【ロマサガ】マルディアス学園【ミンサガ】

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1ゲーム好き名無しさん

まだマルディアス学園が創立して間もない頃、女生徒に魔性の美人三姉妹がいました。
付き合った男を次々に不幸にしてゆき
それをトラウマ自分語りする美人メンヘル一年生・シェラハちゃん。
破壊行為が大好きでチャームポイントは
タカビーナルシスト逆切れ八つ当たり露出狂の古風でつつましい日本美人二年生・サルーインちゃん。
骨格美人の三年生・デスちゃん。
彼女達はたぶらかした男達を率いて、生徒会長エロールちゃんに生徒会戦で戦いを挑みました。
激しい選挙運動で公害レベルでした。とくにミニオンちゃん達、の中でもヘイトちゃんが公害レベルでした。
生徒会長の座が危うくなってきたエロールちゃんは、貧乏な奨学生ミルザくんを宝石で釣りました
のではなく全校生徒を愛する生徒会長の役目として10個も宝石を施してあげました。
超セレブのお金持ちで超美人でいかにもSっぽいサルーインちゃんに密かに憧れていたMのミルザくんは
サルーインちゃんが生徒会長になって他の男に更に人気が出ることを断固阻止しようとしました。


※ロマサガを使って遊んでるスレだと割り切ってください。
※リレー小説形式です。次に書く人が自由に展開させていきましょう。
※ちょっとした雑談、小ネタもどうぞ。


派生元、もっと詳細なネタが見たい方はこちらもどうぞ↓
ミンサガのミニオン様はエロカワカッコイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1117463661/l50
2ちけ ◆chikeSPoz6 :2005/06/23(木) 19:24:50 ID:???
クソスレハケーン
3ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:34:26 ID:???
主な登場人物

★サルーインちゃん  破壊行為が大好きな超タカビーなお嬢さま。そのナルシストっぷりは常時半裸で
  自分を飾らない潔さ。ネクタイは飾りに入りません。反面ファーストキッスも今だ守ってる
  貞淑で身持ちの固い古風で純情派和風美人。エロールちゃんとは永遠のライバル。
★エロールちゃん 「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」を乱用する
  マルディアス学園の生徒会長。博愛主義を標榜して憚らないが一部で天然腹黒がバレている。
  生徒会長の座を守るためではなくこの学園のためミルザ君に宝石を施して『あげた』。
★ミルザくん  出稼ぎの為に上京してきた貧乏奨学生。「金、金、金!」がモットーの騎士団寮に寄宿している。
  毎日バルハルモンスターのバイトをして食い繋いでいる。潜在的MでSっぽいサルーインちゃんに
  憧れており、エロールちゃんから「運命の赤い糸石」を貰う。こうして彼は悪魔と契約をしたのだ。
★シェラハちゃん  サルーインちゃんの鬱病の妹。付き合った男を次々に不幸にして
  道端の人を捕まえては自分語りする。
  例1・ジャミル君/親友が死んだ。 例2・グレイ君/髪がモップになった。
  例3・ホーク君/「キャプテンキャプテンホーク」になった。
  例4・アルベルト君/姉の婚約者が棒読みだった。
  エロールちゃんから貰ったパワーストーンのお陰で物忘れがひどい。
★デスちゃん  サルーインちゃんのお姉ちゃんで骨格美人。三姉妹の仲で唯一正常だがマイルームから出てこない。
★ワイルちゃん  ごく普通の子。唯一のとりえはスペルエンハンス。
★ヘイトちゃん  私はヘェイトちゃあぁぁぁアん!
★ストライフちゃん  人を虫けら呼ばわりするヤンキー気取りの優等生。水泳が得意。
★アルドラちゃん  ミルザくんストーカー。サルーインちゃん生徒会長就任を恋の為に阻止しようとする
  エロールちゃん側兵器ミルザくんの足を引っ張るようにミニオンちゃんとデスちゃんが用意した
  対抗兵器。もちろん姿はダークちゃん。
4ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:36:11 ID:???
第一話「生徒会選挙」

 神立マルディアス学園には、デス、サルーイン、シェラハの魔性三姉妹がおりました。
サルーインちゃん「ついに来たか・・・この日が・・・」
デスちゃん「生徒会戦は穢れた学園を浄化するための選挙よ」
シェラハちゃん「この季節になると悲しいことを思い出すわ・・・
      学園を心から思って生徒会長に登りつめた将来有望な男子学生の話。
      規律ある爽やかな学園にするために学園内異性不純交際禁止の
      校則を作ったのだけれど、黒髪の超絶絶世美女生徒に一目惚れして、
      生徒会長の座も生徒達の信頼も全て投げ捨てて愛を選んだのに、
      こっぴどく振られた上校則違反で退学になって廃人になったの」
デスちゃん(黒髪の超絶絶世美女って自分のことだろ・・・・・・)
サルーインちゃん(黒髪の超絶絶世美女って私のことね♪・・・
      でもそんなことした覚えあったかなあ)
ワイルちゃん「失礼します三姉妹さま、
       サルーインちゃんさま、校舎裏にてお呼び出しの手紙がございました」
サルーインちゃん「またなの!ラブレターなんていつものことじゃないの!捨て置け!
      ・・・アハ、でもまあ退屈だから行ってやらんでもない♪」
デスちゃん(本当はいい気になってるんだろ・・・・・・)
シェラハちゃん「ラブレターと聞くと悲しいことを思い出すわ・・・
      学年一位の成績の男子生徒に憧れの黒髪の超絶絶世美女生徒から恋文が来たと思ったら
      白紙の宿題プリントだった話」
 サルーインちゃんの下駄箱に毎日あふれるほどのラブレターが入っていることは事実でした。
 そんな大量のラブレター見てられないわ!と、サルーインちゃんはミニオンちゃん達に
 選別させていたのですが、そのラブレター群の半分がカミソリ入りであるためだとも
 まことしやかに囁かれていました。その噂の発生源は辿っていくと突然プツリと切れるのでした。
 これで噂の火の元が誰だかおわかりになるでしょう。しかし実際事実でもありました。
 サルーインちゃんは鬱陶しいと言いながら足取り軽く校舎裏に向かっていきました。
フラーマ先生「・・・時が来ようとしているのよ・・・サルーインちゃんが立候補する時が・・・」
5ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:38:06 ID:???
ミルザくん「ふう・・・疲れた・・・今日は33ジュエルか・・・学食のインパラスープが飲めるな♪」
 今日もバイトバルハルモンスターを済ませてきた貧乏奨学生・ミルザくんは騎士団寮へと帰る
 道のりで校舎裏を通りかかりました。そこでミルザくんは憧れの超セレブ美人お嬢様・Sっぽい
 サルーインちゃんの姿を認め立ち止まりました。
ミルザくん(はっ!サルーインちゃん・・・今日も一段と麗しいSっぷり・・・ハアハア)
 Mのミルザくんがハアハアしていると、もう一人人影を認めたので、ミルザくんは木陰にそっと
 身を隠しました。
クジャラート組生「す、す、好きですサルーインちゃん!」
サルーインちゃん「・・・はっ!この超セレブに告白する気か?お前達男子生徒など
      生徒会に金を搾り取られるだけの、ただの一文無しではないか!」
クジャラート組生「生徒会なんて関係ない!一文無しだってなあ、やり方次第で
      なんでも出来るんですよ!セレブと恋に落ちることだって!?」
サルーインちゃん「なんとでもおっしゃい!所詮男子生徒など私に票を入れるためだけの
      道具に過ぎないわ!では私の出馬の舞台へ!」
 サルーインちゃんは男子生徒を颯爽と振ると、モデル歩きでさっさと帰って行きました。
 木陰で覗き見していたミルザくんは、手酷く罵られた男子生徒を羨ましく思いハアハアしながらも、
 手の平の中の33ジュエルをじっと見つめました。
 サルーインちゃんの「一文無し」という言葉が耳に響きます。インパラスープが霞んでゆきました。
 そんなミルザくんの肩をポン、と叩いた人がいました。現生徒会長、皆の人気者エロールちゃんでした。
6ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:43:33 ID:???
エロールちゃん「生徒会選挙が近づいています。このままサルーインちゃんが生徒会長になり
      学園の全男子生徒は再びサルーインちゃんのとりこになってしまうのでしょうか・・・?」
ミルザくん「えっ!!!(ライバル大量発生!?)・・・そ、そんなことは絶対にさせない!!」
エロールちゃん「・・・サルーインちゃんはタカビーながらも理想の高いお高くとまったセレブです。
      普通のお金持ちやイケメンには転ばないでしょう・・・あなたは生まれながらの
      相当の貧乏ですね、あなたのような極貧民にサルーインちゃんは目もくれないでしょう。
      ただ、世間に噂される絶大価値があるという10個の宝石「運命の赤い糸石」を
      手に入れれば世界一お金持ちになれるし、運命の赤い糸パワーでサルーインちゃんと
      結ばれることが出来るかも知れません。10個の宝石は学園の各地に金庫番をつけて
      生徒会ちょ・・・誰かが隠したといいます。その金庫番を倒し更にそこで
      殺してでも奪われなければ・・・なかなか難しいでしょうね」
 エロールちゃんは微笑みながら「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」という
 決めゼリフをミルザくんと共に残して去ってゆきました。
 ミルザくんはバルハルモンスターの33ジュエルを握り締めました。
ミルザくん「・・・全学園男子生徒のチャンピオンとして、サルーインちゃんを押し倒す!・・・
      じゃなくて生徒会長就任を阻止する!」
 ミルザくんの宣誓は木陰でスポットが当たっていました。しかし更に木陰で盗み聞きをしている
 奴らがいたのです。そう、彼らミニオンちゃんたちです。
7ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:44:41 ID:???
ヘイトちゃん「ヒィッヒェッヒョ、聞いちゃった聞いちゃったアアぁひゃあ〜☆※★
       運命の赤い糸石だってヘェーェ〜〜×○罰◎!いやん私も欲しイイィ〜=
       ヘェイトもあの人といやんあひゃんあひゃひゃはyほさじょいお」
ワイルちゃん「バカ言ってないで下さいヘイトちゃん。サルーインちゃんを阻もうとする
       邪魔者が現れたのですよ、断固阻止せねば!・・・しかしこれは考えようかも知れませんよ、
       私達が先にその石を手に入れれば・・・つまらぬ邪魔立ては阻止でき、更に
       私達からそんな宝石をサルーインちゃんにプレゼント出来る・・・♪」
ストライフちゃん「騎士団寮の貧乏奨学生ミルザか・・・ふん、たかが虫けらが大それたことを・・・
       ふん、なかなか考えるじゃないかワイル。それにたとい先に手に入れられなくとも・・・
       殺してでも奪いればいいだけのことクックック・・・
       そしてそんな高価な石をサルーインちゃんにプレゼントすれば更にサルーインちゃんの
       セレブ度は上がり・・・」
ヘイトちゃん「あぁのにぃっくきエロールちゃんの家柄もハルかに凌ぐことがでェきるる!!!」
ミニオントライアングル「トライアングルフォーメーション!イクゾー」

 こうして恋するミルザくんと忍び寄るサルーインちゃんの僕達の激しい攻防が幕を開けたのでした・・・


8ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:46:14 ID:???
ミルザくん「と、いうわけでぇ・・・早速赤い糸石を探すとしますか!」
就寝時間より1時間後。既にほとんどの寮生が寝静まったその時、ミルザくんは動き出しました。
この学園のどこかに隠されているという10種類の『赤い糸石』を探し出すために。

赤い糸石を探し当てれば、今までの貧乏生活からもおさらば。
それに愛しのサルーインちゃんもゲットできるのです。
もしかしたら他の誰かも狙ってるかもしれません。
寝る間を惜しんでるわけにはいきません。絶対に糸石を手に入れる!

ミルザ君「・・・って言ってもなあ。マルディアス学園は広いからなぁ・・・」

そうです。マルディアス学園はゆうに市一個丸ごと入りそうな程の超巨大学園なのです。
この学園で2年間暮らしているミルザくんも、おそらく半分は立ち入った事もないのでしょう。
しばらくミルザくんは考えた後に、結論を出しました。
ミルザ君「くよくよ考えても仕方ないや。とりあえず慣れ親しんでいるところ・・・騎士団寮や
      クジャラート舎からぼちぼち探していくとするか!」
ミルザくんは貧乏ですが、前向きで無鉄砲、真性のM、という素晴らしい取りえを持っています。
くじけずに、頑張れ!ミルザくん!
ミルザくんは、騎士団寮の廊下を歩いていました。
他の寮生や、ハインリヒ寮長を起こしてしまわないように、
なるべく足音を立てないように、ゆっくりと。
歩きながら、ミルザくんはつぶやきました。
ミルザくん「ほんとに赤い糸石なんてあるのかなぁ・・・そもそもこの寮にはあるとは思えないけど・・・」
騎士団寮は、マルディアス学園の中でもかなり小さい区域に当たります。
それに、騎士団寮は普段からずっと使っていますし、内部構造もほぼ把握しています。
おそらく、この騎士団寮には糸石なんて無いでしょう。
ミルザ「騎士団寮には無さそうだし、クジャラート舎に行くかぁ。」

9ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:49:31 ID:???
マルディアス学園の警備は比較的薄いです。
開いてる窓からクジャラート舎に忍び込みます。
暗い廊下には、人の気配はありません。
つまりは、ミルザくんの独壇場。自由に何の心配も無く探してオーケー。まさにフリーシナリオ。
ミルザくん「なーんか、ワクワクしてきたぞぉ!」
ミルザくんは声を大にしてそう言いました。
そんなミルザくんの声は、おそらく自分以外の人間の耳には入ってないことでしょう。わぁお。
ミルザくんは、足取り軽くクジャラート舎の廊下を歩き始めました。
クジャラート舎は結構広く、ミルザくんにもあまり内部構造ははっきりと把握できていません。
冒険のしがいがあります。
第二話 『ワイルちゃんと。』

足取り軽く、鼻歌を歌いながら、頭の中にサルーインちゃんとの幸せな(SM)恋人生活を描きながら。
ミルザくんは歩きます。
目の前に、二手の分かれ道が現れました。
よし、どっちに行ってやろうか。左。左だ!
分かれ道を左に曲がろうとした瞬間でした。

「ここで何やってるんですかー?」
10ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:51:05 ID:???

ミルザくん「うぎゃああっ!!だ、誰だ!?」
ミルザくんは慌てて後ろを振り返りました。
女?・・・小柄です。・・・可愛いらしい顔立ち・・・眼鏡をかけています。
・・・年下?
オーバードライブしかけている心臓を落ち着かせながら、ミルザくんは冷静に話しかけました。
ミルザくん「えーーと・・君は誰だい?僕はミルザ。」
女の人は上目遣いにこちらを見ながら言います。
ワイルちゃん「私、ワイルと言います。実は忘れ物しちゃって・・・今、帰る途中なんですけど、
ミルザさんはここで何してるんですか?」
ミルザくん「エッ?え、えと・・・その・・・」
ミルザくんは躊躇いました。
しかし、少し考えた後思いました。
赤い糸石の事を彼女に話した所で、別段どうってことはないだろう。
ミルザくん「実はね、『赤い糸石』って知ってるかい?この学園に隠されてるらしいんだけどさあ。
どうも、それを手に入れると、お金持ちになれるは、好きな人とは結ばれるはでうっはうはらしいんだ。
だから、それを探しにきてるの。」
ワイルちゃん「へ〜え・・・夢のある話ですねー。」
うっとりとするワイルちゃん。
ワイルちゃん「そうだ、ミルザさん!私も一緒に探させてください!」
ワイルちゃんが、唐突に言い出しました。
ミルザくん「は、はえっ?な・・・何で?」
ワイルちゃん「そりゃーもー、『お金持ちになれるっ!』『好きな人と一緒になれるっ!』そんな宝石なんて、女の子の夢じゃないですかぁー。
あ、いやっ、奪い取ろうなんて考えてませんよ!ちょっと私もこの目で見てみたいんですよ。その糸石とやらを!」
ミルザ君に必死にそう訴えるワイルちゃん。
ミルザくんは、少し考えた後言いました。
ミルザくん「いいよ。ついてきな!連れは多いほうが心強いし、えと、そのー、金庫番やらなんやらいるらしいし、
こっちとしては喜んで!同行願います!あれ?」
ワイル「ありがとうございますーミルザさん!私、ちょいと風術には自信ありますし、力になれると思いますよ。
さぁ、いきましょう!」
ワイルちゃんはそう言うと、にっと微笑みました。
ミルザくんも微笑みました。
力強い仲間が出来ました。さぁ、ワイルちゃんを連れて、再び赤い糸石探索の始まりだー!
11ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:53:56 ID:???
”あたし今から明日の朝までダーリンとデートだからさぁぁぁ〜悪いけど頼むよワイルちゃぁぁ〜〜ん★○♪鰤□!!”
”私も集会があるからさ・・・明日フリーなのはあんただけなのよね、ワイル。頼んだわよ。”
”えええ〜〜!?トライングルフォーメーションで行くんじゃないんですかぁぁー!?”
”まぁ、事情が事情だし・・・ねぇ?”
”ねぇぇぇ〜〜〜〜○▼×CH2帖∀!!”
”くそっ、尾行はヘイトちゃんが本職でしょうが・・・ま、まぁ、これもサルーインちゃんのため、私のため。
サルーインちゃん一の僕として、ワイル、頑張らせていただきます!”
”おお〜〜〜!!いいどいいどぉぉ〜〜∇δ∵氏掾♪!!”
”よくいったワイル!流石『一の僕』だ!わはははは!!”

眠い・・・

睡魔が容赦なく私の瞼を閉めにかかってきている。
普通ならば心地よく受け入れるはずだが、今日はそんなわけにもいかない。
なぜなら、私はサルーインちゃん一の僕!
サルーインちゃんを喜ばせるためだったら、何だってやってやる。
そうだ。今、睡魔なんかに負けるわけにはいかないのです!

ミルザさんは、相変わらずうきうきわくわく、鼻歌を歌いながら歩いている。
よくも眠くならないものだ。そこまでサルーインちゃんの事を好きなんですね。うふ、可愛い。
・・・可愛いのは大いにいい事です。でも、早く糸石を見つけちゃってください。
12ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:55:51 ID:???

ミルザくん「ねぇ、ワイルちゃんってさ。」
突然思考の外から声が割り込んでくる。
ワイルちゃん「あ、は、はい!な、なんですか?」
ミルザくん「ワイルちゃんって、何年?」
ワイルちゃん「へ、なんでそんな事聞くんですか?」
ミルザくん「いや、敬語が気になってさ。」
ワイルちゃん「敬語は私の口癖です。あんま気にしないでいいですよ。」
ミルザくん「そ、そっか・・・」
話が途切れる。
そうです。無駄話はいりませんよ、ミルザさん。
あなたは糸石を捜しにひたすら歩いていればいいのです。
ミルザくん「ん・・・?何か声が聞こえない?ワイルちゃん。」
また話しかけてきた!
ワイルちゃん「あーもー、何ですかっ!?何も聞こえませんよぉー!」
ミルザくん「いやっ、よーく耳を澄ましてみなよ。何か声が・・・」
私は、仕方なく息を殺し、耳を澄ましました。
あれ?確かに・・・何か聞こえる・・・


『うはうはうはんじ・・・うはうはうはんじ・・・』


歌?悪趣味な歌、これは、なんだぁーーー!?
ミルザくん「ウハンジって確かクジャラート舎のリー・・・こんな時間になんなんだろう・・・?
あっちから聞こえるよ。行ってみよう!」
ワイルちゃん「は、はい!」
あーん。糸石以外のことには興味ないのに。
まぁ、今は成すがままにされるしかないか・・・
13ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:56:34 ID:???
ウハンジ「うはうはうはんじ・・・うっは、お嬢さん、ええケツしとるの〜!」
アルドラ「止めろこの糞オヤジ!こんな所に俺たち生徒を連れてきてただで済むと思ってるのか!」
ファラ「そーよそーよ!」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!アイシャ!」
ウハンジ「ん〜?聞こえないねぇ。それが目上の者に物をいう態度かなぁ〜?うっはははうはんじ!」
アルドラ「くそっ、醜い奴め!」
ファラ「最悪最悪!お前なんか今にジャミルにやられちゃうんだから!」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!アイシャ!アイシャシャ!」

ミルザくん「ここだ!生物室っ!」
きき〜〜っとミルザくんは生物室の前で止まり、ドアに耳を当てました。
中から話し声が聞こえます。
ワイルちゃん「ミルザさ〜ん・・糸石は〜・・?」
ミルザくん「しっ!」

『うはうはうはんじ!さぁ、抵抗は止めなさい!パパがやさしくしてあげるよ〜』
『触るな外道!』
『そーよそーよ!助けてジャミル〜』
『あたしタラール族のアイシャ!アイシャ!アイシャ!アイシャ!アイアイタラール族!』

ミルザくん(ウハンジさんの声に・・・女の子たちの声・・・?聞いたことある声があるなあ。)

『ばか〜!ばかオヤジ〜!』
『止めて・・・助けて・・・触るな・・・』
『夜明けが近いんだ。大人しくしなよファラちゃ〜ん。アルドラちゃ〜ん。』
『あたしタラール族!アイシャ!アイシャ!アイシャ!』

ミルザくん「アルドラ!?」
ミルザくんは声を上げました。
ミルザくんは、そのまま躊躇わずに生物室のドアを勢いよく開けました。
ドガァァァンと、ドアの音が静かな校舎に響き渡ります。
ワイルちゃん「ちょ、ちょっ・・・ミルザさん何して・・・」
ワイルちゃんはそこまで言いかけると、生物室の中の状況を見て口が開かなくなりました。
はだかの男が一人。裸エプロンの女の人、いたって普通の女の人、変な女の人。
アルドラ「ミ、ミルザ・・・」
みんな口をあんぐりあけてこちらを見ています。
ワイルちゃん「えと、あはは・・・そ、その・・・」
ミルザくんと生物室の中の人達を交互に見回すワイルちゃん。
ウハンジ「貴様、何者だ!」
14ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:57:48 ID:???
上半身素っ裸で叫ぶウハンジ。
ミルザくんは即座に返しました。
ミルザくん「何をしているんだお前!悪いけど、女の子達を離してもらうぞ!」
ミルザくんは叫びました。
ミルザくんの正義感は、人一倍あるのです。
ウハンジは、テーブルの脇においてある剣を取ると、ミルザくんに向かって駆け寄りました。
ウハンジ「邪魔をしおって!悪いが黙ってもらうぞ!」
ウハンジが大きく剣を振りかぶります。
アルドラ「危ない、ミルザ!」
ファラ「きゃぁぁぁーーーーーー!!」
ワイルちゃん「ミ、ミルザさん!」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!」

バシュッ

しかし、次の瞬間地に倒れていたのはウハンジでした。
ミルザくんの左手に、銀色の綺麗な剣が輝いています。
ミルザくん「一応これでも僕、全学園男子生徒のチャンピオン、ですから。」
ミルザくんは、銀色の剣、レフトハンドソードを静かに鞘に収めました。
アルドラ「すごいよミルザ!」
ファラ「うわ〜〜!!ジャミルよりカッコいい〜〜〜!!」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!」
叫ぶ女の子達を尻目に、ミルザくんは立ち上がろうとするウハンジをにらみつけました。
ウハンジ「う、うい、待て。この事を校長に伝えるのだけは止めてくれ!
何が欲しいんだ、金か?」
後ずさりながら言うウハンジ。
ミルザくん「一つ。この女の子達を開放する事。
二つ。もう女の子達を攫っていかない事。
了解できないなら、今ココで(黙って親指を下に向けながら)こうですよ?」
一層ウハンジの顔に恐怖の色が差し込んでいきます。
ウハンジは、しばらく考えた後、ゆっくりと首を縦に振りました。
ミルザくん「分かったなら、今すぐ出て行け!」
ウハンジ「は、はいぃ!」
15ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:58:16 ID:???
ファラ「ありがと〜!あなた見ない顔ね〜!!でもありがと〜!」
ミルザくん「はは、どういたしまして。」
ファラ「あたし南エスタミル寮にいつもいるから。会いたくなったらいつでも来てねん♪」
ミルザくん「はは、喜んで。」
ファラは、そう言うと嬉々とした足取りで出て行きました。
ミルザは、ゆっくりとアルドラの方へと歩いていきました。
ミルザくん「大丈夫かいアルドラ?」
アルドラ「だ、大丈夫だ。心配なんかされないでも、大丈夫。じゃあな。」
アルドラはぷいとそっぽ向くと、すぐに出て行ってしまいました。
ミルザくん「はぁ、もう。素直じゃないんだから。」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!」
ミルザくん「はえ?」
隅っこの方にも、もう一人どこかの民族?のような女の子がいました。
ミルザくん「やぁ、大丈夫かい?」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!」
ミルザくん「は、はい?」
アイシャ「あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!シャシャシャタラールアイシャ!族!」
ミルザくん「・・・・・・・・・???????」

ワイル(あ〜あ、夜が明けちゃったよ・・・)
16ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:58:47 ID:???
ワイルちゃん「夜、明けちゃいましたね。糸石探しはまた今度ですね。」
ミルザくん「そうだね。ま、でも女の子達を助けられたしよしとするか。」
ミルザくんとワイルちゃんは、朝焼けでまぶしいクジャラート舎の校庭を歩いていました。
ミルザくん「じゃ、僕は騎士団寮に帰るけど、ワイルちゃんはどこの寮出身なの?」
ワイルちゃん「ああ、バファル舎のメルビル寮です。」
ミルザくん「えぇぇぇ!?そんな遠く!?」
ワイルちゃんは、小さく「やべっ」と言い、口を手で覆いました。
・・・気まずい空気が流れます。
ミルザくん「ま、まぁ、特に深追いはしないよ。なんか事情があってここに来たんだよね。うん。」
ワイルちゃん「は、はい。そうですそうです。あははは・・・」
ワイルちゃんは尋常ではない冷や汗を流しながら、胸をなでおろしました。
その瞬間です。

「あっ、ワイル!」

突然声が聞こえました。
ミルザくんは、驚き、その声の主に釘付けになりました。
ワイルちゃん「あ、あっ!サルーインちゃん!おはようございます!起きるの、早いですね・・・」
サルーイン「そう?いつも通りだけど。セレブの朝は早いのよ。」
サルーインちゃんは、そこまで言うと見るザくんをちらっと見ました。
ミルザくんの心臓が、まるでグランドスラムでもしたかのように跳ね上がりました。
サルーインちゃんはすぐに視線をワイルちゃんに移し戻し、話を続けました。
サルーインちゃん「後で朝食食べにいきましょ。ストライフとヘイトも呼んでおいてね。」
ワイルちゃん「は、はい。分かりました・・・」
サルーインちゃんは、踵を返すとモデル歩きでどこかに行ってしまいました。
ミルザくんは、しばらくその姿を追った後、ワイルちゃんをじぃっと見つめました。
ワイルちゃん「な、なんですか?」
ミルザくん「キミ・・・サルーインちゃんの友達だったんだ・・・」
ワイルちゃん「は、はい。そうです・・・えへ、えへへへ・・・」
ミルザくんは、まるで珍しいものでも見るかのような目で、ワイルちゃんを見続けます。
・・・・・・・
ワイルちゃん「その、今日は楽しかったです、ミルザさん!またね!」
しばらく経った後、ワイルちゃんは耐え切れなくなり、そう言ってそそくさとその場を立ち去りました。
ミルザくんは、そのワイルちゃんの後姿を、見えなくなるまで追っていました。


ワイルちゃん(ふう。もしかして友達視されちゃったかな・・・迷惑迷惑。
       まぁ、いいや。また会いましょうね、ミルザさん♪)



第二話 おしまい
17ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 19:59:52 ID:???

それではお好きに物語を作っていってください。
18ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 20:01:43 ID:???
>>17
おつかれぇ。
19ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 22:01:23 ID:???
第三話「ダークちゃんオープニング」


ワイルちゃんはサルーインちゃんとミニオンちゃんたちと朝食を済ませた後、
(もちろん三姉妹専用三ツ星シェフがいるのです)特別三人用のミニオンちゃんたちの室で
一人考えていました。
(ヘイトちゃんは何故か変装してスケートに行ってしまい、ストライフちゃんは一服しに出ていました)
ワイルちゃん(あのミルザさんて奨学生、貧乏の割にはモテるんじゃないですか・・・まあ顔も悪くはないし
   おかしいことはないか・・・あのアルドラって女なんてモロベタ惚れ・・・はっ)
ここで策略家を自負するワイルちゃんはピコーン!と閃きました。
ワイルちゃん(この手はどうだ!?うん、これはいい!早速デスちゃんの所へと向かわなければ!!)

デスちゃんは普段、大抵、いつも、常時、自分が部長を務める「冥部」の部室に引きこもっていました。
そんな冥部の門を開かれたので、デスちゃんは威風堂々と言いました。
デスちゃん「生気あるものがここに何をしにきた!」
ワイルちゃん「デスちゃんさま、私です、ワイルです」
デスちゃん「なんだ、サルーインちゃんの腰巾着娘の一人か。して、何用かしら?」
ワイルちゃんはこれまでのあらすじ、極貧民の分際でサルーインちゃんに恋着するミルザくんのこと、
そのミルザくんがエロールちゃんに唆されて「運命の赤い石糸」とやらをゲットし、
更にその力でサルーインちゃんまでもゲットしようとしている不遜な輩であり、
更に更にそうすることで生徒会長戦も妨害しようとしているということを伝えました。
デスちゃん「ふーん。そうかー。(なんかどうでも良さそう)」
ワイルちゃん「そして、アルドラという女子生徒のこと・・・」
デスちゃん「ほう?」
ワイルちゃんはデスちゃんの耳にこにょごにょとささやきました。
デスちゃん「・・・ふーむそれを逆手に利用しようと言うわけね」
ワイルちゃん「はい。デスちゃんの妹君サルーインちゃんの為・・・いかがでしょう?」
デスちゃん「・・・わかった。姉として妹に義理立てしてあげよう。きっと役に立つだろう」
ワイルちゃんはニヤリと笑って冥部から出て行きました。
20ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 22:02:56 ID:???

アルドラちゃんは授業にも出ずに自室でぐっすりと眠りながら(昨日のウハンジ寮長のせいで
 夜寝ていなかったのです)心地よい夢を見ていました。
『大丈夫かいアルドラ?』
あの時のミルザくんの姿が脳裏に蘇ります。とても嬉しかった。アルドラちゃんは至福でした。
と、そこでジリリリリリと目覚ましの音が鳴りました。
アルドラちゃん「ああ、んもうちくしょう・・・でも3限目はウィザードの修練だし行かなきゃな」
さて、と女の子のたしなみとして髪をポニーテールに結おうと鏡を見た瞬間・・・

ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・

マルディアス学園中に凄絶な絶叫が響き渡りました。ホラー映画のようでした。

ミルザくん「ぶっ!!!い、いた・・・なにいまの音・・・声?」
10分の休み時間中も果樹園バイトをしている貧乏ミルザくんの耳にもその絶叫は
聞こえていたのでした。耳が痛くなるほどの大音量に、ミルザくんは耳を押さえました。
アルドラちゃん「ミ、ミ、ミルザァーーーーーーー!!!」
ミルザくん「アルドラ?・・・・・・・・・・・・・・うわっ」
ミルザくんはマジで「うわっ」としか形容できない表情をしていました。その表情を見て
アルドラちゃんは愕然と後悔をしました。アルドラちゃんはこんな「醜い姿・・・」
『ダーク』と呼ばれる呪いの姿にかかっていたのです!
そんな己の姿を動転してミルザくんに見せてしまったのです。
ミルザくんも形容し難い呆然とした顔からやっとはっとして、気を取り直したのか動転したのか
そんな姿のアルドラちゃんに話しかけ始めました。
ミルザくん「あ、あ、アルドラなのかい?アルドラ?ドラ?どうしたんだアルドラその姿は!あっいや
   ちょっおま首折れてる!!?折れてるよ!!病院!病院行かなきゃ早く!」
そんなミルザくんの対応にかなりショックを受けながらも、アルドラちゃんはミルザくんに
手を引かれて病院に連れて行かれそうなりました。ミルザくんとアルドラちゃんが
果樹園から出ると、偶然か、運命のいたずらか、なんとサルーインちゃんが通りかかるところだったのです。
21ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 22:04:17 ID:???
ミルザくん「はうっ!!!」
抗えぬMの性、恋が故に、憧れの君の姿を目にしたミルザくんは
首が折れてるアルドラちゃんのことさえ一瞬忘れてしまいました。
そんなミルザくんをアルドラちゃんは見逃しませんでした。アルドラちゃんの女の感が働きました。
サルーインちゃんはシェラハちゃんと共に歩いていたところでした。
手を繋いだミルザくんとアルドラちゃんを、サルーインちゃんはSっぽい冷ややかな流し目で一瞥すると、
(ここでもミルザくんのMっ気は発揮され、かなりゾクゾクしていました)
アルドラちゃんの方に目をやって一言こう言いました。

サルーインちゃん「アッハ!なんと醜い・・・」

アルドラちゃんは絶句しました。
一言残してサルーインちゃんたちは去ってゆきました。シェラハちゃんは
「醜いと聞くと悲しい話を思い出すわ・・・リメイクを切望されたゲームの美人キャラクターのこと」
その後角が云々などど言っていましたがそれはさておき、アルドラちゃんは絶望と燃え上がる憎悪と、
そして嫉妬の中にありました。「醜い」と言われただけでも理不尽で許せないのに、その言葉を
自分に浴びせかけた女生徒は、学園一、二を争うものすごい美人でした。言葉にならない屈辱、
許せない憎悪、そして、そして何よりアルドラちゃんは気付いてしまったのです・・・
そのサルーインちゃんにミルザくんが恋しているということに!
ミルザくん(はう・・・サルーインちゃん・・・ハアハア・・・)
恍惚とサルーインちゃんのモデル歩きな後ろ姿を見続けていたミルザくんでしたが、はっと
アルドラちゃんのことを思い出しました。
ミルザくん「ご、ごめんアルドラのろのろしちゃって、さ、病院に・・・」
アルドラちゃん「心配するなミルザ」
ミルザくん「え?」
ミルザくんが影も形もなくなったアルドラちゃんの顔を見ると、ミルザくんはぞっとしました。
その醜い姿は、ますますおぞましくすら見えたのです。
アルドラちゃん「なんでもねえよ・・・お前に心配してもらうことじゃないさ・・・じゃあな」
昨日見たアルドラちゃんとは違う姿のアルドラちゃんは、そういうとミルザくんの手からすり抜け
去ってゆきました。ミルザくんは呆然とその後姿を見送っていました。
22ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 22:05:17 ID:???

アルドラちゃんは行き場のない気持ちを反映するかのように、せかせかと早歩きで,、当てもなく
学園中を回っていました。行き交う人の「うわっ」という声も歯牙にかけずに考えていました。
アルドラちゃん(サルーインちゃん!・・・あの女を俺は知っている、知らない奴がいるものか!
   あんな金持ちで育ちのいい美人・・・かなり美人なだけの女!そういやあの女今回の生徒会選挙に
   立候補するんだって?はっあんな奴が生徒会長になったらこの学園もお終いだな!
   男子生徒どもがぎゃーぎゃー騒ぐだけさ・・・ああ、その中にミルザもいるというのか!
   ああ・・・ミルザどうして・・・ミルザ俺は許さないぞ、あんな女とお前が結ばれるなんて
   許さない、俺はお前を愛してるんだ!!)
???「もしもし、そこのお方・・・?何か首が・・・いえ具合がよろしくないように
   お見受けしますが、大丈夫ですか?」
どこからともなく話しかけられアルドラちゃんはぐるんと首を回しました。そこには赤い制服の
見慣れない生徒がいました。
アルドラちゃん「うるせえよ!!かんけーねーだろほっとけ!!」
???「おや、すみません大きなお世話を・・・そうそう、そういえば今回の選挙・・・」
選挙という言葉にアルドラちゃんはピクリとしました。あのサルーインちゃんを連想したからです。
???「二年のサルーインちゃんは現生徒会長エロールちゃんの強大な対抗馬ですね・・・
   しかし何でもサルーインちゃんの生徒会長就任を妨害するためにミルザとかいう奨学生が
   頑張っているとか・・・」
アルドラちゃん「なんだって!?どういうことだ!?」
アルドラちゃんはいきなり耳に入ってきたその話が解せませんでした。ミルザくんがサルーインちゃんを
好きなら、当然生徒会戦も応援するものと思っていたからです。
???「それが何でも、他の男に人気が出て更に競争率が高くなるのを阻止するためだとか・・・
   しかも不思議なことに、彼はサルーインちゃんと結ばれるためにあの伝説の石、
   『運命の赤い糸石』まで探しているとの・・・いえ、ここだけの話ですよ」
そこで3限目を知らせるチャイムが鳴りひびきました。
23ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 22:06:07 ID:???
???「おや、もう3限目ですか。では、私はこれで・・・」
アルドラちゃん「待て!!お前は一体、どこのクラスのどいつでミルザとはどんな・・・」
???「私のことはそうですね・・・赤女子高生とでも呼んでください。それでは、また・・・」
そう言って赤女子高生は掻き消えるように去ってしまいました。
アルドラちゃんの頭は混乱していました。憎いサルーインちゃん、選挙、醜い自分、愛しいミルザが
サルーインちゃんと結ばれるために頑張って・・・愛しいミルザ、愛しいミルザ・・・
その時マルディアス学園中に「俺はミルザを愛してるーーーーーー!!!」という叫びが
こだましました。その時アルドラちゃんはプッツンしたのです。そう、彼女は生まれ変わったのです
新生「ダークちゃん」として!
これから彼女はミルザくんにとってとても大きな存在となるのでした、そう、
とても大きな「恋の障害」として・・・

ストライフちゃん「お前の変装癖もたまには役に立つようだな」
ヘイトちゃん「私の変装が役に立ったのです。感謝しなさい」
ワイルちゃん「もう変装といていいですよ、ヘイトちゃん」
ヘイトちゃん「いやあァぁああんむワイルちゃんてヴぁ一人で手柄取ろうとしちゃってヒャー★☆★!!」
ストライフちゃん「ふん、あの女・・・いや女だか知らないが・・・虫けらだが、図らずも
   上手く動いてくれそうだな。ミルザとアルドラ・・・虫けらは虫けら同士潰しあうのがお似合いだ」


第三話おしまい つづく
24ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 15:46:31 ID:XzG5Iviu

しかしミルザ可愛いな。
25ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 17:13:57 ID:???
つうかミルザいじられ過ぎw一応伝説の戦士なのに‥‥面白杉。

そういやこれの前身のミニオンスレで、
「一応神々の話にしぼって他はエッセンス程度にしたらどうか‥‥」
みたいな意見が書き込まれているのを見たがもし現世界の住民たちを出すのなら、
彼らはマルディアス学園の中学生・小学生ということにしたらどうか?

例えば、中等部の生徒会長は棒読み殿下で、
実は裏でサルーインちゃんとミニオンたちと通じているとか。
年齢の高めのキャラは中学生、若いキャラは小学生にすればいいと思う。
小学生の方の会長が誰が良いか思いつかなかったが‥‥
26ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 17:31:27 ID:???
【中等部】
≪三年生≫
棒読み(生徒会長)・シフ・ホーク・ガラハゲ・ゲラ=ハ
≪二年生≫
バーバラ・エルマン・ディアナ(副会長)
≪一年生≫
クローディア・グレイ・ジャン(生徒会役員)・ラファエル・コンスタンツ

こんな感じ‥‥?
シルバーは初等部かな?
27ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 17:39:20 ID:???
そういうの無くていいんじゃないか?
何でもアリ(分相応に)の方が面白そうだし。
ウハンジとタラールとハインリヒとファラは出ちゃったし・・・
ジャミルも・・・
28ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 17:45:11 ID:???
まあな、結局は書き手さんたちの都合が一番優先だと思うしな。
29ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 17:46:52 ID:???
俺も思いつきで言ってみただけだから、すまん。
30ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 18:06:08 ID:???
>>1
そういえば、『10個も宝石を施してあげた』って書いてあるけど、
これって修正したほうがいいような・・・
31ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 19:48:04 ID:???
「よくやってくれたな!それ、褒美の50ジュエルじゃ。」
「おお!ありがとうございますガトさん!(うっひゃー!高級ロレンジが買えるぅーー!)」

ミルザくんは、今日も放課後の時間をバイトに費やします。
そうして手に入れたジュエルが、一日の生活費でもあるのです。
ミルザくんは、今日もバルハルモンスターで稼いだジュエルを手に、
嬉々として寮へと帰るのです。

ミルザくん(高級ロレンジ高級ロレンジ・・・)
ミルザくんは今日も夕食のことを考えながら、寮への帰路に着きます。
ここはバルハラント。マルディアス学園の最南端に位置して、
生徒達のスケート場や、手軽に出来るバイトがあったりと、
マルディアス学園の南部に主に住む生徒達の、憩いの場になっています。
ミルザくんもその中の一人でした。
ミルザくん「それにしても、まだお腹空いてないし、もう少し運動してから帰るかな・・・」
ミルザくんは、ジュエルを手に入れた記念に、少しスケートをすることにしました。
バルハラント凍結湖スケート場。
特に管理してる人もいる訳ではないので、放課後や休憩時間は連日人で賑わっています。
そして今日もまた人で賑わっています。
男の子や女の子・・・アベックの人もいれば、赤ずくめの怪しい人もみんなスケートを楽しんでいるのです。

ミルザくんは、愛用のスケート靴を履き、氷の床を滑り出しました。
シャーーー・・・
小気味よい音が耳をくすぐり、爽やかな風が全身を撫で回します。
ミルザくんは、滑りに身を任せ、目を瞑りました。
ミルザくん(むふ、むふふ・・・いずれはサルーインちゃんとこうして一緒にスケート出来る日が来るのかな・・・)
頭の中に都合のいい妄想を浮かべながら、一人怪しく笑いながら滑るミルザ君。
ミルザくんは、目を開けました。
そこには、とてつもなく大きい壁が・・・え?
ミルザくん「ぎゃ、ぎゃああああーーーーー!!!」

どっかーーーん!!
32ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 19:48:44 ID:???
ミルザくん「は、はう〜っ・・・」
頭とお尻に鈍い痛みが走ります。
完全なる不注意。
ミルザくんは、変な妄想に浸りながら走っていた自分に罵声を浴びせながら、立ち上がり、目を開きました。
ミルザくん「あれ、ここは・・・」
ミルザくんがぶつかった壁は、立ち入り禁止になっていた凍った城の壁でした。
凍った城・・・ミルザくんがマルディアス学園に入ったその時から、立ち入り禁止でここに建っています。
「使わないならさっさと壊れちゃえばいいのに・・・」とミルザくんは呟きながら、ミルザくんは再び滑り出しました。

既に日は暮れ、夜。
ミルザくんはコブをさすりながら騎士団寮へと帰ってきました。
騎士団寮の門をくぐるなり、旧友のオイゲンがこちら駆け寄ってきます。
オイゲン「おー。おーいミルザ!帰り遅いなあ。探してたんだぜ!」
ミルザくん「ん?どうしたのオイゲン。そんなに急いじゃって。」
オイゲン「10分後に騎士団会議が始まるぞ。早く行くぞ!」
ミルザくん「騎士団会議?なんでよ。金でも獲られた?」
オイゲン「詳しい事は俺も知らん。とにかく、また金がらみの事なのは確かだな。さぁ、行こう。」
ミルザくん「うん。・・・・そういえば、アルドラは?呼んだの?」
ミルザくんは、昨日のアルドラの事を思い出しました。
オイゲン「さぁな。知らねーよあんな奴。どーせまたどっかで煙草でもふかしてんじゃねーの?」
ミルザくん「そんな言い方無いだろー。アルドラだって変な病気にかかって苦しんでるんだぞ・・・」
オイゲン「病気?あの不良娘が?はは、冗談くさい。」
ミルザくんはむっとしました。
ミルザくん「大変そうだったんだぞー!変になって首折れて声が渋くなって・・・」
オイゲン「はいはい。(ありえないだろんな事)とりあえず行くぞ。会議室。」
ミルザくん「あーもー・・・話をよく聞いて・・・」
オイゲン「はいはい。あんよはおはん あんよはおはん」


第3話『騎士の誇り』
33ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 19:51:07 ID:???
ハインリヒ寮長 「では、これより会議を始める。テオドール。議題の説明を。」
テオドールさん 「デルスデールの監視棟にモンスターが住み着いた。バルハルモンスターや果樹園のモンスターとは
比べ物にならないほどの強力な敵だ。我々騎士が出陣するべきかどうか、会議をする。」
ミルザくんは耳を疑いました。
ミルザくん 「ねぇ、オイゲン。そんなの会議するまでも無いんじゃないの?」
オイゲン 「ったく、お前は何も分かってないな。出陣するのに金がかかるからみんなしぶってんのさ。」
ミルザくん 「あっ、そっか・・・」
ハインリヒ 「まず、出陣に賛成のものは挙手してくれたまえ。出陣に賛成のものは?」
ハインリヒ寮長がそう言うと、まず真っ先にテオドールさんが手を上げました。
しかし、50人ほどいる他のものは、誰も挙手しようとしません。

ラファエル 「金、金、金!騎士として恥ずかしくないのか!!」

ん?
見習い騎士の中等部のラファエルくんです。
騎士A 「見習いがでかい口を叩くな!」
騎士B 「黙れこのへそ出し小僧が!」
騎士C 「コンスタンツと寝てろ!」
騎士D 「死ね!」
騎士一同から一斉に攻撃されるラファエル君。
ミルザくん 「あ、あちゃー・・・哀れだなー。あいつらもあそこまで言わなくてもいいだろうに。」
オイゲン 「コンスタンツを寝取られたから苛ついてんだろうな。きっと。」
オイゲンは哀れみのため息をつきました。
ラファエルくんはというと、泣きそうな目でハインリヒ寮長に助けを求めています。
ラファエル 「ハインリヒ様・・・助けてください!」
ハインリヒ寮長 「騎士以外の発言は認めない」
フラーマ 「騎士ではないですけれど、発言してよろしいでしょうか?」
ハインリヒ寮長 「騎士以外の発言は認めない」
フラーマ 「ありがとう、ハインリヒ。」
テオドールさん 「では、もう一度言う。出陣に賛成のものは!!」
再びテオドールさんが挙手します。
しかし、それ以外の騎士は誰も挙手しようとしません。
34ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 19:52:44 ID:???
ミルザくん「ぼ、僕も・・・」
ミルザくんは耐えかねて挙手しました。
周りの騎士たちが、ざわめきながらミルザくんの方をを見ます。
騎士A「おい、マジかよ。」
騎士B[バカかミルザ・・・]
ミルザくんは何も言わずに、手を高く上げ続けます。
オイゲン「おい・・・お前一人手を上げたところでどうにもならないんだぜ・・・」
オイゲンが『仕方ねえな』とでも言うように言います。
しかしミルザくんは手を下げませんでした。
・・・沈黙が流れます。
しかし、沈黙はすぐに破られました。
ハインリヒ寮長「反対の意見多数。出陣の意見は否決された。これにて会議は閉会とする。」
ハインリヒ寮長が冷たく言い放つと、騎士たちは一斉に会議室を出ていく準備を始めました。
ミルザくんは、周りをきょろきょろ見回します。
騎士たちはみな口々に罵声を呟きながら帰ってゆきます。
ミルザくん「みんな・・・なんで・・・」
呟くミルザくん。
・・・
次の瞬間、わなわなと震えていたテオドールさんが、帰ろうとする騎士たちに向かって、叫びました。


「私だけでも行くぞ!!騎士の誇りにかけて!!」


しかし、誰一人として反応しようとはしませんでした。
35ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 20:42:49 ID:???
職人募集期待age
※感想を書き込んでくれるとやる気の出る職人さんは多いから
 面白いとか続きがみてーとか思った人は是非書き込もう

>>31-34
乙〜オイゲン公が出てきたね。期待。
ところで貴方は第2話書いた人?違ったらスマンが。
リレー形式だし2、3日全然書き込みがないとか以外は
せめて3人以上は空けたほうがいいというのが俺の意見なんだが・・・。
36ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 20:50:35 ID:???
全くの別人です。
37ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 20:52:56 ID:???
>>36
まじ!?形式が似てたから勘違いしちまった。
まじごめん。
38ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 20:56:44 ID:???
あ・・・今気付いた。
>>19-23>>31-34がどっちも第三話になってるな
39ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 21:18:12 ID:???
騎士達が会議室から出ようとしたその刹那…
???「やるよッ!!」
まるで雄叫びのような声と同時に、会議室のドアが勢いよく開いた。
ドアの向こうには巨大な角飾りと……何故かブルマ姿の巨躯の女生徒が仁王立ちしている。
騎士A「な、なんだお前hグバァッ!?」
近寄ってきた騎士の顔面に、意味もなく強烈なヘットバッドを喰らわせる女生徒…彼女の名はツフ。
中等部の生徒でありながらバルハラント全域で幅をきかせる学園史上最強のスケバンである。服装の意味は不明である。
ツフ「情けないねぇ…、それでも騎士かい?」
空気読めないオーラ全開で会議場に入り、テオドールに向かって直進していく。
テオドール「な、何か用かね…?」
ツフ「やるよッ!!」
テオドール「…私の出陣に同行してくれる…と言う事かね?」
ツフ「 や る よ ッ !!」
やや会話不能状態にあるツフだが、どうやら出陣に同行してくれるらしい。
テオドール「……わ、私は今、猛烈に感動していrグバァッ!?」
突然テオドールの顔面にヘッドバッドを喰らわせるツフ…そして崩れ落ちるテオドールの襟を掴むと
そのまま彼を引きずって外へ向かう…
ラファエル「ちょ、何なんですか貴女h…」
横暴なツフに抗議しようと詰め寄るも、強烈な眼光で睨まれたじろいでしまう。
ツフ「サッサと行くよ!!」

…こうして監視棟のモンスター討伐にツフが同行する事になった。
4039:2005/06/24(金) 21:19:21 ID:???
ついカッとなって作ってしまった。まさかこんな適当な展開になるとは思わなかった。
今も全く反省していない。
気に入らなかったら無かった事にしてくれ。
41ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 22:17:16 ID:???
いや
お も し ろ 過 ぎw
42ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 00:05:43 ID:d61FnLfE
ツフワロス
43ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:09:16 ID:???
こうしてミルザのパーティにテオドール、ラファエル、オイゲン、ツフが加わった!

・・・それを遠くから見ていた二つの影がありました。
アルドラちゃん(ダークちゃん)(ミルザがモンスターの巣窟へ!?・・・いやミルザは強いさ、
  大丈夫・・・いいや駄目だ!!放っておけない!!俺も行かなきゃ!俺はミルザを愛してるー!)
もう一つの影はと言うと・・・・・・


第5話『出陣!サルーインちゃん』


ヘイトちゃん「サ、サ、サルーインちゃあァあああはん!!!ゆっゆしき事態でェエす!
  騎士団量のモンスタークラブがあの貧乏寮の奴らによって押し入りされようとしていまァす☆※$!!」
サルーインちゃん&ミニオンちゃん専用部屋に駆け込んできたのは、へイトちゃんでした。
サルーインちゃん「はあ?なんですって?」
モンスタークラブとは・・・サルーインちゃんの選挙運動に密かに暗躍するクラブで、
ミニオンちゃんたちが指揮しています。騎士団寮の監視棟は、その一角なのでした。
サルーインちゃん「何が由々しき事態か!ヘイトちゃん、あんたの管轄なんだから
  それくらい何とかなさいよ!」
ヘイトちゃん「それがサルーインちゃあぁぁぁん!今日の午後ヘェイトってば
  アヒャ笑い選手権の決勝トーナメントなんですうぅぅ卯どうしても空けられなくってヘエー!!泣♪」
サルーインちゃん「・・・・・・なによそのトーナメントは・・・・・・」
ヘイトちゃん「サルーインちゃんも出場すれば結構高順位に入れますよーー絶対★☆★」
サルーインちゃん「私が?アハ、アハハハハハアハハ!!・・・そんなことはどうでもいいのよ!!
  どうしても行けないっていうのへイトちゃん!!」
へイトちゃん「ヒイヒイイイヒイイヒヒヒヒヒお許しを゛を〜〜!!!」
サルーインちゃん「(怯えてんのか笑ってんのかどっちだこいつ)仕方がないわね!私が出るわ!」
ストライフちゃん「なんだと!サルーインちゃん自らそんな虫けらどもの処理に!?」
ワイルちゃん「へイトちゃん!!わがままもいい加減にしてください!」
サルーインちゃん「ワイル、ストライフ、控えよ!ようやくなまった体を動かす機会が出来たのよ
  ・・・本番はこれからよ!」
44ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:10:34 ID:???

所変わって、監視棟にやってきたミルザ一行は・・・
ラファエル「私が、足手まといになってしまって・・・」
テオドール「ラファエル、しっかりしろ、もうひと頑張りだぞ!」
ミルザ&オイゲン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミルザくん(もうひと頑張りも何も超入り口なんですけど・・・)
オイゲンくん(こいつら門をくぐってみたら直リタイア宣言かよ・・・)
ミルザくん(・・・まじで足手まといっぽくね?)
オイゲンくん(・・・まじでこいつら置いてって自分達だけでやる?)
ツフ「やるよ!」
そのツフの一声に、ミルザくん達は彼女と心が通じ合ったような感覚を覚えて毛が逆立ちました。
ミルザくん「(そ、そうだ!)て、テオドールさん!ここの監視棟は広くて僕達騎士団寮生といえども
  よく入り組みを把握してない所!手分けしてやりませんか!?」
オイゲンくん「(ミルザナイス!)そ、そうですよ!効率よく行きましょう!組み分けは
  テオドールさんとラファエル、もう一組が僕とミルザ・・・と・・・ツフ」
テオドールさんはミルザくんたちを見て、得心した様子を見せました。
テオドール「そうだな・・・では君達にはあちらへ行ってもらおう!私達もそのうち・・・
  い、いやこっちの方向へ行ってみるかな!」
ミルザくん「じゃ、じゃあ決まりですね!じゃあお先に・・・」
ツフ「さあ、いくよ!」
こうしてミルザくんたちは足手まといを上手く言いくるめ、監視棟捜索に乗り出しました。

一方・・・
アルドラちゃん(くそっ入り口に騎士団の奴らがいるんじゃな・・・俺が通ろうと
  しても止められるだけだろう・・・ああっミルザを見失ってしまう・・・)
そんなことを考えているとカツ、カツ、カツ、という音が背後から響いてきました。
まるでモデル歩きのような・・・・・・はっ!とアルドラちゃんは連想しました。
サルーインちゃん「ほう・・・これが騎士団寮の拠点か・・・私も全て把握している
  わけではないからな・・・」
サルーインちゃん!!アルドラちゃんが最も憎む、サルーインちゃんの姿がそこにあったのです!
45ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:12:18 ID:???
アルドラちゃん「サルー・・・っ(口を押さえる)」
サルーインちゃん「ん?・・・うわっ醜い!」
アルドラちゃん(ガーーーーーーーーーーーーーーーーン&ムッカーーーーーーー!!)
タカビーで自分のこと以外どうでもいいサルーインちゃんは一度見ただけのダークちゃんの
姿など覚えていなかったのです。本当にうわーって顔してるサルーインちゃんの視線は
アルドラちゃんにとってはかなりの屈辱でしたが、アルドラちゃんはここで考えたのです・・・
アルドラちゃん(ここはモンスターの巣・・・ここでもしこの女の身に何があっても・・・)
アルドラちゃんはこっそりほくそえみました。
アルドラちゃん「こんな所に、あんたみたいな美人が女一人で何しに来たんだい?危ないよ」
サルーインちゃん「お前に関係あってか?(ん?待てよ醜いこいつもしかして騎士団寮から
  派遣されてきた奴か?・・・都合がいいかもな)・・・私は、この監視棟に大切な友達がいるのだけど、
  最近ここがモンスターに占拠されたって聞いて、居ても立っても居られなくなったの」
アルドラちゃん「(好都合だ!)俺はそのモンスターの親玉を倒しに来たのさ!
  どうだい、俺と一緒に来ないか?あんたを守ってやれるし、あんたの友達を救い出してやるよ」
サルーインちゃん「(好都合だな)ええ!あなたってなんて親切なんでしょう!どうか私を
  連れて行ってください、ねえ、親切な貴方は一体・・・」
アルドラちゃん「俺は『ダーク』って言うんだよ・・・よろしくな、サルーインちゃん」
サルーインちゃんはそこで気がつくべきだったのです。
「何故名乗っていないのに自分の名前を知っているのか?」しかし学園で(というか世界で)
自分を知らない奴なんているわけないと普通に思っているサルーインちゃんには、到底無理な話なのでした。

ミルザくん「なんなんだここは!?どこをどうやっていっても雑魚ばかりでモンスターのボスなんて
  見当たらないぞ!?」
ツフ「こんな洞窟、バルハラントでは見なかったよ!」
オイゲンくん(だって洞窟じゃねーし)
ミルザ一行は途方に暮れていました。彼らは、この監視棟の仕掛けにまだ気がついていなかったのです・・・
46ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:13:52 ID:???

サルーインちゃんと『ダークちゃん』は少し話ながらも監視棟を進んでいました。
サルーインちゃんは自分の強さを隠すため、ダークちゃんに守られるフリをしていました。
ダークちゃんはというと、サルーインちゃんが自分に対して微笑みながら話ながらも、
(さすがへイトちゃんの姉御、変装演技はお得意なのです)
あからさまな侮蔑の光が目にこもっていることに、ますます憎悪の念を募らせました。
ギシ・・・
ダークちゃん(ん?)
ダークちゃんの踏んだ床は、ギシギシと音がして、少し腐っていている様子でした。
ダークちゃん(危ないなー、もう何度か歩かれたら腐り落ちるんじゃねーか・・・?・・・!)
ダークちゃんの閃きはそこでした。ダークちゃんは急にサルーインちゃんの手を引っ張りました。
サルーインちゃん「なに!?・・・きゃあ!!!」
床は急に崩れ落ち、サルーインちゃんは転落しそうになりました。・・・いえ既に転落していたのです!
ダークちゃん「お前なんか(恋)敵じゃない。じゃあなあ!!!」
しかし普段から恨まれているサルーインちゃん、これしきの苦難に機転を利かせるのは容易いことでした!
サルーインちゃん「ほざけ!お前も道連れだ!!!」
ダークちゃんの腕が爪が食い入るほどがしっと掴まれました。ダークちゃん「うあっ!!」
叫びを上げてダークちゃんとサルーインちゃんは転落してゆきました・・・・・・

ドオォォーーン・・・
ミルザくん「?何か音が聞こえた!・・・叫びのようなものも!?」
オイゲンくん「上の方から?いや、右から、この壁の向こうあたりからだ!」
ミルザくん「上に右のほうへ行ける何かの仕掛けがあるんだな!いこう、オイゲン、ツ・・・」
ツフ「さあ、いくよ!!」
ドゴォッ!バギャアッ!!なんと、ツフは壁を素手で壊し始めたのです!
オイゲンくん「・・・(唖然)」
ミルザくん「・・・・・・・・・い、い、いやこれは確かに手っ取り早い!
  ツフ、お見事だ!さあ、行こう!!」
47ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:15:04 ID:???

ダークちゃん「はあ、はあ、はあ・・・くっどこか打ったな・・・あの女は!?」
サルーインちゃん「ちっ!爪が折れたわ!ああっヘアースタイルが!一糸乱れてる!
  いやだ、カイナスブランドのハイヒールが折れてる!ああこんな所に履いてくるんじゃなかった!!」
ダークちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ダークちゃんの目論見は失敗でした。しかも何か言葉に出来ない憤りすら感じてしまいました。
『なんだ?お前らは?』
ダークちゃん&サルーインちゃん「!!」
そう、ダークちゃんとサルーインちゃんが落ちたところこそ、この監視棟のボスの居場所、
根城だったのです。
ダークちゃん「お前がここの親玉か!」
『なんだこいつ俺達よりモンスター見てえだな』『キモーイ』
ダークちゃん「・・・・・!!!(プルプル)」
親玉『しかしそっちは素晴らしいべっぴんだ!』
親玉がそういうとモンスターたちの視線がサルーインちゃんのほうに向きました。
ダークちゃん(!これは・・・これは今からでも俺の計画通りに・・・!?
  しかしモンスターたちに弄ばれる・・・ちょっと可哀相だがしかし・・・!)
ダークちゃんが葛藤してる間にもモンスターたちのいやらしい秋波がサルーインちゃんに
迫っていました。しかしサルーインちゃんは眉一つ動かさず、
腰に腕を当て、胸を張ってモンスターたちを見据えました。
サルーインちゃん「控えよ、道具どもが!」
ダークちゃん(え!?)
その一言でモンスターたちが凍りついたように見えたその刹那!
「待てーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
ダークちゃん「!?ミルザ!?」
ミルザくんがどこからともなくモンスターたちに飛び掛って来、銀に輝く
レフトハンドソードでモンスター全部を一刀両断したのです!
48ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:16:55 ID:???
ダークちゃん「ミルザ!!」
ミルザくん「サルーインちゃん!!」
ダークちゃん・・・アルドラちゃんがミルザくんに駆け寄ろうとした瞬間にはもう、
ミルザくんはサルーインちゃんの両肩を抱いて心配そうにサルーインちゃんを見つめていました。
ミルザくん「サルーインちゃん、無事だったかい?怪我は?ああ、どうしてこんなところに
  君が居るんだ!?・・・はっご、ごめん!!!」
無我夢中に憧れのサルーインちゃんの両肩を掴んでしまったミルザくんは、我に返って
ぱっとその手を離しました。サルーインちゃんは冷ややかにミルザくんを見返しました。
サルーインちゃん「・・・余計な真似を・・・いや、何でもない。なんの怪我もないし、
  心配されることも、何故ここにいるかをお前に説明する理由もない」
そのSっぽい物言いは恋するMなミルザくんには今までの苦労を忘れて昇天しそうなほど快感でした。
サルーインちゃんはその後何も言わず一人さっさと去ってゆきました。
目で追おうとしたミルザくんでしたが、まるで煙のように、そこには姿も形もありませんでした。
アルドラちゃん「・・・・・・ミルザ・・・・・・・」
ミルザくん「はう・・・サルーインちゃん・・・はっ!アルドラ!?居たのかお前?
  どうしてこんな所に?」
その言葉、今の今までミルザくんの目に自分が映ってなかったのだと思うと、
アルドラちゃんは無性に悲しくなりました。
オイゲン「おいおい、ミルザ?何をいってるんだ・・・アルドラなんかどこにも居ないだろ?
  おまけにこの危なそうななのは何だよ・・・首が折れてるぞ・・・」
ミルザくん「いや、だからさ言ったじゃんこれが・・・」
ツフ「物足りないねえ!!」
話の途中にいきなり入り込んできたその言葉に、その場の一同は全員振り向きました。
ツフはヅヴァイハンターをしっかと握り締めてこちらを見ていました。
その目の輝きは、まるで『運命の赤い糸石』にすら匹敵しそうに爛々としていました。
ミルザ「・・・・・さてと・・・・・」
アルドラ&オイゲン「うん。(こっくり)」
ダアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
ミルザ一行は逃げ出しました。ツフを置いて・・・       ((LP−15))
49ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:17:45 ID:???

サルーインちゃん「・・・という訳なのよ!あの男、良く知らんが
  正義面して今後もモンスタークラブの活動を阻むやも知れぬ!ミニオンちゃんたち!
  あの男は要チェックよ!!えーとなんだっけ、騎士団寮の・・・えーと・・・」
ワイルちゃん「ミルザです、サルーインちゃん」
サルーインちゃん「ああ、そうそう!ミザル!とにかく疲れたわ、
  あんた達って頑張っているのねえ、いつもこんなことしてるの?」
ストライフちゃん「ふん、サルーインちゃんの為だからな
  (この人ミルザが自分に惚れてること気付いてないんだな・・・)
へイトちゃん「そうですともォオ!!(自分のことしか考えてないニブチン・・・かわいい★☆)
  ところで聞いてェー私ヘェイトってばアヒャ笑いコンテストで」
他三人「どうでもいい」

テオドール「・・・・・・・・」ラファエル「・・・・・・・・」
険悪な雰囲気がミルザブールの宿舎に流れます。ミルザくん、オイゲンくん、アルドラちゃんは
気まずそうに俯いていました。
テオドール「君達の働きは評価しているよ・・・しかし・・・・・・
  もう騎士団寮に寄宿はさせられない」
オイゲンくん「ええ!!」
三人は愕然としました。絶望を感じる暇すらなく、オイゲンくんからは驚きの声が漏れました。
オイゲンくん「待って下さい、それはあまりに理不尽な・・・!(騎士団寮が一番寄宿金が安いんだ、
  ここを追い出されたらミルザは・・・!)」
ミルザくんは蒼白になっていました。先程のサルーインちゃんとの甘い一時(ミルザくんだけ)も
薄れてしまいそうなほど、怖ろしい事実を突きつけられているのだと感じ取ったのです。
アルドラちゃん「待ってくれ!!」
オイゲン&ミルザ「アルドラ?」
テオドール「なんだね・・・アルドラ君」
アルドラちゃん「全ては俺が独断でやったことだ!モンスターの親玉を倒して手柄を独り占めしようと
  したのが逆に返り討ちになりそうになって、そこでミルザに助けられたんだ!!だから
  ミルザは何も悪くない!悪いのは俺だけだ!放寮処分は俺だけのはずだ!そうだろう!」
ミルザくん「アルドラ!!」
テオドール「・・・事情の仔細は分かった。本日にて、アルドラを騎士団寮放寮に処する!!」
ミルザくん「アルドラッ!!!」
アルドラちゃんはミルザくんのほうに振り向きました。
アルドラちゃんはダークちゃんの顔で、微笑んでいました。
50ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:19:09 ID:???

オイゲンくん「・・・くそっ・・・元気出せよミルザ・・・悪いのはお前じゃない・・・
  悪いのはこの腐った騎士団寮だろう?」
ミルザくん「・・・・・・ああ・・・考えていたんだ・・・・後悔しているんだ、
  どうしてこうなってしまったんだろうって・・・」
オイゲンくん「お前が後悔することじゃないよ!!後悔なんかするな!!」
ミルザくん「・・・うん・・・でも後悔せずには居られないんだ・・・ぼくあの時なんで
  「全部ツフが勝手にやったんです」って言えなかったんだろうって」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」

アルドラちゃん(・・・あのサルーインちゃんの一言・・・確かにモンスターは
  凍りついた・・・俺は気付いたぞ・・・サルーインちゃんとモンスターの間には何かある!)


