【ロマサガ】私立マルディアス学園週目【ミンサガ】

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1ゲーム好き名無しさん
まだマルディアス学園が創立して間もない頃、女生徒に魔性の美人三姉妹がいました。
付き合った男を次々に不幸にしてゆき
それをトラウマ自分語りする美人メンヘル一年生・シェラハちゃん。
破壊行為が大好きでチャームポイントは
タカビーナルシスト逆切れ八つ当たり露出狂の古風でつつましい日本美人二年生・サルーインちゃん。
骨格美人の三年生・デスちゃん。
彼女達はたぶらかした男達を率いて、生徒会長エロールちゃんに生徒会戦で戦いを挑みました。
激しい選挙運動で公害レベルでした。とくにミニオンちゃん達、の中でもヘイトちゃんが公害レベルでした。
生徒会長の座が危うくなってきたエロールちゃんは、貧乏な奨学生ミルザくんを宝石で釣りました
のではなく全校生徒を愛する生徒会長の役目として10個も宝石を施してあげました。
超セレブのお金持ちで超美人でいかにもSっぽいサルーインちゃんに密かに憧れていたMのミルザくんは
サルーインちゃんが生徒会長になって他の男に更に人気が出ることを断固阻止しようとしました。

※ロマサガを使って遊んでるスレだと割り切ってください。
※リレー小説形式です。次に書く人が自由に展開させていきましょう。
※ちょっとした雑談、小ネタもどうぞ。

派生元、もっと詳細なネタが見たい方はこちらもどうぞ↓
ミンサガのミニオン様はエロカワカッコイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1117463661/l50

前スレ・まとめ等、詳細は>>2以降で
2ゲーム好き名無しさん:2005/09/02(金) 23:14:48 ID:???
前スレ(実質2スレ目)【ロマサガ】私立マルディアス学園【ミンサガ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1121200048/

マルディアス学園まとめサイト
http://mardias.fc2web.com/

…スレタイの週目は 3週目 のタイプミスです。スマソです。
3ゲーム好き名無しさん:2005/09/02(金) 23:15:47 ID:???
登場人物紹介その一

★サルーインちゃん  破壊行為が大好きな超タカビーなお嬢さま。そのナルシストっぷりは常時半裸で
  自分を飾らない潔さ。ネクタイは飾りに入りません。反面ファーストキッスも今だ守ってる
  貞淑で身持ちの固い古風で純情派和風美人。エロールちゃんとは永遠のライバル。

★エロールちゃん 「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」を乱用する
  マルディアス学園の生徒会長。博愛主義を標榜して憚らないが一部で天然腹黒がバレている。
  表の顔と裏の顔『詩人』を使い分け、いい具合に調整している。

★ミルザくん  出稼ぎの為に上京してきた貧乏奨学生。「金、金、金!」がモットーの騎士団寮に寄宿している。
  毎日バルハルモンスターのバイトをして食い繋いでいる。潜在的Mで、Sっぽいサルーインちゃんに
  憧れており、『運命の赤い糸石』を求め学園中を奔走する。

★シェラハちゃん  サルーインちゃんの鬱病の妹。付き合った男を次々に不幸にして
  道端の人を捕まえては自分語りする。
  ミルザくんに肩入れをする。

★デスちゃん  サルーインちゃんのお姉ちゃんで骨格美人。三姉妹の仲で唯一正常だがマイルームから出てこない。
          アルドラちゃんをダークの姿にした。

★ワイルちゃん  ごく普通の子。サルーインちゃんへの信仰度は最も高く、
   サルーインちゃんのやる事成す事全てに疑いを持たない。
   その分、サルーインちゃんをけなす者、邪魔する者には容赦しない。
   クジャラート舎でミルザくんに接触した。
   風の術が得意。         

★ヘイトちゃん  公害。
   常ににぎやかで、サルーインちゃん一味のムードメーカー兼トラブルメーカー。
   変装が得意。スケートが趣味。彼氏持ち?
   ワロン寮でミルザくんに接触した。

★ストライフちゃん  人を虫けら呼ばわりするヤンキー気取りの優等生。水泳が得意。
     水中以外の場所では極度のアガリ症&恥ずかしがりやさん。
     意外とお茶目?

★アルドラちゃん  ミルザくんの事が大好き。
       ある日呪われた『ダーク 』の姿になってしまい、美貌と自信を失う。
       サルーインちゃんを心から嫌う。
4ゲーム好き名無しさん:2005/09/02(金) 23:16:30 ID:???
登場人物紹介その二

★オイゲンくん  ミルザくんの親友にして兄貴分。
     頭脳派で大人っぽく、ミルザくんとは正反対の性格。
     だからってSなのかどうかは不明。

★ツフ  バルハラントの村に住むスケバン。
    趣味はいい男探し。特技はスピアー。
    アルベルトをさらう。

★ナイトハルトくん 何やら何か偉い人。イスマス寮ディアナの婚約者。
      色々と謎の多い人物?糸石の一つアクアマリンと関係があるらしい。

★ファラ  クジャラート舎でウハンジに襲われていた所をミルザくんに助けられた。
  以後ミルザくんに惚れてしまう。
  ジャミル曰くサルーインちゃんがお前で俺がお前みたいな感じで。ありゃ?何がなんだか

★ジャミルくん  サルーインちゃんに一度告白して振られたクジャラート生。
    ミルザくんと意気投合する。ファラが好き。

★アルベルトくん  お姉ちゃん大好きなイスマス寮長ルドルフの息子。
    ミルザ曰く『妖精みたいな男の子』。
    ツフに惚れられてしまった。

★ディアナちゃん  イスマス寮長ルドルフの娘で、ナイトハルトくんの婚約者。
      器量もよし、性格もよし、しかも戦えると三拍子そろった才女。

★コルネリオ   ローバーン公。サルーインちゃんに一度ふられた?
     ワイルちゃんの下僕になった。

★ゲラ=ハ   ワロン寮のゲッコ族の青年。人間寮生との和解を望んでいる。誠実で素直。

★ラミアちゃん  謎の魔術師に仕える女モンスター。サルーインちゃんの弱点をつかむ。

★???  誰も見たことが無いと言う幻の島に住む謎の魔術師。
    まぁ、大体正体は分かるが、名前伏せとくか。

★アイシャ  『あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!シャシャシャタラールアイシャ!族!』
     『あたしタラール族のアイシャ!アイシャ!アイシャ!アイシャ!アイアイタラール族!』
5ゲーム好き名無しさん:2005/09/02(金) 23:18:15 ID:???
    )、._人_人__,.イ.、._人_人_人
  <´ グレイじゃ、グレイの仕業じゃ!>
   ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒v'⌒
/// // //" ::.              ヽ ./  ///
/ //// /|  ::              ゙)、  /// /
/// //:/ヽ`l ::              /ノゝ // //
// //|ヾミ,l _<   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ ヒ-レレゝ ///
/ // ;〉"l,_l " - (y○');::)  f';;(y○')ニ ゙レr-{ゝ/// ///
// // レ ヽ":::  ( ( ´ ;i,  i   ) )+    r';' }ゝ/// /
// / レ゙N l  +  ) )イ;:'  l  ( (   ,l,フ ノ ゝ  // /
// レレ |_i"ヽ;  ( ( ゙'''=-='''´`ヽ) ) /i l"Vゝ // //
// /レレ.|  ::゙l + ) )|.~ ̄ ̄ ̄~.|( ( ,il" .|'"レ.V ゝ /// /
/ .レ // {   ::| ( (||||! i|||: || |!.!| ) ) il   |レVレレゝ ///
/ ;レ/ ./ト、  :|.  U || | || || !! !!|| U ,l' ノト、レVゝゞ////
   ̄ | |  \ ゝ、゙ |!!||l ll|| !! !!| /;;,ノ;r'" :| | ̄ ̄\
    | |    `''-、 ! || |  || !!| '''"    ,| |     \
           ヽ`ー---−' /
6ゲーム好き名無しさん:2005/09/02(金) 23:21:48 ID:???
>>1さん
乙です!
7ゲーム好き名無しさん:2005/09/03(土) 22:53:02 ID:???
              ________..,,,, _
               ../        `'-,.`''ー ,,、             _____________
          ☆   /             \;;;;;;;;;`''ー 、        /
           /               ,i -┴、.;;;;;;;;;;;;;;.\      |
          /             ゙'''、;;;;;;;`''-、;;;;;;;;;;;;\   < グレイ可愛いよグレイ・・・・・・ハァハァ。
            |               i'.゙‐'-、;;;;;;゙ゝ、;;;;;;;;;.;\   |
        .. |                _,, 彡_;;;;;`''-、;;;;;゙''-、;;;;;;\  \_____________
         |                .l;;;/ ,-ヽ;-..,,,;;;;;`''-、;;;゙'‐;;;;;\
         ト‐i  ,i'''''''''''''''''''-,   .「 /  .|;;;;;;;;`''-、、;;`'-、、;;;;;:\
          鬱!  |;;;;;;;:鬱欝';;;;;;    |:::: .l,  .;;;;;;;;'''- ,,,;;`'ー、、;";;>
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       .,i‐' ̄ : ̄|____.. -     ::/     .,..ノ'、,;;;;;;;;;;;゙ゝ、.;;;;;゙''-、\ >
      / .i!;;;;;;;;;;;;;; l-―‐‐'"     /      /゛   ,> ......、.゙'-、;;;;;;'\
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8ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:19:12 ID:???

幕間劇6『たとえば、日陰で揺れるその花を』

夏も終わりに差し掛かり、涼しげな風が吹くある日。
ストライフちゃんはローザリア舎を散策していました。
そのストライフちゃんの目にある光景が飛び込んできました。
小さな花を悲しそうに見つめる7歳くらいの少女、という図でした。
ストライフちゃん「どうしたんだ?」
少女「ここに建物が出来始めてからからどんどん、お花の元気がなくなっているの」
足元に咲く花を見ると確かに、少し萎れていました。
ストライフちゃん「霊花か・・・」
ストライフちゃんは看板から建築業者を確認すると、小さく頷きました。
そして少女の頭に優しく手を置き、言いました。
ストライフちゃん「待っていれば、きっといいことがある」
そう告げると足早に去っていきました。
少女「?」
9ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:20:27 ID:???
しばらく後、同じく散策に出ていたワイルちゃんがやってきました。
ワイルちゃん「あら?どうしたんですか?」
少女「このお花が・・・・・・・」
少女から事情を聞いたワイルちゃんは少し考え込みました。
ワイルちゃん「そうだ!ひなたに移してあげればいいんですよ」
少女「どうやって?」
ワイルちゃん「わたしこれでも結構器用なんですよ。スコップと鉢植えさえあれば簡単です」
少女「このお花元気になるの?」
少女の顔に喜色が浮かびました。
ワイルちゃん「はい。・・・ところで代わりに一つお願いがあるんですが。
きたる生徒会選挙の時にサルーインちゃん様に一票を入れて欲しいんです」
少女「よくわからないけど・・・・わかった」
ワイルちゃん(やりました!支持者確保です!)
ワイルちゃん「よろしくお願いしますね!
じゃあ私は道具を取ってきますから待っていてください」
少女「うん!」
道具を取りに行くワイルちゃんのうしろ姿を見ながら少女は思いました。
少女(さっきのおねぇちゃんが言ってた『いいこと』ってこのことだったんだ)

ちなみに七歳児には選挙権はありません。
10ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:22:58 ID:???

さらにしばらく後、ワイルちゃんを待つ少女のもとに不思議な人が近づいてきました。
ヘイトちゃん「こぉぉぉぉおんなぁぁぁぁに天気がいいのはぁぁぁ、
わたしの美貌のなせるわざぁぁあっぁ‘(“$&#?*)
       雨がふぅぅぅるのはおっそらのしっとぉぉぉぉぉおぉ&〜+*PO=〜
       醜いやつめぇぇぇぇl〜肉を食えぇぇぇぇぇ〜肉を食えぇぇぇぇ〜^^--,]%&☆」
公共の場で凄まじい電波垂れ流す我らがヘイトちゃんです。
少女「・・・お、おねぇちゃん何?」
『誰』では無く、『何』なあたりに少女の動揺が見て取れます。
ヘイトちゃん「私の名前はへぇぇぇぇぇいとぉぉぉぉぉちゃぁぁぁぁぁあん。
       おじょぉぉぉちゃぁぁん、どぉぉぉしたのかしらぁぁぁ?
       顔が引きつってるわよぉぉぉ?」
その原因は誰が見てもヘイトちゃんでしたが、それを告げない程度には少女にも分別がありました。
少女「じ、実はこのお花が・・・・・」
ヘイトちゃん(霊花ですか・・・おもしろそうですね・・・)
イカレた言動の裏側の冷静な思考でヘイトちゃんは考えました。
少女「で、でもね!さっき優しいおね・・・・」
ヘイトちゃん「ひぃぃらめいたぁぁぁぁぁぁ;「^¥、−。^・¥」、・」@☆★!!!!!」
少女「ひぃ!」
ヘイトちゃん「この花が萎れているのは、
       この花が弱いからよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ&%#」*=|>★
       然るべき戦闘力を身につければいいんだわぁぁぁぁあぁぁぁぁあ*‘@?%&#」
裏側の思考は冷静にイカレていました。
少女「せんとうりょく?」
ヘイトちゃん「私に任せてぇぇぇぇぇぇぇ@‘:+#$%&☆」
少女の体を冷気が襲いました。
それは幼いながらも感じた本能的警告でした。
11ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:25:08 ID:???
少し時間は遡ります。
ストライフちゃん「・・・ふむ。変装の際は徹底的にキャラを変える事が重要・・・か。
         ・・・何?服装は特に変える必要はないだと?
         さすがにそういうわけにはいかんだろ」
『ヘイトちゃんの変装マニュアル 〜ロビン並にばれません〜 』
を閉じてストライフちゃんは立ち上がりました。
ストライフちゃん「まぁ、一部参考にするか」
ストライフちゃんは身支度を整え、眼前にそびえる建物、『トーマスカンパニー』に向かいました。

――トーマスカンパニー大会議室

トーマス「・・・では予定通りということで。安全第一でお願いします。
     期日に間に合わなそうな場合は早めに報告してください。ねまわしにも時間が要りますので」
うららかな昼下がり。定期報告会に突然一人の闖入者が現れました。
秘書「しゃ、しゃ、社長!突然変な人が!」
扉を開けて現れたのはトーマスの秘書でした。
トーマス「落ち着いて。何があったんです?」
バン!!!!
再び大きな音とともに大扉が開かれました。
トーマス「!?」
溢れるほどの光量を逆光にしたシルエットがそこに立っていました。
どこからとも無くギターを爪弾く音が聞こえてきます。
???「血塗られた富と権力にたかるウジ虫どもよ!己が姿を見るがよい!
    正しき道を示す光・・・人、それを『鏡』という!」
光量が抑えられ、シルエットは赤ずくめの姿を現しました。
トーマス「いや、そんな酷いことはしていませんが」
???「・・・・・・・・」
トーマス「・・?一体何の用ですか?」
???「・・・・・・・・・・・」
トーマス「・・・・・・あなた一体だr」
???「貴様らに名乗る名前はないっ!」
人の話を全く聞かずにその赤ずくめの人物は暴れ始めました。
トーマス「君達!早く逃げるんだ!」
術法が荒れ狂う中、トーマスが大声をあげました。
秘書「社長はどうなさるんです!?」
眼鏡を押し上げ、トーマスは槍を構えました。
トーマス「我が家の伝統でね、
     男は戦い方からメシの作り方まで一通りのことはこなせるようにしこまれるんだ」
???「まちなさい!」
トーマス「せんせい!」
せんせい「やはり わたしも いっしょにいこう!」
トーマス「はい!お願いします!」
こうして戦いは幕を開けました。
12ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:26:40 ID:???
トーマスカンパニーの死闘から二時間後
ワイルちゃん「いざ探すとなかなか手ごろな物が見つからないものですね〜」
腕には、花を移すにはやや大ぶりな鉢と、ごついシャベルが抱えられていました。
少女の元へと急ぐワイルちゃんの視界に見覚えのある人影が映りました。

ワイルちゃん「あれ?ストライフちゃんじゃないですか。
       どうしてそんなボロボロの格好なんですか?」
ストライフちゃん「いや、『とかす』があんなに強いとは・・・・・。
ワイルこそどうした?そんなものを抱えて」
ワイルちゃん「実はですね・・・・・」
ワイルちゃんは簡単に事情を説明しました。
ストライフちゃん「なんだ、ワイルもあの子に会ったのか」
ワイルちゃん「『も』ってことは、ストライフちゃんもあったんですか?」
ストライフちゃん「ああ。ご、誤解するなよ?話を聞いてやっただけだ!
         別にその子の為に何かしようだなんてかけらも考えてはいないからな!」
ワイルちゃん「別に何も言ってないんですが・・・・」

『きやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ@:;p&%$#・・・・・・』

少女がいた場所の方角から、聞いた者をあらゆる意味で不安にさせる悲鳴が響き渡りました。
ワイルちゃんとストライフちゃんは顔を見合わせると全力で走り出しました。
13ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:28:24 ID:???
現時刻

現場に辿り着いた二人が見たものは、霊花が変貌したと思われる奇面草、
そのツタにからめとられて気絶している少女、
そしてなぜか金髪のカツラをかぶり、両手を合わせているヘイトちゃんでした。
ヘイトちゃん「たすけてぇぇぇぇぇえ、スーパー●ニック●ラストマァァァァァァァン!!」

ストライフちゃん『わ た し の パンチをうけてみろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
ドゴン!!
ヘイトちゃんの顔面に拳が突き刺さりました。
バックに 220t と表示されました。
モヒカンの悪党なら指先一つでダウンです。
ヘイトちゃん「ちがう、あっち」
ストライフちゃん「うるさい!!貴様なにをした!?」
ヘイトちゃん「ひどいわぁぁぁぁぁ@p0−決め付けるなんてぇぇぇぇぇぇ@。・#%&」
ワイルちゃん「違うんですか?」
ヘイトちゃん「違わない」
ストライフちゃん「もういい、わかった。あれを何とかする方法を教えろ」
ワイルちゃん「気道が潰れてたらしゃべれませんって」
チアノーゼにより顔色が赤紫になったヘイトちゃんが咳き込みながら答えました。
ヘイトちゃん「ぐぇほぐぇほ!!・・はぁ、はぁ、そんなに強くないから倒せばいいわぁぁぁぁぁ@:;0☆」
ストライフちゃん「それ以外の方法だ!」
ヘイトちゃんはふっと目を伏せると悲しそうに告げました。
ヘイトちゃん「変わってしまったものはもう元には戻れないわ」
ストライフちゃん「き・さ・ま・が!変えたんだろうが!」
ヘイトちゃん「いたいいたいいたいいたいいたいちぎれるちぎれるちぎれるちぎれるぅぅぅぅぅ:;p・。@」
ワイルちゃん「いつまでやってるんですか。もう女の子助けちゃいましたよ?」
女の子を背負ったワイルちゃんが呆れたようにいいました。
ストライフちゃん「どうやって助けたんだ?まさか!」
ワイルちゃん「し、仕方ないじゃないですかぁ。花よりこの子の安全ですよ!」
ウインドカッターで切り裂かれた奇面草が地面の上でもがいていました。
14ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:30:08 ID:???

ストライフちゃん「くっ!早く何とかしろ!」
ヘイトちゃん「そんなに必死になって・・・もしや恋ぃぃぃぃぃぃ;:@%*?
       おせきはんよぉぉぉぉぉぉぉぉおおお:いxj7drjdn」
ストライフちゃん「植物に恋慕する奴なんかいるか!」
ヘイトちゃん「じゃあ・・・狙いは私!?いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁyd!
       普段の苛烈な攻めは愛情の裏返しだったのねぇぇぇぇええいえg、!!」
ストライフちゃん「ワイル。シャベルを貸せ。私の愛をくれてやる」
ヘイトちゃん「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!裂けるぅぅぅぅぅぅぅs、ふぁえrtwy5Bivgf」
ワイルちゃん「死んじゃいますよ・・・って花も死にそうですよ!
ヘイトちゃん!何かあるなら早く出してください!」
ヘイトちゃん「しかたないわねぇぇえ。『か〜み〜さ〜ま〜し〜る〜く〜はっと〜』」
ドラ声でヘイトちゃんは黒いシルクハットを取り出しました。
ヘイトちゃん「このシルクハットをかぶった人は親切にヒントを与えたり、
       世界を創ったりできるのよぉぉぉぉmdspj!
       きっと花も元に戻せるわぁぁpゎDJAjfg@p!じゃあ早速ストライフちゃんに・・・」
ストライフちゃん「そんないかがわしい物を身に付けられるか!貴様がかぶれ」
華麗に身をかわすとシルクハットをヘイトちゃんの頭にかぶせました。
ヘイトちゃん「う!」

ヘイトちゃんは突然うつむき、黙り込みました。辺りを静寂が襲いました。
ワイルちゃん「だ、大丈夫ですか、ヘイトちゃん?」
ヘイトちゃん「私は・・・・神だ・・・・・」
ワイルちゃん「ヘイトちゃんが壊れた!!」
ストライフちゃん「待て!大体いつも通りだ」
15ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:32:50 ID:???
突如顔を上げたヘイトちゃんはにこやかに語りだしました。
ヘイトちゃん「やっときましたね。おめでとう! 
       このゲームを かちぬいたのは きみたちが はじめてです」
ワイルちゃん「・・・ゲーム?」
ヘイトちゃん「わたしが つくった そうだいな ストーリーの ゲームです!」
ストライフちゃん「どういうことだ?」
ヘイトちゃん「わたしは へいわなせかいに あきあきしていました。
        そこで アシュラをよびだしたのです」
ワイルちゃん「アシュラってあの奇面草のことですか?」
ヘイトちゃん「アシュラは せかいをみだし おもしろくしてくれました。
       だが それもつかのまのこと かれにも たいくつしてきました
ストライフちゃん「そんなスケールの大きい話じゃないだろ」
ヘイトちゃん「そう!そのとうり!! 」
ストライフちゃん「認めるのかよ!」
ワイルちゃん「微妙に言葉がおかしくありません?」
ストライフちゃん「それは仕様だろう」
ヘイトちゃん「わたしは あくまを うちたおす ヒーローが ほしかったのです!」
ワイルちゃん「さっきから会話が噛み合っているようで全く噛み合っていませんね」
ストライフちゃん「同感だ」
ヘイトちゃん「なかなか りかいが はやい。
        おおくの モノたちが ヒーローに なれずに きえていきました。
       しすべき うんめいをせおった ちっぽけなそんざいが
        ひっしに いきぬいていく すがたは わたしさえも かんどうさせるものが ありました。
        わたしは このかんどうを あたえてくれた きみたちに おれいがしたい!
        どんなのぞみでも かなえて あげましょう」
ワイルちゃん「じゃあ花を元に戻してあげてください」
ヘイトちゃん「それが どうかしましたか? すべては わたしが つくった モノなのです」
ストライフちゃん「だから花を元に戻せといっている」
ヘイトちゃん「かみに ケンカをうるとは・・・・ どこまでも たのしい ひとたちだ!
        どうしても やる つもりですね これも いきもののサガか・・・・ 
       よろしい しぬまえに かみのちから とくと めに やきつけておけ!!」
ワイルちゃん「どうしてそうなるんですか・・・・」
ストライフちゃん「所詮ヘイトの作った物ということだ。叩きのめしていうことを聞かせてやる!」
16ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:34:33 ID:???

五分後

ワイルちゃん「どーしてあんなに強いんですか!反則ですよ!」
ストライフちゃん「戦うことに関しては天才だな。
         それが世界にとっての最大の不幸でもあるわけだが」
先ほどまでは右手を上げたり、左手を上げたりと大暴れだったヘイトちゃんも、
なぜか今は何もしてきません。

ストライフちゃん「攻撃しても倒しきる前に回復されては埒があかん。
         今のうちに何か使えるものが無いか探すんだ」
ワイルちゃん「賛成です!」

二人はヘイトちゃんの私物入れ(本人曰くアビスポケット)をあさり始めました。
むらいちばんのびじんブロマイド、私が村長です、としゃべり続ける老人の人形、
巨大な石の船、様々な珍品が詰まっていました。
ストライフちゃん「ええい、役に立たん物ばっかりだ!」
ワイルちゃん「ありましたよ!アンチかみさまシルクハットって書いてます!」
禍禍しく脈打つ赤い斧を取り出して、ワイルちゃんが歓声を上げました。
ストライフちゃん「よし、私が使う!どう使うんだ?」
ワイルちゃん「待ってください、取り説を・・・駄目です!
       この取り説、他のコレクションのことしか書いていません!ただのチラシです!あれ?」
チラシの最後に一枚の紙が挟まっていました。

『説明書は別売りよぉぉぉfvygc6さft!アビスポケットに1800金入れてね☆』

ワイルちゃんは泣く泣く1800金をポケットに放り込みました。
17ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:35:41 ID:???

すると中から勢いよく人を殴り殺せそうな厚さの取り説が飛び出し、
ワイルちゃんの眉間に命中しました。
ワイルちゃん「っっっっっっっっっっ!!」
ストライフちゃん「ヘイトが暴れだした早くしろ!」
ワイルちゃんは涙目になりながら索引を調べました。

ワイルちゃん「ありました!ただあのシルクハットをバラバラにしたいと念じればいいそうです!」
ストライフちゃん「よし!」
即座にストライフちゃんの手元にあった斧がチェーンソーに姿を変えました。
ヘイトちゃん「ひかりあれ!!」
ストライフちゃん「うるせぇ!!バラバラになれ!!」
ヘイトちゃんとストライフちゃんの体が交錯しました。

一瞬後、シルクハットがバラバラになりました。

そしてヘイトちゃんもバラバラになりました。
18ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:37:03 ID:???

少女「う・・・ん」
少女は目を覚ましました。

少女「あれここは・・・?」
ヘイトちゃん「あなたは夢をみていたの。とても悪い夢を」
少女「夢?あ!お花は!?」
静かに首を振るとヘイトちゃんはそこに指を向けました。
そこには元の花の大きさから考えると多すぎる程の枯れた植物の残骸が積み重なっていました。
しかし幼い少女はそんな細かいところには気付きませんでした。

少女「お花枯れちゃった・・・・」
今にも泣きそうな少女の頭に優しく手を置くと、天使のような微笑で語りかけました。
ヘイトちゃん「でもあのお花はこれを残してくれたわ」
少女の手に一粒の種子がのせられました。
ヘイトちゃん「今度はこれをひなたで育ててあげて」
少女「・・・・・うん!」
少し元気が出て来た少女は力強く頷きました。
19ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:38:41 ID:???

――少し離れた木陰

ワイルちゃん「なんで生きているんでしょうか?」
ストライフちゃん「まぁ存在自体が冗談みたいな奴だからな」
ワイルちゃん「そうですね」
あっさり納得しました。
ワイルちゃん「そういえばなんでそんなボロボロの格好をしていたのか結局教えてもらってないんですけど?」
トーマスカンパニーでの大立ち回りに加えて、ヘイトちゃんとの戦いにより、
ストライフちゃんの服装は見るも無残な物になっていました。

ストライフちゃん「聞いてくれるな。今となっては全て無意味だ」
ワイルちゃん「?」


――トーマスカンパニー跡地
トーマス「なぜこんなことになったんだ・・・」
謎の闖入者により、本社は壊滅的な被害を受け、トーマスはさすがに放心状態です。
せんせい「つらくなったか? だが いまもどれば もっと つらくなるぞ! がんばれ!」
トーマス「そうですね。建物はまた建てればいい。
     幸い社員にケガはない。すぐにでも前より立派な本社を建てて見せますよ!」
せんせい「そのいきだ!」
20ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:40:11 ID:???

――帰り道

ワイルちゃん「でも丸く収まってよかったですよね?」
ヘイトちゃん「これも私の変装術のなせるわざよぉぉhvw4あ$%#@。、」
ストライフちゃん「変装はしてないだろ。
         だが、よくもまぁあそこまでキャラが変えられるな。そこは感心したぞ」
ヘイトちゃん「とぉぉぉぉぉぜん!
       ヘイトちゃんの変装術は世界一ィィィィィイイイP」!>#!L“K!!!」
ストライフちゃん「調子に乗るな。今回の件は全てお前が原因だろ」
ワイルちゃん「1800金返してくださいね」
ヘイトちゃん「ひどいぃぃぃぃぃ>_*P%$#☆」
ワイルちゃん・ストライフちゃん「うるさい」
ヘイトちゃん「はぁぁぁぁい」
不貞腐れた声をヘイトちゃんは上げました。

ワイルちゃん「ところであの子に奇面草の種をあげてましたけど、
       次の世代に遺伝とかしないんですか?」
ヘイトちゃん「さあ?」
ストライフちゃんは無言でヘイトちゃんを殴りつけました。
ワイルちゃん「放っておくわけにも行きませんね。すり替えに行きましょう」
ワイルちゃんはため息をつきました。
ストライフちゃん「しかたあるまい。・・・どこまでも迷惑な奴だ」

こうして二人はヘイトちゃんを引きずりつつ、もと来た道を再び辿り始めました。

幕間劇6『たとえば、日陰で揺れるその花を』


21ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 03:45:48 ID:???
さて、またも大量にパロディを投入してしまった。
パロディがわからない人にこのお話が楽しめるのか、
これがわからない

新スレに移ったことだし、今まで書いてきた職人さん&絵師さんも、
これから書こうとしている職人さん&絵師さんも奮って投稿していただきたい。
お願いしますorzナニトゾーナニトゾー
22ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 12:56:04 ID:???
乙!パロばっかで一瞬ミンサガなのかと疑いたくなるほどだw
GBかみの下りの部分ではニヤニヤしてしまったよ。
とにかく乙!

・・・奇面草って何だっけ?
23ゲーム好き名無しさん:2005/09/04(日) 19:16:18 ID:???
新スレ1発目投稿乙!確かにとかすは強いよなw
スーパーソニックブラストマンというと、隕石でも巨大カニでも、とりあえずぶん殴っちゃうアレか
とにかく色々まじってて面白かった!乙!
24ゲーム好き名無しさん:2005/09/05(月) 02:24:14 ID:???
すごいワロタwひかりあれまで使うとは。
石の舟出て来たのはニヤリとしたな。無意味に持ち歩いたのが懐かしい。
乙でした!
2521:2005/09/05(月) 19:02:45 ID:???
レスサンクスです。
ニヤニヤしてもらえれば本望ですw
>>22
奇面草はロマサガ3に出て来た教授のペットのうちの一匹です。
植物の見た目に反して獣属性な、ナイスな奴ですw
>>23
それですw


まとめサイトの人も素早い更新乙です!
261/21:2005/09/05(月) 22:16:05 ID:???
幕間劇 「カマの祭り」

トマエ火山の奥深く、冥部の部室は、セレブ3姉妹の集いの場の一つでもありました。
そんな中、セレブ3姉妹のうちの一人が、眉間にシワを寄せながら、学園新聞に見入っていました。
冥部の主であり、3姉妹の中でも、最も心配顔の似合うヒト。デスちゃんです。

デスちゃん「(これは・・・マズいな。なんとかせねば・・・)」
そしてデスちゃんは、部屋中に目を配ると、その場の全員に呼びかけました。
デスちゃん「おーい、皆の者注目!」
紅茶を飲んでいたシェラハちゃんがけだるそうに目を向け、
大貧民をやっていたストライフちゃん(15連勝中)とサルーインちゃん(白星ゼロ)が
めんどくさそうに振り向きます。
3人できゃっきゃきゃっきゃと話していた、ワイルちゃん&ヘイトちゃん&スペクターくんが、
珍しいこともあるもんだ、と顔を向けました。
デスちゃん「私はこれから用事があって、とある祭りに行くんだが、一緒に行かないか?」
サルーインちゃん「ほほう!祭りか!!アハアハアハハハ!いいな!行こう行こう!」
シェラハちゃん「お祭りか・・・新たな出会い、ドラマ・・・そして悲しみがありそうね。」
ストライフちゃん「あんたそればっかだな。で、どこです?タルミッタの水竜祭はまだのはずだが。」
ヘイトちゃん「きっと!!rルォ〜ザリアのオサレなフェスティボーよォォォ★〒♪闘魂祭!!」
ワイルちゃん「ひょっとして、メルビルの、歴史と情緒たっぷりのお祭りじゃないでしょうか?」
デスちゃん「いや。ウソだ。」
サルーインちゃん「はァ!??なに嘘とかいっちゃってんの?言ってから速攻で嘘だとか、意味わからんわ!!!」
デスちゃん「そうじゃない。ドライランド舎にある、ウソの村。そこのお祭りだ。」

・・・・・・
デスちゃんを除く全員が、程度の差こそあれ、「はーやってらんねー」といった感じで、
ぞろぞろと部屋を出て行こうとしました。
デスちゃん「・・・全員拒否、か・・・」
サルーインちゃん「あったりまえだろうが!んーなイナカ臭い祭り、面白くもなんともないわー!」
シェラハちゃん「悲しい話にまた一つ追加ね。好みが地味すぎて、妹にすら理解されない姉の話。」
ワイルちゃん「えぇと、私も遠慮しときます・・・他に用事もあるし。ごめんなさいっ」
ヘイトちゃん「そんな奇祭行きたくなぁぁぁぁい!!ヘイトちゃん祭りの方が楽しいわァアァァ★☆★」
ストライフちゃん「なんだよそれは。だが、私もまったく興味が無い。すまんなデスちゃん」

ぽつねん、と一人取り残されたデスちゃん。はぁ、と深いため息をついて、一言。
デスちゃん「はぁ、あいつらも結構冷たいよなぁ。ヤツと2人で、行ってくるか・・・」
そう言って、最後に部屋から出て行きました。
場に残された新聞には、こう載っていました。
「謎の奇病発生!?ウソの村近辺で、魂を無くしたかのような奇妙な病人が相次ぐ!」
272/21:2005/09/05(月) 22:17:29 ID:???
さて、同じくトマエ火山の奥深く。
トマエ火山内モンスター寮の寮長室の前は、今日も依頼、申請、相談その他をするべく、
大量のモンスター生徒が列をなしておりました。

4寮長が一人、フレイムタイラントくんは、今日もその案件を一つずつこなすべく、
しっかりと仕事をこなしております。

   火神「タイラント様、今月の月次決算が出ました」
タイラント「備品類の消耗が激しいな。備品の予算枠を少し増やすか。」
   炎神「タイラント様、寮の補修についての申請がきております。」
タイラント「3Fに確保してある、黒鋼の使用を許可する。
      間違っても廃石は使うなよ。安全性を無視してコストを削るのは愚の骨頂だ。」
   火神「タイラント様、草原の恐竜達が、卵が狙われて困っている、助けてほしいと・・・」
タイラント「この配置図に従って見張り役の恐竜を立てろ。
      これならばステルスLv3までの相手なら、死角なく監視できるはずだ」
   炎神「タイラント様、この前のモンスター同士の争いの裁定をお願いします。」
タイラント「アクアサーペント側の証言には、根拠も裏付けも見られない。マムティ側の主張を通せ。
      サーペントには、『文句があるなら反証を出せ。それが筋だ。』そう伝えろ」
   火神「タイラント様、恐竜草が、『リガウ寮は俺のものだ!タイラント勝負しろ!』と喚いてます。」
タイラント「放っておけ。時間のムダだ。」
   炎神「出てこなければ、人間の旅行者を襲うぞ!と言ってますが。」
タイラント「やれやれ、狂草め。仕様が無い。ちょっと行って焼きを入れてくる。」

と、タイラントがトマエ火山を出て行ってすぐ後に、冥部へと続く扉が開きました。
中から一人で出てきたデスちゃんは、タイラントのお付きのモンスターに声をかけました。
   火神「これはこれはデスちゃん。珍しいですね。」
デスちゃん「まぁ少し用でな。タイラントは?」
   炎神「たった今、所用で出て行かれた所です。」
デスちゃん「そうか・・・全くタイミングが合わないな・・・。」
そしてデスちゃんは、はぁ、と一つため息をついて。
デスちゃん「仕方が無い。一人ででも行ってやるさ!私がやらねばならぬのだ!!
       ・・・タイラントが帰ってきたら、今日はウソに行くから留守にする、そう伝えておいてくれ。」
   火神「・・・タイラント様を呼びに行きましょうか?」
デスちゃん「なーに、それには及ばんさ。それに、一刻も早く行かねばならないからな。」
そう言って、デスちゃんは一人とぼとぼと火山を出て行きました。
28ゲーム好き名無しさん:2005/09/05(月) 22:18:19 ID:???
タイラント「戻ったぞ。奴ももう、二度とバカなことはしないだろう。」
   火神「おかえりなさいませ。タイラント様、デスちゃんから伝言を承っております。」
タイラント「ほう、何と?」
   炎神「『用があるのでウソに行くから、今日は留守にする』と。」
タイラント「ウソというと、ドライランド舎か。
       また珍しい所に行くな、あの姉妹は。セレブというのも物好きなものだ。」
   火神「いえ、それがですね。行ったのはデスちゃん一人だけでして・・・」
タイラント「・・・なんだと?ミニオンも付いていないのか?完全に一人で行ったのか!?」
   炎神「え、ええ。それで、タイラント様をお呼びしようかと思ったのですが、
       デスちゃんが、一刻も早く行かねばならないから、と・・・」
タイラント「それで一人で行かせた、か。あの妹どもめ・・・なんて思慮が足りない奴らだ!」
   火神「タイラント様、それは一体・・・デスちゃん一人で行動するのが何かあるのですか?」
タイラント「お前達、デスちゃんが何故日頃ひっそりと過ごしていると思う?

       ――デスちゃんはな、光に弱いのだ。

       もっとも、普通に過ごすぶんには支障は無いが、しかし・・・」
   炎神「ド、ドライランド舎は、ただでさえ熱波の地域!しかもウソは、
       ガレサステップとカクラム砂漠の間の、メチャメチャ暑い地域では・・・
タイラント「たしか今年も、熱中症で何人もやられているはずだ。
       しかもガレサステップの辺りには、最近ガラの悪い奴らが出没するらしい。」
   火神「タイラント様!!今日の仕事は我々でなんとかします!!急ぎ、ウソに向かってください!」
   炎神「大丈夫ですよ。寮長室前に並んでいる生徒達には、急に体調を崩された、とでも伝えておきます。」
タイラント「お前達・・・。済まないな。我は良い部下を持ったものだ。
       しかし問題は、寮長室前の生徒達の目を、どうかいくぐって火山を出るか、だな。」
   火神「確かに・・・そのまま出て行ったらバレバレですよねぇ。」
ヘイトちゃん「そぉぉぉんなアァァナァァタァァのためにいいいい
        ぃぃぃ役にたぁぁぁつかドゥゥゥかはぁぁぁぁわからぬぁぁぁいけどぉぉぉぉ
        こぉぉぉんぬぅわぁぁぁぁはぅぅぅぬぁしがぁぁぁあぁぁりま"ぁぁぁぁすぅぅ!!!」
タイラント「黙れ公共の敵」
タイラントくんが、そこらへんの石をスカーンとヘイトちゃんに当てました。
ヘイトちゃん「痛いわねええええん何すんのようぅぅぅぅ●●★☆上」
タイラント「突如現れてキーの高い奇声を発するのに比べればマシだ。
       それよりも貴様、なぜデスちゃんを一人で行かせた!?」
ヘイトちゃん「だぁぁぁぁってぇ私たちはぁぁぁあサルーインちゃんのミニオンですものおおおお(゚∀゚ )」
タイラント「わかったわかった。全くどいつもこいつも・・・して、役に立つかもしれぬ話とは?」
ヘイトちゃん「しっかり話を聞こうとするあたり、スットライフちゅわんとは違うわねぇぇぇやっぱりぃぃぃぃ
        あたしの特☆技は、へ・ん・そ・う ヨォおぉぉぉぉ」
タイラント「なるほど!確かにそれは使える!先程は悪かったな。で、変装用具を貸してくれるのか?」
ヘイトちゃん「サイズの関係上、ほとぉぉんどムリだったのぉぉ。これ着なさぁぁい!!( ´,_ゝ`)」
火神&炎神「きっ、貴様!!これは!!」「てめえーー!!タイラント様を舐めてるだろう!!」
タイラント「・・・他に手は無し。止むを得ん。しかし・・・これ着ろってか・・・」
294/21:2005/09/05(月) 22:19:16 ID:???
さて、リガウ島から出ている、メルビルへの連絡船。そろそろ出発の時刻です。
船係員「それでは乗客の皆様の確認をおこないますー。●●様〜。××様〜。えぇと・・・
     ・・ブレイズスレイブ様ー。」
タイラント「うむ。乗船している。」
念のため偽名を使って乗り込んだタイラントくんは、他の乗客達の好奇の視線にさらされていました。
中学生以上の人達は、「何アレー」「怪しい〜」「カワイィ〜♪」と好き勝手な反応をしています。
対し、いわゆる子供の世代は、目をきらきら輝かせて、タイラントくんにまとわりついていました。

そこには、大勢の人の中、頭一つ飛びぬけて背の高い・・・
・・・かわいいライオンさんの着ぐるみがありました・・・
もちろん中の人は、誇り高き4寮長が一人、炎の帝王フレイムタイラントくんです。

確かにこの変装は、正体を隠すという意味では成功していましたが・・・
タイラント「(潮風が、目に染みる・・・しくしく・・・)」
それと引き換えに、かけがえの無い何かを失いそうでした。これが等価交換の原則です。
ちなみに余談ですが、船に乗るまでの間、少なくとも3回は、
モンスター「あれ?タイラント様?」
タイラント「に、にゃーん」
モンスター「なんだ猫か」
のやりとりを繰り返してきたことを付け加えておきましょう。

そして船は緩やかに、メルビルへ向けて航海していきます。
しかしタイラントは、いつまでたっても子供達から開放されませんでした。
タイラント「(リガウを離れたら、速攻で脱いでやろうと思っていたが、
       ・・・できん。こんな純粋な子供達の前で、中の人を披露することはできん・・・)」
男の子「ねーライオンさん、抱っこしてよー」
女の子「ねーねーあたしもー」
スペクター「ねーねーぼくもー」
タイラント「待てぃ」
タイラントくんが、スペクターくんを片手で握り潰しました。
ファンシーなライオンさんの笑顔で握り潰しているので、アンバランスな怖さがあります。
スペクター「ぐ、ぐるじぃ・・・」
タイラント「何しに来たんだ貴様。」
スペクター「ヘイトちゃんに話を聞いて・・・実はおいらもデスちゃんが気になってたから、こっそりと・・・」
タイラント「そうか。いきなり潰して悪かった。一緒に行こう。デスちゃんを共に心配してくれるならば、大歓迎だ。」
そして、船はメルビルに着こうとしていました。
305/21:2005/09/05(月) 22:20:23 ID:???
ドライランド、ウソの村から程近い草原地帯、ガレサステップ。
そこを、一頭の馬に乗った淑女が疾走しています。
骨格美人のデスちゃんです。
デスちゃん「やはり、草原地帯の中心部から、波動を感じる。アレが復活する前に封じねば!」
しかし、そこは砂漠にも程近い熱波の地域。デスちゃんの頭上からは、容赦無く太陽の熱線が降り注ぎます。
デスちゃん「(あ・・・暑い・・・なんかクラクラしてきた・・・)」
デスちゃんの視界が、1,2度歪みました。そして目の前が全て、蜃気楼のようにボンヤリと見え始め・・・
・・・デスちゃんは、そのまま気を失い、馬の首に倒れかかってしまいました。
馬が何ごとか、とその足を止めます。

そこに、何者かが数名、忍び寄っていたのでした。

タイラント「結局、脱ぐタイミングを逸したまま、ここまで来てしまった。」
スペクター「で、この村でも脱げそうにないねー」
ウソの村についた2人。ここでもやっぱり、着ぐるみタイラントくんは、子供達のアイドルです。
適当に子供達をあやしながらも、タイラントくんは村の奇妙な空気に気づいていました。
タイラント「奇妙だ。この沈んだ空気、祭りのそれとは程遠いぞ。」
タイラントくんは、オアシスの側にたたずむ男に事情を尋ねることにしました。
男「今年の祭りは中止さ・・・おかしな病気が流行りだしやがった。まるで魂が抜かれたように・・・
  俺のダチもそれにかかっちまった。もはや祭りどころじゃないのさ。伝統ある祭りなのにな・・・」
タイラント「(魂?デスちゃんに関係が?)そうか、それは気の毒な・・・ところで御仁、この写真の女性を見なかったか?」
男「あぁ、この物凄ぇ骨格美人だな。・・・あんた知り合いかい?なら急いで探しに行ったほうがいいぜ。
  この女性に馬を貸したんだがな・・・さっき、馬だけ戻ってきたんだ。」
タイラント「――――なんだと?」
男「最近ガレサステップの辺りには、『人さらい同好会』なんてとんでもねぇ連中が出没して、問題になってるんだ」
タイラント「人攫いだと!?女性をかどわかして、は、はれんちな事をするというのか!許せん!!!」
男「いや、奴らはモテない連中の集まりらしくてなぁ。さらっても、いざ女性をどうこうする根性は無いらしくてな。
  結局、金品と交換という形で開放するらしいが、連れられた奴らにとっては、別の意味でキツいらしいぞ。
  手出しをする根性は無いが、基本的に変態らしくてな。持ち物・・・それも靴下とか口紅とか、アレなものも持っていくそうだ。
  会話の内容も凄まじくキモいらしくてな。後々精神的なダメージを残すんだそうな。」
タイラントくんは、盛大にすっころびました。
タイラント「き、狂人どもめ・・・しかし、ある意味タチが悪すぎる連中だな。情報、感謝する。行くぞ!」
そう言ってタイラントくんは、ガレサステップに向かって走り出しました。
スペクター「タイラントくん、それ脱がないの?」
タイラント「そんな暇は無い。このまま探し出す!」
スペクター「(なんだかんだいって、その恰好気に入ってるんじゃないのかな・・・)」

316/21:2005/09/05(月) 22:21:49 ID:???
人さらいボス「ふえっふえっふえっ、こんな骨格美人が手に入るなんて、オ、オデ、しあわせもんだぁ」
もう太陽がだいぶ西に傾いて、夕暮れ近いガレサステップ。その中央部。
古代の祭壇が今なお形を残し、円形に柱が列をなす、そんな場所。
大勢の、ガラと頭の悪そうな連中がたむろする、その中心に、一つの檻があります。
その中に座って、貧血気味の青い顔をしながらも、憮然とした表情をした美女がおりました。
デスちゃん「く、くそ・・・こんなどうしようもない連中に捕まるとは、我ながら情けない・・・」
人さらいボス「おまえさん、お、お金持ちっぽいんだな。うれしいんだな。
         あっ!オ、オデに流し目を使ってもダメなんだな。オデにホれるのはわかr」
デスちゃん「誰が貴様なんぞに流し目をするかー!!出せ!出さぬか馬鹿者!!」
人さらいボス「オデは優しいんだな。だから出してやってもいいが、じ、条件があるんだな。
         ・・・その、か、からだに巻いてる包帯を、よこすんだな。ハァハァ」
デスちゃん「〜〜〜っ!」デスちゃんが、反射的に胸をかばいます。
人さらいボス「お、おまえさんのはいてる、靴でもいいんだな。いい匂いがしそうなんだな・・・
         ・・・ところでおまえさん、み、水が飲みたいんじゃないのかな?」
デスちゃんが、言葉に詰まりました。確かにノドはカラカラで、頭もクラクラします。
デスちゃん「・・・ふん。水くらいで、服をよこせとかは言わぬだろうな?」
と、人さらいボスが、水筒を取り出して・・・

べろべろべろべろ

人さらいボス「か、間接チッスなんだな。」
デスちゃん「死ね!!!」
デスちゃんが水筒を地面にたたきつけました。本当なら術の一つもぶち当ててやりたい所ですが、
太陽の光にさらされて、とても気力が起きません。
人さらいボス「み、水がほしくなったら、また呼ぶんだ、な。
         さぁおまいら!!今日は上玉が盗れたんだな!また収穫のおどりをするんだな!」
そして人さらいたちは、祭壇の周りをぐるぐるぐるぐる回り始めたのです。
デスちゃん「お前らかーーーー!!!!止めろ!今すぐ止めろ!!せっかく封じた奴が、復活してしまう!」
人さらいボス「ならばその包帯」
デスちゃん「くたばれ!!!」

そしてデスちゃんは、ぽつん、と檻の中に一人取り残されてしまいました。
デスちゃん「・・・はぁ・・・厄日だな今日は・・・シェラハの奴なら、不幸話リストに即追加するだろうな。
        サルーインめ、あやつでも心配してくれるだろうか。
        ・・・・・・・タイラント・・・・・・」
327/21:2005/09/05(月) 22:22:35 ID:???
時同じくして。ウソの村からガレサステップに入り、しばらく進んだ辺り。
三日月刀を携えた人攫いが2人、水を飲みながら休憩してました。
人さらいA「しっかし、こう暑くちゃ、誰も通らないんだな。」
人さらいB「まったくだな。もう帰りたいんだな。みんなもう踊りはじめてると思うんだな。」
人さらいA「んじゃ帰るか?今日はもんの凄ぇ、こ、骨格美人が手に入ったんだな。」
人さらいB「んだんだ!どこの誰だかまだわからないけど、相当お金持ちっぽいんだな!」

「ほう。その話を詳しく聞かせて貰おうか。」

と、気配も無くライオン(の着ぐるみ)が、人攫いの背後に現れました。
人攫いはライオンの方に振り返り、キョトン、と着ぐるみ姿を見ています。

タイラント「貴様らか、下衆な人攫いは。骨格美人を連れて行ったろう。どこへやった?」

人攫い「・・・!し、知らないんだな・・あやしいやつ!お前は死ぬんだな!!」
その手に持った三日月刀で、タイラントくんに斬りかかりました。

タイラント「貴様は何か勘違いをしているようだ。」

しかしタイラントくんは、その刃を指2本で、あっさり受け止めました。

タイラント「これは、『教えてください』という哀願でも
            『知りませんか?』という質問でもない。」

ぱきん。指をひねるだけで、刃が簡単にへし折られます。

タイラント「――――『吐け』という命令だ。」


太陽が半分ほど沈み、赤く染まった空の下。大勢の人攫いが酒を飲んで踊り狂っています。
そこから少し離れたあたりに、デスちゃんの入れられた檻がありました。
その集団より距離を置いた場所にある岩の影に、タイラントくんは辿り着いておりました。
スペクター「あ、いた!デスちゃんいたよ!!」
タイラント「うむ。あとは助けるのみ。場が荒れるから、しばし隠れていろ。」
そう言って、タイラントくんは空に手をかざしました。
すると、何も無い場所から炎が巻き起こり、手の中に集まっていきます。
やがて炎は、一本の巨大な両手斧、「君主の大斧」に姿を変えました。
338/21:2005/09/05(月) 22:23:39 ID:???
人攫いボス「あっはっは!踊れ踊れ!なんだな!おや、あれはなんだな?」
空中から回転する何かが、その場に向かっております。
人攫い「隕石?」「UFO?」「いんや、ありゃ・・・片手斧だ。」
人攫いボス「フ、フライバイなんだな!つまり敵襲なんだな!!!」
即座に身構える人攫い達。しかし彼らは、2つ勘違いをしておりました。
1つは、それはフライバイではなく加撃のスカイドライブだったこと。
そしてもう1つは、エラい勢いでかっ飛んで来るのは、『両手斧』だったことです。
人攫い「う、嘘おおおおおお!!!!!」
大斧が地面に炸裂した瞬間、巨大な爆発が巻き起こりました。周囲に衝撃派が広がり、人攫いが吹っ飛ばされます。
と、髪の毛を抑えるデスちゃんに、声がかけられました。
「――――探した!無事か!!」
「タイラント!タイラントだな!!」
巻き起こる砂煙で姿は見て取れませんが、声を聞けばわかります。
タイラントくんは、声をかけるやいなや、鉄格子を引きちぎりました。
人攫いボス「お、おまえタダモノじゃないんだな!なにやつ、なんだな!!」
デスちゃん「ふはははは!こやつが来たからにはもう貴様らは終わりよ!己の所業を悔いるがいいわ!」
そして砂煙が徐々に薄れていきました。中から出てきた人影は・・・

にゃーん

人攫いボス「・・・ぶっ!ぶくくくくあっひゃひゃひゃひゃひゃ!!
        なんてカワイイライオンさんなんだな!!確かにタダモノじゃないんだな!!うひゃひゃひゃ」
デスちゃん「・・・・・・・・・このバカ!!」
タイラント「痛い!!」
デスちゃん「なんて恰好してるんだバカ!私が苦労してたのにおぬしは!!恥をかかせる気か!バカ!!」
タイラント「痛たたたたた!!首を引っ張るな!首の骨が折れる!いや、これにはワケが・・・」
デスちゃんが顔を赤くしながら、タイラントくん(着ぐるみ)をぼかぼかと殴っています。
やがて殴る勢いは少しずつ弱まり、最後に倒れこむように、額をぽすっ、とタイラントの胸に押し付けました。
デスちゃん「・・・まぁ、来てくれたのは嬉しい。信じていたぞ、タイラント。恰好は予想外だったがな。」
タイラント「我も信じていたぞ。お前は無事でいると。大丈夫か?辛い目には合わなかったか?」
人攫いボス「・・・なんかお前たち見てたらムカついてきたんだな!無視するなムガッ!?」
タイラントは人攫いボスの方を見ないまま、無造作に手を伸ばして人攫いボスをひっ掴みました。
デスちゃん「危害を加えられた、というのは特に無い。ただ炎天下に放置されて水も飲めなかった。
       それにそいつらのヨタ話を延々聞かされて、いいかげん参っていたところだよ。
       被害といったらそのくらいかな。」
タイラント「なるほど。それは非道い話だ。・・・リクエストは?」
デスちゃん「馬鹿の相手をし続けて、私は非常に頭にきている。しかし他にせねばならぬ事もあるし。
        ――――――シンプルに、わかりやすく、スカッとした方法で頼もうか。」
タイラント「了解。」
349/21:2005/09/05(月) 22:24:17 ID:???
人攫いボス「ぶべらっ!ばべらっ!ぼべらっ!」
拳の連打、コラプトスマッシュを浴びて、人攫いのボスが空中に打ち上げられています。
ボロぞうきんのようになったボスは、最後に投げ捨てられました。
かわいいライオンさんが、ゆっくりと他の人攫いたちの方を向きます。
にこやかに微笑むライオンの顔は、返り血でべっとりと汚れておりました。
人攫い「なんか怖ェーーーー!!!!!」
――――そして始まる、カマの血祭り。

スペクターくんは、中央の祭壇にて、人攫いたちがぶっ飛ばされていくのを見ておりました。
スペクター「(うーん、人がまるでゴミのようだ。)」

        ・・・・・タマシイヲ・・・・

スペクター「えっ!なんだなんだ!?・・・何かが、来る?」

        ・・・・・丁度良い、器がおるわ・・・・
        ・・・・・他の者どもからは魂を・・・・

        ・・・・・貴様からは、体を貰おう!!

スペクター「うっ、うわあああああ!!!来るなあああああ!!!!」

人攫い「じ、冗談じゃないんだな!!逃げるんだ・・・な!?」
人攫いに向かって、骨ばった手が迫ります。そしてその手は、人攫いの胸の辺りをなぎ払っていきました。
すると、人攫いが力なく崩れ落ちました。その顔は青白く、まさに死人のようです。
そして、人攫いをなぎ払った手には、白く輝く魂が1つ、握られておりました。

タイラント「この気配、何かがいる。それもとてつもない・・・危険なものが。」
タイラントくんは、人攫いを痛めつけるのを一時ストップし、辺りを見回しました。
そして気づいたのです。立っていた人攫いが激減していることに。
そして、自分がノックアウトした人攫いも、顔色が急変しているということに。

デスちゃん「間に合わなかったか・・・タイラント!気をつけろ!こいつはヤバイぞ!!」

???「・・・まだ立つものがいたか・・・その魂、いただく!」
3510/21:2005/09/05(月) 22:25:17 ID:???
骨ばった手が2つ、誘導弾のように弧を描きながらデスちゃんに迫ってきました。
デスちゃんにその手が触れる直前、タイラントくんが横から、デスちゃんをかかえて飛びました。
手はさらに2人に迫ります。デスちゃんを抱えて走るタイラントくんの、肩を、背中を、足を、手が掠めそうになります。
そのままタイラントくんは、大きな岩の陰に転がり込みました。
と、手の追撃がやみました。2人が様子を見てみます。
手は、先に取りやすい魂を探すつもりか、人攫いたちを追い回していました。
とりあえず標的がそれたことを確認しつつ、2人は魂を略奪している者の姿を見て、絶句しました。
タイラント「スペクターくん!何故だ?」
デスちゃん「スペクターくんも来ていたのか!なんということだ・・・
        いや、お前たちはココに何がいたか、知らなかったから仕方ないか。しかしマズい。
        ・・・スペクターくんは、『ヤツ』と同じ不死族だ。器として乗っ取られてしまったのだろう。」
タイラント「デスちゃん。お前が一人ででもこの地に向かった理由。そしてウソの病気。
       この2つの根は同じものだな。アレが原因ということか。アレは一体何だ?」
デスちゃん「ヤツの名は『ソウルドレイン』。アレは元々はな・・・」
そしてデスちゃんが、苦悩に満ちた表情でひとつ、ため息をつきました。
デスちゃん「我が愚妹が作り出したものなのだ。魂が無くとも動くものを作ってみるぞアハハアハ、とか言ってな。」
タイラント「・・・その文末だけで、誰が原因なのかよーくわかった。で、出来上がったのがあの魂を奪う化物か。」
デスちゃん「そうだ。魂が無いため、殺しても殺しきれない。だからこの地に封じたのだ。
        ウソの村に伝わる、カマの祭りになぞらえた方法でな。ヤツの周りを5回まわるというやり方だ。
        だが。さっきの人攫いの馬鹿どもがいたろう?奴らが封印した祭壇を、『逆に』まわっていてな。」
タイラント「デスちゃんほどの法力を持ち合わせていない連中がやっても、そう簡単には封印は解けない。
       しかし、封印は徐々に弱まっていった。ウソでの奇病が起きたのもそのころだろう。
       そして、『器』となるスペクターくんが居合わせたせいで、一気に復活に至ったのか。」
デスちゃん「ただ復活しただけなら、おぬしと共に打ち破って、もう一度封じれば良いと思っていた。しかしスペクターくんが・・・」
タイラント「・・・聞きたいことがある。まず1つ。スペクターくんはかつての敵だろう?見限ることは、しないのか?」
デスちゃん「それはできん。今となっては奴は我々の一員だからな。それに、あの3人組が悲しむだろう。」
タイラント「そう言うと思っていた。ならばもう1つ。スペクターくんの体から、ソウルドレインを追い出すことはできるか?」
デスちゃん「封印の応用でいけるだろう。しかし、それにはヤツの動きを止めないと・・・」
タイラント「なるほど。ならば我の成すべき事が見えた。デスちゃんはここで、封印の準備をしていてくれ。
       では、足止めに向かうとしよう。」
デスちゃん「ちょっと待て!一人で行くつもりか?」
タイラント「あぁ。デスちゃんは弱っている上、封印できる唯一の人物だ。失うわけにはいかない。
       大丈夫だ。我が魂はそんなにヤワにできていないさ。それに」
そしてタイラントくんはソウルドレインの方に向かい、言いました。

タイラント「もうお前の眼前で、あんな無様はさらさない。絶対に負けない。そう、誓ったのだ。」
3611/21:2005/09/05(月) 22:26:07 ID:???
デスちゃん「タイラント・・・」
タイラント「ま、まぁその、何だ。極力傷をつけず、動きを封じれば良いのだろう?
       大丈夫、我に策ありだ。だから何が起きようと、信じて待っていろ。」
デスちゃん「・・・恰好つけているところ悪いが、まだその恰好で行くつもりか?」
タイラント「あぁっ!着ぐるみ付けっぱなしなのをすっかり忘れていた!!」
デスちゃん「まったく、変な所が抜けているな・・・。ほれ、さっさとそんなもの脱げ。」
タイラントくんは頷き、着ぐるみを全て脱ぎました。そしていつものタイラントくんに戻りました。
デスちゃん「よし次だ。ちょっとかがめ。ひざまずけ。」
タイラントくんは、ちょっと頭をひねりながらも、言われたとおりにしました。
デスちゃん「うむ。じゃあ目を閉じろ。」
タイラントくんは、言われたとおりに目を閉じました。


デスちゃん「汝に、祝福を――――」


タイラントくんの額に、やわらかな唇が触れました。
この場にいるのは2人きり。つまりこれは――――


タイラントくんが、目を見開き、口をぱくぱくしながら呆然としています。
デスちゃんは顔を赤らめて、目を少しそらしながら言いました。
デスちゃん「こ、これはおぬしの魂を守る祝福の儀式だ!他意など無いからな!!絶対だぞ!!」
タイラントくんの額についた、デスちゃんの赤いキスマークが、不思議な紋様の形に姿を変えました。
タイラント「・・・ありがとう。こんなに心強い手助けは無い。
      役目は3つだったな。スペクターくんを取り返し、お前を守り、そしてヤツを倒す。」
デスちゃん「もう1つ追加だ。タイラント、死ぬなよ。生きて帰ってくるのだ!」
タイラント「以上4つか。了解した。受けたからには、果たしてみせよう。」
3712/21:2005/09/05(月) 22:26:43 ID:???
ソウルドレインは、全ての人攫いの魂を奪い尽くしておりました。
そして視線を、2人の隠れている岩陰の方に向けます。
すると、岩陰からゆっくりと、大斧を携えたタイラントくんが現れました。
ソウルドレイン「さぁ・・・貴様も魂を・・・」
ソウルドレインの両手が弧を描き、タイラントくんに迫ります。
しかしタイラントくんは、大斧を打槍のように構え、ことごとく弾き返しました。
タイラント「残念だな。我が魂、貴様なぞには勿体無し。」
ソウルドレイン「やるな。ならばこれはどうだ!」
そう言うや、ソウルドレインはダークライトウェブを放ちました。
しかしタイラントくんは、それを潜り抜けるように、一気にソウルドレインに詰め寄ります。
ソウルドレイン「速いな。しかし、獲った!」
潜り抜けるのを見越して、ソウルドレインはもう一方の手でライフブレイクを放っていました。
しかし、タイラントくんの体に触れた感触はあったのに、魂を掴むことができません。
ソウルドレイン「な、何故だ!」
タイラント「残念だったな。我は祝福されている。」そう言ってニヤリと笑います。
そのままタイラントくんは、斧の刃の無い部分で、ソウルドレインを打ち据えようとしました。
ソウルドレイン「ブラックアイス!!」
と、突然ソウルドレインの前に黒い魔法壁があらわれ、斧の一撃を弾き返しました。
タイラントくんの右腕に衝撃が走り、そのまま吹き飛ばされます。
そして、祭壇の周りの柱の1つにそのまま体を打ち付けられました。
タイラント「くっ、魔法壁か!あの愚妹め。まったくもって厄介なモノを作ってくれたな。」
ソウルドレイン「ほう、石化しないとは。貴様石化耐性まで付いているとはな。
          大斧の戦士よ。さぁどうするね。」
タイラント「くだらぬ。どのような策であろうと、叩き潰すのみ。」
ソウルドレイン「くはははっ。闇の術法にも斧で向かって来るとは。純粋な戦士型だな貴様。
          ならばこの魔法壁に抗う術は無いだろう。さて、私も方針を変えるか。
          魂を奪って殺すのではなく、じっくりと殺してから、ゆっくり魂をいただこう!」
3813/21:2005/09/05(月) 22:27:24 ID:???
斧を振るう音、爪を斧で受ける音、そして魔法壁の反射音が、幾度となく続きます。
それらの音が途切れたとき、タイラントくんはまたも儀式の柱に吹き飛ばされておりました。
一定確率で発動するブラックアイスが発動しなかった時しか攻撃が当たらないため、
ソウルドレインにはダメージが蓄積されません。
逆に、度重なるブラックアイスによる反射に加え、術法や打撃によるダメージが、少しずつタイラントくんを削っていきます。
その腕から、頭から、血を流しながらタイラントくんは吹き飛ばされました。

しかし、それでもなお、タイラントくんは立ち上がります。その目からは輝きは全く失われておりませんでした。

儀式の祭壇を挟むようにして、二人が対峙しております。
先に動いたのはタイラントくんでした。旋回撃で懐に入り込み、そこからさらに打ち込みます。
しかし、またも魔法盾が発動しました。タイラントくんに衝撃が走ります。
しかし、足を踏みとどまり、なおもソウルドレインを睨みつけています。そこへ、
ソウルドレイン「いい加減、くたばるがいい!!」
左右の爪がタイラントくんを襲います。それをかわし、斧で受け止めます。
しかし、さらにダークライトウェブが浴びせられます。そして体勢を崩した所へ、デスクローが振るわれました。
タイラントくんはまたしても、別の柱に吹き飛ばされます。
ソウルドレインは、さらに悪霊体験で追い討ちをかけました。
――――しかし。

ソウルドレイン「・・・何故だ。何故立ち上がれる。
          ・・・何故、石化も!気絶も!恐怖もしない!
          ・・・なんなんだ。なんだ。なんだ!なんなんだよ貴様はああああ!!」
タイラントくんは、だらだらと血を流しながらも、ゆっくりと立ち上がってきました。
血で汚れた顔の中に、煌々と輝く瞳と、全く恐怖を感じていない笑みが見て取れます。
タイラント「精神的な状態異常にも、肉体的な状態異常にも屈しない。
       臆せず、引かず、前に出て戦うのみ。そう、それが、それこそが。四寮長である証よ。」
ソウルドレイン「四・・・寮長・・・だと?」
そしてタイラントくんは、静かに言い放ちました。
タイラント「貴様の相手ももう飽いた。こちらの支度も済んだところだ。
       おのれの今いる場所を、よく見てみるがいい。」
ソウルドレインが、その動きを止めました。今居る場所は、祭壇の中央。
そしてその側に、煙を放つ、一筋の線が――――。
3914/21:2005/09/05(月) 22:29:20 ID:???
ソウルドレインが、辺りを見回しました。地面に細い線が、幾重にも描かれており、その線から煙が出ています。
とにかくその場所から出ようとしたところへ、
タイラント「ヘルファイア」
ソウルドレインの頭上に赤い玉が3つ浮かんだかと思うと、ソウルドレインに向かって熱線を浴びせました。
ソウルドレイン「ぐあっ!!き、貴様、術法を使えたのか!」
タイラント「術が使えぬとは一言も言っておらぬわ。まぁ、もうバレてもかまわないがな。」
そう言うとタイラントくんはニヤリと笑って、『起き上がれ』と指図するように、指を一本、クイッと曲げました。

すると、地面に描かれた細い線から、炎の紐が、何本も空中に浮き上がっていきます。
それは幾重にも折り重なりながら、五芒星の形を描き、中央の祭壇ごと、ソウルドレインを包む檻のようになりました。
・・・タイラントくんは、戦いながら炎のムチを何本も、地面の中に潜行させていたのです。

ソウルドレインが、炎の紐を断ち切ろうとしますが、逆にその手が焼かれ、悲鳴をあげました。
ソウルドレイン「貴ッ様ァァ!!この炎の力、なぜこれほどの術法が・・・」
ソウルドレインが、タイラントくんの方を見やり、そして、絶句しました。
タイラントくんが、赤い灼熱のオーラを徐々にその身にまとっていきます。
そのオーラの濃度が増すごとに、タイラントくんの放つ威圧感が、先ほどとは比べ物にならないほど増していきました。
ソウルドレイン「そ・・・その身に纏う炎は・・・それが貴様の本来の力だと・・・?」

タイラント「この仕込みが終わるまでは、炎の術が使えるということを匂わすわけにはいかなかったからな。
       では改めて自己紹介をしようか。ソウルドレインよ。
       我が名はフレイムタイラント。トマエ火山寮の奥深くに隠れ住む者だ。普段はな。」

ソウルドレイン「トマエ火山、四寮長・・・貴様、炎帝か!」

タイラント「そういうことだ。一人連携、フレイムウィップ!」
五芒の形の紐が、一気に中央に収束し、ソウルドレインに襲い掛かります。
そしてソウルドレインの右手に、左手に、胴に、頭に絡みつき、祭壇の中央に縛り付けました。
ソウルドレイン「くそおおおお!!離せ!離さぬかぁぁぁぁ!!」
両手をソウルドレインに向けて、術をコントロールしているタイラントくんは、大きな声で呼びました。
タイラント「デスちゃん!待たせたな!!――――出番だ!!」
4015/21:2005/09/05(月) 22:30:18 ID:???
デスちゃんが、岩陰からゆっくりと出てきました。その顔色は青白いままでしたが、顔には笑みがこぼれています。
デスちゃん「うまいことやってくれたな。さすがだ。おぬしを信じていたぞ。」
タイラント「お前を守り、スペクターくんを保護し、奴を倒すという約束だからな。
       まったく。注文の多いお客様には苦労させられる。」
デスちゃん「ふふふ、言ってくれるな。・・・さて。ではソウルドレインよ。まずはその体を明け渡してもらうぞ。
        貴様が不法に得た魂を取り返すのは、その後だ。」
ソウルドレイン「女・・・貴様、思い出したぞ!忘れるものか!!
          私を封じ込めたのは貴様だな!!おのれ!おのれえええええ!!!」
デスちゃんは、口汚くののしるソウルドレインに全く耳を貸さず、
呪文のようなものを唱えながら、静かに祭壇の周りをまわりはじめました。
その静かな足の運びは、舞を舞っているようであり、タイラントくんは術をかけ続けながらも、見とれておりました。
そして3周、4周とまわり、最後の5周目が終わろうとしたときでした。
ソウルドレインが恨みの篭った声で、こう呼びかけたのです。
ソウルドレイン「・・・わかった。この体は、明け渡さざるをえないだろう。
          だがな。ただでは渡さん。この儀式が完成したとき、私はこの体から離れる。
          ・・・その時は女!貴様に真っ先に襲い掛かり、この爪で、その腹を裂いてやろう!
          魂を奪うなどと生易しいものではない!この爪をめり込ませ、臓腑を引きちぎってくれる!
          ・・・タイラントよ。貴様は、私が体から離れるまで、術法を緩めるわけにはいくまい。
          そこで提案だ。私を逃がさぬか?その代わりに、貴様ら2人の安全は約束しよう。」
タイラントくんの表情が険しくなります。そして、デスちゃんとタイラントくんがお互いを見つめました。、
デスちゃん「タイラントよ。奴はこんなことを言っている。・・・私を守ってくれるか?」
タイラントくんは、デスちゃんを真っ直ぐ見据えて、うなずきました。
タイラント「お前を守る。そういう約束だ。」
デスちゃん「ならば。そんな戯言に耳を貸す必要は無いな。」
そう言うとデスちゃんは、その足を再び進めました。場に一層の緊張感がみなぎります。
そして、5周目が終わり、同時にスペクターくんの体が光に包まれました。
その光に焼かれるようにして、スペクターくんの口から、同じような形をしたモノ、ソウルドレインの本体が吐き出されます。
ソウルドレインは、そのままデスちゃんをにらみ付けて、爪を振りかぶり、一気に襲い掛かりました。
同時にタイラントくんは術を解き、大斧を手にとりデスちゃんのもとへ疾走します。
ソウルドレインの爪が、上空から振り下ろされます。デスちゃんは目をそらさず、それをにらみつけます。
同時にタイラントくんの足運びはさらに速く、無足と言われる領域へ――――。
4116/21:2005/09/05(月) 22:35:29 ID:???
ソウルドレインの爪が振り下ろされようとしましたが、それがデスちゃんに届くことはありませんでした。

