28 :
水先案名無い人:
デュエルの舞台でも、ちょっとヒヤッとしたことがあったわい。
ある日の昼下がり。わしは1人で海馬コーポレーションに乗りこみ、
社長の向かいの、いわゆる“決闘舞台”に座っていたのじゃ。
場内は空いていて、ポツリポツリと人が座っている程度だ。
それは、ブルーアイズを引いたターンにやってきた。私は彼の前で、
「『青眼の白龍』カードを引いた このカードを場に出せば勝負は決まる!」
と言ったのじゃ。
か、か、勝ったかも……!
なにせブルーアイズは最強。ジャッジマンどころかブラックマジシャンにだって勝てるのじゃ。
投了を求めなきゃ。でもどうやって。「続けるのかのう?」? いや、やっぱり「GG(Good Game)」 か。
そのときだった。社長が「ワハハハハ」と笑いおった。
なんと社長は、手札から堂々とした感じで手を伸ばし、
これまた「ならば…オレは その前にこのカードを場に出そう」と言って、召喚してきたのじゃ。
そして、「次のターンでさらに…」、「さらにもう一枚!」と言ってどんどん召喚してきたのじゃ。
「え、わしのターンなのに?」
ええい、こしゃくな。社長めがっ。
……と憤るべきところじゃったが、このときばかりは腰が抜けたというか何というか、
「えええええええええ」という気分じゃった。次のターンで、わしのブルーアイズは破かれた。
いつ決まったルールかは分からず終いじゃったけど……「ずっと俺のターン!!」って世界共通なんじゃろうか?
たしかにああいう思いをするなら、相手のターンの間に召喚したほうが、なんぼかマシじゃったかも。
いやいや、もちろん、普通に自分のターンで召喚するのが一番なのじゃが。