・・・こうしてアルドラちゃんの悲劇は始まり、
ミルザくんとサルーインちゃんとの三角関係はますますねじくれてゆくのでした・・・。

51ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 02:21:13 ID:???
長くなってスマソ。
5239:2005/06/25(土) 07:43:00 ID:???
ミルザブールの町外れにある酒場で一人途方に暮れるミルザ…
ミルザ「ああ、どうしてこんな事に…これから一体どうしよう…。」
未成年故、酒に逃げる事すら出来ない彼の背後に一人の男が立つ。
詩人「随分と落ち込んでいますね?私が語る物語でも聞いて、気を紛らわせてはどうでしょうか…。」
何も答えないミルザ…ただカウンターにうつぶせになってうなだれるだけ…
詩人「余計なお世話でしたか…。」
ミルザ「…いえ、是非…お願いします。今は只…現実から…逃げたいんです。」
弱音を吐き出すミルザを優しい瞳で見つめる詩人…ゆっくりと演奏を始める。
落ち込むミルザを励ますかのような勇ましいメロディ…
詩人「君は見たか、スケ番ツフ!!見てはいけない、スケ番ツフ!!」
凄まじい勢いでカウンターから転落するミルザ
詩人「ツフを見た時、君のカラダと純潔は泣き別れ!!恐ろしいツフ!!スケ番ツf…」
ミルザ「や  め  ろ ぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
頭を抱えながら凄まじい形相で詩人に詰め寄るミルザ
詩人「アナタ達の活躍を歌にしてみました。いかがですか?」
ミルザ「今の歌詞の ど こ が 活躍なんですか!!大体…其れが原因で、僕が
   寮を追い出された事を知った上でそんな歌を歌うんですか!?大体何でツフを…」
苛立ちを隠さないミルザを前にしながらも、詩人は表情をピクリとも動かさない。
詩人「…彼女、粘着質とはほど遠い女性ですが、別れるなら早い方が良いですよ。」
ミルザ「な、何でそんな事まで…大体、まだ付き合って無…」
ミルザの台詞を遮るように、酒場のドアが勢いよく開く
ツフ「やるよっ!!」
53ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 08:02:09 ID:???
酒場の入り口の前に現れたツフ…、一直線にミルザの方に向かってくる。
落ち込む暇もないのかと、急いで逃げ出すミルザの耳に詩人の歌声が入ってくる。
詩人「敵に背を向けるは騎士の恥!!敵から逃げるは尊厳の死!!青年ミルザ、騎士に値せず!!(べべんべん)」
ミルザ「ぐっ…ッ!!」
色々と痛い所をつつかれ、引くに引けなくなってしまったミルザ…。一刻も早くこの詩人と
ツフから逃げたい気持ちを抑え、再びカウンターに付く。
ツフ「昼間は大変だったねぇ…、ミルザ。」
ミルザ「え、ええ…そうですね…。」
いきなり肩に腕を回してくるツフに恐怖するミルザ…視線が中空を泳ぎ回る。
あからさまな拒絶反応を物ともせずツフが続ける。
ツフ「ミルザ、アンタ…アタシのモノにならないかい?」
直球が来ました。しかも彼氏とか男とかじゃなくてモノです。
ミルザ「え、えっと…あの…その…ですね…。」
せっぱ詰まっているミルザの耳元で詩人が囁く…
詩人「おや、これはこれは…。サルーインちゃんに歌ういい題材になりそうだ。」
コイツマジでぶっ殺してぇ…。そんな詩人への殺意とツフへの恐怖、サルーインへの思いがミルザを困惑させる…。
ツフ「アタシのモノになりなよ。」
迫り来る恐ろしい現実…八方ふさがり…しかし、追いつめられた鼠は猫を噛む!!
ミルザ「ぼ、僕には他に思っている女(←ヒトと読む)が居ます!!貴女の連れ合いにはなれません!!」
ツフ「アタシのモノになる気はない…か、なら…奪うのみだねッ!!」
54ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 08:19:40 ID:???
店の中にもかかわらず、臨戦態勢に入るミルザとツフ…
ミルザ(クッ…どうしてこんな事に…、僕にこの怪物が倒せるのか…!?)
詩人「熱き戦いが今、幕を開ける!!(じゃかじゃーん♪)」
激しくウザイ詩人…ツフより寧ろコイツに斬りかかりたいが、今ツフに隙を見せる訳にはいかない…
ツフ「丁度良い。アンタ、この勝負を見届けとくれよ。………いくよッ!!」
勝手に詩人が審判をする事に決めつけ、ツフがミルザに襲いかかる。
ツフの凄まじい突進を辛うじて避けるミルザ…すかさず反撃に出る。
ミルザ「くらえっ!!ハヤブサ返し!!」
光の如く素早いミルザの連続攻撃がツフを捕らえる…しかしツフに大したダメージはない。
それどころか、両肩をツフに掴まれ身動きが取れなくなってしまう…。
ミルザ「し、しまった!!」
詩人「このピンチを英雄はどう乗り切るのか…!?」
非常に鬱陶しい詩人、しかし彼の言うとおりコレはピンチだ。
ギラリと光るツフの瞳…そしてツフの体の回りにいくつかの光のオブジェが…
詩人「恐ろしい連携が今、始まるッ!!」
ツフが上体を大きくのけぞらせる…コレは昼間にテオドールが喰らった…
ミルザ「そ、そんな…連携って一人じゃ出来n…」
ツフ「いくよっ!!ソリッドヘッドヘッドヘッドヘッドォーッ!!」
人間業とは思えない、世にも恐ろしい一人連携の餌食になるミルザ…
ミルザ「そ、ぞんな……」
ミルザは力無く酒場の床に崩れ落ちた…。
55ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 08:26:49 ID:???
ミルザは破れた…最早彼の貞操はツフの手中にある…、と思いきや意外な台詞がツフの口から飛び出す。
ツフ「アハハ、まだまだだね。そんなんじゃアタシの男にはなれないねぇ。」
…戦闘直前の会話の流れを物ともせずに、180度逆の台詞を吐くツフ。高笑いしながら酒場の外へ去っていく…。
ミルザ的にこれは助かった…のだろうか…?
ミルザ「ハァ…助かった…のか?……今日は人生最低の一日だな…。」
自嘲気味の台詞を吐き出すミルザ…
詩人「楽な戦いにも手を抜かない、ツフの姿があった。(べべんべん)」
言うだけ言って満足げに去っていく詩人…
ミルザ「…アイツ……ぶっ殺す……。」
ミルザに新しい敵が生まれた。ミルザがその敵の正体に気が付く日は来るのだろうか…?
とにかく、ミルザの不運な一日がこうして幕を下ろした。
56ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 08:28:35 ID:???
俺も長文カキコしちゃったぜイヤッハァァァァァァァ!!
微妙なネタかも知れない、スレの空気に会わないかも知れない。
 だ が 私 は あ や ま ら な い !!
57ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 08:29:37 ID:???
ワロタw
シフってネタにしやすいんだよな。
ところで矛盾してるがアナザーってことでいいよな?
よな?
58ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 10:38:34 ID:P2ed3YZa
>>52-56
どんなに面白いネタでも空気読んでないと笑えない。
しかも前の話をちゃんと読んでない。追い出されたのはミルザじゃなくてアルドラ。

・リレー小説形式だから2、3人は空けてから書く
・主人公級のキャラはエッセンス程度に職人が自由に使う
(じゃないとそっちの方が目立ってめちゃくちゃになるから?)
あと今までの書き手の書き方を見てれば自分となんか違うことがわかるはず。
ミルザくんの性格なんて顕著。
あなたが小ネタのつもりなら小言悪かったが、リレー小説なら
自由に進めるもの当然のことだが前の人が作ってきた話を尊重するのも当然のこと。

まあ>>50から続けるか>>55から続けるかは次の書き手次第だ。
59ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 12:21:32 ID:???
>>51
おつかれさまー。
アルドラ追い出されたか。これからの展開が楽しみだぜ。
60ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 13:06:11 ID:???
別にネタスレなんだから、そんなにカリカリすることないんじゃないか?
第一書き手がいなくなって、俺みたいなROM専だけになったら
過疎るだけじゃないか。


61ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 14:13:36 ID:???
>>60
いや俺も確かにカリカリしてるかも知れん…。
しかしリレー小説系のスレはいくつも見てきたが
結局やりたい放題やったせいで滅茶苦茶の意味不明になって
それで書き手が離れていったケースが多かったから心配なんだよ。
ここはある程度>>1からして方針も定まってるし杞憂かもしれないが。

いやでも前の人の話をちゃんと読んでないのに参加するのは普通にだめだろ。

あと過疎るのは『感想がこないから』が一番多い。

失礼した。では職人続けてクレー
62ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 15:02:34 ID:???
>>60
だよなー、こんなんどう?みたいなこと小ネタとかちょっと書いたりしても
妙に仕切られてダメダメ言われたら引っ込むしかないもんな。
ある程度の長文じゃないとだめとか、
キャラ設定とか使うキャラとか限定されすぎると書きにくくね?

63ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 15:10:36 ID:???
まぁ、要するに過度のふざけ過ぎはいけないってことだろ?

前までの設定展開無視とかさ。
64ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 15:14:59 ID:???
そうだな。いきなりの超展開は面白ければまだいいが、訳分からなくなっちまうからな。
あんまり変わる場合は「外伝」とかつけて
それだけ半分独立あつかい?みたいになっていたら
まだいいけど‥‥
65ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 15:20:20 ID:???
とにかく、どこでどう間違ったか知らんがこの物語はかなりまともになってしまってるって事だ。
いや、まぁ、なんていうか、コメディの粋は出てないけど・・・(騎士以外のうんぬんやらアイシャがなんやら)
とりあえず独特の空気は完成しちゃってるわけで。
まぁ、自己主張はほどほどにって事だわな。
リレーの途中でわざとコケたり逆走したりするのって不快、迷惑以外の何者でもないだろ?
66ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 16:45:40 ID:???
>>61
後さ、気持ちは分かるが書き手が一生懸命になりすぎて
一話のボリュームがだんだん長く大きくなるのも
スレ離れの一端につながる気がする。
とても出来はよくても、あんまり大きすぎるAAが使いにくかったりするのと似ている感じかな?
まあ、時間かけて読めば良いだけの話だとは思うのですが‥‥
VIPPERみたいに3行以上読めましぇぇん!つうのは特殊だが、
形式つうか読みやすく体裁を整えてくださるだけでもとても助かる。
それから感想は大事だと思う。
AAスレやネタスレとかもそうだが、
職人がネタ貼り付けだけやっててもなんか寂しいものがあるからね。

67ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 17:36:21 ID:???
マルディアス学園には「人間学部」と「モンスター学部」の二つの学部があります。
モンスター学部とは、その名のとおりモンスターたちの学部で人間学部と同様
勉学に励んでいます。(中にははぐれものもおり、そいつらが騎士団寮を襲ったり
しているのですが)しかし人間学部との溝は深く、
「わたくしはこの学園の全てを愛していますわ」なエロールちゃん生徒会長の
熱心なの仲介でもなかなかその隔たりは縮まらないのでした。(と詩人さんが語っていました。)
モンスター学部には4人の寮長がおり、炎系の寮長フレイムタイラントちゃん、
水系の寮長水龍ちゃん、土系の寮長アディリスちゃん、風系の寮長タイニィちゃんといいます。
彼ら四寮長は人間学部とモンスター学部の反目にも沈黙し、中立を守っています。

現在選挙戦の見通しはモンスター学部のほぼ大半は選挙戦ではサルーインちゃんを支持しており、
人間学部はと言うとほぼ半々、というところでした。
エロールちゃん「これはちょっと分が悪いですわね・・・。」
そんな細心なことをつぶやきつつも、エロールちゃんはにっこりと微笑んでいました・・・
68ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 17:43:32 ID:???

モンスターが従来の存在だと結局サルーインちゃんがラスボスになってしまう?
でも学園コメディものらしいし悪者という悪者はいないほうが・・・
と思ってちょっと考えてみた設定っす。書き手さん使いやすかったら使ってくだせー

>>66
一話が長い、出来がよくて完成度が高いと続けにくくなるからねー。
少なくて2、3レス、ちょうどよしが5レスくらい、多くても10レス越えるか越えないか
位がいんじゃないかね?まあその辺の調整も実際書く書き手さん次第だと思うけどね。
69ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 18:22:11 ID:???
そうか、サルーインちゃんが立候補した動機は
エロールちゃんへの激しい対抗意識もあったのかもしれんが、
いざ立候補してみたらエロールちゃん反対派が結構いたということか。

>>68
俺、66を書いた張本人だけど、ちょっと生意気なこと書いちゃったかな?って反省していました。
まさにそういうことが言いたかったのです。ありがとうございました。
70ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 19:30:19 ID:???
エロールちゃんは生徒会長のときは女で
詩人のときは男なのかよ……
71ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 19:48:46 ID:???
だってネ申だもの
72ゲーム好き名無しさん:2005/06/25(土) 22:37:55 ID:???
ほほう。なんだかよくわからんがとにかくすごい大作だ


というわけで後で読ませていただきます
73ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 01:37:42 ID:???
俺ちょっと前に投下したばっかなんだけど、
明日の昼ぐらいまでに新作来てなかったら投下していい?
74ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 06:33:49 ID:???
ええんでないの
75ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 09:01:44 ID:???
いいよ。待ってる
76ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 12:57:42 ID:???

貧乏なミルザくんはどん底でした。
アルドラを自分の為に放寮に追いやってしまったという事実が彼を苛み続けます・・・。
しかしミルザくん、不幸に浸ってられるほど貧乏に生活の余裕はないものなのです。
ミルザくん「・・・なにか割のいいバイト探さなきゃ・・・ハア・・・」
しかしミルザくんには必勝健康法があるのです!
『サルーインちゃんとの新婚SMプレイ生活を想像する』
ミルザくん「フォーーーーーーーーーーーーーーゥ!!!」
エクスタシー!これでミルザくんは元気363倍です。さあ新しいバイトを探さなければ!
オイゲンくん「おーいミルザー聞いたか?」
ミルザくん「フォゥッ!?・・あ、いや、オイゲンか、聞いたって?何のことだい」
オイゲンくん「最近メルビル寮の方で不信な事件が多発してるらしいんだよ。
    でさ、騎士団寮の方にまでチラシが回ってきたってわけ。(ペラッ)
    メルビル寮は金持ってるからな、報酬は・・・」
オイゲンくんはニヤリと目を光らせました。ミルザくんも同様、目をキラキラと輝かし
オイゲンくんを見つめます。二人の目と目はぴったり合いました。
ミルザくん「・・・行くか?」
オイゲンくん「聞くまでもなかろうよ!」
ミルザくん「よーーーーーーーっし!我に続け!」
ミルザくんとオイゲンくんは早速出かけてゆきました。ミルザくんはバイト代のことも
もちろん考えていましたが、もう一つのことも考えていました。
ミルザくん(メルビル寮か・・・行ったことがないんだよな、折角だしそこで一つ
    『糸石』の探索もしていこうかな・・・待っててねサルーインちゃん・・・v)

サルーインちゃん「メルビル寮で不可解な事件が多発してるですって?」
ワイルちゃん「はい、そうなんです」
カチャリとコーヒーカップを置く音が響きます。サルーインちゃんたちセレブ三姉妹の午後は
優雅にアフタヌーンティーを飲むのが日課です。オマケでミニオンちゃんたち付き。
飲み終わったらサルーインちゃんがカップを叩きつけて壊してしまうのも日課なのですが。
毎日が新品なんてさすが超セレブですね。
デスちゃん「メルビル寮周辺はお前の預かるところのはずよワイルちゃん。不可解とは
    情けない言い訳ね、管理が甘いのよ」
シェラハちゃん「管理と聞くと悲しい話を思い出すわ・・・あるマンションの管理人が」
ワイルちゃん「も、申し訳ございませんデスちゃん・・・」
77ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 12:59:33 ID:???
サルーインちゃん「どうせ私を支持する男子生徒がやりすぎてるのだろう?アッハハ」
ストライフちゃん「それがサルーインちゃん、メルビル寮では今あなたの支持率が
   急降下してるんだぜ」
サルーインちゃん「何ですって!!!!」
ガチャーンとサルーインちゃんはテーブルを叩き壊してしまいました。
デスちゃんはまたかよという顔をしており、シェラハちゃんは「テーブルと聞くと」云々と言っていました。
サルーインちゃん「ワイル!!お前どういうことなの!!エロールちゃん側の工作じゃないでしょうね!!」
ワイルちゃん「そ、それがわからないのですエロールちゃんの工作の痕跡を見つけ出そうとしても
   まるで出てこないし・・・いえそれはエロールちゃんのことですから当然ですが
   それよりおかしいのが妙な風聞と・・・」
へイトちゃん「なぁんでも、女生徒の行方不明事件が多発しているとかぁ〜ん☆☆」
デスちゃん「・・・男子生徒が減ることでサルーインちゃんの支持率が下がるのはわかるが、
   女生徒が大量に行方不明になっていてサルーインちゃんの支持率が下がる?」
シェラハちゃん「行方不明と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・ある青年が超絶絶世黒髪美女に
   恋をした話。彼は彼女のために何でもすると言ったのだけれど、彼女のお願いはスカーブ山の
   クライミングレベル5の地点にあるという至宝を取ってきて欲しいことで、
   彼女のお願いのため青年は老後と今後の人生のためのジュエル全てをはたいて
   クライミングレベル5の資格を取ったのに、そこにあった宝とはただのロバの骨で、彼女には
   そんなもん要らねーよバーカと突っぱねられ、彼の手にはただロバの骨だけが残って、
   青年はロバの骨一つを胸に抱いて笑いながらいずこかへ去っていって行方をくらまし、
   今もずっとこれからも行方不明者リストの筆頭に載っているの」
サルーインちゃん「うるせえええええぇぇぇもういい!!私が自らメルビル寮に行ってやる!!!」
ワイルちゃん「さ、サルーインちゃん!!」
ストライフちゃん「危険だぞ、今メルビル寮にはあなたに反感抱いてる奴がいっぱいいるんだ!」
サルーインちゃん「ふん!血の巡りの悪い子ね、変装していけばいいだけの話じゃないの!」
ヘイトちゃん「ヘェイトの出番ねえエェエ!!華麗なる変装術を御教授いたしまするん」
サルーインちゃん「あんたの変装って声変えスプレーだけじゃないの!!」
デスちゃん「私の純白ブレザーだったら妹のためだ、ただで貸してやろう」
サルーインちゃん「余計目立つじゃないのこのバカ姉貴!!」
シェラハちゃん「私が素敵なパーマをかけてあげる・・・」
サルーインちゃん「大 却 下 !!!
   もういいわよ!!ちょっと金髪のウィッグでも被って日が暮れる頃に行けばばれないでしょ!」
ワイルちゃん「わ、私もお供させてくださいサルーインちゃん〜!ここはこの一の僕、
   ワイルの責任でもございます、謎を究明するためなにとぞお役に!
   (この人危なっかしいからお守りしなきゃなー)」
サルーインちゃん「ふん!名誉回復したかったら勝手についてくるが良い!では、私の謎追究の舞台へ!」
78ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 13:01:04 ID:???

ミルザくん「すみませーん、ちょっと聞きたいんですがー」
オイゲンくん「すみませんちょっと・・・いえ少しお伺いしたこととが」
ここはメルビル寮。ミルザくんとオイゲンくんは地道な捜査の大基本・聞き込みから入っていました。
女生徒A「最悪よねサルーインちゃんってー!ちょっと男に人気あると思っちゃってさ!」
ミルザくん「(・・・うう、仕方がないとは言え胸が痛む・・・)い、いえ、
   そういうことじゃなくて何か最近の変な事件について・・・」
女生徒B「ああ!あの連続行方不明事件ねー!女生徒ばっかり狙われてるのよ、怖いわー
   しかも狙われるのは美人ばっかりだって!!いやー私チョーヤバ怖い〜!」
ミルザくん「・・・・・・・・・ははは・・・(成る程・・・美人ばっかり?・・・変質者かなあ)」
オイゲンくん「おい、ミルザそろそ日が暮れてきたぜ、今日は休憩にしてどっかに泊めてもらおうぜ」
ミルザくん「ああ・・・うん、そうだね」
ミルザくんが天を仰ぐと、もう空は紫色に滲み、宵の明星が輝いていました。

空き部屋の親父「ああああお前らか!!娘を攫っていったのは!!」
ミルザ&オイゲン「うげっ」
他寮生が事情ある場合に泊まっていく空き部屋に入ると、急にそこの管理人の親父が二人に飛び掛ってきました。
オイゲンくん「な、な、なんのことだ!離してくれ!」
親父「ああ、済まない取り乱して・・・俺はここに娘と二人で住んでるんだ、
   昨日の夜急に娘が居なくなって・・・!」
ミルザくん「例の行方不明事件か!?」
親父「ああっ!言わないでくれ、あんな娘でも俺には大事な・・・」
オイゲンくん「落ち着いてください、なんとか僕達が救い出しますから」
親父「本当か!?」
ミルザくん「もちろんです、どうかお気を静めて・・・」
親父「ああ、ありがたい、頼むよ、頼むよ!!」
二人(・・・やれやれ・・・また良く分からないいまま深入りする羽目になっちゃったなあ・・・)

二人は星も満開に輝きだす頃、空き部屋で語り合っていました。
ミルザくん「有力な情報はあんまりなかったよなあ・・・」
オイゲンくん「疲れたぜ!むしろばかばかしい話ばかりだよ、全く女生徒ってのは変な話が好きだなー」
ミルザくん「変な話って?」
ミルザくんは何となく暗くなった寮の風景をガラス越しに見ながら、オイゲンくんにたずねました。
オイゲンくん「男子生徒がメルビル寮の地下水道で・・・おっと、あるのは知ってるよな、
   そこでサルーインちゃんの公共には見せられないようなファンクラブを結成してるとか、
   サルーインちゃんは若い美女の生き血を啜ってるからあんな美人なんだとか全く馬鹿馬鹿しい・・・」
ミルザくん「酷い侮辱だ!!!サルーインちゃんは優しい子で本当は最強のSなだけなんだ!!」
オイゲンくん「お、おいおいちょっと待ってくれ、そう熱くなるなよ、星でも見て落ち着こうぜ・・・ん?」
二人は窓の外を見ました。そして二人とも怪訝な顔をしたのです。
ミルザくん「・・・あ・・・あれは?」
79ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 13:02:40 ID:???

サルーインちゃん「着くのが遅くなってしまったわね、黄昏時どころかもう星がいっぱいよ」
ワイルちゃん「そうですねえ・・・でもこれだけ暗ければ変装がばれる心配も少なくなりますし」
サルーインちゃん「ばかめ、殆どの寮生がもう部屋に戻ってることが問題なのよ。ギリギリ夕方来て
   聞き込みしようと思ってたのにこれじゃあ調査もなにもあったものではないでしょうが。
   折角気合入れて変装してきたのになー」
ワイルちゃん「ははは・・・ばかでぇす・・・(夕方だろうと昼だろうとどっちにしろ
   ばれるんですよサルーインちゃん・・・そのネクタイのせいで・・・)」
サルーインちゃん「ま、良かろう。まだ門限も破ってたむろしてる奴を探して聞き込みするとしよう。
   そういう奴らの方が得てして詳しいものだからな」
そういうとサルーインちゃんはモデル歩きで周りをうろつき始めました。

サルーインちゃん「さて、とっとと出て来い道具どもが・・・・・・・・(バコッ)うっ」

ワイルちゃん「(嫌だなあ・・・サルーインちゃんあなたは知らないでしょうけどメルビル寮の
   夜って物騒なんですよ・・・優等生の寮ほどそういうものなんです・・・はあ・・・)
   ねえーサルーインちゃん今日はひとまず帰って・・・サルーインちゃん?」
ワイルちゃんは辺りを見回します。何度も見回します。何度も見回してもサルーインちゃんの姿が・・・
ワイルちゃん「サルーインちゃん・・・?サルーインちゃん!サルーインちゃんー!?」

オイゲンくん「あの・・・男子生徒か?なにか担いでないか・・・・・・ありゃ女だぞ!」
ミルザくん「まさか尻尾を掴まえたのかっ!?行こう、オイゲン!!」

???「今日はすごい上玉が手に入ったぞ・・・あの空き部屋の親父の娘はもう用済みだな・・・
   こんな上玉の血をかのお方の為に捧げれば・・・クックックック・・・」


この夜、メルビル寮のとある隅には、この学園のものなら誰でも見たことのあるネクタイが落ちていました・・・


80ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 13:07:14 ID:???
書いたよ誰か続けてくれー

ところで今現在はゲームに沿って話が展開してるけど
学園ものなんだから冥府での体育祭とかウソの文化祭とか魔の島へ修学旅行とか
イベントがあr
81ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 17:36:01 ID:???
俺はパイレーツコーストかワロン島での水泳大会だな。
82ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 17:58:12 ID:???
>>80
おつかれさまー!
意外な展開はいいな。サルーンと他数名のやり取りが面白い。
よし、続けて書くぜ。
83ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 18:14:00 ID:???
しかし、「ちょっと金髪のウイッグでも〜」って、サルーインの髪の色が
旧の時の黒から金に変わったことをかけているのかな?
それにしてもミルザの「フォーーーーーーーーーーーーーーゥ!!!」 に爆笑w
84ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 19:36:41 ID:???
「フォーーーーーーーーーーーーーーゥ!!!」
変態仮面?
85ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 19:54:40 ID:???
>>84のせいでミルザがサルーインちゃんのパンツ被ってる姿想像しちまった…
86ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 20:00:21 ID:???
サルーインちゃんのパンツ入手がムズイだろう。
87ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 20:04:41 ID:???
つうか、ノーパンの可能性。
88ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 20:14:56 ID:???
パンツの変わりがネクタイだから
89ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 20:24:57 ID:???
今から2時間以内に投稿するから、誰も邪魔するでねえぞ。
90ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 20:38:13 ID:???
OKボス。

じゃあ俺達は今から2時間、
サルーインちゃんのパンツの話でもしようぜ。
そんな俺は褌推奨。
シェラハはレースの黒。
デスは色気のないおばさんパンツ。
他に何か意見は?
91ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 21:14:07 ID:???
一応キャラネタ板にもあるんだな。
サルーインの名前で。
92ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 22:25:49 ID:???
ワイルちゃん「サルーインちゃ〜ん?サルーインちゃ〜〜ん!まったくもう、何処いったんですか〜?」
辺りを見回しても、大声を上げて呼んでみても、影も形も、返事も何もありません。
しばらく経ったその時、ワイルちゃんは道端に落ちている一つのネクタイを見つけました。
派手な赤色のネクタイ・・・こんなネクタイをしている人なんて一人しかいません。
ワイルちゃん「もしかして・・・サルーインちゃん・・・!」
ワイルちゃんに、一つの大きな不安が生まれます。
もしかして、サルーインちゃん例の奴らにさらわれ・・・

「女の子み〜つけた。」

ガン!
ワイルちゃんは、突然背後から誰かに殴られました!
ワイルちゃんの頭に鈍痛が走り、膝をついてしまいます。
ワイルちゃん「いったぁっ・・・!だ、誰ですか!?」
膝をついたまま後ろを振り向くワイルちゃん。
そこには、坊主頭で長い耳の、見るからに悪党、という感じの男がいたのです。
???「しぶといな・・・」
男は、手に持っている棍棒を再びワイルちゃんに向かって振り下ろします。
ワイルちゃん「ちっ・・・あんまり調子に乗らないで下さい・・・!」
ワイルちゃんは、振り下ろされる棍棒に向かって勢いよく手を突き出しました。
その瞬間、棍棒は何かにはじかれたかのように男の手から弾け飛んだ!
棍棒は、男の遥か後方に音を立てて落ちました。
???「なっ、」
男の顔色が急激に変わります。
ワイルちゃんは一度にやりと笑うと、今度は男の顔面に向かって手を突き出しました。
男の表情が恐怖に引き攣った次の瞬間、男も棍棒と同じように遥か後ろに吹き飛ばされ、倒れました。

ワイルちゃん「・・・馬鹿な真似を・・・さぁ、アナタのアジトに案内しなさい。さもないと、命はありませんよ!」
声を多少荒げてそう言うワイルちゃん。
???「ひー!命ばかりはー!案内します!案内しますからー!」
声がおかしくなっちゃうほどビビりまくる男。
ワイルちゃんは、男に案内してもらい、おそらくサルーインちゃんが捕まっているであろうアジトへと向かいました。
93ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 22:26:10 ID:???
一方、ミルザくんとオイゲンくんは、女の子を担いでいる男子生徒を追って、
下水道奥深くの謎の部屋の柱の影から、男子生徒たちの様子を観察していました。
赤いローブを身にまとった見るからに怪しい男子生徒たちが、
金髪の女の子を祭壇にのせ、何やら呟きだしました。

「魅惑と誘惑の君、美貌と可憐の主、美女とセレブの王、サルーインちゃんよ!
この若い娘の血を捧げます・・・これで、更に美貌を深めてください・・・
なにとぞ・・・なにとぞ・・・」

オイゲンくんはあきれてしまいました。
オイゲンくん(馬鹿かあの変態ども・・・なぁ、ミルザ、どうすr・・・ってあれ?)
オイゲンくんの隣にいたはずのミルザくんが、いなくなっています。
オイゲン(ちょ、ミルザどこに・・・ってバカーーーー!!)
ミルザくんは、思い切り男子生徒たちの目の前に躍り出ていました。

ミルザ「おい、馬鹿ども!何が若い娘の血じゃー!
   サルーインちゃんはそんなのに頼らなくても美しいんだこの馬鹿変態どもがぁぁぁ!!」

おそらく何がなんだかよく分からんが我慢できなくなったのでしょう。そう、ミルザ君の正義感は人一倍あるのです。
男子生徒たちが、一斉にミルザくんの方を向きます。
オイゲンくんも、あわててミルザくんの横に立ちます。
男子生徒たちは、声を荒げて言いました。
男子生徒「何だ貴様ら!邪魔をするな!」
負けじと見るザくんも声を荒げて言います。
ミルザくん「邪魔なのはお前らだ!お前らのせいでなぁ・・・サルーインちゃんの評判は下がっちゃって・・・カワイそうにサルーインちゃん・・・
      いや、待てよ、そっちの方が僕にとってはいいのか?あれ?何かよく分からないな。ねぇオイゲン・・ ・」
オイゲンくん「しらねぇよ。」
男子生徒「ごちゃごちゃるせぇ!死ね!」
しびれを切らした男子生徒たちが、一斉に術を唱え始めます。
オイゲンくん「やばっ、こいつら術を使えるのか・・・おい、ミルザ・・・気をつけ・・・っておい!」
ミルザくんは、敵が術を唱えているのにも関わらず、雄雄しく(?)敵陣に突っ込みました。
ミルザくん「術なんか怖くない!何故ならサルーインちゃんのためだからさっ!」
94ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 22:31:27 ID:???
男子生徒「ペイン!」男子生徒「ペイン!」男子生徒「ペイン!」男子生徒「ペイン!」男子生徒「ペイン!」

ミルザくん「ぐ、ぐっぎゃああーーー!!頭がー!頭が痛いーー!!ペーーイーーン!!」
男子生徒5人の手から発射された5つの黒い閃光が、ミルザくんに直撃します。哀れ!
男子生徒「ぶひゃ〜はははは!!何だコイツバカか!?どひゃはははは!!」
男子生徒5人が、腹を抱えて笑います。
オイゲンくん「バカかお前ら。油断禁物だぜ。」
オイゲンくんは、腰から細剣を取り出すと、おもむろに男子生徒の周りをぐるぐる回りだしました。
男子生徒「なんだ?なんの騒ぎだ?」
男子生徒「踊ってる・・・」
細剣ごとぐるぐる踊るオイゲンくん。
男子生徒たちは、困惑しながら踊るオイゲンくんを目で追っています。
十秒ほどした後、オイゲンくんの動きが止まりました。
男子生徒たちが、変な目でオイゲンくんを見つめます。
男子生徒「な、何をしたんだ?」
男子生徒「えーい、気にするな!術を唱えろー!」
一斉に術を唱え始める男子生徒たち。
オイゲンくんは、にやりと笑い、言いました。

オイゲンくん「やっぱバカだな、お前ら!」

その瞬間、男子生徒5人は悲鳴をあげ、倒れました。
オイゲンくん「殺してはない。安心しろよ。」
ミルザくん「わ〜っ、円舞剣かぁ。オイゲンやるぅ。」
オイゲンくん「あのな、お前はバカしすぎなんだよ!このバカが!バカが!」
ミルザくん「う、うるさい。それよりも、ほら、女の子、目が覚めたみたいだよ。」

サルーインちゃん「ん〜ん・・あれ、何だここは・・・」
ミルザくん「やぁ。大丈夫?」
サルーインちゃん「はっ!?・・・・ん?(どこかで見たことある気がするなあ。)」
ミルザくん「・・・?(なんか誰かに似た雰囲気だなぁ。)」
・・・・・・
サルーインちゃん「お、おほん。道具ども、いや、貴方達、どうも助けてくれてありがとうございます♪」
ミルザくん「ど、どういたしまして。」
サルーインちゃん「で、では、こんな所に長い間いる訳にはいかないので、さようならです。」
ミルザくん「さ、さようならです。」
金髪の女の子は、すぐに帰っていってしまいました。
ミルザくんがその後姿を呆然と見詰めます。
ミルザくん(なんかあの歩き方・・・どっかで見た気が・・・)
オイゲンくん「おい、何やってんだ。空き部屋の娘を探すぞ。」
ミルザくん「う、うん。」
95ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 22:38:06 ID:???
ワイルちゃん「ここ・・・なんですか?」
ワイルちゃんは、坊主頭の男に案内され、謎のアジトにいました。
そこには、『死ね!サルーイン』と書かれた掛け軸や、
サルーインちゃんの写真が貼っており釘が打たれている藁人形や、
びりびりに引き裂かれたサルーインちゃんの写真が張ってあります。
そこには何人かの男がいるのですが、みんな口々に『死ねサルーイン』と呟いています。
ワイルちゃんは、ただならぬ雰囲気を感じ取りました。

男「ここはですね・・・サルーインにこっぴどく振られた人達の溜まり場なんです・・・」
男は、寂しげな口調で言います。
ワイルちゃん「それで何であたしを攫おうとしたんですか?」
男「悪気はなかったんです。ただ、みなさんにサルーインの酷さを伝えようとしたんです。
  最近の怪事件は全てサルーインの仕業で・・・サルーインは美女の生き血を吸ってその美貌を保っているのだと・・・
  男と見れば全て道具として扱う魔性の女だと・・・
  そうして奴の支持率を下げ、一矢を報いてやりたかったんです。」
ワイルちゃん「ちょっと待ってくださいよ。『サルーインは美女の生き血を吸ってその美貌を保っているのだと』って・・・
        それってでっち上げですよね?そこまでしてサルーインちゃ・・・いえ、サルーインに痛い目を見せたいんですか?」
男「・・・いえ、でっち上げじゃありません。」
ワイルちゃん「はぁ?確証は?あるんですか?」
男「ありません。・・・けど、あいつがやったに決まってるんです!そうでなければ・・・あんな美貌・・・有り得ない・・・
  憎いんです。自分の美貌のためなら人の命までも厭わない奴が!最悪です!」
ワイルちゃんは呆れてしまいました。
間違いなく彼らはクズです。
一方的に決めつけ、それを人に押し付け、グチグチと女々しく・・・
男「なぁ、あんた。信じてくれますよね?サルーインはクズです!あのクズを生徒会長候補から引きずり下ろすために・・・
  一緒に戦いましょう!」

ワイルちゃん「黙りなさい、下郎。」
96ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 22:54:12 ID:???
男「!?」

ワイルちゃんの目つきが変わります。
男の目が、再び恐怖の色へと染まります。
ワイルちゃん「みなさん、よく聞いてください!!」
部屋の中の、今まで下を向いていた男達がワイルちゃんの方を向きます。
ワイルちゃん「私の名はワイル。サルーインちゃん一の僕です。」
部屋中がどよめきます。
男B「なんだと・・・」
男C「あいつが憎っくきサルーインの僕だと!?」
部屋中の男が、敵意を剥き出しにした目でワイルちゃんを見つめます。
ワイルちゃん「確認します。貴方達はくだらないでっち上げ情報をみなに伝え、
       サルーインちゃんの支持率を不正に下げた・・・よろしいですね?」
男B「何を言っている!」
男C「でっち上げではない!」
男達は口々にそういいます。自信満々の口調で。
ワイルちゃん「貴方達はサルーインちゃんに振られた。その腹いせに、こんな事をしている。
       ・・・よろしいですね?」
男C「腹いせではない!」
男B「俺達は奴の悪に気づいたからこういう活動をしているんだ!」
ワイルちゃん「・・・そういう言い訳をして美女を攫い、例の行方不明事件に便乗して、
       更にでっち上げ情報に拍車をかけさせた・・・よろしいですね?」
男「!」
男B[な、なにを!]
男D「そ、そんなバカな!」
ワイルちゃん「なら・・・邪魔です。貴方達はここで黙ってもらいましょう。・・・よろしいですね?」
男D「ふざけるな!」
男G「奴を捕まえろ!口を利けないようにしてやる!」
数人の男達が武器を手にワイルちゃんへと突進してきます。

男「いけない・・・こいつは・・・こいつは・・・!」
97ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 23:02:10 ID:???
ワイルちゃん「ふぅ♪いっちょあがりって事で。」
アジトの中は、まるで大災害に見舞われたかのように滅茶苦茶な状況になっています。
ワイルちゃんの後ろで、坊主頭の男が腰を抜かしてぶるぶる震えています。
ワイルちゃん「さて・・・貴方はどうします?
       このままあの男達みたいになるか・・・それとも私達の道具になるか・・・♪」
明るい口調でそう言うワイルちゃん。
男は、歯をがちがち震わせながら言いました。
男「はい、是非、使ってください。あなたの、道具に、させて下さい。」
それを聞いたワイルちゃんは、にこっと大きく笑いました。
ワイルちゃん「なかなか素直ですねっ♪で、名前は何ですか?」
コルネリオ「・・・コル、ネリオです。」
ワイルちゃん「へぇっ!なかなかいい名前じゃないですかっ。今後ともよろしくお願いします!」
コルネリオ「は、はい・・はははは・・・」
苦笑いするコルネリオ。
その時、ワイルちゃんは攫われたサルーインちゃんの事を思い出しました。
ワイルちゃん「そういえばコルネリオ・・・ここに金髪の美女が連れてこられませんでした?」
コルネリオ「はぁ、金髪の美女ですか?記憶にないですね・・・
       とりあえず、攫った女性が奥の部屋にいますから、見てみるといいですよ。」
ワイルちゃん「そーですか。ご苦労さん。」
コルネリオは、首を傾げました。
奥の部屋へ向かうワイルちゃん。
ワイルちゃん「助けに来ましたよ〜。」
そ〜っと扉を開けて、中を覗き込むワイルちゃん。
そこには、全く見覚えのない女の子が一人いるだけでした。
女の子「きゃっ!だ、だれ・・・?」
ワイルちゃん「きゃっ!だ・・・だれ?」

二人の間に沈黙が流れます。
ワイルちゃんはしばらく何もいう事が出来ませんでした。
98ごめん、もうちょっとで終わるから:2005/06/26(日) 23:13:33 ID:???
ミルザくん「お〜じさ〜ん!」
オイゲンくん「娘さん、助けましたよっ!」
ミルザくんとオイゲンくんは、嬉々とした足取りで空き部屋に入っていきました。
親父「おお、本当か!ありがとう、ありがとう、褒美は勿論たっぷり・・・え?」
親父は、ミルザくんとオイゲンくんの後ろに立っている女を見て、眉をしかめました。
女の子も、親父を見て眉をしかめます。

親父、女の子「誰・・・?この人・・・」

ミルザくん「はっ!?」
ミルザくんは全力で驚きました。
オイゲンくんも驚きの表情をしています。
オイゲンくん「ちょっ、待ってくださいよ。誰この人って・・・女の子はアンタの娘さんで・・・
       親父さんはキミの親だろう?」

親父、女の子「知らない、こんな人!」

二人とも口をそろえて言います。
ミルザくんとオイゲンくんは混乱して何もいえなくなってしまいました。
その瞬間です。

「ぱぱ〜〜〜!!」

突然一人の女の子がこの部屋に入ってきました。
親父「おお!娘よ!!」
娘?「パパ!!」
突然その子とパパがひしと抱き合いました。
親父「すまんな、心配かけて・・・怖かっただろう・・・」
娘「うん・・・もう夜遊びはしないからね・・・」
ミルザくんとオイゲンくんは更に混乱して、口をあんぐりあけてその光景を見ていました。
気がつくと、さっきまであの親父の娘だと思っていた女がこちらをいやな目で見ていました。
ミルザくん「は、ははは・・・」
女の子「もう、最悪!死ね!そもそもこの部屋じゃないし、怪しいと思ってたわ!不快な時間くれやがって、死ね!」
女の子は言いたいだけ言うと部屋を出てしまいました。
ミルザくんとオイゲンくんは、呆気に取られて呆然と扉のほうを見ながら突っ立っていました。
突っ立っている途中に、親父が半ば怒り気味に言いました。

親父「なんだ?なんでここにいるんだ!帰れ!」

オイゲンくん「はぁ・・・結局何も得しなかったな・・・」
メルビル寮2階から夜明け前の空を眺めながら、オイゲンくんが言いました。
ミルザくん「うん。わけわからないよね。僕らが見つけた女の子はあの人の娘じゃなくて・・・
       突然沸いて出た女の人はあの人の娘で・・・」
ミルザくんはため息をつきました。
オイゲンくん「せめて助けたあの女の子から直に報酬もらっときゃよかったな。」
ミルザくん「うん・・・」

「はぁ〜〜っ・・・」
99ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 23:23:12 ID:???

サルーインちゃん「このぶぁっか者がぁぁぁぁああああ!!!!!!」
ワイルちゃん「ぎゃああああ!!!!!」

どごぉぉん!!

サルーインちゃんのゴッドハンドパンチでワイルちゃんは数十メートル吹き飛びました。
サルーインちゃん「てめー、何で助けに来なかったのよ!あー、頭が痛いわくそっ!」
ワイルちゃん「ごごごごごごめんなさい、その、一応助けには向かったんですけどその、手違いがあって・・・
        ででででもですね、収穫はありましたよ。反対派も潰しましたし、下僕も一人増え・・・」
サルーインちゃん「ごちゃごちゃ言うなぁぁぁぁ!!」
がちゃーん!
サルーインちゃんが近くにあった植木鉢を蹴り割りました。
物を大事にしないところは流石セレブですね。
サルーインちゃん「もういいワイル!今回のことで貴様に対する私の評価は地に落ちたと見てちょうだい!
           今後一ヶ月私との接触を禁じるわ!」
ワイルちゃん「えええ〜〜〜〜っ!?そんなーー!!」
サルーインちゃん「悔い改めよ!」
サルーインちゃんはそう言うと、モデル走り(?)でどこかへ行ってしまいました。
後には、絶望に打ちひしがれたワイルちゃんだけが残されました。
ワイルちゃん「・・・サルーインちゃぁん・・・何故わかってくださらないのこの気持ち・・・ひぃ〜ん・・・」

「はぁ〜〜っ・・・」


第5話おしまいって事で
100ゲーム好き名無しさん:2005/06/26(日) 23:24:48 ID:???
100!

ごめんなさい、こんなに長くなる予定はなかったんです。
でも書いてるうちにどんどん長く・・・
変な部分やややこしい部分は目をつぶってください。ごめんなさい。切腹します。悔い改めます。
101ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 00:03:49 ID:ERMfWSqt
こいつら一向に報われんな。
しかしワイルはカッコカワイイわね。
102ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 02:05:50 ID:???
>>100
お疲れさん!ワイルちゃんは可愛いわね。
しかしサルーインへの信仰度が一番高いだけあって、キレたら一番怖そうだ…
103ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 05:01:11 ID:???
面白い!イイヨイイヨ〜
104ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 11:00:25 ID:???
コルネリオってローバーン公だっけ?
105ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 14:29:28 ID:???
>>100
面白くなってキター!イイヨイイヨー!

でさ、なんかめちゃくちゃ長くなっちゃったの書いちゃったんだけどさ、
折角だから投稿したいんだけど、どうしよう結構がんばったんだけど、
長すぎるかもしれないしなんか投稿していいかどうか迷ってるから
ここの住人が決めてくれないか。頼む。
106ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 14:53:54 ID:???
迷うこたあない。

さっさと投稿しろ。
むしろしてください。
第6話「ぎゃー、トカゲだ」


エロールちゃん「メルビル寮の治安問題の解決に貢献したそうですね。ありがとうございました」
ミルザ&オイゲン「・・・・・・・・・・」
結局トホホな結果になってしまったと思っていたミルザくんとオイゲンくんでしたが、
その後突然生徒会長室に呼ばれ、今、生徒会長エロールちゃんと面会をしている真っ最中なのでした。
オイゲンくん「あんたはメルビルの怪事件について知っていたのか?」
エロールちゃん「学園を愛する生徒会長として学園内の事柄について把握していることは使命ですもの」
ミルザくんは怪訝な顔でオイゲンくんを見つめました。彼の質問の意図がよく掴めなかったのです。
騎士団寮にまでのぼってくるほど大きな噂になっていた事件を、生徒会長が知らないはずは
ないではありませんか。しかし次の言葉で彼のいわんとしていることがわかりました。
オイゲンくん「あんたは知っていながら何もしなかったんだな!」
エロールちゃんはオイゲンくんの言葉にも微動だにせず、微笑を絶やさず言葉を返します。
エロールちゃん「学園の全てを愛する生徒会長という座にあるもは、心苦しくもおいそれと生徒の
    日常と自由を侵せないのです。私は生徒会長とは名ばかりの無力の何も出来ぬ者。そこで
    あなたたちに目一杯のお礼がしたい!という訳で謝礼のジュエルです」
二人「おお!!!」
二人は頬と頬をくっつけて謝礼へと前かがみになりました。ジュエルの入った封筒が輝いて見えます!
正義の戦いだって無償じゃやってらんねー二人の本音の姿がそこにありました。
ミルザくん「いえいやははははそんな僕達はそんなもののためではなく正義と言う名の輝きの為に
    いやははははしかし人の恩義の念を無下にするなんて人道を外れた真似はとうていはははは」
オイゲンくん「(バコッ)恐れながら頂戴いたします。光栄の至りです」
ほっぺを抑えながらプルプルしているミルザくんを尻目に、オイゲンくんはさっと謝礼の封筒を
懐に入れてしまいました。エロールちゃんは微笑みました。
エロールちゃん「これからもその精神をどうぞ大切に。私もあなた方同様、この学園、この街の
    全てを愛していますわ・・・私ももう生徒会室を出るところです、御一緒に出ましょう」
そうエロールちゃんに言われて、ミルザくんとオイゲンくんの三人で部屋を出ようとして
ドアを開けた瞬間、「そうそう、」とエロールちゃんがぼやきました。
108ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:17:02 ID:???
エロールちゃん「サルーインちゃんは飾らぬ姿でも十分美しい洗練されたセレブですけれど、
    ところがなにやら最近、蛇皮のグッズにはまっているとか・・・」
ミルザくん「はふう!?サルーインちゃんが蛇皮のグッズにはまっているだってぇ!!?」
オイゲンくん(ばか!)
扉もすでに開きさえぎるものも何もない状態で恋するミルザくんが大音量で叫んでしまった
サルーインちゃん新情報は、学園中に響き渡り、彼のライバル達にとてもよく伝わりました。
男A(蛇皮のグッズ!)男B(蛇皮のグッズ!)男C(蛇皮のグッズ!)男D(蛇皮のグッズ!)
オイゲンくん(このばかあ〜・・・自分だけの秘密の情報にしとかなきゃ意味ないだろ・・・)
エロールちゃん「ふふ・・・それではごきげんよう、わたくしの愛する学園の生徒達」
ミルザくんはサルーインちゃんのことで目をきらきら輝かせて忘我のうちにいましたが、
オイゲンくんはエロールちゃんの後姿を目で追って考えていました。
(生徒会選挙ね・・・えぐいねえ・・・あんたが無力で何も出来なかったのは
 『サルーインちゃんの支持率急降下を止められなかった』ことだろ?・・・これが選挙か・・・
 しかし次は何だってんだ?この謝礼、そしてあのタイミングを計ったような『蛇皮』の情報・・・
 ・・・ミルザ、おれたちゃすでに戦場のど真ん中にいるのかも知れないぜ・・・)


ヘイトちゃん「キイエェェエエェェーーーーーーーーーーーーーーイ!!!★f☆★」
ストライフちゃん「うるさいぞ公害」
ヘイトちゃん「だってだってあのゲッコ族のやつらぁあアこのちっとも参戦の示談に応じようと
    しないのよォオーーーーームキャつく!!☆★このヘェイトがわざわざ僻地に出掛けてヤッテルノニ
    ヒィーーーー茶と柿の種くらい出せよコラ!!」
デスちゃん「それが本音かよ」
シェラハちゃん「本音と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・君の本音を言って欲しいって
    観覧車の中で言った男の人のこと。黒髪の絶世美女は彼の誠意に答えないことなんて
    出来なくて、誠実に「ぶっちゃけ存在自体消えて欲しい」と伝えたら、ちょうど観覧車の頂上に
    来た辺りで彼は華麗にダイブしてしまったの」
今日もセレブ三姉妹は優雅に作戦会議。(ワイルちゃんは謹慎中です。)今回はモンスター学部の
『ゲッコ族』を説き伏せるという議題でした。
109ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:18:21 ID:???
ヘイトちゃん「なああんであんなに頑ななのよオオーーゥてめーらじじいか!?鎖国しとんのかコラ!!」
サルーインちゃん「まああいつら絶滅寸前みたいなもんだし」
デスちゃん「サルーインちゃん、ゲッコ族を侮るのはいけないわ。奴らは絶滅危惧種とはいえ
    その能力はとても高い。あれを味方に付けられるかどうかでこの戦局は大きく変わってくるだろう」
ストライフちゃん「しかし奴らの排他主義は徹底してるぞ、最近とみにだ。
    こちら側にもなびかなければ、エロールちゃん側にもなびくとは思えないな。
    前はもう少し他の生徒とも接触してたんだが、今は自分達の洞窟に引きこもりっぱなしだ」
シェラハちゃん「なにか悲しいことがあると引きこもりたくなるのよ、ねえデス姉さん・・・」
デスちゃん「・・・・・・。・・・まあ、何かがあると考えてもおかしくはないだろうな、
    サルーインちゃん、お前はゲッコ族を最初に統一させたいわば主だ」
サルーインちゃん「ふっまああいつらも私にぬかずくべく生まれた奴らってことよ」
デスちゃん「そのあとほったらかしにしてこういうことになったんだがな」
サルーインちゃん「・・・・・・・・ふっ災いを呼んでしまうほどの美貌は罪ね」
デスちゃん「話がつながってないがまあ突っ込まないで進めるぞ、お前がゲッコ族の内情を
    調べに行くのよ」
サルーインちゃん「また私が行くの!!もうこりごりよ〜、メルビルで散々な目を見たのよ!」
デスちゃん「よいか、最近いくつか興味深い情報は手に入っているのだ・・・なんでもいるはずのない
    ワロンの人間寮でゲッコの鳴き声が聞こえた、とか」
サルーインちゃん「どうせワイルの変わりに調査に行ってたヘイトの奇声でしょ!!!」
ヘイトちゃん「あひゃー」
デスちゃん「その可能性も否めないが保留するぞ、それでだ、最近蛇皮の商品の人気が
    急激に伸びているとも・・・」
サルーインちゃん「蛇皮?はっ!下らないわーダッサ・・・蛇の?」
デスちゃん「蛇皮の主な売り場はワロン寮の方だ、サルーインちゃん、お前は
    蛇皮を物色しに行く振りをしてこの二つの情報の関連性を調べてくるのだ、
    お前が一番適任なのは分かるな?ストライフじゃ聞き込みが駄目だし、ヘイトじゃ
    逆に色物屋に売られるし、シェラハじゃワロンの男子生徒を絶滅させてくるだけだし、」
サルーインちゃん「デス姉じゃあ蛇皮なんて一生懸命物色してたら笑われそうってことね!」
デスちゃん「・・・・いやだって人は似合う似合わないがあって私はさあなんつーの喪服系?・・・
    あーもういい!!とっとといってこいこの不肖の妹!!!」
こうしてサルーインちゃんは締め出され、ワロン寮に向かうことになってしまいました・・・。
ヘイトちゃん(あひゃーんヘェイトもこっそり行かなきゃぁ★ワイルちゃんがいないうちに
    株上げとこッとオオ☆★☆)
110ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:19:30 ID:???

ミルザくんは顔をピカピカさせてワロン寮の市場にやって来ていました。もちろん懐もあの生徒会長からの
報酬ジュエル入りでポッカポカ。今回相棒のオイゲンくんはこっそり内緒で置いてきてしまいました。
ミルザくん(暮らしもやばい奴がやっとの収入を女の子へのプレゼントなんていったら
    小一時間説教されそうだもんなあ〜・・・でもすまんオイゲン!僕は愛の騎士なんだ!)
適当に何でも「騎士」をつけるのがミルザくんの常套術です。
ミルザくん「それはさておき、さあ物色しなければ!蛇皮って言っても何がいいんだろう?
    バッグ?ベルト?・・・うーんまあ色々見てみるか!・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・
ミルザくん「・・・う(クラッ)」
(高い!これではバッグだのベルトだの言ってる場合じゃないよ!!随分値段にばらつきがあるとはいえ
 あの報酬ジュエルでも全然手が届きそうにない・・・あ、諦めるしかないのか・・・)
???「あひゃぁぁぁー・・・相変わらずボッタクリお値段・・・」
ミルザくん「ん?」
ミルザくんが変な声に振り向くと、前どこかであったような女の子が・・・。
ミルザくん「君・・・・・ワイルちゃん?」
ヘイトちゃん「人違いも大概よっ!!私はヘェイトちゃあぁぁあアん!あんたどこらへんのダレよォオ!!」
ミルザくん「う・・・(ど、どうしようなにこの子・・・)僕は騎士団寮のミルザっていうんだ」
ヘイトちゃん「ミィルザ・・・アーーアーーアアアー!そんな奴いたわね★☆!!わsっすれてた」
ミルザくん「忘れてた??」
ヘイトちゃん「(あっヤッベ)いえーあなた様の御高名は学園中に響いていりまするん♪⇔
    ところでこォんなところで何をなすってらっしゃいますのん?」
ミルザくん「え・・・(ポッ)へ、蛇皮の商品を探してるんだよ・・・いや・・・ここだけの話なんだけど
    僕の好きな人が今ほしがってるらしくてさ・・・」
ヘイトちゃん「・・・へえーィ?(サルーインちゃんが蛇皮の商品を欲しがってるなんてこのヘイトでも
    一向に聞いていないぞ?確かに今ワロン辺りで選挙活動しているが、どこから出た噂だそれは・・・)」
ミルザくん「・・・でも駄目なんだ、値段にやたらばらつきはあってもとても僕の手の届く値段じゃないんだよ
    ・・・一番安いのでもましてや最高級のなんて・・・」
ヘイトちゃん「・・・・・・・・あぁっヒャヒャはyミィルザさあ〜んここはヘェイトにお任せをン♪
    このヘェイトに策がありまっすルン♪♪」
ミルザくん「えっ!?一体それは何!?・・・いや、でもヘイトちゃん君どうしてそこまでしてくれるの?」
ヘイトちゃん「(ヒヒヒ、お前に協力するフリをして動向を探れ、そしてこの不可解な噂の元へとの糸も
    手繰れるというもの・・・)いえいえだって一生懸命恋する人が頑張ってるのはつーい
    協力したくなってしまうのがにんじょおぉぉう!!でしょっ☆?で、策とはこうですわん♪
    問屋から直接仕入れるのです。値段が半分以下に下がり、
    加工を殆ど施していないものなら三分の一にはなりましょう。値の交渉も出来ます」
ミルザくん「・・・おお!成る程!」
ヘイトちゃん「理解はよろしいですかしらアアぁ!?では早速問屋を探すとしましょう」
ミルザくん「はいっ付いて行きます!!(強力な味方が出来た!!・・・色んな意味でっぽいけど)」
111ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:20:32 ID:???

サルーインちゃん「さて。ワロン寮とやらに来たわけだけど・・・あっついのねーここ・・・
    くそっ扇ぐ役でワイルちゃんでも連れてくればよかったわ!!ストライフじゃ絶対やんないから!
    ・・・で、「蛇皮」と「ゲッコの鳴き声」の関連性ねえ・・・なんでもこじつけずぎだろう全く。」
そうぐちぐちいいつつサルーインちゃんは蛇皮商品を物色し始めました。ミルザくんとは違い、
生まれついて超セレブがアビリティに付いているサルーインちゃんには値段の高価安価など全く
分かりませんでしたが、値段にバラつきがあるのは見て取りました。
サルーインちゃん「にせものとほんものということだろうか?ふん、まあ私には関係のないこと・・・
    どちらを付けても付けるのがこの私ならばこの世でただ一つの秘宝となるのだから、ふっ」
???「星のダイヤも、涙の石も、君が付ければ永遠にきらめき続ける・・・」
サルーインちゃん「!?」
サルーインちゃんが振り向くと、ジャジャーンというギター音と共に謎の人物がそこに立っていました。
サルーインちゃん「・・・何だお前は?お前の名などに興味はないが、私の前に立ったからには
    その名を私に捧げてもらおうか」
詩人「おお!他の何を捧げられようとも、私はあなたに捧げられる名はないのです。・・・どうぞ、
    詩人とでもお呼びください。ところであなたは、何かお探しのようですが・・・?」
サルーインちゃん「お前に関係など・・・(いや、こいつなんか詳しそうだな?)・・・そう、
    今蛇皮が大流行してると聞いてやってきたのよ。ついでに知人のゲッコ族にも会いにね。
    ところがどうなの、蛇皮は見渡すばかりにあるけれど、ゲッコ族は一人も見当たらないわ。
    なんでも自分達の巣に引きこもってしまってるというじゃない。ゲッコ族は蛇皮がお嫌いなのかしら?」
詩人「そうですねえ・・・そんなことはないんじゃないですか?自分達の巣に引きこもってたら、
    ゲッコの鳴き声を聞いたなんて報告がいくつも入ってくるはずないでしょうから」
サルーインちゃん「・・・あの、それは「あひゃー」とかいう声じゃなくて?」
詩人「は?いえ、私も聞きましたからね、見えないところで人間寮生と仲良くしてるんじゃないでしょうか?
    そう、ちょうどあの武器屋の近くで・・・」
詩人さんが指差した先には、確かに武器屋があり、その隣には洋服店がありました。
サルーインちゃん「洋服店か・・・」
詩人「どうでしょう!あなたに似合う蛇皮のドレスがありそうです。行って見る気はありませんか?
    どうか私にあなたをエスコートさせてください」
サルーインちゃん「なに?興味がない・・・んー?でも、まあ行ってやってもよい♪アハハ」
すぐに調子にのるサルーインちゃん、詩人さんのおだてに乗せられて洋服店へと向かってゆきました・・・。
112ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:21:33 ID:???

ワロン寮のジャングルの鬱蒼とした木陰・・・
問屋「駄目だ駄目だ、これ以上は下げられねえよ」
ミルザくん「そこをなんとか・・・!」
ヘイトちゃん「ここで売っとかなきゃあんた後悔するよぉオオう?!フォオオオウ!?」
問屋「(うっ)・・・じゃ、じゃあこっちのでどうだ!?まだ全然加工もされてないそのまんまの奴だが」
ミルザくん「ええ?それじゃあプレゼントにならな・・・」
ヘイトちゃん「よしキタァアア!!これで決まりだァ!」
ミルザくん「ええーっ!?」
問屋「毎度!それじゃ!・・・(もうあんなんに関わってらんねーよ!ソソクサ)」
問屋は怪しく暗いジャングルから去ってゆきました。
ミルザくん「ちょ、ちょっとヘイトちゃん!これ皮剥いだそのまんまのやつだよ!
    こんなのプレゼントしてもただの嫌がらせじゃないかァ!」
ヘイトちゃん「分かってないわアア!!乙女心を分かってないのよミルザさあぁあん!!
    せっかく手の付いてないありのままのものが手に入った!『手作り』すればいいじゃなーい」
ミルザくん「フォゥッ!!?」
手作り!!なんとロマンチックな言葉かー!ミルザくんは成る程!と感動し、ヘイトちゃんに感謝しました。
二人も目当てのものを手に入れたということで、早速ジャングルから出ようと歩き出しました。
ミルザくん「手作り・・・何がいいかな・・・サルーインちゃんに似合うものだからやっぱりネクタイ!?
    いいや!日用品としてお弁当箱入れなんていいんじゃないか!?そ、それとも・・・
    ふたりのイニシャル入り『S&M』のマスコット・・・フォオオオオオウ!!・・・ゥ?」
ハア・・・ハア・・・
ミルザくん「・・・ヘイトちゃん、何か聞こえないか?」
ヘイトちゃん「へえ?30歳の妖精さんの声?」
ミルザくん「いやちがう聞こえる!・・・息切れのような・・・?(キョロキョロ)そこか!?」
ガサッ!灌木をかき分けると、そこにはゲッコ族の青年がいたのです。しかも、肩を負傷していました!
ミルザくん「君は!大丈夫か!?一体・・・」
???「私はワロン寮のゲッコ・・・はっ!あなたの持っているその皮は!
    寄るなけだものめ!!私達の仲間をそんなものの為に使って!・・・うっ」
ミルザくん「!?なんだって!?これはまさか・・・あっおい君!」
ヘイトちゃん「ゲッコ族ねェー。ほっとくと死ぬわねこれは」
ミルザくん「なんだって!おい、しっかりしてくれ!ヘイトちゃん助けてくれ、どうしたらいい!?」
ヘイトちゃん「そんなこと言われてもぉお!!でもヘェイトはゲッコのアジトを知ってるわ、
    取りあえずそこまで連れて行きましょう」
ミルザくん「よし!案内してくれ!おい、しっかりしてくれ、君!」
???「・・・私は・・・ワロン寮のゲッコ族・・・ゲラ・・・ハ・・・・」
113ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:22:36 ID:???

ミルザくんはゲッコ族の洞窟を潜り抜け、遂に村へとたどり着きました。
ゲッコA「ゲラ=ハ!!」ゲッコB「人間ぎゃ何をしにきた!!」
ミルザくん「私は騎士団寮のミルザです!あなた方に害をなしに来たわけではありません!
    それよりどうかこの方の手当てを!!」
長「人間に話すことなど何もない。ゲラ=ハを置いて今すぐ去れ!」
ゲラ=ハ「・・・長・・・そう言わずに話してください・・・なぜ人間寮生たちと
    話し合おうとしないのですか!?」
ミルザくん「ゲラ=ハさん!しゃべらないで!」
ゲラ=ハ「大丈夫です・・・こう見えて傷は浅い・・・話し合わず避けてきたから
    こんな結果になってしまったんです!人間寮生と生きていくのが我等の道でしょう!」
長「人間はそうは思ってはおらん!その証拠にお前も襲われたではないか!そして
    我等の仲間を次々に攫っていっている!やはり人間寮生は信じられん!」
ミルザくん(・・・まさか今サルーインちゃんが欲しがってる蛇皮って・・・!?)
ゲッコB「人間学部の奴らはサルーインちゃんが我等の皮を欲しがってるという!」
ゲッコC「サルーインちゃんの為だけに人間は我等を攫って皮を剥ぐんぎゃ!」
ゲッコD「人間生徒はサルーインちゃんの為に狂ってる!!」
ヘイトちゃん(・・・成る程この風聞・・・卑劣な罠だな。しかし極少数派の
    ゲッコなど煽ってどうするのだ・・・?)
長「お前達、もうよい!・・・ゲラ=ハを救ってくれたことだけは感謝しよう・・・
    だが出て行け!」
ミルザくん「・・・・・・!」
ゲラ=ハ(ミルザさん・・・私の家は郊外にあります・・・私をそこまで届ける振りをして
    そのままこの村に身を隠してください・・・あなたに協力してもらいたい、人間との和解の道を・・・!)
ミルザくん「!・・・(わかった、)・・・ゲラ=ハを家まで送り届けます・・・」
ヘイトちゃん「そこまではお許しを・・・(これは捨て置けぬ事のようだなァ・・・)」

詩人「おお!なんと美しい・・・!暁の光も黄昏の光も、あなたの前では霞むでしょう」
サルーインちゃん「あら♪そう?ばかめ!当然のことを何を今更アハアハハハハ♪」
サルーインちゃんは洋服店で一番高価な『蛇皮』のドレスを詩人に勧められて試着し、
そのままいい気になって小躍りしていました。
詩人「黄昏といえば、もう夕暮れですね・・・どうです?今日ワロン寮では野外パーティがあるのです、
    その世にも麗しい姿で参加なされては?皆あなたの姿に歓喜することでしょう!」
サルーインちゃん「そうね♪それも悪くないでしょう。大衆を喜ばせてやるのも一興だアハハハ」
太陽はすでに地平線に差し掛かっていました・・・。
114ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:24:29 ID:???

首尾よくミルザくんとヘイトちゃんゲッコの村のゲラ=ハの家に身を隠しました。
ゲラ=ハ「もうすぐ夕暮れ時です・・・我々は今はこれ位の時間帯から睡眠をとっています、
    何故なら真夜中には我等を攫おうとする一団がやってくるからです。そして
    24時を回らない頃に起き出し、真夜中はずっと臨戦態勢を取っています・・・」
ミルザくん「・・・君達はなんという・・・ごめん、すごい苦痛を味わっているんだね・・・」
ゲラ=ハ「一回に2、3人は攫われてゆきますが、それも徐々に人数は増え、あちら側も
    欲が深くなって大人数でやってくることが多くなりました。首謀者の目当ては付いてるのです。
    武器屋のやつ等がリーダーとなって武器屋の倉庫に隠している説が濃厚なのです。
    そこから同胞達の鳴き声が聞こえるという情報がいくつも入っていますから・・・
    ・・・眠りましょう、今日の真夜中も戦争がはじまることでしょうから・・・」
ミルザくん「武器屋の・・・」
ヘイトちゃん「ねえェえー確かにあなた達はお気の毒だけど言っておくわアア!
    サルーインちゃんがどうのこうのなんてでたらめに気を取られて惑わされないことね!」
うわあああああああああああ・・・・・・・・・・
ミルザくん「なんだ!?」
ゲラ=ハ「まさか!この声・・・人間の声だ!!!まだ夕方のはずだ!」
ヘイトちゃん「しかも随分な人数のようねえェエ!あんた達の馬鹿の一つ覚えの作戦の裏を
    かかれたって訳ねえ〜〜どうするつもり?ミルザくん?これってさアアア
    サルーインちゃんの名誉もかかってるんだよねェ・・・・」
ミルザくん「・・・・・・!サルーインちゃん・・・くっ!ヘイトちゃん!どうか聞いてくれ!」
ヘイトちゃん「へえ?(・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・)・・・本気なのかしらあ?」
ミルザくん「これしかないんだ!頼む!」
ヘイトちゃん「なかなか腰が低いのねェ〜☆では、全力でお力添えをしてあげるとしよう!」
ゲラ=ハ「何を言ってるんですあなたたちは?大丈夫です、こんな時のためにも一応の隠れ家があります、
    そのため今まで2、3人で済んできたのです」
ヘイトちゃん「ヒヒヒそれじゃ困るなあァあ!全員捕まってもらわなくては!」
ゲラ=ハ「何ですって!?」
ミルザくん「ゲラ=ハ、僕を信じてくれ!」
ヘイトちゃんはゲラ=ハの家を飛び出すと、村中に大声で叫びました。
ヘイトちゃん「アーヒャヒャヒャヒャハヤハヤヒャハヤ!!やってやったぞ!ゲラ=ハを送ってくる振りをして
   ここのアジトの場所を調べてやった!!皆に教えてやったぞお!!バカなゲッコども!
   アーヒャヒャハyハyハ!!!!」
115ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:25:41 ID:???
ゲッコH「なんぎゃって!?」ゲッコO「おのれえええ人間寮生どもめえ!!!」
怒りに駆られたゲッコ族の皆は、わああああと鬨の声を上げて人間の一団に立ち向かってゆきました。
長「愚か者!やめろ!!」
ヘイトちゃん「血を流すことはないのよ〜ただ捕まってくれれば・・・シェラハちゃんから
    教えてもらった漆黒の帳、効くといいけど・・・漆黒の帳よ、それエアアア!!!」
ゲッコ族「う・・・」
夕暮れ時、現在彼らゲッコ族が取っていた夕暮れから睡眠を取るという作戦も手伝って、
未熟ながらもヘイトちゃんの漆黒の帳は殆ど大成功。ゲッコ族たちは眠りに落ちて崩れてゆきました。
人間A「おいおい、なんなんだあんたかわい子ちゃんは?どうやら協力してくれてるようだが?」
ヘイトちゃん「そうですともオオ!さあ、連れて行けるだけ連れて行くのですよ、連れて行けるだけ!」
人間B「言われなくともこんなチャンスそうそうないからな!おめーら!大量だぜ!」
人間達「おおーーーーーーーーーーーーーー!!!」
人間達はゲッコ族たちを運び出し始めました。ゲラ=ハもその中にいました。
薄れる意識の中で、ゲラ=ハは考えていました。
ゲラ=ハ(ミルザさん・・・一体あなたは何を・・・?・・・う・・・)
そしてゲッコ族が次々運ばれていく中、ヘイトちゃんは口の中だけで呟きました。
ヘイトちゃん(本来なら仇だがミルザ・・・さあ、お手並拝見するとしよおぉおう!)


ゲラ=ハ「・・・・・・・・う・・・・・・・・き、きつい・・・」
ゲラ=ハが気が付いたのはおそらく武器屋の倉庫と思われる場所でした。あらゆる所に
武器がかかげられています。ゲッコ族たちはそこでスシ詰めになっており、部屋の外からは
人間達の話声が聞こえてきました。
人間G「・・・連れてきすぎじゃねえか?武器倉庫全部使う羽目になっちまったぜ」
人間R「これぐらいしょうがないさ、いい商売だぜ、サルーインちゃんの為とかいって
    ありえねー値段で買ってく奴らが五万といるんだからな」
ゲラ=ハ(・・・こいつらは・・・守銭奴め!・・・ああしかし一体これから
    どうすればいいのだ?ミルザさんは私達にどうさせるつもりでこんなことを・・・)
その時でした。ちょんちょん、とゲラハの肩が指でつつかれたのです。
ゲラ=ハ「?・・・ああ、同胞か・・・お前もこんなことになってしまって
     言葉にならぬ思い一杯だろう・・・」
???「ゲラ=ハ、僕だよ、僕!」
ゲラ=ハ「・・・・!!ミルザさん!」
そうです。それはミルザくんだったのです。そう、彼はサルーインちゃんへのプレゼント探しの時
問屋から買った『何の手も付いてない皮』を被って、ゲッコ族に変装していたのです。
116ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:27:06 ID:???
ゲラ=ハ「ミルザさん!あなたは一体・・・!し、しかしあなたがここに紛れていたところで
    この状況がどう打開できるというのです?」
ミルザくん「ぼくの思ったとおりだ!いや、聞いてくれゲラ=ハ!君から『鳴き声が聞こえるらしい』
    と聞いたときにはもしかしたらと思っていたんだよ、捕まってるゲッコ達は
    『口は塞がれていない』んだとね!」
ゲラ=ハ「だったら何だというのですか!この絶望的状況で初めから作戦会議でもするというのですか?」
ミルザくん「ぼくはバイトで何度もリザードマンと戦ったことがあるよ・・・あいつらときたら
     舌を伸ばして攻撃してくるんだ!・・・ところで、ここは武器が一杯あるね?」
ゲラ=ハ「・・・・・!ミルザさん!」
ミルザさん「ぼくはもう被った皮の中にレフトハンドソードを持ってる!(そう言って、ミルザくんは
    被ったゲッコの皮を破って姿を現しました!)」
捕まったゲッコ族たちは姿を現し、銀色に輝く剣を持つミルザくんを一斉に見つめました。
ミルザくん「君達もだ!『取れ!さあ、武器はそこにある!!』」

人間N「今日は野外パーティらしいぜ・・・もうすぐ始まるらしい」
人間E「おあつらえむきだ、その喧騒の間にこっちもあれの処理をしちまおうぜ」
ドカーーーーーーーーーン!!
人間達「何だァ!!?」
ミルザくん「ぼくは騎士団寮の騎士、ミルザだ!!そして誇り高きゲッコの戦士達だ!!
     ゲッコの戦士たちよ、我に続け!!」
ゲッコ族「ヌぉオオーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
そこには、銀に輝く剣を持った騎士と、『舌』に様々な武器を持ったゲッコの戦士達の姿がありました!

