰にあげるつもり?)
詩人さん「(ハッ!!!)さ、サルーインちゃん!!!
     このチョコレートを食べるとエロールちゃんに勝てますよ!!!」
サルーインちゃん「はっ?(パッ)え?なに?」
詩人さん「私は歌ってるだけです!!ファンからのチョコは養豚場に寄付しますーーーー!!!(ダーッ)」
ヘイトちゃん「イやんサルーインちゃん逆ヴァァレンタインですわあああ!!q¥」
サルーインちゃん「こ、このチョコを食べるとエロールちゃんに勝てるだと・・・!!」
350ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 12:36:43 ID:???
義勇軍女の子「じーーーーーっ」
ワイルちゃん「ハッ!!さ、サルーインちゃん食べちゃいけません!それどろ・・・」
サルーインちゃん「ふざけるなあああ私は実力と魅力と美貌と顔面偏差値で
     エロールちゃんに勝つのだあああああああああ!!!
     どうせならふ菓子持ってこんかい!!!(ブシャーーーーーッ!!)」
ストライフちゃん「あ・・・投げた」
ミルザくん「女が選び男が取捨選択されるこの日は原始からの種の保存戦争の縮図!!!
     あ゛ーーーどうせ僕なんかにサルーインちゃんは・・・(ピューー・・・)・・・ん?
     !?ハートが飛んで来・・・ブッ!!!(グシャ!!!)」
オイゲンくん「あ・・・」
サルーインちゃん「むっ?何かに当たったような・・・きっと何か的があったんだな。
     はからずとも命中させてしまう私は全く天才だな〜あはあははは!!!さあ行こう」
ワイルちゃん「・・・あっあれミルザさん!!あっサルーインちゃんちょっと待って・・・」
ミルザくん「・・・い、い、今のはサルーインちゃんの声・・・!!!」
オイゲンくん「・・・まさしくそうだけど、お前、その顔に当たったやつ・・・」
ミルザくん「ハート型のチョコレートだあああ!!来た!!僕にも来た!!
     メディアの扇動を上回るハッピーデーが直球で僕にも来たああああ!!!」
オイゲンくん「いやちょっとその顔に当たったのはあの・・・おいちょっと食べちゃ駄目だって!」
ワイルちゃん(・・・ミルザさん・・・泥を貰ってあんなに喜ぶなんて・・・・・
      ・・・・・・・・私が徹夜で作ったチョコをあげたってあれ程・・・・・・・)
ミルザくん「あっ!?うっ!なんか個性的な味がするような!あああ個性は最高の芸術だよねごふっ!!!・・・」
オイゲンくん「・・・ふーみね打ちだぜ・・・一旦トランスしたらもう止まらねえからな・・・
      ・・・フッしかしこんなチョコなら貰わない方がずっとましだぜ。
      そうさ大体手作りなんて何が入ってるかわかんなくない?危ないじゃん?ははは・・・」
義勇軍女の子「じーーーーーーーっ」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・」
義勇軍女の子「・・・全部ちゃんと食べて欲しいの・・・ねえ・・・最後まで全部・・・!!!」
オイゲンくん「うわーーーーーー口に近づけるなーーーーー何でこうなるんだよーーー!!!(泣)」
ぎゃあああああああああ・・・・
オイゲンくんは更にバレンタインが嫌いになりました。
終わり
351ゲーム好き名無しさん:2006/02/18(土) 20:08:19 ID:???
なんだこの騒々しいバレンタインw年柄年中騒いでんなこいつらは。
女の子ウゼエw

詩人が男の子の事をそのまま男の子と呼んだとこで吹いた俺はおかしいよな。
352ゲーム好き名無しさん:2006/02/19(日) 00:25:06 ID:???
>今日は何故かチョコレート業者どもがスポンサーを頼みに来るぞ!!!
バレンタインに気づいてないという設定はありきたりだけど、この勘違いは噴いたw
353ゲーム好き名無しさん:2006/02/19(日) 00:32:03 ID:???
ミルザとオイゲンが揃ってやさぐれてるのがなんともw
騎士団寮は女っ気無いもんなぁ。
354ゲーム好き名無しさん:2006/02/19(日) 01:29:06 ID:???
一番女っ気がある寮はどこだろうな。
一番女っ気がないのはあそこしかないけれども。
355ゲーム好き名無しさん:2006/02/19(日) 21:00:34 ID:???
さぁ、みんなもドラえもんのエンディングテーマのあの歌に乗せて歌ってみよう!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

つっのがニョキニョーキ

体ムキムーキ

それもそのはず
あたしツフ

マルディアス学園の〜
最強スケバン〜

どんなもんだいあたし


   ツ        フ    


右手に光るはろばの骨、脇に抱えるアルベルト

やるよやるよやるよやるよや〜る〜よ〜


   ツ        フ

   ツ        フ


グランドスラム〜
どつき〜まわす〜


    ツ       フ

356ゲーム好き名無しさん:2006/02/20(月) 12:11:26 ID:???
どう考えても原曲どおりには歌えません><
357ゲーム好き名無しさん:2006/02/20(月) 13:00:55 ID:???
あたし「は」って入れれば
前のオープニングテーマでいけるかも。
「はい、タケコプター!」を「脇に抱えるアルベルト!」は無理だけど。
358ゲーム好き名無しさん:2006/02/20(月) 17:42:00 ID:???
>>357
やべ、マジでできたww
やるよやるよの部分うまく口ずさめて感動したw
359ゲーム好き名無しさん:2006/02/20(月) 23:19:51 ID:???
「やるよ」が大山のぶ代の声で再生されはじめた件について
360ゲーム好き名無しさん:2006/02/21(火) 00:01:31 ID:???
大山のぶ代の声マネで歌うヘェイトが一瞬脳裏に浮かんだ件について
361ゲーム好き名無しさん:2006/02/21(火) 00:25:01 ID:???
>>357
「アンアンアン とっても大好き〜」が、全部「やるよ」になるのか。なにこの呪詛w
362ゲーム好き名無しさん:2006/02/21(火) 00:42:18 ID:???
ヘイトえもん「わああたしはヘェーイトえもおおぉぉーーん!!二十一世紀からのしもべどぅあああ!!
悪い事はいわあああん、すぅなおおに従ええええええ!!!!」


携帯だとヘイト語が不可能な事に気付いた平成十七年の夜
363ゲーム好き名無しさん:2006/02/21(火) 00:45:34 ID:???
>>362
うわ、ありがたくねえwww
こんなテンションのが押入れにいたらのびたは廃人になるか逆にしっかりするかの
どっちかだなwww
364ゲーム好き名無しさん:2006/02/21(火) 17:02:24 ID:???
のび太まで発狂しかねないな
365ゲーム好き名無しさん:2006/02/22(水) 00:08:29 ID:???
のぴた「ヘェイトえもおおおおん!!!今日しぃずかぁちゃんのお・パ・ン・ティ見ちゃったああああああ!!!!!」
ヘイトえもん「アッヒャャャャ!!よぉぉぉぉくやったぁぁぁhづkmbk♪★!!もぉっちろん盗撮もバッチリ★pm?」
のぴた「当ったり前じゃないかヘイトえもん!!!イヒヒヒヒヒヒ・・・」
ヘイトえもん「それをネタに結婚を迫るのだぁぁぁぁぁぁ★d!!!!完璧な作戦!アヒャーーッッヒャッヒャッヒャあwせdrftgy@ふじこlp!!!!」
366ゲーム好き名無しさん:2006/02/22(水) 01:15:05 ID:???
公害が増えた・・・
367ゲーム好き名無しさん:2006/02/22(水) 02:22:27 ID:???
ツマンネ
368ゲーム好き名無しさん:2006/02/25(土) 04:51:14 ID:???
通りすがりの定期age厨登場ッ
369ゲーム好き名無しさん:2006/02/25(土) 23:26:42 ID:???
とりあえずは明日辺り投稿できると思います。
本当にすいませんでした。
370ゲーム好き名無しさん:2006/02/26(日) 23:22:28 ID:???
>>369
体調はその後大丈夫かい。まぁ気にするなよ。病気はしょうがないだろ。
この間に小ネタも増えたし、結果オーライだと思うよ。
じゃあ、ラストスパート頑張ってくれ。テカテカしながら待ってます。

そういえば小ネタって訳でもないんだが、
ミンスト1周目にウコムの矛とレフトハンドソードを立て続けに取って、
固有技に「神雷」と「レフティフォーク」とかいうのがあるのを見つけて
これ連携したら『かみのひだりて』じゃねーか!うはwwwwかみヤバスwwww
とテンション上がったのを思い出した。


これらは絶対連携しないと感づいたのはその小一時間後だった・・・
371ゲーム好き名無しさん:2006/02/27(月) 02:56:40 ID:???
まだ全部書ききれてませんが、とりあえず途中まで投稿します。
3721/23:2006/02/27(月) 02:58:54 ID:???
鬱葱と生い茂ったジャングルの夜に大きく浮き上がる赤い月と白い月。
夜が濃くなり限りなく闇に近づくにつれ、二つの月は光を増し、そして惹かれあっていきます。

???「ああ〜、ウゼェ。ウゼェウゼェウゼェうぜぇうぜぇうぜぇ。」
夜を見上げながら、男は呟きました。
???「ストレス溜まるぜ。トロトロしやがって、このまん丸が!
     タラタラしてねぇで、さっさとくっつけよ!待ってる俺様の身にもなってみやがれ、カスが!」
男の仮面から覗く目が、闇に不気味に赤く輝きます。
???「疼く・・・あぁぁ滾る・・・これ以上放置プレイされたらブッ壊れかねねぇぜ・・・!」
声を震わせながら、男は己の背丈ほどもある大剣を思い切り石柱に叩きつけました。
激しい音を立てながらも石柱はまるでバターのように見た目軽々と斬り裂け、その体を二分にしました。
???「ああァ・・・うぜぇうぜぇうぜぇ」
怒りをぶつけるように落ちた石柱の頭に何度も剣を叩きつける仮面の男。
石柱はやがて原型がなくなり数多の砂と同化します。それでも彼は剣を叩き下ろすのをやめません。
ガッガッ、と鈍い音が闇に響き渡り四散していきます。
???「これだけオレをイライラさせておいてこのまま何も起きずに夜が明けちまうなんてことが起きたらよォ・・・
      あのゴブリンはぶっ殺し決定だな。・・・あのいけ好かない目をグリグリ抉って・・・ククク」
こもった笑い声を上げ続けます。
???「・・・おろ?」
ふと笑いを止め、キョロキョロと辺りを見回し始めます。
それと共に、その周辺の空間の一端から突如闇にも目立たぬ漆黒の鎧が音もなく姿を現しました。

――カヤキス。
3732/23:2006/02/27(月) 03:01:50 ID:???
カヤキス「ここか・・・ここが二つの月の神殿。月の糸石ムーンストーンの隠れ家・・・そしてここへ二つのシンボル・・・あのモンスターどもと・・・」
一人呟き始めるカヤキス。
カヤキス「まったく、なぜこうも恋路には障害が多いものなのか・・・
      障害が多いほど萌える、いや、燃えるなんてどこのアホが作った言葉だ。燃えるどころかもはや興ざめだ、おなかが痛いぞチキシヨウ
      ・・・・・・――――!?」
カヤキスは、咄嗟に、ほとんど意識する前の本能のようなもののみで素早く上体を反らしました。
それからほぼ同時とも言えるほど緊迫した時間差で、一瞬前にカヤキスの首があった場所に閃光が走りました。
暴力的な――
カヤキス「・・・!?・・・!・・・!??」
何が今自分の目の前を通り過ぎたかを理解するのは、ヤツが言葉を発したその後でした。

???「よく避けたじゃねーの。スペクター。」

カヤキス「お前は・・・」
カヤキスの視線の先には、ヤツが立っていました。
顔全体を覆う銀色の仮面。その中心のわずかな隙間から覗く赤いまなこ。細長い腕と小さい体に不似合いな巨大な剣。
――あの剣が今目の前を・・・避けるのが少し遅れていたら・・・――
恐怖に浸りかける前に、仮面の男が話しかけてきました。
???「お前とこんなとこで会えるなんて思いもしなかったぜ。
      ・・・俺は?そう、六将魔『死神』、ソードスレイブ。久しぶりだなぁ?『隠者』スペクター?」
カヤキス「(ソードスレイブ・・・死神・・・将魔・・・)・・・久しぶりだな。だが久々の感動の出会いにしちゃ、少々過激すぎたような気もするが?」
ソードスレイブ「今のはちょっとした挨拶代わりさぁ。何かしばらく見ない内に随分印象変わったじゃん。」
カヤキス「挨拶代わり、か・・・その割には殺す気満々だったようだが?」
ソードスレイブ「カカカ。俺さぁ、今色々とストレス溜まっててよぉ。ついちょい正気失ってぶっ殺しモードになっちまったんだわ。悪いな。」
仮面の男は、大剣を器用にクルクルと回しおどけて見せました。
カヤキス「・・・全く、無責任なヤツだな。行動と発言に責任を持てぬものは将来痛い目に会うぞ。失恋、散財、友の裏切り・・・おーこわ。」
ソードスレイブ「あいにくだけどそんなもんは生前ぜーんぶ経験しちまったもんでね。もうその忠告は遅ぇよ。」
カヤキス「・・・大したものだな。私も堂々と不幸自慢のできる男になりたい。不幸は慈愛を目覚めさせる・・・
      不幸な男と哀れむ女。やがてそれは愛の鎖となり、そんな男女がよく長続きするというはなs」
ソードスレイブ「まぁそんなつまんねー話はおいといて。
     スペクターよぉ。おまえさあなんでここにいるワケ?俺の仕事の代わりでもしてくれようってハナシ?」
カヤキス「いや、違う。・・・特に用は無かったのだが・・・いや、あれだな。傷心旅行みたいなまぁそんな類の感じのアレだよ。そう、アレ。うん。
      ・・・まぁそんなことはどうでもいいんだけどさーつまりお前は、ここで何をしているのだ?」
ソードスレイブ「仕事さ。あの二つの月が重なった時に神殿の扉が開くってんでな、ここで待ってるんだ。
      神殿の中には月の糸石があるってハナシなんだが・・・もうどんくらい待ったかワカんねぇ。ったくよぉ。夜は長げぇ。無駄にな!
      あの野郎・・・もう少しってどんだけ長ぇもう少しだよ。もう少しってのはなぁ、一分や二分そこらの事を言うんだ・・・あー、うぜぇうぜぇ」
カヤキス「・・・誰だ?」
ソードスレイブ「は?」
カヤキス「お前にその仕事を任せたヤツだ。
      ・・・もしや、全身ピンク色の陰険な顔したむかつく感じの、そのめっちゃむかつく感じのゴブリンじゃなかったか?」
ソードスレイブ「・・・そう、それ。あのめっちゃむかつく感じのな。・・・なんで知ってんの?」
カヤキス「なるほど・・・そうか。・・・それは」
瞬間でした。
3743/23:2006/02/27(月) 03:03:24 ID:???
金属と金属のぶつかりあうけたたましい音が、高々と響き渡りました。
それは、カヤキスの持つカヤキスの鉾と、ソードスレイブの持つ大剣の間から出た音でした。
ソードスレイブ「・・・おい。・・・何のつもりだ?」
カヤキス「・・・よく防いだな。完全に不意をついたつもりだが・・・流石は将魔、とでも言うべきかな?」
感情を微塵も表さぬ声で低く呟くカヤキス。
ソードスレイブ「・・・ケッ。」
歯をぐいと剥き出しにし笑います。
ソードスレイブ「・・・冗談にしちゃあ笑えねぇなぁぁ、オイィィ!!!」
ソードスレイブの大剣が、ギリギリとカヤキスの鉾を押し返し、そして勢いよく弾き返しました。
カヤキス「くっ!」
体制を崩すカヤキス。
ソードスレイブ「死んじまっても俺は知らねぇぜェェェ!!!」
闘気が拡散し、ソードスレイブの体が宙を舞います。
ソードスレイブ「ヴァアァァンダレアァァイイズゥゥゥゥ!!!!!」
狂った猛り声を上げながらカヤキス目掛けて落ちてくるソードスレイブ。
その手の大剣に、闘気の光線が収束していきます。
カヤキスはすぐにその場から飛びつくようにして離れました。
一瞬後に、一瞬前カヤキスがいた場所にソードスレイブの大剣が憂慮無く叩き下ろされます。
耳をつんざく爆発音と、目をつらぬく閃光が空間を支配しました。
カヤキス「・・・!!(なんだ、この威力は!・・・直撃していたならば、鎧ごと・・・怨念の装甲ごと断ち切られていた・・・)」
カヤキスはすぐに立ち上がり、鉾を構え直しました。
立ち上る煙の下から、ソードスレイブが大剣を構え突撃してきます。
ソードスレイブが大剣を振り上げると同時に、カヤキスは槍をソードスレイブ目掛けて突き出しました。
ソードスレイブ「おっ?」
直撃が一度。ソードスレイブが少し怯みます。
カヤキスは間髪いれずに二撃目、三撃目を繰り出しました。
突きの雨が、ソードスレイブの体を捕らえます。
上体が徐々に後ろにのけぞっていき、そして大剣がゴトリと鈍い音を立て背後に取り落ちました。
カヤキス「(これでとどめだ。)」
ソードスレイブの剥き出しの脊椎目掛けて、思い切りなぎ払いを繰り出します!

