フランス語の話題(マジレスのスレッド)#16

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944何語で名無しますか?:2009/09/20(日) 09:57:59
>>941
そうですか、本文はそうなっていたんですね。
それでは、(アルファベット順が)”、もっとも便利と思われるだろうが、”でしょうかね。
接続法のニュアンスはフランス語では語彙的な意味をになわないのですが、
接続法という文法手段を持たない言語ではできるなら語彙的な意味に
転化させる方がいいので、ここでは”思われるだろうが"としました。
接続法が関係詞節で現れる場合、断定の緩和のニュアンスが付加されます。
直説法ではそれがないため、断定的に響きます。
たとえば、la plus belle femme que je connaisse(接続法)/connais(直説法).
接続法の方は、たとえば話者がその女の人がもっとも綺麗と思っていても、
時には断定は相手との衝突をも生みますから、そこに断定緩和のため、接続法
が用いられます。直説法の方は断定そのものです(普通は接続法においてください。
それを直説法に置けば、普通学校などの試験では誤りとされるかもしれません。)
もちろん、問題はなぜ接続法にそのような意味が生じるのかですが、その問題は法とは
何か、接続法や直説法を必要とする動詞とは何か?とより根源的な問題に
我々を導きますがますが、もちろんこのような場所で議論できるわけではありません。
なお、貴君の例文の場合、関係詞節も省略して、単にle plus commode だけで
断定の意味は出ます。

945何語で名無しますか?:2009/09/20(日) 10:08:49
>>942
歌のフランス語を好んで取り上げようとする人たちがいますが、
私はあまり賛成できません。歌詞等は歌を優先して、言語に多少の犠牲を
強いる場合があるからです。”発音のため”と言われる先生方も
おられますが、その場合でも、e muetの問題があります。
歌では、旋律の長さを維持するため、普通の会話では発音されない
eがしばしば発音されるからです。それと歌では話し言葉では発音と同等ないしは
それ以上に重要なイントネーションがやはり不完全でしょう。
で、お尋ねのque ですが、このque はくだけた口語で使われています。
このque には語彙的な意味はなく qui だけと同じです。
たとえば、Ou est ton frere?のような”普通の”(?)文がくだけると
Ou qu'il est, ton frere?となり、ここでもque が出てきます。
A qui tu parles? は A qui que tu parles?等々、です。
946何語で名無しますか?:2009/09/20(日) 12:25:24
>>942
トロカデロでCoCoが見たのは誰?じゃないの?
947何語で名無しますか?:2009/09/20(日) 19:12:40
>>944-945
丁寧なご解説、感謝いたします。フランス語は奥が深いですね。まだまだ知らないことが多いです。

>>946
Google で検索した限りでは、上のような邦題になっているのですが、違うのかなぁ。
948何語で名無しますか?:2009/09/20(日) 19:27:14
>>947
心配しなくても、君のあげた訳であってます。
念のため、歌詞すべてをネットで見ましたが、
cocoは目的語です。
949何語で名無しますか?:2009/09/21(月) 07:59:26
ce qu'a vu le vent west
「西風の見たもの」
というドビュッシーの曲があるんだけど、これはceは目的語で
qui qu'a vu COCO dans le Trocaderoのquiは決してそうじゃないわけね。
950何語で名無しますか?:2009/09/21(月) 11:58:22
>>949
文というのは往々にしてどちらともとれる場合があります。
フランス語は英語に比べ、そのような曖昧さが少ない言語ではあります
(というより”より多くない”といった方がいいでしょうが)。
君のあげられているドビュッシーのですが、この文には曖昧さはなく、
貴君のおっしゃられるとおりです。
qu'となるのは、現代フランス語ではque だけで、qui には起きないので、
ce qu'はce que から来ています。関係代名詞といえるのでしょうが、
関係代名詞の場合、que は、ご存じのように、直接目的語を示します。
”西風が見たもの”です。
ついでながら言えば、この文で多少問題なのはque 以下の文が倒置されて
いることです(形の上からはcocoの文と同じ)。
もちろんce que le vent west a vu とも言えます。
しかし、主語の倒置の問題はまた別の問題ですのでここでは触れません。
ドビュッシーの文については以上ですが、問題は、貴君の言われているように、
cocoの文章です。この文章には曖昧さが残ります。
この文でのqu'は前にも言ったように意味がないので、省略します。
この文のqui は疑問代名詞で、”人”をきくときに用いられ、
主語であるか直接目的語であるかは問いません。
たとえば、Qui a vu Pierre?と言った場合、qui の
用いられている理由はただ一つ、物ではなく”人”であることで、このquiは主語
の可能性、直説目的語の可能性の2つがあります:pierreさんがあったのか、
pierreさんにあったのか?
例文の戻れば、この例文は2つの意味にとれます。cocoが見たのか?cocoを見たのか?
、君のご指摘通りです。このような曖昧さがある時、文そのものはそれを解決
できません。まわりのコンテキストを見る必要があります。そこで私はこの歌詞の全文を
さがして、読んだわけです。貴君も読まれれば、この文のqui は主語として用いられている
ことを納得されるでしょう。