君主の大斧がソウルドレインの腹に、叩き込まれています。
デスちゃんとソウルドレインの間に割って入ったタイラントくんが、その爪を頭にうけながら、大斧を突き出していました。
頭から血を流しながら、タイラントくんの目が光ります。
タイラント「汚れた手で、デスちゃんに触らないでもらおう!!」

ソウルドレインが後ろに飛び、距離をおきました。タイラントくんが、大斧を大きく振り回します。
タイラント「して、次はどうすれば良い?」
デスちゃん「奴を弱らせて、魂を全て吐き出させたのち、煉獄に叩き送ってやる!
       だから・・・何も考えず、徹底的にぶちのめせ!やれ!タイラント!」
タイラント「了解した。では思いきり行かせてもらおう。」

ソウルドレインの両手が襲い掛かります。それをこともなげにタイラントくんは弾き返します。
さらに今回は、弾いた手に向けて追撃の一閃を放ち、ソウルドレインの爪を斬り飛ばしました。
ソウルドレイン「ぐっ・・・!」
そのままソウルドレインは、もう一方の手でデスクローを放ちます。
タイラント「貴様の戦い方はつまらん。魔法壁に依存しすぎているからな。だから――――」
デスクローがタイラントくんに触れる瞬間、セルフバーニングが発動しました。
タイラント「――――相手も魔法壁を持っているという可能性に気付かない。」
手を焼かれ、悶絶するソウルドレインに、タイラントくんが一歩ずつ近寄っていきます。
ソウルドレイン「ダークライトウェブ!」
タイラント「ヘルファイア」
ヘルファイアが2発。一発はダークライトウェブを相殺し、そしてもう一発がソウルドレインをさらに焼きます。
タイラント「魔法壁も万能ではない。その壁は、術には通じん。そして射突と、」
言うやいなや、タイラントは大斧を投げつけました。同時に、清流のような動きで一気に距離を詰めます。
ソウルドレイン「おのれええ!!喰らうかよ!!悪霊体験!!」
ソウルドレインが、片腕を壊されながらも大斧を打ち落とし、同時に汚れた霊気を叩きつけます。
タイラント「カッ!!」
しかしタイラントは、その霊気を気合いで打ち破り、
ソウルドレインの眼前に迫り、ソウルドレインの顔面を掴みました。
タイラント「接近しての関節技。これにも壁は発動しない。」
4217/21:2005/09/05(月) 22:36:50 ID:???
タイラントくんが、ソウルドレインの顔面と、首を手で締め上げています。
そのまま、タイラントくんのオーラが一層の激しさを増しました。
ソウルドレインの体から、焼け焦げた匂いと煙が立ち昇ります。
ソウルドレイン「くそおお!!やめろ!!やめてくれえええ!!」

タイラント「見苦しいな。貴様がそんなセリフを口にするか?
       貴様に魂を奪われた人たちは、その言葉すら発することはできなかったのだぞ?」

そのままタイラントくんは、ソウルドレインの顔面を、引き剥がしにかかりました。
みち、みちみちみち、という音と共に、ソウルドレインの顔面がべりべりと剥がれていきます。
そしてタイラントくんは、瞬発力で一気に引きちぎりました。ソウルドレインの苦悶の叫びがこだまします。

ソウルドレイン「あぁ、仮面が壊れた!魂が、魂がどんどん抜けてしまう!いやだ、いやだああああ!!」

そのままソウルドレインは、空高く舞い上がりました。早く、一刻も早くこの場を離れなければ、そう感じたのです。

デスちゃん「無駄だ。」

そしてタイラントくんは、爆発音がするほど力強く地面を蹴り、跳躍しました。
すでに太陽が沈み、星がまたたく夜の空。そこに高く舞い上がったソウルドレインの背後。
ソウルドレインよりも高い位置に、彼はおりました。君主の大斧を槍のように構え、全身を赤く輝かせた炎の帝王が。

デスちゃん「――――寮長との戦闘からは、逃げることはできない。」

タイラント「斧技、破砕流!!」
ソウルドレイン「うおおおお!!ブラックアイス!!!」
タイラントくんの必殺の一撃と、ソウルドレインの最後の技がぶつかり合いました。
魔の氷壁によって、破砕流の勢いが跳ね返され、タイラントくんの腕や額から、激しく血が流れます。
それでも、タイラントくんの勢いは収まらず、空中で力と力がぶつかり合い、均衡を保っています。
ソウルドレイン「うおお!!おのれの力で落ちろ!落ちろ!!落ちて、くたばれ!!!」
タイラントくんは歯を食いしばりました。その腕に、さらなる力がこもりました。そして、

ぴしっ

今までタイラントくんを苦しめ、ソウルドレインの自信の源となっていた魔法壁にヒビが入りました。
ヒビは止まることなく魔法壁全体に広がっていきました。
それは、ソウルドレインの最期を。そして、この戦いの終わりを示唆しておりました。

タイラント「貴様の非道な行いも、そしてこの慌しい1日も――――これで幕だ。」

4318/21:2005/09/05(月) 22:38:27 ID:???
ガシャァァァン、とブラックアイスが粉々に砕け散り――――

その瞬間、大斧がソウルドレインの体に深深と突き立てられてました。

そのままソウルドレインの全身が燃え盛ります。目から、指先から、赤い炎が噴出しています。
そして大斧を構えたタイラントくんと共に、ひとすじの赤い流星となって、そのまま地面に突っ込んでいきました。

巨大な爆発が起こりました。倒れている人攫いが何人か衝撃で吹き飛ばされていきます。
デスちゃんは、髪とスカートを手で抑えながら、叫びました。
「タイラント!!!」
ホコリが少しずつ晴れていきます。デスちゃんはホコリの中心にいる人物を見つけ、目を潤ませながら、微笑みました。
全身傷だらけになりながらも、大斧を地面に突き刺して、タイラントくんが立っていたからです。

と、タイラントくんの足元が輝きだし、光り輝く、蛍のような玉がいくつも、浮かび上がってきました。
それは空高く浮かび上がったのち、ウソの村の方向や、祭壇の周りに、降り注ぎました。

タイラント「魂が・・・」
デスちゃん「還っていくのさ。本来のあるべき所へ、な。」
タイラント「あとはこいつの始末だけか。」
タイラントくんが大斧を地面から引き上げます。その先端には、全ての魂を吐き出し、
もはや生気のかけらもないソウルドレインが、突き刺さっておりました。
デスちゃんが、静かに開門を唱えます。
大きく開いた門に向かって、タイラントくんはソウルドレインを抱き上げて行きます。
タイラント「魂を奪わざるを得ない、か。悲しい業だな。そのように生まれてしまったことは同情しよう。
       しかし貴様の行為は、この学園では到底許されるものでは無いのだ。
       だから、せめて在るべき場所で・・・安らかな眠りを。」
そう言ってソウルドレインを、門の中に静かに収めました。そして門は、ぱたん、と閉じました。

デスちゃん「これで、全て終わりだ。ありがとう、タイラント。」
タイラント「・・・気にするな。まぁなんというか、成り行きとでもいうか・・・」
タイラントくんが照れながら言い訳をしていた時、張り詰めていたものが切れたのか、
デスちゃんからふっ、と力が抜け、そのまま気を失いました。
タイラント「デスちゃん!!」
4419/21:2005/09/05(月) 22:40:14 ID:???
デスちゃん「う、う〜〜〜ん?」
タイラント「気付いたか。」

デスちゃんの体が、ゆっくりと揺れているような、心地よい感触につつまれていました。
デスちゃん「タイラン・・・ト?」
タイラント「あまり喋るな。今は体を休めておけ。水を飲むか?我が持ってきたものだから、大分さめてしまっているが。」

デスちゃんの前に、タイラントくんの後頭部が見えました。
タイラントくんが、気を失ったデスちゃんをおんぶしてくれていたのです。

デスちゃんは、タイラントくんから渡された水を飲み干しました。大分生き返る心地です。
デスちゃん「・・・スペクターくんは?」
タイラント「大丈夫だ。すっかり元通りだ。で、事の顛末を話したらだな、
       『じゃあほとんどコイツらのせいじゃないか!』と言って、
       人攫い達にイービルウィスパーをかけている。これで人攫い愛好会も終わりだな。」
タイラントくんは、そう言って笑いました。つられてデスちゃんも微笑みます。

しかし、デスちゃんは気付いていました。タイラントくん自信の傷には、全く手当てがされていないことに。

デスちゃん「タイラント、ちょっと止めろ。」
言われたとおりに止まるやいなや、デスちゃんはタイラントくんの背中から飛び降り、
そしてデスちゃんの体にまいてある包帯を、はぎとりはじめました。
タイラント「デスちゃん!?ちょ、ま、お前何を!!」
デスちゃん「決まっておろう。お前の傷に巻いておく。応急処置というやつだ。」
慌てふためくタイラントくんに向かって、デスちゃんが冷静に応えます。
タイラント「我は大丈夫だから!き、気にするな!!包帯を元にもどせ!」
デスちゃん「断る!確かに今回は、ほとんどお前に頼り切る形になってしまった。だけど。」
そこで言葉を区切り、デスちゃんがタイラントくんを、きっ、とにらみました。

デスちゃん「私とおぬしは、どちらかがどちらかに寄りかからねばならぬ、そうした関係だったか?
       四寮長の一人と、冥部の主は、どちらかが頼り切る、そんな関係なのか?
       違うであろう。だから、おぬしが私を心配するように

       ――――私だって、おぬしを心配する権利があるのだ。」

タイラントくんは、言葉につまって何も言えなくなりました。
45ゲーム好き名無しさん:2005/09/05(月) 22:41:54 ID:???
タイラント「・・・済まない。ならば、手当てをお願いしよう。」
デスちゃんはそれを聞き、満足げに微笑むと、タイラントくんの頭の傷に包帯を巻きつけ始めました。
デスちゃん「お前は優しすぎる。いつも部下や人の心配ばかりしている。
        だがな、一方的に心配されるというのも、相手にとってはツラいものなんだ。
        たまには、自分のエゴを優先してみてもバチはあたらないぞ。」
タイラント「了解したよ。心にとどめておこう。しかしやっぱり、お前にはかなわないな。」

そして、タイラントくんの腕と頭に包帯がまかれました。
デスちゃんのおなかのあたり、白い肌が見えていることに気付き、タイラントくんが慌てて目をそらして、言いました。
タイラント「だいぶ復活したようだな。ではそろそろ行こう。ウソの村まではまだ距離があるしな。」
デスちゃん「タイラント」
呼ばれて振り返ると、デスちゃんが両手を広げたまま、全く動こうとしていません。そしてデスちゃんが一言。

デスちゃん「かつげ。」

タイラント「・・・はい?」


デスちゃん「今更歩くのもかったるい。こんなに遠出したのも久しぶりだしな。
      だから先ほどのように、私をおんぶして、村まで連れて行け。」


タイラント「え?いや、ちょ、おま、待て、待て!!復活したんじゃないのか!?」
デスちゃん「いやー誰かさんの持ってきた水が、ただの湯ざましとなってたからなぁ。
        まーだイマイチ本調子ではないのだよ。それに・・・」
そこで言葉を切り、デスちゃんはニヤリと笑いながら、
デスちゃん「『まだ距離がある』と言ったのはおぬしだろう?
        そんな距離を体調不良の女に歩けとは、まさか言わぬよな?」
タイラント「・・・・・・・・はい。」
タイラントくんは、がっくりとうなだれて言いました。


満点の星空の下を2人が進んでいます。もっとも歩いているのは一人ですが。
デスちゃん「ほれほれ、もっとゆっくり歩かないか。星が落ち着いて見られないではないか。」
タイラント「・・・・・・・・」
と、遠くに見えるウソの村が急に明るくなり、楽しげなチャールストンの調べが聞こえてきました。
タイラント「カマの祭りか?再開したのか。」
デスちゃん「謎の病人が軒並み蘇ったんだ。そりゃあ祭りにもなるさ・・・お前のおかげだぞ、タイラント。」

――――今日は何やらいろいろ疲れる日ではあったけど。
タイラント「まぁ、良い1日ではあったかな?」

ガレサステップの夜空の下、遠くに聞こえる楽しげな音を耳にしながら、タイラントくんはふっ、と微笑みましたとさ。
4621/21:2005/09/05(月) 22:46:43 ID:???
〜〜〜数日後。

サルーインちゃん「で、デス姉ぇは祭りに行ったのか?」
デスちゃん「あぁ行ってきた。なかなか素朴で良い祭りだったぞ。」
サルーインちゃん「ふーーん、そんなもんかねぇ〜〜。」
冥部の奥深く、いつものように優雅に過ごす3姉妹。
と、遠く離れたところを見ると、ヘイトちゃんとスペクターくんが、何やらこそこそ話しています。
まぁいつものことか、と気にも止めないデスちゃんに、ストライフちゃんがスッ、と近寄りました。
ストライフちゃん「デスちゃん、お耳に入れたいことが・・・」

ヘイトちゃん「あらぁ〜〜〜きれいぃぃlに撮れてるじゃなぁぁぁあああいいいgjskl」
スペクター「へへん、結構上手でしょ!でもホントによかったのかな?2人に写真のこと話さなくて」
ヘイトちゃん「いいのよぉおおお。2人とも照れ屋さんだからあぁぁぁあ自然な表情を撮るためよぉぉぉおおjfぁj激写boy」
デスちゃん「はっはっは。良 く 撮 れ て る な 」

ヘイト&スペクター「きゃああああああ!!!!jfぁjぁjfぁfデスちゃんいつからそこに!!?」
デスちゃん「タイラントに着ぐるみを貸したりして、まさかそのまま済むまいとも思ってはいたが・・・
      スペクターくんをそそのかして同行させたうえ、盗撮させてたとはな・・・」
ヘイトちゃん「・・・へっ、へっ、へっ、ヘイトちゅわわんフラァーーーッシュ!!!」
ヘイトちゃんが懐から閃光弾を炸裂させ、写真を持ってダッシュしました。
冥部の扉を蹴破り、トマエ火山をひた走るヘイトちゃん。
すると、眼前の壁がいきなりぶち壊れ、そこから伸びた腕が、ヘイトちゃんの顔面を掴みました。
ヘイトちゃん「きゅう」
タイラント「話はデスちゃんから聞かせてもらった」
壁からタイラントくんが、そしてデスちゃんが現れました。
2人の後ろで、スペクターくんが、普段よりいっそう小さくなっています。
タイラントくん「まさかとは思っていたが、スペクターくんにこんなことをさせていたとは・・・」
そう言うとタイラントくんは、ヘイトちゃんから写真を取り上げました。
着ぐるみを着るタイラントくん、デスちゃんをおんぶするタイラントくん。
そしてカマの祭りの輪の中に、デスちゃんに腕を引かれて、
慣れない踊りを必死に踊るタイラントくんの写真がありました。
タイラント「よくもまぁ・・・こんな写真はさっさと焼き」
デスちゃん「私が預かる。」
デスちゃんが横から手を伸ばし、タイラントくんから写真をかすめとりました。
タイラントくんの静かな抗議の視線を意に介さず、デスちゃんはヘイトちゃんの方にゆっくり向き直ります。
デスちゃん「さて、どうしてくれるか。まぁ多分おぬしと同意見だろうが。」タイラント「だな。」
ヘイトちゃん「えっ?なになにぃぃぃ??ふたりはいつも以心伝心ん〜〜flf☆★??」

タイラント&デスちゃん「逃がさん・・・・・・」「・・・・・お前だけは!!!」
ヘイトちゃん「きぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁjfぁjljl新宿品川池袋!!!!」

そしてトマエ火山に、悲鳴と怒号、打撃に斬撃、爆発音に亡者の呼び声が響き渡りましたとさ。
サルーインちゃん「おおー、やるなぁデス姉ぇ。すげー壊しっぷり。」
シェラハちゃん「血は争えないのね・・・悲しいわ・・・」
ワイルちゃん「ヘイトちゃ〜〜〜ん・・・あの2人怒らすなんて、一体何やったんですかぁ〜〜?」
ストライフちゃん「(今夜は祝杯だな。)」

幕間、おしまい。
47ゲーム好き名無しさん:2005/09/05(月) 22:53:40 ID:???
やっとこ書けました。タイラントをずっといじってみたかったんだー!
しかし幕間で21レスも使ったあげく、勝手に友人関係からランクアップさせてしまった・・・
幕間として大目に見てくださいorz

>>21
一発目乙!すげーー面白かったよ!!
あのかみのセリフがかみ合ってるようでかみ合ってないのは、アンジャッシュのコントのようだw
石舟に俺もワロタw
なにはともあれ、一発目お疲れ様!
48ゲーム好き名無しさん:2005/09/05(月) 23:59:08 ID:???
GJ!! 溜息まじりに読ませていただきました
タイラント君かっこよすぎ!
三途の川のお茶シーンからデスちゃんとセットでお気に入りキャラでした
戦闘シーンもテンポ良くて、ヴィジュアルも頭に描きやすくて読みやすかったです
デスちゃんからの祝福シーンは震えがきましたよ
ええもん見せて貰いました。ありがとうございます
これからも頑張ってください

他の四天王も、タイラント君程じゃないにしても、きっとこれくらい強くてカッコイイんだろうなー
ますますこいつら好きになってきた
49ゲーム好き名無しさん:2005/09/06(火) 03:35:35 ID:???
超GJ!タイラント君すごい格好よかった!
強いし口調も渋いしたまらん。
それにデスちゃんの祝福シーンを想像したらどきどきした…。
ハゲ無双三段乙BC。

そういやデスちゃんの服ってどんな設定だっけ?
50ゲーム好き名無しさん:2005/09/06(火) 19:26:07 ID:???
>>21
遅まきながら、GJです。
石の船…わざと捨ててアバロンの倉庫に送った記憶が…
つーかヘイトは冷静口調でも結局アレなのねw
>>47
GJです。ソウルドレイン…漏れも使おうと思ってたんですが良いキャラとシチュが思いつかなくて…
タイラントとデスのツンデレネタの出しに使うとは…w
>>49
確か腰回りは包帯、胸の辺りは…何か服着てた希ガス。下はロングスカートっぽい。

前スレにシルバー的な物を投下しておきますた。
51ゲーム好き名無しさん:2005/09/06(火) 20:52:16 ID:???
みんな乙だこんちくしょーー!!!
デスちゃんに萌えたじゃねーかよぉ!

携帯からじゃシルバー見れねー!くそっ!見たい!

みんな大好きだっー!!
楽しみにしてるから頑張ってくれ!!!
52ゲーム好き名無しさん:2005/09/06(火) 23:53:11 ID:???
タイラントカッコヨスwwwwww

>ヘイトちゃん「きゅう」
ワロスwwwwww
53ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 17:34:44 ID:???
取説別売りってアンサガだっけ?
54ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 18:21:34 ID:???
>>53
まず間違いなくそうだろうね。
アンサガスレではよく見られるやり取りだしw
55ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 21:09:09 ID:???
あまり伏線をばら撒くのってダメですかね?
分かりやすい伏線2、3個くらいなら大丈夫ですか?
56ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 21:10:24 ID:???
>>47
GJ!!
ダークにボロ負けして以来ついにタイラントの活躍か・・・!
震えながら読ませていただきました。ご苦労様!
あとなにげにスペクターの活躍?が嬉しかった。
57ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 22:21:09 ID:???
デスちゃんの甘えっぷりも、普段クールでオトナな分すごくカワイイ。
しっかりタイラント君との写真をゲットしてるんだもんなー
58ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 22:55:57 ID:???
幕間「運命の糸石」

嵐の中に聳える魔の島・・・
その主である魔術師、ウェイ・クビンがいる暗い研究室の扉から、乾いたノック音が響きました。
ウェイ「入れ。」
ギィ・・・僅かな軋みを立てて開いた扉の先には、碧眼で全身紅色のゴブリンがチョコンと立っていました。
ウェイ「何のようだ、セージ?」
セージはウェイの呼びかけを確認すると、扉を閉めてウェイに近づき、言いました。
セージ「神か悪魔か・・・誰が残したか『運命の糸石』。
    その魔力や一つ一つでも強大な力を秘めています。
    今までは『10種類ある』という情報も定かではありませんでしたが、とりあえず10種類、確認できました。
    とはいっても半分以上は今ある場所は特定できていないのですが・・・」
ウェイ「ほう。・・・意外と早かったな。で?」
セージは一息つくと、一気に話し始めました。
セージ「真理と知識を与えし、魔のエメラルドはまずあなたが手に・・・
    所持者の念で自由に幻を作り出す、幻のアメシストは、勇者ミルザの手に。
    水を自在に操る水のアクアマリン。これも今は勇者ミルザの手に。
    風を呼び、気候を操る風のオパール。これはアルドラの手に。
    ・・・これまでに、4つの糸石が動きました。残りは6つ・・・」

「大地の力を秘め、大地の加護を受けた、『土のトパーズ』。噂によれば学園の遥か地底にあるらしですが・・・定かではありません。
炎を生み出し操る『火のルビー』。昔はリガウのトマエ火山にあったらしいですが、どこかの寮の戦士が持ち帰りその寮の宝としたといいます。

闇を払い光を生み出す『光のダイアモンド』。元はあのエロールの物だったらしいですが、今はエロールの手を離れています。
闇を与え、万物の終焉を生み出す『闇のブラックダイア』。場所は大体掴めております。今はゴブレンジャーが調査を・・・
大いなる生命力を秘めし、『気のムーンストーン』。一説によれば未開の地、その神殿に祭られているといいます。
憎悪と羨望を生み出しし『邪のオブシダン』。その昔これを巡って学園で大きな事件があったといいます。今はどこかに封印されてるとか・・・」

ウェイは腕を組むと、神妙な顔つきで部屋の中をうろつきました。
ウェイ「ともかく、場所が掴めていないのが多すぎるな。まだまだ先は長いという事か・・・」
セージ「そうでもないと思いますよ?」
ウェイ「なぬ?」
セージ「均衡は崩れました。糸石を巡る様々な勢力によって・・・
    短期間に実に4つもの糸石が動いているんですよ!
    我々・・・勇者ミルザ・・・サルーインちゃんの一味・・・思いの他全ての糸石はあるべき場を離れてゆくでしょう。」
ウェイ「ふむ・・・大した奴だお前は・・・」
セージ「そうですか?ふふ、やはり代償は大きければ大きいほど見返りも大きくなければいけませんからね。
    ・・・・・・あなたが取った行動は大成功といえましょう!」
ウェイ「・・・自分で言うな馬鹿者めが。」
セージ「うふふ・・・・・・さてっとぉー・・・おやすみなさいマスター!よい夜を・・・」
セージは手を大きく振ると、ゆっくりと部屋を出て行きました。
・・・すっかり静まり返った部屋の中で、ウェイは薄ら笑いを浮かべながら壁にかけてある緑色の宝石を見つめました。
所々欠けているような、いびつな形の宝石です。
妖しく・・・美しく・・・輝いています・・・
59ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 22:58:20 ID:???
ナイト「まったく・・・それらしい場所なんかねーっつノ!!」
ソルジャー「もういい加減泳ぐのも疲れてきたゾ。」
ガボガボゴボゴボ・・・・・・
暗い海の中を、あまりに場違いな二匹のゴブリンが泳いでいます。
ここは『黒海』。
クジャラート舎北部に広がる、一面墨を垂らしたような真っ黒な池です。
人々はこの海を『怪物の呪い』だとか、『不幸の溜まり場』などと言っていますが、
それは何てことは無い、ある一つの宝石の力なのだ、と、彼らゴブリンの主は言っています。

”運命の糸石の一つ、『闇のブラックダイア』は、存在するだけでも無尽蔵に闇を放出する呪いの糸石だ。
これはかの学園のお偉いさんが残した書物に書かれていたことだから、まず間違いないと思うよ。
それでだ。僕はクジャラート舎北部に広がる『黒海』!ここに目をつけた。”
”黒海て・・・あの呪われてるとかいう海?”
”そうそう。学園の科学部とかの連中が何度も水質調査に言ってるらしいんだけど、汚染物質やらの類は一切出ていないらしいんだ。
そーゆー感じのが無いのに、あんなにおかしいぐらい海が黒く染まると思うか?
・・・いや、あるのかもしれないけどさ、とにかく!僕はあの異常なほどの『黒さ』は、
あの黒海のどこかに存在する糸石、『闇のブラックダイア』のせいだと睨んでいる!”
”へぇ・・・そうなノ。”
”・・・・・・君達、分からない?”
”ハ?”
”今すぐ調査に行けっつーんだよ、コノヤロー!!”
”ひゃーー!行きます行きますいっちゃいまース!!!”

ナイト「っつー成り行きで着たわけだけどサァ・・・断っておけばよかったナ。」
ソルジャー「全くダ!・・・ってかこの海怖いよ〜、同胞の死体が一杯転がってる〜」
海の底には、マグナムフィッシュやアーマージェリー、コーラルクラブや山おやじなどのモンスターの死骸がゴロゴロ転がっています。

ソルジャー「もしかしてこいつらこの海の呪いで死んじゃったんじゃ・・・ヒィ〜」
ナイト「ってことはオレらも死んじゃうってわけ!?ヒィ〜あのセージのヤロ〜」
二人のゴブリンの顔は、恐怖におびえ引き攣っています。
今までは少し身を離していたものの、今はほとんどピッタリくっつきながら、二匹のゴブリンは黒海の奥深くへと進んでゆきます。
そしてしばらく経った後、そんな二匹のゴブリンの目に、徐々に何か建物のようなものが見えてきたのです。
ナイト「あれは・・・なんダ?」
60ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 22:59:44 ID:???
比較的殺風景だった光景に、極めて目立つ鉄の壁。
・・・入り口のようなものも見えます。
ナイト「・・・・・・言ってみるカ?」
ソルジャー「・・・・・・・・・アア。」
身をピッタリくっつけながら、その『建物?』に向かってゆく二匹のゴブリン。
入り口が徐々に近づいてくる・・・息を呑む・・・
しかし、ナイトは今自分の周りに起きている異変に気がつきました。
ナイト「お、おい、ソルジャー・・・」
ソルジャー「なんダ?」
ナイト「周り・・・見て・・・」
ソルジャー「は・・・?ヒィ!?」
気がつけば・・・二匹のゴブリンの周りには、恐ろしい数のモンスター達が輪を作っていました。
化石魚・・・デスクローカー・・・山おやじ・・・
みな、確実にゴブリン達を睨み付けています。獲物を狙う猛獣の目で。
ナイト「あノ・・・そノ・・・・・・僕達大ピンチでOK?」
震えながらソルジャーに抱きつくようにしてナイトは言いました。
ソルジャー「い・・・いいんじゃないのかな・・・」
ナイト「はっはっはっ、そうか・・・じゃあ」

「逃げるぞー!!!!!」

ゴブリン二匹は、今残っている体力を全て振り絞り、海面に向かって泳ぐ力に総動員しました。
逃げ出したと認識した魚のモンスター達は、猛スピードでゴブリン達を追いかけます。
ソルジャー「っつか、なに?なんなのあのお魚さん達は!!弱肉強食って奴ですかー?僕達食われるノーー!!??」
ナイト「落ち着け落ち着け落ち着けっぅだったらぁぁ!!ヒィ〜〜〜!!!!」
物凄い勢いで、涙目どころかボロボロ恐怖の涙を流しながら(無論流れ出る涙はすぐに水に溶けるのだけれども)泳ぐゴブリン達。
その二人の胸には、こんな所に来てしまった後悔とセージへの恨みが大きくなっていました。

「くそぉぉぉーーー!!セージのバカヤローーー!!!!」
61ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:02:44 ID:???
???「ふむ。フロンティアには糸石の存在の可能性は無し・・・か。となるとリガウかワロンか・・・?」
小汚い服を着込み、銀色の仮面をつけ、体と同サイズ程の大剣を背負った一人の人間。
いや、人間かどうかも定かではない『その男』は、大量のモンスターの死骸の輪に囲まれながら一人呟いていました。
???「あのチビゴブリン、将魔でも無いくせにやたらと太い情報網を持っている。まぁ、真かどうかはまだ分からぬ事だが・・・」
男はモンスターの屍をグチュリと踏みつけ、元来た道に戻り始めました。
うっそうと木々が生い茂るフロンティアの密林。
男はここに糸石、『気のムーンストーン』を探しにきていました。
彼の独り言に出てきたチビゴブリン・・・ゴブリンセージの手引きによって。
???「でもまぁ、おかげでいいストレス発散になった・・・同属狩りとは愉快なものだ。」
血に濡れた口を醜く歪ませながら、屍の道をゆく男。
???「・・・・・・ん?」
男は、生き物の気配を感じ取り、ガバッとその方向を振り向きました。
モンスターが一匹・・・オーガが、男めがけて突進してきています。
男の剣と見劣りしないほどの巨大な剣を振りかぶり、狂気の雄叫びを上げながら。
???「雑魚か・・・」
男は大剣を手にしたまま大きく腰を捻り、狙いを定めました。
オーガは既に男のすぐ近くまで迫っていました。
オーガの剣が、男めがけて振り下ろされます。
・・・瞬間。
凄まじい音と共に、振り下ろされる剣に一筋の閃光が走ります。
一テンポ遅れて、オーガの剣の鍔から先がごとりと地に落ちました。
オーガ「?、????!?」
刀身をなくした剣は、すでにただの棒切れと化しました。
ニヤリと口を歪ませる男。
棒切れを手にしたまま、後ずさるオーガ。
男は、ニヤニヤと笑いながらオーガとの距離を詰めていきます。
死の危険を感じたオーガは、咄嗟に言いました。
オーガ「ごめんなさい、ごめんなさい!!!殺さないで下さい!!」
突然喋りだしたオーガに、男はオッ、と一瞬驚きました。
???「なんだ、貴様・・・しゃべれるのか?」
オーガ「へ、へへ・・・それなりに人間の言葉はしゃべれますよ、おいら。で、助けてくださいよ。」
なぜか死の危険は去ったと思い込んだオーガは、半分おどけた口調で言いました。
???「助けてやるよ・・・その代わり、俺を楽しませろ。」
オーガ「は?」
???「俺は犬が好きなんだ。おまえ、今ココで犬になれ。」
オーガ「はぁ〜〜〜〜!?」
予想外の言葉にオーガは心底あきれ返りました。
しかし、すぐに男は言いました。
???「なんだ?何か文句でも?貴様の首もあの剣と同じように落としてやってもいいんだぞ。」
オーガ「いや、すません、やります、やりますから、なんなりと。お躾を。」
男の目に深い殺気を感じ取り、すぐさまオーガは四つん這いになりました。
62ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:05:13 ID:???
???「吼えろ」
オーガ「ワーンワワーン!!ワンワーン!!!」
???「走れ」
オーガ「フゥフゥフゥ・・・ハッハッ」
オーガという自分の立場をかなぐり捨て、命欲しさに犬になりきるオーガ。
男は、目下オーガの情けない行為を嘲笑しながら更に命令をしました。
???「ハハハハ・・・お手。」
膝立ちになり、骨ばった手を差し出す男。
オーガは、嬉々として男の手に己の手を重ねました。

パァン

オーガ「・・・え?」
男は、重ね合わせられようとしたオーガの手をすぐさま弾きました。
???「汚い手で触るな。」
オーガ「はっ?」
ニヤニヤと不気味な笑いを浮かべながら、ゆっくりと立ち上がる男。
???「調子に乗るなよ、ブタが。小動物を侮辱するのもいい加減にしろよ。」
オーガ「い、いや・・・やれっていったのはあなた様で!!」
???「やり出したのはお前だろうが。俺は冗談半分に言ったつもりだったのに・・・
    ああ、ウゼエ。べったり不快感残してくれやがって。」
オーガの顔が、みるみると悔しさに染まっていきます。
オーガ「この・・・ヤローめが!!」

ずぶしゅ

オーガの首が一瞬にしてはじけ飛びました。
切られる直前の怒りの顔そのままに。
血をいきおいよく噴出させながら、弧を描きはじけ飛ぶ首。
はるか遠くに落ち、ごろごろと転がり止りました。
男は、ニヤニヤ笑いながら血がべったりとついた剣をベロリと大きく舐めました。
???「さて・・・と。次はリガウかワロンか・・・ククク、楽しい旅になりそうだ。」
男は、全身の血を手でふき取ると、のそのそと歩き始めました。
その顔には、もうどうにもならない狂気のみが漂っていました・・・
63ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:07:11 ID:???
・・・ここは騎士団寮。
そして、その中心に聳え立つ棟、『フラーマの棟』。

「・・・・・・」
その棟の最上階、棟の主であるフラーマ先生の部屋に、無断で足を踏み入れる一人の人間がおりました。
「(・・・・・・クックック・・・潜入成功・・・)」
夜の闇に光を失ったその部屋に、突然光がともります。
光は、男の指先から生まれた火によるものです。
「(どこだ・・?どこにある・・・・・・?)」
のそり、のそりと重い足音を立てながら部屋を徘徊する男。
その男の目に、部屋の隅に忽然とたっているタンスが目に付きました。
「(・・・・・・ここだな?)」
指先の火を消し、ゆっくりとタンスに近寄る男。
その指先が、タンスの取っ手にあたり・・・一気に引っ張ろうとしたその時です。

「何やってらっしゃるの?イフリートセンセ?」

イフリート「はうぁっ!!??」
突然部屋が明るくなりました。部屋の入り口には、フラーマ先生が・・・!
イフリート「あ、いや、これはですねこれはですね、その、製作上の都合って奴で・・・」
フラーマ「何を訳分からない事を言っているのかしら?私はあなたがここで何をやっていたのか、という事を聞いているのです。」
フラーマ先生は唇を真一文字に刻んでいました。
イフリート先生の体に冷や汗が走ります。
イフリート「・・・・・・・・・け、警備ですわ。」
フラーマ「警備になんでタンスあける必要があるの。」
イフリート「ぐっ・・・・・・!」
イフリート先生は逃げ場が無い事に焦り、混乱する頭からとにかく言葉を引っ張り出し適当にフラーマ先生にほうりつける事しか出来ません。
イフリート「そのー、実は僕のメガネこのタンスに入ってまして・・・」
フラーマ「嘘つくなよ。いつ入れたんだよ。」
イフリート「あのー、よろしければ僕の筋肉見ていきます?それでチャラって事で。」
フラーマ「部屋が肉臭くなるからいらない。」
イフリート「実は僕未来から来たんです。」
フラーマ「あらそう。お疲れ様。未来からわざわざ私の私物をあさりに来たの?」
イフリート「ぐぐぐ・・・」
苦し紛れの言い訳がことごとく跳ね返されてゆきます。
絶望を感じ始めた頃に、イフリート先生の頭に一つの考えが浮かびました。

”ピンチこそが最大のチャンス”

64ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:09:20 ID:???
目の前にはフラーマ先生が立っています。
イフリート先生は思いました。”この上ないチャンスじゃんけ”と!
・・・イフリート先生のくだらない脳味噌はそう訴えていました。
フラーマ「とりあえず、精霊石の杖で百発せっかんって事でよろしいかしら?」
フラーマ先生が近づいてきます・・・
イフリート先生は、勇気を振り絞り言いました!!

イフリート「フラーマ先生!!僕と・・・つきあってください!!」
フラーマ「却下」
イフリート「はやっ!!!!!」

あまりに早い『却下』に驚きながらも、イフリート先生はまだあきらめようとしませんでした。
イフリート「(ふ・・・今までのオレとは違うぜ先生。強力な助っ人からアナタを落とすアドバイスを僕は伝授してもらってきているんですよね、これが・・・)」
イフリート先生は、『強力な助っ人』の言葉を思い返しました。

”えー?なんで僕にそんな事聞くんですかぁ?”
”いやぁ、お前異様に物知りだからさぁ。そんぐらいわからねー?”
”まぁ、少しくらいなら。”
”よっしゃ!!さすがだねぇ、キミ!!・・・で?”
”・・・で?って言われても・・・”
”即効で落とす方法だよ。”
”はぁ・・・そう簡単に言われましてもねえ。・・・まぁ、とにかくこんなんどうです?・・・・・・相手をほめてほめてほめ殺す。
たとえば、『マリア、君のそのチラッと見せる白い歯に僕はメロメロなんだ』とかさ。”

イフリート「『マリア、君のそのチラッと見せる白い歯に僕はメロメロなんだ』」
フラーマ「・・・マリアって誰?」
イフリート「ぐがっ!!」
ついつい例そのままに言ってしまった自分を呪いながらも、イフリート先生は更に思い返しました。
65ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:10:12 ID:???
”で、それでもダメだったらどうするワケよ?”
”それでもダメだったら?・・・世間話からさりげなく自分の優しいところなどをアピールしてみるなんてどうです?
微妙に笑いも織り交ぜていくといい感じかもしれませんよ。”

イフリート「フラーマ先生!・・・その、先生は花はお好きですか?」
フラーマ「・・・え、ええ。その、少しくらいなら。」
イフリート「おお、それは奇遇ですねぇ!!僕なんかお花がもう好きすぎて好きすぎて
      いま鉄仮面の中にアサガオの種入れて育ててるんですよ。アッハハハハ!!」
フラーマ「ありえねー例え話はいりませんわ。」
イフリート「ぐっ・・・・・・!!」
あまりの冷めた反応に苛つきながらも更に思い返しました。

”・・・それでもダメだったらどうするよ?”
”しつこいですねアンタ・・・強引に話を展開させてみるなんてどうです?意外に聞くかもしれませんよ?”

イフリート「よう、今度デートしよう。」
フラーマ「やだ。」
イフリート「もっと!もっとだー!グヘッ・・・ いかん いしきが・・・」
フラーマ「は?」
イフリート「やっちまったぜ・・・」
フラーマ「はぁぁぁぁぁぁ????????」
イフリート「(さすがに展開させすぎてワケ分からなくなっちまったな・・・よし、次の方法だ。)」

”おどけて告白なんてどうでしょう。軽い感じが意外に受けるかもしれませんよ。”

イフリート「君に対する愛情がいっぱいだょ!」
フラーマ「キモい。」

”あっさり退こうとするのも逆にいいかもしれません。”

イフリート「もう帰る。」
フラーマ「ばいばーい」
イフリート「いや、今のなし、なし!!やっぱりなし!!」
フラーマ「はぁ?何よそれ。」

”逆にけなしてみるのもいいんじゃないですか?”

イフリート「いまのあんたが いちばんみにくいぜ!!」
フラーマ「んだとコラァ!!??」
イフリート「いや、今の無し!じゃあ、次、次の聞いてください!」
フラーマ「次・・・?一人コントでもしてんのアンタ?」
66ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:11:50 ID:???
 ”自分はあなたをこんなにも思ってるんですよー的なこと言えば分かってくれるんじゃないっすか?”
イフリート「トイレなら寝る前にいっとけよな!」
フラーマ「いってます。」
 ”カワイさをアピール、なんてどうですかね?うふふ、これ結構効きそうですよ。”
イフリート「ちゅぴちゅー、ちゅぴちゅぴまちゅぴちゅちゅー♪」
フラーマ「黙れクズ」
 ”Hな事をにおわせるセリフって意外に答えますよ。・・・いや、僕一応男ですけど。”
イフリート「では手術だ。さぁ、さっそくそこに横たわって」
フラーマ「死ね」
 ”執着心を見せれば落とせるかもしれませんよ。”
イフリート「ここはとおさーん!」
フラーマ「失せろカス」
イフリート「くそっ・・・!」
何を試しても、まったく目の前の女には通じない。いい加減イフリート先生にも嫌気がさしてきました。
イフリート「却下、却下、却下!!騎士としての誇りは無いのか!!」
フラーマ「騎士じゃねーよボケ」
イフリート「確かにそうですねー、あっははは」
あまりのフラーマ先生の固さに、イフリート先生は諦めモードに入っていました。
イフリート「(まぁ・・・またの機会でいいか・・・ふぅ・・・)
      ・・・・・・長時間すいませんでしたー。じゃあ、おやすみなさい。」
踵を返して部屋を出ようとした・・・そのときです。

フラーマ「待ちなさい。」

ガッと服の裾をつかまれる感覚。
フラーマ先生がイフリート先生を呼び止めたのです。
イフリート「(えっ、これって?これってもしや!?)
      フ、フラーマ先生・・・!やっぱり僕のこと・・・!!」

フラーマ「精霊石の杖で百発せっかんの事忘れてるんじゃなくて?罪は償ってもらいますわよ。」

イフリート先生「あ・・・・・・ひぃぃぃーーーー!!!」
イフリート先生の顔がザーーーッと青ざめてゆきます。
フラーマ先生は、懐から精霊石の杖を取り出すと、高く振りかぶり・・・


「ひぎゃああああーーーーーーーーー!!!!!!!」


67ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:14:18 ID:???
フラーマ先生「まったく・・・相変わらずはた迷惑な奴だったわ・・・」

あれから数時間後。イフリート先生への制裁が終わり、部屋にはフラーマ先生だけが残されていました。
時計は深夜の2時を回っています。
フラーマ先生「お肌って確か深夜の0時から3時までの間に作られるのよね・・・明日の肌の荒れが心配だわ・・・」
フラーマ先生は、そう言いながらタンスを開けました。
下着がなくなっていないかをまず確認し、高く積んである服の山の底から、紙袋に包まれた何かを取り出しました。
紙袋の隙間から赤い光がこぼれでています。
慣れた手つきで紙袋を開いていくフラーマ先生。その下からは、目が痛くなるほどの赤い閃光を発している『球体』が現れました。
うっとりとした目つきでその球体・・・宝石をなでるフラーマ先生。
なでながら、先生は呟きました。
フラーマ「今日もこのコのお世話になっちゃおうかな・・・ふふふ・・・」
その宝石を片手に、フラーマ先生は突然術を唱え始めました。

「生命の炎!」

宝石は一層強く赤い閃光を発しました。
そして光はフラーマ先生を覆い・・・消えました。
閃光に包まれた後のフラーマ先生の肌は、化粧でもしたかのように綺麗で若々しくなっています。
フラーマ先生「あらぁ〜ん、よくやったわ。さすがね、糸石、『火のルビー』!これでゆっくり眠れそう・・・」
先生は『火のルビー』を再び紙袋に包み、タンスの奥に押し入れました。
満足したフラーマ先生は、ベッドに入り、眠りにつきました。

幕間、おしまい
68ゲーム好き名無しさん:2005/09/07(水) 23:17:21 ID:???
イフリート先生が使えて満足w
終わり方が中途半端なのは・・・すいません。
色々と伏線ばら撒きすぎなのや勝手に新キャラ出しなのは多めに・・・見てくれないですか?ORZ
とにかくさようなら。
69ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 01:55:43 ID:???
>>55
リレーだし他の人に回収されてもいいなら良いんじゃない
70ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 20:35:31 ID:???
過疎ったか…削除依頼だしてきますね
71ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 21:51:58 ID:???
>>67
乙!ゲームをやってる人は判ってる話ではあるが、
これでようやっと全部の石の場所がわかったね。さて、次はどこに向かうのか?
あと今回出てきたのはどっちだろ。ランク9のアレだねw
そしてイフリート先生・・・アンタ正真正銘のアホだ・・・w
72ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 22:34:01 ID:???
>>68
お疲れさん!
15話はブラックダイヤ絡みになるのかな?
しかし、新キャラがわからんな〜。
銀仮面→ソードスレイブ?
助っ人→本気でわからん
『マリア〜』ってのがヒントなのかな?
73ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 22:40:30 ID:???
イフリート先生は本当に下着が目的だったのか?
助っ人ってもしかしてアイツなんじゃないのか?
元がアレなだけにあの人はいまいち信用しきれんな。深読みしすぎかな?
しかし銀の仮面の奴ヒドスwwwランク9のアイツだよな…
とにかく乙。
74ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 22:56:08 ID:???
前スレの雑談に乗ろうとした途端に容量オーバーorz
というわけで新スレに引継ぎ。
前スレ>>427
携帯だから今は見えないけど、先に言っとく。gj!
後の楽しみにするよ(*´∀`)
前スレ>>428
俺が好きな話は13話ラスト。あの締め方はすごいとオモタw
幕間ではアルドラ達が手を組むお話。
アディリスちゃんが本領発揮し出したお話だしw
75ゲーム好き名無しさん:2005/09/09(金) 00:14:36 ID:???
>>72
助っ人は新キャラじゃなくて話の流れやしゃべり方からしてアイツじゃないか?
あまりこれからの方向性を決めてしまうような事は言っちゃいかんのかもしれないのでメル欄
76ゲーム好き名無しさん:2005/09/09(金) 00:14:54 ID:???
アディリスちゃんが良い感じにキャラ付けされてきてたしな
ただ、あの三人娘に関してはディアナちゃんが薄いなーと思う
アディリスちゃんがアレだから仕方ないのかもしれんがw
77ゲーム好き名無しさん:2005/09/09(金) 00:20:45 ID:nbTbl5ck
>>75の言ってるのが、最初「?」だったが、意味を調べて納得。
ある意味ナイスなレスですよあんた。
78ゲーム好き名無しさん:2005/09/09(金) 00:25:32 ID:???
同じく。
普通に書き忘れかとオモタw
79ゲーム好き名無しさん:2005/09/09(金) 01:04:15 ID:???
これはウィットに富んだ良いレスですね
80ゲーム好き名無しさん:2005/09/09(金) 01:51:22 ID:???
あ、なるほど。そういう事か。
同じく書き忘れかとオモタw
81ゲーム好き名無しさん:2005/09/10(土) 00:00:52 ID:???
だれか盛り上げてよ。
82ゲーム好き名無しさん:2005/09/10(土) 00:26:13 ID:???
というわけでスレが盛り上がることを望む81がスレを盛り上げてくれるそうだ。
83ゲーム好き名無しさん:2005/09/10(土) 07:21:20 ID:???
盛 り 上 が っ て ま い り ま し た
84ゲーム好き名無しさん:2005/09/10(土) 15:51:29 ID:???
ゴブリンセージ攻めワイルちゃん受け
85名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 17:14:33 ID:???
獣姦など認めん!
ガラハゲなら許k
やっぱり認めん!
86名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 18:20:13 ID:???
ワイルちゃんに新鮮なキャベツ食べさせたいな。
87名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 19:04:12 ID:???
最初は怖がっていたがいつしかツフ無しではいられなくなるアルベルトー
88名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 20:52:06 ID:???
幻のアメジストの時のアルベルト、すごいいいキャラしてたよなw
89名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 20:59:37 ID:???
直球
ミルザ&サルーインちゃん
ミルザ&アルドラちゃん
タイラント&デスちゃん
ジャミル&ファラ

変化球
ミルザ&ワイルちゃん
ナイトハルト&サルーインちゃん
デモコマ&ラミアちゃん



魔球
ツフ&アルベルト
ヘイトちゃん&???
90名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 21:01:40 ID:???
そのアルベルトの幕間を現在作成中。
ちょっと忙しいので投稿するのは十日後くらいになるけど。
期待しないで待ってて下さいw
91名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 07:18:47 ID:???
新作期待age
92名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 14:01:55 ID:???
>>50
シルバーGJでした!
リク応えてくれてありがとう。

>>90
おおっ楽しみだ。


絵なんて描くのひさしぶりで気恥ずかしいので
姉さん置いて逃げますね。
ttp://mardias.fc2web.com/illust/diana.gif
93ゲーム好き名無しさん:2005/09/12(月) 23:56:26 ID:???
>>90
アルベルト、アルベルトカー
そういやアルベルトの消息は、ツフにさらわれてから不明だったな・・・
期待してまってるよー

>>92
お、ディアナ姉さんinセーラーですね
元のカッコが元のカッコだけに、違和感無いわ〜
gjです!これからも書いてください!


さて、ちょっとこのまま寂しい状態が続くのもイヤなので、そろそろ本編開始なのかなぁ。
海底に行くか、ジャングルに行くかで悩むな・・・まさにロマサガ状態だ
自分も書いてみたいんだけど、いい出だしが浮かびませんorz
出演キャラもあんまりでない形で、石も絡まない話の案ならあるんだけど、
前の振りが活かせ無いので、どうしよう・・・

イケるぜ!って人がいたら、先にガリガリ書いちゃってください〜
まだまだ過疎るにはもったいない。
94ゲーム好き名無しさん:2005/09/13(火) 07:39:33 ID:???
よし、じゃあ俺が書くぜ!
またセージが出ざるを得なくなるけど、まあいいか?

>>92
学生服のディアナ乙!
これからもよろしくね
95ゲーム好き名無しさん:2005/09/13(火) 14:21:38 ID:???
>>92
確かまとめサイトの中の人ですよね?
更新いつも更新ご苦労様です。
今後は絵の方もガンガンお願いします。
gjでした。

>>94
期待してます。
96ゲーム好き名無しさん:2005/09/13(火) 22:57:35 ID:???
>まとめサイトの人
お疲れ様です。

「イラストのページに、簡単な解説(もしくは、題名)を入れる」
という提案をしてみます。
ご検討下されば幸いです。
97ゲーム好き名無しさん:2005/09/14(水) 00:02:39 ID:???
イラストだけじゃなくてストーリーの方も…
と思ったが大変だよな。すいません
98まとめサイトの中の人:2005/09/14(水) 13:05:38 ID:???
了解。
時間かかると思うけど、やってみます。
99ゲーム好き名無しさん:2005/09/14(水) 22:38:57 ID:???
頑張ってくださいな。俺も頑張って本編を書くどー

>>89
魔球てw
っつかヘイトちゃんに彼氏が出来る事自体魔球なのかよw
まぁ・・・確かにアレはみんな離れていきそうだからな・・・
100ゲーム好き名無しさん:2005/09/14(水) 23:10:50 ID:???
>まとめサイトの中の人
更新お疲れ様です。確かに中の人のコメントみたいなのがあると、
また新鮮かもしれませんねー。職人さんたちにも新たな刺激にもなりそうだし。
じっくり待ってますよ〜。

>>99
おー、新作楽しみにまってます!頑張ってね!

自分も超短編として、アディリス先生第2段を書いてみてます。
あまり頭を使わずに書くのでかなりイイカゲンになりそうではありますが、そのへんは多目に見ておくれ。
101ゲーム好き名無しさん:2005/09/15(木) 17:51:40 ID:jNiIsHc/
さて、ミルザきゅんとワイルたんのエロパロでも書くかな…

終わった後に
102まとめサイトの中の人:2005/09/16(金) 13:00:29 ID:???
まとめサイト、とりあえずイラストページ更新したのでご報告。
こんなんでよかったのか…
<<97の案は、あらすじ?をつけようと思うので
なるべく早めにうpできるようにする。アラスジムズカシイヨー

ほかの環境化ではどう見えてるのか
これがわからない状態なので
ここなりメールなり提案してもらえるのは助かる。
でも、無理難題はコラプトスマッシュだ。

では職人さん達がんばってな。
103まとめサイトの中の人:2005/09/16(金) 13:01:09 ID:???
アンカーまちがえたw
104ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:03:05 ID:???
さて幕間投下っと。
105ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:04:56 ID:???

メルビルの騒乱から約一ヶ月。
船を失ったキャプテン・ホークは副長であるゲラ=ハくんと共にヨービル寮の港に立っていました。

ホーク「そろそろか・・・。あ〜、あいつらなにやってんだっけ?」
ゲラ=ハくん「アレクセイとブラックは騎士団寮で遺跡修繕、
       クライド、ドレイク、エッグはブルエーレ寮で物資の積み込みを。
       シルバー親分は北エスタミル寮でウエイトレスをそれぞれやっているはずです」
ホーク「あいつに客商売なんかできんのか?」
ゲラ=ハくん「自信は満満でした」
ホーク「根拠がねぇだろ」

話し込む二人のもとに一隻の船が近づいてきました。
ゲラ=ハ「あの船です」
ホーク「おお、あれか!ホーク海賊団一月ぶりに結集ってわけだ!」

幕間劇「その後の海賊さん」

――ヨービル寮パブ
ホーク「なんだ!?おめぇら五人いてこんなもんかよ!」
部下達の稼ぎの少なさに思わずホークは語気を荒げました。
海賊A「んなこといわれてもなぁ」
海賊B「俺ら陸の仕事なんざやったこともねぇし」
海賊A「大体あの仕事気にいらねぇんだよ。俺らが直しても直しても誰かが穴あけやがるし」
海賊B「埋めるために穴掘らされてる囚人みてぇだよな」
ホーク「もういい!おめぇらは!?」
海賊C「ん〜、新入りだし足元みられんのは仕方ないんじゃないっすか?」
海賊E「陸の仕事は船酔いしないのがいいよね」
海賊D「お前海賊のクセに船酔いするのかよ」
106ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:06:18 ID:???
ホーク「どいつもこいつも・・・シルバー、おめぇは?」
シルバー「バッチリだったよ。あたしにかかりゃ『うえいとれす』なんて敵じゃないね」
ゲラ=ハくん「そもそも戦う対象ではないのですが」
しかしシルバーは自分の武勇伝を語るのに夢中で聞いちゃいません。
シルバー「あたしの子分になりたいって客がわんさかいて毎日盛況だったよ」
ホーク「ほぉー、そいつはすげぇ。で、稼ぎは?」
シルバー「ない」
ホークの顔が固まりました。

ホーク「あ?」
シルバー「だから。ない」
顔に手を当て、ホークはしばらく熟考した後、口を開きました。
ホーク「俺はあまり頭のいい方じゃねぇ。だが、働いたら金がもらえる、これぐらいは知っている。
    しかし、おめぇは働いたのに金が無いという。これがわからない」
感情をどこかに置いてきたような棒読みでホークは聞きました。
シルバー「金はもらったよ。だけど、あたしがしばらく休むって言ったとき子分たちが泣いて引き止めてさ。
     そういうわけにもいかないだろ?だから最後にあたしの奢りでパーッと・・・」
巨大な拳骨がシルバーの頭に落ちました。
シルバー「いたぁ!な、殴ったなぁ!私は親分だぞ!えらいんだぞ!」
涙目で喚きます。
ホーク「馬鹿野郎!おめぇは客の親分である前にこいつらの親分だろうが!
    子分だけ働かせて自分は働かねぇなんざ最低の野郎がすることだ!」
シルバー「ちゃんと働いてたよ!」
ホーク「海賊は結果が全てだ!過程なんざクソの役にもたたねぇ!」
シルバー「!!・・・・あたしダメな親分だったのか・・・・」
107ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:07:52 ID:???
がっくりと落ち込むシルバーの肩に手が置かれました。
海賊A「ミスは誰でもするもんですぜ。今後こんなことが無いように海賊のイロハを俺が教えて差し上げましょう!
    だから俺と一緒に別室へ・・・」
海賊B「てめぇ、その手に持ったハイヒールはなんだ!?
    さては親分に踏んでもらう気だな!?うらやm・・この変態が!!」
海賊C「親分が落ち込んでるのにつけこんで・・・油断ならn・・卑劣な!!」
海賊E「僕も踏んでください」
海賊D「ストレートだな」
海賊A「うるせぇ!!俺をお前らみたいな変態と一緒にするな!これは俺が履くんだよ!」
海賊D「お前が踏むのかよ」
わりと人の入ったパブでくだらないことを大声で喚きあうホークたちはたちまち注目の的になりました。

ゲラ=ハくん「騒いですみません。この人たちちょっとおかしいんです」
周りの客にゲラ=ハくんがペコペコ頭を下げます。
108ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:09:05 ID:???
ホーク「おめぇら少し静かにしろ」
海賊B「キャプテン!そういうあんたの稼ぎはどうなんだよ!」
海賊C「あんたさっきから文句言ってばっかじゃないか!」
海賊A「ちょっとおかしいとはなんだ!俺はかなりおかしいぞ!」
海賊D「いや、その主張はおかしい」
ホーク「俺か?ほれ」
テーブルの上にずっしりとした皮袋を放りました。
海賊E「すごい!500ジュエルはあるよ!」
ホーク「ゲラ=ハと一緒に果樹園でな。大変だったぜ、鳥どもがわんさか寄ってきやがってよ。
    そいつらを全部駆除した報酬ってわけだ」
海賊D「さすがキャプテンだぜ!!」
海賊A「俺たちに出来ないことを平然とやってのける!」
海賊B「そこに痺れる!憧れるゥ!」
海賊C「この分なら船くらいすぐ造れそうっすね!」
ゲラ=ハくん「いえ、果樹園の収穫は終わったので大きな儲けはここまでです。
       今月からは私とキャプテンも普通の仕事につくことになるので・・・、
       来年の今ごろくらいには骨組みくらいは何とかできそうです」

ゲラ=ハくんの冷静な言葉に場が凍りつきました。
今まで騒いでいたのが急に静かになったため、他の客達も訝しげにホークたちを見ています。
109ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:10:18 ID:???
海賊A「ふ・・・ふざけんなぁーーーーーーー!!!」
先ほど以上の音量の怒声が響き渡りました。
海賊A「そんな長い間堅気の仕事ができるかよ!!まともな仕事が出来ねぇから海賊やってんだ!!」
海賊B「だいたいあんたなんでそんなに偉そうなんだよ!!
    船もってねぇキャプテンなんざ陸に上がったカッパみてぇなもんじゃねぇか!!」
海賊C「カッパか、ハッ!」
海賊E「でもしばらくは海に出なくていいんだ。僕泳げないからちょっと安心」
海賊D「お前なんで海賊やってんだ?」

音速で手の平を返した海賊達がホークに食って掛かります。
船の上では決して壊れない団結心も陸の上ではボロボロです。
ホーク「なんだとてめぇら!文句あるならかかってきやがれ!!」
テーブルを蹴り倒しホークも立ち上がりました。
ゲラ=ハくん「止めてください、キャプテン。こんなところで騒ぎを起こすのは危険です」
ホーク「こいつらがいうこと聞かねぇんだからしょうがねぇだろ!!」
そのときパブの扉を荒々しく開け放ち、警備隊が入ってきました。
警備隊員「暴れている海賊達というのはお前らだな!?」
ホーク「おめぇら!引き上げだ!!」
海賊達『 『 『応!!!』 』 』
ここぞとばかりに団結するとホークたちは裏口から逃亡しました。
110ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:11:41 ID:???
――ヨービル、路地裏

ホーク「逃げきれたようだな」
海賊C「それはいいとしてキャプテン、どうするんです?」
海賊B「ちまちま働くのは勘弁っすよ」
海賊E「一月も働けば船買えると思ってたのにな〜」
その言葉に海賊達が相槌を打ちました。
ゲラ=ハ「その金銭感覚には素直に驚かされます」
ホーク「こいつらは船を手に入れた後にはいったからな」
シルバー「そうだ!!」
今まで黙っていたシルバーが突如声をあげました。
ホーク「どうした?元気になったのか?」
シルバーは勝ち誇ったような顔でホークに言い放ちました。
シルバー「あたしをダメ親分呼ばわりしたことを後悔させてやるよ!」
ふん!、っと嘲笑の笑みを浮かべましたが、童顔のせいで強がっている子供のようにしか見えませんでした。
ホーク「ほぉ、いってみろ」
シルバー「ふふん、あたしが龍だったときに集めていた宝がある。
     あれを売れば船の一隻や二隻すぐに買えるはずだよ!」
ホーク「そのお宝ってのはどんn・・・」
海賊E「すごいや!さすが親分!」
海賊A「ああ!どこぞのカッパなんかとは大違いだぜ!」
海賊B「頼りになる、かわいい、まったくオサレヒゲも見習えよ!
    これで俺のこと踏んでくれたら最高なんだけどなぁ」
海賊C「あ、こいつドサクサにまぎれて!その権利、俺に譲れ!」
海賊B「だが断る。あはは〜」
海賊C「こいつ〜」
海賊D「武器はやめとけ、な?」
ホークの声ははしゃぎだした海賊達にかき消されました。
ゲラ=ハくん「広い心。広い心です、キャプテン」
ホーク「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ」
シルバー「よぉし!じゃあいくよ!」
海賊達『 『 『応!!!』 』 』
111ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:12:44 ID:???
――龍の巣
サンゴ海のある岩山の頂上にホークたちはようやくたどり着きました。
ホーク「やれやれ、海賊が船借りてお出かけか。しまらねぇな」
シルバー「心配しなくてもすぐに新しい船が手に入るよ」
ホーク「だといいがな」

洞穴の内部は緑光を放つ岩石で形成されていました。
シルバー「気をつけなよ、そこらじゅうに罠が仕掛けてあるから」

海賊A「うわぁ!岩石だ!」
ゴシャ!
海賊B「惜しかったな!俺の右手が寄生生物なら切り裂いてたぜ!」
海賊A「この程度か。たいしたことないな!俺ら」
海賊D「・・・・・待て。何で当たったのに偉そうなんだお前ら?」

海賊C「いて!トラバサミだ!」
バシン!
海賊C「・・・この右のはさみは親分の上顎、この左のはさみは親分の下顎。ハァハァ」
海賊D「人じゃなくてもいいのかよ」

海賊E「な、なんかぬるま湯がでてきた〜」
でろ〜ん
海賊A「ああ!エッグがでろでろに!」
海賊B「くさったおにg、もといくさった卵に!」
海賊C「ゾンビが出てくるぞ!浄化の水、急げ!」
海賊D「どんな罠だよ」
112ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:14:08 ID:???
ホーク「おめぇら言ってるそばから引っかかんなよ。しかもこんなみえみえの罠に」
そこらじゅうに仕掛けられた罠は数こそ多いものの、仕掛けた後が隠されていない状態でした。
海賊A「せっかく親分が仕掛けたんだし」
海賊B「無視しちゃかわいそうでしょ」
海賊C「だからわざと引っかかって優しさをアピール!その優しさに打たれる親分、そしてラヴ!」
海賊A「馬鹿!ばらすなよ、俺たちが打算的な奴だと思われるだろ!」
海賊B「すいませ〜ん、今のオフレコでお願いしま〜す」
ホーク「・・・・・」
ゲラ=ハくん「陸に上がって不安定になってるんですよ。
       船が手に入れば、またもとに戻りますよ・・・・・・・多分」
シルバー「何言ってんのかよくわかんないけど、この罠仕掛けたのあたしじゃないよ。
     生まれたときからあったんだ」
海賊A「死ね!罠仕掛けた奴!」
海賊B「きっとどんな奴よりも醜い心をもってたに違いないぜ!なあ?」
海賊C「きくまでも なかろうよ!」
ホーク「こいつら病気なんじゃねぇか?」
ゲラハ=くん「私に聞かれても・・・」

海賊E「ちなみに僕は普通に引っかかったよ」
海賊D「それは知ってる」
113ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:15:26 ID:???
――龍の巣、大空洞
シルバー「さあ着いたよ!全部持っていきな!」
ホークたちの眼前にはきらきらと光る物が山のように積まれていました。
海賊達『 『 『  ヒャッホー!! 』 』 』

一時間後
ゲラ=ハくん「通貨とジュエルはほとんどありませんね。
       アニマルコインと虫アメ、キレイ石が大半ですね」
シルバー「どうだい?これで船は買えるだろ!?」
ゲラ=ハくん「・・・・渡し舟くらいならなんとか」
シルバー「そ、そんなああああ!こんなにキレイなのに!?」
ゲラ=ハくん「キレイであることと価値があるか否かは別の問題です。残念ながらこれらは大して価値がありません」
海賊E「なんだ、がっかり」
海賊D「見込みが外れたな」
海賊B「遠くから見たら宝の山だったんだけどな」
海賊C「まぁこんなもんだよな世の中」
シルバー「うう・・・」
子分たちの落胆の声にシルバーは心がチクチクと痛みました。
海賊A「お前ら!親分を責めるな!確かに思ってたよりは少ないが十分な稼ぎだろ?
    俺たちのために尽力してくれた親分に感謝してしかるべきじゃねぇのか!?」
シルバー「あんた・・・」
シルバーの心に日が差しました。
海賊A「とはいえお前らの気持ちもわかる」
シルバー「え?」
すぐさま雲がかかりました。
海賊A「そこで俺が皆を代表して親分にお仕置きをしたいと思う。この石下駄で。
    さあ、親分、お尻をこっちに向けてください!」
シルバー「ええと、キャプテン。あたしこういうときどうしたら良いかわからないんだけど」
ホーク「やればいいと思うぞ」

『かみかみ砕く』

海賊A「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
114ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:16:42 ID:???
――帰路、海上

船縁で物思いに沈むシルバーにホークが話し掛けました。
ホーク「気にしなくていいぞ。あの馬鹿が言った通りおめぇに非はねぇよ」
シルバー「ああ、でも自分の世間知らずぶりが情けなくなちゃってね」
ホーク「まだ人間になって一ヶ月だ。当然だろ」
シルバー「でも生まれて一ヶ月ってわけじゃないよ」
ホーク「・・・いいか?人が生きることと、知ることは同じことだ。
    長く濃く生きた分だけ知識も多くなる。おめぇが人としてたのは一ヶ月。卑下するこたぁねぇよ、上等だ。
    それでもなんとかしてぇなら今すぐ知る努力をしろ。悩んでるひまなんてねぇぞ?」
少し考えた後、うつむいていた顔を上げシルバーは微笑みました。
シルバー「・・・・なるほど。・・・キャプテンあんた器がでっかいな」
口の端を上げホークは笑いました。
ホーク「今ごろ気づいたのk」
海賊B「裏切り者センサー、探知、発見、驚愕。キャプテンです!」
海賊C「なんだと!ずるいっすよ、ぬけがけなんて!みんなの親分ですよ!?」
海賊A「はぁ〜、女にゃ興味ないみたいな顔してやるこたしっかりやってますなぁ、このカリビアンが!」
ホーク「てめぇらどこからわいて出やがった!」
シルバー「キャプテン、『やること』ってなんだ?」
ホーク「うるせぇ!自分で調べろ!」
ゲラ=ハくん「皆さん静かにしてください」

海賊E「うぇ〜、おえっぷ、ぐぇ〜」
海賊D「大丈夫か?背中さすってやろうか?」
海賊E(コクコク)
海賊D「やれやれ、世話の焼ける」

115ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:18:07 ID:???
――ワロン島、ゴドンゴ寮

ゲラ=ハくん「さて、どうします?ローザリア寮に戻りますか?」
ホーク「ふふ、心配するな。さっきそこですごい物を手に入れた」
海賊C「また唐突ですね」
無視してホークは古めかしい羊皮紙を取り出しました。
ホーク「こいつを売ってたゲッコ族いわく、ジャングルの遺跡の近くで発見したそうだ。
    いまだ手つかずな遺跡らしいから期待できるぜ。さ、ゲラ=ハ解読してくれ」
ゲラ=ハくん「読めません。見た事も無い文字です」
ホーク「物知りなおめぇがしらねぇのか」
シルバー「これ古代文字って奴じゃない?昔見た事があるよ。読むことは出来ないけどね」
ホーク「古代文字ってこたあ信憑性が高まったな。お宝の匂いがするぜ」
海賊A「でも読めないんでしょう?使えないじゃないっすか」
ホーク「手がかりを探すんだよ。学園中を回ってな」
ゲラ=ハくん「仕事はどうするんです?」
ホーク「俺たちはともかく、こいつらにゃ仕事は無理って事がよくわかった」
海賊D「わりと心外なんですが」
聞いちゃいません。
ホーク「ちまちま堅気の仕事するよか、冒険してる方がいいだろ?おれたちゃ、

ホーク・ゲラ=ハくん・シルバー・海賊達『 『 『 『海賊!!』 』 』 』

だからな!」

海賊C「冒険ってのも良いな」
海賊B「働くよかよっぽど良いぜ!」
海賊E「お宝楽しみだなぁ」
シルバー「海賊には冒険もつきものだからね!」

騒ぐみんなをよそに、ゲラ=ハくんは小声でホークに尋ねました。
ゲラ=ハくん「その古文書いくらだったんです?」
ホーク「・・・・700ジュエル。この一ヶ月の稼ぎ全部使っちまった。ハハハ」
ゲラ=ハくん「笑い事ではないんですが」
ホーク「まぁ心配すんな。こいつは金になる。俺の直感がそう告げてる。
    俺はここ一番の勝負じゃ絶対負けねぇんだ。おめぇも知ってるだろ?」

ゲラ=ハくん「信用しますよ」

幕間劇「その後の海賊さん」


116ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 03:23:00 ID:???
>>まとめサイトの人
いつもすばやい更新乙です!
そして500HITオメ!
カウンターがあると人がいるってわかるからいいなぁw

さてアルベルトの幕間書くといいつつ別の物が先に完成してしまった。
あっちはもう少し待ってください。ゴメソ
117ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 14:37:41 ID:???
幕間乙です!
キレイ石を集めまくってた親分テラカワイイw
海賊Aの変態っぷりや罠にかかるシーンで笑ってしまった。
古文書ってことは、あの糸石・・・?アルベルト幕間も楽しみにしてます。

まとめサイトの方も、いつも更新乙です。

恐れ多くもサルーインちゃんを描いてみました。携帯のカメラで撮ったやつでスマソ…。
ttp://vip.jpn.org/uploader/source/up1036.jpg
118ゲーム好き名無しさん:2005/09/17(土) 21:49:28 ID:???
>>102
まとめサイトの人、更新乙です!
色々充実してくるのを見ると、わくわくするねぇ!
それにあらすじ?みたいなのを付けるという案、期待してます。
あらすじを見返して、「あ〜そんな話だったなぁ〜」と一人でニヤニヤする予定。

>>116
幕間gjです!細かいところが凝ってるねぇ。
海賊の名前の頭文字がちゃんとABCDEになってるし。
ABC=変態、D=真人間、E=真性ですな。真性のEに惚れたw
そして羊皮紙ってことは・・・アレだね。
アルベルト幕間も楽しみにしてるよ。ツフが絡む以上、タダで済むわけはないとは思うw

>>117
おー渋い!写実的というか。絵を描ける人は尊敬するな〜マジで。


俺も今日の夜中にでも幕間を一つ入れます
1191/4:2005/09/18(日) 00:17:20 ID:???
あいも変わらず、混沌の極みを見せるアディリスハウス・・・

しかし今そこに、救世主が誕生する!
ゆとり教育を粉砕し、ナメたガキには拳で語る、まさに漢の教科書。その名は
アディリスちゃん「はじめまして。野獣教師です。」
アルドラちゃん「・・・ナニやってんだアディリス。」
アディリスちゃん「ち〜が〜う〜わ〜よぅ〜〜野獣教師よ!ケモノよ!死肉を喰らうケモノのような先生なのよ!
         あ、なんなら代打教師、秋葉真剣です!でもいいけど。」
ディアナちゃん「それ何人の人がわかるんですか。」
アルドラちゃん「あーわかったわかった。ようは先生って言いたいだけなんだろうが。はい、タイトルコール。」

         幕間 『アディリス先生リターンズ』

アディリスちゃん「と、いうわけでアディリス先生第2回をやってみたいと思います。反論は不許可。」
ディアナちゃん「しかし何故我々が出てるんですか?前回と同じく4寮長の皆さんを呼べばいいのに。」
アディリスちゃん「いやぁ〜せっかく、アタシ達トリオが固まったんだし、この線でプッシュプッシュ!したいじゃなーい♪」
アルドラちゃん「で、ホントのところは?」
アディリスちゃん「タイラントに電話したら、『貴様は相変わらず何をやっているか。そもそも寮長というものは・・・』
         と、長くなりそうなので切りました。
         タイニィは、この話を持ち出したとたんにFaxに切り替えやがったので、
         大量の氷とふえるワカメちゃんを小包で送ってやりました。届いた頃には大繁殖でしょう。
         水竜は、『行ってやってもいいが条件がある。お前のとこにカワイイ子が増えたろ。紹介しろ』
         などと抜かしたので、電話口から小一時間さだまさしの歌を流し続けてやりました。」
ディアナちゃん「気持ちいいくらいの交渉決裂っぷりね。」
アルドラちゃん「つーかそもそもアディリスにネゴは無理だろ・・・んで、オレたちが聞き役なワケだ。」
アディリスちゃん「そういうこと♪でも一つ問題があってさー。」
ディアナちゃん「どうしたんですか?」
アディリスちゃん「何やるか、ぜーんぜん考えてないのよね〜〜。」

アルドラちゃん「   明  王  九  印   ! ! !」

アディリスちゃん「ア、アルドラちゃん・・・これは結構キくわ・・・
         こ、これが積木崩しなのね!!盗んだバイクで走り出すのね!!愛が足りてないわっ!!」
ディアナちゃん「またワケのわからないことを・・・ま、盗んだ馬でニューロード爆走はしましたが。」
アルドラちゃん「つーかネタも無いのに人を集めようとするなよ!どうまとめるんだこれ。」
アディリスちゃん「んじゃ、手近なところから責めてみる?歴史の授業ということにして。
         てなわけで、テーマはどん!

