ゆっくりしていってね!!!のガイドライン ★79

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28水先案名無い人
おおゆっくり、俺はどうして黒ゆっくりなの、なんて嘆き続けるだけでは芸がないしな。

 さて、話を戻そうか。
 ある母親がいた。特に何の変哲もない家庭を築いていたんだが、強いて言うと子供が生まれつき障害を持っていたのが特徴と言えば特徴かな。知的障害だ。
 どれくらいの障害かと言っても、軽度なのか重度なのか基準がよくわからないな。具体的には、発する言葉が「あー」とか「うー」とか意味不明のものだったり、
よくかんしゃくを起こして辺りの物をヒッチャカメッチャカにしたりとか。ああ、あと漏らしてしまった大便を団子にして投げて遊んでたってこともあったらしい。そんな程度だ。
 母親と父親は人一倍、いや十倍はその子に手間を掛けた。手間を愛情と言い換えられるなら、それはそれは愛にあふれた家庭だったろうな。
けれど、父親の方はある日家を出てしまった。
 何でだろうね。愛を注ぎすぎて尽きてしまったのか、それとも始めから愛なんてなかったのか。母親がかんしゃくを起こして父親に当たるのが頻繁になった……これは原因に入るかな?
 仕方ないことだと思うのだがね。子供にストレスをぶつけるわけにはいかないし、ましてやご近所の皆さんに怒りをまき散らすにもいかない。
たまった鬱憤を受け止めてくれるのは愛する夫しかいないというわけだ。
 けれど、その父親がいなくなってしまった。さて、彼女はどうなるだろう。自分の子供は常にストレスを渡し続けてくる。バケツリレーに自分の次がいない。どんどんバケツは増えてくる。
どんどん、どんどん。積み上げられたバケツが瓦解して、圧死するのは時間の問題。と、その時だ。
 家の中にゆっくりが迷い込んできたんだな。