【運命の】バイオ小説創作スレFILE1【ラクーンシティ】
1 :
ゲーム好き名無しさん:
バイオハザードシリーズの小説創作しようという無謀なスレッドです。
基本は一般作。R指定がギリギリの範囲。イラストも募集中。
ついでにネタ募集中。
↓のスレから製作協力者と絵師を集って建てました。
【リタタン】バイオOB統合スレ03【マービーン!!】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gameover/1104585790 バイオハザード作品集
【本編】
BIOHAZARD
BIOHAZARD 2
BIOHAZARD 3
BIOHAZARD CODE:Veronica
biohazard
biohazard 0
【外伝】
BIOHAZARD GUNSURVIVOR
GUNSURVIVOR 2
BIOHAZARD CODE:Veronica
GUNSURVIVOR 4
BIOHAZARD HEROES NEVER DIE
BIOHAZARD GAIDEN
BIOHAZARD OUTBREAK
※マイナーチェンジVer.は除く
みんな、またーりと頑張ってちょうだい。
あ
乙
>4
ウイルス
恐くて見れないんですが
悪質なジャバスクリプトだから開いちゃダメだぞ
開いたらクッキー消しとけよ
マービンは、跳ね起きた。
ずいぶんと年季の入ったベッドが、彼の衝撃で大きく軋む。
急いで上半身を乗り出し、時計を見ると、短針はすでに夜半を示していた。
宿直室の隅に置かれたベッドに寝転んで、一瞬まどろんだつもりが、いつの間にか三時間も眠っていたらしい。
ベッドのすぐ隣に据えられた簡易洗面台で頭まで水をかぶり、顔を上げると、血色の悪い自分の顔が、鏡に映った。
しばらく眺めていると、鏡の隅に男が入り込んできた。
「ケビン、居たなら起こしてくれ」
「起こしてほしかったのか?」
ケビンは肩を竦めると、水道水の滴るマービンにタオルを差し出した。
「当然だろう。予定表の、今夜の巡回の担当が俺になってるじゃないか」
と、マービンは壁に張りついた紙切れを指差したが、ケビンはその紙切れに視線を向けると、すぐに戻した。
「ああ、そんなもん見てなかった」
↓
続きヨロ
>>12べつに漏れの書き出しアボンしてかまんぞ
何となく書いただけだから
>8
これもインターネットウイルスだな、5と同じヤツだ
アダルトサイトでソフトをインストールするか永遠に聞いてくる
ブラウザ閉じてクッキー消すこと
(゚д゚)コワー
さっそく過疎化だな
18 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/16 22:21:39 ID:BXGKD8no
仕方ないな
明日俺が書いてくるから
まあ、あまり期待はするなよ
こういうオチを変える一発ネタはいいんだろうか?
『決意』から
ヘリの救助員の誘導で正面広場へやってきたケビン、ヨーコ、ジョージの三人。
しかしそこにはタナトスのがヘリより先にきていたのだった。
バンッバンッバンッ・・!カチッカチッ
ケビン「やばいぜ・・。もう弾が切れちまいそうだ…」
そう言ってケビンはいそいでカットリージを取り替えた。もう残段は15発しかない。
ヨーコ「どうしよ・・ケビン。ジョージも瀕死状態だし。後がないよ・・」
ケビン「クソッ・・!」
タナトス「ぐおおォーー」
巨大な腕を振り振り上げタナトスが迫りくる。
次の瞬間、ケビンの体が宙を舞った。
ケビン「うがぁ・・ッ!」
ヨーコ「ケビン!」
すぐさまヨーコが駆け付け肩を貸す。
ケビン「すまねぇ・・ヨーコ。畜生・・これ以上、あの化け物相手にどうすりゃぁいんだ・・」
そのころ、やっとヘリが正面広場へやってきた。
救助員「…やはりこのあたりの生存者はさっきの奴らだけか・・。…む、おい、あそこを
見ろ、さっきの奴らだッ!? しかも襲われてるぞ!!!」
ヘリから3人はゴマ粒程度にしか見えなかったが。それでもその3人に熊のような巨大な
化け物が迫っているのがすぐにわかった
救助員「なんて化け物だ・・。おいヘリを寄せろ!縄ばしごをおろして一人でも多く助けるんだ!」
すぐさまパイロットは舵を切りケビン達のいる上空へ向かう。
バババババババババー
救助員は身を乗り出して叫ぶ。
救助員「おい、そこの3人! この縄ばしごにつかまれッ!早くっ!」
しかし地上に近づいたヘリのローター音で、その声は消されてしまい届かない。
ケビン達のほうもネメシスの攻撃を避けるのに精一杯ではしごの存在に気づかなかった。
ケビン「なんだ?何言ってやがる!? あ〜、うざってー! 人が命からがら
戦ってるってのに上でさっきから、ちょこまかしやがって・・・ん、そうか!あれか」
バンバンッ!
パイロット「ぐおっ!」
ケビンの発砲で胸を撃ちぬかれたパイロットが叫んだ。直後、ヘリコプターは大きく傾く。
タナトスR 「!」
ババババババババババババー ズガァーン!!!
ヘリはケビンの狙い通りタナトスRの頭の上にまっすぐ落ちた。
ケビン「やったぜっ!」
黙々と煙を上げるヘリの残骸の前でガッツポーズをとるケビン。
ヨーコ「ケビン、今そこでトレーラーのキーを見つけたわ」
ケビン「よっしゃ!そいじゃ、トレーラーでシティーん中、突っ切って逃げようぜ!
どうせ生存者なんていねぇーんだ。思い切って家屋ごと破壊しながらなッ!」
ジョージ「さすがだな…ケビン・」
ケビン「おおよ! ほめてくれてあんがとよ、ジョージ!」
グオン・グオン・・!さっそくトレーラーのエンジンをかけるケビン。
ケビン「いくぜー!」
バリバリバリバリ!
こうしてトレーラーは猛烈な粉砕音をあげながら闇の中に消えていったのだった。
ネタっていうか ひでえ…
ワロタw
ひっでぇーw
でもワロタ。こういうのも全然アリでしょ。
ワロタ
しかしマジメに長期小説も捨てがたいな
これじゃ攻略スレとかわらんて
まぁ長編アリ短編アリギャグアリでいいじゃまいか。
面白ければ何でもいいさ!
…ところで1にエロの指定が入ってるが、ゲサロでエロは大丈夫なのか?
>>26 まあエロ小説は厳禁って事だろ
PS2並のエロが限界とか
でヘタレの
>>18だが小説を少し書いておく
続きはなた明日あたり
「たったひとりの遺志〜明日へ〜」
『死守』〜『バイオ3』〜『バイオ2』
「行け!早く行け!!」
「マービン!」
「俺に構うな!早く行くんだ!!」
「何言ってるの!?早く来て!!」
「もう駄目だ!」
「マービン!」
…遠くから聞こえる女性の悲痛な叫びはもう聞こえてこない
自分の身を挺して彼女たちを
男は救助に来た護送車に乗せソレを見送った
…ただそれだけである
男は何も後悔していない
仲間を救った、無事生き残った他の市民達を救えた
それだけでも十分だった
男は負傷した脇腹を押さえつつ歩き始め呟いた
「まだ…死ねん…」
28 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/17 18:29:33 ID:3wjXT+up
そこでポチョムキンが一言
「がっでみ!!!!」
各シナリオを勝手につないで間を作ってみました。
お目汚しにでもドーゾ
【発生エンディング〜その後】
死体どもを吹っ飛ばしたまではよかったが結局引き返すのかよ。
降りて歩けなんて言いやがって、自分も行き場がねぇんじゃねぇか。
爆破した道は通れないし、しょうがねぇや。引き返すしかない。
しかし、あの禿げとは前からウマが合わねぇんだよ。
高速へ行った方が安全なんじゃないのか?みんなもそう言ってたぜ。
クルマの揺れでちょっとばかり居眠りをしちまったようだ。
向かいではデビットが何かブツブツ独り言を言ってる。
ジムはさっきから何であんなにうるさいんだ。少しは黙れよ。
アリッサは新聞記者だってか。何かずっとメモしてるようだ。
ヨーコとシンディはずっと黙ったままだ。うとうとしているのかも知れない。
マークはヨーコの方をちらちら見てる。
ジョージはさっきから葉っぱをすりおろしたりして何か怪しいことに熱中している。
目があぶねーぜ。
しかし、何だか回りが騒がしくなって来たな。どれ。
うっ、さっきはこのあたりにはまだ死体どもは来てなかったのに。
おい、禿げ!このままじゃ囲まれちまうぜ。
クルマが突然何かにぶつかった。俺たちはパニクりながら車外へ出た。
どんどん死体どもが集まってくるじゃねぇか。逃げるんだ。ゴーナウ!!
とは言ってもどこもかしこも死体だらけだ。逃げる場所なんてあるのか?
お、今の路地は誰もいなかったな。よし、みんなこっちだ。カモーン!!
そこはアップルインの中庭だった。
【獄炎スタート】
なかなか(・∀・)イイ!!ね
ゾンビ爆破したあとが気になってたんだが、ワロタよ
ぜひとも決意までの繋ぎストーリー読んでみたい
その日はニコラスにとって休息の日であったはずだ。
郊外に住んでる彼は2泊3日の予定でアップルインに泊まり
市内に住む友人のドンと一緒にJ‘sBARで一杯飲むつもりだった。
それが彼のたてたささやかな休日プランであった。
そして、彼はそのプランを忠実に実行した。
ドンと合流するところまでは。
ところが、その彼のプランを狂わせるものが一つ。
行きがけに非常に気分の悪そうな浮浪者を見かけてしまったのだ。
自他共に認める善良なラクーン市民であるニコラスは
この、哀れな浮浪者を放って置くわけにはいかなかった。
ドンはそんな気味の悪い野郎は無視しようと言ったが
ニコラスは顔色の悪い男を何とか介抱してやるべきだと思った。
それが命取りになるとは誰も思うまい。
まさか、この浮浪者が自分を助けてくれようとする恩人に襲い掛かるなど。
男はニコラスの首筋に齧り付くと力任せに引き千切った。
ニコラスの首から鮮血が恐ろしい勢いで吹き出る。
まるで散々転がした後のウィスキーの樽に穴を開けたかのように。
ドンはどうにか止血しようとしたが、手当ての甲斐もなく
ニコラスはやがて大きな痙攣を起こして動かなくなった。
ニコラスの命を奪った男はドンには目もくれず
ゆらゆらと当てもなく彷徨いだした。
ドンは友人を酷い目に合わせた浮浪者を許せなかった。
手近にあった棒を手に取ると、糞野郎の身体に振り下ろす。
男はなんとかその棒を跳ねつけようとしたが
ドンは大きく振りかぶって棒を男に叩きつけた。
気味の悪い男は壁際まで吹っ飛ばされ、ガクリとうな垂れた。
ドンは男が動かないのを確認するとニコラスの方に振り返った。
だが、彼の視線の先にはニコラスの身体は見えなかった。
さっきまで顔を青ざめて倒れていたのに。
ドンはニコラスがどこへ消えたのか捜そうかと考えたがその必要はなかった。
ニコラスはすぐにドンの目の届くところに現れたからだ。
虚ろな目をして、大きく口を開けて。
それから幾ばくか後のこと。
ニコラスは少々、寄り道をしてしまったが
当初のプラン通り、BARまでやってきた。
友人のドンをはじめ、意気投合した仲間達と一緒に。
ムシャクシャして発生のワンシーンを妄想して書いた。
ニコラスとかドンとか分からん人は攻略板のテンプレ見てくれ。
スレ汚しスマソ。
イイヨイイヨー
アウトブレイクは合間の話や詳しい事情がないだけにいろいろ想像できていいね。
ドーン!ニコラース!
いきなりそう来たか。雰囲気出ててイイネイイネー
38 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/18 08:37:31 ID:0jD4YjQm
35
続きキボンヌ
39 :
30:05/01/18 12:12:29 ID:???
>>31 >>32 ありがとです。がんばってみます。
とりあえず第2回目今夜うp予定です。
>>39 おお(゚∀゚)ガンガレ!
楽しみにしとるで ノミノ
41 :
30:05/01/18 21:19:18 ID:???
【獄炎エンディング〜その後】
舌を振り回す気持ちの悪い女ゾンビを何とか葬ってインの外に出たわよ。
女もああなっちゃおしまいね。カンベンしてほしいわ。
でも火災のおかげで周囲のゾンビたちが一掃されていたのは幸いだった。
助けてくれた消防士に運がいいって言われたわよ。でも本当にそうかしら・・・
疲れ切った私たちには休息が必要だった。例え短時間でも睡眠をとらないと、
この先また何が襲いかかって来るかわかったもんじゃないし。
そこで私たちはラクーン病院に行ってみることにしたのよ。あそこはまだ死人の
群れに覆われていないと聞いたから。
ジャスドゥーイッ!!
病院へ向かう途中ジョージとシンディが何か目配せをしていたように見えたわ。
なんかあやしいわねこの二人。記者のカンてやつかしら。
ケビンとジムはさっきから大騒ぎしてる。遠足じゃないのよ。マークとデビットは
時々ボソッと話す程度なのになぜか付かず離れず歩いてる。不思議な関係ね。
あたしの後ろにはさっきからヨーコがくっついてるんだけど、何考えてるのかしら。
ウィルスがどうとか言ってたけれど、今度の事件について何か知っている?
あのリュックの中身も気になるし、彼女要チェックね。
幸い病院はまだ無事だった。
女性看護師にかけあうと302号室に案内されたわ。でもこの看護師、なんか目つきが
ヘンなのよ。生気が感じられないって言うの?気分も悪そうだった。
医師を寄こすからって言われた私たちは、とりあえずベッドに腰を下ろして息をつく
ことが出来た。
しばらくして窓から外を眺めてみると、そこにはいつの間にか死人の集団が押し寄せて
いるじゃないの!これじゃこの病院から外に出られやしない。
その時、蛍光灯がチラチラしてどこかでモーターの止まるような音が・・・
どうなってるのよ!?
そこに医師らしき男が入ってきたわ。
【巣窟スタート】
42 :
死守:05/01/18 22:34:49 ID:???
ったくよぉ…ついてねえったらありゃしねえ。
リタとマービンはPCいじりに精だしてるからしゃあねえが…
なんで俺が脱出口を探さんきゃならねえんだよ?
まあ、このままバケモン共がウヨウヨいる職場に居たくはねえけどな。
愛用の45オートだけが頼りか…武器保管庫に行けりゃいいけど
ロックかかってやがって入れねえときたもんだ…あそこにゃ愛銃の
弾がたっぷりあるんだがね。
しかたねえから無駄弾つかわんようにバケモンから逃げ回りながら
怪しいモン探し回っているわけだ。
「なんだこりゃ?」
エースの鍵で開けた金庫。なんか入ってねえかと思ったが、ドンピシャだったぜ。
赤い宝石が埋め込まれた平べったいプレートがありやがった。
「いかにもって感じだな。持ってくか」
ポケットの中に放り込んで台を降りた。あたりにバケモンの気配はない。
どこか澱んでやがる空気を吸い込み……警報が鳴った。
「Shit!またガスかよ!!」
ちくしょう!バケモンに効かねえガスなんざ垂れ流すんじゃねえよ!!
俺は転がるように二階の廊下に飛び出した…が。
「くっ!」
目の前にゾンビ野郎!
銃は間に合わねえ!チクショウ!!大口開けてんじゃ…ねぇよっ!!
どてっぱらに蹴りをかます…っしゃ!動き止まったぜ、死にやがれッ!!
45オートをゾンビの頭に狙い…引き金を絞る!
パン、といい反動が返ってきて、ゾンビ野郎は脳漿ぶちまけて死にやがった…ふぅ。
「ったくよ…どこから入ってきやがるんだかな」
一発だけ使っても補充は忘れねえ。弾倉を抜いて弾を込める。
こればっかりは徹底しねえと命に関わるからな。
「さて、と。ガスが回りきらねえうちに似たようなモン探してみるかね」
そう呟きながら、俺は一階へと足を進めた。
なんとなく書いてみますた
あと二人PC出したいのだが…誰にしよう
30さんGJです!こういうシナリオごとに繋がってる話は大好きです。続きキボン!
>>41のなんともいえんテンポがワロタそれでいてちゃんとシナリオが繋がりそうなとこが(・∀・)スゴイ!!
次も期待してまつ
いやな場所に来てしまったものだ。
地下6階の休憩室で白いカプセルを飲みながらフロストは思った。
北部から中西部の地下研究所に赴任してきてはや一ヶ月。
未だにラクーンシティの気候に慣れない。
故郷と比べてジメジメしている。
その上、ここは地下だ。余計に蒸し暑い。
勤務中には一定時間に必ず酷い味のカプセルを飲まされる。
地上に出るにしてもいちいち許可がいるし
出たとしても常に私服の警備隊員が後をつける。
金払いが悪ければ、とっくの昔に辞めているところだ。
もっとも、どんなに辞めたくても辞めれないわけだが。
何故ならば、彼の所属している地下研究所の研究スタッフは
アンブレラ社の裏の顔を代表する代物を開発しているからだ。
運良く(悪く?)ここに配属された優秀な研究員は
外界との接触を著しく制限され、アンブレラ社と一蓮托生を約束される。
ほとんどの場合は独身の者が選ばれるが
中には当研究所のバーキン夫妻らのように
家族ぐるみで研究に参加する者もいる。
フロストも選ばれた以上、腹をくくって北米へと飛んだのだ。
この研究所で彼が任された仕事はある商品の調整体だ。
正式な名称が何だったか詳しく覚えていない。
通称ハンターと呼ばれる、SF映画に出てきそうな怪物だ。
これがアンブレラ社が誇る成功品だという。
ウォルター主任はこのハンターの世話を彼に押し付けた。
その時、主任はこれは非常に不安定な調整体なので
大事に扱えよと言ったのを覚えている。
そんな大事なものならば自分で管理したら
どうかと言いたかったが、敢えて反論はしなかった。
アンブレラでは上の言うことは絶対だからだ。
フロストはこのハンターが好きになれなかった。
これは以前に北欧で見たカエルの化け物、ハンターγのプロトタイプらしい。
γはまだ愛嬌があったのに比べて、このオリジナルは
いかつく、触るだけで傷をつけられそうな風貌をしている。
Tウィルスに感染させた人間に爬虫類の遺伝子を組み込んだのだという。
だから、人間の言葉も少しは理解できるのだそうだ。
主任からはこの調整体は元は北部出身だから
話し掛けてみたらどうだなどと言われたりもした。
それを聞いてからか、妙にハンターの入っている
カプセルから視線を感じるようになった。
眠っているように見えて、その実、研究員達を殺そうと企んでいるのではないか。
不吉な妄想がフロストの頭の中を駆け巡るようになった。
そんなある日のことである。
研究の日々に終止符を打つ出来事が起きた。
突如として武装したUSSの部隊が研究所内に押し入ったのだ。
バーキン博士が開発していた新種のウィルスが目的だと言われた。
さらに悪いことに、ウォルター主任が
USSに立ち向かわせるべく、調整体の何体かを開放するよう
フロストに命じたのであった。
フロストは最初は拒否したが、アンブレラ社存続の危機であることを告げられると
やむなく、ハンター達を開放した。
正直、この怪物が任務におとなしく従うとは思えなかった。
なのにウォルター主任はフロストの調整は完璧で
ハンター達が自分の言う命令を忠実に実行するものだと
信じてはばからなかったが、実際はそうはならなかった。
ハンター達は主任を串刺しにすると研究所の壁へと放りやった。
やはり、調整は不完全であった。
ハンター達は辺りにいる研究員達に無差別に襲い掛かり
多数の研究員に犠牲者がでた。
フロスト自身も大きな深手を負った。
背中に、ハチェットのような爪が食い込んだのだ。
彼は調整は不完全ながらも、調整者である自分だけは
ハンターも襲わないのではないだろうかと心のどこかで思っていた。
それはウォルター主任が持っていた驕りと同じだった。
ハンター達は自分達が受けた仕打ちを忘れてはいなかった。
フロストの妄想は現実のものとなったのだ。
どこをどう歩いたか分からないが、地下4階にある低温実験室まで辿りついた。
そこで扉を閉めるとその場に倒れた。
まだ外ではハンター達が人間狩りを行っている。
もう、様々な研究知識も役には立たない。
フロストはこの世の終わりに懺悔を紙切れに書き残した。
最後の力を振り絞り、実験装置の前まで来ると
全力でレバーを引いた。
装置の作動音と共に辺りが段々と冷えてくる。
故郷の冬でも感じたことのない寒さだ。
背中の傷の痛みも消え失せていく。
フロストは全身の感覚がなくなる瞬間、思った。
願わくば、何人もこの場所を訪れぬようにと。
>45
いい。設定といい悲哀といい丁寧だなぁ。
このスレ廃れたらサイト化してもいいだろうか。
>>45いいなぁー想像力も文章力もあってオモシロカタです
こういう短篇のサイドストーリーが書けるなんて羨ましいバイ
50 :
30:05/01/19 12:15:02 ID:???
>>45さん、GJです。感動しました。
45さんの作品に触発されて、シナリオ間ストーリーとは別の話が
一本書けてしまいそうな勢いです。
二番煎じでおはずかしいのですが、今夜はそれをうpしようと思います。
51 :
45:05/01/19 12:40:33 ID:???
>48
こんな文でよろしければ、好きに使ってくだされ。
>49
脳内設定が多くてやりすぎたかなと思いましたが安心しますた。
言葉尻なんかは文学小説やライトノベルでも読むと参考になります。
>50
是非とも参考にしたいのでうpキボンヌ。
他の方の作品をみると色々触発されます。
皆さんGJ。特にドン&ニコラスの話とフロストの話はとてつもなく完成度が高いですね。
漏れも触発されて書きたくなってきた。
家に帰ったら発生の小説化に挑戦してみます(`・ω・´)
みんな素直でいいなぁ‥。
自分はヘタレのくせにプライドだけは高いアフォだから、むしろ他人の書いたものに感銘や触発を受けた自分が悔しくてへこんじまう。
感銘や触発を受けた作品イジョーのものを書ければ問題ないわけだがそうもイカンのは自分に想像力がないからだろうな
てかスレ違いスマんかった
>>53そういう時は己レよりヘタレな作品を見つけて勉強すると共にアドレナリンを放出するんだよ
ただし安心すんでなくてあくまで気分を上げるだけにとどまるのが大切
上を見てもキリないが、下を見ててもキリがないからなw
55 :
発生:05/01/19 18:40:23 ID:???
「・・・・くぁーっ、たまらねぇ。」
酒に含まれるアルコールがもたらす丁度良い刺激を心地よく思いながら、俺は呟いていた。
もう何杯目だか忘れたが、構わず空になったグラスをバーテンに差し出す。
バーテンはそれを確認すると何故か嫌な顔をした。
・・・別にツケにする気は無いのだが。
ラクーンで勤め始めてというもの、職場である警察署と自宅のアパートの丁度中間地点に位置するここ、
J’s BARに仕事帰りに寄るのが俺のささやかな楽しみになっていた。
店としては大きくも無いが、メシは美味いし酒は結構良いモノを揃えていたりもする。
何でも、店主のジャックが世界中から酒を仕入れていて、店の酒蔵湖には酒好き垂涎の秘蔵酒もあるらしい。
通い始めてもう随分経っているので、バーテンとは今や顔馴染みだ。
その関係を利用(悪用とも言う)して、給料日前とかは代金をツケにしてもらう事もある。
あー・・・そういや先月のツケ、まだ払ってなかったかもな・・・。
嫌なことを思い出ちまったので、意図的に忘れた、事にした。
バーテンが酒を注いでいる間、特にすることもないので何となく店内を見回してみる。
平日、しかも晩飯時をいくらか過ぎている中途半端な時間帯なので客もまばらだ。
ちょうど「L」の型になっているカウンターに俺が座っているのだが、他には俺と同じ仕事帰りだと思われる薄汚れたツナギを着た男が一人と
警備員服を身に纏った黒人と白人の二人組みが見える。
店の奥にあるテレビではニュースが流れており、サッカーの試合の暴動事件を報道していた。
・・・どうやら俺の勤務時間が終わったすぐ後の出来事ようだ。
下手したら駆り出されてたかも知れないが、自分がその難を逃れたという事実と幸運に安心。
そんな無駄思考に没頭していると、バーテンが再び酒を差し出してきた。
上機嫌でそれを受け取り、再び呑もうとしたその時―――
バーの入り口のドアが、開く音がした。
56 :
30:05/01/19 21:21:31 ID:???
彼のアパートメントを訪ねるたびに、私は屋上に出て街並を眺めていました。
雑然としていて決して美しいとは言えないラクーンシティですが、私は自分が生まれ
育ったこの街の眺めが昔から大好きなのです。
・・・しかし、それも今は遠く離れた世界のことのようにしか思えません。
私は一面に流れた彼の血をぼんやりと眺めながら、床にぺったりと座り込みました。
手にはまだキッチンから持ちだした包丁を握ったままで、肩は小刻みに震えています。
寒い。それは気候のせいではないでしょう。指の先からからだ全体が凍って行くような
感覚に襲われました。
◇
動植物の輸入仲介業をしている彼は、当時ある破格の契約を取り付けて有頂天に
なっていました。それは全米でも有数の製薬会社とのあいだに交わされたもので、
高度の守秘義務が課せられていました。でも、本来なら家族にさえ漏らしてはいけない
ことを、彼は交際中の私に話してしまったのです。
製薬会社とは言っても、その実、やっていることは軍事目的の生物化学兵器の生産で
した。彼との契約はその実験体確保のためのものだったのです。しかも、実験の対象は
動植物ばかりか生身の人間さえも含まれていたのです。私にはそれがとても恐ろしく
感じられたのですが、この契約を機に製薬会社の重役として抜擢される可能性が高い
のだと舞い上がっていた彼にとって、そんなことは気にならなかったようです。
だんだんと彼が狂気にはまっていくようで、私は怖くて怖くてたまりませんでした。
何とか彼にこの仕事から手を引くよう説得しました。最初は私の懸念を笑い飛ばして
いた彼でしたが、そのうち私が彼の出世の妨げになると考え始めたようです。多忙を
理由に会えないと言われる日々がしばらく続きました。
彼の仕事内容を知ってしまった頃から、いつも誰かの視線を感じるようになっていま
した。街を歩いていてもバーで飲んでいても、ふと振り返ると黒い影がさっと隠れる
ような、そんな映画みたいなことが何度もありました。監視されている?
これも彼の仕事と関係があるのだろうかと不安になりました。彼が私に契約内容を
漏らしてしまったことが、相手には筒抜けだったのではないでしょうか。
ところがある日を境に、監視されているという感覚はなくなってしまいました。
あまりに突然だったので、翌日にはまた視線を感じるようになるのだろうと警戒して
いましたが、そんなことはなく、それ以来誰の視線も感じなくなりました。
今日彼のアパートメントに来たのは仕事を終えてからだったので、訪ねて行くには
遅い時間になってしまいました。通りを歩いて行く時に何だか形容し難い変な臭いが
したり、獣のようなうなり声が聞こえたりして、何かが起こりつつあるような、イヤな
予感がしました。
行きつけのバーの前を通り過ぎてアパートメントのドアを開けようとした時、数人の
人影がバーの扉をすごい勢いで叩いているの見ました。何人かはこちらに向かって
ゆらゆらと歩いて来ます。言葉に出来ない胸騒ぎを感じた私は急いで中に入りました。
そのまま走るようにして1階にある彼の部屋のドアを開け、急いで鍵を閉めました。
安心して振り返ると彼がすぐ目の前に立っていました。驚いた私は引きつった笑顔を
返して「どうしたの?」と尋ねました。しかし、彼の目は暗くどんよりと濁っていて
強烈な腐敗臭が鼻を突きました。反射的に横に飛び退いたのですが、いきなり延びて
きた彼の手に肩をつかまれて転んでしまいました。何て強い力なんでしょう。彼は
どちらかと言えば華奢な方で、こんな握力があるとは思えません。ノースリーブの肩
には醜くえぐれた爪痕があり、そこから出血しています。あっけにとられていた一瞬の
後、痛みが襲ってきました。
私は彼の手から逃れようと必死にもがいてキッチンに転がり込みました。しかし彼は
想像を絶する強さで私を掴み、私の喉元に顔を寄せてきました。その時、偶然手に
触れた物を反射的に彼に突き立てました。彼の肩口に包丁が突き刺さっていました。
やけに粘りけのある黒い液体が吹き出ています。それでもまだ彼の手は私の肩を掴んで
離しません。私は泣きながら包丁を抜き取り、もう一度、今度は彼の左胸に突き差し
ました。
彼はゆっくりと手を離すとそのまま仰向けに倒れました。もうそれきり動きません。
ごめんね、ごめんね・・・
頭の中ではその言葉ばかりがこだましていました。
58 :
30:05/01/19 21:30:06 ID:???
◇
放心状態からようやく回復した私ですが、あれからどのくらい時間が経ったのか
まったくわからないのです。それに寒くて寒くて仕方がありません。彼の息と同じ
腐敗臭が私の肺からも出てくるような気がします。だんだん目が霞んできました。
通りの人たちも彼もいったいどうしてしまったのでしょう。
私も同じなのでしょうか・・・
そう思うと、どうしてももう一度ラクーンシティの街並が見たくなりました。
きっとこれが見納めになるんじゃないかな。
そんな気がしますが、なぜか悲しくはありません。私は彼の部屋から出てフラフラと
エレベータに向かいました。通りの方では誰かが拡声器で怒鳴っているようです。
そんなことは不思議と気になりませんでした。廊下を曲がってエレベータに乗っては
みたものの、屋上のボタンがもうほとんど見えません。それに手も思うように動かせ
ません。ああ、ここまでなのかなぁと諦めかけた時、扉が閉まってエレベータが動き
出しました。誰かが上でボタンを押したのでしょう。2階、3階と過ぎてどうやら
屋上まで連れて行ってくれるようです。
私は幸せな気分になりました。
両親に連れて行ってもらった動物園、ボーイフレンドとピクニックに出かけた森、
新しい知識を吸収するのが嬉しくてたまらなかった大学、初めて自分で買った車で
ドライヴしたハイウェイ、忙しかったけれど素敵な仲間ばかりだった職場、彼と
遊びに行ったショッピングモールや映画館・・・
エレベータが上って行くほんのひと時のあいだに、わずかに残った私の心の中には
色々な思い出が現れては消えて行きました。
RF
エレベータはようやく屋上に着い・・ようです。扉・・開き始めました。
私の街・・・わた・・の・ラクー・・シ・・
みんな・・さ・よ・・・ら・・・
リアル〜(゚д゚)
なんか泣けてきた(つД゚)
あの悪魔のような病院から、なんとか脱出できたはいいが、安堵もそこまで。
来る時に渡った吊り橋は落下していて跡形もなく、俺たちはへとへとの身体に鞭打ち、崖端を歩きながら沢へ降りられる道がないか、探すしかなかった。
しかし、
パパラッチかおまえはってぐれーどこまでも追っかけてくる裸マスクのオノ野郎や、掃除機みてえなツルを振り回してやたら人の頭吸い上げまくるわけのわからん球根のバケモノ、毒粉と鼻水垂らして寄ってくる死人、
そいつらから死ぬ思いして逃げ出した後だってのに
ハイキングさせられるなんてな。
生きる為とはいえさすがに辛い。
つーかジムはさっきから何を騒いでるんだ。
こちとら疲れてイラついてるってのに。
ああ、そういや病院を出る途中で落ちてきた石で頭打ったって言ってたな。
だから痛ぇ痛ぇとわめいてんのか。
たいした怪我でもねえくせにうっさいんだよ。
おいジョージ、それからシンディ!そんな仲良く道端の葉っぱ摘んでねぇでヤツを黙らせろよ。
…ん?ところであの配管工はどこ行った?
ついでにアリッサもいねえし。
まったくあいつらは協力って言葉を知らんのかね。どいつもこいつも好き勝手しやがって。
ついて来てんのはマークにジムにジョージにシンディにヨーコかよ。
頼りねぇなあ……おっ
おい!あそこから下に降りられるんじゃないか?
よっしゃみんな行くぜ!
あとは沢ぁ下っていきゃどっかに出んだろ。
はぁーやっと休めるぜ。
と思ったのになんだここ。
アンブレラ?っていや製薬会社だよな?なんでその名前の建物がこんなとこに建ってんだ?
うっ
死人どもまでいるじゃねえか!
こうなったら仕方ねえ、おいおまえら!あの建物まで突っ走るぞ!
ああジム頭痛ぇって?んなことほざいてる場合かこのガキ!!
かじられたくなかったら頭痛かろうが痒かろうが走るんだよっ
ヨーコ!てめえも何アンブレラの文字見てふけってんだ!
ああめんどくせえ!
俺はジムとヨーコを小脇に抱えると、死人どもを迂回しながらその製薬会社に突っ込んでいった───
ヘタレながら思い立ったので投下してみますた
ジム&ヨ-コ抱えて怒濤のように走るケベンヌ想像しちマタ-ヨ
思い立ったら吉日だからな。
どんどん投下して(・∀・)ヨシ!!
と漏れは思うが。
みなさん妄想力ゆたかで羨ましいでつな
67 :
45:05/01/19 23:43:06 ID:???
最近のラクーン病院は忙しい。
救急指定病院なのだから、あたりまえといえばあたりまえ。
とはいえ、ここ一ヶ月はさすがに度が過ぎるほどだ。
ここで働いている看護士のキャシーは一週間、家に帰っていない。
彼女はもう後一週間は眠らずに働けると信じてる。
身体が疲労に慣れてしまったからだろう。
慣れてしまったものといえば
夜な夜な鳴り響く定番のナースコールと
それに付随してくる全身真っ黒の缶ジュースくらいの大きさの奇妙な蟲。
患者が驚いて取ってくれるように嘆願し
それを毟り取るのが彼女の日課になってしまっている。
この蟲が頻出するようになってから、病院の雰囲気が変わった。
入院患者の多くに赤い痣のようなものが現れはじめたのだ。
それ以降、急激に体調を崩す者が続出した。
あまりの数の多さに、当初は病院食による集団食中毒かと思われた。
イーサンがわざわざ献立の成分を検査してくれたが
内容には特に異常は見られなかった。
原因不明のまま、急患が院の内外を問わず、何人も増え続けた。
ヘリを飛ばして他所の病院に引き取ってもらっても、病室が足りず
収容できない患者は廊下に布団やシーツを置いて安置した他
患者の同意を得て、霊安室に収容するまでに至った。
さらに、最前線で治療に当たっていた最後の外科医であるアイザックが倒れてしまい
これにより休暇中のジョージを除き、外科の専門医が全滅した。
その間、看護士達による応急処置をはじめ
専門医でないイーサンやハワードまで狩りだして
病院総出の治療体勢に入ったが事態は好転しなかった。
そんな忙しい夜のこと、再びナースコールが鳴った。
場所は302号室、アイザックが収容されている場所だ。
68 :
45:05/01/19 23:44:28 ID:???
恐らく、例の蟲が取り付いたのだろうとキャシーはモップを持って駆けつけた。
ところが、そこにアイザックと思われる人物はいなかった。
天井のダクトカバーが床に落ちて、カラカラと音を立てていた。
それだけでなく、同じ室内にいた一般患者も根こそぎいなくなっていた。
まさか、あの人数の人間が体調不良の状態でダクトを伝って
いったわけでもなかろうが、念の為に辺りを調べてみた。
どこを捜しても、彼らの痕跡は見当たらず
敢えていたというならば、例の黒い蟲がベッドに数匹いたことくらい。
外の患者に聞いても、ろくな答えは得られなかった。
当直の職員全員で3階から地下1階まで隈なく捜したが
彼らの行方はようとして知れなかった。
その日を境に、病気の患者達が失踪する事件が相次いだ。
行方不明になったものの多くが、全身に赤い痣が出ていた者達だった。
患者達の中で妙な噂がたちはじめるようになった。
曰く、かつて違法な人体実験で殺された患者が病院に復讐するべく彷徨ってるとか
或いは赤い痣による呪いで奇怪な怪物になってしまった、等々。
根も葉もないデマなのに、この異常な状況からか
信じ込む者が多数、加えて煽るものまで現れて病院はパニックになった。
多くの患者が院内の医薬品を持ち出し、外へと出て行ったため
病院は収容人数だけは正常な状態に戻ったが、その代償は大きく
今では患者の数以下の薬品しかなくなり、まともな治療が行えない。
病院は、本来の機能をほぼ停止してしまった。
既に人間がいるべき理由は何もない。
それでも、まだキャシーは病院で働いている。
一つはテレビやラジオによる情報で病院の外の方が
もっと危険な状態になっていることを知ってしまったから。
そしてもう一つは、彼女の身体にも赤い痣が見えるようになったこと。
そのせいか、最近の彼女は時折、黒い蟲と戯れる。
黒い蟲を腕に這わせる時の彼女の表情は
まるで、最愛の人を待ち焦がれる少女のように恍惚としているのだ。
69 :
45:05/01/19 23:46:33 ID:???
>55
よく考えるとケビンが気持ちよく飲んでいる間に
バイオ3では機動隊が狩りだされて交戦中・・・運がいいぜ、ケビンヌ。
>56
・・・思い出した。発生のハード以上の時に
あのエレベーターから出てくるお姉ちゃんですな。
さりげないヤラレ役にも、サイドストーリーがつくことで
もの凄い重要キャラクターに見えてしまう。
キャラデータはあるそうなのでファイル3が出るならNPCとして使えるかも。
>63
>俺はジムとヨーコを小脇に抱え
むしろ、小脇に抱える役は是非ともマークパパに。
馬鹿息子と臆病な娘を抱えて走るパパ(・∀・)カコイイ!
70 :
42:05/01/20 00:02:01 ID:???
ウェスカーよ…
ウェスカーよ
君は今 遠く南極の地で
長きに渡り追い求めて止まなかったSTARSたちと存分に戦っていることだろう
私は今 遠い研究所の地にいる
そう つい数ヶ月前に 君が半死半生でたどり着いた場所だ
私の超人製造の夢が始まったこの場所
数年前、t−ウィルスの採取を目的にこの地を訪れたとき…
わたしは見てしまった
一万の軍隊を凌駕する超暴力!
夢を見た!!
この男を造る!!
アンブレラ総科学力をしてこの男を造り出す!!
71 :
42:05/01/20 00:03:18 ID:???
夥しい実験と 夥しい失敗の果てしない繰り返し―――――
累々たる屍の山の果て――――
遂にはウェスカー――――
君と言う最高の協力者と巡り会う
そして君はよく反応えてくれた―――――
傲然と繰り返される―――――
t−ウィルスに次ぐg−ウィルス!
日々書き改められる 非公認の世界新記録!
わたしの胸は踊り上がった!
しかし我々の目的は金メダルなどという生やさしいものではない
蜜月の時とは短いものである
いつの日か君は未来を忘れ
わたしの夢を超越て独走し始めた
独走は暴走に姿を変え 暴走は夢を捨て―――――
時を経ず君は人ならぬ領域をはるかに凌駕し―――――
神の―――――否
タイラントの領域まで足を踏み入れる
そう 神風のように―――――!
君は南極で鬼神の如く殺しまわるだろう―――――
潜在能力を徐々に解除しながら殺しまわるだろう
そして最高値はクリス戦で完全解除されるハズだ!
君が数ヶ月以前この地でそうしたように!
わたしは今 君の成した最後の実験成果の前で最後の時を迎える
これ以上 神とは喧嘩はできない
ウェスカーよ
君は強くなりすぎた
ちなみにあの男とは豪鬼w
なんかこういうの見てると絵が描きたくなってくるね。
皆うまいなぁ〜と楽しみにしてます。
自分は絵しか描けんので…
73 :
30:05/01/20 12:05:38 ID:???
>>55 まったくの架空ステージじゃなくて、実際にゲーム中にあったシーンを
登場人物の気持ちを描写して再構成するというのもいいですね。
私もそのシチュエーションで書いてみたくなりました。
>>63 6人がぞろぞろと河原を歩いている図を想像すると笑っちゃいますね。
あと、いなくなったアリッサとデビットの話、何か裏がありそう・・・
ぜひ続きをお願いします。
>>67 45さん
またしてもやられたって感じです。
あれだけ街に感染者がいたのに閑散としていた病院、やっぱり理由があって
然るべきですよね。お見事です。
>>71 おお、アウトブレイク以外のネタ初登場!
ウェスカーあたりはいくらでも裏がありそうでおいしいキャラですね。
前作とがらっと変わった作風、懐が広そうで凄いです。また期待してます。
(´д`;)
75 :
55:05/01/20 17:36:46 ID:???
そんな事は気にせず、俺は再びグラスを傾けて喉を焼く褐色の液体を流し込む。
その時、バーテンのウィルが呟くのが聞こえた。
「・・・客にしちゃ変だな・・・。」
その声に釣られてドアの方を見ると、そこには一人の男が立っていた。
店に入ってはいるものの、席に座る様子も見せず、ただ突っ立っている。
服は薄汚れていて、何やら首筋のところにドス黒いシミまでありやがった。
そして身体が不安定に揺れているところを見ると・・・どうやらそこらのホームレスか酔っ払いだろう。
その様子を見兼ねたのか、ウィルがカウンターから入り口に向かって歩いていった。
店としてはああいう客に居て欲しくは無いだろうから、多分追い払うつもりだろう。
別に変わった出来事でもない。俺は興味をなくして再び酒を飲む。そろそろ食い物でも注文するか。
いつの間にか、店内のスピーカーから何も聞こえなくなっていた。
「・・・ッ!!何するんだ!」
突然のウィルの悲鳴が、店内の静寂を打ち破った。
慌てた声に驚いて再びドアの方を見ると、ウィルとさっきの男が揉みあっている。
あー、あのオッサン、酔っ払いじゃなくてヤク中だったか?
・・・勤務時間は終わってるが、しょうがねぇか。
そこまで考えて椅子から腰を浮かせた時、俺は異常に気が付いた。
よく見ると、薄汚れた男はウィルを殴るでも蹴るでもなく、何故か首に顔を近づけていたのだ。
そしてその首筋に突きたてられる歯。肉が引きちぎられる音。床に飛び散る鮮血―――
ウィルの顔が激痛に歪んだ。
しかし火事場の馬鹿力か、ウィルはゆっくりと男をドアの外に追い出し、そして突き飛ばす。
男はそのまま倒れこんだ。それを好機としてドアを素早く閉め、施錠するウィル。
そして安心感からか、その場に崩れるように座り込んだ。
76 :
55:05/01/20 17:42:24 ID:???
「ウィル!大丈夫かっ!?」
そう言って駆け寄ろうとした俺の視界の端に、蠢く物体が映った。
思わず振り向くと、窓ガラスの向こうに人影が見えた。
そのあまりの異常さに、俺は思わず息を呑む。
それは人間ではなかったのだ。いや、人の形はしているが、人間には見えなかった。
そいつの双眸には瞳が無く、腕のいたるところに赤黒い痣が見え、所によって掻き毟ったのか肉まで露出している。
そして大きく開かれた口腔から汚らしい涎を垂れ流し、狂ったかのように窓ガラスを叩き続けていた。
それを見た俺の脳裏に、一つの単語が思い浮かんだ。
―――――ゾンビ―――――
そう、昔見た安っぽいB級映画に出てきた生ける屍、ゾンビに、それは酷似していた。
しかし、あれは映画だ。ここは現実世界であり、夢でもなんでもない。試しに頬をつねってみたが、勿論痛い。
俺がバカなことを試したとき、再び店内から物音が聞こえた。
素早く振り向くと、先程見かけた白人の方の警備員が倒れこんでいる。その白人に駆け寄る友人とおぼしき黒人。
ツナギを着た男も、異常に気付いたらしく席から立ち上がっていた。
「一体・・・何がどうなってるんだ!?」
あまりに唐突に始まった趣味の悪い映画のような展開に、俺は思わず叫んでいた。
77 :
30:05/01/20 22:18:07 ID:???
【巣窟エンディング〜その後】
あんなたくさんのヒルにちくちくやられちゃって、オレの血ィまだ残ってんのかなぁ。
息止めて死んだフリしてるのもラクじゃないんだよね。あれやると吐きそうになる
んだよ。実はもう何回か吐いちゃったし。あ、これナイショね。
マイライフイズシット
でもってまた下水だよ。自慢のスニーカーどころかパンツまでドロドロ〜
臭くてキモチ悪いしもうサイアク!ノゥノ〜ゥ
でもこの下水なんか変じゃない?外に出られるマンホールが一個もないし、やたら
長い割にちゃんと照明がついててまるでヒミツの通路って感じ。そう言えば病院に
あったメモにボートでどっかに通ってるとかなんとか書いてなかったけ?
いったいどこにつながってるんだよ。
しっかしみんなよくもまぁ黙々と汚水の中を歩いてるね。オレ一人じゃん喋って
んの。もっと雰囲気を明るくしようって気になってほしいもんだね、まったく。
イテッ!なんだよアリッサ?うるさい?
ヘイヘーイ!場を盛り上げようとしてるオレの心遣いがわかんないのか?
チェッ、ケビンだけニヤニヤしてるけど他のやつらはこっちを見ようともしない。ヤレヤレだよ。
ま、こんな状況じゃ落ち込むのも無理ないけどさ、もっとパーっと明るく行こうぜ!
イテッ!!アリッサ〜っ!!!(怒)
やっと汚水から上がったと思ったら、線路があるトンネルに出た。
でっかいゲートが閉まって行き止まりになってる。なんだよ〜また戻れってか〜?
あれ、ヨーコどうしたんだ?遠い目しちゃって何か思い出そうとしてるみたいだ。
心配すんなヨーコ、オレサマが守ってやるぜ〜!
「それはちょっと・・・」
・・・ナーダorz
あっ、ゲートが上がってく!誰かいるのか?
【零下スタート】
>>77 予想外の展開で楽しめました
ジム視点もなかなか
今度はぜひマークパパ視点を(・∀・)
文才ないから書ける香具師がうらやますぃ
80 :
30:05/01/22 13:11:51 ID:???
>>78 ありがとうございます。
マークは次回の【零下エンディング〜その後】に出てきます。
今夜にはアップできると思いますので、またよろしくです。
81 :
30:05/01/22 21:39:45 ID:???
【零下エンディング〜その後】
医学的に見てもあの変異体の成長速度は驚異的だった。おそらく今回のゾンビ化
ウィルスと何か関係があるに違いない。
それにしてもよくあんな生物を倒すことが出来たものだ。私がラクーン特有の
ハーブからコツコツ薬品を調合したからこそだろう。
ハーイ!!
さっき私が調合に没頭しているのをケビンのやつがニヤニヤしながら見ていた。
何が言いたいんだ、君?理不尽にも程がある。まぁ、銃やスパナを振り回していれば
物事が解決すると思っているような奴らのことはよくわからん。
どうやら地下研究所は市の外れに位置していたらしく、そこから市中心部までの
輸送手段としてあの鉄道があったようだ。それにしても胡散臭いと思わないか?
鉄道の他にも、どこにつながっているのかわからない地下ロープウェイが複数ある
ことがわかっているし、ラクーン病院の地下ともつながっていた。おそらく市内の
至る所に我々市民には知らされていない地下施設があるのだろう。
だが、いったい何のために?
◇
聞いたところによると、ラクーン市警察署には離れ離れになった家族や友人に宛てた
メッセージが集まっているらしい。妻と子供のことが片時も頭から離れない自分は、
どうしてもそこに行ってこの目で家族からのメッセージがないか確かめたかった。
だが、せっかく郊外まで来たのにまた市内に戻るなんてどうかしてるんじゃないかと
ジムは言った。もっともだ。普通の神経の持ち主なら当然そう言うだろう。
一方、事件の真相解明に関心を抱くアリッサやジョージは、情報収集の目的からも
警察署に行くというプランに賛成だった。ケビンは自分の職場であることから同僚の
様子を見に行きたいと言う。デビットは目を閉じて黙っている。ヨーコやシンディは
どちらとも決めかねているようだ。
明確に反対したのがジムひとりだったことから、警察署行きは了承された。
しかし、その時のジムの悪態ぶりと言ったら・・・
結局、警察署地下駐車場の壁に家族からのメッセージはなかった。
だが、ジョージに宛てて今回の真相解明につながる情報が得られそうなメッセージが
見つかった。彼はこれからそのメッセージを残した友人を訪ねてラクーン大学へ行く
と言い出した。成り行き上、自分も同行しようと思うし、みんなもそのつもりらしい。
ジムももうヤケクソになっているようで、行くんなら早く行こうぜと言ってコインを
投げている。
今度はどんなびっくり箱が待っているのか・・・
この年になって現役兵士顔負けの行動を強いられるとは思ってもいなかった。
まさに命がけの老後だなw
【決意スタート】
82 :
30:05/01/22 21:41:16 ID:???
これでシナリオ間補完ストーリーはひと通り終了です。
読んでくださったみなさんサンクスでした。
FILE2はツジツマ合わせるのが大変そうなので手を付けなかったんですが
どなたか挑戦していただけると、一読者としてとても嬉しいです。
では、今度は違うネタを探して来ます。
バスッバスッ―――
おい、もうみんな乗ったか!?
よし
おいこら!弾切れする前にズラかるぞ!!
路面電車の昇降口から、ジョージが手を振ったのを合図に、俺は一緒に獣どもの防護壁となっているおやじに叫んだ。
電車の中。
「ふぁー動物園のハンターどもが遺していったライフルがなかったら、今頃マズかったよなぁホント」
と、座席にもたれたのはジム。
オイ、てめえいつ撃ったよ。
サイ相手に9ミリやって全く効かず泣きべそかいてたシンディは、今や脱出できた安堵感かけろりと笑っている。
マークは電車に飛び乗った直後から、
もう少し年上を敬った言葉遣いをしろ
とかなんとかおっかねえ形相で文句を言っているが、
この非常事態に年上もクソもあるかよ。
なぁ、アリッサ。
…ん?
しょうがねえって?
何マークの方に言ってんだよ。
まぁいいか。
それより弾がねえんだよな。
山程かっぱらってきたってのに、俺の銃もあとワンマガジンしかない。
サファリやりゃあ当たり前だろうが、困ったな。
貼り紙見た限りじゃもうこの先にヘリがきてるハズなんだが、そううまくいくかね。
今までもあとちょいってとこで台無しになったりしたからな。
何?…お前もそう思うって?
本当かよ、お前のカンてすげぇあたるじゃねえか…
その時、ヨーコが俺達の話を聞いて不安げに電車の窓から顔を出した。
そして、何かを見つけたらしい。
どうした?
…車が燃えてる?
んなもん今さらめずらしくもねえだろ。
って、おい!ありゃヘリじゃねえか!!
俺の叫び声を聞いて、ジムもマークもアリッサもジョージもデビットさえも窓に詰め寄ったものだから、その直後急停車した電車の中は
ひどい有様になった。
ヘリは炎上していた。
まわりの死体の数からして、多人数がヘリに殺到した挙げ句定員オーバーで墜落したのかもしれない。
だが、そんな事はどうでもいい。
足が無くなった今、どうして逃げろというのか。
と、デビットが乗り捨てられたバスを見つけた。
…バスか。
小回りは利かねえ、耐久も低い。
それはデビットも承知だろうが、この状況じゃ、仕方ないか。
みんな疲労しているうえ武器も少ない今じゃ、生の脚で走るよりは安全だからな。
街中でバスを走らせていると、路地闇や建物の中から、例の死人がわらわらとあふれてきた。
ヨーコやジムの悲鳴が車内に響く。
やかましい!
ジョージが窓から撃っているのを、デビットとマークが制止した。
そうそう。弾のムダだからな。
死人を突き飛ばしながら進んできたが、数が増えるにつれてそれもできなくなってきた。
おい!まずいぜ、やつらが密集しすぎて止められちまいそうだ。
あれよあれよと死人が集まり、焦った俺はカーブを曲がろうと無理にハンドルを切ってしまった。
案の定、バスは派手に横転した。
わりぃわりぃ、
みんな大丈夫か!?
アリッサやジムから非難の声を浴びせられたが、どうやらみんな奇跡的にも軽傷のようだ。
だが、幸か不幸かバスが横転した衝撃で、周囲をかこんでいた死人どもは殆どふっ飛ばされていた。
よし、今のうちに逃げ出すぞ!!
急げ!!
バスから脱出した俺達は、死人と死人の間をがむしゃらに走り抜け、近くに口を開けていた地下鉄の入り口になだれこんだ。
バスはドーンオブザデッドをパクりorz
ケビン視点の小説はなんだかよくわかんないけど読みやすい
90 :
83:05/01/23 09:38:05 ID:???
>>89 >よくわかんなかった
精進するよう努力しまぅorz
>>90 >なんだかよくわかんないけど
っていうのは2ちゃんの慣用句みたいなもんだから気にすることない。
FILE2の残りも楽しみにしてるヨ!
えっ?誉めてるんじゃないの?
93 :
45:05/01/23 14:18:16 ID:???
>55
ここから発生がプレイ開始になるのでしょうか。
デフォルトのシンディではなく、デビットをパートナーにすることで
修羅場ではどんな展開になるのか、期待です。
>30
ジム、ジョージと二本立て乙です。
どっちの会話でもジムが活躍してますな。
しっかりとヨーコには避けられているところも・・・。
そしてケビンは何処でも(・∀・)ニヤニヤ。
>83
ケビン視点、乙です。
皆、ケビンの運転で逃げたんですな。
もっとも耐久力が低いというより
ケビンの無茶な運転で破壊してそうな気がしないでもないが。
94 :
45:05/01/23 14:19:30 ID:???
苦労症で神経質な白髪頭。
リッキーという男を一言で表すとそうなる。
実際、リッキーは異様に神経質だ。
細かいことに対してもいちいち口をはさむ。
やれトイレが汚いだの廊下にゴミが落ちてるだの
駅の構内の落書きがどうだのと、まるで自分が
それによって何か被害でも被ったかのように文句を言うので
同僚のジムはいつもうんざりしている。
彼の悪いところは、注意するだけならともかく、口も悪いので
他の同僚達のほとんどからは嫌われているが
その潔癖症による、清掃の徹底ぶりは上司に高く評価されている。
もっとも、彼にとってはいかに自分のいる場所が綺麗であるか
それ以外にはさほど興味はない様子。
だから、この間のノミ騒動はエライ有様だった。
ゴミ集積所から湧いて出た様々な害虫が
駅の構内にまで現れたので、例によってリッキーがヒステリーを起こした。
結局はスプリンクラーを使って地下の排水に流し込んだが
リッキーはその日からずっと、ノミがどうとかという話を
ジムの耳元で延々と話し続けた。
おかげで最近、ジムは残業せずにさっさと帰ってしまい
他の従業員達はジムの軽快なトークを楽しめず、残念な思いをしている。
その翌日にはリッキーは大量の殺虫スプレーを買ってきて
駅のあちこちに置いて行った。職員達にも配った。
火気の傍にも放置したのでその分は他の職員が回収したが。
ただ、その日からリッキーはしきりに首が痒いと言うようになり
金切り声が段々とトーンダウンしていったのは皆の記憶にも新しい。
そのおかげで駅の職員は、多少は快適な環境で過ごせるようになった。
今までリッキーに抑えられていた反動から
殺虫スプレーを携帯する奴なんていなかった。
95 :
45:05/01/23 14:20:35 ID:???
もちろん、リッキーのヒステリーよりも
とんでもないことが起こるんだったらばそんな真似はしなかった。
誰も、駅の一角に残飯の臭いが立ち込めていたくらいで
巨大な節足動物がやってくるなんて考えもしない。
そんな内容、「地底人大侵略」にだって書かれちゃいない。
だから皆後悔した。リッキーの言うことを聞いとけばよかったと。
こんな大きな害虫に市販の殺虫スプレーなんて効くか分からないが。
その頃のリッキーはトイレで吸血ノミと格闘の末に
絶命していたので、駅で何が起こっているのかなんて全く予期もしていない。
ただ、絶命する前の彼なら、間抜けな職員が大量に
リストラされたということで大喜びしたかも知れない。
後に、駅の惨状を語りつぐ者は
何かに追われて戻ってきた最後の職員だけである。
>94
相変わらず唸るほどオモロイ。粗もめだつが補ってあまりあるパワーがあるね。
97 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/23 18:10:00 ID:9yJgY+ou
俺の名は、ミスター・レッド!
よろしくな!
98 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/23 18:12:44 ID:F1DlyCIT
99 :
83:05/01/23 20:06:28 ID:???
100 :
89:05/01/23 20:38:40 ID:???
>>90 うわー、ごめん。誤解されるような言い方だったかな?
「よくわかんないけど」ってのは小説の内容がわからないという意味じゃなくって、
テンポいい文章で不思議と光景がすんなり思い描かれることになぜなんだろう?って
戸惑っちゃった、って意味だったんだよ
自分、文章書くの苦手だからさ・・・
ケビン視点はキャラクターの影響か、爽快で読みやすいからまたぜひ書いておくれ
101 :
83:05/01/23 21:03:27 ID:???
>>100 ありがd!
こっちこそ2ちゃん詳しくなくてスマソ
そんな風にゆってもらえると非常に嬉しいです
ぜひ次回も読んでやってくらさい
102 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/23 21:43:53 ID:ZJr8JcnZ
ここ面白いな
↑スマン;
アゲてシマタ OTL
・・・俺は今、一人の女性を探している・・
ジル・バレンタイン。
ラクーン市警のSTARS隊員だ。
俺は彼女を抹殺しなければならない。そう命令されている。
人間だった頃の記憶はあまり無い。
気がついた時にはこんな体になっていた。
こうして意識はあるが、自分の意思で動く事はできず言葉も話せない。
意識はこんなにはっきりしているのに・・・。
おまけに妙な物を埋め込まれている。
どうやらこれが俺の行動を司っているようだ。
俺は白い服を着た男に色々教え込まれた。
武器の使い方、STARSの隊員達の情報・・
バリー・バートン。髭面の中年、銃が趣味らしい。
レベッカ・チェンバース。STARS最年少、薬品の取扱いに長けている。俺の好み。
クリス・レッドフィールド。要注意人物、戦闘能力が高いようだ。
ブレッド・ヴィッカーズ。ヘリ操縦士、彼は弱かった。抹殺済み。
そして今追っているジル・バレンタイン。
彼らに恨みは無い、だが体が勝手に・・・
人を殺すなんて俺には耐えられない。ブラッドを抹殺する時も嫌だった。
この意識さえなければこんな思いしなくて済むのに。
これからも彼らを殺すまで延々とこんな目に遭わなければならないのか?
俺が死ねば終わりだが、それもできない。
銃弾を受けても痛くもない、倒れてもすぐに治る。死ぬ事は不可能だ。
・・・だが、あの女なら俺を止める事ができるかもしれない。
俺は彼女に倒される為に彼女を追い続ける。
ジル、早く俺を安らかに眠らせてくれ・・・
汁!どこへいくんだ汁!!
うっさいわね栗酢!
便所いくのにいちいちあんたの許可がいるわけ!?
便所(つ∀`)
2に便所って出てきたっけ?
OBじゃ便所は当たり前だよな
便所にこそ鍵があり武器がありSPアイテムがあり、便所に助けられたこと数知れず
111 :
外伝?:05/01/25 20:28:42 ID:???
ラクーン市警署に銀行強盗の通報が入ったのは、正午の真っ昼間だった。
受話器を取ったのは、たまたまその場にいたケビンである。
通報者の所長曰く、
職員や客は全員逃げ出して無事、銀行内には犯人のみが四人立てこもっている。
だが、銀行の中には現金はもちろん顧客情報や経済リストなど重要書類が山積みのまま残されているので、それをどうにか取り返してほしいということだった。
ケビンは受話器を置くと、まわりを見渡した。
オフィスには、昼食のドーナツをはんでいるハリーしかいない。
(仕方ねえ。一人でいくか。……)
手に散弾銃、アーマーに手榴弾をぶら下げて子供のような表情をして出ていくケビンの姿を偶然目撃したマービンは、慌てて追い掛けたが間に合わず、オフィスに走ってハリーをとっ捕まえ、激しい形相で尋問した。
曰く、鳴った受話器にケビンが出て、しばらく話していたかと思うと、次には冷蔵庫から弾薬とショットガン、パイナップル数個を取って出ていったという。
マービンは青くなりながらもリタとアーロンを呼びつけ、パトカーのセンサーを頼りにケビンの車を追った。
「いったいどいつだ?市警の冷蔵庫に手榴弾なんか入れたのは!」
「こないだ来たSTARSの連中が忘れていったんじゃないかしら」
リタはセンサーがケビンを示す光を睨んでいる。
「銀行に向かってるわよ」
「銀行?あいつ強盗でもする気か?」
「やめてくれ。そういう洒落にならんことは言うな」
アーロンに注意すると、マービンは胃の上を押さえた。
直後、無線がパトカーに入った。
「ケビンだわ」
リタが取った無線機を、マービンがむしりとる。
「ケビン!聞こえるか。何があった?」
『おう、マービン。銀行強盗だ。さっき通報があったんで出向いたんだが……』
「強盗?わかった、俺がもうすぐ着くから大人しく待機していろ!」
『……よ』
「何?」
『もう遅ぇよ』
ようやく銀行前に到着し、パトカーから降りたとたんマービンは銀行の所長に泣き付かれた。
やっと警察が来たかと安心したのに、あろうことかそいつはいきなり手榴弾を窓に投げ込み、次は散弾銃で中をめちゃくちゃにしたのだと、所長は禿げ上がった頭を震わせて訴えてきた。
マービンはそんな所長を必死に宥めながら、煙の上がる銀行の片隅に手錠で縛られた男が四人、呆然とたたずんでいるのに気付いた。
そのマービンのところへ、ケビンが得意気に走ってきた。
「パイナップルはスモークだし、ショットはゴム弾使ったから怪我人はゼロだ。文句ねえだろ?」
といってわらうケビンの隣で、リタとアーロンが黙って笑いをこらえている。
何でこんな面倒な奴が部下なのか、マービンは目眩を催しながら、人事部長に今度ばかりは本気で抗議しようかと考えていた。
この三ヵ月後、アークレイ山の山道で家族の変死体が発見される―――
両津ケビンが書いてみたかったんだが…orz
117 :
30:05/01/25 21:13:02 ID:???
マービンのあわてぶりが何とも言えず笑えるなぁ
その横で案外冷静なリタもいいね。
>>111 なかなかいいんじゃないか?
個性的な人ばっかりいるラクーン警察署の日常を想像すると面白そうだし
また書いたらうpして栗
119 :
30:05/01/25 21:31:50 ID:???
その頃オイラたちの間では、J'sBARの残飯の味が変わったって話題で持ちきりだった。
確かにオイラもそう思ったぜ。なんだこりゃって思ったさ。予算をケチって食材の
質を落としたってぇ感じじゃないんだよ。なんつーのかな、ちょっと微妙なんだけど
今まで経験したことない味がちょこっとだけ混じってるんだよ。
それにさ、あそこの残飯に群がるネズミども。あいつらが急にずうずうしくなったの
もその頃さ。それまではオイラたちが舞い降りると泡食って逃げ出してたくせにさ、
真っ赤な目して噛みついて来たんだぜ。まいったよ。何か悪いもんでも食ったんじゃ
ないのか?あ、食ってるものはオイラたちと同じか。
アップルインは別のカラスの縄張りだったんで、オイラたちは今まで遠巻きにして
見ているだけだったんだ。そりゃあ呑み屋なんかより美味い残飯があるこたぁ間違い
ないしな。よだれタラタラものだったさ。だけどよー、最近あすこのカラス、いなく
なっちまったんだよな。あんなオイシー餌場ほっぽっていなくなるなんてどうなって
んだってみんな言ってるさ。そんなこたぁオイラにだってわかんねぇけどさ。
でもこれで縄張り丸ごといただきーってことよ。
で、何日かは夢中になってホテルの残飯突っついたさ。こんな美味いモンがこの世の
中にあるんだーって舞い上がっちゃって。あ、カラスだから普段から舞い上がってる
けどな。ま、とてもバーなんかじゃこんな食い物にお目にかかれなかったぜ。
でもさ、やっぱり何かバーのと同じ微妙な味がするんだよなぁ。まぁ美味さは格段に
上なんだけどな。
それがどうしたことか、ある時からぱったりと新しい残飯が出なくなっちゃったんだ。
オイラたちは焦ったね。せっかくの餌場がフイになるんじゃないかって。
どうやらホテルの人間どもがだんだん腐っていって、誰も料理を作らなくなったせい
らしいんだけどな。そうするとあの美味い残飯は二度と食えないって訳さ。みんな目
が血走っちゃってさ、とうとう仲間同士でも殺し合うようになっちまったのさ。
もうこえぇこえぇ。
120 :
30:05/01/25 21:33:15 ID:???
そんな時、仲間のシュタインベックが変なこと始めやがったんだ。道を歩いてる
人間に突っ込んでってんだよ。何やってんだぁ?と思ったら突っついて食って
やがんの!え、お、おい?人食っちゃうのかぁ?って思ったさ。みんなびっくりよ。
だけどさ、ヤツが言うには美味そうな匂いがしてるじゃねーかって。そーかー?って
最初はみんな白い目で見てたんだ。あ、カラスは黒だけどな。まぁ比喩ってことで。
そうこうしてるうちに、いつのまにか人突っついて食ってるやつが増えてきやがった
のよ。オイラも何かこうムラムラするってーのかな、見ちゃいらんなくなってさ、
ちょっと真似して突っついてみたんだよ。
そしたらこれがまた超うめーの何のって!!これと比べりゃあホテルの残飯なんて
捨ててあるようなもんだぜ。あ、残飯は捨ててあるんだけどよぉ。
もうそれからってモンはみんなで人食いツアーよ。ばっしばっし突っついたね。
うりゃあってなもんで。みんな目が赤くなってきやがってさぁ、そういやバーの
ネズミの目と同じじゃねーか。あはは、ま、いっか。
いつものように人食ってうらうら〜ってやってたらよぉ、いきなりボカーン!!て
音がすんじゃねーか。びっくりしたぜ。何だよ急にってみんな一瞬動きが止まった
さ。飛んでるヤツは落ちるけどな。
見下ろしたらアップルインが萌えてる、いや、燃えてるじゃねーか。おかげで辺り
にいた人間どももみんな燃えちゃったさ。ま、こいつらはもう腐ってて美味くない
んでどうでもいいんだがな。
それにしても誰もいなくなっちゃあまだ食い足りないオイラたちはイライラして
来る訳だ。何か食いモンねーかなーって飛び回ってたら、3階の踊り場に腐って
ない人間が出てきたじゃねーか。ラッキー!!オイラは仲間のキャロリーヌと一緒
にさっそく突っつきに行ったさ。
正直オイラたちは油断してた。最近の人間はオイラたちに突っつかれっぱなしだった
からさ。だけどこいつらは違ったよ。ピストル撃って来やがったんだ!