長文失礼!
951何語で名無しますか?:2009/09/21(月) 20:06:39
952何語で名無しますか?:2009/09/24(木) 18:42:00
下記2冊のフランス語文法書をお持ちの方、それぞれの特徴というかレビューを教えていただけますか?

Grammaire Vivante Du Francais, Cle International
Precis De Grammaire, Grevisse
953何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 16:20:56
>>952
Grammaire vivante du francais は外国語としてのフランス語学習者向け
に書かれた文法書で、中を見られたらおわかりだと思いますが、それぞれの文法
項目が一覧表による説明、あるいは箇条書きによっての簡潔(簡単?)な説明、
見やすいのが特徴です。
grvisseの方はフランス人のために書かれたもので、彼のLe bon usageの
簡略版のまた簡略版の簡略版・・・、ほとんど関係のない本となっております。
ただし説明方法はbon usageなどと同じ方向で、結果がわかってでの説明というかな?
ま、普通の文法書です。
これら2冊の文法書はタイプの違う文法書ですが、どちらの文法書にしても、
その種においてベストの文法書ではありません。

954何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 17:02:50
>>953
どうもお返事いただいてありがとうございます。
所望しているのは外国人学習者向けの文法書です。
その種においてベストではないとのことですが、外国人学習者向けの文法書でもっともお勧めのものはございますか?
最近手に入れたのは、ソルボンヌ大学フランス文明講座による Nouvelle Grammaire du Francais というやつなんですが。
955何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 17:19:00
お前ら!Christelle Taquigawaがニューズジャポンを降板したぞ!!
956何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 18:36:05
>>954
私がいいと思っている文法書はいくつかあります。
ただ、あなたが何を望んでいるのかと言うことを知る必要があります。
外国人向けか否かはあまり区別しなくていいと思います。外国人向けと
書かれているのはおおむね簡単な説明で箇条書きされているものが
大半です(そういうタイプの物も便利ではあるので、別に否定的に言っている
わけではありません)。実際に外国人向けに書こうと思えば、様々な外人が
いるわけですから、それぞれに特徴があるはずなのですが、それがないわけですからね。
で、その区別の必要はないとして、あなたが望むのはその本を勉強しながら
文法をマスターしたいのか、それとも、わからないことが生じ、それを調べるための
本なのか、それによって紹介する本は全く変わってきます。
957何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 18:57:04
>>956
そうですね、通読向けの文法書にも参照向けの文法書にも興味がございます。
958何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 19:34:06
>>957
参考にするための文法書について書きます。あなたのフランス語のレベルがわかりませんが、
以下の文法書は、たとえば、仏仏辞書でたとえれば、日本では駿河台出版社が出してる
仏仏辞典を使えるレベルでは少し難しく、petit robert やlexisまでとは言いませんが、
せめてmicro robertやdictionnaire du francais contemporainのレベルの辞書を
使ってもいいようなレベルが必要です。
1)Mauger, Grammaire praitique du francais d'aujourd'hui(Hachette)
”この場合はこう”、”この場合はこう”というタイプの説明であり、言葉が好きな人にとっては
興味深い説明がなされているわけではありませんが、これはこれなりに便利な本です。
2)Grammaire du francais contemporain(larousse)
この本は、上記の本より、著者の一人に言語学者のChevalierがいますので、説明はより
興味深いものになっています。
3)Bonnard, Code du francais courant(Magnard)
文法書を一冊だけ紹介してと言われれば、私ならこの本を挙げます。説明は従来の物とはかなり違った、
新しい観点からなされており、非常に興味深いものがあります。この本には練習帳が別売されており、
その練習帳も非常によく考えられて作られております。
4)Wilmet, Grammaire critique du francais(de boeck)
言語学をふまえた文法書で、非常に深い本です。たとえば、冠詞なら、その冠詞が今までどのように
説明されていたかを紹介し(この著者はこのように考え、また別の人はこのように説明を提出し等々)、
そうすることによって対象に迫ろうとしています。
この本は研究者や言語学者用と言ってもいいので、難しい本でもあります。
レベルさえ許せば、必ずひもといてみてください。