        『昔のロマサガ』!!」

アルドラちゃん「一応歴史っちゃ歴史か。オレは昔のは知らないしね。ちょっと興味出てきたよ。」
ディアナちゃん「書いてる人は、SFCのロマサガは1度クリアしただけだから、あまりディープな話はできないとは思うけど、
        体験談の一環として、ちょっと話がズレてても、大目に見てあげてください。」
アディリスちゃん「では、授業の舞台へ!!」
アルドラちゃん「それ言いたいだけじゃないのか?」
1202/4:2005/09/18(日) 00:18:42 ID:???
昔のスゴさ1『敵が多い!!』

アルドラちゃん「あーーこれはよく聞く話だな。しかしオレは見たことないのでなんともいえないけど、そんなに凄いの?」
ディアナちゃん「それはもう・・・今となってはよくクリアしたなと思います。画像があれば一発ですが、リンクするのもアレですし。」
アディリス先生「んじゃイメージ戦略でいきましょか。3年B組金八先生って知ってる?」
アルドラちゃん「それくらいは知ってるよ。また唐突にどうした?」
アディリス先生「じゃ、それのオープニングで、『さぁんねぇんびぃぐみ〜』って鉄也が呼ぶわよね?」
アルドラちゃん「鉄也って言うなよ。『きぃんぱちせぇんせ〜』っつって生徒がワッ!と寄ってくるんだな。」
アディリス先生「 そ い つ ら 全 員 敵 だ と 思 え  !!!」
アルドラちゃん「なにその残酷無残な3年B組。」
ディアナちゃん「まぁ普通のフィールドはもうちょいマシだったですけど、魔の島とかは正にそんな感じでした。
          細長い通路に・・・見えるんですよ・・・列をなして順番待ちしてる敵が・・・1画面に2,30体とか・・・」
アディリス先生「ダンジョンだとよけるスペース無いから結局殲滅戦になるのよね・・・
          ちなみに先生はジャミルで始めて、ついに下水道から出られなかったわ・・・」
アルドラちゃん「着実にみんなの心に傷跡を残しているなぁ・・・」
アディリス先生「そういう意味では、ミンサガではかなりやり易くなったわね。回避しやすいし。
          ちなみにあの敵の行列を見ると、先生夏と冬の幕張の祭りを思いd」
ディアナちゃん「先生、はいストップストップ。」
アルドラちゃん「・・・で、次は?」

昔のスゴさ2『隊列が独特』

アディリス先生「こちらの布陣には、前列、中列、後列の3パターンがあります。これは今も昔も同じこと。
          しかーし。配置の方法がチョット違うんだな〜。」
アルドラちゃん「どんな感じ?」
アディリス先生「3×3の9マスの中に、パーティのメンバー6人を配置してくって感じなのよ。たとえばこうすると・・・
          ●○
          ★ ☆
          ▲△
          黒で表現された3人(●★▲)が前衛、○と△が中列、☆が後衛って形になるのよ。」
アルドラちゃん「なんだ。今と変わらないじゃない。」
アディリス先生「甘い!アマアマよ!!そんなアナタに首ったけ!!」
ディアナちゃん「先生はどうしてそう呼吸するかのように自然に脱線するんですか。」
アディリス先生「これも生き物のサガよ。さてアルドラ、簡単な算数の問題。3×3の正方形だと、1辺の長さは?」
アルドラちゃん「そりゃ3だろ・・・ってなるほど!そうか。つまりはどう頑張っても最初から全員前列ができないってことか。」
アディリス先生「ご名答〜〜♪そういうことです。ちなみに旧ロマサガでは武器の射程距離がきちんと決められていて、
          剣とかの場合は前列に来ないと使うことができませんでした。
          そのせいか、旧サガのコマンドには『前進』『後退』というのがありました。という訳で、剣使いが4人以上だと・・・」
ディアナちゃん「前列の3人に漏れてしまった人は、無理やり中列に配置されることになるので、
          戦闘開始後1ターンは前進で費やすことになります。そんな悠長なことしてると火の鳥や吹雪くらうんですけどね・・・」
アディリス先生「ディアナが又たそがれてしまったわ。まぁいいか。ちなみに旧ロマサガは2D画面なワケですが、
          敵とどの方向からぶつかったかで布陣が変わるという、大変めんどくさ・・・もとい、斬新な方法をとられております。
          追っかけてきた敵が体の右や左に当たると、上の図で示した布陣が90度ひっくりかえるという訳です。」
アルドラちゃん「右からぶちあたると、丸(●○)が前衛、星が中列、三角が後列になるのか。▲が近接武器しかないと、何もできないな。」
アディリス先生「システムも凝り過ぎると諸刃の剣になります。まぁこれがあったからこそ、後の陣形とかに繋がったんでしょうけど。
          そういうわけで、先生の部屋も過度に凝りすぎないように、自重しているわけですね。」
アルドラちゃん「先生の部屋は、管理を自重ってより運営を放置って感じだな・・・・」
1213/4:2005/09/18(日) 00:19:44 ID:???
昔のスゴさ3『みんなの憧れアイスソード』

アディリス先生「さて皆さん、ちゃんとガラハドは殺したかな?」
ディアナちゃん「もちろんです先生。ロマサガ史上最高に有名なイベントですもの。
          そもそも私は気に入らなかったのよ。ローザリア所属でありながら、私やナイトハルトくんとは余りにも違う・・・
          醜い!醜いわ!!だからトパーズを付けて、巻き打ちしかできない無力な彼を、
          少しずつ肉をそいで・・・手足を折って・・・あァ・・・イィわ・・・お鳴きなさい・・・踊りなさい・・・」
アディリス先生「でぃ、ディアナちゃん!?あなた・・・ドSだったのね・・・(ごくり)」
アルドラちゃん「なーーんでこの学園は変態含有率が高いかな。」
アディリス先生「さて、今回のアイスソードはお世辞にも凄く強い!ってわけではないけど、昔のはそりゃ凄かったのよ。」
ディアナちゃん「強烈な全体攻撃の『冬の嵐』に、最強クラスの単体攻撃『冷凍剣』ね。」
アディリス先生「これは、旧ロマサガの技のシステムが関係する話になるのね。
          昔のロマサガは、技は武器にくっついていたの。その武器を装備して振りつづけると、
          その武器に固有の初級、中級、上級、奥義を使えるようになる。つまり、武器固有技しか使えないということでもあるわ。」
アルドラちゃん「不動剣はレフトハンドソードのみ、か。なるほど。確かに最強レベルの全体技と単体技があるなら、
          悪魔に魂を売ってでも手に入れたくなるよなぁ。
          ・・・ってことは、死の剣も昔はやっぱり強かったんだね!」
アディリス先生「・・・それは・・・」ディアナちゃん「・・・言わぬが華・・・ね・・・」

デスちゃん「へぷしっ」


昔のスゴさ4『巨人の里でショッピング』

アルドラちゃん「そういえば、旧ロマサガからやってた人で、『巨人の里で買い物したかったのに拍子抜けした』って人がいたな。」
ディアナちゃん「今回巨人の里で売ってるのは、先述したアイスソード+1以外は全て防具ですからね。」
アディリス先生「そう。それが不満だった人もいるみたい。では旧ロマサガでは何があったかというと・・・
          あったのよっ!!『ジルコンの斧』という最強の斧と、『アンバーの槌』という最強の棍棒がっ!!」
ディアナちゃん「『ジルコンの斧』では、『飛翔のうてん撃』が。『アンバーの槌』では、『たたきつぶす』という技が使えたのよ。
          ネーミングのセンスを感じるわね。『のうてん』とひらがななのがポイント高いわ。」
アルドラちゃん「おおー!それは使ってみたかったなぁ。たたきつぶすってのが最強の技とはね。逆にすっげー強そうだ。」
アディリス先生「そんな訳で、今回巨人の里に大金を持ってっても、買えるのはこんなんばっかなの。ちょーっと残念、かな?
          まーいいや。売って酒代の足しにしますか。」
ディアナちゃん「先生、その手にあるのは・・・あまぐもの腕輪に疾風の靴に火神防御輪!?」
アルドラちゃん「この流れは・・・まさか前回と・・・」

     水竜「やはり」
   タイニィ「お前が」
  タイラント「持っていたのか。」
アディリス先生「びくっ!!」

アルドラちゃん「・・・同じオチか・・・」
1224/4:2005/09/18(日) 00:20:35 ID:???
昔のスゴさ5『4寮長の今昔』

タイラント「やはり貴様が持っていっていたか。全く油断も隙も無いな。」
タイニィ「お前のせいでスカーブ山が、わかめパークになってしまったぞ。後始末どうすんだよオイ。」
水竜「さだまさしの秋桜が・・・あ、頭から離れない・・・
    ・・・それはそうと、キミたち可愛いね。キミがアルドラちゃんで、キミがディアナちゃんか。噂は聞いてるよ。
    ここで出会えたのも運命のお導きさ。どうだい、これから食事でも・・・」

アディリス&タイニィ&タイラント「「「トリニティ天変縮退撃: 神 罰 !!!」」」

アディリス「つーか来ていきなりナンパしてんじゃないわよーーーう!!!」
水竜「・・・人の恋路を邪魔しおって・・・」
タイラント「何をぬかすか。奴らとは初対面だろうが。随分と軽い恋だな。」
タイニィ「しっかし水竜よ。お前は人間体になるとエラく口調が変わるのな。」
タイラント「それよりもアディリスよ。貴様にも困ったものだ。これで何度目だ?」
アディリス「問題です。その質問に答えて、果たして私は反省するでしょーか?」
タイラント「無理だな。しかし例え無理とわかっていても、言うべきことは言わねばならぬ。」
アディリス「相変わらず堅いわね〜アンタは。でもア・タ・シ知ってるのよ〜〜〜♪
       アンタは今でこそ『我は』とか威厳もっちゃってるけど、昔は『俺は』とか言ってたのよね〜〜〜♪」
タイラント「そういう事をぬかすか。ならば我も言おうか?貴様が昔どうだったかを。」
アディリス「あ、ゴメン。今のなし。ね!ねっ!!」
タイニィ「そうだぞタイラント。私とお前と水竜は固有グラだったのに、アディリスだけ雑魚ドラゴンの色違いだったなんてことは・・・」
アディリス「ナチュラルにばらしてんじゃねーー!!!!フガーーーッ!!!!」
水竜「タイニィはまさに大鷲って感じだったな。そのくちばしはサルーインをも葬った。たいしたものだ。
    ・・・今ではモスラだけど。そんなことよりアルドラちゃん、キミ今付き合ってる人いるの?」
タイニィ「・・・水竜・・・お前は言ってはならん事を言ってしまったようだな・・・
      お前だって昔こそまさに龍!というグラだったが、おもしろ変化を遂げたであろうに。」
水竜「・・・ごめんアルドラちゃん。先にシメなきゃならない奴がいた。この埋め合わせは次に必ず、ね。」
アルドラちゃん「いや、埋め合わせも何もそれ以前の話だと思うんですが。」
アディリス「おらーー!アタシを無視してんじゃないわよーう!!1人でも2人でも3人でもかかって来いやーーー!!!」
タイラント「・・・是非もなし、か。済まないが2人とも、しばし席を外してくれるか?」
ディアナちゃん「了解です。命は惜しいですしね。」
アルドラちゃん「うん、あとヨロシクね。ディアナ、ブルエーレのカフェでも行こうぜ。」


タイニィ「軽軽しく愛とか言ってんじゃねーー!!このナンパ師がーーーー!!!」
水竜「軽軽しいとは何だ!!私はいつでも真剣なのだ!!女が星の数ほどならば、星の数を数えるまでよ!!」
アディリス「フガーーーーッ!!ニャーーーーーーッッ!!!フギャーーーーーーッッッ!!!!」
タイラント「貴様らいい加減にさらせ。これ以上4寮長の 恥 を 晒 す な 」


ディアナちゃん「また地震ですね。」
アルドラちゃん「余震が続いてるね。ってことはまだまだ帰れそうもない、か。すんません、カプチーノおかわり!」


アディリス先生リターンズ、おしまい。
123ゲーム好き名無しさん:2005/09/18(日) 00:25:49 ID:???
勢いで書いてしまった。だが私は謝らn(ry
そんなわけで、完全に本編とは関係が無いのを書いてみました。もはやミンサガ小説とはかけ離れてしまった希ガス
水竜くんのナンパ属性は、結構使ってみると、色々面白かったです。
では、本編の続き期待してます。頑張ってね!
まとめサイトの中の人、管理乙!いつも感謝してます。そちらも頑張ってくださいね〜。
124ゲーム好き名無しさん:2005/09/19(月) 14:21:24 ID:???
今正式に俺の最萌キャラがアディリスたんに決定しました。
125ゲーム好き名無しさん:2005/09/19(月) 14:45:43 ID:???
うわぁ、懐かしいなー。私もロマサガでは凍結城で立ち往生してました

そうか、昔は猿に石化効いたもんな
でも今回四天王でバトルしたら、タイニィたんが真っ先に昇天しそう…
そんなワカメまみれの天然系で三途の川のお邪魔虫なアナタが大好きだ
126ゲーム好き名無しさん:2005/09/19(月) 22:25:36 ID:???
お疲れ様です。
四寮長達はやっぱいいねw少し前まではどう登場させようかとみんなで迷っていたのが嘘のようだ。
常識人はタイラントしかいないのが分かって一安心だ。一安心?

>>まとめサイトの中の人
更新お疲れ!これはいいねw
お前の苦労に報いてやろうといいたいところだが実質言う事しか出来ません。これがわからない


ところで本編書く、といった物ですが、のっけから辻褄合わせでかなり難しい・・・
それに忙しいので明日か明後日以降になる可能性大。
ほんとごめんなさいね・・・
127ゲーム好き名無しさん:2005/09/20(火) 20:01:19 ID:???
エッグに萌えました。 スレ違いでごめんなさい。
128ゲーム好き名無しさん:2005/09/21(水) 18:55:20 ID:???
>>127
別にスレ違いじゃないっしょ。感想も立派にこのスレの主旨に沿ったものだし。
最近のお話に限らず、まとめサイトに載ってる過去作について感想を書いたり、語ったりしてもいいと思う。
雑談、感想、その他色々なんでもいいから話してスレを活性化させて欲しいな。できればROM専の人達も。
というわけでネタふり。
この学園の通貨について。1ジュエル>1金ってのはわかるが、レートがよくわからん。
129ゲーム好き名無しさん:2005/09/21(水) 19:50:06 ID:???
1ジュエルが十円くらいで1金が一円くらいじゃないか…?
それじゃ差が少な過ぎるか
130ゲーム好き名無しさん:2005/09/21(水) 21:04:31 ID:???
1金1円とすると殿下の槍は・・・何も言うまい。
ジュエルを金と替えたりするシステムが欲しかったなぁ…
131ゲーム好き名無しさん:2005/09/21(水) 21:36:38 ID:???
ミルザが97ジュエルしかなくて、オイゲンくんの昼飯代とかいってたからなぁ。
1ジュエル=10円くらい?とすると1金1円になっちゃうんだよなぁ。
昔の感覚でいけば、1ジュエル=1万金だけど。そうすると1金=1ペソみたいになるな。
132ゲーム好き名無しさん:2005/09/22(木) 02:20:28 ID:???
>>120 ホークで集会所に入ると、ロマンシングな体験再び、ですた

ナンパ属性水竜様、いつぞやの擬人化イラストのイメージで定着しました。萌えです。
四寮長、ほんとにキャラ立ってて面白いっす。
133ゲーム好き名無しさん:2005/09/23(金) 01:06:45 ID:???
猿一味、ミルザ達、四寮長。みんなキャラ立ってていいね。
ウェイ一味はセージ以外大して煮えきってないな…これからに期待か。
本編期待しちょるぜ。
134ゲーム好き名無しさん:2005/09/23(金) 12:06:18 ID:???
アルドラ、お前セーラームーン見てたな!
135ゲーム好き名無しさん:2005/09/23(金) 23:10:06 ID:???
なんとなく四寮長の1人称と2人称はどんな感じだろうかと想像してみた。

タイニィくん
1人称=私 2人称=お前

アディリスちゃん
1人称=アタシ 2人称=○○(相手の名を呼ぶ)

タイラントくん
1人称=我 2人称=貴様

水竜くん
1人称=私 2人称=お前





水竜くん(人間Ver)
1人称=ボク 2人称=キミ
136ゲーム好き名無しさん:2005/09/23(金) 23:49:50 ID:???
初等部の頃、若気の至りで「俺」とかイキがってるタイラント君妄想しちまった
そんな彼が、デスちゃんには、ちゃん付けなのがとてもすてきだ

水竜くん(人間Ver)
対女性:1人称=ボク 2人称=キミ
対男性:1人称=私 2人称=貴様?
137ゲーム好き名無しさん:2005/09/24(土) 12:57:25 ID:???
タイラント君に昔の写真とか見せたら、ヘルファイアされるんだろうな。
138ゲーム好き名無しさん:2005/09/24(土) 17:20:39 ID:???
タイラント、ダークにボロ負けしたよな
139ゲーム好き名無しさん:2005/09/24(土) 22:22:00 ID:???
ダークではない、アクアマリンに負けたのだ
140ゲーム好き名無しさん:2005/09/24(土) 23:39:28 ID:???
時に本編書く人よ、ネタ完成の目処はたったかお?
難しいようなら、明日の夜分辺りに漏れが本編ネタ振っちゃうけどいい?
それとも待った方が良い?
いや、ネタがない訳じゃないんだけど、幕間ばっかりってのもアレかなぁと思って。
141ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 00:16:16 ID:???
おう、もう後は頭の中の物語を文に起こす作業だけよ。
明日中には投稿できそうなの
ほんとみんなゴメンなの
142ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 01:44:22 ID:???
じゃぁ待つお
>>141ガンガレ!!
14390:2005/09/25(日) 19:00:30 ID:???
大幅に締め切り破った俺が来ましたよ。
十日とかいっときながら二週間以上・・・ほんと申し訳ない。
では投稿。
144ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:02:32 ID:???

外伝『夢と現実、そして・・・・・』

ディアナちゃんとナイトハルトくんの婚約祝いダンスパーティーから二日後。
ようやく落ち着いたルドルフたちのもとにある知らせが届きました。
ルドルフ「なに?アルベルトが病気だと?」
執事「はい、昨日から眠ったままです。それに、なにやらうなされているご様子」
マリア「まぁ、私としたことが気づきませんでしたわ・・・」
ディアナちゃん「アルベルト・・・」
正確にはダンスパーティーの日から病気になった状態でベッドの上で発見されるまで、
空白の一日がありましたがそのことには誰一人気づきませんでした。
ひでぇ扱いです。

――アルベルトくんの部屋
ベッドの上にはアルベルトくんが静かに寝息を立てていました。
どうやら今はうなされていないようです。
ルドルフ「先生、アルベルトは何の病気なのですか?」
N先生「ふむ、どうやら夢魔に取り憑かれているようだ。
    余程恐ろしい思いをしたようだ。その恐怖に惹きつけられたのだろう。
    恐怖という感情は夢魔の好物の一つだからな」
マリア「どうすれば治るのですか?」
N先生「放って置けばいい。十日もすれば夢魔も飽きるだろう。・・・高い確率で廃人になるが」
ルドルフ「それは困ります!何か他に手段は!?」
N先生「あるぞ。殺せば良いのだ。死の瞬間、その一瞬だけ目をsがふ・・・痛いじゃないか。
    冗談に決まっているだろう」
剣の女王による一撃を頭部に受け、思わずN先生はうずくまりました。
ディアナちゃん「言っていい冗談と悪い冗談があります!退治は出来ないのですか!?」
N先生「無理だな。夢魔と我々は存在する世界が違う。
    戦えるのは同じ世界にいるアルベルトくんだけだ。
    あらゆる恐怖とトラウマを押さえ込むだけの意志の力が彼にあれば追い払えると思うが・・・」
ルドルフ「アルベルトには無理だ」
マリア「あの子は昔から泣き虫で・・・」
ディアナちゃん「他の案はありませんか?」

満場一致で否決されました。
145ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:04:03 ID:???
N先生「・・・ある意味、素晴らしい信頼だな。では最後の手段だ。
    強力なきつけ薬で無理やり起こす。だが材料の薬草が無くてな。取ってきてくれ」
ディアナちゃん「どこにあるのです?」
N先生「カラム山脈の中にある山に群生している。その山には特に名前は無い。
    地元民は霧の山とか魔龍公の巣と呼んで、五合目までしか登らないがな。
    山のふもとにも生えるのだがそれは地元民が採ってしまう。
    手に入れるにはそれより高く登るしかないぞ?」
ディアナちゃん「弟の危機を放ってはいられません。私が行ってきます!」
ルドルフ「待ちなさい。お前一人では行かせられん。私も行こう」
マリア「あなたは腰痛持ちなのですから無理をなさらないでください」
ルドルフ「む・・・では誰か護衛の者を・・・」

デッデッデデデデッ!

ルドルフ「このテーマ曲は!」
部屋にいたものが一斉に振り返ると、そこにはいつのまにかナイトハルトくんが立っていました。

ナイトハルトくん「ルドルフ寮長、ディアナの護衛は私が引き受けよう」
マリア「まぁ、どこにいらしたんですか?」
ナイトハルトくん「ふふ、私はどこにでもいるのだ」
答えになっていない答えを返しナイトハルトくんは不敵に笑いました。
ルドルフ「申し出はありがたいがこれは我が家族の問題。ナイトハルトくんを危険にさらすわけには・・」
ナイトハルトくん「水臭いことを言わないでくれ。アルベルトは私の義弟となる者、
         私が手伝うのは当然のことだ」
ルドルフ「わかった。ディアナを頼む」
ディアナちゃん「よろしくお願いします」
N先生「話はまとまったか?では地図を渡そう」
山までの道のりが描かれた地図を受け取り、ディアナちゃんたちは薬草採取の旅へ出発しました。
146ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:04:54 ID:???
――アルベルトくんの夢の中

アルベルトくん「ここは・・・お菓子の家?」
そこはビスケットやキャンディーで形成された奇妙なオブジェが屹立している空間でした。
そこの住人達は空を自由に移動していました。

アルベルトくん「私も・・飛べるのだろうか・・・」
???「飛べるとも」
振り返るとそこには馬を豪奢にしたような生物がいました。
???「ここは私の空間だ。さあ、地面を蹴ってみるといい」
恐る恐る地面を蹴ると、アルベルトくんの身体は重力の戒めを解き空中に浮かび上がりました。
アルベルトくん「飛んでいる!!この羽は伊達じゃないんだ!!」
背部の羽をはためかせ、アルベルトくんは自由に空を飛び回りました。
???「造作も無いことだ。空を飛ぶことも―――落とすことも」
突然浮力を失いました。
アルベルトくん「え?」
ものすごい勢いで地面が迫ってきます。
アルベルトくん「うわああああああああああああああああああ・・・・・・」
147ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:06:29 ID:???
――山麓の集落

ウソ寮から更に絡む山脈よりにある小さな集落にディアナちゃんたちはたどり着きました。

ディアナちゃん「あの〜、きつけ薬の材料になるという薬草を探しに来たのですが・・・」
地元の主婦らしき人に声をかけました。
おばちゃん「ん?ああ、飛竜草の事かい。悪いけど今年はもう全部売れちまったよ」
ナイトハルトくん「ふむ。やはり登らねばならんか」
おばちゃん「あんたたち魔龍公の巣に行く気かい?今年は数が少なくてねぇ。
      五合目辺りまでには残ってないよ。七合目位には残ってるかもしれないけど。
      モンスターもいるし危ないよ?」
ディアナちゃん「覚悟の上です」
おばちゃん「まぁ、なら止めないけど。飛竜草は刺に毒があるからね。これを持っていきな」

おばちゃんは解毒薬を投げてよこしました。
ディアナちゃん「お心遣い、感謝します」
おばちゃん「旅人には優しくするのが我が家の家訓さね。くれぐれも山頂には行かないようにね」
ナイトハルトくん「魔龍公とやらがいるからか?」
おばちゃん「言い伝えだけどね。君子危うきってやつだよ」
おばちゃんは快活に笑いました。

おばちゃん「ま、危なくなったら帰っといで」
ナイトハルトくん「うむ。感謝する。ではディアナ、イクゾー」
ディアナちゃん「はい」
ナイトハルトくん「ちがう。『イクゾー』だ」
ディアナちゃん「イ、イクゾー」
148ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:07:09 ID:???
――アルベルトくんの夢の中

アルベルトくんは場末の酒場で見知らぬ男と杯を傾けていました。
男「酒は心の友よのぅ。そうは思わぬか?旅の人?」
アルベルトくん「その気持ち、わかります」

また杯を傾けます。
男「酔ってない。酔ってないでひゅ」
アルベルトくん「その気持ひ、わかりまふ」

三度杯を傾けます。
男「ち、ちゃんと相手の目を見てしゃべれぇっ・・・・・・」
アルベルトくん「そ、のきもひ、わかり・・まふ」

またまた杯を傾けます。
男「しゃしゃしゃけぇっ。おもおもおも、えへへ」
アルベルトくん「その、の、の、きも・・・ふぇへへへへへへ」

まだ杯を傾けます。
男「くぅ・・・・・・」
アルベルトくん「うごぅおえええええええええええええええええええ・・・・だめら・・・」
再び意識が闇に落ちました。
149ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:08:11 ID:???
――魔龍公の巣

深い霧に包まれた険しい山を二人は命綱も無しによじ登って行きました。

ナイトハルトくん「この程度の傾斜なら、スカーブ山を制覇した私には苦も無い」
ディアナちゃん「しかしこの霧では飛竜草を探すのに苦労しそうですね」
ナイトハルトくん「心配するな、七合目まで登ればすぐに見つかる。私の人生はそういう風に出来ている」
根拠も無いのに胸を張って答えます。
ディアナちゃん「そうなのですか?さすがです」
普通に信じてしまいました。

しかし、あまりに霧が深く、視界が確保できなくなったため、二人は山の内部を進むことにしました。
山の内部は禍禍しい気に満ち溢れていました。
二人は周囲に気を払いつつ、歩を進めました。
その二人の足元にアリ地獄のようなスリバチ状の穴が突如現れ、ナイトハルトくんの足を捕らえました。
ナイトハルトくん「む!?」
ディアナちゃん「ナイトハルトさん!!」
穴の中心にはピンク色の気色悪い生き物が蠢いています。
ナイトハルトくん「心配無用だ」
自慢の槍を構え、悪い足場を物ともせずモンスターを叩き伏せました。
ナイトハルトくん「ナニモイウコトハナイ」
150ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:09:34 ID:???
夢でした。

実際にはそのモンスター――『ライフトラップ』の催眠攻撃により眠りに落ちた
ナイトハルトくんはいいように生命力を奪われていました。

ナイトハルトくん「フンッ・・・ザコカー・・・ムニャ」
一方ディアナちゃんは焦りまくっていました。
ディアナちゃん「ど、ど、どうしよう?このままじゃナイトハルトさんが・・・。
        そうだ!『破幻術』!!・・・・・・・・・・・使えたら苦労しないわ!!」
術の一つも使えない自分に、自己嫌悪に陥りそうになりましたが、ぐっとこらえました。
ディアナちゃん「こんなことしている場合じゃない・・・えーと・・・『デミルーン』!!」
剣の女王をブーメランのようにライフトラップに投げつけました。
しかし、直刃の剣が曲刀のように上手く投げられるわけも無く、そのままナイトハルトくんの額に刺さりました。
スコ!
ナイトハルトくん「ヤルナ・・・・・・ウゥ・・・」

ディアナちゃん「いやああああああああああああああ!!ナイトハルトさぁぁぁぁぁぁん!!」
ナイトハルトくん「いたぁ・・・む!?」
その叫び声で目を覚ましたナイトハルトくんは目の前のライフトラップを叩き潰しました。
そして穴から這いで出てきました。
ナイトハルトくん「すまない、ディアナ。君には助けられたな」
そう言ってさわやかに微笑みました。
ディアナちゃん「いや、その、なんというか、すみません。いろいろと」
恥ずかしくてナイトハルトくんの顔を直視できませんでした。
ナイトハルトくん「気にすることはない。君に助けられたのは事実だ。ではイクゾー」
ディアナちゃん「は、はい!・・ってナイトハルトさん、剣刺さったままですよ!!」

後を追いつつ、帰ったら術を覚えようとディアナちゃんは強く決心しました。
151ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:11:10 ID:???
――アルベルトくんの夢の中

アルベルトくん「ここは・・・・?」
そこは暗い空間の中に幾つもの扉が浮かんでいる奇妙な場所でした。

???「おやおや、こんな所にやってくるとは。」
アルベルトくん「しゃべるカブ!?モンスターか!」
赤カブ「違う違う、私はちょっと脳の発達した、ただのカブだよ」
アルベルトくん「カブに脳など無い!」
赤カブ「じゃあ私を倒すかね?君の質問に答える者はいなくなるが」
剣にやった手を戻すとアルベルトくんは頭を下げました。
アルベルトくん「すみません。気が立っているようです。
        よく思い出せないのですが、酷く嫌な記憶が頭に残っていて・・・」
赤カブ「ふむ。君の言葉でようやく確信が持てたよ。おそらくここは夢魔の創った空間」なのだろう」
アルベルトくん「夢魔?」
赤カブ「私の心にずっと違和感があった。私は確かに私だが、
    私は本来ここにいるはずは無いというものだ。ではここにいる私はなんなのか?」
アルベルトくん「はぁ・・?(哲学的なカブだな)」
赤カブ「つまり私は君に取り憑いた夢魔により創られた複製品だったのだよ。
    ここの元となった場所を複製した時に、私も一緒に複製されたのだろう。
    違和感があったのは植物の勘だと思ってくれて結構だ。自分の本体が遠くにあるように感じてね」

わけのわからない話に、アルベルトくんは頭上に?マークを並べました。
152ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:12:42 ID:???

アルベルトくん「あの、ようするに私は夢魔に取り憑かれているわけですか?」
赤カブ「うむ」
アルベルトくん「どうすれば追い払えるのでしょう?」
赤カブ「夢魔を倒せばいいと思うが」
アルベルトくん「どうやって?」
赤カブ「直接殴るとか」
アルベルトくん「推測ですか」
赤カブ「少しは自分で考えたらどうだね?私だって知らない物は知らない」

アルベルトくん「知っていることは何があるのです?」
赤カブ「ここからの脱出法だ。ここの扉のどれかが出口だぞ。」
アルベルトくん「なんだ、それを早く言ってくださいよ」
赤カブ「ここから出ても夢魔を追い払えるわけではないと思うぞ。
    次の悪夢に行くだけだろう。ここで得た知識も失ってな」
アルベルトくんは腕組みをして考え込みました。

アルベルトくん「とりあえず扉を開けてみます。ひょっとしたら何かわかるかもしれないですし」
赤カブ「それもいいだろう。ただし注意することだ。
ハズレの扉からは開けた者がもっとも恐れるものが出てくるぞ」
アルベルトくんの脳裏にアレが浮かびましたが頭を振って打ち消しました。

アルベルトくん(私が怖いと思っているものはモンスターだ!あと姉さんとか。
        あ、姉さんいいな。出てきて欲しい)
都合のよいことを考えながら扉に手をかけました。
アルベルトくん「さぁ、来い!」
扉を開け放った先に現れたのは――

ツフ「やるよ」

アルベルトくん「くっそおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
はらはらと落涙しつつアルベルトくんは脱兎の如く走り出しました。

赤カブ「自分の心には嘘をつけないものだからな」
153ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:14:23 ID:???
――魔龍公の巣

前の失敗を反省材料にし、弓でライフトラップを片付けつつ二人は巣の中を進んでいました。

その二人の前に三つの影が立ちはだかりました。
???「貴様らの快進撃もここまでだ!」
???「ここは山頂に行かせるわけにはいかん!」
???「あんたたちはここで死ぬでちゅ!」

ディアナちゃん「あなたたちは!?」

ドッグ「われらは魔龍公様の僕よ!ドッグ!」
バード「主の眠りを妨げる者は許さん!バード!」
???「ばらばらにしてyナイトハルトくん「イクゾー」
口上をあげる三匹をチャージで華麗に跳ね飛ばしました。
ナイトハルトくん「急ぐぞ、ディアナ」
ディアナちゃん「はい。・・・山頂には多分行きませんので」
振り返り、告げると二人は再び走り出しました。

???「せめて名乗りたかったでちゅ・・・ぐふ」
154ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:16:14 ID:???
――魔龍公の巣、七合目

山の洞窟を抜けた先には、白い霧が覆っていました。

しかし、飛竜草と思しき草が大量に群生していたため、すぐに見つけることが出来ました。
ナイトハルトくん「どのくらい必要かわからん。多目に採って帰ろう」
ディアナちゃん「はい!・・・痛っ!」
ナイトハルトくん「ディアナ!?」
飛竜草の毒刺により、ディアナちゃんの指は大きく腫れ上がりました。
ナイトハルトくんはすぐに患部から毒を吸い出し始めました。
ディアナちゃん「・・・ナイトハルトさん・・・解毒剤ありますよ?」
・・・・・ナイトハルトくんは無言で口を離しました。

ナイトハルトくん「・・・・・・・・・・・ディアナ、君は・・・・・・いや、ワスレテクレ
         さあ、帰ろう・・・・・・・」
心なしか肩を落としてナイトハルトくんが歩き出しました。

ディアナちゃんは一瞬ポカンとしていましたが、
ナイトハルトくんの行動の意図を察すると、顔を真っ赤にして、涙目で謝りました。
ディアナちゃん「ご、ごめんなさい!ムード読めなくてごめんなさい!」
ナイトハルトくん「いや、謝らなくていいって。こちらこそすまなかった。
         今度はもう少しわかりやすいアプローチにする」
ディアナちゃん「気が利かなくてごめんなさい!」
ナイトハルトくん「私の思慮がたらなかったのだ。すまない」
ディアナちゃん「私ががさつだから・・・ごめんなさい!」
ナイトハルトくん「いや、私が・・・」
ディアナちゃん「いえ、私が・・・」

二人して謝りながら下山していきました。
155ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:17:35 ID:???
――アルベルトくんの夢の中

危機的状況です。
すでに背後には二十を越えるツノが迫っています。
アルベルトくん「なんでこんなにいるんだぁーーーーーーーー!!」
赤カブ「まぁ、夢だし」
アルベルトくん「ゆめ?そ、そうか夢なんだ!」
???(そうこれは夢。危ないことなんてありません。さぁ身を委ねなさい)
とても優しそうな声がアルベルトの脳裏に響きました。
その声に思わずアルベルトくんの足が止まりました。

アルベルトくん「委ねる・・・?」
そのほうが楽かもしれない、どうせこれは夢だ。
そんな考えが浮かび、振り向きました。

アルベルトくん「いやだあああああああああああああああああ!!!」
本能が拒否しました。
ツフ「チッ!!待ちな!」
途端にしゃがれた声にもどり、ツフが追いかけてきます。
赤カブ「ふむ。搦め手まで使ってくるか。多分あいつが夢魔自身だな。
    喜べ。あいつを倒せばここから出られるぞ」
アルベルトくん「あいつってどのツフですか!?」
赤カブ「ほれ、あのツノの反り返りが一番激しい真中のやつ」
そのツノは激しく反り返るあまり後頭部に突き刺さっていました。

アルベルトくん「無理!怖すぎ!赤ん坊が熊に勝つ位無理!」
赤カブ「そんなにか。じゃあ扉を開けるしかないな」

こうしてツフはどんどん増えていきました。

156ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:18:33 ID:???
――アルベルトくんの部屋

N先生「・・・これでよし」
処置を終えたN先生は額の汗をぬぐいました。

N先生「量を抑えた分、効果が出るまでしばらくかかる。
   こいつが自分でおきるまでそっとして置くようにな。では私は帰る」
ルドルフ「ありがとうございました。マリア、ディアナ、ナイトハルトくん。
     わしらは別室で待とう。君、ここを頼む」
メイド「はい」
157ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:20:19 ID:???
――アルベルトくんの夢の中

本格的にどうにもならなくなりました。
今や百を越えるツノがアルベルトくんたちを取り囲んでいます。

赤カブ「覚悟を決めた方がいいな」
アルベルトくん「うう、嫌ですが仕方ない!夢魔!勝負だ!」
ツフ「いいねぇ!じゃあ魅力で勝負!負けた方が服を脱ぐ!やるよ」
アルベルトくん「いやちょっとまって・・」
ツフ「やられたねぇ!あんたの魅力にゃかなわないねぇ!脱ぐよ」
アルベルトくん「脱ぐなあああああああああああ!!」

その時、暗い空間に光が降り注ぎました。
光を浴びたツフ(偽者)が消えていきます。
ツフ(夢魔)もツフの姿を保てず、本来の姿に戻ってしまいました。
夢魔「おおお、ツノ ツノはどこだ」
赤カブ「チャンスだな」
アルベルトくん「ええ!」
腰の剣を構え夢魔に突撃しました。
斬撃を放つも、決定的に力が足らないため致命傷を与えられません。
そのとき更に強力な光が夢魔に降り注ぎ、夢魔の身体は崩壊を始めました。

夢魔「おおお、ツノ ツノはどこだ」

アルベルトくん「ツノは もうないんだ!」
決め台詞だけは格好よく決めます。
そして夢魔は完全に崩壊しました。

アルベルトくん「戦いとはむごいものですね・・・・」
赤カブ「君は戦ってすらいないだろうに。・・・この世界も崩壊が始まった。
    まもなく君も目がさめるだろう。お別れだな」
赤カブの身体も徐々に崩れ始めています。
アルベルトくん「赤カブさん!!」
赤カブ「なぁに。気にすることは無い。私本体が死ぬわけではないからな。
    だが、最後に一つ言わせてくれ。君は辛い事から目を背けすぎだ。
    それでは本当に守らなければならないものさえ守れないぞ。
    試練を乗り越えてこそ本物の男になれるのだ。・・・では、さらばだ」
アルベルトくん「赤カブさん・・・忘れません!!」

アルベルトくんの視界が白く染まりました。
158ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:21:43 ID:???
――広間

ディアナちゃん「アルベルトが目を覚ました!」
ルドルフ「なに!本当か!?」
ナイトハルトくん「なぜわかるのだ?」
マリア「この子は昔から勘がよくて・・・気は利きませんが」
ディアナちゃん「や、やめてくださいお母様」
ルドルフ「とにかく行ってみよう」

――アルベルトくんの部屋

アルベルトくん「ん・・夢・・・か・・・そうか戻ってきたのか・・・
        強く・・・強くならないと・・・・・・」
夢の中の記憶が希薄になっていく・・・多くの扉・・・赤カブ・・・ツフ・・・ツフは消えない!
ツフ「目を覚ましたかい!メイドになって看病した甲斐があったよ!」

ベッドにツフが横たわっていました・・・・・・・・・全裸で。
アルベルトくん「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
その時扉が開け放たれました。

デッデッデデデデッ!

ナイトハルトくん「アルベルト・・・アルベルトカー!」

そして目にした光景に誰もが言葉を失いました。

いち早く正気に戻ったナイトハルトくんは皆に告げました。
ナイトハルトくん「皆、さがれ。アルベルトだけにしてやってくれ」
ディアナちゃん、ルドルフ、マリアはこくこくうなずくと部屋から出ていきました。

アルベルトくん「で、殿下?」
ナイトハルトくんは優しい笑みを浮かべ、親指を上に向けた拳を突き出しました。
そして自らも部屋を出て、扉を閉めました。

アルベルトくん「で、殿下ぁ!?うわああああああああああああああああああああああああ!!」


外伝『夢と現実、そして試練はあまりに険しく』


159ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 19:24:48 ID:???
なんていうか時間をかければいいものができるわけじゃない良い例だなorz
一応過去話なので外伝としときました。
ツフの扱いがこんなにも難しいとは・・・全て私の失敗だよ・・・。

>>141
本編頑張ってください。期待してます。
160ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:05:32 ID:???
いや、おもしろかったよ。魅力勝負のところでアクエリアス吹いた。
161ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:15:53 ID:???
乙!
「ツノは きえない!」
で十六茶吹いたw
面白かったよん。またよろしく!



で、5分後くらいに本編投下するわけだが、ちょっと緊張。
162ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:20:38 ID:???
GJ!面白かったよ!
玄関あけたら2分で「やるよ」 状態に吹いた
しっかしメイド扮装時に誰も気付かないとは・・・ツフは筋肉をコントロールできるんだろうかw
ナイトハルトくんも意外とお茶目なのね。
また書いてねー!

>>161
おー!期待してるよー!
163ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:22:33 ID:???
ウェイ・クビン「これからはお前がモンスター達に指令を下していけ。」
セージ「え?そんな事・・・いいんですか?」
ウェイ・クビン「わしの研究の一つが佳境を向かえているのだ。これから数日は誰にも接せずに部屋にこもりたい。」
セージ「そういう事ですか。いやぁ〜、それはそれは何と光栄な事か。」
ウェイ・クビン「お前はある意味わしの分身とも言えるからな。」
セージ「てれるなー」
ウェイ・クビン「では、頼むぞ・・・」
セージ「はい、マスター。」
164ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:23:29 ID:???
ここは魔の島。
島の中心に高く聳え立つ塔の周辺に巨大な岩が無数に立ち並んでいます。
その目前に、将魔の一人、デーモンコマンドが立っています。傍らからラミアちゃんが好奇の目で見ています。
デーモンコマンドは、一度深呼吸すると、一声と共に岩に向かってその黒い爪を突き出しました!
ドガァン、と激しい音を立て、岩が砕け割れます。
デーモンコマンド「はっ!はっ!はっ!」
伸縮自在の爪が、幾つもの岩をどんどん砕き割っていきます。
ラミア「す、すげー・・・あんな硬そうな岩をこんな軽々と突き割ってくなんて・・・」
ラミアちゃんの顔色が感嘆に染まってゆきます。
デーモンコマンドは爪を突き出すのをやめると、術の構えを取りました。
闇色の力がデーモンコマンドの周辺からにじみ出ていきます。
突然、散らばった岩がふわりと宙に浮きました。
ラミア「おー、すげーすげー!重力操作すげー!!」
そして、デーモンコマンドが腕を振り下ろすと、岩がいっせいに床に叩きつけられました!
重力を一片に加えられた石達は、凄まじい力で床に激突し、さらにその体を細分化させました。
デーモンコマンド「フィニッシュだ・・・」
間髪いれずにデーモンコマンドは術を発動させます。
血の色をした魔力の雨雲が、小石の群の真上に発生しました。
そして、その雨雲は鮮血の刃と化して小石に襲い掛かります!
小石一つ一つを血の雨、『デスレイン』が正確に貫いていき、雨がやんだときにはその場に既に石は存在していませんでした。
ラミア「・・・・・・わー!デーモンコマンド様さっすがぁーーー!!」
ラミアちゃんの声に、雰囲気は緩和されます。
デーモンコマンドは肩を下ろしました。
ラミア「すごいすごいすご〜〜い、ゴイスー、ゴイスー。」
デーモンコマンド「黙れ腐女子めが。普段は糞の役にも立たぬゴミ野郎の癖に、ほめるのだけは立派だな。」
ラミア「そんなそんなぁ〜ん、ラミアはデモコマ様が本当にゴイスーだと思ってほめてるんですよ〜〜ん。んもう、デモコマ様ったらぁん♪」
デーモンコマンド「キ、キモいわクズめが。」

『デーモンコマンド、デーモンコマンドよ。至急広場へ来い。至急だ!』

不意に、島全体に声が響き渡りました。
その声は、他ならぬ魔の主、マスターウェイ・クビンのモノです。
ラミアちゃんの言動に顔をしかめていたデーモンコマンドの顔つきが変わります。
デーモンコマンド「マスターがお呼びだ・・・何かあったのだろうか。」
ラミア「なに?なんかいけない事でもやったんですか?デモコマ様?」
デーモンコマンド「私がそのような事をやる人間に見えるかね?」
ラミア「ええ。バリバリ見えますね。同属殺しくらいは簡単にやってのけそうな気が・・・」
デーモンコマンド「ほう、そうか。ではまず手始めに貴様を殺してみようかな。」
ラミア「すいません、ごめんなさい、悪霊退散。」
165ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:24:35 ID:???
魔の島、その内部の中心にある『広場』。
異様に広いその場の中心に、小さい生き物が一匹ぽつんと立っています。
どこからか差される日の光でもない人口の光でもない光が、その生き物を照らしています。
突如、広場とその外とを遮断する扉が開かれました。
「ようこそ、お二人さん。」
その生き物は口を開きました。
扉から入ってきた二人・・・デーモンコマンドと、ラミアちゃん。デーモンコマンドはいいました。
デーモンコマンド「ん・・・?私はマスターに呼ばれて来たはずだが、なぜ貴様がココに?」
セージ「僕は伝言板です。マスターは今研究でお忙しいので・・・」
デーモンコマンド「それで貴様が伝言板か。ふん、偉くなったもんだな。」
セージ「いやぁ、そんな褒めなくても・・・」
デーモンコマンド「皮肉だよ!バカかお前は!・・・で?マスターはなんと?」
ラミアちゃん「デモコマ様はっちゃけてますね」
セージ「あなた達には黒海へ行ってもらいます。」
デーモンコマンド「黒海?」
ラミア「え!?あたしも!?」
セージ「運命の糸石、『闇のブラックダイア』。その場所が明らかになりました。」
デーモンコマンド「ほう、闇のブラックダイアは黒海にあるというわけか。」
セージ「そういう事です。ゴブレンジャーが黒海の底に闇の漏れ出る神殿を見つけましてね。そこにブラックダイアがあるというワケなんですよ。」
デーモンコマンド「ほー。ゴブリン達で行かずに私達に頼むという事は、やはり危険なところっつーことか?」
セージ「そうそう。ナイトによると入り口付近で大量の水棲系モンスターに襲われたらしいです。化石魚とかデスクローカーとか・・・
     比較的ランクの高いモンスターですね。20匹前後いたとか。おーこわ。」
ラミア「おーこわ・・・ってあたしも行くんだっけ?」
デーモンコマンド「その神殿にブラックダイアがあるという確証はあるのだろうな?」
セージ「さぁ・・・中はどうなっているのか、金庫番はいるのか。そういった所もわかりませんし。自分で確かめてきてください。」
デーモンコマンド「随分と適当だな・・・それもマスターのお言葉か?」
セージ「・・・そういう事ですね。」
デーモンコマンド「・・・どうだか。」
166ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:25:07 ID:???
セージ「・・・・・・まぁとにかく、あなた達二人では何かと不安でしょう?これを使ってください。」
セージはそう言うと、懐から銀色に光る杖を取り出し、デーモンコマンドにつかませました。
デーモンコマンド「・・・これは霊木の杖?これで何をしろと?」
デーモンコマンドは手元の霊木の杖をじろじろ見回します。
セージ「その杖には魔のモンスター達がいっぱい詰まっています。集団戦には結構役立つと思いますよ。・・・個々の実力はあなたに到底及びませんけど。」
デーモンコマンド「なるほど。なかなか用意がいいな・・・」
セージ「叩き割ったりぶち折ったりしないで下さいよ。・・・んじゃ、健闘を祈ります。いってらっしゃい。」
デーモンコマンド「ふん。行くぞ、ラミア。」
ラミア「やっぱあたしも行かなきゃいけないんだ?そーなんだ?」
次の瞬間、デーモンコマンドとラミアの二人は音も無くその場から消え去りました。
広場にはゴブリンセージ一人だけが残されます。
・・・と、ゴブリンセージの背後にある柱の影から、二匹のモンスターが姿を現しました。
ゴブリンセージの取り巻きであるゴブレンジャーの一味のナイト、ソルジャーです。
ナイト「話は終わったカ。」
セージ「うん。ところで早速あの二人を追って黒海までいってくれないか?」
ナイト・ソルジャー「ハァ!?」
セージ「保険だよ。まぁ、無いとは思うけど、万が一デーモンコマンド達がやばくなった時に連れ戻してきてくれ。」
ナイト「エ〜〜〜、またあのこんわぃ海にいくノ〜〜〜?ガクガクブルブル」
セージ「大丈夫さ。ホレ!」
セージは二人に「カムフラージュ」をかけました。
二人の姿が見えなくなります。
ナイト「オ、オオ・・・さすがセージ!」
セージ「二、三時間で切れるし、聴覚感知のお魚達にはあんまり効果は無いと思うけどね・・・あくまで気休め程度ってわけだ。」
ソルジャー・ナイト「は?・・・・・・ちょ、待て待て!もっと安全になる術をかけてくれないとこま・・・」
セージ「いいから早く行けやコンチクショー!!」
ナイト・ソルジャー「ひ、ひぃ〜〜!わっかりましたぁ〜〜〜!!」
セージの怒声に、ナイトとソルジャーはぱたぱたと足音を立て部屋を出て行きました。
今度こそ広場にセージが一人だけ残されます。
セージは一人呟きました。

セージ「さてと、今回もいっぱい盛り上げてくれよ・・・」
167ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:26:13 ID:???
マルディアス学園クジャラート舎北部に広がる、『黒海』と呼ばれる湖。
その底の底。高く立ち並んだ岩々の間に、明らかに自然の産物ではない鉄製の神殿のような建物が存在します。
海底に立つ神殿。さしずめ『海底神殿』とでも呼びましょう。
今回のお話は、その『海底神殿』でのお話・・・


「マリーンさん、こんばんは!」
「ウコム学園生徒会長3人娘の一人、マリーンさん!こんばんは!」
「マリーンちゃんこんばんは!!」
マリーン「お出迎えご苦労様。元気でやってる?」

海底神殿。禍々しい海のモンスター達が二つの列を成し、その間を一人の人間が胸を張って歩いています。
周りのモンスター達から『生徒会長』と崇められるその少女は、
前にニンフ像の件でミルザやミニオンちゃん達と関わった、マリーンちゃんでした。
マリーン「寮長の部屋へ案内してちょーだい。」
マンクローカー「はいはい、ささっ、こちらへどーぞ。」

前にも一度説明しましたが、あえてもう一度説明させてもらいましょう。
先程モンスター達の口から出た『ウコム学園』とはマルディアス学園の兄弟校で、
主に魚介類の生徒で成り立っている、海の中の学園なのです。
そして、その学園にいる3人の生徒会長の中の一人が、このマリーンちゃんというワケなのです。
168ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:27:28 ID:???
マリーンちゃんがマンクローカーに連れられ案内されたその部屋の中には、
十メートル先の天井に頭が着いてしまいそうなほどに大きい、巨大なイカが待ち構えていました。
マンクローカー「では、僕はこれで。」
マンクローカーが部屋を出て行き、部屋の中にはそのイカとマリーンちゃんだけが残されます。
図太い触手を不規則にうねらせ、まるで髑髏のような顔をしたそのイカは、傍から見れば邪悪なモンスターにしか見えないでしょう。
しかし、イカはその見た目とは全く裏腹な陽気な声で、マリーンちゃんに話しかけました。
寮長「いやぁ〜、待っていましたよマリーンさん!!へへ、また一段とお美しくなられてまぁ〜。」
マリーンちゃんは、それに驚く様子は微塵もみせずに言いました。
マリーン「久しぶりですわね、ディープテンタクラー寮長。また一段と大きくなっちゃって。」
ディープテンタクラー「へへへ、あっしは大きいのだけが取り柄ですからねぇ。」
マリーン「ところで『闇のブラックダイア』は・・・誰かに盗まれたりしてないでしょうね?」
ディープテンタクラー「へへへ、大丈夫でさあ。寮外入り口周辺には化石魚、デスクローカー部隊が。
             寮内はブレードイリス部隊が四六時中監視し、
             ブラックダイアには守護獣がついています。そもそもこんな深海にやってくる物好きな人間はいませんし、心配には及びません。」
マリーン「そうですか。なら安心です。」

ここで説明をはさみますと、この海底神殿は元々は旧マルディアス学園時代に闇のブラックダイアの隠し場所として建造された神殿でしたが、
今はウコム学園からの留学生専用の海底寮として利用されているのです。
そして闇のブラックダイアはマルディアス学園からのウコム学園との親交の証として、いまだここに残されているというワケです。

ディープテンタクラー「ところで今日はその事を聞きに来るためだけにここへ来たんですかい?」
マリーン「ええ。あとあなた達の様子を伺いにね。とにかく、みんな元気でやってるようでよかったですわ。
      ・・・・・・マルディアス学園での生活はどう?」
ディープテンタクラー「マルディアス学園の海は華やかさには欠けますが、その分とても住みやすくて快適ですねぇ。
             一部地域ではこんな我々と普通に接してくれる人間がいたりもしますし、いい生活送れてますよぉ。」
マリーン「そうですか。それはよかった・・・ウコム様もお喜びになられるでしょう。」
ディープテンタクラー「へへへ、そうですね。一層マルディアス学園とウコム学園の親睦も深まりますね・・・」
マリーン「ですね。では、私はこれで・・・」
マリーンちゃんが身を翻します。
ディープテンタクラー「あらら、もう帰っちゃうんですかい?せっかく特製のたこ焼きを用意しておいたのに。」
マリーン「あら、そう?なら頂いてから帰りますわ。」
マリーンちゃんはディープテンタクラー寮長の方に向き直りました。
ディープテンタクラー「じゃあ、少々お待ちを・・・」
ディープテンタクラー寮長は背後の机の方を向き、触手をうねうね動かし机の上のたこ焼きのパックを必死で掴もうとします。
ディープテンタクラー「ちょっと待ってくださいな。何分この図体なもんで細かい作業は時間がかかるんでさあ・・・」
マリーン(細かい作業か・・・?アレ・・・)
ディープテンタクラーがたこ焼きを掴もうともがくその様を黙って見つめるマリーンちゃん。
テンタクラーの二本の触手が上手くたこ焼きのパックを挟み、持ち上げた・・・その時でした。
ガチャン

「寮長!マリーンさん!て、て、敵が・・・敵が攻め込んできました!!!」
169ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:28:32 ID:???
一匹の山オヤジが、そう叫びながら部屋に入ってきました。
全身血まみれで、見るからに満身創痍の状態です。
それを見たディープテンタクラー寮長は、たこ焼きを床に落としてしまいました。
ディープテンタクラー「・・・!!!!!・・・・・・どうした!?何があったんでい、オヤジ!山オヤジ!」
血相を変えて山オヤジに向かい寄る寮長。
山オヤジ「入り口の化石魚たちも・・・デスクローカー達も・・・みんなあの悪魔にやられた・・・
      なぜだ・・・なぜ突然・・・グヘッ」
うわごとのようにそう呟くと、山オヤジはバタンと倒れてしまいました。
ディープテンタクラー「山オヤジ!!」
触手で揺さぶるディープテンタクラー寮長。山オヤジはぴくりとも動きません。
山オヤジの様を見て、マリーンちゃんの血相が変わります。
マリーン「・・・あ、あくま・・・?ちょっと寮長!警備は万全だって今言ってたじゃないの!これはどういうこと!?」
ディープテンタクラー「し、知りませんよ!とと、とにかくみんなに伝えねぇと・・・」


「骨の無い連中どもめ・・・」
海底神殿の入り口。黒い悪魔と三日月を背負った女が立っています。
黒い悪魔の体は血に濡れていました。
悪魔の周りには数匹のモンスターが倒れ、また数匹のモンスターが立っています。
マンクローカー「貴様・・・何者だ!」
モンスターの中の一人が悪魔に問います。
悪魔は気だるそうに肩を回しながら言いました。
デーモンコマンド「死に行く者どもに名を名乗る必要はあるまい。だが、せめてもの慈悲だ。あの世への土産として私の名をくれてやろう。
          私は魔の島、6将魔が一人、デーモンコマンドだ!」
ラミア「はぁい。そのお供のラミアちゃんでぇ〜っす♪」
モンスター達は別段特別な反応はせずに、再び問いました。
マンクローカー「貴様らの目的は何だ!血か?」
デーモンコマンド「その様な無粋な戦いの目的は好まぬ。私の戦いの目的は主君の命の下のみ!
           そして私が主君より受けた命は・・・運命の糸石、『闇のブラックダイア』を手に入れることだ。」
モンスター達「!!!!!」
目に見えてモンスター達の様子が変化しました。
みな、恐怖の上から明らかな焦りの色を露わにしています。
デーモンコマンド「そうか。やはりここに『闇のブラックダイア』があるのか・・・貴様らはもう用無しだな。死ね」
モンスター達「!!・・・クッ、殺されてたまるか!」
モンスター達が一斉に二人に襲い掛かります!
170ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:29:26 ID:???
ラミア「ブラッククラウド!」
モンスター達「!!」
甲高い音が響き、闇の雲がモンスター達の視界を黒く染めました。
マンクローカー「ゲホゲホ・・・何も見えない!」
マグナムフィッシュ「くそぅ、邪魔だこの煙!散れ!」
ボボボボン、とマグナムフィッシュの口から高水圧砲が噴き出されました。
水の砲弾が霧を散らせていきます。
視界が広がり・・・その奥には術の構えを取るデーモンコマンドの姿が・・・

デーモンコマンド「飛べ!」
モンスター達「ヒィ!?」

紫色の魔力がこもったデーモンコマンドの指先が、天井を指し示しました。
瞬間、その場に立っている全てのモンスターが天井めがけて「落ちて」いきます!
モンスター達「ぎゃああああああ!!!」
ドゴォン!
その場に立っていたモンスター達は、みな無抵抗に天井に突き刺さりました。
天井に突き刺さったモンスター達はもうピクリとも動きません。
十匹前後のモンスター達がみな天井からぶら下がっている。それは何とも奇妙な光景でした。
ラミア「やりましたね、デモコマ様。・・・・ところで、あれ、死んでます?」
ラミアちゃんが天井にぶら下がっているモンスター達を指差します。
デーモンコマンド「この程度では死にまい。・・・殺す必要もあるまい。
          彼らにはしばらく眠っていてもらおう。さて、奥へ行くぞ。」
ラミア「ですね。」
その時でした。

『全寮生に次ぐ!寮内に敵が侵入した!!
既に化石魚達が・・・デスクローカー達が・・・山オヤジがやられた。
みな、戦闘体制を取れ!!みんなで敵を倒すんだ!!!』

建物内に何者かの声が響き渡りました。(ディープテンタクラー寮長の声だ)
デーモンコマンド「放送?寮内?・・・ここはモンスター達の寮なのか?」
ラミア「みたいですねぇ。となると結構な数いる事が予想できますねぇ・・・」
デーモンコマンド「フン。あのようなのが何匹来ても大した事はあるまい。
          ・・・だが、念には念をだ・・・あの杖を使ってみるか。ラミア。」
ラミア「霊木の杖ですか?はい、どーぞ。」
ラミアは懐から霊木の杖を取り出し、デーモンコマンドに渡しました。
デーモンコマンドは杖をくるくると回し、杖に己の魔力を集中させました!

ズゴゴゴゴゴ・・・・・・
171ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:30:31 ID:???
杖が黒く光り、空間が鳴動します!

