いろんなテストはここでやれ2

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595春香・約束の日1
春香とお別れコンサートを成功させてから4年たった春…
春香は新しい事務所へ移籍、その後もトップアイドルとしてがんばっているようだ。
俺は765プロで売れっ子プロデューサとして忙しい日々を送っていた。

今日は、俺の今の担当アイドル秋月律子のテレビ出演の日。
無事、テレビ収録を終えて車で事務所に帰っている最中だ。
律子「ねえ、今日のダンスどうだった?完璧だったと思うけど?」
P 「あ、ああ今日のダンスは今までで1番の出来だったな…」
律子「でしょ?私だってあれくらいは踊れるんだから。少しは見直したかしら?」
P 「お…おう。そうだな……」
律子「どうしたの?上の空って感じだけど?そんなことで、大丈夫なの?」
P 「すまん。」
律子「はは〜ん。さてはテレビがきになるんでしょ?」
今日は早く事務所に帰らなきゃならない。社長と一緒にテレビを見る約束をしているからだ。
596春香・約束の日2:2005/10/10(月) 23:25:40 ID:???
事務所に到着。会議室に入ると社長が65インチ液晶テレビに釘付けになっていた。
社長「おう。お疲れさん。秋月君もご苦労だったね。例のライブちょうど始まるところだぞ」
P 「おお、間に合ってよかったですよ。」
律子「まったく、2人とも現役アイドルをほっといて、過去のアイドルに夢中ですか?」
社長「まあ、そうむくれるな。彼女は我が765プロが出身の出世頭なんだから注目するのは
   当然じゃないか?」
今夜、CSテレビで生中継されるライブは、他でもない「天海春香20歳誕生日ライブ」なのだ。
P 「律子も一緒に見ないのか?」
律子「結構です!経理の仕事が残ってますから!」
そう言うと律子は、そそくさと会議室を出て行ってしまった。
P 「社長、律子に経理の仕事やらせるの辞めさせてくれませんか?
   ウチも大きくなって従業員も増えたし、アイドル業に集中させてやりたいんです」
社長「むう。そうは言うがな。秋月君以外にはウチの経理を任せられんのだよ。」
P 「はあ。お、ライブ始まりましたね」
テレビに目をやると春香がステージに登場している。
ステージは、俺と最後のコンサートをやった場所と同じ大型ドームだ。
場内は超満員。相変わらず春香は人気者だ。
597春香・約束の日3:2005/10/10(月) 23:26:29 ID:???
歌が始まった。俺がプロデュースしている時とは違って、大人びたセクシー路線。
まあ、春香も20歳だし大人っぽさを売りにするのもアリかな、とは思うが
俺はあまりシックリきていない気がしていた。
もちろん、春香のプロデューサにも考えがあるだろうし口出しする気もないが。
社長「天海君は大分色っぽさが出てきたな。移籍後の新曲も君のプロデュースしてきた
   曲とは違ってダンスタイプ中心。芸の幅をひろげたな」
P 「そういうもんですかね〜?」
それから春香はMCを挟みながら10曲程度のステージを披露した。
俺は、昔の春香と全然違う春香を見て釈然としない気持ちだった。
どうして春香を別のやつがプロデュースしてるんだ
それも無理して背伸びさせられて大人っぽい衣装着させられて
元気で可愛くって歌が何より好きで…それが春香だろ?
嫉妬に近いこの気持ちが、どんどん自分の中で大きくなっていった。
598春香・約束の日4:2005/10/10(月) 23:27:31 ID:???
本編が終わった会場では観客がアンコールを求めている。

その声援に答えて春香が再びステージに立った。
その瞬間テレビを見ている俺は、言葉を失った。
社長「見たまえ!あの衣装を!」
目を疑った。春香がアンコールで着てきた衣装は俺がお別れコンサートで選んだ衣装じゃないか!
そして、春香は、会場のファンとテレビを見ている何百万という人たちに語り始める。
春香「ここで、みなさんに重大発表があります!」
社長「重大発表?なんだろうな?」
春香「私は4年前、一度活動を停止しました。その後みなさんの声援でここに帰ってくることが
   できました。で、その停止したときに、ある人と1つの約束をしました。」
社長「約束?何の事かわかるかね?」

忘れるはずもない。俺と春香との約束。俺の助力無しで、春香がトップアイドルになったら…
その時は、俺と春香は…アイドルとプロデューサの壁を越えて…。

春香「その約束を果たすために今日まで、一生懸命がんばってきました。
   今夜その約束を果たすことができたと思います。」
そうだ。間違いなくお前はトップアイドルに返り咲いた。俺の助力無しで。
春香「なので、今日…このステージをもって、天海春香は引退しますっ!」
社長「なっなに〜?」
突然の引退発表に会場もざわめいている。
春香「では、最後に聞いてください。"太陽のジェラシー"!」
♪もっーと遠くへ 泳いでみたい〜
曲が始まると涙で春香をまともに見ることが出来なかった。
4年間離れていたのに…
春香は俺の選んだ曲で、俺の教えた振り付けで、俺の衣装で歌っている。
まるで、あの日のお別れコンサートをビデオを見ているかのように。
599春香・約束の日5:2005/10/10(月) 23:28:09 ID:???
無事?引退コンサートが終わり、テレビ中継も終わった。
社長にあの日の経緯をはなすと、野獣にならなかった俺は立派だと褒めてくれた。
それから1時間ほど社長と涙まじりで思い出話をしていると、律子が会議室に飛び込んできた
律子「失礼しまーす…って何、男どうして泣きあってるのよっ!気持ちわる〜」
P 「おお、律子。春香が引退するってよぉぉ!」
律子「さっき、テレビで見てたわよ!それよりお客さんよ。プロデューサーにっ!」
P 「俺にお客さん?わかった、ここに通してくれ。」
すると、女の子が会議室に走ってきた。
…春香だ。さっきまでドームで歌っていた春香だ!
春香「プロデューサーさんっ!ただいまでーす!」
そう叫ぶと、春香は俺の胸に飛び込んできた。
俺はそれを受け止める。
P 「俺は会いたかったんだぞぉぉ!」
春香「もう、私はどこにも行きませんよ!プロデューサーさんのこと離しません!」
P 「俺ももう、春香を誰にも渡さない!誰にも!」
社長「ウチ一番のドジっ娘が帰ってキターーー!(涙」
春香「社長…それにプロデューサーさんも泣いてるんですか?」
律子「2人とも春香のライブ見てないてたのよ。ふふっ」
春香「プロデューサーさん。もう、泣かなくて良いですよ」
P 「ああ。かっこ悪いトコみてちゃったな」
春香「そんな。私は、どこにも行かないって言ったじゃないですか。
   プロデューサさんのお嫁さんになるために帰ってきたんですから!」
P 「おっ、お嫁さん??おっ落ち着け春香」
春香「もう、落ち着いてますよ。プロデューサーさんこそ落ち着いてください。
   わたしの旦那さまになるんですからね〜」
社長「何、結婚か!結構!それなら当然、私達が仲人を務めてやろう!
   な、秋月君」
律子「わ、私?ちょっとまってよ。何でアイドルがプロデューサーの仲人をやるのよ。
   普通逆じゃないの?」
春香「わあ、社長と律子さんよろしくお願いしますね!」
P 「あの、俺をおいて話を進めないでください…いや、何でも…穴を掘って…」

半年後、俺と春香は皆の前で永遠の愛を誓い合った。