公務員から公務員への転職 その2

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788受験番号774
http://www.seiho110.org/case/m990410.html
生活保護を受給している人を「ケース」と呼ぶ。最初の仕事は、ケースがど
こで生まれ、どのように成長し、どのような生活をして生活保護を受けるに
至ったのか、現在の状況はどのようなものなのか、一人一人の現状を把握す
るために彼らのファイルを繰ることだった。わたしが担当することになった
のは、約50世帯。一人に割り振られる上限は70世帯程度なので、新任ワ
ーカーとしては多くも少なくもないといったところか。ただ50の世帯、ひ
とつひとつにドラマがある。そのすべてを把握するのは、決して楽ではない
。今まで会ったことのない、文字どおり”テレビドラマに出てくるような”
世帯がファイルには詰まっている。夫の暴力から逃げている母子家庭。アル
コール依存症。精神分裂症。高齢者の一人暮らし。ホームレス..今まで触れ
たことのない世界が、リアルな現実感を持って自分にせまってくる。ファイ
ルに記載されている人が、実際に窓口に立つことの衝撃。自分が凡庸な学生
生活を送ってきたことを思い知らされる。

http://www.seiho110.org/case/naru.htm
なぜなら、生活保護は地方自治体内で、一、二、を争う不人気業務だから。
地方自治体内で働いていて、「生活保護をやりたい」という職員はほぼ絶無
の状態です。ごくまれに希望する職員もいますが、周囲から変わり者扱いさ
れ、また本人もそのことを自覚していることがほとんどです。配属を希望す
る職員がいないため、何も知らない新入職員が配属され、血を吐くような思
いをすることもたびたびです。(ちなみにわたしもその口です。一年目は夏
までに7kgのダイエットに成功しました)理由はいくつも挙げられます。
窓口で酔っ払って騒ぎを起こすお客さんもいますし、家庭訪問ではこの世の
ものとは思われない部屋に足を踏み入れる勇気が必要です。金がらみの仕事
なのでクレームは日常茶飯事、一般社会に適用できない方が多数いるため、
その対応だけで日が暮れることもあります。訪問に行ったらお亡くなりにな
っていたという笑えない話もごろごろしていますし、制度の矛盾や体制の不
備から無力感に襲われることもたびたびです..おっと、愚痴になったのでこ
の辺でやめておきましょう。