ラミア「ひええ・・・セージの奴、どんくらいのモンスターつめたんだぁ?」
その状態が数十秒続き、ある瞬間、突然杖から闇の塊が幾つも飛び出してきました!
デーモンコマンドの周りに闇の塊が分散していき、分裂し、飛び散り、その欠片が徐々にモンスターと化していきます。
ラミア「うぎゃあ!!だ、大迫力ーー!?」
次第に杖の闇の放出は収まっていき、ついには止まりました。
その時には・・・既にデーモンコマンドの周りには、百匹ほどの大量のモンスターが蔓延していました。
モンスター達「グオオオオ!!!」
杖から解き放たれた怪物達は、みな解放の喜びに雄叫びを上げます。
ラミア「あはは・・・随分と雰囲気が暑苦しくなっちゃいましたね。」
神殿内の広場いっぱいに、モンスターがつまっています。
デーモンコマンド「チッ・・・呼ぶ必要なかったかもな。いくら何でも多すぎだ・・・まぁ、いい。おい、モンスターども!言葉は分かるか?」
モンスター「グオオオオ!!」
モンスター「ワン!ワンワン!」
モンスター「うぎゃぴいい!!」
モンスター「金星蟹!金星蟹!」
モンスター「ゼリヒヒーン」
デーモンコマンド「・・・通じないのかよ!・・・まぁ、いい。少々めんどくさいが・・・」
デーモンコマンドは気だるそうに一度ため息をつくと、指を額に当て、俯きました。
・・・・・・ヒィン・・・・・・
と、途端にモンスター達が我に帰ったように静かになりました。
次に、モンスター達はそれぞれグループに固まり、枝分かれしている通路を別々に進んでゆきます。
ラミア「・・・・・?デモコマ様、なんかやったんですかぁ?」
デーモンコマンド「・・・魔族はあらゆる意味で優れているという事だ。貴様も修行すれば同じような事が出来るかもしれんぞ?」
ラミア「いや、意味が分からないから。」
デーモンコマンド「意味が分からない?それは貴様が馬鹿な証拠だ。あるいは人が言った意味を必死で理解しようとしない貴様の怠慢の表れだ!
           ・・・まぁ、指導は後々する事にして、私達も行くぞ。」
ラミア(指導・・・?フッ、デモコマ様もやっぱり男なのね♪)
ボカッ
ラミア「い、イッターーーイ!!突然何をするんですか、デモコマ様ぁ!?」
デーモンコマンド「これが答えだ!」
ラミア「・・・・・・?何でもかんでも遠まわしに言ってりゃ伝わる意味だって伝わらなくなるっつーの!」
デーモンコマンド「フン、それが私の癖だ!」
ラミア「直してください!」
デーモンコマンド「直せる癖など存在しない!私に媚を売るつもりなのならもう少し態度と頭を見直すのだな・・・」
ラミア「・・・(つれないなぁ、もう!)」
172ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:32:08 ID:???
――海底神殿各階にて――

シーコッカー達「敵だ!敵だ!敵だ!逃げろ!逃げろ!」
コッカーレル達「逃げちゃダメだろが!立ち向かうんだ!化石魚さん達や山オヤジさんの仇をとるんだ!」

ガンフィッシュ「敵がこの寮内に侵入なんて・・・前代未聞だな!」
甲魚「前代未聞だ!それにしてもなんでいきなり・・・」
ガンフィッシュB「なぜかはわからんが、ウコム様の為にもみんなで闘うぞ!」

ブレードイリスA「聞いたか今の?」
ブレードイリスB「聞いた。」
コーラルクラブ達「聞いた。」
アーマージェリー達「聞いた。」
ブレードイリスA「フッ・・・つまりはウコム学園、マルディアス学園親交の砦であるこの寮の守護をウコム様、寮長より任された
          ウコム学園最強の精鋭部隊である俺達の活躍の場というわけだ・・・」
ブレードイリスB「ちょっとハク付け過ぎじゃない?僕達精鋭部隊って言っても所詮は蝶々と蟹とお魚の集まりよ?」
コーラルクラブ達「蟹です」
アーマージェリー達「お魚です」
ブレードイリスA「ふん。一角蝶とアニメーションパターンは同じかもしれないがな、俺は蝶じゃない!
          そもそも蝶だからなんだというのだ?強けりゃいいんだよ強けりゃ。」
ブレードイリスB「最初のほうで蝶なのを否定しといて最後のほうでは認めてちゃってるじゃん。ダメダメじゃん。」
コーラルクラブ達「ダメダメじゃん」
アーマージェリー達「ダメダメじゃん」
ブレードイリスA「黙れ!これこそが六法全書に記載されるいわゆる『言葉の綾』という奴なのだ!気にするだけ無駄なのだ!
          そんな事よりもいくぞ!この寮を守るのは俺様たちだ!ブレードイリス部隊出動ォーー!!」
ブレードイリスB「六法全書だって(笑)」
コーラルクラブ達「六法全書だって(笑)」
アーマージェリー達「六法全書だって(笑)」
ブレードイリスA「黙れ愚民ども!集団で半笑いをして個人を虐めるなどと醜いまねは
          我がブレードイリス部隊に所属している内は断固として許さぬ!
          さぁ、ゆくぞ!我々の活躍の舞台へ!」
ブレードイリスB「アンタそれが言いたかっただけとちゃうんかと(ry」

守護獣「・・・・・・」
リザードマン「ここからは動かないのですか?」
守護獣「・・・・・・」
リザードマン「そうですね。貴方様の役目は闇のブラックダイアをお守りする事ですものね。」
守護獣「・・・・・・」
リザードマン「・・・分かりました。では、また生きて会いましょう。」
守護獣「・・・・・・」
173ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:33:33 ID:???
ディープテンタクラー「これでみんなには伝わったはず・・・!敵がいかに強大であろうとも、我が寮の生徒全員でかかれば問題はないはず・・・!」
マリーン「はず、はずで信用がイマイチできないですわね。・・・私はここから出て、マルディアス学園から信用のできる人たちを連れてきましょう。」
ディープテンタクラー「信用のできる人達?マリーンさん、マルディアス学園にお友達がいるんですかい?」
マリーン「ええ。」
ディープテンタクラー「そうですかい・・・しかし、うまくここから出れるかどうか!それが問題でい!
             ・・・敵がどんな奴なのか、敵は今どこにいるのか、それも分からないってぇのに・・・」
マリーン「・・・入り口以外にここから出るとこは無いの?」
ディープテンタクラー「はい、無いんですよ・・・ありゃあ苦労はしないんですがね・・・」
マリーン「・・・そうですか。・・・だけど、ここから入り口はそう遠くないはず・・・寮長。入り口まで私を守りきれますか?」
ディープテンタクラー「・・・ウコム様の娘とあらば守りきれない訳がありません。さぁ、行きやしょう!」
マリーン「ええ!」
ガチャン
二人は寮長室を出ました。
寮長室手前の通路をまっすぐ。
道沿いに二つの広場を抜け、3つ目の広場のむかって左側の通路を抜ければ、そこは入り口。すなわち出口!
二人は急いで道を抜けていきます。
最初の通路を抜け、一つ目の広場が見えてきました・・・そこには、10匹前後のモンスター達が!
ディープテンタクラー「て、敵!!」
モンスター「グオオ・・・グオオオオ!!」
モンスター達が二人めがけて一斉に襲ってきました。
ディープテンタクラー「邪魔でい!!どきゃあがれ!!」
4本の触手を鞭のように振り回すディープテンタクラー寮長。
モンスター「グオオ、グオオオオーー!!」
モンスター「うぎゃぴぃ、うぎゃぴーーー!!」
ディープテンタクラー「こちとら怪力には自信あるんでい!!何の教育も受けていない野生のモンスターには負けんでーー!!」
力強い触手攻撃に、モンスター達はまるでボウリングのピンのようになぎ倒されてゆきます。
圧倒的な力を見せる寮長に、マリーンちゃんは頼もしさを覚えました。
・・・わずか一分程で、広場のモンスターは寮長の触手攻撃によって殲滅されました。
ディープテンタクラー「はぁ・・・はぁ・・・なんとゆうか・・・久々の運動は意外ときついですねえ・・・」
息切れする寮長。
マリーン「さすがですわ寮長。さぁ、いきましょう!」
ディープテンタクラー「い、行きやしょう!!」
二人は走ります。
二つ目の広場を抜け、最後の三つ目の広場に差し掛かった時・・・
二人の目に二匹のモンスターが映りました。
二匹のモンスター・・・デーモンコマンドとラミアちゃんが、ディープテンタクラー寮長とマリーンの方を振り向きます。
174ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:35:19 ID:???
ラミア「あららー、こちらから行かなくても何か出てきちゃいましたねぇー」
デーモンコマンド「大イカに・・・もう一人は人間か。」
ディープテンタクラー「しゃ、しゃべった・・・?貴様ら、ただのモンスターじゃねえな!」
デーモンコマンド「そうだ。我々は貴様らのように主君から一通りの教育は受けているからな・・・
           まぁ、そんな事はどうでもよい。『闇のブラックダイア』の場所をはいてもらおうか。」
ディープテンタクラー「や、闇のブラックダイア!?てめぇら、ブラックダイアが目的か!」
デーモンコマンド「そういう事だ。なんだ?やはりブラックダイアは貴様らにとって大切なものなのか?」
ディープテンタクラー「大切すぎるもんでい!マルディアス学園とウコム学園の関係を保つためにはな・・・
             お前らの好きにはさせねぇぞ!!」
ディープテンタクラー寮長は触手を使いデーモンコマンドに走り寄りました。
デーモンコマンド「ふむ・・・ウコム学園にマルディアス学園ねぇ・・・なるほど、大体読めてきたぞ。」
ディープテンタクラー寮長の触手が、デーモンコマンド目掛けて振り下ろされます!
ガキィン
ガキンディープテンタクラー寮長の図太い触手は、デーモンコマンドの小さい手によって動きを止められました。
ディープテンタクラー「ぐっ・・・」
再び触手を振り上げる寮長。
デーモンコマンド「だが、あいにく私達には関係の無い話だ。」
ガキィン!再び触手の一撃は防がれてしまいます。
ガキィン!ガキィン!ガキィン!
何度も、何度も、寮長はデーモンコマンド目掛けて触手を振り下ろします。
しかし、それら全てデーモンコマンドに軽く防がれてしまいます。
デーモンコマンド「非力だ。非力すぎるぞ。」
気だるそうに言うデーモンコマンド。
ディープテンタクラー「へッ!!て、てめぇだってそうやって防ぐのに必死で攻撃できねえじゃねえか!」
デーモンコマンド「そう思うかね?」
バチィン!
振り下ろされる寮長の触手が、デーモンコマンドの平手によって弾かれました。
ディープテンタクラー「!?」
間髪いれずに、デーモンコマンドは黒い爪をディープテンタクラー寮長目掛けて伸ばしました。
寮長の右目にデーモンコマンドの爪が深く突き刺さります。
ディープテンタクラー「ぐ、ぐぎゃあああ!!」
悲痛な声を上げながら、滅茶苦茶に触手を振り回すディープテンタクラー寮長。
デーモンコマンドは、突然その場から姿を消しました。
ディープテンタクラー「な、なに・・・?」
突然デーモンコマンドが目前から消えた事に困惑する寮長。
キョロキョロと辺りを見回します寮長。と、その瞬間です。
マリーン「寮長!う、後ろにいますわ!」
ディープテンタクラー「ぎ・・・ぎゃああ!!」
寮長の背部に、突然衝撃が走りました!
急いで後ろを振り向く寮長。しかしそこにはまたもやデーモンコマンドの姿はありませんでした。
ディープテンタクラー「!?・・・?・・!!??」
デーモンコマンド「そもそもその図体で私に勝とうとすることが無理なのだ。」
175ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:36:15 ID:???
ディープテンタクラー「!!」
デーモンコマンドの声は、頭上から聞こえていました。
急いで視線を頭上に移す寮長。寮長の頭の頂点にデーモンコマンドが胡坐をかいて座っているのがかろうじて見えます。
デーモンコマンド「私は魔族。瞬間移動と飛行は私の十八番だ。貴様のその動く事にも一苦労しそうな図体では私を捉えられまい?
          そしてこうして視界の外に入る事も容易いしな。」
ディープテンタクラー「ギ・・・ギギ・・・!」
頭上スレスレを触手でなぎ払う寮長。しかしその瞬間にはデーモンコマンドは寮長の目前に移動していました。
デーモンコマンド「そしてもう一つ・・・貴様のような巨大なモンスターには致命的な弱点がある。・・・それっ!」
ピキィン!
デーモンコマンドの3つの目が突然光りだしました。
その瞬間、寮長は自分の体に違和感を感じました。
ディープテンタクラー「(から・・・体が・・・動かねぇ・・・!!)」
寮長の神経は麻痺していました。思い通りに体を動かす事が出来ません。
デーモンコマンド「そう。貴様のような巨大なモンスターは大概状態異常に弱い・・・体が動きまい?」
ディープテンタクラー「(て・・・てめぇ!な、何をした・・・!)」
寮長の心の声に、デーモンコマンドは答えました。
デーモンコマンド「凝視だ。丁度あの時私の目を見てしまったことが運のつきだったな。」
ディープテンタクラー「(凝視・・!?)」
デーモンコマンド「今のように動きを止めるための『凝視』もあれば、他の用途の『凝視』もある。
           味わわせてやろうか?」
ディープテンタクラー「(誰が・・・味わうか・・・!!つまりは目をつぶりゃあ・・いいんだろ!?)」
寮長は目を閉じようとしました。
・・・しかし、動きません。・・・瞼が、閉じるのを拒絶します。
ディープテンタクラー「(!?)」
デーモンコマンド「神経が麻痺しているのだ。目を閉じる事も不可能という事だ・・・味わえ。『死の凝視』!」
ピキィン!
ディープテンタクラー「(ぎゃ、ぎゃあああああ!!!!!)」
寮長の頭に激痛が走ります!
マリーン「い、一体何が・・・?」
傍から見るディープテンタクラーの様子は、先程と一切変わっていません。
デーモンコマンド「痛感神経に喝を入れてやった。・・・見た目変わらずとも、今奴は地獄の痛みに耐えている事だろう。」
マリーン「な、なんですって・・・!」
デーモンコマンド「その内奴の意識は落ちるだろう。・・・そうなれば次は貴様の番だぞ。」
マリーン「・・・・・・!」

激しい痛みに対する悲鳴で埋め尽くされた寮長の脳内に、かすかに別の言葉が響きます。
・・・・・・マリーンさんを・・・守らなきゃ・・・・・・
意識が遠くなって行く中、寮長の耳からかすかに別の言葉が聞こえてきます。
その内奴の意識は落ちるだろう。・・・そうなれば次は貴様の番だぞ。
・・・俺の意識が途切れれば・・・マリーンさんは・・・・・・ころさ・・・
意識が遠くなっていく中、寮長の口がかすかに動きました。

「マリーン・・・さ・・・ん・・・・・・にげ・・・て・・・・・・」
176ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:37:58 ID:???
マリーン「!」
デーモンコマンド「!・・・麻痺の効力が切れかけているのか!?」
マリーン「・・・・・・!」
ダッ!
デーモンコマンドが寮長に気を取られている隙に、マリーンちゃんは入り口の方へ一直線に走り出しました!
デーモンコマンド「チッ・・・!」
全速力で入り口へ向かって走るマリーンちゃん!
「エナジーボルト!」
マリーン「きゃ!」
突然紫色の電撃がマリーンちゃんを襲いました。
衝撃に、尻餅をつくマリーンちゃん。
その背後に、ラミアちゃんが立ちはだかります。
ラミア「あなた人間でしょ?逃げさせないよーん!助け呼ばれちゃ困るもんね!」
マリーン「くそっ・・・!」
キッ、とラミアちゃんを睨むマリーンちゃん。
ラミアちゃん・・・勝ち誇った顔をしています。

と、その瞬間です!

ズガシャアン!
ラミア「ぎゃ、ぎゃあああ!!」

突然、一筋の雷鳴がラミアちゃんに直撃しました!
マリーン「!?」
煙を吹いてバタンと仰向けに倒れるラミアちゃん。
デーモンコマンド「ぐっ・・・何が起こったのだ・・・ぐあっ!」
突如、デーモンコマンドが吹き飛び、壁に激突し、倒れました。
・・・ディープテンタクラー寮長の触手の一撃によって!
マリーン「りょ、寮長・・・!」
寮長は麻痺から解けていました。寮長は叫びました。
ディープテンタクラー「さぁ・・・マリーンさん!逃げて!これが俺の最後の足止めです!!」
コクリと頷くマリーンちゃん。
再び立ち上がり、マリーンちゃんは全力で走り出しました!
マリーン(ありがとう・・・寮長!・・・・・・あの二人を連れて・・・必ずまた戻ってくるから!)

177ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:38:46 ID:???
マリーンちゃんは海底神殿を抜け出しました。
寮長は安堵のため息をつき・・・そして倒れました。
麻痺の凝視の効果は切れても、死の凝視の効果は続いていたのです。
デーモンコマンドは立ち上がり、寮長の下へ歩み寄りました。
ラミアちゃんもフラフラした足取りで立ち上がります。
ラミア「・・・・・・そのイカ、死んだんですか?」
デーモンコマンド「・・・いや。『死の凝視』とは名ばかりで、その効用は気絶させるところまでだ。・・・このイカは死んでいない。・・・・・・数日目が覚めないだろうがな。」
ラミア「へぇ・・・・・・ところで、あの女逃げちゃいましたけどいいんですか?」
デーモンコマンド「ああ。助けを呼ばれたところで特に問題はあるまい。」
ラミア「まぁ確かにそうですね。・・・デモコマ様に勝てそうなヤツなんてあんまいなさそうですもんね。」
デーモンコマンド「・・・・・・さぁ、先を急ぐぞ。あの大イカのような奴がまだいては先のモンスター達もやばいだろうからな・・・」



第15話 海底戦争


178ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:40:06 ID:???
てさて、場面は大きく変わって陸上、騎士団寮。
騎士団寮の庭を、二人の男の子が歩いています。
ミルザ「らららら〜〜〜〜たたたた〜〜!!わーい、わーい!!いい天気だ〜〜〜〜!!!!」
オイゲン「・・・今日はいやに上機嫌だなお前は。」
騎士団寮の名士、ミルザくんとオイゲンくんです。
ミルザ「いやぁ〜〜、なんだか活動するのが久々なような気がして・・・」
オイゲン「はぁ?なーに言ってんだお前?俺たち毎日のように活動しているだろうが。」
ミルザ「チッチッチ・・・そういう意味じゃないんだなぁ〜、こ・れ・が!」
オイゲン「・・・・・・相変わらず意味わからんぜお前のマイペースぶ・り・は!」
ミルザ「エクスカリバー!」
オイゲン「と、突然なによ!?」
ミルザ「僕・・・山羊座だよ?」
オイゲン「だから何!?・・・はぁ〜〜、まぁテンション高いのはいいことだ。俺は・・・まぁ、その、ミルザのそんな所が結構気に入ってるわけだしナ・・・」
ミルザ「・・・え?何か言った?ごめん、聞いてなかった。もう一回言って?」
オイゲン「・・・いや、もういいです。」
ミルザくんのあまりのマイペースぶりにオイゲンくんはため息をつきました。
・・・日常毎度の事なのですが。
オイゲン「・・・で、俺が数秒目を離した隙に、君はなにやってるのかな〜?」
オイゲンが視線を戻すと、ミルザくんがいつのまにかアクアマリンに頬擦りをしています。
ミルザ「何って・・・見て分からないの〜?うふふ」
オイゲン「いや、まぁ、バリバリ分かりますけども・・・人前でんな事やって恥ずかしくないの・・・?」
周りの騎士団寮生から思い切り見られまくっているミルザくん。
ミルザ「ふっ・・・いずれサルーインちゅわんと付き合いだしたらそりゃあもう嫌と言うほど見せ付ける事になるんだろうし、こうして予行演習してるのさっ!」
オイゲン「と、とんだ予行演習だなオイ。」
ミルザ「あ〜ん、サルーインちゃんの指の温もりがおはだに染みる・う・う・う・う」
オイゲン「もうアレから何ヶ月たったと思ってんの?」
ミルザくんとオイゲンくん。
漫才のような問答を繰り返す二人の背後に、何者かが近づいてきていました。
ミルザ「で、最近のところてんブームに伴っての株価上昇の件についてだけど・・・」
オイゲン「あれ?どういう話の流れでその話題になったんだっけ?」
???「ミルザさん?」
ミルザ・オイゲン「わ、わぁぁぁっ!!!」
不自然なくらいに驚き振り返る二人。
と、その人物を目にしたとき、ミルザくんは反応しました。
???「お久しぶりです。お元気でしたか?」
ミルザ「あ、あ、あ、君はもしかしてそのー・・・あの時の・・・あわ、あわわわ、ごめんなさーい!!」
???「あの時の事はもういいんですよ。それよりも今日は貴方にお願いがあってきたんです。」
オイゲン「? ? ?」
ミルザ「あ、そう?そうなの?あはは、ごめんなさいね。・・・ところで、名前聞いてなかったけど・・・君、名前は?」

マリーン「そういえば自己紹介がまだでしたね。私、マリーンっていいます。」


つづくよ
179ゲーム好き名無しさん:2005/09/25(日) 23:44:02 ID:???
やっと書き終わったぜ・・・
モンスターの名前かぶったオリジナルキャラだらけですけどw
まぁ、半数以上はもう出番無いだろうし好き勝手やっちゃいました。

ムーンストーンじゃなくてコッチに行った理由
ムーンストーンイベントはバファル帝国代表のあのイベント関係になるだろうから。(バファル関係→バファル関係だとバランス悪い気がする)

以上。単純な感じになるだろうケド、次の人よろしくー!ごめんなさーい!
180ゲーム好き名無しさん:2005/09/26(月) 00:44:43 ID:???
先が気になるお。
181ゲーム好き名無しさん:2005/09/26(月) 02:22:26 ID:DNYBgW+m
>>159
外伝乙&GJ!
序盤からワロタw
ナイトハルトは癖になる味だな
是非また書いて下され

>>179
‥‥やっときたか‥この日が‥‥
この1000ねんのあいだ
なんどとなく ほんぺんの続きが
きになったぞ

イカ寮長カッコヨスw
ウコム学園の構成が気になるな。
その外伝があったら面白そうだが脱線しすぎになるかな?

とにかく超乙!
182ゲーム好き名無しさん:2005/09/26(月) 02:24:31 ID:???
ageちゃった
スマソ‥‥orz
183ゲーム好き名無しさん:2005/09/26(月) 23:27:45 ID:???
デモコマツヨス
株価上昇ワロス
久々のミルザ登場でウレシス
184ゲーム好き名無しさん:2005/09/27(火) 00:34:03 ID:???
>>179
本編開始乙!おー!海に行ったか!!
そしてデモコマがついに本格始動だな。エラく強いな!はりきってるねデモコマさん
そしてイカ寮長の男気に惚れた。いい出だしだねー。
んで、ついにミルザメインの本編になるのかー。ミルザのセリフがなんというか、ある意味重いなw
ミルザ達が中心の話となると、「クリスタルプール」と「ある日のミルザくん」、あたりから久々なのかな。
えーっと、
「愉快な下僕」「平和な日常」「三本の矢」「エリスのお仕事」「彼女達のお仕事」「エロールの罠」
「策士の事情」「日陰の花」「カマの祭り」「運命の石」「その後の海賊」「アディリス先生」「夢と現実」

・・・ミルザ、ガンバレ。俺はお前を応援してるぞ・・・
185ゲーム好き名無しさん:2005/09/27(火) 00:43:36 ID:???
ミルザきゅんの天然系変態っぷりが大好き
もっともっと暴走させて、オイゲン君に突っ込まれてください

アルも周囲に祝福されての筆下ろし?ワロタ
やがてツフ無しではいられない体になっていくのね
186ゲーム好き名無しさん:2005/09/27(火) 01:19:36 ID:???
>>179
本編乙!
ムーンストーン、ブラックダイヤ、ルビーの伏線が張られてたけど、どれから始めてもよさそうだったからね。
ブラックダイヤでも全然いいと思うよ。
フリーシナリオっぽくて、おらわくわくしてきたぞw
187ゲーム好き名無しさん:2005/09/27(火) 20:54:23 ID:???0
ここでこっそり憧れのまとめサイトの中の人に乙してみる

ところでマリーンの(あの二人・・・)ってやっぱミルザと・・・ストライフちゃんだよな?
思えばミルザとストライフが手を組んだ事は今まで無かったから、楽しみだぜ。
188ゲーム好き名無しさん:2005/09/28(水) 12:32:28 ID:???
外伝&本編乙!
おもしろかったよ。
外伝はなんというか…ツフいっぱいのAAを思い出したぞw
本編はミルザくん久々なんだな。
変態かつ燃えっぷりの活躍を期待してるぜ。

で、俺もこっそりありがとうと言ってみる。
これからもサイト更新という形で応えられるようがんがる。
余裕あったら絵も…ツフメイド服とか…シルバーウエイトレスとか…
189ゲーム好き名無しさん:2005/09/28(水) 18:29:28 ID:???
ツフよりシルバー!
ツフよりシルバー!
ツフよりシルバー!


筋肉はいらない!
190ゲーム好き名無しさん:2005/09/28(水) 18:51:22 ID:???
シルバーなんて出番の少ない奴はいらん!俺が欲しいのは…
















ゴブリンセージたんハァハァ
191ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 00:17:14 ID:???
そして運ばれてくる、めちゃめちゃゲームに忠実なゴブリンセージ
192ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 09:52:15 ID:???
マル学のゴブリンセージ擬人化したらとんでもないショタ公ができあがりそうだ。
193ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 16:15:22 ID:???
ナンパ属性水竜様は角仲間ツフを口説けるか
194ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 23:17:44 ID:???
さあさあ!続きを書く勇者はおらんのかね!?
195ゲーム好き名無しさん:2005/09/30(金) 08:18:30 ID:???
俺の萌え(燃え)キャラランキングベスト5

1位……デス姉たん
2位……アルドラたん
3位……アディリスたん
4位……炎帝
5位……サルーインたん

ちなみにカプ誰がなんと言おうとはタイラント×デスマンセー
次点でミルザ×アルドラ。
196ゲーム好き名無しさん:2005/09/30(金) 13:14:59 ID:???
自分もタイラント×デス好き。
萌えもあるし、普通になんか羨ましいというか良い。
197ゲーム好き名無しさん:2005/09/30(金) 13:25:15 ID:???
殿下とディ穴もいいな。
198ゲーム好き名無しさん:2005/09/30(金) 14:00:56 ID:???
ここであえてツフ&アルベルトをあげておく。
面白さではトップですよ。
199ゲーム好き名無しさん:2005/09/30(金) 14:24:15 ID:???
ミルザとワイ…いや、忘れてくれ
200ゲーム好き名無しさん:2005/09/30(金) 23:23:48 ID:???
195のランキングを見ると、登場人物の男女比がわかるなー。
しかしランキングの中に一部本当に燃えている人がいるな。
俺もタイラントとデスは大好きだ。祝福のシーンにはやられたぜ……
201ゲーム好き名無しさん:2005/10/01(土) 03:06:57 ID:???
おおタイニィ タイニィはどこだ
202ゲーム好き名無しさん:2005/10/01(土) 10:12:51 ID:???
タイニィは もう
いないのよ!!
203ゲーム好き名無しさん:2005/10/02(日) 12:26:40 ID:???
続編期待age
204ゲーム好き名無しさん:2005/10/04(火) 00:37:00 ID:???
活気を!もっとこのスレに活気を!
というわけで、いっちょ続編にチャレンジしてみようかな?と思う。
あまり話としては進展はしないかもしれないけど、ミルザオイゲンストライフが
神殿内に居る状態にはしてみたい。
登場人物も増やさず、小数のキャラで次にまわせるようがんばってみます。

んで、一つ確認。たしか14話のラストで、ブ●チ●●人魚に拾われてたよ・・・ね?
よけい落ちぶれるのか、漢気を見せて玉砕してもらうか、悩むところです。
205ゲーム好き名無しさん:2005/10/04(火) 11:00:59 ID:???
>>204
勇者キタコレ
頑張れ!
206ゲーム好き名無しさん:2005/10/04(火) 15:00:38 ID:???
スレ違いだけどさ、女史が描いたヘェイトォォタソの赤魔イラストって
ないのかな?
ごめん。ふと気になった。
207ゲーム好き名無しさん:2005/10/04(火) 22:29:15 ID:???
つアルティマニア
208ゲーム好き名無しさん:2005/10/05(水) 16:52:07 ID:???
>>204
勇者きたー
頑張れ!応援してるでよ!
ブ…は人魚見ただけでそのまま海の底で死んだんじゃない。
ほら、ウコムの評判悪そうだし…
209ゲーム好き名無しさん:2005/10/06(木) 18:41:03 ID:???
ブは一応生きてんじゃない?
こんな感じで↓

人魚により一命を取り留めたブ。
しかし、酸素欠乏症により、すっかりダメな人になっていました。
そんなブの前にホがあらわれました。
ホ「ブ!おめぇ!?」
ブ「おお、ホか。ゲラ=ハは活躍しているか?」
ホ「は?あ、ああ」
ブ「この死の鎧をゲラ=ハにつけるんだ。
そうすればゲラ=ハはもっと活躍できる」
ホ(こ、こんな欠陥防具を・・・)

こうですか?わかりません!!(´∀`)
210ゲーム好き名無しさん:2005/10/06(木) 23:42:24 ID:???
>>204
勇者だー!頑張ってくれ!
ブの字がどうなるかが今から楽しみだ。やっぱ相変わらず卑怯もんなのかな?
そして>>209にテムレイ吹いたwこれいいなぁ。
俺がゲラ=ハを一番使えるんだ!とかホが言うんだろうか。

んで、新作投下までの間にネタふりでも。
イラスト化されてない他キャラ、脳内でどうイメージ化してる?俺の場合は

ミルザ→黒髪サラサラヘアーの純粋系。衣装は・・・やっぱ騎士団騎士が着てるようなアレか?つーかラファエルみたいだ。
オイゲン→金髪。とりあえず金髪。衣装はミルザと同じのを着崩してる感じ。
タイラント→最初は骨鎧を着た本多忠勝みたいなんを想像してたが、だんだん衣装のイメージが月華の剣士の刹那みたいになってきた。
リガウは日本モチーフらしいし。顔の想像はサッパリつかない。やっぱ赤毛なんだろーか。

想像つかないのがタイニィくん。羽根がどうなるのか。コレガワカラナイ
211ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 02:16:52 ID:???
人間化する時は、サガフロ1のチョウチョみたいに体にしまってるのかな
術使う時とか、気分が高まったらピョコっと飛び出ちゃうとか
あ、なんかカワイイ。
212ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 08:04:03 ID:???
タイニイはかわいいわね
213ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 08:08:16 ID:???
ミルザは銀髪
214ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 11:45:22 ID:???
オイゲンはヒゲ
215ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 11:49:39 ID:???
タイニイのクルクルをビヨーンと伸ばしてみたい…ハァハァ
と、某蛇姐さんが言ってました
216ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 12:39:53 ID:???
ミルザやオイゲンを公式絵でイメージするのは無理があるので、あれより若いって事でイメージしてる。
ミルザは黒髪の童顔で。オイゲンは適当。
217ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 12:45:04 ID:???
ミルザは銀髪
218ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 13:15:52 ID:???
銀髪にはこだわらぬ!
219ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 19:22:08 ID:???
マジキモイ
220ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 19:47:19 ID:???
まぁ、何色でもいいんじゃね?
三邪神全員女な設定だし。
俺は黒、茶、金、銀、白あたりの無難な色を当てはめてるな。絵になって無いキャラには。
別に赤とか青とかでもかまわんよ。
絵師の自由に決めてイイとオモ。
・・・ただピンクだけはやめて欲しい。ピンクだけはマジ勘弁。
221ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 20:11:26 ID:???
銀髪も勘弁な
222ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 20:15:44 ID:???
彼らに限っては作品内での容姿の描写はカンベンして欲しい。
ところで、絵師が消えたな。
223ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 21:29:55 ID:???
ミルザは銀髪なのはデフォルト設定
224ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 21:52:54 ID:???
ミルザ≠ミルザくん
ですよっと。
まぁ銀髪がいいなら絵を描けば?
誰もとめないよ。
225ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 21:55:16 ID:???
ミルザは銀髪なのは公式設定だからしょうがない
226ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 21:59:06 ID:???
髪色が銀でも別にいいが、髪形や体格はトモミ絵などの奴でイメージするには無理がある。
227ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 21:59:40 ID:???
脳内設定をあたかも公式設定のようにわめく腐女子がわくから
髪の色の設定などはその辺にしておけ
228ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 22:10:40 ID:???
過疎るくらいならそのほうゲフンゲフン!
腐女子向けの話なんて作れんけどw
229ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 22:16:50 ID:???
たまにボーボボに近いノリを感じる話がある。
230ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 22:52:58 ID:???
え、腐女子しかいないんじゃねーのこのスレ?
231ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 22:53:53 ID:???
腐った女子はいらんよ
232ゲーム好き名無しさん:2005/10/07(金) 23:28:47 ID:???
腐女子の逆は少しいそう
233ゲーム好き名無しさん:2005/10/08(土) 03:24:29 ID:???
ttp://vip.jpn.org/uploader/source/up1295.jpg

ツンデレストライフたんが好きだ。
本編に期待。いつも楽しませていただいてます。
234ゲーム好き名無しさん:2005/10/08(土) 21:52:25 ID:???
新作マダカニー?
宣言逃げはいかんじょえー
235ゲーム好き名無しさん:2005/10/08(土) 22:28:09 ID:???
宣言した者です。話の流れは固まりました。ただ、書く時間が全くとれなかったので、
1kbも進んでません・・・
これから書きます。どのくらいの分量になるかは判らないんですが、
時間かかってしまいそう。すいませんorz

>>233
目つきの鋭いストライフたんハァハァ
かっこいいっすね!これをエサに頑張って書きまする。
236ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:16:50 ID:4fE7NVDv
よーし、んじゃ投稿しますよー!
237ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:18:22 ID:???
>マリーン「そういえば自己紹介がまだでしたね。私、マリーンっていいます。」

ミルザくん「マリーンちゃん、か。改めてよろしくね、マリーンちゃん
       で、お願いって何?勉強?お手伝い?お金は・・・今の持ち合わせは、もやし3袋ぶんしか・・・」
オイゲンくん「ミルザ・・・お前も察しが悪いな。そんな下らないやりとりをしてるヒマはなさそうだぜ。
        マリーンちゃん、なんでそんな全身すり傷だらけなんだい?それに、相当焦ってるみたいに見える。」
マリーンちゃん「はい。大変なことが起きてしまったんです!
          ウコム学園が・・・モンスターの襲撃をうけました。」
ミルザ&オイゲン「「な、なんだって!!」」
マリーンちゃん「どこのモンスターかはよくわかりません。しかし、恐ろしく強いモンスターが一人・・・
          うちの寮長をもってしても、私を逃がすのが精一杯でした。
          他のモンスター生徒では、あの悪魔を止めることはできないでしょう。
          このままでは、ブラックダイアが・・・」

そういってマリーンちゃんは、はっ、と息を飲みました。
ブラックダイアという言葉を聞いて、ミルザくんとオイゲンくんの瞳孔がぴくっ、と動いたのが見えたのです。

・・・この人達は、糸石の存在を知っている。知っているだけじゃない。興味を持って、石に関わろうとしている?

どうしよう。モンスターを撃退してくれなどと、対価も無しにお願いができるハズもない。
こちらが払える可能性があるものは。そして彼が望むであろうものは、1つしかありえない。
でも、それは大切なもので、自分の一存ではとうてい決められないことであって、
かといって放っておけば、やっぱりブラックダイヤは奪われて、他の生徒の命さえも・・・


ミルザくん「マ、マリーンちゃん?」
マリーンちゃんの両目から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちました。
マリーンちゃん「このままではみんなが・・・でもブラックダイアは・・・私・・・私どうすれば・・・」



ストライフちゃん「・・・マリーンちゃん・・・」

ミルザくん達の後方に、背丈の高い観葉植物が3本植わっています。
と、その観葉植物が、ずりずりと横に動き出しました。
その観葉植物の根元に、いつもの3名様、策略、闘争、憎悪のみなさんがおりました。
もう何と言うか、安田大サーカスばりのベッタベタな隠れかた(本人たちは『隠密行動』と言い張っていましたが)で、
ミルザくん達とマリーンちゃんの、ただならぬ会話を盗み聞きしていたのでした。

ワイルちゃん「こっ、これは凄い情報ですよ!!ブラックダイアがそんな所にあったなんてっ!!」
ヘイトちゃん「けぇどぉぉぉ〜〜ぬぉんんびりはしてられなぁぁぁ〜〜Aいわぁあぁ!!
         いまにも盗まれそうぢゃないのよぉぉ〜〜jfkdfn!」
ワイルちゃん「そうですね!マリーンちゃんには悪いけど、今からさっと行って、ささっと奪って帰りましょう。」
ヘイトちゃん「そうねぇえ〜〜オサカナさんたちはどうなろうと知ったこっちゃないしぃぃぃぃ〜〜jljl
         スットライフちゃあああん!アンタの友達には悪いけどぉぉぉ〜〜〜
         これもサァrrrルゥーーーーインちゃんのためよぉぉお〜〜〜!」
ストライフちゃん「・・・そうだな。サルーインちゃんのためだな。仕方ないか・・・」
238ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:19:08 ID:???
マリーンちゃんが、ぼろぼろと涙を流しながら、下を向いてしまいました。

すると、ミルザくんが一歩前に出たかと思うと、マリーンちゃんの肩に、ぽん、と手を置いてこう告げました。
ミルザくん「マリーンちゃん、その、ブラックダイアってのは何だろう。ボクはよくわからないよ。
       ・・・よくわからないから、それが欲しいとか言わないよ。
       でも、それは取られてはならないものなんだよね?だったら、すぐに守りに行こう。」
マリーンちゃんが、顔を上げました。同時に、オイゲンくんが、眉間を抑えながらミルザくんに問いただしました。
オイゲンくん「・・・なぁミルザ。ブラックダイアってのは糸石の一つだろ?お前が探してる糸石の一つなんだろう?」
ミルザくん「うん。確かにそうだよ。でも、それはマリーンちゃん達ウコム学園の皆にとっても大事なものなわけで。
       だからマリーンちゃんは、生徒の安全を取るか、ダイアを取るかでここまで悩んでるわけで。
       ・・・ボクはバカだからさ。そういうのの上手な解決方法とか、わからないんだ。
       ただ、ウコム学園が大変だ!ってことだけは理解できたつもりだ。
       ・・・だから、学園を助けに行く。それだけ、ただそれだけに絞れば、バカなボクにも解決できるかな、と思ったんだ。」
マリーンちゃん「ミルザさん・・・」
ミルザくん「だからさ、ボクはブラックダイアには関係ないってことで。口外もしないし欲しいとも言わないよ。
       って、こんなのんびりしてる場合じゃないよ!!生徒達が危ないんだよね!急がないと!」
オイゲンくん「ったく。こりゃ国宝級のバカだな・・・だけど、ま、騎士としちゃー間違っちゃいないと思うぜ。
        んで、そんなバカミルザに付いていこうなんざ、俺もよっぽどのアホだったってことだ。」
マリーンちゃん「ミルザさん・・・オイゲンさん・・・ありがとう・・・ありがと・・・・」


ストライフちゃん「・・・・・・・・」
ヘイトちゃん「ほォらあああストライフちゅわん何やってんのようぅぅぅfjjk!!
         ミルザ達より先に行って糸石ゲ☆ッ☆ト☆よぉぉぉぉ!!!」
ストライフちゃん「おいヘイト」
ヘイトちゃん「んあ?なぁに?」
ストライフちゃん「あて身」

言うやいなや、ストライフちゃんの拳が、深深とヘイトちゃんの顔面に突き刺さりました。
そのままひねりを加え、コークスクリューブローのようにおもいっきり打ち抜きます。
ヘイトちゃんは、ぷげらっぴゃあああああ、と奇声を発しつつ、地平線のかなたにブッ飛ばされていきました。

ストライフちゃん「ふう。以前時代劇で見たあて身が、まさか実際に有効だとはな。」
ワイルちゃん「ス、ストライフちゃん!?つーかあれ当て身じゃないよ・・・なんでこんな真似をっ!?」
ストライフちゃん「済まないなワイル。今回ばかりは、サルーインちゃんのためでなく、私の好きにさせてはもらえないか?」
ワイルちゃん「・・・まさかミルザくんに加担するつもり?糸石も諦めるつもりなの?」
ストライフちゃん「・・・後でどんな処罰でも受けるさ。では私は行くぞ。」
ワイルちゃんがストライフちゃんを、きっ、と睨み付けています。その意思、鋼鉄のごとし。
ストライフちゃん「・・・再びあて身を試してみるか・・・」
ワイルちゃんは脱兎のごとく逃げ出しました。強固な意志も、恐怖には弱いようですね。
239ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:20:50 ID:???
「マリーン!」
マリーンちゃん「あ、ストライフちゃん!」
ストライフちゃん「悪いな。話は全て聞かせてもらった。」
そしてミルザくんの方をチラッと見やり、
ストライフちゃん「私も一緒に行こう。戦闘要員は多い方が良いだろう?」
マリーンちゃん「ストライフちゃん・・・ありがとう。ごめんね、危険なことに巻き込んで・・・」
ストライフちゃん「気にするな。私が勝手に首を突っ込もうと思っただけだからな。」
ミルザくん「君はサルーインちゃん所のコだね!!ストライフちゃんて言うんだね。ボクはミルザ!よろしくね!!」
しかし、ミルザくんから差し出された手を、ストライフちゃんはパシーンとはね除けました。
ストライフちゃん「調子に乗るな。馴れ合うつもりはない。あと、一つだけ言っておくぞ。
           私のことを、ちゃん付けで呼ぶな。貴様らにそんな風に呼ばれると、虫唾が走る。」
ミルザくん「は・・ははは・・・わ、わかりました・・・」
オイゲンくん「(おーおーオッカネェ女だなぁこいつ・・・)」
ストライフちゃん「では行くぞ、グズグズするな!事態は一刻を争うぞ!」
そう言われて、ミルザくんとオイゲンくんは、慌てて道具をまとめました。
ミルザくん「でも海の中に行くんだよね?だったら重い鎧とかは付けられないかなぁ。その強い悪魔ってのは、どんなヤツ?」
マリーンちゃん「恐ろしい相手です。邪術を使いこなし、相手を無力化する凝視を持ち、
          強靭な爪で相手をズタズタにして・・・そして何よりも、重力を操作します!」
オイゲンくん「なんだって?」
ミルザくん「オイゲン、心当たりがあるの?」
オイゲンくん「あぁ。アクアマリンの件の時に少し、な。しかしヤツが相手か。
         ・・・なら、軽装で行くってのは、ある意味正解かもしれないな。重力操作のダメージを軽減できる。」
ストライフちゃん「(アクアマリンかー。あんときサルーインちゃんが渡したのって・・・)」
ミルザくん「うん、それにこっちにはアクアマリンがあるしね!水の中ならこっちが有利さ!!」
ストライフちゃん「(・・・やっぱ本物の方だったか・・・サルーインちゃんは何を考えてるのか・・・)」
ミルザくん「あれ、オイゲンその大型剣は?」
オイゲンくん「あぁ。俺も騎士団寮生として、こないだ城砦騎士の試験に受かったからな。
         細剣の方がまだ上手く使えるんだが・・・一応、予備として持っていく。」
ミルザくん「そっか!オイゲンも受かったんだね!!やっぱりボク達騎士だもんね!!」
ストライフちゃん「城砦騎士、か。スキルは何だ?」
オイゲンくん「まずミルザのヤツが得意とする『長剣』、それと『大型剣』『両手大剣』『盾』あとは・・

         ・・・・そうそう、『打槍』だ。」

そして彼らは船に乗り、一路黒海を目指しました。
ストライフちゃん「おい、もう少しあの黒い部分に寄れ。」
船員「か、カンベンしてくれ!あの黒い水に触ったら、俺たちも怪物になっちまうんだ!!」
マリーンちゃん「そんなの、迷信です。」
ストライフちゃん「チッ、虫けらが・・・仕方ない。こっから泳ぐぞ。」
ミルザ&オイゲン「「え”っ!!こっから!?いやいやいや無理だって!マジで無理だって!!」」
マリーンちゃん「大丈夫です〜ウコム様のお力で、今は海中でも楽に行動できますよ。」
オイゲンくん「そんなこと言ったって・・・なぁ。」
ミルザくん「う、うん。まだ心の準備が・・・」
ストライフちゃん「やかましい!」
いうや否や、ストライフちゃんはヘタれた男2人組みの背中を蹴っ飛ばし、海の中に叩き込みました。
マリーンちゃん「はぁーーーーー・・・・(呆然)」
ストライフちゃん「では行くか。それっ!」
240ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:21:34 ID:???
ミルザくん「うわぁ・・・海底って綺麗だなぁ・・・」
オイゲンくん「あぁ。しかし黒海の側に、こんな姉妹校があったとはな。」
ストライフちゃん「学舎が見えてきたな。・・・気を引き締めろ。あぁなりたくなければな。」
ストライフちゃんの指差す先に、血を流し、意識を失い漂っている山おやじの姿があります。
マリーンちゃん「山おやじくん・・・」
それを見てマリーンちゃんが、自らの肩を抱くようにして、カタカタと震えだしました。
ストライフちゃん「マリーン。お前はここまでで良い。安全な場所に隠れてろ。ここから先は私たちの仕事だ。」
マリーンちゃん「ストライフちゃん・・・皆さん、ごめんなさい・・・絶対、絶対無事に帰ってきてください!!」
ミルザくん「うん!じゃあ行ってくるよ!!」

オイゲンくん「へ〜え。おっかない女だと思ってたが、結構優しいとこあるじゃんか。」
ストライフちゃん「黙れ虫けら。今はそんな下らないことを言っている場合じゃないだろう。
           ところでお前達。2人とも騎士団寮生というと城砦騎士か。ならば魔法は?」
ミルザくんとオイゲンくんが、共に首を横に振りました。
ストライフちゃん「なるほど。ならば貴様らが前衛、私が後衛だな。しかし相手は手ごわいと聞く。
           そこで提案がある。ミルザよ、貴様は水と幻の石を持っているんだな?ならば・・・」


【同時刻:海底神殿3階 保健室】

???「う・・・うぅ・・・」
「生徒会長、気付いたようです。」
「そう。まぁこの騒音の中じゃあ寝つづけるのも無理でしょうけどね。」

保健室のベッドを囲むように、魚型モンスター2体と、一人の女の子が立っておりました。
その子はマリーンちゃんと同じ、3人の生徒会長の一人です。
そして3人が囲むベッドに横たわるのは。全身ズタボロになった白髪の男。

メルビル騒乱の原因、海賊ブッチャーでした。
ブッチャー「ここは・・・なんだ?う、あ、痛てててて・・・」
生徒会長「ここは海底のウコム学園。あなたが海底に沈んでいくのを見つけて、私が保護しました。」
ブッチャー「そうかい・・・クソッ!あのホークの糞野郎が!このままじゃ済あさねぇ。殺す。殺してやる・・・!!」
モンスター生徒「礼も無しかよ兄ちゃん!ロクなもんじゃねぇなてめーは。」
ブッチャー「ケッ。魚類は黙ってろよ。生臭くてかなわねぇぜ。」
モンスター生徒「あぁ!?んだとてめー!!」
生徒会長「おやめなさい。お礼は結構です。傷ついた人を助けるのは当然ですし、それに」
そして生徒会長が一枚の紙きれをブッチャーの前に突き出しました。それを目にすると、ブッチャーの顔面が蒼白になりました。
生徒会長「目を醒まし次第、あなたをバファルに引き渡す予定でしたから。感謝されるいわれはありません。」

その紙には、こう書いてありました。

『【手配書】メルビル騒乱の首謀者ブッチャー。生死は問わず。バファル舎より 〜発行:マルディアス学園生徒会〜』

241ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:22:24 ID:???
生徒会長「あなたは海で、相当ひどいことをしてきたようですね。海を愛する私たちとしても、とても許せるものでは――――」
しかし、ブッチャーの耳にはもはや、他の誰の言葉も聞こえてはいませんでした。

バカな。なんで俺の顔だけじゃねぇ。名前までが出てんだよ?
コルネリオの野郎か!俺を切り捨てるつもりか!俺に利用されてるガキのくせに。
それよりなんで俺はここにいる?負けたからか?負けた?このオレが?誰に?
ホークの野郎・・・ホーク!ホーク!あのクソ野郎か!!
オレはホークにも!コルネリオにも負けたのか!・・・認めねぇ!認めねぇぞ!!
オレは支配されんのは大ッ嫌いなんだ!俺は負けねぇ!俺をバカにしてんじゃねぇ!!
俺を笑うな!あざ笑ってんじゃねぇよ!クソが!

・・・潰してやる。ぶっ殺してやる。もう何もかも関係ねえ!!殺ス!!!

そしてブッチャーの精神は、境界を越えてしまいました。

周囲を見、そして手が十分に動くことを確認します。そして気付かれないように手をすっ、と伸ばし、
生徒会長「キャアアッ!」
ベッドの傍らに置いてあった注射器を取り、生徒会長の手を引っ張り首をしめ、自分の盾のようにして捕まえました。
そして注射器の針を生徒会長の首にあてがいました。

モンスター生徒「て、てめーー!!」
ブッチャー「ふ・・・ふひひ・・プッヒャハハハハハハハ!!魚介類ごときに捕まるかよ!ヒャアハハハハ!!」
ブッチャーはそのまま生徒会長を引きずるようにして出口に向かいます。
しかし、満身創痍のブッチャーにとって、人質を取り続けることは、荷が重い行為でした。
保健室を出てすぐ、地面に穴が開き、黒い霧が立ち込める場所がありました。
じりじりと下がるブッチャーに対し、モンスター生徒がつかず離れずの場所で歯がみしています。

生徒会長「くっ!離せ!離しなさい!」
ブッチャー「フヒヒヒ・・・離して欲しいか?んじゃそうしてやるよ!!」
そいうと、ブッチャーは生徒会長を地面の穴に突き落としました。
モンスター生徒「会長!!!」
モンスター生徒がかけよって、すんでの所で落ちかけた生徒会長の手を掴みました。
その隙に、ブッチャーは目に狂気を浮かべながら、傷だらけの体で走り去っていきました。

と、ブッチャーはとある小部屋を見つけました。そこには「宝物庫」とあります。
中にフラフラと入っていくと。いくつかの宝箱がありました。しかし、パールの指輪も、金の腕輪も、
今のブッチャーの目には、何の価値も感じられませんでした。

と、一番奥に、他の人の目から隠れるように、一本の矛が奉納されております。
それを見て、ブッチャーは薄ら笑いを浮かべました。

「何もかも、ブッ壊してやる!!」
242ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:24:06 ID:4fE7NVDv
【ミルザ達突入から10分後:海底神殿 2階】

デモコマ「潰れろ!!」
デーモンコマンドが手をかざすと共に、コーラルクラブが地面にめりこんでいき、そして動きを止めました。
ラミアちゃん「デモコマさま、さっすがぁ〜〜。もう私のすることなんて、ありませんね、ねっ、ねっ!」
デモコマ「気にするな。もとよりお前に期待なんぞしていない。」
ラミアちゃん「あ、ひっどいなー。私だって、色々気付くんですよぉ。
        たとえばほら!!上の方におっきな穴があいてます!!階段探すよりもこーやって飛んでいけば・・・」
ふわふわと2階と3階を繋ぐ穴に向かって飛んでいくラミアちゃん。しかし、2階の天井付近にさしかかったところで、
穴の中に吹き荒れている乱れた気流に巻き込まれ、バランスを崩して落下してしまいました。
と、あらかじめ落下地点を知っていたかのように立っていたデモコマが、ラミアちゃんを下で抱きとめました。
ラミアちゃん「ふえーびっくりしましたぁ。だから階段探して昇ってたんですねー。デモコマさま、賢〜〜い」
デモコマ「・・・お前に期待はしていない。しかし、邪魔だけはしてくれるなよ。」


             「「「   待  て  ! !  」」」


ラミアとデモコマが振り返ります。すると向こうから、ミルザくん、オイゲンくん、ストライフちゃんの3人が走ってきました。
そして両者が対峙します。一瞬の後、相手が何者かを把握したデーモンコマンドが、フッ、と笑みをもらしました。
デモコマ「これはこれは。糸石の持ち主がこんなところに現れるとは。
      クリスタルレイクプールでは不本意な馴れ合いを演じてしまったが・・・ここで会ったが百年目!」
オイゲンくん「へへへ。あんときは世話になったな。その礼だけは、先に言っとくぜ。」
ミルザくん「え!?どういうことだいオイゲン!」
オイゲンくん「説明は後。来るぞ!」
その言葉を皮切りに、3人が散るのと、3人いた場所の重力が反転したのは、ほぼ同時でした。
すんでの所でかわした3人が、それぞれ別の場所から切り込みをかけます。
しかしデーモンコマンドは冷静に場を見極めていました。
まずはミルザくんの方を向き、死の凝視をかけます。
真っ先に突っ込もうとしていたミルザくんが、全身に走った激痛で、たまらずその場に崩れ落ちます。
ついでオイゲンくんが、デーモンコマンドに、今まさに細剣をつき立てようとしております。
デモコマ「甘い!!」
デーモンコマンドは、オイゲンくんの細剣に重力を加え、片手では持てない重さにしました。
その重さに負けて、剣を手放したオイゲンくんの腹に、デーモンコマンドの爪が突き刺さりました。
ミルザくん「オイゲン!!」
ストライフちゃん「貴ッ様ァ!!」
ストライフちゃんが、背後から稲妻キックで襲いかかります。
デモコマ「ペイン!!」
しかし、デーモンコマンドの放った邪術を腹にくらい、苦痛に顔を歪めながらストライフちゃんは吹き飛ばされました。
デーモンコマンドは、無力と化した3人を順に見て、そしてミルザくんに歩み寄りました。
デモコマ「さてミルザよ。わが主のために。その石を渡して貰おう。」
デーモンコマンドの手が、ミルザくんの首にかかります。

そのとき、ラミアちゃんの声が、うっすらとながら聞こえてきました。

ラミアちゃん「デモコマ様!!何突っ立ってるんです!危ない!!」
243ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:25:02 ID:???
デーモンコマンドが、はっ、と気が付きました。
確かミルザの持っている石は・・・『幻』の・・・!

ストライフちゃん「夢の世界は、楽しかったか?」
瞬間、ガシャァァァンという音と共に、まるで鏡を割ったように、デーモンコマンドの見ている『世界』が、ガラガラと崩れました。
そしてその眼前には、剣を振り下ろさんとする、ミルザくんとオイゲンくんの姿がありました。
反射的にデーモンコマンドは顔面を隠そうとします。オイゲンくんの剣は腕で受け止めたものの、
ミルザくんの剣は、デーモンコマンドの一番上の目を切り裂きました。
デモコマ「ぐ・・・っ!」
一番上の目から吹き出た血が、デーモンコマンドの顔面を汚します。
オイゲンくん「よし!まず凝視は潰した!!」
ストライフちゃん「次だな。離れろ虫けらども!!」
ミルザくんとオイゲンくんが左右に飛び退ります。
デーモンコマンドは、猛り狂いながらも、視界を奪われ、重力操作を乱発していました。
ラミアちゃんは、突然の出来事に慌てふためいて、何も行動を起こすことが出来ません。
ストライフちゃんは、その他全員から離れた場所に、一人腕組みをして立っていました。
その首に、アメジストが光り輝いています。
ストライフちゃん「私にはサルーインちゃんほどの魔力は無いが。それでもここまでのことが出来るとは・・・素晴らしいな、糸石の力は。」
デーモンコマンドが、その声を聞きつけ、爪を伸ばしてストライフちゃんに向かって、一気に駆け寄ろうとしました。
直後、デーモンコマンドの背中に激痛が走りました。その背中に深く、X字の傷が走りました。
ミルザくん「ボク達は、一人じゃないぞ!」オイゲン「血が上ってるな、旦那。」
2人が放った剣閃が、デモコマの背中に直撃していたのです。
ストライフちゃん「幻の力は判ったろう。次は、水の力を味わえ。メイルシュトローム!!!」
ストライフちゃんが腕組みをとき、手の中に握っていたもう一つの糸石、アクアマリンを天にかざしました。
その瞬間、小規模な津波が発生し、デーモンコマンドに直撃しました。
洗濯物のように、水流の中でデーモンコマンドの天地が、激しくぐるぐると回ります。
そしてデーモンコマンドは、そのまま壁にたたきつけられました。
そのまま津波の後を追うように、ミルザくんが駆け寄ります。
ミルザくん「これで、決まりだ!!」
ラミアちゃん「デモコマ様ーーーーーっ!!!」

その瞬間でした。
彼らの上、3階で、凄まじい爆発音というか、何かが炸裂した音がしました。
その直後です。彼らの上、2階と3階を繋ぐ穴から――――巨大な雷が落ちてきたのです。

部屋の中央に落ちた巨大な雷の衝撃派で、ミルザくん、オイゲンくんが吹き飛ばされました。
ストライフちゃん「新手か!?・・・しかしこれは、術ではないな・・・」
244ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:25:50 ID:???
海底神殿の3階は、1階や2階とは違った惨状をさらけ出していました。
壁が、床が、天井が。無数の焦げ跡をつけて、ボロボロになっています。
力なく横たわるのは、海底神殿のモンスター生徒と、デーモンコマンド達の放ったモンスター。
その中で一人だけ立っている男がいました。狂気のまま、破壊行為を続ける男、ブッチャーです。

ブッチャー「ヒ・・・ヒ・・・フヒヒヒ!!一発!一発デカイ稲妻を落としただけでコレかよ!!
       ヒヒヒ・・・俺は神だ・・・神になったんだ・・・フヒヒヒ・・・」
そう笑うブッチャーの手には、ぱちぱちと電流を放ちつづける、一本の青い鉾がありました。

生徒会長「・・・・なんてこと。」
生徒会長と、いっしょにいたモンスター生徒は、保健室の奥に隠れてその様子を盗み見ていました。
モンスター生徒「あ、あれは・・・?」
生徒会長「あれは海底神殿のもう一つの宝、『ウコムの鉾』。
       ウコム様の力を受けて、神の雷を放つことができる鉾。その威力は見たとおりよ。だけど・・・」

突如、ブッチャーの頬がふくれたかと思うと、血を吐き出しました。反吐のように、赤黒く汚れた血が、地面に流れます。

生徒会長「・・・あれは誰にでも使えるわけではない、資質の無い人が扱えば・・・命を削るわ。」
モンスター生徒「じゃあ・・・あのまま放っておけば、いずれヤツは力尽きる?」
生徒会長「でしょうね。しかし、あの調子では・・・あいつが力尽きる前に、神殿が崩壊するわ・・・」

ブッチャーは、足を引きずるように歩き、地面に開いた穴から下を覗き見ました。
一匹の悪魔に、今まさに切りかからんとする騎士、ミルザくんの姿が見えました。
ブッチャー「騎士様かよう・・・?正義ヅラするやつは気にいらねぇな。よって死刑だ!!」
鉾の先端に、雷のエネルギーが充満していきます。そして、一筋の巨大な雷が、穴から2階に落とされました。
部屋の中心に落ちた雷の衝撃で、ミルザくんが吹き飛ばされます。
ついで、デーモンコマンドが、ゆっくりと立ち上がろうとしました。
ブッチャー「悪魔かぁ?人間様に・・・いや、神に刃向かってんじゃねぇよ!テメェも死刑だ!!」
今度は細く絞った雷が、デーモンコマンドの頭上から一気に貫きました。
威力こそ大分劣るものの、ピンポイントで加えられた一撃で、またデーモンコマンドは膝から崩れ、うめき声をあげました。

ブッチャー「あん?他にも騎士がいんのか?テメェも死刑だ!
       おっ、あいつはネーチャンかと思いきや悪魔かよ。ならばテメェも死刑だ!!
       んあ?あの赤いのは術士か?結構マブいなァ。だが、その目が気にいらねぇ。死刑だ!!!
       テメェも!テメェも!!テメェも!!!死刑!死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑だ!!!
       全員死ね!ことごとく死ね!あまねく死ね!!虫のように!ゴミのように!!藻屑のように死ね!!!
       イーーーーッヒャハハハハハハハハァァァァァァァ!!!!」
 
そして、幾筋もの雷鳴が、3階から2階に降り注ぎました。
245ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:27:47 ID:???
ミルザくん「わーーっ!!なんだよこの雷!!こんな敵がいるなんて聞いてないよっ!!!」
オイゲンくん「・・・っ!くそ!一発くらっちまった!!ここにきて軽装できたのが仇になっちまった!」
ストライフちゃん「なにはともあれ上に行かねばどうにもならない!!行くぞ!」

デモコマ「(く・・・この・・・私が・・・なんて無様な・・・)」
血で汚れ、赤みがかった視界の中、仰向けに倒れたデーモンコマンドは、屈辱に震えていました。
しかし、幻の中不意をついて喰らった連続攻撃のダメージで、体がいうことを聞きません。
と、デーモンコマンドの視界に、確かに見えたものがありました。
3階と2階を繋ぐ穴の先、青い鉾を構えた白髪の男の姿が。
デモコマ「(バカな・・・これが・・・人間の技だと・・・?)」
そんなデーモンコマンドの目に、見えてはならないものが見えてしまいました。
白髪の男ブッチャーの、勝ち誇るような、あざけるような目。勝者から敗者へ、強者から弱者へと向けられる、侮蔑の目でした。
デモコマ「(・・・人間が・・・そんな目をするのか・・・この私に・・・人間如きが・・・人間如きがアアアアアアア!!!)」


ぷちん


次の瞬間、ミルザ一行とラミアちゃんの動きが止まりました。
倒れていたはずのデーモンコマンドが、凄まじい勢いで跳ね起きると、両手を広げて重力操作の体勢に入りました。
ラミアちゃん「さすがー!アタシは信じてましたよーーデモコマ・・さ・・・ま・・」
デーモンコマンドの顔を確認するや、ラミアちゃんは猛ダッシュでデーモンコマンドから離れていきました。

デーモンコマンド「愚にもつかぬ、人間如きガァァァァァァァ!!!!!」

獣の雄たけびのように咆哮をあげ、デーモンコマンドが重力操作を開始しました。
しかし、その操作対象たる黒い円は、ミルザ達の足元ではなく、デーモンコマンドの足元から、放射上に広がっていきました。
それはどこまでもどこまでも広がっていき、ついには神殿全体を包み込んでしまったのです。

オイゲンくん「・・・嘘だろ?」

246ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:29:36 ID:???
そして、神殿の全て、全ての階層、全ての個所の、重力が反転しました。
術者であるデーモンコマンドも含めた全ての者が、『天井』に向かって『落下』していきます。

ブッチャー「ヒャハハ・・・なんだっ!?」
生徒会長「き、きゃああっ!!」
守護獣「!!」
ミルザくん「うわああああ!」
ラミアちゃん「ぎゃーー!デモコマ様がキレたあああ!!こんなん無茶しすぎよおおお!!!」

ストライフちゃん「くそ、天井にぶちあたる!!アクアマリンよ!!」

ストライフちゃんが、アクアマリンで大量の水を呼び出しました。
重力が反転しているため、水は彼らが落ちる先、天井に溜まりました。
水をクッションかわりにして、ストライフちゃんは上手く飛び込み、ダメージを軽減します。
しかし、飛び込みになれていないミルザくんとオイゲンくんは、そのまま水面に叩きつけられてしまいました。
重力反転はまだ続いています。
すると、大量の水は重力に従って、2階と3階を結ぶ穴を、3階方向に向かって流れていきました。
場の全ての者が、水の流れに巻き込まれ、3階に向かって『落ちて』いきます。

その水が3階天井に流れ落ちたところでようやく重力の反転は止み、
全てが再び天井から床に向かって落下していきました。
かくして、守護獣を除いた全てのものが、それぞれに満身創痍になりながら、3階のどこかに散らばる形となりました。

ミルザくんが、オイゲンくんが、ストライフちゃんが。

デーモンコマンドが、ラミアちゃんが。

そしてブッチャーが。

それぞれの思惑を、意思をかけて、立ち上がっていきます。

ミルザくん「負けない・・・何度やられても、絶対に負けない!」
オイゲンくん「・・・あの白髪の野郎、手配書で見たヤツだ。こんなところにいたのかよ。そしてあの鉾は・・・?」
ストライフちゃん「くそ・・・虫けらが・・・私もそろそろ我慢の限界だぞ!」

ブッチャー「グ・・グフッ・・・グフヒッ・・・神に逆らうやつは・・・死刑だ・・・ヒヒヒヒ・・・」


デーモンコマンド「     殺ス。    全  員  殺  ス   !!!」


ラミアちゃん「(・・・も、イヤ・・・もう寝てようかしら・・・デモコマ様も限界近そうだし・・・・
        ・・・でも血に濡れるデモコマ様も、セクシーだわぁ・・・ぽっ)」

・・・立ち上がらない人も、約一名いたり、いなかったり。

――――続く。
247ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 00:31:51 ID:???
そんなわけで、ようやっと書けました。一気にがーっと書いてしまったので、細かい所でボロがあるかもしれませんが、
生暖かく見守ってください。
ブッチャーは、やっぱり徹底的にゲスにしてみました。と同時に、酸素欠乏症案も入れさせて貰いましたw

ではでは、次の人よろしくお願いします!
248ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 01:53:08 ID:???
乙!
ブッチャーww もうどうしようもないくらい悪人だねw
これからが盛り上がりどころか。上手く繋げやすくしてくれたね。

というわけで次俺書くよー!
期日は一週間くらい…?まあ、なるだけがんばりますー
249ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 02:32:27 ID:???
黒海の海底神殿はウコム学園じゃなくて、ウコム学園からの留学生専用の寮。
そこ以外に特に矛盾はなかった。乙
250ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 12:54:32 ID:???
乙!ブッチャーテラヒドスwwデモコマくんテラコワスww
仮にも魔族系上位だもんね。本気を出せばこれくらいどってことないか。
盛り上がってまいりました。次の方も頑張って下さい!

・・・読んでて、デモコマの重力操作で全滅させられた日々を思い出したよ。
251ゲーム好き名無しさん:2005/10/10(月) 12:56:33 ID:???
>233
ストライフたんハァハァ・・・乙!
ツンデレかわいいよツンデレ。

連投すまんね。残りのニンフ達ってどんな顔なのかな。
ゲーム中には出てこないし、勝手に妄想中。
252247:2005/10/13(木) 00:12:31 ID:???
>>248
感想ありがとうございます。ブッチャーはどうやっても仲間にするイメージがわきませんでした
続き楽しみにしてるよ〜
ブッチャーの末路がどうなるのかが個人的に楽しみです。

>>249
あ、基本をおもっきり間違えてたな・・・でもそこ以外は大丈夫でしたか。よかったよかった
判定サンクスです。

>>250
感想どもです〜
デモコマには確かに全滅させられまくりました。
まぁ一番の死因はココナッツクラッシュだったですが。
しかしあと2人のニンフはどんなんだろうね。やっぱ南国系?

では続きを楽しみにしつつ、自分は名無しに戻ります
253ゲーム好き名無しさん:2005/10/15(土) 22:32:49 ID:???
明日投稿するよ!
それにしても人いないなあ。悲しいや
254ゲーム好き名無しさん:2005/10/15(土) 23:31:24 ID:???
おお、頑張ってくれ。
人がいないんじゃなくて、みんなワクテカしながら静かに待ってたんだよ。
今回はお前さんが早々に続編執筆を宣言したしね。

いまさらだけど、まとめサイトの人、1000Hit越えオメ
今後ともよろしく。
255ゲーム好き名無しさん:2005/10/16(日) 00:19:00 ID:???
私も朝昼晩覗いてます。気長になんぼでも待てます。
焦らず執筆がんばってください。
城塞騎士スキルを得たオイゲン君が楽しみだ。
256ゲーム好き名無しさん:2005/10/16(日) 00:57:34 ID:???
かつてツフとかシルバーとかの自作絵晒してた俺が来ましたよ。

…個人的な趣味の絵ばっかり描いてて、このスレ用のネタはほったらかしだけど一応みてるお。
続編ガンガッてくれさい。
257ゲーム好き名無しさん:2005/10/16(日) 12:22:49 ID:???
>>253さん期待age
俺もじっくり待ってるよー。結構ちょくちょく覗いたりしてます。
そしてまとめサイトの人も早い更新お疲れ様です。たまに過去のを見てニヤニヤしてますよ。
ただ、雑談とかでもいいから、もうちょいスレが動いてた方がいいかもな。
書き手の人も、書いてる間にスレに人の気配が無いんだと、せっかく書いても誰も見やしないんじゃないかと
モチベ下がっちゃうんじゃないか?
258ゲーム好き名無しさん:2005/10/16(日) 12:31:19 ID:RX+3O4sQ
上がってねぇしorz
259VIPから失礼します:2005/10/16(日) 12:51:50 ID:???

これもVIPクォリティ?
小学6年生の男女が裸体うp祭り中!!!