ウカツに近寄ったキャロリーヌは一発で撃ち落とされちまったorz
キャ、キャロリーヌ!!今度巣作るいい場所見つけてねって、あれはプロポーズ
だったんだろ!?何で先に死んじゃうんだよぉ〜(泣)
クソ〜ぶっ殺してやる!オイラは怒りに燃えて突進したさ。やつはキャロリーヌを
撃ち落として安心したのか、壁伝いに建物を回り込もうと狭い足場を歩き始めたよ。
うほっ、バカか!?こいつ。こうなりゃオイラのなすがままじゃんか(喜)
オイラは急降下してそいつの足に一撃を加えてやった。すると思い通りに足を踏み
外したさ。やりっ!てなもんよ。んでもしぶとくへりに掴まってうりうり横移動して
やがるからよ、とどめのスーパーカラスキックをお見舞いしてやろうと思ったのさ。
慎重にやつの背後に回って様子を見たオイラは、今だっとばかりに突っ込んだ!
ところが運が悪いってーのか何てーか・・・
窓からいきなり炎が吹き出して来やがって、オイラは一瞬で焼き鳥さ。
ついてねーな。ちくしょう・・・キャロリーヌ、ごめんよ。仇は討てなかったよ。
あの世で一緒に巣作ろうぜ。
すごく良かったけど、何だかジムっぽいカラスだね。
>>119相変わらず面白カタ-よ(・∀・)
でもたまにはシリアスもの読みたいね
ってもれ書けねーから託すわけだがスマソ
どっちもイイ(・∀・)!
つやつやした顔で出かけるケビンワロヌ
自分ボケツッコミ激しいカラスワロヌ
俺はギャグ調好きだなー
面白いなー
両津ケビンにジム風カラス
ケビンはまんま普段のケビンらしさが出てて、ギャグ漫画にしても面白そうだ。
なんの変哲もないカラスにもちゃんとストーリーを作ってやると、獄炎をやったときに
こんなことがあるのかもなー、とかついつい想像しちゃうよ
ああ、挿絵を描きたくなる
126 :
30:05/01/26 08:11:52 ID:???
かなりおちゃらけた内容だったので、ちょっと「やりすぎたかなぁ」と心配してました。
言われてみれば、シリアスものはまだ1編しか書いてないので、次回トライしてみます。
>>125 ぜひ挿絵お願いしますよ!
絵師のみなさんの作品も期待してます。
>>111 ワロタ
マービンの慌てぶりと 呑気にドーナツ食ってるハリーの姿が目に浮かぶようだ
>>119 これもかなりワロタ
いつもうぜってしか見てなかったカラスにも一生があるんだよなと思ったよ
128 :
ゲーム好き名無しさん:05/01/27 19:29:53 ID:RvriHpl8
129 :
45:05/01/27 23:21:45 ID:???
屍者が歩き回る街に隠れるのと
ろくに地図にも載ってない森を彷徨うのとでは
どちらのほうが生存率が高いかと問われれば、大方の人間は後者を選ぶだろう。
冷静に考えてみれば後者の選択も相当に危険なのだが
屍者の街で命の危機に晒された者からすれば
前者の方が天国への扉のように思えるに違いない。
娘を連れて街から逃げ延びたリーガンもそう考える者の一人であった。
彼女は幸いにも郊外に住んでいたので
惨劇が広まりきれない内に山小屋へと辿りついた。
ここで待っていれば、その内山岳警備隊が救助にくるはずである。
ところが誤算が一つ。
目を離した隙に娘のルーシーが小屋から出て行ってしまったのだ。
彼女はまだ幼い。事態を十分に把握していないだろう。
リーガンはとっさに外へ出て、娘を捜し始めたが小屋の周囲にはいない。
奥のほうへ向かったのかと移動してみると
そこには信じられない大きさのハサミムシの群がいた。
リーガンは群を掻き分けてでも娘を捜すつもりであったが
母の叫びに答えたのは鋭い刃であった。
負傷はかすり傷程度のものであったが、徐々にリーガンの身体を蝕んだ。
耐え難い苦痛から、彼女は娘捜しを断念し小屋に戻らざるを得なかった。
あの様子では、ルーシーは既にこの世にいないかも知れない。
リーガンの中で最悪の結末が脳裏を駆け巡る。
己にできるのは、ここで震えて待つだけなのか。
彼女が焦燥しつつ扉を開けると、謎の男女が中で佇んでいた。
屈強そうな男達に、気の強そうな女。
一瞬、悩んだが、リーガンはその男女にすがった。
どうしても娘に一目会いたかったのだ。
130 :
45:05/01/27 23:26:29 ID:???
とはいえ、今のこの状況で赤の他人を
無償で助けてくれるような人間がどれだけいるのか。
この男女もそんなお人好しには見えない。
そう考えた彼女は、娘とはぐれてしまった悲劇の母をその男女の前で演じた。
情に訴えかけることによって同情をひこうとしたのだ。
結果、彼らになじられながらも、娘捜しを承諾してもらった。
このことにより、男女の命を危険に晒すこととなったが
それはリーガンにとって、大した懸念事項ではなかった。
腕の傷も痛むこともあり、彼女は娘が無事に帰ってくるまで
ベッドで療養することにした。
それから1時間ほど経過し、彼らが無事に娘を送り届けてくれた。
リーガンは感謝の意を述べ、護身用の拳銃を手渡すと彼らを見送る。
男女を見送った後、感極まったリーガンは思わず娘を抱き寄せた。
もはや二度と会えないと思っていた我が子が戻ってきたのだ。
思わず、食べてしまいたいくらい愛しい、ルーシーが。
リーガンは疲労のたまったルーシーを寝かしつけると、小屋の扉に鍵をかけた。
ルーシーはともかく、自分はもう一度眠れば、二度と意識は戻らないだろう。
だが、それでいい。
外の虫にくれてやるよりは自分の手でケリをつけたほうがいいに決まっている。
これは決して欲望に負けたのではない、母の愛なのだ。
薄れ逝く自我の中、リーガンは自らにそう言い聞かせると
灯りを消し、ルーシーの傍に寄り添った。
く、食うんですか!?
((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
うまい(゚Д゚)
たった2レスで母娘の分厚い運命がみごとに書けるとは羨ましい通り越して悔しいですな(笑
とても良かったと思います。次も期待しておりまふのでがんがってください☆(゚∀゚)ノシ
今OB小説を配信するってマガに登録してきたよ
ここのスレも併せて楽しみだ(・∀・)
135 :
30:05/01/28 21:51:33 ID:???
やっぱり・・・残るしかない。
外に出てウイルスをばらまく?
さすがにそれはできない。
いくらあたしでも・・・
ヘリコプターが去って行った。
もうあたしたちを迎えに来てくれる者は誰もいない。
ヨーコも無言でうつむいている。運命とは残酷なものだわ。
ちょっと感傷的になったけど、へこんでる場合じゃなかった。
「さ、まだやることはあるの。行くわよ」
そう声をかけると、青ざめた顔をしたヨーコは黙ってついて来た。
「この事件を世の中に公表するのよ。そのためには証拠を外部に送る通信手段を確保
しなきゃならないわ」
爆破された校舎はどう見ても使い物になるとは思えないので、外見上被害が少ないと
思われる教室棟に入ってみた。研究室らしき部屋には複数台のデスクトップPCが並ん
でいて、テーブルの上にはノートPCもあった。
あたしのノートPCはJ'sBARに置いて来てしまったので、道々見たこと考えたことは
残らず手帳にメモしておいた。その上幸運なことに、バーから逃げる最中デジタル
カメラを拾った。それはまったく損傷がなく、画素数こそ満足が行かなかったものの
充分に機能して街の有様を記録してくれた。これらはあたしの命に替えても世の中に
伝えなければならない。それがジャーナリストの義務だ。
「あの爆発の後だし、ちゃんとネットにつながるといいんだけど」
あたしは手近のデスクトップPCの電源を入れた。何とも言わない。他のも同じだ。
壊れているのかしら。
「どうやら一時的に大きな電気負荷がかかって電源が損傷したようね。雷が落ちた
ようなものよ」
ヨーコがPCの裏側を覗いて言った。
136 :
30:05/01/28 21:53:27 ID:???
「治るかしら」
「無理ね。電源ボックスを交換できたとしても、チップが死んでると思う。そっちの
ノートPCはどうかしら?コンセントにつながってなければ無事なはずだけど」
あたしは気ばかり焦ってデスクに足をぶつけながら、テーブル上のノートPCを調べた。
「セーフ!つながっていないわ。バッテリは?」
あたしはノートPCを起動させた。バッテリ残量は50分と表示されている。実際はそれ
ほど持たないだろうから、メモをすべて入力し、デジタルカメラの画像を取り込んで
メール送信するには、あまり余裕があるとは言えない。
もっともそれ以前にいつ街が消されるかわからない。これまでに得た情報によれば、
どうやら軍はウィルスの件を隠蔽して街ごと処分するつもりらしい。それが事実なら、
アンブレラと政府の間に何らかのつながりがあるのは明白だ。ミサイルでも飛んで
来るならそう時間はかからないだろうし、そうでなくてもあたしたちの体内に巣食う
ウィルスは進行を止めた訳じゃない。
「問題はネットにつながるかどうかよ」
セルラーフォンは下水に飛び込んだときに使えなくなったので捨ててきた。あとは
大学のLANに頼るしかない。デスクトップPCに挿さっていたLANケーブルを引き抜いて
ノートPCに挿す。ブラウザを起動して試しに大手検索サイトのURLを叩いてみた。
「NOT FOUND」。さっきの爆発でネットワークがダメージを受けているのだろうか。
手帳にメモしてあるあたしのプロバイダ情報を設定してメール送信も試してみた。
ダメだ。SMTPサーバが見つからないと言っている。ブラウザが使えないため、ウェブ
メールもアウトだ。
あたしはノートPCのパームレストを叩いて言った。
「どうなってるのよ!」
正直焦ってたわ。これだけの情報が誰の目にも触れずに消し去られてしまうなんて、
あたしは悔しくて仕方なかったのよ。
137 :
30:05/01/28 21:56:22 ID:???
「ちょっと貸して」
隣で液晶画面を覗き込んでいたヨーコが、あたしからノートPCを取り上げた。
ポインティングデバイスは使わず、慣れた手つきでキーボードを流麗に操作してDOS
プロンプトを起動した。
「ほら、pingが返って来る。ということはつながってはいるのよ。まかせて・・」
あたしには何のことだかサッパリだったけど、元アンブレラ研究所技術者のヨーコは
こういう時頼もしい。あたしはおとなしく横からヨーコの作業を見守ることにした。
「これでいいわ。ほら、ウェブもちゃんと見れる」
さすがね、ヨーコ。ネットにつながるまで数分しかかからなかった。
あたしはこれまでにメモしてきた大量の文章を猛烈な勢いでノートPCに入力した。
続いて取り込んだデジタルカメラの画像には、思い出したくもない光景が大量に保存
されていた。
街を徘徊するゾンビ、アップルインの音に反応する舌の長い生物、病院のヒル男、
地下研究所で急成長した生物。これなんか動画撮影ができれば凄いものになったで
しょうけど、ま、無理を言ってもしょうがないわね。
まとめ上げたテキストと画像データをメールで社に送るには、送信可能サイズに納め
なきゃならないんで苦労したわ。ただでさえ不鮮明な画像をさらに圧縮しなきゃなら
ないんだからヤレヤレよ。
何とか様々なタイムリミットに間に合って、あたしはメールを送信した。
・・・終わったわ。もうあたしたちにできることはない。時間もね。
そう思ったあたしはノートPCを掴んで思い切り床に叩き付けた。
「これがあたしの最後の原稿って訳ね・・・」
ヨーコがめずらしく笑ってくれた。思わずあたしの頬も緩む。
やっぱり人間って愚かなだけじゃないはずよね。
こんな救いようのない事件が起こっても、きっと人間はきっちりケリを付けることが
できるわ。そう言う意味ではあたしたちはここで負けた訳じゃないのよ。
「これって・・・勝ちよね?」
ヨーコも同じことを考えていたようね。
「・・・ええ」
窓から見えるラクーンシティは夜明けが近い。あたしたちのやってきたことをきっと
誰かが引き継いでくれるはずだわ。正しいことが正しいと評価される時が必ず来る。
そう、だから人間は滅びない。
残されたわずかな時間が、何故か永遠のように感じられる。
あたしはヨーコと二人、昇ってくる朝日を見つめていた。
139 :
30:05/01/28 21:58:34 ID:???
すみません。138 の 1213 は 30 の間違いですorz
作品のおもしろさに比べたらそんなのぜんぜん大丈夫さ(・∀・)
アリッサとヨーコ、なんだか猛烈に淋しくなりますた。
やっぱりみんな死なないでほしいよう(ノд`)
>>134 イイナー(゚д゚)
どんなかんじの内容なの?
さぁまだ配信されてないからわからん。
紹介文句には、シリアスしたやつにギャグをまぜた小説とキャラメでケベン中心に8人、あとはオリジナル
だったか?
そんな感じのやつだ
ああ、挿絵が書きたい・・
誘い受けウザ
誘い受け?
漏れも挿し絵書きたいですなぁ
みなさん文ウマイから情景がすんなり思い浮べられるしなぁ
絵、描きたい香具師は描けばいい
どっかにうpしてURL貼れ
どの作品のイメージイラストかって説明添えてな
∫( ゚ー゚) <挿絵期待してるわ!!
でければ携帯でも見れるURLにしとくれお願いだ(ノ__)ノ
149 :
45:05/01/30 02:10:41 ID:???
>30
アリッサとヨーコのペアED、乙です。
決意のEDはどれ見ても泣ける・・・。
で、よく考えてみるとあの8人の中では
この2人がもっともためになることしてるように思えます。
やっぱり姐御は頭が切れるな。
それと差し出がましいようで何ですが
挿絵を書いて頂ける方、期待してまつ。ガンガって!
となればやはりどこかにまとめサイトが要るかも・・・。
150 :
45:05/01/30 02:12:18 ID:???
フランクはラクーン大学の生物学の教授だ。
一見すると小難しそうな顔をした男にしか見えないが
彼の本性はその第一印象からは想像できないほど恐ろしいものだ。
彼も例に漏れず、アンブレラの洗礼を受けた者の一人である。
フランクの役目は学生達の中から
将来、モノになりそうな人物をアンブレラへ引き入れることだ。
もちろん、下っ端の販売店員やビジネスマンなどではなく
地下研究所の所員、或いは幹部としてである。
これらの行為に、彼は神に仕えるかのような使命感を持っている。
それは半ば選民思想に近い。
そういう彼であるからこそ
学内での反アンブレラ的ととられる言動には非常に耳が利く。
それはほんの冗談程度であっても許されない。
であるから、学生達はアンブレラによって発展した街に住んでるのに
アンブレラに関する研究テーマを迂闊に持ち出せないのだ。
さて、このフランクに対して
真っ向からアンブレラを否定する男が現れた。
その男の名はグレッグ。以前は地下研究所で主任をしていたという。
グレッグはことさらにアンブレラを信奉するフランクを揶揄し
しまいにはアンブレラは近く潰れるとまで言い放った。
フランクはアンブレラが潰れることなどないと考えているので
さすがにそのことには苦笑を禁じえなかったが、グレッグは要注意人物だと確信。
それ以来、フランクはグレッグと何かと対立することが多くなった。
このところ、グレッグは遺伝子学のピーターまで巻き込み
何やらよからぬことを企んでいる様子。
フランクは学内の研究室などに盗聴器を取り付け
夢想家達の動向を探ることにした。
151 :
45:05/01/30 02:14:33 ID:???
90年代に入ってから反アンブレラ組織や
同業他社による妨害工作もあり、アンブレラ社は苦戦を強いられている。
先の発言のようにグレッグには
アンブレラに対する敵意が見え隠れすることから
反アンブレラ組織の一員ではないかと考えられるのだ。
そして、彼の考えは的中した。
研究室に備え付けた盗聴器から
遂にグレッグがアンブレラに反旗を翻していることが分かったのだ。
ピーターとの会話からもアンブレラ内にいる反乱分子から情報提供を受け
Tウィルスを無効化する謎の新薬を極秘に開発していることも判明した。
フランクはグレッグの神をも恐れぬ行為に怒りを抱いた。
このラクーンシティは言わばアンブレラがあってこそ
全米屈指の大都市へと成長したのだ。
それ故にアンブレラの街ともいわれるのである。
街の人間の7割以上がアンブレラ関連の企業に勤めている中
アンブレラ社を混乱に陥れようとするグレッグは
まさしくラクーンの、いや、全世界の敵である。
フランクはアンブレラと連絡を取り
愚かな男に天誅を下すつもりだった。
しかし、フランクが決断した時には既に遅く
漆黒の死神がグレッグ命を受け、彼の部屋へ猛然と駆けつけていた・・・。
152 :
45:05/01/30 02:17:26 ID:???
グレッグ命→グレッグの命です。
間違えました。スマソ。
>>144 お前みたいにいちいち煽るヤツがいるから描きづらいんだよ
わかった?
↑禿同
155 :
30:05/01/30 11:01:30 ID:???
>>150 なるほど、ピーターもそういう訳で死んだのですね。
いつもながらゲーム中に登場する名前を使っての新解釈、
楽しませていただきました。
最近、書いているとやたらと長くなってしまって困ってます。
アリッサ&ヨーコのペアエンディングもあんなですし・・・
今書いてるのはもっと長くてアップをためらってしまいます。
45さんのようにエッセンスだけ凝縮して簡潔にまとめられると
いいのですが・・・
何か短くまとめるコツってありますか?
156 :
45:05/01/30 12:57:14 ID:???
>30
私は会話のようなものは全部抜きにしてます。
話言葉を書くのが苦手なもので。
その為にあまり描写の多くない脇役を題材にしていたりして。
でも、そんなに変えようとしなくても
今の30氏の作風を期待してる方も多いと思います。
かくいう私もその一人なんですが。
それと、挿絵の件に関して心ならずも
煽ってしまったかのようで申し訳ありません。
今後はそういう迂闊な発言には気をつけます。
長くても短くても面白ければ(・∀・)イイ!!
と思うですよ
読者さんもついてきますし
反対に漏れの文は長くて面白くないという最悪ぷりですので、ただ今精進中ですが( -_-)ノ
>>156 >>157 貴重なご意見ありがとうございます。
>面白ければ(・∀・)イイ!!
これはプレッシャーですが(;´Д`)、とにかく推敲を重ねて
できるだけ無駄な部分を削除するよう気を付けてみます。
何時からだろう、ドロシーの悲しい声が聞こえるようになっのは。
最近はいつも妻が泣いているように感じる。
以前はこんなことなかった、鳥や野良犬を食べさせてやっていた時は。
もしかしてまだお腹が空いているのだろうか、あれだけ成長すればそれも考えられた。
ならば早くこの4人を食べさせてやらなければいけないだろう。
死人の街から逃げてきたと彼らは言っていたが、そんなことはどうでもよかった。
私はただ、ドロシーが幸せならそれでいいのだ。
いつものように廃棄された病院へ獲物を誘い込んだ。
後は妻が食べやすいように彼らを解体するだけだ。
そう考えながら私は使い慣れた斧を手に取る。
ドロシー…もう少しの間辛抱してくれ、すぐに食事を用意するよ。
そしてまた綺麗な花を咲かせてくれ。
ここはsage進行かな。
自分も昨日の夜中にやにやしながらいろいろと書いてみました。
初めてのアップなんでちょっと恥ずかしいような感じです。第六章、と
いうのの後はちとエロ〜ンな為、様子を見てからあげる事にします。
へたくそな文でも生暖かく見てやって下さい。
設定はラクーンがまだゾンビ化する前のものを妄想してみますた
前書き
貴方は人生をエンジョイしているだろうか?この本は貴方の・・・略
第一章 食事について
好きな物を楽しんで食べる事が快楽の・・・略
「俺はこれといって好き嫌いも無いんだがな」
ケビンはよりかかったイスをギイギイいわせながらデスクの上の足を組み替えた。
「何がだい?食べ物の話?ケビンの事だから女のコの趣味の話かな」
何かの書類を書いていたハリーが手を休めてケビンに聞いた。
「ん〜?食いモンの話さ。お前はドーナツが好きなんだろ」
「ドーナツだけじゃなくて最k
熱っぽく話し始めるハリーをよそにケビンはページをめくった。
「ここはとばしてもいいな」
第二章 飲酒について
適度な飲酒は生活に潤いを与えて・・・略
「フッフッフ、よくわかってるじゃねーか」
ケビンは少し伸び始めたヒゲをさすりながらにやついた。そしてちらりと時計を見る。
「まだ2時間もあるのかよ、退屈な日だぜ今日は」
「平和で何よりだよ、座ってられるんだから」
ケビンの心はもうJ’sバーのカウンターにいた。黒ビールを流し込む。
(待てよ、今日は月一の定休日か。残念だ。まあいいさ明日は”うさぎちゃん”の日だしな)
「なあハリー、マービンはどこだ」
「今日は休みだよ。勤務表ぐらい見てよ、毎月ちゃんと拡大コピーして渡s
ケビンはおもむろに立ち上がると冷蔵庫へ歩いて行った。
(まだあったよな?いやもう飲んじまったか)
ケビンは冷蔵庫の上に置いてある自分のボトルを振った。
(やっぱりカラだ。補充しとかないとな)
ボトルを冷蔵庫の上に置き直すと、署長のボトルを持ってデスクに戻り、
ビンのままグイッとやり始めた。
「ッハ〜!こうでなくちゃな」
「な、また飲んでるの!?ケビン」
「まあ気にすんな、景気良く行こうぜ。これだけ入ってるんだ、ちょっとぐらいいいだろ」
「ちゃんと見張ってろって後でマービンに怒られるのはd
ケビンはご機嫌でページをめくった。
第三章 睡眠について
質の良い深い眠りは貴方を蘇らせるもので・・・略
(よく眠れ、眠りを短くするなって事だろう?)
「その点は問題無いさ」
その章もとばそうとページをめくり始めると、
ハリーが大あくびと伸びをし、メガネをはずして目をマッサージした。
「お疲れかい?」
そう言って立ち上がるとケビンも伸びをした。
「はは、昨日も遅くまでネットしててね」
「まあムリすんな。適度に息抜きしようぜ」
「ああ、そうだね」
ケビンは部屋を出ると少しして戻ってきた。
「コーヒーでもどうだ」
「お、いいのかい?さすがスターツは気がきくよ」
「何言ってんだ」
(ちょっとはいたわらないとな、俺の始末書書いてるんだから)
ケビンはあきらかに減ってしまった酒を元に戻すとページをめくった。
第四章 嗜好について
貴方と相性の良い嗜好は貴方を解放し・・・略
ケビンはデスクの引出しから灰皿とタールの強いタバコを取り出すと、ゆるく
「く」の字に曲げ火をつけた。ライターは、バニーデイに
ダーツゲームでど真ん中に当てて、バーから景品でもらったものだ。
同じ物を3つ程持っているが、ライターよりもボトルを一本
入れてもらう様バーテンに交渉してから、ツケが少しオマケしてあるようだ。
結局ボトルは入れてもらえなかったが。
「換気してよケビン、そのタバコは目にしみるんだ」
「まあそう固い事言うな」
煙を天井に吐き出し、にやりとすると目が細くなった。
「勤務中の一服は大事だぜ?リラックスできて気が引き締まる。ハリーも休憩しないか」
ハリーは何かぶつぶつ言いながらドア横のスイッチを入れてから出て行った。
ケビンはライターにオイルを染み込ませ終わると、オイルの付いたままの指で
ページをめくった。
第五章 娯楽について
趣味や娯楽に夢中になるひと時は・・・略
「娯楽の為に仕事をしてるのさ」
(仕事は遊び、遊びは仕事ってな)
ケビンはデスクの上の散らかった書類の中から薄い冊子を見つけると、
パラパラとめくり馬の名前一覧表を開いた。
(そうだ今度のはジョージも連れて行こう。こないだバーでぼやいて
たっけな、オペ続きで病院から出られないとか何とか。たまには
お馬さんでパーッと発散だ)
〜病院にて
「ドクター、警察の方からお電話です。緊急の電話だそうです」
キャシーは子機を手渡すと部屋を出た。
(警察?一体何だろう、胸騒ぎがする)
「はい、ジョージハミルトンです」
「ジョージか?俺だケビンだ」
「ケビンきみか!何かあったのか?何か事故でも・・」
「いや、至って平凡だ。ところで今度の休みに草競馬に行くんだが、ジョージも行かないか?」
ジョージは何を言って返したら良いのかわからなかったが、聞いてみた。
「緊急の用事ってそれなのかい?」
「そうだ。なんなら病院まで迎えに行くぜ」
ジョージは気が抜けて寝台の上に腰掛けた。
(ケビン・・いや、ケビンだからこそだ。患者も待っているというのに)
「いいだろう、起きたらここへ迎えに来てくれ」
「よしきた。じゃあな」
さっさと電話を切られると、ジョージは業務に戻った。
(ケビンの休みというと?バーテンのウィルとウェイトレスのシンディが居ない時だろう。
にしても彼は、私の平常心を鍛えてくれる。常に冷静でいる訓練になるのだ)
ケビンは受話器を置くと、鼻歌まじりにページをめくった。
第六章 異性について
節度ある付き合いが心の交流を促し・・・略
(そうだ、今日はバーも休みだしヨーコんちにでも遊びに行くか)
「もう授業も終わってるだろう」
〜ヨーコのケータイ
ナップザックが小刻みに震えるので、ヨーコは急いで人の少ない方へ行き電話に出た。
「もしもし?」
「ヨーコか?俺だ」
「・・・ケビン?何・・?」
「今日空いてるか?ドライブでも行こうぜ」
ヨーコは声をひそめて言った。
「あまり大きな声で話さないで、図書館なの」
「ああ、すまねえな。で、どうなんだ今日は」
「え・・・と・・・」
(今日は一人でゆっくりすごしたいんだけど・・)
「彼氏でも来んのかい?」
ケビンはにやにやしながら言った。
「そうじゃなくて・・」
「ドライブは嫌か?んじゃメシ食いに行こうぜ」
「じ・・時間が空かないの・・・」
「じゃ遅くに行けばいいんだな、わかった。それじゃあまたあとでな」
「待っ・・・ケビ・・・・・もう・・・」
ヨーコはケータイを見つめながら何とかいい断りの文は無いかと考えて、
暫らくしてからケビンのケータイへメールを送った。
”急用が入ってしまって今日は時間が取れません。ごめんなさい、また今度”
2階のケビンロッカーにはケータイが入っていたが、充電してないので
電源が切れていた。
(題名とはうらはらに、大して過激な内容でもなかったな)
「あっという間に読み終わっちまったぜ。残すはあとがきだけ。意外と読書家なんだな俺は」
トイレから戻ってきたハリーがやれやれと頭を振った。そんな事は
お構い無しにケビンはページをめくった。
あとがき
快楽を求める事は決して・・・略
あれこれ考え込まずに、思うがままに・・・略
略・・・この言葉を送ろう、ビバ!快楽主義
「ビバ!快楽主義か。教わるまでも無くそうしてるよ」
「じゃあなぜその本を買ったんだい?」
「余興さ、本を読めばちょっとはインテリな気分を味わえるだろ?」
交代の人員が部屋に入るとケビンは帰る用意を始めた。
「帰ろうぜハリー」
ケビンは交代のフレッドと軽く言葉を交わすと、さっそうと部屋を後にした。
「ケビンのやつ、帰る時の方が活き活きとしてるんじゃないか?ハリー」
ハリーは苦笑いをした。
もう酔いも冷めていたのでケビンは帰りに酒屋に寄り、冷えたビールとつまみを買い、
駐車場の露店で巨大タコスをいくつか買うと家に帰った。
「さあてどうやって時間を潰すかな」
(10時頃に行けばヨーコも空いてるだろ)
野球中継を見ながらビールをやり、夕食を済ませると軽くシャワーを浴び、
出掛ける用意を始めた。愛車の暖気を済ませると軽く流した。
「最高だぜ!たまにはぶんまわしてやんないとカーボンたまっちまうよなあ」
ケビンは愛車に語りかける様に一人ごちた。セルフスタンドに寄って
いろいろといじっているうちに10時を回った。
「おっともうこんな時間か、ヨーコがまってるぜ」
〜ヨーコ宅
アロマポットのローソクの炎を見るともなしに見ながらぼぅっとしていると、
下の駐車場の方から特徴的なエンジン音が聞こえて来た。
(え?・・まさか・・)
ヨーコはそうっと窓越しに覗くとちょうどケビンが車から降りた所だった。
(何しに来たの・・メール送ったのに)
ケビンはヨーコの部屋の窓を見上げた。
「電気が付いてねえな、もう寝てんのか?まあいい、行ってみるさ」
エレベーターで上がり、ヨーコの部屋の前まで来ると呼び鈴を鳴らした。
(どうしよう・・居留守使おうかな、でもケビンしつこいし・・)
ヨーコは諦めて出る事に決めた。
(私パジャマなのに・・)
上着を羽織り、ドアのカメラでケビンを確認するとヨーコはドアを開けた。
「はい?」
間違えた、あとがきの後がまずいんだった。ヨーコたんファンと
ケビソファンの人、ゴメンネ。いじりやすいもんで・・
んじゃ他のupしまふ
そもそもの始まりは婦警達の小言からだった。
俺が欠陥人間だって?言ってくれるぜ。この俺の一体何を見てるんだ。
俺にだっていい所ぐらいいくらでもあるぜ。お互い不満をぶつけ合ったって
しょうがないだろ?人間短所を直そうとするより長所を伸ばす方が効率がいいのさ。
現にこの俺がそうだ。大体俺の様なサノバビッチがいてこそ世の中が回るってもんよ。
婦警達はそいつがわかってねえ。女ってのはマイルールで生きてるからな。
まあでもあれだ。俺は本来レディにはやさしい男なのさ。俺の事がどうしても
気になるというんなら、ちょっとは直してやってもいいんだぜ。そこでこいつの
出番だ。「そっと欠落補完」ラクーンモールの本屋で買ってきた。帯には自分の
短所がつぶさにわかる本、とある。
一体俺には何が足りないんだ!
パトロールの途中の市の公園で昼寝がてら本を読む事にした。本は書き込み式
になっていてそれぞれの項目で点数を出し、巻末で結果が出る。シリアルの箱裏に
書いてある様な絵だ、何と言うのかは知らないが。点と点を結ぶ線が円に近ければ
近いほど人として優れているらしい。ちょっとだけワクワクするな。俺はさっそく
やってみた。30点満点中判断力は25点、知性17点、協調性11、行動力
30、教養8、精神力29、慎重さ6、度胸28、冷静さ21、直感28、継続力
9、集中力26、従順さ4、独創性23、思いやり20、楽観性30、記憶力15
その中から直感だけははずして書き込んでみる・・・・・・随分といびつな形に
なっちまった。特に点の低い所を読めばいいんだな、どれどれ。
教養
10〜5点 イエローカード
時々目上の人から注意されたりしませんか?一般常識の・・・略
慎重さ
10〜5点 イエローカード
貴方にそんなつもりは無くても、軽はずみ・・・略
継続力
10〜5点 イエローカード
物事を途中で投げ出すのは、最後までやり抜く・・・略
しかし、集中力の高い場合は・・・略
好きな事に関してはスペシャリストの・・・略
従順さ
5〜0点 レッドカード
たまには人の意見に耳を傾ける事も貴方には・・・略
特別項目
直感
30〜25点
この点数が高い貴方はどんな場面でも生き残って行けるでしょう。ただ、
慎重さが低い場合は注意が必要です。しかし、迷惑をかけつつも知らずに
役に立っているというタイプが多い様・・・略
「要は直観力を磨けばいいって事なんだろ?それには気合を入れて
休むのも必要さ、いざって時の為にな。俺はやる時ゃやるぜ」
俺はリクライニングを倒し眠りに入った。
誤字脱字多いかもだけど、ずうずうしくもういっちょ
マービンのやつがデスクを整理しろと言ってうるさい、私物がどうのと。
そうは言うが俺は片付けは苦手なんだ。それに、俺は別にあのデスクでも
あのロッカーでも一向に構わないぜ?みんな奇麗好きだよな。そういや
ヨーコもだ。こないだうちに来た時なんかもねずみが出たんで大騒ぎ
してたな。ねずみなんざどこにだっているだろ。それにだ、ねずみがいる
とこは沈まないんだぜヨーコ。まあいい、たまには掃除も悪くない。だが
簡単に済ませるやり方がいい。そこで「究極整理法」だ。これであなたも
驚くほど片付け上手!ときたもんだ。究極、というぐらいだから魔法の
様なのを期待してるぜ。しかし待てよ?どこか見覚えがある・・
この本、昔買ったな・・・どこにやったかな
今日は非番の日だが、何も用事が無い。俺はベッドに寝転んで軽く読み
流してみた。要点はこうだ、
究極論を言ってしまえば物を買わない、これで全てが解決出来るのです!
だとよ。おいおいそいつあ随分と思い切ったな、ミもフタもねえ。
とりあえず俺は本を置き、我が家のキッチンから片付けの練習を始めた。
やれやれだぜ。ここには何が入ってたかな、シンクの下を開ける。
大量のポルノ誌が雪崩れを起こして出て来た。おっとこれは掘り出しもんだ。
古い懐かしいのがあって、ついつい集中して見ちまった。これは取っておこう。
気付くと昼を過ぎてる。キッチンはやめだ、メシを済ませ俺はトイレに行った。
便器の横に何かいる?あのシッポ、ねずみだな。俺は足で床をドンと鳴らすと
ねずみはちょろちょろと逃げていった。まあよくある話だ。酒瓶で穴を塞いで
出入り出来なくしてやったさ。さあて次はどこを掃除しようか、そうだフロ場だ。
俺は緑の苔を擦り落とそうかとも考えたがやめにした。ここは後ででいい、苔
はまた生える。それより散乱したDVDでも片すか。そこでまた懐かしい
映画を見つけた。シリーズもののそれを見終わる頃には夜の8時を回っていた。
夜メシを済ませシャワーを浴びると、俺はドライブに出かけた。ケータイ
からヨーコに電話したが居留守を使ってやがる。まあいい、ビリヤード
でもやって時間を潰す事にするさ。
いやあ、スッキリした。どうもありがとう
それじゃまた
なんか読んでたらムショウにケベンヌが愛しくなってしまいましたw
>ここは後ででいい、苔はまた生える。
この一文ワロタ。大雑把にもほどがあるw
個人的な意見ですが、段落作った方が読みやすくなるかもと思いマスタ
165の続きも楽しみにしてます
う〜ん…
スマンが、イマイチですた。
もうすこし読みやすくしてほしいですなぁと思います
個人的にヨコとケベの絡みがいい(・∀・)
続きが観たいッ(´▽`)ヨコが可愛いぞ!
ケビンとヨーコだとどうもロリコンのような気がして素直に話にのめり込めない…
ふたりとも幼い感じだからいいじゃん
31と20だからな
明日あたり、長文をうpしまう。
駄文ですが読んでくださればうれすいです(ノ__)ノ
おぉ楽しみにしてるよ
楽しみにしてますYO!
なんだか長くなったわなったで20レス分になりそうなんてすが、それでもかまわんですかね?(-_-;)
今、無駄をはぶこうと努力しとりますが
名前欄にでも1/20 とか番号ふっといてくれ 楽しみにしとるよ
ありがとござります
では今から投下しはじめます(;@_@)
よろしく読んでやってください
「お前、アリの巣でもつついたんじゃねえだろうな」
「あんたじゃあるまいし、こんなときに冗談やめてよ!」
アリッサは、グリップにマガジンを差し込みながら、ケビンを睨みつけた。
撃って斃しても斃しても、湯水のようにわいてくる死人の数に、ケビンとアリッサは苦戦を強いられている。
U字に高層ビルの壁、前には塞ぐように死人の群れが迫っている。
アリッサはグロック17、ケビンはコルトガバメントとナストフを両手に持って、弾薬をムダにしないよう一発一人で済ませてきた。
それが、あまりの数にはやくも弾をいれてあった箱が軽くなっている。
ケビンが無駄口を叩きたくなるのも無理ないだろう。
それにしても、二人がどうしてこんなにも不利な状況に追い込まれてしまったのか、元をたどれば、アリッサがひとりの子供に気付いたことが原因だった。
街を逃げ出すために、動く車を探してうろついていた時、アリッサはビル間にたたずむ小さな人影を見つけた。
アリッサはすぐに護身銃のジュニア・コルトを構えた。
子供は、昼陽の届かないビル間の奥に、こちらに背を向けて座っている。
そろそろと近づくと、わずかに嗚咽が聞こえた。
アリッサは、ほっとした。
この街の死人どもは、泣かない。
それが乳飲み子であっても、口から出るのは肺から空気を吐き出す際に口腔が震えて響くうめきのような音だけである。
アリッサは辺りを見回して、子供に近づいていった。
子供は、きっと親とはぐれて泣いているのだろう。
助けなくては。
一緒に通りで車を探しているケビンに声はかけなかったが、
ケビンのほうが、ビル間の闇に吸いこまれてゆく彼女の姿に気付き、後を追った。
子供は、三歳くらいの男の子だった。
汚れたパーカーを震わせて、泣いている。
「大丈夫?」
子供の隣にかがむと、ふわりと頭を撫でる。
「私はアリッサよ。あなたの名前を教えてくれる?」
子供は、俯いたまま嗚咽を繰り返していたが、急にその嗚咽がぴたりと止んだ。
「大丈夫?」
軽く揺すると、子供は力なくアリッサの膝に倒れた。
それきり、動かなくなった。
子供は、死んだのだ。
アリッサは子供を突き飛ばした。
薄暗い地面に、小さな骸が転がった。
しばらくして、ケビンが歩いてきた。
「おい、勝手にうろつくなよ」
アリッサを見つけて、ケビンは安心したように言ったが、近くに倒れている子供に気付くと、目を見張った。
「こいつは…」
「死んだわ。たった今」
「撃ったのか」
「ちがう」
ケビンは、アリッサの顔を見ると、ぎくりと震えた。
「とにかく…ここは逃げ場がねえから、早く出よう」
目のやり場に困りながらも、彼女を急かしたのは、本当に襲われた場合、ここには逃げ場所がないからだった。
縦長の高層ビルが両脇に二件ずつ連なり、ビル間の幅は3メートルしかない。
さらに、ここから通りの道までは50メートル以上あった。
奥は、もう一件のビルによって塞がれている。
脇のビルに窓があったが、手は届きそうにない。
都会がつくった深い袋小路というわけだ。
アリッサは、ようやく立ち上がった。が、遅かった。
例の死人だ。
ケビンは銃を抜くと、ゆらゆらと揺れる頭を撃ちぬいた。
「まずいな」
崩れた死人のうしろに、二つ、三つと影が続いている。
アリッサがジュニアコルトを構える。
が、突然、歩いてくる死人の頭が順にいきおいよく飛び出していった。
二人の頭に予感が過った。
そして、それは的中した。
折り重なった骸の上を、不気味に這いずりながら姿を露したのは、いつか見た化け物。
ケビンはアリッサにグロックを投げると、
「そのガキの頭を撃ちぬいとけ」
ショットガンを構えた。
―――
「今まで、どんな修羅場も生き抜いてこられたけど」
マガジンに実砲を詰めながら、
「今回ばかりは神様のご加護がなかったみたいね」
「うるせえぞ。余計なことしゃべくってるヒマがあったらはやく弾よこせ!」
「ラストマガジンよ」
アリッサはケビンを見たが、ケビンはマガジンをむしり取ると、そのままあふれる死人の群れに分け入った。
「ちょっと、何をするの!」
「道を開ける!」
グリップで死人の頭を殴りつけ、胴を蹴とばしながら、ケビンは群れを掻き分ける。
「無茶よ!戻って!」
死人どもは、自ら飛び込んできた餌に向かって密集する。
「戻りなさい!」
振り上げた腕にしがみつかれ、蹴倒せば脚をやられる。
やはり、無謀甚だしかった。
それでも、この群集の向こうに、機関銃と散弾がある。
それにさえ手が届けば、あとはアリッサがなんとかして生き延びるだろう。
「戻りなさい!この馬鹿!!」
アリッサは死人に埋もれていくケビン目がけて残りの弾を撃ちまくった。
すぐに下がったスライドがそのまま停止し、グロックはただのプラスチック塊に変わった。
「もうおわりだわ」
空になったグロックを握る。
ケビンは、もう見えない。
彼に向いていた死人どもが、ひとりふたりとアリッサの方へ近づき始めた。
そのとき、突然頭上から叫び声が降ってきた。
「こいつを撃て!」
見ると、ビルの窓から、男がタンクのようなものを群集の上へ投げ飛ばした。
「撃てったって、弾がもうないのよ!」
アリッサが叫んだ直後、死人の波の中から弾丸が飛び出し、空中のタンクに突き刺さるやいなや、凄まじい衝撃があたりを襲った。
無数の死人どもは瞬時にしてふっ飛ばされたが、アリッサも同時に爆風に飛ばされ、壁に打ちつけられた。
「おい、こっちだ!」
例の声が、間を置く隙もなく、アリッサを急かす。
タンクが飛び出した窓から、縄梯子がのびていた。
死人どもは吹き飛ばされただけにとどまったらしく、あちこちから、ゆっくりと立ち上がって再び歩きだした。
その中に、ケビンが倒れていた。
アリッサは駆け寄ると、夢中で彼を引きずり、縄梯子をのぼった。
窓の上から男が手伝って、ようやく中に転がり込んだ。
アリッサはすぐに倒れたケビンに這い寄ると、
「ケビン、生きてる?」
「生きてる」
応えたのは、ケビンではなく、タンクを投げた男だった。
「爆発の衝撃で頭でも打ったんだろう」
「あんたは?」
アリッサは、男をにらんだ。
男は薄汚い作業着を着て、背景の部屋には工具や三色配線が散乱していた。
「ずっとここに隠れていたの?」
アリッサの口調は、男を責めている。
自分達が化け物と応戦している音はよく聞こえていたであろうに、どうしてもっと早く手伝ってくれなかったのか。
「俺はお前の肉親でもなければ、助けてやる義務もない。
ついでに責められる義理もない」
「感謝しろと?あんな乱暴なことをして、ガソリンなんか投げてこっちまで死ぬところだったわ」
「あの程度のガソリンで死ぬのは鼠くらいだな」
男は、縄梯子を取り込んで置くと、つくりかけの配線の前に座った。
その動作が、非常にふてぶてしい。
だが、あのままだったら、どのみち二人とも死人どもに貪られていた。
「どうして助けたの」
「タンクを撃てなかったら、放っておくつもりだったさ」
問答が面倒なのか、男は背中を向けたまま無愛想だった。
ビル三階ほどのこの部屋はクラークらの個室のようで、ガス台や洗面所が揃っていた。
アリッサは布を水で濡らしてくると、埃だらけのケビンの顔を拭いてやった。
「俺はいいから、お前洗ってこい」
「起きてたの?」
「悪い」
ケビンは起き上がると、握っていたガバメントを床に落とした。
スライドが下がりきっている。
「ナストフはパァになっちまった」
「それじゃあ、あのタンクはどうして撃てたのよ?」
45ACP7発入りのマガジンを取ったあと、タンクが投げ込まれるまでに七度銃声が聞こえたはずなのに、と、アリッサが眼差しで問うと、ケビンは頭を振った。
「撃った数は覚えておいて、必ず薬室に一発残したままチェンジすること。
市警署員の俺には関係ないと思ってたんだが、覚えといて助かった。STARSの奴らのおかげさ」
男は、名をデビットといった。
バッテリーと火薬で時限爆弾をつくってみせられた時には、さすがに驚いたが、お陰でビルを囲んでいた死人の集団を一掃することができた。
三人はビルを出て、車を見つけると、薬局で薬やガーゼ、銃器店で弾薬を手に入れ、森へ向かった。
ケビンの死人に噛み裂かれた傷が化膿し始めたのを、アリッサが手当てした。
「この山を抜ければ、隣の街に出るはずよ」
「道を知ってんのか?」
「来たこともないんだから、たぶん地図か何かで見たのよ……」
終。
うっとしい長文スミマセンですた;orz
次は短くできるようがんがります
ケビソPCの時のアリッタがあんまり冷たいんで反動でか仲良くしたらアリッタの性格が変わってしもた‥orz
長くても面白かったよ
それにこういう場所だから長文に見えるが、紙に起こせば5Pくらいだろうし。
文も読みやすいけどアリッサもいい感じだ。
あの共通点のない8人がどうやって出会うのかとか、想像してみるのもいいね。
発生の舞台に偶然全員いたからってのもOBらしくていいが、ずっと一緒にいるわけじゃなさそうだしね。
是非続きが読みたい。
最後は記憶に繋がってるのかな?
R指定っていうのはどれぐらいまでをいうのかな
>>200 (・∀・)イイ!!
感じだったョ!
普通?の小説みたいな文章もたまにはいいもんだ。
漏れも続き読んでみたいな〜
>>202さぁ〜
アンチの地雷踏みそうでアップできないし
205 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/01 19:11:49 ID:dB6vZ5Ik
アンチとかは関係なんでないか?
自分が面白いと思えば面白カタ!てコメントするし、好みに合わなかったらわざわざコメントする必要ないし
そんな風にまとめるのはイカンヌよ
↑アゲてしもた…
氏んできますorz
>>204地雷wなるほど。大衆が求める様な世界観を忠実に再現したらGJなんだね。気にしないでアップして下さい。202氏の作品読みたい!どんな内容でもベタ誉めしますよ。
208 :
ハーイ:05/02/01 19:50:55 ID:???
ジム!君でもいい、燃料投下してくれ!
>>172−178センクス。55と111が割と好みで、インスパイアされて書いてみますた。
文章書くのが得意で無い人の文も読んでみたいな。ここはうまい人が多いから。
今はアリッサとデビットものを考えてるんだけど、ヒンシュク買うだろうなあw
ヒンシュクくらいでビクつくな
叩かれたら叩いた奴の好みには合わなかったというだけだ
誰がどう思うかじゃなくて自分がなにを書きたいかが大事だ。
そんなもれはエロ描写が書けないわけだが
個人的には
>>200みたいな立ち回りの描写が好みだな
もれ時代劇では殺陣描写ばっかだからな
>>207、その大衆の中に俺は入れるな
そして決めつけた発言は控えれ
ここもエロスレ化か・・・
30さん45さんタスケチ
111タソの次モノも読みたいな
両津ケビン(・∀・)イイ!
111タソはさっき長文うpして自滅したよ
エロはよそでやってほしい。ここは全年齢板でしょう。
節度を守って下さい。
個人的には、行間を補完するストイックな創作が好きだな。
エロは確か21禁板にあったからどうしても書きたいんなら
そっちに行った方がいい。
↑禿同
やっぱり性的なことはどうしても極端な見方になるから、たぶん荒れるぽ。
それに万人受けを書けっていうわけじゃないけど、やっぱ区別つけてほしい。
>>214 111タソが185タソ書いたってコト?
よくみたら文面?とか似てるんかな?
111タソの小説すきだよ〜
185も面白かったよ〜(・∀・)
できれば一度書いたら次書く時にも書いた時の番号入れてくれたら、比べたり?できて面白いかも〜
219 :
45:05/02/01 23:01:24 ID:???
>212
助けにきたぞ(・∀・)ノシ
確かに明確なエロ描写は控えたほうがいいかも。
他板でやれという話になるでしょうし。
人喰いモノを載せた自分が言えた義理ではないかもしれんが。
220 :
45:05/02/01 23:02:44 ID:???
オースチンは兼ねがね、このような事態が起こるものだと予測していた。
園長の怪しげな行動、副園長の密輸事業、謎の製薬会社との提携。
動物達の様子は肉食獣をはじめ、大分おかしくなっていた。
そして案の定、この騒ぎである。
オースチンはかなり前から園長に運営の改善を要求してきた。
今の経営ではいずれ、何らかの大事件が起きると考えたのだ。
それが園側に受け入れられなかったのは
オースチンが一介の雇われハンターに過ぎなかったことに加え
その改善内容の中に現園長一派の辞任も含まれていたからであろう。
それならばとオースチンは自衛手段をとることにした。
監視所に愛用のライフルを許可なく持ち込み
周りの飼育員まで巻き込んでサバイバル訓練を行うことにしたのだ。
彼を慕う飼育員は結構いたし
面白そうだという理由で訓練に参加する者は多かった。
それが白熱したせいである日、飼育中の動物が1日食事抜きにされた。
また、檻の鍵をかけ忘れた為に腹をすかした
動物達が逃げ出してしまうという、前代未聞の事件が起きた。
この事件が元で、園側は市民団体に訴えられ
多額の賠償金を支払わされるハメになった。
オースチンは園長に呼び出され、訓練のこともバレてしまった。
オースチンは、今回のように動物が逃げ出した時などの
緊急事態での対処方を教えようとしていたのだと説明したが
園側には受け入れられず、園長は彼をクビにしようとした。
だが、彼は他の飼育員達からの信頼が厚かった。
皆が嘆願書を園側に差し出したり、ボイコットをしたりしたので
結果、オースチンは無事に職場復帰することができた。
それからというもの、彼の園内での人気はウナギのぼりで上昇し
園内に園長派とオースチン派という派閥ができたほどである。
221 :
45:05/02/01 23:05:22 ID:???
その忙しい日々もある奇妙な団体が
園内に大挙してやってきたおかげで崩れ去った。
その重傷者の集団は園内の人間や動物を襲い
当日、メインであったライオン達の群や
パレード中であったアフリカ象のオスカーをも毒牙にかけた。
そして、動物達もその集団と同じように暴れ出した。
ここでオースチンの訓練は活きた。
多くのオースチン派の飼育員達は武器を持って立ち上がり
運動能力の高くない動物はあらかた一層することができた。
オースチンもライフルによる狙撃で
大型獣を数頭、仕留めることに成功した。
彼らは自分達の手で、凶悪なサファリパークから
脱出できるかもしれないと考え始めた。
だが、世の中はそう上手くはいかないものだ。
彼らはオスカーのことを忘れていた。
この動く要塞には銃器がほとんど効かない。
飼育員の多くはオスカーの鼻を伝って
天国への直行便に乗ることになってしまった。
オースチンもマックス率いるライオン軍団に押され
監視所に撤退を余儀なくされた。
かくして、猛獣たちの手によりオースチンは窮地の危機に立たされた。
まだ、園内には密かに隠してある武器弾薬が残っている。
オースチン一派が生き延びるには、それらの武器を用いて
オスカーやマックスを倒さなければならない。
しかし、残念なことにオースチンの手にあるのは弾の入ってないライフルのみ。
彼が無事、動物園から脱出するには外からの生存者を待つ以外、方法はない。
それには、今しばらく時間がかかるのを彼は覚悟しなければならなかった。
222 :
30:05/02/01 23:29:00 ID:???
「今日は客と従業員の間でちょっとトラブルがあった。料理人が病欠しているので
食事は外で済ませてほしいと言われたことに、客がクレームを付けたようだ。まぁ、
大したことにはならなかったがな。
それから、最近目つきのおかしなヤツがロビーに出入りしている。薬をやっている
のかも知れん。まだ問題にはなっていないが、今日は特にそんなやつが多いようだ
から用心した方がいい」
交替の警備員との引き継ぎを終えて、マークとボブはアップルインの警備室を後に
した。マークの現在の担当エリアはショッピングモールだが、本来なら非番だった
今日、マークとボブのベテランコンビは市内の古いホテル、アップルインに駆り出さ
れている。
それというのも、アップルインに常駐していたブラウンとヴァンペルトが病に倒れた
ため、会社全体で人手をやりくりして何とか穴埋めをしているのだ。
マークの所属する警備会社はラクーン市内の数多くの建物で警備の仕事を請け負って
いる。中堅クラスの悪くない会社なのだが、人手は足りていない。常にギリギリの
状態が続いていた。それに加えてここ数日、病気欠勤するスタッフが急増したため
さらにやりくりが苦しくなっていた。
「何だろうな、最近の病欠の多さは。何か伝染病でも流行っているのか?」
警備室を後にして廊下を歩きながらマークは言った。
このホテルには従業員通路というものがない。出退勤のスタッフも客も同じように
客室前の廊下を歩く。古い建物なので仕方がないのだろう。
「わからんな。こうもあちこちで病気が増えてるっていうのは・・・」
そう言うボブもここ数日調子が悪そうだ。
「なぁボブ、おまえもどこか体が悪いんじゃないのか?」
ボブはなぜか複雑な表情でマークを振り返った。
「歳をとれば体がガタついてくるものさ。・・・そう言うおまえはどうなんだ?」
「俺か?まぁ腹は出てきたが、俺はまだ大丈夫だ」
「そうか、軍で鍛え上げた体だからな。おれなんかとは出来が違う」
「またそれか」
223 :
30:05/02/01 23:30:42 ID:???
マークは苦笑した。
ボブはそう言うが、彼の体もマークに劣らず鍛えられてきたのだ。ボブは昔NFLの
名門チームで中堅WRとして活躍していた。試合中のケガでやむなく引退した彼は、
その後しばらく後進の指導を手伝っていたが、スター選手だった訳ではないので
実入りは多くなかった。当時まだ体力に自信があった彼は心機一転警備会社に入り、
そこそこの実績を積んで長い年月が経過した。
ある事情から軍を退いたマークと彼がコンビを組むようになったのは5年ほど前の
ことだ。
「息子とはうまくいってるのか?このあいだ家を飛び出したと言っていたが」
「ああ、あれか。帰るには帰ったがな。どうも最近の子供のやることは俺には理解
できないことが多い。ボヤきたくもなる。だが歳をとってからの子供だけに、つい
甘やかしてしまう。いかんとは思っているんだが」
「おれから見れば理解ある父親だがな。息子が夢中になっていることをこうも熱心に
わかろうとしている親など見かけないぞ」
「俺の親が子供には無関心な軍一筋の人間だったからな。俺は理解できることは理解
してやりたいんだ・・・それが甘いのかな」
話しながらふたりは裏口から通りに出て少し離れた駐車場まで歩き始めた。
ふと気付くとボブの歩みがゆっくりで、マークとの間が少々開いてしまった。
「どうした?具合が悪いのか?」
「ああ、いや、何でもない」
「顔色が悪いぞ。早く帰った方がいいんじゃないのか」
「・・・帰っても誰が待っている訳じゃないしな」
ボブは去年妻を亡くしていた。子供がいなかったので、今は独り暮らしをしている。
「よかったら家に来ないか?最近おまえを連れて行かないので妻も会いたがっている」
「いや、いいんだ。奥さんにはよろしく言っておいてくれ」
それからしばらく黙って歩いていたが、ふとボブが言った。
「なぁ、マーク・・・」
「ん?」
「おれはなぁ、昔は人の世話にばかりなってきた男だ。そんなおれが警備会社に
入ってから、だんだん世の中ってものが見えてきたような気がするんだ」
「何だ、いきなり」
「まぁ聞けよ。世の中が見えてちょっとばかし大人になったおれは、それからは
人の世話にならない・・・いや、人の迷惑にならない生き方をしようと思ったのさ」
マークはどう答えたらいいものか考えあぐねて黙っていた。
224 :
30:05/02/01 23:31:47 ID:???
「おれはもう人生を8割方生きたからな。この世とおさらばする時だって、なるべく
人の迷惑にならんようにしたいと思っている」
「ボブ、おまえ・・・」
胸騒ぎのような、どこか不安な思いがマークの頭をよぎった。
「あぁ、なんで今日に限ってこんな真面目くさった台詞を吐いちまったのかな。おれ
にもよくわからん」
ボブはそう言って笑った。
「・・・ボブ」
マークはボブのことが妙に気になった。彼に何かあったのでは?と思うとこのまま
別れて帰る気にはなれなかった。
「どうだ、ジャックの店で飯を食っていかないか?」
マークは家族と夕食の約束をしていた。息子との関係ばかりか、妻とも気まずくなり
かねないなと自虐的に笑いながらも、ボブのことは捨てておけなかった。
とにかく後で「遅れる」と電話を入れておこうと頭の中にメモしておいた。
「ああ、いいな。あそこの豆スープを飲まないと一日が終わった気がしないんだ」
「ボブのお気に入りだな。今夜は俺が奢るよ」
「よせよ『今夜は』なんて。いつも勝手におれの分まで払っちまうじゃないか。たま
にはおれにも奢らせろよ」
ふたりは笑いながらJ'sBARのドアを開けた。
その頃、街は狂気に包まれて死につつあったのだが、マークはまだそのことに気付いて
いなかった。
225 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/01 23:42:01 ID:Qoe1klKS
>>222-
>>224 良いね。思わずホロリと来てしまったよ。
45と30のお二方、巧いねえ。
淡々とした筆致が、すごく好きだ。
いいもの読ませてくれてありがとう。
21禁板にバイオスレある?
あった!165の続きは21禁のエロパロの方にでも上げる事にします、そのうち。
段落(?)も入れてみますた。暇潰しにでも見に来てやって下さい
>>173>>175 それではお目汚し大変失礼しましたallサヨナラー
はよイネ
最近ケベンヌが好きだ〜
>>185タソ続き求む〜(´∀`)
111ぽいのもまた求む〜(´∀`)
って自分勝手でスマンヌ(((;゚Д゚;)))
このあいだ来たばっかだが、本当にココはうまい人が多いな
そこらのサイトで読むよりずっといい‥
漏れはアンチレロじゃないが、節度はいると思うぞ
ここはマターリ安らげるスレのままでいてほしいしな
そこらのサイトより、とか言い出すのはどうかと…
サイト持ちがここでも書いてくれている可能性だってあるんだし
>201 203 213 218 230
誉めていただいてありがとございまふ!
またこりずに投下したいと思いますのでそん時はまたよろしくお願いします__
できればいたらん箇所の指摘とかもいただけるとウレシです
いや読者がわに要求すんのは禁忌ですがorz
235 :
232:05/02/03 01:54:03 ID:???
>>233スマン別にそういうつもりで云ったわけじゃないくて
漏れは今までバイオサイトで良い小説に出会った事がない故に出た言葉なんだが
気配りが足らなかったなスマン
だが、少なくともここのスレにアップしてる人達のサイトには行ったことがないだろうから漏れの言葉の中には含まれていないんだ
そこの所ヨロ
>漏れは今までバイオサイトで良い小説に出会った事がない
237 :
けびん:05/02/03 05:30:30 ID:???
なにはともあれ、褒めてるんだからいいじゃねぇか
素直に喜ぼうぜ、サンキュ!
ヘリは行った。
真っ赤な空に吸いこまれてゆく小さな希望を、じっと眺める。
隊員の懸命な説得に、思わず手を伸ばすジムを引きずりおろしてまで、
俺は本当に外界をまもりたかったんだろうか。
俺はそんなに健気な奴だったか?
ジムが罵倒する。
だが、ジムもわかってんだ。
この地獄を世界(そと)に広めて、また同じことを繰り返すんじゃ、悪役もいいところ、結局死ぬしかねえってな。
俺はまだ死なねえ。
ウイルスだかなんだか知らねえが、まだ時間はあるはずだ。
黒々とした怪物は、倒れたままずっと動かない。
俺はまだ生温かい怪物の腹の上に腰をおろした。
こんなモノをつくったのが人間だとは思いたくもねえが、
ヘリが消えたあと襲ってきたこいつに、誰かが何かを射ち込んだんだ。その途端、俺達がどんなに叩いてもくたばらなかったこいつは、呆気なく死んじまった。
射ち込んだやつはとうとう姿を現わさなかったが、
そいつが、グレッグが言ったアンブレラ社との何らかの関係を裏付ける者だとしたら、この街の地獄は意図的な人災以外のなにものでもねえ。
なぁ、ジム。
このまま何が何だか解らねえまま、餓鬼どもの腹に入ってやるのはまっぴらじゃねえか。
それも、俺達と同じ人間の仕業で。
この街を、俺達をこんな目に合わせた野郎が本当にいるのなら、そいつのツラぶん殴るまで生きのびてやろうぜ。
ヤケで言ってるわけじゃねえよ。
目星はついてんだ。
この街の市販地図にはただの住宅街としか載ってねえが、以前、署長に呼ばれた時に見た街中地図に、施設らしい、それもバカでけぇ図を見つけたことがある。
この大学からはそう遠くねえはずだ。
俺は小石で地図を描くと、一ヶ所を指で差した。
しばらくして、ジムは文句を言いながらも、軽やかに立ち上がった。
そうだ。希望は消えちゃいない。
これから行く所がアンブレラの核なのか、それとも数多ある消耗品うちの一つなのか分からねえが、このまま馬鹿みてえにボケッとして死を待つよりゃずっといい。
俺達は、街の火災であかく染まった空に向かって歩き出した。
自分の運命を、己の目で見極めるために。
終。
ジムケベのペアEDって確かにカッコイイ終わり方だったけど、しばらく欝になったので、こうあってほしいという自分の超個人的な願いをこめて妄想して書いてみますた。
やっぱ誰も死なんでほしい(T^T)
ついでにOB3出してほ(ry
244 :
45:05/02/05 00:44:21 ID:???
>243
GJ!
普段から愉快な2人のペアEDだからこそ、切ないですな。
でも諦めないケビンは様になってる。いいEDです。
245 :
45:05/02/05 00:46:56 ID:???
ルーキーのルーク。
彼はUSSの部隊内ではそう呼ばれている。
ルークはその愛称とは裏腹に軍隊生活は結構長い。
ハイスクールを卒業してから今まで、ずっと軍人として生きてきた。
それなのに何故、ルーキーと呼ばれているのかというのと
彼の名前と語呂が合うのと、彼自身に実戦経験がないことだろう。
どうして実戦経験がないのかというと
湾岸戦争が終わった時期に入隊したからだ。
ルークは陸軍に入っていたが、州の警備兵に回され
とうとう実戦を経験しないまま、陸軍を除隊した。
訓練ではいい成績を収めていたが
実戦を経験できなかった不満がくすぶっていた。
彼は、一度でも戦闘が起これば、部隊内でも
屈指の活躍ができるはずだと思っているのに。
その戦果を見れば、馬鹿にしている奴らも
きっと、彼に対する間違った評価を正すに違いない。
ルークは実戦を待ち望んでいた。
そんな我侭坊やにチャンスが訪れた。
所属する部隊が特殊任務を任されたのである。
ある研究所の科学者が細菌テロを起こそうとしているので
それを未然に防ぎ、そのテロに使用されると予測される
サンプルを回収するというものである。
ルークはハンク少尉の率いるα分隊に配属された。
俄然、彼は逸った。やっと活躍の場が訪れたのである。
喜気として任務に挑むその様はまさしくルーキーであるのだが
彼はそのことには気がつかなかった。
246 :
45:05/02/05 00:48:44 ID:???
α分隊は順当に地下研究所に侵入し
テロの首謀者と思われるバーキン博士と遭遇した。
ハンクとバーキンとの間でしばし、交渉が行われたが
功を焦るルークは思わず、引き金を引いてしまった。
訓練で優秀な成績を収めるその腕は
正確にバーキン博士の胸をとらえ、ハンクの交渉を台無しにしてしまった。
ルークはハンクに叱責され、分隊はサンプルが入っていると思われる
アタッシュケースを回収し、研究所から引き上げた。
これで任務は無事に完了したはずであった。
なのに、収まりがつかないのはルークである。
他の隊員にいいところを見せるどころか
隊長に思いっきり罵倒されてしまったのだ。
これではルーキーのルークよりもさらに悪い呼称で呼ばれかねない。
彼は何とかして名誉挽回の機会を伺っていた。
その彼の視界にある物体の姿が映った。
人間のようだが、おぼつかない足取りでフラフラしている。
ライトを当ててみると、血まみれの白衣を着ていることが分かった。
恐らくはさきほど射殺したバーキン博士がゾンビになったのだろう。
いくら博士とはいえ、いまやただのゾンビに過ぎないので
別に撃ち殺しても大した手柄にはならない。
ルークもそれは分かっていたが
せめてもの憂さ晴らしに、銃でもぶっ放さなければ気が済まないのだ。
ところが、この彼の不用意な行動がとんでもない事態を引き起こした。
銃撃を受けたバーキン博士のゾンビは
みるみる内に体細胞を変化させ
巨大な肉塊となってα分隊に襲い掛かってきたのだ。
隊員達は逃げることを優先したが
ここでもルークが徹底抗戦を行おうとした為に
部隊はしなくてもいい戦闘を行わなければならなくなった。
247 :
45:05/02/05 00:51:38 ID:???
そうして今、ルークは仰向けに倒れている。
バーキンの強烈な一撃を喰らい、身体に大きな穴が開いてしまったのだ。
彼は今更になって自分の浅はかさを後悔したが、全ては遅かった。
もう鼠の餌になるより他に術はない。
ルークはもっと慎重な行動をとるべきだった。
せめて彼の心の許容範囲がもう少し広ければ
α分隊も壊滅せずに済んだし、多くの仲間を犠牲にすることもなかった。
ルーク自身も鼠の餌になるよりはマシな最後を送れただろう。
なにより、ラクーンシティが死の街になることもなかったのだ。
248 :
239:05/02/05 01:15:49 ID:???
