鬱になる話のゲーム その6

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 ―プロローグ―
 誰かが言った。「神は死んだ」
 いつの頃からか、その世界には久しく神の威光が示される事はなかった。
 巨大化した野生の獣達が暴れ、幾多の病気が人の命を奪っていく。それでも神が現れる気配はない。
 いつしか人々は欲望のままに生き、世は次第に混沌の様相を呈して来た。
 
 そんな時代、辺境の村・ティコに一人の青年がいた。
 青年の名は主人公(名称任意)。主人公の信心はなぜかこんな時代にあろうとも揺るぐ事がなく、
 今日も日課である祈りを捧げに無人の廃墟と化した教会へと訪れる。
 そこで、主人公は一つの奇跡を目撃する。

 突如輝きだした十字架から現れたのは一人の少年。
 少年は自らを「天使」と称し、主人公に「神にならないか?」と提案する。
 神はいつの時代も変わらぬ人の愚かさを嘆き、人の世に関わる事を嫌い始めた。
 しかし慈悲深い神はそれでも人を見捨てきれず、それなら人を神に据えてみようと考えた、と言う。
 
 天使の提案に面食らい、主人公が押し黙っていると、
 「また明日祈りに訪れるがよい。そのとき、今日の返事を聞かせてもらう。」
 と言い残し、天使は再び十字架の中に消えていく。
 その晩、主人公は悩んだ。もし自分が神になりそれで人々を救う事ができると言うのならば。

 いつしか寝付いた主人公の夢の中、美しい女が現れる。
 (主人公はなぜかいつも寝るたびにこの女の夢を見る)
 すると女は何かを主人公に伝えようとしているようだが言葉は聞き取れない。
 女はやむなく失念の相を浮かべ、姿を消す。
 翌日、主人公は再び現れた天使を前に、新しい神になる事を宣言する。
 天使は主人公の決意を喜び、主人公に神の持つ強力な力「魔法」を授ける。天使は言う。
「その力をもって、世の中の困っている人々を救い善行を重ねなさい。
 より高みを目指し己を磨くのです。それが神になる試練です。」
67:05/02/18 08:15:49 ID:???
 ―旅立編―
 教会から出て、いざ旅の支度をしようと思っていると村中が騒がしい。
 聞けば主人公の幼なじみのヒロイン(名称任意)が山に薬草を採りにいって遭難したと言う。
 山には「ヌシ」という魔物がいて、あの山で迷って無事ですんだ者はいない。
 村中に諦めムードが漂うが魔法を使えるようになった今なら救える、と主人公は山へ向かう。
 山に着くと案の定、「ヌシ」に襲われているヒロイン。魔法で「ヌシ」を倒す。
 魔法に驚きつつも礼を言うヒロイン。無事にティコ村に帰ると主人公が旅に出るというので、
 事の成り行きを聞き、助けてもらった恩を返したい、とヒロイン(職業:薬師)が旅の同行を願う。
 了承する主人公。とりあえず人が多い場所には困っている人も多いだろう、とバリ城を目指す事に。

 次の街を目指す途中の洞窟。巨大な鳥の魔物に襲われている男を助ける。
 聞けばこのクジキという男。元盗賊でつまらぬミスが元で捕まったが、
 その村の神父に命を救われた事で改心。盗賊をやめ真面目に暮らそうともしたが長続きせず、
 他所の村へ新しい仕事を探しに行く途中で腹が減ってやむなく魔物の卵を盗もうとした所、
 足をくじき、卵の親の魔物に喰わそうになったと言う。

 すると。どうやらクジキには主人公の背後にいる天使が見えているらしい。
 事情を話すと天使の存在に感動し、同行を願い出るクジキ(職業:盗賊)
 「私が見えるのも神のお導き。あなたが来たいと言うなら好きになさい」と天使は言う。
 主人公もそれを受けて旅の同行を承諾。新たにクジキが旅の仲間に加わった。
77:05/02/18 08:17:02 ID:???
 ―悪食編―
 洞窟を抜け、次の街・ガゾ街に着くとどうも街の住人の様子がおかしい。
 どの住人に話しかけても「悪食」と言う単語を出し、どうやらその「悪食」に怯えている様子。
 気になって長老の元へ行く主人公。するとやはり「悪食」という魔物が人を襲っていると言う。
 長老からも悪食退治を依頼され、善行を重ねる為にもこれを承諾。
 すると長老が「唯一、村で戦える人間を案内人として同行させる」と言う。
 現れたのは見るからに怠け者そうなガゾ街の若者・ドン。(どうやらこいつも天使が見えるらしい)
 最初は同行を渋っていたが、以前ガゾ街の食料庫を空にした事で脅され嫌々ながら付いてくる。
 「悪食」のいるというヒッコ村を目指し、街を出る4人。
 途中、山間部を利用して作られた謎の無人の関所を通る。
 聞けばドンも産まれた時にはもう関所は建っていたのでなぜこんな物があるのかは知らないそうだ。
 (何度か「悪食」がここを壊しガゾ街の方にも来ていたらしいが、 
  その度にガゾ街の長老が人を集めて直しているらしい。)