ガッ

カヤキス「・・・ぐっ、何?」
カヤキスの鉾はソードスレイブの体には達していませんでした。
鉾と体の間に、ソードスレイブの手が二つ。
ゴツゴツした指で鉾をしっかり掴んでいます。
カヤキス「素手で私の一撃を止めた・・・?」
仮面の下から覗く口が、にわっ、と笑みの形を浮かべました。
ソードスレイブ「カーッ。まったく、響くねぇ。」
腰の骨が軋みます。

ガンッッ!!
3754/23:2006/02/27(月) 03:04:50 ID:???
とてつもなく鈍く、硬い音が響き渡ります。
ソードスレイブの突き上げた拳が、カヤキスの鎧の腹部を絶妙に捉えていました。
カヤキス「・・・・・・」
ソードスレイブ「・・・何だよ。」
ブオッ
カヤキスがソードスレイブ目掛けてその鉾で勢いよく足払いを繰り出しました。
跳躍して足払いを避けるソードスレイブ。そのまま何歩か後ろに跳び退り、床に突き刺さる大剣を拾い直しました。
真っ直ぐ、カヤキス目掛けて剣を構えます。
ソードスレイブ「貫けると思ったんだがな。かてぇかてぇ。」
カヤキス「・・・何という拳だ。角度、スピード、腕力、全て申し分ない。まったく、本当にモンスターの繰り出す攻撃とは思えんな。
      ・・・私の着ていた鎧がこのカヤキスの鎧でなければ、確実に貫かれていた。」
ソードスレイブ「俺の拳は羅刹の拳。一撃必殺の拳さ。・・・今まで壊し損ねたモンはなかったんだがな。
          ・・・こっちもそうだ。この剣。『羅刹の剛剣』。」
ソードスレイブの持つ大剣が、微かに熱を帯びていきます。
ソードスレイブ「さて、こっちはどうだろう!?」
『羅刹の剛剣』の刀身から、炎が燃え上がりました!
カヤキス「・・・!(痛手どころでは済まぬやもしれぬな。・・・無駄な怪我はなるべく避けたいところ、ここは・・・)」
ソードスレイブ「ひぃやっはああぁぁぁ!!!」
燃え盛る剛剣が、カヤキス目掛けて振り下ろされます!

ブン

ソードスレイブ「・・・な、にぃ?」
ソードスレイブの剣が捕らえたものは、”空”でした。
目測を誤ったわけでも、避けられたのでもありません。
カヤキスは、跡形も無くこの場から消えてなくなっていました。
ソードスレイブ「・・・・・・・・・そう、来るワケ。
         ・・・・・ちくっしょおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
燃え盛る剛剣を、思い切り地面目掛けて振り下ろしました。
一度だけではなく、二度、三度、刀身にありったけの怒りを込め何度も地面を叩きつけます。
ソードスレイブ「スペクターのクソ野郎・・・何だってんだ一体、テメェで喧嘩売ってきた癖に逃げやがって・・・!!
         なに考えてやがんだ、クソが・・・!寸止めはイチバン体に悪いってのによォォ・・・!うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇ」
大剣の炎の勢いが一層増してきます。
ソードスレイブ「次会ったら即消してやるぜスペクタァァァ!!!!」

夜にソードスレイブの猛り狂った遠吠えが深く響き渡りました。
3765/23:2006/02/27(月) 03:06:03 ID:???
冥部。
ミニオンちゃん三人にスペクターくんとアルを加えた五人が、もぬけの殻となっている冥部を前に呆然と立ち尽くしていました。

ワイルちゃん「サルーインちゃんさまがいない!!デスちゃんさまも、シェラハちゃんさまも・・・」
ヘイトちゃん「ほぉぉんとだわぁぁぁん☆;:!!サルーインちゃんさまが元気になったってんでお祝いにどっか遊びにいっちゃったのかなあぁ@?;:、」
スペクターくん「女性のみでの夜間の外出はすっごい危ないっていうのに!!
          まったく、なんて危険に鈍感な姉妹なんだ、両親は彼女達に一体何を教えて育ててきたんだ!」
ストライフちゃん「大丈夫、あの三姉妹についてそのような心配は全くいらん。」
ヘイトちゃん「というかなんつーかその危険の方が心配だわぁん。%:・あの三姉妹を狙っておいて無事に家に帰れたものは一人もいないらしいし?」
ワイルちゃん「それ前シェラハちゃんさまが言ってましたよね。浪々と。」
スペクターくん「一日一回以上は言ってたよね。」
アル「ばっきゃろう、そういう問題じゃねーんだよバカども!
    ・・・・・・とうとう始まっちまったみてーだな。・・・もう時間はあまり無いぞ。」
ワイルちゃん「あっ!もうこんな時間!?早く寝ないと・・・朝は待ってくれませんからねっ!」
ストライフちゃん「やばい!明日マガジンの発売日じゃん!早く寝ないと!いや、このまま0時まで待ってコンビ二に行くか・・・?ぐっ、どうする!」
ヘイトちゃん「ああああぁぁぁぁぁ、夕飯の時間だわぁぁぁぁぁ★&~!@:!!;l:!!!」
スペクターくん「あああああ、僕もぉぉぉぉ!!!僕も・・・僕も、アレ?」
アル「そういう意味じゃねえって!!・・・もちろんお前らにも付き合ってもらうんだからな、逃げんなよ。」
ヘイトちゃん「うっわ、なんかやたら偉そうこのデブ猫。」
ワイルちゃん「カルシウムが足りてないんですね、きっと。・・・さっき道端で骨拾ったんですけど、食べます?」
ストライフちゃん(なにっ、いつの間に!!抜け目ないなワイルのやつめ・・・!)
アル「いらねーーーーよ!!!・・・ったく、人の気知れずのん気な事ばっか言いやがって・・・
    とりあえずエリスに連絡だ!」
ヘイトちゃん「人の気知れずぅぅ???それを言うなら『猫の気知れず』でしょうがぁぁぁ!+‘>!*!!
         まったく、最近の猫はやたら背伸びしたがるわねッ!!」
ワイルちゃん「大人に憧れる年頃なんですよ。」
アル「うるせーーーーーよ!!!」
3776/23:2006/02/27(月) 03:07:31 ID:???
うつ伏せに倒れているジャミルくんの背中の牙から、声が聞こえてきます。

アル『こいつらの主人が・・・アムトのシンボルが動き出しちまった。二つの月を見比べてみても、猶予はあと二、三時間ってとこだろうな。
   とりあえず俺たちはこいつらの主人を探し出す。時間的にもまだそう遠くには行ってないはずだ。』
エリスちゃん「わかった。気をつけてね、アル。私達を襲った黒い鎧の男がいつ現れるか分からないわよ。」
アル『でーじょうぶだって。・・・それにしても、その黒い鎧の男ってのは何なんだ?何が目的でお前らを襲ったワケ?』
エリスちゃん「ヤツは、赤い光・・・そう、『アムトのシンボル』を欲しているように聞こえたわ。
    エリスのシンボルとアムトのシンボル、両方ではなくアムトのシンボルのみを・・・詳しい事はよく分からないけどね。」
アル『へぇ、変わった奴だな。・・・まぁ、とりあえずアムトのシンボルは俺に任せてくれ。
    アムトのシンボルを確保したらまた連絡するぜ、んじゃな。』
エリスちゃん「わかったわ。・・・本当に、気をつけてね。」

水龍くん「・・・あのさぁ、アルって奴は本当に信用できんの?」
エリスちゃん「ええ。彼は何度か共に死線を潜り抜けてきた私のパートナー。
     とりあえずは信頼できるわ。・・・たまにむかつく時もあるけど。」
水龍くん「げっ、『私のパートナー』とか『たまにむかつく』だなんて、もろフラグ立ってるじゃん!!
     エ、エリスさん、あのですね、あの子とお付き合いするのはおよしなさい。」
エリスちゃん「はぁ?あなたは何を言っているの?
     ・・・それにしても、実は先程から気になることがあって。」
水龍くん「なにっ!ついに私の魅力に気づかれたというワケでございますか。いやはや貴方様もお目が高い。
      よっしゃーー!!気になるなら端っこからまた端っこまで全部教えてあげるよーー!!さぁ、行こう、僕達二人の愛の講義室へ」
エリスちゃん「いきません!まったく、本当になんて人だ・・・こんな人が四寮長だなんて・・・他の三人もあなたみたいな人だと思うと!ブルル!
      ・・・それよりも、今二つのシンボルが出来上がったわけだけれども、今回は二つのシンボルに所有者がいない・・・」
水龍くん「・・・えーと、シンボルに所有者がいないっていうのは初めてなのか?」
エリスちゃん「ええ。それどころか私とアムト以外に両方のシンボルの所有者になったものはいなかったわ。
      ・・・今回は今までに比べて例外が多すぎる。何者かの陰謀を感じるの。ドス黒い、悪意に満ちた陰謀が・・・
      おそらく、月の舟で私達を襲ったあの黒い鎧の男が何かを・・・」
水龍くん「あの男も何者かに利用されていたようだったがな。もう一つや二つ裏がありそうだな。」
エリスちゃん「ええ。・・・ともかく、所有者がいないシンボルがどう動くのか、これが分からないの。
      シンボルという本能のままに蝕と共に神殿へ近づいていく・・・これは間違いないはずだけれども・・・
      所有者がいないと言う事は野放しにされた狂犬も同じ。もし何者かが不用意に近づけば、いや進行を阻止しようと近づけばシンボルは・・・」
水龍くん「どういうことだい?」
エリスちゃんの声は少し震えているようでした。
エリスちゃん「いえ、これは一つの仮定だけれども・・・可能性は十分にあるわ。
     あの物凄い数の怪物の群れと等しい力を持つはずのシンボル・・・サルーイン。
     ・・・アルの手に負えるのかどうか・・・分からない!」
3787/23:2006/02/27(月) 03:08:39 ID:???
少し時を遡り、リガウ寮草原にて。
軽く上を向きながらふらふら無言で練り歩くサルーインちゃんを、その二人の姉妹デスちゃんとシェラハちゃんが追っています。
シェラハちゃん「姉さん!聞いてちょうだい、私の声が耳に入っているの?姉さん。
       どこへ行くつもりなの?ねぇ、聞いてる?」
デスちゃん「無視とかそういう次元のものとは思えない、この子がたった半日でこんなにも利口になるとは思えない・・・
       い、いや、も、もしかしてこれはあの守護霊交替現象では!?ああ、何でことだ、サルーインがいい子になってしまうなんて・・・
       いや、それはそれでいいのか?どっちなんだ?利口な方がいいんだよな普通。ばんざーい。ああ、でも・・・!」
シェラハちゃん「私にしてみればお利口すぎて人の話を華麗にスルーするようなサルーイン姉さんはまっぴらゴメンだわ。
       ああ、それにしてもこれもまた一つの不幸なのかしら。はてさて微妙なところ・・・私にとってはこの上ない不幸だけれども。」
デスちゃん「私にとっても不幸なのかも知れぬ。やはりサルーインは今までどおり元気で馬鹿で向こう見ずで浪費癖の強いのがイチバンで・・・
       ともかく、止まれーーーサルーイン!!夜間の外出の際はキッチリ誰と遊ぶのか
       場所はドコなのかいつごろ帰ってくるのかをちゃんと私に伝えてからにしろーー!!」
デスちゃんが、サルーインちゃんの手首をガシッと掴みました。