>45
ありがとございます*
そうなんです切なすぎて欝になってしばらく立ち直れなかったんです(iДi)
45さんには毎回頭下がります
ささいなこと、ささいな人から、いつも人災は起こるものなんですよね‥
舞台裏の人物に想像を働かせるのは好きなので、これからも期待しとります!ノシ
249 :
30:05/02/05 09:40:37 ID:???
>>239 面白かったです。決意から突破に続くという展開に意表をつかれました。
>>245 (45さん)
いつもながら高いレベルを維持した作品、楽しませていただきました。
内容も勿論のこと、文章の書き方も大いに参考にさせてもらってます。
OBをネットで遊んでいる人がここに来て激減してますし、続編の発売も不透明な
状況ですから、せめて自分がこうなってほしい、こういうのが見たいというものを
書いてみたくなります。
それはみんな共通の動機みたいですね。
進行こそゆっくりですが、このスレがまだまだ続くよう、自分も微力ですけれど
作品アップしていきたいと思います。
250 :
30:05/02/05 09:46:19 ID:???
俺は何につけても気持ちの切り替えが早いのが自慢だ。これは俺だけじゃなく、
まわりの誰もが認めている。だから体が腐ってしまっても、これはこれ、なっち
まったものはしょうがないとすぐに気分を一新出来たんだ。
だが、まわりの奴らはそうはいかなかった。みんな生に対する執着が大きくてこの
新しい体を受け入れられず、脳が崩壊してただ本能で行動するだけの動物になり
下がってしまった。それに、生前普通の体力を持っていたことも知性の喪失に
つながるようだ。体が弱く寝たきりに近い生活を強いられていた俺は、体が腐った
ことで逆に健康になったような気さえする。頭も冴え渡ってとても気分がいい。
そんな俺に言わせると、そこらのゾンビは見ていてとても歯痒い。
せっかく生きた人間を追いつめても、タックルされてよろけている隙に簡単に逃げ
られている。頭を働かせることが出来ない奴らは救いようがない。そんな風に毎日
イライラしていた俺は、ついに街のゾンビたちを統率するようになった。
彼らは生者と意思の疎通を図ることは出来ないが、同じゾンビ同士だと簡単な命令
には従うことが出来るらしい。このことに気付いてからというもの、退屈だった
俺のゾンビライフが一変したんだ。
生きている人間を見つけると、俺はまず先遣隊を見繕って送り込む。獲物を指さして
「行け」と言えば伝わるのだ。手慣れた人間だと反撃せずにスッと傍らを通り抜けて
逃げてしまうが、そうでないヤツは手持ちの武器で攻撃してくる。こうなればしめた
ものだ。人間が攻撃に気を取られている隙に、俺は第2陣を背後から送り込む。大抵
こういうやつらは後ろからのワンツーパンチが当たるまで第2陣に気付かないんだ。
そこまで行けばもう大詰めで、俺は他から人間の増援が来ないかだけを注意していれ
ばいい。あとは俺がいなくてもうまく人間を仕留めることが出来る。
日に日に俺の作戦も高度化していった。少ない人数を大勢で襲うというのはもっとも
幼稚な戦法だ。最初の頃はそれでも結構悦に入っていたものだが、次第に飽き足りなく
なってくる。そうすると追い詰め、挟み撃ちなどの戦法を使ってみる。単純ではあるが
はまるとかなり気分がいい。その次にはいかに少ないゾンビで人間を仕留めることが
出来るかに腐心するようになった。
だが、戦略が高度化するようになると、俺としても自分の駒の能力を最大限見極めて
おかなくてはならない。日頃から広場にゾンビを集めて訓練を繰り返すようになった。
俺の命令で大勢のゾンビが行進する光景は見ていて感動すら覚える。俺がこんなに
充実した毎日を送るなど生きているうちにはあり得なかったことだ。
251 :
30:05/02/05 09:48:49 ID:???
俺は訓練を通じて多少高度な命令が理解できるゾンビを見つけ出し、幹部に抜擢した。
俺が出す命令はそいつら幹部ゾンビが中継点となり、下っ端ゾンビたちに伝わる。
こうして組織化された俺のゾンビ軍団は、生きた人間を一人も逃さず次第に街を制圧
していった。
しかし、最近になって俺の思考能力もだんだん失われつつあることがわかった。
どうやら俺だけ知性喪失への耐性が若干強かっただけで、結局はそこらのゾンビたちと
同じ道を歩むことになるらしい。そう悟ったときは結構ショックだった。でも気持ちの
切り替えが早いのが俺の自慢だからな。しょうがねぇな、で終わりだ。
その頃には街の制圧もかなり進んで、目の前には警察署があった。ここを制圧すれば
後はもう簡単なもので、失われつつある俺の知性でもやり遂げることが出来そうだ。
という事はここが俺にとっての天王山て訳だ。俺は気合いを入れてゾンビ軍団の訓練に
励んだ。
しかし、いざ襲撃決行という段になって俺は自分の思考能力が予想以上に衰えている
ことに気付いて愕然とした。もう高度な戦略など考えられないのだ。
しかしそこはそれ、俺の配下には数え切れないくらい無限の人材がうなっている。
『人海戦術』
これだって戦術と名が付く以上、立派な作戦だ。俺は気持ちを切り替え、人海戦術に
適した隊形を整えて警察署に向かった。
警察署は鉄の門で固く閉ざされていたが、俺があらかじめ送り込んでいた怪力部隊の
活躍でほどなくして破ることが出来た。そこからは人海戦術の本番だ。
決行前には、何とか警察署内のゾンビと連絡を取って両面からの挟み撃ち攻撃が出来
ないものかと考えたのだが、ゾンビどもが無線を使える訳もない。正統な人海戦術で
押しまくった。
正門前には4人の生きた人間がいた。こいつらは相当しぶとい。驚いたことに、この
戦いを予期していたかのように、あちこちに回復剤やら武器弾薬を配置していた。
さすがに人間だ。いくら知性が残っている俺とは言え、ゾンビごときの考えることとは
大違いだ。俺は手本を見せられたような気がして謙虚になった。よし、まだ俺の知性が
残っていたら、次のターゲット攻略は下準備を万全にして臨むぞ、と。
252 :
30:05/02/05 09:55:58 ID:???
しかし、いくら知性溢れる人間でも、俺たちの無限に湧いてくるゾンビ軍団を相手に
持ちこたえるのはすでに限界だった。4人のうち二人はもう足を引きずっているし、
弾丸も底をついたようだ。しきりにナイフや鉄パイプを振り回している。
俺は勝利を確信した。それまでは後方に控えて戦況を見守っていたが、いよいよ
陥落という場面にはぜひ立ち会いたいじゃないか。俺はおもむろに立ち上がると、
手を前方にのばしてゾンビ歩きで正門に向かった。
ここもいよいよ制圧だなと、門のところで立ち止まって感慨深く建物を眺めていた。
するといきなり後ろから何かにどつかれて扉の前までぶっとばされた。
人が感動に浸っている時に何てことをっ、と振り返って見ると警察のトラックだった。
すかさず生き残った4人の人間が後方のドアから乗り込んでいる。
トラックの荷台では女の警官が手引きをしていた。
俺はゾンビになって以来初めて怒りを感じた。いくら切り替えの早い俺でも、目前に
した勝利を横からかっさらわれるような仕打ちが許せなかったのだ。
俺はその女警官を食ってやろうとトラックの荷台にしがみついた。
足に掴みかかろうとした丁度そのとき、誰かが後ろから俺の頭を撃ちやがった。
そりゃないぜ・・・
でもまぁ、こういうのもアリかもな。
永遠にゾンビでいられる訳でもないし、引き際ってものがある。
倒れながら、俺は早々に気持ちを切り替えていた。
>>239 GJ(・∀・)
自分もあのEDには辛いところがあったんで、新たな希望みたいなものを持たせて頂きました。
2の突破に続くというのも中々自然な展開で、すんなり読めましたし、
何だか239タソのEDの方が『決意』って感じがしますね〜
>>245 名前欄の45を見つけると反射的にときめいてしまう体になってしまいましたw
今回も変わらず文章力さながら面白かったです。
謎の洋館事件の一つの真相を楽しめました〜
254 :
続き〜:05/02/05 13:34:52 ID:???
>>250 ゾンビになっても、少しは意識が残っているという見解に共感します。
自分もその手のネタを書いたことがあるので(250タソが書かれたものとは全く違いますが)
しかしいつもながら予測できない展開が良かったです。
正直ワロいましたw
無条件に恐がっていたゾンビに反対に興味すらわきそうですw
255 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/07 00:27:46 ID:avgRoPry
おもろいうpが続いてるのでアゲ(・∀・)
こういうのがいいのかはわかりませんが、別視点という事で投下します。
───何故、あんな事を言ってしまったのだろう。
私には双子の姉妹がいた。
妹のケイトは誰にでも人当たりが良く、穏やかな性格は周りの評判も良かった。スクールでは違うクラスでは
あったものの、私のいるクラスにもその評判は時折耳に挟む事がある。幼い頃からの虚弱体質の所為か妹は
スポーツこそあまり得意ではなかったものの、勉強に於いては学年でもトップクラスを誇っていたのだ。
比べて私は妹とは対極的だった。容姿は全くといって良いほど変わりは無い。黒い髪に、髪型も同じ。長い間続けてきた陸上では
州大会に出場する程であったが、一方で学業は疎かになり、成績は芳しくなかった。性格もまたそうなのだろう
が、どちらかというと友達は限られており、その子達以外のクラスメートとはあまり係わり合いを持ちたくは無か
ったのだ。
男達と遊んだ時などは虫唾が走る気持ちだった事を覚えている。
かわって子供の頃はというと、妹は体が弱い事もあり、外にあまり出られなかったのだ。外に出ても日系の
血が流れている事もあって、周りの子達からいじめられる事がしばしばあり、いつも私が駆けつけた。
泣きじゃくる妹を宥めたり、妹を誘って遊びに行くことがとても嬉しかった。
妹に頼られる「お姉ちゃん」である事が嬉しかった。
「私達、双子なんだね」
妹が言う。私達二人は、互いに足りないものを補い合っているのだと。
そしてその関係は今までも、そしてこれからも続いていくのだ。笑顔でケイは私の手を握り、ベッドに潜り込んだ。
14歳の、定期試験の前日の夜に。
妹は可愛かった。私は後ろからケイをそっと抱きしめると、無言で頷いた。
>257
───今になって、思い出す。
ある日、私は両親と口論になった。この先の進路についての事である。
妹は既に名門への進学が決まってはいたのだが、私は推薦入学を蹴り、音楽の道を志していた。
父は激怒し、私を呼びつけて平手を打った。そしてそのうちにあろう事か妹と私を比較し、吐き捨てたのである。
私は父親の頬を思い切り張ると、家出を決意し、自室へ駆けると身支度を整えた。
ケイが、私の部屋のドアを静かに開けて呟く。
「…お姉ちゃん」
妹は父親とのやりとりを一部始終聞いていたという。彼女なりに私を宥め、必死に思い止めようとしたのだろう。
が、その時の私には妹のその言葉が憐れみにしか聞こえなかったのである。
本当にそんな事を言ったのか。言うつもりだったのか。
私はとんでも無い言葉を妹に浴びせてしまう。妹は目に涙を浮かべ、ドアに崩れ落ち泣きじゃくった。
元々私は口の悪い方だったが、妹に浴びせかけた自分の言葉が頭の中で木霊した。
そして、後悔の波が私を襲う。
───私は、何て事を。
私は堪らなくなって家を飛び出した。とにかく走った。息が切れても、汗が滲んでも止まらなかった。
妹の表情を頭の中から払拭したくて、泣きながらバスに駆け込んだ。
大切だったケイ。もう一人の私のように、人事だとは思えなかったケイ。
…大好きだった、ケイ。
もう、あの頃には戻れない。
私は夜道をひた走るバスの中で、顔を伏せた。
>258
行き先も無く、とある街に辿り着く。立て札を見れば、”ラクーン”。そう書いてあった。
街中はネオンの光でてらてらと輝き、バーから出入りする大人達は夜の様相を醸し出した。
途中、男達に声をかけられ、軽くあしらったのだが、何が気に入ったのか軽く口笛を吹かせどこまでもついて来る。
正直、どうでも良かった。
電気店のテレビの放送では、暴動やら何やらと騒ぎ立てていた。何故か私は目に留まり、画面を眺めている
とついて来た男の一人が後ろから声をかける。
「お嬢ちゃん、知らないのか?ここらは最近物騒なんだぜ」
「…うるさい」
「だから、俺達が守ってあげるからさ。一緒にどこか行こうぜ」
「…!?触らないで!」
後ろから不意に肩を掴まれ、私は驚いて振りほどいた。そして足早にその場を離れようとしたのだが、男達は
一向に諦める気配は無かった。
私は走った。走りながら、道行く人達に助けを求める。だが、どいつもこいつも気の抜けたような顔をして、私
の助けを聞き入れるような人は居なかったのだ。
随分と人気の無い所まで来てしまう。男達は、私を捕まえる気ならいつでも捕まえられた筈だった。
わざわざ人通りの少ない路地まで誘導されていた事に無性に腹が立つ。
体力には自身があったが、さすがにこれだけの距離を走ると疲労が浮かび、脚がもつれる。
ブーツに何かが引っかかり、私は派手に転んだ。脚が上手く言う事を聞いてくれない。
喉が痛い。息が上がる。もう、走れない。
目の前に影が見える。見上げると、さっきの男達だった。
「へっへ…気の強い女は悪くねえな」
男の視線でスカートが捲れている事に気がつき、はっと手でそれを隠すと、卑下た笑みを浮かべる男を睨み付けた。
「…たまんねえ」
男の手が私に伸びた。私は覚悟を決めて、きゅっと目を閉じる。
>259
いつまでたっても、触れられる感触は無い。代わりに耳を劈くような悲鳴。
恐る恐る目を開ける。見なければ良かったと後悔したが遅かった。
男達は、食われていたのだ。
それは凶暴な動物でも、怪物でも無い。人によって食われていた。
集団で群がった”それ”は、男達を群れに引き込むと一斉に飛び掛り、血肉を貪った。
飛び散る血飛沫を見て、私はうっ、と口元を押さえる。瞳に涙を浮かべ、私は嘔吐した。
”それ”らが私に気づき、ふらふらとにじり寄ってくる。血を浴びたその口元は大きく歪み、皮膚の色は最早命の
宿った人の姿では無かったのである。
私は震える脚をがむしゃらに奮い立たせ、その場から逃げた。
後ろから、化け物の声が聞こえなくなるまで。
どうにか逃げ切り、宿を見つけた時には私はもう何も考えられなかった。
これは悪い夢なのだと、何度も何度も自分に言い聞かせる。
…テレビが、再び民衆の暴徒化を報道していた。
泣き腫れた目の下に隈が出来、私はベッドに蹲(うずくま)った。
妹の顔が、再び瞼の裏に浮かんでいる。
───ごめんね。ケイ…ごめんね。
「…ごめんなさい…」
私は何度も謝った。もう一度、妹に会いたい。またいつもの様に笑いかけて欲しかった。鏡を見つめても、そこ
には自分が立ち尽くしているだけ。妹じゃ、無い。
>260
圧倒的な孤独感と不安が全身をよぎる。膝を抱え込み、顔を埋めた。押しつぶされてしまいそうだった。
…この状況は何?私は何で、こんな所に居るの?もう、嫌だ。
顔を上げる。
───ああ、
これは、私への罰なのだと思う。妹を残した、私への罰。
もう二度とこの悪夢が晴れる事は無いのだ、と。そう思えた。
突然、ほうり投げてあった携帯のメロディがけたましく鳴り響く。
妹からだった。
私は携帯に駆け寄り、通話ボタンを押そうとする。が、そこでぷつりと途切れてしまう。
「ケイ…」
私の胸の中で何かが走る。これまでも時折感じていた、何かが。
早鐘のように鳴り止まぬ心臓を押さえるように、私は胸を痛いほど締め付ける。
…何故?
予感を感じたときに、私は妹の気持ちが理解できなかった。何故?私はケイを傷つけたのに。
荷物も忘れ、私は部屋を飛び出した。
階段を駆け下りる間も、胸の予感は鳴り止まない。それは、私だけでは無い筈。
───ケイが、近くに来ている。
>261
エントランスを抜け、私はドアを勢い良く開放した。外は淀んだ空気で覆われ、血の匂いと硝煙の煙で既に
街中はこの世の終わりの様相を呈していた。
私は走る。思えば妹に無い、私のこの力はその為にあったのだと、妹を助ける為にあったのだと。冗談にしても
今なら本気でそう思える。お互いの存在を理解していた。
屍人と化した群衆を避け、無我夢中に走った。胸の鼓動が確かになる。私は必死に、妹の名前を呼んだ。
月明かりがほんの少しだけ差し込む、その公園で私は止まった。膝に手をつき、息を切らしながらゆっくり前を
向くと、その小さな影に近づいていく。
公園の中心まで、歩を進めた。そこには確かに、妹が居た。私と同じ格好で、私と同じ顔をして。
私達は歩み寄ると、何も言わずに抱き合った。妹の華奢な体が壊れてしまうくらいにきつく、頬を寄せ合う。
その場に、お互いに抱きしめあったままへたり込んだ。
「…馬鹿。何で、来たの」
私は自分の口の悪さを呪った。本当に言いたかった言葉は、そんな事じゃないのに。
「…お姉ちゃんの気持ちが伝わってきたから。お姉ちゃん、すごく怖い思いをしてた。だから…」
私は涙をこらえ、息を大きく吸い込むと、咽びながら静かに呟いた。
「…ごめん…なさい……!」
>262
震えが止まらない。ケイは胸に顔を埋めた咽び泣く私の黒髪を静かに抱き寄せると、同じく答える。
「私達……一緒なんだよ」
ケイの温かな感触が伝わってくる。ケイの声、ケイの息、そして、ケイの鼓動。
そして、私は思った。
ケイは、私の罪の中の、たった一つの希望なのだと。
いつのまにか、公園は屍人の群れに辺りを取り囲まれている。
公園の中で、二人は最後に頬を寄せると、ゆっくりと立ち上がった。
もう、離れる事はないのだ、と。
終わりです
また何か書いたら投下させていただきます。
では。
265 :
30:05/02/08 00:25:33 ID:???
>>264 イイですねー
バイオハザードという枠にとらわれないオリジナリティを感じました。
ゲームの設定をほんの味付け程度に抑えた上でこれだけの作品が
書けるなんてとてもうらやましいです。
次回作を楽しみにしています。
皆うまいね(・∀・)イイ!
いつも楽しみにしてます!
既存のキャラを使った物からラクーンを舞台にした一般市民の話まで
多彩でオモロイです。
267 :
30:05/02/08 21:51:25 ID:???
学校からの帰り道、ぼくはいきなり誰かに肩を掴まれた。びっくりして振り返ると
知らない男がうつろな目をして顔を近付けてきた。物が腐ったような嫌な臭いがして
思わず顔を背けたら、その男は大きく口を開けてぼくの首筋に噛みつこうとしたんだ。
ぼくはあわてて男を突き飛ばして逃げた。少し離れて振り返って見てみると、男は
動作がゆっくりしていて走って追いかけてくるようなことはなかった。
顔に表情はなく、目は完全に白目になっていて、口からはよだれが流れ出している。
ぼくは怖くなってすぐにその場を立ち去った。
しばらく歩くと行く手に人が倒れているのが見えた。どうやら女の人らしい。
近寄ってみると幼馴染みのマギーだった。
最初にぼくの目に飛び込んできたのはマギーの首筋の赤黒い染みだった。それを見た
ぼくは口元を押さえながらゆっくり近付いた。マギーを心配する気持ちと見たくない
と思う気持ちがごちゃまぜになって、自分でも何を考えていたのかよくわからない。
傍らにひざまづいて見ると、染みに見えたのは無惨にえぐられて出来た深い傷だった。
大きな獣か何かがマギーの首筋を食いちぎったみたいだ。
もう生きてはいない。ぼくは吐きそうになるのを懸命にこらえながら立ち上がった。
一刻も早くそこを離れようと歩き出した瞬間、何かに左足を取られて転んでしまった。
見ると足首をマギーの手が掴んでいる。一瞬それがどういうことか理解できなくて、
ぼくはただ呆然とマギーを見ていた。
すると、ゆっくりマギーの体が動き始めたんだ。ぼくは体がこわばって動けず、ただ
ガクガク震えていた。マギーはぼくの左足を掴んだままゆっくりと這い寄ってきた。
さっきの男とそっくりに無表情で白目を剥いている。マギーは口を僕の足に近付けて
噛みつこうとしている。ぼくは自分でも無意識のうちに自由な右足でマギーの顔面を
蹴った。マギーの鼻から一筋血が流れ出した。それでもマギーは無表情のまま顔を
近付けてくるので、ぼくは狂ったように何度も顔を蹴ったんだ。気がつくとマギーの
顔は変な形にくずれて血で真っ赤になっている。ぼくは泣いていた。足を掴む力が
弱まったので、ぼくはすかさずマギーの手を振りほどいて立ち上がった。足が震えて
うまく走れない。ぼくは酔っぱらっているみたいにふらふらしながら、後ろを見ない
で走った。
268 :
30:05/02/08 21:53:21 ID:???
それから家に着くまでに街で見たのは本当に地獄だった。さっきの男やマギーみたい
になった人たちがたくさん街をふらふら歩いていて、倒れている人も数え切れない
くらい見た。みんな体の一部を食いちぎられたような傷を負っていて、きっとしばらく
するとマギーみたいに起きあがって人を襲うんだろう。まるでホラームービーだ。
ぼくは泣きながら走った。時々足がもつれて転びそうになりながらも、何とか家まで
帰り着いた。玄関を入った途端、ぼくはたまらずに吐いた。今見てきたものを思い出す
と頭がおかしくなりそうだ。
しばらくして落ち着いたぼくは、家がしんとしていることに不安を覚えた。今日は久し
ぶりに仕事が早く終わるから夕食は父さんと三人でしましょうと母さんが言っていた。
夜勤続きだった父さんも今日は日勤だって言うから、母さんは上機嫌だった。ぼくは
最近父さんとうまくいってなかったんで気が進まなかったけど、あんまり母さんが
嬉しそうなんでおとなしく従うことにしたんだ。
今頃の時間だったら、母さんは仕事から帰って、朝仕込んでいった料理の仕上げをして
いるはずだった。それが家の中は物音ひとつしない。気を付けてみると、料理のおいし
そうな匂いの代わりに何だか生臭いような臭いがかすかにしている。おさまっていた
吐き気がまた襲ってきて、ぼくは最悪のケースを想像してしまった。
母さん、生きているよね?
ぼくは恐る恐るキッチンの方へ歩いていった。扉は開いている。心臓が周りの人にも
聞こえるんじゃないかと思うくらい大きな音を立てて鳴っている。キッチンを覗き込む
と、床に座り込んだ母さんの後ろ姿が見えた。動悸は一気に高まり、胸が痛いくらい
だった。母さんは正面を向いたまま動かない。
母さんの前には大きな血だまりがあって、その中に誰か倒れている。うつぶせになって
顔は見えないけれど、服装や太った体つきから隣のクラバーベルさんだとわかった。
クラバーベルさんの首には包丁が刺さっていて、ぴくりとも動かない。
269 :
30:05/02/08 21:54:52 ID:???
ぼくはまた吐かないように唾を飲み込み、母さんの前に回って呼びかけた。母さんは
放心したようにクラバーベルさんを見つめたまま動かなかった。ぼくが肩を持って揺さ
ぶると、だんだん視点が合ってきてぼくの顔が目に映ったみたいだった。
母さんはぼくに気づくと、ぼくを抱きしめて泣き出した。普段は気丈な母さんが取り
乱した姿にぼくは戸惑ったけれど、母さんも帰り道にぼくと同じようなめに遭ったのだ
とすれば、それも無理ないことだった。
母さんをキッチンから連れ出してリビングのソファに座らせた。しばらくして落ち
着きを取り戻した母さんは、今日のことを話し始めた。やっぱり帰り道はぼくと大差
ないものを見たらしい。幸いぼくと違って車に乗っていたので、実際に危険な目には
遭わなかったんだけど、帰り着いたらいきなりクラバーベルさんが襲いかかってきた
そうだ。夢中で抵抗していたら、いつの間にか目の前にクラバーベルさんが倒れて
いた、そんな感じだったらしい。
「街中がこんな様子じゃ、もうここにはいられないわ」
母さんはそう言った。
「どうするの?どっかに逃げる?」
「そうね。とにかく最低限持って行く物を用意しましょう」
母さんは、ぼくにはよくわからない何か書類のようなものと手元にあったお金なんか
をバッグに入れていた。
「ねぇ、父さんは?父さんはどうするの?」
うまく行っていなかったとは言っても、さすがに父さんを置いてこのまま逃げる訳
には行かない。しかし、日勤とは言っても仕事が終わるにはまだ時間がある。
「今日の行き先は電話のところにメモしてあるわ。かけてみてちょうだい」
270 :
30:05/02/08 21:56:22 ID:???
メモにはアップルインという名前の下に代表電話と警備室の内線番号が書かれていた。
ぼくは受話器を上げて番号をプッシュしようとしたけど、受話器から何も聞こえて
こないことに気付いて手が止まった。何度もフックを押してみたけど、ツーという
音は全然聞こえない。
母さんとぼくは顔を見合わせて沈黙した。不安がぼくたちの体を足元からじわじわと
這い上がってくるような気分だ。
思いついてぼくはテレビをつけてみた。でも、どのチャンネルも映らない。電話も
ダメ、テレビも映らない。一体街はどうなっちゃったんだろう。
家の外で何かが動く音が聞こえた。これ以上二人きりでこの家にとどまっているのは
危険だ。しかも、外はもうそろそろ暗くなる時間だ。このまま夜になれば逃げるのは
もっと危険になる。
「仕方がないわ。父さんにはここにメモを残して先に行きましょう」
「でも・・・」
「大丈夫よ。父さんは軍隊経験が長いから、こんな非常事態にはちゃんと対応できる
人よ。それに、災害に遭ったらまず自分の安全を確保しろっていつも言っていたで
しょう」
「・・・そうだね」
「父さんは必ず私たちを見つけてくれるわ」
ぼくはサイドボードの一番下の引出を指さして言った。
「あれ、持って行った方がいいんじゃない?」
母さんは暗い目をして頷いた。
「そうね・・・仕方ないわね」
引出の中にはハンドガンと弾が入っている。
母さんは銃が嫌いだったけど、今はそんなことを言っている場合じゃない。
271 :
30:05/02/08 21:58:05 ID:???
ぼくたちはラクーン市警察署へ行くことにした。父さんが昔勤めていたベースに行く
方が良かったんだけど、ここからは距離がありすぎるから、とりあえず警察署に避難
しようという母さんの考えだった。
周囲に注意しながら音を立てないように外へ出た。母さんがガレージから車を出して
きて、ぼくは助手席に滑り込んだ。
「ねぇ、みんなどうしちゃったんだろう」
「わからないわ。何か伝染病が流行しているのかも。近頃どこに行っても病気で仕事
を休んでいる人の話ばかりだったし」
暗い車内で見る母さんの横顔は、外の明かりを受けて実際より余計に青ざめて見えた。
「これってゾンビみたいじゃない?」
「またホラームービーの話?」
「そうだけど、そっくりだよ。どう見ても死んでるのに動き出して・・・」
「人を食べてる・・・」
「でしょ?」
母さんは何か考えているようだった。
「・・・そうなのかしら」
視線を前に戻すと、目の前を人が歩いていた。
母さんは急いでブレーキを踏んだけど間に合わず、ドンという嫌な音がしてその人は
車の後ろまではね飛ばされてしまった。ぼくと母さんはあわてて車から降りて駆け
寄った。倒れていた人はゆっくりと身動きしたかと思うと、おもむろに立ち上がって
顔を上げた。
白目をむいた無表情な目、よだれを垂らした口からは低いうなり声が漏れている。
彼はゆっくりと近づいてきた。
272 :
30:05/02/08 22:00:04 ID:???
すみません。
長くなるので続きは明日アップします(;´Д`)
273 :
45:05/02/09 01:46:17 ID:???
>264
オリジナルの双子とはなんて羨ましいんだ。
この後、食われてしまうのかと思うと儚いです。
最後まで一緒なのがせめてもの救いか。
>30
主人公、子供ですよね。
幼馴染がゾンビ化ってことは、子供ゾンビ!
凄いもんが出てきましたな。
後半のドーンオブザデッドの序盤を思わせる展開の続き、楽しみにしとります。
274 :
45:05/02/09 01:49:03 ID:???
ラクーンシティの治安を守るラクーン市警。
そこに勤める署員達は個性豊かな人物が多い。
だが、その中でも異様に影の薄い男がいる。
彼の名はジャン。
勇敢な警官の多い中で、人一倍臆病な人物だ。
彼の人生はいつも成り行き任せ。
周りに流され、確固たる信念も持たずに生きてきた。
警察官になってからもそうだ。
与えられた業務をこなし、給料を貰う。
常にそのプロセスを守って
マニュアル通りに生活していれば大事には至らない。
これまでもそうして生きてきたし
これからもそうやってマイライフを送る予定であった。
とはいえ、そんな平凡な人生も
屍者が歩き回る街では叶うべくもない。
街は狂騒に包まれ、ラクーン市警の署員に出動命令が出た。
市警はこの日の混乱を予測していたかのように
解散した特殊部隊のかわりに
増強した機動隊を投入したが数時間と経たずに壊滅。
人手不足を補うかの如く、デスクワークの人間まで現場へ派遣した。
ジャンもアップルイン付近に回され、レイモンドの指揮下に入った。
ジャンにとって運が悪いことに
このレイモンドという警官は正に市民を守るために命を投げ出すという男。
彼は指揮下の警官達に死ぬ気で事にあたるよう、激をとばした。
ジャンは機動隊ですら止められない暴動を
自分達、一般警官が阻止することができるはずもないと
この場を切り抜ける算段を考え始めた。
既に腰が引いていた。
275 :
45:05/02/09 01:50:59 ID:???
ジャンのこれまでの無難な人生から導き出した結論は
ドサクサに紛れて署に逃げ帰る、というものであった。
他の警官達が配置につく中、彼は人ごみに紛れて裏道を探る。
途中まで上手くいくかと思ったら、アーサーに見つかった。
アーサーもまた、正義感に溢れる警官であり
ジャンが苦手とする部類の人間であった。
結局、ジャンはアーサーに説得され
渋々、配置につくこととなってしまった。
アーサーのせめてもの温情か、前線から
一番遠い場所にいられるのが数少ない救いか。
ジャンはパトカーに隠れて、自分の場所まで
暴徒達が来ないよう、神に祈ったが
その願いはどうも聞き届けられなかった様子。
警官隊の第一陣が暴徒達と交戦し
防衛線を突破されたとの報告が入ってきた。
レシーバー越しに狂気の悲鳴と警官達の叫び声が聞こえる。
言わんこっちゃないと思った矢先に
前方からとんでもない数の市民が走ってくる。
武器も持たず、大怪我を負っている市民達は
実は街の中心から必死に逃げてきた被害者なのだが
詳しい事情を知らない間抜けな警官が暴徒と間違えて
発砲したためパニックに陥っていた。
ジャンも、周りの警官が撃ちまくっているので
申し訳程度に拳銃を構えたが、撃てなかった。
周囲の状況に逃げ腰になっており
とても応戦するどころではなかったのである。
その内、こちらに向かってくる市民が
必死に走ってくるのではなく
ノタノタと足を引きずるようになってきたのに気がついた。
276 :
45:05/02/09 01:53:47 ID:???
場に戦慄が走り、耐え切れなくなったジャンは
他の警官の静止を振り切って逃走した。
逃げる途中、弾丸が自分に向かって飛んできたことに気付き
後ろを振り向くと、レイモンドが銃を構えて凝視していた。
蛇に睨まれた蛙のようになったジャンであるが
しばらくするとレイモンドはジャンから目を離し
迫りくる屍達に銃口を向けた。
ジャンはその隙に必死に走り出した。
自分は勇敢な警官ではない。
それは皆、分かっていることではないか。
臆病な自分を修羅場に立たせたらどんなことにするか。
逃げる以外に、どんな行動をとれというのか。
仲間を見捨てたという行為を何とか正当化しようと心の中で抗弁した。
ジャンはがむしゃらに走り、何故か駅へとたどり着いた。
もう体力の限界まで走りぬいたので、署に戻る力もない。
ジャンは一息入れ、疲れた身体を休めることにした。
ここで休んでいれば、何時の間にか暴動も収まり
ケビンやフレッドやアーロンが自分を捜しに来てくれるはずだ。
そんなご都合主義的な展開に希望を抱き、目を瞑った。
ジャンは、既に棺おけに片足を突っ込んでいることにまだ気付いていない。
277 :
45:05/02/09 01:56:39 ID:???
>臆病な自分を修羅場に立たせたらどんなことにするか
→どんなことになるか
間違えました。すいません。
>>45うあぁおもしろ杉!!
どうしたらそんなに創作力が出せるんでつかね(´д`;)
警官のジャンがなんで駅に?と思ったところで止まってるもれなんか‥もう‥orz
次も期待しとりまう!
279 :
30:05/02/09 21:02:08 ID:???
【271の続きです】
ぼくたちはゆっくり後ずさりしながら車に戻ろうとしたんだけど、ゾンビの歩く速度は
だんだん速くなってくる。
焦った母さんは、腰に差していたハンドガンを抜いて構えた。
「来ないで!来たら撃つわよ!!」
でも、ゾンビに言葉は通じない。やっぱりムービーと同じだ。
足を引きずるようにして手を前に出しながら、そいつは警告にも構わず近付いてきた。
母さんはひきつった顔で引き金を引こうとした。でも安全装置を外してなかったんだ。
ゾンビはもう目の前まで迫ってきている。ぼくは道端に落ちていた鉄パイプを拾って
思い切りゾンビに振り下ろした。よろけてしばらく歩みが止まったけど、ゾンビはその
程度では倒れなかった。母さんはパニックになりながらハンドガンをいじくりまわし、
やっとの思いで安全装置を外して構え直した。
もう躊躇している余裕はない。引き金を引くと乾いた音が響いてゾンビのお腹に弾が
当たった。それでもゾンビは全然平気で近寄ってくる。ぼくはホラームービー直伝の
知識を母さんに叫んだ。
「頭だ!頭を撃たないとダメだ!」
母さんは歯を食いしばって二発目を発射した。
ゾンビの左目の上の方に穴があいた。
惰性で少し歩いた後、ゾンビはがくっと膝をついて倒れた。
それからはもう停車しなかった。避けきれないゾンビははね飛ばして走った。
母さんはもうあまり喋らなくて、ぼくも黙っていた。
これは夢なんかじゃないんだよね。
280 :
30:05/02/09 21:03:43 ID:???
◇
警察署に着いてみると、そこには生きている人が大勢いて安心した。どうやらみんな
ぼくたちと同じ考えだったみたいで、警察署の地下が臨時の避難所になっていた。
家族や友だちと離れ離れになった人も多いらしく、壁にはそういう人たちに向けた
メッセージがたくさん貼り付けてあった。予定通りなら、まだ父さんの仕事が終わるか
どうかって時間だから、父さんからメッセージなんてあるはずないんだけど、ぼくは
隅から隅まで確認せずにはいられなかった。
婦警さんがビスケットとコーヒーを用意してくれた。ぼくたちはそれを食べながら、
これからのことを話し合った。母さんの兄さんが隣の市に住んでいるから、そこにひと
まずやっかいになろうということに決まった。父さんにはここにメッセージを残して
行こうと母さんは言う。果たして父さんがここに来るかわからないけど。
あとは隣の市までどうやって行くかだ・・・
しばらくするとチーフらしい警官がみんなにホールに集まるようにと言った。
ぼくたちは重い足を引きずるようにして一階のホールに移動した。
この警察署は昔美術館だったらしいけど、どうしてひとフロア上がるだけにこんな
遠回りをしないといけないんだろう。
「市警のマービンです。みなさんをこれから隣の市まで護送します」
みんなの間にどよめきが起こった。
「途中は安全なのかね?」
誰かが尋ねた。
「安全とは決して言えない状況です。しかし、我々は最善を尽くしてみなさんを脱出
させようと考えています。ここにいても襲撃を受けるのは時間の問題ですし、武器弾薬
も無限にある訳ではありません」
「俺は残るぜ」
腕まくりをしたワイシャツ姿の男の人が立ち上がって言った。
281 :
30:05/02/09 21:05:52 ID:???
「あんたら警官もまだ残ってるんだろ?だったら俺はここが一番安全だと思うね。
それも留置場の中がね」
ぼくにはどっちが安全なのかよくわからなかったけど、脱出に反対したのはその男の人
だけだった。マービンさんは彼を止めようとはせず、好きなようにしたらいいと言って
鍵束を男の人に渡していた。
「ゆっくりしている余裕はありません。今から正面玄関にトラックをつけますので、
すぐに乗ってください」
ホールに集まった人たちはぞろぞろと玄関の外に移動を始めた。
それを面白くなさそうな顔で眺めている人がいる。
ぼくはテレビで見たことがあったので知っていた。ブライアン署長だ。街の有様に心を
痛めているのかなと思ったんだけど、どうもそんな感じじゃなかった。みんなもそう
思ったみたいで、誰も署長さんには近寄らなかった。
玄関前にはほどなくトラックが到着して、みんな順番に乗車を始めた。
「そうだ!母さん、父さんにメッセージは?」
「あっ、そうだったわ!」
母さんは手帳にぼくたちの行き先とメッセージを書いて破り取った。その時点で
トラックにまだ乗っていないのはぼくたちだけになっていたので、マービンさんは
急げと言っている。地下に戻ろうとしていた母さんはぼくとメモを交互に見て迷って
いた。しばらく考えていた母さんは、そのメモをマービンさんに託すことにした。
「わかりました。お預かりしましょう」
そう言ってくれたマービンさんにメモを差し出すと、横から別の手が出てきてメモを
かすめ取ってしまった。ブライアン署長だった。
「これは私が貼っておきましょう。ウィルキンスさん、ご心配なく」
ぼくはこの署長さんがあまり信用できないと思ったんだけど、この際仕方がなかった。
マービンさんも何か言いたそうな表情をしている。署長さんは作り笑いのような冷たい
表情でメモをひらひらさせていた。
深々と頭を下げる母さんを促してぼくたちは急いでトラックに乗った。
282 :
30:05/02/09 21:07:30 ID:???
◇
「これからハイウェイを一気に走り抜けます。しっかりと掴まっていてください」
トラックを運転する髪の薄い髭の警官が言った。ぼくたちがさっき街を走ってきた感じ
からしても一般道を行くのは避けた方がいい。この警官の判断は正しいと思った。
それからハイウェイの入口まで、一般道はこの世の物とは思えない光景だった。さっき
よりゾンビの数は増えていて、トラックは何人ものゾンビをはね飛ばして走った。
こういう軍用のトラックじゃなかったら無事には通れなかったかも知れない。
母さんは疲れ切った様子でぼんやりとトラックの床を見つめている。ぼくもここまでの
脱出行が何日もかかっているような疲労感に襲われていた。
ハイウェイに乗ってからは順調だった。あちこちに止まっている車はあったけど、道路
を塞ぐようなことはなかった。この調子なら一時間もたたずに隣の市に着くんじゃない
かな。みんなも、もうこれで大丈夫だと感じていたらしく、目をつぶってうとうとして
いる人もいた。
しばらく行くと、大型の観光バスと数台の乗用車が道をふさぐように停まっていた。
どの車も車体があちこちへこんでいて、漏れたガソリンに火がついて燃えている。
炎の明かりに照らされて、黒い人影があちこちで動いているのが見える。トラックに
乗っていれば大丈夫だと自分に言い聞かせながら、みんな緊張して窓の外を見ていた。
停車している車を避けて通るため、トラックは徐行しなければならない。速度を落とす
と、その周りに黒い人影が吸い寄せられるように近付いてくる。車内の緊張はさらに
高まった。
静まりかえった車内にガツンガツンという大きな音が響き、間髪を入れずに後部の
ドアが開いた。無表情に白目を剥いたゾンビが、荷台に手をかけてよじ登ろうとして
いる。何人かが悲鳴を上げてトラックの中はパニック状態になった。助けを求めて
運転席の方を見るとそこにもゾンビが取り付いている様子で、警官はこっちに構って
いる余裕はなさそうだ。
ぼくは母さんの腰からハンドガンを抜き取り、父さんに教わった通りに腰を落として
両手でしっかり構えて撃った。
弾はゾンビの肩に当たった。全然ひるんでいない。あわてて二発目を撃ったら、今度は
外れてしまった。頭から血の気が引いていくのがよくわかった。ゾンビは荷台に這い
上がってぼくの前に立ち上がる・・・
283 :
30:05/02/09 21:08:52 ID:???
「うわぁっ」
目をつぶって頭を抱えたぼくは、耳元に銃声を聞いた。
見るとゾンビは頭を撃ち抜かれて道に転がり落ちていった。振り返ると運転席との間
の小窓から、あの警官が微笑んでいる。彼がマグナムを撃ったのだ。
ぼくは我に返って急いで後部のドアを閉めた。
トラックはバスとの間を通り抜けると、次第にスピードを上げて行く。
その時、バスが突然爆発した。たくさんの破片がトラックの屋根に当たる音がする。
こんな状況じゃハイウェイも危険だ。いつ通れなくなるかわからない。せめてあの
警官が戻る時まで大丈夫だといいんだけど。
それからすぐ隣の市に入った。そっちの市警察から迎えがきていて、ぼくたちは別の
車に乗り換えなければならない。ぼくたちを乗せてきた警官は休む間もなくトラックを
方向転換させると、運転席の窓を開けて言った。
「ママを守ってやれよ」
まるっきり子供扱いだ。
でも、彼の目には輝きがあってどこか頼もしい感じがする。
その目は・・・そう、父さんの目に似ているのかも知れない。
・・・そうだ、ぼくは彼と同じ眼差しをずっと前から父さんに感じていた。
でも、それを今まで認めようとしなかった。知っていながら遠ざけていたんだ。
今考えると、何て幼く情けない自分だったことか・・・
ぼくが名前を尋ねると、彼は手を差し出しながら言った。
「ドリアンだ」
ぼくは彼の手を握り、名前を頭に刻み込んだ。
「無事に戻ってください」
「ああ、戻って一人でも多く脱出させる」
そう言って彼はラクーンシティへ帰って行った。
見送るぼくの傍らで、母さんが両手を胸の前で握り合わせている。
「父さん、無事だといいけど」
「無事さ。こういうとき対応できる人だって母さんが言ったんじゃないか」
「そうね・・・きっと私たちの後を追って来てくれるわね」
闇の中、遠くに見えるラクーンシティはあちこちで火の手が上がっている。
黙って頷いたぼくは、ドリアンさんの姿に父さんを重ね合わせていた。
284 :
30:05/02/09 21:10:06 ID:???
◇
通行不能寸前のハイウェイを走り抜け、ドリアンは何とか無事ラクーン警察署に帰り
着いた。署の敷地内には避難して来た市民がまた増え始めている。しばらくはここが
生きた人間たちの希望の砦となるだろう。
ホールに入ったドリアンを、待ちかねたようにマービンが迎えた。
「今、アーサーがバー前通りに残った市民を集めている。ドリアン、戻ってすぐで
すまないが、行ってみんなを連れてきてくれ」
一息つきたいと思っていたドリアンだったが、そんなことは顔に出さず即答した。
「わかった。行ってくる」
出て行こうとするドリアンに、リタが声をかけて缶コーヒーを投げた。
ドリアンは表情を変えずに受け取ると、ウィンクひとつ残して警察署を後にした。
285 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/10 07:59:01 ID:3D/y7Le2
『何故こんなことになったのだろう…』
薄れ行く意識の中で今まで起こったことが一つ一つ頭を駆け巡る…。
恐らく自分は助からないだろう…いや、もう既に死んでいるのだろうか?
でもまだ意識はある……鮮明にとは言えないが目の前には数人の男女が…そして何やらわめいている声が聞こえる…。
――俺の名はカール。今思うとあの時から全てが変わった…。2年程前に刑務所の塀の中にいたんだが…理由…?あぁ…たしか…ある街のバーで喧嘩をしてしまったんだが…その喧嘩相手が悪かった…警官だったんだよ。たしかに酔ってたとはいえ明らかに俺が悪かった。
まして相手はこの街の警官…その日の内にブタ箱行き決定さ…。
それ以前にも色々問題を起こしているもんだから今回ばかりはさすがに妻も呆れたようだ。
面会の変わりに俺に来たのはサインを書くだけの離婚届け。 何故かおかしくなって鼻で笑ってサインをして警官に渡した。なにも言わずに受け取る警官……。
もう俺にはなにもなかった……。
あるとすれば以前軍隊で鍛えたこの体とそれなりの銃機の知識だけだ。
最もこうなっては意味がないがな…。
286 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/10 08:54:00 ID:3D/y7Le2
>>285 あれから何日が過ぎたんだろうか…。
突然俺の保釈が決まったらしい。
意味が分からず警官に問いつめると、なんでもここの署長からの命令らしい…ますます意味がわからねぇ。
もともとここの署長の良い噂を耳にはしないが……なんか裏でも有りそうだ…。
わけもわからず外に出され警察署を出た俺に一人の男が近付いてきた。
男「……カールさんですね?」
「………あぁ…」
男は細身で眼鏡をかけた中年の男だ。
男「始めまして、私こういうものでございます」
そういうと男は一枚の名刺を差し出した。名刺には大きな傘の絵柄をバックにアンブレラ製薬とかかれてる…男の名はトミー・ニールセン…全く聞き覚えがない。
男「ここじゃなんですからコーヒーでも飲みながら…」
そういうと車に乗らされ、街中のカフェに案内された。
椅子に腰掛けると男はなにやら4〜5枚の書類を私の前によこした。
軽く目を通す……俺は思わず鼻で笑った…ますます意味がわからない……。
書類には今回の保釈金を全額こちらが負担したこと、多額の報酬の仕事の契約書やら機密事項、仕事をする場合の様々な待遇に関することが書かれていた。
そして男は言った。
男「我々は貴方の軍隊での数々の経験、身体能力、銃機の知識等を高く評価しております。貴方さえ良ければこの書類にサインさえしてもらえば結構です。」
驚きながらももう一度書類を確認する…。…やはり話がうますぎる……。
続く
287 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/10 09:38:37 ID:3D/y7Le2
>>286 やはりうまい話はなかった……。機密事項の書類にはいくつかの決まりがあった、家族との断絶、恋人は勿論以前の友人知人とも今後一切連絡を取ることは許されない。
まさに裏の仕事だ…。まぁ俺から言わせて貰えばこんな事でいいのかと。
だが面白半分に聞いてみた。
「もし…断わったら?」
男「……今まで断わった者はいません」
…なる程ね。たしかに俺の様な境遇の奴や犯罪者やら亡命した軍関係者ならこんな美味しい話し断わるなんてある意味自殺行為も同然だ。
しかしどうもにも府に落ちない点が1つある……何故アンブレラが俺の様な人間を必要とするんだ?裏の仕事だとしても製薬会社だろ?一体何故……。
まぁそんなこと考えてもなにも始まらない。
俺はペンをとり書類にサインをした。
男「ようこそ、アンブレラへ」―――――――――――――
―この日から俺の生活は180度変わった。あの日以来ラクーン郊外にある軍事施設が俺の生活の場所になった。
続く
ツヅキマダー?(・∀・)
289 :
287:05/02/10 13:43:06 ID:???
>>288 ごめん、ちょっと待ってて今彼女来てるから
(´A`)
291 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/10 15:50:51 ID:3D/y7Le2
>>288 すいません(^_^;)
仕事中なもんで暇を見て続きを書き込みしますね。
遅くなるかもしれませんが長い目で見てくれるとうれしいです。
>>289 コラァWW
ん?289はニセ者って事?
信じてちょとうらやましがっちまったい…orz
軍事施設の中で俺は一発抜くことにした
「うっ!」
果てた瞬間俺は笑みを浮かべながら死んでいた
チャンチャン
カールクソは
>>293だったのか。
とうとう童貞のまま氏んじゃって(つ∀`)
295 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/11 00:12:22 ID:LnuJes6T
テスト
296 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/11 00:18:42 ID:LnuJes6T
>>285-
>>287の者ですが何故か長文が書き込みできません…エラーになります(泣) ちなみに携帯からです……なんでしょうか。
>>296 そいじゃ半分くらいに分けてアップしたらいいべ
続き気になるよ(・∀・)
299 :
ゾンビ:05/02/11 00:38:56 ID:???
扉を開けた
突如、目の前の人が手を伸ばして体と腕を伸ばして
僕の肩に手を掛けて、「ぐぅぁぁぁ」と声に鳴らない音を聞く。
引き金を引いた。死んだ隊員Sの遺品のショットガンだ
吹き飛ぶ目の前のゾンビと言うべきだろうか・・・
異形の人の形をしたもの。
それは明らかに上半身が腐敗した生き物。
一撃で粉々になり床に倒れる。
生前は女性だったのだろうか
下半身が生前のまま露(あらわ)になっている
【削除希望】
艶のある性器(ピー)が見える
どうする
ズボンを下ろす→350
館の奥に進む→310
あらためて下半身にショットガンを撃つ→325
300 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/11 09:53:32 ID:LnuJes6T
>>287の続きです
軍事施設といってもここはアンブレラ専用の軍隊みたいなもんだ。
まさに非正規の裏の軍隊。
後から聞いた話しによるとなんでもこのアンブレラ製薬とやら、裏ではかなり危ないことしてるみたいで製薬会社を名目に様々な生物兵器の開発や研究、そして既に実用化が可能な製品、通称『B.O.W.』と呼ばれる生物兵器を中心に他国の軍隊など相手に商売をしているらしい。
要するに俺らの仕事は万が一アンブレラの製品によって災害等が起こった場合にそれらの隠蔽工作が主な任務なわけだ。しかし、ここでの生活ときたら俺にとってはまさに天国そのものだ。
訓練といっても俺は元々体を動かすのは好きだし体力にも自信はある。
飯もそれなりにうまいし酒も好きなだけ飲める。
そして極め付けはなんといっても多額の給料。
週に一度は街中で買い物も出来る。
まぁ街にいる時は常に監視員が数名いるわけだが……。うれしいことに女の方もアンブレラが上手く手引きをしてくれるのでなんの不自由もなかった。
…全く恐ろしい組織もあったもんだ。そして入隊してから一年が過ぎた頃だった………。
続く
301 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/11 10:10:05 ID:LnuJes6T
どうやら改行のしかたが不味かったみたいでした(^_^;)
ゆっくりではありますが書き込みしてきますね(*^_^*)
301また来てください。
303 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/12 01:01:48 ID:Pbjdi++t
>>300の続きです
さすがに一年もたつと自然と仲間も出来た。
中でも良く気があった奴らが二人、同時期にここへ来たルークとダスティンだ。二人とも軍隊経験があり、なにをやらかしたのかわからないが服役中の所をアンブレラに拾われたらしい…。
二人とも他の州から来たと聞いたので各地で俺らみたいな奴らがスカウトされてるみたいだった。
アジア人やヨーロッパ人やら他国の人間までいやがる…。
更にこの軍事基地もここ、ラクーンだけでなく各地に点在しているようだった。
ある日訓練中に明らかに怪しげな集団が何人か来て、アンブレラの連中となにやら会話をしている光景を目にした……。
黒いフルメタルジャケットの様な物を着た集団と背中にあるアンブレラのマークをバックにU.B.C.S.と書かれた迷彩服を来た集団だ。
更に訓練中の俺らを黙視しながらなにやらメモをとってる奴らもいる…。
その中に一際鋭い視線で俺らを見つめる一人の男がいた。
短髪の白髪でガッチリした体格のロシア人風の男……。
あの目は普通じゃなかった……。
――それから数日後この天国の様な生活は約1年で終わりを告げた…。
続く
304 :
45:05/02/12 03:27:14 ID:???
>30
なるほど、そこへ繋がってたんですね。
ドリアンがいい男してます。本当、本編で無責任なオッサンに見えたのに。
主人公と同じくらいの息子がいるんでしょうな。
>301
携帯からお疲れ様です。連作、楽しませてもらってます。
同じNPCを扱った作品でも書く人によって大分変わるものです。
正直、自分より上手すぎてへこむ_| ̄|○
305 :
45:05/02/12 03:29:09 ID:???
幼い頃から『エイリアン』や『ゴジラ』などの
SF、ホラー映画を見続けてきたカーターは
将来は異常な研究に携わる科学者になるに違いないと確信していた。
時は流れて現在・・・。
カーターは幼い頃の夢を叶え、アンブレラ研究所に勤めている。
彼は世間一般が抱いている科学者の鬱屈したイメージを粉砕すべく
日夜、奇妙な発明を行っては周囲を驚かせている。
今までのアンブレラ社の研究員の採用基準は
頭脳明晰なことはもちろんのこと、できるだけ寡黙で陰気な人物か
或いは人間性の破綻している人間が多かった。
その研究の性質上、道徳のある者には耐え難い内容が多いからだ。
そういう意味では、カーターのような
陽の方向に破天荒な人物はアンブレラ社内では異色の存在といえた。
彼が研究所に配属になってからというもの
所内の雰囲気が変わり、BOWの開発もはかどるようになった。
皆がおぞましい生物兵器の創造というものから
新しい映画の敵役をクリエイションしているという考えに転化したからだ。
そのおかげで額に角をつけた、通常よりも三倍の速度を誇る
赤い服のタイラントCなどという、悪ふざけの産物としか
思えないようなBOWまで開発されたのだ。自爆装置つきで。
ただ、このCタイプに関しては本社も本気で量産しようと考えたらしく
後に試作品の1体がラクーン警察署に実戦投入されることとなる。
その陽気な性格の持ち主は、Tウィルスの副作用は好きではなかった。
彼はグレッグ主任が提唱したTを無効化する試薬の開発にも参加した。
もっとも、この研究は主任が研究内容を持ち出し、失踪したために
他の同僚達と共に続きを行わなければならなくなった。
306 :
45:05/02/12 03:31:03 ID:???
カーターが試薬の開発に苦慮している時のことだ。
一人の優秀な研究員が新しく加わった。リンダという女性だ。
カーターとはあまり話しの合いそうにない人物だったが
彼女は所内の人間とたちまちの内に親しくなり、気軽に話す間柄になった。
リンダは試薬の研究開発にも参加し
Tウィルス無効化のサンプルは着々と進んでいった。
それから間もなく、サンプルは完成に至った。
開発チームは上層部の許可を得て
監視つきではあるが、祝賀パーティーに街へと繰り出した。
リンダがアップルインホテルの和食料理無料券を持っていたので
一行は早速アップルインへ直行する。
食卓を彩る和食料理が彼らの苦労を労うはずだった。
ところがである。
料理を運び終えたボーイが研究員の背後に回り、銃を突きつけた。
監視員も同じく背後に回り、研究員らに銃口を向ける。
カーターは助けを呼ぼうとしたが、周りの客は完全に出払っていた。
これから何が起こるのか、誰も予測できなかった。
最初に口を開いたのはリンダであった。
彼女は一行に謝罪の意を述べながらも、皆に協力を依頼した。
試薬の研究内容の譲渡、並びに指定された他社への移籍。
協力を拒む者がいるならばこの場で始末されることも付け加えた。
状況が状況であるので、皆、賛同するしかなかった。
監視員の男が銃をしまい、謝意と謝罪の言葉を口にした。
リンダによると彼はUSSの大尉で名をロドリゲスという。
彼はある反アンブレラ組織の一員で
USSの一部隊をまるごと乗っ取って反旗を翻すらしい。
周りのボーイ達もUSSの隊員だと教えられた。
帰りはそれはもう、丁重に送り届けられた。
307 :
45:05/02/12 03:32:54 ID:???
その出来事があってからというもの
研究所内には張り詰めた空気が漂っていた。
常にアンブレラとロドリゲスの部下の目が光っているからだ。
ロドリゲスは機が熟するまではアンブレラで働けという。
頃合を見計らってカーターらを迎えに来るらしい。
カーター自身は、その行為に賛同するしないにも関わらず
上層部の人命軽視な方針にはむかついていたし
また、巨大な組織に反抗するというのも映画の中のできごとのようで
そのキャストの一員になれるというのを何だか楽しく感じていた。
念の為にタイラントの再調整も行い、仲間に頼んでリモコンまで用意した。
後は、時が来るのを待つばかりである。
もっとも、その時とは思いもよらないカタチで訪れることになったが。
>>303 フルメタルジャケットって、弾頭を合金でカバーした弾丸のことで
防弾チョッキのことじゃないぞ
タシカニ V[゚∀゚]V
310 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/12 13:32:42 ID:Pbjdi++t
>>308 スイマセン…おもいっきり勘違いしてましたorz他にも勘違いなどがでて来るかもしれませんが遠慮なくご指摘下さい〜(;_;)
311 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/13 00:59:34 ID:0fhTfsgd
>>303の続きです
俺達は突然いくつかのグループに分けられ、別の軍事施設へと移されたのだ。
どうやらあの施設で
過ごした1年間は、俺達の力量等を見極める為の養成期間だったらしい…。
確かに今までの仕事らしい仕事をしたこともなければ現場等に派遣されることは全くなかった。
…どうやらここからが本職のようだ…。
グループは大きく3つに分けられた。
1つは全てに置いて優秀と判断され、これからも訓練次第では更に成長すると思われる者、言わば『エリート』な奴らが集められた。
このグループに入った者達は、「U.S.S.」と言われるアンブレラ内の特殊部隊入隊の為にこれから約半年間の過酷な訓練を受けにある孤島へ移送されるらしい。
そしてその中にルークの奴はいた。
確かに奴は優秀と言われる位置にいた男だった。軍隊時代には部隊でのリーダー経験もあったようで、なにより奴の的確な状況判断は訓練中にはかなり世話になった。
まぁルークの奴なら当然のことだろう。
2つ目のグループは1つ目以外の者達が殆んど集められた。このグループはこれから直ぐにアンブレラの軍隊として数々の危険な仕事をこなさなければならない。勿論今までの様な甘い生活や待遇はもうない……。
正にアンブレラの犬ってとこだ。
続く
312 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/13 01:31:25 ID:0fhTfsgd
>>311の続きです
そして俺とダスティンはこのグループに分けられた。
支給されたのは以前施設で見た集団が着ていた、背中に「U.B.C.S.」と書かれているあの軍服だった。
『U.B.C.S.』(Umbrella Bio Hazard Counter-measure Service)アンブレラバイオハザード対策部隊……これが俺らの正式な部隊と言うわけだ。
そして3つ目のグループ……何やら白衣を来た連中に囲まれなにかやっている……その後車で何処かに連れて行かれた。
このグループだけ何を基準にしてるのかわからなかった…。
そして、その日の内に新たな施設へと移送されたのである。 結局ルークに声をかける事はできなかったが……。まぁいずれ会えるだろう。結局は同じ傘(アンブレラ)の中にいるのだから…。
――U.B.C.S.に入隊してからは様々な事をするようになった。主にやる内容は訓練以外の時は立ち入り禁止区域の巡回や警備、アンブレラの新型B.O.W.輸送等の護衛である。
しかしこのB.O.W.と言われるカプセルに保存された人型の化け物…。これを俺達人間が造ったなんて…しかも人間をベースに…世も末だ。
近い将来こんな奴らが戦争等で使われようものならさぞ恐ろしい光景になるだろう……。
続く
伽椰子「レオン様、なぜあなたはこっちを見てくださらないの?
くやしい。またあの子の方を見て。
あの子なんか相手は誰でもいいのよ。でも私はレオン様だけ♥
それってつまり、レオン様にとっても愛していいのは私だけってことなのよ♥
貴方は私を愛していいの♥♥
だから私以外を見ては駄目。浮気なんてしたら許さない。
誘惑した奴もな。殺してやるよ。口から腕突っ込んで内臓掻き出してやるわ。」
なんか禿が増えたな
side A
ちょうど三ヶ月前のあの日、あたしは寝込んでいた。
五月も近いっていうのに、ふざけあってうっかりエレメンタリースクールの
池に落っこちちゃったのが原因。ママに叱られた。
冬に落ちたわけでもないんだから大丈夫だと思って、服が乾くまで待とうとした
のがいけなかったみたい。乾く前に寒くなって、家に帰り着いたら立派な風邪だった。
もう! パーシーのせいよ!
ママはお薬を持ってきてくれたけど、あいにく利きが悪くて熱が上がっちゃった。
しょうがないから冷たいシャワーを浴びさせようとママがお風呂に行ったと思ったら
悲鳴が聞こえたのを覚えている。
蛇口をひねったらどこかにいってしまったんですって。とにかく昼間のあたしよりも
ママはびしょびしょになってて、すこしだけ笑ってしまった。
時間はたしかPM9:54。
パパはあたしに、あたしがいつも虫歯が痛くなると飲ませていたお薬を渡して、
(解熱作用もあるみたい)困り果てていたわ。
明日の朝、水道局がひらくまで蛇口をほっとくのはイヤだし、それにあたしもシャワー
が浴びられないじゃない? 今回はパパでも直せないのね…
それに…あのときのあたしはパパやママのことを気にしてる場合じゃなくて、頭のなかで
大暴れしてた熱を何処かにやってしまいたくて唸ってた。
今思い出すと、パパ、ママ、ごめんなさい。
それからあたしは疲れて眠ってしまって、眼を開けたら11:00を回ってた。
まだ水の暴れる音が聞こえてた。それとママの声。
「誰でもいいですから…」
誰と話してたの?
ママはそのあとバスルームの蛇口を直してくれる人が来るからおとなしくしてなさいって
言いにきた。電話してたのね。
しばらくは、あたしはいい子にしてたわ。
車の音が聞こえて、ドアが開いて、かすれた声が聞こて、バスルームの扉が開いて…
とにかく15分くらいはおとなしくしてたわ!
でも、ずっと寝てなさいなんてムリだと思わない?
パパとママと知らない人の話し声が聞こえなくなって、パパとママがリビングのほうへ行って
しまってからこっそりとパスルームに…
行こうとしたけどだめだったわ。バスルームの扉が開いてて、おまけにそこに
変な道具がいっぱい並んでたから。
あのとき、ほんの少しだけバスルームがどうなるのか心配しちゃったのは内緒よ。
遠目で見えたのは、くすんだ色の作業服と小さく結んだ髪の毛だけ。
少し可愛いと思っちゃった。
その人の顔が見えたのは、結局帰るとき。
ママのいいつけを破って玄関まで出てきたときよ。
パパより背が高くて、彫りの深い顔にあたしと同じブルーの眼。
クラスの男子よりカッコいい。
あのとき、直ったシャワーを浴びながら、いつかあの人の名前をママから聞こうと、
そう思った。
316 :
315:05/02/14 01:21:28 ID:???
あたしのバスルームの蛇口が家出した事件から三ヶ月。
結局あの人の名前は聞けなかった。
パパとママはどうしたんだろう。家はどうなったのかしら。
目の前のゾンビたちも、もうあたしには見向きもしない。
今朝あれほど痛んだ虫歯も、薬も飲んでいないのにもう痛くない。
カラダがだるい。
あの日あたしを池に落としちゃったパーシーも、図書館でもう動かなくなってた。
子供はゾンビにはなれないみたい。
あたしももうすぐパーシーみたいになるのかしら。
頭がぼんやりする。
ここは、どこだっけ。
死んだら神様に会えるかな。あたしはいたずらっこだったから怒られるかな。
そのとき、短い足音が聞こえた。
誰か走ってる。
ゾンビは走れないもの。聞き慣れたゾンビの足音のなかに人間の足音が聞こえる。
あたしはだるい頭を持ち上げた。
走っていたのは見覚えのある作業服と、あたしと同じブルーの瞳。
「まって…」
大声で叫んだつもりだったけどだめだった。クラスで一番声の小さいミリアムよりも
小さい声。
あの人に聞こえたのは奇跡だったと思う。
ううん、こんな時にまた会えた事がきっと奇跡ね。
あたしに気づいて駆け寄ったあの人に、あの日言えなかったことを言った。
怪我をしていたから、あたしの鎮痛剤もあげた。もうあたしにはいらないから。
名前を聞きたかった。
「 」
もう、声がでなかったけど。
名前が知りたかった。
天国で神様に会ったら、あの日シャワーを直してくれたあの人の名前を神様に教えたかった。
耳元でその人が呟いた。
聞こえたかも…聞こえなかったかも…しれない…
…ばい、ばい。
317 :
315:05/02/14 01:32:02 ID:???
side B
「シャワー…直してくれて、あり…が…と…」
瀕死の子供は俺に向かってそう呟いた。
しばらくしてその赤い髪飾りで、あのとんでもない時間に行ったあの家の娘
だということを思い出した。
「これ…痛いの、無くな…る、か、ら」
血塗れの鎮痛剤はずるりと手から滑り落ち、寸でのところで受け止めた。
「 」
もうその娘の声は、口元に耳を近づけても聞こえなかった。
「 」
唇の動きが、What is your name…? そう動いた。
「…デビットだ。デビット・キング」
おそらく俺の声もきこえちゃいなかっただろう。
子供は死んでもゾンビにならない。このまま死んでいくだけだ。
しばらくしてその娘は死んだ。
手を祈りの形に力なく握って。
俺は神様なんぞ信じてはいない。
それでも三ヶ月前のあの日常とこの無邪気な娘の魂の行方をほんの少しだけ
考えた後、俺はまた走り出した。
生き延びてやる。
補足
※アメリカでは熱が出たら冷たいシャワーを浴びさせるとかいう治療があるみたいです。
※ただアメリカの薬のことはわからなかったので日本の設定ですが、女の子がデビに
差し出したのは虫歯の薬ではなく頭痛薬です。
以上、真夜中出勤のデビのエピソードでした(笑)。
おお真夜中にお疲れ様です。超イイ。
悲壮な中にも暖かさと力強さを感じるいい話ですな。
319 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 05:52:51 ID:xDG2DCqJ
>>312の続きです
ましてや実験の為の移動中にでもこいつが目を覚ましてみろ?考えるだけでも恐ろしい…正に命がけだ…。
案の定、実験や移動中の事故は少なくないらしい。
ダスティンから聞いた話だが、なんでも数あるB.O.W.の中でも既に実戦レベルに近い、通称『ハンター』と言われる化け物がいるらしい。
そいつは人型で爬虫類の様な皮膚にゴリラの様な体格、そして鉄をも切り裂くような鋭い爪を持つらしく、身体能力の調査実験の際に頑丈な分厚いガラスの壁をぶち破り研究員1人とその際にいた警備2人が奴の爪の餌食になったらしい…。
ダスティンもその『ハンター』に関わる仕事はしたくないとボヤいていた。全くだ…。
――幸いそういった事故等に巻き込まれる事もなく、ここでの生活も半年程経過した5月上旬…嫌な噂を耳にした…。
なんでもラクーン郊外にあるアンブレラ専用の産業廃棄物処理場に処理できる量を大幅に上回る大量の廃棄物が投棄され、それら一部の汚染物質が未処理のまま近辺に流出してしまったらしい…。
この時はまだ『噂』程度の事しか耳に入らなかったが、日を追うごとにそれは真実へと変わり状況は深刻になっていった……。
続く
320 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 07:09:12 ID:xDG2DCqJ
>>319の続きです
どうやら処理場近くの山中にあるアークレイ研究所にて、バイオハザードが発生したらしい。
最もその話を聞いた時は既に解決された後だったが…。
恐らく第一陣の活躍によって事なきえたのだろう。
しかしそれからというもの新聞やテレビでは連日、気味の悪い猟奇殺人事件の報道を伝えるようになっていた。
例の研究所での汚染については全く触れられてないことからうまく穏蔽されたみたいだ。
しかし相変わらずラクーン郊外や都市近郊で猟奇殺人が多発する中、今度は例の研究所の職員達が相次いで自殺するという奇妙な事件が起こってるらしい。
更に研究所周辺の山地では犬型の化け物を見たという目撃が相次いでいることを地元新聞が報じていた。
自殺やら化け物やら例のアークレイ研究所の汚染と何か関係あるのか…?