 疑問に思いつつも関所を越え、目的の「悪食」が住まう無人のヒッコ村へ。
 噂によると、「悪食」はいつもヒッコ村の墓地で死肉を漁っているらしい。
 墓地へ行くと噂通り、そこに「悪食」(でっぷり太った人間のような魔物)がいた。
 主人公達を見るなり、喰らおうと襲いかかってくる「悪食」
 3人掛かり(ドンは戦闘には参加しない)でこれを撃破する。
 「悪食」が倒れた後、墓地を見てみると死肉を漁っていたはずがなぜか一つも墓は荒らされていない。
 すると突然苦しみだすドン。血を吐き、その場で息絶える。
 訳も分からずうろたえる主人公達。このままドンを放っておくわけにもいかないので
 仕方なく棺にドンの遺体を納め、一旦、ガゾ街へと戻る。
 
 すると、無事だった主人公達の姿を見るなり驚愕し悲鳴を上げるガゾ街の人々。
 やはり何かおかしいと気付いた主人公達は長老の元へ。会うなり頭を下げ主人公に謝罪する長老。
 すると主人公達がドンの遺体を持ち帰った事に気付き、すぐさま街人を呼び遺体を焼却させる。
 ようやく落ち着いた所で長老はぽつりぽつりと申し訳なさそうに事の経緯を話し始める。話は数十年前に遡る。
87:05/02/18 08:19:02 ID:???
 山に囲まれたヒッコ村。そこでは森を開拓し、木材を他所の村に売って生計を立てていた。
 ガゾ街の長老もその街の出身で、隣の家にとても仲の良い夫婦が住んでいたと言う。
 その夫婦はお互いを深く愛し合い、仕事で森に出ていた時も片時とて離れる事はなかった。
 そしてついに2人の間に子供が生まれ、これからも2人は末永く幸せに暮らすはずだった。

 ある日、森を切り開きすぎたのが原因か、謎の病気が流行り始め、夫の命を奪ってしまう。
 最愛の夫の死に悲しみに暮れる女。一方、謎の病気は次第に村中に広がり村人の命を奪っていく。
 村の薬師が調べた結果、謎の病気が成人した男にのみ発症する病気だと発覚。
 仕方なく村人はヒッコ村を離れ、ガゾ村(のちのガゾ街。人口が増えて発展)へと避難する。
 数ヶ月後、元ヒッコ村の生き残り達は病気を恐れ、
 唯一ガゾ村とヒッコ村をつなぐ道を関所で封鎖してしまう。

 そしてただ一人、ヒッコ村に残った女はついに気が狂ってしまった。
 産まれたばかりの赤ん坊を家の外へ捨てると家の中にこもったきり、動かなくなってしまった。
 だが子供の方は逞しくそこらにあった木の根、土塊や雨水をすすりなんとか餓えを凌ぎ生き延びる。
 数年後、そうして大きくなった子供はいつの間にか死んでしまっていた母親の墓を作る。
 そのまま子供はヒッコ村に巣くう病で死ぬかと思われていたが、
 なぜか病気に抗体ができていてそのまま成人する。(土や木の根を食べていたから?)
 成人した子供はどこへでも行く事ができるだろうに両親の墓から離れようとしない。
 そして子供は餓えに苦しんだ幼少時代の記憶からか、常に餓えていた。
 肥大した肉体に呼応するように、獲物を植物から動物、そしてついに関所を破り人間を襲うようになる。
 そしてついにはガゾ街の人間から「悪食」と名付けられ、魔物として扱われるようになってしまう。
97:05/02/18 08:20:08 ID:???
 そして一方。ガゾ街の長老はヒッコ村の出来事を良くない事として一切封印していた。
 しかし、「悪食」が街を襲う以上、無視はできない。
 そこで討伐隊を結成しようともしたが、土地に根付く病を恐れて討伐をためらう。
 そこで白羽の矢が立ったのが怠け者のドン。ドンは街の問題児で、いつも街で問題ばかり起こしていた。
 たとえ死んでも悲しむものもいない。そしてドンも若いのでヒッコ村の病気の事は一切知らなかった。
 それでも「悪食」を倒すのに心もとなかったのでたまたま街を訪れた旅人の主人公達も利用した。
 (主人公とヒロインとクジキは天使が加護があるので平気だった。ドンは結局思惑通り病気で死んだ。)