VIPになら小学6年生ぐらいは来てるだろ?
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1129427490/
260ゲーム好き名無しさん:2005/10/16(日) 23:32:49 ID:???
今日中に投稿できるかなー
マジすまん
261ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:02:02 ID:???
今から投稿するどー、途中から投稿できなくなる可能性もあるのでよろぴく。
262ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:03:30 ID:???
黒海の遥か底の底。
そこに、ウコム学園からの留学生専用の寮があります。
元々は、そこは運命の糸石『闇のブラックダイア』の保管場所であり、
今もマルディアス学園からの親交の印としてこの海底寮の奥深くに残されているのです。

その『闇のブラックダイア』。奪う闘いが―― 守る戦いが―― 熾烈を極めていました。


【海底神殿3階北西部の広場】

ミルザ「くそぅ・・・あちち、あちこち擦りむいちゃった。」
オイゲン「大丈夫か?傷薬は持ってきてるよな。」
ミルザ「うん。・・・敵が来る前に早く使っておかないと・・・」
ミルザくんは懐から傷薬を取り出すし、傷口に塗しました。
傷がミルミルふさがっていきます。
オイゲン「チッ・・・あの悪魔野郎め。ストライフとはぐれちまったな・・・」
ミルザ「うん。外から見た感じあんま広くないだろうからすぐに合流できるだろうケド・・・
    ・・・糸石がない今、デーモンコマンドが来た時はちょっとやばいかも・・・」

「  死  ね  」

ミルザ・オイゲン「!?」
頭上から突然何者かの声が聞こえてきました。
ミルザくんとオイゲンくんが真上を振り向くと・・・そこには鮮血色に染まった雨雲が北西部の広場一面を覆っていました。
オイゲン「ミルザ、デスレインだ!」
ミルザ「デ、デスレインって、あの剣みたいな雨が振ってくるって言う奴・・・」
オイゲン「剣を構えろ!全部叩き落すんだ!」
言うや否や、雨雲は無数の血の針へと姿を変え、二人に向かって降り注ぎました!
ミルザ「く、くそっ!」
オイゲン「『剣の雨』ってか・・・?くそっ!」
ガキィン、ギィン
二人の剣が、針を次々と叩き落していきます。
流石は城砦騎士。一つ漏らさず完璧にディフレクトしていきます。
やがて雨はやみ、雲は晴れ、その奥から血に塗れ赤黒く染まったデーモンコマンドの姿が現れました。
デーモンコマンド「しぶとい・・・奴らめ!」
デーモンコマンドの血走った目が二人を捕らえます。
オイゲン「上か・・・行くぞミルザ!」
ミルザ「う、うん。」
ミルザくんは長剣を構え、オイゲンくんは細剣を構えました。
二人の剣に闘気がこもります。

『剣閃・クロス』

263ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:04:19 ID:???
二人の剣から、同時に×型の剣閃が放たれました。
二つの剣閃がデーモンコマンドに真っ直ぐ向かっていき、そして・・・
ビュン
ミルザ・オイゲン「!?」
二つの剣閃は虚しく空を斬り、遥か遠くの壁に激突しました。
オイゲン「な・・・消え・・・」
ミルザ「オイゲン、こっちだ!」
ミルザくんがオイゲンくんの顔向きを指で誘導します。
そこには、両手を思い切り開きこちらに突き出しているデーモンコマンドの姿がありました。
オイゲン「・・・・・・!!」
二人は小転の要領で横に飛びのきました。
その瞬間、恐るべきスピードでデーモンコマンドの全爪が伸びていきました!
10本の爪が次々と壁に突き刺さり、けたたましい音を立てていきます。
デーモンコマンドの前方に巨大な黒い花が咲き乱れました。
ミルザくんとオイゲンくんは・・・
ミルザくん「こっちだ!」
オイゲンくん「こっちだぜ。」
デーモンコマンドの左にミルザくんが・・・右にオイゲンくんが・・・それぞれ剣を構えながらデーモンコマンドに突進していきます。
オイゲン(爪を伸ばしているこの状態からだったら重力操作や術、瞬間移動は使えない・・・凝視もあの目じゃ無理だろう。入るぜ!)
オイゲンくんは確信の笑みを浮かべました。
デーモンコマンドの顔が濁ります。
デーモンコマンド「ちょこざいな人間どもガ・・・!ふん!」
デーモンコマンドは己の全ての力を込め、両腕を思い切り開きました!
ミルザ・オイゲン「ぐあっ!」
二人は首裏に激しい衝撃を感じ、前のめりに床に倒れてしまいました。
広場の壁ほぼ全体に、まるでチェーンソーでも使ったかののような削り跡が描かれます。
オイゲン「くっそ・・・あの馬鹿力め・・」
ミルザ「いてて・・・裏からラリアットでも食らったみたいな感じ。しかし無茶するなーあいつは。」
二人は首裏を押さえながらフラフラ立ち上がり、再び剣を構えなおしました。
爪をゆっくりと元に戻すデーモンコマンド。
デーモンコマンドは剣を構える二人に向かって、息を激しく切らしながら言いました。
デーモンコマンド「はぁ・・・はぁ・・・・・・糸石が無い貴様らに・・・勝ち目は、無い!大人しく・・・降伏・・・しろ!」
オイゲン「・・・へっ!余裕がないのはお前さんの方じゃねーのかい?大分辛そうだぜ・・・」
デーモンコマンド「黙れ!・・・糸石さえ無ければ・・・あの『幻のアメジスト』さえなければ!
          いや、あるいは私があのアメジストめの存在を考慮していれば・・・私はここまで貴様らに苦戦はしなかった!」
オイゲン「過ぎた事をウジウジいつまでも悔いてるのは恥ずかしいぜ。見た目によらず女々しいんだな、デーモンコマンドさんよ!」
強気に挑発するオイゲンくん。
その言葉に、デーモンコマンドの筋がピクリと反応します。
デーモンコマンド「・・・人間ごときが強気に出おって。貴様らの劣勢は変わっていないんだぞ?」
オイゲン「・・・ボロボロの奴の言うセリフじゃないね!」
依然強気に出るオイゲンくん。
ミルザ(ちょっ、挑発しすぎじゃないかなぁ、オイゲン・・)
デーモンコマンドの血塗れた目が、怒りに震えてきています。
デーモンコマンド「ここまで私を・・・ここまで怒らせたのは貴様が初めてだ。
           ・・・後悔するなよ。この私を愚弄した事をなあアアアア!!!!」
264ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:05:30 ID:???
再びデーモンコマンドは雄叫びを上げると、重力操作の構えを取りました。
先程のように、黒い円はデーモンコマンドの足元から放射状に染み入るようにに広がってゆきます。
オイゲン「バ、バカな・・・またやるつもりかアイツ!?あの体で・・・」
オイゲンくんの顔がみるみる驚きと恐怖に染まっていきます。
ミルザ「ば、ばかばかぁ〜!オイゲンったらむやみやたらに挑発するからこんな・・・」
オイゲン「・・・っ、発動する前に奴を叩く!」

意を決したように、オイゲンは細剣を構えながらデーモンコマンドに向かって突進しました。
しかし、デーモンコマンドに当たる寸前の事です。
突如オイゲンくんは剣を取り落としました。剣に異常な重さを感じたのです。
オイゲン「ぐっ・・・!?」
ミルザ「・・・なに、コレ・・・」
同じく円に入っていたミルザくんも、同じように剣を落としました。
凄まじい勢いで剣が床に突き刺さります。
オイゲン「くっ、そ・・・」
足も言う事を聞きません。足を持ち上げようと神経を足に集中させるも、足は石のように重くピクリとも動きません。
首が痛い。足腰が痛い。頭が割れるように痛い。
オイゲン「ぐ、があ・・・」
ミルザ「が・・・がが・・・・・・・」
デーモンコマンド「ク、ククク・・・」
二人と同じように、またデーモンコマンドも重力操作の効果を受けていました。
それにも関わらず、『重力操作』を止めようとはしません。
オイゲン「お、おい・・・お前さん・・・このまま重力操作を続けてたら・・・アンタまで危ないんじゃ・・・・・・ねぇの・・・かい・・・・・・」
デーモンコマンド「バカが・・・私は貴様ら人間とは・・・体の作りが違うのだ・・・・・・貴様らの首を・・・このまま・・・へし折ってやる・・・・・・」
なおも重力を重ね続けるデーモンコマンド。
オイゲン「・・・ぐぶっ」
オイゲンの口の隙間から、血の筋が垂れていきます。
ミルザ「くそおっ・・・こんな・・・ところで・・・・・・!」
際限ない重力の追加に、二人はどうする事も出来ません。
ただただ苦しみに耐え、デーモンコマンドが先に折れる事を願うだけ。
・・・
次第に二人の意識が遠のいていきます・・・・・・・・・
・・・その時でした。

「ヘルファイア!」

265ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:06:02 ID:???
突如声が響き渡り・・・
デーモンコマンド「ぐばあっ!!」
ミルザ・オイゲン「!?」
それと同時にデーモンコマンドは前に倒れ、黒い円は消滅し三人にかかっていた凄まじい+重力は消えました。
???「間に合ったようだな。大丈夫か?」
突如現れ・・・デーモンコマンドをヘルファイアで攻撃し、二人を助けたその張本人。
それは・・・
ミルザ「ストライフちゃん!」
紛れも無く、ミルザ・オイゲンと共にこの神殿に来ていたストライフちゃんでした。
デーモンコマンド(スト・・・ライフ・・・?)
ミルザ「ストライフちゃん!いやぁ、いい所に助けに来てくれたよ〜、死ぬかと思った!」
オイゲン「助かったぜ・・・」
二人は剣を拾い、フラフラした足取りでストライフちゃんの元に駆け寄りました。
ストライフ「無事で何よりだ。しかしあの手負いの悪魔にずいぶん苦戦していたようだな。・・・ところで。」
ミルザ「なぁに?ストライフちゃん。」
ストライフ「『ちゃん』をつけて呼ぶなと言っているだろう、虫ケラが!」
ミルザ「・・・・・・は、・・・はい・・・・・・」
一瞬にしてうかれていたミルザくんの顔は凍りつき、動かなくなりました。
オイゲン「・・・ま、まっ!とにかくこれで敵のボスは仕留めたって事だ!よかったよかった、一件落着!」
ストライフ「そうだな・・・これでマリーンも救われる。」
ミルザ「そうですね、ストライフさん。」

その頃、倒れていたデーモンコマンドが、微かにその身を起こし始めていました。
デーモンコマンド(・・・・・・)
三人が既に全てが終わった風に話している様を、デーモンコマンドの目が捕らえました。
そして次第に、焦点がストライフちゃん一点に絞られていきます。
デーモンコマンドは歯噛みをしながら拳を強く握り締めました。
デーモンコマンド(・・・また・・・あの女、か・・・・・・!)
血走り真っ赤に染まった目が、怒りと殺気に再び燃え始めていきます。
デーモンコマンド(せめて・・・あの女だけでも・・・殺ス!!殺シテヤル!!!)
デーモンコマンドは上体だけ起こし、細かく震える人差し指をストライフちゃんに向けました。
彼と距離が離れている三人は、その様に全く気がついていません。
デーモンコマンドは、さながらスナイパーのように狙いを定めています。
指の振れ幅が縮まります。人差し指が完全にストライフちゃんを捕らえました。
デーモンコマンドの口端が、一瞬吊り上ります。

デーモンコマンド「死ねえええええ!!!!!」

266ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:07:28 ID:???
ミルザ・オイゲン・ストライフ「!!?」
デーモンコマンドの叫び声とほぼ同時に、三人はガバリと振り向きました。


爪が・・・デーモンコマンドの黒い爪が、ストライフちゃんの懐寸前にまで迫ってきていました。
声を上げる間も、無論避ける間もありませんでした。





ガキィン




ストライフちゃん「くっ・・・・・」

オイゲン「あっ・・・・・・!」

ミルザ「ストライフちゃん!?」

デーモンコマンド「・・・・・・・・・」


デーモンコマンド「そんな・・・バカな・・・・っ!!」


デーモンコマンドの伸ばした爪は、ストライフちゃんの手前で止まっていました。
いや、正確にいえば・・・ストライフちゃんが咄嗟に取り出した『ある物』に突きかかり、その動きを止めてしまったのです。
ストライフちゃん「・・・残念だったな、デーモンコマンド!」
ストライフちゃんが一笑します。
爪が力なくデーモンコマンドの元へ戻ってゆきます。
デーモンコマンド「・・・きさ・・・ま・・・・・・それ・・・は・・・・・・」
デーモンコマンドは今度こそ完全に力尽き、倒れ伏しました。

ストライフちゃん「ふふふ・・・ラッキーだったな・・・」
ストライフちゃんが一人笑みを浮かべる中、ミルザくんとオイゲンくんは口をあんぐりと開けたまま固まっていました。
ストライフちゃん「・・・どうした二人とも?何をそんなに驚いてるんだ?」
オイゲンくんは我に帰ったように、いや、それでもまだ取り乱したまま言いました。

オイゲン「それ・・・糸石!水のアクアマリンじゃないかっ!!」

267ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:09:40 ID:???
そう。ストライフちゃんはあの時咄嗟に糸石を盾にしたのです。
至高の宝石である糸石は、鉄をも砕く爪でも貫き通す事はできませんでした。
かくしてストライフちゃんは一命を取り留めたのです。

ミルザ「うあああああああああ!!!!!」

固まっていたミルザくんが、突如叫び始めました。
オイゲン「な、なんだ?」
ミルザくんは叫んだと思うと、次はストライフちゃんの手からアクアマリンをひったくりました。
ストライフちゃん「あっ・・・」
ミルザくんは物凄い形相でアクアマリンをぐるぐる見、そして突然力なくうなだれ始めました。
一瞬の出来事に、他の二人は困惑します。
ストライフちゃん「ど、どうした・・・?」
ミルザ「アクアマリンがあああ」
ストライフちゃん「はっ?」

ミルザ「アクアマリンに傷がついちゃってるんだよおお!!!」

ミルザくんのその悲痛な声に、ストライフちゃんはハッとしました。
ミルザくんがアクアマリンの傷跡をぐいぐいと見せ付けてきます。
ちょうどデーモンコマンドの爪が当たった部分が、若干砕けへこんでいました。
ストライフちゃん「あ・・・こ、これは・・・」
途端ミルザくんはアクアマリンを抱きながら号泣し始めました。
ミルザ「うわああああ!!!サルーインちゃんからのプレゼンツなのにいいい!!ストライフのせいで傷物にいいいいいいい!!!!!」
膝をついて本当に涙を流すミルザくん。
オイゲンくんはやれやれと言った風にため息をつきました。
ミルザ「うああああ!!ばかばか、ストライフのばかぁ〜〜〜!!!!」
突然の出来事に、ストライフちゃんはオロオロしたまま言い訳のように言いました。
ストライフちゃん「す、すまんな・・・その、咄嗟の事だったし、まさかダイヤモンドよりも硬いと言われる糸石にこんなに傷がつくとは到底思わなかったわけで・・・」
ミルザくん「うるさい!」
ストライフちゃん「ひいっ!」
ミルザくんの物凄い剣幕に押されるストライフちゃん。
ミルザ「僕死んだあああ!!死んだ、っていうか死んだああああ!!!!ガラスのハートが死んだああああ!!!!」
首を振りながら赤子のように泣き、涙を辺りに撒き散らすミルザくん。
ストライフちゃん「ほんとに・・・その、ご、ごめんなさい。」
ミルザくん「ひやあああん!!毛ガニーーー!!!」
ストライフちゃん「その・・・私の事を「ちゃん」づけで呼んでいいから。な?」
ミルザくん「うああああああ!!優勢民営化なんて、郵政民営化なんてええええ!!!!」
ストライフちゃん「今度サルーインちゃんに直に頼んで使用済みのバナナの皮とか・・・なんつーかそういうもんもらってきてあげるから、その、泣き止んでくれ。なっ?」
瞬間、ミルザくんの涙と泣き声が、蛇口を閉めたかのようにピタッと止まりました。
そして、ゆっくりとストライフちゃんの方に振り向きます。
ミルザ「ほ・ん・と?」
無垢な赤子のような純粋な目で言うミルザくん。
ストライフちゃん「・・・は、はい。」
ミルザ「やったーーーー!!」
ストライフちゃん「う、うおっ」
先程までグシャグシャ泣いていた筈のミルザくんが、突然元通りになりました!
いや、元通りというか、その・・・有り得ないくらいに上機嫌になって。
268ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:10:57 ID:???
ミルザくん「よっしゃーーー!!じゃあ張り切っていくぞーー!!モンスターどもの残党はいねがーー!!」
ミルザくんはアクアマリンを拾い懐に入れた後、恐ろしく切れのいい準備体操を始めました。
・・・
唖然とするストライフちゃん。
ストライフちゃん「その・・・オイゲンとやらよ。・・・彼、すごいな。」
オイゲン「まあ、いつものことだから。」
ストライフちゃん「いつも!?いつもあんな調子なの!?」
オイゲン「ああ。年柄年中あの調子。」
ストライフちゃん(くっ・・・ヘイト以上かっ!?)

ミルザ「6+6は12!!6+6は12!!!!!うっひょーー、12−−−−!!!!!!」

ストライフちゃん(ヘイト以上だっ!こいつ、確実にヘイト以上だっ!!!というか異常だ!!)


ごめんなさい、異常で


オイゲン「まぁ、何はともあれこれでモンスターの頭は仕留めたわけだ。」
ミルザ「6+6は12−−!!お手手の皺と皺を合わせて・・・12−−−!!」
オイゲン「しつこい。」(ボカッ)
ミルザ「いったーー、なんで殴んの?」
オイゲン「うかれすぎだからだよ!全く、感情の起伏が激しいんだからお前は。」
ミルザ「起伏!?き、きみやっぱ興味無さそうなふりして実はサルーインちゃんの起伏に興味が・・・がべっ!」
オイゲンくんの鉄拳がミルザくんの側頭部を正確に捉えました。
ミルザくん、たたらを踏んでいる!膝が笑っている!
オイゲン「どっからんな事に繋がるんだよ、アホ!いや、アホ!」
ミルザ「アホって二回言われても・・・こま・・・・・・ぐへっ、いかん、意識が」
ストライフちゃん「あ、あのー、虫けらどもさんたちー?ここはひとつ冷静になられてはいかがでしょう・・・」
オイゲン「なれねーー!!」
ストライフちゃん「ひい!」
オイゲンくんの物凄い剣幕に押されるストライフちゃん。
ミルザ「いえ、ストライフちゃんの言うとおりここは一つ冷静になられてはいかがでしょう、オイゲン検事。」
オイゲン「元はと言えばテメーが蒔いた種じゃねーかこのドテチン野郎!!」
ミルザ「ひい!・・・そこまで熱くなるって事はやっぱりなにか後ろめたい事ぐあべしっ!」
オイゲンくんの鉄拳が正確にミルザくんの水月を捉えました。
腹を押さえながらうめき声を上げるミルザくん!吐いちゃダメだよ、なぜならここは寮内だから!
オイゲン「でしゃばんなコラ、黙れテメーー!!」ぐぎゃああーー!!説明文への暴力反対ーー!!

説明文への暴力は、えー、マルディアス学園刑法第21条により、2、3万ジュエル程度の罰金となりますが、よろしいですか?
オイゲン「よくねーー!!」ぐぎゃあああーーー!!公務執行妨害ーー!!でも怖いから無罪ーーー!!!

ストライフ(・・・・・・こいつ、ふっ切れすぎじゃないのか・・・・・・ついてけないよ・・・)


ピシャアアアン!!

269ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:13:12 ID:???
突然の轟音。それと同時に三人の隙間を雷鳴が走っていきました。三人の背筋が凍ります。
オイゲン「な、なっ!」
雷鳴が走ってきた方向を向く三人。
そこには、たった今まで三人の記憶から消えていたある男の姿がありました。
ブッチャー「ぐひっひひ・・・てめぇらここにいやがったのかぁ・・・・・・てめえらは全員死刑と決まっているんだからな・・・あがくなよ、ぐひゃひゃひゃ!!」
背が低くも筋肉質で、雷を生む鉾を手に思いのままに暴れる白髪の男。ブッチャーです。
その姿を目にした瞬間、三人の目の色が変わりました。
ストライフちゃん「下卑た声だな、気に入らん。」
オイゲン「同感だな。とにかくあいつにも眠っててもらうか。」
ミルザ「そだね。じゃあ・・・行くぞ!」
ミルザくんとオイゲンくんは剣を取り出し、ブッチャーに向かって走り寄りました!
ブッチャーの持つ鉾から、再び雷鳴が放出されます。
ミルザ「く!」
凄まじい速さで走ってゆく雷鳴を、ミルザくんとオイゲンくんはかろうじてかわしました。
二人とブッチャーの距離が狭まっていきます。
ブッチャー「くひひ・・・やるじゃねえかよう、騎士の癖して・・・」
ブッチャーが再び鉾を構えます。矛先に電気が溜まり、そして・・・
ガキィン!
ブッチャー「なっ!」
すんでの所で、ミルザくんがブッチャーの鉾を払い落しました。
ブッチャーの顔色が変わります。
オイゲンくん「これで仕舞いだな。」
オイゲンくんがブッチャーの懐にもぐりこみました。
ブッチャーの顔色が、はっきりと恐怖の色に染まります。
ブッチャー「ク、クソがあああ!!」
その時でした。
ミルザ「わっ!!」
ミルザくんが突然声をあげ、その体を仰け反らしました。
オイゲンくんの動きが一瞬止まります。
ブッチャー「うらあ!!」
オイゲン「ぐわっ!」
ブッチャーの拳がオイゲンくんの頬に食い込みました。
膝をつくオイゲンくん。
ブッチャー「死ねやあああ!!」
ブッチャーが、鬼の形相で再び拳を振り上げました!
オイゲン「くっ・・・」
ミルザ「オイゲン!」
バシュッ
ブッチャー「がああああ!!!」
突如、ブッチャーの顔がスッパリと切れました。
血を噴出し、悲鳴を上げるブッチャー。
オイゲン「なっ・・・!」
オイゲンくんはストライフちゃんの方を振り向きました。
ストライフちゃんが無言で首を振ります。
ミルザ「僕、見たぞ・・・」
オイゲン「え?」
ミルザ「さっきは僕に・・・そして今はブッチャーに・・・目にも留まらないくらいの速度で、『光の刃』が走った。
    きっと・・・モンスターの新手だ!出てこい!」
270ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:14:56 ID:???


「なんだかんだと聞かれれば」

「答えてあげるが世の情け」


ミルザ「へっ??」
あまりに呆気なく答えが返ってきたこと、そしてどこかで聞いた事のあるフレーズを聞いて、拍子抜けするミルザくん。
オイゲン「今の声・・・聞き覚えが無いな。誰だ!?」


「ラブリーチャーミーなかたきや・・・」


オイゲン「あーもー!!聞きたくない聞きたくない!!血の気が引くから聞きたくない!!さっさと出て来いドテチン野郎!!」

「ふっ・・・もったいぶる時間を取らせぬとは心の狭い男よ。」
「そりゃあ、堂々と強盗をするような血の気の多い連中だからねえ♪」

ミルザ「強盗??」

「まぁ、いい。冥土への土産に我らの姿と名前を焼き付けていけ。」
「この寮、最強の戦士である僕達のね♪」

ブレードイリスA・B「我らの名はブレードイリス部隊!!ウコム学園最強の精鋭部隊だーーー!!」


ミルザくん「・・・・・・・・・」
オイゲンくん「・・・・・・・・」
ブッチャー「・・・虫かよ〜」
ブレードイリスA「あっ、ちょっ、冷たい反応!くっ、やはり先程の重力反転で雑隊員が全てやられてしまったからか・・・!?」
ブレードイリスB「虫だからじゃない?」
ミルザ「・・・え、えーーっと!まぁ、とにかく君達はウコム学園の人って事だね!じゃあ仲間ってワケだ?」
平静を取り戻したミルザくんは、言いました。
しかし、ブレードイリスはこちらの予想とは全く違った答えを返してきました。

ブレードイリスA「意味分からない事を言ってるんじゃねえ。てめえら盗人は俺たちが一人残らずぶっつぶす!」

ミルザ・オイゲン「はぁ???」
271ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:15:32 ID:???
オイゲン「ちょっ、待て!俺たちはお前らの味方なの!敵はコイツ!この白髪頭のド畜生だけが敵なの!俺達はマリーンに頼まれてだな・・・」
ブッチャー「そうそう!敵は俺様だけだから!コイツらは関係ないから!」


ブレードイリスA「そうやっててめえらはいつも強者の前では口八丁で乗り切ってきたんだろうな。
          クズが・・・強者にへつらい弱者を甚振る。俺達はそんなてめーらのようなクズが気に入らないんだよ!!」

ミルザ(・・・い、言ってることはごもっともでしかもカッコいいんですけれども!)
オイゲン(根本的な部分間違ってますからーー!!)
ブレードイリスA「クズは死ねー!」
ミルザ・オイゲン「うわっ!」
ブレードイリスの出す光の刃をかろうじて避けるミルザくんとオイゲンくん。
ブッチャー「まぁ、何はともあれテメーら全員死刑判決は変わってねえんだよ!!」
ブッチャーはウコムの鉾を拾い上げると、ミルザくんとオイゲンくんに向かって雷を打ち込みました!
ミルザ・オイゲン「くそっ!!」
素早い動きで神雷を避けるミルザくんとオイゲンくん。外れた雷は遥か後方の壁にぶつかり、壁を跡形もなく破壊してしまいました。
ブッチャー「うは、うはは!!うは、うはっ・・・ゲボ!ゲボゲボッ!!」
雷を出した後、ブッチャーは突如血を吹き出し、地に膝をつきました。
完全な隙が生じます。ミルザくんとオイゲンくんは、ここぞとばかりにブッチャーに突っ込んでいきます!
ブレードイリスB「きやあああああ!!それはあああ!!」
と、突如ブレードイリスの片方が奇声を上げました。
ミルザ・オイゲン「な、なんだ!?」
二人の動きが止まりました。
ブレードイリスの体がカタカタと震えています。
ブレードイリスB「ああああれはこの神殿のお宝、『ウコムの鉾』!そそそそしてあの雷鳴は『神雷』!ひひひひいいい、噂には聞いていたがなんたる威力!」
ミルザ「!?あれがここのお宝だって!?」
オイゲン「何としても取り返さねーとな。・・・いや、だがこの流れならあの虫二匹はまず鉾を持つあの白髪を狙うはず・・・」
ブレードイリスA「よし、あの白髪頭は危ないから放置。まずここの騎士っぽいの二人から倒そう。」
ブレードイリスB「異議なし」
ミルザ・オイゲン「えーーー!?」
ブレードイリスA・B「問答無用で死ねやー!連携・『光の刃刃』!」
ミルザ「くぁっ!」
オイゲン「ぐっ・・・!」
光の速度で繰り出される二つの光の刃が、二人の体を切り裂きました。
二人はうめき声を上げ膝をついてしまいます。
ミルザ「くそっ・・・反撃しなきゃ・・・でもあいつらはここの生徒だろうし・・・攻撃できないよなあ、どうしよう!?」
オイゲン「どーせ全部終わりゃあマリーンが誤解解いてくれるんだ。遠慮なしにあの二匹気絶させちゃる!」
ミルザ「でっ、でも・・・」
ブレードイリスA「何をごちゃごちゃ言っている!死ねーーー!!」
ミルザ「・・・わぁー!きちゃったよ!!」
オイゲン「やばっ・・・ぐっ!」
立ち上がり応戦しようとするオイゲンくんに、痛みが走りました。
またもや膝をついてしまうオイゲンくん。
ミルザ「オイゲン!」
ブレードイリスAが、目の前で迫ってきています!
272ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:17:26 ID:???
ブレードイリスA「うっひょー!かじり殺しちゃるー!」
ブレードイリスAが、ミルザに向かって牙を剥きました。
かみ殺される!
その瞬間、どこからか二つの闇球が飛んできました。
ブレードイリスA「ぐびゃああっ!!」
闇球は、正確にブレードイリスAを撃ち抜きました。
ブレードイリスB「なっ・・・ブレードイリスA!」
闇球が弾け、ブレードイリスAが打ち落とされます。
ミルザ「・・・なっ!・・・・・・ストライフちゃん!?いつの間に!」
シャドウボルトを放ちブレードイリスAを打ち落としたのはストライフちゃんでした。
ふっ、と達観した笑みを浮かべるストライフちゃん。
ストライフちゃん「私もオイゲンと同感だ。今はとりあえず倒してしまって、後でゆっくり誤解を解こう。」
オイゲン「・・・そう、だな。」
オイゲンくんはゆっくりと立ち上がりました。
ミルザ「とりあえずは安全を確保するのが先だものね。」
ミルザくんも立ち上がり、剣を構えました。
ストライフちゃんはふっ、と小さく笑うと、懐から幻のアメジストを取り出しました。
ストライフちゃん「よし。ではいくぞ。幻のアメ・・・」


バシッ


ミルザ「へっ?」
オイゲン「はっ?」
ストライフちゃん「あれっ??」

ブレードイリスB「綺麗な石ころ・・・いただき♪」

ストライフちゃん「うわあああああああああ!!!!!」
突然の事でした。ストライフちゃんが幻のアメジストを高くかざした所に・・・ブレードイリスBが幻のアメジストをかっさらってしまったのです!
アメジストを口にくわえ、嘲笑うように高く飛び回るブレードイリスB。
ストライフちゃん「くっそーー、虫けらごときがふざけやがって、メイルシュトロームで叩き落してやる!!水のアクア・・・ア・・・ああーーー!」
ブレードイリスA「うっしゃー−−!!こっちも頂いちゃったー!!」
ストライフちゃん「ぎゃーーーーーーー!!おのれ虫けらーーー!!!」
先程と同じように、今度は起き上がったブレードイリスAが水のアクアマリンをひったくってしまいました!
ストライフちゃんの怒りがたまっていきます。
オイゲン「く!あの虫ども冗談じゃねえぞ!」
ミルザ「ああ、サルーインちゃんが、サルーインちゃんがあああ!!!・・・と、まぁ、バナナの皮がもらえるから別に・・・いや、でも・・・うーん・・・サルーインちゃーんんん!!!」

ブレードイリスB「ふっふふ〜♪さあてどうしてくれようかなこの石ころ・・・♪」
ブレードイリスA「どうもあいつらにとってこの石ころは大事なものみたいだぞ?」
ブレードイリスB「ふーん、ほうほうほう・・・・・・2対4じゃ不利だし・・・あのコん所に連れてっちゃおっか??」
ブレードイリスA「・・・そうかなるほど、面白そうだな。・・・賛成だ!」
ブレードイリスB「よしきた!じゃあやっちゃおかー♪」
273ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:18:20 ID:???
ブレードイリスB「オニさんこっちら〜〜!!ベーロベーロベロベロベロ、バー!!」
ブレードイリスA「悔しかったら追いかけてきな〜〜!!あーららこらら!」
それぞれ糸石をくわえながら、挑発するようにヒラヒラ不規則に舞う二匹のブレードイリス。
ストライフちゃんの目の色が、みるみる憤怒の色に染まっていきます。
ストライフちゃん「あーーーーー、クソ虫けら虫けら虫けら虫けら虫けら虫けら虫けら虫けら虫けらーーーーー!!!!待て、コラーーー!!!」
陸上選手ばりのダッシュで、ストライフちゃんはブレードイリスを追いかけます!
オイゲン「お、俺も・・・」
ミルザ「もちろん僕も!・・・!!」

ガキン!

ミルザくんは突然殺気を感じ、ほぼ反射神経だけで殺気に向かい剣を振るいました。
金属がぶつかり合う音。・・・レフトハンドソードとウコムの鉾がぶつかり合ったのです!
ウコムの鉾の持ち主・・・ブッチャーは、口と鼻から血を流しながら、狂気と憤怒を纏った目でミルザくんとオイゲンを睨みつけていました。
ミルザ「・・・・・・!」
オイゲン「・・・クッ、しぶてえなコイツ!」
ミルザ「いや、いい!」
剣を抜こうとするオイゲンくんを、ミルザくんは止めました。
オイゲン「な、なぜ・・・」
ミルザ「こいつは僕一人でいい!とにかくストライフちゃんの元に行って!一人じゃ危ないから・・・さぁ、早く!」
オイゲン「・・・」
オイゲンくんは一瞬考えた後、剣をしまいました。
オイゲン「わかった。じゃあここは頼むぞミルザ!」
オイゲンくんは踵を返すと、先程ブレードイリス二匹とストライフちゃんが行った場所の方に走っていきました。
・・・広場には、ミルザくんとブッチャーだけが残されます。

ブッチャー「へっへっへ・・・いいのか?お友達をいかしちまって・・・後悔することになるぜ?ひひ・・・」
ミルザ「後悔なんかしないよ。君なんかに僕が負けるわけがないからな!」
ブッチャー「なんだと・・・?テメー!」

ミルザくんのレフトハンドソードと、ブッチャーの鉾が再び激突しました!

・・・脇目も暮れず対峙する二人。
無論、二人は気がつきませんでした。
この広場の端・・・事切れていたデーモンコマンドが、まるで何者かに運ばれていくかのように、浮かび上がり、広場を出て行くところを・・・
274ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:20:00 ID:???
【海底神殿3階西部の部屋】

ラミアちゃん「あ〜〜あ・・・デモコマ様ったらもう忠告無視していっちゃうんだからあ・・・」


ラミアちゃん”デモコマさまー!そんな怪我でいくなんて無茶ですよ!少し待ってから・・・”
デーモンコマンド”黙れ!一分一秒早く奴等を八つ裂きにしてやる!待ってる暇なぞあるか!”
ラミアちゃん”でも・・・もし、もし死んだら元も子も・・・”
デーモンコマンド”私が死ぬと思うか?いらん心配は無用だ!!邪魔だ!”
ラミアちゃん”キャッ!・・・・あ、デモコマさま、デモコマさまーー!!”


ラミアちゃん「あ〜〜あ。まぁ、でもあんな不意打ち食らっちゃったら普段の冷静さもなくなるわなー、そりゃ・・・」
ラミアちゃんはため息をつきました。
そして再び寝転がり一眠りつこうとした時・・・

「エッホ」「エッホ」

ラミアちゃん「!?」
どこからか気張った声が聞こえてきます。
部屋の外からです。・・・そして、どんどんこちらに近づいてくるようです。
ラミアちゃん「・・・人間?・・・それとも・・・」
ラミアちゃんは逃げる用意をしながらも、何が来るのかは見ておかんとその場に留まっていました。
・・・何十秒ほどか経った時、ついにその声の主は姿を現しました!

ラミアちゃん「・・・・・デモコマ様!!?」

部屋に入ってきたのは、血まみれで倒れながらも不気味に浮かんでいるデーモンコマンドでした。
と、ラミアちゃんが叫んだと同時に糸が切れたかのようにデーモンコマンドは地面に落ちました。
声も止まっています。
ラミアちゃん「デモコマ様!」
倒れるデーモンコマンドに駆け寄るラミアちゃん。
ラミアちゃんはデーモンコマンドの頭をぺしぺし叩きました。・・・反応がありません。
胸に耳をつけてみます・・・鼓動の音はします。生きている。
ラミアちゃんはほっとしながらも、新たな疑問が浮かびました。
ラミアちゃん(デモコマ様・・・いまどうやってここに来たんだろう・・・)
「どうしタ?」
ラミアちゃん「ギャッ!」
突然の声にびっくりおののくラミアちゃん。
声の下方向を向くラミアちゃん。・・・誰もいません。
ラミアちゃん(・・・空耳かなー)
「何驚いてんノ?」
ラミアちゃん「ぎゃーーっ!」
再び突然の声に尻餅をつくラミアちゃん。
ラミアちゃんは確信しました。空耳なんかじゃない。この部屋に透明人間がいる!
ラミアちゃん「ちょっと!あたしをバカにしてるのは誰!?姿を現しなさい!!」
ラミアちゃんがそう叫ぶと、突如周りからヒソヒソ声が聞こえてきました。
275ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:21:03 ID:???
「あっ・・・そういえばオレ達カムフラージュで見えないんだっけカ。」
「そういえばそうさナ。」

ラミアちゃん「ちょっと、お前達はだれっ!?」
見えない相手に強気に言うラミアちゃん。
見えない何者かは言いました。
「あー・・・すまんナ。とにかくオレ達とお前達は敵じゃないんダ。オレ達は・・・フッ、そうさな、影の従者とでも呼んでくレ・・・」
「影に生き、影でしか生きられない・・・それがオレ達なのサ・・・フッ・・・」
ラミアちゃん「うるさい!!何者なのか教えなさい!」
「ヒッ!!ス、スミマセン!!」
ラミアちゃんはハッとしました。
そういえば、この片言のキーキー声どっかで・・・?
「・・・じ、実はオレ達カムフラージュかけられてるんダ。だから姿見せられないし名乗る必要別にないしィー」
「ないしィー」

ラミアちゃん「・・・覚えたての術使っちゃうよ・・・ヴォーテクス」

「アッ」

ラミアちゃんの唱えた術により、透明人間はあっさりその姿を現しました。



ラミアちゃん「あー!あんたらはセージの腰巾着のー!!」
ナイト・ソルジャー「あーーー!!カムフラージュがーーーー!!」
同時に驚くラミアちゃんと、ゴブレンジャーの一員、ナイト・ソルジャー。
ソルジャー「ちょちょちょちょっと!どうしてくれんのコレーー!!」
ナイト「ラミアのクソバカーーー!!これじゃあ姿丸見えじゃないノーーー!!」
ラミアちゃん「うっせー!」(ボカッ!)
ナイト・ソルジャー「うわらばっ!」
ラミアちゃんの超絶フックにより、二人はアクション映画のようにグルグル回転しふっ飛ばされました。
その様はまさにA級ハリウッド映画も真っ青!わぁお
ソルジャー「何するノ〜 痛いヨ〜」
ラミアちゃん「うっせ!テメーらうざってーんだよ!(へへ、ざまーみろセージ)」
ナイト「クソー、このアマ・・・まぁ、いいや。とりあえずデーモンコマンド様を起こすのが先!」
ラミアちゃん「あれ、その為に運んできたの?」
ナイトとソルジャーは起き上がると、倒れているデモコマの方にぱたぱたと駆け寄りました。
ナイト「さぁ、起きて!デーモンコマンド様!」
ナイトとソルジャーは懐から究極傷薬を取り出すと、デーモンコマンドに浴びせかけました。
究極傷薬二個分の神聖な色の水が、デーモンコマンドの全身の傷をみるみる塞いでいきます。
血も洗い流され、あっとういう間にデーモンコマンドの傷は全快しました。
ソルジャー「よし、次ダ。」
今度は奇跡の薬を取り出し、デーモンコマンドに浴びせかけました。
光を含む液体が、デーモンコマンドを包み、そして・・・

デーモンコマンド「ん、ここは・・・」

276ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:21:45 ID:???
ナイト「やったーー!!起きターー!!」
ソルジャー「やったネ、オレ達!」
ラミアちゃん「ふっ、ひとえにあたしのおかげね。」ナイト「いや、ちがうカラ。」
デーモンコマンドは上体だけむくりと起こすと、周りを見渡しました。
顔の向きが、ゴブレンジャー二人の方を向いて止まります。
デーモンコマンド「お、お前たちは確かセージの腰巾着の・・・」
ソルジャー「ハァ。ゴブレンジャーと申しまス。」
デーモンコマンド「なぜここに?」
ナイト「実はオレ達セージに言われてあなた達を監視していたんでス。無理やりだけど・・・
     で、あなたがちょっと危ない状況だったんで・・・急遽連れ帰ってきたんです。」
デーモンコマンド「・・・ここは海底神殿だよな?」
ナイト「ハイ。」
デーモンコマンド(ふん・・・というと私はあの後気絶してしまったわけか・・・
           ・・・平静さを先に失った方が負ける、という事は分かっていたのに・・・なんとも無様な物だ。)
デーモンコマンドは自分が敗北してしまったことに歯噛みしました。
ソルジャー「えーと・・・怪我は、大丈夫ですカ?痛くナイ?」
デーモンコマンド「ああ、大丈夫だよ。・・・お前達がここまで運んできてくれたのか?」
ソルジャー「そうでス。」
ナイト「傷薬使ってあなたを復活させたのもオレ達なんですョ〜」
デーモンコマンド「そうか・・・わざわざありがとう。セージの命令とはいえ素直に嬉しくなるよ。」
ラミアちゃん「・・・あ、あの〜、」
デーモンコマンド「なんだ貴様、まだいたのか。」
ラミアちゃん「なんか彼ら二匹に対しては随分優しくないっすか?デモコマ様?」
デーモンコマンド「あいつらは私を助けてくれたしな。それに私は格下に優しい将魔だ。これくらい当然だ・・・」
ラミアちゃん「・・・そ、そういえばありましたね、そんな設定。あたしには冷たいんですっかり忘れてました。」
デーモンコマンド「貴様にだけは私はとことん冷たくなれるぞ。殺してもかまわんぐらいにな。
            ・・・で、ゴブレンジャーの・・・青い方。」
ナイト「あ、ハ〜イ。オレ、ナイトです。」
デーモンコマンド「そうか。よし、ナイトくん。私が気絶している間に勇者達の間に何があったか・・・教えてくれ。」
ナイト「ハイ。わかりました。」

ラミア「・・・・・・ソルジャー。」
ソルジャー「ン?なんだラミア?」
ラミア「・・・」(ボカッ!)
ソルジャー「イッテ〜!!なんで殴るんだヨー!!」
ラミア「黙れ、猛禽類!」
277ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:22:35 ID:???
ナイトはデーモンコマンドに彼が気絶してから今までのいきさつを話し始めました。
ナイト「あなた様がやられた後・・・あの三人を白髪頭の男が襲いましタ。
    ・・・えーっと、何だったっけ?あの男の名前・・・確かあの時セージが目をつけてた奴だったよナー・・・」
ソルジャー「うーん、確か海賊だったっケ?あ、そうそう、ブッチャーだブッチャー!」
ナイト「そうそう、ブッチャー!そのブッチャーが三人に襲いかかったんでス。」
デーモンコマンド「・・・海賊。」
ナイト「で、次はえーと・・・ブレードイリスせーえーぶたいだかなんだか言う虫どもが出てきて・・・そいつが勇者達の糸石を二つ、奪っちゃったんでス!」
デーモンコマンド「糸石を奪った?」
ナイト「そうそう。で、ブレードイリス二匹がどっかいっちゃって、あ、ブレードイリスは二匹いまして、そいつらを・・・
    えっと、オイゲンって奴とストライフちゃんって奴が追っかけていっちゃったんでス。」
デーモンコマンド「・・・オイゲンというとあの目ざとい奴だな。ストライフ・・・ちゃん、というとあの女か。」
ナイト「で、あの部屋では今残ったミルザとブッチャーが戦っていまス。で、その隙にオレ達がデーモンコマンド様をここに運んできた。そういう事です。」
デーモンコマンド「そうか。ご苦労だったな二人とも。本当にありがとう。
           ・・・さて、私はどちらに行くか、だな。
           (オイゲンとストライフの方に行きたい所だが、どうもどこにいるのか分からんから骨が折れそうだな。
           それにまず、ミルザには聞いてみたい事がある。そしてブッチャーのあの気に入らん目が頭から離れん。よし、決めた。)
デーモンコマンドは顔を上げました。
デーモンコマンド「私はミルザの方に行く。そして・・・ラミア。お前はオイゲンとストライフの元へ行け。」
ラミアちゃん「ん?・・・えーーっ!?」
まさか自分に話が回ってくるとは思わなかったであろうラミアちゃんは、驚声を上げました。
ラミアちゃん「そんな・・・えーーっ!・・あたしが、一人で?・・・えーーっ!」
デーモンコマンド「えーえーうるさい!貴様しか使えるものはおらんのだから仕方があるまい。少しは役にたって見せろ!」
ラミアちゃん「で、ででで、でもでもでも、でも!・・・いや、というか!というかそこの二匹のバカども連れて行きゃーいいじゃないですか!」
ラミアちゃんはナイトとソルジャーの方を指差しました。ブルンブルンと首を振る二人。
デーモンコマンド「あの二人はいいんだ。そもそもセージに無理やり連れてこられて更にこれ以上危険な事をさせるのはカワイそうだろう。」
ラミアちゃん「あたしにもカワイそうとか言ってもらいたいなーー!!あはは!!!」
デーモンコマンド「決まりだな。では、二人とも。いってくるぞ。お前らも気をつけろよ。」
ナイト・ソルジャー「ハ、ハイッ!」
デーモンコマンド「待っていろよ・・・」
デーモンコマンドはそう言った直後に瞬間移動しました。
その場からデーモンコマンドがいなくなります。
・・・
ラミアちゃん「さて、あたしは・・・」
ナイト「オイ、おまえ行けよ。」
ソルジャー「デーモンコマンド様の命令だゾー!」
ラミアちゃん「ああっ!?文句あんのかコラー!」
・・・・・・
ソルジャー「・・・ウルセー!!デーモンコマンド様の命令だゾー!!」
ナイト「我らがデーモンコマンド様の言う事が聞けないのかー!」
手持ちの棍棒でラミアちゃんをパカパカ叩く二匹のゴブリン。
ラミアちゃん「あいたたっ、いたたっ、わぁった、わぁったから!ひ〜ん・・・」
そして、ラミアちゃんも瞬間移動をしました。
ラミアちゃんもいなくなり、部屋にはナイトとソルジャー二人だけが残されます。

ナイト「サテ・・・いやぁ、なんだかんだいってデーモンコマンド様の評価がえられてよかったナ!」
ソルジャー「そうだナ!やっぱあの人はいい人だ!セージと違って!アハハ・・・」
ナイト「それにしても・・・傷薬きらしちゃったし、カムフラージュ解けちゃったけどいざという時はどーすんノ?」
ソルジャー「・・・・・・」
278ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:24:16 ID:???
【海底神殿3階東部の通路】

ストライフちゃん「ぬおおおーーーーーーーー!!!虫けら虫けら虫けらーーーーー!!!!」
オイゲン「待てーーーーーーー!!!!!!」
ブレードイリスA「待つかこらーー!!あっはっはっは!!」
ブレードイリスB「おーにさーんこっちらー♪お前のかーちゃんでーーべそーー♪♪」

東部の通路では、オイゲくん&ストライフちゃん、ブレードイリス達の激しい鬼ごっこが繰り広げられていました。
ヒラヒラと挑発しながら逃げるブレードイリスを、オイゲンくんとストライフちゃんは、もう、なんつーか物凄い形相で追いかけています。
ストライフちゃん「くそっ・・・焼き尽くしてニワトリの餌にしてやる!!」
ストライフちゃんが術の構えをとります!
オイゲン「お、おい、殺しちゃやば・・・」
ストライフちゃん「問答無用!いっけぇ、火の鳥ーー!!」
ストライフちゃんの体から、巨大な火の鳥が現れました。
ブレードイリスB「わぁお」
オイゲン「や、やっちゃったあー・・・」
火の鳥がその翼をはためかせると、幾数もの火球が現れ、そしてブレードイリス達に襲い掛かりました!
ブレードイリスA「うっわーー!こぉえーー!」
ブレードイリスB[だーいはくりょくーーー!!]
しかし、当たらない!ひらりひらりと燕のように美しく舞い、全てかわしていきます。
そして、火の鳥の攻撃は一つもブレードイリスに当たらずに消えてしまいました。
ストライフちゃん「な、なにぃ!!バカな!」
驚愕するストライフちゃん。
ブレードイリスA「ニャハハハァ!!蝶のように舞って舞ってかわしまくる!!それが俺達の強みだー!」
ブレードイリスB「残念残念ざぁーーんねぇーーん♪」
ストライフちゃんは歯噛みしました。
ストライフちゃん「ぐっ・・・!!吹雪やサイコブラスト、ショックウェイブみたいな避ける隙間がない技ならば仕留められるのに!!」
オイゲン「アンタは一つも覚えていないのか?」
ストライフちゃん「そうだ。私の得意なのは火術で、それ以外はあまり使えないからな。吹雪ならば風術が得意なワイルが使えるんだが・・・」
オイゲン「くそっ・・・おい、虫ども!!その石を離せ!」
ブレードイリスB「だめだよーん♪絶対絶対渡さないーー!」
オイゲン「ぐっ・・・単なる雑魚キャラがでしゃばりやがって・・・」
ブレードイリスA「単なる、だぁ!?俺は原作ではれっきとした中ボスなんだぞ!」
オイゲン「中ボスっつったってほぼ雑魚敵じゃねーか!」
ブレードイリスA「あんだとぉ!?いいか、俺たちは専用グラフィックだ!専用!最終試練の敵やゾディアックが汎用な中俺たちは専用だ!
         しかも専用技も持っている!立派じゃないか!このシリーズで活躍してもいいくらいに立派じゃないか!」
オイゲン「あにー!?一角蝶と同類の癖して・・・」
ブレードイリスA「うっせー!」
ストライフちゃん「ま、待てオイゲン!本編で原作の話はNGだ!」
オイゲン「はぁ?原作?何言ってんのおまえ?」
ストライフちゃん「え?」
オイゲン「無駄話してる暇なんかないぜ!」
ストライフちゃん「あ、ああ・・・(あれ、今私の頭のどこから原作なんて言葉が出たんだろう。あれ?何も分からないぞー)」

やがて、二匹と二人は今までのどの広場よりも広い、謎の広場に差し掛かってきていました。
279ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:25:42 ID:???
【海底神殿運命の糸石の間】

突然ブレードイリス2匹の動きが止まりました。
オイゲン「な、なんだ・・・?もう諦めたのか!はぁはぁ・・・」
大分長い距離を全力で走った二人の疲れはもう限界近くまで来ていました。
ブレードイリスA「あきらめた?ふっふ・・・バカが!あきらめねばならぬのは貴様らの方だ!」
オイゲン「なんだと!?」
ブレードイリスの声は自信満々でした。
と、その時・・・広場の奥から地響きを立てながら何者かがやってくるのが二人の目に入りました。
ブレードイリスがニヤリとほくそえみます。
ストライフちゃん「な、なんだ、あれは!」
その何者かは、徐々に姿を現していきます。
その生き物は、およそ自分達よりも遥かに大きく、そして亀を思わせるたたずまいをしていました。
巨大な甲羅を背負い、前足の中心には何か宝石のようなものが怪しく輝いています。
そして、前に突き出されたその顔は、とてつもない凶暴さを纏っていました。
ブレードイリスB「このコは『守護獣』!!闇のブラックダイアを遥か昔から守り続けてきたスーパー戦士だよーん♪さぁ、やっちゃってぇー!!」
そのブレードイリスの声に反応すると、守護獣は前足を高く上げ、そして地面を踏みつけました。
地盤が引っくり返り剥ぎ取られ、高速でオイゲンとストライフちゃんの元に飛んでゆきます!
オイゲン「ぐっ!」
二人は咄嗟に脇に飛び出しました。
石版は二人が元いた位置にぶつかり、粉々に弾け飛びました。
オイゲン「・・・くっ、こりゃあ厄介だぜ・・・」
ストライフちゃん「あの虫けらどももいるしな。気合を入れていくぞ!」
と、その時でした!

「あーー!!ここにいたのかあーー!!」

突然広場に良く通る声が響き渡りました。
その場にいた全員が、声のした方向を振り向きます。
そこには・・・
280ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:26:37 ID:???
オイゲン「あ、あれは確かデーモンコマンドと一緒にいた・・・」
ストライフちゃん「・・・ラミアだな。」
ラミアちゃんは、キョロキョロと周りの状況を見渡し、そして突然腰が低くなりました。
おそらく守護獣の存在を確認したのでしょう。
そして・・・
ラミアちゃん「うっぎゃーーー!!」
突然守護獣が先程の石版攻撃をラミアちゃんに向かって放ちました!
命からがら、ラミアちゃんも横に飛び出し避けました。
ゴロゴロ転がり受身を取ります。
ラミアちゃん「ハァ、助かった!っつか何なのよあいつ!話にはなかったよ、あん・・・な・・・ん・・・」
ラミアちゃんは再び周りの状況を確認し、そして凍りつきました。
目先鼻の先、ほんとにド近くに、敵であるオイゲンとストライフちゃんがいたのですから。
ラミアちゃん「・・・えへ。お、お邪魔しました。じゃあ、わすは里に帰ってじゃがいも栽培するけん、お達者で」
オイゲン「待てい」
明らかに帰ろうとするラミアちゃんを引き止めるオイゲン。
ラミアちゃん「ななななーによう!!!あ、あたし焼いたって煮たって、もちろんたたきにしたっておいしくないから!!帰らせて!!帰ってじゃがいも栽培させてーー!!」
オイゲン「待てっつってんだよ!!俺らもこの通り大ピンチなんだ。今は争ってる場合じゃねえ。一旦手を組もうじゃないか。」
ラミアちゃん「へ・・・?」

今ここに、また一つ奇妙なコンビが結成されようとしていました。
281ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:28:16 ID:???
海底神殿3階北西部の広場】
ミルザ「くっ、この、やろっ!!」
北西部の広場では、ミルザくんとブッチャーの戦いが熾烈を極めていました。
ミルザくんはすぐに決着がつくと思っていたのですが、ブッチャーの思いもよらぬ怪力にてこずっていたのです。
激しい金属音を立てながら、二人の武器がぶつかり合い弾けあいます。
ブッチャー「ひひひ・・・騎士さまよぅ。神に勝てるとでも思ってるのかぃ?ぐひひひ・・・」
ミルザ「黙れ!お前みたいな神がいたら世界は破滅だっつの!」
ブチャー「なんだとう・・・?神に口答えするつもりかああ!!」
ブッチャーが鉾を勢いよく振り下ろしました。
ガキィン!
ミルザ「ぐ・・・くそ・・・」
およそ人間とは思えないようなバカ力にミルザくんは面食らっていました。
どこからこんな力が????
ミルザ「だあっ!」
ミルザくんは渾身の力をこめて鉾を弾き飛ばしました。
ブッチャー「ひひ・・・ひひひ・・・」
ブッチャーは余裕の表情です。

ミルザ(くそ・・・なんだかよく分からないけど、ここは一撃にかけるしかないかな・・・よし、ハインリヒ寮長直伝のこの技で!)

ミルザくんは自分から剣を振るうのをとめると、目をつぶり剣を構えたまま動きを止めました。
その様子を見たブッチャーは、
ブッチャー「おいおい、何のまねだい?勝負をあきらめてお昼寝かい?騎士さま?うひゃひゃひゃひゃ!!!」
醜くあざ笑うブッチャー。
それでもミルザは目をつぶったままピクリとも動きません。
ブッチャー「ははは・・・じゃあ、お昼寝したまま逝っちまいなぁ!!」
ブッチャーが再び鉾を振り上げ、そしてミルザくんめがけて振り下ろしました!!

シュパァン

いつのまにやら、ブッチャーの遥か後方にミルザくんはいました。
そして、先程とは違い剣を振った後かのように、剣をまっすぐ伸ばしています。
そして・・・
ブッチャー「ぐぎゃあああ!!」
ブッチャーは腹を押さえ倒れふしました。
ミルザ「峰打ちじゃ、安心せい。」
ミルザくんは何かの真似事のように渋い声で言うと、剣をゆっくり鞘に収めました。
ミルザくん「さて、と・・・オイゲンとストライフちゃんはあっちに行ったっけな。僕もいかなきゃ!」
ミルザくんが通路に向かって走り出そうとした時です。
ブッチャー「まだだあああ!!!まだ終わってねええええ!!!」
ミルザ「のわっ!」
気絶したはずのブッチャーが、再び起き上がったのです!
ブッチャー「神が負けてたまるかあああ、神に逆らう不届き者めが、神の力でブッ殺してやらああああ!!!」
ブッチャーが鉾を構えました。
矛先に、電撃の力が溜まっていきます!!
ミルザ「ぐっ・・・!」

282ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:29:37 ID:???


「無駄なあがきはよせ。」


ミルザ「!!?」
ブッチャー「!!?」

ブッチャーは耳を疑いました。
突然聞こえたその「声」は、まことブッチャーの真上から聞こえたのですから。
ブッチャーは顔を上に向けようとしました。
首が動かない!いや、首?まてよ、首に何か巻きついている・・・足!?
ブッチャーは状況がよくつかめないでいました。
しかし、ミルザくんには今ブッチャーに起こっている事がすべて分かっていました。

・・・ブッチャーの頭の上に、先程倒れたはずのあの悪魔、デーモンコマンドが『座って』いる!

デーモンコマンドはあぐらをかくようにブッチャーの首にその足を巻きつけていました。
そして、次の瞬間その大きな手でブッチャーの頭をわしづかみにしました!
ブッチャー「がっ・・・!だ、誰だ!な、なにしやがる!!」
もがくブッチャー。
デーモンコマンド「貴様は自分の事を神、だとかぬかしていたな?一つ忠告しておいてやろう。
           まず貴様のように醜い神はいない。そして容姿、言動、行い、全てを取っても貴様は 犬 以 下 だ」
デーモンコマンドはそれだけ言うと、頭を掴む手の力を更に強めました。
ブッチャー「がっ、ががぁ・・・」
ブッチャーはその手からウコムの鉾を落としてしまいました。
ミルザ「ちょ、ちょっと!お前、やめろよ!」
ブチャーの手がどんどん開いていきます。
デーモンコマンド「さて、これは個人的な私怨だが、できるならば貴様をひどい方法で殺してやりたい。
          しかしそれではいかん。何者も最終的に殺してしまう、というのは私の理性の美学に反するからな・・・
          そこで、だ。」
ブッチャー「うがぁ・・・がが、がぁぁ・・・・・・」
デーモンコマンド「一生を恐怖に染める、というのがいいと思うのだ。どうかな?」
デーモンコマンドが問いかけます。
ブッチャーは無論答える事もうなずく事もできません。
デーモンコマンドは一度二ヤリと笑うと、言いました。

デーモンコマンド「OK、だな。」

デーモンコマンドの手に、紫色の魔力がほとばしっていきます!
ミルザ「ちょっ、お前!何を・・・」
ミルザくんがたまらずブッチャーの元へ走り寄りました。その時です!
283ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:30:16 ID:???


ゴバァッ

何かとてつもなく鈍い音が辺りを包み、そしてブッチャーは力なく倒れました。
泡をぶくぶく吐いています。
ミルザ「・・・!おい、お前、こいつに何をした!殺した、のか?」
地面に降り立つデーモンコマンド。
ついでデーモンコマンドはこう答えました。
デーモンコマンド「殺してはいない。だが、奴は目覚めた後これよりの一生を恐怖と共に生きていくことになるだろう。
           トラウマ、という言葉を知っているだろう?私は奴にトラウマを植えつけてやったのだ。とてつもなくキツイトラウマをな・・・」
ミルザ「・・・ひどい奴め。」
デーモンコマンド「ひどい?」
デーモンコマンドは気だるそうに一度肩を回し、そして言いました。
デーモンコマンド「何がひどいというのだ?この男の行いを見ただろう。くだらぬ妄執に狩られ、モンスターも、人も、残らず殺そうとするこいつの姿を!
           そして奴は海賊だ。海賊。人間の中でも最も愚かしい、犯罪者の一員だ。
           何が悪い?生きてる価値のない、いや、生きてるだけで周りに害を及ぼす、この”害虫”を刑罰にかけて、何が悪い?
           世は犯罪者に対してしかるべき処置を取るだろう。懲役、罰金、果ては、死刑。
           法ではもうどうにもならぬ悪人にはどんな事をしてもいいのだ。監禁しても、金を強奪しても、惨殺をしてもな。
           それでもお前は私を残虐無比な男と言うのか?そしてこの男に同情ができるのか?」
ミルザ「・・・・・・!」
ミルザくんは言い返すことができませんでした。
デーモンコマンド「・・・ふっ、まぁ、私が言えた事ではないがな・・・それよりもミルザ。お前に聞きたい事がある。」
ミルザ「な、なんだ?」
デーモンコマンド「貴様が糸石を集める理由は何だ?」
ミルザ「へ?」
予想外の問いに、ミルザくんは思わず聞き返してしまいました。
デーモンコマンド「糸石の事を知る者は少ない。そして知っていたとしても、存在も定かではないしある場所が場所だ。
           なぜお前はここまでして糸石を集める?その理由は?金か?名誉か?はたまた・・・道楽か?」
ミルザ「・・・・・・」
ミルザくんは少し考えると、言いました。
ミルザ「・・・好きな、女の子がいるんだ。」
デーモンコマンド「なに?」
ミルザ「・・・好きな女の子、サルーインちゃんを振り向かせるため、なんだ。」
デーモンコマンド「はぁ?」
284ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:31:04 ID:???
予想だにしなかった言葉に、デーモンコマンドはあきれ返りました。
デーモンコマンド「・・・人間の恋だなんだだの何も知らぬ私が言うのもなんだが・・・なぜ糸石なのだ?」
ミルザ「・・・サルーインちゃんは、学園中のみんなに人気で・・・そう、学園のアイドルなんだ。
    でも僕は貧乏な奨学生・・・サルーインちゃんと僕の立場は、雲泥の差。まさに月とスッポン、いや、木星とタライくらい違うだろう。」
デーモンコマンド「・・・」
ミルザ「こんな僕が・・・大好きなサルーインちゃんを振り向かせるには、誰か他の人とは違う何か特別な事をやらなければいけないんだ。
    僕の取り柄って言ったら・・・ちょっと強い事と、あとみんなが呆れちゃうくらいバカな事だけだから・・・
    これしかない、と思って、僕は糸石を集めているんだ。」
デーモンコマンド「・・・・・・」
ミルザくんは一気に言い終えると、一つ大きくため息をつきました。
ミルザ「なんかつまらない答えで悪いね。・・・もっと胸を張って言えるような事だったらいいのになーって思うんだけど・・・」
デーモンコマンド「別につまらなくはないぞ?」
ミルザ「は?」
デーモンコマンド「・・・私にはよく分からないが、立派だという事だけは分かる。愛する女の為に身を贄にし剣を振るう。立派じゃないか。」
ミルザくんは、デーモンコマンドのあまりに意外な答えに面を食らいました。
ミルザ「・・・やけに嬉しい答え方足してくれるねぇ。・・・人間を嫌っている君達魔族にこんな事言われるなんて思わなかったよ。」
デーモンコマンド「・・・私が嫌いなのは、先程のような醜く志の低い腐った人間だけだ。
           ・・・いや、その腐った人間がほとんどだからな、この世界は・・・あれが普通、と言ってもいいのかもしれん。
           ・・・ともかく、この世界がお前のような人間ばかりなのならば・・・私は人間を愚かしいとも、嫌いだとも思わなかったに違いない。」
ミルザ「・・・みんな、人間はみんないい人だよ。あれが普通だなんて言うのは・・・君の偏見だ。」
デーモンコマンド「・・・ふむ。確かに偏見かもしれぬな。何だかんだいっても私はこの世の事をよくしらない。
          初めて人間を知ったその時、私の目に入った最初の人間があの様だった、というだけだ・・・」
ミルザ「・・・・・・君が糸石を集める理由は?」
デーモンコマンド「主君のため。私の主君は糸石を欲している。そして私は糸石を集め主君に渡す事がこの世界にとっていい事なのだと思っている。
           だから私は糸石を集めている。それだけだ。」
ミルザ「その主君ってのが糸石を集めて何をするかは知らないの?」
デーモンコマンド「知らん。・・・・だが、主君は、マスターはいい人だ。恐らくは私が見てきた何よりも・・・
           だから私はマスターのやる事を微塵も疑わない。そういう事だ。」
ミルザ「そうか。君は君なりの理由があるんだね。」
デーモンコマンド「・・・何者にもどの行動にもその根っこには何かしらの動機、理由がある。当然の事だ。」
ミルザ「・・・でも、この神殿を襲ったことは・・・僕にとって許せない事だ。どんなに理由があっても・・・僕の正義がそれを許さない。
    デーモンコマンド。だから僕は今ここで・・・君と戦う。」
ミルザくんは静かに鞘から剣を抜きました。
デーモンコマンド「そう来なくては面白くない。」
デーモンコマンドも、闘う構えを取りました。
・・・二人の間に緊張が走ります。

ミルザ「行くぞ!」

285ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:31:35 ID:???
【海底神殿3階西部の部屋】

ソルジャー「あうあ〜、どうしようどうしよ〜」
ナイト「不安だ不安だ〜。くそっ、セージのやろー・・・」
ソルジャー「まっ、デーモンコマンド様の評価を得れたんだから別にいいんだけどね。でも・・・これ、から・・・って、ぎゅべひぇっ!」
とつぜん、ソルジャーの目が白目を向きました。
ガクガクと奇妙に振るえ、大きくのけぞり・・・
ナイト「な、なな、どうしたんダ〜〜!?」
そして・・・ソルジャーが上体を起こした次の瞬間には、ソルジャーの目は緑色に変化していました。
・・・長い間何度もこの現象を眼にしているナイトは、これがなんなのか、すぐに理解できました。
ナイト「・・・セージ。」
セージ「せーじのやろー・・・なんて陰口叩いちゃってー。・・・ふふっ、とにかく言い忘れた事を言いにきたんだ。よく聞いてよ。」
ナイト「・・・なんダ?」
セージ「まずこれ。」
セージはナイトの服の中に手を入れ始めました。
ナイト「わわわっ!へん・・・へっへっ、んん???」
服の中から出たセージの手には、謎の物体がにぎられていました。
ナイト「そ、それは?」
当然のごとく疑問を返すナイト。
セージ「これは『ゲート』。使えば瞬時に念じた場所にいけるスーパーアイテムさ。これを使えばくたばった相手を二人抱えていても瞬時に戻る事ができる。
    君達がここに来る前入れておいたんだけどね、気づいてなかったらちょっとやばいから、ちょっと確認に。」
ナイト「へ、へぇ・・・」
セージ「そして、もう一つ。」
セージはナイトに手をかざすと、何か念じ始めました。そうすると、とつぜんナイトの姿がなくなりました!
ナイト「お、おお!これは、カムフラージュ!」
セージ「切れてる頃だと思ったからさ。」
続いてセージは自分自身・・・つまりソルジャーの体にカムフラージュをかけました。
ナイト「おお・・・さ、さすがセージ!」
セージ「じゃあ、引き続き頑張って。あまり『無理はしなくていいからね』。」
ナイト「わ、分かっタ!」
セージは去りました。再びソルジャーの目の色が元に戻ります。(といっても見えないのですが)
ソルジャー「な、なにがあったんダ?」
ナイト「実はだナ・・・」


海底神殿での戦いは、後半戦へ・・・

つづく!
286ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:32:41 ID:???
やったー、俺は頑張ったお
はっちゃけすぎたが次の人よろしくね
287ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:35:19 ID:???
アラがあったらスマン
288ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 01:47:56 ID:???
リアルタイムに遭遇して興奮。面白かったー。
つかデモコマ様格好良い…。悪魔なのに紳士だよ。
ますます盛り上がってきたね。守護獣戦の展開に期待。火の鳥ぶっ放すストライフちゃんにも萌えた。
ディフレクトって細剣は自分にだけ発動だっけ?
あと「何だかんだ〜」ってロ●ット団?懐かしい。
ともあれ乙でした!
289ゲーム好き名無しさん:2005/10/17(月) 23:31:45 ID:???
GJ!!面白い!
デモコマいかすなぁ。ブッチャーへの処刑とか、言ってることは結構マトモなところとか。
そしてミルザVSデモコマのタイマンいいねぇ。純粋バカと悪紳士のタイマンってのは燃えるシチュエーションだ!
次への期待が抑えられません。乙!

俺もラミアちゃんとじゃがいも栽培したくなってきた。

290ゲーム好き名無しさん:2005/10/18(火) 22:50:36 ID:???
二次創作とはいっても内容はそこらの少年漫画みたいな感じだから別にキモくはないと思うんだがなあ
291ゲーム好き名無しさん:2005/10/19(水) 04:44:22 ID:???
こっそり続きを書いています。
2〜3日中には投下できるかと。
短いですが、なにとぞ。
292ゲーム好き名無しさん:2005/10/19(水) 18:45:36 ID:???
※読み手のみなさん、一言でもいいので感想を書きましょう。書き手を作るのは読み手です

>>286
乙!
うまく分散させたね。
デモコマもゴブリンもいい感じ。次回に期待だ。

>>291
頑張って〜
293ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 03:46:30 ID:???
>>292
無理に義務付けなくてもいいんじゃない?
普段ROM専の人や、投下されてから日数が経った状態だと感想を書き込み難いものじゃないかな?
少なくとも俺はそう。
そりゃ、感想がいっぱいもらえるならそれが一番いいけど、義務付けちゃうと雑談なんかもやり難くなるかもしれないし。
現状このスレは新作投下→感想→しばらくスレが時間凍結後、雑談開始って流れになってるようだ。
別に投下直後に感想書かずに雑談始めてもいいと思うんだ。
感想書く、書かないは個人の自由で。
とにかく停滞は良くないと思う、過疎ってる気がして。
感想もだけど、たくさんの住人がいるって意識も職人さんのモチベーションに少なからず影響するだろうし。
俺は活発に書き込みして行く方針がいいと思うよ。

>>291
頑張って下さい!
294ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 10:52:46 ID:???
ブレードイリスがロケット団ならば、守護獣はニャースなのだろうか、これがわからない
295ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 13:12:05 ID:???
あの顔と図体で「ニャー」とか言われても・・・
296ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 16:09:27 ID:???
ここ数週で急激に過疎ってきてるのは気のせいか
297ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 16:22:27 ID:???
このスレちょっと書き込み辛いアル
なんか雰囲気についていけないと言うか……

まぁそれはともかく、書き手の皆さん乙。
298ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 16:43:02 ID:???
よし、ここで話題を一つ。
こ、このハエはえー

299ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 17:15:05 ID:???
2ch初心者でまだ半年たってないですが勇気出して期待カキコ

ゲームプレイ中はデモコマ様を♀だと思っていました
だってあのキュと締まったウエスト、むっちりヒップ、ミンサガキャラで一番色っぽいスタイルです
でもここでかっこいいデモコマ様拝めて幸せ
ゲームではデモコマ&ラミアに死ぬほど泣かされましたが
300ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 19:19:16 ID:???
すでにデモコマに様づけはデフォルトだな。

ところでミンサガのデモコマは重力操作が怖い反面トリプルスクラッチはロマンシングだよな
三体連続トリプルスクラッチとか来た時は濡れたよ?
301ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 22:53:39 ID:???
>>299
♀だなんて…凄い発想だな
尊敬するよ。
302ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 23:30:53 ID:???
たまに書いたりしてる者です。
確かに感想が多いととても嬉しいけど、雑談とかでスレが進んでいくのも楽しい。
書いてる途中でスレを更新してみて、スレが進んでるとおおーっという気分になる。
逆に書いてる間に全く動きがないと、俺以外誰もいないんじゃないかという気分になってなぁ。

そんなわけで、まーのんびり気楽にスレが進めばいいなと思う。元々秘境みたいなスレだしな。

しかしデモコマ女説は目からウロコだ・・・
303ゲーム好き名無しさん:2005/10/20(木) 23:43:39 ID:???
初めてデモコマ様に遭った時、まず股間に目がいったのも私だ。

そのあまりの自己主張の無さに物足りなさを感じた私は破廉恥な男かもしれん・・・
304ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 00:56:41 ID:???
【海底神殿3階 北西部の部屋】


静まり返った部屋に、デーモンコマンドとミルザくんは対峙していました。
デーモンコマンドはその爪を構え、ミルザくんは剣を抜き腰を落とします。
仄暗い部屋の中、呼吸の音とどこからとも無く吹き込んでくる風の音だけが微かに響きます。
そして、ひゅう、と一度だけ風が唸った時、ミルザくんは地を蹴りました。

ミルザくん「はぁっ!」
デーモンコマンド「ふっ!!」

デーモンコマンドは黒光りする爪を勢い良くミルザくんへ伸ばし、ミルザくんは低い姿勢のまま悪魔へと一息に駆け込みます。
向かってくる爪を寸で横に飛びのいて避け、そのままデーモンコマンドの懐へと滑り込みますが、
デーモンコマンドはもう片方の手ですかさず闇の刃を作りミルザくんへと繰り出します。

ミルザくん「おっと!危ないな・・・。」

それが体に触れる直前にミルザくんは後ろへ飛びのき、再び間合いを取ります。

デーモンコマンド「これならどうだ?」
ミルザくん「また爪か!」

再びデーモンコマンドの爪が伸びるのを見て、ミルザくんは咄嗟にディフレクトを繰り出しましたが、
爪の衝撃が来たと感じた次の瞬間、なんと眼前にデーモンコマンドの姿が迫っていました。

ミルザくん「なっ?!」

大きく振りかぶったデーモンコマンドの腕が勢い良く振り下ろされ、ミルザくんの左肩を切り裂きます。

ミルザくん「くそっ!」

薙ぎ払うようにミルザくんは大きく剣を振りましたが、デーモンコマンドは素早く姿を消し、元の位置へと移動します。

ミルザくん「中々・・やるみたいだね・・・。」
デーモンコマンド「この程度で中々と言われても困るな。」

引き裂かれた箇所が焼けるように痛み、ミルザくんは顔を顰めます。
ですがレフトハンドソードの柄を今一度強く握りしめ、きっとデーモンコマンドを睨みつけました。
デーモンコマンドは直立の姿勢のまま、不気味に浮かんでいます。
305ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 00:58:03 ID:???
ミルザくん「さあ、いくぞ!」

痛みを振り解くようにデーモンコマンドへ駆け込み幾重にも斬りつけますが、
デーモンコマンドも負けじとそれを爪で全て弾き返します。
ミルザくんは休む間も無く、あらゆる方向から剣撃を繰り出していましたが、
それでも決定的な打撃を与えられないまま、鈍い金属音が絶え間なく鳴り響きます。
その度に、黒光りする爪と、銀の刀身が交差しました。

どのくらい打ちあっていたでしょうか。一際大きな音が一度響き、
デーモンコマンドはその剣撃に爪を弾かれて体勢を崩しました。

デーモンコマンド「ちっ・・・!」

ミルザくん「これで!」

振り被り体重を乗せた一撃を繰り出します!
しかし突如デーモンコマンドがミルザくんに向き直ったかと思うと、縦に並んだデーモンコマンドの目が鋭く光りました。

デーモンコマンド「かぁっ!」
ミルザくん「?!」

その目を見た瞬間、ミルザくんは体を叩きつけられるような衝撃を感じました。
そして剣を振り被った体勢のまま、後ろへ吹き飛ばされ壁にぶち当たりました。

ミルザくん「げっほ、げほっ・・・。」

剣を支えに何とか立ち上がりますが、手足が震えて上手く力が入りません。
剣を握り直し、腰を落として構えを取りますが足元がふらついてしまいます。

ミルザくん「か、体が・・・。」
デーモンコマンド「力が入らないだろう。」

デーモンコマンドはふっと消えたかと思うと、ミルザくんの目の前に姿を現しました。
306ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 01:00:13 ID:???
デーモンコマンド「お前は私の全力で、殺してやろう。」

デーモンコマンドはゆっくりと両手を広げ、魔力を集中させ始めます。
するとミルザくんの足元に真っ黒な円が現れ、少しずつ、少しずつミルザくんの周りを黒く染めていきました。

ミルザくん「くぅ・・・。」

レフトハンドソードがその重みを次第に増して行き、柄を握り締める手が大きく震えます。
カタカタと、剣が自身の重みに耐えるかのように鳴きます。
骨の軋む音が耳に響きましたが、ミルザくんは歯を食いしばり前を見据えました。

ミルザくん「ぐふっ!・・・ぐぞ・・・。」

黒いもやのようなものはミルザくんに纏わりつき、体を圧し潰してゆきます。
ミルザくんの口の端からは血が垂れ、手には既に感覚は無く、足は限界に近づいていました。

ミルザくん「うご、け・・・うごいで、ぐれ・・・!」

どうにか体を動かそうとしますが、足や腕はただ大きくわななくばかり。
そうしている間も、更に体は重くなってゆきます。

ミルザくん「サ、ル・・・イ、ちゃ、の・・・・ために・・・うご、け・・・!」
デーモンコマンド「お前が戦った理由、覚えておこう。」
ミルザくん「ボクは・・・ガハッ!!」
デーモンコマンド「だが、私は私の信じる方のために、マスターのためにお前を殺す。」

黒いもやが包み込むようにミルザくんを覆い、1つの大きな闇の球体になります。
307ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 01:01:12 ID:???
ミルザくん(もう、力が入らない・・・。サルーインちゃん・・・アルドラ・・・ごめんね・・・ボク、結局何も出来なかった・・・。
       オイゲンとも、お別れかぁ。クラスメイトも、イフリート先生も・・・。
       でも、イフリート先生の暑苦しい授業は二度と受けなくて済むからラッキーかな・・・・。)

ミルザくんの脳裏に、様々な思い出が駆け巡ります。
サルーインちゃんと初めて出会った日のこと、サルーインちゃんの水着姿、オイゲンと武を競ったこと、
サルーインちゃんがミルザくんに向けた全ての言葉、アルドラの涙、サルーインちゃんの裸、イフリート先生の暑苦しい授業・・・・

ミルザくん(・・・・・・・・・・・・・授業?)


イフリート先生『良いかー、この技は腕力ではなくー・・・』
ミルザくん『もっと派手な技が良いなぁ。こう、ズバー!っと敵を、』
イフリート先生『馬鹿者!頭まで筋肉になってどうする!』
ミルザくん『それって先生のこt』
イフリート先生『コラプトスマッシュ!』
ミルザくん『ぶべらっ!!』


ミルザくん(そうだ、たとえ力が入らなくても・・・!)