サルーインちゃん「ハ・ナ・セ」

デスちゃん「えっ?」
瞬間、サルーインちゃんの体から膨大な魔力がドッと噴出しました。
デスちゃん「うわっ!!」
何かに突き飛ばされたように、デスちゃんが勢いよく後方に吹き飛びました。
シェラハちゃん「デ、デス姉さん!?」
デスちゃんに駆け寄るシェラハちゃん。
デスちゃん「サ、サルーイン・・・?」
シェラハちゃん「ね、姉さん、一体何を・・・!・・・・・・!!」
立ちすさぶサルーインちゃんの顔を見て、シェラハちゃんは言葉を失いました。
あんぐりとだらしなく開いた口。生気なく剥かれた白目。
そして微かに赤い光がサルーインちゃんの体を纏っていることに、その時シェラハちゃんは初めて気づきました。
3798/23:2006/02/27(月) 03:09:17 ID:???
シェラハちゃん「ね、姉さん・・・い、いったいな、なにが・・・」
サルーインちゃん「ワタシハシンデンヘ・・・フタツノツキノシンデンヘ・・・イカネバ・・・ナラ・・・ヌ・・・
          ツキガマジワルソノトキマデニ・・・シンデンヘ・・・ユウゴウ・・・・」
抑揚の無い声で、サルーインちゃんが言います。
デスちゃん「な、なにを言っているんだ、サルーイン・・・!?」
デスちゃんはバッと立ち上がると、再び歩き出そうとするサルーインちゃんの体をガシッと掴みました。
デスちゃん「おい、しっかりしろ!!どうしたんだ!!正気はあるのか!?おい、サルーイン!返事をしろ!!」
サルーインちゃん「ジャマヲ・・・シナイデクレ・・・!」
デスちゃん「サル・・・・・・!!うあ、うわあああああああ!!!!」
サルーインちゃんの周辺に、突如巨大な竜巻が発生しました。
デスちゃんが竜巻に飲まれてゆきます。
シェラハちゃん「デ、デスねえさーーん!!!・・・一体何を、サルーイン姉さん!
           ・・・仕方ない、ここはもう漆黒の帳で・・・!目を覚まして、サルーイン姉さん!」
シェラハちゃんが術の構えをとった瞬間です。
途轍もなく巨大な水の塊が、足元からシェラハちゃんを空高く突き上げました。
シェラハちゃん「ひゃっつ、きゃああああああ!?」
シェラハちゃんとデスちゃん。二人同時に草原の地面にドサリと力なく落下しました。
静寂が空間を包みます。

サルーインちゃん「ハヤク・・・ハヤク・・・」

サルーインちゃんは振り返りもせず、またふらふらとどこかへ歩き始めました。
その虚ろな目は、常に月を見上げているようでした。
3809/23:2006/02/27(月) 03:11:11 ID:???
水龍くん「器の・・・暴走。」
エリスちゃん「そう。所有者がいないシンボルは、ただ融合という定めだけに取り付かれ行動する。
        そしてそれを邪魔しようとするものには・・・全力で排除をしにかかる。」
水龍くん「なるほどー、つまり、今のシンボルは心無い機械人形と化しているわけだ。」
エリスちゃん「そういうことね。・・・とても厄介だわ。
        アルが敵うかどうか・・・いや、それ以前の問題ね。・・・サルーインを傷つけるわけにはいかないもの。」
チラリと一度脇目でミルザくんを捕らえます。
水龍くん「確かにな。事情が事情とは言えレディーを傷つける行為は第一級の罪!女性の肉体は世の神秘であり
      無条件でこの世の遺産とされるのが当たり前なわけでそしてそれを保護するのが私の役目であって
      要するにエリス!君の肉体は私が末代まで保護してあげるよ!さぁ、私に全てをゆだねて・・・」
エリスちゃん「ああ、もう止めてよそうやって余計な事ばっか言うの!
        ・・・ほんとうに、どうしよう。サルーインを傷つけずなおかつ融合を阻止する方法・・・
        そして、シンボルの融合無しにあの神殿の扉を開く方法・・・
        全て、今まで私が考えた事もなかったことだわ。
        ・・・・・・でも、アムトなら・・・もしかしたら・・・やっぱり、アムトを探すしか・・・」
水龍くん「アムトを探すのかい?・・・一人では大変な作業だろう、私も手伝うとしよう。
      ・・・私と水の精達の協力があれば、女子一人探し出す事なんてたやす・・・
      まぁ、そんな容易い事ではないけれども、難しくは?ない?かもよ?」
エリスちゃん「ありがとう。水龍くんの力があれば百人力よ。
       ・・・じゃあ、私は行くわ。今は一秒の時間も惜しい・・・」
水龍くん「そうだな。私がアムトを見つけたら手近な水の精達に君にすぐ伝えさせる。
      エリス。君がアムトを見つけたようなら、いや、それ以外の事でも何か私に用ができたならば・・・そう、これ重要だよ!・・・これで私を呼んでくれ。」
水龍くんは眠っているジャミルくんの腕から『水龍の腕輪』を引っぺがしエリスちゃんに手渡しました。
水龍くん「その腕輪に呼びかけてくれば、私はいつでも君の前に現れるよ。
      あ、そうそう、呼びかけるときはなるべく、というか絶対ありったけの愛を込めt」
エリスちゃん「分かった!じゃあ、私は行くわ水龍くん。・・・敵の奇襲には気をつけて。」
水龍くん「分かった。・・・・・ミルザ達は・・・」
エリスちゃん「神殿が開くまで・・それが無理なら、最低でも次の朝日が昇り平和が戻るときまで・・・あの子達には眠っててもらう。
        もうこれ以上あの子達に迷惑や面倒はかけられないもの・・・」
水龍くん「神殿が開くまで?それはどういうことだ、融合が成功しなければ神殿が開く事はないんだろう?」
エリスちゃん「・・・いえ、もしかしたら・・・あるかもしれないの。融合させずに神殿を開く方法。
      そしてそれは、私とアムトが揃っていれば・・・実行できるような気が・・・」
水龍くん「大丈夫か?エリス。お前の言っている事には不確定要素が多すぎるぞ・・・」
エリスちゃん「ええ。分かっているわ、分かっているけど・・・分からないの。」
水龍くん「どっちだよ!・・・でも、・・・ああ、なんていうかその、エリス、今のきみ、凄くイイ・・・!」
エリスちゃん「じゃあ、水龍くん!アムトを探すわよ。くれぐれも気をつけて。」
水龍くん「よし分かった、エリスも気をつけて!数分で見つけてきてやる!」

二人の姿が闇夜に消えました。
38110/23:2006/02/27(月) 03:13:05 ID:???
ミニオンズ「ええええええええええええええ!!!!!!?????」
月の下、夜の草原に三人の女子生徒の絶叫が響き渡りました。
ワイルちゃん「そそそ、それは本当なんですか!?サササ、サルーインちゃんがぁ・・・」
スペクター「そそそそ、そんな大変な事が・・・!サルーインが・・・!」
ストライフちゃん「なんでそれを早く言わなかったんだ!!どどど、どうするんだよ!!」
ヘイトちゃん「チィィィィ、てめぇこの猫ォォォォ!◎!!何でそんな大事な事言わなかったんじゃああああああ;;。l:。p」l;。!!!」
アル「あーもー、うるせーな、言ってる暇がなかったんだよ!
   ・・・まぁ、つまりこのまま黙ってたらアンタらのご主人様は二つの月の下恐ろしい怪物に生まれ変わっちまうってことだ。
   それを阻止するためにはとりあえずお前らの主人を見つけないといけねーわけだが・・・」
ワイルちゃん「ままままさかそんな大変な事が起こっていただなんて・・・
         ああ、なぜあの時サルーインちゃんさまが倒れたとき私はここまで想定しなかったのでしょう!!私のこの鈍い頭が憎い・・・憎い・・・」
ストライフちゃん「そう自分を責めるな、あれだけでここまで想定しろという方が不可能なハナシだ。」
ヘイトちゃん「キーーーッ!!!ワイル、あんたのせいよぉォォォ!!★純ヨ!!!この鈍感!@!めがね!!わかめがね!!」
ワイルちゃん「ひぃぃぃぃ!!私ったら伝説級のめがね無知無能馬鹿ーーー!!!」
ストライフちゃん「いや、煽るなよヘイト!!」
アル「まったくよー、取り乱しすぎだぜおめーら。」
ストライフちゃん「おい、アル!・・・おまえはなぜここまで状況を・・いや、それはあえて聞くまい、時間の無駄だものな。
           ・・・一つ質問していいか?・・・サルーインちゃんさまは助けられるのか?今は、お前だけが頼りなんだ!」
アルをまっすぐ見つめ、ストライフちゃんが言います。
アル「・・・ああ、まぁな。俺っちに任せときゃー、アレだ、万事大丈夫よ。・・・っつーワケでもねーなー。
   まぁ、でもできるだけ尽くしてやるさ。学園の危機だし・・・それに、お前には毛並を艶やかにしてもらった礼をしないといけないしな。」
ストライフちゃん「!!」
ヘイトちゃん「・・・んーー??」
ヘイトちゃんと目が合います。
ヘイトちゃん「なんだろうねぇ、毛並?艶やか?ストッライフちゃん私達がいない所でその子猫ちゃんと何をしてたのかなぁ??」
その声の調子は、ねちっこさが普段より二割くらい増しているようでした。
ヘイトちゃん「愛玩動物は嫌いとか言ってなかったけぇえ???わーたしのきき〜まちがいかなぁぁ〜〜〜????」
ストライフちゃん「そ、そうだ、私はこんな人に媚び媚びた生物がだいっきらいなのだ
           めっ、か、勝手に出鱈目抜かしおって、このネコめが、くっ、」
ヘイトちゃん「あれれぇ〜〜??なんかストッライフちゃんったら様子がおかしいなぁぁ〜〜〜」
ストライフちゃん「だ、黙れ!!」
アル(・・・なるほど、こういうことねぇ。)
ワイルちゃん「も〜〜っ!!!二人とも、というよりヘイトちゃん、そんな事はどうでもいいでしょ〜〜〜っ!!」
38211/23:2006/02/27(月) 03:13:57 ID:???
アル「・・・サルーインが向かったのは『二つの月の神殿』だ。
    二つの月が重なるその時、アムトのシンボルとなったサルーインは、いまエリスのシンボルとなっている
    モンスターの群れと融合し、怪物になっちまう。・・・ここまではいいだろ?」
ストライフちゃん「ああ。」
ヘイトちゃん「怪物と融合したサルーインちゃん・・・ちょぉっとだけ見てみたい気もぉぉ・・・★」
スペクターくん「なんか融合しても性格とかは大して変わらなさそうだよねッ♪」
ワイルちゃん「ちょ、なにを縁起の悪い事を言ってるんですか!!」
アル「ここ(リガウ寮の草原)から神殿までは長い長い海を渡る事になるな。
   おろ、シンボルはどうやってワロン島まで行くつもりなんだ?意識のない人形が船を使うとは思えねーな・・・」
ワイルちゃん「ですね。・・・あ、ま、まさか海を泳いで・・・!?それはイカンですよ!!サルーインちゃんさまはカナヅチなんですよ!?」
ストライフちゃん「あっ、そういえば!!いかん、サルーインちゃんさまが溺れ死ぬ!!」
ワイルちゃん「えぇぇぇーーーーーーっ!!??しし、し、し、ししし、死ぬぅぅぅ!!?し、死ぬのはダメですって、死ぬのならまだ怪物になった方が・・・」
ヘイトちゃん「それはダメえれしょぉぉ@:!!あのお人が怪物になったら学園の、いや世界の、いや宇宙、果ては銀河系の危機よぉぉ!@!f!!」
スペクターくん「ぎ、銀河全体がサルーインの物に・・・!?ひ、ひぃぃぃ!!見えない、見えないよ!!
          不思議だよ・・・いつも手の届く場所にあったのに・・・今日は・・・見当たらないんだよ・・・明日が・・・」
アル「あーーーーーーー、もーーーーーーー、黙れ落ち着けーーーーーー!!!どうしててめーらこうも騒がしいんだ!!!!!
    俺はこうやってる間にもあれこれ考えてんだよ、雑音は思考に支障をきたすんだよ、黙ってろ!!せめて静かにしてろバカども!!」
ヘイトちゃん「バカ!?くっ、このデブ猫めっ!!」
アル「・・・ともかく、サルーインは海を渡っていると考えていいだろうな。泳いでか・・はたまた歩いてか・・・まぁ、そんな事はどうでもいいんだけれども。
   ・・・いけねーなーぁ、場所が海だとすると手の出しようがねぇ。最悪の場合はワロンのジャングルで・・・
   さすがにそれでは遅すぎるか?いや、どうだろう・・・?あーっ、くそっ!!」
スペクターくん「・・・えーっとさぁ。アル。」
アル「あん?」
ガリガリと頭の裏を掻きはじめるアルに向かって、スペクターくんがたずねます。
38312/23:2006/02/27(月) 03:14:56 ID:???
スペクターくん「まだ分からないことがあるんだよね。融合を阻止するっつーけど、つまり具体的にどうすりゃいいわけ?」
アル「ああ、つまりだなぁ、サルーインを神殿の前でもう片方のシンボル、つまりモンスター達と会わせなきゃいいってハナシだよ。
   月が交わっているその間、俺達はサルーインを保護し、交わりが終わるまでにどこか遠い所にやっときゃいい。それだけでいいのさ。」
スペクターくん「ふぅん。・・・一筋縄じゃいきそうにないねぇ。」
アル「ん!なんだ、そうか、お前らオレの力をまだ知らないんだなー?
    オレ様が少しと本気になりゃー、ちょいと魔力が高いだけの女子供の一人くらいちょちょいと・・・」
スペクターくん「あいつを見くびっちゃいけない。”ちょいと”じゃないんだよ、”ちょいと”じゃ。あいつの魔力は・・・
         だいたい近くにいるけど、常に感じるんだよ、彼女の内に秘めた莫大な無尽蔵な魔力・・・。
         あれだけの魔力を潜めているような者は、僕は彼女に会うまではたった一人しか知らなかった。」
アル「・・・たった一人、だって?」
スペクターくん「そう。・・・その男は・・・・・・神にも立ち向かえる力を持っている。」
アル「!」
アルの顔が強張ります。
ストライフちゃん「神、って・・・」
ワイルちゃん「正気ですか、スペクターくん?・・・あなたは一体・・・」
スペクターくん「そう、正気。だからこそ不安が拭えないんだ。・・・潜在能力なんてものは引き出そうとしなければ引き出せないものだ。
         いくらその者が莫大な潜在能力を秘めていようとも、本人がその気にならなければそれは開花されないまま消える。
         その気になっても並大抵の事では開花しない。何をしても開花しないかもしれない。
         ・・・ただね、あるんだよ、憑依されたり乗っ取られたりするとさ。その間潜在能力が目覚めてしまうって事が・・・
         ・・・そして。その能力に肉体がついていけず・・・自滅してしまう、なんてことも・・・あるんだよ。」
アル「・・・!!」
ワイルちゃん「・・・・・・・・そんな・・・」

スペクターくんの無情な宣告が、場に静寂と絶望を呼び込みました。

アル「・・・・・・でも。」
アルが口を開きます。
アル「そりゃあくまで一つの可能性だ。まだサルーインが俺達に危害を加えると決まったわけじゃねぇ。
    そもそも、元々シンボルは無害なもんだ。自滅だとかそんなことねーって、安心しろ!」
ワイルちゃん「・・・で、ですよね!そうですよね!」
ストライフちゃん「そ、そうだ、アルの言う通りじゃないか。何もサルーインちゃんさまは邪悪なる者に乗っ取られているわけじゃあないんだしな!」
ヘイトちゃん「そ、そりゃそうよねぇぇ★!!ホラ、みんな何よ一瞬静かになっちゃったりしてさぁ!@!::!!m!
         バッカじゃないの、あははははは:○!#$!! ほら、スペクターあんた謝りなさいよ!★」
スペクターくん「ご、ごめんみんな、不安にさせちゃったりして!僕ったら色々物事には突っ込んで考えちゃうタイプだからさぁ、その・・・」
ワイルちゃん「もう、スペクターくんったら!あはははは・・・あ?」
ふとワイルちゃんの目が、夜の先にあるその二つの影を捕らえました。