最後に、larousseが出しているDifficultes de la langue francaiseも手に取られたら非常に便利です。
たとえば、前置詞enとdansはどう違うのか?等々、どっちかな?どうちがうのかな?などの疑問に答えてくれます
(文法事項だけではなく、語彙的にも)。


959何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 23:41:00
>>958
豊富な情報をありがとうございます。じっくり検討させていただきます。
960何語で名無しますか?:2009/09/26(土) 23:58:05
>>958

Parfait !!
俺も 「Code du francais courant」は素晴らしい教本だと思った。
これ一冊で十分というわけではないけど、他所では習えないような
実用的や例や解説が豊富で非常にためになった。オススメ。
961何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 09:21:57
>>958
> 3)Bonnard, Code du francais courant(Magnard)

この本は高校生向けといいながら、とあるブログによると大学の言語学の講義でも挙げられているそうですね。表紙の絵を裏切るような難しさとか……。

ちなみに、>>958さんは、日本語による仏文法書についても、こういった感じのレビューはございますか?
962何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 10:28:25
>>961
日本語による文法書は私には語る資格はありません。日本で習ったことがないからです。
ただ、ある論文を書いたときに、どうしても日本語で書かれた文法書が必要となり、
2から3冊手にしたことがあります。すべてが同じタイプの説明で、全く興味のない物で、
机上の上での空論という印象でした。いわゆる伝統文法の説明方法を踏襲したものでした。
読んだ中に、日本語ではもっとも詳しいという評判があったようですので手にしたのですが、
朝倉云々という人の書いた文法書がありましたが、同様の傾向で、背後にgrevisseの
le bon usageの影を明瞭にかんじました。説明のみならず例文まで同じというのもありましたね。
伝統文法の欠陥については詳細しませんが、そのような姿勢ではなく、新たな姿勢でフランス文法を
書いたのが、前に挙げた、960氏もお勧めになっているbonnardの文法書です。これには前にも
書いた練習帳、練習帳と言ってもかなりのページの本で、暗記だけではだめな問題が数多くなされており、
考えなければならない問題が並んでおり、文法書よりも難しいくらいです。ただ我々にとってありがたいのは
解答本が別に発行されています。またその文法書と対になる、同じ著書によるStylistique の本も
非常に興味深いです。
963何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 10:29:06
>>962
(続き)
彼の文法書を知ったのは、ソルボンヌで言語学を勉強していたとき、そのときの先生がjean perrot
(クセジュ文庫で”言語学”を書かれた先生です)で、その先生が薦められたことがきっかけです。
961さんが、この本の難しさを語っておられますが、本そのものを理解するのは難しくはありません。
平易な言葉で、絵などを利用しながら具体的に(960さんの言われているとおりです)説明されていますから。
ただ新たな観点からのフランス語文法の見直しとも言える本なので、今までのとは説明が違うので、
難しいと感じるかもしれません。頭の柔軟性が必要です。
文字通り難しい本は4に挙げたwilmetの本ですが、研究者必読書でしょう。
様々な文法学者や言語学者の考えを紹介、吟味し、著者自身はguillaume主義
の影響を受けつつ、この本が作成されています。ちなみにこの本は1998年に
賞を取ったようです:Le prix Logos de l'APELPL(Association Europeenne
des Linguistiques et de Professeurs de Langues)。わたし自身は
この賞がどの程度の賞なのかは知りませんが。

964何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 11:52:34
お返事ありがとうございます。

> 2)Grammaire du francais contemporain(larousse)