はっと気がつき、ミルザくんは目を閉じました。
激痛が体中を駆け巡る中、信じるもの、大切なもの、そしてサルーインちゃんのために、
細く、針のように精神を尖らせます。

デーモンコマンド「・・・互いに信じるものが違った。それだけの事だ。」

言い放つと、デーモンコマンドは一度大きく体を震わせました。

デーモンコマンド「さらばだ!!!!」


激しい閃光が、辺りを容赦無く照らしました。

308ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 01:02:49 ID:???
デーモンコマンド「なっ・・・!」

ぱっくりと開いた、傷。デーモンコマンドの腹部を、大きく横に引き裂くように。

デーモンコマンド「がっ、ぐわあああああッ!」

噴き上がる魔族の血。デーモンコマンドはたまらずうずくまり、傷口を手で押さえます。
はっと顔を上げると、そこには剣を振り抜いた姿のミルザくんが立っていました。

デーモンコマンド「何故!何故だ!」
ミルザくん「はあっ、はぁ・・・ゲホッ!!体、動いたんだ・・・さすがに、危な、かった・・・。」

ミルザくんも膝をつきます。

デーモンコマンド「人間が・・・・・。」

ミルザくんは大きく息をつき、霞む目で、ですがしっかりとデーモンコマンドを見ます。

ミルザくん「まだ、やるかい?」
デーモンコマンド「その必要はない・・・。」

次第に暗くなる視界の中、デーモンコマンドもミルザくんの姿をその目に捉えました。

デーモンコマンド「お前の、勝ち、だ・・・。」

どさりと、デーモンコマンドは崩れ落ちました。
痛いほどの静寂が、広がります。
309ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 01:05:55 ID:???
ミルザくん「勝った・・・。あとは、オイゲンとストライフちゃんか。」

ふらりと立ち上がり、倒れているデーモンコマンドを見遣ります。
ピクリとも動かないデーモンコマンドの周囲には、夥しい量の魔族の血が広がっていました。

ミルザくん「君はマスターのために、僕はサルーインちゃんのために・・・。」

ミルザくんは深く深く息を吐きました。

ミルザくん「あ。そう言えば。」

思い出したように、遠くの方で倒れたままのブッチャーを見ます。傍らにはウコムの鉾が落ちていました。

ミルザくん「ブッチャーは良いとして、あの鉾をこのまま放って置くわけにも行かないしなぁ・・・。うん、取り敢えず持っていこう。」

ミルザくんはウコムの鉾をそっと手に取りました。

ミルザくん「さあ、あとは糸石だな!ああサルーインちゅわん・・・待っててね・・・
       じゃなくて!ぼくは寮の平和のために糸石を守るんだから!オイゲン、ストライフちゃん、待ってろよー!!」

レフトハンドソードを鞘に納め、腰に佩きます。
手にはウコムの鉾を握り締め、ミルザくんはストライフちゃん達の居る糸石の間へと駆けて行きました。




――――――――― つづく
310ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 01:08:22 ID:???
これにてデモコマ様とミルザくんの対決編はおしまいです。
皆さんの想像するデモコマ様像に近づける事が出来たやら・・・。
次の方、宜しくお願いします!
311ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 11:40:41 ID:???
乙!
イフリート先生なつかしいなw
デモコマは結構いいキャラだからここで死ぬには惜しいなー。ゴブリンちゃんの救援を期待するか。
次回も楽しみだ。実質敵はいなくなったわけだけれど…
312ゲーム好き名無しさん:2005/10/21(金) 17:53:56 ID:???
>>310
素早い投下乙!
本編はまとめて読む派なのでまだ読んで無いけど、そろそろクライマックスかな。
楽しみだ。
313ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 01:21:27 ID:???
時間凍結解除っと。
なんか新作投下後は恒例になってるね。
書き手に気を使って雑談しにくいんだろうけど、腫れ物扱いでかえって失礼なような。

ま、いいや。
ところでツフは中等部とのことだけど他の主人公連中もそうなのかね?
っていうかバーb(ry
314ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 01:40:37 ID:???
>>310
続き乙!タイマンのみに1話まるまる使うのもまた読みごたえがあっていいね。
デモコマ様は散り際もあっぱれでした。まぁ多分回収してもらえるんだろうが・・・。
腕力じゃないってーと、トドメは心形剣かな?しかしイフ先生、教えることはできるんだな・・・脳筋のくせn

>>313
俺は神連中は皆高校で、人間キャラは中学と高校入り混じってると思ってた。
アルなんかは中学か。
バーバラはなんつーか、高校生というより先生とかのが合ってる気がするな。保険体育の女教師。
315ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 02:03:01 ID:???
アメジストの時にバーバラ登場の前フリだけはあったんだがねェ。
そういえばウェイ組が出たのもそん時だっけ
316ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 02:41:59 ID:???
時間ができたらバーバラ出て来るお話でもかいてみるかな。
317ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 14:27:26 ID:???
アルベルト→アメジストの話と幕間で登場。姉ちゃん大好き、ツフに狙われる
ジャミル→アメジストの時にミルザと友達に。以後何回か出る
グレイ→ニンフ、ダーク、メルビル襲撃でちょこちょっとだけ出た。
ホーク→メルビル襲撃でブッチャーとタイマン。幕間にも出た
アイシャ→ウハンジハーレムで叫んだだけ
クローディア→メルビル襲撃でちょこっとだけ出た
ツフ→騎士団の誇りでちょこっと出た。幕間にも二度出てる
バーバラ→前フリのみ


こうして見ると、どうもジャミル以外のみんなはほぼ一発キャラのようだな。アイシャなんか特に。
ホークやグレイ、クローディアなんかはまた出番ありそうだけど、アイシャは黙殺されそうだな。
318ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 14:31:49 ID:???
>>314
ほ、保健体育であんな事を教えるわけですか、ほ、ほー
319ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 20:18:13 ID:5rR8Kl4J
age

果たしてこのシリーズは完結するのやら
ただでさえミンサガの旬がすぎてきてるのに。
320ゲーム好き名無しさん:2005/10/22(土) 22:48:19 ID:???
スレ住人がそれを望むなら完結するさ。
それにゲームの旬とこのスレは関係無くない?
似て非なるものだし。
321ゲーム好き名無しさん:2005/10/23(日) 11:55:08 ID:???
むしろプレイが一巡して落ち着いてきたからこそここを見る余裕がでてきた

ミルザきゅんの走馬燈シーン・・ところどころサルーインちゃんの水着や裸が挟まってる思い出ってのが、変態ぽくて好き
変態Mだけど、ここぞと言うときはちゃんとカッコイイところが、さすが英雄
褒めたそばからまたボケるところもね
322ゲーム好き名無しさん:2005/10/23(日) 12:14:36 ID:???
アクアマリンがちょいへこんだだけで大泣きしてストライフを引かせちゃうミルザカワイス
323ゲーム好き名無しさん:2005/10/23(日) 12:27:42 ID:???
ここがミニオンファン増殖の原因スレか!
324ゲーム好き名無しさん:2005/10/23(日) 12:33:10 ID:???
どんどんミニオンが関係なくなってきてるけどな・・・
それはなくとも俺は前からミニオン好きだったぜ。あのBGMといい・・・
325ゲーム好き名無しさん:2005/10/23(日) 12:34:21 ID:???
ワイルちゃんはかわいいわね。
326ゲーム好き名無しさん:2005/10/23(日) 18:39:41 ID:???
六将魔とはいい燃え要素ですね
327ゲーム好き名無しさん:2005/10/24(月) 11:01:51 ID:???
ヘェエエエエイトちゅわ〜ぁあん♪のカレシも気になるところだ。なんと奇特な。
そろそろクリスマスムードだし・・・どんな日常会話が繰り広げられているのだろう。
328ゲーム好き名無しさん:2005/10/24(月) 16:29:24 ID:???
>>290
いつ誰がそんなこと言ったんだよ
329ゲーム好き名無しさん:2005/10/24(月) 18:40:57 ID:???
>>327
ヘイトちゅわんの彼氏はレッドだと妄想。
シルバードラゴンが人間になってシルバーになったみたいに、レッドドラゴンが人間になってレッド。
…他に思い当たる節がないし。
330ゲーム好き名無しさん:2005/10/24(月) 20:32:02 ID:???
>>329
サガでレッドっていうと・・・元祖アルカイザーだな。
331ゲーム好き名無しさん:2005/10/24(月) 22:43:57 ID:???
元祖て
そうか、現アルカイザーはアルドラだったな。
アルカイザーの出番は今後あるのだろうか…なさそう

ところで続き書く神まだー?
俺は前々回の話し書いたから無理ぽ
332ゲーム好き名無しさん:2005/10/24(月) 23:46:17 ID:???
>>329
カレシじゃないけど、守備範囲の広い水竜クンなら
変装して猫かぶったヘイトちゅわん♪を一度は口説いてるかもしれない
333ゲーム好き名無し三鳥:2005/10/25(火) 02:40:19 ID:???
333取りぃぁーッッ!!!
334ゲーム好き名無しさん:2005/10/26(水) 17:05:43 ID:???
スカーブ寮のアイドルタイニィたんが鳥インフルエンザにかからないか心配ダ
335ゲーム好き名無しさん:2005/10/26(水) 21:30:07 ID:???
>>334
ゴブレンジャー様でございますか?
336ゲーム好き名無しさん:2005/10/26(水) 23:24:44 ID:???
続きはあと1回くらいで海底神殿の話も終わりかな?
しかし俺も前に書いているので、続き神の出現を待ちます。ガレサステップで回りながら。
神殿出た直後に強襲してくるのは誰になるんだろーなぁ・・・
337ゲーム好き名無しさん:2005/10/27(木) 10:48:55 ID:???
ストライフちゃんが強襲してくるな、たぶん
338ゲーム好き名無しさん:2005/10/27(木) 11:54:12 ID:???
>>337
工工エエエエ(´д`)エエエエ工工
339ゲーム好き名無しさん:2005/10/27(木) 12:07:20 ID:???
色々あってウコム、マリーン公認でブラックダイアを手に入れる
ストライフちゃんがブラックダイアを取れない理由はなくなる
でストライフちゃんとのブラックダイアをめぐる戦い、という流れ。どうよ。
文才ないから文にはできないが…
340ゲーム好き名無しさん:2005/10/28(金) 14:38:11 ID:???
誰もいないのなら続き書こうか。
ちょっと時間をくれ。
できるだけ早く投下できるようにするので。
341ゲーム好き名無しさん:2005/10/28(金) 16:10:01 ID:???
>>340
OK
君のような勇敢な人を待っていた。
頑張ってくれ。
かわりといってはなんだが、こちらには十五話終了後の幕間と新章を書く準備がある。
頑張ってこのスレを盛り上げていこう。
342ゲーム好き名無しさん:2005/10/28(金) 18:52:49 ID:???
>>340
早くなくてもいいから矛盾なく面白くアナタが満足いくストーリーを作ってくださいませ
343ゲーム好き名無しさん:2005/10/28(金) 22:45:44 ID:???
ブレードイリスに期待
344ゲーム好き名無しさん:2005/10/28(金) 23:44:11 ID:???
>>340
ついにねんがんの続きを書く人が(ry
頑張っておくれ。無理して早くしなくてもいいよー。じっくり待ちます。
んじゃ俺も幕間の下ごしらえでもしようかな。
345ゲーム好き名無しさん:2005/10/30(日) 01:18:26 ID:???
さっき四天王召還してジュエル戦やってみた。
水竜クン(ダーク)→最初のマルチなんとかで痺れたっきり何もできないままアボン
アディリスたん(バーバラ)→ソニックブレイド,で善戦するも押しつぶされてアボン
タィニィたん(ツフ)→怪音波でINT下げ BP足りないときは羽ばたき
タイラントくん(ホーク)→破砕流 BP足りないときはフレイムウィップ
シルバー(ウコム鉾)

てっきり四天王一ひ弱なタイニィたんが真っ先にKillかと思ったら
アディリスたんやタイラントくんと連携しまくりんぐ
タイラントくんでさえ一度アボンして再召還だったのに、一度も死ななかった
ゲーム画面では、タイラントくんは尻尾しか見えないし、タィニィたん目立ちまくり
なんだか、ここのスレのタイニィたんの性格をよく表しているような気がして、ついご報告
346ゲーム好き名無しさん:2005/10/30(日) 12:00:45 ID:???
タイニィたんは俺たちのアイドルですから。
しかし四天王でジュエルに勝てるんだな・・・

んじゃ、俺も一つ報告。ちょっとスレ違いだが。
先日アンサガを買ってみて、ローラ編ではじめてたんだが、
このスレのおかげで、ムゾル・ヤニーがタイラントくんにしか見えなくなってきた・・・
347ゲーム好き名無しさん:2005/10/30(日) 21:55:12 ID:???
このスレではサイヴァはどういうポジションになるんだ?
348ゲーム好き名無しさん:2005/10/30(日) 22:10:14 ID:???
校長マルダーの妻。と平凡な予想。
349ゲーム好き名無しさん:2005/10/30(日) 22:23:29 ID:???
むしろ3邪神姉妹のママなんじゃないか?
普段は笑顔なんだが怒ると笑いながらムチャムチャするとか。

三者面談の日とかで、サイヴァママにサルーインちゃんの素行がバレないように、
臨時に手を組むミルザとミニオンズ、とかが思い浮かんだ
350ゲーム好き名無しさん:2005/10/31(月) 22:31:36 ID:???
いいね、それ
351ゲーム好き名無しさん:2005/10/31(月) 22:37:30 ID:???
さっき噂のゴッドハンド4連発を食らってきた。
こんな娘を生み出したカーチャンスゴス。
喧嘩したら存在ごと消されそう。
ゴッドハンド、夜風の詩、開門を使ってくるカーチャンなんて怖すぎ。
352ゲーム好き名無しさん:2005/10/31(月) 23:04:00 ID:???
だがカーチャンと呼ぶと、それだけでネタキャラっぽい。
353ゲーム好き名無しさん:2005/11/01(火) 18:55:23 ID:???
ミルザきゅんとタイラントくんが義兄弟になって
サイヴァママを「お義母さん」「義母上殿」とか言ってる先走り妄想が止まりません
なんとかしろ
354ゲーム好き名無しさん:2005/11/01(火) 19:14:59 ID:???
その妄想を文にするんだ。
お前が勇者なら出来るはずだ。
355ゲーム好き名無しさん:2005/11/01(火) 22:24:47 ID:???
だがサイヴァは生徒会長のかーちゃんでもあるわけだが……
そのへんはどうなるんかね?
356ゲーム好き名無しさん:2005/11/01(火) 23:27:17 ID:???
それを言うとエロールちゃんとサルーインちゃん達が姉妹ってことになっちまうからなぁ。
無関係でいいんじゃないだろか。
357ゲーム好き名無しさん:2005/11/02(水) 20:33:31 ID:???
>>340
今週末までには出来そう?
358ゲーム好き名無しさん:2005/11/02(水) 22:58:41 ID:???
>>356
まぁ、そこらへんは書き手次第だね。

ところで主な伏線まとめてみたゾ

・スペクターがカヤキスに入れ替わっている。
・セージに連れて行かれたマックス
・イフリート先生の思惑とそのパートナー
・リザードロードの計画
・ヘイトちゅわんの彼女
・糸石関係(オブシダン関係で昔あった大きな事件、ルビーはどこかの寮の戦士が持ち帰った、ムーンストーンはどこかの神殿にある)
・ムーンストーンを追う仮面の男の影
・いびつなエメラルドとセージの素性
・その他色々

これ以外にもあるだろうケド、一応それなりに上げてみた。
魔の島関係ばかりだけど・・・
359ゲーム好き名無しさん:2005/11/02(水) 23:29:54 ID:???
>>353
イカス妄想だねそれ。
つーかミルザとタイラントって、究極の目的はある意味同じなんだよな・・・
そういう意味では良いコンビになるかもしれないねぇ。義理の兄弟(予定)コンビ。
戦闘時なら最高の組み合わせだな。

>>358
伏線まとめ乙。
アルドラにちょっかいかけた出来事も含めると、カヤキスが解決するのは当分先っぽいな。
つーか魔の島の中にさりげなくヘイトちゅわんが紛れててワロタ
って、彼・・・女!?
360ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:29:44 ID:???
【海底神殿4階運命の糸石の間】

広間は所々に大きな穴ができ、えぐられた石盤が砕け散っていました。
オイゲン「ちっ!」
オイゲンくんは眼前に飛んできた石盤を細剣でディフレクトし、
そのまま部屋の中央で大暴れしている守護獣へと駆け、高く跳躍し、斬りつけます。
しかし、守護獣は頭部を覆うようにして伸びた硬い甲羅を突き上げました。
キィン、とはじかれた音が響きます。反動でオイゲンくんは床に投げ出されました。
素早く体勢を立て直しましたが、握っていた細剣を見て愕然としました。
オイゲン「折れてやがる・・・ちくしょう!!」

ストライフちゃん「丸焼きにしてくれる!」
巨大な火の鳥の放つ火球が守護獣に直撃します。ゆらめく炎に包まれていました。
ストライフちゃん「やったか!?」
炎は次第に消えていき、黒い影があらわになりました。
甲羅は黒く焦げた痕が残り、ぷすぷすと煙が立ち昇っています。
しかし――
ストライフちゃん「な・・・」
そこには、守護獣の硬い甲羅だけしかありませんでした。
頭部、四足、尻尾を引っこめて身を守っていたのです。
ストライフちゃん「まさか・・・あのまま回転して空を飛んだりはしない、よな?」

攻撃は終わったと判断した守護獣は、のそりと足や尻尾を出していきます。
三人に見せた顔は禍々しい笑みでした。
361ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:30:53 ID:???
不意に、目の前にどっかりと構えていた守護獣の姿が消え、辺りが暗くなりました。
オイゲンくんがはっと宙を仰ぐと、一面が腹でした。
守護獣が高々と飛び上がっていたのです。
あんな巨体にのしかかられては、ひとたまりもありません。
オイゲン「上だ逃げろ!!」
ストライフちゃん「なんだと!?」
ラミアちゃん「ぎゃーーっ!いやーーっ!!落ちてくる!!!」

ズドオオオン、という地響きで、神殿内は大きく揺れました。

三人は間一髪で避けることができたものの、ばらばらに散ってしまいました。
ストライフちゃんは石盤の欠片に足を引っかけ、その場に転んでしまいます。
ストライフちゃん「うっ・・・」
床に肩をぶつけた痛みに耐えながら身を起こすと、守護獣の凶悪な顔が迫っていました
頭の中が真っ白になり、身を守るとも逃げることもできません。
ストライフちゃん(やられる!)
無防備なまま、反射的にぎゅっと目を瞑りました。
尖った甲羅が強く突き上げられます。
ストライフちゃんははじかれる音を耳にしました。

ストライフちゃん(・・・ん?)
衝撃も痛みもなく、何が起こったのかわからないまま、ゆっくりと目を開きました。
ストライフちゃんの目の前に、黒い影が立ちはだかっていたのです。
駆けこんできたオイゲンくんが予備の大型剣を抜き、
守護獣の攻撃をディフレクトしたのです。
オイゲン「・・・大丈夫か?」
オイゲンくんは振り返らずに言いました。
ストライフちゃんは答えずに、「フン」と鼻であしらうように顔をそむけました。
362ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:31:25 ID:???
ストライフちゃん「やっかいなヤツだ。私の術が効いていない。耐性があるとはな。
         近づけばあの甲羅でかち上げられるし、
         離れていてもあの石盤攻撃だ。どうする?」
オイゲン「守ってばかりじゃ体力を減らされるだけだしな。一気に攻めるか。
     ・・・アイツの技は強力だし守りも堅い。だが、動作は遅い。
     アイツが攻撃を繰り出した隙をついて叩くってのはどうだ?」
ストライフちゃん「隙か・・・」
口元に手を当てたストライフちゃんはしばし考えます。
ストライフちゃん「ちょうどオ ト リがいるな。乗った。さっさと終わらせるぞ」
広間の彼方へ顎をしゃくって見せたストライフちゃんは皮肉に笑って、
おもむろに屈伸運動を始めました。

ラミアちゃん「ちょ、のわっ、こっちさ狙わないでええええっ!!」
飛んでくる石盤を間一髪で避けつつ、ラミアちゃんが逃げ惑います。
ぎゃあぎゃあ騒ぐので目にとまるのでしょう。
守護獣は執拗に地盤を踏みつけ、石盤を飛ばします。
ラミアちゃん「デモコマ様たーすーけーてーーー!!
       てゆうかゴブリンども!次会ったときコロス!絶対コロス!!
       ・・・はっ!?」
がむしゃらに逃げていたせいで、
ラミアちゃんは部屋の隅にへと追いつめられていたことに気づくのが遅れました。
くるりと振り返ると、まさにとどめを刺そうと守護獣が前足を上げました。
ラミアちゃん「え、えと・・・」

オイゲン・ストライフちゃん「今だ!!」
363ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:32:43 ID:???
ストライフちゃん「くらえ稲妻キーーック!!」
跳躍して、守護獣の横っ面に蹴りをくらわすストライフちゃんに続き、
剣を地に引きずるようにして駆けこんだオイゲンくんが連携して
硬い顎へ打ちつけました。

ストライフちゃん「ふう・・・さすがに痛いな」
着地を決めたストライフちゃんは衝撃で痺れた足をさすりつつ敵を一瞥します。
二人の攻撃をくらってもなお守護獣は凶暴な顔を変えません。
険しい表情をついとそらすと、
そう遠くない所で放心したままラミアちゃんがへたりこんでいます。
隣に砕けた石盤が転がっていました。一撃はまぬがれたようです。
ストライフちゃん「おい」
声をかけてもラミアちゃんは力なく笑っているだけでした。
ストライフちゃんはできるだけ、優しーい笑顔を投げかけて近寄ります。
突然、寒気に襲われたラミアちゃんはぶるっと震えました。
ストライフちゃん「貴様には以前サルーインちゃんが世話になったしな。
         お礼がてらにもう一回、活躍する機会を与えてやろう」
ラミアちゃん「・・・へ?」
ストライフちゃんは猫をつまみ上げるようにラミアちゃんの首根っこを掴みました。
ラミアちゃん「ちょ、な、なに、」
ストライフちゃん「派手に散ってこい!」
ラミアちゃん「うそおおおぉおおーーー!!??」
ストライフちゃんの手によって投げられたラミアちゃんは宙を舞い、
そのまま守護獣の前へと転がっていきました。
ラミアちゃん「あいたたた・・・はうっ!」
守護獣の青白い目でギロリと睨まれ、混乱したラミアちゃんはペインを放ちます。
闇色のエネルギーは守護獣の太い足に当たりましたが、びくともしません。
ラミアちゃん「ちょっとちょっとぉ・・・こんな展開ナシナシだってーー!!」
364ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:33:18 ID:???
【海底神殿3階北西部の広間】

ソルジャー「あっ!ナイトあそこ!!」
カムフラージュで姿を消したソルジャーとナイトは、
血まみれとなって床に倒れているデーモンコマンドを見つけました。
ソルジャーは駆け寄り、覗きこみます。
ソルジャー「かろうじて一命はとりとめてますって感じだナー。
      傷薬も切らしてるし、一刻も早く連れて帰ったほうがいいんじゃナイ?」
ナイト「セージも無理しなくていいって言ってたナ。あれは・・・どうする?」
ソルジャー「エ、なになに?」
ナイト「あそこでぶっ倒れてる海賊ブッチャー」
離れたところで、口から泡を吹いたまま動かないブッチャーに視線がとまります。
ナイトがほてほてと近寄っていき、大きな目を見開きます。
ナイト「気絶してるようだケド・・・連れて帰ったらセージ喜ぶかナ?」
ソルジャーはウーンと唸りながら首を傾げます。
ナイト「ついでだから連れてくカ。じゃ、帰ろうって・・・ア」
服の中からスーパーアイテム『ゲート』を取り出したナイトが声を上げました。
ナイト「な〜んか忘れてると思ったらラミアだラミア。アイツ、どうしよ?」
ソルジャー「そういえばそんなヤツもいたネ・・・
      でも一刻を争うシ・・・追いてっちゃう?」
ナイト「そうしたいのは山々なんだけどナ〜逆恨みされても迷惑ダシ。
    確かオイゲンとストライフってヤツの元へ行ったんだよナ。
    ・・・すぐ戻ってくるから、ソルジャーはここで待っててクレ。
    もし戻ってくるのが遅いようだったら、先に戻っててヨ」
ソルジャー「ナイト・・・」
ナイトはソルジャーに『ゲート』を渡し、4階へと続く道を駆けていきました。
365ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:33:50 ID:???
【海底神殿4階運命の糸石の間前】

ミルザ「はあ・・・はぁ・・・」
デーモンコマンド戦後、勢いよく駆け出したミルザくんですが、
思っていたよりも深い傷を負っていたため、階段を上る途中で失速しました。
ある程度の外傷は傷薬で治しましたが、全身に疲労が色濃く残っています。
それでも、一刻も早くオイゲンくんとストライフちゃんの元へと足を止めません。
ミルザくんはウコムの鉾を杖代わりに、よろめきつつも糸石の間へと足を踏み入れました。

ミルザくん「!!」

守護獣の放った石盤がミルザくんの目の前で砕け散り、その飛沫が飛んできました。
慌てて鉾を構えようとしましたが――間に合わない!

オイゲン「何ぼーっとしてんだよ、ミルザ」

ミルザくんが顔を上げると、目の前でオイゲンくんがにやりと笑っていました。
肩で息をしていて、うっすらと砂塵にまみれています。
ミルザ「オイゲン、あれは・・・」
オイゲン「あの虫を追いかけてきたらこの様さ。
     たしか、闇のブラックダイアを守っているって言ってたっけな」
オイゲンくんは広間中央に鎮座する守護獣の方へ向き直りました。
オイゲン「アイツ、なかなかタフで倒れてくれないんだ。
     大分ダメージを与えたと思ったんだけどな。
     アイツを倒せるほどの強い力さえあれば・・・」
366ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:34:24 ID:???
オイゲンくんは目を瞬かせ、振り返りました。視線はミルザくんの縋る鉾にあります。
オイゲン「それ・・・たしかブッチャーが持っていた打槍・・・だな。
     ミルザ、それを俺に貸してくれ!」
ミルザ「へっ!?」
オイゲン「あの凄まじい雷撃なら、いくらなんでも効かないわけないからな」
ミルザ「そうだね!じゃあ僕が――」
オイゲンくんは首を横に振りました。
オイゲン「疲れてんだろ。安全なところで休んでろよ。
     ここは俺達でなんとかする。――任せろ」

青い色をした鉾を構えたオイゲンくんは、ありったけの力をこめていきます。
先端に膨大なエネルギーが集まってきました。

一方、狂ったように投げつけられる石盤をかわしていくストライフちゃんは
オイゲンくんの持っているものに気づきました。
その鉾が生み出す雷の恐ろしさを目の当たりにしているので、
なるべく守護獣から遠ざからないとと、部屋の端へと駆けます。
途中、オトリに利用されつつも運良く命拾いしてきたラミアちゃんを見つけました。
ストライフちゃん「おい、逃げろ」
ラミアちゃん「こ、今度はなーに・・・」
指をさされた方を見て、ラミアちゃんは「ぎゃっ!」と脱兎のごとく逃げ出しました。

オイゲン「くっ・・・なんて力だ。立っているだけで・・・でも・・・
     ここで倒れるわけにはいかねえんだよ!これで終わりだ!!」
鉾から解放された雷のエネルギーは辺りを真っ白に塗りつぶすほどの閃光となり、
天から守護獣めがけて落ちていきました。
神殿は大きく震え、オイゲンくんは立っていられずその場に屈みました。

眩んだ目を何度も瞬かせていると、しん、と静まり返った広間には
黒く焼け焦げた巨大な亀が転がっていました。
367ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:34:58 ID:???
ブレードイリスB「ま、まさか、あの守護獣が・・・」
ブレードイリスA「のわっ!?」
部屋の片隅で非難していたブレードイリスはいつの間にか黒い影に囲まれていました。
糸石を盗み、守護獣までけしかけられ、怒りは頂点にまで上がっています。
オイゲン「さて、次はコイツらの番だな」
ストライフちゃん「虫けらめ、跡形もなく焼き尽くす」
ミルザ「僕のサルーインちゃんを返せ!」
ブレードイリスA・B「・・・・・・」


???「おい、ラミア」
名前を呼ばれたような気がして、ラミアちゃんは辺りを見回しましたが誰もいません。
ラミアちゃん「・・・て、もしかして、」
???「ナイトだよナイト」
覚えのある声が確かにすぐ傍で聞こえます。ラミアちゃんは溜息をつきました。
ラミアちゃん「あんたまたカムフラージュかけて脅かしにきたわけ?
       同じ手は二・度・と!通用しないもんねーっ!」
ナイト「静かニ。この騒ぎにまぎれて帰るゾ。
    デーモンコマンド様が瀕死なんダカラ、一刻も早く戻らないト!」
ラミアちゃん「えっ!?デモコマ様が・・・嘘・・・」
ラミアちゃんは目に涙を浮かべ、俯いて乱暴に拭います。
顔を上げた時はいつものへらっとした表情に戻ってましたが、目元は真っ赤でした。
ラミアちゃん「でもあたし、デモコマ様に役に立ってみせろって言われちゃったしぃー
       糸石を取らずに帰れないっていうかぁー・・・あいたっ」
突然、ポカリと頭を叩かれラミアちゃんはうずくまりました。
ラミアちゃん「ちょっと何で殴んのよ!やんのか!ああ!?」
ナイト「落ち着ケ。デモコマ様がいない今、
    ここにいる全員を敵に回しておまえは勝てると思ってるノカ?」
ラミアちゃん「・・・・・・無理ですすんませんあたしが悪うござんした」
ナイト「ハイハイ。引き際も大切、コレ大事」
368ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:35:30 ID:???
ミルザ「糸石を返せ!・・・って、ああっ!」
差し出されたミルザくんの手をひらりとかわし、
ブレードイリスは高く舞い上がります。
ブレードイリスA「ええーい!我らはウコム学園最強の精鋭部隊!」
ブレードイリスB「盗人なんかに屈しなーーい!断固拒ーー否っ!・・・逃げちゃえ♪」
ストライフちゃん「・・・虫けらめ、死にたいようだな」
オイゲン「待ちやがれこんちくしょう!」
ブレードイリスとミルザくんたちの追いかけっこがまさに始まろうとした時、

???「ブレードイリスよ、彼らの糸石を返してやれ」

ストライフちゃん「なんだ・・・また新たな敵か?」
不意にどこからか声が降ってきて、三人は声の主を探して辺りを見回します。
しかし部屋のどこにもそれらしき人物はいません。
ブレードイリスB「糸石って・・・このキレーな石が?」
ブレードイリスA「そんなー!ウコム学園長、こやつらは盗人なんですよーー!!」

マリーンちゃん「――違いますぅ、彼らはこの学園を守るために
        わざわざマルディアス学園からやってきてくれたんですよ!」

糸石の間へと走ってきたマリーンちゃんの姿に、ストライフちゃんは駆け寄りました。
ストライフちゃん「マリーン!無事だったか!!」
マリーンちゃん「ええ。ストライフちゃんも無事で、よかった」
綻んだ顔をぎゅっと引き締め、マリーンちゃんはブレードイリスに言います。
マリーンちゃん「さあ、彼らに返しなさい!」
ウコム学園長「言うことがきけないというのなら・・・裁きだ」
ブレードイリスA・B「ヒィィィイイ!!そ、それだけはご勘弁をーーーっ!!!」
ブレードイリスは口から二つの糸石をこぼして、
猛スピードで部屋から出て行ってしまいました。
369ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:36:03 ID:???
ミルザ「お帰りサルーインちゃん!ただいま僕!!
    もう二度と手放さないからね!こんな僕を許してくれる?
    え、許してくれる!あ〜もう僕は幸せだっ!世界一幸せな人間だっ!!」
オイゲン「ミルザ、頬の肉が削れるぞ・・・って
     突っこむのもいい加減疲れてきたな・・・」
無事に戻ってきた水のアクアマリンに強く頬擦りするミルザくんを横目で見ながら、
幻のアメジストを手にしたオイゲンくんは肩を落としました。

誰もいないはずの天井を仰いで、マリーンちゃんは話しかけます。
マリーンちゃん「ウコム様、負傷者はお姉様達が空き部屋へと運びました。
        今、手の空いている者が治療に当たっています」
ウコム学園長「ああ。ちゃんと見ているよ。
       学園から応援に向かわせたから、じきに着く。
       マリーン、おまえの判断は正しかった。
       彼らが来てくれなかったら、被害は相当なものだっただろう。
       ミルザ、オイゲン、ストライフよ。感謝する」
その言葉に、ストライフちゃんがはじかれたように上を向きます。
ストライフちゃん「・・・ちょっと待て。
         どこにいるかは知らんが、学園長とやらはここにいるのか!?
         こんな非常事態に貴様は何もしなかったというのか!!
         貴様の生徒が何人も倒れてるんだぞ!それを・・・」
マリーンちゃん「ストライフちゃん、ウコム様を責めないで!
        ウコム様はみんなを助けたくても助けられなかったの!!
        そのぅ、ウコム様はここにはいらっしゃらないんだけど、」
ストライフちゃん「でもアイツは『見ている』と言っていた!!」

マリーンちゃん「ええ、ウコム様は学園での出来事を全て把握できるよう、
        学園内の至るところにカメラと、盗聴器を・・・」

マリーン、それは犯罪だぞ。
そう言いたくても言葉にならないストライフちゃんでした。
370ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:36:34 ID:???
ウコム学園長「・・・ということだ。
       侵入者との、そして守護獣との戦いぶりは見事だった」
ゆったりした拍手が広間に響き渡ります。
ウコム学園長「ブレードイリスと守護獣の行いは止めるべきだった。
       しかし、おまえ達は糸石を持っている・・・マリーン」
はい、とマリーンちゃんは頷いて、ミルザくんの元へと歩いていきました。
服の中からそっと、闇の色をした宝石を取り出しました。
マリーンちゃん「これは、ウコム様からの感謝の気持ちです。
        闇のブラックダイア、受け取ってください」
ミルザ「これが・・・闇のブラックダイア・・・
    でも、これはウコム学園にとって大事なものなんだろう?
    確かに僕は糸石を集めているけど・・・
    ブラックダイアが欲しいからじゃなくって、学園を守るために来たんだ!
    ・・・僕には受け取れないよ」
ミルザくんは大きく首を横に振ります。
マリーン「ミルザさん。
     この海底寮は昔、闇のブラックダイアの隠し場所として造られたんです。
     そして、ブラックダイアはマルディアス学園からウコム学園にと
     親交の証として頂いた学園の宝です・・・
     今回は、私達ウコム学園から貴方達への親交の証として送りたいんです。
     守護獣を倒すだけの力を持つ貴方達になら託しても問題はないと
     ウコム様が。きっと、貴方達が必要としているものだからと。
     ・・・大切に、してくださいね」
ミルザくんの手に、半ば強引に闇のブラックダイアを握らせて、
マリーンちゃんは深々と頭を下げました。
マリーンちゃん「本当に・・・海底神殿を守ってくれてありがとう・・・」
371ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:37:06 ID:???
ミルザくん「マリーンちゃん、お願いだから頭を上げて。
      わかった。僕、大切にするよ。君達との親交の証だもんね。
      じゃあそろそろ、僕達は帰るよ」
マリーンちゃん「お元気で・・・また、会えるといいですね」
ふっと上げたマリーンちゃんの頭を、ストライフちゃんがポンと叩きます。
ストライフちゃん「何を言っている。会えるさ。
         いつでも遊びに来い。待っているからな」
オイゲン「そうだな。それに俺、ウコム学園に興味あるからいつか遊びに来るわ。
     その時は案内頼むぜ、マリーンちゃんよ」

マリーンちゃん「・・・はい!」


【黒海 海中にて】

こうして、ミルザくん達は海底神殿を後にしました。
水面から射しこむ光を頼りに浮上していたミルザくんとオイゲンくんですが、
一人、ストライフちゃんが遅れていることに気がつきました。
ミルザくんが水をかきわけ、
何やらブツブツ呟いているストライフちゃんの元へと近づきました。
ミルザ「ストライフちゃんどうしたの?気分悪い?」
ストライフちゃん「・・・・・・」
その時、突然ストライフちゃんがミルザくんの腕に掴みかかってきました。
ミルザ「ス、ストライフちゃん!?」
ストライフちゃん「・・・マリーンに悪いと思って黙っていたが、
         貴様らにブラックダイアが渡った以上、諦める必要はないな。
         ブラックダイアをこちらによこせ!」
猛然と襲いかかってきたストライフちゃんに戸惑いながらも、
ミルザ「・・・え?う、うん、いいよ」
と、ミルザくんはあっけなく返事をしたのでした。
372ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:37:38 ID:???
ストライフちゃん「・・・は?」
オイゲン「ミルザ!おまえ何言ってんだよ!!」
ミルザ「確かにマリーンちゃんは僕にブラックダイアを渡してくれたけど、
    これは僕達三人への親交の証なんだ。
    だから、ストライフちゃんにも権利がある。だろう?
    ストライフちゃんがいなかったら、
    こうして無事に帰れていたかどうかもわからないし」
オイゲン「だからって、おまえなあ」
げんなりするオイゲンくんをよそに、ミルザくんはブラックダイアを差し出しました。
ミルザ「はい、ストライフちゃん」
ストライフちゃんは黙ったまま、手を伸ばします。
そして、ミルザくんの手をパン、と払いました。
ミルザくんはもう少しでブラックダイアを落としそうになって慌てます。
ストライフちゃん「調子に乗るな、虫けらめ。
         ・・・気が変わった。それはおまえが持っていろ」
そう言い残して、水泳の得意なストライフちゃんは二人を置いていくほどのスピードで
浮上していきました。
オイゲン「な、なんだったんだ・・・?」
呆然と見送るオイゲンくんの隣で、
ミルザくんは大きく手を振りながらストライフちゃんへ声を投げます。

ミルザ「スートライフちゃーーん!
    サルーインちゃんのバナナの皮ーー絶対に忘れないでねーー!!」
373ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:38:18 ID:???
その言葉にストライフちゃんはガクッとバランスを崩しました。
ストライフちゃん(・・・そういえばそんなことを口走ってしまったっけな。
         もう二度とミルザには関わりたくないんだが・・・
         サルーインちゃんにお願い、は無理だろうな。
         お仕置きか・・・お仕置きだろうな・・・
         絶対ヘイトがサルーインちゃんにチクっているからな。
         ・・・ああ、嫌なヤツの顔を思い出してしまった・・・はぁ。
         それにしても、いつの間にかラミアの姿が消えていた。
         デーモンコマンドやブッチャーも・・・嫌な予感がするな)


【魔の島】

魔の島内部の中心にある広場に、ゴブリンセージは一人佇んでいました。
ソルジャーとナイトの報告を受け、
デーモンコマンドとブッチャーは至急治療するよう命令し、そして――
セージ「デモコマ様はミルザにこてんぱんにされた・・・あははっ!」
セージはひとしきり笑った後、緑色の目を細めました。
轟く雷鳴の光によって、ぎらりと光ります。
セージ「いい気味だ・・・っと、言っちゃあ失礼かな。
    彼にはもっともーっと働いてもらわなくっちゃあね。
    ブラックダイアのありかも特定したし、
    さて、次はどの糸石に巡り会えるのかな・・・?」



第15話「海底戦争」 おしまい
374ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 13:41:04 ID:???
最終話遅くなってすまん。
いつもは待つ側だったんだけど、書くのって大変だな。

さて、色々と出てた案をぶちこんでみたが
ウコム様とラミアちゃんの怒りに触れそうだなw
ブレードイリスもこんなんだし…
オイゲンを活躍させてみたかったんだ。
つうことで幕間期待。
375ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 22:17:15 ID:???
お疲れ!
うまくまとめたな。っつかミルザひどい天然っぷりww赤子のごとく純粋だな。変態だが
オイゲン大活躍。今までダークにあっさりやられたり挑発失敗してやられたり散々だったからなー。よか。GJ!
…オイゲン、ストライフちゃんフラグたった?

さて、いまだ四人の将魔が影を潜めてるが、デス石は四つ動き、セージ、デモコマ様周りのキャラも立ってきて物語も後半戦だな。
次の話も期待だー
376ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 22:18:44 ID:???
>>374

ブッチャーの今後が非常に気になるところ。
今後もどんどん書いてくれ!

とりあえず明日には幕間投下できそう。
本編新章は日曜くらいに投下できる・・・・といいなあ。
気長に待ってくれるとありがたいです。
377ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 22:23:32 ID:???
俺も後に幕間投下すっべ〜
両三バカの残りカス同士の話。
378ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 23:27:05 ID:???
乙!前回はミルザが見せ場を作ってたけど、今回はオイゲンが見せ場を持ってったねー。
城砦ウコム鉾がここで出てきたか!今後オイゲンの武装の一つになるのかな?
ブッチャーも残ったし、ストライフちゃんとの間に微妙な空気も出来たし、ますますイイ感じになってきた。
よし、俺も幕間書いてみるぜ!
379ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 23:28:15 ID:CJApF79i
お疲れ様っす。ストライフちゃんカワイイな!意地張ってても情にもろくてグッド
伏線も残って先が楽しみだ
ワイルちゃんヘイトちゃんもガツンと活躍ないかな〜
眼鏡取るとワイルドワイルちゃんになるとかさW
いろいろいってるが新作も期待しとります!
380ゲーム好き名無しさん:2005/11/03(木) 23:39:28 ID:???
ワイルちゃんは活躍がいっちゃん多いが、ヘイトちゃんは活躍すくねーなー
381ゲーム好き名無しさん:2005/11/04(金) 00:31:23 ID:VSo86Qtl
タイラント
382ゲーム好き名無しさん:2005/11/04(金) 00:34:05 ID:VSo86Qtl
タイラント
383ゲーム好き名無しさん:2005/11/04(金) 17:43:53 ID:???
ゴブレンジャーもキチンとキャラ立って活躍してんのな。
メイジャンとディガーにも期待
384ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:34:36 ID:???
ちょっと遅くなった。
申し訳ない。
今から投下。
385ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:35:49 ID:???

どうもこんにちは。
え、私ですか?
いえいえ、名乗るほどの者じゃございません。
人様の夢を拝見させていただいて、それが好みの夢だと元気になる。
そんなケチな存在です。
昔はこうじゃなかったんですが・・・。
ああ、いけませんな、元気がないと愚痴っぽくなっちゃって。
じゃあ、今日も出かけますか。
夢の世界へ。

幕間劇『みんなのゆめ』

386ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:36:45 ID:???
〜ジャミルくんの場合〜

気がつくとオイラは宝物庫にいた。
どうやってここまで来たか覚えちゃいないがオイラの事だ、
華麗に罠や衛兵をかわして来たんだろう。そうに決まってる。

ジャミルくん「いいか?ダウド。持ってける物は頂いていくんだ」
ダウドくん「でも、袋がないからたいして持てないよ」
何言ってんだこいつは。盗みにはいるのに手ぶら出来る奴がどこにいる。
ダウドくん「ジャミルも持ってないじゃん」
・・・・・・・・・・・・。なぜだ。
ジャミルくん「こうなったら最後の手段だ」
ダウドくん「なになに?」
ジャミルくん「腹に詰めて帰ろう」
ダウドくん「懐ならもう一杯だよ」
ジャミルくん「違う。文字通り胃袋に詰めて帰るんだ」

一瞬、呆けた顔をした後、ダウドの奴は哀れみの目を向けてきた。
ジャミルくん「てめー!なんだその目は!」
ダウドくん「その、大丈夫?」
ジャミルくん「うるせー!黙って喰え!」
オイラはダウドを押し倒すと、周囲に落ちている宝物を片っ端から押し込んでいった。
ダウド「ジャミッ・・・やめ・・ゲホッ・・・死・・・・」
その時、500メートル先の硬貨の落下音も逃さないオイラの耳が危険を察知した。
387ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:37:29 ID:???
カツッカツッ

靴音、少なくともオイラたちの味方じゃないだろうな。
ダウドくん「死ぬ・・・死んでしまう・・・」
ジャミルくん「いつまでやってんだ。ずらかるぞ!」
ダウドくん「いや、まじやばいって。てか何でジャミルはやらないのさ」
ジャミルくん「時間がねえからだ!」
いうが早いかオイラは風船のように膨らんだダウドをひっぱり、宝物庫を飛び出した。
いくつもの十字路を、勘を頼りに走り抜けていくが追跡者は一向に振り切れない。
むしろ靴音の数は先ほどより増えているようだ。
このままじゃやばい。
そう思った矢先、風を感じた。出口が近い。
ジャミルくん「こっちだ!ダウド!」
もはや自力では走れそうにないダウドを思いっきり引っ張り、十字路を右折する。

出口だった。そう、紛れもない出口だ。
388ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:38:42 ID:???

問題は足場がないということだけだ。要するに行き止まり。
1メートル先には落ちてる間に遺書が書けそうな崖。

ウハンジ「よーし、賊は袋のネズミだ。縛り上げろ」

衛兵達がにじり寄ってくる。
ジャミルくん「こうなったらダウド、お前飛べ」
ダウドくん「・・・おいらに死ねと?」
ジャミルくん「そうじゃねぇ。飛翔、FLY IN THE SKY 高く羽ばたけ。」
ダウドくん「・・・しっかりしてくれよ!現実逃避してる場合じゃないよ!」
ジャミルくん「オイラは本気だ!右足が落ちる前に左足を上げれば理論上いけるはずだ!」
ダウドくん「無茶だよ!ねぇジャミル、ジャミル、ジャミル、ジャミル、ジャミル!」
ジャミルくん「うるせえな!じゃ別の方法だ。空気を吸い込んでダウドが膨らむ、
       オイラは足につかまる。二人で気球のように飛んで逃げる。どうだ!」

ダウドは呆けたような顔でオイラを見ている。
ったく!理解の遅い奴だ!
ジャミルくん「そんなに難しいことじゃねぇ。Bボタン押してB連打だ!
       ピンクの丸い物体にだってできるんだ。お前にだってできる!」
ダウドはますますわからない、という顔をしている。
ジャミルくん「いいからやってみろ!やつらが・・・」
389ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:39:59 ID:???
そこで気づいた。静かすぎる。
オイラは周囲を確認した。昼下がりの日差しがかかるオイラとダウドの部屋だ。
当然衛兵なんかいない。

まずい。

ジャミルくん「えーと、あれだ。今の話はどんな窮地でも諦めるなって話だ!
       諦めちまったらそこで終わりだ。どんな手でもやってみるべきっていう!」
一気に捲くし立ててダウドの顔を盗み見る。・・・ニヤニヤしてやがる。
ダウドくん「さすがジャミル!ピンチの時は風船になって逃げる。すごい発想だ!
      さっそくファラにも教えてくるよ。ジャミルが言ってたって」
ジャミルくん「ごめん、やめて、可哀想な人だと思われる。寝惚けてました、すいません」
ダウドくん「A定の食券4回分でどうかな?」
ジャミルくん「せめて2回で」
ダウドくん「ファラ〜!ジャミルが」
ジャミルくん「だー!わかったよ!・・おまえもちゃっかりしてきたなぁ」
するとダウドはにやりと笑ってこう言いやがった。
ダウドくん「ジャミルが言ったんじゃん。『持っていける物は全部頂いていけ』って」

ぐうの音もでなかった。


混乱の感情が心地よい夢でした。
それでは次に行くとしますか。
390ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:40:51 ID:???
〜イフリート先生の場合〜

どうすればフラーマ先生は振り向いてくれるのか。
私はもうずいぶん長い間この命題に取り組んでいる。
それこそ暇さえあればいつどこであろうとも。
何かがたりないのだ。一体何が・・・。

イフリート先生「やはり筋肉か?」

通算9574回目の結論に達したとき、
手鍋から勢いよく水蒸気が立ち上っているのが見えた。

イフリート先生「お、いかんいかん」
カップ麺の包装を剥がし、お湯を注ぎに行く。
このところこれが私の主食だ。
正直飽きているが貯金をせねばならんからな。
あいつが言うには女性にもてるには経済力も必要らしい。
そんなことを考えながら容器に湯を注ぐ。

しかし手鍋では上手く注げず、結構な量をこぼしてしまった。
391ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:41:48 ID:???
そこで私は重大なことに気づいた。
お湯が越えるべきラインの六割を割っているのだ。
なんということ。このままでは塩辛く固い麺になってしまう。
塩分の多量摂取は高血圧の私にとって危険すぎる。
とりあえず容器に蓋をして、今一度手鍋で湯を沸かし始める。
タイムリミットは五分。
私の手で直接煮沸したい衝動に駆られるがぐっとこらえる。
以前それでやかんを溶解してしまった。

なべ底から少しずつ気泡が上がって来た頃にはすでに二分を経過していた。
火力の低さが恨めしい。

更に二分後、遅すぎる。水を入れすぎたか?
もう限界だ。諦めて容器に水を注ぐ。

一分後

固くて、ぬるいそれは涙の味がした。


焦りと落胆の感情は中々ですが・・少々生活臭が強すぎますね。
それでは次へ。
392ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:42:41 ID:???
〜グレイの場合〜

「う〜〜財宝財宝」
今月下美人を求めて全力疾走している僕は世界を旅するごく一般的な冒険者
強いて違うところをあげるとすれば武器に興味があるってことかナー

名前はグレイ

そんなわけでリガウ島にある財宝の穴にやって来たのだ
ふと見ると地面に刺さった刀の前に強靭な鬼が座っていた
ウホッ!いい刀・・・
【ハッ】
そう思っていると突然その鬼は僕の見ている目の前で地面に刺さった刀を抜きはじめたのだ・・・!
【ズズー】
「振らないか」
393ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:43:29 ID:???
目が覚めた。
全身に汗だくになっていた。顔に張り付く髪がうっとうしい。
俺は無言で古刀を掴んだ。
(起きてすぐに稽古か?さすがだな)
それには答えず鍛冶室に向かう。
部屋につくと、備え付けてある万力に刀を固定する。

グレイ「あのような面妖な夢を見せて、俺を虜にするつもりか?」
(何を言っている?私は何も・・・)
締め上げる。
(ぎゃああああああああああ!!)
グレイ「折れるのは平気ではなかったのか?」
(戦いの中で傷つくのは構わん!だが、ただ痛いのは嫌だ!)
グレイ「それは好都合だ。貴様が吐くまで締めるのをやめない」
(俺は無実だああああああああああああああああ!!)


極上の悪夢でした。ご馳走様。
もう少しいきますか。
394ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:44:25 ID:???
〜ワイルちゃんの場合〜

ミルザさんが私の気持ちを受け入れてくれてからもう一年になります。
私はサルーインちゃん様から休暇を頂くたびにミルザさんと冒険に出かけています。
今日もそうでした。
たぶん油断していたんだと思います。
いつものようにミルザさんは頼りになって、そんなに危険な冒険でもなかったから。

悪路に足をとられて、仕掛け矢の罠にかかったこと。
大した傷じゃなかったから気にもとめていなかったこと。
それが毒矢だったこと。
少し気分が悪いのに心配せないようにと、平気なふりをしていたこと。
純粋なミルザさんは私の様子に気づかなかったこと。
毒に対する手段を持ち合わせていなかったこと。

運も悪かったのだと思います。
足取りが怪しくなってきた私の異変にミルザさんが気づいた頃には、
もう手遅れだったようです。
『人のことばかり考えて自分の事をおろそかにするな』ってストライフちゃんによく叱られてたのに。
また叱られちゃいそうです。
395ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:45:24 ID:???
今、ミルザさんは私を抱きかかえて必死に走っています。
こんな時なのにミルザさんの体から伝わる体温に心地よさを感じる自分に苦笑してしまいます。
そんなに無理をしないでください。
もうそんなに苦しくないんです。さっきまではあんなに苦しかったのに。
ミルザくん「僕は馬鹿だ!好きな娘の異常一つ見抜けないなんて!」
そんなに自分を責めないでください。
悪いのは私です。私がドジだったから。

私は顔を上げてミルザさんの顔を見ました。
ワイルちゃん「ミルザ・・さん」
ミルザさん「ワイルちゃん!?喋っちゃダメだ!すぐに病院へ連れて行くから!」
すいません。これだけは聞かせてください。
ワイルちゃん「私・・幸せでした・・・でも・・ミルザさんは・・・?」
ミルザくん「もちろん幸せだよ!これまでも!これからも!だから!」
十分です。私にはその言葉だけで十分すぎます。
396ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:46:31 ID:???
ワイルちゃん「サルー・・インちゃん様・を・・お願い・・」
ミルザくん「ダメだ!ワイルちゃんが自分で仕えるんだ!」
ミルザさんの厳しい言葉は初めて聞いた気がします。

でも、ごめんなさい。

最後に告げるべき言葉は『ありがとう』でしょうか。
それとも『ごめんなさい』?
迷いましたが、もう声が出ませんでした。
だから笑いました。ミルザさんが苦しまないでいてくれるように。


ちゃんと笑えてるかな・・・・・・
397ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:47:52 ID:???
暗闇の中、目を覚ましました。
三時過ぎ、朝まで大分時間があります。
頬に濡れた跡がありました。
先ほど見た夢は今も鮮明に私の頭に焼き付いていました。
我知らず笑みが浮かんでしまいます。

はっ!いけません。サルーインちゃん様を差し置いてこんな夢を見るなんて!
ワイルちゃん「夢だから夢だから夢だから夢だから夢だから夢だから夢だから夢だから」
頬を叩きながら呪文のように唱えました。
しかし、手を止めると、にへらと相好が崩れるのを防ぐことが出来ません。

悩んだ末に思い至りました。
ミルザさんは片思い、相思相愛じゃありません。
なら夢くらいいいのでは・・・?

結局、自分を許すことにしました。
すみません、サルーインちゃん様。私は自分に甘い女です。
そう決めると私はベッドにもぐりこみました。
ワイルちゃん「さあ続き続き♪今度はハッピーエンドでお願いします♪」


普通自分が死ぬ夢は悪夢なんですが・・・。
当てが外れちゃいましたねぇ・・・。
朝までもう少し時間がありますねぇ。
次を最後にするとしますか。
398ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:48:38 ID:???
〜ヘイトちゃんの場合〜

おっと。この人目覚めが近いようですね。
残念ですが仕方ありませんねぇ。
今日は十分楽しめましたし、ここまでにしましょう。
ではまた、夢の中で会いましょう。
399ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:49:32 ID:???
そこの部屋は奇怪なシロモノが足の踏み場もないほど置かれ、
混沌とした雰囲気を醸し出していました。

その奇怪なシロモノの中の一つがカチリと歯車を合わせ鳴動を始めました。
目覚し時計T「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
続いて二つ目
目覚し時計Ms「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
三つ目
目覚し時計Br「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
四つ目
目覚し時計A「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
五つ目
目覚し時計B「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
最後に一際高いソプラノが加わりました。
ヘイトちゃん「アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
まだ太陽も登ってない時間に無駄に豪華で迷惑な多重唱の完成です。
400ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:50:16 ID:???
バンッ!!!!

ヘイトちゃんのドアを激しく開け放ったのは、
安眠を妨害されすこぶる不機嫌なストライフちゃんです。
ストライフちゃん「うるせええええええええええええええええええええええええ!!!!」
天井から吊り下げた寝袋に潜み笑い続けているヘイトちゃん。
ストライフちゃんはその蓑虫に呵責のない暴力をふるいます。

十分後

騒音のもとは一つ残らず破壊されました。
学園に平穏と静寂が戻りました。
ストライフちゃん「今度やったら喉を切り裂くからな」
静かに恫喝し彼女は部屋を出ました。
401ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:51:38 ID:???
更に五分後

ボロボロの蓑虫がのそりと動きました。
ヘイトちゃん「タンクトップにショートパンツで大立ち回り・・・はしたないわねぇぇ:@^-!☆
       わがままなバディがたぁぁぁぁいいへんなことにぃぃぃぃ=!<¥:・m」
蓑虫は壁やら天井に仕掛けてある例の物が捉えた写真を取り出しました。
ヘイトちゃん「・・・こりゃかなわねぇ」
あまりの迫力と圧倒的質量に素で声が出ました。
ヘイトちゃん「いい資金源になりそうねぇぇぇぇ☆ω〆‘*@★!!」
ひとしきりニヤニヤした後、上機嫌で起き上がりました。顔を洗いに向かうようです。
妙なイントネーションの鼻歌を歌いつつ、部屋のドアを開けました。


夜叉がいた。


幕間劇『みんなのゆめ』


402ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 00:54:08 ID:???
久しぶりに書いたんで、多少のあらは見逃してくれるとうれしい。
ではノシ
403ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 02:10:30 ID:???
ちょ、おまwwwコーヒー吹いたじゃねーか!!!
グレイの悪夢は確かに極上だ。ウホッ(ry
そしてワイルちゃん・・・いいねぇ。女の子してるという感じだ。
それに引き換えあとの2人は・・・いや、突っ込まないでおくか。
色々小ネタが混じってて面白かったよ!GJ!

つーかこの語り部って、「ツノは、きえない!」の回で出てきた夢魔かな?
404ゲーム好き名無しさん:2005/11/05(土) 03:12:16 ID:???
ついにワイルちゃん→ミルザくんが確定したか。唐突だな
グレイの夢はよかった。芸術だよ…
405ゲーム好き名無しさん:2005/11/06(日) 12:20:41 ID:???
次の幕間はまだかな(0゚・∀・)
406ゲーム好き名無しさん:2005/11/06(日) 12:24:41 ID:???
タンクトップにショートパンツで稲妻キックなストライフたん萌え!
絵師の方どなたか描いてくださらぬかのぅ
407ゲーム好き名無しさん:2005/11/06(日) 13:41:21 ID:???
幕間お疲れいど
イフリート先生の話は、なんかずっと昔に見た世にも奇妙な物語思い出したw
ところで、本編新章の準備ができてるらしいが、幕間投下する人が一杯いるらしいから、
来週の土曜とか日曜、とりあえず幕間ラッシュが終わって一旦落ち着くまで待った方がいいと思うぞ
408ゲーム好き名無しさん:2005/11/06(日) 15:14:52 ID:???
>>407
そうだね。そうする。
実はまだ出来てないんだけど。
感想くれた人ありがとね〜
409ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:35:33 ID:???
今から幕間投下するど〜
410ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:36:51 ID:???
第138話『ロリコンもショタコンも全員ぶっ潰す!!』

子供「ねー、おかあさーん。赤ちゃんはどこからやって来るの?」
母「はっ?」
どうもこんにちは、母(37)です。
起きて早々クソガキがこんな事をぬかしてきやがり、少々ご機嫌斜めな母(37)です。
今このガキがぬかしたこの質問は、世の母親に必ず一度は襲い掛かってくる、いわば母親の試練みたいなものですよね。
この質問に対して、母親は本当の事は絶対に言ってはなりません。適当な事を言ってなんとか誤魔化さなければいけないのです。
それはまさに自然界の暗黙のルールであり、鉄の掟。この掟に、毎日どこかで母親が苦しんでいるわけなのです。
そしていまこの質問をふっかけられた私も、このガキを適当に誤魔化さなければいけないわけですが、この誤魔化し方が以外にむずかしい。
いまのガキは捻くれてますからね。サンタとかミッキーとかなんかめっちゃ信じてないし、
普通子供は子供騙しな事柄には黙って騙されるのが普通でございますが、昨今の子供は騙されてくれません。
無論この試練に対する母親の常套句である『コウノトリ説』も、このガキが信じてくれるはずもありません。
そこで、私はまさに今でも通じるような誤魔化し方を、母親人生8年と七ヶ月、暇があれば考えていました。
答えは出ました。今こそそれを試すときです。
子供「ねーねー、赤ちゃんってどっからくンのー。俺はどうやって生まれたのー」
母「子供はね、ママが生むのよ。子供が欲しくなったら、パパがママに言うの。「生まないか」って。
  そしたら、ママは子供を生むのよ。こう、ブリュッて。ケツから。あなたはね、あたしのケツから生まれたのよ。こう、ブリュッて。ケツから。」
子供「・・・・・・」
子供が固まってしまいました。反論できぬは信じた証拠。やった、大成功です。
というか、今あたしは世界を変えちゃいました。新たな歴史を生み出してしまいました。
あれですね。今すぐ本を出版したいです。世の悩める奥様達の必須バイブルになるような。
よし、早速執筆にかかりましょう。ああ、私って何て罪な女・・・

『ぐわっきぇっきぇっきぇっ!!おいしそうな子供をみつけたぜー!!』

母「!!」
子供「!!」
突然笑いにくそうな笑い声が聞こえたと思うと、玄関のドアの近くにいつの間にか怪獣が立っていました!!
あれは・・・たしか図鑑で見た!『ロリコンショタコン怪人、オルロワージュ!!』
子供「う、うわーっ、怪獣だーっ」
悲鳴を上げる我が子!ああ、まさかこんな平日のまっ昼間から怪獣がやって来るなんて思いもよりませんでしたわ!
オルロワージュ『た〜べ〜て〜や〜る〜!!』
子供「ぎょえー た、たすけてー」
ああ、我が子が!我が子がオルロワージュに捕まっちゃった!!
あまりの恐怖にわたくし、腰が抜けて立てません。
オルワージュ『ジュルル、このツルンツルンのお肌・・・ぷりんぷりんなほっぺた・・・クリンクリンなおめめ・・・
        た、たまらねえ、かわいいクソガキフウウゥゥゥゥゥーーーーーー!!!!!』
子供「た、たすけてー おかあさーん」
やっば!助け求められちゃった!
正直カンベンしていただきたいです。あたしにはそんな度胸も力もありませんし・・・愛?ハッ
子供「きゃーーー 怖いよーーーー 誰か助けてーーー」
オルワージュ『グツェツェツェツェッ!!』
ああ、今まさにオルロワージュがズボンを脱ごうとしています。もう止める事はできません。ああ、我が子よ・・・アナルにお目覚めなさい・・・
・・・次の瞬間です!

「『「なんだ! このおんがくは!」』」
411ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:37:57 ID:???
なんでしょうか、まるで誰かに言わされたかのようにその場にいる三人全員が同じ言葉を発しちゃいました!
どこからか熱ーいアニメソングが、家中に響き渡ってきたのです!
あ・・・!!もしかして、これはあの・・・・・・!!

『皆の衆!!!!私が来たからには、もう安心だ!!!』

突然声がしました!!ああ、裏口の玄関に見知らぬ男が立っています!!
赤いマスク、羽をあしらった耳飾り、蒼のマント、そして黄金聖闘士の証である黄金聖衣をその身にまとう男・・・
!!!あ、あれは・・・もしや、ヒーロー、ア ル カ イ ザ ー !!??
子供「あっ、アルカイザーだー やったー、助けに来てくれたんだね」
オルロワージュ『ぬぬぅ、アルカイザーめ、ここで会ったが100年目!八つ裂きにしてくるわー!』
ああ、オルロワージュがアルカイザーに襲い掛かる!!逃げて、アルカイザー!!
アルカイザー『ロリコンショタコン怪人オルロワージュ!
        己の性欲を満たすためだけに罪のない子供を誘拐したその罪は万死に値する!死ね!アル・ブラスター!!』
オルワージュ『ぎょえぇぇぇぇ!!!』
アルカイザーの出した光の弾丸がオルロワージュを貫いた!やった、大ダメージ!!っつか死ねって言っちゃったよ!
アルカイザー『貴様のような怪人のせいで、何人の人間が苦しんだか分かっているのか!?
        謝れ!子供達に・・・子供達の母親父親に・・・そして何よりも、肩身狭くなっちゃった世のロリコンショタコンに!!』
ス、スゲーー!!口上も完璧!!っつか一番重要なのはロリコンショタコン達なんだ!
アルカイザー『さぁ・・ゆくぞ!サントアリオにて50年の月日を費やして編み出した究極奥義!!
        真・アル・フェニックスーーーーー!!!!』
オルロワージュ『ぐじゃらぎゃばらびぃーーーー!!!!!』
アルカイザーの最終奥義キターーー!!!!WOO-HOO!!
オルロワージュ『ば、ばかな・・・アルカイザー・・・・強すぎる・・・!
         ・・・だが・・・忘れるな!我らブラッククロスはこんなものではない・・・
         シュウザー様率いるブラッククロス四天王が立ち上がる・・・ヒッヒ・・・殺されちまいな・・・』
アルカイザー『早く死ねや!奥義、ペガサス彗星拳!!』オルロワージュ『ぎょえええーーーー!!!!』
ドッカーン!!
爆発するオルロワージュ!!その爆音はまさに正義の勝利を確定付けるファンファーレ!!悪は正義には絶対勝てないのだ!
子供「ママー、怖かったよー」
母「ありがとうね、あなたのおかげでアルカイザーを見れたわ
  ・・・アルカイザーさん、ありがとうございます」
アルカイザー『礼には及ばない。これが私の仕事であり、何よりも私の生き甲斐だから・・・では、さらばだ。平和に暮らせよ』
母「・・・アルカイザーさん!またいつか・・・またいつか会えますか!?」

アルカイザー『この世が混沌に包まれている限り・・・君達が正義と希望を忘れぬ限り・・・私はいつでも君達の前に現れる。さらばだ』

アルカイザーは、それだけ言うと帰っていきました・・・
・・・・・アルカイザー・・・さよなら・・・・・・


第138話『ロリコンもショタコンも全員ぶっ潰す!!』 完
412ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:38:54 ID:???
足の踏み場も無いほどに様々なものが散乱し、混沌と不潔感を醸し出すその一室。
その部屋の中心にポツリと置かれた液晶テレビにかぶりつく、一人の女の子がいました。
正座をかきながら、顔だけテレビの方に突き出し、目を大にしてテレビの中の人間の動きを追うその女の子。
女の子は不意にテレビから目を離すと、伸びをしながら叫びました。
「あ〜〜〜〜っ、面白かった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☆♪!!@■!%!&{;・q!!!」
屈託のない笑顔を浮かべ、手加減の無い、若干狂気も感じさせるその声を上げた女の子とは・・・


アディリスちゃん!


・・・ではなく・・・

「今日も元気にへ〜〜イトちゅぁああ〜〜〜〜ん>+{!@!!朝のアルカイザー見て今日も元気元気ィ!U!イ〜ッヒャヒャヒャヒャ!!!&%+P;@;+*:!!」

なんと、ヘイトちゃんでした!
ミニオン三姉妹のアヒャ要員ヘイトちゃんは、マルディアス学園の人々の朝のヒーロー、アルカイザーの大ファンでもあったのです。
毎週火曜日の朝10時に放映する『戦え、アルカイザー』の視聴はもちろん、毎回録画も欠かしておりません。
世界各地で定期的に行われる『アルカイザーサイン会』(もちろんアルカイザーは実在せず、そのアルカイザーとはただのかぶり物なのですが)にも、
どんな遠い所でも必ず行っているほどの狂的追っかけぶりなのです。
以前、メルビルの騒乱でアルカイザーが現れ民衆を救ったというニュースを聞いた時、
なぜあの時ワイルちゃんと共にメルビルへ行かなかったのだろうかかと激しく後悔しひどく落胆したのは言うまでも無いでしょう。
しかしそれと共に、ヘイトちゃんの「誰に何といわれようとアルカイザーは実在する!!」という考えが確定付けられもしました。
それ以来ヘイトちゃんは、一人でいる時は一日中テレビを付けっ放しにし、
有線放送ができるテレビに買い換えたりもしちゃったのです。(そのテレビを買うための資金は、主に身内の盗撮写真をばら撒いて手に入れたものなのですが。)

ヘイトちゃんはひとしきり叫んだ後一度ため息をつくと、傍らに転がっている一枚の新聞を手に取りました。
『マルディアス学園新報』。一面大見出しで『正義のヒーロー、アルカイザーは実在した!!』と書いてあります。
ヘイトちゃん「実在してたのは大昔から分かりきってた事だろボケ何を寝ぼけた事を言ってんだカス」
ヘイトちゃんはそう静かに呟くと、新聞をぱさりとおきました。
この新聞がヘイトちゃんの元に届いて以来、この一連の行動が半分彼女の日課になってしまいました。
そしてまた『戦え、アルカイザー』を見た後に、胸中になにかどうしようもない空しさが残るようにもなってしまったのです。
ヘイトちゃん「アルカイザーの戦いを一度この目でバッチリ目撃したいわねぇい・・・p;:」
ヘイトちゃんはどこか物憂げな目でボロボロのソファに横たわりました。
時刻は7時30分。まだもう一眠りできそうです。
・・・次の瞬間のことです。
・・・目を瞑ろうとしたヘイトちゃんに、おそらく彼女にとっては何よりも最も欲しかったであろう情報が入り込んできたのです。

『こちらゴールドマイン・・・帝国の・・・金庫を襲った・・・モンス・・・盗・・・達が・・・突如現れた・・・ヒーロ・・・アルカイ・・・』

ヘイトちゃんは一瞬にして跳ね起きると、今日一番の奇声を上げながら外出用の服に着替えだしました。


幕間劇『ヘイトちゃんとアルカイザー』

413ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:39:36 ID:???
※ここからしばらくはヘイトちゃん音声でお楽しみください


さぁてと・・・今日も元気にへ〜イトちゅわぁぁ〜〜ん!!!今日はアルカイザーを追ってゴールドマイン寮にやってきたのよのよん!!
ゴールドマイン寮はゴールドマイン鉱山を中心に発展している寮で、寮内にはバファル舎長家の金庫が置いてあるのよん。
で、その金庫にモンスターを引き連れた盗人が入ったと。で、ヒーローアルカイザーが現れたと。
「で・・・あたしがここに来た時はもう事は終わってアルカイザーが帰っちゃった後だったとーーー!!!!」
鉱夫「うるっせェェェんだよ、ボケカスアホンダラァァァ」
ヘイトちゃん「あ、ご、ご、ごめんなさい、オホホホ」
鉱夫「次あんな奇声上げやがったら両目抉り潰して舌引っこ抜くからなァァァァ」
ヘイトちゃん「す、す、すいませんでした、オホホホ」
なんか物凄い剣幕で怒られたんですけど。物凄い剣幕で。ついつい考えを口に出してしまう(しかも叫び声)この癖、どうにかならんもんかね、あたしのバキャ☆
・・・まぁとにかく、せっかく着替えて盗撮七つ道具わざわざ持ってきたってのにこのまま成果無しで帰るっちゅーのはちと気が引けるしィ、
こうなったら今から世界各地回ってでもアルカイジャーを見つけだぁす!!あひゃひゃひゃひゃ!!!