野外パーティが始まっていました。ワロン寮の生徒達、他寮から招かれてきた生徒達などが
楽しそうに騒いでいるところ・・・・ドカーーーーーーーーーーーーン!!!
生徒A「きゃあああああああああああああ!!」
生徒B「なんだあ!?」
武器屋から突然大量の柄の悪い人間達と、銀色の騎士とゲッコ族たちの一軍が出てきたのです!
ヘイトちゃん(上手くやったようだなァ〜)
生徒C「なんなんだ!どうしたというんだ!?」
生徒D「怖い!ゲッコの生徒達だ!!」
ミルザくん「皆さん!!落ち着いて聞いてください!ぼく達は、ゲッコ族は人間寮生たちと
    手をたずさえて学園生活を送っていくことを望んでいます!」
ゲラ=ハ「・・・人間の皆さん!私達は話し合いから逃げてきました。あなた達と共に
    生きてゆくことを諦めていました。しかし今はもう逃げません!我々は
    共に生きていけるはずです!仲間の皮を剥ぐことなど、もうやめてください!!」
ゲラ=ハの演説に、野外パーティに出ていた生徒達はしんとしました。そして自分達が身に付けている
皮のバックや、腕輪、ベルトなどを呆然とした様子で見つめました。
117ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:28:42 ID:???
ゲラ=ハ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゲラ=ハは息を呑みました。沈黙が流れます。とそのとき、一人の人間生徒が歩み出て、
ゲラ=ハに手を伸ばしました。それは間違いなく、握手の求めだったのです。
ゲラ=ハ「・・・・・・・・・・・・・・!!」
ゲラ=ハの顔は人間達にも分かるほど喜びにあふれていました。早速手を差し出そうとしたのですが、
もごもごともがくと上手く動けない?そういえば体を縄で縛られていたのでした。
ミルザくん「やれやれ、舌で握手じゃ格好付かないもんね」
そういってミルザくんはレフトハンドソードでちょんと縄を切ってあげました。
ゲッコ族と人間生徒の握手がその時、交わされたのでした。

わああああああああああああああああああああああ・・・・・・・・・・・・

歓声が響きます。野外パーティは今、和解の祝賀へと変わったのでした。
ヘイトちゃん(ほっほおぉ〜おミルザくんよお、これはなかなかやったわねえ★☆
     今まで過小評価しててごめんねェえ〜☆★♪)
サルーインちゃん「ヘイトちゃん!!あんたここでなにしてんの!」
ヘイトちゃん「ヒイイッ!?☆#!さ、サルーインちゃん!?あっそういやサルーインちゃんも
     ワロンに来てたんだった!さ、サルーインちゃんこそ何してるんですか
     おめかししちゃってええ〜んもうんもう!!б☆★」
サルーインちゃん「ああこのドレスね、なんかどっかの詩人が・・・あれ?詩人!・・・詩人!?
     どこなの!あれ?さっきまで一緒に・・・」
???「サルーインだ!!!」
誰かがそう叫びました。
パーティの席の生徒達は驚き、ゲッコ族たちはサルーインちゃんを見つけ、叫びました。
ゲッコT「あれは俺達の同胞の皮のドレスぎゃ!!」
ゲッコF「やはりサルーインが俺達の皮を集めさせてるって噂は事実だったんぎゃ!!」
サルーインちゃん「何を言って・・・きゃあ!!」
間髪入れずに突進してきたゲッコ族の青年達の舌にサルーインちゃんは絡め取られ、
見世物のように持ち上げられました。きゃああと野外に叫びが響きました。
ミルザくん「サルーインちゃん!!!!」
ヘイトちゃん「ヒィヤアアァアァアアアーーーーーここまで上手くいってたのにーーー!!」
ゲラ=ハ「いけない!!またここで怨恨を残してしまう!!」
ミルザくん「やめろ、やめてくれーーーーーーーー!!サルーインちゃんはぼくが守るーーーーーー!!」
118ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:30:25 ID:???
ミルザくんが必死で駆け寄ります。
ゲッコ族の青年達の舌に力が入ります。サルーインちゃんを巻き付きで押し潰そうとしたその瞬間!
サルーインちゃん「ゴミのような奴らめ!!!」
スルッ。ゲッコ族の青年達は思わぬほど簡単に舌を巻きつけることが出来てしまって???となりましたが、
その理由がその後すぐ分かりました。ドレスのみ残って、サルーインちゃんの体はもうそこにはなかったのです。
生徒G「上だ!」
ミルザくん「えっ」
ぐしゃっ!ミルザくんが上を向いた途端顔の上にするどいヒールが落ちてきました。
舌で押さえられたドレスをジャンプしてすり抜け、見事サルーインちゃんはミルザくんの顔面に着地をしたのでした。
無論、裸ネクタイのあらわな姿で。
ドレスを巻き付けているお互いの舌が絡まって四苦八苦しているゲッコ族の青年達に、
サルーインちゃんはミルザくんという名の演説台から華麗に言い放ちました。
サルーインちゃん「私の在りのままの姿を見よ!なによりも美しかろう!
     お前達の汚い皮なぞなんの飾りにもならぬわ!誰も綺麗に
     飾りあげてやれないようなような皮なのなら、ずっと大事に身につけておくことだな!!」
サルーインちゃんはミルザくんの顔面からスタンと飛び降りると、モデル歩きでさっさと帰っていってしまいした。
ヘイトちゃんは「待ってくださいよサルーインちゃあああー〜ん」と後を追いかけて行き、
パーティの席は呆然として静寂に包まれていました。その中でゲラ=ハが顔面が潰れたミルザくんに駆け寄ります。
ゲラ=ハ「だ、大丈夫ですかミルザさん・・・」
ミルザくん「・・・これだ・・・」
ゲラ=ハ「え?」
ミルザくん「・・・エクスタシーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


その夜マルディアス学園にフォーーーーゥという雄叫びが響いたといいます。
今日はMのミルザくんにとって最高の日の一つに加わったのでした。。。

119ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 16:33:08 ID:???
投稿してみたら思った以上に長かった!!まじごめん!!
どうか何事もなかったように普通に続けて下さい
120ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 17:26:45 ID:???
いや面白かったよ。
うんありがとう、またかいてね
121ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 17:46:04 ID:???
お疲れさまでした!
そういや、今年の夏の流行なんだってね>蛇柄
サンダルとかむあるみたいだよ。
122ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 19:27:00 ID:???
10年以上前、スーファミ版ロマサガをプレイしていたころ、
まさかサルーインに萌える日が来るとは思わなかった。
123ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 19:29:58 ID:???
つうか、上の最新SSの最後のくだりではサルーインちゃんは
裸ネクタイにハイヒール姿で他はすっぽんぽんということなんですか??
124ゲーム好き名無しさん:2005/06/27(月) 23:05:01 ID:???
面白すぎる、萌えまくれる、心が温まるの3拍子そろってますね!
毎日楽しみに見せてもらってます!
本になって、売り出されて、ミニオンちゃん達のイラストが出来たら
最高なのにな〜チラッと考えてしまいました!
125ゲーム好き名無しさん:2005/06/28(火) 00:22:12 ID:???
とりあえずワイルたんは小柄の眼鏡っ子決定だな。
なぜかって?いや、本文に書いてあんじゃん。
126ゲーム好き名無しさん:2005/06/28(火) 02:40:08 ID:???
ストライフが活躍する話もキボン
127ゲーム好き名無しさん:2005/06/28(火) 23:13:25 ID:???
続き期待age

学園ラブコメっぽく軽いお遊びのネタスレになるかと思いきや、
思わず真面目に冒険活劇モノになってるな、今現在
こりゃ皆なかなか気軽にリレーに参加出来なそうだなー
でも参加したい書き手さんはどんどん書いていこうぜ!
俺もストライフちゃんが活躍する話が書きたいぜ!
128ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 00:23:28 ID:???
俺も書いて見たいけど今携帯しか使えないからな〜。
週末実家に帰りゃパソコン使えるんだが。
というわけで俺もそれまで新作期待age
129ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 15:40:11 ID:???
ちょっと続きを書いてみてます。
しかしヘイトちゃんの台詞に、予想以上に苦戦中……
130ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 16:05:50 ID:???
>>129
おっそうか。
俺も今日書く人いなかったら
さわりだけでも書こうかと思ってたが期待してるよ。
1311/3:2005/06/29(水) 16:53:52 ID:???
第7話「幻のアメジスト」


またまたマルディアス学園。
ここはローザリア舎のイスマス寮。その寮長室にて。

イスマス寮長のルドルフが、喜色満面で浮かれておりました。
「そうか!ついにディアナに初めての彼氏が!素晴らしい!」
そう言って豪快に笑うルドルフ。
優しい微笑みを向けるルドルフの妻、マリア。
そして顔を赤らめながら、湧き上がる喜びをおさえきれないディアナと――
――その足元に転がる弟のアルベルト。
「父上、お赤飯は?」とぬかしたので
ブラッディスパルタンで教育した所です。

「さぁ宴の準備だ!それも豪勢なやつだ!」
少々過保護な気があるルドルフさんはもうノリノリです。
そして一応口で止めながらも、まんざらでもないディアナさん。

「しかし、こんな素晴らしい日に普通の宴でも芸がないな」
「そんなあなたのためになるかどうか分かりませんが、
こんな話があります。」

ルドルフがビクッ!!として振り返ると、
いつの間にやら謎の吟遊詩人が立っておりました。
「実は私、こういう物を持っているんですが……」
1322/3:2005/06/29(水) 16:56:16 ID:???
ヘイトちゃん「大変大変大変よホォ〜〜たいへんなぁんのよう〜●●▽a★!!」
ストライフちゃん「そうか大変だな。お前は変態だけどな。」
ヘイトちゃん「そうでェ〜っっすキャハ★星☆♪
それよりサルーインちゃんこれを見てよぉ=〜〜」
サルーインちゃんはヘイトちゃんから渡されたチラシを見てみました。
サルーインちゃん「イスマス寮主催のダンス大会?」
ワイルちゃん「あぁ、そういえばイスマス寮長の娘にやっと彼ができたとかで
その宴のメインイベントらしいですねー。」
サルーインちゃん「はん。彼氏の1人や2人で浮かれおって。
平民は幸せハードルが低いなアハハアハアハハハハ。
んで。これの何が大変なのよヘイト」
ヘイトちゃん「優勝商品を見てみてぇエエエエエエエエ!」

優勝商品:アメジストの首飾り

ワイルちゃん「これってひょっとして……糸石?」
ヘイトちゃん「その可能性オオアリよぅ〜〜ん。そんなでかいアメジスト見たこと無いわッヒャー!!」
ストライフちゃん「確かに。当たってみる価値はありそうだな。
で、どうやって石に近づくんだ?」
ヘイトちゃん「そんなの簡単よ☆★〜〜〜!!」
そうヘイトちゃんは叫ぶと着ていた服を放り投げ、

「出場して!優勝して!堂々とかっさらうのよォーーー!!
ん〜〜〜レェェッツダァァアアンシィィィング!!!」

いつのまにやら真っ赤なフラメンコのドレスを着ていました。
なぜかサタデーナイトフィーバーのポーズでキめています。

ワイルとストライフが時間凍結している中で、
サルーインちゃんは「名案だな。アハアハハ」と高笑い。
シェラハちゃんは、ダンスと聞くと悲しいことを思い出すわ…
そのあとマイケルとかネバーランドとかブツブツ呟いています。

デスちゃんはそれを見ながらぼんやりと考えておりました。
(なーんで私ここにいるのかなー)と。
1333/3:2005/06/29(水) 17:00:30 ID:???
ワイルちゃん「しかしなんでまたフラメンコなんです?」
ヘイトちゃん「ダンスは情熱ゥ!情熱は赤ァァァァ!赤といったらアタシ達で!だからアタシ達はフラメンコじゃないのよぉ=〜★!」
ストライフちゃん「ビタ一文意味がわからん。」
ヘイトちゃん「うるっさいわねぇ〜もう曲も決めちゃったし!申し込みもギリギリ間に合ったの!
あとはみんなで練習あるのみよぉ〜〜!」

ん?

ワイルちゃん「ちょっとまって下さいヘイトちゃん。」
ストライフちゃん「…お前が出るんじゃないのか?」
ヘイトちゃんはちっちっちと指を振りつつ、
ヘイトちゃん「確実に勝つには!トライアングルフォーメーションしか無いのぉぉ〜〜〜
ワイルちゃん!あんたもう謹慎とけたんでしょ!
ストライフちゃん!あんたもたまには仕事しなさいよっっ★●$」
ヘイトちゃんのその言葉を聞き、ワイルちゃんの顔はぱぁっと明るくなり、
逆にストライフちゃんの顔はどんより曇ってきました。
ワイルちゃん「そうですね!よーし!名誉挽回のために頑張ります!」
ストライフちゃん「わ……私は別の事をする……」
そういうとストライフちゃんはぷいっとそっぽを向いてしまいました。

ワイルちゃんとヘイトちゃんは互いに顔を見合わせて、
ちょっと考えをめぐらせた後、はた、と思いつき……
ニヤ〜〜ッと笑みをうかべました。
ヘイトちゃん「ストライフちゃん……ドレス着るのが恥ずかしいんでショ★」
ぴくっ
ワイルちゃん「普段からスカートとか着ないもんね〜。キレイな足してるのに。」
ぴくぴくっ
ヘイトちゃん「水泳で鍛えてスタイル良いんだかラ。見せびらかせばいいのニネー」
ワイルちゃん「そうですよ。バストもサラシを巻いて小さく見せてるそうですよ。イヤミですよねー」
ぴくぴくぴくっ

ストライフちゃん「よっ、用事を思い出した!」
言うやいなや、ストライフちゃんはステルスを連打しながらダッシュしました。
ワイル&ヘイト「あ!!」「逃げた!!」
サルーインちゃん「剣閃!」
サルーインちゃんの剣の一振りで、ストライフちゃんの足元がふっとびました。
デスちゃん「開門」
慌てて起き上がろうとするストライフちゃんを、門から伸びる手が掴みます。
シェラハちゃん「……漆黒の帳」
離せー離せよーとじたばたするサルーインちゃんが、かくっと動かなくなりました。
ワイルちゃん「ナイス3連携です!お姉様!」
ヘイトちゃん「よぉぉおっし★ひんむけェェェェェ★●d☆」

かくして、マルディアス学園の片隅にて、凸凹即席ダンスチームが結成されたのであった。
134ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 17:03:19 ID:???
あ、ミスった。上で漆黒の帳をくらうのは言うまでも無くストライフです。
とりあえず序盤のイベント絡みで、イスマス落城とアメジストをくっつけてみたけど
良かったんだろうか……
後の展開、お願いしますorz
135ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 17:27:04 ID:???
(・∀・)イイヨイイヨー
136ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 18:13:33 ID:???
ワイルちゃん復活したか。
おつかれーさまー
137ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 18:15:16 ID:???
>>134
やっぱこういうコメディならではもなくちゃな!
よっし続きかくぜ。
138ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 18:29:47 ID:???
ちょっと待て!その前に俺が書く。
大丈夫、三分チョイで終わる。
139ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 18:40:12 ID:???
ここは南エスタミル寮。
ファラ「わぁっ、この首飾りかわいい〜出ようかな〜出たいな〜、よし、出よう!」
ジャミルくん「お、ダンスパーティーか。二人以上の男女で踊る決まりだとよ。
       よし、ファラ!ペアを組m」
ファラ「死ね!・・・ん〜、やっぱミルザきゅんに会いにいっちゃおっかな〜うふふ」
ジャミルくん「だ、だれだミルザきゅんって!もしや浮気か!?」
ファラ「死ね!」

ここはとある草原地帯。
アルドラ「・・・ダンスパーティー、か。ふっ。もう女っ気が皆無になった俺には
     どうでもいい話だな。
     ・・・ミルザ・・・
     と、とりあえず、見学くらいはしにいくか・・・もしかしたらミルザもいるかもしれない・・・」

ここは騎士団寮の一室。
ラファエル「コンスタンツ!」
コンスタンツ「ラファエル!」
ラファエル「一緒に踊ろう・・・ハニー・・・」
コンスタンツ「『分かったわ』は言わないわ・・・なぜなら心は通じ合っているから・・・」
ラファエル「コンスタンツ!もう我慢できない!」
コンスタンツ「あ、あーー!」

140ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 18:40:49 ID:???
ここは、辺境地の暗いパブ。
男A「お?ダンスパーティーだとよ。」
男B[かーっ!ダンスかー!いいねいいねぇ。]
男A[若い姉ちゃんのセクシーな姿がいっぱいぱい見れちゃうぜー。うへへへ]
男B[そうだな!ぐへへ。それによ、もしかしたらあの人も来るかもしれねえしな・・・うへへ]
男A「そうだな!うへ、ダンスと言ったらあの人!久々にあの人が見れるかもなー。ぐへへへへ」
詩人「また見れますよ。あの人の踊りが。」


ここは雄大な雪原、その一つの村。
ガト「ツフや。お前も広い世界を知ってみたいだろう。いくがよい。素敵なボーイフレンドも見つかるぞ。」
ツフ「やるよ!」
ガト「ほほ、ヤル気満々じゃのう。」
ツフ「あたしに見合う男は、ローザリアにはいるのかねぇ!」
ガト「ほほ、一人くらいはいるかもしれんぞ!」
ツフ「いい男がいるとなると、嬉しくなるねぇ!」


ここは、人間学部の生徒達は誰一人として知らない、幻の島。
???「最近ダンスパーティーの事で学園の物どもは盛り上がっているらしいな。」
モーロックくん「はい。マスター。」
???「しかも優勝商品はあの糸石の一つだそうだ・・・」
バルバロイ「はい、マスター。」
???「わしの持っているこの糸石と、その糸石が相成れば、
    私は更に凄まじい魔力を手にし、計画も一気に進むことであろう。
    下僕どもよ。頃合を見計らい、ダンスパーティーを滅茶苦茶にし、糸石を奪い取ってくるのだ!」
リザードロード「はい、マスター。」
ラミア「オーケー、マスター。」
???「勿論、モルモットも数人確保してくるのだぞ。ぬっははははは・・・」


エロールちゃん「今回のダンスパーティー・・・少々荒れそうですね。」
141ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 18:42:16 ID:???
おしまい。>>137頑張れ!面白くしてくれ!
嫌がらせにしか思えないとかいう苦情は受け付けない。
142ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 20:27:14 ID:???

ミルザくん「聞いてよ聞いてよ聞いてよ聞いてよオイゲーーーーン!!!」
勢いよくオイゲンくんの部屋の扉を開けたのは、目をピッカピカに輝かせ、
なにやらチラシらしきものを持ったミルザくんでした。
しーーーーーーーーーーん・・・・
ミルザくん「・・・あ、そうか、オイゲンは今イスマスへ交流生の一人で行ってるんだった」
オイゲンくん「俺がどうかしたか?」
ミルザくん「うわっ!!・・・と、オイゲン!帰ってきてたのか?」
ミルザくんの後ろにはイスマス帰りのオイゲンくんが立っていました。二人はそのまま
部屋に入って茶を沸かしてお喋りをはじめました。
ミルザくん「見てこれ!見てこれ!イスマス寮開催ダンスパーティの優勝商品!
  『アメジストの首飾り』だって!これだ・・・きっとこれだよ!!僕のさがしてる糸石!」
オイゲンくん「ふーん。で?」
ミルザくん「で???で?っじゃないよオイゲン!これは絶対優勝しなきゃ!早速
  ダンスの練習をレッツ・・・」
オイゲンくん「ばっかだな、お前」
ミルザくん「えっ!?なんで!?僕超必死な奨学生だから学年順位いつもゼロ番代だよ!?」
オイゲンくんははーっ、と溜息をつき、
オイゲンくん「勉強だけ出来て頭は出来てない典型だなオマエ。これはイスマス寮長
  ルドルフの娘ディアナの初彼氏祝いのパーティなんだぜ?ディアナのための、だ。
  まさか優勝商品なんて一番祝いに相応しいものを他の参加者にくれてやると思うか?」
ミルザくん「・・・えっ!」
オイゲンくん「おっと、俺があんまりスレた見方をしてるなんていうなよ?
  実際聞いてきたんだからな、イスマスでのことさ。『優勝商品目当てで人が目一杯集まるだろう』、
  『でもあれを胸に輝かせるのはディアナ様さ、絶対な。それ以外ありえないんだから』
  ・・・と、こんな風な会話さ。」
ミルザくん「・・・そんなー!いんちきだ!!でたらめだ!!ひどいや!大体もしディアナって
  人がダンスが滅茶苦茶上手いとしてもだよ?サルーインちゃんの絢爛たる舞に敵うはずが・・・
  はっ!!サルーインちゃん!サルーインちゃんは参加するんだろうか・・・!?ハアハア」
オイゲンくん「・・・あーまたお前のサルーインちゃん妄想ダイブがはじまった。おーい
  こっちもどってこーい。おい、ミルザ!それでどうするつもりなんだ?
  アメジストとやらが手に入らなくってもいいのかー?」
ミルザくん「はっ!・・・そうだよ、どうしよう?はなから優勝する人が決まってるんじゃ
  どうしようもないじゃないかー・・・」
143ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 20:29:01 ID:???
オイゲンくん「そこを考えるんだよ!おい、それにお前、サルーインちゃんの胸に
  こんな巨大なアメジストを輝かせてみたくないか・・・?」
ミルザくん「・・・・・・・!!!そうだ!なんとかせねば!・・・うーんすり替え、
  司会者になりすまして優勝者を呼ぶときに違う人を呼ぶ、あとは・・・」
オイゲンくん「なあなあ、怪盗ごっこでもしてみるか?」
ミルザくん「え?」
オイゲンくん「見事優勝し胸に幻のように妖しいアメジストを輝せる舞姫、
  サルーインちゃんごとかっさらう・・・?」
ミルザくん「・・・・・!」
ミルザくんとオイゲンくんは顔を見合わせました。一人はしたり顔で、一人は目をきらきらと輝かせて。


サルーインちゃん「どうしても着ないと駄目だというの!!」
ワイルちゃん「さ、さすがに裸で踊るのはどうかと・・・」
セレブ三姉妹はトライアングル・フォーメーションにも匹敵する『三柱舞』の衣装決めで揉めていました。
サルーインちゃん「ありのままがいいのよ!!ありのままの肢体の揺れるなめらかな踊りがいいんじゃない!!
  ねえシェラハ!!」
シェラハ「・・・ありのままと聞くと悲しいことを思い出すわ・・・ありのままの君を
  僕に見せて欲しいって言った人の話。その人の熱意に、黒髪の絶世の美女は10年分の
  日記を差し出して見せてあげたら、その人は人間というものに絶望して深いジャングルの
  奥へと帰っていったのよ・・・」
ヘイトちゃん「アッヒャぁヒャはヒャ流石セレブさんしまあぁあい!!裸!!
  裸といったら盆踊り!!盆踊りなんて通ですわぁあ!!」
ストライフちゃん「おい、ヘイト、デスちゃんの前で盆踊りとか冗談をいうな。
  なんとなく冗談にならないから。」
デスちゃん「・・・・・・・・・・・・ええい!サルーインちゃん、そんなに
  裸祭りしたいんだったら個人の部でやれ!!」
サルーインちゃん「あーーーーーーーもう!!じゃあどんなのがいいのよーーー!!」
デス&シェラハ「とりあえず布がいい。」
ストライフちゃん「・・・はあ・・・やってられねー・・・」
ワイルちゃん「・・・ストライフちゃんヤケに静かですね・・・」
ヘイトちゃん「諦めついたんじゃあないノーーー??」
ストライフちゃん(・・・これがシンクロナイズドスイミングだったらなあ・・・)
144ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 20:31:02 ID:???
ジャジャーーーーーーーン!!そこでギターの音が響きました。
サルーインちゃん「・・・ん?あっ!あんたはあの時の!」
詩人「ご機嫌麗しゅう、美貌のサルーインちゃんとその姉妹様たち!」
デスちゃん「誰だ?サルーインちゃん」
詩人「名乗る名もなき詩人です、骨のごとき白き肌のデスちゃん。ところで今聞き及んだ
  ところだとなにやら衣装に困っているとか?どうでしょう!その衣装、私に任せてみませんか?」
サルーインちゃん「はあああ!?ふざけないでよ!!貴様、あのワロン等で私の味わった辱めを
  思い出してみるがいい!すっぽんぽんの丸裸を満座に見られたのだぞ!!ええいそんなことは関係ない、
  とっくに衣装など決まっているのだ!!裸ネクタイだ!!」
詩人「何か言ってることに矛盾があるような気がしますがそれは聞かなかったことにしましょう。
  そう、よろしければの話ですよ・・・パーティの当日に三者様とも『なにも着ないで』来て下さい」
デスちゃん「なんだって?どういうことだ?」
シェラハちゃん「・・・もしかして騙して裸の写真を撮って売りさばくなんて悲しいことを・・・」
詩人「今一度いいます、よろしければの話ですが『何も着ないで』来るのです。そうすれば、
  世にも美しい幻のドレスを纏えることでしょう・・・そう、『幻』のね!では、その日を楽しみに」
ジャジャーン!詩人はギターをかき鳴らすと去っていってしまいました。
三姉妹は顔を合わせた後、サルーインちゃん以外は解せぬという顔をして考え込んでいました。
サルーインちゃんはというと、
サルーインちゃん「ばかめ、何も着ないで行くのなんて当たり前だ!」


イスマス寮長の娘ディアナは幸福でした。明日には自分とナイトハルトくんとを祝ってくれる
ダンスパーティが催されます。イスマス寮より少し遠くに行ったところに、海も見渡せる
美しい丘があります。今日、そこでディアナは、高鳴る胸を潮風に揺らされて、
夢心地に時間を過ごしていました。
ガサッ
ディアナ「! 誰なの!」
???「くっ・・・見つかったか。いや決して怪しいものじゃない」
ディアナ「顔を見せなさ・・・きゃ!」
その不審者は顔を上げました。ディアナが短く叫んだ理由はそこにありました。み、醜い!
アルドラちゃん「ふ・・・そんな反応も仕方のないことだな・・・あんたが明日のパーティの
  主役、ディアナさんだろ?」
ディアナ「・・・(はっ!私ったらなんて反応を・・・)そ、そうです私がディアナです、
  あなたは・・・」
アルドラちゃん「ふ・・・俺は誰だろうな・・・・・・羨ましいな、俺にも好きな人がいたんだ・・・
  ・・・いや、今でも好きだ!でも、こんな姿になっちまって・・・明日のパーティにも
  彼は来るかもしれない、そう思ってこんなところまで来ちまったが・・・ばかだよな・・・
  俺みたいなやつがそんな華やかでめでたいパーティに出れる筈がないのに・・・な」
145ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 20:32:21 ID:???
ディアナ「・・・!あなたは、生来の姿ではないの?・・・好きな人が、明日のパーティに
  参加するの?」
アルドラちゃん「多分な・・・優勝商品アメジストはミルザ・・・いや、俺の好きな人が
  追い求めてたものだ・・・きっと来るだろう」
ディアナ「・・・・・・・・諦めるのはおよしなさい!あなたもパーティに出るのよ!」
アルドラちゃん「えっ?」
ディアナの言葉に自嘲気味だったアルドラちゃんは驚きの色を見せました。
ディアナちゃんは毅然と、慈愛のこもった感じで、かつこっそりと言いました。
ディアナ「あのアメジストには不思議な力があるというのよ・・・幻を見せるというの。
  明日、明日一日だけ、あの石の力を借りて元の姿に戻って好きな人に会いなさい!」
アルドラちゃん「・・・!?ば、馬鹿なことを!確かに魔術を助けてくれる道具はいくらもある!
  でもそこまで出来るものは・・・しかもそういう道具だって自分で装備してこそだ、
  しかも優勝商品は誰も触れないようなところに保管してあるはず・・・
  そんなものの力を借りようったってどんなウィザードでも無理だ!」
ディアナ「私はパーティ主催者の娘よ?・・・だから『あなたが一日身に付けるのよ』!」


夜も更けて、明日のパーティを控えるイスマス寮長の一室では、ルドルフ、ナイトハルトくん、
アルベルトくんの三人が、ダーツに興じていました。
ルドルフ「(カッ!)・・・うむ、惜しいな。しかしナイトハルトくん、君のような人が
  ディアナの初カレになってくれるとは、全く親として嬉しいあまりだよ」
ナイトハルトくん「いや、こちらこそ告白を受けてもらって嬉しい。しかしここ数日
  パーティの予告をしてからモンスターがイスマス周辺に集っているとか。
  警戒をゆるめてはいかんな(カッ!)」
ナイトハルトくんのダーツは、ものすごく中心に惜しいところにささりました。
アルベルトくん「お見事です!僕もナイトハルトくんのように、えいっ!(カッ!)(カッ!)」
ルドルフ&内藤「おお!完全に中心だ!」
ルドルフ「やるではないかアルベルト・・・・と?」
爽やかに白い歯を輝かせた笑顔でアルベルトくんは、ゆっくり、ゆっくり、前ヘと倒れていき、
急にバターンと倒れてしまいました。
ナイトハルトくん「これは・・・アルベルトのつむじから、薔薇が咲いている」
ルドルフ「違います、刺さってるんです完全に中心に。・・・なにか紙が結んである」
アルベルトくんのつむじに見事的中した薔薇に付いていた紙を開くと・・・

  『麗しのアメジストの君、
       花々の舞の中より頂戴せん            マスター☆M』

ルドルフ「・・・・・・・・・・・・・・!!た、大変だァーーーーーーーーーーー!!!」
146ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 20:33:07 ID:???


ミルザくん「・・・ダーツの的の中心に当てようとしたのに、あの妖精みたいな男の子が
  急に出てくるから・・・」
オイゲンくん「・・・まあ命に別状はないだろ・・・しかしここまでやっちまったんだぜ、
  ミルザ、覚悟はいいんだろうな?」
ミルザくん「覚悟なんて、サルーインちゃんに恋したときからいつでも出来てるのさ!」


さてはて、最後にアメジストを手に入れるのは誰か?最後に笑うのは・・・神のみぞ知る!



147ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 20:54:36 ID:???
とりあえず乙・・・だが、
このままキミは続きを書くのか?
それとも他の人(例えばオレ)が書いていいのか・・・
148ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 21:08:09 ID:???
乙!予想外に話が進みだしていよいよ面白くなってきた。
死霊の盆踊りならぬデスの盆踊りにワロスww
149ゲーム好き名無しさん:2005/06/29(水) 22:04:57 ID:???
よし。俺が続きを書くから一日待っててくれ!
150ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 08:49:49 ID:???
ストライフ……可愛いよストライフ……
151ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 16:55:11 ID:???
よし、学校も終わったし書くべ。
かなり長くなりそうだけど、面白いと思うよ。たぶん・・・
152ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 18:48:23 ID:???
ついに迎えたダンスパーティーの日。

黄金のシャンデリア。
赤くきらめく絨毯。
夜の闇を映す、大きな窓。
溢れんばかりの人、人、人!!

ルドルフ「しかしのう・・・あのような予告文が来てはダンスパーティーを
     このまま開催するのも躊躇われるのう・・」
ディアナ「何言ってるのお父様。大丈夫よ。アメジストの警備は万全なんでしょう?
      それに今更中止にしちゃったら、せっかくお越しになってくれたみなさんに失礼だわ。」
ナイトハルト「そうだぞルドルフ。そもそもそんなイタズラ文に何を恐れるのか、これがわからない」
ナイトハルトくんは若干棒読み風にそう言うと、正装の鎧をがちゃがちゃと身に着け始めました。
ルドルフ「しかしのう・・・ああ、心配だ心配だ。」
アルベルト「そうですよみなさん!なぜそんなに余裕なんですか!?
       もし、アメジストと・・・その、その、その、ね、ねね、姉さんがぬす、盗まれデモしたら・・・あああ!!
       ね、ねねね、姉さんの綺麗で清楚で可憐で最高なおか、お体が・・・
       その、き、汚い男達に・・・じゅ、じゅ、蹂躙されて・・・うあああああああ!!!姉さーーーーーーん!!!!!」
ディアナ「何言ってるのアルベルト?大丈夫よ。そもそもこういうパーティーにはアクシデントはつき物でしょ?」
たしなめるようにそう言うディアナに、アルベルトくんが顔を真っ赤にしながら口をぱくぱくします。
マリア「まぁまぁ、落ち着きなさい。パーティーは予定通り始めるわよ。
    そもそも中止にしたところでアメジストの警備がより万全になるとかそんな事はないんだし、
    大体最初に決めた事を実行しないでやめるのはよくないわ。」
そのマリアの一言に、ディアナとナイトハルトはこくんこくんと頷きました。
ルドルフ寮長は、「う〜ん」と言いながら首を捻ります。アルベルトくんは酸欠で気絶していました。
ルドルフ寮長は、少し考えた後に意を決したように言いました。

ルドルフ寮長「今宵のダンスパーティー・・・予定通り決行する!」
153ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 18:51:23 ID:???
イスマス寮のホールに、優雅なバイオリンの音が流れ出します。
それまでホール中に溢れていたざわめきが、ぴたりと止みました。
その音と共に、このダンスパーティーの主役、ナイトハルトくんとディアナが、満を持して出てきました。
男子生徒A「ディアナちゃーーん!」
男子生徒B「うおーー!!綺麗だぜーー!!」
女子生徒A「きゃーーー!ナイトハルトさまぁーー!!」
一部の男子生徒と女子生徒が、黄色い声援を上げます。
ディアナは、ホールのみんなに静かにするように手で合図しました。
ホール中の生徒がぴたりと押し静まり、静寂が流れます。
ディアナは一息大きく息を吸うと、よく通る声で話し始めました。

ディアナ「この度は、こんなにお集まりいただいて、ありがとうございます!
     みなさまには、普段の嫌な事、辛い事を全て忘れて、存分に楽しんでいただけたらと、思います。
     では、これよりダンスパーティーをみなさん存分に楽しんでください!では・・・」
詩人「幻の世界へ、ご招待!」ジャカジャーン!!

次の瞬間、どこからか城の風景を上塗りにするように、新たな風景が辺りに流れ込んできました。
その場にいた人たちが、「うわぁ!」や「すげぇ!」などと叫びだします。
一瞬して城の中身は新たな風景に塗り替えられ、まるで信じられないくらいに幻想的な世界に、会場中の人が目を白黒させました。
その次の瞬間、人々は一斉にディアナの方に頭を向けます。
にやにやと笑っていたディアナは、満足げに言いました。

ディアナ「これが、優勝商品、『幻のアメジスト』の力!
     普段では絶対に味わえない、『幻』の世界、存分にご堪能してください!
     では、これよりダンスパーティーを開催します!!」
154ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 18:57:01 ID:???
ミルザくん「うおー!すげーすげー!なんだコレー!?すごすぎるー!!」
隠れて会場の様子を観察していた、ミルザくんとオイゲンくん。
ミルザくんが辺りの風景を見ながら、はしゃぎだします。
オイゲンくん「凄いな・・・これがアメジストの力・・・」
ミルザくん「ねーぇ。このままダンスパーティーに参加しないでここでゆっくりしてるなんていやだよ。
      ダンスパーティーいこーよ!ねぇーねぇー、いこーよおいげぇぇん!!」
まるで子供のようにはしゃぐミルザくん。オイゲンくんは「まったく・・・・」と呟き、ため息を漏らしました。
オイゲンくん「まぁ、ダンスパーティーが終わるのにはまだ何時間もあるからな・・・
       よし、いこーぜ・・・」
ミルザ「ほーーんとーーー!?よし、いこーーオイゲン!!
    あーーー、さーるーーいんちゅわぁぁ〜〜〜ん!!待っててねあはぁんうふぅんげぼぉぉ★○Π≦鱸◎&$;!!」
オイゲンくんは表面上冷めた顔で言いながら、内心わくわくしていました。
オイゲンくんは心の中でにやにや笑いながら、ミルザくんは誰でもわかるくらいわくわくしながら、パーティー会場へと走り出しました。

会場中に優雅な音が流れ、その所々で若いカップルが、華麗なダンスを披露しています。
その会場の傍らのテーブルで、サルーインちゃん、デスちゃん、シェラハちゃんの三人が話していました。
サルーインちゃん「しっかし、凄いわねえこのドレス。あの詩人ここのスタッフだったのか・・・」
デスちゃん「気に入らんな、このドレス。少々自己顕示欲が強いと言うか・・・派手すぎだ。」
シェラハちゃん「自己顕示欲と言うと、悲しい話を思い出すわ・・・
         ある男の人は、恋する女の人に自分をもっと分かってもらいたいがために目立って目立って。
         その結果女の人は男の人を嫌いになり、男の人をふってしまったの。」
サルーインちゃん「よっしゃーーー!!んじゃあさっさと踊るわよバカ兄弟ども!!!!」
デスちゃん「落ち着け!私達の出番はまだだぞ!」
サルーインちゃん「いいじゃないのー!ほら、あそこに全く注目されてない醜い二人組みがいるわ!
      あいつをブッ倒して乱入して・・・」
デスちゃん「ダメに決まってんだろ、常識を考えんかバカ者!」
シェラハちゃん「常識というと悲しい話を思い出すわ。
         あるシスターに恋をした男のこと。
         男は貧乏なシスターのために物を盗んで盗んで。
         盗品をシスターにあたかも自分が買ってきたかのようにプレゼントしたの。
         シスターはそれが盗品だと分からずに身につけ外を歩いていたところ、
         その盗品の持ち主である人に捕まえられ、無実であるのに死刑にされてしまったの。
         男は、シスターをそんな目に会わせてしまった事を激しく後悔して、
         神を呪いながら自殺してしまったの。」
デスちゃん「なんかあんた、いつになく欝な話してないか?」
???「あ!サルーインちゃんだぁ♪」
155ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 19:04:16 ID:???
サルーインちゃん「あン?だれぇ?」
サルーインちゃんが声のしたほうを振り向くと、そこには巨大な月を背負ったような奇妙なファッションをした女の子がいました。
女はにこにこしながらサルーインちゃんに話しかけました。
ラミアちゃん「あたしラミアって言いますぅ♪うわぁ・・・やっぱ近くで見るとサルーインちゃん綺麗だなぁ・・・
       その、あのぅ、あたしすごくサルーインちゃんが好きでっ!その、サインして下さい!」
ラミアちゃんは言うだけ言うと。色紙をサルーインちゃんに差し出しました。
デスちゃんとシェラハちゃんがぽかんと口を開けます。
デスちゃん「あ、あのサルーインちゃんが・・・男子ではなく女子からサインを・・・」
シェラハちゃん「あ・・・あ・・・もしかしてこれは最も悲しい出来事の予兆・・・」
サルーインちゃん「だっっっっっっっっまりなさいおめぇら!!このあたしが女子にも人気で何が悪い!
          ホントの美女は女子生徒に嫌われるのを通り越して逆に好かれるもんなのよ!
          えっと、ラミアちゃんだったわね。それ、どうぞ。」
サルーインちゃんは、手馴れた手つきで色紙にサインを書き、ラミアちゃんに差し出しました。
ラミアちゃんの顔がぱぁっと明るくなります。
ラミアちゃん「あっ、あああ、ありがとうございますぅー!その、何ていうか図々しいかもしれないんですけど・・・
       握手なんかも・・・してくれませんかっ!?お願いです!あたしの長年の夢なんですっ!」
ラミアちゃんは地面に頭がつきそうなくらい深々と礼をしました。
その傍らで、デスちゃんとサルーインちゃんが棒立ちになっています。
デスちゃん「な、ななな・・・サルーインちゃんと握手することが夢の女子生徒なんて・・・そんな・・・バカな・・・
       聞けラミアちゃんとやらよ。この女は性格は悪くて、握手なんて求めたら何をされる事か・・・」
シェラハ「・・・これは新しい悲しい話リストいきかもね・・・絶世の悪魔美女に憧れた可愛い女子生徒の話・・・」
サルーインちゃん「だまれだまれだまれこのクソ兄弟どもがぁぁぁ!!来るものは拒まず、私だってそこまで性格悪くないわ。
          で、ラミアちゃんだっけ?ほら、握手しましょ。これから先の人生の誇りにしなさい。」
ラミアちゃん「あ、ああああ、ありがとうございます!!!!!!!!!きゃーーーーーーーー♪♪♪」
ラミアちゃんは狂喜乱舞すると、激しくもじもじしながらサルーインちゃんの手をぎゅっと握りました。
ラミアちゃんの顔が至福の顔色に染まります。
しばらく経った後、ラミアちゃんは手を離しました。
ラミアちゃん「ほ、ほんとーーーーーにありがとうございますっっっ!!この思い出、一生大事にします!!ありがとう、さよならっ!!」
サルーインちゃん「えっと、確かラミアちゃんだったわね。私もあなたの事忘れないわ。頑張ってね!」
ラミアちゃん「はいいーーーーーーー!!」
ラミアちゃんはうきうきした足取りで、人ごみの中へ消えていきました。
デスちゃん「あのラミアちゃんとやら・・・なんという天然だ・・・」
シェラハちゃん「・・・世間知らずというのはあの人のことね・・・あ、そういえば世間知らずというと・・・」
サルーインちゃん「なんでアンタらそんな否定的なのよ!あっ、もしかして嫉妬しちゃってる?あははは!無様!哀れ!」
デスちゃん「んだとこのアホ!!」
サルーインちゃん「なにー、このジャック!」
シェラハ「ジャックというと悲しいジャックのことを・・・」

ラミアちゃん(んふふふ、これでサルーインちゃんの弱点が分かったわん♪
        糸石と共にあいつも捧げれば・・・きっとあたしマスターに・・・キャッ♪)
156ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 19:07:21 ID:???
ヘイトちゃん「いくわよおお!!あたし達の情熱?いや熱情ぅぉぉぉぉのリズゥム!!!!♪☆★◎∀fo^^!!」
ワイルちゃん「さぁ、みなさんご注目ぅー!あたし達ミニオン三姉妹のダンス、ご堪能あれー!」
ストライフ「・・・・・・」
ワイルちゃん「・・・・・・」
ヘイトちゃん「・・・・・・・」
ワイルちゃん(ちょっとストライフ!)
ヘイトちゃん(あんたが『トライアングルフォーメーション』って言わないと始まらないわよ!)
ストライフ「・・・・・・と、とらいんあんぐるほーめー・・・しょ・・・」
ストライフちゃんの声がどんどんフェードアウトしていきます。
無数の観客が不思議そうに三人を見詰めます。
ストライフちゃんが足をがくがくさせながら俯いています。
ヘイトちゃん(・・・ストライフちゃん。あんたもしかしてアガリ症?うわ、はずかしー!あひゃー)
ワイルちゃん(ストライフちゃん!ここで踏ん張れなくてどうするんですか!サルーインちゃんとあたし達の未来がかかってるのよ!)
ストライフちゃん「・・・・・・」
ヘイトちゃん(あたしあなたを見損なった・・・こんな所であがって使い物にならなくなるなんて・・・)
ワイルちゃん(頑張ってストライフちゃん!)
ストライフちゃん「・・・・・・」
今までこの成り行きを見ていた観客達が、みな、他のステージの踊りへと移ってゆきます。
ヘイトちゃん(ストライフちゃん!)
ワイルちゃん(ストライフちゃん!)
ストライフ「・・・・・・・・・・・・・・・・見返りは・・・たくさん頂くからな・・・
      
      トライアングルフォーメーション!!」

カカンッ!!
デンデデッデデレデンデデッデデレデンデデッデデレデンデデッデデレ・・・
小気味よいガットギターの音が響きました。
去ろうとしていた観客がミニオンちゃんの方を再び振り向きます。
ヘイトちゃん「そぉら、やっとキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!! さぁ、やるわよぉぉぉうう♪◎<><>!!」
ワイルちゃん「よーし、踊り狂いますよー!みなさん、見てくれ私達の踊りー!」
ストライフちゃん「虫けらども、活目するがよい!!」
157ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 19:13:09 ID:???
ステージの上で、赤い三角形の軌跡を描きながら、舞い、踊る三人。
いつしか、会場の半分以上の男子生徒女子生徒が、彼女達のトライアングルフォーメーションに見とれていました。
中には『熱情の律動』のけたたましいリズムに一緒に踊りだすものも・・・
ワイルちゃんも、ヘイトちゃんも、ストライフちゃんも、にこにこと笑いながら、楽しむように踊っています。
男子生徒C「はぁ・・はぁ・・・可愛すぎる・・・もうだめだオレ・・・」
男子生徒D「あのメガネの子ええな・・萌え狂う・・・」
男子生徒E「それよりもあの気の強そうな女の子も・・・はぁはぁ・・・」
男子生徒F「あの頭悪そうな子が俺はツボだ・・・ぐっへへへへ」
女子生徒A「かわいーー♪しかもかっこいーー♪」
女子生徒B「うああ、いいなー。気持ちよさそうに踊ってるー。」
女子生徒C「頑張れワイルちゃーん!」
いつのまにか観客のほとんどが彼女達のとりこになっていました。
ステージの上で、三人は顔を見合わせます。
ストライフちゃん(よし、フィニッシュだ!)
ヘイトちゃん(OKッス!姐さん!)
ストライフちゃん(だれが姐さんじゃぼけっ!って、あっあっあー?)
体制を崩すストライフちゃん。
ヘイトちゃんも体制を崩して・・・
ヘイトちゃん(ちょぉっとバカっ・・・なにドレス踏んで・・・ぎゃっ・・「うぎゃーーーーーーー!!」
ストライフ「きゃあああああああーーーー!!!!」

どってーーーーーーーん!

男子生徒たち「・・・・・・(ぽかーん・・・)」
女子生徒たち「・・・・・・(あんぐり・・・)」
じゃかじゃんっ!
BGMが終わります。しかし、ヘイトちゃんとストライフちゃんは派手にステージに転がって・・・
ワイルちゃんの顔から、血の気が引いていきます。
ワイルちゃん「あはっあはははは・・・」
ワイルちゃんはまるで壊れた人形のように笑い出しました。
辺りが寒い空気に包まれます。
ヘイトちゃん「いってててて・・・このバカストライフ!あぁんんたなぁぁぁにやってのよぅぅぅ!!!!怒錨碇伊刈猪木!!!!」
ストライフちゃん「ててて・・・あんたがいけないんだろーが!あーもー台無しだこのクソバカ!」
ヘイトちゃん「あぁぁぁ〜〜んだってぇぇ★☆丸⇔!!?やるかこんのやろぉぉぉあァァァァんン!!??」
空気を読まないままに喧嘩しだす二人。
ワイルちゃんはハッと我に帰りました。
ワイルちゃん「す、すいませんお騒がせしましたー・・・その、今までのはなかった事に、っていうか忘れくださーい・・・あは、ははは・・・」
ワイルちゃんは冷や汗をぼろぼろ垂らしながら言うと、喧嘩するヘイトちゃんとストライフちゃんを強引に引きずりながら、逃げるようにどこかへと行ってしまいました。
後には、口をあんぐりと開けている何人かの生徒が取り残されていました。
158ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 19:18:17 ID:???
ちょっと休憩・・・
風を浴びてきます。あともう少し描くから待ってて。
159ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 21:16:15 ID:???
職人さんGJ!GJ!
ミニオンちゃん可愛いなー。
さっちゃんデスちゃんシェラハちゃんも可愛いなー
ダブルキャストなエロちゃんがもうなんともいえない。
160ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 22:18:07 ID:???
ミルザくん「うーん、踊る相手がいなきゃなぁ。盛り上がらないなぁ。」
ミルザくんとオイゲンくんは、会場の端っこのベンチでお茶をすすりながら、遠目で踊る人たちを眺めていました。
オイゲンくん「はぁ。女っ気のない騎士団寮がいけないんだよな・・・
        騎士団寮の女なんてコンスタンツさんと今は無きアルドラだけだろ?」
ミルザくん「今は無きって・・・なんでそんなに嫌ってるの?」
オイゲンくん「嫌うのが普通だ・・・大体おまえはあいつに優しく接しすぎ・・・ん?」

「み〜〜〜る〜〜〜〜ざ〜〜〜〜く〜〜ん!!!」

どこからか、女の子がミルザくんの方に走ってきました。
足を帽子をかぶった男子が掴んでいます。しかしそれを物ともせずに走ってきます。
ミルザくん「あ、あれは・・・えーと、ファラちゃん?」
オイゲンくん「ん?知り合いか?」
ファラがミルザくんの目の前で急ブレーキをかけました。
ジャミル「ふぁ〜〜〜ら〜〜〜なんでおどってくれないの〜〜????」
ファラ「黙れ!・・・ねぇミルザくん。一緒に踊らなーい?」
ミルザくん「へ?んな事いきなし言われても・・・大体枠が無いんじゃないの?」
ミルザくんは辺りをきょろきょろ見回します。
ファラは、『待ってました』とばかりににぃ〜っと笑うと、言いました。
ファラ「それがね、なんかしんないけど出場者が欠けてるとこがあるみたいなの。」
ミルザくん「欠けてる?」
ファラ「そうそう。じゃっ、決まりね。さぁ行くわよー!」
ガラは、ミルザくんの手を引きました。
ミルザくん「ちょ、ちょ待・・・あれーーー!!」
ミルザくんは、ファラに引きずられ、会場のほうへと行ってしまいました。
オイゲンが『やれやれ』と呟きながら頭を抱えます。
男の子「おい、あんた!」
オイゲン「あん?」
ファラの足にしがみついていた男の子が、オイゲンくんに話しかけます。
ジャミル「俺の名はジャミル!ヤツが踊り終わったら、外で待ってるって伝えておいてくれ。じゃあな。」
オイゲンくん「あ、ああ・・・」
ジャミルはそう言うと、人ごみの中へ消えていきました。
オイゲンくんは、はぁ、とため息をつきました。
161ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 22:23:14 ID:???
アルベルト「うぁああ〜〜ああ・・・姉さん・・・姉さん・・・大丈夫なんですか姉さん・・・」
妖みたいな男の子・・・背中に羽をこさえた、貴族風の男の子。
イスマス寮ルドルフ寮長の息子アルベルトは、ダンスを見ることなくイスマス寮の庭を、ぐるぐる回っていました。
アルベルトくんの頭の中は、アメジストの事とナイトハルトくんの事でいっぱい。
愛しの姉さんにせっかく『ナイトハルトくん』という自分の理想の彼が出来たのに・・・あんな怪文が来てしまっては・・・
アルベルト「ああ・・・心配だ心配だ・・・」
顔を青くして頭を抱えながら庭をぐるぐる回るアルベルトくん。
そんな時、どこからか大きな声が聞こえてきました。

「や・る・よ・・・や・る・よ・・・」

アルベルトくん「ん・・・なにこれ、宗教歌?」
アルベルトくんは歌のする方に頭を向けました。
・・・何か、いや、誰かが、砂埃を撒き散らせながらこちらに走ってきます・・・
アルベルトくんは目を凝らしました。
どんどん走ってくる・・・女?・・・角?・・・牛!?
ツフ「やるよーーーーーーー!!!!!!」
アルベルト「ぐべらはあああああぁぁぁぁ!!!!!!」
バキャーン!
走ってくるシフに猛烈なヘッドバッドを食らったアルベルトくんは、腹を押さえながら崩れ落ちました。
ツフ「あン?なんだいこいつぁ・・・」
たった今自分がぶつかった男の顔を見るツフ。
男の顔を見た瞬間、ツフは言葉には出せないときめき(?)のような物を感じたのは、まぁ、言うまでも無いでしょう。
アルベルト「な、なんですかあなたは・・・って、ぎゃああああーーー!!うぎゃーーーーー!!」
まさに『お持ち帰り』体制で、アルベルトを担ぎ、イスマス寮へと向かうツフ。
果たしてどうなることやら・・・
162ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 22:29:25 ID:???
男子生徒「ディアナちゃんが踊るぞー!!」
女子生徒「ナイトハルト様が踊るわよーー!!」
会場の中心のステージに、このパーティーの主役、ディアナとナイトハルトくんが立ち、見詰め合っています。
周りの客が息を呑みます。
静寂・・・

デッデッデデデデッ!

勇ましい音が辺りに響き、二人は踊りだしました。
女子生徒「きゃー!ナイトハルト様のテーマ曲よ!」
男子生徒「腹イテェw」
ぴったりの呼吸で舞う二人。
激しく、また華麗に舞う二人に、ステージ周りの全員が魅了されます。
しばらく経った後に、曲が静かな曲に切り替わりました。
男子生徒「おお、クリスタルパレスの曲じゃないか?」
女子生徒「ローザリアメドレーね!素敵・・・」
手を離す事を絶対に忘れることなく舞う二人。
見詰め合う事を絶対に忘れることなく踊る二人。
その踊りを見ている誰もが、『この二人は最高のカップルだな』と思いました。
影で見ているルドルフ寮長も、満面の笑顔です・・・



「ミルザ・・・」
男子生徒「うおー、いいぞねえちゃーん!ミルザてめーぎこちねーぞー!うひゃひゃひゃ!」
女子生徒「ファラちゃ〜ん、すごーーーい!」
ファラ「ちょっとミルザくーん。もっと気の利いた動きしてよ〜。」
ミルザくん「よ、ほ、は・・・ん〜無理・・・」
ミルザくんとファラが踊っている場面を、アルドラは遠くから見ていました。
アルドラ「・・・そうか。よくよく考えればサルーインの事もあるわけだし、私の出る幕ではないな・・・」
アルドラは、一人で力なく笑いながら会場の隅のイスに座り込んでしまいました。
163ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 22:40:13 ID:???
ミルザくん「あ〜、もうくたくた!」
ファラ「うふ、あたしは楽しかったよ!」
ミルザくんは、疲労困憊した顔でステージを降りました。
反面ファラは踊る前より元気です。
そこに、オイゲンくんが走りよってきました。
ミルザくん「ん?どうかしたのオイゲン?」
オイゲンくんは、したり顔ではき捨てるように言いました。
オイゲンくん「その隣にいる女の子がジャミルってヤツが・・・外で待ってるらしいぜ。」
ミルザくん「へ?な、なして?」
ファラ「あーもー、アイツ何しよーとしてんのよーぅ!」
オイゲンくん「どーせ嫉妬だろ。」
ファラ「嫉妬?あらま見苦しい!」
ミルザくんの顔つきが不安の色に染まりました。
ミルザくん「もしかして変な誤解されちゃってるのかな・・・?僕、誤解かけられるのすごい嫌いだから・・・はやく言ってやらないとな。」
オイゲンくん「ああ。言ってやれ言ってやれ!」

ジャミル「おい、ミルザとやら・・・てめぇファラに手ぇ出してただで済むと思うなよ?」
こおはイスマス寮の外庭。ジャミルくんが早速ミルザ君に因縁をつけてきました。
ミルザくん「いや、そのさ。僕他に好きな人がいるからさ。ファラちゃんとは何も無いんだ。信じてくれよ。」
ジャミル「ファラ『ちゃん』だとぉー!?んまっ!馴れ慣れしぃ!!」
ミルザくん「ああ、ごめんごめん、そんなに殺気立だないで・・・仲良くなろっ!」
ジャミル「黙れ!お前のせいでおれh」

「ああああああああああ!!!まだかこのヤローー!!踊らせろーーーーー!!」

ミルザ&ジャミル「うほっっっ!!!」
ミルザくんとジャミルくんは、声が聞こえた瞬間その声の主に釘付けになりました。
・・・お互いに顔を見合わせます。
一瞬にして心が通じ合った二人は、もう争う必要はなくなったのです。
164ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 22:42:47 ID:???
来るか?来るか?
165ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 22:56:56 ID:???
デスちゃん「落ち着け・・・こういうパーティーにも少なからずプログラムというルールがあるのだ。あと10分ほどの辛抱だろう?我慢しなさい。」
サルーインちゃん「でもでもでも〜ぉ!もう体がうずうずでぇ〜あー、もう滅びよ!滅びよ!滅びよ!滅びよ!滅びよ!滅びよ!滅びよ!滅びよ!滅びよ!」
シェラハちゃん「滅びよというと、悲しい話を思い出すわ。
          あるRPGで、プレイヤーはラスボスと白熱した戦いをしていたの。
          プレイヤーがあと一発で相手が死ななければこちらが全滅する。
          という場面で、プレイヤーは技を放ったの。
          しかしラスボスは死なずに生きていた。彼はその次の瞬間ラスボスが放った技を見る前にリセットボタンを押してしまったの。
          でもね・・・実はそのラスボスが使った技ってのは・・・本当は死ぬ合図で・・・なのに・・・彼は・・・うっ・・・」
デスちゃん「こらこら、思い出話で泣くな。」
サルーインちゃん「10分ってこんなに長かったかーーーーーーっっっ!?」
デスちゃん「そういう物だ!我慢しろ!」
シェラハちゃん「我慢というと、かゆみを我慢して死んでしまった男の話・・・」

ツフ「や、る、よーー!!」
男子生徒&女子生徒「ぎゃあああああ!!なんだこいつぅぅぅ!!!???」
どごーーん!!
一瞬にして一つのステージのダンスは一人の女に邪魔され、潰されてしまいました。
ぽかーんとしている生徒達を尻目に、ツフがよく通る声で叫び始めます。
ツフ「あたしはバルハル族のツフ!乱入上等、駄ン棲上等!
   今世紀最高のカップルの情熱の舞いをご堪能あれ!」
大声で叫ぶツフに、一部の生徒は他のステージへ移り、、一部のノリのよい生徒は更に盛り上がりました。
男子生徒「うおーー!面白いぞー。やれやれー!ひゅーひゅー♪」
女子生徒「きゃっはははははは!!マジ受けるーー!!」
ツフは、満足げに笑うと、担いでいるアルベルトを下ろしました。
そして、怖がるアルベルトの目を真っ直ぐに見つめ、言いました。

ツフ「・・・踊るよ!」
アルベルト「無理だーーーーーーー!!」

ほとんど目を飛び出させるようにしながら叫ぶアルベルト。
ツフは、「仕方ないねぇ」と呟くと、強引にアルベルトの手を掴みました。
アルベルト「はっ!?助けてくれーー!!父上、父上ーー!!」
踊ると言うよりもまるで振り回すかのようにアルベルトをぐるんぐるんまわすツフ。
生徒達が爆笑します。中には腹をおさえて蹲っているものや、泣きながら笑っているものも・・・
しかし、振り回されているアルベルトの方は無論別の意味で泣いていました。
アルベルトが泡を吹いて気絶してしまったのは、その数秒後のことでした。ちゃんちゃん☆
166ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 23:13:57 ID:???
…終わったの?終わってない?終わってたら乙…でも
流石に長すぎると思う。一日待ってって言って更に
当日も途切れ途切れで、何時間も待たせてる。
他に書きたい人だっているかもしれないんだからさ…
自分は一日待ってって書かれてたから我慢したけど

ていうかリレー小説の醍醐味って予想外の展開で
これからどうなる!?ってところでの怒涛の引き、
そこから次の書き手が更に予想外の展開へってところなんだけどなあ。
自分じゃなきゃ消化できない!っつー伏線でもない限り
あんまり長いのはやっぱりよくないと俺は思った。
167ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 23:22:05 ID:???
「この舞台に立つと、悲しい話を思い出すわ・・・
満足に踊れずに病気で倒れてしまった女の話・・
そんな事が無いよう・・・みんなで祈ってね・・・」
「舞いとは、魂の再生だ。何もかも忘れ、舞に没頭する事により、
血が、肉が踊り、魂は活性化する・・・」
「ついに来たわけだ・・・この時が!
時は来たれり!いざ、私達の魅惑の舞台へ!」

男子生徒A「うおーーー!!サルーインちゃーーーーん!!美しーーー!!」
男子生徒B「デスちゃーーーーーん!!美人だーーーー!!」
男子生徒C「シェラハちゅわーーーーーん!!可愛いよーー!!」
ワイルちゃん「頑張ってくださいみなさーん!」
ヘイトちゃん「あららん、あらーーぁぁぁ☆◎⇔@##!!みんな頑張ってへぇぇぇェんンン!!!!!」
ストライフ「ご舞運を祈ろう・・・応援するぞ!」
ミルザくん「ぎゃーーーサルーインちゃん頑張れーーー!!!わぁおわぁおわぁーーーお!!」
ジャミル「サルーインちゃ〜〜〜ん!!頑張れ頑張れ〜〜!!」

大量の声援。およそほとんどの男子生徒が、彼女達3人のいるステージへと集まってきていました。
ステージの上には、全学園中最も美人とされている三人の女性が舞い、踊るのです。
これは男として来ないわけにはいきませんね!
ミルザくん「あれ?そういえばジャミルってファラが好きなんじゃないの?なんでサルーインちゃんのファンなの?」
ジャミル「ばっかだなぁ。恋愛とファン精神は違うんだよ。大体ここにいる誰もが本気でサルーインちゃんをモノにしようなんて思ってないぜ?」
ミルザくん「・・・そっか。」
ミルザくんは腑に落ちないような表情をしながら、視線をステージへと移し戻しました。
168ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 23:23:50 ID:???
サルーインちゃん「BGMスタート!!」

サルーインちゃんが指をぱちんっ!と鳴らすと、どこからか激しい音が鳴り響いてきました。
男子生徒「うおっ、『決戦!サルーイン!』か!」
男子生徒「うおー!熱いぜー!」
激しい音にあわせて、三美女が踊りだします!
うおー!としばらくは熱狂しながら見ていた男子生徒たちも、何分か経った後に、違和感を覚えました。
・・・・・・
さ、

男子生徒ども一同(三人ともばらばらだー・・・・・・)

サルーインちゃんが一人で激しいダンスを披露する傍らで、デスちゃんはもっさりとした動きで踊り(蠢き?)
、その傍らでシェラハちゃんは俯きながら時々揺れるだけで・・・
少し前では比較的熱狂していた男子生徒たちも、力なく「ははは・・・」と笑う事しか出来なくなっていました。
3人のミニオンちゃんも、呆れたように見ています。
もう既にその場は『踊り鑑賞会』ではなく『美女鑑賞会』に変わってしまっていたのは、言うまでも無いでしょう。


ルドルフ寮長「さて、一通り踊り終えたようだな。
        ここからはフリータイムだ!」
169ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 23:25:39 ID:???
>>166
すまん。どうやら俺は自分勝手な人間だったようだ・・・
とにかくこれでおしまい。
3週間はROMに回るわ。んじゃ、誰かにパス!
170ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 23:32:07 ID:???
>>169
あっごめん終わってなかったんだ…割り込んでスマン。
いや、あなたのことだけじゃなくて。いやなんか…仕切り厨ぽく
なっちゃったが、これからの方針としてこうしたほうがいいんでない?
みたいな意見のつもりだったんだよ。
ツフとアルベルトの微笑ましさになごんだよw、乙!
171ゲーム好き名無しさん:2005/06/30(木) 23:33:33 ID:???
長い長くないはともかく
リアルタイム処理よりバッチ処理でやったほうがいい
メモ帳かなんかに全部書き込んでから一気に転載おすすめ
割り込みレスもないし見た感じも綺麗にまとまる
172ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 00:13:16 ID:FGa7khLJ
なんか色々すごいな今回…
乙。
173ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 04:57:23 ID:???
フリータイム!その宣言がなされた瞬間、会衆は一斉にわああと歓声を上げました。
そう、それは好きな人へとダンスを申しこむ、いわば告白の時間でもあったのです!

ジャミル「さて、と・・・麗しのサルーインちゃんはどこかな〜?」
ミルザくん「えっ!?ちょっと待てよ!君さっきサルーインちゃんのことは
     ファン魂みたいなもんだって言ったじゃないかぁ!」
ジャミル「ばっかだな全校男子生徒の憧れの君、サルーインちゃんにどんだけ
     おバカさん達がたかってるのか見てやろうってんだよ!」
ミルザくん「あ、そっか!・・・おバカさん?」
自分ももちろん含まれるおバカさん発言にミルザくんはちょっとグサッと来ました。
ジャミルくんがサルーインちゃんを探すまでもなく、異常な人だかりの一角は
見て取れました。そして次々にゴミのように投げ飛ばされてゆき、
振られた失格者の山が出来ていく様子も。
ジャミル「ははは!ホントばっかだなああいつら!憧れだの綺麗だのに目を
     眩まされるから近くの幸せが見えねんだ・・・さーて、
     おれは近くのタンポポに早速一踊り申し込んでくるかな!ミルザ、
     まあお前も頑張れよ・・・本当に手に入れたいんだったらな」
そう言ってジャミルくんはファラちゃんの所へと向かっていきました。
その場に留まったミルザくんの所からでも会話までは分かりませんでしたが、
二人の様子がよくよく見えました。ファラちゃんはまんざらでもないようで、
二人して照れたように笑っているのがミルザくんの目に映りました。
ミルザくん「近くの幸せ?・・・確かにサルーインちゃんはプレアデス星雲くらい
     遠いよなあ〜・・・でも近くの幸せって何のことだろ?」
オイゲンくん「おい、ミルザ!」
ミルザくん「はいっ!?ああ、オイゲンか何だよびっくりした」
オイゲンくん「そろそろ作戦に映った方がいいんじゃないか・・・?
     今がチャンスだと思うぜ、皆が皆自分の青春のことで頭がいっぱいだからな」
ミルザくん「よし!そうだな、そうしようかオイゲン。では作戦を聞こう、オイゲン!」
オイゲンくん「・・・え?・・・あの、ミルザくん・・・その、きみ、作戦は?」
ミルザくん「???・・・ん?オイゲンくん、君に策があったんじゃないの?」
オイゲンくん「――――――――――!!!お前な〜〜〜っ!!やっぱり
     何も考えてなかったのか!俺は覚悟はいいかって聞いたろ!!」
ミルザくん「ええっ!?ぼ、僕てっきりオイゲンが全部上手く考えてるもんだと思って・・・!」
オイゲンくん「決行するときっぱり言ったからにはちゃんと考えて俺のちょっとした
     アイディアに乗ったもんだと思ってたのに・・・あーー馬鹿だった
     お前も俺も!!」
174ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 04:58:40 ID:???
???「あ、あのー・・・・・・・・・・」
ミルザ&オイゲン「何だよ!!」
???「うわっ!そ、そんな怒らないで下さいよ!」
・・・・・?二人に声をかけたのはどうやら警備兵。それも二人で、なにやら
ばつが悪そうな様子をしていました。
ミルザくん「・・・?ごめん怒鳴っちゃって、僕達に何か用?」
警備兵A「はい、あ、あの・・・お二人方、踊りたい相手の人がいらっしゃらないんでしたら・・・
    ぜひ警備の方を交換してもらえませんか!!俺達イスマス寮の生徒で、
    何だか最近はぐれもののモンスターがイスマスに多いらしくて警備を強化するってことで
    今日は警備兵が一段と多いんですけど・・・それは生徒の中からで、俺達
    くじ引きで当たっちゃって今日のダンスパーティ中警備の羽目に・・・!」
警備兵B「お二人とも、なにやら語り合ってて意中の相手などいないという感じでしたので、
    つい声をかけてしまったんですが・・・どうかお願いします!!
    俺達絶対踊りたい人がいるんです!!」
彼らは運悪く警備兵の任につかされてしまったイスマス寮生らしいです。
ミルザくんとオイゲンくんはちょっと互いを見交わしました。
ミルザくん「ごめん、君達にはとても気の毒だけれど、僕もちゃんと申し込みたい人が・・・」
オイゲンくん「オーケーオーケー!!まかせなって!あんたらちゃんとお目当ての方の
     ハートを射止めてきな!!」
ミルザくん「えっ」
警備兵A「ほ、本当ですか!あっありがとうございます!!」
オイゲンくん「本当だとも!さあ、ぐだぐだやってる暇はねえよ、目当ての薔薇を
     かっさらわれちまわねえうちに、すぐに交換しちまおう」
警備兵B「はいっ本当にありがとうございます!じゃ木の陰で警備服と交換を・・・」
オイゲンくん「よし」
ミルザくん(ちょ、ちょ、オイゲン!どういうつもりなんだよ〜俺サルーインちゃんと・・・)
オイゲンくん(ばか!こんなおいしい話を逃してたまるか?警備兵といったらその通り
     警備してるんだ・・・優勝商品『アメジスト』を警備してるのも彼らなんだぜ?)
ミルザくん(あ・・・!)
ミルザくんとオイゲンくんはささっと警備兵の二人と服をすりかえてしまいました。
警備兵A「ありがとうございました!」
警備兵B「ご恩は一生忘れません!」
そう言って警備兵達は走ってゆきました、意中の君の元へ・・・
オイゲンくん(・・・さて、それで俺達はというと・・・だ)
ミルザくん(『アメジスト』を警備しているのはもはや僕らだ!)
さっそく警備兵と成り代わった二人は動き出しました。
先ほどの警備兵の任を交換してもらった二人の健気なイスマス寮生はというと、
既にサルーインちゃんが投げ飛ばした敗れしつわもの共の山の中の一人となっていました。
175ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:00:02 ID:???

アルドラちゃん「・・・フリータイム・・・か。ミルザ・・・」
ディアナ「どう?無事に上手くいってて?好きな人は・・・?」
アルドラちゃん「あんたは!・・・いや、すまない俺は・・・俺にはそんな勇気が出てこなくて・・・」
ディアナ「軟弱者!弱音を吐かないの!もしかしたらこれっきりかもしれないのよ、
     勇気なんてほんの少しでいいのよ、さあ!・・・父と恋人とを欺いて、
     『アメジスト』を盗み出した私の顔も立ててはくれないの!」
アルドラちゃん「!・・・ディアナ・・・」
アルドラちゃんは着飾ったドレスの胸元の奥に隠した、『アメジスト』のあるところに
そっと手を触れました。
ディアナ「詩人さんが言っていたのよ、『身に付けるものの魔力が強いほど、
     アメジストの力は一層強く誰もが夢見るような幻を見せる』・・・と!
     今日の盛会はあなたのお陰でもあるのよ、私はあなたに感謝しているわ、
     あなたの喜ぶ顔が見たい!あなたが好きな人と踊っているのを見たいわ!」
アルドラちゃん「ディアナ・・・!」
ディアナ「大丈夫、あなたは綺麗よ!とても綺麗・・・!本当の姿で、
     本当の思いを彼に伝えていらっしゃい!」
アルドラちゃん「・・・ディアナ、ありがとう、ありがとう・・・!」
アルドラちゃんは座っていたイスからすっくと立ち上がり、胸を張って会場を
見渡しました。その姿に、さっきまで彼女をずっと見ていたディアナは
更に美しさが増して見えました。アルドラちゃんは会場へと歩き出し、
男子生徒の踊りませんかという誘いにも耳を貸さず、ひたすらにミルザくんを探し始めました。

ミルザくん(・・・で、どうするんだ?)
オイゲンくん(警備の責任者にあたるんだ。・・・見てろよ)
オイゲンくんは警備兵の一番偉そうな奴に歩み寄っていきました。
オイゲンくん「伝令です!優勝商品『アメジスト』の保管場所が何者かに漏れた
     可能性があるので、別の場所へ移すように、とのこと!」
警備責任者「何だって!おお、ご苦労、早速やらせるとしよう」
オイゲンくん「しばしお待ちを!更に、我々のような末端のものがかの品を移動させる
     ことで怪しまれず、アメジスト移動を誰にも悟られないだろうというお達しです!」
警備責任者「・・・そうか!確かにそうだ、さすがルドルフ様は頭がよろしい!
     ではお前たちこちらへ・・・内密にアメジスト保管場所の地図を渡す」
ミルザくん(・・・・・!オイゲンやっるぅ〜)
オイゲンくん「・・・確かに受け取りました。では・・・
     警備隊長殿に敬礼!報告、万事なんの不穏もございません!」
警備責任者「(先程のこそこそしたやりとりを抹消するために言ったのだな)
     馬鹿者!何もなかったら報告しにせんでよい!自分の位置に戻れ!!」
二人「はっ!!!」
オイゲンくんとミルザくんは敬礼して会場の外の暗い影へと出ました。
オイゲンくん「全く簡単に行ったな」
ミルザくん「いやーオイゲンお前ってすっげー!この調子でちゃっちゃと
     アメジストゲットだな!」
オイゲンくん「・・・・・いや・・・油断はしないほうがいい」
オイゲンくんがそういうと、二人は動き出しました。アメジストの元へ!
176ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:01:14 ID:???