の文法書も、特徴豊かな本なのでしょうか?
965何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 12:18:58
>>964
もうすでにその本は処分して手元にないので、再確認はとれませんが、
いわゆる描写文法による説明なのですが、前にも書いたとおり、複数人いる
著者の中に、言語学者のChevalierがいますので、言語学からの文法への
発言などが見られます。とりわけ、私が大いに参考にしたのは人称代名詞
の項目で、この項目に関しては、1番わかりやすい説明をしていた文法書という記憶があります。
やはり、持っておかれてもいい本だと思います。この本もやはりperrot教授が
お勧めになっておられました(bonnardのよりも多少弱い形ではありますが)。

文法書としては違うタイプの物を何冊か持っておかれたら便利です。
たとえば、順不同で挙げれば以下の通り:
1)文法説明がリスト、一覧表形式のもので、一目瞭然のもの。練習問題が付いているのが望ましい。
2)伝統文法に則ったもの:larousseのものをこの範疇に入れるのは少々
ためらいますが、ま、この本を挙げときます。それと前に挙げたlarousseのdifficultesの辞書。
後もう一冊、ま、フランス語文法の親分みたいな存在のgrevisse の le bon usage。
色々と用法が列挙してあり、その説明には興味あるものが少ない。
この本を参考にすると、結局どっちでも正しくて、とどのつまり、よくわからんという印象を持つぐらい、
用法に関しては詳しいことは詳しい。
3)bonnard
966何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 13:08:18
ご説明ありがとうございます。

もしソルボンヌの Nouvelle Grammaire du Francais をご覧になったことがあれば、それについてもレビューしていただきたいのですが。

あと、伝統文法は問題があるとのお話ですが、それは言語学の見地からだけではなくて、教授・学習の面から見ても問題があるということでしょうか?
967何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 13:32:58
>>966
> ソルボンヌの Nouvelle Grammaire du Francais
これはソルボンヌの外人のためのフランス語教育の教材でしょうか?
ソルボンヌはパリ大学4でしょうか、それとも3でしょう?
3は教材を出してはいませんでしたので、4でしょうか?
著者名はありますか?出版社は?

> 伝統文法は問題があるとのお話ですが、それは言語学の見地からだけではなくて、教授・学習の面から見ても問題がある
そういうことです。
1)伝統文法には文法作成の方法論がないということです。詳細は込み入りますからここではかけません。
2)それと、私は言語学の成果をフランス語教育に反映させるべきだと考えます。
たとえば、普通文法では現在形は1)現在起こっていることを示す、2)過去のことを示す、
3)未来を示す 4)一般的真理(つまり、過去、現在、未来)とあります。
このように列挙してきて、この説明に何の矛盾も感じない人が多いのは(教えている先生も含め)
なぜでしょうか?現在形は何を示すのでしょうか?現在ですか?未来ですか?等々
ここからわかるのは、つまるところ現在形は何も示していないと言うことです。このような従来の文法の
説明の不備とともに、文法が話すためのものとなっていないと言う不備があります。
従来の文法はたとえば、現在形という形がすでにあり、その意味するところを説明してきました。
その反対の方向の説明がないことです。私はこれこれのことを言いたい、その場合、用いるのは
現在形であろうか、それとも未来形であろうか?現在起こっているなら、現在形という答えが
きこえてきますが、たとえば、扉をノックする人がいて(つまり現在起こっている行為)、
その人が誰であるか私が言うとき、c'est Pierre. とも言えるし、ce sera Pierreとも言えます。
後者の未来形は現在を示しています。この違いはどこから来るのか?
あることを言いたい、そのための形はなにか?この方向での説明が伝統文法では
ほとんどないわけです。つまり、それは話すための文法になっていないということです。

このあたりでやめときます。少々疲れました。
968何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 15:22:55
>>967
なるほど。興味深いですね。

ソルボンヌの文法書というのは、下記のものです。

ttp://www.hachette.com/livre/yvonne-delatour-dominique-jennepin-maylis-leon-dufour-brigitte-teyssier-nouvelle-grammaire-du-francais-184182.html
969何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 15:41:59
>>968
Cours de Civilisation Francaise de la Sorbonneのやつですね。
現物は見たことはありませんが、これはパリ4の外国人向けのフランス語
講座ですね。ここには私は1年ほど習ったことがあります。全くオーソドックス
な教え方で、そこからの文法書(例の”外人向け”)ということであれば、
大体の予想が付きます。いわゆる”普通”のものだろうと思います。
パリ大学3の方が出せば(出しているかどうかは知りません)、
もっとおもしろい教材になっていると思います。
しかし、お使いの本で自分に合っていると思われるのなら、それでもいいんじゃありませんか?
どっちみちその手の教材は1度は通っておく必要があると思いますよ。
970何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 16:35:29
普通ということは、いわゆる伝統文法に則っているということですね。言語学の素人なので、叙述の方法論はよくわからなかったのですが、読みやすいという印象です。

