ロシア語20

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61何語で名無しますか?
>>49 (続き)
У меня не было ручки で ручки は「不特定物の一部を
表す、いわゆる部分属格的用法」。文の原意は「俺様のところには、ペンなどというものは
その一部でさえ無かったぞ!」であって、強い否定の機能をしている。
英語で言うなら there wasn't a single pen by me → I didn't have a single pen
という強調構文に本来相当する、強い言い回し。
フランス語でもこの時、je n'avais pas DE stylo のように、stylo 「ペン」の前に
冠詞を置かず、前置詞 de (= 英語 of) を置いて上のロシア語文同様の部分属格的用法にし、
強いニュアンスの否定文にする。
(ロシア語でもフランス語でも今ではこのような部分属格による否定文が普通となった)
ロシア語で否定文の目的語が普通属格に置かれるのはこういう由来がある。
この否定文の部分属格なら、微妙なニュアンスの違いはあるものの、文中の位置は大体どこでも来れる。
(勿論前に出せば少し強調される)
ручки у меня не было 「ペンなら、俺は持ってなかったぜ」

こういう研究は主に、いわゆる「対照文法」(contrastive grammar) の守備範囲。
ロシアでも、ロシア語と英語のこういった語順と冠詞の用法の関係などを明らかにした、
その分野の研究文献・論文があるはず。よく検索してみろよ。
こんなこと、日本のロシア語学者にとっては基本的なことだぜ。