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水先案名無い人:
981 名74系統 名無し野車庫行 [sage] 2011/11/08(火) 10:05:01.61 ID:6o25Pmrm Be:
始発の駅前バスターミナル。
スターフ確認。発車時刻ヨシ。
行き先セット(□□経由△△行き)ヨシ。
前後のポールから発車するバスとの兼ね合いヨシ(同時刻発車の場合、前ポールのバスより先に付けると、前のバスが苦労するから)。
時間調整場所からバスを動かして、発車時刻の90秒前に発車点に付ける。
始発釦を押して、『お待たせしました。□□経由△△行きです』、と車外にマイクで案内をしながらドア(俺のとこは後扉乗り)を開ける。
待ちかねたように、列を作っていた客が乗り込んでくる。今日は順調だ。
ところが、一人の爺が運転席に歩み寄ると、強い口調で、
『運転手!行き先が出てないぞ!』、と叫ぶ。
それは大事だ。車内の客に断って、車外に飛び出て確認すると、前も後ろも、横の経由地表示もLEDは正常に出ている。
『お客様が乗られたときは、表示が出ていなかったのですか?』、と爺に確かめると、
『うんにゃ!俺は○○に行きてえんだけんど、○○行きって出てねーんだ』
全身の力が抜け、俺は倒れそうになったが、気丈にも堪えて爺に言う。
『○○行きは後ろのバスです。これは△△行きです』、と説明して、前ドアを開けて、爺を降ろす。
爺が後ろのバスの方に歩いていったのを確かめて、安心してミラーを見ていると、爺は後ろのバスではなく、再び後扉から乗ってきて叫ぶ。
『運転手!行き先が出てないぞ!』
昨日、俺が実際に経験した話。