アメジストはルドルフ寮長の部屋に直々に保管されていると、地図を見て
二人は解りました。
ミルザくん「そんな所に隠してたら本当にばれてもおかしくないじゃないか、ばかだなー」
オイゲンくん「いや、その逆にそんな安易な場所に保管するわけがない、と
     ちょっとこういうことに慣れた奴は考えるんだよ」
ミルザくん「はあ〜、成る程・・・オイゲン、お前って何者?」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミルザくん「な、何だよ無口になっちゃってえ〜・・・まじでなんかあるのお前?」
オイゲンくん「いや違う・・・なんでもない、行くぞ」
ルドルフ寮長の部屋の前は5人もの警備兵が厳重に守っていました。しかし
ミルザくんとオイゲンくんは先程のハッタリを同じく交わすと、すぐに部屋の中へと
入ることが出来ました。
ルドルフ寮長の部屋に入ると・・・・・なにやら薄暗く、中央で魔方陣のようなものの
中心に座っている魔術師らしき男が居ました。その男の胸に輝いているのは、
あのチラシで見た巨大な宝石、『アメジスト』のそれでした!
ミルザくん「おおー!」
魔術師「何者だ、お前たち・・・やはり災いが来たか?昨日占っても、一昨日占っても、
     災いがやってくるという結果だった!」
オイゲンくん「何をいってるんだか・・・私達二名は、ルドルフ寮長の命により
     アメジスト移動を言い付けられたものです。・・・あなたは、何故
     アメジストを身に着けているんです?」
オイゲンくんは言ってしまってから無駄なことを聞いたと後悔しました。
しかし率直にその疑問が浮かんだので、つい聞いてしまったのです。
魔術師「アメジストは、というより『運命の赤い糸石』は見につけるものの
     力によってその威力が変わるのだ。アメジストは魔力の強いものが
     つけると更に強く夢より夢のような幻を見せることが出来る・・・
     お前たちもパーティで見たであろう」
ミルザくん「あっ!あのすごい美しい会場は、それではあなたの力だったんですね!」
魔術師「・・・違う!私の魔力ではあそこまですることなど出来ぬ!何かがおかしいのだ、
     何か災いが・・・やはりか!お前たちは災いを連れてきたな!」
ミルザくん「ちょ、ちょ、良く分からないけど落ち着いて・・・」
うわあああああああああああ!!!!
ミルザくん「なんだ!?」
ミルザくんとオイゲンくんが叫びの方へと向きを変えると、バン!と扉が開き、
5人の警備兵は血まみれで倒れ、大量のモンスターたちの姿がそこにあったのです!
モンスター『アメジストの力・・・頂くぞ!!』
177ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:02:08 ID:???
ミルザくん「どういうことなんだ!!」
オイゲンくん「なにかにつけられている・・・と思ったがモンスターだったのか!!
     くそっ何故モンスターが会場自体入れたんだ!警護はかなり厚くしてあったはずだ!!」
魔術師「・・・おのれ!君達、どうか聞いてくれ、君達にこのアメジストを託す、
     だからどうか守り抜いてディアナ嬢のもとへ・・・ここは私が預かる!!」
そう魔術師は言うと、ミルザくんの手にアメジストを持たせました。
ミルザくん「えっ!あなた一人でこんな大量のモンスターと!?・・・出来ません!!
     大体出口がモンスター達でふさがれてるドアしかな・・・」
オイゲンくん「つまりこういうことですね・・・ミルザ!!」
ミルザ「うっ!!」
ガシャーーーン!!オイゲンくんはミルザくんを引き寄せると、ガラス張りの窓から
二人で飛び降りたのです!
ミルザくん「うわああああああああああああああ!!!」
ぼすっ!落ちたところは幸い灌木のよく茂っているところで、それがクッションとなり
ミルザくんとオイゲンくんは無事でした。勿論オイゲンくんは計算づくでのこと。
ミルザくん「はあ、はあ、驚いた・・・しかしどうするんだ、アメジスト怪盗ごっこ
     なんていってる場合じゃなくなったぞ!」
オイゲンくん「とにかく他の警備兵に即伝えなければいけない!」
警備兵たち「大丈夫か、お前たち!」
オイゲンくん「おお!」
オイゲンくんとミルザくんが伝えに行くまでもなく、沢山の警備兵が
二人の下へ駆け寄って来てくれました。
オイゲンくん「ちょうど良いところに来てくれた!緊急事態だ、
     モンスターがパーティ会場内に侵入して・・・」
警備兵たち「もちろんとっくに知っているとも」
オイゲンくん「なに?・・・・・・・・・・・・!!!」
警備兵たちは警備服を破り捨てました。そこには・・・大量のモンスターの姿があったのです!
オイゲンくん「・・・・・・・!!!」
ミルザくん「警備兵が・・・!?」
モンスターたち『ばかめ!殆どの警備兵は最初っから俺達の変装だったのさ!!
      さあ、持っているアメジストを寄こせ!!』
ミルザくん「・・・ふっふざけるなあァーーーーーー!!!」
ミルザくんはしゃっとレフトハンドソードを柄から引き抜きました。ここに
二人と大量のモンスターの死闘がはじまっていたのです・・・
178ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:02:58 ID:???

アルドラちゃんは数々のダンスの誘いもすげなく無視してミルザくんを探していました。
アルドラちゃん(・・・ミルザ・・・どこなんだ・・・!俺のちっちゃい勇気の灯火が
     消えてしまわないうちに・・・ああ、ミルザ・・・!!)
そんなアルドラちゃんの耳に高慢な高笑いが聞こえてきました。
振り向くとそう、サルーインちゃんです。
サルーインちゃん「お断りだ!!鏡見て来い!!あっちいけ!!壊れよ!!
     あーーーーーーもーーーーーーーキリがない!!貴様ら男子生徒など
     道具でしかないっつーのねえデス姉さん!シェラハ!アハハハハアハハ」
デスちゃん「ほんとはいい気になってるんだろ」
シェラハちゃん「道具と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・ラストパーティに向かって
     道具のくせにと嘲った邪神の話。説教はされるわ、話聞いてもらえないわでも
     挫けずに調子に乗ってアハアハアハハと高笑いで戦いに挑んだのだけれど、
     いきなりくちばしという卑劣な罠にかかって石化して、そのままエンディング
     になってしまったの」
デスちゃん「・・・・・まああの笑いながら男共を蹴散らしてる様は邪神にふさわしいかもな・・・」
アルドラちゃんは心から侮蔑しました。
アルドラちゃん(サルーイン・・・あんないい気になってるだけの薄っぺらい
     女のお前はどこがいいんだ!?ミルザ!あいつは人をゴミほどにも思っていない・・・!)
ジャカジャーン!ギターの音が背後で響きました。そう、アルドラは初めて出会う、詩人です。
詩人「お美しいお嬢さん!あなたのその輝く姿は、あのサルーインちゃんにも引けを取らないでしょう!」
アルドラちゃん「・・・・・はっ!!皮肉か?
     (悔しいが、そんなことはあり得ないんだ、絶対・・・あの女は本当に綺麗だ)」
詩人「皮肉だなんて、まさかでしょう!あなたは美しい、サルーインちゃんに劣らず、
      いや!サルーインちゃんより美しいはずです!」
アルドラちゃん「なに?まさか、もうよしてくれ惨めになるだけだ・・・」
詩人「あのサルーインちゃんを良く見てください!本当に美しいですか?皮一枚は美しくても、
      中身は?美しいですか?何よりも醜いものが見えるんじゃないですか?
      あの姉妹達を見なさい!美貌に物を言わせて、男達をいいように弄んでいる
      彼女達は真に美しいものですか?」
アルドラちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・あいつらは・・・女のクズだ!」
詩人「そうですか?あなたがそう思うのならば、それが真実です・・・
      真実を皆に見せてあげたくありませんか?本当のサルーインの、醜怪たる姿を!!」
アルドラちゃんは体をこわばらせ、目を見開き、サルーインちゃんを見つめました。
アルドラちゃんのドレスの胸の辺りから光が発し、アルドラちゃんの瞳の色は、
まるでアメジストのように光をきらめかせました。
179ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:03:55 ID:???

ストライフちゃん「ふざけるなああ虫けらヘイトがあぁ!!!全部お前のせいだこの虫!虫!虫けら!!」
ヘイトちゃん「ヘェイトはぜぇえんぜん悪くないもーーーーーーん!!スットライフが悪いんだもォん
      ストライッフがわぁるいんだもおおおおおおおおおん!!☆◎ж!!」
ストライフちゃん「人の名前をアヒャ語で発音するなあああぁ!!!!!!!!!」
ワイルちゃん「ちょっと、ちょっと、もうやめましょうよ、もう過ぎたことでしょ、
      あーんもうフリータイムなのにこの二人のせいで全然お誘いがこなあい・・・泣」
ガシャーーーーーーン
ワイルちゃん「なんだ!?」
生徒A「きゃあああああああああああ!!」
生徒B「モンスターだあああああああああああああ!!!」
ストライフちゃん「モンスターだと?何故だ?ワイル、何かモンスタークラブに作戦はあったか?」
ワイルちゃん「なにもないはずです、こいつらは・・・別の所属!」
ヘイトちゃん「あひゃあぁぁぁああ!!パーティをぶち壊しとは無粋なやつらだなァ、
      もうちょっと衝撃的じゃないとォオ!!ヘイトが変装とく時みたいに☆★☆」
モンスター『アメジストを持っている「ミルザ」はどこだああ!!』
ワイルちゃん「ミルザだって!?ミルザさんが既にアメジストを??!」

詩人「さあ、よく見て、あの醜い姿を!醜い、醜い、サルーイン!
      ミルザをたぶらかす、真実は醜いサルーインを!!」
アルドラちゃんはかっと目を見開きました。
ガシャーーーーーン!それと同時にモンスターたちの襲来があったのです。そして・・・
生徒C「逃げなきゃ!・・・ここ、この会場なんか暗くなってないか?」
生徒D「そんなこといってる場合じゃ・・・!・・・いや・・・確かに暗く・・・おぞましいような」
サルーインちゃん「アハ、アハ、アハハハハハ・・・・?」
生徒H「あ・・・あ・・・」
サルーインちゃん「ん?なんだというのだ。折角この私に近づけたんだからもうちょっと
      ましな喜び方を・・・」
生徒達「化け物だァーーーーーーーーーーーー!!!!」
サルーインちゃん「はあ!?おい、ちょっと待ててめーら!!あっ化け物級の美しさってことか♪
      アハハハハハハハハハハ」
デスちゃん「いや違うサルーインちゃんこれは・・・!」
シェラハちゃん「サルーイン姉さんだけじゃないわ・・・私達も・・・!」
サルーインちゃん「何だっていうんだ!・・・・!!!!」
サルーインちゃんたちは気が付きました。自分達が・・・世にも禍々しい、醜いモンスターの
姿になっていることを!
???「あの三匹がモンスターの親玉だ!!」
生徒達「きゃあああああああ!!」
三姉妹「・・・・・・・・・・・・・・!」
生徒達は混乱し、恐怖し、三姉妹達の側から逃げてゆきました。しかし、中には勇敢な
生徒もいたのです。
生徒V「くそ、モンスターの親玉めえ!食らえ!!」
三姉妹「きゃっ!!!」
武器を振り回す生徒達に囲まれ、三姉妹は訳のわからないままモンスターと生徒達との
真ん中に取り残されてしまいました。
デスちゃん「どうなっているんだ、これは!!!」
180ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:04:59 ID:???

ツフ「腕が鳴るねえ!!!」
アルベルト「ちょ、ちょ、僕を担ぎながらスピアーなんて・・・うわあああああああ!!」
突如襲来したモンスターたちにも、果敢に立ち向かい人々がいました。
ディアナ「女も戦うのがイスマス寮の規則・・・ディアナ、参る!!」
ナイトハルト「イクゾー」
以外にも腕の立つ人々が生徒側にもいて、もう一巻の終わりかと思われたモンスターの
襲来にも、パーティの生徒達は極少数ながら互角に渡り合っていました。
ワイルちゃん「汚名挽回の好機到来じゃないですか?」
ストライフちゃん「仕切り直しといったところだな」
ヘイトちゃん「前座はこれまでよォオオ!!我々の本当の華麗なる舞、見よ!!」
三人「トライアングルフォーメーション!!」
赤い情熱の舞が次々とモンスターをなぎ倒してゆきます。その華麗さに、
この危急の事態も忘れて見惚れている生徒達もいました。
ミニオンちゃんたちの華麗なる熱情のリズムが、殆どのモンスターたちを
撃破してしまいました。
・・・・わあああああああああああああああ・・・・・・
ここではじめてミニオンちゃんたちは、本当に観客から歓声が頂けたのでした。
三人は顔を見合わせ、にっと笑ってから最後の決めポーズをジャンッ!!と決めました。

モンスター『くそー・・・予想外だ・・・これはこっちの分が悪いぞ・・・』
???「はあ、はあ、やっと会場だ!!」
モンスター『ん?・・・ミルザだ!!』
ミルザくん「はっ!こっちにもモンスターがいたのか!」
ミルザくんたちがモンスターを全滅させ会場へたどり着くと、こちらにもモンスターの大群がいたのです。
会場は禍々しく歪み、なにかおぞましい生き物の胃の中のような様を呈していました。
オイゲンくん「だが大半は既に倒れているらしい!ミルザ、後始末くらいの余裕はまだあるな?」
モンスター『何をごちゃごちゃ言っている!!『幻のアメジスト』、渡せ!!!』
生徒K「ミルザだ!!」
生徒達「ミルザ!!!」
バイトでモンスター退治をよくやっているミルザくんはすでに生徒達によく知られていました。
生徒達が救いを求める目で彼を見つめる中、ミルザくんとオイゲンくんはそれに答えるように
モンスターを切り裂いてゆきます。
モンスター『お、おのれぇ〜・・・お前達、ここは一旦引くぞ!』
そのモンスターの一声に、モンスターたちはさっさと逃げてゆきました。
しかし一向に会場の禍々しい雰囲気が消えません。
???「こっちにモンスターの親玉がいる!!」
その時叫びがあがりました。ミルザくんたちが振り向くと、そこには
三匹の世にも禍々しいモンスターがいたのです。
ミルザくん「・・・な、なんて・・・醜い・・・!あれがモンスターの親玉か!?」
詩人「そうです、彼らを倒さないことにはこのパーティは破滅の儀式に変わるでしょう!」
ミルザくん「・・・あなたは!?」
詩人「私などにかかずらっている暇はありません!サルーインちゃんはすでに
     「『あの化け物』に喰われたのですよ!」」
ミルザくん「――――――――――――――――――――!!!!」
181ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:06:23 ID:???

アルドラちゃんは考えていました。
なんて醜い、人を嘲り、愚弄し、利用し、支配し、ゴミほどにも
思わない女達・・・この世でもっとも醜いものではないか!そんな女に何故ミルザを
奪われなきゃいけない!ミルザは俺のものだ、俺がミルザを幸せに出来る、
―――――俺はミルザを愛してるんだ!!
ミルザくん「おのれぇえええええ!!!!よくも!!よくも!!!
     僕はサルーインちゃんを愛していたんだーーーーーーーー!!!!」
アルドラちゃん(――――――――――!!!)

サルーインちゃん「―――!!!」
醜く変わった自分に襲い掛かってくる生徒達を三人で蹴散らしていた姉妹達でしたが、
サルーインちゃんに今までとは違う程の覇気の青年が銀の剣を持って立ち向かってきました。
その時何かを叫んでいたような気がしましたが、それは他の生徒の騒ぎ声で聞こえませんでした。
サルーインちゃん(やられる――――!!!)
サルーインちゃんは抵抗しようとする前にすでにそう悟りました。
しかしその時です。
ミルザくんの目の前の化け物は幻のように美しいサルーインちゃんの姿に変わったのです。
ミルザくん「あっ!?」

ドサッ・・・
・・・ミルザくんは、突然のことに剣先を逸らそうとバランスを崩し、
そのまま『化け物』・・・サルーインちゃんにのしかかってしまったのです。
生徒達「あれ・・・・っ?」
生徒達は会場内を見渡しました。あの禍々しい感じは消散しましたが・・・
先ほどまでの素晴らしすぎる幻想の会場の趣は消えて、なんだか普通というか、
なんだか夢の世界から戻ってきたかのような、そんな感じになっていました。
ミルザくん「・・・サルーインちゃん・・・?」
サルーインちゃん「おまえは・・・」
ミルザくんは今何が起こったのか混乱してよく掴めずにいました。しかし
サルーインちゃんの次の一声で、はっとしました。
サルーインちゃん「下がらないか!身の程知らずめ!」
ミルザくん「はいっごめんなさい!!」
条件反射的にサルーインちゃんから身を引いたミルザくんでしたが、いきなりぶッと
鼻血をふきだしてしまいました。サルーインちゃんは一糸もまとわぬなんともあらわな姿だったのです。
182ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:07:49 ID:???
ミルザくん「さ、さ、さ、・・・」
サルーインちゃん「なんだったんだ全く・・・」
デスちゃん「それよりサルーインちゃん・・・私達・・・」
シェラハちゃん「裸と聞くと・・・裸・・・きゃああああ!!!!」
サルーインちゃん「ん?あれっ」
三姉妹は一人残らず完全な裸体をその場に晒していました。おおお!と男子生徒たちの
鼻血がふきだすことふきだすこと。シェラハちゃんは結っていた髪をばさりと垂れました。
シェラハちゃん「私の髪にくるまって!姉さん達!・・・ああ今日はなんて悲しい日なの!!」
そうして三姉妹はそそくさと逃げ帰ってしまいました。ミルザくんはとめどなく流れる鼻血を
気にすることもなく、呆然と夢心地のなかにいました。
ミルザくん「・・・今日はなんて素晴らしい日なんだ・・・」
ルドルフ「あのー、妄想中すまないんだが、ミルザくんだね?」
ミルザくん「・・・はっ!はい!僕がミルザです!」
ルドルフ「なにやらさっきモンスターたちが君が『アメジスト』を持っていると言っていたようだが
     ・・・どういうことかね?」
ミルザくん「はっ!(あー、もうしらばっくれられない)えーと、これですね!?これ・・・」
ミルザくんが懐から『アメジスト』を取り出し、ルドルフに渡そうとした瞬間!
パリン・・・
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルドルフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・なんと、『アメジスト』は砕けてしまっていたのです!それも当然でしょう、
ディアナがすり替えた偽物なのですから。しかしそれを知らぬ会場の人々は、騒然としました。
生徒W「アメジストは本物じゃなかったのか!?」
生徒J「すべてルドルフ寮長のうそっぱちだったのか!?」
ざわざわ・・・・
ディアナ(まずいわ・・・こんなことになるなんて・・・もっと丈夫な石にしておけば
     よかった・・・ああ、このままじゃお父様が窮地に立たされる!)
ナイトハルト「みな、静粛に!」
ナイトハルトくんの一声に、会場はしんと静まりました。ナイトハルトくんは続けました。
ナイトハルト「今日私とディアナを祝うために集まっていただいた方々に
     このような不祥事、誠に面目ないことと思う。しかし、私はこれを好機と受け取り、
     愛するディアナに、幻のアメジストなどよりも、これを送りたい」
そういってナイトハルトくんはディアナに近づいてゆき、すっと何かを取り出しました。
生徒達「あれは・・・」
ディアナ「・・・!これは、ナイトハルトさん!」
ナイトハルト「そう、銀の指輪だ。受け取ってほしい・・・私と婚約をして欲しい!」
わあああああああああ・・・・会場が一声に沸きあがりました。
ルドルフはアメジストのことなど忘れ涙を流して大喜び。ミルザくんはほっとしました。
ミルザくん「しかし砕けちゃうなんて・・・これも糸石じゃなかったってことかなあ・・・
     はあーいつになったら糸石に近づけるんだろう?」
???「ミルザ・・・」
ミルザくん「うわっ!!!・・・・ん?・・・!!アルドラ、アルドラかい!?」
ミルザくんの側には『すでにダークちゃんの姿に戻った』アルドラちゃんが立っていました。
183ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:08:46 ID:???
ミルザくん「アルドラ、アルドラなのか!?一体今までどうしていたんだ、一体・・・」
アルドラちゃん「これ、やるよ・・・」
ミルザくん「え?・・・!!」
アルドラちゃんが差し出したものこそ、正真正銘、本物の『幻のアメジスト』でした。
ミルザくん「これをどうして!!・・・そうだ!アルドラ、これには幻を見せる力が
     あるらしいんだよ!これを君が使えば前の姿でもいられるかも・・・」
アルドラちゃん「いいんだ・・・今の俺には、この姿こそふさわしい」
ミルザくん「アルドラ!?一体・・・はっアルドラ!!」
アルドラちゃんはアメジストをミルザくんに押し付けた瞬間にミルザくんの目の前から
消えうせてしまいました。アルドラちゃんは押し付けて触っている最後の瞬間に、『幻のアメジスト』の
力を借りたのでした。
ミルザくん「・・・アルドラ・・・」
会場は祝いだ酒だの大盛り上がり。ミルザくんは途方にくれて、左手に『アメジスト』を持っていました。
ヘイトちゃん「・・・今回もなんか他のやつらに飲まれちゃったって感じィ☆★☆??」
ストライフちゃん「・・・一番目立ちが出来ないのは私達の運命かもな」
ワイルちゃん「・・・まあ脇役は脇役らしくよい味出してろってことですかね・・・はあ〜」

数日後・・・
ミルザくんとオイゲンくんはイスマス寮へ、先日のパーティでのモンスター退治の
恩賞で、イスマスへと来ていました。しかしイナーシーと呼ばれる湖で思わぬ嵐になり、
着いたのが夜になってしまっていました。イスマス寮の庭園で二人は彷徨っていました。
オイゲンくん「こんな夜じゃどこがルドルフ寮長のいる客間ヘの道かわからないな」
ミルザくん「案内人くらい置いといてくれればいいのに・・・あっあそこ明かりがついてる!」
ミルザくんとオイゲンくんは明かりのついた部屋に近づくと、中に人がいるのを認めました。
しかしそれはルドルフではなく、鏡を見ているナイトハルトくんでした。
ミルザくん「ナイトハルトさんか。婚約か、いいなあ〜・・・次探そう、次」
オイゲンくん「待て!・・・あいつ、なにしてるんだ?」
ミルザくん「なにって・・・鏡見てるんでしょ?美形だからさあ〜はは」
オイゲンくん「鏡に話しかけるものか?」
ミルザくん「え?」
・・・・・
・・・・・そう、・・・じったが、何とか上手くおさま・・・石は持っていかれた・・・
多分ウェ・・・・・・の配下だと・・・しかしアクアマリンの在りかを・・・あの・・・為に・・・
ミルザくん「・・・・・・・・・・!?」
オイゲンくん「・・・・・確実に独り言じゃないな、しかもアクアマリンときたもんだ・・・
     ミルザ、こいつはもしかして、お前の強大なライバルかもしれないぞ・・・?」
かくしてミルザくんの前に新たなる敵が立ち塞がったのです。
ナイトハルトくんという謎の強敵が・・・。つづく

184ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 05:10:19 ID:???
なんとなくノリで書き始めてこんな時間になってしまった上に長くてスマソ
185ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 08:28:25 ID:zs/usTpj

レベル高いな!
今後どうつながって行くのか楽しみだw
いらん世話だと思うが誤字には気をつけてな。ヘイトなら問題なかったと思うが。
186ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 11:14:32 ID:???
乙!
うまいこと膨らんで、いい具合に纏まったね〜
しかし第7話は131から始まって50レスか。凄いボリュームだ。
しかし詩人の暗躍っぷりは凄いね。本編のミニオンより策略家だなw
187ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 11:48:38 ID:???
女体化エロールとサルーインはわりと簡単に想像できるが、
ミニオンとデス様はまったく想像がつかないわけだが……
188ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 13:07:43 ID:???
ミニオンは全く別の顔を想像してるなあ。
デスちゃんだけは何一つ思い浮かばんが。

乙お前ら。ウェ…とその一味の活躍に期待。
189ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 16:06:39 ID:???
デスちゃん・・・裸にコート一枚で出かける欲求不満な28歳
190ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 18:42:06 ID:???
デスちゃんは骨格美人です。
191ゲーム好き名無しさん:2005/07/01(金) 22:41:55 ID:l5KB54Io
スクエニ垂れながしっス
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1120224070/

192ゲーム好き名無しさん:2005/07/02(土) 19:08:31 ID:???
よし、頑張って描くぞー。
193ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 11:59:02 ID:???
ラミアちゃん「すみません・・・しくじってしまいました・・・お許しを・・・!」
バルバロイ「『肉の壁』を大量に消費してしまった・・・お許しください・・・」
リザードロード「予想以上にやる奴ばかりでして・・・」

島の頂上から、黒い海を見下ろす一人の男。
その男に群がる、禍々しいモンスター五匹。

???「まぁ、よい。そう自分を責めるな・・・
     お前ら。『糸石は糸石を呼び合う』という言い伝えを聞いた事があるか?」
バルバロイ「は?聞いた事ありませんが・・・」
モーロック「初耳ですね。」
???「わしの手には糸石の一つがある。
     ・・・いつか、糸石を9つ手に入れた物がこの島にやってくるだろう・・・
     わしはそれをただ・・・待つのみだ。」
自信満々にそう言いのける男に、5匹のモンスターが首をかしげます。
リザードロード「・・・なぜ、そんな事が分かるのですマスター?」
ラミア「糸石を9つ手に入れようとする狂人なんて、現れるのですか?」
???「ふん・・・言ったであろう。わしは未来が読める。
     未来とは運命・・・糸石に秘められたメッセージは知っておるだろう?そう。運命だ。
     守護者ではない何者かが糸石を手に入れたその時、
     運命は運命をつなぎ・・・最終的にはここに行き着くのだ。
     誰も運命からは逃れない・・・それこそが神の定義。」
194ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 12:01:15 ID:???
ラミア「う〜ん?」
バルバロイ「・・・?」
???「まぁ、今は分からなくてもよい。じき分かる・・・
     ところでラミアよ。サルーインの弱点が分かったと言ったな?」
ラミア「あ、は、はい。あの人の弱点は、ずばり石化なんです。石化。
    石化への耐性が無いというか・・・」
???「そうか。
     あやつはただの女に見せかけて、実力はかなりの物・・・
     だが、弱点が分かればもうゴミ以下の何者でもあるまい。
     よくやったぞ・・・」
ラミア「は、はいっ!ありがとうございます!!きゃーーー♪♪♪おひゃひゃひゃぶべぇぇwwwww」
バルバロイ「黙れお前・・・」
ラミア「黙らいでかぁっ!!ゲジャジャふひふwwwwww」

???「くくく・・・
    この黒い海が・・・黒い空が・・・
    学園を覆いつくし、支配する・・・
    そうだ。このわしがこの学園を支配するのだ!
    この海も、この大地も、この空も!全てはわしの物となるのだ!
    堕つ希望・・・絶つ欲望・・・
    全ての道は生への願いへと行き着き、そして消える・・・
    そんな魔の世界が・・・黒い世界がやってくるのだ!
    このわしの術と・・・糸石の力によってな!!ぬっははははは・・・




第八話 『夜風の詩』
195ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 12:02:10 ID:???
ミルザくん「ん〜眠れないよお・・・!」
目を閉じて必死に気を失おうとするも、一向に睡魔が襲ってくる気配がありません。
目を瞑りながらずっと動かないでいるのも何かもどかしく、ベッドをごろごろ転がったりしてしまいます。
ミルザくん「ん〜・・・昼寝もしなかったのに何でこんなに眠れないんだ?」
耳鳴りがします。
ミルザくんは、たまらず目を開けて立ち上がりました。
ミルザくん「だめだ・・・全然眠れない・・・風でも浴びてこようかなっ・・・」
ミルザくんはふらふらした足取りで、騎士団寮を出て行きました。
『幻のアメジスト』を身につけたまま・・・

ぽろん・・・ぽろん・・・

風を浴びにクジャラート舎の校庭にまでに歩いてきたミルザくんの耳に、心地よい音が響いてきました。
耳を優しく叩くような、美しく、気味がよい音色・・・
ミルザくん「誰か・・・起きてるのか・・・?」
ミルザくんは、音の元を辿りました。
徐々に、大きな影と小さな影が見えていきます。
大きな影は・・・楽器?小さな影は・・・人間?
校庭なのに・・・椅子に座って・・・あれれ・・・?

ぽろろん・・・ぽろろん・・・
196ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 12:02:42 ID:???
・・・ハープ?

ミルザくんは、更にその影、音へと近づいてゆきました。
次第にその姿が明らかになってゆきます。

「だれ・・・?」

声の主は、演奏を止めるとミルザくんの方へ振り向きました。
その声の主は、ミルザくんも少し見覚えのある人物でした。
ミルザくん「えっと、君は・・・その、サルーインちゃんの妹の・・・?」
空ろな目をした女の子は、こくんとうなずきました。
シェラハちゃん「そう。私の名はシェラハ・・・あなた、ミルザさんね?・・・こんな所で何をしているの?」
ミルザくんは、なぜか相手の女が自分の名を知っている事に違和感を抱かずに、答えました。
ミルザくん「いやぁ、ちょっと眠れなくってさ・・・君はこんなところで楽器弾いて何やってるの?」
ミルザくんがそう言うと、シェラハちゃんは再び演奏を始め、演奏しながら言いました。
シェラハちゃん「奇遇ね。私も眠れないの・・・
         眠れない日や、不幸な事が起きた日は、こうやって夜風の詩を弾いて、自分を落ち着かせてるのよ・・・」
子守唄のような、大人しく、切ない旋律がクジャラート舎の校庭に響き渡ります。
ミルザくんは、しばらくその詩に聞きほれていました。
シェラハ「ところで・・・ミルザさん。あなたは・・・糸石を集めてるんだったわよね?
     ・・・好きな女の子と結ばれるために。」
突然思い出したようにそう言い出すシェラハちゃん。
ミルザくん「あ、うん・・・あ、あれ、君、なんでその事を?」
シェラハちゃん「欲望は欲望を生み、人は欲を追いかけ続ける事によって、何一つ満たされぬままに死んでゆく・・・
         抜き差しならない人の性ね。・・・悲しいわ。」
ミルザくんの質問を無視してそう言うシェラハちゃん。
ミルザくんは少しかちんときました。
ミルザくん「な、なんだよ。きみ・・・何が言いたいんだい?」
ミルザくんがそう言うと、シェラハちゃんは演奏をやめ、言いました。

シェラハちゃん「あなたを見ていると、悲しい事を思い出すわ。」
197ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 12:03:32 ID:???
「 ある辺境の村に住んでいる貧乏な村人の話。
 彼は、隣の町に住んでいる大富豪の娘に恋をしていたの。
 しかし、身分は全く違う上に、相手にとっては自分はただの他人。
 告白したところで、結果は火を見るより明らかよね・・・
 そこで彼は、なんとか彼女に自分の存在をアピールさせようと、ある事をしたの。
 何だと思う?・・・・・・・・・盗みよ。
 隣町の民家という民家片っ端から物を盗んで盗んで・・・
 何年か経ったその時、彼は既にその町一帯に名を轟かせる、大犯罪者となっていたの。
 そして、勿論彼の名は大富豪の娘まで行き届いた・・・
 時は十分。彼は、慣れた手つきでその富豪の家へと侵入したの。
 彼は警備という警備を欺き、潜り抜け、ついには、娘をさらい出しその家を出たの。
 娘は怖がった。そこで、彼は自分の思いの内を彼女に伝えたの。
 今までやってきた事は全て君のためだという事を・・・今までやってきた事は全て君に見られるためだったと言う事を・・・
 彼は、今まで盗んできた盗品を全て娘に捧げたわ。
 娘は必死で拒否した。『そんな物はいらないから、お家へ帰らせて』そう言ったの。
 それに対して男は 『僕は君が好きだ。好きなんだ。
 君のためならば、何だって出来る。例えばそれが人道に外れた行為であったとしても・・・それはもう証明しただろう?
 今まで君が会ってきた人物の中で、これほど君の事を思う人物がいたか?
 僕の気持ちを分かってくれ。僕は君が好きなんだ。好きなだけなんだ。何も怖がる事じゃない。』 と。
 彼女は恐怖したわ。目の前の男の自分に対する異常な『愛』に。
 彼女は、あまりの恐怖にその場から逃げ出そうとしたの。
 男は当然のように逃げようとする娘の腕を掴んだわ。
 男は必死に言ったの。 『なぜ僕の気持ちを分かってくれない。
 君とこうして話し合うために、僕はどれ程の勇気を振り絞り、どれほどの良心を痛めたことか。
 ああ、そうだ。僕は君が全てなんだ。今君と話しているこの時間がどれ程の至福か、なぜ分かってくれない?
 僕の長年の努力を、苦労を、勇気を、愛を、君は無下にできるのか?』
 必死にそう言う男からは、娘は更なる狂気と恐怖しか感じ取れなかった。
 彼女は、叫び、暴れ、必死に彼を否定したわ。
 男も必死に自分の気持ちを分からせようと叫んだ。 『何故逃げる!僕は君が好きなのに!
 君を好きになる事がなぜ悪い!君を思うのがなぜ悪い!君のために尽くす事がなぜ悪い!
 ああ、なぜ君は逃げるんだ!僕は何年も君のためだけに生きてきたというのに!
 なぜ逃げられなければいけない!なぜ理解してもらえない!君を思う心は、誰よりも何よりも負けていないのに!!!!
 君が好きなのにぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーー!!!!!!!!』
 娘も必死で叫んだわ。 『離してっ、離してよっ!!私あなたの事なんて全く知らないのっ!
 全く知らない人にそんなこと言われても怖いだけなの!!何でそれが分からないのっっ!?』
 男も必死で反論したわ。 『分からないなら今から分かり合えばいいじゃないか!!
 君こそなぜぼくの思いを受け止めようとしないんだ!?分かろうとしてくれてもいいじゃないか!!』
 『離せ離せ!!離せっ、離せっ、この犯罪者がーーーーーーーー!!!!!!!』
 『犯罪者で何が悪い!それこそが誰よりも君を思っているという証拠じゃないか!!!!』
 狂ったように叫ぶ男は、衝動的に女の首を掴んだの。
 『なんでだよなんでだよなんでだよ、なんでわからないんだよなんでうけとめてくれないんだよ
 ぼくはきみのことがすきなのにすきすぎてすきすぎてすきすぎるのになぜわからないの
 りかいしようとしないのぼくはきみがすきだからすきだからこそこんなことをしたんだなんでぼくはぼくは』
 男は呪文を唱えるようにそう呟きながら娘の首を絞めたわ。
 何分も経たない内に、娘は死んでしまったわ。
 男は、死んでしまった娘を改めて見て、ふと我に帰ったの。
 男は、自分の狂気と、足元に転がる娘の無様な顔を見て、自分に恐怖したわ。
 男は、今まで自分がやってた事の愚かさに気づき、その償いに自らの命を絶ったの。」
198ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 12:05:27 ID:???
シェラハちゃん「・・・色欲と強欲に溢れ、そして傲慢だった男の悲しい・・・いや、哀れでそして愚かなお話よ。
         あなたは彼と同じ末路を辿ろうとしているんじゃないの?
         押し付ける事の愚かさをあなたは理解しているの?」
淡々とした口調でシェラハちゃんが言います。
ミルザくんは、少し迷った顔をした後、言いました。
ミルザくん「僕は・・・ちゃんと理解しているつもりだ。
      僕が彼女を好きな理由は・・・まぁ、あまり面白くない理由だけれど、
      それでも・・・僕は彼女をずっと見つめてきた。
      何ていうか・・・心配されないでも大丈夫だよ!」
ミルザくんがそう言うと、シェラハちゃんはふっ、と笑いました。
シェラハちゃん「・・・そう。安心したわ。あなたがそんなにも真っ直ぐな人で・・・
         ・・・ところで、あなたはこんな話を知っているかしら?『糸石は糸石を呼び合う。』」
ミルザくん「えっ・・・?どういう意味・・・・?」
ミルザくんがそう言うと、シェラハちゃんは微笑みながら首を横に振りました。
シェラハちゃん「いえ、何でもないの・・・もう夜が明けてしまうわね。じゃあ、あたしは北エスタミル寮の部屋に戻るわ。
         おやすみなさい。またいつか会いましょうね、ミルザさん。」
シェラハちゃんはそう言って一度にこりと微笑むと、ハープを持って建物の中に帰っていきました。
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・」
ミルザくんも、何も言わずにゆっくりと騎士団寮へと帰ってゆきました。


サルーインちゃん「ロン!!ぶひゃひゃひゃひゃひゃーー!!倍満じゃ、者ども払えぇぇぇーーー!!」
ヘイトちゃん「はぃ残念ですとぅあああぁぁぁぁ♪☆#卍↑↑↓↓←→←→BA!!頭ハネでーーーっすぅぅ♪!!★◎マル!!」
サルーインちゃん「んぬぁんだとぅぅ!?んムカーー!!(がちゃーーん!)」
ストライフちゃん「ちょっとヘイト・・・少しぐらい遠慮したら・・・」
ヘイトちゃん「なーーんでエンリョしなきゃならんないのよーーーーーぅ!!!!
       勝負事に贔屓やら遠慮なんてそらもう★★★・・・勝負神への冒涜ですわよん・・・?ウフン・・・」
サルーインちゃん「んぁもう、滅びよ!(ぐわらごわらがちゃーーん!)」
ヘイトちゃん・ストライフちゃん「雀卓がぁぁぁぁ!!!!!!あああああああ」
ワイルちゃん「そもそも女子高生3人で麻雀ってのも何かねぇ・・・?・・・あはは・・・」
デスちゃん「相変わらず気品の欠片も無いな。あの3人は・・・」
ストライフちゃん・サルーインちゃん「だまれ!!」
ヘイトちゃん「だまれ!!」
ストライフちゃん・サルーインちゃん「いやいやいや、お前は否定するなよ。」
ヘイトちゃん「あひゃー」

シェラハちゃん(・・・ミルザさんはとても優しくて・・・とても芯の強い人・・・
         そんな人に・・・姉さんが見合うのかしら?
         ・・・彼と接すれば、姉さんも変わるのかしら・・・?
         ・・・ミルザさん。あなたは・・・本当に姉さんと結ばれるべきなの・・・?)

第8話 おしまい
199ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 12:08:06 ID:???
短めなんで一回で終わりにしちゃいましたが・・・

・・・・・・いや、たまにはこんなもいいかなーなんて思っちゃったりして・・・
あの不幸話は元ネタ無いです。いや、すいません、つい出来心で・・・・
はい、おしまいです。ありがとうございました。
200ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 16:41:46 ID:???
>>199
乙!
シリアスも(・∀・)イイヨ
俺も続けて投下して見るよ!
201sage:2005/07/03(日) 16:44:33 ID:NojlnWxq
幕間劇「ワイルの日記」

水竜月15日
サルーインちゃん様が唐突に「水晶の翼」なる物が見てみたいと言い出しました。
曰く、「色も形もどこにあるのかもわからないが、
この学園のどこかにあるかもしれない」
そうです。
難題です。
ヘイトちゃんは例によってアヒャっているし、
ストライフちゃんはそもそも探す気がなさそうです。
孤立無援です。

水竜月25日
十日間探し続けましたが、
遠く離れた異国の学園にあるということしかわかりませんでした。
このような情け無い報告をした私に対して,
サルーインちゃん様は一瞬呆けたような表情をされた後、
「あ、ああ。そうか。大儀であった。今日はもうゆっくり休め」
と、労いのお言葉をかけて下さったのです!!
感激です!懲罰の一つも与えられると思っていました!
サルーインちゃん様はなんとお優しい方なのでしょう!!

202sage:2005/07/03(日) 16:45:56 ID:NojlnWxq
水竜月34日
ヘイトちゃんとサルーインちゃんが大喧嘩をしました。
きっかけは、二人ババ抜きでヘイトちゃんが八連勝したことでした。
ここまで負け続けられるのはある意味才能なのかもしれません。
それはさておき、今部屋には当事者を除き、三人しかいませんでした。
私とストライフちゃんとシェラハちゃんです。
私は損な性格だなと思いました・・・。

水竜月35日
昨日の喧嘩を仲裁したことで、サルーインちゃん様の不興を買ってしまいました。
明日一日邪眼の魔除けをつけていろ、と命じられました。
さすがに少し理不尽ではないかと思います・・・。

「・・・ん?」
日記を読んでいた人物は手を止めました。
次の日の日記が破られていたからです。
「・・・ふむ」
その人物は懐から紙を出し、それを依り代に、破れた部分を再生しました。
???「わざわざ力を使ってまで日記の盗み読み?
あまり誉められた行為じゃないわよ?」
???「ワイルの様子は?」
背後からの声にも動じずその人物は切り返します。
???「帳の中で眠っているわ。明日には元気になっているはずよ、姉さん」
デスちゃん「そうか」
姉さんこと、デスちゃんは再び日記に目を落とします。

203sage:2005/07/03(日) 16:46:07 ID:NojlnWxq
水竜月34日
ヘイトちゃんとサルーインちゃんが大喧嘩をしました。
きっかけは、二人ババ抜きでヘイトちゃんが八連勝したことでした。
ここまで負け続けられるのはある意味才能なのかもしれません。
それはさておき、今部屋には当事者を除き、三人しかいませんでした。
私とストライフちゃんとシェラハちゃんです。
私は損な性格だなと思いました・・・。

水竜月35日
昨日の喧嘩を仲裁したことで、サルーインちゃん様の不興を買ってしまいました。
明日一日邪眼の魔除けをつけていろ、と命じられました。
さすがに少し理不尽ではないかと思います・・・。

「・・・ん?」
日記を読んでいた人物は手を止めました。
次の日の日記が破られていたからです。
「・・・ふむ」
その人物は懐から紙を出し、それを依り代に、破れた部分を再生しました。
???「わざわざ力を使ってまで日記の盗み読み?
あまり誉められた行為じゃないわよ?」
???「ワイルの様子は?」
背後からの声にも動じずその人物は切り返します。
???「帳の中で眠っているわ。明日には元気になっているはずよ、姉さん」
デスちゃん「そうか」
姉さんこと、デスちゃんは再び日記に目を落とします。

204ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 16:48:15 ID:???
すいりゅうつき36にち
くぉnnにちうあwwわぁぁぁ☆〆★わいるちゃんゆうぉおお!?g
きょううわさルーインちゅわんのめーれーでリューのたににいくのぉぉおお☆i♯w

冒頭を読んだ時点で、デスちゃんは再び日記を破り捨てました。
???「微妙にヘイトとは文法が違うわね」
デスちゃん「突込み所がずれてるぞ。シェラハ」
シェラハちゃん「冗談よ。それにしてもあれで本当に正気を失う人がいるとはね」
デスちゃん「まぁある意味単純なやつだからな」
二人は続きを読みましたが、しばらくはろくに文章が書いてありません。
余程ショックだったのでしょう。
そしておよそ十日分を飛ばした後、日記が復活していました。昨日の日付です。

金竜月6日
久しぶりにサルーインちゃんの御前に姿を見せた私に,
サルーインちゃん様はこう仰いました。
サルーインちゃん「お前は普段から私のために尽くしているな。
お前の労苦に報いてやる。
この術具のじっけn、いや、新たなる力を授けよう」
感激です!サルーインちゃん様は私の働きをちゃんと認めていてくださったのです!
サルーインちゃん様一の僕の面目躍如です!
サルーインちゃん「術具は明日にはお前の部屋に届くだろう。楽しみにしておけ」
そう言ってサルーインちゃん様は微笑まれました。
その笑顔でご飯三杯はいけそうな素敵な笑顔でした。

205ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 16:51:24 ID:???
金竜月7日
サルーインちゃん様からの贈り物が届きました!
一つは迸る冷気を封じ込めた蒼い刀身を持つ大剣です。どうやら風の術具のようです。
もう一つは火成岩をそのまま剣にしてしまったような無骨な大剣です。
刀身から噴出す熱気はこの剣が炎の術具であることを示しています。
この術具を用いて多彩な術を身に付けろという
サルーインちゃん様の暖かい御意志が感じられるようです!
早速身に付けてみました。
・あれ?なんだか・・・頭がボーっと・?

デスちゃん「それでこのザマか」
部屋の中は破壊の限りを尽くされていました。
デスちゃんが激しい物音に驚いてこの部屋に入ってきたときに最初に目に飛び込んできたのは二本の大剣を手に、
幼児のように泣きじゃくるワイルちゃんの姿でした。
おそらく剣を振り回して遊んでいるうちに、お腹が空いて泣いていたのでしょう。
デスちゃん「サルーインにも困ったものだ。
このようなことを続けていては信頼を無くしてしまうぞ。
彼らのことを忘れたわけではあるまいに」
苦り切った表情でデスちゃんは嘆息しました。
シェラハちゃん「信頼と聞くと悲しいことを思い出すわ。
邪悪な先人類の遺産と戦うことを宿命付けられた一族の女の子の話。
彼女とその仲間は遺産と最後の決着をつけるために敵の待ち受ける遺跡へと突入したの。
待ち受ける敵の強力な配下を命を削りながら撃退し、ついに宿敵の元まで辿り着いたわ。
すでに満身創痍だった彼女達は疲弊した体を癒すために、大事にとって置いた結界石を使ったの。
石は彼女たちの傷を癒し、敵と戦う気力を回復したわ。
・・でも磨耗した生命力までは回復してくれなかったの。
信頼していた石に裏切られた彼女達は、失意にうちに敵に特攻して・・玉砕したの」
デスちゃん「なんとなく、よくある話という風に感じるな」
話を聞きながら部屋を修復していたデスちゃんが相槌を打ちました。
シェラハちゃん「ずいぶんと優しいわね」
すっかりきれいになった部屋を見てシェラハちゃんが呟きました。
デスちゃん「なんとなく放って置けなくてな。他人のような気がしないんだ」
シェラハちゃん「ポジションが被ってるからじゃない?振り回され系の」
デスちゃん「身も蓋も無い言い方をするな」
再びデスちゃんは嘆息しました。
デスちゃん「後はこいつの始末か」
デスちゃんは床に転がる二本の大剣に目を遣りました。
206ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 16:52:38 ID:???
デスちゃん「二本を同じところにおいて置くべきではないな。
シェラハ、その蒼いのはローザリア寮のアルツール武具店に流しておいてくれ。
あそことは懇意にしているから高く買い取ってくれるはずだ。口も堅いしな。
売上の五割は私に回してくれ部費の足しにする」
シェラハちゃん「相変わらずしっかりしてるわね」
デスちゃん「お前らみたいな妹を持てば自然とこうなる。
さてこの紅いのは・・・部室に帰り道の火口にでも捨てておくか」
ワイルちゃん「・・ん・・うーん」
デスちゃん・シェラハちゃん「!」
二人はワイルちゃんの寝返りに思わず身が竦んでしまいました。
デスちゃん「そろそろ帰るか」
シェラハちゃん「そうね」
二人は静かに部屋を後にしました。
途端に部屋に静寂が訪れました。
ワイルちゃん「うーん・・サルーインちゃん様ぁ〜・・
下帯がいやならせめて前張りだけでも・・
・・私は服着ているから良いんですよぉ〜」
夢の中でもうなされつつも、どこか幸せそうなワイルちゃんでした。

207ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 16:56:14 ID:???
名前欄のことは無視してくださいorz
後読みにくくてごめんなさいorz
いきなり外伝書いてごめんなさいorz
でも反省はしていないw
208ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 18:00:57 ID:???
知力-40か……

お疲れ。GJ!
というかワイル可愛いよワイル
209ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 19:32:17 ID:???
いいよいいよ〜

帰ったらレベルの高いのが2本も投下されてて幸せ(´∀`*)。


原作設定だと三邪神とエロールは兄妹という設定だけど、
このスレではどうなってるんだ?
他人?
210ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 19:45:11 ID:???
>>207
おつかれさま〜
知力−40・・・w

名前欄にsageってのはよくある話だよな。
まぁ、俺は経験無いがw
211ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 20:36:51 ID:???
挙げるぜ
212ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 20:37:11 ID:oLpdtV9L
失敗した・・・
213ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 22:28:02 ID:???
お疲れ様〜2本も増えてて幸せだ。
しかしミニオンちゃん達は良いキャラしてるなw

後書いてみようかと思ったんだが、デス石絡みでどんどんいくか、進行度の低いイベを入れていくかが悩みどこだな。
あとは……

四 天 王 ど う し よ う
214ゲーム好き名無しさん:2005/07/03(日) 23:23:47 ID:???
>>213
一応上の話でさりげなく振ってあるので、次かその次位で出て来て欲しいな。
でも、出て来ると一気に進行度進みそうで怖いなw
個人的にはまったりと第二、第三スレへと続いていって欲しい
215ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 00:11:26 ID:???
参考スレ

ロマサガの四天王たんはゆっくりしていけカワイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/goverrpg/1118580596/
216ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 07:46:49 ID:???
個人的には四天王唯一の女であるアディリスに注目かな。
美少女となるかそれとも……
217ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 08:42:23 ID:???
美少女も何もモンスターなんだから関係ないだろ。
と思ったけどラミアとか人型だし別に大丈夫か。
218ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 14:12:13 ID:???
三邪神もおにゃの子なんだから全部女体化
219ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 14:13:24 ID:???
三柱神いいキャラしてんなー。萌え。

エロールは不気味な位悪役がはまってるしW
220ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 15:47:25 ID:???
いや、四天王はアディリスだけ女で後は男の方がいいな。
女性率高いし、まともな男キャラがオイゲン位しかいないし。
221ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 17:35:20 ID:???
ミルザがいるじゃん。
222ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 18:24:32 ID:???
ミルザは ま と も では無いと思うw
常識人か否かという意味では。
223>>3とは別人:2005/07/04(月) 18:32:25 ID:???
登場人物紹介その一

★サルーインちゃん  破壊行為が大好きな超タカビーなお嬢さま。そのナルシストっぷりは常時半裸で
  自分を飾らない潔さ。ネクタイは飾りに入りません。反面ファーストキッスも今だ守ってる
  貞淑で身持ちの固い古風で純情派和風美人。エロールちゃんとは永遠のライバル。

★エロールちゃん 「わたくしはこの学園、この街の全てを愛していますわ」を乱用する
  マルディアス学園の生徒会長。博愛主義を標榜して憚らないが一部で天然腹黒がバレている。
  表の顔と裏の顔『詩人』を使い分け、いい具合に調整している。

★ミルザくん  出稼ぎの為に上京してきた貧乏奨学生。「金、金、金!」がモットーの騎士団寮に寄宿している。
  毎日バルハルモンスターのバイトをして食い繋いでいる。潜在的Mで、Sっぽいサルーインちゃんに
  憧れており、『運命の赤い糸石』を求め学園中を奔走する。

★シェラハちゃん  サルーインちゃんの鬱病の妹。付き合った男を次々に不幸にして
  道端の人を捕まえては自分語りする。
  ミルザくんに肩入れをする。

★デスちゃん  サルーインちゃんのお姉ちゃんで骨格美人。三姉妹の仲で唯一正常だがマイルームから出てこない。
          アルドラちゃんをダークの姿にした。

★ワイルちゃん  ごく普通の子。サルーインちゃんへの信仰度は最も高く、
   サルーインちゃんのやる事成す事全てに疑いを持たない。
   その分、サルーインちゃんをけなす者、邪魔する者には容赦しない。
   クジャラート舎でミルザくんに接触した。
   風の術が得意。         

★ヘイトちゃん  公害。
   常ににぎやかで、サルーインちゃん一味のムードメーカー兼トラブルメーカー。
   変装が得意。スケートが趣味。彼氏持ち?
   ワロン寮でミルザくんに接触した。

★ストライフちゃん  人を虫けら呼ばわりするヤンキー気取りの優等生。水泳が得意。
     水中以外の場所では極度のアガリ症&恥ずかしがりやさん。
     意外とお茶目?

★アルドラちゃん  ミルザくんの事が大好き。
       ある日呪われた『ダーク 』の姿になってしまい、美貌と自信を失う。
       サルーインちゃんを心から嫌う。
224ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 18:50:11 ID:???
登場人物紹介その二

★オイゲンくん  ミルザくんの親友にして兄貴分。
     頭脳派で大人っぽく、ミルザくんとは正反対の性格。
     だからってSなのかどうかは不明。

★ツフ  バルハラントの村に住むスケバン。
    趣味はいい男探し。特技はスピアー。
    アルベルトをさらう。

★ナイトハルトくん 何やら何か偉い人。イスマス寮ディアナの婚約者。
      色々と謎の多い人物?糸石の一つアクアマリンと関係があるらしい。

★ファラ  クジャラート舎でウハンジに襲われていた所をミルザくんに助けられた。
  以後ミルザくんに惚れてしまう。
  ジャミル曰くサルーインちゃんがお前で俺がお前みたいな感じで。ありゃ?何がなんだか

★ジャミルくん  サルーインちゃんに一度告白して振られたクジャラート生。
    ミルザくんと意気投合する。ファラが好き。

★アルベルトくん  お姉ちゃん大好きなイスマス寮長ルドルフの息子。
    ミルザ曰く『妖精みたいな男の子』。
    ツフに惚れられてしまった。

★ディアナちゃん  イスマス寮長ルドルフの娘で、ナイトハルトくんの婚約者。
      器量もよし、性格もよし、しかも戦えると三拍子そろった才女。

★コルネリオ   ローバーン公。サルーインちゃんに一度ふられた?
     ワイルちゃんの下僕になった。

★ゲラ=ハ   ワロン寮のゲッコ族の青年。人間寮生との和解を望んでいる。誠実で素直。

★ラミアちゃん  謎の魔術師に仕える女モンスター。サルーインちゃんの弱点をつかむ。

★???  誰も見たことが無いと言う幻の島に住む謎の魔術師。
    まぁ、大体正体は分かるが、名前伏せとくか。

★アイシャ  『あたしタラール族のアイシャ!あたしタラール族のアイシャ!シャシャシャタラールアイシャ!族!』
     『あたしタラール族のアイシャ!アイシャ!アイシャ!アイシャ!アイアイタラール族!』
225ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 18:53:44 ID:???
なんか気分的に登場人物のヤツ書いといた。
226ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 19:23:20 ID:???
いい感じだ。
このスレオモシロスW
227ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 19:47:38 ID:???
誰か漫画化しろよ。
228ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 19:53:51 ID:???
漫画は無理にしても挿絵があったら良いなと思う。
229ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 19:59:56 ID:???
ミニオンスレにあった頃、
話の流れで、もしサルーインが女神だったらどーよなんてとか書いていたら
まさかこんなことになろうとは‥‥
皆さん文章上手いなぁ‥‥
230ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 20:12:01 ID:kq/JaZtK
文章が堅っくるしくないのがいいな。
昔話みたい。
シリアス分も事欠いてないしいい感じだ。
231ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 20:15:36 ID:???
四天王はこんな感じになるのかね。

・水竜君
狡猾で取引上手だが、女の子には甘い。
クジャラート寮には、応相談で手を貸したりする。小剣と水術を使う。

・アディリスちゃん
すぐ人のものが欲しくなっちゃう困ったちゃん。しかも借り物を人にあげたりといいかげん。
エロールちゃんと密かに仲が良く、たまにギターを持って遊びにくる。杖と土術を使う。

・タイニィ君
偉そうな事を言いながらも実力がイマイチ追いついていない面が。
好奇心が強く、「不思議なものを見たー」と言いながら一日アリの行列を見たりする。
小林幸子チックな羽を背負う蝶サイコーな人。衝槍と風術を使う。

・タイラント君
冷静さ、懐の広さ、面倒見の良さを兼ね備えた紳士。強さも抜きん出ている。
部下から絶大な信頼をよせられており、「先生」と呼ばれている。両手斧と火術を使う。
デスちゃんの茶飲み友達でもある。
232ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 20:26:03 ID:???
かなり上の方で四天王全員ちゃん付けだったが、アディリスちゃんだけであとは君のほうがいいな。


それにしてもみなさんすばらしぃアアぁひゃあ〜☆※★うへぇららまっしょぃ☆星★罰××
233ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 21:04:32 ID:???
>231
アリの行列ワラタw
タイニィ辺りは女性化した方が合ってそうな感じだが、どうだろう。
234ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 21:26:44 ID:???
>>232
ヘイト語うまいなw
是非書いて見てくれw
俺もヘイトの話も書いて見たいがセリフ考えるのが大変だ。
誰かヘイト語の文法確立してくれないか?
235ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 21:41:03 ID:???
>>198
なんでコナミコマンドなんだよw
236ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 23:34:57 ID:???
>>234
確かにヘイト語は大きな壁だよな。文章よりそっちのが時間かかったorz
237ゲーム好き名無しさん:2005/07/04(月) 23:53:57 ID:???
>>132うへぇららまっしょぃワロスwww
238ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 16:53:39 ID:???
今書いてます。今日中には投稿するから
ちょっと待ってて
(先に投稿したい!って人がいたらお構いなくどうぞ)
239ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:38:11 ID:???
・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・

下には雄大なるマルディアス学園の一望。上には果てることない蒼穹。
ここはマルディアス学園内に名高い峻峰・スカーブ山の頂上です。
そこにはこの学園のモンスター学部を仕切る四寮長の一人・タイニィフェザーくんの
翼から舞い落ちた羽が不思議な美しさを持って落ちていました。
ラミアちゃん「はあ、はあ、はあ、ついに来たのよ・・・頂上だわ!
    そしてこの羽!この羽さえあれば『風のささやき』をサルーインちゃんに・・・」
???『我が巣で何をしている、魔の主の犬め』
ラミアちゃん「きゃあっ!!ご、ごめんなさーーい帰りまあーーーす!!!」
???『・・・ふん・・・今流行っている勇者の証とかいうやつか?
    そういう風には見えなんだが・・・『風のささやき』とか言っていたな・・・
    まさか使いこなせる気になっているのか?ふん、愚かしい・・・サルーインちゃんとも
    言っていた。サルーインちゃん?まさか』
風が容赦もなく吹きすさぶ、風が美しい羽をさらに舞い踊らせる・・・


第9話『ささやく風が渚を揺らせて』


ナイトハルトくん「ようこそ騎士団寮からのししゃどの。私とディアナのあのパーティでは
   世話になった。あの日の勇者を、今日はローザリア寮長として歓迎しよう」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無茶、無恥、無鉄砲なミルザくんは幾日とたたずローザリア寮へとやってきて、
ナイトハルトくんに面会を求めていました。あの日の夜目撃してしまったナイトハルトくんの
秘密を暴くがためでしたが、勿論何の策も考えずにやってきて、今になってから後悔しているところでした。
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・いい天気ですね」
ナイトハルトくん「私は雨の方が好きだ」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・そっそうですよね晴れなんてあっついし
   お肌は焼けちゃうしいいことなしですよね!!最低ですよね!!」
ナイトハルトくん「今日はディアナがふかふかにふとんを干してくれている」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
はずしまくりのミルザくんの焦燥はさらに加速します。何しゃべったらいいの!?
ていうか僕ここに何しに来たんだっけ!?そんな自問が延々ループします。
ミルザくんはお茶濁しに出されたワインを指して言いました。
ミルザくん「いやーこのワインったら最高ですね!えーと味とか!香りとか!
   えーっとあと透きとおり具合?あーあと色とか・・・・・・・・・・・あっ!」
ミルザくんはこのワインの色を見てアメジストを思い出しました。そしてそこから
更に、サルーインちゃん、運命の赤い糸石、そしてそのなかの一つ『水のアクアマリン』を
このナイトハルトくんが狙っているかもしれないということを!
240ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:38:50 ID:???
ミルザくん「(そうだ!!僕はそこを探りに来たんだ!!)・・・いやあ〜このワインの
   素晴らしいことったら!このワインはあのアメジストにも劣らぬ値打ち物にすら
   思えますね・・・?(よし!苦しいがなんとか話をそっちに持っていけたぞ!)」
ナイトハルトくん「そうだな・・・このワインはサルーインちゃんも絶賛していた」
ミルザくん「!!!!!!!!さっサルーインちゃん!!?」
サルーインちゃんの名が出た途端、ちょっと稼動していたミルザくんの頭脳も停止、
頭の中はサルーインちゃんフォーエヴァーラヴそれのみになってしまいました。
ミルザくん「こっ、こっ、このワインをサルーインちゃんが飲んだ!?
   ということはここに来た!?こ、ここにサルーインちゃんをお招きするような間柄!?」
ナイトハルトくん「でもあっちのシャンパンのほうが本当は好きそうだったが。
   シャンパンなど子供っぽいと見栄をはったんでしょうな」
ミルザくん「シャンパーーン!!!(うっ、ここに遊びに来て一緒に飲み交わす仲でしかも
   二本違う酒を飲んでるところからして来遊は一度や二度の可能性は低い!!!)」
ミルザくんはかなり気が動転していましたが、サルーインちゃんのこととなると変に鋭いのです。
ミルザくん(も、もしや・・・いや、やはり、というべきか・・・!!この人も
   『運命の赤い糸石』を探す動機は、サルーインちゃんと結ばれるため!?それが一番妥当だ!!
   それしか考えられない!!だってこの人は金持ちだから金目当てじゃないし女の子には
   もてるし大体ディアナさんという婚約者が・・・ん?あれっ?ディアナさんという婚約者がいるじゃん?
   あれっ?じゃあサルーインちゃんを好きじゃない?ライバルじゃない?あれっ?)
ナイトハルトくん「そういえば、あの時プレゼントしたあの羽をサルーインちゃんはどうしたかな・・・」
ミルザくん「プレゼントオオオ!!!!」
プレゼントの言葉にミルザくんの短絡的な頭は疑問をすべて蹴散らして一つの絶対的結論を導き出して
しまいました。『こいつもライバル!!!』
ミルザくん「・・・プ、プ、プレゼントですって?へえ?サルーインちゃんに?あの超セレブなお人に?
   さぞすごい物なんでしょうねえ〜そうでなければ受け取ってすらくれないでしょうから」
ナイトハルトくん「なかなか素直な人じゃありませんが、喜んでくれたようでしたよ」
ミルザくん「喜んでくれたあーーーー!!!い、い、一体何を差し上げたんです?・・・っは!
   まさか『糸石』を・・・・・・・!?」
ナイトハルトくん「は?・・・いえ、『勇者の証』というのだが、それがスカーブ山に住む
   四寮長の一人、タイニィフェザーくんの羽なのだ。」
ミルザくん「・・・・・・タイニィフェザーくんの・・・羽・・・!?」
四寮長と聞いてミルザくんは上体を乗り出し、目を丸くしました。殆どの人間生徒はあったことのない
モンスター学部を仕切る四寮長・・・もちろんミルザくんも会ったことがありませんでした。
ナイトハルトくん「そう、あの険しいスカーブ山の頂上まで登り、持ち帰った羽です。
   天使でもない悪魔でもない妖しい翼がはばたいて落としていったような、不思議な色をした
   美しい羽だった。あれはサルーインちゃんも痛く気に入られたようだった」
ミルザくん「そっそんな・・・!!(完全に一歩リードされている!!いや、少なく見積もって
   十歩くらい!!・・・ん?)えっあなた、あのスカーブ山に登ったんですか!」
ナイトハルトくん「でなければ、持ち帰れないでしょう。ちょっとした冒険のつもりだった
   この話が、最近は他の生徒の間で噂になっていて困る。『勇者の証』を我先にと、
   向こう見ずにもスカーブ山登攀に挑む生徒が増えているのだ」
ミルザくん「・・・!!!」
241ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:39:29 ID:???
ミルザくんは考えました。えっサルーインちゃんが喜ぶようなそんな美しい羽?
しかも噂になっていてスカーブ山に挑む輩が増えている?えっもし羽を手に入れたら
どうするの?サルーインちゃんにあげたら喜ぶんじゃない?えっ先にあげられちゃったらどうするの?
もう僕より先に登りはじめている生徒が何人も・・・・!!!
ミルザくん「ナイトハルトくん!!!」
ナイトハルトくん「!!!!」
ミルザくんはいきなり席から勢いよく立ちました。
ナイトハルトくんも驚いて少し身構えたような素振りを見せました。
ナイトハルトくん「・・・どうしましたか、ミルザどの。トイレなら右の扉です。」
ミルザくん「今日はとても楽しかったです。ありがとう。トイレは清潔にどうぞ。では。」
ミルザくんはそう言ってナイトハルトくんの部屋から退出しました。
そしてすーっと深呼吸をすると、全力ダッシュで走り出しました。
ミルザくん「スカーブ山だ!!!」

サルーインちゃん「だから今日のネクタイの柄は猫だってば!!猫が仰向けにくつろいでる
   マークでしょこれ!!よく見なさいよホラ!!!」
ヘイトちゃん「ちいがああぁう!!!これはさんまですわあぁああぼほだうsd☆★◎!!!
   さんまのヒラキ定食を思い出してごらんなさああアイあい!!さんまのヒラキって
   こういう形でしょ?ホラアアアア嗚呼アアああ!!!これはさんまのヒラキのマァアアク!!!」
サルーインちゃん「安月給のあんた達と違ってこの私はさんまのヒラキ定食など食べたことがないわ!!」
ストライフちゃん「安月給はあんたのお陰なんだがな、サルーインちゃん」
ワイルちゃん「・・・・・・・・
   (黙っていよう・・・あれが「本当は『カメ』のマークですよ」だなんて・・・)」
今日も元気にサルーインちゃんとそのミニオンちゃんたちは廊下を歩き、優雅に占領していました。
彼らの通るところどかぬ生徒はおらず、前に邪魔な障害物は決してない、という調子なのでした。
ところが急に、校舎外に通っている通路に差し掛かると突然サルーインちゃんの前に出てきた
一人の女生徒がいました。サルーインちゃんは目を吊り上げ、「どけ、邪魔だ!」と言おうとしましたが・・・
サルーインちゃん「・・・あなた、ラミアちゃん?」
ラミアちゃん「ああっ!覚えてて下さったんですねサルーインちゃん!ラミア嬉しい!」
サルーインちゃん「久しぶりね!そうでもないか?まあよい元気だった?」
ラミアちゃん「はいっ!!ところで折り入って・・・(ごにょごにょ)」
ラミアちゃんはサルーインちゃんの耳にこそこそと何か呟きました。サルーインちゃんはうんうんと
相槌を打って、結構真剣に聞いてあげているようでした。
ストライフちゃん「・・・・・なんだあの女は馴れ馴れしい」
ワイルちゃん「ほら、あのパーティでなんでもサインを求められたらしくて・・・」
ヘイトちゃん「それで仲良くなっちゃったのねぇえええ!!んもおおうサルーインちゃんたら
   単純なんだからぁああdそじjふぇいんd☆★☆」
サルーインちゃん「ミニオン!お前達、ちょっとラミアちゃんが立ち入った話がしたいらしいから、
   先にデス姉とシェラハのところに行っておれ、私も後から行く」
ミニオンちゃん達「えええ???」
242ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:40:09 ID:???
ミニオンちゃん達は少なからず衝撃を受けました。あのサルーインちゃんがそこまで親身に
なってあげていることや、特に自分達よりラミアちゃんを優先したことに軽い腹立ちを覚えました。
ミニオンちゃん達「・・・・・(目を見合わせる)」
サルーインちゃん「ちょっと?聞いてないの?聞こえないか!さっさと先に行っているがいい!!」
ミニオンちゃん達「は、はあ〜い・・・・・」
サルーインちゃん「・・・さて、これで邪魔なやつらはいなくなったわよ、話って?・・・・」
ミニオンちゃん達はしぶしぶ立ち去ろうとしつつ、サルーインちゃんとラミアちゃんのほうを
何度も振り返りました。
ストライフちゃん「・・・サルーインちゃんが女子生徒と仲良くしてるなんて
   おかしいことがあっていいのか?」
ワイルちゃん「仕方ないでしょ・・・言われたとおりはやく先に行ってましょうよ」
ヘイトちゃん「自然の摂理に反しているゥゥ!Å★☆サルーインちゃんは女に嫌われて
   ナンボなのにヒイィいいいい!!!★◎鬱●l☆!!」
ワイルちゃん「聞こえたらどうすんですかヘイトちゃん!あーもー悔しいのはわかるけど
   早く行きましょ・・・・・・・・!!!サルーインちゃん!?」
ミニオンちゃん達は慄然としました。『サルーインちゃんが石化している!!』
その石化したサルーインちゃんをニヤリと笑ったラミアちゃんは抱えようとしていました。
ラミアちゃん「これでよしっと・・・はっ!!あんたたち、まだいたの!・・・いや、
   だからどうだというの、遅かったわね!もう手遅れよ!美しきサルーインちゃんの『石像』は
   頂いていくわよォーーーーーーあははははははは!!」
そう言ってラミアちゃんは等身大の美しい石像となったサルーインちゃんを抱え、
ミニオンちゃん達から飛びのいて遠ざかります。
ストライフちゃん「ぬかせ!!」
ヘイトちゃん「待てえぇぇエエぇえぇえぇいいs!!@hby!!」
しかしラミアちゃんはそのまま体育館に入り込んでいってしまったのです。
ミニオンちゃん達が体育館を見渡すと、バスケットボール中の生徒やら、他にも利用者が沢山いて、
ラミアちゃんはそこに紛れてしまったのです。そしてミニオンちゃん達が見つけ出す前に、
ラミアちゃんは窓から外へと抜け出していました。
ラミアちゃん「ふふん、あっけないくらい上手くいったものだわ・・・!これであたしマスターに・・・v
   それにしても・・・重いわねーこれっ!!石化すると重くなるもんなのかしら?
   それともサルーインちゃんって実はこんなに体重が・・・」
???「重いのなら運ぶのを手伝ってあげましょうか?」
ラミアちゃん「え?」
ドカッ。その時でした、たまたま飛んできた体育館からのバスケットボールが頭に直撃し、
ラミアちゃんは気を失って倒れてしまったのです。彼女に話しかけた人は肩をすくめました。
詩人「おやおや・・・手伝ってあげるどころか、こっちが全部抱えて行かなきゃいかないようですね・・・
   どこへ運ぶのかも聞いておかなかったから、手伝ってあげるご褒美として、
   私の『好きなところへ』運ばせてもらいましょう・・・ふふふふふ」

243ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:40:47 ID:???