ただ、種々の文法書を収集して眺めるのが好きなので、お勧めになっている Bonnard, Code du francais courant(Magnard) は、是非とも手に入れて、できれば通読したいなと思っております。
971何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 17:24:39
>>970
繰り返しになりますが、一言。
961氏が書かれているように、bonnardのは、内容は非常に充実して、研究者なども
参照してもいいと思うほどですが、一応、高校生向けとあって、
非常に読みやすくできております。字も大きいし。説明もわかりやすいし。
この本なら参考図書としてもいいですが、貴君の言われているように通読してもおもしろく読めます。
読み進むにつれ、”あっ、言語ってのはこういうものなのか、ふーん”と感心する時があると思います。
また、この本を元にしていわゆる文法なるものを1ページづつマスターしたいのなら、
それも可能です。その場合は、練習問題集を購入されればいいと思います(解答は付いてないはずですが、
解答集も売られているはずです)。ただし、この練習問題かなり難しいです。

最後に、言語学の観点から文法を書いた本を1冊紹介します。
クセジュ文庫(que sais-je?)、文法(la grammaire)(日本語訳も出ていたように思います),
著者はPierre Guiraud。
Saussure、構造主義、Chomskyの生成文法などに、おおざっぱですが、触れることができます。
972何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 17:49:10
親切な手引きをいただいてありがとうございます。

仏語によるフランス文法書というと、Le Bon Usage がバイブルの如くいわれておりますが、伝統文法に則っているという点で、あまり評価なさらないのですね?

下手をすると、Le Bon Usage を持っているよりは、日本語による分厚めの文法書を持っていても大差がないということでしょうか。

ちなみに最近、田辺貞之助著「現代フランス文法」(「フランス文法大全」に改題して復刊)という分厚い文法書を手に入れてちびちび読んでおります。
973何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 18:34:13
> 仏語によるフランス文法書というと、Le Bon Usage がバイブルの如くいわれておりますが、伝統文法に則っているという点で、あまり評価なさらないのですね?

私の説明が偏りすぎていたのかもしれませんが、少々誤解を与えたようですね。
le bon usageは、あれはあれで立派な文法書です。
タイプが違うと言うことで、使用者の目的によって使い分けるべきでしょう。
le bon usageは、いわば文法の百科事典のような感じですかね?
ちなみに私はかなり前の旧版を持っていたのですが、20年ぶりぐらいで、
新版(というかかなり版は新しくなっていました、数版ぐらい)に買い換えた次第で、
やはり必要な文法書です。

> 下手をすると、Le Bon Usage を持っているよりは、日本語による分厚めの文法書を持っていても大差がないということでしょうか

これはどうですかね。田辺氏の本は私は知りませんのでよくはわかりませんが、
説明方法は同じようなものかもしれません。
ともあれ、いずれはle bon usageも手にされればいいと思います。
新版を購入すれば、le bon usageのインターネット版も無料で利用できます。

またいずれの日か、一般的な文法書ではなく、個別の文法書、たとえば、冠詞だけとか
フランス語の動詞システムのみとか、あるいはフランス語文法の中ではおそらく冠詞とともに
もっとも難しいだろう過去形のみを扱っている本、そういうタイプの本なども手に取れる日が来るといいですね。
そういう本には、かなり良くできた本があります。
研究すればするほど、ある時点ではかなりフランス語の世界、一つの総合体がが見えてきたと思えても、
それを突き進んでいくと、結局我々の知っていることってのは、ほんと、少ないんだなあと、つくづく感じます。


974何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 20:28:46
お返事ありがとうございます。