 身勝手な長老に激怒する主人公達だったが、天使に諌められる。
「お前も神の力がなければ、あのとき、ヒロインを助けようなどどは考えもしなかったでしょう。
 力なき者を責めてはいけません。彼らは十分に苦しみ、悩んだ。  
 その末に行った事は愚かですが、許してやりなさい。人は誰でも過ちを犯すものです。」
 天使に怒られ仕方なく怒りを納める主人公達。釈然としないまま、次の目的地へ。
 (この後、しばらくしてガゾ街にいくとどうやらドンの遺体に病原菌が付いていたらしく、
  ガゾ街にもヒッコ村の病気が蔓延し始めている。)

 備考:ガゾ街の東にマムル村がある。そこでは昔、産まれたばかりの赤ん坊を誘拐した男がいて、
    今でも赤ん坊の父親が犯人を追っている、という話が聞ける。詳細は→復讐編へ。)
107:05/02/18 08:21:26 ID:???
 ―盗人編―
 ガゾ町から西にある洞窟を通り抜け、ようやく当初の目的地、
 神が舞い降りたとも言われる世界最大の街・バリ城に到着。
 街は先日のビジュラ帝国との戦争のせいで寂れている。すると天使は「王に会え」と言う。
 天使の助言により王に謁見する為、城に向かおうとするとクジキが、
 「バリ城の警護兵に盗賊時代、顔を見られているので城に行くわけにはいかない。」という。
 仕方なくクジキのみ別行動をとり、主人公達は城を訪れる。

 当然、城では厳重な警備が敷かれていてとてもではないが王に会う事などできない。
 すると突然、門番を押しのけ、大臣が主人公に「あなた達が神の使いですか?」と聞いてくる。
 否定する理由もないので、うなづく主人公。
 実は先日、王の夢枕に天使が立ち主人公達の様な背格好をした者達が訪れると予言した、と言う。
 しかし、背格好が同じと言うだけで王に会わせるわけにもいかない。
 大臣は神の使いの証拠として、最近噂にもなっている4つの洞窟の宝を持って来て欲しい、と言う。
 やむなく王に会う為にも魔物が守るという洞窟の宝探しに向かう主人公達。

 一方、別行動を取っているクジキ。する事もないので教会へ巡礼にいく。
 バリ城に残っている唯一の教会。古ぼけ、今にも崩れてきそうなほどのボロ。
 しかし、中に入るやいなや、クジキはある物に目が釘付けになる。
 中にいたのは絶世の美女のシスター。十字架に向けて一心不乱に祈るその姿に目を奪われるクジキ。
 あっけなく。クジキは一瞬でシスターに恋をした。
 聞けば、信心が薄れた今の世の中で教会の経営も思わしくなく、
 このままではこの教会も近い将来、取り壊されてしまうのだという。
 悲しみ嘆くシスターにクジキは「自分がなんとかする」と告げ、教会を後にする。

 主人公達は1つ目の洞窟を探索中。無事に魔物を倒し、奥にある宝「安堵の宝玉」を手に入れる。
 天使が言うには、この宝は以前神が人に授けた物で神と同等の力が宿っているらしい。
 (とは言ってもそれを使うには相当強い意志の力が必要らしく、
  結局この宝は一度も人の手で使われる事もなくここに封印されたのだろう、と天使は言う。)
117:05/02/18 08:23:17 ID:???
 一方その頃、クジキは酒場で酔っぱらっていた。
 金が必要なので仕事を始めようとしたがどこでも雇ってもらえず、ふてくされて酒飲むクジキ。
 すると誰かが話しかけてくる。振り返るとそこにいたのは盗賊時代に子分にしていた女盗賊タジカ。
 盗賊をやめる時に捨てるように置いていったタジカとの再会に思わず身構えるクジキ。
 だが、クジキと再会し、怒るどころか逆に泣き出すタジカ。
 どうやらタジカは自分が盗賊として未熟だから捨てられたと勘違いしているらしい。
 クジキはタジカを落ち着かせ、自分は盗賊をやめたと説明するが一向に納得しない。
 それどころか長年の連れ添った経験からかクジキが今、金を必要としている事を見抜き、
 「もう一度、私と組んで金を稼ぎましょう。」と誘うタジカ。
 呆れつつも、自分が教会を建て直すほどの金を手に入れるには
 盗みでも働くしかない事に気付くクジキ。「教会を建て直すためなら天使様も許してくれるだろう。」
 クジキは、再びタジカと盗みを働く決心をする。
 
 主人公達は2つ目の洞窟へ。最深部で魔物を倒し「解放の宝玉」を手に入れる。
 その頃、クジキとタジカは夜の闇にまぎれてせっせと民家で盗みを働く。
 しかし、前に行われた戦争による徴税に苦しむ街の人々の蓄えは少ない。
 思うように金が貯まらぬクジキは焦りだし、次第に狂気を帯びていく。
 街をタジカに任せ、クジキは一攫千金目当てで噂の魔物が守る宝を狙う事に。
 