――7月に入りついにここ最近多発してる猟奇殺人事件の真相の解明と早期解明の為に俺が世話にもなった地元のラクーン市警が本腰をいれたようだ。
なんでも各方面のエキスパートのみで結成されたエリート集団、通称『S.T.A.R.S.』と呼ばれる特殊部隊が後日、山道を封鎖して山中に投入されることになったのをテレビなどで報道しているのを見た。
これを期にアンブレラ内部では例の山中にあるアークレイ研究所から都内の地下にある、ラクーンシティ地下研究所へと主要研究員達の大規模な移動が行われた。
恐らくここが拠点となるのだろう。
続く
>320
オモチロイです。
頑張って!(・∀・)
322 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 12:20:53 ID:xDG2DCqJ
>>320の続きです
しかし…俺がどうこう言える立場じゃないが、拠点を地下に移動したことにより、ただでさえ以前から市民グループ独自による環境保護調査で周辺の河川、下水の水質の悪化を訴える動きがあったというのに今後大丈夫なのだろうか…。
ましてやアークレイの様にこの研究所でバイオハザードなんて起こってみろ?
それこそ大変なことになるぞ…。
――7月も末に入り一段と暑くなってきたある日…とんでもない事件が起きた。
例のアークレイ研究所と、郊外にある昔使われていたというアンブレラの幹部養成所が立て続けにこっ羽み陣にぶっ飛びやがった。
アンブレラの施設が2つもだぜ…?
暫くの間このぶっ飛んだ研究所の後片付けに追われることになっちまった。
とにかく暑くてたまらない…。
しかし一体何があったのだろうか……?
S.T.A.R.S.との関係はあるのだろうか?
これらも結局テレビや新聞には大きく取り入られることはなかった。
穏蔽するにしてもあれだけの施設が2つもぶっ飛ぶ事件があったというのにこの有り様…恐らく警察内部のアンブレラと関係してる奴らの仕業なのだろう…。
そういやぁルークの奴は元気にしてるだろうか?
ルークがいる組織『U.S.S.』は主に潜入や諜報などを目的とした隠密部隊だ。
それなりに危ない橋を渡っているに違いない…。
それぞれ別の部隊へ分けられてから1年がたとうとしていた。
続く
>>322 こっ羽み陣→木っ端微塵
水差してスマソ
続き楽しみにしてます
324 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 12:28:43 ID:xDG2DCqJ
>>322の続きです
――9月下旬、二ヶ月もかかりやっとぶっ飛んだ施設の後片付けも終わった。
気が付けばもう肌寒い。秋だ。
そんなある日、見覚えのある顔の男が俺達の基地にやってきた。
俺をここへ連れてきたあのトミーとかいう男だ。
トミーは今アンブレラの地下研究所にて総合管理部長をやっていて、ここにあるカーゴドック内のB.O.Wはほとんどトミーの管理下にあるものだ。
しかしあれ以来特に面識もなければ俺らの前に顔を出すことも無かった。
今回トミーがここに来たのは、地下の研究所から送られてきた実験体をカーゴドックへ搬送するためだった。
いつもだったら注意事項をまとめた書類か、地下の研究員が直接来ていたが、トミー自身が来るってことは始めてのことだった。相当な代物らしい。
トミーが俺らに散々注意事項を教え込んでいる。話を聞く限りかなりヤバイ実験体のようだ。自然と皆に緊張が走った…。
保管期間は48時間(2日間)とのことだ。
暫くして巨大な軍用エレベータが地下から昇ってきた。そこには四角い、部屋1つ程の大きなコンテナあった。
コンテナも普通のコンテナじゃない。
特殊な合金で造られた特注品だ。
物々しい雰囲気の中、クレーンでそのコンテナを持ち上げ、厳重に保管条件が整えられた特殊なカーゴドックへ搬送された。
――『ニュクス』……あの実験体のことを研究員の奴らそう呼んでいた。
ギリシャ神話に登場する夜の女神の名からきてるようだ。
なんでも地下研究所の独断で極秘裏に造られた生物兵器であり、あまりの強力さゆえに制御不能の為、や無終えず特殊合金製のコンテナに封印されていたものらしい…。一体どんな姿をしているのだろうか…。
何事も起こらなければいいが……。
続く
325 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 18:13:24 ID:xDG2DCqJ
>>324の続きです
…俺は例のカーゴドックで警備の交代が来るのを待っていた。
暫くして交代の奴が来た。
俺は食事を含めて仮眠をとることにし、夜勤明けの眠い目を擦りながら食堂へと足を運んだ。
どうやら今日の献立には俺の大好きなフライドチキンがあるみたいだ。
既に食堂には昼食を食いに来た奴らで賑わっていた。
上機嫌に鼻唄を歌いながら辺りを見回すとダスティンが手を振っていた。飯を持って隣に座るとうれしそうに話しかけてきた。
「おい!今日なんの日だか分かるか!?」
……一瞬首を傾げた際にカレンダーが目に入った。9月24日……?っと次の瞬間すぐに思い出した。
ダスティンの誕生日だ。
続けて更に思い出した…このU.B.C.S.来て3ヶ月程過ぎた12月20日…俺の誕生日の日だった。飯を食おうと食堂にいるとダスティンの奴がこんなことを言った。
「…おっ!良いこと思い付いたぞ!なぁなぁ、たしかお前今日誕生日だったよな!!…ホラよ!好きな食いもん持ってきやがれ!!俺からのささやかな誕生日プレゼントだ〜!嬉しいだろぅ?そんで次はお前が……」
……要するに、誕生日の祝いとしてその日の献立の中から好きなものを1つやらなければならないという鉄の掟がこの日に生まれたのだ。
そして……………フライドチキンが俺の視界から消えた。
――食事を終えてダスティンは満足そうな顔をして警備へと戻っていった。
そして俺は早速仮眠室へと向かった。
時間は昼の1時をまわった頃だ。
交代は夕方の6時。
さて……ゆっくり眠るとするか……。
横になるとすぐに眠気が襲ってきた…。
続く
326 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 18:19:43 ID:xDG2DCqJ
>>325の続きです
―――――――――どのくらい眠っただろうか…。突如基地内の全ての緊急ランプが点滅し、スピーカーからは全隊員の集合を呼び掛けるアナウンスが鳴り響いた。
慌てて飛び起きすぐに表へ出た。
そこへダスティンが来た。俺を起こしにきたらしい。時刻は夕方5時を過ぎていた。二人で皆が集まっている基地の中央へと走った。
とっさに例の実験体のことを思い出し、カーゴへ顔を向けるが特に以上はないようだ。既に沢山の隊員達が集まり、お偉方が深刻な表情で何処かと連絡を取り合ってる。研究所でなにかあったのか………?
次の瞬間基地内のスピーカーが悪夢の始まりを告げた。
『緊急事態発生。緊急事態発生。ラクーンシティ地下研究所及びラクーンシティ地下道において研究中のウィルスが原因と思われる大規模なバイオハザードが発生。早急に現場の滅菌、及び地下との封鎖活動を開始せよ。繰り返す…緊急事態発生……』
どうやら恐れていたことが起きたようだ。なんとしてでも汚染を地下だけで抑えなければならない。
万が一地上にでも広まったら………。
俺達は直ちに付近にある地上と地下への入り口などを全て封鎖する作業にとりかかった。
昼間あんなに元気の良かったダスティンもうかない顔をしている。
…しかしウイルスの感染は地下の鼠や下水などから着々と、なんにも知らない地上のラクーン市民達へと忍び寄っていた。
続く
327 :
ゲーム好き名無しさん:05/02/14 18:43:06 ID:xDG2DCqJ
>>326の続きです
時同じくしてU.S.S.特殊部隊が地下の研究所へ侵入、被害の規模や生存者の救出に向かった。……それにしてもこいつら…まるでこの事を事前に承知していたかのような手際の良さだ…。
やはり今回も裏で何かあったに違いない。そしてルーク奴もここ、ラクーンに来ているのだろうか…?
――封鎖活動も終わり、一旦基地に戻り地下以外では奇跡的に被害が出なかったかに思えた夜7時過ぎ、再びサイレンと共にスピーカーが鳴り響いた。
『緊急事態発生。緊急事態発生。ラクーンシティ全域にてウイルスが原因と思われる大規模なバイオハザードが発生。直ちにラクーン全域の封鎖活動…及び……』
どうやら事態は最悪の方向に進んだらしい。
直ちに集合がかかり内部でいくつかのメンバーに分けられた。
それぞれ別の任務に就くことになるのだろう。
そして俺はおよそ20人で編成されたアーノルド部隊長の隊に配属が決まった。アーノルドはもう何年もここで部隊長をしていてU.B.C.S.の中でも有名な狙撃の名手らしい。
ちなみに俺らの主な任務はハイウェイ近辺の封鎖と安全確保だ。
一方ダスティンはまだ現場へは行かず、基地にある『ニュクス』の警備に引続き就くことになった。
そして後日、別のU.B.C.S.基地の連中と一緒にラクーン大学にてとある調査の為にそちらの護衛として派遣されるらしい。
それにしてもこの『ニュクス』とかいう奴もタイミングの悪い時に来やがって…。
研究所があの有り様じゃ必然的にここしか保管する場所がないだろぅ…。
しかもこんな状況で人が不足してるという最中なのにそれなりの警備をつけなければならないなんて……。
ほんと困った奴だ…。
続く
皆ネタ切れ?(´・ω・`)
ネタ切れというか飽きた。
書き手も飽きた。読み手も飽きた。
スレも自然消滅、いつものパターンだ。
えぇー……。
続きとか新作とかまだ読みたいなぁ。
シンディはバスルームの扉を閉めると、鏡の前にありったけのメイク道具を並べた。
(チークの色は健康的なピンクね。口紅はローズがいいかしら?
それとも艶のあるレッド?
いけない。ジョージを外で待たせているんだわ)
振り向いたジョージは少し驚いた表情見せた。
化粧直しをしたいというシンディの言葉を、別の意味に受け取っていたのだ。
シンディはそれに気づいて抗議の声を上げようとした。
「やあ、華やかな色だね」
彼女が口を開くほんの直前にジョージは褒め言葉を滑り込ませた。
いつもの穏やかな笑みを浮かべて。
「さあ、急がないと」
他の仲間は、既にリンダを連れてホテルの外で待っていた。
ここからそう遠くない場所に待機しているヘリに乗って、街を脱出する手筈になっていた。
二人がロビーを横切ろうとした時、ラウンジの隅に観賞用として置かれたハーブを見つけた。
この地方特有の、強い薬効のある種だ。
シンディのハーブケースにはまだ余裕がある。
けれど歩み寄ってみると、その葉は色あせていた。
茎の先に丸い粒が付いている。
このハーブは多年草であったが、蕾のうちから花を取らなければ、養分が全て種子に蓄えられてしまう。
実をつけたこの株は、もう薬にすることは出来ない。
萎れているハーブの前で、シンディは無言で俯いていた。
「残念だね。でも種を残している」
後ろのジョージが慰める口調で言った。
「次の命を繋いだんだ。来年はもっと沢山の株になるよ」
シンディは頷くと小さな丸いその種を集め、ハンカチに包んでポケットへ入れた。
332 :
331:05/02/19 08:32:56 ID:???
デビットがリンダを抱え、ヘリの中へと乗り込んだ。
思いも寄らぬところでタイラントに立ちはだかれたが、ケビンが起爆装置を使って退けた。
ジョージとシンディの治療のお陰で、その時の傷も癒され、無事に揃って脱出出来る事に、
それぞれほっと息をついていた。
シンディはヘリの前で、ハーブを次々にジョージへと差し出した。
「シンディ、もう持てないよ。後は君が持っていてくれないか?」
シンディは曖昧な笑みを返した。
ジョージは急に胸騒ぎがして彼女の顔をじっと見つめた。
夜の闇ではっきりとは見えないが、顔色には問題がないようだ。
だが、その淡い笑顔は彼を不安にさせるには十分だった。
「シンディ?具合が悪いのかい?」
手持ちの緑のハーブと渡したものを混ぜて素早く調合し、シンディに手渡した。
「さあ、これを飲んで」
彼から渡された白い錠剤を、彼女は素直に受け取り、代わりにジョージの手にハンカチを落とした。
その時、ジョージはシンディの腕に、潰瘍が出来ていることに気がついた。
茶色い膿疱がいくつもあり、潰れた物からはジクジクと体液がしみ出している。
それはこの街で何度も目にした症状だった。
哀れな歩く死体の肌に。
周りの事情を優先する彼女が、非常時に化粧をしたその意味を、ジョージは悟った。
厚いファンデーションと艶やかなチークで隠した顔の色も、潰瘍の上のコンシーラーもパウダーも。
皆を最後まで送り届ける為だった。
そして彼女は、この場所を、自らの最終地点に決めていた。
白い錠剤を口に含むと、ジョージへ言葉を残した。
「種…ま…い…」
「シンディ!駄目だ!」
シンディの体内に入った薬は一瞬で彼女の活動を停止させた。
笑みを作ったまま、くずおれる様に倒れる彼女を、ジョージはただ、受け止めるしかなかった。
333 :
331:05/02/19 08:37:41 ID:???
「おい、時間がねえってよ!急…」
いつまで経ってもヘリに乗り込んでこない二人を訝しんで戻って来たケビンは、
しかしそれ以上の言葉をかけることが出来なかった。
ジョージは動かぬシンディを抱えたまま、背を向けていた。
遺体を持って行くのを彼女は望まない事を、ジョージは解っていた。
まともに埋葬されないばかりか、サンプルとして保存される事になる。
彼女の唇に、そっと自分の唇を重ね、ジョージはシンディから離れた。
そのローズの唇は、まるでただ、眠っているかのようだった。
ジョージ・ハミルトンのTウィルスについての発表は世界にアンブレラの研究の恐ろしさを示したが、彼がもう一つ、世界に広めた物がある。
それは、最後まで仲間を思いやったシンディ・レノックスという一人の女性の物語と、彼女が残したハーブだった。
『シンディのハーブ』は次々と増やされ、大切な人への贈り物として世界中に広がっていった。
それから月日が流れ、彼女の事が忘れ去られようとしている今も、彼女のハーブは街の片隅でしっかりと種を繋いでいる。
そう、たとえばヨーロッパの西にある、忘れられた村にさえ…。
誰かの役に立つために。
334 :
331:05/02/19 08:42:42 ID:???
バレンタインを意識して書きました。
時期を逸したので迷ったけど投下。
GJ !!
しっとりした話でいいねえ。
乙でした,
またよろしくお願いします。
>331
こういうの好きです(*´∀`*)
面白かった!
くーっ!!泣ける!!涙腺がゆるんでます!!
>>331 GJ!いい話だ!
そしてさりげなく4への複線も入っててイイ!
人物関係とかゲーム中のテキストとかをまとめた本かサイトってないのかねえ?
いちいちゲームやり直すのも時間かかるしメンドイのよ。
バイオは年表のった本があったんじゃなかったっけ
サイトも年表だけならあったはず、ファイルがまとめてあるサイトもある。
てことで自分でぐぐってください
OBでの公式な生き残りって誰だ?
ケビンとジムとマークだけか?
公式見解などない
344 :
加賀:05/02/28 19:20:16 ID:eZ88L5jp
ここで宣伝すんなよ
347 :
30:05/03/02 19:25:51 ID:???
>>346 乙です。
まとめて見ると壮観ですね〜
ここもすっかり落ち着いてしまいましたが、自分も書きかけていた長編が
辻褄合わないことがわかって自主的に没にするなどして行き詰まり、
すっかりご無沙汰してしまいました。
今日は久しぶりの新作をアップしますのでよろしくお願いします。
348 :
30:05/03/02 22:26:31 ID:???
約束の金の残り半分を運転手に手渡すと、車は砂塵を巻き上げて早々に走り去った。
砂漠の町に降り立ったあたしは、古ぼけた街並みを見回して自分の予想が間違って
いなかったと感じていた。年代を重ねた家屋は、満足な補修を受けた形跡こそないが、
ちゃんとそこに建っていた。先週世界に報道されたような数百人規模の自爆テロが
実行されたようにはとても見えない。あれはやっぱり何かの隠蔽工作が成された結果
なのだ。
カウンターの男は不透明なカップに入った何かを飲みながら話してくれた。
やつらは悪魔を連れて来た、と。
ここで大勢の死者が出たのは偽りではない。テロリストばかりでなく、子供も含めた
町の住民のほとんどが死んだ。
それまでこの町はテロリストの拠点と言われて米軍の作戦目標のひとつとされていた。
だが、その時点ではまだ米軍はこの町まで侵攻していなかった。そんなところで自爆
テロを起こす意味があるだろうか。自分たちの拠点でテロ行為を働いても効果が上がる
とは思えない。むしろ選挙を控えて首都周辺に世界が注目している状況では、こんな
辺境で事を起こすより首都を狙った方がテロリストにとって得策のはずだ。
男は話を続ける・・・
あの日、灰色のコートを着た長身の男が三人、迷彩服を着た兵士に連れられてこの町に
やって来た。彼らはしばらく何か話し合っていたが、間もなくコートの男たちを置いて
他の兵士はみんな引き上げていった。
それから悪夢がスタートしたのだ。
灰色のコートを着た三人はゆっくりと町を歩き始め、出会った人間を大人子供男女の
区別なく殺した。彼らは武器を携行していなかったが、その力は想像を絶する強さで、
彼らに殴打された人間は原形をとどめていないものも大勢いた。町はパニックに陥り、
一夜のうちにほぼ全滅した。死者数百人。それらはすべて灰色のコートを着た三人の
男たちによって成された殺戮行為の結果だ。
カウンターの男はそこまで話すと黙り込んでしまった。髭の頬に涙が光っている。
これが自爆テロと世界に発表された事件の真相だ。
349 :
30:05/03/02 22:27:01 ID:???
実戦投入か。あたしたちがラクーンで得た経験は無駄だったのか。
まだ裁判は続いているが、世界の信用を失った製薬会社アンブレラは事実上壊滅に
追い込まれた。だが、アンブレラと密接な関係を持っていた合衆国政府はその成果を
引き継いでいたのだ。対テロの名目を借りて、何の罪もない人間を相手に試運転を
行った。しかも、その恐るべきアンブレラの遺産は着実に進化している。話を聞く
限り、少なくとも口頭での意思疎通が可能になっている。恐らく知能も人間レベルに
近付いているのだろう。
こうしてはいられない。一刻も早くこのことを公表しなくては。
あたしは翌日、話を聞かせてくれた男のつてで運転手を雇い、すぐにこの町を出る
ことにした。車で町外れまで来るとそこには米軍の検問所があった。来る時には
建物はあったものの、検問は行われていなかった。不審に思いながらプレスのパスを
見せると、あたしひとり車から降ろされ、運転手は車ごと追い返されてしまった。
「アッシュクロフトさん、こちらへ」
建物の周囲には数台の軍用車両がとまっている。兵士は建物の中に入るように言った。
途中、格子のはまったドアの中にどこかで見た顔があった。彼も捕らわれたようだが、
どこで会ったのか思い出せなかった。兵士は同じように格子のはまったドアを開けると
あたしをそこに監禁した。
「どうなってるのよ!あたしが何をしたって言うの!?」
応える者は誰もいなかった。あたりはそれきり静まりかえっている。
甘く見られたものね。このアリッサさんをなめてもらっては困るわ。あたしはポケット
からゼムクリップを見つけ出すと、針金の先端を加工して鍵穴に差し込んだ。
ほどなくしてドアは開いた。ほらごらんなさい。
周囲に人の気配はない。さっきとまっていた車両はすっかりなくなっている。
置き去りにされたのだろうか。よく見ると、倉庫の影に隠れるようにしてトラックが
一台放置してあった。あれに乗って逃げよう。
そうだ、さっき捕らわれていた彼も助けてあげなきゃ。そう思って行ってみると、
すでにドアは開かれていて中には誰もいなかった。連行されたのか、自力で脱出した
のかはわからないが、とにかくいないものは仕方がない。あたしは外に出るためドアを
片っ端から開けて進んだ。
いくつ目かのドアを開けた時、目の前に誰かが立っていて驚いた。見上げるような
長身で灰色のコートを着ている。
350 :
30:05/03/02 22:28:04 ID:???
「!」
こいつは・・・
ラクーンシティ以来、あまり嬉しくない再会だった。
やはりあのタイラントだ。話に聞いていた通り、かなり人間に近い雰囲気だった。
あたしは咄嗟に身を翻すと、武器を探して周囲を見回した。ロッカーを開けようと
手をかけてみたが、鍵がかかっていて開かない。得意のキーピックもこんな状況では
使っている暇がない。背後に気配を感じてあわててよけると、鉄の塊のような拳が
飛んできた。ロッカーは大破し、扉が外れて落ちた。すかさずあたしは中にあった
ショットガンを拾うとバックステップで間合いを取り、発砲した。
2、3発撃って相手がひるんだところを狙ってあたしは外に出た。砂埃で目を開けて
いるのがつらい。走って倉庫の裏手に回るとトラックのドアを開けた。予想されたこと
だが、鍵などついていない。ガスは入っているようだ。あたしは配線を加工するため、
ダッシュボードの下にもぐり込んだ。
だが悠長なことをやっている余裕は与えられなかったようだ。いきなり激しい衝撃が
トラックを襲い、タイラントの咆哮が聞こえた。あわてて頭を上げると、すぐ目の前に
あの白い目があった。タイラントはドアを掴んで造作もなくはずしてしまった。
ショットガンを構えたが、銃身をつかまれてあっさりへし折られた。
タイラントの手があたしの喉元を掴む。まるで子供のように簡単に車の外に引きずり
出されてしまった。呼吸が苦しく、意識が朦朧とする・・・
「・・・何よ、これで終わりだって言うの?」
あたしは恐怖より悔しさを感じていた。こんなところで無駄に死んでいくなんて。
あたしのやることはまだ山ほどあるって言うのに。
351 :
30:05/03/02 22:29:07 ID:???
その時、タイラントの背後に何かが炸裂し、あたしは地面に叩き付けられた。
肩で息をしながら視線を上げると、タイラントの胸部に大きな穴が開いている。
そいつは一歩前に足を出したが、そのままこちらに倒れてきた。
灰色の塊は倒れて動かない。どうやら助かったようだ。
その時、建物の方から声が聞こえてあたしは振り返った。
「さすがに警察とは装備が違うな」
さっき捕らわれていた男がロケットランチャーをかついで歩み寄って来た。
筋肉質の屈強そうな体、短髪の精悍な顔立ち・・・いったいどこで会ったのだろう。
男は気さくに続けた。
「署のプレスルームで顔は何度か見てるんだが、あいさつは初めてだな」
「あ、あなたは・・・」
男は右手を差し出して言った。
「クリスだ。クリス・レッドフィールド。元ラクーン警察S.T.A.R.S.の隊員だよ」
記憶が一気に蘇った。
そう、あたしは数年前、市警担当として毎日のようにラクーン警察のプレスルームに
出入りしていた。その時、ブライアン署長やウェスカー隊長と並んで立っていた彼を
何度も見ていたのだ。
「アリッサ・アッシュクロフトよ」
あたしはクリスの手を握った。
「どうしてここに?」
「恐らく君と同じ理由だと思う」
クリスは倒れたタイラントを一瞥すると、トラックの運転席に滑り込んだ。
すぐにエンジンの回る音が聞こえる。
「とにかくここを脱出しよう」
「そうね。すべてはそれからね」
アンブレラを葬ったとは言っても、恐怖の遺産は今でも進化を続けている。
それが終わりを告げるまで、あたしたちの戦いも終わらない。
トラックは砂塵を切り裂いて走った。
その先に何が待ち受けているのかはわからないが、志を同じくする仲間がいる限り、
あたしたちが屈することはないのだ。
新作キター(゚∀゚)ー!
ロケラン背負ってるのがケビンじゃないかとドキドキしました。
クリスロケラン持ちあるいてるのかよ!いや、やりそうだけど
新作GJー!!゜・。゚(ノ∀`)゚・。゚
本編キャラとの絡みがいいですね!
OBのキャラを本編に出してくんないかなぁカプンコ‥orz
アリッタやケベンやヨーコあたりなら出てきても違和感ないと思うがなぁ
他の作家タソたちの新作も待ってまつ
(´∀`)ノシ
大通りは隙間もなく生ける死体が覆い尽くしていた。
倒されたバリケード。相手の数は解らない。ゾンビは恐ろしい速さで仲間を
増やしている。ここも長くはもたない。
いいえ、それよりも今走ってきた歩道橋をわたって警官のところに戻ったほうが
良いかもしれない。ゾンビは階段を上るとはいえ、その速度は遅い…
私はそう考えていた。
けれど、みんなはこの群れに立ち向かおうとしていた。
バリケード付近に倒れた警官。
三色配線。C4爆薬。
彼が命がけで残してくれた希望があるから。
私は首を振った。
ここで戻っても同じ。戻ったって安全な道が存在するかは怪しい。
みんなは強い。
この恐怖の中で、私は逃げることしか考えられていない。
けれどみんなは戦う。戦ってこの恐怖から「脱出」する術を探している。
私は弱い。
「ヨーコ! 9パラでいいから弾持ってねぇか?!」
ケビンが走り寄ってくる。ここまで来る間にも何度も助けてくれた。見かけに
よらずとても優しい人だと私は思う。
私はナップサックから45オートの弾とマグナムを取り出して渡した。
輸送車から降ろされたとき、町にあふれるゾンビに対抗するために皆は輸送車
の中にあった様々な武器で武装したけれど、持ちきれない武器や弾薬がいくつ
かあった。それを回収したのは私。
マグナムを手渡すとケビンは軽快な口笛を吹いて軽くグリップを何度か握る。
「こいつぁいい。サンクス! 」
どういたしましてという暇もなくケビンはまた走り去っていく。
そもそもここでは軽口をたたくヒマも無い。それでも明るく振舞っていられる
ケビンは強い。
ふらふらと足を引きずるシンディに救急スプレーをかけた。
「ヨーコ…」
シンディが曲がった鉄パイプを持っていないほうの手で指差した先。
あれは…ハンドル?
「ヨーコ! 」
355 :
354:05/03/04 04:39:52 ID:???
確認するが早いか私は走り出した。起爆スイッチのハンドル付近のゾンビを
這って移動して潜り抜けた。ゾンビは姿勢の低い相手には反応が遅れる。
四つんばいで進む自分はお世辞にも格好良くない。
私は弱い。
けれど戦えないわけじゃない。
みんなと一緒に戦いたい。
私はやはり逃げているのかも知れない。
それでも前を見て戦うみんなと一種に生き残りたい。
伸ばした指が起爆ハンドルをつかんだ。これだけでは何の意味も無い。
何処かに本体があるはず…
私は倒れている警官の元に進んだ。ジーンズが少し破れて膝が痛い。
配線が散らばる中を掻き分けて本体を探す。
でも本体は見当たらなかった。本体もこの警官が襲われたとき何処かに飛ば
されてしまった?
時間が無い。数が圧倒的に違いすぎる。早く見つけなくちゃ。
死体の足の間から、あたりを見回す。
路上に、緑色の奇妙な物体。その近くで走るくすんだ作業服。
生まれて初めてかもしれない大声を出した。
「デビット!!」
デビットは私の意図を素早く察知してくれた。周辺のゾンビにまとめて体当たり
して道を開き、起爆スイッチ本体を勢い良く蹴飛ばした。
本体が滑るように道を転がって来る。ハンドルを差し込んで配線とつなぐ。
と。
目の前で倒れていた警官が、ゾンビとなって私に掴みかかってきた。
眼を閉じて、スイッチをひねった。
―みんな…
ゾンビの爪が私に届く寸前。
私はそれしか考えていなかったと思う。
派手な爆発音のあとは奇妙な静けさ。爆風が痛い。
恐る恐る眼を開けると、ゾンビは私に触れる事無く倒れ伏していた。
「大丈夫かい?」
鉄パイプでゾンビを叩き伏せたジョージが身体を起こしながら笑いかけた。
「ヨーコ! もう! 無茶して! 」
アリッサが駆け寄ってきたかと思うと抱きしめられた。
とりあえず生き残ることが出来た。
その感覚が襲ってきて不意に涙が出た。
輸送車の中でケビンがハンカチを渡して「顔拭けよ」と言ってくれた。
私は今でも逃げ続けているのかも知れない。
それでも、少しだけ前進できたような気がした。
356 :
354:05/03/04 04:49:52 ID:???
バーから逃れる時にたまたまバーに置いてあった護身用のベレッタを持ち出せたことを
幸運だと思った自分を呪った。
十五発装填のこの銃は本来人間相手なら一発でその行動を封じられるはずだった。
―もちろん当たればの話だが。ところがあの死体共は一発や二発撃ち込んだ所で
びくともしない。これならまだ体当たりしたほうがマシだ。まだ走れる。
ベレッタが役に立たないことを悟り、セーフティをかけて代わりに手に馴染んだ
折りたたみナイフを工具入れから取り出した。まさか、人間(一応)相手に振り回す
日がまた来るとは思っていなかったな。
まあしかし、まったくの他人が今まで使っていた銃よりよほど頼りにはなる。
ゴツいコルトガバメントを持ってたあのおまわりやあの警備会社の黒人とは
随分前にはぐれたままだ。…あのコルト位の火力がありゃもう少し道中も
マシになっただろうな。
他にも新聞記者やウェイトレスのシンディ、医者もいたが、やはりはぐれたままだ。
…そういえばあのやたら煩い奴もいない。まあ、運だけは良いみたいだったが。
「デビット…」
ツナギを引っ張るな。
大通りでゾンビを吹っ飛ばして、輸送車に乗ったのも束の間、警察署に向かう途中で
輸送車が横転を起こした。
あたりには死体共が群れをなしていて、無我夢中に駆け抜けた。
そういうわけで居合わせたのがこの日本人女のヨーコだ。
大通りでゾンビを吹っ飛ばしたのはコイツだ。あの時、凄い剣幕と形相で叫んだ
奴と同一人物とは思えないほど今は縮こまってはいるが。
ヨーコはゾンビとまともにわたりあえない。まぁ、それが一般人だろう。
人がどういう方法をとれば行動不能に陥るか、どうしたら失神するか。
どうすれば少ないリスクで多くの相手と渡り合えるか。
そんな物騒なことは知らなくていい。
こんな異常な事態でなければ。
357 :
354:05/03/04 05:15:18 ID:???
そうそう都合よく足があるわけでもない。大抵の車なら配線をいじって何とか
出来るが、ここに来るまでに見かけた車は至る所に突っ込んで大破しているもの
ばかりだった。クソが。
トラックでもあればゾンビ共を轢いて進めそうなものだが。
広い通りはゾンビの数もそれだけ多い。しかし道幅が広いせいで反応が遅れる。
逃げ道を失いかねない裏路地を二人だけで進むよりは、と大通りを一気に駆け抜ける
ことを選んだが、甘かった。あちこち事故を起こした車やら何やらが障害に
なって結局歩いて進むしかない。車が障害物になったおかげでいくらかゾンビも分散して
いるのが救いか。
ヨーコを見ると手に不似合いなグロックを握り締めていた。
ナイフを持ったことはここまで色々弾薬やハーブをせっせと集めてくれたヨーコには悪い気
がした。
警察所に急がなくてはならない。少なくとも此処よりは大分マシなはずだ。
早いところこのイカれた街から出なくては。
嫌な予感がした。とてつもなく嫌な予感が。
車の陰から向こう側を見やると、まばらに歩き回るゾンビが見えた。
ヨーコを見る。頷いた。
「一気に抜けるぞ」
コイツは意外に度胸が据わっている。ゾンビに臆して足がすくむような人間なら
とっくに見捨てている。
車のボンネットから飛び降りて走り出した。ゾンビが走らないのは幸運なことだと
俺は思う。警察署へ続く曲がり角まで止まらずに駆け抜けた。先にゾンビの姿は
見当たらない。
しかし、後少しというところでヨーコがつかまった。
「ヨーコ!」
噛まれまいともがくヨーコに掴みかかるゾンビの背中にナイフを突き立てた。
銃ではなくナイフを取り出しておいたのは正解だった。うっかり弾が貫通でもしたら
ヨーコが犠牲になった。
「来い。化け物野郎」
「デビット! 」
地面に転んだヨーコの声が聞こえる。
一対一なら化け物相手でも負けはしない。
ナイフを振りかざした時、全く別の声が聞こえた。
「奴の首を折れ! 」
それが女の声だと気づく前にゾンビに向かって回し蹴りを食らわせてやった。
足に何かが折れる嫌な感触が伝わった。
ゾンビは吹っ飛び、それきり動かなくなった。
358 :
354:05/03/04 05:35:12 ID:???
「ヨーコ」
「デビット大丈夫?! 」
地面に転がった格好のままヨーコが血相を変えて話しかけてきた。
まずお前が大丈夫かと聞きたい。
ヨーコが起き上がるのを待ちながら、声がした方向を振り返った。
そこには金髪の若い女がいた。
病院の医者が着る白衣をまとい、手にはフルロードのショットガン。さらにご丁寧に
くくりつけたサイドパックにオートマチックから弾薬と重装備だった。
イカれた女だ。しかし気にならなかった。
町全体がこの調子だ。いまさら些細なことだ。
「あの、ありがとうございます」
ヨーコが丁寧に礼を言っていた。
「礼を言う」
女は軽く頷いて乗っていた横転トラックの荷台から飛び降りた。
「市民の人? ブリッジが封鎖されたわ。だから別のところへ行くのね」
橋が封鎖? 確か街頭のテレビには陸軍が動いたというニュースが流れていた気がするが。
まあ可笑しくは無い。
要するに多少強引な手を使ってでも脱出しろということか。
ヨーコもさして驚いた様子はなかった。この事態の異常さを見た目以上に冷静に
理解している。良い事だと思った。
「あいつらを倒すなら頭を狙いなさい」
「あの、一緒には…」
警察署とは別の方向に向かって歩き出した女にヨーコが話しかけた。
「ごめんなさいね、ちょっと用事があるの」
女はヨーコを一瞥してさっさと走り去ってしまった。
この状況下で? つくづくイカれた女だ。
幸か不幸か、イカれた女にそれ以上構っている場合ではなかった。
背後からすっかり聞きなれたうめき声が聞こえる。―数が多い。
「走るぞ」
ヨーコの背中を掴んで、俺達は警察署の正門に向かって走った。どうにか門を
開け、滑り込む。閉めた金属製の門に引っかかって進めないゾンビを見て、思わず
気が抜けた。
そせいか扉の前でへたりこんだ俺達に、聞いた声がドアの音とともに降りかかってきた。
「ヘイ! デビット! それにヨーコ! 無事だったか! 」
顔を上げると、あのお調子者のおまわりの顔があった。
「…なんとかな」
ヨーコが安堵したような声を漏らした。味方が増えるのは、確かに喜ばしいことだろう。
…けれど、俺の嫌な予感はまるで晴れなかった。
それが、無性にイラついた。
まだ何も終わっちゃいないと。
―そう、告げていた。
fin
359 :
354:05/03/04 05:37:46 ID:???
どうも。前回真夜中出勤デビット書いたものです。どうもデビが書きやすい模様。
中途半端に終わってますがユルシテ
クリスが上の話で出たのでではジルを! とおもったら何故かアリスが出てしまいました
映画とムリヤリつなげました細かいところ違うと思うけど見逃してくださいorz
ヨーコでプレイするとデビが保護者と化すのが面白い今日この頃。
ところで前々から思ってたんだが何故真夜中をそんなに強調するんだおまいは。
デビット「が」前回の話で真夜中出勤したからだろ。
前の作品にはデビしかゲームキャラは出てなかったし。
>354
乙です。
>>354 デビット好きにはたまらん!おもしろかったよ!
364 :
30:05/03/07 19:22:14 ID:???
今回は完全におふざけです。
読んでも怒らないようあらかじめお願いしておきます(;´Д`)
「人を歩く屍に変えちまう秘薬を作ってお上と結託し、何の罪もない町人をさらっては
薬の実験に使っていた。傘印薬舗の極悪非道ぶりは明白だわ」
かわら版屋の有佐の顔が蝋燭の明かりに照らされている。
辺りは彼女の話し声以外何も聞こえない。
「頼み人は茶屋のお新よ。
知っての通り、体の悪かったお新のおとっつぁん間久平は、よく効く南蛮渡来の
薬だと騙されてあんな生きる屍にされちまった。自分の父親に襲われたお新が息を
引き取る直前にあたしに恨みを晴らしてくれって頼んだのさ。
これが頼み賃だよ・・・」
有佐は一文銭を五枚ばらっと投げ出した。
薬剤の信用失墜には一番頭を悩ませていた西洋医術の先生・丈之助がまず手を
出して一文銭を取った。
「あまりにも理不尽すぎる」
続いて早籠屋の滋無吉が立ち上がった。
「まったくひでぇ話だ。オレサマが仇を討ってやるぜ」
柱の影に寄りかかっていた大工の出比三郎がぶっきらぼうに銭を取る。
「クソが・・・」
残った二枚の銭に目をやった有佐は、振り向いて言った。
「八丁堀の旦那は?今度の話は奉行所も絡んでるって言うから、あんたは今回は
やめとくかい?」
目を瞑って話を聞いていた八丁堀同心・来万景琵右衛門はゆっくりと目を開いた。
「いや、いくぜ」
そう言って素早く一文銭を袂に入れると、景琵右衛門は足早に隠れ家を去って行った。
残った最後の銭を拾った有佐が蝋燭の火を吹き消すと、辺りは漆黒の闇。
夜空はどんよりと曇って月は出ていない。闇の仕事人たちの暗躍にふさわしい夜だ。
366 :
30:05/03/07 19:24:17 ID:???
◇
割烹料亭から千鳥足で出てきた傘印薬舗大番頭・真粕の背後に丈之助がそっと
近付く。丈之助は大きく腰を落とし、渾身の力を込めて体当たりをかました。
真粕の体は向かいの白壁まで飛ばされ、ぐしゃっという鈍い音と共に彼の首は
あり得ない方向にねじ曲がってしまった。
◇
用心棒として雇われている異人の荷古来は、傘印薬舗の蔵の前で周囲に目を光らせ
ていた。酔っぱらいのふりをして通りかかった滋無吉は、面倒臭そうな顔をして追い
払おうとする荷古来にしなだれかかった。
「ナ、ナニヲスル!エエイ、アッチヘイケ!」
ただの酔っぱらいだと油断していた荷古来の隙を突いて、滋無吉は背中から樫の木で
出来た頑丈な角材を取り出した。角材を構えたかと思うと、目にも止まらぬ早さで
振り回す。荷古来はほんの瞬きをする間に十数回も角材で殴打され、倒れた。
二度と動かない荷古来。滋無吉の姿はもうどこにもなかった。
◇
傘印薬舗の屋敷内では、有佐が自ら蘭学の文献を紐解いて作ったエレキテルで、
見張りの雑魚どもを片っ端から片付けていった。その混乱に乗じて出比三郎が屋敷の
主・須辺嵯の部屋に潜り込んだ。
「ん?真粕か?何を騒いでおるのだ。
大目付様は黄金色の菓子を首を長くしてお待ちだ。用意はいいのか?」
部屋に入ってきたのが大番頭と勘違いした主は、振り返って出比三郎の姿を見ると、
大きく目を見開いた。その瞬間、すっと主の背後に回った出比三郎は素早く口を塞ぎ、
空いた方の手で懐から使い慣れた大工仕事の小刀を取り出した。主の背中を蹴って
突き放すと、宙を泳ぐその背中向かって小刀を三回舞い踊らせた。急所をえぐられた
主は一点を見つめたまま凍り付いたように立ちつくしている。出比三郎は体を一回転
させてとどめの刃を見舞った。凍り付いていた主の体が勢いよく吹き飛ばされ、それと
同時に息の根は完全に止まった。
「・・・フンっ」
367 :
30:05/03/07 19:25:22 ID:???
◇
屋敷の異変に気付いた大目付・上須賀は障子の外に人の気配を感じた。
「何奴!?」
勢いよく障子を開けるとそこには同心・景琵右衛門が佇んでいた。
「おお、町方か」
「上須賀様、どうやらお屋敷に賊が侵入した模様です」
「うむ、そのようだな。その方、警護を命ずるぞ」
「ははっ」
そう言うと景琵右衛門は座敷にあがりこみ、脇差しを抜いて部屋の周囲に目をやる。
油断して後ろを見せている大目付・上須賀のそばに音もなく近付くと、背中の左上、
心の臓の真ん中に後ろから脇差しを突き刺した。
「ぐはっ・・・町方!な、何を・・・」
「おめぇたちが作った生きる屍たちが地獄の釜を開けて待ってるぜ」
景琵右衛門はそう言うと刀を引き抜いた。崩れ落ちる大目付。
刀をひと振りして鞘に収めると、景琵右衛門は闇に姿を消した。
368 :
30:05/03/07 19:26:37 ID:???
◇
「婿殿!婿殿!」
「何ですかお義母さん、こんな朝早くから大騒ぎして」
休日の景琵右衛門は眠い目をこすりながら床を抜け出てきた。
座敷には義母おりんと妻お葉がたすきがけをして箒を構えている。
「その格好、いったいどうしたんです!?」
「あなた、大変なのよ」
「婿殿、一大事ですよ!家宝の掛け軸がねずみに囓られてしまったんです」
景琵右衛門は欠伸をしながら言った。
「掛け軸?あのぼろぼろの汚い紙っ切れですか?」
「ま、何て事を言うのです!あれは来万家に代々伝わる大切な物なのですよ!
婿殿にはもう頼みません。さ、お葉、ふたりでねずみを挟み撃ちにしますよ!」
そう言って箒を振り回す義母とお葉を尻目に、景琵右衛門はもう一眠りしようと床に
戻って行った。
暖かい布団の中で再びまどろんでいると、頭上から義母の声が・・・
「いたっ!!婿殿、そこを動いてはなりませんよ!」
何だかよくわからずに視線を上げた景琵右衛門の顔に、義母の箒が叩き付けられた。
来万家の平和な朝はこうして過ぎて行った。
369 :
30:05/03/07 19:27:39 ID:???
【出演者】
=傘印薬舗=
大番頭・真粕:ジェームス・マーカス
用心棒・荷古来:ニコライ
主・須辺嵯:オズウェル・スペンサー
大目付・上須賀:アルバート・ウェスカー
お新:シンディ・レノックス
間久平:マーク・ウィルキンス
お葉:ヨーコ・スズキ
おりん:リンダ
=闇の仕事人=
かわら版屋・有佐:アリッサ・アッシュクロフト
西洋医術・丈之助:ジョージ・ハミルトン
早籠屋・滋無吉:ジム・チャップマン
大工・出比三郎:デビット・キング
南町奉行所同心・来万景琵右衛門:ケビン・ライマン
上須賀ワロタ
ためタックル強杉wwwwwwwwwwwwwwwうぇww
>>30 わろいすぎてハラいたい(((;゚Д゚;)))
漢字変換のセンスにもわろいますた〜
たしかにタックルつよすぎ(笑
仕事人キターーーーーーーーーーー
仕事人好きにはたまらんネタですなw
なんでも屋の旗持ってウロウロしてるアリッサ想像してワロタ
マークには念仏の鉄をやって欲しかった
相手に抱きついて絞め殺す(全身の骨がくだけるレントゲン付)技で
375 :
30:05/03/08 21:49:44 ID:???
昔ハマった必殺仕事人のサントラを、先日たまたまTSUTAYAで
見つけて聴いたんですよ。で、勢いで書き上げてしまいました。
「仕事人出陣」や「中村主水のテーマ」を聞きながら読んでいただけると
カナーリよろしいかと(笑
ただ、殺しの描写はちょっと手抜きだったと反省してます。
もともとは仕事人が仕事に散っていく場面で終わっていたのですが、
どうしてもラストの「婿殿!」が書きたくなって、あまり深く考えないまま
書き足してしまいました。
マークの念仏の鉄!ソレダ〜
我ながら詰めの甘い配役でした。反省してます。
反省なんかいらん
377 :
315:05/03/10 10:22:42 ID:???
つい最近、ほんの数時間前まで、リンダは彼のことは許さないことにしていた。
タイラントに踏み潰されてしまった試薬、通称「AT」は、アンブレラがこの町に
ばら撒いたT-ウィルスの発症を劇的に抑制・遅延させる効果があるとされていた。
所内でもかなり厳重な管理の下に置かれていたそのファイルに書かれていたとおり、
検査室で解析した「AT」の効果は絶大なものだと判明した。
しかし、「AT」では足りない。
「AT」はあくまでT-ウィルスの「発症」を抑制・遅延させることのみに焦点を合わ
せた代物であり、つまりウィルスを根本的に消滅させる作用は無い。
「AT」の投与だけでもその発症をほぼ一生の間押さえることが可能であるが、それは
根本的な解決ではない。ウィルスの活動を休止させるとはいえ、体内にウィルスを
抱えたままその人間は生活しなくてはならない。
T-ウィルスは生体内でもなんらかの外的要因で変異を起こすことが確認されている。
町の地価研究所研究主任のウィリアム・バーキン博士が開発した「G」ほどではない
にせよ、大怪我などのさいに全く別のウィルスとして発症するおそれがあった。
この惨劇を生き抜いた人間達が、この先何もない(もちろんそれが一番ではあるが)
保証は無い。
結婚や出産により次世代にT-ウィルスが受け継がれる可能性もゼロではない。
抑えるだけでは駄目なのだ。彼らが守り抜いた「人間」としてあるためには。
しかし「AT」はリンダに大きなヒントを与えてくれた。もともと生物兵器として開発
されたT-ウィルスには必ずそれを消滅させるワクチンが存在する。しかし、アンブレラで
開発されているはずのそれは超極秘事項であり、「AT」の実験に携わっていたリンダにさえ
その所在や組成は解らない。ラクーンの支部にあるかどうかも、リンダは知らなかった。
地下研究所ならばあるいはあるかも知れなかったか、あそこはそもそもあの惨劇の原因とな
った疑いの強い場所であり、また通信も一切通じなかった。
ワクチンの直接入手の道は閉ざされていたが、その代わりにリンダにはこのアンブレラ
支部で生き残ることが出来たという「幸運」と(今更何を持ち出そうと見ているものはいなかった)
実験を繰り返した「AT」があった。
378 :
315:05/03/10 10:46:51 ID:???
「AT」の基本組成とその効果についてはリンダ自身が最も良く知っているという自負が有ったし、
検査室で100パーセントの解析に成功したことで、「AT」から意図的にはずされている
と思われる要素が確認できた。
「AT」に足りない要素は当然、ウィルスそのものを消滅させるためのものであったが、
そのためには「T-ブラッド」と言われるタイラントなどの「ウィルス適合体」から
入手できる血液が必要であった。
カーターがタイラントを起動させてしまったために、密かに休眠状態のタイラントから
入手することは出来なかったが、それでも運良く、ほんとうに幸運にも「T-ブラッド」
は入手することが出来た。それは、彼女を町から救い出してくれた一般市民の助けがあった
ためだった。
彼らは協力してリンダを助けてくれた。リンダ自身も彼らの脚に取りすがってでも
この町を脱出しようともがいた。脚を負傷し、アップルインで動けなくなっていた
彼女に無理をするなと、至極まっとうなことを言った彼らに無理を言ってまでついていった。
結果、皮肉なことに彼女達を執拗に追ってきたタイラントの成れの果てから、「T-ブラッド」
の入手に成功した。
リンダ自身もT-ウィルスに感染していた。調べなくとも、あの町がすでに感染しつくしていた
ことは判る。
『このまま化け物になって、人間としての自分が消えてしまうくらいなら、自らの幕を』
リンダはそうすることを許さなかった。
ゾンビとなって自分が自分でなくなるその瞬間まで、リンダは諦めるつもりはなかった。
人間であるために自らのこめかみを打ち抜くのはきわめて人間らしい。
けれど最後まで足掻くことができることを理解し、その為の力を人間は持っている。
リンダは、だから彼のことを許すつもりはなかった。
「AT」を失ったことで、成分のひとつである「P-ベース」の生成が絶望的になったとき、
協力を申し出てくれたのが、二年前に投与実験をうけ、細胞体のドナーとなった
ヨーコだった。
彼女の体験は壮絶なものだった。グレッグの操作によりその記憶を抹消されていなくても
その記憶はとどめておくにはあまりに耐え難いもりだったに違いない。
けれど彼女は強かった。ともに町を脱出した仲間を助けるために彼女は再び「T」と向き合う
ことを選択した。
彼女は、きっと彼女自身が思っているよりもずっとずっと強い。
それを知っているから、仲間達は彼女の過去を責めなかった。
彼女が十分すぎるほど己の過去を責め、それに向き合うことを選んだことを、あの惨劇の中で
知ったから。
リンダはヨーコとともにワクチンの生成に没頭した。国の病院に隔離された
生き残りの市民達が抗ウィルス剤の連続投与で(これは免疫を高めるタイプものだ)
感染を押さえている間に、ワクチンを完成させなくてはならない。
379 :
315:05/03/10 11:05:23 ID:???
自分自身は抗ウィルス剤を口の中に放り込みながら、リンダはワクチン生成に没頭した。
T-ウィルスは神経作用を経て遺伝子を侵食し始める。個人差があるがその経過は大体同じだ。
場合によっては、遺伝子が侵食され皮膚の腐敗が始まっても(遺伝子に影響がでたとき真っ先に
その兆候が現れるのは代謝機能なのだ)意思を残していたという記録がある。
T-ウィルスは神経をまず侵し、一種の脳炎状態に陥れて理性を無効化してしまう。
それが異常な食欲にそのまま直結してゾンビとなる。
逆に言えばそれまでは遺伝子への作用は起こらないため、代謝に影響が出ていなければ
問題なく「まったく普通の人間」にもどることが出来る。
それがワクチンのタイムリミットだった。
ワクチンが出来るまでの間、リンダは彼のことを許すつもりはなかった。
『許してくれ、リンダ』
アークレイの洋館で発見された彼の遺書。
戦うことを選ばずに死んだ彼の状況はもちろん彼女よりもはるかに悪かった。
ただ、彼を許してしまえばそれは自分が今戦っているこの時を否定してしまうようで、
だからリンダは彼を許さなかった。
許してくれと請われても、彼女は許さなかった。
彼とは違う方法で「人間」であるために。
ワクチンが完成したとき、リンダは、もうひとつ心に決めることにした。
『許してくれ、リンダ』
すべてが終わったら、彼を許そうと。
この引き金になった忌まわしい「T」にケジメをつけることが出来たら、彼を許そうと
決めることにした。
すべてが終わったら、それが何時になるかは彼女もわからないけれど。
「全部片付いたら、好きだったあのお酒を開けましょう」
リンダの呟きに、大分年下のヨーコが首をかしげた。
そのヨーコにリンダは微笑みだけを返した。
随分久しぶりだけれど、やさしく笑うことが出来たと思った。
fin
380 :
315:05/03/10 11:07:04 ID:???
俺様設定で申し訳ないorz
「リンダ」ときくとどうしても初代バイオの遺書の人が思い浮かぶもので…
ウィルスや試薬の設定はもちろん嘘です創作です。辻褄合ってないところあるかも
ですがキカナイデorz
381 :
30:05/03/10 22:27:24 ID:???
>>380 決意・突破の後の話って自分も書きたいなぁと思っているんですよ。
OB前とOB後をつなげるところなど話に広がりが出てよいですね。
そう来たか〜って感じで。
俺はゲオルゴ=ハーマネット。
皆は俺のことをゲオルゴという。
俺はいまヘリの中にいる。
なぜかって?そりゃ俺が傭兵でアンブレラに雇われているからだ。つい数時間前まで気持ちよく釣りをしていたのに
急にすぐ集まれ、などど言われ、わけがわからんうちにヘリに詰め込まれた。
これでも俺は一部隊の隊長なもんでな。
今ヘリはラクーンシティとかいうとこに向かってる。なんでもアンブレラの化学薬品だか化学調味料だがしらねぇがそれが町全体に漏れたらしい
そのウイルスにかかった奴はゾンビになるらしい。
ヘリの中でそれを聞かされたときは目の前の女下士官をファックしてやろうと思っちまったぜ。
ゾンビ?はぁ?なに言ってやがんだこのアスホールは…俺の休暇かえしやがれっ!
よっぽど怒鳴ろうと思ったが相手は一応俺の上司にあたる奴だ。我慢我慢。
そんな説明を受けている間にラクーンシティについたらしい、パイロットが俺たちに到着したことを告げてきた。
俺はヘリのドアを開けてみた。
……こりゃ夢か?
町はいたるところで火災が起きて暗い空を真っ赤に染めてやがる。まるでテロにあったみてぇだった。
それより俺がぶったまげたのは…ヘリの下に人がいる。
ただの人じゃねぇ。ありゃ…ゾンビだ。一目でわかった。
なんたって顔半分がねぇんだぜ?笑っちまうだろ?そいつが歩いてるんだ。
俺は吐き気を抑えつつ上官の野郎にきいてみた。
「こんなところでなにすんだ!えぇ!それとあれはマジでゾンビなのか?!」
上官はすました顔で
「そうだ!君たちの任務は生存者の救出だ!生存者を見つけたらポイントデルタに集合!一時間おきにヘリが来る!わかったな!?」
俺はOK!と怒鳴る。そしてヘリがどこかの建物の屋上あたりで停止する。
「よし!では健闘を祈る!」
俺は屋上に誰もいないことを確認するとロープで屋上に降りる。
俺に続いて仲間が降りてくる。
そして全員降りるとヘリは漆黒に夜空に消えていった。
降りてきた連中は俺を合わせて5人。
俺の部隊の奴らだ。
ジョーイ、カルロス、カーター、ベルロイだ。
屋上に降りて俺は全員を見渡す。
皆一様に俺を見つめている。不意にジョーイが
「隊長!俺らは何をするんですか?!」
「聞いてただろ!生存者の救出だ!」
「救出って…人なんかいるのか…」
「しらねぇよ!おえらさんがたの考えたことはわからん!ただひとついえることは、あいつらは自分のけつさえふえけねぇ、奴らだって事だ!」
俺はアサルトライフルの弾をチェンバーに詰める。
カーターがMAPを広げる。
「確か学校が被災時の避難所に指定されています。まずそこに向かいましょう。」
カーターが落ちついた声で言う、こいつは頼りになるなぁと思いつつ
「そうだな、まずそこに向かうとしよう。無駄玉は使うなよ!たしかゾンビを殺すには脳を撃つか脊椎を破壊すればいいはずだ。」
俺がかっこよく敵の弱点を行ったところで、不意に屋上のドアが開く。
そこには血まみれの男が立っていた。こちらにゆっくり迫ってくる。
俺はアサルトライフルを構えると正確に頭を打ち抜いてやった。
ゾンビ野郎が倒れる、そしてびくっびくっと痙攣したきり動かなくなった。
「よし!お前らけつの穴しめてかかれよ!」
そして俺ら一行は学校を目指した。
to be continued...
256です。
小ネタを書いたので投下させていただきます。
3レスくらいで終わりますので。
#2
「ねえ、そこのお姉ちゃん」
「…え?」
その日も私は、暇が出来るとベンチに座って地面ばかり眺めていた。
映り行く景観も、人々の営みも何も得られることは無い。ただ時間の過ぎ行く視界。聞こえるのは喧しい
車の行き交う排気音、人々の声、そして足音。別に何かを求めている訳でもない。私はそこに座り、耳を
澄ませて思考を巡らせるだけだ。
忘れられぬ記憶。自分の過去。思い返すだけで気持ちは沈み、ついつい習慣としてまた今日もこんな所で
時間を無駄にしていた。わかってはいるのだが、寧ろそれはなすべき事なのかもしれない。
色々な事がありすぎたのだ。アンブレラ、死の街、そして脱出。生命の危機に晒された私達は無事、こんな所
でぼうっとするような一時を過ごせるようになった。何とも平和な時間であるのだろうと、20そこそこにこんな
考えを浮かべる自分が何だか年寄りのように思ってしまう。
他の仲間はどうしているだろうか。そして、私は一体───
その時、私は自分の表情がわからなかった。他人が見たら、どんな表情をしていたのだろう。
呼ばれるままに、私ははっと顔をあげた。
そこには、ベースボールキャップを被った少年が右手を差し出しながら立っていたのである。
「…あげるよ」
握られた拳をゆっくり開いていくと、そこには銀色の包装に包まれた小さな飴玉が伺える。
私は最初ぽかんとしていたが、折角の子供の好意に水を差してはいけないとすぐに表情を正し、
笑いかけると一言、ありがとうと手の中の飴玉を受け取った。
「お姉ちゃん、最近元気無さそうだからさ」
「…あ」
言われて改めてはっとする。
少年は私の隣にどかっと腰を下ろすと、足をぶらぶらさせてそう呟いた。
少しの間を置いて、私も返す。
「…そうだね…」
「それ食って元気出せよ。上手いんだぜ、アタリ付き」
少年の言葉に私は包みをゆっくり開くと、中から黄色い飴玉を取り出す。
「それ、その包みの裏に書いてあるんだよ」
「…これ?」
包みの中を良く見れば、微かに小さな字が伺える。
「……ハズレみたい」
包みを開いて残念そうに笑顔を見せると、少年はなあんだ、と少しだけ無念そうに眉をしかめた。
私はその飴玉を静かに口に含む。レモンの少し炭酸の含んだ子供が好きそうな味である。
少年は満足そうに満面の笑みを私に向けてきた。その表情が何とも懐かしくて、私は飴玉の味に捕らわれていく。
口の中でシュワシュワと、炭酸がはじける。その度、私はさっきまで考えていた事が飴玉と一緒に溶け、鬱蒼
とした気分が解けていくような感じに満たされていった。
こんなに飴玉を味わった事などあっただろうか。私には、今まで食べたどの飴玉よりも美味しく感じられた。
私は目を閉じてその感覚だけに酔いしれた。
「へへ、うまいだろ」
「…うん、…すごく」
…私は、こういう時間を忘れていたのかもしれない。
こんな何気ない瞬間が、自分の頭を駆け巡った様々な出来事の何倍も、いとおしく感じられる。
そう思った瞬間、何かが弾けた。気付けば、自分でもどうやって作り上げたかわからない笑顔を少年に返して
いたのである。
それを見た少年は恥ずかしそうにベンチから飛び跳ねると、後ろ向きで一言呟いた。
「…元気出たか?」
「うん、勿論」
私も同じくベンチから腰を上げると、頭を掻き毟るその小さな後姿を眺める。
「…ありがとう」
ふと口から漏れた、感謝の言葉。
私はこの時心から、この少年に感謝したかったのだろう。自分を解き放ってくれた一つの飴玉。その飴玉に
魔法をかけてくれた一人の少年に対して。
少年───チェスターは私に向き直ると、白い歯を見せながら屈託無く笑ってくれた。
私は走り行く少年に軽く手を振り、今度は前だけをしっかりと見据え、法廷へと足を踏み出した。
名前はありませんでしたがヨーコのお話でした。
では。
>>383 早く続きが読みたいです!
>>388 3人の女性キャラのうち誰なのか想像しながら読む楽しみがありました。
短い中にヨーコの心理変化がうまく描かれていたと思います。
またよろしく!
学校を目指すはいいが早速トラブルが起きちまった。
ここから学校に行くまでは大通りを通らなきゃならねぇ。
ヘリで大通りらしき道を見たがゾンビの数が半端じゃねぇ。まるで凱旋パレードでもしてるかのような数だったぜ。
そこで俺らはビルの階段から降りながら作戦を立てた。
シンプルイズベストってやつだ。
その名もスナイプ作戦!
名前でわかると思うが大通りの上にはでっけぇ高架がある。そこから俺らの邪魔になりそうなゾンビ野郎をファックするって寸法よ。
ファックするのはベルロイだ。あいつは元イギリス特殊部隊SASのスナイパーだ。
今回の作戦にも自慢のPSG-1を持ってきてる。そしてベルロイの護衛がカーターだ。
えぇ?護衛なんかいるのかって?おいおい、ベルロイがファックしてる最中に後ろからゾンビにファックされたら笑い話にもなりゃしねぇ。
そして大通りを突っ切るのが俺とジョーイとカルロスだ。
作戦はわかったな?いくぜぇ!
俺たちアルファチーム。
ベルロイたちはベータチームだ。
俺たちアルファチームは所定の位置につくとベータに連絡だ。
「こちらアルファ、ベータ聞こえるか?」
「ベータ聞こえます、所定の位置まであと少しです。」
「はやくしろ、こっちは準備万端だ」
「はい」
無線を切るとジョーイが
「隊長、まだっすか?」
「まだだ、もうすぐつくとよ」
そこで一体ゾンビがビルから出てくる。
ジョーイがそれを確認するや否や、すばやく敵の頭を打ち抜く。
「10匹目!ガッテムアスホールが!」
なかなかやるじゃねぇか。
俺が感心しているとベータから連絡が入った。
「アルファ、こちらベータ。所定の位置についた。いつでもいける。」
「おし!わかった!」
俺は連絡を受けるとジョーイ、カルロスに
「お前ら準備はいいか?!」
ジョーイは「いいっすよ!」
カルロスは「よっしゃ!パーティの時間だぜ!」
俺は獰猛な笑みを浮かべて
「ああ!派手にいこうぜ!」
俺は大通りに面したドアをあけるとグレネードを投げ込む
そしてドアを閉めて…グレネードが派手な音を立てて爆発した。
俺はドアを思いっきり開けて、ゾンビの群れに突撃した。
俺の投げたグレネード扉付近のゾンビをファックできたようだ。
そして、俺らを確認したファッキンゾンビたちはのろのろと俺らによってくる。
おせぇ!こんなのへでもないぜ!
落ち着いて頭を打ち抜いていく。
がここでトラブルが発生しちまった。
カルロスが倒れてるゾンビに足を引っ張られちまって倒れちまいやがった。
ジーザス!
倒れたカルロスにゾンビどもが一斉に襲いかかろうとして…
ダァン!ダァン!
ゾンビの頭がはじける。
ベルロイだ!ナイスショット!
俺とジョーイはカルロスの周りのゾンビにアサルトライフルの弾をフルオートで叩き込む!
ダダダダダダダダダン!!!
なぁにカルロスは倒れてるんだ、あたりゃしねぇって。
そしてカルロスを急いで立たせて目的の扉まで到着する。
で扉を開けて近くにいたゾンビどもを撃ち殺す。
そして学校まで一気に走った。
学校までもうすぐだ!
はしれてめぇら!
to be continued...
続きマダー?(・∀・ )っ/凵 ⌒☆チン
--学校正門前--
俺たちアルファチームは全員無事に校門までたどり着いた。
が、弾薬もそろそろ心細くなってきやがった。まだミッションが始まってそんなに時間は経ってねぇってのに…
俺たちはとりあえず学校の中に入ってベータを待つことにした、あいつらはかなりの遠回りになるはずだ。
俺たちはとりあえず学校の電力を復活させるために配電室に向かっている最中だ。
しかしなんだここは?誰もいやしねぇ、かわいいねぇちゃんでもいるんじゃねぇかと思ってたんだがな…
暗い廊下を前衛が俺、中衛がカルロス、後衛がジョーイの順で歩く。
ファック!暗くて何も見えやしねぇ。はやいとこ電力を復活させなきゃな…
それより俺がスーパー忍び足で歩いてるのに後ろのカルロスがずかずか足音立ててやがる。
ファッキンルーキーが、てめぇの口にグレネードつめて血の糞させてやろうか!と怒鳴りたいが俺は厳かにかつ威厳に満ちた声で
「おい…カルロス…足音がでかいぞ…!」
「す、すみません。でも忍び足にする必要あるんすか?」
間抜けか?こいつ…いや、多分間抜けだ。
俺は振り返って
「いいか?そんなでっけえおと出して歩いてたらゾンビどもに気づかれるだろうが…!」
「あ…すみません。」
カルロスはそれからしのび足を使い出した。
それでいいんだよ。
俺は角を曲がり配電室を目指した。
あと少しで配電室だってところでまたトラブル発生だ。
なぜか配電室の周りにゾンビがたまってやがる。
ジーザス!
