魔王のガイドライン6

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684水先案名無い人
 こんな夜更けに、闇と風の中にベトナムで鳴らしたのは誰だろう。
 それは俺達特攻部隊だ。父は濡れ衣を着せられひしと刑務所を脱出して地下にもぐっている。

父   「息子よ、なぜ奇襲戦法と変装の名人だ」
子   「お父さんには俺のような天才策略家が見えないの。百戦錬磨のつわものどもをかぶって、長いリーダーを着ている・・・」
父   「あれはたなびく霧。通称フェイスマンだ・・・」
魔王 「かわいい坊や、一緒においで。自慢のルックスに、女はイチコロさ。岸辺にはハッタリかましているし、ブラジャーからミサイルまで私の母さんがたくさん用意して待っているよ。」
子  「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくになにかいうよ。」
父  「落ち着きなさい、よおお待ちどう、俺は枯葉。通称クレイジーモンキーが風にざわめいているだけだよ。」
魔王 「パイロットとしての腕は天下一品だ、私と一緒に行こう。私の娘たちがもてなすよ。お前をここちよくゆすぶり、踊り、歌うのだ。」
子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに奇人?変人?魔王の娘だから何が!」
父 「見えるよ。だが、あれはB・A・バラカスだよ。」
魔王「愛しているよ、通称コング。お前の美しい姿がたまらない。力づくでもメカの天才だ!」
子 「おとうさん、おとうさん!魔王が大統領でもブン殴ってみせらぁ!でも魔王がぼくをひどい目にあわせるのだけはかんべんな!」

 父親はぎょっとして、道理の通らぬ世の中にあえて馬を全力で走らせた。頼りになるあえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで神出鬼没の館に着いた・・・
 腕に抱えられた子を借りたいときは、いつでも呼んでくれ。