 主人公達がいつもの様に3つ目の洞窟で魔物を撃破。
 「護方の宝玉」を手に入れると、後から覆面姿の盗賊が現れる。
 主人公達を見て一瞬、戸惑ってはいたものの「護方の宝玉」を奪う為に襲いかかってくる覆面盗賊。
 覆面盗賊を倒す主人公。すると、盗賊の覆面が取れ、中からクジキの顔がのぞく。
 何も問わず、主人公はクジキをそのまま見逃してやる事に。無言で立ち去るクジキ。
127:05/02/18 08:24:43 ID:???
 一人、主人公達を襲った事を後悔しながらタジカとのアジトでもある宿屋の一室に戻るクジキ。
 すると、どうもタジカの様子がおかしい。何度も問いつめるとようやく事の成り行きを打ち明ける。
 聞けば、タジカはクジキが適当に決めていたノルマに達する金額を盗む事ができなかったらしい。
 もし足手まといになると判断されればまた捨てられる。そう思ったタジカは予定外の家にまで忍び込む。
 その最中、焦って下調べもろくにしていなかったせいか住人に姿を見られ、 
 思わずとっさに殺してしまったと言う。呆れるクジキ。

 殺人を犯してしまえばもうこの街にもいられない。そして主人公達にも、もう会わす顔がない。
 仕方なくクジキはタジカに共にどこか遠くの国へ行こうと提案する。
 すると先ほどとは打って変わって満面の笑顔を浮かべ、奥の部屋で逃亡の支度を始めるタジカ。
 どうやらよほどクジキと共にいられる事が嬉しいらしい。
 タジカの思いを知る由もなく、クジキはシスターに渡す為、タジカが盗んできた最後の盗品を整理する。
 すると。なぜか盗品の中から鮮血が付いたシスターの十字架が。
 先ほどのタジカの話から、シスターがタジカに殺されてしまった事を悟るクジキ。
 そこへタジカが支度を済ませて現れる。タジカに無言で歩み寄るクジキ。
 タジカにナイフを突き刺す。悲鳴を上げ、なぜ刺されたのかも分からず絶命するタジカ。
 しばし呆然とするクジキ。タジカの悲鳴を聞きつけ、外には街の警護兵が。

 主人公達は4つ目の洞窟で最後の宝「破壊の宝玉」を手に入れる。
 ようやく宝を集め、王と謁見する主人公達。
 王は主人公達を試した事を詫び、洞窟で集めた4つの美しい宝玉を主人公から受け取る。
 だが、王は宝玉の中で「唯一見栄えが悪く、名前が不吉だから」という理由で
 「破壊の宝玉」のみ主人公に返却。
 「他にも何か困った事があれば相談に乗る」と言い残し、大臣に歓迎の宴を開かせ、王は姿を消す。
137:05/02/18 08:26:09 ID:???
 その晩、開かれた盛大な歓迎の宴に感動する主人公達。その宴の席で大臣が言うには、
 王はあの宝玉がビジュラ帝国に奪われたと勘違いして、先日の戦争を起こしたのだと言う。
 (結局、バリ国に伝えられている宝玉は大昔に近隣の洞窟に人知れず封印されていただけ。)
 今もおそらく王は部屋で一人、宝玉を眺めて満足しているのだろう、と溜息を漏らす。

 その頃、茫然自失のクジキはこの城下町で行った盗罪、殺人罪で捕らえられ、獄中で自ら命を絶つ?
 (主人公達はクジキがどうなったかは知らない。地下牢に行くとそれっぽい話が聞かされるだけ。
 「ここ最近、城下町で盗みを働いていた盗賊がここで死んだんだ。」とか牢番が言ってる。)
 後日、住人不在の教会は皮肉な事に「神の使い」の来訪のおかげで王の命により建て直される事に。
147:05/02/18 08:27:26 ID:???
 ー復讐編ー
 とりあえず、もうバリ城ではする事が見つからない。
 すると天使が、南のビジュラ地方に神の住まう世界の入り口の鍵がある事を教えてくれる。
 そろそろ神になれるほどの善行も溜まりそうなので人を助けながらビジュラ地方に向かうように指示。
 王の許しを得て、関所とバリの山道を越え、新たな土地・ビジュラ地方に到着する主人公達。
 するとヒロインが「ハナの街に寄りたい」と言い出す。(どうもハナの街は薬師の聖地らしい)
 今の所、特に目的もないのでハナの街へ向かう。バリの山道から西に行き、到着。
 するとハナの街では主人公達を大歓迎。どうやらこないだのバリ城の一件から、
 「神の使い」としての主人公の名が急速に普及していっているらしい。
 その晩、主人公の夢枕に再び、あの美しい女が(詳細→プロローグ)。
 今回は何か話をした記憶はあるのだが、起きると全く覚えていない。

