24 :
水先案名無い人:
赤リン「黄リン!」
黄リン「…うそ!?」
赤リン「驚いた? ウフフ…驚くに決まってるわね あんなことがあったのだから」
黄リン「どうして…」
赤リン「私、やっぱり有用な物質だったの 科学者達が認めてくれた
見て! マッチ棒もここに!」
黄リン「そんな…そんなこと」
赤リン「今度こそ胸を張って言えるわ 私は赤リン、元素記号Pの非金属元素 よろしくね黄リン♪」
黄リン「うそよ、あなたが私と同じ元素だなんて…そんなこと」
赤リン「どうして?」
黄リン「だってあなたは二硫化炭素に溶けないじゃない… 粉状で巨大結晶を持たない物質…
リンは究極の発火剤を目指して存在している物質、あなたは…私たちとは違う」
赤リン「…やっぱりそうなの 私のこと、ずっとそう思っていたんでしょう
自分より劣るかわいそうな物質だと 」
黄リン「それは…」
赤リン「五酸化二リンにして乾燥剤に使ったのも それで水と反応させてくれたことも
私を役に立たない物質とみなしていただけ 自然発火できない物質と蔑んでいたんでしょう」
黄リン「違う…」
赤リン「自分が上だと…自分は火に愛されていると
そう思って私を笑っていただけなんでしょう」
黄リン「それは違うわ… 違う… 私は…」
赤リン「うるさい! …嫌な同素体。少しばかり違う形でうまれただけなのに
たまたま特殊な性質を持っていただけなのに…
私の存在なんて、あなたにとっては自分との比較対照にすぎなかった 」
黄リン「違うわ! 私はせめて、リン酸になってDNAと幸せに暮らせるようにと思って…」
赤リン「それが私を馬鹿にしているといっているのよ!
私を単体のリンとして認めてくれてなかった!」
黄リン「…だってあなたは!」
赤リン「あなたみたいな物質が 人の役に立てるわけがない!
役に立つのは…私 誰よりも用途が広いこの私…
みんなに分かってなって幅広く使われてもらうの… 私を必要としてもらうの…」
25 :
水先案名無い人:2007/06/09(土) 13:15:36 ID:IN05zpLDO
(赤リン、黄リンを突き飛ばしてズボンのポケットに黄リンを入れる)
黄リン「? …あっ!」
赤リン「あなただけが人間の役に立っていた?」
黄リン「出して!」
赤リン「化合され 燃焼され 人間たちに使われてる?
そんな幻想…打ち砕いてあげる! 人間たちが愛してるのは…」
(黄リン、ポケットの中で布地とこすり合う)
黄リン「やめて!!」
赤リン「本当に愛してるのは… 私よ!!」
(黄リンが自然発火し、ズボンも足も重度の火傷を負う)
黄リン「ああぁ! ああぁぁぁぁぁ!! 本当は水に入れなければならないのに…
黄リンの使用上の注意にもそう書かれていたのに… ああぁぁ…」
赤リン「ウフフフフフ アハハハハハハハ!」
黄リン「どうして…どうして……… 結晶を持たないくせに…」
赤リン「……なんですって?」
黄リン「分子式PXの… 網目状構造のくせに」
赤リン「!」
黄リン「不定型物質!!」
赤リン「!!うおおおお!!! 黄リンぅ!!」
(ライターを付ける音)
プロパン「何事にも潮時はあるというもの……」
黄リン「プロパン!」
プロパン「炭化水素・アルコールが発火材料の主流となり、赤リンマッチも徐々に衰退
この時代でのリンによる燃料の使用は終了しました。
お楽しみは次の時代に…」
赤リン「何を言っているの? うっ!」
(二人が水を吸着する)
赤リン「黄リン!!」
黄リン「くっ…」
26 :
水先案名無い人:2007/06/09(土) 15:32:06 ID:62Mo/4tg0
危険物取扱者乙。