ミルザくん「はあ、はあ、はあ・・・・・やった!!頂上だ!!!」
その時ミルザくんは愛の力で見事スカーブ山登攀に成功したところでした。
そこからの眺めの絶景なこと!しかしミルザくんにはあまり浸っている時間はないのです。
羽をまずはゲットしなければ!
ミルザくん「新たなるライバル・ナイトハルトくんにつけられている差を少しでも縮めるんだ!
   羽はどこだ!?」
???『我が巣で何をしている、エロールちゃんの生徒よ』
ミルザくん「え?・・・うわあああああ!!!」
ミルザくんが見上げると、そこには毒々しくも美しい翼を誇らかに広げた怪鳥、
四寮長の一角をなす『タイニィフェザーくん』の姿があったのです!
ミルザくん「わ、わ、わ、なんて大きい・・・ぼ、僕は騎士団寮のミルザだ!
   『勇者の証』として、あなたの羽をいただきにきた!」
タイニィくん『こんなものが勇者の証になるのか?ふ、ならばいくらでも持って行くがよい。
   さっきも魔の主の犬が来たばかりだ・・・』
タイニィくんは尊大な態度でしたが、持って行くことは別に意に介しないという様子だったので、
ミルザくんはほっと胸を撫で下ろし、落ちている羽に近づいたその瞬間!
タイニィくん『待て!その羽をくれてやるからには、やはり何かそれ相応のことをしてもらわねばならん!
   お前に頼みがあるのだ、先程来た魔の主の犬・・・人間の姿をして生徒の中に混じっているが、
   あれはモンスターの生徒だ。そいつが私の羽を持ち帰っていったが、なにやら
   よからぬ企みをしているようだった、それを阻止してもらいたい』
ミルザくん「ええっ!!た、ただじゃないんですね・・・いえ、いいですよ!
   これもサルーインちゃんの為だと思えば・・・」
タイニィくん『そう、サルーインちゃんのことなのだ』
ミルザくん「え?なんですって!」
タイニィくん『その女子生徒の姿をしたやつは、なにやら「この羽さえあればサルーインちゃんに
   『風のささやき』を・・・」などと呟いていた』
ミルザくん「・・・・!!風のささやきとは!?」
タイニィくん『私の羽には一つ一つに私の力が宿っている。ある程度高度な魔術師なら、
   その羽を身に着けていれば私の技の猿真似をすることが出来るのだ・・・猿真似といったからといって
   あなどってはいかんぞ!その女子生徒の姿をしたやつは、おそらくサルーインちゃんに
   『石化くちばし』を使おうとしている』
ミルザくん「『石化くちばし』!?まさかサルーインちゃんを石化させようというのですか!?」
タイニィくん『サルーインちゃんはタカビーながらも強い女だが石化には滅法弱いのだ。
   誰かの猿真似でも石化してしまう可能性は十分にある。聞け!今は生徒会選挙で
   学園内がエロールちゃん派とサルーインちゃん派に二分されている。その中で、
   我等四寮長はどちらにも与せず中立を保っている。そこで私の羽の力でサルーインちゃんが
   石化したなどという事態が起こっては、私の立場が揺らぐだけでなく他の四寮長の立場にも
   累を及ぼしてしまう。絶対に避けたい事態だ』
244ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:41:19 ID:???
ミルザくん「・・・・・!わかりました、あなた方四寮長の為に・・・そしてなにより
   サルーインちゃんの為に、僕はサルーインちゃんを守ります!」
???「もう遅いかもしれませんよ?サルーインちゃんがまだ石化していないといえる根拠は?」
ミルザくん「誰だっ!!!」
ミルザくんが振り向くと、ジャカジャーンというギターの音を風に乗せて佇む、
詩人の姿がそこにありました。
ミルザくん「あなたはあのパーティの時の・・・一体いつから僕の背後にいたんです!?」
詩人「私とそんなやりとりをしている暇があなたにはありますか?サルーインちゃんに
   一刻を争う危機が迫っているのでは?」
ミルザくん「はっそうだった!タイニィフェザーさん!僕、行きます!」
タイニィくん『待て!最初の目的を忘れてどうする。私の羽を持って行きたいのでは?」
ミルザくん「あっそうだった!もうどうでもいいけど折角ここまで登ったんだし・・・うわっ」
貧乏性のミルザくんは貰える物は貰おうと羽を取ろうとしましたが、
その羽が自分よりも大きい羽だと気がついて手を引っ込めました。
ミルザくん「こんな大きな羽持っていけないよ!ナイトハルトくんはどうやって持っていったんだ?」
タイニィくん『仕方がない、私が小さくしてやろう、手に掴んでいろ』
言われたとおり大きな羽の一部をミルザくんが掴むと、タイニィくんの羽は小鳥の羽くらいまでに
小さくなりました。
タイニィくん『その身から離れると元の大きさに戻るぞ、気をつけろ!』
ミルザくん「ありがとうございます!これでサルーインちゃんをかっこよく助け、
   その後にこれを驚きのプレゼント・・・完璧なシナリオだ・・・!!」
ミルザくんはまた自分に都合のいいサルーインちゃん妄想をしていましたが、詩人さんの
独り言らしきぼやきで現実に引き戻されました。
詩人「そういえば、メルビル寮の方であやしい石像を持った人がいたなあ・・・
   確かルーイとか言ったような・・・?」
ミルザくん「(!!!!すでにサルーインちゃんは石化してしまっているのか!?)
   ぐずぐずしてられない!!」
タイニィくん『下まで送ってやろう。それ!』
タイニィくんが翼をはばたかせると羽がいくつも舞い上がって、その羽とともにミルザくんは
   フワフワと地上まで降りることが出来ました。
ミルザくん「メルビル寮のあたりだな!!」
245ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:42:02 ID:???

ワイルちゃん「た、た、大変ですゥ〜〜〜〜〜〜デスちゃんさま、シェラハちゃんさま〜〜!!!
   サルーインちゃんが『石化』してどこかへ連れ去られてしまいましたあ〜〜〜〜!!」
デスちゃん「なんだと!!どういうことだミニオンちゃん達!!」
ワイルちゃん「そ、それがこの女がうまいことサルーインちゃんに近づいて石化させてしまい、
   さらにはそのサルーインちゃんが行方知れずに・・・!」
ストライフちゃん「おらっ吐かんか!!どこへやった!(こしょこしょ)」
ヘイトちゃん「ヘェイトの秘儀・ゴールドフィンガぁあああア☆歿★!!!(こしょこしょ)」
ラミアちゃん「ひ、ヒイ〜やめて・・・あはははははやめあはひいいーーー知らない、
   ほんとにいつの間にかいなくなってたんだってばあはははやめひいいーー〜」
ストライフちゃんとヘイトちゃんのくすぐり拷問にも、ラミアちゃんの口からサルーインちゃんの
行方が出てきません。
デスちゃん「・・・この女が石化させた、タイニィフェザーの裏切りではないようだな。
   しかしこの様子だと本当に石化したサルーインちゃんがどうなったか知っているとは思えん!」
シェラハちゃん「・・・石化と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・密室に閉じ込められた
   二人の男女の話。二人を押し潰そうと天井がゆっくり落ちてくる密室の中で、
   男性は「愛する君を絶対に僕が守るよ!」と言って自らに石化をかけて
   天井を押し留めようとしたのだけれど、普通に天井のが固かったから
   押し潰されて砕け散ってしまい、彼が守ると言った黒髪の絶世美女は
   彼がごたくを並べてるうちに鍵を壊してとっとと外へ出ていたの」
デスちゃん「シェラハ〜〜〜〜〜こんな時までちっとも悲しくない話をするな!!!いや!
   その話しゃれにならんのだぞ!!石化したままのサルーインちゃんが何らかの衝撃によって
   ばらばらに砕け散ってしまったら・・・!!!」
ヘイトちゃん「ヒイィアァーーーーーーーーーーーーばらばらになったちっちゃい破片から
   ちっちゃいサルーインちゃんがいくつも生まれてしまうわあああhしふwhうぇううげd!!!」
デスちゃん「そうだ!!・・・あああちがう!!いやそれも怖ろしいが!!あんなのが
   いくつもいたらたまったもんじゃないが!!!ちがああああああうああもう
   お前らミニオン!!こういう時のためのお守りだろうがなんで守れなかった!!」
ワイルちゃん「わ、私達お守りじゃなくてほんとはしもべなんですけど・・・」
ストライフちゃん「まあ名目上だけで実態はお守り以外の何でもないんだけどな」
デスちゃん「あーーーーーーーーどうするつもりだ!!!どうするんだーーー!!」
ジャカジャーン!!いつになく混乱しているデスちゃんの耳にもそのギターの音は
響きました。そう、再び詩人さんです。
詩人「なんと!麗しのサルーインちゃんがあわれにも石化しているとは!?本当ですか」
デスちゃん「・・・なんか邪魔が入って気を取り直したぞ、なんだか知らんが帰れ!
   お前の知ったことではないはずだ」
詩人「どうなさるおつもりです?まさかしらみつぶしに学園中を探すのですか?」
デスちゃん「・・・手がかりが全くない状態だ!まずは手がかりを探す、我等全員で
   聞き込みだ、お前も手伝うか?」
詩人「手がかり・・・といえば、そういえば妙なことが・・・
   あの名高いミルザくんが「石化、サルーインちゃん、」などと呟いていましたね」
ミニオンちゃん達「何ィ!!ミルザだと!!」
246ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:42:50 ID:???
詩人「もしかしたら彼こそが瞬かぬ石像となったサルーインちゃんの行方を知っているのかも
   知れませんね。では、私はこれで・・・(ジャジャーン!!)」
そういって詩人はまるで消えたようにデスちゃん達の前から去ってゆきました。
ワイルちゃん「ミルザといえばあいつはサルーインちゃんに懸想しているようだから
   もしかすると石像のまま自分の物にしようとして!?」
デスちゃん「しかしこれで一つでも手がかりを掴んだわけだ。シェラハ、ワイル、ヘイト、ストライフ!!
   総員でまずミルザを探す!!!」
ミニオンちゃん達「はっ!!!」
シェラハ「・・・はっ・・・と聞くと・・・はあ・・・」


???「あのーー、ニンフの像を知りませんかーーー?これくらいの、こんな像なんですけど・・・
   あのーーーーーーー知りませんかーーー?あのーーーーーーーーーーーーーーー?」

つづく
247ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 18:55:01 ID:???
かなりややこしくしてしまいましたが
続き、おながいします
248ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 19:51:40 ID:???
石像といったらドラクエ5を思い出すな。
249ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 19:54:00 ID:???
よっしゃー、パッと思い浮かんだから(今から)書くぜー。
あっ、先に書きたい人いたらおかまいなしに言ってください。
250ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 20:15:46 ID:???
>>247
言い忘れてたけどお疲れ様!
相変わらず詩人黒過ぎw
もっと黒くするべ。
251ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 20:23:18 ID:???
ミルザくん「メルビル寮!メルビル寮!」
ミルザくんは走っていました。スカーブ山から降り、ローザリア寮、イスマス寮、ローバーン寮、
ブルエーレ寮、ときて今現在ゴールドマイン寮に差し掛かっているところでした。
ミルザくん(サルーインちゃんが「石化」の毒牙に掛かろうとしている!・・・
     いやもう掛かっているのかもしれない!?ああっはやくしなきゃ!
     僕がサルーインちゃんを救わなければ!)
???「あ、あのーすみません・・・ちょっと護衛を引き受けてくれませんか」
ミルザくん「ん??」
ゴールドマイン寮内を突っ走っていたミルザくんに話しかけるものがありました。
ミルザくんは駆け足の振りは止めずにそこに止まり、その声の方に顔を向けると、
そこにはなにか包みを抱えた男子生徒がいました。
ミルザくん「護衛ですって?(あーもう!早く行かなきゃいけないのにー!)」
???「はい、メルビル寮までぜひ・・・」
ミルザくん「ん!メルビル寮ならちょうど僕も行くところです御一緒しましょう!」
???「本当ですか!ありがてえ、じゃ、早速行きましょう」
ミルザくん「ええ、・・・その荷物重いでしょう!僕が引き受けますよ」
そういって手を差し出したミルザくんにその男子生徒は顔を強ばらせてさっと
荷物を逸らしました。
???「いいんです!この荷物のことはお構いなく!・・・さあ、行きましょう」
ミルザくん「・・・???そうですか?ええ・・・」
そうしてミルザくんと男子生徒はメルビルに向かっていきました。

メルビル寮に着き、ミルザくんは護衛の任務を果たしたのでした。
ミルザくん「じゃあ僕はこれで!」
???「ちょ、ちょっと待ってください」
ミルザくん「はい?(あーもーだから早くしなきゃいけないんだよー!)」
???「ま、まだ護衛の報酬を払っていませんし、今持ち合わせがないんですが、
    これからちょっと出来るんです・・・そこまでご一緒に」
ミルザくん「報酬!?ふっ、そんなものは結構です、ぼくはちょっとした
     親切のつもりだったのですから!では」
恋の為に焦っているミルザくんは金持ちにだけ許されるセリフを捨ててそこを
去ろうとしましたが、それでも男子生徒は手を引っ張ってミルザくんを引き止めます。
???「ま、待って!もう少しですから、ウコム大使館までなんです、
    どうかご一緒に・・・最近メルビル寮の治安も悪いですし、ねっ!?」
ミルザくん「(んーもーしょうがないなあ!)解りました、ウコム大使館までですね!
     そこまでですよ!」
ミルザくんの持ち前の親切心が動いてしまって、ウコム大使館まで
一緒にいくことになってしまいました。
252ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 20:24:38 ID:???


二人がウコム大使館まで来ると、奥のほうに案内され、なにやら物々しい様子の
役人がそこで待っていました。
ウコム役人A「ルーイさんですね!あなたの要求どおり、2000ジュエルで
     引き取ることが決定しました!」
ミルザくん「2000ジュエル!!・・・ルーイだって!?」
ミルザくんは驚きました。それはおよそ10年分のミルザくんの食費だったからです。
そして何より、詩人が言っていた「石像を持った男」の名は確かにルーイではなかったか?
ウコム役人B「それでは、最後に品物の確認をさせていただきましょう」
役人にそういわれて、男子生徒はへへへ、と下品に笑いながら、包みを剥がしました。
ウコム役人「おお!!」
ミルザくん「うっ!!」
そこにあったのは小さく、不気味な醜い形をした(と、今のミルザくんには映ったのです)
紛れもない石像でした!ミルザくんの頭の中は混乱してしかし働きました。
ミルザくん(ルーイ!石像!間違いない、詩人さんの言っていた男とはこの人の
     ことだ!そして2000ジュエルだって!?そんなありえない金額を、
     こんなちゃちで醜い石像・・・『ただの』石像だったら払うわけがない!
     おそらくこの石像・・・この石像が、『サルーインちゃんなのか?』!!)
ウコムの役人が男子生徒に2000ジュエルを渡し、その手から石像を取ろうとしたその瞬間!
???「その像を、離しなさいーーーーーーー!!!」
ミルザくん「!!!」
男子生徒「うっ!」
一人の女の子がミルザくんたちの元へ駆け寄ってきます。それも、大量の
魚系モンスターを引き連れて!
253ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 20:25:08 ID:???
男子生徒「い、嫌だアーーーーー!!これで大金持ちになるんだーーーーーー!!」
???「離しなさい!!」
男子生徒は逃げようとしましたがモンスターに囲まれ、絶体絶命の危機に
陥りました。
男子生徒「あ・・・あ・・・・・・!」
モンスターが男子生徒に食いつかんとしたその瞬間!
ズシャッ―!銀の剣をきらめかせて、颯爽とミルザくんがモンスターをなぎ払ったのです!
男子生徒「ミルザさん!」
ミルザくん「・・・・・・・・」
そしてばっと男子生徒の手から石像を奪い取ると、そこに毅然として立っていました。
男子生徒「ああっ・・・」
???「さあ、石像をこちらへ・・・」
ミルザくん「駄目」
???&男子生徒「え?」
ミルザくん「サルーインちゃんは誰にも渡せなーーーーーーーいさらばだ!!!!」
???「ちょ、ちょっと何言っているんですかーー!!・・・お前達!
    あの人を追いなさい!!」
女の子がモンスターに命令をすると、一斉にモンスターたちがミルザくんを追いかけて
行きます。女の子自身もミルザくんを追いかけてゆきました。
後には、呆然とした男子生徒と、ウコムの役人が残されていました。
ミルザくん「石化するとこんなになっちゃうのか・・・!ああサルーインちゃん
     こんなに醜くなっちゃって!しかもやっぱり君を手に入れたい人から
     付け狙われている!・・・よし、サルーインちゃんは僕が守るぞーーーー!!」
マリーン「その像を、返しなさーーーーーーーい!!!」
かくてここに、大いなる勘違いのもと、ミルザくんとマリーンの追いかけっこが始まったのです・・・
本当のサルーインちゃんの像は一体!?

254ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 20:25:36 ID:???
ごめんなさいちょっとだけ付け足し・・・
255247:2005/07/05(火) 20:27:40 ID:???
ああっリロードしてなかった!続き書き始めてる人がもういたよorz
ごめんなさい意味がわからなすぎると思ってちょっと方向を定めておこうと
思ったんですけどほんとごめん
256ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 21:16:39 ID:???
>>255
いや、特に解りにくいとは感じなかったよ。二人とも乙!
魚ミニオンがとうとう出現か。楽しみだw
257ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 22:27:27 ID:???
ミルザくんがスカーブ山で詩人に会った、その30分前のことです。

詩人「サルーインちゃん・・・あなたは罪深き人です・・・
   あなたのその美貌、そして性格の醜さにより、何人の男が傷ついた事でしょう・・・
   中には『行方不明になった』や『自殺した』などの物騒な風聞も聞きます・・・
   私は生徒会長・・・そう、私が生徒会長である限り・・・この学園でのあなたの存在を無視するわけにはいかないのです・・・」
詩人もといエロールちゃんは、べイル高原の丘でサルーインちゃんの石像を担ぎながら呟いていました。
エロールちゃん「あなたも生徒・・・できるならば・・・この様な事はしたくない・・・
          ですが・・・男子生徒のために・・・これからの学園の未来のために(私のために)・・・
          サルーインちゃん!!この学園から去ってください!!!」

ガン!

エロールちゃんは、サルーインちゃんの石像をべイル高原から蹴落としました。
ばしゃーーーん!と音を立てて、サルーインちゃんの石像が海に落ち、流されてゆきます・・・
エロールちゃん「できることならば、いい細工師かなにかに拾われて、
         人の役に立てればいいですね・・・」
エロールちゃんはそう呟くと、踵を返しました。
エロールちゃん「・・・サルーインちゃん・・・次生まれ変わる事があるのならば・・・
         男をたぶらかさない・・・健全な女の子になってください・・・さよなら・・・うっ・・・」
258ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 22:28:51 ID:???
エロールちゃん「とはいってもですね。罪の無い、サルーインちゃんの取り巻きやミルザくんなどを
          うまく騙しとかないといけませんね・・・
          どーせあの人たちは単純ですしこの私が何か吹聴すれば簡単に信じてくれる事で・・・ん?」

ゴールドマイン寮の庭を歩いていたエロールちゃんの目に、
旅の一団(生徒か?)と思われる集団に、石像か何かが包まれているであろう大きい包みを持った男子生徒が話をしているのが写りました。

「名を名乗れ。まずはそこからだ。」
ルーイ「ああ、俺はルーイって言うんですが・・・」
グレイ「俺の名はグレイ。」
ガラハド「私の名はガラハド。人は聖生徒とも呼ぶが・・・」
ミリアム「あたいはミリアム!火の術が得意で・・・」
グレイ「ああ、かまわん。話を続けてくれ。」
ルーイ「ええ。実は護衛を引き受けてもらいたいんですが
    是非引き受けてもらえませんか?前報酬なら払いますよ。えっと、ほら。50ジュエル。」
グレイ「ではもらっておこう。(ぱしっ!)どこまで行くんだ?」
ガラハド「お!ジュエル!ねーねー聞いてグレちゃーん。実はね、この前アルツール寮の購買でね、
     すごいカッコいい武器見つけたの。買ってくれないかなぁ?つんつん。」
グレイ「可愛こぶってもぶらなくても買ってやるかハゲ!・・・で、どこにいくんだって?」
ルーイ「ええ、メルビル寮のウnコ・・・」
「あーーーーーー!!みつけとぅあぞぅぅぅギュルェイ!!俺から逃げられると思うなよーーぅ!」
グレイ「げげっ!厄介なヤツが・・・悪い、他のヤツに頼んでくれ!」
「ギュルェイ!!ギュルェイ!!クロォーデぃアすぁんの護衛を早く引き受けてくださいよぅ!」
グレイ「また今度ーーー・・・」
ルーイ「あー、ちょっとグレイさーん・・・・ってギャーー!!ジュエルー!!」

騒ぐだけ騒ぐと一団はどこかへ逃げていってしまいました。
エロールちゃんは、そのやり取りを見たとき、上手く『ぴこーん!』と閃きました。
心の中でほくそえみながら、エロールちゃんは特に大したアイディアでもないアイディアを秘めながら、
ミルザくんの元に向かいました・・・ってことで。
259ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 22:30:52 ID:???
「兄ちゃん・・・」
ここは、ドライランド舎の、ノースポイント寮にある、小高い丘。
青年といった風の男と、子供が丘から海を見下ろしています。
兄ちゃん「仕方ないさ。これも神様の与えた試練なんだ・・・
      大丈夫。不幸に耐えていれば、神様はいつか必ず幸せをくれるよ。」
子供「なんで耐えなきゃいけないの?神様は悪い人なの?
    神様はいい人じゃないの?なんで僕達だけこんな不幸じゃなきゃいけないの?」
兄ちゃん「大丈夫だよ。みんなこのくらいの不幸は味わってるものなのさ。我慢すれば絶対幸せは・・・」
子供「何言ってるの兄ちゃん?ケンちゃんは貧乏じゃないよ?てっちゃんはお父さんが生きてるよ?
   ナミちゃんは兄弟みんなで仲良く暮らしてるよ?みんな僕らみたいに不幸じゃないよ?」
兄ちゃん「い、いいかい?人生っていうのは・・・」
子供「なんでみんな平等じゃないの?なんで不幸にならなきゃいけないの?幸せでいいじゃん!不幸なんてなくていいじゃん!
   不幸なんて与える神様なんて、大嫌いだ!!兄ちゃんも嫌いだ!!」
子供は大声でそう叫ぶと、泣き出してどこかへ走っていってしまいました。
その場には、兄ちゃんだけが残されます。
兄ちゃん「・・・いつから『平等』なんてそんな難しい言葉を・・・」
兄ちゃんは小さくため息をつくと、再び海を見下ろしました。
兄ちゃんは、目を疑いました。
美しい女性の形をした石像が、ノースポイントの海をどんぶらこ・・・どんぶらこ・・・と流れているのです。
兄ちゃんは、それをみて数日前のことを思い返しました。

”大兄ちゃん!ウコム様がお怒りになるよ!それを売るなんて・・・”
”ウコムが何だ!俺たちに不幸をくれやがったウコムに喧嘩を売って何が悪い!”
”そうだ。いわばこれはウコムへの俺たちの報復だ!”
”中兄ちゃん・・・”
”ねぇねぇ、ウコムさんが悪いの?あのウコムさんが・・・”
”そうだよ兄ちゃん達!父ちゃんの船が難破したのだって、事故で・・・”
”黙れ!その原因となった津波があいつのペット達の戯れにより起きたというではないか。”
”なんだって?”
”そうだ。ウコムは、あんな危ないモンスターを多くの人が行き来する海に野放しにしていたんだぞ?許せるものか!”
”で、でも・・・・・・・・・・か、・・・かあちゃんとよく相談して・・・”
”母ちゃんからも既に了解は貰っている。”
”留守番を頼むぞ。二人とも・・・俺達の帰りを願っていてくれ!!”
”兄ちゃん・・・兄ちゃん!!行かないでぇーーーー・・・・・・”

今そこの海に流れているそれは、兄ちゃん達が盗み出せなかった3つのニンフ像の内の最後の一つ・・・?
家で見た二つの像とは全く違うけど・・・たぶん・・・いや、絶対・・・
兄ちゃんはごくりと息を飲み込みました。

”そうだ。ウコムは、あんな危ないモンスターを多くの人が行き来する海に野放しにしていたんだぞ?許せるものか!”
”不幸なんて与える神様なんて、大嫌いだ!!兄ちゃんも嫌いだ!!”

・・・・・
兄ちゃんは一人でこくんと頷き、その石像を取りに丘を下りました。

「待っていろよ・・・必ず失った幸せを取り戻してやる。その為なら、ウコムも、神も怖くない!!」
260ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 22:32:02 ID:???
ワイルちゃん「そもそもミルザくんって今どこにいるんですかね?」

当ても無しに走るミニオンちゃん達に、ワイルちゃんが水をさすように言いました。
ヘイトちゃん「それが分からないから今探してるんでしょ!?危機感を持ちなさい!」
ストライフちゃん「ミルザとかいうヤツは、何寮出身なんだ?」
シェラハちゃん「騎士団寮・・・」
ワイルちゃん「はれ、何で知ってるんですか?」
ヘイトちゃん「そんな事はどうでもいいでしょ!さぁ、騎士団寮に行こう!」
ストライフちゃん「よしっ!って、ん・・・?」
ストライフちゃんは走りながらヘイトちゃんの顔を凝視しました。
ヘイトちゃん「な、なに?気持ち悪いなストライフちゃんったら。なんか顔についてる?ついてたら取ってくれる?」
ストライフちゃんだけでなく、ワイルちゃんとシェラハちゃんまでもがヘイトちゃんの方を振り向きます。
面々みな不思議そうな顔をして。
ヘイトちゃん「き、気味わるいよみんな。よそ見してると車にぶつかって・・・」
ストライフちゃん「おまえアヒャ語はどうした?」
ヘイトちゃん「!!!!?????!?!?!?!!!!!????!????!?!?!???
       あ、あひゃっ★◎&#♪あひゃうひゃはぁぁぁーーー!!♪★foはぁと
       さぁさぁさじょspds早くサルサル姉さんの石をさがさなきゃうひゃはぁぁあぁぁ%$#&♪!!鬱!!」
ストライフちゃん「おまえ相変わらずワケ分からん・・・」
ワイルちゃん「あは、そういえばヘイトちゃんったら変装の時も口調変わりますよね。
        シリアスモードってヤツですか?あはは!」
ヘイトちゃん「だまらっさぁぁぁい♪!!#んぁ・・・っていうかちょっと今日貧血で・・・」
シェラハちゃん「シリアスモードというと・・・ってんな単語入った不幸話あるかぁぁぁ!!(がちゃーーん!!)」
ストライフちゃん「やっぱ身内が死の危険だったりするとみんな荒れるもんだな・・・」
ワイルちゃん「ええええええええええ!!??サル-インちゃんが死のきけぇぇぇぇぇんんん!!???!!??」
ストライフちゃん「は、は?お前話聞いてたの?」
ワイルちゃん「あいやーー、あの気の良さそうなミルザさんが、まさかサルーインちゃんを変な目にあわしたり
       殺したりはしないだろうなとは思ってたんで冗談で言ったんで、ってかよく考えたら石化って時点で危ないわけで
       そげなこといきなり言われてもああああああああ!!!」
ストライフちゃん「落ち着け!」
シェラハ(あれ?そういえばそうよね。まさかあのミルザさんがそんな事するとは到底思えないし・・・
     あの詩人も『ミルザさんが直接石化したサルーインを持っていた』だのそんな事は言ってないわけだし・・・
     大体あの詩人はなんなの・・・?・・・まぁ、ミルザさんに会ってみるに越した事は無いわよね。)
ストライフちゃん「おっ、見えたぞ。あそこが騎士団寮・・・でいいんだよな?」
クジャラート舎の校庭を抜けて、騎士団寮が4人の目に入ってきました。
ワイルちゃん「わわわ、私に行かせて下さい。一の僕として。一応ミルザさんとは交友関係になってる設定ですから・・・」
焦ったように言うワイルちゃん。
ストライフちゃん「なんだ、四人で行かないの?」
シェラハちゃん「女四人で男だらけの寮に入っていくのって色々勇気があるでしょ・・・?だからよ。」
ヘイトちゃん「も゙う走りだぐない」
ワイルちゃん「んぢゃあ、決まりって事でイッチョ行って来ます!期待して待っててくださいね!」
ワイルちゃんは、騎士団寮へと走っていきました。
261ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 22:34:42 ID:???
残された3人が顔を見合わせます。
ストライフちゃん「そういえば、もうミルザとかいうのを見つけたわけだしあたし達ここにいる意味ないんじゃぁ?」
ヘイトちゃん「ないね。じゃああだじはぢがぐの寮のほげんじづへ」
ストライフちゃん「勝手に行ってこい。・・・で、シェラハさん・・・は、外にいて大丈夫なの?」
シェラハちゃん「大丈夫よ。」
ストライフちゃん「・・・そう。じゃあ、ワイルちゃんとサルーインちゃんのお守りはお願いね。
         実は私、水泳の練習がもう少しで始まっちゃうんだよね。じゃあ、頑張って!」
シェラハちゃん「ええ。」
ストライフちゃんは、もう何事も無かったムードで、どこかへ行ってしまいました。
ヘイトちゃんもふらふらした足取りでクジャラートの方へ歩いていきます。

シェラハちゃん「・・・・・・」

5,6分はしたでしょう。
騎士団寮から、ワイルちゃんが出てきました。
シェラハちゃんの方へ手を振っています。何も持っていません。
ワイルちゃん「はぁ、はぁ・・・あ、あれ?みんなは・・・まぁ、いいや。
         シェ、シェラハさん。ミル、ミルザさんが!騎士団寮にいないんです!!
        その・・・ローザリア舎に向かったという話です!!」
シェラハちゃん「え、そんな遠く!?」
シェラハちゃんが驚いて声を上げます。
ワイルちゃん「はい、どうしましょう・・・一応騎士団寮の港からローザリアへの船は出てるんですけど・・・
        一体何時間かかる事か・・・」
シェラハちゃん「まったく、ミルザさんったら・・・姉さんへの手がかりはあの人しかないって言うのに・・・」
ワイルちゃん「どうします?船でローザリアまで行きますか?」
シェラハちゃん「・・・いえ、ここはあの人の力を借りましょう。」
ワイルちゃん「あの人?」
ワイルちゃんが首を傾げます。
シェラハちゃん「まぁ、正しく言うならあの『モンスター』だけど・・・
         クジャラート舎の守護者とも言われる、モンスター学部四寮長の一人、水竜の元へ!」



マリーン「あ〜、もうっ・・・見失っちゃった・・・サルーインちゃんがなんだかって言ってたわね。もう、ワケ分かんないあの男!」
ストライフちゃん「まったく、ミルザってのは人騒がせなヤツだ・・・糸石を集めてたり、石化したサルーインちゃんを連れて行ったり・・・」

「って」

マリーン「ストライフちゃん!?」
ストライフちゃん「マリーン!?」

つづく
262ゲーム好き名無しさん:2005/07/05(火) 22:37:14 ID:???
はい、書きましたよ〜
思ったより長くなりそうだな・・・ほんと。
んぢゃ、誰か続けてくださいませ。

ちょっとキャラの位置とかややこしいけど・・・
263ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 07:37:36 ID:???
エロールちゃん……
本当に酷い奴だなW
264ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 13:14:29 ID:???
エロ黒いよエロw
今はサル>ノースポイント
ワイル、シェラハ>騎士団領〜クジャ
にいるのかな。ミルザ、ストライフ、マリーンの位置がよくわからなくなってきた
265ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 13:27:17 ID:???
某所で見たミニオンのステータスについての情報。正しいかどうかはわからない。
●腕力は3人一緒
●体力はストライフが高くヘイトが低い ←ヘイトちゃんは不健康そうだしなー
●器用さはワイルが高くストライフが低い ←不器用なストライフたん
●素早さはストライフが高くヘイトが低い ←やっぱストライフちゃんは体力派なのか
●知力はスト>ヘイト>ワイル ストライフとワイルでは8の差が。 
↑真面目な頑張りやなのにイマイチ伸びないワイルちゃん。悪ぶってて優秀なストライフちゃん。
●精神は逆にワイル>ヘイト>ストライフ ワイルとストライフで20もの差が
↑くじけないワイルちゃんと、実はアガリ症でプレッシャーに弱いストライフちゃん
●全員愛はこれっぽっちも無し。魅力もほとんど無し

・・・意外とマッチしてる?
266ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 17:45:03 ID:???
137 ミルザ sage New! 2005/07/06(水) 15:16:40 ID:5GIuY/U4
封印した猿の憎悪が増したのも‥
ミニオンが誕生したのも‥
デス石が世界を混乱させたのも‥失敗なんかでは無い

エロの唯一の 失 敗 は‥  アルドラの身体を保存しておかなかった事だ!!!!!!


↑なんか本スレにこんなんあったw
267ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 19:38:13 ID:???
もうすぐ投稿すんねー
268ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 19:49:26 ID:???
ちょっと思いついてみた。

・イフリート先生
「ではこんな窮屈な姿をする理由も無いわけだ」の言葉とともに燃える肉体美を披露する変態体育教師。
授業はわかりやすく評判が良いが、スパルタで怪我人も後を絶たない。
フラーマ先生にアプローチを続けているが、玉砕し続けているそうな。
269ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:19:44 ID:???
マリーン「ストライフちゃん!?」
ストライフちゃん「マリーン!?」
そう、この二人は実は旧知の間柄。ストライフちゃんが有給のサルーインちゃんの
お守りから開放される日には、よくマリンスポーツへと海へ行くのです。
そこで知り合い、水泳について深く話し合い、二人は意気投合したのでした。
マリーン「ストライフちゃん!久しぶりね、でもどうしてあなたがメルビル寮なんかに
     いるの?いつも会うのはノースポイント寮の海岸じゃない」
ストライフちゃん「マリーンこそ、まだ夏休みでもないのに兄弟校『ウコム学園』から
     出てきてこんな所で何してる?・・・いや、さっきサルーインちゃんとか
     言ってなかったか!?」
ちょっと説明をここにはさみますと、『ウコム学園』とはマルディアス学園の兄弟校で、
主に魚介類たちの生徒で成り立っている、海の中の学園なのです。
その学園の理事長がウコムくんなのですが、迷信深いノースポイント寮では、
怒ると海を荒れ狂わすウコムくんのことを恐れ、「海の神様」だと思い込んでいるのでした。
さて話は戻り、ストライフちゃんからの出し抜けな質問に、マリーンちゃんはおずおずと答えました。
マリーン「そうなのよ、実はミルザとかいう人がサルーインちゃんは渡さないとか言って、
     あの『石像』を持って行ってしまったの!」
ストライフちゃん「「サルーインちゃんは渡さない」と言って『石像』を持ってっただってえ!
     ええい、やはりミルザがあの『像』を!」
マリーン「?事情を知っているのストライフちゃん?もしかしてあの『像』を取り返すのに
     協力してくれるの!」
ストライフちゃん「無論だ!おのれーミルザの虫けらが!必ず『像』は取り戻すぞ!!
     ・・・マリーンもあの『像』を取り返すのを手伝ってくれるのか?」
マリーン「手伝うも何も・・・当然でしょ!さあ、行きましょう!」
もちろん二人の言っている『像』とは、同じものではありませんでした。
一つはウコムの娘の像、もう一つは石化してしまったサルーインちゃんの像です。
マリーン「でも見失ってしまったのよ、さっきの人!まだメルビル寮内を
     出てはいないと思うけど・・・!」
ストライフちゃん「お、お前のストーキングをも逃れるとは・・・ミルザ、虫けらの割りに
     侮れん!!・・・いや、しかしメルビル寮内ならまだ手はある。」
マリーン「ストライフちゃん!手って一体!?」
ストライフちゃん「まあ見ていろ!・・・きゃああーーー大変だーーー誰か助けてーーーー!!」

ミルザくんの耳に何か叫びが聞こえてきました。しかも助けを求めているような声が。
ミルザくん「むっ!?誰かが助けてと叫んでいる!?・・・くっ、さっさと船に乗って
     ノースポイントの方まで逃げ延びるつもりだったけど、少しくらいなら・・・!」
そう言ってミルザくんが叫びの聞こえた方向に向かった途端!
ストライフちゃん「ばかめやはり来たな!!」
ミルザくん「!!!!!」
270ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:20:51 ID:???
なんとそこには自分を追いかけていたマリーンちゃんと、ワイルちゃんやヘイトちゃんに
よく似た、しかし柄の悪そうな女の子がいたのです。
ストライフちゃん「おめおめとやってくると思っていたぞ!!人助けが趣味みたいな
     お人よしめ!だが正義の味方面したお前は、こんな簡単な罠で敗退の目を
     見るのさ!!さあ、持っている『像』をこっちへよこ・・・ん?」
ストライフちゃんは顔をしかめました。ミルザくんが持っている像はどう見ても
あの時石化したサルーインちゃんの姿とは似ても似つかない。というかそもそも
大きさが全然違う。ストライフちゃんは一瞬悩みましたが・・・
ストライフちゃん「おのれミルザ!!罠にかかった振りをしてすでに本物は
     違う場所へと隠しやったのだな!!本物はどこだ!さあ、言え!!」
マリーン「えっ?」
ミルザくん「はあ!?(あ、あれ?・・・そうか、偽者に見えるってことはあの奪った時に
     なんかどこかに傷がついたのかな・・・・・・・・・・・っ!!!
     サルーインちゃんに傷が!?)うわああああっぼ、僕は君達に構ってる暇なんかないんだ
     ーーーーー!!!」
悲痛な叫びをあげるとミルザくんはそこから走り去ろうとしました。混乱して、
最初はノースポイント寮まで海路で行こうと思っていたところを、陸路の方向へと
変えてしまいました。
マリーン「あれが偽者??どういうことなの!」
ストライフちゃん「見てわからなかったのか!!全然違うじゃないか!おそらく
     お前が見失ってここで見つかるまでの少ない時間の間にどこかに隠したのだ!」
マリーン「えっ?そ、そうなの?(やばい、私の魚眼レンズも曇ったかな・・・)」
そこでプーー・・・と船の出港の音が聞こえました。ミルザくんが乗り込もうとしていた、
貨物船でした。
ストライフちゃん「ミルザは全力疾走でメルビル寮を出て行った・・・メルビル寮内に
     隠してあるならどんなに巧妙な場所に隠したとしてもメルビルから去るとは思えん!!
     ・・・さっきミルザは港の方から来た!
     もしかしたら今の陸方面への逃走もフェイクで
     運送船に乗せてあってノースポイントで受け取る気かも知れん!!
     マリーン!あれはノースポイント行きだな!」
マリーン「それだったら問題ないわ、海の上だったらウコム様が勝手に嵐を起して
     取り返してくれ・・・」
ストライフちゃん「はあ!?何を言ってるんだ虫けらかお前は!!そんなことになったら
     二度と戻らないだろうが!!マリーン!ノースポイントに先回りして
     『像』を先に手に入れるぞ!!」
マリーン「に、二度と戻らないって何がなんでなんだか・・・・・・・あっ!!」
バッ!!ストライフちゃんが制服を脱ぎ捨てたかと思うと、そこには真っ赤な競泳水着を
来たストライフちゃんの姿がありました!
ストライフちゃん「マリーン!体は鈍ってないだろうな?あんな貨物船は
     すぐにでも抜かして、ノースポイントまで勝負だ!!」
マリーン「・・・!体が鈍ってるかどうか、すぐにわかるわよ!!
     さあ、行きましょう!海の娘の血が騒ぐわ!!!」
マリーンちゃんはその気になってしまいました。
271ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:21:50 ID:???
こうしてストライフちゃんとマリーンちゃんは華麗なる泳ぎで海を渡ることになったのです!
・・・マリーンちゃんが海中にいるとウコムくんは嵐を起せません。
本当ならウコムくんはほとほと困り果てて怒っていることでしょうが、ウコムくんは
陸上でそんなことが起こっているなんてつゆほども知らなかったのです。
だって、貨物船には『ニンフの像』も、『サルーインちゃんの像』も乗っていないのですから。


ワイルちゃんとシェラハちゃんにとっては水龍くんの間にたどり着くことなど
いともたやすいことでした。
シェラハちゃん「水龍くん!居るの!居たら姿を現せよ!!」
水龍くん『なんの用だ、サルーインちゃんの一味め』
シェラハちゃん「一味と聞くと悲しい話を思い出すわ・・・一味かと思ったら
     七味唐辛子だった話・・・ああーーーーーーこんなところでも癖が!つい癖が!!」
ワイルちゃん「す、水龍さん、私達一刻も早くローザリア寮に行きたいんです。
     ちょっとミルザという生徒を追っていて・・・」
水龍くん『ミルザ?ミルザだと?すでに奴はローザリア寮にはもういない。奴は
     メルビル寮まで行った後その足でノースポイント寮方面に爆走している』
ワイルちゃん「な!・・・・・・どうしてあなたは、そんなことまで?」
水龍くん『水の流れがこの学園のあらゆる出来事の情報を運んできてくれるのだ。
     お前達のサルーインちゃんがタイニィフェザーのくちばしで石化したのだな』
シェラハちゃん「くちばしと聞くとなんですって!
     やはりタイニィフェザーがエロールちゃん側に付いたのか!」
水龍くん『変わり身が早いな。そうではない。あいつの羽がどうやら利用されたらしい、私の鱗のように』
ワイルちゃん「あなたの・・・鱗?」
水龍くん『これからお前らにくれてやろうという代物だ。』
そう言って水龍くんはその巨大な体を震わすと、二つの鱗が落ちてきました。
水龍くん『その鱗を「身に着けていれば」人魚の姿になれる。水中で息も出来る、
     海を渡って陸路より遥かに早く目的地に行くことが出来るだろう』
ワイルちゃん「人魚って・・・きゃあ!!」
試しに付けてみたワイルちゃんは甲高い叫びをあげました。あ、足が魚の姿になっている!
水龍くん『すぐに慣れるし、その身から剥がせばすぐに元の姿に戻る。・・・さあ、
     私がしてやることはこれまでだ。すぐにでもサルーインちゃんを救い出しにいくがいい。
     必ず助けろ!今我々四寮長がエロールちゃん側に付いたとなると均衡している
     この学園内の人間学部とモンスター学部のバランスが崩れるのだ!さあ、行け!』
シェラハちゃん「バランスと聞くと・・・栄養食品にはまった男の話・・・こ、これって
     自分の身から離れれば元に戻るのよね?」
ワイルちゃん「そうらしいです、ノースポイント・・・行きましょう!貧血のヘイトも起して来ましょう、
     どうせ一人置いていくと後で除け者にしたって公害レベルでわめくから。
     すいません水龍さん、もう一枚だけ下さいな!」
水龍くん『・・・なにやら不安が拭えんな・・・』
272ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:23:03 ID:???

・・・ちぎれて はぐれてく 雲が〜
親父「おお!なんだか詩人さん、今日は上機嫌だねえ!いつもに増して歌声が響くよ」
詩人「ふふふ・・・そうですか?」
詩人さんはノースポイントで野外ライブをしていました。みんながその歌声に集まってきます。
詩人さんの上機嫌の理由は・・・もうお分かりでしょう。
子供「詩人さーんもっと歌ってー」
お姉さん「もっと聞かせてくださいな、聞いてるだけで苦労を忘れちまうわ!」
詩人「ではご希望通り・・・――――――――!!!」
子供「?どうしたの〜詩人さーん?」
詩人さんは微笑を絶やさずながらも目だけを険しくしました。木の陰に怪しい人影、
明らかに自分の歌に皆が気を取られてるうちに、というこそこそした動き。
人もいなければなにか用事があるはずもない寮の郊外へと向かう足。
そしてなにより、彼の「担いでいる物」は、あそこで海に突き落としたはずの―
すっと詩人さんは立ち上がりました。
詩人「今日はこれでおしまいです、また次回をお楽しみに!」
みんな「えーもう〜〜〜?」
詩人「ふふふ、すぐにまた来ますよ、すぐに済みますから・・・・・・」

小兄ちゃん「はあ、はあ、・・・やっとここまで来たぞ・・・
     夕方にメルビル寮行きの貨物船が来る、メルビル寮の地下競売に出すんだ!
     メルビル寮行きの・・・」
???『その像を返せーーーー!!』
小兄ちゃん「!!!」
なんと、美しい石像を運んできて疲れてほっと一息ついていた小兄ちゃんを
いつのまにか足が生えた魚のモンスターが取り囲んでいたのです!
小兄ちゃん「う・・・く・・・う、ウコムめえぇ!!!」
詩人「はっ!」
小兄ちゃん「!?」
突如振って来た様に現れた詩人さんが、剣の一振りで魚のモンスターを威嚇したのです。
モンスター『お、おのれー』
モンスターはそう吐き捨てると引き下がって行きました。
・・・・・・
生徒A「・・・ふーやれやれ、こんな着ぐるみ着てなんだったんだ?」
生徒B「よくわからんが・・・まあ300ジュエルもくれるって事だし」
273ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:23:56 ID:???

詩人「大丈夫ですか?」
小兄ちゃん「あ・・・ありがとう、あんたは・・・ああ!いつになったら
     俺達に幸せがおとずれるんだ!?この像を持ってる限りウコムからの
     化け物は付いて回るんだ、はやくメルビル寮で売り払って金を・・・」
詩人「バカなことをお言いでない!幸せになりたいのなら、その像をそんな
   処し方で手放してはなりません!」
小兄ちゃん「えっ!?」
詩人「幸せになりたいんでしょう・・・」
小兄ちゃん「・・・!・・・な、なりたい!幸せになりたいんだ!」
詩人「では聞きなさい!ウコム様をそんな罰当たりな風に言ってはなりません。
   その像のあなたの処し方によってウコム様は絶えぬ海からの幸をあなたと
   あなたの家族に与えてくださるようになるでしょう!」
小兄ちゃん「なに・・・なんだって?」
詩人「海の神ウコム様には三人の娘がおりました。ここまでは知っているでしょう・・・
   その真ん中の娘は、それは美しい娘でしたが、心は醜く、卑しく、
   海のどんな化け物よりも忌まわしい娘だったのです!安らかな海を乱し、
   気まぐれに嵐を起しては溺れる人々を見てあざ笑う娘だったのです!」
小兄ちゃん「・・・!・・・父ちゃん・・・!」
詩人「その娘をウコム様は封印しました。そう、石像という形でね。しかし本当なら
   海からも、陸からも消滅させてしまわねばならなかったのです!そう思いながらも、
   実の娘を手に掛ける事はウコム様は出来なかったのです・・・しかし今でも
   その娘を憎み、その娘の封印が誰かに解かれることを案じていらっしゃいます。
   だから石像を持っているとウコム様の使いから襲われてしまうのです・・・。
   『だからあなたがやるのです』!ウコム様が出来なかったその娘の抹消を!」
小兄ちゃん「・・・ま、抹消って!?この石像を壊せばいいのか?
     でもウコム・・・様が出来なかったことを俺がやってしまったら!
     そんな空恐ろしいこと!どんなに酷い娘でも、実の娘なんだろう?」
詩人「それをウコム様を慰めるかたちでやればいいのです・・・
   『粉々に砕け散った娘を海へと返す』・・・というかたちで・・・ね」


ミルザくんは夕方頃にノースポイント寮に着いていました。彼は港の方までやって来ていました。
ミルザくん「はあはあ、きっとあいつら、僕が騎士団寮に戻ったと思って追いかけることだろうから、
     全く逆の方向に来てやったぞ!へへん、僕もなかなかやる・・・」
ストライフちゃん「待っていたぞ虫けら!!」
ミルザくん「ぶへあ!!!」
なんと港では二人のミニオン・・・ではなく、ミニオン・ストライフちゃんと
マリーンちゃんが待ち構えていました。
274ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:24:50 ID:???
ストライフちゃん「もうすぐ貨物船が来る!さあミルザ、あの『像』はどこだか
     教えてもらおうか!」
マリーン(・・・やっぱりあれ本物だと思うんだけどなあ・・・あっれ魚眼レンズの調子悪いのかなあ)
ミルザくん「だ、だから何を言っているんだーーーああもう僕に構わないでーーー!!」
バシャーン!!そういってミルザくんはなんと!海の中へ飛び込んでしまったのです!
大事そうに『サルーインちゃんの石像』を抱えて。
ストライフちゃん「・・・!ふっははは馬鹿め!泳いで逃げようという魂胆だろうが
     相手が悪いと知らなかったのだな!!マリーン!あいつに私達のスイミング力を
     思い知らせてやるぞ!!」
マリーン「(キュピーン!)まかせなさいストライフちゃん!!」
ザバーン!ストライフちゃんとマリーンちゃんの二人も飛び込みます!
ミルザくん(・・・・・・・・・・・!!)
ミルザくんは後ろを見ると後を追ってきている、その上マリーンちゃんの下半身が
魚になっていることに驚きました。どんどん距離を縮められます。
ミルザくんはもっともっとと深くへと潜っていきました。
ストライフちゃん「ばかな虫けらめ!!深ければ深いほど私達に有利だというのに!」
マリーン「捕まえるのも時間の問題ね!ふふふ、味気ないからもうちょっと
     追いかけっこしてあげてもいいんじゃない?」
水中で二人のミニオン・・・じゃなくて二人の嘲笑が響きます。
ミルザくんはさらにさらに深く潜っていきました。
マリーン「お遊びもこれまでにしましょ!さあ、あの『像』、返していただくために
     捕まりなさーーい!」
そう言ってマリーンちゃんが最高速度でミルザくんに近づいた時!
ストライフちゃん「!!!
     マリーンこれは罠だ戻れーーーーーーーーー!!!」
マリーン「え!?」
マリーンちゃんがストライフちゃんの声に気付いた時にはもう、マリーンちゃんは
状況がよく分からなくなっていました。
漁夫A「・・・こりゃ人魚か?」
漁夫B「人魚だーーーーーーーーーーーー!!!」
マリーン「・・・あっ!!!」
そうです、マリーンちゃんはまんまとミルザくんに誘導され、投網の中に
入ってしまい、引き上げられてしまったのです!もちろん誘導したミルザくんも
網に絡まっていましたが、レフトハンドソードでさっと網を切り抜け
『サルーインちゃんの石像』を持ったまま近くの船へと
ジャンプして移り、そしてまたマリーンちゃん達二人の前から姿を隠してしまいました。
マリーン「・・・よ、よくもーーー石像を返しなさーーーーい!!!」
マリーンちゃんはぼんっと人間の姿に化け、「網から放しなさい!」と漁夫達に叫びました。
漁夫達は何がなんだか分からなくなっていましたが取りあえず放してしまいました。
ストライフちゃん「よくもはめてくれたなミルザ・・・虫けらめぇ!!
     すでに貨物船は港に着いている!あいつは陸に戻るはずだ!
     マリーン!行くぞ!!!」
275ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:26:20 ID:???

ミルザくん「やっとまいてやったぞ・・・ああサルーインちゃん、僕が君を守るからね!
     (頬擦り)・・・やれやれ、もう夕方だ・・・―!?」
ミルザくんがなんとなしに上を見上げると、岬がちょうど目に付きました。
その岬をミルザくんは目を疑いながら凝視しました。いつも影から見つめていたあの人、
Sっぽいその素振り、その何者にも媚びを売らぬ美しさ・・・
まさしく、その『サルーインちゃん』の姿をした像がそこに立っていたのですから!!


シェラハちゃん「・・・海と聞くと悲しい話が星の数ほどあってどれを話したらいいか
     わからなくなって悲しいわ・・・やっとノースポイント寮の海辺ね!」
ワイルちゃん「ああっあれ!!見てくださいシェラハちゃん、ヘイトちゃん!!」
ヘイトちゃん「ヒイ・・・ヒイ・・・ヘェイトは貧血・・・も・・・駄ぁ目ぶ・・・」
シェラハちゃん「姉さん!!!」
人魚となって泳いできた彼女達が見上げると、岬の上に紛れもない美しさを誇る
サルーインちゃんの石像があったのです!
ワイルちゃん「さ、サルーインちゃんさま!!一体どうしてあんなところに・・・
     美しいからってあんなところに飾るもんじゃ・・・はっ!」
ワイルちゃんはその目に、サルーインちゃんの石像と、もう二つの人影をそこに認めました。
ワイルちゃん「あそこ、あそこ!サルーインちゃんの他に、誰かが二人ほどいます!」
シェラハちゃん「二人と聞くと二人と思ったら一人だったさびしい男の話を・・・
     ああ本当だわ!一体何をしているの?何をしようと・・・まさか!」
ストライフちゃん「お前ら!!!何をしているんだこんなところで!?」
ワイルちゃん「!?・・・ストライフちゃん!?」
陸に上がろうと浅瀬に向かっていたストライフちゃんとマリーンちゃんに、
ワイルちゃん達は出くわしたのです。
ストライフちゃん「・・・しかもその姿は一体!?」
ワイルちゃん「何をしているも何もそんなことよりあれを見て!あれ!」
ストライフちゃん「なんだ!?・・・・あっ『サルーインちゃん』!!?」
ストライフちゃんもサルーインちゃんの石像の姿を認めました。ストライフちゃんは混乱しました。
ストライフちゃん「あれっ?ミルザがすでに貨物船から運んだのか!?・・・
     あの二つの人影はどちらもミルザではない!!」
マリーン「あ、あの〜〜・・・何を言っているの?」
ストライフちゃん「ん?マリーン見つかったぞ!間違いなくあれがサルーインちゃんの石像だ!」
マリーン「・・・・・・・・・はああ???」
ストライフちゃん「ん?・・・だから『サルーインちゃんの石像』を探すのを
     手伝ってくれてただろ?あれがそうだ!!」
・・・・・・
マリーンちゃんは少し考えてやっと事態を・・・自分達の大いなる勘違いのもと
成されていた結託を理解しました。
マリーン「ストライフちゃんのばか!ヒラメ!!やっぱりあのミルザが持ってたほうが
     『ニンフ像』なんじゃないですかああーーーーーああ私はやく行かなきゃ!!」
ストライフちゃん「はあ?ニンフ?・・・あっおい!」
マリーンちゃんは一人で先に陸に上がってミルザくんを探しに行ってしまいました。
276ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:27:45 ID:???
ストライフちゃん「なんなんだ??なんなんだ全く???」
ワイルちゃん「ストライフちゃん、それどころじゃないんですよ!
     あの岬で一体サルーインちゃんがなにがどうなってるんだか」
ストライフちゃん「・・・おお!そうだ、あの二つの人影はなんなんだ?」
シェラハちゃん「それよりはやく!はやく陸に上がらなければ!あそこの崖の
     下は岩のごつごつした『浅瀬』なのよ!!」
シェラハちゃんの言葉にワイルちゃんとストライフちゃんに一つの考え、
―今サルーインちゃんの石像が置かれている状況―がよぎりました。しかし!
ヘイトちゃん「あばばばぶわぁ⇔⇔⇔⇔!!!」
ワイルちゃん「!!!ヘイトちゃん!?」
ヘイトちゃんがなんと溺れかけていたのです!貧血でしかも、沈んでいくうちに
『水龍くん』の鱗が取れて、人魚の姿から戻ってしまっていたのです!
ワイルちゃん「ああっヘイトちゃん!ああっもうこんな時に!!
     ヘイトちゃん!私の鱗を・・・」
シェラハちゃん「(鱗が取れると元に戻る・・・タイニィフェザーの羽・・・!)
     待て!そのまま捨て置け!!」
ワイルちゃん「ええ!?」
ストライフちゃん「シェラハちゃん何を言い出すんだ!?ヘイトを見捨てて
     新しい悲しい話でも作る気か!?」
シェラハちゃん「・・・ひどい皮肉ね・・・皮肉と聞くと・・・ああ違う!!!!!
     違うのよ!そのまま『死にかけ』させなさい!そうすれば、『冥部』にいる
     デス姉さんと連絡が取れる!」
ワイル&ストライフ「!?」

小兄ちゃん「これで・・・いいんですね・・・」
それはノースポイント寮でも一番高い岬・・・その断崖の下は海水に岩が透きとおって
美しい様相をなしています。それ故に、そこから落ちれば恐ろしい、恐ろしい場所・・・。
詩人「そうですとも。そこから突き落とせば・・・海に帰れる上・・・
   『海の中で砕け散ってくれる』んですからね・・・ウコム様も満足されましょう」
小兄ちゃん「俺達・・・俺達家族は・・・本当に幸せになれるんだな・・・!?」
詩人「もちろんですとも!ウコム様はあなたが『その像をここから突き落として』くれた事を
   決してお忘れにならずに恩に報いてくれましょう!」
小兄ちゃん「・・・父ちゃん・・・!」
そう言って小兄ちゃんが一歩踏み出したその時でした。
ミルザくん「待ーーーてーーーーーーーー!!!サルーインちゃんをどうする気だーーーーー!!!」
277ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:28:56 ID:???
小兄ちゃん「なんだ!?・・・サルーインちゃん!?」
詩人「(チッ!)さあ、はやく!あの人は私が止めます」
小兄ちゃん「し、しかし・・・」
マリーン「待ちなさーーーい!!その像を返しなさい、ミルザさーーーーーーーん!!」
小兄ちゃん「はあ!?」
ミルザくんのちょうど後ろぐらいでした。恐ろしく精確なストーキングぶりで
マリーンちゃんがミルザくんの後を追いかけています。
小兄ちゃん「な、なんなんだ!?」
詩人「・・・気にせずにはやくやってしまいなさい、さあ!」
???「まあああああああてえええええええええぇえぇえぇ!!!!」
小兄ちゃん「今度はなんだ!?・・・母ちゃん!?」
詩人「!?」
マリーンちゃんのちょうど後ろぐらいでした。半狂乱の恐ろしい形相をした主婦が、
後ろでなにか止めようとしている小さな子供の制御も聞かず、
サルーインちゃんの石像と彼らの元へ突進してきます!!
母ちゃん「やっと見つけたよ、誰にも渡さないよ、これで大金持ちだよオオォォオォオ!!!」
小兄ちゃん「母ちゃん!!!」
マリーンちゃんにも追いつきそうになったその主婦は!
マリーンちゃん「(チッ邪魔だよ!!!)きゃっ」
マリーンちゃんはこけるフリをしてその主婦に足を引っ掛けました。
母ちゃん「あっ・・・!」
母ちゃんの体が華麗に宙を舞います。
そしてちょうどミルザくんにぶつかりそうになったのです!
ミルザくん「・・・!?く・・・!」
ドカッしかしミルザくんには背後からとはいえその主婦の衝撃に持ちこたえる力はありました。
が、ところが!足を『どこからか転がってきた石』につまづかせてしまったのです!!
ミルザくん「あっ・・・!」
母ちゃん「あっ・・・!」
詩人「(ジャジャーン!)レクイエムの用意ですかね・・・『御三方』の!」


母ちゃん「ああああああああ!!」
ミルザくん「サルーインちゃあああん!!(ガシッ!とミルザくんはサルーインちゃんの
     石像に抱きつきました)サルーインちゃんは僕の命に代えても守る―――――――!!」


278ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:30:14 ID:???

シェラハちゃん「ヘイトちゃん、ちゃんとアヒャ語じゃなくて伝えるのよ!」
ヘイトちゃん「あひゃばばばbgbsyg大丈夫です。私に任せなさ・・・ごぼb」
『デスちゃん!!!』


デスちゃん「―――この冥部にコンタクトをしている死に損ないがいる・・・
     ヘイトちゃんか!?」
『デスちゃん!!そこにラミアが捕らえてありますね!そのラミアの体から
 タイニィフェザーの羽を引き剥がしてください!!』
デスちゃん「何?タイニィフェザーの羽とはどういうことだ!タイニィフェザーがやはり
     裏切りを・・・!?」
『サルーインちゃんを石化させたのはタイニィフェザーの羽の力です!早くなさい!』
デスちゃん「・・・・・!飲み込めたぞ、そういうことだったのか!」
デスちゃんはラミアちゃんから着ているものから何まで引き剥がしてしまいました!


(サルーインちゃん・・・冷たくなってしまって・・・はじめて触れた君がこんなに
 冷たいなんて・・・悲しいことだけど大丈夫・・・僕の命をあげるから
 もう一度暖かくなって・・・僕は永遠に触れられないけど・・・もう一度暖かい君に!)
サルーインちゃん「――――なに!?」
ミルザくん「はっ!?」


抱きついた『サルーインちゃんの石像』は・・・もはや暖かくなっていました。
戻ったのです。タカビーで、自信過剰で、露出狂で、誇り高いサルーインちゃんに!

そしてミルザくんとサルーインちゃんと+αが落ちてゆくときに、ミルザくんの
体からぺらっとはがれたものがありました。ミルザくんは見逃しませんでした。
ミルザくん「―――――――――――――勇者の証よ!!」


279ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:31:38 ID:???

ふわ・・・ふわ・・・
それはそれは巨大な羽が、夕日に照らされて、ふわふわと舞い降りてゆきます。
その端には、背中に母ちゃんを抱え、肩でサルーインちゃんを担いだ
勇者ミルザくんがしっかと羽に掴まっていました!

シェラハちゃん「おお・・・!」
ワイルちゃん「なんという・・・」
ストライフちゃん「・・・美しい・・・」

・・・・・ぽちゃん・・・・・
羽はゆっくりと降りて、ゆっくりと海の浅瀬に落ちました。
ミルザくんとサルーインちゃんと、母ちゃんはもちろん水浸し。
しかし、そこに『粉々になった石像』は、ありませんでした。
ミルザくん「・・・サルーインちゃん・・・?」
サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・」
呆然としているサルーインちゃんにミルザくんはそっ・・・と触れました。
暖かい。
ミルザくんの心にもなにか暖かい・・・いえそれどころか熱いものが湧き上がってきました。
が!


バチーン!!!


ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・」
サルーインちゃん「無礼者!!私に触れたな身の程知らずめ!!しかもこの
     びしょびしょの様はどういうことだ!!あーーーもう今日の猫柄のネクタイまで
     濡れちゃってるわ!!」
ミルザくんは頬にサルーインちゃんのお熱いびんたを受けたのでした。
シェラハちゃん「ね、姉さん・・・」
サルーインちゃん「あ?シェラハ!?一体どういうことなのこれは・・・あんた!
     人魚になってる!えっどういうことなの!?どうやったの!?」
ワイルちゃん「サルーインちゃん・・・」
サルーインちゃん「あっワイルまで!!すごい!どうなってるの!どうやったのねえねえ!
     ・・・あれ?ストライフは普通の水着じゃない。なんで?どうなってるの??
     ・・・あっわかった!海に皆で遊びに来たのに私調子に乗って溺れたのね!
     しかも制服のまま!アハアハハハ嫌だ!全然覚えていないわ!!」
ストライフちゃん「・・・調子に乗るタイプだと自覚出来てたのか・・・」
サルーインちゃん「もう夕暮れになっちゃってるけど・・・ええい!物足りんわ!!
     私はまだ遊び足りないぞーーーーシェラハ!ワイル!ストライフ!
     夜まで海で遊ぶぞアハアハハハハハハハ!(バシャッ!)」
シェラハちゃん「きゃっ!・・・もう、姉さんたら!(バシャッ!)ふふふ!」
そう言ってサルーインちゃんはシェラハちゃん達と水かけっこを始めました。
280ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:33:06 ID:???
じんじんと頬が痛むミルザくんはその光景をぼーっと見ていました。
ミルザくん「・・・まるで子供だ・・・」
いつも影からその麗しい姿を見ていたミルザくん、しかし、今日、今は、
サルーインちゃんの知らなかった一面をはじめて見たのです。
突然くるっと、そんなミルザくんの方にサルーインちゃんが振り向いたので、
ミルザくんはビクッとびびりました。サルーインちゃんは不敵な笑顔で言いました。
サルーインちゃん「お前も一緒に遊ぶか?」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」


ワイルちゃん「あーーーーーーーーーーーーーっヘイトちゃんのこと忘れてああーーーーーー!!!」
ストライフちゃん「しっかりしろ!!救急車だ!!!」
シェラハちゃん「救急車と聞くと・・・きゃーーーーーーごめんヘイトちゃーーーーん!!」
サルーインちゃん「何!ヘイトがどうかしたのか!」
ミルザくん「あ・・・・・・・」
サルーインちゃんは死にかけのヘイトちゃんの方へと走っていってしまいました。
ミルザくんはぽつんと残されましたが、今さっきのサルーインちゃんの一言が
何度も何度も頭の中で響いていました。
そんなミルザくんの後ろでは、母ちゃんに駆け寄って抱きしめあっている小兄ちゃんと子供たちの
家族の姿がありました。岬には、すでに誰の影も見当たりませんでした。


海の中・・・
マリーン「・・・勝手に海に捨ててくれてたのね、ニンフ像・・・これで一件落着ね」
???1「そうね・・・けどなんだか楽しかったじゃない?」
???2「あのミルザって人ね・・・いつかは報われる日が来るといいけどね」
マリーン「・・・ふふっ祈っててあげましょ、海の底から!」

今日もノースポイントの海辺は、風に揺らめいていました・・・第九話おわり
281ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 20:43:34 ID:???
長くなったが終わらせてしまったぜ。次どうぞ
282ゲーム好き名無しさん:2005/07/06(水) 23:28:58 ID:???
いいよぃいょぉぉおおぇおううぅ〜%#アヒャ☆★星ヒャーフヒャヒャ〜
どぅおんどんお話も・り・あ・げ・てってねぇんハート……うふふふフフォヒャハハハフォーーーーウゥゥィェ!!!!※※▼〒§@ウヘェララマッショイ!!!
283ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 00:09:06 ID:FLucO2Wj
お疲れ様!
今回も色々乱れまくって面白かったよ。
しかしエロールどうしても悪いやつに見えちゃうのがなんとも。
284ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 00:54:10 ID:???
お疲れ!うまくまとまったね。
ストライフちゃん大活躍だな。
ミルザ君が一歩前進したか。おめでとう騎士ミルザ
285ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 18:05:42 ID:???
36 公共放送名無しさん sage 2005/07/05(火) 19:10:14 ID:/+WOnQbU
武部、いくらなんでもマスコミ対応するときはきちんとスーツとネクタイつけろよ

92 ぬるぽ女史 ◆IzXu3gqo6w sage 2005/07/05(火) 19:10:55 ID:XZBzYUMT
>>36
何を言う?
全裸にネクタイで初めてネ申スタイルだというのに



なんか知らんけど実況でこんなんあった↑
286ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 19:11:54 ID:???
んじゃあまり長くないのでも書いてみますー
四天王擬人化にチャレンジ
287ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 20:21:12 ID:???
短くするのだぞ。
ところでここ何人くらいいんの?
5人くらい?
288ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 20:52:54 ID:???
ノシ
とりあえず毎日チェックしてる。
投下は一回しかしたことないがw
289ゲーム好き名無しさん:2005/07/07(木) 21:15:42 ID:???
ミニオンスレのおりは色々投稿させてもらったが、こっちに移ってからは
今のところ感想のみだな。
290ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:13:29 ID:???
正直ミニオンスレの時は勘弁してくれよこんなの、
と思ってたが

今は2chのミンサガスレッドでここが一番楽しみだ。
いつか投下できるようがんばる。
291ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:16:22 ID:???
第10話「トマエ火山のモンスター」

イナーシーの一角に、嵐の絶えない場所がある。

???「またしても、失敗してしまったか」
ラミア「うっ・・・ぐず・・・申し訳ありませぇん・・・
あいつら・・・あいつら・・・あたしを裸にしてあんなゴウモン(くすぐり百連発)をするなんて・・・ひっく」
???「ふむ。まぁ敵もさるものだ。そう簡単には済ませてくれぬ。
しかし、サルーインちゃんを滅ぼし、なおかつ四天王の介入を匂わせることで、
人間寮とモンスター寮のバランスを崩すという作戦がこのような結果になるとはな・・・
あのミルザという男、あなどれん。」

そして謎の人物は立ち上がると、塔の頂上から、荒れ狂う海を見下ろして呟きました。

???「しかし、お前は少々調子に乗りすぎたな。ミルザよ。
辺境のリガウ寮にて、その下らない人生に幕を下ろすのだな。ぬっはははは・・・」

嵐の絶えない場所。そこについて知る者は少ない。
なぜならそこは、魔の島なのだから。
292ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:16:58 ID:???
デスちゃん「――という訳だったのだ。なんとかサルーインちゃんも助かった。全く、危ういところだった。」
優雅に川を下る、少し大きめな船の上でデスちゃんが紅茶を飲んでいます。
白骨死体のように白く美しい肌と、大量出血のように赤く美しい唇のデスちゃんが
川の上でお紅茶なんて。とてもファッソナブルで絵になるシーンです。

・・・ここが三途の川でなければ。
なんか川に浮いてるし。全体的にもやかかってるし。火の玉だって飛んじゃってます。まさに秘境。

???「・・・しかし困ったものだ。生徒会長選挙が近づくにつれ、何と言うか、ますます激化してはいないか?
余り派手にやられると、我の部下が巻き添えで被害をこうむりかねない。
ほどほどに、な。」
デスちゃんの向かいに座る人物が、同じく紅茶を一口。
ただこの紅茶は、沸点を余裕で突破しているのか、ゴボゴボと音をたてています。
デスちゃん「おぬしはまだ中立を決め込むのか。おぬしが協力してくれると、とてもこちらは助かるのだが・・・」

その対面に座る男は、
全身から燃え盛る炎のオーラをまとい、竜の骨のような装飾をあしらった服をきておりました。
彼こそ、モンスター4寮長が一人、フレイムタイラント君です。

タイラント君「済まないが、デスちゃんの頼みであれ、それはできない相談だ。
――我々はもう、道具にはなりたくはないのだ。」
デスちゃん「ふん。そう言うだろうとは思っていた。まぁ気にするな。こちらはなんとかしていくさ。
もう一杯飲むか?」
気づくと、タイラント君の紅茶は恐ろしい速さで気化しておりました。
デスちゃんは耐熱手袋をはめ、タイラント君用のポットを取り出しました。

タイラント君「それにしても、その人間・・・ミルザと言ったか。
人間にしては大した男だ。」
デスちゃん「珍しいな。久々に下界に興味が湧いたか?」
タイラント君「そうだな。もし奴が我の所に来たならば、相応のもてなしをしたいものだ。」
そう言って、タイラント君は沸騰した紅茶を再び口にしました。
293ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:17:33 ID:???
ここはメルビル、巨大図書館。
今日も赤貧奨学生のミルザ君は真面目に勉学にいそしんでおりました。
隣ではオイゲン君が本の山を前にゲンナリとしております。
オイゲンくん「なぁミルザ、ちょっと息抜きにでも行かないか?」
ミルザくん「だめだよオイゲン!レポートの期日はもうそこまで来てるんだから!
ただでさえ最近忙しくって、あんまり時間とれなかったのに・・・ぶつぶつ」
オイゲンくん「ちょっとだけちょっとだけ!な!こんな本ばっかの所にいたら息がつまっちまうよ」

ぱさっ

ミルザくん「ん?」
と、ミルザくんの目の前に、どこからともなく1冊の古文書が落ちてきました。
辺りを見回しますが、落とし主らしき人の影は見当たりません。
ミルザくんは不思議に思いつつ、その古文書に目を通してみました。
・・・・・・・
ミルザくん「えーーーーーーーっ!!??あjklsjrぇじゃlkt!!」
突如アヒャったミルザくんに、オイゲンくんをはじめ図書館中の人間の注目が集まります。
ミルザくん「おっ!おいげん!おいげん!おっぱい!おいげん!こっ、これ!これみろこれ!!」
オイゲンくん「だーーーっ!落ち着けミルザ!!」
図書館職員「お引き取りください」
図書館のドアが開くやいなや、二人は蹴り出されてしまいました。


オイゲンくん「いってぇ・・・み〜る〜ざああああ!テメー何やってんだこの」
ミルザくん「この本に糸石のありかが!!!」
と、オイゲンくんの目の前にミルザくんが古文書をひろげました。そこにはこうあります。

『火のルビーのありか:糸石の一つ、火のルビーは、リガウ寮のトマエ火山に隠されている』

オイゲンくん「これは・・・確かにありそうな話ではあるなぁ。」
ミルザくん「ね!信憑性高いでしょ!紙質もかなり古いっぽいしさ!
リガウ寮ならこっから船一本だし!行こう!すぐ行こう!」
オイゲンくん「いや、レポートは・・・」
ミルザくん「そんなもの!愛の前にはちっぽけな問題さ!ペンと紙では愛の方程式は解けないのだ!!」
オイゲンくんは偏頭痛を感じながらも、こうなったらもう止められないと半ば諦めておりました。
294ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:18:11 ID:???
と、物陰から一人の視線が。
ワイルちゃん「またまたメルビルで見かけたから何かと思えば・・・
これはチャンスです!!あぁでも他の皆に連絡するヒマは無さそうですね・・・
仕方ありません。ここは私が一人でいくしかありませんね。
そうすれば、サルーインちゃんからますます信頼を・・・うふふふふ
・・・それにしても、トマエ火山に糸石が?
それならデスちゃんが気づいていてもおかしくなさそうなものですが・・・。」

「ミ〜ル〜ザ〜さんっ」
ミルザくんとオイゲンくんが振り向くと、そこにはワイルちゃんが。
ミルザくん「あ、君はサルーインちゃんの・・・」
ワイルちゃん「お二人とも、これからどちらに行かれるんですか?」
ミルザくん「えっと、これからリガウ寮の方にちょっと。」
ワイルちゃん「丁度良いです!私も一緒に行ってもいいですか?」
オイゲンくん「うん?君も何か用事が?」
ワイルちゃん「あ、私は、えーと・・・薬草。そう!草原に薬草採取に行こうと思ってたんです!」
ミルザくん「そっか。なら一緒に行こう!旅の道連れは多い方が楽しいしね!」
ワイルちゃん「はい!(相変わらず単純ですねこの人は・・・)」


マルディアス学園の外れ、リガウ寮。そしてその玄関口と言える場所、ジェルトンです。
ここは他の寮とは海を隔てて離れており、余り他とは相容れない、独自の文化を歩む寮です。
ミルザくん「うわーー!でっかい火山だなぁ」
桟橋に降り立つと、遠く向こうに、頂から煙をふきだしている赤々とした山が見えます。
リガウ寮の象徴、トマエ火山。
ミルザくん「よし。じゃあ早速火山に行こう!」
オイゲンくん「しかしなぁ。あの山かなーりキツそうだぜ。俺はちょっと遠慮しようかなぁ。」
ミルザくん「えっ!ひどいやオイゲン!ここまで来てそりゃないよ!!」
ワイルちゃん「(確かトマエ火山は、フレイムタイラントくんの支配するモンスター寮でもあったような・・・
下手に刺激するのも得策ではないですね。さてどうしたものか・・・)」

「もっ!!モンスターだああああああああ!!!!」
295ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:18:37 ID:???
突如ジェルトンの入り口の方から叫び声があがりました!
「とっ、トマエ火山からモンスターがあああ!!!」

反射的に3人が声の方向を振り向きます。
入り口にて、小太りの男が半狂乱になって叫び声をあげていました。
そして、その男を乗り越えるようにして、大量のモンスターがジェルトンになだれ込んできます。
突然のモンスターの乱入に、町は絶叫と混乱の大パニックになりました。
ミルザくん「くっ!!」
オイゲンくん「なんだこいつら!!」
ミルザくんとオイゲンくんが剣を抜き、モンスターに向かっていきました。
ワイルちゃん「(え?え?どうなってるの?モンスタークラブの活動連絡は聞いてないし・・・
・・・トマエ火山、まさかタイラントくんの奴が?)」
ミルザくん「危ない!!」
ワイルちゃんの背後から、モンスターが唸りをあげて走ってきます。
ワイルちゃん「邪魔です。」
ワイルちゃんは後ろをろくに見もせずにウインドカッターを放ち、モンスターがはるか上にぶっとばされていきます。
ひゅうっ、とオイゲンくんが口笛を吹きます
ミルザくん「すごいや!!」
と、ワイルちゃんが走り出そうとしました。
オイゲンくん「おい!どこに行くつもりだ?」
ワイルちゃん「トマエ火山です!トマエ火山はモンスター4寮長の一人、フレイムタイラントくんの住処でもあるんです!
こいつらが火山から来たのだとしたら!」
ミルザくんとオイゲンくんは顔を見合わせました。そして。
ミルザくん「ワイルちゃん、ここを頼む。トマエ火山には僕が行く!!」
ワイルちゃん「えっ?いや、行くなら私が・・・」
ミルザくん「いや駄目だ!女の子にそんな危険は任せられない!僕が行く!
オイゲン!ワイルちゃん!お願いだ!しばらく2人で持ちこたえてくれ!」
ワイルちゃん「あ、いや・・・(いや、そんな危険じゃないし。てゆーか、ばっくれて糸石探しのチャンスが・・・)」
オイゲンくん「ミルザ!」
ミルザくん「?」
オイゲンくん「・・・死ぬなよ」
ミルザくん「君達もね。オイゲン!ワイルちゃん!」
ミルザくんはモンスターの攻撃をかわしながら、一路火山へと駆け出していきました。
オイゲンくん「俺は騎士団寮所属、オイゲン!行くぞ!!」」
ワイルちゃん「(うわーん!もうなんでこうなるんですかぁ〜〜〜〜!)」
296ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:19:05 ID:???
ミルザくんは走り続けました。草原の恐竜をかわし、火山のモンスターを避け、
灼熱の空気の中を、溶岩を飛び越えて、一度も休むことなく走り続けました。
そしてついに、最奥部にたどり着いたのです。
ミルザくん「はぁ、はぁ、はぁ・・・ここが、寮長室・・・?」

???「人間が、このトマエ火山の奥深くまでたどり着くとは。
よほどの勇者か、狂人だな。」
突然の声がしたのと、強烈な存在感・・・闘気のようなものをミルザくんが感じたのは、ほぼ同時でした。
ミルザくんの視線の先に、火がゆらめいています。それが徐々に集まり、炎と化し、火柱を成して――――
―――――中から、炎のオーラをまとった男が現れました。片手に巨大な両手斧『君主の大斧』を担いでいます。
???「勇者ならば、相応のもてなしをせねばなるまい。」
ミルザくん「きみは・・?」

???「我が名はフレイムタイラント。このトマエ火山寮に隠れ住むものだ。」

その名前を聞くやいなや、ミルザくんはタイラントくんに切りかかりました。
近づくにつれ、タイラントくんからのプレッシャーが、まるで質量を帯びているかのようにミルザくんを包みます。
歯を食いしばり、タイラントくんの闘気を破るべく、気合を入れて切りかかりました。
しかし・・・ミルザくんがレフトハンドソードを振り下ろす直前、
ミルザくんは炎の盾にぶちあたり、弾き飛ばされてしまいました。
タイラントくん「問答無用か。やはり狂人であったか。」
ミルザくん「・・・隠れ住むだと?ならばなぜジェルトンを襲わせる!」
タイラントくん「待て、どういう事だ。・・・ふむ。なるほど。
だがこのトマエ火山には、我の支配する火山寮のモンスターと、そうではないモンスターがいる。
襲っているのは、我の管轄外のものだろう。」
それを聞いて、ミルザくんはへたりこんでしまいました。
ミルザくん「そんなぁ・・・じゃあどうやってモンスターを止めたら・・・
オイゲンが・・・ワイルちゃんが・・・」
タイラントくん「・・・やはり貴様は勇者だったようだ。
わかった。ジェルトンを襲っている者達はなんとかしよう。
我の指示だと誤解されては、余計な軋轢を生むしな。」
そう言うと、タイラントくんは歩き出しました。ミルザくんが慌てて後を追おうとしましたが、膝から崩れ落ちてしまいました。
タイラントくん「無理はするな。人間の身でここまで来たのだ。相当消耗しているはずだ。」
そう言うと、タイラント君が手をかざしました。暖かな炎が、緩やかにミルザくんを包みます。
タイラントくん「生命の炎だ。しばらく休めば回復する。
友人が心配だろう。我は先に行く。回復したら近道を通って来い。
通路の使用を許可する。
――そういえば、まだ名前を聞いていなかったな。」
ミルザくん「騎士団寮の、ミルザだ。」
タイラントくん「そうか、貴様が・・・。」そう言うと、タイラントくんは出口へと歩いていきました。
297ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:19:45 ID:???
ジェルトンの町では狂騒が続いておりました。
オイゲンくんとワイルちゃんが背中合わせで戦っています。
その二人を囲むように、じわじわとモンスターの包囲が迫っておりました。
ワイルちゃん「(そろそろヤバいですね・・・どうやって逃げようかしら)」

タイラントくん「待て、モンスターども。」

モンスターの動きがぴたっと止まりました。モンスター達が明らかに落ち着きを失っているのが見てわかります。
ジェルトンの入り口に、一人の男が立っていました。
ワイルちゃん「あ!タイラントくん!!なんでこんなことを!!」
動きが止まったモンスターをさっ、とすり抜けて、ワイルちゃんが詰め寄りました。
タイラントくん「我は全く指示を出していない。我は生徒会選挙にも興味もないし、加担するつもりもない。
それに、このような無法をするつもりもない。」
そう、空気を振るわせるような声で主張しました。そして走りよってきたワイルちゃんに向かって小声で、
タイラントくん「貴様の狂言ではないのか?」と問い掛けました。
ワイルちゃん「冗談言わないで下さい!こっちだって訳がわからないんですからっ!!」
確かに、ワイルちゃんが戦いで負った傷は、狂言などとは無縁だと物語っています。
オイゲンくん「ミルザは!ミルザをどうした!?」
タイラントくん「奴は今休ませてある。大した人間だ。貴様は良い友を持ったな。」
オイゲンくんの顔が安堵にほころびました。

タイラントくん「と、するとだ。これを先導した何者かがいるはずだ。
我の配下以外のモンスターをただ寄せ集めただけでは、こう計画的にはいくまい。」
そしてタイラントくんは辺りを見回し・・・
タイラントくん「貴様か。」
突如タイラントくんが走りながら左手をかざしました。
左手から放たれた炎が細いムチとなり、桟橋からこっそり船に逃げようとしていた人間に巻きつきました。
最初に「モンスターが来た!」と騒いだ小太りの男です。
炎が巻きつき、黒い煙をあげます。と、もがく男の様子がかわりました。
男が焼け焦げた皮膚をかなぐり捨てるように脱ぎ、ピンク色の肌の醜悪な怪物が中から現れたのです!
バルバロイ「おっ、おのれぇ!まさかタイラント、貴様が出てくるとは・・・」
タイラントくん「見ない顔だな。貴様、どういうつもりだ?」
バルバロイ「くっそおおお!・・・いや、いくら4寮長といえど、この人数にはかなうまい!
おいお前ら囲め!タイラントをぶちのめして、リガウ寮を支配するチャンスだぞ!!」
すると、とまどっていたモンスターが下卑た笑いを浮かべて、桟橋の側、海岸に集まってきました。
タイラントくんは哀れみと諦観の混じった目で辺りを見回しました。

タイラントくん「やれやれ。結局こうなる始末か。仕様が無いな。降りかかる火の粉は――


――――払わねばなるまい。」

298ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:20:20 ID:???
ミルザくんが草原を必死に爆走していました。
ミルザくん「あーもう休みすぎちゃったよ!みんな無事かな?」
と、向こうから、砂煙をあげて何かが爆走してきました。
ミルザくん「・・・うわっ」
それは、ジェルトンを襲っていたモンスター達でした。
皆一様に恐怖を顔にはりつけ、本能の従うままに、逃げ帰っていきました。

ミルザくん「オイゲン!ワイルちゃん!無事だったかい!?」
ミルザくんがジェルトンに着いたときには、すでに町は平静を取り戻していました。
二人とも怪我の治療を済ませたところです。
ワイルちゃん「おかえりなさいミルザさん!火山の奥まで無事にたどりつけたんですねっ!」
オイゲンくん「ようミルザ。なんとか生き残れたぜ。助かったよ。ありがとうな。」
ミルザくん「よかった!二人とも無事で本当によかったよ!
タイラントくんの説得がきいたんだね!!もうタイラントくんは帰っちゃったのかな?」
それを聞いて、オイゲンくんがちょっと言葉につまった後、こう告げました。
オイゲンくん「説得よりも、もっと判りやすい方法さ。ほら、見てみろ」
ミルザくんは、オイゲンくんに連れられて海岸まで来て、息を飲みました。

桟橋や岩は木っ端微塵に吹き飛び、大地がえぐれ、そこかしこから黒い煙がくすぶっていました。
まるで局地的に戦争でもしたのか、もしくは爆弾を落としたかのように、
凶暴な破壊の爪あとが、ただそこには残されておりました。

オイゲンくん「見た目は人間っぽいが。確信したよ。ありゃあ、間違いなく・・・化けモンだ。」
オイゲンくんが青い顔をして語る言葉を聞きながら、オイゲンくんは目の前の光景に、ただ黙るしかありませんでした。


「おかえりなさいませ。フレイムタイラント様。いかがでしたか?」
タイラントくん「ぬるい。ぬるすぎる。あれでは火の粉にすらならぬな。」
そしてタイラントくんは、先ほど、疲労の極みでありながら鬼気迫る勢いで切りかかったミルザくんを思い出しました。
タイラントくん「たしかに大した男だ。奴とは、また会う日が来よう。
――――剣を並べるのか、それとも突きつけるのかは判らぬが、な。」


ワイルちゃん「ミルザさん、そもそもリガウ寮には何しに?」
ミルザくん「ふふん、これを図書館で見つけたのさ!!」
ミルザくんはワイルちゃんに古文書を見せました。しかしワイルちゃんは絶句し、苦みばしった顔で告げました。
ワイルちゃん「ミルザさん・・・これ、真っ赤なニセモノですよ・・・」
ミルザくん「ええええええっ!?そんな!ばかな!!紙だって古代のっぽいよ!!」
ワイルちゃん「それが問題なんですよ。いいですか。これが古代の紙に書かれたものならば
・・・なんで私たちが使ってる言葉で書いてあるんですか?」
ミルザくん「・・・あ。」
ワイルちゃん「それにこれ、筆ペンで書いてありますよ。ほら。」
オイゲンくん「あーーっ!にじんでる!!
コラ・・・ミルザ・・・完全に徒労じゃねーか!!レポートどうするんだよーーーー!!」
ミルザくん「は、ははは・・・はーーーーーーーーーーーーーーん!!(涙)」

彼らの試練は、まだまだ続く。――――第10話終わり
299ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 01:24:50 ID:???
予想以上に長くなっちまいました。ごめんよ母ちゃん。
ついに先生を擬人化してもうた。今はやっちゃった感に打ち震えています。
では次どうぞ
300ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 11:12:20 ID:???
>>299
乙!
擬人化は気にしなくてもいいと思う。
その方が動かしやすいしな。それに俺の頭の中には、
普段→人の姿
力を開放→例の姿
という脳内設定が出来上がってるw
301ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 11:47:24 ID:???
かかかかっこいいー!タイラント君!誰か絵にしてくれー!
デスちゃんとの船上お茶会も萌えたぜ!耐熱手袋のデスちゃん燃え萌え!1!
乙ですた!!11!
302ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 13:26:41 ID:???
ダンスパーティーの所で出そうな雰囲気出してるのに
結局フェードアウトしたバーバラワロスww

それはそうと、お疲れ様。
タイラントかっこええな。
よーし、俺も書くぜー。超シリアスで
303ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 16:14:01 ID:???
>>290
でも、ミニオンスレのあれこれがあったからこそ今がある。
始祖たちに感謝。
304ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 18:58:22 ID:???
そういえば、デスちゃんだけ喋り方男っぽくないか?
ワイルちゃんはすごい女の子らしいのに。
305ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:32:07 ID:???
>>304
仕様。特に誰かが決めたわけじゃないけど、自然と今の形になった。
306ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:32:38 ID:???
タイラントくん「ところで―――」
今日もまた、タイラントくんとデスちゃんは三途の川で
優雅なアフタヌーンティーを楽しんでいました。
タイラントくん「死人にくちなしとも・・・
        そうだな、死人は現世に強い後悔があれば化けて出ると言うな。」
タイラントくんが紅茶を手に持ちながら神妙な顔つきで言います。
対面に座るデスちゃんが、真っ赤な唇をゆがませ笑います。
デスちゃん「なんだなんだ?死をよく知る私に
       そんな俗話をして・・・何が言いたいんだ?」
タイラントくんは、懐からぼろぼろになった一枚の紙を取り出し、デスちゃんに見せました。
タイラントくん「この顔に見覚えがないか?
        学園創立史上最悪の騒乱を起こしたあの・・・」
デスちゃんはその紙、学園新聞を見て、顔つきを変えました。
デスちゃん「まさか・・・まさかあの時―――」


ストライフちゃん「あ、ああ、あああ・・・」
いつものように寮の自室の郵便受けに入っていた学園新聞を見たストライフちゃんは、
顔を青くして新聞を床にぽとりと落としてしまいました。
ワイルちゃん「ストライッフちゃ〜ん♪たまには二人だけで食事でも・・・ん?」
小走りで来たワイルちゃんは、ストライフちゃんのただならぬ様子に首を傾げました。
ワイルちゃん「ちょっと何固まってんのストライフちゃん?」
ストライフちゃんの顔を覗き込むワイルちゃん。
ストライフちゃんは、何も言わずに自室にばたんと入り直してしまいました。
ワイルちゃんの頭の中に疑問符が浮かび上がってきます。
その次の瞬間、ワイルちゃんは床にぽつりと落ちている学園新聞に気がつきました。
学園新聞を拾い上げるワイルちゃん。
新聞を見たワイルちゃんは、小さく「あっ」と声を上げ、驚きました。
ワイルちゃん「この人ってもしかして・・・」
307ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:34:26 ID:???
モーロック「もうこいつは駄目だな。」
ラミア「今度はフレイムタイラントだってさぁ〜。まぁ、アレが相手じゃ仕方ないわね。」
黒こげで昏睡しているバルバロイくんの周りを、モンスター達が囲んでいます。
ラミア「まったくもぅ〜なんなのよ!将魔たち叩き起こして仇取っちゃう?」
モーロック「今はまだ寝かせといてやれよ。いつかその時も来るさ。」
デーモンコマンド「呼んだか?」
リザードロード「何かね?」
ラミア「ぎゃっ!将魔!」
背後から突然やってきた黒い悪魔ととかげ戦士に腰を抜かすラミアちゃん。
リザードロード「何だ、君起きてたのか?」
デーモンコマンド「それはこちらのセリフだ・・・で、マスターはどこだ?」
リザードロード「外。なんだ、用があるのか?」
デーモンコマンド「ふふ、面白い物が流れ込んできたのでな。報告しなくてはならぬと思ってな・・・」
リザードロード「報告?」
懐から新聞のようなものを取り出し、リザードロードくんに見せるデーモンコマンドくん。
新聞を見たリザードロードくんは、くくっ、と小さく笑いました。
リザードロード「なるほど、死人か。」
デーモンコマンド「そう。死人だ。あははは・・・」
ラミア「ななな、なんです?話に参加させてくださいよ将魔のお二方・・・」
おずおずと二人に近寄りながら、新聞を覗き込むラミアちゃん。
モーロックくんも便乗して新聞を覗き込みます。
二人とも大した反応をせずに首を傾げました。
ラミア「誰です、この陰険顔・・・?」
デーモンコマンドくんとリザードロードくんは、交代交代に言いました。

リザードロード「その昔、俺たちのために色々はたいてくれた奴さ。」
デーモンコマンド「人間の癖に我らの仲間に入りたいと言う奇異な奴だった・・・」
リザードロード「実力もあった。度胸も、邪心も、十分にあった。」
デーモンコマンド「人間であるのが不思議なような奴であったな。」
リザードロード「名前もまた人間らしくないんだなこれが・・・」
デーモンコマンド「そう。奴の名は・・・」
308ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:36:26 ID:???
ミルザくん「ふぁぁ〜〜〜うあうあうあうあうはぁ〜〜〜〜〜〜ぅん・・・・・・・」
超がつくほどの大あくびをしながら、ミルザくんは目覚めました。
いつものように寝ぼけまなこをこすり、
いつものように寝グセがピンピンしている髪の毛を掻きむしり、
いつものようにパジャマから学生服へ着替え、
いつものように学園新聞を取ってぱらぱら読みを・・・

ミルザくん「あああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!????!!!?????」

騎士団寮中に、ミルザくんの叫び声が響き渡りました。
それほどミルザくんにとってショックのでかい記事が新聞には載っていたのです。
オイゲンくん「おい、馬鹿ミルザ!朝からうるさいぞ!!ごきぶりでも・・・」
ミルザくん「ちょっとちょっとオイゲン!見てこれ見て見て!!」
興奮しながらオイゲンくんに新聞紙を押し付けるミルザくん。
オイゲンくん「な、なんだよ馬鹿!なにが・・・って、ええ!?」
新聞紙を見た瞬間、オイゲンくんの顔色がさぁっと変わりました。
新聞を神妙な目つきで見つめるオイゲンくん。
オイゲンくん「はんっ・・・まさかあいつ、こんな事までしちゃうとはな・・・」
新聞紙をミルザくんに手渡しざまにそう言うオイゲンくん。
ミルザくん「うん・・・僕、信じられないよ・・・まさかあの病気のせいで・・・?」
困惑した顔つきと声のミルザくん。

新聞紙には、『フロンティア、闇夜の殺人事件!!』と書かれています。

オイゲンくん「まさかこんな平和な学園で『殺人』なんかが起きようなんてな・・・しかも犯人はあいつ・・・」
ふぅとため息をつきながら部屋の中をうろうろするオイゲンくん。
ミルザくんは、新聞をひたすら凝視しています。

新聞紙には、彼らのよく知っているようで知らない『顔』が載っています。

ミルザくん「ねぇ、フロンティアに行ってみようよ。何か手がかりがつかめるかもしれない・・・」
ミルザくんのその提案に、オイゲンくんは無言で頷きました。
オイゲンくん「・・・じゃあ、部屋で着替えてくるから・・・ここで待っててな。」
そう言ってミルザくんの部屋を出ていくオイゲンくん。
ミルザくんは、オイゲンくんがいなくなってからも新聞を、その中の写真を、ずっと凝視していました。
そして、独り呟きました。

ミルザくん「なんで君がこんな事を・・・?」



ミルザくん「アルドラ・・・」
ワイルちゃん「ダーク・・・?」
デスちゃん「ダーク・・・!」
リザードロード、デーモンコマンド「ダーク!!」
309ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:36:51 ID:???
それは二日前に遡る―――

アルドラ「はぁ。今日もまた激安の食事に激安の宿か・・・」
南エスタミル寮を一人歩くアルドラちゃん。
通る人通る人みなアルドラちゃんを避けていきます。

思えば、騎士団寮から放寮されたあの日から、毎日空しい日々を過ごしている。
通る人皆から避けられ、かつての女友達からも避けられ。
寝る時は常にミルザくんの事を考え、起きてからもミルザくんや楽しかったあの頃を考えて。
毎日毎晩切なさと空しさに胸を締め付けられ。
涙を流して。嗚咽を漏らして。
何一つ満たされない日々。

こんな姿になる前は、どうだったろう?
通り過ぎる男ほぼは必ず自分に目を取られていた。
女友達も沢山いて、毎日のように一緒に遊んでいた。
ウィザードとしての才能も、他の人達と比べ飛びぬけていた。担当の教師を唸らせたほどだ。
あの頃は、すべてが上手くいっていた。全てが円満だった。
ミルザ・・・いつも自分の近くにいた・・・いつも見ていられた・・・

ガチャン

アルドラちゃんは、南エスタミル寮の自室に戻りました。
また日も暮れていません。しかし、アルドラちゃんはすぐに布団にもぐりこみ、目を閉じました。
瞼の裏に、全てが上手くいっていたあの頃の風景が浮かんできます。
もうあの頃に戻れないとは分かりつつも、いや、分かるからこそ思い出すのです。
騎士団寮のいつもの風景。既にいつもではなくなった風景。
友達。教師。喧騒。授業。
ミルザ・・・
アルドラちゃんは、思い出の中を彷徨ううちに眠りに落ちてしまいました。
310ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:39:41 ID:???
「お前は・・・誰だ?」
こんな声は聞いたことがない。
いや、私の声だ。
だけど、私の声じゃない。
じゃあ、誰の声だ?
「あんたこそ誰だ。」
言い返す。
そうだ。これが私の声だ!
「まぁ、正直そんな事はどうでもいいんだがな。まずは礼を言っておこう。ありがとう。」
「ありがとう?だからあなたは誰・・・」
「まぁ、いいじゃないか、そんな事はどうでも。いや、待てよ。
そうだな・・・俺は、お前だ。」
「はぁ?」
「お前も俺。俺もお前、なんてな。ふはは。」
聞いたことない声の主。
妙に低い声だ。男?残念。俺は女だ。ならこいつは俺じゃない。
「冥府の風景はもう見飽きた。そろそろ外を見たいと思っていたところなんだ。
冥部のバカがおずおず門を開いてくれたのでな。おかげで外に出る事が出来た。」
冥府?
それ・・・死後の世界じゃないか。
「何を言ってるんだあんた?」
「俺にも主がいる。俺はそいつの為に働かねばならん。
悪いが、お前の体を貸してもらえないか?」
何を言っているのかよく理解できない。
「何を言ってるんだあんた!体だの、貸してだの・・・ふざけるのも大概に」
「しばらく見せてもらったがな、お前生きている価値はあるのか?」

え?

「毎日お前何をしている?やる事はあるのか?授業には出ているのか?誰かと話しているのか?
身だしなみは整えているのか?遊んでいるのか?風呂には入ってるのか?」
「黙れ・・・!」
「人生に何のビジョンも持たぬクズめ。生きる理由も意味も楽しみもないのに無駄に生きながらえてどうする?
何と見苦しい事か。ああ、腹立たしき愚かの極みよ。」

「全部、お前のせいじゃないかっ!!!!!!!」

そうだ。こいつは俺の体を乗っ取ったもう一人の俺。
俺の人生を急変させた、もう一人の俺。
そうだ。こいつが・・・こいつが・・・
「お前のせいで俺は・・・全てを失ったんだ・・・友達も・・・居場所も・・・人を愛する権利も・・・
何が『愚かの極み』・・・っ!このやろう!!」
俺は力いっぱい叫んだ。
「おっと、俺に恨み言を言うのはお門違いだ。どこかのバカな冥部の番人に言うのならともかくな・・・
だが、俺はお前から離れる気はない。なぜか分かるだろう?お前を・・・」

「死ねっ!!」
311ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:41:02 ID:???

アルドラ「わぁっ!」

ガシャン!!

アルドラちゃんは、咄嗟にベッドから飛びのきました。
その次の瞬間、ベッドは破壊されていました。
困惑した目つきで、ベッドを破壊したその人物を見つめます。

・・・仮面?仮面をかぶっている。
右手に小さめの剣を持っている。あれでベッドを壊したのだろうか。なぜ?
・・・いや、ベッドを壊しにきたのではない。俺を、俺を殺そうとしたんだ!!

男「死ね!」
再び仮面の男はアルドラちゃんに向かって剣を振り下ろしました!
アルドラ「きゃっ!」
ごろごろ転がり避けるアルドラちゃん。
アルドラちゃんが避けたと認識した男は、またもやアルドラちゃんに向けて剣を振り下ろします。
アルドラ「なんで襲ってくるのか知らないけど・・・こんな所で殺られてたまるかっ!!」
アルドラちゃんは、男に向かって手を突き出しました。
手から紫色の電流が放出され、男の体に巻きつきました。
男「ぐぎゃっ、ぎゃあ・・・」
バチバチと音を立て、数秒後、男は床に倒れました。
はぁ、はぁ、と息切れしながら倒れた男を見るアルドラちゃん。
アルドラちゃんは、荷物を手に取ると、すぐに宿を出て、あてもなく走り出しました。

アルドラ「なんでいきなり殺されそうにならなきゃいけないんだ・・・?
      俺が何をしたって言うんだ!!」

気がつけば既に夜。外には誰一人として通行人がいません。
先程の騒ぎのせいで、異様に静かに感じます。
アルドラちゃんは、あまりの静かさに、安心して走るのを止めました。
気がつけばそこは、クジャラートから遠くはなれ、既にフロンティアのニューロードの一角に差し掛かっていました。
アルドラ(結構走ったな・・・)
座り込むアルドラちゃん。
足が棒のように動きません。息切れもとても激しい。
しかし、座り込んでいる暇はありませんでした。
312ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:41:55 ID:???

「見つけたぞ。奴だ!」
「今度こそ殺すんだ!これ以上俺らの自由を奪われるわけには行かない!!」

さっきの仲間の奴らだろうか。
みな仮面をかぶり、手には武器を持っている。
・・・10人くらいいる。みな、一斉に俺に向かってくる。
みな、武器を持って・・・
俺を殺そうとして・・・!!
アルドラ(駄目だ、足が疲れて・・・動かない・・・!)
足がまるで棒のようになって動かない。
・・・なんで、なんで殺されなければいけないんだ。
俺が何をしたって言うんだ。
何で殺されなければいけないんだ。
死にたくない、死にたくない、死にたく・・・

何で?
誰からも避けられ、顔も醜くなり、碌な生活も出来ず、ミルザにも会えず、
死にたくない?

な ん で ?

死んでも良いんじゃないのか?
むしろ死んだほうが良いんじゃないのか?

10人ほどの男が武器を片手に向かってきます。

ああ、もう自由にするがいいさ。
お前らが俺に何の恨みを持ってるか知らないけど・・・
存分に恨みを晴らすが良いさ。
ああ、そうだ。死んでもいい。
これ以上空しさに・・・切なさに耐えるのは・・・いい加減無理だ。
ああ、そうだ。死んでもいい。いや、

死 な せ て く れ 。



ぷつん


313ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:42:52 ID:???
次の瞬間、10人の中の一人は、全身黒コゲで床に倒れていた。
もうぴくりとも動かない。・・・確実に死んでいる。
仮面をかぶった男達は、たじろぎ、動きが止まった。
「く・・・何て事を・・・」
「貴様ぁーーー!!」
仮面の男の内二人が逆上し、剣を構え突撃する。

「ヘルファイア。」

突撃してきた二人の仮面の男は、一瞬にして燃え尽きた。
「ひゃ、ひゃああ!!」
「ひぃぃぃ・・・・・・」
一斉に逃げ出す仮面の男達。
仮面の男を殺した『男』は、呟いた。

「あーあー・・・わめきやがって雑魚どもが・・・
せっかく久々に娑婆の空気を吸えたって言うのに・・・
救いようのない連中だ。」

「ぎゃあああ!!」
「あぎゃあああ!!」
仮面の男が、一人、また一人と燃え、倒れていく。
「あ、ああ・・・あああ・・・」
仮面の男はほぼ倒れ、その場にまだ立っている仮面の男は、一人だけになった。
314ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:44:58 ID:???
仲間を殺したその男を、腰を抜かしながらも、激しくにらみつける仮面の男に、『男』は近づいていった。
男「お前らアサシンクラブの連中だろう?いまだにサルーインの下僕だかの下で働いているのか?」
落ち着き払った調子でそう言う男。
仮面の男「そ、そうだ!アサシンクラブはサルーイン様の為のクラブ。
      昔みたいに、お前に支配されるわけにはいかないんだ!」
男「支配?何の話だ?」
仮面の男「とぼけるな!我らアサシンクラブを暗殺の道具に使いやがって・・・」
男「それで何が悪い。アサシンクラブをあるべき姿に直してやっただけだ。」
仮面の男「そもそも何故貴様生きているんだ!事故で死んだんじゃないのか!?」
男「地獄の底より蘇った・・・って理由でいいかな?」
仮面の男が、歯を食いしばる。
仮面の男「・・・またアサシンクラブを支配するのか・・・?」
男「当たり前だ。」
仮面の男「罪もない生徒達を恐怖におびえさせ、殺そうというのか!」
男「当たり前だ。」
仮面の男「・・・ッ!貴様の目的は何だ・・・何故このような事をするつもりがある!」
男「・・・主君の為だ。」
仮面の男「主君・・・何が主君・・・!学園全体を支配しようとでも言うのかっ、ダーク!!」
男は・・・ダークは、くくっと笑うと仮面の男に向かって手を突き出した。
仮面の男「なっ・・・」

ボォン・・・

ダーク「その通りだ。」

ダークは、ぱんぱんと服の汚れを落とすと、一人くくく、と笑い出し、呟いた。
ダーク「まさかこのような時が来るとはな。この女に感謝しておかなければな・・・
    まずは、アサシンクラブの本部に殴りこみに行くとするか。
    その後、アサシンクラブの者どもを洗脳し・・・マスターに連絡を・・・」

カシャッ!

突然の光。
ダークは驚き、辺りをきょろきょろ見回した。
カシャッ!
もう一度光。
・・・草陰から、何人かの生徒がダークの写真を撮っていた。
気がつけば、3、4人、どんどん生徒が増えてくる。騒ぎを聞きつけたのだろうか。
ダーク「くそっ、俗民どもめ。すぐにこの場を離れなければな・・・」
ダークは、恐ろしいスピードで一瞬にして姿を消してしまった。
315ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:46:33 ID:???
サルーインちゃん「ん〜・・・この香り・・・この味・・・どれも最高であるぞ・・・」
ストライフちゃん「それ・・・実はそこら辺の自動販売機で買ってきたやつなんですけど・・・」
サルーインちゃん(ブッ)「な、なんだとぉ〜〜!?」
ストライフちゃん「いや〜、サルーインちゃんの味覚を試したまでで・・・」
ヘイトちゃん「サルぅーインちゅわぁんったらもう★★★
        味分からないくせに高級なの飲んでるのねへぇぇ〜〜ン♪★◎!@!!♪」
サルーインちゃん「黙れっ!うっわ、マズっ!この紅茶、マズっ!」
ヘイトちゃん「もう遅いしぃぃ〜〜■▲○&%あひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwww
        ださださるーいんちゅわぁぁ〜〜〜ン(はぁと)」
ストライフちゃん「おいおい、言い過ぎじゃないのか・・・?」
サルーインちゃん「・・・・・・(ぴきぴきぴき)滅びる覚悟はできたか・・・?」
ヘイトちゃん「う・・・(や、やり過ぎちゃったにおい・・・?)」
ストライフちゃん「もうし〜らないっと・・・」
シェラハちゃん「これは悲しい話リストいきね・・・うふふふふふふふふふふふふ」
ヘイトちゃん「ひ、ひへぇぇぇ〜〜〜∇Å★〜〜〜〜w$%○!!∇G★☆」
サルーインちゃん「ぐおおおああああああああ(以下略)」

サルーインちゃん「・・・で、ワイルとデス姉はどこに?」
ストライフちゃん「さぁ・・・なんか冥部で二人で話してるみたいだぞ。」
シェラハちゃん「冥府というと悲しい話を・・・」
サルーインちゃん「ふ〜ん、何を話してるの?」
ストライフちゃん「さぁ・・・そこまでは・・・」
シェラハちゃん「悲しい話だったりして。」
サルーインちゃん「ふ〜ん。あの二人がねぇ。冥部で何はなすのかねぇ・・・
           ああ、そういえば今日の新聞見た!?」
ストライフちゃん「・・・見たけど。」
シェラハちゃん「悲しいわよね。殺人なんて久しぶりに聞いたわ・・・」
サルーインちゃん「あたしあの写真の奴に見覚えあるのよね〜。どっかで見たことあるような気がする・・・
           そんな気しない?」
ヘイトちゃん「はぁぁ〜〜いい★V&△!!ヘェイト話しかけたことありむぁ〜〜・・・」
サルーインちゃん「黙ってろ下郎!!」
ヘイトちゃん「はぅぅっ・・・!」
ストライフちゃん「・・・・・・汗」
ヘイトちゃん(・・・あたしって不憫・・・)
サルーインちゃん「で、話を続けるが・・・あいつに見覚えないか?」
シェラハちゃん「ある訳ないでしょ。なんで姉さんが見覚えあるからって私達が見覚えなきゃいけないの・・・」
ストライフちゃん「私・・・ある。見覚えどころの話じゃないが・・・」
サルーインちゃん・シェラハちゃん「!」

ストライフちゃん「奴の名前はダーク。アサシンクラブを乗っ取った男だ。」
316ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:47:03 ID:???
デスちゃん「人間とは思えないほどの邪心・・・人間とは思えないほどの魔力・・・
       アサシンクラブの誰もが奴には逆らえず、嫌々従っていたのだ。
       奴はアサシンクラブを使って殺した人間たちをある所に送っていたらしい。」
ワイルちゃん「ある所?」
ここは、デスちゃんの管理する冥部の最深部。
灰色の空の下で、ワイルちゃんとデスちゃんが話し合っています。
デスちゃん「その『ある所』というのは、私も詳しくは知らない・・・
       とにかく、この学園の裏にはとてつもない野望が潜んでいると見て間違いないだろう。」
神妙な顔つきでそう言うデスちゃん。
ワイルちゃんは、混乱したような顔つきのまま、言いました。
ワイルちゃん「でも、彼は事故で死んだんですよね?何で生きているんですか?」
デスちゃん「・・・確かに、やつはシェラハが入学するその1年前に、崖から転落して死んだ。
       しかし、ある拍子に生き返らせてしまったんだ・・・」
ワイルちゃん「生き返らせた?」
ワイルちゃんが首を傾げます。
デスちゃんは下を向いたまま言いました。
デスちゃん「数ヶ月前の事だ。お前、一度この冥部に来たよな?」
ワイルちゃん「ああ、ハイ。確かに一度・・・」
ワイルちゃんは、数ヶ月前冥部の門をくぐりデスちゃんと話した事を思い出しました。
デスちゃんが話しを続けます。
デスちゃん「本当に愚かな事をしてしまったと、今は反省している。
       アルドラという女・・・あの女を利用してミルザの足を引っ張らせようという作戦だったな・・・
       結局作戦は失敗。逆手に取ろうとするつもりが、あの女、予想以上に利口で結局使い物にならなかった。」
淡々と語るデスちゃん。
ワイルちゃん「それが・・・どうかしたんですか?」
デスちゃん「私はあの女子生徒を呪いの姿、精一杯醜い姿にしてやろう、と言ったのは覚えているな?」
ワイルちゃん「はぁ。覚えていますよ。・・・そういえば、まだあの女の子の醜くなった姿、
        一度も拝んでないなー。見に行こうかなー」
デスちゃん「私は、あの女を『ダーク』の姿にしてしまったのだ。」
ワイルちゃん「えっ!」
ワイルちゃんが短く叫びます。
デスちゃん「しかも・・・愚かな事に・・・そのダークの魂までも、あの女に押し付けてしまった・・・!」
ワイルちゃん「えーーーーーーーっ!?じゃあ全部あんたのせいじゃないですかっ!」
口を限界まで開けて、大声で叫ぶワイルちゃん。
デスちゃんは、顔をゆがめました。
デスちゃん「そうだ。全て私の責任なのだ・・・ちょっとした手違いだった・・・おかげで、ダークが再び『蘇って』しまった・・・
       ああ、けがれた魂がぁぁぁぁぁぁ」
デスちゃんが頭を抱えます。
ワイルちゃん「まさかミルザくんの足を引っ張るために用意した兵器が、
        私達の敵になって帰ってくるとは・・・
        ・・・・・・どうします、デスちゃん?戦いますか?」
ワイルちゃんがそう言うと、デスちゃんは立ち上がり、壁にかけてある鎌を掴みました。
禍々しい模様をした鎌です。
デスちゃん「勿論戦う。私が蒔いた種だ・・・私が狩らなければならん!」
ワイルちゃんは、ふふっ、と一度笑うと、立ち上がり、デスちゃんの横に並びました。
ワイルちゃん「私もご一緒させていただきますよ。」
317ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:49:07 ID:???
『あー・・・聞こえますかマスター!ついにこの声を貴方に聞かせる事が出来ました・・・
長い間音信不通ですいません!!』
???「ふん。死んだと聞いていたが・・・今更蘇って何のつもりだ?」
荒れ狂う海を見下ろしながら、背中に謎のビンを背負った男は独り言のように呟きます。
『もちろん、汚名を挽回しようかと。つまらない事故で死んでしまって・・・不覚・・・
ですが、もうあんなヘマはいたしません。必ず貴方の役に立ちます!』
???「なるほど。ならば、30の人間の死体をわしの元へ送ってくるのだ。
     そうすれば、再びお前をわしの部下として迎え入れよう・・・
     それまでは、わしは一切お前に協力もせんし、関与もせん。」
『さ、30人・・・!?それだけでいいのですか・・・?あ、ありがたき幸せ!
では、頑張らせていただきます!』

リザードロード「30人なんて、甘いですねマスター。」
???「甘い?確かに奴にとっては甘いかも知れぬな。ぬはは・・・
     3日も経たん内に、ここに30の死体が集まる事だろう。
     これまた便利な男が蘇ってくれた・・・ぬはははは・・・」
ラミア「30?30って甘いの?どこがやねん!」
モーロック(しーっ!あんまり大声出すな腐女子!)

???「さぁ、わしは貴様の働きをここより見ているぞ!」


第11話『ダーク』
318ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 19:50:37 ID:???
はい、ここまで。ちょっと長かったかな。とりあえず誰か続けてクレー。

・・・なんか凄い話になっちゃったぞ・・・
アルドラが関わると自然にシリアスになっちゃうなー。
今までの話から見ても
319ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 22:27:25 ID:???
>>318
おつかれ〜
シリアス(・∀・)イイ!
ああ、ついにダーク出たか。俺も明日投下しようと思ってたんだがorz
まぁダークはギャグ路線よりシリアスなほうがいいよな。俺が考えたのはネタキャラだったしw
ところで、
「汚名→返上」
「名誉→挽回」
な。
320ゲーム好き名無しさん:2005/07/08(金) 22:52:58 ID:???
>>319
正直スマンカッタ…
これもリレー小説のサガか。
ところで汚名挽回って本気で間違えちゃったなあ。
修正ありがとう。
321ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 07:19:44 ID:???
>287
遅くなったが、同じく感想専門の俺もいる
322ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 09:28:07 ID:???
>>318
乙!なんか話がでっかくなってくるのは好きだ
イイヨイイヨ〜!よっしゃ続き書いてみるね
>>319
ネタっぽいのも読みたかったなあこれがリレー小説のサガか・・・
323ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 11:39:59 ID:???
>>322
ストーリーが落ち着いた時に外伝として投下して見るよ。
消すのもったいないしなw
324ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 11:52:23 ID:???
>>318
乙!ダークかっけえ!!ひろしマジ外道だーw
しかしついにデスちゃんが動くか。デスちゃんの生命の刈り取りハァハァ
お疲れ様〜
>>323
外伝楽しみにしてるよー 読めるものは多いほどイイ!

しかし、ウェ・・を出した人はいいセンスしてるよなー
本編でのミニオンみたいな役割を担ってくれるから使いやすいわー
ベースの話がありながらも予想外に話が進む、それがリレー小説のサガつーか、楽しみだよな。
325ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 12:20:08 ID:???
そろそろ保管庫の時期か?まだか・・・
326ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 12:51:58 ID:???
>292
デス→タイラントが「おぬし」で、
タイラント→ですが「デスちゃん」なのが超ツボ
327ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 17:37:17 ID:???
>>322
まだ〜?チンチン(AA略)
328ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 18:02:54 ID:???
>>327
ごめん!もうちょっとで出来る!
329ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:04:26 ID:???
マルディアス学園を一望する高きのスカーブ山。
また、タイニィくんの寝床である頂上に人影が一つ。
タイニィくん『何の用だ、エロールちゃんの・・・いやお前は!』
タイラントくん「久しいな、相変わらずの大きく見事な翼だ、タイニィよ」
竜骨と共に燃え盛る炎のオーラをまとった・・・それは人間の姿をしていましたが、
まさしく四寮長が一人炎のフレイムタイラント君だったのです。
タイニィくん『これは珍客が来たものだ!しかもそのような窮屈な格好をしてまでとは嬉しいことだ。
     残念なことに何のもてなしも出来ないがな。さて遠来からの珍客よ、早速用件を聞こうではないか?』
タイラントくん「いやすでにもてなしは受けている。ここからの眺めの素晴らしいことよ!
     まあこんな窮屈な姿にも慣れればなかなか良いものだぞ。どうせお前もしなければならない」
タイニィくん『何?』
タイニィくんは一瞬巨大な翼の動きをぎこちなくさせました。
タイラントくん「緊急事態、生徒会長から召集命令ということだ」
そう言ってタイラントくんはぺラリとエロールちゃんからの召集状を見せました。
タイニィくん『・・・何を言う?つまりお前は、エロールちゃん側の勢力となると腹を決めたわけか?』
タイラントくん「二度言うが、緊急事態だ。お前も来れば分かることだが言っておこう、
     これはエロールちゃん側とサルーインちゃん側どちらにも等しく協力するという形になれる」
タイニィくん『一体どういうことなんだ』
タイラントくん「お前の羽を風に乗せて、水龍、そしてアディリスにも伝えるのだ。
      ・・・さあ、では説明するとしようか」


サルーインちゃん「再びこの男の支配の手が及んだと、そういうわけなのか・・・?」
新聞をじっと見つめて、サルーインちゃんは誰かに問いかけるというより独り言のように呟きました。
ストライフちゃん「アサシンギルドクラブは私の管轄だった・・・
      アサシンギルドクラブを乗っ取られるとは私の責任だ。処分は覚悟している」
サルーインちゃん「待たないかストライフ!私がお前のこの失態を拭って欲しいのは
      お前の考えているような方法でではないわ!私が求めるのは今まで以上に、
      この過失以上の成果を得んがために全ての力を私に捧げることだ!!」
ストライフちゃん「・・・・・・・・・・・私の全てはサルーインちゃんの為に」
サルーインちゃん「分かればよい!・・・まあさーアサシンギルドクラブが乗っ取られたところでさー
      どうってことないでしょ!あれなんかさーなんか暗いオタクども限定会員制の
      私のファンクラブみたいなもんだったしさーアハアハハハアハ」
シェラハちゃん「・・・人が死んでいるのよ姉さん・・・まあ私は慣れてるけど・・・」
ヘイトちゃん「あひゃばひゃはやそれも悲しい話ですわねぇえぇええええ☆★◎」
シェラハちゃん「はっ・・・知らないうちに悲しい話がまた一つ出来ていたのね・・・!
      人が死ぬのも慣れてしまった超絶黒髪の美女の話・・・!メモ!メモッとかなきゃ」
そんなこんな話を4人がしている内に、冥部の最深部からデスちゃんとワイルちゃんが上がってきました。
その顔つきには言い得ぬなにかがありました。
サルーインちゃん「あらデス姉!今日のディナーはどうす・・・ちょっと!コラ無視かよ!」
シェラハちゃん「空気読んで姉さん・・・空気と聞くと悲しい話を思い出すわ・・・
      超盛り上がった合コンで超空気だった男子大学生の話」
ストライフちゃん「あんたが空気を読めよ」
330ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:06:13 ID:???
デスちゃん「サルーイン、シェラハ、迷い子となった穢れし魂が落ちていくように決着をつけねば
      いよいよ穢れていってしまうものがある。落とし前は常に己がつけねばならない」
ワイルちゃん「私も同罪の者。共に参ります」
サルーインちゃん「・・・!待ちなさいよ勝手にかっこつけちゃって私達は・・・」
デスちゃんとワイルちゃんはサルーインちゃんの言葉も聞こえぬように冥部の扉まで
毅然として歩いていきます。デスちゃんが扉に手を触れたその時でした。

コンコン・・・

ノックの音。この冥部を訪れるような者などそうそういません。ふいのことに
デスちゃんも驚いて竦んでしまいました。
そして扉が開いたのです。そこには・・・・・・・!

エロールちゃん「いることはもちろん分かっていましたが無作法を。一刻を争う事態なので。
      あなた方も私と同じような心境といった顔をしていらっしゃいますしね」
デスちゃん「生気あるものがここに何をしに来た!・・・はっつい癖で!・・・」
サルーインちゃん「・・・エロールちゃん!」
エロールちゃんとサルーインちゃんの瞳と瞳が合います。エロールちゃんはすっと目を逸らし、
機械的なまでに淡々と、そして威厳を持って話し出しました。
エロールちゃん「ご存知の通り真のアサシンギルドクラブが復活を遂げたと見てよろしいでしょう。
      ご存知の通り、私はこの学園の全てを愛するもの。無論捨て置くわけには行きません」
サルーインちゃん「それでどうした!こうなるまで阻止できなかった私達をなじりにきたか!」
エロールちゃん「私一人の力では無理です」
サルーインちゃん「え?」
エロールちゃんは目を細め、なんとも言えぬ表情でサルーインちゃんの方へと手をかざしました。
エロールちゃん「私とあなた方が手を組まねばならぬ時が来たということです」


第12話  『ダーク2・・・休戦協定』


サルーインちゃんは眉をひそめ見開いた目でエロールちゃんのかざされた手を見ていました。
しかしパン!と振り払いました。
サルーインちゃん「フン!お前みたいな天然腹黒と手を組むなんてはーい崖から落としてくださーいと
      言ってるようなものだわ!」
エロールちゃん「私はあなた方の力を借りたいのですよ」
デスちゃん「・・・して聞こうか。借りたいといったからには策があるようだが?」
サルーインちゃん「デス姉ー!!」
331ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:07:20 ID:???
エロールちゃん「策とは大仰でも少しばかりの考えはあります」
ワイルちゃん「(自覚ありの謙遜ですね・・・はあ〜)聞きましょう」
エロールちゃん「お待ちを。力を借りれるかまだ確定していない時点でお話することは当然出来ません」
ヘイトちゃん「あひゃー抜け目のないことだなァひゃひゃwztww」
ストライフちゃん「それでこちらに信用してもらえると思っているのか?」
シェラハちゃん「信用と聞くと信用の置けない銀行を思い出すわじゃなくて
      なにかしら信頼できる証を見せてもらうのも当然のことよね・・・?」
エロールちゃんは温かみのない微笑をサルーインちゃん一同に返しました。
エロールちゃん「これが信頼の証になるかはわかりません。しかし少なくともあなた方のメリットに
      なることと私は存じておりますわ、四寮長!」
みんな「なに!?」
冥部の門が再び開かれると、そこには四人――少なくとも人間の形をしていました――の姿がありました。
竜骨をあしらい静かな炎に包まれているフレイムタイラントくん。
毒々しく七色に移り変わる翼を背に持ったタイニィフェザーくん。
水のように流れる髪とつむぎ合わせた鱗を纏った水龍くん。
生きているかのような六つの龍をあしらった服を着たアディリスちゃん。
中立を守り、その口を固く閉ざし姿を隠していた四寮長がそこに集結していたのです。
デスちゃん「なんと・・・!」
エロールちゃん「彼らは協力を惜しまぬと言ってくれています。戦力としてこれほどのものは
      ないと思いますが・・・・・・?」
水龍くん(おい、私達はエロールちゃんとサルーインちゃんが一時休戦するならば、との
     条件をつけているはずだぞ!話が違う!)
タイラントくん(黙っておけ、その方が波風を立てずすみやかにことが運ぶだろう)
タイニィくん(流石はエロールちゃん、とでも言っておこうか。嘘も方便とはよく言う)
アディリスちゃん(サルーインちゃんがつけてるあのネクタイ貸してくれないかなー)
サルーインちゃん「・・・・・・なるほどな!よくもぞろぞろとお供を引き連れてきた」
エロールちゃん「彼らの力とあなた方の力をあわせることで影のごときアサシンギルドクラブを
      出し抜くことも出来るでしょう。手を組めば情報源は十分、実戦力は十二分になるでしょう」
サルーインちゃん側一同は顔を見合わせました。サルーインちゃんは目を鋭くしました。
サルーインちゃん「・・・手を出せ!」
エロールちゃん「はい?」
サルーインちゃん「もう一度手を出せと言っている!」
言われてエロールちゃんは、再び手を掲げました。パン!サルーインちゃんはその手の平を叩きました。
サルーインちゃん「これでいいな!決定だ。いま少しばかり手を組むぞエロールちゃん!わかったか!」
デスちゃん「サルーインちゃん・・・」
エロールちゃん「・・・ありがとう」
サルーインちゃん「では早速聞こうではないか?策とまではいかないらしいお前のほんの考えというものを!」
332ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:08:41 ID:???

彼ら総勢11名は作戦会議のように冥部の円卓に座り、話を始めました。
水龍くん「アサシンギルドクラブは活動開始して間もないがすでに綿密な計画は立てており、
     すでに動き始めている。次のターゲットはもはや決まっているのだ」
ストライフちゃん「ターゲット?奴らは誰彼構わず死を与えていく組織だと思っていたが」
タイラントくん「それは素地が出来てからのこと。まずは体制を完全なものにしようと彼らは考えている」
デスちゃん「それで次のターゲットとは誰なのだ。もう情報を手にしているのだろう」
水龍くん「無論。ウハンジだ」
ワイルちゃん「ウハンジ!」シェラハちゃん「クジャラート舎の寮長の?何故」
エロールちゃん「ウハンジ寮長は問題も多い人ですが統率者として確かな人物なのです。
      彼が取り仕切っているからこそ盗賊ギルドクラブは大きな顔は出来ずほそぼそと活動しています。
      彼がいる限りクジャラート舎はなかなか崩れないでしょう。
      このように彼がいるとアサシンギルドクラブの拠点のあるクジャラート舎から
      侵食していくのは面倒が多くなるというわけです」
タイニィくん「アサシンギルドクラブにとってウハンジ暗殺など造作もないことだ。だからこそ急を要する」
アディリスちゃん「じゃあ護衛をいっぱい送ろう!」
水龍くん「あほのこアディリス!護衛すら気付かずに息の根を止めていくのが奴らなのだ!」
ヘイトちゃん「ここで策が必要となってくるわけねえぇえA!!!」
サルーインちゃん「そうそれで・・・エロールちゃん?さあさっさと聞こうか。耳はいつでも貸せるのだぞ!」
サルーインちゃんの性急な言葉にもエロールちゃんは微笑んでいました。
エロールちゃん「・・・・・・ダーク・・・に乗っ取られる前の人格は『アルドラ』という娘だとか」
デスちゃん「・・・そうだ。私がお前の用意したミルザの対抗策として使った娘だ」
サルーインちゃん「はあ?なにそれ、なんのこと?」シェラハちゃん「いいのよ姉さんは知らなくて」
エロールちゃん「私はその『アルドラ』という娘に賭けるつもりなのです」
デスちゃん「・・・まさかだろう。すでに乗っ取られてしまっている人格に何が出来る?」
エロールちゃん「では彼女は死にましたか!魂が引き剥がされてあの肉体はもはやダークのものですか?」
デスちゃん「・・・しかし言おう、それは策でもなんでもない賭博だ!」
サルーインちゃん「ちょっとちょっと、話がよく分からなくなってきたんだけど、なんか二人だけで
      了解しあってない?今はウハンジ暗殺阻止の話だろう?だよね?」
エロールちゃん「・・・失敬。ではまずウハンジ暗殺阻止のための私の意見を述べましょう」
全員が息を呑んでエロールちゃんを見つめました。
瞳を閉じたエロールちゃんは、ゆっくりと目を開くと、言いました。
エロールちゃん「まずはミルザです」


ミルザくん「はあー南エスタミル寮ってあっつい!」
バイトでたまたま南エスタミル寮に来ていたミルザくんはパブにぷらっと立ち寄りました。
ミルザくん(うっ酒クサ・・・)
この街全体に対してミルザくんが思っていたことではありますが、なにかむわんとした空気が
漂って、騎士団寮の清涼な感じなど微塵もないのがミルザくんにはそれは苦でありました。
ミルザくん「ちょっと何か飲んだらすぐ出よう・・・」
ワイルちゃん「ミルザさん!ミルザさんっ!」
ミルザくん「ん・・・ん?ワイルちゃん?」
振り返ると、はあはあと息を切らしたワイルちゃんがいました。
333ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:09:56 ID:???
ミルザくん「どうしたの?こんなところで会うなんて奇遇だねー、ぼく野菜配達のバイトで」
ワイルちゃん「私はミルザさんを探してたんですよーう!!やっと見つけた・・・はあはあ」
ミルザくん「僕を探してたって?あっ!!!あ、あの・・・さ、サルーインちゃ・・・元気・・・・?」
ワイルちゃん「〜〜〜〜〜〜〜〜ちょっとこっち来て下さい!!!」
ミルザくんはワイルちゃんに思いっきり引っ張られて、人気の少ない裏路地まで連れてこられてしまいました。
ミルザくん「な、なんなんだよーどうしたの本当に!なにか用があるの?」
ワイルちゃん「そうですよ!実は・・・」
ワイルちゃんはミルザくんの耳にそっとささやきました。
ミルザくん「はあ!!??クジャラート舎のウハンジがあんさムグっ」
ワイルちゃん「・・・衝撃の秘密を知った時に大声で内容全部いっちゃう癖を何とかしてください・・・
      (ワイルちゃんがミルザくんの口を抑えたのでした。)決行はおそらく今夜!」
ミルザくん「今夜だって・・・!ど、どうするんだ!?」
ワイルちゃん「どうするか、をミルザさんに頼みに来たんじゃないですか!
      ウハンジ寮長を守ってください。必ずです!その為に私たち・・・あ、いえ私秘密に
      入れるルートを見つけたんですから!水龍の住まう神殿へ通じている排水口です。
      水流の神殿に入りそこから水道を通って排水口から寮長の宮殿に出てください。
      そしてこれが宮殿内の見取り図です。ウハンジ寮長は護衛を殆どつけないことで有名ですから、
      (なにかやましいことがあるんでしょうけど)気をつければ何者にもあやしまれずに
      ウハンジのいる部屋までいけます。そっと入り込み、ベットの下でもなんでも影の射すところに身を隠し、
      暗殺者が来たら倒すのです!」
いきなりの長い説明にちょっと混乱しながらも、ミルザくんはワイルちゃんの話の概要を把握しました。
ミルザくん「・・・わかった!・・・これ嘘じゃなくて本当の話なんだよね?」
ワイルちゃん「嘘なもんですか!きっと影ながら悪を阻止したミルザさんのことを知ったら
      サルーインちゃんったら惚れ惚れしちゃうと思うな〜〜〜〜・・・」
ミルザくん「はうっっっ!!!・・・フォウ!!僕、絶対頑張るよ!!じゃあ早速水龍神殿だーー!!」
正義感で愛の騎士ミルザくんは水龍神殿へと疾走して行きました。
ワイルちゃん(・・・まだお昼くらいなんだけどなあ・・・まず、第一段階終了っと)

夜が更けていました。北エスタミル寮の宮殿の会議室では討論が長引いていました。
ウハンジ「だからタルミッタ寮との折り合いは!!」
ウハンジ寮長のこうした指導者としての声は威厳あるものでした。
ミルザくん(・・・やれやれ・・・会議が長引いてるらしい。これでウハンジの部屋に
      難なく忍び込めるかな・・・)
ワイルちゃんの言うとおりにやり、すでに宮殿内にミルザくんはウハンジ寮長室前の数少ない護衛を
手刀で気絶させた後、見えないような場所まで引きずっていき、その上でウハンジ寮長室へと入り込みました。
ミルザくん(ベットの下って言ってたかなワイルちゃん・・・そこでいっか)
ミルザくんはベットの下に滑り込むと、指でぷすりとシーツに穴を開け、外の様子が見えるようにしました。
ウハンジ「なんだ!!護衛が一人もいないじゃないか!くそっあいつらさぼりくさって!」
先程の会議が上手くいかなかったのでしょう、癇癪気味の声でバン!と乱暴に扉を開けた
ウハンジが入ってきました。「こんな日はあの子を呼ぶ気にもならない」などとぶつぶつ言っています。
ミルザくん(・・・結構夜も深くなってきたな・・・)
ウハンジは下にミルザくんの隠れているベットに入りました。・・・やがて、寝息も聞こえてきました。
334ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:14:01 ID:???
ミルザくん(やばい・・・僕も眠くなってきちゃったかも・・・)
眠くなってきたミルザくんでしたが決して見逃しませんでした。霞のような何かがあまりにすばやく
ベットに近づいてきたのです。ミルザくんはベットの下からレフトハンドソードをのばして切りつけました。
???「っっっ!!」
ミルザくん「ちょうどすね辺りに入ったな!しかし声を上げないとは本当にプロなわけだ!」
もはや隠れる必要はありません。ミルザくんは躍り出て暗殺者に乗りかかり押さえつけました!
ウハンジ「ん・・・ん〜・・・?」
ミルザくん「まだ目が覚めていないな、衛兵!!衛兵いないのか!不審者を捕らえたぞ!
      ああ、さっきいっぱい気絶させちゃったから・・・・」
ミルザくんの声に、衛兵が二人駆けつけてきました。
ミルザくん「来たか!あの、この不審者がウハンジ寮長を・・・」
衛兵1「あなたですね、ウハンジ寮長を暗殺しようとしたのは」
・・・一瞬ミルザくんには言葉が理解できませんでした。
ミルザくん「は?あの、いや僕じゃなくて、僕が押さえつけてるこいつ・・・」
衛兵1「そいつは衛兵です!」
ミルザくん「ええっ!」
『そいつは衛兵です』と言われてミルザくんは飛びのいてしまいました。衛兵のもう一人のほうが
すばやくその『衛兵』を連れて行きました。
衛兵1(『それ』の後始末はたのむぞォ〜ストライフ!)
衛兵2(お前もちゃんと変装癖でうまくやれヘイト!)
ミルザくんはしどろもどろになりながら残った衛兵になにか言い訳をしようとしましたが、うまく言葉が出てきません。
ミルザくん「違うんです!僕はあの、暗殺者が来るとワイルちゃ・・・い、いや!」
衛兵1「暗殺者の情報はたしかに入っていたのだ!ここまでどうやって入った、他の衛兵を気絶させたろう、
    何よりその左手に持つ凶器!!大変だーーーーーーー!!!暗殺者だーーーーーーーーーーー!!!!」
ウハンジ「んんっ!?・・・・なにっ!?」
ミルザくん「!!!ちっちがう!!」
その大声に大量の衛兵達が駆けつけて来ました。ミルザくんは弁解しようと必死でしたが・・・!
衛兵「暗殺容疑で逮捕する!!!」
ミルザくん「!!!ち、ちがう、本当に違うんだーーーーーーーー!!!」
そうしてミルザくんは連行され、地下牢へと連れられていきました・・・。
衛兵1(イッヒヒィ・・・逃げようとすれば逃げられるのに、自分が無実だと主張しようとするのは
     わかっていたさあ真っ直ぐなミィルザ!さて・・・第二段階終了だなァヘイトちゃん☆ヒヒヒ!)

ミルザが暗殺容疑で捕らえられた!
このニュースは学園中に驚きと共に広まりました。
〜メルビル寮〜
ワイルちゃん「あのモンスター退治で有名なミルザが暗殺!暗殺未遂で逮捕ですよ〜!?
      信じられませんよね!しかもあの恐ろしい『地下牢』に入れられてるとか・・・!!」
〜クジャラート舎〜
ストライフちゃん「われらが寮長・ウハンジがミルザによって暗殺されそうになったのだ!!
      ミルザは今恐ろしい『地下牢』にいる!!当然の裁きだ!ミルザは裁かれろ!!」
〜騎士団寮〜
ヘイトちゃん「あのパーティでの英雄・ミルザがクジャラート舎で暗殺未遂事件を起したのですよ!
      騎士団寮の恥ですね!しかし恐ろしい『地下牢』とは同胞として哀れなものです」
335ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:15:15 ID:???

ミニオンちゃん(さあ広まれ・・・!ミルザは『暗殺者』となってしまった!そして『地下牢』にいる!)

オイゲンくん(・・・ミルザ・・・一体どういうことなんだ・・・!?)

サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・」
エロールちゃん「お顔がすぐれませんねサルーインちゃん」
ミルザくんの醜聞がどんどん広がっていく中、ミニオンちゃん達以外の同盟者達は冥部で待機していました。
サルーインちゃん「・・・フン!エロールちゃんのほんの考えで一気に転落したわけだミルザって奴は!
      人を助けてやったら、捕まり、牢に入り、名誉は地よりも下に落ちてゆく!
      惨めなものだなミルザよ!恨むならエロールちゃんを恨むがいい!」
エロールちゃん「ミルザくんが本当に欲しいものは名誉なんかではないのですよサルーインちゃん?」
サルーインちゃん「ええい何をごちゃごちゃ言っている!私は、お前のその聖人面しながら・・・
      結局なにもかもを利用しているところが大嫌いなのだ!!」
デスちゃん「やめないか、サルーインちゃん」
サルーインちゃんの激昂にもエロールちゃんは顔色一つ変えず、他の同盟者達の方が心配そうな顔をしていました。
タイニィくん(雲行きがあやしいではないか、ここで亀裂が入ったらもっとややこしいことになる)
タイラントくん(・・・こんなことで亀裂が入るようでは、サルーインちゃんもエロールちゃんも
      生徒会長としての器ではないということだ)
エロールちゃん「作戦は成功していますよ?ウハンジは殺されずに済んでいます」
水龍くん「はっきりいうが、こんな誤報がこれだけ広がっていればアサシンギルドクラブはこれから
     もっと動きやすくなるぞエロールちゃん?ウハンジだって次すぐにでも狙われるだろう」
エロールちゃん「それは問題では・・・いえ、作戦はまだ進行中です」
たしなめるデスちゃんをも振り払いなおサルーインちゃんの憤怒はエロールちゃんに向かいます。
サルーインちゃん「あくまで道具に過ぎないものを愛しているとのたまい欺く!!
      潔く道具だと認めていればこれだけ虫唾が走ることもないものを!ミルザとてお前にとっては
      一つの道具にしか過ぎないのだろう!こんな境遇に追いやってもお前は今も微笑んでいる!」
エロールちゃん「道具がただの道具のままでいるかは道具自身が決めることです」
サルーインちゃんは次に出る言葉を失ったというように口を閉ざしました。エロールちゃんは
瞳を閉じてすこし息をついた後、目を開き再び話し出しました。
エロールちゃん「私の賭けはこれからです・・・餌は上等不足なし・・・これでやってみましょう、
      必ず・・・・・・・・」
四寮長達は覚悟を決めた顔をしており、デスちゃんはサルーインちゃんだけでなく所々で
悲しい話をしようとしだすシェラハちゃんをたしなめるのに必死でした。サルーインちゃんは厳しい表情をしていました。
サルーインちゃん「・・・・・・それでも、私はお前のやり方が絶対に気に食わん!」
エロールちゃんはサルーインちゃんのほうへ目をやりました。
ほんの一瞬だけサルーインちゃんの瞳とエロールちゃんの瞳が合います。
この一瞬こそ、二人が永遠のライバルである証明でした。
336ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:16:18 ID:???