 ハナの街の人の話を参考に、次はこの地方では最も活気があると言うビジュラ帝国領・カナンス城へ。
 カナンス城に着くと、天使は「この街に白髪の戦士がいる。探せ。」と言う。
 言われるままに探すと、斧を片手にカナンス城へ特攻しようとしている無謀な老戦士を発見。
 特攻を止めさせるため、「神の使い」の名を出し、一時身柄を預かる。
 聞けば老戦士・ビックは本来40近くの中年なのだが、
 長年の怒りと憎しみで顔にしわが寄り、いつしか髪が白髪になったと言う。なぜ自分がこうなったのか。
 どうやらビックにも天使の姿が見えるらしく主人公の説得にも応じ、自らの境遇について語りだす。

 遡る事、20年ほど前。ビックは聖地とも唄われたバリ城で「聖守護騎士団」に所属していたらしい。
 (要するに、宗教的な意味合いも持つエリート国営騎士団。)
 しかし、今のバリ王が戴冠すると同時に伝統ある「聖守護騎士団」を解散させ、ビックは突然無職に。
 職をなくしたビックは各地を転々とし、マムル村まで流れ着くがそこで倒れてしまう。
157:05/02/18 08:28:41 ID:???
 目が覚めるとそこは民家。どうやらビックは美しく心優しい村娘・ロシーヌに命を救われたらしい。
 ロシーヌはビックに「体の調子が治るまでここにいてもいいですよ。」と言い、
 ビックもロシーヌの厚意に甘え、そのまま、なし崩し的にその家に住むようになる。
 隣家に住む、ガインという男からその事を責められるがビックは完全無視。
 いつしかビックとロシーヌは結ばれ、結婚。
 最初は面白くないと言った様子だったガインもロシーヌの幸せそうな顔を見て仕方なく2人を祝福。
 ロシーヌが子供も身ごもり、これからも幸せに時が流れるだろうと思われたその時。
 ロシーヌは娘を産むと同時に息を引き取ってしまう。
 
 ロシーヌの死に激怒するガイン。悲しみに暮れるビックに襲いかかるが、
 元聖守護騎士団員のビックに勝てるはずもなく、逆にボコボコに。
 半ば狂ったガインは、何を考えたのか産まれたばかりの娘を奪い、姿を消す。
 ガインの凶行にビックも怒り、ロシーヌを埋葬するとすぐさまガインから娘を取り戻すため旅へ。
 それからさらに十数年の時が流れ、約一ヶ月前、ようやく姿を消したガインの行方の手がかりを得る。

 聞けば、つい数年前、山の向こうのカナンス城で戦死した前の領主に変わり、
 新しく領主になった男の名をガインと言うらしい。
 しかもその領主には美しい娘がいて、その名を「ロシーヌ」と言うらしい。
 ビックは怒り狂い、ビジュラ地方に向かう為、関所を通れるようにしてほしい、と王に嘆願。
 しかし、王はビックに会うまでもなく門前払いに。
 それでビックが諦められるはずもなく、関所を破り、バリ山の道なき道を一ヶ月かけて越え、
 ようやくここまで辿り着いたのだと言う。

 事情は分かったものの城主という明らかな権力、兵力を持つ敵に悩む主人公達。
 すると天使が「バリ城の王に相談しなさい。力になってくれるでしょう。」と言う。
 明らかに不満そうな顔のビックだが、言われるままにバリ城へ戻る主人公達。
 事の成り行きを話すと、王は主人公達に感謝の言葉を述べ、すぐにでも戦争を仕掛けると言う。
 どうやら王もようやく戦争の準備が済んだものの、戦争を起こすきっかけを失っていたらしい。
 しかもこのような理由があれば、民衆の為に立ち上がった王としても演出できるそうな。喜々とする王。
167:05/02/18 08:29:47 ID:???
 あまりの王の愚かさに呆れるつつも、復讐が果たせる、と主人公に心から感謝するビック。
 そして翌日。半ば奇襲気味に攻め込むバリ軍。ガインは民衆に被害を出さないように、
 街に兵隊がくる前に迎撃するよう、全カナンス兵に指示する。
 (意外にもガインはビジュラ帝国でも優秀な領主で民衆からも慕われている。)
 
 すぐさまその隙に兵隊が一人もいなくなったカナンス城へ忍び込む主人公達。
 するとなぜか城内に兵はいないはずなのに全身鎧を着た兵士が一匹。主人公達に襲いかかってくる。
 もうすぐ復讐が果たせるのでハイテンションなビック。
 兵士を最強の技「殻戦斧」で粉砕。壁に叩き付けられ絶命する兵士。 
 ノリノリで階段を上っていくビック。ようやくついた領主の間。そこにガインが。