と いうわけで

まずはゴールドマインの町で情報収集ゥ〜〜〜!!!ピーピーパフパフ!
「新米インタビュアーヘェイトちゃぁん!!道行く人々にアルカイザー目撃談聞いちゃうョ!!!いひゃひゃひゃひゃ!!!!!」

鉱夫「またテメエかコラアアァァァ 次やったらマジで内蔵千切り潰して舌引っこ抜くからなァァァァ」
ヘイトちゃん「・・・・・・す、すいません・・・」
414ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:40:47 ID:???
〜インタビューその1〜
※アルカイザーはカッコよかったですか?
「うん、カッコよかった。やっぱアルカイザーはマルディアス学園の超絶ヒーローだね!」
※特に一番カッコいいな〜と思った所はどこですか?
「前口上がカッコよかったな。『俺を誰だと思っているんだ!』ってね。みんなのヒーローとしての自信と威圧感がビンビン伝わってきたよ。」
※将来あんな風になりたいですか?
「さすがにそこまでは・・・でもまぁ、あんな風にカッコよくなりたいとは思うね。僕見ての通りカッコわるいから・・・トホホ・・・」
※で、アルカイザーはゴールドマイン事件のあとドコへ行ったんですか?
「分からないや。ごめんね。」

〜インタビューその2〜
※アルカイザーはカッコよかったですか?
「うんうん、とてもカッコよかったよぉ〜〜 小便チビって脳内麻薬が暴発するかと思ったよぉ〜」
※特に一番カッコいいな〜と思った所はどこですか?
「ん〜、やっぱアルフェニックスを決めたところかなぁ〜 テレビで見てるのと若干違かったけどその程度の誤差は想定の範囲内だよぉ〜」
※将来あんな風になりたいですか?
「なりたいよぉ〜 アルカイザーグッズはもう全て手に入れてるからねぇ〜 ねぇ見てよこのリストバンド。これ限定モンでねぇ〜。
で、このアルカイザー印のパンタロンも世界で僕しか持ってないんだよ〜 あとこの羽飾りも・・・」(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
※で、アルカイザーはゴールドマイン事件のあとドコへ行ったんですか?
「ん〜、そういえば今日のアルカイザーはなぜか徒歩で帰っていったな〜 ブルエーレの方に向かったと思うよ」

〜インタビューその3〜
※アルカイザーはカッコよかったですか?
「動きのキレが悪かったな。っつか今回は術主体の戦いであまり興奮が沸かなかった。」
※特に一番カッコいいな〜と思った所はどこですか?
「だから興奮が沸かなかったと言ったろうが!」
※将来あんな風になりたいですか?
「私の姿を良く見ろ。将来があると思うかね?」
※趣味もなく楽しみもなく仕事場と寮の往復だけを延々繰り返していき死ぬのを待つばかりの人生か。悲しいねぇい。。。。
「余計なお世話だ!」

〜インタビューその4〜
※アルカイザーはカッコよかったですか?
「アンタがカワイイ。」
※特に一番カッコいいな〜と思った所はどこですか?
「アンタのその朗らかな顔つき、特にその大きい目が一番カワイイ」
※将来あんな風になりたいですか?
「将来はアンタと結婚して子供を何人も作りたい」
※死ぬか?お?あ?
「踏み殺されt・・・アッー!」 

〜インタビューその5〜
※アルカイザーはカッコよかったですか?
「またテメエかァァァァ いい加減失せねえと頭の皮という皮をかつら向きにして最終的には舌引っこ抜くからなコラアアアア」


計5回のインタビューにより、次に行く場所が決まった!次は・・・・ブルエーレじゃああぁぁぁ!!!!!!!うひゃ、ひ・・・・・・ほひひ、ほっぺたが痛ひ・・
415ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:42:03 ID:???
どうもこんにちは、毎度ご無沙汰ヘイトちゅわんでございます。
ゴールドマイン寮からべイル高原を抜けるのに徒歩で40分・・・つ、疲れた。ブルエーレ寮についたお!
さてさて、ブルエーレ寮は・・・寮の紹介とかメンドくせえから却下!
さてじゃあ、アルカイザーの消息を追いますか!名探偵ヘェーイトちゅわぁーーん!!まずは聞き込み開始じゃぁーーー!!


・あの、アルカイザー来ませんでしたか?
 「そこの酒蔵の中の人が知ってると思うよ」

酒蔵Aにて
・あの、アルカイザー来ませんでしたか?
 「ここではアルカイザーの事を聞くときはお酒を飲ませるしきたりがあるんだ。はいよ。ああ、あと隣の酒蔵の人が知ってると思うよ。」

酒蔵Bにて
・隣で聞いてきたんだけど、アルカイザーの事知らない?
 「ここではアルカイザーの事を聞くときはお酒を飲ませるしきたりがあるんだ。はいよ。ああ、あと隣の酒蔵の人が知ってると思うよ。」

酒蔵Cにて
・隣から来たんだけどぉ、いい加減アルカイジャーの事教えてよぉン
 「ここではアルカイザーの事を聞くときはお酒を飲ませるしきたりがあるんだ。はいよ。ああ、あと隣の酒蔵の人が知ってると思うよ。」
 
酒蔵Dにて
・一杯ちょぉ〜^らぁい。あぁ、あとついでにアルちゃままンの事もォん
 「ここではアルカイザーの事を聞くときはお酒を飲ませるしきたりがあるんだ。はいよ。ああ、あと隣の酒蔵の人が知ってると思うよ。」

酒蔵Eにて
・酒くれ酒ェェ!!アルカジャーノンがきたよォォんン★@p・■!♪◎!!(やば、見知らぬ人の前で素が出ちまう
 「ここではアルカイザーの事を聞くときはお酒を飲ませるしきたりがあるんだ。はいよ。ああ、あと隣の酒蔵の人が知ってると思うよ。」
・アヒャ・・・アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!
 「き、きみ笑い上戸か!!たらいにされて泥酔状態だな、かわいそうに。今度こそは隣の人が知ってると思うよ。」
・アヒャヒャ・・・ア・・・アりがとうゴジャリますルルぅ★☆!‘P:□f!!高速∇!! と、 うぷっ

酒蔵Fにて
・とびきりZENKAI頭カラッポの方がCHA-LA-HEAD-CHA-LA-○▼×CH2帖∀!!
 あのゥ、溶けた氷の中に玉乗りがいたら恐竜仕込みたいネんだけど、アルカイジャーの事しらにゃははぁい????????
「アルカイザー?誰、それ?」
・は?
「ああ、そうか。ここの酒蔵の人たちは人が悪いからね。きっと騙されちゃったんだよ、キミ。まぁいいや、とりあえず酒飲んでけ、なっ?」
・んじゃマぁ、遠慮なくゥ。アーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ(゚∀゚) ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!
「ていうか君未成年じゃないの?何歳?」
・37歳でしゅゥゥ!∇δ∵氏掾♪!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ(゚∀゚) ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!
「そ、そんな年配の方に見えないけどなぁ。まぁいいや。笑うだけ笑ったら早く出て行ってね。僕も仕事があるんだから。」


・・・成果は0だったヨン。クソがあああああ!!!・・・ほへぇぇ・・・・・・
アラらァン、酔いが回って・・・ここどこら?寮内じゃない・・・高原?ああ、ベイルたかはらさん?人気が無い・・・
わからへん・・・あ、眩暈がしゅるるゥ、眠いから寝ちゃうわはぁぁん・・・ムニャムニャムニャリンコZZZZZZ
416ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:43:36 ID:???
ムニャムニャ・・・ビザでお願いしましゅ・・・・・・ムニャムニャ・・・う〜ん
ゴニョゴニョ・・・あらりゃ?なんか聞こえりゅ・・・

『こりゃあ上玉だ・・・ベロベロに酔って寝ていやあがる。へっへっへ、連れてこうぜ』

ムニャ?上玉?あーそう、玉乗り仕込みたいのねぇい・・・ん?酔って寝てりゅぅ?恐竜がァ・・???

『へへへ、たまんねぇですねぇ、ごろつきAさん。涎が出ちまうですよ。』
『そうだなぁ、ごろつきB。ぐへへ、早くも我慢できなくなっちまいそうだぜェ』
『へへ、人に見られないように早くコッソリ連れて行っちゃいましょうですぜ。ごろつきAさん。』

連れてくぅ?たまんねー?誰の事いっとりゅのぉ・・・?って、ぅえあっ!?

『ん、案外重いな。ぐへへ、さぁ、さっさと連れてこうぜ』

連れてく?重い?・・・ふわって・・・あたし・・誰かに持ち上げられ・・・・・・たまんない・・・?涎が・・・?我慢できない?あああ

ヘイトちゃん「うきゃーーーーーーーーー!!!!!!!」

ごろつきA・B「!?」
目を開けたあたしの目にはいってきたのは・・・学生服着てるけどヒゲ面でチョー醜い二人組!!
おもわずすんごい悲鳴上げちゃったョあたし!!
ヘイトちゃん「なんらアンタたちィィ!!ぶっ殺すじょおりゃああ!!」
ごろつきA「ひ、ひぃぃ!」(ドサッ)
ヘイトちゃん「あいちゃ!こ、このやりょ〜〜!!」
ビビッたごろつき、あたしを床に落としやがった!ななななんて奴!
あたしったらやっぱ威圧感とかオーラとか物凄いのねぇい・・・ってことで!
ヘイトちゃん「痛みで償えぇぇ!!ダークライトウェブ!!」
ごろつきA・B「ひぃやあああ!」

・・・・・・ありゃ?
で、出ない!
っつか・・・うまくコンセントレーションが・・・ええい!

ヘイトちゃん「このぉ、シャドウボルト!ブラックスフィア!イーブルウィスパー!ペイン!!ダークネビュラ!!漆黒の帳!!!」
し〜ん・・・
だ、だめだぁぁぁ!!頭が痛くてうまく術が出せねぇぇ!!
どうしよ・・・「ギャッ!」
ごろつきA「へっへっ・・・なんだか知らねぇが・・・ここまで来たら後戻りできねえ。強硬手段だ!」
ごろつきB「わかりましたです、ごろつきAさん!」
いた・・・頭、え、殴られ、えっ??外も中も痛っ・・・頭、殴られた!
そんな・・・なんでこんなよくわかんないところで、こんな絶体絶命な窮地におちいらなきゃいけないんだよ・・・
体に力がはいらない・・・
ごろつきA「一発で気絶させてやるぜ!」
ごろつきが棍棒を振り上げてるのが視界に入る・・・体に力が入らない、酔いと痛みで動けない・・・たすけて・・・助けてぇぇぇ!!!


ごろつきA「ぐぼべしっ!!」
417ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:44:39 ID:???
へ・・・?
今何が・・・ごろつきが何者かに・・・ん?
ごろつきB「あ、あわわわわ。」
赤いマスク、羽をあしらった耳飾り、蒼のマント、そして黄金聖闘士の証である黄金聖衣をその身にまとう男・・・
もしかして・・・あのお方は・・・

あのお方は・・・・・・!!


『お嬢さん!!!!私が来たからには、もう安心だ!!!』


アルカイザー様キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!


ごろつきB「な、なんだアンタは」
アルカイザー『私の名はアルカイザー。サントアリオよりこの学園の悪を滅ぼしにやってきたヒーローだ!』
ごろつきB「ひ、ひーろー!?」
ああ、素敵・・・なんかちょっと声が高いような気もするけど・・・ああ、今日は使ってる変声機が違うってことねぇい。
ごろつきA「く、くそっ、まさかヒーローにこんな所で出会っちまうとは・・・だが、邪魔をするな!!」
ごろつきB[そ、そうだそうだーー!!]
ああ、ごろつき二匹がアルカイザーに襲い掛かっていく!・・・やっちゃえぇぇ、アルカイザーーー!!!
アルカイザー『学生という名のごろつきどもめ!
        己の性欲を満たすためだけにいたいけな少女を誘拐しようとしたその罪は万死に値する!死ね!アル・ブラスターー!』
ごろつきA・B「ぎょえええええ!!」
アルカイザーの出した光の弾丸がごろつきを貫いた!うひゃひゃ、ざまーみろヒゲ面どもが!!っつか死ねって言っちゃったよ!
アルカイザー『貴様のようなド畜生のせいで、学園の女の子は夜歩くのが怖くなっちゃうんだぞ!
         特に思春期の女の子たちなんかが夜遊びできないなんてのは致命的じゃないか!!世の中の女性、特に思春期の女性全員にあやまれ!!』
ス、スゲーー!!生口上だよ、めっちゃ新鮮な生口上!!っつかよく分かってるねい、アルカイザー!
アルカイザー『さぁ・・ゆくぞ!サントアリオにて50年の月日を費やして編み出した究極奥義!!
        真・アル・フェニックスーーーーー!!!!』
ごろつきA・B「ぐじゃらぎゃばらびぃーーーー!!!!!」
アルカイザーの最終奥義キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! WOO-HOO!!
倒れるごろつきA・B・・・真っ黒こげだよ!やり過ぎなところがまたサイコー!!
ああ、もう我慢できないわぁぁ
アルカイザー『あ〜あ、やりすぎちゃったなー・・・まぁ、この手の悪党は何されたって死なないだろうし大丈夫だろ。さて・・・』
ヘイトちゃん「ありがとうございむぁぁあああす、アルカイザーさーーんんん!!♪☆#卍♪!!★◎!!」 」
アルカイザー『の、のわっ!?』
418ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:46:02 ID:???
ヘイトちゃん「じっつはあたし貴方の・・・アルカイザーさんのだいだいだ〜いファンなんですぅ〜^!&%丸!Δ;@!!感激ですーー!!♪▲_!!」
アルカイザー『そ、そうか。あ、ありがとう。』
ヘイトちゃん「あのー、お願いがあるんだけどいいですかァァ??」
アルカイザー『あ、ああ。いいよ。』
ヘイトちゃん「一緒に記念写真取ってくれませんかァァ??■a▽‘:P??」
アルカイザー『いや、す、すまないが写真は遠慮してくれないか?その、経済面でちょこっと問題が・・・』
ヘイトちゃん「ええええぇぇぇぇええええぇぇぇ?????」
アルカイザー(な、なんなんだこいつのこのオーバーリアクションは)
ヘイトちゃん「じゃあ、電話番号教えてくださぁぁい」
アルカイザー『わ、わるいが電話番号はシークレットだ。その、プライベート面にちょこっと支障が出るかもしれないから・・・』
ヘイトちゃん「ええええぇぇぇぇええええぇぇぇ?????」
アルカイザー(こ、こりゃあメンドっちい奴と当たっちゃったな。)
ヘイトちゃん「じゃあ・・・マスク、取ってもらえます?」
アルカイザー『それはさすがにダメだろ!』
ヘイトちゃん「ええええぇぇぇぇええええぇぇぇ?????」
アルカイザー(か、かえりてー)
ヘイトちゃん「・・・じゃあ、仕方ないかぁぁ」アルカイザー(おっ!)
ヘイトちゃん「あのー、今日の出来事は一生の思い出にしますぅ。元気で!また会いましょおう!」
アルカイザー『あ、ああ。そちらこそ、お元気で!(やった、開放された!)』
ヘイトちゃん「さようならぁ」
アルカイザー『さよなら!(もう会いたくないな)』
そそくさと去っていくアルカイザー様・・・
うふふふぅん。これだけで逃げられると思っちゃいやぁよん・・‘>:■☆・・・あたしは結構粘着ぶかいわよぉう。
・・・ってか、いつのまにか頭の痛み消えてるし!酔い冷めてるし!恐るべきアルカイザーパワー。世の中年どもに薦めたいわねぇい。



にアヘイトちゃん音声OFF!  
   このまま続行。手抜きだって思われても別に気にしねェ!
   とりあえず踊っとくか
419ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:47:34 ID:???
・・・ここはブルエーレ寮とゴールドマイン寮の間に位置するべイル高原(こうげん)。
時刻は夕暮れ時。誰もいない高原の真っ只中を、黄金の鎧を着込んだ例のヒーロー、アルカイザーが歩いています。
アルカイザーは俯きながら一人ブツブツと何かを呟いているようです。
アルカイザー『・・・はぁ。そういえばあの女からジュエルもらうの忘れたな・・・まぁ、いいか。
        とりあえず今日の稼ぎはゴールドマイン寮の事件の時の1000ジュエルか・・・なかなか稼げたな。これで色々と楽になるだろう・・・
        ・・・それにしても。』
アルカイザーは、頭の中に先程の女・・・ヘイトちゃんを思い浮かべながら、再び独り言を始めました。
アルカイザー『あの声・・・どっかで聞いた事あるんだよなあ。どっかでっていうか・・・ずっと昔に・・・
        あの顔、ナリもどっかで見たことあるんだよなァ、どっかで。・・・どこだろう?
        ・・・いかんなァ、記憶力にぶったかな、俺。あとで豆乳買いに行こっと。』
ヒーローにしてはやたら市民的な事をぬかすアルカイザー。往年のアルカイザーファンやちびっ子達は絶対聞いてはいけないようなセリフです。
まぁ、別に独り言だから大丈夫かーっつーことで、アルカイザーはそれからも肌がなんだの隈がなんだのやたら普遍的な事を延々と呟いておりました。
・・・次の瞬間です。

「つぅぅぅかまぁぁぁぁえたァァァァァァァぁぁぁぁあああァァ!!☆▲z;@и!★:♪◎■!潤吹刀普v!!!!」

アルカイザー『!?って、ぐべばぁぁぁぁっ!!!!1』
突然ヘイトちゃんがアルカイザーに向かって体当たりをぶっかましたのです!!
ズシャアと倒れるアルカイザー。上になってニヤリと不気味な笑みを浮かべるヘェイトちゃん。
アルカイザー『な・・・あ、あんたは!な、なにをするつもりだっ!』
ヘイトちゃん「分かるでしょぉう★!!千載一遇のチャァンス!!マスク剥ぎ取っちゃうのよーーーぅ!★▽!■@:#!」
その言葉を聴いたアルカイザーは、完全に平静を取り乱しながら叫び始めました。
アルカイザー『や、やめろ!!やめてくれ!!』
ヘイトちゃん「ここまで来てやめられるかぁぁぁァァ!!!!!んどっりゃああァァァァ!!!!!」
スッポーン!!

マスクと共に、どこからか土色の球体がとび黄金の鎧や羽飾りも同時に消えうせていきました。

ヘイトちゃんは絶句しました。
マスクの下のアルカイザーの顔に・・・絶句してしまいました。
なぜならそこから出た人間は・・・





ヘイトちゃん「女あああああああああァァァァァァァァ!!!!!!!!!?????????????」




420ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:49:03 ID:???
アルカイザーの仮面の下から現れたのは、女性でした。
毛は赤く、ポニーテールに縛ってあります。細いあご、キリリとした眉毛と目、小さな唇、総じて整った顔立ち。
紛れもなく、それは女性でした。

ヘイトちゃん「ちょ、おまっ・・・」
あまりの衝撃の事実に、うまく言葉を喋るなくなるヘイトちゃん。
一方アルカイザーの仮面の下から現れた女は、必死で何か叫び始めました。
アルカイザー「お、おねがいだ、学園の人たちに言いふらすのは止めてくれ、新聞に載ったりすると個人的にすごく困るんだ。
         学園中に俺がアルカイザーだったって事がばれるし、あの仮面がないと仕事しづらいし、何より・・・カンベンしてくれ!ホントに!!」
手を合わせながら必死に頭を下げるアルカイザー。しかしヘイトちゃんはそれを無視しながら言いました。。
ヘイトちゃん「ちょっと・・・これは、どういう事なの・・・?」
アルカイザー「見ての通りなんだ。私は存在しないアルカイザーの顔を借りて仕事していた。す、すまん。悪気はなかったんだ。」
ヘイトちゃん「なんでそんな事を・・・?イタズラ・・・?アルカイザーへの冒涜・・・!?」
アルカイザー「そういうわけじゃない!悪気はなかったんだって!
         この顔を気軽に晒せないわけがあるんだ。だから、頼む、マスコミ、じゃないや。新聞部の連中とかには・・・」
ヘイトちゃん「チクらないわよ!!とりあえずイタズラや冒涜じゃないって事は分かった。・・・教えてよ。その顔を世間に晒せないわけってのを。」
アルカイザー「・・・・・」
アルカイザーは、俯きながら話し始めました。
アルカイザー「・・・分かった、教えるよ。理由は分からないが・・・何者かに狙われているんだ、俺。一度酷い事をされた経験もある。
        どこかに自分を狙っている敵がいる中、素顔を晒して行動する事はとてもできない。
        かくまってくれる人はいるんだが、やはりそれなりに生活費も稼げなければいけない。
        そこで、俺はこのアルカイザーの顔を借りてヒーロー業でお金を稼いでいるんだ。
        ・・・このヒーローという顔が一番都合がよかったというだけなんだ。・・・すまん、許してくれ・・・」
アルカイザーは一気に言い終えると、ヘイトちゃんの顔色を伺おうと顔をあげました。
ヘイトちゃん「ヒクッ・・・ヒクッ・・・泣けるわ〜」
アルカイザー「今の話だけで泣いちゃったのかよ!?」
ヘイトちゃん「こんなにカワユくて若いのに素顔を晒して生きられないなんて・・・うう、泣けるわあマジで」
アルカイザー「どんだけ涙もろいんだよ・・・」
ヘイトちゃん「まぁ、とにかく」
ヘイトちゃんは手の甲で適当に涙を拭き、続けました。
ヘイトちゃん「あんたの変装のうまさに感動したわ」
アルカイザー「感動したポイントそこかよ」
ヘイトちゃん「あたしも職業柄変装する事が多いからねぇ・・・で、どうやってあんな変装したの?着衣してるんじゃないでしょ?」
アルカイザー「ああ、それはな・・・」
アルカイザーは立ち上がると、傍らに転がっている土色の球体を拾い上げ、何か念じ始めました。
それと共に、一瞬にして黄金の鎧と黄金のマスクがアルカイザーを包み込みました!
ヘイトちゃん「お、おおっ!すげー、手品!?」
アルカイザー「まぁ、手品みたいなものね。」
ヘイトちゃん「ほぇ〜〜っ・・・いいな〜」
ヘイトちゃんはすっかり感激してしまったらしく、口元をにやつかせながらアルカイザーを尊敬の眼差しで見つめています。
421ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:52:17 ID:???
そのまましばらく経った後、ヘイトちゃんは立ち上がり、アルカイザーに向かって言いました。
ヘイトちゃん「そういえば名前聞いてなかったね。あんた、名前は?」
アルドラちゃん「・・・アルドラ、アルドラだ。・・・あなたは?」
ヘイトちゃん「私はヘイト!せっかくこうして知り合えたんだしぃ、お友達になろっか!」
ヘイトちゃんは一度二コリと微笑むと、アルドラちゃんに向かって手を差し出しました。
アルドラちゃん「・・・・・・」
アルドラちゃんも、まんざらではなさそうな顔で、ヘイトちゃんの手を握りました。
と、その時突然ヘイトちゃんはハッとしたような顔をして、自ら握手をといてしまいました。
アルドラちゃん「な、ど、どうしたんだ?」
ヘイトちゃん「・・・やっちゃったわ。」
アルドラちゃん「はえっ?」
ヘイトちゃん「・・・アヒャッ!アヒャッ!!うぃーーっ、ゲホゲホッ!!わわわわぁ〜たしはヘェーイトちゅわぁぁーーん!!○▼×C2▲!!」
アルドラちゃん「う、うおっ!?」
突如ヘイトちゃんが奇声を上げだしました!面食らって本能的に後ずさるアルドラちゃん。
ヘイトちゃん「うぃ〜っ、いかんいかん。ついついマジになっちゃってたわぁん★ サプライズはアヒャによくないもの・・・ん〜、調子が狂っちゃったわン!!・・・ハッ!!」
突然狂いだしたと思うと、またもハッとして表情で硬直し始めるヘイトちゃん。
アルドラちゃん「は?はえ?」
あまりの事態の急変化に、アルドラちゃんもちょいついていけなくなっています。
と、突如ヘイトちゃんは困惑するアルドラちゃんの方を振り向いたと思うと、手を握り、また何か叫び始めました。
ヘイトちゃん「アルッドラちゅわぁん!!これからも頑張ってネ!★▽!あたしったらもう、すっかり忘れてたのョォォォ、みんなとのお食事会ィィ!!!!
        んじゃまっ、サバラーー!!またどこかであいまっしょぉ〜ーーゥ!★☆!‘P:□f!!」
ヘイトちゃんはそれだけ言うと、風のようにその場を立ち去っていってしまいました。
・・・アルドラちゃんは、開いた口がふさがらないままヘイトちゃんの後姿を追っていました。
アルドラちゃん「・・・ホントに変なヤツだったな・・・そもそもアイツはどこのどいつなんだ・・・?
         ・・・・・・まっ、でも楽しかったし、いっか!久々にアディリス、ディアナ以外の人と触れ合えたな・・・」
アルドラちゃんは、再びベイル高原のアディリスハウスへと歩を進め始めました。
その足取りは、先程よりもずっと軽いものとなっていました。



ヘイトちゃん「いや〜・・・しかしまさかアルカイザーは偽物でしかもあんな女の子だったとはねぇイ・・・
        すんごい変装テクも持ってたし、また会ってご教授願いたいわぁ・・・☆
        ・・・・でもなぁ、アルドラって名前どっかで聞いたことあるんだよなァ・・・
        で、それがずっと前から自分に何かの関係があったような気もするんだけど・・・
         ・・・ま、いっか☆ へェ〜イトちゅわぁん、今日もぜっこうちょ〜〜!!!!」



幕間劇『ヘイトちゃんとアルカイザー』  おしまい
422ゲーム好き名無しさん:2005/11/07(月) 00:53:46 ID:???
幕間終わったー
ヘイトちゃんの記号テラムズカシス
前半ハジケすぎてワケ分からなくてごめんなさい◎rz
アラが多いかもしれないけどすまんね。
423ゲーム好き名無しさん:2005/11/08(火) 00:23:46 ID:???
乙かれさん。アルドラとヘイトちゃんに繋がりができたなー。
しかしアディリスちゃんといい、ヘイトちゃんといい、アルドラはアレな人を引き寄せる何かがあるんだろうか。
それか、アルカイザーの視聴者層がアレな人が多いのか・・・
424ゲーム好き名無しさん:2005/11/08(火) 16:41:46 ID:???
過疎りすぎ
ヘイトって確か初期に変装してアルドラを翻弄させたんだよな?仲良くなったけど後々どうなるか心配だ。
425ゲーム好き名無しさん:2005/11/08(火) 21:09:40 ID:???
前スレくらいまではいた二人の絵師様はどこへいかれたのか、これがわからない
426ゲーム好き名無しさん:2005/11/08(火) 21:24:29 ID:???
>>425
あの人達は星なったのよ・・・





('・ω・`)テラサミシス
427426:2005/11/08(火) 22:29:08 ID:???
『に』が抜けてたorz
428ゲーム好き名無しさん:2005/11/08(火) 23:18:01 ID:???
幕間続きの流れに乗って、俺もあと1日くらいで幕間投入できそうな気が。
ただ一つ気がかりが。スレの容量、まだ大丈夫かな?
429ゲーム好き名無しさん:2005/11/08(火) 23:45:45 ID:???
いま395KBだから大丈夫ジャネ
430ゲーム好き名無しさん:2005/11/09(水) 19:55:05 ID:???
結局お前らはミニオン三人の中で誰が一番気に入ってるわけよ?
431ゲーム好き名無しさん:2005/11/09(水) 21:49:35 ID:???
使いやすさで行ったらワイルかな…
好みでいっ…てもワイルです、ありがとうございました
432ゲーム好き名無しさん:2005/11/09(水) 21:56:29 ID:???
ゲーム中ではヘイト。
このスレではワイルちゃんがいいな。
433ゲーム好き名無しさん:2005/11/09(水) 22:29:24 ID:???
みんな好きだが、ヘイトは諸事情により抜群に使い辛い。
434ゲーム好き名無しさん:2005/11/09(水) 22:32:33 ID:???
密かにスタイルの良い粗暴なストライフちゃんがたまらん。
ヘイトも好きなんだが、ヘイト語は難解なんだよな・・・
435ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 00:17:09 ID:???
ヘイトとアルカイジャの幕間書いた者だが、ヘイトちゃんのアヒャ文はほぼ過去の記号列をそのまんま使ったよwヘイト語はつらい。
まあでも記号以外はノリでががっと書けて結構楽しかった。
436ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:02:19 ID:???
幕間劇 『君主の贈り物』


トマエ火山の奥深く、モンスター寮寮長室にて。
そこで4寮長の一人、フレイムタイラントくんがあるものを見ながら、微笑んでいました。
その手にあるのはマルディアス学園の学園新聞。その中身はというと・・・

『中間試験、成績上位者発表。』

とあります。
科目ごとに上位成績者が発表されているわけなのですが、その中の一つに、

法律学1位:デス

と、ありました。

タイラント「たいしたものだ。」
   火神「うへぇ、凄いですねぇ。法律学、満点ですって。」
   炎神「デスちゃんの得意科目は法学でしたっけね・・・ときにタイラントさま」
タイラント「なんだ?」
   炎神「何かお祝いでもしないんですか?デスちゃんと。」
タイラント「なっ!い、いや、その、お祝い品をあげるつもりではあるが・・・」
   炎神「お!早速贈り物を用意してるとは!さすがタイラントさま!!
      ・・・あとはそれを素直に渡せりゃ苦労はしないんでしょうけどね・・・」
   火神「あ、バカ!炎神ひとこと多いぞ!!!」
炎神のそのセリフを聞くやいなや、タイラントくんが、ゆらり、と立ち上がりました。
同時にどこからともなくトランペットのイントロが聞こえます。
   炎神「わーーーっ!!タイラントさま、すいませんすいません!!
      誰だ『神々への挑戦』をかけてるヤツはーーー!!!」
   火神「あーあ。口は災いの元なり、か・・・。」
437ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:03:22 ID:???
タイラント「――――さて。では気を取り直して。一応祝い品として、このような物を用意した。」

そういうと、火神の前に2つの包みが置かれました。
遠くの方で炎神が、「富岳八景コワイ富岳八景コワイ」とうわごとのように言っていますが、まぁ放っておきましょう。
   火神「開けちゃってもいいんですか?」
タイラント「かまわんさ。後で包装はキチンとするつもりだったからな。」
   火神「(見た目によらず以外とマメなんだな・・・)よっ・・・と、重いですねー!何入ってるんだろう?」
まず一つ目の包みを、ばさっと外しました。

・・・そこには、やたらと分厚い本が一冊置いてありました。
本のくせに、どこから見てもほぼ立方体に見える厚さです。
   火神「タイラントさま・・・これ、FF3の学者の武器ですか?」
タイラント「メルビル六法新年度版!結構高かったのだぞこれは。」
   火神「せっかく試験の終わった相手にコレ渡すんですか?あんまりオススメできないような・・・」

タイラント「そういうものなのか?純粋に必要だろうと思ったんだが。な、ならば次だ!こちらこそ自信作だぞ!!」
火神がもう一つの包みをあけました。そこには、白く美しい、陶磁器のような壷がありました。
   火神「へぇー!綺麗っすねこれ。あれ、自信作、ということは・・・これタイラントさまが?」
タイラント「うむ。トマエ火山で取れた良質な鉱石を元に、1週間かけて作った入魂の作品だ。」
   火神「おおー!いいんじゃないですか?しかしこれ、何用のツボですか?紅茶入れにしては少し大きいような?」

タイラント「いや、骨壷だ。」
   火神「骨壷?」
タイラント「骨壷。」
438ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:04:10 ID:???

・・・・・・
  火神「た、タイラントさまのアホーーー!!!!
      つーかタイラントさまはアホ?いやいやタイラントさまで、その上アホーーー!!!」
タイラント「ちょ、落ち着け火神!言うに事欠いてアホとはなんだアホとは。」
   火神「だって女性に贈るんですよ?それを骨壷て、何それ?それ何てコント?ですよ本当に!!
       もっと普通のものを贈ってくださいよ!!」
タイラント「ならば聞くがな火神よ。お前なら何を贈るんだ?」
   火神「そりゃー洋服とか、アクセサリーとか、女の子が喜びそうなものを・・・」

タイラント「――――ド金持ちのセレブ相手に、か?」

   火神「・・・あ。」
タイラント「そういうことだ。生半可な装飾品など、何にもならんだろう。
      ましてやデスちゃんは、過度な装飾を嫌うヒトだからな。」
   火神「でも、それにしたって骨壷はあり得ないですよ。」
タイラント「そうか?結構自信の一品だったんだがな・・・。」
   火神「そうだ。だったら、頼りになる方々にご相談されてはいかがですか?きっと良案がありますよ。」
タイラント「頼りになる方々って、ひょっとして他の寮長達か?」
   火神「そうですよ。アディリス様、タイニィフェザー様、水竜様です。」
タイラント「(・・・あいつらに相談するのか・・・大丈夫かなーー?)」
439ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:05:04 ID:???

【バファル舎:メルビルにて】

アディリスちゃん「あ、いたいた!おーい、タイラント!!」
    タイラント「ようアディリス。済まないな、わざわざ呼び出したりして。」
アディリスちゃん「別にいいわよーう。ヒマだったしね。しっかし珍しいわねー!アンタが出張ってくるなんて。」
    タイラント「いや、一つ相談があってな。とある人に贈り物をしたいのだが、貴様の知恵を借りたい。」
アディリスちゃん「なによーう・・・あ、わかった。オンナでしょ!」
    タイラント「や、ち、違う!そういうんじゃなくてだな、えーと、普段世話になってる人に贈るのだ!
          ただな、高価な物ではなく、金額とは別な価値のある贈り物がしたいのだ。」
アディリスちゃん「ふーん。つまり、そう高価でもないけど、感謝されるような物がいいのね。オーケー。」

言うやいなやアディリスちゃんは、ずんずんと歩き始めました。
向かう先はメルビルの百貨店。その一角のガラスケースの前。

その中には、『1/6スケール アルカイザー&シュウザー』と書かれたフダと共に、
赤いマスクの変な人と、両手カギ爪の変な人が、取っ組み合いしているジオラマがありました。
アディリスちゃん「これなんかオススm」
    タイラント「 却 下 」
アディリスちゃん「じゃ、こっちは?今一番人気の、『メタルアルカイz』」
    タイラント「 大 却 下 」
アディリスちゃん「あーもうわかった!じゃあこれしかないわ!!今、女の子と大きなお友達に大人気!
          アセルスと白薔薇の、『2人はユリキュア』!」
    タイラント「っがーーーー!!!おもちゃなんぞダメだと言うとるだろーー!!!
          つか、渡す→断られる→これあっても邪魔だな→ならばアタシが、って連携狙いじゃなかろうな?」
アディリスちゃん「あ、はは〜〜いやそんなことは・・・」
    タイラント「どうした?目をそらすんじゃない。」
アディリスちゃん「あ、いや・・・えーと・・・あ!いいこと思いついた!」
言うやいなやアディリスちゃんは走り出しました。タイラントくんも早速後を追いました。
440ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:05:47 ID:???
アディリスちゃん「高ければ良いってもんじゃないモノ、安くてもその人の好みかもしれないもの。つったらコレよ。」
    タイラント「酒、か・・・。」

2人が居るのは、パブの前です。
アディリスちゃん「んじゃ、早速きき酒をしてみるわよーーー!!」

そうして真昼間から、絶頂の大宴会がスタートしました。
「アバロン アバロン うるわしの〜♪」とか、「のぞまぬ ちぎりを かわすのですか〜♪」とか歌いながら
2人の酔っ払いが大はしゃぎです。真昼間からこの体たらく。傍から見るとダメな人にしか見えません。

そして

   タイラント「う?う〜〜む。飲みすぎたか。しかし相変わらず化物じみた酒豪だなあいつは。」
辺りを見回すと、既にアディリスちゃんの姿はありませんでした。
タイラントくんの手元に伝票が残っています。その裏にアディリスちゃんからの伝言が、口紅で書いてありました。

   「好みの味は見つかったかしら?今回の相談料は、ここの飲み代でいいわよ。んじゃ、ばっはは〜い♪」

   タイラント「・・・やられた。」
      店員「お客様、そろそろお会計の方を・・・」
タイラントくんは、伝票をじっくりと見て、そして溜息を一つついて、言いました。

   タイラント「分割払い、できますか?」
441ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:07:21 ID:???
【ローザリア舎:クリスタルシティにて】

 タイニィ「お、いたいた。よう、タイラント!」
タイラント「ようタイニィ。済まない、わざわざ出てきてもらってな。」
 タイニィ「はは、まぁ気にするな。空を滑空すればすぐだからな・・・って酒臭!昼から飲むなよ!!」
タイラント「あ、いや、そうだな・・・昼から飲むものでは無いよな・・・」
タイラントくんは遠い目をしながら、「そもそも高校生に酒を送るなんて(略」などとブツブツ言っています。

 タイニィ「大丈夫か?買い物に付き合えというから来たんだが、用が無いならさっさと帰るぞ。」
タイラント「いや、すまん。確かに買い物が目的なのだが、それについて相談をしたくてな。」
 タイニィ「君主の大斧に飽きたのか。ハルバードでも買ってみるか?」
タイラント「いや、そういう事ではなくてだな。」
 タイニィ「なんだ、両手斧自体に飽きたのか。ならレイピアとかどうだ?お前が持つと笑え・・・むしろ新鮮かもな。」
タイラント「人 の 話 を 聞 け 。」
 タイニィ「はっはっは。怒るな怒るな。ていうか、何が欲しいんだよ?」

そして、タイラントくんは少しの間逡巡したのち、一気にまくしたてました。
タイラント「普段とても世話になってる人に贈り物をしたいのだが、いや別に本当に他意は無くただの感謝の気持ちなんだが
      その人には高価なものは効果が無いというか、あぁうるさいシャレじゃないシャレじゃないって言ってるだろ
      なにはともあれ金額とかじゃ計れない、心が暖かくなるようなものが欲しいんだが分かるか?」

タイニィくんは一気にまくしたてられたせいか、しばらくポカン、としていましたが、
やがて手をポン、と叩いて言いました。
 タイニィ「なるほど。お前が何が欲しいかわかったぞ。なーんだ、そんなことか。お前も以外と小心者だな。
      いいだろう。他ならぬお前さんのためだ。私が買ってきてあげよう。ほれ、財布貸せ。」
言うやいなや、タイニィくんはタイラントくんの財布を奪い、雑貨屋の方に走っていきました。
442ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:08:05 ID:bB/zYSnM
〜〜5分後〜〜

タイニィくんが、ホクホクした顔で帰ってきました。

 タイニィ「ほれ、これが欲しかったんだろ?別に買うのは恥ずかしくないのにな。
       はい、キットンソックス。」

・・・・・・
タイラント「はっはっは。世話になっている人にキットンソックスを贈るか。
       ははははは。全くユニークだな貴様は。ならばソックスのユーモア溢れる使い方も試してみるか?」

タイラントくんがキットンソックスでタイニィくんの首をギリギリ絞めています。
 タイニィ「ギッ、ギブギブッ!!!」

タイラント「というかだな、あの説明でなぜコレを買ってくるんだ貴様は。」
 タイニィ「はぁはぁ。なら言わせて貰うが、誰に贈るかハッキリ言えよ。そうでもなきゃ対策たてられんだろ?」
タイラント「う・・・ま、まぁその通りではあるのだが・・・」
 タイニィ「だろ?さぁ言え。ほれ言え。誰に贈るんだ?」
タイラント「う、あ、き、急用を思い出した!さらばだタイニィ!!」
そう言ってタイラントくんは走っていきました。
タイラント「(タイニィはトボケてるくせに、妙なところで核心を突くんだよな・・・。)」
 タイニィ「なんだアイツ。つーか、このソックスどうすんだよオイ。」
443ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:10:47 ID:???
【クジャラート舎:水竜の神殿にて】

タイラント「(正直、ココにだけは来たくはなかった。ココにだけは・・・)」
   水竜「やぁタイラント、久しぶり。しかし珍しいね〜〜キミがここに来るなんて、サ。」
水竜の間にてタイラントくんが、しかめっ面で座っています。
それと対峙するように、水竜くん(人間Ve)が、豪華なソファに、半分寝るような形でだらしなく座っていました。
・・・両隣に女の子をはべらせて。
   水竜「しかしキミが来るとさぁ、ここの気温が上がっちゃう気がするよ。
       どうだい、ハニー達は暑くないかな?暑かったら脱いじゃってもいいんだよ〜。」
女の子達「やだぁ、水竜さまったら♪」
タイラント「(・・・何だかなぁ。)」
   水竜「で、世話になった人への贈り物、かぁ。クジャラートは交易盛んだからね。
       ボクにもあては幾つかあるよ。で、その相手なんだけど・・・オンナのコじゃない?」
タイラント「世話になっている。それだけだ。」
ぷい、とそっぽを向いてしまったタイラントくんを見て、水竜くんはニヤリと笑い、隣の女の子の背中に手を沿わせました。

一瞬の早業でした。

女の子「きゃっ?」

片側の女の子が胸を抑えるのと同時に、水竜くんの手にはその子のブラジャーがありました。

タイラント「き、貴様なにを!?」
   水竜「一番のオススメを直接見せてあげようと思ってさ。どうだいこのブラ。綺麗な刺繍だろ?
       こないだハニー達に贈ってあげたのさ。付け心地と、外し心地が良いって評判さ。これなんてどう?」
タイラント「貴様、ナメるのも大概にしろよ。」
タイラントくんが、席をおもむろに立ち上がりました。瞬間、部屋の気温が上昇しはじめています。

   水竜「ふーん、やっぱりね。今のキミの反応を見てわかった。・・・プレゼントだね。オンナのコへの、さ。」
444ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:12:00 ID:???
タイラント「・・・どういうことだ?」

水竜くんの言葉の直後、部屋の気温上昇が収まりました。
   水竜「ブラを見せられて、ムキになって怒ったのが何よりの証拠ってことさ。
       相手が男とか老年の方とかなら、こんな提案は鼻で笑ってあしらうハズだろ?」
タイラント「・・・くっ!」
タイラントくんが水竜くんを睨みながら、どっかと腰を下ろしました。

タイラント「で、仮に。いいか、仮にだぞ?相手が女性だとしたら・・・何を贈れば良い?
       無論、下着以外でだ。」
   水竜「そんなの決まってるじゃん。一つしかありえないよ。・・・ボクにそのコを紹介してよ、タイラント。」
タイラント「は?」

そのタイラントくんの反応を無視するかのように、おもむろに水竜くんは立ち上がり、その長い髪をバサッと掻き上げました。
   水竜「オンナのコにとっての、最高の贈り物。それは!!このボクの愛さ!!!
       さぁ!今すぐに連れておいでよ!身も!心も!!ボクの愛で包んであげるよ!!!」

高笑いしながら水竜くんがにじり寄ってきます。
タイラントくんは、ハァ、と一息ため息をつき・・・

スライディング → スープレックス → バベルクランブル → ジャイアントスイング で、
水竜くんを滝の中に捨てました。

タイラント「邪魔したな。さらばだ。」
タイラントくんは踵を返し、水竜の間から出て行っていきました。

   水竜「いてて・・・まったく。素直じゃない友人を持つと、苦労するねェ・・・」
女の子達「いや〜〜ん、水竜さま、大丈夫〜〜?」
   水竜「う〜〜ん、ダメだぁ。力が出ないよハニー。だから、癒してくれないかなぁ♪」
女の子達「あはっ♪もう水竜さまったら、甘えんぼさん♪」

――――この後の水竜くんと女の子達の痴態については、ご想像にお任せします。
445ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:13:07 ID:???
【騎士団寮:ミルザブールにて】

タイラント「水竜のヤツの所に行ったのは時間のムダだったな。しかしアイツも爛れた生活しているなぁ。
       ――――さて。あと残っている大手の寮はここだけだが・・・おや、あいつは。」

向こうから鼻歌混じりのミルザくんと、その親友オイゲンくんが歩いてきます。

タイラント「久しぶりだな、ミルザよ。」
  ミルザ「あ、タイラントくん!久しぶりだね!元気だった?」
 オイゲン「おー珍しいな、アンタがこんなとこに居るなんて。なんかあったのかい?」
タイラント「いや、まあ色々とあってな。ちょっと世話になった人に贈るモノを探しているんだが・・・」
  ミルザ「うーん?突然言われてもわからないや。海苔とか季節の果物とか?」
タイラント「それではお歳暮だ。例えばだな・・・お前はサルーインちゃんにどんなモノを贈る?」
 オイゲン「タイラントくんよ、なんでそこでサルーインちゃんが出てくるんだ?」
タイラント「まぁ他意は無い。
      ・・・しかし、なぁオイゲンよ。我は今の会話で、何かヤバイことでも発したか?」

そう言ってタイラントくんは、視線を下に向けました。
そこには、サルーインちゃんとのSでMな妄想に浸ったミルザくんが、地面を転がりながらハァハァしていました。

 オイゲン「あー。サルーインちゃん、ってのがコイツの起動言語なんだ。まぁ騎士団寮の風物詩とでも思ってくれ。」

タイラントくんは思いました。
ミルザはこんなにもサルーインちゃんが好きなのか、と。
我とある意味似た境遇なのかもしれないな、と。
そう思うと、なんとなくミルザくんへの共感が生まれ・・・

ミルザ「あぁ・・・サルーインちゃんの足・・・ヒールの角・・・バナナの皮・・・」

・・・ませんでした。さすがに。あっちの世界は、行った人でなければ判らないものなのです。

タイラント「で、コレはいつ回復するんだ?」
 オイゲン「さぁーねぇ。」
446ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:14:10 ID:???
〜〜小一時間後〜〜

  ミルザ「はぁはぁ、サルーインちゃん・・・あ、あれ?僕は今まで何を?」
 オイゲン「やっと戻ってきたか。」
  ミルザ「あ、またやっちゃった僕?アハハハハ・・・タイラントくんは帰っちゃったのかな?」
タイラント「まだいるぞ。ここに。」
転げまわっていたミルザくんの側で、オイゲンくんもタイラントくんも寝っころがっていました。
タイラント「貴様があっちの方向に行っている間に、オイゲンと2人で色々見たが、見つからなかった。」
 オイゲン「んでタイラントくんが、帰る前にもう一度ミルザに質問したいって。だから不貞寝しながら待ってたんだ。」
タイラントくんは、空を見上げたまま、ミルザくんにたずねました。
タイラント「ミルザよ、貴様の最近の活躍は聞いている。糸石のこともな。
      そして、それがサルーインのためだということも耳にした。
      ・・・そこで問いたい。糸石を、サルーインが喜んで受け入れるという確証はあったのか?
      相手は凄まじいセレブだ。糸石など、さして必要としないかもしれんと思うぞ?」

それを受けて、ミルザくんはしばらく考え込んだあと、他の2人と同様に空を見上げて答えました。
  ミルザ「確かに、この思いを遂げるために人と違うことをしなきゃ、って思ったのが始まりさ。
       サルーインちゃんに頼まれたわけじゃない。僕が自主的にはじめたことさ。
       だから、糸石を集めたところでサルーインちゃんは喜ばないかもしれない。それはわかってるんだ。
       でも、それでも!その行動を選択した自分を、信じて突き進むしかないと思うんだ。
       確かに、僕もサルーインちゃんに拒絶されるんじゃないかと怖くなるときはあるよ。あ、でもそれはそれで・・・
       っとと。でもさぁ。結局、僕はサルーインちゃんじゃないから。喜ぶかどうか、決めるのはサルーインちゃんだ。
       こっちにできるのは、真心を贈るだけ。それがどういう結果になるかは、その時になってみないと判らないよ。」

タイラント「こちらの真心を贈る、ただそれだけ、か・・・。
      だな。そうだよな。結局我は我、相手は相手だからな。相手の反応を、予測しきれるはずもない。
      ならば、自分の考えを、判断を、思いを信じる。それしか無いし、それをするべきなのだろうな。
      ・・・有難う、ミルザよ。最高のアドバイスだったぞ。」
  ミルザ「そう言ってくれると嬉しいな。でも・・・なんでそんなことを聞いたの?
       ま、まさかタイラントくんもサルーインちゃんを」
タイラント「はっはっは、それは無い。まぁ何だ。我も貴様も花を愛でる。
       しかし、貴様は薔薇を愛し、我は月見草を好んだ。ま、そういう事だ。」
煙に巻かれたようなミルザくんとオイゲンくんを置いて、タイラントくんは立ち上がりました。
タイラント「では我はそろそろ行くぞ。さらばだ。」
タイラントくんはそう言って歩き出しました。そして一旦止まり、ミルザくんに向かって一言、

タイラント「ミルザよ、頑張れよ。我は貴様を応援するぞ。」

そう言葉をかけて、立ち去っていきました。
447ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:15:13 ID:???
そして日が沈んだころに、タイラントくんはリガウ寮に戻ってきました。
タイラント「(結局何も買わずじまいだが・・・初志貫徹して、あの2品を贈れば良いのだ。)」
と、寮長室に通じる専用通路の途中でピタッと止まり、突如頭を抱えだしました
タイラント「(でもやっぱり部下の言う通り、デスちゃんに拒絶されるかもしれんな・・・
       何か保険で買っとけばよかったかなー?)」
・・・どうやら完全にふんぎりが付いたわけでもないようです。

タイラントくんは、そのまま何度か立ち上がり、頭を抱えて座り込み、を繰り返したのち、
ついに意を決して寮長室に向かいました。

ゆっくりと寮長室のドアを開けたタイラントくんの目に飛び込んできたのは、
部屋の一角を所在なさげに見つめる2人の部下。
その視線を辿っていくと・・・

・・・デスちゃんが、先ほどの骨壷を手に取り、食い入るように見ていました。
表の焼き具合をじっと見たり、裏返して底をチェックしたり、一心不乱に壷に見入っています。
タイラントくんが、予想外の出来事に目を丸くしていると、デスちゃんがタイラントくんに気付きました。
デスちゃん「あ、タイラント。どこに行ってたんだ?探してたんだぞ。」
タイラント「う、うむ。まぁ少しヤボ用でな。」

デスちゃん「そうか。いや、この骨壷は焼き加減といい形といい、すごく良いな!と思って。
        私もコレ欲しい。どうしたんだコレ?」

タイラント「・・・・・・・!!
       あ、いや、えーとだな。それは残念ながら売り物じゃないんだ。我が作った。」
デスちゃん「そうなのか・・・」
タイラント「やる。」
デスちゃん「えっ?」
そして、タイラントくんは視線をそらし気味に、頭を掻きながら照れくさそうに言いました。
タイラント「それはもともとデスちゃんにあげるために作ったものだからな。
       試験結果を学園新聞で読んだ。素晴らしいじゃないか。
       ・・・よく頑張ったな。だから、そのお祝いとして・・・」
セリフの最後の方が、ごにょごにょと小声になってしまいましたが、大まかな主旨はわかったのでしょうか、
デスちゃんは骨壷をぎゅっ、と抱きしめて言いました。
デスちゃん「ありがとう・・・嬉しい。」
タイラント「そうか、お前が喜んでくれるなら、我も作った甲斐があったというものだ。」
タイラントくんの顔が、ますます赤くなっていきました。
448ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:16:38 ID:???
デスちゃん「ところでタイラント、今日はもう何も予定はないのか?」
タイラントくんが頷きました。するとデスちゃんがずいずいと近寄ってきて、
タイラントくんの腕をとり、引きずりだしました。
デスちゃん「そうか。ならば今から食事に行くぞ。」
タイラント「えっ?」
デスちゃん「おぬしからのお祝いは貰った。だけどまだ私自身が、自分にごほうびをあげていなくてな。
        パーッと美味しいモノでも食べたいが、一人だと味気ないじゃないか。」
デスちゃんは、そのまま片手に骨壷を持ち、もう片手でタイラントくんをひきずりながら、寮長室から出て行きました。

   炎神「女の子への贈り物で、迷わず骨壷を作ったタイラント様と」
   火神「その骨壷をいたく喜んだデスちゃん、か。」
   炎神「なんというか、よくわからないなぁ、あの2人は。」
   火神「ま、楽しそうだし、それならそれでいいんじゃないか?」

タイラントくんとデスちゃんが、リガウの夜の草原を歩いています。
夜道は暗く危ないから、というもっともらしい理由をつけて、二人はまだ腕を組んだままでおりました。
タイラント「今気付いたが。デスちゃん、壷まで持ってきちゃったのか。」
デスちゃん「あ、まぁ勢いで出てきてしまったから、つい、な。」
タイラント「重いだろう。持ってやろう。」
デスちゃん「そうか。だがタイラントよ、絶対!落とすなよ!」
タイラント「わ、わかった。でもまぁ、もし割ってしまっても、また作るさ。」
デスちゃん「いやだ。」
タイラント「え?」
デスちゃん「私は、『それ』が欲しいんだ。お前がお祝いに作ってくれた、それがな。」
タイラント「わかったよ。絶対に落としたり、離したりしないさ。」

それを聞いて、デスちゃんが、組んだ手に軽く力をこめました。

デスちゃん「・・・絶対に、離すなよ。絶対にだぞ、タイラント。」
タイラント「・・・あぁ。わかってるさデスちゃん。離さない。絶対に離すものか。」

今のセリフのやりとりをしたあと、2人の目が合いました。
そして一瞬の微妙な沈黙の後、2人同時に頬を染め、2人同時に顔をそらしました。

デスちゃん「えーと、は、離すなよってのは、ツボのことだぞ!わかってるな!」
タイラント「わ、わかっている。絶対に離さないさ、ツボをな。」
デスちゃん「そ、そう。ツボの話だ、ツボの」
タイラント「う、うむ。ツボだツボ。」

そのまま2人はツボだツボだと言いながら歩いていきました。
会話の内容は、どことなくぎこちなくなってしまいましたが、2人の腕は固く組まれたままでした。

そんな2人の頭上には、炎のように赤くて鎌のように鋭い三日月が、こうこうと輝いていました、とさ。

幕間、おしまい。

449ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 08:19:05 ID:???
書き終わったー。がーっと書いたので、細かい部分はどうなってるか、コレガワカラナイ
目新しい要素も特には入れてないと思う。ミルザとタイラントの面識をちょっと濃くしたくらいかな?
そして4寮長はやっぱりイジりやすかった。ではでは。
450ゲーム好き名無しさん:2005/11/10(木) 22:15:37 ID:???
乙ーー!小一時間悶えてるミルザがヘンタイカワイイ!!
四寮長もいいよなあ。どいつもこいつもキャラが突き抜けてて最高だ。


タイニィたん、あれからキットンソックスどうしたんだろう。気になる気になる
ソックス狙ってスカーブ登山頑張る連中が増えそうだ。イクゾー!!

タイラント君も、あとで(あのソックスをデスちゃんに…)とかうっかり考えちゃったりしてな。
451ゲーム好き名無しさん:2005/11/12(土) 12:43:46 ID:???
乙!
タイラントくんとデスちゃんの組み合わせはいいね。
ほのぼのするよ。
あ、『騎士団寮 ミルザブール』これはちょっと違和感を感じた。
英雄ミルザから取った名前なわけだし。
ミルザくんはまだ英雄ってわけじゃないしね。
まぁ、細かい事だが。
本編は明日には出来そう。
スレ容量がちょっと心配大丈夫かな・・・
452ゲーム好き名無しさん:2005/11/12(土) 14:04:40 ID:???
幕間乙!
>貴様は薔薇を愛し、我は月見草を好んだ。ま、そういう事だ。 これ名セリフ決定だー!
4寮長は相変わらずいいキャラしてるね。しかし人型になるとやっぱみんな威厳とか消えていくわけね・・・w

おれも久しぶりに本編前の最後の幕間かいてます。
最近大好きなデモコマ様をいじくりまわしてみますが、うまくいくかどうか・・・
453ゲーム好き名無しさん:2005/11/12(土) 16:11:17 ID:???
幕間GJ!
開始直後、丁度神々への挑戦を聞いていたところだったので吹いた

スレ容量は現在 422kb/512kb のようだね
『君主の贈り物』が投下される前が395kbだったらしいから
まだいけるんじゃまいか?
454451:2005/11/12(土) 18:33:21 ID:???
>>453
d
でも>>452の幕間と合わせるとちょっと不安。結構な量になりそうなので。
念の為にどなたか新スレを立てていただけまいか?
455ゲーム好き名無しさん:2005/11/12(土) 21:23:39 ID:???
幕間乙!!タイラントくんとデスちゃんの2人組はいいね、やっぱり。
デスちゃんは自分へのごほうびにタイラント君と食事に行ったようだが、
「自分へのごほうび」は「食事」の方なのか、「タイラント君と」の方なのか。まぁ後者だろうなー。

話は変わるが、スレ容量の現在値って、どこで見るんだっけ?
456ゲーム好き名無しさん:2005/11/13(日) 02:33:06 ID:???
>>455
IEならスレの下の方に赤字で書いてあるよ。
専ブラはどうだろ。自分のはスレのプロパティで見れるけど・・・。
457ゲーム好き名無しさん:2005/11/13(日) 19:05:22 ID:???
おれ、今日幕間投稿できるか分からない・・・
>>454本編書けたらその時は遠慮なくどーぞ。
458ゲーム好き名無しさん:2005/11/13(日) 23:36:00 ID:???
さて、今から幕間投下します。
時間掛けたもののうまくいってるかどうか・・・
4591/11:2005/11/13(日) 23:38:21 ID:???
・・・覆い隠すように深い霧。侵入者を拒み裁く嵐。
曰く『悪魔の住む島』。曰く『神の住む島』。
・・・魔の島。

魔の島の一室。どこか生活感のあるその一室で、二匹のゴブリンがティーを飲みながら何か話しています。
???「いやあ、こうやってサシで飲むのも初めてだねえ、メイジャン。」
メイジャン「貴方様とこうして向かい合えるなんて、なんと恐れ多い。セージサマ。」
セージ「あっはっは、君はまったくオーバーだなあ。」
メイジャン「私は心から貴方様を尊敬し崇拝しておりマス。私にとっては貴方は神。死ねと言われれば死にますし、戦えといわれればたとえマスターにでも立ち向かいマス。」
セージ「・・・困ったなあ、まさかそこまで僕を慕ってくれているなんて・・・他のみんなとは大違いだね。」
メイジャン「ナイト、ソルジャー、ディガーはマスク島へ肉の壁を連れてビーチバレーに行きましタ。
       まったく、なんという職務怠慢ブリ!いつセージ様が指令を下されるかわからないノ二・・・」
セージ「そうそう、素直に僕に従ってくれるのは君だけだよ、メイジャン。・・・あの三人はケツを蹴っとばさないと動こうとしないからねえ。
     ・・・まぁ、もうすぐ彼らも必要なくなるんだけど・・・うふふ。」
メイジャン「どういうことですカ?」
セージ「新しいオモチャが手に入ったのさ。・・・ふふ、一緒に見に行くかい?」

3分後。
その部屋には、何に使うのか分からぬような怪しげなものが散乱していました。
部屋の中にはベッドが2台あり、一台ずつに一人の男が乗っておりました。
片方は白いローブに身を包んだ痩せ型の男。男は奇怪な事に片方の腕がありませんでした。
もう片方の男は、白髪で筋肉質、ずんぐりとした体つきの男です。
その二人の男を、怪しげに笑いながら見つめる一匹のゴブリンと、同じく見つめるゴブリン、計二匹のゴブリンががおりました。
メイジャン「・・・彼らは・・・一体?」
メイジャンは若干困惑したような調子で言いました。
セージ「腕の無いのはマックス。メルビルの騒乱で手に入れたのさ。もう片方は海賊ブッチャー。海底神殿で手に入れたものだ。
     二人にはいま洗脳を施している。今は眠っているが・・・起きた時は見物だよ。うふふ。」
メイジャン「洗脳・・・というト?」
セージ「『アニメート』を僕の杖で強くしたものさ。目覚めた瞬間から彼ら二人は僕の下僕となる。
     それこそ僕が死ねといえば死ぬし戦えと言えばマスターにも戦いを挑むようなね。・・・ふふふ、楽しみだ。」
メイジャン「・・・」
セージ「・・・ん!」
セージは、丁度目線の先の壁に掛けてある『鏡』の異変を感じ取りました。
鏡の中が、突然水が波打つようにうねり始めています。
セージ「・・・マスターの水鏡が・・・誰だ?」
『水鏡』へと駆け寄るセージ。
揺れる波紋は、一定しない形から徐々に何かの型を形作っていき、次第になにか顔のような形成していきます。
その顔を見たセージは、驚いたように言いました。
セージ「君は・・・いや、あなたは・・・リザードロード様!」
4602/11:2005/11/13(日) 23:39:52 ID:???
鏡の奥の顔は、紛れもなく6将魔の一人、リザードロードでした。
リザードロード『おまえは、えーと・・・ゴブリンセージ?なぜお前がマスターの水鏡を。マスターはどこへ?マスターを呼んでくれ。』
セージ「実はですね、マスターは外出中でして、あ、(あ、やべ。ま、いいや。)・・・・・・代わりにこの僕が水鏡の管理を任されているのです。
     なんの報告ですか?よろしければ僕が承りますよ。」
リザードロード『お前が?・・・まぁ、いい。・・・デーモンコマンドを呼んでくれないか?』
セージ「デーモンコマンド様に用があるんですか?よければ僕が伝えておいてあげますよ。さぁ、なんなりと。」
リザード『いや、デーモンコマンドでなければ意味が無いのだ。デーモンコマンドを早く呼んでくれ。』
セージ「・・・デーモンコマンド様ですね?わかりました。ちょっと待ってください。」
セージはそう言うと、その場で目を瞑り俯きました。
メイジャン「セ、セージ様?」
眠っているかのように俯き目を瞑ったまま微動だにしないセージ。
1分ほど経った時、セージは目を覚ましたようにガバッと顔を上げました。
セージ「・・・いない?・・・デーモンコマンド様が、この島の中にいない!」
心なしか先程よりも動揺したような口調で、そう呟くセージ。
リザードロード『なんだって?』
セージ「治療終わって安静にしているはずなのに・・・それがなくとも彼はマスターからの指令なしには島を出ない人なのに・・・なぜ?」
リザードロード『そうか、デーモンコマンドは不在か。・・・すまんな。ではまた連絡する。』
リザードロードの顔が崩れ、うねり、水鏡は再び何の変哲も無い鏡に戻りました。
セージはそれを意に介していないかのように変わらず独り言を続けます。
セージ「・・・デーモンコマンドはどこへ・・・?まさかリザードロードと同じように・・・いや、まさか・・・」
メイジャン「ど、どうしたんですカ?セージ様?」
うわごとのように呟くセージに、メイジャンが駆け寄ります。
セージ「・・・ふっ、大丈夫だ。まさかあのデーモンコマンドに限って他の将魔のように単独行動を選ぶなんて事はありえない・・・!
     彼の穴を埋めるのはマックスやブッチャーには到底無理だ・・・だから・・・決して柵をまたぐような行為はするんじゃないぞ、デーモンコマンド・・・!」



幕間劇『好敵手』


4613/11:2005/11/13(日) 23:42:29 ID:???
【どこかの密林】

鬱葱と生い茂った木々の間に、二人の男女がいました。
いや、『匹』と言ったほうが正しいでしょうか。なぜなら彼らは魔族なのですから。
6将魔が一員、デーモンコマンド。そして彼に従えるラミアちゃんです。
デーモンコマンド「さぁ、始めるぞ。」
デーモンコマンドはそう言うと、術の構えをとりました。
ラミア「・・・っていうか。んな事ホントーにできるんですかぁー?」
たまらずラミアちゃんは疑問を口にします。
ラミアちゃんは、今からデーモンコマンドがやる事の成功を疑っていました。
デーモンコマンド「高等な魔族ともなれば実現させるのは容易い事だ。とは言ってもこんな芸当が出来るのはそういないがな。
          デーモンコマンドは他にも何百といるが、この術ができる”デーモンコマンド”は、マスターに育てられた私くらいのものだろう。
          そもそもできぬ事は私はやらん。黙って見ていろ。さぁ、始めるぞ。」
ラミア「同じセリフ二回続けて言っちゃいましたね。」
デーモンコマンド「はぁっ!」
一声上げたと思うと、突如デーモンコマンドを金色の光が覆い隠すように包み込んでしまいました。
ラミア「きゃっ!」
あまりのまぶしさに、ラミアちゃんも目を手で覆います。
そのまま・・・何秒経ったでしょうか。
デーモンコマンド「人化完了だ。」
不意にデーモンコマンドの声が、風の音と葉擦れの音、虫の声と共にラミアちゃんの耳に割り込んできました。
ラミア「・・・?」
そろ〜っと手を離すラミアちゃん。その目が前方のデーモンコマンドを捉えたとき、ラミアちゃんは驚きよりも先に困惑の感情をとりました。
なぜならそこにいたデーモンコマンドは・・・ラミアちゃんが目を覆う前までそこにいた魔物、デーモンコマンドではなく・・・
紛れもなく”人間の姿になっているのですから”。
ほけっと見ていたラミアちゃんが、頭の中で今起こった事を整理し、理解し、そして驚きの絶叫を上げるのはすぐでした。
4624/11:2005/11/13(日) 23:44:31 ID:???
ラミア「う、うぎゃーーーー!!マジで人間になっちゃったよーーーー!!」
悲鳴にも似た絶叫を上げるラミアちゃん。人と化したデーモンコマンドはうざったそうに言いました。
デーモンコマンド「何をそんなに驚いているんだ。ビックリマン世代か?」
ラミア「だって、その・・・その・・・」
デーモンコマンド「だって出来るって言ったじゃん。出来るって言ったんだから出来るに決まってんじゃん。」
ラミア「確かにそーですけど・・・」
ラミアちゃんの目が、デーモンコマンドの顔、そして目を捉えます。
丸くパッチリと開いており、それは魔物だった時のデーモンコマンドの不気味な目を連想させる事はありません。
ラミア「目、大きいですね。女の子みたい。」
デーモンコマンド「私は凝視使いだからな。それに人に成る前も十分大きかっただろう?目。」
ラミア「確かにそーですけど・・・」
次にラミアちゃんはデーモンコマンドの頭上に目を走らせました。
黒髪が包む頭の両側から、魔物の時にもあった角が変わらず覗いています。
ラミア「角、おもいっきり出ちゃってますけど大丈夫なんですか?」
デーモンコマンド「角くらいどーってことなくね?お前も角あるけど誤魔化せてただろ?」
ラミア「確かにそーですけど・・・(っつかキャラ変わってないか?デモコマ様)」
ラミアちゃんの目がそのままデーモンコマンドの顔、髪形を捉えました。
ラミア「・・・髪黒いですね。しかも眉毛の所まで垂れてますよ。おぼっちゃんみたい。」
デーモンコマンド「これはこれで意味があるんだ。そら・・・」
ラミア「!!」
デーモンコマンドは自ら髪を掻きあげました。
ちょうど額の中心に、なんともう一つ目があるのです!
ラミアちゃんは驚きと共に、変わる前も目が三つあった事を思い出し一人納得しました。
デーモンコマンド「さすがに目が三つあるのがバレるのはまずいだろう?」
ラミア「確かにそれもそーですね・・・でもなぁ」
不満そうに言いながらデーモンコマンドに近づくラミアちゃん。
ラミアちゃんはデーモンコマンドの完全に分け目がなく垂れている髪を、うまく額の目が見えず眉毛だけが見えるように掻き分けました。
ラミア「せめて・・・こう、少しでも分けないとカッコ悪いですよ。」
デーモンコマンド「カッコ悪いとか関係あるのか?」
ラミア「おもっくそ関係ありますよ。」
ラミア(しかし・・・大分イメージ変わったなあ。まぁ、怪物から人間だしな・・・当たり前か。面影あるのなんて角とムスッとした感じの口くらいだ。)
デーモンコマンド「さぁ、準備も整ったし、早速人間達の元へと繰り出すとするか!ふふ、少し楽しみになってきたぞ。」
ラミア「ちょ、まって!せめて学生服くらい着ましょうよ!」


クジャラート舎、南エスタミル寮の入り口。
学生服を着た角二人、デーモンコマンドとラミアちゃんが、立っていました。
デーモンコマンド「さて、私達がここへ来た理由、目的を復習しておくぞ、ラミア!」
ラミア(っつーかやたらノリノリだな、おい・・・)
デーモンコマンド「あの海底神殿の件の後、この私は少しばかり人間達の暮らしに興味を持った。
           人間達の暮らしを垣間見る事、そしてメルビル寮だかにあるとかいう図書館にて糸石の情報を集める事。大きく分けて私達の目的は二つだ!
           ラミア。お前は人間達の事にくわしいから連れてきてやったんだからな。案内は頼むぞ。」
ラミア「・・・はーい。(っつーかデモコマ様、人変わってねえか?なに?これが噂のこっくりさんってヤツですか?)」
デーモンコマンド「あと・・・私の事は、そうだな。『デモンド』とでも呼んでくれ。本名で呼ばれると・・・ちょっと困るかもしれないからな。」
ラミア「はーい、デモンドさま。(取ってつけたような不自然な名前だなあ。センスまで退化しちまってるよデモコマ様ったら。)」
デーモンコマンド「あー、様づけもしなくていいぞ。さん、でいいよ、さん、で。様づけはちょっと怪しまれるかもしれないからな。」
ラミア「わかりました、デモンドさん。今後ともよろしく。(なんか人になったら突然威厳消えうせたなあ。かもしれないってなんだよ。かもしれないって。)」
4635/11:2005/11/13(日) 23:46:15 ID:???
【クジャラート舎:南エスタミル寮】