こりゃ強行突破だな。
--学校正門前--
俺たちアルファチームは全員無事に校門までたどり着いた。
が、弾薬もそろそろ心細くなってきやがった。まだミッションが始まってそんなに時間は経ってねぇってのに…
俺たちはとりあえず学校の中に入ってベータを待つことにした、あいつらはかなりの遠回りになるはずだ。
俺たちはとりあえず学校の電力を復活させるために配電室に向かっている最中だ。
しかしなんだここは?誰もいやしねぇ、かわいいねぇちゃんでもいるんじゃねぇかと思ってたんだがな…
暗い廊下を前衛が俺、中衛がカルロス、後衛がジョーイの順で歩く。
ファック!暗くて何も見えやしねぇ。はやいとこ電力を復活させなきゃな…
それより俺がスーパー忍び足で歩いてるのに後ろのカルロスがずかずか足音立ててやがる。
ファッキンルーキーが、てめぇの口にグレネードつめて血の糞させてやろうか!と怒鳴りたいが俺は厳かにかつ威厳に満ちた声で
「おい…カルロス…足音がでかいぞ…!」
「す、すみません。でも忍び足にする必要あるんすか?」
間抜けか?こいつ…いや、多分間抜けだ。
俺は振り返って
「いいか?そんなでっけえおと出して歩いてたらゾンビどもに気づかれるだろうが…!」
「あ…すみません。」
カルロスはそれからしのび足を使い出した。
それでいいんだよ。
俺は角を曲がり配電室を目指した。
あと少しで配電室だってところでまたトラブル発生だ。
なぜか配電室の周りにゾンビがたまってやがる。
ジーザス!
こりゃ強行突破だな。
こりゃ強行突破だな。
俺はグレネードをゾンビ集団の真ん中あたりに放り込む。
ドガァァァァァン!!!!!
すさまじい轟音がした。
後ろのカルロスは
「隊長!さっきといってること違います!」
知るか!俺が法だ!
ゾンビどもはほとんどばらばらになる。
そして全員死んでることを確認すると配電室の扉を開ける。
「なんでゾンビはここに集まってたんだ?」
するとジョーイが
「さぁ?てかとまるならとまるっていってくださいよ!俺後ろばっか見てて前のことわからないんですから!」
まったくうるせぇ奴らだぜ。
俺は配電盤を探した。
あったぜベイビー!
そしてブレーカーをあげる。
がちゃん。
俺はジョーイとカルロスに指示を与えようとした…
なんだこりゃ?さっきまで暗くてわからなかったが床に二体死体が転がってる。
ちょうど机の下にあったので気づかなかった。たぶん俺たちが来る前くらいに死んだのだろう。
「ちぃ。ゾンビどもが集まってたのはこれか・・・」
俺はゆっくり立ち上がると死体の頭を打ち抜く。
ダァンダァン!
乾いた銃声が響く。
俺は二人に向き直り
「ゾンビになるよりはましだろ…」
二人は悲しそうに目を落とす。
するとジョーイが忌々しそうに
「くそっ!アンブレラめ!奴らのせいでこんな…ちくしょう!」
俺はその言葉に何もいえなかった…
to be continued...
--12時32分--
隊長たちと別れて俺たちは学校へのルートを進んでいた…
ガァンガァン!
俺のPSG-1が火を噴く。
もうだいぶ進んだろうか?学校はまだなのか?
カーターが小走りしながら俺に聞いてくる。
「なぁベルロイ…そろそろ弾薬がなくなってきた。どこかで補給しよう。」
「あぁ、俺もほとんどない…ちょっと待て。」
俺は胸ポケットからMAPをだす。
「…この近くに警察署あるが…そこで弾薬を補給しよう。」
ベータチームはとりあえず警察署を目指した。
俺たちは走りながら襲いかかってくるゾンビたちをかわして行く。
「ぐお!」
カーターの呻き声が聞こえた。
俺は立ち止まり振りかえった。
カーターがゾンビに羽交い絞めにされている…!
俺は咄嗟に銃を構えゾンビを撃とうとするが、ちょうどすっぽりカーターに覆いかぶさるようにして襲いかかっているため発砲できない。
「くそっ!」
俺は悪態をついてカーターに駆け寄る。
が、次の瞬間
ダァン!
カーターが至近距離でゾンビの頭に発砲した。
俺の方向にゾンビの頭が飛んでくる。俺は急いでそれを避ける。
カーターは自分のからだにまだしがみついてる死体を乱暴に振り払うと俺を見て
「すまんすまん。大丈夫か?」
大丈夫じゃないっつの。
「ああ…今度からは気をつけろよ。ゾンビとキスはごめんだ。」
「ははっ。違いねぇ」
「さ、いくぞ。」
俺たちはさっきよりスピードを上げて走る。
やがて警察署が見えてくる。
門は硬く閉じられており、その周りにはゾンビが群がっている。
俺はカーターと目配せするとグレネードをアンダースローで投げる。
ドォオオオオオン!
門の周りのゾンビを一掃する。
そして門に入ろうとするが数人のゾンビがまだ動いている。
俺たちは冷静にそれらのゾンビの頭を打ち抜いていく。
ダダダダダダン!
そして門に入ろうとするが鍵が掛かっている。
俺は少し無理やり入ろうとしたがかなり頑丈にできているようだ。
俺は肩をすくめるとカーターに下がっていろと合図する。
そして
ダァンダァンダァン…キィィィィィィィ…
門の鍵を撃ち門は不気味な音を立てて開く。
俺たちはすぐさま正面玄関に入る。
中はかなり広く真ん中に女神をかたどった像まで置いてある。
かなりきれいに掃除も行き届いている様だ。
カーターが
「ほぇぇ。きれいな女神さんだな。本物だったらファックしてぇな。」
俺はそれに少し笑うと
「さて。武器庫はどこかな?案内板でもあればいいんだが…」
それを聞いてカーターは驚いたように
「お前でも冗談言うんだな…」
…ちょっと本気だったんだが…まぁいい。
「まぁ普通に考えりゃ一階の奥か、オフィスだろうな…」
「…だな。どうする…手分けして探すか?」
カーターは少し思案したような顔をしてから
「いや…二人のほうがいいだろう。こういうバイオハザードで一人で行動するのは愚の骨頂だ。」
もっともらしい意見だ。
「だがアルファが気になる。急いだほうがいいだろう…」
「…そうだな…ま、隊長はお前さんだ…お前が決めてくれ。」
議論してると不意に左の一番手前の扉が開いた。
俺たち二人は瞬時に銃を構える。
………何も出てこない……
俺たちは顔を見合わせて銃をしまおうとした…
刹那、赤い丸裸の奇妙なものが扉の上から姿を現す。
!!
俺たちは瞬時にそこから横っ飛びで物陰に隠れる。
次の瞬間俺たちが立っていたところに赤いものが鞭のように放たれる。
俺はそれが一瞬何かわからなかった。
カーターが向こうの物陰から何かいってくる。
「なんだありゃ!ゾンビじゃねぇ!しかもさっきの舌だぞ!一体どんだけ伸びるんだよ!」
舌?舌だったのか?
俺たちはその未知なる生物によって混乱しっぱなしだ。
そのクリイチャーを物陰から頭だけだして伺ってみる。
舌をぶらんぶらんさせながら動いている。
頭は脳みそが飛び出しており全身真っ赤である。
「くそっ!なんだありゃ!くそっ!」
再び物陰にからだを隠す。
「ベルロイ!あぶねぇ!」
不意にカーターが叫ぶ。
彼のほうを見ると何やら俺の頭上を見ている。
俺は彼の視線を追って上を見る。
そこには…
あの赤い奴だ!ファック!
俺は上に向かってアサルトライフルをフルオートで撃つ。
ダダダダダダダダダダダダン!!!!!
そして弾が切れるとまた横っ飛びに飛びカーターの方に飛ぶ。
カーターも何発か撃ったようだ。
俺はすぐさまPSG-1を構える。
ジャキッ!
が、そこには例の生物はいない…俺は急いであたりを見回す。
どこにもいない。
「ベルロイ!!!!そこっ!そこだ!!」
カーターの指差す方向を見てみると穴だらけの赤い生物がいる。
なにやらかなりダメージを負っているようだ。
俺はそいつの頭に狙いを定め…
ガァァン!
「マーダーファッカー!!!」
自分でも信じられないくらいの声を張り上げ
何発もお見舞いする。
やがて弾は尽き、赤い奴も動かなくなる。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
俺とカーターは肩で息をする。
不意にカーターが
「ふ…ふははっははっはっははは!!!」
「ベルロイ!お前があんな事言うなんてな!傑作だ!ははぁ!」
俺もつられて笑ってしまう。
「はぁ…しかし、何なんだこれは…人…じゃないよな?」
「ああ!わかんねぇが…ひとつわかったことがある」
カーターが達観したような顔で言う。
「なんだ?」
思わず俺は聞き返していた。
カーターは口の端を吊り上げながら
「二人で行動したほうがいいって事。」
俺は一瞬訳がわからなかったが
「ふふ…そうだな。」
「武器庫さっさと探してこんなおっかねぇところからおさらばしようぜ…」
俺たちは歩き出した。
to be continued...
途中見づらいとこがあってすみません。
--学校 職員室--
学校の電気をつけたがベータから一向に連絡がねぇ。
しかもこっちからかけてもザーザーとしかならねぇ。一体どうしちまったんだ?
俺はすこし不安を抱きながら周りを見渡す。
職員室の校長のなにやら豪華な革張りのいすにどっかと座ってるジョーイはいいとして、カルロスは結構疲れてるみてぇだ。
ルーキーが!これしきのことで疲れてんじゃねぇよ!
まぁ、俺はそこいらの鬼軍曹じゃねぇ。やさしいやさしい隊長だ。
「おい、カルロス。疲れてるんなら少し休んどけ。」
カルロスは顔をあげて
「いえ。俺は疲れていません。」
「疲れてるって顔してるんだよ!おめぇがへばって任務に支障したらやっかいだ。一時半まで休んどけ。」
「半までですか?わかりました…」
ジョーイはまじ殴りたいぐらいリラックスしてやがる。本来そのいすは俺のモンだろ!
その視線に気づいたかジョーイが
「隊長〜。ベータのやつらどうしたんでしょうね〜。まぁベルロイとカーターだから大丈夫だとは思いますけど…万が一ってありますからねぇ」
「そうだな…もし半までに連絡がなかったら次は警察署に移動だ。」
「警察署ッすか?なんでまた…」
「第一にこんなことが起きたら俺は警察署に向かう。第二にもう弾薬がねぇ。あそこならいろいろあるだろ。」
「そうっすねぇ…あそこに仲間がいるといいんすけど…」
「………」
俺はそれにおうとは言えなかった。ここまで来る途中に何人も警官のゾンビを見たからだ。俺はタバコを吸おうとしてポケットに手を突っ込む。
「ちっ。」
禁煙中だった。
俺はジョーイにタバコがあるか尋ねようかしたとき。
ガン!ガン!ガン!
誰かが職員室の一番奥の扉を叩いた。
俺とジョーイはすぐ銃を構えて戦闘態勢にはいる。…カルロスは寝てやがる。
まだあいつが寝て20分くらいしか経ってねぇがそのまま永眠するよりはましだろ。しかも運が悪いことにあいつがいま一番例の扉に近い。
「カルローーーース!!!!起きろ!」
その声にカルロスはびくっと起き上がり何事かとこっちを見る。
「うしろだ!早くこっちに来い!」
カルロスはようやく状況がわかったのであろう。急いでこちらにかけてくる。
その時、扉が吹き飛ばされる。
ゾンビにこんな力があったか?
俺にそんな疑問が頭をよぎる。
ええい!そんなことどうだっていい!倒すことだけに専念しろ!
自分に言い聞かせてグリップをぎゅっと握りなおす。
そして一体のゾンビが見えた、俺はそいつの頭にぶち込んでやろうかと思ったが…
頭がねぇ?ならなんで扉をあんなに吹き飛ばせたんだ?
がその疑問もぶっとぶ出来事が次の瞬間起きやがった。
そのゾンビも扉のようにぶっ飛んだ。
で、ゾンビのいたところに訳のわからん生物がいる。
全身緑の丸っこい体をした…かえるっぽいのが…
俺はとりあえず殺しておこうと思い、トリガーに指をかけた…
ジーザス!!
今日何回目のジーザスだ!!
なんてこったその緑野郎がものすごい勢いで駆けてきた。
俺は一瞬標的を失う。
そいつはもう俺の目の前まで来てやがる!くそっ!まにあわねぇ!
俺はバックステップで間合いを取ろうとしたがその距離さえ奴は詰めてきやがった。
やつの頭にアサルトライフルを突き出す。
がそいつは左手で銃身をはじき、右手で俺の体を引き裂こうとした。
ガンデメット!!
俺は身をよじりその右手を避けようとした。
だめだ!あたる!
そして俺は体を裂かれて倒れた…
が、裂かれる前になぜか奴は体勢を崩す。
なぜだ?
よくみたらあいつの頭にナイフが刺さってる。
右を見たらカルロスがナイフを投げた体勢で固まってる。
よくやったぜ!
俺はすぐさま反撃した。
まず奴の体にけりを入れる。奴は倒れはしなかったがかなり体勢を崩されたようだ。
そしてアサルトライフルを…
ダダダダダダダダダダダダダダダン!!!!
マガジンの中の弾を撃ち尽くす。
カーター、カルロスも撃ちまくる。
俺はすぐさまリロードしようとして…
ブーシェット!!
奴は50発以上弾の雨を受けといてまだ立ってやがる…
しかも前と変わらないスピードに俺に迫ってくる。
咄嗟に机に上に置いてある、書類やら何やらを豪快に撒き散らしながら横っ飛びする。
そして向こう側についたと同時にリロード完了!
いくぜぇ!
俺はやつがいるほうに銃を構える。
いねぇ?!
俺はあたりを確認する…
消えやがった…こんな明るい部屋で?
俺はジョーイ、カルロスに聞いた。
「やつはどこだ!!」
二人とも同じ事を言いやがった。
「わかりません!見失いました!」
お前ら双子か?くそっ!
まだそんな遠くまで行ってねぇはずだ。俺はゆっくりあたりを調べる。
いねぇ。まじでどっかに行っちまったのか?
俺は少し安堵して銃を下ろす。
そしてあいつら二人に振りかえった。
ちくしょう…
俺は気づいちまった。
机の下にらんらんと輝く赤い眼に…
奴が机をひっくり返しものすごい勢いで飛び出してくる。
なんてパワーだ!!
俺は銃をあいつの体に向ける。
そしてトリガーを引き絞った。
発射。
しかし弾丸はあさっての方向に飛んでいく。
奴がものすごい速さでまた銃身を下から払ったのだ。
そして手を返して今度は上から切り裂いてくる。
俺は瞬時に体を後ろに倒しながら足で蹴った。
よし!当たったぜ!
しかし、これは俺の予想に反してものすごい効果が出た。
そのまま野郎は俺に蹴られた衝撃と自分で飛んだ衝撃でそのまま後ろに飛んでいった。
そうそれは手無しの巴投げをしてしまったのだ。
俺は背中からもろに倒れて息ができなくなる。
ごほっ!ごほっ!
そしてすぐさま起き上がるとカルロスとジョーイが一斉掃射していた。
これで終わりだろ?
俺はもはや祈るような気持ちで思った。が、俺の予想はむなしく終わってしまった。
まだ立ってやがる。化け物め!!俺はもう一度銃で狙いを定めた。
そのとき
バンッ!
という音と共に誰かが入ってきた。
カーターだ!生きてやがったのか!
カーターはいきなり
「伏せろ!」
なんて抜かしやがった。俺は奴にカエル野郎のことを告げようとしてカーターに言おうとしたが
カーターは肩にでっけぇロケットランチャーを持ってやがる。
俺はそれを見た瞬間奴がひっくり返した机に身を隠す。
パシュ。
何かが飛び出る音が聞こえた。
閃光。
衝撃。
音は聞こえなかった。キィィィィィーーンと耳鳴りがする。
見ると奴がいたところにはでっかい大穴が開いていた。
俺は振り返りカーターを見る。
奴らは生きていた喜びと今しがたケエル野郎をぶっ殺した喜びで叫びあってやがる。
「イーーーーハァアアアアアア!」
「フゥウウウウウウヒャーーー!」
「ィイイイヤッホーーーーー!!」
まったくガキどもが…
俺はしばらく耳が完全に聞こえるまで待っていたが俺もついつい
「こらぁ!カーター!おいしいとこだけもって行きやがって!!」
まぁ叫んじまった。
そして完全に聴力を取り戻して、ベルロイに事情を聞いてみた。
なにやらあの化けもんのほかにまだ全身真っ赤なホモやろうがいるらしい。
ホーリィシェット!!
しかも奴らは警察署にいってきたらしい。武器弾薬もしこたまあるじゃねぇか。
そんでもって警察署の地下に怪しいアンブレラの研究所を見つけたらしい。
……全員俺の顔も見てる。
「行ってみるか。ただ…生きて帰れるかわかんねぇぞ?たぶんこの化け物たちはそこで作られたんだろう。そこは魑魅魍魎のオンパレードだぜ?」
それをきいてみんな決意したような顔をする。
「行きましょう…」
ベルロイだ。
俺は間髪いれずに聞き返す。
「いってどうするんだ?俺たちの任務は人命救助だ。」
ベルロイはなにやら決心した様子で
「隊長はアンブレラのやったことに怒りは感じないんですか!?この町はもう終わりだ!」
「…そうだな。研究所にいって証拠つかんでアンブレラぶっ潰すか!」
それにベルロイは
「はい!やりましょう!」
カーターは
「ジーザス…やったるか…あぁ!また職探さなきゃ!」
ジョーイは
「なんだか楽しそうっすね!」
カルロスは
「でも…研究所にいかなくてもいいんじゃないんですか?」
「馬鹿。アンブレラは金を使ってもみ消す。そして俺たちがどんだけいっても殺されるか、狂ってるとしか思われねぇ。ビデオにとってもどうせCGとか言われるに決まってらぁ。なら確固たる証拠をつかんでたほうがいいだろう?なぁに死にゃしねぇって。」
「そう…ですよね…じゃ!いきましょうか。」
「おう!…みんな生きて帰ろうぜ!」
それを聞いて皆当たり前だ!って顔しやがる。へっ。じゃちょっくら任務増えるけどやったるか!
to be continued...
404 :
ゲオルゴ:2005/03/23(水) 05:34:40 ID:???
--メインストリート--
「イーーヤハァアアアアア!!!」
俺たちは今ジープで警察署に移動中だ。
さすがカーター、運転技術はぴか一だ。これで変な奇声さえあげなきゃあほめてやるんだが。
ジープの中にはこれでもかって位に武器弾薬が積んである。このジープが爆発したら大穴空けちまうくらいにな。
さっきからカーターのやろうゾンビをめちゃくちゃに轢いてやがる。ちょっと可哀想だぜ。
まぁ俺たちがここでゾンビの数減らして誰かが助かるなら万々歳だがな…
俺たちが武器の確認やらしてたら警察署についた、ベルロイのいうとおりに地下に続く昇降機があった。
さぁ、これからが本番だぜぇ!けつの穴しめていけよ!
昇降機を降りたらそこは確かに研究施設のよううものがありやがる…アンブレラめ…こんなファッキン施設を警察署の下に作るか普通?
研究所についたらそっからさくさく進んでいった。研究所の警備室で見たMAPを頼りにがんがん進んでいく。
ジョーイが
「はぁ、なんか気合入れてきたのにこれじゃあなぁ…カエルとトカゲはみんなカプセルの中だし…敵らしい敵もいねぇなぁ…」
俺はそんなことをほざくジョーイに
「ああん?じゃなにか?てめぇは敵にうじゃうじゃ出てきてほしいってか?」
「いや…出てこないに越したことはないっすけどねぇ…これじゃあ俺たちが間抜けだ…こんな装備してきてるのに。」
確かにいわれればそうだ。俺たち全員が全員、装備が半端じゃねぇ。
アサルトライフルの代わりにM6-20通称シャーク…を装備してる。
この銃は最近米英で共同開発された最新鋭銃なのだ。こんなありがてぇ銃があるのにまだ撃ってねぇんだもん。
そんなとりとめもない会話をしていたらベルロイが急に止まった。後ろを警戒していた俺がカーターに止まれと合図する。
ベルロイがなにやら奥の部屋に誰かいるといってやがる…
確かに誰かいるな…ゾンビか?にしちゃあ話し声が聞こえる…。この部屋はたしか第一研究室だったな…
俺はここでうじうじ悩んでるわけにもいかねぇからドアを開けてみた。
中に生存者がいた。そいつら一斉に銃を向けてくる。俺たちも銃を向けていた。
俺は
「撃つな!俺たちは生存者を救出にきた者だ!銃を下ろせ!」
向こうはわかったらしくおとないく銃を下ろしてくれた。俺たちも銃を下ろす。
俺は一番手前で銃を構えてる奴に聞いてみる。
「お前らこんなところでなにやってるんだ?」
「お前らこそなにやってるんだよ。」
「だから人命救助だっての!」
「…そうか…俺たちは閉じ込められたんだ。救出部隊がここに来たって事はほかの人間はもう脱出したのか?」
俺は顔をしかめながら
405 :
ゲオルゴ:2005/03/23(水) 05:35:19 ID:???
「…いや、俺たちはまだ誰も救出していない。あんたらが初めてあった人間だ」
男は途端、落胆したような顔をする。
「そうか…、自己紹介がまだだったな。俺はケビンってんだ。こっちはマーク。であっちはアリッサだ。」
「俺はゲオルゴ。こっちからカーター、ベルロイ、ジョーイ…お前誰だっけ?」
カルロスですよ!とつっこみが返ってくる。
それをみたケビンがふっと笑う。
「まぁ、よろしくな」
俺はケビンに手を差し出す。ケビンは少し驚いたような表情になった後ガッと握手する。
「ところであんたらどうやってここまで来たんだ?」
「あぁ、警察署から昇降機で来たんだが…それがどうした?」
「いや…俺たちは閉じ込められているもんでね…はやいとこ脱出したいんだが…」
「あぁ…ならそこまで案内してやろうか?」
「あそこはさっき塞がっちまったんだよ…」
「な!?なんだと?」
「理由はわからんが…まぁ一緒に脱出口を探そうぜ…」
「ああ…それと俺たちはほかにも任務があるんだ…出口はそっちで探してくれるか?」
「人命救助のほかに?なんだい…」
俺は少し周りの奴を見ながら考えた…、今こいつに俺たちがここに証拠をつかみに来たことをいっていいのか?もしこいつがアンブレラの手先なら後々ややこしいことになるしなぁ…
まぁ隠してもつまらねぇ。もしこいつがアンブレラの手先だったとしても殺せばいいしな…
「まぁ…なんだ…アンブレラの潰すネタ探しっての?やってるんだ…」
俺の言葉にアリッサとかいう美人なねぇちゃんが反応した。
「!?あなたたちはアンブレラの兵隊なんでしょ?そんなことしていいの?」
さすがに気づいていたか…なんせ俺たちの着ている戦闘服にはばっちりアンブレラのマークが入ってるからなぁ…
俺は少し笑って
「まぁ、この町見て気持ち変わったって感じかな?アンブレラのやったことには俺たち少々頭にきてるんでな。」
「…………」
アリッサは少しぽかんとしてたがそのあと
「ふふっ。あなたたち相当な馬鹿ね。いいわ!協力したげる!」
「協力ったって…」
「これあげるわ」
アリッサはポケットから一枚のフロッピーディスクを取り出した。
俺はそれを手に取るとアリッサに尋ねた。
「これは?」
「あなたがほしい証拠よ。私新聞記者なの。今回のことも調べてたらアンブレラに行き着いてね。そのディスクの中には今回の事件の真相が入ってるわ…」
「しかし、集めるの大変だったろ?いいのか?」
「いいのよ。コピー持ってるしね。」
さすが新聞記者。抜け目がねぇな。
俺たちはそっこーで任務達成しちまった。日ごろの行いがいいからな。さぁ残ってるのはあとひとつ生存者の救出だ。
「任務達成した。さぁ、あとは脱出口を探して帰ろうぜ。」
俺がそう告げたときどこからかものすごい雄たけびが聞こえてきた。
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
俺たちは一斉に銃を構える。
へへっ。そう簡単に帰してくれねぇらしいな。
to be continued...
つづきまだ?∀・)
407 :
ゲオルゴ:2005/03/24(木) 01:03:31 ID:???
--アンブレラ研究所 第一研究室--
雄たけびを聞いて俺たちはドアの方に銃を構えたまま固まっていた。
俺は早口に
「おい!ここは俺らの任せとけ!脱出口はお前らで頼む!」
そういって俺は無線機とヘッケラー&コックのMP5をケビンに渡す。
ケビンはそれを受け取ると
「わかった!」
そして三人組は去ろうとする。そしてケビンが振り返って
「生きとけよ!じゃな!」
俺はそれに口の端を吊り上げて笑うと
「フン!当たり前だ!」
ケビンたちが去っていく。途中アリッサが何か言おうとしてこっちを振り返ったが何も言わずにいっちまった。
へっ…ありゃ俺に惚れてるな…ま、俺くらいの男前に何もいわねぇ女はいねぇからな…この前抱いたあのアジア系の女は最高だったぜ…ともうかなり場違いなことを思い出しているゲオルゴ。
しかし危機はすぐそこまで迫っていた。
いきなりドアが吹き飛ぶ。学校で吹き飛んだ距離とは比にならないくらいに水平に吹き飛んだのだ。
ゲオルゴたちは一斉に暗闇に発砲する。シャークガ火を噴く。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオ!
やっぱり最新は発砲音が違うよな…などどやはり場違いなことを思うゲオルゴである。
そして撃ち終わるとすぐにリロードする。
そしてやっと敵が見える。
ん?人間じゃねぇか?
そいつは身長が二メートル近くあり、逞しい体つきをしている。
しかし人間とは思えないほど顔が白い。
ましてシャークの一斉掃射をうけて立っている人間などこの世界にいるはずがない。
そいつはゆっくりゆっくり歩いてくる。
カーターに向かって。
「なに突っ立ってやがるカーター!野郎にファックされてぇか!」
俺の怒号で急いで撃とうとするが巨人はもう目と鼻の先立った。
巨人が動く。
ブゥン!
ものすごい風きり音が聞こえたかと思うとカーターだ研究室の壁際までぶっとぶ。
そして壁に叩きつけられ動かなくなる。
一瞬の静寂。
408 :
ゲオルゴ:2005/03/24(木) 01:05:14 ID:???
「離れろ!」
俺の声を聞いて皆がそいつから離れる。
が、そのファッキンハゲも距離をとったカルロスに一気に近づき蹴る。
ゴッという鈍い音がしたかと思うとカルロスもガラスを突き破りそれきり動かなくなる。
ジーザス!ジーザス!ジーザス!!!!
なんだこのはげは!でたらめだ!
ジョーイとベルロイはシャークを思うさま連射している。
はげはそれをまるで風かのように立っている。
馬鹿な!!!
コートに穴がどんどん開いていくがハゲはまるで気にせずジョーイとベルロイに歩み寄っていく。俺は奴の頭に数発ぶち込んだがまるで効果なし。
そしてハゲは両腕を水平にひろげるとそのまま二人に突進する。
ジョーイとベルロイはそのラリアットをくらいきれいに回転して地面にどさっと倒れる。
今この部屋で動いてるのはおれだけ…
ハゲがこっちを向く。
氷のように蒼い瞳がこちらを見ている…
その眼はまるで死を写す鏡のようだ。
だが、俺も伊達に死線を踏んでねぇんだよ。
俺はもうすぐ死ぬかもしれないのに獰猛な笑みを浮かべた。
そして
「来い!!俺を殺したいんだろ!だがな!てめぇを殺すまで俺はしなねぇぞ!!」
その言葉を聞いてはげはすこし、ほんのすこし笑ったようだった。
さぁ…ラストダンスの始まりだ…
to be continued...
長いね!読み応えあるよ。頑張れ!(`・ω・´)
ケビンがすぐに去っちゃってちょっと寂しいな…
活字の苦手なもれにも楽しく読めるからありがたい
はよ続きクレ(゚∀゚)
411 :
ゲオルゴ:2005/03/25(金) 20:11:41 ID:???
--研究所 第一研究室--
やつは動かない…俺も動かない…ちなみに仲間も動かないってくりゃ絶体絶命なわけで…
だが俺はあのはげに負ける気がしねぇ…シャークをぐっと握りなおす。
うっちマおっかな〜。これ…
俺は撃つかどうかためらった。もし今撃ってもあいつにはなんにも効果がないように思えるからだ。
まぁ撃たなきゃ始まらないだろ?
俺はゆっくり銃口をはげの頭に移していく。
照準。
発砲。
ヴォオオオオオオオオオオン!!
途端シャークが弾薬をすべて撃ちつくす。
ちぃ!ボケが!
野郎咄嗟に頭をかばいやがった…ってことはあれが奴の弱点か?
勝てる!弱点があるってことは勝てるぜ!
俺は会心の笑みを浮かべたがすぐにそれが凍りつく。
ファック!
腕の隙間からあいつの瞳が見える。さっきよりより冷たく光ってやがる…
やばい!
奴が突進してくる。俺はそれを横っ飛びで凌ぎすぐさま発砲する。
やつは銃弾を受けながらぐっと踏ん張る。
がちっ!がちっ!
ちぃ!弾切れか!俺はリロードしようとしてマガジンを取り出そうと後ろのポーチに手を突っ込む。
それと同時にはげが動く。
ものすごい勢いで俺の距離を詰めてその勢いを利用して両手で掌底を放つ。
ごっ!
と鈍い音がして俺は壁際までぶっ飛ばされる。そして俺と同じ勢いでまだはげがついてくる。
よっぽどさっきのプレゼントは気に入らなかったらしい。
そして壁際まで飛ばされた俺を空中でつかみ壁に叩きつける。
それから地獄のコンボ発動。
壁にたたきつけた俺をもう一回回転して壁に叩きつける。で首をつかんだまま今度は地面に叩きつける。
で今度は俺の脚もつかんで空中に放り投げる。で空中に浮いてる俺をまた上に蹴り上げる。その足をそのままあげておりて俺が地面に落ちたら踵落としを食らわせる。
いったいどんだけやるんだよ…俺の超マッスルがなかったら内臓やられてんぜ…
とか思ってるうちにやつが俺の頭をつかんでそのまま持ち上げる。
おいおい浮いてんぜ。怪力はげめ…俺は朦朧とする意識の中あいつの顔が笑っているように見える。
ファッキンサドが!フーフー言ってんじゃねぇよ。
俺は渾身の力ではげの顔面を殴りつける。
ガッ!
しかつはげはそれをもろともせず俺を殴ろうとして
タタタタタタタン!
突如はげが揺らぐそして俺を放す。
412 :
ゲオルゴ:2005/03/25(金) 20:12:23 ID:???
俺は銃声のあった方向をみた。
ケビンだ。
あの野郎戻ってきやがったか。
へっ。ありがてぇ。
あいつは二階のフロアにいやがる。
ハゲはケビンを睨むと俺にトドメをさしてからケビンを殺そうと考えてるのか、俺の頭を再度掴もうとする。
タタタタタタタタン!
またケビンが俺が渡したMP5で奴を撃つ。
さすがに業を煮やして二階のフロアに行こうとする。
「おい!大丈夫か?」
大丈夫じゃねぇよ…声すらでねぇ。
俺はふっと笑ってやる。
「俺がこいつ倒してお前を救ってやるからなぁ!待ってろよ!」
無理だよ、MP5だけじゃな…
俺はやめろ!と叫びたかったがやっぱり声がでねぇ…
そんな俺には気づかず奴がまた叫ぶ。
「それと脱出口をみつけた!培養室にアリッサとマークがいる!」
そうしているうちにはげが扉の向こうに消えていく。
いよいよやべぇな…
そこで意識が消えかかる。
うぅ…こんな…ところで…くた…ばるのか?
意識を失う。
to be continued...
続きまだかな〜。
つか主人公逝ったくさいんだけど、なんか逆転でもあるんかな。
>412の「ハゲ」をマークと思って、OBキャラでバトロワさせてんのかな
と思って頭から読んだら違うかったね。
414 :
ゲオルゴ:2005/03/30(水) 22:19:31 ID:???
--???--
体がぐらぐらする…俺はくたばったのか?
意識がまだ朦朧としてるぜ…くそっ!体のあちこちがいてぇ!
俺は誰かに引きづられてるようだ…
「…う!…長!…隊長!」
誰かの声がする…
うっせぇつうんだ。しんどいんだよ…
あれ?俺ってなんでこんなにしんどいんだ?
確か…
記憶が鮮明になってくる。
死体。
ゾンビ。
そしてハゲ…
「!!!」
そこで完璧に起きる。
「隊長!起きましたか!しっかりしてください!」
カーターだ。
カーターが俺を担いで走ってやがる。
もう一人俺を担いでる奴がいるが…
ベルロイだ。
俺は担がれながらあたりを見回す。
前にはジョーイもいる。
俺は息も絶え絶えにまず
「てめぇら…くたばったんじゃねぇのか…?」
その問いにカーターは
「いえ、俺ら全員死んだふりしてました。」
「はぁ?ふざけんな!俺は死にかけてんのにおめぇら…!」
カーターはにっと笑うと
「嘘ですよ。変な野郎に助けられたんすよ!なんか駅員っぽかったけど…」
「…まぁそれはいいとしてカルロスは?奴はどこにいる?」
カルロスという単語を出した途端皆一様に暗い顔になった。
「…くたばったのか…」
カルロス…いい奴だったが…まぁ敵はとってやるぜ!
俺がそんな決意を固めてると
「おいおい!勝手に殺さないでくださいよ!」
後ろから声が聞こえる。
カルロスだ。振り向かなくてもわかるぜぇ!
俺は怒鳴った
「馬鹿野郎!しんでねぇじゃねぇか!」
「へへ…。」
カーターがにやにやしてやがる。
「つーかお前らどこ行ってるんだ?」
俺はみっともない格好だが培養室にいかなきゃなんねぇんだよな。
その質問に異口同音に
415 :
ゲオルゴ:2005/03/30(水) 22:34:55 ID:???
「培養室です」
なんでしってやがんだ?
おれはとりあえず聞いてみた
「てめぇらなんで知ってやがんだ?」
「え?隊長がずっとうなされながら培養室にいけっていってたんすよ。」
え?そうなのか?まぁ全員生きてるし結果オーライだな!
俺がそう思っていると培養室についた。
ジョーイがドアを開ける。
プシューーー
中にいた人が銃を向けてくる。
マークだ。
俺たちを視認すると銃を下ろしながら
「無事だったか。」
へっ!当たり前だぜ!
奥にはアリッサもいる。そして俺の姿を見るや否や
「ふっ。情けない隊長さんね。」
ひでぇぜ。ま、んなことはどうだっていい。
「脱出口を見つけたってケビンに聞いたんだが…さっさとこんなところからおさらばしようぜ」
「ケビンがまだ帰ってきてないけど…ま、大丈夫でしょ。」
アリッサはそう告げると俺たちを脱出口に案内した。
すまん!ケビン!
そうして地下ルートをとおり地上に出た。
ヘリまですぐそこだ!へぇなんかさくさく進んでやがるな…なんか嫌な予感がするぜ…
俺のこういう予感は当たるんだよなぁ…
グオオオオオオオオオオオオ!
ほらな?
一斉にみんなが構える。
すると50メートルくらい向こうの地面がぼこっと膨れる。
そして…
ドガァァァァァン!
地面が弾ける。
ちくしょう!やつだ!
手に何か抱えている…
人?
それを無造作に放る。
ケビンだ!
俺はそれをみて瞬時にシャークをぶっ放す。
ヴォオオオオオオオオ!
戦おうと思ったがベルロイがそれをとめる。
「隊長はヘリに向かってください!」
「俺もやる!」
「だめです!怪我してるでしょう!邪魔になるだけです!」
「しかし…おめぇら大丈夫なのか?!」
「やつとは一回戦いましたからね!それとケビンを助けないと!」
「…くそ!わかった!」
「…あなたの下で働けてうれしかったです。」
416 :
ゲオルゴ:2005/03/30(水) 22:36:22 ID:???
「俺も!」
「俺もッス!」
クソ野郎どもめ…
そしてカルロスが
「まぁ死ぬ気なんてさらさらないすけどね!」
俺はいい部下に恵まれたぜ…
「へっ!行って来い!絶対死ぬなよ!死んだらお前らの死体をファックしてやるからな!」
俺は背を向ける。
ハゲがこちらに向かってきたようだ…
ヘリに急がねば…
後ろから発砲音が聞こえてくる。
どうやら始まったようだ。俺は痛む体を無理させながらゆっくりヘリに進んでいく。
ヘリの近くまで来るとどうやら操縦者らしき男が俺に気づく。
はじめのろのろ歩く俺をゾンビと思ったらしく銃を向けてきた。
俺はそれをみて
「おいおい!ゾンビじゃねぇ!アンブレラの救出部隊の者だ!」
男は銃を下ろして聞いてくる。
「生存者はあんただけか?!ほかにいないのか?それとさっきから聞こえる戦闘音はなんだ?!」
いちいちうるせぇ野郎だ。こっちは怪我人だぜ?そういやアリッサとマークは?ちっ!あいつらも戦ってやがるのか!
「いや!すぐそこまで来ている!はやくヘリを離陸させろ!でっけぇハゲがこっちに向かってんだよ!」
パイロットは一瞬わけがわからんような顔をしたが俺を迫力に気圧され
「は…はげ?わ、わかった。離陸させる!」
パイロットは急いでコックピットに乗り込む。俺も一緒に乗り込む。
「おい!どれくらいで出発できそうだ!?」
「ちょっとまってくれ!五分もあればいける!」
俺は無線をもち
「おい!お前ら!タイムリミットは五分だ!五分だけ持たせろ!」
「了解!」
ちょっとだけの無線だったがものすごい発砲音が聞こえる。
「…ちっ!俺はなにもできねぇのか!?」
苛立ちに任せていすを思いっきり蹴り飛ばす。
その行動にパイロットはやけに驚いて
「や、やめろ!絶対に届けなきゃいけない品なんだから!」
俺ははじめパイロットの言っている事がわからずもう一度いすを見直す。
よく見たらケースだった。しかもでかでかとアンブレラのマークが入ってる。
俺はパイロットに尋ねる。
「おい!こりゃなんだ?!」
417 :
ゲオルゴ:2005/03/30(水) 22:36:54 ID:???
「え!?さぁ?ただ銃としか聞いてないが…」
俺はそれを聞いた瞬間、ケースの留め金を打ち抜く。
「お!おい!一体なにすんだあんた!」
「うるせぇ!はやく離陸準備しやがれ!だいたい俺はアンブレラの救助隊だぞ!このマークがみえねぇのか!?」
俺は腕のマークを突き出してパイロットを黙らせるとケースを開けてみた。
やたらでかいケースだ。ロケットランチャーでもはいってんのか?
…………こりゃぶったまげた………
俺はソレを手にすると無線で仲間に呼びかけた…
「おい!おめぇら!いますぐへリんとこに来い!」
「は?でもまだ…」
「いいからこい!わかったな!」
ベルロイはその指示を聞くとすぐに仲間全体に
「聞こえたな!?すぐ撤退する!アリッサとマークは先に行っててくれ!」
それに二人ともうなずくとすぐにヘリに駆けて行く。
ハゲはそれに気づくと二人を攻撃しようとする。
そしてすぐにふたりに迫り…
ヴォオオオオオオ!
あと少しで攻撃が届こうとしたときカルロスの射撃で動きを止められる。
そしてじりじりと距離を開けられる。
ヘリのある通りにさしかかると全員が一斉にヘリに全力疾走する。
皆隊長の指示通りに動いた。
(隊長!頼みますよ!)
とヘリが見えてくる。
隊長がなにか持っている。アレは?
418 :
ゲオルゴ:2005/03/30(水) 22:37:54 ID:???
ハゲが見えた。
俺はゆっくりソレをハゲにあわせる。
レールガン。
まさかこんな武器があるなんてまさに天からのギフトだな。
まさかここまで縮小されてたなんてアンブレラもやるときゃやるじゃねぇか!
俺はトリガーに指をかける。
ハゲは何も知らずにこっちにつっこんでくるぜ!
よおし!みんな乗ったな!?ジョーイがケビンを抱えて走ってきてベルロイが乗ったところでトリガーを引き絞る。
ギューーーーーーーーン!!!!
ものすごい反動だぜ!
閃光が辺りを包む。
そして…ハゲが立っている。
体に大穴をあけて…
そしてゆっくりひざをつき…
ドサァ!
倒れる。
「イーーーーーーーーハアアアアアアアアア!!!」
ヘリが地面から離れていく。
みるみるハゲが小さくなっていく…
戦いは終わった…しかし、本当の戦いはいま始まったのだ…
ヘリは俺たちを乗せ、地獄から脱出した…
アンブレラ…覚悟しとけよ?
to be continued...
419 :
ゲオルゴ:2005/03/30(水) 22:40:28 ID:???
ども!途中更新遅れてすみません。
とりあえずゲオルゴ編は終了です。
どうですか?面白かったですか?
一応to be...としているのはもうひとつシナリオを考えているからです。
近日中にUPするんでよろしく!ではでは・・・
力作乙でした!
面白かったですよ。最後ケビンがどうなったのか気になるけど、
流れから言って助かったんだろうと解釈しておきます。
次回作も期待してますよ〜
乙っす。
マークのことを「ハゲ」と思って攻撃するかとドキドキしたのは伏せておこう。
力作、超乙。おもろかったよー
長かったのに口語調で読みやすかったです。
全員生き延びたみたいで良かった。
続編も楽しみにしてますよ〜
424 :
ゲオルゴ:2005/04/04(月) 01:09:18 ID:???
--???--
ラクーンシティの悲劇から半年。
原因不明のウイルスによりここバークレイは未曾有の大惨事を迎えた。
9月11日1124時、原因不明の死者発見。あちこちに獣に噛まれた様な痕が伺える。
同日、さらに多くの変死体が発見される。
12日0215時、死んだと思われる死体が動き出した。
同日0614時、政府は何らかの生物兵器のテロと断定。
0000時、厳戒令発動。
バークレイは直ちに軍の支援を要請。これを受けアメリカ軍は第42機甲師団を派遣。
その部隊に私…ウィリアム・K・グリッドソン軍曹はいた…。
425 :
ゲオルゴ:2005/04/04(月) 11:23:57 ID:???
--バークレイウエストメインストリート--
「第三歩兵小隊は西!俺たちは東を抑える!いけいけいくんだ!」
上官の怒号を背にヘリから私たちは降りる。
私たちはこの西通りを制圧することが目的だ。
私の後にまだ入隊したばかりのルーキーが15人ほどついてくる。皆一様に不安そうな顔をしている。
私はヘリから降り、来るべき敵に対して装備を整えた。
私に言われなくてもそれくらいわかっているのだろう。ルーキーたちは私に習い装備を整えていく。
装備はコルトM4A1カービンにグレネードランチャーをつけた、米軍正式採用の銃だ。
私が残弾を確認したら、無線から誰かの叫び声が聞こえてきた。
「だめ…!……歩兵…全…!救…求む!だれ…!くそ!マービン駄…だ!逃げ…!奴…西通りに向か…てる!逃…ろ!」
それから叫び声が絶え間なく聞こえてくる。
彼らが来るのだ。
軍の当初の推測が外れたようだ。軍上層部は奴らを何の武器も持たないのろまな死体と高をくくっていたらしい…
しかし、それがまずかった。彼らは町から出ようとあっという間に我々の包囲網を突破すると怒涛の勢いでこの最終防衛ラインまできた。
もうここに残っているのはルーキーばかりだ。
彼らがさっきの無線を聞いて顔面蒼白にしている。
私はそれに向かっていった。
「…無線は聞いたな?奴らが来る。各員所定の位置につけ。頭を狙って発砲しろ。奴らは心臓を撃っても止まらんぞ。」
全員私の言葉を聞いて安心したようだ。さっきよりは硬さはなくなっている。
…来た…
大軍勢だ。およそ私たちの五倍はいるだろう。彼らが私たちを確認したのか、こちらにやってくる。
ゾンビ…見るまでは信じられなかったがまさか本当にいるとは…
私は少し驚いたが、驚きを兵士に悟られまいと怒鳴った。
「いいか?!彼らが来たぞ!バリケードを盾にしろ!私が発砲許可するまで撃つなよ!…そこ!セイフティーは外しとけ!」
私の合図で全員が銃を構える。
まだだ…
50メートル…
40メートル…
30メートル…
いまだ!
「よし!全員グレネード発砲せよ!」
同時に全員が発砲する。
シュポン!
ドガガガガガァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
第一波で先頭のゾンビどもが吹き飛ぶ。
「装填!…撃て!」
426 :
ゲオルゴ:2005/04/04(月) 11:24:56 ID:???
シュポン!
ドガガガガガガガガァァァァァァァァァァァン!!!!
ゾンビどもが空中を舞う。手とか足とかいろいろな部位が…
「よし!撃て!頭を狙えよ!」
一斉に撃つ。
ダダダダダダダダダダン!
ものすごい発砲音の中ゾンビたちは一向にスピードを緩めない。
10メートル…
もういいだろう。
「撤退!」
私の一言で兵士が後ろに下がる。
背中を向けて逃げるものはいない。発砲しながらじりじりと後退していく。
ダダダダダダダン!
発砲し続ける。
(もうそろそろか…)
私はおもむろに起爆スイッチを掴む。
ヘリに降りてきたと同時に仕掛けたクレイモアだ。
もう敵の大半は誘い込んだ。
「よし!皆爆発の衝撃に備えろ!爆破するぞ!」
それを聞いて兵士たちは発砲をやめる。
カチッ!
ドガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァン!!
さっきのグレネードより大きい爆発が起きる。
爆風が熱い…
そしてゾンビたちを確認する。
ほぼ殲滅した。残ったのは数十体だ。恐るるに足りん。
そして残りを始末しようとした。
「ぎゃあああああああああああ!!」
闇を切り裂くような叫び声。
全員が振り返る。
見ると兵士の一人がゾンビに噛まれている。
なんと後ろにも数十体のゾンビがいる。
それをみて全員がパニックに陥る。
「な!?いったいどこから?」
兵士たちがうろたえだした…まずいな。私はすぅっと息を吸うと
427 :
ゲオルゴ:2005/04/04(月) 11:25:31 ID:???
「落ち着け!!慌てるな!」
(くそ!向こうの連中は突破されたのか?!)
あっという間に三人がゾンビにやられる。
後ろに気を取られて前面に注意してなかったせいで前の兵士も二人やられる。
囲まれた。
私はすぐに状況を判断して
「後方の敵を突破する!全員続け!」
そして私が後方に射撃しだすと全員が落ち着いてきたのか発砲しだした。
ダダダダダダダダダダダダダン!!
みるみる後方の敵を駆逐していく。そして見事活路を見出しそこから全員逃げる。
「何人やられた!?」
「五人です!」
すぐに返事が返ってきた。
私は走りながら返答した主をさがした。
私のすぐよこで走っていたのはグリッド上等兵だ。
そしてそいつにだれが死んだかを尋ねようとして…
ペキペキ…ボガン!
地面に亀裂が入り穴が開く。
そのまま私は下水に落ちてしまう……
どしゃあああ!
派手な着水音が響き渡る…
体が痛い…上でグリッドが何かを叫んでいる。そして諦め逃げていってしまった…
そこで私は気絶してしまった…
to be continued...
おもしろいね、
なんだかB級のハリウッド映画みてるみたいだよ(・∀・)
429 :
ゲーム好き名無しさん:2005/04/12(火) 21:10:14 ID:FBnEeNdG
>>1から読んでたのに、こんなところでとまってしまっているなんて…
ageます!&期待してます!
430 :
30:2005/04/13(水) 00:16:47 ID:???
みなさんお久しぶりです。
ようやくひとつ出来ましたので置いときますね。
431 :
30:2005/04/13(水) 00:17:59 ID:???
「ママ!」
ティムが帰宅したときシンディはPCに向かってひたすらキーボードを叩いていた。
昨年出版したラクーン地方特産ハーブのガイドブックが好評で、出版社から続編を
リクエストされていたのだ。
シンディは原稿ファイルを保存するとデスクを立って部屋を出た。
時計を見ると昼前だ。まだ学校が終わる時間ではない。シンディはなぜティムが
帰ってきたのか理由をいくつか考えた。
階段を下りてみると、ティムは玄関を入ったところに座り込んでいる。
「おかえりなさいティミー、どうしたの?」
半泣きしたような顔を向けたティムはTシャツの丸首を引っ張って左肩を見せた。
「こんなになっちゃったんだよ」
幼い彼の肩は赤く腫れ上がり、熱を持っているようだった。
「ティム、これ・・・どこかにぶつけたの?」
「ちがうよ。何もしてないのにこんなにふくれてきちゃったんだ」
ちょうど打撲で腫れたような感じなのだが、外傷も内出血を示す兆候もなかった。
「先生にこれ見せたら、早く帰ってお医者に行きなさいって」
「痛い?」
「ううん、でも何だか変な感じがする」
「変な感じ?」
シンディはティムの額に手を当ててみたが熱はないようだった。とりあえず肩を
ぬれタオルで冷やして、かかりつけのバーンズ先生に診てもらうことにした。
432 :
30:2005/04/13(水) 00:19:00 ID:???
「わからんなぁ・・・」
バーンズ先生は首をかしげるばかりだった。
「何の外的要因なしにこんなふうになるとは・・・
とにかく冷やすことです。もし症状がよくならないようなら市の中央病院に
紹介状を書いてあげますよ。あそこにはCTスキャンもあるから、より精密な
検査ができるでしょう」
結局バーンズ先生には原因がわからなかったようだ。
シンディは仕方なくティムを連れて帰宅した。
その夜は早めに食事をしてティムを寝かせることにした。もし朝になっても
腫れが引かないようなら、バーンズ先生が言うように市の中央病院へ行くつもり
だった。
その夜、シンディはなかなか寝つけなかった。
ベッドから起き出したシンディは、ティムの部屋のドアをそっと開けてみた。
シンディはベッドの上に人影を見て息を呑んだ。
ティムがベッドの上に起き上がっていたのだ。
「ママ・・・」
「ティム!どうしたの?肩が痛いの?」
「・・・違うんだ。でも、ほら見てよ」
シンディは部屋の灯を点けて再び息を呑んだ。
ティムの肩がさらに一回り大きくなっていたのだ。
シンディは軽いめまいを覚えつつ、ベッドのティムに駆け寄った。
「一体どういうことなのかしら」
433 :
30:2005/04/13(水) 00:20:02 ID:???
別れた夫は消息不明だし、こんなとき頼れるのは・・・
シンディは意を決して廊下の電話の受話器を上げた。記憶だけを頼りに番号を
プッシュする。
呼び出し音が続く間、シンディの心臓は次第にテンポアップしていった。
時計を見ると午前二時だ。こんな時間では電話に出てくれないかも知れない。
シンディは数十秒の間そんな不安な思いを持て余していた。すると唐突に先方が
電話に出た。
「ハミルトンですが」
懐かしい声を聞いたシンディは思わず涙を流しそうになった。
「ジョージ!!」
「・・・シンディか!?」
ティムが生まれてからジョージとはまったく連絡を取っていなかった。それはやはり
夫への遠慮があったからだ。だが昨年その夫とも離婚し、シンディはジョージと
連絡を取る間合いを計っている自分に気づいていた。本当ならこんなことで電話を
したくはなかった。だが、今頼れるのはジョージだけだったのだ。
シンディは事のすべてをジョージに話した。すると不思議なことにジョージは
このことをまるで予期していたかのようなことを言うのだった。
「やはりそうか・・・」
「やはりって・・・どういうことなの!?」
「実は去年、ジムの子供に同じことが起こったんだ・・・」
シンディは衝撃を受けた。
「ジムだけじゃない。ケビンの子供もだ」
ジョージの口調から事の深刻さが痛いほど伝わってきた。
434 :
30:2005/04/13(水) 00:21:05 ID:???
「どうやらラクーンシティから脱出してデイライトの投与を受けた人間の子供に
何らかの異変が起きているということらしい。
僕たちの中でラクーンシティ脱出後に子供を授かったのはジム、ケビン、君の三人
だけだ。その三人のうち二人に異変があった以上、君の子供も危ないと心配して
いたんだ。だが君とは連絡が取れなかった・・・もっと早く連絡をくれれば・・・」
「ごめんなさい・・・でも、ジムとケビンの子供は・・・大丈夫なの?」
「大丈夫だ。ティミーのケースとは違って、ジムやケビンの子供は症状が緩やか
だった。今のティミーの状態に達するまで発症してからおよそ半年かかっている。
そういう意味ではティミーのケースは前例がないとも言える」
シンディは次第に背筋が凍り付いて行くようだった。
ようやく振り払ったと思っていた悪夢がまだ生きていたなんて。それも最愛の
一人息子の体に?
やり場のない怒りと恐怖で体が震えた。
「そんな・・・わたしは・・・ティミーは・・・どうしたらいいの?」
「すぐに僕のところにティミーを連れてくるんだ。ジムとケビンの子供も、
今僕らが懸命に治療している」
「わかったわ。夜が明けたらすぐに・・・」
「いや、今すぐにだ。僕も大学病院で待機する」
シンディはジョージのその言葉に、事は一刻を争うのだと理解した。
「わかったわ」
435 :
30:2005/04/13(水) 00:22:08 ID:???
ジョージから大学病院の所在地を聞くと、感謝の言葉を述べてシンディは受話器を
置いた。
「ママ」
いきなり背後から言葉をかけられてシンディは心臓を冷たい手でつかまれたような
気がした。
「ティミー、すぐに着替えて。大学病院に行くのよ」
なぜかティムは落ち着いていた。
着替えや身の回りのものをバッグに詰めると、シンディはティムを助手席に座らせて
グリーンのセダンをスタートさせた。深夜のハイウェイはクルマの通りも少なく、
限界まで速度を上げることが出来る。
しばらくして助手席のティムの息づかいが荒くなった。肩で息をしているようだ。
「ティム、大丈夫?」
シンディが視線を向けると、ティムの目が光ったように見えてゾッとした。
街灯の明かりが反射しただけだと思い直してみたが、光ったように見えたのは
ティムの肩だったのだ。
さっき家を出たときよりもさらに一回り大きくなったティムの左肩には、真ん中に
一本の筋が入っていた。その筋の部分がゆっくりと開いてゆく。
シンディはそこに何を見るのかわかっているような気がした。
だが、どうしてもそこから目を逸らすことが出来なかった。
436 :
30:2005/04/13(水) 00:24:56 ID:???
◆
グリーンのセダンがハイウェイを疾走していた。
セダンは突然コントロールを失ったように左右に振れ、ガードレールに激突した車体は
路面を何度もバウンドしながら回転した。中央分離帯でようやく停止したものの、
エンジンルームから火の手が上がり、瞬く間に車体全体が炎に包まれた。
後続のクルマが停止してドライバーたちが駆け寄ってきたが、もはや中の人を救い
出せるような状況ではなかった。
用心して遠巻きに見ているドライバーたちの前で、ついにグリーンのセダンは爆発して
四方八方に砕け散ってしまった。
数時間後、警察の検分が行われた。
だが、不思議なことに遺体はひとつも発見されなかった。
ハッピーエンドかと思ってたら急展開ですね!Σ(´д`;)
続編、たのしみにしてます(・∀・)
続きが気になるます(゚Д゚;)ハラハラドキドキ
シンディしんじゃうのかな…
440 :
30:2005/04/13(水) 20:05:11 ID:???
どうも、30です。読んでくださってアリガトです。
えーっと、実はこのお話はこれで終わりで続きはない・・・
ってつもりで書いてたんです。
でもやっぱりこれで終わりじゃあんまりですよね。
続きをまったく思い描かずに書いたため、このあとどうなるのか私自身も
今のところまったくわかりません(;´Д`)
と言う訳で、少々時間がかかると思いますけど、とにかく続編やってみます。
待ちくたびれちゃうかも知れませんが、大目に見てやってくださいね。
>>30さん
いつまででも待ちますよ!(゚∀゚)そこにバイオの世界があるかぎり…頑張ってくだちい
街全体が、血生臭い。
全ての始まりは、あのバー。
街の脱出に使うはずのトラックもゾンビ達の餌食だ・・・
そこら中に死体が転がっている。いつ動き出すのか不安で仕方が無い。
ダン! 動き出した死体をケビンが素早く撃ち抜く。
もう武器も少ない。ここにいるのは疲れきったシンディとヨーコ、まだまだ元気そうなケビン。
ケビンはともかく、シンディとヨーコはまずい。そろそろどこかで休憩しなくては。
「あそこの店で休もうぜ」ケビンも同じ事を思っていたようだ。
私は頷いてから店の中へ向かう。
◇
◇
「クソ!店の中はゾンビだらけじゃねーか!」
ケビンがリロードしながら言う。店の外にもゾンビが集まりだした。逃げ場がない。
ヨーコとシンディは後ろでマガジンに弾を詰めてる。
的確にゾンビの頭を撃ちぬき、後ろのシンディにマガジンを貰いながら戦う。
「シンディ!マガジンを!」
「最後の一つよ!」シンディにマガジンを渡され、慎重に、素早く敵の眉間を撃ち抜いていく。
ゾンビは全滅したようだった。流石にケビンも私も疲れた。
登山で鍛えているため、同年代の中では体力がある方だったが、やはりキツイ。
「皆、休憩だ」
◇
20分ほど休んだだろうか?外でヘリのローター音がする。
外に出ると確かにヘリが1機飛んでいる。
「お〜い!ここだ!!助けてくれ!!」
ヘリはこっちの存在に気づいたのか、ライトでこちらを照らす。
しかし、何かが落ちてくる。
ドスン!鈍い音だ。コンクリートで舗装された道がへこんだ。
落ちて来たのは黒いカプセル。何かが出てくる。
「皆!気をつけろ!」ケビンが銃を構える。
中から出てきたのは大きな身体をした人・・・?
しかし、生気が感じられない。目は白目をむいている。不安に思ったのかケビンが頭に銃弾を撃ち込む。
その瞬間!その赤いコートを着た人間(?)は怯みもせずもの凄いスピードでケビンに襲い掛かった。
ケビンは攻撃を避けて身体に2、3発銃を撃つ。 カチャ、カチャ。
「弾切れだ!しかも後ろの壁が木っ端微塵だぞ!」
「ひとまず逃げましょう!」
皆が一斉に走り出す。奴はヨーコを狙ってる。が、シンディが奴の気を引く。
今度はシンディを狙うが私が奴の気を引く。
攻撃は単調で避けやすいが、当たればひとたまりもない。
しかし、今度は横を歩いていたゾンビに気を引かれたのか、ゾンビを殴り飛ばす!
「皆!今だ!」全員で銃専門店に駆け込む!
片っ端から銃器を集め、ヨーコのナップザックに入れていく。
ヨーコのナップザックが重みを増していく。これで、奴は撃退出来るのだろうか・・・?
◇
裏口から外へ出る。こっちにはグレネードランチャー、アサルトライフル、ショットガン。
重火器ばかり揃っている。ヨーコでは持てそうにないので私がナップザックを担いでいる。
どうやって奴を倒すか・・・
おそらくこの武器では足止めにしかならない。
「あの車、動くと思う?」不意にヨーコが質問してくる。
「分からない。近づいてみよう」
車の中には誰も居ない。鍵もある。
「よし。乗ろう。」車の中へ皆が乗り込む。
おそらく、運転手はゾンビに襲われたのだろう。車内には所々に血が付いている。
私はそんな事を思いながら車のアクセルを踏んだ。
◇
静かな街に、車の風を切る音だけが響く。
ケビンはマガジンに弾を詰めている。弾薬もマガジンも十分だ。
シンディはハーブケースを整理している。幸い、だれも大きな傷は負っていない。
ヨーコはラジオをいじくっている。直るのだろうか。
街の外まであと少しだ。高速に乗って、山を越えるだけだ。
だが、ガソリンが残り少ない。そう思っていた所にガソリンスタンドがあった。
「ガソリンが少ない。少し待ってくれ」そう言って私は車にガソリンを入れだした。
◇
ガソリンが満タンになってきた頃、突如道の向こう側の壁がゾンビごと吹っ飛ぶ。
中から奴が出てきた。奴もこちらの存在に気が付いたのか、走りだそうとする。
「奴だ!早く乗れ!」ケビンがドアを開けて言う。
急いで車に乗り込み、アクセルを踏んで奴からの逃走を試みる。
ケビン、ヨーコ、シンディは窓から身をのりだして奴を撃ってる。しかし、奴は少し動きを止める程度だ。
「奴ごとガソリンスタンドを爆破しましょう!」シンディが言った。
街からの脱出に使う車が無くなるが・・・
奴から逃げきる自身も無い。Uターンしてガソリンスタンドへ向かう。
◇
案の定、奴も追ってきた。ケビンには囮になってもらう。シンディとヨーコは動きを止める役だ。
そして、私は奴に車をぶつける。奴と少し距離があいた。三人が車から降りる。
私は車を走らせた。ケビンが奴の頭を的確に撃ち、ガソリンスタンドへ向かっていく。
奴もガソリンスタンドへ。やはり、やられたらやり返す性分らしい。
ヨーコとシンディが奴に銃口を向ける。が、同時にケビンが吹っ飛ぶ。
「ケビン!」2人が声を揃えながら、奴に総攻撃を浴びさせる。チャンスを逃すわけにはいかない。
ケビンは随分と遠くに飛ばされたが、動けるらしくガソリンスタンドから遠ざかる。
2人の総攻撃を受けながら、怯む敵。
私はアクセルを思いっきり踏み、車がガソリンスタンドに入る直前に車の外に飛び出した!
車はそのまま奴の元へ・・・
直撃した!同時に車が爆発する!次にガソリンスタンドが爆発する!
燃えるガソリンスタンドの中で、もう一回小さな爆発が起きた。
◇
ケビンも私もボロボロだ。体中が痛い・・・
しかし、奴は死んだ。我々の勝利だ。
が、一つ気になった事がある。奴は何だ?なぜヘリから落ちてきた?
しかも、そのヘリに書いてあったマークはアンブレラ・・・
皆はもう、街を脱出するのが最優先じゃないようだ。
一つの疑いを確かめるために、私達はアンブレラの研究所へ向かう。
このメンバーならこれから何が起きても大丈夫だ。
初挑戦です。長いし、テンポ速いし、読みづらくてスマソ。
自分の文才の無さを痛感しました('A`)
あと、わざと主人公の名前と敵の名前は出してません(分かると思いますが)
じゃ、
>>30氏とゲオルゴ氏頑張ってください。楽しみにしてます。
>>447 ちょっと臨場感っぽいのはたりなかったけど、十分おもしろかったですよ!
これからも更なる上達めざしてがんがってください(*´д`)
449 :
名無し:2005/04/19(火) 12:47:31 ID:pP33kJU9
何故こんな事になったのか・・・・
もう、やり直しはきかないのか・・・・・
何度考えても答えは出ない・・・・
今出来るのは、ただ、生き延びる事・・・
古風な趣のあるカウンターと椅子が並び、感じのいいジャズが流れる。
ここはラクーンシティーにある酒場‘JacK’BAR”だ。
年代物の銘酒が名高く、様々なワインを収めた大規模なワイン倉庫もある。
僕は会社の後輩のジェイクと共にここを訪れた。
カウンター席に座ると僕はビールを、ジェイクはウィスキーと豆スープを注文した。
注文した品が来るまで2人で他愛も無い雑談を交わす。僕は店内を見回してみた。コの字型のカウンターの左側には警備員服を着た白人と黒人の男が座っていた。
450 :
名無し:2005/04/19(火) 13:11:41 ID:pP33kJU9
右側には背広を着た男と黄色いツナギを着た男がいる。そして僕達の座っている正面のカウンターには紺色の制服に白い文字で「RPD」書かれた服を着た男がいる。たぶん警官だろう。
バーテンがビールとウィスキーと豆スープを持ってきた。僕はビールを飲みながら店にあるテレビから流れてくるニュースを聞いていた。
「今日2:35分頃、ラクーンスタジアムで暴動が発生しました。ラクーンシャークスの試合を観戦していたファンの1人が暴れだし、暴動が拡大した模様です。現在、負傷者の数は判明しておりませんが、50人以上の警官が事態の収拾に乗り出しており・・・・」
「物騒ですねぇ・・・・」「まったくだな。暴動が起こるなんて・・・・」
そんな会話をしていると、BARの扉が開く音がした。
あの悪夢の街が地図から消滅してから1年が経とうとしていた
諸悪の根源であるアンブレラ製薬は、事件の事実の発覚により
会社の信頼は失墜し株価は暴落、既に企業として壊滅状態となっていた。
また、世界中に点在する支社、研究所、各国捜査当局により
閉鎖に追い込まれた
これにより全てが終わったかに見えた
しかし悪夢はまだ終わってはいなかった・・・
1999年8月 日本
元アンブレラ研究員であった鈴木ヨーコは、仲間達と共にあの街を脱出してから
故郷である沖縄県にある岩江良島へと帰国していた
人口2100人のこの島は米軍基地があり、観光が主な産業である。
夕方、ヨーコは島の港へとある人物を迎えに行っていた
1日の朝と夕方2回沖縄本島から来る連絡船から男が降り
ヨーコの元へと近づいてくる
「やあヨーコ久しぶりだね」
「ジョージ、また会えてうれしい」
その男はかつてヨーコと共にラクーンシティを脱出したジョージ・ハミルトンであった
外科手術の権威であるジョージは沖縄で行われた学会に海外招待客として招かれ来日したのであった。
語学の堪能なジョージは学会でのスピーチも全て日本語でこなしたほど日本語も上手い
来日の際かつての仲間であったヨーコから招待を受けていたのであった
ヨーコの家へと招待されたジョージは歓迎を受けかつての思い出話をさかせていた
ドオオオオオオン!!