 ビックの顔を見るなり抵抗せず降参するガイン。どうやら随分前から覚悟はしていたらしい。
 ビックが娘の行方を聞くと、ガインは、
 「ここは危険なのでハナの街に逃がしてある。どうか娘を、ロシーヌを頼む。」と言い、首を差し出す。
 「当たり前だ。俺の娘だからな。ありがとうガイン。」と言い、一気に斧を振り下ろすビック。
 領主が死に、すぐさまバリ軍に占拠されるカナンス城。
 良き領主の死に嘆き悲しむカナンス城の民衆を背に、主人公達は一路、ハナの街を目指す。 
177:05/02/18 08:30:53 ID:???
 しかしハナの街の宿屋につくが、なぜか娘の姿はなく侍女が一人のみ。
 話を聞くと「領主様の娘は私の制止を振り切り、カナンス城へ向かってしまった」と言う。
 嫌な予感がし、急いでカナンス城に戻るとビックが瞬殺した兵士の遺体が目につく。
 おそるおそるビックが兵士の兜を脱がすと、そこにはロシーヌそっくりの美しい女が。
 しかも、女は昔ビックがロシーヌに贈り、形見となったペンダントをつけていた。
 娘の名とも妻の名とも知れず「ロシーヌ」と狂ったように叫び続けるビック。
 そして翌日。

 主人公の言葉も聞こえていないように呆然としているビック。
 「マムルの村へ帰らなくては。」と言い残し、そのまま仲間から外れる。
 (このあとマムルの村へ行くと無人だった家にビックが暮らし始める。話しかけても無反応。
  しばらくあと、もう一度ビックを訪ねるとビックは死んでいて墓が増えている。
  家の近くの木には自殺を臭わせるロープの跡がついている。)
187:05/02/18 08:32:06 ID:???
 ―天人編―
 ガインが死に、ひとまず戦争は終わったがこれからビジュラ本国からも反撃の兵が送られ、
 泥沼の戦争が始まると嘆く民衆。戦争を起こすきっかけを作ってしまった主人公は落ち込む。
 「この戦争はどうやれば終わりますか?」と天使に問うが、天使は、
 「戦争とは一部の人間の都合で始まる。終わるのもまた一部の人間の都合。
  たとえここで我々が頑張って終わらせたとしても誰かが一部の人間の都合で不幸になるでしょう。
  それならあなたがいち早く神になり彼ら全員を救えばいい。ついに善行は溜まりました。
  主人公よ。あなたはこれより天界への道の鍵である神珠を集め、天に昇り、神になるのです。」

 天使の言葉で気を取り直し、天界への扉を開ける神珠を探す情報を集めるためビジュラ帝国本国へ。
 洞窟を越え、ようやくビジュラ帝国へ到着する。
 すると着くなり、突然兵士に囲まれ、ビジュラ皇帝に会うように、と連行される。
 広大なビジュラ城の王の間に連行される主人公。ビジュラ皇帝3世が姿を現す。
 ビジュラ皇帝は「ガインは良い領主だった」などと主人公達が戦争を煽った事を知っているらしく、
 「大した神の使いだ。まさか戦争をもたらすとはな。」などと皮肉を言う。 
 しかし、主人公達を罰する気はないらしい。一度「神の使い」に会ってみたかったのだという。
 主人公が神珠について何か知らないか訪ねると、どうやら心当たりがあるらしい。
 ビジュラ帝国の周りには3つの洞窟があり、
 そこの奥にそれぞれ神珠を祀ってあるという話を聞いた事があるという。
 皇帝は神珠などに興味はないから好きなようにして良いそうだ。解放される主人公達。
 (ビジュラ帝国はバリ城とは違い、無神主義である。合理主義で一切神を信じていない。
  現在、神への信仰が廃れている背景には無神主義のビジュラ帝国の躍進も関係している。)

 バリ城のとき同様3つの洞窟に潜り、宝箱を守る魔物を撃破。
 それぞれの洞窟で神珠「暴食と怠惰の珠」「強欲と色欲の珠」「憤怒と嫉妬の珠」を手に入れる。
 (ちなみにバリ城の王が宝玉と勘違いしていたのがこの神珠。おかげで戦争が起きた。)
 最後の神珠を手にすると、天使がバリ城の近くに聖台を出現させる。
 聖台に神珠を3つ並べるとそこから天界への道が伸びる。天使に導かれて、いざ天界へ。
 (このタイミングでマムル村に行くとビックは死んでる。詳しいタイミングは不明。詳細→復讐編)
197:05/02/18 08:33:10 ID:???
 天使の話だと最上階にある「神の寝床」にまで自力で行き、
 神に次の神になる許しを得た瞬間、主人公は神になるらしい。
 天の道を登り、ようやく中階層・天使の住まう世界へ。
 そこはあまり人の村と変わりなく、違いはただそこに天使が住んでいるというだけだった。
 すると、天使の村に入ると突然、例の美しい女(詳細→プロローグ)が現れる。
 「だからあれほど言ったのに。」と言い、主人公の傍にいた天使に襲いかかろうとするが、
 主人公達がそれをかばうと女は攻撃の手を止める。 