ワイルちゃん「デスちゃんさま!!シェラハちゃんさま!!!」


ヘイトちゃん、ストライフちゃん、スペクターくん「!!?」
38413/23:2006/02/27(月) 03:16:12 ID:???
ワイルちゃんの目線の先には、デスちゃんシェラハちゃんの姿が確かにありました。
夜に黒く染まった草の上に、力なく仰向けに横たわっています。

ワイルちゃん「ど、どうしたんですか!何が!いったい、何が!?」
ストライフちゃん「・・・!!!!!な、なぜ!だ、誰に!?」
ヘイトちゃん「いやあああああああああ!!!!!!!!」
スペクターくん「二人とも!?」
四人が一斉に駆け寄ります。
ストライフちゃん「だ、大丈夫ですか!?返事を・・・返事を!」
スペクターくん「起きて!!何があったんだ!!」
ヘイトちゃん「まさか、死・・・いやああああ!!目を覚まして!!」
ワイルちゃん「デスちゃんさまあああ!!!シェラハちゃんさまあああ!!」
唐突すぎるワケわからない状況に、これまでにないほど混乱し取り乱す四人。
呼びかけても揺さぶっても微動だにしない二人の体と顔。
絶望が募っていきます。
アル「お、おいおい、どうしたってんだ一体!」
ただならぬ四人の取り乱し方に、アルも困惑し始めます。
ストライフちゃん「デスちゃんさまとシェラハちゃんさまだよ、サルーインちゃんさまの姉妹の・・・
          姿を消していたと思ったらこんな所で・・・」
アル「いや、分かるけどもさ、・・・・死んでる、のか?」
ワイルちゃん「死んでいるなんてそんな物騒な事!!
         ・・・いや、でも、返事がないんです、きっと気絶してるだけですけど・・・でも!」
ヘイトちゃん「そうよぉぉぉぉ!!!★ し、死んでるワケないじゃなぁい、
         なんでいきなり死んでなきゃならんないのよおおぉぉう!!!」
スペクターくん「・・・そうだ、生死を確認すればいいんじゃないか。
         みんななんで真っ先に生死を確認しようとしないんだよ。」
スペクターくんがデスちゃんの胸に耳を近づけました。
ミニオンズ「やめろ!!」
スペクターくん「へっ!?」
驚くスペクターくん。
ミニオン三人も驚いたようで一度顔を見合わせました。
スペクターくん「・・・な、なんでだよ。ビックリさせないでよ。」
ヘイトちゃん「・・なんだか、ダメな気がするのよぅ、それ。」
ワイルちゃん「・・・そ、そうそう、二人とも生きているんだから・・・確認なんて、する必要、ありませんよ。」
ストライフちゃん「そういう、ことだ。だから今更そんな・・・確認する必要なんて、どこにも・・・」
三人の声は震えています。
スペクターくんはすぐに三人の心中を理解しました。
スペクターくん「・・・何がどうなろうとこれは避けては通れない道だぞ。そういう気持ちもわかるけども・・・」
ヘイトちゃん「で、でも」
スペクターくん「どちらにせよそれが運命だからさぁ・・・。」
スペクターくんの耳がデスちゃんの胸にあてがわれました。
・・・静寂。
・・・

・・・・静寂。
38514/23:2006/02/27(月) 03:17:07 ID:???
スペクターくんの口の端が少しつり上がります。

スペクターくん「心臓は・・・動いている。」
スペクターくんが静かに、ゆっくりとそう言いました。
スペクターくん「生きてるよ。デスちゃんは生きてるよみんな!!」
歓声が上がりました。
安堵の歓声、安堵のため息、安堵の絶叫。
三つの安堵が空間を支配します。
しかしそれが収まるのは意外にもすぐの事でした。
スペクターくん「・・・そうだよ、まだシェラハちゃんが・・・」
ミニオンズ「・・・・・・」
スペクターくん「まぁ、でもデスちゃんが無事だったならシェラハちゃんも・・・?」
己の言っている事もよくわからないままに、スペクターくんはひょこひょことシェラハちゃんに近づいていきます。
その場にいる全員が同時に息を呑みます。

「姉さん!!」

シェラハちゃんが突然目を覚まし、上体を起こしました。
スペクターくん「え、えっ」
ミニオンズ「シェ、シェラハちゃんさま!!」
再び三人が同時に声を上げました。また一度顔を見合わせます。
ワイルちゃん「よかった、無事だったんですね!」
ヘイトちゃん「大丈夫ですかあああああ!!★pm!!」
シェラハちゃん「あ、あなたたち・・・」
駆け寄る三人に、目を白黒させるシェラハちゃん。
ストライフちゃん「よかった、本当によかった・・・でも、一体何があったんです?なぜこんなところで倒れて・・・」
その言葉に、シェラハちゃんの顔つきがはっと変わります。
シェラハちゃん「そうだ、姉さんは!姉さんは・・・!?」
スペクターくん「デスちゃんなら無事で〜すよ」
シェラハちゃん「そう・・・いや、それよりも姉さん・・・サルーイン姉さんは・・・!サルーイン姉さんはどこへ・・・」
今度はシェラハちゃん以外の四人の顔つきが変わりました。
ワイルちゃん「シェラハちゃんさま、サルーインちゃんさまを探していらしたのですか・・・?」
シェラハちゃん「ええ。あ、いや、正確に言うとそういうわけではなくて・・・ああ、そうよ、とても不幸な事が・・・!
          何がなんだか分からないの。サルーイン姉さんがいきなりしゃべらなくなって・・・外に出て行って・・・」
ピクリと反応するアル。
シェラハちゃん「そうよ、何を言っても聞かないからデス姉さんが手を掴むと・・・サルーイン姉さんがウィンドカッターをデス姉さんに・・・!
         その時のサルーイン姉さんの顔、正気とは思えなかった。そう、何かに乗っとられているみたいで・・・
         そして漆黒の帳を放とうとした私にも・・・サルーイン姉さんは術を・・・ウォーターガンを・・・」
ミニオンズ、スペクターくん、アルにあった一時的なものが瞬時に消えうせ、新たな絶望の灯火だけが点りました。


アル「・・・どうやら、ピッタリ的中しちまったみてーだな。」

38615/23:2006/02/27(月) 03:18:06 ID:???
シェラハちゃん「くっ・・・」
シェラハちゃんの顔が苦痛に歪められます。
ワイルちゃん「だ、大丈夫ですかシェラハちゃんさま!」
シェラハちゃん「サルーイン姉さんの・・・あんなとてつもない威力のウォーターガンは見たことだって無いわ。
          一回食らっただけなのに・・ああ、体の節々がズキズキ痛む・・・」
スペクターくん「一刻も早くリガウ寮の医務室へ連れて行ったほうがいいね!デスの容態も深刻かもしれない・・・」
ワイルちゃん「では、早く行きましょう!もう時間もあまり無いことですし・・・」
アル「おいおい、大丈夫か?怪我人二人を女三人で運べるのか?」
ストライフちゃん「私は多少力には自信あるのでな、一人くらいなら私一人で・・・」
ストライフちゃんは、倒れているデスちゃんを軽々と抱きかかえました。
ヘイトちゃん「わぁお!!★スットライフちゃんすごぉぉぉい@!□~!!!聞きしに勝る大力持ち☆!!!℃*☆」
         マッスルパーーーゥワーァァ!β!!」
ストライフちゃん「コイツぜってーいつか殺す・・・」

デスちゃんをストライフちゃんが抱え、シェラハちゃんをワイルちゃんとヘイトちゃんの二人が支え、草原を渡りリガウ寮へと向かいます。
そして五人と二匹は無事リガウ寮の医務室へとたどり着きました。
すぐにシェラハちゃんとデスちゃんは奥の部屋へと運び込まれました。
ワイルちゃん「・・・これからどうするんですか、アル。」
医務室の扉の前をうろうろしながらワイルちゃんがアルに問います。
アル「仮にこのチビが言ってた事を全て真に受けてみるとしたら、やべーな。俺たちの太刀打ちできる相手じゃない。
   ・・・それがなくとも、サルーインの場所が確認できねーし、まぁ、とりあえずはワロン寮のジャングルに行くしかねーな。」
ストライフちゃん「ワロン寮のジャングル?・・・そうか、そこに『神殿』があるってわけだな。」
アル「そゆこと。目的地に先回りってコトさ。・・・先回りっつっても・・・
     こっからメルビル、メルビルからワロン寮、ワロン寮からジャングルで大分時間使っちまうから先回りになるかどうかも微妙な線だが・・・」
ワイルちゃん「ざっと一時間はかかりますよ・・・かなりやばいんじゃないですか!?」
アル「やばいな。蝕まであと・・・二時間くらいってとこだ。余裕はもう一切ねーな。」
ヘイトちゃん「二時間・・・誰も何もしなかったら二時間後にはサルーインちゃんさまは・・・ヒィィィィィ!!!!」
ストライフちゃん「二時間・・・百二十分・・・!」
ワイルちゃん「百二十分ってことは・・・えっと・・・えっと・・・7200秒ですね。7200秒?たったの7200秒ぉぉぉぉ!!?」
ヘイトちゃん「ちょっとぉぉ、一秒が7200回繰り返されるのなんてすぐじゃないのよぉゥぉぉ!@■!!」
スペクターくん「ああ、こうしてる内にも一つ二つカウントが減っていって・・・!」
ワイルちゃん「あと7192秒!!」
ヘイトちゃん「あと7191びょおおっぉおぉぉふjどfんdgkfdjさlfsd!!」
アル「一々カウントすなやかましい!!さぁ、今すぐにでも、いや、今すぐ行くぜ!」
38716/23:2006/02/27(月) 03:19:37 ID:???
ワイルちゃん「・・・あ、で、でもデスちゃんさまとシェラハちゃんさまは・・・」
アル「んなのほっとけ、確か命に別状はないんだったろ?」
ワイルちゃん「で、でも・・・」
アル「じゃあお前だけここに残るか?」
ワイルちゃん「それは・・・」
言葉を詰まらせるワイルちゃん。
見かねたスペクターくんが言いました。
スペクターくん「じゃあさー、僕がここに残るよ。僕一人いたってなんか役に立つことあるかっていうと無いだろうし。」
ワイルちゃん「えっ、ホントですかスペクターくん!」
ヘイトちゃん「アンタ一人で大丈夫なのぉぉ???迷子になったり物乞いになったりしないィィィ????」
スペクターくん「大丈夫!僕は実は世渡り術には自信あるんだ。心配要らないよ!ハハッ!」
ストライフちゃん「いや、そういう問題じゃなくてだな。」
アル「そうそう、・・・大丈夫なの?そのガラで。モンスターと間違われて殺されるなんてことも・・・」
スペクターくん「こ、殺されっ!?・・・・・・・・・だ、大丈夫、大丈夫、なんとかまかるって。」
ワイルちゃん「本当ですかぁ〜?殺されちゃったら私嫌ですよ〜」
ヘイトちゃん「大丈夫大丈夫★ しゃべる猫だって珍しがられないこのご時世この学園、
        こんなの一匹いたって簡単には殺されないわよぉぉ!!中b!a」
ストライフちゃん「だな。」
アル「よし、じゃあ決まりだな!さてこれ以上時間は無駄にできねーぜ、いくぜ、まずはリガウ港だ!」
立ち上がり一度ぐいーっと伸びをした後、ダッと駆け出しました。
ヘイトちゃん「よっしゃあああ、行くわよぉぉう!○l*!!」
ワイルちゃん「スペクターくん、じゃあ行ってきますね!」
スペクターくん「よっしゃー、行ってらっしゃいなみんな!!」
ミニオンズも、アルを追って駆け出しました。

・・・人気の無いリガウ寮の廊下に、スペクターくん一人ポツンと残されます。
スペクターくん「・・・・・・・・・」


”ちょっと見て奥さん、なにあの変な生物!殺しちゃいましょ!!”
”あっ、社長あんなトコに見たこと無い生物がいますよ。いっちょ殺してきていいですか?”
”ほげほげ、おや、見たこと無い生物じゃのう。どれ、殺してみるかのう。”
”あっ!あんな所に変な生き物がいるよ〜!ママ、あれ殺していい〜?”


スペクターくん「・・・・・・不安だ・・・」
スペクターくんは泣きたくなりました。
38817/23:2006/02/27(月) 03:20:24 ID:???
ここは、どこなんだろう
何もない。何も。
人も。物も。色も。光も。闇も。何も・・・
何も・・・

・・・声がする。


”おい!!”


懐かしい・・・でも誰よりもいとおしい・・・
このちょいSっぽい声色・・・Sっぽい・・・

サルーインちゃんだ!

サルーインちゃんがいた。
前方三十二歩の距離。誰よりもいとおしい・・・
微笑んでいる。ちょいSっぽい微笑み。
ああああああああサルーインちゃんはぁはぁはぁはぁ
そんなところで何微笑んでるんだいぃぃぃ!!!!こんなところでこんなことしてないで早く帰ろう!!さぁ一緒にはあはあはあはあ!!!

えっ、ちょっ、まっ、待ってよ・・・待ってよ、サルーインちゃん!!

サルーインちゃん・・・僕のサルーインちゃん・・・
どこへ行くの・・・サルーインちゃん・・!
行かないでよ・・・僕も・・・そっちに行くから・・・
追いつかない・・・追いつかない!
・・・なんで・・・なんで追いつかないんだよ・・・もうすこし待っててよサルーインちゃん・・ねぇ、お願・・・
ってか、ちょまっ、そんな足速かったんだサルーインちゃん!?っつか何その常識外れた速さ!?
ちょまっ、おかしくねっ!?っつかなにかの法則を無視してるとしか思えないよそれ!その走り方とか早さとか!ちょ、まっつ、サルーインちゃん!!
あっ、それ反則!!反則どころか、ど、どうやってやったんすかそれ!!え?そんな、えーーっ!?あ、いや、ちょ、ちがっ、待ってってば!!
だが・・そんなところも・・・はぁはぁ!!じゃあなくて!!待って!!待って待って!!!

待ってくれよおおお、サルーインちゃああああああああああん!!!!!!!!


『やかましい!!』


は?・・・って、げぼっ!!
38918/23:2006/02/27(月) 03:20:58 ID:???
頭痛い・・・誰だ、僕をいきなり殴ったのは?出て来い!!

『まったく、こんな所でも騒々しい貧乏人だ。あはあはははは』

あはあはは?ん、この笑い方・・この声・・・このSっぽい笑い方と声・・・Sっぽい・・・

サルーインちゃん!?