南エスタミル寮は、マルディアス学園一治安が悪い寮です。
この寮では校則など無いに等しく、毎日のように窃盗や傷害などの物騒な出来事が起きています。
デモンド「ふむふむ、騒がしい街だな。でも・・・なんか、こう、落ち着くっていうか・・・ほのぼのする。」
ラミア「ここは南エスタミル寮。学園一治安が悪く、ほのぼのなんか絶対出来ないような悪意渦巻くデンジャラスタウンです。」
デモンド「ミルザの言う通りだった・・・やはり私は今まで偏見と妄執に駆られて生きていたんだなあ」
ラミア「ここの学生に少しでも触れてみてください。今にその考えぶち飛びますよ」
たわいもない事をうだうだ話しながら南エスタミル寮を回る二人。そして・・・
ドン!
ごろつき「おいコラ、どこに目ェつけて歩いてんだ角男。」
ラミア(触れちゃったーーー!!)
デモンド「あ、ごめんなさい。」
ラミア(謝っちゃったーーー!!)
ごろつき「ケッ、素直にあやまってんじゃねぇーぞ!今度ぶつかったらぶっ殺すからな」
ごろつきは、特に二人に何をするわけでもなく去っていきました。
ごろつきの後姿が人波で見えなくなると同時に、デーモンコマンドが言いました。
デモンド「ふむ・・・これが人との触れ合いというヤツか・・・悪くないな触れ合いってヤツも。」
ラミア「いや、待て待てェ!!悪くない触れ合いっつーより悪いヤツに因縁つけられただけでしょォォー!!」
子供「腹減ってんだ、腹が。」
デモンド「ん?」
デモンドが視線を足下に移します。丁度足の辺りに、小汚い学生服を着た男の子がいました。
学生ズボンをぐいぐいと引っ張りながら何か喋っています。
ラミア(来たよ・・・南エスタミル寮名物、『物乞い』)
子供「何も食べてねぇんだ、何も」
デーモンコマンドは膝をつき男の子と同じ目線に立ち、言います。
デモンド「腹が減ってるのか?」
子供「腹減ってんだ、腹が。」
デモンド「何も食べてないのか?」
子供「何も食べてねぇんだ、何も」
ラミア「ちょっ、デモンドさぁん。ここは逃げましょうよ・・・こんなガキ、かまってるだけムダですよ。将魔ともあろうお方が・・・」
デモンド「わかったわかった。これをお金にして、好きなもの買いな。」
ラミアちゃんの言ってる事を無視し、デーモンコマンドはなにか黒く輝く宝石を子供に渡していました。
それを見たラミアちゃん。デーモンコマンドが渡しているものが何なのかを認識し・・・
ラミア「えーーーーー!?」
デモンド「の、のわっ、なんだいきなり!大声上げて!」
ラミア「ちょ、おま、それダーククリスタルじゃないっすか!!超レアアイテムのダーククリスタルじゃないっすか!!んなのこんな子供に上げちゃってどーすんっすか!!!」
デモンド「うるさいなぁ。どーせ私には必要ないものなんだ。上げたっていいだろ?っつーかなんでお前がんな怒るわけ?」
ラミア「そりゃっその・・・全国の青の剣ハンターの代弁を・・・」
子供「ありがとうおにいちゃん。地下に盗賊ギルドのアジトが・・・」
ラミア「うるっせえええ!!!散々既出な事嬉しそうに語ってんじゃねえよクソガキいいい!!!!!」
子供「醜い声出してんじゃねーよ黙れブス失せろカス」
ラミア「・・・・・・はい。」

デモンド「いやあ、しかし何かいい事をした気分だなー!たまにはこういうのもいいものだ!」
ラミア「そうですね・・・
    (っつーかデモコマ様ったら単なるお人よしになっちゃったよ・・・人化すると性格までへタレちゃうのね・・・はぁ、ブルーになっちゃうわ〜)」
4646/12:2005/11/13(日) 23:48:21 ID:???
【ローザリア舎:ヨービル寮】

南エスタミルから船を経由し北エスタミルへ。そこから更に船を経由し、二人は港寮、ヨービルにつきました。
デモンド「うむ、空と海に囲まれたいい寮だな。魔の島では感じられぬ、この開放感・・・」
ラミア「ここはヨービル寮。何がなんだかよく分からないけどとりあえず”目が回る”と専らの評判で人気0&めちゃくちゃ影の薄い寮です。」
デモンド「しかし、さきほどの寮と比べると随分と小奇麗な寮だな。」
ラミア「ローザリア舎のモットーは『とりあえず見た目白けりゃ中身が黒くてもべつにオッケーじゃね』ですから。」
デモンド「ふーん・・・うっ、なんか早くも目が回ってきた。次いこ、次。」
ラミア「何もしてないのにもう目ェ回っちゃんたんスか!!・・・・っつか、確かに・・・あたしも目回ってきた・・・なんの禁呪法ですかコレ」

「おっ、デーモンコマンドじゃないか!!」

デモンド・ラミア「!!?」
二人の背筋が凍ります。人化し変装してるにもかかわらず、その名が二人の間に響き渡りました。
声は背後から。二人はバッと声のした方向を振り向きました。
デモンド「お前は――」
ラミア「あなたは――」
デーモンコマンドとラミアちゃんの表情が、その顔を確認するなり瞬時にやわらぎました。
その人物は、二人がよく知っていてなおかつ仲のいい人物なのですから。
いや・・・人物、というのは適切な表現ではないでしょう。”魔物”、が最も適切な表現でしょう。

デモンド「リザードロード!」
ラミア「リザードロード様!!」

4657/12:2005/11/13(日) 23:49:09 ID:???
そこにいたのは、デーモンコマンドと同じ六将魔が一人、リザードロードでした。
学生服を着込んではいますが、顔はいつものトカゲのままです。

ラミア「っつーかリザード様、そのトカゲ面でよく人間寮を歩けますね」
リザードロード「大丈夫さ。みな何かの仮装の類としてみてくれてるから。気にする事は無い」
デモンド「あの、ちょっと視線がかなり気になるんだけど。視線が。」
あたりの学生達はみなリザードロードをじろじろ見ながら通過しています。
リザード「まぁ、とにかくまさかこんなに早く会えるとは思わなかったぞデーモンコマンド。」
デモンド「ちょっと待てリザード・・・私の事は『デモンド』と呼んでくれないか?本名そのままで呼ばれると・・・ほら、なんか、問題発生しそうじゃん。」
リザード「はぁ?なんでそんな取ってつけたような不自然な名前で呼ばなきゃいけないんだよ?」
デモンド「今のお前のナリほど不自然なものはないがな」
リザード「はいはい、わかったわかった。ディ・モールトだっけ?」
デモンド「デモンドな。・・・そもそも、リザードよ。お前は何故こんな人間寮なんかにいるんだ?そんな妙な格好してまで・・・」
リザード「まぁ、色々あるんだ。それはそうと、さっきバルハラント寮のスケート場行ってきたぞ。初心者のみっともない滑り方と必死な顔がマジ爆笑もんだった。」
デモンド「んな事は聞いてねぇ!誰がいつアイススケートのサディスティックな遊び方が聞きたいと言ったよ!」
リザード「10年前くらいかな。」 デモンド「取ってつけたような言いワケかますな!貴様は人を小ばかにして得意げな小学生か!」
リザード「ともかく、お前に頼みたい事があったんだ。こんな所で会えて、丁度よかったよ。」
デモンド「頼みたい事?・・・そういえば、お前あのクリスタルレイクの事件の時から魔の島を離れていたな。・・・あの件で何かあったのか?」
デーモンコマンドの顔つきが神妙になります。
リザード「・・・いや、その件とは何の関係も無いんだが、実は、その、ジュエル貸してもらいたくて・・・」
デモンド「金かぁぁ!!単なる金目当てかああ!!!」
リザード「お恥ずかしながら・・・そうなんでちゅう。」 デモンド「可愛さで誤魔化そうとも無理があるわ、そのトカゲ面じゃ!」
ラミア「っていうかそもそもデモコマ様がジュエル持ってるわけ無いでしょうが。同じ魔物ですよ?」
リザード「あっ、そっか。」
デモンド「早く気づけやこの爬虫類」
4668/13:2005/11/13(日) 23:51:32 ID:???
リザード「チッ・・・ジュエル借りて、そのまま何ヶ月も返さず殺るか殺られるかのデッドオアアライブを楽しもうとしてたのに・・・台無しだぜ。」
デモンド「まぁ、今までの貴様の発言は無かった事にしてやるよ。よかったな、リザード。」
ラミア「一件落着ですねー。デモンドさぁん。」
リザード「わーい」
デモンド「さっ、バファル寮へ行くぞ、ラミア・・・」
リザード「あっ、ちょまっ、待て!待ってってば!まだ話しあるんだから!」
デモンド「あーん?」
そそくさと帰ろうとしていた二人。誰の目にも明らかに不満そうな顔でリザードロードの方へ向き直りました。
リザード「その・・・なんてゆうか・・・そのォ・・・モジモジ」
デモンド「おまえ、『とりあえず』感覚で呼び止めたな?そうだな?」
リザード「ご、ごめんなちゃあい♪」 デモンド「だから可愛くないって!!違和感があるだけだぞ」
デモンド「まったく、ふぅ・・・」
会話が止まり、三人の間に沈黙が響き渡ります。
数十秒たち、デーモンコマンドとラミアがあきれ果て帰ろうとした時、リザードロードが何かを思い出したように言いました。
リザード「そうそう、デ・・・モンドよ。お前こそ何故この人間寮にいるのだ?」
デモンド「ん?私か?」
リザード「そう。私。」
デモンド「ふっ・・・私もお前がいぬ間に色々あってな、もう少し人間という物を知ってみたいという気分になったのだ・・・」
リザード「へぇー、そう。しかし珍しいなァ、お前がマスターの元を離れるなんて・・・あ、違うか。マスターがいないからこそこうして人間寮に出てきたのか!」
デモンド「? どういうことだ?」
リザード「ああ、実はこないだ金の件でお前を呼びに魔の島の水鏡に連絡したんだ。」
デモンド「金のためだけにわざわざそこまでしたのかキサマ」
リザード「そしたら、マスターではなくなぜかゴブリンセージが出てなぁ。あいつ曰くマスターは不在らしいんだ。マスターが不在だなんて全く珍しい・・・」
デモンド「マスターが、不在!?ゴブリンセージはそう言っていたのか!?」
リザード「あ、ああ。な、なんなんだそんな物凄い剣幕で。泣く子も黙るぞ。カリスマ保育士として全国的に有名になるぞ。世界中の幼稚園から引っ張りだこになるぞ。」
適当に茶化そうとするリザードロードを尻目に、デーモンコマンドは真剣な顔つきのまま呟き始めました。
4679/13:2005/11/13(日) 23:52:45 ID:???
デモンド「待てよ・・・私が海底神殿へ言ったあの日・・・数日前まではセージ曰く『マスターは今研究で忙しい』はずだったのに・・・
      マスターが自ら島を出る事なんてありえん。セージのやつ・・・嘘をついたのか?いや、咄嗟に外出と言ってしまったのか・・・どちらにせよおかしいな。
      そもそもなぜ下っ端である奴がマスターの指令を伝える伝言板であり、水鏡を管理してもいるんだ?奴は一体・・・」
リザード「ほっとケーキ、ほっとケーキ。詮索しても意味無いって。どうせたわいもねー答えが待ってるだけだって。ほっとおしるこ。」
デモンド「やかましいわ!・・・ふん、だが確かに今ここであれこれ考える必要は無いな。マスターの研究が終わり次第直々に問い詰めてみるとするか。」
リザード「うん。それがいい、それがいい。だが、それがいい。」
ラミア「アンタ、さりげなくボケるの大好きですね。」
リザード「俺は貴族だからな。まぁ、あれだよ。貴族は、パンが食えないような貧民を見たらこう言うだろ?『パンが食えないならケーキ食えばええやん』
      つまりそういう事なんや。貴族っちゅーのは知らず知らずに人を苦しめたり笑かしたりするような人種なんやて。それを分からんと生涯苦労するはかためんたい。」
ラミア「アンタあきらかに狙ってんだろ。」
デモンド「・・・さて、リザードよ。私達はそろそろ別の場所に行くぞ。これから一人で何すんのか分からんが頑張れよ。」
リザード「えぇ〜、せっかく久しぶりに再開したんだしもうちょっと話そうよォ。俺と仲いい奴なんて君くらいだからさぁ。切なさ乱れ打ちで泣いちゃいそぉだよォ」
デモンド「すまんが、私は視線が気になる性質でね・・・」
ラミア「あたしも。かなりハズいんですけど。」
あたりの学生達はみなリザードロードをじろじろ見ながら通過していきます。
リザード「んなら仕方ないな・・・まっ、俺がいなくても頑張れよ。俺だって影でマスターのために頑張ってるんだからな。」
デモンド「ああ。そちらこそ、ヘマして野垂れ死ぬんじゃないぞ。」
ラミア「さよならー」
リザード「さらばだー」
二人は、港の方へ向かって早足気味に去っていきました。
リザードロードの姿が確認しきれなくなるほど遠ざかったとき、デーモンコマンドはボソリと言いました。

デモンド「・・・とんでもない足止め食っちゃったな。」ラミア「ですね。」
46810/13:2005/11/13(日) 23:54:07 ID:???
【バファル舎:メルビル寮図書館】

続いてデーモンコマンドとラミアちゃんが向かった場所は、メルビル寮図書館でした。
メルビル寮の図書館は、マルディアス学園唯一の図書館であり、学園内の全ての情報が詰め込まれていると言われる資料の宝庫なのです。
情報を求め情報に飢える生徒達は、みなこの図書館にかよっていました。
デモンド「しかし・・・これだけ本があると何から手をつけていいか分からぬな。」
糸石コーナー。膨大な本の壁に圧倒され、デーモンコマンドはたまらず唸りました。
デモンド「こんなに分厚い本が眼前一面ズラリ・・・人間はすごいな。こんなに大量の本を・・・」
ラミア「まぁ、同じ本が幾つもあったりして実際の所は見た目の4分の一以下くらいしか本の種類は無いんですけどね。」
デモンド「これら全ての本を読み終えたその時、私はどれだけの情報を手の内にしているだろうか・・・この本の量からして、とんでもない事になりそうだな。」
ラミア「被ってる情報しか載ってない本や、明らかに必要ないことしか書かれてない本ばかりあって、実際ほとんどは燃やしても大丈夫と専らの噂です。」
デモンド「・・・たとえばこれとかか?」
デーモンコマンドは本棚から『糸石の匂いはフローラル風味・・・とかだったらいいな』という本を取り出し指差しながら言いました。
ラミア「・・・・・・まぁ、ネタとしては結構いけるんじゃないですか?」
デーモンコマンドはその本をパラパラと読み、一度眉をしかめると、すぐさま元の場所に戻してしまいました。
ラミア「本のタイトルは、その本に記述されている事全てを指し示していますからね。片っ端から読んでいっては日が暮れてしまいます。
    役立つ情報がありそうなタイトルの本だけを読んでいきましょう。」
デモンド「わかった。」
本の壁を一通り見回します。何十秒か経った後、デーモンコマンドは『運命の赤い糸石』という本を手に取りました。
ラミア「ありゃ、なんか随分とストレートな題名の本ですねー。シンプル・イズ・ザ・ベストってやつですか?」
デモンド「そう。そのシングル・ウィズ・ザ・ゲストって奴だな。」
意味もよく分からないままにそう言った後、ゆっくりと本を開き、読み始めました。

『運命の赤い糸石はとても希少価値が高い宝石であり、何者をも惹き付ける輝きと何者をも唸らせる魔力を秘めているという。
10種類ある事が噂されているが、その噂の発信源も、その噂が真実か否かも定かではない。(判明、あるいは噂されている格石の名前と在り処は下述とする)
幻のアメジスト:ローザリア舎、イスマス寮の宝として保管されている。
水のアクアマリン:ローザリア舎、クリスタルレイクのどこか
気のムーンストーン:どっかの密林
火のルビー;場所不明
他全部不明』

デモンド「・・・随分適当だな。というか下に行くにつれ適当になってきてるような・・・使えん資料だな。」
ラミア「どうやら外れみたいですね。じゃ、次いきましょ。」
デーモンコマンドは『運命の赤い糸石』を元の場所に戻すと、次は『気のムーンストーン』という本を手に取りました。
デモンド「おお、バッチリ名指しだな。気のムーンストーンは確かミルザの手にも我々の手にも無いはず・・・ふふ、楽しみだ。」

『気のムーンストーンは、邪気を退け病を払う効能があると言われている  おわり』

デモンド「・・・こ、これだけか?後のページ全部白紙じゃないか!
      というか、在り処もわからんはずなのになぜ効能だけはバッチリ解明されてるのだ。これ全部想像だろ。想像上の産物だろオイ。」
ラミア「・・・大外れみたいですね。じゃあ次行きましょ。」
デーモンコマンドは『気のムーンストーン』を適当な場所に乱暴に挟むと、再びタイトルの羅列を目で追い始めました。
・・・その時です。
おもむろにデーモンコマンドらがいる糸石コーナーに、楽しそうに話す二人組が立ち入ってきました。
デーモンコマンドとラミアちゃんにとってはとても因縁深い二人組が。
デモンド・ラミア「・・・・・・!!」
その二人組を確認したとき、デーモンコマンドとラミアちゃんは瞬時に凍りつきました。
46911/13:2005/11/13(日) 23:55:18 ID:???
デモンド・ラミア(なぜここにあいつらが・・・・・・!!)
二人の思考が一致した瞬間です。

ラミアちゃん(あいつらが来る可能性も無い事は無いという事は分かっていたけど・・・変装してるとはいえ不安だな〜 ウワ〜ッ 来るな〜)
デモンド(ぬぅ・・・なぜ奴らがここに・・・まさか私の気配を感じ取って・・・いや、ありえない筈だ、そんな事・・・ まさかこんなに早く再会してしまうとは・・・)
ラミアちゃんは恐怖を含んだ不安を、デーモンコマンドは気まずさを含んだ不安をそれぞれ感じていました。
デモンド(うう・・・話しかけられたらどういう風な調子で話せばいいんだろう・・・いや、変装しているし、話しかけられるわけが無いか・・・はは)
デーモンコマンドの不安は直後に現実になりました。

「お、珍しいな俺たち以外に糸石コーナーの本を読んでる奴がいるなんて。」
「うん。糸石の事なんざ試験にも出ないしいつもは人0なんだけどね・・・
・・・お〜い、そこのおふたりさ〜ん!!」

デモンド・ラミア(!!!!)

「ばっ・・・!おまえ、何呼びかけてん・・・!・・・・・まぁ、いいか。」

デモンド「・・・は、はい・・・・・・」
デーモンコマンドは、『自分は変装している、今ここに存在しあの二人に呼ばれたのはデーモンコマンドではない、デモンドだ。』
と自らに言い聞かせながら、恐る恐るその二人組の方を振り向きました。
ラミアちゃんも続いて振り向きます。
二人組は、別段顔色を変えずに続いて話しかけてきました。

ミルザ「やぁ、こんにちは。君達も糸石に興味あるの?僕はミルザ!で、こいつはオイゲン!」
オイゲン「いやぁ、ごめんなさいね。こいつったらやたら馴れ馴れしい奴で・・・はは、よろしく。」

デモンド「あ、はい・・・よろ、しくです。」
普段の威厳を微塵も感じさせない声で、か細く呟くようにデーモンコマンドは言いました。
ミルザとオイゲン。海底神殿でデーモンコマンド達と激戦を繰り広げた、あの二人組です。
互いの二人組は戦場のみでの関係。無論敵同士以外の何物でもありません。
そんな互いの二人組にとって、ここが戦場でない事と、片一方の組がもう片一方の正体に気づいていない事は問題でないようでかなりの大問題でした。
ミルザ「きみ、名前は?」
デモンド「あ、はい。デ、デモンド、です。」
デーモンコマンドは早口気味に言いました。
ミルザ「じゃあそっちの女の人は?」
ラミア「・・・えと、その・・・ラ、ラミ、ラミコ、です。」
ラミアちゃんは極力顔を見せないようにと俯きながら、これまた呟くように言いました。
ミルザ「デモンドくんとラミアちゃんか!へぇー。」
別段怪しむような素振りを見せないまま、ミルザくんは言いました。
横で呆れたような顔をしながら見ているオイゲンも、さして怪しんでいるような様子はありません。
デーモンコマンドとラミアちゃんは心の中でホッと胸をなでおろしました。
しかしその安堵もつかの間、ミルザくんの話は続きます。
ミルザ「君達も運命の赤い糸石、探してるの?」
デモンド「は、はい。」

ミルザ「へぇー、そうなんだ!実は僕達も糸石を捜してるんだ。・・・君達も糸石を捜している。・・・僕達、ライバルだね。」
47012/13:2005/11/13(日) 23:57:03 ID:???
デモンド「・・・ライバル。」
・・・ライバル。ミルザの言っている事がよく頭に入ってこない中、その言葉だけがデーモンコマンドに引っかかります。


――まだ、やるかい?――
――その必要はない・・・。お前の、勝ち、だ・・・――


あの時の記憶が、一瞬デーモンコマンドの頭を駆け巡ります。

ミルザ「糸石を追う限り・・・これからも僕達また会うかもね。・・・デモンドくん、握手、いいかい?」
その無垢な手をデーモンコマンドに向かい差し出すミルザくん。
ミルザの手が・・・差し出してる本人は気づいてなくとも、間違いなくかつて戦ったあのデーモンコマンドに向かって差し出されています。
デモンド「・・・あ、ああ。」
おずおずと近寄るデーモンコマンド。
静かに、ゆっくりと、デーモンコマンドもその手を差し出しました。
ラミア(デモコマ様――)

デーモンコマンドとミルザの手が、硬く握り交わされました。

デモンド(・・・・・・これは――)
ミルザの手の平から、彼の体温がデーモンコマンドに通じ渡ります。
しかし、デーモンコマンドにとってはそれ以上に熱い何かが――

気がつけば握手はミルザくんから組み外されていました。
そしてデーモンコマンドは、確かに何か熱いものが胸に湧き上がっているのを感じていました。

オイゲン「まったく、ミルザ、お前なぁ〜。初対面の人間をいきなりライバル視して握手とかちょい有り得ないぞ?」
ミルザ「握手は大事だよ!僕はスポーツマンシップに乗っ取っただけさ・・・」
オイゲン「そういう意味じゃなくて!・・・あー、デモンドさん、だったか?迷惑だったならスマンね。今あった事は忘れてくれ・・・」
デモンド「いや――忘れない。」
オイゲン「?」

デモンド「またどこかで会おう。我が・・・好敵手よ。」

オイゲン「え」
ラミア「え」
デーモンコマンドのその一言に、意表をつかれたのか固まるオイゲンとラミアちゃん。
デモンドの目がミルザくんをまっすぐに捕らえます。ミルザくんもまっすぐにデモンドを見据え・・・静かに頷きました。
47113/13:2005/11/14(月) 00:02:05 ID:???
【魔の島】


ラミア「デモコマ様ぁ。ミルザになに随分な事言っちゃってるんですかぁ。違和感バリバリでしたよぉ?」
二人は再び魔の島へ帰ってきていました。
デーモンコマンドは無論人化を解き、元の魔物の姿に戻っていました。
デーモンコマンド「ふふふ・・・ライバル。好敵手、か。悪くないな・・・そういうものも。
           今まで全てはマスターの為だったが・・・ククク。面白い。」
ラミア「あ、あのー、無視しないで下さいよ、何をブツブツ独り言・・・」
デーモンコマンド「やかましいわラミア!!・・・この世の何者にも無視されるようにしてやるぞ?」
ラミア「す、すいませんですデモコマさまあたしが全部悪かったですごめんなさい
    (・・・うふふ、やっぱりデモコマ様はこんぐらい怖くてデンジャラスじゃないとね・・・♪なんにせよ、ちょっと満足気なあたしでした。はい、おしまい。)」



幕間 終わり
472ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 00:04:06 ID:???
なんか妙な話になっちゃったw
久しぶりに書いたなぁ・・・本編の人あとはよろしくッス。
・・・本編に影響出るような内容だったらホンットごめんなさい。
473ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 02:59:46 ID:???
乙!人型になると途端に威厳なくなる将魔に吹いたw
デモンド君のセンスのなさワロス。

切なさ乱れうち…もしかして某通販アクスが出てくるゲームだろうか。
474ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 08:00:02 ID:???
乙〜。人化したデモコマ様、ある意味純粋でワロタ。
そしてリザードロード様、久しぶりに出てきたけど・・・けっこうこの人もアレだったんだなw
>切なさ乱れ打ち
ぼくらのまちのおくすりやさん吹いた。つか、変換したら一発で刹那五月雨撃ちと出た俺のパソは一体・・・
475ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 08:36:52 ID:???
>>469でミルザくんが「ラミアちゃん」って思い切り言っちゃってるが誤植?わざと?
476ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 10:48:09 ID:???
ラミアちゃんの心の中の突っ込みいいねー。

図書館の品揃えにワロタ
ユリウス館長?の生涯かけた蔵書コレクションってこんなんばっかかもな
477454:2005/11/14(月) 15:13:05 ID:???
やっとできた・・・。
容量足りますように・・・。
478454:2005/11/14(月) 15:13:58 ID:???
マルディアス学園の広い敷地内には数多くの旧校舎が存在しています。
現在は使われることもなく廃屋となっている建物の中の一つ、
その人通りもなく静まり返った廊下を、一つの人影が早足で進んでいます。
ロングの黒髪を左右に揺らしつつ進む人影は正面の闇を怯むことなく見据え、
ただ目的地に向かって歩を進めました。
やがて扉の前にたどり着いた人影は木製のドアを押し開きました。
ギ、ギ、ギと不快な音を立てて開いたドアの先には二人の人物がいました。
壇上に一人。生徒用の古びた椅子の上に一人。

ストライフちゃん「こんなところに呼び出して何のつもりだ?・・ヘイト」

16話『a kidnapping』
479454:2005/11/14(月) 15:15:01 ID:???
質問を投げかけられたヘイトちゃんはピクリとも反応せず、教壇に手をつき俯いています。
ストライフちゃん「おい?」
ワイルちゃん「私もさっき来たばっかりなんですけど、もう五分はああしてます。
       あ、椅子どうぞ」
椅子の上の埃をハンカチで払いストライフちゃんに促しました。
ストライフちゃん「ああ、すまんな。・・なんであいつは妙な格好をしてるんだ?」
壇上のヘイトちゃんはリガウ島に古くから伝わる伝統衣装、『着物』を身に付けていました。
なおストライフちゃんは知る由もありませんでしたが、
ヘイトちゃんが着ているのは男性用の羽織と袴でした。
ワイルちゃん「さあ?私にはわかりかねま・・・」

【ああ・・・・・・・・
それにしても力が欲しいっ・・・・・・・・・・!!】

低く、しかし腹の底から響くような声に二人は思わずヘイトちゃんに視線を向けました。
視線の先には顔を上げ不敵に笑うヘイトちゃんの顔がありました。
480454:2005/11/14(月) 15:16:29 ID:???
ヘイトちゃん「むろん・・・と言うか・・・・・・・・言うまでもなく・・・・・・
       私は持っておるっ・・・・!
       この教室の誰よりも・・・・・・・・持っておるっ・・・・・・・・!

       力をっ・・・・・・!

       火術で・・・幻術で・・・・・・!
       闇術で・・・・・・・・邪術で・・・・!持っておるっ・・・・!
       ククク・・・・・・どこに鼠・・・・・・敵勢力のスパイが潜んでいるか知れんから
       大きな声では言えんが禁呪を含めそれぞれ・・・・・・
       10はくだらない術を習得しておるっ・・・・・・・・・・!」

ストライフちゃん「いや、まあ知ってるけどな。なんかむかつくけど」
ワイルちゃん「単純な力なら確かにヘイトちゃんが一番ですよね」

ヘイトちゃん「最近では・・・・・・・・
       術法ばかりに力を集中させるのもどうかと思い・・・・・・
       体術、細剣術、両手大剣術も身につけた・・・・・・
       ほんのスキルレベル4ほどだが・・・・・・・・・・・・
       転ばぬ先のなんとやらだ・・・・・・・・・・!
       常にリスクの分散は怠らないっ・・・・・・・・!」
481ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:17:46 ID:???

ワイルちゃん「へぇ〜、地道に頑張ってたんですねぇ」
ストライフちゃん「盗撮以外のこともやってたんだな」
二人は拍手をぱらぱらと送りました。
ヘイトちゃんはそれに両手を掲げて答え・・・・

バ ン ッ ! !
ヘイトちゃん「バカがっ・・・・・・!」
突如教壇を叩いてバカ呼ばわり。二人は唖然です。
両の拳を握り締めてヘイトちゃんは力説します。
ヘイトちゃん「足らんわっ・・・まるで・・・・!!
       私は・・・・・・・もっともっと・・・・・欲しいんぐはぁ!」
いいかげん腹を立てたストライフちゃんの拳がヘイトちゃんの顔面に突き刺さりました。
ストライフちゃん「さっさと用件をいえ」
陥没した顔面を、鼻を引っ張り元に戻すと、
ヘイトちゃん「そこの娘・・・制裁っ・・・・・!」
ワイルちゃん「え?私が?・・・じゃあ、えい!」
指名されたワイルちゃんはストライフちゃんの頭に、たぁーっと手刀を打ち込みました。
ストライフちゃん「いた!・・・なんで素直に命令に従ってるんだ、お前は!」
ワイルちゃん「す、すみません。強く命令されるとつい・・・」
苛立たし気に舌打ちするとストライフちゃんは再びヘイトちゃんに詰め寄りました。
ストライフちゃん「もう一度聞く。何のようだ!」
482ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:19:25 ID:???
ヘイトちゃんは真顔に戻り話し始めました。

ヘイトちゃん「さっき述べた通りじゃよ。もっと力が欲しい。
       私だけじゃなく、私達全員の力を底上げする必要があると感じたのじゃ」
ワイルちゃん「なんでまだお爺さん言葉なんでしょうか?」
ストライフちゃん「黙ってろ。あの脳が腐りそうな話し方より余程マシだ」
ワイルちゃんの耳打ちを一蹴すると再び問い掛けました。
ストライフちゃん「何故急にそんなことを?」
ヘイトちゃん「急に?・・・わかっておらんな現実が。
       自分で体感したのじゃろう?敵の力を」
鋭い視線とともにストライフちゃんに問い掛けました。
痛い所を突かれストライフちゃんは下唇をかみ締めました。
ストライフちゃん「・・・認めたくはないが一対一、それも正面からでは勝ち目はないな。
         三人なら負けることはないだろうが・・・」
ヘイトちゃん「相手が常に一人とは限らんと言うことじゃ」
言葉を繋ぎヘイトちゃんが締めました。
ワイルちゃん「そんなに・・・・」
室内に重苦しい空気が流れました。
ヘイトちゃん「そこで私が考えたのが・・・糸石じゃ。ワイル今の糸石の状況は?」
ワイルちゃん「は、はい!わかっている範囲では水と幻それに闇はミルザさんの下に。
       その他については風聞程度の情報しかありません」
急に話を振られ慌てながらも答えました。
ヘイトちゃん「闇がこちら側にあれば状況はもっと違ったじゃろうが・・・」
ちらりとストライフちゃんに視線を送りましたが、流されました。

ヘイトちゃん「敵の最終的な狙いはわからん。じゃが、糸石を狙っておるのは確かじゃ。
       もし敵が糸石を手に入れたなら、もはや私達の手には負えんじゃろう。
       敵が明確に動き出している以上、私達も糸石を手に入れ、力と安全を確保する必要がある」
483ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:20:29 ID:???

ちなみに実際にはすでに敵方はエメラルドを保持しています。

ワイルちゃん「サルーインちゃん様には渡さないんですか?」
ストライフちゃん「まぁ、現場で戦うのは私達だからな。
         デスちゃんに間に入ってもらって話をつけてもらおう」
ヘイトちゃん「それとミルザ、彼奴が持っておる糸石が奪われる可能性も考えねばならん」
ストライフちゃん「そうだな。実力はともかく搦め手にはとことん弱そうだからな」
ワイルちゃん「・・・・・・・・・・・・・・そうですね」
全会一致です。
ヘイトちゃん「今後は監視、もしくは護衛をつけておく必要があるのう」
ワイルちゃん「あ、わたしやります!」
ストライフちゃん&ヘイトちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
二人の視線がワイルちゃんに突き刺さります。
ワイルちゃん「な、なんですか?」
ストライフちゃん「いや。物好きだなと思っただけだ」
ヘイトちゃん「蓼喰う虫も、と言うやつか・・・。じゃあお主に任せるとしよう」
ワイルちゃん(ヘイトちゃんに言われた・・・・・)
少し傷つきました。
484ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:21:26 ID:???
ストライフちゃん「それはともかく糸石の確保はどうするんだ?」
ワイルちゃん「ミルザさんに貸してもらうとか?」
ストライフちゃん「プライドがないのかお前は?」
ワイルちゃん「や、やだな。冗談ですよ」
結構本気で考えていたことは秘密です。
ヘイトちゃん「心配には及ばん。私がタイラントの奴から情報を仕入れておいた」

ではタイラントくんのお話をどうぞ↓
タイラントくん「あれはどのくらい前か・・・」


タイラントくん「というわけで『火』のルビーは騎士団寮にある。
        ・・・・って待て!さすがにはしょりすg」

ヘイトちゃん「そういうことじゃ。詳しくは外伝『決して届かぬ炎の御許』を読むとよかろう」
ストライフちゃん「そんな話はないだろ」
ワイルちゃん「とにかく騎士団寮にいきましょう」
三人は頷き合うと準備に散りました。
485ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:22:25 ID:???
【騎士団寮、敷地内林】
月明かりの届かぬ茂みの中に怪しい集団がいました。
ミニオンズです。
夜間迷彩という事で普段の赤い衣装の代わりに静脈血色のダークレッドの衣装に身を包んでいます。
ストライフちゃん「どう動く?」
ヘイトちゃん「強行偵察でいくわぁ*P>‘*.@i
       可能な限り情報を収集でよろしくぅううううう!$#$%&=!」
ストライフちゃん「ふむ。では寮内に侵入後三方に分かれるか」
ワイルちゃん「・・・・あの〜〜〜〜」
ヘイトちゃんの下方から声があがりました。
ワイルちゃん「どうして私はヘイトちゃんを担がなきゃいけないんですか?」
ヘイトちゃん「物陰に潜むときは出来るだけ身を小さくした方がいいのよォォォ大+‘=#$%&g
       一人が担げば横幅が減ってコンパクトォォォォォオオオオオオER&#‘)*@」
ワイルちゃん「私の体力も減ってます。それに縦幅は増えてるんですが」
ストライフちゃん「まあ頑張れ。理不尽は慣れているだろう?」
投げやりに酷いことを言います。
ワイルちゃん「慣れてても嫌です!」
思わず声を荒げてしまい慌てて口をふさぎましたが手遅れでした。

ミルザくん「誰かいるのか?」
486ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:23:39 ID:???
夜間見回りをしていたミルザくん達にあっさり見つかってしまいました。
ストライフちゃんはさっさと身を隠しましたが、
肩車をしていたワイルちゃんたちは咄嗟には動けませんでした。
ワイルちゃん(ミ、ミルザさん!えーっとえーっと何かごまかす方法は・・・・)
ミルザくん「・・・・誰?」
ヘイトちゃん「いえ、私は通りすがりの蒼き流星です。地球の危機を知らせに来ました」
ミルザくん「はぁ、それは大変ですね」
ヘイトちゃん「急ぎますのでこれで。レイ!V−MAX発動!」
ワイルちゃん「は?」
話についていけないワイルちゃんはきょとんとしています。
ヘイトちゃん(逃げるのよォォォォ:p^¥−、@!レディって言って走りなさぁぁいいm)
小声で耳打ちしワイルちゃんの頭をペシペシ叩きました。
ワイルちゃん「レ、レディ!」
脱兎の如く走り出しました。

ミルザくんは呆然とその後ろ姿を見送りました。
ノーデン「知り合いか?変な奴だな」
同じ組のノーデンに話し掛けられて、ミルザくんはようやく正気を取り戻しました。
ミルザくん「どこかであったような気がしたけど・・・勘違いかな、赤い彗星なんて知らないし」
ノーデン「別もんになってんぞ・・ってお前それじゃただの侵入者じゃねぇか!追わねぇと!」
駆け出そうとするノーデンの肩をミルザくんが掴みました。
ノーデン「なんだよ!?」
ミルザくん「交代の時間だ。オイゲン達に引き継いで任せよう」
ノーデン「・・もうそんな時間か。じゃ、帰って寝るか」
自分の仕事領域以外は基本的にやる気がないようです。
487ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:24:34 ID:???
ミルザくん達から辛くも逃れたワイルちゃんたちは・・・別の見回り組に追われていました。
今は5〜6人の集団に追われて校庭を爆走しています。
ヘイトちゃん「なんで目立つような所に逃げ込むのよぉぉぉおおR★D=‘?#$f!」
ワイルちゃん「そ・・そんな!・・こと・・・言われても!!」
人一人担いで全力疾走しているので当然息も絶え絶えです。

ワイルちゃん「も・・・だめ・・・・・」
校庭に倒れ伏し、酸素を求め喘いでいるワイルちゃんの周りに生徒達が集まってきました。
生徒1「てこずらせやがって!このクソ侵入者が!」
生徒2「どれ、面を拝んでやるか」
そういうとあっという間にワイルちゃんの覆面を剥がしてしまいました。
ワイルちゃん「あ・・・・・・!!」
生徒3「へぇ〜ガキっぽい面だが結構上玉じゃねぇか!」
生徒4「体つきもガキっぽいが結構楽しめそうだぜ」
下卑た笑みを浮かべ男達はワイルちゃんの体を嘗め回すように視線を這わせました。
ワイルちゃん「やっ・・!!」
思わず身を固め、術を展開しようとしましたが疲労のため上手く集中できません。
生徒5「あ〜〜〜〜〜〜〜!!こいつ今術使おうとしたぜ」
生徒6「そんな悪い娘にはお仕置きしねぇとな。とりあえず邪魔な服剥がせ!」
生徒達の魔の手がワイルちゃんに伸びます。
ワイルちゃん「ちがっ・・・やめて・・・!」
必死に身を引きずり逃げようとしましたが、男達にあっという間に組み敷かれてしまいました。
ワイルちゃん「なんでも・・・話すから・・・!!」
必死に懇願しますが聞く耳持ちません。
生徒1「あーそういうの後でいいから」
生徒2「侵入なんてする以上覚悟してたんだろ?諦めな」

ワイルちゃんの目が大きく見開かれました。
488ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:26:08 ID:???
ヘイトちゃん「こんな風になりたくなければ走りなさぁぁああいいぃぃT☆*@#&!」
ワイルちゃんは死ぬ気で足を動かし加速しました。

ワイルちゃん(私・・・いま風になってる・・・・・)
ランナーズハイに浸り始めた頃、前方にも見回り組みが現れました。
ハイな気分は一瞬で吹き飛びワイルちゃんは恐慌状態に陥りました。
ワイルちゃん「もう駄目・・・犯される・・・!!!」
ヘイトちゃん「落ち着きなさい」
ヘイトちゃん(目立ちたくはないけど仕方ないわねぇぇぇエエン*‘^−○∴)
傍目に見ても十分目立っていたような気がしますが、ヘイトちゃんは気にしません。
見回り組みがじりじりと包囲の輪を狭めてきます。
生徒「よーし確保!その後尋問だ!」
ワイルちゃん「拷問はいやぁぁぁぁああああああああああああ!!」
ヘイトちゃん「うるさい!」
頭をはたいて黙らせると、ヘイトちゃんは高い声で叫びました。
ヘイトちゃん「やめてください!私達はあなた方との戦闘を望みません!」
確保に移ろうとしていた生徒達は思わず足を止めました。
ヘイトちゃん「どうか私達を行かせて下さい。そして皆さんももう一度、
       私達が本当に戦わなければならぬのは何なのか、考えてみて下さい」
彼らが戦うべきは侵入者で合っているのですが思わず考え込んでしまいました。

ヘイトちゃん「クラック」

生徒達「うわあああああああああああああああああああああああ」
局所的な地震に呑み込まれ、見回り組みは沈黙しました。
489ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:26:57 ID:???
ストライフちゃん「えげつないな」
校庭脇の茂みからストライフちゃんが姿を現しました。
ヘイトちゃん「自由と正義の名のもとなら何をしてもおっけぇぇえええ<‘〆∀◎l!!」
ストライフちゃん「貴様はお米の国の人か」
生徒「い、いやどっちかっていうとたn・・・」
ヘイトちゃん「まだ生きてたのか!死ねぇ!!」
生徒は体を真っ二つにされる勢いでヘイトちゃんに締め落とされました。

ストライフちゃん「とにかく今の騒ぎで人が集まってくる。この場を離れるぞ!」
ヘイトちゃん「おっけぇぇぇえええええω□◆‘=?*Ln」
ワイルちゃん「私・・・・無事・・・・?」
ストライフちゃん「何を言ってるしっかりしろ!」
ぼーッとしているワイルちゃんを二人がかりで物陰に引っ張り込みました。
490ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:28:08 ID:???
それからいくらもしないうちに現場には多くの生徒が集まってきました。

ストライフちゃん「どうしたものか・・・一度撤退するか?」
ヘイトちゃん「まぁぁああだなんにも情報手に入ってないのにいい◇‘−^^@j!!?」
ワイルちゃん「でも警備も厳しくなるでしょうし・・・」
ラミアちゃん「まいっちゃうよねえ?」

・・・・・・・・・・・場の空気が固まりました。
ワイルちゃん「あなた誰ですか?」
ラミアちゃん「あたし?あんた達と同じ侵入者、いわゆるエージェントってやつ?イカスっしょ?」
ワイル「はぁ」
困惑気味に応じます。
ラミアちゃん「いやさ、あたしはとある情報筋からここに眠る宝の事を知って調査に来たのよ。
    あ、やべ。あんた達ライバルになるのか。ま、いいや。なんか知ってたら教えて」
ストライフちゃん「貴様・・・・・」
ラミアちゃん「へ?」
ストライフちゃんは覆面を脱ぎ素顔を晒しました。
ストライフちゃん「久しぶりだな。おい、お前ら。私達の敵が現れたぞ」
ラミアちゃん「・・・・・・・・・・・・じゃが芋の様子を見にいかにゃならね。したらな」
ミニオンズ「まぁ待て」
491ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:29:06 ID:???
さすがに多勢に無勢、縛り上げられたラミアが地面に転がされました。
ラミアちゃん「くっ!殺せ!」
ヘイトちゃん「OK」
巨大な断頭斧『エグゼキューショナー』を取り出しました。
ラミアちゃん「ウソ。違うの。雰囲気に呑まれただけなの」
ワイルちゃん「では質問に答えてもらいます」


ストライフちゃん「結局わかったのは『マスター』と呼ばれる敵の頭だけか」
ワイルちゃん「収穫とはいえませんね」
地面に転がされたラミアちゃんはヘイトちゃん手製の尋問グッズにより悶えていました。
苛烈な責めに耐え抜きついにエメラルドと将魔のことには沈黙を貫き通しました。
ラミアちゃん(デモコマ様・・あたし耐え抜きました・・・・)
ヘイトちゃん「自室に帰れば廃人量産系自白剤あるわよぉぉおおPi☆*@1e!」

ラミアちゃん(やっぱ無理かも・・・・・)
492ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:30:23 ID:???
ストライフちゃん「いや、こいつは小物だ。そこまでする必要はない。
         ヘイト、『時間凍結』をこいつにかけろ」
ヘイトちゃん「はいよぉ&#‘:;!!」
ストライフちゃん「ワイル、控えの衣装をくれ」
ワイルちゃん「はい」
テキパキと謎の指示を出していくストライフちゃんにラミアちゃんは猛烈に嫌な予感を覚えました。

ヘイトちゃん「どーせならこれの方がいいんじゃないぃぃぃぃいいい‘:;@=#&!?」
ストライフちゃん「以前私に着せようとした紐だか布だかわからんやつか・・じゃそれで」
ワイルちゃん「ちょっとかわいそうじゃ・・・」
ストライフちゃん「こいつはサルーインちゃん様の敵だぞ」
ワイルちゃん「そうですね」

状況がまったく読めず、ラミアちゃんは混乱の極みでした。
ヘイトちゃん「はーい、着替えましょうねぇええええPM<j5wv∴∴!」
言われるがままに着替えた服は服ともいえない布切れ、しかも極端に面積が小さい物でした。
ラミアちゃん「やっ!何これ!?」
思わずしゃがみこみました。
ストライフちゃん「術は使えんぞ。お前の時間は止まっている」
確かに術を使おうにもまったく力が足りませんでした。
ラミアちゃん「ど、どうするつもり?」
ヘイトちゃん「お腹が空いてる時に食べ物があったら食べるわよねぇえ〜P*〆ゞ●h?」
ワイルちゃん「急いでいるときに馬車が来たら乗りますよね?」
ストライフちゃん「では、警備の固い建物に侵入するときオトリが手に入ったら?」
ラミアちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また?」
ストライフちゃん「正解だ。じゃ頑張ってくれ」
三人は力を合わせてオトリを生徒達の密集地帯の方に放り投げました。
ラミアちゃん「うきゃああああああああああ!!ひとでなしいいいいいぃぃぃぃ・・・・」
493ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:31:07 ID:???

向こうの方から妙な喧騒が聞こえてきます。作戦は成功のようです。
ストライフちゃん「今のうちに裏手に回るぞ」
三人は頷き合うと再び駆け出しました。
494ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:32:10 ID:???
ひゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、ドガ!!

派手に尻もちをつき、ラミアちゃんは着地しました。
ラミアちゃん「あいたたたた・・・ん?」
周囲の15人程の生徒達が自分を凝視していました。
そして自分が現在どんな服装かも思い出しました。

生徒1「・・・・・・・ち・・・・・・・・」
ラミアちゃん「ち?」
生徒1「痴女だあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ラミアちゃん「ちがああああああああああああああああああああああああああああう!!」
その叫びを聞いた思春期の男子生徒がわらわら集まってきました。
シュチュエーションレッドです。

そこから少し離れた場所、
ブラッツ「おい、聞いたか!痴女だってよ!は、早く見に行こうぜ!」
オイゲンくん「なにテンパってんだよ。こんな夜中にそんなもんいるわけないだろ」
ブラッツ「夜中だからいるんだよ!!もし見逃したら俺はお前を一生恨むぞ!!」
血走った目は確かに呪いが込められていてもおかしくないパワーを発していました。
オイゲンくん「わかったわかった」
こんなくだらない事で呪われるのも馬鹿馬鹿しいと思ったオイゲンくんは素直に従いました。
オイゲンくん(やれやれ、侵入者をほっといていいのかねぇ)
495ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:33:18 ID:???
ラミアちゃんの脳内ではアラームが鳴りっぱなしでした。
この状況はまずい。まずすぎる。
周囲にはなんだかもういっぱいいっぱいな男子生徒多数。
自分は術が使えない。退路は無し。
この現実が導き出す答えは・・・・・・・・・。

ラミアちゃん(う、ウソでしょおおおおおおおおおおおおおおお!?)
ラミアちゃん「き、騎士の卵たる皆さんは女性に乱暴なんてしませんよね?ねぇ!!?」
生徒1「今の僕達は騎士なんかじゃない・・・・ただのケダモノだ!!」
生徒2「騎士の名を汚そうとも譲れないものがある!!」
生徒3「今がそのときなんだ!!」
生徒4「こんな俺たちを嗤うがいいさ!!」
格好つけて下衆なことを述べました。
ラミアちゃん「あんた達最低だ!!」

一方、人垣の外。
ブラッツ「お、女だ!女の声がする!!」
オイゲンくん「頼むから落ち着け」
ブラッツ「クソ!!邪魔な奴らだ!!こうなったら屍山血河を開いてでも!!」
オイゲンくんは物騒なことを言い出したブラッツの頭に巨大な打槍を打ち下ろしました。
ブラッツ「がっ!!・・・見える。俺にも裸が見えるぞ!!・・・がく」
気絶間際ひと時の幸福を得たようです。
オイゲンくん「なによりだ。・・・・しかし一体全体どういうことなんだ?」
侵入者といい、痴女騒動といい、一晩で色々なことが起き過ぎだ。
何かが動いているのか?
496ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:34:31 ID:???

生徒5「最後に聞かせてくれ・・・君の名前は?」
ラミア「さ、最後?・・・・ラミア」
生徒6「うん、いい名前だ。では・・・・」
生徒達『 『 『 ラ〜ミアちゃ〜〜ん!! 』 』 』
生徒達は跳躍しつつパンツ一丁になる荒業『ル●ンダイブ』で飛び掛りました。前方位から。
ラミアちゃん「いやああああああああああああああああああああ!!」
その時、ラミアちゃんを中心とした小範囲に重力力場が展開され、
ラミアちゃんを除く全ての物は地に叩き伏せられました。
生徒達『 『 『 グエ!! 』 』 』
オイゲンくん「このプレッシャー・・・・奴か!!」
デーモンコマンド「く・・・!われながら情け無い威力だ・・・・・・」
上空から降り立ったデーモンコマンドは降り立ったスピードそのままに急上昇し、
その場を離脱しました。
それと同時に生徒達を縛り付けていた戒めが解かれました。
オイゲンくん「奴らがここに来るということは糸石絡みに違いないな・・・ミルザに知らせるか」
生徒7「おい、あっちから走ってくるのは・・・?」
オイゲンくん「今度はなんなんだ?」
そこで彼らが見たものは・・・・。
オイゲンくん「あれは・・・ラファエル?」
497ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:36:21 ID:???
【上空】

夜空を滑るような速度で飛びながら声をかけました。
デーモンコマンド「あまり手間をかけさせるな」
ラミアちゃん「や、違うんですよ!デモコマ様はまだ本調子じゃないし、
       少しでも情報を集めておこうとしたんですよ!そしたら敵に」
デーモンコマンド「敵だと!?どういうことだ!」
凄まじい形相でといただしました。
ラミアちゃん「ひい!あ、あれですよ!海底神殿の時いた黒髪のロングの女」
デーモンコマンド「奴か・・・・。ならば奴らも糸石の情報を得たと見て間違いないようだな」
ラミアちゃん「そうみたいっすね」
デーモンコマンド「そういえば敵にやられたと言っていたが、
         よもや情報を洩らしてはいないだろうな?」

ラミアちゃん「・・・・・・・・・・マスターの名前を、ア リトル」
デーモンコマンド「死んで償え」
デーモンコマンドは爪を槍のように硬質化させました。
ラミアちゃん「違うんです!『お前らのボスは?』って聞かれて『マスター』と答えただけです!
       それ以外のことは何も!エメラルドとか将魔のことも本拠地のことも全然!」
必死になって弁解しました。
デーモンコマンド「・・・まぁいい。私の瞑れる目は三つしかない。覚えておけ」
ラミアちゃん「はい!それはもう!」

デーモンコマンド(とはいえまずいな。
         こいつの話からすると奴らが糸石を手に入れるのは時間の問題かもしれん。
         私自ら行きたいところだが体力が万全ではない。
         他の奴に任せるのは業腹だが・・・マスターのためだ、仕方あるまい。
         誰に任せるべきか・・・・・・・・・)
498ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:37:29 ID:???
思案に暮れていたデーモンコマンドがふとラミアちゃんに視線を移すと、
ラミアちゃん「むぅぅぅぅぅぅぅ」
ラミアちゃんは目を閉じ、唇を3字にして突き出していました。

デーモンコマンド「・・・・・・・何をしている?」
ラミアちゃん「え?デモコマ様急に黙っちゃったから、助けたお礼のキスでも待ってるのかと。
       あたしはOKですよ?さぁ、熱いヴェーゼを」
再びむぅぅぅぅぅと唇を突き出しました。
デーモンコマンドは黙って手を離しました。
ラミアちゃん「冗談なのにいいいいいいいいいいィィィィィ・・・・・・」
デーモンコマンド「やれやれ。・・・・そうだ。あのバカが仰向けに落ちていたらリザードに。
         うつ伏せに落ちていたら『あいつ』に任せるとしよう」
うむ、っと頷くとデーモンコマンドは『下駄』の出目を確認しに降下しました。
499ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:38:32 ID:???
少し時間は遡って寮の裏手
ミニオンズは寮入り口前で足止めを喰らっていました。
というのも。

ラファエル「僕はいつでも君のそばにいるよ・・・」
コンスタンツ「ああ、ラファエル・・・」

二人がイチャついていたからです。
ストライフちゃん「ええい、邪魔くさい!もっと目立たんところでやれよ!」
ワイルちゃん「うわー、うわー、うわあー」
ストライフちゃん「何感心してるんだ!ヘイト!盗撮してる場合か!」
500ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:39:33 ID:???
ラファエル「コンスタンツ・・・必ず君に・・・」
コンスタンツ「信じているわ・・・」

ヘイトちゃん「コンスタンツ・・・?」
ストライフちゃん「知っているのか?」
ヘイトちゃん「騎士団の剣、テオドールの娘よぉおおお‘@:。☆」
ストライフちゃん「いいとこのお嬢さんか・・・」
しばし考え二人は同時に声を出しました。
ストライフちゃん&ヘイトちゃん「拉致るか」
ワイルちゃん「うわーって、ええ!?」
ヘイトちゃん「身代金の代わりに糸石を要求ぅぅぅうううう*&“!f!!」
ストライフちゃん「闇雲に探すより手っ取り早いな」
ワイルちゃん「上手くいくかなぁ」
ストライフちゃん「やってみなければわからん。いくぞ。まずあの邪魔な奴を排除する」
501ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:41:04 ID:???
コンスタンツ「きゃ!!」
ラファエル「なんだお前たtぐわ!」
ヘイトちゃん「はい、君にはオトリ二号になってもらいまぁああすぅ‘#&%6〆∀!!」
懐から10cmほどのボルトを取り出しラファエルの額に捻じ込み始めました。
ヘイトちゃん「洗脳洗脳☆★〜♪」
ラファエル「ぐわああああ!!」
ストライフちゃん「見るなよ。見たら後悔する」
ワイルちゃん「ラジャーです」
その残虐行為から目をそむけました。

ヘイトちゃん「ほい完了#‘:@,.!!いっといで〜‘∀‘/!」
ラファエル「・・・はい・・・」
ラファエルは駆け出しました。
コンスタンツ「あなた達・・!ラファエルに何をしたのです!」
ストライフちゃん「気にするな。多分ボルト抜きゃ元に戻るだろ」
ワイルちゃん「明らかに超えちゃいけないラインを楽に越える長さだった気がしますが・・」
コンスタンツ「ラファエルをすぐに元に戻してください!
       こんなことをしてなんになるというのですか!?」
ヘイトちゃん「だが断る。このヘイトちゃんが最も好きなことの一つは、
       必死で懇願する奴に『NO』と言ってやることダァァァーッ!」
ヘイトちゃん「そして名前を知られた以上黙って返すわけには行かないわぁ@*3%!」
コンスタンツ「そんな・・!!」
自分で明かしといてこの言い草、まさに外道です。
ストライフちゃん「悪いがしばらく眠ってもらう」
首筋に手刀が打ち付けられました。
コンスタンツ「あ・・・・・」
ストライフちゃん「よし、オトリ二号が騒ぎを起こしているうちに撤退だ」
ワイルちゃん(ほんとにいいのかなぁ)
502ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:42:18 ID:???
【そして、校庭】
生徒8「ラファエルどうしたんだ?」
生徒9「コンスタンツと乳くりあってたんじゃねぇの・・か?」
からかってきた生徒を一瞬で切り伏せました。
刃を潰した剣とはいえ、鉄の塊を叩きつけられればただではすみません。
ラファエル「僕は・・・僕は・・・殺したくないのにーーーーっっ!!!」
生徒9「ちょっ・・おまっ・・言ってる事とやってる事ちがっ・・・」
生徒8「ラファエル乱心!ラファエル乱心!ラファエrぐあ!」

すぐさま他の生徒が集まってきました。
生徒10「お前自分がなにやってるかわかってんのか!?」
生徒11「どうでもいい!前からお前は気に入らなかったんだ!」
生徒12「この機会に根性を叩きなおしてやる!」
ラファエル「やめてよね。本気で戦闘したら君達が僕にかなうワケ無いだろ」
生徒13「うわむかつく!!」
生徒14「やっちまえ!!」
戦闘が始まりました。

オイゲンくん(明らかに様子がおかしい。これも奴らの仕業なのか?)
生徒達『 『 『 うわ!! 』 』 』
ヘイトちゃんの技術により限界まで力を引き出されたラファエルは、
傷つきながらも生徒達を全て斬り伏せました。
幽鬼のように立ち上がり、一人残ったオイゲンくんを見据えます。
その瞳はトランス状態のためか、完全に瞳孔が開いているように見えました。
ラファエル「それでも・・・守りたい世界があるんだ!!」
腰だめに剣を構えて突進してきました。
オイゲンくんは携えていた打槍『ウコムの矛』を中段に構えて迎撃の体勢をとりました。
オイゲンくん「ラファエル、お前の意思ではないだろうが立ち塞がるのなら容赦はしない!」
剣と槍とが激突し、甲高い金属音が夜空に響きました。

続く
503ゲーム好き名無しさん:2005/11/14(月) 15:49:33 ID:???
スレ容量まだまだ余裕だったね。
お騒がせして申し訳ない・・・。
妙なネタを盛り込んじゃったから導入部だけなのに結構な量になってしまった。
ともかく続きお願いします。

>>472
本編に特に影響ははなかったよ。
乙です。
そういやリザードとデモコマは初期の頃かなりコミカルなキャラだったよなぁ。
デモコマのシリアスぶりに忘れそうになることが多い・・・。

あ、本文中の外伝は要望があれば書いてみたいと思ってます。
シリアス分99%になるっぽいのでスレのカラーに合わないかも知れんけど。
504ゲーム好き名無しさん:2005/11/15(火) 01:19:02 ID:???
朝起きたら幕間があって、夜帰ってきたら本編があるとは。今日はいい日だ。
>>503
本編乙!今回は最初からミニオンズ3人が出てきてかなりオモロかった。
ネタにもワロス。蒼き流星ってレイズナーか?サガフロにもV-MAXなんてあったなそういえば。
ラファエルはあの大量殺人鬼キラか。つーかヘイトちゃんがしたのって、ロボトミー・・・・・?
そして最近はラミアちゃんがカワイくてしょうがない。デモコマ様とのコンビも良い感じ。
デモコマ様が間一髪駆けつけたのがかなりカッコよかったなぁ。
ごくわずかな出番の炎帝にも笑った。つか、外伝はネタだと思ってたのに準備があったのね。
俺もその外伝には妄想が刺激されました。高校時代のタイラントとか出てくるのかなぁ、と。

いつになくレスが長くなってしまった。まぁ何はともあれ面白かった。お疲れ様!
次にも期待。
505ゲーム好き名無しさん:2005/11/16(水) 13:04:14 ID:???
新作乙フゥー!
506ゲーム好き名無しさん:2005/11/17(木) 00:04:35 ID:???
本編お疲れ
ヘイトは実力ナンバー1か。アルカイザーの時にこれでもかってくらい高レベルな闇、邪術連発してたしなw
風術がワイル、火術がストライフ、闇、邪、幻術がヘイト、と。
そして今回はコンスタンツ誘拐だからミニオン三人の作戦失敗が目に見えてて悲しいよw
次回に期待だ。
507ゲーム好き名無しさん:2005/11/17(木) 01:24:07 ID:???
>488あたりのノリが特に好きだ。ワイルちゃんかわいいよワイルちゃん
508ゲーム好き名無しさん:2005/11/17(木) 22:24:14 ID:???
最近のラミアのハジケ具合はすごいなw
ミンサガやっててラミアが出るとなんだかうれしくなる俺ガイル
509ゲーム好き名無しさん:2005/11/18(金) 16:41:59 ID:???
うるせーバカ
510ゲーム好き名無しさん:2005/11/18(金) 20:04:07 ID:???
>>504
大量殺人鬼キラってガンダムSEEDのキラ・ヤマトですよね?
デスノートじゃないですよね?
511ゲーム好き名無しさん:2005/11/18(金) 21:40:03 ID:???
吉良吉影です
512ゲーム好き名無しさん:2005/11/19(土) 08:51:39 ID:???
(0゚・∀・)続きマダー?
513ゲーム好き名無しさん:2005/11/19(土) 11:43:03 ID:???
亀だが、水竜くんの早業ワロタ
ウハウハウハンジといい、クジャラート寮はエロいですなw

超亀だが、アルとツフはあれから仲良くやっているだろうか…
ガラハゲと共に苦難を乗り越えていくスレのアルツフのようにならんかなあ
514ゲーム好き名無しさん:2005/11/19(土) 13:49:34 ID:???
よし、じゃあ誰もいないなら俺が続き書くぞー。結構最近書いたけど。
来週中にはできるかも。分からんけど。
イフ先生…ミステリアスでバカな彼にジュルリ…

>>513
アルベルトはシスコンだから、姉御キャラのツフの魅力にいつか気付くかも…
515ゲーム好き名無しさん:2005/11/19(土) 13:53:48 ID:???
アルツフ幕間、そのうち投下できたらと思うんだが
ここのツフ、なんというかその、なあww

ひさしぶりに描いてみた。
本編続き期待ということで。
http://mardias.fc2web.com/illust/silver.gif
516ゲーム好き名無しさん:2005/11/19(土) 17:50:31 ID:???
>>514
このスレの書き手って大体4〜5人くらい?
あまり多くはないだろうから、多少かぶるのは仕方ない希ガス。
本編頑張ってくれ!

>>515
久しぶりの絵師さんキタコレ
今後ともよろしくお願いします。

ところでこの絵のキャラはラミアちゃん?
いや、メイド服だしひょっとしてツf(ry
517ゲーム好き名無しさん:2005/11/19(土) 18:58:48 ID:???
>>514
おー、続きの人がきたね。のんびり楽しみに待ってます。
個人的にはデモコマ様の『下駄』の結果がどうなるかが気になる。
つーか、ラミアちゃんは紐みたいな服のまま落ちたのね・・・

>>515
お久しぶりです。今後も色々描いてくれると嬉しいっす。
これはアレだね。その後の海賊さん、の時のウェイトレスして稼いでいたオヤブン。
518ゲーム好き名無しさん:2005/11/21(月) 21:09:52 ID:???
sagaり過ぎage
519ゲーム好き名無しさん:2005/11/22(火) 19:07:15 ID:???
ただ今名無しプレイ中。
ちみっこ騎士団騎士がラミアたんに体術かますたび
ル●ンダイブしてるところ想像してるよ
520ゲーム好き名無しさん:2005/11/23(水) 11:20:50 ID:???
次スレたてといた。

【ロマサガ】マルディアス学園4週目【ミンサガ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1132712291/l50
521ゲーム好き名無しさん:2005/11/23(水) 23:56:54 ID:???
あ、次スレ立ったんだ。乙>520
てことは、続きは次スレになるのかね。じゃあこっちを適当に埋めるか。
とりあえず、バーバラはいつ出てくるのか。コレガ(ry
なんか出るなら生徒ちゅーより職員とかコーチとか、そんな感じがしてきた。

522ゲーム好き名無しさん:2005/11/24(木) 23:13:16 ID:???
埋め。
ついでに質問。
今このスレには何人の絵師さんと書き手さんがいるの?
523ゲーム好き名無しさん:2005/11/26(土) 10:55:21 ID:???
薔薇と月見草の例えがいいね。シェラハちゃんのエピソードも期待。
シェラハちゃんは何だろう。黒い花で何かないかな。
524ゲーム好き名無しさん:2005/11/26(土) 11:48:47 ID:???
>>522
書き手は多く見積もって5、6人くらい。
絵師は最大4人だったかな
525ゲーム好き名無しさん:2005/11/26(土) 15:11:53 ID:???
以前と比べて一話がエラく長くなってる分、
新規の書き手さんが挑戦し辛いってのがあるかも。
526ゲーム好き名無しさん:2005/11/26(土) 21:53:36 ID:???
幕間は好きなキャラを使えるし、1話完結だし、
長いのも短いのも書けるから手ごろでいいんだけどな。
本編はどうしてもキャラ増えるからなー。
海底戦争のときのミルザとデモコマ様のタイマンみたく、1場面だけ切り取って書けば短くなるかもしれんけど。
527ゲーム好き名無しさん:2005/11/26(土) 23:34:05 ID:???
できるなら書きたいし描きたいけれど、自分ミンサガ未プレイなのでどちらもできない。
528ゲーム好き名無しさん:2005/11/27(日) 00:19:05 ID:???
ミンサガやればいいじゃなーい
529ゲーム好き名無しさん:2005/11/27(日) 01:11:32 ID:???
>>527
アルティマニア買えば描くのは問題ないよ
530ゲーム好き名無しさん:2005/11/27(日) 22:36:19 ID:???
アルマニにはトモーミの絵いっぱいあるしな。
だが持ってないゲームの攻略本はなかなか買いづらいかもなぁ。
それに絵だけしか見ないと、なんでこんなにミニオンズに萌えるのかが理解できんかもしれん。
それにサルーインはまだしも、デス兄貴は・・・馬だからなぁ・・・ギャップにとまどうかもね。
531ゲーム好き名無しさん:2005/11/28(月) 02:17:25 ID:???
続き宣言した者だが、時間があまりとれなくて遅れるかもしれない。っつかもう遅れてる。ごめんなさい。
あと…新スレ落ちた?
532ゲーム好き名無しさん:2005/11/28(月) 07:04:34 ID:???
>>531
落ちちゃったね。スレ立ってから書き込みほとんどなかったから仕方ないか。
こっちは今491KBだからな。埋めるにはちょっとあるけど投稿するには心もとない微妙な感じだ。
500KB近くになるか、次投稿のメドがたったらスレ立てでイインジャネ?
533ゲーム好き名無しさん:2005/11/28(月) 17:26:26 ID:???
だな。
534ゲーム好き名無しさん:2005/11/29(火) 00:10:33 ID:???
テンプレの>1とかは今のまんまでいいとは思うが、
登場人物紹介はちょっと変えたいな。
前スレには無かった要素とかも色々入ったし、デモコマ様とセージの説明は入れたい。
535ゲーム好き名無しさん:2005/11/29(火) 13:13:55 ID:???
魔の島連中もようやくキャラ立ちしてきたしな。
カッコいいデモコマ様、ハジけたラミアちゃん、怪しいセージ、
無邪気なゴブレンジャー三人、セージの狂信者のメイジャン、どこか憎めないスペクター、はしゃがないがさりげなくボケるリザードロード。
完全な悪役集団のはずなのにほとんどが憎めないキャラっていうのがすごいw
536ゲーム好き名無しさん:2005/11/30(水) 08:45:18 ID:???
今日か明日には投稿できるかもしれない。
遅くなってホント申し訳ない!
537ゲーム好き名無しさん:2005/11/30(水) 21:59:56 ID:???
>>536
お、待ってました!ワクテカして待ってるよ。
んじゃその間に、登場人物紹介改訂版でも作ってみるかな。
容量はまだ大丈夫っぽいし。
538537:2005/12/01(木) 01:11:07 ID:???
ダメだ、三姉妹とミニオンズ、ミルザ周り、四寮長で力尽きた・・・。魔の島連中まで書けなかったよ。
容量もなんか多くなっちゃったし。投稿したら容量オーバーするかもしれないので自粛します。
しかし登場人物紹介って結構書くの難しいな・・・。
539ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 03:11:13 ID:???
新作はまだこなさそうだな。
そろそろ新スレ立てとこうぞ。ちなみに俺はムリだったー
540ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 18:10:41 ID:???
( ・∀・)マダー?
541ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 18:57:29 ID:???
ブラ外しムズイよやっぱ
一瞬なんて無理。さすが水竜様
542ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 19:05:17 ID:???
新スレちゃんと保守しときゃよかった('・ω・`)
543ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 20:40:39 ID:???
やったー、続きはほぼ完成して投下できるんだが、スレの容量が心配。
とりあえず新スレたててきまつ
遅れてすんません・・・
544ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 20:51:06 ID:???
新スレ無理だった・・・
だれかお願いしまぁす
545ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 22:01:51 ID:???
んじゃちょっとスレたて挑戦してみるノシ
546ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 22:08:45 ID:???
すまん、ダメだった。次の人頼む!
547ゲーム好き名無しさん:2005/12/02(金) 23:43:08 ID:???
スレタイは
【ロマサガ】神立マルディアス学園四週目【ミンサガ】
こうだ。
ちなみに俺はムリだったから誰かはやく立ててくれい!
548ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 12:01:15 ID:???
はい新スレ。
登場人物説明そのままだけど立てるだけ立ててみた。

【ロマサガ】神立マルディアス学園四週目【ミンサガ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1133577884/l50
549ゲーム好き名無しさん:2005/12/03(土) 13:28:56 ID:???
550ゲーム好き名無しさん:2005/12/05(月) 23:07:27 ID:???
一応保守
551ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 12:52:03 ID:???
埋めついでにツフサンタ投下。

ttp://mardias.fc2web.com/illust/tsuf.jpg
552ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 23:16:16 ID:???
>>551
( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)!

び、美人だ・・・こんなんツフじゃねぇ・・・

シフや!!

光の速さで保存しました。ありがとうございます。
553ゲーム好き名無しさん:2005/12/06(火) 23:24:50 ID:???
>>551
ツフ-ネタ成分=シフということか。
うん、gjだね。
554ゲーム好き名無しさん:2005/12/09(金) 00:03:11 ID:???
>>551
あれ、これを描いたのは、まとめサイトの管理人さんかい。
イラストチックですげーイイ。GJ!
あといつも更新乙です。まとめサイトで過去話との繋がりとかを追えるので、とても重宝してますよー。
555ゲーム好き名無しさん:2005/12/09(金) 11:41:44 ID:???
>>551萌え!
いつのまにかあちこちで集めたツフ絵がフォルダ一杯になってるよ。
アルの前ではこんな感じなのかなあ

今頃アルツフこうなってるといいなあ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1121960570/267-268
556ゲーム好き名無しさん:2005/12/09(金) 15:04:10 ID:???
>>554
うん。

なんか思ってたのとは逆の反応で驚いてる。
シフ…好きだったんだよ……
ツフもある意味最高なんだが。
557ゲーム好き名無しさん:2005/12/13(火) 22:08:07 ID:???
保守
558ゲーム好き名無しさん:2005/12/17(土) 13:41:26 ID:???
保守するよ。
559ゲーム好き名無しさん:2005/12/21(水) 22:29:05 ID:???
16話が終わるまでは保守
560ゲーム好き名無しさん:2005/12/25(日) 15:32:58 ID:???
ほしゅ
561ゲーム好き名無しさん:2005/12/31(土) 17:18:31 ID:???
保守
562ゲーム好き名無しさん
まとめサイトに載るまで保守