辞書のことも伺ってよろしいですか? 手頃なサイズで、かつ、学習者向きの辞書というと「ラルース現代仏仏辞典」と Le Robert Micro ぐらいしかないようですが、レベル・特徴ともに似たり寄ったりと考えてよろしいですか?
975何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 21:26:26
>>974
両方ともレベルは同じで、語彙数も似たり寄ったり、学習者用としては最適でしょう。
ただ両者はかなり違う角度から編纂されています。
私は両方とも処分しましたので、具体的に1つの同じ単語を取り出し、
説明できればいいのですが、それができません。
le robert Microは、ま、”普通の”辞書です。ただし、誤解のないように付け加えれば、
ここの”普通の”には否定的な意味はありません。
ラルース現代仏仏辞典は一時代を築いた辞書で、私なども、学生の頃からその後
ずいぶん長く、お世話になりました。あまり汚くなったので、3度ほど買い換えました。
こちらの方は編者が言語学者のjean Duboisですので、言語学的な観点からの
編纂が特徴です(ついでながら、この言語学者には有名な文法書があります:
La nouvelle grammaire du francais)。
一つの単語にはいくつかの意味があるのが普通ですが、この意味の時には、たとえば、主語が
人、主語が物の時にはこの意味になる、目的語が物の場合はこの意味等々、の説明があり、
le robert microよりも意味の選択がしやすくなっています。こちらの方が学習用には向いていると思います。
ただそういうことは七面倒くさいからどうでもいいと言う方もおられますから、そういうタイプの人には
microの方がいいでしょう。



976何語で名無しますか?:2009/09/27(日) 21:27:59
>>975
(続き)
両方の辞書とも学習用でありますから、文学作品などを読まれる場合は、これでは足りません。
そのためにはpetit robert やlexisが必要となります(grand robertなどが必要となる場合もあります。
robertではこのgrand robertのペーパー版を廃止して、CD-rom版だけにし、ペーパー辞書としては
また新たにLe Dictionnaire culturel en langue francaise を発売しています)。
また、新聞などにはpetit robert やlexis では詳しすぎて、辞書を読むのに手間取り、
これでは新聞を読んでいるのか、辞書を読んでいるのかがわからないので、新聞などの時には
私などはpetit Larousse を使っています。最近、Robert社の方で、このpetit Larousseに
対抗する辞書を出したようです:Dixelです。数ページなら以下のサイトで読めます:
http://www.lerobert.com/
Dixelには発音記号が付いていないので、その点に我々にすれば大きな難点がありますが、
固有名詞と普通名詞とを一緒に扱っており、豊富な写真が付いていますので、見ているだけでも楽しそうな辞書です。

私の投稿はいつも長くなります。失礼しました。
977逝け面お兄さん:2009/09/28(月) 03:26:52
バァさん、本当にフランス語が大好きなんだなw

話に水を差すようで悪いが、俺はフランス語以外に数カ国語、西ヨーロッパ言語をやってるんでわかるんだが、
フランス語は辞書も、文法書の出来も一番ボロクソなんだよね。出版社にやる気が無い。おまけに紙もデザインも手抜きしてる。
辞書は、とくにコンパクト版(PocheとかMicroとかCompactとかね)が酷い。これは、初学者向けに
編纂コンセプトを別立てして新しく辞書作りをしていないことに端を発するのだろう。いかにもフランス人がやりそなことだ。
各国の辞書を読み比べて判明したが、どうやらフランスだけは初学者・中級者向け辞書作成にあたって、辞書編纂者がいわゆる大辞典の
“間引き”をしているようなのだ。こんな風だから、Le Robert Microなどは解説が明らかにパッチワーク風になってしまっている。
だから、大辞典を引かなければ、事実上辞書を引いたことにならないということがフランスの辞書事情の裏常識になっている。
以上の事実だが、Bilingue辞書を見ればさらに確信が深まる。信じられないことだが、フランスの出版社が
出しているBilingue辞書は、数千ページの大辞典と数百ページのポケット辞書(ゴミ)以外に存在しないのだ。
こんなに辞書のバリエーションが貧弱な言語は、西ヨーロッパではフランス以外にはお目にかかれないよ(涙
南欧後進国の辞書(数千ページ)を読んでフランス語の勉強をした方が、よほど分かりやすいんだから(涙