 すると、さらに上の階層から奇妙な光?が降って来て女に直撃。女は物言わぬ石像になってしまう。
 光が降って来た辺りから響く神の声。
 「よくぞ来た。我が子供達よ。そこでしばし疲れを癒した後、
  再びさらに上の階層を目指せ。そこに私の寝床がある。私はただお前を、待つ。」
 
 神の声は消え、訳の分からない事だらけで混乱する主人公達だが、
 周囲の天使達の話を聞き、次第にあの女が何者か分かってくる。
 
 神話の時代、世界には神しかいなかった。
 特にする事のなかった神は暇つぶしに自らと同じ存在を作り出そうとしたが、
 まだ未熟だった神は不安定な心を持つ存在を作ってしまう。
 大した力もなく、簡単な事で迷い、惑い、苦しみ、それでも生きようとする不安定な存在。
 確かに失敗ではあったが、神はこの不安定な存在をいたく気に入り、
 マリアと名付け、我が娘、女神として自らの側に置く事にした。

 またそれからしばらくの時間が流れ、神は幾多の実験を経て「分け身の法」を完成させていた。
 (実験の失敗により獣や魔物が生まれ、その度に地上に放たれた。)
 マリアは神に「寂しい」と言い、自らの仲間を増やしてくれるよう懇願する。
 マリアの様な存在がいれば自分も楽しいと考えた神はマリアの願いを聞き入れ、分身を2つ作る。
 産まれたのは男と女。最初はマリア同様その存在の不確かさをおもしろがっていた神だが、
 その生き物が自らの力で自分たちの仲間を増やしていく事に気付く。
 どんどん増えていくマリアの分身達。
207:05/02/18 08:34:29 ID:???
 静寂を好む神には耐えきれぬ喧噪を起こす分身達に激怒した神は
 分身達を全て地上へ追い落としてしまう。悲しむマリア。
 しかし分身達の何人かは生き延び、そのまま地上で増え始める。
 慈悲深い神はその分身達に「人間」という名を付け、天から手助けしてやる事にした。
 
 神の助力を受け、みるみる地上を埋め尽くしていく人間。
 神は増えすぎた人間に対応できるように自らの分身・天使を大量に作り出し、これに対応させる。
 しかし、それでも対応できぬほど増え続ける人間の願い。欲望。
 神は人間を戒める為に神と同等の力が宿る宝玉を授けた。(盗人編に出て来た4つの宝玉)  
 神の思惑通り、結局、宝玉を手に入れた人間は使う事のできない膨大な力に振り回され続けたと言う。
 しかし、それでも人の願いは絶える事がない。  
 いつしか神はあきれ果て、天使共々人を救うのを止めてしまう。
 これに抗議したマリアは神の怒りに触れ、しばらくの間、異空間へ幽閉される事になった。
 
 それから十数年後、神はこの世に飽きてしまった。
 手助けを止めた地上では今も人間同士が争いを繰り返し荒廃の一途をたどっている。
 今まで騒がしい人間の相手をし疲れた神はしばらく眠りにつく事を決め、
 自らが眠る間、次の神に自らの娘であるマリアを据えようと考える。
 そのことを伝えようとマリアの元へ訪れる神。

 だがマリアは幽閉された異空間から地上を観察し、
 事もあろうに自らの分身でもある一人の人間に心を奪われ、夢の中で逢瀬を重ねていた。
 この事に神は激怒し、マリアは次の神になる資格を失った。
 仕方なく神は人間を次の神に据える事を思いつく。そして白羽の矢が立ったのが主人公。
 その事を知り、逆恨みしたマリアは先ほど異空間を抜け出し主人公達に襲いかかったのだ、と言う。
 そして先ほどの光は神の怒り。マリアはもう二度と元に戻る事はないと言う。
 天使達は「所詮、半神半偽の存在。まさかあそこまで想像主たる神に背くとは。」と嘆く。
 一抹の矛盾を感じつつ、何となく全ての事情を察し更なる上の階層を目指す主人公達。
217:05/02/18 08:35:46 ID:???
 ようやく。最後の目的地である「神の寝床」へ到着する主人公達。
 眼前には巨大な光源体である神が。神は到着した主人公達に問う。
 