『そう、サルーインちゃんさまだ。紛れもなくここにいる私こそが真のサルーインちゃんさまであられるぞ。あはあははは』
ああ、サルーインちゃん!!やっと追いついた!!ってあれ?サルーインちゃんはいまあっちにいったはずじゃ・・・
『は〜あ?あんなの私じゃないぞ。大方貴様の作り出した私の影かなにかであろう。本物の私は、ほれ、ここにいるぞ。ここ、ここ。』
そうか・・・!そういえば久しぶりだねサルーインちゃん・・・!!ああ、こうやって二人で言葉を交し合えるなんて・・・はぁはぁ!!
あれ?サルーインちゃんなんか見たことない服装だね。すごい似合ってるよ!!はぁはぁはぁ!!
『一々『はぁはぁ!!』を語尾に持ってくるな!暑苦しいんじゃボケ!!
 ・・・さて、貧乏人。一つ聞くぞ。貴様はなぜこんな事態なのにこう暢気に眠っているというのだ?』
え?
『私は今大ピンチなのだ!!まぁ実際のトコ何がなんだかよくわからねーけどとにかくやばいのだ!!
 なんかしんないけどとりあえずやばい!今そーゆー状況!!なのになんで貴様は眠っておるのだ!?』
え?え?眠る?大ピンチ?ちょっ、話をまとめて・・・
『くっ、いかんな・・・ダメだ、このままではすぐに消えてしまう。説明は省く。とにかく起きろ!!
 ・・・いま、いま頼りなのは、お前しかいないんだ!!・・・ミルザ!!』

・・・・・・!!

『私にはわかる。場所・・・貴様が向かうべき場所・・・。私が導こう。だから起きろ!』
起きるって言っても・・・どうやって・・・
『とにかく起きるんだよ!!ミルザ、貴様は騎士なのだろう?騎士は何事も諦めず何事にも屈せず正義を貫き悪を挫くと聞くぞ。
 今私の周りには厄介な大悪が渦巻いているようだ。放っておいていいのか、寝ていていいのか!気合で起きろ!!さぁ、早く!!』
・・・!!
サルーインちゃん・・・


”まさか・・・あの、サルーインちゃんが――――”


「サルーインちゃん!!」

39019/23:2006/02/27(月) 03:21:59 ID:???
ミルザくんは跳ね起きました。

ミルザくん「・・・・・・・・・」
息を荒くつき、どこを見るでもないその目は未だ焦点が定まっていません。
水のせせらぎ。風のささやき。木々の摩擦。
この場所がマラル湖だと把握するのに、ミルザくんはかなりの時間を要しました。
ミルザくん「・・・僕は。」
うわ言のようにそう呟いた後、ミルザくんは己の腹部に何か光る物体がある事に気づきました。
ほぼ無意識のままその光るものを拾い、見つめるミルザくん。
透明な、いや、少し赤みがかかっているキレイな宝石の――

ミルザくん「オイゲン!!ジャミル!!」
ミルザくんはそう叫ぶと、まず寝ているオイゲンくんに駆け寄りました。
ミルザくん「起きて、起きてオイゲーン!!起きて起きて起きてぇぇーーー!!」
パシン!パシン!パシン!
オイゲンくん「ぐべらっ!!べらっ!ぼらっ!!・・・な、なんだぁ!?」
ミルザくん「やった、起きた!!実は・・・ああ、ジャミル!!」
ミルザくんはジャミルくんに駆け寄ると、オイゲンくんにしたのと同じように渾身の力を込めてジャミルくんの頬を張りました。
ジャミルくん「ぶっ!!・・・な、なんだぁ!?まだお天と様もおひるね中なのになんだってオイラがこんな時間に・・・」
ミルザくん「二人とも、よく聞いて!!」
オイゲンくん、ジャミルくん「んあー?」
二人の顔は、寝惚けてほとんど正気がないようです。
ミルザくん「今からワロン寮のジャングルに行こう!!融合を阻止するにはワロン寮のジャングルに行くしかないんだ!!」
オイゲン、ジャミルうん「はぇ!?」
唐突なミルザくんのその発言に驚く二人。
ミルザくん「もう時間は残されていない。一刻も早く・・・」
オイゲンくん「ちょっ、待て、待て!なんかいま頭が回らないんだ、ちょっと頭ん中整理するから焦るな!
         ・・・・・・そうだ、そういえば俺達は月の舟から転落して・・・そうだ、サルーインがアムトのシンボルに!!」
ミルザくん「そうそう、だからエリスのシンボルであるモンスターとの融合は絶対に阻止しなきゃいけない!
       そのためには今からワロン寮のジャングルに行く必要があるんだ!」
オイゲンくん「どうして?」
ミルザくん「サルーインちゃんが言っていたんだ!!」
オイゲンくん「はぁ?」
心底あきれ返った声を出すオイゲンくん。
39120/23:2006/02/27(月) 03:23:23 ID:???
オイゲンくん「・・・そ、そりゃどういう意味だ、まさか、あの、なんつーか、妄想テレパシーみたいな・・・」
ジャミルくん「ミルザ、お前そこまで・・・」
ミルザくん「違う、違うんだって!たぶん違う!妄想テレパシーなんかじゃないはず!!きっと、いや、
       絶対サルーインちゃんが僕を頼りにしてテレパシーを・・・いや、でもなぁ、確かになぁ僕みたいな貧乏人にまさかなぁ
       ・・・じゃなくてっ!!絶対これはサルーインちゃんからのメッセージなんだ!!『ワロン寮のジャングル』へと!!
       この宝石から・・・確かに声がしたんだ、サルーインちゃんの!!」
ミルザくんは先ほどの赤みがかかった宝石を突き出しました。
ジャミルくん(・・・あれ?なんかこの輝き方見たことがあるような)
ミルザくん「・・・二人が行きたくないなら、とりあえず僕だけでも今からワロン寮のジャングルへ行く。行かなきゃいけないんだ。」
ミルザくんのその口調は確信に満ちています。
オイゲンくん「・・・そこまで自信持ってるトコ見ると、なんかもうこっちまで信じざるを得なくなっちまうな。」
ジャミルくん「どんな事が起こったってちっともおかしくない、今はそんな事態の真っ只中だしなぁ。・・・あれ?」
ジャミルくんはすぐに腕の違和感に気づきました。
ジャミルくん「あれ、あれ?ない、ないぞ!!うわぁぁぁオイラの水龍様の腕輪がぁぁぁ、ないぃぃぃぃぃ!!!?」
オイゲンくん「なんだよ?泥棒が泥棒されちまったのかよ。・・・・って、そういえば水龍は?エリスさんは?ど、どこへ!?」
ジャミルくん「あの気まぐれドラゴンめっ!突然腕輪ごといなくなりやがってっ!」
オイゲンくん「もう見るからに感じるからに適当で無責任なヤツっぽいもんなあいつ。
         ・・・あれ?いなくなった、と言えば・・・どうして俺達寝ていたんだ?」
ジャミルくん「オイゲンも寝てたのか?何でオイラ達こんな草っぱらで並んで仲良く寝てたんだろな。」
ミルザくん「僕達とっくに大人の仲間入りしててもいいくらいの年頃なのにね。」
ジャミルくん「そーいう問題じゃねえよ!」
ミルザくん「・・・あっ、そうだ思い出した!!」
オイゲンくん「何をだ?」
ミルザくん「たしか・・・そうだよ、僕達、舟が落ちた後にエリスさんに眠らせられたんだ。」
オイゲンくん「眠らせられた?・・・そうだったっけ?」
ミルザくん「うん。・・・確かに僕達はエリスさんに・・・」

―――・・・ほんとうに、ありがとう。でも、もうお眠りなさい。
     これ以上あなた達に迷惑はかけられない。・・・後は私たちに任せて・・・―――
―――・・・いやだ!・・・サルーインちゃんのところへ・・・・・・行くんだ・・・―――
39221/23:2006/02/27(月) 03:24:42 ID:???
ミルザくん「二人はすぐに眠っちゃったけど、僕は少し抵抗をした。だから覚えている。
       エリスさんは、これ以上あなた達に迷惑はかけられない、と言った・・・」
オイゲンくん「・・・という事は、エリスさんと水龍は二人だけでこの事を何とかするつもりなのか。」
ジャミルくん「・・・ちぇーっ、何だよそれってつまり要するにオイラ達を頼ってくれてないってワケー?
        結構色々したのになぁ。なー?」
オイゲンくん「むしろ頼っちゃいけないと思ってるように聞こえるけどな。実際頼れる頼れないはともかくとして。
        ・・・せっかくここまで来ちゃったんだから、俺は最後まで付き合ってやってもいいんだが・・・なぁ、ミルザ?」
ミルザくん「うん、もちろんさ!・・・・そのためにも、今から僕達はワロン寮のジャングルに行くんだ!
      ・・・オイゲンは最後まで付き合ってくれるつもりなんだよね、よかった!さすが!!・・・ジャミルは?」
ジャミルくん「ん、オイラ!?・・・ん〜、このまま家帰っておやすみハイまた明日、ってのも・・・なんか後味悪いしな。
        ・・・それに、何より麗しのサルーイン姫君の大ピーンチ!!なワケだから・・・オイラもついていくぜ!!」
ミルザくん「さっすがジャミル!!よーし、じゃあ行こう、ワロン寮のジャングルへぇ!!」
オイゲンくん「おい、ちょっと待てよ。こっからワロン寮のジャングルって・・・よくよく考えると、あの、遠すぎないか?」
ミルザくん「えっ、あっ!」
重大な事実に気づくミルザくん。
ミルザくん「マラル湖から騎士団寮まで40分・・・騎士団寮からブルエーレ寮まで船で30分・・・」
ジャミルくん「ブルエーレ寮から徒歩でメルビル寮まで一時間ちょい・・・」
オイゲンくん「メルビル寮からワロン寮まで船で30分ってとこか・・・」
ミルザくん「合計・・・二時間四十分!?行くだけでも大旅行じゃないか!!」
オイゲンくん「・・・おいおい、どうするんだよ?そんな時間掛けてたら・・・蝕なんてあっというまに・・・」
ミルザくん「・・・それでも行くしかないじゃないか!行かないで黙ってるよりはマシさ!」
オイゲンくん「確かにそーだけれども・・・ええい、ジャミル!なんか持ってないのか!?どこでもドア的なさー」
ジャミルくん「ああ、今俺のポケットからもしそんな感じのものが出てきたらどんなに幸せなことか・・・!
        というか、今だけじゃなくてもいつも俺のポケットからもしそんな感じのものが出てきたらどんなに幸せなことか・・・!」
ミルザくん「わかるよその気持ち・・・!僕も、サルーインちゃんとの貧富の差を考えるたびに思うんだ、そんな事を・・・
       くっ・・・うらやましい・・・のび太くんがうらやましいよ・・・!この上ない勝ち組っ・・・!!勝ち組っ・・・!!短パンメガネの幸せ者っ・・・!!」
オイゲンくん「・・・・・・・・・」


(・・・・・・・・・まだここにいたのか、あの馬鹿ども・・・・・・・・・・・・・・・
しかしあと二人が見当たらないな。・・・・・・まぁ、いいとするか・・・・・
ミルザ、オイゲン。あとあのおまけ。連れていってやろう・・・・・・・・・・
ゲートなぞ帰ればいくらでも置いてある。一つくらいどうってことは・・)
39322/23:2006/02/27(月) 03:25:24 ID:???
ミルザくん「ええ〜いっ、クヨクヨしてたって埒が明かないや、さぁ行くぞみんな!」
オイゲンくん「マジで行くのかぁ?・・・エリスさんと水龍が何とかしてくれるって〜。
         蝕が始まるまでワロン寮のジャングルに行くのなんて無理じゃん。ほら見てみろ空を。」
空を指差すオイゲンくん。二つの月が隣り合って輝いています。
ジャミルくん「なんか一気に気が抜けちまったな〜ぁ。」
ミルザくん「で、でも!・・・・・・・」
ミルザくんは言葉を失いました。
静寂が空間を包み始めました。

・・・・・・空間が黒く揺らぎます。

ジャミルくん「のわっ!!」
ジャミルくんは尻餅をつきました。
オイゲンくん「どうしたオイゲン?えっ、!・・・何だこれは!?」
ジャミルくんが見た物を、今オイゲンくんが見て同じように驚きました。
俯いていたミルザくんが顔を上げます。
ミルザくん「どうしたの二人とも!?な、何だこれは!?」
ミルザくんも同じように驚きました。
三人の視線がある一点に集中します。
そこにあるものは・・・

「どこでも・・・・ドア?」
39423/23:2006/02/27(月) 03:27:00 ID:???
空間がポッカリと口を開けていました。中には全く別の風景が広がっています。
夜の密林・・・星が多い・・・ジャングル・・・
ジャミルくん「お、おいおい、何だよコレは!いまいきなりグワッて出てきたぜ!」
オイゲンくん「超常現象か!?一体これは・・・」
ミルザくん「どこでもドアだ!どこでもドアだよ!ほら見てよオイゲン。別の風景が広がってるよ、
       しかもこの風景・・・見覚えある、そうだよ、ワロン寮のジャングルだ、これ!」
オイゲンくん、ジャミルくん「なにぃ!?」
ミルザくん「きっと神様あたりが見かねてこれを出してくれたんだ!いや、違うな、サルーインちゃんが!きっとサルーインちゃんが!」
オイゲンくん「まぁ、それはないだろうが、今ここにこんなものがあるって事は確かなわけだ・・・
         ・・・ホントわけわかんねーけど、・・・どうだ、入ってみるか?」
ミルザくん「もちろん!僕は入るよ!!」
ジャミルくん「・・・オイラも入るぜ。こんな体験一生できそうに無いからな、ウン。しっかしホント不思議なことばっかり起こるなぁ、今日は。
        船が月の光を渡った。水龍の口の中にワープした。儲けが無かった。
        変な女に殺されそうになった。でかいしゃべる猫に襲われた。黒い鎧の怖いヤツに襲われた。」
オイゲンくん「ホンット厄日だなジャミル。同情するよ・・・
        ・・・さて、じゃあさっそく入るぜ、準備はいいか?」
二人は勢いよく頷きました。
そおっと空間の穴に足を踏み入れ、体を入れます。
三人が全員空間の穴をくぐったとき、その黒い穴は掻き消えるようにしてなくなりました。