ついでにいうと、フランスの辞書編纂者は、フォントの使い方も全くわかってないね。これで芸術の国とかちゃんちゃらおかしい。
Le Robert Micro、なんだありゃ。目がチカチカして、とても読むに耐えない。フォントを何種類ねじ込めば気が済むのか。
表紙もダセェし。中身も全く変わらないのに表紙だけ毎年毎年、Edition20xxと性懲りも無く刷り直して読者を錯誤に陥れている。
こんなことしてるのはフランスだけだよー(涙 アマゾンfrでも辞書売り切ればっかだね。こんなのfrだけだよー(涙
言語自体はラテン語の直系だけに素晴らしいものではあるが、それを運用する国民性に問題がありすぎるんだよ。
978何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 11:49:18
>>976
辞書のお話、参考になりました。

ところで、根本的なお話になりますが、仏和辞典を使うよりは、我慢して仏仏辞典を使い続けた方がよろしいでしょうか?
英語でも、英和辞典のレベルが高いからそれでいいとか、いや、英英辞典を使った方がいいとか、いろいろ議論があるようです。
979何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 14:37:45
976とは別人だけど……

意味を知るだけなら、仏仏が圧倒的にいいと思う。
特に形容詞や副詞の類、名詞でも抽象的な単語などは
日本語とのニュアンスの違いが大きいので仏和の訳語に頼るのはオススメできない。
仏仏を一読してどうしても分からなければ、そこで仏和を参照するのが一番かな。

ただ、将来的に翻訳・通訳の仕事を視野に入れてる場合は
的確な日本語の表現を学ぶ、という点で仏和にもそれなりの利用価値はあります。
980何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 17:03:22
>>978
私も976氏の意見と同じです。
日本語を介すると、いわば日本語の”あか”がつきます。
これはなにも日本語には限りません。外国語/母国語では
常につきまといます。
たとえば、”酸素”などの場合、日本語とそれに当たるフランス語の単語が意味する
対象は同一の物と言って、差し支えないと思いますが、そういう種類の単語
の場合は、仏和でもいいと思います。しかし、そういう一対一の対応をなす単語は
かなり限られています。つまり、部分的にしか一致しない単語が圧倒的なわけです。
そのような単語を日本語に直して覚えると、日本語にはあるのに、フランスにはない部分
が発生し、それがフランス語の単語に日本語の”あか”として付着します。
以前、クセジュ文庫の”ソヴィエトの地理”というのを日本語訳で読んでいたことがあり、
なんか難しいなあと思い、クセジュだから、一般向けなのにおかしいなあと思って、
フランス語原文を手に入れ読みました。ほんと、明瞭でわかりやすく書かれていました。
翻訳の質の問題もありますが、やはり原文でが基本です。
そして、976氏の言うように、仏仏でわからなければ、仏和を参照、これで
いいと思います。どちら一つとは思わず、2つとも利用しましょう。
仏和辞書に関しては私は詳しくないのですが、他の方の紹介を待ちたいと思いますが、
petit robertの日本語版はかなり良くできていると思います。原書とくらべても、優れていると思うのは、
原書にはない固有名詞が載っており(フランスに関わる人や物だけですが)、そしてそれ以上に
ありがたいのは、それらの固有名詞に発音記号が付いていることです(固有名詞辞書は
いくつかありますが、発音記号はありません)。
固有名詞の発音はなかなか難しい場合があり、そのための辞書を探しているのですが、
なかなか見つかりませんので、語彙数は限られているにしても、これは重宝します。
後1点あるのですが、れいによって長くなりますので、レスを改めます。
981何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 17:22:00
学習者向けの仏仏辞典のことです。
もう1冊あげるのを忘れていました。Le Robert brioです。
これはかなり特徴のある辞書です。それをわかっていただくには
言語学で使われるmonemeの説明が必要となります。
言語学では、単語はその定義が難しいので、一つの単位として
扱いにくいので、その代わり、単語よりもより小さい単位、monemeを
扱うことがあります。
monemeとは意味を担う最小の単位のことです。
たとえば、ひとつの単語etudianteは4つのmonemeで構成されています。
1)etudi(勉強するという行為の1タイプを意味する)
2)ant(行為をする人)
3)e(女性形である)
4)eの後には何もないという記号(形のない記号)(単数であることを示す)
これらmonemeは2つのタイプに分けられます:語彙的な意味のあるmoneme
助気の例ではetudiとant)と文法的な意味をになうmoneme(
e,形のない記号)です。この2つのたいぷのmonemeを区別するため、
言語学では前者をlexemeと呼び、後者をmorphemeと呼んでいます。
Le Robert brioの辞書として斬新なのはそれぞれの単語を、可能であるなら、
lexemeのレベルで説明していることです。興味深い辞書です。
もっともこのような説明はやはりかなり難しい部分があり、それが
この辞書をして、多少未熟な辞書と思わせています。それに相まって、例文が
もう少し豊富であったらと思います。しかし、この方向を全面に打ち出しての
辞書は今までにはありませんでしたから、やはり、貴重な辞書だと思います。
982何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 17:23:20
>>980
> 私も976氏の意見と同じです。