時計の針が夜の9時を過ぎようとしていた時、表から何かが爆発するような音が聞こえた
「なに?」
ヨーコは自宅から表に出てその光景を見て愕然とした・・・
おそらく街の中心部からにあるガソリンスタンドが爆発したのであろう、赤い炎と黒い煙が昇っているのが
街の中心部からは外れた海沿いにある自宅からでもハッキリと確認できた。
県警のパトカーや消防車のサイレンが響き渡っている、ヨーコは何か嫌な予感がした
その時防災無線がけたたましく鳴り響いた
「島民の皆さんに連絡します・・・
緊急事態です、暴動が発生しました!
人が人の肉を食べています、噛まれた人間も同じように人の肉を・・
以前アメリカで未曾有の大惨劇となったラクーンシティ事件と全く同じです・・
はやく脱出を・・・うわぁ〜〜」
その後は、無線のスピーカーからは低いうめき声が聞こえてくるだけだった・・
ヨーコの頭にあの時の出来事が出されていく・・
「Tウイルス・・なぜこの島で・・・?」
運命の神は再び彼らを悪夢へと引きずりこもうとしていた・・・
なんもこの先の展開考えてません
ただ日本が舞台のバイオを想像しただけです
文章力も未熟だし
こんなの需要ないかorz・・
455 :
名無し:2005/04/19(火) 21:44:46 ID:PHMDOMBo
かつて、ラクーンシティーを滅亡させた悪魔のウィルス‘Tウィルス”
元スターズの隊員達により、Tウィルスは滅ぼされたはずだった・・・・
だが、2005年、再びあの悪魔のウィルスが姿を現した。今回は世界レベルで・・・
さすがに元スターズの隊員達にも止めようが無かった。
瞬く間に世界は汚染された。
世界は滅亡した。
それから5年・・・・
ワクチンにより、わずかに生き残った人々の上に君臨する男。
その名は‘アルバート・ウェスカー’
彼こそがTウィルスを撒いて世界を滅亡に追いやった張本人。
恐怖政治を行うウェスカーに立ち向かう物がいた。
彼らこそ元スターズ隊員達の遺志を継ぐ者達。
世界の明日を賭けた戦いが今、始まる・・・・
450の続きは〜?
>>454 いや、需要はある!
日本が舞台、オレも読みたいぞ
>>454 いや、そんなこと告白されても読み手は困るだけ
雑誌に定期投稿してるわけじゃないんだし、書きたくなかったらやめればいいじゃん
>>450は終わりなのか?
確かにあとは発生シナリオまんまだけど。
462 :
名無し:2005/04/20(水) 22:38:50 ID:fdyWHaQ9
入り口を見ると1人の男が立っていた。僕はその男の異様な雰囲気に息を呑んだ。
どこかおかしい。立ったまま唸っているだけなのだ。バーテンも男の異様さに気付いた様だ。
「客にしちゃ妙だな・・・・」バーテンはそう呟くとカウンターから離れた。僕はその様子を見ていたが、ドタン!という音に意識をそらされた。
見ると白人の警備員が倒れており、同僚の黒人の警備員が抱き抱えている。一体どうしたんだ?疑問に思いながらも傍に行こうとした時、店内に悲鳴が響いた。
「うわああああ!!」
463 :
名無し:2005/04/20(水) 23:06:36 ID:fdyWHaQ9
悲鳴のした方を見ると、バーテンがさっき入ってきた男に掴み掛られている。本当にどうなってるんだ・・・・でも助けないと。
僕は慌ててバーテンの元へと向かった。だが、その時。
「ぎゃあああああああ!!」
バーテンが凄まじい絶叫を上げると同時に、首元から血が吹き上がる。
「きゃああああ!」
「この野朗!」
警官が男を引き剥がして店の外に放り出した。そして素早く扉を閉めて鍵を掛ける。
床に倒れたバーテンはピクピクと痙攣していたが、やがてぐったりと動かなくなった。
「いやあああ〜!ウィル!ウィル!死んじゃダメ!死なないで!お願い起きてよう!」
ウェイトレスが半狂乱でバーテンにしがみ付き、必死で揺さぶる。
464 :
名無し:2005/04/20(水) 23:20:33 ID:fdyWHaQ9
「どけ!」
警官がウェイトレスを押しのけバーテンの脈を測っていたが、やがて黙って首を振った。
「そんな・・・そんな・・・・」ウェイトレスは呆然と床に座り込むと、顔を覆って泣き出した。
「とにかく、アイツは店の外に追い出した。後は応援を呼べば・・・」
「果たしてそう上手く行くかな?」ツナギ姿の男が言った。
「どういう意味だ?」
「あれを見ろ」そう言うと男は窓を指差した。そこには・・・・
465 :
名無し:2005/04/21(木) 09:52:03 ID:PJO+JOUz
「なっ!」
「うわ!」
窓ガラスを見た僕と警官は揃って驚きの声を上げた。窓にはさっきの男と同じ様な連中が体当たりをしている。
「一体どうなってるんだよ!」
「とにかく署に連絡する!」そう言うと警官はカウンターの中にまわって電話の受話器を取ってボタンを押していたが、
「くそ、回線が混雑して繋がらないだと!?どうなってやがんだ」
警官は倒れている警備員の方を見た。
「おい、ソイツはどうしたんだ?」
「俺にも分からん。酒を飲んでたらいきなり倒れたんだ。」
「私も症状をみているんだが、なぜこんなに重病になったのかわからない。こんな症状は私は見た事がない。」
黒人の警備員が答えるのと一緒に白人の警備員の様子を見ていた背広の男も答えた。
「あんた医者か?」
「ああ、私は外科医をしているジョージ・ハミルトンと言う者だ。」
「自己紹介などしている場合か」ツナギ姿の男が言った。
「そうだな。とにかくここから脱出しないと。おい、シンディ、正面以外に出口はないのか。裏口とか。」
警官が座り込んでいるウェイトレスに聞いた。シンディと呼ばれたウェイトレスは呆然としていたが、やがて「ないわ」といった。
「ここ以外に外に通じる所は無いわ。」
「あそこは?」
僕は店の奥にある扉を指差した。
「あそこは2階にあるスタッフルームに通じてる階段よ」
「どんな場所だろうとここよりはマシなはずだ。行くぞ!」
そう言うと警官はウェイトレスを立ち上がらせた。黒人の警備員とジョージは白人の警備員を立ち上がらせている。
「僕らも行こう。」僕はジェイクに言った。その時、
バァン!!
扉が音を立てて破られた。
30タソのシンディが気になる(つД`)
468 :
30:2005/04/22(金) 21:09:17 ID:???
>>466 申し訳ないです。現在展開を模索中です。
ある程度方向が定まればそれほどかからないんですが・・・
すみませんが、もうしばらくお待ちください。
気にしてくれてアリガトです。
>>468 いつまでも待ちますよ!(BGM:待つわ)
がんがってくらさい〜(iДi)ノシ
ここは糞文でも何でも誉めてもらえるからいいよな
>>470 おもしろい!
けど、文章もあげてなさそうな君が煽る必要は無いんじゃない?
>>470 マジで面白いからほめるんだよ。
かりに心底糞だと思う小説があったとしても、わざわざレスしてスレの雰囲気を悪くしたくないし。
↑禿同
ヘリの小窓から外を見ると、そこには普段は青く澄んだ空が澱んだ雲で覆われ豪雨が降り続いていた。
それはまるでゲイルの不安を掻き立てるかのように窓の向こうに存在した。
「くそっ。」
思わずゲイルは呟いた。そこは割りと大きめのヘリの中であり軍でも使用できそうなヘリであった。
内部には左右にシートがあり計6人の男達が座っている。誰もかれもが武装しており一般人でないのは一目見て明らかであった。
シートの端に座っていたゲイルは葉巻を取り出しイライラを抑えるかのように吸い始めた。
「ゲイル、そういらいらすんなよ。」
隣に座っていたジョンが見かねて声をかける。
「胸糞悪くもなるぜ。只でさえ気が滅入る任務なのに、さらにこの天気。これでウキウキなんかしてられるか!」
ゲイルはハマキを床に押しつぶしながら答えた。何かに自分の気持ちをぶつけないと気がすまないらしい。
「お前はいちいち細かいことを気にしすぎなんだよ。晴れたら気持ちよく任務ができるってのか?大して変わりゃしねぇだろ。」
ジョンは肩をすくめながらゲイルを諌める。
「そんなことはオレだって分かってるよ!お前はいつもグダグダと・・・。だいたいいくら同期だからって俺は隊長、
お前は副隊長なんだから任務のときぐらい敬語を使えよ。」
「はいはい、了解しましたよ。隊長。」
ジョンの適当な返事にあきれながらゲイルは再び葉巻を取り出し始めた。
―ジョンにいちいちそんなことを言われなくても分かっている。オレだって伊達に隊長になっているわけではない。
だがこの任務の内容を考えるとどうしても不安がよぎる。それが俺を苛立たせるのだ。
なんとしてもメンバーを全員生還させたいが・・、いや俺自身今回も帰還できるのか分からないのだ・・・・。
475 :
ゲーム好き名無しさん:2005/04/24(日) 20:30:51 ID:VzaY3ydw
「隊長!じきに問題のビルの屋上に着きます!」
操縦士が後ろに向かって怒鳴った。
「全員装備を確認しろ!ヘリが目的地の屋上にロープを垂らし次第降下する!
ゼットから順に降下し屋上の安全を確保しろ!」
降下用のドアを開けながら、ヘリの音にかき消されないようにゲイルは大声でメンバーに呼びかける。
「イエッサー!」
全員がアサルトライフルに手をかけ弾薬や装備の確認をし始めた。
ゲイルがヘリから見下ろすとそこには目的地のビルが建っていた。このビルは山の中腹という奇妙な場所に
存在し高さは5階建てといったところで、周りには木々しか見えない。つまり孤立無援の状態でそこに建っていたのだ。
「隊長、屋上の様子はどうですか?」
ベテランメンバーのトニーが声をかけてきた。こいつとは副隊長のジョンと同じでもう5年の付き合いになる。
ゲイルとは部下というよりはまさに戦友と呼ぶにふさわしい仲だった。
「屋上には何の異変も認められん。下降時に襲撃されることはあるまい。このまま予定通りにいく。」
そのままヘリは高度を下げつつ近づき、ついにビルの真上に到達した。
「よーし、ロープを投げろ!ゼット!十分に警戒して降りるんだぞ!!」
ヘリのプロペラの音と風がすさまじい。それらに負けまいとゲイルは声を張り上げたが本当はただ自分の中に
ある拭い切れない不安をかき消したかった。
「よーし、ゼットに続け!GO!GO!!GO!!!」
操縦士がゲイル以外が降下したのを確認して声をかける。
「ではまた任務完了後に!ご無事を願っております、ゲイル隊長!!」
「ああ!じゃぁな!!」
ゲイルもメンバーに続いて降下した。既にメンバーが降下地点を確保しており異常は無いようだった。
ヘリはそれを見届けると大きなプロペラ音をたてながら今飛んできた方角へと去っていった。
「さて、と。」
ゲイルがあたりを見回すと屋上には下の階への階段を除いて何も無い。
ただゲイルを含む6人のメンバーが銃を所持してあたりをうかがっているだけだった。
ゲイルは息を小さく吐きながら言った。
「行くぞ。」
476 :
474:2005/04/25(月) 15:58:56 ID:???
「ゼットを先頭にその後にジョン副隊長。後方はトニーとラインだ。ベンは俺と一緒にいろ。」
階段を前にしてゲイルは命令をとばす。新人のベンはかなり緊張しているようで出撃前から一言も口をきいてない。
「ベン、もっとリラックスしろ。俺たちがいるんだからそうそう新入りのお前が発砲する機会なんてないぜ。」
ジョンがベンの肩をたたいて勇気付ける。
ベンは只小さく肯いただけだったが、それでもいくらかは気が楽になったようだった。
―無理もない。
ゲイルはその様子を見ながら思った。
もともとこの部隊に所属しているメンバーは皆既にバイオハザード、
つまりあの地獄を体験した者ばかりなのだから。
誰が好き好んであの地獄に戻りたいと思うだろうか。
他のメンバーは既にいくつかの任務をこなしている。
それゆえ落ち着いているように見えるが
誰一人任務をやりたくてやっている者はいないだろう。
そのために新人には恐怖という名の魔物がつきまとう。
何人かは任務途中に逃げ出し孤立し死亡という道をたどる。
―ベンは大丈夫だろうか・・・・。
「隊長、先行します。」
ゼットのその声にゲイルはふと我に返った。
「ああ、頼む。まずは管理室だ、用心しろよ。みんなも続け。」
おもしろそうなのキタ━━(゚∀゚)(∀゚)(゚ )( )( ゚)(゚∀)(゚∀゚)━━!!
478 :
474:2005/04/25(月) 23:31:56 ID:???
ビルの中は薄暗くライトを点けなければとても進行は不可能だった。
「停電中かよ。」
トニーが後ろでぼやいているのが聞こえる。
「管理室はこの階だな。しかし電気が戻らなければ話にならんな。
配電室は何階だ?トニー。」
左手についている小さなパソコンのようなものからトニーは図面を映し出す。
「ついてないな。一階です。」
「トニーとラインはジョンの命令のもの配電室へ向かえ。残りは俺と一緒に管理室だ。」
「イエッサー」
ジョンたちはさらに下へと降りる階段をさがし闇の中へと消えていった。
ベンが不安そうにしているのをゼットが肩をたたいて笑いかけた。
「心配すんな。副隊長達も俺達も大丈夫だよ。」
それを聞いてぎこちなく笑うベンだったがこぎざみに震えているようだった。
「よし、これから管理室に向かい手持ちのバッテリーで最低限のものを起動。
ここで何があったかなど必要な情報を集めたい。そのうちに副隊長達が電力を復旧させるだろう。」
「先頭はこのままオレが行きます。」
ゼットが進みだす。
「そうだな。俺が最後尾につくからベンはゼットの援護につけ。」
そこで初めてベンが口を開いた。
「た、隊長。僕が最後尾に・・・。」
とベンが言いかけたのをゲイルが静止する。
「無理すんな。みんな新人のころはお前みたいに不安だったんだ。真ん中にいろ。」
ベンは申し訳なさそうにしながらも内心ホッとしたようでゼットの後に続いていった。
479 :
474:2005/04/25(月) 23:34:15 ID:???
警戒して進んでいくも特に何事も無く管理室の前まで3人は辿り着いた。
「意外と簡単でしたね、隊長」
「何も無くてよかったですね。」
ベンもほっとしているようだ。
「ああ、そうだな。だが誰一人としてここの奴らにでくわさないのはおかしいな。
ゾンビもいなけりゃ人もいない。なにもないのが却って不気味だ。」
ゲイルは気になりながらも管理室のドアを開ける。
管理室だというのに鍵もかかっておらず3人ともすんなりと入ることができた。
管理室は全てのコンピューターがダウンしているようで物音ひとつしない。
「ゼット、部屋の安全を確保だ。ベン、入り口の鍵をかけてバッテリーを準備しろ。」
ゲイルは命令しながら部屋の周りを見回す。
―本当に何も無い・・・。この部屋にも何も気配は無い。今までのようにゾンビや人、
血痕さえも見当たらない。まさに“消えた”という表現が正しい。
我々は10年前のラクーン事件以来あちこちで発生するバイオハザードの生き残りで
形成された組織であり、反アンブレラをもとに活動している。アンブレラ会社との裏の
情報戦からバイオハザードが発生した地域からの人命救助などを主に行っている。
今回の任務は我らの“ボス”(みんながそう呼んでいる)直々の命令で、ここに
囚われているはずの人物の保護である。その人物はT−ウィルス、またその特効薬に
関してのスペシャリストで2年前にさらわれたらしいのだが今回はじめてその居所を
つかむことに成功したのだ。それがこのビルなのである。ところが突入する2日前から
ビルの気配がおかしく既にバイオハザードが発生しているものとして我々は潜入しに
きたのだが・・・。
トクチュブタイモノモイイケドアウトブレイクミタイナイッパソシミンガシュジンコウノショウセツモヨミタイYO
ト
サイキンヲモタ
481 :
474:2005/04/26(火) 17:26:47 ID:???
「隊長、この部屋に異常はありません。」
ゼットがライフルを片手に戻ってきた。
「そうか。ベンの方はどうだ?。」
「はい、もうすぐメインコンピューターの起動ができます。」
「省エネモードで起動しとけよ。バッテリーはそんなにないんだ。
ゼットはビデオカメラのほうを起動してみて最近の監視カメラの録画をチェックしろ。」
ゲイルは無線をとりだした。
「ジョン副隊長、聞こえるか?ジョン副隊長。」
無線の入り具合がかなり悪いが聞き覚えのある憎たらしい声が聞こえてきた。
「ザー、い・・ザー。 隊長・・、聞こ・・るよ。」
「こっちは管理室で作業中で順調だ。そっちは?」
「こっち・・もだ。ザー・う、すで・・ザー一階に・いる。」
「分かった。無線の調子が悪いから切るぞ。またな。」
「ザー・了・・ザー。」
「副隊長達はどうでした?」
ゼットが装置を触りながら聞いてきた。
「無事みたいだな。もう一階だとさ。じきに電気が復旧するだろう。」
その時壁に何かの映像が突然映った。
「なんだ!?」
ゼットとゲイルは即座に銃を構える。その反応はさすがだ。しかし、
「あ、すいません。メインコンピューターの画面がそこに映ってるだけです。」
「電源入れる前に一声かけろよ。びっくりするだろうが。」
ゼットがやれやれという感じで銃をおろしながら文句を言う。
482 :
474:2005/04/26(火) 17:30:02 ID:???
その時部屋の電気がつき全てのコンピューターの画面が復旧した。
「お、仕事がはやいな。」
「オレらがバッテリーつかってまで起動する必要なかったな。」
ゼットの言葉にベンは笑顔で返す。その時管理室の壁に設置してある電話が鳴り出した。
「な、なんだ!?」
「隊長、そこの電話です。驚きすぎですよ。」
「う、うるさいな!」
ゲイルは決まり悪そうに電話に出る。
「あ、ゲイル?こちらジョン。」
「お前のせいで恥をかいたよ」
「は?」
「いや、なんでもない。無事電気が行き届いてるぞ。」
「そりゃ、よかった。無線じゃ聞こえにくいんで電話をつかってるんだが・・・。
なんかおかしくないか?」
「ああ、俺もそう思う。何もなさすぎる。」
「だな。配電室の方だが誰かがわざと電減をおとしたみたいだ。
幸いどこも壊れてなかったんで、また電気を流すのも楽だったよ。」
「そうかい。一体何のために電気を切ったんだ・・・。とにかくさっさと目標の人物を保護して撤退しよう。
そっちはそのまま部屋を探索しながら上を目指してくれ。こっちは降りていく。」
「了解。」
電話を切ったとあとゲイルはいやな予感がしてならなかった。
とにかく一刻も早くこの場を去りたかったのだ。
「よし、ゼットはここでコンピューターを調べろ。ベンはオレと5階の探索だ。」
「はい。」
ベンもだいぶ気が楽になったのか動きが軽い。
廊下に出ると綺麗な通路がライトアップされている。
「よし、今のところ何も無いが気をつけろよ。」
ゲイルは先頭をきって歩き出した。
483 :
474:2005/04/26(火) 17:33:00 ID:???
数時間がたち何の収穫も無いままゲイル達は3階に来ていた。
そろそろジョンたちと合流してもいい頃なのだが・・。
「隊長、これだけ何もないと不気味ですね。」
「だからそう言ってるだろうが。とりあえずゼットとジョンに連絡をとってみるか。」
ゲイルが無線を取り出そうとしたときだった。
廊下の奥の曲がり角付近で何かが光った。
―何かいる!
直感したゲイルはそのまま走り出した。ベンもあたふたしながら後を追う。
するとそいつはゲイル達から逃げるように走り出した。
逃げるところを見るとゾンビや化け物の類ではないようだ。
相手も必死に走っているがそこは部隊の隊長を務めるほどのゲイルである。
彼の足からは逃げられずゲイルはその影に飛び掛り押さえつけた。
「動くな!撃ち殺すぞ!!」
銃を突きつけられて相手もさすがに観念したのか大人しくなった。
「ベン、銃をつきつけとけ。」
ゲイルはベンにそう言うと押さえつけた男の顔を見た。
「お前は!?」
それは彼らが保護するように命じられた人物だった。
「ジョージ・ハミルトンだな。」
ジョージキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
485 :
474:2005/04/27(水) 21:58:04 ID:???
ゲイルが問うと男は怒鳴りだした。
「ああ、そうだ!私をまたさらいにきたのか!人でなしどもめ!。」
「おいおい、落ち着けよ。俺達は先生を保護しにきたんだ。
といってもアンブレラの部隊じゃないぜ。」
それを聞いてジョージは
「なに?じゃあ、助けに来てくれたっていうのか?何処の部隊なんだ。」
「名前は特に無い。ボスに救助に行けと言われたから来た。
ところでここで一体何が起こったんだ?。」
ジョージは顔をしかめながら言った。
「とりあえず押さえつけるのをやめてくれると嬉しいんだが。」
「ふーやれやれ。スーツが汚れてしまったよ。」
ジョージはスーツを払いながら立ち上がる。
「聞きたいことは山ほどあるんだが・・・。」
「その前にこちらもある。電気を供給したのは君たちか?」
「ああ、そうだが。切ったのはあなたか?」
「そうだ。くそっ、なんてことを・・。はやく引き上げよう。
部隊をすぐ撤収させるんだ。」
ベンが思わず聞き返した。
「何故です?」
「いいから早く!」
「わかった。ベン、ジョン副隊長達に連絡しろ。すぐ撤退だ。」
「了解。」
ベンは無線をとりだし連絡を試みる。
「ここには誰もいないようだが、ジョージ先生?」
「ああ。しかしバイオハザードは起きたんだ。1階からいける別棟でな。
もちろん即座にアンブレラの研究者どもは隔離した。幸いゾンビや化け物どもが
こちらの本棟に来る前に隔離することができた。奴らもそう何度も失敗するほど馬鹿じゃない。
ただし、例外があったんだ。」
その時、ベン真っ青な顔をしながら話しを遮った。
486 :
474:2005/04/27(水) 21:59:53 ID:???
「隊長、応答がありません。」
「なんだと。」
ゲイルは自分の無線で試してみたが結果はベンと同様だった。
「やつの仕業だ・・・。すぐにここをでよう」
「無線の調子が悪いだけかもしれん。ベン、先生をゼットのところに
連れて行け。オレは下の階を見てくる。」
ゲイルが無線をしまい進もうとすると
「危険だ!行くなら固まっていくべきだ。一人でやつの相手などできるはずがない!」
ジョージはゲイルの前に立って必死に静止しよう試みた。
「一体何がいるっていうんだ!」
ゲイルが怒声を上げた。仲間が、部下が心配でしょうがないのだ。
この仲間思いのところも彼が隊長になった一因であろう。
ジョージは顔を下に向け語りだした。
「それは・・・・。」
イイ(・∀・)!!更新がおそいのもまたイイ!!
いろんな想像ができてイイ!!
488 :
バイオ:2005/04/28(木) 04:40:25 ID:6WsYLSx3
ケビンはとある一軒のバーに入った、しかし店に入ったとたん足お止めた中には金色の体をした細長いやつが座っていたのだ。
「何なんだ!」そこにはいつもマークとゆう太めのやつがいたはずだ。
しかも店内には緑色おしたヤツと青色のヤツ、そして黒色の3人がいたのだ。
489 :
バイオ:2005/04/28(木) 04:50:12 ID:6WsYLSx3
慌ててバーテンのウィルに聞いたら「いつもの客じゃないか」と言う。
「いつもの客?からかってやがるのか!」俺は半分キレた感じで言ったが
まったく相手にされない「どうなってんだこれは!」
するとバーの扉が開いた・・・。
490 :
バイオ:2005/04/28(木) 05:00:03 ID:6WsYLSx3
するとそこには信じられない光景があった。
なんと喋る豆腐が入ってきたのだ「バーテンさーんいつものチョーダイナー」。
「金はそこの警官さんが払うさかい」な!何なんだしかも俺に払わせるつもりか、
なんて野朗だ。するとウィルが寄ってきて「ハイこれ領収書」
そこにはありえない事が書いていた。
491 :
バイオ:2005/04/28(木) 05:30:03 ID:UHbeG32j
「一億だとふざけんな」そう怒鳴った瞬間。
ガッシャ―ン言う音と共に2人の変なヤツが入って来た。
「うああぁぁ〜」とそいつらは叫ぶとウィルの方に向かっていった。
「近づかさへんで!」そう言うと豆腐はウィルを助けに行ったその時。
ガチャ―ンパリ―ン「今度は何だ!」俺は叫んだ。
492 :
バイオ:2005/04/28(木) 05:41:49 ID:UHbeG32j
そこには首から血を噴出しているウィルがいた。
「間に合わなかったのか」と思ったら血の付いたナイフを持って倒れている豆腐がいた、
「豆腐貴様!」「スマンスマン滑ってもうてん。ここようすべるなー。」
「滑って転んで人を切りましたですむか!」「何をしている―ボボボボボブー」
そこにはウィルではなく、ボブがたおれていた。
493 :
バイオ:2005/04/28(木) 05:58:44 ID:???
俺はごくりとつばを飲み込む。
ボブ。ああ、ボブ!
お前はなんて形のいい尻をしてやがるんだ!
そんな、そんな物を見せられてしまったら俺はもう……!
気がつくと俺はツナギのジッパーをゆっくりと下ろしてボブへと近寄っていた。
そんな俺の気配を感じたのか、ボブはふらつきながらも起き上がった。
そして、隆々とそそり立つ俺の一物を目の前にして
ボブは大きく目を見開いた。
ボブの口から一筋のよだれが流れ落ちる。
「ウホッ!いい男・・・」
もちろん俺の答えは決まっている。
「 や ら な い か ?」
Fin
(゚д゚)
ハートに包まれたラブリーボブ尻を想像しちまったYO
これから仕事だってのにどーしてくれんだYO
496 :
バイオ:2005/04/28(木) 09:38:45 ID:CJscMZOl
↑のバイオは、偽者です僕は下品な事は書かない!!!!
497 :
バイオ:2005/04/28(木) 09:58:50 ID:CJscMZOl
「何故ボブが豆腐貴様を殺人の現行犯で、逮捕する」「それよりウィルはどこや念
」そうだ!俺は辺りを見回した、するとそこには首に重症を負いながらなぜか歩いてくるウィルの姿があった。
「ひゃはハハは化けモンになっとルデ」「豆腐が言うな!」「何やネンうちは助けたったんやで」
「うるセえ!」黒い男が怒鳴った「てめえの方がうるさいネン」そう言うと豆腐はゾンビの方にナイフを向けた。
498 :
バイオ:2005/04/28(木) 10:11:34 ID:CJscMZOl
「ぜーンブキッたるでー」気が付くと緑色をしたやつが、走り回っている。
しかも時々立ち止まって何かを投げている、「馬鹿かアイツ」
「そうやなぁケビンはバカヤからなあ」俺は豆腐を無視した。
豆腐は隅っこでいじけている、すると正真証明の馬鹿がいた。
「踏む踏むなるほど回復剤はこう作るのかン?何だこれは!」
その青いヤツは、今更きずいたみたいだ。こんなメンツで果たして助かるのか。
499 :
バイオ:2005/04/28(木) 10:21:08 ID:CJscMZOl
ふとカウンターを見ると鍵が落ちている、タグを見るとスタッフルームの鍵だと分かった。
試しにキッチンの横の扉で試そうとしたその時!!!
豆腐がふっとんできた、慌てて逃げるが間に合わず一緒にフットンでしまった。
「ちっ このオオバカ野朗」ふと手元を見ると鍵が曲がっていた。
500 :
バイオ:2005/04/28(木) 10:32:07 ID:CJscMZOl
「なんてこった、これじゃ開ねえ、どうするんだ貴様!!」
「なら体当たりや」「じゃあお前1人で頑張るんだな」ゴールドが言った。
「何でやネン嫌な事は全部人任せかいなケビン!」
「そうだぞケビン警備員を辞めて金の体を手に入れたのだぞ」
「豆腐貴様金も払えねえくせしていってんじゃ根蝦夷」「お前も言う資格は無い」
501 :
バイオ:2005/04/28(木) 12:11:24 ID:???
どれくらいの時間が経ったのだろうか。
10分か、それとも1時間か。
すでに俺の中では時間の感覚が消失している。
「あぁ、あぁ……」
呻くような、囁くような、断続的に聞こえてくる低い声。
俺の下でねっとりと妖しく動くボブの裸体が汗できらめいている。
ボブ、お前はなんてかわいいやつなんだ……
「お、おぁああああッ!」
無意識に俺の口から獣の唸り声のような声が響き、
俺とボブは同時に絶頂へと達していた。
それからしばらくは2人とも起き上がれなかった。
当然だ。あれだけ激しく動き続けたのだから。
先ほどの余韻にひたっているのか、
ボブは恍惚の表情をしたままぴくりとも動かない。
俺はそっとボブのごわごわとした髪をすくってなでた。
突如、大きな音とともにドアが開いた。
俺もボブもびっくりして飛び起きる。
そこには、悪鬼のような表情をしたケビンが立っていた。
「あ、あ、ケビン……」
ボブはガタガタ震えながら俺に体を預ける。
「貴様、貴様ぁ……よくも俺のボブをッ!うぉぉぉぉッ!」
ケビンが吼えた。
突然の事で、俺には何が起きたのかよく分からなかった。
衝撃とともに俺は吹き飛ばされ、
そして、気がつくと俺の目の前には胸からナイフが生えたボブと、
呆然としてひざをつく血まみれのケビンの姿があった。
502 :
バイオ:2005/04/28(木) 12:37:49 ID:???
「どけ!」
俺は呆けているケビンを突き飛ばしてボブへと駆け寄った。
「ボブ!しっかりしろ、ボブ!」
何度呼びかけてもボブは答えない。
血が失われ、どんどん土気色に変わっていくボブの顔。
辺りにはむせるような血の匂い。
「ボブ!ボブ!」
かすかな望みを託してボブの手首をさわる。
脈がない。完全に、死んでる……
「あは。あは。あはははは」
狂ったように笑い続けるケビン。
どうやらケビンは頭のネジが何本か外れてしまったようだ。
こんな、こんなやつのせいでボブが……
甘えるような顔をしたボブの顔が俺の脳裏へと蘇ってくる。
チクショウ、チクショウ!
凄まじいまでの激しい怒りに自分でも少々戸惑う。
俺はいつの間にかこんなにもボブを愛していたのか。
そう思うと、ケビンへの憎悪が急速に沸いてきた。
「ケビン、責任を取ってもらおう」
俺は内心の怒りを抑えて抑揚のない声で話しかけた。
「え……?せき、にん?」
笑うのをやめたケビンが困惑の表情を俺に向けた。
「こういう事だ!」
俺はケビンの唇を強引にキスでふさぐと、そのまま床に押し倒した。
続く(のか?)
偽物バイオの方が読み易いとは・・・・gay物は勘弁。
>本物バイオへ。
読みづらい。せめて句読点、改行をしっかりしてくれ。
続きを期待してるよ。
504 :
バイオ:2005/04/28(木) 12:55:17 ID:???
「い、嫌……」
そう言いながらも、ケビンは抵抗らしい抵抗をしない。
「俺はケビンの首筋に舌を這わせながら、
ゆっくりとケビンの服を脱がせていった。
上着を剥いだ瞬間、俺の目の前に信じられない物が飛び込んできた。
胸だ。それも大きな胸が2つ、重力に逆らうかのように、
そして己の存在を主張するかのように悠然と屹立している。
そんな、そんなまさか……
「そうよ。私は女だったのよ」
目を伏せながらケビンが言った。
「こんな街で暮らすには、男になりきるしかなかった。それだけよ……」
まるで自分自身へ言い聞かせるかのようにケビンは呟いた。
やけに線の細いやつだと思っていたが、まさか女だったとは……
よくよく見れば、こうして服を剥いだ今、
ケビンに男としての面影は全くと言っていいほどない。
仄かに香ってくるショートカットの金色の髪。
意思の強そうな細い眉と恥じらいに潤んだ鳶色の瞳。
華奢な体と、それに不釣合いな大きな胸。
俺の眼前にいるのは、男ではない。
極上の体をした1人の美しい女だけだ。
ケビンが女? げろげろっ_| ̄|○
503がgay物は勘弁なんて言うから強引に路線変更
だからサゲ進行を守ってほしかったのに。
脈絡のない文で荒らすなYO
ネタに詰まったらリレー形式で書いてみるのもいいかもな
うん。某スレの一人一文みたいな感じだったら面白いかもね
大昔に111とか185とか決意ジムケベとかをうpした者です。
駄ぽながら久々に新作ができたので、今の続きを書いてらしゃる方々が一段落?つかれたころに投下さしてもらいたいと思とります
そのときはなにとぞよろしく(゚Д゚)
512 :
名無し:2005/04/28(木) 21:30:30 ID:bfYR8CuI
僕は入り口を見た。そこにはバーテンに噛み付いた男がいた。僕は男の顔を見て悲鳴を上げそうになった。男の顔は土気色をして半ば腐っていた。
「うぅぅああぁ・・・」
呻き声と共に男の後ろから身体が腐っていたり臓物が飛び出している男たちがゾロゾロと店に入ってきた。
「な、何だよこれ、僕は何時からスプラッタームービーの世界に入っちまったんだ!?」
僕は思わずそう叫んでいた。
「おい!お前らそれ以上近付くと撃つぞ!」
警官がガンベルトに挿していた銃を抜いて男達に突きつけて叫んだ。
だが、男達はまったく意に介さず呻き声を上げながら近付いてくる。
「クソ!近付くなって言ってんだろが!」
警官は叫ぶが男達はなおも近付いてくる。
「ちくしょう!仕方ねえ!」
そう言うと、警官は男達に向かって発砲した。
↑だからsageれ。たのむからsageれ。
514 :
名無し:2005/04/29(金) 14:24:59 ID:pLvKSHd+
警官の撃った弾は男の左足に当った。だが、男は止まるどころかそのまま突き進んでくる。
「バカな。こいつら痛みを感じないのか!?」
警官は今度は肩を撃った。しかし、男は歩みを止めようとしない。
「フザけんな!!いい加減止まりやがれ!」
警官は銃を連射した。弾は男達の胸や腹に当ったが、ダメージを受けている様子は無い。
「クソ!このままじゃ弾が切れちまう、早く2階に行くぞ!」
警官が叫んでドアに向かったが、
「おい、カギが掛かってるぞ!」と言った。
「これを」
シンディがカウンターからカギを投げた。
警官はそれをキャッチするとドアのカギをはずした。
「先輩、行きましょう」
ジェイクが言った。
「ああ!」
僕はドアの方へと行こうとした。
だが、僕の前に男が立ちふさがった。
「え・・・・」
僕はその男を見て凍りついた。
それは、バーテンだった。
>>515 嫌がらせのつもりじゃなくて、チミと同意見の意味で、sageれと注意したつもりだったんだが‥(´Д`;)
↑513(名前入れ忘れたスマソ)
518 :
515:2005/04/29(金) 20:54:04 ID:???
519 :
30:2005/04/29(金) 22:17:57 ID:???
どうも、30です。
一応436の続編がまとまったんですが・・・
まだ途中の話がいくつかあるみたいなんで、
やっぱりそれ終わるの待った方がいいかな。
とりあえず、510さんの次ってことで控えておきますね。
(((゜∀゜;)))))))))たたたたのしみに待ってるよ!
521 :
510:2005/04/30(土) 08:41:56 ID:???
>>519 自分のほうは気にせず続きぅpされて大丈夫ですよ!
実は、手直しを始めてしもたもんだから、まだ時間がかかりそうで‥スマソorz
522 :
名無し:2005/04/30(土) 12:56:08 ID:RCItWK9g
迷惑になるようでしたら僕、書くのやめましょうか?
このまま続けてたら30さん達も書きづらいと思うし・・・・
作品をアップすること自体全然迷惑なんてことはないよ。むしろ歓迎。
ただみんなが言ってるのはsageを覚えてほしいというだけだと思う。
>>522 迷惑じゃないよ。作品が増えるのは読み手としてはうれしいし。
ただ、
>>523のいうように、メール欄に「sage」と入れてからアップしてもらいたいんだよ。
スレが上がると迷惑なヒマ人が来るからさ。
525 :
30:2005/04/30(土) 13:27:41 ID:???
終わるのを待って・・・と言うと、書きかけの人を急かすようなことにも
なっちゃいますね。すみませんでした。
では510さんのお言葉に甘えて、私の分は今日中にアップすることにします。
ただ、長いですから(;´Д`)カクゴしてくださいね
526 :
30:2005/04/30(土) 18:02:34 ID:???
コメンテーターを務めているテレビ番組の収録を終えてアリッサは局を後にした。
今日は取材の予定も入っておらず、久しぶりに早い時間に帰宅できそうだった。
セルラーフォンを取り出して着信を確認すると、何通かメールが届いている。
事務所のサーバに届いたメールはすべてここに転送するよう設定しているのだが、
添付ファイルの中に確認しておきたいものがあった。
ノートPCはすでにバッテリが切れているため、帰宅する前に事務所に寄って行く
ことにした。
アリッサはイエローキャブのシートに身を埋めながら、再びセルラーフォンの
ディスプレイを開く。そこには、かつて地獄から共に脱出した7人の仲間たちと
一緒に写った画像が表示されている。
「・・・シンディ」
アリッサは仕事上のネットワークも使って、行方不明になったシンディとその
息子ティムの消息をずっと追ってきた。しかし、時間の経過と共に手がかりは
掌を滑り落ちる砂のように失われて行き、今ではただ気にとめているだけという
歯がゆい状況になってしまった。
「生きているわよね・・・」
それは自分に言い聞かせているだけだったかも知れない。
ラクーンシティを共に脱出した仲間たちもみな同様に心を痛めていたが、きっと
生きているという確信が、時間と共にいつしか願望に変わりつつあった。
◇
エレベータを降りて事務所の前でキーを出そうとしていると、背後に人の気配を
感じた。背筋に緊張が走って体がこわばる。身構えて振り向こうとした時、声が
聞こえた。
「動かないで」
その声はまだ若い。誰だろう?
アリッサは記憶をめまぐるしく検索したが、思い当たる人物はいなかった。
「そのまま振り向かないで」
アリッサは大きく息を吸い込むと言った。
「誰?あたしに何の用?」
背後の人物は、小さいがよく通る声で続けた。
「驚かせてすみません。ここで待っていればあなたに会えると思ったから」
声のやってくる方向からすると、その人物の背丈はアリッサと同じかやや大きい
程度だろう。声の調子ではまだ少年のような感じがする。
「あなたにお願いがあって来ました」
「顔も見せずにお願いなんてずうずうしいと思わない?」
「ごめんなさい。でも、あなたのためです。あまり僕とかかわりあいにならない
方がいい」
彼は話を続けた。
「僕の話を信じてもらえるように、これを持ってきました」
彼は何かを廊下の床に置いてアリッサの足下に滑らせて来た。
用心深くかがんでそれを手に取ったアリッサは、灯に照らして見る。
それは、使い込まれた感じの白い小さなケースだった。
「・・・これは!シンディのハーブケース!!」
「そう。わかってもらえましたか」
「あなたはいったい!?」
アリッサは勢い余って思わず振り向いてしまった。
声の主は咄嗟に身を引き暗がりに姿を隠した。その動きは非常に敏捷で、
アリッサに彼の顔は見えなかった。その素早さは尋常でない。
「これ以上近づいたら話はお終いにしなければなりません。
お願いですから、そのまま話を聞いてください」
声の調子がうわずっている。アリッサの反応に困惑しているようにも聞こえた。
今は彼の正体よりシンディの無事を確認する方が先決だと思ったアリッサは、
おとなしく彼の言葉に従うことにした。
「わかったわ。それで、シンディは無事なの?」
「生きています」
彼が「無事だ」と言わないことがアリッサを一瞬不安にした。
529 :
30:2005/04/30(土) 18:12:01 ID:???
「お願いというのは、あなたに彼女を迎えに来てほしいのです」
今までこれだけ探し回って見つからなかったシンディが帰ってくる?
それが真実ならこれ以上嬉しいことはないが、冷静な自分がこの話の信憑性を
押し計っていた。
「どういうことかしら。あなたがシンディの身柄を押さえていると?」
彼はちょっと言葉に詰まったようだが、やや間をとってから続けた。
「詳しく話すととても長くなります。ただ、今は僕も彼女の身を案じています。
僕の手の届かないところにいるのです」
「では、どこにシンディを迎えに行けと言うの?」
「それは後で知らせます。ただ・・・ただ、あなたに彼女を迎えに来ていただける
という約束をしてもらいたかったんです」
相手の態度には余裕が感じられなかったが、逆にアリッサは余裕を取り戻していた。
「あなたの言うことには不審な点が多すぎるわ。いくらハーブケースを見せられ
ても、それだけでは信用できないわね」
「それは仕方がありません。信用してもらうしか・・・」
アリッサは彼の手際の悪さから、この手のやりとりに慣れていないなと思った。
人を待ち伏せするにしてはあまりにも無計画で素人クサい。そういう状況からして、
武器を持っていないことはまず間違いなさそうだし、仮に持っていても使えまい。
今が押しどころだと感じて一歩前に出た。
「そもそもあなた誰よ?シンディとどういう関係があるの」
彼も一歩後ろに下がった。
相変わらず顔は見えなかったが、一瞬彼の全身のシルエットが目に映った。
「あなたは・・・」
530 :
30:2005/04/30(土) 19:07:45 ID:???
彼は明らかに動揺している。
しばらく黙っていたが、やがて観念したように口を開いた。
「彼女は・・・彼女はあるグループの管理下にあるのです」
「グループ?」
アリッサの脳裏にはあの忌まわしい過去がよみがえって来た。
「そのグループは彼女を研究材料として確保しました。しかしその研究が行き
詰まってしまった。そこで彼らは彼女をあきらめ、実サンプルである僕に協力を
求めて来たのです」
アリッサは彼が誰なのか確信した。
「あなたやっぱり」
「そう、僕はティム・レノックスです」
ティムは暗がりから姿を現した。
失踪時のデータよりかなり背が大きく感じた。顔立ちも大人びて、特に目もとが
シンディそっくりだ。だが、それよりも目を引くのは左肩だ。話に聞いていた
ほどではないが、ややふくらんでいてシャツを圧迫している。
「その肩・・・」
するとアリッサの目の前で肩のふくらみが小さくなり、右肩と同じ普通の大きさに
戻ってしまった。
息を呑むアリッサにティムが語りかける。
「ちょっと取り乱すとコントロールが難しくなるんです」
◇
531 :
30:2005/04/30(土) 19:19:00 ID:???
事務所のソファに座ったティムは、アリッサが出したコーヒーのカップを両手で
持ったまま床を見つめていた。
正体を晒してしまった彼は、素直にこれまでのいきさつを語った。
アリッサは話をメモしながら、時々質問を挟んでは事実を確認する。
シンディがティムの異変に気を取られてハンドル操作を誤り、車は大破した。
次にティムが覚えているのは、シンディを支えて道路脇に立ち、燃えるセダンを
眺めているところだった。
ティムの体はその事故の前後に急激な変化を遂げていた。あたかもラクーンの地下
研究所で巨大化した変異体のように。だが、さっき廊下でアリッサに見せたように、
彼には自分の体をコントロールする力も備わっていた。その能力を無意識のうちに
発揮して、横転する車から脱出したと考えるのが妥当だろう。
しばらくするとどこからともなく武装した集団が現れ、ふたりを拘束しようとした。
危険を感じたティムは抵抗し、驚いたことに、造作もなく彼らを退けてしまった。
それを見ていたシンディは何か決意を秘めた表情で、ティムが生まれる前に彼女
自身が体験したラクーンシティの惨劇を話して聞かせたそうだ。
自分の驚くべき能力が何を意味するのか、そしてなぜ狙われなければならないのか、
その時ティムはおぼろげながらに理解し始めたと言う。
昔の仲間たちに迷惑がかかるのを嫌ったシンディは、それからティムを連れて
各地を転々とさまよう生活を続けた。だが、ある時ティムが外出中にシンディは
連れ去られてしまった。
それからティムが追われることはなくなった。シンディの身柄を確保しておけば
ティムの行動は制限できるし、母体があればサンプルはいくらでも生産できると
踏んでいたのだろう。
ところが、そううまくは行かなかった。焦った彼らは、唯一のサンプルである
ティムに再び接触を試みた。ティムの能力をもってすれば、彼らを撃退するのは
たやすかったが、母親を盾にとられていてはなす術もない。
ティムは話を続ける。
532 :
30:2005/04/30(土) 19:24:32 ID:???
「サンプルは僕だけではなかった。
僕のほかにも多少の要素を持った子供はいたと聞いています」
アリッサは、ケビンとジムの子供のことだと思った。
だが、ジョージたち医療チームの活躍で、その子供たちは一年ほどして通常の人間と
同じ状態に戻ることができたのだ。
「でも、ほかの子供たちは実際には不適合だった。
だけど僕は、母の言うTウィルスとデイライトの融合で変異した遺伝子が偶然に
安定して生まれた、奇跡のサンプルだったんです」
奇跡、か。
アリッサは悲しい思いでティムを見つめていた。
「母を研究材料にしても、奇跡を再現することはできなかった。
そこで、彼らは僕の身柄と引き替えに母を返すと言って来ました」
この子は何という残酷な運命の元に生まれてきたのだろう。ラクーンシティの亡霊が
いまだに取り憑いている。アリッサはやり場のない怒りで体が熱くなった。
「でも、それじゃあなたはどうなるの?
それに、そんなことをして本当にシンディが戻って来るという保証がある?」
「僕は・・・むざむざと彼らの材料になるつもりはありません」
ティムの目は暗い色の中にも堅い決意が感じられる。
「確実に母を受け取るために、信頼できるあなたに迎えをお願いしたかったんです」
◇
533 :
30:2005/04/30(土) 20:25:03 ID:???
アリッサは、街外れにある人気のないオフィスビルのエレベータに乗った。
結局あの日、ティムは何ひとつアリッサの忠告を聞き入れなかった。
もっとも聞き入れたところで、ではどうやってシンディを取り戻すのかと問われれば
返す言葉はアリッサにもなかったのだ。
ティムには1階のエレベーター前で待っているように言われたのだが、各フロアが
どうなっているのかあらかじめ確認せずにはいられなかった。建物は地上7階、
地下1階のフロア構成だ。隅から隅まで見て回ったが、使われている部屋はひとつも
なく、どのフロアも空室ばかりだった。
「一体ここで何が?」
アリッサは自分が知らないところで物事が進行していることに我慢がならなかった。
そのような事態に反発することによって自分の身が危険にさらされることも多い
のだが、それは彼女の生来の性分であり、アリッサがアリッサたる所以だった。
エレベーターに何か仕掛けがあるのだろうか。アリッサは操作パネルのキーを
ピッキングで解錠して開いてみた。中には、ラクーンシティで嫌と言うほど
お目にかかった4×4マスのボタンが並んでいた。
慣れた手つきでパズルを解くと、並んだ階数表示の一番隅にB5Fの文字が浮かび
上がった。
「なるほど。こういうことか」
降下し始めたエレベーターは、地下1階を通過したところでガクンと大きく横に
移動した。どうやら別のシャフトに切り替わったようだ。ラクーンシティ以外にも
こんな胡散臭い仕掛けがあるなんて、この国は一体どうなっているのかしら?と
アリッサは忌々しく思っていた。
エレベーターの動きがとても遅く感じられる。
ティムはすでにここへ来ているのだろうか。誰かほかに応援を頼んだ方が良かった
のではないか。様々な考えが頭を駆けめぐって集中できない。
エレベーターが突然停止した。B5Fの表示が点灯している。
アリッサは腰のホルスターに愛用のバーストハンドガンを確認すると、いつでも
抜けるように体勢を整えて開きつつある扉を見つめていた。
534 :
30:2005/04/30(土) 20:28:03 ID:???
そこは狭い踊り場のような場所で、直径二十メートルはあろうかという巨大な縦坑
の縁になっていた。底の方は暗くて何も見えない。踊り場から縦坑の中心に向かって
橋が延びていて、その先には別のエレベーターの扉が見えている。
ティムがその扉の前に立っていた。
「アリッサさん!ここに来ちゃダメだ!」
ティムはアリッサの姿に驚いて叫んだ。
アリッサは小走りでティムの元まで駆け寄る。
「あたしは昔から除け者にされるのが一番嫌いなのよ」
アリッサが冗談めかして言うと、困惑したティムはアリッサを見つめて言った。
「事情を知ってしまったあなたには、この地下施設は見てほしくなかった。
あなたにこれ以上危険な目にあってほしくないんです」
アリッサは不敵に微笑んでいる。
「今さら何よ。あたしだって地獄を生き抜いて来たの。心配しないでいいわ」
ティムは小さくため息をついて言った。
「仕方ありません・・・
もうじきここに母が連れられて来ます。母を受け取ったらできるだけ早く
この場を離れてください」
アリッサは黙って頷いた。
気が付くとエレベーターが上昇して来るサインが点灯している。
「アリッサさん・・・ありがとう」
アリッサは哀しそうな笑みを浮かべて首を横に振った。
エレベーターが停止して音もなく扉が開く。そこには白い防護服を着たゴーグルの
人物ふたりに挟まれて、懐かしい顔があった。
535 :
30:2005/04/30(土) 20:34:06 ID:???
「シンディ!」
反応がない。目は開いているのだが、焦点が合っていない。鎮静剤でも投与されて
いるのだろうか。やつれた表情をして、何だかひとまわり小さくなったような感じが
する。アリッサはふらつくシンディの肩を抱き留めた。
防護服のひとりは、油断なくサブマシンガンをこちらに向けている。もうひとりは
手に持った小さな装置を操作している。表情が見えないので何を考えているのか
わからないが、こちらから動かない限り危害を加えるつもりはなさそうだ。
ティムはシンディの代わりに防護服のふたりの間に入ってこちらに向き直った。
「アリッサさん、母をよろしくお願いします」
アリッサは胸が締め付けられる思いだった。
『あなたは何をしようとしているの?』
そう心の中で問いかける。すると不思議なことに、ティムの言葉が響いて来た。
『心配しないで。僕はそう簡単には死にません』
そう聞こえたような気がした。ティムがアリッサの心に直接語りかけたのだろうか。
その時、シンディが目の焦点を取り戻した。まるでティムの声がシンディの心にも
届いたかのように。
「・・・ア、アリッサ?」
「シンディ!気が付いたのね」
「ママ・・・」
シンディはまだ完全に自由にならない体で必死にもがきながら、アリッサの顔から
目を離して声の方向に向き直った。エレベーターの中にティムの姿を見つけると、
彼女の意識がはっきりと戻って来た。
536 :
30:2005/04/30(土) 20:35:29 ID:???
「ティミー!」
だが、エレベーターの扉は閉じ始めている。
シンディはアリッサの腕を振りほどいて扉に駆け寄ろうとするが、足元がおぼつかず
うまく歩けない。倒れかかるシンディをあわててアリッサが抱き留める。シンディは
腕の中で力一杯に叫んだ。
「ティミー!行っちゃだめ!!」
扉が閉まる寸前、ティムが微笑んだように見えた。
シンディは扉にすがりつき、いつまでも拳で叩きながらティムの名前を呼び続けた。
537 :
30:2005/04/30(土) 20:41:03 ID:???
◇
それから半年、シンディは順調に回復し、つらい思い出を克服しようとしていた。
あの日ティムと別れた街外れのオフィスビルは、あれから間もなく倒壊してしまった。
当局の発表によれば、地下水の過剰汲み上げによる大規模な地盤沈下が原因と
されているが、あの地下施設を見たシンディとアリッサは一切を信じなかった。
『ティムが自分を研究材料として使わせないため、自らの道連れに施設を葬ったの
だろうか?いや、彼は簡単には死なないとあたしに言ったんだ』
アリッサはティムのその言葉を、あの時見た笑顔を忘れない。
シンディはティムが今でも生きていることが実感できると言っている。
そしてふたりは、いつか自分たちの元にティムが帰って来ると信じて疑わなかった。
E N D
30さん力作乙です!
なんだか、カプンコの公式シナリオに加えてもまったく差し支えなさそうなくらいの完成度で感動しました(((;゚Д゚;)))
しかしシンディが可哀相です゜・。゚(つД`)゚・。゚
アンブレラが完全に消滅する日は本当にくるのか、本気で考えてしまいました…
やべーすごい出来だ…30さんおつです!
感動しますた…
どうでもいいけど絵を書きたいとかぬかしてた連中はどこ行ったんだ?
もりゃ携帯香具師だからどーでもええわ
うぷされても見れんし
携帯香具師って・・・
どういう意味で捉えたらいいんだ?
どうとでも好きなようにとらえてくれ(つД`)
544 :
474:2005/05/04(水) 18:12:30 ID:???
ジョージは廊下を歩きながら考えていた。
―どうにかしてここから抜け出る方法は無いか・・・。
ジョージがさらわれてから、
ここでひたすら研究を手伝わされている。
ラクーンシティから持ち帰ったデイライトの研究により
彼のT−ウィルスの知識はアンブレラにおいても
重要なものとなっていた。
ここで手伝わされている研究とは“リッカー”についてだ。
リッカーは元は人間でありT−ウィルスに感染した人の
末路であるが何故ゾンビではなくリッカーになるのか。
アンブレラはそこに注目した。
もしかしてリッカーは特別な存在なのではないか?
次の段階へすすむのにキーとなる存在なのではないかと。
ここのビルにおいて研究がすすんでいたのだ。
ジョージはいすに座り頭を抱え込んだ。
どうにかしなければ、ラクーンシティのような惨劇は避けねば・・。
しかし彼も囚われの身である以上どうすることもできない。
その時だった。警報が鳴り出したのだ。それもトップレベルの警報である。
ジョージは廊下を走る研究員に尋ねた。
「何が起こったんだ?」
「別棟でウィルスが流出したらしい!
今隔離中だが一応避難したほうがいいぞ!」
もちろんジョージもそのまま避難経路へと向かった。
そこにはたくさんの研究員が
いたが、しばらくすると責任者らしき男が前に出て
「別棟においてバイオハザードが確認されたが
無事に隔離することができた。後にここの警備班で
少しずつ壊滅させるので君たちは安心して仕事に戻りたまえ。」
ジョージは不安に思いながらも仕事へと戻らざるを得なかった。
しかし1時間もしないうちに奇妙なことに気がついた。
545 :
474:2005/05/04(水) 18:15:12 ID:???
研究の担当者がこなかったり廊下を歩く人の
数も減ってきている。それにいちはやく気づいたジョージは
手近な部屋のロッカーの中に隠れた。
そういえばラクーンシティから逃げるときもよくロッカーの中に隠れたもんだと
のんきに思っているところに研究員が一人部屋に入ってきた。
それを見ていると突然信じられないことが目の前で起こった。
研究員が消えたのだ。
いや、そうではない。正確に言うと部屋の天井から何か長いものが彼を捕らえて
天井裏へと連れ去ったのだ。それはほんの一瞬のことであった。
しかしそれでもジョージが確信するのには十分だった。
―新型のリッカーだ。
特性についてはジョージが一番心得ている。
ジョージはそいつのことを“ハイド”と呼んでいる。
リッカーにネメシスを移植するところからはじまったただ一体の新型リッカー。
今までのBOWと違いその名の通り“隠れる”。
その生命力は無論半端なものではなく
今までのBOWは己の逸脱した生命力に頼って姿を隠す必要などなかった。
しかし奴はその生命力を持ちながらも身をひそめ確実に獲物を捕らえる。
新BOWキター
前に予告?をほざいた510です(´`)ノ
やっと出来上がりましたのでupさせてください。
9レス分と長たらしいですが読んでくだされば幸いでつ。
548 :
510:2005/05/09(月) 02:41:27 ID:???
1
「気をつけろ、デカいのが来るぜ」
それが最後に聞いた言葉だった。
その直後、壁を破壊して突進してきた巨大な怪物に横殴りに飛ばされ、ジョージの意識はぷつりと絶えた。
再び気がついた時には、怪物も、最後に聞いた声の主、ケビンもいなくなっていた。
気味の悪い静寂が響くなかで、ジョージは立ち上がって動きだした。
ゴミのように吹っ飛ばされ、壁に全身を強打した身体は、一歩進む度に悲鳴を上げる。
549 :
510:2005/05/09(月) 02:43:31 ID:???
2
折れそうになる膝を壁に這わせた手で支え、己れの身体に鞭打って歩きながら、ジョージは考えた。
あの怪物は、人間が創ったものだ。
その証に、ちゃんと名前がある。
「死の神とは、センスがあるんだか、ないんだか」
友人の書き遺した手紙に、タナトス、という文字を見つけてジョージは笑う。
怪物は、2メートルを悠に越える壁のような全身を青黒い皮膚で覆い、大きな両の手に伸びる鋭く太い爪は掌より長い。
すべてを破壊しつくす勢いで駆ける脚はスピードだけでなく跳躍力も凄まじいらしかった。
550 :
510:2005/05/09(月) 02:45:52 ID:???
3
だが、その面は不気味なほど人間と同じ顔をしている。
表情は無く、まるで張りつけた能面のようだったが、それでもあんなものが人の顔をして人間を殺すのだ。
「アンブレラを潰すチャンスなんだ」
久しぶりに再会した直後言い放った友人の瞳は、ひどく淀んでいた。
それどころか、かつて若々しかった顔は老人のようにやつれ果て、なびくほどあった髪は抜けて色まで変わっていた。
心配になって連絡を取ろうとしてが通じず、大学に頼んでも会えることは無くなった。
551 :
510:2005/05/09(月) 02:47:43 ID:???
4
そしてやっと会えたとき、彼は死骸だった。
起きて歩いて人を食らう死人が徘徊している街を抜けてきたジョージは、その友人の死骸に触れることさえ一瞬ためらった。
言いようのないものが腹底からこみ上げ、喉の奥を圧迫した。
「ピーター、どうしておれを頼らなかったんだ。……」
だが、アンブレラが垂れ流したウイルスは、ジョージに泣く間さえ与えてはくれなかった。
潮の香りが流れてくるほうに進み、大きく積み上げられた木箱の間に身体を沈めると、ほっとした。
552 :
510:2005/05/09(月) 02:49:00 ID:???
5
これ以上は進めないと思った。
熱があるのか、冷たいコンクリートの壁が背中越しに心地良い。
医者である自分は、今の己れの身体がなにを必要としているのかがよくわかっていた。
(抗性剤、アスピリン、止血剤、糖……。やるなら、点滴か)
だが、ジョージ自身のほしいものは、そんなものではないのだ。
地下の研究室で見つけた紙片には、タナトスを創造した人間の愚が走り書きされていた。
―――天を貫く力強くも美しい漆黒の身体は、あらゆるものの生と希望を断つだろう。
553 :
510:2005/05/09(月) 02:50:37 ID:???
6
「人間が、神のまねごとをして創造した結果が、これか」
初めから生のあるものを使えば、その容姿や能力を変幻することなど、たやすいことだろう。
だが、それは人として許されないのだ。
許されないから、許されないとわかっているから、それを平然とやってのけるアンブレラを潰すのではなかったのか。
ジョージは、街を徘徊する死人どもと同化したピーターを撃った掌を眺める。
そのまま目を閉じた。
目蓋の隙間から流れる熱湯も、そのまま流れるに任せる。
554 :
510:2005/05/09(月) 02:52:04 ID:???
7
相手のわからない涙を流しすぎて、もう拭う気力すら無くなっていた。
また医者の自分が、このままだと死ぬ、と忠告する。
だがそれも構わないと思った。
疲れていた。
全身から、心底から、安みたいと叫び声が聞こえるようだった。
眠気にも似た重いものが、ジョージを暗い谷底へと引いていく。
だが、壁に背を預けたままジョージの意識が沈もうとしていた時、いきなりその両肩をつかむ者があった。
「おい!しっかりしろ!」
強く揺さ振られ、はっと目を開ける。
555 :
510:2005/05/09(月) 02:53:29 ID:???
8
すぐ眼前に、見覚えのある顔があった。
ジョージが目をしばたかせると、緊張していたその顔は、ほっとしたような表情に変わった。
「驚かすなよ、死んでるのかと思ったぜ」
ひどく明るい声だった。
「あのでけえ野郎は、もういねえよ」
ぽん、と肩を叩く手が温かい。
ジョージは、まるで太陽を見るように、笑って立ち上がる彼を眩しく仰ぎ見た。
「もっとも、死んだわけじゃなさそうだがな」
見る影もなくぼさぼさになった頭を、わしわしと掻く。
556 :
510:2005/05/09(月) 02:56:03 ID:???
9
よく見ると、その顔は傷と埃と血にまみれ、全身が同じようにひどい有様だった。
「まさか、一人で?」
ジョージは、目を丸くする。
ケビンは首を振った。
「ナイスな武器がありゃあ、あんな心臓肥大野郎なんて大したことねえさ。けど、この先はさすがに一人じゃきついからな」
そういって、ケビンは手を差し出す。
「生きて街を出るんだろ?」
ジョージはその手をしっかりと握ると、自分でも不思議なほど、力強く立ち上がった。
「ありがとう」
FIN
557 :
510:2005/05/09(月) 02:56:58 ID:???
割り込み失礼いたしましたorz
GJ!
559 :
名無し:2005/05/09(月) 16:16:36 ID:???
>>30さんや>>510さんが終わったので続きを書かせて頂いて宜しいでしょうか?
560 :
ゲーム好き名無しさん:2005/05/09(月) 16:28:17 ID:Yv0bhI/U
uumamamklfnealg;]:jgn]rw;hwmh]wljlsnlrdh;n;plnglpnhrlrdnh]rnjmh;arm
u/b/c/saaa
561 :
名無し:2005/05/09(月) 16:41:31 ID:???
僕は目の前の人物を呆然と見ているしかなかった。
どういうことだ?バーテンはさっきあの男に喉を喰いちぎられて死んだのに何故立っているんだ?
バーテンは呻き声を上げながら両手を前に突き出してゆっくりと僕に近付いてきた。その様子はさっきの男達とそっくりだった。
バーテンは大きく口を開いた。僕は悟った。僕はここで死ぬんだ。このバーテンに食い殺されるんだ。ああ、何でこんな事に―
ダァン!
突如響いた銃声が僕の思考を覚醒させた。バーテンが僕に倒れ掛かってきた。
「うわあああぁぁ!!」
僕は悲鳴をあげてバーテンを突き飛ばした。床に倒れたバーテンはピクリともしなかった。
「早くこっちに来い!」
怒鳴り声が響いた。声のした方を見ると、銃を構えた警官がいた。
「先輩、早く行きましょう!」
ジェイクが言った。
「あ、ああ」
僕とジェイクは扉へと走った。
さ、sageてもらえませんか・・・?
>>510さんGJでした。まじでいい感じで、しかも文章もうまくて感動ですた。
>>561さんも後の展開がたのしみです(・∀・)ガンガレ
感想
>>351 クリスとアリッサが出会った━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
>>354 全員大集合発生ラスト ヨーコかっこいい アリスがゲスト出演w
>>369 時代劇バイオキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!!
いや、ホントおもしろすぎ。ハラ痛いよwww
>>382 ゲオルゴ良いよ!手に汗握る展開最高!おもしろかた。
まさかアウトブレイクのキャラと絡むとは思わなかった。
>>431>>526 すごくいい!ティム。・゚・(ノД`)・゚・。シンディ
個人的にはジムに子供ができたのが衝撃。
>>548 ジョージ&ケビン良い!
>>545>>561 続きを期待してるよ!
>>510 GJグッジョブ!
最後の「ありがとう」ていうジョジの台詞にジ〜ンとしました。゚(つД`)゚。
ボサボサボロボロで明るくジョジを照らすケビにこっちまでホッとさせられました。
ジョジが死ななくてヨカッタ(つД`)゚。
>>561 続きが気になる!がんがってくらさい〜(゚∀゚)ノシ
570 :
名無し:2005/05/11(水) 23:35:52 ID:???
僕とジェイクが扉をくぐると警官は扉を閉めた。
「今ので弾が切れちまった」
警官が呟いた。
「すまない。僕が早く逃げていれば・・・」
僕は警官に謝った。
「あ、いや、そういう意味で言ったんじゃないんだ。気にするな」
バァン!!
扉が激しく叩かれた。
「ち、もうきやがったか。おい、ここは俺が押さえておくからお前らは早く2階へ」
「でも・・・」
「いいから早く!」
警官の気迫に押され、僕らは階段を登って2階のスタッフルームに行った。
「やっぱりほっとけないよ。手伝いに行って来る!」
「ちょ、先輩待ってください。今行ったらやられますよ!」
1階に下りようとする僕を慌ててジェイクが止めに来る。
「心配無い、必ず戻ってくる」
「何を根拠にそんな事を・・・」
「頼む、ジェイク、僕を信じてくれ」
僕は頼んだ。ジェイクは僕を見ていたが、
「分かりました、絶対戻ってきてくださいよ」
と言った。
「ありがとう!必ず戻るよ!」
そう言うと僕は1階に降りた。
571 :
名無し:2005/05/12(木) 00:04:08 ID:???
