『クワースナ・アキナース』という小説が在る。 世界中で大ヒットした名作だ。
妻に秋茄子を食わせるなと姑に言いつけられた主人公は、
八百屋で茄子を買い占め、 片田舎のクナース・ワース冷蔵庫に保存する。
結局茄子は27年の後嫁に食われる訳だが、 其れまでの間に様々な茄子料理と出会う。
揚げびたしに焼き茄子、麻婆茄子と色々だが、 その内の一人の茄子料理。
そのおいしそうなレシピこそ、 私の興味を引き付けて止まない。
その茄子は、薄く衣を纏わせ、 軽く油で揚げるだけの料理だった。
皿にあけられぶっかけられたのは、甘いてんつゆ。
其れをごはんにのっける。だが、すぐには食べない。
つゆが衣とごはんにしみた頃を見計らって。"てんつゆ"は"茄子"にうまみを与えたのだ。
やはり最高じゃないのか。其れとも逆にうますぎてまずいというのか。
まあ要するに、私が言いたいのはこういう事だ。
秋茄子は食われた。