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名無しさん@3周年:
世界中のどこにでもあるような、とある国の物語。友人と二人でコーヒーを飲みながらおしゃべりをするのを日課にしている男がいた。
ある日、主人公は、その友人が飼い犬を始末したということを聞かされる。その理由は、ただ毛色が緑色じゃなかったからだった。
その国のエスペラント独裁政府は、緑色の犬や猫のほうがより平和で国際生活にもなじむという理由で、緑色以外のペットは飼わないことを
奨励する声明を発表したばかり。主人公は、自分が飼っていた白黒の猫をすでに処分した後であったが、友人がその犬を始末したことに少し
ショックを受けた。
時は流れ、二人は日課をいつも通りつづけていたが、小さな変化が起こっていた。人々は話し方を微妙に変え、エスペラント語以外の言語を
排除する政策に批判的だった新聞は廃刊になった。それでもたいして変わらない日々の生活がつづいた。友人はあたらしく緑色の犬を、
主人公も緑色の猫を飼いはじめた。でもその時には、さらに新しい状況が生まれていた。友人をはじめ、多くの人々の逮捕がはじまった。
そして夜明け前‐ある「緑色の朝」‐主人公の家のドアをノックする音がする・・・。