マラル湖の中心にすぅと現れる影がありました。
その目が、鈍い緑色に光っています。
セージ「一足遅かったか!・・・しかしあの穴はまさか奴が・・・相変わらず小癪でむかつくマネをする奴だまったく。
     ・・・まぁ、でもいい。結局は自ら死ににいってくれるのと同じだもの。僕が手を出すまでもない。
     ・・・もう残る時間は僅かだ。僕も会場に行って宴の準備でも手伝っておくとするかね。ふふ。」
それだけ呟くと、再びセージは姿を消しました。
395ゲーム好き名無しさん:2006/02/27(月) 03:35:55 ID:???
続きはまた後でできたら投下します。
細かい矛盾は見逃してやってくださいな
396ゲーム好き名無しさん:2006/03/01(水) 13:41:48 ID:???
 早     /::::l:::l::、:::::、:::::ヽ::、::::::::::::\:::\::::::::ヽヽ::::::ヽ   駄
 .く      /:::!::::i:::!:::ヽ:::ヽ::::::ヽ::ヽ、::::::::::\:::ヽ:::::::ヽヽ::::::',   目 
 な.     /:l::::!::::ヽ!::ヽ:::::::ヽ:::::::\:::ヽ、::::::::ヽ:::ヽ::::::::!::i:::::::!  だ 
 ん   ハ:::l:::::、::::ヽ::::\:::::\:::::::\:::`ヽ、:::ヽ::ヽ:::::!:::!:::::l
 と   /:::::::l::::::!ヽ:ヽ::::、:::::ヽ:::、:\::::: \::::::\::::!::::ヽ:!:::i:::l:l  こ
 か  !:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::\:::ヽ::::\:::\::ヽ:::::::ヽ!:::::::}!::::l::li|   の
 し  j/:::l:::::!:、:::!::ト、:、:ヽ:::::`ヽ{、::::::\::::\{、::::::::::::::::i::!::l:l !   糞
 な    l:i:l::::i::i:、:l::lテ=-、:ヽ、_、::\_,≧ェュ、_、\:::::::::i::li::!::リ   ス
 い   !ハト:{:!:i:トN{、ヒ_ラヘ、{ >、{ 'イ ヒ_ラ 》\::l::!:ト!!:l::l!     レ
 と     ヽ i、ヽ:ト{、ヾ ̄"´ l!\   `" ̄"´  |::!:l::! j:ll:!
  :      !::、::::i      l             u |:::/lj/l:!リ
  :        ヾト、:!u                 j!/ j|:::リ
          ヾ!    ヽ  ‐       u /イ´lハ/
            }ト.、  -、ー-- 、__      /' !:://
             リl::l゛、  `二¨´    /  |/:/
         rー''"´ト!::i{\       /  / !:/
        / ^ヽ  ヾ!  ヽ _,,、'´    /  j/
397ゲーム好き名無しさん:2006/03/02(木) 01:29:39 ID:???
何かあったのか?あまりに間空きすぎなんで感想書いちゃっていいか

>>395

まあ無難な展開…なのかな?銀仮面は予想通りソードスレイブだったか。しかし激しい性格だな。
ストライフちゃんのマガジン発言吹いたwそんなコマーシャルあったよな。
それにしてもスペクターくんとデスシェラハはこれで出番終了かな?
まあとりあえず続き頑張ってくれ。なるだけ早くな。
3981/18:2006/03/02(木) 23:35:18 ID:???
・・・ワロン寮ジャングル奥地。

雨林の直中に突如黒い穴が出現しました。
穴の中から、ミルザくん、ジャミルくん、オイゲンくんの三人が出てきます。
ミルザくん「ここは・・・」
ミルザくんの記憶のある風景と今いるこの森の風景が一致しました。
ミルザくん「ここは間違いなくワロン寮のジャングルだ!前一度ワロン寮のジャングルに来たことあったけど、
       風景の感じが同じ、本当にジャングルにこれたんだ!」
ミルザくんは感無量のため息をつきました。
ジャミルくん「マママ、マジかよ〜!な、なんか不気味だなぁ・・・」
ミルザくん「きっと・・・あれだよ、サルーインちゃんだよ!きっとサルーインちゃんが!」
オイゲンくん「まぁそれはないだろうが、何者かの手引きは感じるな・・・それにしてもあの黒い感じ、どこかで見た事があるような。」
ミルザくん「とりあえずは結果オーライザッツライトオーイェーってことさ!さあて気合を入れてまず・・・・
      まず・・・」
オイゲンくん「まず・・・どうするんだ・・・・・・?」
ミルザくん「・・・・・・・・・」
ジャミルくん「・・・・・・・・・」
ミルザくん「・・・・・え〜と。・・・あれ・・・?」
一瞬ミルザくんの手の内の宝石の破片が少し光ったようでした。
ミルザくん「・・・こっちだ!」
ミルザくんはジャングルのある方向を指差し、そこに向かって歩き始めました。
オイゲンくん「・・??・・・・・・???」
ジャミルくん「おい、ミルザ〜。なんだよ、それごまかしてるつもりか〜?」
ミルザくん「違うんだ、また感じたんだ、サルーインちゃんの・・・」
歩きながら言います。
ジャミルくん「ワケわかんね〜よ〜」
オイゲンくん「もうここまで着ちまったらミルザの言うのを信じて進むしかねえよ。」
ジャミルくん「うわぁ、何か今更になって不安になってきたぜオイラ。」
3992/18:2006/03/02(木) 23:36:22 ID:???
それから何分歩いた事でしょう。
三人はある気配を感じとり始めていました。
オイゲンくん「・・・感じるか?」
ジャミルくん「ああ。・・・と〜っても嫌な予感がするぜ。・・・泥棒やってるとさ、こういう事よくあるんだよね、嫌な予感するの。
        ・・・で、大体数分後には決まって悪いことが起きてんの。
        でさ、そうなるたび思うんだよね。『俺ってもしかしたら予言者の素質あるんじゃね?』って・・・」
オイゲンくん「予言者ってガラじゃあないけどな。」
ジャミルくん「なに!このばか!そうやってガラ、ガラってガラばっか気にしやがってよ〜!
        みんなガラに捕らわれて物事の本質を見抜けないよな、みんな結局はガラなんだよ!ガラ!ガラ!!ガラガラ!お前もガラガラだ!」
オイゲンくん「何をそんなに熱くなってんだよ!しかもガラガラ言ってて何がなんだか・・・」
ミルザくん「きっとジャミルもそのガラ関係で何か嫌なことがあったんだよ・・・そっとしておいてあげなよ。」
ジャミルくん「うう・・・オイラだって昔は・・・」
ミルザくん「・・・それはさておき、近づいてきているよ。僕達は確実に近づいている。
       ・・・この感じは・・・あまりいい気はしない。ジャミルの言うとおり・・・やっぱり何か悪い予感が・・・
       オイゲン、ジャミル!・・・武器を抜いておいたほうがいい。」
オイゲンくん「そうだな。」
ミルザくんはレフトハンドソードを取り出し、オイゲンくんはウコムの鉾を取り出しました。
ジャミルくん「武器ね。武器、武器・・・武器?」
ジャミルくんは一度、二度懐をまさぐった後、絶望的なある事実に気がつきました。
ジャミルくん「おれ、武器持ってねーーーーーーーー!!」
大げさに両手で頭を抱えながらジャミルくんが叫びました。
ミルザくん「ええ!?ジャ、ジャミル、それはまずいよ、武器が無いだなんて!」
ジャミルくん「よくよく考えたら俺は何かの手違いでここに来たわけだしな!持ってないのも当たり前だが・・・
       あっ★そうだ、そうだそうだぁ★ 俺には水龍の腕輪が・・・・・・ねーーーーーーーー!!!!!」
再び大げさに両手で頭を抱えながらジャミルくんが叫びました。
ミルザくん「ご、ごめんジャミル・・・」
ジャミルくん「い、いや、お前が謝る必要はないってミルザ。悔やむべくはあの時腕輪を使ってしまったことか・・・
        いや、もっと遡って腕輪を盗もうとしたことが失敗で!?いや、盗まにゃ生きてけない境遇に
        生まれたこと自体がそもそもの失敗でつまりオイラの誕生自体が一番の失敗なワケで!?ごごごごめんよ〜」
ミルザくん「ちょっ、悲観的になりすぎだって!大丈夫、生きていけばきっといい事あるって!」
オイゲンくん「そ、そうそう!ミルザの言うとおり!人生楽ありゃ苦もあるさってよく言うだろ?」
ジャミルくん「なんか微妙にずれてるところが逆にオイラの心を痛めつけるよ〜。」
ジャミルくんを慰めながら歩いていき、数分経ちます。
木々の複雑さが減っていき、視界が開けていきます。
それと共に、風の音とも葉擦れの音でも虫の声でも何物でもない何か”別”の音、そして邪悪な気配が強くなってくるようです。
・・・そして。
ミルザくん「・・・・・・オイゲン、ジャミル。」
オイゲンくん「・・・・・・なんかさぁ、大体予想できたぜ。・・・つまりさ。」
オイゲンくんはギュッと一層強く鉾を握り締め直しました。
ミルザくん「サルーインちゃんが僕達にさせようとしたのはこれだったんだ。・・・確かに。融合を阻止するには一番手っ取り早い・・・」
ジャミルくん「手っ取り早い・・・?・・・・・・これで!?」

三人の視線の先には、底が到底見えぬ程に無限に溢れかえったモンスターの群れがありました。
4003/18:2006/03/02(木) 23:37:31 ID:???
ミルザくん「いけええええ!!!」
オイゲンくん「うおおおお!!!」
剣閃が、共振剣が、八つ裂きが。
スウィングが、天狗走りが、光の腕が。
二人の、ミルザくんの、オイゲンくんの攻撃が、武器が、無限のモンスターの数を一匹一匹減らしていきます。
ミルザくん「このモンスター達、一匹一匹は取るに足らない単なる雑魚だ!
       それにしても、このモンスター達・・・この群れ・・・どこかで戦ったことがあるような気がしてならないんだ!」
別の群れに飲まれかかってゆくオイゲンくんに向かって大声で叫びます。
オイゲンくん「ああ、俺もだ。どこかで・・・どこかで・・・うわっ!」
オイゲンくんの頬をモンスターの槍が掠めました。
オイゲンくん「この肉野朗!!」
オイゲンくんの鉾がモンスターの分厚い肉で覆われた腹部を捕らえました。
貫かれたモンスターは、どろりと溶け黄色い小さい光を天に向かい放出させながら消えてゆきました。
天に向かって伸びてゆく小さい光の集まりを少し遠いところから見ていたジャミルくんが呟きました。
ジャミルくん「なるほど、あの光が月の光・・・つまりエリスのシンボルそのものってワケね。
        あれが全部天に帰ればもう融合は・・・。・・・のわぁ!?」
モンスターの群れから一匹、ジャミルくんに向かって飛び掛ってくるはぐれ者がおりました!
涎を垂らし牙を剥きワケの分からぬ猛り声を上げながら、ジャミルくんに体当たりを仕掛けてきます。
オイゲンくん「しまったジャミルが!」
薙ぎ払いながら叫ぶオイゲンくん。
気づき叫ぶことは出来ても、加勢しにいけるほど余裕のある状況ではありません。
ジャミルくん「マジかよ、参ったな!こんなところで死ぬなんてオイラごめんだぜ〜!
        でも逃げるワケにゃあ・・・せめて武器さえありゃ〜!」
ギリギリで敵の攻撃をかわしながら、泣きそうな調子でそう言うジャミルくん。
ミルザくん「大丈夫!?ジャミル!」
ミルザくんがジャミルくんの事に気がつきました。
ミルザくん「待ってて、いまそのモンスターを・・・ぐあっ!」
ミルザくんがジャミルくんの方へと目をそらしていたその一瞬の内に、ミルザくんはモンスターの一匹の体当たりを食らってしまいました。
不意の一撃に尻餅をついてしまうミルザくん。
ミルザくん「くそっ!」
体勢を立て直すまもなくモンスターの踏みつけが倒れているミルザくんに襲い掛かります!
ミルザくん(ダメだ・・・モンスターの群れが圧倒的過ぎて避けるスペースが・・食らう!!)
ドシャッ
一瞬のことでした。
ミルザくんの周りにいた十匹程度のモンスター達が、一瞬にして切り裂かれ、消滅したのです。
ミルザくん「な・・・!?」
たじろぐモンスター達。
ミルザくんはすぐに気がつきました。いつの間にか自分の目の前にある”男”が立っているのを。
その真っ黒な体は、ほとんど闇に溶け込んでいるようにも見えます。
???「立て。」
その声。風格。ミルザくんはその男が何者かであるかをすぐに理解しました。
ミルザくんは立ち上がると、怒りと少々の困惑を含めた調子でその男の名を叫びました。


ミルザくん「・・・・・・カヤキス!」
4014/18:2006/03/02(木) 23:38:34 ID:???
オイゲンくん「カヤ、キスゥ!?」
ミルザくんの声はオイゲンくんの耳にも入ってきました。
オイゲンくん「カヤキスがどうしたミルザァ!!大丈夫かァ!!」
その声はすぐに圧倒的な群衆の波に揉まれ掻き消えてしまいました。


ミルザくん「カヤキス!・・・何のようだ、また僕達を邪魔しにきたのか!させないぞ!!」
カヤキス「・・・生憎だが、今回用があるのはお前達のほうではない。」
ミルザくん「えっ!」
カヤキス「今回の私の敵は、こちらの愚かな肉団子の群れどもだ。」
カヤキスが打槍『カヤキスの鉾』を構え直し、モンスターの群れに向かって打ち付けました。
ミルザくん「えっ!?」
カヤキスの意外な返答にミルザくんは驚愕しました。
カヤキス「見ての通り事情を説明している暇は無い。というか仮に暇があったとしても絶対教えてやんねーけれども、
      とりあえず今は私とお前たちは戦う理由がないという事だ。」
ミルザくん「・・・・・・意味が、分からないぞ!戦う理由って・・・お前は・・・」
カヤキス「無駄口を叩くな!無駄口を叩く暇は全て敵を消すことに回せ!!エグドー」
カヤキスはやたら腑抜けた声を上げると同時に戦鬼の如く突きの雨をモンスターの群れに繰り出しました。
ミルザくん(・・・何がなんだか分からない、けれども、今はこんな奴よりモンスター達を倒すほうが優先的なのは確かだ!)
ミルザくん「とりゃあああああ!!!」
気合の入った声をあげ、ミルザくんも群れに再び攻撃を繰り出し始めました。


ジャミルくん「ありゃあカヤキスだ!あれ、でも攻撃しているのはモンスターの方で・・・ぎゃっ!!」
モンスターの体当たりをかろうじて避けるジャミルくん。
ジャミルくん「あ、あぶねーあぶねー!くそっ、どうするよ俺・・・せめて武器の代わりになるもん・・・なんか、なんか無いかなんか!」
執拗なモンスターの体当たりを猿のようにかわしながら、滅茶苦茶に懐をまさぐるジャミルくん。
背中に手を回したとき、なにか固く大きい物の感触を感じました。
ジャミルくん「こ、この感触は・・・ぶ、武器!?」
ジャミルくんは不自然さと違和感を見てみぬ振りして、勢いよく服の中に手を入れ、『武器』を取りました!
ジャミルくん「・・・・・・って、これかよ!!」
ジャミルくんは愕然としました。
ジャミルくんの手の中には、いつぞやのデブ猫、アルの牙があるだけでした。
モンスター『グオオオオ!!!』
ジャミルくん「ぎょへえええええ!!!」
モンスターの突進が一層凶暴性を増して行きます。
ジャミルくん「ったく、なんだよコイツは、イカレてんじゃねえのか!?っつかオイラに恨みでもあんのかこいつっ!?
        やっぱり、あれか、オイラのこのガラが気に入らないってワケ?いけないのはどこだ!?
        長い耳か?帽子か?髪型か?走り方か?走り方か?走り方か?クッソー!!」
ジャミルくんはアルの牙をしっかり握り締め、モンスターをギッと睨みつけました。
ジャミルくん「オラ来いよ肉団子、借りは返すぜ!」
4025/18:2006/03/02(木) 23:39:50 ID:???
吐き捨てるようにジャミルくんが言います。
何かが通じたのかはぐれ者のこめかみに青筋が入ったと思うと、今までで一番の猛り声を上げ飛び掛ってきました!
ジャミルくん「よっ、」
闘牛士のようにヒラリと身を捻って突進をかわします。
そしてそのまま牙を振りかぶりました。
ジャミルくん「そ〜らよっ!!!」
アルの牙が、はぐれ者の首筋に深く突き刺さりました。
モンスター『ガッ・・・グアアァァァッ・・・・・・』
醜いうめき声と共に地に倒れ、そしてはぐれ者は消滅しました。
光が解放されてゆきます。
ジャミルくん「ふぅ・・・くー、決まった!!ナイスだぜオイラ!!」
ひとしきり自己満足に浸った後、手の平のアルの牙をじいっと見つめ始めました。
ジャミルくん(・・・ありがとよでか猫・・・まさかお前に助けられるとはな・・・
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
        ・・・・・・・・・・・待てよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ジャミルくんの脳裏に、いま一つの革新的な考えが浮かび上がろうとしていました。


ジャミルくん(この牙を使って・・・助けを呼べるんじゃねーか・・・・・・?)