 「主人公。よくぞここまで辿り着きました。私は嬉しいです。
  ところで、最後に私から一つ質問があります。

  なぜ半神半偽の分身である人間が神になれると信じたのですか?
  眠りなさい。愚かなる我が子供の末裔よ。」

 突如動けなくなる主人公とヒロイン。どんどん力が失われその場に倒れ込む。
 意識が朦朧とする中、主人公と旅をして来た天使と神の会話が聞こえてくる。

神「どうでしたか?我が分身よ。人の愚かさは学べましたか?」
天使「はい。己が暴食に操られ人を襲い喰らった悪食。
   仲間を踏みつける怠惰の上で暮らしそしてその果てに仲間に殺されたドン。
   お互いの強欲、色欲。それによって互いの身を滅ぼし合ったクジキとタジカ。
   どう足掻いても手に入らぬものへの嫉妬に狂ったガイン。
   憤怒に浸かり、自らの全てを破壊したビック。
   そして、人が神になれると信じた傲慢なる主人公。人は愚かでした。」
神「…しかし、我が使いよ。それでもお前は人を愛せますか?」
天使「はい。七つの罪を抱える愚か者・半神半偽の分身達。私はそれでも彼らへの情愛を抱きます。」
神「分かりました。それでは次の神はあなたがなりなさい。私は眠りにつきましょう。」
227:05/02/18 08:37:38 ID:???
 (ここで2つの選択肢。これでエンディングが変わる。)

 ―「自分も神とともに眠りにつこう」を選んだ場合―
 そうして新たなる神は誕生した。
 神はまず、流行病に悩む土地に杖を振り、地上に火が降り注いだ。
 焼き払われた大地。人々を悩ます病は消えてなくなった。
 次に神は人々の偽りの王の頭上に雷を落とした。戦争は終わり、人々の願った平和はようやく訪れた。
 神の数々の奇跡に人々は信仰を取り戻し、再び世界中で教会が建設されるようになった。
 これからも永遠の平穏を抱き、人は健やかに暮らしていくだろう。その為の犠牲は既に払われた。
  ―終―

 ―「…こんな神など消えてなくなればいい」を選んだ場合―
 すると、アイテム袋の中の「破壊の宝玉」(詳細→盗人編)が主人公の強い意思に反応する。
 神と同等の力を持つと言う「破壊の宝玉」は、
 まず人間と神との絆を破壊した。自由に動けるようになる主人公達。
 次に主人公の意思の通り、天界そのものを破壊。足場の雲も消え、主人公、神、天使は落下する。
 破壊の宝玉は最後に天使と神に襲いかかる。
 だが同等の力を持つ神を消す事はさすがにできず、神の力の半分を奪うと砕け散ってしまう。
 (このとき、巻き込まれた次期神の天使も消滅。天界全部の天使も同時に消滅したと思われる。)

 人間が宝玉を使えるほどの強い意思を宿していた事に驚き、そして怒る神。
 「自分のした事が分かっているのか?」と呪いの言葉を吐きながら襲いかかる神。 
 すると、主人公達とともにマリアの石像も落ちてくる。
 マリアは残ったわずかな力で主人公達の足場を作る。そしてついに神を倒す主人公。
237:05/02/18 08:40:03 ID:???
 すると神は最後にこの世の全ての人間の脳裏に「神を殺したもの」として主人公の顔を浮かばせ消滅する。
 マリアの力で滞空しながらゆっくりと落ちていく主人公達。
 しかし、全く滞空していなかったマリアの石像は地面に叩き付けられ砕け散ってしまう。
 主人公はようやく思い出す。マリアと夢の中で逢瀬を重ねていたのは自分だという事に。
 (あくまで出会っていたのが夢の中なので主人公は起きるたびにマリアの事を忘れていた。)
 
 それから十数年後、戦争は未だ終わりの兆しも見せず、世界は病や殺戮が蔓延り、絶望に包まれている。
 人里離れた土地で隠れるように暮らす主人公とヒロイン。
 近くまで「神の死」という奇跡により再編成がなされたバリ城の「聖守護騎士団」が迫っている。
 目的は神を殺した背徳者、主人公。
 この世には神を殺した主人公の味方する者などもういなかった。それでもヒロインのお腹には子供が宿る。
 ヒロインは「たぶん産まれてくるのは優しい女の子」と予言めいたことを言う。
 それを受けて主人公も産まれてくる子供の為に作っていたゆりかごに名を記す。
 それを横から覗き込むヒロイン。ゆりかごには「マリア」という名が記してあった。

 これからも永遠の不安を抱き、人は悩み続けるだろう。その為の犠牲は既に払われた。
 「けれど……もしかしたら……。」
  ―終―