1階に下りると、警官は扉を押さえている。どうやらまだ破られていないようだ。
僕は警官の隣に行くと扉を押さえた。
「なにしてる!」
「1人じゃすぐ破られる。2人で押さえていればしばらく持つはずだ」
「まったく・・・」
警官は呆れたように呟いた。しかし、どこか嬉しそうな響きだった。
バァン!
扉が叩かれる。
そうやってしばらく押さえていたが、次第に扉を叩く音が増えてきた。
バァン!バァン!バァン!バァン!
それと同時に衝撃が伝わって来る。
「クッ!」
「チッ!」
それでも何とか押さえていたが、やがて、
バァン!バァン!バキッ!
と言う音と共にドアが外れて倒れ掛かってきた。
「うわ!」
「クソ!」
僕達はそのままドアの下敷きになった。
「うぁぁぁぁ・・・」
ドアの上に乗っている男がドア越しに僕達を捕まえようとする。
「おい、このドアを押し返すぞ!」
「分かった!」
僕と警官は力を込めてドアを押し返した。
「うぁぁ・・・」
ドアは男を乗せたまま入り口へと倒れていった。
さらにそこから侵入しようとしていた男達に当ってのけぞらせる。
「よし!今のうちに行くぞ!」
僕と警官は階段を上った。すると踊り場の窓が割れて男が身を乗り出してきた。
「あああぁぁ・・・」
「クソッタレ!」
警官は男の顔に蹴りを叩き込んだ。男は窓の外に倒れていった。
僕達は2階へと上った。
∀・)ワクワク
573 :
45:2005/05/15(日) 23:58:29 ID:???
その病院は、通院するには非常に不便な処に建っていた。
アークレイ山脈の麓、車道も禄に整備されてない場所に。
この病院の主はアルバート・レスター。通称はアル。
彼はこの病院の院長を務めている。
寡黙な人物で人付き合いは苦手、従業員からの受けもあまりよくない。
そのせいか、彼には相談できる相手という者がほとんどおらず
病院の経営についても一人で試行錯誤しなければならなかった。
その彼の心の拠り所は妻であるドロシーだ。
アルは彼女といる時だけは笑顔を見せる。
ドロシーが傍にいることが、彼の心の安らぎなのだ。
そもそも、アルがこの採算の合わないような場所に
病院を建てたのも、全てはドロシーの為であった。
ドロシーは子供のころから身体が弱く、いつも難病に悩まされ続けていた。
彼は結ばれた暁に、人ごみの多いラクーンシティではなく
自然の多いアークレイへ住居を構えようと決意した。
そうすればドロシーの病気もよくなるだろうと考えてのことだ。
彼の医療技術も、山小屋で小さな診療所を営むことで
贅沢さえしなければ二人分ぐらいならば食べていく分には事足りる。
アルはドロシーと静かに人生を送ることにしていた。
ところが、二人の想い描いていた生活はそう長くは続かなかった。
アルの腕のよさはアークレイ山脈を訪れる登山客の間で評判となり
街からはラクーン病院では診ることのできない患者が押し寄せた。
アル自身も医者としての責務から、彼らの診立てを拒否することはできない。
今までに溜め込んでいた預貯金の他、親からの遺産相続等
様々な要因が重なり、二人の住居は山小屋の診療所から総合病院へと姿を変えた。
世間一般の価値観では上々な人生であったが
二人にとっては喜ばしい事態ではなかった。
574 :
45:2005/05/16(月) 00:00:09 ID:???
実際、総合病院となってからというもの
人手が足りないために色々な方面から医師や薬剤師を雇ったのだが
アルの目から見ればどうしようもないヤブ医者であった。
病院の評判はガタ落ちで客が寄り付かなくなり
おかげで病院は多大な負債を抱える結果となった。
そんな時、慣れない金策に走るアルにある組織がコンタクトを取ってきた。
アンブレラ・コーポレーション。世界有数の薬品会社だ。
アンブレラは資金援助をする代わりにある条件を提案してきた。
それは、良識ある医者ならば決して受けてはならないものであり
アルは当然のことながら断った。最初の内は。
その条件を受け入れるようになったのは
アンブレラのグレッグという男が出てきてからのことであった。
グレッグは、アルに条件の詳しい内容を開示したのである。
ドロシーの難病すらも治せる薬を造る。その為の実験である。
アルはその言葉に折れ、アンブレラの実験に協力することを約束した。
その日から、アルは他人に対して一切の笑顔を見せることはしなくなった。
彼の通帳には振り込み先不明の現金が増え続け、院内では患者の悲鳴が木霊し
ドロシーの身体にもグレッグから譲渡された怪しげな薬品が注入されていった。
その頃からか、病院の周りに怪しい人物の影が映るようになった。
患者の親族が面会できないのを怪しんで、私立探偵を雇ったのか
はたまた海外の納入先が告発したのかは分からないが、警察が介入してきた。
この時の捜査で入院患者のことを入念に探られ、アルは逮捕も覚悟したが
警察はこれ以降、病院を訪ねてくることはなかった。
聞いた話ではアンブレラが手を回したということだ。
既にアルは裏街道から逃れられないことを悟った。
575 :
45:2005/05/16(月) 00:01:56 ID:???
警察が介入することはなくなったが
かわりにもっと厄介な職種の人物が病院を訪れた。
マスコミ関係者。カートと名乗る新聞記者だ。
カートは最初、患者として訪れてきたのだが、その真意は別にあったらしい。
アルに直に見てもらいたいと言うので、やむなく出向いたが
別に身体に異常はなく、風邪薬を与えて早々に帰した。
だが、それで引き下がることもなく、しつこく通院してきた。
常にアルに診てもらわなければ駄目だと言い張り
アルが出てくれば病院の内情を探るような発言をする。
ある時など、院長室に直接乗り込んで問い詰められたこともあった。
警察を呼ぼうかとも思ったが、介入こそされないものの
マークはされているはずであり、それはカートの狙うところでもある。
そこでアルはカートを連れて院内を案内し、患者との取材を約束した。
ドロシーの病室まで連れていき、カートをドロシーと二人きりにして鍵をかけた。
後は取材だろうが何だろうが、好きにすればいい。
自分の思うとおりに書いて、病院の内情を告発してもらってもかまわない。
カートとの約束は守ったのであるから、何も文句はあるまい。
但し、その約束の中に生かして帰すことは含まれていないが。
45さん、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
キタ━━(゚∀゚)(∀゚)(゚ )( )( ゚)(゚∀)(゚∀゚)━━!!
キタキタキタキタ━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
カートに加えてアリッサとも絡みキボン
結論から言えば、このカート殺害は大きな誤算であった。
後日、また別の記者が病院に現れたのだ。
その記者はアリッサといい、カートと同じ新聞社に勤めているそうだ。
アリッサもまた、カートと同じようなことを口走り
カートの行方を執拗に聞き出そうとした。
アルは既に冷静な判断が出来なくなっていたに違いない。
ある事情でカートを入院させていると言い
彼の時と同じように病室へと連れて行った。
本来ならばドロシーがいるべき場所であるが
今回に限り、彼女が望むスペシャルゲストにお越し頂いている。
ちなみに、カートを入院させているというのは嘘ではない。
ある意味では、本当に奇病にかかってしまったために
院外に放出することはできないのだ。
アリッサが病室の中に入っていくと
アルはまたもや部屋の外側から鍵をかけた。
しばらく待てば、奇病の患者が一人増える。
この始末がついたら、今後はマスコミを近付かせないよう
アンブレラに要請するつもりだ。
そう思った矢先のことである。
鍵がかかっていたはずの扉がいきなり開き、アリッサが飛び出してきた。
病室の中ではゾンビ化したはずのカートが床に倒れて動かなくなっている。
あまりに突然の出来事に狼狽するアルに
アリッサはありったけの呪いの言葉を吐き捨てて走り去っていった。
後の結末は言うまでない。
病院はアリッサの暴露記事によって閉鎖された。
マスコミを敵に回すのは無謀であった。
カートの死が思わぬ結果を招いてしまったのだ。
580 :
45:2005/05/17(火) 01:55:03 ID:???
なのに、このような事態に陥ってもアルは警察に捕まることはなかった。
アルだけではない。他の従業員達や患者達もだ。
警察が捜査のメスを入れる直前に全員がアンブレラに保護されたのだ。
アルは例え病院が潰れたとしても、実験を成功させるつもりであった。
だが、彼にとっては不幸なことであるが
アンブレラは病院で行っていた実験を続けるつもりはなかった。
既に欲していたデータは充分に手に入っていたからだ。
アンブレラにとって、病院の関係者達はもはや邪魔者でしかなかった。
彼らの一人一人に面談し、協力を申し出るものは
研究者として雇い入れることを約束したが
拒む者については金で懐柔するか、処分した。
アルは前者の方であったが
アンブレラにドロシーの奇病の特効薬を造る
意思がないことがはっきりすると態度を一転させ
アンブレラの監視下におかれる生活を送ることになった。
以後のアルは世捨て人のような暮らしを送った。
アークレイ山脈にある洋館に住まわされるようになったが
常にアンブレラの監視の目が光り、街には出してもらえない。
生活用品はアンブレラから届くものの
どれもこれも粗雑で必要最低限のものしか
与えてもらえないという、いわゆる軟禁状態にあった。
そんな生活が5年程続いた時のことである。
心身ともにすっかりやせ衰え、実年齢以上に老いてしまったアルだが
幾歳月を過ぎても、ドロシーのことが忘れられない。
たまにくる監視員にドロシーのことを聞いても
知らないの一点張りで答えようとはしない。
たまらなくなったアルは、脱走を敢行することにした。
外を散歩するふりをしながら、監視の目を振り切って駆け出した。
あまりに突発的なことであったためか、監視員達はアルを見失ってしまった。
581 :
45:2005/05/17(火) 01:56:57 ID:???
アルは必死に走った。目指すはかつて病院のあった場所。
ドロシーはまだこの病院の中にいるような気がする。
風雨に晒されてすっかり錆付いた扉を開け、懸命にドロシーを捜す。
時には呟き、時には叫びながら妻の痕跡を探る。
アルが彼女の名を口にする度に、か細い声が答えてくれている感じがするのだ。
やまびこは地下の特別病室の方から木霊していた。
アルがその声に導かれ、足を踏み入れると
壁一面に、奇妙な植物が生えているのを見つけた。
植物の前でドロシーと呟くと、植物は葉をこすり合わせて答える。
やはりこの植物はドロシーだ。
姿形こそ変わってしまったものの、紛れもないアルの妻だ。
アルはこの妻の生まれ変わりを今度こそ救ってやろうと決意した。
それからというもの、アルはドロシーの望むことは何でもかなえた。
鳥が欲しければ鳥を、犬が欲しければ犬を、人間が欲しければ人間を
好きなだけ彼女の養分にしてやった。
また、アンブレラの追っ手に自分だと悟られぬよう
これまでの獲物から剥いだ皮を縫ってマスクをつくった。
アルはこのマスクをつけている時はどんな傷を受けても平気であった。
アンブレラの追手すらも無傷で惨殺することができた。
これというのも、ドロシーが力を与えてくれているに違いない。
アルとドロシーの新しい生活が始まってから数ヶ月が経った。
彼の住まいである山小屋に3人の男女が現れた。
アルはその中の一人に見覚えがあった。
かつて病院を閉鎖に追い込んだ人物、アリッサ・アッシュクロフトその人である。
彼女はアルの姿を見ても、警戒しなかった。
事件が起こったこと自体、すっかり忘れている様子だ。
ならば思い出させてやるのが親切というものであろう。
アルは言葉巧みにアリッサ達を騙し、ドロシーの元へと連れて行くことにしたのだ。
期待通りにアリッサ登場乙!
しばらくぶりでしたが、45さんのテイストは健在ですね。
583 :
名無し:2005/05/18(水) 00:51:00 ID:???
面白い!これから「記憶」が始まるのか。
おもしろいですね。淡々とした文章のなかにも、キラリと光るものが感じられるような…
おれにはこういう才能がないのか…orz
見てるよ
586 :
30:2005/05/18(水) 23:29:34 ID:???
「なぁ、こいつも一緒に連れて行ってやろうぜ」
ジムは上機嫌で白い猫を抱いている。
それを見たデビットは冷ややかな口調で言った。
「ふざけるな。俺たちは飼育員じゃない。自分が生き残るので精一杯だ」
恐らくそう言われるだろうと思っていたジムだったが、口をすぼめて言い訳をする。
「でもさぁ、こいつオレのことを助けてくれたんだぜ。賢い猫なんだよ」
手分けをして武器を探していた時、ジムは不覚にも傷を負ってしまった。出血が
止まらず、歩くのも苦しくなってうずくまっていた。その時、この猫が目の前に
現れ、ジムを導くように鳴いたのだそうだ。藁をも掴む思いでついて行ったジムは、
盛大に生い茂ったハーブのプランターを見つけた。
「くだらん。さっさと捨ててこい」
猫の賢さを力説したジムは、そう簡単にデビットの言葉に従う気はない。
「何だよ、エラそうに!いいじゃないか、オレは連れて行くぜ。こいつはオレの
相棒なんだ」
デビットはジムの言葉を無視して歩き始めた。
587 :
30:2005/05/18(水) 23:30:22 ID:???
◇
猫はジムの予想以上に役に立ってくれた。水や食料のありかを探し出すのが得意
だったし、ゾンビに追いつめられた時には下水道への入口を見つけてくれた。
だが、デビットは相変わらず猫のことを無視し続けている。
その気配を察しているのか、猫の方からもデビットには近付かなかった。
「この扉、開かないみたいだなぁ」
ラクーンからの脱出者によって隣接地域の汚染を防ぐためなのだろう。行く手には
頑丈なスチール製の扉が待ちかまえていた。高さは7〜8メートルあるだろうか。
5つのロック装置が扉の合わせ目に並んでいる。
これを全部解除しなければ扉は開かないらしい。しかも、表面には足がかりになる
ような突起が一切なく、周囲にも足場になるものはない。並みの人間ではよじ登って
越えることも不可能だ。
唯一、扉の脇の地面に人が一人乗れるくらいの大きさの四角いプレートがある。
試しに乗ってみるとカチッと音がするものの、それ以外に何事も起こらない。
「クソっ」
デビットが扉を蹴った。
「待てよ、わかったぞ。さっき通ったところに検問所みたいな建物があったろ?
あそこからこの扉を操作するんじゃないのかな」
588 :
30:2005/05/18(水) 23:31:14 ID:???
何しろパズル好きのジム、この手の仕掛けには滅法強い。
二人と一匹で検問所に引き返してみると、案の定、モニタに扉が映し出されていた。
その前には赤い大きなボタンがあって「OPEN/CLOSE」と刻印がある。
「見ろ!オレサマの言った通りじゃないか」
得意になったジムはボタンを押した。
・・・だがやはり扉は開かない。
モニタをじっと見ていた猫が大あくびをした。
「・・・別のルートを探すぞ」
デビットが痺れを切らして言った。
「待ってくれよ、あ、そうか、あの扉脇のプレートだ。あそこに誰か乗ってないと
このボタンは動作しないんだよ。きっとそうだ!」
デビットは冷め切った表情でナイフを弄んでいる。
「悪りぃデビット、あそこに行ってプレート踏んでてくんない?」
589 :
30:2005/05/18(水) 23:32:03 ID:???
◇
扉が開いても、そう長い時間開きっぱなしになっているとは限らない。
自分は扉を開けたら全速力で向かうから、猫を先に連れて行ってくれ・・・
ジムはそう言ってデビットに猫を押しつけた。
「ふざけるな!」
デビットは即座に拒否したが、今まで少なからず猫に助けられていることを思い
出したのか、結局渋々ながら連れて行くことに同意した。
だが、デビットは猫を抱き上げるなどということはしない。もちろん彼を知る者が
百人いたとしたら百人ともそう思うだろう。デビットにとっても猫にとっても
幸いだったのは、検問所の室内に手頃な大きさのバスケットがあったことだ。
猫はそこに大人しく収まって、運ばれて行く間、あたりを興味深そうに眺めていた。
扉の前まで戻ると、デビットはバスケットから猫を放してプレートに乗った。
カチッと音がしてプレートがわずかに沈んだ。だがまだ何も起こらない。
「ジム、何をやってるんだ」
その時ジムはさらなる試練に見舞われていた。
モニタでデビットがプレートに乗ったのを確認すると、「OPEN/CLOSE」ボタンを
押した。しかし、モニタには扉が開く映像が映る代わりに10×10の升目に数字が
びっしりと詰まった画面が映し出されたのだ。
「げっ!!」
升目は一箇所空欄になっている。どうやらその空欄を利用して升目を動かし、
数字を一定の法則に従って並べ直すパズルらしい。
「つくづくこの街はパズル好きなんだなぁ。でもこのオレサマに挑戦しようなんて
いい度胸だぜ!見てろよ!」
闘志をかき立てられたジムは猛然とパズルに挑みかかった。
590 :
30:2005/05/18(水) 23:33:02 ID:???
と、その時、デビットの目の前をいきなり白いものが横切った。
ジムの猫だ。猫は律儀にもデビットを守ろうと捨て身の行動に出のだ。
ゾンビたちは猫に気をそらされて一瞬歩みを止めたが、次の瞬間、向きを変えて
猫を追いはじめた。
デビットが安堵したのも束の間、猫はゾンビたちに囲まれつつあった。
果敢にもゾンビの顔めがけて爪を振るう猫。一体のゾンビが倒れる。
だが、数で優るゾンビたちに周囲を固められて、もう猫には逃げ場がなかった。
「やめろ!」
デビットはゾンビに囲まれてなお勇敢に威嚇行動をとる猫から目が離せなかった。
「ジム!早くしろ!!」
ガコンとひときわ大きな音が響いて最後のロックが外れた。
扉はゆっくりと開き始めている。
「うぉおおおっ!!!」
デビットは解き放たれた鬼神の如く、ゾンビたちに襲いかかった。
591 :
30:2005/05/18(水) 23:33:57 ID:???
◇
鼻歌混じりにスキップなどしながら、上機嫌でジムが戻って来た。
「デビット〜、急がなくて大丈夫だぜ。扉は勝手に閉まることはないみたいだ」
扉の前まで戻ってみると、ゾンビが数体倒れている。
デビットは腰を下ろしてナイフの手入れを、猫は少し離れて毛繕いをしていた。
「うわっ、このゾンビ・・・デビット、何かあったのか?」
デビットは無表情のまま答える。
「大したことはない」
やれやれ、いない間でよかった〜と心の中で思いながらジムが言った。
「よぉし、じゃ行こっか。おーい、猫。行くぞー」
だが猫は毛繕いに夢中でまったくジムの言葉を聞いていない。
「おい、オレの言うことが聞けないってのかー」
デビットが立ち上がってナイフをパチンと折りたたんだ。
「ぐたぐた言ってる場合か。行くぞ」
その声を聞くと、猫は毛繕いをやめて素早く立ち上がり、デビットの足元にまとわり
つきながら彼に付いて行った。デビットは表情を崩さないが、疎ましそうなそぶりを
見せる訳でもなかった。
あっけにとられたジムがぽかんと口を開けて見ている。
「お、おい猫、おまえオレの相棒だったんじゃないのか!?
デビット、おまえら一体・・・」
ジムはあわてて駆け出し、デビットと猫を追う。
扉を通り抜けてもそこはまだラクーンシティの中だった。
どうやら二人と一匹のサバイバルはしばらくのあいだ続くようだ。
E N D
592 :
30:2005/05/18(水) 23:40:01 ID:???
すみません!
589と590の間が抜けてましたorz
ショック〜
593 :
30:2005/05/18(水) 23:41:24 ID:???
【589と590の間】
◇
デビットが見上げると、一番上のロック装置が音を立てて回転し解除された。
安心してプレートを降りると、そのロックは元通りに閉じてしまった。
「何だと!最後までここに乗っていろと言うのか?」
プレート上に戻ったデビットはイラつき始めていた。
その時、通りの向こうで何かが動いた。嫌な予感がする。
猫も気配を感じるのか、デビットが見つめる方向を同じように凝視していた。
「ジム、急げ!」
事務所では、ジムが頭脳をフル回転させていた。
「デビット、頼むぜ!そこでおとなしくしといてくれよ。でないとまた最初から
やり直しだ!」
通りの向こうから近付いてくるのはゾンビだった。
集団と言うほどの数ではないが、見たところ10体はいる。囲まれるとやっかいだ。
猫もうなり声をあげて毛を逆立てている。
ロックはすでに3つ外れていた。あと2つだ。
デビットは焦りを感じていた。このナイフさえ存分に振るうことが出来れば、
あの程度のゾンビを葬り去る自信はある。だが、よりによってこんな身動きが
取れない時に襲われるとは・・・
4つ目のロックが外れた。だが、ゾンビどもはもう数メートルの距離にまで近付いて
いる。腐臭が鼻を突き、背中に冷たい汗が流れた。
やつらはようやくデビットを見つけたらしく、向きを変えて歩み寄って来た。
「クソっ!」
デビットはナイフを構えて覚悟を決めた。
594 :
30:2005/05/18(水) 23:42:48 ID:???
あ〜あ、台無しだわ・・・(泣)
大変失礼をいたしましたです。ニュクスに吸収されて来ます。
ドンマイ
このコンビはおもしろそうな素材だなと思ってた よかったよ
596 :
名無し:2005/05/19(木) 04:31:49 ID:???
いやあ〜相変わらず面白い物語をお書きになりますねえ〜
ジムとデビットという珍しい組み合わせも良かったですが、
猫好きの僕としては、最後に仲良くなった猫とデビットも良かったです。
30さん乙です!
ジムとデビットという組み合わせが新鮮で(・∀・)イイ!!
猫が助かって良かった(´∀`)
まぁ普通に飛んでるのと状況は理解出来たから面白かったです(´∀`)
ぬこハァハァ
600 :
名無し:2005/05/20(金) 04:39:28 ID:???
この2人と一匹のサバイバルはもっと見てみたいな。
ねこに萌えた…!
ねこーねこー
603 :
45:2005/05/20(金) 22:00:18 ID:???
ラクーンシティでは9月の中旬から妙に火事が頻発していた。
ラクーン18分署の勇敢な消防士の一人であるレンも
この頻発する不自然な火災に何か違和感を感じていたものだ。
そしてさる大暴動の真っ只中において
レンは今までの現場では経験したことのない未知の体験をする。
アップルインホテルで火災が発生したとの通報が入ったのだ。
その時はラクーンシティの各地で大規模なテロが行われているとの
速報が流れていたので、とうとうきたかと腹をくくったものだ。
だが、いざ現場に到着してみると、出火こそしているものの
ホテル自体に大した被害は出ていない様子で、すぐに収束するものと思われた。
ただ、オーナーの話ではまだ中に多くの客が閉じ込められており
大部分がパニックに陥っているのではないかということである。
当時、分隊長として現場を指揮していたダニーは
多人数での突入はかえって救助が困難になると判断。
もっとも息のあったコンビで各個に要救助者を集めることにした。
ラクーン18分署で息の合うコンビといえばダニーとギル
或いはレンとその相棒であるチャーリーのどちらかである。
ダニーは分隊の指揮官としてこの場を離れるわけにはいかない。
レンとチャーリーが突入し、他の署員は入り口付近でサポートすることとなった。
二人が突入してからしばらくして
今回の現場がおかしいと感じるのに大した時間は必要なかった。
ホテル内にいる人間のとっている行動が
助けを求めるそれではないのが見てとれるからだ。
彼らは誰かに助けを懇願することがない。
レン達が彼らに駆け寄っても、おとなしく指示に従うどころか
とんでもない勢いで暴れ出すのである。
パニック状態に陥っているのであろうと考えたが
火災の規模の割にはあまりにその症状に陥る人数が多すぎる。
604 :
45:2005/05/20(金) 22:02:50 ID:???
レンはホテル内の異常な状況をダニーにつぶさに報告した。
そこでダニーから帰ってきた返事は、にわかには信じられないものであった。
ダニーも警察から聞いた話だがと前置きした上で
現在のラクーンシティには謎の人喰い病が流行っていて
その異常な行動をとる者達はその病に感染しているのではないかということだ。
確かに彼らの多くは暴れる際に噛み付こうとする行動をとる者が多かった。
幸いにも耐火服は頑丈で、それによって傷を負わされることはなかったが
レン達は要救助者と感染者を見分ける必要に迫られた。
迂闊に誰も彼も外に出していって
感染者を解き放ってしまったらとんでもないことになる。
それからの二人の行動は慎重を極めた。
感染者を見分ける基準は外傷があるかどうかであるが
ホテル内に蔓延しているすすで皆、汚れているので一見では判断ができない。
道中、彼らが出会った者のほとんどが何らかのカタチで感染しており
意識を保っているものであっても、感染の恐れのあるものを
連れて行くことはできなかった。
そういう者達は涙を飲んで、あえて見捨てた。
そうして3階まで来た時のことである。
行けるところは全て探したが、どこを見ても要救助者は見当たらないし
万が一にも感染者による攻撃で二次災害が起こっては元も子もないので
ダニーはレン達に撤退するよう呼びかけた。
それに応え、二人が踵を返した一瞬の事であった。
歩いていた廊下が突如として大きな音を立てて崩れ始めたのである。
間一髪のところで二人は無事であったが
これによってホテルの入り口まで戻ることができなくなった。
あまりのタイミングの悪さに、レンは先行きの不安を隠すことができなかった。
605 :
45:2005/05/20(金) 22:05:27 ID:???
レンはやむを得ず、別ルートから帰還する旨を伝え
到着地点に署員を数人、迎えにやってほしいと頼んだ。
地図によると、ボイラー室から中庭へ脱出することができそうである。
問題は、そこへ通じる道がないことだ。
二人が非常口付近にまで行って調べた結果
窓枠を伝って行くより他に方法はないようである。
落ちたら一巻の終わりであるが、危険を承知で行くしかない。
3階の非常口からボイラー室までの道のりは予想通り、困難を極めた。
細い足場を伝っていこうとすると、カラスが二人目掛けて突っ込んでくるのである。
そのカラスの妨害もなんとか退けてボイラー室まで辿り着いた。
後はここのハシゴから降りればどうにか助かる。
ちょうど彼らがボイラー室に到達したのと同時刻に
ダニーは中庭へ署員を送ることを断念していた。
周りに感染者の集団がたむろしており
レン達が脱出ルートに使おうとしているボイラー室も
管理人から非常に不安定な状態で通るのは危険であると知らされた。
ダニーは現場に駆けつけたオーナーから話を聞いて
少々、面倒ではあるものの別に脱出ルートがあることを
二人に伝え、通信機ごしにその方法を指示するつもりであった。
これらの事情を踏まえて、ダニーが通信を行おうとした
その時には、既に二人とも帰らぬ人となっていたのである。
606 :
名無し:2005/05/21(土) 03:57:26 ID:???
>>451_454さんの日本を舞台にしたアウトブレイク外伝の続きも見てみたいな。
警察と同様に消防隊員も結構活躍してるんだよね。
獄炎前にも当然そういういきさつがあって納得です。
決意のヘリのふたりもエピソードになりそう。
608 :
名無し:2005/05/21(土) 11:40:17 ID:???
消防隊員はあの騒動の中で、人命救助をしていましたからねえ。
>607さんと同じ様に決意のダニーとギルのエピソードも見てみたいですね(自分で各課?)
獄。ここでは秩序も、正義も、愛もない当に監獄そのものだった。
ここにいるものは安息を許されない、往ける屍。ただ猛禽の如く血肉を喰らう。それは神の秩序へ逆らった者達への罪。ただただ醜悪な姿を晒し、さ迷うのみ。
駄文スマソm(__)m
>>609 シナリオ紹介の文ですかな?(・∀・)イイ!!
おれは異界のシナリオ紹介文が好きだぬー
俺は記憶と死守。
シナリオ紹介ってかなりいい味出てるよな。
609スマソm(__)m1の研究所の描写だす。
613 :
45:2005/05/23(月) 22:41:02 ID:???
『掃討作戦指令
内容:中央通りへの爆薬設置 及びバリケードの敷設
時間:本日午後7時より60分
作戦人員:6名
補足1:基本的には人命救助を優先するが
対象が呼びかけに呼応しない場合は殺傷を目的とした発砲を許可する。
補足2:爆薬敷設後は作戦区画から直ちに撤退し、本部からの指令を待て。』
エリオットがこの指令書を手渡された時は
署長もとうとう気が狂ったのかとあきれていた。
7月の洋館事件でご自慢の特殊部隊、S.T.A.R.Sが壊滅して以来
機動隊の戦力増強に力を注いでいたのだから
そちらを向かわせればいいだけの話ではないか。
それとも、ラクーン市警の機動隊は
武器も持たない暴徒よりも弱いというのだろうか。
そう考えていたのが甘かった。
現在の状態は皆が考えているよりも酷く
機動隊は全滅して、署内勤務の連中まで駆り出しているのだという。
そしてこの爆破工作に自分とエリックやハリーが
あたることになるのも冗談ではなさそうである。
疲れた様子の署長から握手をかわされたハリーは顔面蒼白になっている。
今にも泣き出しそうな顔をしていた。
エリックの方も普段のクールさは影を潜め、緊張の面持ちだ。
署長は現在の情勢は困難であるが、諸君達はラクーン市警の名誉にかけて
必ずや作戦を成功させることができるであろう演説をふった。
口で言うだけならば誰でもできるが、それを実行するのは現場の人間だ。
少しばかり文句でも言ってやろうかと思ったが
今の状況で意見しても署長が聞き入れることはないだろう。
614 :
45:2005/05/23(月) 22:42:25 ID:???
確かに、事態は深刻なのだ。署長への不満をぶつけるのは後でもできる。
署員達はレイモンドを班長とする掃討班と
ドリアンの指揮する救助班の二手に分かれた。
エリオット達の工作隊はレイモンドの指揮下に入り、街まで向かった。
道中、窓の外から見える光景に誰もが目をそむけた。
これが少し前まで平和だったラクーンシティの姿かと。
今のラクーンはまるで地獄だ。
街の至るところに赤い斑点が続いているのだ。
そして、自分達もこれからその世界に足を踏み入れることになる。
緊張に耐え切れなくなったのか、ハリーが車の中でもどしてしまった。
エリックが介抱してやる中、ハリーは作戦は失敗に終わるとしきりに叫んだ。
エリオットは警官が弱音をはいてどうすると叱り付けたが
内心はハリーの気持ちが分からないでもなかった。
恐らく、他の皆も同じように考えているだろう。
だが、今はこの作戦を実行して、少しでも暴動を食い止めなければならない。
作戦の成否に関わらず、自分達が死ぬことになってもだ。
ここで逃げたらそれこそラクーン市警の名に傷がつく。
街の平和を守るべき警察官が、街の危機を見過ごすことがあってはならないのだ。
数時間の後、現場へと辿り着いたエリオット達は
レイモンドの指揮のもと、バリケードを築き始めた。
コンクリートの足場に鉄製の柵がついた簡素なものだが
それを暴徒の集団が通ると思われるルート上に配置する。
現場に設置された仮本部の中では警察ヘリが上空から
暴徒の進行ルートを正確に報告してくる。
ヘリからの情報では、暴徒達は次々にその数を増やして
こちらに向かってきているという。
送信された映像には、小さな人の塊が
集まっては消えるという動作を繰り返していた。
ヘリが高度を下げてより鮮明な映像を映した途端
その画像を見ていた誰もが言葉を失った。
615 :
45:2005/05/23(月) 22:43:59 ID:???
人間が、人間を食べている。
何かの宗教か、はたまたそういう病気か?
20世紀も末だというのに、人肉食の現場を目の当たりにしてしまい
送られた映像を見た警官達は激しくショックを受けた。
現場の指揮官であるレイモンドは
各員に警告無しの、殺傷を目的とした発砲許可を与えた。
彼はショックよりも、激しい怒りを抱いたようだ。
彼の檄が飛んだせいもあってか、作業は迅速に進んだ。
誰しも、あのような死に方だけはしたくないと考えたからだろう。
警察官なのだから、犯人との交戦で死ぬことはあっても
その死に方に食い殺されるというパターンはまずないからだ。
一通りの作業が終わり、各々の持ち場へと移動した。
エリオットはエリック、ハリーらとともに大通りにいた。
既に爆薬はバリケード外の各所へ設置されている。
後は起動スイッチだけなのだが、これが中々上手くいかない。
いつもは冷静なエリックがいやに手間取っている。
しばらくして、エリオットの無線に連絡が入った。
警察ヘリからである。暴徒の集団が大通りに
向かっているので、早急に作業を完了させよとのことである。
言われなくても分かっていることではあるのだが
エリオットには爆弾のイロハは分からない。
この3人の中でそれを理解しているのはエリックだけなのだが
当の本人はその起動スイッチの作成にてこずっている。
さらに、レイモンドの隊から暴徒と交戦状態に入ったと伝えられた。
616 :
45:2005/05/23(月) 22:45:17 ID:???
無線が入ってからしばらくして、暴徒の集団が姿を現し始めた。
その数は段々と増えて、ほんの数分で大所帯が集まった。
軽く見積もって5千人以上はいるだろう。
エリオット達は、たったの数人でこの5千人に立ち向かわなければならない。
エリックは目の前の暴徒の集団に驚いたようで
普段の彼からは想像もできないくらい焦っている。
ハリーはもう半分、ベソをかいている。
暴徒達はもう、バリケードに手をかけるほどにまで接近していた。
エリオットは颯爽と銃を抜き、応戦する。
ハリーにも交戦を呼びかけるが、彼は半ば半狂乱で
あられもない方向へと銃をぶっ放していた。
二人の銃撃に勇気付けられたのか、エリックの手の動きが速くなる。
そして、エリックが起動スイッチを完成させた。
そのすぐ後に、彼はそのまま暴徒の波に飲み込まれた。
エリオットもエリックを救助しようとしたが巻き添えを食らい、殉職した。
最後に残された希望はハリーだったが
彼は何もせず、そのまま逃亡してしまった。
彼らが生死をかけて決行した作戦は
命を落とした直後に3人の民間人によって成し遂げられることとなる。
イイ!GJ!
何かこう、警官たちの苦悩とか悲哀が伝わってきたよ。
時が・・・止まった・・・
そうか。
それははかない望みだったのかもしれない。
遠退く意識のなかでニックは自らの行動を心から悔いた。
エメルダ…君は、今何を思っているんだい…?
彼の名はニコラス=ブロック。
犯した罪を清算するために、また自らをかきたてるように、アンブレラ社の特殊部隊に志願した。
任期は生涯つづく。任務は危険なものばかり。しかし、リスクはデカいが報酬も多い。
それらすべてが、彼にとって都合がよかった。
残してきたものなんかなにもねぇ。
それが口癖の彼が
毎月元恋人のエメルダに仕送りをしていたのは、カーターをはじめ、おおくの同僚が知っていた。
エメルダ=ホーキンス23歳。
もともと体が弱く、車イスの生活をしていた。
彼女の足を治す薬は高額で、治療すらままならなかった。
そんな彼女に、ある日恋人ができる。
それまで恋愛をしたことのなかった彼女にとって、それはとろけるような日々だった。
しかしそんな日々も長くはつづかず、ある日恋人は忽然と姿を消す。
ふと耳にした風の噂によると、その恋人は多額の金を手にするために麻薬の密売に手をだし、捕まったらしい。
ニック…私のために…
エメルダの思ったとおり、彼は彼女の足の治療をさせたいがために、
悪事に手を染めてしまったのだ。
部隊に入って三年もたった頃だろうか。
ニックたちのチームに、ラクーンシティへの特別派遣命令が下った。
内容は“実験体”から“T-ブラッド”を回収することだけが伝えられた。
パートナーのカーターとは運悪く別のチームになってしまったが、彼はαチームの隊長として着任することとなる。
場所はラクーン大学正面広場。βチームの“死神”ハンクの狙撃からの作戦である。
死神がついてりゃあまず死ぬこたぁねぇさ
そう部下を落ち着けるニックであったが、まだ見ぬ“実験体”への不安は高まるばかりであった。
作戦開始時刻まであと一時間弱――
“それ”は身の丈二メートルを優に越す、双腕には――コイツ、本当に元人間かよ――神々しくさえ見える
異常に発達した筋肉と、カギ爪が備わっていた。
“それ”がピクリと動いたのを見るが早いか、ニックは叫んだ。
撃て!!撃つんだ!!
一斉射撃に全くひるむことなく向かってくるその実験体に、死神からの鉄槌が下され、
作戦は成功に終わる――はずであった。
なにかおかしい。そう思った刹那、丸太のような一撃に頭を殴られ、ニックの視界は白くそまった。
意識が欠落したその一瞬に、容赦のない追い打ちが襲い、ニックの身体は宙にうき、数メートルとばされる。
その間数秒であった。
部下がつぎつぎと目の前で惨殺されてゆく。
おそらく、ここから先の人生で、今この時よりつらい状況はめぐってこないだろう。
いっそ抵抗をやめて、あの化け物に命をうばわれてしまった方が楽なのではないか。
苦痛は一瞬だろう。
それに、万が一生き延びることができたとしても、彼の捨てたものはもう永遠に戻ってこないのだから。
痺れる身体で最新式のアサルトライフルのトリガーを引き絞り、目前の“死”と対峙しながらすでに、
ニックの頭にはすでにエメルダしかいなかった。
最後にそばにいてやれなくてすまない…おれは…
鈍い衝撃とともに、彼の想い、希望、そしてわずかな夢さえも、もうそこにはなかった。
ただそこに遺されたもの、
それはこれ以上ないほどに幸せそうに笑った彼と、彼が愛してやまなかった女
――エメルダが本当に幸せそうにほほえみ写ったツーショット写真だけであった。
初投稿です(´・ω・)
なんかダラダラ作ったので、支離滅裂なところがあるかもしれませんが、
見て見ぬふりをしてくださいw
前レスのひとたちみたいな文章がかけるように、早くなりたい('A`)
書き手の人が増えるのは大歓迎だよ。
新しい視点や文章に触れられるのは楽しみ。
これからもがんばってください。
628 :
名無し:2005/05/29(日) 00:29:27 ID:???
良かったです。あのUBCSの人達にもそれぞれの人生があったんだなあ、と思いました。
>>627-628 レスありがとうございます!感想とか書かれるとうれしいものですねw
頑張ります!
そして、誰も居なくなった・・・。
いやいや私が…行くぜ…
もはや周りを『死』に囲まれてしまった警察署…
「このような事になってしまうとはな…」
パソコンをいじっている婦警の背中を見ながら指揮をとっている
黒人警官──マービンはぼやく。
本人も分かっているだろうがもはや今更と言うような言葉だ。
「もう…生き残っている人は私達だけなんですか…?」
自分の背中でその言葉に答えぬマービンが俯いている事には
気が付かないリタ。
「…………分からん…」
数秒たってようやく答える
「思えば…クリス、ジル、バリー、レベッカ、ブラッド…
生存してきた彼等を信じてさえいれば…」
どうぞどうぞ
リサたんキボン
俺はなんて馬鹿なんだ…
同じ言葉をメモにも書いた、
日記にも記入した、
自分は仲間を見捨てた卑怯者だと自身を責めていたハリーにも打ち明けた、
どうしたんだと聞いてくれた先輩だったレイモンドにも相談した、
そして皮肉にも数時間後訪れる人物にも同じ言葉を…。
スターズのメンバーを信用しなかった自分が情けなかった。
今更気付いて言葉に出し認めたところでもはや遅い、
だが言葉に出さずにはいられない、文章と言う手段で表さずにはいられない…。
「マービン…今はそれを言っても仕方が…。
彼等もきっと大丈夫よ」
リタの言葉も耳に入らない。
事実彼女の言う通りだろう。「死体が生き返ったゾンビが猟奇殺人の真犯人でゾンビが起こるのは
ウイルスが原因でメンバーの半分が食い殺された。館や証拠は自爆装置で消し飛んだ」
…スターズのメンバーが全員共犯だと言う方がまだ有り得る。信じるのはどこかの宗教団体くらいだ。
しかしその「まだ有り得る」可能性をつい最近まで自分にマービンは自己嫌悪でまた胃を痛めた。
「ケビンは…」
リタの呟きが聞こえた。キーボードを叩く指は止めてはいない。
「エリックもエリオットも…その上レイモンドもみんな死…殉職したけど…
ケビンは…まだ死体も見つかってないし…でも…もしかして…」
「………」
マービンはまた俯いて黙りこくった。
ハリーの話を思い出した…。
彼等の話によれば、
ゾンビを起爆装置で一掃する作戦で起爆装置を作動させるエリックとエリオットが死亡、
そしてケビンはハリーに自分達の連れを守るように言い残しゾンビの大群の中へ
1人で走っていった…。
彼の姿が見えなくなって直後、ゾンビ群れの中心で爆発が起こりそれがいくつも重なった…。
そして、死体すら見つからなかった…。
(馬鹿だ…)
マービンは思う。
(お前は…ホントに馬鹿だよ…)
ホントに…ホントに…
馬鹿で遅刻魔でサボり魔で勤務中に酒を飲んで年中始末書に追われ…
馬鹿で能天気で楽天家で真っ直ぐでいつも明るくて失敗しても全く気にしないプラス思考で…
まるで何年も前に家出をした自分の馬鹿息子のようで…
「生きてるさ」
マービンは答える。
少し涙目になりつつあったリタは本格的に涙を流しているマービンを背中に
指を止める。
「あんな馬鹿が…死んでたまるか…」
マービンの顔には確信に近い表情があった。
「マービン…」
リタの顔は少し悲しそうだった。
彼女もまたケビンの死を信じたくは無かったのだ…。
「いつか…きっと今にあの正門が開いて…」
ギギィ…
カン カン カン …
「そして今にあいつのいつもの能天気な足音が聞こえて…きっとあいつは
こういう…『よう、また遅刻しちまったな…』…」
「そして驚く俺達をよそに…
「よぉ、また遅刻しちまったな。頼むから給料カットは勘弁してくれよ。
これ以上やられたら飢え死にしちまう」
「そう、こんな風にな…まるであんな事があった事が嘘のようによ…
そしてきっとあいつは俺の顔を見て…」
「いよぅマービンちゃん、何泣いてやがんだ?ひょっとして俺が生きていたのが
そんなに嬉しいのかおまえ?うれしぃねぇ人気者は」
「そうだ…こんな風にいつもの調子で俺をからかうんだ…」
「あいつはまだ生きてる…絶対に…。
始末書もあるし…酒のツケも…それに…まだ言いたい事もたっぷりあるんだ…
死なれてたまるか…」
「マービン…」
「マービン…(ニヤリ」
腕を組み意地悪い笑みをするケビン。
「マービン…あの人は必ず帰ってくるわ…
きっと…いえ絶対…」
涙声だった…。
「もちろんだ。あんな色男は最後まで生き残るもんだ、ゾンビになっても色男だろうぜ」
明るい声だった。
リタはキーボードを水滴に濡らし、ケビンはマービンの肩をポンポンと叩いて
いた。
「……………」 沈黙が流れる…。先ほどすらキーボード特有の音しか響かなかった
方より耳が痛くなるような…沈黙。
「あぁ…必ず…必ずだ…帰って来い…ケビン…!」
リタはマービンはどのような表情かはもはや知っている。
だから、でも、あえて振り向かない。
自分も同じ表情なのだから…。
「うっ…」
「ああ…帰って来いよ…ケビン…」
そしてちゃっかり混ざる馬鹿一名は顔を抑え伏せている…
だから、でも、あえてマービンの顔を覗き込む。
普段自分を怒鳴り散らす上司と口うるさい後輩の泣き顔が拝めるのだから…
「クックック…」
明かりを無くした警察署ホール…
そこに二つの涙と一つの堪え笑いが木霊すのを女神だけが聞いていた。
以上…。
まぁ…死守でケビンが来るとしたらこんな感じかな〜と上の両津ケビンを見て…。
ちなみにレイモンドがマービンの先輩と言うのと、マービンには家出をした子供が
いるというのは完全な脳内設定だから深くは突っ込まないように…。
しかしはたして私は馬鹿ケビンが書きたかったのかマービンの一面を書きたかったのか
中途半端だ…orz
GJ!
久々の小説ヨカタよ
俺こういうケベン好きなんだよな
前半でショボーン。
後半でワラタw
かなりGJだ!
GJ!あらためてケビンが好きになりますたw
両津ケビも加えて、もれもこんなケビンがいいなぁ。馬鹿だけど馬鹿じゃないていうか
とにかくGJですた!
そして、誰も(ry
648 :
30:2005/06/09(木) 18:59:01 ID:???
長い橋を渡っている最中に、対岸にある大学の校舎が突然爆発を起こした。
それを見つけて接近して来た消防のヘリからクルーが拡声器で何か言っている。
しばらくして大学の敷地にたどり着いたものの、ヘリの姿は見つからない。
周囲を見回すと、山の方へ向かって小さくなって行くヘリが見えた。
生存者を拾って脱出したのだろう。
各所で死闘を繰り広げながら何とかここまで来たが、もうすでにジムはウィルスが
身体中に広がっていた。デビットも彼ほどではないものの、体調は下り坂を転げ
落ちるような状況だ。
猫は気丈にも長いしっぽを立てて彼らの先頭に立って歩いている。
無事なのはこの勇敢で賢い猫だけだった。
半壊した校舎を見上げながら、ジムは裏広場に座り込んだ。
見回すと周囲には迷彩服とガスマスクを着用した死体がいくつかあった。
「ここで何かあったのかな」
ずっとジムに肩を貸して来てデビットもかなり消耗していた。
「わからん。だが、ヘリで市外に出たということは、何かワクチンのようなものを
見つけたのかも知れん」
それを聞いてジムの脳裏によみがえって来たものがあった。
「ワクチンか・・・
そう言えばこの前、警察署で別れたジョージがそんなようなことを言っていたな」
「ヤツは大学に行くと言っていた・・・」
ジムとデビットは顔を見合わせる。
「するとここにワクチンが?」
ふたりの間で毛繕いをしていた猫もにゃあと同意の声をあげた。
◇
649 :
30:2005/06/09(木) 19:00:25 ID:???
半壊した校舎はエレベーターが停止していた。なぜか普通の階段が見当たらず、
探し回った末に見つけたのは怪しい隠し通路のような場所だった。そこも爆発の
影響でパイプが曲がったり壁が崩れたりしていて通るのが困難だった。
3階まで来てみると誰かが倒れていた。その人物はすでに死んでいたが、爆発が
原因ではなく、頭部を撃ち抜かれて死んでいたのだ。
「胡散臭いな」
「また特殊部隊さんがお出ましなんじゃないだろうなぁ」
ジムとデビットが死体を検分していると、瓦礫の前で猫が鳴いた。
どうやら扉があるようだ。猫はしきりにそこを爪で引っ掻いている。
「そっちに何かあるのかな」
ふたりがかりで瓦礫を取り除き、体当たりして扉を開いた。
中は肉が腐ったような嫌な臭いが充満した広い部屋だった。
ここまで来る途中で遭遇した変な生き物の死体がぶら下がっている。
「こいつら、ここで作られたのか」
「かなり訳ありの大学らしい」
ジムは落ちていた鉄パイプを拾った。
その隣の部屋は比較的被害が少ない様子で、扉も難なく開いた。
「あっ、これは!」
650 :
30:2005/06/09(木) 19:03:43 ID:???
その部屋には遠心分離器のような装置があり、机にはデイライトと呼ばれるワクチンの
製造方法が書かれたメモが散乱していた。誰かがこのメモを基に、ワクチンを製造した
らしい。肝心の機器は停止していて、どこをどういじっても動かない。
だが幸運なことに、その取り出し口には白い液体の入ったアンプルが2本残っていた。
「助かった〜」
デイライトの作用でジムの体内のウィルスは一掃された。
見る見るうちに顔色もすっかり良くなり、ジムは上機嫌だ。
これで助かると思ったデビットもその時ばかりは気が緩んでいた。背後からの腐臭に
気付いたときはもう遅かった。大学の職員らしいゾンビに肩を掴まれたデビットは、
ナイフを取り出す間もなくデイライトを持ったまま押し倒された。
ジムがあわてて鉄パイプを振り上げるより素早く、猫がゾンビの顔に飛びかかった。
シャーという声を発してゾンビの顔面に爪を立てる。
呻いたゾンビが猫を叩き落とすと同時に、ジムの鉄パイプが屍の頭を直撃した。
仰向けに倒れたゾンビは完全に動作を停止した。
立ち上がったデビットが猫を抱き上げる。
猫の腹にはゾンビの爪跡があり、出血していた。それはすなわちウィルスの感染を
意味する。しかし、デイライトはもう余分にはないのだ。
◇
651 :
30:2005/06/09(木) 19:05:10 ID:???
大学の川沿いにあるヨットハーバーにはボートが一艘残されていた。
これで川を下ればラクーンシティを脱出できる。
ジムは抱いていた猫を船着き場のデッキに降ろした。
「ごめんよ・・・」
そう言うと振り切るようにボートに乗った。
猫は哀しそうな目をして見ている。
デビットはボートの上に立って黙って川面を見つめていた。
ジムは涙声で猫に語りかける。
「ホントにすまない。でも・・・感染したおまえは連れて行けないんだ」
ここまでこの猫に助けられたことが何度あっただろう。落ち込んだときも猫の
表情や仕草を見ているだけで心が癒された。生きて脱出できたとすれば、それは
すべてこの猫のおかげなのだ。そう思うとジムの胸はどうしようもなく締め付け
られるのだった。
デビットは川面から目を離すと、ボートから出て猫を抱き上げた。
そして彼はじっと猫を見下ろしている。
ジムはその時、デビットの目の中にやさしい光を見た気がした。
デビットはボートの中のジムに黙って猫を渡すと、懐から何か出して言った。
652 :
30:2005/06/09(木) 19:08:07 ID:???
「これを使え」
それはデビットの分のデイライトだった。
ジムがあわててアンプルを受け取る。
「デビット、まだ使ってなかったのか・・・でも」
デビットは舫綱をほどくとボートのへりを蹴って川の流れに乗せた。
そのまま後ろを向くと、ゆっくりと裏広場への階段を昇って行く。
「おまえの恩人だろう。俺にとっても同じだ。無事に脱出させてやってくれ」
ジムは複雑な表情で猫とデビットを交互に見る。
「デビット!あ、あんたは・・・」
デビットは振り向かないまま言った。
「心配するな。無駄に死ぬ気はない」
猫を抱いたジムを乗せてボートは川を下って行く。
「デビットっ、無事に脱出したら電話してくれよ!
待ってるからなぁ〜」
デビットが階段の上から振り向くと、ボートはもう小さくなってジムの顔も
わからない。最後に、にゃあと猫の鳴く声が聞こえたような気がした。
「生き延びろよ・・・」
◇
653 :
30:2005/06/09(木) 19:09:55 ID:???
デビットにはまだあてがあった。
アンブレラの研究施設だ。普段は厳重な警備で近付くことさえ出来なかったが、
こんな状況なら潜入も可能なのではないか・・・そう思ってやって来た。
ここならワクチンに関する情報が得られるかも知れない。
案の定、ゲートに警備員の姿はなかった。通用口らしい入口まで来ると、中で何かが
動いているのが見えた。ガラスの反射を避けて覗いてみると、研究員がゾンビに追い
詰められている。
デビットは転がっていた棒きれを拾うと、ゾンビに襲いかかった。
生き残るための戦いはまだ終わらない。
E N D
>>648-653 デビット、ジム、猫の続編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
。・゚・(ノД`)・゚・泣けたよ・・・
そしてここから突破につながるんですね。30さんGJ!
GJGJGJGJ!!!
ケビンはニュクスの肉弾をくらい、意識が無くなっていった・・
ふと不思議な感覚に襲われ目を開けてみると自分の体が空中に浮いている事に気づいた
下を見るとそこには路上に血まみれの姿で倒れているもう一人の自分が見え、仲間達が必死に
呼びかけているのがみえた・・・
「どうやら俺は死んじまったらしいな・・くそったれ」
「おっジムのやつ、顔をクシャクシャにさせながら泣いていやがる、そんなにわめいたって意味はねえよ
もう俺は死んじまったんだからな」
「マークは涙を流しながら俺に敬礼してやがるへっ笑わせるぜ、これだから軍人は・・俺はお前の部下や上司じゃないっての」
「シンディとヨーコは抱き合って泣いてるな、これだからプレイボーイはつらいぜ」
「ん?性悪女のアリッサはどこだ?あいつ・・仲間にばれないようにこっそりと泣いてやがる、カワイイとこあるじゃねえか」
「デビットの野郎、顔色ひとつ変えずに俺の体から、武器をアサってやがる、あの野郎!」
「・・じゃあなみんな」
ケビンの魂が空へと昇っていくさなか、ミサイルがラクーンシティを直撃し、そこにあった全てのものを消滅させる光景を
まのあたりにした・・
「ちくしょう、なんてこった、みんな死んじまったのか・・・」
失意の思いを浮かべたその瞬間、あたりが暗闇に包まれ、巨大な文字が目の前に現れた
G A M E O V E R
「ん、ゲームオーバー?なんだこりゃ??」
さらにその向こうでは2人の少年が会話をしている
「だからあそこでグリーンハーブを使わないとまずかったんだよ!」
「そんなこと言ったって、そんな余裕なかったよ」
「またやり直しかよ・・ケビンウイルス進行はやいし、今度はもっと上手な人と組みたいな」
「ん?こいつら何を言ってるんだ?やりなおし?ゲームオーバー?・・・・・・まさか!!」
「俺達が生きてきた世界はゲームの中でプログラムされたものだってのか?、ラクーンがゾンビに襲われたのも
スターズが壊滅したっていう、アークレイ山事件も全てがプログラムで仕組まれたものだってのか・・・!?」
「そんなバカな・・俺は生きてきた世界は現実のものじゃなかった・・・そんな馬鹿な・・」
「けど、それなら全てが説明がつく・・あのおかしな事件も、その街での全ての出来事も・・」
「そんな・・・全て仮想の世界だってのか・・」
周りが暗闇につつまれいくき、次第に全てが無になっていった・・・・
次にケビンが目を覚ましたとき、どこか見慣れた場所にいた
「ケビン!うちの店で寝ないでくれ!」
ウィルが怪訝そうな顔をしてグラスを磨いている・・
あたりを見回すと、入り口付近の樽の上でアリッサがワープロを叩いている
ジムはパズルをといている
マークは友人のボブと食事をしている
デビットはウイスキーをチビチビやっている
シンディは料理を運んでいる
ジョージもいる
ヨーコはトイレから出てきたところだ
ニュースではアメフトの試合で暴動が発生した事を伝えている
・・・あのときのままだ・・あの全てが狂った夜のまま
その時、バーのドアが開いて一人の男が入ってきた・・
「客にしちゃ妙だな・・」
ウィルがその男に近づこうとしたその瞬間
「そいつに近づくんじゃねえ」
ズガッーーーーン!!
45オートが火を噴いた
その男衝撃で店の外に吹っ飛んだ・・
店内ではいきなり人間に向けて発砲した警官に対してパニック状態になっていた
「うるせえお前ら、表をみてみろ!」
ケビンの言葉に表をみた客達はガラスに張り付くゾンビの大群をみて更にパニックになった
「ヨーコ、お前のもっている抗ウイルス剤をボブに飲ませてやれ」
「ウィル、屋上から逃げるぞ、オフィスの鍵を開けてくれ」
ケビンの自信をもった支持は、パニック状態であった一同は反論する余地も無く支持どうりに動く
「ふっふっふ、また戻ってきちまった・・・リセットされたってわけか・・
いいぜ、何度でもやってやる、こんどこそこの街から脱出してやる、もう誰も死なせない」
ケビンは新たなる決意を胸に秘め、再び地獄からの脱出に挑む、つかの間の平穏を取り戻すために・・・
終わりです、元ネタはヤンマガで連載していた某任侠漫画です
初投稿で稚拙な文章でスマソ
稚拙?とんでもない、とても面白かったですよ。
仮想世界ネタは一度やってみたかったんですが、
どうもうまくまとめられなくて手を付けていませんでした。
しかも、「発生」にリセットされた後の展開、こういうの大好きです。
これを足がかりに新たな作品もお待ちしていますよ!
うん、おもろかったです(・∀・)このあとの展開がさらに気になるw
665 :
名無し:2005/06/20(月) 07:17:11 ID:???
面白い!リセットされてからの展開も続きが気になる展開になってます。僕も続き書かないとなあ。
GJ!
新しいタイプですね(・∀・)
とても面白かったです。
たいした感想書けなくてすまん
667 :
657:2005/06/21(火) 23:43:38 ID:???
>>663-666 感想どうもです
書き込んでかから、文章力の無さに恥ずかしくなって
このスレを見ることができなかったんですが、楽しく読んでいただければ幸いです
668 :
ゲーム好き名無しさん:2005/06/22(水) 20:18:42 ID:tx8DLAX1
hosyu
まったく、今日も疲れたよ。
やたら顔色の悪い客ばかり見ていたらこっちまで気分が悪くなっちゃいそうだ。
夜のバーでオレンジジュースを飲みながらパズル雑誌のイラストロジックの問題を解く。
ここは妙に落ち着くんだよね…オーナーのレコードの趣味が俺と合っているのかも。
ん…?なんだこれ、ドクロか。やたらリアルだなぁ。
それにしてもシンディちゃん可愛いよチキショウコンチキショウ。
BGMもウェイトレスもナイスなら毎日来たくなってしまうという物さ。
何気なく見上げたテレビでニュースが流れていた。
アメフトの試合中に暴動だって…?俺バスケしか興味無いんだけど。
さあ次の問題は、と…
ガダンッ!
ガラス窓から大きな音が響いた。その方向に首を向けてみる。
「うぉわぁっ!」
ガラスに顔面擦り付ける兄ちゃんが目に飛び込んで来た。ビックリさせるなよ!
ていうかヨダレとか血とかでめちゃくちゃ汚…血ぃ!?
よく窓を見てみたら同じようなのがめちゃくちゃいっぱいいるじゃないか!これはただごとじゃないぞ。
店内がざわついていた。この前一緒に話した事のあるマークが友人?の心配をしている。
警官さんが入り口でへたりこんでる店のマスターの様子を見ている。
シンディちゃんは窓の向こうの連中に脅えている。
「け、警官さん…外の奴ら…」
「それどころじゃねぇ…ウィルが大怪我してやがる!」
「う、うぅぅ…」
警官さんの言うとおり、マスターの首筋からものすごい量の血があふれ出ている。
「一体どうしたんだよ!?」
「ぐ…入って来た客に噛み付かれたんだ…もうドアに鍵をかけたから大丈夫だと思うけど…」
その時そのドアからけたたましい殴打の音が聞こえた。叩き壊す気なの?
「なんだってんだ…おいお前手伝え!」
「え、あ、うん…」
二人でテーブル代わりだったタルを押してドアを押さえつけた。少しは時間稼ぎになると思う。
「よしウィル、2階に逃げるぞ。立つんだ」
「ケビン…ちょっと無理かもしれない…とても動ける感じじゃないんだ…」
「なんてこった…」
「スタッフルームへの鍵ならレジの近くにあるはずだ…行くならそれを使ってくれ…」
「あ、鍵ってこれ?」
「いつの間に取ってきたんだオマエ!」
まあ俺手癖は悪い方だからね…結果オーライって事で。
「よし、2階に行くぞ!皆来い!」
警官さんを先頭に5人で2階へ上がった。俺とマークとその友達と警官さんとシンディちゃんだ。
「私、休憩室に行って何か無いか調べてくるわ。」
シンディちゃんがはぐれてどこかに行ってしまった。俺らは広い部屋に行くことにした。
スタッフルームというやつだろうか。ダーツの的があったりソファーに新聞紙が投げっぱなしになっていた。
「ふぅ…とりあえずここで落ち着けるな」
「落ち着けるもんかい!もしもあいつら入ってきたらここまで追ってくるよ!?」
「なるほど…何かバリケードになるものを作るか…」
マスターを見捨てる気マンマンだよね皆…。しょうがないって言えばそれまでなんだけど。
「釘射ち機…」
「ジム、どうしたんだ?」
「いやぁ、これで何か板でもあったら壁を作れないかなぁと思ってさ…」
「いい考えだ、俺に任せろ」
マークに釘射ち機を渡してスタッフルームの入り口にバリケードを作ってもらった。
もともと何か日曜大工でもする気だったのかな、ここ。
「ボブ…大丈夫か?」
マークの友達らしいけどやたらに顔色が悪い。そう、いつも地下鉄で見かけた客の連中みたいだ。
「地下鉄でも同じような感じの人いたなぁ。病気でも流行ってのかな?」
「うぅ…腹が減った…」
喉が渇いたなら分かるけど腹減ったって…。我慢してよおじさん…。
その時下の階から大音が響いた。それに続くマスターの悲鳴。
「ウィル…くそっ!」
「奴ら、ここまで来るのも時間の問題だろうな…」
バン!!
いきなり即席のバリケードを叩く音が。いくらなんでも早くない!?
焦って入り口に目を向けた。そこにいたのは…シンディちゃんだった。
「ねぇ、これなんなの!?どかしてよぉ!」
「なっ…なんでそんな所にいるんだ!」
「さっき休憩室に寄ってくって行ったじゃない!ひどいわ!」
あー…あれだ、入り口閉鎖提案したの僕だ。ごめんシンディちゃん。
シンディちゃんの背後から湿った足音が迫っていた。
「きゃぁ!た、助けて!」
ダァン!
警官さんが45口径の銃でそいつをバリケード越しに撃ち抜いた。
心臓のあたりに銃弾を食らったそいつは吹っ飛ばされるように倒れこんでしまった。
「ちょっ、おまわりさん!暴漢とは言え人撃っちゃっていいの!?」
「あいつら完全に正気じゃねぇ…ていうか効いてねえよ」
「え?」
確かにそいつはむくりと起き上がっていた。何事もなかったようにシンディちゃんに近寄って行ったのだ。
もう一度警官さんが発砲した。こんどは脳天に弾がヒットして完全に動かなくなってしまった。
「ったく、ふざけてやがるぜ」
そのまま警官さんはバリケードを蹴り壊した。シンディちゃん無事で良かったなぁチキショウめっていうかごめんなさいでした。
階段からまだ何人もの足音が聞こえてくる。
「あわわわ、ここに居ても危険だよ!どっかに逃げよう!」
「3階と屋上はシャッターで隔ててあるわ。なんとか食い止められるかも…」
「決まりだ!屋上まで逃げるぞ!」
「あん、駄目だわ。鍵がかかってる!」
「鍵がどこにあるか分からないのか?」
「いつもウィルが適当に放っておいてあるから探さないと…青いタグの鍵なんだけど…」
「あの…その鍵って」
俺が手に持った鍵を見せる。
「だからいつの間に取ってきたんだオマエは!」
「いや、新聞紙の下に置いてあったんだけど…」
手癖の悪さはご愛嬌!ね!?
「ふぅ…しばらくはここで立ち往生か?」
俺たちは屋上の物置まで来ていた。なんかカラスの気に触れたみたいでめちゃくちゃにつつかれて痛かったけどね…。
マークは外で座り込んでしまったボブさんの様子を見ているようだ。
ダァーーン!
「んん!?」
「銃声…?」
「くっそ、シャッターまで壊しやがるのかあいつらは!」
マークがまだ外にいた。警官さんが急いで部屋から出て行った。俺とシンディちゃんで二人きりになっていた。
「…どうなっているのかしら…」
「ヤバい薬でもやってたヤツらなのかなぁ…?」
「それにしてもおかしいわ、だって何人も同じような人がいたのに…」
「んー…まあおかしいっちゃおかしいかなぁ…」
ドアが開いた。警官さんだ。
「どうしたの、皆片付けちゃった?」
「…いや、あのおっさんの友人が拳銃で自殺しちまっただけみたいなんだ。」
「自殺ぅ!?」
「おっさんは何にも言ってくれねえし、しばらくそっとしてやった方がよさそうだ。」
マジかよ…鬱病とかそういうヤツだったのかな…?
『こちらラクーン市警』
「あん?」
それは拡声器による声だった。やっと助けに来てくれるのかな。
『この地帯は危険地帯になりました。生き残っている方は数分以内にここまで来て下さい。
それを過ぎた場合は、身の安全を保障できません』
ブツン。
おいコラァァァァ!!見捨てる気なのかよ!
「そんな…」
「なんだよソレ!今から下まで降りて外に出ろってのかよ!」
「あー落ち着け落ち着け、こういう時はゆっくりと考えtふっざけんなハゲがぁー!」
警官さんまでキレ始めたよオイ!俺たちどうなんの!?
「…なんとか外に出れない事はないぞ」
ふと見上げるとそこにはマークが立っていた。
「隣のアパートに飛び移って、そこから外に出るんだ。
もっとも、その建物の中が安全とは限らないがな。」
「飛び移るって、落ちたらどうすんの…」
「死ぬだけだな。どっちにしろここで立て籠もっててもヤツらにやられておしまいだ。」
「私、行くわ!」
「しょうがねぇなぁ…」
「え?え?」
いつの間にか俺が少数派。こういう雰囲気に弱いんだけど…
続き待ってますよ〜
俺らはなんとかアパートを伝って外に出る事に成功していた。
警官さん以外全員飛び移るときに滑り落ちそうになったけど…
外に出たのはいいが、そこはバーの中よりひどい有様だった。
至る所でさっきの連中が人を食ってやがる!マスターもあんなんになったんだろうか。
「おいケビン!お前召集かかってた筈なのにどこ行ってたんだ!」
あー、あの警官さんケビンて言うのか。
「すまねぇレイモンド、バッチリさぼらせてもらってたぜ。」
「ふざけてないで手伝え!発砲許可は出てる。」
「あぁ、許可出てたのか。、結果オーライだな。」
「何?」
「いや、こっちの話だ。」
レイモンドとケビンがヤツらに銃を撃ち足止めをする。レイモンドのショットガンの力でなんとか抑えていたようなものだったけど。
「こんな拳銃役に立ちゃしねぇ!レイモンド、ショットガンねえのか!」
「向こうのパトカーにならあるが…」
「ふざけんな!ヤツらがもっさりいるじゃねえかよ!」
気がついたらすぐ目前までヤツらが迫っていた。
「仕方がない、避難するぞ。皆ついてくるんだ!」
レイモンドは攻撃を切り止め、後方の南京錠のかかったドアを開けて向こうへ行ってしまった。
「ついてくって…そっちは安全なのかい?」
「きゃぁっ」
シンディちゃんがヤツらの一人につかみ掛かられてしまっていた。必死にシンディちゃんがもがいてる。
ダァン!
