インペリアルクロスという陣形のガイドライン16

●月●日

散歩をしていたら人間を見かけた、こっそり後をついていく
特においしそうでもまずそうでも・・お腹が空いてたら食べるかも
前を歩く人間は私に気がついているようだけど逃げる素振りも見せず
時々私を盗み見るように笑いをこらえていた

しばらく歩いていたら、後ろからもう一人人間がやってきた
顔を伏せ黙ったまま上目づかいでニヤニヤと私を見てる
前を歩く人間と同じぐらい・・お腹が空いてて一人で足りない場合におかわり

またしばらく歩いてたら右の脇道からもう一人人間が出てきて私の横に並んだ
またニヤニヤしてる・・こうも警戒心が無いと食欲も沸かない

そのあとすぐに今度は左の脇道から人間がもう一人。こいつは私の左に並ぶ
にっこりとインペリなんとかとかつぶやいた。スペルカードの一種だろうか
そういえばそんな名前の高いお酒があるって訊いたことがある
どんなにおいしそうでも食べきれない料理を目の前にすると食欲がなくなる・・あの感覚

気がついたら囲まれてる！まさかこの人間たちは新手の妖怪ハンター！？
さらにどこからかもう一人人間が。俺の場所がどことか他の４人に声をかけた
しまった・・最初の４人は囮でこいつがハンターなのかー

弾幕戦を覚悟したけど・・その５人目は４人の間に入り込んだ
いつの間にか私が追い出された。なんで？

「よいか、じぇらーるわれわれは・・」
私の代わりに真ん中に入った人間は何やら演説をはじめた
そんな名前のデザートがあったかもしれない。さっきのお酒との組み合わせに興味がある

「さあ、共に歩んでいこう・・」
一番後ろにいた人間がつぶやくと、演説をしている人間以外はそのまま進んでいった
演説してる人間は置いてけぼり

演説が終わるとその人間は私に手を差し伸べ共に行こうと言った
なにこれ？新手の勧誘？赤青巫女のどちらの手先？それともあの寺のまわしもの？
食うよ？

すぐにさっきの４人が戻ってきて目の前で演説人間を殴り始めた
演説人間は「パリイパリイ」と叫びながらボコボコにされて引きずられていった
仏蘭西料理が食べたくなった

人間の不思議さを垣間見た一日だった。