暗く、黒いその一室・・・蝋燭の炎さえ恐怖しているかのように揺れています。
ダーク「・・・失敗して、こういう事態になったわけか」
アサシンA「はい・・・どういうことだか我等の邪魔をしウハンジを助けたミルザとか言う」
ダーク「うるさい!!!」
アサシンA「は・・・っ!?」
ダーク「・・・い・・・いや・・・続けろ」
アサシンB「・・・その騎士団寮の生徒が犯人として地下牢に入れられてしまったとか。
      滑稽な話です・・・」
ダーク「・・・・・・・成る程な・・・私が目覚めてまだ間もなく、アサシンクラブの
    基盤はいまだ確固たるものになってはいない。そいつは上手く利用できそうだな・・・
    ウハンジはいつでも消せる。しかし今は待て、再び混沌の学園を作るために用意がいる」
アサシンA「・・・まさかダーク様!」
ダークはマントを翻し、一瞬でその場から消えていました。


・・・ぽちゃん・・・ぽちゃん・・・
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・み・・・・・ず・・・・・・」
ここはミニオンちゃん達が懸命に皆に吹聴していた『地下牢』。裁判があるまで、という
名目上で入れられてしまったミルザくんがいました。手を後ろで縛られています。ぽちゃん・・・と
水の滴る音が聞こえるのに、ミルザくんは二日も水を飲んでいません。ぽちゃんという水の滴る音は、ミルザくんに
渇きをいっそう想起させるだけの苦痛の音でした。ミルザくんはうずくまった体をさらにちぢこめました。
ミルザくん(大体どうしてこんなことになったんだろう?・・・ワイルちゃんから聞いて僕は
      ウハンジ寮長を助けようと思ったんだった・・・ワイルちゃんが僕をはめたのか?
      いや実際に暗殺者は・・・あれが『衛兵』だと衛兵であるその人が言ったんだ・・・
      僕の大きな勘違いで衛兵の人を傷つけてしまったから暗殺者だと間違われてしまったのか?
      ・・・・・ちがう!あの足取り、霞が通り過ぎるようなあの足並みはただの衛兵であった訳がない!
      その証拠にウハンジ寮長はいまだ生きている、僕があいつを阻止したんだ・・・
      ・・・ここの人たちはそれを僕が暗殺をしくじったからだと思ってるけど・・・ああ)
考えることすら苦痛でした。ここには苦痛しかありませんでした。ミルザくんは、どんなに貧乏な時にも
輝きを失わなかった目すら、今は乾いてほんの少しの光もありませんでした。
今彼の暗闇に覆われてしまった心の中で輝きはただ一つのものでした。
ミルザくん「・・・・・・・・・・サルーインちゃん・・・・・・・・・」
その時でした。カツカツと足音が聞こえ、ミルザくんは大きく身震いをしました。牢番だ!
いまだにミルザくんは無実を主張し続けていました。牢番はそんなミルザくんをしたたか打擲し、
真実を吐かせようとするミルザくんにとって恐怖そのものでした。真実しか僕は言っていないのに!
牢番はミルザくんの牢の前で立ち止まり、深く帽子を被って目が隠れたその顔をまっすぐミルザくんに向けました。
牢番「こっちへ来い!鉄格子のほうまでだ!」
ミルザくんは言われたとおりにしました。二日なにも飲食していないミルザくんの鈍った頭では
気付きませんでしたが、そんなことを言われたのは初めてでした。いつもは鍵を開けて入ってくるのですから。
ミルザくんが鉄格子で隔てられただけで牢番と触れられるだけの距離に来た時、
牢番はぐいっとミルザくんの頭を引っ張りました。ミルザくんはああまた拷問かと思ったその時!
ミルザくん「うっ!?」
一瞬何が起こったか理解できませんでした。口に何かをあてられ、頬を伝っていくこの感触は・・・水だ!!
ミルザくんは何がなんだか理解する前にごくごくとその水を飲みました。
その間に目に涙が溜まっていくのがいくのが分かりました。
???「おいおい折角飲ませてやった矢先から水を外に出すことはないだろう?泣くなんてよしなよ!」
ミルザくん「あ・・・ああ・・・その声は・・・・・・オイゲン!」
337ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:17:32 ID:???
ばっと帽子を脱ぎ捨てると、そこには確かに親友オイゲンの不敵な笑顔がありました。
ミルザくんは親友を前にして目に輝きを取り戻し、元来利発なその頭も徐々に働き始めました。
ミルザくん「オイゲン!確かにオイゲンだね!ああ・・・!・・・いや、感極まってる場合じゃないんだ、
      君どうやってここまで来たんだい!牢番に成りすますなんてばれたらことだぞ!
      しかももちろん僕を救い出しにきたんだろうが、今そんなことをしたら君まで重罪人だ!」
オイゲンくん「はっはせっかくの感動の再会に冷や水かけるな!それでこそミルザだ!
      まず俺はウハンジ寮長を守るためとの名目で騎士団寮から特使として派遣させてもらった。
      おれがハイリンヒ寮長に頼み込んだんだ。大丈夫、彼もお前の無実を信じてる。
      それでここクジャラート舎ときたら今までウハンジ周りの警備がずさんだったってのも手伝って
      厳重すぎるほどに衛兵をウハンジの方に回してる。馬鹿だねやつらは、ことが起こってからでは
      そんなこと無駄な費えだというのに!まあそれはいい、そのお陰で他はまるでおざなりだ。
      俺は特使ということで丁重な扱いを受けてね、残虐な暗殺者の脱出を防ぐため地下牢の警備に当たりたい
      と言ったら見事地下牢の警備に配置された。そして地下牢に入り込めたってわけだ。
      お前を探してたらこれ以上奥に入ることは禁じられていますってこの服を着てた奴が言ったから、
      蹴っ飛ばしてやってきた!ついでに服と、水も頂戴してきたがね・・・しかし肝心のこの牢の鍵が
      まだ見つかっていない、奴は身に着けていなかった」
ミルザくん「恐らく必要な時だけ持ち出す隠し場所があるんだろう」
オイゲンくん「今すぐ出してやれないのは実にくやしい・・・しかしあと数日俺は特使としてのまま
      このクジャラート舎に居座る。その間に必ず救い出す道を見つけ出す!」
ミルザくん「―――――――――オイゲン避けろ!!!!」
ミルザくんの一声にオイゲンくんは体を即座に逸らしましたが、それでも痛みも感じない間に肩がパックリと
深く切られていました。びちゃあと血が噴出します。
ダーク「その必要はない。そいつはここから出してやるさ、俺がな」
ミルザくん「・・・・アルドラ!?」
ダーク「うっ!?」
恐ろしいほどの敏捷さのダークの動きが一瞬鈍りました。そこをオイゲンくんが短剣でつこうとしましたが
それは一瞬のこと、すぐに避けられてしまいました。
ダーク「無駄なことをするな、親友は出してやると言っているんだぞ・・・」
オイゲンくん「おいおい俺はあんたを見たことあるぜ?アルドラ!!新聞にまで載って一躍有名人
      じゃないか、ええ!?真相は知れてるんだよ!ウハンジ暗殺未遂も、お前に何か関連が
      あるんだろうが!人殺しが!」
ミルザくん「・・・・人殺し!?」
新聞を見ていないミルザくんにはオイゲンくんが何を言っているのか分かりませんでした。
オイゲンくんは肩を抑えていましたが、どくどくと血が流れていきます。
ダーク「その名で呼ぶなあ!!すでにそいつはもういない、俺はダークだ・・・」
ミルザくん「ダーク!?なにを言っているんだよアルドラ!!」
ダーク「・・・・く・・・・・・・!」
何故か、ミルザくんに『アルドラ』と呼ばれるとなにか頭がくらりとして視界がねじれます。
338ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:19:35 ID:???
ダークは頭を何度も振りました。
ダーク「黙れ!黙れぇ!『暗殺未遂の残虐な囚人』よ、まずお前をこの牢から出してやる、
    お前はこの牢から脱走するのだ・・・死体となってな!」
オイゲンくん「なに!?」
ダーク「恐ろしい囚人が脱走したことで学園中は恐怖におののき、これから全ての殺人は
    『恐ろしき脱獄者』の所行となる!お前の存在は殺人の象徴となるのだ!
    それを隠れ蓑に我らアサシンギルドクラブはこれから先邪魔になる要人達をまず片付けていく、
    全てはお前の仕業となってな!学園中がお前を再び捕らえようとするだろう、しかし無理なのだ、
    俺が今お前を消してしまうからな!そうしてまずは体制を整える、再びアサシンギルドの
    興隆のため、そして我が主君のため・・・!」
ミルザくん「何を言っているんだよアルドラ・・・アルドラ!アルドラだろう!?
      アルドラ、どうしてしまったんだよ・・・殺すとかそんな・・・そんなこという奴じゃなかったはずだ!!」
ダーク「うううっ!!!うう・・・だまれ・・・黙れ、黙れ、黙れ、黙れぇ!!俺は―――!!!」
???「そこまでですね、アサシンギルドクラブの支配者、ダーク」
ミルザくん「!?」
???『ミルザくん、オイゲンくん、そこから下がれ!!』
訳もわからずその威厳ある声に二人が従うと、炎が宙を舞って―――炎を纏った竜骨のモンスターが
ミルザくんのいる牢屋の鉄格子をかみつきで引きちぎりました!
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・これは・・・・!」
タイニィくん「久しいな、勇者よ、さあここから出ろ!」
ミルザくん「あなたは・・・!?あっ!?・・・タイニィフェザーさん!?」
ワイルちゃん「ミルザさん!!ああ、こんなに痩せこけて・・・黙っててごめんなさい!」
ミルザくん「ワイルちゃん!?一体、それに・・・」
いつの間にか九つの人影がミルザくんトオイゲンくん、そしてダークを取り囲んでいました!
タイラントくん「ふ・・・一緒くたに噛み千切ってやろうとしたのに、なかなかやるではないか?ダークとやら」
竜骨だったモンスターが魔法のように人間の姿に戻っていきます。ミルザくんトオイゲンくんは
驚愕を隠せません。そして呆然としたミルザくんが見回していると・・・そこには!
ミルザくん「さっサルーインちゃん!?」
サルーインちゃん「フン!苦痛は味わいつくしたか?もうたらふくだろう・・・」
デスちゃん「見事にエロールちゃんの賭け・・・いや紛れもない罠に引っかかってくれたようだな、ダーク」
シェラハちゃん「罠と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・
      罠でもなんでもないのに卑劣な罠とか言い訳する兄貴の話・・・はあ」
ストライフちゃん「事を急ぐきさまらアサシンクラブの奴の考えそうなことだな」
ヘイトちゃん「一人殺人者を仕立て上げてすべての殺人をそいつの仕業に見せかける・・・ひkっきょーァヒャヒャ!!」
水龍くん「こそこそやる癖はいつまでも変わらないようだな、アサシンギルドの頭領よ」
アディリスちゃん「お前からは別に欲しいものないなあー」
エロールちゃん「・・・これにて第三段階も終了です。もはやこれまで!」
339ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:21:55 ID:???
ミルザくんは悟り、今まで生きてきた中で一番驚きました。おそらくサルーインちゃん派幹部、四寮長、
そして生徒会長というこの学園のトップ達がそこに集結していたのですから!
エロールちゃん「これまでですね・・・『ダーク』?学園の平和を乱すものは、私が許しません。
      あなたはこの素晴らしい学園に必要な人間ではない!」
ダーク「・・・・く・・・!(悪い、分が悪すぎるぞ・・・一人の生徒をここまで苦しめての罠だったとは!)」
ミルザくん「待ってくれ!!アルドラが何をしたって言うんだよ!!」
ダーク「!?」オイゲンくん「ミルザ!!ばかやめろ!」
ミルザくんはダークの前に立って両手を広げました。
悲しくも意志の固い表情をして、集結した学園のトップ達に語りかけます。
ミルザくん「アルドラは最初は普通の女の子だったんだ!!なのに突然こんな姿になって!騎士団寮を追われて!
      アルドラが何をしたって言うんです!普通の子でした、普通に学園で楽しく笑ってる女の子だったのに!」
デスちゃん(・・・・・・・・・く・・・)
ダーク「う・・・・・・う・・・・ううううう・・・・・!」
アルドラ・・・アルドラ・・・その名が何度も響きます。俺は誰だ?主君に人の命を捧げて仕える『ダーク』では
ないのか?アルドラとは誰だ!笑った記憶なんて俺には・・・ミルザ!ミルザ!―――『アルドラ!』
ダーク「うああああああああああああああ俺は、俺はああああああああァあああああああ!!!!!」
ワイルちゃん「ミルザさん!!!避け―――――――」
それは警告の声すら発せられる前に振りかざされたダークの短剣。ミルザくんは気づいてすらいませんでした。
振り下ろされて血が飛び散ったそのとき――

ワイルちゃん「・・・あ・・・・・」
シェラハ「・・・・・・・・・・姉さ・・・」
デスちゃん「サルーインちゃん!!!!」

そう、サルーインちゃんは誰よりもはやくダークがミルザくんを切りつけようとしていることに気がつき、
ミルザくんに体当たって避けさせたのです。しかしダークの刃は、サルーインちゃんの脇腹に深く刺さっていました。
ミルザくん「・・・・・・・・・・・あ・・・」
エロールちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・」
サルーインちゃん「・・・ちっ・・・すこし目立とうと思ったら・・・リスクがでかすぎ・・・た・・・」
ミルザくんはやっと事を把握しました。自分がサルーインちゃんに助けられたことを!
ミルザくん「―――――――サルーインちゃん!!サルーインちゃん!!あああ!サルーインちゃん!!」
ミルザくんは気を失ったサルーインちゃんを抱きかかえ、狂ったように何度もサルーインちゃんの名を呼びました。
ダーク(・・・・・ううう・・・ううう・・・『サルーインちゃん』・・・『アルドラ』・・・なんだ?
    この感じは・・・ミルザ・・・・・ミルザ・・・・・・・・!)
『アルドラ』。『サルーインちゃん』。この二つの名を呼ぶミルザ。・・・あまりにも『差』を感じて、
ダークの心の中に何かあまりに冷たい炎が燃え盛っていくのがわかりました。
340ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:23:45 ID:???
ダーク「うう・・・ううう・・・・・・!」
シェラハちゃん「ああ、姉さん!!しっかりして!!」
デスちゃん「うろたえるな!まだ致命傷ではない!しかし出血をはやく止めないと・・・!」
ワイルちゃん「サルーインちゃんさまああ!!」
ストライフちゃん「・・・おのれ!!」ヘイトちゃん「うばああああゆるさん!!!」
ミルザくんの膝で抱えられたサルーインちゃんにサルーインちゃん側のみんなが駆け寄ります。
ダーク「・・・・うう・・・・・・・・うううう・・・・・・!!!」
ミルザ「・・・・・・・のれ、おのれ、おのれエエエエエエエエエ!!!!!!!」
ミルザくんはさっき壊された鉄格子の棒を取り、刹那の速さでダークに刺しかかりました!!
ダーク(――――――――――――!!!)

ガンッ

・・・それはダークの頬をかすめました。ダークの敏捷さを持ってしなければ間違いなく額に直撃していたでしょう。
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・はっ・・・!」
ミルザくんは『アルドラ』のことを思い出したように狂気の形相から唖然とした顔に戻っていきました。
ダークは壁に打ち付けられ、頬を血が伝い・・・そして『涙』も伝っていたのです。
ダーク「・・・・・・間違いなく、殺す気だったろう?・・・」
ミルザくん「あ・・・あ・・・・・アルドラ・・・なのかい?」
その場の一同が全員ミルザくんと『アルドラ』に目を注ぎました。
ダーク「・・・『サルーインちゃん』のためなら、『アルドラ』の命を絶つことなど少しも厭わないのだな・・・?」
ミルザくん「・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・あ」
ダーク「よくわかったよ・・・ああ、よくわかった・・・」
『アルドラ』ちゃんは涙を拭いました。そして顔を上げるとそこには『ダーク』でもなく、『アルドラ』でもない
恐ろしい形相があったのです!!
アルドラちゃん「その女のどこがいい!!美貌か!!その奇跡のような美しさか!!
     だったら醜くしてやる、俺よりも誰よりも醜くしてやる!!!
     生皮剥いでやろうか、それでもミルザ!!お前はその女を愛せるのか!!
     ・・・はは、ははははははは!!!生皮をはぐなんてそんな子供じみたことじゃあ
     つまらないよなあ?俺も・・・お前も・・・『サルーインちゃん』も・・・っふ、
     ははははははははははははははは!!!」
ミルザくん「・・・・・・・アルドラ!!!」
アルドラちゃん「もうアルドラだろうがダークだろうがどうでも構わない・・・だがミルザ、
     楽しみに待っていろよ・・・そのサルーインちゃんと一緒に真っ赤な祝いの日を!!」
ミルザくん「アルドラ!!!・・・なっ!」
ダークの胸の辺りが光り、なんとそこから洪水が巻き起こったのです!!
341ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:25:03 ID:???
ミルザくん「―――――――――!!!」オイゲンくん「い、一体!?」
水龍くん『皆、私につかまれ!!』
モンスターの姿に戻った水流くんは地下牢中を満たしていく水のなかで、全員を乗せて排水口の方へと向かい
その巨体で無理やり壊して地下水脈に出て、急いでマラル湖の水面へとみんなを連れて行きました。


ミルザくん「・・・ぷはっ!!・・・サルーインちゃんは!!」
デスちゃん「水龍、神殿へ連れて行って手当てを・・・出血が酷い!」
水龍くん『水の中のせいで出血を早めてしまったな・・・すまない』
シェラハちゃん「わたしも行きます!」ミニオンちゃん達「私達も!!」
水龍くんとシェラハちゃん達は神殿内へと向かって行きました。
オイゲンくん「・・・・!どういうことなんだよ、これは!あんな魔法があるか!?」
エロールちゃん「・・・・・あれは・・・・・『水のアクアマリン』の力・・・」
ミルザくん「――――――――!?なんだって!『糸石』の!?」
タイラントくん「水は苦手なんだが・・・しかし確かにあれほどの力、水龍ですら引き起こせないだろう
     ・・・そうでなければ説明がつかないといったところだな」
タイニィくん「何故アサシンギルドクラブがアクアマリンを!・・・いや、『ダーク』は気がついていない
     ようだったぞ、人格が変わってから力が発動した!」
アディリスちゃん「私にはわかるが、あれは『女』の人格だったぞ」
デスちゃん「・・・・・・事態はどうやら私達が考えているよりずっと複雑なものらしい・・・・」
???『タイラント様、フレイムタイラント様ーーーーーー!!』
タイラントくん「なんだ?・・・使い魔か?こんな遠方まで一体どうした」
使い魔『トマエ火山が乗っ取られたのです!!』
―――――・・一同に衝撃が走りました。
タイニィくん「なんだと!!」
アディリスちゃん「ど、どういうことだ!」
タイラントくん「・・・詳しく、的確に説明してみろ・・・」
使い魔『は、はい、いきなり水系のモンスターたちの大群が押し寄せてきたのです!
    私達はあらん限りの力で応戦しましたが・・・いえ、応戦しようとしたのです!
    しかしいつの間にか、あっという間に皆があちらのボスに服従してしまったのです!
    正気を保っているのは私を含め、極少数・・・!』
タイニィくん「・・・アサシンギルドお得意の洗脳だ!!」
アディリスちゃん「水系の・・・ボスとはあの女か!?この短時間に四寮長の中でも
      一番統率の取れているタイラントの配下を乗っ取るとは!?」
エロールちゃん「統率が取れている組織こそトップが倒れれば脆いものなのです。
      あなたをいつまでも留守にさせるべきではありませんでした、タイラント
      ・・・しかし『糸石』があるとはいえおそらく瞬間移動を使うとは」
342ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:26:57 ID:???
タイラントくん「アクアマリンだからこそたまたま私のところが狙われたのだ。
      アクアマリンを持つ者に私達は無力。エロールちゃんの失策ではない」
エロールちゃん「・・・・・いいえ・・・・『アルドラ』がこう出るとは・・・・
      全て私の失敗です・・・(あーあそこでサルーインちゃんがしゃしゃり出なきゃあ)」
デスちゃん「・・・アクアマリンを何故持っているのか?アサシンギルドクラブとの関連性は
      一体なんなのか?・・・疑問を解決する前に、トマエ火山に向かわねばならぬようだな」
ミルザくん「・・・・・サルーインちゃんは・・・・・!」
ミルザくんが神殿を見ると、水龍くんたちが出てきました。サルーインちゃんも一緒です!
ミルザくん「さっサルーインちゃん!」
水龍くん「私と魔力の高いこの四人で癒しの水の重ね掛けをしたら十分に回復した。不幸中の幸い、
     刺された場所も悪い場所ではなかったのだ。今は貧血気味なぐらいだろう」
サルーインちゃん「おのれえええええあの野郎!!この私に!この私に傷をつけるとは〜〜〜!!!・・・うっ」
シェラハちゃん「ね、姉さんちょっとあんまり騒がないで休んでて・・・!」
サルーインちゃん「そうは行くか!!この恨みはとっととさっさとはらしてくれる!!
     ええい、あの野郎の場所はどこだあああ!!!・・・・ふう・・・・(くらっ)」
ワイルちゃん「サルーインちゃん〜〜お願いだから安静にしていてくださいよ〜〜〜」
ストライフちゃん「駄目だな、布団で静かにしてるっていうのが学園中で一番似合わないひとだからな」
ヘイトちゃん「その気持ちよっっつくワカルあひゃーーーー!!!」
タイニィくん「・・・戦力は減ったと思ったら元に戻って11人か」
エロールちゃん「いいえ、13人ですわ。勇敢なる生徒が二人」
そう言ってエロールちゃんはミルザくんと肩の傷を塞いでいるオイゲンくんを見ました。
エロールちゃん「さあタイニィフェザー、元に戻り翼を広げてください。・・・勇士達をトマエ火山へ!」

ミルザくん(・・・サルーインちゃん・・・もう誰にも君を傷つけさせない・・・僕が君を守る!!)

マルディアス学園の空には大きな翼が飛んでいきました。・・・・・トマエ火山へ!


ディアナ「・・・今日はなんだかご機嫌がよろしいのね、ナイトハルトさん」
クリスタルシティ寮・・・新婚のような生活を送るディアナとナイトハルトくんのカップルは、
今日も人もうらやむようなラブラブっぷりです。
ナイトハルトくん「ん?ふふ・・・そうか?」
ディアナ「そのワインをあけるくらいですものね・・・真っ赤・・・なんて綺麗なんでしょう。
     私にも飲ませてくれないような、大切にしていたワインですものね」
ナイトハルトくん「済まないディアナ、しかしこんなことで私の愛を疑ってもらっては困る」
ディアナ「・・・わかってますっ。さあ、私は少し洗濯物をしなくちゃ・・・」
そう言ってディアナはナイトハルトくんの部屋から出て行きました。
ナイトハルトくんは微笑んでいました。そしてなにやら独り言を呟きました。
・・・・・ビンだけに思うようにはさせていられないからな・・・・
ナイトハルトくんは真っ赤なワインをカラン・・・カラン・・・と揺らして呟きました。
ナイトハルトくん「サルーインちゃん・・・・・・・・・・・・・」
それと同時に手からグラスを落とし、ガシャン・・・と大理石の床にワインがこぼれました。
真っ赤なワインが真っ白の大理石に、つーとゆっくりつたってゆきました・・・。

343ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:32:42 ID:???
もうすぐとか言って全然もうすぐじゃなくて申し訳がない・・・
しかもかなり長い上に話をややこしくしてしまったがでかい話が好きなので
(俺は)キニシナイ!!次の人に託す!
344ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 21:34:50 ID:???
よっしゃあ、早い者勝ちって事で次は俺だあああ!!(ぱしーん!)

>>343
おつかれかれぇ♪
でっかい話はいいな。大長編第一回目みたいな感じだ。
しかし・・・10時間は長かったぞ。
345ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 22:28:19 ID:???
よーく見たら微妙な矛盾があるような気がするが気にしない。
346ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 22:57:03 ID:???
>>343
お疲れさん!
でかい話がくると、わくわくするね!
と、ツフが俺の腕の中で言ってたよ。
アディリスだけが、ダークの中の人に気づいたったのも凝っていてステキ。
4天王と3邪神を仲間にして動かせるのはわくわくするね!!

ストーリーに関係ない幕間寸劇みたいのは投入してもいいのかな??
347ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 00:05:16 ID:rnX7DqJj
とりあえずダーク編が終わるまで待った方がいいと思う。
348ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 09:11:09 ID:???
おつかれ〜
しかしアルドラが可哀想すぎるな…今後どうなるか…
349ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 14:55:39 ID:???
今日中にはかけそうだぞー。お楽しみに。
350ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:35:29 ID:???
ミリアム「みてみてグレイ!綺麗な羽よ!」
マルディアス学園の秘境とも呼ばれる、リガウ寮。
ある冒険者の一団に、綺麗な、七色の羽が舞い降りてきました。
三角帽子をかぶった女の子が、七色の羽を手に取り、はしゃいでいます。
ガラハド「おお、何と綺麗な羽だ・・・これは高く売れるのではないか?」
頭頂がさびしい大柄の男も、にこにこ笑いながら言います。
そんな中、冒険者の一団のリーダーと取れる男だけは、一人空を見上げていました。
ミリアム「何やってんのグレイ?ホームシック?・・・え、なにアレ!」
ガラハド「空に何が・・・あっ!」
二人は空を見上げ、言葉を失いました。
この世のものとは思えないほどの、雄大な鳥の影が、
雲を掻き分け、空を泳いでいました。
虹色に光り輝く羽を大きく揺らしながら・・・

サルーインちゃん「いや〜、快適な空のたびだったなぁ。」
ヘイトちゃん「んもぅ、少女心が疼いたわぁん★○%♪!!氏ヘY!!!!」
アディリスちゃん「いいな〜、タイニィちゃん、その羽ちょうだぁ〜い。あっ、その靴もいいな〜」
シェラハちゃん「いいな〜!というと、可愛い女の子に自分の宝物を貸してそのまま帰ってこなかった話・・・」
ワイルちゃん「ちょっとあんたら、何うかれてるんですか!
        事態は結構深刻なんですよ!」
空の旅にうかれていた四人に、ワイルちゃんが喝を飛ばしました。
はしゃいでいた四人の動きが止まりました。
タイラントくん「まさかアクアマリンとはな。どこからどうやって取ってきたのかは知らぬが、
         早急にあの女を仕留めねば・・・」
ミルザくん(・・・・・・)
デスちゃん「・・・!タイラント、後ろだ!」
デスちゃんの声に、タイラントくんが、後ろにがばっと振り向きます。
禍々しいモンスターが、タイラントちゃんに襲い掛かってきていました。
『死ねや!フレイムタイラント!』
タイラントくん「くそっ、目を覚ませバカ者!」
タイラントくんは、懐から大斧を取り出しモンスターの頭を殴りました!
『うげっ!・・・・・・あれ?フレイムタイラントさま、帰ってらしたのですか?』
斧で叩かれたモンスターはどうやら正気を取り戻したらしく、先程の狂気を微塵も感じさせぬ声でそういいました。
オイゲンくん「なんだ、敵じゃないのか。」
水龍「便利な斧だ・・・」
咄嗟に武器を構えていた二人が、武器をゆっくり下ろしました。
『あ!そういえば大変なんですよタイラントさま!変な人物が火山の中心部からみんなを・・・』
タイラントくん「分かっておる。とにかく、ここは色々な意味で危険だ・・・
        草原に避難していろ。」
『は、はい!』
モンスターは、全速力で火山から出て行きました。
351ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:36:56 ID:???
タイラントくんは、そのモンスターが火山を出て行くのを見届けると、その場にいる全員に対して言いました。
タイラントくん「おそらく、火山の中のモンスターはごっそり奴に操られている事だろう。
        お前らは、連中を押しとどめておいてくれ。
        中心部に行く近道がある。私はそこから奴に会いに行き、倒す・・・」
サルーインちゃん「ちょっと待ってよ。あたしゃアイツに致命傷負わされてんのよ?
           あたしがいくわ。あんたは大人しく部下相手に斧振り回してなさい。」
ストライフちゃん「サルーインちゃん、あんたは怪我人だろう?無理しないでくれ・・・
         私とヘイトがいくぞ。」
ヘイトちゃん「あひゃーー!!無理無理!あんな奴無理っちょーー★○▲Λ!!」
タイニィ「全員で行けばいいんじゃないのか?」
水龍「奴に操られたタイラントの部下が何をするか分からんじゃないか。」
シェラハちゃん「あたしは行かないわよ・・・」
エロール「私も行きませんよ。」
アディリス「あ、エロちゃんそのギター新品?くれない?」
デスちゃん「元はと言えばこのような事態になってしまったのも私の責任だ。私が奴を刈る!これだけは譲れんぞ!」
オイゲンくん「待て。俺はあの女の弱点を知っているぞ。俺が行くべきだ!」

ワイルちゃん「待ってくださいみなさんっっ!!!」

352ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:37:08 ID:???
全く話がまとまらない11人に、ワイルちゃんは言いました。
全員がワイルちゃんの方を向きます。
ワイルちゃん「あなた達じゃなくて・・・真っ先にあの人に会いに行くべきは、ミルザさんじゃないでしょうか?」
ミルザ「・・・えっ?」
しばらく下を向いていたミルザくんが、顔を上げました。
ワイルちゃん「倒すだの刈るだの、そんな物騒な話はいけませんよ。確かにあの人はこんな事をしてしまったわけだけれども・・・
        元々はあの人は普通の少女だった。そんな凶行手段を取らなくても、彼女の暴走は止められる筈です!・・・ミルザさんなら!」
ワイルちゃんは、そこまで言うとミルザくんの方を向きました。
ワイルちゃんに続き、その場にいる全員がミルザくんの方を向きます。
ワイルちゃん「ミルザさん・・・あの女の子、『アルドラ』ちゃんの暴走を止めてください!
        それは・・・あなたにしかできない事です!」
ワイルちゃんが、期待の目でミルザくんを見つめました。
ミルザくん「・・・なんでか分かんないけど・・・・・・・でも、その・・・」
ミルザくんは、ワイルちゃんから目をそらすと、その横のサルーインちゃんをちらりと見ました。
サルーインちゃん・・・わき腹に、痛々しい傷跡が残っています。
ミルザくんが何を考えているかを察したワイルちゃんは、言いました。
ワイルちゃん「・・・大丈夫。心配しないで下さい!『この人』は、私達が絶対守りますから!
       ミルザさんは何も心配しないで・・・アルドラちゃんの元へ!」
ワイルちゃんの目が、みんなの目が、まっすぐミルザくんを見つめます。
デスちゃんも、タイラントくんも、サルーインちゃんも。
ミルザくんは、静かにこくんと頷き、立ち上がりました。
ミルザくん「・・・僕、アルドラと話してくるよ。彼女と話して・・・止めさせてくる。みんな、頑張ってくれ!」
その場にいるほとんど全員は、ミルザくんのその声に、頼もしさを覚えました。
タイラントくん「・・・近道はそちらだ。一息ついたら、私達もそちらへ向かおう。くれぐれも気をつけるんだぞ。」
エロールちゃん「いくら相手が旧友とはいえ、ダークがまた出てこないとは限りません。くれぐれもお気をつけて。」
ミルザくん「・・・はい!」
オイゲンくん「・・・ヘマ、すんなよ。」
ワイルちゃん「頑張ってくださいねっ!」
ミルザ「・・・うん!」
ミルザくんは、意志を固く結び、タイラントくんの指し示すほうへと、歩いてゆきました。

(ごめん・・・待っていてよ、アルドラ!)
353ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:37:41 ID:???
アルドラ「・・・来たか。」
トマエ火山中心部。
異様に広いその部屋の中心に、アルドラは座っていました。
ミルザくんは、一歩一歩、アルドラに近づいていきました。
熱気で歪んでいたアルドラの姿が、どんどんハッキリしていきます。
アルドラ「お前一人か?」
ミルザくん「アルドラ・・・君は・・・」
呟くようにそう言うミルザくん。
そのミルザくんの一言に、アルドラちゃん?は顔をゆがめ、笑い出しました。
アルドラ「残念。今の私はダークだ・・・『アルドラ』でもあるがな・・・」
アルドラは、『ダーク』は、言いました。
ミルザくんは、真っ直ぐダークの目を見ます。
ダーク「よくそのツラ下げてここに来れたものだ。
    もう会わぬ方が貴様の身のためだというのに。」
ミルザくん「お前は黙っててくれ。僕は『アルドラ』と話がしたいんだ。アルドラにかわれ!」
一片も怯まずにそう言うミルザくん。
ダークは、一度にやりと笑うと、言いました。
ダーク「悪いが、その必要はない。なぜなら今の俺はダークでもありアルドラでもあるからだ。ついさっきからな。
    アルドラとなにか話したいなら、この俺に話しかけろ。代わりに答えてやろう。」
笑いながらそう言うダーク。
ミルザくんは、一度深呼吸すると言いました。
ミルザくん「なぜこんな事をするんだアルドラ?このダークなんかに手を貸すような真似をして・・・
      僕の知っているアルドラはそんな事はしない・・・」
ダーク「ふはははは・・・まったく、何を話すかと思えば愚かな。
    貴様、もしかして気づいていないのか?」
ミルザくん「何の話だ!!」
ダーク「気づいていないのならば、教えてやろう。
    もう一人の俺・・・『アルドラ』は、貴様の事をどう思っていたと思う?」
ミルザくん「は?」
ミルザくんは勢いよくそう言ったのち、呆れながら言いました。
ミルザくん「どうって・・・友達、に決まってるじゃないか。
      ・・・なんだ?もしかして、アルドラは僕の事を嫌って・・・」
ダーク「違う違う・・・違うよミルザ。その逆さぁ。」
ミルザくん「逆?」

ダーク「アルドラはお前が好きだったんだよ!」
354ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:38:31 ID:???
ミルザくん「な・・・?」
ミルザくんは、困惑を隠しきれない表情でした。
唐突に出たその言葉。『アルドラが僕を好き?』
ダーク「『嘘だ!』とでも言いたいのか?
     いいか、よく聞け。アルドラは、貴様の事を誰よりも、何よりも思っていた。
     アルドラの思考の中心には、常にお前がいた!2年間ずっとだ!
     寝る時には貴様の事を思い、寝ては貴様の夢を見、起きては貴様の事を考え。
     貴様と会い、そして話すことがアルドラにとっては一番の至福のときだった!」
ミルザくん「ちょ、ちょっと・・・」
ダーク「ええい、黙れ!
    アルドラは貴様のどんなところが好きだったと思う?
    顔もあるがな。何よりその性格が好きだったのだと・・・
    アルドラは元々育ちが悪く、ただの不良娘だったろう。
    誰もアルドラには関わろうとせずに、避けていた。
    だが、唯一貴様だけはアルドラに優しく接した。
    そして貴様は、見事アルドラを更生させた。
    世間のアルドラへのイメージを変えるために、貴様はいろいろな事をしてくれただろう・・・
    その頃からだ。アルドラが貴様を思うようになったのは!
    真っ直ぐな心、正義感、そして優しさ。少し間抜けな所も、甘えん坊な所も、
    アルドラは貴様の全てが好きだった!全てだ!
    アルドラは生涯貴様以外の男を思うことはないだろう。
    それほどにアルドラは貴様にベタ惚れだったんだよ!」
ミルザくん「そんな・・・いきなりそんな事言われてもこま・・・」
ダーク「それが貴様は他の子が好きだったという事を、ある日知ってしまった。
    貴様が好きな女・・・それがサルーインちゃんだ!」
ミルザくん「!!」
ダーク「アルドラは嫉妬に狂った。性格が悪く、ただ美しいだけの存在。サルーイン!
    そんな女に自分の長年愛し続けた男は惚れているのだ!
    なぜサルーインなんかにミルザを奪われなければならない?
    自分ならミルザをいくらでも幸せにして挙げられる。
    自分の全てをミルザに捧げてもいい、そう思っているのに、
    なぜミルザは、貴様はサルーインと結ばれなければならない?
    なぜ?なぜ!?なぜ!?なぜ!?なぜ!?なぜ!!??なぜ!!!!????」
ミルザくん「アル・・・ドラ・・・?」
ダークの目には、いつのまにか涙が伝っていました。
心なしか声も震えています。
ダーク「さっきのことだ!貴様は俺を殺そうとした!!
    完全に俺を殺そうと、俺をただの好きな人間の敵としか見ていなくて!
    貴様の目にはサルーインしか映っていなくて!俺は微塵も写っていなくて!!
    サルーインを傷つけたのが俺ならば、俺の命を奪う事も容易くて!!!
    俺の存在は貴様の中では何でもないもので!!!!
    俺の命はサルーインへの思いの足元にも及ばなくて!!!!!
    俺の存在は!!貴様にとっては全く必要ない物で!!!!あああああああ亜jht時jファfk;だslfじゃkr;fjらああああああ・・・・・・あ、あ、・・・あ   あ」
ダーク?は、叫ぶのをやめ涙をふき取ると、ゆっくりと立ち上がりました。
こつこつと数歩歩くと、先程とは打って変わって冷静な調子で言いました。

ダーク「・・・さて、話を続けようか。」
355ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:39:52 ID:???
ダーク「まったく・・・アルドラもバカだ。貴様にあのような異常な愛情を抱いていなければ、
    こんなに悲しむ事は無かった・・・
    ミルザも・・・サルーインに異常なほどの愛情を抱いていなければ、このような事も起こり得なかっただろうに。」
ミルザくん「・・・・・・」
ミルザくんは、何も言えずに黙っていました。
ダーク「アルドラは哀れだ。そしてミルザは愚かだ。
    いや・・・ミルザも。アルドラもどちらも愚かだ・・・
    まったくもって腹立たしい・・・腹立たしき愚かの極み・・・」
イライラしたようにそう言うダーク。
ミルザくんの心は、既にずたぼろでした。
気がつけば、大粒の涙が目からこぼれてきています。
ダーク「まぁ、そのおかげでアルドラは俺の一部となったんだがな。
    貴様への別れもたった今済ました。
    アルドラは、これからは俺の一部として、俺に、そしてマスターのために尽くしてくれる事だろう・・・
    よくやった。すべては貴様のおかげだ・・・」
ダークが、懐から短剣を取り出し、一歩一歩こちらに近づいてくる。
ダーク「そして、学園一の騎士と呼ばれる貴様は、
    怒りも・・・闘争心も・・・全て失ったままここに突っ立ってくれている。
    これほど始末が簡単な標的は久しぶりだぞ・・・ふはは・・・」
高笑いするダーク。
ミルザくんは、これから何が起こるかほぼわかっていながらも、不思議と逃げる気が起きませんでした。
ダーク「普通ならばバラして埋めるか、『肉の壁』となってもらうが、貴様の場合は特別だ。
    体と顔は綺麗なまま殺し、冷凍保存してやろう。
    アルドラは、毎晩貴様を見て、話し、弄ぶのだ。
    アルドラは、貴様を自由にできる事で、大いに喜ぶであろう。
    そうだな。貴様の愛しきサルーインも冷凍保存してやろう。
    アルドラは喜んでサルーインの生皮をはぎ、八つ裂きにするだろう。
    そうして、満たされたアルドラは俺の従順なる犬となる・・・」
ミルザくん「サルー・・・イン・・・ちゃん・・・」
ダーク「さて、話しすぎたな・・・
    大丈夫だミルザ、心配するな・・・
    苦しみはない。痛みを感じる前にもう貴様は死体となっている。
    貴様が苦しまずに死ねるのも、アルドラの最後の慈悲と思え。
    さぁ・・・死ね!!」
ダークの短剣が、まっすぐミルザくんの胸に向かってきます。
ミルザくんは逃げる気も起きませんでした。
運命に身を任せることにしたのです。


―― 一瞬の事でした。
???「バカめダーク。貴様もここまでだ!」
ダーク「・・・邪魔を!!」
356ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:41:06 ID:???
ダークの短剣がミルザくんの心臓に刺さるその瞬間、炎の蛇がダークに一直線に突っ込んできました。
ダークは間一髪で避け、怒りの目でその『蛇』をにらみつけています。
『ミルザよ、ご苦労だった。多少火山の中も落ち着いてきたのでな・・・加勢に来たぞ!』
ミルザくん「タ、タイラントさん・・・」
炎の蛇・・・タイラントくんは、ミルザくんに言いました。
タイラントくん『奴はこの私が倒そう。ミルザよ。お前はゆっくり見ているがいい。』
ミルザくん「だ、だけど・・・その・・・」
タイラントくん『大丈夫だミルザ、奴を殺しはしない!デスちゃんが言うには、魂を吸い取る術、『吸魂術』で、
         ダークの魂だけをひっぺがす事が可能だと言うのだ。
        気絶させるだけだ。少女の方には影響はない!安心してみていろ!』
ミルザくん「・・・!」
タイラントくんは、ダークの方に向き直り、再び突進しました。
ダーク「破砕流か・・・だが要はただ突っ込んでくるだけだろう!」
ダークくんは恐ろしい速さで突進してくるタイラントをひらりとかわすと、タイラントに向かって両手を突き出しました。
タイラントくん『しまった・・・くそっ!』
再びダークの方に向き直るタイラント。
ダーク「馬鹿め。だが遅い!『水のアクアマリン』の力を味わってみるか!?」
ばしゃあああん!!
突然タイラントの足元から大きなクジラが現れ、タイラントを上空に吹き飛ばしました。
タイラント『ぐっ!?これがウォーターガンだと・・・!』
ダーク「面食らったか?フレイムタイラント!これが糸石の力だ!」
上空に跳ね上がったフレイムタイラントを追うようにして自らも飛ぶダーク。
タイラントの顔の辺りまでダークが飛んできました。
タイラントくん『ふん。わざわざ飛び上がってきてご苦労な事よ。燃えろ!』
タイラントの口から、二つの真っ赤な火球が吐き出されます。
ダークは一度にやりと笑うと、マントを翻しました。
火球がマントに当たると、ジュッ・・・と音を立て、『火球』が消滅してしまいました。
タイラントくん『た、耐熱マント・・・?』
ダークくんはマントを投げ捨てると、短剣を構えました。
ダーク「耐熱マントなどではない。『水のアクアマリン』の力だ!
    ああ、水のアクアマリンの前では四寮長最強の男もこんなにも無力!さて、死ね!」
ズガガガガガガガガ!!
ダークが、短剣を物凄い速さで何度も何度もタイラントに突き刺します。
青く光った短剣は、『水のアクアマリン』の加護を受けた短剣は、タイラントの炎の壁をも受け付けません。
タイラントくん「ぐ・・・馬鹿な・・・」
タイラントの姿が、燃え盛る竜骨のモンスターから、人間の姿に戻ってしまいました。
ダークと一緒に地面に落ちてゆきます。
ダーク「はっはっは・・・化けの皮がはがれたのか・・・それとも力がなくなったか・・・糸石と我が技の前に屈したなフレイムタイラント!」
ダークは上手く着地し、タイラントは力なく地面に打ち付けられました。

「ミルザ、フレイムタイラント!」
「ミルザさん!タイラントくん!」

気がつけば、入り口に二人の女性が立っていました。ワイルちゃんとデスちゃんです。
ミルザくん「二人とも・・・」
ダーク「ちっ、追っ手か・・だが、その場から動けばこいつの命は無いぞ!!」
気がつけば、ダークはいつのまにか短剣からでかい手裏剣のような剣に持ち替え、倒れているタイラントの首にあてがっていました。
357ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:42:43 ID:???
ダーク「その場から動けば、こいつの命は無いと思え!!」

ワイルちゃんも、デスちゃんも、動く事が出来ませんでした。
二人とも、屈辱に顔をゆがめ、ダークをにらみつけています。
ダーク「ふむ、サルーインの犬に、馬鹿な冥部の番人か!
    冥部の番人、デスよ。動かないのか?俺に『吸魂術』とやらを使わないのか?
    まぁ、動いた時点でこのモンスターの首が飛ぶがな!ふははは!!」
狂ったように高笑いするダーク。
デスちゃんは、歯を食いしばるも、やはり動く事が出来ません。
と、次の瞬間デスちゃんは思いついたように位置的にダークの背後にいるミルザくんに向かって、叫びました。
デス「ミルザ!ダークの剣を奪い取るんだ!さぁ!!」
ミルザくん「えっ、」
ミルザくんは反射的に立ち上がりましたが、ダークが素早くミルザくんを睨み付けました。
ダーク「貴様も動けばこいつの命は無いぞ。ははは、それにしても
    わざわざ声に出して叫ぶとはデス!貴様は予想以上のア・・・なにっ!?」
ミルザくんの方を向いたまま言っていたダークの手に、突如風の塊がぶつかりました。
ダークの剣が風圧で遠くへ飛ばされます。
ミルザくん「あ・・・ワイルちゃんすごい!」
ワイルちゃんが、ダークがミルザくんに気を取られている隙にウィンドカッターを唱えていたのです。
ダーク「くそっ、なめるな!ならばこの男の頭を踏み潰してぐしゃぐしゃに・・・」
デスちゃん「開門。」
ダークが足を振り下ろしたその時には既に、タイラントはデスちゃんの作った門に吸い込まれていなくなっていました。
ダーク「くそっ、ちょこまかと・・・」
ダークはミルザくんと、デスちゃんワイルちゃんの方を一瞬見比べた後、デスちゃんの方へ襲い掛かりました。
デスちゃん「やっとこの時が着たかダーク・・・我が鎌の餌食にしてくれよう!」
デスちゃんが鎌を構えます。
ダーク「俺にかなうと思うなよ!」
狂気の形相でデスちゃんに斬りかかるダーク。
ガキィィイン!!
ダークの振り下ろした短剣と、デスちゃんの鎌が、けたたましい音を立ててぶつかりあいます。
デスちゃん「くっ・・・」
ダーク「これが女の力か・・・?だが、甘いわ!貴様ごときの力がこの俺に通ずると思うな!」
ダークが短剣を勢いよく払うと、鎌がデスちゃんの手から離れました。
ワイルちゃん「きゃっ!」
鎌はワイルちゃんの頭をかすめ、飛んでいき、遥か遠くの壁に突き刺さりました。
デスちゃん「馬鹿な・・・くっそー、運動不足がたたったか!」
ダーク「ふははは!!さぁ、これで終わりにしてくれる!」
ダークは、高笑いしながら短剣を振りかぶりました。
デスちゃん「ぐっ・・・ここまでか・・?無念・・・」

ワイルちゃん「ミルザさん!!!!レフトハンドソード、受け取ってください!!!!!!!」
358ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:43:34 ID:???
デスちゃん、ダーク「!?」

ワイルちゃんが、どこからか取り出した銀色の剣をミルザくんに向かって投げました!
銀色の光がぐるぐると回りミルザくんに向かっていきます。
ミルザくん(・・・レフトハンドソード・・・僕の剣・・・!)

ぱしん

ミルザくんは、立ち上がり、レフトハンドソードを受け取りました。
どんどん力が戻ってくるような感覚がします。
ミルザくん(アルドラを・・・アルドラを助けるためにも、ダークを倒さなきゃ!)
ミルザくんは、レフトハンドソードを構えながら一直線にダークに向かいました!
ミルザくん「ダーク!!覚悟しろ!!!!!」
ダークは、短剣を振り下ろすのを止めると、物凄い速さで走ってくるミルザの方へ向き直りました。
ダーク「ふっきれたか、ミルザ!アルドラの事で後悔するのはやめたのか!?」
ミルザくん「あの過ちを償うために、お前を倒してアルドラを元の姿に戻してやるんだ!」
ギィィン!
ミルザくんのレフトハンドソードの峰と、ダークの短剣がぶつかり合いました。
ぷるぷると震えたまま、ゆっくりミルザくんの剣がダークの短剣を押し返していきます。
ダーク(くそ、何だコイツは・・・ふざけるな!)
ミルザくん「!?」
ダークは抵抗するのをやめ、一瞬の速さでその場を抜け出しました。
レフトハンドソードが勢いよく床に叩きつけられました。
瞬間ミルザくんに、足元から無数のアリが這い上がってくるような感触が襲い掛かります。
ミルザくん「あぐっ・・・くそぉ・・・」
ミルザくんの背後に回ったダークは、短剣を勢いよく振り下ろしました!
しかし、短剣はミルザくんに刺さることなく、ミルザくんの振り向きざまの一閃で防がれました。
またしても鉄と鉄のぶつかりあうけたたましい音が辺りに響き渡ります。
ダーク「ちょこざいな。いい加減死ねよ!」
何度も何度もミルザくんに短剣を振り下ろすダーク。
しかし、ミルザくんはその全ての攻撃を剣でディフレクトします。
ダークの表情が焦りの色へと染まってきています。

ミルザくん「このっ・・・やろぉぉぉ!!」
359ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:44:06 ID:???
ガァァン!

ミルザくんが剣を勢いよく払うと、ダークの短剣は遥か遠くに吹き飛ばされました。
ダークの顔色が初めて恐怖に染まります。
ミルザくんは、剣を振りかぶりました。
ダーク「やめろっ、俺はアルドラだぞ!!アルドラを傷つけるのか!!!うおおおお!!」

ガンッ

ダーク「あ、がっ・・・」
ミルザくんの剣がダークにぶつかり、ダークの時が止まりました。
体中がぷるぷる振るえ、四肢がまともに機能しようとしません。
ミルザくん「峰打ちって奴さ・・・さあ、デスさん・・・『吸魂術』を・・・!」
ミルザくんは、座り込んでしまいました。
デスちゃんが立ち上がり、痺れて動けないダークの元へ歩み寄りました。
デスちゃん「流石だミルザ・・・そして悪かった・・・今より私の罪を償おう!」
デスちゃんが右手を天高く振り上げます。
ダークの顔が、更に恐怖に染まっていきました。
デスちゃん「煉獄にて永遠に繋がれるがいい・・・開門!」
ダークの背後に、黒く禍々しい門が現れます。
ダークの体中から、冷たい汗が吹き出てきました。
デスちゃん「さぁ、いくぞ!」

「アビス!」

突如、目を覆ってしまうような赤い光がダーク、そしてこの空間中を覆いました。
ミルザくん「わっ!」
ワイルちゃん「まぶしっ・・・」
ぎゃあああ・・・と言うような、悲鳴が聞こえてきます。
そして、やがて赤い光はおさまり、元の世界が戻ってきました。
ワイルちゃんが目を開き、ミルザくんもゆっくりと目を開きます。
そしてミルザくんの目に入ったものは・・・

ミルザくん「アルドラ!!」
360ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:44:39 ID:???
先程ダークがいた場所には、紛れもない『アルドラ』自身が横たわっていました。
醜くない、首も折れていない、『アルドラ』が!
ミルザくん「アルドラ!大丈夫かいアルドラ!」
ミルザくんは、倒れているアルドラに向かって、膝をついて呼びかけました。
ワイルちゃん「・・・デスお姉さん。私達は出ましょう・・・」
デスちゃん「・・・そうだな。」
ワイルちゃんとデスちゃんは、静かに出て行きました。
部屋には、ミルザくんとアルドラだけが残されています。
ミルザくん「アルドラ!アルドラ!生きているのかアルドラ!?起きてくれよ!」
必死に呼びかけるミルザくん。
何度も何度も、彼女の名前を呼び続けます。
しかし、アルドラは一向に起きる気配がありません。
ミルザくん「・・・アル・・・ドラ・・・・・・」

アルドラが起きない。
ミルザくんの頭の中に、最悪のシナリオが浮かんできます。
吸魂術とかいうのは失敗してしまったのでしょうか。
それで・・・アルドラは・・・
ミルザくん「アル・・・ドラアアアアアア!!」
ミルザくんは、うなだれてしまいました。

・・・・・・

・・・ザ・・・・・・

え?

ミルザくんは、顔を上げました。
そこには、アルドラの顔がありました。
目を開いている。
・・・・・・アルドラは・・・生きていた!

アルドラ「・・・ミルザ。」
361ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:45:36 ID:???
ミルザくんは、涙で顔をくしゃくしゃにしながらアルドラの顔を直視しました。
思わずアルドラを抱きしめようとしましたが、その瞬間ミルザくんは冷静になって、笑うのを止めて下を向きました。
アルドラ「どうした?・・・ミルザ。」
ミルザくん「僕・・・君にひどい事をした・・・君の気持ちも知らないで・・・僕は・・・」
うなだれながらそう言うミルザくん。
アルドラは、ふふっと笑うと、言いました。
アルドラ「大丈夫。オレは気にしてないよ!・・・まー、あの時のオレはあ〜んな醜い姿だったわけだし、仕方ない仕方ない!」
ミルザくんは、再びアルドラの顔を見ました。
ミルザくん「でも・・・君、あんなに怒ってたじゃないか・・・」
アルドラ「いやぁ・・・あの姿になってからなんか気分が高揚しちゃって・・・
     ドラッグをやった後みたいな・・・まぁ、やったことないけど、そんな感じだったんだ。
     なんか全ての事に腹立たしくって・・・意味も無く憎くって・・・
     ・・・きっと、同じ体に魂が二つもあって・・・おかしくなっちゃったんだと思う。」
ミルザくん「へ、ホント・・・?じゃあ、許してくれるの・・・?」
アルドラ「モチロンさ!」
大きく笑いながら、アルドラちゃんはそう言いました。
ミルザくんの涙まみれの顔から、さらに涙がぶわっと出てきました。
アルドラ「おいおい、大丈夫ミルザ・・・?まぁ、らしいっちゃらしいけど、そんなに男に泣かれても困るな・・・ハハ・・・」
部屋の中に女と男が一人ずつ。
女は気まずそうに頭をかいて、男は大泣きしている。
それはそれは奇妙な光景なのでした。

ミルザくん「そのアクアマリンはどこから?」
泣き止んだミルザくんは、アルドラの胸にかかっている宝石を指差しながら言いました。
アルドラ「ああ・・・そうそう、これが糸石なんだよな。物心ついたとき・・・ああ、あの地下牢の時からかな・・・
      あの時から気がついたら首にぶら下がっててさ。
      怒りのままに能力を使っちゃったんだけど・・・」
ミルザくん「気がついたらついていた?」
アルドラ「ああ。・・・多分ダークの私物だと思うが・・・」
ミルザくん「そうか・・・」
ミルザくんは首を傾げました。
少し引っかかりますが、特に気にしないで考えるのを止めました。
アルドラ「ところで・・・」
ミルザくん「ん?」
アルドラが、ミルザくんの顔を見ます。
深刻な顔です。
アルドラ「オレ、学園を出て行こうと思う。」
ミルザくん「ええ!?」
アルドラの突然の言葉。
アルドラは真面目な顔をしています。冗談を言ったつもりではないのでしょう。
ミルザくん「なんで、なんでそんな事を・・・」
アルドラ「乗っ取られてたとはいえ、とんでもない事をしてしまったからな。人を殺したり・・・洪水騒ぎを起こしたり・・・
     全てダークのせいにすればいいんだけど、万が一・・・ばれてしまったらお前達に迷惑をかけることになる・・・」
362ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:47:19 ID:???
ミルザくん「・・・・・・」
確かに、アルドラの・・・ダークのした事はかなりの物です。
殺人に続き、一クラブの支配、ミルザくん達も躊躇うことなく殺そうとした・・・
そして、アルドラ自身も洪水騒ぎを起こしたり、火山を乗っ取ったりといろいろな事をしているのです。
全てはダークのせいにすれば住むのですが、何より彼女の正義感と、自責の念がそれを許さないのでしょう。
ミルザくんは、何もいう事が出来ませんでした。
アルドラ「・・・ミルザ。オレからの・・・最後のお願いがあるんだ。」
アルドラが、小さく呟くように言いました。
ミルザくん「なんだい・・・?」
再びアルドラの顔を見ます。
アルドラ「抱きしめて・・・くれないか?」
ミルザくんの顔をまっすぐ見つめながらそう言うアルドラ。
ミルザくん「・・・うん。」
ミルザくんは小さく頷くと、アルドラに近づきました。
改めてアルドラの顔をよく見ると、アルドラはとても綺麗で可愛いという事を、ミルザくんは確認しました。

おずおずと腕をアルドラの体に巻きつける。アルドラの体が、自分の体に密着する。
女の子を抱いた事なんて、生涯初めてのこと・・・心臓が破裂しそうだ。
視線の先にはアルドラの肩と髪。とても柔らかくて暖かい。
今自分は、『生き物』を、『人間』を、『女の子』を、『アルドラ』を、抱こうとしているんだ。
アルドラの肩。小さく上下している。吐息が聞こえる。いい匂い。やばい・・・変な気持ちになっちゃいそう・・・
手のひらをアルドラの背中につけ、ぎこちない手つきでなでる。アルドラの腕も僕に巻きついてくる。
アルドラの手のひらが、女の子の手のひらが、僕の背中をなでる。ああ、きっと僕いま顔赤いんだろうな。ああ。
アルドラは、僕の肩に顔をうずめている。どんな顔をしているんだろう。僕と同じような顔だろうか。笑っているのだろうか。嫌がっているのだろうか。
もう分からない・・・
緊張して何がなんだか分からないうちに、アルドラがなにか話し出した。
アルドラ「オレ・・・嫉妬なんかしてないよ。」
ミルザくん「えっ・・・?」
アルドラが僕の肩に顔をうずめながら言う。
アルドラ「オレ、ミルザの事応援する。ミルザがサルーインちゃんを好きなら、
     ミルザがサルーインちゃんと結ばれるように、応援する。」
ミルザくん「アルドラ・・・」
アルドラは、ダークの時に言っていた事とは正反対の事を言う。
これが・・・アルドラの本音なんだ・・・なにか切ない。
アルドラ「だから、オレの事は気に病まずに、サルーインちゃんを好きでいてくれ。
     笑顔を常に絶やさないでくれ。常にいつものミルザでいてくれ。
     オレは、ミルザが幸せになれる事だけを望む・・・
        ミルザが・・・お前が、好きだから!」
アルドラは、俺の顔をまっすぐ見つめながら言った。
アルドラの目に、涙があふれている。俺の目の中にも、何か熱いものが溜まっていく。
アルドラ「これで、お別れ・・・」
アルドラの唇が僕の唇に一瞬触れた。
突然の事だった。驚いた。そして、なぜか涙も流れてくる。
アルドラも泣いている。二人とも泣いたまま、見つめ合った。
切ない。悲しい。けど、悲しんじゃいけない。それがアルドラの願いだから。
アルドラは、腕を放すと、俺の顔を真っ直ぐに見つめ、にこりと笑いながら、言った。

アルドラ「・・・ばいばい、ミルザ!!」
363ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:48:50 ID:???
ウハンジ「あ〜あ〜・・・(10人もいるのかよ・・・一人10ジュエルくらいでいいかな・・・)さぁ、報酬じゃ。受け取ってくれたまえ。」
サルーインちゃん「おいっ!!」
ウハンジ「ぎゃっ、な、なんですか!?」
サルーインちゃん「なによこのはした金は・・・?あなたの命を助けたんだぞ?私達がいなければお前は死んでたんたぞ?
           それに、一人負傷者がいるし、二人この場にいないから『13人分』だ!
           普通なら・・・1000ジュエルくらいぶんどるのが普通だけど、一人100ジュエルで許してやろう。」
ウハンジ「ひーっすいませんー!!」
ワイルちゃん(サルーインちゃんったらお金持ちなのにこういう時はがめついんですよねー・・・)
ストライフちゃん(ほんとほんと。考え方は貧乏な虫けらそのものだ・・・)
ヘイトちゃん「へいへいヘイヒゲ坊主ぅぅぅ!!!♪Λ#▲@lBH↓!!!!金はちゃんとだしなぁぁぁ▲◎m魚!!W」
ストライフちゃん(こいつは言うまでも無いけどな・・・)
デスちゃん「がめついなーホント・・・怪我が無かっただけありがたいと思えよ・・・」
シェラハちゃん「がめついというと不幸な話を・・・・・・」
水竜くん「ジュエルなんかいらんから、わしは帰ってるか・・・ハニーが待ってるシー。」
タイニィくん「私もかえるぞ。早く誰もいないところで落ち着いて毛繕いしたいしな・・・」
アディリスちゃん「あはは〜ん・・・タイニィちゃんの靴ええ〜な〜」
エロールちゃん「己の欲のためだけに、ジュエルを惜しむ寮長の姿があった!!(じゃかじゃーん)」
ウハンジ(くそ、なんなんだこの集団は〜〜〜!!!!!!!!!)

オイゲンくん「あ〜、肩の傷が疼くな〜。で、アルドラとはちゃんとお別れできたのか?」
ミルザくん「できたよ。」

騎士団寮の屋上で、オイゲンくんとミルザくん二人が話し合っています。
オイゲンくん「しかしまさかアルドラがお前を好きだったなんてな〜・・・意外意外。
       ・・・おいミルザ。まさかお前までその気になっちゃってないよな?」
ミルザくん「・・・僕は、サルーインちゃんが好きだ。これからも、サルーインちゃんと結ばれるために頑張る・・・」
オイゲンくんはミルザくんのその一言を聞くと、ふふっと笑いました。
オイゲンくん「なんかサルーインちゃんの名前出してる割に落ち着いてるなおまえ。ははっ・・・」
ミルザくん「そう?」
ミルザくんは、青い空を見上げました。

もうこれは僕一人の問題じゃない。
去っていたアルドラのためにも、サルーインちゃんは絶対に僕のモノにしてみせるー!!




第12話 終わり。
364ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:52:51 ID:???
デスちゃん「では、ダークの主君に大体の見当がついたと?」
三途の川でデスちゃんとタイラントくんは今日も飲み会。
しかし、二人の表情はすこし深刻でした。
タイラントくん「そういう事だ。・・・おそらくは、イナーシーの中心に位置する島の主・・・」
デスちゃん「『魔の島』か!確かにあそこは情報網が広い私といえどもはっきりと分かっていない・・・」
タイラントくん「そして、・・・まぁ、これは偶然なのだが、その魔の島の主についての情報を大量に入手したのだ。
        妙な魔術師だった。人間か、モンスターかも分からぬが・・・そやつから情報を手に入れたのだ。
        魔の島の主は、ダークなどを使い送られた死体を使い、色々な研究をしているらしい。
        不老不死だとか・・・新しい術だとか・・・」
デスちゃん「不老不死?ばかな・・・」
タイラントくん「そうだ。そのようなバカで、実現するのは考えられないような術を大量に研究しているらしいのだ。
        本人の魔力も恐ろしいものらしく、それに『将魔』と呼ばれる6匹の強力なモンスターを側近にしているらしい。」
デスちゃん「モンスター?なんだ、そいつはモンスターなのか?」
タイラントくん「いや、そこは定かではないらしい。モンスターなのか・・・人間なのか・・・
        しかし、名前だけなら分かっている。・・・その魔術師が教えてくれた。」
デスちゃん「・・・どんな名前だ?」


       「                      ウェイ・クビン。                 」




リザードロード「あーあーあー・・・ダークの奴、やられちゃったか・・・」
デーモンコマンド「所詮人間よ。まぁ、仕方ないというべきか・・・ねぇ、マスター、ウェイ・クビン!」
ウェイ・クビン「うむ。・・・だが、あちら側に相当強い戦士がいる、というのも事実だ。
        四寮長でもエロールでもサルーインでもなくな・・・
        人間はあなどれぬ。『所詮』という言葉ではくくれぬ可能性を持っておる。」
リザードロード「過大評価しすぎじゃあ?人間なんてバカばかりですよ・・・
        アクアマリンをダークに上げて、サルーイン側に引き込もうとしたのもいるくらいですし。」
ウェイ・クビン「いいか。人間をなめてはいかん。嘗め、見下し、足元をすくわれたという話は沢山転がっておろう。
        油断、差別ほど愚かなものは無いぞ。お前ら。」
リザードロード「そーんなもんですかねー・・・」

ラミア「マ、マスターってウェイ・クビンって名前だったのかよっ!!(ズゴーーン!!)」
モーロック「ん知らなかったのかい!!(パシーーン!!)」


つづく
365ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 20:54:32 ID:???
終わった・・・書いてるうちにどんどん長くなってしまった・・・
まぁ、切るようなトコも無かったし、別にいいでしょ?(汗)

なんかダークの話が生生しくなっちゃったのは反省してます。
ソウルスティール使わせたかった・・・
366ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 22:01:25 ID:???
('A`)おもしろかったが、欝になってしまった……


明るい話をキボンヌ。
367ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 22:40:53 ID:rnX7DqJj
次回からはいつもの日常にもどるのかな。
で、アクアマリンは?w
368ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 22:45:24 ID:???
面白かった。お疲れ様!アルドラはええ子やなぁ・・・
次からは毎度の日常になるのかね。
6将って、デモコマ、リザード、あと誰だろう

んじゃ軽めの幕間ものでも投稿してみます。
進行度はビタ一文進まないハズ
369ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 23:27:42 ID:???
どうでもいいけどワイルちゃんって
微妙にヒロインポジションにいないか?
370ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 23:44:24 ID:???
>>365
乙!アルドラちゃんが元に戻って良かったが…またいずれ出せるようになるかな?
ソウルスティールと聞くと、悲しいことを思い出すわ…
皇帝の長男の癖して流し切りしか技の無かった男の話…
>>369
だな。サルーインちゃんを食いつつあるような…
3711/2:2005/07/10(日) 23:49:12 ID:???
幕間劇「教えて!アディリス先生!」

BGM(情熱の瞳、魅惑の舞)

ずばん!
――クールさを演出する白シャツ!
どばん!
――お尻のラインがピッチリわかる、セクシーな黒いタイトスカート!
ばばん!
――それをつけることがデキる女の証!お約束のメガネ!!

