Q8:繭は何故、澪に殺されたかったのですか
A:
澪とずっと一緒にいるためです。
活発で明るい澪は、控えめで引込み思案な繭にとって、光のような存在でした。
澪を眩しく感じるとともに、自分と澪との間にある溝を、彼女はずっと意識していました。
繭は自傷により澪の注意を引こうとし、そして、それに成功した過去があります。
双子の姉が妹を殺し、二人は一つになるという村の伝承を聞いたとき、
繭は澪に殺される自分を想像しました。
その想像は彼女の中で、澪の中に永遠に自分を刻み付ける方法として、
少なからず、魅力をもっていました。
正常な精神状態にあって、それを実現しようとすることはなかったでしょう。
しかし、紗重の意識にシンクロしてしまった彼女は、次第にその心のバランスを崩していきます。
最初は小さかったその暗い願望は、やがて彼女の心を満たしていきました。
少しずつ。少しずつ。
Q9:澪に殺された繭の心は幸せになりましたか?
A:
彼女にとって、それは幸せでした。
彼女の愛した澪を、自らの死で八つ裂きにしましたが、
それでも彼女は幸せでした。
今、繭は澪の側にいます。
Q10:澪は姉の願いをかなえて幸せになりましたか?
A:
いいえ。彼女は二度と癒えることのない傷を負いました。
彼女がこの先幸せになることは二度とありません。
姉との思い出と、つらい記憶が彼女の側にずっと寄り添うことでしょう。