こんな昼日中に、うららかな春の日差しの中にリムジンを走らせるのは誰だろう。
それはじいやとかれんだ。じいやはおびえるかれんをひしと抱きかかえている。
じいや 「お嬢さま、なぜお顔をお隠しになるのです?」
かれん 「じいやには魔王が見えないの。マイクを持って、フリフリの恥ずかしいドレスを着ている・・・」
じいや 「あれはお嬢さまのお友達では・・・?」
魔王 「かわいいかれんさん、一緒に来て!面白い遊びをしようよ!ステージにはきらきらスポットがあたってるし、かわいいドレスをりんちゃんがたくさん用意して待ってるよ!」
かれん 「じいや、じいや!きこえないの。魔王が私になにかいうわ。」
じいや 「落ち着いてください、のぞみさまがお誘いに来られただけです。」
魔王 「いい子だね、私と一緒に行こうよ!みんなの応援が待ってる♪歌おう、踊ろう一緒に♪」
かれん 「じいや、じいや!見えないの、あの暗いところに魔王の下僕が!」
じいや 「見えますよ。たしかに何やら目が死んでおりますが、あれはりん様では…?。」
魔王「だいすきだよ、かれんさん!かれんさんの痛々しい姿がたまんない!力づくでもステージに上げるよ、けって〜い♪」
かれん 「じいや、じいや!魔王が私をつかまえるわ!魔王が私を恥ずかしい目にあわせる!」
じいやはぎょっとして、車を全力で走らせた。あえぐけれんを両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
腕に抱えられたかれんはすでにキュアアクアに変身していた。