間違えました、979氏でした。失礼!
983何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 20:03:25
>>980
お返事ありがとうございます。Le Robert brio は聞いたことがございます。あまり自分には用がなさそうに思いましたが……。

ところで、ご自身は仏語学習の初期においても仏和辞典をお使いにならなかったのですか? 仏仏辞典だけですと、初期の頃は定義の中に知らない単語が出てくると思うのですが。
984何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 20:43:09
>>983
使っていました。そしてある程度のレベルになってからは仏仏のみです。
ただし、私の場合は、前にも書きましたが、フランス語を習い始めたのは
日本ではなく、フランスでした。
985何語で名無しますか?:2009/09/28(月) 22:08:39
>>984
付け足すと、前にも書いたように、私は979さんの意見に賛成です。
仏仏でわからなければ、仏和を頼ればいいのです。私もそうしていました。
そのときそのときの身丈の合う方法で勉強すればいいのではありませんか?
986何語で名無しますか?:2009/09/29(火) 17:21:30
>>977
Le Robert Micro の poche 版(2008年)しか持っていないが、表紙はそんなにださくないし、一色刷だから目がチカチカすることもないよ。
987何語で名無しますか?:2009/09/29(火) 22:22:58
次スレ
フランス語の話題(マジレスのスレッド)#17
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/gogaku/1254228960/
988何語で名無しますか?:2009/09/30(水) 07:44:25
ロワイヤル仏和しか使っていないけれど、無理して仏仏使う必要はないと思う。
仏和引いて例文読むだけでさらに知らない単語が出てくるし、知らない単語を
調べながら読むだけで精一杯のところに仏語で説明されるよりは、日本語で説明された
方が理解が進む。以前英語勉強していたとき無理に英英使っていたけれど、
その後レベルが上がって背伸びしなくなったらリーダース英和と研究社新英和大辞典に
変えた。形容詞や抽象的な単語を調べるには原語の辞書のほうがいいだろうけれど、
日本語で説明されたほうが一発で理解できる名詞に比べればそんなに数は多くないし、
そもそも読み続けていれば日本語で説明されても理解できるくらい言語感覚も養われてきているはずだ。
989988:2009/09/30(水) 09:08:49
最近覚えた単語で言えば、oieなんてフランス語で説明されてもなかなか理解できない
と思うが、ガン(雁)と言われればすぐ分かる。
990何語で名無しますか?:2009/09/30(水) 09:42:47
>>989
仏和か仏仏かは、基本的には学習者のレベルによる。
oieを知らないレベルなら、仏仏はまだ早いし、選択の余地なく
仏和となる。それはそれでいい。
もっとも、仏和を使うにしても、単語によっては、たとえばoieなどは、
言葉の説明ない絵入り辞典の方がよりいい。
ただし、どの単語が絵入り辞書のいいのか、あるいは仏和の方が
いいのかは、それなりのレベルが必要だから、最初から仏和に
統一せざるを得ない。
991988:2009/09/30(水) 11:07:45
>>990
> 仏和か仏仏かは、基本的には学習者のレベルによる。
> oieを知らないレベルなら、仏仏はまだ早いし、選択の余地なく
> 仏和となる。

はっきり言われると凹むわw
でも雁なんて普通ニュースには出てこないよ。
992何語で名無しますか?:2009/09/30(水) 11:15:25
一般に動植物名を仏仏で調べるのは遠回りなので、oieを知らないから仏仏を使うレベルにないとはいえないと思う。
むしろ、定義の中に出てくる一般的な単語をあまりにも知らないのであれば、仏仏を使うレベルにないといえるのではないか。
993何語で名無しますか?
>>992 に同意。