そう考えるや否や、ジャミルくんはモンスターの群れが見えなくなるところまで走ってゆきました。
ジャミルくん(ちょい待ってろよミルザ、オイゲン!いま加勢を呼んでやるぜ!!)
4036/18:2006/03/02(木) 23:41:21 ID:???
オイゲンくん「はぁはぁ・・・ぐっ、本当に・・・キリがねぇな・・・!」
休まずに巨大な打槍を振り回すオイゲンの疲労は既に尋常じゃないほどに溜まっていました。
倒しても倒しても一向に底が見えようとしない、無限のようにも思えるモンスターの圧倒的な数が、
精神の疲労をも着々と蓄積させてゆきます。
オイゲンくん「くそっ・・・」
湧くように次々現れるモンスターの群れ。
疲労し体の動きが鈍くなっていく事を実感しオイゲンくんは更に狼狽してゆきます。
己の持つウコムの鉾・・・明らかに先程よりも重い。
オイゲンくん「ケッコー体力には自信あったんだけどな、俺・・・
        やっぱ・・・舟の上で神雷打ちすぎちゃったのがいけなかったかな、
        挑発にまんまと乗せられちまって・・・バカだなぁ俺・・・」
挑発・・・

――もはやお前は蚊ほどにもないことがわかった――
――幸せに家庭を持っていいお父さんになってちょっと頑固なお爺ちゃんになってささやかな葬式を開いてもらえただろう――
――ついつい死ぬ間際の人にまで人生のアドバイスしちゃうから困る――

――・・・・・・カヤキス!――


オイゲンくん「・・・ああ・・・」
ギュッと一度強く鉾を握り締め直します。
オイゲンくん「・・・あーーーっ、思い出すだけでもムカムカする、あの糞やろうぁああああああぁぁぁぁ!!!!!!!
        クソォォォー、あの鎧野朗ぜってぇぶちのめす!!十数回ぶちのめす!!!
        いついかなる出来事が起ころうとも結果的にぶちのめす!!!
        ミルザ、そっちにカヤキスがいるんだろ!?今行くからちょっと待ってろおおぉぉぉぉ!!!!!」
オイゲンくんは空に向かって力いっぱいそう叫んだ後、鉾に力を集中させ始めました。
ウコムの鉾に、巨大な力が蓄積されてゆきます!
オイゲンくん「神雷!!!」
オイゲンくんの周辺に、神の裁きが落ちました。    
4047/18:2006/03/02(木) 23:42:09 ID:???
ミルザくん「あれはオイゲンの神雷・・・!今日何回目だ、大丈夫なのか!?」
敵を切り裂きながら誰に言うでもなくもなくそう言います。
カヤキス「ふっ、おそらく今のでLP切れて消滅したな・・・。南無。」
ミルザくん「ちょっ、物騒なこと言ってるなよ!」
カヤキス「あの男は表面冷静なようで実際キレやすく後先をあまり気にしない性格のようだからな。
      あいつは幸せな結婚生活を送れそうにないな・・・哀れなものよ。
      ふっ、しかしたかが人事だというのにここまで心配してしまう私は心が広すぎだな。
      広すぎる部屋というのも難儀なものだ。もう少し心の拡張工事でもしてみるべきなのだろうか。」
ミルザくん(なんかウゼェこいつ・・・)

「ミルザ!!どこだ!」

ミルザ「!!・・これはオイゲンの声だ、オイゲン、こっちだー!!」
ミルザくんは群れに飲まれ見えないオイゲンくんに向かって手をふって合図をしました。
しばらくして、ミルザくんの周辺の群れのある方向に道ができあがっていきました。
オイゲンくん「ミルザ!」
オイゲンくんがミルザとカヤキスの前に姿を現しました。
ミルザくん「オイゲン!大丈夫か!!」
剣を振り敵を蹴散らしながらオイゲンくんに向かって言います。
オイゲンくん「ああ、なんとかな。もうはぐれねぇぜ、それにしてもミルザ・・・あっ!てめぇカヤキス!やっぱりいやがったな!」
オイゲンくんの視線が黒い鎧――カヤキスを捉えました。
カヤキス「オイゲンか、また会ったな。(チッ、LP切れてねーじゃんこいつ)」
オイゲンくん「てめぇ、ここで会ったが百年目!!今度こそぜってーーーぶちのめしてやる!!」
カヤキス「・・・ふん。」
『グオオオオオオ!!!』
オイゲンくん「・・・あっ!」
オイゲンくんは見ました。カヤキスの背後、腕を振り上げ牙を剥くモンスター――
ガッ!!ガッ!!
カヤキスは後ろを向くまでもなく、モンスターの顔面を槍の柄で打ち抜き、倒しました。
オイゲンくん「・・・・・・!」
カヤキス「私はいまお前たちと戦うためにここにいるのではない、今の私の相手はこの雑魚どもだ。
      分かったら早くモンスターどもを削れ。今は犬の手猫の手嫁の手孫の手全部必要な緊急事態なのだ!」
ミルザくん「そうだ、オイゲン!カヤキスはいま僕達と戦う気はない、カヤキスは無視しろ!」
オイゲンくん「!!・・ったく、どうなってるんだよ!」
オイゲンくんは視線をカヤキスからモンスターに移し変え、鉾を構え直しました。
オイゲンくん「じゃあぶちのめすのはまた後だ!今はこのモンスター達だ・・・うおおお!!!」
戦いは激化してゆきます。
4058/18:2006/03/02(木) 23:48:07 ID:???
・・・ワロン寮ジャングル入り口。
ミニオンズとアルは、約30分の時間をかけようやくワロン寮のジャングルへと到着していました。
ゲッコ族「ジャングルの奥地へ行く船だぎゃ、乗るきゃね?」
アル「ああ、急いでるんだ、早く乗らせろ。」
ゲッコ族「・・・ぎぇぎぇっ、猫がしゃべった!・・・あ、あのー、もう一回なんかしゃべってください。」
アル「御託はいいからさっさと乗せろ!!」
ゲッコ族「ひー」

船に揺られながら、ぶつぶつとアルが悪態をつき始めます。
アル「・・・ったく、最近の奴らはしゃべる猫をすぐ物珍しがるから困る。」
ストライフちゃん「ここに来るまででもう何回目を付けられたか分からんな。」
ヘイトちゃん「アンタがでしゃばって人前でベラベラ喋ってンからいけないのよぉぉうう!!★@;・!!少しは自重しなさァァいい!!3!」
アル「すまん、すまんなんだが・・・何かオメーに言われるとすげーむかつくのはなぜだ?」
ストライフちゃん「大丈夫、それは半ば自然の摂理のようなもんだし。」
アル「なるほど」
ヘイトちゃん「あひゃー」
ワイルちゃん「ところでアル。時間的にどうです?船も早く来て予想よりも早くこれましたが・・・」
アル「んー」
少し夜空を見上げた後言います。
アル「十分とは言えないな。何せあのだだっ広いジャングルから人一人を探すワケだからな。
   残る時間からある程度はシンボルの位置は予測できそうだが・・・」
ストライフちゃん「アル、できるのか?」
アル「とりあえずは出来るだろうがな、こんなケースは初めてだからあんま自信ねーな。ま、何とかなるだろーよ。」
ヘイトちゃん「ちょっとォォ、いまいち頼りならないわねェアンタ。。。。」
アル「悪かったな。・・・・・・ん?」
突如、アルの目の色が変わります。
ストライフちゃん「・・・・・・?どうした、アル。」
アル「・・・・・・何だ、お前かよ!」
ストライフちゃん「はっ!?」
突如怒鳴りだすアルに驚くストライフちゃん。
ストライフちゃん「な、なんだなんだいきなりアル、どういう意味だそれは・・・」
アル「違う、お前じゃねえ!」
ストライフちゃん「えっ!?」
今度はしっかりこちらの顔を見られながら言われました。
ストライフちゃん「・・・・・・・・・?????」
困惑するストライフちゃん。
と、再びアルがまた何か喋り始めました。
アル「この疫病神め、さっさと失せろ!馴れ馴れしく通信してくるな!
    そうだ、エリスは?エリスを出せ。・・・は?なに?あんだって?」
どこを向くでもなくアルはそこにいない誰かと話しているように言葉を喋っていました。
ヘイトちゃん「・・・イカれた?」
ワイルちゃん「もしかしたらさっきのあの電話じゃないですかね。まったく分かりづらいにも程があるってものです。」
ストライフちゃん「電話・・・というのか、あれは?」
ヘイトちゃん「妄想テレパシー・・・みたいなもんじゃないの。」
ストライフちゃん「妄想?」
4069/18:2006/03/02(木) 23:49:02 ID:???
(アンタはもう分かってると思うから色々と省くが、今俺達は・・・そうだな、ミルザとオイゲンってヤツがいてエリスさんの仲間なんだが、
ワロン寮のジャングルでモンスターの群れ・・・『エリスのシンボル』を蹴散らしているんだ。)
アル「なんだって!?どういうことだそれは、エリスもそこにいるんだろうな。」
(エリスさんはいない。どこに行ったかも分からない・・・んだが、ともかく俺達は融合を阻止するためにモンスターの群れと戦っているんだ。
だが、人手が足りねぇ。アンタもエリスのお仲間ってコトは目的は同じだろ、助けに来てくれ!早く!)
アル「・・・なるほど、シンボルが引き合うのを阻止するのではなく、根底から条件を変えちまう。片方のシンボルを消しちまおうってことか。
   ・・・だがなー、俺はエリスにアムトのシンボルを保護しろと・・・」
(結局は融合阻止に繋がるんだからどっちだって同じだろ!頼むよ!今はまさに猫の手も借りたい状況なんだって。
今俺がこうして喋ってる間にもあいつらは戦ってるんだ、一刻も早く来てくれ、でないと全滅しちまうよ!)
アル「・・・そうだな、どーせ行き着くところは同じだし・・・じゃあもうすぐ行くからそこで待ってろよ!
   あとぜってー俺の牙を手放すなよ。いいか、何があっても手放すんじゃねえぞ。位置が分からなくなっちまうから。じゃあ切るぞ。」

アル「おい、おまえら。」
ミニオンズ「え、あ!」
一人喋るアルを呆然と見つめてたミニオンズははっとしました。
アル「目的変更だ。サルーインは探す必要は無い。」
ストライフちゃん「え?それはどういう・・・」
アル「簡単な話だ、俺達でこれから無数のモンスター達を倒して倒して倒しまくることになるってこった。理解したか?」
ヘイトちゃん「はあああああ????サルーインちゃん捕獲作戦はどうなったのよォォォう!!!!」
アル「詰まる所サルーインを助けるってことには何の変わりもねぇ、安心しろ。
    ・・・着いたみてーだな。」
船が、ジャングルの対岸に辿りつきその動きを止めました。
のそりとアルが立ち上がります。
アル「しっかりついてこいよ!」
ストライフちゃん「え、ちょっ・・・」
船を降りジャングルにたつや否や、アルはある方向目掛けてダッと走り出しました。
ワイルちゃん「え!?ア、アルどうしたんですか・・・」
ストライフちゃん「一人でどっか行くな危ないぞ!」
戸惑うミニオンズ。
アルは走るのを止めると振り向きミニオンズを怒鳴りつけました。
アル「だーかーら、ついて来いっつってんだろ!!のんびり歩いている暇はねえんだよ!!」
ヘイトちゃん「何よ、ついてきて欲しいなら初めから言いなさいよぅーー!!@;」¥!」
アル「だから言っただろ!!さぁ行くぞ!」
アルが再び走り出しました。
ヘイトちゃん「まったく、いっつも行動が唐突な猫ね、これだから最近の猫はぁもうっ」
ストライフちゃん「説明している暇はないとかいつも言うが最低限の説明は最低欲しいよなぁ。まったく困ったものだな最近の猫ケラは♪」
ワイルちゃん「とりあえずついていきましょう!」
ミニオンズ三人も、アルについて走り出しました。
40710/18:2006/03/02(木) 23:50:01 ID:???
ジャミルくん「よっしゃ、やったぜ!!」
ジャミルくんは牙を握り締めながら小躍りしました。
ジャミルくん「ミルザ、オイゲン、オイラちゃんと役にたったぜ・・・。
        まったく、ここ最近一番の幸運とピコンヌだったな、まぁ流石俺様とでも言うべきか・・・」
言いながらジャミルくんは近くの石に腰掛けました。
ジャミルくん「でもあの猫を信用しても大丈夫なのかなあ?でかくて喋るってだけで戦えるかどうかは・・・」
足をくすぐる葉も気にも止めずに再びジャミルくんは独り言を再開しだします。
ジャミルくん「・・・いや、信用できるできないじゃなくて信用しなきゃいけないんだ。
        猫の手も借りたいって自分で言ったじゃねーか、そうだ、猫の手があるだけでありがたいんだ・・・」
必死に自分に言い聞かせます。
ジャミルくん「とりあえずこの牙を手離さねーようにしないとな。こんなちっちゃい牙、
        無意識に落として気づかないまま、なんてコトはよくある・・・。」
過去今自分で言ったような失敗を何度かしたコトがあるジャミルくんは、
牙を懐に入れようとはせずに、手に持ち食い込むまで力強く握り締めました。
手の平を伝う尖った痛みで、牙の存在を忘れないようにしたのです。
ジャミルくん「後はここで待ってるだけでいいのか・・・?いや、とりあえずモンスターの所に様子を見に・・・
        いや、万が一のことがあっちゃーダメだ、オイラはここで来るまでひたすら待っているんだ・・・」
ジャミルくんの今の頭の中は友人二人のことで一杯でした。
ジャミルくん「ミルザ、オイゲン・・・頑張ってくれよ・・・。あと、俺は逃げたワケじゃねーからな・・・誤解してんなよ・・・。」
呟くジャミルくん。
その時でした。