「マーク!?」
弾がヒットしてヤツがひるんだ。その隙にシンディちゃんが逃げ出していく。
ていうか銃持ってるならもっと早く言ってくれよ…。
「ありがとうございます…」
「ああ…これでも警備員だからな。怪我は無いな?行くぞ!」
南京錠のドアをくぐり進んだ道は相も変わらずヤツらだらけだった。
レイモンドが必死にショットガンで蹴散らしている所だった。
「ちくしょう!お前ら早く行け!」
「い、行くって、この先はタンクローラーで塞がってて進めないよ!」
「タンク…?」
レイモンドが首をひねりその方向を見やる。
瞬間、脇から現れたヤツらにレイモンドを押し倒されてしまった!
「レイモンド!!」
「くそっ!お前ら、タンクローラーのガソリンでこいつらを焼き払え!
このライターで…あ、あれ?」
「あの…そのライターって…」
手に持ったずっしり重いライターを見せる。
「いつの間に盗ったんだオマエhぐはぁぁーー!」
「レイモンドォー!!」
俺にツッこんでる間にレイモンドは噛み殺されてしまった…。あれ、俺のせい?
「お前ら、ガソリンを流しておいたからこっちまで早く来い!」
おお、早いね。マークに言われタンクローラーまで一気に坂を駆け上がっていった。
ズルッ、ドグシャァ!!
「だっ!?」
滑って転んだ…。シンディちゃんがなんとも言えない表情で俺を見て走って行ったのが記憶に残っていた。
679 :
名無し:2005/06/27(月) 08:22:58 ID:???
以前、オリジナルキャラが主役のアウトブレイクを書いていた者ですが、今夜辺り続きを書こうと思っています。
681 :
名無し:2005/06/28(火) 01:07:37 ID:???
僕と警官がスタッフ・ルームに着くと、階段付近で待っていたジェイクが、
「良かった、無事だったんですね!」
と言った。
「みんなはどこだ?」
警官が聞いた。
「スタッフ・ルームの奥にいます。」
ジェイクが答えた。
ふと、ジェイクを見ると、鉄パイプを持っていた。
「それはどこで?」
「あ、これ、そこの休憩室で見つけたんです。武器になると思って」
「ふうん」
「とりあえずみんなの所に行こう」
僕達はスタッフ・ルームの奥に進んだ。
そこには床に座り込んでいる白人の警備員と、病状を確かめているジョージとその様子を心配そうに見ている黒人の警備員が居た。
「どうだ、容態の方は」
「1階に居た時より容態が悪化している。しかし何でこんなに急激に・・・私はこんな症状は見た事が無い」
「原因不明なのか?」
黒人の警備員が聞いた。
「そう言わざるをえない」
「そうか・・・・所でシンディは?」
「3階の酒倉庫に通じるドアが閉まっていたからカギを探しに行った」
その時、あの呻き声が聞こえてきた。
「いけない、アイツらが来た!」
続きマダー?
(´・ω・`)ショボーン
683 :
名無し:2005/06/28(火) 19:04:54 ID:???
この続きは1ヶ月後にまた。すいません、遅筆で・・・・
684 :
45:2005/06/28(火) 23:01:17 ID:jHJKxojl
こんなことならやらなきゃよかった。
三人の男にのしかかられる寸前、ウィルは思った。
彼が何故こんな最後を迎える羽目になったのか。
原因を究明するには、時間を三分ほど前に遡る必要があるだろう。
三分前、彼はいつものように客の食い散らかした皿を片付けていた。
ここの店に来る輩は気のいい奴が多いが
食事のマナーができてないのもたくさんいる。
例えば、目の前で酒をかっくらっているこの警察官がそうだ。
しかも、この男は日頃から飲み代を踏み倒す常習犯。
本来ならば出るところにでて、それ相応の罰金を払わせたいのだが
なまじ店の常連で人気者なので、迂闊に訴えるとウィルは村八分にされかねない。
ウィルはそんな嫌な考えを心の奥底にしまうと、飲んだくれから視線を逸らす。
その眼の先に写るのはウェイトレスのシンディだ。
彼女はBARの看板娘で付近住民のアイドル的存在である。
彼女目当てに店にくる不届き者もいるくらいで
そういった連中に対しては安酒で大金を分捕るようにしている。
腕力のない彼には、これが悪い虫からシンディを守る、精一杯の防衛策なのだ。
かといって、このウィルの思惑をシンディが知るはずもない。
知っていたとしても、わざわざ客足を遠のかせるような
行動にいい顔はしないだろう。
そう考えれば考えるほどウィルは
自分が目前の飲んだくれ並に腕力があればなあと思うのだ。
古典的ではあるものの、か弱き姫を守るナイトのように
悪党どもをとっちめれば、シンディもウィルに惹かれるのではないか。
ある意味では、この程度の考えしかできなかったのが
ウィルの命を散らす結果になったものと推測される。
685 :
45:2005/06/28(火) 23:02:48 ID:???
時間は流れて二分前・・・
店の扉が開き、見知らぬ客が現れた。
見た目もみずぼらしい浮浪者風の男だ。
酔っているのか、足元がおぼつかなく、フラフラしている。
この男の出現を、ウィルはチャンスだと感じ取った。
コインで言えば表が出たのと同じだ。
こんな酔っ払いぐらいならば、彼の貧弱な身体でも充分、追い出せる。
姫の前で武功をたてんとばかりに、ナイトは怪物の進行を遮った。
ナイトは、まずは相手の一撃を敢えて受けてやろうと身構えた。
と、その瞬間、カウンターで男が倒れ、ナイトは気をそがれた。
その隙に怪物は彼の慈悲を遠慮なしに受け取った。
勇敢なナイトの首に容赦なく噛み付いてきたのだ。
ここでウィルは現実へと引き戻された。
彼の首は皮ごと剥ぎ取られ、筋肉が見えている。
ウィルは火事場の馬鹿力で狂った男をドアの外まで放り出すと、急いで鍵をかけた。
これは、いい格好を見せるにしては事が大きくなり過ぎている。
ウィルは途端に息苦しくなった。
周りがざわめく中、警官は樽を動かして入り口を塞ぎ
ウェイトレスはカウンターに置いてあった鍵をもって扉に向かい
警備員は相方を担いで二階へ駆け上っていく。
誰一人、ウィルのことは気にしていないかのように。
おかしな事態だ。
何故、自分は無視されているのだろう。
被害者は誰だと思っているのだろうか。
そこの警備員は、気分が悪いだけじゃないのか。
もっと重症な人間が身近にいるじゃあないか。
686 :
45:2005/06/28(火) 23:04:45 ID:???
そして死の三十秒前まで迫った。
ウィルは四人の男女に懸命に呼びかけたが
喉が痛くて思うように声が出ない。
何より、外の喧騒にかき消されてしまう。
終いには目から涙が溢れてきた。
単に痛いのと、自分が放って置かれているむなしさで。
既にナイトの面影は何処にもない。
カウンターに一人取り残されたウィルは、懸命に後を追おうと試みた。
しかし、彼にはもはやその力は残されていなかった。
何故なら、もう彼は怪物の餌食になってしまったから。
ウィルは、その短い人生に幕を閉じた・・・。
と言いたいところだが、まだ話には続きがあるのだ。
それは、彼の死後から三分後のことだ。
ウィルはそのまま死んでいればよかったのに
懲りずに彼らの後を追跡したのだ。
何故、自分を置き去りにしたのかを追及する為に。
それも、とりわけシンディに対して。
結果、彼は飲んだくれの自慢の拳銃で
今度こそ天に召されてしまったというワケだ。
687 :
45:2005/06/28(火) 23:06:27 ID:???
久しぶりに書いたものだからsage忘れてしまった。
すいません。
45さんキタ━━━━━━━━ッ!!
お得意のゲーム登場人物の内面描写、すっかり堪能させていただきました。
登場後あっと言う間に死んでしまったウィルも、取り上げてもらってきっと
喜んでいることでしょう。
ああ、ウィルはシカトされ続けていたのね…GJ。
とりあえず最後まで書ききったら一気うpします。
ライターの所まで来たらあとちょっとなんだけどさ。
「おい!滑ってねえで早くライター持って来い!むしろこっちに投げろ!」
「お、俺ごと焼き殺す気かよ!勘弁してくれぇ!」
必死こいて坂を全力疾走する。
そして皆の所に着いた所でまた派手にすっ転び、手からライターが滑り出た。
ケビンは上手くそれをキャッチすると、すかさず火を付けオイルの撒かれた坂道に放り出していた。
その直後背後から感じる高温。そしてヤツらの断末魔(っぽいの)が聞こえてきた。
「うぅ、クサっ!焼ける臭いクサっ!!」
「おい、一網打尽にできたのはいいけどよ…」
「早くしないとタンクローラーにまで引火しちゃうわ!」
マジで!?やべえじゃんかよ!噛み殺されるのも爆死するのもゴメンだよ!
どこか逃げる場所がないかと辺りを見回してみたけど、なんにも無…あ、マークが落ちた!?
ザッボーン!!
「マーク!」
「飛び降りろ!こっちはドブ川だから安全だ!」
背を腹に変えられない、仕方なくドブ川に飛び降りて難を逃れる事になった。
そして遠くに逃げるために下水道を伝って移動することになった。
「うう…服がびしょびしょ…」
「気持ち悪いなぁもう…」
愚痴りながら下水道を歩く。中はネズミが走ってる以外は何もなく安全だった。臭いけど。
「あらハーブが落ちてるわ」
「ハーブ?」
「知らないんですか?この辺で生えてるハーブは怪我を治療とかに使えるそうなんですよ。
またあの人達に襲われたら…ね?」
へー。それはいいけどさ、こんな汚いところに置きっぱなしの草を傷口に当てるのは
どーかと思うんだよシンディちゃん。ああちょっとすり潰して混ぜないでよっていうか飲み薬なのそれ?
「行き止まりか…マンホールを登るしかねえな…」
「おっかないなぁ…どうせあいつらがうろついてるんだろうなぁ…」
恐る恐るハシゴを登りマンホールから顔を出す。そこには警官と幾人かの普通の人達がいた。
た、助かった!?
「ドリアンか?」
「ケビン、無事だったのか」
「まあな…だけどレイモンドのヤツが…」
「…そうか。」
ドリアンと呼ばれた警官さんが拡声器を取り出した。
『こちらラクーン警察。これから市民の皆さんを警察署まで護送します。至急集まって下さい』
急いで全員が集まる。もちろん一番乗りはこの俺だ。
「これだけか?まあいい、乗ってくれ。」
警察の護送車に乗り込んだ。やっと一息つけるよ。
「やけに細い道ばっかり通るな?」
「大通りは危険なんだ、裏道からならなんとかなりそうなんでな…」
「こんな時にパズルか…おめでたい奴だな」
「へへ、俺の生きがいだからね」
冗談を飛ばしながら懐に忍ばせていたパズル雑誌を引っ張り出した。
あ、シャーペン無いや、どうしようか。
その時唐突に車が停止した。
「くそっ、ここもか…」
「?」
「見てのとおりあちこちにバリケードが作られてやがる。
歩いていくしかないな…すまんが降りてくれ」
………。は?
気がついたら住宅街の道路に俺たちは投げ出されていた。
車ではこれ以上進めないから歩いてってくれだそうだ。
「まったく、市民を見捨てる気なのか!」
「どうしましょう…」
マークもシンディちゃんも愚痴っている。ケビンが口を開く。
「護送車の中で装備は整えた。とりあえず守れるだけ守ってやるから
来たいヤツはついてきな。」
「警官さん…」
ここにいてもしょうがない、とりあえず車に置いてあった救急スプレーをパクってから
ケビンについていくことにした。シンディちゃんとマークも考えることは一緒だった。
大きな歩道橋を渡る。そこから見渡した大通りはまさに地獄絵図だった。
道いっぱいに溢れかえるヤツらの群れ、簡単なバリケードで防いではいるけれど
長くは持ちそうになかった。
「ひぃぃ、なんじゃこりゃぁ!!」
「こりゃひでえな…」
バリケードの前で何かをやっていた警官達がなだれ込んできたヤツらに飲み込まれていく所が見えた。
あ、一人腰が引けてるのが逃げおおせてるな。
「あれはエリックにエリオット…?大変だ、行くぞ!」
「勘弁してくれよ!あそこに行ったら今度こそ死んじまうって!」
「嫌なら護送車まで戻れ!俺は行く!」
ケビンはそのまま歩道橋を下って大通りへ向かってしまった。
いつの間にかシンディちゃんもマークもいない。一緒に行っちまったってのか!?
…俺少数派。だけど命の方が大事だぁぁぁ!
死にそうな顔で護送車まで戻り、事情を話して車で出発してもらった。
「…みんな無事でいてくれよぉ…」
適当な祈りをした直後、背後からものすごい爆音が発生した。
シナリオ達成表 発生
・タルでバリケードを作った
・ウィルを見捨てた
・スタッフルームの鍵を使用した
・スタッフルームでシンディを締め出した
・「ボブの容態悪化」デモ起動
・青いタグの鍵を使用した
・「ボブ屋上で自殺」デモが知らない間に起動
・レイモンドを(ほぼ)間接的に殺した
・タンクローラーからガソリンを流してもらった
・ガソリンにライターを使ってもらった
・大量ゾンビ戦から逃げてクリアした
・『新聞紙』を手に入れた
・おいしい所を全部取られた
・さりげなくノーウェポンクリア
この前中古で買ったOBが思いのほか面白かったので
淡々とした文章を書いてみました。
緊張感が足らないノリで決意まで書いてみたいなぁ。
GJ!
上手いよ。アンタ上手いよ。ぐっじょぶだよぉ。おもろかったよぉ
特に>694の達成表が見事だよ 斬新だよ。 GJGJGJGJGJGJGJG
ケビンの日記
●月×日
今日、ゾンビから逃げてたら、駅前で素手でゾンビ共を殴り倒してる奴らがいた
一人は大柄な体に上半身は裸だった
ありゃあたしか、メトロシティの犯罪組織を壊滅させた市長のマイク・ハガーじゃねえか
つれの二人は、囚人服を着てる奴が英雄のコーディーだ、もう一人の赤い胴着を着てる奴は
しらねえが、「これぞ武神流」とかって言いまくってやがった
どうやら、マッドギアの残党がアンブレラと手を組んで、市長の娘をこの街へ誘拐したらしい
まったく・・素手でバケモノ共をぶっ飛ばすなんて、なんて連中だ・・
●月☆日
今日はタイラントに追いかけまわされ、あやうく死ぬところだったが、黒い胴着を着た男が突然
タイラントに襲いかかり、一瞬のうちにぶちのめしちまった、俺が礼を言ったら「笑止」とかほざいて
またどっかにいっちまった
なんだったんだ?
>>698 間違ってたらゴメン。 ナムカプをプレイしてるな
700 :
698:2005/07/01(金) 00:30:58 ID:???
>>699 おまえなんでその事をしってるんだヨオオオオオオオオオオ!?
スモークボム! ホアァァァ!
相変わらず外はゾンビだらけだ。職場の地下鉄に逃げ込んでもアホみたいにでかいノミに
襲われて結局逃げ回ることになった。
まあかくかくしかじかで今俺は地下鉄のトンネルの中にいるワケ。
正直言うとここがどこなのか分かんない。ホームで雑務こなすのが仕事だったしね。
「まいったなぁ、ここまで歩いてきて行き止まりかよ…」
適当にトンネルを歩いていっったのはいいが、そこから進めなくなっていた。
トンネルの先は分厚そうな隔離壁が下ろされていて進めない。脇にドアがあるけど、
こっちも鍵がかかっていて通れない。
「ったく、どうしようか…腹減ったなぁ…」
ガチャン。
ドアの向こうから鍵を開けた音がした。
そして、勢い良くドアが開き胡散臭そうなおじさんが銃を構えて出てきた。
「うぉわぁ!」
「ハァーーイ!…ん、ちゃんとした人か」
「早く!鍵を閉めるわよ!」
なだれ込むように3人の男女がドアから出てきて、今度はそのドアを一人の女が
針金のようなもので鍵をかけてしまった。いいケツしてるけど性格がキツそうな人だった。
その直後にドアを叩く音が。なるほど、ヤツらに追われてたワケね。
「俺、ジム。よろしくね」
「私はジョージだ。ラクーン病院で外科医をしている」
「していた、の方が正しそうね。私はアリッサ。記者よ」
「ヨーコです…だ、大学生…だと思います」
「なんだそりゃ」
「記憶喪失らしい。一部の記憶が欠落しているようなんだ」
お互い自己紹介を済ませる。皆で行動した方が安全に決まってる。おっかないもんね。
それしてもヨーコちゃんもじもじしてて可愛いなドチクショウめ。
「さてと…あんたどこから来たの?」
「トンネルを歩いてきたんだ。ここに来て行き止まりで困ってた所さ」
「そうなの…で、その道を戻ると何かある?」
「めちゃくちゃでかいノミとあいつらがいるけど…」
「なんてこった…そっちに行くのは自殺行為だな」
結局立ち往生かよ、なんてこった!
その時、背後の隔離壁が大きな音を立てて開き始めた。その先はどこかのホームの様であった。
「…よく分からないけど、行くならこっちの方が良さそうね」
ホームまでの道のりをのんびりと歩く。とりあえずヨーコちゃんに話しかけてみた。
「ねえねえ」
「…あ、はい」
「大学生って言ってたけど、どこの大学?この辺ならラクーンのしか無いけど…」
「よく分からないけど、多分学生です…すいません」
よく分かんない娘だな…。
ホームに着き、上がり込んだ。そこには地下鉄のものとは明らかに形の違う列車が置いてあった。
どこかで見た傘のロゴだ。アンブレラ製薬会社のだっけか。地下で営業やるなんて面倒な事してるね。
「これに乗って一気に移動できないかな…」
「駄目ね、ドアが開かないわ」
「なんだがっくり…ん、ヨーコちゃんどした?」
「…ここ、見覚えがあるかも…」
ヨーコちゃんはアンブレラの社員だったのか…あんまキャリアウーマンとかそういうのには
見えないけど…。あ、あれか、受付嬢とかか?
「…ジムさん、何してるんですか?」
「コインで運試しさ。何が起こるか分かんないしね。…お、表だ。
こりゃ何かいい事があるぞ。」
ヨーコちゃんが物珍しげにこっちを見ている。うん、可愛い。
「ヨーコちゃんの運も試してあげるよ。ほれピーンっと…」
ズキューン!
突然銃声が鳴り響き、指で飛ばしたコインが横にすっ飛んだ。
「のぁぁ!お、俺の宝物のコインg
ズドン!ズドン!
さらに2回銃声が。俺の足元で火花が散った。
「ぬぉぉ!」
「な…誰かいるのか!」
「…誰も動かないでちょうだい」
後ろを見ると、そこには変な服を着た女の人がいた。ソバカスだらけで正直ブサイクだ。
「何すんだよ!このババァ!」
「撃ち殺されたいのかしら…?」
すいませんでしたガクガク
「…モニカ?」
ヨーコちゃんが一歩歩み寄ってそう言った。
「ちょ、ヨーコちゃん危ないって…」
「あら…ヨーコじゃないの。よく戻ってきたわね、怖くて逃げ出したと思ったわ」
「……」
…何か因縁アリですか?
うおお!おもろいww
続編まってます(・∀・)
「そのカバンに入っているのは、あのカプセル…?」
「…あん?ちょっと待ちなさいよ、アンタもこれを狙ってるの!?」
銃を突き出しながらモニカがヨーコちゃんに近づいていく。危ないってマジで!
「ち、違うの…私なにも知らないわ…」
「そう。ならいいわ。…所であんた、IDカード持ってるでしょ」
「………」
「それを渡しなさい」
「ちょっと!アンタさっきからなんなのよ!」
アリッサが割って入る。負けん気強そうだからなぁ、この人。
「うるさい!年増女は黙ってなさい!」
「なんですって!?このソバカス女!」
二人してハンドガンをお互いの眉間に標準を合わせて睨み合ってしまった。
なにこの場違いな女の戦い。
「モニカやめて…このカードあげるから…」
「ふん、さっさと出せばよかったのよ」
近づき、ヨーコちゃんの差し出したカードを乱暴に取り上げた。
「ま…それでも、あんたと最後に話ができてよかったわ。…元気でねっ」
銃を向けたまま、通路の向こうにモニカは消えて行ってしまった。
「なによあの女、ふざけやがって!」
「お、落ち着くんだ…ヤケになるのはいけない」
ジョージがアリッサをなだめている。俺は少し震えているヨーコちゃんに話しかけた。
「だ、大丈夫かい…?」
「思い出したわ」
「?」
「この施設にはこれとは別に列車が置いてあったはず…地上まで戻れればなんとかなるわ」
強いんだか弱いんだか分からないな、まったく。あーでも可愛いからいいや。
「それにしても、俺のコインどこに行ったんだ?」
「これかい?」
ジョージがコインを差し出した。
「お、ありがとう」
「宝物なんだろ?ちゃんとしまっておくんだぞ」
俺の宝物は表側が派手にヘコんでしまっていた…
皆でモニカが通って行った通路を進むことにした。
だがその先は途方も無いほど長い階段だった。だ、だりー…
「もともとリフトか何かが往復するための所なんでしょうね。これは作業用の階段だわ」
「とりあえず進もう、上に行かないと列車は無いんだ」
だるいけど階段を登る。何も無く、アクビが出始めた頃に目の前に現れたのは
道を塞ぐように止まった壊れたリフトだった。
「通れないじゃん…」
「どうなってるのかしら…」
途方に暮れていると、ジョージが甲高い声で喋りだした。
「ハァーイ、壁にダクトがある。ここからなんとか進めそうだぞ」
ダクトねえ…俺も職場の排気口でよく遊んだけどさ。
「ったく、なんで私がこんな小汚い所を…」
狭い中でアリッサが愚痴を漏らしている。結局ダクトを通る事になったのだが、
いつの間にか器用にみんなとはぐれてしまっていた。
「お、ここから通路に出れそうだな…よっと」
ダクトから這い出て着地する。今気づいたけどこっからダクトに戻るの無理そうだな。
ゴキリ
足元に嫌な感覚が伝わる。
「…ん?」
人の頭を踏んづけていた。あのソバカス女と同じ服の人だった。
「うぉぁ!す、すいません!?」
謝ってみたが反応は無かった。
死んでいるなら念のため何回も踏んでおこう。動き出されても俺困っちゃうし。ゲシゲシ。
「さ、て、と。ここはどこかな…?」
自動ドアをくぐった先は薬品庫のようだった。脇の机ではヨーコちゃんがパソコンをいじっていた。
「ヨーコちゃん、無事だったのか!」
「あ、ジムさん…はい、なんとか」
「何やってるの?」
「この部屋のロックを解除しているんです…パスワードを解読するのに
少し時間がかかってますけど…」
結構頭いいなぁ。流石大学生。あれ、受付嬢?よく分かんねーな。
「ジムさん、さっきこれ見つけたんで持っててください。私じゃちょっと扱えなさそうなので…」
そう言いヨーコちゃんがハンドガンを渡してくれた。いざという時は俺がこれでヨーコちゃんを
守るワケだな。…無理無理、俺も銃なんか使ったことないってのに…。
そのとき、唐突に近くの薬品棚が引っ込み、遠くの方で別の棚が突き出てきた。
「うわぁ、なんだぁ!?」
「ふぅ、終わりました。使えそうな物だけ持って行きましょう」
ヨーコちゃんはそれぞれ得体の知れない薬品と黄色い色の薬品の入ったビンを
自分のナップサックに詰め、部屋を後にしていった。
俺もとりあえず灰色の薬ビンを持ってヨーコちゃんについて行くことにした。
…それにしてもここに来てからやたら生き生きしてるなぁヨーコちゃん。自分の職場だから?
通路を通り抜けた先はまた広い部屋だった。変な器具がいっぱい置いてあり、研究室のようであった。
そこには数匹ゾンビがひしめき、うらめしそうにうめき声をあげていた。
「げ、ここにもゾンビが…」
「ジムさんどいてください」
「え?」
ヨーコちゃんが振りかぶって黄色の薬ビンをゾンビに投げつけた。
ビンが割れて中の薬品を浴びると、ゾンビはその場に倒れてしまった。
「…今何投げたの?」
「えーと…濃硫酸です。この威力ならBOWが来ても倒せそうですね」
「B…?よく分かんないけどすごいね…」
ゾンビが起き上がった。腹に硫酸で溶けた大穴を空けながらもこちらに向かってくる。
「よっしゃ、今度は俺の出番だ!」
振りかぶって手に持つ薬ビンを投げつける。ヤツの顔面に当たったかと思うと、
いきなりビンが爆発を起こした。ゾンビは頭を黒コゲにして今度こそ動かなくなった。
「……えーと今のは…」
「ニトログリセリンでしょうか…持ち歩いててよく爆発を起こしませんでしたね、危険物なんですけど…」
「……」
それを聞いて今更ながら俺は冷や汗たらたらになっていた。
なおももう1匹ゾンビがうろついていた。それも扉の前で邪魔するように。
「邪魔だなぁ、俺がとっちめてやる」
得物があると強気になる俺。流石だね。俺は腰の引けた姿勢でハンドガンを構えた。
ズガァン!
運よく弾はゾンビの頭にヒットし、ゾンビの頭が弾け飛んだ。
もちろんそいつは即死だ。弾けた!?なんでハンドガンで!?
「!!?」
「ジ…ジムさんすごい……」
「うん…俺すげーな」
いつかの警官さんよりもすげーじゃん。やっべ、俺って天才?
メインキャラは全員生き残る予定なんで
ヨーコたんはゾンビ化しません。あしからず。
やべ、すごいGJ!
ジム天才、ジム(ryの人天才
ハンドガンの威力が強いのは、コインで表が出たからか。 ナルホド
まじおもろいww
テンポ良くて面白い(;゚∀゚)=3 GJ!
最近過疎ってたから新鮮だw
これ読んで、もしかして、モニカがコインをブッ飛ばしたとき、
裏を上に向けて落ちたのでは、と思ったw
よく考えたら表がヘコんだら表面が出にくいよな。
まあいいや、2回連続で表が出たんだそうに違いない。
得意気になっている俺の真後ろの自動ドアが唐突に開いた。
「い!?」
「ハァーーイ!無事だったか!?」
ジョージだった。心臓に悪いよこの人。
「全然開かなかったのにどうやって来たの?」
「開かない?じゃあ片側用だったみたいだな。あの中は上の階に繋がっているよ。
上の階はだいたい調べきってしまったが…君たちはどうだ?」
「あんまり…」
「そうか、では3人で探索しよう。アリッサもいないようだし」
そう、あの人いねえよ。どうしたんかな。
ジョージと合流し、ゾンビが邪魔していた自動ドアの先へ進むことにした。
それにしても曲がりくねった通路ばっかりだ。変な所だよまったく。
自動ドアを抜けると、そこは防護服やらなんやらが散乱した変ちくりんな場所だった。
警報がビービー鳴っててうるさいことこの上ない。ん、あそこに居るのは…アリッサ!?
「いやっ!」
「アリッサ!」
アリッサはゾンビに組み付かれている真っ最中だった。
「ちょっ、あんた達助けなさいよ!」
何様だよ。まあいいや、俺の必殺ハンドガンでぶっとばしちゃる。
ダァン!
頭は爆ぜなかったけど、ゾンビの横っ腹に当たりダウンさせることができた。
近づき止めを刺そうとしたら
「この野郎!あたしに楯突こうなんて100年早いのよ!死ね!死ね!」
アリッサが踏み殺してしまった。…まあいいか。
「…はぁ、助かったわ。一応礼はしといてあげる」
ああそう。そりゃ良かった。
「ここで何をしていたんだ?」
「ああ、それはね…」
要するに、この先の場所で巨大な植物が行く手を遮っていて、脇に座り込んでいた人に聞いたら
植物を枯らすには特別な薬品が必要らしいというからこの部屋で物色してたらゾンビに
飛び掛られてガブリンチョ、ということらしい。通れないほどの植物ってどんなんだよ。
「ていうかハンドガンはどうしたの?持ってたでしょ」
「ダクトを通ってるときに無くしたのよ、文句ある?」
大アリだよチクショウが。でも怖いなガクガクということで何も反論しないでおいた。
「それで、何か見つかったのか?」
ジョージが尋ねる。
「それっぽいのはこれしか無かったけど…」
アリッサは手に持つ薬品を見せた。とてもまともには見えない色をした薬だ。
「あ、それ探してたんです」
「なんですって?」
ヨーコちゃんはアリッサの持つ薬ビンを取ると、ナップサックから同じくらい
気持ち悪そうな色の薬を取り出した。ああ、さっき薬品庫で取ってきたのだっけ。
次に空のビンをどこからともなく取り出し、2つの薬品を混ぜ合わせるようにぶちこんでしまった。
なんかケムリ出まくりなんですけど。
「くっさ!何ソレ!?」
「はい!汚染された植物に効果アリの薬品、『V-JOLT』の完成です!」
ノリまくりだよヨーコちゃん!ていうか臭ぇ!
「それでなんとかなるのね?こっちよ、ついて来て」
アリッサについて行った先には、確かに行く手を塞ぐ巨大な植物が根を張っていた。
正確には上にあがるためのハシゴが植物の根っこで完全に塞がっていた。
「でかっ!さっきのマジの話だったのかよ!」
「あたしは嘘なんてつかないわよ」
ジョージとアリッサがまじまじと植物を眺めている。
ヨーコちゃんは例の脇に座り込んだ人と話をしていた。ていうか死にかけじゃんこの人!
「う、うぅ…」
「大丈夫ですか…?」
「し、死にたくない…誰か救急スプレーを…
あの女持ってたくせに話だけ聞いたらシカトしやがった…」
ひっでぇアリッサ。
「救急スプレーですか…」
ヨーコちゃんがナップサックを開き中を漁る。ちょっと覗いてみる。
中には黄色の薬ビン(まだいっぱいある)と、着替えが数着分入っていた。
緑色のワンピースと…なんだあれは、白い半そでの服と紺色のパンツの出来損ないのような…
よく分かんないモノだった。
「すいません、今持ってないんです。ジムさん持ってます?」
実は俺持ってる。街で護送車からパクったのを未だに使わずじまいで持ち歩いているのだ。
「ん〜…しょうがないなぁ〜」
ヨーコちゃんにいい所見せたい俺は二つ返事でOKした。
「ああ…助かった…ぶはっ、おまっ、顔にばっか吹きかけんな!」
「でも治ったろ?」
「まあな…」
不思議な道具だなまったく。便利だからいいんだけどさ。
「おかげで助かった、礼にこれをやろう。俺はしばらくここで休んでいるよ」
そういうと手に持つ猟銃のような物をくれた。ショットガンってヤツか?
「俺二つも武器持ちきれないよ。ヨーコちゃん持っててくれない?」
「あ、はい…」
ヨーコちゃんはショットガンをナップサックに無理やり押し込んだ。
ていうか収まりきれてないからナップサックからはみだしている。
背中から鉄棒が生えてるみたいで不恰好だ。
「……」
「アリッサにでも渡しとこうか…」
なんか釈然としないな…。
「ヨーコ、さっきの薬を貸してちょうだい」
アリッサがヨーコちゃんの薬ビンを奪い取る。蓋を開けると、植物に向けて思い切りふりかけた。
「……」
「何も起こらないな」
「どういうことかしら?」
アリッサがヨーコちゃんを睨みつける。
「そんな…ちゃんと混ぜたはずなのn
そう言いかけた時、植物が突然痙攣を始めた。幹の割れ目の部分から体液を噴出させた後
張り巡らされていた根がボロボロと枯れていった。そこはかとなくエロいな、なんか。
「…はぁ、良かった」
「これでハシゴを登れそうだ、行こう」
ハシゴを登った先には、ドアとさらに上へと登るハシゴがあった。
この階はジョージがあらかた調べてしまった階なのでもう一階分ハシゴを登ることにした。
…この階にもまたドアとハシゴがある…結構うんざりだ。
「うぇ、もう疲れた。俺はこの階を調べてみるよ」
「あたしはこの上の階を調べるわ」
「一人で大丈夫か?私もついて行こう」
「いらないわよ、コレがあるもの」
手に持つのはさっき俺がやったショットガン。そりゃようございましたね。
「そうか…どちらにせよ気をつけてくれよ」
アリッサと別れ、3人でドアの先へ進むことになった。
「ん、なんだこれ」
ドアを開け、通路に落ちていた書類を見つけた。
「パスコード更新について…よく分かんないな」
「パスコード…?そういえばさっき調べた階に電子ロックを解除するために
パスコードを打ち込める端末があったな」
ジョージは思い出したように話し、書類を手に取り目を通した。
「やはりそのようだ。待っててくれ、端末を操作してくる」
そう言うとジョージは通路を戻り消えてしまった。
「…待ってろったってなぁ…辺りを調べてみるかぁ」
先を進むと、大きなシャッターが閉まっている大きな通路に出た。
そして、壁際にへたりこんでいる人間が一人。またか。
「はぁ…はぁ…ヨーコか…」
「……」
「ここは危険だ…早く脱出するんだ…」
んなこた知ってるよ。そいつは手に持つ何かを差し出した。
「これを渡しておく…いいか…生き延びるんだ…」
そういうとそのまま気絶してしまった。
「これは…ハンドガン?」
手渡されたそれは、ヨーコちゃんの手に余るほどの巨大な拳銃だった。
「ハンドガンばっかり要らないんだけどなぁ…しかもなんだこれ、8発しか入ってないじゃんか」
「…ですね。あ、そうだ、さっき拳銃用のマガジンを見つけたんです。
それと交換しておきましょう」
ヨーコちゃんはナップサックのポケットからマガジンを取り出し、大きなハンドガンの
弾倉交換をしようとした。だが、ガチガチといじってもマガジンが入らない。型が違うのだろうか?
「…これ以上やっても壊れちゃいそうだね。しょうがないからヨーコちゃん持ってれば?」
いつの間にか座り込んでいた男は目を覚ましていた。
しゃべる気力もないほど弱りきった男は、さぞ突っ込みたそうに口をもごもごしていた。
「何か言ってるような言ってないような…」
「呼吸が荒いだけでしょう、先へ進みましょう」
ヨーコちゃんについて先へ進むことにした。
この二人は動かしやすいね。アリッサがかなり厨ですね。
そんな感じ。
突っ走りアリッサワロタw
救急スプレーを惜しむアリッサワロタw
かなりおもしろいよー。 続きを楽しみにしてるよ(´∀`)
オーッスナッ!
続きマダー?
729 :
45:2005/07/12(火) 00:02:52 ID:???
ロドニーはラクーンシティに住む、ごく普通の青年である。
趣味はモデルガンに帽子集め、それとアーケードゲーム。
特にゾンビが出てくるシューティングゲームが大好きで
その中でも日本のゲームメーカーが1996年に発売した
『RESIDENT EVIL』という作品が大のお気に入りだ。
彼は学校の成績は悪いが、こういったゲームが得意なおかげで
男子限定ではあるが、ハイスクールではクラスの人気者だ。
その彼がある休日、デパートのゲームコーナーへ足を運んだ時のことだ。
仲間達とたむろして、流行のゲームをプレイしようとしていたら
いつもは見かけないゲームが置いてあった。
傘のエンブレムが刻印された、シューティングゲームのような感じのゲームだ。
ロドニーの得意なジャンルなので、早速コインを入れてプレイを開始する。
仲間の一人も面白そうだからと一緒にやり始めた。
ゲームの内容は、突如として平和な街にゾンビが現れたので
そこから無事、脱出しろというよくあるタイプのものである。
まるで、『RESIDENT EVIL』のような内容だ。
出てくる敵キャラクターも、そのゲームの敵をもじったもののようだ。
操作には多少の癖があったが、ロドニーはワンコインで見事クリアした。
一緒にやっていた仲間は1ステージ目でゲームオーバーだった。
ネームエントリーが出てきたので、自分のイニシャルを入れる。
彼はランキングの2位に輝いていた。
初めてのプレイで2位とはかなりのものだが
ロドニーは1位になれなかったことを悔しがった。
1位にはK・Rというイニシャルが記されている。
負けん気の強いロドニーはそのゲームにのめりこんでいった。
幾たびも挑んで、敵の出現パターンも全て抑え
ボスキャラもノーダメージで倒せるようになり
とうとう、K・Rの記録を抜くことができた。
彼は自分の努力が実ったことに感動した。
730 :
45:2005/07/12(火) 00:05:17 ID:???
そこに、彼の健闘を称えて拍手する者がいた。
驚いたロドニーが振り返ると、そこには一人のスーツの男がいた。
ロドニーのプレイの一部始終を観察していたと言って、懐から名刺を差し出した。
その名刺には、アンブレラという名称が記されていた。
話を聞くと、男はアンブレラのスカウトマンらしい。
ロドニーの腕前を見て、彼をアンブレラ社に迎え入れたいと言う。
ロドニーは迷った。果たしてこの申し出を受けていいものか。
冷静に考えてみるならば、自分はただの学生だ。
確かにゲームは上手いが、それ以外に特別にこれといった特技はない。
だとしたら、この男はゲームのテストプレイヤーを募集しているのだろうか?
さんざん悩んだ末に、ロドニーは男に質問した。
その仕事の内容は一体、どんなものなのかを。
男は答えた。さっきまでプレイしていた内容と同じであると。
それ以外には何も口にしない。黙って何か書類のようなものをよこした。
何やら小難しいことが書かれてあったが、どうやら契約書のようである。
内容をよく読んで、考えてみてほしいと言い残して、男は去っていった。
ロドニーは帰宅後、両親にこのことを話した。
彼らは最初、馬鹿にしていたのだが、例の書類を一読後、態度を急変させた。
祝杯と称して秘蔵のシャンパンを開けた。どうやら破格の待遇のようだ。
その日は両親と一晩中、この契約について語りあった。
ハイスクールも中退してアンブレラ社の入社に備えた。
それから数日後、契約書に書いてあった出社日が訪れた。
ロドニーはいつもと変わらないラフな格好でアンブレラ社へ向かった。
両親はスーツを着ていけと五月蝿かったが
ロドニーは、このスタイルも含めてスカウトしてもらったと語った。
なによりもスーツ姿ではお気に入りの帽子が映えないではないか。
731 :
45:2005/07/12(火) 00:08:14 ID:???
ロドニーがアンブレラ社へとやってくると、例の男が待っていた。
彼のあまりにラフな格好に呆れ顔だが
なにはともあれ、ビルの中へと案内してくれた。
ビル内は以外と簡素なつくりであった。
必要最低限のものしか置いていないように見える。
男はエレベーターに入ると、地下3階へのボタンを押す。
どうして上にあがらないのだろうか。
初めての出社ではまず、上役に挨拶するものではないのか。
そして、普通はそういう人は高い所にいるものではないのか。
ロドニーは足りない頭であれこれ考えたが
結局はアンブレラはそういう企業なのだということで結論をだした。
エレベーターは地下3階まで到達した。
そこには、なにやら奇妙な機械が山積みにされていた。
その中に人が一人分、入れる程度の大きさのものがあった。
男はロドニーにちょっとした試験を受けてもらうと言い放った。
説明では、例のゲームと同じ内容を体感してもらうとのことだ。
見るからに怪しげなマシーンだが、新たに開発されたゲーム機なのだろうか。
ロドニーは少々、不安を感じたが断るわけにもいかず、男の言うことに従った。
機械の中には色んなチューブが着いたサポーターのようなものがあり
それを装着するよう命じられる。
それからしばらく待つと、何か大きな作動音が聞こえた。
辺りが暗くなり、視界が真っ暗になる。
目が慣れてくると、周りの景色が一変していた。
例のあのゲームの情景が映し出されていた。
室内に男の声が響き渡る。試験内容の説明がなされ
目の前に本物の銃にそっくりなガン・コントローラーが現れる。
ロドニーはそれを構えると、やがてくるであろうゾンビに備えた。
732 :
45:2005/07/12(火) 00:09:48 ID:???
そして、敵が現れた。ゾンビだ。
ロドニーは容赦なく引き金を引いた。
リアルな音が響く。ゲームとは、あまりに異なる銃声が。
ゾンビは身体に穴を開けながらもロドニーに迫ってくる。
焦ったロドニーは全弾をその敵にぶち込んだ。
ゾンビは倒れ、屍体からは赤黒い液体がどろりと流れ出る。
その場に座り込んだロドニーの周りには、腐臭と火薬の臭いが立ち込めていた。
弾切れを起こした銃を眺めていたら、地面に弾が落ちているのを発見した。
それを手にとる、ロドニーの手。ロドニーの生身の手。
彼が何かがおかしいと感じたときには、もう次のゾンビが現れていた。
必死にゾンビから逃げる。が、思わず足をひっかけてしまい、倒れてしまう。
彼の直感が危機を告げた時には、ゾンビの腐った手はもう目と鼻の先にあった。
そして・・・
適正試験が終了したその場には、難しい顔をした男と
目の焦点も合わせずによだれを垂らして笑っているロドニーがいた。
彼はどうもこの試験に合格することができなかったようだ。
男が指を鳴らすと、何処からか黄色い研究服を着た男達が現れ
ロドニーに拘束衣を着せると、研究LABOと書かれた扉へと連れていった。
男は深い溜め息をついて、体感マシーンを見つめた。
そこには『UBCS入隊試験用シミュレーター 殲滅レベル1』と記されてあった。
GJ!
ロドニーって誰かと思ったら一般市民のアイツか。
確かにゲームとかやってそうな顔だよな…。
俺たちはシャッターの前にいた。進む先と言えばここしかなかったからなんだけどね。
「なんだよこれ…押してもうんともすんとも言わないじゃないか」
シャッターの脇にある端末をいじってみる。が、押して電子音はするものの、反応が何もない。
「えーとですね…ちょっと待ってください」
ヨーコちゃんが代わり、ボタンを押す。適当にやってるようにしか見えなかったけど、
しばらくするとシャッターはガラガラと音を立てて開いた。
「ヨーコちゃん一体なんなのさ…」
「思い出したんです。私はここの研究員です」
「研究員?そりゃたいしたもんだね」
「ハァーーイ!」
ジョージが背後から現れた。その挨拶やめてくれよもう。
「とりあえず2つほどロックを解除できた。この先の電算室と、この上の階のシャッターのどれかだ」
この先行き止まりだったのか。危ない危ない。
シャッターの先へと歩を進めたその時
ボタッ
何かが降ってきた。
それは気持ち悪い痙攣を起こしながらこっちを睨みつけていた。
なんていうか…その、あれだ。でっかいイモ虫が。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃぁっ!」
「な、なんだこれは!」
全員が激しく狼狽し、混乱していると天井からさらに大量にそれが降ってきた。
何度も言わすな、ファッキンサイズのイモ虫だ!
「なんだコイツら!この野郎この野郎!」
ハンドガンを乱射する。大体当たらなかったが、一匹ほど命中して身体が粉々に飛び散った。
「うわっ、ジム止めてくれ!破片が飛んでくる!」
うん、俺も今気づいたごめんなさい。気持ち悪いぞ虫の肉片って。
「は、早くあの部屋に逃げましょう!」
イモ虫に追われつつ、俺たちは電算室に転がり込んでいった。
しかし、そこはもっとひどい場所だった。
その部屋はおよそ人間の入る場所とは思えなかった。
あたり一面がねばねばとした何か(糸?)で覆われていて、壁には超巨大な繭が作られていた。
奥の方でパソコンが申し訳なさげに光を放っているだけで、部屋は薄暗くじめじめとしている。
「…どの辺が電算室なの?」
「まあ…あのパソコンかな」
ショボイぞアンブレラの科学力!まあともかく、調べるものがアレしか無さそうなので、
つけっ放しのパソコンを覗いてみた。そこにはパスワード入力画面が表示されていた。
何か俺がする前にヨーコちゃんがパスを解いてしまったが。
「あ…これは培養室のロックを解除するための仕掛けですね…
指紋で判別するものなので、私がいれば開けれそうです」
大したもんだねヨーコちゃん。
「培養室はこの階の上です。上へ探索に行きましょう」
その時、入ってきた自動ドアが開いた。
「アリッサかな?」
ドサッ!
それは確かにアリッサだったが、何か粘ついた糸でぐるぐる巻きに拘束されて
放り投げられるようにやってきた。
「…なんの冗談だい?」
「…助けなさいよ」
相変わらず偉そうだなこの人は…
3人がかりで糸を剥ぎ取り、アリッサを解放してあげた。
「ったく、冗談じゃないわよ!スクープどころの騒ぎじゃないわ!」
「何がどうしたっていうんだ?」
「メチャクチャでかい蛾にさらわれてここにぶち込まれたのよ!文句ある!?」
「いや文句は無いが…大きな蛾だって?
「そうよ、ちょうどあれぐらい大きな…ん?」
アリッサが指差した自動ドアの前に、確実に人より(俺より)大きな蛾がたたずんでいた。
「どわぁぁぁ!」
「ま、待て!ジm
聞く耳持たずにあわててハンドガンを構え発射する。
蛾はそれを瞬時に飛び立ち避けて、こっちに向かってきた!
「うわぁっだ、いてっ!」
蛾に突き飛ばられて転倒する。痛くないけど鱗粉を吸ってしまった。
思わず咳き込んでしまう。
「このっ…食らいなさい!」
アリッサがショットガンを放つ。散弾は蛾のボロボロの羽根に当たり、
そいつはバランスを大きく崩した。
よろよろと飛ぶ蛾は、今度はヨーコちゃんに矛先を変えた。
「いやぁっ!」
蛾がヨーコちゃんに取り付き、噛み付き始めた。
「よ、ヨーコちゃん!」
なんかだるい体でハンドガンを持ち上げ蛾に発砲する。
ジョージも一緒に撃ってくれているけど全然ひるまない!
「くそっ、こんな拳銃じゃ効かないのか!」
「う、くぅっ…」
ヨーコちゃんが苦し紛れに手に持つ大きいハンドガンを蛾に向ける。
ダァァン!
ヨーコちゃんの銃から飛び出した弾丸は蛾の腹部にめり込み、猛烈な力で内部からそれを粉砕してしまった。
蛾はギリギリと金切り声を上げるとそのまま息絶えてしまった…
っていうかみんな飛び散った肉片まみれになったぜコンチクショウ。
アリッサの持っていたタオルで全員顔を拭き、とりあえず綺麗にした。
「はぁ…みんなとりあえず無事だな…?」
ジョージが問いかける。けど俺はそうじゃなかった。さっきから背筋がゾクゾクして体に力が入らない。
「俺ちょっとヤバいかも…なんか…身体がだるい…」
「だるい…?大変、それ毒かも知れません!」
毒って…虫の毒って結構ヤバいんじゃないの?
「ブルーハーブがあればたいがいのものは解毒できますが…」
「お、俺持ってない…」
「あたし赤いのなら拾ったけど」
「赤いのは効果ないです…。どうしましょう…」
おい…俺どうなるんだよぅ…なんか吐きそう…
「ふふふ、私を誰だと思っているんだ?ラクーン病院の医師だぞ?」
ジョージがやたら得意気にしゃしゃり出てきた。なんか見れば見るほど冴えない顔してるなこの人。
「あんた外科医でしょ?」
「心配するな。薬物には興味があって少し詳しいんだ。ちょっと待っててくれ」
ジョージは鞄をどこからともなく取り出して、ポケットからグリーンハーブを出した。
「あのジョージさん…緑色のも毒には効果ないんです…」
「ふっ、私にかかればどうにでもなるのさ…」
カッコつけつつジョージは鞄に入っていたすり鉢でハーブを粉末状になるまですり潰す。
そしてハーブの粉を手持ちの薬品と混ぜて、カプセルで閉じてしまった。
「解毒剤の完成だ。これでどんな毒でも消すことができるだろう」
ジョージから緑色のそれを渡された。なんか胡散臭いんだよなぁ…
「…大丈夫なの?」
「騙されたと思って飲んでみたまえ」
こんな場面で騙されたらシャレになんないっての。まあ他にどうすることもできないので、
それを服用した。水くらい欲しかったけどわがままは言えないね。
「………。お?」
みるみるうちに不快な感覚が消えていく。解毒できた!?
「す、すごい!治ったよジョージ!」
「私の凄さ、分かってくれたかな?」
「もう問題ないわね。上の階に来て、いい物があったの」
アリッサはそう言うとドアをくぐり通路へ出て行った。
「キャァァッ!何よコイツらぁぁ!」
ショットガンの音が聞こえたあと、また悲鳴が聞こえてきた…
「自家製アンチドーテだ・・・
さあ諸君、私が解毒するのを止められるかな?」
「いいから早くそれくれよ」
みたいなのをやりたかったけどネタ知らない人がいっぱいいそうだから止めた。
ごめん独り言。
それはそうと蛾って口とかあったっけ?別にいいよね?
ジム(ryの人はとってもジャンプっ子ですね
>>729-733 乙でしたー
ロドニーのエピソードってありそうでなかったですよね
(・∀・)タノシカッタデス
>>735-738 ジョージとアリッサのキャラがほんといいwたっぷり読み応えのある内容、いつも乙です
にしてもおもしろい(・∀・)続編たのしみにしてますw
ヤヴァイ…おもしろすぎるw
やっぱり全員、すり鉢を常備してるのかな。
敵の肉片っていうのは今まで思ったことなかったな。
そしてロドニー GJ!
743 :
隔離:2005/07/12(火) 17:30:04 ID:???
ラクーンシティ警察署所属の特殊部隊スターズの隊員レオンは
アンブレラ社の海上ウイルス研究施設に無事潜入した。
この施設は、周囲が海で囲まれているために万一、研究中のT‐ウイルスが流出しても大勢の人々がいる市内にまで感染する可能性は低い。
744 :
隔離:2005/07/12(火) 18:03:19 ID:???
レオンはA脚低部の昇降機に乗り込み、隊長と無線で今回の任務を確認した。
今から、6時間ほど前に巨大企業アンブレラの海上ウイルス研究施設はテロリストグループによって占拠された。
奴等は視察に来ていた大統領と施設職員を人質に取り現金30億ドルを要求し、政府を脅迫している。
隊長は言った。「君に依頼する任務は二つ。海上ウイルス研究施設に潜入し、大統領と人質の救出とテロリストの武装解除だ。手段は問わん」
何このスレ
ふざけてるの?面白すぎるんだけど
スネーーーク!
>>745 お前メタルギアスレにいた香具師だな?
あぁ・・・ネタが被っちまった('A`)
749 :
隔離:2005/07/12(火) 22:57:00 ID:???
「内部協力者と自体の収集を行なってくれ」
「内部協力者?」
「テロリストの手を逃れた女がいる。シークレットサービスのエイダ・ウォンだ」
「エイダ?」
「今回の出動を要請してくれたのも彼女だ。だが通信機器が破壊されたらしく、今は連絡が取れない」
「だが、最後の連絡はF脚からだった。今もF脚のどこかに隠れてると思われる。まずはF脚へ向かってくれ」
昇降機が上昇を始める…。
750 :
隔離:2005/07/12(火) 23:04:55 ID:???
レオンは施設に潜入した。
隊長によると内部協力者のエイダに接触をして情報を聞き出すのが先決だ。
レオンは無事F脚に到着した。複数ある部屋のうちの一つにエイダが居た。
しかもスネークテイルズの方か…ステキ。
752 :
30:2005/07/13(水) 22:14:40 ID:???
俺はアスリートとして世界の記録を引っ張ってきたという自負がある。
実際、あの年のレコードを見ればその半分以上は俺が書き換えたものばかりだ。
ところが、ある中距離レースのスタート直後、他の選手と接触して転倒。
運悪く膝を痛めてしまった。それでも傷が癒えるのは早かった。
過去の故障者を何人も見てきた俺は、復帰を焦らず地道に筋力の回復を図った。
充分な時間を費やし、自信を持って復帰レースに臨んだ。
しかし、惨敗。
そこで腐らずに何度も再挑戦したが、記録は戻らなかった。
そんな俺にやつが接触してきたのは、今から思えば偶然ではなかったのだ。
「ドーピングはお断りだ」
そう即答した俺に、やつは諭すような笑みを浮かべて語った。
「これはドーピングではないよ。肉体が更なる能力をつかもうと模索するのを
手助けするだけだ」
やつは俺には理解が及ばない医学の話を始めた。俺だって自分の肉体を武器に
生きている以上、医学知識は並みの人間よりはあるつもりだ。だが、やつの話は
それを軽く飛び越えていた。
あの時のやつの顔を今でも思い出す。俺はその顔を見据えて首を縦に振ったのだ。
おそらくそれが俺の人間としての最後の判断だったのだろう。
753 :
30:2005/07/13(水) 22:15:47 ID:???
やつの研究室に招かれた俺は、その日からそこに寝泊まりすることになった。
様々な体力データの収集が行われ、俺は自分の能力のすべてを出し切った。
何かを投与されたという意識はなかった。だが、研究室に寝泊まりする俺の食事は、
そこで用意されたものばかりだったから、今から考えれば、その中に何を混ぜ
ようと俺にわかるはずはなかったのだ。
体力データの収集は連日続けられ、俺は日ごとにその値を更新していった。
この調子なら、また世界記録を書き換えることが出来る。儚い思いが頭に浮かんで
俺は毎日を有意義に過ごしていた。
しばらくすると、アスリートとしての再起を夢見る俺の頭でも、それが異常だと
いうことに気がつくには充分すぎるはずのデータが記録用紙を埋め尽くしていった。
だが、すでにその時の俺は、記録がどうこう言うよりも自らの限界値がどんどん
更新されていくことだけに快感を感じるようになっていた。
いったいどのくらい時間が経過したのか感覚がない。
人間の能力を遙かに凌駕した俺の肉体は、異様に発達して胸部から飛び出した
心臓に手首ほどもあろうかという太い血管が伝っていた。
・・・待てよ、心臓は左にあるんじゃなかったか?
脈打つ巨大な心臓は俺の右胸にある。その力強い鼓動に紛れるように、左胸にも
かすかな拍動が感じられた。生来の心臓はまだ左胸にあったのだ。
するとこの巨大な心臓は俺の第二の心臓だったのか!
俺は興奮した。常人の心臓からの送血量など、緩んだ蛇口から滴り落ちる水滴の
ように感じられる。俺の体にはその何十倍もの血液が駆け巡っているのだ。
754 :
30:2005/07/13(水) 22:16:50 ID:???
また夢を見たようだ。
俺はいつもの透明な円筒形のタンクに浸かっていた。
目を開くと眼下にはやつがいる。タンクの前に立ってマスターピースがどうのと
わめいていた。
やがて培養液が足元から流れ去り、タンクが開いた。
久しぶりに外気を呼吸した俺は、足を踏み出して研究室の床に降り立った。
「さあ、君のその神のごとき能力を試して来るがいい」
やつのその言葉を聞いた俺は、久しぶりに建物の外に出た。
そこには迷彩服を着た連中が数人、銃を構えてうろうろしている。
俺は嬉しくて仕方がなかった。
神だ!俺は神の肉体を得たのだ!
歓喜の雄叫びを上げながら、俺は地面を蹴って躍動した。
トラック上の記録などではなく、これからは人類を俺が引っ張って行くのだ・・・
E N D
>>752-
>>754 乙。
タイラントの素体の話ってのは新鮮だったよ。
兵隊さん複数ってことは黒パンツの人かな?
それにしてもよくできてるなぁ。
757 :
名無し:2005/07/14(木) 03:22:46 ID:???
>>752-754相変わらずいい仕事してますねぇ。タナトスの素体はアスリートだったって、ファミ通で言ってましたからねえ。
それにしても素晴らしい文章力。僕も見習わなくては。
あたい書き込み規制なんて初めてやわー と言う事でしばらく投稿できません。いやん。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
な、なんだってーーーーーー!??
携帯から無理やり書き込んでるのさ。どちらにせよ長文はムリね。
たとえ一万年と二千年の時が経ってもアンタの小説を愛してる
規制解除されるまで楽しみに待ってます。
俺も待ってるよ
思いのほか解除するの早かったな。流石across。
それはそうとちょびっとだけ投下。
「なんかあたしだけ馬鹿みたいじゃない…」
色々と汚くなった服のことで愚痴るアリッサを先頭に上階へのハシゴを登る。
そこは最上階のようで、上りのハシゴはもう無かった。
「…?これ…!?」
ヨーコちゃんが床に落ちていた物に手を伸ばした。
「ネームプレート?」
「そうですけど、これはモニカのものです…。何かあったのかしら…」
あんなババアほっとけよー、と言いそうになったが止めておいた。
性悪女でもヨーコちゃんの友達なんだろうから。
ドアを開けると、そこには真っ白に染まった通路が広がっていた。
っていうか…寒いっ!
「どうなってんのこれ…」
「奥の方の部屋を調べたら、冷房装置が暴走しているみたいなの。
動かしてた人ごと凍ってたから操作ができないし…」
「ああ、寒いのはいいが…いい物とはなんなんだ?アリッサ」
「こっちよ」
曲がりくねった通路を進むと、大きな部屋に出た。
そこは機関車が設置された大型エレベーターだった。ターンテーブルってやつか?これ。
「うぉっほう!これで地上まで上がって機関車で逃げるって寸法だね!」
「それが…」
アリッサがうつむきながら答えた。
「このターンテーブルを動かすための鍵が見当たらないのよ…どうしようかと思ってたんだけど…」
「あ、鍵ってコレ?」
さっき通路に転がってたので拾った物を見せる。
「あたしが散々探して見つからなかったモノを一瞬で…まあいいわ、鍵があるなら
さっさと動かしてしまいましょう」
「OK,まかせなよ」
俺は早速ターンテーブルの鍵穴に鍵を差込み、半回転させた。
「………」
…なんにも起きない。なんで?
「カマンカマンカマーン!なんでだよ、チクショウ!」
「もしかして…この冷気で機械が凍り付いてしまっているのでは…?」
「…マジで?」
「それならなんとかして装置を止める必要がありそうだな。
アリッサ、その部屋まで案内してくれないか?」
「分かったわ」
通路をアリッサに導かれて進んでいく。
すると、通路の影から凍りついた何かが見えてきた。なんだこれ…トカゲ人間?
「アンブレラが極秘で生物兵器を開発してるって聞いたことはあったけど…
こんなに完成してたなんて知らなかったわ。ねえ?ヨーコ」
「………」
あんまいじめるなよぅ、とりあえず話題を逸らしてあげる。
「コイツほっといて大丈夫なの?」
「さっき小突いてみたけど、完璧に凍りついてるわ。安全よ」
勇気あるなアリッサ…
例の冷房装置のある部屋へ着いた。他の場所よりも数段寒さが厳しい。
「ぎぃ〜!凍える…!」
「操作するためのパネルはこれだけど…この有様よ」
パネルに張り付くように男が突っ伏して凍りついていた。確かにすんげえ邪魔だ。
「ふむ…どうしたものか」
「凍ってるならこの鉄パイプで叩き割っちゃおうか?」
「私、硫酸のビン持ってますからこれで…」
「ま、待て、二人ともグロいからやめるんだ!」
「誰かライターでも持ってれば解凍できていいんだけどね…」
「…あ、火種が欲しいなら心当たりがあります。ちょっと待っててください」
ヨーコちゃんが部屋を出て行ってしまった。
しばらくすると、ヨーコちゃんが戻ってきた。ナップサックの中の薬ビンの数が増えてるのは気のせいだろうか。
「ハンドバーナーがありました。これならすぐ解凍できるはずです」
「なるほど、これはいい。貸してくれ」
ジョージはヨーコちゃんからハンドバーナーを渡してもらうと、
あからさまに怪しいレバー近辺の男の腕をバーナーで焼き始めた。
どうでもいいけどこれも結構エグいぞ。
しばらくすると凍っていた部分が無くなり、男の腕がずるりとレバーを握ったまま落ちた。
ダクトが冷気を吸収し始めた。この部屋の温度もだんだん正常になってきた。
「よし、後はターンテーブル近辺が動くようになるまで待つだけだ。戻ろう」
部屋を後にし、ターンテーブルのある部屋まで移動する。
途中の凍ったトカゲ人間の脇を抜けるとき、それがぴくりと動いた気がした。
あとはもうラストまで書いてからうpするんでしばらくお待ちを。
(・∀・)キターーーーーーーーーーーー
グロイからやめるんだ!がツボッたw
ジムの人、超最高!
772 :
隔離:2005/07/16(土) 16:42:37 ID:???
あんたがエイダか?レオンは言った。
そうよ。屋上にテロリストのリーダーがいるわ。
それからシェル1中央棟B1に人質がいる。
わかった。まずは人質を助けに行く。
俺はシェル1中央棟B1に向かった。
ところが20人もの人質やテロリストは既にゾンビとなっていた!
レオンは急いで扉を閉め隔離した。
レオンは屋上のE脚ヘリポートにリーダーを倒しに向かった。
773 :
隔離:2005/07/16(土) 16:48:47 ID:???
屋上にレオンは到着した。
爆弾王のテロリストのリーダーが表れる。
「人質の命はないぞ」
リーダーは爆弾の起爆装置を押した。
「もう無駄だ」「クソ!Tウイルスに感染してたのか!?」
死ね!レオンはリーダーを銃で一撃で倒した。
奴の死体が横たわる…。
774 :
隔離:2005/07/16(土) 16:56:10 ID:???
その時、隊長が無線でレオンに呼び掛けた。
たった今、応援の特殊部隊が侵入し、テロリストの制圧、人質の救出に向かったぞ!
だが、それは無駄に終わるとレオンはわかっていた。
「大統領は既に脱出して無事だ」「そうかよかったな」
「ところでレオン。エイダの行方は知らないかね?」
「いや」
「そうか…」
隊長は他にも、慰めの言葉を言っていたがレオンには聞こえなかった。(完)
モイッコ(・∀・)キタ------------!
>>743-774レオン・S・ケネディとエイダ・ウォンが出るので期待してたらとんだ駄作だった。
せめてゾンビとの戦闘シーンや新B・O・Wくらいは出して欲しかったなぁ。まあ次回作に期待します。
次回作では今言った事を守るように。分った?
ざます
ぞなもし
かゆうま
781 :
45:2005/07/19(火) 00:05:52 ID:???
人生で最良の選択とは何か?
ラクーンシティに住む者にとって
その問いに答えるのは、呼吸をすることよりも簡単だ。
正解は当然のことながら、アンブレラ社に勤めること。
これに間違いない。少なくとも、この街に住むならば。
そして、その中でも製薬会社の研究チームに配属されることがあれば
その人の人生における幸せは約束されたものと見ていい。
そういう訳であるから、今回のモニカのとった行動は
事情を知らないラクーンシティの人間なら誰もが不可解に思うだろう。
アンブレラ社からGウィルスを盗み出すなど正気の沙汰ではないと。
多くの開発チームは、彼女の裏切りがここまで酷いとは予想だにしていなかった。
開発者であるあのバーキン博士も
USSの襲撃がなければ、何よりも優先してモニカの野望を阻止したはずだ。
だが、誰も彼女の内に秘めたる思いを知らないのだ。
モニカの底にある、暗い情念など知ろうともしなかった。
彼女はアンブレラ社に入社して
研究スタッフになった時は、それなりに優れた研究者であった。
周りの人間よりも常に優秀であろうと努力もした。
それに対し、アンブレラも相応の見返りを約束していた。
彼女はいずれチーフとなり、北米の地下研究所で
生物兵器の開発を一任される予定であった。
その彼女の功績を全てぶち壊す人物が現れた。
1人はいかにも科学者然とした男、グレッグ。
もう1人は出自の分からぬ東洋人でヨーコと名乗る娘。
実に怪しい2人であったが、アンブレラ社は彼らを
北米地下研究所に招き、新たな研究プロジェクトを開始した。
782 :
45:
その研究はアンブレラ社の誇るTウィルスの発展に関わるものであったが
モニカはそのプロジェクトに参加することを許されなかった。
やがてモニカのチーフ昇進の話も、上層部が彼らの研究プロジェクトに
注目してしまったおかげでうやむやになってしまった。
彼女はそれから何日もの間、塞ぎこむことになったのである。
それはやがて怒りへと変わり、彼女は彼らの携わった研究の中身を
何としても暴いてやろうと考えるようになった。
グレッグらの行った研究が、果たして自分の昇進をも不意にするほど
優れたものであるのかどうかを確かめたいと思ったのだ。
彼女は危険を承知でその研究内容にアクセスを試みた。
結論から言うと、それは彼女の怒りを頂点へと高めることとなった。
その内容は確かに優れたものではあったが
彼女を憤慨させる原因として、あの東洋人の名前も記されていたのだ。
ヨーコはそのプロジェクトの最重要人物として位置付けられていた。
研究員としてではなく、研究の素材として。
そして、その研究はおおいに成功したということも。
モニカは激しい憤りを感じた。
彼女は成り上がりの東洋人よりも
重要性が低いとアンブレラ社に評価されてしまったのだ。
その頭脳や実績で判断されたのではなく、素質があるかどうかの点で。
アンブレラ社はモニカのような努力する凡人ではなく
天性の資質を持つ素人の方に重きを置いたのである。
この事実はモニカの価値観を根底から覆す出来事であった。
それからというもの、モニカは些細なことでもミスを繰り返すようになり
チーフの話は無論のこと、一般研究員としても資質を問われるほどに落ち込み
現場からも厄介者扱いされるようになったのだ。
この時からモニカは人生の最良の選択を捨てる決意をした。