どどーん!!
アディリスちゃん「は〜〜いみなさんこんばんはー♪
四天王唯一の女の子にして、陰のヒロイン候補アディリスちゃんですよ〜
いよいよ名前が明らかになった謎の魔導師!そしてナイトハルト君の不気味な影!
よりいっそうの決意を胸にしたミルザの、そして選挙の行方はいったいこの先どうなるのか!!!
・・・気になるところではありますが、それはそれ。今後に期待するとして。
今日は幕間を使って、アディリス先生として、課・外・授・業をしたいと思いま〜〜す♪
そしてカモン助手2人!!」

タイニィくん「・・・助手って我々のことか?」
水竜くん「・・・そのつもりらしいぞ。奴だけは。」

アディリスちゃん「やかましい!!
・・・コホン。では今日は、我々4天王の『属性』におけるお話を。
有名すぎて多分皆さん知ってるとは思うけど、ネタが無いのでカンベンしてね(はぁと)」

水竜くん「なんでもいいが、あまぐもの腕輪そろそろ返してくれ」
タイニィくん「あれ、タイラントはまだ療養中か?」

アディリスちゃん「ふふふ・・・くっくっく・・・」
水竜&タイニィ「?」
アディリスちゃん「あんな奴呼ぶかーーー!!ちくしょーーーーー!!!あーっはっはっはっは!!(BGM:涙をふいて)」
水竜&タイニィ「おわっ!」
アディリスちゃん「あたしはこのシリーズでようやっと出られたのよ!それも他の3人と1セット扱いでさーー!!
なのにあいつは!!1話まるまるメインみたいな扱いだったし!一番最初に擬人化されたし!!
戦闘シーンも豊富だし!妙に人格者みたいな書き方されてるし!差別よ差別!!謝罪と賠s(略」
タイニィくん「単なる嫉妬か・・・」
水竜くん「それより腕輪・・・」
アディリスちゃん「シャラップ!!まぁ今回あいつは散々な目にあったけどね。
ざまぁ無い・・・いえいえ、しばし療養に専念してもらうためにも、以後あいつは放置!!
んで、本当ならあたしだけでやりたかったんだけどね。あんた達も先に出演してるしさー。
でも、擬人化されたのはあたしと同時期だからね。だから超ーーー大目に見て助手にしてあげたのよ。ほれほれ。」
タイニィくん「石化させるか?」
水竜くん「その後海に流してウコムの所に送るか・・・」
アディリスちゃん「では、授業の舞台へ!!」
3722/2:2005/07/10(日) 23:51:44 ID:???
<属性における、相克と相生について>
タイニィくん「相克というのは聞いたことあるが、相生は初耳だな」
アディリスちゃん「『相克』というのは、その名のとおり『相手に克(か)つ』という属性上の力関係のことね。
この言葉が本来使われる陰陽五行説では、勝ち負けの関係は一方通行なんだけど、このマルディアス学園では、各2属性がそれぞれ互いに相克関係をなすのよ。」
水竜くん「水と火、風と土のような関係だな。それぞれの属性が、互いにとって弱点になる。」
タイニィくん「では『相生』というものは?」
アディリスちゃん「はい、相生というのも、これまた字の通り『相手を生かす』という属性上の力関係のことね。つまり、ある属性にとってパワーアップさせるような働きかけをするものなの。
これも一方通行な関係なんだけど、陰陽五行に従うなら、こういう流れになるわ。
風は火を生かし、火は土を生かし、土は水を生かし、水は風を生かす。
風が吹くことで火は勢いを増し、燃やされたものは土に戻り土を肥えさせ、土から染み流れる水が川をなし、海からは風が吹く訳よ。」
水竜くん「ちなみに補足をすると、陰陽五行では本来、水と火の間に来るのは木なんだが、タイニィの司る風は、木気のグループに属するので、一応あってはいるはずだ。多少こじつけだがな。」

タイニィくん「なるほど、不思議なものだな。興味深かった。・・・しかし何故こんな話を?」
アディリスちゃん「いい所に気づきました助手一号。はいここ注目!!『火は土を生かす!』どうよ!キタヨコレ!!」
タイニィくん「?」
水竜くん「・・・なんとなく読めてきたな・・・」
アディリスちゃん「つまーり!!あの朴念仁のモードである火は!!我がモードの土に対して尽くす関係にあるのよ!!
タイラントの奴は私に尽くさないといけないの!属性レベルでのお約束なのよオーッホッホッホ!」
水竜&タイニィ「・・・論理が飛躍しているな」「詭弁のガイドラインにありそうな話だ・・・」
アディリスちゃん「さぁてと。さんざん目立ったし。んじゃそろそろ帰ろうかな。」
タイニィくん「!!、アディリスちょっとまて!お前の頭にあるそれは!」
水竜くん「かっ、火神防御輪じゃないか!!お前まさか無断で持ってきたのか!!」
アディリスちゃん「だってタイニィくんが靴かしてくれないんだもーん。
まぁいいじゃなーい。だって、火は土に尽くさなきゃならないんだもんね〜〜〜」
タイニィ&水竜「あ。」

ちゅどーん

タイラントくん「あの敗北を踏まえて編み出した新技『火神縮退撃』の心地はどうだアディリス?」
アディリスちゃん「ええ・・・五大陸に響き渡るわ・・・ぐふっ」
タイニィくん「(火神防御輪は物理防御はたいしたことないからなー)」
水竜くん「おお。大分復活したようだなタイラント」
アディリスちゃん「へ、へん!もう締めに入るところよ!残念でした!んべー。」
タイラントくん「そんなことはどうでも良いのだが。貴様らこのような事をしていて良いのか?」
水竜&タイニィ&アディ「?」
タイラントくん「我と相克関係にある水のアクアマリンは無事にミルザの手に渡ったが。
貴様らと相克関係にある火、土、風の糸石は所在からして判っていないのだぞ。明日は我が身かもしれぬではないか。」
・・・・・・・
タイニィくん「・・・くちばし技に磨きをかけるか・・・」
水竜くん「・・・今日のデートはキャンセルだな・・・」
アディリスちゃん「あ、ちょ、おま、待ちなさいよ〜助手ズ!!私も帰るーー!!」
タイニィ&水竜「誰が助手だ!!」「腕輪返せ!!」


タイラントくん「――――やれやれ。」

おしまい。
373ゲーム好き名無しさん:2005/07/10(日) 23:54:11 ID:???
陰陽説を持ち出したのは特に理由は無くて、ただ単にアディリスちゃんを使ってみたかっただけです。
力作のあとにいきなりアホな番外編でごめんorz
では以降何事もなかったかのようにどうぞ
374ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 00:13:28 ID:???
なんか世界史コンテンツみたいでおもしろかたよ。
375ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 03:38:18 ID:Nh93SMOE
http://www.alfoo.org/diary2/minion/image/minion-1121020261-4.jpg

職人さんたち乙ー☆実はミニオンスレの時から楽しませてもらってる!
なんとなく想像でミニオンたち描いてみたw見づらくてごめん;
ミニオンたちは…セーラーであって欲しい…!!
右からヘイト、ワイル、ストライフ
ワイルが持ってるのはスペルエンハンスの本で。

スルーしてもかまわないんでww
では職人さん、新作楽しみにしてるよーっ
376ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:11:37 ID:???
>>375
おお、乙。
俺もちょっとミルザとサルーインちゃんとエロールちゃん
デスちゃんシェラハミニオン三人をラフってみたことあるがその内
(良ければ)公開してみる。
ヘイトちゃんがマジで馬鹿そうだなwストライフちゃんのツリ目がイイ!
じゃあ俺はまず文の方の新作投下するぞー
377ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:12:59 ID:???
マルディアス学園・・・雄大な学園を背にアルドラちゃんは歩いていました。
『この学園を去る・・・』そう言い放った、その自分の決意。その意志に揺るぎはありませんでした。
・・・それでも名残惜しいのは当然のことではないでしょうか。
アルドラちゃん「・・・さよなら、か・・・」
上を向いて瞳を閉じる。涙がこぼれないように・・・しかし瞳を閉じたことで余計、
学園での楽しかったこと、悲しかったこと、ミルザと一緒にいれた時間・・・そんな思い出が
めまぐるしく目の前に浮かんでくるようで、アルドラちゃんの目尻は涙であふれてしまいました。
アルドラちゃん「・・・っけね・・・ばか!俺はもう決めたろ?・・・へへへ・・・きゃっ」
目に涙がたまって視界がぼやけていたからでしょうか。アルドラちゃんは足元のバランスを崩し、
豪快にばたんと転んでしまいました。アルドラちゃんは転んだそのままの姿勢で、・・・プっと噴出しました。
アルドラちゃん「あははははは!こりゃあ幸先悪い出発だな!
     でも見てろよ、神様に馬鹿にされても、俺は笑い飛ばしてやるさ!あっははは・・・」
???「大丈夫か?」
転んで倒れたアルドラちゃんに声をかけるものがありました。その人の顔を見ようとアルドラちゃんが顔を
もたげると――――――――
アルドラちゃん「ぐっ!!」
いきなりアルドラちゃんの上体を起こされたかと思うと、一瞬の間に首に手を掛けられたのです!
アルドラちゃん「ぐ・・・く・・・!!」
???「もうすこしは引っ掻き回してくれるものと思っていたが・・・やはり卑賤の星の元生まれたものなど
    愚かで、愚かで、愚かなだけでなんの役にも立たぬな――――だがこれを見越して彼奴等全員を
    欺けたことは幸い・・・ふっいくら数をそろえても愚か者は愚か者だと言うことだ。
    ・・・今しがたお前を愚かなだけと言ったが・・・撤回してやろうまだ使い道はあるな・・・
    卑しい者でも使いようがある限り私の情けがある・・・残りかすになるまでな」
きつく首を絞められて意識がかすんでいく中、アルドラちゃんは蘇ってくる記憶を感じていました。
・・・・・アルドラちゃんがまだ『ダーク』の姿のとき・・・・・

アルドラちゃん『・・・騎士団寮を追い出されて、俺はさすらいの旅人か・・・っははは・・・!
     ・・・あ・・・ああ・・・腹が減った・・・』
アルドラちゃんは騎士団寮がまだ見渡せるクジャラート舎との境位の丘の上で、
ぱたりと倒れこんでしまいました・・・。
アルドラちゃん『・・・・・あーあ・・・腹が減るのには慣れてたはずなのに・・・な・・・』
意識がかすんでいきます。もう空が青ではなく灰色に見えてきたその時―――
???『大丈夫か?』
378ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:13:49 ID:???
アルドラちゃん『―――――――・・・?』
アルドラちゃんは訳もわからず上体を起こされました。その人物を見ていたのですが、空腹で目がかすんで
顔がよくわかりません。
???『空腹のようだな・・・金なら今すぐにでも出せるが、食物は今は持っていない・・・
    すまない、金だけここに置いていく、あと・・・・・』
ふらふらと体の弱ったアルドラちゃんの首にそっ・・・と手がのばされました。
この時恐ろしくぞっとした記憶だけはアルドラちゃんの茫漠たる回想の中でも思い起こされました。
???『・・・君にはどうやらこの先大きな苦難が待ち構えているようだ。これは、ほんの気休めの、
    ・・・・・・お守りだ・・・・・』
・・・そう言って首に掛けられた水のように透き通るような宝石・・・。
アルドラちゃん『・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・』
???『・・・『手放してはならんぞ』・・・・・・・では、すまないが私はこれで・・・』
アルドラちゃん『・・・・・・・・・・ま・・・・て・・・』
引き止める前にアルドラちゃんは気を失い真っ暗な闇の中に・・・
そのときの記憶も置いてきてしまったのです・・・・・

アルドラちゃん「・・・・・・お・・・ま・・・え・・・・・!!」
???「私を忘れていたようだな。全くもってどうでもよいことだがな・・・
    また与えてやろう、貧しく何も持たない者よ。そら、今度はお前のような卑しい者にこそ
    似つかわしい物だ・・・」
アルドラちゃん「ううっ!?」
アルドラちゃんの首に何か吸い付くような、焦げ付くようなものが付けられていることに気がつきました。
アルドラちゃんはこれを知っている・・・ウィザードの授業でも出てきた・・・
『身に着けるものの正気を奪い、邪心、欲望、狂気を呼び起こす・・・』・・・邪眼のお守り!
???「・・・名残惜しいのだろう・・・?この学園が恋しいだろう・・・!
    この学園に置いて行きたくない沢山の楽しみがあるだろう・・・・・!
    ・・・・・『本当はミルザが欲しくてたまらないだろう』!」
アルドラちゃん「!!!――――――――・・・ああああ・・・・ああああ!!」
???「私が何もかも叶えてやろう、与えてやろう・・・だからお前は
    『私に膝まづくのだ』!」
アルドラちゃん「―――――――――――」
アルドラちゃんはかくん、と締め付けられていた首から力が抜けました。気を失ったのです。
???「・・・ふ・・・たわいもない・・・・・目を開いたときにはすでに
    私の忠実な僕に・・・いや、己が欲望の忠実なる僕になっていることだろう。
    ふっ・・・いじらしい恋する乙女にな!共感するぞ、私も似たようなものなのさ・・・」
護衛「ナイトハルト様ーーーーーーー!!」
馬を引き連れて護衛の生徒が駆けつけてきます。『ナイトハルト』という名を呼んで!
379ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:15:06 ID:???
護衛「遠乗りに出るといわれたのに馬がぽつんと残されていましたから心配いたしましたよ!
   ・・・その少女はどうしたのです?」
ナイトハルトくん「どうやら退学届けを出した生徒らしいがこんなところで倒れていた。
   一旦クリスタルシティ寮で保護しよう。ともすれば退学なんて思い留まらせることも出来よう」
ナイトハルトくんは馬にまずアルドラちゃんを乗せると、自分も乗りつけ、颯爽と駆け抜けていきました。
護衛「ああっ・・・ナイトハルト様ってカッコイイ・・・・・はう・・・・・・・はっ!
   ちょ、ちょっと私は置いてけぼりですか!?待ってくださいよナイトハルト様ーーーーーー!!!」
・・・・・・・風を切っていくアルドラちゃんを手中にしたナイトハルトくん。
ナイトハルトくん「奇をてらって火山など正反対な場所など選ばすに、最初から在るべきものが
     在るべきところを舞台に選ぶべきだな・・・華麗なるショーが見たければ!!」


第13話『クリスタルレイクプールご招待』


ミルザくん「ねえねえオイゲン」
オイゲンくん「駄目。数学の問題は教えない。自分で考えないからいつまでも自力で解けないんだよ」
ミルザくん「違げーよ!!・・・いや違うのだよオイゲンくん。僕詩人になろうかと思うのだよね」
オイゲンくん「ぶっ!!」
ミルザくん「汚いな!!・・・いや、そんなつばのしぶきの一つ一つにも愛がこもっていて・・・」
オイゲンくん「何を言い出すんだよお前は!!てゆーか口調キモい!!戻せよ!!」
ミルザくん「き、キモいって・・・ひどい・・・だってオイゲンくん!!君の言葉どおり
      僕はバリバリの文型!!詩人の素質ばっちりじゃない?天が与えたもうた奇跡・・・!」
オイゲンくん「文型イコール詩人とかマジで馬鹿すぎて何も言えない・・・つーか何?
      いきなり何言い出すわけ?お前夢語るその前に家計簿の赤字どうにかしようと思わないの?」
ミルザくん「ぐあああああああ一言で現実にもどされるうううううううう!!!
      だ、だって詩人になると女の子にもてますよって詩人さんが教えてくれたんだもん・・・」
オイゲンくん「・・・・・・すっごーい卑劣な罠だなそのご教授頂いた内容・・・・・」
ミルザくん「サルーインちゃんのために歌を作るんだ!!サルーインちゃんソング!!主題歌だよ!?
      おおーうフォーエヴァーネクタ〜イ!!ああサルーインちゃんが聞き惚れる姿が見たいっ」
オイゲンくん「ちょ、ちょ、ねえ、まじで親友としてね、言わなきゃっておもうからいうけどね、
      おまえそれ最高の嫌がらせ以外の何者でもないからまじでやめな?な?
      ・・・それよりお前!女の子を喜ばせるといったら自己満足以外の何者でもない歌なんかより
      デートだろ!!最高のデートスポットだろ!雰囲気最高のレストラン、人のいない貸切の海、
      子供心に戻れるかわいい遊園地・・・お前にそれだけ女の子に奉仕できる金があるか!!」
ミルザくん「ガーーーーーーーーーン!!・・・か・・・金!金!金!人として恥ずかしくないのか!」
オイゲンくん「お前のポエムより恥ずかしくねーよ!だからさーミルザ本当にさー女って金が
      かかるんだって!いつまでも僕貧乏奨学生!とか自己紹介してらんないだろ!?」
ミルザくん「そんな自己紹介したことねえよ!!お前マジでひどすぎるだろ事実でも!!(泣)」
オイゲンくん「(無視)だからここいらで一気に金を手にしようぜ!?サルーインちゃんと
      ちょっと距離が近づいたかな?ってとこでガツンと男の賭けに出るんだよ!『デートに誘う』!!」
380ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:16:01 ID:???
ミルザくん「『デートに誘う』ううぅ!?は、はあはあはあはあ」
オイゲンくん「はいはい妄想に突入する前に現実をまっすぐ見つめてみようね。
      サルーインちゃんは学園屈指のお嬢様。高級なんて言葉は当たり前。この世の遊びという
      遊びは味わいつくしているセレブ・・・ところが、だ。俺の耳にした情報によると、
      タカビーな割に彼女は超箱入りの正真正銘の温室育ちで・・・男には全く免疫がない!!!」
ミルザくん「ぶぶーーーーーーーーーーーっ!!・・・な、なにその都合のよすぎる話!!
      俺聞いたことあるよ!?サルーインちゃんが付き合ってる男を破産に追い込んだとか
      付き合ってる男を翻弄しまくって廃人にしたとか」
オイゲンくん「・・・それは妹のシェラハちゃんの話と混同されてそういうことになっているんだよ・・・。
      実際のところ告られまくりモテまくりだから混同されるのもしゃーないって話。
      しかし本当は彼女は告白してきた男を振ったことしかない!つまり男と付き合ったことはナシ!!」
ミルザくん「マーーーーーーーーーじでーーーーーーーーーーーー!?」
オイゲンくん「いくらサルーインちゃんが豪奢な遊びを姉妹や取り巻きさんたちと味わいつくしててもだ・・・
      『男』と遊ぶっていうのはただそれだけで新鮮味をもつ!!可能性だけでいえば
      もしすると庶民的な遊びも新鮮に映って逆に面白く感じるかもしれない!!つまり『イケル!!』
      ・・・さあどうするミルザ!?ここらが勝負時じゃないかミルザ!?どうするミルザ!!」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・漢は勝負だ!!」
オイゲンくん「そうともミルザ!!漢の中の漢よ!!」
ミルザくん「おお!熱き血潮の兄弟オイゲンよ!!」
オイゲンくん「(・・・頑張って煽動してたらなんか暑苦しくなってきたな・・・)で、さっそくだが
      今お前の残高ってどれくらい?」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      実家に仕送りしたばっかだから97ジュエル」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・そうか・・・俺の昼飯代くらいか・・・」
ミルザくん「でっでも新鮮なキャベツを送ってきてくれたんだ!これで一ヶ月腹は満たせる!」
オイゲンくん「・・・一ヵ月後のキャベツは果たして新鮮といえるのだろうか・・・
      まあ・・・話を戻すとやはり金をドカンと手に入れなければならんようだな」
ミルザくん「そんなおいしい話って・・・ねえ97ジュエルで誘えるよーなところってないかなー?」
オイゲンくん「そうだな・・・・・自販機に一緒にいこうよ!とかかな・・・」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・」オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・」
二人「はあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
???「すみませーん!ミルザさんの部屋はここでいいですかー?」
ミルザくん「ん?あ、はーい誰でしょうー(ガチャッ)」
郵便屋さん「電報でーす・・・あっちょうど良かったオイゲンさんですね?
      あなたにも届いてまーす同じ人からでーす」
二人「?????????開けてみよう」
381ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:27:08 ID:???

『騎士団寮の名士ミルザ殿・・・(オイゲン殿)
     この度クリスタルレイクを改造した巨大プールの完成にて、
     まず記念すべき第一回目の開場につき貴殿をご招待をいたしたく候。
     ぜひクリスタルシティ寮まで足を運んで頂きたく候。
     尚、懸賞金つきイベントなども用意しておりぜひ参加して頂きたく候。
                         クリスタルシティ寮長 ナイトハルト』

二人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
郵便屋さん「確かに届けましたよー毎度ーーー!」
ミルザくん「・・・・・・こ、これは・・・・・・・!」
オイゲンくん「・・・こりゃ逃せない振って沸いたようなチャンスだぜミルザ・・・!
     クリスタルシティ寮といったら金持ちで有名!!この懸賞金ときたら・・・!
     しかも!俺たちのような大した立場でもない奴らでも呼ばれるんだから・・・
     学園中に名を誇るあのセレブ三姉妹が招聘を受けないとは考えられない!!!」
ミルザくん「さっサルーインちゃんが!!!」
オイゲンくん「・・・こりゃあ懸賞金を手に入れる前にデートできちゃうわけになるかも
      しれないぞ!?新設されたプール!!そこで一言「一緒に泳ぎませんか?」と声を掛ければ・・・!」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・!!幸運の女神が僕に微笑んでいる!!!」
オイゲンくん「そうともミルザ!!この微笑を逃しちゃいけねえぜ!!!」
ミルザくん「ああっ幸運の女神がサルーインちゃんの顔をしている!!ああサルーインちゃんはあはあ!!」
オイゲンくん「はいストップストップ妄想しすぎで幸運の女神に逃げられませんように」
こうしてミルザくんの元に幸運が訪れました!!・・・しかしそれが本当に幸運がどうかは・・・?


サルーインちゃん「ナイトハルトくんから招待状だわ。聞き及んでいたクリスタルレイクの改造が終わったのね」
今日もセレブ三姉妹は優雅なアフタヌーンを送っていましたが、いつもと違ったのは、
一通の招待状が彼女たちに届いていたことでした。
シェラハちゃん「招待状と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・ある日クラスの全員に不幸の手紙が来たのに
     自分だけ王室からの招待状を貰った一人の黒髪絶世美女の話」
デスちゃん「最近悲しい話も凝ってきて自慢話も入ってきてるな。・・・一通で三人の名前が書いてあるな」
ワイルちゃん「サルーインちゃんあんまり驚きませんでしたね、知ってたんですか?」
ストライフちゃん(知らなかったら大騒ぎしそうなもんだもんな)
ヘイトちゃん(「アハアハハハハ当然の招聘だな!下らんがこの私が慈悲をかけて行ってやる!!」・・・
      とかね江えェエエエあひゃばひゃばひゃひゃ$#Э!!!)
ストライフちゃん(お前うまいな。さすが変装の変態)
382ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:27:58 ID:???
サルーインちゃん「アハ、ナイトハルトくんが私にだけ「秘密だよ」とか言って相談してきたりしてたのだ!!
     いやあアハハハハどんな高い地位にいるやつも私の慈母のような顔を見ると頼りたくなっちゃうのだな!」
シェラハちゃん「慈母と聞くと悲しい話を思い出すわ・・・
      般若みたいな顔の癖に自分の顔を慈母とのたまった女の話」
デスちゃん「即興でなかなかやるな」
サルーインちゃん「(気づいてない)さあお前たち!すでに用意はよかろうな!?いいに決まってるよな!
      私が出来てるんだものな!!早速その日の水着を選びに行くぞ!!!」
ストライフちゃん「自分が出来てるから他も準備が出来てるとの思考回路はさすがだな」
ワイルちゃん「じゃあさっそく水着の一覧を持ってきま・・・」
サルーインちゃん「愚か者!!誰が今までの水着の中から選ぶといった!!新調だ新調!!」
ヘイトちゃん「へェエエエエーーーーーーラロロまたですかア!!!何百着とアルのにぃ☆★☆」
サルーインちゃん「当然だろうが!新設した豪華プールに新調した水着を着ていく!当然の礼儀だろうが!!」
デスちゃん「都合よく礼儀とかお前が言うなよ」
シェラハちゃん「私も新しいのが欲しいかしら・・・前のやつなぜか胸の辺りだけ切り裂かれてるから・・・」
サルーインちゃん「決まりだな!!では、私たちの水着物色の旅へ!!」
ミニオンちゃんたち「はあ〜〜〜い」
シェラハちゃん「旅レベルで探し回るつもり・・・?」
デスちゃん(・・・まあ新しいの買ってもいいかな・・・十年くらい使ったしイメージカラーとか言って
      白を選んじゃったらなんか目立っちゃったし汚れるの早いし・・・
      ちょっとくらい新しいもの買ったっていいよな・・・ばち当たんないよな・・・)

で。
サルーインちゃん「これはどうだ!?」
ワイルちゃん「すごい!お似合いですサルーインちゃん!!」
ヘイトちゃん「まーーーーーっ赤な鮮烈な情緒がサルーインちゃんにピッたしいいぃ■仏!!!!」
ストライフちゃん「・・・まあいいんじゃないか・・・」
サルーインちゃん「フン!決まりだな!これ買うわよ!!はい!」
で。
サルーインちゃん「これはどうだ!?」
ワイルちゃん「・・・なんて美しいんでしょう!!」
ヘイトちゃん「まーーーーーーっ白な儚げなヴェールが光り輝いているよおおおおう王■!!!!」
ストライフちゃん「・・・まあいいんじゃないか・・・」
サルーインちゃん「フン!決まりだな!これ買うわよ!!はい!」
・・・・・・・・・・・・・で。
サルーインちゃん「これはどうだ!?」
ワイルちゃん「・・・・・・・ま・・・まるで人魚姫のようで・・・(疲れた・・・)」
ヘイトちゃん「・・・・・めまーぐるしく移り変わるメタルで虹色でアひゃな漢字が・・・(疲れた・・・)」
ストライフちゃん「・・・・・・まあ・・・・・いいんじゃないか・・・・(機械的)」
サルーインちゃん「フン!決まりだな!これ買うわよ!!はい!」
383ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:28:45 ID:???
。。。で。
シェラハちゃん「こんなのどうかしらねえデス姉さん・・・」
デスちゃん「・・・それは・・・なんというか・・・腹巻状になっているのか?大事なところが隠れないんじゃないのか?
      それよりシェラハ、これどうだと思う・・・派手過ぎるか・・・るよなあでもちょっと冒険したって・・・」
シェラハちゃん「・・・それ前のやつ持ってきたのかと思ったくらいおんなじようなのだと思うんだけど・・・」
で。
ヘイトちゃん「フウフーーーーーーーーーーーーーうやァれやれywrた!!やああァっと
      私たちも選べるわねえェエエェええええ!!!」
ワイルちゃん「わ、私スクール水着でいいと思ってたんだけどやっぱりめでたい場だし選んだほうがいいのかな・・・
       ・・・ところで・・・」
ヘイトちゃん「・・・・・・・ストライフちゃんのあの真剣さはすぐぉいわねい・・・・・・・・」
二人(しかも見てるのは全部競泳水着・・・・・・・・・・・)
ストライフちゃん「・・・・・・・・・(これは水中抵抗のことを全く考えていない!!
     こっちは素材がだめだ!!私が本気で一泳ぎしたらすぐにでも伸びてしまう!!こっちは・・・)
・・・・・・・・はてさて、彼女たちの水着あさりは続いていました・・・・・・・・。

ミルザくん(僕の水着は騎士団寮限定のスクール水着でいいよな・・・あれは結構カッコイイし
      騎士団寮の代表みたいな感じで潔くてむしろ格好よくないか?・・・・まあ金がないだけだけどさ・・・)
オイゲンくん「おれも騎士団寮限定スク水で行くから安心しろよミルザ、そんな気張ることはねーだろ」
ミルザくん「!!オ、オイゲン心を読んだのか!?・・・おお友よ!!」
オイゲンくん「うんうん(だってお前にはその道しか残されてねーし・・・)・・・のどが渇いたな」
オイゲンくんは水道へと向かい蛇口をきゅっと開きました・・・・
―――――すると!!!
???『ミルザ、ミルザはいるか!!!』
オイゲンくん「!!!?」
ミルザくん「なに!?オイゲン!・・・・・・・・なっ!!」
なんと蛇口から出てきた水が『水龍くん』の形をとり、ミルザくんたちに話しかけてきていたのです!!
ミルザくん「な・・・な・・・・あ、あなたは『水龍』さんですか!?」
水龍くん『流れる水の力を借りている、こんな方法でしか連絡を取れなくて済まない!!
     ミルザ、『水のアクアマリン』を持っているだろう!『水のアクアマリン』を出せ!!』
ミルザくん「な・・・な・・・・・・」
ミルザくんは動転しつつも言われるままに『水のアクアマリン』を取り出しました。
水龍くん『―――――――――やはりか!!』
オイゲンくん「お、おい一体、どうしたって言うんです!!」
水龍くん『これは『水のアクアマリン』ではない!!!』
二人「――――――――――なんだって!?」
384ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:29:23 ID:???
声を荒げて驚く二人に、蛇口から自分の形をとって意志を送っている水龍くんは話し始めました。
水龍くん『私の神殿には『水の精霊珠』という秘宝が隠されていた。『糸石』には力そのものは及ばずとも
     属性としては劣らぬ力を持っているものだ!・・・私が今日神殿内の大掃除をしていたら
     『水の精霊珠』がなくなっていることに気づいた!!『その糸石』は『水の精霊珠』を
     巧妙に繕ったものだ!!』
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・なんですって・・・・・!!」
水龍くん『水の精霊珠なら全力を注げばあのような洪水を起こすことは可能!!
     間違いなくそれは『水の精霊珠』だ!!』
ミルザくん「なんで・・・じゃ、じゃあどうしてアルドラがそんなものを持ってたんです!!いいえ、『ダーク』が!!」
水龍くん『わからぬ・・・しかし、あの肉体はなにか暗い天井から糸で操られている!!・・・・・しかもおそらく、
     『ひとつの意志』にだけではなくいくつもの意志によって陰謀の糸をその身に張り巡らされている!」
ミルザくん「・・・・・・・・・・アルドラ!!」
オイゲンくん「・・・・・し、しかしアルドラは学園にはもういません!いくら心配したっていないんだから・・・
      取り越し苦労というものです・・・!」
水龍くん『・・・・・・なら、いいのだが・・・・・・・しかし、水面が揺れている・・・・・・
     おののくように何かを伝えようとしている・・・・・・水面に暗いの雲の影が落ちる・・・・・・』

サルーインちゃん「うがあああああああああああ!!!どれだ、どれだ、どれだああああああああ!!」
デスちゃん「あのしょうもない世間に申し訳ない愚妹は何をしている」
ワイルちゃん「・・・・・・・・・今日買った合計361着の水着の中から当日着ていく予定で買った水着がどれだが
      探しておられます・・・・・・・・・・」
サルーインちゃん「これじゃない、これじゃない!(ビリッ!!)ええいお前じゃなーい!!(ビリビリッ!!)
      これでもない!!(ビリッ!!)ちっがーう!!(ビリビリッ!!!)
      うがーーーーーーーどれだああああああああああああ!!!!!!(ビリビリャグシャア!!!)」
ストライフちゃん「・・・・・破壊神の真髄ここにありだな・・・・・・」
ヘイトちゃん「アひゃーーーーー2345ジュエルが飛んで・・・あひゃ次は3470ジュエルが飛んで飛んで〜♪♪」
シェラハちゃん「・・・・・・・・最後に残った一着が当日の水着ね・・・・・・・・」


ナイトハルトくん「・・・・騎士団寮より奨学生ミルザ殿、オイゲン殿、
     ワロン寮より人間との和解の功績を残したゲッコ族ゲラハ殿、メルビル寮よりパトリック殿、
     エスタミル寮よりジャミル殿、クジャラート舎寮長ウハンジ殿、タルミッタ寮長トゥーマン殿、
     および我らがローザリア舎から・・・・・・」
生徒「ナイトハルト様を!!」
生徒たち「「ナイトハルト様を!!」」
ナイトハルトくん「・・・・・・以上の名士達をクリスタルレイクプール開設祝いの第一回目のイベント、
     『クリスタルナイト』にご招待する!!!」
わあああああああああああああああああああ・・・・・・
385ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:30:20 ID:???

ワイルちゃん「結構この水着かわいいと思いません?ちょっと値は張っちゃったけど・・・たまにはいいですよね!」
ヘイトちゃん「いっひひひひひい狒狒ヘェイトの水着は見るまでオ・タ・ノ・シ・ミーーーーーー狒狒!!!」
ストライフちゃん「・・・ふっ・・・この強度・・・計算された設計・・・完璧な水着だ!!!」
デスちゃん「・・・・・ところでお前たちにも招待状が来たのか?」
三人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい???」
シェラハちゃん「招待状を持ってる者じゃなきゃ中に入れないのよ」
三人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・まじで?」
サルーインちゃん「これもちがあああああああああああう!!!(ビリーッ!!!)
      ・・・あ・・・・・あと一着になっちゃった・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・まあこれでいっかあ!!!♪」

ワイルちゃん(・・・・・・・・・これって・・・・・・・どうするよでしょう)
ヘイトちゃん(無理に敬語を使おうと混乱してるわネエイд・・・)
ストライフちゃん(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ワイルちゃん(ストライフちゃん・・・・・・)
ヘイトちゃん(あーあんなに気合入れてたモンネエイд・・・)
ストライフちゃん(・・・・・・決まってるだろう、虫けらども!!!)
二人(はい???)
ストライフちゃん(忍び込むんだ!!我等サルーインちゃんの僕がお供についていなくてどうする!!(建前))
ワイルちゃん(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ヘイトちゃん(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ストライフちゃん(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

三人(トライアングル・フォーメーション!!イクゾー!!!)

一大イベント『クリスタルナイト』・・・そこに集うミルザくんとサルーインちゃん、そして
彼らを待ち受ける運命やいかに・・・・・!?

つづく
386ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 05:59:40 ID:EbAgKhJd BE:170381298-
ううううううううううわああああああああああああ
387ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 06:21:47 ID:???
おー、乙!アルドラ退場しなかったか。
シリアスから一転してかなり漫才してるなみんなw
またアメジストのダンスパーティみたいな感じになるのかな。
帰ってきたら続き書きたいがその前に書きたい人がいるかな・・・。
388ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 07:31:02 ID:???
お疲れ様〜。
ジャミルとゲラハまたでるのか。
新キャラはオヤジ二人…w
それにしてもアルドラをこれ以上いじめられるとちょっと…
389ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 10:47:19 ID:???
乙です! トゥマン様キター! ウハンジと同じくらいには出番希望
その声フェロモンでウハンジよりモテるので
水竜君の為に女の子を調達してあげてるも本人は色恋には興味なし
趣あるけど古いタルミッタ寮の建て替えをナニトゾーとおねだりしてるってかんじかな
390ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 19:40:47 ID:???
ミルザかわええ…
アルドラかわええ…
ワイルたんかわええ…
ダークかっこええ…
タイラント負けかわええ……
アディちゃん頑固かわええ…
このシリーズキャラの魅力が尋常じゃないな。

棒読みだけは嫌いだけどなー。
391ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 19:47:29 ID:8jmykQoA
大長編第一回目とか言われてたダーク編がもう終わっててびっくりっつーか、拍子抜け・・・
俺は書き手で、火山乗っ取られてからの四天王たちの戦いを楽しみにしてたし、
俺自身書きたかったからはっきり言ってかなり残念全然活躍してないし
リレー小説の書いたもん勝ちに因縁つけるのは馬鹿みたいだけどさ・・・
しかもアルドラが学園を去るって、ただでさえ少ない話の材料を失うわけだよ?
(まあ去らなかったみたいだけど)それってかなり話作るうえでの損失だと思うよ?

ちょっとは書き手やってる一人として、生意気にも意見させてもらうけど
このスレ話膨らませる気がまじでなさ過ぎ。全然リレー小説っぽさがない。
一話一話が二、三人で終わってほんっと短い。まじでこのままのやり方で行くとこのスレ長く持たないと思うよ?
もっとロマサガのベースから離れて独自の路線で切り開いていったりしないと
まじで長持ちしないと思う。それを本気で危惧してるよ結構。俺は長く続いてほしいし
ほかの書き手さんたちの意見はどうかわからないけど。つーか何人くらいなんだろうね書き手のほうは
読み手さんの希望も知りたいところだけどさ、でもここって読み手いるのか・・・?感想少ないしな
392ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 20:09:02 ID:???
ダーク一匹じゃあんくらいが限界だべ。
大長編ってのも、ただ言われてただけだし…
だがまあ、キャラを生かしきれてないような感じはあったな。
393ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 20:15:44 ID:???
なんかアルドラ、このままじゃ体が持たなくて
最後らへん、まじで昇天しそうだな…
デスちゃんやワイルちゃんも本人に謝罪してないし…
ん〜まさに悲劇のヒロイン。
394ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 21:49:36 ID:???
>>391
お前さんの気持ちもわかる。ただ、正直どっちが良いのかよくわからないんだ。
俺は導入部一つと単発1,2書いただけだけど。
むかーし同様のリレー系の所にいたんだけど、話が膨らみすぎて誰にも収集がつけられなくなり、
1度に書かねばならない情報量も増えすぎて、自然消滅しちゃったのよ。
それで、色々キャラ使って膨らましたいなーと思うのと、複雑化させすぎてどうにもならなくなったらどうしようかという思いがあって、
2,3人で終わるのならそれはそれでも良いのかなぁと思っていた。
続きを引き継いで、よけい要素を増やして、こんなんどうすんだよーー!と言われるのが怖かったというのもあるが。
どんなんがいいんだろうねー。俺は単純に多くのキャラで色々遊びたいなーと思うよ。

ただ一つだけ。アルドラの扱いはもうちょいマシに・・・
これは悲劇というか、ただのイジメのような鬱さだ・・・
395ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 22:17:36 ID:???
基本的にコメディだもんな…
396ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 22:51:00 ID:???
>>391
>>394
そこでこんな提案をしてみる。
現在のストーリーの続きだけではなく、書きたいものを投稿する。
例えば、「五話でアルドラ追い出されちゃったけど、俺は追い出されなかった場合の話を書いて見る」
てな感じでストーリーに選択肢を持たせる。
そうすりゃ書き手も自分にあった分岐(シリアス、ギャグ、鬱、バトル物、等)に投下しやすいだろうし。
んで、各分岐事に異なるエンディングを迎える、と。
業界初のフリーシナリオ式リレー小説完成(゚∀゚)!!って感じで。
まぁスレがカオス状態になるからまとめサイト必須だし、放置されるストーリーも出て来るだろうけどな。
提案っていうか、こんな感じになったらいいなという俺の願望だ。
わかりにくい文章でごめんな(´・ω・`)
397ゲーム好き名無しさん:2005/07/11(月) 22:51:35 ID:???
おもしろいけどなるだけ欝にはなりたくない、だから今の話の続きに期待。


アルドラいじめいくない。
398ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 01:44:30 ID:???
>>391
文体などから見る俺の憶測ですると現在このスレには、
1・学園コメディでマターリ萌え〜派
2・コンパクトに完成度の高いのを投下するよ派
3・萌えより燃えの冒険活劇だろ!!派
4・僕は、ワイルちゃん!派
5・サルーインちゃんこそ真のヒロイン教団派
6・ちょっと思いついたらたまに投下するよ派

・・・などの職人がいる。>>391はたぶん3あたりなんだと思うが、
(ちなみに俺は5番だ!!!)まあ何がいいたいかというととどのつまり・・・
まあ職人はせいぜい5,6人だろ。頻繁に書いてるのを絞ればおそらく3、4人程度位にしか思えない。
もうちょっと増えればもう少し一話一話のボリュームも大きくなると思うがな・・・
今現在は確かに予定調和気味でリレー小説の次どうするよ!?ってスリルが足りない気は俺もするね。
確かに話をでかくしようとすると自滅しかねないけどそれは次の書き手を信頼するっきゃないだろ。
例えば多分一番新作の奴の>>377はアルドラ退場をなんとか引きとめようと苦肉の策でこじつけたんだろ?
そんな感じじゃん。リレー小説ってそういう意外性がおもしろいんじゃん?
感想は確かに少ないよな・・・こんなマニアックなスレじゃ仕方ない気もするが。
新作投下する人は新規(読者も職人も)募集策として基本的にageるのはどうだ?
で、
>>397とか
確かにアルドラはなんか悲惨すぎることになってるがしっかりした物語になってくると
詩人みたいに悪役っぽかったりアルドラみたいに陰謀に翻弄されるという
損な役回りのキャラが出てくるのも必然的みたいなもんだからしょうがない。
まあ今のアルドラは・・・ちょっとひどすぎるけどな・・・。
つーか俺最初アルドラってギャクキャラになるもんだと思ってたよw
八頭身みたいなストーカーにw
>>396
おもしろい提案だが・・・結構難しいと思うよ。まずしっかりした管理人が必要になるし。俺の意見だけで言えば、
リレー小説はどんな状況からでもこじつけてなんぼだと思ってるから今のままでもいいと思うかな・・・。

俺は棒読みに期待。てか今までもミルザたち、ウェイの勢力、そこに棒読みの
謎の陰謀が乱入して三つ巴の戦いになりそうなヨカーンがあったから楽しみ。三つ巴とか燃えるんだよなー。
うーん、俺はまあもっと小さくまとまらない大作主義に走ってもいいと思うな。
399387:2005/07/12(火) 08:59:52 ID:???
ご、ごめ・・・今日中には続き書きたいと思ってるから・・・。
400ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 10:43:39 ID:???
基本的にロム専だけどちょっと思ったこと

このスレはなんかただでさえ少ない感想が微妙。お疲れ〜○○出てきたね〜続きに期待〜
みたいなのばっかで何故か肝心の投稿内容に関しては触れてないようなのばっか
単純な「面白い!」とか「イイ!」とかもなんか少ない
面白くないものを面白いって言う必要はないと思うけどこのスレの内容は
レベル高いと思うけどなあ。感想って職人にとっては重要だろうし
これじゃ書いてみようかな?って思う人が出てくるどころか現職人もやる気
なくしそうなもんだと思うけど・・・。なんでこんなに微妙なテンションなんだ?
俺はいつも楽しく読ませてもらってます。これからも頑張って下さい
401ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 17:00:50 ID:???
ナイトハルトの行動全てに辻褄が合うような設定閃いたけど、
先に書く人がいるみたいなんで、期待。わくわく
402ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 17:19:36 ID:???
ロム専の者です。
小心者なんで今まで書き込みしてなかったけど(今すげー緊張してます)
いつも楽しみに見てます!
面白いから友達にも勧めてます。だから自分の友達も見てると思います。
がんばって下さい!!
403ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 17:50:07 ID:???
<=(´∀`)<僕は純粋なROM専だけ(ry
404ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 18:59:02 ID:???
>>3999
おお!書くか!楽しみにしてるよ!具体的には・・・
水着!水着!水着!水着!水着!水着!水着!
405ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 19:59:32 ID:???
ROM専だったけど読んだ感想ぐらいは書くようにするよ。

投稿は俺のクオリティ低すぎてムリポorz
406ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 21:27:18 ID:???
よし、スレタイだけ見ていままで読んでなかった俺が今から読んで感想書かせてもらう。
ちなみにSFCしかやってない。
407ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 21:58:25 ID:???
いつも楽しく見せてもらってます!
リレー小説を見るのは初めてなので、感想を書くと
嫌がられるかな、と思ってましたが。これからどしどし書かせてもらいます。
408ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 22:04:40 ID:???
二回ほどヘイト語で感想かきました。これからも読んでいくんでどんどん書いてください。
楽しみにしていますから。
409399:2005/07/12(火) 23:30:09 ID:???
ああ〜〜〜〜〜ごめん今日中に投稿無理かも〜〜〜
深夜かもしかしたら朝になるかもしれない〜〜〜本当にごめん!!
先に書きたい人いたかもしれないのに本当にごめん!
410ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 23:52:29 ID:???
とりあえず>168までと最近のを読んだ。
旧ロマサガ大辞典を当時なけなしの小遣いで買ったオサーンの俺だが中々楽しめた。
アルドラちゃんいいな。ツフワロス。

ただ「」の前に台詞主の名前が常に入ってるんで少し読みにくいな。長文だと特にきつい。
職人が全員この手法をとるのが暗黙のルールで決まっているのかな。改行で少しでも読み易くしようと努めてる職人には好感がもてる。

あとリレー小説とはいえ起と承の連続でカオスと化すのがらしいっちゃらしいが転・結が中々来ないで少し退屈に感じることも。
話畳む職人は素直に感心する。まぁ着地点をあらかじめ考えてた起の人なのかもしれんが。
単独で長文ネタやってる職人も書きたいことは沢山あるのは理解できるがキメたい場面、台詞を絞ってみてはどうだろう。
長文自体は悪くないが冗長になると面白さを損なう場合もあるし、職人の一番キメたい部分が目立ちにくい。技量次第だけど。
愉快なキャラとハイテンションの描写はそれはそれだけで楽しいけどね。

まぁSSはまず自分が楽しいもの、面白いと思えるものを書けばいいわけで。ただスレに投下して不特定多数に晒すからには
感想やレスを求めていると思う。あと的確な意見(単にツマンネとかは参考になりにくいが)。
覚悟と向上心ある職人ガンガレ。超ガンガレ。偉そうに長文ウザスマソ
>>409
急がんでも良ネタかくべし。時間たつともっと面白いネタ浮かぶ時もある…はず
411ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 00:35:28 ID:???
>>409
まぁ気張らずゆっくりやんな。楽しみにまってるよ〜。
その合間にこうやって住人同士で話したり感想いれたりできるしな。
それに、どうせ俺も書類が朝までかかるペースだorz

>>410
たしかに頭に人名が着くと見づらいかもね。
ただ、会話メインでどうしても話が進むうえに登場人物多いから、5人も6人も同じ場で会話しまくることになると、やっぱり区別するのに必須になるんだよなぁ。
3邪神とミニオンズでもう6人だし。
あと改行を工夫しようとすると、どうしても行数による投稿制限との兼ね合いが出てきそうだ。
見やすくしようとすると、1回の投稿あたりに+5レスくらい必要になるのかもね。

何はともあれ職人さん、いつも楽しませてもらってます。
これからも期待。
個人的には、デスの盆踊りとか、サルちゃんの「んあもう、壊れよ!(雀卓破壊)」とか、最近のでは「1月たったキャベツは新鮮といえるのか?」なんかの笑える小ネタが大好きだw

412322:2005/07/13(水) 00:52:01 ID:???
僕は、ワイルちゃん!派 (ってゆーかミニオンちゃん!派)
の俺がきましたよ。
作品投下ないなら、俺の書いたアナザー投下しようか?
全三話あるからクソ長いけど。

413323:2005/07/13(水) 00:56:07 ID:???
>>322
すまん間違えた。
414ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 04:36:17 ID:???
やっぱりここも腐女子に乗っ取られたか…
415ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:04:51 ID:???
・・・雷鳴が鳴り響く、その高く聳える魔の住み着いたような島・・・

デーモンコマンド「マ、マスター!!ついに究明しましたよ!!
      『水のアクアマリン』の在りかを!!」
ウェイ・クビン「すでに知っているわ!『クリスタルレイク』であろう!!」
デーモンコマンド「うぐっ!!ま、また手柄を取り損ねた〜・・・」
ウェイ・クビン「しかも近くに、クリスタルレイクでなにかイベントが開催されるという!
       そこにはあの『アメジスト』を掠め取っていったミルザ、そして
       サルーインちゃんも招かれるという・・・」
デーモンコマンド「・・・!ま、また『糸石』を先に攫われてしまうかもしれないんですかあ!?」
ラミアちゃん「ばか!私達が潜入して必ず糸石を先に手にするのよ!!ねえマスター!」
ウェイ・クビン「・・・それが問題だ。クリスタルレイク内にあるということは確かでも
       あの広大な湖のどこにあるのか?それが判明しておらん。その上にイベント間近
       ということで今は厳重な警備体制が張られておるしイベント当日となれば確実に
       探索など不可能だ・・・しかし一体このイベントの意図はなんなのだ?
       今までクリスタルレイクは立ち入り禁止区になっていたというのに出し抜けにこの
       人を何人も寄せ集めるような真似。・・・解せぬ・・・解せぬぞ・・・
       なにかがある。わしの邪魔立てをする・・・ミルザでもサルーインでもない!
       わしには見える!わしの前に黒い翼が立ちはだかっているのに見える」
ラミアちゃん「(マ、マスター独り言はじめちゃった・・・)で、では在り処が曖昧な
       『アクアマリン』をどうやって手にしろっていうんですかぁ〜!」
ウェイ・クビン「・・・・・・・・『糸石と糸石は惹かれあう』・・・・・・・・」
リザードロード「・・・・・マスター、まさか!」
ウェイ・クビン「・・・これは大きな賭けだ!だがこの方法は一番確実性があるのだ、
       『運命』という味方をつけることが出来るのだからな!・・・失敗してはならんぞ、
        決して失敗は許されぬ!・・・しかしわしはやろう、『黒い悪魔』を破り去るために!」


『クリスタルナイト・・・開幕ーーーーーーー!!!』
パアン!パアン!・・・華やかな花火と共にクリスタルレイクプールは記念すべき開場をしました。
ミルザくん「うわあーーーーーーーーすっごいなあ・・・!わくわく」
オイゲンくん「なんかプールって言うよりもテーマパークみたいな感じだな」
ミルザくん「僕こんなところにこれるのもうこれからの一生にないだろうなあ・・・!うきうき」
オイゲンくん「・・・・・実は結構悲しい内容を嬉しそうに言ってるな」
???「ミルザさん!」
ミルザくん「ん?・・・あっゲラ=ハ!!」
ゲラ=ハ「お元気にしていましたか?お久しぶりです」
ミルザくん「元気だって元気だって!それしか持ち物ない貧乏だから僕!」
???「おーーーーいミルザーーーーー!」
ミルザくん「んん?・・・あっジャミル!!」
416ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:06:49 ID:???
ジャミル「いよう!元気にしてたかよ!?恋の行方ののほうはどうだ〜いひひ俺はまあなかなか・・・」
ミルザくん「ななな・・・!!不躾な!ほ、ほっといてくたまえよ!つーか自慢かよ!!」
ゲラ=ハ「この方は・・・?」
ミルザくん「ああ、あのね、こいつはジャミルって言って、こっちは僕の同期のオイゲンで・・・」
ジャミル「俺はジャミル、よろしくな!」
こうして四人は瞬く間に仲良しになってしまいました。
???「アハ、アハハハハハしょーもない水溜りだな!!」
ミルザくん「(ドキーーーーーーーーン!!)はうっ!!こ、この声は・・・!」
ミルザくんが振り向くと・・・
シェラハちゃん「姉さん、一応これは湖と言う名称なのよ・・・」
デスちゃん「しょーもない水溜りとこき下ろしつつもものすごく目をきらきら輝かせてるな」
そこにはあのセレブ三姉妹、愛しのサルーインちゃんの姿がありました。・・・もちろん水着です!
シェラハちゃんは黒の透けるレースのようなきわどい水着、デスちゃんは白装束のような水着、
サルーインちゃんは血が情熱に燃え上がるような真っ赤な水着でした!スタイルは最高に抜群!!
ミルザくん「プフーーーーーーーーーーゥ!!!(鼻血噴出)・・・ふっこんなこともあろうかと思って
      鼻にティッシュ詰めてきておいてきた僕はさすが万事おこたりないぜ・・・」
オイゲンくん「水中用の鼻栓さ!とかせこいいいわけも出来て一石二鳥だしな」
ゲラ=ハ「・・・・いつも殆ど半裸の人の水着姿を見て興奮するものなのでしょうか?」
ジャミル「それが恋する青少年のサガってやつなのさ」
ゲラ=ハ「・・・私はまだまだ人間達のことを沢山学ばねばならぬようです・・・」
『マルディアス学園の素晴らしき生徒諸君!』
そこで拡声器での声がプール中に鳴り響きました。
ナイトハルトくん『今日という日に諸君らにお集まり頂けた事まことに嬉しく思う。
      ローザリア舎が名誉をかけて開設したこのテーマパーク、ぜひとも隅々までお楽しみあれ!』
わーーーーーーーーーーーーーーー!!!ついに、一大イベント『クリスタルナイト』の開幕です!
ミルザくん「すっごーい・・・僕、今日の贅沢のこと忘れない・・・!それに
      サルーインちゃんのみ、水着姿・・・・・・・・・・!!」
恍惚とテーマパークを少しの間見渡した後振り返ると、そこには愛しのサルーインちゃんの姿・・・
水の中にそっと足を漬からせていくその光景は、ミルザくんには水の仙女のごとく映りました。
サルーインちゃん「アハアハハハハそおれっ!!・・・・ぶっ!?」
サルーインちゃんは静かに足を水につけていたかと思ったら一転、子供のように無邪気に飛び込みました!
・・・しかし!
サルーインちゃん「ぶはあばばば・・・・・!!」
シェラハちゃん「ちょ、ちょっと姉さん!?」
デスちゃん「足でも吊ったのか!?しっかりせんかサルー・・・」
ミルザくん「うわああああああああサルーインちゃーーーん!!!」
ミルザくんがサルーインちゃんを助けようと超ダッシュしてきた瞬間!!
ナイトハルトくん「サルーインちゃん!大丈夫か」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」
417ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:08:40 ID:???
いつのまにかナイトハルトくんがサルーインちゃんを持ち上げ、溺れているサルーインちゃんを助けていました。
サルーインちゃん「ぜーはーぜーはー・・・っおのれナイトハルトーーーー!
         なぜ水深180m以上と明記してないのだえええいこのゴミ!粗大ゴミ!!!」
ナイトハルトくん「・・・ぷっ、ふ、だってカナヅチなのに子供みたいに飛び込むあなたが悪いのだよ!」
看護婦さん「だ、大丈夫ですかぁ〜?」
・・・・・呆然とミルザくんはその光景を見つめていました。
・・・・・・・それはまるでドラマのような美男美女・・・(看護婦さんと会話内容は削除されています)
しかもそんなミルザくんの耳に飛び込んできた会話がありました。
シェラハちゃん「カナヅチと聞くと何も思い出せないわ・・・姉さんってカナヅチだったの?」
デスちゃん「・・・・・そういえば昔から海とかに行く時も浅瀬でしか遊ばない子だったが・・・」
―――――姉妹ですら知らないサルーインちゃんのカナヅチを知っているナイトハルトくん!?
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・(くらっ)」
オイゲンくん「おーいミルザ、ミールーザー、サルーインちゃんの水着姿だけでのぼせちまうのは
      流石に早すぎるんじゃないのー?」
ミルザくん「・・・カナヅチ・・・カナヅチ・・・トンカチ・・・カナヅチ・・・」
ジャミル「おいおいミルザ、よくわかんねえけど今懸賞金付きイベントの受付やってるぜ?
     水中モーターレースみたいだけど・・・おーい?」
ゲラ=ハ「全く聞いていませんね」
ジャミル「しょーがねーなー、代わりに名前書いてきてやろっと。・・・・・
     (参加者の主だったやつは・・・ウハンジとトゥーマンね・・・ふふん『ちょうどいい』・・・と)」
パトリック「バファル舎バンザーーーーーーイ!!!
      (会計係のこの私は最近赤字続きでやばいのだ・・・!絶対優勝せねばー!!)
豪華プールの一大イベントは、さっそく盛り上がりつつありました・・・。

・・・がさっ
ワイルちゃん「・・・・・アーアー、潜入無事完了、応答願います」
ストライフちゃん「ふつうに隣にいるのになんで無線ごっこしてるんだお前は」
ヘイトちゃん「興奮してるのねエ絵えええい!!◆戯!!それでもへェイトには及ばないわん☆」
ミニオンちゃん達はこっそりクリスタルレイク内に潜入していました。
ストライフちゃん「しかしクリスタルレイクプールと言っても本当に一部分だけ開発したに
      過ぎないんだな。私達のいるところはなんの手も付けられていないところだ」
ワイルちゃん「それはそうでしょう、クリスタルレイクはローザリア舎全寮から水を引かれている
      水源地でもあるんですから全開発なんて出来ませんよ、それでもあのプールは広大ですけど」
ヘイトちゃん「あひゃーーーーっちゃ!!ヘェイト見つけちゃッとぁあああ!!☆★e!!
      あそこの水中の奥に用水路の大元があるフェ!!!」
ワイルちゃん「ちょ、ちょっと近づいちゃ駄目ですよヘイトちゃん!!吸い寄せられて溺れちゃいますよ!!」
ストライフちゃん「全く・・・しかし人気のないところで思う存分泳げそうだな・・・!!」
ワイルちゃん「ストライフちゃん似合ってますその水着!!すごく引き締まって素敵!!
       (いつもと同じの競泳水着だな・・・違いがわからなくてごめんなさいストライフちゃん・・)
       ね、ねえ私のこれどうでしょう?花柄がちょっと大きくて大胆かなと思ったんですけど
       淡い赤だしそれもポイントになるかなーなんて・・・!えへへ」
ヘイトちゃん「ヘェイトの水着はどうよどうよォオ!?」
ワイルちゃん「・・・名状し難き・・・」
ストライフちゃん「・・・深遠からの恐怖が・・・」
ヘイトちゃんの水着がどんなものかはさておいて、ミニオンちゃん達も(サルーインちゃんを忘れて)
クリスタルレイクの片隅で楽しんでいました。
418ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:09:44 ID:???

???(・・・・・・うまくやったのか?)
看護婦さん(もちろんよ・・・・・でも・・・ああこんな作戦って・・・!)

サルーインちゃん「えーーーーーーーーーーーーーなんでよ!!!!」
デスちゃん「駄目なものは駄目だ。カナヅチなのになんでプールに入れる!!」
シェラハちゃん「駄目なものは駄目と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・
     とりあえずマンションプレゼントしてって言ったら預金通帳を震える手で見せて
     駄目なものは駄目って汚ねえ泣きづらして言った借金持ちの男の話」
デスちゃん「おまえほんとひどいな。・・・じゃなくてあーもうだからサルーインは駄目!!
     ただでさえお前は危なっかしいしょーもない体は大人で頭脳は子供の可愛い妹なのだから!!」
サルーインちゃん「うるせえよさりげなく貶めやがってこの骨太姉貴!!見ておれ泳げなかろうが
     この世のありとあらゆるものは全て私に屈服するのだ!!水も同じくな!!氷幻術!!!」
氷幻術!サルーインちゃんがその魔法を唱えた瞬間一気にプールの一面が凍りつき、サルーインちゃんは
ふわりと飛んでその凍りついた表面に立ち、モデルポーズをしました。
サルーインちゃん「アハ、アハアハハハハハ!どうだ私の真の力、見たか!」
デスちゃん「お前プールって泳ぐものなんだが本末転倒って言葉知ってるのか?」
サルーインちゃん「ほんまつてんとうとはなんの粉末だ?氷幻術!!氷幻術!!!アハハハハハアッハ」
広大なプールがどんどん凍り付いていきます。泳ぐ場所がねーよ!と苦情が来そうなものですが
なにせ招待された人数が人数なので殆ど気がついていない・・・と思いきや。
客1「う、うわあああプール全体が凍り付いているううーーーーーーーーー!!!」
客2「やばい、はまった!うわーーーーーーー助けてくれーーーーーーー(泣」
サルーインちゃんが調子に乗って氷幻術をかけすぎた結果、第一、第ニ、第三まである
プールのうちサルーインちゃん達のいる第一プールの全体が凍りついてしまいました!
サルーインちゃん「さあ、全ては私の舞台だ!!アハハアハハハハハハハハ!!!」
デスちゃん「・・・死神様こんな妹がある日可愛い骨のような妹に変わっています様に・・・」
シェラハちゃん「全ては私の・・・と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・
      水に入らなくても男共の視線は全て私の谷間のものって話・・・うふふふふふ」
デスちゃん「死神様もはや全然悲しい話でもなんでもないネタ切れの
      自慢話の妹をかわいい骨のような妹に変えてくださいますように・・・・・・」

ゲラ=ハ「水面を歩いている女性がいる!人間にはあんなことも出来るのですね・・・!」
ジャミル「ゲラ=ハ、ゲラ=ハ、あれは・・・・・まあそういうことにしといてもいいや」
ミルザくん「水面を渡るサルーインちゃん・・・ああっ水の仙女のようだ・・・!!」
オイゲンくん「氷の上歩いてるだけだろ。(キッパリ)・・・つーか俺達泳げねえじゃん・・・」
プーーーーーー・・・と大きな音が鳴り響きました。
419ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:11:00 ID:???
ジャミル「おっと、こりゃ第三プールで開催されるモーターレースの合図だぜミルザ」
ミルザくん「ええっ!!ぼ、僕・・・ただの一時でもサルーインちゃんから目を離すなんて耐えられないああっ」
オイゲンくん「おまえなー・・・」
ジャミル「いや!そういうと思ってたよ!じゃ、山分けってことで俺が変わりに出場してきてやるさ!」
ミルザくん「えっまじで!?なんで!!ジャミルお前って実はいい奴!?」
ジャミル「今更気付いたのかよ!ははっまあ山分けだぜ?てことでじゃあ俺はちょっくら優勝
     してくるぜーーーー」
ジャミルはさっそく一番広く造られている第三プールへと向かっていきました。ニヤリと笑いながら。
ミルザくん「ジャミル・・・ちょっと不良に見えて実はいいやつっていいやつ度が倍増するよね・・・!
      ・・・ふう、サルーインちゃん・・・・・・・」
ミルザくんは氷原の(実際は凍ったプールの)サルーインちゃん鑑賞にふけりました。
その妄想は徐々に膨らんでいきミルザくんはサルーインちゃんと二人でフィギアスケートしている
映像を思い浮かべたり氷山で凍える寒さを凌ぐために二人裸になって寄り添ったり
オイゲンくん「あんまり妄想すると本当にそっちの世界行っちゃいそうだからやめろよ」
ミルザくん「あっ!!」
その時でした、サルーインちゃんが氷原の上で転びそうになっているのにミルザくんは気付いたのです!
ミルザくん「はああサルーインちゃーーーーーーーーーーーーん!!!」
ミルザくんは凍ったプールの上をサルーインちゃんを支えようと駆け抜けました!!!
べちゃっ!!
サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・・」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・転んだのはミルザくんの方でした。サルーインちゃんはちょっと気分も上々で小躍りし、
跳ねてみただけで転びそうになど全然なってなかったのに、いきなり突進してきたミルザくんをするりと避けたら
見事なまでにまぬけに転倒してくれたのです。
ミルザくん(・・・・・・・僕って・・・・・・・何やってんだろう母ちゃん・・・・)
サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・・ぶっ!」
ミルザくん「・・・う?」
サルーインちゃんはそんなミルザくんを見て思わず噴出してしまったのです。
サルーインちゃん「アハッハハハハハハ!!!ゴ、ゴミのような奴らも生きてる内に一度は
      楽しませてくれることもあるのだな!ほら!鼻が潰れた道具の一人、道具ならしっかり立たんか」
ミルザくんは一瞬目を疑いました、サルーインちゃんが転んだ自分に手を差し伸べてくれている光景が映ったのです。
サルーインちゃんにとってはただの気分がいいからの気まぐれに過ぎませんでしたが、ミルザくんには――
ミルザくん(妄想の続きか!?(こんな時だけ現実的に戻るミルザくんでした)い、いや妄想でもいい!!
      サルーインちゃんが僕に手を・・・・・――――――!)
ミルザくんがサルーインちゃんの手を取ろうとしたその時でした。
サルーインちゃん「!!―――――――ああ!!?」
ミルザくん「サルーインちゃん!?」
420ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:13:37 ID:???

デスちゃん「――――どうした、あの愚妹の様子がおかしい!!」
シェラハちゃん「―――氷が割れたの!?・・・・・ちがう、引きずり込まれてるわ!!」

ミルザくん「サルーインちゃん!!――――サルーインちゃん!!!」
差し伸べられたサルーインちゃんの手は『凍っていたはずの水面』に水の渦がまいて
引きずり込まれていき、サルーインちゃんは『水』の中へと消えてしまったのです!
ミルザくん「サルーインちゃん!!!?」
ミルザくんもサルーインちゃんが引きずり込まれた所から水中へと行こうとしたときには
すでに『サルーインちゃん自身がかけた氷幻術』の分厚い氷がそこをさえぎっていました!
ミルザくん「どういうことなんだ!?『あれは確かに水だったぞ!?』・・・ここは確かに
      氷が張っている―――――――サルーインちゃんは!?」
デスちゃん「どうしたというのだ!!」
ミルザくん「デスさん!?・・・訳がわからないのです!!氷面がいきなり『水の渦』となって・・・
      サルーインちゃんを引き込んだ後に元の分厚い氷に戻ってしまったのです!!」
ミルザくんはそういってガンッ!!とその地点を力いっぱい蹴り叩いて見ました。
シェラハちゃん「無駄よ、姉さんの幻術の力は半端ではないわ、私達の火術でも溶けることも
      壊れることもないでしょう、・・・その幻術の力を破って『一瞬の渦』を作ったとは一体!?」
オイゲンくん「どうしたんだ!!」
ゲラ=ハ「ミルザさん!!」
ミルザくん「二人とも!!」
一同がミルザくんの元に駆けつけたその時―――暗黒の雲がクリスタルレイクの空を覆い尽くしました!

『我は魔の島の主ウェイ・クビン―――――――真のイベントとはこれだ、
 麗しの深紅に輝ける君―サルーインちゃんをその手に取り戻せよ!!『取り戻せるならな!』』

デスちゃん「・・・『ウェイ・クビン』だと――――――!?」
ミルザくん「―――――――――サルーインちゃん!!!」

ストライフちゃん「――――今の、聞こえたか!?」
ワイルちゃん「ま、またサルーインちゃんの身になにかが!!!」
ヘイトちゃん「本当にトライアングル・フォーメーションのトキがやってきたようねィイええ!!!」

看護婦の衣装が乱暴に脱ぎ捨てられました。
ラミアちゃん「どういうことなの!!こんなことあたしたち聞いていないわ、
      ・・・いいえあれは『マスターの声ではないわよ』!!!」
リザードロード「・・・もちろんマスターではない・・・!私たちに命じられたのは
      『サルーインの体に魔のエメラルドを付け水のアクアマリンを惹き寄せる』ことのみだ!!」
デーモンコマンド「これは・・・陰謀だ・・・マスターの名まで知れてしまった!!
       このイベントははじめから見えざる敵の陰謀だったのだ!!」]
421ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:15:27 ID:???

ミルザくん「くそっ!!壊れよ、壊れよ、壊れよ、壊れよ!!(ガン!ガン!)」
デスちゃん「(愚妹の口癖はわざとやってんのかなー)ミルザよ、いくらお前のレフトハンドソードでも
      この氷を砕くことは不可能だ・・・」
ミルザくん「しかしサルーインちゃんが!!!サルーインちゃんがこの氷の下に引きずりこまれたのです!
      今も息も出来ずに水の中に・・・・・・・・!!!」
ナイトハルトくん「どうしたことなのだ、これは」
オイゲンくん「ナイトハルトさん!・・・(く、ここはあんまり気分のいいやりかたじゃねえが・・・)
      サルーインちゃんが氷の張ったプールの中に閉じ込められたのですよ!?
      これでもし彼女の身に何かあれば主催者のあんたの責任になってきますぜ・・・!?」
ナイトハルトくん「・・・・・・・第一プールは第二・第三プールとつながりがなく独立した
      プール・・・どこからか水中に入り込むということは不可能だ」
シェラハちゃん「―――――おお、姉さん!!悲しい話リストのトップになっちゃうわよ!?姉さん!!」
ナイトハルトくん「いや―――君は、ゲッコ族だな?」
ゲラ=ハ「はっ!?・・・はい、私はワロン島生まれのゲッコ族、ゲラ=ハです」
ナイトハルトくん「ゲッコ族の唾には強力な酸が含まれていると聞いたことがある。
      もし術法の火で解けないような強力な魔力の氷でも、酸ならばあるいは魔力を無効化して
      溶かしてしまうことが出来るかも知れん。やってくれるか?」
ミルザくん「―――――――ゲラ=ハ!!」
ゲラ=ハ「・・・・・・・確かに仰るとおりです、氷を溶かしたことはありませんが――――
     やってみましょう!!!」
デス&シェラハ「おお!サルーインちゃん、無事でいてくれ!!」
ナイトハルトくん「・・・頼むぞ・・・」

(その為に呼んだのだからな・・・)

その頃第三プールでは・・・
ジャミル(なんだなんだ?またサルーインちゃんに何かあったようだが・・・
     まあさっさとこっちを済ましちまえやいいことだ!)
ガン!!!
水中モーターがぶつかり合い、その疾走を弱め、ついには二つがつながりあったまま止まっていました。
ウハンジ「ちい・・・おのれ最初からお前の魂胆など分かっていたぞ!この華やかなイベントに乗じ、
     水中の事故と見せかけてわしを消すつもりだったということはな!!」
トゥマン「ふ・・・そののろまそうな頭でなかなか察しがいいところが最も気に食わないところだ・・・
     だが幾らお前がその頭を使い逃れようとて神秘の力の前には無力なのだぞ」
ウハンジ「何をごちゃごちゃいっている!!お前が『事故』に見せかけてくれる前に、
     わしがお前を『事故』に見せかけてやるわい!」
ジャミル「うわわわあああああーーーーーーこれどうやって操作するんだーーーー!?」
ウハンジ&トゥマン「!?」
422ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:16:36 ID:???
ガガン!!!
ぶつかり合っていた二台のモーターにさらにジャミルのモーターが突っ込んできました。
ウハンジは体制を崩しましたがかろうじて尻をつくことだけは免れ、トゥマンはというと
こちらのほうが衝撃が酷く大きく転倒してしまいました。
ウハンジ(ここが好機!!)
ウハンジは大きく転倒し焦って起き上がろうとしているトゥマンを水中へと押しだそうとしました。しかし!
トゥマン「待てィ!!この生徒がどうなってもいいのか!お前のエスタミル寮の生徒だぞ!!」
ジャミル「ひいぃ〜〜〜〜〜〜、お、お助けをウハンジさま〜〜〜〜〜〜〜!!」
ウハンジ「なっ・・・!!」
なんとジャミルは起き上がった体制のトゥマンに捕らえられ、首にナイフを突きつけられてしまったのです!
トゥマン「お前のところの生徒が不慮の事故で死んだとなれば、お前も付いて居ながらの管理不十分、
     もし見捨ててその後に私も事故として処理したとしたら、エスタミルとタルミッタの反目状態が
     お前がやったのだという風聞を呼び起こし、お前の地位を危うくするだろう!」
ウハンジ「ぐ・・・く・・・!!」
ジャミル「ひええ〜〜〜、(くねくね)お助けを〜〜〜(くねくね)
     おいらはなんも悪いもんじゃございませ〜ん(くねくね)」
トゥマン「ええい!!くねくね動かずおとなしくせぬか!!」
そう言うとトゥマンは体制を立て直すと、ジャミルをぽいっと水中へ投げ捨ててしまいました。
ジャミル「ひゃあ〜〜〜ありがてえありがてえ〜〜〜!!生きてるって最高!」
ジャミルはそこからさっさと居なくなってしまいました。
ウハンジ「・・・・・どういうことだ、あの生徒を切り札にするつもりではなかったのか!?」
トゥマン「ふっ、切り札など用意しなくても私には偉大なる守護神様が付いておられるのだ!!
     『水龍の腕輪』よ!!この者を溺死させたまえ!その力を我に、なにとぞ、なにとぞ――――」
ウハンジ「―――――――――ああ、可愛い娘よさらば!!!」
・・・・・・・・・・・
ウハンジ「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
トゥマン「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?・・・・・・・・・・・・・・・ない、
     ない、ない、ない!!!『水龍の腕輪』が、なーーーーーーーーーい!!!」

ジャミル「・・・へへーん、ちょろいもんだぜ!これで噂に聞いてた水を操れるという『水龍の腕輪』
     ゲットだぜ!!・・・・・さて、なんか妙なことになってるらしいが、俺もいっちょ行って見るか!」

ゲラ=ハ「――――――――開いた!!穴が開いた、溶けました!!これで人一人十分
     入れる大きさです!」
423ゲーム好き名無しさん:2005/07/13(水) 05:19:09 ID:???
ミルザくん「ゲラ=ハ・・・・・!!ああ、よくやってくれた!!・・・君の舌、凍傷に!」
氷を溶かすため何度も何度も舐めたゲラ=ハの舌は、痛々しく腫れてギザギザの傷が出来ていました。
ゲラ=ハ「・・・これしきのことは、何でもないことですミルザさん。それよりもはやく、
     サルーインさんを助けに行ってください!!ゲッコ族の私にも分かります、
     大切な人なんでしょう!!」
ミルザくん「―――――――ゲラ=ハ、デスさんシェラハさん、オイゲン、ナイトハルトさん・・・」
ナイトハルトくん「ミルザくん、クリスタルレイクには奇妙な伝承があるのだ。
      巨大なイカのモンスターが住み着いており、人を食らうという――――」
ミルザくん「――――――僕、行きます!!」
ミルザくんは銀色の光を暗黒に覆われた天に掲げ、そのレフトハンドソードを持って
水中へと入っていきました。
・・・・・ブクブク・・・・・表面の氷が光をさえぎり、乱射して視界はまるで不思議な海の底のようです。
『巨大なイカのモンスターが住み着いており、人を食らうという―――』
一瞬でそのナイトハルトくんの言葉が蘇ってきました。眼前に一瞬気付かないほどの暗闇が突如現れ、
それがイカの形をしていると気付いたのです!そして―――――
ミルザくん「サルーインちゃん!!!」
何本ものおぞましい触手の一本に、サルーインちゃんがぐったりと絡められていたのです!
ミルザくん「サルーインちゃん!!――――うわああああああああ!!!!」
ミルザくんはレフトハンドソードで勢いよくイカのモンスターに飛び掛りました!
しかし攻撃はあまりに簡単に跳ね返され、ミルザくんの体もモンスターの弾力に跳ね返されます!
ミルザくん「く・・・!し、しかし『思っているより身が軽いし、息が苦しくない・・・』
      ―――そうか!!僕は『水の精霊球』を持っていたんだ!!・・・・よし!!
      サルーインちゃんの絡められている触手だけに狙いを絞り、まずはサルーインちゃんを救い出す!!」
ミルザくんがそう方針を決めると、即座にサルーインちゃんの絡まっている触手を切り付け、突き刺し、
叩きを入れますが、一向に跳ね返され、全く歯が立ちません。
ミルザくんは焦りを感じながらサルーインちゃんの顔を見ます。蒼白で、まるで生気を感じない
幻のような――――――もしすでに死んでしまっていたら!!
ミルザくん「・・・うわあああああああああーーーーーーーーーーーー!!!」
ミルザくんは何度も何度も立ち向かっていきます・・・

・・・ポチャン・・・
「ぷはっ!!!」
見渡すとそこはなにか静かで、物悲しく、美しい洞窟・・・
「一体なんだったというのだ・・・」
その青銀色の洞窟の中で目に痛いほどの深紅の水着を着た女性が、小さな泉状になっているところから
這い出ました。
???『手荒い真似、ご無礼を。しかしその荒唐さがあなたに似つかわしい気がしてな、サルーインちゃん』
サルーインちゃん「――――――――お前は!?」
424ゲーム好き名無しさん
その小さな青銀色の洞窟に、一つの玉座らしきものがありました。そしてそこに座っているのは・・・
『黒い鎧』でした。中身は?まるで暗黒、人が着ているのか空洞なのかも分からないその『黒い鎧』が、
まぎれもなくサルーインちゃんに話しかけてきたモノでした。
サルーインちゃん「貴様は一体!?・・・おい、こんなイベントあるなんて聞いてないぞなんだこれは!
     おいナイトハルト!!責任者出て来い!!」
???『ふっふっふ・・・あなたは実に混沌として・・・おもしろい。イベントといえば確かに
    イベントかも知れぬな。それ、あなたが通ってきた『水鏡』を見るがよい』
サルーインちゃん「『水鏡』・・・?――――!!」
サルーインちゃんは目を疑いました。そこには水中でイカのモンスターと対峙しているミルザくん、
そして絡められてぐったりとした『自分自身』のすかたがあったからです!
サルーインちゃん「なん・・・なんだこれは・・・・・!」
???『自分の姿がそこにあって驚いたか?ふふふ、しかし無論あなたのほうがずっとずっと
    うつくしい・・・真昼の月が決して太陽の輝きに勝てぬように』
サルーインちゃん「どういうことだ!!なんで私が二人いる!!いいやこんな『偽者』が!!
     お前は一体何者だ!!おのれ、なんのつもりでこの私にこの狼藉を―――」
???『さすがはあなたは真実のサルーインだ、偽者とよくわかっている。太陽の眩しさに
    なにもかもが白く映るミルザのようなめくらとは違うというわけだな。
    あれは水のゆらめきが作り出すまやかしのあなただ・・・愚者め、ミルザ!
    その虚ろな命のない瞳を見れば偽者だと分かって当然だというのに!』
サルーインちゃん「答えよ!!お前の名を言え!!」
???『私は誰かに「カヤキス」と呼ばれたことがある・・・それでいい。それより
    ほら!見るがいい!哀れな盲が必死で愛しき幻の為に戦っている様を!!
    ほうら!あなたの幻影の残りカスを必死で必死で救おうとしている健気な様を!!』
サルーインちゃんは『水鏡』を見ました。ミルザ。何度も自分の目の前を通り過ぎていったおかしな
男――――その男が今『自分』を救おうと戦っている。真実はあまりに無意味だというのに!
サルーインちゃんきっと「カヤキス」を見据えました。
サルーインちゃん「・・・・・貴様は・・・・・!」
カヤキス『―――!?』
サルーインちゃんの胸の辺りが不気味な光を発します。「カヤキス」ががたんと音を立てて動きました。
カヤキス『・・の輝き――――まさか―――――『糸石』は『糸石』と惹かれあう――――
     まさか!!!』
サルーインちゃんの胸からの輝きは不気味な邪悪さと公平なる真実の光をもって
カヤキスを照らし出しました。カヤキスの黒い鎧が歪み、中に人の顔が見えそうな気がしましたが
カヤキスが手で覆い隠しました。
カヤキス『神も知らぬ真理と知識をあたえたもう、『魔のエメラルド!!!』』