「一本羽のついた帽子に緑の髪の毛のチビ。えーと、こいつか。」

ジャミルくん「!?!?」
唐突に背後から声。
ジャミルくんの心臓が爆発したように熱くなります。
ジャミルくん「だっ・・・」
勢いよく振り向きます。

人がいました。

大剣を振り上げていました。

ジャミルくん目掛けて――

ジャミルくん「なっ――」

ドシャッ
40811/18:2006/03/02(木) 23:50:45 ID:???
???「何だよ、避けんなよ。ウゼェな。」

男は大剣を砕けた岩から引き抜きながら言いました。
ジャミルくんは困惑しながらも軽く距離をとり、言いました。
ジャミルくん「なな、なんだアンタいきなり!?そそ、そんなモン人目掛けて振り下ろしてさっ、何のつもり?!」
???「テメーらを消しにきたんだよ」
さらりと言いました。
ジャミルくん「消す!?」
???「わかんねえかよ、てめえらがいちゃ神殿が開かないんだろ?俺は神殿に用があるんだ、だからてめーらをここで消しちまおうってハナシ。」
ジャミルくん「はぁ!?」
ジャミルくんはこの男の言っている意味がほとんど理解できませんでした。
ただ、今自分が命の危険に晒されているという事だけは嫌々理解してもいました。
???「しらばっくれてもムダだぜ。・・・どうしたよ?あー、まさかちょっとブルっちゃってる?情けねーなぁ、
     でも安心しろって。あんま痛めつけて反応を楽しむとか俺、そーゆー趣味はないから。」
意味深に被られた銀色の仮面の下から、くぐもった笑い声がもれ出てきます。
???「首でも胴体でも一発でチョンぎってそれでお終いよ!!」
ジャミルくん目掛けて勢いよく飛び出しました!
ジャミルくん「ちょ、まっ!!俺はっ!!」
無論仮面の男は聞く耳を持ちませんでした。
ジャミルくん「ぎゃっ!!」
大剣の一撃をかろうじて避けるジャミルくん。
男は間髪入れず二撃目、三撃目をジャミルくんに浴びせかけていきます。
ジャミルくんは一々悲鳴を上げながら、一つ一つ必死に飛び退るようにして攻撃を避けていきます。
ジャミルくん(なんだってんだよ、一体!!ワケわからねぇ、しかもあの攻撃、岩が真っ二つだぜ。
         あんなの食らったら一発で骨ごと断ち切られて・・・じょ、冗談じゃねえぞ!!)
嫌な汗が顔を伝います。
40912/18:2006/03/02(木) 23:51:44 ID:???
仮面の男は唐突に攻撃の手を休めると、ニワッと不気味に口を歪ませました。
???「随分必死じゃん?ウケるぜ。・・・・もしかして戦えないの?お前?」
ジャミルくん「・・・・・・さぁね。」
肩で息をしながら、それでも少し余裕があるようにジャミルくんは言いました。
ジャミルくん(どうする?どうする?どうする?武器も無い、手放す危険性があるから牙を武器にして攻撃するわけにはいかない、どうする?どうする?)
知恵を総動員しても、そう容易に打開策が思い浮かびません。
???「あらら、そんな冷や汗いっぱいかいちゃって。足もガクガク震えてるし。怖い?俺が怖いのかい?ぼっちゃん。」
嘲るようにそう言った後、仮面の男は一人馬鹿笑いを始めました。
しかしジャミルくんには悔しさだとか怒りだとかそういう感情は沸いてきませんでした。
ジャミルくん(そうだ笑うなら笑え、この状況を抜け出す方法をオイラが考え付くまでずっと笑っていやがれアホ。
         ・・・今の内に逃げるか?いや、逃げれば自分の位置を把握できなくなる。
         ミルザ、オイゲンの戦っている場所に戻れなくなってしまえば本末転倒だ、いや、ならば何か道しるべがあれば・・・)
???「もしかして武器とか持ってない?見た感じ術も使えないっぽいなァ。真夜中のジャングルに手ぶらで入ってきたわけ?大した怖いもの知らずじゃん♪」
ジャミルくん(どこに行っても同じようなジャングルだ、位置を把握することなんて簡単じゃねえ、
        逃げて巻いてここに戻ってくるなんて不可能だ・・・ならばミルザ、オイゲンのとこに逃げたら?
        ・・・ダメだ!面倒を持ち込むことはできねぇ・・・いや、どのみちこいつは俺を殺した後ミルザ、オイゲンも狙うつもりだったんじゃないのか?
        最初あいつは特徴から俺を探しているみたいだった。それにヤツはさっき『てめえら』と言ってなかったか!?)
???「・・・おいおい、人が話しかけてるってのに、ばっちりシカト?・・・なってないんじゃねぇの?そういう所さあ!?」
大剣を構え直し、ジャミルくんに突進してきました!
ジャミルくん「くっ!」
ジャミルくん目掛けて物凄い勢いで振られる仮面の男の大剣。
重い風切り音がジャミルくんの耳を叩きつけます。
ジャミルくん(あぶねぇ!あぶねぇ!!・・・そうだ、あいつさっき『てめえらがいちゃ神殿が・・・』とか言っていた!
        きっと神殿と融合には何か関係があるんだ、そして知っているんだやつは。俺達が融合を阻止しようとしているコトを・・・
        ヤツは融合を阻止してほしくない。もしかしてあの黒い鎧のヤツの仲間か?)
思考のパズルが無理やりにでもどんどん埋まっていきます。
ジャミルくん(ならどのみち戦うことになるんじゃないのか?面倒を持ち込むといっても所詮結果的には同じなわけで・・・別に・・・
        あーくそっ!!よくわかんねー!!ワケわかんねーー!!)
頭をガリガリ掻きながら今一度仮面の男を真っ向から見据えました。
男の仮面の下の目が、キュウッと細まります。
???「・・・すばしっこいねぇお前。・・・いつまで逃げてられる?もう一回いくぜぇ?」
剣を再び構え直します。
そして、長い舌をダランと出したと思うと。深くゆっくりと舌なめずりを・・・
ジャミルくんは、背筋に何かとてつもなく冷たい何かが通ったような感じを覚えました。

ジャミルくん(ダメだ・・・・・・。 怖 す ぎ る )

即決しました。
41013/18:2006/03/02(木) 23:53:15 ID:???
ジャミルくん「へ・・・へへ、」
一、二歩ゆっくり後ずさります。
少し間を置いた後、ある方向へ向かって一気に走り出しました!
???「なっ!」
突然の事に仮面の男は驚きの声を上げました。
あっという間にジャミルくんは闇と木々にまぎれ仮面の男の視界から消えうせてしまいました。

呼吸を止め、足の力を総動員し、ひたすらにミルザとオイゲンのいるあの地点へ向かって全速力で”逃げ”続けるジャミルくん。
冷たい風が凄い勢いで顔に覆いかぶさってきます。
しばらく経った後、ジャミルくんはふと後ろを振り返りました。男の姿は見えません。
ジャミルくん(な、なんだ、撒いちまったのか!?)
ジャミルくんは走るのをやめその場に止まりました。もう一度振り返ります。姿が見えません。
ジャミルくん(撒いちまったなら撒いちまったでそれに越したことはねえが・・・)
安心するべき状況なのですが、あまりにあっさり事がすんでしまったことに、違和感と不安が拭えません。
そわそわ辺りを見回してしまいます。あの男の姿は見えません。虫のさえずりと風の音以外の物音もありません。
ジャミルくん(おいおい、マジか?まさか、本当に撒けちまったのか?)
言いようの無い不安と恐怖。
・・・・それは的中しました。

「ん〜、甘い甘い。」

ジャミルくん「!?」
およそありえない方向からその声はしたのです。
ジャミルくんはその方向を振り向きました。
背後。下。足の下。
突如、足元からゴボリとあの仮面の男が現れました!

ジャミルくん(なんだってぇぇぇ!!!!???)

仮面の男は右拳を腰ダメに構え、勢いよくジャミルくんの腹を殴りつけました。
ジャミルくん「がばっ!!」
ジャミルくんの体が浮きました。
男が拳を離すと同時に、ジャミルくんは地面に突っ伏しました。
ジャミルくん「ガハッ!ゴホッ・・・!」
腹を押さえのたうち回るジャミルくん。
吸い付くような腹部の痛み。喉から焼けたものが出ていきます。
???「ハッハッハ!!無様な、どうだ?ビックリしたかよ!?」
ジャミルくんは涙目のまま、嘲笑しながらこちらを見下ろす仮面の男を睨み付けました。
そのジャミルくんの顔を見た途端、男の嘲笑が、爆笑へ変わりました。
???「ひゃっひゃひゃひゃひゃ!!!!おーおー、かわいそー!!痛かったか?あーん!?」
ジャミルくん(!!・・・この・・・やろっ!嘗めやがってよォ・・・・・・!)
涙で視界が霞んでゆきます。
41114/17:2006/03/02(木) 23:55:51 ID:???
???「さてと、お遊びはもう終わりにしよーぜ?いい加減飽きてたろ、怖がるのも。」
男がゆっくり大剣を振り上げるのが、涙で霞んだジャミルくんの視界でもしっかり確認できました。
ジャミルくん(お、おい、止めろよ・・・!冗談だろ、オイ!それ、振り下ろすのか?
        死ぬぞ?俺、死ぬぞ?俺が、死ぬ?殺され、る?)
思考がぐちゃぐちゃになってきます。
ジャミルくん(オイオイ、カンベンしてくれよ、なんで学園生活中に殺されなきゃなんねえんだ、俺の人生、通り魔に真っ二つにされて終了?
        マジか?ハハ、冗談にしちゃ笑えねぇ、ぜんっぜん笑えねぇよ、っていうか・・・ワケわからねぇよ!!)
仮面の男の口元が歪むのが見えました。大剣が、月に照らされ鋭く光ります。
ジャミルくん(オイオイ、あれ本物だよな、あれに切られたら?どうなる?死ぬよな、もちろん死ぬんだよな、真っ二つだよな、ああ!?
        ちょ、参ったな、何もしなきゃ死ぬよな、どうしろってんだオイ、死ぬ?バカ言え死にたくない!!仮に死んでみろ、
        ファラがいるんだぜ!ダウドもいるんだぜ!!ミルザもいる、オイゲンもいる、みんな悲しんじゃうじゃん。ほれみろ、死んじゃダメじゃん。
        それにな、まだまだ生きてやりたいこと、あんなことこんなこと沢山あるんだぜ。死んじゃダメに決まってんだろ糞ッたれ!!)
ジャミルくんは腕を立て、跳ね起きました。
???「れっ!?」
ジャミルくん「ふっざけんなよォォ!!!」
???「ぐばぁっ!!」
ジャミルくんのキックが、男の胴体を直撃しました!
仮面の男はそのまま音を立てて後ろに倒れました。
ジャミルくん「・・・・・・!!(や、やった・・・!すげぇぜ俺・・・!)」
倒れた男を見て、ジャミルくんは喜ぶと同時に少しだけ自分の行動に後悔し始めました。
???「テメェ!!」
男が立ち上がるのはすぐでした。
ジャミルくん(・・・そりゃ、そうだよな。・・・まだ状況は根本的には何も変わってねぇ、だが大分時間は経った、
         このまま耐え切ってれば・・・必ず助けが来る!それまで持ちこたえることができれば・・・)
ジャミルくんは立ち上がった仮面の男をキッと見据えました。
仮面の下の目が、先程よりも一層赤く鈍く光っているようです。
???「うぜぇ・・・うぜぇうぜぇ、やってくれるじゃねーかよぉオイ!!雑魚が粋がりやがって、すぐに殺してやるぜ!!」
大剣をジャキッとこちらに向かって構えました。
先ほどとは違い、隙の無い、無駄の無いしっかりした本気の構え。
ジャミルくん(もう逃げきることはできねぇ、攻撃を死に物狂いで避けるんだ!!やってやる、
        今まで泥棒やってきて何回こーゆー絶体絶命を抜けてきたと思ってるんだ、俺ならできる!!)
自らに言い聞かせます。
仮面の男が向かってきます!

『そこまでだ!!』

ジャミルくん、???「!!?」
辺りに、今までその場にいなかった何者かの声、ジャミルくんには全く聞き覚えの無い声が――
???「・・・何の、用だよ、」
仮面の男は、その声に覚えがあるようでした。
男がある方向を向きます。その先には、一人の・・・いや、一匹のモンスターが立っておりました。
ジャミルくん「な、なんだってんだ、一体。」
???「邪魔すんじゃねえよ、セージ!!」

セージ「あなたの相手はそいつじゃない、ソードスレイブ様!!」
412ゲーム好き名無しさん:2006/03/03(金) 01:29:44 ID:???
間違ってたらスマン ひょっとして、容量オーバーか?今496kb
413ゲーム好き名無しさん:2006/03/03(金) 08:42:10 ID:???
途中で止まった…な。
414ゲーム好き名無しさん:2006/03/03(金) 13:28:12 ID:???
書き込んでる途中で心臓発作で死んだのか?
415ゲーム好き名無しさん:2006/03/05(日) 15:48:25 ID:???
おーい大丈夫か>>411
書き込み途中でPCクラッシュしちまったんだろうか。いいとこなのに残念だ・・・
416ゲーム好き名無しさん:2006/03/08(水) 23:57:12 ID:???
さてどうしたもんか。書き手が行方不明で容量オーバーも近いか。
とりあえず雑談やら小ネタしながら保守っといて、
オーバーしそうなら次すれにこの話ごと移行。
411が帰ってこれなそうなら、こっからなんとか次の人がつなげる…って感じはどうかな?
417ゲーム好き名無しさん:2006/03/09(木) 08:46:01 ID:???
とりあえず次スレ立てるのが最優先事項だな。
誰か立ててよ、ちなみに俺は無理でしたとさ
418ゲーム好き名無しさん:2006/03/12(日) 01:20:06 ID:???
ダメだったー。他の人お願いします
419ゲーム好き名無しさん:2006/03/15(水) 01:35:25 ID:???
さようなら、ミルザくんたち
さようなら、ミニオンちゃんたち
さようなら、サルーインちゃん姉妹
さようなら、四寮長
さようなら、ゴブリンセージくんと将魔たち

さようなら、マルディアス学園
420ゲーム好き名無しさん
【ロマサガ】神立マルディアス学園五週目【ミンサガ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1142419772/

立ててきた。
これで終わりだなんて、信じないぞ!!!!